岩国市議会 > 2024-03-04 >
03月04日-02号

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  1. 岩国市議会 2024-03-04
    03月04日-02号


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    令和 6年 第1回定例会(3月)令和6年第1回岩国市議会定例会会議録(第2号)令和6年3月4日(月曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)令和6年3月4日(月曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(27人) 1番 小 川 安 士 君 11番 広 中 信 夫 君 20番 石 本   崇 君 2番 松 田 一 志 君 12番 細 見 正 行 君 21番 石 原   真 君 3番 長 岡 辰 久 君 13番 瀬 村 尚 央 君 22番 山 本 辰 哉 君 4番 姫 野 敦 子 君 14番 桑 田 勝 弘 君 23番 武 田 伊佐雄 君 5番 中 村 恒 友 君 15番 中 村   豊 君 24番 松 川 卓 司 君 6番 広 中 英 明 君 16番 野 本 真由美 君 25番 片 岡 勝 則 君 7番 重 岡 邦 昭 君 17番 奥 江 徳 成 君 26番 貴 船   斉 君 8番 川 口 隆 之 君 18番 藤 本 泰 也 君 27番 植 野 正 則 君10番 丸 茂 郁 生 君 19番 藤 重 建 治 君 28番 桑 原 敏 幸 君――――――――――――――――――――――――――――――欠席議員(1人) 9番 矢 野 匡 亮 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡   匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻   孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋   誠 君       危機管理監          桝 原 裕 司 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       デジタル改革担当部長     上 田 清次郎 君       基地政策担当部長       穴 水 辰 雄 君       市民協働部長         小 玉 陽 造 君       文化スポーツ振興部長     遠 藤 克 也 君       環境部長           神 足 欣 男 君       福祉部長           中 本 十三夫 君       こども家庭担当部長      宮 井 まゆみ 君       健康医療部長         片 塰 智 惠 君       産業振興部長         加 納 芳 史 君       農林水産部長         藏 田   敦 君       建設部長           村 重 総 一 君       都市開発部長         内 坂 武 彦 君       由宇総合支所長        岸 井 清 市 君       周東総合支所長        竹 原 直 美 君       錦総合支所長         的 場   敏 君       美和総合支所長        藤 野 修 二 君       会計管理者          村 上 さゆり 君       教育次長           丸 川   浩 君       監査委員事務局長       仁 田 誠 彦 君       農業委員会事務局長      有 馬 秀 樹 君       選挙管理委員会事務局長    藤 本 忠 夫 君       水道局副局長         竹 嶋   勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         冨岡啓二       庶務課長           仁田泉       議事課長           林孝造       議事調査班長         河村佳之       書記             石川貴規       書記             中西祐一郎       書記             田邨直暉――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、26番 貴船 斉君、27番 植野正則君、1番 小川安士君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 これより一般質問を行います。 19番 藤重建治君。 ◆19番(藤重建治君)  皆さん、おはようございます。志政いわくにの藤重でございます。どうぞよろしくお願いします。 早いもので、令和6年3月定例会、いわゆる予算議会でございますが、始まりました。一般質問初日、各会派の代表質問及び一般質問が行われるわけでございますが、会派、志政いわくにを代表いたしまして質問をさせていただきます。 まずもって、今年の元旦に発生いたしました石川県能登半島地震では最大震度7を記録し、甚大な被害が発生いたしました。被災されました皆様には心よりお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表する次第であります。被災地の一日も早い復興を願うものであります。 さて、福田市長におかれましては、さきの1月28日に実施されました岩国市長選挙で、市民の信任を得られて、5期目の当選を果たされましたことに心からお喜び申し上げます。おめでとうございます。 昨年の9月定例会の質問のときにも申し上げましたが、16年前、当時衆議院議員として活動しておられましたが、多くの市民の皆さんの要請に応えるために、志半ばで衆議院議員の職を辞され、我がふるさと岩国市のために非常に厳しい選挙戦に挑んでいただきました。 そして、見事、平成20年2月、市長に就任されたわけであります。 以来、「夢を形に」をモットーに、その力強いリーダーシップと行動力で、当時の大きな課題、いろいろ山積しておりました。米軍再編問題、民間空港の再開、何よりも愛宕山地域開発の跡地処理、そして岩国駅舎の改築、さらにはソフト事業の子育て支援や、そして財政の健全化等々、当時の岩国市の多くの課題について、スピード感を持って解決してこられました。 これは、福田市長の強いリーダーシップと行動力、さらに衆議院議員時代に培われた幅広い人脈を活用されてのことで、今現在も福田市長の大きな力になっていることと推察いたします。 そして、今定例会初日、施政方針において、福田市長は、「市民の皆様から負託をいただき、引き続き市長として市政を担わせていただくことになりました。改めてその責務の重大さを痛感し、身の引き締まる思いであります」と述べられました。 今回の選挙期間中、市長は、市内各地域を回られ、それぞれの地域の課題について様々な市民の皆様の声をお聴きになったことと思います。 現場主義を第一とする市長におかれましては、こうした市民ニーズをしっかりと吸い上げていただき、また、これまで4期16年間、本市の重要課題への取組の成果も踏まえ、岩国市の将来を見据えて、市民の皆様の大きな夢を実現し、岩国市勢の発展のために御尽力いただきますようお願い申し上げるところであります。 また、申し遅れましたが、今定例会を最後に御退職される皆様には、本当に長きにわたり岩国市勢発展のために御尽力いただきましたことに対しまして心より敬意と感謝を申し上げます。長い間本当にお世話になりました。お疲れさまでした。 また、ぜひお元気で、それぞれの地域で地域活動なりしっかりと、また、そういう活動を行っていただけたらと思います。 それでは、質問をさせていただきます。 まず、1点目、今定例会初日に市長から御説明のありました施政方針についての(1)第3次岩国市総合計画にある、次世代に引き継ぐまちづくりについてのア、今後、重点的に取組を進める施策についてお尋ねいたします。 福田市政5期目のスタートとなる令和6年度施政方針の終わりに、市長は、「これまでのまちづくりの成果を礎としながら、「力強くも、優しく、しなやかに、市民と共に歩む市政運営」を実践し、引き続き、私自身が先頭に立ち、その舵取りを担ってまいります」と力強く述べられました。 本市の課題は多岐にわたっておりますが、市長が今後重点的に取り組んでいかれようとする施策についてお尋ねいたします。 次に、大きな項目の2点目、本市の情報システムの標準化・共通化についてお尋ねいたします。 国の全国共通の自治体クラウドの導入への取組が示されております。そうした中、本市の現在の進捗状況と、(2)本市における期待される効果と課題・問題点についてお尋ねいたします。 少し前に、昔になりますが、平成31年3月定例会で、この自治体クラウドについて、私も質問をさせていただきました。当時は、自治体クラウドの活用について、複数の自治体同士での共同利用について、こういう取組が進んでいたところでございますが、本市の考え方、方針をお聞きしましたが、そのときは、岩国市は、本市単独での実施・運用を目指すとされております。 その後、自治体の情報システムをめぐる環境は目まぐるしく変化してきておりますが、この自治体の情報システム、自治体クラウドは、市役所の業務や市民への行政サービスの提供において欠かすことのできないものとなっております。 これらのことから、国においては、令和2年の地方制度調査会の答申を受け、システム標準化を推進する方針として、令和3年には、標準化法を制定しております。 また、令和4年には、基本方針を定め、令和7年度末までの政府共通のいわゆるガバメント・クラウドを活用したシステムの標準化を全国の地方自治体に要請しているところであります。 これを受けて、岩国市は、国の期限を前倒しして、今年末ですか、システムの標準化とガバメント・クラウドへの移行を行う予定としていることをお伺いいたしました。 市民への行政サービスを提供するため、現在ではシステムの安定稼働が不可欠と思われますが、市の目標とする期限まで1年を切った中、現在の進捗状況、そして移行に当たって課題や問題点はないのか、そして国が示す経費節減効果などの見通しについてお尋ねいたします。 次に、大きな項目の3番目でございますが、中山間地域の交通手段確保対策について、(1)乗合タクシーよべるんの実施状況についてお尋ねいたします。 全国的な大きな課題となっておりますが、少子高齢化が加速しております。本市も例外ではなく、高齢化、2019年で35%、令和7年では38.2%になるような予測もございます。 そうした中、特に周辺部の中山間地域では過疎・高齢化が非常に顕著、加速化しており、この高齢者の皆さんの移動手段のサポートが大きな課題となっております。 そこで、令和4年10月から実施されております乗合タクシー「よべるん」の運行事業ですが、新年度には由宇地区での実証運行も予定されておると聞いております。これまでの実施状況についてお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わりといたします。よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。 それでは、志政いわくにの代表質問、藤重議員の御質問であります第1点目の施政方針についての(1)第3次岩国市総合計画にある、次世代に引き継ぐまちづくりについてのア、今後、重点的に取組を進める施策についてお答えさせていただきます。 まず、去る1月28日に実施されました市長選挙におきまして、市民の皆様から負託をいただき、引き続き市長として市政を担わせていただくことになりました。 私自身、このたびの選挙におきましても各地域を回りまして、地域で抱える課題などについて様々な御意見を頂いたところであります。 これらの多岐にわたる課題に果敢に取り組んでいくためには、まずは現状把握が必要なことから、これまでの現場主義を継続しながら、市民の皆様のニーズ、これをしっかりと把握しながら、その解決に努めてまいります。 また、本市を取り巻く環境、これは少子高齢化や人口減少、経済のグローバル化、技術革新の進展も相まって、急速なスピードで大きく変化してきております。 こうした情勢の変化に対応するためには、前例踏襲ではなく、新たな発想で、変革と進化を続けていくことが求められております。 今後の市政運営に当たりましては、これまでの成果を踏まえつつ、決断力とスピード感を持って、全力でまちづくりに邁進し、本市のまちづくりの指針となります第3次岩国市総合計画に掲げる町の将来像であります「ともに歩み、ともに創り、ともに輝く、交流とにぎわいのまち岩国」、これの実現を目指し、この岩国を次世代に引き継いでまいります。 その中でも、特に次の5点の施策について重点的に取り組んでまいります。 まず、1点目は、市民の福祉増進であります。 具体的には、新生児に対する聴覚検査費用の助成や、多子世帯への経済的支援として、第2子以降のゼロ歳から2歳までの保育料の無償化を新たに実施するなど、子供の健やかな成長・発達と子育て支援の強化を図ります。 また、高齢者が安心して暮らせる体制づくりとして、軽度・中等度の難聴の高齢者に対する補聴器購入費用の一部助成を新たに実施するほか、中山間地域の中核病院であります市立美和病院の移転・建て替えなど、医療体制の堅持に努めます。 2点目は、産業の振興とにぎわいづくりであります。 地域経済の活性化や雇用機会の拡大を図るため、引き続き幅広い分野の企業誘致を進めていくとともに、市内の中小企業に向けて、デジタル技術の導入やその人材育成などの支援を行ってまいります。 また、町のにぎわいづくりとして、錦帯橋周辺においては、観光駐車場の整備や大明小路などの無電柱化等の環境整備に取り組むとともに、岩国駅前地区におきましては、岩国駅西口の再開発事業に対する支援や、再開発ビル内の図書館機能を核としたにぎわい創出施設の整備に取り組んでまいります。 3点目は、岩国の未来を形づくる社会基盤の整備であります。 幹線道路の整備につきましては、渋滞緩和や災害リスクの逓減などを図るため、岩国大竹道路や藤生長野バイパスなどの新たな幹線道路の早期実現に向け、国や山口県に対して要望していくとともに、これらの幹線道路にアクセスする道路につきましても整備を行い、利便性の向上と生活環境の改善に取り組んでまいります。 また、南岩国地区におきましては、駅前広場の整備に続いて、道路や公園の整備、雨水排水対策などの都市基盤の整備に取り組んでまいります。 このほか、黒磯地区に整備するいこいと学びの交流テラスについては、総合的な福祉・交流拠点の実現を目指し、着実に整備を進めてまいります。 4点目は、教育・文化の振興です。 行政、学校、家庭、地域が一体となって、子供たちの学びと育ちを支援していくとともに、教育環境を充実させるため、学校トイレの洋式化や特別教室の空調整備、老朽化した施設の改修に加え、新たに北部地域の給食施設の整備を進めてまいります。 また、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて、文化庁に対し、積極的な働きかけを行うとともに、市民や山口県、関係団体と連携し、世界遺産暫定一覧表への記載を目指して取り組んでまいります。 このほか、本市の生涯学習の中核となる中央公民館を整備し、市民の文化・芸術活動を支援するとともに、新たな博物館の整備を行い、文化財の保存・活用に努めます。 5点目は、効率的な行政運営と将来の負担軽減であります。 複雑多様化する市民ニーズに対応するため、ICT等を活用し、キャッシュレス決済の導入や電子申請の対象の拡大を行い、申請手続や証明書の発行などの窓口サービスの向上に努めます。 また、公共施設マネジメントの推進に当たっては、その財源を確保するため、財政面で有利な合併特例債を活用して基金に積立てを行い、今後、市町村合併に伴う施設整備によって、その役割を終えた施設の解体・整理を計画的に実施することで、次世代に負担をかけない最適な施設経営に取り組んでまいります。 市としましては、今後も、これまでのまちづくりの成果を礎とし、市民目線を常に保ちながら、支援が必要な方には手を差し伸べ、時代の変化とともに進化していく、「力強くも、優しく、しなやかに、市民と共に歩む行政運営」を職員一丸となって実施してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  第2点目の本市の情報システムの標準化・共通化についてお答えいたします。 まず、(1)現在の進捗状況についてですが、行政サービスの提供に必要な地方公共団体の基幹業務システムについては、これまで自治体が個別に開発し、カスタマイズをしてきた結果、課題としまして、維持管理や改修等を自治体が個別に対応しなければならず、負担が大きいこと、また、自治体間の調整の必要なことから、自治体クラウドの導入が進んでいないこと、住民サービスを向上させる取組が迅速に全国に普及させることが難しいことなどが指摘されてきたところです。 国においては、こうした課題を解決するため、自らが主導して、地方公共団体の情報システムの標準化を推進することとされ、令和3年には、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律、いわゆる標準化法が制定されました。 標準化法においては、自治体の基幹となる20業務のシステムについて、国が策定する標準化基準に適合するシステムの利用を義務づけ、また、このシステムのガバメント・クラウドの利用が努力義務とされております。 加えて、その目標期限は、令和7年度末までとされています。 本市におきましては、住民記録や税、福祉をはじめ、あらゆる分野・業務で情報システムを運用していますが、これらのシステムの主たるサーバーにつきましては、本年末に保守期限を迎え、以降の更新・運用ができないという事情があります。 このため、システムの保守や更新に係る二重投資を避けるため、本市は、国の期限を前倒しして、本年末までに標準化への移行を目指すことにしております。 令和4年度には、現行システムとの比較分析調査を実施し、今年度は、具体的なシステム構築の方針・仕様を決定し、新たなシステムを構築する事業者2社を選定いたしました。 現在は、システム開発に必要な業務ごとの要件定義や運用設計を行うとともに、実際に業務を担当する職員との間でヒアリングを実施し、課題の整理など、具体的作業を進めているところでございます。 また、本市は、国の目標期限を前倒しして標準化に取り組みます早期移行団体として、今年度、国のガバメントクラウド検証事業の採択を受け、支援を受けながら、各種検証も併せて実施しております。 今後の計画としましては、現行システムから新たなシステムへのデータ移行を順次行い、構築されたシステムのテストを繰り返しながら、職員による運用試験も行った上で、来年1月の運用開始を目指してまいります。 次に、(2)本市における期待される効果と課題・問題点についてですが、国が情報システムの標準化を推進する目的は、自治体の情報システム開発に係る人的・財政的負担を軽減し、地域の住民サービスの向上に注力できるようにするとともに、新たなサービスの迅速な展開を可能にすることとされております。 本市が標準化への取組を進める現時点において、効果としましては、市が保有するサーバー等の維持に係る負担が大きく減少すること、住民サービス向上につながるシステムを独自に開発することなく、ガバメント・クラウド上の複数の事業者のサービスから選べるようになること、また、国やほかの自治体の間で、紙媒体でやり取りしていた情報が標準化によりデータ連携が可能となり、事務の効率化や迅速化につながることなどを特に期待しているところです。 一方、課題としましては、標準化に対する事業費の問題があります。 国は、これまで標準化に必要となる自治体の経費に対して、基準を設け、一定の補助を行う方針を示しておりましたが、自治体の負担に十分に応える内容ではなかったことから、自治体側からさらなる支援を求める声が上がっておりました。 国においては、こうした声を受け、また、自治体の積極的な取組を促進するため、昨年秋に、移行経費について全額国が負担する旨の表明をされ、あわせて、国の令和5年度補正予算において、自治体への補助に5,000億円を超える追加計上がなされたところです。 本市においては、標準化に伴い、対象業務以外の保有する全てのシステムに再構築または改修が必要となりますが、これらの経費は補助対象とされていないものも多く、今後示される国の具体的な支援内容に注視をしております。 また、国は、情報システムの運用経費、いわゆるランニングコストについても、標準化により、平成30年度比で少なくとも3割削減を目指すとされておりますが、本市の試算では、ガバメント・クラウドの利用料や通信料を考慮しますと、達成が困難な見通しとなっております。 こうした課題の解決に向けては、取組を進める国に、自治体の状況を理解してもらう必要があることから、先月、市長自ら総務省とデジタル庁を訪れ、標準化に伴う本市の課題や負担の実情を訴え、国の支援の在り方について意見交換してきたところです。 その際、総務省、デジタル庁からは、共に、本市が他の自治体に先んじて標準化に取り組んでいることに対し敬意が示された上で、本市のような早期移行団体に対する支援について、前向きな発言をいただきました。 市としましては、行政サービスの提供に情報システムの安定的な運用が不可欠となっている現状において、標準化に向けて、まずは、限られた時間の中で、新たなシステムを構築し、円滑な稼働を目指すことを最優先にしていきたいと考えております。 そして、標準化の移行を行った後においても、情報システムの標準化が目的とする市民サービス向上への取組や運用経費の削減に、継続的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  第3点目の中山間地域の交通手段確保対策についての(1)乗合タクシー「よべるん」の実施状況についてお答えします。 本市では、人口減少や少子高齢化が進展する中、マイカー利用を中心とした生活スタイルの定着などにより、鉄道や路線バスをはじめとした地域公共交通の利用者数については、減少に歯止めがかからない状況が続いています。 一方で、地域公共交通は、高齢者や子供をはじめとして、人々が日常生活を営む上で欠かせない移動手段であり、暮らしを支える大切な社会基盤の一つとして維持、充実を図る必要があります。 このような背景を踏まえ、今後のさらなる人口減少や高齢化を見据えつつ、公共交通サービスが市民や来訪者にとって便利で利用しやすく、将来にわたって持続可能なものとするため、本市では様々な施策を展開しています。 この施策の一つとして、定時定路線運行の路線バスに代わる新たな移動手段として、令和4年10月から小瀬地区及び北河内地区において、また、令和5年4月から南河内地区において、乗合タクシー、愛称よべるんを運行しています。 この乗合タクシーよべるんは、バスのようにほかの利用者と同乗するタイプのタクシーのことで、利用する際にはバス停まで行く必要はなく、指定されたエリア、時間の中であれば、いつでもどこでも乗車、降車できる移動手段となります。 運賃は、1人1乗車500円で、地区内での移動のほか、新岩国駅周辺などの定められたエリア間での移動が可能となり、運行時間は、午前8時から午後5時までの毎日運行で、利用者は、電話もしくはインターネットで御予約いただくようになります。 また、本市の福祉施策として、75歳以上で運転免許をお持ちでない高齢者へ配布しております高齢者活き行きサポート事業のタクシー利用券も使用できる設定としております。 これまでの乗合タクシーの利用状況ですが、運行開始から本年1月までの延べ利用者数は6,289人、延べ運行台数は5,089台、1日当たりの平均利用者数は約12.9人となっており、利用される方のほとんどは75歳以上の高齢の方で、運転免許証を所持されていない方や返納された方が多い状況となっています。 また、運行開始から1年が経過した昨年11月には、この乗合タクシーを、より利用しやすい交通機関とするため、利用者と該当地区の世帯に対してアンケート調査を実施しました。 その調査結果について概要を申しますと、乗合タクシーを運行する前と比べて便利になりましたかの設問では、バス停まで歩かなくて済むとか、都合のいい時間に合わせて出かけられるなど、回答者の約65%の方が、便利になった、やや便利になったと回答されており、これまでと比べて、利便性が高まったものと考えています。 さらに、予約状況については、運行開始時には、希望どおりの予約ができないなどのお声もございましたが、アンケート調査では、希望どおりに予約ができる、おおむね希望どおりと回答された方が90%以上いらっしゃいますので、車両の配車状況もおおむね改善されてきたと考えています。 一方で、運行時間の延長やエリア拡大などの御意見や御要望もありましたことから、この乗合タクシーが利用者にとって、より便利なものとなり、多くの方に利用していただけるよう、さらなる制度の改善に努めたいと考えています。 今後も、こうした新たな移動手段については、ほかの地区においても検討していく予定ですが、その際には、運行事業者の状況を確認するとともに、住民ニーズの把握に努めることで、より市民の皆様が利用しやすく、持続可能な公共交通サービスを提供できるよう取り組んでまいりたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◆19番(藤重建治君)  それでは、自席から再質問をさせていただきますが、少し順番を変えて、まず、よべるんからお尋ねさせていただきます。 壇上からも申し上げましたが、御高齢の方の地域での移動対策、特に買物、通院。そして公民館行事への参加など、多岐にわたっていることと思いますが、以前なら各地域で生活交通バスも走っておりましたが、生活交通バスを走らせておけば、それでいいという時代は既に終わりに近づいておると思います。 運転免許証を返納する、長生きはしたい、私もそのうちの一人でありますが、いずれやってくる道であろうかと思いますが、その停留所から自宅までの距離が相当なものがあるという地域が多くあります。 そうした中で、今回のよべるんはドア・ツー・ドア、自宅から行きたいところへ運んでいただける非常にすばらしい制度であろうかと思いますが、このよべるん、交通弱者にとって非常に有効な制度であると考えますが、新年度では由宇地区で実証運行がされる予定と聞いておりますが、その他の地域で、ちょっとまだそういう動きがあるかどうかお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  乗合タクシーの今後の予定でございますけれど、こちら、議員御紹介のとおり、来年度には由宇地区におきまして乗合タクシーの実証運行を予定しておりまして、令和6年度の当初予算に必要な経費を計上しているところでございます。 その他の地域につきましては、まずは地域の状況でありますとか、ニーズ等を調査したいというふうに考えておりまして、そうしたことを通じまして、乗合タクシーを含めましたその他の実現可能な移動手段につきまして検討したいと考えているところでございます。 ◆19番(藤重建治君)  了解しました。 そうした中で、この制度をさらなるいい制度にできないかと、私もちょっと県内何か所か視察にも行ってまいりましたし、ネット等でも調べてもみているところなんですが、乗合タクシー事業は、ほかの地区では圏域内の利用料が、運賃300円が主流になっている。