岩国市議会 > 2021-06-15 >
06月15日-02号

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  1. 岩国市議会 2021-06-15
    06月15日-02号


    取得元: 岩国市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-01
    令和 3年 第3回定例会(6月)令和3年第3回岩国市議会定例会会議録(第2号)令和3年6月15日(火曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)令和3年6月15日(火曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(30人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本   崇 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原   真 君 4番 中 村   豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船   斉 君 7番 矢 野 匡 亮 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋 誠 君       危機管理監          桝 原 裕 司 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         小 玉 陽 造 君       文化スポーツ担当部長     竹 原 直 美 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         児 玉 堅 二 君       保健担当部長         木 原 眞 弓 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         加 納 芳 史 君       農林水産担当部長       沖 田 通 浩 君       建設部長           内 坂 武 彦 君       都市開発部長         山 中 文 寿 君       建築政策担当部長       坂 上 政 行 君       由宇総合支所長        塩 中 京 子 君       周東総合支所長        中 原 健 登 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        浜 川 智 也 君       教育次長           三 浦 成 寿 君       監査委員事務局長       村 重 政 司 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       水道局次長          竹 嶋 勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         鈴川芳智       庶務課長           岡田淳       議事課長           林孝造       議事調査班長         河村佳之       書記             佐伯浩則       書記             福永啓太郎       書記             中西祐一郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(藤本泰也君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(藤本泰也君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、14番 長岡辰久君、15番 大西明子さん、16番 片岡勝則君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(藤本泰也君)  日程第2 これより一般質問を行います。 20番 瀬村尚央君。 ◆20番(瀬村尚央君)  皆さん、おはようございます。市政改革クラブの瀬村です。今回、初めて全体の最初の質問者となりますので、多少いつもより緊張しております。 さらに、昨日は市長の51歳の誕生日だったようで、おめでとうございます。 市長も20代から議員をやられており、この年まで様々な立場になられ、敬意を表するとともに、私も、今後ますます一生懸命頑張らなければならないと気を引き締めて、この代表質問に臨ませていただきます。 ちなみに私は4番議員と同じ誕生日で、議員になった際は、26歳とさんざん宣伝させていただいたんですけれども、現在は29歳となってしまい、20代も最後となってしまいました。 前置きが長くなりましたが、20代最後の代表質問となりますので、気合を入れて行わせていただきます。 まず1点目、新型コロナウイルス感染症に係る本市の取組について。 5月のゴールデンウイーク前後より本市でも感染者数が増加しておりましたが、今月から減少しており、感染者ゼロの日も多くなり安心しているところでございます。 そこで、(1)令和3年岩国市成人式の振り返りと今後の取組についてお伺いいたします。 周知の事実であると思いますが、本市では今まで行われてきた1月の成人式を延期し、このゴールデンウイークに成人式を実施いたしました。新成人にとっては、貴重な日となったことと思います。一方で、私の周りでも、「東京や大阪では緊急事態宣言中にもかかわらず、なぜこの時期に成人式をやるのか」というような意見が幾つか寄せられました。 やはり、市民の中には、東京などの都会から新成人が帰省することにより、岩国で新型コロナウイルスが蔓延することを懸念されておられる方もいらっしゃいました。結果的に、岩国市でも感染者数が増加してしまいました。 もちろん、成人式開催が感染者増加における全ての要因ではないと承知しておりますが、県では感染経路をたどっておりますので、ある程度因果関係が証明されていると思われます。 やはり、今後の成人式やイベントを開催するに当たって、この事実を受け止め、どう生かしていくのかが重要であると私は考えております。 そこで、今回の成人式の際にどのような感染対策を施したのか、また新成人に対してどのような注意喚起を行ったのかお伺いいたします。 次に(2)東京オリンピックパラリンピック事前合宿受入れに係る感染予防対策についてお伺いいたします。 全国で、東京オリンピックパラリンピックは行われるのかどうなのかというような議論が行われています。この場で、東京オリンピックパラリンピックが行われるのか聞いても、実施主体は国であるため、そのようなことを聞くつもりはありません。 一番心配しているのは、オリンピックに向けて厳しいトレーニングを行ってきた選手たちでしょう。 市としては、実施の可否にかかわらず選手たちが万全な状態で臨める環境整備をしておくことが必要であると私は考えます。 以前にも一般質問させていただきましたが、本市はアメリカ女子ソフトボール、フェンシングのホストタウンとして認定されております。 また、さらに最近では、本市ゆかりの日本人選手も多く日本代表に選出されております。 多くの自治体が事前合宿を断念している中、本市は事前合宿を実施されると伺っております。機運の醸成に向けてとてもいいことだと個人的には思っております。 しかし、ワクチン接種が順調に進んでいるとはいえ、市民の安全は確保されているという前提条件が必要であると考えます。 そこで、本市として市民の安全を確保しつつ、どのように事前合宿を受け入れていくのかお伺いいたします。 続いて2点目、愛宕スポーツコンプレックスの利用についてお伺いいたします。 まず、(1)利用実績について。 愛宕スポーツコンプレックスは、平成29年から供用開始となったと伺っております。私は、この頃は市外におりましたので、岩国に帰ってきたときにとても立派な施設ができており、とても驚きました。 しかし一方で、本施設ができるに当たり、紆余曲折があったとも伺っております。3月定例会の予算書を見ても、施設の運営管理費等は1億1,000万円近くの事業費であったことも印象が強いですが、3年経過いたしましたし、端的に本施設の利用実績についてお伺いいたします。 続いて、(2)利用促進に向けての取組についてお尋ねいたします。 実際に、陸上競技場やソフトボール場、絆スタジアムも利用させていただいたことがありますが、様々な団体や、より多くの人に利用していただいたほうがいいと私は思います。 現状でも多くの人に利用していただいているとは思いますが、本施設の利用促進に向けてどのような取組をしておられるのかお尋ねいたします。 最後に、市の歳入方法についてお尋ねいたします。 (1)税等の納付方法の拡充について。 現在、固定資産税や住民税など、本市の個人や法人、多くの人から税を納付していただいております。また、国民健康保険料や各種料金に関しましても、市民は多くの納付をされておられます。しかし、納付方法についても、コンビニエンスストアに行ったり、各種窓口に行かなければならないというような印象が強いです。 そこで、クレジットカードなどのいわゆるキャッシュレス決済を活用し、市民がスマートフォン等で外出しなくても自宅で納付できるような納付方法の拡充について、本市としてどのように考えておられるのかお伺いいたします。 最後に、(2)使用料・手数料のキャッシュレス納付について。 税等の納付についてもですが、それ以外でも市に対して手数料、施設利用に際して支払う施設利用料など、多くの場面で市民はお金を払う際、現在は現金を使用していると思います。 岩国市は、他市と比較しても外国人が多い市です。キャッシュレス決済の導入は積極的に取りかかるべきであると考えます。 山口市では、新型コロナウイルス感染症の対策、いわゆる非接触型の観点から行政窓口での手数料納付について、クレジットカードや電子マネー、バーコードによるキャッシュレス決済の運用を開始いたしました。本市でも、行政窓口だけではなく市が関与する施設等にも積極的に導入すべきであると私は考えます。 また、前回一般質問した際にDX、デジタルトランスフォーメーションについて取り上げさせていただきましたが、その観点からも必要ではないかと考えます。 そこで、本市の考え方についてお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。 昨日、51歳になりましたが、瀬村議員をはじめ多くの皆さん方からお祝いのメッセージを頂きました。初心を忘れずしっかりと精進してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 それでは、瀬村議員御質問の第3点目の市の歳入方法についてお答えします。 まず、(1)税等の納付方法の拡充についてでございますが、本市では、住民サービスの向上を図るため、市税、国民健康保険等の保険料、保育料などにおいて、納付方法の選択肢の拡充に取り組んでおります。 まず、平成27年4月からコンビニエンスストアでの収納を開始しており、続いて、スマートフォンアプリ決済として、令和2年1月から「PayB」、令和3年6月から「PayPay」と「LINE Pay」による取扱いを開始したところであります。 これらの納付サービスにつきましては、地銀ネットワークサービス株式会社により一元的に取り扱われ、市における事務負担も少なく、負担する決済手数料につきましても、比較的安価なものとなっております。 このほかに、令和元年10月からは、全国共通の納税システムであります「eLTAX」による、特別徴収分の個人市県民税と法人市民税の電子納税を開始しているところであります。 議員御提案の市税等の納付方法の拡充につきましては、新たに発生する決済手数料などの費用負担や、キャッシュレス決済を導入する場合の端末・通信環境の追加整備が必要となります。 市としましては、デジタルトランスフォーメーションへの取組として、スマートフォンアプリ決済クレジットカード決済などの納付方法を幅広く拡充していくことが必要であると考えていることから、住民サービスの向上を念頭においた上で、費用対効果などを考慮しつつ、よりよい方法を検討してまいりたいと考えております。 次に、(2)使用料・手数料のキャッシュレス納付についてでありますが、国においては、令和元年6月に閣議決定された成長戦略フォローアップの中で、現在2割程度のキャッシュレス決済の比率を4割程度まで引き上げることを目標としております。 この目標の実現に向け、経済産業省は令和3年3月に「公共施設・自治体窓口におけるキャッシュレス決済導入手順書」を定め、キャッシュレス決済を推進しているところであります。 国の施策によるマイナポイント事業などにより、幅広い世代においてキャッシュレスが認知される中、ポストコロナの新しい生活様式に対応するためにも、使用料、手数料のキャッシュレス決済を推進していくことは必要であるというふうに考えております。 市としましては、本格的な導入に向け、まず、運用における課題を整理した上で、対象となる使用料、手数料を選定し、試験的な運用を行い、その効果を検証するところから進めてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第1点目の新型コロナウイルス感染症に係る本市の取組についての(1)令和3年岩国市成人式の振り返りと今後の取組についてお答えいたします。 本市成人式は、例年、1月の成人の日の前日の日曜日に開催しておりますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、式典を2回に分け、時間も大幅に短縮して5月2日に延期して開催いたしました。 成人式は本来、成年年齢になった若者の成長をお祝いし、成年としての自覚と自立を促し励ますことを目的とした人生において節目となる式ですが、一方では、中学・高校卒業後の同級生が集う場として、また、日本の伝統衣装である着物文化を守る機会としても定着しております。これらの点と会場の確保、当時の感染状況を考慮し、1月の式典延期を決めた12月中旬には、皆様が集まりやすい5月連休中での開催を決定いたしました。 しかし、都市部での感染者数は4月に入る頃には再び増加へと転じ、対象者の保護者などから「帰省させていいのか」「中止や延期はないのか」など様々な問合せがありました。開催の決定に当たっては、直前まで御意見や情報を収集し、慎重に協議を重ねてまいりました。その上で、市内では感染が急激に拡大している状況ではないということ、このコロナ禍ではさらなる延期をしても次に開催できる保証がないこと、日程を調整して式典を待っている当事者たちの気持ちを大切にしたいことなどから、式典において感染対策をしっかりと行うことで、開催することを決断いたしました。 当日は、1,365人の対象者のうち677人の参加がありました。 式典における感染対策としては、式典に関わる全員にマスクの着用、入場時の手指消毒、検温、健康チェックシートの提出を求め、会場の動線の確保や、座席を一つ置きにし、座席を使用した人の把握を行いました。会場外での密集を抑制するため、市役所に撮影スポットを設置し、メガホンを使用して繰り返し分散するよう呼びかけました。 また、会食による感染の懸念から、同窓会の自粛について案内状に記載するとともに、直前までホームページなどでも繰り返しお願いし、市長、教育長からのメッセージでも大人としての自覚を促してまいりました。都市部での感染拡大が顕著になるに従って、市外在住者に対して居住地の移動制限の遵守についても協力を求め、さらに、出席できない人のために、式典の様子をライブ配信いたしました。 結果としましては、出席できた実行委員をはじめ新成人や関係者及び市民の皆様からは、感謝のお気持ちや賛同の言葉も聞いております。 なお、今後についてですが、7か月後には成人の日を迎えます。既にお問合せもありますが、まずは、このたびの開催における課題や反省、御意見と真摯に向き合い、さらなる安全対策を検討してまいります。また、新たな変異株を含めた感染症の動向、加速するワクチン接種の状況についても注視し、成人式を迎える皆様のために準備を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  第1点目の新型コロナウイルス感染症に係る本市の取組についての(2)東京オリンピックパラリンピック事前合宿受入れに係る感染予防対策についてお答えします。 議員御案内のとおり、来月7月5日から14日までアメリカ女子ソフトボールチームが、そして7月13日から19日までアメリカ女子フェンシングエペチーム愛宕スポーツコンプレックス内の絆スタジアムとロータスカルチャーセンターで事前合宿を行う予定となっております。 依然、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中での開催でございますので、国からは万全な感染防止対策の実施を求められておりますが、このようなコロナ禍であっても選手と市民との交流は重要とされており、現在、その両方の実現に向け調整を行っているところです。 今回、選手団の皆様に安心して本市を訪れていただき、市民の皆様にも安心してお迎えいただくため、国から示されている「受入れマニュアル作成の手引き」を参考に、感染防止対策の指針となります「受入れマニュアル」の作成や、それに基づいた調整を現在、国・県などの関係機関と行っております。 この中で、選手等及び我々が遵守すべき感染防止の基本原則として、3密の回避、場面に応じた適切なフィジカルディスタンスの確保、マスクの着用、小まめな手洗い、消毒、換気の徹底、アクリル板などによる飛沫対策、共有使用物経由の接触感染回避、体調管理の徹底を挙げ、会場の設営や、交流計画も全てこれを満たした上で実施することになっております。 このため、選手と市民との直接的な交流は今回実施できず、公開練習や交流事業につきましても選手団と市民との動線を分離し、相応の距離のある中で行うこととなります。また、選手の移動は練習会場と宿舎間に限定され、市内移動は専用の貸切りバスを終始利用し、公共交通機関の利用や市内観光も行いません。 次に宿舎でございますが、今回も岩国基地に全面的に御協力いただき、両チームとも基地内のホテルを利用できることとなっております。このため選手団は困ったことがあれば母国語で対応していただけますし、フロントや従業員とのやり取りも専属のアテンドが代行いたします。また一般利用客と選手団を完全に分離するため、選手の利用するフロアを全て借り切るほか、入り口も別にし、食事も個室で取るか、食堂でのビュッフェスタイルの場合も感染防止対策を講じたスタッフが料理を皿に小分けにするなど、感染リスクを可能な限り低くする予定です。 そして、最も重要な検査体制でございますが、選手団や直接選手団と関わる職員などは毎日抗原検査を実施するとともに、キャンプ開始14日前からは行動管理・健康管理を行うこととしており、その結果、万が一陽性を示唆する結果が出た場合は、速やかに再検査と医師の診察を受け、陽性が確定した場合は保健所をはじめ内閣官房東京オリンピックパラリンピック推進本部事務局などと連携し対応することとしております。 来日する選手団の多くは既にワクチン接種を終了していると聞いておりますが、それを過信することなく、細心の注意を払いながら万全の体制で感染防止の徹底を行い、こうした状況下であっても安心して世界の一流アスリートのプレーを間近で感じ、心と心の交流がかなうよう努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。 続きまして、第2点目の愛宕スポーツコンプレックスの利用についてお答えします。 まず、(1)利用実績についてですが、愛宕スポーツコンプレックスは、日米友好のシンボルとして、観客8,000人を収容する絆スタジアムやソフトボール場など、運動施設を備える「野球場エリア」が、平成29年11月4日に供用開始されました。 その後、陸上競技場の55(ゴーゴー)フィールドや屋内文化・運動施設であるロータスカルチャーセンターのほか、屋外テニスコートなどを含む陸上競技場エリアが平成30年7月7日に供用開始されております。 各エリアの供用開始後は、プロ野球ウエスタン・リーグ、日米大学野球、日米親善リレーマラソンIWAKUNI絆EKIDEN岩国フレンドシップフリーマーケットなどの大規模イベントも実施しております。 昨年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から、東京オリンピックが延期されたため、事前合宿をはじめとした様々なイベントが中止となる中、感染状況を見極めながら感染症対策を講じて、ホストタウンフェスティバルや日米親善リレーマラソンなど、可能な限りイベントを実施してきたところです。 議員御質問の愛宕スポーツコンプレックスの利用実績については、平成29年の開設以降、利用者数は年々増加し、令和元年度の利用者数は野球場エリアが約4万1,000人、陸上競技場エリアが約9万人、合計約13万1,000人の利用を数えました。 昨年、令和2年度の利用実績は、新型コロナウイルス感染症の影響から、野球場エリアが約2万2,000人、陸上競技場エリアが約6万6,000人、合計約8万8,000人の利用にとどまり、前年度と比較して約4万3,000人の減少、率にして33%程度利用者数が落ち込んでおります。 今後、ワクチン接種が進み、新型コロナウイルス感染症に収束の兆しが見え始めれば、利用者数も徐々に回復するものと見込んでおります。 また、この利用者数は、申請手続が必要な施設の数値であり、公園内でランニングやウォーキング、児童遊具を利用される皆様については集計に含まれておりませんが、こうした集計外の利用者数を年間10万人程度と推計しております。 次に、(2)利用促進に向けての取組についてですが、愛宕スポーツコンプレックスは、開設以降、ロータスカルチャーセンター内管理事務所への電話予約また同事務所での窓口予約のみでしたが、利用促進と利用者の利便性向上を目的に、令和2年10月1日から、新たにインターネット予約サービスを導入し、パソコンやスマートフォンからの予約が可能となっております。 また、今年度からスポーツによる交流人口の拡大や地域活性化を目指し、「岩国市スポーツ合宿等誘致推進事業」を展開しており、市外からのスポーツ団体や個人に対し、市内の宿泊施設を利用するなど、一定の要件を満たすスポーツ合宿には、上限を30万円とする助成金交付制度も新たに創設いたしました。 4月には、本制度を活用して、実業団女子駅伝で常に上位入賞されているヤマダホールディングス陸上部女子長距離が、陸上競技場で1週間程度の合宿を実施され、岩国市陸上競技協会との合同練習なども行われております。 今後は、ネット予約サービスや助成金交付制度などについて、市の公式ホームページなどを通じて周知に努め、さらなる利用促進につなげてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  それでは、順に沿って再質問させていただきます。 まず、1点目の(1)成人式の振り返りと今後の取組についてですが、先ほど壇上からの答弁で、参加者が1,365人の対象者に対し677人、つまり参加率でいうと50%以下だったと思うんですけれども、従来の参加者数と比較してこの参加率というのはどの程度なのか、お尋ねいたします。 ◎教育次長(三浦成寿君)  ここ3年で申し上げますと、平成31年が1,313人への案内状発送に対して出席者が1,091人、令和2年度が1,293人への案内状発送に対して出席者が1,046人ということで、8割程度が出席をしてきたというところでございます。今年度については、議員御案内のとおり約5割の参加率だったということであります。 ◆20番(瀬村尚央君)  従来は8割だったのに対して、今回は5割以下というところで、30%以上減少しているような成人式だったということが分かりました。さらに、その中でも市外からの参加者の割合が分かれば、その数値をお示しください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  市外につきましては、今回は150人程度ではないかというふうに推計をしております。ですので、全体の2割強というところですが、例年も割合としては同じような割合で推移しているというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  思ったより、市外の参加者が毎年少ないのかなというような印象があります。 今回、この質問をさせていただいたのは、今回の成人式について大変多くの賛否両論がありました。考えられる対策をしっかりと講じた上で実施したこと。従来に比べて多くの新成人が出席を自粛したこと。また、開催した教育委員会や実行委員会、参加した新成人も様々なことを悩んで熟考したこと。実際に成人式を開催するに当たり、そのプロセスというところを多くの市民はまだ分かっていない方もいらっしゃるんじゃないのかなというところで今回、一般質問に取り上げさせていただきました。 結果的に、本市で新型コロナウイルスが拡大してしまったのが本当に残念なところではあるんですけれども、終わったことを責めても仕方ないですし、追及するつもりもありません。ただ、終わったことと割り切るのではなくて、振り返り、今後にどう生かすかが本当に大事なことになると思います。 そこで、最後に端的にお伺いいたします。 これについては再質問するつもりはありませんので、教育委員会として、ぜひしっかりと答えていただきたいなと思うんですけれども、開催後の新成人やその御家族からの反響、また、新型コロナウイルスの感染拡大等がありましたけれども、開催の実施可否を含めて、どのような手法を取ることが一番最適だったと考えられますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  壇上でも申し上げましたように、成人式を実施する、実施しないというよりも、どのように成人の方々をお祝いするか、どういうふうに実施したらよろしいかという形で関係者と協議してまいりました。 今回も決めた後、いろんな状況――感染状況が変わる中で、いろんなメッセージを送りながら、また不安な状況を言われる方もいらっしゃいました。ですから、壇上でも言いましたように、例えば同窓会の自粛とか、または、居住地の移動制限を重視していただきたいとか、そういった中で実施させていただきました。 そういった中で、やはり参加者が減ったりとか、同窓会を準備していたけれどもキャンセルしたという話はたくさん聞いております。 本当に、皆さんのそういった思いを感じながら、また、これからの新型コロナワクチン接種の進捗状況とか、いろんな状況を加味しながら、7か月後にどのような成人式が行えるかということについてはまた協議してまいりたいと思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  新成人をお祝いしたいというその一心で行ったという教育長の思いが伝わってきました。 それを踏まえて、所管は変わるんですけれども、今後実施予定の(2)東京オリンピックパラリンピック事前合宿受入れに係る感染予防対策について再質問させていただきます。 壇上からの答弁にもありましたが、選手たちにとっては基地内では母国語で生活ができますし、何より衣食住もホームと変わらないような環境下で、非常に他市と比較して恵まれている環境で岩国市では過ごせるのではないかなと思います。 一方で、公開練習や交流事業がなかなか難しいということですけれども、現段階でどのような形で行っていくのか具体案があればお尋ねいたします。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  ソフトボールの公開試合につきましては、7月11日の日曜日の12時から、実業団のトヨタと日立とのトレーニングマッチ2試合を公開する予定にしております。 あと、7月9日の金曜日、12日の月曜日、13日の火曜日にもトレーニングマッチが予定されていますが、これについては公開されるかどうかは現在未定となっております。 フェンシングチームにつきましては、7月14日の水曜日から18日の日曜日の午前10時から12時まで、ロータスカルチャーセンターアリーナの2階ランニングコースから練習を公開する予定になっております。 文化交流ですが、こちらにつきましては、現在、ソフトボールチームとフェンシングチームそれぞれに、高校生による書道パフォーマンスの披露と、選手団全員の名前を色紙に書き、プレゼントする方向で調整をしております。 また、書道パフォーマンスを御覧いただく方法ですが、間近で御覧いただくことができないため、ソフトボールチームにつきましてはバスの中から、そして、フェンシングチームにつきましては、ロータスカルチャーセンターの2階から御覧いただくよう計画をしております。 なお、各チームから学校に対しメッセージを頂くよう依頼しており、直接ではありませんが、心と心の交流ができるものと考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今、心と心の交流ができるものと考えているというような御答弁をしていただいたんですけれども、やはり、実際にソフトボールをしている子供たち、フェンシングをしている子供たちからすると、世界のそういったトップアスリートが岩国市に来る機会というのはなかなかないんじゃないかなと思うんですけれども、そういったところで、壇上での質問で申し上げたとおり、選手たちが一番そういった新型コロナウイルス感染症に関しては非常に気を使っているところではあると思うんですけれども、選手と子供たちが実際に競技を通じて触れ合う機会をつくるというのは、なかなか難しいのでしょうか。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  先ほど壇上でもちょっと触れましたが、現在、内閣官房東京オリンピックパラリンピック推進本部事務局の指導により、選手団を受け入れるための「選手受入れマニュアル」を作成中でございます。 その中で、交流事業については、選手と参加者とのフロアを分けたり、スタンドとグラウンドに分けたりして、接触が生じない形態で行い、その際、選手と参加者の集合時間をずらし、動線も分離するということにしております。そうしたことで、フィジカルディスタンスを確保できない直接的な交流は難しいというふうに考えております。
