岩国市議会 > 2019-12-09 >
12月09日-04号

  • 同和(/)
ツイート シェア
  1. 岩国市議会 2019-12-09
    12月09日-04号


    取得元: 岩国市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-01
    令和 元年 第5回定例会(12月)令和元年第5回岩国市議会定例会会議録(第4号)令和元年12月9日(月曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)令和元年12月9日(月曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(30人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本   崇 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原   真 君 4番 中 村   豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船   斉 君 7番 矢 野 匡 亮 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           高 田 昭 彦 君       危機管理監          廣 田 秀 明 君       総合政策部長         加 納 健 治 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         野 村 浩 昭 君       文化スポーツ担当部長     藤 本 浩 志 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         児 玉 堅 二 君       保健担当部長         森 本 聡 子 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         白 尾 和 久 君       農林水産担当部長       村 田 武 彦 君       建設部長           木 邉 光 志 君       都市開発部長         山 中 文 寿 君       建築政策担当部長       坂 上 政 行 君       由宇総合支所長        佐 々 川 周 君       玖珂総合支所長        塩 屋 伸 雄 君       周東総合支所長        中 原 健 登 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        上 尾 浩 睦 君       会計管理者          村 上 和 枝 君       教育次長           重 岡 章 夫 君       監査委員事務局長       山 下 則 美 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       選挙管理委員会事務局長    宇 佐 川 武 子 君       水道局副局長         佐 藤 明 男 君       消防担当部長         村 中 和 博 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         樋谷正俊       庶務課長           髙村和恵       議事課長           桝原裕司       議事調査班長         福本和史       書記             佐伯浩則       書記             木下勝貴       書記             福永啓太郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(藤本泰也君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(藤本泰也君)  日程第1 会議録署名議員を指名いたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、1番 河合伸治君、2番 越澤二代さん、3番 桑田勝弘君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(藤本泰也君)  日程第2 12月6日に引き続き、一般質問を続行いたします。 6番 中村雅一君。 ◆6番(中村雅一君)  おはようございます。憲政会の中村雅一でございます。通告に基づき、壇上から一般質問をさせていただきます。 議員となり1年がたちました。この間、市政について先輩議員及び市職員の方々に教えていただき、議員としてのあり方を自覚した1年となりました。 今回の一般質問につきましては、私のライフワークであります錦帯橋について、過去3回の一般質問を振り返り、改めて錦帯橋の未来について質問させていただきます。 まず、(1)(仮称)錦帯橋資料館整備事業の新たな施設整備計画について。 昨年の12月定例会において、(仮称)錦帯橋資料館の進捗状況についてお聞きしました。御答弁では、用地取得後に新たな事業計画を検討されるとのことでした。本年6月末に用地を取得されましたが、その後、どのように計画を進めていかれるのかお聞きいたします。 (2)名勝錦帯橋保存活用計画の策定状況について。 この件につきましても、昨年の12月定例会において質問をさせていただきました。名勝錦帯橋保存管理計画の見直しを図り、名勝錦帯橋保存活用計画として、昨年度と本年度で策定されるとの御答弁でした。本年度も残り4カ月未満です。現在の進捗状況をお尋ねいたします。 (3)架橋技術の継承について。 錦帯橋の架橋技術の継承について、過去3回の一般質問でいろんな角度から質問をさせていただきました。市職員の技術継承、工事にかかわる職人や事業者の技術継承などについては、私自身がかかわったもの以外、目新しいものはありませんでしたが、現在行われている、また取り組んでおられる技術の継承がありましたらお聞かせください。 また、技術者の育成の一環として、市は木造建築技術を学ぶための環境整備を平成27年度から毎年県に要望をしておられるとのことでしたが、概要をお示しください。 (4)錦帯橋の残し方について。 錦帯橋は346年前から先人たちが現在に残してくれた岩国の宝です。今を生きる私たちは後世にこの橋を残す責務があります。 行政は、明治・大正・昭和・平成と錦帯橋を150年にわたり主導して残してくださいました。令和を生きる者として錦帯橋をどう残していくのか、市としてこの課題に対してどのように取り組んでおられるのかお聞きいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。それでは、中村雅一議員御質問の錦帯橋の未来について、(1)(仮称)錦帯橋資料館整備事業の新たな施設整備計画についてでございますが、(仮称)錦帯橋資料館につきましては、世界文化遺産登録を目指す錦帯橋の歴史や構造等を紹介し、その魅力を発信するとともに、地域のにぎわいを創出することを目的として、岩国一丁目の中央フード銀座店跡地とその隣接地を活用した整備の検討を進めております。 昨年度においては、この用地の取得に当たり、土地収用法に基づく事業認定を受けることが困難と判断しましたが、当該用地は地域のにぎわい創出のための重要な場所と考えていることから、まずは用地の取得を最優先として、地権者の方々や関係機関と、事業手法を含めた調整を進めてまいりました。 その結果、(仮称)錦帯橋資料館とその駐車場、そして、これらと一体となる(仮称)岩国一丁目広場整備事業用地に加え、歩行者等の安全を考慮した道路事業用地として、全ての土地の取得を本年6月末までに完了したところであります。 本年8月からは、それぞれの土地を取得した事業の趣旨や用途、土地の面積、基本設計のコンセプトを踏まえた上で、地元関係団体等と意見交換を行っております。 市としましては、地域のにぎわい創出を図るためにも、この施設を錦帯橋周辺の観光の入り口として重要な拠点となるよう、現在計画している新たな観光駐車場と連携した整備が必要であるというふうに考えております。 今後は、地元関係団体等からの御意見も踏まえ、錦帯橋の世界文化遺産登録の推進や岩国地区の交流促進・にぎわいの創出につながる新たな施設整備計画施設整備スケジュールの検討を行ってまいります。 次に、(2)名勝錦帯橋保存活用計画の策定状況についてでございますが、国指定の名勝錦帯橋については、平成20年3月に策定した名勝錦帯橋保存管理計画に基づき、これまで適切な維持・管理を行ってまいりました。 現在、錦帯橋を将来によりよい形で引き継いでいくため、既存の計画や文化庁から示されている史跡等の適切なマネジメントを推進するための史跡等保存活用計画を踏まえ、昨年度と今年度の2カ年で、新たに名勝錦帯橋保存活用計画の策定を進めております。 昨年度においては、名勝錦帯橋の本質的価値を明確化し、保存活用の目標と基本方針を定め、今年度においては、名勝錦帯橋の保存・活用・整備・運営体制・施策の実施計画・諸手続・経過観察についての検討を行っております。また、昨年度から名勝錦帯橋保存活用計画策定委員会を開催し、各分野の専門家や関係機関を初め、関係する各種団体から御意見を伺っているところであります。 これらの作業を踏まえた上で策定した計画の素案については、パブリックコメントを実施して広く市民からも御意見を伺うこととしており、来年3月末に計画として取りまとめた後、文化庁の認定を受けることを目指しております。 市としましては、錦帯橋を将来によりよい形で引き継ぎ、世界文化遺産登録を推進するためにも、この計画は非常に重要なものであるというふうに認識しており、今後も、計画の策定を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  第1点目の錦帯橋の未来についての(3)架橋技術の継承についてお答えします。 錦帯橋の架橋技術の継承につきましては、技術者の育成やこれに資する環境整備が必要であると考えています。この考えに基づき、架橋技術に触れる機会を創出する取り組みとして平成30年度から錦帯橋学校と錦帯橋橋守業務を実施しています。 錦帯橋学校では、夏休み期間中に小学校4年生から中学校3年生までを対象として、木工品の製作やかんな削り体験、錦帯橋5分の1模型の組み立てを行い、木を使った「ものづくり」の体験や模型組み立てを通して錦帯橋の構造を学び、木造技術に触れる機会の創出を図っています。将来、技術者へ進むきっかけづくりと考えています。 次に、錦帯橋橋守業務は、平成のかけかえ従事者で、伝統建築技能を習得され日本伝統建築棟梁の認定資格を有する方に、橋の毎月の点検と軽微な補修を委託し、橋の状況と補修の要否を速やかに把握するなど、技術者の育成も図っているものです。 また、技術者育成の取り組みの一つとして、山口県に対し木造建築技術を学ぶための環境整備を要望しております。この要望は、県内には地域産業関連の技術ニーズに沿った人材育成がなされるべく、県立の高等産業技術学校が県下2カ所、下関市に西部校、周南市に東部校が設置されておりますが、木造建築技術を学ぶ木造建築科は西部校のみであり、本市では、身近に技能習得をすることが難しい状況にあります。 そうしたことから、市としては、木造建築技術を学ぶための環境整備について、これまでも山口県に要望しておりますが、令和2年度県予算等に対する要望書の提出においても、引き続き要望したところでございます。 こうした架橋技術の継承の取り組みにつきましては、現在進めています名勝錦帯橋保存活用計画の策定においても検討を行っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、(4)錦帯橋の残し方についてお答えします。 市民の宝であり、世界に誇る錦帯橋をどのように将来に引き継いでいくかは、本市にとって非常に重要な課題だと考えております。 錦帯橋をあるべき姿で残していくためには、錦帯橋に関する調査・研究を行うとともに、文化財としての価値を維持しながら、必要なメンテナンスを行い、現在架橋されている錦帯橋を安全に長く使っていくことが求められていると考えています。 錦帯橋に関する調査・研究につきましては、これまで世界遺産登録に向けた取り組みにおいて各種調査・研究を行っておりますが、その中の一つとして、平成28年度から橋の文化財建造物としての価値について取り組み、現在、その成果として取りまとめた「錦帯橋報告書」の編さんを進めているところです。 この報告書は、錦帯橋に関する一次資料を総点検し、事実関係を改めて整理するとともに、かけかえにより材料が更新される建造物の真実性(オーセンティシティ)などに関しても考察を行っております。あわせて、関係史料や図面、古材についても整理しているところです。 次に、錦帯橋を安全に長く使っていくための取り組みにつきましては、日々の目視点検や毎月の点検、5年に1度の健全度調査などを行っております。 本年度はこの健全度調査を実施する年度であり、8月に強度試験を実施し、今月21日から24日までの期間で老朽調査を行い、錦帯橋の安全性に関する検証を行っております。このような点検調査を行い、錦帯橋の安全を把握するとともに、軽微な補修についてはその都度実施しているところです。そして、老朽調査の後は、錦帯橋を保全するために、木部の防腐処理や防水処理、金物の塗装を行う工事を、来年3月16日までの工期で行うこととしております。 このようにして、現在の錦帯橋を安全に長く使っていくことに取り組むとともに、今後の錦帯橋を保存・管理するために非常に重要な計画である名勝錦帯橋保存活用計画の策定においてもしっかり検討し、よりよい形で将来に引き継いでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  それでは、議席から、通告順に再質問をさせていただきます。 (1)(仮称)錦帯橋資料館整備事業の新たな施設整備計画について再質問いたします。 新たな施設整備計画は、道路を隔てた2つの用地を、(仮称)錦帯橋資料館と(仮称)岩国一丁目広場整備事業として、分けて計画されるということでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  中央フード銀座店跡地は(仮称)錦帯橋資料館用地として、市道を隔てた耳鼻科跡地はその他駐車場用地として取得しております。大明小路沿いの土地につきましては、(仮称)岩国一丁目広場整備事業のために取得しています。 (仮称)岩国一丁目広場と(仮称)錦帯橋資料館は隣接していることから、一体となる公共空間として考えておりまして、両施設は一体的な整備が必要と考えているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  二つに分けてというよりは、一体として計画されるということで、今後の計画をよろしくお願いいたします。 錦帯橋の世界文化遺産登録を推進するためには、その魅力を国内外に、広く、わかりやすく発信することが求められ、その手法として資料館の建設が計画されました。現在検討されている施設の展示計画は、どのように進めておられるのかお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在、計画している展示計画――これは検討している方針でございますけれども、1つ目に、大人から子供までが錦帯橋への興味と理解を増すための体験ができる機能などを整備したいと思っています。 次に、直接見ることのできない錦帯橋の魅力――これは意匠とか技術的なものでございますが、こういったものを説明する展示としたいと思っております。 それから、城下町地区(横山地区・岩国地区)の歴史や営みを伝える展示――最新の映像技術を使用した疑似体験などによる展示を、現在、検討しているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  資料館の用地としては決して広い土地とは言えませんが、錦帯橋の魅力を世界に発信するかなめとも言える施設です。単なる展示館とならないよう、専門家との協議を尽くして計画を立てていただくよう要望いたします。 この2つの事業についてですが、年次計画は立てておられるのでしょうか。また、新たな事業計画において、見直し以前の計画はどのように反映されるのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  今年度は、用地取得を行い、その後、地元関係団体から御意見を伺っているところでございますけれども、今後については、先ほど言いました(仮称)錦帯橋資料館整備事業と(仮称)岩国一丁目広場整備事業の2事業を一体として、それぞれの土地を取得しました事業の趣旨、用途並びに土地の面積、既存の基本設計の方針、そして地元関係団体等の御意見といったものを踏まえて、新たな施設整備のための年次計画を検討してまいります。この検討において、既存の基本設計の方針を踏まえてまいりたいと思っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  地域のにぎわい創出と錦帯橋の世界文化遺産登録は、どちらも早期実現を望まれるものです。課題の多い事業ではありますが、よろしくお願いいたします。 次に、(2)名勝錦帯橋保存活用計画の策定状況について再質問をさせていただきます。 文化庁から示されている史跡等保存活用計画とはどのようなものでしょうか、お示しください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  史跡等保存活用計画というのは、文化財保護法第129条の2に規定された計画でございます。国指定文化財を対象にしまして、その所有者等が作成するということでございまして、文化財の個々の状況に応じて、その保存・活用の考え方や所有者等において取り組んでいく具体的な取り組みの内容を位置づけた、個々の文化財の保存・活用を進めていくための指針となる基本的な計画でございます。 計画期間は、おおむね5年から10年程度の期間としておりまして、個々の文化財の実情に応じて設定することとなっております。 ◆6番(中村雅一君)  つまり、錦帯橋は、錦帯橋に特化した計画を立てると解釈してよろしいのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  そのとおりでございまして、文化財保護法による名勝としての計画でございます。 ◆6番(中村雅一君)  「名勝錦帯橋」というのは、幅広いエリアに対するものということと解釈をいたします。 名勝錦帯橋保存活用計画策定委員会は、各分野の専門家や関係機関及び各種団体から御意見を伺っておられるようですが、その構成委員及び関係機関・各種団体とはどのようなものかお示しください。
    産業振興部長(白尾和久君)  委員の構成でございますけれども、人数は現在6人でございまして、景観名勝・建造物・都市工学・橋梁・歴史・歴史地理の各分野の専門家である大学教授・准教授から構成されています。 関係機関はオブザーバーとして委員会に出席いただいておりまして、文化庁の名勝部門の調査官、山口県の、河川を所管する岩国土木建築事務所、文化財を所管する教育庁社会教育・文化財課でございます。 各種団体におきましては、横山地区自治会連合会岩国地区自治会連合会錦川漁業協同組合、岩国市観光協会、岩国商工会議所でございまして、これらについては委員会への出席は求めていませんが、必要に応じて意見を伺っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  実際に錦帯橋のかけかえ工事を経験された関係者は、その中にはおられないようです。 錦帯橋の保存とは、現在かかっている橋の保存だけではなく、将来にわたって保存が要求されます。かけかえ経験事業者及び職人など、実際に工事を担当した関係者、そしてこれからかけかえをすると思われる事業者などの意見なしには保存はあり得ないと思われますが、御見解をお聞かせください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  かけかえ経験事業者や職人などからの御意見につきましては、まず、かけかえを経験した大工技術者からは、錦帯橋橋守業務を担当しているとき、また、平成29年度に実施しました錦帯橋大工技術研修会の場において、御意見を聞いているところでございます。 昨年度、事業者である市内のAランクの建築業者10社にアンケート調査を行ったわけですが、これは、会社に実際に訪問いたしまして、面談を行い意見を聞いたところでございます。また、和くぎ、鎹の製作業者とは、今年度に面談を行っております。これらの機会を捉えて御意見を伺い、名勝錦帯橋保存活用計画の策定を行っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  かけかえ工事から既に16年経過しており、今の御答弁からは、かけかえ当時に主導した関係者からの御意見は伺っていないようです。まずは当時の関係者のリサーチから始められることをお勧めいたします。 続きまして、(3)架橋技術の継承について。 将来を担う子供や若者に錦帯橋の魅力を知ってもらい、技術者や職人への道を目指すきっかけになればという取り組みは大変重要なことです。以前、市の取り組みとして、出前授業として、錦帯橋の模型を学校に持ち込み組み立てるという授業を行っていました。現在も、このような取り組みをしておられるのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在も、学校からの要請を受けて実施しているところでございます。今年度の実績としては2校でございます。 ◆6番(中村雅一君)  かなり件数は減っているようです。 岩国小学校では、錦帯橋周辺において観光案内をするちびっこガイド、岩国中学校では、社会見学や修学旅行の際に外国人相手に英語で錦帯橋や岩国の魅力を説明する活動を続けています。市としてこうした若い世代とかかわりを持つことは、錦帯橋を引き継いでいく上で大変重要だと思います。 錦帯橋学校の取り組みは大切なことと思いますが、現在行われている学校や団体に、さらに積極的にかかわる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  市としましては、学校や各種団体からの要請を受け、イベント等の実施――錦帯橋5分の1模型の組み立て体験や出前授業を行い、錦帯橋の歴史や構造、そのすばらしさを知っていただいているところでございます。 錦帯橋5分の1模型組み立て体験は錦帯橋課が実施しておりまして、出前授業については錦帯橋課と岩国徴古館がそれぞれ実施しております。 今後につきましては、教育委員会と連携をさらに深めてまいりまして、学校や各種団体、社会教育関係団体等に働きかけてまいりたいと思っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  オープンスクール形式の、広く受けられる授業もあるのではないかと思いますので、御検討ください。 技術の継承のためには工事報告書は重要でありますが、実際に工事をされた方からのヒアリングが不可欠であると思います。私が錦帯橋の図面で悩んでいたとき、岩国徴古館の元館長の桂 芳樹先生と生前お会いする機会がありました。現在、錦帯橋は、設計は児玉九郎右衛門、構造は独立の持参した西湖遊覧志を見た吉川広嘉公が思いついたという説が定説とされていますが、これは、桂先生が錦帯橋について書かれた論文がもとになっています。この論文を読んで内容の一部に疑問を持ち、先生に伺ったところ、「若いときに会いたかったね」というお言葉をいただきました。この言葉のおかげで自分の考えに自信を持つことができました。 生きた言葉というのは、継承の世界において大きな意味を持つものであると考えます。平成の工事報告書は大まかなところをまとめておられますが、工事の詳細についてまとめたものはありません。当時の工事関係者は、高齢化が進んでおり、既に亡くなられた方もおられます。早急にかけかえ経験者からのヒアリングを行い、工事報告書の補完をすべきと思いますが、御見解をお聞かせください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、平成のかけかえ工事の経験者から御意見を伺うことについて、それぞれの経験者からは、機会を捉えて御意見を伺っているところでございます。 現在、この御意見を踏まえて史跡等保存活用計画の作成をしておりますので、まずはこの計画を策定し、その後に、議員御提案のヒアリングの実施については検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  ヒアリングはしておられるようですが、当時の工事記録をもう一度精査され、より工事の実態に沿ったヒアリングもしていただけるよう提言いたします。 錦帯橋課は、職務が多岐にわたり人手不足とは存じますが、こうした地道な活動が技術の継承につながるものと確信しております。ぜひ、御検討をお願いいたします。 それでは、(4)錦帯橋の残し方について。 現在かかっている橋を長く使っていくことは、当然、大事なことと考えます。しかしながら、橋板や高欄の張りかえやつけかえは、昭和の再建後20年程度で行っております。これは、雨による腐食から構造材を守るために、老朽化した橋板を張りかえたものです。平成の橋も、中央の橋はかけかえから18年になります。このあたりの検討は始まっているのかお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  錦帯橋の橋板や高欄は、平成のかけかえ従事者で、伝統建築技能を習得された日本伝統建築棟梁認定資格を有する方による、毎月の点検である橋守業務で現状を把握しておりますが、本年度は、今月21日から24日にかけて、5年に1度の健全度調査の老朽調査を早稲田大学に依頼して行うこととしております。この調査においても現在の状況を把握し、今後についての検討を行うこととしています。なお、老朽調査においても橋守業務を実施する専門家に御協力いただくこととしております。 現在、策定を行っています名勝錦帯橋保存活用計画において、橋板や高欄などの部分的な取りかえについても検討を行っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  部分的な取りかえ工事のことを質問しているのではありませんが、老朽調査に沿った計画を立てておられることはわかりました。部分工事後の景観及び取りかえ材の耐久年数も考慮したものとなるような計画を立てられるようお願いいたします。 錦帯橋に関する資料はどんなにささいなものでも貴重ですが、現在、資料の保管についてどのようにされているのかお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  錦帯橋の資料につきましては、岩国徴古館と錦帯橋課で保管をしております。岩国徴古館では、収蔵庫において歴史的な資料を保管し、錦帯橋課では、本庁舎書庫において近代の資料を保管しているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  今、近代と言われましたけれども、近代とは、いつごろからでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  昭和からでございます。 ◆6番(中村雅一君)  昭和からというと再建後ということになりますけれども、明治・大正も近代としていただけたらと思います。 明治・大正・昭和の工事記録の詳細は残っていません。平成の資料についても、大工・石工・板金・製材・仮設工事などの技能にかかわる詳細な記録は庁舎にありません。どのような資料があるのか整理したリストはつくっておられるのかお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  市が所有している資料については、文書リストを作成して管理しております。 なお、平成のかけかえ事業に係る資料につきましては、実施設計図書、工事設計図書、工事関係図書、工事監理関係図書、電子データ――これは図面類です。また、映像資料をDVDとして残しています。用材調達書類、補助金関係書類、関係法令の許可申請書類――この中において、工事工程表であるとか、施工計画書、測量データ施工図、施工検討図などもあわせて保管をしているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  今お聞きした資料は、ほとんどが着手前のもののようです。工事の工程に沿ったリスト整理をされることを提案いたします。 現在、岩国徴古館に保管してある資料・文献は、西岩国にあった庁舎に桂先生が保管しておられたものから、庁舎が移転する折に必要なものを探し出したもので、残りは廃棄処分されたそうです。もっと探せばよかったと言っておられました。このように、庁舎内に保管するというのは決して安全とは言えないのです。平成の資料も50年後には指定文化財となるかもしれません。適切な保存・管理をお願いいたします。 市として、錦帯橋の技術伝承のために「20年かけかえ構想」や保存・活用の検討をされてきましたが、コンクリートの物理的効用持続年数は――寿命ともいいますが、120年です。この寿命まで、あと53年です。激流や地震などの影響により、寿命はもっと短いかもしれません。こうした来るべき大工事を視野に入れた保存方法は検討されているのでしょうか。あればお示しください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  錦帯橋の橋脚や橋台についての御質問と思われますが、名勝錦帯橋保存活用計画の策定において、平成10年度に調査しました「錦帯橋下部工健全度調査業務その2」の成果をもとに検討を進めています。 