岩国市議会 > 2023-09-08 >
09月08日-04号

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  1. 岩国市議会 2023-09-08
    09月08日-04号


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    令和 5年 第4回定例会(9月)令和5年第4回岩国市議会定例会会議録(第4号)令和5年9月8日(金曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)令和5年9月8日(金曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(28人) 1番 小 川 安 士 君 11番 広 中 信 夫 君 21番 石 原   真 君 2番 松 田 一 志 君 12番 細 見 正 行 君 22番 山 本 辰 哉 君 3番 長 岡 辰 久 君 13番 瀬 村 尚 央 君 23番 武 田 伊佐雄 君 4番 姫 野 敦 子 君 14番 桑 田 勝 弘 君 24番 松 川 卓 司 君 5番 中 村 恒 友 君 15番 中 村   豊 君 25番 片 岡 勝 則 君 6番 広 中 英 明 君 16番 野 本 真由美 君 26番 貴 船   斉 君 7番 重 岡 邦 昭 君 17番 奥 江 徳 成 君 27番 植 野 正 則 君 8番 川 口 隆 之 君 18番 藤 本 泰 也 君 28番 桑 原 敏 幸 君 9番 矢 野 匡 亮 君 19番 藤 重 建 治 君10番 丸 茂 郁 生 君 20番 石 本   崇 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋 誠 君       危機管理監          桝 原 裕 司 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       デジタル改革担当部長     上 田 清 次 郎 君       基地政策担当部長       穴 水 辰 雄 君       市民協働部長         小 玉 陽 造 君       文化スポーツ振興部長     遠 藤 克 也 君       環境部長           神 足 欣 男 君       福祉部長           中 本 十 三 夫 君       こども家庭担当部長      宮 井 ま ゆ み 君       健康医療部長         片 塰 智 惠 君       産業振興部長         加 納 芳 史 君       農林水産部長         藏 田 敦 君       建設部長           村 重 総 一 君       都市開発部長         内 坂 武 彦 君       由宇総合支所長        岸 井 清 市 君       周東総合支所長        竹 原 直 美 君       錦総合支所長         的 場 敏 君       美和総合支所長        藤 野 修 二 君       会計管理者          村 上 さ ゆ り 君       教育次長           丸 川 浩 君       監査委員事務局長       仁 田 誠 彦 君       農業委員会事務局長      有 馬 秀 樹 君       選挙管理委員会事務局長    藤 本 忠 夫 君       水道局副局長         竹 嶋 勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         冨岡啓二       庶務課長           仁田泉       議事課長           林孝造       議事調査班長         河村佳之       書記             石川貴規       書記             中西祐一郎       書記             田邨直暉――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、18番 藤本泰也君、19番 藤重建治君、20番 石本 崇君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。 4番 姫野敦子さん。 ◆4番(姫野敦子君)  皆さん、おはようございます。 大正12年、正午頃に起こった関東大震災では、岩国市の全人口である約12万5,000人近くの約10万5,000人もの方が当時亡くなられ、約30万件もの家が消失したとのことで、この9月1日に100年目ということになりました。日本は地震大国で、いつ起こってもおかしくないと言われる南海トラフ地震は怖いが、その備えはと答える方も多いです。東日本大震災から12年、阪神淡路大震災から30年近くがたち、これ以外にも中越や北海道などで多くの地震が次々と起こっています。先般も、夜中に岩国市の近くが震度3の地震で揺れ、驚きました。伊方原発も近いことから、どきっとした瞬間でした。 また、温暖化による気候変動で、台風もこれまでにないルートで次々と発生し、遠く離れた地域でも豪雨が発生するなど、気持ちの休まらないこの頃です。 今回は、市民の皆様から御意見を頂き、身近な生活の中で気になっていることを数点取り上げました。市民の皆様が安心して暮らしていただけるよう、鋭意努力をお願いいたします。 今回は、市有財産の活用について、生活保護の扶養照会について、高齢者などへの買物支援について取り上げました。 まず、1番、市有財産の活用についてお尋ねします。 (1)市民のニーズに合った活用について。 岩国市は合併に伴い、多くの財産を保有しています。その中には、維持管理を保っている施設、行政での使用にはあまり適さないもの、利活用のほとんどされていないものもあるかと思います。塩漬け土地もそうですし、地域によっては暮らしの利便性をよくするために、よりフレキシブルに対応してほしいと思うものもあります。 しかしながら、目的外使用に当たるとされたり、縦割り行政などの弊害で、たなざらしになるなど、担当課の判断が出せないものもあるやに聞いております。施設経営課の新設など、市がこうした状況を変えていこうとされているお気持ちは分かりますが、どのように考えておられるか、向き合っているかをお示しください。 2、扶養照会について。 今般の社会の不安定さや、純生活費の減少、物価高、円安、ガソリンの高騰など、もろもろの荒波をかぶっているのが生活困窮世帯、困窮者かと思います。また、これまで何とか一生懸命にやりくりしていた一般家庭でも、切実に苦しいと感じる方々も増えていると感じています。 社会保障の支援もなく孤立し、残念ながら自死さえ考える、生きていくために危ない橋や闇バイトなどに手を染める方など、今日、異例なことではなく、毎日のように事件を見聞きする国になってしまいました。 そうした状況がないようにするためにも、生死を分ける最後のとりで、生活保護受給者につきましても取り上げてみたいと思います。 生活保護を受けたいと申請する場合に、生活保護を受けなくても身近に支えられる人はいないか調査するものです。扶養照会がネックになって諦める場合や、一番知らせたくない人に問合せをされ、死んだほうがましと言われる場合もあるのです。先頃の研修会では、多くの自治体で弊害を認識し、本人・家族を傷つける扶養照会について見合わせているというお話も伺いました。 職を失う、事故やけがで極端に収入が減る、詐欺に遭うなど、穏やかな生活が突然できなくなり、家をなくし家族を失い、様々な不幸に見舞われることもあるでしょう。そうした生存権に関わる社会制度の利用のために、市からの問合せは一番知らせたくない人が知ることになったり、日頃、無縁だった身内からも、恥ずかしいなどと中傷されたりする場合もあります。 逆に、本人がしてほしくないという場合には扶養照会はせずに、特別な場合のみ行うという自治体もあります。支援できないか探り当てるのもですが、確かに、そうした支援を差し伸べていただけるお身内がいる場合も僅かにありますが、今日食べる米もない、電気も料金の滞納で止められる、水も使えなくなる、本当に自分が困っていることをほかの人には知られたくない、その願いの中で何とか助けてほしいとやっとの思いで、生活支援課に生活保護の支給を受けられないか相談に見える方もいると思います。 また、支給を受けるに当たっては、調査に時間を要し、その間に食べ物もない、住むところもない、そういった緊急な状況もあると思います。岩国市としての対応をお伺いします。 最後に、3番目、買物支援についてお伺いします。 少子高齢化が進む中で、市民の皆様の多くが、以前は車に乗って好きなところに移動し、簡単に買物に行けていたが、車や免許もなくなり、バスに乗ることも難しくなり、タクシーを呼んでもなかなか来ない。仲のよい友達に便乗させてもらったが、その方も免許を返納された。高齢者同士、タクシーの相乗りで行き来し、それぞれタクシー券を使っていたが、今はそれさえ難しくなったと言われる方もおります。 岩国市では、先般より、移動販売に対して上限100万円の助成事業を行っておられます。中山間地域での事業とは伺っておりますが、今回はタイトルに掲げましたが、今はこうした買物困難な方が年々増加し、この車のような地域に出向いての販売活用はより一層求められていると思い、大切に考えてほしい、この事業の概要と利用のルール、活用の拡大に向けての方策についてお尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。それでは、姫野議員御質問の第3点目の買物支援についての(1)中山間地域における移動販売車の活用についてお答えいたします。 買物は日常生活の基盤であり、必要不可欠なものでありますが、近年、人口減少や少子高齢化、過疎化などの進行により流通機能や交通網が弱体化するとともに、買物環境が悪化し、食料品等の日常の買物が困難となる方々が多くなっています。 特に、人口減少が著しい中山間地域においては、身近な商店の消滅や高齢化等により、いわゆる買物弱者の問題が深刻化しています。 本市では、過疎化が進む集落において、高齢者が独りになっても安心して暮らしていけるよう取組を検討する必要があったことから、平成30年度に玖北地域を対象とした暮らしと健康についてのアンケート調査を実施いたしました。 アンケートでは、日常生活で困っていることの設問に対し買物や移動手段と答えた方や、集落に住み続けるために必要なものの設問に対して買物支援と答えた方が上位を占める結果となりました。このため、本市では令和2年度から移動販売を行う民間事業者を対象に、岩国市買い物弱者支援事業費補助金を創設し、中山間地域における買物支援に取り組んでいるところであります。 補助金の内容としましては、移動販売車の購入や移動販売車への改造などに係る経費に対し、100万円を上限額として2分の1を補助するものであります。また、運営費の補助として、移動販売車による輸送と船舶による海上輸送に係る燃料費や修理費などの経費に対し、年額30万円を上限額として2分の1を補助しています。 補助を受けることができるのは、集落内の戸数が19戸以下で、高齢化率が50%以上の集落や柱島群島地域において移動販売を行う事業者であります。 事業者は、あらかじめ巡回するコースと日時を設定の上、日用生活物資を自動車や船舶で運搬・販売し、買物客を定期的に集落の中心部等に集客して販売するといった要件を満たす必要があります。 この補助金の活用状況については、令和2年度の創設時から本年の8月末までで、新たに車両を購入された事業者が5業者、運営費の補助を受けられた事業者が6業者となっております。 現在、この補助金を活用して移動販売が行われております地域は、錦町24集落、美川町6集落、美和町20集落、周東町1集落、玖珂町1集落、そして端島、黒島となっております。 しかしながら、人口減少が著しい中山間地域において、買物弱者の問題はますます深刻化し、移動販売を希望する集落が増えることが予想されるため、移動販売に参入する新たな事業者の開拓が課題となっております。市としましては、移動販売を行う事業者の新規参入を促進することで、買物弱者に対する支援につなげるとともに、移動販売を通じて買物客が集うことで、地域コミュニティーの活性化を図ることができると考えております。 今後も、引き続き、関係機関や関係団体と連携、協働しながら、地域住民が住み慣れた地域で安心して生活できる環境づくりに取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  第1点目の市有財産の活用についての(1)市民のニーズに合った活用についてお答えします。 現在、市において公有財産として保有している土地・建物については、財産登録数で約2,500件保有しており、これらは、市において公用または公共用に供する行政財産と行政財産以外の普通財産に分類されます。 このうち行政財産については、庁舎や小・中学校、道路、公園など、原則、行政目的を持って使用するものとなります。一方、普通財産については、地元自治会の集会所などのほか、地域や関係団体、企業等への貸付けを行っているものもあり、令和4年度の状況では、普通財産665件のうち351件で貸付けを行っています。 議員御案内のとおり、現在、利活用が行われていない財産、いわゆる未利用財産については、自主財源の確保や経費削減などの視点から、全庁を挙げ、その利活用に積極的に取り組んでいくことが必要と考えています。 このようなことから、本年8月、未利用財産の利活用について一層の推進を図ることを目的に、未利用財産の利活用に関する基本方針を策定したところです。この基本方針は、未利用財産の利活用に向け、現状や課題を整理するとともに、基本的な考え方や事務の流れなどを職員に周知する手引的なものとして作成しています。 この中で、事務の流れについて申し上げますと、未利用財産の活用に当たっては、まず、庁内利用や民間などにおける公共的な利用などについて需要調査を行うこととしています。その上で、それらの需要がない場合に、広く民間への売却や貸付けについて検討することとしており、必要に応じて市場調査や民間事業者等からの意見も取り入れながら進めることとしています。 市有財産については、市民の貴重な財産であることから、住民ニーズも視野に入れ、公的需要の検討を行うとともに、一方で、公的需要のない場合には、自主財源の確保や経費の削減、民間活力の活用などの観点から、積極的に売却や貸付け等を行うことで市有財産の活用を図ってまいりたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  第2点目の扶養照会についての(1)今般の生活困窮対策とプライバシーについてお答えいたします。 まず、本市の生活保護受給世帯の状況ですが、平成20年のリーマンショックによる景気後退を受けて増加に転じた後、平成25年3月の1,313世帯でピークに達しておりました。それ以降は減少傾向で推移しておりましたが、令和2年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降は、減少傾向から横ばいの傾向となり、各年度の平均受給世帯は、令和2年度は1,158世帯、令和3年度は1,155世帯、令和4年度は1,154世帯、令和5年度は1,169世帯と推移しております。 次に、生活保護の申請件数の状況ですが、令和2年度は164件、令和3年度は190件、令和4年度は199件、令和5年度は7月末までに75件と高い水準にとどまっており、依然として新型コロナウイルス感染症や物価の高騰が生活に影響しているものと考えております。 このようなことから、コロナ禍においては、国からの通知に基づき、自動車等を含めた資産保有の取扱いの緩和措置や、自営収入等の減少により生活が困窮した方々への増収に向けた転職指導を一定期間保留するなど、相談者が生活保護の申請をためらうことがないよう対応に努めてまいりました。 また、扶養義務者への調査につきましても、扶養義務の履行が期待できないと判断された扶養義務者への照会は行わないこととされておりますが、その基準が令和3年2月に、国において実態に沿った形で運用できるよう見直されております。また、この扶養義務の調査につきましては、同じく令和3年2月に、国において扶養照会を行わないこととして差し支えないとする場合の基準が示されております。この内容は、民法や生活保護法に規定されている扶養義務そのものを見直すものではありませんが、扶養義務調査の運用において、扶養義務の履行が期待できないなどの判断があった場合には、扶養義務者への照会を行わないことの取扱いの基準が示されており、本市においても、生活保護の申請の際には生活歴等を丁寧に聞き取り、個々の状況に寄り添った対応を行うよう配慮しております。 今後の状況としましては、新型コロナウイルス感染症による影響は徐々に緩和されつつあるものの、感染症の影響を大きく受けた業種、そこで働く方々など、市民生活への影響は依然として続いており、また、こうした中で、電力や食料品等の物価高騰が続いていることから、生活困窮対策についても予断を許さない状況です。 国においては、コロナ禍や電力及び食料品を中心とした物価上昇の影響の動向の見極めが困難であることから、令和5年10月の生活保護基準の見直しにおいて、当面、2年間の臨時的な対応として、世帯人員1人当たり月額1,000円を加算するとともに、加算を行っても、現行の水準から減額となる世帯については、現行の基準額を保障することとしております。 本市としましても、引き続き、自立相談支援機関等の関係機関と緊密な連携を図り、生活に困窮する方々へ支援が速やかに行き届くよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆4番(姫野敦子君)  御答弁ありがとうございます。では、再質問をさせていただきます。 市有財産の活用について、市民のニーズに合った活用について、個別の施設の例として、道路拡幅用地として取得しました私の住んでおります川西の宇野千代生家の駐車場について具体的に質問をしてみます。 この道は、以前、道路の大変狭隘なところから、先で向きを変えて出てこられるために、用地取得し、角地にあります1軒のお宅に立ち退いていただいて整備を目指しておりましたが、立ち消えてしまいました。議会で否決となり、大変残念な思いをしていることを昨日のように思い出します。 この現在の使用の状況は、第2駐車場として使われていると思いますが、現況はどのようになっておりますでしょうか、お示しください。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  議員御案内の駐車場用地につきましては、道路拡幅用の行政財産として、平成13年に取得しておりまして、その後、関係者の理解が得られないために事業休止となったわけでございますけれども、当時、宇野千代生家への来場者用の駐車場がなかったものですから、平成17年頃から暫定的に宇野千代生家の駐車場として使用しているところでございます。 一方で、平成30度に生家の隣接地が取得できましたものですから、新しく取得した用地を整備いたしまして、令和元年度から宇野千代生家の専用駐車場として供用開始しているところでございます。そのために、生家から離れたところにある議員御質問の用地につきましては、現在では、宇野千代生家のイベント等で多くの来場者が見込まれる際に、臨時駐車場として年に数回程度使用しているところでございます。 ◆4番(姫野敦子君)  それでは、資料1をお示しください。 以前、欽明路がないときに、皆さんが御利用されていたという道路です。大変狭隘なところの角地にあります。この用地はちょっと高くなっておりますが、その用地を市のほうで取得されて、第2駐車場になっているということです。 こちらから見ると、角の鉄板の上はごみを集めるごみステーションとして使われておりますし、中も量が多い資源ごみのときに利活用させていただいておりますが、入り口にコーンが見えますが、その辺りに鎖が張ってあって、実情としては使えない状況になっております。 2番目の資料をお願いいたします。 ここには、宇野千代生家の駐車場ですから使ってはいけませんというふうに書いてございまして、もちろん地域の人たちもよく御存じです。先ほど言われましたように、来場者も徐々に減ってきております宇野千代生家のお隣に、門や柵までしてある大変立派な駐車場――マイクロバス等も止められる広い駐車場が整備されました。よって、もみじ茶会などがあったときにも使わないで、近くのスーパーの駐車場を利用されるなど、坂もあり、そして使いにくいということから、状況としてはほとんど使っていないということですが、年に数回しか利用していないのなら、用地を有効に使うためにも、近隣住民に開放してほしいという声もありますが、いかがでしょうか。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  御紹介のありました用地につきましては、あくまでも、先ほど申し上げましたように行政財産ということでございますので、限られた方への開放というのは、一義的には目的外ということで、許可にはある程度慎重さも必要というふうに考えているところでございますけれども、今の臨時駐車場が、新しい駐車場が整備できたおかげでほぼ使わない日も多いという中で、例えば、地域の抱える課題解消の有効な方策として、地元自治会のほうから用地の公益的な活用としての御相談をいただくといったようなことがあれば、自治会とも意見交換をしながら、どのような対応が望ましいか庁内関係課で協議、調整をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆4番(姫野敦子君)  私も毎日のようにここを通っておりますが、例えば、デイサービスや宅配の車を止める場所がない方や、通院のための自家用車等を置くところがないために苦労されている方――私などは訪問看護のときに大変困るのですが、デイサービス、通院、買物、それからちょっとしたお見舞いなどというときに、これだけ整備され、6台の車を置ける場所があります。次の資料3をお願いいたします。 目の前では宅急便などの配達のため車を止めたりしていますが、手前が広く見えますが、横幅が大変狭い谷筋の道と、それとT字路になっている手前の市道との離合が難しいために、皆さん苦労されて、ちょっとここには写っていませんが、右側のブロック塀に何度も皆さんがぶつけて、壊してしまうというところに不便さを感じておられるようです。 ほとんどの方が、毎日この用地の立派さと使えない不便さを感じて切実に悩んでおられます。ですから、今回も、ぜひこのことについて、使えないまま置いておくのか、あまりいい例ではありませんが、利活用というところでは、もう大きな駐車場しか使っていないのなら、市は地域に払下げをし、1区画ずつ駐車場として利用したほうが収入につながるのではないかなどとおっしゃる方もいるようです。 もともと道路の拡幅を皆さん期待して待っておられた上に、今でも使えないままこの土地がたなざらしになっている。宇野千代生家のための第2駐車場という目的はありますが、先ほども御答弁いただきましたように、今後については、地域の要望に合わせて利活用でき、大渋滞を引き起こしたりすることがないような、皆様にとって便利に暮らせるための市有財産の活用があってしかるべきではないかと思いますので、ぜひ、相談があったときにはお願いしたいと思います。 当時、大変長い時間、車を置かれる方もおり、そこで自治会長がこういった使い方はいかがなものかということで鎖を張ったという流れもあったように伺っております。現にその方はもうお亡くなりになっておられますが、そうしたことから、急を要して、本当に呼吸が止まりそうというときに、車を止めるところがないために、スーパーから走って行き来しなければいけないという状況を避けるためにも、個別の対応についても、できるところでは工夫をしていただき、皆様にとって喜ばれるようなルールを決めて、車に鍵をかけっ放しということがないように、ぜひ工夫をしていただけたらと思います。 また、ここに限らず、市内にはたくさん、ここがカットしてあったら通りやすいのに、また、ここを譲ってほしいが、有償でないと駄目などと新たな用地取得にはためらわれるということもあるかと思いますが、ぜひ、地域の方々のニーズについて、市場調査は業者に任せるとしても、やはり365日生活している地域の人たちの声もしっかりと聞いていただき、受け止めていただき、今後について、市有財産がそのまま塩漬けになったり、使われないまま残っていくのではなく、便利に暮らしていただくために、市は本当にいい対応をしてくれたと思っていただけるような工夫をぜひお願いしたいと考えます。よろしくお願いします。 とにかく川西は狭いところです。これ以上に市の道路については大変狭く、今日は川西の辺の除草ができて、夏場は子供たちの動きを大変心配しておりましたが、そういったものが徐々に秋口に向けて改善をされておりますが、市民の不満というか、道路に関することについても行政財産であることから、なかなか年に2回行われていた草刈りが1回だけとなって、こういったことで事故等が起こってはいけませんし、これは道路課になってきますが、道なども補修がされないことから、シルバーカーを押した方たちも不安な顔で毎日のように通行しておられる痛々しいお姿を見ると、何とかこういったことについても柔軟に対応していただきたいと願っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(桑原敏幸君)  自治会からの要望はないんじゃろ。それはよく、はっきりと言っておかないと。 ◆4番(姫野敦子君)  これは未利用財産というよりは、道路課のほうに要望があるということですので、市有財産というところに関連して提言をさせていただきたいということで、これに対しての質問、御回答をというのではありません。 ○議長(桑原敏幸君)  いやいや、答弁しないと。言いっ放しじゃいけん。 ◆4番(姫野敦子君)  では、このことについて質問を再度させていただきたいということは従前申し上げたんですが、やはり提言に収めて、様々な意見もということでしたので、一応お伝えしているところです。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  御意見ありがとうございます。先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、今現在では、自治会のほうから、自治会としての公共的な、公益的な活用ということの御要望は頂いていない段階ではありますけれども、先ほど申し上げましたように、今後、あくまでも個人的なものではなく、地域の課題解決の方法としての公益的、公共的な理由等によって御相談いただければ、私どものほうでも御相談にはしっかりと応じてまいりたいと思います。払下げというお声もあるということを今、初めてお伺いしましたけれども、そういった具体的なケースにつきましても、自治会等も通じながら、いろいろと御相談に応じていきたいと思います。そのあたりは議員におかれましても橋渡しをぜひしていただければ、私どもとしても大変助かりますので、よろしくお願いいたします。
