◆7番(
佐藤安子君) それでは、2点目に
父親育児支援についてお伺いいたします。 近年、家庭における父親の役割について「
イクメン」に代表されるように大変関心が高まっています。「
イクメン」とは積極的に育児を行う男性のことで、主体的に子育てを行い、楽しみ、そしてママと子供と一緒に家庭をつくっていくという覚悟と責任のある父親のことだと定義づけている人もいます。しかし、日本の男性の多くは仕事が忙しく、育児に時間がとれない状況にあり、出勤し一日の仕事を終えて帰宅しても子供の寝顔を見るだけ、週末になり子供と接する時間がとれても、どう接してよいかわからない、遊ばせ方がわからないなど、特に乳幼児期の父親は、おしめのかえ方やあやし方などどうしたらよいかわからないのが現状のようです。 子育ては母親にお任せといった状況の中で、子育てにおける父親の存在は軽視されてきましたが、父親の育児への
かかわりは、家庭にとっても社会にとっても5つのメリットがあるという資料がありましたので引用させていただきます。 1、子供にとっては多様な価値観を得られる、2、母親にとっては育児不安から解消される、3、父親にとっては生きている意味を確認できる、4、企業にとっては効率化と
メンタルヘルス対策になる、5、社会にとっては
少子化対策と豊かな社会の実現ができる、実に父親の
育児参加はいいことだらけです。 父親が親としての本来の力が発揮できるようにするために、父親としての子育てについての正しい知識や理解、価値観を得られるように父親を支えること、また、仕事や生活、家庭、地域とのよい
かかわりができるようにワーク・ライフ・
バランスを意識した生活者となれるようにすることは、これからの町の重要な
取り組みになるはずです。
父親支援は行政にとってもさまざまな課題の解決へつながります。
地方創生の中にも
子育て世代への
環境整備は重要課題です。父親が母親の子育ての
補助的役割という位置づけでの
子育て参加ではなく、父親の役割として育児にどういう内容で参加するかなど、父親の子育てを支える
環境づくりとして、
父親育児支援について執行部の考えをお聞かせください。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。
福祉推進課長、
松浦信幸君。
◎
福祉推進課長(
松浦信幸君) 父親の
育児支援についてお答えさせていただきます。 平成24年8月に制定された子ども・
子育て支援法により、各市区町村における
子育て支援策はさらに充実していくところでありますが、その
基本理念の中に子ども・
子育て支援は父母、その他の保護者が子育てについての
第一義的責任を有すると規定されており、その後に市町村の責務が規定されております。それゆえ、まずは家庭が第一ですよということを啓蒙していくことと、あわせて多くの
子育て情報を提供していく必要があると考えております。 本定例会の
補正予算案の中でも説明させていただきましたが、ウエブサイトやスマホなどで町の
情報発信を行うための
システム導入を行い、一般の方々には難しい子ども・
子育て支援新制度をわかりやすく整理して提供するとともに、多くの
子育て情報を提供していきたいと考えております。今までも
子ども未来創造館を中心に
各種事業、
イベントを展開しておりましたが、土日、祭日に開催されている多くの
イベントには、もちろん母と子だけの参加もありましたが、両親と子、祖父母と孫の参加も大勢ありました。今後は父親の参加における特典をふやしていくとともに、父と子だけの
イベントや事業の開催も検討していきたいと考えています。 また、
男女共同参画の点から、町では男性の
育児休暇--これは長期間の
育児休業ではありません--の取得者をふやすための
取り組みを進める予定となっています。以前、
子育てサークルの会合で、夫婦間で特に夫に対して子育てで何をしてもらいたいかという話をしたことがあります。その中で、例えば掃除の間、子供と遊んでもらいたいとか、交代で家事をやってもらいたいとか、子供のしつけだけをやってもらいたいとか、各家庭によって夫に対する要望はさまざまでした。母親の育児不安は夫婦間の
コミュニケーション不足が大きな原因だと思います。スマホの手を休めて1日1回は夫婦で会話をするという習慣を身につけるよう、さまざまな場で啓蒙していきたいと考えます。 また、
イベントについても魅力ある内容にしていくことで父親の参加も図れると思います。父親の
育児支援は、まずその家庭の経済的安定があってこそ成り立つものだと思います。その点につきましては、
地方版総合戦略策定の中で検討していきたい大きな課題だと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 7番、
佐藤安子君。
◆7番(
佐藤安子君) ぜひ一番基本のとこなんですけれども、父親としての子育てについての正しい知識や理解、価値観、これをぜひいろんな角度から発信をしていただきたいと思います。 子供を育てる育児とは自分自身が育つ育児とも言われています。育児に多くの時間を費やしている母親と同様に、子育てにかかわる時間を持つことにより、父親も人間的に成長できるものだと思います。父親の出番は子供が大きくなってからという考えもありますが、幼いころからかかわっている父親のほうが、思春期で難しい年齢となる中学生の子供との関係がよいそうです。 そこで、
健康増進課長にお伺いしますが、町では乳幼児健診が行われています。ほとんどの健診は
母親参加のみだと思いますけれども、ぜひ父親も我が子の成長を母親と一緒に確認するというような
父親参加を呼びかけていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○議長(
渡辺元春君)
健康増進課長、
渡辺喜正君。
◎
健康増進課長(
渡辺喜正君) お答えいたします。 乳児健診へ父親の参加をというご質問ですけれども、
佐藤議員ご指摘のとおり、
子育て支援の最大のポイントを考えると、男性が育児にどれほどかかわるかにかかっていると認識しております。従来、町では妊産婦とその家族に対しまして、妊娠、出産、育児についての正しい知識の普及のために開催している両親学級には、父親の方にもご参加をいただいているところでございます。乳児健診時にも積極的に父親に参加をいただくべきであるとのご指摘でございますけれども、対象のご家庭には年度当初に各種健診、及び学級の年間予定を配布しており、さらに乳児健診時には健診の1週間前に通知を送付しているところですが、今後は通知の中に父親の
積極的育児参加を促す内容として通知をしていくことを実施していきたいと考えます。 以上です。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問ありますか。 7番、
佐藤安子君。
◆7番(
佐藤安子君) それでは、町長にお伺いしたいと思います。
地方版総合戦略には若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるという
基本目標がありますが、主な施策の一つにワーク・ライフ・
バランスの実現が挙げられています。ワーク・ライフ・
バランスというと男性の
育児休業取得率向上が数値的には目標として出しやすいものですが、先ほど課長のほうからも取り組んでいきたいというお話もありました。しかし、今回、私が
父親育児支援を行政で取り組むべきだと訴えている背景には、
男女共同参画社会実現を目指す上でも、男性も女性も一緒に子育てを楽しんでほしいという願いがあるからです。
男女共同参画の視点から、これからワーク・ライフ・
バランスは最重要となります。特に父親が子供の育児にかかわる施策をどうつくっていくかというのが町でも重要となると思いますが、町長の考えを伺います。
○議長(
渡辺元春君) 町長、
渡辺凱保君。
◎町長(
渡辺凱保君)
子育て世代の男性ですけれども、長時間労働が多く、
育児休業や
年次休暇の取得率が低いことや、また、男女の固定的な家事、育児の
役割分担意識の存在が、女性に対するハラスメントや
育児負担を大きくさせている、そういった現状は十分認識しているところでございます。
男女共同参画推進の観点から、仕事と生活の調和の実現を図るとともに、あらゆる側面において男女間の格差を是正するとともに、仕事と家庭が両立できる働き方を実現し、子育てや介護に関する環境を改善することが必要であると考えております。 今後、さらに深く掘り下げてまいりたいと思います。
○議長(
渡辺元春君) 最後の質問になります。
子供たちへの
がん教育についてを質問してください。
◆7番(
佐藤安子君) それでは、最後の質問、
子供たちへの
がん教育についてお伺いします。
厚生労働省では、「がん」は1981年(昭和56年)より死因の第1位であり、2010年(平成22年)には年間約35万人が亡くなり、生涯のうち国民の約2人に1人ががんにかかり、3人に1人が死亡すると推計しています。
日本最大の国民病とも言われる「がん」について、国は
がん検診受診率50%以上の早期実現を目指していて、その達成は「がん」に対する正しい知識が広まれば可能であると見ています。平成24年6月、新たに策定された「
がん対策推進基本計画」に「
がん教育」の推進が盛り込まれたため、「がん」の予防や治療に対する正しい知識を
子供たちに教える
取り組みが全国で広がりつつあります。 「がんに関する教育」の先進的な
取り組みを行っている教育委員会では小・中学校で健康教育の一環として独自の
がん教育プログラムを開発し、小学6年生、中学3年生を対象に、保健体育の授業の中で年に1コマ以上実施されているようです。その結果、子供が両親にがん検診の必要性を訴え、がん検診の受診率が上昇したとも聞いています。山梨県内でも山梨がんアクション協会による学校への出前講座が行われていて、がん患者からの体験談を聞いていただくことで、がんという病気を身近に感じ、
子供たちには、もしも身近な人でがんになっている人たちがいたら、自分に何ができるか考える機会を与えていて「命の教育」にもつながっているそうです。 「がんの予防」や「定期的な検診によるがんの早期発見・早期治療」の有効性については、基本的生活習慣が身につく子供の時期に学習することが大切です。
がん教育は将来のある
子供たちのためでもあり、
子供たちの両親が、がんが発症しやすい年代でもあるので、町民の健康を守る観点から、
子供たちへの「がんに関する教育」は重要であると思いますが、どのように認識されているのでしょうか、今後取り組む考えはあるかお伺いいたします。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。 教育長、
梶原正孝君。
◎教育長(
梶原正孝君) ただいまの議員の
がん教育にかかわるご質問にお答えします。 ご指摘のとおり、がんに対する正しい知識の広まりによって、
がん検診受診率を向上させ、死亡原因の1位のがんによって亡くなる人を減らすことを目指し、国においては平成24年の
がん対策推進基本法を制定し、
子供たちにも
がん教育の推進を図っております。 本県においても、同年山梨県がん対策推進条例が策定され、福祉保健部健康増進課が中心になり、学校を含む関係機関が連携し、がん対策を総合的、計画的に推進しようとしています。それらを受けて、学校でも学習のためのパンフレット、それから、リーフレットなども県やさまざまな団体から配布をされております。また、県の教育委員会からも、各学校において
がん教育を推進するようにとの指導もありました。さらに、県内で先進的に
がん教育を進めている小・中・高等学校の養護教諭、保健主事を講師とした研修会も開催されたと聞いております。
がん教育に関する教育委員会の認識をお尋ねですが、小・中学校ではさまざまな病気の予防や望ましい生活習慣に関して学習を進めることになっています。その中で死亡原因の1位を占めるがんに対する
子供たちの時代からの教育は大変重要だと思っています。近年の
子供たちの学習内容の増加もあり、学校での指導の時間を確保することには厳しいところもございますが、
がん教育については、この学習を通じて自分の健康や家族の健康、命の大切さを見詰めていく人間を育てることになるのではないかと大きな教育効果を期待しています。 大人のがんに対する関心がいま一つ不足し、受診率も向上しない現状もあるとお聞きしております。
子供たちの学習が保護者の関心をも高めるのではないかという効果も期待をしております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 7番、
佐藤安子君。
◆7番(
佐藤安子君) 国や県やさまざまな角度からパンフレット等いろいろ配布されているようですけれども、具体的に町内で何らかの教育が取り組まれている状況がありましたら、現状をちょっと報告していただきたいと思いますし、また、とにかく町内小・中学校全体でこの
がん教育の
取り組み、広まっていただきたいと思っておりますけれども、今具体的に事例があったらお伺いしたいと思います。
○議長(
渡辺元春君) 教育長、
梶原正孝君。
◎教育長(
梶原正孝君) 今ご指摘がありましたように、町内の学校での
取り組みの現状でございます。 町内の学校では、その取り扱いの差はありましても、全ての学校で取り上げております。取り上げ方がさまざまであるようには確かに感じております。現在、事例を挙げますと、養護教諭が学級活動の中でパンフレットやDVDを使って指導をしている中学校がございます。また、小学校ではがんがいわゆる次第に重くなっていくという、いわゆるだんだん病と言われる病気の一つであることから、保健学習の生活習慣病の予防という単元がございますが、その中でがんを取り上げているという報告を受けております。 保健指導としては養護教諭の指導、学級指導としての担任による指導など形はさまざまで、学校規模、それから発達段階もありますので、一概にどのような方法がいいかということは言えませんけれども、大切なことは計画的に指導していくことだろうと思います。幸いにこの地域には先生方の研究組織があり、学校ごとの横のつながりによって質の高い指導、研究をしてくださっております。1年ごとの学習の積み重ねが定着につながると思いますので、学校には計画的な指導の充実を期待してまいりたいと思っております。 以上、答弁です。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問ありますか。 7番、