そのときの成果から抜粋をしますと、「現錦帯橋下部工は現状において比較的健全な状態にあると判断される。そして現錦帯橋の位置する地震環境に対し、現況の下部工は致命的な損傷を受けることのない耐力を有している」という成果を得ているところでございます。 しかしながら、今後、橋脚・橋台については、保存活用計画策定後においてしっかりと審議をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆6番(中村雅一君)  検討するということですが、平成のかけかえ時に検討したもので、今、報告されたものがそうです。今後についても調査・検討をお願いいたします。現在の状況を十分に把握されることが今後につながると思いますので、よろしくお願いいたします。 錦帯橋の場合、寿命を延ばすことの意味は何なのか、残すための原点に帰るときが来ているのかもしれません。こうしたことを検討するには、健全度調査は大事ですが、どのような調査が行われているのかお示しください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在行われている健全度調査でございますけれども、まず、強度試験は、既に8月に済んでおりますが、目的は錦帯橋の構造的な健全度を測定するためでございまして、内容としては、たわみ測定、振動測定、水準測量などを行っております。 それから、今後行う老朽調査についてでございますけれども、この目的としましては、錦帯橋木部の腐朽箇所の早期発見と、腐朽につながる変状及びその範囲を把握するためのものでございます。内容としては、目視観察、ハンマー打撃、含水率測定、貫入深さ測定、打撃音の周波数解析(打音法)、超音波伝播時間の測定などを行います。橋板の摩耗量の測定も行うこととしています。 ◆6番(中村雅一君)  構造物の検査、特に木造の腐朽調査に関しては、いまだアナログ的な調査方法しか確立されておらず大変な作業だと思いますが、十分な調査をよろしくお願いいたします。 錦帯橋の管理をしている市として、どのように錦帯橋を残していくのがベストかを長年検討されてきましたが、時代とともに変わる文化庁の文化財に対する対応に翻弄され、本質を見出すのに苦労されております。 世界に一つしかない錦帯橋を伝え守ってきたのは、文化庁でも大学の教授でも各関係機関でもありません。岩国に住む人々です。行政だけで頑張るのではなく、市民とともに、どうやって残すのか、未来へ伝えるのか、真剣に協議すべきだと思います。 現在の岩国市の状態は、市に対し市民や市民団体がお伺いを立て、市の考えを述べる、まるで市当局対市民の体をなしています。この状態では、未来の錦帯橋はありません。市職員も含めた岩国市民による錦帯橋の未来を協議する組織――錦帯橋保存協議会のようなものを早急に立ち上げるべきときが来ているのではないかと思いますが、市長の御意見をお聞かせください。 ◎市長(福田良彦君)  中村議員から、これまで錦帯橋に対する熱い思いの中で、さまざまな観点から御質問をいただいております。 まさに、この錦帯橋は、岩国市民が、地域の方が、これまで守り、伝えてきたものであります。過去、水害によって流されたり、流出したり、また第1橋と第5橋の橋脚部分もこれまで何度かダメージを受けることもあったわけでありますが、やはり、その都度岩国の人々が錦帯橋を守ってきたわけでありますので、そういった中で、先ほどから部長も答弁しておりますが、今、ちょうど5年に1度の調査をしておりまして、議員も既に御承知と思われますが、錦帯橋のほうには作業用の足場が組まれているところであります。 これは実は観光事業に差し支えのないように、強度試験は夏場に行い、そして12月は比較的観光客が少ないわけでありますので、そういった、観光客のほうに差し支えがないということで、この12月に老朽調査をしているところでございます。 その中で、議員の御提言は、錦帯橋を未来に残していくために、今後、錦帯橋保存協議会でしょうか、そういった言葉でございましたが、まさにこれは、行政だけが錦帯橋を守るのではなくて、やはり市民のいろいろな方々が錦帯橋への思いを同じくして錦帯橋を守っていくための組織の必要性を、先ほどお話しされたのかなというふうに受けとめたところであります。そういった意味合いは、非常に私も同感する部分がございます。 その中で、先ほどの、錦帯橋にこれまで実際にかかわってこられた方々へのヒアリング、さらに市内の業者、また和くぎとか鎹を製作された事業者の方々など、さまざまな方にも、今、この保存計画の策定に当たっては御意見を頂戴していますが、あわせて、未来永劫、さらに錦帯橋をしっかりと守っていく中では、やはり市民一人一人が錦帯橋にしっかりと思いをはせながら、どう守っていくか、また、錦帯橋のすばらしさをどう伝えていくか、そういった市民の錦帯橋への思いというものを、いま一度総結集するといいますか、そういった取り組みは必要であろうというふうに思っております。 今、議会でも錦帯橋世界文化遺産登録推進議員連盟を立ち上げていただき、イベントなりフォトコンテスト等も含めて、いろいろな活動を展開していただいており、これは非常に大きな力になっていると思っております。そういった議員の方々の思い、また、民間の団体、そして市民が、錦帯橋を広く世界にどう発信していくか、また、どう守り、未来に伝えていくか、そのための組織ということであれば、またいろんな検討をしっかりやっていきたいと思っています。 ここで、その錦帯橋保存協議会をいつ立ち上げるかということは、ちょっと差し控えますが、そういった思いはよく理解できました。どういった形で市民を挙げて錦帯橋の未来を守っていくのかという、そういった機運の醸成も含めて検討させてもらいたいというふうに思っております。 ◆6番(中村雅一君)  大変心強いお言葉をありがとうございます。 イコモスアドバイザーであられるミシェル・コット氏は、錦帯橋が世界文化遺産になるには、無形の遺産についてもっと検討すべきであろうと助言されました。これは、最初に岩国に来られたとき、また、このたび来られたときも同じことを言われています。現在ある橋を守ることは当然ですが、それより大事なのはより長く伝える手法、そしてその意義を市民が共有すること、これが無形の遺産であるのではないでしょうか。岩国市の宝、世界の宝である錦帯橋の未来をつくるのは、今を生きる我々の使命です。仮称と言いましたけれど、協議会についてぜひ早急に検討していただき、今後の錦帯橋保存に活用していただけたらと思います。 以上で、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、6番 中村雅一君の一般質問を終了いたします。 22番 石本 崇君。 ◆22番(石本崇君)  おはようございます。市政改革クラブの石本 崇でございます。通告に従い、一般質問を行います。 初めに、(仮称)飛行艇ミュージアムについて、市の取り組みについてお尋ねいたします。 また、(仮称)飛行艇ミュージアムの整備に向けての機運の醸成については、例えば岩国錦帯橋空港再開において、過去に岩国商工会議所がピンバッジを作成し、青年部を中心に広く市民に配布して機運の醸成に努めた経緯がありますが、同様に、(仮称)飛行艇ミュージアムにおいても、今までのように、資料を見たり、講演会を聞いたりするような、いわば市民側が受け身の立場になるのではなく、今度は市民が市民に対して積極的に周知を図り、それが大きなうねりとなるような取り組みについても検討する必要があると考えますが、市の見解はいかがでありましょうか。  2点目、教科書採択について、市の取り組みについてお尋ねいたします。 先般の9月定例会においても質問いたしましたが、そのときの課題について、来年度の採択においてはどのように取り組まれるのかお示しください。 3点目、北朝鮮による拉致事件について、市の取り組みについてお尋ねいたします。 あす12月10日から12月16日までの1週間は、北朝鮮人権侵害問題啓発週間であります。北朝鮮人権侵害問題啓発週間とは、北朝鮮による日本人拉致、その他北朝鮮当局による人権侵害問題について、国民の関心と認識を深めることを目的とする人権週間であります。 拉致事件は、許しがたい人権侵害であり犯罪です。絶対に解決されなければなりません。 残念ながら、依然として進展は見られませんが、この事件が風化されることがあってはなりません。 そこで、本市としてはどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、石本議員御質問の第1点目の(仮称)飛行艇ミュージアムについての(1)市の取り組みについてお答えいたします。 飛行艇ミュージアム(仮称)の整備に関するこれまでの取り組みにつきましては、昨年度行った調査・検討結果を受け、本年5月23日、全国で唯一、岩国航空基地に配備されている海上自衛隊の救難飛行艇をコンセプトの中心に位置づけた、海上自衛隊広報館「飛行艇ミュージアム」の整備について、国に対して要望を行いました。 また、要望活動と並行し、市民の機運醸成に向けた取り組みについても実施しておりまして、本年の取り組みとしましては、まず、3月10日から5月12日までの期間で、岩国徴古館において企画展「救難飛行艇の世界」を開催し、その中でトークセッションも行い、多くの方から御好評をいただいたところであります。 このことを受け、企画展終了後、救難飛行艇の模型や紹介ビデオ、説明用パネルなど、展示品の一部を市役所1階ロビーで8月末まで展示し、市役所に来庁された方々に、世界唯一の救難飛行艇への関心を深めていただいたところであります。 次に、8月4日には、岩国市民文化会館において岩国商工会議所の主催により「飛行艇ミュージアム誘致講演会」が開催されました。 この講演会では、辛坊治郎氏を講師としてお迎えし、「世界に誇る救難飛行艇を語る」を演題に御講演をいただき、多くの市民の皆様に救難飛行艇について知っていただく大変よい機会になったと考えております。 このほかにも、8月26日には、藤本議長とともに、当時の岩屋防衛大臣にお会いし、基地に関するさまざまな意見交換をさせていただく中で、飛行艇ミュージアムの整備についても、直接要望したところであります。 また、10月27日に行われた、自由民主党山口県支部連合会が実施する移動政調会においても、本市の要望の一つとして飛行艇ミュージアム(仮称)の整備について、国会議員や県議会議員の皆様に要望を行ったところであります。 さらに、10月31日にも、藤本議長とともに、内閣改造後の河野防衛大臣、山本防衛副大臣にお会いし、その際にも飛行艇ミュージアムの整備について要望を行い、自衛隊の予算は厳しいが、前向きに検討する旨の回答をいただいたところであります。 今後の取り組みにつきましては、あらゆる機会を捉えて要望を行っていくとともに、国に対して協議や意見交換ができる環境づくりをお願いし、飛行艇ミュージアムの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えています。 また、機運醸成に向けた取り組みとしましても、救難飛行艇を市民の皆様に広く知っていただくため、現在、企画展の開催について、岩国商工会議所などと検討・調整を行っているところであり、来年度の予算化に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。 あわせて、議員御案内の取り組みにつきましても、市民の皆様に向けたさまざまな取り組みの中で検討してまいりたいと考えております。 今後も、これまでともに誘致に取り組んでまいりました岩国商工会議所とも連携し、関係機関の御意見や御協力もいただきながら、飛行艇ミュージアムの整備の実現に向け、要望活動や地元の機運の醸成に粘り強く取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の教科書採択についての(1)市の取り組みについてお答えいたします。 本年度は、新学習指導要領に基づいて編集された小学校用教科用図書及び現行の学習指導要領に基づいて編集された中学校用教科用図書の採択を行いました。原則として、採択を行った教科用図書の使用期間は4年間となっておりますが、中学校においては、令和3年度から新学習指導要領が全面実施となるため、本年度採択した教科用図書は令和2年度1年間のみの使用となり、来年度、改めて中学校全教科の教科用図書の採択を行うこととなっております。 本年度の教科用図書採択地区協議会や教育委員会会議等、採択に関する一連の協議・手続は、公正・公平かつ静ひつな環境で進められ、関係法令にのっとり採択を終えておりますが、現在、来年度の採択に向けて、さらなる改善を図るため、検証を行っているところです。 特に、教科書展示会において出された意見書の取り扱いについては、本年度の採択スケジュールでも、採択を行う教育委員会会議において全ての意見を参考資料として取り扱ってきましたが、来年度の採択スケジュールでは、選定を行う採択地区協議会においても全ての意見を参考資料とできるようにしていきたいと考えております。 教育委員会としましては、教科用図書の採択権者として、岩国地区の児童・生徒の豊かな成長に資する教科用図書を、責任を持って採択してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(高田昭彦君)  第3点目の北朝鮮による拉致事件についての(1)市の取り組みについてお答えいたします。 市といたしましては、北朝鮮による拉致事件について、人権問題の一つとして取り組みを行っています。同和問題を初め、女性・子供・障害者・外国人に対する差別など、さまざまな課題があり、また、近年はインターネット上の誹謗中傷、差別的記事の掲載などが問題になっています。北朝鮮の拉致事件を含め、これらの人権問題に対し、人権教育や人権啓発に取り組んでいるところでございます。 北朝鮮は、当初、かたくなに拉致を否定し続けてきましたが、平成14年9月、日本人拉致の事実を認めるに至り、同年10月には拉致被害者のうち5人の方々の24年ぶりの祖国日本への帰国が実現しました。 しかし、ほかの拉致被害者については、北朝鮮当局から納得のいく説明のないまま、平成28年に北朝鮮による一方的な特別調査委員会の解体宣言が行われました。その後、日本国政府の働きかけに全く応じない状況が現在まで続いております。 日本国政府は、帰国された5人を含め拉致被害者として17人を認定していますが、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者は883人とされており、そのうち、家族等の同意を得て公表された方は458人となっております。 山口県内におきましては、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が23人、そのうち、家族等の同意を得て公表された方は、岩国市の2人を含む11人となっております。 これまで日本国政府は、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くすと国際社会に訴えかけるなど、問題解決のため、さまざまな取り組みを行っております。 この拉致問題の解決のためには、この問題について国民の認識を深め、関心を持ち続けていくことが重要であると考えております。そのため国においては、平成18年6月に、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律を施行し、拉致問題や北朝鮮当局による人権侵害問題についての関心と認識を広く国民に深めるため、毎年12月10日から16日までを北朝鮮人権侵害問題啓発週間とすることとされました。 本市におきましても、この啓発週間に合わせ、毎年、岩国市役所1階ロビーにおいて拉致問題啓発パネル展を開催しております。 このパネル展では、政府拉致問題対策本部から資料提供をいただき、拉致問題の概要説明や政府認定17人の調査や捜査の状況、福井県美浜町に北朝鮮工作船が漂着した事件などの情報を展示するとともに、昭和52年、当時中学校1年生だった横田めぐみさんが拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や懸命な救出活動の模様を描いたアニメ「めぐみ」の放映を、パネル展示横で行っております。また、岩国警察署と連携して、山口県内における北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に係る方々のポスターの掲示を行い、情報提供を呼びかけております。  さらに、山口地方法務局岩国支局から提供を受けた北朝鮮人権侵害問題啓発週間などの周知用ポスターを、市民の拉致問題に対する関心や認識を深めるために市役所や総合支所等へ掲示しております。こうした取り組みを継続していくことが、市民意識の高揚につながると考えております。 拉致問題は、現在進行中の犯罪であり、日本国憲法の重要な柱であります基本的人権の尊重が無視されたもので、拉致被害者の人身の自由、居住の自由など、幸福に生きる権利を奪われた人権侵害が40数年も続いている、大変大きな問題であると認識しているところでございます。被害者の方、家族の方も高齢となっており、早急な解決が望まれます。 市といたしましては、拉致問題を決して風化させない、若い世代にも関心を持っていただき、認識を深めてもらうために、引き続き岩国警察署や法務局等と連携し、市民に対して、この拉致問題を初めとした北朝鮮による人権侵害問題に対する関心を高めていくよう、啓発活動を続けてまいりたいと存じておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  それでは、順不同で再質問をさせていただきます。 初めに、教科書採択についての再質問をさせていただきます。 文部科学省によりますと、「調査員からの報告については、さまざまな観点から教科書の特徴を示すこととするなど、採択地区協議会における実質的な協議に資するよう工夫することが重要である」となっております。では、具体的にどのような工夫をされているのかお示しください。 ◎教育長(守山敏晴君)  調査・研究においては、学習指導要領のポイントに応じて特に重点的に調査していただきたい項目をあらかじめ示すこととしております。そうすることで、それぞれの教科書の特徴や工夫点を比較しやすくなります。 例えば、小学校においては、新学習指導要領の中で、知識及び技能の確実な定着を図るための工夫とか、思考力・判断力・表現力等を向上させるための工夫、学びに向かうための人間性を育むための工夫等、そういった観点も提示されているところでございます。 ◆22番(石本崇君)  済みません、教育長、もうちょっとゆっくり答弁していただきたいところでございます。時間もたくさんありますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、同じく文部科学省によると、「最終的には各市町村教育委員会の意向を採択地区協議会の協議の結果としてまとめていただく必要がある」となっていますが、その取り組みについてはいかがでありましょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  法律においては、教科書の採択権者は教育委員会であると定めております。したがって、教育委員会の意向を採択地区協議会の協議に反映させることが大事であると考えております。そのために、協議会の委員の中には教育委員会の代表者、教育長を含めて、岩国市・和木町の両教育委員会から計6人が参加をしております。教育委員会の権限と責任が反映されるよう、工夫しているところでございます。 ◆22番(石本崇君)  さまざまな工夫、取り組みをされているということはよくわかりました。 では、日本も法治国家でありますので、やはり学校教育ということについては、もちろん大きな柱として教育基本法、さらに、この精神を実現するための学習指導要領の目標等々があると伺っております。私は、学習指導要領の目的・目標に最も沿った――最も沿ったというか、一番忠実な教科書が採択されるべきではないかと考えておりますが、その点はいかがお考えでありましょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  教科用図書の記述内容につきましては、専門的・学術的な審議を経て検定に合格したものであると捉えております。教科書は全て、児童・生徒の学校においての授業や家庭における学習活動においても重要な役割を果たしていることから、その採択については綿密な調査・研究を踏まえた上で、公平性・透明性に疑念が生じないようにする必要があり、どの教科書においてもその内容については問題ないというふうに考えております。 ◆22番(石本崇君)  おっしゃることはよくわかります。国の検定を通った教科書でありますので、確かにそこらあたりは調査がなされておるというところだろうと思います。 しかし、国の検定というのは、野球でいえばあくまでもストライクゾーンのようなもので、いろいろな教科書がある中で、外角ぎりぎりのストライクであったりとか、内角すれすれのストライクだったりとか、直球ど真ん中のストライクとか、いろいろなものがあるやに聞いております。やはり、それらの教科書を教育委員会がしっかりと見て、協議して採択する。これが採択の本旨ではないかと思っております。そうでないと、国の検定に通った教科書だからどの教科書も大丈夫ということであれば、わざわざ教育委員会が採択する必要はないわけで、それこそ検定に通った教科書を順番に選べばいいので……。そうではないと思うんです。私が質問をしたのは、先ほど申し上げたように、やはり、学習指導要領の目的・目標というものがあります。 数ある教科の中でいつも話題に上っております歴史の分野について申し上げれば――釈迦に説法ですけれどね……。教育基本法第2条第5号、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養う。途中、ちょっとはしょりましたが……。この精神を実現するために学習指導要領の目的・目標というものがあるわけで、どのようなことが書かれているかというと、我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を尊重しようとすることの大切さについての自覚などを深めるということなんです。 それで、そういった学習指導要領の目的・目標にどの教科書も同じように忠実に沿っているかといえば、必ずしもそうではないはずであります。 例えば、本市が採択いたしました歴史教科書――歴史といえば歴史上の人物となるわけで、その中でも皆さんがよく知っている人物についてちょっと比較させていただきたいんですが、例えば、坂本龍馬は皆さん御存じですよね。本市が採択した教科書には、まず、坂本龍馬がカラー写真で載って、以下のような説明があります。坂本龍馬について言えば、「土佐藩士、土佐を脱藩した後、航海技術を学ぶ、浪士集団の海援隊を結成し、これを率いて討幕運動に活躍した」と、全部で3ページの記載があります。また、別項目には、「徳川慶喜に船中八策の影響を与えた」という記述もありました。それに対して、よく比較に出される、一番シェアの大きい教科書――はっきり言えば東京書籍ですが、何と書いてあるかといえば、モノクロの坂本龍馬の囲み写真に、以下のような説明があります。「土佐藩の出身で、薩長同盟の仲立ちをしましたが、京都で暗殺されました」と、これだけです。坂本龍馬というのは、ここにいらっしゃる議員の皆さん、もちろん行政の皆さんもよく御存じの人物です。近代史に与えた影響というのは並々ならぬものがあります。そして、今、こちらも皆さんがよく御存じの大実業家、あえて名前は言いませんが、携帯電話の会社ですけれども、その方が現在の大実業家になる大きなきっかけになったのが、この坂本龍馬の生きざまということなんです。 もう一つ、山口県ですから忘れてはならない吉田松陰先生の記述についても少し述べさせていただきたいと思いますが、これは評価ですからね、そういう教科書を岩国市が採択しているんですから。いいですか。吉田松陰先生の場合は、「幕末にあってその後の日本の将来を大きく変える働きをした人物が吉田松陰です。1830年から1859年、わずか29歳の生涯でございました。日本が列強に対する道を探っていたころ、松陰は、みずから外国を見るために、黒船が来航するとそれに小舟でこぎ寄せて、アメリカに渡ろうとしたのです。しかし、その要望は拒絶され、密航計画は失敗し、故郷の萩(山口県)の牢獄につながれてしまいました。松陰は、獄中で囚人たちを相手に孟子の講義を始めました。松陰は、牢獄を学校に変えてしまったのです。それは、松陰だけが教えるのではなく、それぞれの囚人が、自分の得意なことを皆に教えるというやり方でした。長い牢獄暮らしに希望を失っていた囚人たちは、自分も人の役に立てることを知り、目を輝かせて学問に励みました。松陰の講義が始まると、牢役人までが聞き入ったといいます。牢を出た松陰は、自宅のそばに塾を開きました」……。ちょっと長いので、済みません、まことに申しわけないんですが――松陰先生に申しわけないんですが、はしょらせていただきます。「塾は松下村塾と呼ばれました。塾は、松陰が再び捕らえられるまでの2年ほどの間に、高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文・山縣有朋など、討幕維新を担う多くの人材を輩出しました」と書かれております。 一方で、東京書籍には何と書いてあるかというと、「長州藩士として叔父の開いた私塾・松下村塾で人材の育成を行いました。幕府の対外政策を批判したということで安政の大獄によって江戸で処刑されました」、これだけです。罪人扱いです。事ほどさように開きがあります。 私が冒頭述べたどちらの教科書が、教育基本法あるいは学習指導要領の目的・目標に、より忠実か。この1点を見ただけでも違うということがおわかりになろうかと思います。したがって、そういった観点だけでも、私は、今般の教科書採択でも、育鵬社の歴史教科書が教育委員会によって採択されたんだろうと思っております。 ですから、答弁において、文部科学省による検定を経たものであると同時に学習指導要領に基づいて編集されたもの――確かにそうかもしれません。しかし、差がある。検定についてもそうであります。やはりストライクゾーンを通過する、内角すれすれ、外角ぎりぎり、ど真ん中ストレート、いろいろな球――教科書がある。その中で教育委員会は、より地域にふさわしい、教育基本法及び学習指導要領の目的・目標に一番忠実な教科書を選ぶのが、私は教育委員会の役目であろうと思っております。 続きまして、関連してもう一点でありますが、今度は公民の教科書の採択についてお伺いいたします。 昨年の12月定例会において、私は質問の中で、岩国市が使っている中学校の公民教科書に――東京書籍ですが、「自衛隊は憲法9条の考え方に反しているのではないかという意見もあります」と書かれていますけれども、御承知のように、岩国市には1,000人を超える自衛隊員がおり、義務教育で学んでいる家族も少なくないと思われます。そういった状況で自衛隊員の子供も学ぶ教科書として、いかがなものかという質問をいたしましたところ、これは市長のほうからですが、「先ほど教科書の一例もございました。自衛隊の家族の方々、子供さんとかがいろんな思いもされる中で、歯を食いしばりながら頑張っておられる」との答弁がありました。このことについて、教育長はどのようにお考えでしょうか。つまり――よろしいですか、もう一回質問をしましょうか。わかりますか。どのようにお考えでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  まず、教科書の記述については、各発行社によって違いがあることは理解しております。その中で、今、議員が言われておりましたように、歴史または公民についてもいろんな見方がある中で、私は、自分を肯定する、または他者を肯定する、または地域を肯定するというような考え方はすごく大事であるという話をしております。教科書は、いろんな見方を考える中での参考資料であるということで、それをどのように捉えていくか、また、その中で自分がどのように考えていくかということが、とても大事なことであります。 先ほど言いました地域の肯定感ということも大事でありますから、そういった観点も採択のときに考えるポイントではあると思います。ただ、どれがよい、どれが悪いというのが、いろんな見方がありますから、今回においても教育委員やいろんな方々の意見を聞きながら、それを協議して決めていくというところで、公平・公正に取り組んでいるというところであります。 公民についても、自衛隊のことについてそういった文章があるのは承知しておりますが、そのほかに、我が国の防衛であるとか、または国際社会の平和と安全の維持であるとか、災害時の対応や復旧・復興とか、そういったこともたくさん書いてあります。ですから、総合的に、いろいろな考え方があるということを――当然、今、そういう災害復旧についていろいろと対応していただいているということも、説明をしながら考えていくという授業の題材として教科書を使っているということでございます。 ◆22番(石本崇君)  つまり、この東京書籍の公民の教科書においては、今般の採択で初めて採択されたわけではなく、以前から採択されておったわけです。それを受けて、市長も、「歯を食いしばりながら頑張っておられる」と言われましたが、では、自衛隊員の子供たちが、歯を食いしばっているような状況でよいのか。あるいは、これは市長だけではなく、このたびの2月の衆議院の予算委員会で、みずからが自衛隊員の子供である自民党の小田原潔議員が、やはり、現在も使われている中学校の教科書でも自衛隊は憲法に違反するという主張もあると書いてあることについて、このように指摘されております。「今でも、毎年毎年、何万人の子供たちは、嫌な思いをしながら座っているんです。私は父に憲法違反なのと聞かずに済みましたが、もし聞くことがあったら、私も泣くと思います。