岩国市議会 > 2000-09-11 >
09月11日-02号

  • 東郷町(/)
ツイート シェア
  1. 岩国市議会 2000-09-11
    09月11日-02号


    取得元: 岩国市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-01
    平成 12年 第6回定例会(9月)平成12年第6回岩国市議会定例会会議録(第2号)                           平成12年9月11日(月曜日)    議事日程(第2号)          平成12年9月11日(月曜日)午前10時開議┌───┬─────────────────────────────────────┐│日 程│         件                 名         │├───┼─────────────────────────────────────┤│第 1│会議録署名議員の指名                           │├───┼─────────────────────────────────────┤│第 2│一 般 質 問                              │└───┴─────────────────────────────────────┘    本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり    出席議員(30人)   1番 田 村 順 玄 君        16番 井 上 昭 治 君   2番 姫 野 敦 子 君        17番 越 沢 二 代 君   3番 福 田 良 彦 君        18番 橋 元 敦 子 君   4番 中 塚 一 広 君        19番 山 本 栄 次 君   5番 山 田 泰 之 君        20番 熊 谷 宗 円 君   6番 松 田 恭 輔 君        21番 長 尾 光 之 君   7番 大 西 明 子 君        22番 梶 本 良 俊 君   8番 味 村 憲 征 君        23番 浅 井 繁 勝 君   9番 林   雅 之 君        24番 桑 原 敏 幸 君  10番 細 見 正 行 君        25番 本 田 嗣 郎 君  11番 森   暁 正 君        26番 田 辺 徳 郎 君  12番 村 中   洋 君        27番 岡 林 勝 美 君  13番 渡   吉 弘 君        28番 河 谷 慎 司 君  14番 藤 井 哲 史 君        29番 沖 本   旭 君  15番 武 田 正 之 君        30番 村 井 真 一 君    説明のため出席した者       市長             井 原 勝 介 君       財政部長           宮 崎 晃 生 君       助役             村 井 理 君       生活環境部長         都 築 宏 行 君       収入役            広 本 俊 夫 君       経済部長           吉 崎 冾 示 君       教育長            二 武 功 君       建設部長           川 野 憲 明 君       水道事業管理者        伊 藤 憲 夫 君       都市開発部長         中 村 政 勝 君       企画部長           大 伴 国 泰 君       都市開発部次長        上 村 徹 君       基地対策担当部長       兼 重 政 秀 君       社会教育担当部長       松 脇 克 郎 君       総務部長           池 元 幸 信 君    会議の事務に従事した職員       議会事務局長         好本光雄       議事調査係長         杉岡匡       議事課長           我嶋教央       書記             桂健治       庶務課長           藤本雅三       書記             田中雅彦       議事課長補佐         松重和幸                   午前10時 開議 ○議長(本田嗣郎君) おはようございます。所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程はお手元に配付しているとおり行いたいと存じます。 日程に入ります前に、9月4日の本会議における沖本議員の質疑に対する答弁書の提出がありましたので、お手元に配付いたしております。御了承お願いいたします。  (279ページ答弁書参照) △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(本田嗣郎君) 日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、10番 細見正行君、11番 森 暁正君、12番 村中 洋君を指名いたします。 △日程第2一般質問 ○議長(本田嗣郎君) 日程第2 これより一般質問を行います。 12番 村中 洋君。 ◆12番(村中洋君) 皆さんおはようございます。一般質問の初日、初めてのトップバッターということで緊張いたしておりますが、よろしくお願いいたします。 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。 まず最初に、基地問題についてからお尋ねをいたします。 沖合移設事業も平成8年、移設事業に係る初年度工事予算104億円でスタート、今年度まで約950億円を投じて進められていることは御承知のとおりであります。また、連動しての愛宕山開発におきましても、既にベルトコンベヤーによる土砂搬出等、沖合での埋立工事が進行中であり、愛宕山地域における景観も大きく変貌しつつあるところでありますが、そのような状況の中、本年4月9日、愛宕山山頂での最後の愛宕山祭り、地域の子供たちによる相撲大会を初め、多くの地域住民が参加され、盛大にとり行われたところであります。その後、標高112メートルあった愛宕神社もふもとへの仮移設、山も土砂搬出によりその姿はなく、長年なれ親しんできた地元住民の一人として一抹の寂しさを覚えるところでもあります。 さて、そのような状況の中、沖合移設に関連しての新聞報道によりますと、現計画に加えてさらに遊水池を20ヘクタール埋め立てて、そこに駐機場、格納庫を移設する、工費はプラス400億円、工期は2年延長との計画変更、あるいは国の2001年度予算の概算要求で、防衛施設庁は遊水池埋立工事費40億円を含めた223億円を要求することが示されております。これらが事実あれば、大きな計画変更と言わざるを得ません。 これらについて何点かをお聞きいたします。 1点目としまして、遊水池の埋め立て、またそれに伴って計画されている駐機場など関連施設の移設など、変更内容についての詳細をお示しください。また、陸地面積20ヘクタールの増加や、それに伴う施設の移設が基地の拡大強化に該当するのか、見解をお示しください。 次に、市がこれまで返還を要望している昭和藤生線の計画線上区域5ヘクタール地域にある学校関連施設を、駐機場跡地へ移設するとの情報もありますが、これが事実であれば返還が早まることも考えられますが、5ヘクタールの返還についての進捗状況をお聞かせください。 次に、愛宕山開発に対しての影響についてをお聞きいたします。現計画では、沖合213ヘクタールの埋立用土砂約2,200万立米の土砂搬入先は、愛宕山地域から確保するとして進められていると思いますが、新たに必要となる遊水池20ヘクタールの埋め立てに必要とされる埋立土量をどの程度に見積もっておられるのか。また、埋立用土砂搬入先についてはどのような計画になっているのでしょうか。これら埋立用土砂搬入先が愛宕山になるのか、あるいはそうでないにしても南工区内にある遊水池埋立工事が新たに加わることから、愛宕山開発工事進捗への影響も懸念されるわけですが、いかがでしょうか。 次に、9項目に関してのアクションプログラムについてお聞きをいたします。平成8年普天間基地からのKC-130航空機の移駐問題に関連、国に対し9項目要請がなされております。その中の一つに、基地周辺の環境整備を行うため、基地内のある程度まとまった土地を今後段階的に無償返還することと要請の中に盛り込まれております。現在、沖合移設という大事業が進行中の基地内において、今回のような移設に伴っての基地内施設の移設や統合は、今後頻繁に計画されることが予想されるわけで、将来における基地の一部返還要請に大きく影響するものと考えられます。 基地に対する要望として9項目をまとめて防衛庁と協議されていることは承知いたしておりますが、これらのことを十分踏まえた中で、岩国市としての9項目に関するアクションプログラムを作成し、今後の協議の中に生かしていくべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、JR岩国駅東口閉鎖後の取り組みについてをお伺いいたします。 JR岩国駅東口については、平成元年以来、地元人絹商工連盟を通して、JR西日本の外郭団体である中国メンテックに改札業務を委託して、終日開放を実現したところであります。ところが、本年1月、本補助金が地方財政再建促進特別措置法第24条第2項の精神に沿った衆参両議院での附帯決議に反していることが明らかになり、市は本年4月から人絹商工連盟の補助金支出を停止、東口の改札業務は平成元年以前の朝6時から9時まで、午後16時から19時までのあわせて6時間に限定されております。 その間、終日開放を求める東地区住民の皆様を中心に署名運動、さらには行政と地域住民が一体となってJR西日本への陳情も行ってこられました。8月8日開催の臨時議会における諸般の報告の中で、市長より3月以降の経過についての報告がありましたが、目立った進展はないという内容でした。市議会におきましても、議員の調査活動の一環として関係団体への派遣が決まり、去る8月28日、自治省及び関係国会議員のところに陳情活動に出向いたところでもありますが、附帯決議及びそれに伴う自治省の指導は無視できるものではなく、政治的拘束力の重みを実感したところでもあります。しかしながら、東口の終日開放は地元住民の皆さんを初め強く望むものであります。今後も英知を集め、地元とも一体となって終日開放に向けて努力していかなければなりません。 本問題につき、昨年2月に当局において調査された東口乗降客調査の結果に関連してお聞きいたします。調査結果によりますと、朝6時から夜21時までの利用者のうち、夜間19時から21時までの2時間の利用者の割合は約12%となっております。このことは夜間2時間の延長で全乗降客の80%をカバーすることが可能であると推察することができます。特に夜間は、東口に集中している塾通いの少年少女たちや、広島圏域への通勤者の利用も多く、昼間とは別な意味で必要性の高い時間帯であると考えられます。岩国のまちとしてのグレード、経済面、生活環境、住環境からいっても東口の終日開放は最重要課題であり、終日開放に向け全力で取り組まなければならない問題として認識はいたしておりますが、当面夜間の2時間だけでも延長できないものかと思うところでもあります。 市は、今後の取り組みの中でJR西日本に対して、JRによる夜間2時間の延長を強く申し入れるべきと考えますが、当局の見解をお聞かせください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(井原勝介君) 村中議員の御質問のうち、私からは2点目のJR岩国駅東口の取り組みについてお答え申し上げます。 先月開催されました臨時市議会におきまして、この岩国駅東口問題に関して御報告を申し上げたところでございますが、その際にも多くの議員の御質問にもお答え申し上げましたとおり、東口開放に向けて私としては最大限の努力をしていきたいと思っております。その一環としまして、以前から計画をしていたところですが、8月29日に市議会サイドの調査要望活動と平行する形で、東地区の地元の皆様と一緒に自治省、運輸省、さらには地元の選出国会議員に対しまして要望したところでございます。 今回の問題につきましては、地方財政再建促進特別措置法に関連する問題としまして、主として自治省を中心として要望してまいりましたけれども、同省におかれましては国会における附帯決議、それに伴う財政局長通知というルール、枠組みにつきましては、自治体の財政の秩序を維持するという観点から必要である。個々の自治体がそれらに反する形で補助金を支出することになれば、他の自治体に及ぼす影響も大きいことから、補助金支出は適当でないという見解でございました。したがって、当面直ちに解決をするという方策につきましては、現時点においては依然として見つかってないという状況でございます。 しかしながら、岩国駅東口の閉鎖に伴いまして、高齢者等交通弱者を初めとする地元住民の皆様が受けている影響、また地域経済に及ぼしている深刻な状況など、地域が抱える実情についてはつぶさに国等に対しましても訴えてきたところでございます。国におかれましてもこれにつきましては深い御理解をいただき、今後問題解決に向けて御助言、御指導をいただくようお願いをしてきたところでございます。 今後につきましては、今回の要望活動の結果も踏まえまして、法律の趣旨、附帯決議あるいは通達などの枠組みの中におきまして、自治省、県、JRにつきまして引き続き協力要請、要望を行いながら、一日でも早く、そしてまた少しでも長く開放する道はないのか、解決策を探ってまいりたいと考えております。 なお、その中で議員御提案の終日開放に向けての前段階としての、夜間の改札時間帯を延長するということにつきましては、この問題が生じて以降、とりわけ御指摘のとおり塾通いの生徒たち、そして通勤帰りの女性を中心とした通行者の安全を心配し、地元の方々からも同様の強い要望が寄せられていることも承知しております。当面の現実的な措置として、一つの有効な方策であろうかというふうにも考えておりまして、この点も十分に踏まえながら、私としましても今後JRとも積極的に協議をしていきたいというふうに思っております。 また、夜間における岩国駅地下道の安全対策につきましても、地元の皆様の大変な御努力により防犯パトロールを実施していただいておりましたが、先般9月1日より地下道の防犯カメラ、非常用警報装置等の防犯システムを設置したところでございます。このシステムは、地下道をくまなく監視カメラがカバーし、異常が起こった際には直ちに対応できる仕組みとなっておりまして、岩国市役所と警察署にも結ばれておりまして、これによりまして地下道における安全性が大きく高められたものと期待をしております。しかしながら、こうした対策だけで東口問題の抜本的解決にならないことは言うまでもありません。今後とも議会や地元の皆様とともに、十分に連携を図りながら、早期解決に向けて全力を挙げて取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎助役(村井理君) 12番 村中議員の御質問のうち、第1点目の基地問題について、沖合移設事業計画の一部変更についてお答えいたします。 変更内容につきましては、去る8月25日に広島防衛施設局から、岩国飛行場滑走路移設事業に伴う計画遊水池の一部埋め立てについての説明を受けました。その内容といたしまして国は、いわゆる市から9項目要請のうちの都市計画道路「昭和藤生線」の基地内ルートを含め、その周辺の約5ヘクタールの基地用地の返還要望に対応して、要望区域内にある施設の移転について米側と協議され、米側からは返還要望区域にある施設の移設にあわせ、航空機騒音の軽減及び運用上の改善等を図るため、計画遊水池の一部を埋め立て、そこに駐機場を移設する提案があり、これを受けて防衛施設庁は米側の提案は岩国市からの返還要望に対する前進となるばかりでなく、周辺住民への騒音の影響をより一層軽減できること等々、日米双方にとって有益であることを考慮し、計画遊水池の一部を埋め立てる方向で、埋立承認権者である山口県と事務的調整に入ったということであります。 岩国市といたしましては、返還予定地内の米軍施設、具体的にはペリースクール等の移転経費や、国有地の払い下げに伴う財政負担などクリアすべき問題も多く、引き続き関係機関と調整していく必要がありますが、いずれにしてもこの問題の物理的状況が進展するものではないかと考えております。 なお、この計画遊水池の一部埋め立てにより、当然陸地部分は増加しますが、そのことが基地の機能強化につながるかどうかは駐機場の移設跡地の利用の問題等もあり、現在すぐに判断できる材料がありません。いずれにいたしましても、基地機能の強化にならないよう、協議の窓口であります山口県に対してお願いしているところでございます。 次に、愛宕山地域開発事業への影響につきましては、計画遊水池の一部埋め立ての土砂量は約240万立方メートルと見積もっており、南地区における遊水池においては現在投入している愛宕山の土砂で埋め立てることとしているが、全体として不足する土砂については、愛宕山地域開発事業とは別途、安定的に供給可能な瀬戸内海沿岸の土砂採取場所からと考えていると国から聞いております。 なお、このことから事業主体である山口県住宅供給公社を通じて広島防衛施設局へ問い合わせましたところ、今回の遊水池埋め立てに当たっては愛宕山地域開発事業には影響を与えないよう、山口県住宅供給公社等と調整してまいりたいとの回答を得ております。 次に、基地用地の返還問題につきましては、御承知のように沖縄県普天間基地のKC-130航空機の移駐問題に関連して、平成8年10月18日に防衛施設庁長官に対して要請したいわゆる9項目要請の一つとして、「基地周辺の環境整備を行うため、基地内のある程度まとまった土地を今後、段階的に無償返還すること」と要請し、国からは同年11月22日に「施設・区域の段階的返還については、将来貴市から具体的な要望があった段階で、その内容を検討した上で、米軍及び関係機関と調整してまいりたい」と回答を得ております。 なお、具体的な返還計画のスケジュールにつきましては、基地沖合移設事業の進捗状況等々の関係もございますため、今後検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。 ◆12番(村中洋君) それでは、二、三再質問をさせていただきたいと思います。 まず、昭和藤生線の基地内ルートを含めた5ヘクタールの返還ということでございますけれども、この5ヘクタール内に未登記財産があるというふうに聞いておるわけですが、あの9項目の中にも適切に対処するというふうに明記されておるわけでありますけれども、この5ヘクタール内の未登記財産の処理についてどういった対応が現在されておるのか。 もう一点、できたらと申しますかわかればなんですが、この未登記財産というのがどの程度何件ぐらいあるか、もしわかればちょっとお聞かせいただきたいと思うんですが。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 未登記財産の件でございますけれども、平成12年度当初における5ヘクタール内の旧軍未登記財産の対象者は約17名であると承知しております。全体の件数については今ちょっと把握しておりません。 この未登記財産にかかわる登記事務につきましては、現在広島防衛施設局で対応しておられるところでございますけれども、所有者が亡くなられたり、あるいは相続を有する方のうち国外に居住されておられたり、また所在が判明しがたい方等が多くおられますために困難をきわめておられるところでございますが、現在広島防衛施設局におかれましては、鋭意未登記の解消に向けて取り組んでおられるところでございますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(村中洋君) 今回の一連の計画の見直しということで、5ヘクタールの返還ということにいろいろ説明があったわけでありますけれども、この計画の見直しで5ヘクタールの返還が当初よりも早まるんじゃないかというふうな期待感もあるわけですけれども、この昭和藤生線の基地内ルートの──工事が基地内ルートに入っていると思うんですけれども、昭和藤生線の基地内ルートの工事予定というのは今の時点でいつごろになるのか、わかればちょっと……。 ◎都市開発部長(中村政勝君) 昭和藤生線につきましては、現在車三丁目地内の245メートル区間を事業認可を受けまして、継続事業として平成10年度から16年度の完成を目指して事業を行っております。この先線であります145メートル区間につきましては、川下土地区画整理区域内であることから、その整備手法等につきまして国、県等と協議を行っておりまして、事業化はどういう形でいくのかは今のところわからないということでありますけど、5ヘクタールの返還用地の中の工事着手ということでございますが、現時点では先ほど申しましたようなことから、お答えする段階にちょっとないということで御了承をお願いいたします。 ◆12番(村中洋君) 先ほどの御答弁の中で、今回の20ヘクタール埋立土量240万立米、また搬入先については今回は愛宕山からではないというようなことで、愛宕山に対しての直接の影響はないというふうなお話であったと思うんですが、これはその辺の話からしたら今回の愛宕山開発に対しては、現時点では開発事業に対しての影響はないというふうに理解をしておいてよろしいんでしょうか。 ◎都市開発部次長(上村徹君) 議員さんがおっしゃったとおりでございます。現時点では我々としては影響がないというふうに理解しております。 ◆12番(村中洋君) 今回の移設事業計画の一部変更は明らかに20ヘクタール、埋立土量で申しますと240万立米ふえるということであります。ということは、工事量としては全体の当初の計画からしますと、埋立土量、面積について見ますと約1割ふえるというふうな認識にもなるわけでありますけれども、懸念されるのは沖合移設工事そのものが──愛宕山開発については特に影響ないということなんですが、沖合移設工事そのものが延長になる可能性が考えられるわけですけれども、さきの新聞報道等で2年延長になるのではというふうなこともありますし、この移設工事そのものの延長ということについてどういうふうに考えておられるか。 それからもう一点、公称213ヘクタールの埋立工事ということですが、単純に20ヘクタールふえるということは233ヘクタールの埋立工事に変更するということになるのではないかとも思うわけですが、この2点についてお伺いいたします。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) まず最初の分でございますけれども、遊水池の一部埋め立てによる工事がどうなるかということでございますけれども、この埋め立てによりまして工事が多少延長されるということは聞いております。しかしながら、基地沖合移設事業の全体計画におきましては、工事の実施状況を踏まえた工程管理あるいは工事内容等によるところもあるために、計画遊水池の一部の埋め立てを行うということが、直ちに全体計画の見直しにつながるということは広島防衛施設局も考えておられないようでございますけれども、いずれにいたしましても具体的な内容については現在調整検討中であるということでございますので、全体計画への影響については、現時点では申し上げられる段階にないということを国から聞いておるところでございます。 それから、約20ヘクタールが埋め立てられることにおいて全体計画の埋立面積が変更になるのかという件でございますけれども、沖合移設事業として現在埋立承認を受けておる埋立面積は約213ヘクタールでございます。この埋立地の主な土地利用計画は、着陸帯等の滑走路敷あるいは緑地敷、道路敷、護岸敷、遊水池敷等となっております。今回の遊水池の埋め立ては、承認を受けております213ヘクタールのうちの遊水池敷の一部を埋め立てるという計画でございますので、変更後の全体の埋立面積は約213ヘクタールで変更はございません。 以上です。 ◆12番(村中洋君) 確認させていただきたいと思うんですが、今回の20ヘクタールの埋立面積というのは、当初予定されておった213ヘクタールの区域の中での埋め立てということで、全体の工事計画の変更にはならないというふうに理解しておってよろしいでしょうか。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) そのとおりでございます。 ◆12番(村中洋君) もう一点お伺いしておきたいと思います。 今回のような計画の一部変更等は、市民感情としましては基地の機能拡大につながるのではないかといったふうな不安も駆られるわけでありますけれども、これまで防衛庁といろんな協議を進めてきておられると思いますけれども、これは基地機能の拡大強化は容認できないと、こういった市民感情という基本姿勢というものがあると思うんですけれども、これまでの防衛庁あたりとの協議の中で、こういった基地機能の拡大強化は容認できないという市民感情というものが、交渉の中で、協議の中でどういうふうに反映されているのか、お聞きしたいと思うんですが。
