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令和2年第5回定例会(5日目) 本文 開催日:2020年12月10日
令和2年第5回定例会(5日目) 名簿 開催日:2020年12月10日

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  1. 山口市議会 2020-12-10
    令和2年第5回定例会(5日目) 本文 開催日:2020年12月10日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2020年12月10日:令和2年第5回定例会(5日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、13番、桜森順一議員及び20番、田中勇議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第4号まで及び議案第9号から議案第70号までを一括議題といたします。  順次発言を許します。16番、中野光昭議員。               〔16番 中野光昭議員登壇〕 ◯ 16番 中野光昭議員 改めまして、おはようございます。ふるさと共創やまぐちの中野光昭です。令和2年、本年最後の本会議一般質問のトップバッターを務めさせていただきます。コロナ禍の早期収束と隔たりのある窮屈な議論が元どおりになることを願い、通告に基づき一般質問をいたします。市長並びに関係参与の皆様、心を燃やす御答弁を期待いたします。  まず、就職氷河期世代への支援策についてお伺いいたします。おさらいいたしますが、就職氷河期世代──一般的にはロストジェネレーション、失われた世代、ロスジェネ世代などと呼称されることが多く、おおむね1970年から1982年頃に生まれ、バブル景気と言われた好景気の1980年代後半の急激な後退による──いわゆるバブル崩壊とその後の失われた20年と呼ばれる長い長い経済停滞の時代の中、リストラや派遣切り、企業倒産等による終身雇用の崩壊、企業の新規採用意欲の絶対的な低下という大変厳しい状況で就職活動をすることになった世代層のことを指します。自分たちの親世代が駆け抜けた高度経済成長期とバブル黄金期に幼少期、青年期を過ごし、人生設計を親の、そして周りの大人の背中を見ながら夢想していたところ、いきなりはしごを外された、まさに現代経済史に翻弄された世代であります。総人口のおよそ2割を占める40歳前後の働き盛りにもかかわらず、非正規社員など安定しない雇用形態、給与形態にある就職氷河期世代の苦境が、2040年危機と呼ばれる社会保障制度崩壊の重要なリスク因子であることを国も認識され、2019年7月31日に政府内に就職氷河期世代支援推進室を設けられ、3年間で同年代の30万人の正規雇用を増やすという目標を掲げられ、伴走支援型の就労マッチング支援体制の構築や支援情報などのアウトリーチ、企業側の受入れ環境の整備など、施策展開を集中的、加速度的に行うとして、現在もハローワークや地域若者サポートステーションなどと連携しながらネットワーク構築を鋭意進められておられます。直近の国の統計によりますと、就職氷河期世代1,679万人のうち、非正規雇用や失業中などの不安定な雇用状況にある人が約54万人全国にいらっしゃいます。さらに、長期にわたり仕事ができていない──いわゆる社会的ひきこもりも含まれますが、そういった方がおよそ39万人全国にいらっしゃるということになっております。そうした状況や国の動向を踏まえ、地方行政においても就職氷河期救済の観点から──いわゆるロスジェネ枠として、公務員採用する自治体が増えてきており、山口県、山口市も職員採用に当たり就職氷河期世代枠を設けられました。ところがです。本年山口県が最初に打ち出した採用枠は、一般行政事務職3名、小・中学校の一般事務職に3名の計6名でありまして、国の方向性に対してあまりにもかけ離れた、お粗末と言わせていただきますが、門戸の狭さに地方自治体としての本気度を疑い、同じ就職活動期、艱難辛苦をともにしたロスジェネ世代の一人として私も憤りすら覚えました。最終的には退職予定者や内定辞退者を想定し、就職氷河期世代枠としては一般事務職12名、小・中学校一般事務職3名の計15名を採用され、倍率は28.7倍で落ち着いたのですが、当初は倍率が100倍を超えておりまして、その時点でその数字を見ただけでまた社会から爪はじきにされるのか、自分は評価に値しない人間なのではないかと苦悩したという声を聞きました。人材のボトムアップ、経済活動の発展、社会保障制度の維持を真に図るならば、思い切った雇用支援を打ち出すべきであると地方行政全般には注文をいたします。もう一つ大切な視点がありまして、それは就職氷河期世代という階層の特徴をつかんだジョブマッチングであります。就職氷河期世代の仕事との向き合い方という点での傾向、これはまさにバブル崩壊期に就職活動をしていた就職氷河期世代ならではの特徴でありますが、様々な研究からひもときますと、共通しているのは社会的背景から厳しい就職活動になることを身をもって感じ、専門的な知識、スキル、資格などを身につけることで就職活動を生き抜こうと一生懸命であった。仕事にありつけることの難しさをよく知っているので、仕事に対し前向きで、指示に対して的確な人材が多いとされております。何が言いたいかと言いますと、専門スキルを生かし一生懸命やりがいを持つことのできるフィールドワーク、現場実践の中に身を置いてこそ就職氷河期世代はその能力を発揮するのであって、マルチタスクやルーチンワークを主とした一般行政事務職で募集をかけることそのものがナンセンスさしか感じないということであります。先日、同僚議員からもありましたように、スペシャリストを養成し、あるいはスペシャリストを雇用することで、今後の行政運営に効率性を持たせるということは不可欠なものだと思われます。それではお尋ねいたしますが、山口市におかれましても就職氷河期世代の雇用支援、採用についての仕組みの構築について、その経験と資格やスキルを即戦力として行政における現場実践に活用すべきであると考えます。特に、今後構築していかなくてはならない包括的な地域福祉支援について、社会福祉士や精神保健福祉士などの福祉実践専門職の雇用枠、あるいは今後、長期的な公共インフラの維持メンテナンスを検討、実施するに当たり、必要な土木・建築技術を有した人材枠など、ロスジェネ世代の再就職や都市部からのUターン、あるいは県内他市からの実家への定住など、人生設計に寄与されるというのはいかがでしょうか。今後の行政運営に関しても、フィールドワークを職責とした専門職集団を用いることの利点は、現場を抱える所管部は強く感じておられるはずです。御所見と今後の取組についてお伺いし、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) おはようございます。中野議員の就職氷河期世代への支援策についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、地方公務員の採用試験に関しまして、就職氷河期世代支援に関する関係府省会議において決定された就職氷河期世代支援に関する行動計画2019において、地方公務員の中途採用の促進の方針が策定されたことを受けて、総務省自治行政局公務員部長から発出された地方公共団体における中途採用の取組の推進についてにおいて、各地方公共団体の実情に即し、受験資格の上限年齢の引上げや経歴要件の緩和、または経歴不問の採用試験の実施を要請されたところでございます。これまで本市では、通常、大卒の採用年齢上限を29歳としておりましたが、通常の試験とは別に行う行政職や技術職の先行実施枠の年齢上限を34歳まで引き上げて実施をしてきたところでございます。そのような中、国の要請等の趣旨を踏まえまして、就職氷河期世代の方がこれまで培ってきた知識や経験を本市の業務に生かす良い機会として捉え、今年度、これまでとは別に就職氷河期世代の35歳から44歳までを対象とした行政職の採用試験を実施いたしたところでございます。実績といたしましては、民間で御活躍されておられる方や出産を機に仕事を辞め、育児に専念してこられた方など、多様な経歴をお持ちの88名の方に御応募いただき、採用試験を実施した結果、2名の方を最終合格としたところでございまして、これまでの経験を生かして行政職員として活躍していただくことを期待いたしているところでございます。議員御提案の就職氷河期世代の様々な資格や多方面で積み重ねてきたキャリアを生かした専門職員の採用についてでございますが、これから少子高齢化が進展し高齢者の割合が高くなることで、社会福祉士や保健師等の専門職の需要は今後増大していくものと考えております。また、土木や建築等の技術職はインフラの整備、維持管理に不可欠な職種であり、一定の職員数を維持していく必要があると考えております。このような状況を踏まえますと、専門職や技術職において、就職氷河期世代を対象とした採用試験を実施することは、本市において専門的知見を有した即戦力の人材を確保する取組として大変有益であると考えております。しかしながら、本市の年齢別職員構成においては、就職氷河期世代に含まれる40代の職員の割合が非常に高くなっております。年齢要件の設定については、採用職種ごとに検討する必要があると考えております。いずれにいたしましても、本市のさらなる発展を支える優秀な人材を確保するためにも、議員御提案のございました技術職や就職氷河期世代を含め、幅広い世代に目を向けた採用試験の実施方法及び募集要件につきまして、柔軟に検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中野光昭議員。               〔16番 中野光昭議員登壇〕 ◯ 16番 中野光昭議員 それでは次に、障がい者の虐待防止について伺います。このたびは特に、福祉サービスを提供する事業所で、当事者が受ける虐待に対してどのように立ち向かうのかといった視点でお伺いいたします。平成24年に国連の障害者権利条約を批准するための国内法整備の一環として、障害者虐待防止法が施行されました。虐待の定義やその発見から通報、指導までの流れについて大枠が示されたことにより、これまでの組織的隠秘や大切な家族を預けている負い目から目をつぶっていた御家族の苦悩が解消されるのかと思いきや、障がい者を虐待するという事実を明るみにしやすくなっただけで、なんら現場の実情が改善されていない、虐待自体が減少しないという、福祉専門職の立場からすればある意味想定内のこの事態にそろそろメスを入れていかなくてはと思いこのたび取り上げさせていただきました。と言いますのも、記憶にも新しい平成27年に内部告発により映像が公開され、全国ニュースになった下関市の知的障害者支援施設での職員による日常的な暴行・暴言などの虐待の存在認知以降、真面目で真摯な議論好き、世間体に対しては居住まいを即正すと言われている県民性を持つはずの山口県において、一向に虐待の通報件数が減らないからであります。山口県の実情の一端を申し上げますと、平成29年から令和元年までの直近3か年で切り取りまして、通報及び認定されただけの障害者福祉サービス事業所等における虐待件数が14件ありまして、その内容は性的虐待を含む身体的虐待、精神的に追い込む心理的虐待、支援の放棄による状態放置であるネグレクト、金銭管理を適切に行わず困窮のままにする経済的虐待など、データの字面を見るだけでもむかむかしてまいるものであります。もう一つ、障害者虐待防止法では虐待発見者に市町村への通報義務を課しておりますが、その通報者を守る仕組みや虐待案件を起こした事業所の虐待防止の仕組みづくりにしっかりと行政が関与することが明記、確立されておらず、現に内部告発した職員が逆に施設側に運営上の損害賠償を求められたり、職場において報復人事等を行われ辞職をするという本末転倒なケースも全国的に起こっております。法制度の不備の是正に関しましては、国においてしっかりと認識していただき取り組んでいただくことといたしまして、現在、山口市におかれましては、市内の障害福祉サービスの供給量や新たに障害福祉サービスの質の向上のための体制構築を掲げられた山口市障害福祉サービス実施計画の令和3年度改定に向けて取り組まれておられるところでありますが、まさにこの虐待に対して立ち向かう姿勢を今後しっかりと示していただかなくてはなりません。入居施設での移動支援時の引率職員の暴力による骨折、世話人が施設利用者へお金を無心し、その返済の滞納から精神的不調を起こす、施設職員が排泄の介助を嫌い、かかりつけ医師レントゲン検査所見から処方した下剤を服用させず放置し便秘に苦しんでいる。今申し上げた事例は、悲しいけれど、これは山口市で実際に起こっている出来事です。私が現場実践の中で仄聞するだけでも、当事者が現在進行形で苦しんでいる実態が浮かび上がってきます。また、これは私独自の見解かもしれませんが、福祉サービス事業所が不可知──知り得る事の出来ない、不可避──避けることができない、不可逆──後戻りができないと言われる障がいを持つ当事者の生活の質の向上に関わっているにもかかわらず、自己の経営都合のみで事業所を閉鎖することについても、利用されている一人一人のその人らしい山口ライフを奪う、あるいは変質させるという観点においては私は虐待と捉えております。そういった現状が現場に起きているのだということを今一度念頭におかれまして、市民である障がい者当事者を守るため、虐待の発見から行政指導、防止策、事業所教育、事業所職員教育まで責任を持ち、施策を強化していく必要があると思います。ましてや、現在のコロナ禍におきましては、福祉事業所職員も利用者もストレスが蓄積し、感情的摩擦が起こりやすくなっていると伺っています。また、感染防止策による業務過多により事業所職員の負担も増大しております。理性の一時的消失による虐待の発生がより起こりやすくなっているのではないかと危惧をしております。未曾有の状況の中、行政が今こそ伴走すべきだと考えます。前置きが長くなりましたが、それでは3点ほどお伺いいたします。1点目、山口市においてこれまで障がい者虐待防止の取組、窓口や広報、ネットワーク形成、るる行われておりますが、その実態と取り組まれたことへの現段階での評価をお聞かせください。2点目、福祉現場の実勢において、人と人とが生で関わるわけですから、むしろ感情の摩擦は起こって当たり前であります。虐待が起こった新設で組織的に成熟していない、あるいは組織が肥大化しすぎて現場との乖離が起きている福祉事業所の言い訳として、人材不足で専門的な素養のある職員が配置できていなかったというものがよくあります。確かに、福祉適正の欠如や組織としてのモラル低下は即虐待や処遇不全につながるものであります。これらの事業所の抱える課題を、虐待を明るみにして自浄作用を促したとしても、そもそもの福祉実践者としての専門性を研鑽する姿勢を育まなければ根本的な解決には至りません。繰り返しますが、コロナ禍の中、対人サービスを継続しているエッセンシャルワーカーの一つである障害福祉サービス事業所の職員教育に当たり、山口市として責任ある関与をすべきと考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いします。3点目は、起こってしまった虐待をどう扱うのかという視点であります。私も、福祉施設職員時代、あるいは病院職員時代には関わった当事者に不利益をもたらす、あるいは不快に思わせてしまった実践の失敗を重ねてまいりました。幸いなことに、私が勤めていた法人には事象を上司や同僚に報告する仕組み、そしてその起こったことを検証し、多職種で共有し、今後起こさないための解決方法の例示までをパッケージにして、支援技術にまで昇華させ共有するという様式やスケール、ディスカッションの文化が醸成されておりました。少しだけずれますが、障害者総合支援法下において福祉事業の企業参入──すなわち福祉専門援助技術福祉サービス化、福祉事業の市場原理の導入によって数量的な福祉基盤は少しずつ不足が解消されているものの、支援技術の劣化は顕著であるように肌感を感じております。これもまた繰り返しになりますが、課題解決を一所完結で求めて福祉サービスの質を高めるのではなく、現場実践のネットワークや関係諸機関と行政も積極的に関与した上で、虐待情報の共有と検証、再発防止の方法の共有も含めた市全体としてオープンに協働して知見や技術を高める協議体の創設や、各事業所共通の検証様式の開発などに着手していただけないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
     以上、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。              〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、障がい者の虐待防止についての御質問にお答えいたします。まず、現在の取組と評価についてでございます。障がい者の虐待につきましては、障害者虐待防止法において、家族等の養護者によるもの、障害者福祉施設従事者等によるもの、障がい者を雇用する事業主等の使用者によるものと3つに分類されており、その行為については身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、放棄・放置、経済的虐待の5つに分類されています。本市における障がい者虐待の対応につきましては、障がい福祉課内に市障がい者虐待防止センターを設置しており、虐待通報窓口として通報内容の聞き取りから事実確認、訪問調査を実施し、障がい者等への支援を行うなどの虐待対応はもとより、障害者福祉施設従事者等による虐待の場合におきましては、県と連携し施設等に対する指導等を実施いたしております。加えて、障がい者虐待の早期発見、防止といたしましては、市報、市ウェブサイトによる周知啓発のほか、令和元年度からは毎年作成しております冊子「障がい福祉のご案内」の中に障がい者虐待についての相談窓口である障がい者虐待防止センターの連絡先や障がい者虐待の種類等を追加し、権利を守る制度として周知しているところでございます。また、民生委員・児童委員や障がい者相談員の皆様には、日頃の活動において御協力いただいているところでございます。そのほかにも虐待の困難事案への対応として、市職員は山口県障がい者権利擁護センターが派遣する弁護士、社会福祉士等で構成される支援専門員チームから虐待の再発防止に向けた助言を受け、また、専門研修を受講するなど、専門知識の習得と対応力の向上に努めております。議員御案内のとおり、障害者福祉施設等においては、新型コロナウイルス感染症予防のため御家族との面会制限等により閉鎖的になっていることや、利用者においては通常の外出や外泊が制限されることで喧嘩が増えたりパニックになる等、今まで以上の対応が必要となり、支援する職員もこれまで以上にストレスがたまっている状態にあると聞き及んでおり、障がい者虐待の防止に係る取組の強化はますます重要になっていると認識いたしております。本市における過去3年間の障害者福祉施設従事者等による虐待の認定件数は7件でございまして、当該施設に対する調査を実施し、施設等職員研修の充実など、再発防止に関する改善計画等の提出を求めたところでございます。こうした取組を進める中でも、虐待が行われる背景については密室の環境下で行われることと併せて、組織の閉鎖性がもたらす職場環境等に課題があるものと考えているところでございます。そうしたことから、虐待を起こさないためには、施設等職員の皆様にとって気軽に悩みを相談できる風通しの良い職場づくりが必要であると認識しているところでございます。次に、事業所職員教育の方法についてでございます。障害者虐待防止法によりまして、障害福祉サービス事業者等は施設等職員への人権意識、メンタルヘルス、専門的知識、支援技術の向上などの研修の実施、障がい者虐待防止等のための措置を講ずることとされているところでございます。国が毎年公表しております障がい者虐待事例への対応状況等の調査結果によりますと、障害者福祉施設従事者等による障がい者虐待の発生要因の第1位は、教育・知識・介護技術等に関する問題──これが73.1%と最も多く、次に、職員のストレスや感情コントロールの問題となっており、本市においても同様の傾向でございまして、虐待防止への理解を深める研修等の重要性が指摘されているところでございます。