自衛隊が憲法違反という大人の声は、テレビをつければ耳に入ってきます。一家団らんのとき、そんな話題が流れてきたらどんな雰囲気になるか、皆さん、想像できるでしょう。お父さんが憲法違反と言われたから涙が出るんじゃないんです。こんなことを聞いたら父は悲しむと百も承知だけれども、きょうあったことがつらくて我慢できないから、親には聞いてほしい。聞いた瞬間に親がどんなに心を痛めた表情になるかわかっているから、口に出す前から涙が出るんです。こんなこともわからないで……」というふうに、まさに国会というこれ以上ない公の場で堂々と発言――堂々というか、自身の心情を吐露されたわけであります。私も自衛隊協力団体に所属しておりますので、自衛隊家族会その他にもいろいろ聞いてみましたが、やはり憲法と自衛隊の問題というのは常について回る、話が出てくるということを思うと、私は、果たしてそういう採択でいいのかなと思います。自衛隊員の子供が――誰の子供であってもですが、自衛隊員だから特別に言うのではなく、先ほどの拉致の問題でもありましたように、一人一人に人権があって、差別のない平等な教育を行わなければならないという中にあって、何度も言いますけれども、歯を食いしばっているような状況でいいんですか。来年度の採択もありますので、どうかそこら辺のところは十二分に検討していただいて、こういうことがないように、しかも、皆さん御承知のとおり、今は、自衛隊の支持率というか自衛隊に関する評価というのは国民の9割を超える方が評価しているんです。そういった中において、何でわざわざ、憲法に違反するかもしれないなどという記述が出てくるのか、私個人の意見ですけれども、少し恣意的なものを感じるんです。この時代においてこういう表記がなされるというのは実にナンセンスだと思います。確かに憲法違反という意見はあります。しかし、言っているのはほとんどが、憲法学者と一部の政党ではないですか。こういうことは、もうちょっと子供の発達段階を考えて、例えば憲法学を勉強するだとか、それぐらいになってしっかりと議論すればよろしいと、私は思います。現状というものをまず踏まえて、しっかりと認識していただきたいと思っております。 それについてしっかり考えていただきたいと同時に、また先ほどの質問に後戻りするんですけれども、「採択権者である教育委員会や学校長は、採択結果やその理由について、保護者や地域住民等に対して説明責任を果たすことが重要」と、平成31年3月29日、文部科学省から通知が来ているはずでございます。もう少し丁寧な御説明をいただきたいと思います。 ◎教育長(守山敏晴君)  説明する内容は先ほどと変わらないんですけれども、要するに、いろんな意見があることを理解しながら本人はどのように考えていくか。授業については全てそうです。だから、そういう意見があるからどうするのか。いろんな見方・考え方を学びながら自分のこととして意見を持つということ。今は、それをオープンに話し合いをして、いろんな考え方があるんだなということを思いながら思考を広げていくとか、思考を深めていくといったことで、こうならなければいけないというようなものを限定するのはどうかなという疑問点もあります。ですから、今の教科書についても、先ほど言いましたように、どの教科書もその専門的な見地から選ばれたものであるから問題はありませんが、ただ、岩国にとって、また地域にとってのよさ、地域肯定感というものは、その幅の中で考えていく必要があるということであります。(「そういうことじゃないよ」と呼ぶ者あり) ◆22番(石本崇君)  まさにそういうことではなくて、説明責任を果たしていただきたいということで、数ある教科書の中からこのような教科書を選んだという理由をちゃんと説明しなければ――直近にございました文部科学省の通知がございます。説明責任を果たしてください。よろしいですか、先ほどの意見も踏まえて。 ◎教育長(守山敏晴君)  採択地区協議会で話し合った内容については、こういった理由でこの教科書を採択しましたということは説明をしていきます。 ◆22番(石本崇君)  説明責任を果たしてくださいと、今、議会でお尋ねしているわけなのですから、説明責任を果たしていただけませんでしょうか。(「議長、整理してください」と呼ぶ者あり) ○議長(藤本泰也君)  東京書籍を選んだ理由を説明してくださいということです。 ◆22番(石本崇君)  議事進行なんですが。 ○議長(藤本泰也君)  質問時間の計測をとめてください。 ◆22番(石本崇君)  この間からも、いろいろ教科書に関する一般質問が出ておりますが、その中で何度聞いても、検定に通っているからいいんだ、どの教科書を選んでもいいんだと言われています。それはわかります。だけれど、その検定を通った教科書がわざわざ教育委員会までおりてくるわけでしょう。その中で協議を――ちょっとまた資料を読み上げますけれど、教育委員会が、想定や見ばえではなく、内容を考慮した綿密な調査研究を公正かつ適正に行い、適切な教科書を採択していく――教育基本法の改正内容や新学習指導要領に基づく検定審査報告書を参考に適切な採択を行うように求めているそうです。これは文部科学省教科用図書検定審議会において審議されたもので、つまり、学習指導要領改訂についての内容の周知徹底を行うとともに、教育基本法の目標、学習指導要領の目標や内容を達成するため、最もふさわしい教科書を採択しろと言っているんです。だから、私はそういう質問をしたんです。そして、通達では、教育委員会が説明責任を果たすことが重要だと言っているんです。検定に通ったからいいというような、そんなわけのわからない答弁では、全然、説明責任を果たしていないと思います。 ○議長(藤本泰也君)  教育長、今の石本議員の質問ですけれど、要は、今回選んだことに対する説明をしていただきたいということです。 ◆22番(石本崇君)  議長、よろしいですか。 ○議長(藤本泰也君)  今は質問時間の計測はとめていますので。議事進行ですか。(「議事進行です」と呼ぶ者あり) ◆22番(石本崇君)  1教科に何種類かの教科書があって、その中から選ぶわけでしょう。必ず理由があるんです、比較対象があって。そのことを申し上げているわけです。 ○議長(藤本泰也君)  よろしいですか。 質問時間の計測を開始してください。 ◎教育長(守山敏晴君)  公民的分野のほうの選定理由につきましては、「地理的分野や歴史的分野との関連を意識するとともに、小学校の学習内容との関連も配慮されている」「公民的な課題について意見を交わし合うディスカッションなど、話し合いの活動が重視されている」「学習の流れがわかりやすく、構造化されており、生徒が課題意識を持って学習に取り組むことができるように工夫されている」ということであります。 ◆22番(石本崇君)  先ほどから私がるる述べた教育基本法の学習指導要領の目的とか目標については言及されていなかったんですか。より適した、より沿った、そういうことが求められております。答弁をお願いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  最初に言いましたように、特別にこの教科書を選んだのは、これが全てであります。今言われたことについては、全てクリアしているということで考えております。 ◆22番(石本崇君)  ですから、どの教科書もクリアしていると言ったのは教育長でしょう。より忠実な、より目的・目標に沿ったというのは、それぞればらつきがあるというのは私も説明申し上げたじゃないですか。そのことを言っているわけです。 それでは、ちょっと違う観点から質問します。 公民に限定をされましたので、公民における、いわゆる学習指導要領の目的・目標について御答弁ください。 ○議長(藤本泰也君)  答弁できますか。(「答弁できないならとめてくださいよ」と呼ぶ者あり)ここで暫時休憩いたします。午前11時30分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午前11時50分 再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  貴重な時間を費やしまして、済みませんでした。 それでは、先ほど質問がありました社会の公民的分野についての教科の目標について説明いたします。「広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」となっております。 ◆22番(石本崇君)  先ほど私が質問の中で述べました、市長の発言、そして衆議院予算委員会での発言並びに地域の自衛隊協力会における話等々についての御答弁が抜けていたように思います。 ◎教育長(守山敏晴君)  そのような御意見も受けとめながら、いろいろと対応してまいりたいと考えております。 ◆22番(石本崇君)  それでは、最後の再質問をさせていただきます。 北朝鮮による拉致事件について、やはり学校教育の中でも人権教育という観点から、この拉致事件についてしっかりと教えていただきたいところでございますが、それにつきましては、例えば映画、あるいはDVD等々の活用について、担当省庁のほうから各教育委員会宛てに、依頼ないしはお願いという形で来ていると思います。より一層、積極的に取り組んでいただくという中身であったと思いますが、本市における取り組みの現状についてはいかがでありましょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  北朝鮮によります拉致問題につきましては、現在、小学校6年生の社会、中学校の歴史・公民の教科書において、人権を侵害する問題として取り上げられており、授業を通して学んでいるところでございます。また、昭和52年、当時中学校1年生だった横田めぐみさんが、学校から帰宅途中に北朝鮮に拉致されたという、アニメ「めぐみ」のDVDを各小・中学校に配布して、毎年、活用するように協力を呼びかけているところでございます。 ◆22番(石本崇君)  それでは、総務部長の壇上からの答弁で、若い世代に向けてということと、市役所及び総合支所にポスターを掲示するということでありましたが、できましたら学校のほうにもポスターの掲示をお願いしたいと思います。以前は掲示されておったような記憶があり、引き続き、そのあたりのお願いをしたいと思うんですが、いかがでありましょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  あしたから北朝鮮人権侵害問題啓発週間ということで、各校には拉致問題啓発ポスターの掲出をお願いしているところでございます。 ◆22番(石本崇君)  少し早いですが、以上で、私の一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、22番 石本 崇君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時54分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(片岡勝則君)  休憩前に引き、続き本会議を再開して一般質問を続行いたします。 12番 丸茂郁生君。 ◆12番(丸茂郁生君)  皆さん、こんにちは。志誠いわくにの丸茂郁生でございます。 それでは、通告に基づいて質問させていただきます。 まず、第1点目、錦帯橋の世界文化遺産登録について、(1)現在の取り組みと今後の課題についてでございますけれども、岩国市民の誇りである錦帯橋が世界文化遺産に登録されることは、多くの市民の願いであります。それに向けて、本市ではさまざまな取り組みを進めているところではありますが、現在、どのような状況なのかお伺いいたします。 また、今後の課題と機運の醸成に関する取り組みについても、あわせてお示しください。 次に、(2)世界文化遺産登録を目指すにふさわしい周辺整備についてですが、錦帯橋の世界文化遺産登録を目指している本市にとって、その周辺の歴史的・文化的資源を生かした回遊路の創出や、良好な地域景観を維持し、世界文化遺産にふさわしい町並みの形成や周辺の環境整備を進めていくことは、非常に大切なことであります。 錦帯橋の世界文化遺産登録を目指す本市として、ふさわしい周辺整備についてどのような計画を打ち立てておられるのでしょうか。また、認定されてから整備するのでは遅いこともあると考えられます。このようなことから、錦帯橋周辺の環境整備に関する現在の取り組み状況についてお伺いいたします。次に、第2点目の消防団消防操法大会について、(1)大会を通じての消防団の機能強化について。総務省消防庁によれば、消防団は、消防本部や消防署と同様、消防組織法に基づきそれぞれの市町村に設置される消防機関であり、地域における消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わず、その地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担うとされています。 消防団は、日本中の全ての市町村に設置されており、全国で約2,200団あり全消防団員数は約84万人となっています。消防操法は、施設、設備及び人員を活用して災害等を防御、軽減するため、消防吏員・消防団員が消火技術の向上並びに初期消火のための必要な技術を身につけ、いかなる状況下においても迅速、確実かつ安全に行動できるように、主要な消防用機械器具のうち、特に反復訓練の必要なものを選定して、その操作及び取り扱いの基本を定めたものであり、操法を通じて消防人としての心構えを培い、消防活動に必要な心・技・体の基本を養うものであります。その、消防団員の消防操法の技を競う大会が、各都道府県、市区町村などで行われ、消防団員の皆様も全国大会を目指して訓練に励まれています。 本市では岩国地区消防操法大会、そして山口県では山口県消防操法大会が行われております。ことしも岩国市の大会は8月18日、山口県の大会は9月21日に開催されています。まず、岩国地区消防操法大会における意義や種目、出場隊の訓練についてお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、丸茂議員御質問の第1点目の錦帯橋の世界文化遺産登録についてお答えいたします。 まず、(1)現在の取り組みと今後の課題についてでありますが、錦帯橋が有する顕著な普遍的価値に関する、これまでの調査・研究や、錦帯橋世界文化遺産専門委員会による議論等を踏まえ、新たに世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書を作成し、昨年12月に、山口県とともに文部科学省に提出したところであります。 この新たな提案書につきましては、錦帯橋そのものを世界遺産の資産としていることから、現在、錦帯橋の文化財建造物としての価値に関する錦帯橋報告書の取りまとめと、将来に向けての保存管理の方法などを検討する名勝錦帯橋保存活用計画の策定を進めているところであります。 また、提案書の内容等に対する文化庁からの指導・助言や、本年3月に開催した錦帯橋世界遺産国際意見交換会での専門家からの意見なども踏まえ、アーチ構造の発展に関する調査や、類似資産との比較、錦帯橋を支える技術などの無形の要素に関する検討等を行っています。 今後も、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて調査・研究を行い、その成果や内容を提案書に随時反映することで、さらなる精度の向上を図りながら、世界遺産暫定一覧表への記載について、文化庁に対し積極的に働きかけてまいります。 また、錦帯橋の世界文化遺産登録の推進につきましては、地元の熱意や各種取り組みへの住民の参加が大変重要であり、市民の機運醸成に向け、官民一体となった積極的な取り組みが求められております。 本市におきましては、これまでも山口県や関係団体とで構成する錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を中心に、各種シンポジウムの開催や啓発グッズの作成・配布などの取り組みを展開してきたところであります。 今年度は、国の担当者をお呼びしての錦帯橋世界遺産セミナーの開催や、世界遺産に向けた取り組みを発信するためのポスターやピンバッジの作成などを行っております。また、現在、錦帯橋の魅力を多くの方に感じてもらうことを目的に、「錦帯橋世界文化遺産推進フォトコンテスト2019」の作品の募集が行われており、本市もこのイベントに共催する形で、支援・協力を行っているところであります。今後につきましても、関係団体等との連携のもと、官民一体となった取り組みを積極的に進めてまいります。 次に、(2)世界文化遺産登録を目指すにふさわしい周辺整備についてでありますが、現在、平成26年4月に策定した「錦帯橋を中心とした錦川両岸地域のまちづくり将来ビジョン」に基づき、まちづくりの目標である「住んでよし、訪れてよしのまち」の実現に向け、各種事業を行っております。 具体的には、これまで、この将来ビジョンに基づき、街なみ環境整備事業による街路灯の更新、総合案内板や誘導板の設置、道路の美装化、良好な景観の保全・形成に配慮した修繕・修景に対する助成などの事業を行っているところであります。また、本年10月には城下町地区グランドデザインを策定し、将来ビジョンに掲げる城下町地区のまちづくりを進めるため、具体的な取り組み内容をお示ししております。 今後においては、錦帯橋の世界文化遺産登録も見据えて、グランドデザインにおける個別事業の具体化や、事業の整備・連携を図ることとしており、その一つとして、現在、下河原駐車場の段階的移転を目指した新たな観光駐車場の整備や(仮称)錦帯橋資料館の整備等に関する検討を行っているところであります。 また、錦川を軸とした城山や岩国山を含む横山・岩国地区について、現在、文化財保護法の規定に基づく重要文化的景観の選定を目指し、文化的景観保存活用計画の策定を行っております。 城下町地区のまちづくりを進める中で、地域で育まれてきた文化的景観による地域らしさを明確化し、地域と共有するとともに、地域らしさをどのように守っていくのか、検討を進めてまいります。 これらの事業を通じて、世界遺産にふさわしい錦帯橋周辺の環境整備を総合的に進め、観光駐車場の整備など新たな観光動線の形成を図ることにより、城下町地区の魅力を向上し、にぎわいの創出にもつなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  第2点目の消防操法大会についての(1)大会を通じての消防団の機能強化についてお答えいたします。 岩国地区消防操法大会は、平成18年3月の新市誕生を契機に、それまで開催していた玖珂郡消防操法大会の規模を拡大し、岩国市と和木町、岩国地区消防組合で構成する岩国地区消防連絡協議会を主催者として実施しているものです。 大会の意義といたしましては、団員の消防技術の向上や士気・連帯意識の高揚といった、地域の消防・防災の中核を担う消防団機能の向上と、一部ではありますが、一般の方々に消防団の活動をお見せすることで、市民の消防・防災意識の醸成を図ることにあります。 大会種目は、基本操法と応急操法から構成され、それぞれ可搬消防ポンプや消防ポンプ自動車を使用して、火元に見立てた火点に放水するまでの時間や動作の正確性を競っています。 基本操法は、所作の美しさ、消防器具の取り扱いの安全性や正確性に、応急操法は、火点への放水時間、放水後のホース収納時間といったスピードに重点を置いて審査されます。基本操法では、礼式やホース延長、消防ポンプ等の操作を反復訓練することで、消防団員としての基本技術の習得を図ることができます。一方、応急操法では、1分1秒を争う現場を想定した迅速な消防器具の取り扱いや、状況変化に即応できる判断力の向上が期待できます。 大会に出場する消防団員は、日々の仕事を終えた後、定期的に訓練場所に集合し、夕方から夜遅くまで、消防組合職員の指導のもと、体力の練成や消防技術の向上に励み、同僚の団員や御家族も一丸となって、選手が訓練に集中できるよう支援されています。全国各地で大規模災害が多発する昨今、地域に根差した消防・防災のかなめである消防団への期待はますます大きくなっております。今後も操法大会を実施し、岩国市消防団の組織力・機動力の向上や消防組合との連携を強化し、岩国市の消防・防災力の向上に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  それでは、自席から、順不同で再質問させていただきます。 2点目の消防団消防操法大会についてでございますけれども、まずお聞きしたいのが、岩国地区消防操法大会に出場する各方面隊の分団が、大会に向けての訓練を行っておられますが、どこで行われているのか、訓練場についてお伺いいたします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  岩国市消防団は、団本部と岩国東・岩国西及び旧7町村を管轄する9つの方面隊で構成され、各方面隊管轄の分団単位で出場隊を編成し、大会に参加しております。 訓練は、岩国東方面隊はいわくに消防防災センター、岩国西方面隊は各分団の地域のグラウンドや河川敷など、由宇方面隊はデルタ工業グラウンド、玖珂方面隊は瀬田工業団地隣接の私有地、本郷方面隊は本郷支所隣接のグラウンド、周東方面隊はテクノポート周東内の公園、錦方面隊は錦中学校グラウンド、美川方面隊は美川グラウンド、美和方面隊は美和総合グラウンドで行われております。 ◆12番(丸茂郁生君)  消防ポンプ操法は、全国の消防団で最も広く実施されている消防操法で、全国大会も開かれていますが、応急操法は、全国でも山口県のみが実施している大会種目となっております。 基本操法も非常に大切な種目ではありますが、応急操法の訓練場には、長期にわたり仮設の設備が必要になるために、岩国東方面隊・岩国西方面隊では、現在、多くの分団が応急操法への出場が困難となっておりまして、訓練場がないために、基本操法で出場せざるを得ない状況にあります。団員の方々から応急操法に出場したいという声もあると聞いております。 訓練場の確保について、例えば、市内の中心部あたりに訓練場を設けることができないのかお伺いいたします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  現在、岩国東方面隊と岩国西方面隊の多くの分団が議員御案内の理由で、やむなく基本操法に出場していることは十分承知しております。従前は、地元企業から3カ月程度グラウンドを借用することができておりましたが、企業の資産整理という形で、これらのグラウンドも売却処分されました。その後、消防団も岩国市も代替の訓練場所を探してきましたが、現在のところ適地は見つかっておりません。 しかし、消防防災活動に献身的に取り組んでいる団員の皆様方のためにも、また彼らの能力をさらに向上させるためにも、遊休地や私有地の一部など借用可能な土地の情報を収集するとともに、機会を逃さず、応急操法の訓練場所を探してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  訓練場の確保に努めていただけるということでありますけれども、これは個人的な考えではありますけれども、愛宕山にある岩国市第一工場の跡地利用も決まっていないことから、いわくに消防防災センターの近くでもありますし、一部を訓練場として活用できないかということも御検討いただけたらと思います。それでは次に、消防団車両等の機能についてお伺いいたします。このたび、私も岩国市の大会と山口県の大会に実際に出場して、他の市町の消防団車両等を見て感じたのですが、操法仕様のものは別としても、割と新しいものが多かったことを目の当たりにしております。 他の自治体には何年も大会に出場している団員もおられる中、我々もことしに入り週3回の厳しい訓練をこなしておりまして、練度の違いが結果として出てきたことは承知しておりますけれども、そのような中でもベストを尽くせたと思っております。 しかしながら、団員の機能が同レベルであっても、操法の放水等の時間に大きな差があり、機材の差が勝敗を左右することも実感しております。操法大会はあくまでも目標であり、目的は、火災や災害時等にいかに迅速な対応ができるかということであります。現場の迅速な対応を可能とするためにも、ある程度劣化した資機材等は適宜更新すべきではないかと考えます。また、それにより団員も意気に感じて、さらに活動に身が入ると思います。 先日、火災が発生した際にも、大会に出場した団員とともに消火活動に参加しましたけれども、率先して活動することができ、訓練を積み重ねてきたことが生かされたと非常に感じております。 ただ、昨今、やはり大規模災害の発生が危惧される中で、現場において1分1秒の迅速さがとうとい人命の救助につながることからも、消防団の機能強化のための車両等の更新は大切なことです。これについて、どのようにお考えでしょうか。 ◎消防担当部長(村中和博君)  現在、岩国市では、消防車両は原則20年で更新しております。平成18年の合併当時、膨大な車両更新に係る将来的な負担軽減の観点から、20年更新という基準を定め、これにのっとって運用してきたところですが、合併から13年余りが経過し、災害の規模も発生頻度も当時とは比較にならないくらい増大しております。 地域の防災・減災に大きな役割を果たしている消防団が、火災や大規模災害に際し、その能力を十二分に発揮できる環境を整えていくことは、行政の最重要課題です。性能劣化が著しく、災害対応に支障を来すような資機材につきましては、20年の基準にとらわれることなく速やかに更新するなど、有事への備えを施し、市民の安心・安全を確保してまいりたいと考えます。 ただ、操法大会に出場する分団に、優先して新しい車両を配備するということは、財政面を考えますと現実的には困難な部分があります。そこで、各方面隊を代表する出場隊が訓練から大会までの期間、最新の車両を使用できるよう方面隊内部で調整し、検討してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  消防団車両等の資機材の更新についても、今後もしっかり議論しながら取り組んでいただきたいと思っております。 大会に向けて、団本部・各分団・消防組合職員・危機管理課消防班の方々の手厚いサポートのおかげで充実した訓練を行うことができ、大変感謝しております。団員の間にきずなが生まれ、実際の現場でも円滑な活動ができることに、この操法大会の意義があると感じております。全国で約2万6,000人の女性消防団員の方々が活動されておられる中、先月13日に神奈川県横浜市で開催された第24回全国女性消防操法大会に、山口県代表として隣町の玖珂郡和木町女性消防隊が軽可搬ポンプの部に出場し、はえある準優勝に輝いておられます。今後も、消防団において女性の活躍はますます期待されていくことと思います。本市でも、女性消防団の「さくら分団」が結成されておりますが、本市の女性消防団の活躍の場の促進のためにも、消防操法大会への出場を考えていく必要性を感じております。そこで、女性消防団の消防操法大会への出場について、どのようなお考えであるのかお伺いいたします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  和木町消防団女性団員の全国大会準優勝は、岩国市消防団や岩国地区消防組合内でも大きな話題となっております。彼女たちは、厳しい訓練を何年も継続して行い、男性顔負けの操法技術と、女性ならではの所作の美しさを身につけ、毎年、岩国地区消防操法大会でも展示訓練を披露していただいており、消防職員と比較いたしましても、その練度は非常に高いものと感じておりました。全国大会でこのようなすばらしい結果を残されたことを大変うれしく思っております。 岩国市消防団におきましては、昨年、玖珂方面隊に、女性のみで構成する「さくら分団」が結成されました。彼女たちは、地域の防災活動などに精力的に参加するとともに、火災現場では後方支援を中心とした活動をこなすなど、方面隊の中でも重要な役割を果たしており、今後は消防技術の向上を目指すために、操法大会出場を視野に入れた訓練を実施してまいりたいと考えております。 女性団員の活躍が広く知られるようになることで、女性入団者数の増加や、消防に熟練した男性中心で活動してきた消防団に大きな活力をもたらすのではないかと大いに期待しております。これからも、市と消防組合が二人三脚で女性が活躍しやすい消防団組織の構築に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  さくら分団の方々を初め、これからの女性消防団員の方々の御活躍に期待しております。 それでは、壇上からの御答弁で「一部ではありますが、一般の方々に消防団の活動をお見せすることで、市民の消防・防災の意識の醸成を図ること」と述べられましたが、消防団の日ごろの活動について、より多くの市民の皆様にさらに理解を深めていただくためにも、岩国地区消防操法大会をさらに周知していく必要があると思っております。 また、全国的な課題でもありますが、本市にとっても消防団員のなり手不足は深刻な問題であり、市民の皆様を初め、児童の皆さんにも消防団の活動を見ていただくことで、その解消にもつながると思いますが、いかがお考えでしょうか。 ◎消防担当部長(村中和博君)  議員御指摘の岩国地区消防大会の一般の方々への周知方法につきましては、これまで広報いわくに及び岩国市ホームページへの掲載という形でお知らせをしておりましたが、一般の参加者は決して多いとは言えない状況でございます。消防団員募集の観点からも、この操法大会を市民の皆様の前で披露できることは、消防団活動を理解していただく絶好の機会であると考えております。 今後は、市民アプリや市役所前の大型スクリーンなどを活用した広報、あるいは岩国地区消防連絡協議会や岩国地区消防組合と協議して、はしご車体験搭乗などを同時開催するといったイベントなども取り入れて、集客に向けた検討をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ◆12番(丸茂郁生君)  消防団の活動の重要性を市民の皆様に理解していただけるように、さらに周知に努めていただきたいと思います。 