岩国市議会 > 2023-03-03 >
03月03日-02号

  • "環境保全型農業"(/)
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  1. 岩国市議会 2023-03-03
    03月03日-02号


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    令和 5年 第1回定例会(3月)令和5年第1回岩国市議会定例会会議録(第2号)令和5年3月3日(金曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)令和5年3月3日(金曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(27人)1番 小 川 安 士 君 10番 丸 茂 郁 生 君 20番 石 本   崇 君2番 松 田 一 志 君 11番 広 中 信 夫 君 21番 石 原   真 君3番 長 岡 辰 久 君 12番 細 見 正 行 君 22番 山 本 辰 哉 君4番 姫 野 敦 子 君 14番 桑 田 勝 弘 君 23番 武 田 伊佐雄 君5番 中 村 恒 友 君 15番 中 村   豊 君 24番 松 川 卓 司 君6番 広 中 英 明 君 16番 野 本 真由美 君 25番 片 岡 勝 則 君7番 重 岡 邦 昭 君 17番 奥 江 徳 成 君 26番 貴 船   斉 君8番 川 口 隆 之 君 18番 藤 本 泰 也 君 27番 植 野 正 則 君9番 矢 野 匡 亮 君 19番 藤 重 建 治 君 28番 桑 原 敏 幸 君――――――――――――――――――――――――――――――欠席議員(1人)13番 瀬 村 尚 央 君  ――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡   匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻   孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋   誠 君       危機管理監          桝 原 裕 司 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       基地政策担当部長       穴 水 辰 雄 君       市民生活部長         小 玉 陽 造 君       文化スポーツ担当部長     竹 原 直 美 君       環境部長           神 足 欣 男 君       健康福祉部長         木 原 眞 弓 君       保健担当部長         片 塰 智 惠 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         加 納 芳 史 君       農林水産担当部長       藏 田   敦 君       建設部長           内 坂 武 彦 君       都市開発部長         山 中 文 寿 君       由宇総合支所長        塩 中 京 子 君       周東総合支所長        中 原 健 登 君       錦総合支所長         的 場   敏 君       美和総合支所長        藤 野 修 二 君       会計管理者          村 上 さゆり 君       教育次長           丸 川   浩 君       監査委員事務局長       村 重 政 司 君       農業委員会事務局長      有 馬 秀 樹 君       選挙管理委員会事務局長    藤 本 忠 夫 君       水道局次長          竹 嶋   勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議事課長           林孝造       庶務課長           岡田淳       議事調査班長         河村佳之       書記             佐伯浩則       書記             石川貴規       書記             中西祐一郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、25番 片岡勝則君、26番 貴船 斉君、1番 小川安士君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 これより一般質問を行います。 18番 藤本泰也君。 ◆18番(藤本泰也君)  皆さん、おはようございます。一般質問に先立ち、今年度を最後に退職されます職員の皆様はじめ議場におられます市幹部の皆様に、大変御苦労でございましたというお礼を言いたいと思います。大変御苦労でありました。 また、退職された後も、市の一つの力添えになるように、地域でもまた活動していただきたいというふうに思っております。 それでは、通告に従い、一般質問を行います。 施政方針における「空港の利用促進」についてのうちの(1)10周年を迎えた岩国錦帯橋空港における利用促進の成果についてお伺いいたします。 施政方針の中で、空港の利用促進については、県東部地域の空の交通拠点としてビジネスや観光における一層の利用促進に取り組むとともに、今後のインバウンド観光を見据え、効果的な情報発信を行っていくとのことでしたが、昨年12月に10周年を迎え、利用率も高い岩国錦帯橋空港ですが、これまでに取り組まれた利用促進についてお伺いいたします。 次に、(2)市内企業や市民に対する今後の利用促進についてでございます。 これまでも利用促進に様々な努力をされてきて、今の利用率の高さも保たれてきていると思います。当然、今までの活動も継続していくべきとは考えますが、今後の利用促進には、市内企業をはじめとする近隣企業への利用促進、一般利用者への利用促進も必要になってくると思います。 他空港で行われているビジネスキャンペーンや搭乗特典、修学旅行支援など、参考になる事業もあると思いますが、市としてどのように考えておられるかお伺いいたします。 次に、岩国市職員の定員管理についてのうち、定年延長制度による今後の職員体制への影響についてお伺いいたします。 来年度から、職員の定年延長制度が始まります。この制度は、令和13年までに、2年に1歳ずつ、今の60歳から65歳まで段階的に引き上げることとなっております。60歳になった年度で役職定年になり、それ以降は一般職員に降任され、その中でも、希望によってフルタイムと短時間にすることができると聞いています。 また、これによると、2年に1度しか退職者が出ない状況になり、新規職員の募集に大変影響が出るのではないかと危惧しております。 また、役職定年の職員にどのように活躍していただくかも重要になってきます。現在の再任用の在り方にも共通してくることと思いますが、例えば市道の管理や空き家状況の確認、市有林の現地確認など、現地に赴くことに職員の手が足りていないと思える部署もあります。今までの経験を生かし、どのように住民サービスにつなげるか、現職のサポートがどのようにできるかをしっかり考えていただきたいと思いますが、市としてどのように考えておられるのかお伺いいたします。 次に、以前にも同様の質問をいたしましたが、若者定住と職員採用についてです。 市内の高校の卒業生に、特に新卒者に対して、職員の採用枠を考えられないかという質問になります。 毎回、地元の高校生のアンケートでは、約半数が地元に住みたい、将来的には戻りたいとの回答があるとのことですが、これを実現していくことが岩国市の人口減少に歯止めをかける第一歩と考えます。若者定住策の一つとして地元高校の新卒者枠を考えられないかお伺いいたします。 次に、職員の昇任試験についてお伺いします。 他市において、管理職への昇任試験を行っているところがあります。昇任試験を導入する目的として、能力や意欲のある職員を積極的に管理職に登用することにより、組織の活性化と行政運営の効率化を図ることと、能力、成績主義へのシフトを明確にすることであるとされています。このことについて、岩国市ではどのように考えておられるかお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。 それでは、藤本議員御質問の第1点目の施政方針における「空港の利用促進」についてお答えいたします。 まず、10周年を迎えた岩国錦帯橋空港における利用促進の成果についてでありますが、議員御案内のとおり、平成24年12月に開港した岩国錦帯橋空港は、昨年12月に10周年という節目の年を迎えることができました。 この間、全日本空輸株式会社をはじめ、米海兵隊岩国航空基地、海上自衛隊第31航空群、国や山口県などの関係機関や地元経済団体など、多くの皆様の御支援・御協力によって、現在では、1日5往復の羽田線と、1往復の沖縄線が運航されております。 それでは、これまで本市が取り組んできました空港の利用促進策について御紹介いたします。 まず、空港の周知を第一として、山口県内から広島県西部地域を中心に、様々な広告媒体やイベントを通じてアクセスのよさなどをPRしてまいりました。開港当初には、その利便性を享受していただくため、市民を対象にした旅行キャンペーンも実施したところであります。 また、首都圏や沖縄県へは、私も自ら赴いて、各種企業へのトップセールスを精力的に行うとともに、岩国市観光協会ややましろ商工会などと連携し、観光物産展も行ってまいりました。特に、沖縄線につきましては、本市と沖縄県内の市民団体を対象に、旅行費用の一部を助成する相互交流事業も実施し、文化・芸術・スポーツ等の交流促進を図っております。 こうした本市独自の施策に加え、広域的な取組として広島・宮島・岩国地方観光連絡協議会公益社団法人島根県観光連盟などの広域観光団体等と連携し、岩国錦帯橋空港とともに、広島空港や萩・石見空港を併せて活用する周遊観光の促進にも努めてまいりました。 また、山口県東部地域の行政、経済団体、観光団体等の41団体で設立された岩国錦帯橋空港利用促進協議会では、地域内の企業訪問やイベントを通じて空港のPRを行うとともに、協議会のホームページには、観光周遊コースを掲載するなど、首都圏や沖縄県からの観光誘客も図っております。 さらに、本市と岩国商工会議所で設立された岩国錦帯橋空港支援協議会では、市民や市内企業を中心にPRを行うとともに、岩国商工会議所青年部では、沖縄県との経済交流にも取り組んでいただいています。 これらのソフト事業に加え、ハード面では、国や山口県の御支援をいただきながら、搭乗者への駐車場の一部無料化や、立体駐車場の整備による駐車場機能の充実を図るとともに、利用者から要望の多かった飲食店を備えたターミナルビル南館を整備するなど、空港施設の機能向上による利用促進にも取り組んできたところであります。 こうした役割や場面に応じた多面的な利用促進の成果として、開港直後の平成25年度には、国土交通省が目標に掲げた単年度35万人という利用者数の目標をクリアし、以降、利用実績は堅調に推移してまいりました。これにより、平成28年3月27日には、羽田線1往復の増便と沖縄線往復1便の新規就航が実現し、平成29年度と平成30年度には、利用者数がいずれも50万人を超えました。 さらに、この春には、延べ利用者数が370万人に達する見込みであり、今後の利用を大いに期待しているところです。 このほか、本市への企業進出の状況につきましては、空港の利便性が高く評価され、企業進出・設備投資の協定締結の件数は、平成18年の市町村合併から空港開港までの約6年間で僅か3件であったところ、開港を契機に、平成24年度以降では36件に達しております。 また、これに伴う新規雇用者数の累計は約670人となっており、空港開港と利用促進による地域経済への波及効果も着実に現れてきているものと考えています。 次に、市内企業や市民に対する今後の利用促進についてでありますが、これまでの利用促進策につきましては、まずは市内外における空港の周知活動を重点的に行ってきたところであり、特に利用客数が堅調に推移する中では、観光情報の提供を含めた旅行会社へのPR活動がその中心になってきました。 もちろん、こうしたPR活動も引き続き行っていく必要がありますが、一方で、一定の利用実績で安定的に推移する現状から、さらなる利用増加を目指すに当たっては、議員御案内のとおり、市内企業や市民の方々に空港利用の機会をより多く持っていただくことも大切であります。そのためには、情報提供にとどまらず、より直接的、具体的な利用促進策の充実が、今後、必要であるというふうに認識しております。 空港開港10周年の記念事業として、市民の方々に向けて行った昨年9月の北海道ツアーや先月の沖縄ツアーは、まさにこうした視点も持ちながら実施をしたものであります。 御参加いただいた多くの市民の方々には、空港の利便性はもとより、身近な空港から乗り継ぎながら手軽に北海道を訪れることができるメリットや、僅か2時間足らずで冬の岩国から温暖な沖縄を訪れることができる快適さを改めて実感していただいたものと考えております。 また、実際に空港を利用されている市内企業や市民の方々の意向も把握するため、現在、利用者アンケートを実施しているところであり、その結果もしっかりと分析したいと考えております。 このほか、空港が所在する本市以外の都市におきましては、議員御案内のとおり、岩国錦帯橋空港利用促進協議会等が中心となって市民や企業への搭乗特典の付与といった利用促進策に取り組んでいる例も見受けられます。市としましては、こうした先進事例の調査も幅広く行うとともに、岩国錦帯橋空港利用促進協議会岩国錦帯橋空港支援協議会において、自由闊達な意見交換を行いながら、より効果的な事業の検討を重ねてまいります。 今後とも、空港の利活用の一層の促進を図り、地元経済のさらなる活性化や地域の発展に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(石橋誠君)  第2点目の岩国市職員の定員管理についてお答えいたします。 まず、(1)定年延長制度による今後の職員体制への影響についてですが、職員の定年については、来年度から令和13年度までにかけて、2年に1歳ずつ、現行の60歳から65歳まで段階的に引き上げることとしています。 なお、管理監督職については、60歳到達年度の翌年度から定年までの間は、管理監督職勤務上限年齢制、いわゆる役職定年制により、管理監督職以外の職に降任することとなります。また、60歳到達年度以降、定年までの間に常勤職員を退職した後、短時間勤務職員として勤務できる定年前再任用短時間勤務制度が新たに創設されます。 こうした定年の段階的な引上げに伴い、定年退職者が2年に1度しか生じないことを踏まえ、中長期的な視点に立った新たな定員管理計画を現在策定中であります。その中で、退職者不補充としている技能労務職員から一般職への振替や行政事務の効率化に伴う減員の範囲内の職員を活用しながら、全体として一定の職員数を維持し、新たな行政課題に対応できる体制を確保していくこととしています。 将来にわたり質の高い行政サービスの提供を維持するため、新規採用職員については、定年退職者数に加えて、職員の年齢構成や再任用短時間勤務職員を含めた総職員数の見通しを考慮し、定年の段階的な引上げ期間中においても平準化を図りながら、新規採用職員を安定的に確保していくことが重要であると考えております。 また、60歳を超えた職員、いわゆる高齢期職員の働き方については、これまで培った知識や経験、専門性を生かせる業務、次世代職員への知見の伝承、マネジメント能力を生かした管理職のフォロー・サポートなど様々な役割が考えられます。 議員御案内の高齢期職員の効果的な活用につきましては、特に高齢化や人口減少の進展に伴う地域の生活インフラの維持などが課題となっていることを踏まえると、職員の現場における技術力、提案力、折衝・交渉をはじめとした対応力が生かされる業務もあるものと考えております。 今後につきましては、職場と高齢期職員、双方の意向を踏まえるとともに、高齢期職員のモチベーションの維持・向上やキャリアの再構築に関わる研修・情報提供を行いながら、地域に密着した住民サービスの一層の向上に資するよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、(2)若者定住と職員採用についてですが、若者定住については、令和3年11月に、市内の高校に通う高校3年生を対象としたアンケート調査において、「将来も岩国市に住みたいと思いますか」という問いに対して、「ぜひ岩国市に住みたい」「できれば岩国市に住みたい」「高校卒業後は市外に行きたいが、将来は戻ってきたい」と約半数が回答しており、若者定住に向けて力を入れていくことは重要であると考えています。 こうした中、高校生を対象とした職員採用試験の直近の状況について、昨年度の事務職については9人の募集に対して59人の応募があり、10人が合格し、そのうち5人が市内の高校出身者で、今年度は、5人の募集に対して44人の応募があり、8人が合格し、そのうち5人が市内の高校出身者でした。 一方で、土木及び建築の技術職については、昨年度8人の応募があり、土木のみ1人が合格し、今年度は5人の応募があったものの、採用までには至らなかった状況です。 このように、特に技術職の採用に関しては、職員採用試験への負担感や近年、民間企業も高い採用意欲を示していることが考えられ、本市としても新規採用者の確保に苦慮しているところです。 議員御案内の、地元の高校生を職員として積極的に採用することについては、市外への人口流出を防ぐとともに、地域を支える貴重な担い手となる点において、有効な取組であると考えられます。 市としましては、これまでも、職員採用PR動画の作成や、市内高校生のインターンシップ実習生の受入れ、市内高校のキャリアセミナーにおいて、公務員分野について職員が講演を行うなど、学生に対して、やりがいや社会貢献をはじめ、市職員としての仕事の魅力を広く知っていただくよう努めてまいりました。 今後につきましては、市内の各高校へ出向いた上で、進路指導の先生方への聞き取りを行うなど、学生の就職に関するニーズや動向等を把握しながら、地元志向を持った優秀な人材の確保につながる効果的な採用について検討してまいりたいと考えております。 最後に、(3)職員の昇任試験についてですが、本市においては、平成30年度から人事評価制度を導入しており、業績評価と能力評価の2つの評価を実施し、その結果を職員の昇格等に活用しています。 業績評価では、職員が職位に応じた果たすべき職務を業績目標として年度初めに設定した上で、目標設定に関する期首面談、中間面談、期末面談など、上司が様々な機会を通じて職員とコミュニケーションを取りながら、指導、助言を行うとともに、職員の業績に対する評価を行っています。 また、能力評価では、職制上の段階や、職務の種類に応じて定められた能力基準により、職員が実際に職務上取った行動に対する評価を行っています。 職員の昇格については、これらの評価結果に加え、職員の昇格希望の有無や、昇格に必要な経験年数などを総合的に判断した上で行っているところです。 議員御案内のとおり、やる気のある職員が昇格するためには、昇任試験の実施も有効な手段の一つであると考えていますが、昇任試験を実施している他の自治体では、役職者の職責に対する不安や、仕事、家庭の両立に対する不安などを理由に、昇任試験を受ける若手、特に女性職員の数が年々減少するなど様々な課題もあり、対応に苦慮されているところもあるようです。 市としましては、今後、現行の人事評価制度のさらなる活用を進めていくとともに、議員御提案の昇任試験など、やる気のある職員が昇格できるような効果的な方法についても研究を進め、職員それぞれの能力を発揮しやすい体制を整備することで、組織力の強化につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆18番(藤本泰也君)  それでは、順を追って再質問をさせていただきます。 今回の質問に当たって、市議会ホームページの議事録を読み返してみました。今は当然のように、岩国錦帯橋空港を利用して、公務やプライベートで便利さを享受するということは当たり前になってきていますが、平成18年から19年の間、まだ民間空港と言われていたころ、国からの支援や予算もつかない、全く先の見えない状況が続いて、そして市長選挙があり、平成20年からようやく進み始め、平成23年度の施政方針では、愛称を岩国錦帯橋空港と決定された本空港の開港に向け、首都圏等を中心にしたPR活動など積極的に取り組むとともに、市内外の皆様方に身近で親しみやすい空港になるよう精いっぱいこの名前を売り込んでまいりたい。また、県とも連携し、羽田発着枠や利便性の高い運航時間帯の確保に全力を尽くすとともに、空港が地域活性化の起爆剤になるように、利用促進や活用方策についてもさらなる検討を加えるなど、早期開港に向け努力してまいりますと言われていました。 また、平成25年度の施政方針では、「開港はゴールではなくスタートです。地域産業の活性化をはじめ観光振興などに大きく寄与するようしっかり取り組んでまいります」と言われていました。 開港までの間、利用者がいるのか、赤字になるのではないかというようなネガティブな意見もありました。あれから10年たったわけですが、読み返してみて、私も大変感慨深いものを感じました。市長もこの10年を振り返られてどのように感じられているのか、伺います。 ◎市長(福田良彦君)  議員のほうから、開港以前からの経緯等の説明をいただきました。平成24年、10年前に空港を開港したわけでありますが、これに至るにはやはり多くの先人、先輩諸兄の方々が、当時、岩国民間空港再開という願いを込めて、もう30年以上前、空港開港前から、二十数年前から署名活動なりチャーターフライト市民活動等、また議会の方からも、様々な立場から民空再開に向けての情熱を絶やさずに活動してこられたわけでありまして、また、大変紆余曲折もある中で開港ができたということは、議員からの先ほどの説明のとおりであります。 先ほどの言葉の中にも触れておられましたが、決して開港したのがゴールじゃなくて、まさにスタート地点に立ったと、新たなまちづくりのページを空港開港を契機に開かなければならないということを発言させていただきました。 その間、多くの支援をいただいて、岩国市のみならず周辺地域への経済波及効果、観光促進、まだまだやるべきことは多々あると思いますが、空港ができたことによる様々な面でのいい効果が出ているというふうに感じております。 もちろん、この数年は新型コロナの大きな壁にぶつかってはおりますが、これもだんだん緩和されつつありますので、今後さらに様々な関係者と連携を取りながら、アイデアを出しながら、また議員各位からもいろいろな御提言を頂きながら、この空港を生かしたまちづくりをしっかりとやっていかなければいけない。そういった思いも新たにこの10年を契機に抱いているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  今、市長のほうから感想を頂きました。先ほどの壇上答弁からも、企業誘致とかそういったことでどんどんこの空港の活用ということの幅の広さということが分かってくるところでございます。 それともう一つ、先般メディアでも放送されましたANAからの出向で、中尾さんという方が来られていたと思います。すみません、資料1のほうなんですけれども、ちかくにいわくにマルシェということで、写真に写られている女性の方が中尾さんなんですが、この中尾さんという方がANAあきんど株式会社から岩国市に出向されてこられて、市の公式SNSでの情報発信や観光プロモーション、市主催のイベント司会など、精力的に取り組まれ、市のPRなどで大変活躍されていると承知しております。 その業務の中で、中尾さんが企画された空港を活用したイベントにたくさんの人が来られ、多くのメディアに取り上げられているということですが、空港の利用を促進するために市長は今後の展開をどのように考えているのかお伺いしたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  本市では、令和3年度から2年間、ANAの中尾さんに、我が市に出向していただいておりまして、議員御案内のとおりシティプロモーション推進員として本市の魅力を市内外に大きく発信する、そういった業務を担当していただいております。 