    ◆20番(瀬村尚央君)  フィジカルディスタンスを確保するのは本当に難しいとは思うんですけれども、直接的な指導や交流はできないにしろ、そのプレーや姿を何とか間近で見られる機会をつくっていただきたいと強く要望させていただきます。 ただし、岩国基地ともしっかりと連携して、何より選手たちがベストパフォーマンスを発揮できるような環境整備に、まずは努めていただきたいと強く要望しておきます。 続いて2点目、愛宕スポーツコンプレックスの利用について再質問させていただきます。 (1)利用実績についてですけれども、愛宕スポーツコンプレックスは、日米交流の施設と伺っております。外国人の利用率についてお示しください。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  利用率につきましては、令和元年度は8.5%、令和2年度は6.1%ということになっております。令和2年度の利用率の減少につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により、米側の利用者が減少したということが影響しております。 ◆20番(瀬村尚央君)  外国人の利用率が現在1割にも満たないというのは、非常に残念でもったいないなと思うんですけれども、今は新型コロナウイルス感染症の影響で難しいとは思うんですけれども、日米親善リレーマラソン、そういった日米交流のイベントを岩国市は多岐にわたってやられているとは思うんですけれども、常日頃からそういったアメリカ人と関われる機会というのをつくることはなかなか難しいのかどうか、お尋ねいたします。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  日米親善リレーマラソンなどのイベントにつきましては、交流ができるというか、あるという状況なんですが、常時の交流につきましては、現状では各団体とか協会のメンバーの中に基地関係者がいらっしゃるなどの場合にのみ常時の交流につながっているのではないかというふうに考えております。 議員御質問の常日頃から日米交流ができる環境の整備ということですが、例えば各団体・協会が定期的な市内大会や練習会の際、米側に参加を呼びかけていただくということなどが常時の交流につながっていく可能性が高いのではないかというふうに考えております。 市としましては、各団体・協会が気軽にスポーツを通じて日米交流が行えるよう、場所や施設、イベント情報などの提供をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  やはり、基地関係者がいないと、なかなか一緒にそういったスポーツをする機会がないのかなというのを今の御答弁で思ったところなんですけれども、やはり、各団体も体育協会と連携して、そういった日米交流が進むように、そういった施策をぜひもっと講じていただきたいなと要望させていただきます。 (2)利用促進に向けての取組についてに移らせていただくんですけれども、屋内競技のキャンセルというのはあまりないと思うんですけれども、天候などに左右される屋外競技、こちらのキャンセルがどの程度あるのかお示しください。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  キャンセルにつきましては、正確な数字は把握できていないんですけれど、基本的には屋外施設の野球場、ソフトボール場においては、天候不良によるキャンセルがあります。 陸上競技場については、全天候型であり、サッカーや陸上競技についてのキャンセルは他の施設よりも少ないというふうに思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  具体的な件数は把握されていないということなんですけれども、陸上競技場やソフトボール場において天候だったり、当日、人が集まらないなどのそういった理由で実施されないというようなケースが、私も利用させていただいていて何度か経験したことがあるんですけれども、せっかく空いているから使いたいとやはり思うんですけれども、なかなか当日だと参加者を募れないというような現状もあります。 やはり多くの人に利用していただくために、そういった利用者のニーズというのを拾い上げることは難しいでしょうか。 ◎文化スポーツ担当部長(竹原直美君)  令和2年の10月からネット予約が導入されたわけですが、このことによってサービスの提供が24時間365日となりましたので、そういった点では多くの利用者から好評を得ているという状況です。 それで、ネット予約が導入されてから、さらにリアルタイムの空き状況というのが確認できることになりましたので、以前と比べてもそういった面で有効利用の可能性につながっているというふうに考えております。 先ほどお話がありましたが、雨天等の関係でキャンセルが出た場合も、キャンセル等が出たときに通知してくれるようなシステムがあれば、さらに有効利用につながっていくと思うんですが、現時点ではそういった機能がありませんので、小まめに予約状況等を確認してシステムを活用していただきたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  先ほどの答弁でもありましたけれども、すごい数の利用者がいるような状況でございます。せっかく利用したい人がいるのに、なかなか予約ができない、一方で空いているときもある。こういったミスマッチを何とか回避し、より多くの人が可能な限りストレスフリーでもっと利用できる環境整備を検討していただくよう強く要望して、最後の質問に移らせていただきます。 3点目、市の歳入方法について。(1)税等の納付方法の拡充についてなんですけれども、昨年1月より「PayB」が導入されています。あまり知名度もなく、個人的には利用率が非常に低いのではないかなと思うんですけれども、現状ではどのくらいの利用率なのかお伺いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  これまでの「PayB」の利用率でございますけれど、令和2年度の1年間の実績で申しますと、まず、市税や国民健康保険料などを納付書で納めていただいた件数、こちらは、全体で約36万件ございました。こちらには「PayB」も含まれておりますが、このうち「PayB」による納付につきましては405件ございましたので、利用率につきましては約0.11%ということになります。 ただ、この6月から「PayPay」であるとか、「LINE Pay」による納付サービスが開始されますことから、利用率の上昇が見込まれるところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  約0.11%というところで、1,000人に1人の人が利用しているような状況だと思うんですけれども、今、部長が答弁された「PayPay」、「LINE Pay」、こちらについては知名度が高いので、私ももっと利用率が上がっていくんじゃないかなと思うんですけれども、6月、今月からの「PayPay」、「LINE Pay」による納付サービスの実施に関しましては、どのような周知をされておられるのか、お尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  新たな納付方法に関する周知方法でございますけれど、まずは納付書を郵送する際にスマホ決済ができるようになったことをお知らせするチラシを同封させていただいております。 また、市のホームページ、広報いわくににおきましても、「PayPay」や「LINE Pay」で納付ができるようになったことをお知らせしております。 ◆20番(瀬村尚央君)  せっかくそういった有効なサービスですので、より多くの市民に知っていただけるように広く周知していただきたいなと思います。 続いて、(2)使用料・手数料のキャッシュレス納付について。 新しい生活様式の観点から、行政窓口にキャッシュレス決済を導入した自治体も多いと思います。 総務省も一般社団法人キャッシュレス推進協議会の推進している「JPQR」、こちらを推奨しています。本市として、「JPQR」についての課題の研究や導入の検討をしておられるのかお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  キャッシュレス決済の方法でございますけれど、QRコードによる決済方法というものがございます。こちらには、いろいろな方式であるとか決済事業者というのがございまして、その中でも、現在、総務省が普及のほうを進めておられます、議員御案内の「JPQR」といった方式がございます。 こちらにつきましては現在、数多くあります各社のQRコードの規格を統一することで1枚のステッカーで複数の決済サービスに対応できるようにしたものでございます。 こちらにつきましては、店舗側が掲示するQRコードを利用者がスマホで読み取って支払いを行う店舗掲載型と言われる方式になりますけれど、こういった方式ですと決済手数料はかかりますけれど、決済端末等の初期費用がかかりませんので、比較的容易に利用を始めることができますので、こういった方法も選択肢の一つとして検討を始めているところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  市長も壇上で御答弁されたんですけれども、国の「公共施設・自治体窓口におけるキャッシュレス決済導入手順書」の作成に当たり、モニター自治体として隣の周南市が選定されておられます。 周南市は、ホームページを御覧になられても分かるんですけれども、「PayPay」を全面的に出しておられます。 行政の性質上、一つの業者に絞るとほかの業者から批判もあったりすると思うんですけれども、そういった点について周南市が今どのような状況なのかといった情報収集をしていただければなと思います。 ひとえにキャッシュレス決済といっても、クレジットカードや電子マネー、QRコード等、種類が幾つかあるんですけれども、クレジットカードは手数料が高く入金までの期間が長かったり、一方で、QRコードは利用率がまだ低いなどの課題があります。 本市としてキャッシュレス決済導入に向けてどの手法が適切なのか、そういった本市のニーズ調査についてはこれから行われる予定なのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  キャッシュレス決済でございますけれど、議員御案内のとおり、代表的なものとしましてクレジットカード、電子マネー、スマホ等によりますQRコード決済がございます。このうち、クレジットカードにつきましては、広く普及しておりまして、手軽に使える決算手段の一つであるというふうに考えております。 こちらにつきまして、導入コストで見てみますと、新たにカードの読み取り装置であるとか、あるいは、対応レジといったものが必要になりますし、また、状況によりましては、カード会社に接続するための通信環境を整備するといった費用がかかることが予想されます。 また、ランニングコストとしまして決済手数料がかかりますけれど、こちらにつきましては、クレジットカード会社にもよりますが、一般的には決済額の3%から4%ほどかかるというふうに言われております。 電子マネーにつきましては、交通系であるとか流通系、いろいろな種類がございますけれど、基本的にあらかじめ電子カードにお金をチャージしておいて、支払うときにカードを決済端末にかざして支払うことになりますけれど、こちらも初期費用や手数料がかかることになります。 QRコード決済につきましては、店舗掲載型でありましたら初期費用というのはかかりませんけれど、全ての窓口がQRコード決済に適しているわけではございませんので、窓口の状況に応じた決済方法の研究も必要であると考えております。 そのため、昨年度、市民の皆様からの歳入、例えば手数料であるとか使用料、こういった歳入を取り扱う機会の多い部署を中心としまして、歳入の取扱い状況の調査を実施したところでございます。 今後におきましては、その調査結果を整理しまして、まずはQRコード決済に適した部署を選定していきたいと考えています。 また、併せまして収入件数が多い窓口などにおきましては、より多くの支払い方法に対応できることも検討する必要があるというふうに考えておりますので、窓口の特性を考慮しながらいろいろな決済方法について引き続き研究していきたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  窓口の特性を考慮して進めていきたいというところと、QRコードを優先的に実施されていくというような答弁を頂きました。 一方で、やはりおっしゃられたとおり多くの所管にまたがって窓口というのは存在しております。こちらのキャッシュレス決済に関しては、どこの部署が主導となり対応されていくのか、そちらについては決まっているのか、お尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  キャッシュレス決済の導入でございますけれど、こちらにつきましては、行政のデジタル化を進めるための重要な取組の一つであるというふうに考えております。 こちらにつきましては、議員御指摘のとおり、多くの所管にまたがっての検討が必要になる事務でありますから、今後は、行政経営改革課が中心となりまして、それぞれの歳入担当部署と連携を取りながら導入に向けて取組を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  行政経営改革課が主導となり、進められることを理解いたしました。 また、壇上の答弁で試験的に効果検証を進めていきたいというようなことだったんですけれども、具体的にいつから進めるのかなどのそういったスケジュールがあれば、お示しください。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  導入に向けたスケジュールでございますけれど、まず、今年度におきましては、窓口であるとか公共施設などにおきましてキャッシュレス決済を導入することに適している部署の抽出作業を行いたいというふうに考えております。 そして、その担当部署と協議をしながら運用手順であるとか決済手数料、こういった諸課題につきまして整理したいというふうに考えております。 その上で、翌年度、令和4年度からまずは試験的な導入を進めていきたいというふうに考えております。さらに、試験導入の経過を見まして課題等を整理・検討しながら窓口等の状況に応じて本格的な導入を図っていきたいというふうに考えております。 いずれにしましてもキャッシュレス決済につきましては、市民の皆様方にとりましては支払方法の選択肢が増えまして、より利便性を高めることができますし、また、感染症防止の観点からも接触機会を減少させることができるといったメリットも数多くあると思いますので、引き続き導入に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今年度、導入に適している部署の抽出をした上で課題を整理し、来年度、令和4年度に試験的な導入をされていくというような御答弁を頂きました。 最後に、キャッシュレス決済の導入は変わらず今後マストになってくると思いますので、積極的に導入に向けて進めていただくようにお願いいたしまして、私の一般質問を終了いたします。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、20番 瀬村尚央君の一般質問を終了いたします。 2番 越澤二代さん。 ◆2番(越澤二代君)  皆様、おはようございます。公明党議員団の越澤二代です。会派を代表して、通告に従い一般質問を行います。 初めに、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、感染被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 現在も依然として感染拡大が収束しない状況にありますが、感染拡大防止と経済活動の維持・回復を両立させる鍵となる円滑かつ迅速な新型コロナワクチンの接種は、今までに経験したことのない国民的事業であり、大きな期待が寄せられています。一日も早く、安心して暮らせる日常が取り戻せることを心より願っております。 さて、国においては、高齢者のワクチン接種については7月末を目途に進められており、岩国市の接種状況は関係者の皆様の御努力により高接種率で順調に進んでいることに深く感謝を申し上げます。 今後さらに、60歳から64歳までの基礎疾患のある方や一般接種、さらに15歳から12歳の子供のワクチンの接種も拡大されました。ワクチン接種への大きな期待もあり、職域接種などによる一般接種も進み始め、新型コロナワクチン接種への取組がさらに加速しています。 そこで、1点目、新型コロナワクチン接種の円滑な実施について。 (1)本市の高齢者のワクチン接種予約状況及び接種の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。 (2)高齢者以外の基礎疾患のある方などへの今後の取組についてお伺いいたします。 現在、高齢者のワクチン接種が7月末を目途として完了することで進んでおりますが、64歳以下の方への接種の先行予約も並行して取り組まなければいけない時期に来ております。接種対象者及び今後のスケジュールについてお伺いいたします。 (3)今後の接種予約体制の整備についてお伺いいたします。 今回のワクチン接種については、ワクチン接種により安心して生活できるようになるとの大きな期待もあり、接種券が届くとすぐに大変多くの市民の方々からの電話予約が殺到し、大きな混乱が発生しました。 また、高齢者はネット予約の仕方が分からない等、予約に対する苦情が多く寄せられました。これから始まる64歳以下のワクチン接種は接種対象者も多く、市民の皆様が安心して予約できる体制を整備する必要があると考えます。どのような対策を実施されるのかお伺いいたします。 (4)視覚・聴覚障がい者等の支援についてお伺いします。 視覚・聴覚障がい者、精神疾患などのある接種希望者に対しては、事前のきめ細かな情報提供など合理的な配慮が必要と考えます。視覚・聴覚障がい者等の支援について、市としてどのように取り組んでおられるのかお伺いいたします。 2点目、愛宕山地域のまちづくりについて。 (1)医療・防災交流拠点のまちづくりについてお伺いいたします。 愛宕山地域開発事業は半世紀にわたる岩国市の大変大きな事業の一つでした。岩国基地沖合移設のための土砂の搬出後、社会経済情勢の変化に伴い、地価の下落や住宅需要の低迷などにより、愛宕山地域開発事業の中止に伴う事業跡地約102ヘクタールが大変大きな負の財産となりそうな状況の中、約4分の1の区域は医療・防災交流拠点として、岩国医療センターの新築移転、福祉施設の設置、消防署の統合移転、いわくに消防防災センターの新設、防災機能を備えた多目的広場の整備が行われました。 多目的広場は市民の憩い・交流の場であるとともに、災害発生時には、物資の輸送拠点として災害支援活動などを行うことができるよう整備し、令和3年3月27日に愛宕山ふくろう公園として供用を開始しました。これにより、土砂搬出から二十数年にわたる事業の全ての整備が完了いたしました。 周辺住民の一人として、爆破による騒音問題、粉じんの被害、低周波などの被害等もありましたが、完了したこの状況には感慨深いものがあります。厳しい社会状況の中、福田市政の大変な決断があったと評価するものです。 供用開始後、2か月が経過し、大型遊具には幅広い年代の多くの市民が集い、子供たちの笑い声が聞こえる広場となっています。 コロナ禍における供用開始後の管理・運用状況及び多目的広場の持つもう一つの機能である防災拠点としての整備・運用状況についてお伺いいたします。 次に、防災拠点としての今後の利活用についてお伺いします。 多目的広場は、防災拠点として様々な機能を備えた公園となっています。 今後のまちづくりのためには、これらの施設を市民の安心・安全のために、災害時だけではなく、今後どう活用していくのか、使いこなしていくのかが重要な課題だと思います。防災拠点としての今後の利活用についてお伺いいたします。 (2)愛宕山地域周辺における下水道整備計画についてお伺いいたします。 愛宕山新住宅市街地開発事業に伴い、当初計画では地区周辺に公共下水道を広げていく予定がありました。早期の整備を求める住民も多く、見直された愛宕山地区周辺の公共下水道の整備について、今後の計画と見通しについてお伺いいたします。 3点目、安心して子供を産み育てられる社会の実現についてお伺いいたします。 (1)不妊症・不育症治療による出産への支援についてお伺いいたします。 地方自治体の大きな課題の一つに人口減少が挙げられます。コロナ禍の中、妊娠を控える傾向は顕著に見られ、子供を産みたいと望む方が安心して妊娠・出産できる環境づくりは、子育て・少子化対策を進める上で大変重要になっています。 国においては、2022年度から不妊治療の保険適用が、本年1月から不妊治療所得制限の撤廃や助成金の増額が始まり、そして、がんを発症した人が、将来、子供を産み育てることに希望が持てるように、小児・AYA世代、いわゆる15歳から39歳までの思春期・若年成人の精子や卵子の凍結保存等、妊孕性温存治療への助成もスタートしています。 また、公明党は2009年に国会で初めて不育症について取り上げ、流産や死産を繰り返す不育症の支援に対しても、国の助成制度の創設や心理的ケアとしてピアサポート体制整備などを求めてまいりました。 不育症支援の助成制度については、これまで公明党議員団として、過去に2回一般質問で取り上げており、子育て日本一を目指す福田市政において、子供が欲しいと思う御家族の安心して子供を産み育てられる環境づくりは、御家族にとっても将来の岩国市の活力創出においても大変重要な施策となります。 日本では、不妊治療に取り組むカップルは5.5組に1組と言われています。厚生労働省の実態調査では、流産は妊娠の10%から20%の頻度で起こると言われており、流産を繰り返す不育症患者は全国で、毎年約3万人の方が新たに発症していると推計されています。 このような中、国においても今年度より保険適用外の不育症検査費用の負担軽減が大きく前進しました。不妊症・不育症の検査・治療を希望する人は年々増加しています。今後もさらに不妊や不育症の治療による出産を希望する方は増えてくると想定されています。 そこでお伺いいたします。不妊治療については、岩国市として制度の拡充をされていますが、岩国市として不育症への支援についてどのように取り組んでいかれるのか、不妊症・不育症患者への相談体制の整備等、今後の取組についてお伺いいたします。 (2)国・県・市による施策の情報の周知について。 不妊症・不育症の治療費には、当事者の経済的・精神的負担が大きな課題となっています。そうした中、令和3年1月から不妊症・不育症支援が大きく前進しました。菅総理が就任当初より強い意欲を述べられていた2022年度からの不妊治療の保険適用等、本年1月から第三次補正においてスタートしている不妊治療費公費助成の所得制限の撤廃や助成金の増額、令和3年5月からは不育症の検査費公費助成等、国・県・市により、経済的負担が大きいために仕方なく諦めることのないよう施策の拡充がされております。 安心して治療が続けられるよう分かりやすい情報の周知にきめ細かな配慮が必要です。国・県・市による施策の情報の周知についてどのように取り組まれるのかお伺いいたします。 以上、檀上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、越澤議員御質問の第1点目の新型コロナワクチン接種の円滑な実施についてお答えいたします。 まず、(1)本市の高齢者のワクチン接種予約及び接種の進捗状況と今後の見通しについてでありますが、本市の高齢者のワクチン接種予約につきましては、接種実施医療機関が個別に受ける予約と市が設置する集団接種予約の2種類があります。 接種実施医療機関における7月3日までの予約の受付状況は、本市が医療機関に対して行った調査結果によりますと、5月21日現在、1回目が2万4,435回分、2回目が2万165回分の合計4万4,600回分となっております。 また、集団接種会場の予約状況でありますが、6月14日現在、1回目と2回目を合わせて2万7,963回分となっております。 集団接種の予約受付につきましては、予約受付開始当初はつながりにくい状態でありましたが、徐々に解消され、現在は落ち着いてきております。現在行っている高齢者への接種につきましては、医療機関の個別接種は5月10日の週から、集団接種会場での集団接種は同月20日から開始いたしました。 接種の実績でありますが、6月14日現在、1回目が2万3,134回、2回目が3,587回の計2万6,721回の接種が完了しております。そのうち、市内16の施設で実施している集団接種会場における接種回数は、6月14日現在、1回目と2回目を合わせて8,955回となっております。また、高齢者宛て接種券の発送人数4万7,543人に対して、1回目の接種を完了された方の割合は約48.7%となっております。 現在のところ、重篤な副反応の報告はありませんが、今後も、安心・安全な接種の実施に努めてまいります。なお、本市では、7月末頃までに高齢者へのワクチン接種を完了する予定としており、現在、順調に実施しております。 次に、(2)高齢者以外の基礎疾患のある方などへの今後の取組についてでありますが、現在、本市におきましては、基礎疾患を有する方へのワクチン優先接種に係る案内文書を各医療機関に配付させていただいており、優先接種を希望される方は、今月30日までに接種希望届を市に提出していただくようお願いしているところであります。 この接種希望届を基に、7月上旬を予定として基礎疾患を有している方に対し、優先的に接種券を発送することとしております。また、高齢者施設等の従事者の方につきましても、対象となる施設に優先接種対象者の名簿を提出していただくよう依頼しているところであります。 高齢者の方への接種券配付後には医療機関への連絡が殺到し、各医療機関におかれましては、通常の診療体制が取れず、予約や問合せ対応に大変苦慮されたと伺っております。 そのため、65歳未満の方への接種券発送の際には、基礎疾患を有している方、高齢者施設等従事者の方、60歳から64歳までの方が優先して予約を取ることができるよう配慮し、それ以外の方よりも早く発送できるよう、現在、準備を進めているところであります。 いずれにしましても、市民の皆様が少しでもストレスなく予約を取ることができるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 次に、(3)今後の接種予約体制の整備についてでありますが、高齢者の集団接種の予約コールセンターについては、4月26日から、土日・祝日を含め、毎日午前8時30分から午後5時15分まで、7回線で対応しておりましたが、混雑によりつながりにくかったため、ゴールデンウイーク中に2回線増設し、対応してきたところであります。 予約コールセンター開設当初は、入電件数が多く、対応できていない期間があり、市民の皆様には大変御迷惑おかけすることとなりましたが、最近の予約コールセンターの入電件数は落ち着き、6月に入ってからは90%前後の応答率となっております。 今後、65歳未満の方への接種券発送につきましては、段階的に対象者の手元に届くよう対策を取ることで、高齢者への接種券発送時と比較して、混乱が生ずる可能性は低いと考えております。 65歳未満の方に対しましては、予約の時期や方法等について、広報紙やホームページで周知するとともに、接種券に同封する案内文につきましても、市民の皆様が混乱することがないよう、更新された情報を確認できるようにするといった工夫を検討しているところであります。 最後に、(4)視覚・聴覚障がい者等の支援についてでありますが、まず、視覚障害者への対応としましては、当初は、高齢者への接種券発送の際、音声コード「Uni-Voice」や本市のホームページにおいても採用しております音声読み上げソフトを活用することなどを検討していました。 障害者支援団体の方に相談したところ、「接種券が同封されていることを分かっていただくことが必要である」との助言を受け、再度対応を検討した結果、対象者への封筒に「新型コロナウイルスワクチン接種券在中」の点字シールを貼り付け、さらに同封物の接種券と予診票には、その記載内容がそれぞれ分かるよう、点字シールを貼り付け、発送したところであります。 また、聴覚障害者への対応としましては、視覚によって対応できることから、ウェブ予約システムによる予約や本市のLINE公式アカウントを利用した予約を行っていただけるよう御案内したところでございます。 市としましては、今後も、障害をお持ちの方に対して正確な情報をお届けできるよう、関係機関と連携しながら対応していくとともに、集団接種会場においても、施設面での配慮や職員の声かけなど、心の込もった運営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目の愛宕山地域のまちづくりについてお答えいたします。 