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令和2年第1回定例会(2日目) 名簿 開催日:2020年02月25日
令和2年第1回定例会(2日目) 本文 開催日:2020年02月25日

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  1. 山口市議会 2020-02-25
    令和2年第1回定例会(2日目) 本文 開催日:2020年02月25日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2020年02月25日:令和2年第1回定例会(2日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  なお、18番、部谷翔大議員から本日の会議を欠席する旨の届け出がありました。よって、本日の当該議員の一般質問並びに質疑は行いませんので御報告いたします。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、9番、馬越帝介議員及び24番、其原義信議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第39号まで及び諮問第1号から諮問第6号までを一括議題といたします。  順次発言を許します。19番、原真也議員。               〔19番 原 真也議員登壇〕 ◯ 19番 原 真也議員 おはようございます。自由民主党山口の原真也でございます。会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆様の明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。  それでは、大項目のア、令和2年度当初予算についてお尋ねをいたします。このたびの新年度予算編成では、令和2年度当初予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけられ、令和の時代にふさわしい本市の未来を確かなものとするため、1つ目に、オール山口の未来に向けたトライ、2つ目に、今の市民生活を豊かにするトライ、3つ目に、便利で豊かな創造社会を目指すトライ、これらの3つのトライに取り組む予算とされておりまして、こうしたトライ──挑戦が可能となります積極型の予算を計上されました。令和2年度当初予算は、一般会計ベースで対前年度比4.1%の増、額にいたしまして37億円の増となります938億8,000万円を予算計上されておりまして、2年連続で900億円台となる過去最大規模の積極型予算となっているところでございます。また、本市の未来をつくるための基盤整備であります投資的経費につきましても、約209億円を確保されておりまして、こちらも過去最大規模となっております。とりわけ、来年4月のオープンに向けた産業交流拠点施設の整備を初め、新本庁舎の整備、阿知須地域や徳地地域の総合支所と地域交流センターの一体的な整備など、都市核づくりや地域を支える拠点づくりなどに積極的にトライする予算となっているところでございます。こうした基盤整備に加えまして、子育て環境や教育環境の整備を初め、農林水産業の経営基盤強化、商工業の振興、観光地域づくり、健康長寿や安全安心の取り組みなど、さまざまな分野に対しまして積極果敢にトライをされている予算となっていると感じているところであります。さらには、当初予算には人工知能──AIや第5世代移動通信システム──5Gなど、革新的な技術を活用した未来社会でありますSociety5.0を見据えて、人材育成や社会基盤整備を中心に都市の利便性や効率性の向上などといったスマートシティの構築や、公共サービスの最適化に向けた取り組みなどにトライする予算も盛り込まれているところであります。こうした3つのトライを基調といたしました新年度予算編成は、将来への投資と今現在の市民の皆様の暮らしへのまなざしをともに大切にされ、そしてオール山口の発展を目指すという渡辺市長の思いが反映されている予算であると評価をいたしているところであります。さらに第二次山口市総合計画の計画期間のこの早い段階で、時代の流れも踏まえた一定の社会基盤整備が整うことができる形になってきたと感じているところであります。これも渡辺市長のリーダーシップのもと、執行部の皆さんがワンチームとなって取り組まれてきた成果であると敬意を表する次第であります。そこでお尋ねをさせていただきます。令和2年度当初予算は、挑戦──トライを基調に編成されておりますが、この「トライ 未来創造」予算に込められた市長の思いをお伺いいたします。とりわけ3つのトライのうち、便利で豊かな創造社会を目指すトライに係る部分を中心に、推進体制も含めて新年度予算における市長のお考えを伺いまして、1回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) おはようございます。原議員の令和2年度当初予算についての御質問にお答えをいたします。令和2年度は、第二次山口市総合計画前期基本計画の3年目となります中間年度でございまして、また第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略をスタートする年度でもございます。こうした総合計画と地方創生の取り組みを進めていく中で、本市の人口は、現在の地方創生総合戦略における人口展望を上回る水準で推移をいたしておりますが、今後、来るべき本格的な人口減少時代に備え、総合計画期間の早い段階において一定の社会基盤整備を整え、本市の未来を確かなものとするための挑戦を続けていく必要がございます。そこで、こうした挑戦を進めますために、本市の令和2年度当初予算をオール山口の未来に向けたトライ、今の市民生活を豊かにするトライ、便利で豊かな創造社会を目指すトライ、この3つのトライを基調とした「トライ 未来創造」予算と位置づけまして、令和の時代における次世代のまちづくりにつながる基盤整備や事業展開を実現するため、令和2年度一般会計当初予算につきましては、過去最大規模の938億8,000万円を計上いたしますとともに、このうち将来のまちづくりへ向けた投資的経費を約208億9,000万円といたしますなど、本市の未来を創造するための積極型予算として編成をいたしたところでございます。この3つのトライを基調とした令和2年度当初予算、「トライ 未来創造」予算に込めた思いといたしましては、まず、オール山口の未来に向けたトライにつきましては、本市の都市政策の柱でございます「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」のプロジェクトを積極果敢に展開し、山口都市核と小郡都市核、そして市内21地域がそれぞれの特性と役割のもとで、都市部も農山村部もともに発展するオール山口の発展を目指すまちづくりを力強く進めていくという思いでございます。このオール山口の未来に向けたトライにおける広域県央中核都市づくりのうち、山口都市核づくりでは、山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造都市づくりを進めることを発展の方向性といたし、新本庁舎の整備を初め、第3期の山口市中心市街地活性化基本計画の策定、大内文化ゾーンにおける道路美装化や築山跡の歴史広場整備、湯田温泉における多世代交流・健康増進拠点施設の整備、情報文化都市づくりにおける中園町周辺地区の整備などを進めてまいります。また、小郡都市核づくりでは、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを進めることを発展の方向性といたし、その原動力となります産業交流拠点施設の整備や周辺地区における道路の整備、第一種市街地再開発事業の支援などを行ってまいります。さらに広域ネットワーク機能の強化といたしまして、新たな産業団地であります鋳銭司第二団地の関連道路の整備や広域連携による県央全体の発展に向けて、山口県央連携都市圏域や中枢中核都市の取り組みを推進するほか、Society5.0を見据えたまちづくりや県農業試験場等の跡地利用に関する県との協議などを進めてまいります。次に、「個性と安心の21地域づくり」につきましては、地域の特性を生かした個性豊かな21の地域連合を形づくり、あらゆる地域に安心して住み続けられるまちづくりを発展の方向性といたしまして、小郡、秋穂、阿知須、徳地、阿東の各総合支所エリアにおけるふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトの推進を初め、南部地域活力アップ推進プランに基づく瀬戸内の魅力創出などの取り組みや、中山間地域づくり指針に基づく地域資源活用の取り組み、そして市内各地域の文化財の保護や活用を進めてまいります。また、阿知須地域及び徳地地域におきましては、総合支所と地域交流センターを新たに複合施設として整備をいたし、さらに阿東地域交流センター篠生分館の建てかえや湯田地域交流センターの増改築に向けた取り組みを進めてまいります。次に、2点目のトライ、今の市民生活を豊かにするトライといたしましては、教育・子育て、産業振興を初めとした各施策分野におきまして、今現在の市民生活を豊かにし、安全安心を確保するための取り組みを着実に進めますことで、本市の人口減少と少子化に何としても歯どめをかけていくという思いでございます。