それでは、議員の方々の中にも消防団に所属しておられる方々もおられます。市長におかれましても、以前、消防団に所属しておられ、消防団消防操法大会に応急操法の部で出場された経験があると聞いております。岩国市のトップが消防操法大会に出場された経験があるということは、市民の皆様も非常に心強いものであります。 市長にお伺いいたします。消防団の機能強化について、御所見がありましたらお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  私は平成11年に岩国市消防団に入りまして、平成20年まで――市長になるまで団員として活動させていただいておりました。議員の中にも消防団の現役・OBがおられますし、市の職員もかなり消防団員になっているわけでありまして、私は平成14年に応急操法の部に出場させてもらう機会を得ました。議員は先ほどから、消防操法大会の意義についてお話しいただきました。まさにそのとおりでありまして、基本操法と応急操法があるわけでありますが、それぞれに基本的な消防技術の向上なり取り扱いがあり、これらの技術の向上という意味では、もちろん、この操法大会に出ることには大きな意味があります。 もう一つは、この操法大会に出ることによって、その各分団の団員同士はたまにしか顔を合わせませんが、6月ぐらいから始めて7月、8月、9月と、3カ月ぐらい訓練をともにする中で、団員同士の信頼感・きずなが非常に深まってくるわけでありまして、これにより、いざ、そういった火災現場等において、きずなが深いがゆえに非常に迅速な消防消火活動等ができるといった大きなメリットもあるのかなというふうに感じておりました。 実際、私も、6月から訓練を始めて、非常に暑い時期でありましたが、選手として週何度も大会の練習に行きましたが、その訓練は選手だけではできません。まず常備消防の熱心な指導があります。それと、選手以外の裏方の先輩・同僚団員が、選手のいろんな要望とか細かい調整を全て行って、また、訓練場の整地もしながら、一回一回水を掃くなど、状況をよくする、そういった裏方の協力がないとできないわけであります。 また、8月、9月になると毎晩のように練習に出向きますので、それを温かく送り出していただく団員の家族の理解も大きいのかなと思っております。 その中で、こういった操法訓練をやることによって、常備消防との信頼関係はもちろんできますが、団員全ての消防への理解やきずなが深まるということは、まさに安心・安全なまちづくりにつながっていくという、そういった意味合いでは消防団の存在意義、またこの訓練の意義というものは大変重要であるというふうに思っているところであります。 そういった中で、先ほどからの、消防団の日ごろの活動を広く市民の方に知っていただくという意味においては、消防操法大会は本当に重要なことだろうというふうに思っております。議員御案内のように、今、消防団員は全国で約84万人で、平成の初期には100万人を超えていたと記憶しておりますので、消防団員の確保は、近年よく課題となっておりますが、減少傾向にあるのは事実であります。 岩国市におきましても、たしか定員が1,685人――これは合併当初から変わっておりませんが、令和元年4月1日現在、1,479人であります。これは、充足率約88.7%でございます。今、いろんな企業にお願いしながら、また、各団体とも協力しながら団員確保に努めているところでございます。以前、あれはミュージカルだったと思いますが、団員啓発のため、市と消防庁が連携して開催したこともございました。また、消防団と連携して、各企業のほうに、団員募集の啓発のチラシを配付して歩いた経緯もございます。そういった消防団員の方々についての理解、そして活動を広く知っていただくことによって、消防団員の確保にも寄与できればというふうに考えておりますので、私も、今後とも消防団の方ともしっかりと意見交換をしながら、いかにすれば消防団員の確保ができるか、また効果的な活動ができるか、また議員にもいろんな御意見をいただきながら取り組んでいきたいと思っております。まだまだ述べたいことはたくさんありますが、この辺までとさせてもらいたいと思います。 ◆12番(丸茂郁生君)  今後も市民の安心・安全のため、消防団の機能強化にしっかり取り組んでいただきたいと思います。 それでは、錦帯橋の世界文化遺産登録についての(2)世界文化遺産登録を目指すにふさわしい周辺整備についてお伺いいたします。 まず、壇上での御答弁に、下河原駐車場の段階的移転を目指した新たな観光駐車場の整備を検討しているとありましたが、多くの市民の方々や観光に訪れた方々も、下河原が駐車場として活用されていることが世界文化遺産を目指す地にふさわしいとは感じておられず、本市の課題の一つと受けとめております。 そこで、具体的にはどのような検討が行われているのか、進捗状況についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在、岩国四丁目の椎尾神社の隣接地の一部について、下河原駐車場の代替駐車場の一つとして整備を計画しているところでございます。現在は、当該駐車場予定地の用地確保に向けた準備・調整を行っているところでございますが、椎尾神社の隣接地の駐車場だけでは現在の下河原駐車場の台数を賄うことは非常に困難でございます。引き続き、駐車場の適地となり得る土地の情報収集に努めておりまして、あわせて公共交通機関の利用促進、パークアンドライドによる観光客の移送といった手法も視野に入れて検討をしているところでございます。 今後、岩国市観光協会を初め地元の皆様方の御意見を伺いながら、駐車場整備の検討をさらに進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆12番(丸茂郁生君)  下河原駐車場の段階的移転についても、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それでは、錦帯橋周辺の環境整備を行う上で、電柱や電線が景観を損ねており、また、夜間も安全に安心して回遊できる街路灯の整備、景観をさらに温かく映えさせるような、錦帯橋周辺の車道や歩道のカラー舗装などは必要なことでありまして、良好な景観の保全・形成に配慮した修繕・修景に対する助成事業を本市が行っていることは承知しておりますけれども、余り進んでいるように見えない点が多くあります。 電柱の地中化や道路の美装化などを行うことなどに、国土交通省の街なみ環境整備事業で補助を受けて整備することができるようですけれども、なぜ進まないのか、また、今後予定している具体的な事業計画などがあればお答えいただけたらと思います。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  街なみ環境整備事業による道路の美装化につきましては、安全で快適な道路空間の形成を目的として、城下町の景観に配慮した道路の舗装、側溝の整備等を行っております。 整備に当たりましては、岩国地区におきまして狭隘な道路が非常に多いということからも、電柱や街路灯などの地上構造物や地下埋設物の移設など、事業者間の調整をしながら、計画的に進めております。そうしたこともありまして、議員御指摘のとおり、少し進んでいないように思えることもあるかもしれませんけれども、計画的に進めさせていただいております。今後も、地元の皆様のまちづくりに関するさまざまな御意見をいただきながら、効果的な整備を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  無駄を省いて上下水道等の整備とあわせて段階的に整備していただきたいと思います。 次に、先日、宮島へ行く機会がありまして、誰もが楽しめるような新しいお店もかなり多くありまして、周遊して滞在するのに、長時間楽しめるにぎわいのすごさに驚きを隠せませんでした。世界文化遺産登録を目指すのであれば、錦帯橋周辺のにぎわいを活性化していかなければなりません。 錦帯橋周辺には空き家も多く点在し、そこを活用して新しく創業する方々への補助事業もあるようですけれども、古くから長年商売を営まれている方々の支援をすることも考え、西岩国地区でも中心市街地活性化事業のような事業に取り組み、にぎわいの創出を図ることも必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  議員御指摘のとおり、かつては多くの商店が並んでにぎやかだった岩国地区でございますけれども、現在は商店も減り、空き家が目立っている状況でございます。岩国地区については、もともと町人の町として栄えてきた町でございまして、錦帯橋を訪れる観光客をもてなす商売と相まって、今の景観が形づくられているという歴史がございます。そのため、現在進めております文化的景観の検討においても、この町の地域らしさ、岩国らしさを守っていくためにも、にぎわいの創出ということが大事だと考えているところでございます。文化財の価値づけを利用しながら、現在、中心市街地等で行っているような商店のリニューアル助成事業ができないかということでございますが、現在、関係各課と検討を行っているところでございます。 そのほか、空き家の活用につながるような事業・施策についてもあわせて検討してまいりたいというふうに思っております。関係各課の連携のもとに行うこのような事業や、新たな観光駐車場の整備などを一体的に展開することで、駐車場から錦帯橋までの観光動線をつくり出して、城下町地区のにぎわい創出につなげてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  にぎわいの創出のために、新たな事業も検討していただきたいと思います。 文化庁の文化審議会文化財分科会企画調査会は、これからの時代にふさわしい文化財の保存と活用の方策について集中的に審議し、制度見直しの方向性について公表されております。また、日本イコモス国内委員会では近年、「日本の世界遺産の保護施策の充実のために~バッファゾーンをめぐって~(予備的提言)」を発表しております。これは、国際的に世界遺産のバッファゾーン概念が急速に発展・進化している状況の中、国内のバッファゾーンの保護制度は不十分であり、各地で開発と保全をめぐるさまざまな課題が頻出していることに鑑み、遺産本体と連続する周辺に広域的・一体的に保護すべき地域として設定されるバッファゾーンの保全を中心とした文化遺産の保存・活用に関連する諸法・諸制度の改善と施策の充実等を提言されております。 文化財保護について、さまざまな議論がなされている中、本市のお考えをお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  世界遺産で求められているバッファゾーンの考え方についてでございますけれども、世界遺産におきましては、錦帯橋という資産の効果的な保護を目的に、緩衝地帯――いわゆるバッファゾーンの設定が求められております。錦帯橋の世界文化遺産登録においても、資産である錦帯橋との一体性、歴史性、眺望、景観などを考慮した、城山を含む横山・岩国の両城下町地区の範囲を緩衝地帯として検討しているところでございます。 近年、緩衝地帯、さらには緩衝地帯の外側においても、資産に影響を及ぼす行為が問題となっておりまして、適切な保全措置を講じることが求められております。また、同地区については、現在、文化財保護法に基づく重要文化的景観の選定を目指しておりまして、これにより、錦帯橋と一体となる地区としての価値への理解を深めるとともに、適切な保全を図ることができると考えております。 そのほか、先ほど申しました下河原駐車場の段階的な移転などによる緩衝地帯における適切な環境整備も、当該地区のまちづくりと一体となって進めていきたいと思っているところでございます。 ◆12番(丸茂郁生君)  バッファゾーンの保全に取り組むとともに、その地域の方々の良好な暮らしの環境にもしっかりと配慮していただきたいと思います。 バッファゾーンについてはまだまだお聞きしたいこともあったんですけれども、次の質問に移ります。 錦帯橋の世界文化遺産登録についての(1)現在の取り組みと今後の課題についてでございますけれども、世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書を文部科学省に提出されているところではありますけれども、今後の流れとしてはどのようになるのか、また、登録を目指してこれから取り組むべきことはどのようなことがあるのか、お伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  提案書提出後の今後の流れについてでございますけれども、壇上でも答弁したとおり、昨年12月15日に、山口県の村岡知事と山口県議会の柳居議長、岩国市の福田市長、岩国市議会の藤本議長とで文部科学省に対して、世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書を提出したところでございます。 錦帯橋については、現在は候補資産としてカテゴリーⅠaに分類をされておりまして、国から世界遺産委員会に推薦が行われる世界遺産暫定一覧表には記載されておりません。世界遺産になるためには、まず、この世界遺産暫定一覧表に記載される必要がありますので、まずはこの暫定一覧表への記載を目指した取り組みを進めているところでございます。 暫定一覧表に記載された後は、文化遺産と自然遺産を合わせて年に1件、国からユネスコの世界遺産委員会へ推薦が行われます。推薦が行われた後は、ユネスコの諮問機関であるイコモスの審査を受けて、世界遺産委員会で登録の可否が決定されるという流れになっております。 それから、これから取り組むべきことということでございますが、文化庁から、国内外の専門家との合意形成を図ることが必要であるという課題が示されております。特に、錦帯橋については、かけかえという、材料の更新を伴う保存方法でありますことから、こういった日本の木造文化の一つの保存方法として、特に国外の専門家らの理解を得る必要がございます。海外に対して積極的に発信・説明をしていくことが、今後、重要になってくると考えているところでございます。 世界遺産暫定一覧表に記載されている資産は残り6件となっておりまして、今のところ文化庁からは何も示されておりませんが、いつ追加の募集が行われてもおかしくない状況でございます。県とともにそれに対応できるよう、現在、準備を進めているところでございます。 ◆12番(丸茂郁生君)  今の御答弁の中に、「特に国外の専門家から理解を得る必要があり、海外に対して積極的に発信・説明をしていくことが、今後、重要になってくると考えている」とのお答えがありましたけれども、今後、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  海外の専門家の方の理解を得ていく方法でございますけれども、日本の木造文化による保存方法のあり方について、現在、研究を進めております。まず、シンポジウムの開催などによりまして、海外の専門家をお呼びして議論を深めていくこと、もう一つは、国内・海外で開催される学術的な委員会等に、こちらのほうから参加して説明などが行える機会がないか、専門家の先生と相談しながら検討しているところでございます。 ◆12番(丸茂郁生君)  それでは、世界文化遺産登録を目指すために機運の醸成がなぜ必要なのか、市民の皆様に伝わっていないように感じますけれども、本市としてはどのように周知していかれるのか、また、錦帯橋の世界文化遺産登録を応援する団体はどのくらいあるのかをお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  錦帯橋の世界文化遺産登録を応援する団体でございますけれども、まず、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会がございます。この協議会は、山口県、山口県議会、岩国市、岩国市議会、それから民間の団体として錦帯橋を世界文化遺産に推す会、岩国市観光協会、岩国商工会議所などで構成されている協議会でございます。錦帯橋を世界文化遺産に推す会には、市内の多くの民間団体が所属されております。そのほかに、岩国市議会議員による岩国市錦帯橋世界文化遺産登録推進議員連盟など、多くの団体が、世界文化遺産登録に向けて積極的な活動を行っております。 それから、市民に対しての周知ということでございますけれども、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた機運の醸成のためには、まず、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を中心に、関係団体との連携のもとに、積極的な啓発活動を行っているところでございます。 具体的には、シンポジウムの開催、ホームページの設置、ロゴマークを使った啓発グッズの作成・配布などを行っております。特に、今年度は若い年代への周知も意識して、アニメキャラクターを使ったポスターの作成、錦帯橋芸術祭におきましては着物を使ったアートイベントなども活用して、市民に対して周知活動を行っているところでございます。 ◆12番(丸茂郁生君)  世界遺産暫定一覧表に記載されて、国から世界遺産委員会に推薦書が提出された後、諮問機関による審査・評価という流れになる中、文化遺産は、国際記念物遺跡会議・イコモスが審査を行う過程で現地調査も含まれることから、イコモスが錦帯橋を訪れた際に、市民の機運醸成がどれだけ図られているのかも重要な審査項目になると認識しておりまして、官民一体となって機運醸成に取り組むのは非常に大事なことであります。 ただ、その時点で取り組むのでは遅く、まさに今、促進させていく取り組みが非常に重要であります。もちろん、そのためだけではなく、錦帯橋を守り抜いていくためにも必要なことであることを、市民一丸となって意識していかなければなりません。 壇上での御答弁にもありましたように、我々全ての市議会議員が所属している錦帯橋世界文化遺産登録推進議員連盟と錦帯橋を世界文化遺産に推す会とで、錦帯橋の魅力を再認識し、世界に発信するために、機運醸成のためのフォトコンテストを開催しているところであります。また、先ほど御説明いただいた関係団体のほうもさまざまな取り組みを進められております。 今後も、官民一体となって機運醸成に取り組む応援団として、さまざまな活動が促進されることを願っております。 それでは、本市としての取り組みについて一つお伺いいたします。 機運醸成を進められているところではありますが、錦帯橋ののぼり旗をリニューアルしてあちこちに設置することや、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会が作成している錦帯橋のアニメキャラクターを活用し、グッズやアニメーション動画の作成、またゆるキャラとして使用することや、これらのネーミングを募集したりすることで機運醸成を図ることも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  市が作成して設置しております白いのぼり旗については、現在、枚数も少なくなっていることもございまして、リニューアルを検討しております。新たなのぼり旗が完成し次第、できるだけ多くの人の目につくよう、設置場所も検討を行っていきたいと考えております。 特に、錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会が作成したポスターのデザインでありますアニメキャラクターについては、多くの方から好評をいただいていることもございまして、可能な範囲で使用したいと考えております。現在、このデザインを使用した新たなグッズの作成も検討しているところでございます。 議員御提案の動画の作成であるとかネーミングの募集等につきましては、キャラクターデザイン使用の権利の問題もございますので、今後、検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(丸茂郁生君)  一つ一つしっかり取り組んでいただきたいと思います。 市民の誇りである錦帯橋の世界文化遺産登録は、数多くの市民の夢であります。我々市議会議員は、市民の皆様が持つ夢をかなえることが役割の一つであります。我々も必死であります。市長におかれましても、「夢をかたちに」を掲げておられますが、どのようにしてこの夢をかなえていかれるのか。今回、暫定リスト入りできる最大のチャンスであり、今後の機運醸成を必死に取り組んでいただきたいということから、今後の取り組みについて、市長の御所見をいただきたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  錦帯橋の世界文化遺産登録に向けましては、行政のみならず官民一体となって、今までいろんな活動を展開してきております。 幾つか御紹介させてもらいますが、まず、錦帯橋を世界文化遺産に推す会の皆さん方は、以前からのぼりをつくられて、それもリニューアルしたりとかデザインも変えたりして、錦帯橋ロードレース大会とかいろんな市の大きな行事、岩国市観光協会の行事等にも参画されて、そこで錦帯橋を世界文化遺産に推すためのいろんな周知活動を展開しておられます。もちろん、議会でも議員連盟を立ち上げられまして、これまで、横断幕をつくって錦帯橋を観光客の方々にPRをされたり、現在では、フォトコンテスト2019ということで、こういったチラシもつくって幅広く周知もしておられます。また、これは、年が明けたら、その発表会もあるというふうに聞いております。こういったフォトコンテストも、しっかり多くの方に参加してほしいと思っております。 また、広く市民の方々――特に子供たちは、錦帯橋のほうで定期的に写生大会をずっと行っております。また、ロータリークラブが、1周年記念で、錦帯橋の浮世絵をこういったクリアファイルにしてみたり、いろんな媒体、また機会を捉まえて錦帯橋のPRをしていただいております。 やはり、こういった市民の盛り上がり、機運の醸成も必要でありますので、こういったことは以前からしっかり取り組んでいるところでありますが、これを継続しながら、さらに強化していくことも必要であろうと思っています。 市とすれば、今、山口県とともに――県の主導の中で、力強い推進体制が整っておりますので、きょうもつけておりますこういったピンバッジもそうでありますが、いろんな啓発活動をしながら、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて、まずは暫定一覧表に掲載されることを目指して、我々も、文化庁のみならず、国外に向けてもPR活動を力強く展開してまいりたいと思っていますので、議員各位におかれましても、引き続き、同じ目標に向けて活動をしていただければ幸いであります。
    ◆12番(丸茂郁生君)  錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて、みんなで頑張りましょう。 以上で終わります。 ○副議長(片岡勝則君)  以上で、12番 丸茂郁生君の一般質問を終了いたします。 9番 重岡邦昭君。 ◆9番(重岡邦昭君)  9番 市民クラブ・草の根 重岡邦昭。壇上からの一般質問をいたします。 まず、防音工事区域1,600ヘクタールの現状維持と拡大についてお聞きいたします。 このたび、広島高等裁判所において、岩国爆音訴訟に対する判決が出ました。それによると、騒音の違法性を認めたものの、騒音被害については防衛省の主張を認めております。防衛省は、滑走路を沖合に1キロメートル移設したことで騒音は軽減し、現在の防音工事区域の1,600ヘクタールが650ヘクタールにまで削減するという考えであります。となれば、防音工事拡大や区域の拡大、さらには再編交付金の延長も厳しい状況になったと言えるのではないかと思います。 市長は、今回の判決をどのように捉え、対応するお考えなのかお聞きいたします。 あわせて、基地拡張に伴う5ヘクタールの用地返還と都市計画道路昭和町藤生線改良工事についてお聞きいたします。 国道2号・188号の渋滞解消には、都市計画道路昭和町藤生線の早期完成が不可欠であります。問題は、5ヘクタールの用地返還協議が遅々として進んでいないことにあります。ついては、まず用地返還協議の現状と課題についてお聞きいたします。 また、事業開始以来、半世紀が過ぎても完成しない都市計画道路昭和町藤生線の完成年度はいつになるのか、その上で、早期完成にはどういった課題があるのかお聞きいたします。 次に、岩国大竹道路について、完成年度と今後の全体事業費・個別事業費についてお聞きいたします。 早速でありますが、岩国トンネル、大竹トンネル、山手トンネルの事業概要をお示しいただき、トンネルの掘削工事の順番についてお聞きしたいと思います。かつ、小瀬川にかかる橋などの概要及び大竹市営住宅の移転・建てかえ状況についてもお聞きいたします。 次に、岩国大竹道路の一部供用開始についてお聞きいたします。 岩国・大竹・山手トンネルの3本のうち、最初に山手トンネルを掘っても国道2号の渋滞解消につながるとは考えられません。急ぐのは、本来のバイパスである国道2号を起点・終点とした工事を完成させ、一部供用開始することであります。 山手トンネルは、その後の道路状況を見て、必要であれば、再度、室の木台団地の皆さんと協議をすることが、混迷を来している現状を打開する唯一の施策であり、国道2号の渋滞を早期解消するための最善策と思いますが、市長の考えをお聞きいたします。 次に、岩国市日の出公園の開設についてお聞きいたします。 来年オープンする岩国市日の出公園でございますが、事業費約15億円の施設でございます。費用対効果が問われます。市街地から遠く離れ、移動手段を持たない高齢者、児童・生徒の皆さんにとって、利用することが非常に難しい場所にあります。 ついては、建設時から指摘されていた移動手段、道路改良、安全対策及び多くの方に利用していただくための運営体制についてお聞きいたします。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、重岡議員御質問の第3点目の岩国市日の出公園の開設についての(1)市民の利用率向上と安全対策についてお答えいたします。 本定例会で議案として提出しております岩国市日の出公園は、サンライズクリーンセンターの余熱を利用した1周約30メートルの歩行水槽室、浴室、サウナ、露天風呂、足湯などから成る温水利用型健康運動施設と、健康遊具を配置した1周約340メートルの遊歩道と、約1,600平方メートルの広さの多目的広場を備える公園として、令和2年3月の完成に向け、現在、整備を進めているところであります。 議員御質問のうち、まず、日の出公園への移動手段の確保につきましては、JR岩国駅東口から日の出公園間のバスの運行について、いわくにバス株式会社と協議を進めているところであります。 次に、日の出公園にアクセスする道路につきましては、桂町方向から日の出公園に至る市道桂町4号線と市道日の出町1号線、市道日の出町2号線の延長2,020メートルの区間について、片側に歩道を有する計画幅員10メートルの道路として整備することを計画しております。 今年度は、市道桂町4号線の約150メートルの区間に歩道を整備する工事を施工することとしており、引き続き必要な調査・設計を行いながら整備を進める予定としております。 さらに、夜間における歩行者等の安全の確保のために照明灯を設置することにつきましては、日の出公園の供用開始後の利用状況を考慮しながら、関係者と協議、検討してまいりたいと考えております。 また、利用率向上に向けた取り組みにつきましては、広報いわくにや市ホームページ等で周知を図り、利用者数の推移などを確認しながら、より多くの市民の皆様に利用していただけるよう努めてまいります。 市としましては、日の出公園へのアクセスの整備や広報活動を進めながら、市民の皆様の健康の保持と福祉の増進に資する施設となるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  第1点目の在日米軍再編についての(1)防音工事区域1,600ヘクタールの現状維持と拡大についてお答えします。 議員御承知のとおり、岩国飛行場における住宅防音工事の第一種区域の最終告示は平成4年3月27日であり、この区域の面積が約1,600ヘクタールで、現在の防音工事はこれを対象範囲として実施されております。 また、御質問の中の650ヘクタールについては、平成29年1月に国が作成した空母艦載機の移駐に係る航空機騒音予測コンターに基づく、75W以上の区域の面積であります。 当コンターは客観的・科学的な手法により作成されているものですが、あくまでも予測であり、今後、住宅防音工事の対象区域として新たに告示を行い正式に指定するためには、決められた手続にのっとって、市内各所での騒音の実測等による騒音度調査を実施することが前提となります。 第一種区域の見直しの告示後、予測コンターの650ヘクタールの面積とどの程度の差が生じるか、現段階で申し上げることはできませんが、ことし4月に県と連携して行った移駐完了後における騒音の検証においては、市内全域の測定地点全てにおいて予測コンターのW値以下であることから、当初の予測の範囲内と確認しているところであります。 市といたしまして、国に対し、防音工事における対象施設を事務所、店舗等へ拡大することなど、新たな騒音対策に取り組むとともに、第一種区域の見直しの際には、地域の実情がしっかりと反映されるべきとの観点から、地域の実情に配慮し、年間W値だけでなく、空母艦載機滞在時の状況に対応した見直しを行うよう要望しております。 また、見直しの時期については、国から、「空母艦載機の運用が安定した段階で行う」旨、説明されておりますが、現時点で具体的な時期については国において検討中であると聞いておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎建設部長(木邉光志君)  第1点目の在日米軍再編についての(2)基地拡張に伴う5ヘクタールの用地返還と都市計画道路昭和町藤生線改良工事についてお答えします。 