    基地対策担当部長(兼重政秀君) 基地機能の今以上の機能強化は認めないという基本指針を立てておりますけれども、沖縄県の普天間飛行場KC-130航空機の岩国基地への移駐を容認するに当たりましては、山口県、由宇、岩国市の3者により岩国基地機能の今以上の増強は容認できないとする基地問題に対して4項目の要請を行ってきております。この要請の中に、岩国基地が拡大強化されることのないよう、基地用地の一部返還、基地内施設の集約、移転等の取り組みを積極的に進められたいと要請しておるものでございます。また、先ほど壇上で助役が御答弁申し上げましたけれども、平成8年度にも同じく国に対して9項目の要請を行い、国と現在協議を重ねておりますが、この中に「基地周辺の環境整備を行うため、基地内のある程度まとまった土地を今後、段階的に無償返還すること」との要望をも行っておるところでございますので、基地沖合移設事業の進捗状況等を踏まえ、跡地に係る土地利用計画を作成して返還要望を行っていきたいと、そのように考えておるところでございます。 ◆12番(村中洋君) 今後、移設事業の進行に伴って、今回のように基地内での施設等の移設あるいは統合ということは頻繁に起こってくるということが予想されるわけであります。また、そのことがこれまで要請されております9項目要請の中にもあるように、基地の一部返還──将来ですね、基地の一部返還ということが予想されるわけであります。今回の5ヘクタールを含めて、将来予想される基地用地の返還による平和利用というものを岩国市としても考えていかなければならないというふうに思うわけでありますが、9項目に沿ったと申しますか、今後の返還に向けての岩国市独自のアクションプログラムと申しますか、そういったことを岩国市としても十分つくった中で、これからの協議の中に生かしていくべきだというふうに思いますので、意見として申し述べさせておいていただきたいと思います。 それから、岩国駅東口の問題については、岩国市東地区の住民の皆さん初め、岩国市民の総意として終日開放を求めているわけでありまして、今後の東口の問題につきましては、ぜひ市長にリーダーシップをとっていただいて、終日開放に向けて鋭意取り組んでいただきたいというふうに思います。 以上のことを申し上げまして、私の一般質問を終わりたいと思います。 ○議長(本田嗣郎君) 以上で12番 村中 洋君の一般質問を終了いたします。 14番 藤井哲史君。 ◆14番(藤井哲史君) おはようございます。ニューウェーブの藤井でございます。それでは、通告によりまして一般質問を行います。 今回の9月議会では、大きく分けて3点の質問をさせていただきます。 まず第1点につきまして、先ほど村中議員さんも質問されましたが、JR岩国駅東口問題の質問をさせていただきます。私も東口を利用している一人として、また東地区の住民の方々の要望にこたえるという立場でお尋ねをいたします。 この問題が発生して以来、行政当局は山口県との協議、JR広島支社との協議、東口利用状況の調査、JR広島支社への要望等を重ねてきました。地元東地区では、駅東口の終日開放を要望して地元自治会を中心にして行った署名活動に、短期間ではありましたけどたくさんの市民の理解を得て、1万8,000名以上という署名が集まり、JRに要請活動を行いましたが、本年4月1日よりJR岩国駅東口が朝夕の合計6時間の開放時間を除いて閉鎖されました。3月議会、6月議会と本会議でもたくさんの議員さんが質問され、また貴重な解決策も提起されました。国会でも委員会で取り上げられました。また、地元選出の国会議員の皆さんからのアドバイスもありました。自治省、運輸省、JR西日本にも調査要望活動を行いましたが、まだ解決はしておりません。 部分開放以降、閉鎖された時間帯ではJR岩国駅東口利用の岩国市民は大変な苦労をしているわけであります。とりわけ時間に忙しい学生さん、子供さんを連れたお母さん方、体力の衰えた交通弱者等、東口を閉鎖されたために地下道を通ってわざわざ岩国駅まで行かなくてはなりません。大変な不便を感じているわけでございます。 そこで、執行部にお尋ねいたします。岩国市の取り組みと、今後どういった方法で終日開放に向けて対応していくのか、お考えをお聞きいたします。これが第1点。 第2点目に、JR岩国駅東口のトイレの終日開放についてお尋ねいたします。 御存じのように、トイレは本年4月1日から朝夕の改札時間の短縮に合わせた時間帯のみ開放されるようになりました。すなわち、朝6時から9時までの3時間と、夕方16時から19時までの3時間、合計6時間のみとなったわけでございます。それ以外の時間帯は施錠されておりまして、全く使用ができない状態でございます。先日も小さなお子さんを連れたお母さんが、子供さんが我慢できなくなったんでしょう、本当に申しわけなさそうに金網のところで小用の手助けをされておりました。かわいそうでございました。衛生上でも問題はあると思います。ぜひトイレは早急に終日開放されるように、岩国市として申し入れを実施して解決していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。執行部のお考えをお尋ねします。 ちなみに、周辺のトイレは東口の地下道を出てすぐのところにありますコンビニの中にしかございません。その店の人に尋ねますと、やはり閉鎖時間帯、トイレの借用が随分と多くなったというお答えがございました。 次に、道路問題についてお尋ねいたします。 主要バイパス工事の岩国大竹道路の都市計画決定がこの9月1日にされ、また8月21日には岩国・柳井地域高規格道路の期成同盟会も結成され、長年の懸案でございました岩国市の交通渋滞も解消される目安が立ってまいりました。この間、市議会、市当局の御努力には大変な感謝を申し上げたいと思います。完成すれば幹線道路でございます国道2号、国道188号の慢性的な交通渋滞によるいらいらの解消、また今後の地域開発プロジェクトの進捗に大きく寄与するものと思います。しかし、完成までには10年以上、まだまだ長い年月を要する長期プロジェクトでございます。 8月17日、山口県市議会議員研修会に宇部まで参加させていただきました。周辺研修できらら博覧会、宇部空港と移動しましたが、途中宇部市内の道路整備のすばらしさにはショックを受けた議員さんは私だけではないと思います。それだけ岩国市は、県内各市の都市に比べても道路整備というのはおくれているという認識をしております。今までの市議会の一般質問等で、国道2号、国道188号等を含めた道路問題については随分たくさんの質問が出てますし、この2幹線については現実的には片道2車線化は難しいというのも理解しております。しかし、市民の声はやはり2車線化の実現であるし、一日も早い交通渋滞の解消でございます。この交通渋滞対策として、現在着々と進められてはおりますが、なかなか皆さんには見えてこない。国道の工事の進捗状況をお聞きいたします。 1点目に、岩国南道路、さらに昭和藤生線、主要県道岩国大竹線の工事の進捗状況と完成見通しについてお聞かせください。 2点目に、国道2号線と欽明路道路の合流点、岩国市の錦見三丁目周辺が、現在朝夕の通勤時非常に渋滞が発生しております。昔は交通事故も多かったために信号機等が新たに設置されまして、こういう渋滞を生んだんではないかという指摘もございます。そうはいいながら、道路の中で交通事故のないようにやはり行政当局として信号を設置して、さらに交通渋滞が発生しないように時間帯等を調査されておると思います。この合流点付近の渋滞対策について、当局のお考えをお聞かせください。 3点目に、生涯学習の推進についてお尋ねします。 平成元年から岩国市は生涯学習推進モデル市町村設置事業、さらには生涯学習まちづくり推進事業の指定をされ、事業を進めてこられました。市当局も担当部局がいろいろ変わったり大変だったと思いますが、生涯学習活動への活動成果についてお尋ねします。あわせて、10年間活動してきていろいろな問題点も出ていることと思いますが、どんな課題があるのか、お聞きいたします。 2点目に、市民対象の生涯学習推進策と啓発活動についてお尋ねいたします。 この3月に発行されました岩国市の生涯学習情報誌2000ですね──の中にも何かをしてみたいという気持ち、「自分の住んでいるまちを知ろう」というキャッチフレーズのもとに、情報誌が発行されております。この情報誌は、ページ数も65ページと、内容も市民大学「イカルス」、学習施設めぐりツアー、各種生涯学習情報ページ等がたくさん紹介、掲載されております。こうした各種活動の積み重ねが岩国市の活力の育成に役立つものと考えます。市報には毎月出ております。見過ごしておりました。実は、私も知りませんでした。市民にもっと積極的にPRして参加していただき、この生涯学習の推進を進めていただきたいということを私はもっともっと大切だというふうに認識しておりますが、執行部のお考えをお聞きします。 以上で、壇上よりの質問を終わらせていただきます。 ◎市長(井原勝介君) 藤井議員の御質問のうち、私からは道路問題についてお答え申し上げます。 まず、岩国南道路等3路線の工事の進捗状況と今後の見通しについてですが、まず岩国南道路につきましては、国道188号のバイパスとして、藤生三丁目から山手三丁目までの区間約4.9キロが平成元年に都市計画決定され、建設省において平成3年から事業に取り組まれ、平成7年には地域高規格道路の整備区間に指定されまして、平成11年3月に県道藤生停車場錦帯橋線までの約1.8キロメートル区間を2車線で供用開始をいたしております。 その後、平成12年8月末現在の用地買収の進捗状況ですが、門前川右岸までの約3.9キロメートル間におきまして、面積の比率にしまして約97%となっております。平成12年度から仮設道路の工事に着手しておりまして、引き続き愛宕山トンネル工事に取りかかる予定となっております。また、川下地区を経て山手までの区間についても、平成10年代後半には供用開始を目指して事業を実施していくと聞いております。 次に、昭和藤生線でございますが、この路線は起点を昭和三丁目から終点を藤生一丁目までとする総延長約7.6キロメートルの都市計画道路でございまして、昭和47年度から事業開始をし、平成7年度までに起点側から車三丁目までの間約2.5キロメートルが完成し、供用開始をいたしております。現在は、引き続き車三丁目地内で平成10年度から平成16年度にかけて245メートル区間を、また灘地区の東洋紡績岩国工場から平田川左岸までを1工区としまして、平成3年度から平成13年度にかけて事業を実施中であります。 続きまして、主要県道岩国大竹線、通称関関バイパスについてですが、本路線の建設事業は岩国市関戸から和木関ケ浜までの約3キロメートルを2車線道路として山口県が整備するもので、完成すれば国道2号のバイパス機能をも果たすものと期待される道路でございます。総事業費は約85億円、事業期間は昭和63年度から平成16年度までの予定となっており、昨年度までに用地買収がおおむね終了したことから、本年度は関戸側と関ケ浜側からそれぞれ一部工事に着手することになっております。 なお、県におきましては、平成11年度までに約27億4,000万円の事業費を投入しており、本年度予算7億円を加えると進捗率は約40%になる見込みであります。 岩国南道路、昭和藤生線、主要県道岩国大竹線等の路線は、岩国都市圏の主要幹線道路でありますことから、事業主体におきましても早期完成を目指して鋭意取り組んでおられ、市といたしましてもできるだけの協力をしていき、一日も早い完成に向けて今後とも努力してまいりたいと思います。 次に、国道2号と欽明路道路との合流点周辺、通称錦見交差点あたりの渋滞対策についてですが、これの改良につきましては1市3で構成しております国道2号整備促進期成同盟会岩国部会において、緊急整備要望箇所としてこれまでも要望しておりますので、今後とも管理をしております建設省に対し、交差点改良を強く要望してまいりたいと思います。 なお、関連してすぐ近くにあります国道2号と主要県道岩国玖珂線が交差するJT前三差路の交通安全対策でございますが、交通信号機を平成11年12月に山口県の公安委員会が設置しておりまして、その後の交通事故の発生状況は、設置前の17件程度から設置後は3件程度と減少しておりまして、一定の効果があったものと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎助役(村井理君) 14番 藤井議員の御質問の1、JR岩国駅東口改札業務の諸問題についてにお答え申し上げます。 まず、岩国市の取り組みと今後の対応についてでございますが、議員御承知のとおり、この岩国駅東口問題が生じて以来、市といたしましても関係機関とも種々協議検討を重ねてまいりましたが、その解決には至っておりません。また、議員の皆様方におかれましても、解決方法の模索のため国との協議など御努力いただき、心からお礼を申し上げます。また、市といたしましても、東口自治会連合会、岩国駅東口終日開放委員会の皆様と、8月29日に国を初め地元国会議員に対しての要望活動を展開するなど、その解決に向けて努力しておりますが、抜本的な解決にはいましばらく時間を要するものと推測いたしております。 これまでの取り組みとして、岩国駅東口の一部閉鎖に伴い、夜間における岩国駅構内地下道の安全性を確保するため、市といたしましては4月20日から7月末まで地下道の警備委託を実施するとともに、地下道内に防犯カメラや非常用警報装置等、防犯システムの整備を行い、去る9月1日より稼働しております。地下道の防犯システム設置により、地下道の夜間通行の安全性は格段に高まるものと考えております。 これに関することとして、議員さんも御承知のとおりでございますが、東地区の住民の皆様にも8月1日から31日までの1カ月間にわたり、自主的に防犯パトロールに交代で当たられ、心より感謝しているところでございます。 いずれにいたしましても、岩国駅東口の一部閉鎖は、地元住民や鉄道利用者の方々に不便さを生じさせ、地域経済に及ぼす影響も大変深刻であることから、岩国駅東口の終日開放を願う地元住民の熱い思いは十分承知しております。そのため、今後とも引き続き議会や地元の皆様とも連携を図りながら、地方財政再建促進特別措置法第24条第2項の趣旨や、衆参両議院の附帯決議及びそれに伴います自治省財政局長通知の枠内において、国、県、JRに協力要請を行いながら、その可能性の追求に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。 次に、JR岩国駅東口のトイレの終日開放についてでございますが、議員御指摘のとおり、岩国駅東口の改札業務が今年度より短縮されたことに伴いまして、東口の改札時間帯以外は駅舎の管理や安全上の問題から、トイレの利用時間も限定されているのが現状でございます。したがいまして、東口が閉鎖されている時間帯におきましては、議員も例題でコンビニでという例を示されましたけれども、近隣の公園等のトイレが利用されているものと思われます。 いずれにいたしましても、駅舎の一部であるトイレの開放については、JR側の判断にゆだねられているところでございますが、このままでは東口駅舎のトイレの利用者にとっては大変不便であり、公共的施設としての一面もありますので、利用時間の改善について申し入れをしたいと思いますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。 ◎教育長(二武功君) 14番 藤井議員の御質問のうち、第3点目の生涯学習の取り組みについてお答えをいたします。 議員御案内のように、文部省は平成元年4月24日に、新しい時代に対応する教育の諸制度の改革についてを諮問し、平成2年1月30日の中央教育審議会の生涯学習の基盤整備についての答申が出されました。答申では、生涯学習推進の上で留意することとして、1つ、生活の向上、職業上の能力の向上や自己の充実を目指し、各人が自発的意志に基づいて行うことを基本とするものであること。2つ、必要に応じ、可能な限り自己に適した手段及び方法をみずから選びながら、生涯を通じて行うものであること。3つ目、学校や社会の中で意図的、組織的な学習活動として行われるだけでなく、人々のスポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動の中でも行われるものであること、が必要であるとされています。また、国や地方公共団体に期待される役割は、人々の学習が円滑に行われるよう、生涯学習の基盤を整備して、人々の生涯学習を支援していくこと、と述べられております。 この答申を受けて、国では「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」を平成2年7月1日に施行し、全国的に生涯学習のまちづくりを推進をしてまいりました。 このような中で、岩国市では平成元年度、2年度に生涯教育推進モデル市町村設置事業の県指定を受け、生涯学習に関する市民アンケート調査や生涯学習関連事業調査等を実施し、岩国短期大学オープンカレッジを開設をいたしました。さらに、平成3年度、4年度に生涯学習のまちづくり推進事業の県指定も受け、まず生涯学習推進研究会を設置し、生涯学習事業の検討を行い、情報誌「生涯学習ニュース」「生涯学習だより」の発行、市民大学講座、教育文化講演会の開催、移動美術館鑑賞、60年学習発表会の集いなどの各種事業を実施し、その後の定着を図っているところでございます。 その後、平成5年度に生涯学習推進本部、平成7年度には生涯学習推進協議会を設置し、市民の生涯学習の推進体制を整え、平成8年度には生涯学習情報誌の発行と生涯学習施設めぐりツアーの開設、平成9年度には市民大学「イカルス」出前講座を開設をしております。特に、推進本部体制が整ったことにより、公民館の高齢者セミナーを初め、図書館の各種講座等、生涯学習事業の充実が図られてまいりました。 自主的な生涯学習グループもたくさんございますが、昨年度の市主催の生涯学習事業の実績の一部を紹介をしたいと思います。市民大学「イカルス」156回、延べ5,281人、生涯学習施設めぐりツアー12回、337名、大学開放講座271人、市民大学講座163人、美術館鑑賞290人、60年学習体験発表の集い650人、高齢者セミナー16カ所、1,500人、図書館の23講座、延べ8,400人などと、それぞれ多くの市民が参加をされております。これからも市民のニーズに沿った事業の展開を図ってまいりたいと考えております。なお、議員御指摘がありました生涯学習情報誌は9,500部発行をいたしております。 これからの課題といたしましては、高齢化や技術革新が進む中で、生涯学習の成果をいかに社会貢献に生かすか、つまりボランティア活動や市民活動を目的とする活動をいかに支援していくかが重要になってくると思われます。今議会にお願いをいたしております市民活動支援センターを通じて、行政と市民の連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、市民対象の生涯学習推進策と啓発活動についてでございますが、急激な社会変化や技術革新が進む現代社会の中で、市民の中でも情報格差も進むことが心配されます。そこで、いつでも、どこでも、だれでも、何でも学習できる環境を整え、多くの市民の皆さんが生涯学習を進めていけるよう、時代のニーズに合った講座をふやしてまいりたいと考えております。また、啓発活動も積極的に進め、ボランティア活動、市民活動の支援やボランティア団体、市民団体間の交流を図り、市民の自主的、主体的な活動支援を大いに進め、岩国市のまちづくり、人づくりを図ってまいりますので、よろしく御理解いただきますようお願いを申し上げます。 ◆14番(藤井哲史君) 再質問をさせていただきます。 東口の開放問題につきましては、これからまだまだ時間はかかると思いますけど、村中議員さんもおっしゃいましたけど、やはり執行部の方が指導性を持って、これから早期に解決策を見出していただきたいと。先ほどございましたように、当面2時間という具体的な時間等も出てまいりましたが、これも検討され、整理されて、対JRが認知できるようであれば、何とか一つの解決の方法として努力いただきたいと思います。 トイレの件につきましては、確かにJRは民営化されております。民間の施設にという言葉も十分理解できますけど、やはり言葉の中に出てまいりますように東口駅、これは公共の施設だという言葉がいろいろなときに使われております。公共と言いながら現実的に持っているのは民間だと、しかし困っているのは市民だということで、ぜひ解決の方向に向けてこれから執行部の努力をお願いしていただきたいと思います。 地下道につきましても、カメラができまして、防犯ベルができまして、非常に好評でございます。ただ、事故の予防ということについては完璧ではございません。やはり公共の駅という問題、大きな問題がありますので、これからしっかりとあける方向で頑張っていただきたいということを要望しておきます。 先ほど東口の問題が出ましたが、東口を駅を背中に東を向きますと駐輪場がございます。ここの照明ですね──駅の近くにどうしても人間の心理として、駐輪場をたくさん利用されますけど、その周辺の照明が非常に暗いという認識をしております。学習塾の明かり、先ほど申し上げまたコンビニの明かり等があるうちはまだいいわけですけど、やはり東口近くの照明、これについて、何とか防犯上からも検討いただけないかということを再質問させていただきます。 ◎企画部長(大伴国泰君) お答えをいたします。 藤井議員さん御指摘のように、東口の改札業務の終了時間であります7時過ぎには、東口の駅舎は消灯となります。周辺の状況は確かに先ほど藤井議員さん御指摘のように、昭和藤生線沿いには街灯が整備されております。また、コンビニの商店やあるいは学習塾の明かりがあり、防犯上は問題ないようには思われますが、しかしながら東口駅舎の明かりやあるいは学習塾の明かりが消えてしまいますと、駅舎周辺が暗くなることも事実でございます。したがいまして、今後防犯上の問題があるかないか、照明の施設等も含めまして地元及び関係機関とも協議検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願いをいたします。 ◆14番(藤井哲史君) ぜひ検討の調査の方、よろしくお願いしたいと思います。 道路問題につきましては、やはりきょう取り上げました工事されている3路線、さらには錦見三丁目の交差点等を含めても、市内にはモータリゼーションを反映しまして、今まで以上の渋滞というのが発生しております。市民の願いは、これだけ省エネを言われ、環境を言われ、そうはいいながらアクセスがきちっとしてないからどうしても渋滞して、そういう悪影響を及ぼしているんだということで、継続的な道路行政の推進と、現在国の方でも進んでおります概算要求の中にも、道路公共事業はいろいろな部分ではたたかれておりますけど、岩国の公共事業についてはそれは当てはまらないという認識をしております。ぜひ行政当局の強力な指導で、今後道路行政を進めていただきたいということを要望しておきます。 さらに、最後になりますが、生涯学習の推進について再質問をさせていただきます。 この生涯学習の中に、各種ボランティア活動との連携・推進という言葉がうたわれております。ボランティアを一日体験して、さらにその経験を生かして、次の市の中へボランティア活動を生かしていくという市民への活動体験の実績も先ほど報告されました。 この9月1日の市報のホットニュースには大変うれしいニュースが載っておりました。岩国市交通局の職員さんが、バスの時間を差し置いても救急の病院に急病人を対処したということで、感謝の手紙をいただきました。岩国市民としては本当に名誉なことだと思いますし、交通局の局長さんを初め、職員へこういうふうな形でいろいろな指導をなさっているかということにつきましては、改めて感心する次第でございます。その中にありましたように、岩国市が救急隊員たるべき演習を受けるのは私たちも存じておりましたけど、この方はこれとは別に、自主的に講習を受けられて、こういうことが対処できたということでございます。 この生涯学習のポイントは、何かをしてみようというのがまずスタートでございます。ぜひこれからも現役はしっかりと仕事をしながら、既にボランティアで活躍されている方もあるだろうし、こういうふうなのはいいことだからぜひやってみようというような形も出てくるかと思いますけど、岩国市としましてこれから各種ボランティア活動と連携しながら、行政がいかにやさしくこの市民生涯学習を生かしていけるかということを──進めるかということを最後にお尋ねいたします。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 議員さん御指摘の中にありましたボランティア一日体験でございますが、これは市内の施設を四、五人単位で訪問いたしまして、例えば太陽の家あるいはにしみ苑、静風園、そういった施設を訪問いたしまして、お手伝いをしたり見学をしたりして、ボランティアに対する認識を深めていただくために実施しているものでございますが、御参考までに申し上げますと、昨年度は12回ほど実施いたしまして69人の方が参加をしておられます。 