そして、そのためにも第二次山口市総合計画の前期基本計画における8つの重点プロジェクトを施策横断的に積極的に展開する必要があると考えておりまして、重点プロジェクト1と2の「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」の取り組みを積極果敢に進めますと同時に、重点プロジェクト3の「教育・子育てなら山口」では、まず先進の教育環境づくりといたしまして、タブレット端末等を活用したICT教育の推進や外国語教育の充実などを進めてまいります。また、これまで重点的に取り組んでまいりました保育園の待機児童解消が実現する見通しとなります中で、さらなる保育提供体制の充実を図るためのゼロ歳児から2歳児までの定員拡大を行いますと同時に、放課後児童クラブの待機児童解消につきましても実現の姿が見えてまいりましたので、それに向けた対策を行ってまいります。さらにこども医療費の自己負担分の無料化を段階的に拡大してまいります中で、令和2年10月からは、その対象を中学1年生から中学3年生までの全ての子供の入院費の無料化まで拡大して実施をいたします。続きまして、重点プロジェクト4の「働く・起業なら山口」では、農林水産業の経営基盤の強化と担い手育成を図りますとともに、計画的な圃場整備の促進や森林経営管理の推進、漁港施設の長寿命化などに取り組んでまいります。また、新産業や新事業の創出や育成を進め、さらには市内施工事業者を活用した住宅リフォーム費用の一部を商品券として助成いたしますことで、市内の消費喚起を図りますほか、新たな産業団地でございます鋳銭司第二団地の整備を進めてまいります。また、中小企業の人づくり・生産性・働き方の改革と人手不足対策などの支援をしてまいります。続きまして、重点プロジェクト5の「文化・スポーツ・観光なら山口」では、市内の芸術家育成支援山口情報芸術センターにおける企画事業を展開いたしますほか、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機としたインバウンド誘客等地域活性化の取り組み、また、令和3年度に開催する山口ゆめ回廊博覧会の開催準備や博覧会のプレイベントの実施などを進めてまいります。続きまして、重点プロジェクト6の「健康長寿のまち」では、二次救急医療体制の維持・確保に向けましての綜合病院山口赤十字病院済生会山口総合病院の建てかえ支援を行いますとともに、地域医療体制の確保対策や認知症対策の推進、また障がい福祉の充実や高齢者が活躍できる環境づくりなどを進めてまいります。続きまして、重点プロジェクト7の「安全安心のまち」では、消防救急の機能強化や重点的な浸水対策などの災害に強いまちづくりを進めますと同時に、高齢ドライバーの安全運転対策や金属・小型家電製品の選別機能の強化など、市民の皆様の生活環境の向上を図ってまいります。続きまして、重点プロジェクト8の「市民サービス向上」では、スマート自治体に向けての取り組みや公共施設等の改修・長寿命化などを行ってまいります。そして、こうした8つの重点プロジェクト事業を施策横断的に展開いたしますことで、今の市民生活の豊かさの向上を図ってまいりたいと考えております。次に、議員御案内の3点目のトライ、便利で豊かな創造社会を目指すトライについてでございますが、このトライでは、AIや5Gなどの革新的技術を活用した便利で豊かな未来社会──Society5.0を見据えた対応を進め、本市の未来を担う人材育成と社会基盤整備を初めとした施策の積極的な展開を図ってまいります。そして、このトライは、人口減少時代や少子高齢化で顕在化する社会課題の解決と持続的な地域経済の発展を両立できる社会システムの構築を進めるため、地域産業や地域社会全体のデジタル化がさらに進むという時代の流れを第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画期間であります令和2年度から令和6年度までの5年間における地方創生、そして本市の発展につなげていく挑戦でございます。こうしたデジタル化の流れを地方創生につなげていく取り組みといたしましては、例えば農山村エリアの基幹産業であります農業における就業人口の減少が進む中、農業機械の自動運転化やセンサー技術による農作物の生育管理などといったスマート農業を展開する取り組み、あるいは運転手不足などにより移動手段の確保が課題となっております過疎地域において、デジタル技術を利用した新たなモビリティサービスを展開する取り組みなどが想定されるところでございます。こうしたデジタル化の取り組みを産業振興、医療・介護、防災、交通、環境などの各分野において民間活力を導入いたしながら展開をいたし、人口減少や少子高齢化等に伴う地域課題の解決と産業や地域の活性化をともに図りながら、地方創生を実現していくという方向性を考えているところでございます。こうした方向性のもと、令和2年度当初予算におきましては、新山口駅と湯田温泉を結ぶ新たなモビリティサービスの調査実証を初め、スマートフォンで利用可能なシェアサイクルや、交通系ICカードシステムの導入支援などの交通分野の取り組みを進めてまいります。また、小・中学校のICT教育環境づくりのさらなる推進や、山口情報芸術センターにおける教育普及事業などのSociety5.0時代を担う人材への投資を行ってまいります。さらに農林業におけるドローン等のICT機器の導入支援やデジタル技術を活用した新商品・新サービスの開発支援、AI技術を活用したヘルスケア関連産業等における新産業・新事業の創出や、中小企業におきますデジタル人材の育成支援などの産業分野における取り組みなどを展開いたしてまいります。このほか、公立保育園の保育現場へのICTの導入を初め、救急車と医療機関の連携強化に向けたICTの導入や、音声による119番通報が困難な方への通報システムの構築、スマートエネルギーの調査研究、認知症や生活習慣病予防に向けたビッグデータの活用など、本市のあらゆる分野におけるデジタル化を通じまして、地域課題の解決と産業や地域の活性化を図りながら、地方創生、そして便利で豊かな創造社会を実現してまいりたいと思います。また、こうした本市における便利で豊かな創造社会の実現に向けた考え方につきましては、国におけるスマートシティの考え方とその方向性は同じでございまして、議員御案内の新年度の推進体制につきましては、総合政策部にスマートシティ推進室を設置いたし、さまざまな企業や大学、地域などと連携をいたしながらデジタル技術の社会実験や社会実装による取り組みを進め、同時に交通網、情報通信網などの利便性向上やエネルギーの効率化などにつながる施策の方向性を研究・検討してまいりたいと存じます。あわせて、都市部や農山村、各産業分野におけるデジタル化の推進に当たりましては、行政との接点がある分野も多いことから、まずは市役所自体のデジタル化を図りますとともに地域のデジタル化と連携し支えていく必要もございますことから、総務部の情報管理課を情報企画課に名称変更して充実し、高速大容量無線局の整備が可能となるような通信インフラの整備を初めとした地域のデジタル化促進の取り組みや、新本庁舎整備にあわせての市民サービスの向上を目指した行政サービスのデジタル化などを通じたスマート自治体の取り組みを進めてまいります。こうした新たに設置するスマートシティ推進室や情報企画課を初めとしたあらゆる部署や政策・施策分野におきまして、便利で豊かな創造社会を目指すトライを進め、最少のコストで最大限のニーズに応える、いわば「小さくて大きい、新しい公共」を目指した公共サービスの最適化に取り組んでまいります。あわせて、本市全体における交通網や情報通信網を初めとした利便性の向上やエネルギーの効率化などを図り、都市拠点・地域拠点・生活拠点を結ぶネットワーク機能を強化していくことで、地域交流センターや道の駅などを地域拠点・生活拠点とする農山村における好影響・好循環を目指し、さらには広域のネットワークによる都市拠点を含めた好影響・好循環のまちづくりにつなげて、オール山口の発展につなげてまいりたいと考えているところでございます。このような3つのトライにおける基本的な考え方と方向性を令和2年度当初予算、「トライ 未来創造」予算への思いとして込めているところでございまして、新年度においてさらなるまちづくりの挑戦を続け、住んでよかった、これからも住み続けたいと心から思える定住実現のまちづくりにトライしてまいりたいと考えているところでございます。御支援とまた御協力をよろしくお願いを申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 原真也議員。               〔19番 原 真也議員登壇〕 ◯ 19番 原 真也議員 力強い答弁をありがとうございました。本当に事業が多岐にわたっておりまして、市長をトップに執行部の皆さんが一丸となって、この予算をしっかりとした実のあるものにしていただきたいと思います。
