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03月06日-02号

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  1. 岩国市議会 2019-03-06
    03月06日-02号


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    平成 31年 第1回定例会(3月)平成31年第1回岩国市議会定例会会議録(第2号)平成31年3月6日(水曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)平成31年3月6日(水曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(29人) 1番 河 合 伸 治 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本   崇 君 2番 越 澤 二 代 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原   真 君 3番 桑 田 勝 弘 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 4番 中 村   豊 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 5番 田 村 博 美 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船   斉 君 6番 中 村 雅 一 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 ――――――――――――――――――――――――――――――欠席議員(1人) 7番 矢 野 匡 亮 君  ――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           高 田 昭 彦 君       危機管理監          廣 田 秀 明 君       総合政策部長         村 上 昇 君       行政経営改革担当部長     樋 谷 正 俊 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         加 納 健 治 君       文化スポーツ担当部長     井 上 昭 文 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         森 川 義 雄 君       保健担当部長         森 本 聡 子 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         白 尾 和 久 君       農林水産担当部長       村 田 武 彦 君       都市建設部長         木 邉 光 志 君       都市拠点担当部長       山 中 文 寿 君       由宇総合支所長        松 原 幸 彦 君       玖珂総合支所長        室 茂 康 夫 君       周東総合支所長        森 本 貴 恵 子 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        上 尾 浩 睦 君       会計管理者          藤 本 玲 子 君       教育次長           山 口 妙 子 君       監査委員事務局長       山 下 則 美 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       選挙管理委員会事務局長    米 田 勝 明 君       水道局次長          佐 藤 明 男 君       消防担当部長         村 中 和 博 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         村上篤史       庶務課長           後詳子       議事課長           桝原裕司       議事課主査          桂健治       書記             福本和史       書記             木下勝貴       書記             福永啓太郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(藤本泰也君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(藤本泰也君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、24番 山本辰哉君、25番 桑原敏幸君、27番 藤重建治君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(藤本泰也君)  日程第2 これより一般質問を行います。 30番 片山原司君。 ◆30番(片山原司君)  市政改革クラブの片山原司でございます。 まず最初に、3月末をもって退職される職員の皆様へ、長きにわたり市勢発展に取り組まれ、御尽力をいただいたことに、心より感謝を申し上げます。武士の生き方に武士道がございますように、岩国市の職員である官吏の生き方に吏道という言葉がございます。今後も吏道の精神を忘れることなく、地域のかなめとして御活躍いただけるようお願い申し上げます。 では、通告に基づき、会派を代表いたしまして一般質問を行います。今回は、施政方針についてお尋ねいたします。 平成31年度の重要課題と基本目標については、5項目についてお尋ねいたします。 まず1点目のア、重要課題である米軍再編に関する市の取り組みについては、特に騒音対策として、防音工事の対象を事務所、店舗等に拡大することへの対応についてお尋ねいたします。 続いて、2点目のイ、空港を軸とした産業と観光のまちについては、特に岩国市中心市街地活性化計画における54事業の状況について、また本市への子育て世代の移住・定住の、シティプロモーションの推進状況についてお尋ねいたします。 3点目のウ、安心・安全に暮らせるまちについては、防災対策における豪雨対策の新規事業について、逃げおくれゼロを目指す自主防災組織の活動について、注目される防災士の現状について、防災行政無線屋内受信機の申し込みについて、聴覚障害者専用防災行政無線屋内受信機の申し込み状況について、米軍岩国航空基地との防災協定についての6項目について、お尋ねいたします。 4点目のエ、市民協働に取り組むまちについては、特に年々増加している地域おこし協力隊の状況についてお尋ねをいたします。 5点目のオ、行政経営改革に取り組むまちについては、合併支援措置後の財政で大きな位置づけとなる普通交付税の今後についてお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。 それでは、片山議員御質問の第1点目の施政方針についてお答えいたします。 まず、(1)の平成31年度の重要課題と基本目標についてのうち、重要課題である米軍再編に関する市の取り組みについてでありますが、防音工事の対象を事務所、店舗等に拡大することにつきましては、施政方針でも申し上げましたが、必ず国に実現してもらわなければならない、重要な課題の一つであると考えております。 昨年12月に、防衛省の原田副大臣が本市を訪問された際にも、本件に関して具体的な要望を行っており、副大臣からは、「まずは住宅等の騒音対策を着実に進めていくとの考えのもと、さまざまな課題がある中で、どのように対応するか検討してまいりたい」との回答がありました。市としては、この件について、全国一律の制度がある中で、防衛省としてさまざまな対応を考えていただいているものと受けとめております。 また、先月には、岩国市議会議長と副議長も防衛省に赴き、同様の要望を行われ、さらに、岩国商工会議所会頭や副会頭なども防衛省を訪れ、要望を行われたところであります。 そうした中で、市においては、先日、基地周辺にある事業所の騒音状況を把握するため、基地政策課の職員が飯田町にある事業所に赴き、事務室内で騒音測定を行い、実際の騒音を体感し、防音工事の必要性について改めて認識したところであります。今後、国におかれても直接、基地周辺の事務所、店舗等の騒音状況について、現地に赴き実態把握を行われるよう、働きかけてまいります。 市としましては、今後とも防音工事の対象を事務所、店舗等に拡大することについて、引き続き国に重点的に要望するとともに、あらゆる機会を捉え、必要に応じて山口県を初め関係団体とも連携して、実現に向け強く、また効果的に働きかけていきたいというふうに考えております。 次に、イの空港を軸とした産業と観光のまちについてでありますが、議員御質問の岩国市中心市街地活性化基本計画につきましては、「県東部の中核都市にふさわしい『多くの人が集まり、楽しく暮らせるにぎわいあるまちづくり』」を基本テーマに掲げ、平成26年10月に内閣府の認定を受け、平成32年3月までの5年5カ月を計画期間として、現在54事業を官民一体となって推進しております。 計画に掲載された54事業は、岩国駅周辺整備事業などのハード事業が20事業、空き店舗活用奨励事業などのソフト事業が34事業となっています。これら事業の進捗状況として、ハード事業は現在5事業が完了し、残りの15事業が事業完了に向け実施中であり、ソフト事業につきましては、32事業が実施中であり、岩国駅東口・西口にぎわい創出イベント運営事業についても、来年度完成予定の岩国駅東西駅前広場の再整備後に実施していく予定となっております。 こうした取り組みにより、計画の目標指標の一つである中心市街地内の事業所数につきましては、目標値の695店に対して、平成29年度末時点において、707店と目標を達成しております。また、ほかの目標指標としておりますJR岩国駅の乗降客数や、本通商店街・中通り商店街・中央通り商店街の空き店舗率、イベント・教室等開催件数につきましては、現時点で目標値には達していないものの、計画当初の基準値は上回っており、今後も目標の達成に向けて取り組んでまいります。 一方、中心市街地内での歩行者通行量については、横ばいの状況が続いており、町を訪れた人が中心市街地を回遊する流れがまだ確立できていないものと認識しております。そうした中で、中心市街地活性化の基本理念となる、コンパクトシティ形成の重要な視点である中心市街地内の居住人口については、目標指標とはしていませんが、平成25年には約4,500人であったものが平成31年には約4,700人と、市内全体の人口が減少している中で増加しており、中心市街地を活性化するための事業の成果があらわれているものというふうに考えております。 中心市街地の活性化には、長い年月をかけた継続的な取り組みが必要であり、今後も、多くの市民にとって快適で、さらなるにぎわいがある中心市街地となるよう、株式会社街づくり岩国岩国商工会議所、そして民間事業者などと連携し、しっかりと取り組んでまいります。 続いて、シティプロモーションの推進状況についてでありますが、本市では、子育て世代をターゲットに、本市の魅力である充実した子育て支援施策や盛んな国際交流などを効果的に発信するシティプロモーションを推進し、本市の魅力度や認知度の向上を図っております。 今年度の具体的な取り組みとしましては、子育て世代をターゲットに、JR広島駅でのPR動画の放映や、JR岩国駅自由通路等でのPRポスターの掲示などの広告・PRに加え、キャッチコピー「ちかくに いわくに」を題したシティプロモーション専用サイトや、フェイスブック、インスタグラム等を活用して、情報の発信や拡散に努めております。 また、今月2日には、2回目となる国際交流イベント「ちかくにいわくにマーケット」を開催し、市内外から参加された皆様に、国際交流を楽しみながら競う運動会や、岩国の郷土料理とアメリカの料理を日米の参加者でつくる親子クッキング教室など、岩国ならではのイベントを体験していただきました。 さらに、昨年11月には、株式会社街づくり岩国により移住定住相談窓口が設置され、移住希望者等に本市の子育て支援に関する情報提供を行うなど、移住を支援する体制の整備に努められております。 こうした取り組みを進める中で、シティプロモーションのターゲットである子育て世代の本市への転入、転出による社会増減について、大きく改善しているところであります。市としましては、今後も充実した子育て支援策を初め、本市の魅力を積極的に発信するとともに、相談窓口を効果的に活用することで、人口減少の抑制、そして地域活力の向上に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第1点目の施政方針についての(1)平成31年度の重要課題と基本目標についてお答えいたします。 まず、ウの安心・安全に暮らせるまちについてでございますが、議員御質問の豪雨災害対策事業につきましては、岩国市内の地域ごとの数日先までの降雨予報など、より詳細な気象に関する情報を民間気象会社から取得するとともに、土砂災害に関する新たな指標として雨量指標――R’というものでございますが、これを導入するものでございます。 この指標は、広島大学と呉工業高等専門学校などにより共同研究され2004年に開発されたもので、雨の降り方によって変化するグラフ上の点を1つの値に変換することにより、土砂災害の発生リスクをわかりやすく判定する手法となっております。気象情報のコンテンツ使用料や、雨量指標において地図上に指標数値のコンター図を描く費用など、必要な予算を来年度計上しております。 次に、自主防災組織の活動内容につきましては、今年度の件数で申し上げますと、防災訓練が16件、防災学習館への訪問学習などを含む防災研修が37件、地域内の危険箇所の防災パトロールが10件、危険箇所マップなどの作成などの啓発活動が5件、防災資機材の点検等が6件など、それぞれの自主防災組織において、防災活動や防災意識向上に向けた取り組みが行われております。 市といたしましては、各組織のさらなる防災意識の向上につなげるため、効果があると認められる活動に対して事業費の3分の2、20万円を限度として補助するよう、本年度から従来の補助金制度を見直しており、これまでに7団体が申請され、約110万円の補助金を交付する予定でございます。来年度につきましても、自主防災組織の支援を継続する予定としており、各団体における防災意識が高まるような積極的な活動を支援してまいりたいと考えております。 次に、市内の防災士の人数につきましては、平成28年2月1日現在では61人でございましたが、本年2月1日現在で94人となっており、大幅に増加しております。地域別では岩国地域が65人、由宇地域が3人、玖珂地域が16人、周東地域が8人、錦地域と美和地域がそれぞれ1人となっております。 次に、防災行政無線屋内受信機の申し込み状況につきましては、岩国地域と由宇地域について、平成28年11月から平成30年5月まで申請を受け付け、合計で5,247件の申請がございました。この申請件数のうち、先月の状況でございますが、147件が未設置となってございますけれども、3月末までには全ての設置が完了する見込みとなっております。したがいまして、一旦中止しておりました申請の受け付けに関しましては、本年4月1日から、市内全域を対象に再開する予定としております。 また、聴覚障害者用の防災行政無線屋内受信機の申し込み状況につきましては、平成29年度に身体障害者手帳の交付を受けておられる聴覚障害者の方421人のうち、設置を希望される96人の方を対象に設置しており、このうち、1級から3級までの重度の聴覚障害者の方は41人となっております。聴覚障害者用防災行政無線屋内受信機につきましても、4月1日から募集を再開し、新たな対象者の方には、募集案内や申請書類を送付することで周知してまいりたいと考えております。 次に、岩国市における米軍基地との防災に関する協定締結につきましては、平成29年10月2日、米海兵隊岩国航空基地司令部において、「災害対応における協力、準備、立入りに関する現地実施協定」を司令官と市長との間で、中国四国防衛局長立ち会いのもと締結いたしました。市といたしましては、昨年の7月豪雨を初め、平成28年の熊本地震や、昨今、各地で発生している地震災害などのような大災害発生時に、本協定を有効に活用できるようにしたいと考えております。 本協定には、米海兵隊岩国航空基地と岩国市は、岩国市で働く人や居住者の生命と安全を守るという共通の目標を持ち、災害準備や災害対応の活動が日本国政府より要請され、米国政府が受け入れた場合、互いに支援することができることや、米海兵隊岩国基地司令官が岩国市に対し、災害に備えた訓練の実施及び災害による被災者の救助のための医療サービス、緊急輸送、避難、食料及び水並びに多くの生活必需品の確保を含む災害時の活動を行うために、米海兵隊岩国航空基地の施設及び区域への立ち入りも含め、支援を申し出ることができると規定されております。 そのため、実際の大災害発生時には、この協定に基づいて日本国政府からの要請を米国政府が受け入れた場合、米軍の支援活動が実施されることとなり、具体的には米海兵隊岩国航空基地の滑走路を使用して救援物資を受け入れることや、施設利用による医療行為、食料、飲料水の提供を受けることなどが可能となるものと考えられ、災害対応能力が格段に向上するものと思われますが、本協定に加え、米軍との間で実施マニュアルの作成などを行うことは、現地米軍に一定の義務と責任が発生するため、現地レベルでの詳細な内容の取り決めを交わすことは困難であると考えております。 しかしながら、昨年2月に愛宕ヒルズ内で実施した防災訓練など、米海兵隊岩国航空基地とは定期的に防災訓練を実施しており、これらの訓練を通じるなどして日ごろから米軍との関係を維持し、大災害発生時には本協定をもとに迅速な支援を受けられるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、エの市民協働に取り組むまちについてでございますが、地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、その定住・定着を図ることで、意欲のある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくということを目的とした制度でございます。 本市におきましては、平成26年度から、総務省の特別交付税措置による協力隊の派遣を、地域の要望に応える形で実施してきており、これまでに、柱島群島と山代地域に派遣した隊員2人が任期を終え、山代地域に派遣した隊員1人は、市内に定住し就業しております。 現在は、5人の隊員が活動中ですが、周東地域では環境保全活動や地域行事の支援、由宇地域では耕作放棄地の活用支援、美和地域では地域女性グループの支援、柱島群島地域では環境保全活動や空き家の実態調査などの地域協力活動を行っているほか、地域ブランドに係る取り組みにかかわっている隊員は、「いわくにmade」の特産品発掘やブラッシュアップ、新商品の開発などの活動を行っております。 このうち、周東地域で活動中の隊員1人は、本年度末で任期を終え、その後市内に定住し、活動中の経験や地域とのかかわりを生かして起業・就業をする予定で準備をしていると伺っております。 地域おこし協力隊の成功例ということでございますけれども、具体的にどのような状況が成功なのかという基準がありませんけれども、市外から思いを持って転入してこられた方が、地域おこし協力隊員として、地域の皆様と連携して地域の活性化に尽力されていること、さらに退任後に岩国市内に定住した方が1人、現在活動をしながら退任後に市内に定住して起業しようとしている方が1人いるということは、それぞれ評価できるのではないかと考えております。 市といたしましては、今後も地域の要望を伺いながら、地域おこし協力隊の派遣に関し、充実を図ってまいりたいと考えており、協力隊員・地域・行政にとって、それぞれが有意義な事業となるよう、関係機関で連携して取り組みを進めてまいります。 最後に、オの行政経営改革に取り組むまちについてですが、地方交付税につきましては、合併自治体に対する特例措置として、合併後10年間は、旧市町村ごとに算定した普通交付税を合算して交付する合併算定替が適用されます。その後、5年をかけて実施される段階的縮減を経て、合併後15年経過すると、合併市町村を1つの団体として算定する一本算定となります。平成25年3月に策定した財政計画では、合併算定替と一本算定との差額は約49億円と見込んでおり、特例措置の終わる平成33年度には、大幅な減収となる見込みでございます。 そうした中、全国市長会や合併した市で構成する合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会を通じて総務省に、合併支援特例措置の見直しや、合併算定替終了に伴う新たな財政支援措置を求める要望を行いました。また、市長みずからも、上京した折には総務省などを訪れ、地域の実情や課題、対策などについての要望や意見交換を行っており、地方交付税についても、合併した市町村の算定経費の見直しによる普通交付税の減額幅の縮小について、要望を行ってきております。 その結果、国において、平成の合併により市町村の面積が拡大するなど市町村の姿が大きく変化したことを踏まえ、合併時点では想定されなかった財政需要を交付税算定に反映することとした普通交付税算定経費の見直しが、平成26年度から平成30年度にかけて行われております。 算定経費の見直しでは、旧市町村の役場が合併後の支所として、コミュニティーの維持管理や災害対応等に重要な役割を果たしていることから、支所に要する経費として、職員人件費や維持管理経費を加算したり、消防やごみ収集・運搬に要する経費についても、標準的な合併市町村の面積の拡大を考慮して見直しを行うなど、合併市町村の財政需要を反映した見直しが行われております。 平成26年度から平成30年度にかけて行われた見直しは、それぞれの年度から3年間かけて段階的に反映されてきております。こうした見直しが行われた結果、約49億円と見込まれていた合併算定替と一本算定との差額は、平成31年度予算における試算では、15億5,000万円程度にまで縮減される見込みとなっております。 今後におきましても、総務省などへの働きかけにより、地方交付税の確保に努めるとともに、行政経営改革プランに基づき、財政基盤の強化に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆30番(片山原司君)  今回は、岩国市の史上2番目の当初予算と、市長が1時間を超える壇上でのお話と、喉を潤すのにコップで水を8回飲まれましたので、相当のことだろうと思って、私も気合いを入れまして、いつもは1時間で二、三項目のところが8項目――小項目のアイウエオも、カまで書かなきゃいけなくなって、それでは非常識なのでいろいろ削ったんですけれども、今回は、一番大きなことは米軍再編で――同じ会派の私の仲間が東京に行くときは防衛省に顔を出しましょうと……。恐らく地域から、事務所、店舗等の騒音について、深刻な苦情が出ているんだろうと思います。 そういうことで、まず、アの米軍再編に関する騒音対策で、防音工事の対象を事務所、店舗等に拡大することへの対応について、市長の御答弁の中で、全国一律の制度がある中で難しいという話がございました。この難しいという、全国一律の制度とは何か、簡単にお答えください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  住宅防音工事は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づいて実施されておりまして、米軍や自衛隊の基地が所在する全ての自治体、いわゆる騒音があるような自治体全てに対して適用されることから、これを全国一律の制度というふうに申し上げたところでございます。 この趣旨については、指定の区域内、いわゆる第一種区域でありますけれども、この区域内にある人の居住の用に供する建物、いわゆる住宅ですが、これに騒音の防止や軽減をするために必要な工事を行うことでありまして、仮にこの法律を改正するということになれば、その影響が全国の自治体に及ぶという類いのものでございます。 ちなみに、以前、岩国においては平成23年9月に80W以上の区域の告示後住宅が工事の対象になり、さらに、昨年度から外郭防音工事の対象区域が85W以上から80W以上の区域に拡大されたということはございますけれども、これらの措置は対象が住宅であることに変わりありませんから、この法律の趣旨から外れるものではなくて、予算措置が行われているというふうに承知をしてございます。 ◆30番(片山原司君)  この解決すべき店舗、事務所等の防音工事については、安心・安全対策43項目要望の中の一つだと思います。そういう中で、時代おくれになった法律とか、いろいろあると思うんです。ただ、私は、常識で考えたときに、今、一般の方が居住しているお宅というのは、高齢者とかであれば別ですが、若い夫婦でも――とにかく相当の年齢になるまで、日中は家におりません。みんな働きに行っております。夜にがんがん飛べば別ですが、日中、飛行機が飛ぶときのその騒音というのはもろに事務所へ――事務所というのは、働いている方がいっぱいいます。そして商店も、お客様の対応をする人がいて、日中にお客様もたくさん来られます。騒音の影響が大変大きいのに、なぜ、住んでいるところと事務所、店舗等にそれほど差がつくのか。今の時代に、常識で考えて、私は無理があると思うんです。 ですから、防衛省のほうもわかった上でそういうことを言っていて、大きな金がかかるからということだろうと思うんですが、御存じのように岩国市は、原発のように企業誘致をして、自分の町が豊かになるためにやったわけではございません。これは、市長も議会も、住んでいる住民の方も、私どもは国のことと、国の防衛と、いろいろなことを考えて、地域振興ではなく別の部分で協力をしたと思います。ですから、そういう意味で、間違いというか、随分と時代おくれの部分を感じるわけですけれども、対象区域の事務所と店舗の数はどのくらいあるんでしょうか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  現在の岩国基地周辺における、いわゆる第一種区域の中にどれぐらい事務所・店舗があるかとのお尋ねでございますが、この数につきましては国としても把握されていない――市として把握していないということでございます。 ◆30番(片山原司君)  それはおかしいですよ。騒音の激しい地域の事務所に何人ぐらい働いておられて、そして店舗では何人で経営をして、どのくらいのお客様が来られるのか。そこの地域は、大変な騒音をずっと我慢しておられるんだろうというふうに思います。先般も、石本議員たちと一緒に防衛省にお願いにまいりました。議長と副議長も行かれ、岩国商工会議所の会頭と副会頭も行かれたと。そういうことを願って、市民のために行っているんですが、その対象・中身がわからずに、一体何をするんでしょうか。これは、私は市に責任があるというふうに思います。 言っていることはまともですが、中身が具体的ではありません。そういうものを国がちゃんと聞くんでしょうか。本当に実現をしていくときに、10年、15年かかるような内容になってしまいます。先般、該当地区の事務所を調べたら93Wか94Wで、想像を超える騒音だったと。国も来て調べるかもしれないと言いますけれども、これは市長に御答弁をいただきますが、調べるかもしれないとか何とかではなくて、国はここへ来るべきです。我々が要望に行くのではないんです。私は、当然、国がここに来られてちゃんと実情を確かめて、市と一緒にやっていかなければならないというふうに、常識として思っております。 市長のお考えをお尋ねいたします。 ◎審議監(村田光洋君)  まず、私から答えさせていただきます。 いろんな協議を行っております。今、片山議員が言われたことは、まさしく我々が国に申し上げていることでございまして、先ほども答弁した、現地で騒音測定をするべきだということと、どれだけ対象があるか把握をするということも、国に申し上げております。結局国のほうが考えているのは、事務所あるいは事業所の中のどの部分を防音するか。また、店舗も同じように、店舗のどの部分をするか、また工法のこともあります。それから法改正のこともあります。そういったことを包括的に検討しているというふうに、国との協議の中で聞いております。 例えば、店舗ですと、自動ドアが開くと、もう音が入ってきますので、例えば自動ドアをダブルにする工法とか、それから事務所の中のどういったところをやるのか、会議室もするのか、事務室部分だけをするのか、そういう仕方とかも含めて、いろんな課題があるので包括的に検討していると。