まず、(1)医療・防災交流拠点のまちづくりについてでございますが、愛宕山地域開発事業の中止に伴う事業跡地約102ヘクタールの転用として、その約4分の1の区域において、市民の安心・安全を担う本市の医療・防災交流拠点の整備を進めてまいりました。 具体的な整備内容としましては、独立行政法人国立病院機構岩国医療センターの新築移転を核とし、市において、岩国市防災学習館を備えた「いわくに消防防災センター」の整備や、災害時対応機能を備え、大規模災害時にはこれらと連携し、物資の輸送拠点となる多目的広場の整備を進めてまいりました。 昨年度、最後の施設整備となる多目的広場の完成により、愛宕山地域開発事業に代わるまちづくりが全て完了したこととなります。 御承知のとおり、この多目的広場には、愛宕山の高台から夜中でもその大きな目で広く見渡し、市民の安心・安全を見守り続けられるよう、医療・防災交流拠点のシンボルとして、ふくろうをモチーフとした大型複合遊具を整備したところでございます。 議員お尋ねの防災機能を有する施設としては、備蓄倉庫のほか、耐震性貯水槽やマンホールトイレ、かまどベンチ、災害時にはシェルターとなる休憩施設、さらには、物資の荷さばき所などに活用できる屋根付広場や、情報発信機能としての屋外ステージなどを整備しております。 次に、運用状況についてですが、この多目的広場は、本年3月27日に「愛宕山ふくろう公園」として供用開始しており、連日、市内外から多くの皆様が来園され、特に大型複合遊具は予想を超えるほど大変なにぎわいとなっています。 こうしたことから、多くの利用者が見込まれたゴールデンウイーク前には、専門業者による遊具の安全点検を実施したところでございますが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、大型複合遊具については、利用人数や時間の制限を行うなど、状況に応じた対策を取ってまいりました。 今後におきましても、引き続き市民の皆様の安心・安全を第一に考え、楽しく利用していただける公園となるよう取り組んでまいります。 次に、(2)防災拠点としての今後の利活用についてですが、愛宕山ふくろう公園は、様々な災害時対応機能を備え、災害発生時には隣接するいわくに消防防災センターと連携し、災害活動拠点としての機能を発揮することが求められております。 愛宕山ふくろう公園につきましては、大型遊具の完成以降、大変多くの方々に御利用いただいており、この利用者が隣接する岩国市防災学習館に立ち寄る姿も見受けられます。 新型コロナウイルス感染症の収束後には、さらに利用者の増加が見込まれることから、その時期を捉え、愛宕山ふくろう公園を会場とする防災訓練を実施するなど、災害活動拠点としての機能について周知を図ってまいりたいと考えております。 次に、(3)愛宕山地域周辺における下水道整備計画についてですが、愛宕山地域の周辺の公共下水道は、尾津処理区内となっており、尾津町五丁目の岩国南せせらぎセンターにおいて下水処理を行っております。 尾津処理区については、平成10年9月に事業認可を受け、平成13年から岩国南せせらぎセンターの建設工事に着手、平成18年からは尾津1号汚水幹線管渠工事に着手し、初めに梅が丘団地とトーヨド団地の汚水を受け入れて、平成21年3月に処理場を供用開始しております。 その後、平成22年3月には、岩国南せせらぎセンターに近い岩国市地方卸売市場周辺や南岩国駅周辺の大型商業施設などの面整備管を整備しており、同じ時期に開発が進められていた愛宕山地区には、この開発に合わせて、平成22、23年の2か年をかけ、尾津1号汚水幹線に接続する尾津13号汚水幹線とその周辺の面整備管を整備しております。 現在は、平成29年度から、県道南岩国尾津線と国道188号の交差点付近の尾津1号汚水幹線から分岐して、国道188号下に通称牛野谷線の交差点までの約950メートル区間について、尾津3号汚水幹線管渠の第一期区間として整備が完了したところで、この事業進捗に合わせて、幹線沿いの尾津一の谷団地や門前町三丁目地内の面整備に着手しております。 また、愛宕山地域周辺では、令和元年度から、門前町一丁目、二丁目の面整備管を整備するため、先ほどの通称牛野谷線の国道188号交差点から岩国南バイパス交差点付近に向けて、尾津3号汚水幹線管渠の第二期区間として整備に着手しており、この幹線管渠の整備の進捗に合わせて、順次、幹線沿いの面整備を行う予定でございます。 愛宕山地区に隣接する門前町二丁目の七曲り団地周辺については、愛宕山地区との境が分水嶺となっており、愛宕山地区への接続は困難なことと、この団地のある場所は門前町の最上流となっているため、一般的に下流側から整備する下水道事業では後半の整備地域となり、整備には相当の時間がかかることとなります。 なお、牛野谷町については、尾津処理区内では最も上流側の地域であるため、下流から計画的に整備を進める下水道事業では、門前町の整備完了の見通しが立った時点で、尾津3号汚水幹線管渠の延伸を行う予定となります。 今後の愛宕山周辺地域における公共下水道の整備に当たっては、国土交通省の交付金等を最大限活用するなど、より一層の整備促進に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  第3点目の安心して子どもを産み育てられる社会の実現についてお答えします。 まず、(1)不妊症・不育症治療による出産への支援についてですが、国が作成している「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」によりますと、妊娠そのものが難しい不妊症治療の現状につきまして、不妊の治療や検査を受けたことがある、または現在受けている夫婦は、夫婦全体の5.5組に1組、また、体外受精や顕微授精など生殖補助医療により誕生した出生児は、約17人に1人の割合となっています。 不妊治療は、身体的・精神的・経済的な負担を伴うことから、その経済的負担軽減のため、国は医療保険適用外の特定不妊治療費の助成につきまして、本年1月から、所得制限を撤廃するとともに、助成額を1回15万円から30万円に拡充しています。 市といたしましても、平成27年度から始めました、県が助成した額を除いた支払負担額に対し、1年度当たり10万円を上限として助成する事業について、平成30年度からは申請1回につき10万円を上限とする助成に改めまして、さらに本年1月からは所得制限を撤廃し、制度の拡充を図っているところです。 また、医療保険適用となる一般不妊治療費の助成につきましても、自己負担額について1年度当たり3万円を上限として、県と市で2分の1ずつ負担して助成しているところです。なお、申請書につきましては、ホームページからダウンロードできるようにしております。 次に、不育症治療に対する支援についてでございますが、妊娠するものの流産や死産を2回以上繰り返し、赤ちゃんを授かることができない場合は不育症と診断されています。 不育症の検査や治療におきましても、精神的・身体的負担に加え、経済的負担が大きいため、国は今年度から当該検査費用に係る助成事業を設けているところです。 この助成事業を活用いたしまして、県においては、今年度から先進医療として告示されている検査費用の一部について、検査1回当たり5万円を上限とした助成を開始しました。 市としましては、不育症の検査を希望する方が経済的な理由から検査を諦めることのないよう、この助成制度の積極的な周知に努めてまいります。また、他の先進的な取組を実施している自治体の例を参考にしながら、治療費・検査費の助成についての調査・研究をしてまいります。 次に、(2)国・県・市による施策の情報の周知についてですが、出産を希望される方が安心して治療に進めるよう、県の不妊専門相談センターや岩国健康福祉センターが実施する不妊専門相談会、そして先に述べました費用の助成制度等を市報や市ホームページ、本市の子育てアプリ、市民ニュースアプリ、岩国市民メール、岩国市LINE公式アカウントなど、公共機関の窓口においても周知に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  それでは、順不同で数点再質問をさせていただきます。 まず、不妊治療、不育症についてでございます。日本の不妊治療は婦人科を中心に行っていますが、2017年の世界保健機関の調査によると、不妊症のうち男性のみに原因があるケースが24%、男女両方に原因がある場合が24%で、男性にも原因があるとされています。 この男性不妊治療の助成も今回拡充されています。今後、治療を希望される方の増加も見込まれますが、この男性不妊についての理解と周知も必要だというふうに思います。 先ほど御答弁で、しっかりとホームページや子育てアプリ等で周知していくというふうに言われておりました。そこで、岩国市のホームページを早速見させていただいたんですが、この制度は既に本年1月より国において助成制度がスタートしております。 タイムリーにこういった情報はホームページには載せていただけたらというふうに強く要望させていただきます。私も見たのですけれども、載っていなかったような気がしますので、その辺は強く要望しておきたいというふうに思います。 それから、岩国市のホームページから県のホームページに飛ぶと、「所得制限が撤廃されたよ」とかそういうところに行き当たるわけですけれど、市としてもしっかり――他市のホームページなんかでは「不妊治療助成制度が拡充されましたよ」と、色違いではっきり見えるような周知をされておられますので、今のコロナの時期で大変お忙しいと思いますけれども、そういったきめ細かな配慮をお願いしたいと思います。 そして次に、これは要望にとどめておきますが、不育症の治療についてでございますが、公明党議員団では、平成24年当時、不育症についての公費助成について一般質問を行いました。 当時は、不育症への認知度が低く、県内ではどこの市町でも実施されていない状況ではございました。その当時の答弁では、助成事業とほかの市町に遅れることのないように努力して取り組むというふうな御答弁もいただいておりましたが、今回は調査・研究というふうに言われております。 他市では既に、光市、下松市、周南市、防府市、宇部市、萩市というふうに県内の多くの市町で、この不育症についても不妊症と同じような扱いで精神的な負担、経済的な負担、そういったものを支援しようということで助成制度が実施されております。 岩国市においても、ぜひこういった子育てと、子供を産み育てやすいという意味では、もっともっと優しくあってもいいんじゃないかなというふうに思いますので、きめ細かな支援に取り組んでいただきたいと思いますが、何か御答弁がございますでしょうか。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  子供を産みたいと望んでいらっしゃる方が安心して妊娠、そして出産を迎えることができる環境づくり、子育てとか少子化対策については重要な施策と考えております。市民の方が見て分かりやすいホームページの掲載の仕方に努めてまいります。 あと、男性の方の不妊のことなんですけれども、岩国市のほうは男性の方の不妊の治療費のほうの助成も実績がありますので、そちらのほうも申し述べておきます。 ちょっとホームページが見にくかったり、理解がしづらいところは誠に申し訳ないところです。すぐに改善させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  それでは、次に、新型コロナワクチンの接種について再質問させていただきます。 まず、御答弁によりますと、ちょっと私も――刻々と変化するので数字が変わってまいりますのであれなんですけれど、第1回目の予約状況をちょっと自分なりに計算してみたら、約81%ぐらいが1回目の予約をされているというふうに思っております。 あと残りが約19%、5分の1ということになるかと思うんです。疾病等で接種できない方もありますけれども、予約できていない5分の1の方々への対応について、予約のやり方が分からないなど、希望者が取り残されることのないようなきめ細かな予約体制というか、残った20%の人に対してどういった対応が必要と考えておられるのかお伺いさせていただきます。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  予約のほうは、思いのほか希望の方が多くて、大変ありがたいと思っております。新型コロナウイルスのワクチン接種を実施することで市民の方の命を守るという使命を感じておりますので、希望される方が予約できないという状況がないように、今のところマンパワー――出張所長の会議でも御説明させていただいておりますし、福祉員、民生委員の方への説明もさせていただいております。 そういった、市民の方々を巻き込んでの周知活動をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  本当にこのワクチン接種については、マンパワーというふうに言われましたけれど、より地域でしっかりとお互いに声をかけ合って、希望されない方にはそれがプレッシャーになったら申し訳ないんですけれど、やはり希望されていて――高齢者の方で、「知っていたけれど、よう分からんから、そこに置いてある」というふうに言われた方に出会ったこともあるんです。 ですから、そういった市民を挙げてお互いに声をかけ合って、少しでも多くの方に接種ができればというふうに願っております。 次に、7月末以降に始まる64歳以下の方のワクチン接種についてでございますが、今回、岩国市は介護従事者の方も優先接種の対象というふうに配慮をされて安心しておりますが、国は、優先接種の対応は高齢者の接種の見通しがついた自治体においては、高齢者以外の者に独自に優先順位をつけることができるというふうに言われております。 報道等を見ておりましても、市町でいろんな取組をされておりますが、私たちも学校の先生や保育士の方々への優先接種を願う声をたくさん聞いておりますので、その辺について今後どのように対応されるのかお伺いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  優先順位については、まず、高齢者というのは重症化リスクが高いということで優先されました。次に、基礎疾患のある方、高齢者施設等の従事者の方、60歳から64歳までの方が感染リスクが高いということだと思います。 いろいろなリスクを抱えながら仕事をしていらっしゃる方もいらっしゃいますし、学校の先生、保育士等、児童・生徒、幼児、乳幼児にじかに接する方については、児童・生徒、乳幼児に感染させるわけにはいかないという思いを抱えながら、毎日仕事をしていらっしゃると思います。 教育委員会、そして関係機関、保育所・幼稚園を所管する部署等とも協議を進めておりますので、なるべく早くそういった方々にワクチンの接種ができるような体制が整うように考えてまいります。 ◆2番(越澤二代君)  今までは高齢者、基礎疾患がある方というふうに順次進んできておりますが、今のニュース等を見ていると、職域接種も始まってまいりましたので、大変――先生よりも早くに子供が受けたというところもあったりして、いろんな状況が出ておりますが、国全体で新型コロナワクチン接種が加速しているという状況でございます。 それぞれの市町の取組で、いかに早くワクチン接種ができるかということもあるというふうに考えておりますが、今、県が主催する大型の接種会場とか、基地の中の従業員に対する接種とか、そういう職域接種、また、昨日のニュースでは光市では商店街の人たちの――あれは職域接種と言わないというふうに聞いておりますが、そういった小さな単位で申込みをする接種もスタートしたりしておりますけれども、岩国市の職域接種の取組についてどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  今のところ、国が伝えているのは、従事者・従業員1,000人以上の規模のところの企業が職域接種ということになっております。 岩国市のほうは、工業クラブとか、そういった関係団体の方とも顔を突き合わせてお話する機会も持ちました。県のほうはサポートチームというのをつくられているということも説明会の中で伺っております。職域接種のほうが進むように、岩国市のほうも連携してまいりたいと思っております。 ◆2番(越澤二代君)  職域接種が始まると、どうしても接種券がない方という――まだ接種券が発送されておりませんので、その辺の対応も今後課題かなというふうに思っておりますが、その点もよろしくお願いいたします。 次に、愛宕山の件で何点か再質問をさせていただきます。 まず、多目的広場は防災公園としての位置づけになっているわけですけれど、周辺の住民の方々が、「あそこは災害のときは物資を輸送するという拠点だけれど、いざというときに、自分らはあそこに逃げるのが一番早いんじゃけれど、あそこに逃げたらいけんのじゃろうか」というふうなお問合せをよく伺います。 そこで、この多目的広場は防災公園として、一時避難所としてどのような位置づけになっているのかお伺いいたします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  愛宕山ふくろう公園は、岩国市地域防災計画において災害時における物資の緊急輸送拠点として位置づけています。 現在、避難場所としての指定はしておりませんが、指定されていないから避難できないということではありませんので、災害時には避難していただきたいと考えております。 ◆2番(越澤二代君)  一時避難所ということになると思うんです、建屋がないので。ぱっと、いざというときに車でさっと行けるという思いを持っておられるんだろうというふうに思いますが、よろしくお願いいたします。 そして、今、愛宕山ふくろう公園のすぐそばに防災学習館があるんです。たくさんの人が来られて、防災学習館で――先ほど御答弁でもちょっとあったんですけれど、防災学習館とふくろう公園の人の流れというものが大事だろうというふうに思うんです。 しっかりこの流れをつくっていくという取組、今後の取組についてどのように考えておられるかお伺いします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  防災学習館は、いわくに消防防災センターの建物内にあり、その建物の愛宕山ふくろう公園側に配置されています。 現在は、防災学習館の存在に気づいてもらえるように、のぼり旗の設置と防災学習館の窓に公園から見えるように「防災学習館」と書いたものを貼っております。 今後とも防災に対する意識啓発のためにも、より多くの皆様に来館していただけるよう、さらに工夫していきたいと考えております。 ◆2番(越澤二代君)  遊びに来られた方々が、防災学習館のほうに流れていっていただいて、家族で体験をしていただくということも大事な取組だというふうに思いますので、その点もよろしくお願いいたします。 次に、愛宕山ふくろう公園の芝生広場でございますけれども、今、大変雑草が目についております。目につくというよりは、雑草が繁茂しているという状況でございます。この雨で、雑草というのはがんがんと伸びて――12日ぐらいから雑草の抜取り作業が始まっておりますが、とてもじゃないけれど、あの広さでどれだけの人員をかけたら、あそこが早く――雑草が芝生の育成の邪魔にならないかということを非常に心配しておりますが、この芝生の維持管理についてどのような計画になっているのかお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  愛宕山ふくろう公園の芝生広場の管理についてでございますけれども、通年の維持管理計画というのを作成して、これに基づいて維持管理を実施することにしております。 この芝生広場ですけれども、踏み圧に強くて、成長が早いティフトンという品種を植えてございます。これは、7月から9月が最も生育するというふうに言われております。 議員御指摘のとおり、芝生広場の雑草なんですけれども、この5月の降雨とその後の好天とか、そういったことで予想を上回って非常に目立つような状況になっております。 雑草のほうも背が高くて、外からは地表の芝が非常に見えにくい状況なんですけれども、私も中に入って見ました。偏りはありますけれども、現在、おおむね順調に生育しているというふうに考えております。 しかしながら、これ以上雑草が増えますと、芝生の成長を阻害してしまいますので、除草作業を集中的に実施するということにしております。 今後も皆様に安心して気持ちよく使っていただけるように施設の運用、維持管理に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  芝生はこのぐらいで、雑草がこのぐらいと、梅雨時期なので雑草の成長のほうが本当に早いんです。だから、大変だろうなと思いますが、集中的に草を抜いていかないと、「いつから使えるんじゃろうか」と楽しみにしている子供たちもたくさんいますので、よろしくお願いしたいと思います。 あと1点、たくさん質問を用意しておりましたけれども……。現在、コロナ禍において、愛宕山ふくろう公園の大型遊具は平日のみの使用となっていますが、感染対策も含めて、今後の活用についてどのように考えておられるのかお伺いします。 先日も夜、寝ていたからよく時間が分からないんですけれど、フクロウが物すごい鳴いたんです、目が覚めるぐらいに。私も目が覚めたけれど、あの起きない主人も「あれ、フクロウか」と言って、2人でフクロウの声を久々に聞きました。まさにふくろう公園だなというふうに思いましたけれども。 この愛宕山ふくろう公園の感染対策について、今後の運用についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  愛宕山ふくろう公園の経緯、説明していただきましてありがとうございます。 愛宕山ふくろう公園の大型遊具の対応でございますけれども、3月の供用開始以来、遊具施設周辺に手洗いやマスクの着用など、感染予防に関する啓発の掲示物とか看板、そして、手洗い洗剤とか手指消毒を設置しております。これは、引き続き継続してまいりたいと考えております。 また、6月1日から20日までの間なんですけれども、平日の利用を再開しております。ただ、6月20日以降の利用についてなんですけれども、現時点では、市内とか周辺地域の感染状況を見ますと、少なくとも平日利用を制限するような状況ではないというふうに考えております。 今後、土日の利用については、周辺の市町とか山口県の対応を見ながら考えていきたいというふうに思っております。 皆さん、子供さんの楽しい歓声が一刻も早く戻るように願っているところでございます。 ◆2番(越澤二代君)  私もよくあの周りを散歩させていただくんですけれど、本当に供用開始された直後から物すごい多くの子供たちが集ってまいりました。 現在は、こういう状況の中で、平日利用ということでちょっと少ないというふうな気もしております。天候の関係もあるかもしれませんが、安心に使えるようにしっかりと配慮していただけたらというふうに思います。 時間がないので最後に、壇上でも申し述べましたけれど、私たち周辺住民も、あそこの4分の1のまちづくりについては、もうまさにペンペン草が生えるんじゃないかというような心配もしておりましたけれど、立派な施設が誕生して、散歩される方も非常に多いという状況でございます。 大変御苦労されたと思いますが、この愛宕山のまちづくりを締めくくるに当たって、市長の思いをお聞かせいただけたらと思います。 ◎市長(福田良彦君)  まず、愛宕山ふくろう公園の雑草は、今月中にはしっかり抜いて芝生がしっかりと生育するように指示をしたところであります。 また、この愛宕山の一連の話でございますが、そもそも、この愛宕山の開発事業は、滑走路沖合施設の事業と安くて良好な住宅環境を造るという大規模住宅事業、この2つの目的で当初始まったところであります。 当初、主体は県の住宅供給公社でありますが、もし損失が出たときには、県と市が2対1の割合で負担をするという、そういった流れでありました。当時の社会情勢の変化がありまして、土地の価格の下落とか住宅需要が見込めないということになりまして、このまま事業を進めていけば最大で250億円の収支の差が見込まれるということで、当時、私の記憶では、金融機関の借入れ等で1日に140万円の利息、こういったことが大きくのしかかっているということでありました。 今後の赤字を防ぐために、当時の市長、知事が決断されて、この事業を中止をしようということになったわけであります。 その翌年に私が市長に就任したわけでありますが、その直後はやはり最優先は赤字の解消、そして、その後、国にしっかりとした価格で買い取っていただいて、当時、市議会または体育協会加盟団体のほうから、まず、4分の3についてはハイスペックで大きな公式の試合ができるような運動施設を造ってほしいという要望がありました。 これについては、防衛省となかなかタフな協議を数年重ねて、現在の施設に仕上がったところであります。よく覚えておりますのは、住民説明会を何度も行いました。非常に様々な御意見がある中でも、市民の方々からいろんな貴重な御意見を頂きながら、繰り返し住民説明会を行ったところでもありました。 また、この議場でも運動施設等について説明をさせていただきましたが、中には、「有刺鉄線等に囲まれて市民の方が到底利用できるような施設ではないだろう」、「銃を持った兵士が監視をして、有事の際には軍事的にも利用されるんじゃないか」といった憶測もありました。 しかしながら、現在は野球場、陸上競技場を含め、年間約24万人の市民の方々に利用されているところであります。 また、4分の1につきましても、先ほど議員からも、また副市長の答弁でもありましたが、まずは岩国医療センターを黒磯から新築移転させるということでありましたが、これも医療センター機構のほうともいろんな難しい協議をこなしてまいりました。 その後に、いわくに消防防災センターの整備、そして灘海園、そして今回の愛宕山ふくろう公園でありまして、防衛省の補助金等も有効に活用しながら、また、主要幹線であります県道についても県のほうで整備をしていただくなど、まさに市・県・国がしっかりと事業を連携させながら、この愛宕山の4分の1を医療・防災交流拠点として仕上げたところであります。 どの事業もいろんな課題がそれぞれありまして、非常に時間もかかりました。長きにわたってこの様々な課題、困難を乗り越えてきたんだなと振り返っておりますが、ときに、やはり大きな決断、判断もありました。その連続でございましたが、一つの区切りがつけたということは、私といたしましても非常に感慨深いものがあります。 これもひとえに議員各位の御支援と、また地域の方々の御理解と御協力があってのことだというふうに思っております。改めて経緯と感謝を申した次第であります。また、愛宕山ふくろう公園、先ほど議員からもお話がございましたように、今、子供たちの本当にうれしい声が、にぎやかな声が広がっております。 この20日には、土日も含めて利用制限を解除したいというふうに思っております。今後、愛宕山地域が医療・防災拠点としてだけでなくて、未来を担う子供たちの笑顔があふれる、また、夢が描けるような場所と土地にしていきたいというふうに思っております。 最後でありますが、フクロウが帰ってきたということでございます。私が放したわけではありません。私も以前、あそこでフクロウの子供を見たことがありますが、議員の御紹介のように、フクロウが愛宕山ふくろう公園の大きなフクロウに呼ばれたかのように、そういった声が聞こえたというほのぼのした情報を頂きました。 これからも、管理を含めてしっかりとこの公園を守っていきたいというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ◆2番(越澤二代君)  以上で、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、2番 越澤二代さんの一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時52分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(藤重建治君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 15番 大西明子さん。 ◆15番(大西明子君)  皆さん、こんにちは。日本共産党市議団の大西明子です。市議団を代表して一般質問を行います。 最初の質問は、基地に関する諸問題についての(1)米軍岩国基地の機能拡大、強化について質問いたします。 空母艦載機の移駐から3年が経過しました。米軍岩国基地は所属機120機を超え東アジア最大級の航空基地に変貌し、最新鋭ステルス戦闘機F-35Bの追加配備など、機能拡大、強化が続いています。 出撃基地化、軍事拠点化が進む中で、相次ぐ外来機の飛来、訓練が行われ、騒音など基地被害を広げているのは岩国基地所属機だけではありません。沖縄普天間基地から本土へ向かうオスプレイの立ち寄りが恒常化し、三沢基地や嘉手納基地、横田基地の戦闘機や輸送機なども頻繁に姿を現しています。 昨年末には、米軍機のB-1戦略爆撃機2機が、受入れ能力の確認と称して飛来、今年3月にはハワイから6機のF-22戦闘機が飛来し、数週間訓練を行っています。5月には、掃海艦パトリオットが寄港しています。岩国基地は、日米の軍事一体化の中で機能拡大、強化が推し進められています。 5月18日、こうした状況を危惧した市民団体「住民投票を力にする会」が市長に申入れを行いました。その中で、改めて基地機能強化の定義について市長に示すことを求めています。 基地政策課は市の基本姿勢が変わったとしています。