     それでは、次の項目イ、山口市中山間地域づくり指針についてお伺いをいたします。中山間地域につきましては、全国的に人口減少や少子高齢化がかなりのスピードで進行しておりまして、地域のコミュニティーの維持が困難な地域も増加してきておりまして、中山間地域対策は喫緊の課題となっているところであります。こうした中、本市では、平成20年5月に現在の中山間地域づくり指針を策定されまして、中山間地域づくりの意義を明らかにするとともに、その方向性を示し、中山間地域の活性化に取り組まれてきたと認識をいたしているところであります。しかしながら、本市の中山間地域におきましても、人口減少や少子高齢化の波は地域の担い手不足を招き、これまでお互いに助け合いながら生活してきた集落の維持が困難になってきている地域も出ているところであります。地域のスーパーや商店は後継者がいないなどを理由に閉店をされ、自動車の運転ができなくなる高齢者の増加で、買い物に出かけることもできなくなり、病院の通院も大変不便になるといった日常生活に大きな影響を及ぼしているところであります。また、買い物も地域外に行かれたり、働く場も地域外の事業所などに通勤するなど、経済活動も地域外に頼らざるを得ない状況があるわけであります。そして、最も深刻なのは人口減少に歯どめがかかっていないことであります。本市の中山間地域の人口は、この20年間で18.9%と2割近く減少いたしたわけであります。他の地域を上回るペースで人口減少が進行しておりまして、これが中山間地域のさまざまな課題の最も大きな原因となっていることは御承知のとおりであります。私は、中山間地域の活性化なくしては、本市全体の発展も期待できないのではないかと思っておりまして、また中山間地域が有している豊かな自然、固有の歴史・文化、豊かな農水産物など、多様な地域資源を守り育てていくこと、そして多くの市民がこうした地域資源の恩恵を受けていることを改めて認識して、本市の貴重な財産として次の世代に受け継いでいくことが必要であると考えております。そこで、こうした本市の中山間地域の現状、そして私の思いも踏まえた上で、このたび改定が予定されております山口市中山間地域づくり指針(案)について数点のお尋ねをさせていただきます。まず本市が取り組んでこられましたこれまでの中山間地域づくりの取り組みの成果と課題について、渡辺市長はどのように認識・評価をされていらっしゃるのか、そして、その課題等を踏まえられまして、新たな指針案で目指そうとしておられる中山間地域づくりの将来像はどのようなものなのか、加えまして、新たな指針のもとで中山間地域づくりをどのように進めていかれるお考えがあるのか、お伺いをいたします。さらに指針の対象地域として、徳地、阿東、仁保、小鯖、鋳銭司、阿知須の6地域が定められております中で、とりわけ人口減少の著しい阿東地域と徳地地域での取り組みが重要であると考えられるわけでありますが、これらの2つの地域に対する重点的な取り組みについてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いをいたしまして、1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 山口市中山間地域づくり指針についてお答えをいたします。議員御案内のとおり、本市では、平成20年5月に中山間地域づくり指針を策定いたしまして、これまで、豊かさと誇りあふれる暮らし・交流・自然空間の創造を基本方針とし、地域資源の付加価値化を通じた新たな地域経済の構築、新たな地域のきずなづくりと幅広いつながりの構築、重層的な集約型都市構造の構築の3つの施策を柱といたしまして、本市の中山間地域づくりに取り組んでまいったところでございます。お尋ねのこれまでの取り組みの成果と課題についてでございますが、3つの施策の柱に基づきまして主な取り組みについて申し上げますと、まず地域資源の付加価値化を通じた新たな地域経済の構築では、基幹産業であります農林業の振興に取り組み、圃場整備の計画的な実施により、平成30年度における中山間地域での圃場整備率は約60%となったところでございます。さらに担い手への農業機械の導入支援等によりまして、農業の法人化や大規模化など、生産基盤の強化が図られたところでございます。また、中山間地域等直接支払制度を積極的に運用し、耕作放棄地の発生防止や農地の持つ多面的機能の確保に努めてまいったところでございます。畜産業におきましては、地域内一貫体制の確立によるあとう和牛のブランド化の取り組みや畜産クラスター事業の導入など、畜産業の収益性向上の仕組みを構築してまいりました。林業におきましては、山口中央森林組合山口阿東森林組合の合併によりまして、組合員の所有する森林面積が県内最大となります山口県中央森林組合が誕生いたしたところでございます。また、山口県森林組合連合会により、阿東地域に木材とバイオマスの集積・販売を行う拠点であります北部木材センターが整備され、林業振興のさらなる体制強化や木材生産量の拡大、未利用間伐材等の木質バイオマスの一層の利用促進が図られたところでございます。地域資源の付加価値化の取り組みといたしましては、中山間地域に地域おこし協力隊を導入いたしまして、さまざまな地域資源の掘り起こし、特産品のブランド化や農産物を使った新商品の開発などに取り組んだところでございます。そのほか、道の駅願成就温泉、道の駅長門峡、道の駅仁保の郷、道の駅きららあじすといった中山間地域にある全ての道の駅の整備改修を行いまして、周辺の観光施設等を含めまして毎年多くの人々が訪れる地域となっているところでございます。次に、新たな地域のきずなづくりと幅広いつながりの構築では、市内21地域で地域づくり協議会が立ち上がり、協働によるまちづくりを進め、中山間地域を支える地域コミュニティーの強化に取り組んでまいりました。また、地域課題の解決に取り組むNPO法人などの地域運営組織への支援を行いますとともに連携した取り組みを実施してまいりました。次に、重層的な集約型都市構造の構築では、山口都市核と小郡都市核の両都市核の整備を進めることで、中山間地域等の周辺地域への好影響を促すとともに、周辺地域の総合的な拠点施設として総合支所や地域交流センター地域交流センター分館の改修や機能強化を図ってまいったところでございます。しかしながら、こうした取り組みの間も中山間地域における人口減少・高齢化の状況はさらに進行し、急激な人口減少と、これまでに経験したことのない高齢化の状況を迎えているところでございます。中山間地域は集落を中心に地域を維持してきた長い歴史がございますが、集落の小規模化・高齢化が進行し、コミュニティー機能が低下をいたしているところでございます。さらには、人口減少等により地域のスーパーや商店が閉店し、その上に高齢により自動車の運転が困難になる方が増加するなど、一部の地域では日常の生活環境が悪化し、日々の日常生活の維持が困難な状況も生じております。加えまして、地域の基幹産業である農業の所得の減少等によりまして、地域内での再生産に必要な投資が困難となり、地域の経済がさらに縮小する経済の悪循環が懸念されているところでございます。このような現状を踏まえまして、新たな指針におきましては、コミュニティー機能の低下、生活環境の悪化、経済の悪循環、急激な人口減少、この4項目を中山間地域の主要な課題として捉え、これに対応した施策に取り組むことといたしております。次に、新たな指針における取り組みについてでございます。新たな指針では、基本方針として、「個性が輝き、交流を育む、安心のふるさとづくり~共にいきる豊かな暮らし~」を掲げているところでございます。中山間地域の価値は、自然や歴史・文化が共生し、人と人とが支え合い生活を営んできた、こうした「共にいきる」暮らしの営みの中で維持・発揮されてきたものであると考えております。こうしたことから「共にいきる」暮らしを再評価し、さらにその価値を高めていくことにより、人口減少・少子高齢化の状況にあっても多くの人が行き交い、支え合い、地域が活力にあふれ、あらゆる世代の方が安心して暮らせる中山間地域づくりを実現してまいりたいと考えております。都市核づくりとの関係で申しますと、中山間地域などの周辺地域におきましては、第二次山口市総合計画に示します重層的コンパクトシティの考えのもと、地域資源の有効な利活用を図るため、生活拠点として地域交流センター地域交流センター分館等を中心としたエリアに、一定の生活関連機能の維持・集積を図っていくことといたしているところでございます。山口都市核と小郡都市核の両都市核は、これら周辺地域の生活拠点における生活関連機能を支援、補完し、地域全体の社会経済を牽引する役割を担っていると位置づけているところでございまして、つまり市内のあらゆる地域において住み続けることが可能となる環境を構築してまいることといたしております。すなわち農山村の発展なくして都市部の発展はない、また都市部の発展なくして農山村の発展もないという本市のまちづくりの考え方は、都市地域と農山村地域がそれぞれの異なる個性や魅力を磨き上げまして、相互に補完し高め合う好影響・好循環のまちづくりとして、第二次山口市総合計画に位置づけているところでございまして、このような都市構造を構築することを中山間地域づくりにおいても生かしていくこととしているところでございます。そして、施策の柱といたしまして、暮らしを支える生活環境づくり、地域特性に応じた産業の振興・地域資源の活用、新たな人の流れの創出の3つを掲げまして、これに加えまして将来のSociety5.0社会を見据え、自動車の自動運転やスマート農業の実現に向けた未来技術、ICTなどを活用した積極的な技術革新の導入を図ることといたしております。取り組みの主なものを申し上げますと、暮らしを支える生活環境づくりでは、限られた資源であります人・モノ・資金・情報のフル活用を図るため、総合支所や地域交流センター、保健センターなど、地域の暮らしや交流を支える施設の一体的整備による地域拠点化を進めてまいります。