それと、種別ですか、それを把握し、該当がどれだけあるかという調査も並行的にやるように、協議の中で申し上げております。岩国市は全く調査をしていないという御指摘ですが、そういったことは国とのやりとりの中で、今後、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆30番(片山原司君)  急いでいただきたいと思います。余りにものんびりしていて、国のほうも構えて、お偉いんでしょうが――交通事故の対応について一般質問をして、2日前に解決をしました。一般質問をしなかったら、防衛省にも市にも随分落ち度がありました。そういうことがありましたが、公にはしないので、市長が安心・安全と言われるのを支援し、いい町になればと思っています。しかし、これは急いでやるべきです。理屈は後ですよ。本当に困った人がたくさんおられる。だから同僚議員も、他の議員も言っているわけですから、これは深刻に捉えていただきたいというふうに思います。 市長にお尋ねするんですが、今後の対応についてです。今、延長線上でやっていますから、国にもいろいろ考えがあるというのを列挙されましたけれども、これだけ年数がたっているから当然のことだろうというふうに思います。 市の大きな仕事として、市長がどう動かれるかというのがございます。山口県は今まで、基地の関係でいろんな問題があったときには、最終的には市が言われることを大事にして、支持してやっていこうということが、大変多うございました。今回はどうなんだろうかというふうに思うんですが、その当時とは違って、今は防衛省からの交付金として、平成30年度と31年度は50億円、平成27年度から29年度までは合計約58.5億円というお金が山口県に出ております。 県は、当初予算で、毎年大体200億円から300億円の赤字が出ておりまして、いろんな資金が喉から手が出るほど欲しいんだろうとは思うんですが、岩国市のことを考えれば、余りこういうことはいかがなものかと思います。このままでいくと、岩国市と山口県の距離が開いてしまうおそれがありますので、今まで岩国市のほうを向いてくれていた県に――今まで福田市長が一緒に国のほうに行ってやっていたような内容を、より強く、県と連携してやっていただきたいと思います。 このまま大きなお金が入り続けていますと、防衛省のほうから出ているお金で岩国市民のために県が動かなければいけないということが、少し鈍らないかと心配しております。私は受け取るべきではないと、個人的には思っております。市長に、山口県とともに行動していくということについて、お尋ねをいたします。 ◎市長(福田良彦君)  ちょっと整理いたしますと、国から入ってくる再編交付金を、岩国市が受け取るべきでないというような趣旨でしょうか。(「いや、違います。県が受け取るべきでないということです」と呼ぶ者あり)今回、国が県に交付しております再編交付金でありますが、これにつきましては、岩国市におきましても、さまざまな県事業が、財政が厳しい折、いろいろ長年要望してもなかなか実現できず、またいろんな要望・ニーズも出てきている中で、県とともに考えたものですが、国のほうが、そういった再編関連の交付金をまず県のほうに入れると。それから、それを岩国市、和木町と周防大島町のほうに――もちろん、それをどこに充当するかについては、市がしっかりと県と調整した中で、岩国市管内の県事業等に充てておるといった趣旨でありますので、ぜひ、御理解賜りたいというふうに思っております。 それは、市が直接県事業をやるわけにはなかなかいきませんので、そのための貴重な財源だというふうに捉えているところであります。これにつきましても、市が県と一緒になって何とか制度化したものでございます。 そういった中で、山口県とは今、基地に関するいろんなことにつきましては、歩調を合わせながら、国に対して言うべきことは言っていく。日米地位協定の改定もそうでありますが、先ほどの事務所、店舗等への防音工事の拡大についてもそうであります。これにつきましては、確かに今、具体的な状況には至っておりませんが、先般、防衛副大臣に対して、また、いろんな方々に会うたびに、このことにつきましては、私のほうからも強く申し上げておりますが、なかなか状況が改善されていないといいますか、先が見えないわけであります。先ほど答弁しましたとおり、飯田町の事業所・事務所のほうで職員が現地調査をさせていただきました。やはり、国におかれても同じように状況を把握した上で、新しい制度を構築していくといった気概を持って対応されるように、市としても強い思いで、実現に向けて国のほうに働きかけをしてまいりたいというふうに思っております。 ◆30番(片山原司君)  言われることは理解できます。ただ私は、県が市と一緒に何をするかというのを、もっともっと強くやっていただきたいと思います。何かが起きたとき、大変心配なこともございますので、あえて老婆心でお話をします。こういうのはいつごろ――これだけ市長が施政方針にも入れて、安心・安全対策の43項目要望にも入れている事務所、店舗等への防音工事の拡大については、ことしでめどがつくんでしょうか。今回質問したり、施政方針を読むと、そういうふうな予測もできるんですが、いろいろちりばめてあっても全く次がないので、そのことだけ答弁をお願いします。 ◎市長(福田良彦君)  この防音工事の対象を事務所、店舗等にも拡大することについて、新年度に大きな前進が見られるかどうかということでありますが、大きな前進が見られるように、平成31年度は、私も今の任期の最後の年でありますので、しっかりと国に働きかけ、効果を実績として残していきたいというふうに考えております。 ◆30番(片山原司君)  よろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、ウの安心・安全に暮らせるまちについてのところで、幾つか再質問がありますが、省きますので、危機管理監は気分を壊されないように。もうとんでもない時間が過ぎていますので……。 安心・安全に暮らせるまちについての中で、まず自主防災組織についてですが、自主防災組織というのは、災害が起きそうなときに、防災無線とか消防とかいろんなところから連絡があって、逃げおくれゼロで、犠牲者が出ないように逃げようというのが、自主防災組織の一番の働きでございます。 そういうことについてどういうふうにお考えか、お尋ねをいたします。
    ◎危機管理監(廣田秀明君)  自主防災組織の一番重要な役目といたしまして、やはり、私どもが災害時に避難情報を発したときなどに、避難行動に支援が必要な方をしっかり助けていただいて確実に避難をしていただくということだと考えておりますので、そういった避難訓練等についてしっかり実施をしていただきたいというふうに考えております。 ◆30番(片山原司君)  逃げおくれゼロというのを目指している組織ですから、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。 続いて、聴覚障害者専用の防災行政無線受信機についてですけれども、これは、1級から2級あるいは3級というのが重度の障害をお持ちで、聞こえないから文字を出していくのが必要だという答弁だったんですけれども、市長の英断で1級から6級までの全部を認めていただきました。これは、私としては、弱者に対する快挙だろうというふうに思っています。 その中で、1級から6級までの中で一番心配な1級・2級・3級の方はどのくらいおられますか。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  聴覚障害者の重度障害の1級から3級までのそれぞれの人数ですが、平成30年4月1日時点で、1級はゼロ人、2級が113人、3級が57人となっております。 ◆30番(片山原司君)  聴覚障害の1級から3級までの重度の方170人中、実際に受信機を置かれた方は41人で約25%、これは普通の方が自分の家に屋内受信機をつけるのとはわけが違います。避難をする情報を集めることに生命がかかっておりますので、やはり100%を狙っていくべきだと思います。 そのあたりについては、前回と同じようなことだろうと思いますので、一般の方へ勧めることよりも真剣にやっていただきたいというふうに思います。危機管理監、何かあれば、端的にお願いします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  おっしゃるとおりだと思います。聴覚障害の方に防災情報をお知らせするということは非常に重要なことであると考えておりますので、健康福祉部としっかり連携して、170人の方に漏れなく通知をさせていただいて、しっかり周知・整備をしていきたいというふうに考えております。 ◆30番(片山原司君)  わかりました。これは重要な部分ですので、ぜひきちんと進めていただきたいと思います。 それから、米軍との協定、いわゆる防災協定でございます。横須賀基地でも、原子力空母が入ったことで、どうにか横須賀市が頑張って、とにかく米軍も横須賀市と一緒に自然災害に対する防災訓練をでやっていこうとした。それを知ったのが平成20年でございました。随分年数がたって、岩国市のほうもやろうということで――していただいているんですけれども、米軍との防災協定で、米海兵隊岩国航空基地と岩国市の間でもいろんな難しいことがあるというのは、先ほど壇上からの答弁でお聞きしました。 いざ大きなことになれば、また話は別だろうと思いますけれども、自主防災組織でも避難訓練をするように、米海兵隊岩国航空基地と岩国市がどのくらい活動できているかわかるのは、合同訓練だろうと思うんです。これについて、平成31年度に予定があるかどうかお尋ねをいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  従来の消防協定に基づいて、米軍との訓練というのは定期的にある程度回数を行っておるんですが、御質問されました平成29年に結んだ米軍との防災協定をもとにした合同訓練は、現在のところ、新年度での予定はございません。 ◆30番(片山原司君)  せっかく防災協定を結んでいるんですから、それを実行するための環境づくりは、市の仕事として大変重要だろうと、私は思います。 過去に、岩国市が米軍のほうと消防協定を結ばれていまして、英語でも日本語でも括弧書きで1行だけ、「自然災害を含む」とありました。それが有効なら防災協定は要りません。おかしいなと思っていろいろ調べて、これは無理だということがわかったので、一般質問をしました。この1行だけで、具体的な運用マニュアルも何もなくて発効できるのか、動かないんじゃないかというふうに質問しました。そうすると、担当部長は、アメリカを信じたいと思うと答弁されました。会議録に載っていますから。これはすごい。こういうことまで言っていますが、そういう話が通るというのはありません。ちゃんとした条約や協定を結んで動くのが常識だと思います。そのときの会議録に残っていますけれども、アメリカを信じたいとかということ、これはすごいですよ。ですから、ぜひちゃんとしたことを進めていただきたいというふうに思っております。 それから、市民協働に取り組むまちということで、地域おこし協力隊について、継続を含めてことしも8人採用をするということで、1人当たり200万円、8人分の予算として1,600万円を組んでおられますけれども、やはり地域おこし協力隊ということをどういうふうに成功させたらいいだろうかと思って、今までのをちょっと見てきますと、何か、頑張るのを期待するとか……。そういうのではなくて、ちゃんと目標がなければ、私はできないと思います。だんだん採用の人数がふえていますから、岩国市にとって大きな原動力になるというふうに思います。 そのことについて、今後の地域おこし協力隊員の採用、あるいは今の活動状況についてお尋ねをいたします。市の新しい考え方としてお聞きをしたいと思います。 ◎市民生活部長(加納健治君)  地域おこし協力隊についてのお尋ねでございますけれども、地域おこし協力隊につきましては、隊員と行政の考えが同じ方向に進んでいくということが大切なことであるというふうに考えております。 地域おこし協力隊については、単なる雑用係を募集しているわけではございませんので、受け入れ地域と市との連携体制を事前に想定して準備を行いまして、隊員の活動内容をイメージできているということが重要であるというふうに言われております。また、どういう方に来ていただきたいかという受け入れたい人材像が描けていれば、そのマッチングもうまくいくというふうに言われておるところでございまして、自治体の中には、地域おこし協力隊員の募集に当たりまして、受け入れ体制を整えられた地域から要望を受けて、地域と行政機関等が協議の上、目標を定めて募集を行ったところもあるというふうには、承知をいたしておるところではございます。 本市といたしましても、現在、そういった他の自治体や各種の研修会等で得られた情報を取り入れながら、募集要項の策定に当たっては、受け入れを希望される地域の方々と協議を行い、地域で求めている人材や必要なスキルなどを踏まえた内容となるよう、改善に努めておるところでございます。また、採用に当たりましては、地域おこし協力隊員としての明確な目標を持ち、その目標を3年間で達成することができるような、地域の要望に応えられる人材の確保を目指したいというふうに考えておるところでございます。そうしたことから、今年度からお試し体験というようなことも始めまして、地域おこし協力隊の派遣に関しまして、充実に努めてまいりたいというふうには考えております。 ◆30番(片山原司君)  どうですかね。地域おこし協力隊は今回、継続を入れて8人の採用予定です。こういう人材が必要というのも、もちろんあります。ただ、ここでこういうことをやって成功してうまくいって、そこに定住をしてほしい、人生をかけて来るわけですから。成功事例をまず1件きちんとつくらないと――よその成功事例を2時間か3時間か見ても、ほとんど役に立ちません。うまくいったりいかなかったり、山のように努力をして、無駄に終わったものや失敗したものを全部捨てて残ったものが成功事例なんです。残ったものだけを勉強しても、成功は絶対しません。絶対しません、私は民間でやっていましたから。グループ会社140社のうち4分の1くらいが視察に来られました。1泊2日くらいです。行政の場合は市町村数が多いからそういうことはできず半日くらいでしょうが、成功した形を見ても、それは無理だと思います。それよりは、自分たちで考えてほしいんです。視察に来られる方と話して、みんな半日か1日の視察でいっぱい勉強して、大丈夫なようなことを言いますが、誰もわかっていません。 だから、自分たちで真剣にやって、成功事例を早くつくっていただきたいというふうに思います。そして、現場へ出て一緒にやられたらいいと思いますよ。アドバイスなんかできやしませんよ。だから、現場へ出て一緒に汗をかいて仕事をしてください。成功事例ができたら、それは連鎖をしていくというふうに思いますので、短い時間で言いっ放しですが、部長、ひとつよろしくお願いします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  成功事例をということでございますけれども、先ほども壇上で答弁いたしましたが、山代地域に派遣しました隊員は昨年6月、任期途中ではございましたけれども、市内での就職が決まり、地元の方に惜しまれながら退任していったというような事例もございますし、今月末で退任いたします周東地域に派遣しております隊員についても、総括する意味で先日報告会を行いましたところ、地元の方がたくさん来られ、その3年間の活動に対して大変評価をいただいたというようなこともございます。また周東地域のほうに残り就業または就職をするというようなことも聞いておりますので、これは一つの大きな成功事例と言っていいのではないかというふうには考えております。 ◆30番(片山原司君)  時間がないんですが、それは間違っていると思います。そこで働いているのは私の大学の後輩ですから、大学の卒業生が集まって励ます会をやりました。言われるようなことではありません。奥さんが地元出身だから地元へ住むんでしょう、でもその仕事をやるかどうかもわかりません。やはり、ちゃんと胸を張ってみんなの前で言えるようなことへと進んでいただきたいと思います。失礼を十分承知で、代表質問なので言わせていただきました。 あと、随分質問があるんですが、市長の施政方針と予算の説明が1時間を超えて、壇上においてコップでお水を8回も飲まれたので、余りにも気合いが入ってしまいました。執行部の方といろいろお話をしてあって、質問しようと思っていましたが、もう時間的には無理ですので、これで一応終わらせていただきます。執行部の方には大変失礼がありました。どうぞよろしくお願いいたします。 以上で、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、30番 片山原司君の一般質問を終了いたします。 1番 河合伸治君。 ◆1番(河合伸治君)  皆さん、こんにちは。1番 公明党議員団の河合伸治でございます。通告に従い、公明党議員団を代表して質問を行います。 冒頭、今定例会を最後に退職される皆様に対し、これまでの市勢の発展に尽くされた御努力に対し、心から感謝を申し上げますとともに、新たなステージに進まれても健康に留意され、ますます御活躍されますよう祈念いたします。これまで大変お世話になりました。本当に御苦労さまでした。 それでは質問に移ります。今回は、1、施政方針について、(1)岩国市の人口の現状と課題について、2、ユニバーサルデザインによる公共交通の考え方について、以上2点についてお伺いいたします。 まず1点目、施政方針について、岩国市の人口の現状と課題についてお伺いいたします。 市長は施政方針の中で、基本目標の一つに、「子育てといきいきとした暮らしを応援するまち」を掲げ、子育て支援の充実、健康づくり、高齢者が安心して生活できる環境づくり、医療体制の堅持に言及しておられます。乳幼児期から高齢世代まで安心して岩国市に住み続けられる社会基盤の整備と福祉の充実は、地域を活性化させ、地域の元気を生む上で非常に重要な課題です。少子高齢化が進む社会の中で、どのように地域人口を維持し、地域社会を元気にしていくか。また、本市においても子育て世代をターゲット(目標)としたシティプロモーションを展開しておられますが、地域に人を呼び込むシティプロモーションは他市でも展開されており、他市との差別化を図りながら、その効果について常に検証を重ねていく必要があります。これまで岩国市に移住された方の声を拾い、生の声を潜在的な移住予備軍の皆様に発信していくことも重要と考えます。 また、施政方針の中でも述べておられるとおり、高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けるためには、介護予防や生活支援が包括的に確保されることが大切であり、公共交通の項で詳しくお聞きいたしますが、運転免許を返納された高齢者や、足腰の悪い高齢者、障害をお持ちの皆様にも現在住んでおられる地域で安心して住み続けていただくためにも、生活手段としての公共交通のあり方の検討も喫緊の課題であり、非常に重要になってきます。 そこで、アとして、人口の社会増に向けた取り組みについて、イとして、シティプロモーションと子育て世代の定住について、ウとして、高齢者が安心して住み続けられる施策について、それぞれお伺いいたします。 2点目の、ユニバーサルデザインによる公共交通の考え方についてお伺いいたします。 本市の基幹路線であるJR山陽本線、JR岩徳線、錦川清流線について、利便性の向上やバリアフリー化についてはこれまで何度もお伺いしておりますが、今回は、現状では基幹路線である鉄道などを利用することができない高齢者や障害者など、交通弱者対策としての公共交通の考え方をお聞きいたします。 本市では、岩国市地域公共交通網形成計画を策定し、さまざまな施策に取り組んでおられますが、その中に、目標として、高齢者と人口減少に対応できる持続可能なサービス体系の再構築を掲げておられます。その実現のため、車両や施設等のバリアフリー化の推進を定めています。 車両は別として、鉄道施設については、今回予算に計上されているJR南岩国駅のバリアフリー化以外に、本市には、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に基づく事業はないものと認識しております。 そうした現状を踏まえ、利用しようとする者、誰にでも優しい公共交通のあり方、考え方について、特に、基幹路線を利用できない交通弱者に対する施策についてお伺いをいたします。 以上で、壇上よりの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、河合議員御質問の第1点目の施政方針についての(1)の岩国市の人口の現状と課題についてお答えいたします。 まず、人口の社会増に向けた取り組みについてでありますが、本市では平成27年に、人口減少の抑制と地域活力の向上に向けて岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、その基本理念に、「未来へつながる交流都市岩国~若い世代に選ばれるまち~」を掲げ、人口減少対策に取り組んでおります。 この総合戦略は、計画期間を平成27年度から平成31年度までの5年間とし、「まちとまちをつなぐ交流づくり」「産業振興によるしごとづくり」「結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくり」「地域の暮らしを支えるまちづくり」の4つの基本目標を掲げています。 これらの目標のもと、若者世代の定住に向け、シティプロモーションの推進や子育て支援策によって人口の流入を促進し、人口減少の抑制を図ることで、若い世代に選ばれるまちの実現に取り組んでいるところであります。 総合戦略の計画期間中における本市の人口の状況として、出生・死亡による自然増減につきましては、平成27年が849人の減、平成28年が869人の減、平成29年が1,120人の減と、減少数が拡大していましたが、平成30年につきましては1,022人の減となり、前年と比較すると減少数が改善しております。 また、転入、転出等による社会増減につきましては、平成27年が806人の減、平成28年が727人の減、平成29年が534人の減、平成30年が374人の減と、減少数は年々改善しております。 特に、総合戦略では子育て世代を重視しており、その年齢層である25歳から44歳までの社会増減を見てみますと、平成27年が298人の減、平成28年が243人の減、平成29年が188人の減、平成30年が70人の減と、大きく改善をしているところであります。 現在の総合戦略は、平成31年度が計画の最終年度となることから、平成32年度から平成36年度までを計画期間とする第2次総合戦略を策定し、地方創生の取り組みをさらに進めていくことで、人口減少の抑制を図ってまいります。 次に、シティプロモーションと子育て世代の定住についてでありますが、本市では、平成29年3月に策定した、岩国市シティプロモーション戦略に基づき、子育て世代をターゲットに本市の魅力である、充実した子育て支援施策や盛んな国際交流などを効果的に発信し、本市の魅力度や認知度の向上を図っております。 今年度の取り組みとしては、ターゲットである子育て世代に向けたJR広島駅でのPR動画の放映や、JR岩国駅自由通路等でのポスターの掲示、そして、SNS広告を活用したイベント等のPRを行うと同時に、キャッチコピー「ちかくに いわくに」を題したシティプロモーション専用サイトやフェイスブック、インスタグラムなどを活用し、岩国の魅力やイベント情報の発信・拡散に努めております。 このほか、今月2日に開催した2回目となる国際交流イベント「ちかくにいわくにマーケット」では、市内外から約3,000人が参加し、国際交流を楽しみながら競う運動会や、岩国の郷土料理とアメリカの料理を日米の参加者でつくる親子クッキング教室など、子育て世代を中心とした方々に岩国ならではのイベントを体験していただきました。 さらに、昨年11月には、株式会社街づくり岩国において、移住定住相談窓口が設けられ、市やハローワーク等の行政機関や不動産会社などの民間会社と連携し、移住希望者等に対して本市の子育て支援に関する情報提供を行うなど、移住を支援する体制の整備に努められています。 さらに、同社により今月2日には、本市の魅力を感じて移住意欲が高まるよう、ちかくにいわくにモニターツアーが1泊2日で実施され、市内外から22人の方々が参加されました。このツアーは、本市の子育て支援施設などをめぐり、イベントや各種体験を通して本市での具体的な生活イメージを持ち、移住検討のきっかけにしていただけるよう企画されたものであります。ツアーの参加者からは、「岩国が国際色豊かだということがツアーに参加して初めてわかった」「給食費無料、医療費無料など魅力的です」「とても暮らしやすいところだと思いました」などの感想があり、本市への移住・定住の促進について効果があったものと感じております。 今後も、こども医療費助成制度や市立小・中学校の給食費無償化、さらには、英語教育の推進など、本市独自の充実した子育て支援策を初め、本市の魅力を積極的に情報発信するとともに、相談窓口を効果的に活用することにより、子育て世代を中心に移住・定住促進を図ってまいります。 最後に、高齢者が安心して住み続けられる施策についてでございますが、本市の高齢者の状況について、本年2月1日現在の65歳以上の高齢者人口は4万6,850人、高齢化率は34.7%であり、介護の必要性が高まるとされる75歳以上の後期高齢化率は18.6%で、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、高齢化率は36.7%、後期高齢化率は22.4%と見込まれております。 これら高齢化の進行を踏まえ、平成30年3月に策定した岩国市高齢者保健福祉計画では、基本理念を「すべての高齢者が、住み慣れた地域で希望と生きがいに満ちて幸せな生活を送ることができる地域社会の実現」とし、第1の基本目標として、「高齢者が健康で生きがいを持って生活している」を掲げ、計画の推進を図っているところであります。 この基本目標を達成するために、健康づくり・自立支援・介護予防・重度化防止の推進と社会参加・生きがいづくりの促進を重点施策として、さまざまな取り組みを行っております。 具体的には、転倒骨折予防や認知症予防等の知識の習得、岩国はつらつ体操などを行う介護予防教室の開催、歩いていくことができる範囲で介護予防を継続的に実践する、通いの場の立ち上げ、老人クラブ活動支援など、高齢者が気軽に健康づくりや介護予防に取り組むための支援を行っております。 また、高齢者みずからがボランティアとして活躍できる、高齢者生きがいボランティアグループの立ち上げ、生活支援の担い手となるためのボランティア養成講座の開催、高齢者支援人材バンクへの登録支援など、高齢者の社会参加につながるような支援も行っております。 今後も高齢者のひとり暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中で、高齢者が地域で積極的に健康づくり・介護予防・社会参加・生きがいづくりに取り組むことができるよう環境を整備することにより、健康寿命の延伸にもつながるような活動の場が広がることが、ますます重要になってくるというふうに考えております。 市としましては、介護予防の取り組みとあわせて、医療や介護、住まい、生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの、深化・推進を図っているところであります。 今後におきましても、市民組織、関係機関、関係団体と連携・協働し、高齢者が住みなれた地域で安心して生き生きと暮らすことができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  第2点目のユニバーサルデザインによる公共交通の考え方についてお答えします。 (1)基幹路線を利用できない交通弱者に対する施策についてですが、本市では、市民や来訪者にとって便利で利用しやすく、将来にわたり持続可能な公共交通網を構築するため、関係者と連携し、公共交通政策のマスタープランとなる岩国市地域公共交通網形成計画を、平成30年3月に策定しております。 計画では、基本理念を「人・まちをつなぎ行き交う人々を支え続ける公共交通網の形成」とした上で、2つの基本方針であります、「市民や来訪者の安心で快適な移動を支え続ける公共交通サービスの整備」と「公共交通を守り育てる意識・体制づくり」を掲げております。 また、目標として、「高齢者と人口減少に対応できる持続可能なサービス体系の再構築」「誰もが安心して利用できる環境の整備」「公共交通を守り育てる意識の醸成」「関係者間の連携強化」の4つの項目を設定し、5年の計画期間内で、これらの目標を達成するための事業に取り組むこととしております。 