福田市政の基地対策の基本姿勢は、基地機能が変更される際には、その影響により周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できないという立場を基本姿勢として堅持するとしていますが、具体的にどのような状況になれば容認できないのか説明を求めます。 基地に関する諸問題についての(2)満足していない米軍基地の安全対策について質問いたします。 令和2年度岩国市民満足度調査報告書では、満足していない人の割合が高い順に見ると、中心市街地の活性化37.4%、交通基盤の整備37.4%がともに高く、次いで米軍基地の安全対策35.7%となっています。 米軍基地の安全対策に満足していないという調査結果について、どのように受け止めているのか。また、分析した内容と改善等についてお尋ねいたします。 2点目、コロナ禍での生活支援についての(1)自営業者も新型コロナウイルス感染症に係る国民健康保険の傷病手当金支給の対象にすることについて質問いたします。 その前に、一言述べたいことがあります。国保の保険料率を引き下げ、保険料が引き下げられるということが明らかになりました。夫婦40歳以上、子供2人で年所得300万円で、年間1万2,450円減額、400万円では、1万5,430円の減額となります。コロナ禍で苦しんでいるときだけに朗報です。傷病手当についても朗報を頂けることを願って質問いたします。 5月26日に、日本共産党市委員会と市議団で、市長にコロナ対策の拡充を求める申入れを行っております。「1、PCR検査の拡充」「2、ワクチン接種について」「3、補償と生活支援について」の3項目、13点について申入れを行い、市長や担当職員からの説明を受け、理解を深めることができました。 この申入れの項目の中に、自営業者も新型コロナウイルス感染による国保の傷病手当金支給の対象にすることも入っています。しかし、担当課の説明は国の制度が自営業者を対象としているとして、市の独自施策の実施は困難という内容でした。 6月11日の新聞報道で、岩国市でも飲食店の廃業が相次いでいるとして、飲食業者の方の悲痛な声が報道されています。苦しんでいる中小業者やフリーランスに傷病手当金を支給する事例は増加し、一時金制度の傷病見舞金を事業主に支給する自治体も増えています。 全国で、PCR対策として、傷病手当制度の対象を事業主まで広げた自治体は、北海道赤平市をはじめ9自治体、傷病見舞金として事業主に支給する自治体は、北海道美幌町をはじめ11自治体となっています。岩国市も、国の財政支援の範囲にとどまらず、新型コロナウイルスに感染した方に温かい支援をすべきと考えます。市長の答弁を求めます。 最後に、(2)公共施設や学校のトイレに生理用品を置く等、生理の貧困対策を取ることについて質問いたします。 長引くコロナ禍で経済的に困窮し、ナプキンなどの生理用品が購入できない、生理の貧困が問題になっています。アルバイト収入が減ったり、解雇されたり、若い世代を中心に入手に苦労する人が少なくないという情報が明らかになりました。 問題を可視化したのは、大学生らでつくる民間団体による調査です。過去1年間に、金銭的な理由で生理用品の入手に苦労したことがあると答えた人が2割、節約のため交換頻度を減らした人は37%、生理用品ではないものを使った人も27%、生理用品を買えないことで、生理の間、外出できず、学校を休むなど日常生活に支障があったと答えた人が半数近くに上ったことは深刻です。 この調査結果が明らかになって以降、行政も支援策を打ち出しています。内閣府は、女性支援の交付金を拡充し、使途に生理用品の無料配布を加えることを決めました。 自治体が行う生理用品の提供を、地域女性活動推進交付金により行い、生理用品の提供をきっかけとする生理の貧困による女性や子供に寄り添った相談支援も行うとしています。 地域子供の未来応援交付金を活用して、子供の支援に結びつけることや、学校、ハローワーク、福祉事務所などで生理用品の提供が進むよう、文部科学省や厚生労働省、内閣府が連携するとしています。 5月28日の調査で、生理用品の配布に取り組んでいるのは、39都道府県の255自治体となっています。山口市や隣の広島市でも取組が始まっています。岩国市も、公共施設や学校のトイレに置いて、誰にも気兼ねせずに使用できるよう早急に取り組むことを強く求めます。 壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、大西議員御質問の第1点目の基地に関する諸問題についてお答えします。 まず、(1)米軍岩国基地の機能拡大、強化についてでありますが、本市における基地機能強化の判断基準については、市の基本姿勢として、これまで繰り返し申し上げておりますが、基地機能が変更される際には、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できないとしております。 この基地機能強化の判断基準につきましては、軍事機能の強化を許さないとの視点が必要との御意見もありますが、技術革新が日進月歩の今日、軍事的な機能や能力について何をもって強化と言うかは、防衛政策に権限のない自治体が判断するのは困難であると考えております。 したがって、自治体が関わるのはあくまでも周辺住民の生活環境への影響についてであり、そうした影響から住民の生活を守るということが自治体の役割であり、使命であると考えております。 こうしたことから、私が市長に就任した際、選挙の結果を踏まえ、基地問題に対する私の基本的な認識と姿勢である「基地政策の基本姿勢」について平成20年3月定例会で施政方針として示したものであります。 基地機能の変更には、空母艦載機の移駐のような大きな変更もあれば、機種更新、機数の変更、また人員や施設等の変更など様々なものがありますが、どの程度までの変更を「基地機能の変更」として基本姿勢に照らして判断するのかは、個別に判断する必要があると考えております。 議員御質問の、十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合をどのように判断するかについても、機数の増加や施設等の変更など、変更の内容により、騒音被害や治安、環境問題など住民生活への影響も様々なものとなることから、その影響に応じた対策を想定しながら、個別に判断する必要があると考えております。 空母艦載機移駐の場合には、航空機や米軍関係者の増加による騒音被害や治安の問題が想定されたことから、住宅防音工事の拡充をはじめとする騒音対策や、治安対策の強化などを中心に、安心・安全対策43項目において具体的に要望し、その達成状況により判断しております。 また、議員御指摘の本年5月の掃海艦パトリオットの寄港について言えば、乗組員の休養、友好親善などを目的に入港したものと認識しており、市としましては、特段問題視するものではないと考えております。 しかしながら、岩国基地の港湾施設は、「岩国基地の沖合移設事業に伴って、あくまでも輸送物資の荷揚げ作業を行うことを目的に整備した施設であり、岩国飛行場が米軍艦船のいわゆる母港になるという計画はない」と国から説明を受けていることから、改めて市として、岩国基地を米海軍等の軍艦の母港及び寄港地にならないよう口頭による要請を行っています。 いずれにいたしましても、私は、今後も基地機能の判断基準について、軍事的な機能や能力を評価するのではなく、「騒音や安全性等、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することとなるか否か」といった観点から判断するという基本姿勢、これを堅持してまいりたいと考えています。 次に、(2)満足していない米軍基地の安全対策についてでありますが、議員御指摘の岩国市民満足度調査のうち、「基地の安全対策」の満足度が、本市における出生率や転出率に関連しているとは考えていませんが、同調査における米軍基地の安全対策についての満足している人の割合は、平成30年度は27%、令和元年度は26.8%、令和2年度は22.9%と徐々に減少しており、順位では令和元年度の31項目中27位から、令和2年度には29位に下がっております。 一方で、満足していない人の割合は、平成30年度は58.6%、令和元年度は54.3%、令和2年度は35.7%と減少していますが、順位では、令和元年度の31項目中4位から、令和2年度には3位に上がっています。 また、空母艦載機移駐後の平成30年度以降と移駐前を比較すると、満足している人の順位が下がっている一方で、満足していない人の順位は上がっていることから、空母艦載機移駐の影響が少なからずあるのではないかと分析しているところであります。 こうした中、本市としましては、米軍構成員に対してのセーフティーブリーフィングや、安心・安全共同パトロール、米軍関係者を対象としたセーフティードライビングスクールなど、様々な安心・安全対策に取り組んでおります。 また、航空機騒音については、国に対して「第一種防音区域等の対象区域の拡大」、「年間W値だけでなく、空母艦載機滞在時の騒音の状況に対応した第一種区域の見直し」など、地域の実情に即した防音対策を要望しております。 あわせて、「岩国基地周辺での飛行訓練実施の緩和や訓練場所の分散」、「移駐した空母艦載機や外来機を含め、岩国日米協議会における飛行方法や運用時間等に関する確認事項を遵守すること」など、航空機騒音等の軽減についても要望しているところであります。 御承知のとおり、市におきましては、平成26年12月に策定した岩国市総合計画で基地との共存を掲げ、「基地があることを活かした日米交流や英語教育」、「災害対応についての米軍との協定締結」など、様々な分野で基地が所在するメリットを最大限に生かしたまちづくりを進めております。 こうした方針の中、言うまでもなく、本市独自の魅力的なまちづくりを推進するために基地の安全対策は、市民にとって非常に重要なものであると考えております。 市としましては、今回の調査結果については真摯に受け止めており、市民の方々の満足度が少しでも上がるように、また、基地との共存を図り、魅力的なまちづくりを推進していくために、引き続き、さらなる騒音軽減や安心・安全対策について取り組んでまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  第2点目のコロナ禍での生活支援についての(1)自営業者も新型コロナウイルス感染症に係る国民健康保険の傷病手当金支給の対象にすることについてお答えいたします。 令和2年3月、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、発熱などの症状がある場合に、会社を休みやすい環境を整備することを目的に、国の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第2弾」において、「国民健康保険及び後期高齢者医療において、新型コロナウイルス感染症に感染するなどした被用者に傷病手当金を支給する市町村等に対し、支給額全額について国が特例的な財政支援を行う」とされました。 このことから、本市においても、新型コロナウイルス感染症に感染し、または感染の疑いがあるため給与の支払いを受けている被保険者が仕事を休んだ際に、事業主から十分な報酬が受けられない場合に対応するため、傷病手当金を支給する制度を設けています。 被用者だけでなく、自営業者も傷病手当金支給の対象にするようにとの御意見もございますが、自営業者には資金繰りなどで傷病手当金とは別の支援の制度があること、自営業者では、被用者とは異なり、休業期間や収入減少の状況が多様なため、所得補填として適切な支給額の算出が困難であること、また必要な財源をどのように確保するかなどの課題がございます。 このため、現時点においては自営業者に対し傷病手当金を支給することとはしておりませんが、今後も国の動向に注視し、国の財政支援の対象となるなどした場合には、再度検討してまいりたいと考えております。 なお、今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症への感染の有無にかかわらず、新型コロナウイルス感染症で大きな影響を受けている被保険者の生活を支援するため、平成29年度から据え置いていた国民健康保険料率の引下げを行いました。今後も、安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目のコロナ禍での生活支援についての(2)公共施設や学校のトイレに生理用品を置く等、生理の貧困対策を取ることについてお答えいたします。 本市では、人権課男女共同参画室に女性相談員を配置し、DVをはじめとする女性が抱える様々な悩みについて、相談者の気持ちに寄り添い、解決するための相談支援を行っております。 その中でも、家庭環境の破綻等が原因で生活が困窮し、日々の生活を営むことが困難な場合につきましては、生活保護制度の紹介や就職支援窓口の紹介など、関係機関と連携しながらできる限りの相談支援を実施しているところでございます。 議員御質問のコロナ禍での生理の貧困対策につきましては、生理用品の配布等の取組が全国的な広がりを見せる中、市といたしましても、その必要性については認識しており、今後、公共施設等での配布について前向きに検討したいと考えております。 また、配布にあたっては、同時に相談窓口の存在についても周知することで、長引くコロナ禍で困難や不安を抱える女性が孤立することがないよう、経済的な困窮に至った背景や事情に丁寧に向き合い、これまで以上にきめ細かい相談支援に努めてまいります。 なお、各小・中学校につきましては、トイレへの備付けは行っておりませんが、保健室に常備し、持ってくるのを忘れたときや、急に必要になった場合などに対応しております。 また、日頃の児童・生徒の様子や家庭の状況を把握する中で、家庭の事情により生理用品が準備できないなど、児童・生徒からの相談に対応できる体制を整えておりますが、今後も個別にどのような支援が行えるか検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆15番(大西明子君)  それでは、順序を変えて再質問させていただきます。 コロナ禍での生活支援について、まず自営業者も新型コロナウイルス感染症に係る国民健康保険の傷病手当金支給の対象にすることについて質問いたします。 答弁では、「被用者とは異なり、休業期間や収入減少の状況が多様なため、所得補填として適切な支給額の算出が困難であること、また、必要な財源をどのように確保するかなどの課題があります」というふうに答弁しています。 この「被用者とは異なり、休業期間や収入減少の状況が多様なため、算出が困難である」といったことは、この給付支援には当たりません。休業した日数が分かって、そして全国で実施しているところでは、例えば5,000円に休業した日数を掛けて支給をしています。ですから、こんなややこしい――被用者と異なり、休業期間や収入の状況が多様なために分からないと、そういう制度ではありません。 答弁では、国の制度であるので、それを超えたら市町村の財政負担になる。だからできないという答弁なんです。しかし、実施しているところでは、新型コロナウイルス感染症にかかった人がそんなに各自治体で多くあるわけではありませんし、国保に入って自営業で暮らしている人が、そんなにみんなが新型コロナウイルス感染症にかかるわけではありませんから、被用者をそういう支給の対象にするのであれば、同じ制度であるなら雇い主、事業主にも両方に出してほしいという声が出ているんです。 だから、これをどういうふうにするかということは、まず国に対して財政支援の対象にしてほしいという声を届けることが必要じゃないかと思うんですけれども、その点についても答えていませんし、今まで子供の均等割についても、制度上できないとずっと答弁してきましたが、全国の自治体が声を上げたら、子供の均等割も前進したじゃないですか。こういう声を上げていくということが大事なんですが、国の制度から一歩も出ないで自治体が財政支援をするのが困難だというそういう立場は、やはりコロナ禍で今、大変な思いをしている人をどう支援をするか、こういう立場が足りないのではないかと思うんです。 せめて、国にこういう状況を伝えて、制度を変えてほしいという要望もするべきだと思いますが、その点についてお尋ねいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  国の制度の拡充の要望なんですけれども、全国市長会のほうで対象の拡大についての要望等も出ております。そういった機会を捉えまして、岩国市としてもその辺の意見のほうを申し述べたいと思っております。 自営業者のほうが計算がしにくいというところの御説明なんですけれども、被用者というのは、給与収入なのでコンスタントに給与というのが分かるんですけれど、自営業者の場合は、繁忙期かどうかということもありますし、何日働くかということも様々で、働き方が別々なので、そこら辺のところで先ほど大西議員が言われたように、傷病手当という計算方法ではなくて定額の見舞金というような形を取っていらっしゃる自治体があるというふうに認識しております。 そういった、定額にするかどうかというところもあるんですけれども、傷病手当としての考え方からはちょっと違ってくるのかなと思っております。 そういったこともございますし、また国の財源等もあれば、ほかの一般財源等からの繰入れ等もなくてもいいかもしれませんし、その辺のところもいろいろ考え合わせながら、市長会等の要望のときにはこちらのほうも意見を申し述べたいと思っております。 ◆15番(大西明子君)  私は、そういう立場で支援をしていくという心が担当課には大事だと思うんです。国の財政支援の対象になったら再検討してまいりますというのは当たり前のことなんです。そういう立場は、少しでも住民に寄り添った考え方にしていただきたいというふうに要望しておきます。 次に、生理の貧困対策について質問いたします。 答弁では、公共施設等で生理用品の配布については前向きに検討したいというふうに答弁されました。こういう時期ですから、前向きに検討する期間について、検討に検討を重ねて遅くなっても困ります。早急にやってほしいし、今、検討している内容は、具体的にはどういったものがあるのか。このことについてお尋ねをいたします。 ◎総務部長(石橋誠君)  現在、公共施設での生理用品配布の具体的な実施方法などについて検討をしております。 コロナ禍における対策でございますので、市といたしましても早い時期に実施したいと考えております。 具体的な方法につきましては、やはり、ただ単にお配りするという形ではなく、そういった状況に置かれている女性の課題解決に向けた相談支援につなげていきたいと考えておりますので、市の窓口での配布等にしたいというふうに考えております。 ◆15番(大西明子君)  困っている人たちの相談窓口、これは国も相談窓口を設けてやりたいという方向であり、今、答弁の中でも人権課で相談を受けて、そして、より進めていきたいというふうに答弁されておりますので、ぜひ気軽に行って相談できる、そういう体制を取っていただきたいし、ぜひ相談に来てくださいという宣伝もやはり必要じゃないかと思うんです。 窓口対応だけでなく、そういう具体的なこともやると言われるので、早急に公的施設のほうでは実施していただきたいと思いますが、問題は学校です。答弁では、個別にやらないで、保健室には置いてあるから、今までどおりやるという答弁なんです。今、コロナ禍で子供たちが大変な状況になっていることをどうやって把握するのか。 それから、保健室に常備しているということですが、保健室に行くことそのものが遠慮、本当に頭が痛かったり体が悪いときはさっと行ってお世話になりますが、生理で行くという習慣はそんなにないというふうに思います。私自身でも、生理のことで保健室に行ったことはありませんので、やはりこういった点について使いやすい、子供が委縮しないで気軽に使えるというふうに制度を変えていくことがとても大事だと思うんです。 こういう機会ですから、性教育とジェンダー教育、これはいい機会だからぜひやってほしいんです。本当なら、生理というのは女性の権利の問題でもあるし、いろんな問題でもありますから、本来、生理用品はトイレットペーパーのように身近にあってすぐ使えるというのが当たり前、そういう当たり前の環境をつくっていこうという、今、大きな流れが女性の間で広がっているんです。 だから、国も生徒、学生への支援として、手に取りやすい場所として、保健室のほかにも学校トイレへの配備を含む、こういう通知を国が出しているんです。先ほどの答弁では、現状から一歩も出ていませんから、しかしそういう方向で行かれるとなかなか子供もどういうふうにしていいのか、保健室に取りに来てくださいとかいうことはまだ徹底してないんじゃないかと思うんです。 先ほど答弁では、相談の対応もできているから今までどおりやりたいという答弁でした。じゃあ、これまでどういうような相談件数があって、どういうことが主な相談内容になっているのか。改めてお聞きいたします。 ◎教育次長(三浦成寿君)  まず、生理が始まっている児童・生徒につきましては、身体的に変化を迎えてとても多感な時期だということであります。そういうことも踏まえて、保健室に安心して立ち寄れるように、養護教諭等と信頼関係を構築するということがまず大前提にあると思います。 そうした中で、先ほどもありましたように、子供たちの困り感をしっかりと把握するという意味で教育相談や生活アンケート、相談ボックスなどを活用して、日頃から何でも相談できるという体制を整えるように、学校のほうでも工夫していろんなことをやっているところであります。 これらのアンケートにつきましては、こうした問題だけではなく、日頃の生活の中でどのようなことで困っているのかというようなことを事細かに聞くような仕組みになっておりますので、多種多様な相談、困り事などがアンケートの中で記入されておりますので、それを今、統計的に集計はしておりませんが、内容的にはそういう今回の生理用品等の問題だけではなく家庭の事情だとか、勉強のことだとか、日頃の生活の中での困ったことなど、そうしたことをしっかりと学校のほうへ伝えていただくような仕組みづくりをしているというところでございます。 ◆15番(大西明子君)  分からない答弁です。仕組みづくりをしているのであれば、その仕組みがどう役に立っているのか、どういう状況にあるのかということは、教育委員会はちゃんと把握しなければなりません。これからの方針も個別に支援を行ってまいりますということは、置かないということです。 全国でそういう方向に進んでいるのに、岩国市はそういう対応を取っていく。それなら、こういう理由だからこのままやっていきますということを、具体的に聞いているんですから示してもらわないと、「そうですか」というわけにはいかないんです。 山口市は49校で運用を開始したということで、11日からやるということで、県内で初めて校内の女子トイレに生理用ナプキン設置の運用が始まったと、こういうふうに進んでいるわけです。そういう中で、岩国市はトイレに個別に置くのでなく、今までどおりにするんだったら、「こういう理由だから」、「遠慮なく保健室に来て、皆さんが使っているからこのままで行きます」というのだったら私も納得しますよ。だから、どういう状況かと聞いたんです。そうしたら具体的に答えないで、ああだこうだと言っても私には分かりません。 だから、国もそういう相談窓口を設けなさいと言っているんですから、今、設けているんだったらそのことを堂々と、こういうふうにやっていますと言えるはずなんです。 問題は、ナプキンをトイレに置いて、そして使ってくださいという中にも、いろんなコロナ禍での貧困の対策――今困っていることはないですかということで集中してアンケートをやって、困ったら保健室に来てくださいというメッセージもつけ加えてやれるというふうに、今だからこそやれる条件があるんじゃないですか。かたくなに、「児童・生徒からの相談に対応できる体制を整えている」、「今後も個別に支援を行っていく」、一歩も出ないような答弁を――全国がこれだけ広がっているのにどうしてそんなに固執するんですか。(発言する者あり) ◎教育次長(三浦成寿君)  まったくやらないということを申し上げているわけではございませんので、検討してまいりますが、現在、この保健室での受け渡し状況等も、全部ではありませんが、小学校では11校程度、中学校では8校程度聞き取り調査をしておりますが、小学校の中では受け取りに来たというような――全くない学校もありますが、1人の学校が2校、5人ぐらい来られた学校が2校、10人ぐらい来ている学校が3校、15人が2校、20人ぐらい来ている学校が1校ぐらいあります。 また、中学校については20人程度が保健室に受け取りに来ているということで、その中の1校だけ五、六十人は来ているという学校もあります。 そうした中で、受け取りが学校の中では大体子供たちには浸透しているというふうに我々も思っているところでありますので、いかに気軽に相談できる状態を学校の中でつくるかということが、この問題とは離れて、そういう話も気軽に養護の先生とできるような学校の中での体制づくりというのは非常に大事なことでありますので、そういう機会も通して、そういう学校での体制をいかにつくっていくかということを考えるのと併せて、先ほど申しましたようにトイレに配置することについても、これはやらないということではありませんので、しっかりとその両面も併せて検討していきたいというふうに考えております。 ◆15番(大西明子君)  応援団が後ろからもいっぱいおります。やったらいいということです。(発言する者あり) それで、やらないということない、検討していくんだったら、ちゃんと答弁に、「こう体制を整えておりますが、これからも検討をしたい」というのが普通なんです。切って捨てたように「個別に支援をします」、こういう答弁をするので私がしつこく言っているんです。その点、ぜひ検討していくように、改めて強く求めておきます。 時間もありますので、1点目の基地に関する諸問題について再質問させていただきます。 市長は、基地機能の判断基準について、軍事的な機能や能力を評価するのではなく、騒音や安全性と基地周辺住民の生活環境が現状より悪化するかどうかだと答弁しました。これは、基地問題について平成20年3月定例会で、市長はこの基本的な認識を発表しました。 前の市長の井原市政で出している方針なんですが、井原市長のときはCH-53D輸送ヘリコプター配備に係る要請書の中で、従来からの岩国基地機能の今以上の増強は容認できないとする地元自治体の基本方針を認識されて、今後とも下記の事項について十分尊重されることということで要請書を出しております。 1、今以上の航空機部隊の配備については容認できない。岩国基地は固定翼機の飛行場としての機能を有した航空基地であり、その性格を変えるような措置については容認できない。地元住民の生活環境にさらなる悪影響を及ぼすような措置については容認できない。つまり、井原前市長は、ここでは艦載機の移駐など生活環境にさらなる悪影響を及ぼすような措置については容認できないというふうに言っているんです。 福田市長になって、岩国基地機能の今以上の増強は容認できないという、この基本姿勢が大きく変えられたわけです。そのことが、市長になって変わったということが一番大きい問題だというふうに思います。艦載機騒音に関する苦情件数は、福田市長になってから、平成20年に2,038件、前年度の倍になっているわけです。これ、約2倍になったその背景というのは、私は福田市長が選挙で勝利して就任して、そしてこの市長は国と一体だから、米軍はこれまで艦載機移駐をやってほしいから遠慮しておったけれども、これで運用をより一層活発にしたという結果で、この騒音が増えているのではないかと私は受け止めています。 そして、平成29年1月20日、市長は騒音や安全性と基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは容認できない。基地機能の強化は認められない。FCLPの実施は容認できない。この基本方針を示しました。しかし、平成29年3月6日、一般質問に答えて、再検討の結果、基地周辺住民の生活環境が悪化する状態は生じないという見解を示して、3か月後の平成29年6月23日に空母艦載機の移駐を容認しています。 そして、平成31年4月、移駐完了後1年間の騒音の状況を分析、検証し、空母艦載機資格取得訓練、CQなどの米軍の新たな運用等により、移設直前と比べると総じて騒音が増大しており、住民生活に影響を及ぼしていると確認されたと、こういうふうに言っているわけです。 それは当然です。騒音苦情件数は、平成29年に3,543件、30年には5,542件、令和元年には5,118件と大変な件数になっているんです。だから、こういうふうに騒音が増えている状況の中で、何を基準として認められないというのか。その基準を示してくださいと言っているんです。 市長の考え方でどんどん政策が変わってきて、結局艦載機を受け入れて、今、どうなっているかということを私は市長に聞きたいわけです。市長の施政方針が変わったことによってどういうことが起きているのかということを聞きたいので、何を基準に今からこれは認めませんと言われるのか、改めてお尋ねいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  何を基準に、市のほうとして判断していくかのお尋ねでございます。 繰り返しになりますけれども、市のほうとしてのこの判断というものは、市の基本方針として、基地機能を変更する場合に住民の生活環境が悪化するかどうかという観点からということは、繰り返し申し上げているところでございます。 その悪化するかどうかの観点が具体的に何なのかということのお尋ねと受け止めておりますが、基本的には、やはりまず航空機騒音、それから航空機の安全性、こういったものを中心に、これまでもこの空母艦載機の移駐もそうでしたけれども、その前の平成29年1月のF-35Bの機種更新、新たな配備、そのときにもこういった観点を中心に市のほうとしては判断してきています。