さらに地域交流センター地域交流センター分館等を中心としたエリアに、一定の生活関連機能の維持・集積も図ってまいります。あわせて、水道、道路、消防、救急などといったインフラ施設は行政の責任として維持してまいります。また、医療、介護、交通、さらには日用品の買い物など、日常生活に必須の機能につきましても事業者の皆さんとの連携のもとに、遠隔診療、MaaSや自動運転などの次世代交通システムの導入など、Society5.0社会を見据えた先導的な技術や発想を導入していくことによりまして、生命・財産・暮らしを守り抜いていく必要があると考えているところでございます。そして、何よりこれまで地域が大切に育んでこられましたコミュニティーの強いきずな、人と人との支え合いにより、地域の暮らしを守ってまいりたいと考えておりまして、地域づくり協議会の皆様との協働による地域づくりに取り組んでまいります。次に、地域特性に応じた産業の振興・地域資源の活用では、本市の中山間地域が有する広大な農地や多様な気象特性、豊かな森林資源、立地特性、地域ニーズなど、地域特性や地域資源を生かした地域産業の振興を図ってまいります。中山間地域の広大な農地を守り活用するため、新規就農者の育成、さらなる大規模化、法人化への支援を行ってまいります。あわせて、多品目少量出荷にも対応した多様な販売機会を構築いたしてまいります。また、農業に興味を持つ人へのライフスタイルとしての農業の提案や仕事としての魅力を高めてまいりますとともに、農業におけるICT機器の導入支援など、スマート農業の実現に向けて、省力化・高品質化の取り組みを進めてまいります。林業につきましては、山口県中央森林組合と連携した産業としての林業の復活や木質バイオマスのさらなる普及促進を図ってまいります。畜産業につきましても、あとう和牛の地域内一貫体制の確立支援や畜産クラスター計画に位置づけられた経営体に対する支援を実施いたしてまいります。このような取り組みにより、一定の所得が地域内で循環する経済の好循環を創出してまいります。最後に、新たな人の流れの創出では、全国的に若い世代が都市部から農村地域へ移住しようとする田園回帰の流れを捉えまして、中山間地域の豊かな自然環境や多様な地域資源といった情報を積極的に発信してまいりますとともに、地域にございます空き家を移住・定住の受け皿として活用する空き家バンク制度などの事業も進めながら、移住・定住の促進を図ってまいります。また、移住・定住にまでは至らずとも、地域に関心を抱き、多様な形でつながりを持つ大都市圏との関係人口の創出も地域の活力維持のために重要な取り組みであると考えておりますことから、都市・農村交流を促進いたしてまいります。加えて、地域おこし協力隊や地域おこし企業人の制度を活用いたしまして、外からの新たな視点で地域ブランドや特産品の開発、情報発信等の地域おこし活動を担っていただきますとともに、地域おこし協力隊につきましては、地域での関係性の構築や退任後のビジネスモデルの実現について支援を行いまして、退任後の地域への定着を促進いたしてまいります。また、山口ゆめ回廊博覧会を最大限に活用いたしまして、徳地地域の東大寺サミットを初め、中山間地域でも多くの来場者が期待できる交流イベントを開催いたしまして、交流人口のさらなる拡大、関係人口の創出につなげてまいります。このような取り組みによりまして、市内のあらゆる地域に住み続けることが可能となる環境を構築してまいりたいと思います。とりわけ過疎地域でございますお尋ねの阿東地域、徳地地域の取り組みについてでございますが、本指針の取り組みは、先ほどの課題認識で申し上げました、これまで私どもが経験したことのない人口減少・高齢化の状況にございます。阿東地域や徳地地域などの大変厳しい状況を踏まえまして作成をいたしているものでございまして、そのため、本指針に掲げます取り組みを着実かつ早期に阿東地域、徳地地域で実施してまいることが重要と考えているところでございます。いずれにいたしましても、阿東地域、徳地地域を含めました中山間地域の発展が、本市全体の発展につながるとの考え方のもとに、今後は、本指針を本市中山間地域づくりにおける新たな方向を示しますガイドラインといたしまして、他の地域を上回るペースで、人口減少・高齢化が進行する中山間地域の実情を踏まえた各般の取り組みを部局横断的に展開いたしまして、都市部も農山村もともに発展するオール山口の発展の実現につなげてまいる所存でございます。よろしくお願いを申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、原真也議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  22番、瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 県都創生山口の瀧川でございます。会派を代表して、2つの項目の質問をいたします。市長を初め関係参与の皆様の明快な御答弁を期待しております。  まず最初に、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお尋ねします。総務省が本年1月31日に公表した令和元年──2019年の住民基本台帳人口異動報告の結果によると、都道府県において転入超過となっているのは、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、福岡県、滋賀県及び沖縄県の8都府県で、残る39道府県は転出超過となっており、山口県も3,659人の転出超過となっております。市町村別に見ると、全国1,719市町村のうち、1,240市町村が転出超過となっており、全国の76.3%は転出超過となっております。とりわけ、東京圏は約14万9,000人の転入超過となっており、その数も前年に比べ拡大するなど、依然として東京一極集中に歯どめがかかっていないと感じているところであります。一方、本市では、平成27年10月に策定した平成27年度から今年度までを計画期間とする、いわゆる第1期の山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき取り組みが進められており、現在本市の人口は、総合戦略における人口展望を数千人上回る水準で推移しているものの、依然として東京圏などの大都市圏への転出超過の流れが続いているところでもあります。こうした中、令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間とする第2期の山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の案が示され、第1期の取り組み状況と第2期の取り組みについて示されました。第1期の総合戦略では、4つの基本目標ごとに取り組みを進められており、目標値の達成状況も示されております。その内容を簡潔に申し上げますと、まず基本目標1の若い人たちをターゲットに、山口に“しごと”をつくるでは、5年間の若者の雇用創出数の累計は、目標の450人に対し、1,578人の実績値となり、大幅に目標値を上回る達成状況となっております。基本目標2の山口に新たな“ひと”の流れをつくるでは、60歳以上のアクティブシニアの転入超過と若者の転出超過の抑制では目標値は達成できておらず、さらなる取り組みが必要であるものの、交流人口は目標の500万人を大きく上回る612万人となっております。基本目標3の若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備では、保育所や放課後児童クラブの待機児童は、これまでも精力的に取り組まれたものの、引き続き待機児童ゼロに向けた取り組みが必要となっております。基本目標4の都市、農山漁村が共生する、地域の特性に応じた生活圏、都市圏の形成では、農山村エリア等における人口の転出超過の抑制は達成できており、また山口都市核における大殿・白石・湯田地域の人口も目標を達成し、小郡都市核における小郡地域の人口もおおむね達成の見込みとなっております。現実的に山口市の人口減少については、予測に比べるとなだらかになっており、これは第1期の総合戦略のさまざまな取り組みの成果が着実に上がっていることと実感しているところであり、渡辺市政の取り組みを高く評価しているところであります。また、第2期の総合戦略では、Society5.0を見据えた新たな視点も加えられて進めることとされているところであります。これらの新しい視点も踏まえ、これまでの第1期の総合戦略では十分に成果の得られなかった取り組みについては改善を行い、人口の減少を引きとめるべくさらなる努力が必要であると感じております。今後も来るべき少子高齢化、人口減少時代に向けて山積する諸課題にしっかりと向き合い、引き続き第2期の創生総合戦略の取り組みを進めていく必要があると認識しているところであります。そこでお尋ねします。