議員御指摘の基幹路線を利用できない交通弱者に対する施策といたしましては、計画の目標である誰もが安心して利用できる環境を整備するため、車両や施設等のバリアフリー化の推進事業を定めております。 具体的には、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、1日の利用者数が3,000人以上の鉄道駅のバリアフリー化や、路線バスへのノンステップバス導入を推進するとともに、生活交通バスにおきましては、車両の乗降口に補助ステップや手すりを取りつけることにより、歩行が困難な方が少しでも利用しやすくするための環境を整備することとしております。 あわせて、計画の目標である高齢者と人口減少に対応できる持続可能なサービス体系を再構築するため、鉄道と主要なバス路線を基幹路線と位置づけ、乗り継ぎ拠点において生活交通バスなどの地域内支線と接続させることにより、利便性の向上と利用促進を図ることとしています。 こうした事業を推進することにより、これまで公共交通機関を利用することが困難であった方のうち、一人でも多くの方が利用できるよう、環境整備に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  それでは、再質問させていただきたいと思います。 まず、施政方針についてなんですけれども、本市の人口の増減の推移を見ると、壇上から御答弁がありましたように、シティプロモーションのターゲット(目標)としている子育て世代では確かに改善が見られます。 しかしながら、15歳から19歳までの過去4年間の推移を見ると、転入が185人から224人に対し、転出が357人から370人ということで、大幅な転出超過になっております。この層では、男性の転出超過が著しい傾向が見られます。 また、同じく20歳から24歳までの層でも同じ傾向があり、ここでは女性の転出超過が顕著となっております。25歳から29歳までの層でも同様の傾向が見られます。この年代の転出超過の現状をどのように受けとめておられるのか、また、この転出超過を防ぐためにどのような施策を展開されようとしているのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  議員御指摘のとおり、若い世代の人口流出につきましては、進学・就職、結婚・出産といったライフステージの変化により、人口流出しているものと考えておるところでございます。 特に、15歳から29歳までの、転入と転出の差し引きとなります社会増減につきましては、平成27年と平成30年を比べれば改善が見られるところではございますが、議員がおっしゃいましたように、転出者につきましては増加しておる状況でございます。 今後の施策の展開としまして、特に15歳から24歳までの年代につきましては、進学・就職に当たる時期でございまして、こういった世代の方々の人口減少の抑制ということを考えたときには、就業支援でございますとか、雇用の創出といったところが有効な施策の一つになってくるものというふうに考えておるところでございます。 また、平成31年度以降に策定を予定しております次期総合戦略におきまして、子育て支援策、シティプロモーションなどといった取り組みにつきましては、引き続き実施してまいりたいと考えておりますし、子育て世代の人口減少の抑制を図るとともに、若者世代の減少抑制のため、就業支援等の取り組みにつきましても検討を行うなど、本市の人口減少の抑制のために、総合的に取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  原因については、私の見解とほぼ同じなんですけれども、今、総合政策部長のほうからお話がありました就業支援なんですが、こういう生産年齢人口の皆様に岩国市に定着していただくということを考えると、やはり雇用の創出というのは非常に大きな課題になってくるものというふうに思います。 施政方針の中では、大規模投資を必要としないIT関連企業や、航空関連企業の誘致や防衛施設庁艦艇装備研究所の試験評価施設に関連する企業や産業の誘致を進めていくということを述べておられますけれども、やはり、新しい仕事を創出するということを考えると産官学の連携というのが非常に大きな力を発揮してくるのではないかと思います。この企業誘致の現状と産官学の連携について、本市の状況をお伺いしたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  企業誘致の現状でございますが、本市は県東部の拠点都市としての高いポテンシャルを生かしてより多くの企業が本市に進出されるよう精力的に企業誘致に取り組んでいるところでございますけれども、企業進出の件数で申しますと、岩国錦帯橋空港開港を契機に、現在まで延べ20件と順調に増加しているところでございます。今年度は既に1件、進出協定の調印を行っておりまして、今月末にも1件の進出協定の調印を予定しているところでございます。 新規雇用の計画人数では、全体で約820人となっておりますけれども、このうち実際に雇用された人数は現段階で約500人となっているところでございます。 それから、新産業創出の観点で産官学の連携が必要ということでございますが、これは議員御指摘のとおりであるというふうに考えてございまして、特に、艦艇装備研究所の試験評価施設につきましては、防衛装備庁が設置しました有識者委員会に高等教育機関からも参加されて、民生分野における活用方法について検討をされているというふうにお聞きしております。 また、IT関連につきましても、本市の活力につなげるために、近隣の高等教育機関への訪問も行っており、情報収集を行いながら連携を始めているところでございます。また、新年度の事業として本定例会でその予算を提案しています「岩国架け橋会in東京」は、岩国と首都圏のかけ橋として各界の人を知るということを目的に、産官学の各人参加型の交流の場として開催する予定となっているところでございます。 いずれにいたしましても、市内で新たな産業を生み出すためにも、さまざまな分野において技術開発など、産官学が一体となって、技術の創造や発展に向けた取り組みを推進していくことが重要であると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  今、御答弁にありましたように、今月末で22件の企業誘致が実現し、今、現実に500名の雇用が生まれているということで、この点に関しては評価したいと思うんですが、先ほども申しましたけれども、本市には4年制の大学がないということで、本当にこの産官学の連携を進めていこうと思えば、やっぱり市外・県外の大学や研究機関等へ積極的に働きかけていく必要があるのではないかと思います。 今、御答弁の中でもありましたように、艦艇装備研究所など、今、岩国市は大きなチャンスを迎えておりますので、そういう積極的な働きかけというのを、ぜひ本市としても展開していただきたいと思うんですが、その点に関してもう一度お考えをお伺いいたします。 ○議長(藤本泰也君)  誰が答えられますか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  済みません。新産業といったところで、特に、艦艇装備研究所におきましては、なかなかわかりにくいところもございまして、特に、新しくできる研究所におきまして、民生分野で施設が解放されるということでございます。そのあたりの活用方法というのは、防衛装備庁が進める有識者委員会の中に高等教育機関からもしっかり参加をされるということでございますので、そこからの御意見もしっかりと伺いながら、また行政のほうでもそういった企業等への働きかけをしっかり行ってまいりたいというふうに思っているところでございます。 ◆1番(河合伸治君)  ぜひ積極的な働きかけをお願いいたします。 次に、シティプロモーションの関連で、ちかくにいわくにモニターツアーが実施され、アンケートも実施されて、本当に岩国市が国際色豊かだということが、ツアーに参加して初めてわかったとか、給食費無料、医療費無料などが魅力的であるとか、さまざまな声が寄せられて、岩国市への移住・定住への理解が深まったということを述べておられますけれども、こういう株式会社街づくり岩国の取り組みやシティプロモーションの成果を分析して今後に活用していくということは、本当に大事なことだというふうに思います。 その意味で、岩国市へ転入してこられる方に関して、例えばですけれども、転入届を提出されるときにアンケート用紙をお渡しして、どういう理由で岩国市に移ってこられたのかとか、さまざまな設問が考えられると思うんですけれども、そういうアンケートを実施してそれを分析して、今後のシティプロモーションの展開であるとか、移住・定住に向けた取り組みに生かしていくことというのも必要ではないかと思いますけれども、そういう取り組みに関して、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(高田昭彦君)  現在、市のホームページの中の移住相談窓口、空き家バンクに、移住者の紹介、移住後の感想等を掲載しております。ただ、現在、転入者全員に、議員が言われたようなアンケートというのは実施しておりません。しかしながら、転入理由等について把握するということは、今後の移住促進の参考になりますし、また、移住後のアフターフォローとして必要であるというふうに考えておりますので、把握方法等をどういう形にするかということも含めて、また検討はしていきたいというふうに思っております。 ◆1番(河合伸治君)  ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 次に、今回のモニターツアーですけれども、これは市としてどのように評価をされているのか。また、このモニターツアーは1泊2日という短期での体験ツアーということでございましたけれども、長期滞在型であるお試し移住の現在の取り組みの状況について、あわせてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(高田昭彦君)  今回のモニターツアーにつきましては、定員を超える応募がありまして、最終的には7組22人ということでございました。その内訳といたしましては、市外の方が6組18人、子育て世代も6組と、ターゲットである近隣の子育て世代の方に御参加いただくことができました。参加者の方からのアンケートでも、先ほど述べたほかに、移住の雰囲気がつかめたというふうなものや、早速移住について検討したいというようなものもありましたので、参加者の皆様方からは御好評をいただいたというふうに考えております。 先ほども言いましたけれど、そうした将来の移住希望者の方もおられるということから、今後のサポートにつなげていきたいというふうに考えております。 また、長期滞在型であるお試し移住につきましては現在実施しておりませんけれども、似たようなものといたしましては、錦町にあります体験農園型の府谷ほたる村グリーンピアやまざとというものがございますが、今後、移住定住相談窓口におきまして、相談業務の中でニーズ等の把握を行い、1泊2日以外のツアー――長期滞在が適当かどうかということはわかりませんけれど、そうしたことについても検討していきたいというふうに考えております。 ◆1番(河合伸治君)  本当に、やっぱり地域をわかっていただくというのが移住・定住につながる一番の近道ではないかと思いますので、ぜひこの点もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、高齢者の生きがいづくりの側面からお伺いしたいと思いますが、高齢者生きがいボランティアグループの立ち上げ・ボランティアの養成講座・高齢者支援人材バンクの登録支援を挙げておられましたけれども、それぞれの推移や現状についてお伺いしたいと思います。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  高齢者の生きがいボランティアグループの実績の推移でございますけれども、平成27年度のグループ数が23、平成28年度が36、平成29年度が46となっておりまして、本年1月末現在で、53グループまで広がっております。 次に、ボランティア養成講座の実績の推移でございますが、平成26年度から始めまして、平成26年度は受講者数が338人、平成27年度が709人、平成28年度が1,122人、平成29年度が536人で、これまでの受講者数の合計が2,705人となっております。 次に、高齢者支援人材バンクの実績の推移でございますが、これらのボランティア養成講座を受けられた方が、今度は人材バンクに登録していただくという流れでございますが、新規登録者数は平成26年度が96人、平成27年度が134人、平成28年度が66人、平成29年度が66人となっておりまして、累計で現在349人となっております。 ◆1番(河合伸治君)  今、各推移を答えていただきましたけれども、制度自体の周知が徹底されることによって、その受講者、またボランティアグループの活動もふえてきているのではないかと思いますけれども、やっぱりまだ岩国市全体から見れば、それぞれの制度の周知徹底というのはいま一歩ではないかというふうに受けとめております。 こういう制度の周知徹底、また今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  現在、市報の活用や、岩国市社会福祉協議会の社協だより、また地域包括ケア推進大会での活動紹介などを通じて周知をさせていただいておりますけれども、今後もさまざまな機会を通じて周知に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 同じく、高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるという観点から、中山間地域の中核病院である市立美和病院についてお伺いしたいと思います。 まず、移転新築に向けた現状と今後のスケジュール、また、現状が当初の計画と比べて順調に推移しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員お尋ねの美和病院の移転新築に向けた現在のスケジュール並びに当初計画と比べどういう状況かという御質問でございますが、今月末に策定を予定しております基本構想について、検討会やワークショップ、あるいは関係機関の皆様方からいただいた御意見を踏まえ、現在、最終的な調整作業を行っているところでございます。 また、候補地につきましては、関係者や地権者の方に概要説明を行いまして、測量に対する同意をいただき、現在、用地測量を行っているところでございます。 今後のスケジュールといたしましては、平成31年度に用地交渉に入りまして、承諾をいただいた段階で基本設計、平成32年度に実施設計、平成33年度から34年度にかけて造成工事と建設工事に着手する予定でございまして、当初計画からいたしますと、おくれている状況ではございます。 ◆1番(河合伸治君)  次に、美和病院の建設に向けたコンセプトについてお伺いしたいと思うんですが、今、御答弁の中でも触れられました、地域住民の皆様を巻き込んだワークショップで寄せられた意見であるとかを今後の建築に向けた動きの中でどのように反映させていこうとされているのか、基本的な姿勢についてお伺いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員お尋ねの建設に向けたコンセプト、いわゆる基本的な姿勢ということでございますが、これまで検討会を4回、ワークショップを2回開催しておりまして、そのほかに関係機関等からもさまざまな御意見をいただいております。市といたしましては、そのいただいた御意見等を可能な限り反映できるように努めてまいりたいとは考えておりますけれども、全てに対応するのは難しいというふうに考えております。やはりコンセプトというか基本理念といたしまして、地域住民の方々とともに建設し愛着のある病院を目指すことで、地域の実情に応じた地域包括ケアの推進につながるものというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  ぜひ、本当に市民というか、地域住民の皆さんに喜んでいただけるような病院となるよう努力をしていただきたいと思うんですが、この美和病院の建設については、今後この用地が確定すれば、先ほどスケジュールについて御答弁がありましたけれども、基本設計、詳細設計、建築へ移っていくことになると思います。 その際の契約の一つの手法として、ECI方式という手法がございます。このECI方式というのは、EはEarly(早期に)、CはContractor(請負業者)、IはInvolvement(参画・関与)ということで、その基本設計の段階から業者を巻き込んで、民間業者の技術力や能力を最大限に生かしてその技術提案をしていただいて、最終的に建設に結びつけていくという手法で、最終的にはその技術を反映した設計をした後に、最終的にきちんと入札をして施工契約を結ぶということになりますけれども、このECI方式を導入すると、本当に建設コストの削減や工期の短縮が大幅に図れるというふうに言われておりまして、山口県内では光市が光総合病院の建設で導入をされておりますし、今、建設が進んでいるものとしては、東京2020大会のメーン会場であります新国立競技場がECI方式で建設をされております。 大きさの違いはありますけれども、この美和病院の建設に当たっても、建設コストの削減や工期の短縮を考える観点から、本当にこの方式もぜひ一度検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  御案内のECI方式でございますけれども、議員御紹介いただきましたEarly Contractor Involvementということで、実施設計の段階から施工者が参画し、施工の実施を前提として、設計に対する技術協力を行うもので、コスト縮減や工期短縮に効果があるということでございます。 先ほど議員からも御紹介いただいた光市の光総合病院がこの方式を採用して、現在建設しておるということは承知いたしておりまして、昨年の12月に視察に赴き、いろんな御意見を伺ったところでございます。 今後、発注方法についてはさまざまな観点に立って、検討を始めてまいりたいというふうに考えております。 ◆1番(河合伸治君)  ぜひいい方向に進んでいくように検討していただけたらと思います。 それでは、ユニバーサルデザインによる公共交通の考え方の再質問に移らせていただきます。 まず、路線バスへのノンステップバスの導入推進や、生活交通バスへの補助ステップや手すりの取りつけなど、本当にこのバリアフリー化に向けて努力されている点は評価したいと思いますけれども、先ほど、バリアフリー法に基づくバリアフリー化の取り組み等も答弁の中で述べておられましたけれども、これは前回の質問で確認をしたと思うんですが、今ありますJR南岩国駅以外には、このバリアフリー法に基づいてバリアフリー化される施設はないというふうに認識をしておりますけれども、この点はいかがでしょうか。 ◎総合政策部長(村上昇君)  バリアフリー法に定められております1日の利用者数3,000人以上ということでの駅でございますが、JR南岩国駅以外にはございません。 ◆1番(河合伸治君)  そういうことですので、基幹路線である鉄路に関しては、基本的にはバリアフリー化ができないという前提で、さまざまな物事というものを考えていかないといけないのではないかと思います。 それと、もう一点確認をしておきたいのですけれども、4年前に、玖西地域から岩国医療センター行きの直通バスの話が出たときに、地域住民の皆様を対象にアンケートを実施されておりますけれども、このアンケート結果の取り扱いや位置づけは、どういうふうになっておりますでしょうか。 ◎総合政策部長(村上昇君)  4年前のアンケート結果ということでございますが、こちらはJR岩徳線に係るアンケート調査ということで、そういったあたりの結果は、昨年3月に策定しました岩国市地域公共交通網形成計画に反映させていただいておるところでございます。 結果としましては、仮にでございますが、JR岩徳線が減便された場合につきましてはどうかということで、困るというふうに回答された方が7割を超えております。 また、自由意見としましても、JR岩徳線のサービスの低下は困るというのが112件、岩国医療センターへの直通便があればよいというのが110件ということで、100人程度の方がアンケートにそういうふうに回答されている状況でございまして、こういったものを踏まえる中で、JR岩徳線を含みます鉄道軸が基幹路線という位置づけには変わりはございませんが、生活交通バス等の地域内支線との接続を図りながら、利便性の向上を図りながら、公共交通機関の運行の効率化を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆1番(河合伸治君)  今、アンケート結果について述べていただきましたけれども、この、玖西地域から岩国医療センター行きのバスを検討されたときには、若干こちらの思いとすれ違いがあったみたいで、対象者の絞り込みが明確になっていなかった点と、玖西地域からのみのバスとして取り上げたということで、全市的な課題として位置づけられなかったということで、この直通バスが実現できなかったというふうに受けとめております。 そこで、例えば、岩国医療センターや医師会病院、また、県は越えますけれども広島西医療センターなどの救急指定病院への通院患者やその家族で、基幹路線である鉄路の利用ができない方々に利用者を限定すれば、行政としての支援策というのも具体的に考えられるのではないかと思います。もし、具体的な施策として考えられるものがあれば、お示しいただきたいと思います。 ◎総合政策部長(村上昇君)  今、議員御指摘の、公共交通機関を利用できない方というところで、特にバス、タクシー等も利用が難しい方というあたりになるわけでございますが、生活交通の確保の観点で申し上げますと、現時点では市町村とかNPO法人といったところが実施主体になります、自家用の自動車を用いた有償運送といった制度がございます。自家用有償旅客運送の登録手続が必要になるわけではございますが、こういった制度につきましても、特に先ほどおっしゃられたような公共交通が利用しにくい身体障害者とか要介護の方につきましては、この制度を活用することになりますと、一旦利用者としての会員登録を行っていただくことになりますが、市町村みずからが実施するという市町村福祉輸送という制度、それと、NPO法人のほうにつきましても、身体障害者の方や要介護の方に登録をしていただきまして、乗車定員が11人未満の自動車でということになりますが、福祉有償運送という制度がございます。 両制度とも、原則として運賃は実費の範囲となっておりまして、営利は認められない個別輸送という制度がございます。 ◆1番(河合伸治君)  今、挙げていただきました福祉有償運送で考えると、もしこれを実現しようとすれば、岩国市の制度として以前ございました通院バスを復活させるという方策であれば実現できるのではないかというふうに受けとめております。これを実現するためには、まだ越えていかないといけないさまざまな課題が多数あるということは認識しておりますけれども、今、申しました通院バスを復活させるというのも選択肢の一つではないかと思います。もしこういう話が出てきたときに、積極的に検討を進めていただけるのかどうか、担当としての考えをお伺いしたいと思います。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員お尋ねの、以前実施しておりました通院バスということに特化して、私のほうでちょっと考えといいますか、やはり私の立場からいいますと、地域の実情に応じた通院手段の確保ということで大変重要であると認識いたしております。 ただ、先ほどございました岩国医療センターあるいは医師会病院、県境を越えての広島西医療センターといった行き先のみなのか、あるいは他の医療機関、クリニックといったところも対象になるのか。それから、通院弱者ということで、どういった状態の方が対象となるのか。それから、診療科であるとかルートの問題、また、全市的に対象とするのか。そういったさまざまなことがございます。 私といたしますと、さまざまな観点に立って解決すべき課題・ハードルを1つずつ整理していかなければならない。まずはそこからだと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(河合伸治君)  今、言われたように、確かにハードルが高いし、越えていかないといけない数々の課題があるというのは、自分自身も認識しております。きょう言ってあしたすぐ実現できるものでもないということも認識しておりますけれども、ぜひ前向きに、さまざまな課題を克服できるように御検討いただきたいと思います。 最後に、副市長にお伺いしたいと思います。 福祉有償方式でのバスの検討ということになると、やっぱり最終的な議論、また結論を得る場というのは、副市長が会長を務められている岩国市地域公共交通活性化再生法協議会の場になってくるのではないかというふうに思います。利用者限定の福祉施策として、ぜひ行政主導で取り組んでいただきたいと思いますが、この協議会の会長である副市長のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎副市長(杉岡匡君)  今、御紹介をいただきましたけれども、岩国市地域公共交通活性化再生法協議会というのがございます。私がその会長をしているわけでございますけれども、この協議会は、目的として「地域公共交通網再生計画の作成及び実施に係る協議を行うため、また、地域における需要に応じた住民の生活に必要なバス等の地域公共交通の確保その他旅客の利便の増進を図り、地域の実情に即した輸送サービスの実現に必要となる事項を協議すること」というふうにうたっております。 もちろん先ほどのさまざまな課題があるわけではございますけれども、まずはそういった課題を整理しながら、どういった解決策があるのか、また、その手法も当然検討しなければなりません。そのあたりが整理されてくると、最終的には一つの成案としてこの協議会のほうへ諮って、関係するさまざまな方の御意見を伺うという手順になりますが、先ほど担当部長が申し上げましたように、やはりまだ、多くの課題がある中でございますので、それを一つ一つ整理をしていくと。その先に、結果として一つの成案が得られるということになりますから、まずはそこから検討を始めさせていただきたいと。その後で、私が協議会の会長でありますので、その会議の中で、皆さんの御意見をまとめていきたいというふうに考えてございます。 ◆1番(河合伸治君)  しっかりと皆さんの御意見をまとめていきたいということでございましたので、期待をしております。やっぱり課題解決にも1年、2年かかると思いますので、この間、しっかりと私も取り組んでいきたいというふうに思います。 以上で、質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、1番 河合伸治君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時58分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(貴船斉君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 13番 小川安士君。 ◆13番(小川安士君)  13番 日本共産党市議団の小川安士です。通告に従いまして、代表質問をさせていただきます。 質問に先立ちまして、今年度で退職をされる皆様に一言、感謝とお礼を申し上げます。また、長年にわたりましてお疲れさまでした。どうぞこれからも御健康で過ごされますようにお祈り申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、1項目め、基地被害の軽減についてです。 (1)飛行コースや高度に対する規制についてお尋ねします。空母艦載機の移駐によって、米軍機の爆音が予想以上にひどいため、市民には不安と怒り、いら立ちが広がりました。爆音に関連する被害の軽減が求められています。米軍機の飛行の規制に関してどのように定められているのか、現状をただします。 2点目に、苦情の多かった飛行についてただします。1月30日には58件、31日には46件、2月7日には85件の苦情が出たと思いますが、こうした飛行の実態はどこまで具体的に把握されているのでしょうか。問題となった飛行の時刻、飛行コース、高度、機種などについて、どこまで具体的に記録されているのかお尋ねいたします。 次に、(3)航空機事故発生後の飛行中止を申し入れることについてお尋ねします。