岩国市議会 2022-09-07
09月07日-02号
令和 4年 第4回定例会(9月)令和4年第4回
岩国市議会定例会会議録(第2号)令和4年9月7日(水曜日
)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)令和4年9月7日(水曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│ 件 名 │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1
│会議録署名議員の指名 │ │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問 │ │└───┴───────────────────────────────────┴───┘
――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり
――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(30人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本 崇 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原 真 君 4番 中 村 豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船 斉 君 7番 矢 野 匡 亮 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君
――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者 市長 福 田 良 彦 君 副市長 杉 岡 匡 君 教育長 守 山 敏 晴 君
水道事業管理者 辻 孝 弘 君 審議監 村 田 光 洋 君 総務部長 石 橋 誠 君 危機管理監 桝 原 裕 司 君
総合政策部長 國 廣 光 秋 君
基地政策担当部長 穴 水 辰 雄 君
市民生活部長 小 玉 陽 造 君
文化スポーツ担当部長 竹 原 直 美 君 環境部長 神 足 欣 男 君
健康福祉部長 木 原 眞 弓 君
保健担当部長 片 塰 智 惠 君
地域医療担当部長 山 田 真 也 君
産業振興部長 加 納 芳 史 君
農林水産担当部長 藏 田 敦 君 建設部長 内 坂 武 彦 君
都市開発部長 山 中 文 寿 君
由宇総合支所長 塩 中 京 子 君
周東総合支所長 中 原 健 登 君
錦総合支所長 的 場 敏 君
美和総合支所長 藤 野 修 二 君 会計管理者 村 上 さ ゆ り 君 教育次長 丸 川 浩 君
監査委員事務局長 村 重 政 司 君
農業委員会事務局長 有 馬 秀 樹 君
選挙管理委員会事務局長 藤 本 忠 夫 君 水道局次長 竹 嶋 勇 君
消防担当部長 冨 岡 英 文 君――
――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員
議会事務局長 鈴川芳智 庶務課長 岡田淳 議事課長 林孝造
議事調査班長 河村佳之 書記 佐伯浩則 書記 石川貴規 書記 中西祐一郎
――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議
○議長(桑原敏幸君) 所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。
――――――――――――――――――――――――――――――
△日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(桑原敏幸君) 日程第1
会議録署名議員の指名をいたします。 本日の
会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、7番 矢野匡亮君、8番 武田伊佐雄君、9番 重岡邦昭君を指名いたします。
――――――――――――――――――――――――――――――
△日程第2一般質問
○議長(桑原敏幸君) 日程第2 これより一般質問を行います。 13番 小川安士君。
◆13番(小川安士君) 13番
日本共産党市議団の小川安士です。会派を代表いたしまして、一般質問を行わせていただきます。 質問の項目は、1、市民に及ぼす基地の影響の変化について、2、農業支援策の強化について、3、JR岩徳線の利便性向上について、以上3点です。 今回の任期の最後の一般質問です。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 まず、1項目め、市民に及ぼす基地の影響の変化について伺います。 米軍は、アメリカの独自の世界戦略で機能強化をされ、地球規模で配置を検討した上で、この岩国にも展開をしています。これに対し市長は、市民の生活環境は阻害されていないとして米軍の運用に触れず、全て受け入れてきました。このような基地の強化をそのまま容認することが長年続けば、結局は市民に、外国の軍隊への服従を固定化するものになると不安を感じています。 そうした危機感から、以下3点についてただします。 まず、(1)市への苦情内容の変化についてですが、市民からの苦情は、平成29年8月の艦載機移駐前後から大幅に増えています。こうした件数増加の内容について、状況の報告を求めます。 次に、(2)
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 新型コロナの感染症は、まだえたいの知れない病気ですが、最近では岩国の感染率が人口比で県下2位です。明らかに基地の影響が大きいと考えられていますが、基地の感染対策をどのように見ているのか、見解をただします。 次に、(3)基地への不安感について伺います。 基地に関する不安は以前からありますが、最近は、基地の
存在そのものに対する不安が高まっています。このままでは、アメリカとロシアの兵器で、破壊と殺りくが続くウクライナのようになってしまうのではないかと不安です。基地の
存在そのものに感じる市民の不安に対し、市長はどのように応えられるのか、見解を求めます。 次に2項目め、農業支援策の強化について伺います。 まずは、(1)
農業関連資材の
価格高騰対策についてですが、アベノミクスの失敗による円高や
新型コロナ感染、
ウクライナ戦争などの影響で、
農業関連資材が大幅に値上がりをして、家畜の飼料には、輸入そのものができなくなる、このように言われている物もあります。今回、補正予算で物価対策が組まれましたので、農業に関し説明を求めます。また、あわせまして、農業支援策の抜本的検討についてただします。 食料流通の混乱が続き、世界各国で
食料自給対策が緊急の重要課題となっています。岩国でも、農業政策の抜本的な再検討が必要と考えます。執行部の見解を求めます。 次に3項目め、JR岩徳線の利便性向上についてただします。 国は、鉄道の廃線規制をあえて認可制から通知制に変えて、JRが廃線をしやすくして、全国で廃線を誘導しました。JR西日本は、
岩国-小月間でも便数を間引き、山陽本線のワンマン化を目指すなど、利便性より経営効率を優先しています。こうした状況の中、国土交通省の
有識者検討会は、地方鉄道の再構築に関する報告書を発表しました。 今後は国が、公共交通を維持する責任をきちんと果たして、利用数の少ない路線から順次切り捨てるという今の流れを食い止めて、地域の公共交通の再構築を目指すべきだと思いますので、以下3点ただします。 まず1点目、今回発表された国土交通省の「有識者会議」の報告書についてどのように受け止めておられるのか、見解を求めます。 そして2点目として、今後の対応について、見解を求めます。 続いて、(3)JR岩徳線の増便について伺います。 岩徳線には、線路の安全性確保、運休解消、運行速度改善、増便など、利便性に関する大きな課題がたくさんあります。一方で、利用密度が新基準の1,000人すれすれであり、利便性の向上に関して、何らかの積極的なメッセージを発信することが必要と思います。県と岩国市、下松市、周南市、これらの連携で増便を実現できないでしょうか、見解を求めます。 以上、壇上からの質問といたします。
◎市長(福田良彦君) 皆さん、おはようございます。台風最接近によりまして、関係職員はその対応に当たっておりました。倒木なり、停電等の被害がありましたが、それ以外に大きな報告は上がってきておりません。今回の対応によりまして、議会のほうで柔軟に日程変更していただきましたことに心から感謝を申し上げまして、答弁に移らせていただきます。ありがとうございました。 それでは、小川議員御質問の第1点目の市民に及ぼす基地の影響の変化についてお答えさせていただきます。 まず、(1)市への苦情内容の変化についてでありますが、本市においては岩国基地に関する苦情は、フリーダイヤルやメールにて24時間受け付けております。寄せられた苦情につきましては、「航空機騒音」「工場・
市街地上空飛行」「姫子島
弾薬処理関係」「その他」の4種類に分類をし、市のホームページにおいて公表しているところであります。 まず、苦情の件数についてでございますが、艦載機移駐前の平成28年度が2,071件、艦載機の移駐が完了した平成29年度が3,543件、それ以降では、平成30年度が6,542件、令和元年度が5,287件、令和2年度が4,825件、そして令和3年度が4,883件となっております。 艦載機移駐前と比較すると移駐後は増加しておりますが、寄せられる苦情の約8割がメールでの受付でありまして、そのほとんどが一定の方々からの定型的なものであり、何度も同じ内容が送られてきているものとなっております。 次に、苦情の内容についてでございますが、各年度とも騒音苦情の割合が多く、全体の7割から8割が騒音苦情となっております。 直近の令和3年度を例に挙げますと、市に寄せられた苦情合計4,883件のうち、その8割以上に当たる3,954件が航空機騒音となっており、続いて、その他に関することが873件、工場・
市街地上空飛行が56件、姫子島
弾薬処理関係についての苦情はございませんでした。 具体的な苦情内容について申しますと、航空機の騒音については、「うるさい」とか「騒音を出すな」などが多数を占めておりますが、それ以外にも、具体的な時間、場所を示すものなどがございます。工場・
市街地上空飛行につきましては、「上空を飛行し、危険を感じる」という趣旨の苦情となっております。その他につきましては、内容をそのまま申し上げることはできませんが、基地や米軍関係者の方々を誹謗中傷するものが多数を占めているところであります。 議員御質問の苦情内容の変化についてでございますが、艦載機移駐の前後で寄せられた苦情を比較いたしましたところ、航空機騒音、そして工場・
市街地上空飛行に関しましては、苦情内容に変化は見られておりません。また、苦情が寄せられる地域にも変化はなく、これまで同様、少数ではございますが、玖珂町や周東町、美川町などからも苦情が寄せられております。 一方で、その他の苦情につきましても、移駐前後で内容に大きな変化はありませんが、基地の運用や米軍の
新型コロナウイルス、米軍人による事件・事故などについての苦情や不安など、こうした事案が発生する時々で、少数ではあるものの、苦情や不安の声が寄せられているところであります。 市としましては、騒音苦情や
市街地上空飛行に関するものはもちろんのこと、こうした不安や苦情についても、市民からの声として国や米側に伝えるとともに、引き続きしっかりと対応してまいります。 次に、(2)
新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、まず、現在の
米軍岩国基地内における
新型コロナウイルスの感染状況でありますが、令和2年7月13日から先月末日までの
累計感染者数は2,495人となっており、最近では、昨年末から本年1月にかけて多くの感染者が発生したものの、2月から現在まで1日当たりの
平均感染者数は10人未満と落ち着いている状況であります。 このような中で、議員御指摘のとおり、
在日米軍司令部は米軍の
新規感染者数について、本年4月8日に、「在日米軍の入院者や重傷者を除き、陽性者の公表は行わない」とする発表を行い、現在、外務省への1週間平均の感染者数の情報提供以外に公表を行っていません。しかしながら、
米軍岩国基地におきましては引き続き、基地から山口県の保健当局に
新規感染者数に関する情報提供がなされており、特に問題はないものと考えております。 また、
在日米軍施設・区域外における
新型コロナウイルス感染症対策につきましては、
在日米軍関係者は、以前から、日本政府や
基地周辺自治体が講じている措置に従い、これに沿った対策が取られております。加えて、
米軍岩国基地におきましても、これまで、基地外への外出制限措置をはじめ、基地内におけるマスク着用の徹底やソーシャルディスタンスの確保、陽性者の隔離対策や大規模な検査の実施など、状況に応じた
感染拡大防止対策が行われていると認識しております。 市としましても、これまで、山口県と連携し、機会あるごとに
新型コロナウイルス感染症対策に万全を期するよう国や米軍に要請している中で、私自身も、本年1月7日に
米軍岩国基地を訪れ、基地内の感染症対策について自ら確認をし、この内容につきまして、市民に情報発信をしたところであります。 現在では、本年5月23日に厚生労働省が変更した
新型コロナウイルス感染症対策の
基本的対処方針を踏まえ、基地外や屋外における、一定条件下における
マスク着用義務の免除や日本への入国に係る岩国基地の要件の緩和がなされていると承知をしておりますが、これにつきましては、日本国民と同様の措置であると認識しております。 市としましては、今後の
米軍岩国基地の
新型コロナウイルスの感染状況や対策について注視をしてまいりますが、現在の日本における感染状況も踏まえた上で、この早期の収束に向け、共通理解を図りつつ、お互いが協力して取り組んでいくことが重要であると考えており、引き続き、
米軍岩国基地だけでなく、国や山口県などの関係機関とも連携し、
感染拡大防止に努めてまいります。 最後に、(3)基地への不安感についてでありますが、
米軍岩国基地においては、近年、一時的な展開ではありますが、外来機の飛来が増加しており、これまでもB-1爆撃機、F-22、F-35Aなどの外来機の飛来を確認しております。 また、御承知のとおり、本年6月1日から4日までに、外来機であるF-35Aが18機、さらに同月15日と16日にはF-22が12機飛来し、合計30機の外来機が7月中旬までの約1か月余りの間、岩国基地に一時展開したところであります。 加えて、昨年から
強襲揚陸艦アメリカとトリポリ、そして
遠征洋上基地ミゲルキース、海上自衛隊の護衛艦いずもなど、大型艦船の寄港も相次いでいるところであります。 こうした基地の運用に係る懸念や不安に対しては、国から事前の情報提供を求めるとともに、可能な限り私自ら現地に赴き、直接、関係者と意見交換を行い、運用の状況等必要な確認を行っております。 また、その内容につきましては、議員をはじめ報道等を通じて発信をするなどし、市民の不安を払拭できるよう努めております。 さらに、議員御指摘の岩国基地が攻撃対象となる不安についてでありますが、これは岩国に限ったことではなく、全国の基地が所在する地域において一部の住民の方から、有事の際には、基地が所在する地域が攻撃対象になる可能性もあると、不安を感じるという意見があることは承知をしております。 こうした不安に対し、国は「あらゆる選択肢を排除せず検討し、必要な防衛力を強化していく」とし、防衛力の抜本的強化の取組を行うとしております。 いずれにいたしましても、我が国の安全保障を確保することは国の責務であると考えており、こうした取組に注視をしてまいりたいと思っております。 一方で、市民の生命・財産を守ることは、自治体の長としての私の重要な責務であると考えており、市においては、住民の安全を確保するため、住民の避難誘導などを定めた岩国市国民保護計画やJアラートからの情報を岩国市市民メールや
岩国市民ニュースアプリに情報転送を行うなど、緊急時において住民の安全確保や情報伝達を迅速、確実に行えるよう努めているところであります。 昨今の国際情勢や
安全保障環境が一層厳しさを増す中、基地が所在することやその運用に係る様々な不安や懸念の声が上がっていることは承知をしているところでありますが、いずれにしましても、最も大切なことは、市民が安全に暮らせる環境の確保であると考えております。 市としましては、引き続き市民の安心・安全の確保が図られるよう、国に対し要望をしていくとともに、外来機の飛来等については、市民の不安を払拭できるよう事前の情報提供を求め、その内容に応じてしっかりと対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎
農林水産担当部長(藏田敦君) 第2点目の農業支援策の強化についてお答えします。 まず、(1)
農業関連資材の
価格高騰対策についてですが、議員御質問のとおり、
農業関連資材は、世界的な穀物需要の増加やコロナ禍による物流の混乱と原油の高騰に加え、ロシアの
ウクライナ侵攻、さらに、円安の影響等により価格が高騰しております。 このように、
農業関連資材が高騰する中、厳しい経営状況にある農業者に対し、経営の安定と継続を図るために、大きく4つの支援事業を措置し、これに係る補正予算を本議会にお諮りしているところでございます。 まず1つ目は、肥料価格の高騰分の一部を助成する
農業経営継続緊急支援補助金です。これは、山口県が実施する
肥料高騰対策緊急支援事業に対し、上乗せ補助を行うものです。 対象者は、山口県内に住所を有し、市内で作物の生産販売を行う農業者で、10アール以上の作付面積、施設花卉については2アール以上の作付面積を有し、令和5年度も
営農継続予定の方となります。対象として、おおよそ2,500経営体を想定しています。 また、対象となる作物は、令和4年度に販売を目的に作付され、購入した肥料を使用する作物で、水稲、大豆、麦などの
土地利用型作物については10アール当たり500円、野菜、果樹、茶などの園芸作物等については10アール当たり1,000円、施設花卉に対しては1アール当たり250円を補助します。 2つ目は、燃料使用量の削減を図ることを目的とした、農業用機械のメンテナンスや施設園芸の省エネ資材の導入に係る経費の一部を助成する
農業省エネ対策緊急支援補助金でございます。これも、山口県が実施する
農業省エネ対策緊急支援事業に対する上乗せ補助を行うものとなっており、農業用機械の省エネと施設園芸の省エネを支援するものです。 このうち、農業用機械の省エネ支援については、30馬力以上の
乗用型トラクター、4条植以上の
乗用型田植機、3条刈り以上のコンバインなどに対して、省エネ効果が認められる点検、部品交換、修理に要する経費を補助するものです。 対象者は、
土地利用型作物である水稲、麦、大豆、露地野菜、果樹などを生産する認定農業者や
認定新規就農者で、令和5年度も
営農継続予定の方になります。対象者としては、おおよそ100経営体を想定しています。 補助額は、点検、部品交換、修理に要した経費の4分の1以内とし、上限15万円としています。 また、施設園芸の省エネ支援については、施設園芸の省エネ資材の導入に際し、ハウスの内張りの被覆資材費や
多段式サーモ機器の購入費用を補助するものです。 対象者は、ボイラーなどの加温設備を使用した花卉、野菜、果樹を生産する
施設園芸農家のうち、認定農業者や
認定新規就農者で、令和5年度も
営農継続予定の方になります。対象者としては、おおよそ20経営体を想定しています。 補助額は、資材費の4分の1以内としており、補助額に上限は設けていません。 なお、
農業省エネ対策緊急支援補助金の対象期間は、令和4年4月1日から令和5年1月31日までとなっており、それぞれ、この期間内に発注、整備または設置し、支払いを済ませた経費が対象となります。 3つ目は、
施設園芸農家加温燃料価格高騰支援補助金について御説明します。 この事業は、山口県の支援事業にはない、市独自に設けた事業となります。 事業内容は、園芸用施設におけるボイラ-などの加温設備で使用されるA重油や灯油などの燃料費に対して補助を行うものです。 対象者は、市内に住所または事業所を有する農家または法人で、ガラスまたは
ビニールハウスの園芸施設において、販売目的の花卉、野菜、果樹の農産物を栽培し、
園芸用施設用の加温設備などの燃料としてA重油、灯油またはLPガスを使用する方で、令和5年度も
営農継続予定の方になります。対象者としては、おおよそ30経営体を想定しています。 対象となる期間は、令和4年11月1日から令和5年2月末までに納品された燃料とし、補助額は、燃料購入量に対して、A重油と灯油は1リットル当たり15円、LPガスは1キログラム当たり30円を乗じて得た額とし、上限10万円としています。 申請受付期間は、令和5年3月20日までとし、複数回の申請は不可としています。また、補助金の給付は、同一の申請者に対して一度限りになります。 最後に、4つ目としまして、国の
配合飼料価格安定制度に係る
生産者積立金の一部を支援するものとして、
配合飼料価格高騰対策緊急支援補助金があります。こちらも、山口県が実施する支援事業に対する上乗せ補助を行うものとなっています。 対象者は、畜産業を営んでおり、国の
配合飼料価格安定制度に加入している方となり、山口県より、対象者への照会、確認が行われています。対象者として、おおよそ25経営体を想定しています。 補助額は、令和4年度中の利用を見込んで契約・納付した
生産者積立金に係る経費で、
生産者積立金の1トン当たり600円のうち、4分の1の150円としています。 なお、事業周知については、市の事業に先立ちまして、県の事業の募集が既に令和4年8月18日から開始されており、令和4年10月31日まで受け付けられています。
JA山口中央会のホームページや、JA会員に対する広報紙での周知、また、JAや
市農林振興課及び各総合支所、
岩国農林水産事務所などで募集チラシの設置がされております。あわせて、既存の水田データにより面積案件の把握ができる対象者に対しては、個別に郵送案内を送っています。 一方、本市の事業につきましては、広報いわくに10月15日号、岩国市市民メール、市民ニュースアプリ、市ホームページにおいて、改めて周知を行う予定としています。 申請手続については、県の上乗せ支援事業は、県と申請者のデータを共有するなど、手続や添付資料などの簡略化を検討しています。受付窓口は、本庁農林振興課または各総合支所農政担当課となっています。 本市といたしましては、御説明した4つの事業を山口県の支援策と併せ、効果的に実施することで、
農業関連資材の
価格高騰対策を図り、農業者への負担軽減に努めてまいりたいと考えております。 次に、(2)農業支援策の抜本的検討についてですが、広大な中山間地域を抱える本市においては、担い手の減少や高齢化が進む中、農業への新規参入を含む担い手の確保・育成や、既存農家の営農継続に向けた取組が必要であると考えています。 農業の新規参入に向けては、国の制度であります、新規就農者への支援として農業次世代人材投資資金などを活用するのと併せ、農業用機械の購入費の一部を助成する市独自の新規就農者経営安定対策事業制度を設けるなど、より強く定着を支援しています。また、新規就農者の確保に向けて、定期的に就農相談会を開催するなど、幅広く周知を行っているところでございます。 また、既存農家における営農継続に向けては、国の制度である中山間地域等直接支払交付金の活用などにより、共同で農地保全に取り組む集落を支援するとともに、担い手農家に対する農地集積に対しての奨励金支援を行うなどの取組を進めているところでございます。 本市の多くを占める中山間地域は、営農条件が不利な地域ではありますが、生産の場であると同時に生活の場でもあります。立地条件や特色を生かした農産物栽培を促進しつつ、洪水や土砂崩れの防止、自然環境の保全といった多目的機能を発揮していくことが求められています。 今後も、国や県の制度との連携を図りつつ、実情を踏まえ、市独自の取組を効果的に展開し、新たな農業者の確保・育成や既存農家の育成・支援を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 第3点目のJR岩徳線の利便性向上についてお答えします。 まず、(1)国土交通省の「有識者会議」の報告書についてですが、国土交通省では、利用者が大幅に減少するなどして危機的な状況に置かれているローカル鉄道に対する国の関与、支援の在り方も含め、具体的な方策を検討するため、大学教授など有識者をメンバーとした鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会を本年2月に立ち上げられました。 この検討会では、鉄道事業者や自治体へのヒアリングを実施するとともに、論点の整理などを行った上で議論を重ねられた結果、地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言を取りまとめられ、7月25日に公表されました。 この提言の中で示された線区の分類、協議入りの基準に係る基本的な考え方の内容としましては、基幹的な鉄道ネットワークを形成する線区については、引き続きJR各社による維持を強く期待し、線区の活性化に取り組むとされ、危機的な状況にあるローカル線については、沿線自治体が中心となり、将来に向けた地域モビリティの在り方について、関係者と検討を進めていくことが基本原則とされています。 その上で、基本原則がうまく機能しない地域においては、輸送密度が1,000人未満かつピーク時の1時間当たりの輸送人員が500人未満を一つの目安としつつ、広域的な調整が必要と認められた線区については、鉄道事業者または自治体の要請を受け、国が協議会を設置し協議する、と示されています。 このうち、危機的な状況にあるローカル線や基本原則がうまく機能しない地域や広域的な調整が必要と認められた線区については、必要な場合には実証事業を通じて対策案の実効性を検証することで、鉄道を運行する公共政策的意義、役割が認められる線区か、あるいはバスを基盤とした大量輸送システムであるBRTやバスなどによって、公共政策的意義、役割が実現できる線区かを評価し、その上で合理的な期限を設けて議論し、具体的な対応策を策定することが提言での方向性としてまとめられています。 次に、(2)今後の対応についてですが、このたび、国の提言において、今後の方向性や基本的な考え方がまとめられましたが、本市を運行する岩徳線については、危機的な状況にあるローカル線や基本原則がうまく機能しない地域や広域的な調整が必要と認められた線区には、国が示す目安によれば、現時点では該当しないことになります。 市としましては、岩徳線は、通勤・通学または通院などの利用者にとって欠かせない移動手段であることから、平成29年度に沿線自治体である周南市、下松市及び本市の関係課、山口県の交通政策課、JR西日本山口支社の企画課及び徳山・岩国の管理駅長を構成メンバーとするJR岩徳線利用促進委員会を立ち上げ、イベント列車の運行や駅カードの配布、こども絵画展の掲示、スタンプラリーなど、沿線住民の利用啓発や利用促進、また、観光利用を促進する事業を実施し、岩徳線の利用促進に取り組んでいるところです。 しかしながら、岩徳線の輸送密度は令和2年度には1,090人まで減少し、今後の人口減少等を勘案しますと、国の提言で示された「危機的な状況にあるローカル線」に該当する可能性もあり得るのではないかと考えられます。このため、岩徳線の今後の在り方について、沿線市である周南市や下松市をはじめ、山口県やJR西日本と連携して協議していく必要があるとも考えております。 次に、(3)JR岩徳線の増便についてですが、岩徳線の現状としましては、利用者数が平成20年度に約117万7,000人であったものが、令和2年度には約87万1,000人となり、この十数年間で約26%減少しています。 こうした中、JR西日本は利用者の減少などに伴い、運行の効率化を図るため、線区の運行便数を輸送量、利用者数に合わせて輸送力、運行便数などで調整され、特に利用者の少ない時間帯などの便を削減されており、岩徳線の平日の運行便数につきましては、平成20年には1日30便の運行であったものが、現在では1日23便の運行となっています。 このように、便数が削減されている中、増便については難しい状況にあり、また運行便数については、JR西日本により主体的に判断されるものであることから、市としましては、今後もJR岩徳線利用促進委員会の取組を継続することで、一人でも多くの方に関心を持っていただくとともに、利用促進につなげていき、岩徳線の利用者が増えることにより、将来的な増便を目指したいと考えていますので、よろしくお願いします。