第2期の総合戦略では、国や県の総合戦略とも連携を図り、地方創生推進交付金などの国の財政措置も活用しながら取り組まれていくこととされておりますが、市長はどのような思いをもって地方創生の取り組みを進めていかれるのか、そして市長は、特にどのような点に重点を置かれ進めていかれるのかをお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 瀧川議員の第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、本市では、平成27年度から今年度までの5年間を計画期間といたします山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のもと、地域社会の最重要課題であります人口減少対策を初め、移住・定住の促進や少子化対策など、地方創生の全力の取り組みを進めてきているところでございます。その結果、本市の人口は、御案内にありましたように、総合戦略における人口長期ビジョンに掲げた人口の目標値を約3,500人以上上回る水準で推移をいたしているところでございます。また、やまぐち地方創生100プロジェクトの達成状況につきましても、議員から御案内もございましたとおり、若者の雇用創出数は目標値の450名を大幅に上回る1,578名を創出し、若者の人口転出超過も抑制傾向に転じるなど、評価指標の約7割におきまして目標値を達成している状況にございますことから、本市における地方創生の取り組みの成果があらわれていると認識をいたしているところでございます。しかしながら、一方で、若者を中心とした東京圏を初めとする大都市圏への転出超過の流れは依然として変わっておらず、本市が今後本格的な人口減少時代や少子高齢社会に直面していく中で、山積する諸課題にしっかりと対応し、本市の地方創生の取り組みを切れ目なく進めるため、現在、令和2年度から令和6年度までを計画期間といたします第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を進めているところでございます。第2期総合戦略の策定に当たりましては、昨年11月に、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議を開催いたしまして、住民代表を初め、産業界や大学、金融機関、労働団体、報道機関、行政機関などの各分野の委員の皆様方から、現在の総合戦略の検証や第2期総合戦略の策定について、それぞれの専門的見地からの御意見や御提言をいただいてきたところでございます。具体的に申し上げますと、現在の総合戦略の取り組みにより、目に見える地方創生の成果が出ており、市の勢いが維持されていることから、第2期総合戦略においても、これまでの本市の地方創生の取り組みの方向性を継続していくべきといった御意見などをいただいたところでございます。また、同時にスマート農業や次世代交通を初めとしたSociety5.0への対応や、人生100年時代の到来への対応など、社会情勢の変化に対応した新たな視点の施策の方向性も位置づける必要性があるとの御意見もいただいたところでございます。こうした委員の皆様の御意見を初め、現在の総合戦略の成果や課題、また第二次山口市総合計画の重点プロジェクト、そして国や県の第2期総合戦略の方向性を踏まえまして、このたび第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)を作成し、お示しをいたしたところでございます。まず本市における第2期の地方創生の基本的な考え方といたしましては、東京圏を初めとした大都市圏への転出超過を抑制するとともに、人口減少と少子化に歯どめをかけ、高齢社会が進展する中にありましても、豊かで安心して暮らせるまちづくりを進め、また交流人口をふやすことで、さらなるまちの豊かさや活力につなげまして、都市部も農山村もともに発展するまちづくりを進め、山口市全体で発展するオール山口の発展の実現を目指すというものでございます。また、第2期総合戦略のまち、ひと、そして、しごとの各分野のおける地方創生の考え方といたしまして、まちの分野につきましては、人生100年時代の到来を見据えます中で、少子高齢化に対応したまちづくりを進めるため、「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」の取り組みを中心に、市内のあらゆる地域において住み続けられる都市圏や生活圏の形成を図りますとともに、あらゆる世代が安全安心に暮らせる住環境の整備を進めてまいります。同時に地域産業や地域社会全体のデジタル化がさらに進むという新しい時代の流れを本市の発展につなげていく仕組みづくりを進めてまいります。次に、ひとの分野につきましては、人を育み、新たな人の流れをつくることで、人口減少に歯どめをかけてまいります。結婚・出産・子育ての希望に応えるための環境づくりを初め、さらなる交流人口や関係人口の拡大、誰もが生涯にわたり活躍できる仕組みづくりなどを進めてまいります。また、しごとの分野におきましては、あらゆる産業分野において稼ぐ力を高め、雇用を創出していくことで地域経済の活性化を図ってまいりますとともに、地場産業の競争力の強化を初め、人づくり・生産性・働き方の改革の推進、誰もが安心して働き続けられる仕事づくりや魅力ある仕事づくりを進めてまいります。こうしたまち・ひと・しごとの考え方のもとで、第2期総合戦略の取り組みを進めてまいります。そうした中で、次に重点的に地方創生を進める点につきましてでございますが、第2期総合戦略では、現在の総合戦略の4つの施策の方向性を継続しつつ、Society5.0を見据えた地域社会の対応を進めていく新たな施策の方向性を加えました5つの施策の方向性を基本目標として整理をいたしておりまして、この5つの基本目標に基づく重点的な地方創生の取り組みを展開いたしてまいります。まず基本目標1の誰もが安心して働くことのできる「しごと」をつくるにつきましては、若者を初め、あらゆる世代がやりがいや魅力を感じることができる雇用や就業の場を確保してまいります。サービス業や農産水産業などにおける経営改善や経営基盤の強化を初め、競争力の強化や生産性の向上につながる支援とともに、業を起こしますところの起業創業による新たなチャレンジができる環境づくりや企業誘致の推進を行ってまいります。あわせて、働き方改革の推進を初め、高齢者や障がい者等の多様な働き手の雇用促進やデジタル人材の育成など、多様な働き方や人材育成を通じた人材確保を図ってまいります。次に基本目標2の山口の魅力に磨きをかけ、新たな「ひと」の流れをつくるにつきましては、仕事が人を呼び、人が仕事を呼ぶ、仕事と人の好循環を目指してまいるほか、地域資源を活用して、さらなる交流創出を図ってまいります。移住・定住の促進を図りますとともに、地域おこし協力隊や地域おこし企業人などの外部人材の活用、本市にゆかりのある方々と連携したシティセールスの取り組みを初めとした関係人口の拡大に取り組んでまいります。また、既存の観光資源等の磨き上げとともに、文化施設や公共空間などの特別な場所を活用しての会議やレセプションを開催するユニークベニュー事業や、アーバンスポーツを通じた地域活性化などを進めてまいります。次に、基本目標3の結婚・出産・子育ての希望に応える環境整備につきましては、子育て世帯のさらなる就労ニーズへの対応や、安心して子どもを産み育てることのできる環境の整備を進めてまいります。子育てサポート体制の充実を初め、さらなる保育提供体制の拡充や子育て世代の経済的な負担軽減など、結婚から妊娠・出産・子育てへの切れ目のない支援を行ってまいります。また、ICT教育のさらなる推進を初め、外国語教育の充実や大学・専門学校や山口情報芸術センターと連携した人材育成など、先進の教育環境づくりを進めてまいることといたしております。次に、基本目標4の地域の特性に応じた持続可能な生活圏・都市圏の形成につきましては、本市における仕事と人の好循環を支えるため、あらゆる世代が安全に安心して住み続けられる都市空間づくりや住環境づくりを進めてまいります。また、本市固有の地域資源を生かし、公共施設や公園等のにぎわい空間としての整備を原動力として、魅力的な公共空間や都市空間を形成することで、訪れてみたい、住んでみたいと思えるまちづくりを進めてまいります。こうした4つの基本目標の方向性のもとで、本市の都市政策の柱でございます「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」の取り組みを初め、また人生100年時代を見据えたあらゆる世代が生涯にわたり活躍できるまちづくりを進めてまいります。さらに第2期総合戦略において新たに加えました基本目標5の便利で豊かな創造社会の構築~Society5.0を見据えた対応~につきましては、人口減少時代や少子高齢化で顕在化する社会課題の解決と、持続的な地域経済の発展を両立できる社会システムの構築を進め、地域産業や地域社会全体のデジタル化がさらに進むという時代の流れを本市の地方創生、すなわち第2期総合戦略の御説明をいたしました基本目標1から基本目標4までの取り組みの加速化につなげていくという方向性でございます。とりわけSociety5.0時代における本市の未来を担う人材育成と社会基盤整備につきましては、積極的な施策展開を図りたいと考えておりまして、まず人材育成につきましては、小・中学校のICT教育環境づくりのさらなる推進を初め、山口情報芸術センターにおける教育普及事業、中小企業におけるデジタル人材の育成支援などのSociety5.0時代を担う人材への投資を、地域を初め大学や県の文化施設、そしてまた山口情報芸術センター、企業などの関係者との連携を図りながら進めてまいります。