佐藤安子君。
◆7番(
佐藤安子君) 現在開催されている通常国会の衆議院
予算委員会で、子供の
がん教育の重要性が取り上げられ、下村文部科学大臣も専門的な知識を有する医師やがん経験者の活用が、児童・生徒の心に響く授業を行う上で効果的だと思う。そして、必要な経費も措置していると答弁をしていました。国も本腰を今入れ始めています。
富士河口湖町教育委員会として、このような機会をしっかり捉えて、小学校は先生方が熱意を持ってがんの予防の大切さを教えることでいいと思いますけれども、中学校はぜひ医師やがん経験者などを活用して、
がん教育を充実させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) 教育長、
梶原正孝君。
◎教育長(
梶原正孝君) お答えさせていただきます。 ご指摘のような外部人材による指導は、近年の学校ではさまざまな場面で行われております。お話しのような外部人材の活用については、この
がん教育の場面でも十分に一つの方法として使えるのではないかというふうには思っております。 また、いろんな目的を考えますと、参観日に保護者に授業の様子を見ていただくなどということも、そういう場面を設定することも一つの考慮かなというふうなことを思います。いずれにしましても、どのような方法を用いれば効果的に学習の目的を果たせるのかということを、その学習の方法を組み立てるのは学校の最も大切な役割でございますので、専門職である先生方にこの学習の方法を一生懸命考えていただいて、質の高い授業を行っていただくように求めていきたいというふうに思っております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 以上で、7番、
佐藤安子君の
一般質問を終わります。
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△山下利夫君
○議長(
渡辺元春君) 続きまして、6番、山下利夫君の発言を許可します。 6番、山下利夫君。 最初の質問、ステラシアターの管理運営は町民の立場で検討を質問してください。 〔6番 山下利夫君 登壇〕
◆6番(山下利夫君) 日本共産党の山下利夫です。議長の許可を受けましたので
一般質問を行いたいと思います。 昨年3月議会の条例改正で、ステラシアターなどの運営形態を町直営でも指定管理でも、どちらでも可能にする条例改正が行われました。ステラシアターの運営形態をどうするかを考える上で大事なことは、経営面だけでなく、町民の文化振興を図るという施設の目的に照らしたどうかという視点で考えるべきだと考えます。 ステラシアターは富士山河口湖音楽祭を初めとして、学生のジャズコンサートや合唱祭など、町民の文化振興や教育に重要な役割を果たしています。 しかし、一方で、文化振興の目的と照らせば、町が主催や後援、または町職員がかかわって実施することがふさわしいのか検討が必要な
イベントも見受けられます。また、町民の税金も使って運営しているにもかかわらず、町民優先の特典も少ないと感じています。 今、何より必要なことは事業内容の精査を行い、町でやるべき事業と優先度の低い事業の区分けをすることではないでしょうか。その上で、町がやるべき事業は町が責任を持って実施すべきであり、優先度の低い事業は廃止や縮小も含めて検討すべきだと思います。 また、ステラシアターの
イベント実施には、たくさんのサポーターの方がボランティアとしてかかわって運営されています。このことは町民の文化向上にとって重要であり、同時に、経営面も大きく支えていると思います。こうした町民参加のスタイルは継続されるのか、不安の声もあります。 運営形態の検討の前に、今述べた2点をどのようにするのか、町の考えを明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。 町長、
渡辺凱保君。 〔町長
渡辺凱保君 登壇〕
◎町長(
渡辺凱保君) ステラシアターの管理運営は町民の立場で検討をということでございます。お答えをさせていただきます。 まず、事業内容の精査の必要につきましては、町民の皆様が真に望んでいる文化、芸術鑑賞とは何なのかを十分考察していくべきだと思っております。その中で昨日の
一般質問でもお答えしたように、富士山河口湖音楽祭や学生によるコンサート、合唱祭などは町民主体の文化振興や情操教育を育む上で大変意義ある
イベントだと認識しております。また、継続すべきであると考えております。 一方で、
イベントにつきましては、今後の運営形態の動向もあわせて多くの方々の意見も踏まえて検討してまいりたいと考えております。 また、サポータズクラブを中心とした多くのボランティアの皆様には、長年町民の文化向上のためにステラシアターの運営にご尽力を賜り、心から感謝と敬意を表しているところでございます。私もステラシアターへ行くたびに、真っ先に皆様方にお会いするのはサポータズクラブの皆様に感謝の心を伝えているという行動をしているところでございます。 今後、運営形態が変動したとしても、ステラシアターは町民のものであり、また、町民の文化振興の拠点であるという意識を持っていただき、従来どおり末永く町民の皆様のご協力をいただきたいと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 文化振興にとって大事なものは継続していくと、また、多くの方の意見を聞いて事業の精査を行っていくという答弁だったと思いますが、この精査という点で、もう少し詳しく聞いていきたいと思います。 私は大前提として、町民の文化振興や教育のための投資であるなら経費がかかっても実施してほしいと。町民の文化振興や
子供たちの教育に意義があるものにおいてはお金を惜しむべきではないと、費用対効果を考えるべきでないと、この考え方については町と共通していると思っています。 しかし、音楽祭を除くステラシアターの
イベント実行委員会がありますが、この中で現在行われている
イベントの中には、町民の文化振興や教育的意義という点では優先度の低い、いわゆる集客を目的とした有名なアーティストを迎えての
イベントもあります。そのお客様の多くは町外、県外からのお客様となっています。町内の人が申し込んでもなかなかチケットがとれないという状況もあります。 これらの
イベントについては、観光振興とか町の活性化とか施設のアピールなどの意義は承知していますけれども、こういう事業の場合は、費用対効果という点での検証が必要だというふうに思います。2013年度の決算によれば、ステラシアターの
イベント実行委員会の収支は、ほぼ補助金なしでプラス・マイナス・ゼロとなっていますが、よく中身を見ていくと厳しい会計となっているということがわかると思います。