ボランティア活動というものは、他の人々とのかかわりあるいは出会いの中で、みずからの生活を高める、そして豊かにしていくことができる契機を含んでいるというふうに言われております。また、市民参加のまちづくりが重視される中で、ボランティアを含む各種の市民活動といったものは、地域社会を支えるために欠くことのできないものであるというふうにされております。 このような活動を持続的に進めていくために、先ほど教育長の方が壇上から御答弁申し上げましたけれども、この議会に(仮称)いわくに市民活動支援センターの事業予算をお願いしているところでございます。この市民活動支援センターは、美しい自然と心をはぐくみ、「一人ひとりが輝く、個性あふれる岩国」を目指して、市民の自主的、主体的な社会貢献活動を支援し、市民と行政の共同によるまちづくりを進めることを趣旨としておりますので、この支援センターで議員さん御指摘のような市民の余暇活動、ボランティア活動を活発化するための支援を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(藤井哲史君) ありがとうございました。終わります。 ○議長(本田嗣郎君) 以上で14番 藤井哲史君の一般質問を終了いたします。 3番 福田良彦君。 ◆3番(福田良彦君) 皆さんおはようございます。きょうは昼からを予定をしておりましたが、若干時間が早くなりまして心の準備が不十分ですが、通告に基づきまして市民クラブを代表いたしまして一般質問を行いたいと思います。 最初に、給水事業について。 その1、事業認可の進捗状況と今後のスケジュールについてですが、通津地区への給水事業については、昨年の市議会全員協議会にて当局より実施方針を説明された後、3月市議会建設常任委員会において事業の優先順位は通津地区から行うと示され、それを受けて7月3日には同地区において説明会が開催されました。この説明会には、市長を初め水道局長、生活環境部長、担当職員、そして地元関係者として自治会などから約50名が出席し、当局より水道事業実施の意思表明と事業計画の概要についての説明がございました。 その中で、厚生省に対して給水区域拡大の事業認可を行う区域のうち、今回実際に事業を実施する計画区域はおおむね標高40メートル以下で自然流下方式で行うということと、限られた財源での事業でもあることから、認可申請区域を網羅することは難しいのが現状であることは容易に推測できますが、当局におかれましては既に現地にて水道管本管の埋設ルートや受水槽、配水池の増設の工事計画等いろいろと工作されていることだと思います。その中で同地区には国道、県道等もありますので、効率よく計画され、少しでも広範囲に計画が実施されることを地元の方々は望んでおられます。 これまで当局におかれては、事業認可に必要な水源や水利権については既に確保され、その事務的進捗についても並々ならぬ尽力を各関係機関に働きかけていただいておりますことに敬意を表したいと思います。21世紀は、水と環境の時代とも言われております。通津地区も都市化現象が進み、一日も早い給水開始を切望しております。事業認可の進捗状況と今後の計画スケジュールについてお尋ねいたします。 2点目、地元負担金と補助の見通しについてです。事業費の概算は約9億円ということですが、そのうち水道加入者の負担は条例で定めるところの加入金が口径20ミリで9万4,500円、そして手数料が2,500円、さらに各戸給水装置分岐工事で標準的条件のもとでの費用がおよそ15万円必要になり、そのほかに事業実施に伴う費用の一部を受益者負担金として負担するようになるとのことですが、それは幾らぐらいになりそうなのか。また、地元負担金を極力軽減するために、当局は国の補助の確保等に努力すると聞いておりますが、その見通しについてお聞かせください。 3点目の浪の浦簡易水道区域の編入についてですが、ここは現在約791世帯2,143人の人が利用されており、生活環境部が管理運営をされておりますが、給水区域の編入に伴い水道局に移管されることとなると聞いております。移管に関する生活環境部と水道局との協議はどの程度進んでおられますか。また、現有施設の有効活用をされると聞いておりますが、具体的な計画についてお尋ねいたします。 次に、下水道整備事業について質問いたします。 これまでの議会においても何度も取り上げられている公共下水道問題ですが、私たちはきれいな水を使って生活しております。水を使うということは水を汚すということです。汚した水をきれいにして自然に返すのは私たちの役目です。そして、その円滑な循環とともに、潤いある創造的なまちづくりを支える下水道は、快適な生活を送るための重要な施設でもあります。しかし、大半の自治体において、その建設に当たっては財源に国庫補助金、地方債などを充てており、またその下水道事業は受益者負担金や使用料収入等で経費を賄う特別会計で運営されております。これまでの先行投資されてきた多額の建設費の償還金とその投資により完成した施設の増加や老朽化に伴う維持管理費や改築工事費等も増加して、そこから生じる赤字補てん、雨水処理に要する費用を一般会計から繰り入れされておりますが、今後も尾津処理区の拡大に伴い、さらなる繰入金も必要となるのではないでしょうか。現在の整備状況等をお伺いいたします。 また、岩国市の下水道の普及率は16.5%ということで、山口県の45%、全国の60%と比較してもかなりおくれをとっており、これまでの議会答弁を見ても、その理由としては当局は地形的なこともあるが、やはり工事費に膨大な費用がかかるのでということを挙げられております。現在、岩国市では計画処理区域として一文字、尾津、川下、保津の4つの処理区を設定されておりますが、その中で尾津処理区と一文字処理区については事業認可を広げる際の計画性において、合併処理浄化槽設置に伴う補助の対象地区の絡みですが、認可後整備計画の7年がたち、整備が進んでいないのにもかからず、平成10年にはさらに430ヘクタールの事業認可をとられております。その理由も踏まえた今後の整備計画をお聞かせください。 最後に、市財政についてでございます。 景気低迷や恒久減税の実施などもあり、全国的にどこの自治体も厳しい財政状況を強いられております。それは岩国市も例外ではなく、当市の借金である累積起債残高は1999年度末で一般会計が491億4,000万円、特別会計が159億9,000万円になり、合計で651億円に上り、借金財政が顕著であることが言えます。既に黄色信号が点滅を始めたのではないかとか、この先将来、起債制限比率もますますふえ20%、30%となり、再建団体に陥るおそれがあるのではないかと懸念されておりますが、それを回避するためにもこれから5年、10年の財政フレームを立て、健全化へ向けて環境整備を急がなければならないということは、これまでも論議されてきているところでございます。また、向こう5年間は年平均起債を30億円以内に抑えると言われておりますが、これからも岩国市では数多くの政策を抱える中で、その整合性に疑問を感じるところもあります。いずれにせよ、今岩国市民は一人頭約60万円の借金を背負っていることになります。少子高齢化ということもあり、このままでは起債などの借金が次の世代に大きな負担として残りかねません。このような現状を踏まえた健全化への今後の見通しについて、お伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(井原勝介君) 福田議員の御質問のうち、私からは市の財政状況についてお答え申し上げます。 本市におきましても、他の自治体と同様に財政状況は大変厳しい状況にあります。将来の財政負担となります起債残高も景気対策や大規模事業の実施に伴い、近年大幅に増加しております。この償還が大きな財政負担となってきております。また、市税を初めとする一般財源の伸び悩みに加え、公債費等の義務的経費の増加に伴い、大変厳しい状況になっております。財政指標を見てみましても、起債制限比率は平成9年度の13.1%から平成11年度には14.1%と上昇しております。また、経常収支比率を見ますと、平成11年度で84.8%に達しておりまして、財政の硬直化が一段と進んでいるという状況を示していると思います。 今後におきましても、本市の取り組むべき重要課題は山積しておりまして、新たな最終処分場の整備や幹線道路網の整備等、各種の事業の実施、少子・高齢化社会に向けての健康福祉対策の推進、さらには市場事業特別会計などの特別会計の赤字解消対策なども行っていかなければなりません。 このため現在、財政健全化計画の策定を検討中でございます。この健全化計画の一環として、国の制度の公債費負担適正化計画を策定しておりまして、平成12年度からの7年間、起債借入額の抑制あるいは経費の削減を図りながら、平成18年度までに起債制限比率を13%以下に引き下げ、これによりまして義務的経費であります公債費の減少を図り、財政構造の弾力化に取り組むこととしております。 これまでも、岩国市行政改革大綱に基づきまして行政改革にも取り組んできたところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、定員管理、給与の適正化、民間委託の推進など、行財政全般にわたる改革を積極的、計画的に強く推進するため、行政改革実施要綱の見直しを行うこととしております。さらに、今後は新たに策定をしました総合計画に基づきまして、10年間の長期をにらみながら、緊急度や投資効果の高いものから優先的に事業を実施するなど、計画的な行政運営にも努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎助役(村井理君) 3番 福田議員の御質問のうち、第2点目の下水道整備事業についての(1)現状と今後の整備計画についてお答え申し上げます。 岩国市の公共下水道計画につきましては、市街地が錦川と門前川によって三分割されているという地形的な要因もあり、北から一文字処理区、川下処理区、尾津処理区、保津処理区の4処理区に区分して処理する計画としております。現在、都市計画決定されております一文字処理区と尾津処理区について、事業認可を受け整備を進めているところでございます。 一文字処理区につきましては、昭和26年から岩国駅周辺とする麻里布排水区の雨水対策を優先して整備を進め、昭和56年度一文字終末処理場完成に伴い、一部供用開始するとともに、平成4年度には立石・室の木の一部、装港・今津・山手の各地区を、平成10年度には室の木の一部・麻里布第1・錦見の各地区を加えた742.5ヘクタールに認可区域の拡大を行い、事業の推進を図っているところでございます。 なお、平成11年度末の整備面積は約294ヘクタールでございまして、平成12年度の整備予定面積は9月補正予算を加え約11ヘクタールで、平成12年度末には約305ヘクタールが整備される予定で、認可区域内の整備率は約41%となる予定でございます。 また、尾津処理区につきましては、平成10年度に430ヘクタールの事業認可を受け、根幹事業に着手し、尾津浄化センターの用地買収等を行い、平成12年度には本年の6月定例市議会が御承認いただきました尾津1号汚水幹線管きょ工事を発注しているところでございます。 次に、今後の整備計画でございますが、一文字処理区におきましては装束分区、室の木分区、今津分区等の管きょ整備、平成14年度に装束分区の一部供用開始に向け、一文字終末処理場内汚水ポンプ棟の建設、また錦見排水区の浸水対策を図るため、雨水きょの整備を計画しております。尾津処理区につきましては、尾津浄化センターの建設、松山汚水中継ポンプ場の建設、汚水幹線管きょ等の根幹的施設整備と支線管きょの整備を行い、愛宕山地域開発事業における宅地の売却予定年度までには、一部供用開始ができるよう計画をしております。 議員さん御案内のように、公共下水道は浸水の防除、居住環境の改善、公共水域の水質保全など、市民が健康で文化的な生活を営む上で必要不可欠な都市基盤整備でありますが、当市は市街地の大部分が地形的に低地であり、排水対策には不利な地形のため、排除方法に合流式を採用し事業に着手したことから、工事施工に関し多額な費用がかかるため、なかなか普及率が上がっていないのが実情でございます。 このような普及率の中で、整備区域の拡大を行った理由についてでございますが、尾津処理区の既成市街地対応や大規模開発事業に対処するため、区域の拡大を行ったものでございます。 当市の平成11年度末における普及率は、議員さんからも出されましたけれども、普及率は16.5%であり、山口県全体の45.2%と比較してまだまだ低い状況にありまして、岩国市総合計画基本構想にも掲げております平成22年度の普及率30%達成に向け、今後より一層事業の推進に努めてまいる所存でございます。 また、一文字処理区及び尾津処理区の認可区域外の地域と川下処理区、保津処理区につきましては、河川等公共水域の水質保全を図る上でも、岩国市合併処理浄化槽設置整備事業補助金及び岩国市錦川水質保全対策合併処理浄化槽設置奨励金等の制度を最大限活用いただきますよう願っているところでございますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 ◎水道事業管理者(伊藤憲夫君) 3番 福田議員の御質問のうち、第1点目の給水事業についてにお答えいたします。 まず、事業認可の進捗状況と今後のスケジュールについての御質問でありますが、藤河・御庄地区並びに通津地区への給水区域を拡大するに当たりましては、昨年12月の市議会全員協議会におきまして、その概要を説明させていただき、その後、本年3月市議会におきまして、通津地区から水道施設整備を実施する方向をお示しいたしましたところでございます。 本年度初めより、区域拡大に伴う事業認可へ向けて厚生省と協議を進めておりますが、現在、順調に推移をいたしております。条例の改正──これは、岩国市水道事業等の設置等に関する条例の改正につきましては、本年12月市議会に提出させていただきたいと思っております。 次に、通津地区への給水事業の今後のスケジュールでございますが、議員さん御案内のように、去る7月3日に市長を初めとして地元に参りまして、事業認可の区域並びに通津駅付近までの実施計画等、その概要について説明させていただいたところでございます。現在、水道施設の事業規模等を策定するために職員が直接現地へ出向きまして、配水管布設ルートの調査を実施いたしております。 したがいまして、今後の事業スケジュール(目標)といたしましては、平成13年度に実施設計及び施設用地の取得、平成14年度から平成16年度において、上水道施設整備を実施し、平成17年度から給水開始をいたしたいと考えております。 なお、議員さん御指摘のように、配水管を布設するルートには、国道、県道、河川等もありますので、地元の方々並びに各関係機関とも十分なる協議を行いまして、円滑な事業の推進に万全を期してまいりたいと存じております。 次に、地元負担金の補助の見通しについてにお答えいたします。 議員さんの御質問の中でおっしゃいましたように、概算事業費は、現時点において約9億円を試算しておりますが、この数字につきましては、今後の調査におきまして幾分の変動があることも、あらかじめ申し添えさせていただきたいと存じます。 お尋ねの国の補助の見通しについてでございますが、地元負担の軽減をできるだけ図りたいという基本的な考えのもとに、防衛補助の要望をいたして、現在全力を傾注しているところでございます。 次に、地元負担についてでございますが、通常、水道局が給水を開始する場合には、岩国市水道条例に基づく加入金、手数料及び給水装置の分岐工事費をいただいております。このたびの通津地区への給水につきましては、このほかに事業費の一部を負担していただくことになります。現時点におきましては、事業費、国費等の確定はいたしておりませんが、できるたけ早い時期に地元負担がお示しできるよう努力をいたしてまいりたいと考えております。 次に、簡易水道区域の編入についてにお答えいたします。 昨年12月市議会での議員さんの一般質問にお答えいたしましたように、通津地区へ給水するに当たりましては、水道法第8条におきまして、「給水区域が他の水道事業の給水区域と重複しないこと」とされておりますので、浪の浦簡易水道事業区域を包含して計画を作成することといたしております。 したがいまして、現在、当簡易水道事業を管理する市の生活環境部と種々協議を重ねているところでございますが、双方とも整理する事項を抱えておりますので、いましばらく時間を要すものと思っております。双方の協議が整い次第、水道局といたしましては、速やかに引き取りを完了したいと考えております。 現有施設につきましては、工期的にも、経済的にも、できるだけ有効活用を図りたいと思っております。具体的な調査はまだ完了しておりませんが、基幹施設の大幅な改良等の必要はないものと判断いたしております。 いずれにいたしましても、地区住民の方々の長年にわたる願いでもあり、一日も早い給水開始に向けて最大の努力を傾注してまいる所存でありますので、よろしく御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 ◆3番(福田良彦君) 順を追って、再質問させていただきます。 まず、水道問題ですが、通津駅の南側に南白崎日興園団地という40世帯ばかりの団地がありまして、ここは今回実施計画に入っておりませんが、この団地と同じ南町という同じ自治会は実施計画に入っております。地区の強い要望でもあることなのですが、見直して計画に入れることは可能なのかどうか、お伺いいたします。 ◎水道事業管理者(伊藤憲夫君) お答えいたします。 工事施工方法等で、現在では実施計画に入れておりませんが、ただいま議員さん御指摘の問題等もございますので、今後調査研究しまして、給水区域に含めることが可能かどうか、今後鋭意検討を進めていきたいというふうに思います。 ◆3番(福田良彦君) それでは、今回の実施計画から外れたその他の標高40メートル以下の地域への施設整備の見通しと対応はどのようにお考えでしょうか。 ◎水道事業管理者(伊藤憲夫君) 今回の実施計画につきましては、沿岸部等一部塩水化現象等も見られますし、したがいまして、水道として安全性や緊急性を考慮しまして計画をいたしております。したがいまして、実施計画から外れた地区につきましては、水道局としまして財源や、あるいは給水戸数の見通し等もございますので、地元の皆さんと協議をさせていただきながら、この見通しがつけばですね、事業を進めさせていただきたい、このように考えております。 ◆3番(福田良彦君) 実施計画等、これから協議検討が必要かと思いますので、これからも地元の方々としっかり連帯して事業を進めていただきたいと思います。 次に、下水道事業についての再質問を行います。 先ほどから、岩国の下水道普及率が16.5%ということですが、10年前の平成2年には普及率は12.5%でした。そして、さきの総合計画基本構想の中においては、10年後には、平成22年には30%にしたいと掲げられておりますが、これは、愛宕山開発に伴い、その整備が大きいと思うのですが、その30%への普及率への根拠といいますか、計画人口、面積等、また、そのおおよその事業費等が予想されれば、あわせてお聞きいたします。 ◎建設部長(川野憲明君) お答えいたします。 普及率30%、これについての達成可能かどうかという御質問と、なおかつ、その30%に到達するまでの事業費、それから処理人口、整備面積、あわせて御答弁させていただきますが、この30%の達成率につきましては、先ほど助役が壇上で御答弁申しましたが、これまでの事業そのものが多額の費用──これはもちろん、根幹施設、処理場とか、その幹線管きょ、こういうものを進めていく上で経費を要したということでございます。今後につきましては、そういう面的な整備、管きょ整備、支線管きょ等を整備していく上から、30%につきましては、達成可能であろうというふうに考えております。 それと、今後10年間の事業費についてでございますが、一文字処理区を約200億円、尾津処理区を約200億円というふうに考えております。これは、あくまで概算、約でございます。それから、整備面積につきましては一文字処理区、これ今まで整備したものをあわせまして410ヘクタール、尾津処理区につきましては160ヘクタール、また、処理人口につきましては、一文字処理区で410ヘクタールに対しまして2万5,000人を想定しております。また、尾津処理区160ヘクタールに対しましては7,000人を予定しております。これを現在の市内人口約10万8,000ということで、処理人口合計3万2,000人で考えますと、平成22年度での普及率30%、これは総合計画の数字でございますが、その目標に向けては努力して対応できるのではないかというふうに考えております。 ◆3番(福田良彦君) いずれにせよ、これからも設備投資に多額の費用がかかるというふうに認識いたしますが、それでは、もう一点お聞きいたします。 これは、武田議員からも以前御指摘があったことですが、事業認可区域が広過ぎるのではないかということなんですが、浄化槽法や建築基準法等、ことしの6月に改正施行されておりまして、合併処理槽以外は設置できなくなっておりますが、認可区域内では合併処理浄化槽の設置補助は一切もらえず、一般の家庭では大体80万円ぐらいかけて自費で設置しているわけですが、しかし、最近の合併処理浄化槽は性能も大分よくなってきております。その設置を促進する動きも大分、いろんな自治体では出てきておりますが、そういう現状を踏まえて市内全体の認可区域とそれ以外の認可区域における合併浄化槽の取り組みと公共下水道の整備促進との整合性について、お考えがあればお聞きいたします。 ◎建設部長(川野憲明君) これにつきましては、議員さん御指摘のとおり、認可区域の問題、その決定面積が大きいことということに関連してというふうに思いますけど、岩国市の場合は、市街化区域等の家屋が密集しているところ、こういうところにつきましては、認可を受けて逐次公共下水道で整備をしていくという形をとっておりまして、認可区域外、これの事業が未定の地域等につきましては、河川等公共水域の水質保全、こういうことを観点に、先ほども御答弁しておりますが、補助金制度や融資制度を利用していただき、合併浄化槽を設置していただきたいというふうに考えております。 確かに、議員さん、ただいま言われましたように、この平成12年6月ですか、建築基準法の改定で合併浄化槽、これも質がよくなっておるというようなこともあって、そういう設置する場合は合併浄化槽でなければという形は認識しております。そういうことから、なかなか事業を即というわけにはまいりませんが、市民の皆様にはそういう合併浄化槽の設置をお願いして進めているところでございますので、御理解をよろしくお願いいたします。 ◆3番(福田良彦君) きのうから、全国下水道推進デーも始まっておりますので、これぐらいにして、市財政の方に移らせていただきます。 先ほど市長さんの答弁の中で、財政健全化計画は、ただいま検討中であるという御答弁であったと思いますが、これまでも負担金や補助金の見直しなどをされておりますが、角度を変えてもっと見直すというか、実施することがほかにもあると私は思っております。 幾つか例を挙げさせていただきますと、例えば、市民課に置いてある窓口封筒でございますが、それに広告を掲載して、その封筒を市が無償提供を受けるという形なのですが、これは、既に県内では山口市、下松市、下関市、小郡で導入されております。 ここに、ちょっと一つ新聞の記事があるのですが、これは、沖縄県那覇市の情勢ですが、一つ読み上げてみます。「財政難にあえぐ那覇市は、行政改革の一環として役所窓口で市民に無料提供している封筒に、県内企業の広告を掲載することを決めた。広告を掲載するのは、役所窓口で交付された住民票や戸籍謄本などを入れる封筒。自治体が直接企業から広告料を徴収するのは好ましくないため、スポンサーとなる企業から掲載依頼を受けた広告代理店が広告入り封筒を作成し、市が寄贈を受けるシステムを採用、公共の印刷物であることに配慮し、市広告掲載に当たっては市内の企業を優先し、政治、宗教、団体に関する内容の広告は認めないことを定めている。年間200万円の経費節減になるという」──こういう記事もございますが、それともう一つ、あわせて広告媒体ということで、もう一つお聞きいたします。 これは、市財政とは所管が違うかもしれませんが、施設管理公社の三笠橋駐車場の広告用看板ですが、交通局のようにもっと積極的に収入財源として活用されてはいかがでしょうか。あわせて提言させていただき、御見解をお伺いいたします。 ◎総務部長(池元幸信君) ただいま御提言をいただきました市民課における窓口用の封筒でございますが、現在、市民課では窓口におきまして住民票や戸籍謄本などを交付した際に、お持ち帰り用の封筒を用意させていただいております。これは、岩国市の場合におきましては、年間約4万5,000枚程度でございまして、経費的には13万円という予算を計上させていただいております。 私どもも、現在、この問題につきましては慎重に検討しておるところでございますけれども、広告つき窓口封筒は、法的には問題はないようでございますけれども、市が特定の企業を優遇しているような誤解を避けたり、あるいはまた、広告主の選定基準を設けることにつきましても、業種による差別とならないような慎重な配慮が必要等の問題もございますので、いましばらく慎重に検討させていただきたいと思いますので、よろしく御理解いただきたいと思います。 ◎都市開発部長(中村政勝君) 三笠橋駐車場の収入財源として広告用看板を掲げたらどうかということでございますけど、現在、広告用看板1枚を三笠橋駐車場に掲げております。今後、設置希望者の申し込みがあれば、利用車両に支障のない範囲で設置をしていきたいという方向で公社を指導していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆3番(福田良彦君) いずれも、その効果はそんなに大きな額ではないと思うのですが、やはり、できるところから検討実施していただきたいと思います。 次に、土地開発公社が保有する用地のうち、利用計画が定まらないまま放置されている、いわゆる塩漬け土地、総額35億円とも言われておりますが、このほかに各課において、例えば道路課、河川課、水産港湾課などの管轄をされております残地や休遊地など、未利用地も幾らかあると思いますが、その有効活用や処分については、国や県は、既に早くからそれぞれの規程を設け、公有地の処分を促進しておりますが、岩国市ではどのようにされておりますでしょうか。 ◎財政部長(宮崎晃生君) お答えをいたします。 未利用地の有効活用、それから処分ということのお尋ねでございますが、事業用地の残地部分につきましては、その形状、面積等により可能な限り隣接地主への、どういいますか、処分といいますか、そういったものに努めております。 また、公有地の件でありますが、公有地のうち、未利用地につきましては、その活用に努力を傾注いたしておりますが、今後の方針として処分をも視野に入れた施策をですね、検討する時期に来ているというふうに考えております。 しかしながら、市有地を処分する上では、地価下落に伴う処分価格の設定問題、また売り払いに関する実施要綱の制定、あるいは諸規程の整備等の諸問題がございます。いずれにいたしましても、貴重な財産でございますので、慎重に検討をし方向づけをいたしたいと、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆3番(福田良彦君) それでは、最後に1点だけお聞きいたします。 滞納整理室の現状についてお聞きいたします。 当市においては、国民健康保険料7億3,000万円、一般会計関連では15億5,200万円、特別会計関係では5,200万円、合計で23億4,000万円もの滞納未収入金があるのは、さきの議会でも知らされておりますが、これは、大変深刻な問題だと思っております。現在、四、五人のスタッフで組織され既に半年がたっておりますが、現状はどのようになっておられますでしょうか。 ◎財政部長(宮崎晃生君) お答えをいたします。 本年4月1日付の機構改革によりまして、財政部収税課に滞納整理室が設置されました。滞納整理室の事務分掌でございますが、一つは、徴収困難で市税、国民健康保険料及び介護保険料の滞納整理並びに滞納処分に関すること、それから徴収困難な市営住宅使用料の滞納整理及び支払い督促の申し立て並びに訴訟に関することとなっております。 具体的に申し上げますと、当面は市税、国民健康保険料等につきまして、現在、差し押さえ執行中のもの、100万円以上──高額といいますか、以上の滞納者、特に悪質徴収困難なものの滞納整理、それに市営住宅使用料につきましては、住宅の明け渡し及び滞納使用料の支払い請求の訴訟の提起並びに強制執行の申し立て、市営住宅使用料に関する支払い督促の申し立てなどを行うこととなっております。 議員さん御指摘のように、現在市税等収納率向上のため、滞納整理室を中心に職員が一丸となって滞納の整理に取り組んでいるところでございますので、よろしくお願いをいたします。 ◆3番(福田良彦君) 組織された以上は、やはり結果が問われる時期が来るんじゃないかと思います。5カ年計画ぐらいで財政健全化計画の中に組み入れていただき、また会計関係部課の横断的な連帯を期待いたしまして、以上で一般質問を終わります。 ○議長(本田嗣郎君) 以上で3番 福田良彦君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。               午前11時59分 休憩                   午後 1時 1分 再開 ○副議長(桑原敏幸君) 休憩前に引き続き本会議を再開して、一般質問を続行いたします。 19番 山本栄次君。 ◆19番(山本栄次君) それでは、公明党議員団を代表して、通告順に従って質問いたしたいと思います。 最初に、基地問題について、普天間基地のKC-130航空機の岩国基地移駐に伴うSACOの9項目について、お尋ねしてみたいと思います。 全世界が注目した沖縄サミットが無事終了した直後、興奮覚めやらぬ沖縄へ、私ども公明党市議団は7月31日から8月2日にかけて、普天間基地を抱える宜野湾市、嘉手納基地を抱える嘉手納を視察してまいりました。サミットを無事にやり遂げた自信と誇りに満ちた市町職員の態様に大変感銘いたしました。そして、貴重なお話をたくさん聞いてくることができました。 平成8年12月2日、沖縄に関する特別行動委員会──SACOの最終報告で、普天間飛行場の5年ないし7年以内の全面返還が合意されましたことは、御案内のとおりであります。そして、はや3年9カ月が過ぎましたが、沖縄県も宜野湾市も必死で将来のまちづくりに取り組んでいらっしゃいます。すばらしい構想を持って着実に進んでいる状況であります。 一方、岩国市も、SACO合意9項目について、当局も大変努力していることは承知しておりす。私は、この質問を何回もさせていただきましたが、最近では、昨年の6月、12月議会でやらさせていただきました。それは、将来の岩国のまちづくりが決定されるといっても過言ではないからであります。当局の努力で前へ進み始めた事項も出てきたとも言われております。そこで、当局の見解もあわせて、進捗状況についてお尋ねをしてみたいと思います。 次に2点目に、基地沖合移設事業は市民の注目の中、関係各位の努力で順調に進んでいることと思います。防衛施設庁は、13年度概算要求は223億円と発表されました。これから満額獲得を目指して、議会も、執行部も総力を挙げていかなければなりません。このような状況の中、8月25日付新聞報道に、公有水面の埋立変更が山口県に対し説明との報道があり、私どももどういう性格でどういう位置づけになるのか、心配をいたしております。 そこで、本日午前中に質問がありましたけども、あえて、まず、なぜ埋め立てを拡大するのか。2点目は、基地機能強化にならないのかどうかということを──県ではそのことを含めて埋め立てに対しての防衛庁の申請を許可するかどうかと言われておりますが、この点について。さらに、3点目には、このことにより事業が2年延びると報道されております。実際にはどうなのか、また、影響についてお尋ねをします。4点目は、新しくできる新滑走路の構造はどのようになっているのか。以上の点について、当局の見解についてお尋ねしてみたいと思います。 次に、バリアフリー社会について。 高齢化社会到来により、バリアフリー化が急激に要求される時代に入ってまいりました。お年寄りや障害者に対し、生活する上で大きな障害となる階段や段差、歩道の傾斜なども取り除く施策が必要不可欠であることは御案内のとおりであります。公明党が強く推進してきた公共空間等のバリアフリー化対策に、政府は予備費から291億円充てられることになりました。大きくバリアフリー社会に向けての環境づくりがさらに進むものと確信をいたします。この秋から、交通バリアフリー法の施行を視野に入れ、鉄道、駅などの旅客施設と周辺地域を結ぶ道路のバリアフリー化が重点的に行われます。具体的には、安全で快適な歩行空間づくりとして、大きく3項目に分かれると言われております。 1点目は歩道の段差解消やフラット化、歩道の拡幅整備、2点目、駅周辺でのエレベーターつきペデストリアンデッキ──いわゆる公共用歩廊のことでありますが──等の整備、3点目、バス停付近の車道と歩道の段差が解消するバリアフリー化が実施されることになります。 岩国市も早くからこの問題について推進していることは承知しております。交通バリアフリー法を視野に入れて岩国市を考えたとき、どのような取り組みをされているのか、お尋ねします。  さらには、新岩国駅は大変不自由であると、利用者から苦情が出ていると思います。今回は、新岩国駅についてエレベーターの設置を強く願うものであります。また、岩国市営住宅等の公共の施設には、積極的にエレベーター並びに手すりの設置を進めるべきと考えますが、当局の基本的見解と今後の見通しについてお尋ねします。 3点目の教育問題についてお尋ねします。 不登校児童・生徒問題についてでありますが、文部省の学校基本調査速報によると、年間30日以上欠席した不登校の小・中学生は、昨年度13万208人に達し、1991年度調査開始以来、過去最多となりました。その内訳は、小学生が2万6,044人、中学生は10万4,164人で、小学生は288人に1人、中学生は41人に1人の割合であります。大変な事態ではないでしょうか。中学生は、ほぼクラスに1人の割合で不登校の子供がいることになります。深刻な状態になってきています。 この状況を、私どもは──この不登校の子供たちの救済策として、文部省が保健室登校や民間のフリースクールへの通学を出席として扱うよう指導していることから、学校に行っても教室には顔を出さないケースも少なくないと思われます。そうした児童・生徒も含めると、不登校の子供の数は数倍に膨れ上がるのではないかと、関係者は見ております。急激な少子化の進行で、小学校、中学校の児童・生徒数が減少している中で、不登校の児童・生徒の数がふえ続けている事態は、余りにも深刻ではないでしょうか。1992年には、学校不適応対策調査研究協力者会議で、登校拒否はだれにも起こることであると、答申で表明しております。 文部省は、不登校やいじめ対策の一環として、1995年から臨床心理士を学校に配置するスクールカウンセラーを試験的に実施しています。その配置校では、1997年から1999年度の増加率が、全体の半分以下にとどまったとのことであります。その意味から、本格的に制度化へ向けて検討に入っているということであります。 そこで、岩国市はどうなっているのでありましょうか。その意味から、岩国市の現状について、さらに教育相談室の実態と今後の見通しについて。それから、2点目の今後の対策でありますが、各地域で父母や地域住民が教育内容の検討や校則づくりに参加できる学校支援センター───仮称でありますが──の創設はいかがでありましょうか。 また、各学校に配置しているパソコンを行使して、すべてをインターネットに接続できるようにして、さらには教育相談室にパソコンを置き、不登校などで相談に訪れる児童・生徒や保護者に、インターネットを活用して学校の情報提供等をすることについて御提案申し上げたいと思います。 さらには、不登校生徒を受け入れる高校づくりについて、教育委員会はどのような考えを持っているのか、お尋ねをしてみたいと思います。 私は、今やインターネットという社会の、いわゆる先端に進む状況の中で、教育は基本的には心の教育を充実することが大事ではないでしょうか。その意味から、教師が、また保護者と生徒と一体となって1対1の対話しか解決できないと思いますが、岩国市の宝である児童・生徒をこれからどのように育てていくか、当局の見解をお尋ねして、壇上から質問を終わります。 ◎市長(井原勝介君) 山本議員の御質問のうち、私からは、基地問題についてお答えをします。 いわゆるSACOの9項目要請の進捗状況でございますが、まず都市計画道路の昭和藤生線の基地内ルートを含む約5ヘクタールの基地用地の返還につきましては、平成10年2月から5月にかけて当該地域の基地内の測量を行い、その結果をもとにして平成10年6月に、広島防衛施設局に対しまして市側の詳細案を提示し、現在まで継続して協議を行ってきたところですが、去る8月25日に、御指摘のように、広島防衛施設局から、岩国飛行場滑走路移設事業に伴う計画遊水池の一部埋め立てについての説明を受けました。 その中で国は、いわゆる市からの9項目要請のうちの都市計画道路「昭和藤生線」の基地内ルートを含め、その周辺の約5ヘクタールの基地用地の返還要望に対応して、要望区域内にある施設の移転について米側と協議をされ、米側からは返還要望区域にある施設の移設にあわせ、航空機騒音の軽減、運用上の改善等を図るため、計画遊水池の一部を埋め立て、そこに駐機場を移設する提案があり、これを受けて、防衛施設庁は、米側の提案は岩国市からの返還要望に対する前進となるばかりでなく、周辺住民への騒音の影響をより一層軽減できることなど、日米双方にとって有益であることを考慮し、計画遊水池の一部を埋め立てる方向で、埋立承認権者であります山口県と事務的調整に入ったということであります。 岩国市としましては、返還予定地内の米軍施設の移転経費や国有地の払い下げに伴う財政負担など、まだクリアすべき課題も多く、引き続き関係機関と調整していく必要がありますが、いずれにしましても、この問題について一定の進展があるのではないかと考えております。 このような状況の中、この計画遊水池の一部埋め立てに関しましては、日米双方にとっても有益であるとの国からの説明もありますが、一方で基地機能の強化にならないよう、協議の窓口であります山口県に対してお願いをしているところでございます。 また、基地の一部返還によって、し尿処理場用地を確保することにつきましては、平成11年度におきまして、米軍提供区域内の移転先候補地が適地であるかどうかを検討する目的で、地質調査及び測量調査を行い、現在はこの地域における生活環境影響調査を行っております。これにつきましても、基地沖合移設事業の工程に合わせ、移転が完了できるよう関係機関と調整しながら対応していきたいと考えております。 また、北門の移設を含む第2防衛道路につきましては、平成9年度におきまして想定される第2防衛道路及びその周辺区域の地形測量を実施して作成しました現況図等を検討の上、道路及び設計図を作成し、さらに昨年11月には基本計画を策定し、現在、広島防衛施設局と協議を重ねております。市といたしましては、将来沖合移設事業に伴う工事車両の増大が予想される状況の中で、この問題の解決が重要な課題であると認識しておりまして、全力で対応していきたいと考えております。 以上が、9項目要請のうちの短期的な対応が必要なものの進捗状況でございますが、今後とも引き続き関係する地元住民の方々の御理解を得ながら、関係機関等と協議を精力的に行っていきたいと考えております。 次に、沖合移設事業の埋め立てを20ヘクタールふやすことについてですが、遊水池の一部埋め立ての理由につきましては、先ほど御説明したとおりでございますが、これによって、基地の拡張になるかにつきましては、機能の強化になるのかにつきましては、駐機場の移設予定地である計画遊水池の一部埋め立てにより、当然陸地部分は増加しますが、そのことが基地の機能強化につながるかどうかは、駐機場の移設跡地の利用の問題等もあり、現在、直ちに判断できる材料がありませんが、いずれにしましても基地機能の強化にならないよう、協議の窓口であります県に対してお願いをしているところでございます。 また、この計画遊水池の一部埋め立てによる工期の延長につきましては、国は本事業の全体計画については、工事の実施状況を踏まえた工程管理、工事内容等によるところもあり、一部計画遊水池の埋め立てが、直ちに全体計画の見直しにつながるものではないが、いずれにしろ、現在具体的内容について調整検討中であり、全体計画への影響について言える段階にないとしております。 なお、新滑走路の構造等についてでございますが、国の説明によりますと、新滑走路は現滑走路──既存滑走路より東側へ1,000メートルの位置へ移設する計画でございまして、場所によって異なるところもありますが、新滑走路と既存の滑走路との高低差は約1メートル程度の差であるというふうに説明をしておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎助役(村井理君) 19番 山本議員御質問のうち、第2点目、バリアフリー社会についての(1)歩道の段差解消やフラット化、歩道の拡幅整備についてと、(3)バス停付近の車道と歩道の段差を解消するバリアフリー化についてにお答えします。 岩国市における市道の歩道段差解消に関する本格的な施策は、平成3年度から4年度にかけて、やさしいまちづくり事業によって東地区を中心とした歩道の32カ所で段差切り下げを実施したことに始まります。現在市道には約57キロメートルの歩道があり、うち、約33キロメートルが段差解消の対象となるマウンドアップ型の構造ですが、その大半は人口集中地区にありますので、先ほど申し上げましたやさしいまちづくり事業の実施以降、ある程度のバリアフリー化は図られてきたものと考えております。 ただ、そうは申しましても、市内にはいまだ改善されていない歩道も多く、皆様方に御迷惑をおかけてしている面もあることと認識しております。現在は、県・市ともに平成10年に策定された新道路整備5箇年計画に基づき、人口集中地区におけるバリアフリー、歩行空間のネットワーク整備を目指しており、県においては、平成11年度に藤生停車場錦帯橋線ほかの県道の一部でも既に歩道の改善工事を実施しております。 岩国市も、麻里布、平田、灘の3カ所からバリアフリー地区を選定し、今後とも歩道の改善工事を進めていくことにしておりますが、歩道の拡幅については新規に用地取得が必要となるため、極めて困難な状況でございます。 次に、公営住宅等の公共施設にエレベーターを設置する考え方についてでございますが、公共施設のうち、例をお示しいただきました公営住宅の建設に当たりましては、住宅マスタープラン、長寿社会対応住宅設計指針等に沿った住宅のバリアフリー化を初め、山口県福祉のまちづくり条例を考慮し、住みよい住宅の建設整備を進めているところで、既設の市営住宅、中高層耐火構造44棟のうち、高層耐火構造の4棟144戸にエレベーターを設置しております。 これから本格的な高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者や障害者の方が地域社会の中で安心して生活できるようにすることが、住宅施策としても最も重要な課題になっておりますので、現在作成中の公営住宅ストック総合活用計画において、住宅の用途、構造等を総合的に勘案しながら、エレベーター設置が可能なケースにつきましては、住宅改善を含めこれを推進してまいりたいと考えております。 最後に、岩国市交通局では、バリアフリー化を基本方針として、超低床ワンステップバスを計画的に導入しているところでございますが、このたびの交通バリアフリー法の制定に基づき、超低床ノンステップバスを導入するに際し、国立岩国病院付近及び牛野谷地区において、道路構造上走行困難な場所があるとの申し入れがございますので、この点につきましては調査し、改良に努めてまいる所存でございます。 よろしく御理解いただきますようお願い申し上げます。 ◎教育長(二武功君) 19番 山本議員の御質問のうち、第3点目、教育問題の不登校児童・生徒についてにお答えをいたします。全国におきまして、平成11年度の不登校、すなわち年間30日以上欠席した児童・生徒は約13万人となり、対前年度比増加率は、調査以来最も少ない2.0%となっておりますものの、人数といたしましては、調査開始以来最も多くなっていることも議員御指摘のとおりでございます。 そこで、山本議員御質問の岩国市の現状につきまして、過去3年間の不登校の状況を申し上げますと、平成9年度は小学生12名、中学生84名、計96名、平成10年度は小学生20名、中学生107名の計127名でございます。平成11年度は小学生15名、中学生86名の計101名となっております。 次に、今後の対策についてでございますが、まず、岩国市教育相談教室の現状について申し上げますと、市内の不登校児童・生徒の中で、中学生の10名から15名の生徒が通室しており、年間の延べ通室日数は、平成9年度が621日、平成10年度が758日、11年度が607日となっております。 小学生の通室は少なく、平成9年度が39日、10年度が4日、11年度が14日となっておりまして、ほとんど中学生が通室している状況でございます。12年度は、9月現在14名が通室をしております。 通室していない不登校児童・生徒につきましては、各学校で対応し努力をしておりますが、不登校児童・生徒の数は、岩国市の場合、11年度は10年度に比べ26名減少しておりますが、年々増加傾向にあると言えると思います。 次に、市内あるいは近郊の高等学校の不登校生徒の受け入れ状況についてお答えをいたします。 各学校の基本的な考え方は、受験生が不登校経験者であっても、それのみで不合格とすることはないという方針でございます。これは、不登校の状況や程度にもよりますが、過去においては、高校進学が大変厳しい時期もありました。しかし、不登校への理解は年々深まり、積極的に受験を勧める学校も多くなってまいりました。 過去3年間の相談教室通室生徒の例を見ますと、岩国商業高等学校東分校夜間部、昼間部、岩陽高校──現岩国総合高校、高水高等学校、坂上高等学校、徳山高等学校定時制、各種専門学校等への進学があり、進学希望者の約8割は進学をいたしております。 今後も不登校生徒への理解と立ち直りのチャンスを与えていただけるよう、引き続き、各高等学校へ働きかけてまいりたいと考えております。 心の教育についての今後の対策についてでございますが、教育相談教室のハード面・ソフト面の充実や教育相談制度の拡充として、現在、市内8中学校に配置されております心の教室相談員制度の活性化とスクールカウンセラーの活用に努力するとともに、将来的には相談活動の中でインターネット活用による情報提供等も検討してまいりたいと考えております。 なお、山本議員御提案の学校支援センター(案)や、今年7月に公表された教育改革国民会議の第三分科会報告の地域独自のニーズに基づいて、市町村が設置するコミュニティースクール(案)につきましては、現在のところまだ具体的に検討していないのが現状でございます。 心の教育につきましては、まず人と人との触れ合いによる心と心の触れ合いを中心に、体験学習による新しい自己の発見など、社会性の育成や教育相談の資質、機能の向上を目指し、根気よく努力し続けていく所存でございますので、御理解を賜りますようお願いを申し上げます。 ◎企画部長(大伴国泰君) 19番 山本議員の御質問の2、バリアフリー社会についてのうち、(2)駅周辺でのエレベーターつきペデストリアンデッキ──日本語で公共歩廊等の整備についてにお答えいたします。 御案内のように、我が国においては、本格的な高齢化社会が到来していることに加え、身体障害者を初めとする、だれもが社会のさまざまな活動に参加する機会の確保が求められていることから、高齢者及び身体障害者の方が自立した日常生活や社会生活を営むことができる社会基盤の整備が急務となっています。その中でも、公共交通機関を利用した移動については、必要な設備整備を行うことで、利用者の身体の負担を軽減し、その利便性及び安全性の向上を図ることが可能となることから、その果たす役割は大きいものとされています。 そのため国においては、去る5月10日、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」いわゆる交通バリアフリー法を成立され、今秋には施行される見込みとなっております。同法によると、公共交通事業者が講ずべき措置として、鉄道駅等の旅客施設の新設、大規模な改良、車両の新規購入の際には、この法律に基づいて定められるバリアフリー基準へ適合することが義務づけられており、当然のことながらエレベーターやエスカレーターの設置は必須となっております。 しかしながら、既存の施設については、当該基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと、公共交通事業者の努力義務としての位置づけにとどまっています。 また、既に交通バリアフリー法成立以前に定められた交通施設におけるバリアフリー化を促進するための国庫補助制度もございますが、その対象とされるのは、1日当たりの乗降客数が5,000人以上の一定規模の旅客施設であるという基準が定められております。 議員御質問におけるJR新岩国駅の乗降客状況でございますが、昭和50年度に1日当たり約3,200人程度の利用客があったものが、年々減少の一途をたどり、平成11年度におきましては、2,000人を割るという厳しい状況と聞いております。 したがいまして、現時点におきましては、駅舎内におけるエレベーターの設置は、JR西日本の判断にゆだねるほかございませんが、新岩国駅は当市の主要な交通拠点の一つでございますので、利用客の利便向上及び安全確保を勘案し、エレベーター等の設置を行っていただけるよう県とともに連携を図り、JR西日本に対しまして要望を行ってまいりたいと考えております。 