また、Society5.0に対応した社会基盤整備につきましては、さまざまな先端企業や大学、地域などと連携をいたしながら、デジタル技術の社会実験や社会実装を進める取り組みを支援し、同時に交通網や情報通信網などの利便性の向上とエネルギーの効率化などにつながる施策の方向性を検討してまいりたいと思っております。あわせて、市役所自体の行政サービスに係るデジタル化を通じまして、地域全体のデジタル化を推進し、新本庁舎整備にあわせたスマート自治体の取り組みの確立を図ってまいります。とりわけスマートシティスマート自治体としての社会基盤整備につきましては、令和6年度までの第2期総合戦略の計画期間において、山口都市核と小郡都市核の両都市核づくりや市内21地域の地域拠点づくりを初めとした一定の整備を整えることで、Society5.0を見据えた対応も進んでいくものと考えているところでございます。加えて、Society5.0におけるデジタル化や革新的な技術的の進展により生み出される、創出される多大な時間や余剰労働力により、我々はこれまで以上に創造的な活動や快適な活動を展開することが可能となってまいりますことから、創造的で快適な都市機能や地域資源の活用による人間性豊かな地域社会の実現を目指すことが可能となりまして、こうした好循環により人材や投資の集積の可能性も高まってきている、また高めていきたいと考えております。そこで本市におきましては、Society5.0を創造社会とも定義いたしまして、デジタル化の流れを本市のまちづくりにおける利便性の向上や効率化につなげることで、便利な社会の実現を目指してまいりますとともに、デジタル技術をもとに創造的で快適な豊かな暮らしを創造していく、便利で豊かな創造社会の構築をSociety5.0を見据えた対応として進めてまいりたいと存じます。あわせて、本市には都市と自然のほどよい調和という特性を初め、快適さに満ちた質の高い都市空間、そして長い歴史の中で積み重ねてきた文化・教育・商業・観光・スポーツ等の特性がございますことから、こうした特性を生かして、まちの価値を高める取り組みを進め、創造社会を構築することが、Society5.0時代においても、本市がさらなる発展を続けるための原動力になるものと認識をいたしているところでございます。また御案内のとおり、現在産業交流拠点施設の整備を進めておりまして、新たな人の流れを生み出す多目的ホールを初め、地場産業の稼ぐ力を高め、産業人材を育成する高次な産業支援機能、健康づくりや健康関連産業の支援機能などのさまざまな機能が集積する本施設は、まち・ひと・しごとの全ての分野において本市の地方創生を象徴する施設でございます。現在の総合戦略から第2期の総合戦略の中長期にわたるビッグプロジェクトとしての整備を進めてきた本施設が令和3年度に供用開始いたしますことで、本市における地方創生がさらに加速していくものと考えております。このような形で、議員御案内の本市における第2期の地方創生を進め、5つの基本目標の方向性に基づく重点的な取り組みを進めてまいりますことで、まち・ひと・しごとの好循環・好影響を本市全体でつくり出し、また都市部も農山村部もともに発展する本市全体の発展の実現を目指しまして、住んでよかった、これからも住み続けたいと思える定住実現のまちづくりに全力で取り組む考えでございます。御支援とまた御協力をよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 それでは、次の項に移りたいと思います。山口・小郡都市核づくりについて、お尋ねをいたします。御案内のとおり、山口県は過疎もなく過密もないという分散型の都市構造という特性を有しており、広島と福岡の地方中枢都市圏に挟まれている中で、県央部に60万人から70万人の広域経済・交流圏を形成し、高次都市機能の集積した広域県央中核都市を実現していくことは、平成の大合併前から本県の経済活力の維持と県民福祉の向上を果たしていく上で最重要課題であったと認識しており、県都として本市の果たす役割は非常に大きいと思っております。平成の大合併以降、渡辺市政において都市政策の柱の一つとして「広域県央中核都市づくり」を掲げられ、一貫して山口・小郡の両都市核づくりに積極果敢に取り組まれてこられました。第二次山口市総合計画の基本構想においても、山口都市核には新本庁舎の整備を、そして小郡都市核には産業交流拠点施設の整備を進めることとされ、2つの都市核の特性を生かしたまちづくりにより、人口減少時代にあっても県央部等における圏域全体の経済成長を牽引し、生活関連機能サービスを向上することが可能となる高次の都市機能の集積・強化を図っていくことがうたわれております。そして、執行部におかれては、現在、山口・小郡都市核づくりマスタープランの改定が進められており、その基本構想の骨子案の中で、ゾーンの拡大や新たな交通軸の考え方を示されるとともに、各ゾーンにおける今後の発展の方向性について示されたところであります。今後とも両都市核づくりを進めていかれるという市長の強い思いを感じたところでもあります。こうした中、令和2年度当初予算案において、山口都市核づくりでは、新本庁舎整備の実施設計や第3期の中心市街地活性化基本計画の策定などを進めることとされておられます。また、中央公園をコンベンションやイベントの誘致を図るためのユニークベニュー空間としての整備や、先般執行部から示された多世代交流・健康増進拠点施設整備基本計画の素案の中では、現在検討されている導入機能の整備方針についても説明があり、その中で多目的スペースや大屋根広場を活用した交流機能など、都市核づくりに向けた新たなアプローチによる取り組みも感じたところであります。一方で、小郡都市核づくりでは、産業交流拠点施設の開館に向けた準備にあわせて、市街地再開発事業が進められるなどの民間投資の動きも活発化していると思います。そこでお尋ねをいたします。両都市核を結ぶ交通軸やユニークベニュー空間の整備といった新たな発想も取り入れる中で、今後、どのように両都市核づくりを進められ、本市全体の発展につなげていかれるのか、市長の思いをお伺いしたいと思います。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 山口・小郡都市核づくりについての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、山口・小郡都市核づくりマスタープランにつきましては、広域県央中核都市の形成に向けまして、その核となる山口・小郡両都市核の基本的な方向性や整備計画などを明らかにするものとして、平成20年の8月に策定をいたしたものでございます。これまでの山口・小郡の両都市核づくりについてでございますが、まず山口都市核づくりにつきましては、住みよさと創造が織りなす“文化交流拠点”の形成を基本方向といたしまして、都市核づくりを進めてきたところでございます。亀山周辺・中心商店街ゾーンにおきましては、山口都市核を一望できる亀山公園山頂広場の整備、中心商店街の東の核としての複合商業施設マルシェ中市の整備、一の坂川交通交流広場の整備、定住を促す借上型市営住宅の整備や市内初めてとなります市街地再開発事業でございます黄金町地区第一種市街地再開発事業への支援など、中心市街地活性化基本計画に基づく中心市街地の再編整備を進めてまいりました。大内文化ゾーンでは、龍福寺本堂の檜皮葺屋根の修復や大内氏館跡池泉庭園の整備、歴史めぐりの庭の整備を初めとした菜香亭のリニューアル、十朋亭維新館の整備など、ゾーン全体の回遊を促す拠点整備を進めてまいりました。また、情報・文化ゾーンにおきましては、山口情報芸術センターや中央図書館を中心に、本市の芸術文化の創造や次世代を担う子供たちへの教育支援などの活動を展開し、高い創造性と情報文化機能を有する都市空間、そして中央公園を中心とした憩いの都市空間を創出する取り組みを進めてまいりました。さらに、湯田温泉ゾーンでは、湯田温泉駅前における駐輪場や公衆トイレ等の一体的な整備、公園通りや湯の町通りなどの各通りの美装化等の修景整備、バス停や6カ所の足湯の整備、湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」や、何遠亭を含みますところの井上公園の整備など、広域的な宿泊・保養拠点としての湯田温泉の機能強化を進めてまいりました。次に、小郡都市核づくりにつきましては、街の快適さと営みが広がる“産業交流拠点”の形成を基本方向といたしまして、都市核づくりを進めてきたところでございます。JR新山口駅周辺を区域とする新山口駅再生ゾーンでは、新山口駅や周辺市街地を中心に県全体の玄関にふさわしい交通結節やアクセス機能の強化などのターミナルパーク整備を初めといたしまして、既に橋上駅舎や南北自由通路、北口駅前広場などの供用を開始いたしているところでございます。また、長通り雨水幹線の改修などの浸水対策事業や長谷ポンプ場の移転・新設整備など、市街地形成に欠かせない都市基盤整備も進めてまいりました。こうした山口・小郡の両都市核づくりの取り組みの結果、平成27年国勢調査におきまして本市の人口は増加し、堅調に推移しておりまして、観光客数を初めJR新山口駅や湯田温泉駅の利用者数などの交流人口、さらには本市全体の従業者数もおおむね増加傾向となっておりますほか、新山口駅周辺の地価の上昇傾向もみられますことから、両都市核づくりを中心とした本市の広域県央中核都市づくりの成果があらわれているものと認識をいたしております。