◆13番(小川安士君) それでは、早速再質問に入らさせていただきます。 まず、市民に及ぼす基地の影響の変化についてですけれども、市への苦情の内容の変化については、
市街地上空飛行の苦情件数は変動が少ないようですけれども、最近は月平均6回以上になっております。この市街地上空の飛行は、回数が少なくても、これから行われますコンターの作成には大きな影響を及ぼします。当然、この苦情についても反映されたコンターになると思いますけれども、見解を伺います。
◎
基地政策担当部長(穴水辰雄君) お尋ねの
市街地上空飛行につきましては、このたびの騒音度調査におきましては、航空機騒音以外にも飛行回数等のデータ整理、飛行経路のデータ整理、継続時間等のデータ整理も行われます。当然のことながら、航空機騒音の市街地上空についてであれば、反映されるものと認識しております。
◆13番(小川安士君) それから、騒音の変化につきましてですけれども、大きな流れについて言いますと、基地の軍事的位置づけが変わったときに大きく変わってます。昭和63年はイラン・イラク戦争の停戦協定成立、平成8年はSACOの最終報告の年、平成16年は米軍再編計画の検討が報道された年、平成29年は艦載機移駐の年、全て米軍の世界戦略の変化と連動して増えています。この事実については、認められますでしょうか。
◎
基地政策担当部長(穴水辰雄君) 基地の苦情件数の変化につきましては、議員御指摘の関係性については市のほうとしては分かりませんが、苦情件数の変化については、あくまでもその時々の航空機の運用に伴う騒音の状況が大きな要因であると考えております。 米軍のみならず、自衛隊も含めたこの航空機の運用は当然、我が国を取り巻く
安全保障環境に影響されるものではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆13番(小川安士君) そういった運用の変化が市民の生活に反映しているというこの事実だけは、隠すことができないと思います。ぜひ、機能についての関与を強めるべきだと思います。 続きまして2項目め、
新型コロナウイルス感染症対策に関してですが、基地と岩国市民の感染状況を比べてみますと、令和2年11月の岩国市最初の感染数ピークは、基地最初のピークの2日後、令和3年、令和4年の正月の市民の大量感染の前には、基地のクリスマス大量感染がありました。 そして問題は、行動規制のない隊員や規制不明の隊員の割合が増えている点です。特に令和4年は、オミクロン株が全国の基地周辺で感染拡大しました。基地の感染者状況を見ますと、令和2年には外出制限中に感染が判明する人が多いのですが、令和3年1月以降は、外出制限していない人の感染例が増えています。今年既に基地内で2,000人が感染していますけれども、外出の規制状況は不明です。感染が増えても管理が改善されず、むしろ悪化している、これが事実ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
◎
基地政策担当部長(穴水辰雄君) いわゆる新型コロナの感染の状況の情報管理につきましては、
米軍岩国基地と山口県の保健当局との間で連携されておりまして、必要な情報については情報共有がなされておりますので、そのあたりの対応ということになっております。
◆13番(小川安士君) 基地内の感染については、1日当たり10人以下と言われましたけれども、今年1月以降の感染率を人口比で見ますと、市民の約2倍と想定されるのではないかと思います。そして、その感染者の感染源や行動規制がはっきりしない、この点は問題だと思います。隊内の高い感染率が基地の外へあふれ出ていると思われます。基地内の感染者管理と市内への出入りの管理、もっと厳しくするように改めて基地に求めるべきだと思いますけれども、見解を求めます。
◎
基地政策担当部長(穴水辰雄君) 基地関係者から一方的に拡散しているということではなく、やはり同じ地域に生活している環境下においては、そのような対応を行う考えはございません。
◆13番(小川安士君) そうした見解は、今の日本に検疫の権限がない、このこととも反映している答弁だと思います。地位協定の改定を本気で求める。検疫権についても日本に確保するということがないと市民の命、健康は守れないと思いますので、厳しく指摘させていただきます。 次に、基地への不安感に関してですけれども、今年の平和宣言、長崎の市長は日本政府と国会議員に対しまして「戦争をしないと決意した憲法を持つ国として、国際社会の中で、平時からの平和外交を展開するリーダーシップを発揮してください」と、このように訴えておられます。 今、米軍は多次元の戦闘対応となって、陸・海・空軍と海兵隊の4軍統合運用が行われておりまして、岩国はかつての海兵隊が待機する拠点基地から、出撃に即応する統合4軍の前線航空基地に変わって、その機動作戦の枠組みを維持する訓練、こういったものが行われていると思います。このようにして、東アジアの軍事的緊張を高めておいて、その対応策といたしまして今度は米軍を補完するミサイルを日本に配備させようと、こういった動きがあると認識をしております。 同じ爆音でも岩国市民にとって意味する内容は全く変わってきていると、このように認識しております。米軍の戦略を冷静に見詰めて、平和を求める、その日本国民の切実な声、岩国市民の声を政府にきちんと届けられるように求めまして、この項は終わります。 それでは、ちょっと順番を変えまして3点目、JR岩徳線の利便性向上に関してお尋ねいたします。 この項では、(1)として国土交通省の報告書についてお尋ねしました。 この報告書では、「はじめに」の項で、ローカル鉄道の危機的状況を放置すれば、地域の発展を阻害し、利用者に不便や不安を与えるのに、鉄道事業者はローカル鉄道を運営上の重荷としか見ておらず、国や地方自治体は現状を見て見ぬふりで、国鉄の分割民営化以後の35年間、有効な手だてを打ってこなかったのではないかと、このように指摘しています。 これらの指摘が今回の報告書の土台であって、執行部や国は対応の不十分さを反省する、このことがまず求められていると思いますけれども、御見解を求めます。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 議員御質問のとおりですね、このたびの国の検討会においてまとめられました、ローカル鉄道の在り方に関する提言、こちらの中ではかなり踏み込んだ厳しい指摘のほうがなされております。 こちらの中では、検討会での問題意識としまして、国や地方自治体はローカル鉄道の現状を直視し効果的に対応してきたのかとかですね、見て見ぬふりをして鉄道事業者任せにしてきたのではないかと指摘されているところです。 ただ、これまでJRの経営状況、特に分割民営化以降のローカル線の運行につきましては、新幹線や都市部の路線、また、関係事業などで得ました利益から内部補助により支えられている状況でございまして、また、JRからの情報開示も少ない中では、このたびのJRの発表まではそういった内情を知り得ることが難しかったというふうに考えているところでございます。
◆13番(小川安士君) ぜひ、この提言書を大事に扱っていただきたいというふうに思います。 この提言書では、今後の対応につきましても、28ページなんですけれども、単なる現状維持ではなくて、真に地域の発展に貢献し、利用者から感謝され、利用してもらえる地域公共交通に再構築していくことが必要、このように指摘をしております。しかし、先ほどの答弁では、そのような認識にはまだ十分なっていないのではないかというふうに思うわけです。 国や県が責任放棄をしたり、JRや市町村に責任転嫁をする、こういった姿勢があれば、将来に関わるような大きな計画の協議に市として自信を持って入ることはできないというふうに思います。 執行部では、国の公共交通に対する無関心を容認せずに、この提言を有効活用して住民の役に立つ鉄道、この在り方、姿を探求すべきだと思いますが、見解をお尋ねします。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) これまでも市としましては、JRに対しまして無関心であったということではございませんで、利用の振興策でありますとか、施設整備に対する補助、また、JRとバスなどのほかの交通機関と一体となりました交通体系の構築などに尽力してきたところでございます。 こうした中、JRから、言わば突然の発表がございまして、そのことでローカル線に対します市としての捉え方につきましては新しい局面に入ったのではないかというふうに思っております。 壇上の御答弁の繰り返しになりますが、現時点で岩徳線におきましては、国が示す目安には該当しておりませんので、協議会などを開催して検討を進めるといった段階にはございませんが、提言の内容を尊重しまして、今後の方向性などを検討していく必要があるというふうに考えております。
◆13番(小川安士君) 基準をごく僅かにクリアしているという状況では、今後の人口数の移動、あるいは学生の皆さんの数字の変更によっては1,000人を切ってしまうという状況もあると思います。ぜひ積極的な対応が必要だと思います。山口県の中央部の7市町村におかれましては、ローカル線の維持を知事に要望をしておられます。こういった中で、一つの路線でも対策が不十分で、状況が悪化すると、こういった事例が生じてきますと次々に広がっていくのではないかというふうに思っています。ぜひ、そうならないように県内の全ローカル線で連携を深めて、支え合って国や県に積極的に働きかける、そういう組織も必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 国や県への対応でございますけれど、山口県の市長会、こちらの8月の定例会議のほうで採択されました議案、JRローカル線の維持・確保に向けた支援につきましては、この9月の中旬に山口県市長会の会長から山口県知事宛てに要望書として提出される予定ということでお聞きしているところでございます。 その内容を少し御紹介いたしますと、今後新たな協議の場が創設される場合には、県の強力なリーダーシップの下、沿線自治体の意向を十分に踏まえた、廃線ありきではなく、地域公共交通の持続的な発展につなげる場となるよう、国に対し効果的な制度設計を求めること、というものとなっております。 今後におきましても、岩徳線の在り方につきましては、沿線市の周南市、下松市と連携を密にしまして、協議を行いまして、国や県などに対しまして必要な要望などを行ってまいりたいというふうに考えております。
◆13番(小川安士君) 自治体とか市民のほうから利用促進の運動をすると、これはこれで大事な点だと思います。しかし、今回の提言は全く方向が逆じゃないかと思うんです。使ってもらえるような公共交通をつくる、このことが大事ではないかというのが今回の指摘ではないかと思います。 ぜひ、そういった取組になっていくように強固な構えをつくっていくということが改めて必要、これまでとは一線を画するような取組が必要になってきているのではないかと思いますので、積極的な御検討を求めます。 次に、JR岩徳線の増便に関してですが、提言では先進事例の紹介もされています。そしてその中には、企業の寄附金6,000万円と国・県・市の補助金等1億円、これを使いまして増便の条件を整えたと、こういった事例も紹介をされております。 岩徳線でも、県と関連3市で費用の一部を負担すると、そして企業にも働きかけることで岩徳線の増便について目指していくと、こういった取組ができないのかお尋ねいたします。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) このたびの国が検討会でまとめられました提言におきましては、ローカル鉄道を再構築した場合の事例としまして、例えば第三セクター化が一例として挙がっております。その内容では、増便やダイヤ設定の工夫、駅の新設など、地域と連携した利用促進が進んだ結果、利用者が大きく増加したということが紹介されております。 ただ、壇上でも申し上げましたが、増便などの運行便数につきましては、JR西日本により主体的に判断されるものでございますが、議員の御提案によりますと、市が運行費用の一部を補助して増便などを実施してはどうかとの御提案でございます。ですが、現在の状況におきましては市としまして、ローカル線に対する方向性でありますとか、今後の在り方を検討していくべき段階でございまして、そのことに先立ちまして市が補助するということにつきましては、JRからの内部情報が少ない中、また、市の適切な関与の在り方が不透明な段階では、適当ではないのではないかというふうに考えております。 市としましては、引き続きJR岩徳線利用促進委員会の取組を継続しまして、一人でも多くの方に岩徳線を利用していただくことが将来的な増便につながるのではないかというふうに考えております。
◆13番(小川安士君) 岩徳線の利便強化に向けた積極的なメッセージ、ぜひ発信していくことが必要だと思います。 いずれにいたしましても報告書は、財政措置も含めて国の主体的な対応を求めております。そして、自治体も逃避するなというふうに求めています。 様々なシステムの導入もこれから検討されると思いますが、地方自治体に財政負担を押しつける、そして住民に不便を押しつける、このような結果とならないように執行部の積極的な対応を求めておきまして、この項を終わります。 次に2番目の項目、農業支援策に戻らせていただきます。
価格高騰対策についてですけれども、農機具メンテナンス補助では、多くの家族農業が対象外です。現状では、販売農家約1,650戸、自給農家約2,300戸という状況だと思います。今度、農機具が壊れたらもう農業はやめる、こういう声が広がっている中ですので、認定農業者100戸に限定した補助ではなく対象を広げるべきだと思いますけれども、見解をお尋ねします。
◎
農林水産担当部長(藏田敦君) このたびの
農業省エネ対策緊急支援補助金につきましては、先ほど壇上でも御説明させていただきましたけれども、県の支援事業の上乗せ補助として策定しておりますので、市の事業につきましても対象農家は県と同様に大型の農業機械が特に燃料高騰等の影響を受け、コストがかかることから、認定農業者及び認定新規農業者を事業案件としております。
◆13番(小川安士君) 100戸じゃあまりにも少な過ぎると思います。改善を求めておきます。 これは家畜の配合飼料についても同様なんですけれども、畜産経営体数は鶏含めて45戸、肉用牛農家も39戸ではないかと思います。補助対象25戸では少ないと思います。ぜひ広げられるように併せて求めておきます。 それから、農業支援策の抜本的検討に関してですけれども、最近、中小農家の離農が続いても、それをきちんと受け止めていくような中核農家、生産法人、特定農業者の力もなくなっているという状況です。ぜひ、家族農業の支援の強化が必要だと思います。 そして、その点に関してなんですけれども、農業新聞では自給率向上のために穀物自給率向上、耕作放棄地全面回復、農業者への直接支払いの実現、以上の3点で国民運動を広げようと、こういった記事もありました。執行部でもぜひ参考にしていただきたいと思いますけれども、農業再建に向けた具体策があればお示しください。
◎
農林水産担当部長(藏田敦君) 本市といたしましては、将来にわたって持続可能な力強い農業を実現するために新たな支援制度の導入、既存支援制度の見直しや拡充に対しまして今後も調査・研究に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆13番(小川安士君) ぜひ、家族農業の支援に向けて頑張っていただきたいと思います。 残念ながら、補正で対応できない点、長期的な対応が必要な点、たくさん言い逃したこと、求めても実現してもらえないことがたくさん残っています。これにつきましては新年度の当初予算でしっかりと対応してくださいますように、重ねて求めまして質問を終わります。
○議長(桑原敏幸君) 以上で、13番 小川安士君の一般質問を終了いたします。 28番 松本久次君。
◆28番(松本久次君) 憲政会の松本でございます。会を代表いたしまして、一般質問をさせていただきます。 議長に許可を頂いておりますので、質問に入ります前に、私ごとではありますけれども今期をもちまして岩国市議会議員を辞職することになりましたが、浅学非才な私が平成18年に岩国市議会議員に当選して以来、早いもので在職の4期目を大過なく務めることができましたのは、市民の皆様をはじめ、議員諸兄の皆様方の公私にわたる温かい御厚情と御指導のたまものと心から感謝とお礼を申し上げます。 思い起こしますと、私の信念と熱い思いを胸に岩国市議会議員4期、16年の間、市民生活の向上と岩国市の発展等々地域の振興を目指し、市民の負託に応えるべく、活動をしてまいりました。議会での一般質問も16年間で42回。主には合併後の地域づくり、農林業の振興、中山間地域の振興、また、災害対策や観光振興等々をしてまいりました。市民や地域の皆様の負託に応えることができたのか今でも葛藤をしておるところでございます。今定例会が最後の一般質問となりますが、私の信条であります地域再生、地域振興に基づく総合戦略についてお伺いをしたいと思います。 1点目、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略について、(1)第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてのア、令和3年度までの重要業績評価指標(KPI)と進捗状況についてお伺いいたします。 次に、質問イでございます。岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本理念と基本目標の中で、中心地域と中山間地域との連携や交流、基地のあるまちの特性を生かした国際交流などを推進し、人や物の流れを生み出すことが重要ですとございます。 岩国市中山間地域振興基本計画との整合性についてお伺いいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) まずもって、松本議員におかれましては平成7年に錦町議会のほうに選出されて以来、在任期間27年6か月にわたりまして錦町議会議員、そして岩国市議会議員として御活動いただきました。先ほど、議員のほうから42回にわたる一般質問等――また、平成23年11月から平成24年11月まで岩国市議会議長を務めておられます。中山間地域の発展、また農業、防災対策、様々な観点から御質問をいただき、また、市民の福祉の向上のために御尽力賜りました。この定例会、まだ委員会等も残っております。まずもって、これまで松本議員が本市の発展のために御尽力されましたことに対しまして心から敬意と感謝を申し上げまして、答弁のほうに移らせていただきます。 それでは、松本議員御質問の第1点目の岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての(1)第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお答えさせていただきます。 まず、ア、令和3年度までの重要業績評価指標(KPI)と進捗状況についてでありますが、本市においては令和2年3月に、第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、その基本理念に「未来へつながる交流都市岩国~若い世代に選ばれるまち~」を掲げ、人口減少の抑制と地域活力の向上に取り組んでいます。 この総合戦略では、4つの基本目標を掲げ、その基本目標に数値目標や、施策、また、その施策には具体的な取組や重要業績評価指標でありますKPIを設け、総合戦略の進行の管理と推進を図っております。 このうち、4つの基本目標ごとの数値目標について、直近の実績を申し上げますと、まず、基本目標1の「まちとまちをつなぐ交流づくり」につきましては、観光入込客数を数値目標とし、令和3年の目標値400万人に対して、実績は135万1,277人であり、
新型コロナウイルス感染症による大きな影響があったものと思われます。 次に、基本目標2の「産業振興によるしごとづくり」につきましては、従業者数を数値目標とし、令和3年度の目標値3万5,450人に対して、実績は3万5,753人であり、目標を達成しております。 次に、基本目標3の「結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくり」につきましては、合計特殊出生率を数値目標とし、令和2年度の目標値1.62に対して、実績は1.44となっております。 最後に、基本目標4の「地域の暮らしを支えるまちづくり」につきましては、市民満足度調査総合満足度を数値目標とし、令和3年度の目標値56.4%に対して、実績は56.5%であり、目標を達成しております。 また、重要業績評価指標でありますKPIの令和2年度の実績として、基本目標1については、観光宿泊者数やスポーツイベント開催件数など、8つのKPIのうち、目標値に対し1つが達成となっております。 そのほか、基本目標2については、進出協定書を締結した数や、農林水産業の新規就業者数など、8つのKPIのうち2つ、そして、基本目標3については、出産後3か月頃の満足度や、ワーク・ライク・バランスに取り組む企業数など、11のKPIのうち8つが達成となっております。 基本目標4については、地域包括ケアシステムへの参加団体数や、市民メール登録者数など、11のKPIのうち5つが達成となっており、全てのKPI38のうち、達成が16、未達成が22となっております。 さらに、施策における具体的な取組について、令和2年度の進捗状況としては、154項目の取組のうち、取組の内容を全て完了・全て実施したものが107項目で全体の約7割、そして、取組の内容を一部完了・一部実施したものが31項目で約2割、取組の達成に向け着手済み・調査・研究中のものが16項目で約1割となっております。 このように、数値目標やKPIについては、目標値に達していないものもありますが、計画期間の最終年度であります令和6年度には、この目標値を達成できるよう、引き続き、総合戦略に掲げるそれぞれの施策を着実に実施してまいります。 次に、イ、中山間地域振興基本計画との整合性についてでありますが、平成26年12月に、安心・安全に暮らし続けられる中山間地域の実現を基本目標に、岩国市総合計画を上位計画とした、第1次岩国市中山間地域振興基本計画を策定いたしました。 平成30年度に、この計画の前期の期間が終了することから、さらに実効性の高い取組を反映するため、計画の変更を行い、令和元年度から令和4年度までの4年間を計画期間とした後期基本計画を策定いたしました。 後期基本計画においては、社会情勢の変化や、中山間地域を取り巻く環境の変化に対応するため、安心・安全で暮らしやすい生活環境の整備、持続可能な地域社会の形成、地域資源を生かした多様な産業の振興の3つの柱に沿って、様々な施策を体系的に整理し、総合的かつ計画的に取り組んでいるところであります。 また、第1次計画が今年度末をもって計画期間が終了することから、現在、有識者の御意見もお聴きしながら、新たに第2次計画の策定を進めているところであります。 一方、第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略においては、基本目標2の産業振興によるしごとづくりにおける、農林水産業の経営支援をはじめ、医療や観光、防災など様々な分野の中で中山間地域の活性化に関わる取組を掲げ、中山間地域振興基本計画との整合性を図っております。 また、中山間地域の振興に特化した具体的な取組もあり、基本目標4の地域の暮らしを支えるまちづくりの中で、住民主体の取組への支援として、地域おこし協力隊の派遣や集落支援員の配置を掲げております。 さらに、田舎暮らしの促進として、空き家情報登録制度による中山間地域の空き家の活用や、移住応援団の配置を交流の促進として、農山漁村体験交流の推進を掲げております。 こうした総合戦略における中山間地域の振興に関する施策については、中山間地域振興基本計画と密接に関係があることから、今後におきましても、整合性を図りながら連携して取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆28番(松本久次君) それでは、自席にて再質問をさせていただきます。 令和4年9月定例会再質問の、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお伺いいたします。 1点目でございますが、基本目標1のまちとまちをつなぐ交流づくりについて、観光入込客数の数値目標が令和3年の目標値400万人に対し、