イベント実行委員会の事業収入、これがコンサートのチケット収入ですが、これが約875万円と、そこから出演者側に戻すお金が798万円と。ですから、実行委員会に入る収入が76万円しかないという状況です。このほかに会費120万などの収入を含めても、実質的な収入は200万円ほどしかないという状況です。 一方で、事業にかかっている支出は約900万円となっています。実際にはありがたいことに747万円の企業からの協賛金をいただいていまして、収支は黒字になっています。しかし、ここには人件費が含まれていません。
イベント実施には職員やボランティアさんの献身的な努力で行われています。しかも職員数も繁忙期の臨時含めても、恐らく6、7人ほどだと思うんですが、専門家の方の話によれば、これほどの規模の施設であれば10人ほどの常駐スタッフがいるのが通常であると、こういうことも聞きましたが、実際に職員の勤務も超過勤務と大変な状況となっています。こうした人件費も考慮すれば相当な財政投資を行っている事業となっています。 再質問ですが、なぜ、これほど実行委員会への収入は少なくなってしまっているのか、一つ。それから、かなりの人的にも財政的にも投資しているのに対して、集客目的の事業であるにもかかわらず、収入が少ないという状況もありますが、費用対効果はどれほどなのか、これは検証していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) 再質問に対して答弁を求めます。
文化振興局長。
◎
文化振興局長(
小林賢治君) お答えいたします。 約3,000人収容できる河口湖ステラシアターの規模からいいますと、チケット収入ということで上げるには、チケットを売り切るという興行リスクを伴うことになります。そこで今のやり方は、そのリスクヘッジを音楽事務所に持っていただき、そのかわりに町で最低限保障するという方法でコンサートを行っております。協賛金を除いた実質的な収入としては、ステラシアターで売り上げたチケットの10%が収入となっていますが、ある面、興行リスクで少なくなるということも一理あります。 次に、費用対効果についてですが、地域住民を対象とした芸術文化の振興という観点を除いては明確なものがないため、今後は指定管理導入も視野に入れての検証は必要であると感じております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問はありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) リスクを軽減すると、今のお話も聞いているんですが、かなりやっぱり集客目的でやっているんですが、なかなか運営が何か難しい面があるというふうに思っているので、やはり町がやる事業としては、かなり無理してやっている面があるということだと思います。そういう事業をこれからもどうしていくのかというのは、今やっぱり考えないと、それを今までもそれが問題になっているところで、ずっとそれを検討を先に延ばしてきた状況があると思います。やっぱり正面からこういうときにそういうところを検討していくべきだと。要するに、なかなか町がやっていくには大変な面がある事業でしたら、やっぱり見直しを行っていかないと、本当にステラシアターの今後の運営をやっていく上で、本当に大きな問題が出てくるというふうに思います。 費用対効果は確かにデータ、実際どれぐらいお客さんが町に来ているかというところは、なかなかはかりづらい面があると思うんですが、その辺はやっぱりいろいろな検証していくということでしたから、やっぱりここはさまざまな面からデータとかそういうものから検証していく必要があると。どの程度、本当にこの事業をやってお客さんが実際ふえているのかと。ステラに来るだけじゃなくて、ほかのお店に行くとかそういう経済効果はどのぐらいあるのかというのは、やっぱりよく検証していく必要があるということを求めておきます。 それで、もう一つ、こういう費用対効果だけの話というのはしていても余り建設的ではないと思います。やはり文化活動を通じて、当町のアピールや地域の活性化を図っていくということで、この施設をどう活用していくかと、もっとどんな活用の仕方があるのか、やっぱり幅広く考えていくことが大事だと思います。 それで、例えば1つ提案ですが、当町や近隣在住やあるいは当町にかかわるアーティスト、あるいはさまざまな、きのうの中野議員の質問でもありましたけれども、いろんなジャンルの文化活動をされている方が当町にはいらっしゃると思うんですが、こうした身近にいるもっと幅広く、多くのジャンルの方にご協力いただいてステラシアターの事業を展開してはいかがでしょうか。 地方においては、今いろいろ多彩に活動している人がいる反面、実際そういう活動を行う機会というのは少なくなっているのが現状だと思います。そんな中でステラシアターがあるというのは貴重だと思っています。そういう文化・芸術活動、いろんな活動を行う機会がふえれば、当町に移住する方ももっとふえるかもしれないと思います。集客という点でなかなか難しさはあると思うんですが、町民の文化・芸術活動への参加を広げる上でも有益なことだと思いますが、ご検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) 町長、
渡辺凱保君。
◎町長(
渡辺凱保君) 山下議員の常々視線というのが、町民を視点に置いて物事を組み立てておられる、そういったことに対しましては常に敬意を表しているところでございます。 ご提言のとおり、当町に在住し、もしくは
かかわりのあるさまざまなジャンルのアーティストの方々は多くいらっしゃることは承知しております。また、直接、何かの
イベントの機会に出演をしたいというふうに希望している方も多々ございます。文化振興という観点から、文化施設の拠点であるステラシアターをもっと活用して、多くのアーティストに文化活動に参加していただくことは大変意義深いことであり、また、町民の在住者からそういった
イベントを求められたのに対しても非常に身近に感じるんではないか。 過日の富士山河口湖映画祭のときにも、町民の方がグランプリ賞を受賞し、映画化され、そのときはさくやホールが満席になったというふうなことがございます。そういった意味合いで、町民の皆様とそういう触れ合いをしていくということも非常に重要なことだと思いますし、触れ合いというより、そういった方々がさらに研さんを重ね、すばらしいアーティストになっていただくことができれば、これまた町にとって磨かれた財産がふえるんではないかと、こんなふうに感じているところでございます。
○議長(