    ◆4番(姫野敦子君)  宇野千代生家についての部長の御答弁、理解しております。そのことについては、今後についても御検討いただけるということ、また、今の再度の御答弁の中にも、そういった意見を初めて聞いたので、そういったことについても意見を聞きながら望ましい方向を模索していただくということはありがたいと思います。 この道路のみならず、ほかの市道等においても、広い岩国市の中で道路等の活用については、皆さん、大変苦労されているという現状をお示ししたというふうに御理解いただけたらと思います。ここだけの話ではないというふうに御理解をいただきたいと思いまして、せっかくの機会ですから申し述べさせていただきました。 それから、続きまして、生活保護を受給する際の扶養照会についてお尋ねします。 生活保護を受けたいと思って市役所に来られて、毎日真剣に、一生懸命に何とかならんだろうかというふうな相談をいただいていると思います。もし分かればですが、1日にどのくらいの訪問者がありますか。数的に難しければ、ケースワーカーの方は何人おられるか、お示しください。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  1日当たりの来訪者の数というのは、ちょっと把握していないところなんですけれども、相談件数につきましては、令和4年度は341件の相談があり、そのうち199件が申請に至っているというところでございます。 ケースワーカーにつきましては、14人のケースワーカーがおりまして、令和4年度のケースワーカー1人当たりの担当人数は82.4人でございます。 ◆4番(姫野敦子君)  生活保護世帯は、8月末現在で約1,176世帯、1,400人ぐらいとお伺いしています。単純に計算したら、1人のケースワーカーで100人くらいかなと思いましたが82.4人ということで、中には多い方もあれば、少ない方もあるかと思います。 一生懸命に出向いてこられる、そして何とか助けてほしいということですが、例えば、今日食べる米がないんじゃとか、あしたからの生活費がポケットの100円、80円しかないという方もいると思います。こういった場合には、市としてはどのような対応をされていますか。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  生活保護を申請していただいた方に扶養照会を行うこともありますが、この扶養照会というのは、生活保護の開始を決定する際の要件とはなっておりません。生活保護の開始の決定に当たって、その扶養照会をするということは義務とされていないところでございますので、扶養照会にかかわらず、生活保護の決定は確かに急ぐ場合がございますので、要保護者の方の状況に合わせて、なるべく早く保護開始の決定を行っているところでございます。 ◆4番(姫野敦子君)  お米がないという人たちもおられるかと思うので、そういった方たちが現物的な支援とか、それから私がよく聞くのは、社会福祉協議会のつなぎのような支援がいただけないものか、そちらを御案内するというふうにも聞いたことがあります。 ただ、この暑いさなかに社会福祉協議会までずっと歩いていかれる。その間に、やはり脱水症状とか御苦労もあるように思いますので、その心配もしております。そういう方たちに対しても、個別具体的に、できるだけ寄り添うような形で御案内していただき、岩国市で倒れて、亡くなったというような切実な事案がないように、ぜひ御対応いただきたいと思っております。 今回、いろいろお話を聞いていたら、特に、全ての申請者に対して扶養照会をしているわけではないということが分かりましたし、こういったことで傷ついて、お前は若くて元気なんだから働けばええじゃないかと言われても、見た目は元気そうに見えても、なかなか自律神経の乱れとか様々な病気も抱え、病院に行くこともできない。日々の暮らしの中での様々なつらさを理解していただくのは、やはりケースワーカーにかかってくるところと思います。 ぜひ、無駄とは言いませんが、扶養照会のようなところでかなりの時間を要するよりも、その方たちの切実なる声と具体的な対応について、でき得ることをぜひお示しいただき、よくほかの地域で言われたのは、通勤をしていた車があるじゃないか、これを売りはたいて生活費にしたらというようなことも、御答弁の中にはそういったことはないということですが、バイクとか自転車まで処分することになると、仕事に行き来する手段がなくなってしまう。それと、燃料等をつぎたくても、ガソリンもつげないという、幾重にも本当に御心痛がある方もいるということを御理解いただきたいと思いまして、今回、取り上げております。 これからも、生活はとてもどんどんよくなるとは言い難い状況にはありますが、ぜひ、市民の方たちの生活苦についても、本当に岩国市の担当、そして、皆さんの思いがうまくつながるように対応をお願いしたいと思います。 では、最後になりますが、買物弱者についての再質問を行います。 買物については、中山間地域における移動販売車の利活用ということで質問しておりますが、大変便利なところに住んでいるといっても、坂道があり、それを上り下りすることが難しい、また、車がないために困っている人も多いかと思います。中山間地域ではなくても暮らしは大変と思いますが、今回、この御答弁の中にありました集落の戸数が19戸以下で、高齢化率が50%以上のいわゆる小規模・高齢化集落を決められた経緯とかがございましたら、お示しください。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  買物できる場という地域生活インフラ、その利活用について、特に困難性が高い地域、支援の優先性の高い地域ということで選定をしたものでございます。 集落内の戸数が19戸以下で、高齢化率が50%以上のいわゆる小規模・高齢化集落は、岩国市内に約150集落ございます。小規模・高齢化集落は、商店等の地域生活インフラがそろう町なかから非常に離れた場所に点在していることから、地理的に買物が特に困難な状況に置かれています。 このことから、岩国市買い物弱者支援事業費補助金の実施に当たりましては、移動販売業者への補助要件に小規模・高齢化集落への巡回を条件づけすることによって、過疎化が進む集落での買物機会を確保しているものです。 補助を受ける移動販売業者は、週1回以上、定期的に小規模・高齢化集落を巡回します。巡回に当たりましては、経路途中にあります小規模・高齢化集落以外の集落にも立ち寄り、幅広く移動販売サービスを行っておられます。 ◆4番(姫野敦子君)  大変広い岩国市ですから、当然、集落によっては買物に行くのが大変不便で、困っておられる方が多いかと存じます。 自分の畑で作ったものだけで食べるといっても、みそ、しょうゆ、塩までは手に入らないため、こういう巡回車が来ると、そこで自分で買いたいものをかごに入れ、精算してもらって買うというのは、私も二鹿の出身ですので、巡回のお魚屋などが来ると大変うれしく、待っていたことを思い出します。 こういうふうに、子供たち、孫たちが遠くに住まわれており、集落もだんだん高齢化し、独居の方も増えてきているというところでは、大変いいところに目をつけて対応していただいているということには感謝しております。しかし、先ほども少し申し上げましたが、たとえ便利なところと思っても、本当に、それぞれの地域の特性によっては、買物に困られているという方がより多いと思います。 これ以上の地域についてもニーズは高いと思うのですが、ほかの地域からの問合せはありますでしょうか。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  まず、前提でございますが、御紹介しておりますこの事業は、中山間地域、過疎地域の集落への支援制度という点でございます。 今のところ、他地域からは、集落を単位とした問合せや要望等は特に頂いておりませんが、小規模・高齢化集落の課題はさらに多様化してくるものと思われます。この点から、集落点検等を通じて地域ニーズを把握しまして、買い物弱者支援事業費補助金をはじめとした中山間地域での生活に必要な支援を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆4番(姫野敦子君)  小規模・高齢化集落ということだけではなく、この事業があるということを、例えば自治会長の集まりなどで、申請をすれば利用が可能というふうな説明は、新任の自治会長の方を含め、研修会等での様々な社会資源の説明のときにされていると理解していいでしょうか。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  この事業は、自治会に対する支援ではなくて、そういったことに参入の気持ちを持っておられる事業者への補助金制度でございます。地域事情によってこれの対象となる地域、必要な地域に関しましては、必要がありましたら単位自治会長への御周知というのも必要だと思いますし、それ以外に、今、集落支援員制度を岩国市では導入しております。その集落支援員による集落点検の中では、当然、その地域の課題を掌握いたしますので、そういった場を通じてこういった事業の提案を行っています。また、参入を希望されたり、問合せがあった事業者に対しましては、こちらのほうから事業内容や条件等について御説明をしているところでございます。 ◆4番(姫野敦子君)  ある面、その地域の集落にお住まいになっている方は、このような気遣いがあって助かっていると考えます。 繰り返し申し上げますが、地域の小規模・高齢化集落というだけではなく、今後、こういったいい状況があるとするならば、岩国市内の大変便利と思われるところについても、こういった事業を考えていくべきときに来ているのではないか。集落支援員の配置とか活動についても大変重要とは思いますが、今、私たちが感じているのは、認知等も含め、買物、ごみ出しという当たり前に自分で長年できていたことが難しくなり、買っても冷蔵庫に入れるのを忘れてそのまま傷んでしまった。ごみ出しが何曜日の何時というのが、理解がだんだん難しくなり、山のようにごみに囲まれて暮らしている。自分でごみステーションまで持っていけない人は、ごみ出しはここに出しておくと何曜日に持っていってくれますというルールがあるとしても、自分が木曜日なのか水曜日なのか分からなくなっているというようなこともあります。 個別のことについては、今回の質問とは重なってはいませんが、ただ、生活が大変になって買物すら難しい。そして、これから、こういった問題がより深刻化していくということを、少しでも具体的に状況を御説明したいと思って、一応、質問の中に込めさせていただきました。 今までは問合せはないけれども、これから買物弱者の問題はより深刻化してくるかと思います。支所、総合支所と連携し、地域のニーズを把握して、この制度の支援内容をより多様に、また、市内の便利な場所と思われるようなところでもいろいろ問題が起こっているということを共通認識として、支援の手が広がっていけるように、自助・共助・公助もありますが、困った人が手を挙げ、でき得るところで助けてあげたいという人が元気なうちに、ルールを決め、施策を推進することで、より岩国市で生活しやすいと思っていただけるかと思います。 きめ細やかにはなかなか難しいのは重々承知していますが、できること、それから、できなくなったこと、お互いさまというところで、ぜひ、市においても細かい情報についても耳を澄ませて御対応いただきますように、心よりお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  4番 姫野議員に一言申し上げます。質問の際、例えば、今あったのが生活困窮者。バイクや自転車を取り上げるとか、岩国市はそういう冷たい行政をやっておりませんので、やはり答弁を求めてください。それで、答弁者もはっきりと答えてください。アイ・キャンを見られた方の誤解を招きますので、これからは注意してほしいと思います。 以上で、4番 姫野敦子さんの一般質問を終了いたします。 20番 石本 崇君。 ◆20番(石本崇君)  皆さん、おはようございます。志政いわくに 石本 崇でございます。 それでは、通告に従い一般質問を行います。 初めに、美和町の上海電力が事業主である太陽光発電事業についてお尋ねいたします。 この事業につきましては、先般、6月5日に、林地開発許可権者である山口県の完了確認通知を待たずして稼働を始めましたが、その後の状況についてはいかがでありましょうか、お示しください。 2点目、(仮称)西中国ウインドファーム事業に係る風力発電について。 (1)といたしまして、現在の進捗状況についてお示しください。 3点目、シェルター設置について。 昨今の避難用シェルター設置に係る政府の動向や、先般、6月定例会において、岩国市に市民の生命と安全を守るためのシェルター設置を求める意見書が全会一致で可決されたことについて、そのことを受けまして、市のシェルター設置の取組についてのお考えをお示しください。 最後に、8月6日「原爆の日」についてお尋ねいたします。 昭和20年8月6日に、広島市への原子爆弾投下という米国アメリカの戦争犯罪により、人類史上未曽有の惨禍が起こりました。毎年8月6日には、この体験を風化させることなく、原爆死没者の御冥福をお祈りするため、全国で原爆が投下された時間に1分間の黙?を行うなど、この日は慰霊の日とされております。 この8月6日「原爆の日」について、本市のお考えをお示しいただきたいと思います。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  石本議員御質問の第4点目の8月6日「原爆の日」についての(1)市の考えについてお答えいたします。 今から78年前の8月6日の早朝、真夏の太陽が照らし始めた矢先、地上600メートルの上空において一瞬の閃光が走った後、灼熱の火の玉が広島の町を瞬時に壊滅させてしまいました。爆心地周辺の地表面の温度は3,000度から4,000度近くに達したとされ、多くの命が一瞬にして失われました。 原爆によって亡くなられた方の数については、正確には分かっていませんが、1945年末までに、広島では約14万人が命を落としたと推計されており、80年近く経過した今でも、関係者の心身双方に影響を及ぼし続けております。 本市においても、本年3月末時点で493人の方々が被爆者健康手帳、いわゆる原爆手帳を所持されており、その傷が癒えることはありません。 こうした惨禍は決して忘れ去られるべきものではありませんが、戦後生まれの人口が8割を超え、戦争を実際に体験した方々の割合も少なくなりつつある中、行政として戦争の悲惨さや平和の尊さを心に刻み、次世代に伝えていく必要性を痛感しているところであります。 本市議会においては、平成19年9月定例会において、「核兵器廃絶都市宣言」に関する決議が、平成21年9月定例会において、核兵器の廃絶を求める意見書がそれぞれ可決されているところであります。 また、令和4年3月定例会においては、ロシアの大統領が核使用を前提とするかのような発言をしていることは言語道断である旨の決議文を含んだロシアのウクライナ侵攻に抗議する緊急決議もなされております。 一方、市におきましても、本年9月1日現在で166か国、8,287もの都市が加盟する平和首長会議に、平成21年に加盟しております。さらに、平成29年には、速やかな核兵器廃絶を願い、私も市長として核兵器廃絶国際署名に署名しております。 また、令和4年10月に広島で開催されました平和首長会議総会では、議案審議や記念講演、パネルディスカッションなどが実施され、私自らも出席したところであります。加えて、市役所1階の展示コーナーにおいて開催されました被爆写真・原爆の絵画展への後援のほか、原爆が投下された8月6日の午前8時15分には、亡くなれた方々へ哀悼の意を表するため1分間のサイレンを吹鳴し、様々な世代に向けた周知に努めております。私も、同時刻には、犠牲となられた御霊に対し、心から哀悼の誠を捧げているところであります。 市としましては、市議会の決議や意見書の趣旨を踏まえながら、平和首長会議を中心とした核兵器の廃絶に向けた活動に取り組んでいくとともに、核兵器の非人道性について、世代を超えて伝え続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  第1点目の美和町の太陽光発電についての(1)その後の状況についてお答えします。 美和町太陽光発電所につきましては、美和町秋掛及び阿賀地区の山林を太陽光発電所として整備されたもので、敷地面積約212ヘクタール、林地開発に係る面積約117ヘクタールに及ぶ大規模な森林開発が行われました。 この開発は、森林法第10条第2項の規定により、県知事の許可が必要なことから、平成31年3月28日に、事業者である合同会社東日本Solar13から、山口県知事に林地開発許可申請書が提出され、令和元年8月28日付で許可、同年11月に事業着手され、令和5年6月14日に林地開発許可権者である山口県の開発行為の内容に適合しているかの確認を受け、本市にも、同15日に山口県から完了確認通知を受けたところです。 令和5年6月定例会で御答弁いたしましたとおり、太陽光発電所の稼働は6月5日から開始されており、電気設備の保守点検や施設内の維持管理の業務は、太陽光発電施設の管理実績のある株式会社鈴鹿に業務委託し、適正に維持管理されていると認識しています。 一方、この事業が進められる中で、開発区域の近隣住民からは、本事業に起因する災害の発生や開発区域下流の水質の変化、農業用水の不足などの不安の声が寄せられたため、様々な懸念や近隣住民の不安が払拭されるよう、昨年5月に環境保全等に関する協定書を本市と事業者とで締結し、対応しています。 議員御質問のその後の状況についてですが、市といたしましては、6月15日に事業者の合同会社東日本Solar13及び設計から管理運用までを代行していたアール・エス・アセットマネジメント株式会社、維持管理会社の株式会社鈴鹿との協議の場を設け、改めて近隣住民の不安の声や懸念について説明した上で協定全18項目の確認を行い、誠実な履行を求めました。 また、令和5年6月定例会で、タイミングを見て事業者と協議の場を持ちたいと市長が御答弁申し上げましたが、7月26日に事業者からの申出で工事完了の報告と商業運転の開始の挨拶に市役所を訪問され、市長と協議の場を持ったところです。 市長からは、合同会社東日本Solar13に対して、地域住民が心配されている事業地周辺の水質検査の継続、維持管理体制の徹底、地元自治会や行政関係者の事業地の見学について、改めて要請しました。 この要請に対し、事業者から、水質検査の継続について、引き続き1年間実施するとの同意を得ました。また、維持管理体制の徹底につきましては、異常気象時などの緊急時に迅速に対応するために、地元土木業者との協力体制を構築する旨の回答を受けました。最後に、施設内の見学につきましては、前向きに検討したいとの回答を受けていますが、見学時期につきましては、施設内の安全性の確認が必要とのことで、先月18日に経済産業省中国四国産業保安監督部による使用前安全管理審査が行われ、審査結果通知を受けた後、日程調整することとしています。 今後につきましても、地域住民が感じている不安の解消や近隣地域の生活環境や自然環境の保全のため、地域に寄り添った対応に努め、事業者には協定の遵守を求めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎環境部長(神足欣男君)  第2点目の(仮称)西中国ウインドファーム事業に係る風力発電についての(1)進捗状況についてお答えします。 風力発電事業(仮称)西中国ウインドファーム事業につきましては、事業者である電源開発株式会社により、岩国市、周南市、島根県吉賀町の境界部に、事業の規模としては最大14万1,900キロワット、最大33基の風力発電機を設置する計画となっています。 議員御質問の事業の進捗状況ですが、令和4年2月の環境影響評価法の第1段階である計画段階環境配慮書の手続を既に終えております。この配慮書に対しましては、騒音や低周波音、水環境、動植物生態系などに関し、環境への影響をできるだけ回避・低減することなどを市の意見として述べています。 次の手続としましては、環境影響評価法の第2段階である環境影響評価方法書が、配慮書に対する意見を踏まえて事業者から提出されることとなります。 しかしながら、事業者が行った幾つかの調査結果により、工事量が当初の想定以上にかさむと試算され、加えて、新型コロナウイルス感染症やウクライナ侵攻による資機材高騰など、事業環境が大きく変化したことから、事業者側において開発工程を見直さざるを得ないと判断されたと伺っております。そのため、今後、事業化の見通しが得られた段階で、事業者側から改めてスケジュール等について相談があることとなっております。 こうしたことから、事業者に対し、現在の状況を確認したところ、現時点において特に動きはなく、方法書の提出時期は未定という状況は変わっておりません。市としましては、引き続き、環境影響評価法の手続を通して、市民の安心と安全のために、しっかりと意見を伝えるとともに、事業進捗状況などの情報収集に努め、また、関係する自治体と連携し、適切に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  第3点目のシェルター設置についての(1)市の取組についてお答えします。 北朝鮮により繰り返されるミサイル発射、また、中国による昨年8月の弾道ミサイルの発射やいわゆる台湾有事への懸念など、国際情勢が緊迫する中、先日の報道によれば、内閣官房が先島諸島における住民の避難用シェルターの整備を推進するため、令和6年度予算の概算要求に調査・設計費として1億2,000万円を計上したことが明らかになりました。 政府の方針では、公共施設の地下に爆風に耐えられる扉に加え、換気設備や非常用電源などを備えた施設を、自治体が国の財政支援を受けて整備することを想定しているとのことです。 防衛省に、避難シェルター設置の検討状況について問い合わせたところ、「弾道ミサイルなどによる武力攻撃災害から住民の生命及び身体を保護するために必要な機能を備えた避難施設の整備・普及は、武力攻撃事態から被害を防止するのみならず、武力攻撃の抑止という観点からも重要であると考えている」「シェルターの整備については、内閣官房を中心に、緊急一時避難施設の指定推進など様々な取組を行っていると承知しているが、防衛省としても、こうした政府全体の取組と相まって、様々な種類の避難施設の確保を行っていく考えである」「この検討の一環として、緊急時の避難所として活用できる施設の充足に資する体育館や公民館などの整備の助成の中で、シェルターの建設に係る助成についても取り組んでいく」との回答を得ています。 また、一方で、本市議会におかれては、本年6月定例会において、岩国市に市民の生命と安全を守るためのシェルター設置を求める意見書が可決されました。全会一致という形で示された議会意思を重く受け止めたところです。 さらに、岩国商工会議所におかれては、本年11月に茨城県つくば市に所在する特定非営利活動法人日本核シェルター協会を訪問して、同協会が建設した核シェルターのモデルルームを視察される予定であるとお聞きしています。 市としましては、こうした国の取組が加速化、具体化している状況を踏まえつつ、これまで以上に情報収集等に努めるとともに、国や県の動向等をさらに注視しながら、民間、議会、行政の緊密な連携の下に、適切に対応していく考えですので、よろしくお願いします。 ◆20番(石本崇君)  それでは、順不同で再質問を行わせていただきます。 先ほど答弁に立ったばかりで恐縮ではありますが、先にシェルター設置についての再質問をさせていただきます。 壇上からの答弁でもありましたように、政府もいよいよ調査・設計費を計上すると。そして、国会議員におきましては、シェルター議連という形で議員連盟が出来上がりました。私も、その中核であります片山さつき先生のほうに、この問題で要望とまではいきませんが、お話に伺いましたところ、まずは、台湾有事を念頭において、沖縄方面に優先的に核シェルターの設置を考えていると。しかしながら、当然、岩国市を含め大きな基地がある地域にもシェルター設置は必要ではなかろうかという非常に前向きな答弁もいただいたところです。 そして、同じく壇上からの答弁でもありましたとおり、商工会議所が、今般、茨城県にございます核シェルターのモデルルーム、これはスイスで――スイスは各家庭にある核シェルターの普及率が100%らしいです。そのスイスタイプのモデルルームだそうです。そこに商工会議所が、商工会議所全員じゃないんですけれど、ある部か部会かと思いますが、そこを視察されると。せっかくの機会なんで、やはり行政のほうもさらなる情報収集に努めるということでございますので、そういった施設に視察に行かれるおつもりはないでしょうか、御答弁よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  この日本核シェルター協会のホームページを拝見させていただきました。実際に、商工会議所が11月に、十数名で視察されるという情報も得ております。ざっとホームページを見たところ、モデルルームらしいですが、7人の家族とペットが2週間過ごせる状態を想定したモデルルームの公開ということでありました。 いろんな取れるべき情報はこちらでも取っていきたいと思っておりますが、日程が合うか合わないかということもありますし、私どももいずれ、つくば市とかその近郊を訪問する機会があれば、その折に合わせて、日程が許せばぜひ訪問したいという思いを持っておりますが、商工会議所と同行となると、日程的には難しいのかなと思っています。 商工会議所が実際に視察されて、どういった形であったかとか、その辺の意見交換はしてみたいというふうに考えております。 ◆20番(石本崇君)  先ほど市長がおっしゃられたモデルルームにつきましては、一般的にユーチューブ等々の動画で公開もされているようなので、意見書は全会一致でございますので、私以外の議員も大変関心があるところではないかと思いますので、ぜひ、その動画を御覧になってください。本当に、想像以上にしっかりとした施設になっておるようでございます。 それでは、次の再質問に移らせていただきます。次に、8月6日「原爆の日」について再質問をさせていただきます。 壇上からも御答弁がありましたとおり、この日は慰霊の日でありまして、岩国市でも本当にたくさんの方が被爆され、お亡くなりになられているというように伺いました。広島市で毎年、その日は平和記念式典並びに慰霊式が行われるわけでありますが、決して岩国市も無関係ではないと、このように理解を強くしたところであります。 慰霊式並びに平和祈念式を行う広島市におきましては、広島市平和推進基本条例が令和3年6月に制定され、その第6条第2項には、「平和記念日に、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を、市民等の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と定義されています。 では、ここで資料の4つ目、お願いいたします。 これが、実は当日の様子です。ちょうど原爆ドーム前の広場でありますが、私も実際、この8月6日には現地に伺い、写真を撮影したわけでありますが、権利等の関係で、もっとえぐい写真があったんです。これが精いっぱいなわけなんですけれど、これを御覧になられて分かるとおり、慰霊に関係あるようなのぼり旗だとかプラカードみたいなものは全くないわけです。中には、中国に対する侵略戦争をやめろだとか、もう全く慰霊に関係ないイデオロギーが羅列されているわけです。これはかなりの人数がいまして、原爆ドーム前の広場を占拠しておるわけです。昭和時代にタイムスリップしたかのように、ヘルメットをかぶって、中核派という文字をはっきりと明記させた、恐らく学生を中心とした一団であろうと思いますが、それらが軍隊よろしく3列縦隊もしくは4列縦隊になって、早朝からこの広場になだれ込んできて場所を占拠するわけです。その周りをたくさんの警察官が包囲すると。 そして、毎年このような光景が繰り返されるものですから、やはり地元でも本当にこれではいかんということで、市民を中心とした有志の方々が立ち上がって、同じように大きな声で対峙すれば、同じ土俵に乗ってしまうのではこれは意味がないということで、サイレントアピールという形、いわゆるプラカードを掲げて静かにしてください、慰霊の日ですからちゃんと静かに慰霊をしてください等々の意味が書かれてあるプラカードを提示して、対峙しておるわけでありますが、いかんせん、これは、中核派といえば警察庁によりますと、これは極左暴力集団です。過去にも犯罪を繰り返しております。全く慰霊をする気がありません。彼ら自身も言っています。今日は集会に来た、戦いに来たんだと。そういう態度で臨まれて、もう全国民が、いや世界中がこの日は慰霊をしなければならない日に、このような形で集会を行い、慰霊の日を台なしにしている。 もっと言うと、この極左暴力集団の一団の中には、教職員の組合も入っているんです。学校の先生方が。ちょうどこの日に修学旅行で原爆ドームに見学に来た小学生だと思いますが、小学生はこんな状況だから近寄れないんです。先生方は何をしているんですか。