この判断に当たっては、騒音でいえば変更の前と後を騒音予測コンターの中で比較しながら、悪化しているか、悪化していないか、そういったことを判断してきているわけでございます。 もちろん、騒音だけではなく治安対策とかそういったものも住民生活に影響があるわけですから、そういったことは必ず確認をしてきているわけでございます。 今後も、基地機能の変更がある、そういったことが国から説明があればそういう観点で判断していくという、そういう姿勢でございます。 ◆15番(大西明子君)  新しく機種が変更されたときに、その後で検証するというのは分かります。だけれども、今、市長が言っているのは住民の周辺環境が悪くなったと思ったらそれは認められないという。じゃあ、いつと比べてなのかということを聞いたんですが、山中部長、いいです。 要するに、戦争をするための軍隊が駐留しているんですから、軍事的な機能や能力が大きくなれば、騒音や墜落や事故の危険も大きくなるわけです。それは必然なんです。市長の基本姿勢は、米軍の運用上、必要なことは全て今、ウエルカムで、基地を資源にいろんなことをやっているというふうに、午前中も結構御自慢をされました。しかし、周辺環境の悪化については、申入れをする程度なんです。 そして、軍の運用だからこれ以上は分かりませんという状況が続いているので、市民の不安を払拭していないのではないかということで、次の、(2)満足していない米軍基地の安全対策についてに進みたいと思うんですが、市長は艦載機移駐の影響が少なからずあると、こういうふうに分析しておられますが、私もそう思います。 市長は、子育て日本一を目指し、こども医療費助成事業、妊婦・乳児健康診査事業、障害児総合療養施設設置事業、こどもを守る予防接種事業、学校給食費無償化事業などの他市がうらやむような施策を実施しています。また、児童環境づくり推進室を設置し、未就園児の子育て支援を平成14年から岩国市はしております。 ですから、私は多くの若い人たちが岩国に住み続けたい、子育てをしたいと思っているのではないかと思っていました。しかし、調査したら、特殊出生率は山口県の平均か、それよりも低い状況です。そして、転出・転入についても、毎年600人ぐらい転出が多くなっています。令和2年度の国勢調査で、岩国市の人口は12万9,226人となって、13万人を割り込みました。 こんなにいろいろやっているのに人口が減っていくという背景、これは何だろうかというふうに私は――いろいろあるんだと思います。その一つに、市民の安全・安心に取り組むと言いながら、問題が起きても米軍のそういう運用上の問題だとか、そういうことで対応できない、解決できない。こういった姿勢が不満としてあるのではないか、このように思います。 そして、人口が増えない原因の一つに米軍基地もあるのではないか。こういうふうに思いますが、市長はどのように思われますか。 ◎市長(福田良彦君)  岩国市の人口動態調査というのがありまして、その分析結果を議員各位にも報告させてもらっていると思いますが、先ほど大西議員から岩国市が取り組んできております様々な子育て支援策について――あまり私が述べるとまた自慢していると言われますからそこは避けますが、大西議員から紹介していただきました。 人口動態調査の中では25歳から44歳までの人口層が、過去数年前までは岩国市から市外への流出が顕著でありましたが、こういった岩国市の子育て支援を、今の25歳から44歳の世代に向けて、近年、ターゲットとして強化して情報発信をしてきました。その結果、その25歳から44歳の人口層が岩国にとどまるという改善傾向が見受けられました。 今後も、そういったことをしっかりと――具体的にこの政策は、この世代にターゲットとして知ってもらうということが必要だということで、岩国市のシティセールス、シティプロモーションの観点からも実践してきましたので、議員が御指摘のように、基地問題と絡めてその辺の影響がないというふうに考えております。 ◆15番(大西明子君)  あまり影響がないというふうに考えているということですが、答弁で、岩国基地周辺での飛行訓練実施の緩和や訓練場所の分散、移駐した空母艦載機や外来機を含め、岩国日米協議会における飛行方法や運用時間等に関する確認事項を遵守することなど、航空機騒音の軽減についても要望しておりますというふうに答えているんです。しかし、要望しても実行されているのは実際には少ないんです。 そこで、基地の機能強化がどういうふうに周囲に現れているかということでちょっと質問しますが、市街地の上空は今、盛んに飛んでいます。上空は飛ばないということでありますが、飛ぶのには高度があります。でも、本当にうちの家周辺を低く飛ぶということも経験しておりますし、低空飛行で近隣の市町に迷惑をかけている、これが実際です。中国地方を縦断する、中国山地に沿ったブラウンルートや島根県の西部から広島県北部にかけたエリア567に空対空戦闘訓練、川や道路などの地形をなぞる飛行、そして急降下、急上昇による対地攻撃訓練などが行われて、直下の住民は騒音被害とそして墜落や事故の恐怖に苦しめられているという報告が出ています。 市長のこの基本姿勢が、多くの人々を苦しめる最大の原因になっていることを私は強く叱責したいんです。岩国基地機能の今以上の増強は容認できないという姿勢が変えられたことが、今一番大きく岩国市民にも、周辺自治体の人たちにも負担をかけています。 私は、これは本当に市長は――確かに愛宕山ふくろう公園ができたり、いろんなことができたと朝言われました。そういうものは、岩国市民には恩恵はあるかもしれませんが、周辺の自治体がこんなに苦労しているということを市長は認識をしておられますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  まずは、私のほうでお答えさせていただきますが、岩国基地の航空機が今、議員が御指摘されたエリア567と呼ばれる中国山地、島根県の西部ですとか広島県の北部、この辺りを飛行して、そこで低空飛行する、これを新聞報道等で我々も承知をしておりますが、そういった飛行が見られ、一定程度騒音が発生して住民に不安を与えているということは、我々も承知してございます。時々、地域の住民の方と思われる方からそういった情報提供が市のほうにも寄せられることがあります。苦情の意味もあるかもしれませんけれども、そういった声というのは我々も聞いておりまして、そういったことも貴重な情報提供として受け止めて整理しながら、基地のほうにはそういった声があるということは届けさせていただいております。 ◆15番(大西明子君)  市長は、基地との共存を基本姿勢にしていますけれども、基地との共存はお互い仲よくしようということだから、米軍や米軍当局に毅然とした態度を示すことができないんじゃないかと思うんです。運用上の問題とか、要請をしても突っ込んだ態度が見られない。 これは、市民に被害の受忍を強いることになるんじゃないですか。はっきりと毅然とした態度で、やはりこれを止めるとか、こういうことでやっていますということが示されない限り、市民に被害の受忍を強いることになる。 そして、基地強化への見返りとよく皆、言います。私も言いますけれども、補助金や交付金があります。こういったものをもらうために、米軍や防衛省に毅然とした対応ができない。この繰り返しは、岩国市民に重い負担を強いることになるのではないかとすごく心配しているんです。 だから、基地との共存という姿勢がどういう影響を現しているか。市長は自慢をしていらっしゃいますが、そのツケが住民にどういうふうに現れているかということをもう少し考えていただいて、基地のそういう騒音だとか危険だとかいうものに対して、やはり機能の強化はいけないというのが一番だと思うんですけれども、それを施政方針に掲げていないというのは欠陥だと思います。 安全対策だけを言っても、それはざるみたいに抜けていきますので、しかしそこのところを、市長は市民の安全・安心を守るためには、自分のそういう施政方針がどういう影響を与えているかということをもう一回見直していただきたいと思うんですがいかがですか。 ○副議長(藤重建治君)  時間となりました。 以上で、15番 大西明子さんの一般質問を終了いたします。 28番 松本久次君。 ◆28番(松本久次君)  憲政会の松本でございます。会を代表いたしまして一般質問をさせていただきます。 質問の前に、新型コロナウイルスのワクチンの接種が、この5月から開始されたところでございます。皆さんも御承知のとおりでございますが、私ごとでありますけれども、体験を少しだけ述べさせていただきたいと思います。 この接種券が5月初めに届きまして、集団接種か医療機関のどちらかを選択できるという案内がありました。私は、地域の関係上もありますけれども、集団接種を選択させていただきました。接種の予約に関して申し上げれば、非常に苦労をいたしました。2日間かけて、電話を何回かけたかは恥ずかしいので言いませんけれども、大変な困難が生じたところでございます。今後の対応をぜひともやっていただきたいと思います。 6月5日の接種の当日でございますけれども、非常にスムーズに進みました。接種いたしまして、その後の待機時間、やはり30分ぐらい休んでくださいということでありましたけれども、トータルで1時間余りの時間で接種ができたところでございます。その後も、副反応もなく、こうして元気にいれるということでございます。 そうした状況にできたということで、医療機関での今後の接種、あるいは集団接種に関わられる医師等の医療従事者、職員、また受付などのスタッフの皆さんも大勢いらっしゃいました。そのことによってスムーズに進行できたんだなというふうに申し上げたいと思います。その皆さんに対して感謝を申し上げるとともに、今後についても大変な作業等もあろうかと思いますので、よろしくお願い申し上げまして一般質問に入りたいと思います。 通告順に質問いたします。 質問の1点目でございますが、岩国市農林業振興基本計画についてお伺いいたします。 この基本計画策定の目的につきましては、農林業を取り巻く情勢の変化に対応し、地域資源を生かし、持続的・安定的な農林業を確立できるよう、総合的かつ計画的な施策を展開するために策定されました。2019年度から2022年度までの4か年計画での施策として策定された事業でございます。まだ4か年は経過しておりませんけれども、質問の(1)でございますが、基本計画(2019年度~)達成度を測る指標の目標値の年度別の達成度についてお伺いいたします。 次に、2点目の質問でございますが、森林環境改善事業についてお伺いいたします。 森林経営管理制度に基づきまして、令和2年12月から令和3年1月にかけて、錦町広瀬地区、須川地区、佐古地区と地域を限定して人工林所有者に――188人でございますけれども、経営管理の意向確認の抽出調査を実施しておられます。質問の(1)でございますが、この抽出調査の結果についての状況をお伺いいたします。 次に、3点目でございます。森林環境整備基金積立金についてお伺いいたします。 森林環境贈与税を財源といたしまして、森林整備の推進を目的として基金を積み立てておられます。質問の(1)ですが、基金積立ての目的と活用方法についてお伺いいたします。 次に4点目、地域おこし協力隊についてでございます。 人口減少や高齢化の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域活力活動を行い定住・定着を図ることで地域力の維持・強化を図ることを目的として導入しております。 この地域おこし協力隊について、質問の(1)ですが、採用状況と活動状況についてお伺いいたします。 以上、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、松本議員御質問の第1点目の岩国市農林業振興基本計画についての(1)基本計画(2019年度~)達成度を測る指標の目標値の年度別の達成度についてお答えいたします。 岩国市農林業振興基本計画は、令和元年度から令和4年度までの4か年を計画期間として、岩国市総合計画と岩国市中山間地域振興基本計画に掲げられた「農林業の振興に係る施策」についての具体的な取組を示すものであります。 この計画には、農林業を取り巻く情勢の変化に対応し、地域資源を生かした持続的・安定的な農林業を確立できるよう、総合的かつ計画的な施策を展開することを目的として、3つの施策の柱を定めています。 具体的には、「農林業を支える担い手づくり」「活力ある農山村づくり」「自然環境の保全」の3つの柱ごとに、それぞれの現状と課題に沿った施策目標や基本方針を定め、その達成度を測るための26項目の指標を設定しているところであります。 それでは、令和4年度の目標値に対しまして、令和元年度と令和2年度の実績の主な項目について御説明いたします。 まず、「農林業を支える担い手づくり」のうち、地域を支える担い手の確保・育成の指標としています1年間の新規就業者の数でありますが、農業については年間目標値10人に対し、令和元年度が6人、令和2年度が14人、林業については目標値7人に対し、令和元年度が4人、令和2年度が9人であり、令和2年度においては農業・林業ともに目標値を上回っております。 また、経営体の育成・支援の指標であります中心経営体の経営面積でございますが、目標値834ヘクタールに対し、令和元年度が733ヘクタール、令和2年度が583ヘクタールとなっていますが、集落営農法人の延べ数は、目標値13経営体に対して、令和元年度が11経営体、令和2年度が16経営体と、令和2年度は目標値を上回っているところであります。 次に、「活力ある農山村づくり」のうち、需要に応じた農林産物の生産振興の指標としています、レンコンの共販出荷量は、目標値250トンに対し、令和元年度が154トン、令和2年度が146トン、栗の共販出荷量は、目標値60トンに対しまして、令和元年度が13.2トン、令和2年度が32.8トン、ブランド米の出荷量は、目標値1,000トンに対し、令和元年度が654トン、令和2年度が422トンとなっております。 次に、民有森林施業面積については、目標値246ヘクタールに対し、令和元年度が164.8ヘクタール、令和2年度が163ヘクタール、搬出間伐面積につきましては、目標値140ヘクタールに対し、直近の数値である令和元年度が102.2ヘクタールとなっております。 また、農林産物の商品力強化と地産・地消の推進の指標であります優良木の家着工戸数は、目標値25件に対し、令和元年度が2件、令和2年度が7件となっております。 このほか、農林業生産基盤の整備についての指標であります農業生産基盤整備数は、目標値18地区に対して、令和元年度、令和2年度ともに15地区、林道密度は、目標値1ヘクタール当たり5.58メートルに対して、令和元年度が5.57メートル、令和2年度が5.58メートルとなっております。 そして、農山村の生活環境の向上についての指標であります中山間地域等直接支払交付金協定面積は、目標値710ヘクタールに対して、令和元年度が710ヘクタール、令和2年度が640ヘクタール、多面的機能支払交付金協定面積につきましては、目標値800ヘクタールに対し、令和元年度が658ヘクタール、令和2年度が612ヘクタールとなっております。 また、有害鳥獣による農林産物の被害額は、目標値3,000万円に対し、令和元年度は3,201万2,000円、令和2年度は2,728万円と被害額の軽減が見られ、また、イノシシの捕獲頭数は、目標値1,300頭に対し、令和元年度が916頭、令和2年度が1,310頭となっており、有害鳥獣の捕獲対策が進んでいるものと考えられます。 最後になりますが、「自然環境の保全」のうち、多面的機能の維持・強化の指標であります治山ダム等の整備数でありますが、目標値12地区としていますが、平成30年7月豪雨の影響を受け、令和2年度現在においてゼロ地区となっており、まだ目標値を達成していない状況にあります。 また、自然環境保全の担い手の確保・育成についての指標である森林活動に取り組むボランティア団体数は、目標値7団体に対し、令和元年度及び令和2年度ともに7団体と目標値を達成しています。 これらの指標の達成状況につきましては、令和元年度は5項目、令和2年度は10項目において目標値を達成しておりますが、いまだ目標値を達成していない項目もあるところであります。 今後の取組としましては、今年度を含めた2か年において、新規就業相談会の開催をはじめ、岩国戦略作物生産拠点整備事業や岩国産木材搬出流通促進事業を実施しつつ、関係機関との情報共有や連携を図ることにより、目標値の達成を目指してまいります。 農林水産業は、中山間地域の振興には欠かせない主要な産業であり、市としましては、本市の地域資源や特性を生かしながら、魅力的でやりがいのある持続可能な産業とするため、引き続きその振興に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  第2点目の森林環境改善事業についての(1)山林の抽出調査の結果についてお答えいたします。 平成31年4月1日から、適切な管理が行われていない森林について、市町村が仲介役となり森林所有者と担い手をつなぐシステムを構築し、適切に管理していくための森林経営管理制度が始まりました。 この森林経営管理制度に基づき、令和2年12月から令和3年1月にかけて、錦町広瀬地区、須川・佐古地区の一部の人工林の所有者の方188人に対し、経営管理の意向を確認するための意向調査アンケートを実施しました。 アンケートの結果は、回答がなかったのが136人で、そのうち宛先不明が84人ありました。 回答をしていただいたのは52人で、1つ目の「対象の山林が御本人の所有かどうか」という質問については、自身の所有であると認識されている方が最も多く、46人となっています。 2つ目の「対象の山林の管理や手入れをされているかどうか」という質問については、特に管理も整備もしていないとの答えが最も多く、45人となっています。 また、3つ目の「過去10年以内の整備をしているか」という質問については、分からないとの答えが最も多く、37人となっております。 4つ目の「今後の経営や管理についてどのように考えているか」については、市に経営や管理を委ねることについて検討したいとの答えが最も多く、34人となっております。 次に、3点目の森林環境整備基金積立金についての(1)基金積立ての目的と活用方法についてですが、森林環境整備基金は、森林環境譲与税を財源として積み立てるもので、森林の整備に関する施策や森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用の促進等の森林の整備の促進に関する施策に要する費用に充てるために設置しております。 なお、市に配分される森林環境譲与税については、私有林人工林面積割が50%、林業就業者数割が20%、人口割が30%の割合で配分されております。 市では、現在この森林環境整備基金を、森林経営管理事業や木材の搬出促進につながる岩国産木材搬出流通促進事業費補助金、岩国産木材市産市消促進事業費補助金などの財源として積み立てておりますが、今後、この基金を活用し、さらに森林の整備促進につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎市民生活部長(小玉陽造君)  第4点目の地域おこし協力隊についてお答えします。 (1)採用状況と活動状況についてでございますが、地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地域を対象とし、都市部から使命感を持って転入してこられる人材によって、地域おこし活動の支援や農林水産業の支援、また住民の生活支援などの地域協力活動を行い、あわせてその地域への定住・定着を図りながら地域の活性化に貢献するものでございます。 総務省では、令和2年度時点において、全国で約5,500人の隊員が活動されていますが、令和6年度には8,000人まで拡充するという目標を掲げております。 現在、山口県内では63人の隊員が活動しており、本市におきましては、本年6月1日に新たに着任した2人の隊員を加え、4人の隊員が各地域で活動を行っております。 各隊員の活動内容について御紹介いたします。 美和地域の隊員は、弥栄湖を中心とした観光振興支援をメインの業務として、地域資源の発見やウェブ等による魅力発信を担っております。このほか、空き家情報登録制度の利用促進パンフレットの作成や、移住希望者による空き家見学への同行など、移住・定住対策にも取り組んでいるところでございます。 本郷地域の隊員は、地域団体の活動支援をメインの業務として、企業組合山代の里におきまして、特産物の加工、商品開発等の支援に取り組んでおります。 また、本郷山村留学センターの子供たちと協働で農地を整備し、野菜作り等も行っているところでございます。 新たに着任いたしました2人の隊員についてでございますが、1人の隊員は錦地域へ派遣いたしました。主なミッションとして、豊かな自然を体感できるアウトドアのアクティビティに携わりながら、多様な観光コンテンツの磨き上げと情報発信、来訪者と地域住民との交流の促進を図り、グリーンツーリズムをより魅力的なものに向上させ、関係人口の増加につながる取組を推進しております。 もう1人の隊員は、北河内地域へ派遣いたしました。主なミッションとしては、地域の人口減少問題に取り組む人材として、新たな人の流れを生み出す地域行事の企画、デュアルライフを楽しむ人をターゲットにした取組、また婚活支援による定住人口の増加を目指しております。 このように各地域の課題と向き合い、地域の活性化に寄与する地域おこし協力隊への期待感は年々高まっていることから、本市では要望を受けまして、さらに4人の隊員の派遣を計画しております。 追加派遣を予定している地域と主なミッションは、柱島群島において、農業及び地域活動支援員として2人、美川地域において、観光資源の再構築等で1人、美和地域において、岸根栗を中心とした農業振興支援として1人を募集しているところでございます。 コロナ禍にありまして、地方への移住に関心が高まっている中で、引き続き地域活動の担い手となる意欲ある人材の確保と育成、また、多様な地域活動への支援に取り組んでまいります。 なお、本市では、任期を終えた地域おこし協力隊員7人のうち4人が、退任後も市内に残り生活しておられます。 市といたしましては、今後も多くの隊員が退任後も岩国市内に定住し、地域のリーダーとして継続的に活動できるようサポートを充実してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆28番(松本久次君)  それでは、通告順を変えまして、初めに、今御答弁をいただきました地域おこし協力隊についてから再質問をさせていただきます。 今年度、新規採用が2人、錦地区と北河内地区に派遣されております。これは、臨時職員なのか業務委託なのか。臨時職員扱いなら行政機関にタイムカード、日誌等をつける必要があると思いますけれども、行政機関の業務時間外の仕事もあり、大変不便だとの声も聞いております。また、業務委託なら自己責任で活動ができ、活動時間も自由だと聞いておりますけれども、いかがかお伺いします。 ◎市民生活部長(小玉陽造君)  議員御指摘のとおり、本市の地域おこし協力隊員は、週29時間の会計年度任用職員でございます。毎日の活動内容につきましては、業務日誌での報告をしていただいているところでございます。 なお、地域のイベント、会議等で休日・夜間に業務が及ぶ場合がございますが、そういった場合には業務時間の調整を行っているところでございます。 隊員の活動は、地域住民との信頼関係がとても大切であることから、本市では市との雇用契約を結びまして、服務規律そして活動規律を十分確保する必要があると考えておりました。 一方、本市と雇用関係のない業務委託とした場合には、確かに自由度が高く活動しやすくなる側面もございますが、個人事業主という立場での活動になるため、隊員の責任負担が大きくなる側面があります。 このような状況を踏まえまして、これまで本市では、より地域で活動しやすいのは総務省の推奨しております会計年度任用職員での任用と考えてきたところでございますが、今後につきましては、任用形態についてもさらに研究をいたしまして、より活動しやすい環境という観点から考えてまいりたいと思います。 ◆28番(松本久次君)  臨時職員扱いということですが、お話をいろいろ聞いておりますと、非常に縛られる状況に――朝、職場に出勤して、帰りは日誌を書かなければいけないということで、本来の地域おこしの業務に支障を来す、そういうようなことがあるようにも聞いております。 ただ、それは本人を把握するためには決して悪いと言っているわけではございませんので、御理解をいただきたいと思います。 今回、新規に2人採用したということでございますので、やはり地域に定住していくということの中から、出発点は非常に大切だと思うんです。例えば受入れ環境も大切でありますし、行政との関係も非常に大切でございます。 そういった意味で、受入れに対して、派遣する地域の関係者との協議等はしておられるのかお伺いします。 ◎市民生活部長(小玉陽造君)  議員御指摘のとおりでございまして、地域おこし協力隊員が活動していくに当たりましては、地域の受入れ態勢、受入れ環境整備が大変重要でございます。 本市におきましても、この事業実施当初は、隊員が着任後に、関係先とのコミュニケーション、コンセンサスに関して大変困惑した事例というのがございました。地域おこし協力隊の派遣決定に当たりましては、前段階での地域コンセンサスづくりが非常に大切であるということを学びまして、現在は、隊員の採用に当たりましては、地域の関係先とも調整を重ねまして、隊員の活動に協力が得られるような体制づくりを行っているところでございます。 ◆28番(松本久次君)  しっかりとそのあたりを協議していただきたいと思います。 これまで、地域おこし協力隊員の方については、任期の終了後に定住される方、他市に移行される方等々ありますけれども、任期が終了後、業務として行っていたものをそのまま継続でやっておられるのか、他の職業に就いているのかをお伺いします。これまでの例でお願いします。 ◎市民生活部長(小玉陽造君)  これまでの隊員でございます。 7人の退任者のうち、4人が任期中の業務の延長で起業や就業を行われています。 そのほかの3人につきましては、他の自治体に行かれまして、別の地域おこし関連事業、それから地域おこし事業、その他、全く別の会社に勤められた方もおられますが、3人につきましては市外でそれぞれ御活躍されていると聞いております。 ◆28番(松本久次君)  採用された約半分が定着ということになろうかと思うんです。 他市・他町の事例を見ましても、非常に定住率が低いということもあるんですけれども、その原因は先ほど来申し上げていますように、地域とのコンセンサスが非常にうまくいっていない。自分が思った地域と違っていたとか、そういうことが主に挙げられているというふうに思っています。 これは非常に難しい問題ではありますけれども、先ほど申しましたように地域とのコミュニケーション、それから行政がどこまで関わるのか。例えば、市の業務をさせるのかさせないのか、そういうのを含めて、非常に難しいなというふうに思っています。 今後、そういったことを含めて、しっかりと地域おこし協力隊員の方が定住できるように頑張っていっていただきたいというふうに思っております。 以上で、この件につきましては終わります。 それでは、農林業振興基本計画についてお伺いいたします。これは時間の都合上、全部再質問するわけにはいきませんので、ある数点をお伺いいたします。 農林業を支える担い手づくりの新規就業者について、農業では、年間目標値10人に対し、令和元年度が6人、令和2年度が14人、林業については、目標値が7人に対し、令和元年度が4人、令和2年度が9人との答弁でございました。年間目標値の設定根拠となる令和元年度から令和2年度の実績を比較すると、年間目標値を大幅に上回っております。その要因と就業先についてお伺いします。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  まず、最初に農業のほうでございます。年間目標の設定につきましては岩国農林水産事務所、また農協等の関係機関との協議、過去の実績などから算出をしております。令和2年度の増加の要因としましては、当該年度に新たな法人が3法人ほど設立されまして、その3社に6人の方が就業されております。 林業につきましては、これも岩国農林水産事務所、農協等との協議や過去の実績で目標の設定をしておりますが、令和2年度については森林組合が7人、その他の林業経営体が2人の方が就業されております。最も伸びがよかった森林組合に尋ねましたところ、新規事業の取組を今、考えておられまして、この新規就業者が定着するために2週間にわたり内部で多様な研修を受けていただいた。その上で採用したので、仕事のイメージとのマッチングができたのではないかというふうにおっしゃられておりました。 ◆28番(松本久次君)  目標値を大幅に上回ったということで、非常にうれしいことでありますけれども、これについては、引き続いて定着をお願いしたいと思います。 次に、活力ある農山村づくりということで、生産振興の指標のうち、活力ある農山村づくりについてのレンコン共販出荷量の目標値250トンに対して、令和元年度が154トン、令和2年度が146トン、栗の共販出荷量は、目標値60トンに対して、令和元年度が13.2トン、令和2年度が32.8トンという御答弁でございました。 この目標値に対して、令和2年度の達成度にちょっと乖離があると思うんですが、目標値設定の根拠となし得なかった理由についてお伺いします。