新型コロナウイルス感染症による影響で、実績は135万人と答弁がございました。ここで質問でございますけれども、目標値の半数にも満たない大幅な減少の中で、岩国市の観光の目玉である錦帯橋の渡橋客数、あるいは錦川清流線の乗客数、岩国錦帯橋空港の観光利用客数についてその状況をお聞かせください。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 数字を幾つか御紹介させていただこうと思います。 まず、錦帯橋の入橋者数についてでございますけれども、これは年度ではございませんで、観光動態調査で発表しております年間の数字で申し上げますと、令和元年がおよそ62万人、令和3年はおよそ27万人でございます。それから、錦川清流線の観光乗客数ということでございますけれども、こちらにつきましては観光のための乗客数という集計がございませんので、清流線の乗客数とそれから併せてその内数として集計をしておりますところの、とことこトレインの御利用者の年度の数を御紹介をさせていただきますと、まず、清流線のほうが令和元年度が約16万人、令和3年度で約13万人でございまして、このうち、とことこトレインの御利用者数は令和元年度がおよそ8,000人、令和3年度がおよそ5,000人でございます。 最後に、岩国錦帯橋空港についてでございますけれども、こちらにつきましては搭乗者数の年度の値で申しますと、まず羽田線のほうが令和元年度が約41万人、令和3年度は約13万人でありまして、沖縄線のほうは令和元年度が約7万人、令和3年度では約6,000人となっているところでございます。 観光目的ということでございますと、過去に行いました出発便アンケート調査の分析といたしまして、羽田線で大体3割から4割、沖縄線で8割から9割程度が観光目的での御利用と考えているところでございます。
◆28番(松本久次君) 新型コロナの感染症等々の関係で大幅な観光客が見込めない、今そういう状況の中でございます。基本的方向に見られるように、観光による交流人口及び観光消費の拡大について令和6年の目標値が420万人とあります。インバウンド誘客の取組や今後の施策等の変更があれば、目標値の変更等必要と思われますがいかがでしょうか。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 本日付でも、コロナ禍におけます海外からの受入れにつきまして国の緩和策も始まっておりますけれども、インバウンドについても依然として厳しい状況でございます。議員御指摘のように総合戦略の令和6年度の目標は、達成がかなり厳しい状況でございます。 市におきましては、本年度第3次総合計画を策定中でございまして、現在、計画案についてパブリックコメントも実施しているところでございますけれども、その計画案の中では、長引く
新型コロナウイルス感染症の影響等は十分に踏まえる必要があると考えているところでございまして、令和6年の観光入込客数の目標値を322万人、計画期間末の令和9年の目標値を352万人と設定をし直しておりまして、見直しを図っているところでございます。
◆28番(松本久次君) いずれにいたしましても、厳しい状況には間違いはないということであろうかと思います。 やはり、旧市内だけで観光施策を行っても非常に難しいということで、各地域にあります観光協会等とのしっかりとした連携を持っていただいて、目標値を達成していただくように提言をしておきます。 それでは、再質問2点目でございます。基本目標の産業振興によるしごとづくりについて、御答弁では就業者数について、令和3年度の目標値3万5,450人に対しまして、実績が3万5,753人で目標値を達成してございます。 大いに評価できるものと考えますけれども、この目標値を達成した理由といいましょうか、内訳等について、あればお伺いします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 評価をいただきまして、誠にありがとうございます。 市におきましては、人口定住に不可欠な雇用の場の確保に向けまして、企業誘致とそれから既存企業の設備投資の促進に努めているところでございます。 特に、岩国錦帯橋空港が開港しましてからは企業活動に必要な物流ですとか交通、こういった利便性が格段に高まったというところをセールスポイントにいたしまして、誘致活動に取り組んでいるところでございます。 こうした取組によりまして、空港が開港した平成24年度以降で申しますと、これまで34社と企業進出の協定を締結しておりまして、その計画雇用人数が約1,000人、現時点の実雇用人数も約660人でございまして、着実に成果として現れているところでございます。 それから、第2次まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画期間でありますところの令和2年度以降におきましても、10社と進出協定を締結しておりまして、年間2社という目標を大きく上回っている状況でございます。 目標達成が全部、企業誘致によるものと限られたことではないでしょうけれども、こうした企業誘致の取組をはじめといたしましてそのほか、コロナ禍におきます市独自の雇用安定補助金でありますとか、雇用対策協議会によります企業への雇用要請などなど市内の雇用確保に向けた取組全般を通じまして、目標達成しているものと認識をしているところでございます。
◆28番(松本久次君) この、就業者数ということで地域の経済に大きく貢献してくると思いますので、おっしゃるようにまた引き続き頑張っていただきたいなというふうに思います。 それでは、再質問3点目でございます。 基本目標の4、地域の暮らしを支えるまちづくりについてお伺いいたします。 市民満足度調査総合満足度を数値目標とし、令和3年度の目標値56.4%に対して実績が56.5%で、目標値を達成されています。 全国レベルでどの位置にあるのか、もしそういったランキングが分かればお伺いします。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 本市で行っております市民満足度調査でございますけれど、こちらにつきましては市におきまして、総合計画に基づいて実施しております施策に対しまして、市民の皆様から満足度や重要度といった御意見を伺いながら市政運営に役立てることを目的としまして、平成27年度から毎年実施している調査となります。 こうした市民満足度調査でございますけれど、全国の自治体におきましても実施されているところはございますけれど、調査項目といったものは統一化されていない状況にございまして、また、毎年実施されていない自治体も多くございます。 ちなみに山口県内の自治体におきましては、本市で行っているような市民満足度調査でありますとか、市民アンケート、こういったものを毎年行っているといったところは少ないといった状況でございまして、総合計画の策定時などにこうした調査を行われているところが多いといった状況にございます。 こうした状況でございますので、全国レベルでの比較ということはちょっと難しい状況ではございますが、参考としまして本市におけます総合満足度のこれまでの推移ということで御紹介いたしますと、調査を開始しました平成27年度の満足度、こちらが48%ということで50%を下回っておりました。こちらが、平成28年度では50.7%ということで50%を上回りまして、その後、年々上昇を続けまして令和2年度の56.9%まで上昇いたしました。直近の令和3年度の調査におきましては、56.5%ということで令和2年度と比較しましたらば0.4ポイントの減ということにはなりますけれど、総合計画に基づく施策の実施に努めたことによりまして、目標値であります56.4%に対しましては目標を達成することができたのではないかというふうに考えております。
◆28番(松本久次君) 今、全国レベルでの比較ができないということでありますけれども、住みよいまちとか幸福度のまちとか、いろいろランキングがありますけれども、山口県は割と低いんですよね、いろんな意味を持って。それが岩国市は駄目ということじゃなくて、目標値をもう少し上げてみるとか、そういう方向で今後取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 それでは、次に質問のイでございますけれども、中山間地域振興基本計画との整合性についてお伺いいたします。 農林水産業の経営支援をはじめ、医療や観光、防災など様々な分野の中で中山間地域の活性化に関わる取組を掲げ、中山間地域基本計画との整合性を図っているという御答弁でございました。 中山間地域振興基本計画が平成27年に計画されましてから、現在まで施策を推進されてきておりますけれども、地域再生、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略との整合性の中で周辺地域、いわゆる旧町村のまちづくり、活性化に何がもたらされてきたのか、どういう振興ができたのか、各総合支所長にお伺いいたします。どなたからでも結構です。
◎
由宇総合支所長(塩中京子君) それでは、まずは由宇総合支所からお答えいたします。 由宇地域の取組といたしましては、平成25年から平成28年まで集落支援員1人を由西地区に配置し、由西地区の夢プランづくりのための現状を把握するため、地元と連携し全世帯の聞き取り調査などを行い、各自治会において調査結果報告会を開催し、由西地区の現状、課題、あるべき姿について話合いを進め、平成27年9月に「由西を元気にしよう会」が発足されました。現在も、草刈り、花植えなどの環境美化を中心に活動が継続されています。平成30年8月から令和2年3月までの間、地域おこし協力隊員1人を神東地区に派遣し、地域行事に参加しながら交流を深め、同地区の段々畑が荒廃していることに着目し、これを解消するためレモンとオレンジを交配させたマイヤーレモンの栽培に取り組むことを提案され、地域の方と隊員により先進地への視察や苗木の植付けなどを行い、令和2年11月に地元有志による農業法人の設立へとつながりました。 法人は耕作放棄地だった農地を確保し、新規就農者を雇用することができ、若者の移住にもつながりました。また、県内企業とのコラボレーションによるマイヤーレモンを使った料理の開発を行い、メディアで取り上げられるなど活発に活動され、耕作放棄地の減少と地域活性化に取り組んでおられます。 令和2年10月から令和3年5月までの間、地域おこし協力隊員1人を由西地区に派遣し、情報発信や体験交流事業の参加、草刈り、雑木の伐採、花植えなどの環境美化活動に取り組まれました。 次に、空き家の活動による定住促進を図るため神東地区、由西地区、由東地区において移住希望者を支援する移住応援団を配置し、平成30年度に1件、平成31年度に1件、令和4年度に1件の計3件定住しておられます。 農林水産業の育成支援については、平成27年度に由宇トマトの栽培に取り組む2人の若手農家が新規就農されました。そして、令和元年度には、株式会社デナリファームを起業し、イチゴのハウス栽培事業を展開しておられ、今後も農地規模の拡大を目指すなどして活動中です。 さらに令和2年度には、先ほど御紹介させていただいた、農業法人株式会社神東ファームが設立され、平成27年度から新規就農者は4人、新規就業者は6人となっております。 農林水産業の生産環境の維持向上については鳥獣被害防止対策として、猿の目撃情報が相次いで寄せられた神東地域で猿被害対策研修会を開催したほか、先進地視察を実施するなど、地域と共に取組を進めてまいりました。 また近年、特に農作物の被害が増大しているアナグマやヌートリアなどの被害防止対策として小型捕獲わなを貸し出し、一定の効果を上げることができております。 今後も地域の方々が安心・安全に暮らし続けられるよう、様々な取組を実施していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎
周東総合支所長(中原健登君) 続きまして、周東総合支所管内の主な成果についてお答えいたします。 公共交通の利便性の向上を図るため、令和3年度から生活交通バス毛明線のデマンドの拡充を行っております。 住民主体の地域づくりの支援としまして、本年度5月から地域コミュニティーの再構築を図るため集落支援員が1人、また、今月から地域の活性化、地域協力活動の推進を図るため、地域おこし協力隊員が1人、周東町祖生地区に着任しております。平成28年度から平成30年度まで着任された地域おこし協力隊員がおられますが、任期満了後は周東町に定住しておられます。 移住応援団は、昨年度に1件、今年度に1件認定しており、現在6件の認定数となっております。 空き家情報登録制度による空き家の売買は、令和元年度に1件、令和2年度に1件成約しており、廿日市市と大竹市から転入しておられます。 安心・安全で暮らしやすい生活環境の整備としましては、橋梁の長寿命化工事を7橋実施しており、市道の整備や改良などを実施しているところでございます。 また、計画期間中に防犯灯を周東町で11灯、玖珂町で4灯、計15灯を設置しております。 担い手の確保・育成として新規就農者、新規就業者数は7人の方が新規就農され、6人の方が新規就業されておられます。 体験型観光の推進としまして、周東森林体験交流施設丸太村は、木工体験もできるログハウスの宿泊施設として毎年度多くの方に御利用いただき、周東総合支所管内の重要な交流拠点施設としてにぎわいの創出、交流人口の拡大に寄与しているところでございます。また昨年度、乗馬クラブの山口東部スマイルホースファームが周東町祖生地域に地元協力の下オープンしており、本年5月にはマスコットであるミニチュアホースのパンダちゃんが岩国市ふるさと応援隊として就任し、周東町祖生地域をはじめとした本市のPRに御尽力いただくなど、地域の活性化にもつながっているところでございます。 以上が、周東総合支所管内の成果となります。よろしくお願いします。
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錦総合支所長(的場敏君) それでは、錦総合支所管内における取組と成果についてお答えいたします。 錦総合支所では、中山間地域の活性化を推進するため様々な事業を展開しております。 まず、関係人口、交流人口の増加の主な取組といたしましては、都市住民と地域住民が交流を行う農山漁村体験交流事業を実施しております。 これは、都市部の中学生や高校生が修学旅行で一般家庭に泊まり、田舎暮らしの体験などを行う体験型教育旅行として実施をしております。終了後、生徒と受入れ家庭の間で手紙のやり取りや、生徒の家庭が再び受入れ家庭に訪れるなどの交流が増えていると聞いております。 平成27年度からの実績といたしましては、民泊を伴う教育旅行が876人、日帰り体験が1,125人の受入れを行ってまいりました。 近年では
新型コロナウイルスの影響により、日帰り体験メニューを中心に展開しておりまして、今年度は夏休みに市内の小学生が錦川清流線を利用して川遊びや神楽を体験するイベント、わんぱくトレインを開催いたしまして、約100人の参加をいただいたところでございます。 また、美川町の東谷さぬきパークでは地域住民が都市住民を招き入れ、ソバの栽培や餅つきなど交流を行っており、着実に地域活性化と関係人口づくりが推進されております。 次に、外部人材の活用や移住・定住の促進にも努めております。 その中で、地域おこし協力隊につきましては、錦町と美川町に1人ずつ配置しておりまして、錦町の隊員はアウトドアを中心とした観光コンテンツなどの魅力を向上させる活動に、美川町の隊員は根笠地域を中心に岩屋観音や大水車などを観光資源として再構築する活動にそれぞれ活躍をしていただいております。 また、集落支援員につきましても錦町と美川町に1人ずつ配置をし、各地域においてのイベントの支援、情報発信など行い、地域の活動を応援していただいております。 移住・定住の取組といたしましては、移住応援団と連携いたしまして空き家の調査や、移住希望者のサポートのほうを行っておりまして、平成27年度からの空き家の成約件数は25件となっております。 次に、農林業の維持活性化といたしましては、令和2年度に株式会社バンカーズファームが設立され、元銀行員の方々が錦町の向峠地区でワサビの産地復興に挑戦をしていただいております。 また、先ほどありましたが由宇地区に拠点を持つデナリファームにおきましては、錦町野谷郷地区において遊休農地約1ヘクタールでサツマイモの栽培、農業イベントを開催するなど山あいの集落でにぎわいが生まれております。 以上が、錦総合支所管内での主な取組と成果となります。
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美和総合支所長(藤野修二君) 美和総合支所管内における取組と成果についてお答えします。 まず、集落支援事業ですが、集落支援員を中心に地域の夢プランに基づく自主的・主体的な取組を支援するとともに、夢プランの実践に必要な拠点施設を旧小学校区で整備し、広域の集落で支え合う仕組みづくりを促進してまいりました。 平成27年度に建設しました長谷交流館は、美和中学校と地域住民が協働して紙すきによる卒業証書作りを行っており、和紙作りの伝統を後世に継承するとともに、特色のある学校づくりにもつながっております。 また、令和元年度に建設しました下畑交流館では、朝市や朝食が楽しめるキッチンせせらぎをオープンするなど、地域活性化に向けた取組を精力的に行っており、関係人口の増加にもつながっております。 次に、地域おこし協力隊派遣事業ですが、本郷地域では地域の情報をSNSで発信するほか、企業組合山代の里で新たな商品の開発や販路の拡大を図りました。 美和地域の農業部門では、地域の農業生産者や関係団体と連携し、岸根栗の産地再生に向けた活動を行っています。 美和地域の観光部門では、観光は移住の入り口であるという考えの下、コミュニケーションガイドブックの発行による地域情報の発信と併せて空き家情報登録制度を紹介するリーフレットの作成など、移住・定住につながる活動を行ってまいりました。 人口減少への対策としましては、空き家を活用した移住・定住促進を移住応援団との協働により積極的に推進してまいりました。特に美和地域では、平成28年度から26人の移住者を受け入れており、移住された方が出産されるなどでさらなる人口の増加につながっております。 本地域の主産業である農業については、本郷地域で平成28年度に農事組合法人本郷、令和2年度に企業組合山代の里が設立されました。また、農事組合法人本郷が、美和地域の4集落営農法人で構成する美和町集落営農法人等パートナーシップ協議会に加入したことにより、両地域の営農組織の連携が強化されました。 次に、教育部門の特色としまして、本郷町の本郷山村留学センターで年間を通して実施しております地域との交流活動は、地域の活性化や子供たちの健やかな育成にも寄与しております。 また、買物弱者対策及び拠点施設の活性化を目的として、美和地域ささえ愛協議会と協働し、美和地域の拠点施設を巡回する買物支援タクシーの運行を平成28年度から継続しております。御自宅からは生活交通バスで拠点地域へ移動し、そこから買物支援タクシーを利用することで日常生活用品の買物や医療・福祉サービスが完結できる仕組みづくりを進めているところでございます。 今後も地域住民との協働を推進し、活力と魅力のある地域として健全に維持され、地域の方々が安心・安全に暮らし続けることができるよう、引き続き積極的な取組を進めてまいりますので、よろしくお願いします。
◆28番(松本久次君) 各総合支所の所長から答弁をいただきました。それぞれの総合支所間でですね、これまでの取組の内容については評価できるものと思っております。 ただし、御承知のように人口減少はいまだにとどまらない。いわゆる減少の傾向をたどっている。極端に減少した地域もあります。 今、答弁された事業によって、地域が衰退していくようなことがあってはならないというふうに思っています。そういった意味をもって
市民生活部長にお伺いしますけれども、先ほど言いましたように様々な取組はされてきております。ただ、中山間地域においては、先ほど申しましたように農林業等々も含めて明らかな衰退はしてきております。この中山間地域について、部長なりに10年先とか20年先でも結構でございますけれども、考えがあればお伺いいたします。
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市民生活部長(小玉陽造君) 長期化しておりますコロナ禍によりまして日常の生活様式や働き方、社会システムが変化し、さらに都市部を中心としてDX化が進展する中で、先ほど総合支所長の答弁にもございましたけれども、新たな地域格差が生じる中で、中山間地域では地方を創生し、未来につながるにぎわいを創出することの必要性とその対策に迫られております。一方で、DX化の進展は通勤や距離の概念を変え、テレワークやワーケーションといった言葉が一般的になる中で、都市部から地方への移住意向が高まりを見せております。 このようなふるさと回帰の機運をチャンスとして捉え、いわくに暮らしへの機運醸成を図るために地域おこし協力隊など、外部人材の活用、既存の交流施設のデジタル環境整備等によるローカル版MICEモデルの推進、にぎわいと地域コミュニティー再生の両立を目指した施設の多機能化やその仕組みづくりを進める必要があると考えております。 本市の中山間地域には大変豊かな森林資源があります。風光明媚な島々や海浜公園があります。アクティビティを楽しめるダム湖があります。全国に誇れる清流や名瀑、渓谷があります。広大な田園地帯があります。全国区の農産品、畜産品、海産物や希少な生物の生息もあります。そして、地域振興を推進する熱意ある人材や組織もあります。 市としましては、さらなる中山間地域の魅力創出について地域振興・地域創生の点となる人材の育成と確保、線となる組織づくりやマッチング、面となる継続性と即応性を持った仕組みづくりを進めながら、夢を形にする取組、持続可能な地域づくりの推進に引き続き努めてまいりたいと考えております。
◆28番(松本久次君) これは提言とさせていただきたいと思いますけれど、今、答弁でありましたように、地域振興・地方創生の点となる人材育成と確保、あるいは線となる組織づくり、面となる持続性と即応性を持った仕組みづくりなど、持続可能な地域づくりの推進に努めるということでございました。 やはり、先ほども申しましたけれども、目に見えない、衰退していく地域もございます。そういった意味を考えますと今、御答弁いただいたようなことを積極的に進めていっていただきたい。5年、10年先を見据えた計画的な持続可能な地域づくりということで、推進を期待しておきます。 それでは、質問をさせていただきます。 これは市長に御答弁をいただくと思いますけれども、今日もずっと、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略について、また中山間地域振興基本計画について伺ってまいりました。 地域経済の発展、中心部・周辺部の振興については地方創生とも私は考えておりますけれども、市長の今後の施策と言いましょうか、考えと言いましょうか、そういったものがございましたら、簡単でも結構でございますので、よろしくお願いいたします。
◎市長(福田良彦君) 今日は松本議員のほうから、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての御質問、また中山間地域の振興についての御質問でありましたが、これまでも過去42回の一般質問等を通じて本市全体のそういった大きな課題、また、地域特化した課題について御提言また御質問等をいただいたところでございます。 先ほどからこの中山間地域の課題につきまして、まさに今、この中山間地域は非常に人口減少が厳しいという話もございました。これはやはり人口減少に伴って高齢化、また耕作放棄地が拡大し、また鳥獣被害等もあります。様々な要因があろうかと思いますが、そういった中でやはり関係人口であり、また、地域間同士の交流人口もしっかりと増やしていくことが必要だと思っております。また、先ほどから地域おこし協力隊、集落支援員といった外部人材も積極的に取り入れて、そういった方を起爆剤として、いろんな新たな視点として取り組んでいるところでもございます。 各総合支所長のほうからその取組については御説明をさせていただきました。これにつきましては、いい取組については今後もしっかりと継続をし、また拡充もしていきたいというふうに思っております。 また、全市的には以前から「ちかくに いわくに」というこういった冊子。また「いわくにチカクニ物語」というのもございます。これにつきましては今、由宇、玖珂、周東、美川それぞれの特徴を紹介しながらこういった読みやすいパンフレットも作っております。こういった新たな媒体も通じて、広く我が市の魅力を発信していく、そして空き家も有効に活用しながら、空き家バンクも活用しながら移住・定住を促していきたいと思っておりますし、これまで議員から御説明いただいた農業振興、地域でしっかりとした農業をやっていけるようにその辺の御支援も継続してやっていかなければいけないというふうに思っております。 また、災害もいつ起こるか分かりません。そういった中山間地域を含めた全体の災害に強いまちづくりも必要であろうというふうに思っております。 様々な観点からこういった取組は必要でありますし、我が市はほとんどの面積が中山間地域を占めておりますので、この中山間地域の持続可能なまちづくりがひいては我が市全体の発展にもつながるというふうに思っておりますので、今回いただいた質問、またこれまでの質問も改めて精査させていただきながら取組を強めていきたいと考えておりますので、今後とも御支援、御指導をよろしくお願いしたいと思っております。ありがとうございます。
◆28番(松本久次君) 質問の終わりに当たりまして、福田市長におかれましては、健康に留意をしていただき、先ほど力強い御答弁をいただきましたように、岩国市発展のために、福田市長のモットーであります、夢をかたちに御尽力いただきますように、また、
新型コロナ感染症の早期の収束と市民の皆様の御健勝、御多幸を祈念いたしまして、私の質問とさせていただきます。お世話になりました。(拍手)
○議長(桑原敏幸君) それでは、時間があるけれど、もう言い残すことはないですか。(「はい。ありません」と呼ぶ者あり)(笑声)以上で、28番 松本久次君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時52分 休憩
――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時 再開
○副議長(石原真君) 休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 1番 河合伸治君。