広島県辺りでは200円という地区もあるんですけれども、本市のよべるんは圏域内の移動が、利用料が500円となっております。近場でちょっと動いても500円、夫婦で乗っても500円が2人で1,000円、ちょっと割高感があるんですが、この運賃の引下げ、負担軽減の必要があると考えますが、どのようにお考えかお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  運賃についてでございますが、予約があったときにのみ運行するタイプのいわゆるデマンド型の乗合タクシーでございますけれど、こちらにつきましては、県内におきましてもいろいろな方式で運行されているところでございます。 議員御案内のとおり、運賃につきましては1乗車300円ということで運行されているところも多くあるようでございます。ですが、そうしたところにおかれましては、本市とは運行方式が異なっておりまして、例えば便ごとに運行時刻を定める方式でありましたりとか、あと一定の運行ルートを定めて運行しているといったことがございます。 また、乗降場所も決まっているといったこともございまして、そういった方式が多いということでお聞きしているところでございます。 一方で、本市の乗合タクシーよべるんでございますけれど、こちらは利用できる時間内であればいつでも予約できるものでございまして、利用者の都合に合わせやすい制度としておりまして、また、利用予約をしましたら自宅の近くまで来てくれるといったことで、利用者のニーズにきめ細かく対応いたしました利便性が高いものというふうになっております。 こういったメリットもございまして、運賃につきましては一律で500円ということにしておりますが、このことにつきましては路線バスが運行していたときの運賃でありますとか、ほかの公共交通との運賃のバランスといったことにつきましても勘案して設定したといったものになっております。 こうした状況ではございますけれど、議員御指摘のとおり、移動の距離が短い場合などにおきましては負担が大きいと感じられることもあると思いますので、将来的な乗合タクシーの運賃体系につきましては、利用者のお声も参考にさせていただきますとともに、また、持続可能な制度ということにつきましても、併せて考慮しながら、引き続き研究したいと考えております。 ◆19番(藤重建治君)  それぞれの地域でのニーズといいますか、生活交通バスも走っている中で、そういうものにしていくというもの、非常に地元の運送会社、タクシー会社とか、それから地元ニーズを踏まえて、いろいろ調整というのが非常に難しい中で、このよべるん、非常にいい制度をつくっておられると私は評価いたしますが、若干500円というのがどうなのかなという、そういう気がいたしております。 そうした中で、本当、それぞれの地区のニーズと交通事業者との連携あたりで運行本数、そして運行時間を定めて利用料300円にして、圏域内は300円、ちょっと中心部へ行くと、500円とか700円とか、そういう若干の時間制限、本数制限というのが入るけれども、300円にしているという地域が多く見受けられます。 今後、そうした研究をいろいろしながら、その価格設定なり、そういう運行体系も考えていただければなと思うんですが、そうした中で500円は割高感がある、ワンコインがいいと言いながら、高齢者支援課ですか、活き行きサポートの券も500円だから使い勝手がいいという、整合性もあるのかもしれないが、ぜひここで、ちょっと由宇地区で実証運行、7月から9月まで3か月間行われるやに聞いておるんですが、恐らく500円で設定されるんではないかと思うんですが、300円でやってみていただくわけにはいきませんか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  先ほど御答弁いたしました来年度に予定しています由宇地区の乗合タクシーの実証運行でございますけれど、こちらにつきましては、これまでの地域と比べまして、こちらの地域は利用者数も多くなることを想定しておりまして、ある程度運行時間を定めまして運行する予定としております。 ですが、こちらにつきましても御自宅の近くで乗降が可能といったことでございますし、また、由宇地域内のエリアの中であれば、どこでも利用ができるといったふうに利便性も高くなるよう設定しております。 こうしたことから、運賃につきましては、現在のよべるんと同額の1乗車500円としているところでございますが、ただ、今回はあくまでも実証運行ということでございまして、その中で乗合タクシーを利用された方でありますとか、地域の住民の方に対しましてもアンケート調査を予定しているところでございます。 そういったことで、こうしたアンケート調査の結果なども参考にさせていただきながら、利用しやすい制度となるよう研究してまいりたいと考えております。 ◆19番(藤重建治君)  南北河内、小瀬地区、それぞれそこの地域の特性があって、由宇地区になりますと、少しというよりは、相当人口も多くて、エリアも由宇駅、役場からお店屋辺りが中心になって、そこへ市民の方、由宇地区の方が移動する。確かに、先ほど申し上げましたが、他地区では本数と時間を制限して300円、定額にしておられる。そうした利用者の方がどちらを選ばれるかということになろうかと思うんですが、そこは今答弁されましたが、しっかりと地元のニーズを踏まえて、また、いろんなシステムを1つじゃなしに、2つでも3つでも、こういう形ならこうなりますよという部分を示していただいて、一番いい案を採用していただいて、持続可能な制度になるように期待をしております。できれば、本当は300円でやってほしいんですけれども、また、よく地元と相談してみてくださいませ。 せっかくでございます。私が住む玖西盆地、人口2万3,000人が住むこの玖西盆地でございますが、玖西地区辺りで、このよべるんが導入できないか、ちょっとお尋ねしてみますが、玖珂・周東地区では、以前3年ぐらい前に、この導入について、地元タクシー会社と協議をされたやに聞いておりますが、そのときは乗務員の絶対数が不足しており、困難との回答だったと聞いております。 その乗務員確保について、今年、新年度から公共交通事業者支援事業ということで、人材確保事業の補助金制度の予算が組んであります。本当にありがとうございます。 岩国市内に1年以上住所を有している居住者で70歳未満、そして、運転免許取得費用、最大60万円を4分割して補助していくという、しかし、市内に勤めてくださいよというのが条件やに聞いておりますが、この新制度を機会にして乗務員の確保が加速化されるというか、そういうことであれば、また、再度玖珂・周東地域での取組が検討できるんではないかと思いますが、いかがでしょうか、総合支所長にお尋ねいたします。 ◎周東総合支所長(竹原直美君)  玖西地域での乗合タクシーの検討状況とか、そういった支援策を利用しての状況ということなんですが、令和3年度に乗合タクシーの実証運行について、玖西地域の2つのタクシー事業者に相談を行っておりますが、2事業者とも、タクシー乗務員の不足が理由で実証運行に至っておりません。 先ほどからお話がありますように、タクシーはドア・ツー・ドアのきめ細やかな対応が可能な公共交通機関として、過疎化、高齢化が進む玖西地域、特に周東町においては、生活交通バスと同様に、非常に重要な移動手段だと考えております。 このため、乗務員の不足は玖西地域における今後の公共交通において大きく影響するため、事業者だけの問題ではないと考えております。市といたしましても、先ほど議員から御案内がありましたように、二種免許等のそういった支援策も含めて実施していくとともに、地域に合った持続可能な移動手段について、地元事業者や地域の皆様と協議を進めながら調査・研究を行ってまいりたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆19番(藤重建治君)  乗務員不足のことについては、バス、タクシー事業者の皆さんの共通の課題であります。この新しい公共交通事業者の支援事業をしっかりとPRし、周知していただいて、乗務員の確保に努めていただきたいと思います。 これは一つの例ですが、市長も常日頃から新規就農者、半農半Xということもしっかりとお話をされております。新規就農者あたりが農閑期にこの制度を利用して免許を取って、そして農業でちょっと時間があれば、地元のタクシーのドライバーとして、乗務員として仕事ができる可能性もあるんで、担当部長、また、そのあたりの周知もよろしくお願いいたします。 今回のこの質問で理解できましたが、それぞれの自治体が地域のニーズと運行会社の対応能力に応じて実施されていることがよく分かりました。 しかしながら、本市のよべるんについても、改善の余地、必要性も見受けられます。 また、しっかりと検討し、意見交換もさせていただきたいと思いますが、玖西地域への導入も不可能ではないと考えますので、今後、さらに地元運行会社と協議をされて、本当、交通弱者の移動確保対策、よろしく、よろしくお願いいたします。 次に、行政クラウド、ちょっと時間が押してきましたが、1年前倒しで実施されますが、二重投資を避けるということで、この国の制度方針に乗られて、1年前倒しという御答弁がありました。移行経費について、どのぐらい見込んでおられるのか、簡単にちょっとお尋ねいたします。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  標準化の補助対象になります各種経費の合計が4か年で約4億9,000万円、また、補助対象外となります市独自のシステム改修等に1億円程度見込んでおりまして、全体で6億円程度になるものと考えております。
    ◆19番(藤重建治君)  この自治体クラウド、日頃あまり我々も気にすることがないシステムでありますが、実際よく考えると、本当、この岩国市の行政運営の背骨部分に当たる、本当、重要なシステムでありますが、御答弁で、先般、市長が自ら総務省、そしてデジタル庁に要望活動されたということでございます。本当お疲れでございますが、この見通しはどんなでございますか。デジタル庁あたりからどういう――前向きな説明があったやに聞きましたが、ちょっとお尋ねしてみます。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  これまで国から示されておりました補助額というのが約1億5,000万円で、市の対象経費から3億円以上不足していたという状況がございました。昨年、国が全額負担をするという表明がなされた後も詳しい情報がありませんでしたので、この自治体の状況を国のほうに説明するために総務省とデジタル庁を訪れたものでございます。 国からは、現在、各自治体の経費を精査しているということで、確定的な回答というのは頂けなかったんですが、意見交換をしている中で、全国の自治体に先駆けて岩国市は取り組んでいるということで、前向きな、十分な支援が受けられるという感触は得たところでございます。全国の自治体が今、不安になっている中で、こうやって国に訪れて、直接意見交換できたのは大変意味があったというふうに考えております。 ◆19番(藤重建治君)  了解しました。 そうした中で、現在、運用している現行システム、この運用経費と国の指導に基づいた移行後の経費、これはどのぐらいの差が生じるのか、ちょっとお尋ねいたします。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  経費の件は課題に挙げているんですが、ランニング経費で申し上げますと、現在のシステムは年間のランニング経費、ランニングコストになりますが、年によって違いはありますけれど、おおむね1億4,000万円前後で推移をしております。 今度、標準化後の経費について試算をしたところ、ガバメント・クラウドの利用料や通信料、また、新システムの保守運用経費だけで約2億円程度、今見積もっておりまして、削減には至っていない見通しになっております。標準化してすぐに削減効果を得ることは難しい状況なんですが、今後、全国が取り組むスケールメリットや長期的な契約等でコストが下がっていくことも期待されておりますので、市としてもランニングコストを下げる努力を引き続き行っていきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。 ◆19番(藤重建治君)  このたび、この行政クラウドを質問させていただいておるのが、今年の初めか去年の暮れぐらいに新聞記事がございまして、国の指導で地方自治体が悲鳴を上げている。要するに、職員も大変だし、そのシステムを更新していく業者というか、専門業者も全国には限られている中で、業者の取り合いというか、そういう状況になってくるんではないか、費用もかさむということで地方自治体が悲鳴を上げているという紹介がございました。 そうした中でお尋ねしたら、1年前倒しでということでございますので、ひとつ安心もしておるところですが、急いだばっかりに、ないと思うけれども、ミスがないようにとか、あるいは職員に負担が過度にかからないようにという部分もあるんで、担当部長としてもしっかりとそのあたりは配慮していただいて、すばらしいシステムが構築されるようにひとつよろしくお願いいたします。 続きまして、1番目の市長の施政方針についてのお尋ねになりますが、市長の熱い思いはしっかりと聞かせていただきました。第3次総合計画の実現に向けて、令和6年度予算をもってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 そうした中、皆さんも御覧になっていると思うんですが、この市の広報紙、2ページ、3ページ目に本当、市長の思いが熱く語られておりますというか、紹介されております。 また、3ページ目の上にはすてきな皆さんの写真も載っておりましたから、すごいなと思いながら見せていただいたところでございますが、そうした中で、私は、いつもいつも、一般質問を通じてでもですが、本市のいろんな事業が、取組がなされておりますが、その全ての事業がこの人口減少、人口定住につながるものと私は確信しております。 人が減るというのは、本当、岩国市全ての活力を低下させてまいります。しっかりと職員の皆さん、何をするにしても、ぜひこの岩国市に住んでいただける、若い人に住んでいただける、そのためにこの仕事をしているんだという思いを持ってやっていただいたらいいなと思うわけでございますが、市長の壇上での御答弁、しっかりと受け止めさせていただきました。 ここで、施政方針に述べられたこの取組、事務事業を行うのは市の職員であります。市長も壇上から、職員一丸となってというお言葉を述べていただきましたが、この職員がそういう自覚を持ってこれらの事務事業、施策の実現に向けた意欲、その意識があるかどうか、ここはちょっと職員を束ねる総元締の総務部長にその意識づけがしっかりできているかどうかお尋ねいたします。 ◎総務部長(石橋誠君)  市長が施政方針で申し上げました重点施策を進めていくためには、職員が市民の皆様に対してサービスを提供するだけでなく、積極的に地域の方とのコミュニケーションを取ることが必要になります。 そのためには、研修を通じた職員のスキルアップ、職員が働きやすい職場環境の整備、人事評価の適正な反映などにより、職員の意識や意欲を向上させていくことが重要になると考えております。 こうした取組により、体制を強化し、第3次総合計画を着実に推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆19番(藤重建治君)  継続される行政であります。そうした中で、市長も常々お話しされておりますが、前例踏襲主義でなく、一つの事務事業も問題意識を持って、どこか改革することはないか、新しいものにチャレンジするその意欲、これは研修もですが、やはり現場等でそういう意識を持って仕事に取り組んでいただければと常々考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。 最後に、市長にちょっとまとめをお願いしたいと思いますが、壇上から施政方針に係る熱い思いをお聞かせいただきました。市長の行動力、とりわけ国との大きな人脈を持っておられること、これはすばらしい力であろうかと思います。 一つ例として、ここでお話ししていいかどうかあれですが、令和2年10月に本市への基地交付金が国の資産価値の減少から減額される懸念があったところ、当時、市長が総務大臣に交渉されて減額が見送られた。また、逆に1,000万円程度の増額がなされたやに聞いておりますが、こうした国とのパイプ、これをしっかりと活用して、また、一段とすばらしい岩国市をつくっていく。これから4年間職員一丸となって次世代に引き継ぐまちづくりに取り組んでいただきたい。再度、ここで市長の心意気をお聞かせいただいたらと思いますが、よろしくお願いします。 ◎市長(福田良彦君)  今回5期目の市政運営に当たりまして、議会初日、施政方針でも述べさせていただきました。 また、これまでの前例踏襲主義にとらわれず、今、社会経済活動は非常に早いスピードで変化してきておりますので、それに伴って市民の皆さん方の要望、ニーズも複雑多岐にわたってきております。これによって、これまでの制度だけでは対応できない、また、行政だけでも対応できない分野も多々増えてきておりますので、やはりこういった時代であるからこそ、前例踏襲主義にとらわれずに新たな発想を持って果敢にチャレンジをしていく。そして市長になって、すぐに全職員に対してメールで訓示をいたしましたが、変革なくして成長なし。そういった思いでしっかりと職員共々、英知を結集して取り組んでいこうというメッセージを発信させていただきました。 そんな中で、先ほど議員のほうからも、地域の公共交通移動手段の確保についてもお話がございましたし、ガバメント・クラウドの話もございました。全ての分野についてスピード感を持って対応していく。これが求められておりますので、私は、市長として、その先頭に立って、市民、また、職員の英知を結集し、また、議会の方々とも同じ思いでいろんな意見を交わしながら、明るい岩国の未来を築いて、また、それを次の時代に引き継いでいく、こういった思いと覚悟で取り組んでいきたいと思っております。 ◆19番(藤重建治君)  よろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、19番 藤重建治君の一般質問を終了いたします。 14番 桑田勝弘君。 ◆14番(桑田勝弘君)  皆さん、こんにちは。14番 公明党議員団 桑田勝弘でございます。 まず初めに、質問に先立ち、一言述べさせていただきます。本年初頭の能登半島地震の報道のない日はありません。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興を心からお祈りいたします。 それでは、通告に従い、会派を代表して質問をいたします。 1点目に、本市におけるICTの活用について、2点目に、本市における防災の取組についての2点について質問をいたします。 まず、1点目、本市におけるICTの活用について、(1)ICT(情報通信技術)を活用した地域課題の解決についてお尋ねいたします。 人口減少・少子高齢化が大きな課題となっている地方にとってICTの活用、特にIoTの活用が求められています。これまで市が庁内にサーバーを持つオンプレであること、また、現行システムの更新期限が標準化の期限である令和7年度末より前、令和6年12月に迎えること等の理由から、標準仕様に基づいた情報システムを構築しデジタル・ガバメントへ移行する取組や業務の効率化の観点から、RPAについて、また、市民サービスの向上の点から、行かない窓口について。あわせて、人材育成について等について取り上げてまいりました。ただいま19番議員の質問から、課題はあるものの進捗は順調と理解をしています。 第3次岩国市総合計画の基本目標7の項には、「市民のニーズが多様化する中、市民生活をより快適で豊かにしていくために、スマートシティの実現に向けて、デジタル技術を活用した市民サービスの向上やまちづくりを推進し、市民満足度の向上を図ります」と記述されています。 昨今よく耳にするスマートシティについては、国土交通省都市局が平成30年8月に公表された「スマートシティの実現に向けて」の「中間とりまとめ」に簡潔に定義をされています。 それによると、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」とございます。 そこで、ICT等の活用による地域課題の解決を目的とするスマートシティの実現に向けた本市の取組をお尋ねいたします。 2、本市における防災の取組についてお尋ねいたします。 (1)岩国市国土強靱化地域計画について、3点お伺いいたします。 ア、KPI(重要業績評価指標)について、イ、人命の保護の取組について、ウ、避難場所についてお尋ねいたします。 また、(2)罹災証明書の交付の迅速化についてお聞きいたします。 まず、(1)令和4年3月に策定された岩国市国土強靱化地域計画について、アとして、KPI(重要業績評価指標)について、KPI設定の在り方についてお尋ねいたします。 平成25年、2013年12月に強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が公布・施行されました。本計画は、基本法第13条に基づく地域計画ですが、令和4年度、2022年度から令和9年度、2027年度までの6年間を期間とし、必要に応じて見直すこととされています。 そこで、KPIについて、目標値等の設定の在り方についてお尋ねいたします。 策定期限などの理由があったのかもしれませんが、計画策定時に未策定のものや項目が指標として適切なのか、目標とする数値として適切か、今後どのようにされるかお尋ねいたします。 イ、人命の保護の取組について。インフラ等、道路、河川、急傾斜地等、ハード事業については、次回以降に行うとして、今回は国土強靱化地域計画のKPIの指標にもなっている耐震診断員派遣数と耐震改修件数がありますので、基となる岩国市耐震化促進計画についてお尋ねいたします。 報道によると、能登半島地震では建物倒壊等による被害が甚大です。建物倒壊による圧死や窒息死についての報道もございました。多くの方の避難所生活がいまだ続いております。 壇上からは、まず、県事業の無料診断の申請窓口を委託されている耐震診断についてお尋ねいたします。 直近3年間の申請件数、また、耐震改修費に対する補助件数をお尋ねいたします。 ウ、避難場所について、壇上からは、指定避難所となる学校の屋内運動場の生活環境整備についてお尋ねいたします。 被災地では、避難者が水分摂取を控えるため、血液中に血の塊ができ、肺に詰まって重篤な症状を引き起こす、いわゆるエコノミークラス症候群を誘発するとの報道もありました。 本市には、避難場所として指定された屋内運動場が34か所ないし35か所あるとお聞きしています。 国土強靱化5か年加速化対策として、令和3年度から令和7年度にかけて取組を進めております。国の支援メニューの防災強化事業として、学校施設環境改善交付金もあると伺っています。当然、要件もあると思いますが、単市でも、トイレの洋式化を求めます。 壇上からは、今後の指定避難所のトイレの洋式化についてお尋ねいたします。 (2)罹災証明書の交付の迅速化についてお聞きします。 日常生活を取り戻すために、罹災証明の迅速化に取り組んでいる自治体が多数あると聞いています。災害の種類や地域や保険会社により対応が異なるのかもしれませんが、職員も被災されるという現状もございます。3か月程度かかるとされており、事務手続の迅速化のための事前の取組は重要と考えます。全国の多くの自治体で保険会社との連携・提携が進んでいるとお聞きしますが、本市の対応、今後の取組についてお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、桑田議員御質問の第1点目の本市におけるICTの活用についての(1)ICT(情報通信技術)を活用した地域課題の解決についてお答えいたします。 全国の都市・地域は、高齢化の急速な進展や東京一極集中と地方の衰退、多発する大規模災害、新たな感染症リスクなど、様々な社会課題に直面をしております。 本市においても同様に、人口減少や少子高齢化、労働力の減少などに伴い、持続可能なまちづくりを行っていく上で、様々な課題が山積をしております。 こうした中、ICT等の新技術や官民各種のデータを活用した市民一人一人に寄り添ったサービスの提供や、各種分野における計画、整備、管理・運営等のマネジメントの高度化等により、都市や地域が抱える諸課題の解決を行い、また、新たな価値を創出し続けるスマートシティが注目されております。 スマートシティは、健康・医療や防災、教育、交通など、あらゆる分野で、安全で質の高い市民生活・都市活動の実現、持続的かつ創造的な都市経営・都市経済の実現、環境負荷の低い都市・地域の実現が期待できるとされております。 第3次岩国市総合計画の策定時に行いましたアンケートでは、本市の課題解決に向けて、市民の皆様から遠隔診療などの医療・健康・福祉分野をはじめ、災害予測などの防災分野、企業の生産性向上などの産業分野、行政サービスの向上などにデジタル技術の活用を求める意見が寄せられております。 こうしたことを踏まえ、岩国市総合計画の基本目標の一つであります「時代や市民ニーズに合った行政経営に取り組むまち」に向けた取組として、スマートシティの実現に向けて、デジタル技術を活用した市民サービスの向上やまちづくりを推進し、市民満足度の向上を図ることを掲げました。 また、取組を加速させるため、昨年4月に推進体制の強化を行ったところであります。 現在は、令和4年度に策定した岩国市デジタル化推進計画に掲げる事業に取り組んでおり、まずは行政サービスの向上を図る取組として電子申請の推進や、市民の多様な決済手段に対応するキャッシュレス決済の導入などに取り組んできました。 さらに、令和6年度には、窓口サービスの向上のための申請書作成支援システムの導入や、子育て分野における幼児健診のデジタル化に取り組むこととしております。 今後、こうした行政サービスの向上や、子育て分野の取組に加え、医療・健康・福祉、産業、そして地域交通といった幅広い地域課題に対してもICTの活用を拡充していくことで、将来的にスマートシティの実現を図ってまいりたいと考えております。 また、現在の第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略の取組を継承し、さらに発展させることを目指して、令和7年度から令和9年度までの3年間を計画期間とする岩国市デジタル田園都市構想総合戦略を策定することとしております。 策定に当たりましては、デジタル技術を活用した地域課題の解決や、魅力向上に向けた取組とともに、デジタル技術の事業への活用や普及等を推進するための取組など、新たな施策についても積極的に検討してまいります。 一方、ICTの導入に当たりましては、相応の投資が必要となることから、投資とその期待される効果とのバランスを見極め、事業に対する評価をし、有利な財源の確保に努めながら推進していくことが必要であります。 市としましては、地域課題の解決という目的を達成するための手段としてICTを活用し、引き続きスマートシティの実現を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  第2点目の本市における防災の取組についてお答えします。 私からは、(1)岩国市国土強靱化地域計画についてのうち、ア、KPI(重要業績評価指標)についてと、(2)罹災証明書の交付の迅速化についてお答えします。 