本市では、平成30年度に市内相談支援事業所相談支援専門員等を対象に虐待防止研修会を、令和元年度には障害者福祉施設等により構成され、障がい者支援に関する課題を協議する山口市地域自立支援協議会施設支援部会において障がい者の権利擁護に関する研修会を、障害者福祉施設等以外の情報を得て自らを客観視する機会を持つことのできる──いわゆる職場研修としてそれぞれ実施いたしているところでございます。今後につきましても、障害者福祉施設等の虐待防止における具体的な取組状況を把握した上で、施設等職員の皆様に求められる教育──例えば、施設事業者間の垣根を越えた虐待事例検討会の実施や施設等の職員の交流会を行うなど、より効果的な研修等を人材育成の視点を重視しながら実施してまいりたいと考えております。次に、情報の共有と協働体制についてでございます。本市では、平成24年度から障がい者虐待の早期発見や未然防止対策等の協議を行う山口市障がい者虐待防止ネットワーク推進会議を設置し、本市における障がい者虐待の発生状況と虐待防止に向けた取組など、関係機関との連携強化や情報共有を行っているところでございます。また、山口市地域自立支援協議会においても、障がい者支援の現場における虐待の現状等に係る情報交換を行っているところでございます。本市といたしましては、先ほど議員御提案の障がい者の虐待に対して、市全体でオープンに協議、協働し、そしてその知見や技術を高めるような取組につきまして、山口市障がい者虐待防止ネットワーク推進会議と山口市地域自立支援協議会双方のネットワークを積極的に活用いたしながら、具体的にはヒヤリハット事例の検証など、地域の実情に即した障がい者虐待の防止に向けたさらなる取組を進めてまいります。今後とも、障害者福祉施設等における研修の実施や体制整備に係る主体性の発揮を促してまいりますとともに、市障がい者虐待防止センターの対応力向上と関係機関との連携協力体制の強化に努めてまいる所存でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、中野光昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  11番、山下宏議員。               〔11番 山下 宏議員登壇〕 ◯ 11番 山下 宏議員 県都創生山口の山下宏です。通告のとおり質問させていただきます。市長をはじめ関係参与の皆様の明快な御答弁をお願いします。  大項目ア、今後のまちづくりについて質問させていただきます。御案内のとおり、平成30年度からの10年間を計画期間とする第二次山口市総合計画は、本市の最上位計画であり、基本構想、基本計画、実行計画で構成されております。そのうち、基本構想は目指すべき10年間の目標を示すものであり、また、基本計画は基本構想を具体化し、社会経済情勢の変化等に対応するため前期と後期の5年ごとに分けて策定されており、令和2年度は前期基本計画の3年目──ちょうど真ん中の年に当たります。第二次山口市総合計画に基づくまちづくりの成果が徐々に見え始めてくる頃ではないかと思っております。こうした中、先の9月定例会の決算審査において提出された令和元年度主要な施策の成果報告書(まちづくり達成状況報告書)では、令和元年10月1日現在の定住人口の実績は19万4,990人となり、目標値とされております令和4年の19万3,500人に向けておおむね順調に推移しております。また、県外からの移住者数の令和元年の実績は848名となり、令和4年の目標値400人を大きく上回っていますし、さらに農山村エリアにおける人口の転出超過抑制についても、令和元年の実績は52人の転出超過に抑えられており、令和4年において転出超過を100人に抑制するという目標を大きく上回る良い結果が出ております。このように定住人口が順調に推移し、県外からの移住者数が増加し、さらに転出超過の抑制が図られていることは、市長が進める第二次山口市総合計画前期基本計画に基づくまちづくりの取組の成果の現れだと評価しております。一方、現在、新型コロナウイルス感染症の影響により様々な社会経済活動が制限されるなど、市民生活はもちろんのこと、市内経済の幅広い分野において大変大きな影響が生じておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が生じている状況にあっても、人口減少対策や少子高齢化対策は待ってくれません。こうしたことから、私は引き続き、第二次山口市総合計画前期基本計画に基づくまちづくりを進めることにより、その成果の現れを確実なものとし、県都としての求心力を高め、本市全体の発展を実現していかなければならないと考えております。特に、南部地域においては、来年オープンする山口市産業交流拠点施設や新山口駅周辺の整備などをはじめとする小郡都市核づくりや鋳銭司第二団地の整備、光ファイバー網の整備などの効果により、転出超過の抑制と定住人口の増加につながることを期待しているところですが、新型コロナウイルス感染症の影響がまだまだ続くと見込まれている中において、持続可能な市政の発展を成し遂げていくために市長は今後どのような取組の方向性の下でまちづくりを進めていかれていくのか、お考えをお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 山下議員の今後のまちづくりについての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、本市では、第二次山口市総合計画におきまして、目指すべき将来都市像に「豊かな暮らし交流と創造のまち山口」を掲げ、その実現に向け、都市政策の柱として「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」を位置づけているところでございます。このうち、広域県央中核都市づくりにつきましては、山口都市核、小郡都市核を中心にそれぞれの特性に応じた高次の都市機能を集積し、人口減少時代にあってもサービス産業をはじめとした若者の働く場を確保するとともに、広域ネットワークの形成を進めることで広域的な経済活力や交流の創出を図るものでございます。また、個性と安心の21地域づくりにつきましては、協働によるまちづくりの下、地域の特性を生かした個性豊かな21の地域連合を形づくり、農山村部をはじめ市内全地域において一定の生活関連機能が維持・集積される拠点形成とネットワーク化により、暮らしやすい安心の定住環境の確保を図るものでございます。そして、こうした2つの都市政策の柱のプロジェクト展開を通じまして、都市部も農山村部も共に発展する好影響・好循環の対流型のまちづくりを進めることで、本市のあらゆる地域で誰もが安心して暮らし続けることができるまちづくりを進めていくことといたしているところでございます。また、これら2つの都市政策のプロジェクトと教育・子育てなら山口、働く・起業なら山口、文化・スポーツ・観光なら山口、健康長寿のまち、安全安心のまち、市民サービス向上の6つを合わせました8つのプロジェクトの展開によりまして、教育、子育て、産業振興、医療・介護、防災、交通、環境など、市民の皆様の暮らしに密着した各施策分野におきまして、今現在の市民生活を豊かにし、安全安心を確保する取組を進めていくことといたしております。こうした8つの重点プロジェクトによる取組の成果の状況について申し上げますと、先の9月定例会の決算審査において提出をいたしました令和元年度主要な施策の成果報告書(まちづくり達成状況報告書)において御報告をいたしましたとおり、前期基本計画の8つの重点プロジェクトの総合的な指標として位置づけております定住人口の状況につきましては、目標値である令和4年の19万3,500人に対しまして、令和元年10月1日現在で19万4,990人となっているところでございます。また、交流人口の状況につきましては、目標値である令和4年の年間530万人に対しまして、令和元年では年間516万人となっており、さらに、ふるさと指標の状況につきましては、目標値である令和4年の80ポイントに対しまして、令和元年では77.9ポイントとなっておりまして、おおむね目標値の達成に向けた取組が進んでいるものと認識いたしているところでございます。また、議員御案内の個性と安心の21地域づくりの重要業績評価指標として位置づけております、本市における県外からの移住者数につきましては、住民異動手続の際に実施いたします転入者アンケートを基に把握した県外からの移住者数──こちらは転勤や進学などの一時的な移動を除いた人数になりますが、令和元年の実績値は848人となっておりまして、基準値でございます平成28年の44人から大きく数値を伸ばしておりますとともに、令和4年の目標値である400人に対しても大きく上回っているところでございます。さらに、農山村エリア等における人口の転出超過抑制につきましては、令和元年の実績値は52人の転出超過となっておりまして、令和4年の目標値として設定をしております転出超過数を100人に抑制するという目標を上回る結果となっているところでございます。そして、こうした状況につきましては、御案内のとおり、本市が第二次山口市総合計画前期基本計画に基づいて進めてまいりましたまちづくりの成果が現れ始めているものと考えているものでございます。こうした中、新型コロナウイルス感染症につきましては、10月以降、全国的に再び新規感染者数が増加傾向となり、現在もこうした傾向が強まっているところでございます。本市におきましても、新たな感染者が確認をされております中で、市民の皆様の雇用と暮らしを守り、地域経済の基盤となる事業活動を守り抜くため、感染拡大防止に向けた徹底した取組、新しい生活様式を社会全体に定着をさせていくための取組、そして大きな影響を受けております市内経済の活性化に向けた取組をはじめとしたウィズコロナにおける取組を、引き続き、切れ目のない形で進めていく必要がございます。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、行政のデジタル化やオンライン化の遅れ、また、大都市圏における人口集中のリスクなどの様々な課題を浮き彫りにした一方で、テレワークへの転換や遠隔診療などのリモートサービスの活用、地方移住への関心の高まりなど、人々の働き方や生活様式、意識の変化につながっており、こうした変化は地方創生の加速化に向けた契機ともなっております。こうした中で、本市におきましては、引き続き、ウィズコロナの取組を全力で進めますとともに、このコロナ禍で明らかとなった課題や今後の本格的な人口減少時代や少子高齢化社会の進展に伴う地域課題、また、便利で豊かな未来社会Society5.0の実現に向けたデジタル化の流れにしっかりと対応するため、第二次山口市総合計画と第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の一体的な取組を進め、市民の皆様が将来にわたって豊かに安心して暮らすことができるまちづくりを進めていく必要があると考えているところでございます。こうしたことから、令和3年度の予算を「暮らしを守り 未来を築く」予算と位置づけ、豊かで安心できる暮らしの実現、好影響・好循環のまちづくりの実現、Society5.0の実現の3つの実現の方向性の下で編成いたすこととしておりまして、市民生活を守り、本市の未来を築く取組を着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。とりわけ、議員御案内の持続可能な市勢の発展に向けましては、好影響・好循環のまちづくりを実現するため、これまで整備を進めてまいりました産業交流拠点施設の令和3年4月の供用開始や、山口県央連携都市圏域における山口ゆめ回廊博覧会の開催などを原動力として、新たな人・モノ・資金・情報の流れを市内全域に対流させていくことで、さらなる価値創造や経済循環を図り、本市全体の発展を目指してまいりたいと考えております。具体的には、本市の都市政策の柱でございます「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」をはじめとしたプロジェクトを積極果敢に展開してまいりたいと考えております。こうした中で、魅力あふれる県都づくり、広域県央中核都市づくりにつきましては、山口・小郡の両都市核が互いに個性や特徴を高め合うプロジェクトを展開いたしてまいりまして、県都としての求心力を高め、本市全体の発展につなげてまいります。山口都市核におきましては、新たな本庁舎整備をはじめ、中央公園のユニークベニュー空間づくり、湯田温泉における多世代交流・健康増進拠点施設の整備、現在、策定を進めております第3期山口市中心市街地活性化基本計画に基づきます中心市街地の活性化に向けた取組などを進めてまいりたいと考えているところでございます。また、小郡都市核におきましては、産業交流拠点施設における2,000席の収容能力や5G環境を備える多目的ホール、起業創業・中小企業支援やビジネス人材の交流の場としての産業交流スペース「メグリバ」、企業や大学、医療機関などとの連携によりヘルスケア商品や新たな健康医療サービスの創出を図るメディフィットラボ、異業種の若手人材を対象とした移住型の人材育成施設であるアカデミーハウスなどを活用し、新たなビジネスと交流を創出する取組とともに、新山口駅北口の駅前通りとなります市道矢足新山口線の電線地中化などをはじめとした新山口駅周辺の整備を引き続き進めまして、県の玄関にふさわしい交通結節やアクセス機能のさらなる強化を図り、山口県ナンバーワンの交通結節・ビジネス拠点づくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。同時に、広域交通網の整備や山口県央連携都市圏域における広域連携の取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。また、協働による個性と安心の21地域づくりにつきましては、市内21全ての地域で住んでみたい、住み続けたいと思える地域づくりを進め、個性ある21の地域連合を目指してまいります。阿知須地域、徳地地域における総合支所と地域交流センターの一体整備をはじめ、市内21地域における拠点づくりや機能強化を進めまして、行政と地域の連携の下で、地域のことは地域で解決できる山口らしい地域内分権の確立を図ってまいります。また、農山村エリアにおける転出超過の抑制に向けまして、企業におけるテレワークへの転換の流れや地方移住への関心の高まりなど、人々の働き方や意識の変化を本市の地方創生につなげてまいりますため、移住定住の促進に向けたオンラインでの相談受付やプロモーション活動の強化、また、ワーケーションへの対応に向けたモデル的な仕組みづくりなど、新たな人の流れや関係人口の創出の取組を積極的に進め、中山間地域、そして南部地域の活力アップを図ってまいりたいと考えているところでございます。さらに、各総合支所エリアにおける地域経済の活性化に向けまして、道の駅の機能強化をはじめとしたふるさとにぎわい計画の推進や、次期ふるさとにぎわい計画の策定に向けた検討も進めてまいりたいと考えております。そして、こうした都市政策の2つの柱における取組に加えまして、新たな産業団地でございます鋳銭司第二団地の令和4年度の分譲開始を目指した整備のほか、山口ゆめ回廊博覧会における食やアートなどの地域資源やユニークベニューを活用したイベントの開催、東京オリンピック・パラリンピックに関連する交流事業などの取組を進めてまいりたいと考えております。また、Society5.0の実現のため、国におけるデジタル庁の設置や行政手続のデジタル化の流れに迅速に対応しつつ、市民サービスの向上や市役所内部業務の効率化につながりますスマート自治体の取組とともに、市民の皆様の利便性や都市機能の効率性の向上につながるスマートシティの構築に向けた取組を加速化してまいりたいと考えているところでございます。具体的には、スマート自治体としての取組といたしましては、国における地方自治体の情報システムの標準化への対応やマイナンバーカードの普及促進、山口市LINE公式アカウントの機能充実、窓口におけるタブレット端末の活用、行政手続のオンライン化、AIを活用した議事録作成などといった市役所内部業務のデジタル化を進めてまいりたいと考えております。また、スマートシティの構築に向けた取組といたしましては、農山村エリアや都市部においてデジタル化や先端的なサービスの社会実装などに取り組むモデル的なフィールドを複数設定し、スマートシティの取組を進めてまいりたいと考えておりますほか、現在、県との連携の下で進めております新たなモビリティサービスの実証やスマート農業の取組支援、市内企業における5GやAIを活用した新商品・新サービスの開発支援、市内企業のデジタル化の促進などを進めてまいりたいと考えております。そして、こうした取組を進めますことで、あらゆる世代の皆様が暮らしの豊かさを実感でき、新型コロナウイルス感染症をはじめとした社会の変化にも柔軟に対応可能な本市における新たな日常を構築してまいりたいと考えております。こうしたまちづくりの方向性の下、引き続き、第二次山口市総合計画に位置づける定住人口の増加や転出超過の抑制などの目標達成を図ってまいりながら、県都としての求心力を高め、本市全体の発展を実現してまいりまして、住んでよかった、これからも住み続けたい山口と心から思えるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、山下宏議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  議場内の換気のため、暫時休憩いたします。                  午前10時58分休憩       ────────────・────・────────────                  午前11時8分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  24番、村上満典議員。               〔24番 村上満典議員登壇〕 ◯ 24番 村上満典議員 皆様ごきげんよう、公明党の村上満典でございます。通告に従いまして、大項目で3点の質問をさせていただきます。順次質問させていただきますので、市長並びに関係参与の皆様方の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  大項目の1点目は、児童虐待防止策についてであります。厚生労働省の統計によりますと、全国の児童相談所等に寄せられている児童虐待に関する相談件数は増加の一途をたどっております。具体的には、昨年度──2019年度の相談件数は10年前の約4.4倍、件数で3万件以上増えて19万3,700件となっております。この数字を虐待が増えているのか、あるいは相談しやすくなったために単に相談件数が増えているのか、また、その両方なのか。数字の分析についてはかなり難しい部分がありますけれども、児童虐待を絶対に許さないという立場から申しますと、相談体制の整備、また、相談内容に対する改善、相談・通告件数の減少という流れを強く推し進めることによって、社会全体で虐待を許さないという雰囲気の醸成を図っていかなければならないと強く感じております。ある調査では、緊急事態宣言後、不登校や保健室登校の子供たちが増えたという調査結果もあります。また、在宅勤務が導入される企業等の増加、コロナ不況による離職、失業等の増加により、子供も大人も在宅の時間が増え、児童虐待のリスクが高まっているとの指摘もあるところであります。虐待を起こさせない社会の実現へ国と地方が連携して、孤立している子育て世帯を支え、虐待を許さない社会をつくらなければなりません。当然、行政の役割は決して小さくありません。そこでまず、児童虐待防止へ基礎自治体の役割として、山口市の守備範囲をどこまでと捉え、早期発見するために市ができることはどこまでとお考えでしょうか。山口市の現状とこれまでの取組について御所見をお伺いします。次に、来年度以降の拡充策についてであります。11月11日に発表された令和3年度の予算編成方針には、大まかな方針を示すものであるがゆえ、児童虐待防止に対する取組について読み取ることが残念ながらできませんでした。