また、誘導ブロックの設置、改札口の拡幅、駅構造における段差解消等、エレベーター以外の駅舎のバリアフリー化に加え、駅周辺地区におけるバリアフリー化も多様な利用者のニーズにこたえていくため、今後一体的・重点的に進めていくことが必要であることから、関係機関と連携の上、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いをいたします。 ◆19番(山本栄次君) それでは、順を追って再質問をしてみたいと思います。 まず、9項目についてでございますが、これは、先月の新聞に、8月25日に、沖縄県の米軍普天間飛行場代替施設の建設工法や基本計画を検討する代替施設協議会というのが、初会合が先月の25日午前、首相官邸で行われたと。その席上で稲嶺県知事は、「代替施設の15年使用期限問題について、戦後50年になって過重な基地負担を考えれば、15年の使用期限を設ける必要がある。一日も早い解決に向けて積極的に取り組んでもらいたい」と、このように要請をしました。これに対して、中川官房長官は、「要請は重く受けとめる。今後とも、米国政府に対し、あらゆる機会に取り上げていく」と、このように報じられております。この会合には、中川長官、河野外務大臣、虎島防衛庁長官、それから沖縄県知事、岸本名護市長が出席され、代替施設について最小限の規模とするなど、安全環境面に十分留意するとの方針を確認したと。次の会合では、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけに関し、沖縄県から説明を受けると、このように新聞で報道されております。 私、壇上で先ほど、我々議員団としてサミット後、沖縄に視察に行ってまいりました。その席上でも、いろんなお話を聞いてまいり、この5年ないし7年のいわゆる返還の年次に疑問を抱くところもありました。そういう意味から、私ども岩国市が、KC-130を引き受けるということを確認をし、そして合意をいたして、その9項目について、いわゆる今まで当局も含めて国に働きをかけて、少しの動きが出てきたわけでありますが、この5年ないし7年に対する、まずこの計画が妥当に進むのかどうか。予定どおり、今の感触としてどのように市長は基本的にとらえているか、まずその辺からお聞きしたいと思います。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 9項目の要請でございますけれども、これにつきましては、先ほども市長が壇上で答弁いたしておりますように、当面解決しなければならないものと、それと、中長期に解決していくものというふうに分けておりまして、当面解決する中におきまして、まず約5ヘクタールの用地の返還、それとし尿処理場用地の確保です。それと第2防衛道路の建設という3点で協議をいたしております。 し尿処理場用地につきましては、市長も答弁申し上げましたように、11年度で地質調査をやり、測量調査も行っております。現在、生活環境影響調査を行いまして、候補地として適地であるかどうかという判断をしてまいる状況でございます。 それと第2防衛道路についてでございますけれども、これにつきましても、広島防衛施設局と協議を重ねております。広島防衛施設局におかれましては、米軍と具体的な協議を行っておられる状況でございます。将来沖合移設事業に伴う工事車両が増大するということで、防衛施設庁の方も、早期に解決したいということでございますので、よろしくお願いいたします。 ◆19番(山本栄次君) 昨年の12月の議会で、私が質問したときに、まず昭和藤生線については、今回少し動き始めました。一方、このし尿処理場、北門の移設について、第2防衛道路でありますが、同じように今とほぼ、いわゆる答弁がほぼ似ていると。いわゆる進展しているのかしてないのか、その後についてこの議事録を読みますと、ほぼ同じような答弁になっております。 具体的にお聞きしたいと思います。 まず1点は、し尿処理場の見通しについてでありますが、この地元のいわゆる皆さん方の一定の了解が得られた。そして沖合移設の進捗状況との整合性を図りながら、新施設の規模や機能等の具体的内容を検討し、返還手続を進めるため準備を行っておりますと。ただいまの答弁も、いわゆる生活環境影響調査まで進めたということでありますが、具体的に当局としてはどのぐらいまでに、まず、このし尿処理の件について決着をつけたいと、このように思っているのか、お尋ねします。 ◎生活環境部長(都築宏行君) 先ほども、担当部長の方から、生活環境影響調査の調査中であるという御答弁を申し上げましたけども、し尿処理の決着といいますか、いつ、それでは実際に建設できるのかというお尋ねかと思いますけれども、まだ基本設計、実施設計等もまだ残っておりまして、また生活環境影響調査の、そこが実際適地かどうかとの判断も、いまだまだ出ておりません。今調査中でございますんで、そういうその調査を見きわめながらですね、今後検討していきたいと考えております。 ◆19番(山本栄次君) そうすると、この環境影響調査はいつまで結果が出るんですか。 ◎生活環境部長(都築宏行君) この調査は、12年度の調査でございますんで、12年度中ということで御理解をいただきたいと思います。 ◆19番(山本栄次君) 12年度中に影響調査が出て、それから、基本設計、実施設計と進めていくとなると、いわゆる沖合移設の状況も含めながら考えると、来年13年度、このぐらいにある程度の見通しがつくと、こう理解していいでしょうか。 ◎生活環境部長(都築宏行君) そういう方向でできるだけ早く、防衛と協議しながらですね、進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(山本栄次君) 次に、北門の問題でありますが、この第2防衛については、測量、11月に基本計画協議中と、これも同じように、今御答弁いただきました状況、ここまで来ていると。これについても、工事車両が急激にふえて──道路というのはそんな簡単にできるものじゃありません。建物はすぐ簡単にできますが、道路はやはり用地買収とか、周辺の環境、そういうものも含めながらやらなきゃいけないということを考えると、これも同じく、今後の流れはどのようになるのか、教えていただきたい。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 防衛道路につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますけれども、沖合移設事業に基づきまして、当然、将来工事用車両が増大するということで、早急に解決しなければいけない問題でございます。したがいまして、現在の防衛道路については、工事用車両を通すわけにはいかないということでございまして、防衛施設局におかれましても、その辺を踏まえてもう緊急に解決したいということで、米軍と鋭意協議しておられるという状況でございますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆19番(山本栄次君) これについては、地元との協議といいますか、これについては、どのように考えていらっしゃるのか。どの辺まで、いわゆるどの時期になったらこうなりますよと、こういうふうに腹案がこうなってますと、こういうようなことも含めて、その辺の考え方を……。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) この第2防衛道路の問題がまだ具体的になっていないということで、今米軍と協議中ということでございますので、地元とはまだその辺の話までするに至ってないという状況でございます。 ◆19番(山本栄次君) 一時期は、何か仮の図面なのか、いわゆる先輩議員から、私どもが聞いたその状況の中から判断いたしますと、いろいろと案が出たように聞いております。そういう中で、もう既にこの問題については長い年月、もう既に検討されてると、こういう理解をして──地元の人も大変気になっております。この辺について、まだその辺の考えが固まってないと、こういうことで理解していいですね。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 具体的な第2防衛道路の建設についての結果がまだ出てないということでございますので、その辺御理解願いたいと思います。 ◆19番(山本栄次君) どうか一日も早い地元説明を含めた、早くその辺ができるように御努力いただきたいと思います。 次に、先ほどちょっと新聞の報道を読みました。いわゆる首相官邸でこの代替施設協議会において行われたその中に、いわゆる沖縄については大変積極的に物事が進んでおります。私ども、先般お邪魔しました宜野湾市においては、普天間飛行場を抱えるその問題の中から、返還に向けてのこのような──これは単なる一冊子でありますが、基本計画をつくっております。「アジアの国際交流拠点 宜野湾の実現化に向けて」「普天間飛行場跡地利用基本計画 宜野湾市」という、こういう立派ないわゆる冊子ができているわけです。 で、1、2、3、そして、各その残された──市長見えると思いますけども、こういういわゆる大きな考え方の中に、いろいろとまちづくりについて、積極的に市民の同意を得るために相当苦労しております。そしていろんな知恵を集めて、宜野湾市は、国に力をかりながら、そして国も応援しようと、こういう動きが活発に行われております。跡地協議会とか、基地対策連絡協議会、いろんな協議会を通じて、この跡地問題を一生懸命とらえております。沖縄の長官もおります。その方も積極的にやります。 確かに、沖縄の県民の皆さんに対して、私どもも、75%の基地が沖縄に集合してるということについては、大変厳しいものを感じて帰りましたけど、じゃ、私ども岩国市にとっては、この岩国飛行場、岩国米軍基地が、本当に平和利用を目指して利用するためには、今起こっておる軍民共用、いわゆる空港問題、この問題、沖縄の方がこうやってですね、次回の会合では、軍民共用飛行場としての民間機の位置づけに関し沖縄県から説明を受けると、こう言ってるわけですが、いよいよ岩国市においても、官民挙げて軍民共用空港、9項目の中にも民間空港推進と、こういう平和利用の観点から、SACOの9項目の中に入ってるわけです。 だから、そういう点から見ると、岩国市は、ある意味では、私どもがやらないと、何か国が全然取り上げてくれんのじゃないかと、こういう危惧があるんですが、先般、いわゆる期成同盟会、そういう方々が、市長も含めて国の方へいろいろと陳情を含めて行われましたが、このSACOの中の1項目に、こういう位置づけをされてるということをですね、運輸省や、また、もちろん防衛庁は当然御存じだろうと思いますが、この辺、市長、行かれた感覚としてですね、このいわゆる岩国市に対する軍民共用空港についての考え方は、どの程度国の方は理解されてるというふうに、感触で結構ですけども、その辺について期成同盟会のときの陳情を含めての御報告がいただければ、市長からその感触をお聞きしたいと思います。どうでしょうか。 ◎市長(井原勝介君) 基地問題に関しまして、平和利用、あるいは跡地の返還、5ヘクタールの返還問題等、さまざまなこれから要望、実現もしていかなければいけないと考えておりますが、その中で、やはり軍民共用空港問題は、我々市民の長い悲願でもございますし、そのための平和利用ということをこれから強く要望していかなければいけないと考えております。 この春には、初めて広域の市町村を中心にしてですね、期成同盟会も結成をされまして、一緒に国の方に初めて陳情に行ったわけでございます。防衛施設庁等におきましては、そのときの感触では従来のそのSACOの合意、それから長い市民のそういう願い、それから基地があることに伴ういろいろな不利益を受けているという地元の実情等については、よく理解していただいているという感触でございました。 そういう地元の要望を受けて、今後いろいろ検討していきたいというふうにお答えいただいたというふうに理解をしておりますので、これから県ともいろいろ協力をしながら、県にもお願いをしながら、具体的な空港実現に向けてのさまざまなまだ課題がございますので、そういうものを国と一緒に詰めていきたいと、具体的に詰めていきたいというふうに考えております。 ◆19番(山本栄次君) 我々議会も、推進調査特別委員会を設けて積極的に進めていくというふうになりましたので、どうぞこの辺については、岩国市民待望の大きな目標になると思いますので、国の方にSACOの9項目の中に入っとるということを、私ども強く訴えたいと思います。 次に、先ほど答弁ございましたが、新滑走路の構造上の問題でありますが、いわゆる現滑走路と新滑走路の構造上に、いわゆる高低差が約1メーターということでですね、今回、公有水面埋め立て問題について、やはりこのようになったのかという感じも受けますが、米軍側からは、その公有水面埋め立てすることによって、いわゆる駐機場の移転、そういうものも含めて、まず駐機場から新滑走路までの移動に時間がかかり、即応体制がとれないということが1点。2点目は、移動中の燃料費の増大、いわゆる、きょう初めて1メートルぐらいの差があるということを御答弁いただきました。今の現滑走路からずうっと1キロ近く、飛行機をざあっと、今の駐機場から、そして緩やかな勾配をずうっと上がりながら、そして、新滑走路へ行くということは、大変なこれは、大変大きな飛行機が、いわゆるジェット機が移動するこの距離としては、この米軍側が言うのも、これは確かにそういう点はあるだろうと。しかし、今回、こういう高低差があることを当初からわかっていたんではなかろうかと、こう思うんですが、この辺については、最近こういうことになったのか、米軍側から、今言ったように、移動に時間がかかる。即応体制がとれない。燃料費が増大するということについて、当局の認識はどうだったのか、その辺について、まず……。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 新滑走路の高低差の問題でございますけれども、当初の埋立承認というんですか、その中におきましては、新滑走路は既存の滑走路より約1メートル高く計画しているということになっておるようでございます。 ◆19番(山本栄次君) いずれにせよ、この駐機場、それからその他の施設、そこの跡にペリースクールが移動すると、こういういわゆる玉突き方式になるんだろうと思います。そういう意味で、基地機能強化にならないように、どのように県が考えているのか、その辺について、山口県を窓口にして基地強化にならないように、どうか──陸地が増加するけども、いわゆるどういう形で基地強化になるかならないかということの判断が今できないと、こういう御答弁がありましたので、これについては、いましばらく様子を見てみたいと思います。 いずれにせよ、今回の新聞報道によりますと、2年程度、いわゆる沖合移設事業がおくれるような記事が載っておりました。漁業組合に対して説明されたコメントの中に、2年おくれるようであれば補償問題等も考えなきゃいけない。これについての当局の考えをお尋ねします。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) けさ、村中議員からの御質問の中にもありましたけれども、2年おくれるということは、はっきり聞いておりません。この埋め立てによって多少おくれると、それと、全体計画においてはこれから検討していくということでございます。したがいまして、当然、補償関係が生じた場合には、それなりに対応されるものと思いますけれども、現時点でははっきりそのことは聞いておりませんし、今山口県と防衛施設局で8月の末に初めてその事前調整をされたということでございますので、詳細については承知いたしておりません。 ◆19番(山本栄次君) 基地問題、最後ですが、普天間のヘリコプターの移駐について、2005年にはですね、配備予定されてる例のオスプレイの問題でありますが、これについて当局はどの程度の情報を得ているのか。また、私ども一説によるとですね、岩国基地に配備される可能性があるやもしれんというようなことを聞いたんですが、当局の見解についてお尋ねします。 ◎基地対策担当部長(兼重政秀君) 国からは、オスプレイに関するものについては話を聞いておりません。 ◆19番(山本栄次君) いずれにせよ、この問題については、これも様子を見たいと思いますが、後手後手にならないように、気がついたときには組み込まれてたというようなことにならないように、大変危険な機種だと伺っておりますので、申し添えておきたいと思います。 それでは次に、時間の関係でバリアフリーについては、今何点かありました。バス停については国立病院のところと牛野谷のところを改良していきたいと、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 1つほどお聞きしておきたいんですが、今新しく、いわゆる段差改良で2センチ、いわゆる新設をする場合、新しく変える場合は2センチという、法で決められておりますが、この2センチが非常に利用者にとって、自転車とか、また高齢者にとってはつまずいたり、大変ないわゆる障害になる。こうなっております。 一方では、まだアスファルトでフラットにしながら歩道に上がるという、この2つがあります。これについて、2センチにこだわるんではなくて、水がたまるというような問題もあるやに聞いておりますが、できるだけ優しい、歩行者にとって優しい、障害者にとって優しい、そういう歩道にすべきだと思いますが、あくまでも2センチにこだわるのかどうか、この辺についてお尋ねしておきたいと思います。 ◎建設部長(川野憲明君) ただいま山本議員の御指摘のとおり、構造的には歩道と車道のすりつけにつきましては2センチという基準がございます。そして、仮にそれを2センチというものをなくして、ゼロですりつけるといいますか、そういう形になればまた、雨水のたまりというような問題がございます。 そういうことからいたしまして、基本的には2センチというスタンスで改修を進めていきたいと思っておりますが、ケースによっては、そこらの出合いの問題、場所の問題、そういうとこもあろうかと思います。どうしても、これを2センチを全部そういう形ですりつけゼロという形には、ちょっと難しいんではないかと考えております。 ◆19番(山本栄次君) どうぞ、それぞれの場所で御一考いただきたいと思います。 最後になりますが、不登校児童の問題についてであります。 先般教育相談室横山に行ってまいりました。久しぶりにその成果の大きさにびっくりいたしました。先ほど答弁もありましたように、不登校児童・生徒が、高校にきちっと通っていくまでになったと、お母さん方、家族の喜びはひとしおであるというふうにも聞きました。で、そういう中で、まず、いじめの実態について、当局は今現在、この不登校の要因となるいじめの問題について掌握しているかどうか、お尋ねしておきたい。 ◎教育長(二武功君) いじめの問題につきましては、大変深刻な問題でございますが、幸いにして学校、あるいは行政、あるいは保護者、あるいは関係各位の大変な御努力によりまして、全国的にも、あるいは岩国市としましても、減少をいたしております。岩国市の実数をちなみに挙げてみますと、9年度が小・中あわせて70件、10年度があわせて53件、11年度が42件、3年連続して減少いたしております。 しかしながら、教育委員会といたしましては、いじめはどの学校にも、どのクラスにも起こり得る問題であるということの基本認識に立ちまして、いじめる子供に対して、いじめは人間として絶対に許されないものであるという認識を徹底させる指導と、いじめられる子供たちを徹底して守り通すという、そういう取り組みを指導しているところでございます。 なお、岩国教育事務所との連携によりまして、市内の小・中学校を一緒に訪問をし、いじめの問題を調査したり、状況、現状をお聞きしたり、その対応で指導が必要な場合には、指導・助言等行っております。また、重大な問題が発生をした場合には、いじめ問題対策委員会というものを随時開催できるというふうな体制もとりながら、この問題に対応しておるところでございます。 ◆19番(山本栄次君) これは、大変複雑な要素を抱えておると思います。いじめ、不登校、どうぞこの問題については、各学校間での交流、先生のレベルアップ、そして学校の先生もよく転校されます。そういうときのレベルの違い、学校にその──前の学校と新しく行ったところのこの感覚のずれ、こういうものもどうぞ研究なさって、撲滅を目指して頑張っていただきたいと思います。 以上で終わります。 ○副議長(桑原敏幸君) 以上で19番 山本栄次君の一般質問を終了いたします。 9番 林 雅之君。 ◆9番(林雅之君) 皆様こんにちは。あい岩国21の林 雅之でございます。 先般、私は、岩国町長であり、後に昭和15年、初代岩国市長である永田新之允氏が書かれた「三十年後の岩国市」という未来記を読みました。彼は、飛行機ステーション──飛行場ですね、水道事業、高玖米といいまして、高森、玖珂、米川という広域行政──合併ですね、そういうまちづくり、あるいは岩国大学、沖合の埋立事業、また湾岸事業など、多くの施策を今から60年以上も前に考えていたということは、すごいことだと思いました。これは、まさに今の岩国市がやろうとしていることであり、現在、遅々としてなかなか進まないというところであるというふうに思います。 私は、岩国市長、そして市職員、市議会議員が一体となり、全身全霊を傾けて、岩国市民の皆様のために政策の実現に向けて頑張らなければならないというふうに思いました。市長、強力なリーダーシップをとり、市議会と一丸となって岩国ここにありと、日本じゅうに示そうではありませんか。 それでは、通告に従いまして代表質問を行います。 第1項目め、まちづくりについて(中心市街地商業等活性化基本計画を中心として)についてお尋ねします。 第1点目のまちづくりの組織についてであります。 我が国は90年代後半、とりわけ98年の中心市街地活性化法の制定に相前後して、まちづくりに対する関心や注目が高まっております。その視点や問題意識というものは、地域商業の振興を重視するものから、地域経済全般の発展を視野に入れたもの、あるいは福祉など地域の福祉問題への対応に注目するものなど、実にさまざまであります。 まちづくりとは、地域の活力や活気を高めるための諸施策、言いかえれば、地域商業などの経済的側面だけでなく、社会的、文化的要素を含めた地域社会のあり方に関する総合的かつ個別具体的な構想ないし計画、そして、それらの実現に向けた市民・住民参加型、あるいは市民・住民主体型の運動や活動であることが必要です。すなわち、行政当局、地元事業者による非営利の任意団体、商工会議所、その他の非営利組織や民間企業、大学、研究機関、地域住民など、さまざまな組織が協働的取り組みにより、まちづくり組織ができると思います。 すなわち、まちづくり組織を単に小売商業振興のためだけの組織として位置づけるのではなく、住宅、オフィス、レストラン、芸術、文化施設、駐車場、交通ネットワークなどを含む全体を視野に入れた総合的マネジメントないしコーディネートを行う組織こそが、再活性化の中軸を担う組織であると思います。この点について、岩国市は行政主導ではなく、まちづくり組織をどのようなメンバーでつくろうと考えておられるのか。また、一つ一つの案件の意思決定のステップごとに、市民、住民参加の合意形成を考えておられるのか、この点が一番大事です。見解をお示しください。 第2点目の固有のまちづくりについてであります。 岩国市固有の主体的特徴や環境条件を踏まえて、いかなる都市を目指すのかの戦略を策定し、そうした戦略に基づいて固有のまちづくりを模索すべきであると思います。岩国市は、どのような特色のあるまちづくりを考えておられるのかをお尋ねします。 第3点目の推進体制についてであります。 その推進において、商業者、市民、行政とが連携し合って総合的にプロデュース、マネージメントし、TMOを組織するということですが、商業者は、その地域の全員なのか。市民は、市全域の人なのか、その地域だけなのか。市の各部局がそれぞれ立案し、どこが窓口になるのか。また、タイムスケジュールはどうなのか。BID──ビジネス・インプルーブメント・ディストリクトというような組織が非常にあちこち世界じゅうでつくられて、まちづくり組織に大きく貢献されているわけですけれども、この組織はつくるのかなど、多くの問題が山積しております。99年9月現在で、活性化の基本方針をまとめた地方自治体は169市町村ですが、市町村が認定したTMOは25カ所にとどまっています。市当局は、全体をどのように推進しようと思われるのか、お答えください。 第4点目のゆめわく委員会についてお尋ねします。 昨年、岩国市全域にゆめわく委員会が設立され、各地のいろいろな問題について提言されました。私は、この委員会が地域のまちづくり組織になり、地域主導型のまちづくりが少しずつできてくるのかなと思っておりましたら、いつの間にやら終了しているとのことです。岩国市のまちづくりのレベルの低さにがっくりしました。 まちづくりは、各地域に自立的活動を展開している組織があり、市内に多数存在することによってこそ、まちづくりの多様性や活力が確保されるのであります。そうした中から、まちづくりの新しい芽吹きも生まれてくるのではないでしょうか。この点について、どのようにお考えですか。明確な答弁をお願い申し上げたいと思います。 