まず、(1)のア、KPI(重要業績評価指標)についてですが、平成25年12月に、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が公布・施行されてから、昨年12月で10年が経過しました。 本市においては、同法の規定に基づき、令和4年3月に岩国市国土強靱化地域計画を策定し、様々な災害リスクを見据えつつ、どのような災害が発生した場合であろうとも、最悪な事態に陥ることが避けられるような強靱な行政機能・地域社会・地域経済などを事前につくり上げていく取組を進めているところです。 この計画では、想定される災害リスクを踏まえ、起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)を設定し、リスクシナリオごとに今後の施策の対応方針を示しています。 そして、施策ごとにKPIを設定し、それぞれの取組状況を数値・数量で表して評価しながら、計画の進行管理を行うこととしています。 分かりやすい指標とするために、できるだけ具体的な数値目標を掲げるよう努めたところですが、掲げた施策の指標名によっては、策定中、建設中といったように数値目標となっていないものもあります。 この計画は、令和4年度から令和9年度までの6年間を計画期間とし、計画期間中であっても、必要に応じて見直しを行うものとしています。 計画の策定後約2年が経過し、また、このたびの能登半島地震の発生など、情勢の変化も踏まえ、より分かりやすく、現状に即した指標とするために、掲げた施策の指標名や目標値等の見直しの必要性について検討していく考えです。 次に、(2)罹災証明書の交付の迅速化についてですが、罹災証明書とは、家屋等が被災した場合に、被害を受けた事実やその被害の程度を証明するものであり、税・保険料の減免や、災害見舞金・各種融資の支援制度の申請などに必要となります。 罹災証明書の交付までの流れについては、被災された方が市に交付申請を行い、その申請を受けて、市が被害状況の現地調査を行い、その調査結果に基づいて罹災証明書を交付します。 しかし、災害規模にもよりますが、交付までに相当の期間を必要とすることが課題となっており、その要因は、現地調査に非常に時間がかかることにあると考えられます。 こうした状況の中、国においては、現地調査の効率化・迅速化に向けて、自治体と民間企業等との連携を推進しています。 本市においては、り災証明書に関する官民連携の取組としては、交付申請時の支援について、山口県行政書士会と災害時における行政書士業務の支援活動に関する協定を締結していますが、現地調査に係る連携はできていないのが現状です。 現地調査に係る官民連携の先進事例を挙げますと、罹災証明書を交付する自治体と、保険金を支払う損害保険会社がそれぞれ行っている現地調査の一本化が進められています。 具体的に言いますと、ある損害保険会社の水害時に限っての取組ですが、損害保険会社が行った現地調査の結果データを契約者の同意の上で自治体に無償で提供する。データの提供を受けた自治体は、そのデータを自身が行う現地調査の結果に代えて罹災証明書を交付するというものです。 この損害保険会社によると、現地調査から保険金の支払いまでを最短3日で完了するとしており、昨年8月現在で全国148市町村と協定を締結して取組を進めています。 本市としては、この取組の先行自治体から具体的内容や効果等について情報収集するなど、速やかに調査・研究を行うとともに、そのほかの先進事例等についても高い関心を持って注視しながら、り災証明書の交付の迅速化に向けて取り組んでいく考えですので、よろしくお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  第2点目の本市における防災の取組についての(1)岩国市国土強靱化地域計画についてのイ、人命の保護の取組についてお答えします。 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法に基づく国土強靱化計画には、人命の保護が最大限に図られることが基本方針に掲げられています。 本市の岩国市国土強靱化地域計画の中においても、事前に備えるべき8つの目標の1番目に、人命の保護があり、大規模な自然災害等の発生時に人命を最大限保護するという目標が設定されています。 そのため、大規模な自然災害等に対して、市民の日常生活及び社会経済活動においても重要な役割を果たす公共土木施設の耐震化、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき策定した耐震改修促進計画による公共建物の耐震化を促進しています。 あわせて、多数の者が利用する学校や病院などの特定建築物の所有者に対し、耐震診断・改修を行うよう指導するとともに、これ以外の一般建築物についても耐震診断・改修に関する普及啓発に努めているところです。 現在、市では、一般建築物については、今後予想される地震災害に備え、岩国市耐震改修促進計画に定めた目標の達成に向け、岩国市住宅耐震化緊急促進アクションプログラムに沿って、住宅の耐震化に取り組んでいます。 主な取組としましては、住宅所有者の経済的負担の軽減を図る財政的支援として、昭和56年5月以前に着工された旧耐震基準の木造住宅について、耐震診断員を派遣し耐震診断を無料で行うとともに、耐震性を有していない住宅に対しては、耐震改修費に対する補助を実施しています。 近年の実績としましては、耐震診断の件数は、令和3年度は10件、令和4年度は16件、今年度は15件となっており、耐震改修費に対する補助の件数は、令和3年度はありませんでしたが、昨年度と今年度は1件の補助を実施しています。 住宅の耐震化を促進するための普及啓発活動として、固定資産税の納税通知書に住宅の耐震に関する補助制度の概要を記載したチラシの同封や、耐震診断を実施された所有者への耐震改修の案内文書の送付、山口県木造住宅耐震診断・改修技術講習会受講修了者名簿の公表、岩国市地域包括ケア推進大会などの地域イベントでのパネル展示などを行っていますが、耐震化の重要性、必要性などの周知がまだまだ十分ではないと考えています。 いずれにいたしましても、旧耐震基準で建てられた住宅がいまだ多くあるため、より一層の支援、耐震化に係る普及啓発を行い、住宅の耐震化を進め、人命の保護が最大限に図られるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の本市における防災の取組についての(1)岩国市国土強靱化地域計画についてのウ、避難場所についてお答えいたします。 学校施設における避難場所についてですが、本市における市立小・中学校施設では、現在開校している45校中35か所が避難場所に指定されており、そのうち34か所の屋内運動場が避難場所として指定されております。 このことから、大規模空間を有する学校施設の屋内運動場は、非常時には多くの市民が使用することが想定され、学校生活はもとより、市民の方々の安心・安全の観点からも重要な施設となっております。 また、避難時には、高齢者や障害のある方など、様々な方が利用されるため、避難所のトイレを快適に使用でき、トイレに行くのを我慢することのない環境を整備していくことも必要となります。 現在、教育委員会では、市立の学校施設におけるトイレの洋式化を進めており、主に児童・生徒が日常的に使用する校舎のトイレについて、老朽化した設備の改修と併せて、和便器から洋便器に変更しております。 また、同時に、学校施設における全ての便器に占める洋便器の割合、いわゆる洋式化率の低い学校を対象に、和便器から洋便器に取り替える事業も取り組んでおり、着実に学校施設におけるトイレの洋式化を進めているところです。 令和6年1月現在の本市の洋式化率は、昨年4月と比べて8ポイント上昇し、46.0%となっております。 その一方で、避難場所として指定されている学校の屋内運動場等にあるトイレの洋式化率は28.9%と、全体に比べて整備が遅れている現状があります。 こうしたことから、教育委員会では、来年度から、学校施設の屋内運動場にあるトイレのうち、男女のトイレにそれぞれ少なくとも1基は洋便器が設置されるよう、計画的に洋式化を進めていきたいと考えております。 教育委員会としましては、主に児童・生徒が日常的に使用する校舎のトイレに加えて、避難場所として指定されている屋内運動場についても洋式化を進めることなどにより、児童・生徒の快適な学校生活の確保と併せて、避難してこられる市民の方々が安心して避難所で過ごすことができる環境を整えてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  それでは、順不同で、自席より再質問を行います。 まず、2番目の本市における防災の取組についてから再質問を行います。 (1)岩国市国土強靱化地域計画についてですが、壇上から見直しを検討するというお話をお聞きいたしました。推移をしっかりと見守りたいと思います。よろしくお願いします。質問はございません。感想のみで、失礼ですが。 令和5年5月の会計検査院の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に関する会計検査の結果について」という報告があるんですけれども、岩国市を直接拘束するものではないにしても、KPIがPDCAを回すために重要な役割を果たすことを意味していると考えます。評価については、何度も質問をしてきたことですので、注視をしてまいりますので、よろしくお願いします。 ウの避難場所についてですが、トイレについては、壇上での答弁に期待をしております。私も最近、由宇町の斎場のトイレの洋式化という相談が結構ありまして、2つある女性用和式トイレをせめて1か所、男性トイレを1か所との要望をつい最近もお受けいたしました。高齢者にとって転倒等の危険からも、トイレの洋式化は喫緊の課題でございます。 再質問はございませんが、不衛生でためらう避難者の方も多いのではないかという声もよくお聞きします。2016年に内閣府から、避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインが公表されているようです。どれくらいの人が被災したらどれくらいの物資が必要か、災害用トイレの備蓄も重要です。さらに、急性胃腸炎を招くノロウイルスなどの集団感染の原因にもなり得ます。劣悪なトイレ環境の整備の責任者などを決めた計画も必要だと考えます。しっかりとした対応をよろしくお願いいたします。 それでは、(1)のイ、人命の保護の取組について、具体的に住宅の耐震化促進事業についてお尋ねいたします。 先ほど出ましたが、アクションプログラム2023によると、促進計画の目標の達成に向けとあります。目標とは、住宅についての現状82.6%を令和7年度末までに90%としております。建て替えによる増加分を含む目標と思いますが、市の取組としては耐震改修工事の数から推測すると、もっと強化をすべきと考えます。 まず初めに、基本的なことからお聞きいたします。 まず、3つの耐震基準がありますが、それぞれの特徴をお伺いします。岩国市の促進計画、昭和56年については触れてあるんですが、もう一つ、昭和56年、旧、新と、もう一つの基準もございますので、併せてお知らせください。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  耐震基準につきましては、昭和56年5月以前の基準で、いわゆる旧耐震基準と言われるもので、震度5程度の地震で即座に建物が倒壊しないこととされております。 また、昭和56年6月以降の基準で、いわゆる新耐震基準と言われるもので、中地震、震度5強程度ではほとんど損傷しないこと、大規模地震、震度6強から7程度で倒壊・崩壊しないこととされているものがございます。 木造につきましては、昭和56年の改正と平成12年にも大きな基準改正がされておりまして、その内容につきましては、昭和56年の改正においては、壁量規定が見直され、必要壁量や耐力壁の種類による倍率が見直されているところです。 平成12年には地盤の耐力に応じた基礎の構造とする規定、柱とはりなどの部材の継ぎ手や、仕様を明確化された接合部の金物の設置義務の規定がございます。 3つ目といたしまして、耐力壁の配置バランスに関わる規定が定められたところでございます。 ◆14番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。昭和56年を境に新旧に基準が分かれ、促進計画は、昭和56年以前が対象となっております。 ただ、新基準でも、1995年の阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊しましたので、平成12年、2000年基準ができ、ここは木造住宅について大きく変更をしている、そのように考えております。 今、お話もございましたが、3つ、地盤に応じた基礎の設計、また、接合部、これは地耐力を調べる地質調査が事実上の義務化だと思うんですが、こういった大事な改正もございました。 また、接合部に金具を取り付ける、いわゆるほぞ穴から、昔は、かすがいで留めていましたけれども、ほぞ穴から抜けるとか抜けないようにとか、そういった基準ができました。 また、偏りのない耐力壁を配置する、その3点が強化されたというふうに理解をしております。 それでは、次に、無料の耐震診断は、先ほども言いましたが、旧基準についてのみ対象となっており、新基準から2000年基準までの建築物についてはどうなのかというふうな心配がございます。2種類の診断内容について、詳しく御教示をお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  木造の耐震診断におきましては、財団法人日本建築防災協会による木造住宅の耐震診断と補強方法に定める一般診断法または精密診断法によることとされております。 まず、一般診断法につきましては、耐震補強の必要性を判断するもので、壁を主な耐震要素とする在来軸組工法や枠組壁工法の木造住宅を対象とするものとなっております。内外装を剥がさない非破壊により、床下や天井裏など、点検口などから目視で建物調査を行い実施するものがございます。 診断項目としては、大きく2つの項目に分けられます。 1つ目は、地盤の基礎の診断で、上部構造の評価には含まれませんが、地震時に注意すべき点を指摘するもの、2つ目は、上部構造の耐力の診断で、壁、柱の耐力、耐力要素の配置、劣化度を考慮し、構造評点を算出するものとなっております。 詳細な検討を全ての部位で行うものではなく、代表的な部位をもって評価するものとなっています。従来の工法である筋交いや構造用合板の耐力壁など、その性能が明確になっている耐力補強工法では一般診断の結果を受けて、耐震補強計画を実施することは可能となっています。 次に、精密診断法では、補強の必要性が高いものについて、より詳細な情報に基づき検討するものです。調査項目は一般診断と同様になりますけれど、壁の仕様や耐震要素は引き剥がして特定するとともに、横架材、柱、柱接合部などを詳しく調査することになります。 診断項目としては、上部構造の耐力の診断と各部の検討を行うこととなっており、各部位の部分的な問題箇所も検討・指摘する形で評価するものです。一般診断により、詳細に調査するとともに、屋根、開口部、垂れ壁付柱の使用なども調査し、検討するものです。 精密診断法では、保有耐力診断、保有水平耐力診断、限界耐力計算による診断などがあり、高度な診断法となっているところでございます。 耐震診断員派遣事業におけるこれまでの実績としては、一般診断法によるもので行われているところです。 ◆14番(桑田勝弘君)  その一般診断法、まずは無料診断を拡大していく、実態を調査・認識していただく。今の所有の、特に昭和56年以前のものしかやりませんけれども、無料診断をしていただいて、昔のいわゆる古民家などは柱も太かったり、横架材のはりが太かったりとか、意外とほぞ穴もしっかりとしていると思うんですけれども、それでも無料の耐震診断を、横揺れ等、専門家の方に診断をしていただくのは重要かなと、岩国市としても、先ほど診断件数も出ておりました。 診断件数は進んでおりますけれども、診断から改修工事に進まないといけないんですが、改修工事については、昭和56年より前についてはあるんですけれども、それも課題だと思うんですが、まずは無料診断をして、我が家の耐震性をしっかりと認識していただく。 それで、今、市のほうの対応もいろいろされておると思いますけれども、しっかりと無料診断を、まずは広げていく。56年以前の取組を、まず初めに、しっかりとやっていく。 県の耐震化の説明には、平成12年5月の記載がございます。「新耐震基準の住宅で、平成12年5月以前に建築された住宅は、耐震診断を行い、耐震性が不足している場合は、耐震改修を進めましょう」というふうにございます。県のほうの耐震化の説明の中にはあるんですね、この2000年基準が。この基準以前に建築された、すなわち昭和56年から2000年までの間に建築されたことについては、県のほうは注意があるんです。 市のほうにはその文字がないんで、まずはこの旧耐震基準による建物がたくさんまだあるから、まずはそこをやりたいということだと思いますので、これはもう政策判断でしょうから、尊重はしたいと思いますけれども、そこに課題があるということをしっかりと自覚しておいていただきたいなというふうに思いました。 ただ、先ほど申しましたように、支援制度は、昭和56年5月以前です。市の促進計画にはないのではないかと思いますと、昭和56年以降なら安心との誤解を与えかねないということも付け加えておきます。昭和56年を境にすると、昭和56年より前のもの、後のものはクリアしているんだという誤解も与えかねません。しっかりとその辺も無料の耐震診断を進めながら、お伝えしていただければというふうに思います。知っていただければと思います。 あと耐震診断によっては、また、改修工事に進むと思うんですが、改修工事の内容についてお尋ねいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  一般的な木造住宅は、筋交いや構造合板などの入った耐力壁がバランスよく配置されていることによって地震に抵抗できるようになっております。耐力壁の量が不足している場合や偏っている場合は、より強い耐力壁に替えたり、新たに耐力壁を設けることが考えられます。 また、柱と土台など、柱とはりなどを金物で補強する方法や、床の補強として火打ち材を設置したり、床面に構造用合板を貼ったりすることもございます。 そのほか屋根の軽量化、また、基礎を丈夫にする方法として無筋コンクリートの基礎の場合でしたら、鉄筋の入れ増しをし、コンクリート補強をするなどがございます。そのほかにも、劣化した部材を新しい健全な部材への取替えや接ぎ木により修繕することなどがございます。 ◆14番(桑田勝弘君)  さきに紹介をした県の資料、耐震化のすすめなんですが、工事内容や参照としての工事費用や業者の紹介、ほかにも税制措置、融資制度なども掲載されています。無料診断で不安があっても、その他の要因で踏み出せない方もいらっしゃると考えます。とにかく、まず、周知徹底をしていただきたいというふうに考えます。 客観的な情報を希望する方は多いと思います。甚大な被害があったこのときこそ考えるとき、教訓は生かさなければならないというふうに考えます。周知の徹底の御尽力を期待しております。 次に、この項の最後についてお尋ねします。 耐震だけではなくて、耐震工事は、改修工事はハードルが高いという方もいらっしゃるかも分かりません。よそを見ると、ダンパーとかの制震技術も視野に入れるべきではないかというふうにも思います。 また、火災もございました。感震ブレーカーの補助を行っている自治体もございます。密集地のみでも必要性を感じておりますが、御見解をお伺いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  建物の耐震性を確保するためには、耐震構造、制震構造、免震構造などがございますが、一般的な方法といたしましては、柱やはりなどを強くしたり、耐力壁を増強することで地震力に対して抵抗する耐震構造が多くなっているところでございます。 また、感震ブレーカーについても承知しているところではございますが、補助制度につきましては、まずは多額な費用が必要となる建物の耐震化への財政支援を行っているところでございます。 こうした様々な工法や新しい地震被害の軽減対策についても、市としても、その性能の確認や効果を注視するとともに、建物の実情に沿いました内容の対策をお知らせして、人命の確保について努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  国の推奨がなければ、なかなか市が単独で、独自にというのは困難かも分かりませんが、調査・研究を期待いたします。 次に、(2)罹災証明書の交付の迅速化について、特に再質問はございません。しっかりと研究をしていただければと思います。よろしくお願いします。 次に、(1)ICT(情報通信技術)を活用した地域課題の解決についてですが、令和6年度予算の概要にも、デジタル交付金を活用した事業が数点載っております。デジタル田園都市国家構想交付金については、令和5年12月に概要などが出ております。 そこでは、タイプ別に制度概要が掲載されています。そこには、デジタル実装タイプ、地方創生推進タイプ、地方創生拠点整備タイプ、地域産業構造転換インフラ整備推進タイプが挙げられております。 さらに、デジタル実装タイプが、さらに4つのTYPEに分けられて紹介をされています。 また、このデジタル実装タイプは単年度に限り支援というふうにございます。TYPE1の優良モデル導入支援型、TYPE2のデータ連携基盤活用型、TYPE3のデジタル社会変革型、TYPESのデジタル行財政改革先行挑戦型が載っております。 例えば、TYPE1は、他の地域等で既に確立されている優良なモデル・サービスを活用して迅速に横展開する取組と説明されており、一例として、書かない窓口、地域アプリ、遠隔医療が紹介されております。 これは非常に分かりやすいんですが、TYPE2では、オープンなデータ連携基盤を活用して云々と説明されており、例として、会津若松市の複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティが挙げられております。ここのイラストに都市OSやらコンソーシアムの文字も見えます。 官民データ活用については、2019年に改正され、官民データ活用推進基本法等もあり、また、都市OSについては、2023年8月にスマートシティガイドブックなども公表されました。 一般的にデジタル化のイメージを大きく分けると、前半が標準化、デジタル・ガバメント、後半はデータ連携等の取組、当然、同時進行の部分も多いというイメージだと思います。 また、国の補助による実証実験が全国的に実施されていますが、終了後に実装に至っていないという例も多くあるやに聞いております。この補助金が終了して、補助金なしの実装、ランニングコストの財源等を考えると、特にデジタル実装タイプの場合、また、先ほど言いましたが、単年度支援になりますから、効率化による財源捻出や理解を得るための評価等も重要であるというふうに考えております。 ほかにも多くの利害関係者との調整やコンソーシアムの在り方やセキュリティー等のルールづくりの課題、そもそも自治体のその取組への理解も必要になります。そのためには、明確な目標を持つ計画が必要と考えます。 壇上から、デジタル田園都市構想総合戦略の策定についてお聞きしましたが、個別の施策については、スケジュールは載っております。今後の全体像、方向性について、明示されていないように思いますので、今後の取組について、担当部長のほうにお尋ねいたします。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  今年度組織体制を強化しまして、幅広い分野・業務の課題解決に向けて、今、全庁的なICT活用の検討を進めてまいっております。 第一段階としましては、行政手続のオンライン化など、デジタルサービスの実装型が先行している状況でございます。 しかし、新年度には子育て分野で、新たな企画も事業化する予定としております。 また、現時点も介護や高齢者、子育てなどの分野であったり、教育や交通など、幅広い分野でICTの活用に向けた研究を進めております。 このように地域課題の解決に向けて、全庁的にICT活用の機運も高まってきております。今後、本市のデジタル化推進計画の個別施策を随時見直ししながら、効果が期待できるところから積極的に事業化していきたいというふうに考えております。 そして、こうした取組が広がっていくことで、議員御案内のスマートシティを目指していきたいというふうに考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。まずは、デジタルの利便性・効率性を実感していただくために、大事なデジタル実装タイプの取組は重要だと思っております。もうそこからスタートかなというふうにも思っております。しっかりと取り組んでいただければと思います。期待をしております。 では、壇上で御答弁された令和6年度で策定する岩国市デジタル田園都市構想総合戦略について、策定の考え方など教えていただけますか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  本市の総合戦略でございますが、こちらにつきましては、壇上でも市長のほうが御答弁しましたとおり、現在は、第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきまして、様々な施策を実施しているところでございます。 こちらの総合戦略の計画期間につきましては、令和6年度に終了しますことから、令和7年度から始まります新たな総合戦略となります岩国市デジタル田園都市構想総合戦略を策定する予定でございます。 このことに先立ちまして、国におかれましては、令和4年度にデジタル田園都市国家構想総合戦略を策定されておりまして、その中で地方自治体におきましても、この構想の実現に向けまして地方版の総合戦略の改定に努めるよう示されたところでございます。 こちらを受けまして、本市におきましてもデジタルを活用しました地域の課題解決でありますとか、魅力向上の実現に向けた取組、さらにはデジタル技術の事業への活用などといった新たな取組につきましても、積極的に検討したいと考えているところでございます。 こうしたデジタルを使った取組に加えまして、これまでの総合戦略の流れも引き継いでいくために、本市のほうで力を入れております子育て支援策をはじめとしました人口減少対策でありますとか、また、地域活性化策などの実効性のある取組につきましても取りまとめたいというふうに考えております。 その上で、こちらの中では数値目標やKPI等を設定いたしまして、さらに実行段階におきましては、これらの十分な検証を行いながら各施策を実施していきたいというふうに考えております。 なお、こちらの総合戦略に定めます取組につきましては、投資政策的事業ということになりまして、こちらを具体化させた後に、これらを効果的に実施していくために策定いたしますまちづくり実施計画、こちらのほうに反映させまして実施していくこととしておりまして、さらに実施しました事業の効果でありますとか、成果、こういったものも見ながら、適宜見直しを行うことで本市の地方創生の一層の充実・強化に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  期待しております。 