この中にも先生の経験者がいらっしゃると思いますけれど、先生方の組合がこんなことをやっているんです。極左暴力集団と組んで。 こういった状況を許していいものか。話合いが通じる相手ではないんです。許認可はお隣の広島市であろうとは思いますが、先ほども壇上で市長がるるおっしゃったように、岩国市もこの日とは無関係でないわけです。こういった暴挙が許されて本当にいいものか、ぜひとも岩国市としてのこういう状況に対する御見解を求めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  8月6日には、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が開催されます。そして、今年は内閣総理大臣をはじめとした多くの関係者が出席しておられました。この本式典の開催目的は、原子爆弾の犠牲となられた御霊に対し、慎んで御冥福をお祈り申し上げる。それとともに、今なお後遺症に苦しんでおられる被爆者並びに御遺族の方々への援護、これを一層充実させるということを念願するという、そういったことの式典だというように私は認識をしております。 ゆえに、こうした式典は、限りなく静粛な環境の下で執り行われるべきものであるというふうに考えておりますし、また、その目的を阻害するような行動、これはやはり厳に慎むべきものであるというふうに私は考えております。 ◆20番(石本崇君)  ぜひともこういったことがなくなるように、今日も新聞記者が来られています。中国新聞の方だと思う。中国新聞は書いていただいているんです。こういう光景があった、光景が見られたと。そしてもう1社、産経新聞も書いています。産経新聞はかなり突っ込んで書いています。これはぜひ、マスコミの方もこういうことを許しちゃいけないと思うんです。書かないということは、こういった団体に有利な形で働きますので、有利というかやりやすい、こういう暴挙をやりやすいような形に動きますので、ぜひとも報道関係の方は8月6日、こういう大変な暴挙が行われているんだということはしっかりと書いていただきたいと思います。 ついでに言いますと、この方とちょっとお話というか、お話というような冷静な形ではなかったんですが、そういう形で向き合ったんですが、例えば、山口県選出であった政治史上最長で総理大臣を務められた、先般、テロによってとうとう命を亡くされた安倍総理の暗殺の件についても、あんなやつは殺されて当然だと、人々の怒りが殺したんだみたいな、幾ら思想の違いがあっても、右・左、あるいは真ん中と思想の違いがあっても、そんなことを言えますか。私はとても人間の心を持った連中じゃないと思います。これ、不穏当な発言と言われても結構ですから。相当な怒りを持って、皆さん方もぜひ一度行ってみてください。岩国市も全く関係ないことではないんですから。 それでは、興奮冷めやらぬうちに、次の再質問に入ります。 次に、(仮称)西中国ウインドファーム事業についての再質問を行わせていただきたいと思います。 やはり風力発電ということになると、昨今は全国的にもいろいろな問題が散見されます。例えば、モーターから出火して火災になっただとか――これは全部国内の話です。あるいは、風車自体が、急激な強風が風車の羽に当たると、超音速という形で風車が回転して、その勢いで風車自体が倒れてしまうというケースが国内であったそうです。そういうケースもありますが、何よりも多く心配されるのが、風車が回ることによって発生する低周波の問題であります。 この低周波の問題は、ほとんどの風力発電が行われている場所においては、低周波による睡眠障害を近隣の方が訴えております。まさに今、(仮称)西中国ウインドファーム事業が計画され、予定されている地域、これは錦町のほうですが、盆地のような形状であって、低周波というのは山を伝って山びこのように音が下りてきて、下へ行くほど音が強くなってくる、低周波の影響が強くなってくると言われております。2キロメートル四方にも民家がありますし、睡眠障害になると、そこから健康が損なわれていくわけであります。そうすると深刻な問題にもなりますし、何度も申し上げますが、全国的にもそういう事例が多々ございます。 したがいまして、例えば、ああいうふうに山の上に再生可能エネルギー施設を設置する場合は、山を削らなければいけませんので、県による林地開発許可が必要になってきますけれども、その中には、住民の同意という条件がないわけであります。かといって、住民説明会を行わないわけではありませんが、ほとんどが住民説明会ならぬ住民説得会のような形で、とにかく言い方は悪いですが、アリバイ工作的な住民説明会が全国でもそのような形で行われているという、非常に不満というか懸念があります。 今般、こういった問題を規制するために条例を制定すると数回伺っておるんですが、その条例を進めるに当たっても、住民の理解を求めることについて、どこまで条例で規制するおつもりなのか、お尋ねをしたいと思います。 ◎環境部長(神足欣男君)  現在、先行事例等を参考として条例制定の準備を進めているところでございますが、地元住民の理解を得る点につきましては、幾つかの自治体で、まず、事業者が事業計画を市長に届ける前に、近隣関係者に対しあらかじめ説明会を開催するなどの方法により周知を図ることとし、また、近隣者の理解が得られるよう努めることとされています。 そして、近隣関係者は、事業者に対し口頭で意見を述べたり、意見書を提出したりすることができることとし、事業者は、そうした意見を踏まえ必要な措置を講ずるよう努め、その意見を踏まえた事業計画を届け出ることとされています。 本市で、今、準備を進めている条例についてですけれども、こうした内容に加えて、事業者と市長が環境保全等に関する協定を締結することを規定し、その協定の中においても、事業者に対し近隣住民との対話の機会を十分に設け、事業に対する理解を得るよう努めることを求めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(石本崇君)  私の記憶違いかもしれませんが、先般、ここの事業者、事業主と言っていいのか分かりませんが、そちらのほうから、住民の理解なしにこの事業を進めることはないといったふうな発言があったやに聞いておりますが、ちょっと正確なところを記憶していないものですから、もし担当部署のほうで、そういった話をある程度正確に捉えていらっしゃるなら、少し御披露を願いたいと思うところでありますが、いかがでありましょうか。 ◎錦総合支所長(的場敏君)  御質問のことについてお答えいたします。 改めて電源開発のほうに、事業実施において地元の理解が不可欠だということに対しまして、再度、確認いたしました。その中で、やはり地元の理解は不可欠だということは基本にあります。そして、とても大切な事項であるという認識の下で、地元に対して丁寧な説明や情報提供、各対応等の検討など、地元の理解を得ながら進めていく方針であるということでございました。その中で再度、地元から説明などの要望等もあれば、今後とも対応したいというようなことで伺っております。 ◆20番(石本崇君)  問題は、地元の理解とは何かということだろうと思うんですが、時間の関係上、ここの部分については、後の質問、質疑などによるところにいたしまして、ここでは深く語りませんが、住民の理解というところがポイントだと思うんですよね。1人でも反対が出れば駄目なのかとか、あるいはどの程度をもって理解とするのかというのは、なかなか難しいところだと思います。 ただ、1点申し上げたいのは、例えば美和町のメガソーラーの場合でありますと、住民説明会なるものが開催されたらしいのですが、あくまでもそこに居住している人だけという限定をされたそうでございます。 しかしながら、あの周辺はやはり御高齢者も多く、昨今の説明会はほとんど日本語じゃないような言葉が飛び交う、私どもが聞いても非常に分かりにくい、理解しにくい言葉が非常に出てくるという現状もありますので、例えば、この後に(仮称)西中国ウィンドファーム事業で説明会がある場合には、居住している人以外でも希望者がいれば、あるいは地元から要望があれば、我々議員でも結構ですし、そういったことに関心がある、ある程度知識のある方の参加も認めてもらいたいというふうに思っておりますので、これは宿題として受け止めて、要望じゃなくて宿題ですから、宿題としてよく受け止めていただきたいと思います。 それでは、最後の再質問に移らせていただきます。 美和町のメガソーラーについての再質問であります。 まず一点、6月15日に協議をされたということでございますが、そのときの出席者についてお示しください。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  6月15日の協議の出席者ですけれども、東日本Solar13から3人の方、アール・エス・アセットマネジメントの方が1人、維持管理会社の鈴鹿から2人の方、合計6人の方が美和総合支所のほうに来庁されまして、当日は本会議の最中でしたので、総合支所のほうでは課長対応ということで協議をしております。 ◆20番(石本崇君)  それでは、出席者の中にもありましたとおり、肝腎なのはやはり、この美和町のメガソーラーの場合は構造がちょっと複雑なんですよね。その中でも特に重要なのが、事業会社である東日本Solar13であります。これは前の一般質問でも繰り返し申し上げてきたように、この資本金約20万円の合同会社は、数年にわたり住所を点々として、私が記憶しているだけでも4回、そして、それに伴い職務執行者というものがいますから、その職務執行者もそれに伴い、ころころと猫の目が変わるように替わってきたと。 今般の東日本Solar13の職務執行者というのは、今でも、上海電力日本のプロジェクト開発部長であります、勝田氏でありましょうか。そのことについて承知されていますでしょうか。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  こちらは環境保全等に関する協定書の代表者が変更になった場合には、届出をさせるようにしておりまして、7月18日付で代表者の変更届というのが提出されておりまして、代表社員の職務執行者、以前は勝田さんだったんですけれども、変更になっているということを承知しております。 ◆20番(石本崇君)  一般質問のヒアリングを受けて、そのような内容の答弁であろうことはあらかじめ予想しておりましたので、私のほうでも法務局に参りまして、謄本を上げてまいりました。そうすると、総合支所長が答弁されたとおり、職務執行者が替わっておりました。職務執行者が、この方は中国人だと思うんですが、名前がちょっと読み上げることができないんですけれど、できないというのは、何と読むか分からないからできないんですが、この方をよくよく調べてみると、今の上海電力日本の社長でもあるんです。いよいよ社長が、肝腎要の東日本Solar13の職務執行者に就任したと。 私も以前、上海電力日本にお伺いしたことがあるというのは、この一般質問の中でも述べたところでありますが、そのときはまだ中国にいらっしゃるという話だったんですよ。今般、謄本を上げてみると、今、日本にお住まいでいらっしゃると。大体、1か月当たりの家賃が三、四十万円ぐらいするような、非常にいいところに住んでおられると感じられるところにいらっしゃるわけでありますが、その方、親会社の上海電力日本の社長がじきじきに職務執行者になられたわけです。 だとするならば、それだけこのプロジェクトに力を入れておるという認識がありますので、だとするならば、その代表者――合同会社東日本Solar13の職務執行者でもあり、上海電力日本の代表取締役でもあるその方が、当然こちらのほうにも御挨拶に来てしかるべきだと思いますが、例えば7月26日に、市長への挨拶・協議の場に、その東日本Solar13並びに上海電力日本の代表取締役の方は来られたのでしょうか。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  7月26日には代表者の方は来られておりません。東日本Solar13からは現場を特に把握されていらっしゃる担当者の方が来られました。また、管理会社の株式会社鈴鹿の担当者の方も同席されました。 ◆20番(石本崇君)  すなわち何が言いたいかというと、その場で即答できるような人は来ていないわけですよ。何を言っても、じゃあ持ち帰ります。持ち帰るのはいいんですが、本当に猫の目が変わるように、会社の人事も変わり、そして肝腎の事業会社の住所も――もう住所は変わらないと思うんですが、要するに職務執行者も猫の目が変わるように替わってくると。 つまり、この方だと思って取り交わした約束が、約束の返事を取り付ける前に変わったりだとか、実際にこれは変わっていますから、また二転三転する可能性があると。ここは厳に注意していただきたいところで、後になって、いやあれは当時の者がやったことであってとか、甚だしい場合には、いやもうその会社ではありませんとかいうケースが全国でもあるようなので、クリーンエネルギーを売りにしている再エネ事業者でありますが、ビジネスのほうはクリーンではないようなので、という事例があるので、ここは気をつけていただきたいと思います。 それに関連して、市長から改めて3点の要請をしたとのことですが、その場の雰囲気ですよね。快く要請を引き受けてくれたのかどうかということについても関心のあるところでございますので、お示しをいただきたいと思います。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  市長から改めて3点の要請を行ったわけですけれども、全て前向きな検討をするという旨の回答を得ております。特に、水質検査の継続については実施すると明確な回答をしてくれました。 また、事業地の見学と維持管理体制の徹底についても、先ほど言われたんですけれども、持ち帰り、前向きな検討をするというふうに言われました。 ◆20番(石本崇君)  分かりました。それは前任者が言ったことでというふうにならないように気をつけていただきたいと思います。 それでは、時間も残り少なくなっていまいりましたので、一遍に質問をさせていただきたいと思います。 一番心配しているのが、24万3,480枚程度の中国製のパネルが、あの敷地面積いっぱいに百十数ヘクタール、すなわち皇居とほぼ同じ広さ。もっと分かりやすく言うと、ディズニーランドとディズニーシーを合わせたよりも少し広い、広大な面積に、そういった中国製の太陽光パネルが24万数千枚も敷き詰められている状況でございます。 この全容はまだ誰も御覧になったことがありません。それは周りを林で囲まれているから、全容を伺うことができません。先般、ドローンを飛ばしまして、できる限りの全容を撮影してまいりました。これは時期が来ましたらユーチューブで公開したいと思いますので、そのときには、どうか皆さんも、本邦初公開でございますので、お楽しみにしていただきたいと思いますが。 質問は楽しんでもらうと困るので申し上げますけれど、問題は中国製のパネルということで、どんなものが中に含まれているかが分からない。一般的に言うと、太陽光パネルには有害物が含まれています。中国製ということになると外国製なので、それがどの程度の割合で含まれているかも分かりませんし、表面を覆っているガラスの強度も、国産のものに比べて弱いのではないかという指摘もあります。 では一体、この中国製である、この美和町のメガソーラーに設置されているパネルというのは、安全性においてどの程度担保できるものかということを、できる範囲でお示しいただきたいと思います。 それともう一点、ついでにパネルを設置すれば、いつか時期が来ればこれを廃棄しなければいけないと思います。事前積立てをすると言いましたけれども、これは事業終了の10年前ということで、本当にこういった廃棄の問題が約束されるものか、また、廃棄場所はどこにするのか等々、問題が山積みであると思います。そのことについての意見がなかったかどうか、そのことも併せてお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  今の2点につきまして答弁させていただきます。 まず、議員が御承知のとおり、太陽光パネルにつきましては、トリナ・ソーラー・ジャパン製でありますが、令和4年9月定例会で答弁いたしましたとおり、この仕様で経済産業省に届け出ていると聞いておりまして、私のほうでパネル内の有害物質等の専門的な安全性の担保というところまでは承知しておりません。 それとパネルの廃棄についてですけれども、事業会社であります東日本Solar13に確認してみました。そうしたところ、令和4年4月から義務化された電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、通称FIT法により、売電期間が終わる日の10年前から、国が定める率で、源泉徴収的な外部積立制度により廃棄費用を積み立て、法に従い適切な処理をするというふうに答えてくれました。 ◆20番(石本崇君)  今日はこの程度にとどめまして、引き続き、その問題につきましても質疑、質問をさせていただきたいと思います。 それでは、最後の再質問をさせていただきます。 先般、福島市のほうで、福島市の市長が、「ノーモア メガソーラー宣言」をされました。これは、山間への設置が相次ぎまして、景観の悪化だとか、地域の安心・安全が損なわれるのではないかということで、市民から心配の声が多く寄せられたわけであります。山地への大規模太陽光発電施設の設置を、これ以上望まないという趣旨の宣言をされました。 この間からも産業廃棄物等々の問題がありますとおり、そして今般の風力発電も含めまして、既存の美和町のメガソーラーも含めまして、どうも玖北エリアというのが狙われているんじゃないかと。玖北エリアには大事な清流錦川の支流なり水源もございます。ここで資料をお願いしたいんですが、これは美和町のメガソーラーの周辺を流れている川の堰堤の風景です。もう水がこんなふうに濃い緑色、不気味な色で濁っています。中国は自分のことは棚上げにして日本の処理水を汚染水と言っていますが、まさにこれは汚染水ではないかと私は思います。 それでは、次の資料。これは風力発電が計画されている周辺を流れている川でございます。先ほどの濁った川と比べていかがでしょう。これは特に透明度がAAAクラスであって、日本でも有数の透明度を誇る川でございます。絶滅危惧種の野鳥でありますとか、希少で本当に絶滅が心配されているゴギなんかも生息しているんじゃないかと言われている、本当に美しい自然です。 では、次の資料。ここはそれに加えて山から水が湧いてくるんですよ。これは飲める水であって、飲めるどころか周辺の方がこの水を求めてポリタンクを担いでやってくるぐらい夏は冷たい。本当に最高の湧き水が出ているところです。ここに巨大な風車を何十機も建てようというのだから、本当に正気の沙汰ではないと思います。 それで、話は戻りますが、「ノーモア メガソーラー宣言」につきまして、ぜひともこの美しい自然環境を守るために、一体、本市はどのようにお考えになられているか。来年、選挙を控えておられる市長におかれましても、ぜひこのことは公約というか、一つの信条として、この議会の場で吐露していただきたいところであります。 福島市の「ノーモア メガソーラー宣言」あるいは今般の再エネ議連の秋本衆議院議員の問題、この方は再エネ議連の事務局長もやられた方であります。賄賂をもらって逮捕されましたよね。そういった流れの中で、ぜひ市長にも今般のこういった問題について御発言を求めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  福島市の「ノーモア メガソーラー宣言」については承知しております。地域共生型の再エネ推進の決意を込めてということで、大規模開発による保水機能の低下とか、災害の発生が危惧されるとか、最後は、この事業はこれとして再生可能エネルギー事業を積極的に進めていくということも併せて宣言されておられます。 様々なこういった事案、各自治体の取組も参考にしながら、市のほうでは今、岩国市の豊かで美しい自然環境を保全しながら、再生可能エネルギーの適正な導入も併せてやっていくことが地球温暖化対策にもつながっていくと考えております。 これまでも答弁させていただいておりますが、今の段階では、そういった再生可能エネルギー発電事業と併せて地域環境との調和に関する条例の制定について、整備を進めております。非常に重要なテーマの一つであったと認識をしているところであります。 ◆20番(石本崇君)  ぜひとも市民憲章にもありますように、豊かで美しい自然を次世代に残そう。これは本当に、何年、どれだけ時代が変わろうと守っていかなければならない、今を生きる我々の責務であると感じております。市長におかれましても、そのように思っていらっしゃると思いますが、本当に我々だけではなく未来の子孫たちにとっても大事な宝であるこの美しい自然を守るためにも、この再エネ事業に厳しい態度で臨んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。(「議事進行」と呼ぶ者あり) ◎3番(長岡辰久君)  今、20番議員の発言の中で、この4番の質問の中で、写真を提示されまして、この集会の中に山口県の教職員組合がいたかのような発言がありました。この発言について、この内容、そして事実を精査し、確認することを強く求めたいと思います。(「山口県なんて言いました」と呼ぶ者あり) ○議長(桑原敏幸君)  山口県とは言っていないですよ。(「山口県とは言わなくても教職員組合と言いましたので、同じ教職員組合として」「言っていないことについては精査できないでしょう」と呼ぶ者あり)これはまた後に精査します。(「失礼なことを言うな」「逆です。失礼なことを言っているのどっちなんだ」「言っていないことを言っているから言っているんじゃない」と呼ぶ者あり)冷静に、冷静に。この件について、後ほど内容を精査しますので、発言留保宣告をいたしておきます。以上で、20番 石本 崇君の一般質問を終了いたします。ここで暫時休憩いたします。午前11時50分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(植野正則君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 18番 藤本泰也君。 ◆18番(藤本泰也君)  皆さん、こんにちは。志政いわくにの藤本でございます。 通告に従い、一般質問を行ってまいります。 このたびは、市営住宅についてと周東町の水道についてをお伺いいたします。 まず、はじめに、市営住宅についてでございますが、なかなか市営住宅に入れないとか、また、入居の資格要件に合わないなどの話を聞く機会が最近ちょっとあり、今回質問いたします。例えば、夫婦が共有名義で住宅を取得した場合、離婚したとしてもローンの支払いがあれば共有資産としてそれぞれの持ち分となり、市営住宅の入居資格に該当しなくなります。しかし、独り親世帯、いわゆる母子家庭、父子家庭となると、やはり少しでも家賃の安い市営住宅に入りたいと思うのは当然のことと思います。 そこで、お伺いいたします。 (1)住宅困窮者の定義について。 (2)無資産証明についてお伺いいたします。 次に、市営住宅に関する他市の制度を見てみますと、家賃補助制度や空き家等の民間住宅の借り上げなどがあります。(3)として、それらの制度について岩国市としてどのように考えているのか、お伺いいたします。 2つ目の質問は、私も長年この質問をしてきました。上下水道は町の発展には欠かすことのできない生活インフラの一つです。同じ玖西盆地でも玖珂町の人口の減少はあまりありませんが、周東町は人口減少が進み、過疎地域に指定されました。岩国市内の都市計画区域で人口1万1,000人でありながら、水道普及率が20%以下の地域は周東町だけです。玖西盆地は交通の要衝でもあり、工業団地も2か所あり、ベッドタウンとしても大変魅力のある地域だと思います。人口減少に歯止めをかけるためにも、周東町に水道を整備していただきたいと思います。 今後の整備について、どのように考えているか、お伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  藤本議員御質問の第2点目の周東町の水道についての(1)今後の整備についてお答えいたします。 周東町の上水道整備につきましては、昭和55年から、当時の周東町において、高森南地区を給水区域とした高森南簡易水道による給水を開始しました。 その後、平成18年3月の市町村合併により、新岩国市による維持管理を行っていましたが、岩国市簡易水道事業統合計画に基づき、平成24年4月に水道局に移管、統合したことから、現在では、岩国市水道事業による給水が行われています。 一方、周東地区の水道未普及地域につきましては、昭和57年に設立された光地域広域水道企業団において、中山川ダムの水を活用して広域的な供給施設を整備する計画となっていました。 しかしながら、水源である中山川ダムの完成の遅れや広域に水道水を供給する施設の整備費用の試算が高額になることなどから、平成24年に同企業団は解散し、その後は、関係する自治体がそれぞれ個別に水道の整備を検討していくこととなりました。 また、本市では当初、中山川ダムの水を活用しない水道計画は国の認可を得られないとの認識でした。 しかし、令和元年度以降、改めて他の方法での水道整備について検討を行ったところ、合理的な理由があれば、ダムの水を予備水源として保有したまま既存の上水道の水源を利用する、給水区域の拡張という手法で国の認可を得られる可能性があることが分かりました。 令和2年度には、周東・玖珂地区の既存の上水道施設からの管路の延長のみで給水区域を拡張した場合における事業費が、どの程度必要となるか試算を行ったところであります。 その結果、給水区域は限られるものの、既存の上水道施設には、他の区域に給水するだけの能力があり、中山川ダムの水を活用する整備手法と比べて、事業費を抑えて整備することができるとの試算が出ました。 この試算結果を受けて、本市では、関係機関と協議を重ね、周東地区の水道は、既存の上水道施設から給水可能な区域については、まずは簡易水道事業として整備することが最善であるとの結論に至りました。 本年3月31日時点における市全体の水道普及率が約83%であるのに対して、周東地区の水道普及率は約20%にとどまっており、本地区において水道の未普及地域を少しでも解消していくことは、大変重要な課題であると考えております。 周東地区への水道整備に当たりましては、今後、基本計画の策定や山口県への簡易水道事業の許可申請、管路整備の設計などを行っていく必要があり、相当な業務量が見込まれます。 市としましては、可能な限り早い時期に体制を整備し、事業の実施に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  第1点目の市営住宅についてお答えします。 まず、(1)住宅困窮者の定義についてですが、現在、本市の市営住宅の管理戸数は2,321戸あり、入居戸数は1,545戸、空き家戸数は776戸、老朽化による募集停止住宅を除くと、実質的な空き家は391戸となっている状況です。 こうした市営住宅は、国及び地方公共団体により健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として整備されます。 議員御案内の住宅困窮者の定義については、公営住宅法の入居者資格について、「現に住宅に困窮していることが明らかであること」とされており、その内容については、公営住宅法施行令において、入居者の選考基準が定めてあり、「当該入居者が住宅に困窮する実情に応じ適切な規模、設備又は間取りの公営住宅に入居することができるよう配慮」して行うものとされています。 具体的には、「住宅以外の建物若しくは場所に居住し、又は保安上危険若しくは衛生上有害な状態にある住宅に居住している者」「他の世帯と同居して著しく生活上の不便を受けている者又は住宅がないため親族と同居することができない者」、自己の責めに帰すべき事由に基づく場合を除き「正当な事由による立退きの要求を受け、適当な立退き先がないため困窮している者」などがあり、こうした内容が、市営住宅の入居における住宅困窮者の定義になると考えています。 