先ほどモニターに映っておりましたけれども、ちかくにいわくにマルシェというイベント、これは中尾さんのプロデュースでございますが、今年度だけでも10月、12月、2月と、3回この岩国錦帯橋空港で開催をしていただいております。 内容につきましては、岸根栗や錦町の石焼き芋の実演販売、岩国レンコンや花ワサビのしょうゆ漬け、コンニャクの販売、また有料でありますが岩国の地酒の試飲販売、そして岩国商業高校の生徒が考案したフード・スイーツの販売、またANAのほうからは、子ども向けの制服の着用体験、記念撮影、また篆刻とか木工体験、またステージのほうでは神楽とかエイサーとかそういったステージもございました。 これは数日間行っておりますが、非常に多くの方が来場されまして非常ににぎわっておりました。まさに、空港ならではの体験ということで、非常にいいイベントであったというふうに思っております。 そして、効果というのは幾つかあるんですが、先ほどのちかくにいわくにマルシェを企画するに当たっては、多くの関係者が関わっております。もちろんANAの方々、さらには生産者の方々、岩国商業高校の生徒、本当に多くの方々に関わっていただきました。そういった中で、関係者との連携が非常に深まったと。これは大きな財産になったんじゃないかなと思っていますので、今回、中尾さんに企画していただきましたちかくにいわくにマルシェ、これによって築かれた多くの関係者との連携というものを財産として、今後一層深めながら、これを今後しっかりと生かす、継続していく、これが大切であるというふうに思っておりますので、今後ともそういった空港の利用促進のみならず、我が市をPRするために、このちかくにいわくにマルシェをしっかりと継続していきたいというふうに思っております。それによって、空港の利用促進につながるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、市長のほうから、継続していくということでございます。ぜひこのちかくにいわくにマルシェ、継続していっていただきたいと思います。 今の御答弁にありましたように、関係の会社のANAともいい関係ができたということでございましたが、ANAあきんど株式会社、今後この会社と、市長の思う中でどのような連携というか、進められるのかというふうに思うわけですけれども、このANAあきんど株式会社という会社は、地域創生事業とか、これはワーケーションとかそういったことですよね。それともう一つ、地域農産物、今、生産者の関わりもできたということです。それで、物流のカードということもあると思います。 もう一つは、ANAゼミというか、ANAがつなぐオンラインプログラムというものも中にあったと思います。これは小学生とか中学生の事前学習とか、特別授業というようなこともやっていけるんじゃないかということで、これは岩国市にとってもプラスになることと思うのですが、そういった形で、今回は中尾さんが来ていただいたけれど、また次にもどなたか招聘するとか、そういう考え方があるのかどうか、そのあたりをお伺いしたいと思います。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  まず、最後の御質問の、誰かを招聘するのかということについては、今のところ具体的な案があるわけではございませんけれども、ただ組織として連携を深めなければいけないのはそのとおりでございます。私どもも、先般、観光宣伝隊で東京に参りましたときにも、ANAあきんど株式会社の方が新たに八重洲のほうで開いておられるブースを視察に行ったりもしまして、これをどうやって活用することが岩国市でできるかというようなことを具体的に御相談をしたりもしてきたところでございます。なので、組織同士で、議員御紹介のようにいろんな分野にANAあきんど株式会社も進出しておられますので、これを岩国市にとって、岩国錦帯橋空港にとってどう活用するのが、人がいいのか事業がいいのか、いろいろなパターンがあると思いますので、しっかりと研究をさせていただいて、有効に活用してまいりたいと思っているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  今、部長のほうから答弁がありましたが、しっかりと連携を取って、行っていただきたいというふうには思います。 今回、利用促進について、私はどちらかというと内向き、市外とかそういうところじゃなくて、内向きの利用者の促進についてお伺いしたいということで質問させていただいているんですが、他空港の取組を紹介したいと思いますので、資料の2をお願いします。 これは小松空港で行われているビジネス利用サポートキャンペーンということで、こういったことで企業とか出張者相手にキャンペーンを行っておられます。 資料3を出してください。これがキャンペーンをするに当たって、サポーターズクラブというものを小松空港ではつくられております。これは企業であり、一般の方でありということで入れるわけですけれど、これは図の3でサポート企業一覧というものがあると思うんですけれど、これが図の4につながるんですけれど、サポート企業というのが、どういったところがサポート会員になられて、どういったところがたくさん小松市のほうに来られているかとかいうようなことが分かるわけです。これが一つの企業のデータとなるわけですから、これをまた、そういったことをやれば、これを活用して企業誘致とかそういったことにつながってくるんじゃないかというふうに、多分小松空港のほうでもそういった活動をされているんじゃないかというふうに思っております。 それで、次、資料の4をお願いします。これは萩・石見空港になるんですけれど、この中の図の1では、市内出身の方のサポートというような部分もあります。 この中で、乗客に対するいろいろな特典・サポートということも萩・石見空港ではされているんですけれど、その中でも、丸をつけておりますコワーキングスペースの活用ということに対しての利用促進、いわゆる補助というかそういったこともされている。ですから、こういった形のことをやっていけば、いろんなワーケーションとかそういったほかの部分にも波及ができるんじゃないかというふうに思います。 いろいろ今紹介させていただいたんですが、担当課として、これをすぐやれとかどうとかというわけじゃないんですけれど、ただ、ほかの空港ではこんなこともやっていますよと。では、岩国錦帯橋空港では徳山から東に全部、利用促進協議会の会議所をはじめ、また企業、観光協会というふうにありますので、そのあたりとの連携でまたこういったことを考えていくべきと私は思うんですけれど、部長のほうでも何かあればお伺いしたいと思います。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  たくさんの優れた事例を御紹介いただきましてありがとうございます。私どもも、これほどほかの空港でもいろいろな形でやっているということを今回議員から承りまして、驚くと同時に、先ほど市長の答弁の中にもありましたが、まだまだやることがたくさんあると思っております。 今、具体的にこれをというのをこの場で申し上げるわけではございませんが、議員もおっしゃるように、利用促進協議会、たくさんの41団体でつくっている中で、協力をし合って、それぞれにまだまだ伸び代があるところに力を注いでいくということがぜひとも必要だと考えております。今後、利用促進協議会のメンバーの方々としっかりと意見交換しながら、岩国錦帯橋空港に一番適した利用促進というのがどういったものであるのかということを、先ほどの事例も十分に研究をしながら、今後それを上回るようないい事業を展開できるように、そして実際に、安定的に、羽田便であれば7割前後で今とどまっていますが、それをさらに上乗せするような効果が発揮できるようなものを、絶対できると今保証するわけではございませんが、それに向かって皆が力を合わせることが何より大切と思っておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、部長のほうから答弁がございましたが、ぜひそういった形で利用促進、本当に今でも利用率は高いわけですけれども、それに甘んじることなく、ぜひどんどん広げていっていただきたいというふうに思います。 これがまた企業誘致の一つの起爆剤じゃないですけれども、一つのセールスポイントにもつながると思いますので、そういったところもぜひしっかりと考えていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、職員の定員管理についてお伺いしたいと思います。 これも順を追ってなんですけれども、まず職員が今何人いるのか。といいますのも、現状では会計年度任用職員と再任用職員と正規職員という形でいるわけですけれども、今実際何人いるのかお伺いします。 ◎総務部長(石橋誠君)  直近の令和5年2月28日現在でございますが、正規の職員が1,120人、再任用のフルタイムで働いておる職員が20人、それから、再任用の短時間の勤務の職員が78人、それから、会計年度任用職員、この方は週当たりの勤務時間が短期であったりするケースがあるんですけれども、2月28日時点で971人となっております。 ◆18番(藤本泰也君)  今、全部で正規職員が1,120人、フルタイムの再任用職員が20人、会計年度任用職員が971人という話でございます。定員管理計画というものを今策定しているという答弁がございましたが、いつぐらいにこの定員管理計画というものが示されるのかお伺いできたらと思います。
    ◎総務部長(石橋誠君)  新たな定員管理計画につきましては、定年延長等を踏まえて策定するということで、現在、最終段階に入っておりまして、今月中に公表できるという予定でございます。 ◆18番(藤本泰也君)  今月中にということでございますので、では、令和5年度から令和10年度において、どれぐらいの新規職員を雇用するのか。大体計画というのはもう分かっていると思うんですけれど、そのあたりを答えていただければと思います。 といいますのも、この新規職員の実数の含み方ですよね。ですから、定年延長の方と再任用の方もおられるわけですけれど、あと会計年度任用職員です。これは前も聞いたことがあるんですけれど、管理計画の中にどこまでの方を含めるのか、それも併せてお伺いできたらと思います。 ◎総務部長(石橋誠君)  現在策定しております定員管理計画については、正規職員を対象にという形にしておりますが、今後は、新たにつくる定員管理計画においては、再任用の人役等も含めて計算しながら新規採用職員の数を定めていきたいと考えております。 新規職員の採用についてですが、常勤職員と同等の業務を担う再任用短時間勤務職員の減少数と、それから早期退職者の見込数等も勘案しながら、計画期間とする令和5年度から令和10年度までにおいて毎年40人前後の職員を新規採用していくという予定で考えているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  今御答弁があった40人前後ということになるんですけれど、これは再任用の方、延長の方も含めて新規採用ということになるんですか。それとも新卒、新しい方を雇われるのが40人前後になるのか、そのあたりをちょっとお伺いしたいんです。 ◎総務部長(石橋誠君)  言葉が足らずに申し訳ございませんでした。毎年40人前後というのは、純粋な新規の職員を採用する数でございます。 ◆18番(藤本泰也君)  毎年度、令和5年度から10年度までにおいて、毎年40人ということで、新規職員を雇われるということなので、地元の岩国市として一つ門戸は開かれているのかなというふうに考えるわけですけれど、新しい職員を雇う――どうしても就職先の一つに岩国市ということはなってくると思うんですけれど、次の若者定住にも関わってくる話でございますけれど、実際に今まで採用されてきた中で、予定が40人ということですけれど、40人ちゃんと毎年雇われていくことになるんでしょうか。今までの経緯というか。 といいますのも、大学生とか、誰でもそうですけれど、初級が高校卒業、上級が大学卒業程度ということになると思うんですけれど、実際に就職試験を受けて試験に合格しました、でも実際には来ませんという方もおられると思うんです。そうなると、この40人というのはやはりしっかりと確保していっていただきたいわけですけれど、そのあたりというのはどういうふうに考えられていますか。 例えば、40人雇う予定だったのが実際に半分でしたということになると、ではそれをどういうふうに、今年は少ないけれど、職員みんな頑張れよという話じゃないと思うんです。そのあたりのことはちょっと考えられているのかどうか、お伺いしたいんですが。 ◎総務部長(石橋誠君)  議員がおっしゃられるように、採用数は定員を確保するような形で、できるだけ合格者は出すという形で今までやってきていますが、言われるように大卒試験等では、ほかとの併願とかがあったりして、結果として辞退者が出て、40人採りたいところが例えば25人しか採れなかったというような年もございます。 現在、今後の採用試験の在り方についていろいろ検討しています。試験のやり方自体も検討しておりますし、辞退率等も勘案しながら、合格者数等も検証しながら、しっかりと40人確保できるような形を取るように今、研究をしているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  分かりました。ぜひ研究をしていっていただきたいと思います。 これは次の質問にもつながるんでちょっと置いておきますけれど、ではもう一つ、高齢期職員のモチベーションの維持とか、キャリアの再構築に係る研修情報の提供などということは答弁で言われていたんですけれど、モチベーションの維持・向上やキャリアの再構築というのはどういう内容になるのかお伺いできたらと思います。 ◎総務部長(石橋誠君)  先ほど申し上げました高齢期職員のモチベーションでございますが、役職定年制によりまして61歳以降の職員については管理監督職でない職に就くことになります。場合によっては、元部下の職員との関係が直接入れ替わることも考えられます。 こうした中、高齢期職員が仕事に対するモチベーションを維持しながら、組織の中で新たな役割をどのように担うべきか、ほかの職員とどのように関わっていくべきかなどを自ら見いだしていくための研修を来年度から実施するということを検討しております。 また、高齢期職員が配属される部署の職員に対しましても、高齢期職員の接し方などに関する研修を行うことを考えているところでございます。 ◆18番(藤本泰也君)  今いろいろ、どういうふうにということでお伺いしたわけですけれど、実際、職場に元の上司がいるとなかなか難しいところもあるんじゃないかと思うところもあります。 私が壇上で質問しました、例えば、経験豊かなだけに、現場に出向いても判断がすぐにつくようなことも多いと思うんです。今の職員に対するサポートという部分も大変必要になってくるんじゃないかというふうに思うわけです。私もいろいろほかの課で聞いたりしても、なかなか手が回らないんですよというような課というか、そういったところも、現場に赴くところなんかは特にそういうふうになっているわけで、例えば市道の草刈り一つにしても、直営でやりますというような話を聞いたりするわけです。予算がないので自分たちが自ら出てやります。確かにそれは聞こえはいいんですけれど、じゃあほかの仕事はどうするのと、本来やるべき仕事はどうするのというようなことも今現状では起こっている。 それで、空き家一つにしても、現地確認に行ってくださいという話をしても、なかなかそれは、担当の数がなければ今空き家が大変増えている中で、現地確認というのも難しくなってきている。 先般、市有林なんかは、帳簿にある市有林というのは実際どういうふうに確認できているんですかという話をしたら、実際に確認まではできていません。書類はありますけれど、現地確認はできていません。ほかの仕事があって、行くことはできないです。ですから、そういったことを考えれば、定年延長された皆様に、ぜひそういったところをサポート、カバーしていただきたいというふうに思うわけです。 資料の5を出してもらえますか。 これ、皆さんよく知っていると思います。すぐやる課。これは松戸市なんですけれど、これは50周年を迎えたということで、松戸市の広報紙でこういう特集号を出されておりました。 実際に、市民が何を求めるかといいますと、すぐにやっていただくこと、すぐに対応していただくこと、これはやはり求められているというふうに思います。 これを全部やれとは言いません。ただ、市道の草刈りとかはもうマンパワー――シルバー人材センターもどんどん人材が少なくなってきておりますので、ただ、岩国市においては今後定年延長ということになってくると、職員はどんどん定年延長でいるわけです。でしたら、そういったところにもちょっと目を向けていただきたいなというふうに思います。 次に、若者定住策で、高校新卒者の枠を設けていただけないかということでの質問なんですけれど、これは定住施策の一環として、新規採用とは別に、地元の高校新卒者の若者定住促進枠というようなものは考えられないのかなというふうに思うわけです。これはUJIターンと、社会人経験枠というのにも、岩国市に住んでいただくことということが一つ明記されていると思うんです。ただこれ、一般試験ではこういった住所とかいう明記ができないんです。だけれど、こういったことを政策的に目的としてやるんですということになれば、岩国市に住んでくださいということは言えるわけで、そのあたりについてどのように考えられるか、お伺いできたらと思います。 ◎総務部長(石橋誠君)  議員御案内の、地元の高校新卒者の若者定住促進枠、そういったものを設けることについては、いろいろ検討はしてみたんですが、なかなか対象を地元の高校を卒業する人に限定することになるため、採用試験に際しての平等性、公平性などの点において課題があるものと考えております。 市といたしましては、若者定住という視点に立って、一人でも多くの地元高校新卒者の採用につながるような、こういった促進枠というのはなかなか現状難しいんじゃないかと考えていますけれど、様々な観点から、どういったことができるかということについては研究していきたいというふうに考えています。 ◆18番(藤本泰也君)  なかなか難しい、どこもやっていなければ難しいという話になるんだろうと思うんですけれど、ただ、地元の高校で特定することが難しいのであれば、若者定住枠ということだけなら、特定しないわけですから、そういう枠で考えていくということは考えられるのかどうかお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(石橋誠君)  今言われるUJIターンの試験自体についても、なかなか試験制度として少し問題があるようなことをちょっと県のほうからも指導を受けたりしている部分もございますので、そこら辺も含めて、どういうことができるかについては改めて研究させていただきたいと考えております。 ◆18番(藤本泰也君)  改めて研究されるということであるので、また折を見て質問させていただきたいと思います。 では、次に移らせていただきます。昇任試験ですけれど、試験をすることが好きな人っていないと思うんです。特に、職員が自分たちのことに関して試験をやらないといけないということを決めろというのもなかなか難しい話なんですけれど、ただ、いろいろな、今UJIターンとか、雇用の仕方というのもいろいろ変わってくると思うんです。 先ほど、実際に女性なんかが受けるにしても受けにくいですとか、他市の状況を見たらとかいろいろなことを言われたんですけれど、その中でもやる気のある人は受ければいいと思うんです。だから、やる気がある人にチャンスを与えられるような形を取っていただきたいということで、今回この昇任試験というのを提案させていただいたんですけれども、今までの評価性でやるのと、もう一つはそういう試験を設けてみるのも考え方じゃないかというふうに思うわけですけれども、そのあたりはどういうふうに考えますか。 ◎総務部長(石橋誠君)  現状の人材育成の方針といたしましては、人事評価をはじめ多種多様な市の職務を通じた能力開発を主としているところでございます。現時点において、画一的な昇任試験を課すことについては、先ほど申し上げたように検討課題の一つというふうに考えております。 このため、まずは人事評価制度の運用状況の検証を行いながら、やる気のある職員の努力が昇給や昇格により反映しやすくなるよう見直しを進めるとともに、今後、人材育成基本方針を見直していく中で、議員御案内の昇任試験の導入、それが直接昇任試験という形になるかどうかというところも含めて、研究していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆18番(藤本泰也君)  研究される材料が大変多くあると思いますけれども、ぜひしっかり、職員のことについては研究していただきたいというふうに思います。また折を見て、これについても質問させていただきたいというふうに思います。 もう時間もあと一分ちょっとになりましたので、これで一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、18番 藤本泰也君の一般質問を終了いたします。 14番 桑田勝弘君。 ◆14番(桑田勝弘君)  皆様、こんにちは。14番 公明党議員団の桑田勝弘でございます。 まず初めに、今年度末をもって退職をされる職員の皆様に一言御挨拶申し上げます。 長きにわたり市勢発展のため御尽力いただき、誠にありがとうございました。皆さんの戻られる地域はもう高齢化をしており、やっと若い力が戻ってくる、そのように期待をされていると思います。お体にはくれぐれも気をつけられ、地域発展のため地域の皆様の力となれることを期待いたします。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。 それでは、公明党議員団を代表して、壇上から質問をいたします。 1、本市の内部統制についてお尋ねいたします。 (1)現状と課題について。 議会と行政は車の両輪に例えられます。議会では、事務の執行状況を踏まえて予算や決算が審議されます。そのためには事務の執行状況の正確、客観的な報告が必要です。少子高齢化、人口減少社会から、今後の事業委託は委託事業の増加が推測され、さらに専門的、高度化が進む中、事前のマニュアル化や事後の効率性、的確性、適正性の検証作業が重要になると考えます。 1999年4月、都道府県や政令指定都市、中核市で、行政の透明性向上を目的に外部監査制度が義務化されました。さらに、平成29年に地方自治法等の一部を改正する法律により、令和2年4月1日から、都道府県と指定都市に内部統制の体制整備や方針の策定が義務づけられ、その他の市町村についても努力義務が課せられました。 平成31年3月に総務省より発表された、地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドラインによれば、内部統制とは4つの目的、つまり「業務の効率的かつ効果的な遂行」「業務に関わる法令等の遵守」など4つの目的が達成されないリスクを一定の水準以下に抑えることを確保するために、業務に組み込まれ、組織内の全てのものによって遂行されるプロセスをいい、「リスクの評価と対応」「ICT(情報通信技術)への対応」など6つの基本的要素から構成されております。もちろん、既に本市にも既存の法令等に基づいた一定の内部統制は存在しています。しかし、より実効性を担保するための内部統制が必要であると考えております。 令和2年4月に改定された本市の監査基準によると、第8条にリスクの識別と対応が示され、第9条にはそのリスクの内容及び程度の検討には内部統制の整備状況及び運用状況についての情報を基に判断すると規定されています。 例えば、県内他市の防府市監査委員の令和2年度の行政監査報告書の中のまとめは、内部統制制度の早期導入に向けた体制づくりに着手されることを望むものであると締められております。 そこで、本市の内部統制の取組状況について、現状と課題についてお尋ねいたします。 2、本市の産業振興について。 (1)岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本計画についてお尋ねいたします。 ア、現状と課題について。 日本経済にとって大きな課題は、物価上昇を上回る賃上げの実現と言われています。コロナ禍や物価高により傷んだ経営状態の回復をかけ、国・県とも様々な施策、補助金、税制等を用意しております。地域の強みを生かし、将来の成長を期待する分野での需要を取り込むため、国は地域未来投資促進法を制定し、税制措置等多くの施策を決めています。