次に、第5点目の、実施計画と予算についてであります。 基本計画までは、いろいろな意見が出て、夢が膨らんでくるわけですが、実施計画の段階に入ってくると、予算が潤沢にあるわけではないわけですから、多くのよいプランも却下され、一部のプランが残り、また優先順位を決定しなければならないでしょう。タイムスケジュールも50年でやるというわけにもいきません。日に日に新たに目まぐるしく変化する社会で、10年計画ぐらいで実施計画を立てないと、そのプランは無用の長物になります。また、中心市街地となりますと、少なくとも200億、300億円は必要でしょう。この予算は現在の岩国市でどのように捻出しようとして計画しておられるのか。机上の空論では話になりません。「こころが響きあうふれあいの街"麻里布"」と中心市街地のパンフレットには書いてございますけれども、心が通じ合わないになってくるのではないでしょうか。 以上、いろいろ述べてまいりましたが、私は、まちづくりは人づくりであると思います。岩国市には、いろいろな委員会、協議会、懇話会等がございます。そのメンバーはどの会合に行きましてもほとんど同じメンバーが多く、会合の時間が過ぎれば、その会は終わりとなるような会が多いように見受けられるという市民の声がございます。まさに市長がおっしゃっておられる政治の仕組みを変えなければだめなんです。そうしないと風は起こらないんです。今こそ市長の強力なリーダーシップで風を起こそうではありませんか。それが岩国の50年、100年後を決定するといっても過言ではございません。市長の明確な答弁をお願いします。 第2項目めの錦川についてであります。 岩国市は、水環境保全条例で、「錦川等の水環境を保全し将来の世代に引き継ぐために、市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、水道水源の保全に関し必要な事項を定める」と明記されております。また、市長、市民、事業者が果たす役割を明確化しております。 山口県は、今年度の予算で、水環境21創造事業で700万円を全国初で予算化し、良好な水環境を創造するために、河川流域で水質浄化の特徴的な事業を実施しております。その事例として、阿武川水系で炭を利用して水質を浄化し、ワサビを栽培する。また、厚東川水系では、自然酸化池を整備してメダカが生息できる小川や池をつくったりしております。 このように山口県は、水環境の問題も他県に先駆けていろいろな施策を実行に移そうとしておりますし、地球に優しい環境づくりの融資事業も行われております。 そのような環境づくりの中で、岩国市と山口県が締結している菅野ダム・生見川ダム協定、覚書が遵守されておるのでしょうか。この点について3月議会、6月議会で八幡頭首工、天然遡上アユ、冷水病、環境ホルモン、環境と水についてお尋ねしました。 また先般、錦川総合開発促進協議会で、ダム協定、覚書は遵守されておられると思いますかと山口県に質問しましたら、ダム湖の水質保全において、新技術を導入し、動物プランクトンをふやし、藻類を減らし、冷濁水を防止するよう努力しているとのことです。ということは、もともと冷濁水の防止、湖沼化、また水量等をダム建設以前からあった河川に守っていくという協定、覚書が遵守されていない、約束違反であるということではないでしょうか。 では、岩国市としては、どのような方策があるのでしょうか。ダムを壊し、自然に戻すのがベストであるのでしょうが、それはできますか。できなければ、年に少なくとも2回、3回、ダムより錦川が清流になるくらい水を流すことです。それにより湖沼化した水系は浄化され、また転石効果──すなわち石が転がることにより、石の全面にコケがついて、えさが豊富になります。また、ブラックバスなど外来移入魚は、八幡頭首工でとめられているわけですが、放流により流れ出て死んでしまうでしょう。市は県に対し早急にダム協定、覚書を遵守するよう要請すべきであります。市当局の明確な答弁をお願いしたい。 第2点目の、平瀬ダムの建設についてであります。 山口県は、平瀬ダムの建設により、治水安全度が向上するとともに、錦川に生息するさまざまな生き物にとって、河川環境を保全する維持流量を確保すると説明しておられます。山口県は、岩国市とどのような協議をしておられるのか。ダム協定、覚書が、今までのが遵守されていなくて、もう一つのダムが上流にできて、錦川は一体どうなるのですか。市当局の見解をお尋ねしたい。 第3項目めの錦帯橋と観光についてであります。 まず、1点目の錦帯橋建設についてお尋ねします。50年に一度の錦帯橋架け替えは、岩国市のシンボルで、日本三奇橋の一つでもあり、市民のみならず、錦帯橋を愛する多くの人が注視している一大事業、一大イベントであります。来年より建設に入るということでございますが、工期、どこが建設するのかということが決定していないと思います。昨年の9月議会でも市長は、材木も建設も地元の業者でやっていただくと。そして、そのためには、協同組合をつくってやっていただくと答弁されておられます。現段階において、だれがどのようにして施行するのか。だれが全体を指導していくのか。もしその組合があるならば、それが1年で施行できるのか、2年なのか、3年なのか。また、そういう能力がその事業体にあるのか。そういうふうなもろもろの問題点があると思います。 また、今ごろになって文建協ですか、これに設計図面を書き直すといいましょうか。昭和26年当時の図面で、当時の業者がその設計図面でやっているわけですから、変更があるということでしたら、書き直しも当然でございましょうが、この点について、私は、設計図面なくして、最初から何もないということを申し上げたい。図面ありきなんです。今ごろになってという感がございます。 以上の点について明確な答弁をお願いしたい。 第2点目の城下町とまちづくり組織についてであります。 岩国市は、錦帯橋周辺のまちづくりに着手されておられ、この10月には身近なまちづくり支援街路事業で、大明小路を中心に岩国のまちづくりの基本計画ができると聞いております。この基本計画は、第1項目めで述べました、地元の城下町のまちづくり組織なくして決していいものはできないと思います。地元の盛り上がりの中で実施計画を行っていかなければならないと、総論があって各論なしということになるでしょう。当局の見解をお示しください。 以上、壇上での質問を終わります。 ◎市長(井原勝介君) 我々の大先輩である永田市長の例を引用されて、長期の視野に立った政治の重要性を指摘されましたが、まさにそのとおりだろうと思います。私も全面的に賛成をしたいと思います。 永田市長に及ぶべくもないとは思いますが、すべての人にとって住みよい、個性あふれるまちを建設するために、私も最大限の努力を傾けたいと思っておりますので、議会の皆様方の御協力もよろしくお願い申し上げたいと思います。 林議員の具体的な御質問のうち、私からは、最初のまちづくりについてお答えを申し上げます。 御承知のように、中心市街地は、古くから商業などのさまざまな機能が集積し、人々の生活、娯楽や交流の場であり、また長い歴史の中で、独自の文化や伝統をはぐくむなど、そのの活力や個性を代表する顔ともいうべき場所であります。しかしながら、近年多くの都市で、モータリゼーションの進展への対応のおくれや、商業を取り巻く環境の変化、中心部の人口の減少と高齢化などを背景にしまして、中心市街地の衰退や空洞化という問題が深刻化してきております。そのため、市では、まちづくり三法の一つとして施行されました、いわゆる中心市街地活性化法に基づきまして、先般、策定しました市の総合計画との整合性も図りながら、商業者や市民の方々が持っているまちづくりのアイデア、ノウハウを生かした中心市街地活性化基本計画を策定しまして、本年4月、国の方に提出をしております。 また、行政、民間事業者、地域住民などがお互いの意思疎通を図り、中心市街地の活性化という共通の目標に向かって連携して、それぞれの役割が果たせるよう、まちづくり事業を推進するTMOが必要であることは御指摘のとおりでございます。現在、市におきましては、商工会議所が主体となりまして、市の基本計画に沿ったTMO構想や組織づくりに向けて作業を進めております。 今後は、市におきましては、中心市街地活性化対策室を設置しておりまして、そこが窓口となりまして、TMOとの連携、調整を図りながら、御指摘のように、中心市街地活性化の基本計画──計画倒れに終わらないように、その具体化の段階に至っていると思います。 優しさと刺激のある都市環境づくりや人々を引きつけるにぎわいづくり等、商店街の活性化に向けて駅前の整備、総合庁舎跡地の活用などを中心にしながら、本市の特性を生かした、にぎわいのあるまちづくりを構築するために努力をしてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ◎助役(村井理君) 9番 林議員の御質問のうち、第2点目の錦川についての(1)菅野ダム・生見川ダム協定、覚書の遵守についてと、(2)の平瀬ダムについてにお答え申し上げます。 まず、菅野ダム・生見川ダム協定、覚書の遵守についてでございますが、本来ダムは、電力の供給や洪水調節機能、流量維持機能等を確保するものとして建設が進められております。しかし、一方では、流量の減少などにより、河川環境の悪化にもつながることが懸念され、母なる錦川の恩恵が損なわれることのないように、流量の確保のため県と協議を重ね、その確認のあかしとして、協定書や覚書を締結しているところでございます。 河川の水質や環境保全には、この協定書等で約束された事項については、当然のこととして遵守されるべきものと考えており、守られない場合は、当然守るように要求もしてまいらなければならないというふうに考えております。 議員の御提言は、ダム湖の水を年に一、二回程度、一定量放水して、転石効果等により、錦川の生態系をも蘇らせるとともに、水質保全や清流を回復させ、その環境を保持するということであろうかと思います。 冒頭にも申し上げましたように、ダムの目的は、洪水調節、工業用水の安定化、発電等を目的としているものでございます。したがいまして、川の美化や清掃あるいは浄化のために放流するのは、ダムの建設の目的から困難が予想されます。しかし、建設省は、ダム下流の清流を回復するため、一定量を放水する弾力的管理を試験運用しておりますので、錦川におきましても、このような方法が可能かどうか、錦川総合開発促進協議会等を通じ、御指摘の趣旨を県に伝え、要望してまいりたいと考えております。 次に、平瀬ダムについてお答えいたします。 錦広瀬地先に堤高73メートル、堤延長330メートル、総貯水量2,950万立方メートルの重力式コンクリート多目的ダムとして建設されるものでございます。昭和48年に実施計画調査に着手いたしまして、昭和63年度から建設事業に着手しているところでございます。 平成10年には、建設省、山口県により、ダム事業の再評価が行われ、平瀬ダムにつきましては、現事業計画に沿って事業の推進を図ることが適当との方向づけがなされております。現在の事業の進捗状況は、用地取得についてはほぼ完了し、漁業補償も再調査を終え、来年度から交渉の予定と伺っております。 いずれにいたしましても、平瀬ダムも洪水から下流地域の生命、安全を守るという治水事業であると同時に、流域の恵まれた資源の保全を考慮した整備が望まれます。ダム建設に当たっては、県におかれましては、下流地区に対しまして説明、協議し、意思の疎通を図りながら事業を進めていただいておりますが、今後も関係機関に対し、水質保全や錦川生態系の保持について要望してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。 ◎企画部長(大伴国泰君) 9番 林議員の御質問の1、まちづくりについての4点目、ゆめわく委員会についてにお答えします。 御承知のとおり、岩国市では現在、平成10年度から3カ年かけまして、平成22年度を目標年次とする岩国市総合計画を策定中です。この計画の策定に当たりましては、現下の激動する政治、経済、社会構造の変革の中で、新たな世紀における岩国市をどう展望し、どのような岩国市としていくのか。そして、そのためには、どのような方法で策定すべきかを最初に十分に議論いたしました。そして、この計画を共有し、新に生きたものとしていくために市民参加、つまり市民と協働によるまちづくりの視点と、職員参加、つまり自分の職務のあり方と市民に及ぼす影響の二つの視点から策定体制を整備し、現在は庁内内部の委員会において基本計画の詰めの作業を行っているところでございます。 ゆめわく委員会は、市内16地区の地域単位で組織し、地域及び岩国市全域についての長所や課題を見つめ直していただき、それぞれのまちづくりについて考察いただいたものでございまして、総合計画への反映と市民のまちづくり参加への契機づくりとして実施したものでございます。 ゆめわく委員会は、ことしの1月25日から27日にかけまして、市内3カ所で発表会を開催しましたが、熱心に御討議された様子がありありと伺え、いずれもすばらしく、地域のあり方、岩国市のあり方について貴重な御提言として賜りました。 発表された内容につきましては、早速、地域別、項目別に分類し、当時組織されていました岩国市総合計画審議会委員並びに庁内の総合計画策定組織の全委員に配付し、担当職員が認識し、計画に反映できるよう、計画策定に当たりましての資料とさせていただいております。 また当日の発表会では、多くの方が計画づくりのおもしろさやまちづくりのあり方について感想を述べられ、私ども主催者側といたしましても、本当に意を強くしたところでございます。 このたびのゆめわく委員会は、計画策定への市民の参加と意見反映を主眼としたものですが、これを契機に自主的に、任意的な組織として再編され、継続発展していくことを期待するものであり、市といたしましても、そのためのフォローは惜しみませんので、お申し出をいただきたいと思います。 そして、まちづくりについて、市とその組織とが定期的な意見交換ができるようになりますれば、総合計画策定に当たっての基本的な考え方の一つである、市民との協働によるまちづくりが形づくられるわけであり、岩国市の目標とする将来像でございます「美しい自然と心を育み、一人ひとりが輝く個性あふれるまち岩国」が創造できるものと確信をいたしております。 次に、(5)の実施計画と予算についてにお答え申し上げます。 総合計画につきましては、6月市議会定例会におきまして、平成13年度から22年度までを計画期間とする基本構想の御承認をいただいております。この御承認に基づきまして、現在、本年度中の策定をめどに、平成13年度から17年度を計画期間とする基本計画の策定作業を進めているところでございます。 また、実施計画につきましては、総合計画の目的を達成する実現化策として、相互の整合を十分に図りながら、平成13年度から15年度の3年間の計画を本年度に策定する計画でございます。 さて、議員御懸念のように、本市の財政状況は、今後起債を一定枠に抑えていく等の措置をとらざるを得ない大変厳しい状況となっており、市といたしましても、実施計画の策定におきまして、予算との整合を図っていくことが大きな課題であると認識しているところでございます。 そこで本年度から、計画行政の強化を図るため、実施計画の策定におきまして、行政評価システムの試行的導入に取り組んでいるところでございます。これによりまして、重要性、緊急性、財源の有利性等に基づきまして、限られた財源の中で、市として優先的に取り組んでいくべき事業は何かを可能な限り整理していくとともに、行財政改革を一層推進することにより、各種事業の実現を図ってまいりたいと考えております。 また、来年度以降におきましても、市民のニーズや社会、経済の動向等、事業を取り巻く環境の変化を勘案しながら、毎年ローリングによる計画の見直しを行ってまいる予定でございます。 いずれにいたしましても、実施計画につきましては、中期的な展望に立ち、本市の方向性を見きわめ、実現可能な計画の策定に努めてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 9番 林議員の御質問のうち、第3点目、錦帯橋と観光についての第1点目、錦帯橋建設についてお答えをいたします。 架橋工事の工期につきましては、本年6月定例会におきまして御答弁申し上げておりますが、現場での作業であります架橋工事は、平成13年度から平成15年度までの3年間としており、各年度とも出水のおそれの少ない渇水期に限定しております。 この渇水期における工事期間を、当初は10月から翌年の3月までとしておりましたが、昨年来から岩国市観光協会を初め、観光関連事業者及び西岩国地区の各自治会におきまして、架け替え事業の概要を御説明する中で、年間を通じて観光客の最も多い11月まで現況のまま渡橋可能となるよう計画をしてほしいという強い御要望がございました。 当初の施行計画では、仮設橋の計画はございませんでしたが、最終的な施行計画を検討するための錦帯橋修復検討委員会において、これらのことを踏まえ、迂回路建設について御意見を伺うと同時に、錦川の管理者である県河川課を初め、関係機関と協議・検討を行った結果、迂回路を設置することにしたわけでございます。 このため、各年度とも11月より工事に着手いたしますが、11月は仮設足場や迂回路の建設期間としておりますことから、この期間中は通常どおり、錦帯橋を渡橋していただけます。この迂回路の完成を待って、現況の解体作業に取りかかり、架橋工事の完成は翌年の3月までとして計画をしております。現場での架橋作業以外の期間におきましては、用材の加工や金物類の作成期間としております。仮設足場や迂回路の建設時期であります11月や解体時の4月におきましては、幾らか交通規制をかけることはありますが、錦帯橋は1年じゅう渡橋可能となり、また、迂回路を利用しながら架橋工事を間近に見学することもできますことから、施行期間中における観光客の掘り起こしも行っていきたいと考えております。 工事の内容についてでございますが、平成13年度に第3橋、平成14年度に横山側の第4橋、第5橋、それから、平成15年度に岩国側の第1橋、第2橋を順次架け替える予定といたしております。基本的には、木造部分の全面架け替えでありますが、それに付随した仮設足場の建設や作業ヤードの設置、迂回路の建設、また一部敷石の補修も行ってまいります。 錦帯橋は、創建当時から地元の人々の手でつくられ、守られてきた伝統がございます。昭和26年から行われた再建工事におきましても、この伝統を重んじ「郷土の歴史的な遺産は郷土人の手で守る」という機運で再建が行われてきております。このたびの架け替えにおきましても、伝統や技術を将来に継承するため、可能な限り地元の人々の手でつくり上げることを基本方針として進めていきたいと考えております。 最後に、文建協における実施設計がなぜ必要なのかということでございますが、今回の架け替えに際しまして、文化庁への現状変更許可申請書が必要となり、その添付書類に設計図が必要となります。また、現存する型板は、第3橋のみであり、型板のみではあらわされていない部分が多数あるため、施行するに当たっては、その詳細な図面が必要となります。 以上、御理解を賜りますよう、よろしくお願いをいたします。 ◎都市開発部長(中村政勝君) 9番 林議員の御質問のうち、第3点目の錦帯橋と観光についての中の城下町とまちづくり組織についてお答えいたします。 岩国地区及び横山地区は、城下町として発展してきた歴史的景観を有する地区であり、両地区は岩国地区の一部を除き、昭和13年から錦帯橋風致地区に指定されており、錦帯橋を中心とした県下有数の観光地でございます。 現在、国の補助事業として取り組んでおります身近なまちづくり支援街路事業調査につきましては、両地区に現存する歴史的資産を生かし守りながら、地区内に錯綜する通過交通を排除し、居住環境の改善に資する街路の整備を行うため、両地区の現状や住民の意識について調査を行った上で、都市計画道路ネットの整合を図りながら、歴史的道筋としての整備を行うことを目的として、地区内道路の整備のあり方について調査するものでございます。 現時点での地区整備構想として、岩国地区におきましては、都市計画道路の見直しを踏まえ、今なお沿道に歴史的資産が色濃く残る大明小路を軸として、観光歩行導線に回遊性を持たせるような歴史的道路空間の整備を図りたいと考えております。 次に、横山地区におきましては、平成10年度に地区のまちづくりのマスタープランとして、景観形成計画を策定し、国の補助事業を受け、街なみ環境整備事業として事業着手しておりますので、地区内幹線道路のあり方について、今回の調査との整合を図ってまいりたいと考えております。 この調査は、知識経験者、地元代表者、関係機関から構成される身近なまちづくり支援街路事業調査促進協議会の意見を踏まえて、取りまとめ時期を10月ごろと予定しておりましたが、当初の見込みよりも若干時間を要している状況にございます。 今後は、調査促進協議会における地区整備計画について一定の方向づけをいただき、整備内容をまとめた上で、地元説明会や意見交換会により、住民の合意を得た上で、計画に沿った整備事業を地区住民と連携をとりながら進めていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 ◆9番(林雅之君) それでは、前後するかもわかりませんが、再質問をさせていただきたいと思います。 まちづくりについて、一番大事なことというのは、まちづくりは人づくりであるということが一番基本なんです。しかしながら、岩国のまちづくりというものを見ておりまして思いますことは、形式的にやるんです。例えば、市当局の皆さんに、どうなんですかと、地域の皆様方、もっとこう積極的にどんどんやるように言われたらいいんじゃないんですかと申し上げたら、いや、なかなかやっていただけんものでと。それは、どの地域も皆そうなんです。 例えば、先般、私ども経済の常任委員会で彦根市に行ってまいりまして、彦根城の前にキャッスルロードという街なみがあるんですね。ちょうど錦帯橋から、今の山口銀行の錦帯橋支店、あのエリアぐらいまでの長さがたしかあったと思うんですが、いずれにしてもそういうところもお医者さんを中心とした地元のやはりメンバーの盛り上がりの中でやっていったということが基本ベースであると。これについても、全体がやはり36億円ぐらいのお金を約40億円、それぐらい使っとるわけです。 だから、私が一番申し上げたいのは、ただ岩国市の場合、まちづくり組織というのもそうなんですが、ゆめわく委員会にしても、平成11年の10月19日につくられて、12年の1月27日ですか、これには一応その結果報告をされて終了されておられるということ。このゆめわく委員会こそ、岩国市の全域に一応16地区つくっとるわけでしょう。それをなぜ終了させるのか。今からじゃないですか。それが自立できるまで──そりゃいろんな組織の形態はいろいろあったかもしれません。今からやはりそういう組織を今からつくり上げて、自立ができるようにして、そして、岩国市が大いにそういうところのまちづくり組織というものをバックアップしていくということが、私は一番必要であるというふうに思います。 だから、その面が、岩国のまちづくり──TMOだとかなんとか、こういうものは非常にすばらしいね、これはパンフレットですよ。何かこれで終わりますよ、今のまちづくりというのは。じゃ、この質はどうかと。担当も、各岩国市の庁舎内部もちょっとお尋ねしてみましたが、皆ばらばらじゃないですか。一体、いつ、どのように、タイムスケジュールを持っていかれようと思っておられるのか。ただ形式的に、どこかのコンサルに頼んで、はい終わりですよというパターンじゃ、岩国市のまちづくりはできないということなんです。これについていかがですか。 ◎経済部長(吉崎冾示君) お答えをいたします。 まちづくり全体について私がお答えをするのはどうかと思いますが、中心市街地の基本計画絡みの、いわゆる計画書を出されての御質問だと思いますので、私の方から答弁をさせていただきます。 確かに議員御指摘のように、まちづくりというのは、そう簡単にできるものではないと認識をしております。特に、国と市町村、それから隣接する関係の市町村、それから市の内部、それぞれが協力し合わなければ、この基本計画も成り立たないと思っております。したがいまして、この4月に中心市街地の対策室を設置いたしまして、現在、庁内に岩国市中心市街地活性化事業策定協議会を設置しております。そこで、いろいろな事業について細部の詳細な見直しを現在検討しておるところでございますので、御理解をいただきますようお願いいたします。 ◆9番(林雅之君) わかったようなわからんようなあれですが、私は、一番思いますのは、今申し上げますように、例えば5番、この実施計画と予算についてというところ、これが一番重要と思うんですよ。だから、先般から申し上げて──皆さん、たくさんの方が申し上げておられる。結局、岩国市というのは、もう借金が650億円も60億円もべらぼうにありまして、起債とか、起債か何か名前ようわかりませんが、借金が30億円ぐらいしかできませんと。そしたら、この借金の30億円をそのまま、例えばまちづくりかなんかに注ぎ込むちゅうんだったらいいですよ。