では、ちょっと時間がありますが、最後に、市長へお伺いしたいんですが、ICTを活用して本市のスマートシティの実現に向けた取組について、力強いリーダーシップで流れを加速させていただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ◎市長(福田良彦君)  議員御案内のように、今のこの市民生活、地域社会活動を含めて、急速なデジタル化が進行しております。 具体的には、医療とか、福祉分野、健康分野、こういったところでは最新の技術データなどを活用したサービス、これも非常に高度化しておりますし、防災の分野におきましては、リアルタイムに災害情報を活用して速報性の向上が図られたりもしております。 また、行政分野におきましては、様々な業務のプロセスの向上、こういったものもデジタル化によって、いろんなサービスが向上しております。 今後、こういったデジタル技術の活用というものが地域課題の解決に向けて大きな可能性、これを秘めているんじゃないかなというふうに思っております。 そして、まずは、先ほど申し上げた行政手続とか、健康、防災、また、観光、こういったことには、もちろんいろいろなサービスが広がってくるんだと思います。これによって、まず、市民の方々がその恩恵を受けることができるわけであります。 しかし、そこにとどまらず、そういったサービスが広がることによって新たなイノベーションというものが生まれていくことが、また、期待をされます。 また、それによって、さらにいろんな地域の活力、経済が好循環していく、それによっていろんな地域の活力とか雇用とか、そういった分野にも普及していくことによって、最終的に定住人口、こういったところにも結びつければいいなというふうに思っていまして、ですから、決してデジタル技術を活用するだけが目的じゃなくて、それによっていろんなイノベーションの創出、そして定住人口、地域活力の活性化、そういったところに結びつけられるような、そういったまちづくりを岩国市が目指してまいりたいというふうに考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。期待しております。 以上で終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、14番 桑田勝弘君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時55分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(松川卓司君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 2番 松田一志君。 ◆2番(松田一志君)  こんにちは。日本共産党市議団の松田一志です。 壇上からの質問の前に、能登半島地震で被災された皆さん方が、一日も早く日常を取り戻されることと、そして、お亡くなりになられた方々に心からまずはお悔やみを申したいと思います。そして、今会計年度をもって退職される職員の皆さんに対しまして、日本共産党を代表してお礼と感謝を申し上げたいと思います。これからは行政に携わってこられた経験を生かしていただいて、地域での御活躍を期待しております。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。 それでは、壇上から通告に従って質問を行います。最初に、米軍岩国基地問題について3点質問を行います。 1つ目は、令和4年12月3日に発生した米海兵隊員による自動車窃盗等の事件についてです。日米地位協定が壁となって、損害賠償請求の相手が見えない交渉を強いられ、米軍の一方的な賠償額の提示に対して、何も反論ができない状態だったことについて、岩国市の見解をお聞かせ願いたいと思います。 2つ目に、昨年11月29日米軍岩国基地を経由したアメリカ空軍のCV-22オスプレイの墜落事故について、国からの情報提供の状況について、岩国市の対応についての説明を求めます。 3つ目に、米軍岩国基地所属の空飛ぶガソリンスタンドと呼ばれるKC-130空中給油機の陸地上空訓練について、国からどのような情報提供を受けているのかについて説明を求めます。 質問事項の2です。観光交流の推進について、2点質問を行います。 1つ目は、全国的な問題として注目が集まっている観光地でのごみ処理に関連して、錦帯橋を訪れる観光客のごみ処理について、現状と今後の対応策についてお聞かせ願いたいと思います。 2つ目に、錦帯橋の下流域における錦川の景観について、住民の方々から様々な御意見が寄せられました。錦川流域の景観保全の施策について説明を求めます。 質問事項の3です。戦争の記録を次世代に語り継ぐため、1945年、昭和20年に起きた岩国空襲の記録の小冊子作成について提案をしたいと考えています。岩国空襲の記録の保存状況についてお尋ねいたします。 質問事項の4番目で、岩国市中央公民館整備事業についてお尋ねします。 岩国市中央公民館整備事業のスケジュールが変更になり、完成が令和8年度の中旬にずれ込むことが明らかになっています。このことについての説明を求めます。 以上で、壇上での私の質問とします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、松田議員御質問の第1点目の米軍岩国基地問題についてお答えします。 まず、(1)米兵が引き起こした事件の対応についてでありますが、令和4年12月3日に発生した車両の窃盗などの事件については、本年1月に被害者の方と米側との間で示談が成立し、米側から補償金が支払われたと承知しております。 私としても、本件につきましては、常に気にかけていたところであり、私自身が被害者の方との面談を行い、ラスノック司令官をはじめ、エマニュエル駐日米国大使、また、外務省や防衛省に対して迅速かつ誠意を持って対応するようお願いをしてきたところであります。 議員御指摘の日米地位協定の課題につきましては、第17条関係において、日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員または軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行うとされております。 被疑者の起訴前の引渡時期については、平成7年と平成16年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意により一定の改善が図られてきました。 しかしながら、米側に最終決定権を保留した合意の内容では不十分であり、日本国が要求する全ての場合において、被疑者の起訴前の拘禁移転が速やかに行えるよう明記すべきであるというふうに考えております。 また、第18条関係におきましては、いわゆる損害賠償の方法等に関して、米側の裁量に委ねられている部分があり、改定が必要と考えております。 いずれにいたしましても、日米地位協定の改定は、避けて通れないものと考えており、米軍基地等が所在する都道府県で構成する渉外知事会などを通じて、日米両政府に対し、早急な見直しを行うなど、実務的な対応を行うよう重点的に要望しているところであります。 一方で、まずは、事件・事故を未然に防ぐための取組をしっかりと行っていくことが重要であるとも考えており、国や米側に対し、実効性のある対応を求めるとともに、市においても、引き続き基地周辺住民が抱える不安を払拭することができるよう取り組んでまいります。 また、こうした事案が発生した場合には、国と米側において、迅速かつ誠実に対応し、被害者の方が不利益を被ることがないよう、引き続き国と米側に求めてまいります。 次に、(2)オスプレイ墜落事故についてでありますが、昨年11月に起きたCV-22オスプレイの墜落事故について、国からは「現在、事故の原因を特定するための分析が進められており、発生した物質的不具合は判明しているが、その原因は特定されていない」と聞いており、事故原因の調査結果や今後の運用等に関する情報は得られておりません。 国においては、国内に配備された在日米軍のオスプレイについては、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう明確に要請をされております。 陸上自衛隊のオスプレイについても、飛行を見合わせており、飛行再開については、米側からの情報を踏まえて適切に判断するとしております。 また、米側においては、オースティン米国防長官から、米国防省の関係部署に対し、日本政府との事前調整なしに、日本国内に配備されているオスプレイを運用させることはなく、運用前には必ず日本政府と調整を行うよう指示が出されていると承知しております。 さらに、今月1日には、木原防衛大臣の記者会見において、今後の飛行再開についての質問に対し、「米側とは事故の状況や安全対策等について確認作業を行っているところであり、これまでのところ、米側から日本国内のオスプレイの運用に関する事前調整は来ていないところである」との発言があったところであります。 オスプレイは岩国基地の所属機ではありませんが、中継地として岩国基地に立ち寄ることや、飛行停止措置後、現在、横田基地所属のCV-22オスプレイ2機が岩国基地に駐機していると見られることから、引き続き、今後のオスプレイの運用等に関する動向や情報について注視をしていく必要があると考えております。 その上で、今後、国からこれらの情報提供があった時点において、その内容をしっかりと確認し、適切に対応してまいりたいと考えております。 また、引き続きオスプレイに限らず、岩国基地に関係する全ての航空機の安全管理等の徹底について、国に求めてまいります。 最後に、KC-130空中給油機の陸地上空訓練についてでありますが、市におきましては、先月12日の島根県浜田市の陸地上空で、岩国基地所属機による空中給油が実施されたのではないかとの一部報道を受けて、国に事実確認の照会を行ったところであります。 これに対し、国からは「米軍機の個々の運用の内容や飛行ルート等については、米軍の運用に関する事項であるため、必ずしも承知をしていない」との回答があったところであります。 その上で、国からは「米軍の空中給油訓練について、陸地の上空では実施しないことを確認している」との従来の認識に変わりはなく、米軍が日本の陸地上空で空中給油を行う場合は、米側との空中給油に関するやり取りに基づく合理的判断として、「運用上の所要に基づく空中給油」であると考えられるとの説明を受けております。 これらを踏まえ、本件については、一部で報道された内容しか情報がなく、実際に浜田市の陸地上空で空中給油が行われたのか、事実関係の確認ができていない状況であります。 市としましては、どのような名称や形態の訓練等であっても、地域住民に不安や危険を及ぼすような訓練等は、行われてはならないと考えております。 このことについては、従来から渉外知事会を通じ、重大な事故につながる恐れがある訓練等の実態を国において明らかにするとともに、このような飛行が行われないよう措置することを要望しているところであります。 いずれにしましても、住民生活への影響が認められる訓練等が行われた場合には、国や米軍に対して、言うべきことは言うという姿勢でしっかりと対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  2点目の観光交流の推進についての(1)錦帯橋を訪れる観光客のごみ処理についてお答えします。 現在、錦帯橋周辺の観光客用のごみ箱は、岩国市観光協会前と岩国城ロープウエー山頂駅の2か所に設置しています。また、花見期間中には、特に多くの観光客が集中して訪れることから、鵜飼広場や吉香公園内に臨時的に設置して対応しているところです。 以前は、吉香公園内に複数のごみ箱を設置していましたが、不法投棄など管理上の問題から平成6年度に「ごみの持ち帰り運動」を推奨し、ごみ箱を撤去しています。 撤去後につきましては、岩国市シルバー人材センター等に委託し、錦帯橋周辺のごみを収集して適正な環境整備に努めているほか、錦帯橋周辺の各事業者も店先等に独自にごみ箱を設置されるなど、観光客の利便性や景観の維持に取り組まれています。 このような中、近年、我が国の観光需要は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、激減していた外国人や国内観光客も急速な回復傾向にあり、様々な業界で今後一層の経済効果が期待されている一方で、議員御案内のごみ処理が各地で大きな課題となっています。 全国の観光地においても、その多くが本市と同様にごみ箱の設置数が限られていることから、特にごみのポイ捨てが深刻化しておりますが、管理上の問題や周辺環境及び景観上の問題といった別の課題もあり、ごみ箱の設置が難しい状況となっています。 また、本市では、令和3年8月に花火の残り火により、岩国市観光協会前のごみ箱に火災が発生した事例があり、岩国市観光協会と撤去を含めて協議を重ねた結果、観光バス利用等のごみの処分や、撤去した場合のリスクとして、岩国市観光協会1階のトイレにごみが散乱する可能性が極めて高いことなどの理由から、令和4年4月に再設置したところです。 このように、ごみ箱を設置する場合であっても、景観への配慮や不法投棄の問題、ごみ収集にかかるコスト、人材の確保や維持管理といった解決しなければならない様々な課題があります。 市としましても、このごみ処理は大きな課題として十分認識していますが、現時点では具体的な対策案までは至っておらず、また、市だけで対応できるものではないことから、岩国市観光協会等と共通認識を持って対応策について協議を重ねているところです。 今後におきましても、市や岩国市観光協会、事業者等がそれぞれの役割の中で連携を図り、錦帯橋周辺にふさわしい、より優良なごみ対策に向けて、引き続き協議・検討するとともに、地域住民の生活環境にも配慮しつつ、観光客の方々に訪れてよかったと感じていただけるような観光振興に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  次に、第2点目の観光交流の推進についての(2)錦帯橋の下流域における錦川の景観についてお答えします。 錦帯橋や上下流の河川、周辺の山々は、江戸時代から優れた景観を有しており、時代を経ても現在まで、橋とともにそのすばらしさが継承されているところです。 この景観が大変優れていることから、大正11年に史蹟名勝天然記念物保存法による最初の国の名勝の11件の一つとして、錦帯橋及びその上下流の河川区域が指定されました。昭和18年、さらに上下流の河川区域が追加で指定され、その後、昭和25年の文化財保護法の施行に伴い、改めて名勝に指定され、現在に至っております。 国指定名勝は、「我が国の優れた国土美として欠くことのできないものであって、その自然的なものにおいては、風致景観の優秀なもの、名所的あるいは学術的価値の高いもの、人文的なものにおいては、芸術的あるいは学術的価値の高いもの」とされ、その価値を保存、継承していくため、地域住民とともに関係機関と連携し取り組んでまいりました。この名勝区域における河川の整備は、河川管理者の山口県において、両岸の護岸が昭和7年から昭和14年にかけて、錦帯橋から上流の河川敷を平成4年から平成9年にかけて錦川河川公園として整備されたところです。 また、名勝区域の横山側河川敷は、桜の名所として日本さくら名所100選にも選ばれ、全国的に有名となっており、春から秋の観光シーズンにおいては、多くの市民や来訪者がこの区域を散策し、錦帯橋周辺の景観のすばらしさに触れていただいております。 議員御質問の錦帯橋の下流の景観について、市としては、錦帯橋とその上下流の河川敷及びその周辺との一体的な景観の保全と活用を図ることが、横山地区への新たな回遊動線となり、市民や来訪者が快適に散策できる環境整備につながることから、錦帯橋下流への遊歩道等の整備が必要と判断し、昨年度、山口県への令和5年度予算要望において、当該河川敷の整備を要望したところです。 県は整備の必要性を理解され、市と役割分担の下、協力していきたいとの意向を示されたことから、本年度から県と市の間で協議を開始するとともに、まずは、横山側河川敷にある景観を阻害する樹木等の伐採に段階的に取り組まれているところです。 市としましては、今後も県との調整を重ね、名勝区域内の景観の保全とともに、市民や来訪者に快適な環境を提供できるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  第3点目の岩国空襲についての(1)岩国空襲の記録の小冊子作成についてお答えします。 岩国空襲は昭和20年の3月から8月までの9回にわたり、現在の岩国市周辺において米軍機による爆撃が行われたもので、1,000人以上が犠牲になったという記録が残っております。その中でも、同年5月10日の岩国陸軍燃料廠の空襲では300人以上が亡くなり、また、終戦の前日に当たる8月14日の空襲においては、大規模な集中爆撃により岩国駅周辺の一帯が蜂の巣状態となり、その結果500人以上が亡くなったとされています。 この岩国駅周辺での大空襲で亡くなられた戦災死没者に対する鎮魂や、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に語り継ぐことを目的に、岩国駅前戦災死没者慰霊祭が、麻里布地区自治会連合会の主催により、毎年8月14日に開催されております。なお、令和2年度からは同連合会が実行委員会を立ち上げて、慰霊祭を実施されているところです。 同慰霊祭は、戦没者等の援護に関する普及、啓蒙に寄与すること、また営利を目的としておらず、宗教的要素もないことから、市の旧社会課、現在の福祉政策課において後援をしており、また、式典の開催場所となる岩国駅西側駅前広場などにおいて、市や社会福祉協議会の職員数人により、微力ながら当日の会場設営や片づけなど、式典の運営にかかる人的支援も行っているところです。 次に、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に語り継ぐために必要な岩国空襲に関して、市が所有する記録の状況についてですが、中央図書館において36件の関連図書を所蔵しており、そのうち7件は中央図書館において作成した新聞記事のファイルになっています。いずれの図書も開館時間中であれば閲覧可能な状態となっております。 また、岩国徴古館においては、当時の資料としてはそう多くはありませんが、写真3点、陸軍燃料廠の犠牲者名簿、昭和45年に刊行された駅前空襲の座談会の記録の原稿などを所蔵しております。 議員御提案の、岩国空襲の記録を後世に残していくために、小冊子を作成することにつきましては、今後において関係部署及び関係者などと、調査・研究をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第4点目の岩国市中央公民館整備事業についての(1)スケジュールの変更についてお答えいたします。 まず、本事業の進捗状況についてですが、旧岩国市中央公民館につきましては、周辺地域の皆様の御協力もあり、昨年10月に解体工事が完了いたしました。 また、新しい施設につきましては、同時期に実施設計が完了いたしております。この実施設計の完了に併せて、景観審議会からの御意見や施設内の備品等の配置による細部の最終調整をしながら、少しでも早期に建物の完成ができるよう積算を行い、発注手続を進めていたところです。 その後、昨年12月4日に、新施設の工事入札の公告を行っていましたが、設計書の積算内容の一部に修正が必要なことが判明したため、本年1月10日に入札を中止することにいたしました。 現在は、改めて入札を行うため、積算内容の修正とそれに伴う単価更正等の作業を進めているところです。 なお、今回の積算内容の修正等により、これまで関係者の方々に御説明してきました新施設の機能や構造等に変更はありませんが、入札の延期によって、着工時期が3か月程度遅れることとなるため、改めて関係者等に事業の進捗状況等をお伝えし、御理解をいただいているところです。 今後の事業スケジュールにつきましては、新年度当初に工事の発注を行い、その後、落札者の決定、仮契約を経て、6月定例会で契約議案を提案し、承認をいただいた後、本契約に移行する予定としており、7月には着工したいと考えております。 教育委員会としましては、新施設の供用開始に当たって、必要となる備品の搬入や事務所移転等の準備作業についても、建築工事やその他の工事の進捗等、連携、調整を図りながら進め、令和8年度のできるだけ早い時期の供用開始に向けて、取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(松田一志君)  それでは、自席より順番を変更して、質問をさせていただきます。 まず、2の観光交流の推進について2点ほどお尋ねいたしました。これについては、私のほうで意見をつけて、今後の担当部署の奮闘に期待したいと思います。 まず、1番目の問題ですが、全国の観光地でごみ処理対策が重要な課題になっている関係で、国の関係省庁や地方自治体や大手旅行会社などが、様々な取組を行っております。私の錦帯橋周辺の観光客ごみ箱設置の質問ですが、答弁の中で景観への配慮、そして不法投棄、収集のコスト、人材の確保や維持管理といった課題について整理が行われております。錦帯橋周辺の観光の魅力は、何といってものんびりと自然を楽しみながら散策できることです。この魅力を維持し、継続するためには、やはり観光客のごみ処理問題というのは避けて通れない問題です。全国の観光地で行われているごみ処理対策にも学んで、観光客を支える事業者と地域住民の皆さんの声に耳を傾けて、錦帯橋周辺の観光の魅力を生かしたごみ処理対策が実現できることを期待いたします。 2項目めです。錦帯橋の下流域の錦川の景観の問題ですが、私の中学時代の恩師が、「城山と錦川と錦帯橋の観光との一体の風景は山紫水明の絶景地だ」と自慢した、こういった話を聞かされてきました。最近は、錦帯橋の下流域の住民の方々が、雑木が大きくなったり、水際の雑草が伸び、錦川が増水したときにごみが引っかかっている、景観が悪くなっているけれど何とかしてほしい、こういった声が届けられているわけです。 答弁にもありましたように、山口県とも協力して景観の整備事業が始まっているとお聞きしました。山紫水明の美しい景色が一日も早く戻ってくることを願って、担当部署の今後の奮闘に大いに期待をしたいというふうに思います。 それでは、3番目について再質問します。来年の2025年は、日本の近現代の歴史にとっても重要な年を迎えるわけです。その年にぜひ岩国空襲の記録という小冊子を作成することを提案いたしましたが、関係部署及び関係者などと調査・研究を行うことを約束していただきました。小冊子作成に向けて直ちに取り組まれ、そして冊子が実現することを本当に心から願っているところです。 そこで、関連して、岩国市博物館と施設整備計画に基づいて、(仮称)岩国市立博物館が整備される計画になっています。この博物館の展示スペースに、岩国空襲の記録を常設展示することを提案いたしますが、お考えをお聞かせください。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  岩国空襲につきましては、岩国の歴史における大きな出来事の一つと認識しておりますので、現在の岩国徴古館におきましても、市内の全時代、全地域、全分野を通して記載された総合的な歴史、いわゆる通史を紹介するパネルの中で、岩国空襲を記述紹介しているところでございます。整備に取り組んでおります新博物館においても、同様に通史の中で紹介することになるとは思いますが、展示空間も限られていることから、紹介のボリュームにつきましては、御提案の内容も踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆2番(松田一志君)  時間の関係で深い質問は十分にできませんけれど、いずれにいたしましても、岩国空襲の記録を冊子にしたり、あるいは博物館法に基づく新徴古館とでも言うんですかね、そこで近現代の項で岩国空襲の記録が常設展示される、それについて検討するということですので、大いに期待をしたいと思います。 それでは、4番目の質問です。岩国市中央公民館事業についてですけれど、このたびの整備事業は建物が解体された更地に構造物を建設するわけですから、建築物の規模は大きいけれども、工事種類や単純な工事工程なので、構造計算も構造解析も大変シンプルなものではないかと考えています。それでも人間がやることですから、いろんなミスが発生することはあります。そこで、お尋ねします。この整備事業の工事案件を実施する積算を委託した業者・金額、こういった情報について提供をお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  この実施設計につきましては、業務委託契約を令和4年10月12日に株式会社長野総合建築事務所と委託料が1億483万円で契約しているところでございます。この業務委託の期間につきましては、令和4年10月13日から令和5年10月20日までとなっております。 ◆2番(松田一志君)  この間の整備事業の流れについては、いろいろこの質問に当たってのヒアリングでもいろいろ協議をしたところですけれど、ぜひ市民の多くの人たちが市民活動の拠点として利用する施設ですので、なるべくこういったミスがないようにしていただきたいというふうに思うところですが、最近の建設業界は能登半島地震からの復興や、大阪・関西万博開催に向けての建設ラッシュや、あるいは働き方改革による工事期間の延長化や資材の高騰など、いろんな状況を抱えております。大手・中堅ゼネコンと地元建設業者の応札状況も大変気になるところです。市民活動の拠点として多くの市民が完成を待っていますので、ぜひこれから先の日程については順調に事態が進行するようお願いを申し上げておきます。 それでは、質問の最初の岩国基地の問題です。市長は令和4年12月3日に米海兵隊員が自動車販売店の事務所の一部を破壊し、車両を盗んだ事件で、日米地位協定が問題解決の壁になっていることについて触れていただきました。具体的には第17条ですが、公務外の事件、事故の場合、被疑者である米兵の身柄を米側が拘束するというふうになっております。この事件についても、岩国警察署並びに山口県警が身柄を拘束することはできていませんでした。指摘した事件も、米兵は米軍基地に逃げ入って、警察はそうした身柄拘束ができなかったわけですけれど、この点を見直す必要があると考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  今、議員のほうから御指摘がありました事件でございますけれど、この件につきましては、警察のほうで適正に捜査、対応がされたというふうに聞いております。また、基地側も捜査には協力しておりまして、捜査上支障が出たというわけではございません。ただここに、いわゆる協力するというところが、やはり裁量権、米側の裁量になりますので、このあたりの協力が得られなければ、捜査に支障が出る、そういうことも考えられますから、やはり日米地位協定のこのあたりの裁量権については、改定が必要だというふうに考えているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  第17条については、改定が必要だというお考えをお聞かせいただきました。 次に、第18条ですが、いわゆる民事請求権です。