また、巨費を投じて事業再構築補助金やものづくり補助金など、補助金を充実させています。また、県はやまぐち産業イノベーション戦略にDXの視点を新たに加えるなど、第1次改定を行い充実を図っております。 一方、本市は令和4年3月に岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本計画が策定されており、同計画には基本施策に基づく取組の展開に多くの施策が記載されていますが、成長産業に対する取組の記載がございません。通常、産業振興計画のメニューには成長産業の創出、創業支援、経営基盤強化、人材確保、農林振興、にぎわい事業等の取組等が考えられますが、成長戦略は各市により産業構造に依存するところが大きく、単市では取組が困難であると言われております。連携が重要だと考えます。 現在、成長分野として脱炭素やDXの取組が注目されています。新聞報道に世界的な脱炭素の流れを受け、カーボンニュートラルという政府目標達成の実現の鍵を握るのは産業界であり、その中でも中小企業の取組が重要になります。ビジネスの現場では商品や製品のサプライチェーン、供給網全体でのカーボンニュートラルを目指す動きが活発です。特に、大企業は、自社単独では対応できないScope3を削減するため、取引先の中小企業に脱炭素化を促す傾向にあるとございました。 本市は企業誘致、特に情報の分野に積極的に取り組んでおり、結果を出しております。インキュベーションのための施設、Class Biz.等の本市独自の取組など、地方創生交付金を活用した創業支援事業やサテライトオフィス等活用促進事業など、スタートアップ、起業の育成に力も入れていることは大変評価しております。 そこで、壇上からは現状と課題について、産業も範囲が広いため、今回は比較的取組が明快な商業、観光業を除いてお尋ねいたします。 現状と課題について3点お尋ねします。 1点目、本市特有の産業構造の特徴について、2点目、本市の成長産業についての現状認識、取組や課題について、3点目、企業誘致の状況と本市の優位性についてお尋ねいたします。 3、タクシー料金助成制度についてお尋ねいたします。 (1)肢体不自由がある高齢者の利便性の確保についてお尋ねいたします。 大きな3点目は、日頃の議員活動でお聞きした市民相談からお尋ねいたします。 本市には障害者の方の社会参画のため、身体障害者手帳1級から3級の方にタクシー券を交付する重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業があります。また、要件に該当する高齢者にタクシー券を交付する高齢者活き行きサポート事業があり、好評を博しております。しかし、障害者事業分の48枚が優先されて、高齢者事業分の追加枚数がありません。一方、これらの事業とは別に、透析で通院に必要な方を対象に加算をしております。 先日、車椅子の利用を常態とされている御高齢の重度の肢体不自由の障害者の御家族の方から御要望がありました。重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業だけでは行動が限定され不自由であるため、枚数を増やしてほしい。高齢者事業分の加算を希望する旨の声でした。 高齢化した配偶者の車椅子の移動の困難さ、必要性は容易に理解できます。重度の肢体不自由の障害の高齢者にも加算すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、桑田議員御質問の第2点目の本市の産業振興についての岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本計画についてのア、現状と課題についてお答えいたします。 本市における産業構造の特徴としましては、総生産における産業別割合を見てみますと、まず製造業が28.6%と最も高く、次いで建設業が9.7%となっており、これら第2次産業の割合が国の構成割合と比較して高い状況にあります。 また、製造業の中でも特に繊維工業やパルプ・紙・紙加工品製造業につきましては、従業者の構成比率や地域における産業の相対的な集積度が高いことから、本市の基盤産業というふうに捉えております。 建設業につきましても、産業別の事業所数や従業員数の割合が、それぞれ国や山口県の構成割合と比較して高いことから、本市の主要産業であるというふうに言えます。 一方、市内の従業員規模別の事業所数と従業員数の構成を見てみますと、事業所数の構成比が最も低い100人以上の事業所の従業員数が、市内の全従業員数の約20%を占めており、市内における雇用が大規模な事業所に依存していることが分かります。 こうした本市の産業の特徴を踏まえた上で、本市の産業振興を図っていくためには、地域経済の活性化や雇用創出等の重要な役割を果たしている中小企業等の振興が不可欠であるというふうに考えております。 このため、本市では、岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本条例に基づき、平成30年2月に岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本計画を策定し、条例に定める12の基本的施策に沿った具体的施策を体系的に整理をして本市の産業振興の施策に取り組んでいるところであります。 また、本計画に示す具体的施策につきましては、学識経験者や市内の経済団体、中小企業者等で組織する岩国市中小企業等振興審議会において意見を伺い、毎年度見直しを行っているところであります。 議員御指摘の成長産業につきましては、山口県のやまぐち産業イノベーション戦略において、成長基幹分野、成長加速分野、次世代育成分野の3つの分野の中に、9つの重点成長分野が位置づけられており、そのうち、本市では、基礎素材型産業と医療関連産業が該当するものと考えられます。 これらの産業は、主に大手企業が牽引役となって取り組んでいる事業であり、現時点では、本市独自の取組などは進めておりませんが、国や山口県が進める取組と連携し、立地自治体として必要な役割を担う状況にあります。 しかしながら、市内の中小企業等においては、コロナ禍への対応や、生産性向上のためのデジタル技術の導入、また、これから本格化する低炭素化への取組に加え、地域の成長産業の取組への対応も求められることが予想されます。 市としましては、こうした新たな課題に対して、市内の中小企業等が対応していくために、国や山口県の動向を注視しながら、岩国市中小企業、小規模企業及び小企業振興基本計画に掲げる施策を適宜見直していくことで、実効性のある取組を進めてまいります。 次に、本市の企業誘致につきましては、気候が温暖で地震によるリスクが少ない企業立地の地理的優位性や、岩国錦帯橋空港をはじめとする交通インフラ、医療費や給食費の無償化などの充実した子育て環境などをセールスポイントとして、これまで誘致活動に取り組んでいるところであります。 また、誘致活動につきましては、山口県東京事務所に職員を派遣するなど、山口県と連携して取り組んできており、進出を検討する企業のニーズ、スピード感に応えられるよう努めてきております。 加えて、本市では、工場等の新たな立地に対して、3か年度分の固定資産税と都市計画税の相当額を交付する事業所設置奨励金や、新たな市民の雇用に対して交付する雇用奨励金などの奨励措置を設けていますが、これら支援の内容は、県内で最も高い水準となっております。 こうした積極的な誘致活動や高い水準の支援制度により、企業進出に係る協定締結件数は、岩国錦帯橋空港が開港した平成24年度以降で36件と、年平均で3件を超え、目標としている年間2件を大きく上回るペースで推移をしてきております。 また、昨年1年間では、これまでで最多となる6社と進出協定を締結しており、これは、県内の自治体の中で、最も多い件数となっております。 これらの企業進出の成果として、設備投資額は300億円を超え、約670人の新たな雇用が生まれており、先ほどの成長産業とされる基礎素材型産業や医療関連産業に係る進出も実現をしているところであります。 今後におきましても、本市経済の活性化や雇用の拡大、ひいては人口定住につながる企業の進出や立地に向けて、現在、重点的に取り組んでいますIT関連企業やサテライトオフィスの誘致も含め、積極的な活動を進めてまいります。 市としましては、計画に基づく施策を着実に実行し、今後、中小企業等が求められる課題への対応の支援、そして企業誘致の促進等を総合的に推進していくことで、本市の産業振興を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  第1点目の本市の内部統制についての(1)現状と課題についてお答えします。 内部統制制度につきましては、地方公共団体において、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、事務を執行する行政自らが、行政サービス等を提供する際の事務上のリスクを事前に把握し、評価するとともに、そのリスクを未然にコントロールすることで、事務の適正な執行を確保するために創設された制度です。 この制度は、地方自治法第150条において、内部統制に関する方針の策定や体制の整備等が定められており、地方自治法の一部改正により、令和2年4月から、都道府県知事及び指定都市の長に義務づけられるとともに、指定都市以外の市町村の長には努力義務が課せられています。 また、総務省では、地方公共団体において、内部統制制度を導入し、実施する際の参考とするため、地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドラインを策定し、平成31年3月29日付で地方公共団体宛てに通知されています。 このガイドラインでは、まず、内部統制の基本的枠組みが示されており、その中で、内部統制を行うことの4つの目的として、「業務の効率的かつ効果的な遂行」「財務報告等の信頼性の確保」「業務に関わる法令等の遵守」「資産の保全」が上げられていますが、内部統制制度とは、これらの4つの目的が達成されないことにつながる事務上のリスクについて、それを一定の水準以下に抑えるために組織内の全ての職員によって遂行されるよう、業務に組み込まれたリスク回避のためのプロセスのことと定義されています。 また、これらの目的を達成するためには6つの基本的要素が必要とされており、それは、基盤となる統制環境、リスクの評価と対応、方針や手続といった統制活動、情報と伝達、モニタリング、いわゆる監視活動、ICT、いわゆる情報通信技術への対応が上げられています。 次に、内部統制制度を運用する際のプロセスですが、まず、各地方公共団体においては、内部統制についての組織的な取組の方向性等を示す内部統制に関する方針を策定することとされています。 この方針に基づき、組織内の全ての部署において、リスクに対応するために必要となる規則・規程・マニュアル等を策定するとともに、それらを実際の業務に適用するために必要となる全庁的な体制を整備することとされています。 その中では、責任者や各セクションの役割を定めるとともに、内部統制を推進する部署や、それを評価する部署を設置することとされています。 こうした内部統制に関する方針と全庁的な体制の下で内部統制制度を運用することとなりますが、義務づけ団体であれば、その整備状況及び運用状況について、監査委員による審査を受けるなどして公表することが求められることになります。 具体的に、業務レベルでのリスク対応策を整備するに当たりましては、まず、リスクの評価として、全てのリスクを洗い出した上で、それが全庁的なリスクであるか、あるいは特定の業務に係るリスクであるかについて整理するとともに、それが既に経験済みのリスクであるか、あるいは未経験のリスクであるかなどについても識別・分類します。 その上で、それら個々のリスクについて、そのリスクの影響度や発生の可能性を踏まえ、金銭面や件数などの量的な重要性を見積もるとともに、行政に求められる信頼性や公平性、安全性の確保といった観点から、質的な重要性についても分析・評価を行うこととなります。 続いて、リスク対応策の整備として、これら識別・評価したリスクの重要性に応じて、組織として対応する必要性の高いリスクから優先して具体的な対応策を検討し、適宜、関連する規則・規程・マニュアル等について改定等を行うこととなります。 参考までに、他の自治体における内部統制制度の取組状況ですが、総務省が昨年10月に実施した地方公共団体における内部統制制度に係る調査結果によりますと、指定都市以外の市町村において、内部統制制度を導入する予定がある自治体は21自治体、内部統制に関する方針を策定している自治体は38自治体、内部統制制度に準ずる取組を実施している自治体は124自治体となっています。 現在、本市では、内部統制制度の導入に係る検討は行っていませんが、現下の社会情勢下において、行政サービスを安定的に、また効率的かつ効果的に提供していくためには、組織として事前にリスクを予測した上で、法令等を遵守しつつ、適正に業務を執行することが、より一層求められています。 こうした組織的な取組が徹底されることにより、業務の効率化や業務目的をより効果的に達成することが可能となるとともに、信頼に足る行政サービスを提供することが可能になると考えています。 こうしたことから、今後、内部統制制度の導入に向けた検討が必要と考えていますが、制度設計の初期段階や、リスクの可視化の作業に当たっては、各職員の負担が増えることも考えられます。 そこで、費用対効果の面からも過剰な統制とならないよう、また内部統制制度を職員に周知し、その意義や目的等を浸透させることにより、職員自らが率先して取り組むことができるよう、本市に合った内部統制制度の導入に向け、今後、他の自治体の取組状況等を調査しながら、研究を行ってまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  第3点目のタクシー料金助成制度についての(1)肢体不自由がある高齢者の利便性の確保についてお答えします。 本市は、重度障害者の福祉の増進に寄与することを目的に、合併当初から、重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業を実施して、障害者福祉タクシー利用券を交付し、タクシー料金の一部を助成しています。 一方、高齢者に対しましては、令和2年9月から、外出支援、社会参加を目的とする高齢者活き行きサポート事業を実施して、同様にタクシー利用券を交付しているところです。 重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業は、身体障害者手帳の所持者で1級から3級までに該当する方、療育手帳の所持者、精神障害者保健福祉手帳の所持者及び精神障害を支給事由とする障害年金1級に該当する方を対象に、申請に基づき、1枚500円のタクシー利用券を1か月当たり4枚、1年当たり最大48枚交付、金額にして最大2万4,000円分を助成しています。 さらに、腎臓機能障害を有する身体障害者手帳1級から3級までの所持者のうち、週1回以下人工透析治療を受けている方にあっては、1年当たり最大24枚を追加して計72枚、金額にして最大3万6,000円分、週2回以上人工透析治療を受けている方にあっては、1年当たり最大60枚追加して、計108枚、金額にして最大5万4,000円分を助成しているところです。 なお、重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業の実績につきましては、令和元年度は交付者数3,513人、利用率47.1%、令和2年度は交付者数3,472人、利用率42.3%、令和3年度は交付者数3,408人、利用率43.9%となっております。 次に、高齢者活き行きサポート事業ですが、75歳以上の運転免許証を持たない方で、重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業の対象とならない方に対し、申請に基づき1枚500円のタクシー利用券を1か月当たり4枚、1年当たり最大48枚、金額にして最大2万4,000円分を助成しています。 この高齢者活き行きサポート事業の実績につきましては、令和2年度は事業開始が9月のため年間実績ではありませんが、令和2年度は交付者数6,786人、利用率50.4%、令和3年度は交付者数8,555人、利用率67.3%となっております。 身体に重度の障害があるなど、日常的に車椅子を利用する高齢者の方に対しては、重度障害者(児)福祉タクシー料金助成事業と高齢者活き行きサポート事業の両方を適用して、タクシー料金の助成をすべきではないかとの議員の御提言でございますけれども、タクシーを利用して外出する機会が多い方につきましては、特に御不便を感じていらっしゃることも理解しているところですが、先に御答弁した実績のとおり、利用率が大きいとは言えない状況でもございます。 また、一方で両事業とも世帯ではなく、個人を対象に実施しているものであることから、例えばではございますが、御高齢の御夫婦の世帯でお1人に障害がおありになる場合には、世帯で見れば障害者対象の事業と高齢者対象の事業の双方から助成を受けることも可能ではあり、御夫婦でタクシーに乗り合わせる場合は、タクシー利用券の利用の仕方の工夫によっては効果的に助成のサービスを利用することも可能かと考えます。 なお、本市はタクシー料金助成事業のほかにも、障害のある方にあっては市内を走る路線バスに無料で乗車できる障害者福祉優待乗車事業や、柱島地区に在住する方へ渡船料金を助成する渡船料金助成事業、高齢者の方にあっては、路線バスに1乗車100円で乗車できる高齢者福祉優待乗車事業や、敬老優待乗車証を提示することで錦川鉄道や柱島海運の運賃の一部助成を受けることができる事業、柱島地区に在住する70歳以上の方へ渡船料金を助成する事業など、様々な助成事業を設けており、こうした事業を組み合わせることも可能ではないかと考えております。 いずれにいたしましても、本市としましては、利用実績等を注視しつつも適正規模の事業となりますように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  それでは、自席より順不同で再質問いたします。 まず、本市の内部統制についてですが、今の御答弁の導入に向けた検討が必要と考えておりますが、もろもろ必要な検討事項もあるというふうに理解いたしました。 努力義務ですけれども、ガイドラインの枠組みは全市町村に対応可となっております。 また、先ほど申しましたように外部監査もございますけれども、これはかなりハードルが高いというふうにも思っております。本来、法令遵守義務がありますけれども、不祥事は起こってしまう、残念ながら起こってしまう。職員自らの取組が重要であり、第一だと考えております。職員の負担云々の配慮は当然あろうと思いますが、市民の信用獲得が最重要でございます。 また、職員の負担を避けるとともに、業者への負担も避けるべきだというふうに考えております。 ただ、何度も申しますが、御答弁で、導入に向けた検討が必要と考えているという御認識ですので、しっかり見守ってまいりたいと思いますが、追加で御所見等がございましたらお聞かせください。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  先ほど、壇上でも申し上げましたけれど、最近、他の自治体におきましても、内部統制制度に関する取組も多様な状況となってきております。 こうした中、内部統制制度につきましては、市民の皆様方に対しまして、信頼に足る行政サービスを提供していくために重要な取組であると認識しているところでございます。 このため、現在、策定作業を進めております令和5年度から新たに始まります行政経営改革プラン、こちらの中で導入に向けて検討する方向で盛り込みたいというふうに考えております。 ただ、導入するにしましても、最初から市の業務全てにおきまして導入を検討していくといったことはなかなか難しいと考えておりますので、まずは、本市としまして優先的に取り組む項目といたしまして、こちらを財務に関する事務ということとした上で、令和5年度から他の自治体における取組事例等を調査しながら、職員への制度周知を図りつつ、当制度の導入に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  大変だと思いますが、しっかりと取り組んでいただければと思います。 それでは、3点目、タクシー料金助成制度についてお尋ねいたします。 今、利用率からの説明がございましたが全く納得ができません。また一方、配偶者の方も高齢者であり、工夫すべきであるというような御答弁をいただきましたが、これも納得ができません。 高台にお住まいの方の御苦労は想像を絶します。本市のタクシー券事業はそのような選択肢の少ない方にはありがたく、重要であり意義を持つ。利用率については、御事情は様々だと思いますが、移動困難な方の利用率が半分以下の意味を調査した上で言われるのならまだ分かりますけれども、利用率が半分以下であることを理由に調査もなく言われるのはどうかなというふうに思います。介助をされる人にも1人で外出が必要なときもございますし、もちろん工夫もされていると思います。しっかりと、また、本市の好評な、非常に評価の高い制度でありますので、しっかりと御苦労されている方への調査・説明もなく数字だけの判断では、もう少し寄り添った御答弁を期待してもいいのかなというふうに思いましたので、ちょっと強くなりまして大変失礼いたしましたが、大変苦労されていますので、御検討・調査のほうをまずはしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  高台などで外出に大変御苦労されている方がいらっしゃるということも十分理解しております。 また、運転免許証を持たない御高齢の方、足腰が弱られている御高齢の方、車椅子を御利用されている方につきましても、いろいろな課題を抱えていらっしゃることも十分理解した上で、タクシー利用券の必要性などについては具体的に客観的な判断材料として、利用率のほうを御答弁させていただいたわけでございます。言葉足らずなことがございまして、大変申し訳なく思っております。 ただ、こういった助成の率が低いというものではございませんけれども、そういったことが使いやすいようになるということは、一番私どもも考えていかないといけないことではございます。 サービスの提供の量というのは、数学のように一つの正解があるというものではございませんから、これからも市民に御理解いただけるように制度の充実を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  本当に御苦労されている方に寄り添った取組をしていただければと思います。 また、私もうちに90歳近い父親がおります。私ごとで申し訳ありませんが、本当に時刻表を見て、行きはバスの時間とか電車の時間とか都合がつくので、そこにその時間を目指して行けるんですが、病院が終わる時間が分からないから、長い時間電車を待ったりバスを待ったり、ときには、私に「ちょっと迎えに来れんか」とか連絡もあります。皆さん、ありがたい制度ですけれども工夫をされております。 もっと寄り添った、本当に今、参考に数字を挙げられましたけれども、なぜこんなに大変な方たちが、車椅子の常態化をされている方が、このタクシーを使われるのに50%以下なのか、そこをまた配慮していただいて、また聞き取り等もしていただいて、しっかり調査をしていただいて、本市の本当に好評な制度ですから、大事にしていただければというふうに思います。調査を期待しておきます。 それでは、次に産業振興についてお尋ねいたします。 県のやまぐち産業イノベーション戦略、県の審議会での発言等、県の重点成長分野に位置づけられているうち、本市では基礎素材型産業と医療関係産業が該当するものと思われておりますというふうにございました。その辺もお聞きしようかと思ったのですが、ちょっと割愛して、まず、本市は企業訪問を120社されております。本当に、これも大事な事業だというふうに思っております。 岩国市の審議会の中で7月に「120社の企業訪問の選択基準は何ですか」というふうな質問がありましたけれども、その明確な基準が示されておりませんでしたので、この選択の基準に成長への取組も加える等、設備投資等も含めて、そのように思いますが、御所見をお伺いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  御質問の企業訪問についてでございますけれども、これは、市内経済の状況を把握するために市のほうで年間約120社、これを目標に中小企業等を実際に訪問いたしまして情報収集を行っているところでございます。 