だけど中心市街地といっても、いいですか、駅前全域を直すのに、私見てて思うに、少なくとも今私質問しましたように300億円、400億円ちゅうような金が要るわけですよ。この金をどのように捻出するのか。 じゃ、この絵見てください。この絵見ますと、ここがロッテリアで、ここがYMCAで、総合庁舎のここの街路樹ができるぐらいのもんで終わりますよ、これ。この中心市街地のこの構想ではね。私は、そういうふうに思う。 だから予算の裏づけが──その30億円、今の借金も、もうその今の30億円というものも、使い道は皆、使途は決まってるということならば、私は、この金は一体どのように引っ張り出すかと。これは市長、私はこういうふうに考える。 結局、今は民間空港──先ほどから村中議員あるいは山本議員、これ民間空港等々大いに平和利用をやれと、私もそう思う、これはぜひとも。それで、それは戦後の沖縄というのは──本当に岩国はほとんどお金はもらえないけれども、遺失利益というのは、5兆円も6兆円もお金は向こうはもらい、岩国はほとんどもらわない。これに対して当然今の基地の現滑走路の返還と同時に、民間空港を飛ばすということに引っかけて必ずこれをやるということ。それで、金を取ってこなければ話にならないわけでしょう。だから、私だったら、そういう民間空港をやることがインフラ整備に、その周辺の整備につながるということと、やはりそれだけの迷惑施設になるわけですから、そういう面では、基地をもっとうまく──先ほどから各議員、諸先輩の議員さん、沖縄の民間空港がどうこうっていうことをおっしゃったけれども、まさにそれに対しても岩国市というのは、年間100億円、200億円ぐらいの金、10年間で2,000億円ぐらいの金もらう権利あるんですよ。そういう施策をやっていかれれば、この中心市街地商業等活性化とか、あるいは今の錦帯橋周辺の整備、これもできると思うんです。だから、そういう点についてどのようにお考えですか。答えてください。 ◎企画部長(大伴国泰君) お答えをいたします。 大変林議員の貴重な御提言といいますか、なかなかそういった方法もございますでしょうが、我々といたしましては、先ほど来より壇上から私も御答弁申し上げておりますが、まず、行政評価システムを最近取り入れて、優先事業の整理を行ってみたりとか、あるいは行財政改革の推進でありますとか、あるいは予算とタイアップした、先ほど御質問がございましたが、実施計画の策定を行うといったことでありますとか、あるいは短期間での実施計画、超短期間に及びます実施計画、不要不急の事業を除き、緊急度あるいは投資的効果の高いものから優先的に年度間の調整を行いながら事業を行っていく。やはりこういったことが基本になりまして、林議員さん御提言、いろいろございましたが、着実な事業の推進を図っていくからには、そういったことが基本になってくるんではないかと、かように考えております。 ◆9番(林雅之君) もうちょっと時間ありませんので、一応、そういうことでやってくださいね。頑張らないと勝負にならないでしょう。市長、よろしいですね。 もう次に行きます。ダム協定の協定、覚書の遵守についてということですが、だから、市は県に対して、ちゃんとダム協定を遵守するということを言うちゅうことですね。そういうふうに解釈してよろしいんでしょうか、今の答弁は。 ◎企画部長(大伴国泰君) 林議員さん、おっしゃるとおりでございまして、もしそういったことがございましたら、県の方に要望なりをしてまいりたいというふうに考えております。 ◆9番(林雅之君) ありがとうございます。 それでは、平瀬ダムについても同じなんですが、それじゃ企画部長、あなたは錦川に幾つ漁協があるか御存じですか。 ◎企画部長(大伴国泰君) 存じておりません。 ◆9番(林雅之君) これは実は三つあるわけなんですけどね。これ平瀬ダムができるということは、今、申し上げますように、二つのダム、菅野ダム、生見川ダムもなかなか協定が遵守されていないという現状の中で、じゃ平瀬をつくるときも、もっとやはりそういう──もちろん漁協だけではございません。岩国市というのは、美川から下流が錦川ではないんですからね。全部徳山の一番奥までが錦川なんですから、そういうところを精査されて、現在一体漁協の皆さんやら地元の住民の皆様──私、この前錦から美川から皆行ってきましたよ。部長ら行かれますか。行ってちゃんと調査して来なければ。ただ、机上の空論を幾ら述べておられても始まらないんですよ。だから、そういう協定もちゃんとした、やはり一歩突っ込んだ協定書をつくるなり、覚書をつくるなり、平瀬ダムにおいてもしていただきたいということを思うんです。これについてはいかがですか。 ◎企画部長(大伴国泰君) 御指摘の点につきましては、今後十分留意して実施してまいりたいと思います。 ◆9番(林雅之君) ちょっと時間ございませんので次に行きまして、錦帯橋建設についてでございますけれども、まず第1点、工期の3年というのは、どこが決められたんですか。どのような機関が決められたんですか。答えてください。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 先ほど壇上で申し上げましたとおり、錦帯橋修復検討委員会で最終的に決定をいたしました。 ◆9番(林雅之君) それでは、これはまあいよいよ来年から架け替えということでございますけど、ここにおる市会議員の皆様方、どこが一体事業主体になるのかと。私はわかりませんね。というのは、結局、去年の9月議会で市長がおっしゃった──私は何か組合つくって、木は木の組合と、材木は材木の組合と。それで金物は金物の組合をつくるということを去年の9月に市長、答弁されておられるんです。こういうふうに受け取ってよろしいんですか。 ◎経済部長(吉崎冾示君) お答えをいたします。 御指摘のように、用材につきましては、錦川流域の木材協同組合をつくられましたので、昨年の9月に契約議案として上程をしたわけでございます。したがいまして、工事の部分につきましては、ことしの12月の議会をめどに契約議案として上程をさせていただくよう、現在いろいろの準備をしているとこでございます。 ◆9番(林雅之君) それでは、私思いますに、その3年とか何年とか、2年なんか1年かよく──執行部おっしゃっておられるのは3年とおっしゃるんですけれども、結局、そこに3年でつくる能力があるのかどうなのかとか、そういう判断はどこがやられるんですか。失礼ですけど、ここにございますけど、錦帯橋修復検討委員会の委員長というのは、大熊さんですか。これは何ですか。新潟大学の工学部の方なんですか。ちょっと答えてください。 ◎経済部長(吉崎冾示君) そのとおりでございます。 ◆9番(林雅之君) だから、今から受けようという事業者に、じゃそれが能力があるとかなんとかいう判断は、ここが実態を御存じ、わかるんですか、どうなんですか。私にはわからないですね、よく。それちょっと答えてください。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 工事の請負先として、いわゆる適当かどうかということでございますが、いわゆる市の発注工事でございますので、市の方で対応可能かどうかにつきましては判断をさせていただきます。 ◆9番(林雅之君) ですから、もう一度確認しますけども、地元の業者で──私はあくまでも公募制なり何なりでやっていくようなシステムが一番いいと思うんですがね。結局、市民の総力を挙げてやるということが、市長、これはあなたの基本ベースなんですよ。だから、結局、私は残り、あれ幾らだったですか、13億円ぐらいあると思うんです。すごいお金なんです。それで、できるだけ地元に落とすシステムで、みんなの協力の中でやっていくということができないとだめだということなんです。ぜひともそういうことは、よく申し述べておきたいと思います。 それでは先般、図面ですね。文建協──財団法人文化財建造物保存技術協会という文建協に一部ですか、それをかえられるということで、文化財の許可が要るということで図面をかかれるということですが、この図面はもうできてるんですか、どうなんですか。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 現在、文建協の方に委託をしておりますので、現在作業中であると認識をしております。 ◆9番(林雅之君) まだできてないということですね。 ◎経済部長(吉崎冾示君) どの程度の進捗状況か、私把握をしておりませんけど、まだ完成した現物を見ておりませんので、現在作業中と認識をしております。 ◆9番(林雅之君) それでは、これは、実は昭和26年のときの錦帯橋災害復旧工事設計図という、これだけのすばらしい、これは半分にコピーしてるんですが、全部のコピーがあるんです。これで昭和26年当時は名勝錦帯橋設計書とか全部あって、これでつくっとるわけですよ、現実は。だから、そういうものを私いろんな意味でどんどんどんどん、これつくっておられる。それは、文建協が要るということであるならば仕方がないんですけれども、私は建物、物づくりというものは、図面ありきであるということを申し上げたい。 だから今回の見積もりも、例えば、米価が昭和26年から35年が47.75倍とか、そういう倍率を掛けて執行部は計算しておられるんです。それは去年の9月議会で述べておられる。いいですか。この図面で落とせばいいじゃないですか。これが今ごろになって要るからこれやりますと。図面ありきですよ、設計図──物をつくるのは。市長、それについてどのようにお考えですか。もう時間がございませんので、短く答えてください。 ◎経済部長(吉崎冾示君) お答えをいたします。 先ほど設計図のことを申し上げましたが、文建協を委託先として選定をした理由には、この架け替えを契機に、創建当時から現在までのさまざまな資料、それから、架け替え決定から工事完成までの資料などをまとめ、錦帯橋資料として後世に残したいと考えております。そのためには、文化財に対する多くの知識や経験のあるものでなければならず、文化財としての史的調査、古文書の解析、技術保存に関する調査・研究や資料の作成等について多くの実績を持っている財団法人文化財建造物保存技術協会を選定したわけでございます。 ◆9番(林雅之君) 時間がございませんので、市長、先般、私たまたまのあれでわかったんですが、青森県の鶴田というところに、鶴の舞橋という橋があるんです。その橋は、全長が、これは総ヒバを使って全長が300メートルで日本一長い木造の橋なんです。これは錦帯橋の約1.5倍ぐらいの長さがあるということです。これは、総ヒバで、たまたま錦帯橋もその青森のヒバを入れてるわけですけれども、その基礎から橋の全部上まで、その全部の木の容量が、錦帯橋は約400ちょっとですね、410立米ぐらいと思う。これに対してここは818立米使ってるんです。それで、この総工費が幾らと思われますか。2億5,000万円です、全部の工費が。ここは26億円です。上物部分だけですね。これをよく頭に入れて、いかにすごいお金を使ってるかということと、岩国市民の総力を挙げてやるということが、あなたの基本ベースなんだから、もっとそういうところでPRももっとうまくやられて、ただ表面上の先ほどのまちづくりと同じですけれども、ただ、形式的にやって終わりというんじゃだめなんです。それをお願い申し上げまして質問を終わります。 ○副議長(桑原敏幸君) 以上で9番 林 雅之君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。               午後3時    休憩                   午後3時21分 再開
    ○議長(本田嗣郎君) 休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を行います。 21番 長尾光之君。 ◆21番(長尾光之君) 昨日、麻里布中学校の体育祭に行ってまいりました。短い練習時間の中ですばらしい競技、演技が真剣に、また楽しく行われました。私も、快い汗をかかせていただきましたし、感動し、また元気もいただいて帰りました。今の子供たちの行動が、大きな社会問題になっていますが、あの子供たちにとっては、全くこういう心配はないんではないかと、さわやかな気持ちで帰ってきました。元気をいただきましたんで、元気に一般質問を行いたいと思います。 宇野千代記念館(仮称)は、だれのために、何の目的でつくられるのでしょうか。この記念館建設が、このような大きな問題になるとだれが想像したでしょうか。この一番の原因は、市が経過報告を議会に全くしなかったことにあると思われます。 私は、平成6年3月議会で、初めて宇野千代記念館について一般質問をしました。宇野千代先生がまだ御健在のときでした。なぜこのとき、このような質問をしたかというと、福島の古関裕而先生の記念館を見たとき、展示資料の充実、すばらしさにびっくりしました。係の人にお尋ねしますと、古関先生が御健在のときから、記念館建設が検討され、資料が散逸することなく、記念館が建設されたとのことでした。 私は、岩国では名誉市民でもあり、数々の文学賞を受けられ、国の文化功労賞を受けておられる先生なら、将来、岩国市において記念館の話が取り上げられるだろうと思い、一般質問をしました。そして、その後、沖本前助役が宇野先生のところに行かれ、宇野先生は「私はまだ元気だけど、もしそのときが来たら、岩国市のために協力する」との返事をもらったと聞いております。 宇野先生、平成8年6月10日に98歳で永眠されました。平成8年6月、議会一般質問において、宇野千代記念館の建設について提言が行われました。平成9年1月17日、宇野千代顕彰会設立準備会から、宇野千代記念館の建設と生家の保存をという陳情が、市長あてに出されております。平成9年9月22日、宇野千代顕彰会から、宇野千代記念館の建設等についての陳情が提出されております。同じく、平成9年11月1日、宇野千代記念館(仮称)建設にかかわる基本構想作成業務委託が行われております。平成10年7月14日、岩国市と宇野千代先生の継承者である藤江さんと「市は宇野千代記念館(仮称)を建設する。2、藤江氏は、先生の遺品を市に無償で寄贈する」等の内容とする覚書が締結されております。平成11年1月25日、宇野千代記念館(仮称)基本設計業務委託。平成11年9月、宇野千代記念館(仮称)実施設計業務委託予算計上。そして、平成11年12月、繰越明許議決。平成12年2月1日、全員協議会説明。平成12年2月28日、平成11年度補正予算説明で市長は「今後も市議会はもちろん、市民の声も大いに聞きながら、一方的にではなく、皆さんとの共同作業でこの事業を進めていきたいと考えている。そして多くの市民に望まれ愛される事業になるよう、最大限の努力をしていきたい」と市長が表明しております。 ここにあります平成9年11月1日に、宇野千代記念館(仮称)建設にかかわる基本構想作業業務委託が東京の坂設計事務所に依頼されましたが、この経緯についてお尋ねいたします。 次に、建設予定地についてお尋ねします。 建設予定地が、吉香公園の一番奥、吉川家の墓所の隣になっておりますが、なぜあの場所が記念館として最もふさわしいと決まったのでしょうか。当初の予定地は、どことどこで、どのように検討されたのか。また、見直しの候補地はどことどこで、どのように検討され、そして、やはり今の予定地が一番よいと決定したのはなぜか、お尋ねいたします。 次に、この予定地について、地元住民と一度も説明、話し合いが持たれてなく、今後どのような対応をしていくのですか。また、この地元合意がとれず、長引くようなことがあれば、どのようにされるのかもお尋ねいたします。 次に、運営についてお尋ねします。 入館者8万人、入館料450円、これが決まった経緯を詳しくお示しください。この運営に関して、赤字はどのように考えておられるのかもあわせてお尋ねします。私は、この事業は当初から教育委員会の所管ではなく、経済部の所管として取り組むべきではないかと述べてきましたが、当局は、頑として教育委員会がベストだと言っておられますが、宇野千代先生の何が教育委員会として一番ふさわしいのでしょうか。しかし、記念館ができたら、観光としても取り組むとのことですが、これもおかしな話で、今まで一度も観光協会関係者や、また旅行エージェントとの意見交換が行われず、この事業の成果がどこにあるのか、全く先が見えません。 私は、宇野先生の作品は、すばらしいと思っております。多くの入館者を期待するのは先生の生きてこられた足跡であり、話題性だと思います。教育委員会として、どのように入館者の増加に取り組まれるのか、お尋ねします。 今、市民の多くは、この事業の見直しを言っておられます。今の市の考えは、議会の合意を得て、一日も早く実施設計業務を行うという考えが強く感じられます。宇野千代記念館をつくることがゴールではないのです。この記念館ができ上がってからがスタートなのです。何十年も毎年約4,500万円の維持管理費が必要なのです。全国からの寄附、またボランティアの協力が得られるからといって、でき上がって数年は続くかもしれませんが、将来にわたって何の保証があるのでしょうか。年間2,000万円、3,000万円の赤字が出るようであれば、宇野先生はどのように思われるでしょうか。もし休館、閉館という事態が起これば、だれが責任をとるのですか。見直す勇気も必要です。建設場所、事業費、運営についての見直しについてお尋ねします。 以上で、壇上での質問を終わります。 ◎市長(井原勝介君) 長尾議員の御質問は、宇野千代記念館についてでございますが、大部分につきましては、後ほど教育長さんの方からお答えがあると思います。私の方からは、観光面についてお答え申し上げたいと思います。 本施設は、文化施設として位置づけられておりまして、観光のみで語ることも適当ではないかもしれませんけれども、観光面への寄与ということも当然考えていくべきものでありまして、観光面についてお答えをしたいと思います。 昨年、日本観光協会の御協力によりまして、観光地づくり推進モデル事業の指定を受けまして、岩国の特性を生かした観光地づくり推進プログラム事業の提言を受けております。この中でも錦帯橋などと並んで宇野千代の活用が言われておりますが、今、御指摘のように、全国に根強いファン、文学に興味を持つファンがおられるわけでございまして、岩国の観光の新しい──今までにない新しい側面に光を当てることになるのではないか。そして、今までにない岩国の新しい魅力になる可能性を大いに秘めているのではないかというふうに考えております。 御指摘のように、宣伝、PR等につきましては、まだまだ不十分な状況がございますので、今後の観光宣伝等につきましては、観光パンフレット等に掲載するだけではなくて、旅行エージェント等にも積極的にPRをしていき、展示品に限らず、各種企画展示の内容等を含めて積極的な情報提供に取り組みまして、観光の面でも寄与できるように考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎教育長(二武功君) 21番 長尾議員の御質問の宇野千代記念館(仮称)についてお答えをいたします。 宇野千代記念館(仮称)の建設につきましては、議員御指摘のように、長尾議員を初めとして多くの方々から御提言を賜り、準備を進めてまいりましたことは御案内のとおりでございます。 本市は、岩国の個性を大切にしたまちづくりを進めておりますが、先生の遺品と関連する資料は、岩国の大きな個性、財産になり得るものであり、決して失ってはならないもので、本館建設は、他の都市では建設できない、岩国市に行かないと見れない、岩国市を特色づける施設となり得るものと考えております。 お尋ねの宇野千代記念館(仮称)は、だれのために、何の目的でつくられるのかにお答えをいたします。 宇野千代記念館(仮称)は、名誉市民であり、国の文化功労者でもありました先生の業績を顕彰する、残された資料の散逸を防ぎ、保存・整理を行う、資料を公開し、市民の生涯学習や文化活動に寄与する、全国的なファンを持たれる先生の個性豊かな記念館を横山地区に配置することにより、新たな集客層を加えた集客地域としてさらなる活性化を図る、企画展示等を通じて、地元ゆかりの文学者等の紹介や資料の受け入れ保存を行うため、岩国市横山一丁目地内吉川墓所の隣接地に、延べ床面積1,300平方メートルの記念館を建設するもので、開館は平成14年を目指しております。 施設の内容といたしましては、先生御自身はもちろん、先生とかかわられた小説家の尾崎士郎、小林秀雄、谷崎潤一郎、フランスの哲学者アラン、画家の東郷青児、人形師天狗屋久吉等々多彩な芸術家、文化人ゆかりの品々を展示いたします常設展示室、市民の文化芸術の発表の場としても活用いただきます企画展示室等を計画しております。 山口県東部地域には、この種の施設がないことから、記念館が建設されますと、全国の文学館、美術館等との交流が可能となり、市民はもとより、岩国地域広域圏内の各町村の観光客の方々に、岩国で直接目に触れていただく機会の提供ができるものと考えております。 また、ライブラリー室には、郷土の偉人紹介コーナーを併設する計画でございますので、企画展示を通じて岩国市出身の多彩な人々を紹介することにより、市民はもとより、岩国地区広域圏内の各町村と多くの方々の生涯学習や文化活動の場として活用していただくとともに、観光客の方々にも岩国を理解していただく一助になるものと考えております。 次に、建設予定地についてにお答えをいたします。 建設予定地の選定の経緯については、貴重な資料を市民を初め多くの方々に見ていただきたいことから、集客能力が高く、本市のシンボルである錦帯橋の周辺で、岩国市所有地の有効活用を図っていくことから、横山地区3カ所を候補地として選定し、平成10年12月、(仮称)宇野千代記念館建設検討委員会において検討した結果、現在地を選定しております。 平成11年、市議会9月定例会におきまして、議員御案内のように、実施計画費関係の予算を計上いたしましたところ、建設規模、場所等について見直しを検討するということから、設計委託料については、議会とも御相談をしながら、結論が出るまで予算の執行はしない旨の答弁をしております。 こうしたことから、教育委員会では、新たに候補地として横山地区内1カ所、川西地区内1カ所、岩国地区内3カ所を選定し、検討してまいりましたところ、いずれも用地取得費、敷地面積や権利者等の調整に問題があり、また、場所を変更することにより、基本設計をやり直さなければならなくなることから、現在地に建設することが最適であるとの結論に達した旨、平成12年2月市議会全員協議会において御説明申し上げ、一定の御理解が得られたと考えておりますが、なおまだ議論が一部に残っており、今後とも市議会や市民の声を聞きながら、一方的でなく皆さんとの共同作業で進めていく旨、平成12年市議会3月定例議会においてお答えをいたしております。 次に、地元住民の合意についてにお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、地元住民への説明のないままで記念館を建設することは、非常に難しいことと考えております。そこで、横山地区自治会連合会会長ほかにお会いし、地元住民への説明会の開催をお願いをしているところでございます。教育委員会といたしましては、早期に説明会を開催させていただき、地元住民の皆様方の御理解を得るべく鋭意努力してまいりたいと考えております。 次に、運営についてにお答えをいたします。 平成12年2月市議会全員協議会において御説明申し上げましたとおり、友の会的組織としてスタートさせ、会員を募りながら法人設立の手続が進められる、運営に市民の参加が得ることができる等の利点があることから、運営委託先として財団法人に加えて、特定非営利活動法人いわゆるNPO法人も対象として検討いたしております。また、教育委員会といたしましても、友の会的組織により全国的な募金活動等行っていただき、集まりました浄財は、運営費の一部を補うとともに、資料購入やイベント等の財源にしてまいりたいと考えております。 また、運営経費の試算の中で御説明申し上げている平均入場料450円の根拠につきましては、他の類似館の入場料金を参考にしております。参考までに申し上げますと、中原中也記念館、一般300円、生徒150円、森鴎外記念館、一般500円、生徒300円、ふくやま文学館、一般300円、生徒、無料、松本清張記念館、一般500円、中高生300円となっております。 現在考えておりますNPO法人は、あくまでもボランティアを主体とするもので、運営の一部につきましては、ボランティア活動によりお願いをしてまいりたいと考えており、極力法人の赤字についての補てんは考えない方向で組み立てをしてまいりたいと考えております。 しかしながら、NPO法人にいたしましても民間法人であり、民間の主導によって設立されるものでございます。教育委員会といたしましても、できるだけ早い時期に設立をお願いしたいと考えております。 また、貴重な資料を市民初め多くの方々に見ていただき、愛される施設にしていきたいと考えておりますので、今後もいろいろな企画に工夫を凝らし、集客能力の向上に鋭意努力してまいりたいと考えております。 次に、事業の所管についてにお答えをいたします。 議員御案内のように、博物館法で、博物館とは、歴史、芸術、民俗等に関する資料を収集し、保管、展示して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関となっております。 