まず、議員御質問の5ヘクタールの用地の現在の状況ですが、当用地にあったペリースクールの移転後、学校関連の建物も既に解体され、現在、アスファルト舗装等の撤去作業が行われており、この作業も今年度末に完了し、更地になる旨、国から聞いております。 当用地につきましては、都市計画道路昭和町藤生線の基地内ルートを含むその周辺の基地内提供区域について、平成8年から返還要望を行っております。 市としましては、返還の要望を継続しながらも、早期に市民が有効に活用できることが重要と考えることから、共同使用も視野に入れ、引き続き、国を窓口として協議・調整を行ってまいりたいと考えております。 次に、昭和町藤生線は、昭和15年に新港尾津線として都市計画決定され、その後数回の計画変更を経て、平成12年の都市計画の変更により、現在は昭和橋交差点南詰めの昭和町三丁目から中国電力株式会社岩国発電所前の藤生町一丁目までに及ぶ延長7,570メートル区間を指定する都市計画道路です。 この道路は、昭和21年に事業が始まった戦災復興の土地区画整理事業にあわせて、起点側の東地区から整備が始まり、平成20年までに岩国基地正門まで整備が行われており、約2,940メートルが供用開始されております。 昭和町藤生線の川下地区における役割として、地区内の渋滞緩和や緊急時における安全な交通確保という面に、特に大きな効果を期待されており、地域の方々からは、先線の早期整備の要望をいただいているところです。 そうした中、平成23年度から、基地正門前から南側の門前川左岸までの約400メートルの区間について、防衛省の補助事業の採択を受け、昭和町藤生線改良事業として事業に着手しており、この区間においては、計画幅員を18メートルとする片側1車線の2車線道路で、両側に歩道を設け、車道と歩道の間には植樹帯を設置する計画としております。 これまで、基地正門から南側の約50メートルの区間の用地補償等を実施しており、今年度までに約515平方メートルの用地取得と5件の建物補償を行ってきたところであり、来年度は、基地正門前の交差点改良により機能回復が必要となる周辺生活道路の測量や設計を実施する予定としております。 また、事業着手以降は、計画区間における岩国基地への立ち入りについて、いろいろな機会を捉えて関係各所と協議を進めているところでありまして、今後は、米軍との協議が調い次第、約350メートルの測量や地質調査を行う予定としており、その成果をもとに詳細な設計を行い、防衛省や米軍などと協議・調整を続けながら、早期の完成に努めてまいります。 事業区間以南の門前川から先線となる中国電力株式会社岩国発電所までの約4,230メートルの区間については、現時点においては検討段階に至っていないことから、河川及び港湾管理者との協議や、藤生町のJR山陽本線に並行する海岸部の取り扱いなどの対応方針については、明確になっている段階ではありませんが、まずは、現在、進めております事業区間の早期完成を目指し、基地正門前から南側の門前川左岸までの約400メートルの区間について、これからも、川下地区における安心・安全の確保と市民の利便性や生活環境の改善が図れるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  第2点目の岩国大竹道路についての(1)完成年度と今後の全体事業費・個別事業費についてお答えいたします。 岩国大竹道路については、平成12年に延長9.8キロメートルの道路として、山口県と広島県により都市計画決定された後、平成13年に国により事業着手されており、平成15年度に始まった用地取得は、面積ベースですが、平成31年3月末時点で、山口県側が99%、広島県側が72%、全体では92%の進捗率となっております。 議員御質問の岩国大竹道路の事業概要ですが、岩国大竹道路は、第1種第3級に区分される、標準幅員が20.5メートルの自動車専用道路で、総延長9.8キロメートルのうち、トンネル区間が約6.3キロメートル、橋梁区間が約1キロメートルと、トンネルと橋梁が全体の74%を占める、構造物の比率が高い道路となっております。 国によりますと、それぞれの完成年度や事業費はお示しできませんが、岩国トンネルは2,920メートル、大竹トンネルは2,840メートル、山手トンネルは560メートル、小瀬川にかかる小瀬川橋は260メートルとなっており、全体事業費は概算で1,330億円でございます。 あわせて、大竹市に伺ったところ、大竹市営住宅の移転につきましては、事業費の公表はしておりませんが、重立った住宅に係る部分の移転は完了しているものの、いましばらく期間を要すると聞いております。 次に、(2)岩国大竹道路の一部供用開始についてでございますが、岩国大竹道路は、一般国道2号のバイパスとして、岩国-大竹間の渋滞緩和や交通安全の確保はもとより、岩国錦帯橋空港や岩国医療センターへのアクセス向上を初め、産業・経済の発展、広域的な交流の促進につながり、さらには災害時のダブルネットワークを確保するために、極めて重要な路線であるため、早期完成を目指して、国土交通省により事業が進められているところでございます。 議員御質問の「岩国大竹道路は国道2号に接続する室の木アクセスまでを先行して実施し、一部供用開始した後に山手トンネルの是非を検討してはどうか」についてですが、岩国大竹道路は、岩国南バイパスとともに、大竹市小方から岩国市藤生町までが地域高規格道路に指定されており、現在、暫定供用しております岩国南バイパスに接続し、さらには、今年度から国において新規事業化された藤生長野バイパスにつながる、岩国市の南北を通過する主要な幹線道路であるとともに、広域都市間ネットワークとしての役割も担っております。 仮に、大竹市小方から室の木町の国道2号までの整備をした場合、大変な量の車が、室の木町の岩国大竹道路と国道2号との交差点に集中することになります。中でも、岩国南バイパス方面と行き来しようとする車は、岩国玖珂線や室の木尾津線等といった大変脆弱な県道や市道を利用することになると思われ、通勤、通学、買い物等の日常生活に密着した道路の混雑を招き、大きな支障を生じることが懸念されます。 こうした中、山手トンネルについては、施工はもとより、事前の地質調査等についてもトンネル直上の自治会から反対が表明されていますが、市としましては、この路線の整備の重要性を踏まえ、住民の皆様の御理解を得ながら、路線全体の一日も早い完成を目指し、官民の緊密な連携のもと、国・県と一丸となって事業の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆9番(重岡邦昭君)  それでは、順不同で再質問をしてみたいと思います。 まず、再質問の前に、今の答弁の中にちょっと気がかりなことがあったので、質問の前に、ちょっと指摘をしてみたいと思います。 まず、岩国市日の出公園の開設についてでございますが、聞けば、1年間の利用客数が設定されていないということでした。 料金設定のためには、近隣施設を参考にするだけではなく、利用客数などをもとに原価計算を行い、なぜ使用料を500円に設定したのかを市民の方に示す必要があると考えております。しかし、聞くところによると、原価計算も行っていないということでした。 安いからよいでは済まされません。この発想こそ、行政の透明性が失われ、行政を私物化していくことにつながると思いますので、そういう安易な考え方はやめていただきたい。 それと、これは焼却場のことですが、大きな利益が出たら市民に還元するという約束もあるわけです。なぜ500円になったのかを、原価計算を行いしっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに指摘しておきます。これは、焼却場の売電収入がはっきりしてくる決算時に、改めて質問を行いたいと思います。 次に、これも指摘と質問の両方になります。例の昭和町藤生線でございますが、事業認可から半世紀たっても完成していないわけでございます。これは、米軍基地5ヘクタールの返還が遅々として進まないことが大きな要因になっております。 5ヘクタールの返還についてはいろいろ厳しい条件もあるわけですが、やはり地域の弱腰の姿勢がそれにつながっている、甘い対応がそれにつながっていると、私は考えております。山手トンネルでは強引に進めて、調査もやろうかという状況の中、こうした甘い対応で5ヘクタールの返還が遅々として進まず、半世紀たっても昭和町藤生線が完成しない。こういうことはあってはならない。これは指摘しておきたいと思います。 したがって、しっかりと強い姿勢で5ヘクタールの返還を求めてもらいたい。そうでないと、室の木台団地の方々にとって、「自分たちには厳しく、国には優しく」というのでは、理解が進みません。これを指摘しておきたいと思います。 また、防音工事区域1,600ヘクタールの維持については、裁判の結果を受け、防衛省は、区域削減に向け、NHK放送受信料助成の打ち切りと同様、裁判で決まったんだということで厳しい対応で攻めてくるのではなかろうかと思います。 今まで市長が防衛省の立場に立ち空母艦載機移駐を進めてきた甘い対応が、結果的にあだとなって返ってくるのではないかと心配をするわけでございます。しっかり、市民の安全・安心を守っていただきたい。このことは市長の責任ですから、ひとつお願いをしておきたいと思います。 それで、答弁の中で一つ気になることがありました。私の解釈の間違いというふうに思いたいんですが、先ほど基地政策担当部長が壇上で、「1,600ヘクタールが650ヘクタールになる」と答えられました。これは、予測コンターではそうなっているわけですが、防衛省の言うとおり、騒音度調査の結果、結果的に650ヘクタールは認めなければならない――認めるというような感覚に私は聞こえたんですが、私の解釈の違いなんでしょうか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  先ほども答弁いたしましたけれども、この650ヘクタールは、防衛省が空母艦載機の移駐後に騒音状況がどうなるかを科学的また客観的な方法により作成しました、あくまでも予測のコンターであるということでございます。 今後、第一種区域を見直すに当たっては、これも壇上で答弁いたしましたけれども、決まった方法、決められた手続にのっとって騒音度調査が実施されまして、最低でもあと1年ぐらいかかると聞いてございますが、この1年間、騒音度調査を市内各所で行いまして、その実態に基づいて決まってくるわけですから、これが何ヘクタールになるかということは調査を行ってみないとわからないわけでございます。 市といたしまして、今、騒音状況が変わってくる中で、第一種区域を今後見直していくことは、先ほど申し上げたとおり、国が、いずれ、空母艦載機の移駐後の安定した状況でやるというふうに言っていますから、これ自体を我々は否定するものではありません。 また、この結果につきまして、今、騒音予測コンターでは650ヘクタールになると言われておりますが、これが実際にどうなるかというのはやってみないとわかりません。先ほど、現状では予測の範囲内というふうに申し上げましたけれども、その650ヘクタールという予測が大きく狂うことはないだろうというのが、「予測の範囲内と確認をしている」ということの趣旨でございます。 市といたしましても、この騒音度調査というのは客観的に行われるものですから、これを受け入れるとか受け入れないという問題ではなく、今後、もし、これが見直された結果として出てくれば、今後はこの値をもとに第一種区域が決められ、所定の手続を踏まえて告示をされ、指定されるということになろうかと思います。 ◆9番(重岡邦昭君)  650ヘクタールを半ばお認めになるような発言です。今後、これは大変重要な発言になってくると思います。 今、市長は、第一種防音工事区域の拡大あるいは再編交付金の延長を要望しているわけです。その根底には、うるさくなっている現状があります。だからそこを強調して求めているわけですが、今の答弁は、その考えに逆行するような、裁判で防衛省の主張が通ったから、ほぼそれでいくのではないかというようなことが非常に危惧される答弁でした。 逆に私は、今のように騒音が激しくなった中で、1,600ヘクタールをいかに堅持していくか、そして、その1,600ヘクタールの中の民生安定・景気対策といったものをいかに守っていくか、これが今、市長のやるべきことではないかと思います。NHK放送受信料助成の打ち切りは、会計検査院が指摘したからということで、国が何の調査もせず、ただ、防音工事をやったからNHKのテレビの音声は聞こえるんだということで安易に認めていますが、沖縄は特別に延長しています。岩国は極東最大級の基地になりうるさくなったのに、安易に認めたといった状況です。 したがって、今、広島高等裁判所で防衛省の主張を認めた――1,600ヘクタールを650ヘクタールにするということは、市民の安心・安全を守るには安易な判断であったと私は思います。 これから騒音実態調査も始まると思います。ぜひ、ここは市民の安心・安全あるいは景気対策、民生安定といった観点から、守っていただきたい。これは切にお願いしておきたいと思います。私は、経済界から必ず、かなりの苦情が出る答弁であったというふうに思います。これは指摘しておきます。 それでは、岩国大竹道路についての再質問に入りたいと思います。 まず、先ほど、「道は1本でつながるのがよい」と答弁されましたが、これは誰が考えてもそのとおりだと思います。だけれども、日本全国には、途中でとまっている――今、私が提案したような状態の箇所は幾らでもあります。それでも、それなりにしっかりと交通動態は堅持されております。ここは一つ、答弁に対する指摘をしておきます。 それから、一部供用開始によって室の木町三丁目あたりが混雑するのではないかというような答弁がありました。それは、山手トンネルを通しても同じことが言えます。 山手トンネルが通れば白崎八幡宮あたりの川のところにつながるわけですが、広島方面から来る車というのは、企業に行く車が多いわけです。そして、岩国市内に入ってくる車も多いわけです。今の答弁は、柳井方面に行く車が多いからそういうふうに考えられたという、あなた方の持論です。それから、今、私の言っていることも持論なんです。お互いにデータがありません。データがないからお互いの持論で正当化しようとしている。つまり、私は一部供用開始をして恐らく――後で再質問しますけれども、大竹トンネル・岩国トンネルを掘ったとしても、20年近くはかかります。そのころにもう一度、今、答弁された、混雑するということをチェックすれば済むことなんです。その後で山手トンネルにかかったとしても十分間に合います。要するに、今、室の木台団地の皆さんが非日常化して本当に悩んでおられるのを、なぜ攻撃をしなくてはならないのか、その理由がわかりません。そのことを指摘しておきたいと思います。 それでは、まず、先ほど、工事についてのいろいろな答弁がありましたが、現在までの工事の進捗率についてお聞きいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  進捗率につきましては幾つかの算出方法があると思いますけれども、先ほど壇上においては、用地買収が完了した面積ベースの進捗率を御答弁申し上げました。事業費ベースの進捗率について国にお聞きしたところ、平成31年度当初におきまして、岩国大竹道路の全体の進捗率は約21%であります。 なお、この事業費ベースの進捗率につきましては、現在、大竹トンネル、岩国トンネルともに測量調査を終えまして、設計を行っております。また、小瀬川橋についても調査業務を実施中というふうにお聞きしておりますので、今後、詳細設計等が行われる中で、また社会・経済情勢等の変化に伴い全体事業費も変わることもあるやもしれませんし、それに連動して進捗率のほうも変化することが考えられますので、申し添えさせていただきます。 ◆9番(重岡邦昭君)  今の答弁の前に、混雑するから山手トンネルもつくって一本で進めたいというお考えを示されました。また、私も持論を展開しました。では、そうならないためにどうすればいいかといえば、楠中津線をとにかく早く整備する、そして臨港道路を早く整備する、昭和町藤生線を早く整備する、これをやれば全部、先ほどの答弁を一つ一つ覆す材料につながってきます。一つのデータとして申し添えておきます。 それと、今、工事の進捗率について21%ということですが、これはかなり時間が経過しておりますよね。イロハのイですが、なぜこれだけ工事が進んでいないのか、その原因についてお聞きいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  この事業につきましては、現地の調査、測量調査、設計から入りまして、用地買収、それから移転補償というのがセオリーになっております。そうしたことからも、現在、用地買収については山口県側が99%、全体では92%ということになっておりまして、順調に進んでいるというふうに考えております。 なぜ進まないのかというような御指摘でございますけれども、先ほど答弁いたしましたように、現在、岩国トンネル・大竹トンネル・小瀬川橋につきまして、調査及び設計の途中でありまして、現在お願いしております山手トンネルにつきましても、調査をさせていただいて、設計のほうが進められればというふうに考えております。 ◆9番(重岡邦昭君)  今、調査に入っているという答弁もございましたが、肝心かなめは、単純に、事業費がついていないということだけでございます。事業費がつかないということは、市長の頑張りが足らないということもあわせて言えるわけでございます。 事業化して18年、余りにも進捗率が悪いとしか言いようがありません。なぜ山手トンネルだけ攻めて、18年かかっても遅々として進まない道路改良を強く言わないのか。どうも私には、山手トンネルの調査を先に進めるということが、何か、予算がついたから、というようなことにしか思えず、地元住民の方の心情を何も察していないということを非常に残念に思う次第でございます。 つまり、やろうとすればできるところはあるわけです。岩国トンネル・大竹トンネルのボーリング調査も、もうちょっとで済むでしょう。今、言いましたように、急ぐ必要もない山手トンネルだけ攻め込んで、無駄な時間を費やしていると私は思います。 そこで確認したいのですが、岩国トンネル約3キロメートル、大竹トンネル約3キロメートル、山手トンネル約600メートルの、それぞれの掘削する順番と完成までの個別の工期について、言える範囲で結構ですから、お聞きいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  これにつきましても、先ほどから申し上げているとおり、今、調査・設計を行っているところでありまして、その調査・設計におきましても、工事用道路をどういうふうに設置していくかとか、そういう手順についてもその中で行っておられるというように聞いておりますので、現在のところ、個別の事業費や完成年度につきましては、お聞きすることが難しいという状況でございます。 ◆9番(重岡邦昭君)  それは理解できます。だけれども、そういう説明を地元にしたとしても、今、山手トンネルの掘削に係るボーリング調査をしなければならないという説明にはならないし、なかなか理解はされないというふうに思います。 そこで、今のようなことは言えないけれども、岩国トンネル・大竹トンネル・山手トンネルのどれを一番に掘っていくかぐらいは言えると私は思いますが、どうですか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  議員は、山手トンネルをなぜ先に進めるのかということでございますけれども、現在設計をしている中で、工事用の手順であったり、どのように入れば効果的であるのかといったようなところもあわせて検討されております。しかしながら、山手トンネルにおきましては、現在、設計を行う手前の調査すらできておりませんし、地元の方々のいろいろな御疑念・御不安に対しても、まだ十分な説明ができていないということで、その先のところについて説明が十分でないということもありまして、現在のところ、岩国トンネル・大竹トンネル・山手トンネルの工事の順番につきましても、お答えすることができません。 ◆9番(重岡邦昭君)  だから、それが丁寧な説明になっていないと言いたいわけです。国は、丁寧な説明をして地元の理解を得ると言っておられるわけですよね。先ほど私が持論を展開しましたけれども、今、岩国トンネル・大竹トンネル、あるいは小瀬川を通る立体橋を含め、橋梁も約1キロメートルあり、これらを合わせれば大体20年近くかかるのではないかと思います。今、山手トンネルを反対の中で強引に進めなくても、20年後にボーリング調査等をやっても十分に間に合う状況なんです。予算がついたからやるというだけでは、今のような、地盤沈下するというような不安を解消することにはならないと思います。 それでは、ちょっと私の独自の調査に基づいてお聞きしますけれども、一般的に、岩国トンネル3キロメートルにおおむね7年、大竹トンネル3キロメートルにおおむね7年、橋梁総延長1キロメートルにおおむね4年前後はかかると思っております。つまり、主要な工事だけ見ても18年間の工期が必要となります。こうした私独自の調査ですけれども、この調査に問題があれば御指摘いただけたらと思います。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  議員がどういった判断で合計18年というふうに算定されたのかはわかりませんけれども、工事につきましては、先ほどから答弁いたしておりますように、現在、調査・設計中でありますので、全体の事業期間については詳細に述べることができません。また、山手トンネルをなぜ先行して進めるのかということですけれども、これも先ほどから重ねて述べさせていただいておりますが、岩国トンネル・大竹トンネル・小瀬川橋につきまして、現在、調査・設計をしております。並行して進めるために、山手トンネルについても調査・設計を行いたいというふうに国からお聞きしております。 ◆9番(重岡邦昭君)  先ほど壇上から、総事業費が1,330億円だと言われました。それは、トンネル1本1本、あるいは橋梁1本1本の積み上げた総額だということです。工期は若干延びたり短縮したりするケースもあるでしょう――短縮はちょっと考えられませんが。総事業費も、20年かかるとなれば、当初にはじき出した金額から物価係数も変わってきたりしますから、その1,330億円が変わることは当然あります。しかしながら、山手トンネルを最初に掘ったとしても国道2号の渋滞解消にはつながらないというのは、誰が考えてもわかります。先に、大竹トンネル、そして岩国トンネル、そして小瀬川にかかる橋等を完成させて小方から室の木町まで一部供用開始をするのが、一般的に考えて合理的な対処法だと思います。そして、先ほど答弁があったように、本当に室の木町周辺で混雑が始まるのか確認をするべきです。今、混雑をするということを適当に言われたと思うんですけれども、こうしたデータは持っておられるんですか。持っていない中で感覚的に答弁されたんじゃないですか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  これまで議員が持論としておっしゃられております大竹側から岩国市室の木町までの先行整備でございますけれども、壇上でも御答弁いたしましたように、現在の国道2号は、大体3万台の車が通行しております。今後、その車が岩国大竹道路のほうに転換すると、信号もほぼない無料区間でございますので、かなりの車がそちらのほうに転換すると考えられます。そうなることによって、桜地蔵付近の交差点で新たな渋滞を起こすということになります。 それから、もう一点、壇上でも御答弁いたしましたけれども、そこにおりてきた車が南部のほうへ向かうには何通りかの道があると思いますけれども、大変脆弱な県道や市道を利用するということで、市民の生活に支障を来すということが大変懸念されます。もう一方で、逆に、岩国南バイパスのほうから岩国大竹道路のほうに行く場合、現在、錦見交差点が右折できませんことから、白崎八幡宮から長山公園、中央フード、それから麻里布小学校の前を通って左折して国道2号へ出るということになります。中には、水道局から錦見ポンプ場の前の交差点を通って桜ケ丘団地、それから焼野踏切といったような、まさに生活のかなめとなる路線を通っていくような通過交通がふえるという、非常に危険な状態を招くことにもなります。 こうしたこともありますので、議員の持論として御提案された、18年間を待ってから見きわめて工事のほうを考えるというわけにはいかず、並行して進めていくべきだというふうに考えております。 ◆9番(重岡邦昭君)  私が、データを持っているかと聞いたのは、約3万台の車が行き交うことではなくて、その約3万台の中で、例えば小方から入って柳井方面に行くのか、岩国市内の企業あるいは市内に行くのか、こうしたデータを持っていないということを言っているんです。交通量実態調査をやっているから車の量は出せるんですけれども、実際に向かう方面まで調べていないのが現状です。だから、私の持論でもあり、今、部長が言ったのも、やりたいがための持論である。今、データもなく答弁しておられるから、そこに、室の木台団地の皆さんが理解できない大きな原因があるわけです。これは水かけ論になります。お互いにデータがないんですから。 それで、ちょっとくどいようですけれども、岩国トンネル・大竹トンネルのボーリング調査はもう済むでしょう。となれば、間違いなく、山手トンネルの前に岩国トンネル・大竹トンネルはやると答えられると思うんですけれども、もう一度答えてください。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  繰り返しになりますけれども、現在のところ調査・設計中でございますので、そういった国からの手順についての説明はございません。 ◆9番(重岡邦昭君)  国から説明がないのであれば、今しなくてもよい室の木台団地のボーリング調査を、なぜ攻撃的に、弾圧的に、高飛車に進めているのか。その理解を室の木台団地の方々から得る必要があるのではないですか。だからこそ、今、国から説明がないのであれば、我が岩国市民の安心・安全のために、そこだけははっきりとお答えしたほうがいいのではないんですか。そして問題があれば、18年先の未来の若い人たちにその問題を託すということもあるのではないですか。それを今、非日常的な状態に追い込んで、コミュニティーを壊してまで進める必要がどこにあるのだろうかというふうに私は考えます。これも、国に沿った考え方を持っておられる山中都市開発部長ですから、また反論されるんでしょうから、もうあなたの考え方はよくわかりました。それでは丁寧な説明ということにもなりませんし、室の木台団地の方はいつまでたっても理解をしない、この非常に気の毒な状態が何年も続くと思います。 そこで、これは市長にちょっと聞いてみたいんですが、地盤沈下など多くの問題がある山手トンネルに反対する室の木台団地の皆さんは、トンネルの掘削につながるボーリング調査を阻止するため、家族を犠牲にしてまで抗議活動を行っておられます。平穏な日常生活が一変し、非日常的な生活を余儀なくされ、大変な精神的苦痛を負っておられます。市民の安心・安全な生活を守る責任者である市長は、現状について、成り行き任せに傍観する考えなのか、地域の皆さんの平穏な日常生活を守る考えがあるのか。 山中都市開発部長は、公務員です、行政マンです。政治がこう決めたらそれに従わなければならない、そして、進めと言われれば、今のように、データもなく持論を展開し強引に進めていこうとする、これは公務員のさがなんです。だからこそ、これ以上の答弁はできませんから、非日常になった今の室の木台団地の皆さんをお助けするのは、政治判断――市長しかいないんです。一言で済むんですよ。これだけの問題になれば、まずは、未来の若い人たちに山手トンネルを託そうじゃないか、これで済むんです。まだ18年、20年かかるんです。どういうお考えですか。 ◎市長(福田良彦君)  岩国大竹道路の必要性については、議員の皆様方は既に御承知のことと思われますが、日常の渋滞解消のみならず、岩国錦帯橋空港、岩国医療センター、また観光など、地方創生といいますか、地方の活性化に寄与するための計画であります。また昨今、災害が頻繁に起きる中で、災害時のダブルネットワークとしての機能も期待されている路線であります。だからこそ、山手トンネル直上の団地の方々のさまざまな不安に対しましても、そういった必要性を理解してもらいながらも、皆様方が抱いている不安に対する解消のために、今、地質調査ということで、以前から国の職員、また、国が発注しております測量会社の方とともに市の職員も現地に入って、丁寧に理解を求めながら――時に重岡議員の大きな声もここまで届くようであります。ぜひ、地域の方々に、議員からも理解を求めていただきたいと思っておりますが、先ほどから、近いうちに理解が得られるだろう、調査も終わるんだろうという、議員のそういった言葉がございましたので、地域の方の理解も得られるんだろうというふうに、ちょっと感じたところでもございます。 市とすれば、今から粘り強くしっかりと、何のための調査であるかということを、丁寧に説明を尽くしていきたいと思っております。そして、議員も根拠をお持ちなんでしょうが、18年、20年というふうに決めつけておられますが、やはり、こういった道路というのは、少しでも早く整備されることによってその取得効果・費用対効果を発揮したいと思っておりまして、まさにこれは市長としての責務でもあろうと思いますので、早期の完成に向けてしっかりと先頭に立って頑張っていきたいと思っております。その辺につきましては、この岩国大竹道路と岩国南バイパスは最終的にはつながる路線になりますので、当路線につきまして、市長として、まず、国にしっかりと予算を確保してもらいながら、事業に早く着手するとともに、市民の理解ももちろん得ながら、早期に、その他路線を整備することによって、岩国の未来をしっかりと形づけていきたいと思っています。 ◆9番(重岡邦昭君)  長々と。ことしの9月定例会でも市長に言いましたけれども、どうもあなたは読解力が足りない。意図的にわからないふりをして、むちゃ振りをしているのか……。いつ、私が室の木台団地の方が理解をするというような発言をしましたか。(「測量が終わったと」と呼ぶ者あり)それはほかのところ――岩国トンネル・大竹トンネルです。人の話をしっかり聞いた上で答弁してください。誤解を招きますよ。 それから、先ほど、災害時のダブルネットワークのために山手トンネルも必要なんだということをおっしゃいました。では、山手トンネルの上の室の木台団地の方がどういった心配をしておられるのか、わかりますか。市民を災害から守るということで山手トンネルがどうしても必要なんだという言い分ですが、室の木台団地の方は、まさに地盤沈下という災害が起こるから心配なんです。それで、室の木台団地は地盤沈下があってもいい、あるいは穴を掘って――周りに急傾斜地域がありますけれども、そこの崩土はあってもいい、あのあたりの人は亡くなっても問題ない、災害から守る岩国市全体のダブルネットワークのほうが必要なんだということは、乱暴な意見ではないかと思います。 それから、先ほどからの山中都市開発部長と今の市長の発言は、国・県・市が室の木台団地で行う丁寧な説明とは一つも思えません。逆に、上から目線の弾圧的な、攻撃的な、自分たちが決めたことは下々は聞け、言うことを聞かないとひねり潰すといった感覚がちょっと強く、そういった思いが伝わってきます。恐らく、現に室の木台団地の方々はそういう思いでおられるでしょう。そういうことで仕事を進めてはいけませんよ。行政マンは政治で決まったことはやはり進めなくてはなりません。だけれど、あなたは政治家なんです。だからこそ、政治家は、私が言うように、決まったことの前段階として、いかに市民を守るために、その不安のところをどうやって取り除いて、どうしたらダブルネットワークとなる道路ができるのかを考える必要がある。今、室の木台団地の方々の不安を解消するための対策というものが何も伝わってきませんね。これは非常に残念なことです。 ◎市長(福田良彦君)  この議会でのやりとりというのは、言葉を非常に慎重に発しないといけないというふうに思っております。重岡議員の発言は、あたかも岩国市は、国がこの事業を進めるがゆえに、その直上の方々がどんな被害も受けてもいいんだというような表現でありましたが、これは誤解でありますし、できればぜひ、撤回もしていただきたいと思います。(「そこを丁寧に説明して……」と呼ぶ者あり) 岩国市・県・国は、まずこの道路の必要性をしっかり訴え、また、直上の団地の住民の方々が抱いている不安は、恐らく地盤沈下等だろうと思っていますから、その不安解消のためにどういった工法が望ましいかを含めて、やはり地質調査をしないとその不安にお答えができないため、基礎的調査として地質調査等をさせていただきたいということでありまして、市民の財産等に影響がないようにするための調査を求めているわけでありますので、議員の言われるように、市民の財産・生命を無視していろんなことを進めているというような、そういった大きな誤解を与えるような表現は、我々は全く承知できないわけであります。 また、今回、この計画は、自治会連合会なり、岩国商工会議所、また広く議員の皆様方の理解を得ながら、また署名等もいただきながら進めております。ということでありますので、ぜひ、室の木台団地の方々がそういうように思っておられるのであれば、それは大きな誤解でありますし、議員も、そういったことではなかったということを、ぜひ、団地の方々にお伝えくださればと思っております。そういった不安がないように、しっかりと丁寧に対応させてもらいたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆9番(重岡邦昭君)  時間がないんですが、災害は全トンネルで必ず起こる――全トンネルでほとんど地盤沈下しております。だからこそ、室の木台団地の方は心配しております。これは国土交通省が示したデータです。全部地盤沈下をしております。これはつけ加えておきます。 以上です。 ○副議長(片岡勝則君)  以上で、9番 重岡邦昭君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時58分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時25分 再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 20番 瀬村尚央君。 ◆20番(瀬村尚央君)  皆さん、こんにちは。市政改革クラブの瀬村です。通告に従い、一般質問をさせていただきます。最終日の最後から2番目の質問となりますが、よろしくお願いいたします。 今回は、1、観光客に対する取り組み状況について、2、岩国駅東口における再開発について、3、装束町における豪雨対策についての3点について質問させていただきます。 まず、1点目の観光客に対する取り組み状況について、(1)レンタサイクルについてお伺いいたします。 東京や広島では、活発に自転車を活用した観光を促進されております。私も東京に行った際に、友人とコミュニティサイクルを利用したことがあります。コミュニティサイクルとは、町中に幾つもの自転車貸出拠点を設置し、利用者がどこでも借り受け・返却可能というシステムです。会員登録もありますけれども、1回利用でも乗り捨てが可能で、とても便利でした。先月、広島市役所を訪問させていただき、広島市議会の方とも情報交換をしてまいりました。原爆ドームや宮島など多くの観光資源を持っている広島でも、一見ではないリピーターの観光客を獲得するのにとても苦労されているとのことでした。宮島や原爆ドーム以外に、グルメやショッピングなどを楽しんでいただき、市内を見てもらうためにも、コミュニティサイクルなどを活用しているとのことでした。岩国市もことしの6月から錦帯橋周辺に数台設置されております。そこで、岩国市のレンタサイクルの導入状況についてお伺いいたします。 続いて、(2)フリーWi-Fiについてお伺いいたします。 これまでにも、ほかの議員が東京オリンピック・パラリンピック開催と絡めて質問しておられましたが、本市におけるフリーWi-Fiの設置状況についてお伺いいたします。 私は、2つの目的から、フリーWi-Fiは必要だと考えております。 1点目は、対インバウンド向けです。近年は、海外旅行時に携帯するWi-Fiも多くありますが、少し前だと、海外に行ってまず行うことは、Wi-Fiがある場所を探すことでした。外国人も同様に、キャリアが異なったりするため、Wi-Fiが接続可能なのかどうかはとても気にするところです。そのため、外国人の観光客に対してフリーWi-Fiは必要であると考えます。 2点目は、観光客一人一人に岩国の観光大使になってもらうためです。これはどういうことかというと、昔は、観光地に行くと写真を撮っていました。今は、フェイスブックやインスタグラムなどで動画を投稿する人がとても多くなりました。グーグルで動画検索をしてもユーチューブが上がるようになりましたし、動画というコンテンツは、多くの人に見られるようになりました。 また、前回の質問で申し上げたように、5Gになれば、超高速・超低遅延・多数同時接続となり、ライブで動画をアップするのも一瞬であると思われます。しかし、5Gよりも先に、クイック的に取り組めるフリーWi-Fiを強化すべきだと私は考えます。フリーWi-Fi環境を充実させて、訪れた観光客に写真や動画を撮影していただき、ライブでも投稿可能となる環境整備をすべきであると考えます。 そうすると、もみじや桜がまだ見ごろかどうかわからない方も、そういった動画を見ることで、まだ桜は散っていないのかと、こんなにきれいなら行ってみようかと、観光客誘致につながるのではないかと思います。そういった意味で、フリーWi-Fiを充実させることで観光客一人一人が広告塔になると私は考えます。 もちろん、こういった施策は高年齢層向けではありません。しかし、私が歩いているときでも、ゴープロで撮影する人がいたり、若い人も多くいました。ターゲット層を明確にして戦略を立てるべきであると考え、そういった意味で、フリーWi-Fiの充実は、若年層、また中年層に向けて、格好のサービス強化につながると私は考えます。 そこで、本市において、フリーWi-Fiはどの程度設置されており、どの程度利用されているのかお伺いいたします。 2点目の岩国駅東口における再開発について、(1)現状と今後の方向性についてお伺いいたします。 以前、岩国駅西口の南街区にある旧イズミの再開発について質問させていただきましたが、今回は東口の再開発についてお尋ねいたします。 岩国駅西口の再開発は法定再開発を目指して進められているのに対し、岩国駅東口の再開発は優良建築物等整備事業の助成を受けて進めていると認識しております。岩国駅西口の再開発には都市計画決定が必要ですけれども、岩国駅東口の再開発には都市計画決定が不要であると聞いております。 そこで、優良建築物等整備事業の概要、また、岩国駅東口の再開発も民間で進められていることではありますが、どのようなイメージのものが完成する予定なのか、また、どのようなスケジュールで、いつ完成するのかお伺いいたします。 3点目の装束町における豪雨対策について、(1)これまでの経緯と今後の取り組みについてお伺いいたします。 昨年7月に岩国市を襲った大豪雨は、周東町を中心に甚大な被害をもたらしました。装束町でも三丁目を中心に、道路が冠水したり横道を流れる水路があふれたりして、家が浸水するのではないかと心配される方が多くいました。 装束町の豪雨時における冠水や浸水は、今までも地元自治会長を中心に、大きな問題として市に相談してまいりました。ですが、現時点で効果的な対策が講じられているわけでもなく、大変不安がられています。市として、本件を重大な問題として認識されているのか、なぜ対策が講じられていないのか、今後はどのように取り組んでいかれるつもりなのかお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終了いたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、瀬村議員御質問の第2点目の岩国駅東口における再開発についての(1)現状と今後の方向性についてお答えいたします。 議員御案内の岩国駅東口で進められている再開発事業は、学習塾などが入居していた5階建てのビルと低層の木造住宅や事務所などが立地する岩国駅東口駅前広場南側に隣接する約1,000平方メートルの区域に計画されております。 この用地に、まちづくり会社である株式会社いきいき東が、市街地環境の向上と良質な市街地住宅の確保を目的とし、土地の共同化や高度利用化により優良な建築物を整備する優良建築物等整備事業を活用した再開発事業を進められております。 事業の概要としましては、駅前広場の隣接地という特性を生かし、1階に多くの市民が利用できる交流スペースを備え、2階が学習室、3階以上が40戸の分譲住宅となる12階建ての再開発ビルと、それに併設される立体駐車場で構成された、延べ面積約4,300平方メートルの建築物の建設が計画されております。 この再開発事業は、岩国市中心市街地活性化基本計画の基本方針に適合し、計画の核となる事業として市が実施している岩国駅周辺整備事業との整合が図られるよう計画されており、高度利用化や耐震化が図られるとともに、町なか居住による岩国駅東口周辺の人口増加とにぎわいの創出につながり、駅周辺の中心市街地の活性化に大きな効果が期待されるため、市においては、事業への支援を行っています。 支援の内容としましては、国土交通省の社会資本整備総合交付金の制度に基づき、事業者である株式会社いきいき東に対して、国の交付金と市の補助金を交付してまいります。 今後の事業スケジュールにつきましては、現在、株式会社いきいき東において実施設計を進められており、今年度中には計画地の既存建物の解体を終え、来年度から建築工事に着手し、令和3年度中に事業が完了する予定と伺っております。 市としましては、この再開発事業を支援するとともに、株式会社街づくり岩国や岩国商工会議所を初め、地域の方々と連携し、新しく生まれ変わる岩国駅を中心とした岩国駅周辺整備事業による活性化の成果を周辺に波及させ、多くの市民にとって快適で魅力あるまちづくりにしっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  第1点目の観光客に対する取り組み状況についてお答えします。 まず、(1)レンタサイクルについてでございますが、現在、岩国市観光交流所「本家 松がね」では、指定管理者であります株式会社岩国城下町サロンにおいて、錦帯橋周辺を初めとした市内の観光周遊を促進するため、観光用レンタサイクル事業を、自主事業として本年6月27日から実施されています。 利用状況でございますが、大人用の電動自転車3台を導入され、この夏は猛暑や台風などの影響を受けるものの、秋の紅葉シーズンに入って利用も少しずつ伸び、10月末現在の利用者数は12人と伺っております。 市といたしましても、四季折々の風景や魅力的な観光スポットを自由に散策いただけるよう、「本家 松がね」でのレンタサイクル事業について、ホームページなどを通じて情報発信してまいりたいと考えております。 次に、(2)フリーWi-Fiについてでございますが、外国人観光客の誘致を図るため、平成27年度には、錦帯橋周辺など市内の観光拠点10カ所に屋外用の「岩国フリーWi-Fi」を整備するとともに、平成28年度からは、広域携帯として、屋内用の「広島フリーWi-Fi」を、岩国市観光交流所「本家 松がね」ほか7カ所に整備しております。 「岩国フリーWi-Fi」につきましては英語ほか4言語に対応し、「広島フリーWi-Fi」につきましてはフランス語ほか6言語に対応しており、いずれも月当たり1,500件程度のアクセス数があります。 こうした中、観光客の方々が見どころやお気に入りの情報を世界中に発信していただけること、また、本市の観光情報もスムーズに参照できるなど、フリーWi-Fiの整備は観光面においても大変重要な環境整備と認識しております。 今後とも、より効果的な整備を進めるとともに、現在、観光パンフレットなどへのフリーWi-Fiスポットの掲載を順次行っておりますが、こうした各種媒体を通じての周知も図り、観光客の方々が岩国での観光を気持ちよく楽しんでいただくことで、さらなる誘客を図りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎建設部長(木邉光志君)  第3点目の装束町における豪雨対策についての(1)これまでの経緯と今後の取り組みについてお答えします。 装束地区は、急峻な山地である蜂ヶ峯を背に、南北に細長く伸びた平地部に農地が形成され、古くからこの地区への農業用水確保のため、山間部にかんがい用のため池が築造され、農業用水路を通じ下流の農地に用水を供給しておりました。 山地から海岸線までが近く、河川や水路が極めて少ない地形的特性がある地域において、戦後、海岸部に工業地帯が形成されたことで周辺の市街化が進み、加えて、農地の宅地化により潜在的な遊水池が減少したことや、多くの排水路が従前の農業用水路を利用しているため、流下能力が小さく、豪雨時には各所で道路冠水などの浸水被害が発生しておりました。 また、近年の線状降水帯などによってもたらされる局地的な集中豪雨などの異常気象により、浸水の頻度も増している状況です。 こうした状況を鑑み、装束町三丁目地区においても排水路整備の必要性を十分認識しているところですが、既存の排水路については、公共水路幅が狭く改修が困難であったことから、従前の家屋等の建築状況を考慮して、新たなルートでの排水路整備計画を策定して作業を進めておりました。 そうした中、平成23年に同地区の自治会より、山間部にあるかんがい用ため池の廃止の御要望があり、山口県の補助を受けて、翌年度に緊急ため池対策事業により、ため池としての機能を廃止したところですが、新たに計画したルートでの排水路整備については、実施に向けて関係者と調整を行っておりました。 しかしながら、その整備には、公衆用道路として利用されている民有地の取得もしくは通水同意が不可欠であったため、その取得に向け粘り強く交渉に当たりましたが、相手方には同意をいただけず、実施が困難となりました。 こうしたことから、今後の豪雨対策といたしましては、近年頻発する局地的な集中豪雨災害を踏まえ、機能を廃止していたため池において、十分な安全性を確保した上で、洪水調整能力を持つ調整池として有効利用することで、下流域の浸水対策を図っていきたいと考えております。 その方法として、調整池の堤体強度や貯留能力を上げる対策を実施していくこととし、昨年度は、装束調整池改修検討業務を行い、本年度においては、地域の関係者と実施に向けての調整を行っているところです。 令和2年度は、調整池の堤体補強工事を実施する計画で事業を進めており、引き続き、洪水調整能力を増加するための工事実施に努めてまいります。 いずれにしましても、装束地区の浸水対策につきましては、関係者の皆様と調整を図りながら進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  それでは、自席から順不同で再質問させていただきます。 まず、装束町における豪雨対策について。 本件について、私も、市の職員の方と何度か現地にて話し合いをさせていただきました。やはり住民にとってのベストは、水が流れるように排水路が整備されることですけれども、その最適ルートもなく、下流ではJR所有地の下も通り、非常に困難であるのを、現地にて確認いたしました。そのための対応策として、部長がおっしゃられた、調整池の活用があると思っております。 まず、1点質問いたします。 この調整池は装束町三丁目の集落の上にあります。やはり、自分の暮らしている家のすぐ上に、決壊するかもしれない調整池があると不安です。この調整池が決壊することはないのか、再度お聞きします。 ◎建設部長(木邉光志君)  議員御案内のため池は、明治19年に農業用水を確保するために築造されたものでございます。そもそも農業用のため池というのは、常に水をためておくものですので、豪雨時等は、堤体上部にあります余水吐――ダムでいうと洪水吐になりますが、こちらから雨水が排出される構造となっております。 そういった中で、壇上でも述べさせていただきましたように、平成23年度に、ため池対策事業によって、堤体の高さを1メートル25センチメートルに切り下げまして、底面に排水路を設けて、降雨時におきましては一時的に雨水が貯留されますが、通常時においては湛水状態にはならない構造の施設に改修されております。 初めは、新たなルートで排水路を整備するよう努力をしたわけですが、先ほど壇上で述べさせていただいたような状況になったということで、この施設を活用いたしまして、堤体の高さを変えずに補強工事を施しまして、技術指針から、調整池として必要な容量を確保するために、堤体への水圧が増加しないよう、堤体を上げるのではなく、奥に面積を拡張する方法で改修する計画をしていこうと思っております。 今後行う詳細設計におきまして、十分な安全が担保された構造とするよう検討して、整備していきたいと思っているところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  安全性を確保しつつ、水深を変えず、面積を拡張する方法で行われるということでしたので、安全性を十分確保しつつ進めていただければと思うんですけれども、2点目は、スケジュールについてですが、部長が答弁されましたとおり、装束町では、この豪雨対策の話は、約10年前から出ております。 来年度、調整池の堤体補強工事を実施する計画とのことでしたけれども、最終的に盤石な調整池となるのはいつごろの予定なのかお伺いいたします。 ◎建設部長(木邉光志君)  今、議員がおっしゃいましたように、来年度は堤体内部の補強と貯留した水が堤体の中に浸透しないようにするための張りコンクリートの工事を実施することとしております。 以降は、測量業務を行って、整備する上で必要となります隣接山地の調査により、関係者との調整等が必要になってくると思います。そして、詳細設計ということになるんですが、作業の手順としては、今、申し上げたような形でありますけれど、測量により、工事の規模や必要な面積といったものが決まってくることから、年次計画については、現時点ではお示しできないことを御理解いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、事業として進めていく方向でありますので、できるだけ早い段階で整備できるように努めてまいりたいと思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  年次計画は現時点で示すことができないということですけれども、初日に18番議員が言っていたように、災害はいつ起こるかわかりません。装束町の人が安心して暮らせるように、早急に予算をつけていただいて対応されるよう、強く要望しておきます。 上流部は調整池で対応が可能だと思うんですけれども、下流部の装束町の道路のところですけれども、そういった下流部も、水があふれてよく冠水するんですけれども、その対策についても考えていかなければいけないと思うんですけれど、そちらについての考えをお示しください。 ◎建設部長(木邉光志君)  もちろん、このたび調整池を整備するというだけではなく、下流部についても、先ほども申し上げましたように、地形上、浸水しやすい状況にあるという中で、その効果等々も検証しながら、引き続いて調査し、浸水対策には努めていきたいと思っているところです。装束町では、ほかにも実際に道路冠水をしている地区もございまして、一つ例を挙げますと、一丁目におきまして、ユニオン石油工業株式会社の入り口周辺が浸水しますが、こちらにはしっかりとした排水路もなかったため、新たに排水路を整備するための用地を平成28年度に確保いたしました。そして平成29年度には詳細設計を行いまして、昨年度から、総延長131メートルとなる排水路の整備工事を実施し、本年度も発注を行いまして、来年度の完成に向けて、今、努力している状況でございます。そういうことも含めまして、この装束地区における浸水対策については、今後も調査をしながら、必要と思う部分について、できるだけ対策を講じられるよう努力していきたいと思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  装束町一丁目のユニオン石油工業株式会社前のことも承知いたしました。 ですが、やはり装束町三丁目の人たちは、調整池ができることによって、今後、もう対策はされないのではないかということをすごく懸念していらっしゃいました。なので、本当に繰り返しになるんですけれども、調整池はあくまで暫定的な対策ということで、住民の暮らしている地域の上流に調整池があるとやはり不安なので、それも解消すべく、今後、別の案についても模索していくという認識でよろしいでしょうか。 ◎建設部長(木邉光志君)  暫定的といいますと、それが将来的になくなるという形になると思うんですが、調整池というものは、ため池という形のものではなく、しっかりとした構造体を持って雨が降ったときに一時的にためて、ゆっくりずっと流していくことによって、下流域の浸水を未然に防止するというものでございます。そういった中で、今あります施設を十分補強し、決壊しない構造としまして、加えて、下流側におきましても、また今後どのような気象状況になってくるかというのもありますし、例えば、アキレス腱になるような――ますの形状が悪いとか、そういうところもあるのかなと思いますので、今後もそういったところを十分調査していき、できるところは早く――これをもって完結とは決して思っておりません。浸水対策は、装束地区のみならず、ましてや、今のこの気象状況からしますと、岩国市全域においての課題というふうに思っておりますので、しっかりとその辺は検証して、今後も努めていきたいというふうに思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  早急に調整池のほうを完成させていただいて、今後も地元の人たちとよく協議しながら進めていただければと思います。 続いて、観光客に対する取り組みについて。まず、(1)レンタサイクルに関してなんですけれども、今でも、岩国でレンタサイクルを行っていることを知らない人が結構多いと思われます。事業を開始される際にどの程度の周知をされたのか、周知方法についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  レンタサイクルの周知につきましては、「本家 松がね」において報道発表され、各種報道で取り上げていただきました。 また、「本家 松がね」のホームページはもとより、岩国市観光協会、本市の観光ホームページ「岩国 旅の架け橋」、さらにはフェイスブックを通じて周知を図っているところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  フェイスブックなどを通じて周知したことについては理解いたしました。 次に、料金設定についてお伺いいたします。また、価格の設定根拠もあわせてお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  レンタサイクルの価格設定につきましては、指定管理者であります株式会社岩国城下町サロンが、近郊のレンタサイクル事業の価格を参考に価格設定を行ったと聞いております。「本家 松がね」では、電動自転車で3時間800円、1日利用2,000円となっております。ちなみに、道の駅サザンセトとうわは、クロスバイクで3時間1,000円、1日2,000円、グリーンステイながうらでは、電動自転車で1日2,500円となっております。そのあたりを参考に、価格設定を行ったと聞いております。 ◆20番(瀬村尚央君)  近郊に比べて比較的安いのは理解いたしました。ちなみに、維持管理費はどれぐらいなのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  まだ新しいのでそんなに維持管理費がかかるわけではないんですけれども、電動自転車でございますので、バッテリーが消耗品となりまして、1台当たり3万8,000円ですが、これは約5年ほどもつようでございます。このあたりが維持管理費になるのではないかと思っているところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  次に、設置場所についてなんですけれども、「本家 松がね」に設置されているとのことですけれども、やはり錦帯橋を渡ってすぐの、例えば横山のトイレのあたりにあったほうがわかりやすいのではないかなと思うんですけれども、そういった場所の検討などはされたんでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  まだこの事業は始まったばかりでございまして、まずは「本家 松がね」を拠点に利用を始めております。 議員が言われるように、観光動線とすれば、錦帯橋を渡って、そこからレンタサイクルに乗って観光施設をめぐるというのもあるかもしれませんけれども、「本家 松がね」では、さまざまな観光ルートの地図も設けておりますので、そういったところをめぐるのであれば、とりあえず、「本家 松がね」を拠点に城下町をめぐったり、宇野千代生家へ行ったり、あるいは白蛇神社へ行く、また、ちょっと遠出して村重酒造であるとか、FAM'Sキッチンや錦果楼のほうに行くということも、コースとしてきちんとマップもつくっておられますので、まずはそこを拠点に動く――まだ事業として始めたばかりでございますので、まずはその様子を見てからということになろうかとは思います。まだほかの場所の検討をしたことはございません。 ◆20番(瀬村尚央君)  今、宇野千代生家があって、FAM'Sキッチンということだったんですけれども、そういったところに行こうとした場合、例えば、岩国国際観光ホテルの前もそうですけれど、結構道路が狭くて危険だったりすると思うんですけれども、そういった、錦帯橋付近での動線に当たるところの道路整備計画などはあるのでしょうか。 ◎建設部長(木邉光志君)  仮に、宇野千代生家ということで申し上げますと、アクセスには、やはり県道――臥龍橋を経由することもあるのかなと思います。 それと、通常、道路改良となりますと、拡幅するということになると思いますが、現状は住居が連担しているということを思いますと、費用面というのは別にしても、拡幅することは困難な状況かなというふうに思います。 また、現道で自転車の通行帯を確保するとなると、車道部を減少させなくてはいけないということで、車で当該地にお越しになられる観光客の方々にも影響が出ます。他方、町並みの保存や風致・景観に関する条例等々も検証していかなくてはならないというところがありますので、やはり総合的に判断して進める必要があると思います。 そういった中で、まずは案内看板の充実とか、交通安全に対する周知といったソフト面、また、規制等々についても、必要であれば公安委員会等々に御相談して、考えていかなければならないというふうに思いますので、現状においては、関係部局において検討することが肝要でありまして、改良とかの計画については、現状はございません。 ◆20番(瀬村尚央君)  現時点で利用者が12人ということだったので、その費用対効果なども含めると、道路整備計画が必要かどうかというのはまだわからない状況だと思いますので、今後の利用者数を注視しながら検討していただければと思います。 