訪問先の選定についてでございますけれども、特段基準を設けているわけではございませんで、様々な業種、業態、雇用人数でありますとか、満遍なく訪問することで市内企業全体の状況を把握することにつながると考えているところでございます。 訪問におきましては、企業概要ですとか業況、経営や雇用の状況などに加えまして、議員御指摘の設備投資の状況でありますとかITの導入状況、こういったところが課題でありますとか、今後、力を注いでいきたい取組、社会状況を踏まえた様々な項目について随時、聞き取りを行っているところでございます。 脱炭素化に関しましても、約2年前からでございますけれども、こうした聞き取りの中で現状や今後の取組についてお伺いをしているところでございます。 今までの御回答としましては、多くの中小企業におかれまして、脱炭素化を課題として認識をしてはいるものの、まだまだ具体的な取組を計画されている事業所は少数といった、このような御回答も頂きながら訪問を続けているところでございます。 ◆14番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。はっきりと質問ができなかったのですが、的確に答えていただきありがとうございました。 それでは、次の質問を行います。 御承知のとおり、来年2024年1月から改正電子帳簿保存法、また、本年10月からはインボイス制度が始まります。 国のIT導入補助金の採択業者の中に、本市の企業・団体が何社も採択をされていることが公表されておりました。 事業規模の大きい国の事業ですけれども、掌握している範囲で結構なのですが、他市がどのような申請状況、採択状況にあるのか、取組状況を御存じの範囲でお教えください。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  申請状況の前に、少し国の補助金についての相談体制についてお話をさせていただこうと思います。 国の補助金につきましては、中小企業の生産性の向上でありますとか、IT導入といった取組に対しまして多くのメニューが、議員の御案内のとおり用意されているところでございます。市におきましても、こうした補助金の活用に向けまして、例えば、岩国商工会議所内に岩国地域中小企業支援センターというものを委託設置しておりまして、相談体制を整備しているところでございます。 このセンターですけれども、中小企業診断士などの専門家に市内事業者の経営に関する様々な相談対応を行っていただいているところでございまして、相談内容に応じまして国の補助金の支援制度も御紹介をいただいているところでございます。 ほかにも、本市のしごと交流・創業支援施設のClass Biz.でありますとか、そこで相談会を行っていたり、あるいは県のよろず支援拠点、こちらのほうの出張相談会でも同じように御相談をお受けしているというところでございます。 相談の実績数を先に申し上げさせていただきますと、岩国地域中小企業支援センターのほうで今年度延べ10件、県のよろず支援拠点の出張相談会のほうで延べ29件の御相談をいただいているところでございます。 議員お尋ねの、実際に国の補助の採択を受けた市内事業者の件数についてでございますけれども、4つほど種類ございますが、事業再構築補助金が10件、ものづくり補助金が5件、小規模事業者持続化補助金が17件、IT導入補助金が62件というふうになっているところでございます。 市としましては、こうした国の補助金の活用も含めまして、事業者自らが取組を行おうとする場合に必要な支援が受けられるように、引き続いて関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆14番(桑田勝弘君)  今、部長から、自ら新たな取組に挑戦し、取り組んでいこうという姿勢を支援してまいりますという御答弁をいただき、本当にうれしく思いました。 事業者の方も新たな取組をしていくのは、本当に大変だと思うんですよね。情報収集をしながら、日常業務をしながらのことですから大変だろうと思うんですが、そこにきっちりと市の支援が入っていけるように期待しております。 また、今の補助制度には賃金上昇の上乗せなどもございます。また、成長産業の、特にグリーン枠の制度も、国の令和3年度補正予算ではものづくり補助金に、また、令和4年度第2次補正予算では、事業再構築補助金につきました。当然、つなぎ融資なども必要になりますので、しっかりと相談をまたしていただき、相談事業で頑張っていただければと思います。 今のGXをちょっとお話ししたんですが、報道ではカーボンプライシングの裏づけとなる国債である「GX経済移行債」の発行が見込まれるというふうなお話がございました。政府は2月10日にGX実現に向けた基本方針を閣議決定しております。報道では、目標達成の鍵を握るのは産業界であり、特に中小企業の取組が重要となると言われています。 先ほど御答弁いただきましたが、脱炭素化目標の実現に重要な対策を8割の事業者が検討されていないのが現状であるという報道もございました。本当にまだ関心は低いんだと思います。 ただ、県の審議会の委員の発言とかを見ても、中小企業の取組に力を入れるべきだというふうなお声もありますし、また、県知事からも、そこらは重要だと思うというような発言もございました。 本当にこれからではございますが、しっかり市のほうも注視をしていただいて、この取組にちゃんと乗れるように、情報収集等かも分かりませんが、しっかり行っていただければと思います。 その報道によると、企業活動で排出される温室効果ガスの種類は、自社の直接排出によるものがScope1、また、電気などの使用による間接排出によるものがScope2、企業活動における間接排出によるものがScope3に分けられます。大企業は、自社単独では対応できないScope3を削減するため、取引先の中小企業に脱炭素化を促す傾向にあるといわれております。また、資金繰りの面でも、融資先の温室効果ガス排出量を金融機関が把握するなどの動きがあるともございました。 本当に、今からの取組ではありますが、もしかしたら急激に話が具体的になるかも分かりませんし、中小企業の方が困らないように、しっかりと情報収集をしていただければと思います。 今回の質問では、そういった成長産業の話と併せて林業の取組についてお話をお聞きしたいと思います。 山林についてお尋ねいたします。 地籍調査はほぼ済んでいる、9割方済んでいるとお聞きしております。現在、樹種や樹齢等について、地域のどれくらいの割合を把握されているのか。約何割でも結構ですし、森林整備の現状を知るためには、まず、どういう状況なのかを把握することが大事だと思いますので、地域のどれくらいを把握されているのか、お知らせください。 ◎農林水産担当部長(藏田敦君)  現在、県のやまぐち森林情報公開システムによりまして、主な人工林の樹種や面積などの情報を取得することは可能なのですが、これは、昭和20年代から40年代にかけて県が現地調査した情報に基づくものになります。現況とは異なる点も多く、詳細な情報を把握することは困難な状況にあります。 そういった中、市としましては令和4年度に錦帯橋備蓄林、約200ヘクタールについて航空レーザによる測量を実施し、併せて森林資源解析業務を実施しております。 また、令和5年度には国土地理院が市内で航空レーザ測量を行った範囲のデータを基に約3万400ヘクタールについて、県と共同で森林資源解析業務を実施する予定としております。 現時点では、これらの実績は申し上げられませんが、岩国市の総土地面積は約8万7,372ヘクタールとなっておりますので、令和5年度末には、そのおおむね3分の1に当たる約3万600ヘクタールの森林の資源解析が完了し、主な人工林の樹種や面積などの情報を取得できる見込みでございます。 残るエリアにつきましても、引き続き、調査を進めていきたいと考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  残るエリアを引き続き調査ということで、しっかりと頑張っていただければと思います。 定例会でもよくお話が出ますが、J-クレジットとかそういった議論も出てまいります。林業が大変だというお話と、また、脱炭素に向けてのJ-クレジットの話であるとか、森林が見直されるタイミングなのかも分かりませんので、しっかり、まずは調査をして、実態がどのような状態なのかということをしっかり取り組んでいただきたいと思います。 あと、もう1点、市の業務の中でカーボンニュートラルへの取組の準備段階として、実態調査を少しでも進めておくことが重要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(藏田敦君)  今後、カーボン・クレジットの制度がどのように展開していくのか、まだまだ不透明な部分が多い状況ですが、議員御提言のように、森林を多く抱える本市としましては、航空レーザ測量やドローンを活用した測量による既存の森林の調査を行うことで、本市にある森林資源の実態が把握でき、そのほかにも、地形情報から木材搬出に必要な作業道の検討や作業記録の検討も可能となるなど、今後の活用や展開に大きく期待ができますので、先ほども申しましたけれども、引き続き、森林の実態調査を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  本当は、森林は急峻なため作業ができないとか、利活用ができないようなエリアもあるというふうに思いますが、実際にどのエリアが使用できて、どのエリアができないかという実態調査がまずスタートになると思いますので、私が言うことでもないですけれども、もう御存じだと思いますけれども、不動産一般にですが、ほかにもまだ課題があろうかと思います。一番気になるのが、クレジット等に関わって所有者とか管理者の対象であるとか、今、相続で代が2代も3代も代わって、相続人が特定できないから同意を得られないとか、そういった市では取り組めないような大きな課題もございます。本当に大変な作業だと思いますが、また地道な作業ですが、しっかりと取り組んでいただければと思います。 それでは、まとめになりますけれども、脱炭素経営のメリットとして、高熱費・燃料費の低減以外にも資金調達力や知名度の向上、人材獲得力や競争力の強化などが挙げられますが、何より疲弊した重要な林業の振興・復活や、カーボンクレジットなど脱炭素に向けた成長産業化の取組のためにも、まず、日常業務である実態把握を、スピード感を持って進めていただきたいと思います。 以上で、終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、14番 桑田勝弘君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時56分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(植野正則君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 2番 松田一志君。 ◆2番(松田一志君)  それでは、一般質問を行ってまいります。 3月は、卒業・退職そして花粉症のシーズンです。本年度市職員を退職される皆さんへ、午前中に登壇されたお2人の議員からエールが送られました。私も全く同じでございます。大変御苦労さまでした。そして、花粉症の皆さんへは、今年も一緒に頑張って乗り切っていきたいというふうに思います。 それでは、花粉症にも負けないで、会派を代表して一般質問を行います。 質問事項は、最初に、空母艦載機部隊移駐に関する住民説明会の資料として用いられた安心・安全対策の43項目が、現在どのようになっているかという問題です。 次に、錦帯橋周辺地域の総合的なまちづくりについてです。 最後に、どの子にも放課後支援を実現することについて。この3項目を質問いたします。 まず最初に、平成29年、2017年5月の空母艦載機移駐に関わる住民説明会で配付された資料に基づいて、安心・安全対策の43項目について、現在はどのようになっているのかについて、特徴的な事案を使って検証したいと考えています。 最初に、「治安対策の強化」の項目についてです。 公務外の米軍構成員等が起こした事件・事故により被害を受けた場合においても、日米両政府の責任において補償が受けられるよう処置を講ずることについて、岩国市は達成していると市民に示していますが、誤った評価だと考えます。昨年12月3日に犯罪を犯して在宅起訴された米海兵隊員は、被害者に対して損害賠償に応じる能力がないと表明し責任を放棄しました。こうした場合は、日米地位協定に基づき対応するとなっていますが、先般、中国四国防衛局の説明では、基本は当事者間で解決することが原則です。国内法の裁判訴訟請求で訴えることもできます。こうした冷たい対応を行っています。福田市長が、被害者の心情に寄り添い、機会あるごとに米軍関係者に被害者救済を呼びかけていることは大変評価できるものですが、日米両政府の責任において補償が受けられる措置は事実と異なるもので、この項目は未達成と評価すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、「騒音対策の強化」の項目についてです。 市街地や産業振興に影響を与える地域の上空の飛行を行わないことに対して、岩国市の評価は三角印となっています。空母艦載機移駐後は、滑走路の離発着回数あるいは騒音測定回数並びに騒音苦情回数ともに増加しています。加えて、市街地上空の飛行も増加しています。騒音対策の原因は市民なら誰もが知っています。離発着を繰り返す戦闘機と飛行経路が市街地上空にあることが原因です。幾ら要望しても改善がないということは、曖昧な評価をやめて明確に評価しないとの判断を下すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 続いて、「環境対策の徹底」の項目についてです。 基地に起因する排水処理について万全の処置を講ずることと、消火訓練に当たっては基地周辺住民に影響を与えないよう実施するとありますが、泡消火剤によるPFOSなどの問題、あるいは基地内の排水施設について、どうなっているのか説明を求めます。 そして、この項目の最後ですが、岩国基地港湾施設への船舶の入港に関する問題では、今日のような大型艦船や攻撃能力を有する艦船などが入港するなどを想像できた市民は当時少なかったと思います。私も今日のような事態になろうとは想像もしていませんでした。 そこで、米海軍のドック型輸送揚陸艦グリーン・ベイが、防衛省からの事前連絡がない状態で、先月15日と同月23日に連続して岩国基地の港湾施設に入港しました。しかも2回目の入港は、米軍岩国基地沖の瀬戸内海で海上自衛隊との共同訓練を行うためのものでした。戦闘訓練の目的に米軍岩国基地の港湾施設が使われたことは、これまでになかったことであり、断固抗議することが必要だと考えますが、見解を求めます。 次に、2つ目の項目ですが、錦帯橋周辺地域の総合的なまちづくりについて質問いたします。 現在は、下水道整備工事の関係者及び資材置場となっている岩国一丁目17-17及び19-9付近には、(仮称)錦帯橋資料館の建設が予定されていましたが、現在は(仮称)錦帯橋ビジターセンターを建設する用地となっています。なぜこのような変更がなされたのか説明を求めます。 (仮称)錦帯橋資料館の建設においても、このたびの(仮称)錦帯橋ビジターセンター建設計画においても、岩国城下町という表現が繰り返し使われますが、岩国の町の歴史は1601年、慶長6年に吉川広家が出雲から岩国に移ったところから始まると言われています。興味のある方は郷土史に関する書籍を手にしてみてください。ですから、錦帯橋の歴史より古いのが岩国城下町です。武家人の生活を支えてきた商人と職人が230軒も並んで活気に満ちた地域だったそうです。現在も材木町、魚町、米屋町、塩町などの町名が残っています。こうした町の歴史が、錦帯橋周辺には今も息づいています。居住地域と商業地域とが共存する地域にあるために、(仮称)錦帯橋ビジターセンターに寄せる要望も多岐にわたるものがあるのだと考えます。この事業計画とその狙い、周辺の道路整備計画を説明してください。 それでは、最後の項目になります。どの子にも放課後支援を実現することについて質問を行います。 具体的には、医療的ケア児及びその御家族の生活を社会全体で支援していくとの視点から、岩国市の現状と課題を明確にして、その具体化について5点にわたってお聞きしたいと思います。 まず、医療的ケア児について認識を一致させたいと思います。 資料を開いてください。多少見にくいんですが御勘弁ください。 2021年6月11日に成立し、同年9月18日から施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、通称医療的ケア児支援法によって、医療的ケア児が法律上できちんと定義され、改正児童福祉法の国及び地方自治体の努力義務とされてきた医療的ケア児への支援が、国と地方自治体の責務へと発展する画期的な法律が誕生しました。ぜひ医療的ケア児の存在について、モニターを御覧いただきたいと思いますが、閉じてもらっていいです。 そこで、医療的ケア児支援法の施行に伴い岩国市の現状がどうなっているのか、令和5年度予算案での予算規模とどのような施策が盛り込まれているのか説明してください。同法が定義する医療的ケア児の把握状況と支援施設に欠くことのできない看護師の配置について明らかにしてください。同法に定める医療的ケア児支援センターが山口県内ではどうなっているのかお知らせください。そして、医療的ケア児の放課後支援の現状と課題について説明してください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、松田議員、御質問の第1点目の空母艦載機部隊移駐に伴う安心・安全対策(43項目)の現状についてお答えいたします。 まず、(1)「治安対策の強化」の項目についてでございますが、米軍岩国基地に係る安心・安全対策の43項目につきましては、平成20年10月に、治安対策の強化、騒音対策の強化、環境対策の徹底、地元の意向を尊重する制度の構築、その他を柱とする内容でありまして、要望を行っております。 現時点での43項目の達成状況は、KC-130の鹿屋基地へのローテーション展開が開始されていることから、その関係項目を達成された事項に整理した以外に、特段の変更はなく、達成された事項は22件、達成に向けて進展中の事項12件を合わせて、約80%の進捗となっており、残り20%の9件が未達成となっている状況であります。 議員御質問の治安対策の強化における未達成項目の一つである被疑者の起訴前の拘禁移転に係る日米地位協定の見直しにつきましては、機会あるごとに国に対して要望を行うとともに、渉外知事会や全国市長会を通じて、見直しに向けて国への働きかけを行っているところであります。 また、昨年12月3日に発生した米軍岩国基地所属の海兵隊員による窃盗などの事件後における治安対策の強化の項目に関する市の認識と今後の対応でありますが、本事案につきましては、被害に遭われた方や各団体の方々からも直接お話を伺っているところであります。本事案については、示談による解決が困難となり、現在、中国四国防衛局において、日米地位協定第18条第6項の手続を行っていると承知しております。また、防衛省から市に対しては、被害者が適正な補償を受けられるよう、今後とも引き続き誠意を持って対応してまいるとの説明があったところであります。 こうした中、事件発生後の昨年12月21日に、私自ら上京し防衛省に出向き、本件について要請をしております。加えて、先月3日には、在日米国大使館と外務省に出向き、本事案についての状況を説明したところであります。在日米国大使館におきましては、エマニュエル駐日米国大使と面会し、被疑者への補償について、日米両政府による早期の解決に向け、特段の対応をお願いしたところであります。 今回の事案につきましては、私自身も被害に遭われた方々に寄り添い、不利益が生じることがないよう、また、早期にしっかりとした補償等がなされるように、今後ともあらゆる機会を捉えて、関係機関に対して要請をしてまいります。 次に、(2)「騒音対策の強化」の項目についてでございますが、空母艦載機移駐完了後の騒音の状況は、国から示された移駐後の騒音予測の範囲内となっていますが、移駐直前と比べると、空母着艦資格特殊訓練いわゆるCQなどの米軍の新たな運用等により、地域や時期によって差はあるものの、騒音測定回数は増加傾向となっております。さらに近年においては、F-22、F-35Aなどの外来機の飛来や日米共同訓練などに伴い、土日の飛行自粛などのルールに基づいた訓練が実施されていますが、一時的とはいえ、騒音測定回数の増加が確認されています。 こうした状況を踏まえ、国に対しては、第一種防音区域等の対象区域の拡大や、今後予定されている第一種区域の見直しに際しては、年間W値だけではなく、空母艦載機滞在時及び外来機飛来時の騒音の状況を反映することなど、地域の実情に即した防音対策を要望しております。 また、あわせて、集中的な訓練について岩国基地周辺での飛行訓練実施の緩和や訓練場所の分散、移駐した空母艦載機や外来機を含め、岩国日米協議会における飛行方法や運用時間等に関する確認事項を遵守することなど、市街地上空飛行や航空機騒音の軽減についても要望しているところであります。 次に、(3)「環境対策の徹底」の項目についてでございますが、議員御承知のとおり、米軍岩国基地内の排水処理につきましては、43項目で万全の措置を講ずるよう国に要望をしており、平成20年11月に排水処理施設については、引き続き提供施設整備により逐次整備を行うこととしている。また、今後、米軍再編に伴う施設整備及び人員増に対しても、その状況を踏まえ、所要の整備を行ってまいりたいとの回答をいただいております。その後、平成22年度と平成28年度に、これらの整備が行われており、艦載機移駐に伴い、国により必要な整備がなされております。汚水処理につきましても、現在、基地内に4か所の処理施設が設置されており、適切に処理されております。 また、泡消化剤によるPFOS等についての懸念に関してありますが、昨年12月に国から在日米軍が保有している泡消化剤につきましては、2016年以降、訓練を目的として使用しておらず、これらを厳格に管理するとともに、順次交換を進めていたところでありますが、岩国飛行場においては、2022年12月に交換作業を完了したと説明があったところであります。 市としましては、岩国飛行場からの排水は、水質の汚染や漁業への影響がないよう環境法令に基づき、適切に処理された上で対応しているものと考えております。 最後に、(4)「その他」の項目についてでございますが、議員御指摘のドック型輸送揚陸艦グリーン・ベイは、先月15日に岩国基地に入港し、19日には出港しましたが、23日に再入港し、27日に出港後、広島湾での日米共同訓練に参加しました。この2度の入港は、いずれもその目的が補給等の一時的な寄港であると国から伺っております。加えて、これまでの艦船の寄港同様、航空機のような騒音もなく、漁業関係者の操業や民間船舶の安全な航行といった面において、配慮がなされたものと認識しております。また、市民や漁業関係者からの苦情もなく、特に問題があったものとは考えておりません。 議員御指摘の米軍岩国基地の機能強化が進んでいるのではないかについてでございますが、市においては、新たな部隊の移駐など基地機能の変更がある場合の判断基準につきましては、基地機能そのもの、すなわち軍事的な機能や能力を評価するのではなく、騒音や安全性等、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することとなるか否かといった観点から判断し、これが悪化する場合は容認できないという基地対策の基本姿勢で対応しております。 このたびの艦船の入港など、こうした一時的な運用にとどまるものには、基本姿勢に照らして判断する上での前提となる基地機能の変更には該当しないと考えております。しかしながら、近年の相次ぐ艦船の寄港により、基地周辺住民に不安や懸念を示す声もあることから、国に対し、寄港の際の事前の情報提供の徹底や、なし崩し的に軍艦等の母港及び定期的な寄港地とならないよう繰り返し求めているところであります。 いずれにいたしましても、市としましては、港湾施設の運用について、基地周辺住民に影響が及ぶことがないよう、しっかりと確認することが重要であると考えており、引き続き状況把握に努めるとともに、国や米側に対して必要な対応を求めてまいります。 