こうした中、本市におきましては、少子化による生産年齢人口の減少、また若者を中心とした東京圏を初めとした大都市圏への人口流出、さらには2040年ごろには高齢者人口がピークを迎えるなど、本格的な人口減少社会に突入し、労働力を初めとした経営資源などにさまざまな制約が見込まれる時代を迎えようといたしております。人口減少時代や少子高齢社会にあっても、本市が県勢の発展を牽引し、一定の圏域人口を有した活力ある社会経済を維持していくためにも、引き続き広域県央中核都市づくりを進めていく必要がございます。また、本県が分散型都市構造にある中で、本市と宇部市が中心となって圏域全体の経済成長を牽引し、高次の都市機能を集積し、若者等の雇用の受け皿となるサービス業の振興などを図ることで、東京圏を初めとした大都市圏への転出超過に歯どめをかけるため、連携中枢都市圏の取り組みを推進していく必要がございます。こうした視点も踏まえまして、現在、都市核づくりマスタープランの改定を進めておりまして、このたび基本構想の骨子案をお示しいたしたところでございます。このたびの改定の方向性は、引き続き、両都市核の特性に応じてそれぞれの個性を磨き上げますとともに、これまでの両都市核づくりの取り組みの成果を対流型のまちづくりを通じまして、本市はもとより県央部の発展にいかにつなげていくかという点にあると考えているところでございます。また、本市の未来を確かなものとしていくための都市基盤整備を揺るぎないものとするため、おおむね20年後となる2040年ごろの本市の都市像を見据えた長期的な視点で見直しを行うことといたしたところでございます。骨子案でお示しいたします都市核の基本方向についてでございますが、山口都市核は山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造拠点づくりを、そして小郡都市核は山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを改めて掲げまして、それぞれの都市機能を特化させ、両都市核は互いの特性に応じて個性を磨き上げるというこれまでと同様の方向性のもと、都市部も農山村もともに発展するという好影響・好循環の対流型のまちづくりを一層進めますことで、大都市圏への若者の流出に歯どめをかけますとともに、市内のあらゆる地域で安心して住み続けることができる本市全体の持続可能な発展を目指すことといたしてまいりたいと考えております。この基本方向や各エリアが有しております高次都市機能の特性を踏まえまして、まずは対象エリアの見直しを行ったところでございまして、山口都市核の対象エリアにつきましては、基本的には現行のマスタープランと同様に、亀山周辺ゾーンと中心商店街ゾーン、大内文化ゾーン、情報・文化ゾーン、湯田温泉ゾーンの5つのゾーンを設定いたしておりますが、このうち、大内文化ゾーンの範囲を綜合病院山口赤十字病院周辺まで拡大するなど、今後、土地利用が進んでいくことが期待されるエリアをゾーンに加えることといたしております。次に小郡都市核の対象エリアにつきましては、現行プランでは、市街地形成ゾーンと新山口駅再生ゾーン、業務集積ゾーンの3つのゾーンを設定いたしておりましたが、市街地形成ゾーンと業務集積ゾーンの2つのゾーンに整理することといたしております。新山口駅北側の市街地形成ゾーンにつきまして、国道9号改良工事による沿線環境の改善などの新たな都市基盤整備が進み、土地利用の推進に向けての環境整備が整いましたことから、北側の範囲を市道昭和通り国森線まで拡大するなどの見直しを行うことといたしております。また、新山口駅南側の業務集積ゾーンにつきまして、エリアの増減はございませんが、将来的な土地利用の考え方を明確にいたしたところでございます。こうした新たなエリアのもと、今後、両都市核における具体的な取り組みを検討してまいりたいと考えてります。現時点で私が思い描く両都市核の取り組みの方向性といたしましては、まず山口都市核についてでございますが、亀山周辺ゾーン及び中心商店街ゾーンにつきましては、山口都市核の行政・文化・商業の中心地区としての魅力をさらに高めるため、一体的なまちづくりが可能となるような取り組みを考えてまいりたいと思っております。そのために新本庁舎の整備につきましては、令和6年度の供用開始を目指して建てかえ整備を進めてまいりますほか、新本庁舎整備に伴う周辺の回遊性や連続性を高めるため、早間田交差点等の改良を初めとした市民会館周辺街区整備の方向性など、周辺の都市基盤整備について検討してまいります。また、中心市街地活性化の取り組みを継続してまいりますため、第3期山口市中心市街地活性化基本計画の策定につきまして、都市核づくりマスタープランの改定と歩調を合わせる形で取り組んでまいりたいと思っております。また、大内文化ゾーンにつきましては、大内文化に息づく進取の気風を基盤として形づくられたまちなみなど、本市の歴史や文化、伝統を継承し、守り、次の世代に大切に受け継いでいくため、引き続き歴史文化資源の再生整備を図ってまいります中で、築山跡の憩いの広場の整備、道路美装化を初めとした修景整備を行ってまいります。また、国道9号と国宝瑠璃光寺五重塔へのアクセス道路整備や、竪小路の県道山口旭線の修景整備などにつきましても、県との連携のもとで整備の方向性を検討してまいりたいと考えております。情報・文化ゾーンにつきましては、山口情報芸術センターや中央図書館、情報関連産業、デジタルコンテンツの教育機関などが立地している特性を生かしまして、クリエーティブ人材を創出するとともに、Society5.0時代における本市の未来を担う人材育成についても取り組むなど、情報文化都市づくりを推進してまいります。また、このゾーンは、山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画でございます山口市版の立地適正化計画におきまして、医療や教育分野等の機能誘導の位置づけがなされているゾーンでございますことから、済生会山口総合病院の建てかえ支援とあわせて、病院へのアクセス性の向上や周辺道路等のバリアフリー化などを図る整備を進めるなど、人生100年時代に向けた取り組みを推進してまいります。さらに中央公園は、日ごろから子育て世代を初めとするあらゆる世代に親しまれておりますとともに、休日には多様なイベントを実施し、市内外から多くの方が訪れておりまして、多様な人材の交流の場となってきているところでもございます。また、令和2年度には、東京2020オリンピック聖火リレーのセレブレーションを初め、山口ゆめ回廊博覧会のプレイベントにおける本市の主会場の一つとしても活用されることとなっております。こうした特性を生かし、さらなるにぎわいの創出に資するよう、中央公園においてコンベンションやイベントの誘致を図るユニークベニュー空間としての整備を進めてまいりまして、ここから生み出される新たなにぎわいや交流が、大内文化ゾーンや中心商店街ゾーン、県内最大規模の宿泊拠点であります湯田温泉ゾーンにも波及し、山口都市核、さらには本市全体のにぎわいの創出や魅力の向上につながるものにいたしてまいりたいと考えております。次に、湯田温泉ゾーンにつきましては、人々が訪れるだけの都市空間ではなく、地元住民が生活を楽しむ姿に市外・県外の皆様が引きつけられ、さらなる定住や交流につながるという持続的な発展を続ける都市空間をつくる、住んでよし・訪れてよしの湯田温泉に向けた取り組みを引き続き推進いたしてまいりたいと考えております。こうした中、現在、多世代交流・健康増進拠点施設の整備に向けた基本計画の策定を進めているところでございまして、老人憩いの家寿泉荘の温浴機能を多世代型の温浴機能として更新をいたし、緑地空間などの広場機能とあわせまして、市内外の多くの人々が集い、多様な交流や温泉街への回遊の起点となる交流機能などの整備を検討いたしているところでございます。また、このうち交流機能では、日常的には幅広い世代の人々が集うたまり場として利用するほか、大規模なイベントにも対応できる空間となるよう整備を検討いたしているところでございまして、産業交流拠点施設で開催されるコンベンション後の催しや交流会などのいわゆるアフターコンベンションを誘引するといった、湯田温泉ゾーンや山口都市核の他のゾーンへのにぎわいの波及効果をもたらす取り組みなども展開してまいりたいと考えております。また、本施設は、宿泊拠点であります湯田温泉への人の流れを誘引する役割を果たすため、施設の周辺エリアにおける道路整備を初め、錦川通りの修景整備や錦川通りから拠点施設へのアクセス性の向上などの整備による回遊性向上も図ってまいりたいと考えているところでございます。さらには、湯田温泉を中心とした周辺観光との周遊・連携ネットワークの形成に向けまして、中国自動車道湯田温泉スマートインターチェンジが本年3月21日に開通いたします中で、湯田温泉スマートインターチェンジと湯田温泉街をつなぐ県道泉町平川線──いわゆる山大通りの渋滞状況に鑑みますと、湯田温泉ゾーンの外周道路の機能強化の必要性が高まっております。こうしたことから、都市計画道路一本松朝倉線の未整備区間の整備につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。このように各ゾーンが有する機能や地域資源、既存ストック等の魅力をさらに高め、人の流れを誘引できる社会基盤整備や施設整備に取り組んでまいりますことで、山口都市核全体の魅力の向上につなげてまいります。