将来を担う子供たちを育む「教育・子育てなら山口」の中の安心の子育て環境を充実させる、あるいは子供の見守り体制の強化などの文言の先に児童虐待防止への市の方針があるのだと考えたいと思います。そこでお伺いいたします。令和3年度予算編成方針からは読み取れない状況にありますが、来年度予算を編成される中で、児童虐待防止への市の姿勢及び具体的な拡充策について御所見をお伺いします。あわせて、虐待死の事案として生まれたその日に亡くなる子供が多いとの統計もあります。このような不幸な事案を少しでも減らしていくには、予期しない妊娠をした女性など支援が必要な妊婦への支援強化が急務とも言えます。この点についても御答弁をお願いいたします。中項目の3点目は、ヤングケアラーについてであります。ヤングケアラーとは、家事や家族の世話などを担う18歳未満の子供を言います。こう表現すると、家の手伝いをする感心のお子さんとも聞こえるのではないでしょうか。児童虐待防止の質問でヤングケアラーを取り上げること自体、不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。私は全てのヤングケアラーについて、児童虐待と考えているわけではありません。しかし、年齢や成長の度合いに見合わない過度の負担により心身が疲弊し、学業や進路に影響が出ているケースがあるのではないかと考えております。幼い弟や妹の世話に追われ、友達と遊ぶ時間も取れない。クラブ活動も参加できない。弟妹が寝静まった後、スマートフォンでSNSや動画サイトを夜遅くまで見ることが数少ない楽しみになる。その影響は学校生活に顕著に現れます。宿題等各種提出物が滞るようになる。授業中の居眠りや遅刻、欠席に及ぶ場合もあるでしょう。異変を感じた教員が保護者に問い合わせても、夜遅くまでスマホをいじっているからと、やめさせますのでと、そんな保護者の言葉にそれ以上の対応ができなくなる。夜遅くまでスマホを見ているのはなぜか、そこまで踏み込むことができない教員がいるとしたらどうでしょうか。重ねて申しますが、ヤングケアラーイコール児童虐待と考えているわけではありません。しかし、ヤングケアラーと児童虐待との関係について議論がなされているときの国会答弁における厚生労働省の表現は先ほどとは違って、ヤングケアラーを、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話を日常的に行っている子供と一歩踏み込んだ表現となっております。虐待が隠れているかもしれない、近い将来、児童虐待へとつながるかもしれないとの認識に立ち、今一歩踏み込んで児童虐待防止への部局間連携、情報と問題意識の共有が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。そのような取組について、山口市の現場をお伺いします。もう1点、先ほど述べました事例も含め、学校教員、関係職員の方々、あるいは近隣住民の方々も含め、全ての関係者が意識を高めていかなければ児童虐待の早期発見・早期対処が難しくなります。しかし、家庭の事情にどこまで関与できるのか、非常に難しい問題であります。埼玉県では、埼玉県ケアラー支援条例を本年3月に制定し、ケアラー全般の支援とともに、第8条でヤングケアラーへの支援について明文化し、取組姿勢を明確にしております。このような法的な後押しが有効であるならば、全国に先駆けて制定された埼玉県ケアラー支援条例のように、山口市で条例を制定することも一案と考えますがいかがでしょうか。条例制定に関する御所見をお伺いし、この項目1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 村上議員の児童虐待防止策についての御質問にお答えいたします。まず、山口市の現状と取組についてでございます。本市の相談通告受理に関わる児童数は、令和元年度が320人でございまして、全国と同様に増加傾向でございます。特に、平成29年度以降、泣き声通告及び面前DVを県児童相談所から送致を受け、対応していることも増加の要因でございます。なお、受理した児童数のうち虐待として認定いたしたものは19人で、うち18人が心理的虐待、またはネグレクト──いわゆる育児放棄等でございました。また、終結に至らず継続しているケースは常時250人程度ございまして、定期的な進行管理を行いながら、関係機関による支援や助言、指導をいたしている状況でございます。年々増加する児童虐待に歯止めをかけるためには、虐待に至る前にその芽を摘むことが重要でございます。そのためには、全ての子供や家庭に関わる様々な支援機関が虐待防止の視点を持ちながら携わる必要があると考えております。本市におきましては、家庭児童相談室、母子健康サポートセンター、やまぐち子育て福祉総合センターを中核に、児童福祉法の改正により規定されました子ども家庭総合支援拠点として、関係する支援機関との情報共有や連携を密にし取り組んでいるところでございます。基礎自治体として、市内のあらゆる機関のネットワークを持っていることが強みであると考えておりまして、子供や家庭の異変に気づき早めに対応する。その中で保護が必要な場合や虐待の程度が重度の場合などは、県の児童相談所につないで適切に対応していただくなど、連携体制が図れているところでございます。今後もネットワークの強化は必要と考えておりますことから、児童相談所や教育委員会をはじめとする行政機関との連携はもちろんのこと、NPO法人などの民間団体との協力体制も確立してまいる所存でございます。次に、来年度以降の拡充策についてでございます。現在、令和3年度予算の編成作業を行っているところでございますが、これまでも適切なケース管理のための児童相談システムの導入や安全確認員の配置、啓発活動に関わる経費などを計上いたし、児童虐待防止策の強化に取り組んできたところでございます。来年度に向けましては、児童虐待防止に関する市民の意識啓発をさらに図る必要があると考えておりまして、啓発事業の増額を検討いたしております。そのほか、必要であるにもかかわらず行政などの支援につながりにくい家庭に対しまして、育児用品を持参することで訪問を受け入れていただけるように努めるための事業や、NPO法人等の地域の民間団体に気になる御家庭の見守りをお願いする事業など、さらに多角的な手法による支援に取り組む所存でございます。次に、予期しない妊娠で戸惑い悩まれている方へは、保健センター内にございます母子健康サポートセンターが、妊娠期から子育て期まで保健師等がきめ細やかな相談支援を行っております。万一、御自身で育てる自信がないなどの場合は、里親や特別養子縁組制度がございまして、県の児童相談所が対応しておられます。最寄りの児童相談所につながる全国共通ダイヤル189──いちはやくは、予期しない妊娠等の相談も含め、児童虐待相談等に対応しておられますので、こうした相談先の周知に関わる経費も検討してまいりたいと考えているところでございます。次に、ヤングケアラーについてでございます。まず、部局間の共通認識と連携についてでございます。本市におきましては、児童相談所や教育委員会、障がい及び生活保護などを所管する部局のほか、医師会や福祉団体等で構成いたします山口市要保護児童対策地域協議会がございまして、保護や支援が必要と思われる子供を連携して支援いたしております。本協議会がケース事案として把握している家庭のうち、ヤングケアラーと思われる子供がいる約10世帯前後を把握いたしているところでございます。該当する子供や家庭が抱える問題は、経済困窮や不適切な養育、精神不安定や家族不和などの要因がふくそうし、結果として不登校などに至っているケースもございます。子供等の状況につきましては、児童福祉法の規定に則り、構成機関による情報共有が認められておりまして、問題が多いほど解決や改善に至るまで時間を要すこともございますが、関係する支援機関の見守りや助言、指導を継続的に行い、必要な支援やサービスにつながるよう努めているところでございます。なお、厚生労働省から要保護児童対策地域協議会に対しまして、ヤングケアラーの概念の認識と適切な対応を図るよう通知がされたところでございまして、本市におきましても、協議会の構成機関へ改めて周知いたすとともに、ヤングケアラー支援で必要とされる視点を持ちまして対応してまいる所存でございます。次に、条例制定の可否についてでございますが、現在、国におかれまして、年度内にヤングケアラーの実態調査を実施される予定であるとうかがっているところでございますので、この結果を踏まえながら、条例制定の必要性等につきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、今後も全ての子供たちが笑顔で喜びに満ち、希望にあふれるまちづくりを目指し、県の児童相談所をはじめ、多様な関係機関等と連携を深め、児童虐待の防止に鋭意取り組んでまいる所存でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村上満典議員。               〔24番 村上満典議員登壇〕 ◯ 24番 村上満典議員 それでは、中項目の3点目、ヤングケアラーについて2回目の質問をさせていただきます。条例制定の提案といいますか、させていただきましたけれども、私自身こういった法律的なものはなければないほうがいいと思っております。あらゆる場面において、なければないほうがいいにもかかわらず、提案をしたということは現状が不安だからです。現実問題としてあるのではないかということで提案もさせていただきました。もっと言うならば、最前線に立つ方々──例えば、学校の先生でありますとか、一つの行為が尻込みしてしまう場合があるので、例えば、そのお宅に電話をすること自体がちょっと嫌だなと思ってしまう、あるいは家庭内のことですから何も言わないでくださいと言われたら次の言葉が出ない。その尻込みをしてしまうところを後押しするために条例という形もあるということで提案をさせてもらったわけです。そういった方々、最前線で児童虐待をなくそうと思っている方々をいかに支援していくのかということが、残念ながらちょっと感じられませんでした。今まで取り組んでいるものを、取り組んでいなかったとは思っていない、私は一生懸命やられていると思っています。しかし現実問題、児童虐待というものが起きているのならば、今一歩踏み込んでやっていかないといけない。その手法の一つとして埼玉県の条例の事例も出しましたけれども、こういった条例は良いのではないかと私は思ったわけです。よく議会が機能しているかどうかを採点するときに、議会側の提案により成立した条例が何本あるのかというのが採点項目になっているのですけれど、埼玉県でも条例ができているのですから、議会側が提案するは簡単な話なのです。児童虐待やケアラー支援は、県と市だろうが、埼玉県と山口県だろうが変わらないので、提案しようと思えば条例なんかすぐできます。提案しなくても大丈夫だなと、皆が思えばそんなことしなくても済むのですけれども、現時点では大丈夫かなと不安になるわけです。埼玉県が条例を制定して、埼玉県で調査をしたのです。そういう調査を県でやっているから、国がやっと動いて全国的な調査を今年度中にやろうと、条例の影響としてやっと始まったのです。その全国の調査を待ってから検討するというのは、今、現時点で虐待に苦しんでいる子供がいたのなら、それはちょっと遅いのではないかなと思うわけですけれども、取組としてそれは遅すぎませんか。ヤングケアラー支援について、安心できるような御答弁をいただきたいのですけれどいかがでしょうか。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) ヤングケアラーの2回目の質問についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、今回の10世帯というものにつきましては、ヤングケアラーの考え方に照らし合わせて、今把握しているものについてカウントをしたものでございます。これらの世帯につきましては、問題が顕在化してケースとして把握されているものでございますが、ここに至らずとも家庭内で生活面としては完結しておりますが、その影で子供たちのことが外に現れにくくなっているケースも確かにあるというふうに考えております。今までこういった手の届きにくいところに関しての発見ということについて、ヤングケアラーという概念を念頭に置かずに接しているということもあったかと思いますが、こういったことを念頭に今後は多くの目で見ること、見守ることにより子供たちの教育を受ける権利であるとか、将来に向けての自立を自ら選んでいける権利とか、そういったものを守っていくことが非常に大事なことだというふうに思っております。埼玉県の先進的な条例につきましては、今般、国を動かす大きな力となっていることは承知しております。本市のほうにも、子ども・子育て条例というものもございますけれども、そういったものへの盛り込み方とか、そういう形も取れるのではないかということも含めまして、今後検討させていただきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村上満典議員。               〔24番 村上満典議員登壇〕 ◯ 24番 村上満典議員 それでは、大項目の2点目に入りたいと思います。公共交通の充実策についてでございます。先の通常国会では、本年11月27日に施行された改正地域公共交通活性化再生法ほか道路運送法等の関係法令が改正され、これまでのできる規定であった地域公共交通網形成計画に代わり、地域公共交通計画の策定が努力義務化されました。本市においては、平成19年に策定された山口市市民交通計画の考え方を継承し、平成30年に第二次山口市市民交通計画として山口市地域公共交通網形成計画を策定しております。しかし、これまで山口市を含む全国の自治体が策定している交通に関する計画の中には、数値目標などの具体性や客観性に欠ける計画もあるとの批判も多くあったようであります。そのような中、新たな計画では数値目標等、具体的な項目の位置づけが求められることになります。また、今回の法改正に伴う大きな取組の一つとして、自治体主導で地域の輸送資源を総動員し、交通サービスの改善を目指すことが明記され、自治体の関与を強化する方向性が盛り込まれています。では、現在の山口市の計画はどうなっているのでしょうか。様々な批判がある中で、現在の山口市の計画に対する評価と関係法令改正に対する計画見直し等の影響について、御所見をお伺いします。次に、具体的施策展開についてお伺いします。市の行う事業、施策の成果を最大限発揮するためには、現時点における問題点、課題の抽出と課題解決に向けた具体的なその年その年の取組であると考えます。昨年度の決算資料によりますと、令和元年度末における公共交通機関の利便性に満足している市民の割合は48%となっています。令和4年度の目標値54.3%へ向けて年度ごと数値を上昇させていかなければならないにもかかわらず、基準年から下がり続けているのが現状であります。今回の法改正などにより、バスやタクシーなどが運行されていない過疎地域における自家用有償旅客運送などの制度も利用しやすいものとなりました。これを受けてNPO法人などを対象とした助成制度を創設するなど、民間事業者参入を後押しする施策を展開することも考えられます。今後の山口市の課題解決に向けた支援拡充策について御所見をお伺いし、この項目1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本都市整備部長。              〔都市整備部長 藤本浩充君登壇〕 ◯ 都市整備部長(藤本浩充君) 公共交通の充実策についての御質問にお答えいたします。まず、関連法改正の影響についてでございます。議員御案内のとおり、このたび、地域公共交通活性化再生法及び道路運送法が改正され、先月施行されたところでございます。これは、人口減少の本格化や公共交通機関の運転士不足の深刻化等に伴って、公共交通の維持が容易でなくなっている状況を踏まえられたものでございます。改正後の大きな変更点といたしましては、これまで多くの自治体が策定いたしております地域公共交通網形成計画に代わり、地域の輸送資源を総動員したマスタープランといたしまして、新たに地域公共交通計画の策定が努力義務化されたところでございます。この新たな計画におきましては、公共交通の利用者数や収支率、公的な資金投入額といった数値目標の設定が求められているほか、従来の公共交通に加え、例えば、自家用有償旅客運送の実施を位置づけるなど、地域の移動ニーズに対応できるメニューについても、地域の輸送資源の総動員による移動手段の確保策として、その取組を検討、協議していくこととなります。また、路線バスに対する国からの補助につきましても、数値目標の設定と自治体が中心となった運行状況における評価・分析を計画的に連動させることによりまして交付されるようになるとうかがっております。本市におきましては、地域公共交通網形成計画に当たる第二次山口市市民交通計画を平成30年3月に策定いたしておりまして、その中で利用者数等の具体的な数値目標を設定いたし、毎年、進行管理を行っているところでございます。当面は、この計画を地域公共交通計画とみなすことが可能でございますが、今後、国、県の動向を把握するとともに、交通事業者や専門家とも意見交換を行いまして、新たな移動手段と運行主体の可能性やAIなどの新技術導入の検討を進め、新たな目標値の設定も含め、必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。また、この計画につきましても、前年度しっかり進行管理をいたしている状況でございます。次に、課題抽出と来年度以降の取組についてでございます。基幹交通につきましては、持続性の観点から交通事業者による運行を基本と考えております。しかしながら、運転士不足やアフターコロナの外出機会の縮小に伴う需要の減少により、既存の交通事業者にとって経営的に厳しい状況が予測される中、多様な移動手段を確保していくことは一層重要になってくるものと考えております。今後、既存の交通事業者が直接対応できなくなると見込まれる場合は、地域の行動につきまして十分に把握させていただきたいと考えております。本市といたしましては、こうした地域ニーズに対応するため、議員御案内のNPO法人や地域などが運行の担い手として、自家用有償旅客運送などの運営をしていただける場合には、道路運送法の協議を円滑に進めるため、今後の計画策定の協議の中におきまして、交通事業者や専門家の意見を伺い、運営方法や支援の在り方についても検討してまいりたいと考えているとこでございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村上満典議員。               〔24番 村上満典議員登壇〕 ◯ 24番 村上満典議員 それでは次の項目に移らせていただきます。大項目の3点目は、国際交流についてでございます。先日、議会に対して御説明のあった第二次山口市国際化推進ビジョン(案)につきましては、現在、市民の皆様から広く御意見を募集するパブリックコメントの期間中であり、今年度中の策定を目指しておられます。姉妹都市との相互交流や市内在住の外国人の皆様との交流など、国際交流推進への山口市の取組については一定の評価はしているものの、行政側の思いとは裏腹に市の進める国際交流に対する市民意識は決して高くないように感じております。議員の皆様には、昨年度の主要な施策の成果報告書を送らせていただきました。国際交流を推進すると言いながらも、国際交流・国際協力に取り組んだり、行事などに参加したことのある市民の割合は、令和元年度のアンケートでは4.4%、令和4年度の目標値が9.0%ということは、国際交流等に関する行事に参加したこともない市民が90%以上というかなり低い目標にもかかわらず、調査数値は低調な状態にあります。何が原因なのでしょうか。私は、まず、国際交流の意義と山口市の役割、市民が受ける利益について具体的に市民に示し、市民理解を進める必要があると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いします。今議会における同僚議員の質問に対する御答弁として、国際交流に関する施策運営は、行政が先頭に立って牽引する時代ではなく、市民や民間事業者等と一体となって進めていかなければならないという趣旨の方針を示されたと理解しております。