最後に、この43項目の安心・安全対策につきましては、基地を取り巻く環境変化等も踏まえながら、中長期的に取り組まなければならないものもあると認識をしており、今後とも国との協議を継続し、残された課題の解決に向け鋭意取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  2点目の錦帯橋周辺地域の総合的なまちづくりについてお答えいたします。 まず、(1)(仮称)錦帯橋ビジターセンターと地域の商店との関わりについてですが、(仮称)錦帯橋ビジターセンターにつきましては、当初(仮称)錦帯橋資料館として、古文書や図面などの歴史的史料や現物展示により、錦帯橋の価値を紹介する施設を目指して基本設計を行いましたが、地域コミュニティーを損なうことなく地区の皆様に喜んでいただける施設とするには、当時の案で進めるのは一旦踏みとどまるのが妥当と判断をしたところです。その後、横山地区で岩国市博物館を整備することとなり、この事業の進捗を踏まえ、錦帯橋や岩国城下町地区の回遊拠点であるビジターセンターを新たなコンセプトとして、基本計画の策定を進めております。 計画策定においては、地区の皆様の御意見を反映させるため、横山・岩国地区の自治会長や関係団体等からのヒアリング、住民アンケート等を行うとともに、両地区住民や関係団体等が参加したワークショップを開催するなどしながら、施設の配置計画や展示の考え方を検討し、計画の取りまとめを進めています。 当センターの概要ですが、施設内におきましては、パノラマシアターやデジタルコンテンツを使用し、岩国城下町地区の歴史と文化、錦帯橋の歴史や構造の美しさ、重要文化的景観の価値、町歩きの際に立ち寄っていただきたいスポット等、現地を訪れる前に、町の魅力や楽しみ方等を知っていただけるような展示を計画しています。 また、事業用地内には、イベントや青空市の開催、町の伝統芸能の発表等が行える場として、エントランス広場を整備する計画としており、地域のにぎわいの創出につながるよう、地区にお住まいの皆様や商店等の事業をされている皆様に活用していただきたいと考えております。 次に、(2)(仮称)錦帯橋ビジターセンターに対する地域の要望についてですが、(仮称)錦帯橋ビジターセンター整備予定地は、市道岩国26号線いわゆる臥龍橋通りに面しており、この箇所において、道路中心線に食い違いが生じていることから、車両や歩行者の安全性に課題が生じております。この課題を解消することを目的として、本ビジターセンター用地と関連事業用地を市が取得した際に、必要な道路事業用地も取得しております。今後、本ビジターセンターの整備工事の実施時期を踏まえ、道路の改良工事も実施する予定としております。 岩国城下町地区においては、現在「住んでよし、訪れてよしのまち」を目指し、当センターの整備事業をはじめとして、城下町地区グランドデザインに基づき、地区にお住まいの皆様の生活環境の向上とともに、多くの方が訪れる観光地としてふさわしい場所となるよう、公共下水道の整備や河川敷の駐車場の段階的な移転等の事業に取り組んでいます。 こうしたハード事業とともに、令和3年10月において、国から選定された重要文化的景観による取組において、その価値である生活や生業が将来にわたって継続されるよう、地区内に残る歴史的建造物の利活用につながる制度や仕組みの構築をはじめとする様々な施策を展開することにより、錦帯橋を中心とした観光客の回遊を岩国城下町地区全体に広げ、にぎわいの創出につながるよう、地域の皆様とともに取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  3点目の、どの子にも放課後支援を実現することについてお答えします。 (1)医療的ケアや生活支援が必要な子供たちへの支援についてですが、医療技術の進歩に伴い、医療的ケア児が全国的に増加しており、医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となってきたことから、令和3年9月18日に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、いわゆる医療的ケア児支援法が施行されたところです。 同法においては、国や地方公共団体及び保育所等や学校の設置者が、医療的ケア児に対し、適切な支援を行う責務を有すると定められています。また、令和3年度、国においては、修学前の障害児が利用する児童発達支援や修学中の障害児が利用する放課後等デイサービスなど、障害児通所支援に係る給付費に関して、医療的ケア児に係る基本報酬の創設や医療機関や訪問看護事業所に勤務する看護職員が、障害児通所支援事業所を訪問して障害児に看護を提供した場合の加算報酬の拡充など、看護職員の人材確保に向けた制度改正を行っています。 5項目の御質問のうちの1点目、本市における医療的ケア児支援法の施行に伴う予算化についてですが、本市は、従来から障害児通所等給付費として扶助費を予算化しているところであり、令和5年度当初予算においては5億4,489万9,000円を計上しております。当該予算は、医療的ケア児を含めた障害児の通所施設による支援等に伴う給付費であり、医療的ケア児のみを区別して算出することは困難ではありますが、医療的ケア児に対する支援の給付が適切に行えるよう、今後も予算を確保する方針ですので、よろしくお願いします。 なお、本市は、今年度10月から市が設置運営する児童発達支援事業所、太陽の家において、看護職員1人を増員配置して、医療的ケア児の支援をしているところです。 2点目の、医療的ケア児の把握状況についてですが、医療的ケア児支援法第2条において、医療的ケアとは「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引、その他の医療行為をいう」と、医療的ケア児とは「日常生活及び社会生活を営むために、向上的に医療的ケアを受けることが不可欠な児童」とそれぞれ定義されています。 一方、県が今年度実施した実態調査においては、医療的ケア児の定義を、医療的ケア児の支援度合いの判定等に用いられる、障害福祉サービス等報酬改定による医療的ケアに関する判定スコア表に記載する14種類の医療的ケアのいずれかを日常的に必要とする20歳未満の者としており、この定義に基づきまして、本市が把握している医療的ケア児の人数は、本年3月1日現在で13人となっています。 次に、3点目、障害児通所支援事業所における看護職員の配置状況についてですが、市内においては、現在2か所の児童発達支援事業所において計3人、また、1か所の放課後等デイサービス事業所において1人の計4人の看護職員が配置されています。 しかしながら、看護人材が全般的に不足傾向であることや、さらには小児看護のスキルを有する看護職員の確保が困難という壁があり、市内の障害児通所支援事業所における新たな看護職員の配置が思うように進んでいない状況です。 次に、4点目、医療的ケア児支援法第14条に定める都道府県知事が指定する医療的ケア児支援センターの県内の設置状況ですが、当該センターは医療的ケア児とその家族の相談に応じ、また、情報の提供や助言、その他の支援を行うとともに、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関への情報提供及び研修などを行うものです。県内では、今年度から、周南市と下関市の2か所に当該センターが設置され、それぞれ県の東部地域と西部地域を所管しています。 なお、本市では、平成19年3月に、医療、保健、福祉、教育、労働などの関係機関で構成する岩国市障害者自立支援協議会を設置し、連携を図りながら障害者に対する支援を行っており、令和4年7月に、周南市にある東部医療的ケア児支援センターと岩国市障害者自立支援協議会の中の療育サポート部会との間で情報交換を行うとともに、今後の連携体制、支援方法などについて協議したところです。 最後に、5点目、医療的ケア児の放課後支援の現状と課題についてですが、放課後等デイサービスを医療的ケア児が利用するに当たっては、看護職員を事業所に配置する必要があります。現在、放課後等デイサービスを実施している11事業所のうち、看護職員を配置して医療的ケア児の受入れを行っている事業者は1か所です。このため、医療的ケア児が利用できる事業所が限られている状況です。また、新規の医療的ケア児の受入れは事業所の医療的ケア児を含む障害児全体の利用定員などから、利用者が希望する日にち、曜日や時間などに応えられない状況が生じることもあります。 いずれにいたしましても、医療的ケア児とその家族の支援のため、今後も引き続き障害者通所支援事業所に対し、医療的ケア児の受入れを働きかけるなど、医療的ケア児とその家族が希望するサービスの利用が可能となるよう、関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◆2番(松田一志君)  時間配分との関係で順番を変えさせてもらいます。 まず、3項目めの質問ですが、これは私の意見として表明をしておきます。 2021年9月から医療的ケア児の成長とその御家族の負担を軽減することは、自治体や保育所や学校などの責務であることが明確にされました。そうした取組は始まったばかりで、課題も多くありますが、全ての命はみんな輝く権利を持っていることを地域社会で実現する取組です。自治体としてやりがいのある仕事です。これからも医療的ケア児とその御家族を支援する体制をより太く強いものにしていくことを期待して、自席からの私の発言とさせてもらいます。 それでは、質問の2項目めです。 時間もないので、少し省略をさせていただきます。 まず、この事業計画と観光駐車場の整備について説明をお願いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  ビジターセンターと駐車場の関係ということであるかと思いますが、ビジターセンターにつきましては、地区への入り口としまして、多くの方をお迎えしたいと考えておりまして、にぎわいを創出する大事な動線にある施設として整備をしてまいりたいと考えております。 これに対しまして、センターの敷地というのが必ずしも広大なわけではございませんので、あるいは交差点の角地にありますことから、敷地内に大量の車を導くというようなことをすると、周辺の道路の車両通行の円滑性に支障を及ぼすことが懸念されること、あるいは敷地内や周辺におきまして、施設を訪れる方々ですとか、周辺を歩く方々と、出入りする車両との通行等が錯綜して安全性に問題が生じるということが懸念されているところでございます。 そこで、ビジターセンターと駐車場の施設の配置関係を少し申しますと、あえて駐車場を敷地内に整備するのではございませんで、ほんの少し距離を置いて今整備を進めております椎尾神社下、こちらに一つと、それから、今回調査費を計上して事業を進めております、岩国二丁目で整備を進めております観光駐車場を使っていただきたいというふうに考えております。 さらに言いますと、駐車場とセンター、それから大名小路から錦帯橋へという動線、歩く人の流れをつくることで、岩国・横山地区全体を回遊して楽しむ地区として御認識をいただいて、施設の配置によって面的な広がりを持たせて、地区の活性化を促したいという考えを持って事業を展開しているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  改めて、この事業整備に伴った駐車場を附属設備として設けなければならないという条例等には引っかからないんですか。 そして今、桧山事務器の跡地の裏が空き地となっておりますが、これが観光駐車場用地として存在するんじゃないかという疑問を地域住民が持っているんですが、その2点、短くお願いします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  この地区が用途地域でいいますと、商業地域でございますので、月ぎめ駐車場というものが条例で一応必要になっていまいります。台数としては、恐らくこれからまた、検証をしっかり、まだ建物の大きさを決めているわけではございませんが、1台程度になろうかと思っております。これと山口県福祉のまちづくり条例の関係で、障害者に対しての車両についてどう考えるかということをしっかり今後整理をしてまいりたいと思っているところでございます。 それと、岩国一丁目のほうの駐車場につきましては、基本的には観光駐車場として、普通車両の専用の駐車場としてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  観光ビジターセンターの設置に当たって敷地用地に駐車場が確保されなければならないという台数があることは分かりました。 最後ですが、この事業の予算を見ると物件委託料というのがあるんですが、物件委託料について簡単に説明を求めます。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  令和5年度の予算案として計上しております(仮称)錦帯橋ビジターセンター整備事業の委託料の内訳としましては、まず、建物などの施設と施設内に整備する展示施設、これの基本設計。それから、今年度実施をいたしました埋蔵文化財の試掘調査によりまして、中世と近世の遺構を確認しましたことから、これらの記録保存、これを目的としました埋蔵文化財調査の関連予算を計上しているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  物件委託料についてはどうですか。それが物件委託料ですか。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  物件委託料が今の説明でございます。 ◆2番(松田一志君)  最初の項目の基地問題について質問をいたします。 公務外の米兵犯罪について、日米地位協定の第18条第6項によって救済されるというふうに説明があるんですが、先般、中国四国防衛局は、当事者間が解決するのが原則で、いわゆる国内法の民事訴訟も可能だというふうに冷たく説明をされたんですが、その点について何か御意見があればお聞かせください。 ◎審議監(村田光洋君)  これは日本人同士でも一緒ですけれど、交通事故の場合は、まずは、原則として保険解決のように直接加害者との間で示談により解決があるという、こういったことを言ったのかと思います。だから、地位協定第18条第6項でございますけれど、そうした示談による解決ができない場合、これは地位協定により――これは米軍との場合ですけれど、地位協定の第18条第6項により、被害者に代わって米国政府が解決金を払う、こういった手続になっております。これを説明したものと思います。 それから補足ですけれど、被害者がいわゆる賠償金を請求して、米国政府が払うことになりますけれど、そこで額が一致すればいいですけれど、例えば100の賠償金を要望して80しか米側が払わない場合、こうしたときには、被害者のほうが地方の裁判所に訴訟を提起する、そういった手続になります。これは、平成8年のいわゆるSACOの合意で、地位協定の運用改善がなされて、裁判所にそういう提起をして、裁判所が額を認定したら、例えば裁判所が100という額を認定し、米側が80しか支払わなかった場合、残りの20を日本政府が支払うという、こういう仕組みになっております。 ◆2番(松田一志君)  地位協定の第18条第6項についての説明は、私も十分承知しておりますので、その件でなく、現段階で民法による損害賠償請求が可能なんだと、こういう説明だったんですよ。その点について触れていないんですが、何か御意見があれば、地位協定の話じゃないですよ。 ◎審議監(村田光洋君)  中国四国防衛局でどのようなやり取りが行われたか、詳細を承知しておりませんので、答える立場でないというか、答弁不能でございます。 ◆2番(松田一志君)  ですから、日米両政府によって被害者の賠償が行われるという建前が事実上崩れているんですよ。多くの例がこの日米地位協定の第18条第6項の中で、日本政府とアメリカ政府の賠償交渉がブラックボックス状態で、被害者にその中身が知らされないというところでそういう論議になったんですよ。そういう手続が納得いかないんなら、じゃあ損害賠償をやったらと、こういうふうな冷たい対応だったんで、答弁は要りません。 それでは、次ですが、騒音の問題なんですが、市街地上空飛行や航空騒音の軽減について何度も要望されているというのは承知をしておりますが、これによって成果があったのかどうか、そして見通しはどうなのか、この被害を米軍がどういうふうに受け止めているのか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  騒音対策の軽減ということで、何度も要望して、その成果はどうなのかということでございます。 訓練で市街地上空を飛んで、市民の方から苦情などを頂くこともあります。 ただ、米側としては、この市の要望事項については十分に認識していただいて、できる限り軽減措置を取っていただいているというふうな認識でございます。よろしくお願いします。 ◆2番(松田一志君)  では、要望しても改善がないというふうな理解でよろしいですね。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  要望した結果がないということではございませんで、十分に配慮はしていただいております。 ただ、訓練上、やむなく市街地上空を飛ぶこともあるということでございます。 ◆2番(松田一志君)  市街地上空での飛行が運用上の問題、つまり米側の訓練によるものだというふうに理解をしました。それでよろしいですね。 ◎審議監(村田光洋君)  岩国日米協議会の確認事項を見られたら分かりますけれど、市街地上空の飛行高度は4,000フィートという距離がありますので、市街地上空は絶対駄目だということではありません。民間航空機も市街地の上空の高いところを飛んでおりますので、日本の航空法もそうですけれど、何フィートかということが問題で、市街地上空の騒音で住民がびっくりしたり、あるいは不安に思うような、こういう飛行は駄目だということを申し上げておりますので、確かに、米軍は日本海から訓練区域がありますので、そこから岩国基地に帰る場合は、当然陸地の上を通るわけですから、市街地上空を通る可能性もあります。その際は、4,000フィートは確保して飛んでください、こういったことを申し上げております。 ◆2番(松田一志君)  民間航空機の上空と戦闘機の上空というのは、明らかに違います。騒音という点でも、さらに明確に違うわけで、今の答弁はとても納得できません。 時間との関係で次に移りますが、先般入港してきたドック型輸送揚陸艦のグリーン・ベイの件ですが、入港に当たっては、1回目、2回目とも事前通知が防衛省からあったのかどうか、確認をお願いします。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  事前ということであれば、ありませんでした。事後ということになります。 ◆2番(松田一志君)  この件に関しても防衛省には何度も要請しているところだと思うんですが、繰り返し事前の連絡がなかったという理解でいいですね。 それで、この2回目の入港に当たっては、海上自衛隊と米海軍との共同訓練ということなんですが、訓練で使用された海域についてどういう海域だったのか、御説明ください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  訓練ですが、まず、米艦船のグリーン・ベイですが、これは岩国基地の提供区域で停泊しておりました。 また、海上自衛隊の「おおすみ」ですが、これは柱島周辺の海域に停泊して訓練が行われております。 ◆2番(松田一志君)  つまりは、一般的な海上で共同訓練が行われたという理解でよろしいでしょうか。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  航海上でございます。 ◆2番(松田一志君)  航海上の訓練であるにもかかわらず、防衛省から事前連絡がないということですが、こうしたことはまさに市民の安心・安全を脅かす大きな要因になると考えるんですが、こういった訓練が今後も行われるということは、米軍もしくは海上自衛隊しか分からない問題かもしれませんが、こういった事態が起こらないためにも、今回必要な処置があると思われるんですが、市のお考えをお聞かせください。 ◎審議監(村田光洋君)  一つ誤解があるようですけれど、日米共同訓練、いわゆる「おおすみ」と、さきのグリーン・ベイ、これの訓練については、事前に公表されて、日米共同訓練を2月27日から3月12日の間までやるという、こういう連絡があって、これは議員の皆さんにも報道通知していると思います。 ただ、岩国基地にグリーン・ベイが入港する、これの事前通知がなかったという、こういうことでございます。 ◆2番(松田一志君)  いや、そのことを聞いているんで、別段問題ないと思うんですが、つまりはグリーン・ベイが2回入港するに当たって事前連絡がなかったという確認をしたんです。一般海域でこうした共同訓練が行われたことについて、これはゆゆしき事態だということで見解を求めたんですが、そのことについてお願いします。 ◎審議監(村田光洋君)  訓練そのものにつきましては、いわゆる日本の防衛政策の一環としての訓練で、その是非について答える立場ではございません。 ただ、壇上で答弁を市長のほうがしましたように、その訓練の間、我々も市民からの通報、あるいは岩国市漁協とかに連絡をして、何か支障があるかということを照会もさせていただきましたが、特段問題はないという、そういう回答でしたので、先ほどの壇上の答弁のように、特に今回の訓練に関して住民生活に重大な支障があるような事例はなかった、特段大きな問題はなかった、このように評価しております。 ◆2番(松田一志君)  それでは、港湾施設が利用されたことについてお伺いします。 このたびの共同訓練で、グリーン・ベイが岩国基地の港湾施設に寄港した、その目的が単なる補給目的ではなく、このたびの共同訓練のための寄港であるということですから、これは従来と運用が変わってきた、使い方が変わってきた、こういうふうに考えるんですが、いかがですか。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  グリーン・ベイの寄港につきましては、補給等ということで、先ほど壇上でも申し上げました。 この寄港については、従来から港湾施設の運用目的である補給等の荷揚げなどを目的とした一時的な寄港として、寄港は市としても問題にはしておりません。軍艦等、寄港を一切認めないという考えではございません。訓練との関連性については、そのあたりについては訓練の運用上、支障があるということで、情報提供がございませんので、分かりません。 ◆2番(松田一志君)  前回の定例会で質問したように、岩国基地の燃料施設の5倍化計画とともに、いわゆる埠頭の強化、あるいは係留する施設が新たに造られるということが今日明らかになっております。 こういった、いわゆる燃料施設を強化し、船舶を係留する施設を造ることと、今後こういった共同訓練が岩国基地沖で展開される危険性がある、こういう私は強い思いを持っているし、とりわけ広島湾というふうに考えると、大変な事態だというふうに考えるんですが、この燃料施設の5倍化計画について、その後、政府から何らかの情報提供があったか、お聞かせください。 ◎基地政策担当部長(穴水辰雄君)  議員御指摘の5倍化計画については、事実関係を国に照会しておりますが、現在、引き続き確認中という回答を頂いているところでございます。 ◆2番(松田一志君)  時間がなくなりましたので、十分な質問ができませんが、いずれにしましても、基地が沖合移設に拡張されて、そしてその後、艦載機部隊の受入れをめぐって市民で大きな論議があり、そして様々な、F-35Bの配備替えだとか、いろいろある中で、まさに米軍岩国基地が大きく変貌しようとしている、こういった事態を私は大変危惧をしているわけです。 こういう米軍岩国基地のさま変わりについて、やはりどこかで歯止めをかけて、市民の安心・安全、こういったものをきちんと確保していく、このことが今どうしても求められているというふうに考えるんですが、こういった基地のありようが大きく変わってきていることについて危惧を抱くべきだということを指摘して、御意見をお伺いし、私の質問とします。 ◎審議監(村田光洋君)  松田議員も御承知と思いますけれど、昨年12月16日に国家安全保障戦略とか、いわゆる防衛関連の3文書、これが閣議決定されました。国の防衛戦略も大きく変わってきたというふうに私は承知しております。 