◆1番(河合伸治君) こんにちは。1番 公明党議員団の河合伸治でございます。会派を代表して、議員生活最後の一般質問を行います。 今回は、1、JR岩徳線の代替手段の検討について、2、Society5.0社会に向けて、今回は脱炭素社会実現への取組について、3、JR岩国駅周辺整備事業について、以上3点について質問をいたします。 まず、JR岩徳線の代替手段の検討についてお伺いいたします。 岩徳線の課題につきましては、先ほど13番議員からの質問もありましたし、さきの6月定例会でも、利便性の向上の取組、上下分離方式への考え方、赤字補填を求められたときの対応、有識者会議についてどのような情報をお持ちかお伺いをいたしました。 その中で、2月から開催されている有識者会議についてはインターネットで公表されている以上の情報はなく、7月に方針が示されるのを待って対応を検討していくとの御答弁でございました。 そうした中、国土交通省主催の鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会においては提言が取りまとめられ、7月25日公表されました。 提言では、線区の分類、協議入りの基準に関する基本的な考え方が示されています。特に、「危機的な状況にあるローカル線については、沿線自治体が中心となり、将来に向けた地域モビリティの在り方について関係者と検討を進めていくことが基本原則」であると示されています。 そして、危機的状況の一つの指標として、1日当たりの輸送密度が1,000人未満、1時間当たり500人未満が示されています。 そこでまず、国土交通省のこの方針を受けた本市の取組についてお伺いをします。 JR岩徳線の利用者の輸送密度の推移を見ると、1987年、昭和62年度の1日当たり3,342人を基準として、1997年、平成9年度には2,232人、66.78%と約33%減少しており、他の年度では、2007年、平成19年度は1,518人、45.42%、2017年、平成29年度は1,296人、38.77%、2019年、令和元年度は1,246人、33.28%、2020年、令和2年度は1,090人、32.61%と減少を続けており、令和3年度はまだ公表はされておりませんが、減少率から推計すると、約969人と推計されます。 この数字は、輸送密度1,000人未満、1時間当たり500人未満という、国土交通省の基準に該当する数字となります。 岩徳線の維持のためには、利便性の向上対策、利用促進の取組を進め、利用者増を図ることは非常に重要と考えますが、併せて代替手段の検討も速やかに進めていかざるを得ない状況にあると考えます。 そこで、代替手段の検討と今後の方針についてお伺いいたします。 2点目、Society5.0社会に向けて、(1)本市における脱炭素社会実現に向けての取組についてお伺いいたします。 近年、気候変動による集中豪雨災害や熱波による干ばつなど、地球温暖化による自然災害が頻発しております。本年も、東北・北陸や関東地方でも集中豪雨による災害が発生し、貴い人命も失われています。 また、世界に目を向けると、パキスタンでは3か月以上雨が降り続き、国土の3分の1が水没し、人的な被害も多数報告をされています。他方、中国では干ばつが続き、長江流域で記録的な水不足に陥っていることなども報道をされています。 災害で亡くなられた方々には衷心より哀悼の意を表し、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げたいと思います。 こうした事態に対して、国連の政府間パネルの最新報告書においては、「人間活動によって温暖化が起きていることは、もはや疑う余地がない」と断定をされています。 そうした事態を受けて、フランスのパリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議、COP21において、地球温暖化の大きな原因となっている温室効果ガスについて、今世紀後半に実質ゼロにする目標が掲げられました。 また、持続可能な開発目標、SDGsの13では、気候変動による具体的な対策をとの目標が掲げられています。近年の状況を鑑みると、人命を守る防災・減災の観点からも、喫緊の課題として取組を進めなければならないと考えます。 そこで本市として、脱炭素社会実現に向けてどのように取組をされているのかお伺いいたします。 次に、本市におけるGXリーグヘの取組と支援についてお伺いいたします。 GXについては、初めてお聞きになる方もおられると思いますが、「G」はグリーン、みどり、「X」はトランスフォーメーンョン、変革、変化の意味で、温室効果ガスの排出削減に取り組み、産業競争力の向上と経済社会全体の変革を目指す取組をいいます。 経済産業省は本年2月、2050年カーボンニュートラルの目標実現にも貢献しながら、そのための対応を成長の機会と捉え、社会を牽引していける企業群の確立を目指して、産・官・学が連携する場としてGXリーグ構想を示し、現在440社が賛同を表明しています。 GXリーグでは、「1、2050年カーボンニュートラルのサスティナブルな未来像を議論・創造する」「2、カーボンニュートラル時代の市場創造やルールメイキングを議論する」「3、カーボン・クレジット市場を通じた自主的なCO2排出量取引を行う」との3つの目標が掲げられています。 本市に事業所や工場を持つ大企業を中心に、本市においても賛同を表明しておられる企業もありますし、今後この取組は中小の企業に対しても波及していくものと考えます。 そこで、本市におけるGXリーグヘの取組と支援についてお伺いをしたいと思います。 3点目、JR岩国駅周辺整備事業について、駅前広場供用後の現状と課題についてお伺いいたします。 JR岩国駅周辺整備事業は、快適な交通環境の創出を目的として整備が進められ、令和2年7月に全ての事業が完了したものと認識をしております。 供用開始後においては、市民の皆様から様々な要望が寄せられ、それを受けて、バス乗り場のベンチの改修や設置、身体障害者駐車場への屋根の設置など鋭意努力と取組を進められているものと理解しております。 しかしながら、以前から要望が重ねられているタクシー乗り場や自家用車の送迎場への上屋設置については、いまだに実現をしておりません。特にタクシー乗り場については、市民の皆様はもとより、本市への観光客をお迎えする玄関口でもあり、雨の日でも快適に使用していただく環境整備は必要不可欠であると考えます。 当局としても現状に満足することなく、市民の皆様からの要望に前向きに取り組んでいただきたいと考えます。 そこで、駅前広場整備の経緯、市民要望を受けての取組、併せて今後の対策についてお考えを伺います。 以上で、壇上からの質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) 河合議員におかれましては、午前中の松本議員に続きまして、このたびの定例会をもって勇退の旨を示されたところでございます。 河合議員におかれましては、現場主義また地域福祉の向上を掲げられまして、地域の声をしっかりと受けながら、真摯に議会活動を続けてこられたという認識をしております。 これまで、平成18年に当選して以来、連続4期、在任期間16年、監査委員また各常任委員会の委員長、そして防災・減災対策推進調査特別委員会の委員長として、それぞれ議員皆さん方の災害対応を取りまとめられまして、国土交通大臣、また県知事、また私のほうにも提言をいただいたところでございます。 またSDGs、またSociety5.0、世界規模の問題から様々な新しい分野にも積極的に御提言をいただいたところでございます。 このたびの御質問につきましても、Society5.0社会に向けての御質問であります。改めて、しっかりと答弁をさせてもらいたいと思っております。ありがとうございました。 それでは、御質問の第2点目のSociety5.0社会に向けてのお答えでありますが、(1)本市における脱炭素社会実現に向けての取組についてであります。 近年の気候変動による集中豪雨等は、産業革命以降の人間活動による、地球温暖化が大きく影響していると言われております。 昨年の8月に公表されました、国連の気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの最新の報告書におきましても、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには、疑う余地がない」と断定されております。 そうしたことから、地球温暖化の進行を抑えるために、全世界における二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減が求められております。 国際社会においては、国際的枠組みでありますパリ協定や持続可能な開発目標、SDGsなどにより、温暖化の大きな原因となっている温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質ゼロとする目標が掲げられました。 国においても、パリ協定を踏まえつつ、世界全体での脱炭素化の動きが加速する中で、2030年までに温室効果ガスの排出を2013年度に比較して46%の削減を目指すこと、また、2050年までに国全体として温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、いわゆる2050年カーボンニュートラルの実現を目指しております。 また、平成28年1月に閣議決定されました第5期科学技術基本計画で提唱されたSociety5.0においても、脱炭素社会は、目指すべき未来社会の姿の一つとして位置づけられております。 国においては、脱炭素社会づくりに貢献するあらゆる賢い選択を促す取組として、「COOL CHOICE」を推進しており、令和元年6月には、本市におきましても、地域の中から地球温暖化対策を推進していくため、市民・企業・行政などが一丸となって取り組む、岩国市COOL CHOICE宣言を行ったところであります。 現在、宣言から3年を経過したところでありますが、本市においては、宣言の以前より、山口県知事から委嘱された地球温暖化防止活動推進員や、市民・企業・行政等が参画して設立された岩国市地球温暖化対策地域協議会などと協働して、普及啓発を中心とした様々な取組を行ってきております。 これらの取組において、学校や自治会などへの地球温暖化防止に関する出前講座や、イベントの来場者などに対する家庭におけるストップ温暖化診断、緑のカーテンのキャンペーンなどを実施しております。 また、新たに、クールチョイスや環境貢献に取り組む事業所等の情報をまとめた、クールチョイス事業所マップの作成を行い、学校や市民団体などに活用していただいております。 さらに、市内の企業の取組としましては、岩国市地球温暖化対策地域協議会に会員登録されている市内の大手企業などに、企業見学の受入れや環境出前講座、イベントへの出展などを行っていただいております。 市としましては、脱炭素社会に向けて、「日頃の小さな選択が、未来を大きく変えていく」という、「COOL CHOICE」の考えを、多くの市民や企業の皆様に理解していただき、ライフスタイルや企業活動に取り入れて実践していただけるよう、周知・啓発に努めてまいります。 次に、(2)本市におけるGXリーグへの取組と支援についてでありますが、国におかれては、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献し、産業競争力を高めていくため、カーボンニュートラルにいち早く移行するための挑戦を行い、国際ビジネスで勝てるような企業群が経済社会システム全体の変革、いわゆるGX、グリーントランスフォーメーションを牽引していくことが重要であるとされております。 このため、国では、本年2月に「GXリーグ基本構想」を策定され、2050年カーボンニュートラルの実現と社会変革を見据えて、GXに積極的に取り組む企業群と大学などの教育機関や行政が協働する場となる「GXリーグ」の設立に向け、現在、準備が進められているところであります。 GXリーグでは、「サスティナブルな未来像を議論・創造する場」「市場創造やルールメイキングを議論する場」「自主的な排出量取引を行う場」の3つのプロジェクトについて取組が進められているとされております。 このうち、3つ目の排出量取引を行う場として、カーボン・クレジット市場の整備が進められ、排出削減分等は、この市場を通じた売買が予定されております。 また、GXリーグに参画する企業には、自らの排出削減だけではなく、事業者から生活者までのサプライチェーンでの排出削減や、グリーン製品の調達・購入により市場のグリーン化を図るための取組が求められております。 国が、本年2月1日から3月31日までの2か月間、GXリーグ基本構想の賛同企業を募集したところ、本市に事業所を有する企業数社も含めまして440社から賛同表明がありました。 この全賛同企業の二酸化炭素排出量は、日本全体の排出量の約28%を占めるとされております。 今後の予定ですが、本年秋以降に実証事業が試行的に実施され、来年4月以降のリーグ本格稼働後においては、GXリーグに参画した先駆的な取組を行う企業に対し、国によりさらなる取組も検討するとされております。 本市としましても、こうした新たな取組が全国に波及し、経済社会活動が活性化されることを期待しているところであります。 こうした中、山口県におかれましては、県内のコンビナート企業や立地自治体により平成27年5月に設置された山口県コンビナート連絡会議において、カーボンニュートラルの実現に向けた取組について協議されており、現在、やまぐちコンビナート低炭素化構想の策定に向け検討が進められております。 この構想は、コンビナートの国際競争力の維持・強化を図りつつ、2050年のカーボンニュートラルを実現することを基本目標としており、コンビナートにおける使用エネルギーや製造品を踏まえて、今後、温室効果ガスの排出削減や利活用、回収・貯留の取組について、循環フローが構築されていく予定とされております。 一方、本市では、市内の事業所に対して訪問調査を実施しており、カーボンニュートラルの取組についても聞き取り調査を行っております。 その回答により、多くの中小事業者において、カーボンニュートラルを課題として認識しているものの、現段階で具体的な取組を計画されている事業者は少数であることを認識したところであり、市として即座に支援が必要な段階にはないと考えております。 しかしながら、今後、カーボンニュートラルの実現に向けて、コンビナート企業等がエネルギー転換をし、GXへの取組が加速していく中で、中小企業を取り巻く環境が変化していくことが予想されております。 市としましては、中小事業者がカーボンニュートラルに積極的に取り組む時期となった段階で、必要な施策を展開できるよう、今後も国や山口県の動向を注視するとともに、商工会議所や商工会と連携しながら、必要な役割を果たしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 第1点目のJR岩徳線の代替手段の検討についてお答えします。 まず、(1)国土交通省の方針を受けた本市の取組についてですが、JR西日本は、本年4月に、人口減少や少子高齢化、道路を中心としたまちづくりの進展により、鉄道利用客が特に少なくなっている地方路線に関する線区ごとの収支率などを公表されました。 その内容によりますと、1キロメートル当たりの1日平均乗客数、いわゆる輸送密度が2,000人未満の線区については、「今後の運行の在り方などについて沿線自治体などと具体的な議論を進めたい」とされています。 本市を運行する岩徳線については、令和2年度の利用者数は約87万1,000人となっており、平成15年度の約134万8,000人と比較すると、35.4%減少しております。 また、令和2年度の輸送密度は1,090人であり、JR西日本が示した目安となる輸送密度未満であることから、具体的な議論を進めたいとされた対象の線区となっておりました。 一方、国土交通省においては、本年2月から大学教授などの有識者をメンバーとした鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会を開催されており、本年7月25日には検討会として、地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言を取りまとめられ、その中で、今後の方向性や、線区の分類、協議入りの基準に係る基本的な考え方が示されたところです。 この提言の中で示された線区の分類、協議入りの基準に係る基本的な考え方の内容としましては、「基幹的な鉄道ネットワークを形成する線区については、引き続きJR各社による維持を強く期待し、線区の活性化に取り組む」とされ、「危機的な状況にあるローカル線については、沿線自治体が中心となり、将来に向けた地域モビリティの在り方について関係者と検討を進めていくことが基本原則」とされています。 また、基本原則がうまく機能しない地域においては、輸送密度が1,000人未満かつピーク時の1時間当たりの輸送人員が500人未満を一つの目安としつつ、広域的な調整が必要と認められた線区については、鉄道事業者または自治体の要請を受け、国が協議会を設置し協議すると示されています。 この基本的な考え方によりますと、岩徳線は危機的な状況にあるローカル線や輸送密度が1,000人未満かつピーク時の1時間当たりの輸送人員が500人未満の線区には、現時点では該当しないことになりますが、市としましては、岩徳線は、通勤・通学または通院などの利用者にとって欠かせない移動手段であることから、引き続きJR岩徳線利用促進委員会において、沿線自治体である周南市、下松市や山口県、JR西日本と岩徳線の利用促進に取り組むこととしております。 次に、(2)代替手段の検討状況と今後の方針についてですが、JR西日本から発表された岩徳線の営業損失は、平成29年度から令和元年度までの3か年平均で5億4,000万円の赤字、平成30年度から令和2年度までの平均では5億6,000万円の赤字の状況です。 また、令和2年度の輸送密度は1,090人であり、今後の人口減少等を勘案しますと、国の提言で示された基本的な考え方における危機的な状況にあるローカル線に該当する可能性もあり得るのではないかと考えています。 また、国の提言で示された今後の方向性の例としましては、「鉄道を維持する場合には、運賃・経費の適正化を行いつつ、必要な投資を行って鉄道の徹底的な活用と競争力の回復に努める」とされ、「バスを基盤とした大量輸送システムのBRTやバスへ転換する場合には、鉄道と同様またはそれ以上の利便性と持続可能性を確保する」と示され、人口減少時代にふさわしい、コンパクトでしなやかな地域公共交通への再構築が必要とされています。 このようなことから、市としましては、将来を見据えた岩徳線の対応策について、例えばバスの代替輸送も選択肢の中の一つとしつつ、様々な手法や費用対効果、持続可能性等について、沿線市である周南市や下松市をはじめ、山口県やJR西日本と連携して協議するとともに、特に関係自治体間では、一致した対応等が講じられるよう、連携を密にしていく必要があると考えておりますのでよろしくお願いします。
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都市開発部長(山中文寿君) 第3点目のJR岩国駅周辺整備事業についての(1)駅前広場供用後の現状と課題についてお答えいたします。 第1期岩国市中心市街地活性化基本計画の核事業として、快適な交通環境の創出を目的に実施した岩国駅周辺整備事業は、平成29年11月の橋上駅舎・東西自由通路の供用開始により、長年にわたる懸案であった駅東西地域の分断が解消されました。 その後、地下通路の出入口改修、東口自転車駐車場の整備、国道188号交差点改良との一体施工による駅前広場整備などを実施し、令和2年7月に全ての事業が完了したところです。 この事業のうち、駅前広場整備では、西口において、広場出入口の集約や、バス・タクシーの乗降場や待機場の配置の見直し、障害者用停車スペース、自家用車送迎場、歩行者用上屋の新設、さらには、にぎわいを生むイベント空間の整備を行いました。 東口においては、広場の面積を約2倍に拡張し、これまでなかったバスやタクシーの乗降場などの交通機能を新たに設け、西口同様、障害者用停車スペース、自家用車送迎場、歩行者用上屋の整備も行っております。 市としましては、これらの整備により、本市の玄関口にふさわしい駅前広場として生まれ変わり、安全性と利便性の向上につながったものと考えております。 一方で、駅前広場供用開始後、約2年が経過する中、利用者の方々から幾つか御意見、御要望も頂いています。 その中の一例を紹介しますと、西口駅舎正面バス乗り場に設置されたもたれ式パイプベンチが座りにくいという御意見を頂き、錦帯橋の平成の架け替え事業で発生した解体材を座面に活用したベンチへのリニューアルを行ったところです。高齢者の方などから、座りやすくなったと御好評をいただいております。 また、議員御指摘のタクシー乗り場や自家用車送迎場等への上屋の設置についても御要望を頂いています。こちらの御要望につきましては、現在、広場内では、歩行者等の円滑な移動空間の形成を図るため、高さ2.5メートル、幅2.0メートルの空間を確保した上屋を設置しておりますが、この上屋をタクシー乗り場のある車道部分まで覆う構造とする場合、道路構造令により、上屋高さを4.5メートル以上確保する必要があり、十分な雨よけ、日よけ効果が見込まれず、設置費用も高額となることから、関係事業者等とも協議を行い、タクシー乗り場等への上屋の設置については見送った旨、御説明し御理解をいただいたものと考えております。 市としましては、今後も駅前広場利用者の安全性や利便性等を考慮し、適正な維持管理、運営に努めてまいります。 さて、議員御質問の駅前広場供用後の課題についてですが、本事業により、交通結節点としての安全性と利便性の向上につながったものの、新しく生まれ変わった駅前広場の活用について、コロナ渦の影響もあり、各種イベントの中止や縮小開催が続き、当初期待していた駅前広場によるにぎわいの創出効果が十分に発揮されているとはいえず、駅周辺地域の活性化にも影響を及ぼしているのではないかと危惧しています。 市としましては、駅前広場を活用したイベント等の開催が促進され、駅周辺における活力と魅力あるまちづくりにつながるよう、地元商店街や岩国商工会議所、株式会社街づくり岩国と連携し、より一層取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆1番(河合伸治君) それでは、自席から再質問をさせていただきたいと思います。 まず、Society5.0社会に向けてから再質問させていただきたいと思いますが、地球温暖化防止は非常に需要な課題であり、今以上に積極的な取組が求められると考えております。 御答弁にもありました、岩国市地球温暖化対策地域協議会やクールチョイス事業所について、このマップ等を私も見てみましたけれども、登録事業者数等が寂しいような気持ちがいたしました。 この登録事業者数の現状等について、当局としてどのように受け止めておられるのかお聞きをしたいと思います。
◎環境部長(神足欣男君) 現在の登録状況についてですが、8月末現在での岩国市地球温暖化対策地域協議会の会員登録者数は個人が84人、事業所が8社、市民団体が7団体となっており、クールチョイス事業所マップには9つの事業所や団体に御登録をいただいております。 登録数としては決して多くはございませんが、地球温暖化対策や脱炭素社会への取組は、市民や事業者の理解と実践が不可欠であることから、今後もできるだけ多くの市民や企業に御登録いただけるよう努めてまいります。よろしくお願いします。
◆1番(河合伸治君) 確かに環境貢献活動っていうのは、非常に重要であると認識をしております。その考え方に賛同し、協力して活動していただいている事業者の存在は非常に頼もしく思えます。 そこで、今、御答弁でもありました、この登録をされている事業者の出前講座や事業所見学等のこれまでの活動実績についてお伺いをしたいと思います。
◎環境部長(神足欣男君) 活動実績についてお答えします。クールチョイス事業所マップは、一昨年度の令和2年度に作成を行い、令和3年度から活用を行っております。 令和3年度実績ですが、環境出前講座を8回実施し、延べ209人の方に受講していただいております。なお、企業見学につきましては、企業より了承いただき実施できるよう準備をしておりましたが、実績はございません。 また、クールチョイス事業所マップに基づく活動ではございませんが、例年6月に行っている岩国環境フェスタでは、登録企業にも出展をしていただいておるところであります。よろしくお願いします。
◆1番(河合伸治君) このクールチョイスの考え方は、まず市民の皆様に広く知っていただくことっていうのが重要であると思います。このクールチョイス事業所マップについては、学校や市民団体に活用していただいているということでしたけれども、もっと幅広く市民の皆様に周知することも必要なのではないかと思いますが、そういう周知の取組についてお伺いしたいと思います。
◎環境部長(神足欣男君) 議員御指摘のとおり、クールチョイスの考え方、またクールチョイス事業所マップについては、もっと広く市民の皆様に知っていただくことが重要と考えております。 これまでも、市の広報紙や市政番組かけはし、そのほかSNSを活用してクールチョイスの啓発、情報発信などを行ってまいりましたが、このたび新たにクールチョイス啓発のチラシやポスターを作成しましたので、これらを広角的に活用しつつ、これからもクールチョイスの普及啓発にしっかりと努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