私の考えもまさにそのとおりで、中項目の2点目、民間事業者との連携をいかに進めていくかが重要であると考えます。それは恐らく、ただ一つの正しい答えがあるというものではなく、あまたある手法の中から選んだ方向に市民が一つとなって進んでこそ最高の結果も得られるのではないでしょうか。しかし、現状は厳しい。例えば、山口市民の中で、山口市が姉妹都市提携をしている海外都市を全て言える方は非常に少ないのではないかと感じております。この議場にいる方々は、ある意味特異な集団で大丈夫でしょうけれども、逆にこの中に全ての姉妹都市を言えない方がいたならそれはそれでちょっと問題だなと思うところであります。当然、姉妹都市を実際に訪れた方となるとさらに少なくなります。私は、いかなる政治状況にあろうとも、民間交流は大切であると思います。むしろ、両国間の状況が悪ければ悪いほど、こんなときだからこそと交流を進めるべきと考えております。しかし、交流は相手のあること。いくらこちらが誠意を示しても、今日本に行くわけにはいかないと言って、一方的に交流を延期するような相手と交流をするために予算計上することは市民理解も得にくいのではないかと考えます。また、予算編成方針にも明記されているように、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても、事業実施が可能となるような手法を考慮していかなければなりません。その上での民間事業者との連携であります。全国的には様々な成功事例がある中で、宿泊施設において外国人従業員を採用し、外国人誘客に成功した事例があります。旅館・ホテルにおける外国人従業員というと、客室の清掃や裏方の従業員を想像される方も多いかもしれませんが、成功事例はそうではありません。お客様との直接の接客業務──中居さん、あるいは、おかみのような立場で外国人従業員が活躍している事例であります。そんな外国人従業員に母国語でSNSでの情報発信をしてもらい、出身国の方々とのSNS上での交流を促し、同時にその観光地の魅力を伝えてもらう。そんな取組が功を奏して、交通の便が決して良くない旅館に多くの外国人観光客が訪れている、そんな事例であります。いわばおかみのような立場で、おかみを超えるような活躍と言えるかもしれません。おかみのような、おかみを超えるような立場でと言うとかなりハードルが高いホテルもあるでしょうけれども、おもてなしの主戦力でということであります。雇用形態だけではありません。出身国についても、日本と関係が良好な、日本という国への好感度の高い、しかもブリックスと言われる諸国や東南アジアなど、経済効果も見込める相手国であれば最高だと考えます。そんな幾つかの条件をクリアした場合の助成制度の創出も一つの手法です。当然、その先には行政が行う新たな姉妹都市締結があります。今後、国際化を推進するためには、このような民間の取組を後押しするような、中長期的な展望を持った戦略的な施策を進める必要があると考えますがいかがでしょうか。今後、行政として官民一体となった取組をどのように進めていかれるのかをお伺いし、この項目1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。               〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 国際交流についての御質問にお答えいたします。まず、意義と市民利益についてでございます。本市におきましては、国際化の進展を受け、これまで姉妹友好都市等を中心に都市間交流を推進してきたところでございます。御案内のとおり、来年3月に向けて策定を進めております第二次山口市国際化推進ビジョン(案)におきまして、国際交流の推進を施策の一つとして位置づけまして、これまでの姉妹友好都市をはじめ、様々な海外都市との交流を多くの市民の皆様に参画いただきながら進めるとともに、民間事業者における幅広い国際交流の機会も創出し、まちの発展につながる取組を目指していくこととしております。こうした国際交流に取り組む意義といたしましては、相互理解や友好親善を深め、相互の都市の魅力を伝え合いながら市民の国際感覚が養成される効果をもたらすことができるとともに、海外とのつながりにより経済、産業の分野においても、地域を活性化させる原動力になるものと認識をしているところでございます。近年の交流の取組事例をいくつか申し上げますと、まず、平成27年に本市で開催された第23回世界スカウトジャンボリーでは、155の国や地域から参加された約3万4,000人のボーイスカウト・ガールスカウトの方々と市内の小・中高生や市民の皆様方に御参加いただき各種の交流事業を行いまして、様々な文化や価値観に触れ、国際理解を深める機会になっただけではなく、山口市の存在を全世界にアピールできたところでございます。次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会におけるスペインのホストタウンとしての取組では、国際交流員がSNSを活用し本市の魅力を国内外に発信しておりますほか、スペイン水泳代表チームの選手の皆様と市民の皆様との交流や、国際交流員が地域を訪問し、青少年をはじめとした幅広い世代を対象にスペイン文化講座などを実施しております。このような取組が、国際交流に関心の薄かった市民の方にも幅広く御参加をいただく機会となり、海外の文化に対する理解を深めていただくとともに、新たな交流人口の創出にもつなげることができるものと考えております。また、市内の民間事業者からの御依頼を受け、国際交流員がスペイン料理の開発に協力いたしましたところ、本場スペイン料理さながらの料理が提供され話題になるなど、本市だからこそ実現できた経済的効果につながる取組が生まれたところでございます。さらに、フィンランド・ロヴァニエミ市との観光交流パートナーシップ協定に基づく交流事例では、民間が中心となって実施される12月のクリスマスイベントにおいて本市も積極的に参画をいたしており、市内外からも多くの方に来場いただき、クリスマス市としての認知度を高めるとともに、市民の皆様がまちに対する誇りを持つことにもつながっているものでございます。議員御質問の市民利益につきましては、目に見える効果、実感いただける効果として捉えますと、国際交流を通じて交流人口や経済効果を生み出すことや、市民の皆様が参加して良かったと思っていただくことが利益として感じることにつながるものと考えております。このように、民間の皆様方の活動の活性化につながる仕組みを構築することも、市に期待されている役割であるものと認識いたしているところでございまして、今後におきましても、多くの市民の皆様が国際交流事業に参画できる取組を進めるとともに、海外との経済交流についても促進し、官民が連携しながら市民の皆様が国際交流の意義や利益を感じていただけるような裾野を広げる取組を進めてまいる所存でございます。次に、民間事業者との連携についてでございます。まず、本市の現状を申し上げますと、2020年4月現在の外国人市民数は、7年前と比較いたしまして約1.6倍に当たる1,897人と増加傾向にございまして、在留資格別では、留学を抜いて技能実習の増加が顕著となったところでございます。それに伴い、国籍・地域別におきましてもベトナムが最も多くなるなど、民間事業者における外国人材の活用が高まっているところでございまして、地域における外国人市民受入れの環境整備が喫緊の課題であると認識をいたしております。次期ビジョンの策定過程におきまして、民間事業者の方からお話をお伺いいたしますと、外国人市民の皆様は企業にとって重要な戦力であり、事業承継をする上でも大切な人材と捉えられておられ、本市の持続的なまちの発展にとって必要不可欠な存在であると実感したところでございます。加えて、本市の外国人市民の約半数を占める技能実習生、留学生の多くは、3年から5年という期間で母国へ帰国される現状でございます。こうした現状を踏まえますと、海外都市との経済交流が活発化し、多くの外国人市民が活躍するといった10年後、20年後の本市の姿を見据え、実現するためには、外国人市民の方々に山口の魅力や人々の温かさを伝えることで、在住される間や帰国された後も知人や友人など様々な方々に山口の魅力を情報発信していただき、海外の多くの方々に観光の場、働く場としての山口を選択いただけるような施策を展開する必要があると考えております。また、帰国された方との人的ネットワークを活用した新たな経済交流の発展、さらには帰国されるのではなく本市を暮らしの場として定住していただき、人材不足の解消にとどまらず、地域の課題解決や活性化の貴重な担い手として御活躍いただくことも重要であると考えております。こうしたことから、本市の次なる国際化の推進に当たりましては、「世界の人々に愛される国際交流都市 山口」を目指す姿として掲げ、海外や市内の多くの外国人の方々に山口に愛着を持っていただき、様々な海外との交流、外国人市民の活躍の場を創出していくこととしております。その第一歩といたしまして、日本人市民と外国人市民の交流を通じた相互理解を進める必要があると考えておりまして、次期ビジョンにおきまして多文化共生の推進を主要な施策の一つに掲げ、外国人市民が安心して暮らしていける環境の整備を進め、本市の国際化を進めてまいることとしております。次期ビジョンの初年度に当たります来年度では、地域の皆様に多文化共生が定着できますよう、地域の実情に合わせた外国人市民との交流を通じた異なる文化への相互理解を進めていく取組を行うこととしております。議員から御案内がありました事例につきましても、民間事業者による外国人材を活用した効果的な取組でございまして、経済活動のみならず地域活動など様々な民間活動の中で、外国人市民が活躍できる環境づくりも進めていく必要があると考えております。本市におきましても、こうした外国人材の活躍を円滑に進めるためには、行政のみならず民間事業者や市民団体の皆様との連携が不可欠となりますことから、最も身近な暮らしの場である地域におきまして、市民団体の皆様による交流の場づくりや生活情報の多言語化など、官民が一体となって外国人を受け入れる環境整備を進めていく必要がございます。こうした多文化共生の推進を通じまして、外国人市民が安心して暮らし、本市で御活躍いただける場を創出できるように、継続的に自治会、経済団体、市民団体や民間事業者の皆様と情報共有を図りながら、本市の実情に応じた取組の実現に向けて官民連携の下、進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村上満典議員。               〔24番 村上満典議員登壇〕 ◯ 24番 村上満典議員 それでは2回目の質問をさせていただきます。通告の段階では──聞き取りの段階では、ベトナムという国に関してかなりの時間を割いたのですけれども、それには理由がありまして、山口市において今ベトナムの方が多いというのもありますけれども、人口構成や経済発展、社会インフラの整備等を見てみると、日本のちょうど40年前──1980年代とかなり似通っている国なのです。人口ももう少しすると日本よりも多くなる国です。経済発展もGDPの成長率も広範囲でずっときているような国ですので、経済交流という意味では、こういった国をターゲットにしたほうがいいと私は思っているのです。そうすると、民間事業者の方々もそれがビジネスチャンスとなって、市民一体となって交流を進めることができるのではないかと、現時点でベトナムの方が多いわけですから。そういう意味で──ただベトナムという国を知らないがゆえに怖がっている、ちょっと言葉が悪いですかね、分からないという人が多いのも現実なのです。ですから、そういった現状と未来を見据えて──例えば一つの国を──ベトナム以外でも構わないのですが、一つの国をターゲットにして、広く国際交流という意味ではなくて、一つの国、一つの都市をターゲットにして進めていったほうがいいのではないかと思うわけですけれども、そういった広い意味での国際交流だけではなくて、ターゲットを絞った国際交流の施策について御見解をいただきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。               〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) それでは2回目の御質問にお答えをいたします。具体的なベトナムという国が出てまいりました。まず、姉妹都市締結につきましては、お互いの都市と都市との歴史的な関係性、それから民間による交流をきっかけに締結されるということがございます。それ以外に、姉妹都市締結という形のほかに経済交流という形もございます。まずは、ベトナムとの交流でございますが、先ほど議員からも御紹介ありましたように、現在、ベトナム国籍の方が28%とトップでございまして、現在におきましても本市とベトナムの関わりは既に経済的にも大きな比重を占めております。こうした中で、実は県におかれましてはベトナムのビンズン省──こちら、ホーチミン市の北側にある省でございますが、平成26年に友好交流に関する覚書を締結されておられます。また、これを受けまして山口大学におかれましても、ビンズン省の東部国際大学と学術交流協定を締結されているところでございます。こうした県や教育機関、民間等の動きも踏まえまして、姉妹都市の締結、ベトナムがいいのか、また、他の国がいいのか、昨日英語圏というお話もありましたけれども、ある程度特化した分野ということを踏まえながら、いろいろな国との交流の形を考えながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、村上満典議員の質疑並びに一般質問が終わりました。  午後1時まで休憩いたします。                  午後0時2分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時0分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  17番、部谷翔大議員。               〔17番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 17番 部谷翔大議員 市民クラブの部谷翔大でございます。  それではまず、大項目2つのうちの1つ目、ア、市本庁舎の生産性について。山口市新本庁舎整備基本計画は、来館者や環境、景観など様々なことに言及されていらっしゃいますが、庁舎において一番考えなくてはならないのは、そこで働く職員の皆様の働きやすさや生産性であると考えております。職員の生産性が上がれば、それはすなわち市民サービスが向上するということでございます。しかし、基本計画においては、このことがほとんど言及されておりません。そこで、新本庁舎と生産性について、質問をしていきたいと思います。中項目1)生産性を下げるオープンフロア。新本庁舎の計画においても、フロア一面壁のない──いわゆるオープンフロアを計画されていらっしゃいます。他市の新庁舎などを見てもオープンフロアが非常に多く、全国各地でもその流れが進んでおります。これはいわゆるGAFAの影響により、オープンフロアは職場改革の成功事例としてもてはやされ、日本においてもオープンフロアを採用する企業や自治体が増えております。では、このオープンフロアの利点としては何なのか。コミュニケーションの活発化と執務スペースの環境向上が言われておりますが、むしろこのオープンフロアの先進国では、生産性を下げるという議論や論文が今非常に増えているということを理解しなくてはなりません。ハーバード大学の研究者の調査によると、オープンフロアはむしろコミュニケーションの活性化を阻害するという研究発表がなされており、直接のコミュニケーションが増えるだろうと想像されるのですけれども、実は直接のコミュニケーションよりも、周りがガヤガヤしている、コミュニケーションが取りにくいということで、SNSやメールなどの使用頻度が増えてくるという驚くべき研究結果がございます。また、オープンフロアにすることによって様々な場所から音がするものですから、雑音や周囲が気になり集中できず、最大70%生産性が落ちた企業もあるという論文がございます。そのほかにも、オープンフロアに関しましては、様々な病気を持っている方、特に心の病気にかかる方が増えるというデータまでございます。こうしたことから、この新本庁舎において今はやりのオープンフロアに安易に乗っかるのではなく、再度、オープンフロアが職員にとって働きやすい環境か考えていただきたい。実際に、もしオープンフロアをこのまま採用するとしたとしても、プライバシーが確保され、集中的に仕事をすることのできる小部屋を幾つも用意する必要があると考えております。以上のことから、市においてはオープンフロアを採用しようとされていらっしゃいますが、今の話を聞いて、どのような御見解をお持ちで、オープンフロアでの生産性についてどのようなお考えをお持ちかお伺いいたします。中項目2)生産性を上げる色彩変化。山口市新本庁舎整備基本計画を読む限り、庁舎内の壁面などの色については言及されていらっしゃいません。しかし、現在、様々な研究結果によって、色の変化によって生産性が高まるという研究が多く示されております。従来どおりの白や黒などの色だけでなく、用途ごとに部屋の壁の色を変えるなどを御検討いただきたいなと考えております。これはまた、アメリカのテキサス大学の研究者によると、部屋を赤、白、水色の3種類に分けて作業をさせたところ、白が一番ミスが多かったという研究結果が先日発表されております。しかし、日本のオフィスの多くが白や黒やグレーであり、実はその色というのは生産性を下げている可能性があるのです。逆に、ではどういった色がいいのか。例えば、赤はやる気を上げる、青は想像力をもたらすなど、様々な効果を引き出すことは研究で言及されているなど、色が精神や生産に及ぼす影響の研究は日々進んでおります。つい先日発売された、世界的ベストセラーになっているイングリッド・フェテル・リーさんの著書Joyfulにおいて、非営利団体のパブリックカラーという団体によって──アメリカンの団体ですね──貧しい公立高校を鮮やかな色で塗り替えた事例が紹介されていらっしゃいます。これによって、複合的な要因であるものの、色を塗り替えた学校においてはドロップアウト率の減少や事例証拠により生徒の出席率が上がる、テストの点数に変化が見られたなど、様々なプラスの効果が言及されていらっしゃいます。つまり、カラフルな色合いというのは様々なプラスの要因がある可能性があり、新本庁舎においては、いわゆる白、黒ではなく、部屋の用途において色彩を検討し、部屋ごとに色を変えるということが重要ではないかと考えておりますので、以上のことを提案いたしますが、市の御見解をお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総務部本庁舎整備推進担当部長。          〔総務部本庁舎整備推進担当部長 田中広興君登壇〕 ◯ 総務部本庁舎整備推進担当部長(田中広興君) 部谷議員の新本庁舎での生産性についての御質問にお答えいたします。まず、生産性を下げるオープンフロアについてでございます。新本庁舎の執務スペースにつきましては、昨年6月に決定いたしました山口市新本庁舎整備基本計画におきまして、将来を見据えた柔軟な庁舎を整備方針に掲げまして、将来の変化に対応できる行政サービス機能等を重視した庁舎づくりを進めます中で、執務空間の在り方につきましても検討を進めております。オープンフロアにおける一般的なメリットといたしましては、オフィススペースの効率的な活用をはじめ、組織変更や人員の増減に対する柔軟かつ迅速な対応、レイアウト変更に伴うランニングコストの削減、職員動線の明確化などが挙げられております。また、一つの空間で上司や同僚はもちろん、所属の垣根を越えた多くの職員が働くことにより、職員間のコミュニケーションをより緊密に図ることができ、そこで様々なアイデアが生まれることが期待できるものでございまして、近年、新本庁舎を整備されたほとんどの自治体でオープンフロアが採用されているところでございます。