もう少し具体的な入居資格の考え方について、日本住宅協会が発行する公営住宅管理必携では、居住可能な住宅を所有しながら公営住宅への入居を希望されている方や、住宅の取得が可能な程度の預金を保有されている方については、住宅に困窮していることが明らかな者には該当しないとあります。 一方で、居住の用をなさない程度に住宅が著しく老朽化し、かつ、費用が不足するためその建て替えが困難である場合や、差押え、正当な事由による立ち退き要求等により、その住宅に居住し続けることができなくなった場合などは、住宅に困窮していることが明らかな者に該当することが適当としています。 そのため、入居申込みに当たっては、自己所有の住宅の有無などを確実に申告していただき、その申告内容が適正であることを確認することが大変重要になります。 次に、(2)無資産証明についてですが、市営住宅へ入居していただく資格審査事項の一つとして、市営住宅条例施行規則により、無資産証明書の提出を求めています。 この証明が発行されれば、居住する市町村に不動産等の資産を所有していないことが確認できますが、共有分を含む資産を持っておられる方は、この証明書は発行されません。 こうした入居資格については、ほかの必要な項目についても公的な証明書等に基づいて確認することとしており、客観的に公平性が保たれるよう十分注意しているところです。 また、他市にはなりますが、入居資格に該当しない事例が公開されており、申込者が住める住宅を持っている、現在客観的に見て住宅に困っていない、同居中の親族と折り合いが悪いので別居したいなどが列挙されていますが、このような場合も、申込者及び同居しようとする親族が自己の名義でマンションを含む住宅を持っている場合、または相続等によりその権利を有している方は、申し込むことができないことになっています。 本市においても、原則、同様に、現に住宅に困っていることが明らかなことに該当しないとして扱っているところです。 なお、申込希望者の方々へは、募集のしおりを配布する中で、持家・土地等の資産のある方や法で定める収入基準を超えている方など、申込みができない場合があることや、審査の際には、住民票、所得証明書、無資産証明書などを提出していただくことをお知らせしています。 最後に、(3)家賃補助制度と空き家等の民間住宅の借り上げについてですが、本市では、今年の3月に策定しました岩国市営住宅長寿命化計画において、民間賃貸住宅の活用の方針を定めています。 議員御案内のとおり、将来にわたって、公営住宅等の必要戸数の全てを、市営住宅の更新や維持管理により供給することが適当なのか、将来の市民の負担を軽減しつつ住宅セーフティネットを構築していくためにはどのような取組が必要なのか、などを取りまとめています。 その基本的な考え方は、「市営住宅と民間賃貸住宅の相互補完による住宅セーフティネットの構築」「低廉な家賃かつ一定の質が確保された民間賃貸住宅の空き家の有効活用」「子育て世代の居住ニーズに対応した民間賃貸住宅の活用」です。 そのため、公共施設の質と量の最適化に向けた取組として、市営住宅と民間賃貸住宅の相互補完により、必要戸数に対応した住宅数を確保していく方針としています。 また、民間住宅の借り上げ方式では、民間住宅を一定期間借り上げることにより、期間を区切った公営住宅の供給が可能であるため、公営住宅の供給量の調整を行うことができます。 こうしたことから、期限付入居である定期借家制度の活用により、政策的な誘導を行う場合や建て替えの際の従前入居の一時的な移転先や災害時などの緊急的な需要に対応した公営住宅の供給も可能なものとなります。 一方で、民間賃貸住宅の家賃の補助制度や空き家等の民間住宅の借り上げについての課題もいくつかあります。 まず、1点目として、地域性の問題があり、民間賃貸住宅などの主な市場は、岩国地域、由宇地域、玖珂・周東地域であり、玖北地域においては、安定した民間賃貸住宅等による住宅供給は見込めないことが想定されます。 次に、2点目として、現在の入居の世帯主の年代は、60歳以上の高齢世帯主が6割以上、居住年数別割合は、20年以上が約5割で、高齢世帯と居住年数の長い割合が高くなっています。 そのため、借り上げ公営住宅では、入居者は期間満了により退去する必要があり、また、入居者の退去等、空き室が生じることとなった場合などの解約規定については、事業主との契約によるもので、基本的には期間満了までの費用対応は生じることになります。 最後に、3点目として、一般住宅の空き家活用や既存の民間集合住宅の借り上げの場合に、直接建設方式により整備された既存の公営住宅の仕様とのバランスを考慮し、借り上げ候補住宅の選定基準を定め、立地や床面積、耐震性など、改修工事の有無なども事業主の協力が必要となります。 また、借り上げ公営住宅の供給に関する方針の設定においては、供給地域や必要戸数、対象世帯等、入居希望者の居住形態のニーズや、現在保有している公営住宅の供給量等を的確に把握した上で、実情に合った規模を検討するとともに、事業主の理解も不可欠と考えられます。 しかしながら、将来の市民の負担を軽減しつつ住宅セーフティネットを構築していくために、既存の市営住宅の老朽化状況などから、市営住宅と民間賃貸住宅などの相互補完により、必要な戸数に対応した住宅数を確保していく重要性は、ますます大きくなっていくと思われます。 そのため、入居希望者のニーズをしっかりと把握し、様々な課題の解決に努め、家賃補助制度や短期的な借り上げ方式も取り入れ、今後の岩国市営住宅長寿命化計画の中で、時期や戸数をしっかりと検討し、安定的な住宅の供給を図っていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◆18番(藤本泰也君)  それでは、順を追って、再質問に入らせていただきます。 まず、最初に、住宅困窮者の定義についての再質問をさせていただきます。 現在、市営住宅の入居制度で母子・父子世帯、配偶者のいない方で20歳未満の扶養家族がいる方が優先枠の対象となっていますが、これはどのような理由で母子・父子世帯が対象になっているのか、端的にお答えいただきたいと思います。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  これにつきましては、平成25年3月12日に閣議決定されました義務付け・枠付けの第4次見直しによりまして、住宅に困窮する低額所得者の中でも特に困窮度の高い者に関して、入居選考において優先入居が可能であることが再度通知されているところです。そのため、一般的に困窮度の高い方が多い母子世帯、父子世帯などにつきましては、抽せん倍率が優遇される優先入居の対象世帯としております。 優先世帯につきましては、本市では現在、倍率優遇方式を採用しておりまして、他の一般の入居申込者より有利に扱う方式として、優先枠住居の抽せんに落選した場合でも、一般住居で再度抽せんに参加できるダブルチャンスというところで実施しております。 ◆18番(藤本泰也君)  今の説明の中で、母子家庭、父子家庭ということになると、困窮度が高いということで閣議決定されて、こうした優先枠を設けているということが分かりました。 次に、岩国市営住宅条例では、「住宅の規模、設備又は間取りと世帯構成との関係から衛生上又は風教上不適当な居住状態にある者」とありますが、風教上不適当な状態とはどういう状態を指すのかをお伺いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  風教上という言葉ですけれども、これは一般的には風紀上、風習上の意味がございますが、公営住宅法の逐条解説によりますと、例えば世帯人数に比べて住宅の規模が小さい場合や、成人が数人いるにもかかわらず一間しかない場合などということになっております。 ◆18番(藤本泰也君)  逐条解説でそういうふうな解説ということになっていると思うんですが、実際には、風教上という意味を調べてみますと、先ほど部長のほうからありました風紀上や社会通念上、風習上の意味もあるわけです。例えば、離婚した夫婦が、建物の権利があるため同じ家に住むということは風教上不適切と思うんですが、また、離婚して世帯が別になると、条例にもある「他の世帯と同居して著しく不便を受けている者」にも該当すると考えられるわけですが、そのあたりはいかがお考えでしょうか。別れた御夫婦が一つ屋根の下で、また、家の権利があるから生活するというのは、いかがなものですかね。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  議員が今言われましたように、社会通念上は、離婚した夫婦は家の権利があることをもって同じ家に住むことはないのではないかと思われます。そのため、別々の世帯になることがほとんどであろうかと思われますが、いろいろ個々の事情もあろうかと思いますので、必ず別離世帯になるとまでは分からないのかなと思っているところです。 ◆18番(藤本泰也君)  私の質問のほうは個々の事情といいますか、要は、住宅の入居資格で名義があるというだけで、そこに家の権利があるんだから、実際に困っていてもそこに住みなさいよという話になると思うんですよね。ローンと家賃を両方払うほうは、子育て世帯に対しては大変苦労があるわけです。そういう中でも、昭和26年にできた公営法の規定の中で、これが基で今の仕組みがあろうと思いますが、実際に別れた御夫婦が同じ屋根に住んでどうなのかというのは、一般論で考えて難しい話だと思うんですが、そのあたりをもう一度お答えいただけますか。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  繰り返しになりますけれど、議員がおっしゃられるように、確かに難しいことではないかなとは思いますが、個々に事情があろうかと思いますので必ずというところではないかと思います。 ◆18番(藤本泰也君)  ちょっと次に、違う聞き方でいこうと思います。では、これ両方セットみたいなところがあるので、無資産証明についてお伺いしたいと思うんですが。入居資格では、無資産証明が必要になっております。共有名義で資産があれば持家があるということで、書類選考において入居できないというふうになっております。どのような資産が駄目なのか、お伺いできたらと思います。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  資産につきましては様々あるかと思うんですけれど、原則、入居者及び同居者名義の方がお持ちの持家や土地等の資産があると入居資格がないということで、原則ですけれど判断させていただいているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  では、例えば、山奥にぼろぼろの家があれば、それも持家と判断されるのか。住めないことはないけれど、実際に生活では大変苦労するようなところに資産があった場合でも、資産があるから駄目ということになるのでしょうか。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  自己所有の共有名義の資産がございましても、今、議員がおっしゃられた、実際に住めないとか使用できないという状況の家であれば、職員が出向くなどして確認したりするかと思いますけれど、そういった場合には「現に住宅に困窮していることが明らかな者」に該当するのではないかと思っております。 ◆18番(藤本泰也君)  今の答弁の中で、持っていれば駄目な資産の中に、家屋と土地があるわけですよね。じゃあ、住めるような状況じゃない家のほうは置いておいたとして、土地のほうもあるわけですけれど、その土地があるから駄目という話になるんですかね。どうなんですか、そこをもう1回はっきりと答弁をお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  家もそうですけれど、土地につきましても土地のある場所にもよるかと思います。例えば、市街化調整区域にある土地とかであれば、誰もが買って住めるような土地ではございませんので、そういった個々の事情・状況につきましては、書面などによって具体的な内容が個々で違いますので、どのような対応が今すぐできるかというのはお答えできませんけれど、そういった実情について、適切に配慮することをしっかりと心がけながら、住宅に困窮する方々に対しまして供給できるように努めたいと思います。 ◆18番(藤本泰也君)  そうなると、元の夫婦が同じ屋根の下で暮らすのは、それとどうなのかという話になるんですけれど、実際に入居するときにそれだけのハードルを設けなければならないというのも、法律上の話になるんであろうと思うんですが、今の実情で言いますと、先ほど壇上で申し上げましたように、若い方が家を建てられたときに共有名義でローンを借りられる例が多いわけですよね。そうした場合、じゃあその名義を整理すればいいじゃないかという話になるわけですけれど、なかなか一人だけの収入では一括借入れ、一括返済ということで整理がしにくいわけですよね。それが今の現状なわけです。住宅ローンにしても、今銀行で最長50年というローン、そういうものもあるらしいです。 ですから今後、こういった話は昔からあったのかもしれませんけれど、ただ最近よく聞くようになったものですから、こういったことは、また増えてくるんじゃないかという思いで今回質問をさせていただいているわけなんです。個々の事情・状況の対応について、書面などによる具体的な内容が分からないため、どのように対応できるかお答えできませんがというふうに、先ほどから答弁の中で言われるんですが、書面などによるという、そういった場合はどういう書面を出したら判断していただけるものなんでしょうか。例えば、山奥の家とかというのだったら、どこに場所があるかとか、そういったところで判断していただけるのであろうと思うんですが、例えば家の共有名義を一つ持っていますよと。でも、それで住んでいない、住民票は全然違いますよというのでも、一つの公的な証明になるんでしょうか。そのあたりはどういうふうに判断されるのかお伺いできたらと思います。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  今、議員がおっしゃられたように、客観的に見まして、そういったことが誰からも分かるように住民票など、収入でしたら所得証明などで確認しておりますし、例えば住む家が、先ほどの繰り返しになりますけれど、本当に住めないような家だけれど持っているよとか、資産があるよというのであれば、そういう証明というよりは職員のほうも確認しながら、それが資産、住宅に当たらないというところは、本当に書面とかにはないもので、ここについては分からないんですけれど、そういったところもしっかりと聞きながら、これは今、管理業務は指定管理で岩国公営住宅管理協会のほうにしていただいておりますけれど、そういった窓口に来られた場合は、いろいろ説明させていただくときにそのあたりの事情をしっかりとお聞きいたしまして、住宅建築課のほうと連携しながら、様々な問題や相談について対応していきたいと思っております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、部長のほうから御答弁がありましたように、相談について実際に乗っていただけないというふうに思うわけです。書類上でもう駄目ですよ、書類審査で駄目ですよというのではなくて、こういう状況なんですがとかということを、とにかくいつでも相談に来やすい、相談を受けやすい体制をつくってほしい。実際に、母子・父子世帯の方というのは名義があっても本当に困っておられます。ですから、そのあたりを、例えば今の指定管理事業者と連携してというだけではなくて、例えば市の中のいろんな部署とも連携していただいて、こういう問題があればそこへ相談に行ってくださいとか、そういったところまで一応聞いていただきたいというふうに思うわけです。 それで、市の中に法律相談とかができるところもありますので、そういったところの紹介も今後やっていただけるかどうか、お答えいただけますか。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  議員がおっしゃるように、改めまして、御指摘のようなお困りの方、様々な方がおられるかと思われますので、適切に対応できるように心がけて、本当に気をつけたいと思っておりますし、いろいろな内容によりましては、生活支援や子育て支援の部署の案内、先ほども法律等ございましたけれど、どういった支援があるか情報提供も行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆18番(藤本泰也君)  それともう一つ、無資産証明についてですけれど、一度入居された後に、例えば相続とかいろんな形で取得された場合には、今はそれは一切問わないということになっていますよね。だから、最初に入るときは、生活困窮というのは名義があったら駄目ということですが、入居された後に取得されたものについては問わないみたいな形になっていると思うんですけれど、これは実際に調べたりはしないんですよね。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  入居後の資産状況についてまで、現在は調べていないというところでございます。これにつきましては、入居を決めるに当たっては一定の要件を備えたものでないといけないなど、法令の制限等で定められているところでございますが、そのため、入居継続の要件でもあると解するというのが相当という、そういう意見もございますが、住宅困窮要件を満たさなくなることを理由として直ちに明渡し請求を行うことは適当でなく、明渡し請求は借地借家法に基づく正当事由があることを理由に行うことが可能と解されております。そうしたことから、入居者が使用許可を受けて事業主体と入居者との間に公営住宅の使用関係が設定された後におきましては、法令及び条例による規制はありましても、事業主体と入居者との間の法律関係につきましては、基本的には民間の賃貸借契約と変わりません。 以上のことから、入居時の要件を確認する書類の提出までは求めておらず、住宅使用料の算定に用いる所得証明書を年に1回提出していただいているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  そういった権利や資産の話で入る前は大変ハードルが高いわけですけれど、入ってしまえば、いろいろ借地借家法の適用になるので、そこまでは言えないということは理解いたします。 そうなると、今度この資産というのは、例えば市外に持っていても調べられるものなんですか。それとも、市内じゃないと分からないものなのか。そのあたりをちょっとお伺いできたらと思います。例えば最初、市営住宅に入りたいよというときに、無資産証明を取るときに市外のもの、県外のものまで出てくるのかどうなのか、お伺いできたらと思います。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  資産につきましては、岩国市の資産証明を出していただく中では、市外の資産がある、ないというところまでは分かりません。一方で、市外から転入される方につきましては、元の居住地で取得した無資産証明書の提出で確認をさせていただいているところです。 ◆18番(藤本泰也君)  ということは、ほかのところで資産を持っていることは分からないということになると、例えば、隣の周南市に1年以上住んで、周南市で市営住宅を借りるといった場合、岩国市に持家があったとしても、それは周南市の資産状況の調べでは出てこないということになると、1年以上他市に住めばそこの市の市営住宅には入居できるということになるわけですよね。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  いろいろな都市によりますけれど、岩国市でしたら現在、市営住宅の無資産証明書で確認させていただいていますけれど、ほかの都市では他都市に資産があるかどうかを調べているところもあるように聞いてはおります。御指摘のように、居住地で取得した資産証明書の提出によって確認していますので、転入後に転入前の居住地を含む他都市に資産があるかどうかというのは確認していないところです。入居希望者の方には少なくとも居住地の市町村の資産証明書をもって確認しております。 ◆18番(藤本泰也君)  本当、この法律というのはどういうふうに解釈するかとかいろいろあると思うんですよね。それを運用していくのは市の職員であるわけですから、やはり時代に合うような、また、先ほどから言いますように手厚く説明とかそういったアドバイスをしていただきたいというふうに思うわけです。 そこで、副市長。市の職員は創意工夫ということを考えて市職務に当たらないといけないと僕は思うんですが、そのあたり、副市長はどう思われますか。 ◎副市長(杉岡匡君)  今、それぞれやり取りをずっと聞いておりまして、私も過去を遡れば公営住宅でお世話になった時代があるわけなんですけれども、やはり入居するときにはそれぞれの住宅の困窮度とか、先ほども担当の部長のほうからも説明がありましたけれど、いろんな条件が出てくるわけです。そういった中で、職員のほうも一定の手順に基づいて事務処理をしていく形があります。ただ、個々の事情は、特に複雑なものがあれば、それなりの状況をよくお聞きした上でどういう対応がいいのかは考えていくという、そういった考え方もこれからは持ち合わせていく必要はあると思います。今の職員もいろんな考え方を持ってやっていると思っております。 先ほど事例を少し申し上げられましたけれど、そういった個々の特別な事情があることにつきましては、やはりよくお話をお伺いして、どういうことが対応できるのか、また、住宅のことだけでなくて、実際にその世帯がどういったところでほかに困っていらっしゃるのか、そういったことも含めて市役所内の各部署につなげられるような幅広い支援というのも頭に入れて、今もやっている部分があろうかと思いますが、今後もそれに向けて、引き続き対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、副市長のほうから御答弁いただきましたが、寄り添った形でお願いできたらと思います。 次に行かせていただきます。家賃補助についての考え方なんですけれど、そのことについてもう少し市の考え方を、先ほどの御答弁ではあまり家賃補助について触れられていなかったので、そのあたりをもう少しお伺いできたらというふうに思うんですが。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  家賃補助についてもう少し詳しくということですけれど、家賃補助制度につきましては、市営住宅を補完する住宅として、市営住宅の入居基準を満たした子育て世代などの若年世代が子育てに適した民間賃貸住宅を活用する場合や、立地条件が優れた市営住宅においては入居を待つ方がおられ、そうでない住宅との間で不公平感がある状況などを解消する方策といたしまして、自由性や機敏性などの多くのメリットがあると考えております。 一方で、借り上げ方式と同様に補助期間が限定される、一戸建ての空き家住宅の活用であれば、その住宅の耐震性・安全性、設備の状況などの建築物等の詳細な調査を行うなど、その利用目的に合った対策も整えていかなければいけないと考えております。こうしたことからも、これから入居希望者のニーズの把握に努めるとともに、立地や建物の状況等を個別に考慮した上で既存の市営住宅の老朽化が進むことを考えれば、これからの時代に求められる家賃制度の在り方ということを検討していく必要があると考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  住民のニーズというのは、本当に時代とともに変化していきますが、最近ではペットを飼いたいとか、飼えるところに住みたいとか、そういったことも増えてきているのではないかと思うんです。そうした中で、岩国市内も多くの空き家があります。こうしたところも少し活用を考えていただいて、家賃の補助制度につなげていただきたいと思います。 今回はいろいろと聞かせていただきましたが、なかなか法令と現実、実情というものが合わないところがあって、答えの出ない質問なんですけれど、本当に部長には大変、いろいろ考えていただいているところだろうと思うんですが、今後も引き続き母子世帯、父子世帯、住宅困窮者の立場に立って、この制度を進めていっていただきたいというふうに思いますのでよろしくお願いいたします。 次に、水道のほうに移りたいと思います。この水道については本当に長年質問させていただきまして、ようやく実現に向けて進み始めてきたかなというふうに思います。そこで、今後の事業スケジュールについてはどういうふうに進めていくのか、そのあたりをお伺いできたらと思います。 ◎環境部長(神足欣男君)  水道整備の事業を進めるに当たっては、基本計画の作成、事業認可申請の手続、詳細設計、工事着手の工程を踏んで進めていくことになります。周東地区の水道整備を進めていくための具体的なスケジュールについてですけれども、今後、内容を詰めていくこととなるんですけれども、一般的には計画・申請・設計等に3年程度かかり、その後、工事に着手し、整備が完了した区域から供用開始という流れになります。 ◆18番(藤本泰也君)  今、御答弁がありました、整備が完了した区域から供用開始とありますが、順次、区域ごとに行われるということで理解してよろしいですか。 ◎環境部長(神足欣男君)  今、説明させていただいたスケジュールについては、あくまでも一般的なケースでございます。周東地区の整備につきましては、これから水道局と協議をしながら基本計画等を作成する中で、供用開始の時期や区域についてどのように行っていくか検討して、決めていくことになると思われますので、よろしくお願いします。 ◆18番(藤本泰也君)  事業をこれから進めていくということで、どうしても技術的な部分から水道局に協力していただかないと進まないと思うんですが、事業の推進体制といいますか、それはどういうふうな形で連携といいますか、それはどういうふうにやられるのかお伺いできますか。 ◎環境部長(神足欣男君)  事業を進めるに当たっては、環境政策課の職員はもちろん、ほかの部署にも水道整備事業の専門知識を有する職員はいないため、水道局に御協力をいただいて体制を整備することになると思われますが、まずは環境政策課と水道局の職員の中から担当職員を選出し、プロジェクトチーム的なものを立ち上げ、取り組んでいけたらと考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、プロジェクトチームということが出たんですが、ではプロジェクトチームはいつ立ち上げられるか、お伺いします。 ◎環境部長(神足欣男君)  今現在においても専任ではないんですけれども、環境政策課と水道局の職員が事業の実施に向けて協議を重ねているところです。現段階でいつ頃とは申し上げられませんが、できるだけ早い時期に立ち上げてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ◆18番(藤本泰也君)  事業を迅速に進めるためには、プロジェクトチームを早期に立ち上げていただきたいというふうに思います。また、技術力でいえば水道局の協力は欠かせないということはよく理解しておりますので、ここでちょっと水道局長にお伺いしたいんですが、この事業に対する意気込みといいますか、そのあたりをお伺いできたらと思うんですが。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  これまでも周東町の水道事業に関しましては、私も含めまして水道局の職員は既に様々なレベルでの協議に参加させていただいております。今後、市長部局において、まちづくり実施計画等において事業計画が示されまして、市長からしかるべき指示がございましたら、市民の皆様に向けましてはさらなる社会福祉の向上のために、事業の完成に向けて効率的に、確実に推進できるような最善の策をもって、私どもが導いていくことが重要であると認識しております。 意気込みと申しましても、意気込みは他の事業と全く変わることはございません。水道局の持っているノウハウを最大限に生かして、本事業に対して進めていけることを考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、水道局長のほうから最大限努力していっていただけるというふうにお答えがございました。