◆1番(河合伸治君) 本当に、我々の一番身近なところからしっかりと取組を進めていくことの積み重ねが、この脱炭素という大きな取組につながっていくものと思いますので、しっかりとこういう周知、また様々な活動の展開に関して、本当に市民の皆様にしっかりと理解を得られながら、取組を進めていっていただきたいというふうに思います。 次に、この脱炭素化のグリーントランスフォーメーションですけれども、これの推進を担うやまぐちコンビナート低炭素化構想では、カーボンニュートラルの目標達成のための2030年までの期間を、勝負の10年というふうに位置づけられておられます。 この間に、CO2の排出削減、CO2の利活用、CO2の回収・貯留の取組を進める上で、挑戦的な技術開発をする期間というふうに位置づけられておられますけれども、本当に重要な取組であると思いますが、この取組の現状についてお伺いをしたいと思います。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 議員御案内のやまぐちコンビナート低炭素化構想でございますけれども、市長が壇上でも御答弁を申し上げましたように、産業分野の中でも温室効果ガスの排出割合が大きいコンビナート企業の脱炭素化に向けた取組を進めるために、山口県が現在策定作業中の構想でございます。 せんだっての9月2日には、本市や本市地域の企業も、他の県内自治体や企業と一緒に参加をいたしまして、山口県コンビナート連携会議が開催をされまして、県のほうからは削減目標でありますとか、これを達成するための具体的な取組事項、あるいはロードマップなどが案として示されたところでございます。 一方で、参加企業のほうからは、今後の削減目標に対する現在の取組状況等が紹介をされました。その中で、各社から県が勝負の10年としております2030年度までの排出量削減につきましては、燃料転換を中心に目標を立てて実施に取り組んでいるところだということでございました。 しかしながら、2030年度以降、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けましては、インフラ整備を含む大きな転換が必要で、個社で取り組むのは難しい面があるといった切実な声も聞かれたところでございます。 とは申しましても、構想におきましては、県内の地域ごとのコンビナートにはそれぞれの特色があるということと、その特色を強みといたしまして、これを生かしたCO2の利活用でありますとか、回収・貯留等の実用化、その導入を目指す技術開発に向けた業種別の取組でありますとか、将来像などが描かれているところでございます。 今後におきましては、勝負の10年を経て2050年へと向かう中で、将来を見据えた技術革新等の挑戦といたしまして、想定される技術の導入あるいは規模拡大による取組を官民一体となって積極的に推進していくことが必要となっております。 市といたしましても、このたびの会議が、各社の状況でありますとか、抱えておられる様々な課題を把握する機会ともなりましたので、今後も引き続き情報交換あるいは情報共有に努めながら、コンビナート各社それから県や関係自治体等と相互に連携強化を図ってまいりまして、低炭素化の取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。
◆1番(河合伸治君) 今回の会議等で上げられた課題っていうのをしっかりと整理をしていただいて、また中小の企業、事業者に関しては、このGXの取組っていうのは今からの大きな課題だろうと思いますので、ぜひ準備をしっかりとしていただいて、必要な支援等が速やかに行われるような取組を期待しております。 それでは次に、岩国駅周辺整備事業についてお伺いをしたいと思います。 まず、JR岩国駅周辺整備事業については、令和2年の事業完了後も市民の皆様からの要望を受け改良を重ねられているものと承知をしており、取組については評価をしております。 他方、タクシー乗り場などにおける上屋の設置については、法令等の縛り等もあって難しいっていうのは重々理解をしておりますが、要望が重ねられている中でいまだに実現をしておりません。要望の声は届いているものと承知をしておりますけれども、この現状を踏まえた対策の検討状況や、もしその法令等の縛りで上屋の設置が莫大な費用等もかかって難しいということであれば、それに代わる代替案等を何か検討されたのか、そこら辺の取組の状況についてお伺いをしたいと思います。
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都市開発部長(山中文寿君) 議員御質問の駅前広場に対する、タクシー乗り場に対するお声なんですけれども、供用開始の直後、幾つか御意見を頂いておりますけれども、このところ利用者のほうから直接、上屋の設置についての御要望のほうは伺っておりません。 広場内の設置につきましては、計画段階から岩国駅周辺のデザイン会議とかですね、バス、タクシー事業者にも御意見いただきながら、配置や構造等の検討を行ってまいりました。 繰り返しになりますけれども、そうした検討によりまして、道路構造令の規定に基づいて、4.5メートル以上の高さを確保した場合、雨の吹き込みや日差しもよけ切れないということになりまして、効果のほうもさほど見込めないということから、費用対効果の観点から設置を見送らさせていただいております。上屋があれば助かるというようなお気持ちはよく分かりますけれども、御理解賜りますようによろしくお願いいたします。 なお、身体障害者、特に車椅子の御利用の方は乗降のほうに時間がかかると思います。こうした方々への対応としまして、議員も御紹介いただきましたけれども、岩国駅西口の第1送迎駐車場、こちらのほうに屋根付の障害者用の駐車枠のほうを設けております。また、駐車料金のほうも割引する運用も行っておりますので、雨天時についてはこちらのほうの御利用もしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
◆1番(河合伸治君) 今の現状の本当にタクシー乗り場と送迎車の駐車スペースに上屋を設置するというのは、法令の関係上厳しいというのは重々理解をしておりますが、ぜひそういう声がまだいまだに寄せられておりますので、それに対しての代替案等は検討をこれからも重ねていっていただきたいと思います。 特にまた、御答弁の中でありましたこの岩国駅の周辺整備に関しては、本当ににぎわいを創出する施設として、この駅前広場の整備というのを進めていただいたわけですけれども、本当にちょうど完了直後からコロナ禍等、本当に様々な制約があって、イベントの中止や縮小などが続いて、今非常にそういうイベント開催、にぎわい創出という点では本当に寂しい現状があるんじゃないかと思います。ぜひそういう面でも今後も市民の皆さんの声にしっかりと耳を傾けて、頑張って取組を進めていっていただきたいと思います。 それでは、最後に岩徳線の問題について質問をしたいと思います。 まず、御答弁の中で示されました国土交通省の専門家検討会議の方針に、危機的な状況にあるローカル線については、沿線自治体が中心となり、将来に向けた地域モビリティの在り方について関係者と検討を進めていくことが基本原則とされております。 先ほども申し上げましたけれども、利用者数の推移からいうと、本当に令和3年度にももう1,000人を切るんではないかという推計がされるぐらいの現状でございますので、それを踏まえて県や関係者と、将来像についてどのような協議をされているのか、協議の状況についてもお伺いしたいと思います。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 県や関係者との協議の状況でございますけれど、このたびの国の提言を受けまして、岩徳線利用促進委員会におきまして、利用促進に向けた取組についての協議を行った後に、委員会とは別に、県や沿線の関係者であります下松市、周南市、JR西日本と協議を始めたところでございます。 また、県主催のJR関係情報共有会、こういった会議が今月中に開催されるということでございますので、本市もこちらのほうに出席する予定でございます。今後も引き続き県や関係者と連携を密にして、協議を重ねてまいりたいというふうに考えております。
◆1番(河合伸治君) 関係を密にして協議を進めていくということですので、今後の協議を見守りたいとは思いますが、しっかりとぜひ言うべきことは言っていただくような取組をしていただきたいと思います。 まず、この危機的な状況にあるローカル線の定義についてなんですが、輸送密度が1,000人未満かつピーク時の1時間当たりの輸送人員が500人、御答弁の中では、現時点では該当しないということでございました。 今も申し上げましたけれども、今、年に2から3%のペースで利用者が減少しておりまして、このままで推移すれば、2023年度には輸送密度が1,000人を切り、この危機的な状況にあるローカル線に位置づけられることが推計をされております。対応は待ったなしの状況にあると思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 議員御指摘のとおり、このままの状況が続きますと、近い将来には岩徳線の輸送密度、こちらにつきましては1,000人を割り込むのではないかというふうに考えられるところでございます。 こうした状況が見込まれますけれど、市としましては、まずは利用促進に取り組みまして、1,000人を割り込まないような取組を進めていくといったことが重要ではないかというふうに考えております。 また、それと並行しまして、壇上でも申し上げましたが、今後の岩徳線の在り方や対応策、こういったものにつきまして、様々な手法でありますとか、費用対効果、また持続可能性につきましても、関係者と連携して協議していく必要があるとも考えているところでございます。
◆1番(河合伸治君) 今、その点に関しては了解いたしました。 一方、この岩徳線を収支の面から見てみると、2017年から2019年度までの営業係数が、運賃収入が1.8億円に対して営業費用が7.2億円、営業損益は差引き5.4億円の赤字になっております。 また、2018年、平成30年から2020年、令和2年では、運賃収入が1.6億円、営業費用が7.3億円、差引き5.6億円の赤字と、赤字額が膨らんでいます。 当然、今利用者の減が見込まれますので、今後ますますこの赤字の幅というのは膨らんでくるのではないかというふうに思われます。 そうした中、今後の方向性として示された鉄道を維持する場合、運賃、経費の適正化を行うということが示されており、大幅な運賃値上げや、さきの議会でも指摘した上下分離方式による沿線自治体の財政負担が求められる事態も考えられます。コンパクトな地域公共交通への転換の備えを急ぐべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 国の提言では、鉄道を維持する場合と、またBRTやバスへ転換する場合の方向性が示されておりますけれど、そうした中、先ほども申しましたけれど、様々な手法やそれに伴います収支の試算、また財政負担の在り方などにつきまして関係者と連携しまして、岩徳線が将来に向けた持続可能な移動手段となるよう、慎重に協議する必要があるというふうに考えております。
◆1番(河合伸治君) それと、もう一つですね、これは今想定をしてお聞きをするべきではないかもしれませんけれども、将来的に廃線であるとか、またこの鉄路を払い下げて第三セクターで運行するような形であるとかというのを求められたときに、現状のままで、この鉄路を岩国市が払下げを受けた場合には、岩国市にとって大きな負の遺産になるんではないかということが心配をされますけれども、その点に関してはどういうふうにお考えでしょうか。
◎
総合政策部長(國廣光秋君) 現時点では、廃線後という仮定のお話をするのはなかなかちょっと難しいというふうに思っておりますが、仮に岩徳線が廃線になった場合ですとか、バス輸送といった代替交通を選択した場合には、議員御指摘のように鉄路、鉄道線路が市に払下げということになりますと、新たな経済負担が生じるということも考えられます。 しかしながら、国が検討会を通じまして、危機的なローカル線の方針に関与されていく際のスタンスとしましては、廃線ありきとか存続ありきという前提を置かずに協議するということですので、今現在、廃線時にその資産をどう取り扱うかということにつきまして、国の方針でありますとか考え方といったものは、現在示されていないといった状況でございます。 このようなことから、市としましては、先行して行われることになると思われます他のローカル線の状況についても注視してまいりたいというふうに考えております。
◆1番(河合伸治君) ぜひ、本当に市の負担にならないような取組というのをしっかりとしていただきたいと思います。 最後に、福田市長にお伺いをしたいと思います。 昨日ですかね、JR岩徳線声優トークイベント「萌え列車の旅」という、何かすごいわくわくするようなイベント列車の発表も行われました。非常に面白い企画だなというふうには思いました。 以前実施された駅カードの配布や、今はやりの鉄印帳等の取組も面白いかなというふうに思いますが、他方、本当に今、先ほどから申し上げているような、コンパクトでしなやかな地域公共交通の在り方の検討についても、待ったなしの状況ではないかと思います。そういうこのコンパクトでしなやかな地域公共交通について、市長の構想、お考えをお聞きしたいと思います。
◎市長(福田良彦君) まず、この10月8日に予定されておりますJR岩徳線声優トークイベント「萌え列車の旅」につきましては、これは河合議員には喜んでもらえるというふうに思っております。(笑声)ぜひ多くの方に参加してもらいたいと思っております。 いろいろ機会あるごとに申し上げてきておりますが、この岩徳線につきましては、通勤・通学、また通院など、利用者にとっては大変欠かせない鉄路でありますので、広域のネットワークという観点からも、まずは鉄路として存続をしていくということが最優先に考えるべきことだというふうに思っております。 と同時に、今まで公共交通、例えば鉄道、バス、タクシーなどございますが、それぞれその役割とか特徴がありますので、この辺をうまくネットワーク化して利用していくことが必要であります。 そういった中で、まずそのネットワークを構築するということで、要は利用者の方から見て、ある意味便利だと、また安心して使ってもらえるという、そういったところが醸し出せればいいかなと思っております。 また同時に、最近の新たなテクノロジーなども、いずれ用いていかなければいけないと思っております。 例えば、一つは無人車両ですね、こういったことの積極的な導入もいずれは考えていかなければいけないというふうに思っておりますし、また最近では小型モビリティ、いわゆる運転免許証がなくても小型のモビリティで地域での移動として使える、道路交通法の改正も今、国のほうで議論されております。なかなか地域によっては免許返納を促す方の移動手段がないという、そういった課題もありますので、そういった免許証がなくても地域間移動ができる小型モビリティ、さらには乗合タクシーなど、新たな移動手段も導入することによって、地域の移動の手段を確保しながら、また様々な広域でもネットワークということもしっかりと考えていかなければいけないというふうに思っています。 そういったことによって、将来にわたって効果的、また持続的な公共交通機関、公共交通機能ですね、こういったものを維持していきたいというふうに考えておりますので、積極的にいろんな関係自治体、また岩徳線利用促進委員会とも連携しながら、いろんな鉄道の鉄印帳とか、様々な取組も積極的に考えていきたいというふうに考えております。ありがとうございました。
◆1番(河合伸治君) しっかりと今後の取組に期待をして見守りたいと思います。 以上で、最後の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(石原真君) 以上で、1番 河合伸治君の一般質問を終了いたします。 29番 植野正則君。
◆29番(植野正則君) 二葉会の植野正則でございます。通告に基づきまして、一般質問を行います。 1点目の岩国市の財政状況についての(1)財政健全化判断比率の変遷と改善された要因についてでございますけれども、本市の財政状況を示す指標でございますところの財政健全化判断比率は、行政改革の成果並びに堅実な行政運営等によりまして年々改善をされてきておりますけれども、改めまして財政健全化比率の5年間の変遷と、改善をされてきたであろう要因についてお伺いいたします。 (2)特別会計における今後の課題と対応策についてでありますけれども、特別会計におきましては、いずれの特別会計も資金不足は生じていないというふうな決算報告でございますけれども、将来にわたって生じるであろう課題等があればお伺いいたします。また、その課題に対する対応策についてもお伺いいたします。 (3)公営企業会計における今後の課題と対応策についてでございますけれども、公営企業会計においては、将来にわたって生じるであろう課題があればお伺いをいたしておきます。また、その課題に対する対応策についてもお伺いいたします。 (4)財政調整基金についてでございますけれども、今後の財政負担に備えるために、9月補正予算におきましては財政調整基金に12億1,001万円が積増しをされ、令和4年度末の現在高は83億5,355万6,000円となる見込みとのことでございますけれども、標準財政規模に対する財政調整基金の積立基準の範囲内というふうになっているのかについてお伺いを申し上げます。また、財政調整基金の運用はどのようにされているのか、お伺いをいたしておきます。 (5)監査委員の建議についてでございますけれども、決算監査におきまして監査委員の審査意見書が出されておりますけれども、行政監査の折に出されました監査委員からの建議があればお伺いいたします。また、その建議が次期予算編成に反映されている事例等があればお伺いいたします。 2点目の周陽環境整備センターの跡地活用についての(1)周陽環境整備センターの跡地活用検討状況についてでありますが、令和3年6月の定例会におきまして、周陽環境整備センターの跡地活用について質問をいたしました際、玖珂総合公園などの周辺施設と連携をした有効活用について、関係部署で協議を進めてまいりたいというふうな答弁をいただいておりました。けれども、その後、協議が進められたことがちょっと見受けられないということもございまして、執行部内におきまして、どのように協議、検討が進められているのか、その進捗状況、もう15か月がたっておりますけれども、進捗状況をお伺いをいたしておきます。 以上で、壇上からの質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) それでは、植野議員御質問の第1点目の岩国市の財政状況についてお答えいたします。 まず、(1)財政健全化判断比率の変遷と改善された要因についてでありますが、財政健全化判断比率につきましては、地方公共団体の財政状況を客観的に表すとともに、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するための指標として、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率の4つの比率が定められております。 これらの比率について、過去5年間の数値を順に申し上げますと、実質赤字比率と連結実質赤字比率は、対象となる会計がこれまで全て黒字であることから、比率自体が算定されていません。 実質公債費比率の過去5年間の状況につきましては、平成29年度が6.9%、平成30年度が5.1%、令和元年度が4.1%、令和2年度が3.9%、そして令和3年度が4.2%となっております。 また、将来負担比率についてでありますが、平成29年度が5.5%、平成30年度が4.3%、令和元年度が1.7%、令和2年度が7.0%、令和3年度につきましては、将来負担額が充当可能財源等を下回ったことから、将来負担は生じていません。 これらの数値は、年度によって多少の増減は見られるものの、おおむね改善傾向にあるものと考えられます。 その要因としましては、実質公債費比率においては、市債発行額を抑制してきたことによる公債費の減少が進んだことが挙げられます。 また、将来負担比率においては、将来の負担となる地方債の現在高等の償還額等に充当することが可能とみなされる財政調整基金や減債基金などの基金残高が増加したことや、合併特例債や過疎債など、普通交付税措置のある有利な市債の活用による、普通交付税基準財政需要額算入見込額の増加などが挙げられます。 加えて、黒磯地区いこいと学びの交流テラス整備事業用地として、岩国市土地開発公社において岩国医療センター跡地を先行取得しましたが、令和3年度にはこれを買い戻したことにより、将来負担の要因となる債務負担行為に基づく支出予定額の大幅な減少となったことも挙げられます。 近年、本市におきましては、黒磯地区いこいと学びの交流テラス整備事業や、南岩国地区都市再生整備計画事業など、本市のまちづくりに必要な大規模事業を多数実施しております。 これらの事業の実施に当たりましては、将来の負担を軽減するためにも、基地関係の国庫支出金など、補助率の高い補助金を活用することにより、市の負担額を抑制するとともに、合併特例債など普通交付税措置のある有利な起債を活用することで、償還財源の確保にも努めてきたところであります。 今後におきましても、将来負担の軽減を念頭に、健全な財政運営に努めてまいります。 次に、(2)特別会計における今後の課題と対応策についてでありますが、ここでは公営企業会計を除く主な特別会計の状況について御説明いたします。 まず、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計につきましては、高齢化に伴い、医療費や介護サービス費の増加が懸念されるところでありますが、国や山口県などからの支出金や基金の活用により、現状ではおおむね順調に運営ができているものと考えております。 また、観光施設運営事業特別会計や錦帯橋管理特別会計では、
新型コロナウイルス感染症の拡大による移動、外出の自粛や入国制限、大型イベントの中止などによる観光客の大幅な減少からの脱却が大きな課題として上げられます。 今後の感染状況を注視する必要はありますが、団体旅行を企画する事業者への支援や、各種観光キャンペーンにより誘客促進を図るなどの取組を通じて、観光客数の回復につなげてまいりたいと考えております。 いずれにしましても、特別会計を取り巻く環境が厳しい中にあっても、事業やサービスを安定的に提供できるよう、今後も健全な運営に努めてまいります。 最後に、(4)財政調整基金についてでありますが、財政調整基金は、地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整し、財政の健全な運営に資するために設置されており、長期的な視野に立った計画的な財政運営を行うためには、一定額の確保が必要とされております。 財政調整基金の現在高に関する基準につきましては、法令や国の指針などにおいて明確な考え方などが示されていないことから、各自治体がそれぞれの財政状況に応じて標準財政規模に対する割合などを目安として、財政調整基金への積立てを行っているものと考えられます。 このような中で、平成29年11月に公表された総務省の調査結果によれば、その具体的な積立水準として、標準財政規模の20%以下と回答した市町村が8割以上を占めている状況であります。 本市の財政調整基金につきましては、
新型コロナウイルス感染症に係る対応策に要する諸経費の計上を行った令和2年度の予算編成時において、合計で50億円を超える取崩しを計上したため、一時的には基金の残高見込みが約21億円にまで落ち込んだこともございました。 しかしながら、その後、堅実な財政運営により、今年度の9月補正予算におきましては、前年度の決算剰余金の2分の1を下らない金額として、約12億1,000万円を積み立てることとした結果、今年度末の基金現在高は約83億5,300万円と見込んでいるところであります。 このように、本市においては、これまでも過去の取崩し実績や決算の状況等を踏まえて、可能な範囲で積立てを行ってきたところであり、令和3年度末の現在高では、標準財政規模に占める割合は約22%となっており、一定の残高は確保している状況であります。 一方、財政調整基金の管理については、岩国市財政調整基金条例において、「金融機関への預金、その他最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない」と定められております。 議員御質問の財政調整基金の運用については、災害復旧費をはじめとして、急遽予算措置が必要となった場合などに機動的な対応が取れるよう、現在は流動性をある程度確保でき、普通預金よりも若干有利な利率となっている金融機関の大口定期に全額預け入れをしております。 また、資金運用だけでなく、例年、公金の支出が集中する4月から5月までの出納整理期間などにおいて、資金不足の発生を防ぎ、資金繰りの事務が滞りなく行われるよう、財政調整基金の一部を歳計現金として活用する繰替運用も行っております。 市としましては、歳入では、
新型コロナウイルス感染症等の影響により、税収等の見通しが不透明な状況が続く一方、歳出では、高齢化の進展などによる社会保障費をはじめ、大規模事業の実施、また公共施設等の維持管理や更新などに多額の財源が必要となることにより、今後も一段と厳しい財政状況が続くものと見込んでおります。 こうした状況にありますが、真に必要とする事業を予算化するに当たりまして、財源が不足する場合には財政調整基金の活用を図りつつ、災害等の不測の事態にも備えていく必要があります。 そのためにも、今後も財政調整基金の残高を一定程度確保しながら、持続可能な財政運営に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎
水道事業管理者(辻孝弘君) 第1点目の岩国市の財政状況についての(3)公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち水道事業会計及び工業用水道事業会計における今後の課題と対応策についてお答えいたします。 水道事業につきましては、平成29年度に策定した水道施設耐震化10か年計画に沿って進めておりますが、現在の主な事業は、瀬戸海・萩原団地を統合した新たな配水池の建設や、錦見浄水場では取水用隧道を別ルートで二条化を目指し、建設しております。 また、玖西、玖北各地域では、統合した旧簡易水道施設の更新工事などの耐震化事業を着実に進めているところであります。 しかし、令和元年度以降、給水人口の減少に加え、
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う水道使用量の落ち込みにより、3年間で合計1億円以上の給水収益の減収が続いており、大きな懸念材料となり喫緊の課題となっております。 これまでも施設規模の小型化や統廃合など、効率的な事業を進め、維持管理費の高騰が続く中で経費節減に努めた経営を行ってきておりますが、引き続き耐震化事業を進めていくため、また安定した給水を継続するためにも、収益の改善が必要であり、現在検討をしているところであります。 次に、工業用水道事業でありますが、昭和49年8月に通水を開始して以来、既に48年が経過しており、施設及び管路の老朽化が進み、国道188号の交通規制を伴う漏水事故も発生しております。 また、近年では、企業の撤退により使用水量が減少しており、事業収益の減少が大きな課題となっております。 運営計画として、工業用水道ポンプ所の取水施設ポンプ井の2基ある水中モーターポンプの計画的な改修や、口径600ミリメートルの配水管の突発的な漏水事故を防ぐため、過去に漏水が発生している水管橋の更新計画を老朽化対策と位置づけ進めてきております。 こうした状況の中ではありますが、工業用水道は、本市の産業振興及び経済発展を支える欠くことのできないインフラ事業のため、企業誘致担当部署と連携を取りながら事業の持続可能な運営に取り組んでおります。今後も引き続き健全な経営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎
地域医療担当部長(山田真也君) 第1点目の岩国市の財政状況についての(3)公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち病院事業会計についてお答えいたします。 錦中央病院と美和病院の両市立病院は、救急医療をはじめ、初期診療から慢性期医療まで幅広く医療を提供し、広大な面積を有する玖北地域の拠点病院として重要な役割を果たしているところでございます。 課題といたしましては、玖北地域は高齢化の進展が著しい地域であり、人口減少等に伴い患者数の減少が見込まれ、加えて医療スタッフの確保も困難となっていることから、住民が安心して暮らすことができる持続可能な医療提供体制づくりを目的とし、令和4年度から令和5年度にかけて、公立病院経営強化プランを策定する予定であり、今後も引き続き市立病院の安定的な運営に努めてまいりたいと考えております。 また、美和病院建設事業の進捗状況につきましては、現在、造成工事を行っており、本工事完了後、病院本体や医師住宅、職員住宅等の建築工事に取りかかる予定で、新病院については令和6年度末の開院を予定いたしております。 市といたしましては、僻地医療提供体制を堅持するため、経営改善のための経費節減、業務改善等を行っていくとともに、医療サービスの低下につながることのないよう、医師等医療スタッフの確保や医療・介護連携の促進等に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎建設部長(内坂武彦君) 第1点目の岩国市の財政状況についての(3)公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち下水道事業会計における今後の課題と対応策についてお答えします。 本市の公共下水道の普及率は、令和3年度末で36.3%と、全国や山口県内の市町と比べてもかなり低くなっています。特に、一文字処理区と尾津処理区のある旧岩国市の区域の整備が遅れており、普及率の向上が急がれます。 そのため、これまで国土交通省の社会資本整備総合交付金を主な財源として整備を進めてきましたが、新たに平成28年度からは、防衛省の防衛施設周辺補償事業補助金を活用して川下地区の整備を、また令和2年度からは、内閣府の地方創生整備推進交付金を活用して岩国・錦見地区の整備を行っているところです。 さらに、今年度からは、周南流域下水道の周東処理分区の面整備では過疎対策事業債の利用も予定するなど、一層の整備区域の拡大を図ってまいります。 また、令和3年度からは上下水道料金の徴収一元化を始めており、同時徴収による利便性の向上などにより、収納率を1%程度上げることができました。こうしたいろいろな事業を着実に進め、使用料収入の確保に努めてまいります。 今後も、下水道事業の安定的な経営を行うため、使用料の適正な見直しも視野に入れ、さらなる経費削減により、下水道事業の健全な経営に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎
監査委員事務局長(村重政司君) 第1点目の岩国市の財政状況についての(5)監査委員の建議についてお答えいたします。 ここ2年間において、監査委員からの監査結果の報告に基づき、改善が図られました2件の事例がございます。 1件目といたしまして、市民課でのDVなど被害者の安全の確保及び秘密の保持の十分な配慮義務を求められる相談窓口についてです。 窓口対応の際に、相談者の要望や状況に応じて、3階の人権課の相談室等で対応するケースもありましたが、通常はパーティションで仕切ったローカウンターで対応しており、十分な配慮がなされているとは言い難い状況でありました。 1階におけるDV等支援措置の相談室確保は急務であるものの、大幅なレイアウト変更は困難なことから、マイナンバーカード業務用住基ネット専用室を相談業務に優先して使用することとし、マイナンバーカード業務は、ローカウンターでセキュリティー対応をして業務を行うよう改善されました。 2件目といたしましては、AED、自動体外式除細動器の適切な維持管理の徹底についてですけれども、総務課所管の本庁舎2台の管理状況は、使用可能な状態ではあったものの、点検担当者の設置未済、日常点検の未実施などの状況であったため、直ちに見直しが行われ、改善が図られました。 また、問題が庁内全体に関係することから、AEDに関する取りまとめを担当する地域医療課において、市の設置するAEDが管理不備により性能を発揮できないなどの重大な事象を防止するため、日常点件等の適切な管理をするよう、AEDの設置者に対して周知が行われることとなりました。 なお、以上2点の事例の改善には予算措置は伴っておりません。 そのほかにも即時対応可能な指摘や、市民が利用する施設の安全対策など、第三者から見た気づきや改善につながる提言も頂いております。 監査委員事務局といたしましては、これからも書記による事前審査を行うなど、本市の行政事務が法令に基づいて適正かつ効率的、合理的に行われるよう、監査委員によるスムーズな監査の実施に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎環境部長(神足欣男君) 第2点目の周陽環境整備センターの跡地活用についての(1)周陽環境整備センターの跡地活用検討状況についてお答えいたします。 岩国市玖珂町にあります周陽環境整備センターは、平成31年4月にサンライズクリーンセンターが本稼働したことに伴い、平成31年3月末に稼働を停止し、現在、解体工事を進めており、令和5年3月末に解体工事を完了する見込みとなっております。 周陽環境整備センター及び隣接するグリーンオアシスは、周陽環境整備組合が所有していますが、周陽環境整備組合は令和5年3月31日をもって解散することとし、組合の所有する土地・建物含めた財産処分など、関係市町と協議を進めることについて、本9月定例会に議案を上程しているところです。 周陽環境整備センターの跡地活用につきましては、周陽環境整備組合の所有する財産を、組合解散後、岩国市に帰属するものとして、組合の構成市町の議会にお諮りしているところであり、現時点ではまだ正式に岩国市の財産となっていないことから、本格的な跡地活用についての検討が始められるのは、議会の議決を経た後、構成市町の長の協議が完了してからになると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆29番(植野正則君) それでは、再質問させていただきます。 周陽環境整備センターの跡地活用について、ただいま御答弁がありましたことについての再質問をさせていただけたらというふうに思います。 ちょっと壇上でも申し上げたかもしれませんけれども、実は昨年の6月の定例会におきまして、周陽環境整備センターの解体工事が令和4年度末に完了すると、こういった見込みで、近い将来、周陽環境整備組合は清算をして解散をするということが明らかであることから、土地並びに施設が岩国市へ譲渡されることを想定しながら、玖珂総合公園などの周辺施設と連携をした有効活用について、岩国市としても関係部署で協議を始めたいというふうな答弁をいただいております。これも15か月前の話でございます。 しかしながら、先ほど壇上で御答弁があったことは、まだ正式に岩国市の財産となっていないと、このことから、本格的に跡地利用について検討を始めていくのは議会の議決を経た後、構成市町の協議が完了してからになるということであったというふうに思いますけれども、昨年6月以降、15か月間も何も検討されていないのかお伺いいたします。 検討されていないということであるのならば、なぜ活用方針が検討されてこなかったのかについてお伺いをいたしたいというふうに思います。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 昨年度、関係部署において跡地利用の活用について協議を始めたところなんですが、まだ市の所有になっていないことから、民間事業者等と協議を行うにしても具体的な協議を行える状態ではなく、そのようなことから、先ほども答弁にありましたように、本格的な跡地利用についての検討が始められるのは、正式な譲渡後になるというふうに考えております。
◆29番(植野正則君) 今、部長の御答弁によりますと、昨年度、関係部署で下協議を始めたところではあるんだけれども、まだ本格的な協議には至っていないというふうなお答えだったかというふうに思います。 この活用方針を検討するに当たりまして、総合公園などの周辺施設と連携をした有効活用を検討するという基本方針があるんだろうと思うわけでございますけれども、今現在ですよ、下協議の段階でもいいんですけれども、あるいは部長のお考えでもいいと思うんですけれども、今現在どのような利用が望ましいというふうに考えておられるのか、基本的な考え方があればお伺いをいたしておきたいというふうに思います。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 跡地利用活用につきましては、隣接しています玖珂総合公園や温水プールグリーンオアシスとの相乗効果が得られるような活用が求められると思いますので、そのように考えていくべきと思いますが、今現在ではお示しできるような基本方針というか、そのようなものはございません。
◆29番(植野正則君) これ、今から活用方針を検討されるということですが、およそでよろしいのですけれども、どれくらいでこの方針が出せそうだというのが、そういう見込みがあれば教えていただきたいと思います。私も3期目の最後でございますので、次があるかないか分かりませんけれども、いずれにいたしましても、基本方針等が決まれば行政側から発表されるものでございますので、いずれにいたしましても大体何か月ぐらいを目安にしてやっていきたいと、やっていけたらいいというふうに思っておられるのかについて、およそのところで結構でございますので教えていただけたらというふうに思います。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 岩国市のスポーツ施設基本構想というのがあるわけなんですが、これが計画期間がおよそ10年間ということで、平成27年から令和6年度までの計画となっております。そういったこともございますので、それに併せてグリーンオアシスとか跡地のことは盛り込んでいきたいと思いますので、目安としてはそういった期間になろうかと思います。よろしくお願いします。
◎副市長(杉岡匡君) ちょっと補足で御答弁させていただきます。 ここの跡地の利用については、なかなか難しい状況にございます。跡地が解体されて更地にはなりますけれども、あそこは公園の中、公園と隣接もしていますし、そばにはグリーンオアシスもあったりしますので、全体的な施設の周辺を考慮して、どういったものがいいかというのは、ちょっと時間をかけて考えないと、跡地ができたので、それですぐに何かをやるというのはなかなか難しい状況で、そういった状況です。担当の部長もスポーツ施設という位置づけで御答弁しておりますけれども、スポーツ施設に限ったことではなくて、どういった利用がいいのかというのは、やはりちょっと時間をかけて検討していきたいと思っております。 最終的には、私がトップで今、会議を持っておりますけれども、公共施設の跡地の有効活用検討プロジェクトチームというのがありますので、そこでちょっとたたき台的なもの、そういったものをまずは固めていかないと、なかなか進まないだろうなというふうに思っております。ちょっとお時間かかることは御容赦いただきたいというふうに思っております。
◆29番(植野正則君) 今、副市長のほうから御答弁ございましたので、その件につきましては了解をいたしました。 それで、ちょっとしつこいかも分かりませんけれども、この跡地活用を検討する中で、先ほどからグリーンオアシスというお話が出ておりましたので、これとの関連をお尋ねしておきたいと思いますけれども、このグリーンオアシスをどのような位置づけの施設として考えていかれるおつもりかについて、お伺いできたらというふうに思います。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 今、グリーンオアシスをどのような位置づけの施設としてという御質問だったと思うんですが、それは跡地活用を検討するという中でのお話でしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり) グリーンオアシスは、公営で運営する屋内プールとして、玖西地域だけでなく、市民の健康づくりやスポーツの推進に欠かせない施設ということもございますので、今、副市長からの話もありましたが、文化スポーツ課としては、グリーンオアシスの利用のさらなる利便性の向上とか、利用者の増加につながるような跡地活用ということも検討していかなければいけないのではないかというふうに考えております。
◆29番(植野正則君) それで、例のグリーンオアシスの件なんですけれども、グリーンオアシスには数十人の職員の方あるいは臨時職員の方を抱えて、運営をしておられるところでございますけれども、先ほどからありました岩国市スポーツ施設整備基本構想を今から検討してつくられるに当たりまして、この周陽環境整備組合解散後も、グリーンオアシスは、これまでどおり温水プールとして岩国市において、引き続き管理運営されるということで理解してよろしいかどうかについて確認をさせてください。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 岩国市スポーツ施設整備基本構想では、当面は現状維持とし、さらなる活用を図ることとするが、ごみ焼却施設の廃止後の方向性については、今後検討するという内容に今なっているんですけれども、これまでの議会答弁にもありましたように、組合解散後は、岩国市が引き継ぎ、管理運営していくということになっておりますので、そのようになると考えております。
◆29番(植野正則君) 部長、ありがとうございます。組合解散後も、岩国市が引き継いで管理運営をしていっていただけるということでございます。大変ありがたいことだというふうに思います。 それで、つきましては、ちょっとまたこれも施設の話なんでございますけれども、これまでも再三質問させていただいておりますけれども、これ、グリーンオアシスに温水を供給をいたしておりますボイラーについてなんです。 このボイラーは、これはグリーンオアシスができた当初に設置をされたボイラーが、長年頑張ってきておるわけでございますけれども、このボイラーの運転に不具合が生じた場合には、適宜対応して、温水プールとして市民に提供できるように対応していくんだというふうなことであるんだろうというふうに私は理解しているんですけれども、それでよろしいのかどうかということと、また、このボイラーが
耐用年数を大幅に過ぎておるわけでございまして、故障箇所においては部品がありませんよというふうなこともメーカーから聞いていることもございます。部品がないということであれば、修理ができないということでございますので、こういった状況にございますボイラーについて、岩国市のほうで今後、温水プールを管理運営していくのであれば、早いうちにこのボイラーの更新をされるべきではないかというふうに思うわけでございますけれども、この点についてお伺いいたします。
◎
文化スポーツ担当部長(竹原直美君) 今2つの御質問だったと思うんですが、不具合が生じた場合と、早期の更新ということなんですが、まず不具合が生じた場合ということなんですが、不具合の度合いにもよりますが、基本的には修理をしながら維持管理に努めてまいりたいと考えております。 ただ、大規模な改修が必要となった場合につきましては、利用の状況や施設の状況などを勘案しながら決定してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 また、早期の更新ということなんですが、いわゆる予防的な改修措置につきましては、これまでも答弁しておりますように考えておりませんので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。
◆29番(植野正則君) 部長も御存じと思うんですけれども、このグリーンオアシスの利用者の利用形態ですね、これ1年を通じてずっとフラットな状態ではないわけでございまして、多い月もあれば少ない月もあるというふうな利用者の数なんですけれども、その辺をよく勘案をしておかないと、ボイラーを修理するにしても、あるいは更新するにしても、その利用形態をしっかり把握した上で、ボイラーの更新なり修理をしていく必要があるわけでございますけれども、修理といいますのは、故障して動かないわけでございますので、これはもう利用者が多い時期であろうと少ない時期であろうと関係なしに、ボイラーは勝手に壊れてしまいますので、そのあたりもありますので、私が申し上げているのは予防的に、要はもう更新、要するに更新ですよ。更新してくださいと私は言っているわけなんです。その利用形態を見ながら、利用者が少ない時期に更新をしてくださいということをお願いしております。これは御答弁要りません。要りませんので、その辺をしっかりと考えていただきたいというふうに思います。 それから、これで一応、周陽環境の関係は終わりますけれども、先ほどから財政状況についての各部長から詳細な御答弁がございました。 それで、この財政状況については再質問はいたしません。しかるべく私の所管の委員会もございますので、その委員会の中で質疑をさせていただけたらというふうに思うところでございます。 以上で、私の一般質問を終わらさせていただきます。
○副議長(石原真君) 以上で、29番 植野正則君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時50分 休憩
――――――――――――――――――――――――――――――午後3時15分 再開
○議長(桑原敏幸君) 休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 4番 中村 豊君。
◆4番(中村豊君) 皆さん、こんにちは。4番 公明党議員団の中村 豊です。 通告に従いまして、一般質問を行います。 1点目、おむつが必要な高齢者に対する支援についてお伺いいたします。 長期療養で、療養病床に入院している家族の介護をされている方から、「保険診療外の負担が重すぎる」との声をお聞きしました。とりわけ、毎月かかるおむつ代が入院費よりも高く、大変な思いをされているとのことであります。 介護保険による施設入所の場合は、おむつを使用しても別途おむつ代は請求されませんが、医療保険で入院している場合は、おむつ代が実費として請求され、医療機関によって請求額は異なりますが、おむつ代の値段は1か月分で2万円から6万円ぐらいまでと、かなりの差があります。市販のおむつの単価を考えると高額な印象となってきます。 医療機関の場合、廃棄処理する費用や、おむつの交換に要する手間、清潔を保つために要する費用も加味して計算されているとも思われます。 しかしながら、今後高齢化が進み、多くの高齢者が何らかの病気を抱え、要介護者となり施設入所ではなく、病院に入院しなければならないケースがこれからますます増えてくることが考えられます。支える家族にとっても負担は大きくなってくるものと思われます。 本市におけるおむつへの支援の現状と助成制度についてお伺いいたします。 2点目、退職後の教員の人材活用についてお伺いいたします。 学校で教員の欠員が生じているのにすぐに埋められない。文部科学省が本年1月31日に公表した教員不足に関する調査結果では、2021年度の始業日時点で本来なら約83万人の人員が必要となるが、2,500人超の不足が生じ、子供たちの学びに支障が出かねない状況となっています。 教員の採用や配置については都道府県教育委員会が担い、児童・生徒数や定年退職する教員数の将来的な見通しを基に計画的に行っています。想定した以上に出産や育児、病気で休む教員や必要な学級の数が増えた場合、従来は教員採用試験を目指す教員免許保有者らを臨時教員、講師として採用して補ってきていました。 しかし、文部科学省による初めての調査によりますと、この講師さえ確保できない実態が浮き彫りになったとあります。 また、教員の業務は多忙を極め、その中で孤軍奮闘する若い教員も多いのではないでしょうか。 国のほうも退職教員の活用を取り上げています。とりわけ、定年退職された教員は長く教育現場に携わり、豊富な経験とノウハウを身につけられています。その経験を生かしての若手教員の育成に関わり、自らの役割を意味づけ業務に従事することで、若手教員も教師としての感性が磨かれてくると考えます。 退職後の教員を活用していくのには様々な雇用、業務形態があると思われますが、本市における退職後の教員の現状と課題について、そして今後、退職後の教員をどのように活用していくお考えであるのかお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) それでは、中村 豊議員御質問の第1点目のおむつが必要な高齢者に対する支援についての(1)支援の現況と助成制度についてお答えいたします。 本市では、高齢者が住み慣れた家庭や地域で自立した生活を継続することができるよう様々な高齢者福祉サービスを実施し、支援しているところであります。 現在、在宅において、寝たきり状態や認知症などにより、おむつが必要な高齢の方に対しましては、月額3,000円のおむつ給付券を交付する日常生活用具給付事業を実施しております。 この事業は、高齢者の方が寝たきりの状態となられましても、できる限り御家庭で生活していくための支援と在宅による介護を容易にすることを目的としたものであります。 おむつ給付券の交付対象となる方は、市内に居住するおおむね65歳以上の方、在宅で常時失禁状態にあり、かつ、今後もその状態が継続すると判断される方、市民税非課税世帯に属する方、要介護3以上の方、これら全ての要件に該当する方としております。 昨年度のおむつ給付券の交付実績につきましては、新規が16件、継続が26件の計42件となっており、入院や施設入所による廃止等が22件となっております。 議員御指摘のとおり、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに入所されている方につきましては、おむつ代は介護保険給付の対象とされているため、費用の実費負担はありません。 その一方で、疾病の治療等のために入院されている方につきましては、差額ベッド代や食費、その他日用品と同様におむつ代も医療保険の対象外とされているため、費用の実費負担をいただいているところであります。 市としましては、こうした現状を踏まえ、医療保険の対象外である入院時のおむつ代の助成の見直しにつきまして、今後、検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎教育長(守山敏晴君) 第2点目の退職後の教員の人材活用についてお答えいたします。 まず、(1)本市の現状と課題についてですが、現在、県教育委員会においては、退職する教職員が長年培ってきた能力と経験を活用することを趣旨として、定年退職者等を対象とした再任用制度の運用が行われております。原則として、希望する教職員は常時勤務となりますが、個別の事案により短時間勤務の職に就くこともできます。 本市の小・中学校にも、平成29年度以降に定年を迎えられた多くの退職教職員が再任用制度で配置されております。 再任用制度以外にも、県教育委員会では、臨時的任用教員等の登録を随時行っており、登録された退職者等が、各小・中学校で常勤教職員や非常勤講師として任用されております。 本市では、特別支援教育支援員、学校司書、部活動支援員、教育支援教室指導員、心の相談員として多くの退職後の教職員を採用しており、今までの経験やノウハウを生かし、学校現場をはじめ、各教育機関で子供たちへの支援を行っております。 課題としては、退職後の多様なライフスタイルに合わせた短時間勤務や非常勤講師での任用を希望する方が多く、常勤の勤務形態では協力してもらえない場合があることや、授業におけるICTの導入が進んでいる中で、それらを活用した授業の指導に不安を抱えている場合もあることが挙げられます。 次に、(2)今後の活用についてですが、市教育委員会としましては、定年を迎える教職員に対し、再任用制度、臨時的任用教員等への登録など、定年後に現場で培った経験を生かせる場の紹介について、今後も引き続き、校長会等を通して情報提供してまいりたいと考えております。 さらに、本年7月1日に、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律が施行され、免許更新制度が廃止されたことにより、免許状が再度有効になる退職者には学校現場に復帰し、力を発揮してもらえるよう働きかけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆4番(中村豊君) それでは、順番を変えて再質問をさせていただきます。 初めに、退職後の教員の人材活用について再質問いたします。 教員不足において、団塊の世代の大量退職に伴い、多くの自治体が採用数を増やしたことで講師の候補者が正規採用され、代替要員となる人材が不足していることが指摘されています。 また、世代交代で若返りが進む現場では子育て期と重なり、産休、育休を取る教員が増えている事情もあると言われています。 教育委員会として、このことについてどのように捉えておられるのかお伺いいたします。
◎教育次長(丸川浩君) 山口県公立学校教員の採用者数については、近年増加しており、新卒の方や若い世代で臨時的任用教員として勤務いただいている方が採用されている傾向にあります。それに伴い、代替要員となり得る若い世代の臨時的任用教員等の登録者数は減少しております。 また、議員御指摘のとおり、岩国市におきましても、子育て期と重なっている教職員も数多く見られます。市教育委員会といたしましては、教職員が子育て支援に関する制度を積極的に活用できるよう制度内容の周知を行うとともに、産休、育休に入る可能性のある教職員数を見込みながら、退職された教職員に随時連絡を取り、必要となる代替教職員の確保に努めているところでございます。
◆4番(中村豊君) 今後も確保に努めていただければと思います。 御答弁にございました課題については、どのように今、対応されているのかお伺いいたします。
◎教育次長(丸川浩君) 退職教職員の希望する勤務形態への対応についてですが、県教育委員会の採用する再任用教職員や臨時的任用職員等については、県教育委員会から指定された勤務形態での任用になりますので、市教育委員会といたしましては、退職する教職員等から任用形態の希望等の情報を聞き取り、適切な配置ができるよう県教育委員会と情報共有を行っております。 また、本市で採用している特別支援教育支援員や学校司書等についても、勤務形態や勤務内容等について退職者への情報提供を行っているところでございます。 ICTの導入における不安について、市教育委員会といたしましては、授業におけるICTの効果的な活動場面や方法について示したものを配付したり、長期休業中にICTに関する研修を進めたりすることでICTの導入や活用に関する不安の払拭を図っております。