渡辺元春君) 続きまして、国民健康保険の「都道府県単位化」に反対の表明を質問してください。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 国民健康保険、以下国保といいますが、我が町では全世帯の半分弱に当たる方約4,000世帯が加入しています。ところが、この近年、この国保の運営が厳しくなって財源不足が生じ、当町でも2010年度に国保税額の引き上げを行いました。40代夫婦子供2人、総所得300万円、固定資産税6万円の世帯で、年間の国保税額は51万9,200円にもなります。国保税が高くて払えない方がますますふえ、滞納額も3億円近くにもなっています。財源不足が生じた原因は2つあります。1つは、国保加入世帯の所得が減り税収が減ったことにあります。全国における国保加入世帯の平均所得は1990年度の240万円から、2012年度には141万円にまで、実に100万円も落ち込んでいる状況です。 もう1つの要因は、国が国庫負担率を引き下げ、市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合を1980年度の57.5%から2012年度の22.8%まで減らしてきたことにあります。この2つの要因によって財源不足が生じて、町は税額の引き上げを余儀なくされる。税額は上がれば払えない人がふえて滞納もふえる、そういう悪循環となっています。根本的な問題解決には、国庫負担をふやして国保税額を引き下げることが必要です。ところが、国は根本の問題には手をつけず、国保の都道府県単位化を進めようとしております。 つまり、現在国保の事業主体は市町村ですが、それを都道府県に変えようというものです。事業主体が県になれば、町の事務的負担が減るのかどうかということになりますが、そうはならないと思います。県が必要な財源に見合う各市町村の負担を決め、町はそれに必要な国保税額を決めて国保税を徴収するという仕組みになります。つまりは財源に不足が生じれば、国や県の負担割合をふやすわけじゃなくて市町村の負担をふやす、こういう仕組みです。今まで以上に収納率向上などの達成を求められることになります。 しかし、さきに述べたとおり、国保加入世帯の所得は激減しています。さらに全国における国保税の負担は、1984年度の1人当たり3.9万円から9.1万円にまで大きく引き上がっていまして、国保加入世帯の皆さんの負担はもう限界にきています。幾ら収納率向上を言ってもそれは困難な状況です。収納率が上がらなければ、国保税額を引き上げるか、医療給付を減らすかの選択を迫られます。国民の命や暮らしに与える影響は極めて深刻なものになります。国保の都道府県単位化では、現在の国保の問題は解決しないどころか悪化することは明らかです。この動きに町として反対の表明をすべきではないでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。
住民課長、河野恵市君。
◎
住民課長(河野恵市君) 山下利夫議員の国民健康保険税の「都道府県単位化」に反対の表明をのご質問にお答えいたします。 国民健康保険制度は昭和36年に国民皆保険制度として確立してから、50年の長きにわたり市町村による医療保険制度として運営されてきました。近年の急速な高齢化や
人口減少が進む中、国民健康保険制度においては被保険者の年齢構成が高く、医療費指数が高い、低所得者が多い、保険料負担が重い、小規模保険者が多いなど構造的な問題を解決するため、
財政運営の規模を拡大し、将来にわたって持続可能な国民健康保険制度の構築に向けて、平成23年から国民健康保険の構造的な問題の分析と基盤強化策等について、国と地方の協議を進めてきました。 また、国では、平成24年に社会保障と税の一体改革による関連8法案が成立し、そのうちの社会保障制度改革推進法に基づき社会保障制度改革国民会議を設置しました。その報告書において、医療保険制度全般を見直すということになり、社会保障制度改革の全体像と進め方を定めた持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律、いわゆるプログラム法が平成25年に成立しております。 プログラム法における医療制度関係では、財政基盤の安定化のため、国の財政支援の拡充と保険税の適正化等の
取り組み推進、低所得者の負担の軽減、国保財政上の構造的な問題解決の上、国保運営については
財政運営を初めとして都道府県が担うことを基本としつつ、保険税の賦課徴収、保険事業の実施等はこれまでどおり市町村の役割が積極的に果されるよう必要な方策を講ずると規定しております。 これらを踏まえまして、現在、開会中の通常国会において、提出が予定されております持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案における制度運営のあり方について、都道府県は平成30年度から市町村とともに共同の保険者となる位置づけとなり、
財政運営の責任主体として安定的な
財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営に中心的な役割を担い、制度の安定化を図ることになります。 市町村においては、地域住民と身近な関係の中、資格管理、保険給付、保険料率の決定、賦課徴収、保健事業等、地域におけるきめ細かい事業を引き続き担うことが役割とされております。この改正に合わせて、国では公費拡充として平成27年度から低所得者対策強化のため、自治体へ約1,700億円の財政支援を、さらに平成29年度からは財政安定化基金への積み増しや財政支援の強化等のため、毎年約1,700億円を追加投入し、計約3,400億円を財政支援するとしています。 今回の国保制度改革は、先ほど述べましたように、国と地方の協議、及び社会保障制度改革国民会議など十分な協議、審議を経て法律等で定めるものであり、当町を初め他の自治体にとっても、広域化による財政基盤の安定化、効率化、標準システムの活用による事務の標準化などにより国保運用を安定させ、そのサービスを確保することは国民皆保険を堅持していく上で必要なことから、反対の表明はすべきではないと考えています。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 繰り返しになりますけれども、国保財政が厳しい最大の原因は国が国庫負担率を削減してきたことにあります。そこを解決しないと国保の財政基盤の強化はできないということです。 それで、別枠で低所得者対策とかそういうところを措置するということで言われたんですけれども、これは本当に根本的な解決にならないんですね、こういう処置では。やっぱり抜本的に国保負担率を引き上げないと解決にならないと。要するに、今回の改正というのは、要は事業主体を市町村から都道府県にかえるということだけで、国とか県の財政負担はほとんどふえないわけなんです。そういう事業主体をかえるだけでは、やっぱり今の問題解決は困難だと思います。 しかも、県が事業主体として