また、市長のほうからしかるべき指示があればという言葉もございましたが、市長にお伺いしたいのですが、ようやくこれが進んでくるわけですけれど、なかなかいろいろな条件が整わなくて今まで難航していましたが、これが進んでくることによって、周東町、玖珂町、この玖西盆地のまちづくりもまた少し進んでくるのではないかというふうに思います。市長におかれましては、そのまちづくりに対する思いといいますか、そのあたりをちょっとお伺いできたらと思います。 ◎市長(福田良彦君)  まちづくりというのは、水道事業を含めてのまちづくりというふうに理解をしたんですが、この周東地域の未給水地域に対しまして、今後スケジュールとか財源、また地元の皆さん方の機運、また、総論・各論を含めて、今後具体的な金額などもはじいていくことかと思います。皆さん方の水道をぜひ引いてほしいという思いを受けながら、我々はこういった事業を今後進めていくかどうか、最終的な結論を出していこうと思っておりますが、やはりその中で、今後、水道局と環境部の中での技術的なやり取り、人的なやり取りもしなければならないと思っております。そして、この水道が普及されれば、やはりそこに新たな人が移ってくる、また、いろんな施設も移ってくる、そういった生活インフラの中にこの上水道があることによって、地域のまちづくりがさらに進むということは想像されますので、そういった意味では水道という生活インフラを整備することによって、新たな周東地域のまちづくりは加速していくものと理解しております。 また、いろんな側面もあります、地元の公共事業としての仕事量も増えてまいりますので、水道事業に関わる仕事の方々につきましても、大きな期待を寄せられているんじゃないかと思っております。あらゆる効果も総合的に加味しながら、この周東地域の水道事業については関係部署で連携を取りながら、私もしっかりとそこにはコミットして、調整しながら整備ができるように頑張っていきたいというふうに思っております。 ◆18番(藤本泰也君)  市長の答弁を聞いて終わろうと思ったんですが、すみません、資料を出すのを忘れていました。資料をお願いします。 皆さんもこれを見ていただいて分かるように、水色のところが給水区域。それでピンクのところが未給水区域ということになります。ですから周東町の高森、いわゆる一番の中心街は全然水道が通っていないという状況でございますので、今、市長のほうからございましたように、実際にこれが進んでくると一つの大きなまちづくりが進むんじゃないかというふうに思っております。 そして、もう一つちょっとお伺いしたかったのが、表の一番下に書いてあるんですが、周東町の水道普及率は20%以下なんですよね。それが今後どのように伸びるのか、何%アップするのか、そのあたりをちょっとお伺いできたらと思います。 ◎環境部長(神足欣男君)  今後、どれだけ伸びるかということですけれども、既存の水道施設から給水可能な区域ということで、今、考えられているのが約550世帯ありますので、その550世帯が普及すれば10%程度アップするということになります。ちょっとそれ以上のことになると分かりかねますので、申し訳ございません。 ◆18番(藤本泰也君)  今、10%程度増えてくるんじゃないかということでございますけれど、それが今後のまちづくりに本当、つながってくるというふうに思っております。それからまた、10%でなく、それ以上に広がるように、また周東町のほうからも要望が出てくるんじゃないかというふうに思っておりますので、これからもぜひこの水道事業をよろしくお願いできたらと思います。 以上で、一般質問を終わります。 ○副議長(植野正則君)  以上で、18番 藤本泰也君の一般質問を終了いたします。 13番 瀬村尚央君。 ◆13番(瀬村尚央君)  皆さん、こんにちは。憲政会の瀬村です。今回は、1、国際交流のまちづくりについて。2、補助金についての2点についてお伺いいたします。 まず、1点目、国際交流のまちづくりについて。 (1)国際交流事業について。 岩国市は、在日米軍基地を有していることから、国際色豊かな点も個性の一つであります。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で国際交流事業もなかなか実施することが難しかったと思います。また、今回、この質問をさせていただいた理由といたしまして、私が所属している団体で高校生と話す機会が多々あり、今の高校生にどうすれば岩国市が活性化するのかと聞いた際に、多くの高校生が日米交流というワードを口にしておりました。 そこで、ア、現状について。 現在、FIBAバスケットボールワールドカップが沖縄県で実施されております。今日、準決勝です。日本は敗れはしたものの、パリオリンピック出場決定を確定させて大いに盛り上がったところでございます。沖縄アリーナで実施されており、現地ではどのくらい盛り上がったか、また、経済効果などはまだよく分かりませんが、大変喜ばしいことです。この岩国の地でも8月に日米対抗ソフトボールが実施されました。こういった事業はとてもすばらしいものと思っております。また、以前、一般質問したこともありますが、姉妹都市であるエベレット市との交流事業も行われております。そこで、現状、岩国市としてどのような交流事業を実施しているのか、お伺いいたします。 イ、今後の課題について。 今年は久しぶりのフレンドシップデーも大いに盛り上がり、日米交流のいい例だったと思っております。しかし、私もサッカーをしておりますが、なかなか一緒にプレーする機会はなく、日米親善リレーマラソンやフリーマーケットなどのイベントは定期的に行われておりますが、やはり私が岩国市の国際交流の課題と感じているのは、もっと日常的なつながりであったり、コミュニケーションを取り合う事業であったり、より交流頻度や交流度合いの高い事業が求められているのではないかと考えます。その点なども含め、課題についてどう考えておられるのか、お示しください。 (2)英語交流センターの取組について。 こちらは、岩国駅東口にある英語交流センター、通称PLAT ABCの取組状況についてお伺いいたします。やはり高校生と話していても、在日米軍基地が岩国市にあるけれども、だからといってなかなか英語が話せるようになるわけではないという話をお伺いしました。しかし、それは子供たちにおける英語教育だけではなく、我々大人にも通ずることです。この英語交流センターは大人も学び直しが可能であり、市民全員の英語勉強促進施設と認識しております。そこで開設から1年以上経過いたしましたし、運営状況についてお尋ねいたします。 次に、大項目の2、補助金について。 (1)メニュー出しについて。(2)事業評価について。(3)採択について。こちらは単独の補助金についてお尋ねするわけではなく、本市としてどのように補助金メニューを決め、採択し、そして予算化しているのか、そのプロセスについてお聞きしたく質問いたします。 こちらは、私なりに大きく3パターンに分けられるのかなと感じております。1点目が、国や県の施策で進めたい事業において、推進するために補助金を出しているパターンです。これは市としては業務として実行する形となります。2点目が、市独自の施策。岩国市総合計画などの進めていきたい事業について補助金を予算化するというパターンです。よくKPIなども設定されていることから、達成するためにも補助金を予算化しているのかなと感じます。そして3点目が、現場からの意見や要望として吸い上げて予算化するパターンです。 こちら1点目はよいとして、2点目については市として達成したいことについて補助金を出すにしても、優先順位のつけ方などは非常に難しいと思っております。一方で、全てに予算を回せるほど余裕もないと考えます。3点目についても民間からの要望や現場の実情に沿った補助金であると思いますが、継続型補助金だと新型コロナウイルス感染症や時代とともにそぐわない補助金も生まれてくると思います。そこで市としてどのように判断して補助金を捻出しているのか、お尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは瀬村議員御質問の第1点目の国際交流のまちづくりについての(1)国際交流事業についてお答えいたします。 まず、ア、現状についてでありますが、本市では本年8月1日現在で39か国、2,176人の方が外国人住民基本台帳に記録されております。また、この台帳に記録されていない外国人として、約1万人の基地関係者が生活されており、10人に1人は外国人だと言われているほど国際色豊かな町という特色があります。 このような中、本市は第3次岩国市総合企画におきまして、「多文化共生社会が実現している」を施策目標に掲げ、「国際感覚に優れた市民の育成」「多文化共生社会の実現に向けた国際理解の促進」「外国人住民の生活・コミュニケーション支援」「日米交流の推進」の4つの項目に取り組んでおります。 まず、第1に、「国際感覚に優れた市民の育成」として、青少年海外派遣事業や基地内大学就学推進事業等を実施しております。青少年海外派遣事業では、岩国市の姉妹都市でありますアメリカ合衆国エベレット市などに中高生を派遣し、国際社会で主体的に行動でき、異なる文化を持つ人々との相互理解ができる人材を育成する取組を行っております。この事業は平成2年度から始まったものでありまして、令和元年度までに延べ432人の中高生を派遣してきました。今年度はコロナ禍で中断してきたこの事業を4年ぶりに再開し、7月22日から8月6日までの16日間の日程で14人の高校生を派遣したところであります。先日、派遣した高校生からは、積極的にやれたとか、視野が広がった、改めて日本や岩国市のよさが実感できたなどの報告を受けております。 また、基地内大学就学推進事業では、岩国でアメリカ留学をキャッチフレーズに、就学を希望する日本人の募集と大学への推薦を行い、時代を担う人材育成に大きく貢献する取組を行っております。 第2に、「多文化共生社会の実現に向けた国際理解の促進」として、国際理解講座や交流事業等を実施しております。国際理解講座では、海外から赴任している山口県国際交流員による異文化理解講座等を行い、市民の国際感覚の醸成や国際理解度を深める取組を行っております。さらに、交流事業では、タケノコ掘りや餅つき、岩国フレンドシップフリーマーケット等を行っております。日本の食文化を体験するタケノコ掘りと餅つきは市民と基地内住民の参加の下、地域で活動する団体等と協働し、市内の高校生の協力を得ながら天尾地区において毎年開催しているものであります。また、日米出店者によるハンドメイド作品や雑貨、生活用品、飲食物の販売を行う岩国フレンドシップフリーマーケットは、第8回目となる本年6月の開催では約6,000人の来場者がありました。そのほか岩国日韓親善協会が開催している初級及び中級の子供のハングル講座につきましても市の共催事業として開催の支援を行っているところであります。 第3に、「外国人住民の生活・コミュニケーション支援」として、日本語ボランティア養成講座や日本語教室の支援、外国人住民のための防災教室等を行っております。現在、外国人住民が増加傾向にある反面、日本語や生活習慣を教えるボランティア人材は不足している状態であります。そこで日本語ボランティア養成講座を開催することで、外国人住民に日本語や生活習慣を教えるボランティアの育成を行い、人材不足の解消を図っております。日本語教室の支援としては、現在、外国人住民に日本語や生活習慣を教えている市内の3つのボランティア団体に対して指導者スキルアップ講座の開催などの支援を行っております。 第4に、「日米交流の推進」として、岩国・アメリカ友好ホストタウン事業のハロウィンカーニバルや日本語・英語スピーチコンテスト、カルチャーフェスティバルを開催しております。このホストタウン事業は日米協会岩国とともに、日米文化の相互理解を深めるために実施しており、多くの市民や基地関係者が参加しております。スポーツ関係におきましては、東京2020オリンピックの決勝戦でも対戦した日米代表チームによる日米対抗ソフトボール大会や、今年度で7回目の開催を迎える日米親善リレーマラソンなどにも市内外から多くの来場者や参加者があり、愛宕スポーツコンプレックス等の施設を活用して様々な事業を展開しているところであります。 次に、イ、今後の課題についてでありますが、国際交流に関する事業やイベントの開催回数、参加者数につきましてはコロナ禍前の水準に戻りつつありますが、より多くの方々に参加していただくために多言語による周知などの様々な方法を考えております。さらに交流イベントに参加するだけでなく、外国人住民の方と直接会話をしたり、共同で作業をしたりといった機会をより増やしていくことなどの工夫が必要になるというふうに考えております。 市といたしましては、今後も様々な国際交流事業を実施する中で、市民の皆様が諸外国との文化や考え方の違いを体験し、国際感覚を養うとともに、外国人住民が安心・安全に暮らせる地域づくりを推進することにより、多文化共生社会の実現を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第1点目の国際交流のまちづくりについての(2)英語交流センターの取組についてお答えいたします。 本市には米海兵隊岩国航空基地があり、1万人を超える外国人の方が生活されていると言われています。本市ではこうした町の特性を生かし、「英語があふれるまちいわくに」をキャッチフレーズに、英語交流のまちIwakuni創生プロジェクトを令和元年度から推進しています。このプロジェクト推進のための具体的な取組として、令和4年3月26日に岩国市英語交流センター、愛称PLAT ABCを岩国駅東口に開設し、運営しているところです。本センターは、市民の英語の学びや学び直しの機会の充実を図り、国際交流を促進することで、魅力的な英語交流の町になることを目的として設置された交流拠点施設です。ここでは、コーヒーやドーナツなどを購入していただけるカフェコーナーや英語の絵本、ボードゲームなどをそろえたコミュニケーションスペースなどがあり、誰もが気軽に立ち寄って、ドリンクを片手に英語交流を楽しんでいただくことができます。普段から小さなお子様を連れた日米のお母さんが交流を楽しんでおられるほか、日本人と外国人の青年たちが互いの母国語を教え合いながら楽しく学んでいる様子や、仕事帰りの社会人の方が英語の学び直しのために参考書を片手に熱心に学んでいる様子も見られます。 また、センターでは週末を中心に多くのイベントも開催しています。その一つのイングリッシュキャンプは、昨年度、小・中学生及び高校生を対象として4回、18歳以上を対象として1回実施し、延べ75人が外国人講師の指導の下、様々なアクティビティを通して楽しく英語を学びました。なお、このキャンプはセンターだけでなく錦・由宇・玖珂の各地区でも実施し、延べ53人の小・中学生が参加しております。 また、外国人と気軽に英語交流を楽しめる国際交流カフェは、昨年度、センターで6回実施し、日本人延べ60人、外国人延べ69人がアニメや映画についてお勧めしたい作品を紹介し合うなど、楽しく国際交流を行いました。このほかにも、華道や七夕といった日本文化、イースターやハロウィンなどの外国文化を取り入れたイベントを実施し、相互理解を深める取組のほか、東地区の土曜夜市に合わせてテラス部分を開放し、お祭りムードを盛り上げるなどの取組も行っています。 さらに、今年3月にはセンター開設1周年を記念してアニバーサリーイベントを実施しました。人気ユーチューバーによる、英語を話せるようになるための秘訣と題したトークイベントや、高水高等学校書道部による書道パフォーマンス、日米の演者が共演したアフタヌーンコンサート、基地ボランティアによるスタンプラリー、巨大漫画ライブパフォーマンスなど、2日間にわたり実施し、約1,500人の方が来場されました。 こうした取組の結果、開設から1年半を迎えようとしている現在、延べ4万人を超える方々に御利用いただいているところです。教育委員会としましては、今後ともセンターを中心として岩国の町全体に英語があふれ、国際交流が盛んな町となっていくように取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  第2点目の補助金についてお答えします。 まず、(1)メニュー出しについてですが、市が交付する補助金の種類には大きく分けて団体等からの要望により交付するものと、市の施策として創設した制度により交付するものとがあります。このうち、特に団体等へ交付する補助金については、行政として対応すべき必要性、支出の透明性及び交付先となる団体や個人の適格性を基準として、これらを総合的に勘案して補助金を交付することが適切であるかどうかを判断しているところです。ここでいう必要性とは、補助金を交付することに公益性が認められることや市の総合計画等の施策に合致していること等をいいます。また、透明性とは、補助の目的、対象者、補助金の算定根拠等が規則等に定められていることや補助金の交付状況等が対外的に公表できること等をいいます。さらに、適格性とは、補助対象事業が団体の設立目的や補助金の交付目的と合致していることや、補助事業費に対する補助金の割合や補助対象経費の内容が妥当であること等をいいます。 以上の基準に照らして、その内容について精査し、補助金を交付することが適切であると判断した場合、当該補助金を予算措置するとともに、団体等からの交付申請に基づき補助金の交付決定を行うこととしています。 次に、(2)事業評価についてですが、補助金を交付した補助事業については、事業完了後、補助事業者から実績報告を受けることになりますが、その中で、団体の活動内容や事業成果などの実績が当初想定していた目的を達成するものであるかについて評価しています。あわせて、団体の会費や受益者負担等が適正に徴収されているか、また、団体の保有する繰越金に対して補助額が過大でないか等について内容を確認するとともに、必要に応じて補助額や制度の見直しを検討するとともに、場合によっては補助金の廃止・統合等の検討を行うこととしています。 なお、こうした確認作業や見直し等については、補助金を予算措置する際や補助金の交付決定を行う際などにも適宜実施しています。 最後に、(3)採択についてですが、補助金については基本的に以上のようなプロセスを経て執行していますが、予算に計上しようとする補助金については、予算編成の過程で庁内に組織している岩国市補助金等審査会において審査することとしています。この審査会においては、補助金の公益上の必要性、対象団体の適否、補助金の額などについて審査することとしており、こうした手続等を経て補助金が採択され、最終的に予算化されることになります。 補助金については、地域活性化や産業振興などの行政課題を解決に導くための有効な手段として、行政の進める政策において補完的な役割を果たすものと考えており、今後も引き続き公平性、公益性を確保した適正な補助金の交付に努めてまいりますのでよろしくお願いします。 ◆13番(瀬村尚央君)  それでは、通告順に、自席より再質問させていただきます。 まず、項目1の国際交流のまちづくりについての(1)国際交流事業の現状についてですが、エベレット市への中高生の派遣事業が復活したことを大変うれしく思います。また、平成2年から実施されているということで、私が生まれる前から続いているということで、すごく歴史を感じます。この事業を通じて、国際社会を舞台に活躍している人などはいるのか、お尋ねします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  平成13年から平成28年までの派遣者に対しまして、平成29年度にアンケート調査を実施しております。このときの調査によりますと、この派遣を機に国際関係や外国語専攻の大学へ進学された方のほか、就職におきましても英語の教員、商社や旅行業、海運会社のインバウンド部門等、国際関係に進路を決められた方が回答者の約7割にも上っておりまして、それぞれの舞台で活躍されている状況にあります。 そのほか、以前、派遣事業に参加された本市出身の方が本年5月からJICA、国際協力機構の青年海外協力隊員の理学療法士として2年間ベトナムに赴任されておりますが、本年11月の岩国会場での秋の協力隊員募集説明会にオンラインで参加する予定となっているなど、本市とつながりを持つ参加者もおられるところでございます。 ◆13番(瀬村尚央君)  国際社会に進路を決められた方が回答者の7割というのは本当にすごい成果だと思いますし、JICAの方がまた、岩国市でそういった講演をされ、説明会に参加されるというのはすごくうれしく思います。 また、アメリカに行き、改めて岩国市のよさに気づくことは、個人的にはとても立派な成果とは考えますが、一方で市の事業で実施しているため、体験できてよかったなどで終わるのではなくて、ぜひKPIで示すのは本当難しいと思うのですが、何かしらの指標を定めればと考えますが、そちらについてはいかがでしょうか。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  本市の海外派遣事業では、渡米前に語学力の向上と国際理解を深める目的で事前研修を3回ほど行っておりますが、1回目の研修では、この研修で実現したいこと、学びたいことを具体的に自分の目標として発表するのに続きまして、2回目の研修でも日米の文化の違い、それからシアトルやエベレット市について自ら調査したことを英語で発表することとしております。3回目の研修では、岩国市や日本のことをさらに詳しく紹介する練習なども行いますが、これらの研修は全てアメリカ人講師による英語での研修となっております。発音や文法の訂正、ホームステイ中の礼儀やホストファミリーとの交流について、注意点なども英語で学んでおります。 帰国後の事後研修では、事前研修で立てた自分の目標につきまして自己評価を行うほか、学んできた経緯や考えを報告書や報告展示資料として取りまとめて、これを公開展示して多文化理解、市民の多文化理解向上のために役立てているところでございます。 議員御提言のKPIの設定につきましては、人材育成の効果は将来にわたって長期的な観点で捉えなくてはならないため、数値で表すことにつきましてはなかなか難しいものと考えておりますが、今後も派遣直後と派遣から一定年数経過後にアンケート調査等を実施しまして、その調査結果を業績目標として活用するとともに次期研修プログラムに反映させていきたいと考えております。 ◆13番(瀬村尚央君)  事前研修もされているということで、本当にそれは有意義だなと思いました。あらかじめそういった研修を受けてから行くことだけで、やはり現地で話せることも変わってくると思います。 ですが、やはり予算を使っているので、業績評価を中長期的に測れるようにアンケートも実施されているということだったので、アンケート内容をより精査していただくだとか、そういった工夫をぜひしていただければと思います。 次に、基地内大学就学推進事業について、岩国でアメリカ留学はすごくいい事業だと、私も募集チラシを拝見したときに思いました。こちらの事業の実績について詳しくお伺いいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  基地内大学就学推進事業につきましては、米海兵隊岩国航空基地に開校されている軍人や軍属、その家族のための大学が平成3年度から日本人の受入れを始めたことに伴いまして、本市が就学を希望する日本人の募集と推薦を行っているものでございます。現在、開校されているメリーランド大学は、学士や准学士の学位が取得できる正規コースと、入学準備コースのブリッジプログラムが設けられております。ブリッジプログラムで必要科目等を一定の成績以上で修了しますと、正規コースへ編入することができるという仕組みになっております。 実績についてでございますが、平成3年度から本年度まで正規コース、ブリッジプログラム合わせまして212人を推薦しております。昨年度は正規コースへ3人、ブリッジプログラムへ4人の推薦を行いましたが、今年度につきましては為替レートの影響もあってか、応募者がブリッジプログラムへの2人の推薦と限られた状況でした。平成19年度から令和2年度までの推薦された方に対しまして、令和3年度にアンケート調査を行った結果によりますと、回答者の85%の方が就学してよかったと評価しており、今後におきましても国際的な視野を高め、多文化共生社会にふさわしい人材の育成に向けて就学希望者の増加を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆13番(瀬村尚央君)  大体31年で212人ということですので、年平均で大体7人程度が参加されていることを理解いたしました。 一方で、今年度が2人とちょっと少ない状況だったのは少し残念ですけれども、やはりすばらしい事業なので、ぜひもっとPRしていただければと思います。 イの、今後の課題についてですけれども、やはり御答弁いただいたときにもあったんですけれども、多くの方の相互交流がポイントとなるのではないかなと感じているんですけれども、外国人住民の方と直接会話をしたり、共同で作業をしたりといった機会をさらに増やしていくなどの工夫が必要になるというような御答弁もあったんですけれども、現時点で構わないんですけれども、こちらの対策など、そういった事業とか現時点で考えているものが何かあればお伺いいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  先ほどいろいろ市長が答弁をいたしましたように、様々な事業がございますので、それぞれの事業に合った内容について今後精査しまして、それぞれの対応を図ってまいりたいと考えております。