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  この目標値の設定につきましては、県、市、農協、地域農家等で構成します農林漁業農山漁村振興協議会、ここで作成をします岩国地域農林漁業農山漁村振興計画、これの数値と整合性を図りながら、各作物の栽培面積や過去の実績等を考慮して設定をしております。 まず、レンコンについてでございますが、令和元年度、2年度の達成度が低い要因といたしましては、これは天候不順による収量の低下によるものというふうに分析をしております。これは、ちなみにでございますが、平成29年度は232トン、平成30年度は261トンとなっておりまして、このときは設定した目標値にほぼ近いものになっております。 続きまして、栗についてですが、この達成度が低い理由としましては、木が古くなってきたので収量が減ってきたということも要因とは思いますが、一番大きな要因としましては、岸根栗が非常に今、人気が出ておりまして、生産者の方が独自に販路を開拓されて共販への出荷が減ったのではないかというふうに考えております。 ◆28番(松本久次君)  今、岸根栗の話がありました。共販の出荷が少なくなったということもありますし、岸根栗については大変好評で、私も大好きでいろいろなケーキ類を買って食べておりますけれども、そういう背景があるということでもありますけれども、ここで販路を広げていくということでありますので、その辺の調整というのはしないわけですよね。もう、やりなさいと、自分でやれる人はやりなさいよということでいいんですか。こっちの目標値が下がるわけですから、下がってもいいということでの考え方でいいんですか。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  ちょっと難しい問題だと思います。 農家の方は、高く売れるとかいろいろな目的があって独自で販路を広げておられるというのは、収入的にはよろしいんではないかという気もしますが、今、共販ということでの振興計画での数値に対しては下がるということになりますと、岸根栗がこれだけ売れたということで考えますと、決して売れていないわけではなくて人気があるということにはなると思います。この辺をどういうふうに今後は目標設定する上で考えるかというのは、ちょっと検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆28番(松本久次君)  いずれにいたしましても、岸根栗は岩国の名産品としてこれからも取り上げられますし、大きく伸びていっていただきたいというふうに思っていますので、そのあたりはまた協議をしていただきたいというふうに思います。 それでは、林業振興についての再質問でございますけれども、民有森林施業面積について、目標値246ヘクタールに対しまして、令和元年度164.8ヘクタールということで、達成率がこれも低かったわけでございますけれども、この令和2年度の状況がもし分かればお願いします。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  まず、目標値でございます。平成26年度から平成29年度の市の一般民有林造林事業費補助金の交付をした対象の面積の平均で、施業の面積を今、設定しております。 令和元年度より令和2年度の実績のほうが目標に達していないというのは、下刈り業務の実施面積が減少しているということが要因に挙げられます。下刈りは、植栽をした苗木が育ちやすいように、一定期間、小さい間は下層部に生える雑草や雑木を除去する作業を行うわけですが、成長の一定期間を過ぎますと実施はされなくなってまいります。そういったことで、補助金の申請上の数値だけでいいますと、造林面積が大きく増えていないということもありますので、その後に行う下刈りの実施面積も減少しているということが考えられます。 ◆28番(松本久次君)  いずれにいたしましても、この農林業振興基本計画自体が、今の農林業の状況に即しているかどうかというのは非常に難しいとは思うんですけれども、目標値に達成しなかった項目等もありますけれども、今後まだ、もう2か年ありますので、非常に厳しい状況の中でやっぱり見直す部分、またそのままでいいとか、これはこういうふうにしたほうがいいとか、そういうことがあればしっかり検証していただいて取り組んでいただきたいということをお願いしておきます。 次に、質問2の森林環境改善事業についてお伺いいたします。 山林の抽出調査の結果についてでありますけれども、山林の管理や手入れをしている中で、対象者52人中、管理も整備もしていない45人、今後の経営管理については市に委ねたいが34人、回答がなかったのは、これが多くて136人で、そのうち宛先不明が84人と、現在の森林状況がかいま見える調査結果だというふうに思っています。 マスコミの報道の中にもありましたけれども、所有者と協定を結び、業者に間伐を委託する事業を始める。また、森林の維持管理を強化すると掲載されておりましたけれども、調査状況を考えますと大変厳しい状況下での取組ということになろうかと思います。 それについて、具体的な考えがあるのかどうかお伺いします。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  この事業の対象は、森林組合の組合員以外の方となっておりまして、そのアンケートの結果については御指摘のとおりでありまして、回答がない方がとても多く、相続登記がされていなければ森林所有者の特定が困難な状況ではあります。 しかし、まずは今回、アンケートにお答えいただいた方の山林に関する調査をさらに行った上で、当事業は進めてまいりたいというふうに考えております。 今後は、令和2年度に市が行ったこのアンケートにおいて、市に経営や管理を委ねることについて検討したいと回答された方のうち、林業経営体が管理している山林を省いて山林の調査を行う予定としております。 さらに、この調査の結果、市が災害等発生のおそれがあるからということで、早期に間伐を実施する必要があると判断した山林については、間伐が可能な山林について、市が山林所有者と協定を結んで、間伐を実施するというふうに予定しております。 ◆28番(松本久次君)  今の答弁にもありましたけれども、市に委ねたいと回答された方は、非常に困っている状況だろうと思うんです。 いろいろな情報や相談が私どもにございますのは、やはり市にもう買ってもらいたいんだと、市に売るというのは今の状況は非常に難しいかもしれませんけれども、そういった意味で無償でもいいから譲渡をして森林管理を市に託していきたいという林家の方もいらっしゃいます。 やはりこれは、非常に大切なことで、このまま放っておけば、先ほど来のアンケートにあるような所有者が分からないというような森林がたくさん出てきます。そうすると、当然森林が荒れて環境も悪くなりますし、災害の発生にもつながるということになろうかと思うんですが、そのあたり――お答えはできないかもしれませんが、市でそういう希望のある方に対して譲受け、いわゆる購入をするという考えはありますか。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  実情は、今、議員が御指摘されたような方がたくさんいらっしゃるのであろうと思います。 また、所有者が分からないところについてどうするということが、なかなか譲渡というような話まで結びつくのは法的な問題がいろいろあると思います。 それと、個人でなかなかできない方については、先ほどから申し上げておりますこういったいろいろな制度を使ってやっていくということが、まず基本ではなかろうかと思います。ただ、なかなかそれにも乗れない方、いろんな方がいらっしゃると思いますので、そういった方も含めて、今回のアンケート調査により実態をいろいろ把握しながら、いろんなものが今から先に見えてくるんではないかというふうに思っております。 ちょっと今、結論的な話はなかなかしづらい面がありますけれども、実態は今、おっしゃられたようなことがやっぱりあるのであろうというふうに思っております。 ◆28番(松本久次君)  森林については、戦後の国の政策で、いわゆる杉、ヒノキを植えて、これが非常に経済を潤してきた。そういう時代もあります。我々が子供の頃にもそういった関連の仕事をされる方がたくさんいらっしゃいました。今は、残念ながら世界の情勢も変わって、森林の木材の価格の低迷ということもあって、非常に搬出、いわゆる木材を切って出すということが困難な状況にもなっております。 考えてみますと、やはり今、市が買ってそれを整備するということが一番理想とは思うんですけれども、やはり、もう調査しても分からないという状況がたくさんあると思うんです。当時、小さい山にたくさん持ち主がいて、境も分からないというようなことがありましたので、しっかりまた調査をしていただいて、今後の方向を示していっていただけたらというふうに思います。 最後の質問でございますけれども、それでは3点目の質問で森林環境整備基金の積立金でございますけれども、用途についてはお話がありました。我々が、活用していただく中で森林に関して言えば、間伐が一番遅れているということだろうと思うんです。 昔の話をしてはいけないんですけれども、木材を積んだトラックが大変たくさん、この錦川流域を行ったり来たりしていたときもあります。今は、そういう状況はほとんどないということで、そうした活用状況はいろいろ、先ほど答弁がありましたけれども、1億6,000万円でしたか、これをばらして使うと非常になかなか効き目が薄いといいますか、そういうような気もいたします。 やっぱり、目標を決めて、年度も決めて、それに向かって予算をそこにつぎ込むというような方法も、この基金ということから考えればできるんじゃないかというふうに思いますけれどもいかがでしょうか。 ◎農林水産担当部長(沖田通浩君)  今、御指摘がありましたように、年間約1億6,000万円とか7,000万円という金額が譲与税として今、入ってきておる状況であります。 これについては、木材の利用促進、森林の整備ということに対して使うということで、今、市のほうでは一旦積み立てる――積み立てることが目的ではないんですけれども、一旦積み立てるということにしております。幾ら積み立てようという目標値があるわけではないんですけれども、一旦は積み立てて、それを使うものによって取り崩しながら使うということにしております。 これは、令和2年度に、既に森林経営管理事業に約570万円を使っております。あと、高照寺山グリーンパークの管理道の舗装事業に約120万円を使っております。あと、岩国産木材市産市消促進事業費の補助金のほうに140万円、これを基金から取り崩して使っております。 令和3年度については、これは今の時点では予算ベースでありますが、森林経営管理事業に約2,500万円、森林環境改善事業に約2,170万円、岩国産木材搬出流通促進事業費補助金に1,000万円、高照寺山グリーンパークの管理道舗装事業に約130万円、岩国産木材市産市消促進事業補助金に400万円を計上しておりまして、この実施した事業費について基金から取り崩して使用するというふうに予定をしております。 今後の活用については、こういったように令和3年度の実施予定の事業も継続しながら、今後は森林整備に必要となる林道の維持補修事業であるとか、公共建築物の木材利用についても関係各課と協議しながらこれを使用していくということで検討してまいりたいというふうに思います。 ◆28番(松本久次君)  これは木材の活用ということで、間伐をしてまたその木材が成木になったときに切って出すというのが順序であると思うんですけれど、その前に下刈りとかいろいろあります。 せっかく成木になって――成木という言い方はちょっと変かもしれませんけれども、岩国市の公共施設、今から考えられる、建築をされる公共施設が何点かあります。それについて、市長は多分、お考えだろうと思いますけれども、そうした地元産の木材を公共施設に取り入れていかれるのか。市長にもし、お考えがあればお伺いします。 ◎市長(福田良彦君)  これから予定している公共施設等につきましては幾つかございますが、現在もう設計の段階に入っていると思うんですが、教育委員会所管になりますが、中央公民館のほうに市の木材を使ってもらいたいという、その辺の項目を入れて業者が選ばれるというふうに理解をしております。 そのほか、また今後具体的になればそういったことももちろん――建物の仕様にもよりますが、可能な限り地元産の木材を使うように、そこは指示をしていきたいというふうに考えております。 ◆28番(松本久次君)  岩国市は80%以上が森林ということでもありますし、当然、森林の町としてもそうした公共施設を地元産の木材で建築をされるということは、非常に木材関係にとってもいいことだというふうに思っております。ぜひとも1件と言わずに、これから将来考えられる分については取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 以上で、一般質問を終わります。 ○副議長(藤重建治君)  以上で、28番 松本久次君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時56分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時20分 再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 24番 山本辰哉君。 ◆24番(山本辰哉君)  同志会、山本辰哉です。通告に従い壇上から質問いたします。今回は通津沖工業団地、猫の助成事業1年間の実績、航空ファンが訪れる岩国基地周辺の状況、これら3点についてお伺いいたしたいと思います。 まずは1点目の通津沖工業団地の利用状況と交通インフラについてですが、(1)敷地の使用状況等についてお伺いいたします。 現在、工業団地では、防衛装備庁艦艇装備研究所の試験評価施設が建設中であり、本年9月ごろに運用開始予定となっています。この施設の完成により、工業団地はほぼ埋まったように思われます。 今後の企業誘致を見据え、敷地の使用状況や企業数など、産業振興の観点から現在の状況をお伺いします。 続いて、(2)緊急時等の工業団地外への移動経路についてお伺いします。本工業団地は南北に約2キロメートルの長さを有した工業団地ですが、出入口は北側に1か所しかありません。現在、工業団地に勤務される多くの方は車で通勤されています。例えば、想定される南海トラフ地震や、それに伴う津波、あるいは車両事故等による通行止め、こういった事態が発生した場合、出入口が1か所というのはいかがなものでしょうか。 遡ること約二十数年前、まだ8市町村が合併する前の話になりますが、当時の岩国市と由宇町で、由宇側にも出入口を設けようといった話があったことを石原議員から聞いておりますが、現在そのような話があるのかないのか、あるいは来年度のまちづくり実施計画に予定されているのか、現状をお伺いします。 次に、スタートから1年が経過した飼い主のいない猫の不妊・去勢費用の助成事業についてですが、まずは(1)として、これまでの事業実績の詳細をお知らせください。 そして、(2)それらを精査した結果から、どのような問題、また課題が見えてきたのか、今後の事業内容の改善等も含めお示しください。 次に3番目の航空ファンが訪れる岩国基地周辺の状況についてお伺いします。昨年の9月定例会では何となく不完全に終わってしまいましたので、今回改めて少々違った角度からお尋ねしてみようと思います。 まずは、(1)岩国基地の所属機と飛来する外来機についてお伺いします。 本年3月12日にF-22ラプター6機が岩国基地に飛来し、4月12日に帰還しました。この間、最新鋭のステルス戦闘機を一目見ようと、多くの航空ファンが岩国基地の滑走路が見える場所を訪れました。現在、岩国基地へはF-22に限らず、他の基地から頻繁に外来機が飛来している状況でありますが、市はこういった状況を把握しておられるのか。把握しているのであれば、岩国基地の所属機と併せて、その主な機種、飛来の多い航空機、そして航空ファンの関心の高いと思われる航空機をピックアップしてお示しください。 続いて、(2)米軍機等の観察や写真撮影を目的に訪れる方々についてお伺いいたします。 岩国基地に飛来する外来機により、騒音の発生等、住民生活への影響を考えれば、飛来が必ずしも好ましいものではないということは言うまでもありません。しかし、岩国基地の所属機や外来機を目的に、せっかく岩国を訪れる方がおられるのなら、観光客と同じ位置づけで、より多くの方に来ていただけるように、また岩国によい印象を持って気持ちよく帰っていただきたいと思うわけであります。 航空ファンにとって岩国基地は、多種多様な航空機を見ることができる大変魅力のある米軍基地です。岩国基地で運用される航空機を目的とした訪問者を市としてどのように認識しておられるのか。歓迎するのかしないのか、お伺いします。 続いて、(3)観光資源として岩国基地を活用することについてお尋ねしたいと思います。 毎年5月に開催される日米親善デーは、市内外から15万から20万人の人出がある市内最大級のイベントです。米軍基地を観光資源として捉えることには賛否があると思いますが、この日米親善デーは年に一度の基地開放デーとして、日米の友好と親善に大きく貢献するイベントであり、多くの市民が肯定的に受け止めておられるものと私は考えています。残念ながら新型コロナウイルス感染症対策で、2年連続の中止にはなりましたが、これだけ多くの人が訪れるのは、米軍基地やジェット戦闘機などの航空機に多くの人を引きつける魅力があるからだと思います。 そこでお尋ねしますが、日米親善デーだけではなく、平素から多くの航空ファンが訪れている岩国基地を一つの観光資源として積極的に活用し、より多くの方々に岩国に来てもらえるような取組を行う考えはないのかお伺いします。 以上、壇上からの質問といたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、山本議員御質問の第3点目の航空ファンが訪れる岩国基地周辺の状況についてお答えします。 まず、(1)岩国基地の所属機と飛来する外来機についてでありますが、議員御案内のとおり、岩国基地に所属している航空機のほかにも、米軍をはじめ、航空自衛隊や海上自衛隊など、他の基地に所属する航空機、いわゆる外来機が岩国基地に飛来しております。 市におきましては、外来機の飛来に関し、米軍機の運用に係る情報収集の一環として、その把握に努めております。 外来機に関する情報収集は主に基地情報提供協力員や職員等の目視で行っており、物理的に全ての飛来が把握できる状況ではありませんが、航空機の機種や飛来した日数など一定の情報を把握、整理し、市民や報道関係者からの問合せ等に活用しております。 今年3月から4月までの間に、F-22が6機飛来した際には、3月31日に岩国基地内でルイス司令官と意見交換を行い、F-22を含む外来機の飛来に関する情報の取扱いについて確認をするとともに、駐機している機体の視察を行いました。また、その時の状況については、岩国市の「ちかくに いわくに」のフェイスブックに掲載しております。 市で把握している外来機の飛来の状況ですが、航空ファンの関心が高いと思われる機種としては、F-22をはじめ、F-15、F-16、F-35Aなどのジェット戦闘機が飛来しております。また、昨年12月のB-1B爆撃機の飛来も記憶に新しいところであります。 そのほかでは、C-17輸送機、C-40輸送機、P-8A哨戒機などの米軍機はもちろんですが、米軍チャーター機のボーイング747、MK-58ホーカーハンターなどの民間企業の航空機も飛来しております。飛来する回数として最も多いのはオスプレイでありまして、普天間基地からMV-22、横田基地からCV-22、陸上自衛隊の木更津飛行場からV-22が飛来しており、あくまでも市の集計でありますが、昨年度飛来した日数の合計はこれらを合わせ49日になります。 また、岩国基地の所属機については、議員も御承知とも思いますので、詳しくは申し上げませんが、海兵隊のFA-18、F-35B、KC-130など、海軍の空母艦載機のFA-18スーパーホーネット、EA-18Gグラウラーなど、そして、海上自衛隊の救難飛行艇US-2、電子戦データ収集機のEP-3、OP-3Cなどが所属しております。 次に、(2)米軍機等の観察や写真撮影を目的に訪れる方々についてでありますが、岩国基地の所属機や外来機を観察したり、写真撮影することを目的に、市の内外から、岩国基地周辺を訪れる方々が多くおられることについては、市においても承知しております。今年の3月から4月までの間に、F-22が飛来した際には、その期間、日米親善デーを思わせるほどのたくさんの航空ファンの方々が、滑走路が見渡せる、みすみクリーンセンター沖の周辺を訪れておられました。3月23日には、みすみクリーンセンターの業務に支障を来すほどの混雑が生じたため、岩国警察署により交通規制が行われるなど、市の業務や住民生活への影響が一部で見られたところであります。市としましては、外来機の飛来を含め、米軍の運用に関しては反対する立場ではありませんが、それに伴う市民の不安や騒音等の影響が懸念される場合は、国や米軍に必要な要請を行うなど、適切に対応しております。 先ほど申し上げたとおり、市では外来機の飛来情報の把握に努めておりますが、外来機の飛来と航空ファンが岩国を訪れることについては、関係があるとは言え、基地対策上、全く性質の異なる問題と捉えております。 航空ファンを歓迎するのかしないのかとの御質問ですが、岩国を訪れる航空ファンの多くは、騒音等の問題とは関係なく、純粋に航空機に関心のある方々であると思います。市としましては、そうした方々も含め、岩国を訪れる全ての方を温かく迎えたいと思っております。 ただ、基地周辺は、観光地のように人が集まることを想定して整備された場所ではなく、住民の生活区域と隣接していることから、お越しになる際には、交通安全を守り、住民への迷惑となるような行為は慎んでいただきたいと考えているところであります。 最後に、(3)観光資源として岩国基地を活用することについてでありますが、これまで答弁したとおり、岩国基地周辺に多くの航空ファンが訪れていることは、航空ファンにとって、多くの種類の航空機を見ることができるという魅力が岩国基地にあることにほかならないと思います。 航空ファンを引きつける魅力に着目した発想から、岩国基地を観光資源として活用することについては、当事者である米軍及び自衛隊等の連携も必要であり、現時点において、多くの課題があると認識しております。 岩国基地は軍事施設であり、また航空機も一定の任務を果たすため飛行しており、本来、航空ファンをはじめ、訪れる人に見せるために存在するものではありません。岩国基地は、我が国の国防や安全保障上の必要から国が設置したものであり、また、基地の性質上、セキュリティの確保が最重要であることを理解しなければなりません。 岩国錦帯橋空港に就航する全日空機で、米軍基地のセキュリティ保全のため、岩国基地内通過中の写真・動画の撮影が禁じられているという内容の機内アナウンスがあるのもそうした理由によるものであります。 山本議員におかれましては、以前、市議会の一般質問の中で、「前基地司令官から、「今津川の船だまり周辺で撮影するのを控え、日米親善デーで思う存分撮影して欲しい」旨の話があったが、航空ファンとしては「さあ、どうぞ撮影してください」といった状況ではあまり気持ちが高ぶらない」とも述べられておられました。この言葉の中に、航空ファンの心理が表われているようにも感じるところですが、基地のセキュリティに関して、基地司令官が大変気を遣っておられることは議員も御承知のことと思います。 市としましては、航空ファンの心理も理解しながら、また、周辺の状況を見ながら、訪れる方々と迎える側の双方に支障や混乱が生じないよう、可能な限りの対応をしてまいりたいと考えております。 また、議員御案内のとおり、毎年5月5日に開催される日米親善デーでは、基地を一般開放し、航空機の地上展示やデモ飛行、飲食物の販売や日米交流の催しが行われます。日米親善デーは、錦帯橋の花火大会と並ぶ1年に1度の市内で最大のイベントであることは誰もが認めるところであり、市民はもとより、市外からも多くの人が訪れており、日米の相互理解と親善を深めております。市としましては、今後も主催者の米軍や海上自衛隊と連携し、このイベントを全国に発信してまいりたいと考えております。 最後になりますが、御承知のとおり、市におきましては、海上自衛隊の広報館としての飛行艇ミュージアム(仮称)の整備を国に要望しており、その場所として、提供区域内に2か所の候補地を提案しております。将来的に、整備された暁には、岩国基地や航空機に関係する観光資源として積極的に活用され、ミュージアムの周辺で見られる航空機との相乗効果で、多くの航空ファンが訪れることとなると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  第1点目の通津沖工業団地の利用状況と交通インフラについての(1)敷地の使用状況等についてお答えいたします。 通津沖工業団地は、昭和43年、当時の旭化成工業株式会社の岩国への進出決定を受け、通津地区、長野地区の公有水面を埋立てて造成された、本市の産業振興の一翼を担う約47ヘクタールの工業団地です。昭和45年には、同社のパイル工場が操業開始され、また、昭和49年には、岩国市工業用水道が整備されるなど、企業進出に向けた工業団地の整備がなされました。 団地の用地につきましては、昭和51年3月までに民間への売却が完了し、平成2年にアラインテック株式会社ほか2社、平成4年にPACRAFT株式会社、平成6年に日本製紙クレシア株式会社、平成14年に株式会社ミツウロコの進出を経て、令和2年にワタキューセイモア株式会社が進出しています。 これら当団地で操業されている企業は現在10社となっており、関連企業等を併せて約1,000人の方が当団地にて就業されている状況です。加えて、本市が誘致に取り組み、当団地で整備が進められている防衛装備庁艦艇装備研究所の岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)につきましては、本年9月をめどに運用を開始される予定と伺っています。 現在、当団地の用地は、進出企業により全て活用されており、新たな企業を誘致する用地はございませんが、進出企業の操業の状況も変化してきております。市といたしましては、今後、操業内容の変更等に伴い遊休地等が発生した場合におきましては、その有効活用に向けて、進出企業と連携を密にして対応してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ◎建設部長(内坂武彦君)  第1点目の通津沖工業団地の利用状況とインフラについての(2)緊急時等の工業団地外への移動経路についてお答えいたします。 現在、国道188号から通津沖工業団地内への連絡道路は、JR山陽本線と並行する市道通津93号線が整備されており、この市道は、起点が工業団地北側端の国道188号との交差点、終点が工業団地南側端で、延長1,949メートル、片側一車線の二車線道路となっています。 議員御案内のとおり、工業団地から南の由宇町側へは、幅員が1.2から1.5メートル前後の歩行者や自転車等が通行できる程度の通路となっており、災害や事故等の緊急時は、車両については北側の国道188号との交差点や市道通津77号線から通津漁港を経由して移動することになり、国道188号の交通量の多い時間帯と重なると、スムーズな移動は難しいと思われます。そのため、これまでに市町村合併前の時代に、旧岩国市と旧由宇町との間で工業団地への利便性と国道188号の渋滞対策のため、南側へ新設道路が検討された経緯があったことは伺っておりますが、当時から、工業団地の由宇町側には、山口県が管理する堀田臨港の停泊地や由宇総合支所が管理する漁船避難場所があることや、JR山陽本線が近接していることなどから、由宇町側への連絡道路の整備は大変難しく、現在も困難であると考えております。 いずれにいたしましても、本年9月頃には、工業団地内へ防衛装備庁艦艇装備研究所の岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)も運用開始が予定されていることもあり、緊急時を含めた国道188号との安全なアクセスは重要な課題と捉えていますので、関連する各企業や国道を管理する国土交通省、山口県公安委員会など、関係機関との協議を行いながら、少しでも課題が解消できるよう努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    ◎環境部長(藤村篤士君)  第2点目の飼い主のいない猫の助成事業から1年が経過した実績と今後の課題についてお答えいたします。 まず、(1)1年間の事業実績についてですが、岩国市飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費助成金につきましては、動物愛護管理法の趣旨に基づき、猫による衛生等の被害軽減と猫の殺処分数を削減するとともに、動物愛護と適正管理を啓発し、人と猫との共存社会の実現を図ることを目的としております。 飼い主のいない猫の増加による衛生等の被害を防ぐため、不妊及び去勢手術を受けさせる個人に対し、手術費用の一部を助成するもので、令和2年度から運用を開始いたしました。 詳細といたしましては、助成額は、雌の不妊手術に1万円、雄の去勢手術は5,000円となっております。また、申請の対象者は、市内に住民票を持ち、手術後に自己飼養または適正な飼養者に譲渡できる方としております。対象となる猫は、市内に生息する概ね生後6か月以上と認められる飼い主のいない猫としており、飼い猫は対象外とさせていただいております。 令和2年度の実績としましては、10匹で助成額は合計9万円でした。内訳といたしましては、雄2匹、雌8匹。このうち譲渡を目的とするものが1匹、自己所有を目的とするものは9匹でした。 