◆4番(中村豊君) 情報共有、情報提供を随時行っていただくとともに、働く環境への不安の払拭、これにもさらに努めていただくことを願っております。 再任用制度の運用が行われていると御答弁にありました。もう少し、この制度の内容について御説明願えればと思います。
◎教育次長(丸川浩君) 再任用制度についてですが、県教育委員会が行っている再任用制度の内容についてお答えいたします。 任期については、1年を超えない範囲であり、任期の更新については、1年以内で更新可能となっております。任期の末日については、65歳になる年度の年度末までとなっております。そして勤務形態については、常勤の場合、1日7時間45分、1週間当たり38時間45分となっており、短時間勤務の場合は、2週間当たり38時間45分となっております。業務としては常勤教職員と同じであり、授業のほかに配置された学校ごとに任された校務分掌の仕事を行っております。短時間勤務の教職員については、初任者研修を受ける教員のいる学校に所属し、初任者に対して教諭の職務の遂行に必要な事項について指導、助言を行っているところでございます。
◆4番(中村豊君) 退職後の教職員の人材活用を行っていく上で各学校における年代構成のバランスから業務分担の偏りが生じ、現役教職員への負担につながる可能性も出てくるのではないかと考えられますが、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
◎教育次長(丸川浩君) 各学校におきましては、それぞれの教職員について、専門分野、指導技術、体力面、経験等を聞き取りながら適切な業務分担を行ったり、一つの業務に対してチームで対応する体制を整えたりすることで、学校全体の業務負担に偏りがないよう配置しております。 さらに、ベテラン教員の大量退職に伴い若手教職員が増えている中で、各学校における教育の質を今後も維持、確保していくためには退職教職員の人材を活用することにより、豊富な経験やノウハウを現役教職員へ承継していくことが必要不可欠だと考えております。 今後も退職教職員の方を含め、各年代の教職員の長所をうまく融合し、刺激し合うことで若手教員を中心に教職員の資質向上につなげていけるように努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
◆4番(中村豊君) 退職後の教員の雇用形態については様々な分野があり、活躍されているとのことでありました。 また、教員を定年退職された方や定年後の再任用期間を終えた方が働きやすい環境である放課後児童支援員があると聞いておりますが、どのような業務内容になってくるのかお伺いいたします。
◎
健康福祉部長(木原眞弓君) 放課後児童支援員は、保護者が労働等により昼間家庭にいない、小学校に就学している児童に対しまして、遊びや生活の場を提供する放課後児童教室に勤務する方でして、主な業務を具体的に8項目申し上げますと、1点目が児童の健康管理、安全の確保、2点目、児童の出席確認、状況の把握、3点目、遊びの提供、4点目、基本的な生活習慣の定着の支援、5点目、保護者、家庭との日常的な連絡、情報交換、6点目、学校との情報共有、連携、7点目、児童の様子及び育成支援の記録、8点目、地域との連携ということになっております。
◆4番(中村豊君) それでは、本市における放課後児童支援員の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
◎
健康福祉部長(木原眞弓君) 放課後児童支援員は、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭などの有資格者と当該支援員の補助をする資格を有しない補助員との2種類がございますが、双方とも研修を受講する機会を持つなどして、その質の向上に努めております。 本市は29の小学校で、おおむね児童40人を1単位としまして、45単位の放課後児童教室において、本年5月1日時点においては、支援員148人、補助員80人の合計228人により運営しております。現在は、本郷放課後児童教室、周東中央放課後児童教室、玖珂放課後児童教室、そお放課後児童教室の7単位において勤務ローテーションを円滑に進めるため、組むために、ハローワーク等を通じて支援員等の求人募集を行っているところです。
◆4番(中村豊君) 働きやすい環境であるであろう放課後児童支援員の周知、活用に今後も努めていただければと思います。 それでは、再任用教員を含め、退職後の教員の人材活用について、改めて教育長のお考えをお伺いいたします。
◎教育長(守山敏晴君) 先ほど言いましたように大量退職や大量採用において、臨時的任用教員の候補者が減ってきているというのは全国的な課題でございまして、昨年度の4月において、担任が埋まらないとか、そういう加配教員が埋まらないということが全国的な課題になりました。 幸いにして岩国市は、退職者の方々の御協力を得ながら、そういった4月が迎えられないということはございませんが、年度途中の産休・育休、そういったことにつきましても、今後もそういった退職者の方々のいろいろな力を借りながら対応していきたいと思っております。 今必要なのは、学校でそういった先生方や――若い先生方もたくさんいらっしゃいますけれども、孤立しないということ、組織で対応していくということ、これがとても大事なことだなと思っておりますし、岩国市は小・中一貫教育等もしておりますし、つながりを意識した教育をしながら、組織的な学校運営をしながら学校の総合力の向上ということで対応しております。退職された先生方も、子供のためにまた力になってあげようというようなそういう働きやすい、入りやすいような職場環境というのを大事にしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
◆4番(中村豊君) 教育長が言われたとおり、これまで教育現場で働いてこられた経験や知識をやはり定年退職された教員の方は、また再び現場で役立ちたい、子供と関わる仕事をしたいという思いを持っている方がたくさんいらっしゃると思います。そういった教員の方の雇用形態、指導形態、役割を明確にしていただき、知識や経験、人脈を生かし、地域や家庭など、学校現場で困っている問題に取り組んでもらうことも必要ではないかと考えます。今後の活用のほうをまたよろしくお願いしたいと思います。 それでは次に、おむつが必要な高齢者に対する支援について再質問いたします。 おむつの現物を持ち込み、用意するのであれば、おむつ代としてもそんなに高くはならないのではないかと思われますが、一般的におむつ代には廃棄費用や交換費用も入っていると認識してよろしいのでしょうか。
◎
保健担当部長(片塰智惠君) 入院の際のおむつ代は医療保険の対象外になるため、患者が負担するようになることは壇上でお答えしたとおりです。 これは、国の通知に、おむつ代が療養の給付と直接関係ないサービスに該当し、患者から直接費用徴収が必要となるものとされているためです。 なお、当該通知の中で、おむつの処理費用については、手技料等に包括されているサービスにかかる費用であると記載されており、患者の方へは医療保険適用における利用者負担割合により、算定した負担が生じるものと考えます。 おむつ代やおむつの持込みを認めるか否かなどについては、医療機関により取扱いが異なります。通知には、医療機関内の見やすい場所に料金を提示することや、患者に料金の内容を説明することが規定されておりますのでよろしくお願いいたします。
◆4番(中村豊君) それでは、在宅でヘルパーがおむつ交換する場合には、介護保険の対象になっているのでしょうか。
◎
保健担当部長(片塰智惠君) 訪問介護員、ヘルパーが要介護者の居宅を訪問して入浴、それから排せつ、食事の介護、それから家事など、必要な日常生活の世話を行う介護サービスは、介護保険給付の中で行われています。 このため、おむつ自体は御利用者が準備していただく必要はありますが、おむつの交換作業については、そのサービスの一つとして介護保険の対象となっております。
◆4番(中村豊君) では、病院で訪問ヘルプサービスとかは受けることはできるのでしょうか。
◎
保健担当部長(片塰智惠君) 病院に入院されている間は医療保険が適用されていることから、介護保険は適用されず、介護保険のサービスは利用できません。 したがって、病院で介護保険サービスとしての訪問ヘルプサービス、訪問介護サービスですが、それは受けることはできません。
◆4番(中村豊君) 分かりました。それでは、介護保険適用と医療保険適用での差というものはどのようになっているのかお伺いいたします。
◎
保健担当部長(片塰智惠君) 壇上でも御答弁しましたが、介護保険施設、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院に入所されている場合は、介護保険の対象となって、介護報酬の中におむつ代が含まれていることから、おむつ代の実費を入所者が負担することはありません。 病院に入院している場合は、おむつ代は国の通知により、療養の給付と直接関係ないサービス等になるために、患者の負担になるということを明記されているものです。
◆4番(中村豊君) 今、国の通知に明記されているとの御答弁でありましたが、これだけではちょっと少し分かりづらく感じるのですが、制度の趣旨としてはどのような違いがあるのか、改めてお伺いいたします。
◎
保健担当部長(片塰智惠君) 制度の趣旨の違いについてなんですが、医療保険というのは療養の給付を対象としていることから、療養の給付と直接関係ないサービス等については、保険適用されないということに対して、介護保険制度では、介護保険施設等においては入浴、排せつ、食事の介助等、日常生活上の介護サービスが提供されるものとなっておりますので、おむつ代はその中に包括されているというふうに考えております。
◆4番(中村豊君) 理解しました。それでは、課税対象者であれば、医師の証明書があれば医療費控除の対象となりますが、非課税世帯であれば、その対象外となってきます。壇上でも申し上げましたが、入院時のおむつ代の負担はその家族にとって、とても大きいものとなってきています。幾つかの自治体では金額に差がございますが、一定の条件を満たせば入院中に負担したおむつ代の助成を行っております。 本市においても、家族の負担軽減を緩和する意味においても検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
◎
健康福祉部長(木原眞弓君) 本市は、在宅の寝たきりの方で非課税の方に対して、おむつ券の給付をしております。それは在宅であってもできる限りそこで暮らしていただくということと、あと、介護する方についての支援ということの2点を重点的に考えて給付券を発行しているところです。 議員がおっしゃるとおり、課税世帯であれば、医療費控除ということで税金が安くなるという特典がございますけれども、非課税の方については、医療費控除の対象になったとしても税金がはなからかかっておりませんので、あまりメリットがないというところは承知しております。ということで、非課税の方が入院された場合に療養の給付の対象外ということで、おむつ代を実費で御負担される、なかなか大変なことと推察しておりますし、とても大変だなというのは実感として考えております。これからの検討課題とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
◆4番(中村豊君) 先ほども触れましたが、非課税世帯の方はおむつ代の医療費控除の対象となりません。入院ではなく、在宅であればおむつの現物が支給されますが、入院したというところで支給はそこで中止となってきます。そうなれば一気に負担が増してきます。入院時でのおむつ代の助成の見直しを――壇上の答弁でもございました。今の部長の答弁にもございました。検討されるということですので、十分に検討されて早期の実施に至ることを切に期待しております。介護者家族が重い負担を感じることがないような支援の在り方を、どうかこれからもしっかりと考えて取り組んでいただくことを願って質問を終わります。
○議長(桑原敏幸君) 以上で、4番 中村 豊君の一般質問を終了いたします。 6番 中村雅一君。
◆6番(中村雅一君) 憲政会の中村雅一でございます。初日最後の一般質問であります。よろしくお願いいたします。 議員活動のスローガンとして、「文化と伝統を守り、暮らしやすいまちづくり」を掲げてまいりました。文化や伝統は住民にとって暮らしやすく安定した環境の中で育ちます。本市の文化レベルは決して高いほうだとは思えません。まだまだ環境整備を進めていかなくてはならないと感じております。そんな中、錦帯橋は環境整備を推進するための起爆剤になり得ると思っております。 錦帯橋は市民の宝であり、文化、芸術、観光、建築技術、産業など、多岐にわたり関連を持つ宝船のような存在です。平成の架け替えで錦帯橋の架け替え工事に従事し、その存在の偉大さを実感し、錦帯橋を後世に残すことが使命であると思わせた、そんな錦帯橋のすばらしさをどのようにしたら世間に知らしめ、後世に伝えられるのか、先人から受け継いだ偉大な宝物を私たちの世代で途絶えさせてはならない、そんな思いから平成の架け替え経験者で思案し、目指したのが錦帯橋を世界文化遺産にすることでした。 錦帯橋を世界文化遺産にするためには、錦帯橋の将来が担保されなくては実現しません。そして、そのためには整備計画や行政の体制づくりなど、多岐にわたる施策が求められます。錦帯橋を世界文化遺産にすることは本市の発展に多大な貢献をするものと信じ、壇上から一般質問をさせていただきます。 1、錦帯橋について、(1)世界文化遺産に向けての状況について。 錦帯橋の世界文化遺産に向けて活動を始め16年たちました。文化庁の動向を注視しながら準備を進めてこられ、提案書の内容も充足されてきていることと思います。 現状においての世界文化遺産に向けての状況及び今後の取組についてお尋ねいたします。 (2)保存活用計画の方針について、ア、活用について。 本市におかれましては、文化庁から示された保存活用計画に基づき、名勝錦帯橋保存活用計画の検討を進めてこられ、基本となる方針を立ててこられました。この内容となる錦帯橋の活用方針についてお尋ねいたします。 イ、保存について。 錦帯橋を今後どのように保存していくのか、また保存をどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 (3)緩衝地帯(バッファーゾーン)の取組について。 世界遺産においては、その資産を取り巻く周辺について、適切な保護を求められていると思います。この周辺を緩衝地帯と呼びますが、提案書における緩衝地帯の取組はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。
◎市長(福田良彦君) それでは、中村雅一議員御質問の第1点目の錦帯橋についての(1)世界文化遺産に向けての状況についてお答えいたします。 錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組につきましては、平成18年と平成19年の文化庁からの公募に対して、山口県とともに、「錦帯橋と岩国の町割」として提案をしたところであります。 平成20年に発表された国の審議結果では、暫定一覧表への記載は見送られましたが、世界遺産暫定一覧表候補の文化資産として、3段階中最も高い評価となるカテゴリーIaをいただき、併せて課題も示されました。 文化庁からは、主な課題として、顕著な普遍的価値を持つ可能性、周辺環境の保全措置、架け替え続けられてきた錦帯橋の真実性に関する国内外の確実な評価の3点が示されました。 こうした課題が示されたことから、本市では、課題に対する取組として、まず1点目の顕著な普遍的価値の課題に対しては、平成20年と平成22年に国外の専門家を招聘し、錦帯橋が顕著な普遍的価値を持つ世界遺産たる価値があることと、中国に錦帯橋のルーツとなる橋は存在せず、世界唯一の価値を有する木橋であることを確認しております。 また、平成21年に課題克服のため組織した錦帯橋世界文化遺産専門委員会での検討を踏まえ、平成30年には、構成資産を「3つのアーチ橋」と「両端の桁橋」、「橋脚」と「橋台」、そして「御床工」とした「世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書 錦帯橋」を山口県とともに文部科学省に提出しました。 一方、市民の機運醸成への取組としましては、平成28年11月に、山口県、岩国市、関係団体で構成する錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を設置し、ロゴマークやリーフレットの作成、クリアファイルの製作などの啓発事業を展開してまいりました。 また、錦帯橋シンポジウムや錦帯橋世界遺産国際意見交換会、錦帯橋世界遺産セミナーを開催し、国内外の専門家の講演などにより、錦帯橋の価値や世界文化遺産登録への活動の理解の促進に努めているところであります。 次に、2点目の周辺環境の保全措置の課題に対する取組としては、資産である錦帯橋と緩衝地帯、いわゆるバッファーゾーンの保全として、昨年3月に名勝錦帯橋保存活用計画を策定いたしました。 さらに、10月には文部科学大臣から重要文化的景観として、錦川下流域における錦帯橋と岩国城下町の文化的景観の認定を受けており、これらに基づき、錦帯橋周辺の環境の保全に取り組んでいます。 また、3点目の国内外の確実な評価が必要とされた錦帯橋の真実性の課題に対する取組としては、昨年12月に、「錦帯橋における真実性」を主なテーマとした錦帯橋世界遺産セミナー2021の開催に当たり、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関でありますイコモスの国内組織である一般社団法人日本イコモス国内委員会を招待いたしました。 日本イコモス国内委員会からは、国内外で活躍されている世界遺産や文化財の各分野の専門家である26人の役員にお越しいただき、錦帯橋や周辺の城下町、城山を視察していただきました。その後、錦帯橋の世界文化遺産登録の活動に携わっている有識者による錦帯橋における真実性についての講演を視聴していただき、意見交換を行いました。 委員会の役員の方々からは、現在の取組に対する理解や期待の意見をいただくとともに、錦帯橋の真実性について一定の評価をいただき、今後の国外の専門家に対する理解の促進への取組に向けて大きな成果となったところであります。 このことを受け、今年度から来年度にかけて、山口県とともに、国外の専門家に対して、これまで取りまとめてきた錦帯橋の真実性について説明し、世界遺産登録の審査の考え方に基づく評価や助言をいただくこととしております。 その上で、近年の世界遺産を取り巻く環境の厳しさを反映した作業指針に基づいた提案書となるように更新をしてまいりたいと考えております。 一方、文化庁においては、令和2年11月に文部科学大臣から文化審議会に対して、我が国の世界文化遺産の今後の在り方についてが諮問され、昨年3月の第一次答申において、暫定一覧表の改定については、今後は公募を実施せず、新たに定める審査の基準に基づき、随時改定が行われるということが示されました。 現在は、この審査の基準について検討されているものと推察しております。 こうした文化庁の動向や暫定一覧表の記載資産が残り5件まで減少している状況から、近い将来、暫定一覧表の見直しが行われ、錦帯橋の世界文化遺産登録の活動も一つの節目を迎えると考えております。 市としましては、今後示される最終答申を注視しながら、文化庁に対して、暫定一覧表への記載に向けて、山口県とともに、さらに積極的な働きかけを行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 第1点目の錦帯橋についての(2)保存活用計画の方針についてのア、活用について及びイ、保存についての2つをまとめてお答えいたします。 国指定名勝錦帯橋につきましては、昨年3月に、名勝錦帯橋保存活用計画を策定し、同年5月21日、文化財保護法第129条の2第4項の規定により、文化庁長官の認定を受けたところでございます。 この計画は、錦帯橋を将来によりよい形で引き継いでいくため、既存の名勝錦帯橋保存管理計画の内容を踏まえるとともに、文化庁から示されている、史跡等の適切なマネジメントを推進するための史跡等保存活用計画を基に策定したところです。 本計画では、名勝錦帯橋の本質的価値を踏まえ、「橋梁の機能と美しさ、橋梁と周辺が一体となった風致景観の継承」を保存活用の目標とし、「保存」「活用」「整備」「運営・体制」「施策の実施計画」「経過観察」の6つの項目について、保存活用の基本方針を定めています。 このうち、活用についての基本方針としましては3点あり、1点目として、名勝錦帯橋の本質的価値を継承していくため、名勝指定地内においては、錦帯橋の利用や指定地内のイベント等による積極的な活用を図るとともに、横山側河川敷におきましては、鵜飼広場や運動広場、駐車場等に活用する既存施設について、名勝錦帯橋の本質的価値を損なわないように改善を行い、適切な活用を図ることとしています。 また、2点目として、名勝指定地周辺においては、所在する歴史的建造物や博物館・資料館等の文化施設、観光施設等と連携して一体的な活用を図ることにより、名勝錦帯橋の本質的価値の理解促進を図ることとしています。 そして、3点目として、名勝錦帯橋の本質的価値への理解を深め、保護に対する意識向上、誇りや愛着の醸成を図ることを目的に、情報提供やイベントの企画・運営、学校教育や社会教育への積極的な活用を図ることとしています。 次に、保存についての基本方針としましては4点あり、まず、1点目として、錦帯橋の独自の構造とその構造が生み出す造形的な美しさを確実に継承していくために、橋梁の劣化・損傷を防ぐための保存整備や日常的な維持管理により橋梁の適切な保存管理を行うこととしています。 次に、2点目として、名勝指定地が河川区域であることを踏まえ、錦川の治水安全度の確保や、現在の漁業、観光等の河川利用の継続を前提に、錦帯橋と一体となって風致景観を構成する錦川や樹木等の要素の維持や風致景観に支障を与える施設等の改善により、適切な保存管理を行うこととしています。 また、3点目として、本質的価値に密接に関わる周辺の要素である城山や岩国山等のほか、名勝指定地に隣接する箇所に所在する構造物等は、名勝錦帯橋の風致景観に視覚的影響を及ぼす周辺地域として、適切な保全措置を講じることとしています。 そして、保存の基本方針の4点目として、錦帯橋の独自の構造と造形的な美しさを後世に引き継いでいけるよう、必要な架橋や保存の技術を確実に継承していくための取組を進めるとともに、今後の保存整備において参考資料となる名勝錦帯橋に関連する図面や型板等の歴史的な資料の適切な保存管理を行うこととしています。 現在、これらの方針に基づいて、名勝錦帯橋を適切に保存しながら活用に努めており、今後も方針に沿った取組を続けていくことが、世界文化遺産登録の推進をはじめ、市民の宝である錦帯橋を将来によりよい形で引き継ぐことに資するものと考えています。 次に、(3)緩衝地帯(バッファーゾーン)の取組についてお答えします。 世界遺産における緩衝地帯とは、世界遺産に記載された資産の効果的な保護のために定められる、資産を取り囲む地域のことであり、法的にその利用や開発を規制することにより、その資産の保護につながるものとされております。 世界遺産一覧表に資産を推薦する際には、緩衝地帯の規模、特性、用途を明確にすることが必要であり、特に、近年の世界遺産委員会においては、緩衝地帯を適切に設定し、その外部も含めた周囲の環境を厳格に管理していくことが求められております。 平成30年に、山口県と共に文部科学大臣に提出した「世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書 錦帯橋」においては、歴史性の観点から錦帯橋が架けられた背景となった両岸の城下町を、また、眺望景観の確保の観点から錦川と城山の稜線部までの約260ヘクタールの区域を緩衝地帯として設定しており、文化財保護法、都市計画法、景観法、森林法等により、区域内の開発や景観を複層的にコントロールし、錦帯橋周辺の環境を保全しています。 今後、提案書の更新においては、昨年、国の選定を受けた重要文化的景観の範囲も踏まえ、緩衝地帯を適切な区域に変更する予定です。 一方、国からは、世界遺産登録を目指す上で、地域コミュニティーの役割がこれまで以上に大きくなっていること、そして、その地域コミュニティーが自治体と共に資産や文化財の保存・活用に参画することにより継続的な発展が可能となること、また、資産や文化財を生かしたまちづくりを進めることでコミュニティーがまとまり、課題を克服していくための活力となることなど、地域コミュニティーの重要性が示されています。 市といたしましては、錦帯橋を将来に継承する上で欠かせないものである緩衝地帯の保護とともに、そこにお住まいの皆様の生活やなりわいの維持・発展につながるよう各種事業を実施しており、引き続き地域コミュニティーの醸成を図りながら、まちづくりに取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆6番(中村雅一君) それでは、議席から通告順に再質問をさせていただきます。 世界文化遺産に向けての状況について、これから再質問する内容は同じように聞こえるかもしれませんが、問うている内容は違いますので、よろしくお願いいたします。 錦帯橋の普遍的価値、真実性、これは平たく言えば、すばらしさとも解釈はできるんですが、世界文化遺産を目指す上には、この普遍的価値、真実性は核となるものであると思います。 岩国市民が市外の方に普遍的価値や真実性を説明できる内容が書かれた冊子というものがあるのでしょうか、お尋ねします。
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産業振興部長(加納芳史君) 冊子につきましては、平成30年に文部科学大臣に提出いたしました提案書には、その時点において取りまとめた顕著な普遍的価値と真実性が明記してあるところでございまして、提案書の冊子につきましては、関係者の方々などに配付いたしまして、残りは既にございませんけれども、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会のホームページのほうで公表をさせていただいているところでございます。
◆6番(中村雅一君) では、これは一部の者にしか周知されてないということでしょうか。
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産業振興部長(加納芳史君) ホームページで御紹介しておりますので、一部の方に御紹介ということでは決してなくて、皆さんに広くお示ししているものと考えているところでございます。