    ◆13番(瀬村尚央君)  現時点でなかなか具体的というのは難しいと思うんですけれども、今言ったように考えた事業をぜひ実施していただければと強く思います。 次に、私の周りでもやはり基地内に知り合いがいたり、つながりがあれば外国人と接する機会があるんですけれども、そういったつながりがない人が外国人とつながれないということをよく聞きます。そのための対策として、英語交流センターを設立したという認識でよろしいでしょうか。 ◎教育次長(丸川浩君)  センターは市民の英語の学びや学び直しの機会の充実を図り、国際交流を促進することで、魅力的な英語交流の町となることを目的として設置された施設です。そのため、外国人との交流のきっかけがない方たちの御要望を受け、その対策のために開設したというわけではございませんが、イベントへの参加のほか、気軽に立ち寄られる外国人も増えており、自然と交流が生まれております。したがいまして、結果としてそういう方の御要望にもある程度応えている状況となっております。 ◆13番(瀬村尚央君)  市民からそういった要望があって設立されたわけではないけれども、英語交流の町となることを目的とした施設と認識いたしました。 続いて、英語交流センターの取組についてですけれども、開設されて以降4万人を超える来場者がいらっしゃるとのことでしたけれども、こちらについてリピーターが多いのか、どういった方が多いのか、お尋ねいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  どなたでも特別な手続なしで自由に入館できますので、具体的な数字については把握しておりませんが、市内にお住まいの方が多く利用されているようでございます。また、外国の方と気軽に英語で交流できる施設は近隣にはないとのことで、市外からわざわざお越しになる方もいらっしゃいます。スタッフによりますと、このうちリピーターとして再び来館されている方も多いようです。利用される層についても、昔、仕事で英語を使っていたので、もう一度、勉強し直して外国の方との交流を楽しみたいというお年を召した方や、英語をしっかりと学んで将来は外国で働きたい、留学したいといった若い方、あるいは小さい頃から英語に親しみを持ってほしいという未就学児を連れた御家族など、幅広い方が利用されている状況でございます。 ◆13番(瀬村尚央君)  市外からも来られるとのことだったんですけれども、イベントを多く実施されていることは私も存じ上げております。例えば国際交流カフェなど。そこで、もし分かればいいのですけれども、そういったイベントに来られる方っていうのは、もともと英語が話せる人が多いのか、それとも、話せないけれど積極的に交流したいから頑張ってチャレンジされて来られるのか、もし分かればいいんですけれどもお伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  私のちょっと個人的な感想といいますか、私もイベントを拝見させていただいた際の感想なんですが、お子様とか、割と中高生を対象にしたイングリッシュキャンプでは、やはり御本人の英語の興味とか、あと親御さんの英語に対する教育という部分も見えます。一般的なイベントでは、やはり御自身が英語に興味を持っておられる方のほうが多いようにお聞きしています。スタッフに聞きますと、男性よりは女性のほうが多いのではないかという感じですし、年齢層については、平日であれば、やはりお仕事されている関係上、結構お年を召した、リタイアされた方が多く、週末にはやはり家族連れの方が多いというふうに聞いております。 ◆13番(瀬村尚央君)  ありがとうございます。やはりそういったデータは取っていないので、そういった感想とかでもすごく重要な意見だと思います。私も何度か拝見させていただいたときは、やはり子連れの女性が多かったというような印象を受けました。今、おっしゃられたように、リタイアされた方が来られたり、まさにリカレント教育じゃないですけれど、英語の学び直しをされているのがすごく目的に沿った方が来られているのかなと思うんですけれども、ぜひ英語を学びたいと、そういった高い意欲を持っている方により来ていただくために、そういったアプローチとかはされていくのか、お伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  英語を学びたい方に対するアプローチですが、広報いわくにはもちろん、岩国市のホームページ、フェイスブック、インスタグラムといったSNSを活用してイベントや日常の様子を配信しているほか、小・中学生や高校生に向けたイングリッシュキャンプなどについては、チラシを作成して学校に配布し、周知に努めているところです。また、イベントについても未就学児など、英語に初めて触れる方向けの英語絵本の読み聞かせ、先ほど壇上でも紹介しましたが、初級・中級者向けのイングリッシュキャンプ、中級・上級者向けの国際交流カフェなど、様々なレベルのイベントを企画し、多くの方が参加できるようこれからも努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(瀬村尚央君)  広報いわくにはもちろん、そういったSNSも活用されているということですけれども、よりアピールしていただければと思います。 こちらの質問の最後になるんですけれども、こちらはぜひ教育長に問いたいんですけれども、やはりセンターを中心として岩国の町全体に英語があふれ、国際交流が盛んな町にしていきたいとのことだったのですけれども、その目的に対してまだ1年半しかたっていないんですけれども、着実に進んでいる実感はあるのか、そちらについてお伺いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  各中学校にも国際交流支援という形で外国の方が学校に常駐して、例えば校内放送とか、また、今度、運動会がありますけれども運動会の紹介とか、そういったものを英語で行ったりしております。また、学校によっては、その学校で国際交流支援の方が英語の学び直しの機会を設けるということもございます。岩国市に来られた方が、本当に岩国は国際色が豊かですねということはよく言われますし、外国の方もそういった日本の方との接触を大変心待ちにしておられると、私たちも町で挨拶してもとても笑顔で、次の交流ができそうだという雰囲気はあると思いますので、そういったことが日常的にできるように、また、学び直しの場が各中学校、各学校でもあるし、PLAT ABCでもあるし、そういった場になればと思っておりますので、また頑張ってまいりたいと思います。 ◆13番(瀬村尚央君)  力強い言葉を頂きまして、私の周りではということかもしれないんですけれども、やはり市民で日米交流を求めている方も多くいらっしゃるので、ぜひその期待に応えてより一層進めていただければと思います。 次に、大項目の2の補助金についてですけれども、補助金の種類が大きく2つに分けられていることについて理解いたしました。まず、団体などからの要望により交付する補助金について、必要性、透明性、適格性、この3つの観点から判断しているとのことだったんですけれども、この3つに対して数値化するなら明確な基準などを定めておられるのか、お尋ねします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  本市におきましては、公平性や公益性を確保した透明性のある補助金の交付を図るため、補助金を交付することが適切であるかどうかを判断する基準といたしまして、岩国市補助金交付基準を定めているところでございます。こちらの交付基準の中では、判断基準といたしまして、壇上の答弁でも御紹介しました、行政として対応すべき必要性や支出の透明性、また、交付先となります団体・個人の適格性に分けて、個別具体的に基準を定めているところでございます。このうち必要性及び透明性につきましては、補助金を交付することに公益性、つまり公共に利益をもたらすことが認められることでありますとか、補助金の交付状況や団体の事業計画や収支計画、また、事業内容等が対外的に公表できることといった補助事業等の性質や事業に着目した判断基準としているところでございます。 一方で、適格性でございますけれども、こちらにつきましては客観的な判断基準として設けているものでございますが、例えば特定の事業等に対して補助する事業費補助の場合でございますけれど、こちらは原則として、補助金の額については補助対象事業費の50%以内であるといったようなことがございます。 また、団体に対して運営を支援するために、運営費等に対して支援する運営費補助の場合につきましては、原則として、団体等の繰越額が補助金の50%以内であることといった数値などによる基準についても定めているところでございます。 ◆13番(瀬村尚央君)  今、御答弁いただいて、適格性については50%以内だとか、そういった明確な基準があるのかなと思ったんですけれども、やはり必要性や透明性、先ほど御答弁いただいたように、公共の利益をもたらすことだとか、必要性に関してはやはり市の総合計画との合致性とか、そういったことなのかなというふうに認識いたしました。なので、ある程度の基準があることは理解いたしました。 そこで、個人や団体から年間何件くらいの要望が来ているのか、お尋ねいたします。 また、あわせて、補助金も継続と新規とが年間で変わると思うので、そちらの割合についてもお示しください。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  補助金につきましては、原則として、補助金の要望が団体等から担当部署に提出された後に、先ほどの基準に基づいて庁内で精査した上で予算措置しておるところでございますけれど、こうした団体等からの補助金の要望が何件あったかということにつきましては、全庁的な把握はしていないといった状況でございます。 参考までに申し上げますと、令和5年度の当初予算編成時に各担当部署から要求がございました補助金の件数につきましては、新規が16件、継続が293件、合わせて309件の要求があったということでございます。 ◆13番(瀬村尚央君)  団体からの要望の全件の把握はやはりなかなかできていないというような状況で、一方で補助金の件数は新規が16件で継続が293件ということで、想定よりも新規が少なかった印象なんですけれども、やはり市の施策として、創設した制度に交付する補助金において、その優先順位についてどのように判断して定めているのか、お尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  補助金の採択でございますけれど、こちらにつきましては、先ほど御紹介しました岩国市補助金交付基準に定めた基準に照らし合わせるとともに、予算編成方針に沿ったものであるかどうかを確認して、決定しているところでございます。そうした中におきましても、総合計画に係る7つの基本目標に基づく施策に沿ったものでありますとか、また、総合戦略に基づく地域活力の向上、人口減少の抑制に寄与するといったような補助金であれば、より優先順位は高いものになるというふうに考えております。 壇上でも申し上げましたとおり、補助金を交付することにつきまして、公益性が認められることと併せて、総合計画や総合戦略の施策に合致しているかについて総合的に勘案した上で、限られた財源の中で補助金を交付することが適切であるかどうかについて判断しているところでございます。 ◆13番(瀬村尚央君)  地域活力の向上と人口減少の抑制に寄与するものというのがポイントなのかなと、今の答弁を聞いていて思いました。やはり総合的に勘案するというところでなかなか難しいとは思うんですけれども。では、第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略、この計画は2020年度から2024年度までの5か年で、岩国市総合計画の中で、「まち・ひと・しごと」の創生に資する施策を重点的に推進するための計画で、達成すべき重要業績指標を設定しています。達成するためには民間の力も必要ですし、補助金の活用についてはどう考えておられるのか、お尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  本市におきましては、令和2年3月に、先ほど御紹介いただきました第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しておりまして、これに基づいて人口減少の抑制と地域活力の向上に取り組んでいるところでございます。こちらの総合戦略におきましては、4つの基本目標を掲げておりまして、その基本目標に数値目標や施策を掲げております。また、その施策には具体的な取組や重要業績評価指標でありますKPIを設定し、総合戦略の進行管理と推進を図っているところでございます。 議員御案内の補助金の活用につきましては、壇上でも申し上げましたとおり、補助金については地域振興や産業振興などの行政課題を解決に導くための有効な手段と考えております。そうしたことで、補助金につきましては、地域の課題の解決や産業・文化等の分野における担い手の育成など、本市の施策に沿ってその効果が発揮できるよう、しっかりと制度設計を行う必要があるというふうに考えております。 その上で、民間の活力を活用するためには、場合によっては補助金などによる支援を行うことも必要と考えておりまして、こうしたことで総合戦略に掲げる目標の達成に向けて、市民の方々や各種団体等と連携いたしまして、課題の解決に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆13番(瀬村尚央君)  私も有効と思っておりますので、しっかりと制度設計していただければと思います。 また、昨年、新型コロナウイルス感染症の影響で岩国市地域活性化イベント支援補助金というものがございまして、多くの事業者や多くの団体が活用したと伺っております。やはりああいうふうに地域を盛り上げるために、地域が積極的にやるというのはすごくいいと思いますので、そういった補助金というのはすごくいいのかなと私は感じました。 今後、コロナ禍が収束に向かっていくことに伴い、休止や規模を縮小して行ってきた地域の団体等による活動がコロナ禍前の状態に回復していくことが考えられているというか、実施されております。そのような市民活動に対し、市としてどのように支援をしていくこととなるのか、今後の見通しなどがあればお伺いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  市といたしましては、地域活性化などの行政課題を解決に導くために、市が主体となって実施している施策だけではなく、市民や団体の活動でありますとか、市民との協働といったことも必要であるというふうに考えております。これまでも新たな取組を実施される団体、特にイベントなどになりますけれど、こういったイベント等を企画される団体に対しては、条件が整えば市の現行の補助金などから支援してきたところでございます。 こうした中、市の補助金につきましては、交付に様々な要件があるということで、例えば使いにくいとか、もっと臨機応変な対応をしてほしいとか、そういった声もお聞きしているところでございます。現在、物価高騰などの懸念材料もあるところでございますけれど、今後、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進んでいくことで、こういったことに伴いまして、市民の方々による地域の活性化や振興につながる活動がさらに活発になるものと思われます。 こういったことで、市といたしましては、市の施策に沿ったもので公益性が認められるものであれば、市民の方々のそういった率先した活動に対して支援していくことは十分に可能であると考えておりますので、そのニーズを的確に捉えまして、より使いやすく、より効果的な支援が可能となるよう、今後とも調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆13番(瀬村尚央君)  ありがとうございます。補助金というのは、私も出せばいいだけとは思っておりません。やはり民間としても実施したいけれど、どうしてもこの部分だけ補助してほしいとか、そういった高い意欲を持った事業者に交付されるべきものであり、やはり補助金頼みではいけないと私も思っております。市の意向に沿ってそのような事業者と市の補助金がマッチすることを強く祈ります。 先ほど18番議員もおっしゃっていましたが、住民のニーズというのは時代とともに変わります。市民のニーズをしっかりと捉えていただくよう強く要望して、私の一般質問を終了いたします。 ○副議長(植野正則君)  以上で、13番 瀬村尚央君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時47分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時15分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 8番 川口隆之君。 ◆8番(川口隆之君)  皆さん、こんにちは。今回の質問は、高校の世界史の授業に出てくる習った単語がちょっと出てきますので、懐かしいなと思って、皆さん高校時代を思い出してぜひ聞いていただければと思います。 では、通告に基づきまして、壇上から一般質問をさせていただきます。 今回も、大きな項目を2点お尋ねします。 大きな項目の1点目、安心・安全なまちづくりについて、とりわけ岩国市における防犯対策と岩国市における空き家の適正管理に向けた対策についてお尋ねします。 昨今、全国各地において広域強盗事件が相次いで発生し、この岩国市でも主犯格のルフィと称する一連の強盗未遂事件が発生し、岩国市民の間でも不安が広がりました。 また、振り込め詐欺事件では、年々犯行手口が巧妙化し、市内でも被害に遭われた方がおられます。 先月では平田地区、南岩国地区において連続放火事件が発生し、幸い家屋に火の手が回らず、人的被害がなかったのが唯一の救いでした。この30年にわたる長引く不況に、コロナ禍でさらに閉塞した時代の空気の中で、人々は希望が持てていません。長引く不況で就職できず、また企業などの勤め先が倒産、賃金が上がらない中でのこの物価高騰、原因は様々ですが、生活に苦しく犯罪に手を染める人もいます。 このような中で、スマートフォンなどからSNS、ソーシャルメディアを用いて、安易にお金が稼げると、軽い気持ちで闇バイトに加わり、主犯格やグループのメンバーの素性さえ分からないのに、日当のアルバイトの感覚で犯罪に手を染める人もいます。犯罪の動機は様々ですが、安易に、そして短期にお金を稼ぐという短絡的犯行が見えやすく感じられるのは、私だけでしょうか。 少年犯罪は、昭和30年代から40年代をピークに年々減少傾向にありますが、成人の大人が、子供に比べてある程度の理性があるのにもかかわらず、このような短絡的犯罪に走るのは、社会に出てお金を稼ぐという目的が、何をしても構わない、人を傷つけたり、だましても構わないという道徳的規範が日本社会から薄れてきているように感じます。 このようなコロナ禍、また、物価高騰の中、日本社会全体が不安に満ちている中で、本市における安心・安全なまちづくりについて、現状と対策をお尋ねします。 また、安心・安全なまちづくりの中で、近年問題になりつつある空き家問題についてもお尋ねします。 我が国日本では、年々空き家が増加し、日本全体で約1,000万戸の空き家が存在します。空き家の増加の原因として、人口減少や核家族化が進み、親世代の空き家を子供が引き継がない、売却・賃貸化が望ましいが住宅の質や立地でに問題のある物件は市場性が乏しい、売却・賃貸化できない場合は解体されるべきだが、更地にすると土地に対する固定資産税が最大6倍にも上がるため、そのまま放置しておいたほうが有利などが上げられます。 しかし、人口減少が続く中、空き家が増え続けるのは好ましくはなく、空き家が増えて住民が減ると、犯罪や放火といった安全面が問題になります。また、残った住民も住宅を維持管理するモチベーションが低下し、住宅地全体が衰退に向かい、不動産価値が低下します。また、倒壊などの安全面、健康被害、景観悪化も問題になります。 これらの問題から、平成26年に空家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、我が岩国市においても、その前年度、平成25年に条例が制定されましたが、国の法律に付随する形で空き家の条例が平成27年に完全改正されました。 このたびの一般質問では、安心・安全なまちづくりをテーマにし、空き家における犯罪防止についてをお尋ねします。 空き家は、さきにも述べたとおり、犯罪・放火などの安全面の問題があります。過去において、空き家の多い地区で小学生が殺害された例や連れ込みなどの性犯罪、また、空き巣や窃盗など、犯罪の温床となるケースもあります。 空き家の多い地区になれば、地区の風紀も乱れ治安の悪化が懸念されます。「子どもは「この場所」で襲われる」の著書で小宮信夫氏は、年々増加傾向にある空き家は注意が必要だと警告します。このように、増加傾向にある空き家問題を防犯上の観点からお尋ねします。 現在、岩国市においてどのくらい空き家があるのでしょうか。総務省土地統計調査によると、山口県の空き家率は全国で8位に当たりますが、山口県内で岩国市は何番目になるのでしょうか。岩国市としての空き家問題の現状と課題、とりわけ安心・安全に関する取組をお尋ねします。今までの助言、指導及び勧告など、岩国市の対応をお聞かせください。また、空き家協議会の今までの活動、防犯に対する取組をお聞かせください。 次に、大きな項目の2点目、物価高騰への支援策についてお尋ねします。 昨年のロシアのウクライナヘの軍事侵攻により、我が国日本においても食料、物価、燃料などのエネルギー価格の上昇により、多くの国民、また、岩国市民がこの物価高騰により苦しんでいます。 そして、この10月にインボイス制度が始まり、今まで免除されてきた、収入が1,000万円未満の個人事業主にも消費税の支払い義務が発生し、個人事業主にさらに負担が追い打ちをかけます。 令和5年7月に財務省が発行したパンフレット、もっと知りたい税のことによると、令和5年度の予算と国の税収は、所得税が21兆円、消費税が23.4兆円、相続税が2.8兆円で、約50兆円が個人の負担で、法人税は14.6兆円しかなく、国の税収の2割にも満ちません。これにさらに個人事業主から税を徴収します。日本国憲法は、人権尊重をうたった憲法だと憲法学者の倉山 満氏は述べています。 日本憲法第11条、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」、第97条、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と書かれています。 この人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果とは、19世紀的人権であり、その時系列を列挙すると、1648年のウェストファリア条約で内心の自由、1689年の名誉革命で身体的自由、1776年のアメリカ独立宣言で幸福追求権イコール財産権、1789年のフランス人権宣言で財産権となっています。 財産権は基本的人権の一つであり、非常に重要なことで、財産を持つことを認めることによって初めて個人として成立するものであります。19世紀的人権とは、人でなかったものを人として認める人権であり、財産を持つことを許されない存在は奴隷であって、他者に所有される存在であり、すなわち人間として認められない状態であります。 このような経緯を経て、20世紀的人権では人らしさを求める社会権が誕生します。これは憲法第25条と憲法第13条に書かれてあるんですけれども、このような観点から、市民・国民が働いて得た所得は、社会保険料や所得税及び消費税、また、若い世代は奨学金の返済もあり、給与の半分は税金や返済という形で徴収され、さきの憲法で述べたように、財産を持つことは許されないと捉えられてもおかしくない状態です。憲法第13条に書かれてある幸福追求権の侵害であり、憲法違反に該当すると思われます。 話を元に戻しますが、この物価高騰と税の負担で多くの市民の方々の生活が苦しい状態です。税金は国の施策なので、今すぐ対策を取ることができませんが、物価高騰対策は急いでやらなければなりません。 そのような中で、市としてはどのような形で市民に対し物価高騰対策をしていかれるのでしょうか、お聞かせください。 また、生活者と事業者それぞれの対策をお聞かせください。 さきに述べた10月から始まるインボイス制度について、岩国市内の小規模事業者、個人事業主などへの対策として、市はどのような取組をしているのかお尋ねします。 インボイス制度につきましては様々な懸念事項があり、政府・与党からも少数ではありますが、疑問視する声が上がっています。地方議会からも声が上がっており、私が所属する積極財政を推進する地方議員連盟からも、超党派でインボイス制度を中止する声が上がり、政府・与党・野党を問わず市議会から意見書が提出される自治体もあります。 インボイス制度に係る意見書は、北は北海道旭川市から南は鹿児島県奄美市までの68の自治体に上ります。1,000万円以下の小規模事業者や個人事業主などの諸経費などを引いた手取りの中央値は約240万円で、そこからさらに消費税を支払うとなると、年間の収入は約200万円程度しかありません。 岩国市内の小規模事業者、個人事業主への懸念事項から、このような質問をさせていただきました。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、川口議員御質問の第2点目の物価高騰への支援策についてお答えいたします。 まず、(1)生活者への支援策についてでありますが、日本経済は、ウクライナ情勢等の影響による穀物や原油価格の高騰、円安の進行などにより物価の高騰が進んでおります。 物価の高騰は、食料品や生活用品など、身近な買物をする際にも実感するところであり、また、ガソリン価格についても、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均の小売価格が最高値を更新するなど、市民や事業者への影響が懸念されております。 こうした中、現在、国において市民や事業者の電気料金やガソリン価格の負担を軽減するため、激変緩和措置が実施されており、来月以降も引き続きこの措置を延長するとの方針が示されたところであります。 本市におきましても、国の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている市民や事業者を支援する策を行っています。 まず、電力ガス食料品等価格高騰重点支援給付金でありますが、これは低所得者への支援として、家計への影響が大きい住民税非課税世帯に対し、1世帯当たり3万円を支給するものであります。 この給付金の先月末時点の実績としましては、1万7,363世帯に5億2,089万円を支給しております。 次に、子育て世帯生活支援特別給付金ですが、これは子育て世帯への支援として、食費等の物価高騰の影響を特に受けた低所得の独り親世帯と、住民税非課税相当の子育て世帯に対して、児童1人当たり5万円を支給するものであります。 この給付金の先月末時点の実績としましては、まず、低所得の独り親世帯は、1,018世帯に8,340万円を、住民税非課税相当の子育て世帯は、566世帯に5,830万円を支給しております。 今後につきましては、これらの給付金の申請に漏れがないよう、市の広報紙やホームページ、SNS等を用いて周知を行ってまいります。 次に、(2)事業者への支援策についてでありますが、山口県においては、事業者向けの支援として、省エネルギー機器などの新たな設備等の導入による固定費削減等を図る取組への支援や、特別高圧電力により電力の供給を受けている中小企業への電気料金の負担軽減支援、さらには、LPガス料金の負担軽減支援などが実施されております。 本市におきましても、事業者向けの支援として様々な施策を行っております。 まず、福祉に関連する事業者に対する支援としましては、電気料金や燃料費などの価格高騰の影響を受けている市内の介護施設や障害福祉サービス施設等を運営する事業者に対しまして、価格高騰分の一部を支援することとしております。 次に、市場等を利用する事業者に対する支援としましては、電気料金や燃料費などの価格高騰の影響を受けている岩国市地方卸売市場と、藤生荷さばき場を利用する卸売業者、仲卸業者等に対して、価格高騰分の一部や場内で使用する車両の区分等に応じた支援金を交付することとしております。 次に、中小企業等に対する支援としましては、電気料金等の負担軽減などを目的として、空調、冷凍・冷蔵設備、照明等の既存設備を、省エネルギー設備に更新する経費の一部について補助する岩国市中小企業等省エネ設備更新促進補助金を支給しております。 本年7月から受付を開始し、先月末時点までに95件、予算総額5,400万円のうち、約2,200万円の交付決定を行っており、引き続き制度の周知に努め、より多くの事業者を支援してまいります。 なお、こうした中小企業等を支援するための施策の実施に当たっては、岩国商工会議所等の経済界と意見交換をしながら、中小企業等のニーズの把握を行っており、今後におきましても、社会状況の変化を常に注視しながら、必要に応じて施策を検討してまいります。 また、議員御案内のとおり、来月からインボイス制度の運用が開始されます。インボイスや適格請求書、消費税の仕入れ控除など、聞き慣れない言葉も多く、制度の理解や消費税の納税等の対応を不安に感じている事業者もおられると認識しているところであります。 本市においても、事業者のインボイス制度の理解と対策は重要と考えており、岩国商工会議所等と連携し、昨年9月から、これまでに4回のセミナーを開催しております。 加えて、インボイスへの対応に取り組む事業者に対しては、国の相談窓口のほか、市においても中小企業や個人事業主が相談できる体制として、岩国商工会議所内に岩国地域中小企業支援センターを設置しており、対応等について専門家から助言を受けることができます。 市としましては、市民や事業者に対する取組により、物価高騰の影響を緩和する効果を期待しており、引き続き、現在実施している事業を遅滞なく進めていくとともに、今後予定している事業につきましても、円滑な実施に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第1点目の安心・安全なまちづくりについてお答えいたします。 まず、1点目の岩国市における防犯対策についてですが、本市における刑法犯の認知件数は減少傾向にあります。