次に、(2)今後の課題についてですが、自己所有目的の申請が多く、譲渡目的の猫は1匹のみであったことから、継続的な活動になりそうな方はまだまだ少ないかと考えております。猫を保護した方は、不妊・去勢手術後にもとの場所に放す、いわゆるTNR活動を希望される方が多くいらっしゃいました。しかしながら、国・県・市が推進しておりますのは、地域がルールを定めていわば飼い主となる地域猫活動であり、TNR活動とは異なっております。 また本制度は、「1、飼い主のいない猫を保護したい人」、「2、猫に衛生等迷惑を受けていると考える人」、「3、猫」の3者全てに成果が見込めるように制度を設計しております。したがいまして、飼い主のいない猫についての本制度は原則変えることなく、若干の修整のみで、今年度も7月から助成金の申請受付を開始する予定にしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  それでは、通告順に再質問をさせていただきたいと思います。 まず、通津沖工業団地の状況のところですが、先ほど、艦艇装備研究所の試験施設が建設中で、これが9月から運用開始の予定という話になりましたけれど、ここが運用を開始されると大体どれだけの人が働いて、今後の雇用がどれだけ期待できるのか、そういった情報がもし分かれば――これは産業振興部長ではなくて、総合政策部長になるんですかね。もし分かれば教えていただきたいと思います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  岩国サテライトの施設運用後の運営体制でございますけれども、令和3年2月に開催されました第7回艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)整備協議会におきまして、防衛装備庁のほうから、サテライト長のほかに研究職員が3人、事務職員が3人の、合わせて7人の職員体制になる予定であることの説明がございました。また、このほかにも職員の業務を補助していく非常勤の職員も数名程度雇用する予定ということでございましたけれども、現在、防衛装備庁のホームページで4人募集中ということでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  今、募集中ということでございますので、ぜひここを――どんどん人を雇用してというわけにはいかないとは思いますけれども、ここからスタートという形で人がどんどん入っていただければなと思っているところです。 そして、壇上からの御答弁では、現在用地は全部利用されており、企業誘致する場所はないですとそういった御答弁でした。一方で、答弁中には遊休地等の有効活用に向けて企業と連携を図るとそういった旨の説明もございましたが、現在そのような事案があるのか。また、進出可能な用地があるのかを伺ってみようかと思います。これは企業の事業戦略等に関わることではありますので、差し支えのない程度で結構ですので、お答えいただけたらと思います。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  現在、本市に企業進出の相談があった場合には、市が所有する工業団地などがございませんので、業態や規模などを確認させていただいた上で民間の所有する用地を御紹介させていただくなどいたしまして、対応させていただいているところでございます。通津沖工業団地で申し上げますと、これは企業ではございませんけれども、艦艇装備研究所の岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)もそうした対応によりまして、現在の場所に進出をいただいたところでございます。企業進出というのは、議員御承知のように非常にデリケートなものですので、今ここで何件あるとか具体的なことに言及するのは控えさせていただきたいとは存じますが、いずれにいたしましても、市といたしましては通津沖工業団地に限らず、企業誘致の可能性のある用地の所有者の皆さんなどと継続的に情報交換を行っておりまして、進出したいところとその受け皿となる土地とのマッチングという点を常に念頭に置きながら、情報収集、状況の把握に努めておりますので御理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ◆24番(山本辰哉君)  誘致に関してはいい話になることを本当に願っておりますが、ここは工業用水道もありますので、しっかり使っていただける企業に来ていただけるようにお願いしたいと思います。 それと、移動経路の件につきましては、やはり以前、由宇側にも造ろうという話があって、石原議員の話はうそじゃなかったという……。やはり山陽本線が隣接していることとか、港のこととか、いろんな件で――金額とかもあったんでしょうけれど、合意には至らなかったようです。先ほど建設部長の御答弁にもありましたが、端まで約2キロメートルです。ということは、やっぱり最も南側にある企業が目の前の国道188号の場所に行こうと思えば4キロメートルかかるという、単純計算でそうなるわけです。こういった形状に1か所の出入口というのはいかがなものかと思うわけですが、現在も由宇側に新たな出入口を設けようということはかなり難しいとの御説明でした。 ところで、これは緊急時ではありませんが、夕方の退社時、特に17時から18時頃、国道との交差点につながる市道なんですが、ここで信じられないほどの大渋滞が発生していることは知っておられるでしょうか。また、知っておられるのであれば、その大渋滞の原因は何だと分析しておられますか。その辺をお示しいただきたいと思います。 ◎建設部長(内坂武彦君)  先ほど言われましたように、夕方、工業団地内から退社される従業員の方々の車が国道188号との交差点に集中すると、工業団地内の――これは市道通津93号線ですけれど、大渋滞が発生しているということは私どものほうも承知しているところです。特に、工業団地から広島方面へ右折する車両が多く見られまして、国道188号の交通量が多くて、また、信号機がない交差点ということですので、右折がしにくいことから渋滞が発生していることが主な原因かと思われます。 併せて、この市道には右折レーンはありますけれど、右折する車が多いときには右折レーンを超えて渋滞が発生しているということもございまして、左折して柳井方面に向かう車が渋滞に巻き込まれて出られないということでこの渋滞に拍車がかかっているということも要因ではないかと思っております。 ◆24番(山本辰哉君)  おそらく部長、そのとおりです。大変よく分析されていると思います。それなら話は分かりやすいんですが、この大渋滞を解消できる対策というのは何かお考えでしょうか。 ◎建設部長(内坂武彦君)  まず、この交差点が信号機がない交差点ということですので、右折がしにくいということが渋滞の一番の原因になっておりますことから、以前から信号機の新設について――これは山口県公安委員会になりますけれど、要望しておりますが、その近くにJR山陽本線の通津駅がありまして、そこに国道の信号機があることから距離が近すぎて、ここからの信号機の設置は難しいという回答をいただいております。そのため、工業団地内の市道には道路の幅員に余裕がございますから、右折レーンの滞留長を長くできるようであれば、左折して柳井方面に向かう車両が出ることができるようになりますので、渋滞する長さは短くなるのではないかと思っております。 ◆24番(山本辰哉君)  それもそのとおりと思います。先ほど交差点に信号の設置は難しいといった、困難という旨の御答弁でしたが、この交差点問題が解消されない限り、なかなか渋滞緩和にはつながらないとこのように思っています。例えばの話なんですが、信号機の設置が難しいのであれば、国道上り線と市道出口の合流点に少なくとも常に車が二、三台侵入できるようなゼブラライン等を引くとか、そういった工夫をすれば右折車両が合流しやすくなって渋滞緩和に大きく前進するのではないかとそういうふうに思っているわけですがいかがでしょう。 ◎建設部長(内坂武彦君)  おっしゃるとおり、御提言の内容は国土交通省が管理します国道188号の交差点ということになりますので、交通安全上のこともございますので国土交通省のほうに情報提供を行いまして、右折車両が円滑に合流できるにはそういう空間が取れるかどうかというのを依頼してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  地元に住んでおりまして、状況を日頃からよく見ております。あそこの工業団地から出るところの交差点、今からもう何年前でしょうか、実は拡幅したんです。右折レーン、左折レーンも含めて、当時かなり国のほうと交渉しまして、今の状況になりましたが、まだ抜本的な解決には至っていないような状況であります。今後、岩国南バイパスが最終的に国道188号の、今の通津沖工業団地から出たもうちょっと由宇側のほうにタッチをする予定になっておりますので、これが完成すれば――先ほど建設部長のほうからは、夕方、ほとんどの車両が広島方面に右折していくという話でありましたが、バイパスができれば今度は左折して出て、バイパスのほうにタッチをすると、確かそういった形状だったというふうに今記憶しておりますので、今後できればスムーズに左右に分かれての流れになるのではないかなと思います。ただそれも数年かかりますので、先ほどの御提案については関係機関との当面の対応として有効ではなかろうかなというふうに思っていますので、いろいろ関係方面と協議はしてみたいと思っております。 ◆24番(山本辰哉君)  可能な限り早急な対策をお願いしたいと思います。何といいましてもここの工業団地は岩国市の法人市民税の一端を担っている場所でもありますので、ぜひここをしっかりいい形にしていただきたいと、このように考えるところです。 そして、もう1点ですが、先ほど建設部長が言われていました、右折レーンを長くすれば左折して柳井方面に向かう車が出やすくなる、そうすれば渋滞長が少しでも短くなると、そういった御答弁でした。これは本当に大変困っているんですが、これはすぐやってもらうことが可能ですか。何かいい策がありますか。 ◎建設部長(内坂武彦君)  先ほども申しましたように、道路の幅員に余裕がございます。用地等の影響がなければ速やかに関係機関と協議をして、少しでも渋滞長が短くなるような対策を講じてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  それはぜひよろしくお願いしたいと思います。今、家でもビデオを撮っていますから。今、部長が言われたことはちゃんと入っていますから。(笑声)ぜひよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、今度は猫の事業の関係についてお伺いします。これ1年間の事業実績について先ほど部長からもいろいろ御説明ございましたが、年間10匹ということですが、初年度にしては決して悪い数字ではないと私はそういうふうに思っております。この10匹が適用されたという、この背景にはいろいろな問合せがまだあったんじゃないかと思うんだけれど、そういうふうなものがもしあればお知らせいただきたいと思います。 ◎環境部長(藤村篤士君)  制度に対する問合せという御質問でございますけれども、助成金を交付しました10件のほかに申請には至りませんでしたけれども、この制度に対する問合せは74件ございました。この助成制度を契機としまして、飼い主のいない猫の保護活動の在り方や飼い方の相談等ができたものと考えております。 ◆24番(山本辰哉君)  やはり関心の高さが非常に分かるわけですが、先ほど部長も述べられました今後の課題についてのところです。写真を撮って申請するまではできても、保護が非常に難しいという話は私も聞いているんですが、それに対して何かお考えがありますか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  やはり申請の対象となった猫はもう既に人に懐いていて、抱き上げても捕まえられる猫とか生まれてまだ月数がたっておらずに、走るのがまだ遅くて捕まえられる猫というのが大半でございました。今後につきましては、人に慣れていない猫についても安全に保護、捕獲ができる方に出てきていただくことを助成の目的の一つとしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  ちなみにそういったことができる方の目星というのは大体ついているんですか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  今のところ市内では網とかわななどの道具を使って、安全に飼い主のいない猫を保護、捕獲できる団体、それから個人についてはまだ少ないものと思われます。 ◆24番(山本辰哉君)  ぜひそういう方に出てきていただきたいと本当に思っているところです。今後の制度の変更点ということで、現在の制度にのっとっていけば、手術後に耳カットというのがあります。これが必須となっているんですが、確かに間違えて2回お腹を開くということが――こういうことを避けるために全国で耳カットというのが普及していることは私も承知しております。また、TNR制度ではなく――TNRというのは捕まえて、手術をして、また元いた場所に戻すということだろうと私は認識しているんです。これは本来の姿であろうとは思うんですが、今の岩国市の制度でいくと家で飼うということが必須条件になっていますので、新たにこれを――必ず耳カットしなければいけないと、マストにするというのもいかがなものかと思うんですが、この件についてはなくてもいいんじゃないかと思うんですがどうでしょう。 ◎環境部長(藤村篤士君)  今の耳のV字カットでございますけれども、令和2年度から始まった制度によりますと、やはり先ほど議員が御指摘されたように、間違って2回目の手術をされたりすると困るんでということで、V字カットを必須ということにしておりました。しかしながら、市民の方からの御要望もございまして、リスクの確率等を勘案しまして、今年度の募集から「必須」から「推奨」ということに変更させていただいております。 ◆24番(山本辰哉君)  それは嬉しいことです。環境部長に質問したら結構柔らかいことが毎回返ってくるのでこれはありがたいことです。先ほど今後の課題でも出てきましたが、ターゲットの猫を保護、捕獲というか、保護ですよね。保護するときに、いわゆる捕まえるときの話ですが、子猫のうちは捕まえるのが非常に簡単ということです。その反面、ある程度月日がたった猫でなければ手術は難しいと、大体3キログラムぐらいが目安になるとグリーン動物病院の先生も言われていました。例えば、すぐに手術ができないようなこういった目安に満たない子猫ですよね、そういった猫については数か月たったら必ず大きくなって3キログラムは満たすようなものに関しては先行予約というか、予約の形で制度にのっとってあげたらいいんじゃないかと思うんですがそれはいかがですか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  今、幼い猫の取扱いについてという御質問でございますけれども、実はこれにつきましても、議員が御指摘のとおり、いろいろと検討を行いまして捕獲後に今年から不妊・去勢手術を直ちに行うことが困難と見込まれる幼い猫の取扱いにつきましては、申請年度内に手術が行える見込みがあれば、申請を受け付けるというふうに改訂いたしております。早くに親から離すことが望ましくないことや、幼い猫には手術の負担が重いことなどにより、規定していたものでございますけれども、このたびは幼い猫でなければ保護、捕獲が困難との御意見もございまして、修正をしております。よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  また柔らかい答弁ありがとうございました。(笑声)ということは、これは部長、家で保護しておけるということですね。申請まで保護しておいて、それを新たに申請するということでいいんですよね。 ◎環境部長(藤村篤士君)  そのとおりでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  これで猫関係の再質問はもうなくなりました。 最後に、航空ファンの関連についてなんですが、ちょっと大西議員の真後ろでなかなかしゃべりづらいところもあるんですけれど……。(笑声)F-22の飛来に関してなんですが、F-22ラプターはF-35Bと同様にステルス性能を持つ――私が壇上で申し上げたように、アメリカ空軍の最新鋭の戦闘機であり、岩国に飛来することは相当珍しいわけです。そして多くのファンがその機体を一目見ようと、カメラに納めようと訪れたわけです。先ほども市長から御説明がありましたが、確かにみすみクリーンセンターは大にぎわいでした。以前、オバマ大統領がエアフォースワンで来られたときと同様な、毎日、連日そのような雰囲気でした。そうしたことから、期間中かなりの混雑が生じ、御答弁では岩国警察署による交通規制が行われたとそういった内容でした。 いま一度お伺いしますが、F-22が飛来した間、みすみクリーンセンターの混雑状況がどのようなものであったのか、いま一度お知らせください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  F-22が飛来したときの混雑状況をより詳しくということでございますが、交通規制が行われました3月23日はF-22に加えまして、岩国で陸揚げされた陸上自衛隊のオスプレイ1機が木更津に向けて飛行したということもございまして、混雑もピークになったのではないかというふうに思っております。この日、駐車車両により円滑な通行が妨げられる状況であったのではないかと思っております。私自身もこの3月23日は現地に行きまして、見にまいりましたけれど、たくさんの航空ファンが写真撮影をされておられる状況で、本当にこの日は日米親善デーを思わせるほどの人出があったというふうに記憶をしてございます。 この規制が行われましたのは3月23日だけではあったんですけれども、その前後でもたくさんの車両が路肩に駐車されている状況はございました。私も3月23日以外の別の日にも船だまりのほうを回りまして、状況を見たんですけれど、通常でしたら――御存じだと思うんですが、船だまりの橋の奥ぐらいまでしか駐車していないんですけれども、私が見に行ったときは橋の手前のほうまで駐車がされておりまして、そういった状況というのは本当に異例の状況でありまして、日米親善デー以外ではあまり私自身は見たことがないぐらいの混雑であったということであります。 この混雑状況の中で、航空ファンの間でカメラの陣取りとか駐車スペースの取り方など、若干言い争い等のトラブルがあったのも聞いておりますが、事故とか大きなトラブルといった状況が発生したということは市のほうには寄せられておりません。 ◆24番(山本辰哉君)  私も現地には行っていないんですけれど、ちょうど帝人物流の沖から見ていたんですけれど、本当にお祭り騒ぎのような感じでしたよ。今後も岩国基地に飛来する外来機の機種によってはそれを目的に訪れる航空ファンはたくさんいらっしゃると思います。私自身も一航空ファンとして、この場所をよく訪れており、そういった方の気持ちはすごくよく分かっているつもりではございます。ただ、何をおいても来られる方や地元住民の皆さんの安全は第一でございます。その一方で航空ファンは誰よりもいい写真が撮りたいわけです。そしてファン同士のトラブルというのも避けたいわけです。地元の皆さんに迷惑をかけたらいけないなというのが一番配慮するところなんですが、ここは最も重要と私は思っています。こうした視点で今後、市において何らかの対策を講じるお考えがあるのか、再度お伺いしたいと思います。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  市における混雑の対策についてのお尋ねでございますが、一般には車両が入れないようにする交通規制、あるいは道路の拡幅とか駐車場の整備というものが考えられると思います。F-22が飛来した際に先ほどから申し上げておりますが、日米親善デーと同じような混雑というのはございましたけれども、外来機の飛来の場合には飛来情報は事前に把握できるものでもありませんですし、航空ファンがどれくらい訪れ、どれくらい混雑するかといったことをあらかじめ予測することは困難でございます。 また、F-22飛来時以降、現時点におきましては5月の連休にはやや混雑が見られましたけれども、そのときと同じような混雑というのは発生してはいない状況であると認識しておりまして、市のほうといたしましては引き続き周辺の混雑状況を注視しながら、今後、関係各課でこうした課題と情報を共有しながら行政目的の観点などから検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  ぜひ航空ファンも一つの重要な観光客の1人として見ていきたいと思います。 最後の質問になるんですが、観光資源にすることについて、これは審議監の立場からどういうふうにお考えですか。審議監に聞いてみたいと思います。 ◎審議監(村田光洋君)  観光資源についてということですが、航空ファンに関することなどにつきましては、先ほど市長が答弁したように非常に悩ましい問題だと思います。1点ほど付け加えさせていただきたいのが、実は5月の終わりぐらいですかね、基地に一番隣接した自治会から要望書が上がっております。これは先ほどの状況を踏まえて、みすみクリーンセンター付近の空き地を有料駐車場にして、そこに駐車できるスペースを市で整備してほしい。観光スポットとして錦帯橋周辺だけではなくて、基地も観光資源として活用してはどうかと、こういう要望が上がっております。これを紹介したからといって、駐車場を整備するという意味では決してございません。 そういったことで山本議員だけではなくて、こういったことを考えていらっしゃる方は結構たくさんおられるということをちょっと御紹介したい。 それから、観光資源に関しましては、一つ思い浮かぶのは昭和30年代の後半と思いますけれど、定期観光バスというのが就航されまして、岩国駅で観光客を乗せて、それから基地のメインゲートでエスコートを乗せて、それから基地の中を車の中から視察する、見学する。売店でクッキーを買って、それから錦帯橋を渡って、白蛇神社を見て、ロープウエーで岩国城に行く。また、JR岩国駅に送っていく。これを朝1回昼1回、こういう定期観光ルートがかつて存在しておりました。おそらく平成10年、湾岸戦争と同時多発テロの間ぐらいでしたけれど、平成10年に基地側から諸般の事情で許可できないということもあって、それ以降ルートを宇野千代生家に変えて、また続けておりましたが、やはり客が少なくなって、平成14年ぐらいに廃止、休止になっております。 したがって、観光資源にするにはもちろん我々の思いも大事ですが、少なくとも米側の理解と協力、これが不可欠でございますので、いろんな観点からまたいろんな話を米側にしてみたいというふうに考えております。 ◆24番(山本辰哉君)  それは知りませんでした。審議監、いい情報を持っておられるじゃないですか。(笑声)要望書が出ているというのは知りませんでした。これから聞こうとしていたことでも、これは審議監に聞こうかと思ったことで、一般質問を通告した次の日の朝、審議監に「これも関連でしますよ」というふうに電話したんですけれど、新聞に書いてあったとおり、これも観光の一環として聞くんですけれど、岩国駅にはベンチがないというふうに新聞に出ていました。私がなぜこういうことを言うかというと、これは観光資源にするというまず第一歩じゃないですか。第一歩の岩国市の玄関と言われる岩国錦帯橋空港や岩国駅ですよ。そこのスタート地点がまずなっていない、インフラ整備されていないということになると、これはいかがなものかということです。これは審議監じゃなくて、市長にお伺いしてみたいと思うんですがいかがでしょう。 ◎市長(福田良彦君)  新聞報道は把握しておりますが、まず新聞報道ではベンチがないという表現に限定しておりますが、これは全てが正確な表現じゃないというふうに思います。実際、私も現場を見てきましたが、3人がけベンチが6基、もたれ式のパイプベンチが12スパン、そしてサークルベンチ、石のベンチですが、これが2か所あります。そして今回、残念なことにこの新聞記事をうのみにされて、SNS等で発信される方もおられました。市長と山中部長、現場で立っておけということだったので、1時間ぐらいそこで利用した方にいろいろ聞いてみました。待合室におられる方が結構おられたので、「やっぱりベンチがあったほうがいいですかね」って聞きますと、「私らはここの待合室のほうが涼しいからええんよ。バスが来たらすぐ分かる」と。ただ、1番乗り場までは三、四十メートルあります。5分・10分前にバスが到着してもやっぱり歩かなきゃいけないということがあります。現場を見まして、先ほどから議員も言われるように交通結節点、顔でありますので――今のパイプベンチというのはちょっと70センチメートルぐらい腰を上げて座るものですから、上手に座らないとなかなか高齢者の方は座りづらいかなと思います。そのパイプベンチを若干改良できれば、そこにちょっとベンチタイプを追加でできれば、その1番・2番のバス乗り場にもパイプベンチに代わって、若干加工をして、ベンチタイプにできるかなということを今、担当のほうと協議をしております。 ということで、全くベンチがないという表現で私も若干びっくりしましたが、そういった要所要所にはいろんな形のベンチを置いて備えておりましたが、一部改良の余地はありますので、真摯にそういった御意見を承って、改良を速やかにやっていきたいなというふうに考えております。 ◆24番(山本辰哉君)  会社でそうやって聞かれたもんで、そういうことですって伝えておきます。よかったです。 以上で終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、24番 山本辰哉君の一般質問を終了いたします。 30番 片山原司君。 ◆30番(片山原司君)  二葉会の片山原司でございます。通告に基づき一般質問を行います。今回は防災体制についてお尋ねいたします。 その中で、1点目は、本市における避難体制についてでございます。特に高齢者に対する避難所の機能と「逃げ遅れゼロ」に大きく貢献する防災行政無線、防災ラジオの状況についてお尋ねいたします。 2点目は、岩国市全域に設立してある自主防災組織について、特に組織の機能を高める防災士や避難の声かけをする防災リーダーについてお尋ねいたします。 3点目は雨量指標R'についてその内容と実績についてお答えください。 大変簡単ですが、以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、片山議員御質問の第1点目の防災体制についてお答えいたします。 まず、(1)本市における避難体制についてのア、避難所の機能と防災行政無線、防災ラジオについてですが、本市においては、災害の危険から命を守るための緊急的な避難先である指定緊急避難場所として、市の施設105か所、県の施設5か所、民間の施設22か所、合計で132か所を指定しております。 高齢者に対する機能の代表的なものとして、洋式トイレとエレベーターを例として挙げますと、市の施設105か所のうち、洋式トイレを使用できる施設は93か所、エレベーターが設置されている施設は12か所となっております。 洋式トイレについては、近年の生活スタイルを考えれば、高齢者のみに対する機能とは言えず、その必要性はさらに高まってくるものと認識していますが、避難場所の市の施設については老朽化しているものも多いことから、各施設の在り方と併せてトイレの洋式化について検討する必要があると考えております。 エレベーターについては、設置されている施設が少なく、避難場所を選定するに当たって、エレベーターが設置されている施設の全てを指定することは困難な状況にあります。 また、新たにエレベーターを設置することについては、トイレの洋式化と同様に、各施設の在り方と併せて検討する必要があると考えています。 次に、防災行政無線についてですが、平成22年度から市役所への操作卓の設置や3局の中継局の設置を行い、平成25年度からは屋外拡声子局、戸別受信機の整備を進めております。 令和2年度末現在の整備状況は、屋外拡声子局が245か所、戸別受信機につきましては、ケーブルラジオが1万5,235台、無線型の戸別受信機が284台、聴覚障害者向けのケーブルラジオが99台、合計1万5,618台の設置を行っております。 戸別受信機につきましては、先月に今年度第1回目の募集を行ったところであり、引き続き、広報・啓発に取組、普及促進を図っていきたいと考えております。 次に、(2)自主防災組織についてのア、必要な項目(防災士、リーダー)についてでありますが、本市においては、現在、29の自主防災組織が設立されております。 自主防災組織は、地域の防災活動の中心的役割を担い、災害時の自助・共助の要であり、市としましても、その役割や活動に期待するところも大きく、今後とも組織の育成を図っていかなければならないものと考えております。 各組織の活動実態については、定期的に防災訓練や講師を招いての防災研修を行うなど、積極的に活動している組織があるものの、活動状況には格差が生じつつあるのが現状です。 その要因としましては、組織が高齢化していることや、過去に深刻な被害を受けた地域とそうではない地域で、防災意識の温度差が大きいこと、また、自主防災組織の役員と自治会の役員を兼務している場合が多いことから、1年か2年で交代することが常態化しており、活動に継続性を持たせることが困難なことなどが考えられます。 このような状況の中、活動を組織的に円滑に進めるためには、組織内で中心的な役割を担う地域防災リーダーの存在が大変重要となってきております。 