平成30年12月定例会の諸般の報告では、市長は11月12日のFA-18の墜落事故に続いて、12月6日にFA-18とKC-130の墜落事故が発生した際、基地司令官から電話を受けたので、市民の間には航空機事故について不安と懸念が大きくなっている、事故の原因が明らかになるまで航空機の運用を見合わせるなどの飛行の自粛を求めたとおっしゃいました。しかし、このように事故が続く上、再発防止に努めているという回答を米軍は繰り返すだけで、効果的な対策をとっていない経過があり、市長は明確に、飛行中止をして原因究明をするようにと米軍に求めることが、市民の安心と安全を確保する上で必要だと思います。市長は自粛を求められましたが、どのような場合なら明確に、航空機の運用を停止して事故原因の究明などを求めようと思っておられるのか、見解を求めます。 次に、(4)沖縄県民投票の結果について、どう受けとめておられるのかただします。市長は、普天間基地の移設の見通しが立ったという判断で空母艦載機移駐を容認されましたが、辺野古の基地建設のための埋め立てについて問う県民投票では、反対が、知事選挙の玉城知事の得票数を上回り、得票率は宜野湾市でも66%を超え、全体では7割を超えました。政府は工事を継続しようとしていますが、辺野古の基地建設は、明確な住民の拒否と軟弱地盤という地理的障害で、工事を続けても完成の見通しは立ちません。こうした中で、市長は現状をどのように判断しておられるのか、見解をただします。 次に、第2項目め、地域経済の振興についてただします。地域経済の振興は、住民の所得を向上させて市の税収を豊かにし、その健全な財政力を生かして住民の福利の向上やまちづくりを着実に進めるべきだと求めてきましたが、残念ながら新年度予算でも基地補助金への依存が続いています。自主財源の比率は上昇し、ほぼ3年前の水準ですが、内容を見ると、市税収入は合併当時の90%で、財源の依存体質は改善されていません。ただ、目的別歳出を類似団体と比較すると、最近は農林水産業費や商工費の予算は一定の水準を確保しております。今後の成果を期待しながら見守りたいと思います。 そうした視点から、中小企業の振興方策についてただします。 まず、(1)企業誘致による経済効果についてですが、これまで経済振興では企業誘致を強調されてきましたが、どのような経済効果があるのでしょうか。既存の事業体への波及効果を中心に、成果をお示しください。 次に、(2)既存事業所に対する支援についてただします。やはり、地域振興の土台は既存の事業所への支援なので、まず、既存事業所への支援の概要をお尋ねします。また、岩国の中小企業の状況を見ると、従業員数が最も多い産業は卸・小売業の約1万300人で17.2%、次が医療・福祉の1万200人で17%、そして3番目が製造業の9,000人で15%となっています。このうち小売業では、店舗リニューアルの支援が中心部商店街に限定されているので市内全域に拡充するべきだと指摘してきました。中小企業等振興審議会でも2度にわたり、対象区域の拡大を求める声が出されていますが、新年度予算でも積極的な対応になっていません。なぜ拡充しないのかお尋ねいたします。 また、製造業は実績を伸ばしており、就業者数もふえて第二次産業の中では比重が高くなっています。最近の製造業の事業伸長に関して、状況の説明を求めます。 次に、(3)中小企業等の経営実態や要望に係る調査についてお尋ねします。地元企業訪問事業では、平成28年度100件、平成29年度120件の実績がありますが、事業の予算や決算の額はゼロになっています。これらの調査はどのように行われたのでしょうか。あわせて、企業訪問で得た要望事項などで具体的に実現できたことや、施策として実現した事例にはどのようなものがあるのでしょうか、説明を求めます。 また、新年度の事業は積極的に進めてほしいと思うのですが、どのように進められるのかお尋ねいたします。 次に、(4)正規雇用労働者の拡大についてお尋ねいたします。正規雇用・終身雇用のシステムは働く人の生活安定にとどまらず、技術や経営の継承のためにも重要です。正規と非正規の就業者の状況と、岩国市が行っている正規就業者の比率向上対策についてお尋ねいたします。 以上、壇上からの質問といたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、小川議員御質問の第2点目の地域経済の振興についてお答えいたします。 まず、(1)の企業誘致による経済効果についてでありますが、本市は、気候が温暖で地震のリスクが少ない地域であることから、企業立地の地理的優位性を有しており、さらに、岩国錦帯橋空港を初めとする充実した交通インフラ、また乳幼児から中学生までの医療費や市立小・中学校給食費の無償化等の充実した子育て環境など、本市のセールスポイントを生かし、より多くの企業が本市に進出されるよう、私みずからも精力的にトップセールスを行い、企業誘致に取り組んでいるところであります。 また、本年度から岩国市企業誘致等促進条例を見直し、奨励金額の増額や上限の撤廃等を行うとともに、情報インフラの整備が進んでいる中で、大規模投資を必要としないIT関連企業などにも支援制度を新規導入するなど、積極的な取り組みを行っております。 経済効果について、これまでの企業誘致の実績で申し上げますと、企業進出等の件数が岩国錦帯橋空港の開港を契機に、現在まで延べ20件と順調に増加しており、これらの企業誘致に伴う効果として、設備投資予定額が全体で約250億円、新規雇用計画人数が全体で約820人となっており、このうち実際に雇用された人数は、現段階で約500人となっております。 また、企業誘致による既存企業への波及効果として、誘致した企業の市内下請業者において業務量が向上したことにより、設備投資を計画されているという事例もございます。 このように、企業誘致により地域経済の活性化、雇用機会の拡大、税収の増加など、さまざまな波及効果が今後も期待されているところであります。 次に、(2)の既存事業所に対する支援についてでございますが、本市では、資金繰りに対する支援や創業に対する支援、販路拡大に対する支援、経営等に対する相談業務、人材育成事業、商品開発支援などの中小企業等の振興施策を行っております。 しかしながら、全国的に中小企業経営者の高齢化が進む中、雇用の重要な受け皿である中小企業の数は年々減少しており、本市においても、事業承継の準備を十分に行っていないケースが散見されることから、本市の中小企業にとって事業承継が喫緊の経営課題の一つとなっております。 このような状況を踏まえ、平成30年度税制改正では、事業承継税制について、これまでの措置に加え10年間の措置として、事業承継の際の贈与税と相続税について、納税猶予の対象となる非上場株式数の上限の撤廃や納税猶予割合の引き上げなどの特例措置が創設されました。 本市においては、市内の中小企業が持つすぐれた技術や経営資源を将来にわたって継続させ、雇用の場の確保などを図っていくためにも、事業承継に積極的に取り組む中小企業を総合的に支援する相談窓口が必要であると考え、昨年の12月から月に1回、山口県事業引継ぎ支援センターの専門相談員による岩国地区事業引継ぎ相談会を実施しております。 また、議員御指摘のとおり岩国市中小企業審議会から、現在、中心市街地の事業で実施しているまちなか商店リニューアル助成事業を市内全域で実施してほしいとの意見をいただいておりますので、今後、目的と効果が最大限発揮できるような事業を検討してまいりたいというふうに考えております。 一方、市内の中小企業者等においても意欲を持って活躍されている企業がふえてきており、本市と進出協定を締結した企業の中でも、さまざまな賞を受賞された事例がございます。 その一例を御紹介しますと、周東町の株式会社シーパーツでは、初のロボット生産システム化など自動車リサイクル産業に革新を起こし、さらに、IoTによる工場のデジタル化を進めるなど、これらの開発事業が評価され、平成28年に経済産業省主催の攻めのIT経営中小企業百選に選定され、平成29年には、第9回山口県産業技術振興奨励賞、山口県産業技術センター理事長賞を受賞されております。 また、玖珂瀬田工業団地内にある株式会社カワトT.P.C.は、画期的なプレハブ式配管システムの開発と、チームを一つの会社に見立てた「チーム制」により、地域の雇用創出に貢献されており、業界において日本のトップシェアに位置づけられるような企業に成長されております。特に、この企業は、従業員の約7割を女性が占め、多くの女性が活躍しており、女性従業員の定着のため、子育て支援制度の充実や、働きやすい職場環境を整備されています。 こうした取り組みが評価され、平成27年度には経済産業大臣表彰である新・ダイバーシティ経営企業100選に選ばれ、最近では、働き方改革取り組みの先進事例としても取り上げられております。 市としましては、このような企業がふえていくことが本市の経済活性化に必要不可欠であると認識しており、今後も企業誘致や既存の企業への支援などの施策を講じてまいりたいというふうに考えております。 次に、(3)の中小企業者等の経営実態や要望に係る調査についてでありますが、現在、国において事業所や企業の経済活動状況や構造を明らかにする経済センサスを初め、工業統計調査や商業統計調査など、国内の経済や企業等の状況を把握するため、多くの調査が実施されております。 本市においては、市内事業者の現況把握や業況の動向等の実態調査などを行うため、専任の職員を配置して年間約120社を目途に事業所訪問を行っております。 その中で、国を初め関係機関が実施している経済調査等には反映されない詳細な情報や事業者固有の要望・課題、また、それらに対応した情報提供などを行っているところであります。 議員御指摘の企業訪問等の要望事項に対して、市の施策として実現した例があるかどうかということにつきましては、平成29年度から実施している中小企業販路拡大支援事業補助金や、本年度実施した人材確保セミナー、さらに、来年度の事業として予算計上しております若手人材確保支援事業費補助金が挙げられます。 それぞれの事業の内容や実績などについて申し上げますと、中小企業販路拡大支援事業補助金につきましては、市内中小企業の国内や海外における販路開拓を目的とする展示会等に出展する経費を支援するものでありまして、平成29年度は4件の実績があり、本年度も同じく4件の申請がされております。 本年度に実施しました人材確保セミナーにつきましては、企業訪問のアンケート結果から「人材が不足している」と回答した事業者が約40%となっている状況であったため、市内事業者を対象として、キャリアカウンセラーによる採用計画の策定から自社分析までの指南を中心に、事業を実施いたしました。 また、来年度から実施する予定の若手人材確保支援事業費補助金は、人材不足を背景として、特に若年層の人材の確保が困難となっているため、その対策として、市内事業者が参加する、市外で開催される合同企業説明の経費の支援などを内容としております。 市としましては、市内中小企業者等の経営実態や要望を把握した上で、それらを踏まえた地域経済活性化のための施策を検討していく必要があると考えております。 最後に、正規雇用労働者の拡大についてでありますが、本市の正規雇用労働者の現状については、現在は、国が実施する調査結果によって状況を把握しており、平成27年国勢調査の就業状態等基本集計によると、市内の雇用者数は4万8,950人、うち、正規の職員・従業員数は3万2,769人、非正規労働者数は1万6,181人で、非正規労働者が全体に占める割合は33.1%となっております。 また、非正規労働者の性別内訳は、男性4,214人、女性1万1,967人となっており、女性の割合が74%と4分の3を占めていることがわかります。 正規雇用労働者の拡大に関する施策としましては、毎年5月の求人確保促進月間の取り組みとして、岩国公共職業安定所長と私みずからが市内の企業を訪問し、新規学校卒業者の地元採用について協力要請を行っているところであります。 市としましても、正規雇用労働者を拡大することは、地域経済を活性化し、人口流出に歯どめをかける上で重要な課題であると捉えており、継続して施策を実施していくことが必要であると考えていますので、よろしくお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  第1点目の基地被害の軽減についてお答えします。まず、(1)飛行コースや高度に対する規制についてですが、岩国日米協議会の確認事項では、「安全上許す限り市街地上空を飛行しない」「市街地上空の飛行高度は4,000フィート(1,219メートル)」の項目があり、市においては、米軍に遵守するよう求めています。また、日本の航空法では、簡潔に申し上げれば、最低安全高度に関して、都市などの人口密集地では高度300メートル、その他の地域では高度150メートルと定められています。 米軍機の飛行については、航空特例法により航空法の適用が除外されておりますが、日米地位協定により我が国の法令の尊重義務があることから、米軍においては日本の最低高度基準は守るとされています。 市といたしましては、引き続き航空機の運用について注視をしていくとともに、問題のある飛行が認められた場合には適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、(2)苦情の多かった飛行についてですが、ことしに入ってから米軍に対して、1月29日、30日、そして2月6日の計3日間の航空機騒音について申し入れを行っております。 この3日間の騒音の状況につきましては、騒音測定回数におきまして、市が設置する川口局では、平成30年の1日平均の21回と比較して2倍から3倍、市場局では、同じく1日平均の24回と比較して2倍から4倍となっております。 また、市に寄せられた航空機騒音に係る苦情件数につきましては、1月29日は54件、翌30日は46件、2月6日は85件となっており、この中で多いのは騒音苦情となっております。 また、当該日に飛行した航空機は、情報提供協力員によりますと、空母艦載機のFA-18E型、F型スーパーホーネット、EA-6Gグラウラー、E-2D、また、海兵隊のFA-18Dホーネット、F-35B、KC-130J等であるという報告を受けております。 苦情の多かった原因は、年間平均の2倍から4倍あったという飛行回数の多さと夜間の飛行の多さであると考えております。 次に、(3)航空機事故発生後に飛行中止を申し入れることについてですが、まず、基本的な考え方として、航空機の安全性は、地上の安全や乗組員の安全などを図る観点から、航空機を運用する者の責任において当然に確保されるべきものであり、航空機の飛行停止については、国や米軍が安全管理の徹底を図る中で、自主的に判断されるものと考えております。 昨年12月6日に発生したFA-18とKC-130の墜落事故は、11月12日のFA-18スーパーホーネットの墜落事故に続くもので、市民の不安と懸念が大きくなっていることから、市長が直接基地司令官に対し、航空機の運用を見合わせることを求めました。 議員御質問の飛行停止を求めるのはどういう場合かについてですが、市民の安心・安全を守る立場にある市といたしましては、事故発生の際、安全管理の徹底や再発防止など、実効性のある安全対策の実施が重要であり、事故の状況に応じて、ケース・バイ・ケースで判断するものと考えております。 次に、(4)沖縄県民投票の結果についてですが、去る2月24日、辺野古沖の移設工事に関して実施された県民投票については、投票率が52.48%、有効投票数のうち、賛成19.1%、反対72.15%、どちらでもない8.75%であったことは承知しております。 この結果を受け、安倍総理大臣は、「今回の県民投票の結果を真摯に受けとめ、これからも、基地負担軽減に全力で取り組んでいく。これからも、御理解いただけるよう全力で県民の皆様との対話を続けていきたい」と述べ、日本政府としては、引き続き理解を求めるとともに、これまでの推進方針を堅持する考えを示されました。 また、3月1日に行われた安倍首相と玉城知事の会談においても、玉城知事の工事中止の要請に対し、「普天間は、この世界で最も危険な基地といわれていますが、危険な状況を置き去りにするわけにはいかない。もはや先送りすることはできない」と、辺野古移設を進める政府の考えを改めて述べられました。 市といたしましては、この普天間基地移設について、今後も国の動向を注視してまいりますが、これまでの方針と変わりがないことや、現在、工事が粛々と進んでいる状況から、普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められないという基本スタンスについては、平成29年5月の「クリアされている」とした整理が変わるものではないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(小川安士君)  それでは、自席から再質問させていただきます。 まず、基地被害に関連して、飛行コースのことについてですが、米軍機の飛行につきましては、岩国市・国・県の関係機関と現地米軍は共同して相互間の問題解決を図るために、岩国日米協議会を設置しております。そして、そこでの確認事項には、「安全上許す限り工場及び市街地の上空を飛行しない」「北側へ向かっての2機以上の編隊離陸は行わない」「市街地上空の飛行高度は4,000フィートに変更」などと書かれております。 この「安全上許す限り工場及び市街地の上空を飛行しない」との定めになっておるわけですが、どういう状況なら市街地上空が飛行できるのか御説明をお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  今、確認事項のうち、「安全上許す限り工場及び市街地の上空を飛行しない」という項目について、どのような飛行なら許すのかという質問でございますが、我々が具体的に米軍の飛行に関して承知をしているわけではございませんが、一般的に、例えば天候等の事情などといったものはあると思います。一般的に安全上やむを得ない場合には、市街地の上空、工場の上空の飛行までを禁止するというものではありません。そういった場合、天候等の事情というふうに我々としては認識してございます。 ◎審議監(村田光洋君)  ちょっと補足させていただきます。 過去、滑走路移設前の状況でございますけれど、北側に飛ぶときには工場――コンビナートがありますので、それを避けるために海側に急旋回していました。しかし、今、担当部長が申し上げましたように、風向きとか天候によって機体があおられて急旋回できない場合や航空機の落下の危険性がある場合、こういう場合に限って真っすぐに飛ぶといったケースもありましたので、当時こういう一文が加えられたということでございます。 ◆13番(小川安士君)  では、再確認しますけれど、天候上の場合以外には市街地上空は飛ばないということで確認されているわけなんですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  「安全上」と申し上げる限り、いろんな飛行での安全面というのは米軍として考えなければならない部分もあろうと思います。例えば、機体の何らかのトラブルといったものを少しでも――異常というわけではないけれど、例えば計器のランプが点灯して一刻も早く基地に着陸しないといけないといった状況というのは想像されると思います。そういった場合に少しでも早い経路をとるということであれば、市街地上空を飛んだりすることはやむを得ないと思います。いろんなケースがあると思いますから、一概にこういう場合にいいとか悪いとかということを申し上げることはできませんけれども、「安全上許す限り」というのはそういうふうな趣旨だというふうに、我々としては認識してございます。 ◆13番(小川安士君)  それと、この規定で市街地上空とは、水平方向の規定がないわけなんですが、水平距離の規制についてはどの程度まで含むというふうに岩国市としては考えておられますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  岩国日米協議会の確認事項では、高度については4,000フィートというのがありますが、いわゆる水平方向の――航空法には一番高い障害物から600メートルとかといった規定はございますけれども、そういった水平方向の文言・規定は、この確認事項には設けてございません。 ただ、一般的に市街地の定義としておっしゃるのであれば、市街地というのは人口密集地であるとか、一定の度合いで住宅等が密集している地域といったものを指しているというふうに我々としては認識してございます。 ◆13番(小川安士君)  今も御説明がありましたが、日本の航空法には、人または家屋の密集している地域の上空では水平600メートルの範囲内で最も高い障害物の上端から300メートル以下では飛んではならないという定めがあると思います。この規定からすると、海岸から600メートル以内の海上であっても構造物の最高点から300メートル以下は飛んではならないと解釈するんですけれど、それでよろしいでしょうか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  解釈としては、今、議員がおっしゃったとおりになろうかと思います。ただ、市としては航空法の遵守ということでなく確認事項の遵守を求めているということですから、市街地上空飛行においては約1,200メートルの高度を遵守するように基地に対して求めているということでございます。 ◆13番(小川安士君)  岩国日米協議会の確認事項には水平距離の規定がないということで、そうしますと、例えば、人口密集地の一番端っこにある家屋から1メートル離れてさえいれば、1,200メートル以下のところを飛んでもこの規定には違反をしていないという解釈でよろしいんですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  違反するかどうかということを二者択一で言えば、違反していないというふうに申し上げることにはなりますが、航空法には水平距離が600メートル、そこから300メートル上空という規定がございますけれども、ただ、地上にはもちろん線を引けるわけですが、空には線を引けるわけではございませんから、厳密にどのレベルなら違反であるとか違反でないとかという論議ではなくて、我々としては市街地上空1,200メートルという高さを一つの基準にしながら、市民のほうから上空を飛行した、あるいはそれに伴って騒音があったとかといった声をもとに、確認事項を遵守するように米軍に求めていきたいというふうに考えております。 ◆13番(小川安士君)  一応、飛行については今のような文言でいろいろな規制があって、日本の航空法は米軍は守るというふうに先ほどの答弁では言われましたけれども、守るような姿勢は感じないので、ここは全く認識が違うんじゃないかと思うんですけれども……。一つはそういったこの規定についての認識の違いもあるんですけれども、もう一つは、爆音の解消について市のほうから基地に申し入れをするようにということで住民団体――私も参加する中で担当課に申し入れをしているということが何度かあるわけなんですけれども、爆音の解消を求めるように基地に働きかけてほしいと。こういった住民の要望が出たときに応接していただく担当課のほうでは、これらの規定を根拠にして爆音の解消を求めようといった態度が感じられないんです。この規定には実際に規制能力があると見ているのか。この規定に基づいて実際に米軍機の飛行を規制しようとする意思があるのか、ないのか。その点を確認させてください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  繰り返しになりますけれども、この岩国日米協議会の確認事項につきましては、ローカルルールではありますけれども、我々はこれが重要であると考えておりまして、米軍に対しては遵守するように求めています。これに対して、米軍からは、これを尊重するという回答等はいただいておりますから、米軍もこれを守らないと言っているわけでは決してございませんで、尊重するという姿勢の中でこの確認事項については基本的には守ろうとしているというふうに、我々としては受けとめております。 ◆13番(小川安士君)  どうも曖昧な御答弁でよくわからないんですが、そういった状況は置いておいて、それでは苦情の多かった飛行に関してお尋ねしたいと思います。 空母艦載機の移駐について住民説明会が行われました。その資料で示された岩国市の基本スタンスの一つとして、基地周辺住民の生活環境が悪化する状態が生じるかどうかについて分析・検証を行った結果、全体として悪化する状態は生じないと整理をしたということでした。私は、現状は既に、明らかに悪化した状態そのものであるというふうに思うのですけれども、あの説明会では、全体として悪化した状態にはならないと言われましたけれども、市長としては、現在も悪化した状態ではないというふうに認識をしておられるのかどうかお尋ねいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  空母艦載機の移駐を判断する際に――これは平成29年6月でございましたけれども、市の基本スタンスの一つに、今、議員がお尋ねの「騒音や安全性等、基地周辺住民の生活環境が現状より、悪化することは容認できない」という基本姿勢、言葉を変えれば基地機能強化は認められないという基本姿勢でございます。これについては、平成29年6月の空母艦載機移駐の際にクリアされているというふうに判断をしたところでございます。 これにつきましては、市のほうで当時、分析・検証を行いましたけれども、「騒音が拡大する地域はあるものの、国や米側の対応も確認できたことから、全体として悪化する状態は生じない」というふうに市としての整理をしたところでございます。 ここで、どこの時点と比べて悪化するかどうかということですけれども、空母艦載機の移駐前ということではなくて、これも我々は、これまでも繰り返し申し上げておりましたが、滑走路の沖合移設の前の状況と比べたところでございます。 ◆13番(小川安士君)  今の御説明は以前から聞いているんですけれども、なぜ滑走路を沖合に移設したのかといえば、うるさかったからなんです。そのうるさかった事態と同じになっていない、こんなのはどうも納得できません。 それでは、具体的なことについてですけれども、この間の苦情の多かった飛行については先ほど紹介があり、大きな要因は飛行時間帯、飛行回数が原因だったのではないかという判断を示されましたが、こういった飛行時間帯、飛行回数については岩国日米協議会の確認事項に違反しているのかいないのか、確認をさせてください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  先ほど1月29日、30日、それから2月6日の騒音苦情が多かった日につきまして、飛行状況を簡単に申し上げたところでございます。このそれぞれの飛行が岩国日米協議会の確認事項に違反しているか違反していないか、一つ一つの飛行状況を我々は見ているわけではございませんから、そこは申し上げられない部分がございますけれども、基本的には我々としては確認事項に違反しているか違反していないかということではなくて、住民からの騒音苦情が多くあったわけですから、そういった点では住民生活に影響はあったというふうには考えてございます。そういうことを少しでも軽減するためにという観点から――確認事項に違反しているからという考えではなくて、住民生活への騒音による影響があったということから、この軽減を求めるという趣旨で申し入れを行ったところでございます。 ◆13番(小川安士君)  岩国日米協議会の確認事項は尊重すると言われましたけれど、尊重して棚の上に上げてお飾りにしておいて実際に使わないというのでは、本当に尊重しているということにはならないのではないかと思います。 あわせて、観察をされている中でそういった異常に苦情が集中した飛行につきましては、このとき飛行した機種については特定の名前を挙げられましたけれども、そういった航空機の飛行のルート、エリア、これらについては特定のパターンで繰り返して飛行があったのではないかと思うんですけれども、この点は確認しておられますでしょうか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  この3日間の飛行について個々の機体の動向といいますか、その1機1機がいつどこをどのような飛行をしたかといったことまでは市としては把握し切れてはございません。滑走路の周辺において基地情報提供協力員が、滑走路を中心に目視してはおりまして、先ほどもそういった情報をもとに申し上げたところでございますが、米軍機が市内の各地を飛ぶ――市街地上空ももちろん飛んでいると思いますが、それがどこを飛んだ、どのような高度だったか、何が飛んだか、そこまでは市のほうとしては把握し切れてはございません。 ◆13番(小川安士君)  それでは、市街地上空を飛んだか飛んでいないか、全く観測をされていないということですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  1機1機の飛行の詳細な把握までは行ってはいないということで、市のほうで5カ所設置しております騒音測定器による騒音状況、あるいは国・県も騒音測定をしておりまして、そういった騒音データについては把握はもちろんできるわけですが、繰り返しになりますけれども、市内も広いわけですから、物理的にどこをどのように飛んだというような1機1機の詳細な動向までは把握できていないということを申し上げているわけでございます。御理解いただくようお願いいたします。 ◆13番(小川安士君)  市街地を飛んではいけないというのがあって、悪天候なら仕方がないという取り決めがあるわけですよね。悪天候ではなかったと思うんですけれども、そのときの天候についても確認しておられませんか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  済みません、この3日間の天候の記録がちょっと今、手元にございませんが、もちろんそのときの天候については事務室に戻れば確認することはできると思います。申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。 ◆13番(小川安士君)  せっかく規定があるのであれば、まずはしっかりと守るように働きかけるべきだと思いますし、違反しているのか違反していないのかが定かでないのであれば、きちんとした調査をして、その事実に基づいて基地のほうに申し入れをするべきだと思うんです。けれども先ほどからの御答弁では、事実を確認しようとしておられる気持ちが見えない。姿勢が感じられないんですよ。それでは基地に何を言ってもそんなに説得力のある申し入れにはならないと思うんですけれども、なぜ調査をしようとしないんですか。 ◎審議監(村田光洋君)  今、岩国日米協議会に基づいた議論をされておりますが、我々職員も、基地情報提供協力員もそうですが、第一義的には日本の航空法あるいは岩国日米協議会で取り決めのあったいろんな事項について、違反行為があったかないかということを目視することです。 もう一つは、たとえ違反がなくても、例えば今、岩国日米協議会では滑走路の運用時間というのが6時半から23時までになっており、滑走路運用時間ですから、この時間の中で運用するのは確認事項違反ではありません。 その運用の中で、例えば、市街地を飛ばなくても大変な騒音があって住民から苦情が来れば、岩国日米協議会の確認事項に違反していなくても、我々は米側に対して騒音の軽減について申し入れを行います。 つまり、一言で申し上げますと、市の立場は、いかなる名称や形態、どのような訓練、どのような運用であれ、住民生活に影響があることにつきましては、航空法や岩国日米協議会の確認事項に基づかなくても米側にしっかりと苦情を言っていく、しっかりと対応を求めていくというスタンスでありますので、そういう姿勢を今後も堅持していきたいというふうに考えております。 ◆13番(小川安士君)  答弁としては聞いていますよ。けれど、言われていることを全く実行しておられないとしか思えないんですよ。そんな答弁をお聞きしても、そうですかと納得はできないんです。せっかくの取り決めがあるわけですから、その取り決めに従ってきっちり規制をするべきだし、守らせるべきですよね。確認をしたら規定が守られていた、米軍機の飛行は規定をしっかり守っていたといったことが確認できたのであれば、市民の皆さんが感じておられる不安とか、爆音の心理的な被害に対し、この規定が全く役に立っていないという議論にもなるんですよ。だったら、市民の安全・安心を守るために、この規定そのものを変えていかなければいけない。そういった議論をしたかったんですけれども、これでは全然できないじゃないですか。 ◎審議監(村田光洋君)  どの観点で言われているのかわかりませんけれど、要請に行く際には、飛行の実態というのは確認しています。例えば、市街地上空飛行があったという苦情が来れば、市街地上空の4,000フィートをクリアしたかどうか確認します。米側は当然、それはクリアしているというふうに回答するわけですから、そこでそれ以下であるとか、その辺は……。今、議員のほうが、違反があったということを言われますけれど、どういった事例なのか、ちょっと私も今ここではわかりませんので、具体的な事例があればまた言っていただいて、その点に関してはしっかりと確認したいというふうに思います。 ◆13番(小川安士君)  観測体制を強化しようとしておられるわけですから、ぜひその体制をもってしっかりした調査で、事実を把握されるように求めたいと思います。 先に進みます。2月23日の衆議院予算委員会の審議において、日米合同委員会で「米軍機の行動に関する事項は、双方の合意なしには公表しないものである旨、了解する」といった秘密の合意事項が1975年4月に確認をされていたということが明らかになりました。岩国市におきましても、コンターで示されている飛行航路は、海上を飛行する模式的な飛行コースです。空母艦載機移駐後の航空機の陸上部での実際の飛行経路は、コンターと明らかに違うと思います。しかも、航空機の陸上部での飛行は幾つかの設定された飛行コースを飛んでいるのではないかというふうに思われるのですが、米軍からは、山口県あるいは岩国市上空の飛行コース、飛行エリアについて、どのように設定をしているのか説明や資料の提示があったのか、ないのか、その点を確認させてください。 ◎審議監(村田光洋君)  一般的に、在日米軍の基地から出発する米軍機につきましては、米軍の飛行計画について国土交通大臣に提出されております。 ただし、今、議員が言われましたように、日米間で、米軍の航空機の運用について日米双方の合意がない限りこれを公表しないことを確認しております。したがって、我々地方自治体は、今、議員がおっしゃられたような情報の開示について、絶えず市長会や知事会を通じて申し入れをしておりますけれど、それはなかなか具体的に我々のほうに情報として入っていないのは事実でございます。 ただ、先ほど言われた予測コンターですが、これは米軍機、自衛隊もそうですけれど、一般の航空機と違っていつ飛ぶかわからないという状況の中、厚木で数年間行った空母艦載機の運用状況を岩国の地形に合わせてコンピューターでシミュレーションして当てはめたものであるというふうに聞いております。それが、先ほどちょっと議論になりましたが、第一種区域の約1,600ヘクタールが約650ヘクタールに減少するという予測コンター図がございますが、これは空母艦載機の運用も始まりましたので、我々も一定期間騒音測定器で観測して、その予測コンターが事実かどうかということは今後しっかりと検証してまいりたいというふうに考えております。 ◆13番(小川安士君)  米軍機の飛行コースについては公表はされていないけれども、明らかに陸上部を飛んでいることは認められたというふうに確認いたしました。 それで、沖縄の嘉手納基地では、通常の滑走路付近の離着陸に際しては、周回ルートを明らかにしていないので、沖縄市と嘉手納町、北谷町が協力して観察を続けて、実際の飛行ルートを割り出しています。そのことで爆音被害の要因の一つが、通常のコースを外れて飛ぶ外来機だったことがわかったということで、その事実を示して米軍に抗議をしておられます。岩国市の基地観測体制もこのレベルを早急に確保するべきだと思います。見解を求めます。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会、いわゆる三連協がそのような取り組みの報告書を私も持ち合わせておりますけれども、定例の目視調査を3回、緊急の目視調査――これは外来機の飛来時ですとか、パラシュート降下の訓練等があった日として8回やられているというのは、私も資料を見て承知してございます。沖縄でそういう取り組みをやられているということは市のほうも承知をしてございます。 沖縄でのこういった取り組みを岩国市ではどうかという御趣旨と思いますが、沖縄には沖縄の事情がありますから、今の、嘉手納基地の経路から逸脱した飛行が見られるという問題があってこういう取り組みをされているというふうに市として受けとめておりますが、岩国基地におきましては、現状でその辺の必要性があるというふうには認識してございませんので、直ちにこういう取り組みをするということは考えてはございません。ただ、私どもも基地情報提供協力員、あるいは、この2月から基地対策の嘱託員も配置いたしまして、今後情報収集に努めていくという姿勢を持っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(小川安士君)  まず、飛行の実態を客観的につかんでください。それと、住民の安心・安全を守るために、役に立たない規定は改定を求めるべきだと思います。そういったスタンスで臨まれるように求めておきます。 次に移ります。事故後に飛行中止を申し入れることについてですが、市民団体の「住民投票を力にする会」では、山口県にも市と同じような申し入れをして、県の担当者のほうから、岩国市との協議の際、飛行停止は求めないことを確認したということを言明されたということをお伝えしておりますけれども、このことについて、岩国市としてはそれを聞かれただけで否定はされていないということでよろしいですか――県としては飛行中止を求めないという姿勢を示したということを言ったということなんですけれども、そのことは確認をして了承されたということですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  飛行停止を求める考えはないというようなことを県のほうが示されたということは承知してございますが、それを市として了承したとかというようなことではなくて、県は県でそういうふうに考えていらっしゃるし、それに対して岩国市は、市長が、運用を見合わせるなどの、飛行の自粛を求めるといったことを直接、司令官に対して申し上げたということでございます。決してこれが食い違うとかということではなくて、同じ方向を向いているというような姿勢であり、安全体制の徹底とかといったことを米軍に対して求める中で、表現の違いはあったにしても、基地に対して安全体制の徹底を求める姿勢には全く変わりがないというふうに理解をしてございます。 ◆13番(小川安士君)  時間の経過の中で、当初、岩国市は自粛を求めたんです。その後、岩国市と県で文書申し入れをしたときには、自粛を求めていないですよね。このことは、時系列的にいえば後退をしているんですよ。これは問題ではないかと指摘するんですけれど、その点は問題とは感じられないんですか。 ◎審議監(村田光洋君)  墜落事故発生直後の対応に関しまして、山口県と岩国市に対応の違いがあったという御指摘ですが、実効性のある、いわゆる安心・安全対策を確立するとか、事故の再発防止に万全を尽くすことが重要であるといった観点では完全に県と一致していて、その後の行動、あるいは文書要請などは、この完全に一致した考えのもとで米側に対して、あるいは国に対して要請しておりますので、その点に関しては全くそごがないというふうに考えております。 ◆13番(小川安士君)  そういうニュアンスの違い――独自のものがあるわけですから、県の言うとおりではないよということをはっきり示す上では、改めて自粛を求めるべきだというふうに思います。 次に、やはり飛行中止を求めるべきだと思うんですけれども、口頭であっても訓練中止を求めた事例として、約20年前の平成9年にハリアーが岩国基地沖合200メートルに墜落したことがあるということですけれども、当時も岩国基地所属の航空機が毎年1機は墜落事故を起こすような状態でした。その後はしばらく墜落事故が減っておりましたけれども、平成25年以降の日本国内での米軍機の墜落事故は10件に達しておるはずです。毎年2機が墜落している状況で、前回、訓練の中止を求めたときよりは深刻な状況です。市民が墜落の不安を感じるのも当然だと思います。こうした状況は機体の整備状況も含めた米軍の運用の重大な問題だという指摘もあるわけなんですが、こういった中で、やはり改めて安全確認を求める。当然、事故が起きた後には、飛行停止をする中できちんとした調査をし、解決を図るべきだというふうに申し入れをするべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎審議監(村田光洋君)  飛行停止や自粛を求める判断基準につきましては、先ほど御答弁しましたようにケース・バイ・ケースでございます。 それから、平成9年のハリアーの事故のことですけれど、そのとき、確かに口頭で中止を求めております。ただ、その後、事故は自衛隊も米軍にもいろいろありましたが、私が記憶している限りでも数回、こちらが求める前に自衛隊も飛行自粛をしたこともございますし、当然、米軍も飛行自粛をしたケースが幾度となくあって、こちらから求めなくてもそういった状況が生まれているという事実もございます。 ◆13番(小川安士君)  その自衛隊の事故では、死者は出なかったけれども1カ月以上の飛行停止をして調査をしています。それと同じような対応を米軍もとるように強く求めるべきだと指摘して、質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君)  以上で、13番 小川安士君の一般質問を終了いたします。 28番 松本久次君。 ◆28番(松本久次君)  憲政会の松本でございます。会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきます。 質問に入ります前に、本日はあいにくの雨模様ではございますけれども、春うららかと申しますけれども、我が地域でも梅の花が満開になりまして、一段と春めいてきたところでございます。ことしの春は暖かくて、平年より1週間早い桜の開花が予想されています。岩国市の宝でございます錦帯橋周辺の桜の満開が目に浮かぶようで、花見をされる方の待ち遠しい様子も目に浮かぶところでございます。 また、本年をもって退職されます職員の皆様におかれましては、長年にわたり市勢発展のために御尽力を賜り、心から感謝を申し上げます。御苦労さまでございました。今後におきましては、地域に帰られまして、これまで経験されましたことを生かして地域のために活動していただきたいと思います。大変御苦労さまでございました。 それでは、質問に入りたいと思います。 福田市長の施政方針の結びに、「我が国の人口減少は深刻な状況となっています。このような中、本市にあっては、平成27年度に策定した岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、人口減少の抑制と地域活力の向上に取り組んだ結果、子育て世代を中心に、転入転出の社会増減において改善を見たところです」と。また、「平成31年度は、この総合戦略の最終年度となることから、現総合戦略の総仕上げを行うとともに、本市の地方創生の取組を次のステージに進めるため、次期総合戦略を策定してまいります」と述べられております。 そこで、質問の1点目でございますが、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての(1)これまでの状況と成果についてお伺いします。 次に、議会からの提案でありますが、(2)地方創生総合戦略調査特別委員会から提案された事業の取り組み状況についてお伺いいたします。 2点目ですが、岩国市中山間地域振興基本計画についてお伺いいたします。 この基本計画は、岩国市総合計画の計画期間に合わせ、平成27年度から平成34年度までの8年間の計画でございます。この計画の前期となります、(1)平成27年度から平成30年度までの総合評価についてお伺いいたします。 また、後期の4年間の取り組みを進めておられますけれども、(2)基本計画(案)についての取り組みの中で、ア、計画変更・新規事業等についてお伺いいたします。 3点目の岩国市農林業振興基本計画についてお伺いいたします。 この基本計画につきましては、中山間地域振興基本条例に基づき、毎年、議会に報告することとなっております。これまでに平成29年度までの基本計画について議会での報告を受けておるところでございます。平成30年度でこの基本計画の前期が終了し、後期の基本計画が策定されます。まずは、(1)平成27年度から平成30年度までの総合評価についてお伺いいたします。 次の質問です。福田市長は施政方針の中で、中山間地域の振興についての中で、「豊かな自然から生み出される農林水産物等の資源を次世代に引き継ぐためにも、岩国市農林業振興基本計画及び岩国市水産業振興基本計画に基づき、地域資源や特性を活かし、持続可能な農林水産業の振興を図ってまいります」と述べられております。大いに期待したいところでございますけれども、この農林業振興基本計画の(2)基本計画(素案)についてのア、計画変更・新規事業等についてお伺いいたします。 質問が大変多岐にわたっておりますので、速やかに答弁をしていただきたいと思います。 以上、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、松本議員御質問の第2点目の岩国市中山間地域振興基本計画についてお答えいたします。 まず、(1)の平成27年度から平成30年度までの総合評価についてでありますが、岩国市中山間地域振興基本計画の計画期間は、上位計画であります岩国市総合計画の計画期間に合わせ、平成27年度から平成34年度までの8年間としております。 この計画における施策については、社会情勢の変化や中山間地域を取り巻く環境の変化に対応するため、前期と後期に分けて策定しており、今年度が前期の最終年度となっております。 前期計画について、3つの施策の柱ごとにその取り組みについて説明いたしますと、1つ目の施策の柱である「安心・安全で暮らしやすい生活環境の整備」では、上下水道の整備、減災対策の推進、教育環境の充実、介護予防の推進などにより、誰もが地域で安心・安全に暮らし続けられるための環境整備や支援体制づくりに取り組みました。 2つ目の施策の柱であります「持続可能な地域社会の形成」では、地域おこし協力隊や集落支援員などの中山間地域での活動に意欲のある人材の導入やIJU応援団の増加のための支援、一般民有林造林事業と天然記念物の保護保存対策などにより、集落で支え合う仕組みづくりや地域資源を保全・継承していく地域づくりに取り組みました。 3つ目の施策の柱である「資源を活かした多様な産業の振興」では、中山間地域等直接支払交付金や本市の制度融資の促進、農山漁村体験交流事業などの実施により、多様な産業の振興や都市住民との交流促進に取り組みました。 こうしたことから、前期計画の総合評価としましては、基本目標の実現に向けた取り組みを進めたことで一定の成果が得られたというふうに考えております。 次に、(2)の基本計画(案)についての、計画変更・新規事業等についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、今年度が前期計画の最終年度であることから、現在、後期計画の策定に向けた取り組みを進めており、後期計画についても、中山間地域の振興のための施策に、より一層取り組んでいく内容としております。 後期計画の策定においては、これまでの取り組みの検証を行い、その結果を後期の計画に生かすことで、引き続き現計画の基本目標を実現するため、後期計画が実効性の高いものとなるよう見直しを行っております。 こうした見直しにより、路線バスなどの車両のバリアフリー化の推進、災害情報の事前予測体制の整備、小・中学校の特別教室の空調設備整備、森林環境の保全と森林基盤の整備、特別天然記念物「オオサンショウウオ」の保護・活用、担い手農家の支援と育成などを新たな取り組みとして計画のほうに盛り込むこととしております。 また、新たに施策ごとに達成度をはかる指標を追加し、評価の観点もわかりやすくしたほか、人口の推移等についてグラフなどを用いて可視化するなどの工夫をしたところであります。 本市の中山間地域の中には、人口減少や少子高齢化の進行により、地域の担い手不足を初め、集落機能や地域活力の低下が懸念される地域もあります。 市としましては、本計画の後期計画に掲げた施策などにより、基本目標であります安心・安全に暮らし続けられる中山間地域の実現に向け、市民や関係機関と協働・連携し、今後も課題解決に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  第1点目の岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお答えします。 まず、(1)これまでの状況と成果についてですが、本市の総合戦略につきましては、平成27年10月に、人口減少の抑制と地域活力の向上に向けて、基本理念を「未来へつながる交流都市岩国~若い世代に選ばれるまち~」として策定し、アクションプランに掲げた具体的な取り組みを実施しております。この総合戦略では4つの基本目標を掲げ、この基本目標には数値目標や施策を、さらに、施策には具体的な取り組みや重要業績評価指標であるKPIを設け、総合戦略の進行の管理と推進を図っております。 それでは、4つの基本目標ごとに施策の取り組み状況と目標達成状況について申し上げます。 まず、「まちとまちをつなぐ交流づくり」については、15の具体的な取り組みがあり、14の取り組みに着手しております。数値目標、KPIについては、平成29年度の実績になりますが、数値目標である観光入込客数については未達成、KPIについては6つのうち3つが達成となっております。 次に、「産業振興によるしごとづくり」については、29の具体的な取り組みがあり、27の取り組みに着手しております。数値目標である従業員数については未達成、KPIについては9つのうち8つが達成となっております。 次に、「結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくり」については、43の具体的な取り組みがあり、その全てに着手しております。数値目標である人口1,000人当たりの出生数については未達成、KPIについては10のうち4つが達成となっております。 最後に、「地域の暮らしを支えるまちづくり」については、18の具体的な取り組みがあり、15の取り組みに着手しております。数値目標である市民満足度調査総合満足度については未達成、KPIについては8つのうち4つが達成となっております。 また、総合戦略の計画期間中における人口について、特に総合戦略がメーンターゲットとする子育て世代である25歳から44歳までの年齢層の転出・転入等による社会増減を見てみますと、平成27年が298人の減、平成28年が243人の減、平成29年が188人の減、平成30年が70人の減と、減少数は大きく改善をしてきております。数値目標やKPIにつきましては、いまだ目標に達していないものもありますが、これらについても引き続き取り組みを着実に実施することで、目標達成に努めるとともに、人口減少の改善傾向をさらに進めるよう努めてまいります。 次に、(2)地方創生総合戦略調査特別委員会から提案された事業の取り組み状況についてですが、総合戦略の策定に当たっては、特別委員会から提出していただいたまち・ひと・しごと創生総合戦略提案書についても取り組みに反映し、それぞれの所管部署において実施や実施に向けた検討を進めております。 議会提案分の事業への対応状況ですが、提案いただきました16の事業のうち、着手済みの事業については、航空博物館の建設、地域ブランド戦略の推進、酒米(山田錦)の生産など12事業となっております。 また、いまだ着手には至らず、調査研究中の事業については、アメリカ村の設置やオオサンショウウオを活用した錦川水族館の建設、地方免税店の推進、看護学部を含む自治医科大学の創設の4事業となっております。 今後とも、地方創生総合戦略調査特別委員会からいただきました提案を踏まえ、人口減少の抑制と地域活力の向上に向け取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  第3点目の岩国市農林業振興基本計画についてお答えします。 まず、(1)平成27年度から平成30年度までの総合評価についてですが、この4年間の計画では4つの振興テーマ、具体的には「農林業を支える担い手づくり」「所得につながる農林産物づくり」「農山村の安心・安全な環境づくり」「活力にあふれる中山間地域づくり」を掲げ、11の振興目標、24の目標指標を設定し、各種取り組みを行ってまいりました。その結果、24の指標につきましては、達成は約2割、達成率60%以上となる指標は全体の約6割にとどまる見込みとなっております。 一方、個別の取り組み成果といたしましては、4年間で農林業における新規就業者を43名確保したことを初め、農産物直売所「FAM'Sキッチンいわくに」の整備、南河内地区ほ場整備事業の完了、岩国和牛ブランド化対策事業補助金の創設などがあり、この4年間で今後の農林業振興につなげていける取り組みを進めることができたものと考えております。 しかしながら、耕作放棄地や手入れの行き届かない森林の増加については依然として歯どめがかかっていないなど、多くの困難な課題も残されていることから、これまでの成果や課題、また新たな情勢等を踏まえた取り組みをさらに進めていく必要があると考えております。 次に、(2)基本計画(素案)についてのア、計画変更・新規事業等についてです。 まず、計画の主な変更点といたしましては、次期計画は岩国市総合計画との関連性をより明確にするため、後期基本計画(案)にございます3つの施策、「農林業を支える担い手づくり」「活力ある農山村づくり」「自然環境の保全」を柱に掲げ、9つの重点項目、26の目標指標で構成する施策体系に変更し、各種の施策・事業を展開していくこととしています。 また、重点項目といたしまして、「地域を支える担い手の確保・育成」の項目を新たに設定し、これまでの新規就農者に加え、兼業農家や女性等を地域農業・農村の担い手として育成・支援していくこととしております。 さらに、目標指標につきましては、岩国農林水産事務所が主体となって農業団体等と策定した岩国地域農林水産業・農山漁村振興計画との整合を図り、新たな指標として、「リンドウ出荷本数・栽培面積」「JGAP認証件数」「JA農産物直売所販売高」「治山ダム等の整備」の4項目を加え、県等と連携を図りながら、目標達成に向けた取り組みを進めることとしています。 次に、新規事業等の今後の主な取り組みといたしましては、農林業における新規就農者・就業者の確保について、岩国農林水産事務所、JA、森林組合等と連携した取り組みを新たに進めることとし、地域からの申し出に基づく新規就農者確保プランの作成、地域おこし協力隊の活用や山口県が新たに予定している林業就業希望者を対象とする技術取得研修への参加者確保に取り組んでまいりたいと考えております。 また、森林の適切な経営や管理を進めるための新たな制度として実施される森林経営管理制度や森林環境譲与税への対応として、森林組合の育成強化、森林環境譲与税を活用した森林整備等にも取り組むこととしております。 市といたしましては、これまでの取り組みにこうした新たな取り組みも加え、総合的かつ計画的な施策・事業を展開し、農林業の振興に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆28番(松本久次君)  それでは、自席から通告順に再質問をしていきたいと思いますけれども、時間の都合上、はしょるところもあるかと思いますけれども、御容赦いただきたいと思います。 再質問の1点目でございますけれども、平成31年度予算に地方創生絡みの予算が計上されています。事業の内容は航空博物館誘致事業等となっておりますけれども、これについてお伺いいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  地方創生絡みの予算はどういう事業かということでございますが、総合戦略に基づきます主な事業としまして、今、議員御紹介いただきました航空博物館誘致事業と、英語交流のまちIWAKUNI推進事業について御説明を差し上げたいと思います。 航空博物館誘致事業につきましては、本年度中に航空博物館の施設構想を作成し、平成31年度にはこれに基づいて国への要望を行うこととしておるところでございます。また、航空博物館誘致の啓発と、市民の機運の醸成を図るために、岩国商工会議所のほうで実施される予定となっております航空博物館に関連しての講演会開催の補助金につきまして予算計上をさせていただいております。 それと、英語交流のまちIWAKUNI推進事業についてですが、こちらは地方創生推進交付金を活用して、基地とともに歩んできた町として、市の特性を生かしながら英語の学びや国際交流が充実した「英語交流のまち」を実現するということで、グローバル人材の育成を目的として、基本方針の策定などを行う予定としてございます。平成31年度には基本方針の策定のほか、英語交流のまちフォーラム等の開催、イングリッシュキャンプ等の英語の学び直し、国際交流の機会の充実といったものを実施したいということで、山口大学の学生とも協議し、実施する予定としておるところでございます。 ◆28番(松本久次君)  了解いたしました。 それでは、次の再質問に移りたいと思います。地方創生総合戦略調査特別委員会からの提案についてお伺いいたします。 いまだに着手に至っていない事業について御答弁がありました。その中で、現在研究中のアメリカ村の設置と(仮称)錦川水族館の2事業の現状をお伺いしたいと思いますけれども、アメリカ村の設置については、御承知かと思いますけれども、青森県三沢市ではアメリカ村として、シャッター通りとなった地域を、いわゆる中心市街地活性化法によってアメリカの町並みをイメージした建物から成る町並みへの再生に取り組んでおられるわけでございますけれども、このような取り組みについてどのようにお考えかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  アメリカ村の設置に関しましては、川下地区にアメリカ村を特区として創設して、昼は免税店を含めた商業地域や、夜は飲食店を中心とした国際交流のできる町をつくるという御意見をいただいているところでございます。 平成28年の川下地区まちづくり協議会に参加して説明して以降、地元と協議を行っていないのが現状でございまして、現在のところ、いまだ構想段階でありまして、地元が活性化するための手法・制度について、さまざまなことを想定しながら慎重に調査・研究を重ねていく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    ◆28番(松本久次君)  確かに難しい施策になろうかと思いますが、1歩踏み出して2歩目が出ていないんですよね。2歩目を踏み出さないと次のステップにつながらないということでありますし、また、地域の状況をしっかりと見ていただきたい。それが可能なのか不可能なのかを含めてしっかりと取り組んでいただきますように、これは提言ということとしておきます。 次に、(仮称)錦川水族館についてお伺いいたします。 私は前回、これについて質問しておりますけれども、オオサンショウウオを活用した、仮称ではありますが、錦川水族館の調査内容と結果についてどのような状況かを改めてお伺いいたします。 ◎教育次長(山口妙子君)  今回の調査につきましては、関係課による調整会議を開催しながら、淡水生物展示施設調査検討業務として業務委託を行っております。 調査内容といたしましては、錦町の地域特性と水族館の動向、淡水魚水族館の特徴、先進事例の調査、地域内の他施設等の現状調査、岩国市淡水生物展示施設の規模、立地、コスト等の比較検討や業務効果の想定を中心に、淡水生物展示施設設置に伴うメリット・デメリット等の整理をいたしております。 報告書は完成直前の状況ではございますが、水族館来館者の見込みは年間2万人程度にとどまり、毎年度約2,500万円の支出超過による財政負担が想定されることから、水族館を新規に設置するのみでは地域振興に結びつけることは難しい状況にあることが判明いたしております。 今後におきましては、錦町は自然環境の魅力あふれる地域であることから、町全体をフィールドミュージアムと見立て、住民との協働により、地域特性を生かした取り組みを進め、活性化を検討する中で、オオサンショウウオの保護・活用について検討していくことが重要であるとの調査結果となっております。 ◆28番(松本久次君)  今の調査結果では、水族館そのものを新たに設置するのは非常に困難だということだろうと思います。 また、町全体をフィールドミュージアムと見立てて地域特性を生かした取り組みを進め、オオサンショウウオの保護・活用について検討することが重要であるという御答弁でございました。 大変厳しい調査結果が出ておりますけれども、今、それは教育委員会のお考えと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、この調査結果を踏まえた上で、水族館そのものを設置するために、再度前向きに考えていかなければならないと思うわけでございますけれども、地域振興あるいは観光振興ということで、担当部長の見解もお伺いをいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  オオサンショウウオを活用しました水族館の建設ということにつきましては、先ほど、教育次長のほうが御答弁を差し上げましたように、言葉は悪いですが、箱物ということに重点を置いてしまいますと、先ほどの試算は一応最低限の400平米……(「それはわかっているから」と呼ぶ者あり)で試算したものでありまして、どうしてもバックヤード等も含めるとなかなかその維持も難しく、経費が3,000万円程度に対する収入の四、五百万円程度を差し引いたとしても、年間2,500万円の赤字になってしまうということでございまして、今時点、地域振興ということで申し上げますと、方向性としましては、水族館を新規に建設するということではなく、当面につきましては、地域住民との協働ということで……。地元のほうからも観光協会を初めとして要望書もいただきました。 錦川オオサンショウウオの会、それから錦川鉄道株式会社、やましろ商工会、ひろせ本通り会からも要望をいただく中で、地域振興にということではございましたけれども、地域振興や観光資源の一つということになろうかとは思いますけれども、まずは、建物を建てるということではなく、オオサンショウウオを地域の資源として活用するというところから地元と協議をしてまいりたいと思いますし、こういった地域の団体からいろいろ要望していただいた点につきましては、錦総合支所のほうが本庁よりも、より密接にかかわっておるというところもございますので、そういったところと協議しながら、地域全体でもって、地域振興という観点から、今後について検討してまいりたいというふうに思います。(「観光」と呼ぶ者あり) ○副議長(貴船斉君)  観光の面についてはいかがですかということです。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  アメリカ村の件で……。(「違う、違う」と呼ぶ者あり) ○副議長(貴船斉君)  オオサンショウウオの件です。(「ちょっと議長、整理してください。もう一度言いましょうか」と呼ぶ者あり) ○副議長(貴船斉君)  松本議員、もう一度お願いします。 ◆28番(松本久次君)  水族館の建設は非常に厳しいという状況の中で、観光という面での考え方はどうですかということです。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  さまざまな観光資源等がありましたら、それを周遊させていくといったところで、商品をつくっていく上におきましては、起爆剤になるような拠点がありますと、そこへ向けたさまざまなPRや情報発信ができていくというふうに考えておりますけれども、まだ、どのようなものかといったところは具体的に把握していないので……。もしつくるとすれば、本当に観光の起爆剤となって観光客を引っ張ってこれるような、インバウンドとかそういったお客さんを誘客できるような施設でないと、なかなか観光資源として活用していくのは難しいのではないかというふうに思っております。 ◆28番(松本久次君)  多分これ、教育委員会におんぶにだっこでやっているんですよね。いろんな角度や方向から――観光ということでいけば、例えば錦川清流線の増客、あるいは美川ムーバレー、そういうところも年間通じて子供さんがたくさん来るわけです。そうしたものの総合的な波及効果について、ある程度認識された上で御答弁をいただきたかったということであります。 また、地域振興ということで御答弁をいただきまして、地元の皆さんとしっかりと協議していくということでありますから、オオサンショウウオの保護・活用と水族館について、地元の皆さんと相談をしながら検討していくという認識として捉えておきたいと思います。 それでは、少し視点を変えて水族館の実現に向けて尋ねてみたいと思いますけれども、岩国高等学校広瀬分校がございます。御承知と思いますけれども、そこの生徒がオオサンショウウオの調査・研究をしていらっしゃいます。そういった中ではありますけれども、愛媛県大洲市に愛媛県立長浜高等学校がございます。この自然科学部が運営いたします長高水族館というのがあるわけでありますけれども、この目的は、町の活性化の貢献や、海と川を活用した教育を行うために開館し、平成22年には、日本初の高校内水族館として内閣府特命担当大臣から社会貢献青少年表彰を受賞しております。昨日、視察をしてまいりましたけれども、すばらしい取り組みでございました。 また、高知県の室戸市にございますむろと廃校水族館というのは――まだ広瀬分校が廃校になったわけじゃないんですが、廃校した小学校の建物を再利用し、コンセプトは「子供の声あふれる場所に、仕掛けいろいろ、新しく来た魚は転入生」という、地域の特性に合わせ、廃校舎を活用した一つの事例になればということで、運営を続けている施設でございます。 このように学校施設を活用した水族館等について御承知であれば、御見解をお伺いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  いろんな資料の中でそういったことを勉強させていただきました。 今、県立学校のほうもコミュニティ・スクールの設置という方向に向いておりますので、学校を核とした地域づくりや、地域とともにある学校づくりという観点から、そういった方向性もあるのかなというふうに思っておりますので、またそういった意見が言える場面になりましたら、そういったことも資料提供していきたいと思っております。 ◆28番(松本久次君)  要は、水族館を単独でつくるのは非常に厳しい……。他地域を見れば、いろんな考えのもとで、地域の教育、地域の活性化とか、いろんな意味で学校を利用したりしているわけです。 こういう調査・研究を行うということが大前提でありますけれども、広瀬分校に置きかえて質問してみたいと思うんですけれども。長浜高等学校も分校になる危機感があったということで、この水族館をつくったんですが、長浜高等学校オリジナルの授業として「マリンアクアリウム1・2」「理科研究」などを取り入れることによって生徒がかなりふえてきたということでございます。やはり、広瀬分校も非常に現実は厳しい状況にございます。 また、この分校が閉校するということになれば、それこそ地域振興といったものがまた衰退をしていくということにもなろうかと思うんです。これは県立ですから、岩国市が勝手にそういうことはできませんけれども、やはり、しっかりと目標を定めて、県に訴えていくことが非常に大切なところだろうと思うんです。こっちがだめならこっちということもあります。その点について、もう一度お伺いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  先ほど言いましたけれども、地域や学校を盛り上げるというか、また学校のよさを広めるというか、地域のよさを広めるという部分においても、こういった地域資源を活用するというのは大変大事なことでありますし、長浜高等学校もその成功例ということだと思いますから、学校の独自性を出していただいていくためのそういった情報提供をしていきたいというふうに思っております。 ◆28番(松本久次君)  いずれにいたしましても、まず現地に行ってみてください。やはり行ってみて、どういう授業をしているのか、どういう展示をしているのか、どのような運営状況なのかということをしっかりと視察をしていただきたい。私どもが行ったときには、ちょうど保育園児も見に来られていて、一緒に説明を受けたわけですけれども、大変工夫をしていらっしゃいます。 ランニングコストの点で非常に経費がかかって赤字見込みということでありますけれども、これも井戸水をくみ上げたり、海水を直接引っ張ってくることによって循環器を使わないとか、いろんな工夫をしておられます。ぜひとも参考にしていただきたいと思います。 この件については、ちょっと市長の見解を伺いたいと思います。この地域振興・観光振興というのはもちろんでありますけれども、自然保護、また教育の場ということで、地域の期待は大変大きいものがございます。実現に向けて、先ほど申し上げたようなさまざまな角度から工夫をしていただき、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。市長の見解を伺います。 ◎市長(福田良彦君)  まず、まち・ひと・しごと創生総合戦略における議会提案分ということで、オオサンショウウオを活用した、いわゆる淡水の錦川水族館の建設について提案していただいておりますので、この調査検討業務を発注し、間もなく成果品が上がるということで、さっき教育次長のほうから、大体の内容について説明があり、観光入込客数とか管理運営――これも地域が錦町に限定しますので、この設置によっての全体的な地域活性化というと厳しい内容が出るだろうという話でありました。先ほど松本議員のほうからは、大洲市の学校を活用してのそういった取り組みの例ということで、今回、初めて拝聴したところでありますので、例えば、やはり先ほどからあるような自然とか環境は、これはまさにグローバルなテーマであります。そういった中で、オオサンショウウオがメッセージとしてどういうふうに地域、さらに日本、世界に向けて、どういった研究・発信ができるかという観点は、非常にあるかなというふうに思っております。 私は専門ではありませんが、縄張りとか、餌のとり合いをして、指がちぎれているオオサンショウウオもたまに緊急保護されておると聞いておりますが、数年するとそれが生えてくる――再生するという例もちょっと聞いたことがあります。そういった意味では、昨今注目されている再生医療とか、そういった自然治癒など、もしかしたらいろんな観点が可能性としてオオサンショウウオにあるのかと。こういったことも含めて、いろんな可能性について高校生と地域が一緒になって考えていく、それが地域の活性化なり、郷土愛などにもつながっていけば、まさに、このまち・ひと・しごとの趣旨にもかなうのではなかろうかというふうに思っております。そういった、新たな違った観点からの提言でありました。 今回、調査検討業務としている内容に、ちょっと今、議員がお話しになられたことはその辺の検討内容には入っていないというふうには承知しておりますが、成果として上がってくる調査検討業務の内容も加味しながら、また先ほどの議員のお話について、市教育委員会、また県教育委員会とも調整が必要な事案でありますので、一概に結論は出せませんが、いろんな可能性は感じているところであります。 ◆28番(松本久次君)  ぜひ、取り組んでいただきたいと思います。先ほど、オオサンショウウオの指がとれたとき云々というのがありました。薬の関係で、それができるんじゃないかということ……。長浜高等学校も、クラゲに刺されないクリームということを研究し、企業と提携してそのクリームをつくったんです。それが4月以降に市場に出回るというようなこともあります。ぜひ、そういうことも含めて、県のほうにも提案をしていただきたいなというふうに思っています。 それでは、次の質問に入りたいと思います。時間も余りございませんけれども、中山間地域振興基本計画の平成27年度から平成30年度までの総合評価ということで、施策の3つの柱について、主な成果と、成果が上がらなかったものを、あわせてお伺いをいたします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  計画に沿って施策が推進され、一定の成果が上がった主なものといたしましては、まず柱ごとに説明いたしますけれども、「安心・安全で暮らしやすい生活環境の整備」に係る施策では、保護者の負担軽減と利用促進を目的に、防長バス、錦川清流線及び生活交通バス利用者への通学支援、下水道未普及地域解消及び施設の長寿命化のための下水道建設事業、小学校の統合に伴う校舎建設事業や小・中学校の耐震改修工事、空調設備の整備がございます。 「持続可能な地域社会の形成」に係る施策では、都市地域から移住してきた者を地域おこし協力隊員として委嘱し、地域協力活動を行いながらその地域への定住定着を図る地域おこし協力隊派遣事業や、集落支援員を配置し、集落対策を行う集落支援事業、また幅広い世代の田舎暮らし希望者を地域づくりの担い手として受け入れるための体制づくりを行うUJIターン促進事業や住環境の整備として公共下水道への接続に係る市営住宅排水設備整備事業がございます。 最後に、「資源を活かした多様な産業の振興」に係る施策では、傾斜地や農地の不整形といった条件が不利な中山間地域の農業生産活動に対して交付金を交付する中山間地域等直接支払交付金や、老朽化が著しい漁港の船揚げ場の改築及び水産基盤や漁場等の整備、個性ある自然資源・文化資源等を活用し、都市と農山漁村との交流や学習を行う体験型教育旅行などの農山漁村体験交流事業がございます。 一方、計画していたものの成果が上がらなかったものとしては、医師・看護師等医療スタッフの確保について、退職等により減少した常勤医師の確保ができなかったことや、生活道路の整備について、補助事業等の活用により中山間地域の各地域において継続的に整備を進めておりますけれども、昨年7月の豪雨災害は中山間地域を中心に甚大な被害が発生し、災害復旧を最優先することから、一部の事業について翌年度へ繰り越したというものもございます。 ◆28番(松本久次君)  了解いたしました。まだ質問したいところでありますけれども、最後の質問に入りたいと思います。 農林業振興基本計画についてお伺いをいたします。 平成27年度から平成30年度までの総合評価について先ほど御答弁をいただきました。4年間で農林業における新規就農者が43人確保できたということですけれども、その就業の内訳について、農業が何人なのか、林業が何人なのかをお伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  4年間の新規就業者43人の農業、林業別の内訳でございますけれども、農業への就業者が22人、林業への就業者が21人となっております。 ◆28番(松本久次君)  数字だけを聞くと随分、就業者があったかなというふうに思えるわけでございますけれども、農業にいたしましても林業にいたしましても、後継者不足はまだまだ続いておる現状がございます。ぜひとも、引き続き、次期計画についても、そのあたりの目標を持ってしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 基本計画の素案、次期計画になるかと思いますけれども、前期の総合評価で厳しい結果となり、後期となる基本計画(素案)の中で、主なものの中でも、新規就業者の確保について、岩国農林水産事務所、JA、森林組合等と連携をして新規事業に取り組まなければならないというふうに思いますけれども、その点についてお伺いします――新規事業ということで考えますと、岩国農林水産事務所、JA、森林組合等との連携が必要だろうと思うんです。その連携の取り組みがあるかどうかということです。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  素案の中で今、岩国農林水産事務所等と連携をした新たな取り組みとして示しておるものといたしましては、新規就農者の確保プランの作成というものを、これは取り組みの方向でございますけれども、お示しをしております。 これは、新規就農者の受け入れの意欲のある地域において、当該地域で就農する場合の農地や作物、販売計画、住居等、就業に関する具体的なプランを作成しようとするもので、このプランの作成に当たっての仕組みづくり、あるいはプランの内容等について、岩国農林水産事務所、JA等と検討してまいりたいということを考えておるところでございます。 それから、林業の関係で申しますと、林業就業希望者を対象とした技術取得研修への参加者確保というものを素案としてお示しをしておりますけれども、これにつきましては、山口県において平成31年度の新規事業として、林業就業希望者を対象とした5カ月間の技術取得研修の実施が予定されております。その内容は、林業の基礎知識の取得を初めとして、資格の取得等がございます。あわせて、受講者に対する研修支給金の給付の制度も創設するというふうに聞いておりますので、市といたしましては、これらの制度を活用して、新規林業就業者の確保につなげてまいりたいと考えておりますことから、こうした研修制度等の効果的な周知方法とか、参加者確保の方策について、岩国農林水産事務所や森林組合等と検討をしてまいりたいというのが、考えている主なものでございます。 ◆28番(松本久次君)  了解をいたしました。 次の質問に入りたいと思います。国の新たな制度で、森林環境譲与税が導入される予定となっております。この譲与税を活用して、森林整備について具体的な取り組み――まだ現段階では、ないかとは思いますけれども、その活用についてお伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  森林環境譲与税につきましては、御承知のように通常国会で今、法案が審議中でございますことから、法案が成立した後の国からの通知等も踏まえた上で、県や関係団体と連携をとりながら、森林環境譲与税を活用する事業について、今後検討してまいりたいと考えておるところでございますけれども、いずれにいたしましても、森林環境譲与税によりまして、森林整備に係る安定的な財源が確保されますことは、森林の広域的機能の発揮を通じた地域住民の安全・安心の確保、あるいは地域の安定的な雇用創出などにもつながってまいりますことから、市といたしましては、森林環境譲与税を活用した森林整備が着実に進むよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆28番(松本久次君)  まだ、私も内容について把握しているわけではございませんけれども、割と地域の独自の考えのもとで、この税が使われるというようなことも考えられるわけでございますので、ぜひとも、しっかりと内容を精査していただいて、取り組んでいただきたいというふうに思います。 それから、先ほど広瀬分校の話をしましたけれども、林業大学校の誘致はどうかという話もしております。それはそれとして、生徒をふやすためには、やはり農業科や林業科が必要になってくるんじゃないかと思うんです。これは、昔、旧広瀬高等学校時代には存在していたわけですけれども、生徒の大きな減少等もありますけれども、何としても生徒数をふやすため、それから後継者不足の観点から、そうした後継者を育てるということの両面があろうかと思いますけれども、ぜひとも、これも取り組んでみていただきたいということで、これは提言です。 いよいよ、時間も迫ってきたところでありますけれども、ずっとこの中山間地域の振興については、この計画、いわゆる農林業振興基本計画があるわけでございます。これまでずっと、この計画を進めてきておられますけれども、なかなか現実的に、その地域はすごくよくなった、目に見えてここはよくなったなというところがなかなか見えてこない、これが現状でございます。この計画そのものを否定するわけではありませんけれども、やはり岩国市の未来にわたる大切な資源でございます。最大限に生かすことを――この産業を進めていけば地域産業・経済が回るわけです。ぜひとも、この農地・森林・林業日本一を目指して取り組んでいただくように提言します。 以上で質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君)  以上で、28番 松本久次君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後3時   休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時25分再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 29番 植野正則君。 ◆29番(植野正則君)  市政改革クラブの植野正則でございます。通告に基づきまして、一般質問をいたします。 1点目の水道法改正に伴う本市の対応についての(1)法改正の目的と概要についてでございますけれども、地方自治体が公共施設の所有権を残したままで、その運営権を民間企業に売却する、いわゆるコンセッション方式を導入しやすくする内容を含んだ水道法の改正が、昨年12月6日に成立いたしておりますけれども、この法改正に至った目的と概要についてお伺いいたします。 (2)法改正が本市の水道事業に与える影響と今後の対応についてでございますけれども、この水道法の改正が、今後の岩国市の水道事業に与える影響と、今後の対応についてお伺いいたします。 2点目の農業用ため池の管理につきましては、昨年の7月豪雨によりまして、広島県を中心に多数のため池被害が発生いたしておりますことから、防災・減災の観点から質問いたします。 (1)農業用ため池の管理及び保全に関する法律案の目的と概要についてでございますけれども、平成30年7月豪雨におきましては、広島県を初め32カ所のため池が決壊して、下流域に甚大な被害が発生いたしております。 これらを踏まえて、政府は本年2月19日にため池の管理を強化する新法案を閣議決定し、現在開会中の通常国会に提出しております。 本市におきましても、法律の施行を念頭に、県や国と連携して諸準備が進められていると思いますけれども、この法律案の目的と概要についてお伺いいたします。 (2)本市のため池の状況についてでございますけれども、本市におけるため池の総数と所有者ごとの内訳、管理者ごとの内訳についてお伺いいたします。また、防災重点ため池は本市に何カ所あるかをお伺いいたします。 (3)法律案が宅地開発や家屋建築に与える影響についてでございますけれども、本市におきましても、堤体の下流域や直下で宅地開発が行われていたり、家屋が建築されている箇所も散見されますけれども、法律が施行された場合、どのような規制が行われ、影響が出ると予想されるのかについてお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、植野議員御質問の第2点目の農業用ため池の管理についてお答えいたします。 まず、農業用ため池の管理及び保全に関する法律案の目的と概要についてでありますが、昨年7月の豪雨災害を初め、近年、台風等に伴う豪雨や大規模な地震により、農業用ため池が被災するケースがふえてきたことを踏まえ、現在、国会において農業用ため池の管理及び保全に関する法律案が審議されております。 この法律案の目的は、農業用水の確保を図るとともに、農業用ため池の決壊による水害その他の災害から国民の生命及び財産を保護することとなっております。 法律案では、農業用ため池の管理に関し、所有者による県への届け出を義務づけるとともに、県はその情報のデータベースを整備し、公表することが規定されております。 また、所有者等にため池の適正管理の努力義務を課しており、県は所有者等が管理上必要な措置を講じていないと認めるときは、防災工事の施行等、必要な措置を勧告できるとされています。 さらに、県は、災害防止に関し、決壊により周辺地域に被害を及ぼすおそれがある農業用ため池について、特定農業用ため池に指定し、ため池の保全に影響する行為を制限できると定められております。 市においては、この特定農業用ため池のハザードマップ等を作成し、住民への周知に努めるものとされております。 そのほか、特定農業用ため池に関して、所有者等が必要な防災工事の施行をしない場合には、県が命令及び代執行を行うことができることや、所有者が不明で適正な管理が困難な場合には、市がため池の管理権を取得できることなどが規定されております。 次に、本市のため池の状況についてでありますが、本市にあるため池の総数は86カ所でありまして、そのうち、農業用ため池として利用されておらず、ため池としての貯水機能を有していないものが7カ所あります。 現在、貯水機能を有している79カ所について、所有者別では、市が所有するものが14カ所、個人が所有するものが57カ所、土地改良区が所有するものが3カ所、水利組合等が所有するものが5カ所となっております。管理者別では、個人が管理するものが58カ所、土地改良区が管理するものが6カ所、水利組合等が管理するものが8カ所となっており、現在、貯水をしていないため、管理者を定めていないため池が7カ所あります。 また、議員御質問の防災重点ため池については、玖珂町にある大坪ため池のみが指定されており、防災重点ため池として求められる対策であるハザードマップの配布等による周辺住民への周知と必要な改修事業は、平成27年度末に完了しております。 最後に、法律案が宅地開発や家屋建築に与える影響についてでありますが、この法律案は、農業用ため池について、防災上適正な管理や必要な工事を、所有者や行政が確実に行うことができる仕組みを構築しようとするものでありまして、下流域での宅地開発や家屋建築に規制を課す規定はありませんが、今後の法案審議等、国の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。 