平成25年には1,034件でありましたが、令和2年には初めて500件を切り、その後も最少件数を更新し続け、令和4年には368件となりました。 特に、認知件数の過半数を占める窃盗犯が大幅に減少しており、本市において犯罪の起きにくい環境づくりは、着実に進んでいるものと考えております。 しかしながら、令和4年には全国で相次いで発生した広域強盗事件の関連事件として強盗未遂事件が発生するなど、市内において3件の凶悪犯罪が発生しております。防犯対策は引き続き取り組んでいくべき課題の一つであると認識しています。 本市では、今後のまちづくりの指針を定めた第3次岩国市総合計画において、誰もが安心して安全に暮らせる町を目指すこととしており、施策の一つとして防犯対策の充実を掲げております。 本市の防犯対策の特徴として、市内全域に176台の街頭防犯カメラを設置していることが挙げられます。これらは、犯罪の抑止や事件の早期解決などを目的とし、特定防衛施設周辺整備調整交付金を活用して、令和元年度から令和2年度にかけて整備いたしました。 防犯カメラの設置に当たっては、岩国警察署や自治会等の地元関係者などと十分な協議を行った上で、必要な台数や設置箇所等を決定しており、各地域の主要な交差点等に設置することで効果を上げております。 実際に、岩国警察署から、防犯カメラの映像が事件の解決や未然防止に大変役立っており、昨年11月に発生した強盗未遂事件の早期解決にも大きな役割を果たしたと伺っております。 今後におきましても、岩国警察署との連携を密にし、防犯カメラの適切な運用と維持管理に努めてまいります。 次に、地域住民が生活道路等に設置する防犯灯が、夜間の犯罪防止に有効であるとともに、住民の安心感にもつながることから、本市においては、自治会等に対して防犯灯の設置・交換に係る費用と電気料金の全額助成を行っております。 令和4年度には、256灯の防犯灯の設置・交換費用を助成しており、この制度が地域における夜間の防犯効果を維持・向上させるとともに、地域住民の防犯意識の高まりにも一役買っているものと考えております。 また、電気料金につきましては、平成30年度から全額助成を開始しており、令和4年度には1万2,095灯分、2,913万476円を助成しております。自治会等において電気料金の負担がなくなることが、防犯灯のさらなる設置促進にも寄与しているものと考えております。 今後におきましても、自治会等に対し防犯灯の設置や効果的な維持管理を促進するための支援を行い、地域が一体となった安心・安全対策の充実を図ってまいります。 そのほかの防犯対策として、岩国警察署や岩国地区防犯対策協議会と連携し、地域の自主的な防犯活動への支援を行っているほか、ホームページや広報紙、LINE、市民メールなど様々な媒体を通じ、犯罪の発生状況や防犯対策等を幅広く周知することで、市民の防犯意識の向上に努めております。 市といたしましては、今後もこれらの防犯対策を継続していくとともに、効果的な周知・啓発を図り、行政と地域住民が協力して犯罪の起きにくい環境づくりを進め、安心・安全なまちづくりに努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 次に、2点目の岩国市における空き家の適正管理に向けた対策についてですが、全国の空き家は、総務省が5年ごとに行っております住宅土地統計調査によると、平成30年調査では849万戸となっており、前回の調査と比べ3.6%増加し、空き家率は13.6%と過去最高となっております。 適切な管理が行われていない空き家等は、防災・防犯性の低下や衛生・景観の悪化、ごみの不法投棄などの面から、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、空き家対策が全国的な課題となっております。 本市においても、空き家等は大都市圏への人口の流出や、木造家屋を中心とした既存建物の老朽化、住宅の仕様・性能や住環境に対する住民のニーズの変化などに伴い、年々増加の傾向にあります。 こうしたことから、本市では、平成26年4月1日に岩国市空き家等の適正管理に関する条例を施行し、空き家等がもたらす問題に取り組んでまいりました。 国においても、全国的な地方自治体の取組を背景に、平成27年5月に空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。 法の施行を受け、平成28年9月には空き家等の対策に関する協議を行うため、市長及び岩国市自治会連合会、山口県司法書士会、山口県土地家屋調査士会、岩国警察署等で構成する岩国市空家等対策協議会を設置いたしました。 この協議会は、平成28年度に4回、令和元年度に2回、令和4年度に1回開催しております。 また、この取組を進めるために、協議会の御意見等を踏まえ、市民等の安全及び良好な生活環境の確保を図ることを目的として、本市の基本的な方針や空き家等の対策に関する施策を計画的に進めることを示した岩国市空家等対策計画を、平成29年3月に策定をいたしました。 ここで、現在の本市の空き家の件数については、平成30年住宅土地統計調査によると1万3,710戸、空き家率では19.3%となっております。これは、全国の13.6%、山口県の17.6%よりも高く、県内の市町の中でも5番目に高い数値となっている状況です。 この住宅土地統計調査の空き家では、賃貸用の住宅や売却用の住宅、別荘などの二次的住宅も含まれることから、空き家に対する定義は異なりますが、市で把握している管理が不十分な放置空き家は、令和4年度末現在で362戸となっております。 この管理が不十分な放置空き家に対する対応については、空家等対策の推進に関する特別措置法の特定空家等に対する措置としての指導及び勧告までは行っておりません。 一方で、所有者不明の空き家につきましては、令和元年度には略式代執行を1件行っており、所有者が特定できる空き家につきましては、文書などにより適正な管理をしていただくよう申し入れているところです。 これまでに、令和2年度は91件、令和3年度は137件、令和4年度は93件の文書送付を行っており、あわせて、広報紙やホームページ、チラシ配布などにより空き家問題に関する啓発活動なども行ってきております。 こうした危険空き家につきましては、解体の促進を図る必要から、国土交通省の社会資本整備総合交付金の空き家再生等推進事業を活用し、岩国市老朽危険空き家除却促進事業費補助金交付要綱を設けて、解体費用の3分の1、最大30万円の補助を行っております。 最近では、令和2年度に14件、令和3年度に8件、令和4年度に3件の補助実績がございます。 最後に、岩国市空家等の適切な管理に関する条例において、防犯についての具体的な記載をしておりませんが、岩国市空家等対策計画の中では、岩国市特定空家等判断基準を定めており、この判断基準には防犯上の観点からの判断基準も定められております。 そのために、管理が不十分な放置空き家について、防犯上の問題があれば、これについても所有者に対し適正な管理に努めるようお願いしているところでございます。 いずれにいたしましても、管理が不十分な放置空き家等に対しましては、防犯上の問題も含め、今後も所有者に対し適正な管理を促すよう、適時、適切な対応を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆8番(川口隆之君)  それでは、自席より再質問させていただきます。 先ほど安心・安全なまちづくり、空き家問題について壇上から質問しましたが、通学路や児童の登下校の際に犯罪被害に遭わない対策の一つとして、防犯灯の設置が挙げられます。改めて設置状況、設置条件をお尋ねします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  市内における自治会等が設置しております防犯灯は、令和5年3月末現在で1万2,095灯、防犯灯の電気料金の全額助成の開始時には、平成29年度でございますが、1万1,245灯ございましたので、6年間で850灯の増設となっております。 設置の条件でございますが、これは自治会等の地域自治組織が管理することを前提とした防犯灯施設の設置事業でございます。設置補助の対象は、防犯灯を新規に設置する工事、設置していた防犯灯が老朽化したため器具ごと一式を取り替える工事となっております。 なお、既に取り替えたLED灯等が故障した場合の取替えも補助の対象となっております。 ◆8番(川口隆之君)  自治会によっては、世帯数の減少などで防犯灯の維持管理が難しくなっている地域もあります。地域格差の是正について、市としての取組をお尋ねします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  実際に管理いただいておりますのは自治会でございますので、自治会活動の推進に関わる事項であろうと考えております。 御承知のように、地域づくりを推進するに当たりましては、市民との協働は大前提であり、自治会は最も重要な協働の主体の一つであると認識いたしております。 世帯数の減少、加入率の減少などにより自治会運営が難しくなっている地域があることは承知しております。市といたしましては、単位自治会を束ねる連合自治会等と知恵を絞りながら、地域活動への支援を行っているところです。 御質問の防犯灯事業に関しましては、負担軽減の一つとして電気料金の助成や設置補助事業を展開しているところですが、物価高騰の中、要望を頂いております補助上限額の改善等につきましても、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆8番(川口隆之君)  防犯灯の維持管理についてもお尋ねします。設置及び電気料金の補助を行っているということなんですけれども、多くの自治会は助かっていると思います。その防犯灯の電気料金が安く、照度が安定しているLEDの普及が求められていますが、岩国市内のLEDの普及率はどうなっているかお尋ねします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  令和5年3月末現在でございますが、LED化されている防犯灯は全1万2,095灯中1万1,411灯、LED化率は94.3%となっております。 ◆8番(川口隆之君)  その防犯灯ですが、岩国市内では歩道にもかかわらず設置されず、夜になると暗く安全が危惧されている箇所があります。 例えば、南岩国町一丁目の市道南岩国町155号線と市道南岩国町40号線の間の、国道188号の岩国南バイパス沿いにある歩道ですが、約100メートル近くにわたって防犯灯がありません。防犯灯を支柱から設置するとなるとかなりの金額になると思いますが、公的な補助はないのでしょうか、お尋ねします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  防犯灯を支柱から設置する場合でございますが、岩国市では防犯灯の新規設置及びLED灯等の交換について事業費の10分の9、上限額をLED灯については2万円とする補助制度を設けております。 また、設置場所として支柱を新設する必要がある場合には、事業費の10分の9、上限額を1万5,000円とする設置補助事業を設けております。 ◆8番(川口隆之君)  地域や市民の防犯意識の向上や公的機関の啓発活動についてもお尋ねします。 市民協働による防犯機運の醸成も必要と思われますが、市としてのお考えもお聞かせください。 また、特殊詐欺被害の防止には、日頃から公的機関による啓発活動も重要かと思います。消費生活センターなどの公的機関の役割、また、詐欺などの消費生活被害の防止の観点などもお聞かせください。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  協働による防犯機運の醸成が重要ではないかという御質問でよろしいでしょうか。 広域強盗事件が岩国市においても発生しており、市的に防犯意識をさらに高める必要があると考えております。市では、行政と警察、住民組織や業界団体からなる岩国地区防犯対策協議会と連携し、地域ぐるみの防犯活動を展開しております。 また、高齢者や障害者等を消費者被害や詐欺被害から守ることを目的といたしまして、岩国市消費生活センターを主管として行政、警察、福祉関係団体及び住民組織、また、教育機関等を構成員とした岩国市消費者見守りネットワーク協議会を設置するなどして、市民の消費者力の向上、詐欺被害の防止、もしものときの相談先の周知などを幅広い協働により進めているところでございます。 ◆8番(川口隆之君)  近年、広域強盗事件や特殊詐欺グループがスマートフォンを用いてSNSで受け子などを募集して、闇バイトに手を染めて、犯罪加害者になるケースが相次いでいます。このような闇バイトに手を出さないためにも、何か対策が必要かと思われますが、市としてのお考えをお聞かせください。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  若者への啓発という観点から御説明をさせていただけたらと思います。 現在の社会情勢からも、若者を犯罪被害から守る、また、犯罪加害者にさせないためには、日頃からの啓発活動、若いうちからの啓発活動、そして注意喚起は大変重要と考えており、このためには関連する機関の連携した取組が求められております。 岩国市消費生活センターでは、警察や学校と連携し、特に高校生をターゲットとした闇バイトに手を染めない、巻き込まれないためのネットリテラシーに関する啓発活動に継続して取り組んでいるところでございます。 また、市内各高等学校への出前講座では、SNS上のメッセージの信用性について重点を置いた啓発、注意喚起を行っているところでございます。 若者をターゲットといたしました消費生活関連の啓発活動は、今後さらに拡充できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(川口隆之君)  岩国市における安心・安全のまちづくりの観点から、次は空き家の問題でちょっと問いたいと思います。 先ほど壇上からの答弁で、岩国市は空き家率が山口県の中でかなり高いということでしたが、灘地区の空き家率をちょっと教えていただけませんでしょうか。灘地区には、海土路団地や黒磯団地など高齢化した団地があるのですが、それらの団地が例えば少子高齢化が進むと、当然空き家率も増えます。そうした中で、壇上で述べたんですけれども、過去において不幸なことなんですが、児童が殺害されたり、性犯罪の連れ込み事件のケースのような危険箇所が増えるんですけれども、このたびは防犯上の観点からの空き家問題の質問ですが、岩国市空家等対策協議会、この協議会のメンバーに警察職員が含まれていますが、警察からの防犯上の助言について何かありましたらお聞かせください。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  まず、灘地区の空き家率につきましてですけれど、灘地区では先ほどお答えしました管理が不十分な空き家として把握している362戸のうち、令和5年3月末時点で22戸を把握しているところでございます。 そうしたことから、灘地区の世帯数が5,780世帯ございますので、空き家率としては0.4%になります。 その次に、空き家の協議会のメンバーに警察職員が含まれていますけれど、警察からの防犯などの助言についてですが、これまでの協議会の開催の中では、委員であります警察署長から防犯についての具体的な助言等を頂いたことはございませんが、今後においては空き家対策について専門的、多角的な観点から意見などの交換を行いながら、防犯対策につながるように努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(川口隆之君)  壇上からの答弁もありましたが、空き家の条例についてですが、京都市の空き家等の活用、適正管理等に関する条例施行規則では、具体的に該当する表が作成されておりまして、その中には「人が侵入することの可能な大きさの戸、窓その他の開口部が常時開放されている」や「外壁に人が侵入することの可能な大きさの穴、亀裂等が生じている」のような不法侵入対策にも力を入れているんですけれども、岩国市の条例では、この京都市のような条例に沿った形で対応できるのでしょうか。 答弁してもらいましたが、また、懸案事項として教育委員会、警察などとの連携はできているのか、お聞かせください。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  まず、不法侵入対策について岩国市の条例でも、京都市のような条例に沿った対応ができているかというところですけれど、本市におきましては、京都市空き家等の活用、適正管理等に関する条例施行規則のような特定空家等についての規則として具体的には定めておりませんけれど、岩国市空家等対策計画の中で、国のガイドラインに示す特定空家等の判断の参考となる基準に基づきまして、岩国市特定空家等判断基準を策定して対応しているところでございます。 その判断基準の項目の内容としては、例えば、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」では、「倒壊等するおそれ」として「建築物の著しい傾斜」や「屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれ」があるなど。また、「そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態」では、「吹付け石綿等が飛散し爆露する可能性が高い状況」や「ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている」など。「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」では、「敷地内にごみが散乱、山積みしたまま放置されている」など。また、「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」では、「立木の腐朽、倒壊、枝折れ等が生じ、近隣の道路等に枝等が大量に散らばっている」や「門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態で放置され、現に不特定の者が侵入している」などと、こういった細かな内容で判定できるように基準を定めているところでございます。 こうした基準に沿いまして、適正な管理に向けた対応を促しているところでございます。 それと、もう一つの警察と教育委員会との連携というところになりますが、個別の案件ごとに必要に応じて情報の共有は行っておりまして、適時、適切に連携を図っているところです。 また、市では通学路の安全確保に向けた取組として、教育委員会や岩国警察署、小・中学校の代表者、各道路管理者で構成されております岩国市通学路学校安全対策協議会を毎年開催しておりまして、この合同パトロールの中で、危険な空き家などについても情報の提供をいただいているところです。 この令和5年度では、3件のそういった連絡をいただきまして、適正管理を依頼しているところでございます。こうした様々な機会を捉えまして、空き家等の犯罪防止に努めてまいりたいと考えています。 ◆8番(川口隆之君)  それでは教育委員会の側からお尋ねするんですけれども、教育委員会としては児童に対して空き家――空き家にかかわらず防犯に関する指導はされているのか、お聞かせください。 ◎教育次長(丸川浩君)  各学校では、児童が自らの命を自ら守るために主体的に行動できる力を育成するために、登下校時の安全も含めた防犯対策として、防犯教室や危険予測学習等を行っております。その中で、児童が不審者から声をかけられたり、つきまとわれたりするなどの事件に巻き込まれた際は、子ども110番の家があることも周知しております。ここでは助けを求めて駆け込むと、保護して警察等へ通報していただける仕組みとなっておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆8番(川口隆之君)  ありがとうございます。空家等対策の推進に関する特別措置法第6条第4項と第8条には、都道府県知事に助言と必要な援助を求めることができると書かれているのですが、山口県による援助について何かありましたら、教えてください。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  県ということであるんですけれども、ちょっと繰り返しになりますけれど、先ほど壇上で副市長が答弁いたしましたように、老朽危険空き家除却促進事業費補助金交付要綱で行っている、解体費用の3分の1、最大30万円の補助につきまして、空き家所有者は解体費用の3分の2、もしくは上限を超過した部分について負担することになります。この市からの上限額に対しまして国土交通省の社会資本整備総合交付金から、実績額に対して2分の1が市に交付されているところです。この解体費用の補助金につきましては、山口県からの予算的な援助のほうはございませんが、空き家に関する啓発活動として市民に向けて開催しております空き家対策セミナーでは、派遣講師に伴う報償費を山口県が負担して、実施されているところでございます。 また、空き家に関する県内の情報提供や社会資本整備総合交付金の活用に当たっての取扱事務や、技術的な内容などの助言としての援助をいただいているところでございます。 今後も山口県としっかりと連携しながら、空き家の防犯対策に努めてまいりますのでよろしくお願いします。 ◆8番(川口隆之君)  高齢化により、これから空き家はどんどん増えていくことが予想されます。2050年には日本の総人口は2005年の1億2,777万人をピークに3,003万人減少し、9,515万人と予想されています。先ほど述べましたが、犯罪の温床となる空き家は、これからは喫緊の課題になると思います。私有財産でもあるので、なかなか行政としては解体が難しいと思いますが、市の建設部、教育委員会、警察が連携を取って、空き家における犯罪防止に努めていただけたらと思います。 続きまして、2項目めの物価高騰への支援策についてお尋ねします。 先ほど壇上でも答弁してもらいましたが、生活者への支援の取組について、給付要件や周知の方法などもう少し詳しくお尋ねします。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  まず、低所得者への支援である電力ガス食料品等価格高騰重点支援給付金についてでございますが、電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえまして、特に家計への影響が大きい令和5年度の住民税非課税世帯に対しまして、1世帯当たり3万円を支給しておるところでございます。 対象の世帯としましては、令和5年6月1日現在、岩国市の住民基本台帳に記載されており、世帯員全員の令和5年度住民税均等割が非課税で、未申告の方がいないということを要件としております。現在、対象の方の申請漏れがないよう、市の広報紙やホームページ、SNS等を用いての周知を行っております。9月29日の金曜日が申請の締切りとなっておりますので、支給要件確認書が入ったオレンジ色の封筒が届いた方はお早めに振込口座等のお手続をお願いしたいと思います。 また、非課税世帯の方でお手元に給付金の通知が届いていない方やその御家族の方は、該当者ではないかどうか本庁の生活支援課または総合支所の重点支援給付金担当まで御確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  続いて、子育て世帯への取組であります、子育て世帯生活支援特別給付金について御説明いたします。この給付金は国の支給要領に基づき、令和5年3月分の児童扶養手当を支給している独り親世帯と、令和4年度中に実施しました住民税非課税相当の子育て世帯を対象とした給付金の支給世帯に対して、申請不要で支給することとしており、本市では5月26日に支給しております。 また、令和5年3月31日時点で18歳未満の児童等を養育し、令和5年1月1日以降に食費等の物価高騰の影響を受けて家計が急変し、住民税非課税相当の収入となった世帯に対して、申請に基づき支給することとしています。この給付金の対象となる世帯の申請に漏れがないよう、市の広報紙やホームページSNS等を用いての周知に加え、市内の幼稚園、保育園、小・中学校及び高等学校に通園、通学する児童・生徒の保護者に対し、チラシを配布することでより多くの方にお知らせをしているところです。 今後も、令和6年2月末の申請期限まで引き続き給付金の周知を行い、子育て世帯の支援につなげてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆8番(川口隆之君)  これは最後の質問なので、ちょっと市長に答弁をお願いしたいんですけれども、物価高騰支援につながるんですが、これは結局、財政支出によって支援策の予算規模が決まります。こういう国民・市民が物価高騰で困窮しているからこそ、積極的に財政出動し、支援対策の予算がもっとつかなければならないんですけれども、地方議員には積極財政を推進する地方議員連盟があり、また、首長には地方から国の財政の在り方を考える首長の会というものがあります。僕は地方議員の中国ブロックを任されているんですけれども、自由民主党の西田昌司議員をはじめ、地方自治体の50以上の市町村が参加されています。市長は全国市長会の財政委員会の相談役をされておりますが、同じく財政委員である京都府京丹後市の中山市長や鳥取県鳥取市の深澤市長、また、全国市長会の現会長である福島県相馬市の立谷市長も参与として参加されています。 積極財政に向けての動きが地方では始まりつつありますが、市長としてのお考えをお聞かせください。 まだ山口県の首長はこの会には参加されていませんが、福田市長が山口県の先頭に立って積極財政に動かれたらいかがでしょうか。岩国市民だけじゃなく、山口県民全体の生活水準の向上に努めていただければ、岩国市の福田市長が積極財政に動いてくれたんだなと、山口県に福田市長ありと県民が喜んでもらえるかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 ◎市長(福田良彦君)  川口議員が今、積極財政を推進する地方議員連盟の中国ブロックの代表ということで、頑張っておられるということがよく分かりました。そういった中で、私は議員から御案内のとおりでありますが、今、全国市長会の中に設置されております財政委員会、これに加えまして都市税制調査委員会のほうにも私は所属しておりまして、この委員会では主に地方財政とか地方税の制度等に関する事項について、調査・研究をしてきております。 7月にもこの2つの委員会がありまして、その会議にも私は出席しております。その中では、今回は地方税財源の充実・確保に関する重点提言をはじめ、7つの項目について協議をしたところであります。議員御指摘の積極財政についての議論につきましてはいろいろな超党派、また、自民党の中でもいろいろな先生方が議論されていることも承知しております。特に今、物価高騰でいろいろと厳しい中で、しっかりとした積極財政をしながら地域経済の再生をするべきだという声もあることは承知しているわけでありますが、今後、議員のほうからは全国市長会の中でしっかりと発言したらどうかという話でありました。先ほど申し上げたとおり委員会に所属しておりますので、今後その委員会に対して一つの意見として伝えてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆8番(川口隆之君)  ありがとうございます。結びになりますが、ちょっと大きなスケールになると、人類が誕生して、様々な文明があって滅びた原因に、カルタゴのような外敵から侵攻されて崩壊した原因もあるんですが、古代エジプトが崩壊した原因というのは徴税によることが一つの原因なんですけれど、徴税――税金を民に押しつけて、税を徴収して滅ぶ。国を治めるファラオたちは徴税人――日本でいう財務省や税務署が悪代官にならないよう、慈悲のある振る舞いをせよ、貧しい者は免除せよ、もし税が払えなくて万策尽きている者にそれ以上追及してはならないと、ファラオが命じた記録もあります。しかし、古代エジプトの官僚システムもやがて腐敗していき、徴税人たちは民に対し、さらなる重税を課します。