したがって、それに伴って、これは岩国だけでなくて全国の自衛隊施設、あるいは在日米軍基地、統合運用とか、いろんな形で変わってくる可能性もあるとは思います。 ただ、我々は、福田市政になって基地政策の基本方針というのを出しておりますけれど、それを今後も堅持して、平和な住民生活を確保するために言うべきことは言う、こういった姿勢でこれからも臨んでいきたいというふうに考えております。 ◎市長(福田良彦君)  改めて、平成29年6月定例会で、空母艦載機の移駐についてのいろいろなやり取りがあるんですが、当時の市議会におきましては、当時の議員の中からは、7人が明確に反対、そして25人の議員からは、未達成ながら安心・安全対策、地域振興策などを確実に実施する、引き続き国と協議することなどを、条件付きで容認という表明がございました。 それを受けまして、私もそういった議会の様々な声を聞きながら審念熟慮の末、空母艦載機の移駐を表明いたしましたので、その当時の気持ちは変わっておりません。43項目、まだまだ未達成の部分がありますが、しっかりと確実にそれが実施されるように粘り強く、引き続き頑張ってまいりたいということを表明させていただきます。 ◆2番(松田一志君)  以上で、自席での再質問を終わります。 ○副議長(植野正則君)  以上で、2番 松田一志君の一般質問を終了いたします。 23番 武田伊佐雄君。 ◆23番(武田伊佐雄君)  23番 憲政会の武田伊佐雄です。質問に入る前に、この3月をもって辞職されます職員の皆様に対し、憲政会を代表して心から敬意と感謝を申し上げます。長年にわたり市勢発展のために御尽力いただき、ありがとうございました。退職後におかれましては、まずは健康に留意され、これまでに培われました経験を基に、引き続き地域の発展にお力添えをいただきますようお願いいたします。 それでは、通告に従い、一般質間を行います。 1、中心市街地活性化について、(1)「にぎわい創出施設」について伺います。 岩国駅前南地区の再開発ビル内に整備されるにぎわい創出施設については、昨年6月の定例会において、福田市長から、「みんながつながる タマリバ空間」を基本理念として定め、子供から大人まで、世代間の垣根を越えて人と人とがつながり、集まることで、にぎわいが生み出される環境整備に向けて取り組んでいくとの答弁がありました。 町の活力の源は若者にあると考え、先日、中高生の秘密基地というコンセプトでつくられた東京都文京区青少年プラザ「b-lab」という施設を視察いたしましたが、再開発ビル内に整備されるにぎわい創出施設の基本構想と重なるものがありました。 現在、運営管理を見据えた施設整備に関わる基本設計と運営計画からなる実施計画を策定中だと理解していますが、その後の進捗についてお尋ねいたします。 2、中山間地域振興について、(1)みどりの食料システム戦略について伺います。 中山間地域振興については、昨年の3月定例会でもSDGsから生まれる新たな産業の創出についてお尋ねいたしました。その後も何かヒントはないかと情報をつかむアンテナを張っていましたが、1月に広島市で開催された西日本有機農法・自然農法研究大会に出席し、鹿児島県南さつま市のオーガニックビレッジの取組について伺うことができました。 鹿児島県内では初めてとなる県立高校と南さつま市との有機農業の振興及び栽培技術に関する連携協定を締結されたという革新的な取組で、生産された農作物の加工や給食センターへの納入、新規就農者への支援など大変興味深いものでした。 みどりの食料システム戦略については、国からの交付金も準備されています。本市の取組状況についてお聞かせください。 また、昨年提言した炭素クレジットに関する調査状況についても、併せてお示しください。 3、子育て支援について、(1)保育事業について伺います。 岩国市議会に対して福田市長から令和2年10月16日に御回答いただきました「常任委員会における特定事件の調査報告に係る提言に対する回答について」、この中のうち、保育施設におけるその後の検討についてお尋ねします。 令和2年のことに遡りますが、これは各常任委員会が特定事件について市内調査した結果を基に、岩国市議会から福田市長に提出した提言書に対する回答書のことです。 回答の中では、保育施設の老朽化や耐震性の脆弱さを認めた上で、「今後は、ひがし保育園、えきまえ保育園について、どちらか一方を民営化、他方を市立保育園として存続する方針を定めることとしており、将来にわたり、安心安全な保育環境を整備してまいります」とありました。もうすぐ2年半が過ぎようとしていますが、2つの施設の存続についてどのような協議がなされていたのか、お尋ねいたします。 次に、送迎バスの安全装置設置状況について伺います。 近年、送迎バスに子供を置き去りにしたことにより命を落とすという大変痛ましい事案が繰り返し発生したことから、こどものバス送迎・安全徹底プランが取りまとめられました。その後、幼児等の所在の確認を確実に行うための送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインが策定され、本年4月からは送迎用バスに安全装置の設置が義務づけられます。本市の準備状況についてお示しください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、武田議員御質問の第1点目の中心市街地活性化についての(1)「にぎわい創出施設」についてのア、中高生の居場所づくりについてお答えいたします。 現在、岩国駅西口において、町の集客力を高める岩国駅前南地区第一種市街地再開発事業の計画が岩国駅前南地区市街地再開発準備組合により進められております。 本市においても、この計画により進められている再開発ビル内に図書館機能を核としたにぎわい創出施設を一体的に整備することで、にぎわいのある都市拠点の形成をより効果的に図っていくこととしております。 この施設の整備に向けた取組としましては、まず、令和3年2月に市民アンケート調査を実施し、この結果を踏まえ、導入機能の方針について検討を行ったところであります。 また、令和3年12月には、民間事業者との対話を通じ、自由な提案やアイデアなどを幅広く求め、施設の検討に生かすためにサウンディング型市場調査も実施をいたしました。 これらの導入機能の方針やサウンディング型市場調査の結果を踏まえ、昨年3月ににぎわい創出施設整備基本構想を策定いたしました。 この基本構想では、若い世代をはじめとした誰もが、いつでも気軽に寄り集まり、様々な活動を通じてつながることができる町なかのたまり場のような施設にするため、基本理念を「みんながつながる タマリバ空間」としております。 また、この基本理念に基づき、施設の構成を「まちなかライブラリー機能」「まちなかグローアップ機能」「まちなかラーニング機能」「まちなかスポーツ機能」の4つの機能とサードプレイスとし、この5つのエリアが重なり合いながら相互に連携することで、相乗効果を生み出していく配置としております。 こうした中、今年度、基本構想に基づき、運営管理を見据えながら基本設計と運営計画からなる実施計画の策定を進めております。 この策定に当たり、市民の幅広いニーズ、とりわけ若い世代のニーズもこの計画に反映させるため、10代から20代までの若者に多く参加をしていただき、市民ワークショップを3回開催いたしました。 このワークショップでは、にぎわい創出施設でやってみたいことや施設の内容の具体化と人が訪れたくなる工夫、施設が商店街や町全体と一緒にできることについて、若者ならではの視点から様々な意見やアイデアを頂きました。 一方、中心市街地に近い麻里布小学校では、5年生の総合的な学習の時間の中で、地元の商店街やまちづくりについての学習を進められていることから、昨年10月には担当職員が授業に出席し、にぎわい創出施設の計画等の説明を行いました。今月中旬には、こうした学習の成果についての発表会が行われると伺っております。 議員御質問の若者の居場所づくりについてでありますが、このように市民ワークショップ等において、若者からも意見やアイデアを頂いており、こうした意見などを策定中の実施計画に反映していくことで、この施設が多くの若者にとって魅力あるたまり場となり、居場所づくりにつながっていくものと考えております。 今後の整備スケジュールについてでありますが、再開発事業との調整を行いながら、実施設計、施設運営の検討や準備、そして工事等を進め、令和9年度の再開発ビルの完成に合わせて施設の整備を進めてまいります。 市としましては、中心市街地の活性化に向けて、重要なエリアである岩国駅周辺の魅力をより高めていけるよう、民間による再開発事業と連携をしながら、にぎわい創出施設の整備に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目の中山間地域振興についての(1)みどりの食料システム戦略についてお答えいたします。 まず、ア、オーガニックビレッジへの取組についてですが、農林水産省は、農業者の減少、高齢化による生産基盤の脆弱化の問題解決、また、世界的にSDGsや環境への対応が重視されるようになったことを踏まえ、農業の生産力向上と持続性の両立を実現するため、みどりの食料システム戦略を令和3年度に策定いたしました。 この戦略の中で、2050年までに化学肥料の使用を30%減らし、有機農業の取組面積を耕地面積の25%に当たる100万ヘクタールまで広げる目標を掲げております。このみどりの食料システム戦略の達成に向け、国はモデルとなる産地、オーガニックビレッジの創出、支援を進めているところでございます。 オーガニックビレッジとは、これまでの有機農業者個々の取組の推進に加え、より強固な生産、加工、流通、消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことをいいます。令和4年10月現在、オーガニックビレッジに取り組む予定の市町村は31道府県、55市町村あり、そのうち中国・四国地方では、4県、7市町となっております。 本市における有機農業に取り組む主な事例としては、国の環境保全型農業直接支払交付金の対象となっている3つの団体があります。 環境保全型農業直接支払交付金とは、農業者が組織する団体等が実施する化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と併せて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動に対して交付金を支援するものでございます。 この3つの団体は、周東町2団体、旧市1団体があり、水稲、野菜、栗、WCS飼料米などの作物を生産されております。 このうち、令和3年度の有機農業の取組面積は、約7.6ヘクタールとなっており、これは本市の経営耕作面積の1,216ヘクタールに対し、約0.6%という状況になっております。 今後、有機農業の推進における課題としては、これまでの農薬や化学肥料を使う従来型の慣行栽培から有機栽培に転換することで労力の増加や収穫量の減少が伴うことから、生産の基盤となる有機栽培農地の団地化をはじめ、農業者の取組面積の拡大や新たな農業者の確保を図ることが求められております。 さらには、有機農産物が消費者から高く評価され、選ばれる食材となるよう、おいしい、体によいだけではなく、環境負荷の低減といった消費者に対しての機運を高めることも必要となってまいります。 このようなことから、みどりの食料システム戦略の目標達成に向けたオーガニックビレッジへの取組は、一朝一夕で成し遂げることは大変難しい状況ですが、まずは現場の声を聞き、農協、県または各種団体など関係機関と協議を重ねながら、本市における取組の在り方について、今後、調査・研究をするとともに、消費者に対してもイベントなどの機会を通じて有機農産物に対する啓発・周知に努めてまいります。 次に、イ、炭素クレジットに関する調査状況ですが、日常生活や経済活動において避けることができない二酸化炭素などの温室効果ガスの削減活動への投資をすること等により、排出される温室効果ガスの埋め合わせを行うカーボン・オフセットという削減手法があります。 カーボン・オフセットをより信頼性のあるものとするため、国のJ-クレジット制度においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用による排出削減量及び適切な森林管理による二酸化炭素等の吸収量を炭素クレジットとして認証を行っております。 そして、炭素クレジットの市場売買を行うことで、事業の創出及び活性化や温室効果ガス排出削減を推進していくことが可能となります。 議員御質問の炭素クレジットに関する調査状況でございますが、現在は、ホームページや新聞記事等により情報収集を行っている段階であります。 なお、関連として、山口県においては昨年12月に2050年カーボンニュートラル宣言を行い、山口県地球温暖化対策実行計画の素案においても県内全域での脱炭素を目指す方針を明確にされております。 具体的には、令和4年5月に知事を長とする山口県環境政策推進本部を設置し、山口県地球温暖化対策実行計画の改定や、やまぐち産業脱炭素化戦略の策定が行われたことを確認しております。 また、産業脱炭素化推進部会を設け、県内の排出量の中心となるコンビナートの低炭素化構想については、2030年度までの削減目標を設定した構想案を示し、関係企業からも賛同を得たと伺っております。 山口県の特性として、温室効果ガスの県内総排出量のうち、全国の2倍近い68%を産業関係が占めておりますが、当市でも同様の傾向があるものと考えております。 このような状況もあり、脱炭素の目標を達成するためには、炭素クレジットは有効な手法と考えておりますので、炭素クレジットに関する理解をより深めるため、今後も引き続き情報収集に努めてまいります。 また、現在のところ、本市においては、炭素クレジットに関する取組は進んでおりませんが、議員御案内の中山間地域における森林等の地域資源を活用することにより、工業地域から排出される温室効果ガスの埋め合わせを行うとされるカーボン・オフセットの取組は、農林分野における産業振興のみならず、地域活性化にも寄与するものと考えております。 そして、2050年までに国全体として温室効果ガス排出を実質ゼロにする、いわゆる2050年カーボンニュートラルの実現のためには、排出削減の努力だけでなく、積極的に二酸化炭素等を吸収する取組が不可欠であり、中山間地域は、この吸収のための資源を有していると考えております。 今後は、他自治体の状況等も含め、効果的な取組について、調査・研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  第3点目の子育て支援についてお答えします。 まず、(1)保育事業についてのア、えきまえ保育園とひがし保育園の在り方についてですが、本市においては、平成25年3月に岩国市保育園整備に関する基本方針及び整備計画並びに岩国市保育園整備計画を策定して以来、平成31年3月に、平成31年度から令和10年度までの10年間を計画期間とする第2次基本方針及び整備計画を、平成31年度から令和5年度までの5年間を計画期間とする第2次実施計画をそれぞれ策定し、市立保育園としての役割や整備方針・方向性を整理するとともに、市立保育園の民営化や統廃合などの検討を行っているところです。 また、平成25年11月には、岩国市保育園民営化実施基準を策定し、子供や保護者の方等に対し、安心で満足していただける保育を継続して提供できるよう、民営化に際しての基準を設けているところです。 そうした中、令和2年9月14日に教育民生常任委員会から、保育施設についての老朽化や諸課題の対応につきまして、「課題解決が容易でないことは推察されるが、安全な保育環境を担保する上でも、期限を決めて解決策を打ち立てるためのムーンショットを早急に打つこと」と御提言を受けたところです。 この御提言に対し、園舎の老朽化による修繕、工事等について、計画的に実施し、安心・安全な保育環境の提供に努めるとともに、ひがし保育園、えきまえ保育園について、どちらか一方を民営化、他方を市立保育園として存続する方針で、安心・安全な保育環境を整備する旨回答しております。 市立保育園の民営化、耐震化、統廃合及び認定こども園への移行については、第1次計画期間中の平成25年度から平成29年度にかけまして、本市で初めての民営化として、市立たかもり保育園の民営化を実現しております。 続く第2次計画期間中では、令和2年度に、幼稚園のない由宇、美和地域にあるちどりとさかうえの市立保育園2園を、保育の必要性の有無にかかわらず就学前の教育と保育を1つの園で総合的に提供できるよう、認定こども園へ移行したところです。 さらに、令和2年度から令和4年度にかけて、統廃合の検討対象園であるよねがわ保育園と耐震化の検討対象園であるわかば保育園について、よねがわ保育園をわかば保育園に統合する形で、わかば保育園の新築工事を実施し、令和4年8月10日に竣工式を挙行し、現在、新たな園舎で保育を提供しているところです。 議員御質問のひがし保育園とえきまえ保育園の在り方についての検討状況ですが、両園それぞれにおける将来的な保育ニーズの見込みを踏まえ、民営化等の検討をすることになります。 また、民営化する場合であっても、市立保育園として存続させ耐震化対策をする場合であっても、保育運営する場所の選定が最も重要であり、園から発生する音や周辺の交通状況など、慎重で幅広な課題の洗い出し作業を行うことが後々の事業展開をよりスムーズに進めることに寄与すると考えます。 所管を超えて市が所有する土地等について、利活用の可能性を含め、従来から継続して情報収集に努めているところですが、現保育園が所在する東地区と麻里布地区双方は、保育園としての最低基準を満たすことはもちろんですが、余裕を持った広さを確保することが困難な地域と言えます。 しかしながら、できる限り知恵を絞り、検討の余地がある市有地がある場合は、関係部署と個別にヒアリングを行い、保育園用地としての適否について検討を行っております。 いずれにいたしましても、令和5年度は、令和6年度からを計画期間とする第3次整備実施計画を策定することとしています。 当該第3次整備実施計画においては、こうした課題の上に立ち、ひがし保育園及びえきまえ保育園について、民営化または耐震化の方針を定め、将来にわたり、安心・安全な保育環境の整備に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 次に、イ、送迎バスの安全装置設置状況についてですが、近年、送迎用バスに園児が置き去りにされ、不幸にも死亡するという大変痛ましい事故が発生したことを受け、昨年10月、国により、こどものバス送迎・安全徹底プランが取りまとめられ、バス降車時の幼児等の所在確認とバスへの安全装置の装備が義務づけられる方針が定められました。 これを受けて保育所や認定こども園、幼稚園等に係る施設の設備及び運営に関する基準を定める府省令等が改正され、本年4月1日から送迎用バスにブザー、その他の車内の乗員の見落としを防止する装置を備えることが義務化されるものです。 この装備により、降車の際の乗員による幼児等の所在確認におけるヒューマンエラーを補完することが期待されるものです。 義務化に当たっては、経過措置が設けられ、令和6年3月31日までの間は、車内の園児の所在の見落としを防止するための代替的な措置を講ずることとして差し支えないこととされているところですが、本年6月末までの設置が推奨されております。 本市の安全装置設置状況ですが、保育所1園、幼保連携型認定こども園1園、幼稚園型認定こども園14園、幼稚園5園の計21園で、合計42台の送迎バスが安全装置の装備の対象となっており、いずれの園におきましても、推奨期間である本年6月末までの設置を目標とし、機材の選定、発注等を進めている状況です。 市としましては、各施設において、こどものバス送迎・安全徹底プラン等を遵守した対応が取られるよう、周知、確認、助言に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  それでは、順不同で再質問を行います。 まず、先ほど御答弁いただきました子育て支援について伺います。 えきまえ保育園とひがし保育園については、当時でも様々な課題は把握されていたと記憶しています。当初の計画より少しでも早く方針を定め、整備に取りかかっていただくための提言でしたので、例えばよねがわ保育園とわかば保育園の統廃合を検討する会議などで、予備的に検討する状況はあったのか、具体的な検討をなされた会議の回数についてお尋ねしたいと思います。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  ひがし保育園、えきまえ保育園が所在している東地区、麻里布地区において、保育園運営の候補地として可能性があると思われる市有地の情報収集を行いまして当該候補地の所管課と関係部署、それと保育園用地としての活用ができるかどうか、そして都市計画法などの関係法令の定めについて確認を行いながら検討を進めているところです。 候補地については、現在、利用の状況などが個々に異なることになるために、土地を所管する部署と個々に協議をしているところでございます。 議員お尋ねのよねがわ保育園、そしてわかば保育園の協議の会議の中で一緒に、このひがし保育園、えきまえ保育園について協議したのかどうかというお問合せでございますが、よねがわ保育園、わかば保育園等の協議のほうは、御提言を頂きました令和2年の前にも、平成30年度から令和元年度の中で会議を完了しまして、令和2年度から令和4年度で建て替え工事、設計工事等をしておりますので、その中での協議のほうは間に合いませんでした。 ですが、第3次計画に向けて、今度は第2次計画の中でできなかったこと、それはひがし保育園とえきまえ保育園、その辺の方向性の確定ですから、そこらあたりは第3次計画のほうで集中的に取り組む予定としておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  私が確認したいのは、これまで2年半の期間の中で、議会として提言した、それに対してのアクションとして何度会議を重ねられたのかということを具体的に伺っておるわけです。もう一度お願いします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  会議のほうは、先ほど申し上げましたとおり、できていない状況です。というのは、情報収集等に努めたとともに、個々の状況で異なりますので、関係機関とそれぞれ個別にヒアリング等、そしてそれぞれが持つ土地等には法律等の規制がございますので、そこの辺のところがクリアできるかどうか、その辺のところを聞いていた状況です。 わかば保育園等の建て替え等もあり、ちょっと時間等を要してしまいましたが、第3次計画に向けて、令和5年度は、令和6年度に向けての計画について策定することとしておりますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  今の答弁では、個人的には、結局我々が提言したことに対して具体的には進んでいないというふうに理解させていただきます。令和5年度ではしっかりと、そういった課題が解決できるように検討していただきたいと思います。 それでは、送迎バスの安全装置について伺うんですけれど、先ほどの答弁で保育園、幼稚園、認定こども園と市内の動向というのはしっかり把握されているようで、まずは安心しました。そのほかの通所施設等についてはいかがでしょうか。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  その他義務づけされているところとしましては、障害児の通所施設がございます。通所施設ということで、就学前の障害児が通う児童発達支援事業所7事業所及び就学中の児童・生徒が通う放課後等デイサービス事業所11事業所が保有する送迎用の車両というのは全体で38台、これが義務づけの対象になります。38台のうち送迎バスはないんですが、大型ワゴン車が18台、そして普通自動車が9台、軽自動車が11台、そういった内訳になっております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  しっかり市内の状況を把握されているみたいなので、本当今後も関連の事業所等も含めて情報収集しながら、協議を進めながら、本市においては悲しい事案が発生しないように子育て支援のほう、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に中山間地域振興について伺います。 現場の声を聞き、関係機関との協議を重ねながら調査・研究、また、啓発を行っていくとの答弁でしたが、現場の声を聞くのはとても大事なことだと思います。 