このことから、本市においては、地域防災リーダーの育成を目的として、防災士の資格取得費用の助成制度を令和元年度に創設しています。 この制度は、自主防災組織を通じて防災士の資格を取得する場合に、その資格取得に係る費用の全額を助成するものであります。 この制度を活用して防災士の資格を取得された方は、令和元年度が4人、令和2年度が6人となっており、現在、本市において確認ができているところで、この10人を含めて128人が防災士として認証されています。 防災士につきましては、2日間以上の研修を受講した後、防災士資格取得試験に合格し、さらに救急救命講習を受講する必要があるなど、難易度が高いものとなっています。 一方、地域防災リーダーにつきましては、必ずしも防災士の資格を必要とするものではなく、最大の役割は、災害の際に、地域で積極的に声かけ等を行い、主体的な率先避難・呼びかけ避難を促すことであります。 本市におきましても、昨年11月に地域防災リーダー養成研修を実施し、自主防災組織16団体、57人に参加いただいたところであります。 市としましては、地域の自主的な防災活動が活発に行われるか否かは、地域防災リーダーの見識や熱意などに負うところが大きいと考えており、引き続き、防災士の資格取得費用の助成制度を実施するとともに、研修会等を開催するなど、地域防災リーダーの育成を図っていきたいと考えております。 最後に、(3)雨量指標R'についてのア、内容と実績についてでございますが、雨量指標R´とは、雨の降り方によって変化する1つの指標を用いて、危険な場所と時間、さらに災害規模が予測できるシステムであります。 平成16年に広島大学などの研究グループにより考案された雨量指標でありまして、長期実効雨量と短期実効雨量の2つの値を、複雑な公式を用いて1つの値にしたもので、その1つの値の大小により、リアルタイムで土砂災害の危険度を判定できる分かりやすい指標であります。 その有用性は、広島県における災害や、平成26年、そして平成30年の本市での災害など、過去の災害での検証により、確認されております。 参考までに申し上げますと、R'の値と災害規模の関係は、あくまで目安ですが、125ミリメートル程度でがけ崩れが発生する、175ミリメートル程度で山地崩壊が発生し始める、250ミリメートル程度で土石流に発展するとされています。 本市においては、このシステムを令和元年度から導入し、令和2年度からは雨量の6時間予測を行うハイブリッド降雨予測システムと組み合わせ、6時間先までの危険度が予測できることとなりました。 活用の実績としましては、昨年7月の大雨が発生した際に、避難勧告について1回、避難準備・高齢者等避難開始について6回の発令及び解除を行っております。 システムの導入以降、R'の値は、避難情報の発令の際の重要な判断材料となっており、今後とも有効に活用し、的確な避難情報の発令に努めていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◆30番(片山原司君)  まず、避難体制ということで再質問いたしますが、避難所についてまず1点目の再質問をいたします。 ただいま壇上でのお答えは岩国市には105か所の避難所が岩国市の所有であるということで、洋式トイレについてはほぼ行き渡っておりまして、12か所洋式トイレになっていない。それから、エレベーターも単価の安い1人用のエレベーターはどこにもありませんで、105か所のうち実に93か所エレベーターが全くついていない、1人用のエレベーターもついていないということです。このことについて今後、高齢者対応をどのように考えるのか、具体的な解決方法をお尋ねいたします。また、費用はどのくらいかかるのかということでございます。 簡単に申し上げると、我々は15年以上前に災害に遭いまして、避難所におりました。今年に入ってからも、御高齢の方と一緒に避難所にいて、三、四枚の畳があって、あと軽く羽織って――随分年を取ると辛いですね、全くいけません。ですから、随分厳しいなと思いながら避難所で避難をしたんですけれども、夜の12時頃にみんな帰ろうかと、安全だからというので帰りましたけれども、避難所でこういうこと以上にまずお年寄りは、「洋式トイレがないところには避難しない」と言われます。「足腰が悪いから和式のトイレにかがむというのはできない、嫌だ」と言われます。それから、避難の場合は2階へ行くことが多いですから、2階へ上がるのに大変つらいことが多いんで、避難所へは行かないという方が随分多くございます。 こういう状況の中で、もしいつも以上に大変な自然災害が起きたならば、高齢者の方たちを少しでも――60代、私のような70代ぐらいの人間が助けようと思っても、山のように高齢者がたくさんおるところがございます。そういうところをどうやって救っていくのかっていうのは、やはり事前に――今、岩国市のほうは割と早く高齢者等避難開始というのをレベル3ぐらいで出してくれて、早く避難するようにしてありますが、だからといってみんな避難するわけではありません。ぎりぎりになって避難することもあるので、ぜひそのあたりを――高齢者に対しての避難所の在り方を考えていただきたい。そういう中で、今の洋式のトイレ、それよりも1人用のエレベーターの今後について、具体的な解決方法があれば、また、その費用はどのくらいかかるのかお尋ねしたいと存じます。よろしくお願いします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  洋式トイレについては、1つ目として工事により便器を取り替える方法、2つ目として和式の便器の上に置くだけのプラスチック製の簡易式洋式便座を設置する方法が考えられます。その費用は洋式化されていない12か所全ての整備を行うものと仮定すると、あくまでも参考程度の概算ですが、1つ目の工事が1台130万円、合計で1,600万円となります。 2つ目の簡易式の洋式便座は1台5,000円、合計で6万円となります。エレベーターについては、議員言われましたように、普通のエレベーターの設置はほぼ不可能であると考えます。思いつくのは、1人用エレベーターというか、椅子式階段昇降機のみとなっております。その費用はエレベーターのない93か所全ての整備を行うものと仮定すると、これも参考程度の概算になりますが、取り付け料込で1台150万円、合計で1億6,000万円となります。 ◆30番(片山原司君)  分かりました。洋式トイレの場合は残り12か所ということで、簡易的な方法でも私はまずはお許しいただけるかなと思います。それから、エレベーターのほうはもう大きなものじゃなくて、1人用で上がるのに横に――例えば大きな避難所でしたら職員がおりますから、ついて行ったとしても私は1人用のエレベーターを――高齢者が避難しないわけですから。自宅の2階にいるというのがとっても多くございます。ところが、2階にまで水が来たときはどうするのか。大きな風が吹いたときに屋根が大きな損害を受けたらというのは――山口県だけです。もう災害はないかもしれんねって言われるのは。 九州に行きましたらとんでもないことです。災害のときに広島国際会議場で東南アジアの人が集まって防災会議がありました、出席しました。それから、岡山の真備町に特別委員会で行きました。基本的なまちづくりの失敗で、これから災害がないようにするためには――普通5メートルの幅の堤防を造るんですが、7メートルのばかでかいものを造らないと災害が防げない。いわゆるまちづくりに江戸時代から失敗していたんです。これ何か山大の大学教授の山本先生が教えてくださいました。 それから、この一、二年で3度ぐらい特別委員会でも視察に行ったんですが、いろんな災害があり、極論すれば山口県だけうまく助かっているなということで、これがこのままいけるわけでは全くありません。 ですから、我々のボランティア団体にも――九州での事例でいくと、大規模な広範囲な災害が起きたんで、市だけでは力が足らずに、今後、ボランティアが来たときにその人たちを運べるようにバスをすぐに雇えるようにお金を準備してくれというのがあります。市民を救っていくというのは市がやる仕事です。それから、ボランティアが来たら、いわゆる市職員ではありませんから、そのときにお金がなかったら口座をつくって準備しておいてくれっていうことまで九州の事例から出ております。 だから、いろんなことが今までとは違うようになっていますので――社会福祉協議会が、いわゆるボランティアセンターをつくっただけでは済まないような状況が出ているので、私は少しぐらいお金がかかっても1人用のエレベーターとか、これは何とか予算化をしていただきたいというふうに考えています。そういうことが大きな要因で、避難所に行かなくて被害が出るほうが――私は人的被害のほうが耐えられないんじゃないかなと思いますので、今、どのくらいの費用と言われただけでお返事はいただきません。ぜひ予算化を前向きに本気で考えていただきたいというふうに思います。今、山口県は運よく、小さな災害で済んでいます。これに人の損害が重なってくるととんでもないことになりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 それから、防災ラジオです。合併してから現在までで、岩国市で防災体制が大きく進歩したのは防災行政無線の屋外に立っている分です。 それともう1つは、屋内に防災ラジオという形で、市の大きな決断で全軒に無償でつけているということです。これがあるとないとでは防災体制が山のように違います。今まで岩国市はどうだったかというと、いわゆる広報車が雨が降ろうと風が吹こうと――聞こえなくても広報車が走って連絡して何を言ったのか分からないというようなことがほとんどでした。今は屋外の防災無線の拡声器で雨・風――これ3割しか外は聞こえませんから、それで分からなかったら市役所に電話すれば教えてくれるようになっているはずです。そして、屋内の戸別の防災ラジオの場合は、全部そこにいて分かるわけです。いわゆる災害に対する構え、避難、全く変わっていきますので、これは岩国市が合併して15年以上経っていますけれども、大きな進歩で大きな防災体制になったと思っています。ただ、それ以外にいろんなことがいっぱいあるわけで――少し触れると、この防災体制の中で、防災ラジオは今年第1回目の募集をしたということですけれども、目標はどのくらいで実績はどのくらいなのかお尋ねします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  先月の6日から31日までの約1か月間で300件の募集に対して、216件の申請がありました。 ◆30番(片山原司君)  以前は、申請が予定よりもオーバーをして随分市民の方をお待たせするという形が出ていましたけれど、それならば結構です。こういうことを1回、2回と繰り返して多くのお宅にいわゆる防災ラジオ、これを設置をしていただきたいというふうに思います。 それから、各地区の状況ですね。例えば由宇町は家が1,000軒あって、何百台入っているか。500台入っていたら50%の普及率ということで、普及率が高いほどそこの町はあってはならない逃げ遅れとかそういうのが出づらいわけですから。そのあたりについてはいかがですか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  まず、普及率をお答えします。ケーブルラジオと戸別受信機の整備率は今月1日現在、全体で約24%。地域ごとでは岩国地域が約15%、由宇地域が約44%、周東地域が約27%、玖珂地域が約35%、錦地域が約87%、美川地域が約92%、美和地域が約77%、本郷地域が約66%となっています。世帯数とかもお答えしたほうがよろしいですか。(「これで結構です」と呼ぶ者あり) ◆30番(片山原司君)  かなり高い地区もあれば、そうでない地区もあるんですが、過去の防災無線の歴史というのがあり、今1番心配しているのが、もともと防災無線のなかった旧岩国市と周東町です。パーセントがやはり――今お聞きしたら、岩国が15%、それから周東が27%ですかね。ですから、かなり低くて――高いところは美川が90%を超えて、錦が87%とか随分高いところがあります。これは同じ岩国市の中でも随分格差がありますので、これは市のほうで意識をしてやっぱり募集をかけていただきたいと思います。これが件数が少ないほど被害に当然遭いやすいわけですから。ですから、高齢者の方たちが今どんどん増えていますから。だから、高齢者の方が増えて、今まで元気で逃げてくれていたのが、逃げられない方も出ているような問題があるので、もう普通のお年寄りはすぐに逃げられるように――市のほうもレベル3のところでよくされていると思うんですけれども、ぜひこのあたりは――低い地域については意識をして、防災行政無線、特に戸別の防災ラジオ、これは入れるように努力をお願いします。危機管理監お答えをお願いいたします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  議員言われましたように、整備率の比較的低い岩国地域、周東地域及び玖珂地域について今後、広報・啓発に努めるなど、その普及促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆30番(片山原司君)  続いて、防災・減災対策推進調査特別委員会でそれぞれの地域の総合支所を回ったんですが、その中で岩国市が議会で段ボールベッドを入れますとか――それを聞いて我々は地元に自主防災組織がありますから、自治会連合会と相談してすぐに段ボールベッドを入れました。入れなければよかったと思いました。あと、美和に行ったときに段ボールベッドが岩国市のほうから来ていたみたいです。それ以外に社会福祉協議会のほうから折り畳みのベッドがありました。これは大変使いやすい、簡単、場所を取らない。 だから、いろんなものがあるんですが、現在、段ボールベッドをどのくらい岩国市は仕入れて――あるいはテントも広い体育館にありますけれども、この在庫数とか使用方法、価格についてお尋ねします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  備蓄数につきましては、段ボールベッドが182個、テントが534張りでございます。購入価格につきましては、段ボールベッドが1台当たり約5,000円、テントについては自立式が約5万5,000円、つり下げ式が約1万円となっています。この段ボールベッドとテントについては主に中・長期的な避難所において使用することを想定していますが、一時的な緊急避難場所についても感染症対策など必要に応じて臨機応変に使用していきたいと考えています。 ◆30番(片山原司君)  段ボールベッドが182個、これは今どこに置いてあるんですか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  本庁舎といわくに消防防災センター、旧消防本部などに備蓄しております。 ◆30番(片山原司君)  今、価格は段ボールベッドが約5,000円と言われましたけれど、私どもの自主防災では約1万円で買いました。買ってもびっくりしませんでした。このテント534張りというのは、どこでどういうふうに使うのか、どこに在庫が置いてあるのか、お尋ねいたします。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  保管場所は同じところになっています。テントにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策もありますので、個室とかがない場合は、中・長期になったらそのテントを並べて個室にするとか、気分が悪くなった方をそこに誘導するとか、そういう使い方を今考えております。 ◆30番(片山原司君)  段ボールベッドにしてもテントにしてもいいとか悪いとかというよりも、これだけの数を仕入れたんであれば、いかに有効に使うかを真剣に考えていただきたいと思います。我々は自分たちのお金で買いました。「えっ」と思いました。テントは1万幾らでも5万幾らでも買っておりません。ただ、これだけの数をどこでどういうふうに使うかという考え方自体は危機管理課のほうで責任を持って、すぐ使えるように、ある程度は使えるように考えていただきたい。結果的に使わなかったというのは絶対にあってはならないことだと思いますから、数の多さよりも、少量でもいいから役立てるところは役立つようにお願いしたいと思います。段ボールベッドという言葉自体が流行でしたから、私もいいなと当初思いました。テントもテレビで見ましたけれども、こういうのがずっとそろっていくと、広い会場で新型コロナウイルス感染症がちょっと出ても少しは違うのかなとか、いろいろ思いましたけれども、これから岩国市においてもいろんな状況が変わってくるかと思うんです。そういう中で、岩国市がどういう考えで、どういう――防災ですよね、結局、新型コロナウイルスに対しても。どうやっていくのかっていうのはシミュレーションをしておいてください。この中で段ボールベッドへ寝た方はおられますか。(「試しに」と呼ぶ者あり)試しに。偉い。寝てみてください。あのテントは五百幾らあるんだけれど、どこにどういうふうに使って――新型コロナウイルス感染症がどんどん広がったらあれに入って、どう周りと付き合わないようにするのかよく分からないんですが……。 534張りのテントがあります。だからこれについてはちょっとさっと流さずに研究をしていただきたいと思います。せっかく入れたのであれば、いいとか悪いとかっていうよりも有効に使えるように、危機管理監、お願いしますね。お答えいただきましょうか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  議員言われましたように、今ちょっと中・長期的な避難所を開設するという状況にはなっていませんので使っておりませんけれど、その際には有効に活用したいと思います。先ほどの繰り返しになりますけれども、新型コロナウイルス感染症対策で間仕切りというか、それ用にテントも使うように考えております。使用しないで済めばそれが一番いいことだとは思っていますが、もし必要なときには有効に活用したいと考えています。 ◆30番(片山原司君)  くどいようですが、必ずどう使うかというのはシミュレーションをしてください。大ごとになって、あまり使わずに――岩国市の得意なのは、災害が起きてうまく対応できずに、その後、「これからはそういう失敗を恐れずにやっていく」とか平気で言うんですが、また失敗しますから十分に対応というのを真剣にお願いをしたいというふうに思います。中・長期とか言わずに、どういうときにどう使うというのを――使ってみない限りはどうにもなりませんから。ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、防災士、防災リーダーの今後についてということで、自主防災組織について入りたいと思います。防災士、防災リーダーの今後についてということですが、29の自主防災組織があります。そして、そこにどのくらいの防災士、防災リーダー――特に防災リーダーが重要だと思うんです。防災士は先ほど言われたように、3年ぐらい前は岩国市には100人おられますって言われました。それから今、128人か何かおられるんですか。動いていないですよね。128人で10人だけ、令和元年、2年と試験に通りました。我々は市の農林の課長で定年退職した人と一緒に山口に行って、3日間の研修で80点以上か何かの合格点で、宿題が出ました。二百数十問出ました。3日間ぐらいかけてそれに全部答えを入れていきます。その宿題も全部持って行きます。そういう中で――私は救急救命士もやっていないから、消防に行って受けました。ちょっと顔を出したからもらえるというもんじゃないけれども、毎日いつも勉強するわけじゃないですから、ではそれを取ったからどうなるかっていったら、私は――いわゆる自主防災会等の機能を高めていく防災士。避難所があったらそこの避難所の中をどういうふうに部屋分けしてどういうふうにやるかっていうのもありましたけれども、それよりも自主防災組織の中に、「これ危ないから逃げようや」という避難の掛け声をする人をどのくらいたくさんつくるかというのが一番大切なんだろうと思います。岩国市においては29の自主防災組織で防災リーダーは何人ぐらい考えておられますか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  地域防災リーダーの人数ですけれども、各組織で考え方も違うと思うんです。組織全体で1人のリーダーというところもあるでしょうし、自治会と同じようであれば、班単位でリーダーをつくるという……。そこは各組織で任意に決めるものだと考えています。 ◆30番(片山原司君)  よく分からないんですが、要は自主防災組織を中心に防災リーダーというのを考えています。これが日本防災士会の防災士の認定状です。2日か3日って言うけれど、そのくらいの日にちじゃないです。宿題まで含めたら丸1週間です。かなり勉強します。合格点を取っても、じゃあ前後分かっているかっていったら、日が変わったらそれとは違う仕事をしますからそういうわけにはなりません。あくまで取ったということです。だけども県のほうがやっている、いわゆる防災アドバイザー、山口県自主防災アドバイザー、これは研修を受けたということです。こっちは委嘱状で、山口県の自主防災アドバイザーに仕事を任せますよ、だからそういう活動をしてくださいねということで、これも頂いています。ですから、去年の11月にやりましたよね。あれは何でもなかったと思います。あれで、こういう修了証とか資格証が出ているんですかね。あれは県の職員も来ていましたよ、研修に。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  おそらく、昨年度に実施した地域防災リーダー養成研修のことだと思います。壇上の答弁でも申しましたけれど、16団体の自主防災組織から57人が参加されたものです。その際には修了証とかは交付しておりません。 ◆30番(片山原司君)  なぜ出してないんですか。 ちょっとよろしいですか。これは岩国市地域防災計画、今年の令和3年3月の分です。岩国市防災会議の会長は岩国市長、福田市長です。この中に防災について書いてあって、自主防災組織っていうのは当然載っています。ところが、新しい言葉の防災士とか防災リーダー、防災アドバイザーでもいいです、そういうのはこの中に載っておりません。 ですから、岩国市では今のところ機能はしないんだという見方になってくるんですよ。自主防災組織の働きはありますとか、それを中心で逃げ遅れゼロにするために自主防災組織の防災士、あるいは防災リーダー、そういった人たちが何をするんだということは載っていません。だから、もうちょっと中を詰めていって仕事らしくやってこないと、県のほうに頼んだり、あるいは防災士会に頼んだり、岩国市民を――自主防災組織の中にたくさんの防災リーダーを入れていかないと防災の組織として動いてこないんじゃないかと思うんですが、そのあたりはいかがお考えですか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  岩国市地域防災計画には自主防災リーダーについてこのように書かれております。「自主防災活動を活発にするためには、地域の要となる自主防災リーダーが必要であり、各種研修会への参加を促進する等その育成に努める」となっております。議員が言われるように簡単な記述になっております。これ以上のことは記載がありません。ただこの市町村の地域防災計画については、災害対策基本法第42条第1項の規定に基づいて、市町村の防災会議が作成することになっていますので、今後、自主防災リーダーに関する記載についての協議をしていただくことについて検討したいと考えています。 ◆30番(片山原司君)  よく見つけたね。随分私も見たんです。この防災士は私はともかく難しすぎるから、これができるかって言ったら難しいと思う。ただ、128人の防災士、それから防災リーダーは正式には県のほうで我々は受けていますからね。名前も載っていて、防災リーダーか違う名前で載っているけれども、中身は同じなんです。県の研修会の中で、この防災リーダーの仕事っていうのは、「おい、危ないから逃げようぜ」とそういう声かけをする人間をたくさんつくってくれって言っているんです。防災士なので、大げさな難しい問題をやった人はあんまり私は関係ないと思う。そういう中で、この128人を今後というのはあまり考えたくないんですが、防災リーダーのほうが重要ですから、この防災士128人はどういった人たちですか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  どういった方といいますと……、ちょっと各人の職業についてになりますけれど、市の職員が2人、消防組合の職員が4人というところまでは確認できましたけれど、そのほかの方については確認できませんでした。御理解をお願いします。 ◆30番(片山原司君)  ですから、岩国市でつかめた者で仕事をしたほうがいいと思います。だから、防災士っていうふうに難しいようになって、大げさな認定証もくれますがやめたらいい。こんな分からないものを岩国市の中でどうとかするっていうのは私はやっていただきたくないと思います。 反対に自主防災会の中に2人でも3人でも「逃げようぜ」って声がかけられる人間をたくさんつくって、逃げ遅れゼロをつくるために私はやるべきだと思います。要らないものは私は止めてほしい。だから、こういうのを出してどうこうはやらないでほしい。防災リーダーを自主防災会の中に配置をして――難しいことじゃない、危ないと思ったら声を出してくれよと。以前はいっぱいおられましたよ、田舎でも都会でも。今はみんな年を取って、病気になったり、そういう方がいなくなりました。 だから、いわゆる逃げ遅れゼロを防ぐためには意識してこういうリーダーをつくらなきゃいけないと思います。危機管理監、どういうふうにお考えですか。 ◎危機管理監(桝原裕司君)  片山議員と考え方がちょっと違うかもしれないんですけれど、率先避難をする場合に「逃げましょう。私についてきてください」といった場合ですけれど、その言葉に従うっていうのが自分の命を預けるっていうことだろうと思います。だから、よほどの信頼関係がないとできないことだと思っています。その信頼関係はやっぱり長い時間をかけて、お互いを理解しながら築き上げていくものだと考えています。そこにはやっぱり防災知識はもちろんですけれど、人望や行動力やリーダーシップが求められています。だから、そういったことで地域の中でコミュニケーションを取って、信頼関係を築いていくもので、こちらからそこに配置するというようなものではないんじゃないかなと考えています。 ◆30番(片山原司君)  本の読みすぎです。(笑声)実際に危機が迫ってきて、どうしようかというときに、顔見知りであってもなくてもそういう人たちが言ったらついていきます。何にも言わなかったら家の2階にいますから、みんな。だから、指導的な立場という難しいことじゃなくて、誰かが声をかけると、そうだなと思って逃げる場合が多いんですよ。だからそのあたりで――絶対正しいとは言わないけれど、私は今まで災害にいっぱい遭っているからそういう信念を持っています。だから、そちらのほうも研究をして、市の中で、幹部同士で話し合って、避難というのはどういうことかなということも私は研究していただきたいと思う。その中で、「おい逃げようぜ」って声をかけた人がいて、「じゃあ行こうか」っていうのが何割か出てきますから。全員というわけにはいきません。だから避難の掛け声をかけられる人というのが私は防災リーダーだと思っています。それの先生のような形が――何かちょっと字が違いますよね、アドバイザーですか、私も持っていますけれど防災アドバイザー、県のほうがくれましたけれど……。 要は、そういうことよりも、防災リーダーとしてみんなに声をかけて避難を呼びかけるのが一番私は大事だと思います。そのあたり、ひとつ市の中で十分に検討していただきたいと思う。そしてできるだけ早く、研修会というものを組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 あとは、雨量指標R'の活用についてということですけれども、こういう新しい言葉は――以前も線状降水帯とかが出て、これを天候のほうにどういうふうに――いわゆるこれから危ないですよというんで、こういう言葉を使うかというのもありました。この雨量指標R'の場合はいいほうで予測を出そうということですから、これはまだ二、三年ぐらいですからこのままうまく使っていただいて、いいデータを出していただきたいと思います。線状降水帯の活用もお聞きしようと思ったんですが、お疲れのようですから(笑声)ここで一応終わります。ありがとうございました。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、30番 片山原司君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明6月16日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤本泰也君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後5時13分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  藤 本 泰 也                         岩国市議会副議長 藤 重 建 治                         岩国市議会議員  長 岡 辰 久                         岩国市議会議員  大 西 明 子                         岩国市議会議員  片 岡 勝 則...