官僚が腐敗し、税収が減ったら増税し、民が疲弊する。この悪循環は、国家が崩壊するときは非常によくあるパターンと元国税調査官の大村大次郎氏は述べています。 我が国の現状は、中国からの外敵による侵略と重税による2つのパターンで国家が崩壊すると感じていると思います。僕はこう言っていて、別に税金を払うなとか脱税せよって言っているわけではないんです。国が崩壊する過程の一つのパターンとしてちょっと述べているので、今、国民の社会保障負担率は50%近くになっているんですけれども、これはちょっと非常に重たくなっていると。先日、12番議員が仁徳天皇の民のかまどの話をされましたが、市長は次期市長選挙に決意表明されましたが、民のかまどのように市民や全ての人々をよくするために、岩国市の発展のために御尽力していただけたらと思います。 以上で、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、8番 川口隆之君の一般質問を終了いたします。 7番 重岡邦昭君。 ◆7番(重岡邦昭君)  市民クラブ・草の根 重岡邦昭、壇上からの一般質問をいたします。 まず、柱島3島定住政策の(1)山口県による「元気創出!どこでもトーク」in柱島の実施の目的についてお聞きいたします。 私は、本年6月定例会の一般質問において、柱島3島に大きな予算を投資し、事業を継続的に行うも、柱島3島の人口減少に歯止めがかからず、日常生活は脅かされ基幹産業である漁業の継続も困難になっており、抜本的な対策が必要になっていると訴えております。 一方、同僚議員と、また、個人として柱島3島に渡り、直接島民の方から水洗化対策、イノシシ対策などの様々な要望を受け、現在、関係部局と協議を重ねておりますが、解決には至っておりません。その折、本年9月2日、県知事が直接柱島に赴き、「元気創出!どこでもトーク」in柱島が実施されました。市長、議長も出席したと伺っております。知事、県議会議員、市長、市議会議長が出席したじきじきの意見交換会であったことから、実効性ある高いレベルでの意見交換会であったと思っております。島民も大きな期待を寄せております。ついては今回、なぜ知事が直接柱島に赴き、「元気創出!どこでもトーク」in柱島を実施したのか、その核心的な目的についてお聞きいたします。 次に、上関町での中間貯蔵施設に係る調査に対する市の基本姿勢についてお聞きいたします。同じ質問もあり、視点を変えて質問いたします。 中国電力株式会社は、上関町による振興策の要望を受け、上関原発の建設予定地に中間貯蔵施設の建設を提示し、先立って適地であるかの調査をするようです。ついては、まず、上関町での中間貯蔵施設の建設の調査に対する本市の基本姿勢について確認いたします。また、中間貯蔵施設は原発敷地内に建設されていることから、原発の建設と連動しているのではないかと不安を感じている人もいると聞いております。上関町は調査の間、中間貯蔵施設などに理解を深めていただくため、先進地の視察を計画されております。本市も考えてみてはどうでしょうか。 一方、福島第一原発の事故後、原発の新増設や60年を超える運転に不安視する人たちもいます。国の電源割合ですが原発は約23%となっております。社会・経済活動を維持・継続するため、安定した電源として必要なことは理解しております。しかし、原発の安全神話が崩れている中、国の原発政策に国民の理解が進んでいるようには見えません。本市は、上関町から30キロメートル圏内に位置しており、国や中国電力と連携し、中間貯蔵施設を含む原発政策を今から調査・研究しておく必要があると考えますが、市長の所見をお聞きいたします。 最後に、第11次岩国市交通安全計画のうち第5章 計画の目標指標に向けての進捗状況と課題についてお聞きいたします。 岩国市交通安全計画は、本市における陸上交通の安全に関する施策の大綱を定めたもので、国の交通安全基本計画と県の交通安全計画に基づいて、5年ごとに策定されています。 第11次岩国市交通安全計画は、令和4年3月に改定され、第1章から第6章で構成され、注目する点は、第4章の高齢者等の移動手段の確保・充実、そして被害者支援となる損害賠償請求に関する援助活動の指針、また交通事故被害者支援制度などが示されているところでございます。 今回、このことについて詳しく聞きたいところでございますが、今回は第5章の計画の目標指標である、令和7年までに年間交通事故死者数ゼロを目指す、年間交通事故重傷者数42人以下を目指す、そして踏切事故件数ゼロを目指す、この項目の取組について、現時点での進捗状況と課題についてお聞きしたいと思います。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、重岡議員御質問の第3点目の第11次岩国市交通安全計画についての(1)第5章 計画の目標指標に向けての進捗状況と課題についてお答えいたします。 議員御質問の第11次岩国市交通安全計画は、交通安全対策基本法に基づき、本市における陸上交通の安全に関する施策の大綱を定めたもので、令和3年度から令和7年度までの5か年を計画期間としております。 本計画につきましては、交通事故のない、誰もが安心・安全に暮らせるまちを実現するためには、本市で生活する全ての方が一丸となって交通安全対策を推進することが重要であるという考えの下、計画策定を進めてまいりました。 そこで、計画策定に当たっては、警察や道路管理者、鉄道事業者、自治会などの関係機関・団体に対し、幅広く御意見を伺いました。このことから、本計画はオール岩国で「交通安全市いわくに」の実現を目指していく上での指針となっております。 また、本計画では過去の交通事故の発生状況等を基に、第5章において計画の目標指標を掲げ、その達成のために現状と課題を分析し、市として行うべき施策を定めております。この目標指標は、陸上交通を道路交通と踏切道の2つに分類し、それぞれにおいて目標値を設定しております。 まず、道路交通における目標として3つの指標を掲げており、1つ目が年間交通事故死者数ゼロ、2つ目が年間交通事故重傷者数42人以下、3つ目が年間人身事故発生件数180件以下となっております。これらの達成状況ですが、3つの指標のうち年間交通事故死者数ゼロと年間交通事故重傷者数42人以下の2つの指標については、既に目標を達成することができております。特に、年間交通事故死者数ゼロという指標につきましては、本市の人口規模での実現は非常に困難との意見もありましたが、関係機関・団体の協力や地道な活動、市民一人一人の交通安全に向けた取組のおかげもありまして、令和4年に達成することができました。年間を通じて、本市で交通死亡事故が発生しなかったのは統計が残る昭和35年以降の63年間では初めてのことであり、大変すばらしい快挙であると考えております。 次に、踏切道における目標については、踏切事故件数ゼロを掲げて施策を推進しております。踏切道での交通事故は、平成29年3月を最後に発生していませんでしたが、残念ながら今月3日、周東町の中原踏切において軽自動車とJR岩徳線の普通列車が衝突する事故が発生しております。この事故では、軽自動車を運転されていた方がお亡くなりになられており、心からお悔やみを申し上げます。今後、警察やJR等の関係機関と事故現場の検証を行い、当該踏切はもちろんのこと、市内全域の踏切道において事故が発生しないよう施策を進めてまいります。 このように、本市における交通事故の発生状況は年々改善しているものの、いまだに多くの人身事故が発生しております。今後につきましても、悲惨な交通事故を撲滅するため、関係機関・団体と連携し、交通安全対策の推進に取り組んでいくことが重要と考えております。 特に、本市におきましては交通安全対策を展開する上で、行政機関や教育関係機関、交通安全関係団体、商工関係団体、地元活動団体など42団体からなる交通安全岩国市対策協議会を組織し、本協議会を中心に様々な事業を展開しております。市としましては、今後もこの協議会を中心に、本計画に基づいた効果的な交通安全教育を実施していくとともに、交通安全運動期間における集中的な啓発活動、日々の交通立哨などの地道な活動を行うことで、交通事故のない誰もが安心・安全に暮らせる町の実現を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  第1点目の柱島3島定住政策についての(1)山口県による「元気創出!どこでもトーク」in柱島の実施の目的についてお答えします。 議員御質問の「元気創出!どこでもトーク」in柱島は、今月2日の土曜日、岩国市柱島において山口県の主催により、知事、地元県議会議員をはじめ市長、市議会議長も出席して開催されました。柱島での開催は、平成21年度に開催されて以来14年ぶり2度目となります。 「元気創出!どこでもトーク」の開催目的としましては、県が進める政策の基本的な方向をまとめた総合計画であります、やまぐち未来維新プランの着実な推進と今後の施策展開に資するため、知事が出席する行事等の機会を活用して、様々な分野で活動に取り組む方々から直接御意見をお聞きするものです。 今回は、離島の実情を踏まえた振興策を推進するため、知事が柱島を訪問し、島民の方々と島の抱える課題や離島振興策などについて意見交換することとなりました。当日は柱島港に到着後、柱島の商店や旅館の現状、特産品であるヒジキの加工場の様子、島の主要産業の一つである漁業に関する取組、また、地元要望を受けて県のやまぐち元気生活圏活力創出事業を活用して市が実施した現場などを地元住民の方から説明を受けながら視察いたしました。その後の昼食会では、集落支援員と柱島に赴任しております地域おこし協力隊員が柱島、端島、黒島の概況や島の特産品、島民の方々による島の活性化に向けた取組などを紹介し、自然景観に恵まれた柱島3島の観光資源や住みやすさをアピールしています。 また、意見交換会では、柱島、端島、黒島にお住まいの自治会長をはじめとする7人の方から、人口減少や少子高齢化の進行による産業活動の停滞や後継者不足の問題、島の抱える課題などを知事、市長とともに幅広いテーマで意見交換を行いました。主な御意見として、トイレの水洗化、イノシシ対策、岩国港の桟橋の改修、米軍の航空機騒音、漁業後継者の育成などがありました。 市としましては、今回開催されました「元気創出!どこでもトーク」in柱島の貴重な御意見を基にして、国・県の離島関係補助事業を活用した取組や地域おこし協力隊派遣事業、集落支援事業などの外部人材の活用、農業・漁業の振興、住民の生活支援などに向けて、引き続き県と連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  2点目の上関町の使用済み核燃料の中間貯蔵施設に係る調査についての(1)本市の上関町での使用済み核燃料の中間貯蔵施設に係る調査に対する基本姿勢についてお答えします。 上関町では、中国電力株式会社に対して、まちづくりのための財源確保につながる新たな地域振興策の要請を行い、それに応える形で同社から使用済み燃料の中間貯蔵施設の設置に係る調査の申入れがありました。中間貯蔵施設は、法的には本市など周辺自治体が同意を求められる施設ではありませんが、市として市民の懸念、不安の声があることなどを踏まえて、市長自らが中国電力株式会社に説明を求め、8月24日同社が本市を訪れ、市長に説明を行ったところです。この説明の中では、中間貯蔵施設の定義や位置づけ、必要性、貯蔵方法といった一般的な事項について説明を受けました。 まず、中間貯蔵施設とは、原子力発電所の使用済み燃料を再び燃料として利用する原子燃料サイクルの中で、再処理を行うまでの間、一時的に貯蔵、管理するための施設であるとお聞きしました。なお、使用済み燃料は原子力発電所内の使用済み燃料プールで冷却しながら、一定期間貯蔵した後、再処理工場へ搬出されます。しかし現在、再処理工場が稼働できていないため、原子力発電所内の使用済み燃料プールが満杯になる可能性があり、そうならないよう使用済み燃料を搬出し、一時的に貯蔵、管理できる中間貯蔵施設を設置する必要があると伺っています。 また、貯蔵方法は、水や電気を使わず、空気の自然対流で冷却する乾式であり、キャスクという頑丈な金属容器に燃料を収納することから、施設がシンプルであり、また、施設内で使用済み燃料を取り出したり、入れ替えたりすることもないため、安全に貯蔵、管理することができる方式であるとの説明を受けました。さらに、使用済み燃料の輸送方法は海上輸送となり、それを受け入れるための港湾施設や運搬するための輸送道路の整備が必要になると聞いています。いずれにいたしましても、現時点では、原子燃料サイクル全体のこれからの見通しや中間貯蔵施設の必要性などに関する国の説明も、市民・国民の理解も、共に一層深める必要がある状況と認識しております。 こうしたことから、市としましては冒頭でも述べましたように、本市は中間貯蔵施設に対して同意を求められる立場にありませんが、今後もこの調査の推移や国、県、周辺自治体及び電力会社の動向を注視しながらしっかりと情報収集し、必要に応じてさらなる説明を求めるほか、議員御提案の視察の検討も行うなど適切に対応してまいります。 また、議員御案内の原子力発電所本体につきましては、その建設が具体的となった場合には、本市も原子力発電所から30キロメートル圏内となる地域が生じる可能性があり、避難計画等を策定しなければならなくなるものと考えられます。そうした場合には、まさに当事者として市民の安心・安全を確保するため、市の責務をしっかり果たしていくための対応をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆7番(重岡邦昭君)  それでは順不同で、まず、第11次岩国市交通安全計画の進捗状況と課題について再質問をいたします。 その前に、この9月3日、周東町の中原踏切において軽四輪乗用車とJR岩徳線を走る列車が衝突する事故が発生し、軽乗用車を運転されていた方がお亡くなりになりました。私も本当に悲しい思いでおりますが、心よりお悔やみ申し上げたいというふうに思います。 また、今回の一般質問では、由宇町で最も危険な踏切の一つである松原第1踏切の改良工事の進捗と、南川第2踏切の危険回避対策について、現状を確認するものでございました。しかし、その中ですが、行政による危険な踏切の安全対策は、常日頃から積極的に取り組んでいただいておることは十分に承知しております。そのさなかの事故でしたので、大変残念に思っておる次第でございます。 一方、今回の踏切事故を受け、危険な踏切の対策を急ぐようにといった声も出ております。ついては、今進んでいる松原第1踏切の整備状況と南川第2踏切の現状についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎建設部長(村重総一君)  まず、松原第1踏切の改良工事の進捗状況ですが、こちらにつきましては、平成30年7月の西日本豪雨の災害復旧をJR西日本が優先したことから全体の工程が当初よりは遅れておりますが、昨年度、踏切工事に先立ちまして港町側の23メートル区間の歩道整備を前倒しで実施したところです。現在は、本年4月に締結しました協定に沿って、JR西日本によって踏切の電気設備の設計が行われているところです。来年度には、JR西日本が踏切工事に着手しまして、引き続いて市による踏切の前後の歩道の整備を実施する予定としております。今後もJR西日本ともしっかりと連携しながら、こちらの踏切改良工事の早期完成に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 それと南川第2踏切とその周辺の道路の改良についてですが、こちらの南川第2踏切につきましては幅員が3.1メートルで、自動遮断機が設置されております。主に南沖地区の方や由宇文化スポーツセンターの利用者、小・中学生の通学などで主に利用されている踏切となります。現時点では、こちらの踏切につきましては、新たな改良計画はございませんが、線路西側の敷地を宅地開発される際に用地を提供していただきまして、開発区域内に接する市道の幅員を3.5メートルから5メートルに拡幅しまして、踏切待ちの車両や歩行者が滞留できるようなスペースの整備を実施しております。 また、あわせて、その他の安全対策としまして、室岡川沿いの転落防止柵、また、見通しの悪い国道側の交差点へのカーブミラーを新たに整備したところです。今後も実施しました安全対策の効果や地域の方々の御意見を踏まえながら、できる限り交通安全対策を検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(重岡邦昭君)  鋭意御努力いただいていることについて本当に感謝申し上げております。私が今回、由宇町の松原第1踏切と南川第2踏切、特にこの南川第2踏切は以前から人身事故もございました。そういったことから大変厳しい交渉相手のJR西日本とも一生懸命取り組んでいただいて、少しずつでも改善に向けて取り組んでおられる。本当に感謝申し上げております。後は改良する間、このような人身事故が二度と起こらないような啓発活動を我々も行い、そして行政のほうからも注意喚起を併せて取り組んでいただくことが必要ではないかというふうに思っております。 しかしながら、まだまだ岩国市管内には危険な踏切や道路が存在しております。さらにむち打つような言い方をしますけれども、今後も死者数ゼロを目指し、しっかりと取り組んでいただくことを切に要望して、この項は終わりたいというふうに思います。 それから、次に上関町での中間貯蔵施設に関連し、市長が国の原発政策について少し発言がございましたので、私のほうからも提案という形になるんですが、少し私の考えを述べてみたいと思います。 答弁で、市長は、仮に上関町での原子力発電所本体の建設が進むことになった場合、本市も原子力発電所から30キロメートル圏内となる地域が生じる可能性があり、避難計画等を作成しなければならなくなる。そうした場合にはまさに当事者として、市民の安心・安全を確保するため、市の責務をしっかりと果たしていく、その覚悟を示されました。多くの市民も安心されたと思います。 まさに上関町での原発政策において、市民が1ミリたりとも不安を感じることがないよう取り組むことが市長の責務だと私も思います。これからも上関町での中間貯蔵施設の建設の調査の動向や原発の建設を注視し、市民の安心・安全に最優先に取り組んでいただくよう、切に市長にお願いいたします。 また、私も現在、同僚議員とともに今回のこの問題をしっかりと協議しながら、協議を進め、近いうちに島根原発に赴き、原発や中間貯蔵施設について調査・研究を検討しているところでございます。ぜひとも、市長におかれましても市民の安心・安全を最優先して、先ほど責務という言葉を使われました。これに私は期待しておるところでございます。どうかよろしくお願いいたします。 それで、今度は柱島3島の定住政策について、再質問をいたします。9月2日にNHKで放送された、端島の「離島で発見!ラストファミリー」を見させていただきました。自治会長が飲料水の管理やし尿のくみ取作業、そのほかにも島民の皆さんの日常生活を支えるため、孤軍奮闘されている姿を拝見させていただきました。涙ぐましい取組だと、本当にテレビを見ていて胸が詰まる思いがいたしました。今後、何も対策を取らないと、数年先には本当にラストファミリーとなるおそれがあります。 一方、柱島出身の男性が島に移り住み、島を盛り上げるために海水浴場の清掃に取り組んだり、民宿の経営を始めたりと大変頑張っておられる姿も拝見しました。その熱い思いに感銘しております。しかしながら、皆さんの取組に十分敬意を払うわけですが、改めてテレビを拝見させてもらって、やはり行政の積極的な後押しが必要になっているというふうに感じました。ついては、今回は柱島3島の定住・交流人口を増やす具体的な対策の一つとして、水洗化とし尿処理対策についてお聞きしてみたいと思います。たくさんの聞きたいことはあるんですが、時間の都合もありますので、今回は水洗化とし尿処理対策についてお聞きいたします。 ◎環境部長(神足欣男君)  まずは、水洗化についてお答えします。柱島群島につきましては、個別処理である合併処理浄化槽が最適な処理方法であるとして、通常の浄化槽設置補助金とは別に浄化槽の海上輸送費等にかかる費用30万円を上乗せする補助制度を設けています。上乗せ補助を制度設計した際に、離島であるがゆえに必要となる浄化槽本体や工事に必要な資機材等の運搬費、そして作業員の船賃などが30万円と見積もられていたことから、その全てを補助対象としております。 また、通常の浄化槽設置補助金に加え、くみ取便槽から浄化槽に転換する場合のくみ取便槽の撤去費用に対する補助9万円と、宅内配管工事に対する補助30万円も支給されますことから、浄化槽設置の負担はかなり軽減されるものと考えております。 次に、し尿処理対策の現状と課題についてお答えします。現在、柱島3島のし尿の収集運搬については、市から委託された各島の環境衛生組合が各家庭のし尿を収集し、し尿貯留船へ積み替えた後、定期的に岩国港へ曳航しています。なお、岩国港から処理施設である、みすみクリーンセンターまでの運搬は市の直営で行っております。 現時点での課題としまして、組合員の高齢化により委託業務の遂行が難しくなっている状況があり、今後の対応としまして、組合の統合や民間業者への委託も視野に入れながら、各環境衛生組合と協議してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(重岡邦昭君)  どうもありがとうございます。柱島3島を未来につなぐ継続的な事業、費用対効果、皆さんの御苦労も十分に理解できます。私も何度も柱島3島に赴き、どのようにしてこの柱島群島を未来につなぐか、私自身もなかなか回答が見つかりません。やはりこの解決策には、我々議会も頑張りますが行政の皆さんにも積極的に取り組んでいただいて、解決していく、このことしかないんじゃないか。これを繰り返すことが必要なんじゃないか。諦めず、繰り返し取り組んでいく。このことしか方法はないというふうに思っております。 今回は、水洗化とし尿処理の対策についてお聞きしております。しかしながら、イノシシも出てまいります。100キログラムを超す負傷したイノシシ、大分凶暴になっておるようです。これがまだまだ捕まっておりません。恐怖を感じておられる島民もたくさんおられます。様々な問題がございます。どうか今――柱島3島をつなぐために県知事も来られました。県議会議員も行かれました。市長も議長も行かれました。特に議長は、私も推進連盟をつくって、1泊2日で皆さんの御意見を聞き、なんとか一つでも解決できないか、1年でも2年でも3年でもいい、柱島群島を未来に残せないかと取り組んでおります。どうか強い思いで、柱島群島を未来に残す取組に積極的に取り組んでいただいたらというふうに考えております。どうかよろしくお願いいたします。 先ほど説明がありましたように、30万円の渡船料とか人件費とか説明がございましたと同時に、離島であるがゆえではないんですが、くみ取便槽の撤去費とか配管を通すためのお金も助成されております。私も知らなかったところがございます。そうしたところの周知をもっと徹底することで、柱島3島の水洗化につながっていくのではないかとも、先ほどの答弁で感じました。 そして、最後にはやはり再編交付金の50億円を使った柱島群島でのサッシ、あるいはクーラーといった定住政策ですが、これにぜひとも水洗化を対象にしていただきたい、拡大していただきたい。 このことで、私が柱島3島に対する水洗化の取組についておおむね責任が果たせるのではないかというふうには考えておるところです。もう一歩頑張っていただきたいというふうに思います。 それから、もう一点です。柱島3島の基幹産業である漁業についてお伺いしたいと思います。福島第一原子力発電所から出る処理水の海洋放出を受け、中国が水産物の輸入を全面停止しました。前年度、中国への水産物の輸出額は香港向けを含め約1,600億円だったと聞いております。政府は1,600億円を国内に振り分けるなどの対策を考えているようですが、国内での水産物がだぶつき、値崩れが起きることが予測されます。だとすれば、本市の各漁業組合に多大な損害が発生することも考えられます。政府は風評被害対策、漁業継続支援、計1,007億円の基金を設置しております。ついては本市の漁業者に対する風評被害対策と漁業継続支援についてお聞きいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  議員御質問の漁業者に対する風評被害対策と農業継続支援についてでございますが、まず、政府の合わせて1,007億円の基金の内訳でございますけれども、風評被害対策としての300億円、漁業継続支援としての500億円、それから今月に入り、新たに水産事業者向けの追加支援として207億円が閣議決定されました。 具体的には、風評被害対策の300億円の基金については、水産物の販路拡大費用、それから水産物の買取りや冷凍保管などに必要な費用、需要拡大に向けた広報や説明会の費用を対象としております。 それから、漁業の継続支援としての500億円の基金につきましては、新たな魚種や漁場開拓に必要な漁具などの経費、漁船の燃料コスト削減に向けた取組に対する費用、それから省エネ性能に優れた機器などの費用を対象としております。さらに新たな支援の207億円についてでございますが、こちらは輸出先の転換対策や国内加工体制の強化対策に充てる費用としており、国は国内の水産業を守る施策を上げています。 特に、国内消費拡大については、学校給食での日本の水産物提供の後押しや消費者に向けてのPRとして、ふるさと納税の活用なども提案されているようでございます。現在までのところ、本市及び県内他市においての風評被害についての確認はされておりません。しかしながら、処理水の放水は数十年にわたるもので、今後の影響については予測がつかない状況でございます。中国、香港向けの輸出依存度が高い水産物もある中、漁師によっては本市の漁業への影響が出てくることも考えられますことから、漁業や市場等の動向に注視しまして、影響がある場合には国・県に相談し、市としてできることを行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆7番(重岡邦昭君)  丁寧な説明をありがとうございました。私は、実は海育ちで魚が大好きでございます。食卓にはいつも瀬戸内海産の魚が出てまいります。当然、福島第一原発からの処理水放流後においても私は食しております。今後、常磐ものを食する機会がもしあるのであれば、私は積極的に食べていこうというふうに思っております。 今、国際原子力機構により、処理水の安全は証明されております。今、大事なことは風評被害をなくすこと。その取組が重要となってきております。そのことで市民の多くの人に安心して魚介類、海産物を食していただく、こうしたことにつながっていくのだと思います。結果的に、漁業者を支援することになります。まさに、風評被害を払拭する対策こそが国や地方公共団体の大きな役割ではないかと、そういうふうに考えております。 先ほど、市長から風評被害の払拭、あるいは漁業継続支援をしっかりと注視していくと、力強い答弁がございました。今後の市長の取組に期待をいたしまして、今回の一般質問を終えたいと思います。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、7番 重岡邦昭君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、9月11日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時58分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――   地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長   桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長  植 野 正 則                         岩国市議会議員   藤 本 泰 也                         岩国市議会議員   藤 重 建 治                         岩国市議会議員   石 本   崇...