市長も改定の必要性について認識を持っておられるようですが、米側が被害者に対して賠償を行うまでに時間がかかり過ぎ、しかも被害者が米側と直接交渉ができないので、日本政府と米側が交渉するという、まさに見えないところでの交渉です。米側の交渉額の根拠については、何も被害者には説明がなされていません。こういった第18条というのは、まさにこのたびの案件でいっても被害者が泣き寝入り、諦めさせられた、こういった感情を私は直接お聞きしましたが、この点について市長はどうお考えでしょうか。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  賠償交渉につきましては公表されず、詳細については承知しておりませんが、基本的にはやはり被害者の方へ迅速かつ誠意を持って、丁寧な説明が国や米側からされるべきであるというふうに考えております。その中には、やはり被害者の方が必要とする情報というものも含まれるというふうに考えております。 ◆2番(松田一志君)  ちょっと今のは分からないんですが、第18条において、いわゆる米側が被害者賠償を行ったわけですけれども、米側の補償内容については、被害者に説明がなされていないんですが、その点についてお伺いしたわけです。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  ですから、被害者の方が必要とする情報、そういうものがやはり国や米側がちゃんと情報提供するということが必要だというふうに、市のほうでは考えているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  つまり、第18条の改定が必要だということで、私の考えと同じだという理解でいいんでしょうね。ぜひこの日米地位協定が、いわゆる非常に不平等で、あるいは日本人被害者に対して非常に誠実度のない非常に特権的な条文であるということなんですが、ここらを抜本的に改めるために、どういったことを岩国市が今、当面考えていらっしゃるのかお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  先ほども壇上から市長のほうが申し上げましたが、やはりこの日米地位協定の問題というのは全国的に大きな問題でございます。ここは一番大きい団体としては、渉外知事会というものがありますから、そこを通して強く要望していく必要があるというふうに考えているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  渉外知事会の取組について、少し御紹介いただけませんか。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  渉外知事会では、先日、令和6年3月にもいわゆる重点項目として、毎年関係省庁に要望させていただいているところでございます。その中には全国的な、いわゆる今の事件・事故、日米地位協定、各条の改正が必要な項目が具体的に明記されてありまして、それぞれの問題点というものがあります。 議員が言われています第18条関係につきましても、いわゆる見えないところというところです。 ◎審議監(村田光洋君)  ちょっと補足します。渉外知事会の取組ですけれど、要するに日本を取り巻く安全保障体制や、我が国の社会経済環境が大きく変わる中で、この日米地位協定は昭和35年に締結されて以来、60年以上も改定されていない。国はこれを運用による改善で前進しているというふうに――いろいろ運用改善されておりますけれど、条文の改定はなされていない。それによって、やはり国民、市民にとって非常に分かりにくい。そういった60年以上も条文改定がされていませんので、渉外知事会を通じて早急に見直す作業に着手して、少なくとも二、三年以内等、できるだけ短い期限を設けて見直しを行うなど、実務的な協議を行ってほしいということで19項目ぐらいにわたって国――防衛省、外務省に、これまでもずっと要求しているという、そういう状況でございます。 ◆2番(松田一志君)  ぜひ渉外知事会において、岩国市長が積極的な役割を果たされることを大いに期待いたします。 それでは、次の2番目の質問項目に移りますが、11月29日午後2時47分頃、横田基地所属のCV-22オスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落した事故ですが、岩国市はオスプレイの飛行停止について、その後、新たに求めたということがありますか。お聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  オスプレイの飛行停止につきましては、昨年11月29日の墜落直後、直ちに国において飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう米側に正式に要請されたこともありまして、この推移を見守っておりました。その後、12月7日に米軍が全てのオスプレイの運用を停止したことを踏まえまして、岩国基地の所属機ではないものの、中継地として岩国基地に立ち寄ることもあることから、山口県の基地関係市町連絡協議会として、今回の事件に関する詳細な情報提供、原因究明、早期公表及び再発防止策を講じること、また、外来機を含め岩国基地で運用される全ての航空機の今後一層の安全管理の徹底及び飛行の確保を行うことについて、国に対して要請を行っているところでございます。その後は、今、国のほうでいろいろと動きがございますので、今後の事故に関する詳細な情報提供や原因究明など早期公表を求め、引き続き把握に努めていきたいというふうに考えております。 ◆2番(松田一志君)  少し整理して明らかにしていきたいと思いますが、飛行停止は、岩国市は求めていないという回答でよろしいんですね。そして、日本政府ですけれども、当時の松野官房長官も飛行停止を求めたという言葉がないことを認めているし、アメリカ政府も日本政府から公式に飛行停止の要請を受けていないとの見解を明らかにしております。こういったことでは、やはりこのたびの事故についての日本側の深刻な受け止めというのは、伝わらないんではないでしょうか。ぜひ今からでも飛行停止を強く求め、日本政府に対しても、飛行停止をアメリカ政府に改めて強く求めるよう要請するということについて、何かお考えをお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  飛行機の運用につきましては、国、米側がしっかりと安全対策というものを講じた上で飛行されるべきものだというふうに考えております。その点につきましては、当然国からそういう説明、米側の説明を加味しまして、そういうところを適切に対応していくということが必要だろうというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆2番(松田一志君)  かみ合った回答になっていないように思いますが、日米地位協定について、沖縄県が調査したことがある記事を少し紹介しますが、こういった航空機事故に対してドイツでは、ドイツ側が現場を規制し、調査に主体的に関与するというふうなアメリカとの関係になっています。イタリアにおいては、イタリア検察が証拠品を押収するという立場になっています。そしてイギリスにおいては、イギリス警察が現場を規制し、捜索を行うというふうになっています。地域協定を結んだ国々でもこういった改定が行われて、まさに主権が発揮されているわけですが、日本の場合は捜査を行う権限などを行使しないというふうになっております。このオスプレイの墜落事故についても、今あるように、明確な日本政府の主体性というのが感じられないわけですが、飛行の再開について少し質問を変えてお聞きしますが、オスプレイの運用がもし再開されるようなことがあった場合、岩国市はどのような対応を取る予定なのかお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  再開につきましては、これから国のほうから情報提供があると思います。当然その内容をしっかりと確認して、適切に対応していくということが必要であるというふうに考えております。 ◆2番(松田一志君)  今、諸外国の状況を紹介しましたが、日本政府がこの事故に関して主体性を持って事故原因を追求したりする立場に、今の日米地位協定では、ないことが明らかなんですが、岩国市が独自にこうした飛行事故に対する知見などは持ち合わせていないわけですから、この飛行再開がもし行われたときに、どういうふうな対応をしていくのかという点では、政府が非常に重要な役割を果たすと思うんですが、政府に対してどのような要望をしていくのかということについて、改めてお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  先ほども申しましたが、やはり飛行機の米軍の運用でございます。これは、やはり国の防衛政策の上で米軍が運用され、国内を飛行しているわけでございますから、こちらの安全というものの責務は、国のほうでしっかりと対応すべきこと。当然、それに対して市のほうから、そういう懸念については払拭できるように要求していくということになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(松田一志君)  なかなか納得いく回答になっていませんけれども、オスプレイの飛行再開については、数週間以内に行われるんじゃないかという情報も流れているところで、私としてはオスプレイは欠陥機であって、事故原因が本当に日本政府に対して明確に示されていない限りは、絶対に飛行は認めるべきではないというふうに思うんですが、少し追加をしてお聞きします。この墜落して引き揚げられた機体は岩国に持ち込まれているわけですが、なぜ米軍岩国基地に持ち込まれていたんですかね。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  墜落しました機体の一部などが岩国基地に陸揚げされました。なぜかということでございますが、陸揚げにつきましては、今聞いているところでは、事故原因究明のために必要であるというふうに理解しております。港湾施設における通常の荷下ろしの中で、基地周辺住民への影響も少なかったため、特に市としては、問題視しているものではございません。 ◆2番(松田一志君)  今ありましたように、墜落した機体というのは、事故原因の究明に非常に重要な証拠になるわけですが、岩国に陸揚げしたというのは、米側にとってはそれなりの根拠があるんではないかというふうに思うんです。オスプレイがたびたび岩国に飛行することも含めてですが、実はオスプレイを整備する部隊が岩国にはあるんではないですか。そして、そのことをもう少し追加して言うと、CMV-22、いわゆる空母艦載機にオスプレイを運用させるという情報もあります。つまり、岩国にはオスプレイを運用するに当たって、整備する部隊が存在している疑いがあるわけですが、墜落部品の陸揚げとも併せて、今の米軍岩国基地がそういった能力を持っているんではないかということについて、どういうお考えかお聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  どのようなオスプレイを整備する部隊がということでございますけれども、基地の部隊の配備、要は整備内容につきまして、いわゆる隊員が基地内を移動するということはあり得るというふうには考えておりますが、ただ、今言われるように、部隊が常設されているというような情報は持ち合わせていないところでございます。 ◆2番(松田一志君)  米軍岩国基地に対して、こういった点、ぜひ聞いていただいて明らかにしていただきたいというふうに思います。 それでは、基地問題の3点目に行きます。KC-130空中給油機の陸地上空訓練についてですが、戦闘機の飛行距離を延ばすために空中給油というのは行われるわけで、日本の上空で空中給油を行うというのは、そういう意味では考えにくいわけです。つまり、日本の陸地上空でこうしたことをやっているというのは、目視したカメラマンとか目撃者によると、明確に空中給油を行っているというふうに言われるわけですけれども、しかし、私たちが目視した限りで空中給油なのか空中給油訓練なのか、これを見分けることができないわけですけれども、昨年の浜田でのこの空中給油の目撃について、政府からどのような情報提供があったのか御説明ください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  この件につきましては、中国四国防衛局のほうに確認をさせていただきました。防衛局のほうからは、米軍の運用は承知しておらず答えられない。ですが、一方で米軍が日本の陸地上空で空中給油する場合は、運用上必要なケースと理解しているということの回答を頂いているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  いやいや、空中給油と空中給油訓練というのは、我々が見ただけでは識別できないわけで、そんな説明ではとても納得できないんですが、そこらは突っ込んだ回答を求める必要があるんじゃないですか。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  空中給油につきましては、一般に航空機の航続距離や飛行時間を延伸し、軍隊としての運用の柔軟性を向上させるとの意義を有するものであり、在日米軍の空中給油についても、航空機の航続距離や飛行時間を踏まえた運用上の必要に基づき、実施しているものと承知しております。 空中給油訓練については、もとより高い技能を要するオペレーションである空中給油を円滑に実施するための訓練として、例えば専ら空中給油に係る技能の習得を目的とする教育訓練上の所要に基づくものがあり得るところから、在日米軍は訓練の安全性や教育訓練上の所要を総合的に勘案しながら実施しているというふうに理解しているということでございます。 ◆2番(松田一志君)  だからね、空中給油を行うのがこの機体の任務なんですよ。だから空中給油を行うというのは、距離を延ばすために空中給油をやるわけで、そのための訓練というのは必要なんだと思います。その空中給油訓練は、日本の陸地上空部ではやらないという合意があることについてお伺いしているんで、だから実際に浜田などで目撃されたのが空中給油なのか、空中給油訓練なのか、実際は識別できないわけですが、誰が考えても空中給油をやるというよりも、訓練を行っていると判断するのが妥当だと思うんで、そうすると、この日米の合意に違反するんじゃないかということを言っているわけで、その点について改めて回答をお願いします。 ◎審議監(村田光洋君)  今、浜田での具体的な事例を指して言われますと、冒頭の答弁になりますように事実確認ができていないという、それが訓練なのか、要するに空中給油そのものなのかは、事実確認ができていないというのが現状です。したがって、今、松田議員が言われますようにいろんなことを推論されるのは、松田議員がいろいろ御見解を述べられるんでしょうけれど、先ほど部長も答弁しましたように、空中給油そのものは航続距離や、あるいは飛行時間を延伸するために行う行為、それは非常に高度なテクニックが要るから当然訓練が必要、こういうことでございまして、木原防衛大臣は、そういった訓練は海上で行われるということを一般論で申し上げたという、これが事実でございまして、浜田の件がどうであったかについて、我々も確たることを申し上げる状況ではございません。 ◆2番(松田一志君)  時間になりましたので、質問を終わります。 ○副議長(松川卓司君)  以上で、2番 松田一志君の一般質問を終了いたします。 25番 片岡勝則君。 ◆25番(片岡勝則君)  皆さん、こんにちは。25番 憲政会の片岡でございます。会派を代表して一般質問を行います。 質問に入る前に、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から、先月24日で丸2年が経過いたしました。ニューヨーク・タイムズ紙によりますと、この間の戦闘による死傷者数は、両軍合わせて約50万人に上ると推計されると報じております。しかしながら、いまだこの戦争の終息は見えておりません。 また、ガザ地区でのイスラエルとハマスとの戦闘では、既に3万人を超える死者が出たとの現地当局の発表がありました。 そうした中、我が国周辺でも中華民国への中華人民共和国の中国人民解放軍による攻撃、あるいは軍事侵攻が懸念されております。このいわゆる台湾有事において、政府は、沖縄県の石垣島や宮古島など先島諸島から避難する住民や観光客、およそ12万人の山口県と九州の各県での受入れの協力要請をいたしました。計画の原案では、まず、鹿児島空港と福岡空港に移動し、そこから協力要請した各県の自治体に避難するとなっております。一方で、基地が集中する沖縄本島は含まれておらず、このことを懸念する声もあります。いずれにしましても、国民保護法に基づき国・県からの要請を受けての本市の対応となると思いますが、沖縄県民の皆様方に寄り添った積極的な対応を切に望むものであります。 それでは、通告に基づき一般質問を行います。今回2点についてお尋ねいたします。 1点目、県東部地域県立武道館(仮称)の建設についてお尋ねいたします。 これまで、議会といたしましても、岩国市議会スポーツ振興議員連盟を設立し、全国大会を誘致することができる県立武道館の建設実現に向け、桑原議長を先頭に、市や岩国市体育協会との連携を図りながら、国、県に対し、要望活動を行ってまいりました。こうした活動が実り、県におかれましては、令和2年度から県東部地域県立武道館(仮称)整備基本計画の策定に着手され、令和5年2月から実施設計が進められていると聞き及んでおります。 そこで、(1)として県立武道館建設に関わるこれまでの経緯と現在の進捗状況について、また、(2)として岩国運動公園の駐車場整備の状況について、現在の整備状況と今後についてお尋ねいたします。 次に、2点目の本市の災害対応についてお尋ねいたします。 まず初めに、本年1月1日に発生した能登半島地震で犠牲になられた方々と御遺族の皆様に、謹んで哀悼の意を表するとともに、いまだ不自由な生活を強いられている被災者の皆様方に対し、心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。 これまでも、地震による大規模な災害が起こっておりますが、このたびの能登半島地震による災害において、また、新たな課題が浮かび上がってまいりました。その多くの課題の中から、今回(1)として、飲料水・生活用水の確保について、(2)として被災者の住まいの確保についてお尋ねいたします。  終わりになりますが、今年度末をもって退職される全職員の皆様方に、長年にわたり市民の皆様のために御尽力いただきましたことに対し、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。今後はそれぞれの立場で御活躍されることをお祈り申し上げます。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、憲政会の代表質問、片岡議員御質問の第1点目の県東部地域県立武道館(仮称)の建設についてお答えします。 まず、(1)県東部地域県立武道館(仮称)の建設に関わる経緯と現在の進捗状況についてでありますが、市におきましては、県大会などの公式な大会等の開催に必要な規模や基準を満たした施設を整備することで、武道の振興や青少年健全育成の一層の推進、スポーツによる観光振興などを図ることを目的として、平成27年度から山口県に対し、県予算要望を続けております。 また、平成29年度には、私と市議会議長、岩国市体育協会長の3者連名で、山口県知事と山口県議会議長に対し要望書を提出しております。 これを受けて、県では国の再編関連特別地域整備事業を活用して、令和2年度から県東部地域県立武道館(仮称)整備基本計画の策定に着手し、令和3年度には、県と市、岩国市体育協会などで構成する県東部地域県立武道館基本計画策定委員会が設置されました。 この策定委員会において、県立武道館の機能や施設規模など、基本計画に必要な事項について協議と検討を重ね、令和3年10月に基本計画が策定されました。 この基本計画においては、事業費を約60億円と見込み、整備スケジュールは、令和7年度から本体建設工事に入り、令和10年度の供用開始を目指し、大規模大会等が開催可能な総合武道館であるとともに、球技など多目的に利用できる施設を整備していくとされました。 この基本計画では、施設の基本コンセプトとして、多目的に利用できる県民スポーツの拠点となる施設、交流人口の拡大と地域活性化に資する施設、将来の負担が過大とならないコンパクトな施設の3つが掲げられています。 また、整備場所については、岩国市総合体育館との一体的利用による利便性などを考慮し、岩国運動公園内に整備することとされています。 施設の規模や機能としましては、延べ床面積は約1万平方メートル程度であり、主道場や小道場、弓道場などが整備されます。 まず、主道場は、柔道や剣道の試合が6面で実施できる広さがあり、バスケットボールやバレーボール、ハンドボールやバドミントンのほか、卓球など武道以外にも利用できる多目的なものになっています。 小道場は、柔道や剣道の試合が3面で実施でき、1面ごとに間仕切りできるものになっております。 弓道場は、射距離が28メートルの近的の場合、12人立ちの試合ができ、射距離が60メートルの遠的の場合は、3人立ちの練習ができるものになっています。 そのほか、事務室や応接室、医務室、そして120台程度の駐車場などが整備される計画となっています。 この基本計画に基づき、令和4年3月から基本設計が始まり、県、設計事務所、市による協議や利用が想定される競技団体へのヒアリングを行い、昨年2月に基本設計が完了しています。 この基本設計では、施設の設計コンセプトとして、基本計画で掲げられた3つのコンセプトに加え、地域の景観に協調した施設が新たに掲げられております。 この新たに掲げられたコンセプトに基づき、施設の外観としては、主道場部分の大屋根と低層部の屋根をアーチ状のデザインとし、武道をはじめスポーツの持つ躍動感をイメージするとされています。 また、南側の壁面にガラスのカーテンウォールを設けることにより、エントランスなどは外部から活動が見える開放的で明るい空間とすることとされています。 現在の進捗状況としては、県において基本設計を基に、昨年2月から実施設計が進められている状況であり、設計が終わる本年6月には県立武道館の仕様が固まると伺っています。 県立武道館の建設に向けて、市においては、県から一部補償金を受けて、来年度から準備工事を実施していきます。 来年度は、県立武道館の整備場所に係る岩国運動公園内において、市が設置している既存の電気配管や配線、給水設備などのインフラの移設、改修工事と、屋内ゲートボール場などの解体工事を行う予定であります。 令和7年度は、芝生広場と新たにテニスコート南側に設置する第4駐車場の整備予定地の整地工事を行う予定です。 今後も、県立武道館の建設に向けて、山口県と連携しながら、各種工事を実施してまいります。 次に、(2)岩国運動公園の駐車場整備の状況についてでありますが、現在、岩国運動公園内の駐車場につきましては、大型バス4台、車椅子用車両10台、普通自動車312台の計326台が駐車可能となっております。 今後、県において、県立武道館の整備に当たり、岩国運動公園内に大型バス3台、車椅子用車両3台、普通自動車120台の計126台分の駐車場を新たに整備する予定であります。 これにより、岩国運動公園内の駐車場としては、既存の駐車場と合計して、大型バス7台、車椅子用車両13台、普通自動車432台の合計452台分が駐車可能となる予定であります。 また、岩国運動公園の敷地外の臨時駐車場につきましては、現在、普通自動車が約130台分の未舗装の駐車場を岩国運動公園の南側に整備していますが、加えて愛宕地区米軍家族住宅北ゲート付近の国有地に、普通自動車100台程度の駐車場を整備中であります。 なお、今年に入って開催された大規模大会であります、佐々木小次郎杯剣道大会や、はつらつママさんバレーボールin岩国におきましては、既存の臨時駐車場も活用し、大会運営の支障となるような大きなトラブルは発生しなかったと承知しております。 今後、大規模大会などの開催に伴う、岩国運動公園の駐車場の混雑については、新たに整備される駐車場と、整備中の臨時駐車場を活用することで、一定程度抑えられるものと考えております。 一方で、県立武道館の供用開始に伴い、岩国市総合体育館と相互にサブアリーナとして利用することも可能となるため、これまで開催できなかった大規模な大会などの開催場所として、岩国運動公園が選ばれる機会が増えてくると予想しております。 市といたしましては、今後、そのような利用の際に、どの程度駐車場が混雑するのか、その状況を把握し、臨時駐車場の最大限の活用等を図ってもらいながら、なお、駐車場が頻繁に混雑する実態があれば、今後の対応を検討してまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目の本市の災害対応についてお答えいたします。 まず、(1)飲料水・生活用水の確保についてでございますが、現在、災害用の飲料水としましては、本市におきまして、2リットルと500ミリリットルのペットボトル水を合わせて約6,500本、約3,500リットルの備蓄をしております。また、水道局におきましては、毎年500ミリリットルのペットボトル水を3,600本、1,800リットルの製造をしています。 加えて、飲料水兼用耐震性貯水槽を愛宕山のふくろう公園と水道局山手庁舎広場の2か所に設置しています。これは、地震などで水道管が破損し、水道水の供給ができなくなったときに、飲料水、消火用水として、貯水槽に水道水を蓄えるもので、ふくろう公園の地下式の貯水槽が100トン、10万リットル、水道局の地上式の貯水槽が40トン、4万リットル蓄えることができます。 さらに、流通状況の悪化等により、物資が不足する事態となった場合には、国、山口県、他の自治体をはじめ、防災協定を締結している事業者から、飲料水などの物資の支援を受けられることになっております。水道局においても、全国の水道事業体で構成している公益社団法人日本水道協会において、災害により大規模な断水が発生した場合の協力体制を構築しております。 また、生活用水につきましては、災害時に災害用井戸が活用された事例が全国で多数報告されており、災害時における水確保の手段の多様化につながる有効な方法と考えております。 本市におきましては、災害用井戸を平田出張所、川下出張所、南沖せせらぎパークの3か所に設置しているほか、民間所有の井戸について、災害時協力井戸の登録制度を設けており、現在13か所登録されております。 水は、生きていく上で絶対に欠かすことのできないものであり、引き続き必要な飲料水や生活用水の確保を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 次に、(2)被災者の住まいの確保についてですが、大規模な災害が発生した際には、数多くの住宅が倒壊、または被害を受ける可能性があります。これにより、多くの人々が一時的に住む場所を失うことも考えられるため、被災された方々を受け入れる場所が必要となります。市及び県では、一時的な受入れ場所として、居住の安定を図るため、市営住宅、県営住宅の空き住戸の提供を行っています。 通常の市営住宅の入居は、一定の要件を設けて公募によるものとしておりますが、災害が原因で住まいにお困りの方は、収入基準等の入居資格要件は問わず、暫定入居として公募除外の対象とし、緊急入居を許可することとしております。 