一方、石川県羽咋市では、JAはくいとの連携の下、羽咋式自然栽培のブランドとして確立し、羽咋市から全国に広げ、自然栽培イコール羽咋市を目指しているそうです。 本市でも行政主導で、もう少し踏み込んだ農業政策を行う考えはないか、お尋ねします。例えば、近年拡大している耕作放棄地を集約して有機JAS認証を取る農作物の生産を進めるというような政策などはいかがでしょうか。 ◎農林水産担当部長(藏田敦君)  先ほど壇上で副市長のほうが御答弁申し上げたとおり、生産者の声や現状、関係機関との協議、調査・研究が必要と考えています。 その中において、行政主導で何ができるのかと考えてみますと、先ほど議員が述べられました学校給食における有機農産物の活用が考えられます。 学校給食での活用となりますと、有機農産物の基準、作目、種類、献立づくり、価格等の課題があります。特に、量の確保、供給体制の確保が一番大きな課題となります。そういった課題を一つずつクリアしていく必要がありますが、取組としては可能性があると考えております。 本市といたしましては、岩国市農林業振興基本計画の中で学校給食への地場産食材の供給拡大についての取組を推進しており、その中で岩国市産の有機農産物を学校給食の食材の一つとして活用することができれば、子供たちの健康のためだけでなく、生産者側にとっての安定した販売先の確保につながっていきます。保護者や消費者に対しても広く有機農産物を知ってもらう機会になり、また、食と環境と農業を一体的に扱う教育にもつながり、食という観点を広げるきっかけづくりにもなります。 その中で、農業に関心を持ち、将来は農業に取り組んでみようといった子供たちが一人でもいれば、それは未来のすばらしい担い手につながりますし、生産者側が農地の経営面積を拡大したいとなれば、それは耕作放棄地解消の一つにもなります。市といたしましては、学校給食の食材の一つとして岩国市産の有機農産物を活用するに当たり、どのような形の支援、対策が求められ、どういった体制づくりが必要で、それが実施できるか、生産者や関係機関等を交え、今後、調査・研究をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  有機栽培の農作物の市場開拓には大手スーパーなどに定期的に売場を確保していただくことで、認知度向上や固定客の拡大といった取組もシンポジウムで伺いました。 羽咋市の例を挙げたのは、少しでも高く農作物が売れるようにブランディングを行い、事業として農業が成り立つ形を生み出さないといけないと考えているからなんですけれど、そのような気概はないのか、改めてお尋ねします。 ◎農林水産担当部長(藏田敦君)  有機農産物を岩国のブランドとして推進することにつきましては、これから生産者、農協、県や市の関係部署との協議を重ねまして、消費者に手に取っていただける魅力のある農産物づくりや作目の選定、供給体制や販売、販路の検討、あとブランド戦略など多角的な視点から考察していく必要がありますので、先進事例などを参考に調査・研究を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  オーガニックビレッジにつきましては、2030年までに100市町村の目標というのが国も上げられております。本市でも、ぜひそういったことに向かって研究して取り組んでいただきたいと思います。 次に、炭素クレジットについて質問いたします。 東京証券取引所では、経済産業省からの委託事業として、昨年9月22日から本年1月31日までカーボン・クレジット市場の実証が行われました。 実証に参加された183社のうち公表を承諾した176社については、ホームページ上で確認することができます。そのリストには、本市に工場がある会社が複数上げられています。実際に参加された会社に対して炭素クレジットに関する協議を持ちかける場合は、担当部署はどちらになるのか、お尋ねします。 ◎環境部長(神足欣男君)  議員御案内の市場実証には多くの企業が参加され、炭素クレジットに対する関心の高さを伺うことができます。本市としましても、この取組は重要であると認識しておりますので、今後、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、議員お尋ねの担当部署についてですが、炭素クレジットに取り組むに当たっては、環境関連をはじめ、産業関連など多くの部署が関わることになると思われますが、まずは環境関連部署であります環境保全課、来年度から環境政策課と名称を変えますが、まずはそちらのほうで対応することになると考えております。 また、協議を進めるに当たっては関係部署と連携、共同して取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  では新年度、また新しい体制での活動のほうを楽しみにしておきます。 関連の質問になりますが、昨年の質問から、農林水産担当部長が森林整備について森林組合や林業従事者との意見交換をなされてきたと伺っております。どのような成果があったと感じられているのか、お聞かせください。 ◎農林水産担当部長(藏田敦君)  本市では、令和元年度より譲与された森林環境譲与税を森林環境整備基金として積み立てて事業を実施しており、主に森林の整備に関する施策となる森林経営管理事業や一般民有林造林事業を進めていますが、新たな事業を検討するに当たり、昨年の5月に山口県東部森林組合と市内の主要な林業の事業体を訪問し、実際に森林整備を進める上でどういった問題があり、どのような支援が必要か聞き取りを行いました。 その中で、作業員の負担を軽減し、作業効率の向上につながる高性能な林業機械を導入する経費の負担が大きいこと、林業の作業用の道を開設した後の維持補修費用が負担になるという、こういうことを伺い、これから問題の解決が森林整備の促進につながると考え、令和5年度から高性能林業機械のレンタルやリース費用の一部を補助する高性能林業機械レンタル等支援事業費補助金と森林作業道の維持補修のための費用の一部を補助する作業道維持補修費補助金の創設を予定しております。 このたび議員より御助言をいただきまして、私自身も直接林業事業体の方々のお話を伺いました。その後、検討しました結果、さきに述べました2つの新規事業が計画できたことは、机上で判断するのではなく、本当に必要とされている支援策ができたことに非常に意味があるものと思っております。 今後におきましても、林業従事者の方々と意見交換を繰り返しながら、可能な限り関係者から求められる事業を計画し、これを活用してもらうことで林業の活性化につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  森林環境譲与税の有効的な使い方に関しては、引き続きまた、調査していただきたいと思います。 それでは最後に、中心市街地活性化のためのにぎわい創出施設について伺います。 開催された市民ワークショップには、10代、20代の若者も多く参加していたとのお答えでしたが、具体的には何人程度の参加で、募集についてはどのように工夫されたのか、お尋ねします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  にぎわい創出施設の計画に関する市民ワークショップの参加人数についてのお尋ねでございますけれども、このワークショップは、昨年の11月、12月、そして本年の1月の計3回行っております。参加者は35人で、そのうち10代、20代の若い世代の方々なんですけれども、約半分の17人の参加がございました。17人の内訳ですけれども、中学生が1人、高校生が8人、専門・短大生が7人、それから会社員が1人となっております。 このワークショップにおいての募集方法でございますが、本施設の基本理念にありますように「みんな」「若い世代」「活力」こういったキーワードを特に意識しておりまして、若者の目に留まりやすいよう、ポップでカラフルなチラシを「みんなでタマリバをつくろう!」というタイトルで作成いたしまして、図書館、それから出張所などの市の公共施設、それから岩国駅の東西自由通路、こういったところに掲示をいたしました。 また、このチラシを市内の6つの高校、岩国短期大学、それから岩国YMCA国際医療福祉専門学校、高森みどり中学校、高水中学校の先生方に直接趣旨のほうを説明いたしまして、生徒に呼びかけをしていただきました。市内の市立中学校につきましては、教育委員会を通じて募集をしております。 さらに、市のホームページに掲載しておりますし、若者の利用が多いインスタグラムとかツイッター、これを新たに開設いたしまして、応募の呼びかけをしております。こうした呼びかけによって、若い世代の参加が増えたものと考えております。 ワークショップでは若い世代の方々の比率が高かったということもありまして、非常に活気のあるワークショップが開催できたと考えております。このワークショップで頂きました意見とか、アイデアというものは、今年度策定中の実施計画においてしっかりと検討させていただいております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  市民の声が生かされるというのは大変いいことだなと思います。施設整備には中心市街地整備課が主体的にこれまで取り組まれたことと思いますが、今後の運営計画についてはどのように進められるのか、お聞かせください。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  現在、基本設計と運営計画から成ります実施計画というものを策定中でありますので、今現在、具体的に御説明できるものがありませんけれども、昨年3月に策定いたしましたにぎわい創出施設整備基本構想、この中の基本整備方針に基づきまして、機能ごとの利用者の活動を想定いたしまして基本設計に反映することとしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  文京区のb-labでは、運営スタッフが来館される中高生に寄り添った対応ができていることで、若者が主体的に行動できる環境が整っていました。サークル募集の情報がホワイトボードにたくさん掲示してあったことや中高生が考えたイベントの企画書がたくさんファイリングされていたのを見ると、本市においても若者たちがやりたいことができるまちづくりが必要であり、にぎわい創出につながると考えます。 再開発ビルの施設については、世代間を超えたにぎわい創出施設ではありますが、中高生の居場所づくりにも大いに期待するところです。中高生の活動の場として、市長のビジョンをお聞かせください。
    ◎市長(福田良彦君)  まず、若い方々も幅広く集えるようなたまり場的な空間ということで、先ほど申し上げましたが、具体的に私のビジョンというよりも、まず、若い方々がどういった意見を持っているか、アイデアを持っているかということもしっかりとした意見としてこれまで聴取しております。 具体的にそういった若者のほうから上がってきた内容とすれば、にぎわい創出施設でやってみたいことについては、学校帰りに自習をしたいとか、友達と話をしたりゲームをしたりして過ごせる、そういったスペースが欲しい。また、ダンスとか音楽の練習もしたいという意見。また、飲食しながら本を読みたい、具体的にはカフェとか、映画の上映、また、遅い時間まで開いているほうが望ましい。また、静と動の区分があったほうがいいとか、学校や地域といろんなイベントを連携して行いたい。また、待ち合わせ場所にもなるようにしたい。そういった様々な意見とか、アイデアも具体的に今回聞いておりますので、策定中の実施計画にもこういった意見をできるだけ反映をさせていきたいというふうに思っております。 また、議員のほうから、文京区のb-labについての視察のお話がございました。そういったいろんな若い方が集って、自分たちもそういったまちづくりに参加しているんだと、自分たちのやりたいことがそこで実現していくんだという、そういったことにもつながっていけば、さらに若い方々が今後まちづくりに関心を持ち続けてもらえるというふうに思っておりますので、しっかりとした若い方々のそういった意見を見ながら、また、一緒に町を、一緒にいいものをつくっていくんだという、そういった機運の醸成にもつなげていけたらと思っております。 いずれにしましても、令和9年度の再開発ビルの完成を目指しておりますので、もう少し時間がありますので、いろんな意見を聞きながら、そういった意見が反映できるように努めていきたいというふうに思っております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  それでは、令和9年度の供用開始に向けて楽しみにしたいと思います。 にぎわい創出といえば、岩国駅東口に開設された英語交流施設の「PLAT ABC」がもうすぐ1周年を迎え、記念イベントを企画されているようですが、これまでの来場者数などについてお尋ねします。 ◎教育次長(丸川浩君)  岩国市英語交流センター「PLAT ABC」につきましては、本市が英語の学び、学び直しや国際交流の機会にあふれた魅力的な英語交流の町となるための拠点施設として開設したもので、昨年3月26日のオープンから間もなく1年が経過しようとしているところです。 開設から本年1月末までの利用者数は2万5,491人で、1日当たり97人と、多くの方に御利用いただいております。 また、週末を中心にイベントも実施しており、小さなお子さんを対象とした英語絵本の読み聞かせや米軍岩国基地内にお住まいの方を中心とした外国の方々と市民が共に日本文化を学ぶ生け花教室など、多くの皆さんが英語を通じた交流を楽しんでおられます。 こうしたこれまでの活動が1周年を迎えるに当たりまして、今月19日、日曜日に記念イベントを実施することといたしました。当日は英語に関する楽しい情報発信を行っている人気ユーチューバー「MC TAKA」さんをお招きしてのトークイベント、米軍岩国基地内のボランティアに御協力いただくスタンプラリー、日米のアーティストが参加するアフタヌーンコンサートのほか、外国人の方にも日本の文化に親しんでいただけるよう漫画家の内田慎之介さんに巨大な漫画をその場で描いていただくマンガライブペイント、高水高校書道部の皆さんによる書道パフォーマンスなどを実施する予定としています。 また、センター前の広場には市内の飲食店など4店舗に出展していただき、お祭りムードを盛り上げていただく予定です。 なお、トークイベントについては、事前の申込みが必要ですが、そのほかのイベントにつきましては、当日御参加いただけますので、多くの皆さんにお越しいただき、英語を通じた交流を楽しんでいただきたいと考えております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  私も何度か「PLAT ABC」のほうに足を運ばさせてもらって、運営に携わられているマネジャーの方に来場の状況とかを伺わせてもらいました。結構平日は、近隣の方も日常生活というか、家事の合間にふらっと寄られたりとか、多い方は1日に四、五回来られる方もおられるようです。 また、週末は遠方のほうから来られたりということで、実際に結構来ているのかなという感触は持っております。今回漫画家の内田さんをお招きされて、ちょっとパフォーマンスがあるようなんですけれど、アニメというのは日本でなかなか世界にも通用する文化だと理解されているところじゃないかと思います。県内ではエヴァンゲリオンとかというのがまちおこしの一つとして使われているところもあると思いますので、今回のイベントで作成される巨大な漫画というのはレガシーとして利用されるのか伺います。 ◎教育次長(丸川浩君)  マンガライブペイントにおいてできた作品につきましては、外国人を含む多くの皆さんに漫画文化を知っていただくきっかけとするため、イベント終了後もしばらくの間「PLAT ABC」内に展示したいと考えております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  これからいろいろな町の動きもあるかと思いますが、本当に若者を含めて、多くの人々が町なかに出てもらってにぎわいが生まれる、そういった町になることを期待して、一般質問を終わります。 ○副議長(植野正則君)  以上で、23番 武田伊佐雄君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時56分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時25分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 15番 中村 豊君。 ◆15番(中村豊君)  皆さん、こんにちは。15番 公明党議員団の中村 豊です。通告に従いまして一般質問を行います。 1点目、ヤングケアラー支援についてお伺いいたします。 初めに、ヤングケアラーの早期発見・把握についてお伺いいたします。 大人に代わり日常的に家族の介護や世話を担うヤングケアラーに関する初の小学生を対象とした厚生労働省の調査が昨年4月に行われました。その調査結果では、小学6年生の約15人に1人に当たる6.5%が世話をする家族がいると回答しています。これは以前に調査結果が公表された中学2年生の17人に1人、5.7%、全日制高校2年生24人に1人、4.1%と比べても多くなっています。 その中で、世話をする家族の内訳は、複数回答で「きょうだい」が71%と最も多く、母親の19.8%が続いており、平日1日に世話に費やす時間は3時間未満が5割を超え、7時間以上が7.1%に上がっています。小学生の中にお手伝いの範囲を超えて家族を支える子供がいるのが現状となっています。 そして、世話をする家族がいる児童は、いない児童よりも欠席や遅刻、早退すると答えた割合が高いことも判明しており、健康や学業への影響が強く懸念されてもいます。早期に発見し、把握して、速やかに適切な支援につなげることが重要となってきます。 国は、2022年度から3年間を集中取組期間に設定し、社会的認知度の向上を図るほか、福祉、介護、教育など関係機関の職員研修や自治体が行う実態調査などについて財政支援を行うことなど取り組むとしています。本市における実態調査、実態把握を含むヤングケアラーに関するこれまでの取組についてお伺いいたします。 次に、相談支援についてお伺いいたします。 ヤングケアラーで深刻なのが、世話をする家族がいる中高生の6割以上が相談経験がなかったということです。悩みを抱えながら誰にも相談できずにいる子供が多く、小さな体で重い負担を背負い、人知れず孤立してしまうこととなってしまいます。 また、ヤングケアラーは幼い頃からそうした状態に置かれた子供が多く、当事者自らが相談したり、助けを求めたりできないケースも少なくなく、相談窓口につながっていない可能性があります。ヤングケアラーの抱える問題の多くは家庭で起こるため、外からは見えづらく、複雑な事情を周囲が理解できなかったり、適切な情報を持った相談相手を見つけられなかったりして、支援が届きにくい状況も考えられます。 ヤングケアラーに対する具体的な支援策など、支援につなぐための明確な窓口が必要ではないかと思われます。専用窓口を設けてしっかりと取組、支援を進めていくべきと考えます。本市における相談窓口はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。 次に、ヤングケアラー・コーディネーターの配置についてお尋ねいたします。 国の支援策の推進に福祉や医療、介護など自治体と関係機関、民間支援団体等、適切な支援機関へのつなぎを行う専門職としてヤングケアラー・コーディネーターの配置があります。ヤングケアラーを幅広く捉えて、関係機関に支援を広げるヤングケアラー・コーディネーターは必要となってきます。ヤングケアラー・コーディネーターの配置について、本市のお考えをお伺いいたします。 次に、ヤングケアラーの認知度向上についてお伺いいたします。 家族の介護や世話で、子供らしい学校生活を送ることが困難となっていることやヤングケアラーが見つかりにくいこと、支援しにくいことが問題となっています。ヤングケアラーのために周りができることは、ヤングケアラーという存在を知り、認知度を高めることや相談しやすい環境をつくることです。 また、ヤングケアラーに対する認知度向上が重要なのは、本人が自分はヤングケアラーかも知れないと気づかなければ、誰かに相談しようとも思えません。 中高生の8割以上がヤングケアラーを聞いたことがないという調査の回答もあります。国では、これを受け、中高生の認知度5割を目指した広報啓発を展開するとあります。本市におけるヤングケアラーに対する社会的認知度を高めるための現在の取組についてお伺いいたします。 2点目、錦帯橋創建350周年についてお伺いいたします。 岩国市のシンボルでもある錦帯橋は、錦川に架かる5連の橋として日本三名橋にも数えられ、豊かな自然を背景として、国の名勝に指定されています。 1673年、流されない橋をとの願いの下、知恵と技術の結集により創建、川幅約200メートルを渡すその構造は、精巧かつ独創的で美しい姿を誇り、創建以来350年を超えても、錦帯橋の技術と美しさは、今もなお守られ続けています。 市長の施政方針にも、市民の皆様と一緒になり、創建350年をお祝いするイベント等を開催し、広く国内外に錦帯橋の美しさを発信するとあります。錦帯橋創建350周年に向けての本市の取組をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村 豊議員御質問の第2点目の錦帯橋創建350周年について、(1)本市の取組についてお答えいたします。 議員御案内のとおり、錦帯橋は、延宝元年、1673年の創建から本年で350年という節目を迎えます。 錦帯橋の創建に至る歴史は、関ヶ原の戦いの後、吉川広家が岩国領の横山に城を築いたことに遡ります。初代領主の吉川広家公は、錦川を天然の外堀とし、横山には領主の居館や一部の家臣の屋敷を、対岸の錦見、現在の岩国には大半の家臣の屋敷や商人地となる七町を置く城下町を築きました。 この城下町の形成により、川幅約200メートルの錦川を渡す橋の建設が必要となりましたが、暴れ川である錦川の増水により度々橋は流失しており、流されない橋の建設は歴代領主の悲願となったところであります。 この悲願を達成するため、三代領主の吉川広嘉公が僧侶である独立のもたらした書籍、西湖遊覧志から得た着想と岩国領の土木建築技術を結集し、錦帯橋を創建したというふうに言われております。 創建時の橋は、翌年の洪水で流失しますが、同年には再建され、以降修復や架け替えを繰り返しながら、人々の往来を支えるだけでなく、その独特な構造から、周辺の自然とともに、景勝をなし、名所となって物見、にぎわいをもたらしてきました。 錦帯橋の独特な構造と周辺の自然に溶け込む景観がすばらしいことから、大正11年に国の名勝に指定され、昭和18年にその区域が拡大されたところであります。 昭和25年のキジア台風により、錦帯橋は再び流失しましたが、市民の熱い思いを受け、流失当日の臨時市議会において、原形復旧を決議し、国から近代交通に対応したコンクリート橋への変更を強く求められながらも、粘り強い交渉の結果、昭和26年に原形復旧での再建を開始し、昭和28年に完了しました。 その後、平成13年度から15年度までの平成の架け替えにより、現在の錦帯橋が架けられ、創建当時と変わらない美しい姿は、現在も引き継がれているところであります。 このように錦帯橋は幾多の困難を乗り越え、どの時代にあっても市民にとどまらず、多くの人々を魅了し続けています。 来年度は、錦帯橋創建350周年記念事業を計画しており、本市の貴重な文化遺産である錦帯橋の価値と魅力を広く発信してまいります。 記念事業としましては、市民の皆様に御参加いただく錦帯橋での人文字の作成、世界遺産登録推進PRポスターで活用しているキャラクターの愛称募集や、このキャラクターを使用した屋外でのイベントを計画しています。 岩国徴古館においては、江戸時代から名所として親しまれてきた錦帯橋の魅力を市民の皆様をはじめ、多くの来館者に感じていただくため、錦帯橋の歴史や構造、美しさなどを紹介する企画展を開催いたします。 また、本市と包括連携協定を令和2年度に締結した読売新聞西部本社が作成する新聞8面分が連なるパノラマ紙面を活用し、錦帯橋の歴史や記念事業などの情報を取りまとめ、この紙面を市民の皆様に記念として残していただくために配布をするという企画も検討しております。 