財政運営を担うといっても、責任を持って県が運営しますといっても、実際に保険料を徴収するのも払うのも市町村なんです。財政的に厳しかったら県が手当をしてくれるわけじゃなくて、市町村への割り当てがふえると。これでは町の財政的な大変さは今までと変わらないと、保険税を引き下げていくことも困難になってくると思います。 もう一つ、財政基盤を大きくすることでメリットがあるという考え方も多分言われたと思うんですが、高額療養費の負担が確かに被保険者が少ない市町村は大変だということで、そういうことで都道府県単位化は有利だという考えも言われるんですが、これは今でも高額療養費については保険財政共同安定化事業とか高額療養費共同事業と、これでフォローする仕組みがあると。県が財政的に責任持つというなら、こういう事業にこそ、要するに高額療養費への費用にこそ、やっぱり県が支援を行ってほしいというふうに思います。 以上のように、国保財政の困難を解決するには国庫負担率をふやすと、それから、高額療養費には県が支援をしていただくと。こうしたことを町として求めていくことこそ、今町がやるべきことだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君)
住民課長、河野恵市君。
◎
住民課長(河野恵市君) 先ほど述べました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案では、国の責務、都道府県の責務、市町村の責務をそれぞれ規定しております。それによりますと国・県の療養給付費の負担、調整交付金の負担、高額療養費の負担をそれぞれ明記しており、特に県においては安定的な
財政運営、市町村の国保事業の効率的な実施の確保など、県内の市町村の国保事業の健全な運営について中心的な役割を果たすものとしております。 また、全額国費で賄う財政安定化基金を造成するとともに、新たに国保特別会計を設け、さらに重要事項を審議する場として、被保険者代表、保険医・保険薬剤師代表、公益代表、被用者保険代表が参画する国保運営協議会を置くことも規定しております。これらのことから医療計画の策定主体である県が国保の
財政運営の責任主体も担い、医療サービスの効率的な提供を進めることで、長期的に安定した国保運営が可能になるのではないかと思います。 以上です。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 今、要するに国が新たな基金をつくるとかというのは、さっきも言いましたけれども、根本的な解決にならないということだと思います。それから、安定的な運営というんだったら、今の形態でも安定的な運営を目指していくことはできると。もう1つ、国保というのはやっぱり地域の実情をよく知っている市町村が実施主体となることがふさわしいというふうに思います。国や県は財政負担をして、市町村が実施するというのが一番やっぱり住民に身近な自治体ですから、それが一番私はいい形態だと思います。実施主体が県になることで、
財政運営の中心的役割を県が担うとなると、でも賦課徴収するのは市町村で、方針は県で決めるけれども、汗かくのは市町村なわけで、これでは方針にずれが生じることになりかねないと。特に、国保に加入している方は最初の答弁でも言われたかと思いますが、年金受給者、非正規雇用者、自営業者、農業者などの、社会保険加入者と比べたら低収入の方が多くなっているのが国保です。それだけに国保の事業は本当に負担軽減策、どういうことが必要なのかとか、被保険者の立場に立って考えることが必要であり、それを担う主体は市町村でこそ担うことができるというふうに思います。そういう意味でも都道府県単位化はふさわしくないというふうに思うんですが、町の見解をもう一度伺います。
○議長(
渡辺元春君)
住民課長、河野恵市君。
◎
住民課長(河野恵市君) 同法案では、先ほど申しましたとおり、保険者の規定を都道府県と市町村の共同で運営する共同保険者として位置づけております。現時点では、まだ詳細な役割分担、その給付関係などはまだ不透明なところがありますが、これまで国保制度の課題については、県も市町村も十分認識しておりますので、今後は共通してその課題に取り組んでいけるのではないかと考えております。 以上です。
○議長(
渡辺元春君) 続きまして、随意契約のメリットを生かし町内の小規模業者の受注機会をふやしてを質問してください。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 地元業者の仕事をふやすための施策については、議会で繰り返し質問をしてきました。例えば、昨年6月議会は130万円以下の工事や修繕について、町内の小規模業者の受注機会をふやす目的で実施されている小規模工事等契約希望者登録制度について質問をしました。しかし、これに登録しても2011年、2012年の2年間で、登録業者の約半数が1件の契約も受注できなかったという答弁がありました。 最近でも、町内のさまざまな業者の皆さんから「町の仕事が受注できない」という声を聞きます。小規模な工事や修繕などは、少しでも小規模業者の受注機会がふえるようにしていくことが切実に求められています。130万円以下の工事などの契約は、入札にかけなくても随意契約で行うことができ、当町でも随意契約で行われていることがほとんどだと思います。 随意契約のよさは、工事などが速やかに行えることや、小規模業者の受注機会をふやすことができるなどのメリットがありますが、一方で、契約が特定の業者に偏る場合もある、また、契約内容や業者決定の過程などが見えにくいなどのデメリットもあります。大事なことは、この随意契約のメリットを生かして、町内の小規模業者の受注機会をふやしていくことだと思います。 そこで提案ですが、道路の穴埋めや水道の漏水調査などの契約については、地域を分けて発注すべきではないでしょうか。また、ある業種においては、一部の業者に契約が集中しているなどの状況も見受けられます。できるだけ多くの業者から見積書を徴すること、業者決定の基準を明確にすることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。
総務課長、
外川亮介君。
◎
総務課長(
外川亮介君) それでは、ご質問にお答えいたします。 新聞やテレビでは、この3月期の企業利益が過去最高を更新するというような報道が聞こえてきます。しかし、それは大手企業の話であって、中小企業にはなかなか縁がないものです。最近、政府は