市としましては、県やため池管理者などと連携し、ハード・ソフト両面から、ため池の防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  第1点目の水道法改正に伴う本市の対応についてお答えいたします。 まず、(1)法改正の目的と概要についてですが、今回、法改正に至った背景には、人口減少に伴う水道水の需要の減少、高度経済成長期に整備された水道施設の老朽化などが挙げられます。このような課題に対応し、水道の基盤強化を図るために、水道法の一部を改正する法律が、平成30年12月6日に可決成立し、同年12月12日に公布されました。 その目的は、大きく5点挙げられており、1、国や都道府県等の水道事業関係者の責務の明確化、2、水道事業者間の広域連携の推進、3、適切な資産管理の推進、4、官民連携の推進、5、指定給水装置工事事業者制度の改善とされております。 改正の主な概要としては、1、水道事業関係者の責務の明確化及び2、広域連携の推進として、地域の実情に応じた事業統合や共同経営などの運営基盤強化を図るため、都道府県が関係市町村及び水道事業者等を構成員とする協議会等を設けて経営基盤強化に努めることとなります。 3、適切な資産管理の推進としては、水道施設を適切に管理するため、水道施設台帳を作成し、計画的な更新を行うために、更新の費用を含む事業に係る収支の見通しを作成し、公表するように努めることとなります。 4、官民連携の推進では、これまでの業務委託からより踏み込んだもので、施設の所有権を地方公共団体が所有したまま、事業の運営権を民間事業者に設定できる仕組み、いわゆるコンセッション方式を導入できることとなっております。 5、指定給水装置工事事業者制度の改善につきましては、指定を受けた工事事業者が不明となり、連絡がとれずに指導監督及び情報提供が行えず資質が低下し、違反行為も散見されることから、給水装置工事事業者の指定更新制を導入することとなります。 次に、(2)法改正が本市の水道事業に与える影響と今後の対応についてですが、広域連携の推進では、平成28年4月に、山口県が中心となり山口県水道事業広域連携検討会を既に立ち上げており、本市も検討会に参加しております。 本市の水道事業は、合併前に既にあった旧岩国市・旧玖珂町・旧由宇町の水道事業を平成17年度の合併と同時に統合し、その後、平成26年度に錦川流域の旧町村の簡易水道事業も統合しており、統一料金での運営を行っております。 適切な資産管理の推進につきましては、今後、厚生労働省において策定される政令等で具体的なものが示されるとお聞きしておりますが、指導施設台帳の管理システムの導入が義務化されることで、適切な管理が行えると考えております。 指定給水装置工事事業者制度の改善は、日本水道協会山口県支部を中心に山口県下各都市の水道事業体と連携をとって対応することが既に決まっております。 官民連携の推進について、コンセッション方式が前面に出て、新聞、テレビ等で報道され注目を集めておりますが、法改正では地方公共団体が水道事業者としての位置づけを維持しつつ、この方式を導入することができるとなっており、今後、先行的に導入する他自治体の動向等を注視していきたいと考えております。 今後も、安全で安心して飲んでいただけるおいしい水を安定的に供給し続けられるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆29番(植野正則君)  それでは、再質問をさせていただきます。 まず、農業用ため池のほうからまいりたいと思います。まず本市におけるため池の管理の基本方針と、管理するに当たっての課題についてお伺いいたしたいと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  ため池の管理の基本方針と課題でございますけれども、まずため池管理の基本方針についてでございますが、ため池は農業用水を安定的に供給するために築造されたものでございますことから、管理につきましては、水利組合や集落など、ため池利用者に行っていただくことを基本としておるところでございます。 ため池の管理の課題といたしましては、農業従事者の高齢化や減少、農村の混住化の進行等からため池利用者が減少してきていること等に伴いまして、利用されないため池の増加や維持管理体制の弱体化の懸念などがございます。 市といたしましては、ため池管理者と情報を共有し、しっかりと連携をとりながら、ため池の保全管理体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(植野正則君)  ただいま課題等についてお話しをいただきましたけれども、私も地元でちょっとかかわりがございまして、私は3カ所のため池を管理する水利組合に所属いたしておりまして、御多分に漏れず高齢化によって、みんな頑張るのは頑張って一生懸命草刈りとかをやっているんですけれど、今後どうなるのだろうかというふうなことで、高齢化も踏まえた上で今後、適正な管理に向けてしっかりと、基本方針なり市のほうとしてのいろいろ御助言をいただきたいというふうに思います。 それから、先ほどもちょっと答弁の中にございましたけれども、いわゆる特定農業用ため池に指定された場合におきましては、岩国市としては、ハザードマップを作成されると思いますし、そのハザードマップの住民等への周知に努めていただくということになるわけでございますけれども、具体的な周知方法等はどのようにされるのかについてお伺いいたしておきます。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  今の法律案で特定農業用ため池に指定された場合でございますけれども、決壊に関する情報の伝達方法等を災害時における円滑な避難を確保する上で必要な事項について、印刷物の配布等により地域住民に周知することと規定されておりますけれども、具体的なその周知すべき内容や周知方法等につきましては、今、法案が審議中ということもございますので、法案が成立した後の国・県からの通知等を踏まえた上で、しっかりと検討してまいりたいと考えておるところでございます。 ◆29番(植野正則君)  この周知につきましては、昨年の7月豪雨により広島県で23カ所決壊したというふうな報道がございますし、お隣の県でございますので、本市においても86カ所のため池があるということなので、くれぐれも周知漏れがないような形でしっかりと対応していただけたらというふうに思います。 次に、国のほうから防災重点ため池の選定基準の見直しが示され、現在、本市においても選定作業が行われているのではないかと思いますけれども、防災重点ため池としての再指定に向けまして、岩国市の調査状況はどのようになっているのかということをお伺いいたしたいと思います。 また、法律案で示されております特定農業用ため池との関連についてもあわせてお伺いできればと思います。これ、ちょっと似たような言葉で、私もちょっとわかりづらいところがあるんですけれども、その辺の区分も含めてお願いできればと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  国におきましては、昨年11月に防災重点ため池の基準見直し等を内容といたしました今後のため池対策を取りまとめて、その内容を新年度予算案等に反映するとともに、防災重点ため池の再選定を進めることとされたところでございます。これを受けて、県では本年1月に岩国農林水産事務所ため池緊急対策推進チームを設置し、国から示された新たな基準に基づく防災重点ため池の選定作業を県と市で連携しながら進めているところでございます。この作業の状況といたしましては、今、新たな基準に該当するため池について選定し、今度は、県庁のほうに設置されております山口県ため池緊急対策推進チームに報告を上げたところでございまして、現在、その推進チームにおいて県全体の調整等が行われているというふうに伺っております。 それから、現在、選定作業を進めております防災重点ため池が、今回の法律案で示されております特定農業用ため池として、同じものか、整理されるのかどうかというところにつきましてですけれども、これにつきましては県からは、現時点で国から方針が示されていないということを伺っておるところでございます。 ◆29番(植野正則君)  それでは、ちょっと視点を変えさせていただきますけれども、このため池の決壊の要因でございます。このため池の決壊の要因につきましては、豪雨だけでなく、地震によっても起こり得るというふうに言われておるわけでございますけれども、いわゆるため池の堤体の強度につきまして、地震に対応するための基準はあるのか、お伺いしたいと思います。 また、基準があるとすれば、岩国市のため池で、基準を満たしているため池について御紹介いただければと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  まず、地震に対応するための基準についてですけれども、これはため池整備に対する耐震設計基準が土地改良事業の設計指針に示されておりまして、下流の人家の有無等、ため池の社会的影響度等に応じて2段階の耐震基準が示されております。 本市のため池の耐震設計基準への適合状況についてでございますけれども、当然、各ため池とも基準に基づいて整備・改修等を行ってきておるところでございます。その整備改修後の耐震調査につきましては、ため池ごとに必要に応じて実施してきているところでございまして、現行基準による調査を行ったため池については、現在、5カ所でございまして、そのうち3カ所が基準を満たしていることを確認しております。 なお、調査を行った5カ所のうちの基準を満たしていない2カ所につきましては、現在、関係者と対策について協議を進めておるというところでございます。 市といたしましては、ため池の防災・減災対策をしっかり進めていくことが重要と考えておりますことから、緊急度の高いため池から耐震調査を実施し、安全性が確保できていないものについては、改修などの必要な対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆29番(植野正則君)  今、また今後改修をするというお話がございましたけれども、それでは、いわゆる防災重点ため池に選定された場合の国あるいは県からの財政上の支援措置について、いわゆる補助率等について、わかればお話をいただければと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  防災重点ため池に対する国庫補助事業等でございますけれども、現在、国において補助事業の拡充が予定されておるところでございます。補助率の内容まではちょっと示されておらないんですけれども、拡充の内容について御紹介をさせていただきますと、まずため池の整備について2ヘクタール未満の小規模なため池であっても、今後補助対象に加えられるというところとともに、ため池を廃止する場合の補助額が増額されるという内容がございます。 また、ため池調査の推進、また監視体制の強化を図るということで、耐震性点検調査やため池の監視カメラ、水位計等観測機器の設置につきまして、受益面積の要件が緩和され、全てのため池が補助対象となるというような拡充が予定されているところでございます。 なお、ため池の改修事業を実施する場合には、条例に基づいて受益者の方から一定の負担をいただくことになりますので、事業実施に当たりましては、こういった拡充が予定されている国庫補助事業等を活用しながら、受益者負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(植野正則君)  先ほど、御答弁の中でデータベースの話がございましたので、ちょっとその点についてお伺いをいたしたいんですけれども、全国には約20万カ所のため池があるというふうに言われておりまして、そのうちデータベースに登録されているのは、約9万6,000カ所というふうに伺っておりますけれども、岩国市のため池データベースの整備状況についてお伺いをいたしておきたいと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  ため池データベースは、国が平成25年度から27年度に実施いたしましたため池一斉点検の際に収集した情報を整理したものでございますけれども、受益面積が0.5ヘクタール以上のため池を対象に行われておりますので、全てのため池についてのデータベースが作成されたものとはなっておりません。 しかしながら、その国の一斉点検の際に、山口県独自の取り組みといたしまして全てのため池の点検を行っておりますことから、本市においては、現時点で把握しております86カ所全てのため池についての情報がデータベース化されており、管理者・所有者を初め、ため池の諸元や改修状況について、県と情報を共有しているところでございます。 ◆29番(植野正則君)  それでは、今の86カ所の中には、結構老朽化したため池もあるんじゃないかというふうに思うわけでございます。昨年もあったかと思うのですけれども、大雨が降る前にはため池の水位を下げてくださいねというふうなお話を聞いたことがあり、それに関連してちょっと質問したいと思いますけれども、昨年7月19日から8月31日にかけて、全国に8万8,133カ所ある、ため池が決壊した場合に家屋とか公共施設等に被害を与える可能性のあるため池を対象にして、全国ため池緊急点検というものが行われておりまして、そのうち8万8,133カ所のうちで1,540カ所のため池で応急措置が必要なことが確認され、貯水位の低下等の措置が講じられたというふうなことが報道されましたけれども、岩国市におきまして、このような、大雨が予測されるような場合に貯水位を低下して大雨に備える措置がとられたため池があるのかどうかについてお伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  平成30年7月豪雨を受けて実施されました全国ため池緊急点検の本市の状況についてでございます。 本市におけるため池緊急点検につきましては、県において、衛星データの確認により豪雨前後で異常が見られた14カ所のため池について実施されたところでございます。 そのうち、玖珂町の光円(Ⅱ)ため池が応急措置の必要なため池と判断をされました。この結果を受けまして、市において速やかに大型土のうや仮排水路の設置、倒木の撤去等の応急工事を実施し、国が定める応急措置を7月末に完了したところでございます。 当該ため池につきましては、国の災害復旧事業により復旧工事を進めることとしており、今月から工事着手予定となっておるところでございます。 ◆29番(植野正則君)  このため池につきましては、一たび決壊すれば下流域の地域に人的あるいは経済的な被害を及ぼすものでございますので、今後ともしっかりと管理の指導をよろしくお願いいたしたいと思いますし、脆弱なため池につきましては、できるだけ早く強化できるような措置をとっていただければというふうに思うところでございます。 それでは続きまして、水道法の改正に係る再質問をさせていただきますけれども、先ほど壇上のほうから水道法の改正の目的につきまして、5点ほど挙げられておりますけれども、私がちょっと興味を持ちました点につきまして再質問をさせていただきます。 先ほど壇上におきましても、官民連携のコンセッション方式というふうな説明がございましたけれども、ちょっとかみ砕いて御説明いただけたらと思います。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  それでは、コンセッション方式について説明させていただきます。 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法にあります公共施設等運営事業の仕組みを活用いたしまして、水道事業について事業を実施する権利として水道施設運営権を設定しまして、民間事業者による水道の管理・運営を可能にするというものであります。 具体的に申し上げますと、水道管や浄水場といった水道施設の所有権を地方公共団体が有したまま、水道水を売って料金を徴収する権利を十数年の期間を定め、民間事業者に委ねるということであります。 ◆29番(植野正則君)  今の説明を聞いておりますと、今回の法改正は、水道がいわゆる民営化をされるということになるわけでしょうか。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  昨年の夏ぐらいからでしたか、マスコミ報道などで水道民営化という言葉をよく耳にしておりましたが、出回っております水道法改正の解説書などによりますと、コンセッション方式を導入いたしますと、地方公共団体は民間事業者から運営権の対価の支払いを受けることとはなりますが、水道施設ごと民間事業者に売り払うわけではないことに加えまして、水道水の供給責任は地方公共団体が負うこととなっていることから、民営化ではないと記されております。 ◆29番(植野正則君)  ちょっと今のお話を聞いておりますと、水道水を売って料金を徴収する水道施設運営権を民間事業者に委ねることと、水道水の供給責任は地方公共団体が負うという、この2つのことは相反するというふうに思えるわけでございますけれども、その点について、もう少し詳しくお話しいただけますか。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  地方公共団体が負う責任の範囲につきましては、今の段階では政令等が制定されておりませんのではっきりお答えはできませんが、例えば、民間事業者が水質の管理を怠り水質の悪化を招き健康被害等を発生させたような場合には、民間事業者が責任を負うこととなるのではないかと思われます。 ただ、災害のような不測の事態が発生した場合には、地方公共団体が最終的な責任を負えるように、施設の所有権を地方公共団体に残したまま民間事業者に運営権の設定を可能にした法改正が行われたと考えております。 ◆29番(植野正則君)  ただいまの御答弁の中で、水道施設の所有権は地方公共団体が所有したままだというふうにおっしゃいましたけれども、いわゆる水道施設の更新は、官民どちらが行うのかについてお伺いいたします。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  水道施設の更新は、民間事業者が行うこととなります。水道施設運営権の設定を受けた民間事業者は、施設更新の必要が生じた場合には、みずからのリスクで資金を調達し更新を行わなければなりません。 また、更新を要しないように、長寿命化のために補修をするといったことも民間事業者がみずからの責任で行うこととなります。そして数十年の契約が満了した後には、水道施設は原則として地方公共団体に帰属することとなります。 つまり、民間の資金を最大限に活用するということであると思います。 ◆29番(植野正則君)  今、次長のお話を聞いておりますと、いわゆるコンセッション方式を導入した場合、設備投資の面においては大きなメリットがあるというふうな受けとめ方をちょっとしたんですけれども、一方で、海外におけるコンセッション方式の導入をした例があるというふうな記事にも接したことがございますけれども、水質の悪化や水道料金が極端に高くなったなどの問題が発生して、再度公営化されたようでございます。例えば、本市の水道事業がコンセッション方式を導入された場合に、水質の悪化や水道料金が上がってしまうというふうなことにならないのかどうかについてお伺いいたします。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  御指摘のとおり、海外ではコンセッション方式を導入後、民間事業者の管理運営レベルの低下によりまして、水質の悪化や水道料金の高騰を招き、再公営化された都市も多く報告されております。こうした失敗例を踏まえて今回の水道法は改正されております。 例えば、水道水の安全性につきましては、設備投資も含めた業務内容や管理運営レベルを明確に定めました実施方針及び実施契約をもって厚生労働大臣がそれを許可するものとされております。 また、水道料金につきましても、地方公共団体が条例であらかじめ料金の枠組みを決定しまして、民間事業者はその範囲内でしか料金設定ができないこととなっており、厚生労働大臣が適切な料金設定であることを確認した上で許可することとなっております。 ◆29番(植野正則君)  運営権を受ける民間事業者は、それ相応に収益が見込まれるということで事業を運営するわけでございますけれども、肝心の収益の確保が難しくなったり、不可欠な設備投資によって赤字が見込まれたりすれば、結局のところ水道料金の値上げというふうになるんではないかというふうに思いますけれども、この点についてどういうふうな御見解をお持ちでございましょうか。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  そのような事態に陥らないように、地方公共団体が民間事業者の業務内容や経営状況について定期的にモニタリングを行い、早期に問題を指摘し、改善を要求することとなっております。それに加え、今回の法改正に基づき、厚生労働大臣において、地方公共団体のモニタリング体制が適切であるか確認した上で許可することとなっており、また、厚生労働省が直接、報告聴取や立入検査を行うこととなっております。 ◆29番(植野正則君)  それでは、水道料金のことなんですけれども、現在は、いわゆる政策的な配慮によって水道料金が決められておるというふうに思うわけでございますけれども、このコンセッション方式を導入した場合、事業者の利益分が水道料金に単純に上乗せをされてくるのではないかというふうに思うわけでございますけれども、そういう理解の仕方でよろしゅうございますか。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  コンセッション方式を導入した場合、先ほども申しましたが、水道料金の設定は地方公共団体が定めた範囲内でしか設定できないとされておりますが、水道事業の管理・運営経費につきましては、水道料金の収入によって賄われるものであることから、利益も上乗せされるものではないかと考えます。 ◆29番(植野正則君)  非常に困った事態になるんじゃないかなというふうには思うわけでございますけれども、それで、先ほどの御答弁の中でちょっと気になることが1点ありまして、いわゆる民間事業者に対する水質の保証や料金高騰に対するモニタリングで、事業者に対して改善要求をするケースが出てくると思うのですけれども、このモニタリングや改善要求に当たっては、相応の労力や経験がなければなかなか業者に対するそういうふうな指摘ができないということもあるわけでございますけれども、水道局におきましては、コンセッション方式を導入した場合、どのようなモニタリング体制が必要だというふうにお考えかお伺いをいたしておきます。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  議員御指摘のとおり、民間事業者に対するモニタリングや改善要求には、相応の労力や経験が必要になると思います。厚生労働省によりますと、監視やモニタリングをするための職員は地方公共団体に残るとされておりますが、残る職員の知識を維持・向上させていくためには、どうしても少なからず水道事業に常にかかわりを持たせていく必要があると思います。 そして、数十年後、契約の満了時には水道施設の管理運営が地方公共団体に帰属されるわけですから、そのときの対応など、大変重要な課題になると思います。 今後公表されるガイドライン等を注視してまいりたいと思います。 ◆29番(植野正則君)  おおよそのことはわかってきました。それでは次に、いわゆる水道法の一部を改正する法律は、先ほども御紹介がございましたように12月に公布され、これから法の詳細を定める政令などが制定されていくというふうに思うわけでございますけれども、この制定の時期についてはいつごろになるというふうにお考えでございましょうか。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  ここまでお答えした内容につきましては、厚生労働省からの情報によるものですが、政令・省令につきましては、これから専門委員会やパブリックコメントを経まして、ことしの夏ごろまでには制定される予定となっております。 ◆29番(植野正則君)  それでは、ちょっと視点を変えますけれども、日本国内の都市でこのコンセッション方式を導入してみようという検討をしておられるところがあれば、御紹介いただけたらというふうに思います。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  報道や業界の機関紙等で私どもが今、知り得る限りでは、宮城県と静岡県の浜松市がコンセッション方式の導入を検討されております。しかし、本年1月30日に仙台市で行われましたシンポジウムにおいて、なかなかコンセッション方式等について住民の理解が進んでいないという理由で、浜松市のほうが当面の間延期したいということがありました。宮城県のほうは進めておるわけでございますが、これは、水道用水の給水事業と工業用水事業、それに広域下水道事業を1つにまとめた運営権を設定いたしまして、20年間の施設運営を委託する内容で導入を進めるような検討をしているというふうにお聞きしております。この宮城県方式については、大変興味深いと申しますか、いろんなものを1つにしてやっておりますので、私どもも今後注視していく必要があろうかというふうに考えております。 ◆29番(植野正則君)  今回の水道法の改正でございますけれども、冒頭の壇上での御答弁にもございましたように、非常に厳しい地方財政状況を踏まえた上で、老朽化した水道施設の更新に民間資金を積極的に活用する道を開くという目的もあると思いますけれども、水道は、市民の生活のみならず、生命に直結する極めて重要なインフラなわけでございます。今回の水道法の改正について、岩国市の水道局として、どういうふうに捉えておられるのかについて確認をしておきたいと思っております。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  今回の法改正によってコンセッション方式が可能になりましたが、導入につきましては、あくまでも住民サービスの向上や業務の効率化を図る上でメリットがある場合に、地方公共団体が議会の議決を経て導入するものでありまして、現時点で本市がコンセッション方式を導入するという計画等はございません。 また、水道局におきましては、平成30年2月、第3次の水道施設耐震化10ヵ年計画を策定いたしまして、この事業を着実に進めております。今後も安定した事業運営をしていく上でも、耐震化計画を着実に進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆29番(植野正則君)  今の御答弁を聞いておりますと、本市の水道局におかれましては、水道法改正への対応につきましては、現時点ではコンセッション方式は導入をしないという意思確認をさせていただいたところでございますけれども、幾ら法律であったとしても、この水道事業につきましては市民生活の源でございますことから、自治体が責任を持って管理すべきものというふうに思っております。 将来、水道事業の広域化はあったとしても、水道施設の運営権を事業運営によって利益を生むことが求められる民間に売り渡すということはすべきではないということを申し上げまして、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、29番 植野正則君の一般質問を終了いたします。 24番 山本辰哉君。 ◆24番(山本辰哉君)  同志会の山本辰哉でございます。本日最後の質問になります。頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、季節は着々と春へ移行しておりますが、花粉の勢いも非常に強く、どうにかならないものかと毎年思わされるこの3月議会でございます。今回は、新年度を前に、商業振興関連と猫の殺処分ゼロ関連についてお伺いしたいと思います。 それでは、通告に従い質問いたします。1、商業振興にかかわる今後の課題について、(1)市内の消費拡大に向けた取り組みについてお伺いします。現在、市内のサービス業に従事される方からお話を伺う中で、「今はなかなか市内で買ってもらえなくなった。特に衣類や靴、バッグなどにおいては、市外の大型商業施設を利用される人が多いよ」と、関係者の皆さんは口をそろえて言われます。確かにお隣の広島県では、次々と大型店舗がオープンし、市内の多くの方も御利用されているようでございます。さらにはスマートフォンやタブレットなどの普及により、パソコンのみならず多種の通信機器から容易にネット通販を利用できる環境が整いました。