とりわけ、オフィススペースの効率的な活用につきましては、少子高齢社会の一層の進展に伴う人口減少社会の到来やAI等の革新的な科学技術の進歩、あるいは業務の標準化や共通化による行政事務の効率化など、将来的な社会経済情勢や自治体機能を見通す中で、新本庁舎が過大な施設とならないよう全体規模の縮減に努めており、本市といたしましては大きなメリットと認識いたしているところでございます。一方で、議員御指摘のとおり、雑音や周囲が気になり集中できない、画一的、無機質なオフィスになりがちで働きにくさを感じる方がいるといったデメリットがあることにも意を配す必要がございます。設計に当たりましては、こうしたオープンフロアの特性を考慮しながら庁舎づくりを進める必要があるものと認識いたしており、効率的なフロア活用やコミュニケーションの活性化と業務への集中、働きやすさのバランスを保つことが重要であると考えております。具体的には、各フロアの執務空間において、デスクの並んだ事務スペースとは別に什器等で来庁者からの視線を遮ったスペースを設けまして、職員間の協議や集中作業ができるような空間づくりを進めることを検討いたしておりますほか、コロナ禍の影響もあり、最近では多く活用されているオンライン会議といったウェブ対応の執務環境など、オフィス内に多様な働き方のできる場を設けまして、職員の生産性の向上を図ってまいりたいと考えております。加えて、各フロアには職員用の休憩室や更衣室を設け、休憩時間には職員が落ち着いて食事をとれ、しっかりリフレッシュできる空間を確保いたしますことで、職員にとっても快適で働きやすい環境づくりを実現するとともに、生産性のさらなる向上に寄与してまいりたいと考えております。次に、生産性を上げる色彩変化についてでございます。議員からも御案内がございましたとおり、色彩は人に対し気分を明るくさせたり、落ち着かせたり、集中力を向上させたりするなど、多様な感情効果を与えることが指摘されており、新本庁舎におきましても、各室の用途や目的に適した色彩を採用することが重要であると認識いたしております。色彩設計の検討に当たりましては、新本庁舎のような大規模な建築物の場合には、まず建物全体にわたる統一性と変化のバランスが重要であると考えております。また、同時にサインなどに用いる色を有効に機能させるため、室内全体の色彩を考慮しながら色が煩雑とならないよう、機能的で調和のとれた空間といたす配慮が必要となります。こうした点を考慮しながら、新本庁舎内部の色彩計画につきましては、来庁者の安心感や職員の業務能率の向上につながる明るく落ち着きが感じられる色彩を基本といたし、会議室やその他各室につきましても、全体の基本となる色彩を踏まえた上で、その用途や広さ、仕上げ材等を考慮しながら決定することが必要であると考えております。新本庁舎の色彩計画につきましては、今後、さらに検討を深めてまいることといたしており、実施設計や工事施工段階において、本庁舎各室の具体的な色彩を決定いたすこととなりますが、その際には、議員御案内の色彩による生産性の向上といった視点も十分に踏まえながら、検討を行ってまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 部谷翔大議員。               〔17番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 17番 部谷翔大議員 ありがとうございました。どこにでもあるような市役所にならないことを祈っております。続きまして、2番目、大項目イ、結婚支援について。中項目1)マッチングアプリ運営企業との提携についてでございます。山口市の出生数は、平成20年の1,686人から平成30年の1,420人と、たった約10年で何と260人も減少しております。この少子化の問題は、議会でも何度も議論されておりますので詳細は省きますが、少子化の一番の課題は婚姻率です。生涯未婚率は、2019年のデータで男性約23%、女性約14%、予想では2040年に男性約30%、女性約18%まで上昇するとされており、生涯未婚率を減少させるということが少子化の一番の対策というのは周知の事実でございます。では、ここから本題でございますが、2019年3月の少子化社会対策に関する意識調査報告書において、結婚しない理由の1位はお金ではなく、適当な相手に巡り会わないが2位と倍近い差をつけて約46%で1位でした。今後、我々が行うべき結婚対策は、従前の資金援助、各種子育て補助は当然のこと、本日のテーマであるマッチングアプリ運営企業との協力が重要であるというふうに考えております。アニヴェルセル株式会社が、首都圏、関西在住の20歳から36歳の男女1,374名を対象に、現在の彼、彼女との出会いは何がきっかけでしたかという意識調査をしたデータがございます。それによると、1位、職場の先輩・同僚24.1%、2位、友人・知人の紹介19.6%、3位、学校の同級生、先輩、後輩16.1%、4位、インターネット9.7%で、5位、6位に部活、合コンと続きます。既に、ネット経由──アプリであったりとかお見合いサイトだったり、そうしたネット経由での出会いが、合コンや部活、クラブ、サークルといった今までスタンダードであった手段を数値としては超えております。そのようなこともありまして、北九州経済連合会──九経連は、加盟企業の独身社員の出会いを促進するため、AIを活用した恋愛ナビゲーションアプリ運営企業と提携されており、そのほかにもマッチングサービスを提供する企業が、岡山県や青森県、島根県出雲市と連携、また、今最も出会えると言われているマッチングアプリの運営企業は連携する行政団体を募集するなど、マッチングサービスの会社が各行政や企業と組んで出会い、結婚対策に取り組んでいらっしゃいます。この婚活の問題、何度も議会で取り上げておりますが、毎回、基本的な返答は県との連携という回答でございます。手もない、足もない、予算もないという状況ですから致し方ないなとは思っておりますが、しかし真剣にこれからの未来のことを考えたら、結婚の前段階の出会うという部分に力を入れなくてはなりません。お金があっても、給付金があっても、パートナーがいなかったら結婚できないわけですから、出会いの部分をどうするのか、これは市で真剣に考えるべきだと考えております。ここからが提案ですけれども、行政にお金もない、人もない、実績も出せないのであれば、こうした出会いのノウハウを持っているマッチングアプリの運営企業と提携してみてはどうでしょうか。ただし、先ほども同僚議員から言われたのですが、何かマッチングアプリはやばいやついる、騙されるよねみたいな、マッチングアプリというといかがわしいというイメージを抱く先輩方もいらっしゃるかもしれません。そこで、業界ナンバーワンのマッチングアプリを運営している株式会社のブランドディレクターと直接お話をしてまいりました。この会社は、会社のビジョンとして、かけがえのない人との出会いを生み出すを掲げていらっしゃいまして、出会いに真剣に取り組んでいらっしゃいます。このアプリ運営企業に、具体的に実績どうなのかとお聞きしたら、このマッチングアプリを通じて恋人ができた人は、2012年から累計で30万人を超えているそうです。また、2019年に限定しても、結婚に至った人は推計で3万8,000人の実績を出していらっしゃいます。ということで、先ほど同僚議員が言ったような怪しいというのは、ものすごく的外れな意見だというふうに考えております。ちなみに、山口県も一生懸命頑張っているではないか、結婚応縁センターもつくって頑張っているではないかという話なのですけれども、やまぐち結婚応縁センターは、平成27年スタートで令和元年時点で累計89組が結婚されていらっしゃいます。先ほどの3万8,000人と、山口県が一生懸命頑張って89組でございます。このように実績は出していらっしゃるものの、悪いイメージを引きずっているのか、先ほどのアプリ運営企業もいまだ行政や議員から協業、協力のアプローチはないそうで、私が初めて声をかけてきた行政関係者らしく、まだ実際に提携ができているところはないということでございました。しかし、今ではこうしたアプリ運営企業は若者には既に市民権を得ており、また、出会うということに真剣に取り組んでいらっしゃいまして、各社が独自に結婚白書やアドバイザリーボードを設置するなど、今の日本で最も結婚について考えていらっしゃるのはこうした企業でございます。そうした企業との提携を真剣に考えていただきたいというふうに考えております。また、行政側としても結婚に真剣に取り組む担当課や、専業の担当人員を配置しても良いのではないでしょうか。人口減少と少子化は、今このまちの未来を脅かす一番の課題です。出会いを解決することも課題解決のための重要な手段です。行政も真剣に取り組む姿勢を見せてもいいのではないでしょうか。以上2点、地域やマッチングアプリ運営企業との提携、また、出会いや結婚に特化した担当課、担当職員の配置を提案いたしますが、行政のお考えをお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 結婚支援についての御質問のマッチングアプリ運営企業との提携についてお答えいたします。マッチングアプリ運営企業につきましては、結婚などの出会いを目的として、希望や条件がお互いに合致する人同士を結びつけるサービスをスマートフォンやタブレット端末向けのアプリケーションソフトにより提供し、また、結婚支援や婚活イベントを実施しておられる企業でございます。本市におきましては、結婚に関する支援といたしまして、県のやまぐち結婚応縁センターや山口結婚応援団との連携などにより、県内において広域的な結婚に向けた出会いの場の創出や情報提供に取り組んでいるところでございますが、こうしたマッチングアプリ運営企業と連携した事業は実施していないところでございます。議員御案内のとおり、岡山県や青森県、島根県出雲市におかれましては、地域団体やマッチングアプリ運営企業と連携して、地元出身者やそれぞれの県や市に関心がある若者を中心に、マッチングアプリを利用して参加者を募集し婚活イベントなどを開催され、人口減少や婚姻率低下といった社会的課題の解決に向けた取組を進められているところでございます。国の少子化社会対策大綱におきましては、結婚支援におけるAI等の適切な活用として、地方公共団体が行うAIをはじめとするマッチングシステムの高度化や、マッチングシステムと相談員による相談を組み合わせた結婚の希望を叶える取組を支援するとされておりまして、本市といたしましても、こうしたシステム等の有効性は今後高まってくるものと認識いたしているところでございます。議員御提案のマッチングアプリ運営企業や地域団体との連携した取組につきましては、県内全域で事業を実施されている県と本市で事業が重複しないよう役割を明確にした上で、本市としてAIマッチングシステム等の活用について研究してまいりたいと考えております。なお、出会いや結婚に特化した担当課、担当職員につきましては、将来的に必要に応じた配置をすることとし、制度の検討は現在事務を分掌しておりますこども未来課少子化対策推進担当で対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 部谷翔大議員。               〔17番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 17番 部谷翔大議員 すみません、2回目の質問をしないと言ったのですけれど、1つだけ聞かせてください。この出会いの問題をさんざん議会でやってきているのですけれど、行政で取り組むべきだと考えていますか。行政──山口市としてこの出会いの問題は取り組むべきだと考えているのか、それともやはり県にお願いしようというベースなのか、それとも民間でおのおのやっていただきたいという考え方なのか、どこが一番近いと考えていらっしゃいますか。お伺いできればと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 結婚支援についての2回目の御質問にお答えいたします。議員がおっしゃるとおり行政の苦手な部分、それから先ほどの民間に対する市民の方の不安な部分、それから地域でのそういったことに対する機運を盛り上げていただける若い団体の方、そういった方たちが実際に今ばらばらに存在していると思っております。今回、議員の御提案にありますような、それぞれの苦手な部分を補い合えるような関係性が保てるということが一番ふさわしい良い事例で、岡山県等が進めていらっしゃるのかと思います。また、これは婚活にもなりますし、それから定住促進、それからいろいろな地域振興といったようなことにも効果が上がるかというふうに思っております。こういったことの関係者が、役割を分けると先ほど議員がおっしゃられたのですが、分けるというよりはその団体こそが出会ってそういうことを進めていくことができることが、一番この事業を進めていくことに効果があるのではないかというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、部谷翔大議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  12番、山本貴広議員。               〔12番 山本貴広議員登壇〕 ◯ 12番 山本貴広議員 県都創生山口の山本貴広です。通告しておりますとおり、一般質問をさせていただきます。市長はじめ関係者参与の皆様の明快な御答弁をお願いいたします。  今回は個性ある地域づくり、子育てなら山口の取組、そして山口市成年後見制度利用促進計画(素案)についての3項目をお伺いいたします。まず、大項目のア、個性ある地域づくりについてお尋ねします。令和4年5月に供用開始の予定で阿知須総合支所・地域交流センター等の複合施設の安全祈願祭・起工式が10月31日に行われました。この複合施設の建設を進めるに当たりましては、阿知須地域づくり協議会が平成29年3月に建設委員会を立ち上げられ、本年8月まで合計11回開催され、約2年半にわたり地域住民の代表の方々や関係者からこの複合施設に求められる多種多様な御要望をまとめていただきました。そして、現時点ではようやく杭打ち作業に着手されるなど、いよいよ工事も本格的に始まっております。言うまでもなく、新しい複合施設は地域の皆様に愛され、地域づくり活動のシンボリックな存在になります。特に、隣接しております保育園、図書館、体育センターや健康福祉センターなどの公共施設と連動した公共サービスの一翼を担うことになります。そこでお尋ねします。複合施設の建物用地の川側──いわゆる南側には広い芝生のオープンスペースが計画されていまして、まさに阿知須のランドマークとしての機能を備える複合施設を建設するに当たり、これから阿知須地域の活性化及び個性ある地域づくりに向けてどのような役割を果たしていくのかお伺いいたします。次に、道の駅「きらら あじす」についてお尋ねします。平成17年3月にまちづくり交付金を活用し、県内で18番目にオープンした道の駅きららあじすにおいては、来年度から5年間の新たな指定管理期間が開始される議案が今回の議会で上程されております。この間、この施設は阿知須地域における交流の核として、農業をはじめとした地域産業振興に大きく貢献してきているものと認識をしております。私もほぼ毎週末には買い物に行っていますが、朝早くからお客様も来られ、季節ごとの野菜など、生鮮食品をはじめ、お弁当やお土産も品揃えしていると感じております。しかしながら、近年では隣接道路の交通量の減少などによりまして、来場者数や売上額とも減少傾向にあることは毎年提示されています事業報告書から読み取ることができます。そこでお尋ねします。阿知須地域の経済活性化と個性ある地域づくりを柱とした阿知須地域ふるさとにぎわい計画において実施される事業内容と指定管理者におけるサービス向上に向けた取組についてお伺いしまして、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 安田阿知須総合支所長。             〔阿知須総合支所長 安田功二君登壇〕 ◯ 阿知須総合支所長(安田功二君) 山本議員の個性ある地域づくりについての御質問にお答えいたします。まず、阿知須総合支所・地域交流センター等の複合施設についてでございます。本年8月末に解体が完了いたしました旧阿知須総合支所庁舎は昭和44年に建設され、また、阿知須地域交流センターは昭和55年に建設されておりますことから、いずれの施設も老朽化が進んでいること、耐震基準を満たしていないことなど、地域の皆様からも安心して利用できる施設整備を望む声がある中、平成29年に阿知須地域づくり協議会及び阿知須自治会連合会から阿知須総合支所・地域交流センターの建て替えに伴う要望書が提出されたところでございます。議員御案内のとおり、これまでに建設委員会での協議を複数回行い、要望書の内容や地域の皆様からの御意見を取り入れながら整備計画の検討を重ねてまいりました。地域の皆様の御理解と御協力の下、おかげをもちまして今年度から建設工事に着手できる運びとなったところでございます。新たな施設の特徴といたしましては、まず、隣接する体育センター、健康福祉センター、保育園、図書館との利便性を考慮するよう敷地中央に施設を計画するとともに、アクセス性を高めるために健康福祉センター側から車両も通行できる新たな進入路につきましても検討いたしているところでございます。また、地域からの御意見も踏まえ、敷地南側に芝生を敷き詰めた阿知須独自の約2,000平方メートルのオープンスペースを整備し、イベント会場や待合場所として人と人がつながる交流空間の創出が図られるよう計画いたしております。加えて、施設南側はガラス面を多く確保し、張り出した軒下のデッキスペースやオープンスペースに向け広がった屋外階段はイベントなどの様々な用途に使うことを可能としているところでございます。また、施設内部には、既存の地域交流センター大講堂と同規模程度の大会議室や、災害時の連携強化を図るための消防団車庫を配置いたしております。さらに、外観でございますが、江戸時代中期から廻船業の港町として栄えた阿知須浦地区には、防火に優れ、なまこ壁や白壁が特徴的な居蔵造の家屋が建てられ、現在もいぐらの館をはじめ、その周辺のまちなみを彩っておりまして、こうした伝統的景観を継承するため、新たな施設の壁になまこ壁をモチーフとしたデザインを取り入れております。また、現在の総合支所敷地内通路は車道と歩道が分離されてない上に、車両の抜け道となって利用されている状況となっておりまして、今後、利用者の皆様の安全な経路を確保する観点から敷地内通路の一部を廃止いたし、隣接する井関川沿いの市道御米橋砂郷線の道路改良工事によりまして、利便性向上と歩行者の安全確保を図ることといたしております。いずれにいたしましても、生活関連機能が集結する拠点として、様々な地域づくり活動を実践する役割をはじめ、子供から高齢者の全ての皆様が親しみを持って集い、教育・文化・芸術を深めていただくコミュニティーの場としての役割や、地域防災拠点としての役割など、これらに対応するための施設の十分な機能強化を行うことにより、地域の個性を創出する様々な活動がより活発となり、阿知須地域づくり協議会が掲げておられます「支え合う心 住みつづけたいまち あじす」のスローガンが着実に実現されていくシンボルとなりますよう、整備を進めてまいりたいと考えております。次に、道の駅「きらら あじす」についてでございます。道の駅きららあじすにつきましては、阿知須地域における農水産物や特産品等の販売、また、きらら浜の豊かな自然環境を生かし、他の地域との交流を促進することにより阿知須地域の活性化を図ることを目的に平成17年3月にオープンした道の駅でございます。御案内のとおり、昨今の道の駅きららあじすは、山口宇部道路の開通による隣接道路の交通量の減少、高齢化に伴う農業者や漁業者の減少、施設や駐車場の狭溢化といった課題を抱えており、このような環境の変化から大きな転換期を迎えていると認識いたしているところでございます。こうした中、阿知須地域ではふるさとにぎわい計画きらら・あじすプロジェクトに基づきまして、道の駅きららあじすにおける農産物等の販売拡大や山口きらら博記念公園等との連携による交流人口の拡大を図るため、昨年度、阿知須地域づくり協議会はじめ、商工団体や農業者の方を交えた官民連携による協議会を設置いたしまして、道の駅の機能強化に向けた具体的な事業内容を定めた道の駅きららあじす魅力アップ事業計画を策定いたしたところであります。