地方創生と声高にアピールしておりますが、これも今後のことであり、都市部と地方部の格差はますます拡大しているような気がいたします。 当町においても、富士山世界文化遺産の登録や円安などを背景に、一部業種においては事業の拡大が見受けられるものの、多くの業種においては景気の向上をまだまだ実感できる状況にはないものと思われます。特に、土木、建築、あるいは設備などの地域に密着した業種や地場産業などは受注量が減少するとともに、後継者不足から廃業に至る事業者も少なくありません。このような状況下、町内の小規模事業者にとって、町が発注する道路や水道などの公共工事や施設の維持、修繕工事などは大変頼りにしているところだと思います。 ご質問のとおり、小規模な工事や修繕、一部の業務委託については入札を免除し、随意契約で発注をしております。発注方法は工事等の内容を明示した仕様書を作成し、これをもとに主に発注担当課において複数の業者の見積書を徴し、原則として最低価格を提示した業者と契約を交わしております。見積書を徴する業者の選定につきましては、工事の内容や金額、工事場所、工事の難易度、他工事との関連などさまざまな状況を個別に勘案して行います。そして、ご質問の小規模工事等契約希望者登録制度も考慮するということは言うまでもございません。 町として、小規模事業者の保護育成は重要課題と捉え、以前より町内全部署においてこのことを確認し、これら事業者への積極的な発注を心がけてまいりました。しかしながら、期待したほどの実績が上がっていないことも事実であり、その原因について検証をしているところでございます。 既に、ご案内しておりますが、小規模工事等契約希望者登録制度につきましては、経営基盤の弱い小規模事業者や個人経営の方々の公共事業の受注機会を拡大し、町の工事や修繕などを請け負っていただくことにより、これらの方々の育成を図るとともに、本町の経済の活性化に寄与することが目的です。 さらに、町内にはこの制度に登録していない事業者も数多くあり、厳しい経営を余儀なくされているという状況も耳にします。町ではこれらの事情を踏まえ、小規模事業者の受注機会を今まで以上に拡大していきたいと考えております。確かに事業の効率化や集約化を進めた結果、公共事業は減少しております。また、厳しい財政事情を考えると、公共事業全体を今後格段に増加させることも難しい状況にあります。大規模工事の場合はいろいろな制約や入札の実施日も決まっており、なかなか融通がきかない場合もございますが、ご質問のとおり随意契約の場合は、その利点を生かし小規模事業者への発注が十分可能です。 ご提案の道路の穴埋めなど広範囲にわたる小規模工事などは、地域を分けることや、また、そのほかの工事において、幾つかの工種が合わさって一つの工事である場合は、工事種別ごとに分割して発注する、このようなことを行うことによって、できるだけ多くの業者に発注できる工夫は当然していかなければならないと思います。加えて、金額を区切って一定の金額以下は、優先的に小規模事業者のみから見積書を徴するというような方法も検討に値すると思います。 一方、業者決定の基準については、前述のとおり入札の原則から最低価格を提示した業者ということになっております。価格以外も考慮する総合評価制度の導入もございますが、小規模工事については、まだまだそこまではいっておりません。これらの現状を踏まえ、発注担当者の意識をより高めていくことも含め、この制度の推進について発注担当部署とさらに議論を重ねてまいりたいと思います。 公共工事である以上はしっかりとした品質管理や迅速性、及び工期の遵守など細かな対応も求められます。ただ単に受注し工事等を実施すればいいということではございません。小規模事業者への発注の推進については、これらのことも事業者の皆様にご理解していただく必要があります。そのために町でも品質管理や書類、写真の整理の仕方など、小規模事業者の皆様が日々成長できるよう小まめな指導、育成に努めてまいります。重要なことは町内に数多くある小規模事業者をいかに保護、育成していくかということです。今後も町内一致した方針、考えのもと、小規模事業者の受注機会拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 今重要な答弁が幾つかあったと思うんですけれども、小規模業者の保護、育成が大事だと。庁内一致した方針のもとで、例えば広範囲にわたるものは地域を分けて発注するとか、分割発注するとか、一定の金額以下のものは優先的に小規模業者に発注するとか重要な答弁があったと思います。それらに関して詳しく事業の例を挙げてお聞きしていきたいというふうに思います。 まず、水道課ですけれども、漏水調査について、最初の質問でも述べましたが、これは例に挙げてちょっと詳しく聞きたいと思います。 これは専門性が求められる仕事なので、現在は町外の業者に委託していると思います。しかし、町内の業者でも研修とか指導を強化することで担うことができるのではないかと思います。もちろん、きちんと仕事が行われることが最優先だと思いますが、同時に今答弁で言われたように、地元業者の育成という観点からぜひ地域を分けて発注すると、地域を分けて発注することを検討してはいかがと思いますが、どうでしょうか。
○議長(
渡辺元春君)
水道課長、
外川金雄君。
◎
水道課長(
外川金雄君) お答えいたします。 漏水調査につきましては、有収率の向上を図るため、毎年上水道区域は30キロメートル、簡易水道区域は15キロメートルを漏水箇所の発見のため漏水調査業者選定基準調査比較があり、漏水調査の機材の保有、技術者の雇用、町の入札参加資格者名簿に登録されているなど、漏水調査を行う上で必要な9つの項目に全て当てはまる業者へ委託しております。多くの従業員を雇用している業者が、短期間に集中して調査を実施して結果を出しているところでございます。 現在はそれぞれの区域をまとめることで、単価を安く発注していますが、区域を分けますと調査の1キロ当たりの単価が上昇し、委託料の増加につながるため、区域を分けて発注することは現時点では検討していないところでございます。 以上でございます。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 基準に基づいてやっているということなんですが、確かに費用が余分にかかるという面はあるかと思いますけれども、この質問は確かに漏水調査をスムーズに進めるという問題もあると同時に、小規模業者の育成という観点もぜひ考慮していただきたいと思います。 もう2つ例を挙げたいので、都市整備課に伺いたいと思います。 道路の穴埋めについては。現在1業者に委託して行っていただいていると思いますが、これを地域で分けて発注できないかという提案です。現在の業者には大変ご尽力いただいているわけですが、小規模業者の仕事をふやすという観点から、なるべく地域を分けて発注を考えることも大事だと。今それも検討に値するという答弁もありましたけれども、担当課としてはどうでしょうか、伺いたいと思います。 もう1つ、これはこれからの事業だと思うんですけれども、街灯のLED化の事業、今後町内の街灯をLEDに切りかえていくという方針だと思いますけれども、これは地元業者の仕事をふやす上でもいい機会だというふうに思います。これをまとめてリースで行うという市町村もあるようなんですが、一遍にやるんじゃなくて、やり方はいろいろあると思うんですけれども、順次導入していくというふうにすれば、物品購入も工事も地元業者が担うことができると思いますが、都市整備課のほうに伺いたいと思います。
○議長(
渡辺元春君)
都市整備課長、流石文君。
◎