緊急入居の要件としましては、原則として災害に係る罹災証明書と住民票の写しを提出していただきます。また、入居期間中の家賃及び敷金は免除となっています。 なお、緊急入居の期間は原則として1年以内としておりますが、緊急入居の期間経過後も、そのままの入居を希望された場合は、公営住宅法などの入居資格要件に該当すれば、正式入居に切り替えることも可能となります。 こうした公営住宅の確保につきましては、災害の状況や避難者の状況に応じて、山口県と連携して隣接自治体など広域的に住宅の確保、提供の支援をお願いすることとしております。 また、公営住宅のみでは不足する場合や、対応が困難な場合などは、山口県と連携して、応急仮設住宅を供与することになります。 いずれにいたしましても、被災された方々の状況に寄り添った対応を心がけ、被災者の方々の住まいの確保に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆25番(片岡勝則君)  それでは、何点かにつきまして、再質問させていただきます。 まず、災害対応についてでございますが、飲料水の確保については、ただいま副市長のほうから壇上で詳しく御説明をいただきました。生活用水においてですが、井戸水の活用について御答弁でその有効性、有用性から、現在公設で3か所、民間での災害時協力井戸は13か所ということで、今後とも市民の皆さんに周知を図られ、民間の井戸の提供の促進を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、被災者の住まいについての質問でございますが、市営住宅への一時入居については、原則1年であるとのことでございました。また、入居資格要件に該当すれば、そのまま住めるということでございますが、その入居資格要件について該当しない方は、即刻退居しないといけないのかどうかについて、お尋ねいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  まず、入居についての資格の要件ですけれど、単身向け住宅以外の場合は、同居する親族がある方となります。そのほかの要件といたしましては、収入基準に該当している方、入居されている方々全員が持ち家、土地等の資産がない方、市税を滞納していない方、未納の市営住宅等の使用料滞納がない方などでございます。 また、緊急入居をされたときの目的外使用許可の入居となることから、原則として1年以内ということにはしておりますけれども、大規模災害時は国の通知を踏まえまして、被災者の実情に照らし、適切な入居期間となることとしておりまして、できる限り被災者の方の御事情に寄り添った対応をしていきたいと考えているところでございます。 ◆25番(片岡勝則君)  それでは、続きまして一時的な受入先としての市営住宅、県営住宅、この公営住宅でございますが、不足した場合には応急仮設住宅での対応ということでございますが、建設予定地については、どのように考えておられるのか。また、愛宕山ふくろう公園の防災広場が立地条件もよく適地であると考えますが、いかがお考えか、お尋ねいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  まず、大規模災害時における応急仮設住宅の建設候補地につきましては、旧市内であれば、愛宕神社前広場、旧河内中学校、梅が丘の各街区公園など、玖西地域におきましては、玖珂総合公園、サン・ビレッジ周東など、玖北地域では美和総合グラウンド、錦上須川運動広場など、由宇地域では由宇グラウンドなど約40の候補地がございまして、約2,000戸の建設が可能となっております。しかしながら、実際の応急仮設住宅の建設予定地の選定につきましては、災害廃棄物の仮置場や道路、飲料水などのライフラインの被災状況や復旧見込みなどを踏まえて、選定するようになろうかと考えているところでございます。 なお、議員御案内の愛宕山ふくろう公園におきましては、物資の輸送拠点として機能するとともに、岩国医療センターやいわくに消防防災センターと連携して、本市の医療防災交流拠点の広場として整備をしていることもございまして、応急仮設住宅の候補地とはしていないところでございます。 ◆25番(片岡勝則君)  了解いたしました。 それでは、次に計画では仮設住宅において40か所で約2,000戸数の建設が可能とのことでありますが、災害の規模にもよると思いますが、必要戸数の考え方についてお尋ねいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  応急仮設住宅につきましては、建設型というものと賃貸型という2つがございまして、実施主体の都道府県が供与することになっておりますが、状況に応じまして市に委任して実施することもございます。必要戸数の考え方や推計につきましては、山口県におかれては山口県災害時の被災者向け住宅確保マニュアルに沿って実施され、被害状況に応じた必要戸数の把握がされるとともに、発災後の避難者の状況や段階に応じて対応していくものと考えているところでございます。 ◆25番(片岡勝則君)  今、部長からの御答弁で、仮設住宅において、建設型、賃貸型とあるわけでございますが、賃貸型について少し詳しく説明をお願いできたらと思います。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  まず、賃貸型を詳しくということですけれど、民間の賃貸住宅を借り上げさせていただきまして、応急仮設住宅として供与するものでございまして、賃貸アパートや賃貸マンションなどが考えられます。民間賃貸住宅の被害状況や民間賃貸住宅の有無など地域の実情に応じて、民間賃貸住宅の事業者の方や所有者の方に御協力をいただきながら、山口県と連携して対応していくことになろうかと思います。いずれにいたしましても、被災者の方へ迅速かつ円滑に住宅の供給が行えるよう、山口県や関係団体と連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆25番(片岡勝則君)  災害時においては、住まいの確保については、被災された方々が一番難渋されることであるというふうに思っております。災害対応については、常在戦場を旨として、今後とも県、それから関係団体等と連携を図りながら、最善の対応策を講じていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、県立武道館につきまして再質問させていただきます。 先ほど市長の壇上での御答弁の中で、令和6年度から県の補助金を受けて、市が準備工事を行うということでございましたが、この市が行う準備工事の期間中の安全対策については、どのように考えておられるか、お尋ねいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  現在、実施設計を進めておりまして、今後のスケジュールはまだ固まっていない状況ではありますが、昨年2月に完了しました基本設計の段階での市が行う準備工事のスケジュールの予定としましては、次のとおりでございます。 令和6年の10月から令和7年の2月にかけまして、電気配管、配線や給水設備などの既存のインフラを移設、改修する工事。それから令和7年3月から6月にかけまして、ゲートボール場などの既存の建物を解体する工事。それから令和7年8月から11月にかけまして、芝生広場と第4駐車場の整備予定地を整地する工事、令和7年6月から令和8年5月にかけまして、受変電設備を更新する工事などをそれぞれ計画しているところでございます。これは市が準備工事として行う期間中につきましては、工事内容によって、交通誘導員を配置することで安全対策を図る予定としております。今年中に着手しますインフラ移設、改修工事につきましては、園内道路に面した工事ではないということから、交通誘導員を要しないところではありますが、来年に入って着手します建物の解体工事や芝生広場の整地工事などでは、大型工事車両の出入りは予定されておりますので、県とともに適切に交通誘導員を配置する計画を立てて、安全確保を図ることを考えております。 ◆25番(片岡勝則君)  これから準備工事においては、工事期間中に市民の皆様方の利用と重なるわけでありまして、安全については万全の体制を取っていただきたいというふうに思います。 それでは、一方、本体工事においては、本格的に県のほうで工事を始められるわけでございますが、新築工事中の安全確保について、県のほうではどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  基本設計の段階での県が行う武道館本体の新築工事期間についてですが、令和7年12月から令和10年3月の予定となっております。この工事期間中の安全確保について、県の見解として伝えられていることは、次のとおりでございます。 まず、1点目としまして、工事車両用の進入路を新たに設置することにつきましては、設置場所や整備費用を考慮すると県立武道館整備事業の中で対応することは困難であると。 2点目としまして、工事中の利用者への安全対策については、交通誘導員の配置など、万全を期す。 3点目としましては、工事は完全週休2日制を取り、運動公園内において大規模な大会が開催される場合は、工事を避けるなど、公園管理者と日程調整をしながら工事を進めていくということを伺っております。 具体的な交通誘導員の配置としましては、実施設計の完了後に明らかにされることになりますが、現時点では芝生広場の整地工事が始まります令和7年8月以降は、工事エリアを仮囲いするため、その出入口に交通誘導員を配置することとされています。そのほか土工事やコンクリートの打設時期には大型工事車両の通行も頻繁になることが想定されるため、公園出入口と第1駐車場出入口付近などに交通誘導員を複数人配置することを計画しておられます。 市といたしましては、県に対しまして、今後も工事期間中の安全確保について、十分な配慮を行うように要望してまいりたいと考えております。 ◆25番(片岡勝則君)  我々としては、新たな工事車両の進入路の設置ということを期待しておったわけですが、これについてはなかなか難しいということでございました。せっかくすばらしい県立武道館ができるということではございますが、やはり総合体育館については、市民の皆様方、そして、この期間中であっても様々なスポーツの大会等が実施されると思います。ぜひ安全対策については、その都度問題があれば、対策の必要性が感じられたときには、県のほうにしっかりと対策を講じていただくようにお願いしたいと思います。 次に、緊急用、防災上の観点から、運動公園からの出入口について、これは車両というわけではございませんが、もう1か所の出入口――今、工事車両も利用者の方々も正面玄関しか出入口はないわけで、これに代わる入り口を設けるべきと考えますが、このことについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  市としましても、緊急用、防災上の観点から運動公園に別の出入口を設けることが望ましいと考えておりまして、これまでも検討を行っているところではございますが、車両が出入りすることを考えますと、道路勾配や合流地点での安全性の問題と様々な課題があるという認識を持っております。それから、先ほど市長が御答弁いたしましたとおり、県立武道館の完成後には、大規模大会の開催が増えるということで御紹介いたしました臨時駐車場を活用する機会も増えてくると予想しております。そのため、今後はこれまでの緊急用、防災上の観点に加えまして、臨時駐車場へのアクセスの改善等、利用者の利便性の向上といった観点なども踏まえ、様々な観点から検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆25番(片岡勝則君)  利便性の向上ということからも、ぜひ今の総合体育館、運動公園に通ずる道の確保というものをしっかりと検討していただきたいというふうに思います。 先ほどから、壇上からでも御答弁をいただきましたけれども、現状においては、駐車場については、臨時駐車場を含めて充足できておるんだろうというふうに思います。しかしながら、今年の1月に開催されました剣道の佐々木小次郎杯においては、大きな支障もなかったということでございますが、その中では公園内の道路にも駐車をされたというふうに聞いております。また、芝生広場のほうも一部利用されたということでございますので、今後、県のほうで新たに整備される駐車場が126台ということでございますが、これを含めれば佐々木小次郎杯の開催については、常設の駐車場と臨時駐車場を併せ持って十分足りるのかなというふうに思うわけでありますが、これから、また、岩国市の剣道連盟では全国大会の誘致ということで、これは全日本剣道連盟の主催の行事になるわけですが、全日本東西対抗剣道大会というのがございます。これが県立武道館の供用開始に向けて、岩国市の剣道連盟も誘致について、今、鋭意努力されているところというふうに聞いております。ちなみにこの大会は、我が国の剣道大会で一番歴史の古い、また、一番大きな大会でもあります。これが実現ということになれば、全国各地からこの大会に来られるというふうに考えているわけですが、こうしたことも踏まえ、ほかの球技の全国大会等々も考えられるわけでございまして、これからこの駐車場整備については、将来的なものを踏まえて検討してまいりたいということで、市長のほうからも御答弁がございましたので、しっかりと本市のスポーツ施設整備基本構想にも、総合公園のB地区についての駐車場の新設ということも掲げられておりますので、今後しっかりと検討していただきたいということをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。 ○副議長(松川卓司君)  以上で、25番 片岡勝則君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時45分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時10分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 15番 中村 豊君。 ◆15番(中村豊君)  皆さん、こんにちは。15番 公明党議員団の中村 豊です。 通告に従い、一般質問を行います。 1点目、障害者支援についての(1)強度行動障害のある方への支援についてお伺いいたします。 強度行動障害とは、自傷行為や物を壊すなど、周囲の人に影響を及ぼす行動が多く、障害特性に周りの環境が合っていないと人や場に対する嫌悪感を強め、行動障害が強くなる状態のことを言います。 家庭でかなり努力をして養育しても難しい状態が続き、特別な支援が必要となってきます。障害の特性や周りの環境をきちんと把握し、本人に合った支援・治療を行うことが大切です。 1989年の行動障害児(者)研究会による報告書において、初めて強度行動障害という言葉が生まれ、厳密には医療用語ではなく、行政・福祉において使われている用語となっています。 強度行動障害がある人は、全国で約8,000人程度いると言われています。この人たちの多くは重度の知的障害(知的発達症)やASD(自閉スペクトラム症)のある人になり、強度行動障害が起こる年齢は人それぞれで、特に思春期以降に強いこだわりや自傷行動、他傷や破壊行動などが重篤化する場合が多くなっています。ただ、強度行動障害は先天的に生じるもので、適切な支援・治療をすれば和らぐとされています。 しかしながら、当事者と親が高齢化し、在宅でのケアが大変で、施設等への入所を希望しても空きがなく、将来が不安という声も聞かれます。また、支援に従事する事業所の職員の方たちの切実な声も聞こえてきます。 2023年3月には、厚生労働省の検討会が報告書をまとめ、支援強化に向けた動きが加速しています。 誰一人置き去りにしないで、全ての市民が自分らしく地域で暮らし続けられるため、強度行動障害のある方と共に生きるため、障害特性を正しく理解し、適切な支援への取組の充実が求められます。 本市における強度行動障害のある方の現状、また、支援を行っていく上での課題、あわせて、強度行動障害施策についてのお考えをお伺いいたします。 次に、(2)行動援護についてお伺いいたします。 行動援護とは、知的障害や精神障害がある方が社会的孤立や障害による生活の不安を防ぎ、障害があっても地域で自立した生活を送れるように支援する障害福祉サービスの一つになります。外出の際の危険回避や、外出前後の着替えや移動中の介護、排せつ及び食事等の介護、その他行動する際に必要な援助など、個人に合わせたサービスが提供されます。 外出することにより、家族以外の人とつながり、地域の中にも溶け込めます。また、専門資格者が同行してくれるので、親や家族の負担も軽減されます。そして、知的障害や精神障害で強度行動障害のある方が安心して社会参加でき、家族を含め生活が維持できていきます。 本市における行動障害のある方の外出支援を含む、行動援護についての現状と課題についてお伺いいたします。 2点目、スポーツを通しての世代間交流についてお伺いいたします。 地域スポーツはこれまで、子供から高齢者に至る誰もが日常的にスポーツに親しむことができる環境を提供し、スポーツによる精神的充足感や楽しさ、喜びをもたらし、達成感など心身の健康保持や増進にも重要な役割を果たすもので、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠です。そして、人・情報・地域の交流による地域コミュニティーの活性化にも大きな役割を果たしています。 また、スポーツは次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重し、これと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育むなど、人格の形成に大きな影響を及ぼすものです。 世代を超えてスポーツ活動を楽しむことで、地域内交流が図られ、新しい人間関係も築かれて、世代間での交流も広がり、コミュニティーがより一層活性化するものと考えます。 本市におけるスポーツを通しての世代間交流の現状と、今後の交流促進の取組へのお考えをお伺いいたします。 次に、(2)モルック競技についてお伺いいたします。 資料をお願いします。 モルックは、フィンランド発祥のスポーツで、モルック棒という木を投げてピンを倒し、一番早く50点到達を競うゲームです。近年日本でも話題になり、一度でも体験したことのある人は、国内で100万人を超えています。今年8月には、北海道函館市で世界大会も行われることとなっています。 戻してください。 魅力の一つは、世代間交流ができることです。体力差が出にくい競技で、年齢を問わず男女が共に遊べ、フィンランドでは家族チームもたくさんあり、親子3世代が同じルールで競い合うスポーツは珍しいもので、年齢を超えた友人づくり、話題づくりには最適なスポーツと言えます。 4メートル掛ける10メートルの範囲で、競技時間は1ゲーム10分から20分ぐらいになり、シンプルなルールながら戦略性も必要となり、相手の妨害など頭脳戦も繰り広げられます。また、飛んだり跳ねたりはありませんが、地面に倒れたピンを何度も起こすので、軽いスクワットを数多くやることになります。適度な疲労感が出て、体を動かす爽快感も得られます。 モルック競技を活用し、世代間交流の輪を広げ、横のつながりを深めるとともに、積極的な健康と生きがいづくりを推進していき、触れ合いと活力に満ちた地域社会を形成していけたらと考えますが、御見解をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村 豊議員御質問の第2点目のスポーツを通しての世代間交流についてお答えいたします。 まず、(1)現状と今後の交流促進の取組についてでありますが、スポーツ・レクリエーション活動によって得られる充実感や達成感は、心身の健康の保持に効果があるだけではなく、体力の向上や健康寿命の延伸などにも大きな役割を果しております。 そのため、本市では、スポーツ・レクリエーション活動を、日々の生活習慣として定着させる取組を推進しているところであります。 その取組の一環として、毎年度、心身の健康づくり・地域づくり・仲間づくりを推進することを目的とした市民健康スポーツのつどいスポレクフェスタを開催しております。 このイベントは、岩国市体育協会、岩国市レクリエーション連盟、岩国市スポーツ推進委員協議会、岩国市総合型地域スポーツクラブ連絡協議会などの皆様と、協働して開催しています。 今年度で43回目を迎える歴史あるイベントであり、競技スポーツやニュースポーツ、レクリエーション活動の体験に加え、健康チェックや体力測定、食生活改善指導等を、メイン会場である岩国運動公園や愛宕スポーツコンプレックスのほか、市内の19会場で実施しています。 様々なスポーツ・レクリエーション活動を気軽に体験できるため、日常的に運動習慣のない方が、自身の健康状態や体力を確認し、健康への関心を高める機会となっているほか、年齢を問わず楽しみながら参加できる種目も多いため、親や子、孫といった、多様な世代からも多くの参加をいただいております。 また、近年、子供から大人まで、年齢や体力にかかわらず、誰もがどこでも楽しめるニュースポーツが注目されているところであり、本市においても、これまで、ボッチャやペタンクなどのニュースポーツの普及支援に取り組んでまいりました。 取組内容としましては、県単位で行われる指導者養成のための研修会への参加支援や、市内で開設される教室などに、地域でスポーツ指導等を担うスポーツ推進委員を講師として派遣するほか、用具の貸出しなどを行っています。 特に、ペタンクについては、岩国市民ペタンク大会を岩国市スポーツ推進委員協議会と共同開催しており、昨年度の第10回大会では、25チーム、95人の方が参加され、ニュースポーツの裾野の広がりを見せているところであります。 議員御案内のとおり、これらの取組を通じ、市民が世代を超えて触れ合いや交流を深めていくことは、コミュニケーション能力や思いやりの心、多様な価値観を認め合う気持ちなどを育み、地域コミュニティーの活性化につながるものと考えています。 今後につきましても、スポーツ・レクリエーション活動を「する・みる・ささえる」といった多様な形での機会の拡大に努め、特に、年齢や体力を問わず参加しやすいニュースポーツを通じた世代間交流を促進してまいります。 次に、(2)モルック競技についてでありますが、モルックは、年齢や体力による差がつきにくいため、子供から大人まで誰もが気軽に楽しむことができる一方で、戦略が勝敗を大きく左右するという一面もあり、やればやるほど奥深さがあるスポーツと評されております。 密集を避けてプレーできることから、特にコロナ禍の時期に注目が高まり、また、最近になって屋内用のモルック用品が開発され、天候にかかわらず室内でのプレーも可能となったことから、今後、競技人口の増加が見込まれているところであります。 議員御案内のとおり、本年8月には、北海道函館市において、国内初開催となる世界大会が予定されるなど、全国的に機運が高まる中、本市においても、昨年11月23日に第1回岩国市民モルック大会を岩国市スポーツ推進委員協議会と共同開催しました。 この大会は、スポーツを通じた潤いのある社会の実現や、スポーツ活動への参加促進、健康体力づくりに対する関心の向上などを目的として開催したもので、39チーム、140人の方が参加されました。 参加者の年齢は様々でありまして、6歳から90歳までの男女が、思い思いのスタイルでモルックを楽しみ、世代やチームの垣根を越えて、交流が図られている様子を目にすることができました。 モルックは、ボッチャやペタンクと同様に、健康づくりだけでなく、参加者との触れ合いや交流を深めながら、生涯を通じて楽しむことができる、ニュースポーツと言えます。 市としましては、今後も、他のニュースポーツと同様に、モルックについても体験の機会を増やし、幅広く市民の参加を呼びかけること等により、生涯スポーツ社会の実現を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  第1点目の障害者支援についての(1)強度行動障害のある方への支援についてお答えします。 まず、本市における強度行動障害のある方の現状ですが、強度行動障害を有する方の人数について、令和4年度に本市において調査を実施したところ、18歳以上の強度行動障害を有する方の人数として159人との結果が出ています。 この人数は、市が障害福祉サービス費の支給決定を行った方のうち、コミュニケーション、説明の理解、大声・奇声を出す、異食行動、多動・行動停止などの行動に関する各項目の状態を数値化し、その合計が一定の数値とされた方を集計した人数であり、障害福祉サービスを利用されていない方や障害児は含まれていないことから、現在のところ、本市全体としての人数は把握できていません。 議員御指摘のとおり、強度行動障害を有する方やその家族におかれては、本人の問題行動への対応や将来への不安など、多くの悩みを抱えて生活しておられることと思います。 強度行動障害を有する方やその家族に対する支援としましては、まずは、市内の障害者相談支援事業所による相談対応があります。 障害者相談支援事業所では、障害のある方やその家族からの様々な相談に対応するとともに、希望される障害福祉サービスの利用支援等を行っているところですが、依然として、障害者相談支援事業所を知らない方も多くおられることから、その周知が課題となっています。 次に、障害福祉サービスとしまして、ホームヘルパーを派遣する訪問系サービスのほか、施設に通ってサービスを受ける日中活動系サービス、生活の場を提供する居住系サービスなどによる支援があります。 サービスを提供する事業所の中には、県が実施する強度行動障害支援者養成研修を事業所職員に受講させるなどして、強度行動障害を有する方への支援を進めている事業所もありますが、現状では、全ての事業所において適切な支援を行うまでには至っておりません。 また、障害福祉分野におきましても、人材不足が大きな課題となっており、今後、事業所の安定的な事業実施が困難になることも予想されます。 こうした状況の中、国においても、強度行動障害を有する方の支援を一層進めていく必要があるとの認識を示しています。 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき、障害福祉サービス等の提供体制及び自立支援給付等の円滑な実施を確保することを目的として作成された障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針が、令和5年に改正されました。 改正された指針では、強度行動障害を有する方に対して、障害福祉サービス等において適切な支援ができるように、支援ニーズを把握するとともに、地域における課題の整理や専門的人材の育成、地域資源の開発等を行い、地域の関係機関との連携を図りつつ、支援体制の整備を図る必要があると示されております。 本市としましては、市と関係機関によって構成される岩国市障害者自立支援協議会と連携して、支援ニーズの把握や障害福祉人材の不足などの課題解決に努め、強度行動障害を有する方の支援体制の整備を進めてまいります。 