これら記念事業の開催時期につきましては、錦帯橋が創建・供用開始されたと言われている10月初旬に屋外のイベントを、そしてその前後に企画展を開催する予定としており、今後、関係機関等とも調整を行ってまいります。 そのほかにも、4月の錦帯橋まつりや11月の錦帯橋芸術祭においても、創建350周年を記念したイベントを企画するお話も頂いているところであります。 今後におきましても、こうした取組を通して、錦帯橋が創建から350年を迎える今日においても、架け替えによって技術を継承し、創建時から変わらぬ美しさを守り続けているということを改めて市民の皆様に知っていただくよう情報発信に努めてまいります。 市としましては、錦帯橋が人類共通の宝物として、未来に引き継いでいくべき世界遺産としての価値を有するということを世界に認めていただけるよう、引き続き取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第1点目のヤングケアラー支援についてお答えいたします。 まず、(1)ヤングケアラーの早期発見・把握についてですが、議員御指摘のとおり、ヤングケアラーへの支援を行う上で、児童・生徒と日頃接する時間が長い学校関係者が果たす早期発見と関係機関へのつなぎの役割は大きいと考えております。ふだん接している児童・生徒の中にヤングケアラーがいる可能性があることを理解することが重要です。 そこで、教育委員会としましては、各学校で毎週1回行う生活アンケートにおいて、家庭に関すること、生活に関することなどの質問項目を設けたり、毎月学校から教育委員会へ提出される長期欠席者の報告に、その理由や背景の一因としてヤングケアラーの疑いの有無の視点を設けたりして、早期発見や実態の把握に努めております。 加えて、全ての児童・生徒を対象に心の専門家であるスクールカウンセラーによるSOSの出し方に関する教育を行っており、悩みからの自己防衛や教職員などの身近な人に相談できる力を育んでおります。 次に、(2)相談支援についてのア、相談窓口についてですが、ヤングケアラー自らが相談する先としては、家庭にいる以外は日中を学校で過ごすことから、彼らの最も近い相談場所は学校になると考えております。各学校においては、学級担任は言うまでもなく、教育相談担当者やスクールカウンセラーなど複数の相談先を紹介し、児童・生徒に寄り添った対応に努めております。 また、児童・生徒が悩みや困り事を発信しやすいように、1人1台タブレット端末を用いた相談もできるよう取組を進めております。 一方、民生委員、主任児童委員、児童委員や子ども食堂などの子供の居場所となる機関、その他支援者団体からの情報が入ってくる場合もあると考えております。こうした関係機関からの相談先としては、本市では、児童虐待などへの対応を主に担う福祉部署のこども相談室や母子健康増進相談支援を主に担う子育て世代包括支援センターになると考えております。 なお、本市では、来年度4月の組織改編において、当該の2つの相談支援部署をこども家庭センターとして1つに統合し、一層の組織の強化を図ることとしております。 さらには、岩国児童相談所、児童養護施設等も相談窓口になるものと考えており、こうした関係機関により組織する要保護児童対策地域協議会等を活用し、情報共有することで、個別の支援につなげてまいります。 次に、イ、ヤングケアラー・コーディネーターの配置についてですが、ヤングケアラー・コーディネーターは、地域における関係機関等からのヤングケアラーに関する相談に対し、ヤングケアラーの家庭の状況に応じ、助言を行い、適切な福祉サービスのほか必要な支援につなげるなどの役割を担うものです。 本市は、現在、ヤングケアラー・コーディネーターを配置している状況にはありませんが、福祉部署において、社会福祉士などの有資格者を配置しており、ヤングケアラーに関する相談に対し、要保護児童対策地域協議会、その他の福祉サービスにつないだ事例もあります。 今後も、情報の収集に努めると同時に、関係機関との連携を密にし、問題の早期解決につなげてまいりたいと考えております。 最後に、(3)ヤングケアラーの認知度向上についてですが、教育委員会としましては、教育相談担当者を対象とした研修会や夏季研修講座の実施、スクールソーシャルワーカーの自主研修会へ教職員の参加を呼びかけたりして、認知度と資質の向上に努めております。 教育相談担当者を対象としたヤングケアラーの認知度につきましては、令和4年10月に実施のアンケートでは100%が知っているとなっております。今後、さらに研修を深め、学校関係者の全てがヤングケアラーについての理解を深め、早期発見や適切な支援に努めてまいりたいと考えております。 また、児童・生徒に対しましては、各小・中学校において厚生労働省が示す例示等を参考に、具体的に紹介し、自らがヤングケアラーではないか、また、友人等がヤングケアラーではないかといった視点も持ち、ヤングケアラーが疑われる場合は、早期に相談するよう児童・生徒への周知をこれまで以上に行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  それでは、再質問させていただきます。 初めに、錦帯橋創建350周年について再質問いたします。 世界遺産登録推進PRポスターのキャラクターの愛称募集並びにこのキャラクターを使用した屋外でのイベントを計画と御答弁にありましたが、募集方法、また、どのようなイベントを考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  まず、愛称の募集についてでございますけれども、これまで市が行ってまいりました公募の案件と同じように市報でありますとか、市のホームページ、それからSNSといったものを利用いたしますほかに、関係団体等への御案内も検討いたしまして、広く市民から募ってまいりたいというふうに考えております。 記念のイベントにおきましては、募集により決定をいたしますキャラクターの愛称を発表させていただきますほかに、用意するモニターの中でLive2Dという平面の原画を立体的に表現するデジタル技術でありますけれども、このLive2Dという技術によりましてキャラクターを動かして、会話もできるようにしまして、より効果的に認知度が高まるようなことも考えてまいりたいと思っております。 ◆15番(中村豊君)  非常に楽しみにしております。創建以来350年、節目の年における記念事業が、今、部長が答弁されたように、どのように目に映ってくるかと、わくわく感が否めません。 そういった中でも、官民一体となって盛り上がりが大事となってきます。民間でのイベントとこれからの動きについて、何か把握されていることがあれば、お聞かせ願えばと思います。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  350周年を盛り上げる民間の動きということでございますけれども、実は個人や民間の事業者のほうからも創建350周年をお祝いするように、独自のイベントを開催したいといったようなお話ですとか、御相談もお受けしているところでございます。 例えば、自社の新聞折り込み広告の中で、錦帯橋創建350年をうたって、錦帯橋をテーマとした企画を実施したいとか、それから節目の年にオリジナル限定品をつくりたいとか、あるいは錦帯橋の歴史や価値を学ぶ場をぜひ設けたいといったような様々なお話をいただいているところでございます。 市としましては、市民の宝である錦帯橋が創建から350周年を迎えるということを広く情報発信する絶好の機会と捉えているところでございまして、個人や民間事業者が実施するイベント等におかれましても、積極的に錦帯橋の歴史と魅力をPRしていただけるものと御期待をしているところでございます。 ◆15番(中村豊君)  錦帯橋創建350周年記念事業をきっかけとして、大きな悲願でもある世界文化遺産登録に向けての思いが市民の間で一歩でも広がっていってもらえればと願っております。それには市民一体となった錦帯橋に対する意識の醸成が不可欠となってきます。これからも官民一体となり、市全体でその機運を盛り上げて、錦帯橋の価値を今以上に高めるよう、市民と共に考える機会など、岩国市のシンボルでもある錦帯橋のこれからの保存、発展への施策の推進を今後においてもよろしくお願いしたいと思います。 では、ヤングケアラー支援について、早期発見・把握について再質問いたします。 県は、昨年7月にヤングケアラーの実態調査を行い、結果県内の小・中学生、高校生の約1,400人が該当する可能性があると公表しています。現状、本市において、ヤングケアラーと思われる児童・生徒はどれぐらいいるのでしょうか。あわせて、これまでの支援の状況についてお伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  令和4年7月に県こども家庭課が実施した山口県ヤングケアラーの実態調査によると、自分自身がヤングケアラーに当てはまると思うと答えた生徒が36人、学校への相談を希望した児童・生徒は、小学生が14人、中学生が17人でした。各学校において、該当児童・生徒から詳細な悩みや困り事を聞き取り、継続的に支援しているところです。 また、家庭へのケアが主たる原因として長期にわたる欠席や学校生活に深刻な影響を与えている児童・生徒についての報告はありませんが、不登校の一つの要因としてヤングケアラーが疑われる児童・生徒につきましては、スクールソーシャルワーカーや関係機関と連携して情報共有を図るとともに、支援の方法を検討し、ヘルパーの介入や保護者に対して相談機関を紹介するなど、家庭に対して具体的に支援をしているところです。 ◆15番(中村豊君)  ヤングケアラーの存在が身近な大人の目には映っているけれど、見えていない、気づいていないなどで、どのような支援策を考えたらよいのかとなってきます。支援ニーズ等に生かしていく上で、実態調査を行い、しっかりと把握し、存在を知ることで、きめ細かい対策へとつながっていくのではないでしょうか。本市独自での実態調査についてのお考えをお伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  現在、児童・生徒に対し、ヤングケアラーの認知度向上や相談窓口の周知を図るとともに、各学校で毎週1回行う生活アンケートで実態把握に努めているところです。 このアンケートの質問項目において、ヤングケアラーの発見につながるような設問内容を検討し、その後の適切な支援に結びつくよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  ぜひこういったアンケートの形で、実態調査を進めていってもらえればと思います。子供たちにとって一番身近である学校でヤングケアラーに気づくことが望ましいところではありますが、教員が多忙のあまり家庭の事情まで把握し切れないのが実情ではないでしょうか。 愛知県岡崎市では、ヤングケアラーを把握し、適切な支援につなげようと、2020年度からスクールソーシャルワーカーを増員し、子供の見守り体制を手厚くしています。今後においても増員し、派遣ではなく、各学校に配置することで、児童・生徒の様子を日常的に見守る方針です。学校と福祉関係者の連携を強めることでヤングケアラーを早期発見し、支える仕組みづくりが強固になると考えますが、スクールソーシャルワーカーの増員、配置についてのお考えをお伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  スクールソーシャルワーカーについては、岩国市では平成26年度から、国、県の補助事業として予算を計上し、令和4年度は8人のスクールソーシャルワーカーを配置し、計666時間分を確保し、困難な事案に対して学校を通じて各家庭へ派遣しているところです。 複雑な家庭環境等、課題を抱える家庭への支援に向けてスクールソーシャルワーカーの介入は重要であり、教育委員会といたしましても学校との情報共有を行いながら早期の支援を行っています。 スクールソーシャルワーカーの配置に関しましては、今年度は学校がスクールソーシャルワーカーの介入が必要であると判断したケースへの派遣については、おおむね満たされている状況です。今後も、スクールソーシャルワーカーの勤務日数、時間の十分な確保に向けて状況を踏まえながら、引き続き検討をしてまいります。 ◆15番(中村豊君)  今後に向けてしっかり検討してもらえればと思います。 ヤングケアラーについては、表面化しにくく、過度な負担により、子供の日常生活や学業等に影響が出ていることに気づかず、必要な支援につながらない場合があります。教育委員会として、今後の支援の取組の在り方についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  先ほど壇上で教育長が申し上げたとおり、ヤングケアラーへの支援を行う上で、児童・生徒と日頃接する時間が長い学校関係者が果たす早期発見と関係機関へのつなぎの役割は大きいと考えております。 教育委員会といたしましては、管理職や教育相談担当者等を対象とするのみではなく、若手教員等も対等に、広く研修の機会を設けるとともに、スクールソーシャルワーカーとの合同研修会などにより適切な支援が行えるよう教職員に対する研修の充実を図りたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  子供と一番接している学校の先生方には、その研修を通しても、子供たちの話をじっくり聞き、表情、子供たちの声色から悩みを聞き取り、細やかな指導、適切な支援策へのしっかりとした対応を今後もお願いしたいと思います。 それでは、相談支援について再質問いたします。 県は、実態調査の結果を踏まえ、必要な支援を1か所で提供できるワンストップ窓口の設置を検討するとあります。ヤングケアラーの存在を明確に把握し、確実な支援につなぐためにも専用窓口を設けて、支援への取組強化を推進すべきではないかと考えますが、ワンストップ対応の専用窓口設置についてお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  壇上で教育長が御答弁申し上げましたが、本市の相談支援窓口は学校現場、そして市福祉部署及び健康増進部署などがございまして、さらに本市内にある児童相談所、児童養護施設などがそれぞれ担っております。 来月からの組織改編では、市の2つの課にまたがっている部署ですが、これをこども家庭センターとして統合いたしまして、強化させる予定としております。 本市は、相談支援のワンストップ化を図るのではなくて、相談者が身近な場所で気軽に対応できるよう間口を広げ、どこの窓口でもそれぞれの専門性を生かして対応できる体制を取っているところです。 その上で、相談に上がってきた内容については、要保護児童対策地域協議会などで情報共有を図りまして、適切で、個別な支援につなげていきたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  ヤングケアラーは、親などが疾患や障害、困窮など複合課題を抱えることも多く、うまく支援につながらず、その結果、子供が家事やケアなど重い責任や負担を担うこととなります。教育分野だけでなく、障害や高齢者、困窮者支援など多分野の関係機関が連携し、家庭を包括的に支援することが求められます。関係機関内の連携強化はしっかりとできていると思いますが、今後さらに連携を強化していくための取組などについてのお考えをお聞かせ願えればと思います。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  ヤングケアラーに対する支援につきましては様々な要因が絡んでいることが想定されますから、そうした要因を一つ一つ解きほぐしながら、包括的に支援する必要がございます。そのための教育、福祉、地域、施設などの多くの関係機関との連携強化に心がけて、常日頃からコミュニケーションを取っているところです。 議員御指摘のさらなる連携強化に向けましては、ヤングケアラーに関する研修を受講するなどして知識、理解を同じレベルにし、共通認識の上で支援を行っていきたいと思っております。 ◆15番(中村豊君)  ぜひ包括的な支援にしっかり取り組んでいただければと思います。 厚生労働省は、昨年5月に学校や自治体などが連携するためのマニュアルを公表しています。マニュアルでは、ヤングケアラーを取り巻く状況などに加え、現場での取組事例を紹介、家族が抱える課題は複雑になっているとして、切れ目のない支援が求められていると説明しています。また、関係機関による連携改善の必要性も指摘しております。関連部署連携のためのヤングケアラー支援マニュアルの活用についてお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  厚生労働省が昨年公表した多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアルは、自治体職員を主な対象にしつつ、支援機関及び支援者も活用できるマニュアルになっております。ヤングケアラーに関する基本的な事項、連携して行う支援のポイント、支援の基盤づくりや事例など細かく整理されておりますので、このマニュアルを関係機関の職員に周知して、マニュアルに沿った支援ができるように環境づくりを促進していきたいと考えております。 ◆15番(中村豊君)  しっかりと活用していただいて、知識を高めてもらえればと思います。国が推進する支援に訪問型の相談支援や家事、育児支援の取組がございます。 埼玉県さいたま市では、支援が必要と市が判断した家庭には支援員を派遣し、ヤングケアラーが担っていた家事や「きょうだい」の世話、介護の手助けをするという訪問支援事業を実施しております。 また、群馬県高崎市では、ヤングケアラーSOSとして、ヤングケアラーの家庭に対して家事、介護などを手伝うヘルパーを無償で派遣するものです。今後、こうした自治体が増えていくのではないかと思われます。訪問支援を行うことによって、ヤングケアラーの負担の軽減はかなり大きいものとなり、本市においても実施すべきではないかと思われますが、訪問支援についての本市の見解をお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  本市は、従来から個々の家庭が抱える養育上の諸問題の解決やその軽減を図るために、養育支援や家庭支援の方法について要保護児童対策地域協議会で調整して、養育支援訪問事業に取り組んでおります。 この事業は、子育てに対して強い不安のある家庭や、食事、衣服、生活環境において不適切な養育状態にある家庭などを対象に訪問して、助言や家事支援をしております。ヤングケアラーが担っている家事や家庭の世話を訪問支援で代行することも支援の方法として有効とも思いますので、先進事例を参考に調査・研究してまいりたいと思います。 ◆15番(中村豊君)  ぜひ検討されて、早期の事業の実現を願うばかりです。というのもヤングケアラーの負担が訪問支援事業によって大分軽減される、学業にも専念できるのではないかと思いますので、ぜひ早期の検討をよろしくお願いしたいと思います。 自治体の施策を後押しする国の支援策に、当事者同士がSNSで悩みや経験を共有し合うオンラインサロンの設置、運営など先進的な取組を行う自治体を財政支援するとあります。子供にとっては、公的機関や専門家への相談は心理的にもハードルが高く、気が引けるという子供も数多くいると思われます。LINEによる相談受付を行っている自治体もあります。子供の声が直接届くようなオンラインサロンの設置やLINEでの相談受付を実施することはとても有効的で、実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  生まれたときからスマホがあるという世代のヤングケアラーにとっては、いつも手にして、気軽に使用しているスマホの中のSNSを活用して支援をするということは大変有効なことだと私も思っております。児童・生徒が日中を過ごす一番身近な相談場所である学校現場では、電子端末を用いて相談できるような取組も行われていると聞いております。今後は電子媒体を活用した支援について、先進自治体の取組を調査・研究させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  ぜひこの取組の検討を早期にお願いしたいと思います。相談窓口、相談体制の充実とともに、自治体と関係機関、民間支援団体をつなぐヤングケアラー・コーディネーターの役割も大きいものとなってきます。このヤングケアラー・コーディネーターの配置も含めて、今、部長から答弁いただきました事業についての検討も早期にしていただけることをよろしくお願いいたします。 それでは最後に、ヤングケアラーの認知度向上について再質問いたします。 家族の世話に追われる子供たちの悩みに周囲が気づき、適切な支援につなげられる環境をつくることが重要となってまいります。そのためにもヤングケアラーの存在を知り、理解を深め、ヤングケアラーの社会的認知度を向上させることが第一となってきます。以前のヤングケアラーに関する講座や講演会開催についての質問に対し、周知や理解を深める有効な取組としてどのような形で実施できるか、今後検討するとの御答弁がありました。その後、どのように検討されたのか、検討状況についてお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(木原眞弓君)  まず最初に、本市で行っております認知度向上について御説明させていただきます。 令和3年度においては、児童・生徒とその保護者に対してパンフレットを小・中学校、高校に配布しております。 さらに、市民の方々には、ケーブルテレビの放送、広報紙等への掲載により周知いたしました。今年度は地域の気づきということを図るために、自治会連合会会長、民生委員児童委員協議会岩国地区研修会などへそれぞれ説明しに行ってまいりました。 議員御指摘の講演や講演会開催については、まだ実施してはいないところではございますが、今後も引き続き市報等を通じて周知、啓蒙してまいります。その中で、地域から説明会等の開催要望等がありましたら、その対応について調査・研究の上で対応していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ◆15番(中村豊君)  幅広くヤングケアラーを認知してもらうためにも、ぜひこれも早期に検討してもらえればと思います。これまで顕在化していなかった家庭に問題を抱える生徒を把握し、学校や関係機関の連携で適切なサポートにつなげる狙いを目的として、東京都江戸川区では、ヤングケアラーの支援強化に向け、区立中学校に在籍する約1万5,000人の全生徒を対象にした個人面接を夏休みなどを利用して、昨年度から実施しております。そのことでヤングケアラーについて大勢の生徒が知ることとなり、同級生の状況に気づくきっかけにもなったとあります。 本市で実施している生活アンケートに加え、適切な支援につなぐ一歩となるであろう個別面接についても、今後、教育委員会において検討・研究していただければと思います。家族のために献身する行為自体は尊く否定すべきものではありませんが、それが原因で自分の将来に希望が持てず、苦しむことがあってはなりません。ヤングケアラーである子供が子供の権利を奪われることなく、適切な養育を受け、健やかな成長と教育の機会と自由が約束されることが必要です。 また、ヤングケアラーの子供たちが戸惑うことなくSOSを発信できる環境整備、そしてそれに伴う関係機関等の連携、さらにヤングケアラーの子供たちを含む家族全体を支える支援の在り方を強固にしていく体制整備が大事となってきます。ヤングケアラーを早期に発見し、適切な支援に向けての関係部署、関係機関のネットワーク構築の強化とともに、一人一人が思い描く人生を歩めるように、その一人に寄り添う支援の取組を力強く進めていただくことを要望いたしまして終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、15番 中村 豊君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、3月6日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時11分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長 植 野 正 則                         岩国市議会議員  片 岡 勝 則                         岩国市議会議員  貴 船   斉                         岩国市議会議員  小 川 安 士...