◆6番(中村雅一君) ホームページを見ることが可能な方には御理解されている可能性はありますが、多くの市民の方はその内容というのはあまり把握されてないと思われますので、簡単にまとめたようなチラシのようなもので市民に知らせる方法があれば御検討をいただけたらと思います。 普遍的価値及び真実性を策定するに当たり、岩国市民へのヒアリングはどの程度行われたのでしょうか、お尋ねします。
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産業振興部長(加納芳史君) 提案書におきまして整理しております顕著な普遍的価値と真実性につきましては、国内的な観点にはとどまらずに、国際的な観点から学術的な説明が求められているところでございます。そうしたことから、国内外での世界遺産や文化財に精通をしていらっしゃる専門家の方々に検討をしてもらって取りまとめを行っているところでございます。 今後も、学術的な検討につきましては、市民へのヒアリングといったこととは若干趣を異にするところもございますので、錦帯橋世界文化遺産専門委員会を中心といたしまして、専門家に検討していただくと同時に、国外の専門家にも意見を伺って提案書の更新にしっかりと反映をさせていただきたいと考えているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 普遍的価値の中には、やはりこれまで岩国市民が今まで伝えてきたという大事な要素が入っていると思います。外から見なければ分からないという部分もあるとは思いますが、岩国市民として今までどういうふうに伝えてきたかというものを、やはり生の声を聞くというのも大事なことではあると思いますので、その辺の御検討をよろしくお願いいたします。 提案書における普遍的価値や真実性の内容は、岩国市民が共有している錦帯橋の思いが反映されているのでしょうか、お尋ねいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) 平成30年の提案書の中では、顕著な普遍的価値や真実性の説明といたしまして、文章を若干引用いたしますと、錦帯橋の優れた構造と美への愛着を持つ人々が時代環境の変化を超えて、なお300年以上にわたり、全く同じ形の橋を架け替え続け、渡り続けられてきた。あるいは、多くの橋が近代橋になっていく状況にあっても、岩国の人々は錦帯橋を選び続け、その姿を変えることなく現代に継承している。こういった内容を明記しているところでございまして、こうした点に、市民の皆さんの思いがしっかりと反映されているものと考えているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 確かに、要約すればそういうことになるのかもしれません。けれど、やはり、その中に生の声というものが少し反映されていないのではないかと思うので、またそういう機会があれば、先生方にそういう内容を聞いていただいて、取り入れていただくということも検討していただけたらと思います。 今の御説明の中に、提案書における普遍的価値や真実性というのを、これは専門委員会の先生がまとめられたということですが、その内容が岩国市民の思いと乖離があってはならないと思います。 その辺の対応というものがもしあった場合には、検討しておられるのでしょうか。または検証しておられますか。
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産業振興部長(加納芳史君) 現在検討しております錦帯橋の顕著な普遍的価値や真実性をはじめといたしまして、錦帯橋の価値でありますとか保存、継承につながることにつきましては、講演会ですとかシンポジウム、それからセミナーなどを通じまして、市民の皆様に対して理解増進を図ってきたところでございます。 引き続いて世界文化遺産への登録活動の進捗に応じまして、一人でも多くの市民の方々に錦帯橋の価値をしっかりと知っていただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
◆6番(中村雅一君) ぜひお願いいたします。錦帯橋が世界文化遺産となるための最終段階において、イコモスの抜き打ち審査が地元で行われると聞いております。 そのときには、岩国市民が錦帯橋が世界文化遺産になることを切望し、普遍的価値や真実性を語れるほどになっていることが理想ですが、そのための準備というのはどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) 遺産委員会に推薦書を提出した後に、イコモスによります審査の過程におきまして、現地審査が行われるということでございます。 現地審査におきましては、事前に日程ですとか審査箇所などの連絡があるということでございまして、地元自治体をはじめとして、文化庁や日本イコモス国内委員会などと共に対応すると聞いているところでございます。 中村議員も大変聡明な理想をお持ちなところでございますけれども、これまでの国内の事例といたしましては、イコモスの審査員から地元住民などに対して簡単なヒアリングが行われたという事例はあったというふうに聞いておりますが、真実性でありますとか、OUVなどの学術的あるいは専門的なことに関する質問はなかったようでございます。
◆6番(中村雅一君) 確かに、市民に対してそういうことは聞かないとは思いますが、市民がそれを切望しているのかどうかと、なぜそう思っているかというところまでの錦帯橋を語れるぐらいのレベルには市民がなっていてほしいなという思いがあります。 イコモスアドバイザーであられるミシェル・コット氏、この方は2度、岩国市を訪れられておられます。そのたびに錦帯橋が世界文化遺産となるためのアドバイスをしておられますが、そのアドバイスは提案書にどのように生かされているのでしょうか、お尋ねいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) ミシェル・コット氏を招聘しましたのは平成20年のことでございますけれども、錦帯橋が世界遺産になる可能性について確認をさせていただきましたほかに、ミシェル・コット氏からは錦帯橋の普遍的価値、これは橋そのものにあると確信したということと、知識や技術の伝承など、目に見えない価値の重要性などについてコメントをいただいているところでございます。 それを受けまして、各調査でありますとか、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会での検討を経まして、平成30年の提案書を作成したところでございます。 平成31年に、再度ミシェル・コット氏を招聘した際のことでございますけれども、国際意見交換会において、ミシェル・コット氏からは、知識や技術の継承でありますとか、材料の保管といった無形の要素について評価基準への適合を検討すべきであるということ、それから、無形の価値としまして、備蓄林や型板、古図面や歴史的な資料、これらを保管している施設、市民のサポート、こういったことも錦帯橋を支えているという意味では価値であるという提言も頂いているところでございます。 こうしたことを踏まえまして、現在、錦帯橋世界文化遺産専門委員会におきまして、顕著な普遍的価値の評価基準の検討におきましては、架け替え続けられて、伝承されてきた錦帯橋につきまして、物証や伝承を価値とする評価基準の「3」として捉えまして、議論を深めているところでございます。
◆6番(中村雅一君) これから目に見えない価値をどのようにして盛り込むかというのは、課題であるとは思います。その作業は大変だとは思いますが、提案書の作成に、本市の有識者または架け替え経験者の意見を盛り込むべきと思いますが、お考えをお示しください。
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産業振興部長(加納芳史君) 提案書の更新におきましては、本市の歴史に精通しております専門家の方々や架け替えに携わった方々の知見が必要になる場合も考えられると思います。必要に応じて意見を伺ってまいりたいと考えております。
◆6番(中村雅一君) ぜひよろしくお願いいたします。錦帯橋を世界文化遺産にするためには、まだまだ課題が山積されています。 次の質問も、錦帯橋を世界文化遺産にするために関連がありますので、質問の2に移りたいと思います。 保存活用計画の方針についてのア、活用についてですが、御答弁で名勝錦帯橋の保存活用計画を説明していただきました。これは、周辺を含めた名勝エリアを想定しておられますが、錦帯橋の世界文化遺産に向けては、錦帯橋そのものの活用についても検討しておられると思います。どのように考えておられるのか、具体的に説明をお願いいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) 錦帯橋は、創建からこれまで人を安全に渡し続けてきたという歴史がございます。それから、江戸後期からは名勝として国内で有名となりまして、来訪者が橋を見る文化でありますとか、橋から周辺の景観を見る文化が育まれてまいりました。それが現在に引き継がれているというふうに考えています。 今後におきましても、将来にわたってこうしたことを引き継ぐことが、錦帯橋そのものの最も重要な活用であるというふうに考えております。
◆6番(中村雅一君) 世界遺産とは、後世に残すべき人類の宝で、観光資源としてはその副産物であると、私なりに認識しております。 しかしながら、世界文化遺産を目指す前から、錦帯橋は観光資源として活用されてきた経緯があります。架け替えを必然とした錦帯橋をどうプロデュースするのか、本市の手腕が問われるところであります。 文化財としての価値を損なわない活用とは、どのような体制で検討しておられるのでしょうか、お尋ねいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) 先ほども申しましたように、錦帯橋は、江戸時代から名勝として国内で有名となりまして、人々が訪れる観光地となってまいりました。 大正11年に国の名勝に指定をされておりますけれども、この名勝というのは、橋梁や庭園等の名勝地で、芸術上または鑑賞上価値が高いものを国が指定するものでございまして、物見の文化としての価値、まさに観光の対象であることに文化財としての価値があると認められたものであると言えます。 そういった点では、平常時あるいは架け替えのときにそれぞれ課題はありますでしょうけれども、今後も多くの方々に訪れていただきまして、あるいは見ていただき、渡っていただけるようにしていくことが、文化財としての価値を損なうことなく、錦帯橋の活用を図っていくことであるというふうに認識をしておりしまして、市としまして関係機関等としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
◆6番(中村雅一君) そういう難しい思いをお聞きしたわけではないんですが、詳しく答えていただいてありがとうございます。 それではイ、保存についてお尋ねします。これにつきましても、名勝錦帯橋の橋そのものの保存についてお尋ねいたします。 平成の架け替えから既に20年を経過しております。どのように保存していくのか、具体的な計画を立てておられるのでしょうか、お尋ねいたします。
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産業振興部長(加納芳史君) 壇上での答弁の繰り返しとはなりますけれども、市におきまして、昨年策定いたしまして文化庁の認定も頂いたところの名勝錦帯橋保存活用計画に基づきまして、錦帯橋の保存に取り組んでいるところでございます。 その中で、橋そのものにつきましては、定期点検によりまして健全度を常時把握をしております。点検に基づく修理を実施いたしながら、確実な保存と橋の利用の継続を図っているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 今、保存のために定期点検とかされておられるってことですが、定期点検はたしか5年に1度行っていると思います。 その中で、現状についてどのような状態かお尋ねいたします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 錦帯橋の点検につきましては、まず日々の点検、それから毎月行っております点検、それから毎年行っております経年変化調査、それから議員もおっしゃいました5年に1度の健全度調査、これらで把握をしているところでございます。 特に、現状の把握につきましては、毎月行っております錦帯橋橋守業務におきまして、資格をお持ちの専門業者の方と市の職員とで点検を行っているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 錦帯橋は橋梁です。本市において、橋梁管理として錦帯橋は含まれているのでしょうか、お尋ねいたします。
◎建設部長(内坂武彦君) 本市におきまして、道路法に係る管理橋梁といたしましては、市内全域で1,487橋ございます。 また、里道などの法定外公共物の管理道路の橋として農道橋、林道橋等ありますが、錦帯橋については、市道などの路線認定もされておらず、また、農道橋、林道橋にもなっておりません。 そうしたことから、錦帯橋につきましては、国が指定する名勝として、先ほどの答弁にもありましたように、名勝錦帯橋保存活用計画により保存管理されているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 確かに、そういう管理の対象にはないかもしれませんが、橋梁として、やはりこれは人が渡る人道橋です。 ですから、危険の度合いというものは、あるいは本市としても把握しておくべきではないかとも思いますので、その辺のところは横のつながりっていうんですかね、連携を持ちながら、いかなるものかというのを把握しておいてほしいと思います。 先月でしたか先々月でしたか、心ない者によって、高欄、手すり部分に傷をつけられました。その後の対応はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) この事件につきましては、事件後も現在、警察によりまして捜査が続けられているところでございます。 橋につきましては、木材の自然な復旧というのも想定をされるところでございまして、現在、経過観察を行っているところでございます。 今後におきましては、一定期間の経過観察を行った後に、その状況によりまして、文化庁でありますとか山口県の助言を受けながら、修復方法を検討してまいりたいと考えてます。
◆6番(中村雅一君) 以前にも、この錦帯橋をバイクですか、渡っていろいろと問題になって、そのときに防犯カメラの設置とか増やすとかいう話もありました。 今回においても、多分増やされてはいるとは思うんですが、そのあたりにおいて、この手すりの損傷ですか、これについてある程度の情報というのは得られているのでしょうか。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 以前に錦帯橋の損傷が起きたときに比べまして、現在のところは、当時に比べて防犯カメラを2基ほど増やして全部で4基で、常に監視をしているところでございます。 捜査の状況につきましては、警察にお任せしておりますので、今のところ、どのような段階になっているかということは、こちらのほうでは関知をしているところではございません。
◆6番(中村雅一君) 今後、起こらないように、広く皆さんにそういうことをしないようにという周知をいかにするかというのは大事なことであると思いますので、よろしくお願いいたします。 3年前に、高欄の腐食が進んでおり対応を検討すべきというふうに、私のほうから提言させていただきました。 平成の架け替え時においての高欄より、かなり傷みが進んでいます。昭和の再建時の高欄は、17年で橋板の張替えとともに架け替えられております。 防腐処理の違いが影響しているのか検証が必要ですが、現状の高欄の強度検査は行われましたか、お尋ねいたします。人命に関わる問題です。よろしくお願いします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 高欄の腐食は人命に関わる大事なことだと思います。 令和元年度の健全度調査を踏まえまして、毎月、資格をお持ちの専門業者の方と市の職員で高欄につきましての点検を行っているところでございます。 点検の結果につきましては、早急な対応が必要な箇所はすぐに補修を行いまして、腐朽の進行の抑制に努めているところでございます。
◆6番(中村雅一君) ぜひ対応をよろしくお願いいたします。 橋板も、同様に腐朽が進んでおります。橋板の腐食を放置したままでは構造部材に影響が出て、橋の寿命が短くなり、また、平成同様、全橋架け替えとなる可能性が高くなります。 20年架け替え構想を見直しただけで何も手を打たなければ、江戸時代に逆行し、渡れなくなっての架け替えというふうにもなりかねません。橋板の張替えについて検討はされておられますでしょうか。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 高欄と同様でございますけれども、橋板につきましても、令和元年度の健全度調査を行いまして、以後、毎月資格をお持ちの専門業者の方と市の職員とで点検を行っているところでございます。 この点検におきまして、橋板の一部に腐朽が進んでいることは確認をしております。現在、市によりまして、必要な箇所の補修を実施しておりまして、腐朽の進行の抑制にこちらのほうも努めているところでございます。 今後におきましても、定期点検を続けますけれども、その一方で、名勝錦帯橋保存活用委員会、こちらのほうで専門家の方々とともに、具体的な対応方法について検討を行ってまいろうと考えているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 錦帯橋の将来が担保されることが、錦帯橋の普遍的価値につながる重要な課題です。 実質的なシミュレーションを検討しておく時期に来ていると思いますが、お考えをお聞かせください。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 錦帯橋を将来に引き継ぐための計画といたしまして、名勝錦帯橋保存活用計画、これを作成しているところでございます。 この計画に沿って保存管理をしっかりと行っていくために、引き続き毎月の点検等を行いながら、早め早めの補修などの対応に努めるとともに、本年5月、先ほど申しました名勝錦帯橋保存活用委員会を開催いたしましたけれども、こちらのほうで専門家の方々等と具体的な道筋について、繰り返しになりますが検討を進めてまいります。
◆6番(中村雅一君) この実務的なシミュレーションというのは、やはり架け替えや大規模な修繕というものを実際にどうしたらできるか、どうすべきかというものを検証するシミュレーションでありまして、この架け替えや大規模な修繕というのは、工事に着手するまでに7年間準備期間が必要なんです。 これは平成の架け替え手順を踏まえてのことですが、保存計画の実務的な検討ができる部署を設置することを提言しておきます。 でないと、いざとなったら、10年後とかいう形にも検討してなりかねません。それでは錦帯橋の寿命が短くなりますので、ぜひ御検討お願いします。 続きまして、質問の3、緩衝地帯(バッファーゾーン)の取組について再質問を行います。 緩衝地帯の説明については、先ほど御答弁で説明していただきました。その中に地域コミュニティーの重要性を取り上げておられました。 この地域コミュニティーとは、主に横山地区と岩国地区であろうと思いますが、これでよろしいでしょうか。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 議員御案内のとおりでございます。
◆6番(中村雅一君) この地域には、様々な法律や条例で規制がかけられています。それは、そこに住む住民にとって安心・安全、暮らしやすいと言えるのか。そして、その地域のバッファーとも言える周辺地域も含めた対応が求められます。 そこでお尋ねいたします。緩衝地帯として具体的にどのような対応が取られているのでしょうか、お尋ねいたします。
◎
都市開発部長(山中文寿君) 緩衝地帯の取組についてのお尋ねでございますけれども、錦帯橋と一体の風致景観を構成する地域の環境の保全については、関係する法令や条例等も活用しながら、保全措置等を図ることとしております。 具体的には、文化財保護法、これを基に都市計画法に規定いたします錦帯橋風致地区内の行為の許可による自然的景観の保全、それから景観法に基づく岩国市景観計画による届出や助成制度、そして森林法による保安林内の行為の許可などでございます。 このような取組を進めるためには、行政だけではできるものではありません。地域の方々をはじめとする多くの市民、または事業者等の御理解、御協力が不可欠であろうかと思います。 本市の景観特性や文化的景観の価値等について広く理解していただけるよう、意識の醸成も含めてやっていく必要があると考えております。
◆6番(中村雅一君) そういった整備を進めることによって、住民の理解を得られるとは思いますけれど、この地域住民との協調を取るのが大切だと思うんですが、この協調を取るのに、どのようにこれから進めていかれるのか、また図られているのか、お尋ねいたします。
◎
都市開発部長(山中文寿君) 岩国、横山の城下町地区では、平成26年の4月に、錦帯橋を中心としました錦川両岸地域のまちづくりの将来ビジョンというのを策定しております。 この将来ビジョンにおきましては、「住んでよし、訪れてよしのまち」をまちづくりの目標として定めております。 また、この目標の実現に向けまして、城下町地区において実施する具体的な事業、施策、これを網羅した城下町地区グランドデザインを策定しております。 この計画におきまして、「住んでよし」の具体的な事業として、公共下水道整備事業または横山ポンプ場整備事業などを実施、または実施する予定としております。 また、「訪れてよし」の具体的な事業として、市道の改良事業、それから仮称ではありますが、錦帯橋資料館整備事業、観光駐車場整備事業など、様々な事業に取り組むとともに、毎年度、グランドデザインの整備計画を更新し、地域の皆様に分かりやすく情報提供をしております。 また、地域の皆様と意見交換、こういった会を開催しまして、御意見を伺いながら官民一体のまちづくりに取り組んでいるところでございます。 今後も、吉川以来の風情が残る歴史的な町並みが織りなす町並み景観を大切にしながら、地域の皆様のコミュニケーションを密にし、住んでよし、訪れてよしのまちづくりに取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆6番(中村雅一君) 整備が進んでいるということで、住民の方の理解も少しずつ得られていくのではないかと思います。 錦帯橋とはどんな橋か、また、錦帯橋を取り巻く周辺の目指す形を分かりやすく周知できる施設や掲示物などが現時点では皆無です。 こうしたものを整備していく計画はありますか、お尋ねいたします。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 現在、岩国一丁目で整備を進めております(仮称)錦帯橋資料館におきまして、錦帯橋の歴史でありますとか、魅力、価値といったものについて、市民目線でお伝えをできる展示施設を計画しているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 計画されているのはよろしいのですが、その計画として目指すものというのは、やはり目に見えるような形での掲示というものがある程度必要ではないかと思います。 言葉だけでは分からない部分を地域の人に説明できるような掲示物というものも増設していただけたらなと思いますので、よろしくお願いいたします。 緩衝地帯としての推進も確かに必要ですが、観光地としての整備も必要となります。 近年の観光地としての整備があまり進んでないように思われるのですが、計画はおありでしょうか。
◎
産業振興部長(加納芳史君) 先ほど
都市開発部長が答弁申し上げましたように、「住んでよし」のほかに、「訪れてよし」の様々な事業をグランドデザインで集約しながら、現在、市のほうで進めているところでございます。 それと同時に、重要文化的景観の整備計画につきまして、今年度から策定をしている中で、グランドデザインにさらに厚みを持たせるような新たな施策についても、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆6番(中村雅一君) 確かにそれも大事ですが、外から訪れられた方が分かるような掲示物、錦帯橋周辺に行っても錦帯橋を説明するようなものが、ほとんど見当たりません。町並みを説明する掲示物もほとんどありません。 それでは訪れた人に何を訴えているのかがよく分からないんですね。その辺のことも考えた観光の計画というのも必要ではないかと思いますので、ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。 錦帯橋について多角的に質問をしてまいりました。まだまだ関連でお尋ねしたいことはございますが、錦帯橋が後世に残ることを担保する施策が構築されなくては、全てが無意味となってしまいます。すべきことはたくさんあり、現在の錦帯橋課だけでは対応しきれていないような状況に見受けられます。 錦帯橋は文化財であり、本来であれば、教育委員会が所管となるべきであると思います。富岡製糸場のように保存と活用を分けた組織体制、より専門的に取り組んでおられるところもあります。錦帯橋も専門的に将来を確実にできる組織の再構築を考えていくべきではないかと思います。 錦帯橋を世界文化遺産とするためには、暫定リスト入りした後のことも視野に入れ、組織の再構築を検討すべきと、そういう時期に来ているということを提言いたしたいと思います。 錦帯橋が市民とともにあり続ける施策を求めまして、一般質問を終わります。
○議長(桑原敏幸君) 以上で、6番 中村雅一君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明9月8日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(桑原敏幸君) 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時40分 散会
―――――――――――――――――――――――――――――― 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。 岩国市議会議長 桑 原 敏 幸 岩国市議会副議長 石 原 真 岩国市議会議員 矢 野 匡 亮 岩国市議会議員 武 田 伊佐雄 岩国市議会議員 重 岡 邦 昭...