次に、(2)行動援護についてですが、行動援護は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定された障害福祉サービスの一つであり、知的障害や精神障害などにより行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要する方に対して、行動する際に生じ得る危険の回避や移動中の介護、外出前後の衣服の着脱介助、排せつ及び食事の介護などの必要な援助を行うサービスです。 この行動援護を実施する事業所は、県内でも5事業所しかなく、本市には事業所がないことから、現状、本市では本サービスを利用することはできない状況にあります。 そのため、本市では、知的障害や精神障害などを有する方の外出支援として移動支援事業を実施しているところです。 この移動支援事業と障害福祉サービスである行動援護とは、社会生活上、必要不可欠な外出や社会参加のための外出を目的として提供されるサービスであることに相違はありませんが、行動援護は実施に当たって、従業者に行動援護従業者養成研修等の受講や、知的または精神障害に関する実務経験を求めていることから、知的または精神障害に精通した従業者が対応するなど利用者にメリットがある反面、事業所にとっては、新規開設を難しくしている要因になっているとも考えられます。 本市において行動援護を利用できるようにするためには、本サービスを実施する事業所を確保しなければなりません。本市としましては、知的障害や精神障害、強度行動障害などを有する方の社会生活上、必要不可欠な外出や、社会参加のための外出を支援する本サービスは重要であると考えており、引き続き、事業所の確保に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◆15番(中村豊君)  それでは、通告順に障害者支援についてから再質問いたします。 159人の方が強度行動障害であろうとのことでしたが、市が把握できていない方も少なからずいると思われます。そのような方においては、適切な支援サービス等につながっていない状況が考えられます。また、サービス等につながっていても、ニーズが満たされていないといった状況もあります。そのような方たちの現状はどのようになっているのか、あわせて、どのような対応が考えられるのか、お伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  強度行動障害を有する方で市が把握できていない方につきましては、障害者相談支援事業所の周知をさらに進めるとともに、民生委員や自治会など地域の方々と連携して、障害者相談支援事業所につなげていけるよう努めてまいります。 また、サービス利用等につながっておられる方のニーズの充足につきましては、障害者相談支援事業所において御本人や御家族の希望等をお聞きし、希望等に沿ったサービス利用等につながるよう努めておりますが、サービス事業所側の受入れ体制が整っていない場合もございます。強度行動障害のある方を受け入れることができる態勢の整備及び新たな事業所の誘致などにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  サービス等につなげるためにも、障害者相談支援事業所を知ってもらうことが重要となってきます。また、相談体制と専門性を持った人材の育成・確保の充実も求められてきます。現状と今後の方向性についてお伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  障害者相談支援事業所の周知についてですが、今年度、障害者計画の策定に当たって、障害者や障害児の保護者を対象にアンケート調査を実施しましたところ、障害者相談支援事業所を知っているかとの質問に対して、知っていると回答された方は37.4%にとどまっており、十分に認知されていない状況でございます。本市の広報紙やホームページへの掲載などを活用し、周知を図っておりますが、今後、より効果的な周知方法等について検討しまして、障害者相談支援事業所の利用につながるよう努めてまいります。 また、人材の育成・確保についてですが、本市の障害者の基幹相談支援センターである岩国市社会福祉協議会くらし自立応援センターいわくににおきましては、主任相談支援専門員を配置しまして、専門的な相談への対応等を行うほか、障害者相談支援事業所に対する指導や助言、また、研修会を開催するなど、人材の育成にも努めておるところでございます。 相談支援専門員などの障害福祉人材の確保については、壇上での答弁にありましたとおり、本市において大きな課題となっておりますことから、先進自治体の施策などを参考にするなどして、本市としての施策を検討してまいりたいと考えております。
    ◆15番(中村豊君)  強度行動障害を有する方への理解を深めることを目的として、強度行動障害支援者養成研修があります。強度行動障害は危険を伴う行動を頻繁に示すため、受入れ施設では、その障害特性の理解に基づく適切な支援が必要となってきます。厚生労働省が定める研修プログラムに基づき、必要な専門的知識と技術を体系的に学び、適切かつ有効な支援が行える人材育成研修となります。全国的に都道府県が主体となり、山口県でも開催されています。本市において、どのぐらいの事業所・従事者がこの研修を受けているのでしょうか。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  強度行動障害支援者養成研修の受講者数でございますが、本市全体の受講者の人数は把握しておりません。ただ、本市が指定しております特定相談支援事業所及び障害児相談支援事業所につきましては、9事業所中6事業所において、6人の強度行動障害支援者研修受講者を配置しております。今後もこの研修の受講の勧奨などを行いまして、強度行動障害支援に関する専門的な知識や技術を持った従事者が増加するよう努めてまいります。 ◆15番(中村豊君)  今の御答弁で、市内でこの研修を受けた方はまだまだ少ないと感じます。専門人材を確保し支援の充実を図っていく上でも、受講者を増やせるよう市としても働きかけや、また、何らかの助成が考えられるのであれば、御検討をお願いできればと思います。 支援サービスの提供者、受皿となる事業所に強度行動障害者の適切な受入れを推奨するためには、事業所が抱える支援の困難さに対しての対応を今後しっかりと検討していくべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  強度行動障害を有する方は危険を伴う行動を頻繁に示す特性があるため、受入れ施設ではその障害特性の理解に基づく適切な支援が必要となっていきますから、施設において受入れが困難であるということは承知しております。市としましては、専門的知識と技術を体系的に学び、適切かつ有効な支援が行える強度行動障害支援者養成研修について周知し、受講をお願いするなどして人材の育成を図り、また、経験のある人材を確保できるよう、関係施設と協議を行い課題を共有しながら、どういった支援が必要とされているかを検討してまいりたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  受入れ体制、また、人材の充実で、当事者、まして家族の安心も生まれてきます。また、安定的な人材確保を事業所がしていくためにも、報酬の面でも事業所を支えていく必要もあると思います。強度行動障害に関する加算が設けられています。加算制度の活用や、また、現場での指導、助言を行う中核的人材の育成など、現在もしっかりと取り組んでおられると思いますが、さらなる取組の促進を期待いたします。 では、強度行動障害は、成人になって急に起こるわけではなく、小さい頃から刺激に対する過敏性とか、衝動性、睡眠の問題、様々な育てにくさ、あるいは生きにくさを感じている子供が、思春期あたりから自分自身の困難さの発露として、行動障害が起こってくると考えられています。乳幼児からの支援についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  乳幼児期における発達障害、または疑いのある児童への支援、取組についてということでございますが、早期の発見、診断による対応が重要であるということから、乳幼児健診・5歳児発達相談等の機会や、保育園などの就学前施設との連携により早期発見に努め、子供の発達特性や状況に応じた適切な療育機関につないでおります。また、岩国市療育センターを中心とした早期療育・訓練の実施や、児童発達支援事業所において、日常生活の基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練を行うなどの支援を行っておるところでございます。 ◆15番(中村豊君)  2023年3月の厚生労働省の強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会が報告書をまとめた中に、「教育の部分においても、子供の頃から育ちを支えて育み、その時期に予防していくことが、結果としては、著しい行動障害につながらない状況を生み出す」と整理されています。手厚い支援の推進をよろしくお願いしたいと思います。 それでは、障害者支援として、関係機関との連携についてはどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  関係機関との連携ということでございますが、本市では、保健、福祉、医療、教育、障害者施設、障害者団体等の関係機関で構成する岩国市障害者自立支援協議会を設置いたしまして、市や相談支援事業所が直面した課題やニーズについて情報を共有し、本市に必要な障害者支援体制の整備等について協議を行っているところです。 また、この協議会では、療育サポート部会、暮らしサポート部会、就労サポート部会の3つの専門部会を設けまして、それぞれの専門に関する具体的な検討を行っております。 このほかにも、基幹相談支援センターが、市内の障害者相談支援事業所における情報共有や職員のスキルアップの場として、相談支援事業所を集めての相談支援事業所会議を2か月に1回程度開催しております。具体的には、困難事例への対応の検討や意見交換などを行っており、障害者相談支援事業所間の連携の強化に努めておるところでございます。 ◆15番(中村豊君)  住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう連携を強化し、今後も施策の充実に努めていただければと思います。 福岡県北九州市では、強度行動障害のある方の実態調査として、生活の場における支援の状況や在宅での生活実態等について、家族の方にアンケート調査を、強度行動障害支援システムの構築に向けた検討の基礎資料として実施しています。これにより、支援サービスの拡充に向け、何が必要であるのかが分かってきます。また、長野県松本市では、令和4年度から、強度行動障害者住宅整備事業といった市独自の施策を展開しています。本市としても、実態調査や市独自の施策を検討するお考えはないでしょうか、お伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  市独自の施策ということでございますが、本市におきましても、強度行動障害を有する方への支援体制の整備につきましては、重要なことであると認識しております。議員御指摘のとおり、現在、市独自の施策は実施できておりませんが、今後実態調査を行うなどして、支援ニーズの把握や支援体制の構築に努め、サービスの提供につながるよう検討してまいります。よろしくお願いします。 ◆15番(中村豊君)  ぜひ、しっかりと検討していただければと思います。 家族の心情として、家族の気持ちを知ってもらうことの大切さや、多くの支援者に支えられている実感、そして、親が行動障害について学ぶことの必要性が大事となってきます。また、親の年齢がいくと、子供が成長するのに対して対応が難しくなってきます。将来の不安を和らげるため、親として、また、家族として、どう対応していくべきなのかといったマニュアルなどがあれば、安心も得られるのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。また、あわせて、家族のレスパイトのための対応についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  市としましても、障害のある方やその御家族への情報提供は重要であると考えております。 現状としては、強度行動障害の方への支援対応についてのマニュアル等はございませんが、今後、障害者のサポート、特性に合った対応方法など、情報提供となるチラシや冊子の作成を検討してまいります。 また、本市では、家族の就労支援や、障害者等を日常的に介護している家族の一時的な休息支援を目的としたサービスである、日中一時支援事業を実施しております。 この日中一時支援事業は、市と委託契約を締結した事業所において、障害のある方を受け入れ、日中の活動の場を確保し、一時的な見守りを行うという内容の事業ですが、この日中一時支援事業におきましても、強度行動障害を有する方の受入れ対応が十分ではないということから、引き続き、支援体制の整備に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  強度行動障害は本人の問題とされがちですが、周りの環境や受入れ体制を整えることで問題行動を減らし、落ち着いた生活を取り戻すことができます。地域に出ることにより、社会的孤立や障害による生活の不安定を防ぎ、自立した生活を送ることができます。 現在、行動援護を実施している事業所はないということでありますが、行動援護の特定事業所加算の加算要求の見直しがされています。また、地域生活支援事業である移動支援との併用はできませんが、生活圏内で行動援護サービスを提供している事業所がないなどの理由で市町村が認めれば、併用できる場合もあります。 市全体で、障害者をサポートしていく、事業所をサポートしていくことが必要となってきます。障害特性に合った治療はもちろん、様々な福祉サービスと医療を組み合わせて、一人一人にあった支援施策を進めていってもらうことを強く要望いたします。 それでは、次に、スポーツを通しての世代間交流について再質問いたします。 御答弁にございましたニュースポーツという言葉を初めて聞いたのですが、どのようなものになるのか、もう少し詳しくお聞かせ願えればと思います。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  ニュースポーツについて定まった定義はございませんが、主に20世紀後半以降に新しく考案されたスポーツのことを言います。競技スポーツとは異なりまして、健康づくりや交流の場づくりを目的に、生涯を通じて、いつでも、どこでも、誰もが、いつまでも気軽に親しむことができるスポーツとして注目されております。 比較的ルールは易しく、年齢や体力にかかわらず誰でも楽しむことができ、また、激しい運動を要求されない種目が多いことから、運動が苦手な人や運動不足を感じている人でも参加しやすいという特徴がございます。 ニュースポーツの種目といたしましては、議員御案内のモルックのほか、カローリング、クロリティ、グラウンドゴルフ、スポーツチャンバラ、ソフトバレー、タグラグビー、ノルディックウォーキング、バウンドテニス、フライングディスク、ペタンク、ボッチャ、ミニテニス、ラージボール卓球など多岐にわたっております。 本市におきましても、複数の団体がグラウンドゴルフ、スポーツチャンバラ、バウンドテニス、ミニテニス、ラージボール卓球などのニュースポーツに親しまれ、その普及に努めておられます。また、これらのニュースポーツ等のレクリエーション種目を市民の方に体験していただくために、岩国市レクリエーション連盟とふれあい球技体験会を毎年開催しておりまして、今年度の第12回大会では137人の方が参加され、様々なニュースポーツを体験されたところでございます。 ◆15番(中村豊君)  令和4年3月に示されているスポーツ庁の第3期スポーツ基本計画に、「性別や年齢、障害、経済・地域事情等の違いによって、スポーツ活動の開始や継続に差が生じないような社会の実現や機運の醸成」とあり、スポーツに誰もがアクセスできるように明記されています。その中には、住民誰もがスポーツだけではなく、レクリエーションなどで気軽に楽しめる場づくり等の機会の提供なども示されています。そのあたりについて本市のお考えをお伺いいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  先ほど市長が御答弁差し上げましたとおり、市民がスポーツ・レクリエーションに楽しめる場づくりに向けまして、県単位で行われる指導者養成の研修会に市の職員とスポーツ推進委員が参加しているほか、市民団体等から講師の派遣依頼があった場合は、スポーツ推進委員を講師として派遣し指導、講習等を行っております。 また、モルックなどのニュースポーツを通じまして世代間交流を図るため、岩国市スポーツ推進委員協議会や岩国市レクリエーション連盟と市民大会を毎年共同開催しているところです。 そのほか、ニュースポーツを行う団体が岩国市レクリエーション連盟に加入されますと、教室・講習会・大会等開催経費の助成を受けることができ、また、連盟ホームページによる加盟団体や行事の紹介で、会員の拡大を図ることも可能となっております。 市としましては、今後も市の体育協会、レクリエーション連盟、スポーツ推進委員協議会、総合型スポーツクラブ連絡協議会等各関係団体の方々と連携し、ニュースポーツを通じた交流の場づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  今月初め、私も広島市内で、日本モルック協会スタッフの方からモルックの体験をさせてもらいました。スキットルというピンを倒すモルック棒はとても軽く、ピンを倒す面白さにすぐに熱中しました。壇上でも申し上げましたが、年齢、性別に関係なく、幅広い層で楽しめる競技です。ルールもそれほど難しくなく、一試合でもすればルールを理解し、積極的に点数を狙うようになり、初心者でも入りやすく手軽に楽しめ、交流を深めるには最適なスポーツではないかと思います。改めて、モルックの普及、活用についてお伺いいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  モルックにつきましては、コロナ禍の時期に注目が集まったニュースポーツの中でも、比較的新しい種目と言えます。 現在、スポーツ推進委員の活動の一環としまして、モルック用品の貸出しや研修を受けた指導員を派遣するなどの取組を行っておりますが、現在のところ、モルックを行う団体が市内で結成されたという情報はございません。このような団体が市内に増えてくれば、興味を持たれた方がプレーする機会も増え、裾野も広がっていくと思いますので、まずは、モルックという競技をより多くの皆さんに知っていただき、団体結成のきっかけになることを期待しております。そのためにも、今後も市民大会などでモルックを含むニュースポーツに触れる機会を提供することに加えまして、市や関係団体が管理する各種広報媒体を通じて、その魅力を広く周知していきたいと考えております。 議員御提案のとおり、多世代が気軽に参加することができるモルック等の普及、ニュースポーツを通じまして、日々の健康、体力の増進、青少年の健全育成、高齢者の生きがいづくり、地域住民同士の交流の促進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  モルックに限らず、多世代が参加しやすい環境の下、スポーツ・レクリエーションを通しての健康・体力の保持・増進、高齢者の生きがいづくり、青少年の健全育成、地域住民の交流促進、地域全体の活性化の推進にさらに取り組んでいただくことを期待いたしまして、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、15番 中村 豊君の一般質問を終了いたします。 5番 中村恒友君。 ◆5番(中村恒友君)  皆さん、こんにちは。5番 市民の声をきく会 中村恒友でございます。通告に基づき、一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 今年は、きのえたつ年、60年に一度のたつ年でございます。60年前と申しますと1964年(昭和39年)で、この年、羽田・浜松町間の東京モノレール開通、9月17日のことでございました。10月1日には、東京・大阪間の東海道新幹線の開通、そして10月10日、当時は体育の日と呼ばれておりましたが、第18回東京オリンピック競技大会が、日本の経済をはじめ、社会も戦後の復興に国民全体が活気に満ちあふれ、好景気への出発点でもございました。 そして今日、地球規模の異常気象。とりわけ、冬場に暖かかったり、急に寒くなったり、雨が連日降り続くかと思ったら、夏場の高温に加え、一滴の雨も降らない日が続く。突然の強風などなど。 そんな中、本年1月1日、お里帰りを含め家族団らんのお夕飯支度、またそのお買物の時間帯、16時10分、能登半島に激震が走りました。令和6年能登半島地震。 お亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げ、御遺族と被災されました皆様方には心からお見舞い申し上げますとともに、救援と復旧、復興のまちづくりが速やかに進むことを心から願っております。 さて、今回は、大きく3点に分けて質問をさせていただくことといたしました。 1点目は、国土の有効的・計画的な利用の促進の面とその規制の国土利用計画法における本市の市町村計画について。2点目は、冒頭申し上げました令和6年能登半島地震の教訓を次世代に生かしていくために、令和6年能登半島地震から学ぶことについて。そして、最後に3点目は、全国各地で発生しております痛ましい児童・生徒の登下校時の交通事故に関し、通学路の安全対策について質問をさせていただきます。 まず、1点目の国土利用計画法における本市の市町村計画についてお尋ねいたします。 国土利用計画法では、その目的として、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置、その他、土地利用を調整するための措置を講ずることにより、総合的かつ計画的な国土の利用を図ることを目的としております。 そして、基本理念として、国土の利用は、国土が現在及び将来における国民のための限られた資源であるとともに、生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であることに鑑み、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることとされております。 このことから、国土利用計画は、全国の区域について定める国土の利用に関する全国計画、都道府県の区域について定める都道府県計画及び市町村の区域について定める市町村計画がございます。 「市町村は、政令で定めるところにより、当該市町村の区域における国土の利用に関し必要な事項について市町村計画を定めることができる」とされております。 ただし、その市町村計画は、「都道府県計画が定められているときは都道府県計画を基本とするものとする」と規定もされてございます。 土地利用基本計画は、政令で定めるところにより、1、都市地域、2、農業地域、3、森林地域、4、 自然公園地域、5、自然保全地域――5、自然保全地域は、「良好な自然環境を形成している地域で、その自然環境の保全を図る必要があるものとする」と明記もされてございます。 本市においては、平成の大合併の折に、公共の福祉を優先させつつ自然環境の保全を図り、そして、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮しながら、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図るため、国土利用計画法に基づく市町村計画を山口県と協力して定めるべきであったと思われますが、市長の御見解を伺います。加えて、地域の人口激減等を鑑みて、今後の計画について御所見をお聞かせください。 次に、(2)土地取引の規制についてお尋ねいたします。 国土利用計画法では、国土を規制区域、監視区域、注視区域、そして、その他一般と分類されております。岩国市と和木町においては、平成3年6月1日から平成8年5月31日まで監視区域が指定され、一定面積以上の土地について売買などの取引をする場合は、事前に届出が必要でした。 監視区域に指定された区域、岩国市、和木町の市街化区域では300平方メートル以上、その他区域の1、市街化区域は2,000平方メートル以上、2、1を除く都市計画区域は5,000平方メートル以上、3、都市計画区域以外の区域は1万平方メートル以上でございました。 事後の届出制度もございまして、規制区域、監視区域、注視区域以外の土地で一定の面積以上の一団の土地に関する権利を、対価を得て、移転、設定する契約をした権利取得者は、原則として契約後2週間以内に都道府県知事に届け出なければならないこととなっております。面積要件としては、市街化区域2,000平方メートル以上、市街化調整区域5,000平方メートル以上、都市計画区域外1万平方メートル以上となっているはずです。 前述の一団の土地とは、個々の取引では面積要件を満たしていなくても、物理的、計画的な一体性をもって、複数の土地に関する権利が取得されることを一団の土地と解することとなっております。 岩国市並びに山口県への事前、事後の届出の詳細につきましてはお尋ねいたしませんが、国土利用計画法の規制について十分周知を図り、投機的取引の規制などに行政力を発揮していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、2点目の令和6年能登半島地震から学ぶことについてお尋ねいたします。 (1)避難場所についてでございますが、ここで資料1及び2をお願いいたします。 これは、NHKのdボタンを押して得られます過去30日の最大震度の地震及び過去24時間の最大震度3以上の地震情報を集約したものの一部でございます。 注視すべきは、午後4時10分の後、すぐ3分後にマグニチュード5.7の地震が発生していること、加えて当初、津波予測は3メーターとされていましたが、特定の地域では5.8メートルが観測されていること。加えて、その到達時間が2~3分後と異常に早かったこと。そして、この間、沖縄県宮古島から北海道根室半島まで地震が走り、1月28日午前8時59分には、東京湾でもマグニチュード4.8を記録していることです。日本列島いつ、どこで、地震が発生してもおかしくない現実でございます。 災害は、地震ばかりとは限りません。 ここで資料3をお願いします。 これは、市内にある企業用地内に設置されている防災用・避難用の看板でありますが、南海トラフ最高津波想定水位TPプラス3メーター――TPとは、東京湾の平均水位のことでございます。線状降水帯が発生したり、大潮の満潮時に梅雨前線が停滞し、そこに台風が襲来し気圧が下がり、暴風と重なると表記のような高潮が短い時間で発生するということを表しています。 そこで、情報をいち早く入手し、迷う間もなく避難行動を取らなければなりません。能登半島地震の場合も、避難する時間と避難場所の近くにおられた方は、一命を取り留めることができました。 ここで資料4をお願いいたします。 これは、廿日市市の避難場所を掲示している看板ですが、災害の種類掲示も土砂、洪水、高潮、津波、地震、全てにおいて大丈夫との表示でございます。ここより550メートル先ですとベクトルつきでよく見える場所に設置してあります。