道路整備も早急に行っていただく必要があるのかもしれないんですけれども、私は、現時点で、東京や広島のように、岩国市内でコミュニティサイクルを広げるべきであるとは思っておりません。もちろん、ニーズがなければ実施する意味がありません。しかし、個人的には、レンタサイクル事業の着眼点や、近郊と比較した価格設定は本当にすばらしいと思っております。そのため、市としても積極的に最大限協力して、情報拡散や設置場所などについての施策を検討して、効果測定をして、ニーズの本質的調査を実施すべきと提言させていただきます。 次に、(2)フリーWi-Fiについて再質問いたします。 「岩国フリーWi-Fi」と「広島フリーWi-Fi」は、両方において月に1,500件程度のアクセス数があるということでしょうか。また、月平均1,500件程度だとして、花見の季節だったり、夏の花火大会といった、季節ごとの差はあるのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  これは、スマートフォンなどからのアクセス数でございますけれども、それぞれ月1,500件程度のアクセスがあります。季節による差ですが、春と秋といった観光シーズンにアクセス数が多く、梅雨時期や冬にアクセス数が少なくなっているということでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  季節による差なんですけれども、具体的な数値はわからないというような認識でよろしいでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  大変申しわけないんですが、月ごとの詳細なアクセス数について調べたものが現時点でございません。 ◆20番(瀬村尚央君)  承知いたしました。 「岩国フリーWi-Fi」は、同時に何台まで接続可能な容量を持っているのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  1拠点当たり約250台接続が可能となっております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今回質問させていただくために、実際に現地で「岩国フリーWi-Fi」に接続して歩いてみました。「岩国フリーWi-Fi」は、たしか60分で切断されると思うんですけれども、この接続時間の制限がなぜ設けられているのか。また、その制限について不満などはないのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  「広島フリーWi-Fi」については制限時間が30分、「岩国フリーWi-Fi」については制限時間が60分となっております。 なぜ制限があるかということでございますが、制限を設けていない場合は、スマートフォンなどを使用していない場合でもWi-Fiがつながったままになりまして、その人数が250台を超えると、新たな方がつながらなくなるためであります。観光施設のように多数の方が来られる場所においては、このような事案を防ぎ、スマートフォンなどの使用をしている方に広くフリーWi-Fiが提供できるように、時間制限を設けております。 接続時間が経過をすると一旦接続は切れますけれども、再度ログインをすることによってWi-Fiに接続できます。何度でも制限なくログインできますので、現時点では、Wi-Fiの接続に関しての不満の声というものは伺っておりません。 ◆20番(瀬村尚央君)  私は、ドラゴンクエストウォークというアプリをしながら歩いていたので、60分で切れると遮断されてしまい、ちょっと不満だったんですけれども……。一旦切断されるのは、1基当たり250台以上のアクセスを受け付けられないためということですが、先ほど、アクセス数は月1,500件程度だと言われましたが、1基当たり250台以上のアクセスがある可能性が、現段階であると思われているということでよろしいのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  大変申しわけありませんが、春や秋といった多い季節ごとの人数について、ちょっと調べていないもので……。何といいますか、通常、日本人の方はそれぞれ携帯キャリアとつながっているので、どこまでフリーWi-Fiを使うかということもございますけれども、基本的に、ここは、外国人の方がネット環境がないのでフリーWi-Fiをよく使うという、外国人目線でもありますので、当面、250台分つながる容量があれば大丈夫であろうと見込んでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  1基当たり250台で、あそこには1基以上設置されているので、季節ごとの件数を見てから、もし60分という制限をする必要がないのであれば、できるだけストレスフリーで使ってもらえるように、解除していただきたいなと提言させていただきます。 錦帯橋からおりてロープウエーのあたりまで歩いたんですけれども、そのあたりで途切れる――ほとんど電波が通じず、そのあたりを網羅できていないと思うんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  このWi-Fiは、あくまでスポット的に整備をしておりますので、観光施設のあるところに整備をしておりまして、ロープウエー山麓駅、それから吉香 鵜の里、岩国シロヘビの館、岩国徴古館はございますけれども、その間については途切れる可能性はあると思います。 ◆20番(瀬村尚央君)  有名なソフトクリーム店あたりで通じないというのは、やはり非常に不便だなと思いましたので、ぜひそのあたりも検討していただければと思います。 最後に、観光客からのフリーWi-Fiのニーズに関しては、本市としてどのように捉え、どう取り組んでいかれるつもりなのか、再度お伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  観光客の方が見どころを発信したり、お気に入りの情報を世界中に発信していくということに対しては、Wi-Fiの整備は非常に有効だろうと思いますし、本市の観光情報もスムーズにストレスなく参照できるということで、観光面及び外国人観光客の誘致においても大変重要な環境整備だと認識しているところでございます。利用者がストレスなく利用できるようにするには、やはりこのスポット数をふやしていくということが一番大事だろうと思います。可能性について、今後、ちょっと調査もしてみたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  そうですね、観光客の方が、可能な限りストレスフリーで接続できるように、制限時間なども先ほど申し上げましたけれども、そういったところも調査して検討していただければと思います。 最後に、岩国駅東口における再開発について再質問いたします。 令和3年度中に完成するということは、あと2年3カ月後には完成しているとの認識でよろしいでしょうか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  株式会社いきいき東が進めておられます岩国駅東口での再開発事業については、遅くとも令和4年の春――令和3年度末までには事業を完了しているものと考えております。市としましては、事業が予定どおりに進捗するよう、国または県と調整してまいりたいと考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  令和3年度中に完成すると理解いたしました。市も支援している――国の交付金と市の補助金を交付するとのことでしたけれども、具体的に、市は幾ら支援された、もしくはされる予定なのかお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  現在、いきいき東において実施設計を行っておられます。最終的な事業費がまだ確定しておりませんので、全体の概算事業費で申し上げますと、約14億9,000万円が全体事業費、そのうち補助対象事業費が約5億4,000万円となっております。 岩国駅東口の優良建築物等整備事業の補助率は3分の2となっておりますので、国費が満額配分されれば、補助金は約3億5,000万円となり、国と市が半分ずつということになっております。 ◆20番(瀬村尚央君)  ちなみに、その補助金はどのような業務に充てられるのでしょうか。例えば、既存施設の撤去費、地質の調査費など、いろいろあると思うんですけれども……。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  補助金がどういった経費に充てられるのかという御質問でございますけれども、建築のための設計費、それから計画地の地盤や既存の建物の調査費、既存の建物の補償費や解体除却費、施設整備費などの一部が対象となります。施設整備費の一部とは、空地等の整備費とか、給排水施設・電気施設などの供給処理施設整備費とか、共同施設、廊下、階段、エレベーターといったものに充てることが可能となります。 ◆20番(瀬村尚央君)  優良建築物等整備事業は、公共の福祉に寄与することが必須であると国土交通省のサイトでも示されております。どのように公共の福祉に寄与していくつもりなのか、岩国市としての方向性についてお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  議員御案内のとおり、岩国市におきましては岩国駅周辺整備事業により整備した自由通路がございまして、その東西の交流がさらに活発になり、駅を中心としたにぎわいの創出につながるよう、この優良建築物等整備事業に期待しております。 そうした中、事業化されたこの再開発事業は、中心市街地活性化基本計画の基本方針の一つでございます「みんなに優しく、にぎやかで楽しく歩き回れるまちづくり」を達成するための目標であります「誰もが住み良い環境の創出」のために必要な事業として位置づけておりますので、公共の福祉に寄与するものであると考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  「みんなに優しく、にぎやかで」ということだったんですけれども、1階はマンションの共通スペースなどもございますけれども、市が購入されると伺っております。実際は、再開発ビルが完成した後に引き渡しとなるため、令和3年度の、そのときの周りの土地の値段によって変動するかもしれないんですけれども、現段階で、どの程度の購入価格を設定しておられるのかお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  取得に際しましては、市のシステムとして、不動産鑑定評価を実施しまして、市の不動産評価委員会を経て価格を決定することとなっております。現段階ではその不動産鑑定評価を実施しておりませんので、取得価格についてはお示しできません。鑑定においては、周辺の取引事例とか立地条件等を考慮しまして、評価額が決定されると考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今、立地条件などを考慮して評価額が決まるということだったんですけれども、通常、ビルでいうと、商業施設は1階に近ければ近いほど、住宅は屋上に近ければ近いほど価値が上がると言われています。そのため、何が入るかによって価値も変わってくると思うんですけれども、現時点で、1階に何が入るか決まっているのでしょうか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  1階に市の施設を計画してございますけれども、これにつきましては、岩国駅東口のにぎわいの創出につながるような場所としたいと考えておりまして、そのために市が取得・整備することとしております。用途等については、現在、関係部署で調整中でありますけれども、駅隣接というアクセスの上での利便性を生かして、市民が気軽に利用できるような交流スペースにしたいと考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  現段階では、誰が入るかは具体的に決まっていないということでよろしいでしょうか。また、その財源についてはどこから出そうということが、現段階で決まっていればお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  先ほど御答弁したとおり、市民が気軽に使える交流スペースということで、今、調整をさせていただいておりますし、財源も含めて、現在、そういったところを検討しているところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  財源も、1階に何が入るかも、まだ具体的には何も決まっていないという状況は理解いたしました。今、主導されているのは株式会社いきいき東だと思うんですけれども、そういった再開発は基本的にデベロッパーが入ってくると思います。どこの会社がデベロッパーとして入られているのかお伺いいたします。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  ちょっとど忘れしてしまいましたけれども、会社名のほうは何とかエステート……。申しわけございません、ちょっと記憶しておりません。 ◆20番(瀬村尚央君)  会社名は、また後ほどお伺いいたします。通常、デベロッパーは完成図を描き、全体のある程度の金額を算出して着工いたします。具体的に言うと、40戸入るのであれば、40戸の一つ一つの部屋の値段とかを全て算出し、そして、もちろん利益が出るように開発を進めていきます。その会社は、1階がどの程度の価格で売れるかわからない状況で、今、開発を進めているというような認識でよろしいでしょうか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  デベロッパーのほうとしましては、やはり近隣の取引事例とか、岩国駅だけではなく、周辺の似通った都市の事例を参考に、このぐらいが相場であろうということは、当然、想定して事業計画を立てておられると考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  デベロッパーが考えていることなので、市にこれ以上追及しても難しいと思うので……。1階は市が購入することは確定しており、一方で、幾らで購入するのか、また何が入るのかが確定していないというのは、やはり市民も疑問に思うと考えられます。そういった意味では、JR岩国駅東口の再開発ビルに何が入ってほしいのかといった、市民のニーズ調査というものは行われる予定があるのでしょうか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  市民のニーズ調査につきましては、中心市街地活性化基本計画を策定する折に全体的なニーズの把握として総合計画の改定に合わせてアンケートを実施してございます。 そうした中で全体的なニーズの把握をしているということと、中心市街地の西地区――岩国駅の西側におきましては、岩国駅前本通商店街振興組合や株式会社街づくり岩国が共同で、来街者または住民に対して調査をしております。また、岩国駅東口側の東地区におきましては、株式会社いきいき東が地元住民や就業者の方々にアンケートをしてニーズを捉えており、これを基本計画のほうに反映させていくということでございます。 また、この中心市街地活性化基本計画を策定するに当たりまして、法定協議会またはそのワーキンググループを設置しております。これらには合計約60人のメンバーがおられますけれども、これが各界からの推薦された方々で構成されておりますので、そういった基本計画を策定するときにはしっかりと議論をしていただいているものというふうに考えております。したがいまして、現時点では、アンケート等、ニーズ調査をする予定はございません。 ◆20番(瀬村尚央君)  私も、住民から、カフェになるのではないか、日米交流施設ができるのではないか、勉強できるスペースができるのではないかといういろんな話を伺っているんですけれども、やはり日米交流施設では絆スタジアムもございますし、カフェも、最近、岩国駅西口のほうに新しい店舗ができましたし、そういったところで、では、岩国駅東口には何が必要なんだろうかというのを、住んでいる市民も――また、岩国駅東口から岩国錦帯橋空港を利用される方も多くいらっしゃると思うので、ぜひ、訪れた観光客にとってもすばらしい施設となるようにお願いしたいなと思っております。 ここでまず宣言しておきたいんですけれど、私は岩国駅東口も西口も、再開発については大賛成しておりますし、できるのであれば、市民も一緒に考えて、後世にわたるまで、本当にあの再開発はよかったなと思われるようなものになってほしいと思っています。しかし、今、岩国駅前の道路が直線化されていますけれども、きれいになってよかったという声もあれば、何でああなったのという反対の声もやはり聞こえます。その点を踏まえて、市民に対して、自信を持って本当に求めている有益な施設となると言えるのか、再度、確認しておきます。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  議員からいろいろと御提案をいただいておりますけれども、カフェや勉強スペース、英語交流ができるスペースとして市民が利用できるよう、今、関係機関といろいろと調整しておりますけれども、そういった意見を参考にしながら、最終的に、市民の方にとって本当に喜ばれる施設にしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  市民と一緒に考えながらつくっていただけるよう強く要望して、私の一般質問を終了いたします。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、20番 瀬村尚央君の一般質問を終了いたします。 14番 長岡辰久君。 ◆14番(長岡辰久君)  14番 日本共産党市議団の長岡辰久です。ここから見ますと、皆さん大変疲れていらっしゃいますけれども、ことし最後の質問になりますので、よろしくお願いいたします。 通告に従い質問いたします。 初めに、11月15日の岩国市議会臨時会で市長が報告されました前代未聞の規律違反について質問いたします。 今回の報告書の内容は、米軍駐留の大前提を崩すものです。これまで政府は、米軍が事故を起こすたびに、「米軍の飛行の安全確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提だ」と言ってきました。しかし、昨年12月6日に高知県沖で起きた米海兵隊所属のFA-18戦闘攻撃機とKC-130空中給油機が衝突した事故調査報告書に、米軍自身がぞっとする規律違反、すなわち「薬物の乱用」「手放しの読書」など、重大事故になりかねない規律違反が横行していたと記されていました。今回の規律違反は、「米軍機の飛行の安全確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提で、地元の方々に不安を与えるようなことがあってはならない」ことに合致しているのではないでしょうか。この規律違反を受けて、米軍への岩国市の対応について伺います。 次に、中国四国防衛局及び国は、「米軍機は市街地上空を飛行していない、飛行したとしてもそれはいつもではなく、たまにである」との認識を示しております。これは、8月に市民団体が約3万人の署名を中国四国防衛局に提出した際や、11月13日に日本共産党山口県議員団が政府交渉で上京したときに直接私が防衛省地方調整課部員中瀬古氏から聞いたところでございます。この認識について、どう思われますか。また、違うのであれば、どのようにして中国四国防衛局、国の認識を正すつもりですか。お答えください。 2番目に、教育問題について、老朽化した学校施設・設備の改修について質問いたします。 10月29日、岩国市PTA連合会が市長と教育長に陳情書を出しております。読ませていただきますと、子供たちのことを思い、切々と、控え目に、学習環境の改善を訴えておられ、胸を打たれます。中身は多岐にわたり、その改善の費用もさまざまです。この中で特に強調されておりますのは、トイレの洋式化は全国の平均値を大きく下回っていること、市内小・中学校施設は建築後数十年も経過しているものが数多くあり、校舎などの老朽化対策が大きな課題になっていることです。この声にどのように応えていくのかお答えください。 次に、英語民間試験・GTECについて質問いたします。 英語民間試験・GTECを児童・生徒全員に実施する目的は何か、はっきりとお答えください。 最後に、「核兵器廃絶都市宣言」に関する決議を生かした施策について質問いたします。 この決議は、平成19年9月26日、岩国市議会で全会一致で可決されたものです。カトリック教会のフランシスコ教皇は、11月24日、長崎と広島を訪れ、「核兵器は私たちを守ってくれるものではない。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反している」と、核兵器廃絶に向けたメッセージを発表し、被爆者を初め、世界中の人々に感銘を与えました。市長は平和首長会議に参加し、ヒバクシャ国際署名にも署名しております。このことに敬意を表します。核兵器廃絶都市宣言をした日本各地の取り組みがホームページに掲載されております。この取り組みに学び、岩国市も平和行政を進めてほしいと思います。来年は被爆75年です。平和首長会議も、「2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を推進しております。これまでの取り組みとこれからの取り組みについて、具体的にお答えください。 以上、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、長岡議員御質問の第1点目の米軍基地問題についてお答えいたします。 まず、(1)規律違反への対応についてでありますが、11月29日に防衛省の岩田防衛大臣政務官が本市を訪問され、米軍における改善措置の具体的内容や現時点での改善の効果などについて改めて説明されました。 この説明の内容や市の要請等については、説明の当日、議員の皆様にも情報提供を行ったところであります。 米軍における改善措置の具体的内容につきましては、搭乗員の練度管理、訓練スケジュールの管理、飛行要領の徹底、部隊の規律維持に関するこれまでの問題点が列挙されるとともに、その問題点の改善策が明確に示されています。 また、改善の効果として、現段階において、部隊の規律、飛行計画の策定、搭乗員の管理について任務を安全かつ的確に遂行し得る体制にあるとの説明も受けております。 今回の規律違反の件について、10月16日に国から事故調査報告を受け、その後行った市の対応や、市の要請を受けて11月29日に行われた国の説明に至るまで、一連の経緯については議員も御承知のことと存じます。 今回の件に限らず、市としましては、市民の不安や懸念を払拭し、安心・安全を守る立場から対応してまいりました。 米軍の事故や事件はあってはならないことであり、今後も、市として国に対して言うべきことは言う、そして国においては、これをしっかりと受けとめていただく、こうした姿勢を示していくことが市民の皆様の不安や懸念の払拭につながっていくものと考えております。 次に、(2)市街地上空は飛行していないという国の認識についてでありますが、市においては、市民の皆様からの苦情等の声は、騒音や市街地上空飛行の実態把握にも活用しているところであります。 こうした市民の皆様からの情報は、受け付け日と地区、情報の種類、内容などを整理し、毎月定期的に国に対して情報提供を行っております。 また、国の出先機関として、岩国防衛事務所が川下地区にあることから、市の職員と同様に、市街地上空飛行や騒音状況について、普段の業務の中で職員みずからが体感し、把握できる状況にあると認識しております。 市としましては、広島市内にある中国四国防衛局を含めた防衛省内部において、市や岩国防衛事務所からの情報が共有されているものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の教育問題についてお答えいたします。 まず、(1)老朽化した学校施設・設備の改修についてですが、教育委員会では、小学校におきまして、入学して間もない児童への影響を考慮し、1・2年生用のトイレを優先的に、平成29年度から、年間1校から3校程度の計画で、小学校低学年トイレセミリフォーム事業としてトイレの洋式化を含んだ改修工事を進めており、小学校全体の洋式化率は27.6%となっております。 空調設備の設置につきましては、平成23年12月に規則及び要綱を定め、平成24年度から、防衛省の交付金を活用して普通教室への整備を開始し、平成29年度に事業が完了したため、今年度から特別教室への整備を進めているところです。 また、日常の修繕につきましては、学校からの点検依頼を受けまして、迅速な対応に努めております。 トイレの洋式化及び空調設備の設置は学校からの要望も多く、重要かつ喫緊の課題であると捉えておりますので、今年度策定中の岩国市学校施設長寿命化計画との整合性を図りながら、施設整備の方針を定め、速やかに事業に取り組んでいきたいと考えております。 次に、(2)英語民間試験・GTECについてですが、2020年度以降の次期学習指導要領全面実施から小・中学校における英語教育が拡充強化されるなど大きく変わることとされております。 それを受けて、岩国市が進める「めざす英語教育」は、日本語や日本文化を大切にしながら、英語を用いて主体的にコミュニケーションを図ろうとする児童・生徒の育成であり、これはグローバル人材の育成につながるものと考えております。このような児童・生徒の育成のために、教職員の研修機会や児童・生徒の体験活動等の充実を図っております。 平成31年2月18日、岩国市、岩国市教育委員会及び株式会社ベネッセコーポレーションと「英語による交流のまちづくりに関する包括連携協定」を締結いたしました。このことから、民間教育機関のノウハウを活用して、英語4技能のバランスのとれた育成を行える環境を整備するため、今年度から小学校6年生と中学校3年生を対象に英語民間試験・GTECを導入しております。 6月から実施してまいりましたが、学校からは、「事前準備に時間を要した」「使用するタブレットの貸し出し台数が少なく、運用が難しかった」などの意見をいただいております。来年度以降の実施においては、こうした課題や問題を含めて改善していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(高田昭彦君)  第3点目の核兵器廃絶都市宣言を生かした施策についてお答えします。 (1)これまでの取り組みとこれからの取り組みについてでございますが、申し上げるまでもなく、平和で安全な世界の実現は、市民のみならず世界の多くの人々の共通の願いであります。 広島・長崎に原子爆弾が投下されてから74年が経過した今、私たちの使命は、戦争の悲惨さと平和のとうとさを心に刻み、次世代へ継承していくことであると考えております。 岩国市議会におかれましては、平成19年9月定例会において、非核三原則が厳正に遵守されることを願い、全ての核兵器の廃絶を強く訴えるとともに、真の恒久的な世界平和を実現するため、「「核兵器廃絶都市宣言」に関する決議」を全会一致で可決されております。また、平成21年9月定例会においては、全ての国において核兵器の廃絶に向けた積極的な取り組みが推進されるよう強く求める「核兵器の廃絶を求める意見書」を全会一致で可決されているところでございます。 市におきましては、昭和57年に広島・長崎両市が中心となって核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目的として設立された平和首長会議に、平成21年6月に加盟いたしました。 この平和首長会議は、本年11月1日現在、163カ国、7,847の都市が加盟しており、これらの都市が連携して、国連・各国政府に対する要請、加盟都市の拡大、リーダー都市を中心とした地域グループによる活動の展開等を行っております。 さらに、平成29年7月には、速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶することを全ての国に求める核兵器廃絶国際署名、いわゆる「ヒバクシャ国際署名」に岩国市長として署名したところでございます。 市といたしましては、市議会の核兵器廃絶に対する宣言、意見書の趣旨も踏まえ、平和首長会議を中心とした核兵器の廃絶に向けた活動に取り組んでいくとともに、核兵器の非人道性について、世代を超えて伝え続ける施策を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、順不同に再質問をさせていただきます。 最初に、教育問題についてお尋ねいたします。 雨漏りが至るところで発生する校舎があることを御存じでしょうか。今は令和です。昭和の時代ではありません。これは灘小学校で私がお尋ねしたときに、そう答えておられます。 また、網戸の設置ですが、「本校の教室は特別教室を含む全ての教室において網戸が設置されていない。窓をあけずに生活を送ることができないため、昆虫や鳥など、生き物が室内に入ってくることも避けられない。周囲には森林もあり、スズメバチやアシナガバチなどが侵入することもあり、授業を中断することもある」と、これは平田小学校が平成28年度から要望しているものでございます。 防音壁の設置について。「本校は山陽本線の線路に面しており、列車が本校前を通過する際の騒音は航空機以上に大きく、教職員や児童の声が聞こえない状況が数分間にわたって続く。貨物列車の通過を待って授業を再開するようにしているが、少しでも騒音を減らし快適な授業環境にするため、防音壁の設置をお願いしたい」と、これは中洋中学校です。これでは学力向上もないと思います。 