本計画の具体的な事業内容といたしましては、まず、来場者の皆様が道の駅でゆっくりと過ごしていただけるよう、施設の魅力と利便性の向上を目的とした建物の増改築や駐車場の改善などに取り組むことといたしております。今年度は、土日やイベント開催などによる駐車場の満車に伴う混雑解消のため、駐車場の拡充工事に着手し、先月には完成いたしましてスムーズな利用が図られているところでございます。次に、交流の拠点としてのにぎわい創出に向けた取組でございます。今年度は、来場者や地域の皆様の憩いの場となるよう道の駅隣接の県有地を活用いたしまして、ヒマワリやコスモスなどの季節の花を栽培いたしており、カメラやスマートフォンを手に写真撮影をされる方々で大変にぎわい、楽しんでいただいたところでございます。また、山口きらら博記念公園など、きらら浜の各施設と連携し、きらら浜全体を会場にスポーツ・食・遊びをテーマとした新たなイベント、きららにぎわいフェスティバルを開催することといたし、実行委員会におきまして協議を進めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から今年度の開催は中止といたし、来年度の開催に向け協議を継続することといたしたところでございます。次に、地元農産物の供給力向上に向けた取組でございます。これは、道の駅指定管理者の阿知須まち開発株式会社が実施主体となり、地域内の小規模農家や家族農家の皆様を対象に、気軽な農業体験の実施、花や野菜の栽培のノウハウから道の駅への出荷方法、収入確保までのプロセスを学べる農業塾を開催することとし、新たな出荷者の掘り起こしにつなげていくことといたしているところでございます。さらには、これまで道の駅への農産物の出荷は阿知須地域の農業者と生産組織に限定されておりましたが、出荷者の減少が課題となる中、南部地域の中規模農家の参画について、阿知須地域の出荷者の御理解の下、検討が進められているところでございます。次に、新たな特産品の開発、販売の促進を図る取組といたしまして、これまでも阿知須地域では南部地域特産品開発会議等との連携により農産物を活用した特産品の開発を進めてこられまして、11月には阿知須地域の農業者の方が製造する山口きららピクルスが、県を代表する特産品として山口県特産品振興奨励賞を受賞されたところです。また、道の駅パン工房では、期間限定の新作パン「はなっこりーの花パン」の開発において女性が活躍する取組が評価され、このたび、中四国農政局ディスカバー農山漁村の宝の優良事例として選定されるなど、南部地域の優れた地域資源を活用した取組が高い評価をいただいているところでございます。さらには、付加価値の高い加工品の開発を図るため、特産品出荷者の皆様に御参加いただき、専門家の方から味、パッケージや売り方の工夫等のアドバイスをいただき、新たなアイデアを生み出していく加工品研修会を開催いたしまして、特産品の品質向上や売上げアップに積極的に取り組まれているところでございます。本市といたしましては、引き続き、南部地域特産品開発会議等との連携を深め、魅力ある特産品開発に向けた取組への支援を行ってまいる所存でございます。道の駅きららあじすにつきましては、地域振興の拠点として、地域内外から人々が集う交流の場として、今後もこれらの事業を着実に実施することによりまして、さらなる交流人口の拡大を図りますとともに、個性豊かな阿知須地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本貴広議員。                〔12番 山本貴広議員登壇〕 ◯ 12番 山本貴広議員 それでは続きまして、大項目のイ、子育てなら山口の取組についてお伺いいたします。少子化、高齢化、晩婚化が進む中、子供の出生数も年間100万人を切ったと4年前に耳にしたかと思うと、昨年度は90万人を大きく切り、およそ86万5,000人との報道がされました。高齢者のピークは20年後だというのに、少子化には歯止めがかかっていません。これには様々な要因がありますが、本市においては、不妊・不育治療費助成事業などにも取り組んでいますし、国も来春を目途に不育症患者の検査に経済的支援を行うとの報道もありました。今から44年前の1976年──昭和51年1月に鹿児島市の山下家に誕生した五つ子たちも今では立派な社会人になっておられると思いますが、当時は不妊症や多胎育児に悩む方々を勇気づけた嬉しいニュースでありました。さて、先日双子を育てているお母さんから御相談をいただきましたので、早速お会いしお話をお伺いしました。ちょうどタイミングよく、この春に厚労省がこのような多胎児家庭支援に関する国の要綱案を示されました。正式には、母子保健医療対策総合支援事業実施要綱と言いますが、産前・産後サポート事業の具体的な事業や月額補助単価が示されております。その後調べてみますと、既に地方自治体──例えば枚方市、多治見市、大津市、神戸市、宝塚市、大府市、天童市、東京都荒川区や港区、このような様々な地方自治体が多胎児家庭支援事業を行っております。また、多胎児支援のポイントとして、みずほ情報総研株式会社が双子、三つ子などの赤ちゃんの地域支援の調査研究を行った報告をしております。さらには、多胎育児のサポートを考える会が、昨年度ウェブ調査ではありますが、東京23区の296人、東京都内の市町村95人と東京都以外の1,955人に多胎児家庭の育児の困りごとに関するアンケート調査を行っております。そこでお尋ねします。本市には、このような多胎児家庭がどのぐらいあるのか分かりませんが、市として生活実態を含めてどの程度把握されておられるのかお伺いいたします。次に、多胎育児の支援策についてお尋ねします。先ほども言いましたが、相談をされたお母さんの切実なお話から本市にも様々な支援策が必要であると痛感いたしました。まずは、きちんと保育園に入園できるようにしてほしい、非課税世帯以外に対する一時預かりの利用料の減免、ヘルパー派遣、ピアサポートの創設、行政手続の利便性向上などなどを切実に訴えられております。国の助成制度もいよいよ来春から開始されるようですし、先ほども紹介しましたが、既に取り組んでおられます自治体も多くありますことから、本市の強みとして、子育てをするなら山口としての呼び水になればと願い、今後どのようにこの多胎育児の支援に取り組んでいかれるのかお伺いいたしまして、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 子育てなら山口の取組についての御質問にお答えいたします。まず、多胎児のいる家庭の実態把握についてでございます。本市における多胎児のいる家庭数でございますが、妊娠届出数約1,400件のうち、1%から1.5%が多胎妊娠であり、毎年度15世帯から20世帯で多胎児が出生いたしております。多胎妊娠は、妊娠の段階から出産や育児に伴う困難が予想されることから、妊娠届出を受理した時点から医療機関と連携を図りながら、保健師・助産師が相談支援を行っております。また、出産後は家庭訪問等を継続して行い、育児の状況、母のメンタルヘルス、家族の協力体制等をアセスメントしながら多胎児家庭に寄り添った支援を行うことで、育児の不安、負担感等の軽減に努めているところでございます。現在は、こうした支援を通じた個々の多胎児家庭のアセスメントにとどまっておりますが、アセスメントを通じて得た課題から、今後は市全体の多胎児家庭の課題を明確にするために、保健師・助産師による訪問指導、幼児健診や育児相談を通じて得たデータを統合し分析することで、多胎児家庭の実態把握を行うとともに、顕在化してない支援ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。次に、多胎育児の支援策についてでございます。家族の協力を得ながら子育てをされている多胎児家庭が一般的ではございますが、身近な人の協力を得ることが難しいなど、子育て支援者が不足している家庭があることは承知いたしております。多胎育児は、母親の体と心への負担及び経済的な負担が大きく、また、外出しにくいことなどで孤立しやすいとも指摘されており、多胎児家庭の支援は重要な課題であると考えております。こうしたことから、本市では、国の補助事業として創設された孤立しやすい多胎妊婦及び多胎児家庭を支援するため、同じような多胎育児の経験者家族との交流会の開催や、多胎育児の経験者による相談支援等を行う多胎ピアサポート事業に新たに取り組むこととしております。具体的には、市内にございます多胎児親の会の運営に保健師・助産師が関わり、毎月開催している交流会の内容の充実や親の会への参加者の拡大等を図ることで、多胎育児のスキルが聞ける機会や当事者同士の情報交換の場の提供等を通じて多胎育児の支援を行うことといたしております。また、保育園への優先的入園、一時預かりの利用料の減免、ヘルパー派遣及び行政手続のオンライン化につきましては、多胎児家庭の経済的負担及び身体的、精神的負担の軽減のため、実態把握を踏まえまして、必要な制度設計を検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、多胎児家庭ならではという視点に立ち、先進的に取り組まれている自治体を参考にしながら、本市独自の支援策について研究してまいる所存でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本貴広議員。               〔12番 山本貴広議員登壇〕
    ◯ 12番 山本貴広議員 御答弁ありがとうございます。ぜひ、来春からとは言わず、明日からでも取り組んでいただきたいというふうに思っておりますのでよろしくお願いします。それでは、最後に大項目のウ、山口市成年後見制度利用促進基本計画(素案)についてお尋ねします。この計画につきましては、先月20日の執行部説明会において健康福祉部より説明がありました。御存じのとおり、この成年後見制度は、介護保険制度が創設された平成12年の春に同時に開始したもので、これまで使い勝手の悪かった旧制度である禁治産・準禁治産制度を一新したものであります。高齢化が進み、認知症の方も増えていく中で、オレオレ詐欺など、判断力の低下した方を狙った犯罪行為が増え始めたこと、さらには、先月も宇部市で2,560万円、岩国市でも先週、高齢の女性が4,650万円のうそ電話詐欺に遭い、現金を数回にわたり送金したと報道がありました。このような犯罪行為とまではいかなくても、判断能力が低下してしまったため必要のない高額商品を購入してしまうなど、一人で自分自身の財産管理をするのが難しくなってしまう方も少なくないわけで、御本人の財産を保護するための制度としてこの成年後見制度があるわけであります。この制度の詳細につきましては省略をさせていただきますが、介護保険制度が始まった時期と合わせた制度は非常に意義深いものがあったと記憶しております。そこで最初にお尋ねをします。制度が創設されて既に20年が経過し、ようやく利用促進のための計画がスタートしようとしていますが、なぜこのタイミングに計画づくりがなされるのか、その背景についてお伺いします。介護保険制度は、平成12年──西暦2000年4月にスタートいたしました。これまでの行政の措置から高齢者サービスを高齢者自身が選べる、選択ができる画期的な高齢者介護の仕組みだと理解しております。自分が入りたい施設や使いたいサービスを自分自身で選ぶことができる、反面、介護市場のいわゆるユーザーである全ての高齢者が自己選択できるというわけではありません。自己判断が困難な方も多くおられる現状の中、介護保険制度を選択するのにサポートが必要な方のためにできたのが地域福祉権利擁護事業であります。全国津々浦々にある社会福祉協議会がこの事業をお手伝いすることになり、私も介護保険制度が始まる半年前──すなわち平成11年10月から要介護認定作業が開始されましたけれども、同時にスタートしたこの地域福祉権利擁護事業の担い手としてこの業務に当たっていました。主には高齢者へのサポートですが、障がい者も利用できるこの制度はよく考えられた制度だと思いました。当時は2次医療圏域の下、厚狭福祉事務所の所轄下にいた時の基幹型社協が宇部市社協であります。5年後に合併いたしましたので山口市社協に移行しましたけれども、この権利擁護事業の考え方や事務的な流れがまるっきり違っていたことに驚いたのをよく覚えております。国は基本的なものを示したまでで、後は都道府県や市町村が独自にそのやり方を考えてきたという背景がございます。話が少しそれましたけれども、今現在、本市の社会福祉協議会が担っている地域福祉権利擁護事業を利用されている方々は、近年では150人程度で推移しているとの実態がこの計画書にも記載されています。その日その日のこの費用に使いましょうという契約を交わしても、なかなか思うようにいかない、自分のお金なのになぜ社協の支援員が指示するのといった具合に、この制度の難しさはこの事業を利用するための契約能力が残っていなければならないということであります。この制度が開始して間もない頃にとても浪費する高齢者がおられ、この地域福祉権利擁護事業を利用されたおかげで通帳の残額が増えてきたために、これはどう見ても成年後見制度の申立てをし、後見人に権利を行使して欲しいケースがありました。別件では、親戚ぐるみで高齢者の財産を狙っているケースも過去にありまして、この事業をまずは利用され、その後に成年後見につなげて守ることができました。あの当時から地域福祉権利擁護事業での支援員がサポートするには荷が重すぎるケースが多々あったわけで、恐らく今でもあるのではないかと推察をいたします。そこでお尋ねをします。地域福祉権利擁護事業の利用者が成年後見制度へ移行するための支援策を、市としてどのように考えておられるのかお伺いいたします。この項最後の中項目でありますが、仮称ではございますが、山口市成年後見センターが健康福祉部高齢福祉課内に設置すると聞いております。直営がいいのか、民間に委託するのか、どちらがいいのかは分かりません。広域の本市においては、当然ながら地域連携ネットワークが大切なキーポイントになります。平素からの連携がいざという時には役に立ちます。市民にとって身近な存在である地域包括支援センター、総合支所や地域交流センター、社会福祉協議会など、生活に身近なところにある相談窓口に行けば様々なことにつなげてくれる、一元的に対応してくれるなどの相談のワンストップ化も期待したいところでありますし、各相談窓口を担当する職員のスキルアップもぜひ図ってほしいと考えております。さらには、後見人、補助人や補佐人などの人材確保策も重要でございますし、それらを監督する──いわゆるそれぞれの監督人の育成が急務となります。もっと言えば、これまでの法定後見人とは別に、あらかじめ自分が選んだ代理人である任意後見人との契約である公正証書を結ぶ制度の任意後見制度の周知も大切であると考えております。そこでお尋ねをします。この(仮称)山口市成年後見センターの機能や役割について、今時点でどのように考えておられるのか伺いをいたしまして、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中川健康福祉部長。              〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、山口市成年後見制度利用促進基本計画(素案)についてお答えいたします。まず、計画づくりに至るまでの背景についてでございます。議員御案内のとおり、成年後見制度は、認知症や知的障がい、精神障がい等の理由で判断能力の不十分な人が財産管理、介護などのサービスや施設への入所に関する契約締結、遺産分割協議などを行う場合に保護し、支援する制度でございます。本市におきましては、平成12年4月に制度が施行されて以来、利用相談や後見に関する申立業務等の支援を行ってきたところでございます。そうした中、国は判断能力の不十分な高齢者や障がい者を支える重要な手段である成年後見制度がいまだ十分に利用されていないことから、平成28年5月に成年後見制度の利用の促進に関する法律を施行され、平成29年3月には、利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善や権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり等を総合的かつ計画的に実施していくために、成年後見制度利用促進基本計画を閣議決定されたところでございます。本市におきましては、この利用促進法に基づき、関係機関との連携を主眼に国の計画を具現化し、制度の利用をより一層促進していくため、今年度、基本計画の策定に着手したものでございます。次に、地域福祉権利擁護事業からの移行支援策についてでございます。議員御案内のとおり、地域福祉権利擁護事業は、日常生活上の判断がつかない人が福祉サービスの利用や金銭管理に当たり任意の援助を受けるサービスでございまして、本市においては山口市社会福祉協議会の専門員及び生活支援員が携われており、令和元年度には151人の方が利用されているところでございます。しかしながら、先ほど議員から御紹介がありましたように、権利擁護事業の利用者の中には、認知機能の低下などにより法律に基づき支援される成年後見制度への移行が望ましいケースもあり、福祉サービスと法律行為をつなぐ支援の在り方が課題となっております。こうしたことから、移行支援策につきましては、成年後見制度に関わる機関・団体等との連携を図る地域連携ネットワークの構築が重要と考えております。具体的には、山口市社会福祉協議会や弁護士会、司法書士会及び社会福祉士会等の専門職団体、地域関係団体、福祉関係団体等を構成員とする協議会を令和3年度中に設置いたしまして、情報共有をはじめとする仕組みづくりに取り組むこととしております。次に、(仮称)山口市成年後見センターの役割と機能についてでございます。成年後見センターの機能につきまして、1つ目は、地域福祉権利擁護事業や任意後見制度を含め、成年後見制度を利用しやすいように制度の周知、啓発を行う広報機能、2つ目は、成年後見制度を含めた適切な権利擁護支援に結びつけるための相談機能、3つ目は、後見人候補者の選定を支援する利用促進機能、4つ目は、関係機関と連携し、後見人等の活動を支援する後見人支援機能をそれぞれ基本計画に位置づけ、成年後見制度の利用を促進するための体制を整備してまいります。成年後見センターがこうした機能を発揮するためには、地域連携ネットワークが必要でございまして、そのコーディネート役等を担う中核機関でもございます。また、成年後見センターの設置につきましては、関係機関との調整を行いながら、令和3年度、地域における連携・対応強化を継続的に推進していくことを鑑み、市役所内への設置に向け準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。今後とも、いつまでも意思が尊重され、つながり、支え合う権利擁護支援の推進に向け基本計画の策定を進め、成年後見制度利用促進に取り組んでまいる所存でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本貴広議員。               〔12番 山本貴広議員登壇〕 ◯ 12番 山本貴広議員 御答弁ありがとうございました。一点だけ、再質問させていただきます。中項目の3番目の(仮称)山口市成年後見センターの役割と機能についてでございます。先ほど、コーディネートをしっかりとやっていくのだという御答弁がありましたけれども、これは新たに職員を雇われるのか──専門職──大変な業務量だと思います。山口市は非常に広域でもございます。そういったことから、ネットワーク力というのは必要だろうと思いますし、コーディネート力も大変重要になってくると思われます。そういうことから、やはり専門的な職員の配置というのが私は個人的には必要ではないかなというふうに思っているのですけれども、今時点でのお考えでいいのですが、この担い手、このセンターを中心的に動かす職員、これは今現在どのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中川健康福祉部長。              〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(中川 孝君) (仮称)山口市成年後見センターの役割と機能についての再度の質問にお答えいたします。