時代はITからICT・情報通信技術へと進化し、消費にかかわる利便性も大きく向上しました。近年の日本でも省庁を中心に、ITから「ICT」の3文字を用いるようになったことも理解できるわけでございます。ただ、皮肉なことに、こうした通信技術が発達したことで、電波が届けばどこにいても物が買える、いわゆる消費の在宅化が劇的に進んだのも事実です。このような時代ですので、市内の消費促進に向けた自治体のサポート体制は必要不可欠ではないでしょうか。 例えばですが、市内の共通ポイントといったものを導入して、何らかの形で還元するといった他の自治体との差別化も考えていく時期に来ているのではないでしょうか。まずは、本市の見解をお聞かせください。 続きまして、(2)悪質クレームの現状とその対策についてお尋ねします。昨今の新聞や報道を見ていますと、「悪質クレーム」といった言葉をよく見かけます。わが国では、「お客様は神様です」といった、お客様を崇拝する文化も今なお健在であり、これはこれで、他国に誇れる文化であると思うわけでございます。また、そういった背景からわが国では、消費者に優しい行政サービスも充実しております。本市においても、訪問販売やお店でのトラブル対応として、消費生活センターが設置され、トラブルの内容を相談すれば、いち早く消費者目線で力になり、場合によっては仲裁もしていると伺っております。しかしながら、悪質クレームやモンスタークレーマーに対する販売側の法的なよりどころは余り耳にいたしません。こうした状況の中、昨年9月に産業別労働組合から悪質クレームに関するアンケート調査の結果が発表されております。調査は、サービス業の現場で働く組合員を対象に行われ、回答した組合員3万人余りのうち、約75%に当たる2万人以上が「業務中に悪質クレームに遭遇したことがある」と回答し、そのうち9割以上が「ストレスを感じた」と答えております。また、同組合は一昨年にも百貨店やスーパーなどで働く組合員を対象に、同様のアンケート調査をしておりますが、昨年のアンケート結果同様に、「暴言等のクレームを受けた」といった回答が数多く出ているようでございます。これらを鑑みれば、本市においても同様の事例は発現しているものと思われます。現在、このような販売側のクレームを受け付ける窓口がないとはいえ、商業振興という観点から、その対策を考えていくことも肝要であると認識しております。市としてどのようにお考えなのか、見解をお伺いいたします。 次に、2、飼い主のいない猫の殺処分ゼロを目指す取り組みについて、(1)獣医師による専門的なアドバイスの内容についてお伺いします。3年目を迎えました本質問でございますが、担当課で作成されたアクションプランもいよいよ最終段階に差しかかっているものと推察いたします。昨年の7月に山口県獣医師会玖珂支部の皆様から愛護動物への不妊・去勢事業を進めるに当たっての御意見やアドバイスをいただいたと伺っていますが、それらを精査して今後に生かしていく必要性は極めて高いと認識しております。まずは、獣医師の皆様からいただいた御意見をお聞かせください。 続きまして、(2)今後の事業計画についてお伺いします。これまでに得た情報をもとに早急な事業計画の策定が期待されるところではございますが、まずは、その素案をもとに獣医師会やボランティア活動をされる皆様との話し合いが必要ではないでしょうか。恐らくこの数年、ボランティアの皆様が満足されるような事業にしたいという思いと、税金を投入する以上、皆さんが公平にという、そういった思いの葛藤が担当課ではあったものとお察しいたします。 確かに、公平性という観点では、すぐに答えが出るような案件とは私自身も思っておりません。しかしながら、県内13市のうち、7つの市において既に事業化されているわけでござます。機は熟し、大詰めを迎えた今、今後の事業計画についてお示しください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、山本議員の御質問の第1点目の商業振興にかかわる今後の課題についてお答えいたします。 まず、市内の消費拡大に向けた取り組みについてでありますが、国においては、本年10月の消費税率10%への引き上げに伴う景気対策として、キャッシュレス・消費者還元事業を実施することとしており、来年度予算に約2,798億円を計上されています。この還元事業では、消費税引き上げ後の9カ月間、電子マネーやクレジットカードなどでキャッシュレス決済をした消費者に対し、中小・小規模の小売店等については購入額の5%分、コンビニエンスストアや外食などの大手系列のフランチャイズチェーン加盟店等については2%分のポイントを還元することとなっております。 また、本市を含む広島広域都市圏の取り組みの中で、昨年の10月1日から広島広域都市圏地域共通ポイント事業の運用を開始しております。この事業は、地域の住民が使いなれたPASPYやICOCA、WAONといったICカードを利用して買い物をした場合だけでなく、さまざまなイベントに参加した場合にもポイントをためることができ、そのためたポイントを使って買い物などができるようにするものでありまして、現在、広島市を中心に約90の加盟店がありますが、本市を含め、山口県内には加盟店がありません。今後、市内でキャッシュレスの手段を使ったポイントを活用できる環境づくりを推進するためにも、キャッシュレスを推進する国の政策等と歩調を合わせ、山口県や関係機関と連携して情報発信に取り組むとともに、市内共通ポイントのあり方についても調査・研究を行い、地域経済の活性化につなげてまいりたいというふうに考えております。 次に、(2)の悪質クレームの現状とその対策についてでありますが、悪質クレームを防ぐための法律や指針はなく、対応は現場任せという状態が続いており、悪質クレームによる企業の被害が近年、問題視されております。その中でも、顧客による執拗なクレームや要求は、カスタマーハラスメントとも呼ばれております。産業別労働組合のUAゼンセンが、昨年の2月から5月までにサービス業の組合員約3万人を対象として実施した調査によりますと、7割以上の人が暴言や何度も同じクレームを繰り返されるなどの迷惑行為を受け、そのうち9割以上がストレスを感じたという結果が出ております。さらに、ハラスメントなどの労働関連の訴訟件数は増加傾向にある状況であります。カスタマーハラスメントは、ある日突然、見ず知らずの人から従業員が精神的に追い詰められるもので、社内で起きるセクハラやパワハラと違い、従業員の研修などでは防げない面があると言われております。国においては、働く人を守る制度の整備を急いでおり、現在開会中の通常国会に、職場のパワーハラスメントを防ぐ措置を企業に義務づける法案を提出されるとともに、顧客の暴言や言いがかりといった悪質クレームから働き手を守るため、厚生労働省は平成32年春までに、企業がとるべき対策を示すガイドラインをつくる方針であります。本市においては、カスタマーハラスメントに関する企業からの相談は、現段階では受けていない状況でありますが、商業振興の観点からも、市としても考えていかなければならない問題であるというふうに認識をしております。今後は、企業訪問等の中で、カスタマーハラスメントの実態についても企業からの聞き取りを行い、国の動向を注視しながら対応策などを検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  第2点目の飼い主のいない猫の殺処分ゼロを目指す取り組みについての(1)獣医師による専門的なアドバイスの内容についてお答えいたします。平成30年7月に、動物の飼い方マナーアップ強化期間に向けての啓発協議としまして、山口県獣医師会玖珂支部の獣医師にお集まりいただき、議題の一つとして、岩国市で愛護動物への不妊・去勢事業を進めるに当たっての注意事項等について、専門的な知識のほか、臨床的な経験も交えてさまざまな御意見・アドバイスをいただきました。最も重視してほしいと御意見をいただいたのは、公平性を確保することで、さまざまな立場の人の公平性をよく勘案して、慎重に制度設計を行ってほしいとの御意見をいただきました。飼い主のありなしによる違いや、犬と猫の違いなどにより、不公平感を生じさせないよう配慮が必要であろうとのことでした。 次に、狂犬病予防法の遵守やマナーアップにより、飼い方についての共通理解が進み、野犬を見かけることは少なくなっておりますが、猫については、飼い主のいない、または明確でない猫を目にすることが多くある。猫の飼い方は、現在でもさまざまな意見があり、そのことで事故や病気に対する猫の保護が十分でないと考えられる例や、ふん尿等による御近所とのトラブルも聞こえているとのことでした。また、飼い主のいない猫にかかわるボランティアに対しても一定の自己負担を求めることが、適正に犬猫を飼養している飼い主への公平性を確保する一つの方法ではないかとのことでした。 次に、(2)今後の事業計画についてですが、今後の進め方につきましては、飼い主のいない猫の殺処分ゼロを目指す取り組みの一つとして、現在、不妊・去勢手術の助成に対する要項等の整備に着手しており、今後、市で作成した素案について、獣医師会やボランティア活動を行っている団体等と協議をしながら、実施に際しての詳細な打ち合わせ等を行う予定です。内容につきましては、市の他の助成制度と同様に、飼い主がいない猫に対する申請につきましても、一定の自己負担を求めることを検討しております。現在、犬や猫を飼っておられる方が負担している額を十分に勘案した上で、飼い主のいない愛護動物の譲渡活動などを行うボランティアへの支援・育成となるような助成制度を考えてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  それでは、通告順に再質問をさせていただきたいと思います。まずは市内の消費拡大に向けた取り組みでございますが、先ほど私が壇上から提案させていただいた、ポイントの活用という件でございます。こちらは今後検討していくということでしたが、岩国市に限らずどこの自治体もそうだと思うんですが、独自の事業というのがやっぱり必要ではないかと思います。他の自治体との差別化を図っていく、いわゆる独自性、これのほかに何もないと思っているわけですが、ここで1点お伺いしますが、これまでに何らかの消費拡大に向けた事業を考えたことはあるのか、または現在考えていることがあるのか、ありましたら御説明ください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  本市における地元消費の啓発を目的にしまして、現在、市と市議会、経済団体、自治会連合会等で構成されるバイいわくにキャンぺーン推進協議会を組織しておりますけれども、年間を通じた地元消費運動のラッピングバスの運行や地域の祭り等におきまして、地元商品・業者等の利用をPRする街頭キャンペーン等を実施しているところでございます。来年度はラッピングバスのリニューアルを予定しておりまして、地元消費の啓発活動のさらなる強化を図っているところでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  確かに市内の消費拡大というのは非常に難しい問題だと私も思うわけですが、さっき部長の言われましたラッピングバスは、何もないバスより、何か派手な広告がいっぱいのバスというのは、結構その町の勢いなんかを示すので、これはこれで勢いが出ていいんじゃないかなと思うんですが――なかなか難しいこの件ですけれど、何か考えていただきたいと思っております。 政府は、キャッシュレス決済をされた消費者を対象にポイント還元を行うということは決定したわけですが、これは一過性のものですけれど、例えばこの国の政策に便乗して、本市の独自の事業と抱き合わせるといったことはできないんですか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  国のキャッシュレス消費者還元事業では、ことし10月の消費税率引き上げ後から、個別店舗では5%、フランチャイズチェーン加盟店等では2%の還元をいたします。さらに決済端末等の導入補助や決済手数料の補助が行われます。しかしながら、キャッシュレス消費者還元事業につきましては、2020年の6月末で終了いたしますので、その事業の成果、経済状況等をしっかり見きわめまして、その後におきまして、本市独自の事業というもの――なかなか抱き合わせというのは難しいんですが、その事業が終了した後の事業について、再度検討してみる必要があるというふうに考えております。 ◆24番(山本辰哉君)  ポイントと抱き合わせれば一番いいんでしょうけれど、なかなか難しいことと思いますし、特に電子カードに限っては、私はそこまで必要ではないと思うんです。これはお店の負担になるようなことになったら、ちょっとまずいんですけれど、例えばスタンプにするとか、アナログ的なものでいいと思うんですよ、シールを張ったり――私、人絹町商連で買ったらシールをもらうんですが、そういうふうなものでサービスに生かしていくとか、そんなのでもいいんじゃないかと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  議員御提案のアナログ的なサービスについてでございますけれども、市内の商店街等で実施されてきた経緯がございます。その制度の維持やサービスに対する効果などから、現在はほとんどが廃止をされているというふうにお聞きしております。しかしながら、地元消費への効果を考えますと、消費喚起を目的とした施策について、今後、経済団体等と調査をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  まあ、調査という形になると思います。私も、それ以上どうしたらいいというそこまでの提案も特にないんです。やっぱりこれは皆さんで考えていかなければいけないことだと思っております。 次に、悪質クレームについてですが、先日、岩国商工会議所の方とちょっとお話をしたんですけれど、そういった中で、以前、岩国商工会議所で、お客様の怒りを笑顔に変えるセミナーをやったそうなんです。そのときには思った以上の人数が受講されたと聞いております。私は、やっぱりお客さんに対してなかなか物を言えないことがこういった自己啓発につながっているんじゃないかというふうに推察しているところですが、先ほど、企業訪問の中で聞き取りを行いということを壇上から答弁されていましたが、これはどのような訪問形態で、どういったことを聞けたのか、可能な範囲でいいので教えていただけませんか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  毎年、市内の企業約120社程度でございますけれども、企業訪問を行っております。その中で、これは商工振興課で専任の嘱託職員をつけて回っているところでございますけれども、現在の企業の景気の状況や市への要望といったものを中心に聞き取り調査を行っているところでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  聞き逃したのかもしれないですけれど、120社を回る期間は1年ですか――その1年間で、嘱託職員の方が回っておられるということですね。これは最終的に部長のほうの耳にちゃんと入って、大体のことは御存じですか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  訪問の報告につきましては、きちんとデータとして管理をしておりまして、私のほうにも決裁として上がり、最後に集計もとっているところでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  ぜひそこの最後までよろしくお願いしたいと思います。そして、先ほどの御答弁では、厚生労働省は働く人を守る制度の整備を急いでおり、顧客の暴言や言いがかりといった悪質クレームから働き手を守るために、来春までに、企業がとるべき対策を示すガイドラインをつくる方針であるとの御説明がありました。恐らく、こういった背景には、先ほど市長の御答弁にありましたUAゼンセンが実施したアンケート調査が、大きな引き金になったものと思われますが、現在、市として悪質クレームに関連した相談は受けていないということですが、もしかすると、行政にそういった窓口はないんじゃないかと思っている方もいらっしゃると思います。そういった相談を受けてもらえる窓口があるのか、ないのかを教えていただきたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  悪質クレームに対する専用の窓口というものは現在持っておりません。岩国商工会議所の中に中小企業者や小規模企業者の相談窓口でございます「よろず相談」であるとか、中小企業の相談というものは常時設置しているところでございます。企業においては、こういった悪質クレームが実態としてあるのかもわかりませんが、現在のところはそういった相談は受けていないというふうに報告は受けているんですけれども、本市の商工振興課においても随時相談を受ける体制はとっているところでございます。 ◆24番(山本辰哉君)  わかりました。体制はとっているということです。これを、「体制はとっている」から、ぜひ「体制は整っている」に変えるためにも、そういった明確な専用窓口は今後必要だと思うわけですが、これに対してどうお考えですか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  今後、国が策定します、企業がとるべき対策を示すガイドラインに沿って対策を検討してまいりたいというふうに思います。よろしくお願いします。 ◆24番(山本辰哉君)  私もこれ以上はもう言えないと思います。そのためには、まずは国で悪質クレーム対策が立法化されることが第一だと思っております。 次に、猫の殺処分ゼロについて再質問させていただきたいんですけれど、この、猫の殺処分ゼロに関してなんですが、正直言うと、先ほど、3年目に入ったと壇上で申し上げましたが、実はこの件に関しては、20代から30代の、特に女性から、「山本さん頑張ってよ」ということはよく言われ、私も「頑張るよ」と言うんですけれど、70代、80代の方から、「それはええけえ、もっとわしら年寄りのことをやってくれ」というのも、実はよく言われるんです。だから私も結構命がけでやっている質問なんですけれど。(笑声)それで、先ほど獣医師の専門的なアドバイスというお話をいただきましたけれど、獣医師からいろいろな御意見をいただいた中で、やっぱりそういった専門家の皆さんの中でも、恐らく考え方の相違というものはあると思います。ただ、これに限っては皆さん一緒でしたよといった御意見があったら教えていただけますか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  共通したアドバイスについての御質問でございますが、一番多かったのが、さきに申し上げました、公平性について、さまざまな立場の人に配慮して不公平感のないような配慮をすることが望ましいという御意見を伺っております。また、不妊・去勢の助成制度だけではなく、愛護動物へのかかわり方とか飼い方の啓発など、人と動物のよりよい共生という大きな観点からもアドバイスをいただいております。例えば、猫に関して言いますと、猫は子猫のときからならせば、完全室内飼いで問題なく、それから、出入り自由などの飼い方は、病気や事故の危険性が高く、平均寿命にも影響するなどの御意見を伺っております。 ◆24番(山本辰哉君)  藤村部長が言われるとおりで、人に聞けば聞くほど難しくなるんですよ。やっぱり、今、言われた公平な制度、この公平ということが、どこへ行っても出てまいります。みんな公平でないといけないとか、やっぱり犬と猫の違いもあるし、飼っている人と飼っていない人、税金を使うわけですから、こういったことは絶対について回るというのは、もう、聞けば聞くほどどんどん出てくるのは確かです。ただ、こういった事業全体に対する皆さんの――皆さんというのは、獣医師の先生方から見て、この事業に対しては肯定的だったのか否定的だったのか、どちらかといえばどちらですか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  これにつきましては、市として助成事業を検討しているとの前提でお伺いしておりますので、実施する場合の注意点などということでアドバイスや情報をいただいております。ただ、地域猫活動やTNR活動の有効性に疑問を持っておられる方もいるというような情報はいただいております。ただし、獣医師会全体として否定的な御意見は、特にいただいておりません。 ◆24番(山本辰哉君)  それはそれで少し安心したところもあるんですが、今度は獣医師の立場ではなくて、例えば動物病院を経営されている経営者という観点で賛成・反対みたいなことはありましたか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  病院の運営や経営の面での懸念というのは特に伺っておりません。利用者の立場で予想される注意点とか御意見はいただいております。例えば手術の際には、動物が人になれているかどうかで、衛生面や人と動物双方のけがの予防について特別な配慮が必要な場合があるというふうに伺っております。また、実施に際して獣医師との連携は大変重要と考えておりますので、今後も細かく打ち合わせをお願いする予定でございます。 ◆24番(山本辰哉君)  そこまで詳細が聞けたということは、これは逆に前に進めるところじゃないかと私は思っておるわけですが、今、私が質問しているのは、飼い主のいない猫の殺処分ゼロの関係ですが、逆に、飼い主のいる猫について1点お伺いしたいんですが、正直、放し飼いにされている方も結構多いんですよ。これに関しては、飼い主がいるのかいないのか、正直区別がつかないところもありまして、先ほどの答弁から、事故や病気などから守るためには、室内で飼うことが望ましいと獣医師も言っておられます。幾ら犬と習性が違うとはいえ、何かトラブルがあったらいち早く飼い主に知らせるというのは一番重要なことだろうと思うんですが、例えば、目印といったら首輪とかになるんですが、首輪をつけるのがいいか悪いかと言われると、私は猫はちょっと飼っていないのでよくわからないんですけれど、首輪の裏に飼い主の電話番号と名前ぐらい書いておくというのは必要じゃないかと思うんですが、これについてはどう思われますか。(発言する者あり)どんな感じですか、皆さん。 ◎環境部長(藤村篤士君)  猫の飼い方には3原則というものがございます。まず、議員御案内の、首輪や迷子札などの身元の表示をするということが一つに上げられております。市といたしましても、首輪などに飼い主の身元を表示することで、猫が外に出てしまったときも飼い猫であることを示すことができますので、迷い猫や、万が一屋外で事故に遭ったときにすぐに保護することができるため、屋内飼育と同様に、猫を守るための飼い方として推奨しておるところでございます。 ちなみに、今、猫の飼い方の3原則ということを申しましたけれども、1つ目は、屋内だけで飼う屋内飼育、2つ目は、先ほどの、首輪や迷子札の装着などの身元の表示、3つ目は、繁殖を望まない場合は不妊・去勢手術を行うということでございますので、よろしくお願いします。 ◆24番(山本辰哉君)  大変よくわかりました。そこまで調べておられるのには感心しました。(笑声)まさかそこまで調べておられるとは思わなかったんで……。確かに3年目を迎えるわけですから、これぐらいの情報は入っていると思います。だから、この件は最終地点まで来ているんですよ。大体、全ての状況はみんなわかっているわけなんですよ。あとは事業計画しかないと私は思っているわけなんです。これまで、多くの皆さんが情報を集めてこられたと思います。そろそろアクションプランは最終段階の事業内容の策定だと私は思っておるわけですが、先ほど壇上から、市が作成した素案について、獣医師会及びボランティア活動を行っている個人や団体と協議しながら打ち合わせを行うとの御答弁でした。ちなみに、もし現在、その素案というのがあれば教えていただきたいんですが、素案はできていますか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  まだ詳細をお示しできる段階ではございませんが、助成の対象としましては、飼い主のいない猫のみとすることなどに絞り込んで検討しております。また、申請に際しましては、費用以外にも手術前後の動物のケアをしっかり行うなど、申請者の負担を定めて、人と愛護動物相互の安全に配慮するよう検討しておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆24番(山本辰哉君)  よくわかりました。ちなみに藤村部長は、猫がお好きですか。(笑声) ◎環境部長(藤村篤士君)  小さいときから猫と一緒に寝ておりました。最近は飼っていないんですけれども。 ◆24番(山本辰哉君)  それが一番大切なところですね。部長が、大嫌いだったら、なかなか前に進まないところがあるんですが、ここはクリアしたと私は思っております。今、県内13市のうち7つの市でやっているということでございます。ただ、その7つの市も、これが一番だからやりましょうということでスタートした市は1つもないと私は思うんですよ。最終的には市長の英断であり、市長の決断で進んだものだと思うんですが、この岩国市政の長であります福田市長、どう思われますか。 ◎市長(福田良彦君)  まず、今、環境省のほうで「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」というのがありますが、愛護センターとか保健所に引き取られる犬・猫が年間約21万頭で、そのうちの約8割が、やむを得ず殺処分されているという現状があります。そういった中で、まさにこのプロジェクトは、「命を大切にし、優しさのあふれる、人と動物の共生する社会の実現」、そして最終的には殺処分ゼロを目指すという中で、飼い主、事業者、ボランティア、NPO、行政等が一体となって取り組もうというプロジェクトであります。そして、市のほうでは毎年9月と10月が動物愛護月間でありまして、いろいろ市報にも載せております。これは去年のものでありますが、「優しさとは、自分が責任を持つことです」というふうに書かせていただいています。この中では、犬・猫の譲渡会やしつけの仕方とか、いろんな情報を載せております。 そして、御承知のように最近は、まず1980年――今から随分昔ですが、「なめ猫」というのがはやりましたね、なめ猫ブーム――私も猫の免許証を持っていましたけれど、あれは二、三年でブームが去りましたが、最近では携帯電話のキャラクターに使われ、またいろいろなグッズが売られております。さらには、今この瀬戸内海でも、香川県の女木島や、佐柳島、そして笠岡市の真鍋島が「瀬戸内海は猫天国!猫旅ができるオススメの猫島3選」ということで、多くの観光客が訪れているようであります。そういった中で、片方ではそういった猫の殺処分も絶えないわけでありまして、市としても、先ほどからいろいろ答弁しておりますが、まず、動物の愛護及び管理に関する法律があります。これは先ほど申し上げたように、動物の虐待及び遺棄を防止し、動物の適正な取り扱い、そして、何はともあれ、動物の健康と安全の保持等といった、動物の愛護に関する事項を定めています。この法律の目的や趣旨にのっとって、市としてもさまざまな立場の方の公平性も検討いたしますが、しっかりと制度設計も進めていきたいというふうに考えております。ここまで大分時間がかかりましたが、県内のいろんな取り組みも含めて、市としてしっかりと制度設計をして、実施に向けてやっていきたいということであります。 以上でありますが、よろしいでしょうか。 ◆24番(山本辰哉君)  大変いいお言葉をいただききまして、ありがとうございます。ぜひ、これまで現場・現状・現物を見てこられた担当の皆さんの思いで――私の思いもありますが、これはしっかり事業化されることを願って、質問を終わります。
    ○議長(藤本泰也君)  以上で、24番 山本辰哉君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明3月7日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤本泰也君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時55分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  藤 本 泰 也                         岩国市議会副議長 貴 船   斉                         岩国市議会議員  山 本 辰 哉                         岩国市議会議員  桑 原 敏 幸                         岩国市議会議員  藤 重 建 治...