「肢体不自由な生徒が正面玄関から出入りしているが、その正面玄関前は舗装されておらず、雨の日とその後数日はぬかるみ、当該生徒にとっては転倒の可能性もあるなど、歩行がより困難な状況となります。また、ほかの生徒や保護者、そして地域連携の取り組みで来校される御高齢の方々を初め来校される方々にとっても、歩きにくく、靴も汚れてしまうなど、御迷惑をおかけしているところです」と、これは由宇中学校です。 これは私が勝手に書いたのではありません。先ほど言いましたように、岩国市PTA連合会が陳情として出されたものを私も見させていただきまして――ほかにもまだたくさんあります。もう時間が終わってしまいそうなので、私が大事だと思うものだけ御説明しましたが、これについて、どのように改善されていくつもりか、これをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎教育次長(重岡章夫君)  雨漏りについては、学校のほうから修繕依頼を受けまして、やはり雨漏りですから、それぞれの校舎に影響が大きいので、早目に対応するように心がけております。 それから、網戸については、もちろん網戸があるとよいというのはわかるんですけれど、これは防音サッシになっておりまして、つけられないことはないんですが、一応、暑いときは冷房をきかせるということになっておりますので、これとの整合性も考えながら、ちょっと検討してまいりたいと考えております。 それから、中洋小学校の防音壁については、まだ対策に至っていないというのが現実でございます。 由宇中学校の玄関前は、確かに、舗装してある部分が玄関からちょっと外れておりまして、雨の降ったときとかに歩いて入るのに泥だらけになるとか、車椅子の対応がなかなか難しいということで、今年度、玄関前の舗装を終えております。 ◆14番(長岡辰久君)  先ほどの由宇中学校のことなんですけれど、私、実は、今から7年前に退職をして由宇中学校に再任用というか、雇用していただきました。そのとき、校長先生が、今は真ん中だけアスファルトになっておりますが、これの全面舗装を要求されたそうです。だけれど、費用がないということで真ん中だけアスファルトにして、今もその状態です。特に、先ほど言いました肢体不自由の――今、よい答弁をしていただきましたけれども、これ、万が一にも転んだりしたら本当に大変だと思うんです。私も行きましたけれど、泥のついた靴でげた箱まで行くと、そのときに物すごく土が落ちるんです。それで、掃除するときに掃いたら、ほこりが舞って、本当に、私はそっちのほうが大変だなと思ったんです。そういうことがありますので、ぜひ、こういうことについては早急にやっていただきたい――努力していただきたいと思います。 そして、中洋小学校の、これは私がるる言うこともありませんが、中洋小学校は、本当に学校のすぐへりに鉄道が通っております。これは通津小学校も同じでございます。本当に、貨物列車というのは長いんです。市長は卒業生でございますのでよく御存じだと思いますけれど、(「離れている」と呼ぶ者あり)離れておりますが、やはりうるさいです。特に中洋小学校の場合、本当にすぐへりでございますので、これは本当に大変だと思うんです。私もよそで授業をしたことがありますが、川下中学校にいるとき、飛行機の音がすると、授業をしようと思っても、ちょっと一旦切れると、今、どこを話していたかなという感じになるんです。ですから、これはぜひ頑張っていただきまして、やっていただきたいと思います。 ほかのところも、何というか、岩国市PTA連合会の方が本当に遠慮をしている文書だと思ったんです。その辺では、ちょっと十分やっていただきたいなと思います。 それでは、英語民間試験・GTECについて質問させていただきます。 まず、英語民間試験というのはGTECだけではないと思いますが、GTEC以外にどんなところがありますか。そして、検討されたと思いますけれど、なぜGTECになったのか、その過程をお伺いしたいと思います。 ◎教育次長(重岡章夫君)  なぜGTECなのかということでございますが、令和2年度からの大学入学共通テストで採用予定でありました英語民間試験には、実用英語検定、いわゆる英検や、GTEC、TOEFLなどがございますが、小・中学校におきまして有効に活用することができる検定試験としましては、実用英語検定、いわゆる英検とGTECのみと考えております。 GTECを採用した経緯といたしましては、児童・生徒の英語4技能が全てはかれること、事前・事後の研修会等を実施することにより教職員の指導力向上につながること、タブレットを活用した授業の充実が図れることなど、実用英語検定と比較検討し、岩国市が目指す英語教育においてより効果的であると判断したため、採用したものでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  私は、英語教育を否定するつもりはありません。ますますグローバル化する時代、この世の中において、先ほど言いましたように、学習環境を整えることはとても大事だと思っております。「そんたく」と言って――「そんたく」じゃなくて、「身の丈」などと言って、教育の機会均等を知らない文部科学大臣がいますけれども、これは教育基本法第4条の教育の機会均等に反する発言でございます。こういうことは絶対いけない。本当に、教育こそ、次世代につなぐ私たち大人からのプレゼントだと私は思っております。そういうことで、学習環境を整えて教育を進めることはとても大事だと考えております。しかし、民間試験を導入するということはどうなんでしょうか。例えば、私も、英検のときには英検合格のためのテキストを購入して、そしてそれに対する勉強をしたものでございます。 今、小・中学校で行われている英語教育というのは、文部科学省が学習指導要領に基づいて教科書をつくり、それに基づいて先生方が授業を行っているものでございます。果たしてそれが民間試験ではかれるのかと懸念しております。もっと言えば、公教育の否定ではないかとも考えております。そして、授業を使って全員に受けていただくということは――英検のときは、希望者が放課後に受けておりました。業者の方が、受ける方を募集してやっておりました。英語の時間を使って、そして全員に受けさせる――例えば、イングリッシュキャンプなどは全員ではありません、希望者でございます。これは希望者にしたらよいのではないかなと私は思うんですけれど……。ですから、最初に言いましたように、英語教育を推進することを全然否定していないんです。だけれど、本当に、「自分がやりたい」ということのほうが私は大事ではないかなと思うんです。そういう意味では、なぜ全員に受けさせるのでしょうか。このことについてお答えください。 ◎教育長(守山敏晴君)  岩国市が目指す教育というのは、先ほども言いましたように、グローバル人材というか、いろいろな外国人が多くいるこの地域の中で、主体的にコミュニケーションをとっていこうというようなものを目指しております。 その中で、全ての児童・生徒にそういった力が備わっていくということの評価指標のためにも、まず、そういったテストで話す力・聞く力といったものも客観的に見ていただきながら、それを授業改善に生かしていくというところが今回のポイントであります。それも、全ての生徒に同一に対応しながら、本人の学習力として、今、こういったところができていないなというところについて、次の勉強に生かしていくということです。 また、先生方は、こういう授業をしていったらそういう力がつくんだなということを見ていくという、そういう相乗効果のために、全員に受けてもらい、また、GTECとすることで、4技能をはかれるようにしております。
    ◆14番(長岡辰久君)  今の教育長の話は、少しわかったようなわからないようなところがあります。子供たちが今、どこでつまずいているのか、どこが足りないのかというのは、授業をやっている先生が一番よくわかっていることでありまして、そして、この生徒はここが足りないということで、いろいろとやるわけじゃないですか。それを、今おっしゃいましたように、なぜ英語民間試験ではかる必要があるのかというのは、どうも私はわからないんですが。 ◎教育長(守山敏晴君)  新しい学習指導要領によって英語教育が大きく変わるわけです。今、若い教員については、例えば小学校の免許をとる過程においてもうこういったことがわかっておりますけれども、私たちと同じような年代とか、そういったことを聞いていなかった者にとっては、英語教育について教えるほうについてもすごく不安なことがあります。今、そういった研修もしながら授業改善をしておりますけれども、果たしてこれでいいのだろうかということは、常に不安に思っておられるということを聞いております。 そこで、同一の研修をしながらそれを高めていったり、客観的なデータとしてそういった評価を見るために、岩国市は全員でGTECを使いながら、今、足りない部分について協議をして研修をして、その次からの授業改善に生かしていくということで、そういう相乗効果というか、PDCAを回しながら、先生方の授業力や生徒のそういった意識を高めていこうと思っております。 ◆14番(長岡辰久君)  こういう言い方はとても失礼ですけれども、英語の免許のない小学校の先生――小学校の先生でも英語の免許のある方もいらっしゃると思いますけれど、英語の免許のない方が教えなければいけない、ここに一番矛盾があるわけです。こればかりやることはできませんので、次に移りたいと思います。 それでは、米軍基地問題についてちょっと確認したいと思いますけれど、中国四国防衛局は、米軍機は市街地上空を飛行していない、飛行していたとしてもたまたまであるというように言ったんです。直接私が聞きました、中瀬古氏から。中瀬古氏は以前、中国四国防衛局にいたんです。この認識は正しいのかどうか、それをちょっと答えてください。 ◎審議監(村田光洋君)  議員が今、個人名を出されました。私もよく知っておりますが、中国四国防衛局にも長く在籍し、防衛省においてもずっと岩国担当ですので、その職員がそういった発言をしたというのは、恐らく議員の誤解であるというふうに思います。(笑声) 例えば、市街地上空飛行の実態を把握しているかと聞かれたら、私も「知らない」というふうに答える可能性がかなり大きいです。それはなぜかというと、ちょっと長くなりますけれど――騒音測定器を基地周辺に配置しておりますので、基地周辺の騒音の状況が何デシベルなのか、何時に伸びたのかということは十分把握しています。ただ、市街地上空飛行というのは、目撃情報あるいは苦情によって我々は把握するだけで、例えば、錦帯橋周辺の方が、「今、上空を飛んだ」と言っても、それが何デシベルで飛んだのかということは把握できません。 したがって、私は、市街地上空飛行の実態を把握しているかという質問に対して正確に答えようと思ったら、「把握していない」というふうに答える可能性は十分あります。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、録音してもいいということでしたので、録音したICレコーダーで審議監に聞いていただきます。そこでやりましょう。そのほうがいいです。 しかし、そこに参加した人たち全員がびっくりしたんですよ、本当に。岩国市としては、市街地上空を飛んでいる、これは時々ではなく、結構な頻度で飛んでいるということで、こういうことをまず自分は、岩国市としてそう思う。そして、それを国が誤解しているのなら――私が誤解していると、今、審議監は言われましたけれど、国は、この8月の「異議あり!『基地との共存』市民行動実行委員会が約3万人の署名を出すときに、その署名を受け取る人がそう言ったので、みんなびっくりして、署名を渡すだけだったのが、とても長くなったというのを私は聞いているんです。私はその場にいられなかったので申しわけないんですけれど……。 では、私が誤解しているのなら次には進められませんけれど、市としては、市街地上空をかなりの頻度で飛んでいるということを、今、どのようにして中国四国防衛局とかに伝えているんですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  市長が壇上でも申し上げましたが、市としては、中国四国防衛局に定期的に苦情等――市街地上空飛行であるとか、騒音等であるとか、そういったことは分類して情報提供しているということでございます。 市が提供したものについては、防衛省が、組織として把握するべき担当部署で共有をされているというふうには認識してございます。 申し入れ等においては、市が情報提供したものを適切に活用して対応すべきであったと思ってございます。市から中国四国防衛局に、現状認識はどうなっているのかということを確認しましたところ、中国四国防衛局を含め、省内の関係課には既に情報共有し、市街地上空飛行の苦情などがあることについて十分認識しているといった回答がございました。 そうしたことから、市としては、現時点において、既に防衛省内では適切に情報共有はなされていると認識してございます。 ◆14番(長岡辰久君)  今、部長から、十分認識しているはずだという答弁がありましたので、これはまた確認していきたいと思います。 次に、米軍機の飛行のことについて質問したいと思います。 11月29日の報道通知の中で、最後に市長がこうコメントしています。「おおむね理解できる」と。これを見てください、自分が言われたんだから。この報道通知ですよ。おおむね理解しているということは、100%ではないということですよね。では、どこがあれば100%になったのか。そこをお尋ねします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  11月29日の報道通知で、市長のコメントとして「おおむね理解している」ということをお伝えしていると思います。なぜこういったコメントをしたのかということですが、市が求めていたプログラムやマニュアルの見直し、管理体制の改善、また情報提供が十分なされていなかったことについて、ある程度の丁寧な説明があったということです。それから、先般も議論がございましたけれども、説明だけではちょっと不十分であったことについて、我々がその説明からわからなかった点について質問し、その質問に対しても一定の回答があったということです。また、100%ではなかった部分はどこなのかということにつきましては、先般も議論がありましたけれども、チェック体制の部分について、市長はきちんと聞いたわけでございます。その点について明確な回答はなかったということが、事実としてございました。そういった点から、100%であったかなかったかと言われれば、そういう点を踏まえて、やはり100%ではなかったというふうに我々は認識してございます。 ◆14番(長岡辰久君)  私も英語は得意ではありませんが、報道通知を手に入れました。黒塗りの部分が結構多いです。市は捉えていると思いますけれど、部隊の中で規律違反が横行しているという報道通知がありますが、これはどの報告書にあったか知っていますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  今、議員がおっしゃいましたその報道通知というもの――黒塗りの報道通知というものが、ちょっと我々は思いつきませんので、(「報道通知じゃなくて……」と呼ぶ者あり)どれを指しておられますか。 ◆14番(長岡辰久君)  言葉を正確に言えという私が「報道通知」と言ってはいけません。これは、米側が出したこの資料でございます。この中にあるんです。時間が大分なくなっておりますので、私が先に言わせていただきますが、これは、2019年6月24日付の第1海兵航空団司令官から第3海兵遠征軍司令官に宛てた報告書の中で明らかになっているんです。どういう言葉があるかというと、私も久しぶりに英語の辞書をくってみましたが、「command climate」――ちょっと発音が悪くて申しわけありません。「command climate」という言葉があります。これは、基地の中での空気・風潮のことをあらわしております。この報告書の中では、先ほど言いましたように、非常にプロ意識に欠けるような行動があったということも書かれております。この中には、「over-the-counter drug abuse」――「drug abuse」とは、ドラッグの乱用です。「drug」というのは薬物で、薬剤とかというふうに訳していますけれども、三省堂の辞書には、1番目が「薬剤」、2番目が「麻薬」と書いてあります。どちらなのかわからないわけです。それで、この、規律違反を起こしている部隊は何という部隊ですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  米海兵隊のVMFA-242、通称第242海兵隊部隊と呼ばれている部隊でございます。 ◆14番(長岡辰久君)  VMFA(AW)-242部隊の中で、今のような規律違反が蔓延していたということです。この部隊は今も岩国に常駐しているんですよ――常駐しているんです。今もいるんですよ。それで、4人が拘束されたということがありましたけれども、この部隊のほかにも、海兵隊の部隊で岩国に常駐している部隊はあるでしょう。この部隊のほかに、このような規律違反があったかなかったか、このことは報告を受けていますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  11月29日に片岡副議長が尋ねられたと思いますが、岩国基地において、この事案以外にそういった規律違反はないのかという趣旨で御質問されております。岩田防衛大臣政務官からは、ないという旨の回答がありましたので、市として、ほかの部隊でこういう規律違反の事実はないというふうに受けとめております。 ◆14番(長岡辰久君)  この29日の報道通知の中で、先ほども言われましたけれども、片岡副議長がこのように言われております。「綱紀粛正を含めた中で、規律違反は既にないものと認識してよいか」と質問され、これに対して岩田防衛大臣政務官は、「本件事故を踏まえ、米軍において、適切な再発防止策が講じられており、防衛省としても、しっかりとした是正措置がとられているものと認識している」と回答しています。この岩田防衛大臣政務官の発言が信頼できるのかどうかというのが一番の肝でしょう。市民の不安が払拭されていないのはここなんですよ。ほかの部隊に広がっているのかどうか、これはわからない、調べてもいない、そうでしょう。ちょっと言い方は失礼ですけれど、「悪貨は良貨を駆逐する」というのが――私は余りその言葉が好きではないけれど、あります。こんなのはどんどん広がっていくんですよ。30番議員も、横須賀基地では麻薬が蔓延している――横須賀基地は海軍ですけれども、ロナルド・レーガンが岩国に来たら、同じような状態になるんだということを言われたじゃないですか。私、これ、はっきりしていないんですよ。岩田防衛大臣政務官はそう言われたかもしれないけれど、皆さん、ちょっと考えていただきたいんですけれど、9月には、皆さん国にだまされていたんでしょう。だから、「言語道断」と言って、市長も言って、それで、11月7日に国に乗り込んでいったんじゃないですか。私は、国が言ったから、「はい、そうですか」では、これはちょっと余りにもまずいと思いますよ。やはり自分たちで確認しなければ――信頼できないでしょう。私はそう思っておるんですよ。(発言する者あり)そうしないと、市民の不安は払拭されないですよ。国があのように言いましたから。(「不安をあおっているんじゃないの」と呼ぶ者あり) ◎審議監(村田光洋君)  岩田防衛大臣政務官の発言がどうかということですけれど、我々は、国の責任を持った発言を疑う根拠もありませんし、そのとおりであるというふうに受けとめております。 それから、基地の中でもいろんな規律を改正して、いろんな取り組みがなされていると思います。例えば、先ほど「ドラッグ」という言葉が出ましたけれど、平成22年、米軍人による、麻薬とか、そういう取締法違反事件に関するそのときの米軍基地の取り組みですけれど、教育・訓練講習並びに検尿での薬物使用検査など、そういった精密なプログラムを実施して、いわゆる抜き打ちで尿検査をするとか、これは米側のプレスリリースですけれど、そういった取り組みもやっているというふうに考えております。 それから、今回につきましても、具体的にどのようにやったかということは示されておりませんけれど、それは国がしっかり確認して、防衛大臣政務官が責任を持ってフルオープンの場で答えておりますので、それを、今、我々は、疑う根拠はないと考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  疑うのではないんです。信じるために疑うんですよ。「そうかな、言っていることは本当かな」と。検証することは、疑うことではないですよ。日本人は、疑うということを悪く思っていますが、疑問に思わないと進歩しませんよ。それで、私、ちょっと言います。今、政務官がとてもいいことを言われたんですよ、「米軍が抜き打ちで検査する」と。(「審議監」と呼ぶ者あり)済みません。審議監がそうしたとてもいいことを言われたんです。私は、市長に、ぜひ、そういうことを岩国市として確認してくれと思うわけです。 ◎市長(福田良彦君)  今、村田政務官ではなく、審議監が答弁したのは、米軍基地内で抜き打ち的に尿のチェックとかをしているということでありますので、市が抜き打ちでというわけではないんです。(「そうですよ」と呼ぶ者あり) ただ、長岡議員が言われるように、先般、岩田防衛大臣政務官から、「米側において、適切な再発防止策が講じられており、防衛省としても、しっかりとした是正措置がとられていると認識している」という回答がありました。ここは、国がそうは言うものの、市としてもしっかり確認すべきではないか、それが市民の不安払拭につながるという思いであることに対し、私もそうだろうと思います。私のほうで、今、岩国市としていろんなチャンネルもあります。米海兵隊岩国航空基地、また沖縄のほうにも岩国の海兵隊の上層部がありますので、それらに対して、私も今、ちょっといろいろありましてなかなか時間がとりづらいところはあるんですが、いろんな機会を捉えて、私なりにも、そこはしっかりと、国からこういった回答があったけれど、きちんと是正措置をしていますかということをしっかりと確認し、また、随時そういったことを皆様方にも、やはりこうだったということをしっかりとお伝えをしていくことが必要かなというふうに思っております。 ◆14番(長岡辰久君)  今、市長から大変よいことを言っていただきました。岩国市として米軍に対して規律違反が蔓延していないかどうかを調査して、報告を求める、そのことを言っていただきたいんです。(「違うでしょう」と呼ぶ者あり) ◎市長(福田良彦君)  岩国市にそういった調査権限というのはないんですが、(発言する者あり)その辺は、フェース・ツー・フェースでしっかりと対話しながら、そういったことを市民や議会が非常に危惧しているということを伝え、そういった中で、国からこういった是正措置をとるという報告があったが、実際にそういった措置がしっかりとられているかということを確認して、また、いろんな機会を捉まえて報告をさせてもらいたいということを申し上げたところであります。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、次の質問に移りたいと思います。 核兵器廃絶都市宣言を岩国市がしているということは、大変すばらしいことだと思うんです。この中の議員の皆さんにも、当時いらっしゃった方もおられます。私、ちょっと一つだけ言うんですけれど、市民がこのことを知っている――つまり、岩国市は核兵器廃絶都市宣言をしているんだよということを、どのように市民の方に知らせているのかということを非常に疑問に思っておるわけです。 例えば、習志野市はこのように言っています。「市では、より多くの方々に平和事業の取り組みを知っていただき、平和への関心を持っていただくため、市内に核兵器廃絶平和都市宣言の記念碑を設けております」。岩国市は、何か知らせるというか、私も何か見たことはあるけれど、ちょっとどうだったかなという感じなんですよ。先ほども私が壇上で言いましたが、市長は平和首長会議に参加し、そしてヒバクシャ国際署名にも署名しています。これは本当にすばらしいことだと私は敬意を表しているわけです。ぜひ、岩国市はそういう町なんだということを市民に知らせる、このためには市庁舎に何か設置するということも考えられると思います。私が調べてみますと、平成17年6月の藤本博司元議員の一般質問で、「旧庁舎には看板があったんだけれど、再設置はできないのか」と質問したら、当時の大伴総務部長は、「やむを得ず撤去したが、設置場所、設置方法等については検討してまいりたい」というふうに答弁されているんです。それからどうなったのかというのはちょっと私にはわかりませんが、核兵器廃絶都市宣言はすばらしいことですから、どこかに何か、市民が知ることができることをやっていただきたいと思うんですが、どうですか。 ◎総務部長(高田昭彦君)  ホームページ等で、都市宣言であるとか、平和首長会議に市長が参加しているといったことはお伝えできるというふうに思います。 それと、先ほど言われましたように、たしか平成12年1月に旧庁舎の北側に三角柱の看板を設置した経緯がございます。ただ、この新庁舎の建設の際にそうしたものが支障になるということで撤去したということでございまして、その当時の旧庁舎においては10本近い三角柱があちらこちらに建っていて、景観上もよくないというようなこともございました。当時、三角柱については撤去せざるを得ないということで、当時の大伴総務部長が、垂れ幕等の設置について検討するということでしたけれど、やはり、この新庁舎の中では垂れ幕については設置しないということを決めていましたし、新庁舎建設の際には景観に配慮したため、現在ではそうした三角柱は1本も建っていませんので、設置場所等については、この庁舎内というよりは、また別の場所で検討する以外にはないのではないかというふうには考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  すぐにはできなくても、市役所の前に電子掲示板というんですか、そういったものがあります。あれは私もとても興味を持って見ているんですけれど、なかなか工夫されております。毎日やれとは言いませんから、それにでも時々はそのことを掲示されてもいいのではないかということを提案させていただきたいと思います。 もう時間がありませんが、次に、平和首長会議は、2020ビジョンを策定し、いろんな取り組みをしております。その中で、2019年10月25日、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進について内閣総理大臣に要請を行っております。その中身は、日本政府に、一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准していただくよう強く要請するというものでございます。市長は、この行動について、どのようにお考えですか。 ◎総務部長(高田昭彦君)  先ほど壇上でも申しましたように、岩国市長としてヒバクシャ国際署名というものに署名しております。この趣旨については、今、議員が言われたような趣旨も含まれておりますので、市が主体的にいろいろなものに取り組むということは現在考えておりませんけれど、そうした核兵器廃絶に向けた取り組みについては賛同するということで、そうしたものについて市長として推進しているということでございます。(「答えになっていないよ」と呼ぶ者あり) ◆14番(長岡辰久君)  先ほど壇上で言いましたけれど、来年は被爆75年の節目となる年なんです。それで、先ほど言いましたように、平和首長会議もこの2020年に向けて行動し、核兵器廃絶のための緊急行動をやっているんです。そういう意味では、今、部長は、市としては主体的に取り組んでいないと言われましたけれど、これはぜひ検討していただいて、何かやっていただきたいと思います。広島市の松井市長が平和首長会議のトップなんです。この松井市長がどういうことをやっているか、私はちょっと昼休みに電話で聞いてみました。7月に高校生と一緒に、原爆ドームのところに出て――原爆ドームとは限りませんが、高校生と一緒にこのヒバクシャ国際署名を一緒にやっているんですよ。市長みずから核兵器廃絶のために先頭に立ってやっているんです。(発言する者あり)長崎もやっております。(発言する者あり)(「いいことだ」と呼ぶ者あり) きのうは12月8日で、真珠湾攻撃をした日でございました。日本国憲法前文には、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と書いてあります。この岩国市も日本国憲法を生かした市政を市民が体現できるようにしていただきたいということを申しまして、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、14番 長岡辰久君の一般質問を終了いたします。 以上で、通告されました一般質問は全て終了いたしました。これにて一般質問を終わります。 以上をもちまして、本日の議事日程は全て終了いたしました。 ここでお諮りいたします。明12月10日から12月19日までの本会議は休会とし、次の本会議は12月20日に再開したいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤本泰也君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後5時22分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  藤 本 泰 也                         岩国市議会副議長 片 岡 勝 則                         岩国市議会議員  河 合 伸 治                         岩国市議会議員  越 澤 二 代                         岩国市議会議員  桑 田 勝 弘...