コーディネート役を担う中核機関でもございます成年後見センターの体制についての御質問でございますが、基本的には福祉専門職を中心にその体制を整えるということで、市役所の内部からという考えの下、全体の中で配置をするという考えを取っております。そうした中、今年度計画をつくりましていろいろな専門機関の方、あるいは地域の方、あるいは当事者の方、そういった方とのネットワークを築くための協議体をつくるのですが、そういった事務局の役割も担うと、いろいろな機関とのネットワーク図るための人材を健康福祉部の中に整えると、そのような形で今後の利用促進に向け、いきなりはできませんので着実な歩みの下で利用促進を図ると、そのような考えで今予定しております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、山本貴広議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15分間休憩いたします。                  午後2時7分休憩       ────────────・────・────────────                  午後2時23分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  5番、植野伸一議員。                〔5番 植野伸一議員登壇〕 ◯ 5番 植野伸一議員 こんにちは。ふるさと共創やまぐちの植野伸一です。今定例会最後の質問者として登壇させていただきます。本年、大変な一年でしたが、渡辺市長をはじめ関係参与の皆様、来年に向けて明るい希望が持てる御答弁をひとつよろしくお願いいたします。  それでは、大項目ア、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略について。なお、少しこのタイトルが若干長いので、以下、総合戦略と端的に表現させていただきます。御了承ください。中項目1)誰もが安心して働くことのできる「しごと」をつくる、小項目一、事業承継支援の現状と課題。過去の定例会において、事業承継問題を何度か質問させていただいております。これは、あくまでもこの事業承継支援、私の思いとしては何とかしていただきたい、そして、現状を行政の方にしっかりと把握をしていただきたいという思いがあります。今回は、本市におけるその事業承継に関わる課題に対しての現状での進捗状況とコロナ禍における状況の変化など、どのような分析や現状把握をされているのか、また、今後の方針等併せて伺います。国の省庁である中小企業庁は、2017年7月に事業承継支援の集中実施期間とする事業承継5ヶ年計画を策定しており、その実施から3年が経過しています。民間調査機関帝国データバンクが、本年8月下旬に全国2万3,689社を対象に実施した事業承継に関する企業の意識調査に、約半数の1万2,000社から有効回答を得た内容で事業承継についての認識を尋ねたところ、経営上の問題の一つとして認識していると回答した企業は55.2%で、次に、最優先の経営上の問題と認識しているという回答が11.8%となっており、これは合わせますと67%、約7割近い企業が事業承継を経営上の問題と認識していることになります。また、新型コロナウイルスの影響を契機として事業承継に対する関心が変化したかの問いに、変わらないが75%と大半を占め、次いで、関心が高くなったが8.9%、低くなったは2.3%となり、変化があったものを合計すると11.2%で、約1割の企業が新型コロナウイルスの影響で事業承継の考え方に変化があったようです。これらの数値を私的に分析しますと、事業を承継するに当たり克服しなくてはいけない課題ということと、コロナ禍の影響でその課題を早く解決しなくてはいけない事業所が全体の1割に及ぶという分析ができます。関心が低くなったという企業は、事業承継の意欲がそがれたという表れで、高くなったというのは、急いで課題解決に取り組まなくてはという焦りの表れではないでしょうか。大変深刻な問題ではありますが、簡単には支援策に効果が出ないというのも事業承継問題の大きな特徴であり、課題ということを聞いております。本市においても、第二次山口市総合計画の施策の中で、従前より関連機関である市内商工団体や民間支援機関としっかり連携を取り、推進を図られていると思いますが、新型コロナウイルスの影響を受けた企業を含めた事業承継問題の現状把握と事業実施の成果など、今後の方針と併せて市の御所見を伺います。小項目二、若い世代の県内就職の促進。近年、市内大学生の6割以上が県外に就職している状況で、特に、今年度においては、新型コロナウイルスの影響で先頃報道発表された数値において、就職内定率自体が過去最低の水準となっていると聞き及んでおります。将来的な本市のまちづくりの観点から、より多くの若者が地元に定住し、様々な分野で働くことが地域経済の活性化に大きく寄与するものと考えております。そうした中、先月、本市が開催した市内外の中高生を対象とした「やまぐち未来のしごとフェスタ」──これを視察し、職業に対する理解や将来働きたい仕事などを地元の企業を通じて若者が知ることができる良い機会であったと、会場全体の雰囲気からも感じ取れるものでした。山口県内における地元就職を促進するには、若い世代に地元の魅力を周知していくことはもとより、市内・県内企業の魅力を情報発信していくことが重要であると考えますが、市として県内就職を促進するためにどのような考え方を持ち、取り組んでおられるのか御説明ください。中項目2)山口の魅力に磨きをかけ、新たな「ひと」の流れをつくる、小項目一、人口減少が進む地域での移住定住対策。総合戦略では、基本目標の一つとして、山口の魅力に磨きをかけ、新たな「ひと」の流れをつくることが掲げられており、そのための具体的な取組として、中山間・南部地域の活力アップ、農山村の振興に取り組むこととされており、その中で空き家利活用の促進や移住定住情報発信など、農山村地域への移住定住に取り組むこととされています。一方で、山口・小郡両都市核を中心に推進している便利で豊かな創造社会の実現が、本市のあらゆる地域に恩恵をもたらす結果となるように事業実施をされておられると思います。今定例会でも、これについてはたくさんの答弁がございました。結果として、便利なところへ人口が集中するという逆ドーナツ化現象も想定されるのではないでしょうか。広域合併後15年が経過して、本市の地域別人口の推移は今のところそれを表しているのではないかと私は思っています。そこでお尋ねいたしますが、基本目標である山口の魅力に磨きをかけ、新たな「ひと」の流れをつくるには、重要業績評価指数──KPIの一つとして、農山村エリア等における人口の転出超過の抑制が設定されていますが、そうした地域にどのような対策を取っていかれるのか、現時点での取組と成果並びに今後の方針など、市の御所見を伺います。中項目3)変化していく時代の流れの捉え方、小項目一、ピンチをチャンスに変える。このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、デジタル化の遅れなど、社会や経済活動における様々な課題が明らかとなった一方で、テレワークへの転換をはじめとした働き方の変化や地方移住への関心の高まりなど、人々の意識の変化にもつながっていると思います。国においては、アフターコロナを見据えた形で、社会全体のデジタル化の推進や東京一極集中の是非に向けた多核連携型の国づくりの方向性を掲げているところであります。このようなコロナ禍によって生じた新しい時代の流れを柔軟に受け止め、それを力に変え、本市の地方創生を進めていく必要があるのではないかと考えます。市長のお考えでは、第二次山口市総合計画の考え方は、国の方向性と同じくしているため、現行の総合計画については特段の見直しを行うことなく、現計画の取組をしっかりと進めていくということでした。大変心強いです。しかしながら、変化していく時代の流れにも対応していく視点が求められると思います。大きな骨格は変えなくても、変化する状況に柔軟に対応する施策としてこの総合戦略が大変重要な事業の一つではないかと思います。コロナ前に策定された総合戦略において、新しい時代の流れを力にする仕組みづくりという取組の方向性が位置づけられていますが、このたびのコロナ禍における地方創生の流れへの対応──いわゆるピンチをチャンスに変える取組について、より丁寧で具体的に──具体的にというのは、何が、いつ頃、どのように良くなるのか──という分かりやすい説明が市民の皆様には必要だと思います。そして、今年──2020年は、コロナで始まりコロナでまもなく終わろうとしています。様々なことに影響があり、市民の皆様におかれても、将来不安を大いに感じる激動の一年ではなかったでしょうか。新しい年に向け、この総合戦略の施策推進が市民の皆様に住んでよかった、いつまでも住み続けたいまちとして、しっかりと浸透、実感いたしますことを念じております。市長の考え方を伺い、この項目の1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 植野議員の第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての御質問にお答えいたします。私からは、誰もが安心して働くことのできる「しごと」をつくるのうち、まず、事業承継支援の現状と課題についてお答えいたします。議員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして経済活動が停滞し、多くの企業の経営が悪化する中、本市におきましては、中小企業が事業を維持・継続するための固定費等への緊急的な支援や新しい生活様式に対応する取組を後押しする補助金など、様々な支援策を国、県の施策と連携して実施してまいったところでございます。しかしながら、いまだ多くの企業におきましては、感染症拡大の収束が長期化する中で、先行きの不透明感や借入金の増加などによる財務状況の悪化など、厳しい経営状況が予想されますことから、議員御指摘のとおり、経営課題への焦りや事業継続意欲の低下といった意識を持たれる経営者が増加しているものと考えております。このような状況の下で、お尋ねの事業承継支援の現状でございますが、各支援機関で構成をいたします山口市事業承継支援協議会の活動状況で申し上げますと、事業承継に関する事業者へのヒアリング件数は、年度目標100件に対しまして、現時点では60件となっております。これは、構成員であります市内商工団体や金融機関におかれましては、年度当初からコロナ対策としての融資等の支援を優先して取り組まざるを得なかったことが要因であると考えております。一方では、協議会の士業を中心とした支援機関同士の情報共有が進んだことによりまして、事業承継の初期の段階で必要となります企業の株価評価や、専門家派遣などに係る経費を助成いたします支援メニューの利用件数は、11月末時点で11件と着実に積み上がってきている状況であり、当協議会の活動の成果が現れてきているものと認識いたしております。本市といたしましては、こうしたヒアリングから個々の事業者が必要とされる支援メニューの利用等へつなげていく──いわゆるハンズオン型の支援が、事業承継の着実な促進や事業者の前向きな意識の醸成につながるものと考えておりますことから、引き続き、市内商工団体や支援機関と密に連携をいたしながら事業承継支援に努めてまいりたいと考えております。また、今後、感染症の影響により経営状況が悪化した企業に対しましては、経営改善に関することや弁護士等への法律相談ができる窓口の設置など、廃業や倒産に踏み切る前段階での支援も検討いたしているところでございます。このようなコロナ禍における厳しい経営環境の下におきましては、事業の承継は今まで以上に喫緊の課題となるものでございまして、本市といたしましては、中小企業庁のガイドラインに基づいた一次対応となります相談業務等の支援を強化してまいりますとともに、より総合的、また専門的な案件などに対しましては、二次対応となります山口県事業引継ぎ支援センターなどの関係機関と連携した継ぎ目のない支援体制を引き続き構築していくことといたしております。さらに、令和3年度からは、新山口駅北口に開設いたします産業交流スペース「メグリバ」におきまして、起業創業支援やビジネス交流、企業のマッチング支援等の複合的な支援を積極的に展開してまいることといたしておりまして、事業承継に関しましても、小規模事業者の親族内承継や従業員承継に加えまして、このメグリバに広い範囲から多様な企業が関わる利点を生かし、事業譲渡や経営の統合なども含め、事業者の選択肢を増やしながら取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、こうしたコロナ禍におきましても、後継者不在の課題解決やそこで働く従業員等の雇用の維持につながる取組について、国、県等の関係機関と連携いたしながら、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。次に、若い世代の県内就職の促進についてお答えいたします。議員御案内のとおり、昨年度の市内大学生のうち県内就職率は内定時点で36.4%でございまして、6割以上の学生が県外で就職している現状となっております。また、県内の高校生につきましては、就職を希望する生徒は全体の約3割で、このうち県内への就職率は82.4%と高い水準となっておりますが、進学を希望する生徒のうち約7割の生徒は、高校卒業後に県外へ進学し、そのまま県外で就職をされる生徒も多いことから、本市の人口動態といたしまして20歳代の若者の転出超過が顕著となっているところでございます。一方では、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中で、これまでの東京一極集中が昨今では転出超過へ転じるなど、地方への回帰の動きが見え始めているところでもございます。このような状況を踏まえまして、県内外の学生や若者に向けた市内企業の事業内容や採用状況などの様々な情報の積極的な配信をはじめ、本市の将来を担う若い世代が地元の企業について知り、魅力に触れてもらう機会の創出に今まで以上に力を入れて取り組む必要があるものと考えております。こうした中、本市におきましては、今年度から市内企業と市内外の大学生等とをつなげるためのウェブサイト、やまぐちしごと応援サイトを新設いたしまして、会社説明会動画を山口県のウェブサイトとも連携をした形でインターネット配信をいたし、現在のところ合計17社の市内企業が動画配信を組み入れた採用活動を実施しておられるところでございます。また、採用のためのウェブサイトの構築や拡充に取り組まれる市内企業への補助制度の新設や、UJIターン希望者の採用に取り組む企業に対しての助成制度、また、実際に市内企業に就職をされた方の引っ越し等の移転費用の助成を行っているところでございます。加えまして、就職活動を間近に控えた大学生を対象に、地元企業の現場での仕事に触れる企業訪問バスツアーを来年の1月に開催する予定といたしておりまして、就職前後における就業イメージのギャップの解消を通じまして、職場の定着につなげてまいりたいと考えております。また、中長期的な視点で定住促進を図るためには、若い時期から職業観や地元就職意識を醸成していくことも重要でございますことから、進学や就職について考え始める中高生を対象に、本市で初めての取組となります職業体験イベント「やまぐち未来のしごとフェスタ」を去る11月26日と27日の2日間で開催いたしまして、市内外の約2,700名の中高生等に様々な体験メニューを通じ、地元企業の魅力を体感していただいたところでございます。いずれの取組につきましても、若い世代に向けた多方面からのアプローチが不可欠でありますことから、ウィズコロナの時代に即した従来とは異なる方法を取り入れ、国、県をはじめとした関係機関が実施をされます地元への就職支援策とも連携いたしながら、将来のまちづくりを担う若者の地元就職の促進や定住人口の増加を図ってまいる所存でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 塩見地域生活部長。              〔地域生活部長 塩見富士雄君登壇〕 ◯ 地域生活部長(塩見富士雄君) 私からは、人口減少が進む地域での移住定住対策についてお答えをいたします。御案内のとおり、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、基本的な考え方の中で、まちづくりの方向性について「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」の取組を通じて、市内のあらゆる地域において住み続けられる都市圏や生活圏の形成を図ることをお示ししております。その上で、山口の魅力に磨きをかけ、新たな「ひと」の流れをつくることを基本目標として掲げ、個性と安心の21地域づくりの下、市内全ての地域の個性が際立ち、あらゆる世代が将来にわたって安心して住み続けることができるコミュニティーの実現と、人口減少が進む農山村等をはじめとした地域における人口転出超過の抑制を図る取組を進めることといたしております。この農山村地域における人口転出超過を抑制するための具体的な取組の一例を申し上げますと、こうした地域を対象に展開しております空き家・空き地バンクがございます。現在、本市で運用しております空き家・空き地バンクは、人口減少や少子高齢化が進み、かつ民間事業者による中古住宅の流通が困難な地域におきまして、空き家を移住・定住の受け皿として活用する移住・定住施策として実施いたしているところでございまして、平成20年度に制度を開始して以降、この11月末までに166家族、348人の御成約をいただいております。この空き家・空き地バンクに加えまして、農山村地域の基幹産業である農林水産業の振興や、地域資源を活用した特産品やニューツーリズムの開発、地域おこし協力隊などの外部人材の活用等にも取り組んでおりまして、まち・ひと・しごと創生総合戦略の業績評価指標の一つとして設定しております、農山村エリア等における人口の転出超過の抑制の状況につきましては、平成30年度の基準値が215人の転出超過、令和6年度の目標値が100人の転出超過に対しまして、令和元年度の実績値が52人の転出超過にとどまるなど、一定の成果を上げているものと考えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下、新たな状況も生じております。コロナ禍においては、大都市圏の住民を中心に仕事よりも自分の生活を大切にしたいとする生活意識の変化や、企業の働き方改革の推進により多様な働き方が広がってきておりまして、その一環として、ICTを活用してリゾート地や地方などで休暇を兼ねてリモートワークを行うワーケーションが注目されてきております。このワーケーションは、地域経済の活性化や将来的な移住の促進につながる関係人口の創出を図る上で有用な取組であると考えておりますことから、本市といたしましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。そのために、ワーケーション等の多様な働き方を実践できる環境整備として、光ファイバー未整備地域を対象とした光ファイバー敷設整備支援に係る経費を先の9月議会で御議決いただきました補正予算に計上し、山口市全域で光ファイバー網を築くことを進めているところでございます。これに加えまして、ワーケーションの受入れ体制の整備といたしまして、本市の農山村地域が有する多様な自然環境、固有の歴史文化、温泉による癒しといった地域資源を活用した体験メニューの充実と、これらのメニューをスムーズに体験できる仕組みの構築を図ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、社会環境の変化や新たなニーズに的確に対応を図りながら、人口転出超過抑制につながる農山村地域の振興に引き続き取り組んでまいる所存でございますので、御理解、御協力のほど、よろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、変化していく時代の流れの捉え方についてのピンチをチャンスに変えるの御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、行政のデジタル化の遅れや大都市圏への人口集中によるリスクなどの様々な課題を浮き彫りにしたところでございます。