また、宇野千代記念館(仮称)建設の目的は、残された資料の散逸を防ぎ、保存・整理を行う、企画・展示等を通じて地元ゆかりの文学者等の紹介や資料の受け入れ、保存を行うとしておりますので、博物館法の規定を受ける施設であり、したがいまして、教育委員会の所管であろうと考えております。 しかしながら、事業の目的の一つとして、全国的なファンを持たれる先生の個性豊かな記念館を横山地区に配置することにより、新たな集客層を加えた集客地域としてさらなる活性化を図ることから、観光振興にも寄与できるものと考えております。 事業費の見直しについてにお答えをいたしますが、御質問の趣旨は現在地では集客能力が難しいので、建設場所をさらに見直し、事業費についても、規模の見直しも含め見直しができないのかということであったかと存じます。 まず、建設予定地の見直しでございますが、第2点目でお答えをいたしましたとおりでございます。 次に、事業費の見直しでございますが、先生は、文学者としての業績もさることながら、雑誌の出版やデザインの仕事もされ、しかも98歳で亡くなられる直前まで現役として御活躍され、その幅広い交流とあわせまして、非常に多くの資料が残されており、その数は3,000点となる予定でございます。この寄贈品には、多彩な芸術家、文化人ゆかりの品々が含まれておりますので、これらも展示し、昭和の文学的世界を提示していくためには、全体として延べ床面積1,300平方メートルを確保する必要があるものと考えております。現在、基本設計が完成しておりますが、現段階での建設規模の見直しは非常に困難なことから、事業費の見直しにつきましても難しい状況でございますが、厳しい財政事情のもと、限られた財源を有効に活用してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。 ◆21番(長尾光之君) 今、宇野千代記念館の中で、やっぱり市民が一番大きく問題にしていることは、やっぱり今言われた事業費の問題、それと建設予定地の問題、そして運営の問題、この3点だと思っております。今の財政を考慮し、三つの問題点をクリアすることができれば、市民の合意は得ることができると思いますが、しかし、今、市の行おうとしていることについて、市民の理解を得ることは非常に難しいんではないかと思っております。多くの方にいろいろ聞きましたし、いろんな話が耳に入ってきますけど、ほとんど今の規模ではいけないっていう、そういう声が強く入ってます。 私も一番最初に、この議会で一般質問で宇野先生の記念館を出しましたけど、まさかこんな大きな事業のものができる予定になってるとは思いもしませんでしたし、私の思いとはかなり違うっていうふうに私は大きな声で言いたいと思います。 そこで、まずいろいろお尋ねしますけど、覚書が結ばれておりますけど、この覚書の、要するに3,000点の、要するに先生の遺品ですけど、これは藤江さんのものという、これは完全に確認していいわけでしょうか。先生から藤江さんが引き継いで、完全に藤江さんのものだっていうことを確認していいかどうか、その点からお尋ねします。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 覚書、先ほど議員の方から御指摘がありました平成10年7月14日付で交換しております覚書の中に、甲──これは岩国市でございますが、宇野千代記念館(仮称)を建設するものとする。それから、第2条で乙──これは藤江淳子氏ですけれども、乙が継承した宇野千代先生関係の資料等のうち、宇野千代記念館(仮称)に展示する資料について、無償で甲に寄贈するものとするというふうになっておりまして、藤江さんの方で継承されてるていうふうに認識しております。 ◆21番(長尾光之君) ということは、相続として藤江さんが完全に受け取ってるっていうこととして確認していいわけですね。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) そのように認識をしております。 ◆21番(長尾光之君) 私は、藤江さんも岩国に随分縁のある人に今なっておられますから、この事業がどういうふうに展開するかわかりませんけど、そういう中で藤江さんの協力も今後十分いただけるていうことは確信しておりますけど、いろいろ今の生家の方では、要するに相続の方が何人かおられて、いろいろ問題が発生してるというようなことも聞いておりますんで、その辺が少し気になりましたんで確認しました。 それと、またいろいろ聞く前に、要するに、坂さんに設計委託が行った経緯について詳しいことを聞きたいんですけども、その前にちょっと覚書のことですね。この覚書の締結のとき、だれとだれがおられて、どこで締結しているのか。まず、この辺をお聞きします。 ◎教育長(二武功君) 大変申しわけございません。時間を若干いただきたいと思います。(発言する者あり) ○議長(本田嗣郎君) ちょっと待ってください、ちょっと待ってください。休憩中じゃないですから。 今の質問に対して、質問があるというのは、事前にもう通告してあるはずなんですが、その件についてはどうなんですか。 一応、今の問題について執行部の方で検討していただくとして、また調査していただくとして、時間はどのぐらいかかりますか。(「5分です」と呼ぶ者あり)5分。わかりますか、すぐそっち。ちょっと何分ぐらい要るか、ちょっと済みませんが。(「10分か15分ぐらい」と呼ぶ者あり)15分休憩いたします。               午後3時54分 休憩                   午後4時10分 再開 ○議長(本田嗣郎君) 休憩前に引き続き本会議を再開し、長尾君の一般質問を続行いたします。 なお、長尾君の残り時間は29分です。当局の答弁を求めます。 ◎教育長(二武功君) 大変貴重な時間を拝借いたしまして申しわけございません。 長尾議員の覚書を締結したときの日時、場所等について御説明を申し上げます。 10年7月14日、10時30分、市長室におきまして、市長、藤江さん、そして担当の職員で、報道陣も入って、そこで締結をいたしております。その後、甲決裁で関係者が見ております。 ◆21番(長尾光之君) わかりました。 次に、坂さんのとこに基本設計の委託が行ってるわけですけど、この坂さんにお願いする経緯ですか。この辺をちょっと確認したいんですけど。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 基本設計の業者選定の理由ということでのお尋ねでございますが、宇野千代記念館(仮称)でございますが、この基本設計につきましては、平成10年度、先ほど議員御指摘のように、坂茂建築設計に892万5,000円で委託をしております。この記念館は、先生の展示館であり、かつ観光客の集客性をも期待する施設でもあります。話題性のある、個性豊かな特色のある施設を目指し、著名で特色の出せる建築家であり、かつ先生の業績や人生観につきましても深い理解が必要とされることから、先生の後継者でもあります藤江淳子氏に推薦を依頼いたしました。その結果、2000年6月1日からドイツ、ハノーバー市で行われております国際博覧会の日本パビリオンの設計を手がけられました坂茂氏の推薦がございました。 坂氏は、阪神大震災やトルコ大地震で紙管──紙の筒ですが、紙管による仮設住宅を建設したことでも著名な方であります。また、国際博覧会の日本パビリオンでも紙を使った世界最大の建造物として、世界じゅうから注目を浴びておられます。 この推薦を受けまして、坂氏に記念館の提案を求めまして(仮称)宇野千代記念館建設検討委員会でも検討を行いまして決定をしたものであります。 ◆21番(長尾光之君) ということは、藤江さんが坂さんを勧められたんですか。それとも岩国市の方が坂さんをお願いした、藤江さんにお願いしたんですか。どっちですか。だれが坂さんを一番、だれがお願いしたんですか。岩国市は全く関係なく、藤江さんが、ただ坂さんがいいからって言われたんですか。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 先ほども申し上げましたように、藤江淳子氏に推薦を依頼いたしました。 ◆21番(長尾光之君) わかりました。ということは、岩国市には、もうこの宇野千代記念館、要するに集客性とか、先生の遺品であるとか、人生を云々とかっていうのいろいろ言われましたけど、そういう岩国にはそういうもう設計する、該当する人はいないんだということの中で、市が藤江さんにお願いしたということですね。(発言する者あり) それでは、次の方の質問に移りたいと思いますけど、まず建設予定地ですけど、私は、いろいろ予定地のこともあれですけど、人の流れとか、要するにあの場所、そして私は一番悪い場所を選んでるんじゃないかっていうふうに私は思ってるんですね。(「場所はええ」と呼ぶ者あり)場所はいいんだけど(笑声)、あの建物を、あの場所なら一番いい形でおさまるんです。一番いい形でおさまるけど、観光客が行くのには一番悪い場所を僕は選んでるんじゃないかと思うんですけどね。この辺について、ここに、建設予定地について、土地代がどうのとか、狭いとか広いとかって、基本設計をまた再度行うことがあるということがいろいろ載ってますけど、要するに人が来るか来ないかっていうことは、どのように検討されてるんですか、あの場所について。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 建設場所の選定についての御質問でございますが、先ほども教育長の方が壇上で御答弁申し上げましたように、数カ所、5カ所を検討いたしました。周囲の景観あるいは観光面から検討して決定をしております。 それから、平成12年2月の市議会全員協議会でお示ししました見直し案におきましても、他の候補地では取得費が増嵩すること、あるいは狭小であったり、所有者との調整に時間を要すること、あるいは完成している基本計画を再度行う必要があること等から、現在地が最適であるとの結論になっております。 以上でございます。 ◆21番(長尾光之君) 観光客の流れっていうのは、錦帯橋を渡って──観光客の流れ、要するに吉香公園のところへ行って、要するにロープウエーの方に行くとか、吉香公園入るとか、左に行くとか。この比率はどのように検討されました。要するに、墓所に行くのは──ちょっとお尋ねします。墓所には、年間どれぐらい入ってますか。吉川家墓所。──いいです、もう。 ○議長(本田嗣郎君) 今の質問に対して答弁ができないんですか、経済部長。できないのなら、できないと言っていただかないと、ずっと待ってるような状況になりますので、済みませんけど、そのように答弁、どちらかしてください。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 手元に12年度の観光施設のイベントの入り込み数はここにあるんですが、その中にいわゆる吉川家墓所については掲載がありませんので、ただいまのところ私の方ではすぐに回答はできません。 ◆21番(長尾光之君) そんなに多くの人があっこを見学してるとは私は思っておりません。今、観光客が、錦帯橋の下側に着いて、今の予定地まで行って帰ってくるまで、大体何分かかりますか。 ◎経済部長(吉崎冾示君) まことに申しわけありませんが、私実際に歩いてはかったことございませんけど、30分ぐらいじゃないかと思いますが。 ◆21番(長尾光之君) 私が行って、あの下からトイレに行って、錦帯橋を渡って、それで帰ってきて、ちょうど30分ですね。正解です。 じゃ、お尋ねしますけどね。岩国に観光客がバスで入りますけど、平均滞在時間は何分ですか。 ◎経済部長(吉崎冾示君) 平均滞在時間は、4時間ぐらいじゃなかったかと思うんですけど。違いますか。 ◆21番(長尾光之君) 今、経済部長4時間と言われました。そりゃ経済部長、ちょっと勉強し直しです。平均滞在時間40分なんですよ。(「錦帯橋渡らん人のことを言いよる」と呼ぶ者あり)いやいや錦帯橋を渡る人も含めて。平均滞在時間ですからね。観光バスが、年間1万1,046台、平成11年度入ってるんですよ。それの平均滞在時間が40分なんですよ。あの場所へつくって、だれがあそこへ行くんですか。あそこの入館者は、だれを見込んでるんですか。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) だれを想定してるかという御質問でございますが、先ほども教育長の方が御答弁申し上げたことと重複するかもしれませんけれども、市民はもとより、岩国地区広域圏内の町村の方々の生涯学習あるいは文化活動の場として活用していただくとともに、観光客の方にも岩国を理解していただくものと考えております。 ◆21番(長尾光之君) それで8万人の人が入ってくると考えておられるんですか、お尋ねします。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 8万人ということでございますが、この宇野千代記念館(仮称)におきましては、入館者が8万人程度が採算のラインになるのではないかというふうに想定しておりまして、その辺からの数字だと思っております。 ◆21番(長尾光之君) 市が事業をやるのに、最初から寄附とか、ボランティアとか、そういうことを想定してから事業というのはやるんですか。 あの宇野千代記念館の予定地の周辺にも施設がありますけど、記念館はありますけど、1万5,000人前後ですよ。それでなぜあそこに8万人入る。8万入るていう保証といいますかね、だから入るんだというのをお示ししていただきたいと思います。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 宇野千代記念館(仮称)につきましては、その収益施設としてとらえてるわけではございませんで、社会教育施設ということで御理解いただきたいと思います。 ◆21番(長尾光之君) ということは、幾ら赤字が出てもいいっていうことですか。(発言する者あり) ○議長(本田嗣郎君) 答弁ができなければ、ちょっと協議してください。何分ぐらい要りますか。10分休憩いたします。               午後4時25分 休憩                   午後4時34分 再開 ○議長(本田嗣郎君) 休憩前に引き続き本会議を再開し、長尾君の一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 先ほどの答弁について訂正をしたい旨の申し出がございましたので、社会教育担当部長の松脇君、お願いします。 ◎社会教育担当部長(松脇克郎君) 貴重な時間をいただきまして、まことに申しわけございません。 先ほど私の御答弁の中で、運営費の答弁の中で、運営経費の関係で、あくまで社会教育施設であるから云々ということ答弁申し上げましたけれども、誤解をおわび申し上げます。 私どもといたしましては、先ほど、教育長の方からも御答弁申し上げておりますが、さきの平成12年2月の全員協議会におきまして御説明しておりますが、運営につきましては、友の会的な組織としてスタートをさせ、会員を募りながら法人設立の手続が進められること、あるいは運営に市民の参加を得ることができること等の利点があることから、運営委託先として財団法人に加えて特定非営利活動法人いわゆるNPO法人をも対象として検討しておるところでございます。 また、教育委員会といたしましても、友の会的な組織によりまして、全国的な募金活動も行っていただき、集まりました浄財は運営経費の一部を賄うとともに、資料購入やイベント等の財源に充ててまいりたいと考えておりまして、極力、できるだけ法人の赤字についての補てんは考えない方向で組み立てをしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆21番(長尾光之君) 8万人の入館者の件にしても450円にしても、僕はこれからしっかり見直す必要があるんじゃないかと思います。 実は、先日島根の県立美術館に調査に行ってまいりました。宍道湖のそばのすばらしいロケーションの中で、また建物もすごく斬新で、県立美術館としては日本一の、年間日本一の入館者数を出してるということでした。そこで、いろいろ話を聞きましたけど、結局、答えとして、なぜこんなにたくさんの人が入るか。もちろん館の努力もありますけど、やっぱり場所なんですね。やっぱり大型バスがすっと入り、乗用車がすっと入る。だから、たくさんの人が入るんです。 今の予定場所は、僕は正直言って一番悪いとこを選んでるように思います。本当に、真剣に考えていただきたいと思います。壇上でも言いましたように、できることがゴールじゃないんですよ。できてからがスタートなんです。年間の赤字をどうするかっていうこと真剣に考えてほしいと思います。 錦帯橋の下にやっぱり観光バスがたくさんとまります。運転手さんにもたくさん聞きました。「まず、行かないでしょう」若いガイドさん「宇野千代なんか知りません」──本当、非常に残念ですけど、そういう答えなんですよ。で、あの奥につくって、じゃ宇野千代記念館ができたから、滞在時間が倍になるかって、どこに保証がありますか。平均40分ですよ。長いのが1時間半。これは観光ホテルで食事をするんですよ。だから1時間半なんですよ。そういう状況をどれだけ調査しておられるんかと思うんですよ。大変私は恐ろしいんです。 それともう一つお聞きしますけど、観光客をあっこにたくさん連れてくるのにシャトルバス構想というのがこれ載ってます。これ何台使われて、大体バスの料金は大体どれぐらいを想定されて、大体どれぐらいの時間で回ってこられるのか。その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。 ○議長(本田嗣郎君) 時間をちょっととめてください。申し上げますけど時間が必要なときにはその旨おっしゃって下さい。 ◎助役(村井理君) お答えしたいと思います。 ただいま議員さんの方からシャトルバス構想で何台を予定してるかというのは、実際に、前担当部長からそういったことも模索しているという答弁でございまして、現在、何台でどうのというところまでは決まっておりません。 ◆21番(長尾光之君) というのは、この見直しの構想について、そういうふうな説明が全協のときあったけど、これはほいじゃ、まだやるかどうかわからないちゅうことですか。 ◎助役(村井理君) やるかどうかわからんという意味ではなくて、あくまで全員協議会での説明は、いろんなことを今後模索していきたいということでございましたので、御理解いただきたいと思います。 ◆21番(長尾光之君) そんな模索で、こんな大事業をやるんですか。今言われた見直しでこれ提議されたんですよ。そうじゃないんですか。シャトルバスを走らすって。お答えください。 ◎助役(村井理君) 実は、見直し案で、昨年の9月のときに、今先ほども教育委員会からも答弁しましたように、あくまでその段階では今後議会の了解いただけるまで、あるいはここを凍結したいという旨で、その場、場所、その他を見直しをしました。それは、現実には実態として、場所等も検討の候補地を先ほど教育長からも壇上で御答弁申し上げましたとおりでございます。しかしながら、その後のできた暁に、最初は社会教育施設として建設するものの、できた暁には観光スポットとなるだろう。そのときに、議員さんからもございましたように、シャトルバス──そこまでを何で誘導するんかと。その中の模索の一つの案としてシャトルバスが出たわけでございまして、現時点で確定してシャトルバスを何台、そういったことはまだ決まっておりません。 ◆21番(長尾光之君) またこれをもし実施すれば、また大変なことになりますよ。受けてもらえるとこは、まずないと思いますね。でまたこれで、大変な赤字が出ると思います。そりゃ市営バスもとんでもない、受けないですよ。私、思います。これは大変なことになるのはもう見えてます。 そういうことでですね、僕は、この事業をすべてを見て、もう一度やっぱりすべて見直すということを僕は大きな声で言いたいと思います。余りにも安易な中でこれが進んでると思います。 それと、建設場所ですけど、私は「おはん」の舞台である、やっぱり岩国側を第一候補として挙げたいと思いますけど。今、きょうもさっき聞きましたけど、半月庵の近くで、やっぱり二、三百坪の非常に大きなとこが、またあきそうなという話を今聞きましたけど、やっぱり「おはん」の舞台だと思います、あっこは。そして、今あの通りがすごく生き生きとしてきてるんですよ。これも一つの提案です。どうしても横山側にやらなきゃいけないんだったら、吉香公園が入ったところの、前も言いましたけど、岩国高校の武道館ですかね、ありますね。あの前の広さは、今の予定地の約30%ぐらい広いんですよ。あっこなら観光客の流れなんですよね。錦帯橋をおりてロープウエーに行く人、吉香公園へ入る人。あそこなら、目の前なんですよ。私は、あそこなら、まずあの奥よりは数倍入るんじゃないかと私は思っております。 そういうことで、幾つか提案もしましたけど、この事業について、最後にやっぱり市長にお聞きしたいんですけど、この宇野千代記念館の建設について、このままどうしてもやっぱりやりたいんだと、市長の気持ちでやりたいんだということなのか。やっぱりいろんな意見がたくさん出てるから、もう少し時間をかけて見直してみると。 僕は、実施設計がどうのこうのじゃないんですよ。岩国市の将来の大きな問題もかかってるんですよ。だから、市長としてどうするのかっていうことを、最後にお聞きして終わりたいと思います。 ◎市長(井原勝介君) 宇野千代記念館につきましては、今御指摘のように、建設費、場所だとか、運営費だとか、さまざまな面について厳しい財政状況の中でもありますので、多くの議論が議会の中にも市民の中にもあるということ、依然として大きな議論があるということも十分承知をしております。承知をしておりますけれども、一方では、先方との一定の約束のもとに信頼関係のもとに、今まで手続が進められてきておりますし、私が就任する前の議会におきましても、基本設計等の予算もたしか1,000数百万円だったと思いますけれども、予算も議会で通していただいて、既に基本設計も終わっている。そして昨年は、実施設計の予算を議会にお諮りをして、いろいろ見直しとか紆余曲折はございましたけれども、一応議会も通していただいてきてるという状況に今あるわけでございます。こういう信頼関係というものもひとつ大事ではないかなというふうに思っておりますし、何といっても3,000点に及ぶ資料、これが私は大変大事なもんだというふうに思っております。宇野さん以外にも、有名なもっと人気のあるすばらしい作家もたくさんいるわけですけれども、やはり宇野さんは、岩国に生まれて、岩国に縁があるという意味で、岩国にとっては、やはり宇野さんのこういった資料、文学的な価値というものは大変大事だというふうに思っておりまして、将来に向かって、将来の岩国、将来の市民にとって、この資料は失ってはいけない、大切な財産になるというふうに考えております。従来の経緯だとか、信頼関係とか、いろんなことを考えますと、ここで大きく計画を変更あるいは中止するということは、その信頼関係を崩すことにもなりかねませんし、資料を失うことにもなりかねないんじゃないかと大変危惧をしてるところでございまして、現時点において大きく変更することは大変困難な状況にあるというふうに考えております。 ◆21番(長尾光之君) 市長の気持ちも十分理解できます。しかし、覚書にもあるように、岩国市は建設する、藤江さんは寄贈する。あの大きなものをつくらなくても、もっとちっちゃいんでもつくるのは間違いないんです。そういう中で、やっぱし見直す勇気も僕は要るんではないかと思います。そういうことで、将来、大変大きなリスクが予想されるこの事業が、本当の市民のためになるのかどうかっていうことも十分理解していただくっていうことで質問を終わります。 ○議長(本田嗣郎君) 以上で21番 長尾光之君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明9月12日、午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(本田嗣郎君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこの程度にとどめ、明9月12日、午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することに決しました。 本日はこれにて散会いたします。               午後4時48分 散会      地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                       岩国市議会議長   本 田 嗣 郎                       岩国市議会副議長   桑 原 敏 幸                       岩国市議会議員   細 見 正 行                       岩国市議会議員    森   暁 正                       岩国市議会議員    村 中   洋...