これだと外国から訪れておられる方にも、簡単にエバキュエイト・エリア・ゴーと注意、誘導することも簡単です。岩国市においてもなされていればそれでいいのですが、あまり目につかないので、ぜひとも推奨をいたします。市長のお考えをお伺いいたします。 次に、先ほどの14番議員の御質問と一部重複をいたしますが、(2)建物の耐震化についてお伺いいたします。 現行の耐震基準が導入されていない1981年(昭和56年)5月基準以前に建てられた住宅の割合は、大きな被害を受けた石川県珠洲市で65%とトップクラスの高さ、能登町は61%、輪島市も56%と、建物倒壊等被害拡大につながったことは否めません。 全国の耐震改修促進計画などの資料からは、石川県も山口県並みで80%を超えているものの、人口減少や高齢化の高い地域では、子供が都会に出るなど将来家に戻ってこないことなどから、耐震化には二の足を踏むことが予想されます。 そこで、本市における昭和56年基準以前に建てられた建物の耐震化の現状と今後の展望をお尋ねいたします。 建物の耐震化の次に、(3)水道施設の耐震化についてお尋ねいたします。 能登半島地震の発生直後、最大で16市町村のおよそ11万戸が断水、1か月後の1月31日、珠洲市、輪島市、能登町など8市町村の計4万890戸で断水が継続しております。仮復旧は一部地域において3月末頃、その他の地域は4月以降の見込みだと言われております。断水の大きな要因は、配水管の老朽化だと皆、声をそろえて口にいたします。 杓底一残水汲流千億人、ひしゃくの底に僅かに水を残し、川に戻せば多くの人がそれをくむことができる。見えない誰かを思って残すこと、還元すること。とてもすばらしい心です。とともに、水の偉大さと感謝の気持ちを授けていただけるものでございます。 水道管の耐震化率については、全国平均およそ43%ぐらいだとお聞きしてございます。国においては、2028年60%以上を目標にすると書物で目を通したことがございます。 そこで、本市における水道施設の耐震化状況についてお尋ねいたします。加えて、今後の耐震化計画をお示しください。 次に、(4)、災害時における道路啓開計画と災害ごみ対策についてお尋ねします。 地震など災害直後、緊急車両等の通行のため、早急に最低限の瓦礫処理を行い、簡単な段差修正等により、救命救援ルートを開けることが必要になります。 甚大な被害を受けた能登半島では、道路啓開計画が未策定のまま、救援活動の初動に遅れが生じてしまいました。 そこで、本市における災害時道路啓開計画についてお尋ねするとともに、災害の規模や地域によっても異なるとは思いますが、災害ごみの対策についてお尋ねいたします。 次に、大きな3点目、通学路の安全対策についての(1)通学路の安全対策の取組についてお伺いいたします。 通学路の定義として、学校保健安全法第27条では、「学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない」。 同法第30条では、「学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、児童生徒等の保護者との連携を図るとともに、当該学校が所在する地域の実情に応じて、当該地域を管轄する警察署その他の関係機関、地域の安全を確保するための活動を行う団体その他の関係団体、当該地域の住民その他の関係者との連携を図るよう努めるものとする」と定められております。 本市における通学路の安全対策について関係機関との協議及び改善実績をお尋ねいたします。 私ども灘地区の自治会連合会も、3年前に灘小学校の校長先生から相談を受け、灘小・中学校及び岩国総合高等学校の通学路に安全対策のための立て看板を持って活動を行っていますが、安全対策とは程遠いものがございます。今後、各地域における安全改善策をお示しください。 次に、3点目の(2)藤生長野バイパスの建設工事に伴う工事用道路についてお尋ねいたします。 一般国道2号、岩国・大竹道路に連結する一般国道188号、藤生長野バイパスは、産業振興を支援するネットワークの強化、交通の円滑化と安全確保、災害に強いネットワークづくりのため、早期開通が望まれます。 そうした中、去る令和5年9月19日土屋根自治会の要望により、同建設工事の説明及び工事用道路の計画案が示され、本年3月定例会の初日の令和6年2月21日、1回目15時から、2回目18時からの2回、この工事用道路の説明会が開催されました。説明された工事用道路は、地区内に灘小・中学校に加え、岩国総合高等学校の通学路であることから、多くの厳しい意見もお聞きしたところでございます。 今後のバイパス本体工事の進捗にも大きな影響を与えることと思われますが、現計画での工事用道路の整備計画の課題と今後の展望をお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村恒友議員御質問の答弁の前に、まずは、このたびの能登半島地震により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 現在、国を挙げて復旧作業や安否不明の方々の捜索などに注力されており、市としても、可能な限りの支援をすべきと考えております。 被災地の皆様の安全と一日も早い復興をお祈り申し上げます。 それでは、第2点目の令和6年能登半島地震から学ぶことについてお答えいたします。 まず、(1)避難場所についてでありますが、本市が指定している避難場所につきましては、既存の施設を二次的に使用しており、災害対策基本法に基づき、洪水や土砂災害などの災害の種類ごとに指定しております。 近年、コロナ禍以降は、市の指定する避難場所への避難だけでなく、安全な地域にある親戚や知人の家、ホテル等への避難、安全を確保した上での自宅避難、車中泊といった分散避難も国が推奨しています。 また、平成24年度に内閣府が実施した避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査によると、「被災後も自宅に滞在していた理由は」という問いに対して、「大勢の人と同じ場所にいることが苦手だった」という回答が個別の理由として最も多くなっています。 この傾向は、現状において、ますます強くなっているものと考えられます。 能登半島地震においても、ビニールハウスや空き家などが自然発生的な避難場所となり、近所の方々が避難されている姿も報道されていたところであります。 こうしたことから、自分に適した避難先や避難方法を普段から検討しておくことが必要であり、避難に当たっては、市の指定する避難場所に向かうことにこだわらず、自らの判断で、その時点で最善の安全確保行動を取ることが重要となります。 災害時には、自助・共助・公助の3つが連携しながら機能することが必要と言われていますが、大規模な災害が発生した場合には、特に自助・共助が防災・減災の要となることが、改めて示されたものと考えております。 これから能登半島地震についての公的な検証作業が進められていく中で、様々な課題や問題点が明らかになってくると考えられますが、市としましては、今後とも、逃げ遅れゼロの実現を目指し、自助・共助の重要性の周知をはじめ、市民の防災意識の向上に努めてまいります。 次に、建物の耐震化についてでありますが、本市では、地震による建築物の倒壊等の被害から市民の生命や身体、財産を守るため、市内の住宅等の耐震診断や耐震改修を総合的かつ計画的に促進することを目的として、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、平成20年3月に岩国市耐震改修促進計画を策定し、建築物の耐震化に努めています。 本市の耐震化率は、総務省統計局の平成30年住宅・土地統計調査に基づいた推計によると、居住世帯がある住宅の耐震化率は、80%を超える状況となっております。 その内訳としては、総戸数5万7,400戸のうち耐震性がない、または不明な住宅が9,960戸となっています。 こうした状況等を踏まえ、現在、市では、木造住宅のうち昭和56年5月以前に旧耐震基準に基づいて建築されたものや、耐震性が不明なものを対象とした、耐震診断員派遣制度や耐震改修工事の補助制度を設けております。 これらの活用実績につきましては、まず、耐震診断員派遣制度は、令和元年度が21件、令和2年度が8件、令和3年度が10件、令和4年度が16件、令和5年度が15件となっております。 また、耐震改修工事の補助制度は、令和元年度が4件、令和2年度が2件、令和4年度と令和5年度がそれぞれ1件となっております。 市としましては、現在の岩国市耐震改修促進計画において、令和7年度末までに住宅の耐震化率を90%とする目標を掲げており、引き続き建築物の耐震化の推進に取り組んでまいります。 続いて、緊急輸送道路の確保についてでありますが、地震による建築物の倒壊等によって、緊急車両の通行や住民の避難の妨げにならないよう、緊急輸送道路の沿道にある旧耐震基準で建築された建築物は、耐震診断や耐震改修を行うことの努力義務が課されております。 しかしながら、耐震診断や耐震改修には、相当の費用を要することなどから、耐震診断が進んでおらず、耐震性が確認されていない建築物も見受けられます。 そのため、国では基本方針として、住宅については令和12年までに、また、多数の人が利用する耐震診断義務付け対象建築物については令和7年までに、耐震性が不十分なものをおおむね解消することを目標としております。 市としましても、このたびの能登半島地震により、耐震化の重要性を再認識したところであり、国の目標を踏まえながら、耐震診断や耐震改修工事に要する費用の一部を支援する制度の周知等により、積極的に耐震診断や耐震改修等を促しながら、引き続き建築物の耐震化の推進に取り組んでまいります。 最後に(4)道路啓開計画と災害ごみ対策についてでありますが、このたびの能登半島地震の発生後には、これまで日本各地を襲った大地震と同様、倒壊家屋の瓦礫等が広範囲に道路上に散乱し、国道など主要な道路が寸断されたことで、初動体制の大きな弊害となったことが報道等で伝えられております。 このことにより、瓦礫等で通行不能となった道路を切り開く道路啓開活動の重要性について、改めて認識したところであります。 こうした道路啓開については、平成23年3月に発生した東日本大震災において、発災直後から最低限の通行を確保する、いわゆる「くしの歯」作戦が速やかに展開されたことにより、緊急輸送道路体制の早期確立に高い効果があったとされております。 また、この東日本大震災を契機に内閣府により策定された防災基本計画においても、道路啓開等の計画の立案が位置づけられております。 これにより、平成30年には、山口県土木建築部長を部会長とし、本市を含めた関係市町や警察、陸上自衛隊、建設業協会などの関係機関で構成された中国地方道路啓開等協議会山口県部会が設立され、令和3年には、道路啓開の考え方や手順等を定めた山口県道路啓開計画が策定されております。 この山口県道路啓開計画では、全国からの広域応援部隊や緊急物資輸送車両の移動を確保するため、高速道路や直轄国道と、それらの道路からの進出ルートを優先した山口県内の啓開ルートをはじめ、道路啓開や救援活動を実施する際に必要な拠点、そして、啓開ルートの優先順位など、災害発生後の道路啓開活動が迅速かつ効率的に実施可能となるよう、必要な事項が定められております。 一方で、本市が策定しております岩国市地域防災計画においても、災害発生後の各種救援活動を円滑に実施するため、道路の障害物の除去や、応急復旧等に必要な人員、資機材の確保などの必要な事項を定め、国や山口県、関係機関とも連携し、初動体制が速やかに機能するよう準備しております。 また、これまでに一般社団法人山口県建設業協会岩国支部や岩国西地域防災事業者協議会、そして玖珂周東地域防災事業者協議会のそれぞれの団体と大規模災害における応急対策業務に関する協定を締結しております。 そのほか、災害により道路上に放置された車両などを移動させるため、一般社団法人九州レッカー事業協力会と災害時等における車両の移動等の協力に関する協定を締結するなど、災害発生時の応援体制を整備しております。 続いて、災害ごみ対策についてでありますが、能登半島地震のような大規模災害時には、建築物の倒壊や火災等による瓦礫、漂流物など、大量の廃棄物が発生します。 道路啓開活動では、災害時における救助、救援の要として、緊急車両の通行に必要な最低限の幅員を確保することが最優先となることから、廃棄物等の障害物については、重機などにより一時的に道路脇などに積み上げることを原則としております。 こうした廃棄物については、災害廃棄物の迅速かつ適正な処理を図ることを目的として策定された岩国地域災害廃棄物処理計画に基づいて、体制が整った後に処理することとしております。 このたびの能登半島地震は、平穏な元旦のひとときを突如襲ったものであり、災害はいつ、どこで起こるか分からないという教訓を改めて強く感じたところであります。 市としましては、今後とも、南海トラフ地震など想定される大規模災害に対し、こうした行動計画に基づき、しっかりと準備を行い、関係機関等と連携しながら、適切に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(石橋誠君)  第1点目の国土利用計画法における本市の市町村計画についてお答えいたします。 まず、(1)土地利用基本計画についてですが、国土利用計画法は、昭和40年代後半の土地投機の過熱化、地価の異常な高騰を背景に、土地投機を抑制し、限られた資源である国土を総合的かつ計画的に利用することを目的として昭和49年に制定・施行されたものです。 この法律の第9条において、都道府県は土地利用基本計画の策定が義務づけられており、山口県においても県土の利用に関する基本的な指針となる山口県土地利用基本計画を策定しています。 この計画では、県土利用の現況や人口減少社会の到来等による基本的条件の変化により生じる課題に取り組むため、適切な県土管理を実現する県土利用、自然環境・美しい景観等を保全・再生・活用する県土利用、安全・安心を実現する県土利用の3つの基本方針を定め、県土の安全性を高め持続可能で豊かな県土を形成する県土利用を目指すこととしています。 また、この計画においては、土地利用の原則として土地利用を、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5地域に区分して、それぞれの個別規制法などに基づき、地域の特性等を踏まえた適正な管理をすることとしています。 このように、県土における総合的かつ計画的な利用については、山口県土地利用基本計画により適正に管理されており、県内の他市町においても計画を策定していないことから、本市においても土地利用基本計画の策定は、予定していないところでございます。 次に、(2)土地取引の規制についてですが、一般的な規制については、一定規模以上の土地を取引する場合、その買主は契約に係る土地の所在や面積、利用目的等を記した届出書を、その契約締結後2週間以内に、その土地が所在する市町村を経由して、都道府県に提出することとされています。 その届出の要件としては、一団の土地で、市街化区域においては2,000平方メートル以上、市街化区域以外の都市計画区域においては5,000平方メートル以上、また、都市計画区域以外の区域においては1万平方メートル以上の土地取引とされています。 また、都道府県知事によって指定された注視区域及び監視区域については、同様の届出書を契約締結前に提出することとされており、監視区域の届出対象面積については、都道府県知事が規則で定めることとされています。 さらに、規制区域に指定された場合は、区域内の全ての土地取引について知事の許可が必要となり、許可のない土地取引は全て無効になるとされています。 現在、県内において許可が必要な規制区域や契約締結前の届出が必要な注視及び監視区域に指定された市町はなく、国内においても東京都小笠原村が監視区域に指定されているのみとなっています。 市におきましては、土地取引の届出の提出窓口となっていることから、これまで、この制度や要件についてホームページへの掲載やポスターの掲示等を行っているところですが、今後はさらに広報紙への掲載などにより、一層の周知を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  第2点目の令和6年能登半島地震から学ぶことについての(3)水道施設の耐震化についてお答えいたします。 本市の水道事業は岩国市水道ビジョンで方針を定め、これを基に令和4年度に第5次水道施設耐震化10ヵ年計画を策定し、耐震化事業を推進しております。 議員御質問の水道施設の耐震化の現状と今後の取組についてでございますが、まず、配水施設については、給水区域内にある49か所の配水池をコンクリート製から維持管理が容易で軽量かつ耐用年数が長いステンレス製への更新や、地震時に配水池の貯留水をコントロールする緊急遮断弁の設置等で、その耐震化率は34%となっております。 また、水道管路では全長約912キロメートルのうち耐震化率は16.8%となっております。進捗が鈍い状況でありますが、その要因としては、対象延長が長いこと、これに加え、水道管路のほとんどが市民生活で常時使用している道路下に埋設してあり、その工事には交通規制や断水が伴うため、市民の皆様の同意が必要不可欠となりますが、理解を得ることは難しいのが現状であります。しかしながら、耐震化工事の必要性を粘り強く説明し、理解を求めて、計画を進めていくことが重要であると考えております。 今後の取組については、地震発生による被害を軽減することを目的に、水道施設全体の現状と課題をより細部まで分析し、人口減少等による水需要の変化と事業費のバランスを含め、ダウンサイジング等を検討する業務を実施しているところであります。 今後も第5次水道施設耐震化10ヵ年計画を確実に進めるとともに、安全で安心して飲める水道水を安定的に供給し続けられるよう努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第3点目の通学路の安全対策についての(1)通学路の安全対策の取組についてお答えいたします。 本市では、平成24年8月に、国土交通省、山口県、岩国警察署、PTA代表者、小・中学校代表者、岩国市及び教育委員会で構成する岩国市通学路学校安全対策協議会を発足させました。 本協議会では、市立小・中学校の通学路の危険箇所の抽出及び意見交換を行い、危険箇所の共有化を図るとともに現地調査等を実施し、関係機関への改善要望を行っております。 また、平成26年10月には、関係機関との連携体制の推進を目的に、岩国市通学路交通安全プログラムを策定し、児童・生徒の通学路の安全確保に努めております。 今年度も、年度当初に、市立小・中学校に対して、通学路に係る危険箇所の調査を行い、市内全体で41件の改善要望が上げられました。 内容としましては、路側帯や横断歩道の白線等が薄くなっているため、路面標識を更新してほしい、暗い場所に照明をつけてほしい、道路に水たまりができるため、路面の凹凸を解消してほしいなどでした。 この調査内容を基に、昨年7月に本協議会を開催し、関係機関と情報共有を図りました。その後、現地調査を行い、対応可能な箇所から改善を行っております。 また、通学路をめぐる環境は、各地域の事情に応じて、随時変化しております。年度途中であっても、道路工事等の理由から通学路の安全確保について協議が必要な場合には、その都度、安全対策の最善の対応が取られるよう検討しております。 教育委員会としましては、今後も引き続き、児童・生徒が安全に登下校できるよう、道路関係者や岩国警察署、市立小・中学校やPTAなどの関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  第3点目の通学路の安全対策についての(2)藤生長野バイパスの建設工事に伴う工事用道路についてお答えします。 藤生長野バイパスは、藤生町から長野までの延長7.6キロメートルの区間を、一般国道188号のバイパスとして、平成31年度に、国土交通省により事業着手されました。 その後、現地測量や地質調査、道路の設計を行い、令和3年度には、地区ごとに設計説明会を開催し、了解をいただいたところから、順次、事業に必要な用地の範囲が分かる幅ぐいを打設しました。 その用地については用地測量と物件調査を進めており、あわせて、補償額の算定に必要な基礎資料の作成を行っております。 今年度に入ってからは、用地測量と物件調査が、まだ終わっていない方々への協力のお願いに加え、昨年9月から11月まで、長野、通津、藤生、保津、青木の各地区において、土地や物件の調書説明会を開催し、地権者の方々に対し、事業に必要な用地の面積を確認していただきました。 現在、市においては、この事業に必要な用地について国と協力して岩国市土地開発公社による事業用地の先行取得を行っており、今年に入ってから用地補償の協議が整った地権者の方々と契約を進め、2月末時点で、事業用地全体の約4%の用地取得の状況となっています。 あわせて、国では、藤生長野バイパスの全体の建設工事に当たって、周辺環境に配慮した、特に、生活道路への影響を最小限に抑えるよう、工事用車両専用の工事用道路の設置や、切土や盛土で発生する土砂運搬は、極力事業用地の中を通って運搬するなどについて検討されています。 また、やむを得ず生活道路を使用する場合については、必要な安全対策を講じた上で、地域等とも十分な協議を行うなど、施工地域の状況や特性に応じた施工計画を検討していると伺っています。 ここで議員御案内の藤生駅の山側の生活道路である市道藤生町3号線については、現在でも、国道188号が渋滞する時間帯は抜け道として多くの車が通り、特に、朝夕の小・中・高生の通学時間帯では、車と歩行者が混雑するため、市では、これまでに路側帯の拡幅や舗装のカラー化、通学路照明の設置などの安全対策を行ってきました。 藤生地区のバイパスの建設工事に当たっては、国道188号からバイパスに進入するための工事用道路が必要になり、市道藤生町3号線を利用するようになることから、市では、現在の道路の利用状況やこれまでの安全対策などを伝え、国との情報共有を図ってきたところです。 国におかれては、この道路が通学路や主要な生活道路となっている状況を踏まえ、借地による拡幅や歩行空間のカラー舗装、ポストコーンの設置等の安全対策、工事用車両の利用時間帯の制限に関する案について、先月の21日に灘供用会館において、昼と夜の2回、説明会を開催し、地域住民の皆さんの御意見を伺いました。 その説明会では、地域住民の方々から、児童・生徒の通学時の不安や、借地ができずどうしても狭い区間が残ることに対する御懸念、新たに山の中を通る工事用道路の案など様々な御意見がありました。 それを受け、国では、この御意見を踏まえた上で、国道188号の早期の渋滞解消などの課題解決に向け、工事用車両の生活道路の利用をできる限り少なくしつつ、事業進捗をどのようにして図っていくか、これからも検討されると伺っています。 市といたしましても、地区住民の方々や地元自治会、学校関係者などと協議・調整を行い、地区住民の方々の声をしっかりと届けるとともに、工事中の安全対策などについて国と一緒になって取り組んでまいります。 今後も、期成同盟会などと官民一体となった要望活動を行い、国や山口県としっかりと連携し、藤生長野バイパスが一日も早く開通できるように推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆5番(中村恒友君)  自席より、順を追って発言をお許しいただきたいと思います。 通学路の安全対策についての取組についてでございますけれども、2019年9月頃、瓦谷地区において通学路となっていた市道を10トントラックが行き来することで問題となったこともございました。地元自治会からの対策要望について、どのように対応されたのかをお聞きいたします。 それから、別件でございますけれども、ここで資料5をお願いいたします。 これは、通学路であり、スクールゾーン内に立てられた注意喚起の看板であります。地域の自治会や社会福祉協議会によって立てられておりますが、教育委員会と道路管理者との協議により行うことは可能かどうかをお伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  瓦谷の通学路につきましては、令和3年度に全市立小・中学校対象の危険箇所調査の中で、通学時間にミキサー車やダンプカーが複数通っており、ゆっくりと気をつけて走る様子は見られるが、道が狭いので子供たちが脇によけながら通学する様子が見られ、大変危ない状況であるため、できれば登下校時間帯だけでも通行をやめてほしいとの要望が上げられました。 これを受け、教育委員会では、令和3年10月4日に開催した岩国市通学路学校安全対策協議会に諮り、10月20日には学校教育課、道路課、岩国警察署、杭名小学校の各担当職員と杭名小学校育友会、地元自治会の方とともに、合同で現地調査を行い、対策案について協議いたしました。教育委員会では、学校と合同で関係業者を訪問し、通学時間帯における安全運転の実施や、通学時間帯を避けてトラックを通行させるなどの対応を依頼し、御理解、御協力をいただくことで児童の安全を確保いたしました。 今後も、引き続き、通学路の安全対策について関係機関と情報共有しながら迅速に対応してまいります。 また、先ほどの看板設置についてですが、注意喚起等の観点からも効果的であると考えております。一概に危険箇所といっても、様々な状況が見られます。関係機関と連携し、それぞれの状況に応じた効果的な安全対策を行い、通学路の安全確保に努めてまいります。 ◆5番(中村恒友君)  ありがとうございました。今後とも、児童・生徒の安全のために御尽力いただきたいと思います。 続きまして、藤生長野バイパス建設工事に伴う工事用道路について要望をさせていただきます。 市道藤生町3号線及び藤生町34号線の整備計画につきましては、現計画にさらに安全対策を加え、まずは、教育委員会との協議を整え、改良後の市道をより安全な通学路並びに黒磯地区いこいと学びの交流テラスへのアクセス道路として次世代に残していただけるようにお願いをするところでございます。ちなみに、山陽自動車道の建設当時におきましては、工事用道路の整備について、道路公団と岩国市の道路課、河川課、農林課等々、住民団体と現地にてその査定を行い、例えば小瀬地区であれば、小川津から丸田地区までの工事用道路、御庄から南河内までの旧林道笹ヶ谷線などの工事用道路について、現地でその査定を行ったところでございます。今後とも、学校等の協議を完了後、住民と現地で話すことの期待感を持ちまして、私の話を終えていきたいと思います。ありがとうございます。 終わりに、今年度をもちまして定年を迎えられます職員の皆様方には心から御礼を申し上げまして、発言を終えます。ありがとうございました。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、5番 中村恒友君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明3月5日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時48分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長 松 川 卓 司                         岩国市議会議員  貴 船   斉                         岩国市議会議員  植 野 正 則                         岩国市議会議員  小 川 安 士...