本年6月に内閣府が公表されました、新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査の結果によりますと、テレワークの経験がある就業者の割合は全国平均で34.6%となっており、就業者の3人に1人がテレワークを経験されており、また、地方移住の希望の変化といたしましては、東京都23区居住の20歳代の35.4%が、地方移住への関心が高まったと回答されているところでございます。また、総務省の住民基本台帳人口移動報告によりますと、東京都における人口移動は、6月以降、4か月連続で転出超過の状況となっているところでございまして、こうした人々の働き方や意識、行動の大きな変化は、本市における地方創生の加速化に向けた契機とも捉えているところでございます。また、国の経済財政運営と改革の基本方針2020──いわゆる骨太の方針におきましては、今回の感染症拡大で顕在化した課題を克服したアフターコロナにおける新しい経済社会の姿の基本的な方向として、新たな日常を通じた質の高い経済社会の実現を掲げられ、この新たな日常の実現に当たりましては、その原動力となるあらゆる分野におけるデジタル化の推進や東京一極集中の是正による多核連携型の国づくり、人材への投資、誰もが取り残されることなく安心や生きがいを実感できる社会づくりを進めることとされております。そして、国のこうした新たな日常の構築に向けた考え方は、現在、本市が進めておりますまちづくり──すなわち第二次山口市総合計画における「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」をはじめとした8つの重点プロジェクトの取組と、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略において新たに位置づけております便利で豊かな創造社会の構築~Society5.0を見据えた対応~の取組を一体的に進めております本市のまちづくりの考え方とその方向性を同じくしているところでございます。こうしたことから、本市におきましては、今後もコロナ禍において明らかとなった課題や今後の本格的な人口減少時代や少子高齢社会の進展に伴う地域課題、また、便利で豊かな未来社会Society5.0の実現に向けたデジタル化の流れにしっかりと対応するため、第二次総合計画と第2期総合戦略の一体的な取組を進めていくこととしているところでございます。こうした中で、本市におきましては、新型コロナウイルス感染症に対するこれまでの第1弾から第6弾までの経済対策の取組の中で、感染拡大の防止に向けた取組や市内消費喚起の取組に加え、新しい生活様式を社会全体に定着させていくための取組についても、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、市内のあらゆる地域においてオンライン教育やスマート農業などの展開を可能とする、高速大容量の情報通信インフラとなります光ファイバー網の市内未整備地域への整備支援や、市内事業者のテレワーク環境の整備支援など、スマートシティの構築に向けた取組を進めているところでございます。そして、こうした新しい生活様式を社会全体に定着させていくための取組は、Society5.0を見据えた取組の前倒しとなるものでございまして、まさにピンチをチャンスに変える取組であるものと考えているところでございます。また、令和3年度の予算編成におきましては、令和3年度の予算を「暮らしを守り 未来を築く」予算と位置づけます中で、豊かで安心できる暮らしの実現、好影響・好循環のまちづくりの実現、Society5.0の実現の3つの実現の方向性の下、市民生活を守り、本市の未来を築く取組を着実に進めてまいることで、あらゆる世代の皆様が暮らしの便利さや豊かさを実感でき、新型コロナウイルス感染症をはじめとした社会の変化にも柔軟に対応可能な本市における新たな日常を構築し、本市の地方創生を図ってまいりたいと考えているところでございます。とりわけ、新しい生活様式を社会全体に定着させていくための取組といたしましては、好影響・好循環のまちづくりの実現、また、Society5.0の実現における取組、これら第二次総合計画や第2期総合戦略の全ての施策分野において、新型コロナウイルス感染症への対応を図ってまいることにより今後も取り組んでまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、現在の地方移住への関心の高まりを踏まえました移住定住支援やワーケーションの対応に向けた仕組みづくりなど、新たな人の流れや関係人口の創出に向けた取組などを積極的かつ丁寧に進めますとともに、様々な分野のデジタル化に向け、企業や地域などといった様々な主体と連携した先端的なサービスの農山村部や都市部での社会実装など、スマートシティの構築に向けた取組につきましても、国の支援制度の活用なども検討いたしながら、スピード感を持って進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 植野伸一議員。                〔5番 植野伸一議員登壇〕 ◯ 5番 植野伸一議員 大変御丁寧な各部局の御答弁ありがとうございました。一点のみ再質問させていただきます。中項目3)、小項目一のピンチをチャンスに変える項目について、昨日の午前中の同僚議員からの質問におきまして、総合政策部長からの御答弁の中に──その時は大変早口だったのでちょっと聞き漏らした節もありますので、もう一度ちょっとゆっくりとした口調で御説明いただけたらと思います。先月──11月、ピンチをチャンスに捉えるという観点から──総合戦略において、課題に対しまして──要するに課題というのはピンチということになりますが、それをあぶり出すという、そういうところにプロジェクトチームを先月立ち上げられたと聞きました。これは、そういうピンチをチャンスに変えていくという視点から大変いい取組だと思われます。そのプロジェクトチームの目的を御説明いただけたらと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) ピンチをチャンスに変えるの2回目の質問でございます。スマートシティの来年度の取組の中での私の答弁であったと思いますけれど、スマートシティの取組につきましては、現在、本市におけます方向性でありますとか具体的な取組、こういったものを検討するために協議会を設置いたしておりまして、来年の秋ぐらいに山口市スマートシティ推進ビジョンの策定ができればというふうに思いながら取り組んでいるところでございますけれども、そうは言いましてもデジタル化の流れに対応していかなければならないということで、先行的にデジタル化でありますとか先端的なサービスの社会実装などに取り組む最寄り的なフィールドを市内に複数設置をして進めてまいりたいというふうに考えております。具体的には、人口減少が進む農山村エリアにおきましては、デジタル技術でありますとか先端的なサービス、そういったものを実装することで今抱えておられます地域課題──例えば、移動でありますとか買い物でありますとか、そういったものの支援などをデジタル化などによって、効率的な仕組みでありますとかやり方など、そういったものが構築できるのではないかというところで、そういった課題の解決に向けた取組をやっていこうということで今考えております。そういった取組を部局横断的に考えて協議してやっていこうということで、11月に農山村エリアの取組に対するプロジェクトチームを立ち上げたというところでございます。まだまだ今からでございますので、そのプロジェクトチームの中で検討しまして具体的な取組についても行っていきたいと思っておりますし、都市部においても同じようなプロジェクトチームを立ち上げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、植野伸一議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  以上で、通告による一般質問並びに質疑は終わりました。  以上で、一般質問に並びに質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております議案第1号から議案第4号まで及び議案第9号から議案第62号までについては、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。ただいま議案となっております議案第63号から議案第70号までについては、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 御異議なしと認めます。よって、議案第63号から議案第70号までについては、委員会の付託を省略することに決しました。  これより討論に入ります。議案第63号から議案第70号までについて、討論はありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 討論なしと認めます。  これより採決いたします。議案第63号教育長の任命について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第63号はこれに同意することに決しました。  議案第64号教育委員会の委員の任命について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第64号はこれに同意することに決しました。  議案第65号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第65号はこれに同意することに決しました。  議案第66号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第66号はこれに同意することに決しました。  議案第67号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第67号はこれに同意することに決しました。  議案第68号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第68号はこれに同意することに決しました。  議案第69号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第69号はこれに同意することに決しました。  議案第70号固定資産評価審査委員会の委員の選任について、これに同意することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第70号はこれに同意することに決しました。  日程第3、議案第71号令和2年度山口市一般会計補正予算(第10号)及び日程第4、議案第72号令和2年度山口市一般会計補正予算(第11号)についてを一括議題といたします。  市長から議案に対する提案理由の説明を求めます。渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 本日、追加提案いたしました議案につきまして御説明申し上げます。議案第71号の令和2年度山口市一般会計補正予算は、12月4日付の国からの通知により、ひとり親世帯臨時特別給付金の再支給を行うことが示されましたことから、これに要する経費を追加計上いたすものでございまして、歳入歳出予算の総額にそれぞれ1億900万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ1,180億2,821万2,000円といたしております。歳出予算からその概要を御説明申し上げますと、民生費につきまして、児童福祉費1億900万円を追加計上いたしております。歳入予算につきましては、特定財源といたしまして、国庫支出金1億900万円を追加計上いたしております。次に、議案第72号の令和2年度山口市一般会計補正予算は、12月2日に改正予防接種法が成立をいたし、厚生労働大臣の指示の下で、市町村において新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種を実施するものとされましたことから、今後、国からワクチンの供給が開始された場合、速やかに対象者へ接種勧奨等を行えるよう準備を進めるため、これに要する経費を追加計上いたすものでございまして、歳入歳出予算の総額にそれぞれ5,500万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ1,180億8,321万2,000円といたしております。歳出予算からその概要を御説明申し上げますと、衛生費につきまして、保健衛生費5,500万を追加計上いたしております。歳入予算につきましては、特定財源といたしまして、国庫支出金5,500万円を追加計上いたしております。  以上で、説明を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、議案に対する説明が終わりました。  ただいま説明のありました議案を調査するため、暫時休憩いたします。                  午後3時11分休憩       ────────────・────・────────────                  午後4時53分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  あらかじめ会議時間を延長いたします。  暫時休憩いたします。                  午後4時53分休憩       ────────────・────・────────────                  午後4時59分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより質疑に入ります。質疑はありませんか。23番、其原義信議員。               〔23番 其原義信議員登壇〕 ◯ 23番 其原義信議員 追加提案されました議案第71号令和2年度山口市一般会計補正予算(第10号)につきまして、4点質疑をさせていただきます。対象漏れ対策、広報について、予算措置について、そして期限についてでございます。本事業は、第1回目の受給者が基本的に対象者となりますので、対象者が改めて申請をされることはないものと理解をしておりますけれども、例えば、居住地の変更であったり、申請忘れ、また、収入激変の時期といったようなことによって、本来なら受給できるはずなのに受給できない事態が発生してはならないと──いわば対象漏れ、支給漏れ対策が私は重要だと考えております。その対象漏れ対策について、どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。次に、先ほど申し上げました1項目目と関連をいたしますが、その支給漏れが起きないように広報活動が必要になる場合もあろうかと考えております。どのようにお考えかお伺いをいたします。次に、12月11日を基準に対象世帯を算定されておられますけれども、申請が増えた場合の予算対応についてお伺いをいたします。最後に、この事業の申請期限についてお伺いをいたします。  以上、4点を質疑とさせていただきます。よろしくお願いします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 其原議員の議案第71号令和2年度山口市一般会計補正予算(第10号)の御質問にお答えいたします。制度が複雑なため、今の御質問と順番が異なることはありますがお許しください。ひとり親世帯臨時特別給付金再支給に係る対象者につきましては、令和2年12月11日時点で既に第1回目の支給を受けている者とされているところでございます。第1回目の支給対象者には3類型ございまして、1つ目は、令和2年6月分の児童扶養手当の支給を受けている者、2つ目は、公的年金給付等を受けていることにより児童扶養手当の支給を受けていない者、そして、3つ目には、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、直近の収入が児童扶養手当の対象となる水準に下がった者となっております。今般の再支給に当たりまして、令和2年7月以降に児童扶養手当の支給を受けた方につきましては、ただいま申し上げた3類型のうち、1つ目の児童扶養手当の受給者としての要件は満たしませんが、3つ目の要件である児童扶養手当を受けることとなった月以降の収入が児童扶養手当の対象となる水準に下がった方につきましては、申請を行っていただくことで1回目の支給分と再支給分の両方の支給の対象とされたところでございます。また、ひとり親世帯の方が新たに転入されて来られた場合につきましては、1回目の給付金を前住所地で受給されている方は前住所地の属する市区町村で支給を受けられることになります。それから、前住所地で1回目の給付金を受給されていない場合は、新たに山口市で児童扶養手当の支給される方と同様に本市で1回目の支給分と再支給分の両方を合わせて申請いただくことになります。申請期限につきましては、令和3年2月28日まででございまして、郵送による申請の場合は当日の消印有効までとしております。現在、申請窓口におきましては、新たに児童扶養手当の申請時に家計急変に関する事情をお聞きしており、該当するようであれば1回目の給付金の御案内を常にしているところでございます。今後は、改めて1回目の給付金と再支給につきまして、市報等を通じて周知を図ることとしておりますし、窓口での直接の御案内も継続してまいる所存でございます。本補正予算に関し、予算額を超える支給が発生した場合にはどうなるかという御質問でございますが、これは、第1回目の支給に係る令和2年6月補正予算分と合わせて執行する考えでございますので、支給の対象者についてはそれで対応していくこととしております。
     以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 他に質疑はありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) ないものと認めます。以上で質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております議案第72号については、所管の常任委員会であります予算決算委員会に付託いたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第71号については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議はありませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 御異議なしと認めます。よって、議案第71号については、委員会の付託を省略することに決しました。  これより討論に入ります。議案第71号令和2年度山口市一般会計補正予算(第10号)について、討論はありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 討論なしと認めます。  これより採決いたします。議案第71号令和2年度山口市一般会計補正予算(第10号)について、原案のとおり賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、議案第71号は原案のとおり可決することに決しました。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。再開は21日午前10時であります。                  午後5時7分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  桜 森 順 一                    会議録署名議員  田 中   勇 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....