都市整備課長(流石文君) 道路の穴埋めにつきましては、現在担当職員とそれから業者に委託して対応しております。委託業者につきましては、対応の素早さ、それから技術能力で選定をしておりますが、小規模業者で対応していただければ地域を分けての発注も可能であると考えております。 次の質問の街灯のLED化でございますが、現在、器具の支給を実施しております。設置につきましては、各自治会において負担でお願いしているところでございます。今年度、街灯の設置場所等を調査しておりますので、今後どのようにLED化していくか、現在の方法なのか、それから一括リース方式なのか検討中でございます。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 最後の質問になります。 町営住宅建てかえ、家賃補助で住宅政策の強化を質問してください。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 町営住宅北八津団地は老朽化が進んでおりまして、耐震構造になっていない棟も一部あることから、建てかえまたは移転のための検討が進められています。所得が少なく生活が大変な方に住宅を保障するために、北八津団地は大変重要な役割を果たしています。しかし、建てかえなどを検討していることから、現在は入居募集をストップしており、また、大嵐の町営住宅は入居率100%であり、現在町営住宅として入居できる部屋はないという現状です。 昨年9月議会・決算特別委員会での
都市整備課長の答弁では、別の場所への移転も含めて検討されているということでしたが、何よりも今、北八津団地にお住まいの方の意見聴取を丁寧に行っていただき、現在の入居者の意見を反映した方法で進めていただきたいと思います。そして、できるだけ早く必要としている方が町営住宅に入居できるように進めていただきたいと思います。 同時に、住宅政策のあり方は多様であるべきだと思います。そこで、家賃補助制度の実施を提案したいと思います。 例えば埼玉県横瀬町では、民間賃貸住宅に居住している40歳未満の新婚世帯に家賃の一部を補助しています。また、長野県信濃町では世帯主が40歳以下の方が民間賃貸住宅、または町に空き家として登録されている住宅に居住している場合に、家賃の一部を補助する制度を実施しています。 今、労働者の3人に1人が非正規雇用であり、低収入でぎりぎりの生活を送っている方は少なくありません。家賃補助の実施は大きな生活支援となります。町民生活を支援し住みやすい町にしていくために、町営住宅の整備と家賃補助の実施で住宅政策の強化を図っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
渡辺元春君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。 町長、
渡辺凱保君。
◎町長(
渡辺凱保君) 町営住宅の建てかえ、家賃補助で住宅施策の強化をということでございます。お答えをさせていただきます。 現在、北八津団地の建てかえにつきましては、雇用促進住宅の購入を基本方針に多方面より検討を加えているところでございます。 ご指摘のとおり、仮に建てかえ等による移転の場合には、当然、北八津団地の居住者の方々に事前によく説明をし、意見聴取を丁寧に行っていくべきであると考えております。本年度の事業といたしまして、策定した町営住宅長寿命化計画に基づき耐震改修の必要のない北八津団地E、F、G棟の合計6戸につきまして、国庫補助事業を活用しての改修工事を年次計画的に実施する予定であります。さまざまな事情により北八津団地から離れたくない方々への対応としても必要であると考えております。 ご提案の家賃補助制度につきましては、低所得者施策、生活保護を含めた福祉施策、定住促進施策並びに空き家対策とも関連があり、所得額の基準をいかにすべきかなど先進地事例や費用対効果などを勘案し、総合的に判断する必要があると考えているところでございます。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
渡辺元春君) 再質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 町としては、現在の雇用促進住宅への移転も一つ案として検討しながら、現在の北八津団地E、F、G棟の改修も順次進めて、それらを残していくという方針だという答弁だったと思いますが、それから、意見聴取を居住者に丁寧に行っていくということも言われました。改めて、現在の居住者の意見を最大限尊重して丁寧に進めていくことを再度求めておきます。 建てかえにしても、移転にしても、家賃がどうなるのかが気になります。町営住宅の入居基準は極めて収入が少ない基準となっていまして、家賃が上がるようなことがあれば生活に直結します。ぜひ負担がふえないようにしていただきたいですが、どうでしょうか。
○議長(
渡辺元春君)
都市整備課長、流石文君。
◎
都市整備課長(流石文君) 仮に、雇用促進住宅へ移転された場合というようなご質問と理解させていただきますが、そのような場合になりますと、公営住宅法の家賃とはなりません。新たな条例が必要となると思います。現段階では現状の公営住宅の家賃を適用していきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
渡辺元春君) 再々質問ありますか。 6番、山下利夫君。
◆6番(山下利夫君) 家賃補助についてですが、持ち家がなくて生活が大変な方にとって住宅の確保というのは本当に切実な問題です。特に引っ越しを行う場合の初期費用、敷金とか礼金、こういったものが重くのしかかる場合が多くて、そういう敷金や礼金などの支払いができないという相談を受けることがあります。例えば引っ越す理由というのは、今いるところの家賃が高いから、収入が減ってしまったので安いところに引っ越さなきゃいけないんだけれども、その初期費用があるからどうしたらいいかと、そういう場合があります。 現在、社会福祉協議会でこういう費用の融資を受けられる制度があるんですけれども、所得要件がかなり厳しくて、返済していく見込みがなければ受けられないなどのケースもあって使いにくい制度となっております。家賃補助として最も求められているのが、こういう初期費用への補助であって、ぜひご検討を先ほどいただくという答弁だったんですが、そういった点もぜひ踏まえて検討していただきたいんですが、答弁をお願いします。
○議長(
渡辺元春君) 残り時間4分です。 町長、
渡辺凱保君。
◎町長(
渡辺凱保君) お答えをさせていただきます。 住宅移転に伴う初期費用の補助については、入居者の方の経済的な実態の把握や移転時の社会経済情勢、及び移転費用等も勘案した中で十分な検討が必要であると考えております。検討をしていきたいと思います。
○議長(
渡辺元春君) 以上で、6番、山下利夫君の
一般質問を終わります。
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△散会の宣告
○議長(
渡辺元春君) お諮りします。 本日の会議はこれで散会したいと思います。 これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渡辺元春君) 異議なしと認めます。 したがって、本日はこれで散会することに決定しました。 本日はこれで散会します。 なお、次回は3月24日、午後1時30分から開会します。 ご苦労さまでした。
△散会 午前11時38分...