次に小郡都市核についてでございますが、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりの原動力となります産業交流拠点施設の整備、新山口駅南口駅前の広場の整備などに引き続き取り組んでまいりますとともに、こうした動きの波及効果として市街地形成ゾーンにおいて実施される新山口駅北地区第一種市街地再開発事業への支援も行ってまいり、民間事業者の皆さん方と一体となりまして、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを進めてまいります。また、駅南側の業務集積ゾーンにつきましても、駅北側と連携を図る中で、まずは新山口駅周辺においてオフィスや事業所等の集積を促進してまいりたいと考えております。このような形で山口都市核と小郡都市核は、互いの個性を磨き上げてまいります中で、両都市核の効果を発揮していくために、都市核間の連携に向けた明確な軸が必要でございます。そうしたことから、このたびの改定に当たりましては、明確な軸を設定いたしまして、この軸をもとに都市核間の連携強化、とりわけ都市核間における経済活動や社会活動に人や物などの物理的な移動の円滑化に資する交通ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、山口都市核と小郡都市核を結び、人の交流や物流といった経済活動などを支える主要幹線道路や鉄道などを都市軸とし、都市軸と各ゾーンを結び、各ゾーンへ人の流れを誘導する外周道路を交流軸とし、また、本市の広域的な求心力や拠点性を高めていくために、本市と他都市とをつなぐ空の玄関口であります山口宇部空港や山口県央連携都市圏域の他都市と本市を結び、広域的な求心力や拠点性を高めていくための広域高速交通網を広域連携軸として位置づけることといたします。この3つの交通ネットワークを交通軸として位置づけ、MaaSや自動運転などによる次世代交通サービスの導入、また5Gやビッグデータ、IoTなどの革新的技術の活用等、今後の環境変化も視野に入れながら、経済活動や社会活動を促す人や物などの物理的な移動を円滑にしていくための具体的な連携方策につきまして検討をいたしてまいります。山口・小郡両都市核づくりマスタープランの改定に当たりましては、こうした交通軸の設定やにぎわいの相乗効果を図る仕掛けづくりなどの新たな発想で、両都市核間の連携方策を検討いたしながら、引き続き、山口・小郡両都市核が持つ特性を踏まえた広域交流拠点の形成とともに生み出される、好影響・好循環の対流型のまちづくりの実現により、圏域のさらなる価値創造や経済循環を図る持続可能なまちづくりのグランドデザインとなりますよう、令和2年度末の策定を目途に改定を進めてまいりたいと考えております。皆様方の忌憚のない御提案、御意見を賜りまして、活発な御議論をいただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、瀧川勉議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  32番、村上満典議員。               〔32番 村上満典議員登壇〕 ◯ 32番 村上満典議員 皆様、ごきげんよう。公明党の村上満典でございます。通告に従い、順次質問をさせていただきます。市長並びに関係参与の皆様方の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  大項目の1点目は、本定例会に上程されました予算案で計上されている各種事業を含む令和2年度以降の取り組みについて、数点お伺いいたします。その1点目は、市役所における障害者雇用率についてでございます。2年前の平成30年8月、山口市における公官庁としての障がい者雇用率が1.41%であることが判明しました。この数値は、障害者雇用促進法において定められた公官庁における法定雇用率2.5%を大きく下回るものでしたが、その後、ワークステーションの設置や定期的な研修の実施など、障がいをお持ちの方から選んでいただける職場環境への充実策を進める中で、昨年9月議会における私の一般質問に対し、障がい者雇用率が2.35%になったことを御答弁いただいたところであります。来年度以降の取り組みにも大いに期待しているところでありますが、まず現時点における障がい者雇用率の現状と、今後どのような展望を描いておられるのか、お伺いいたします。また、継続的に取り組まれていく中で大切なのは、よい点を伸ばし、悪い点・改善可能な課題を抽出し見直していく、いわゆるPDCAサイクルであると考えます。そこで、今年度──令和元年度の取り組みを踏まえ、来年度以降の課題をどのように捉え、どうしていこうとされているのか、御所見をお伺いします。次に、健康長寿のまちづくりについてお伺いします。令和2年度予算案には、重点プロジェクト6として、生涯にわたって元気に暮らすことのできる健康長寿のまち実現のための諸施策が掲げられております。特定健康診査等事業の拡充や認知症や生活習慣病予防に向けた実証事業の実施など、その取り組みを大いに評価するとともに期待もしているところですが、医療・介護等を含む社会保障費の増加が、国・地方自治体の財政を逼迫し続けている現状の中で、理想の事業展開、全ての市民が満足する施策が実現できているのかというと、まだまだ厳しい御意見をお持ちの方も多いのではないでしょうか。限られた予算の中で何に注目し、どのような施策に重点を置くべきか、非常に難しい問題であります。決して楽観できない厳しい状況の中ではありますが、多くの方に御理解いただける取り組みの一つが予防医療であると考えます。健康な体を維持していく、病気になるリスクを低減していく、また病気になったとしても重症化を防ぎ、健康な体を維持していくという方向に施策を展開していくということは、市民理解を得られる方向性ではないかということであります。もちろん医療費全体の削減という意味でも大きな効果が見込めるでしょう。そこでまずお伺いいたします。生涯にわたり元気で生き生きと暮らすことのできる健康長寿のまちづくりの実現に向けては、市民の主体的な健康づくりを支える取り組みとして、病気を未然に防ぐこと、病気を早期に発見し早期に治療すること、さらに病気の重症化を防ぐことが重要であると考えますが、このような視点で見た場合の市の施策の課題認識と来年度以降の取り組みについて御所見をお伺いします。また、このような考え方のもと、有効な施策の方向性の一つとして、生涯を通じた歯と口腔の健康保持があると考えます。しかし、現状はと申しますと、日ごろの歯磨き等はするにしても、痛くなるまで歯医者にはかからないという方が多いのではないかと考えます。かくいう私も歯が痛くなっても耐える、できるだけ歯医者には行きたくないと考えていた人間でありまして、結果として歯並びは褒められたものではない。当然多くの治療費を払ってきた人間であります。ある歯科医療関係者にお話をお伺いしましたところ、健診等により要治療とされた方の中にも、歯が痛くなるまで放っておき、結果として重症化する方が本当に多いとの見解をお持ちでありました。一方で、夏休みなど、学校の長期休暇の時期と年末・年度末などに、他の時期に比べ多くの患者さんが通院される傾向にあり、忙しくない時期に早目の治療を心がける方が多くなれば、結果として医療費全体の縮小もできるのではないかとの考えに至った次第であります。この点について前述の医療関係者もおおむね好意的な御意見でありました。では、このような考え方のもと、市行政として取り組むことのできる施策展開はあるのかということなのですが、歯科医師会の御意見をお伺いしながら事業展開を模索することも有効ではないでしょうか。素人考えではありますが、歯科医師の繁忙期を外した閑散期という言い方は正しくないのかもしれませんが、比較的繁忙期でない時期にしか使えない歯科治療に係る無料クーポン券の発行なども、私には考えつくところであります。そこでお伺いします。生涯を通じた歯と口腔の健康保持については、早期治療につながる取り組みが重要であると考えますが、いかがでしょうか。歯科治療に係る無料クーポン券の発行なども含め、御所見をお伺いします。続きまして、森林環境の保全への取り組みについてお伺いします。平成24年度に策定された山口市森林・林業ビジョンには、地域産業を支える活力に満ちた林業の振興や市民の生活環境を守る森林保全などを実現するための具体的目標が掲げられております。具体的には、森林経営計画認定森林面積や森林の境界を明確にした面積、造林作業路整備済延長など、計画策定からおおむね50年後の将来を見据えた中で、平成35年、つまり令和5年までの10年間で達成すべき目標であります。これらの目標に対する進捗状況につきましては、過去の議会においても取り上げさせていただきましたが、ビジョンに掲げる50年後の未来に向けて、現在の進捗をどのように捉えておられるのでしょうか。私は、具体的な目標を達成することは当然大切であると考えますが、目標を達成することで得られるはずの山口市における林業振興や森林環境の保全は思い描いたものとなっているのかがポイントであると考えます。そこでまず平成25年3月に策定した山口市森林・林業ビジョンに掲げた具体的な数値目標である森林経営計画認定森林面積、森林の境界を明確にした面積、造林作業路整備済延長について、現在の進捗状況についてお伺いするとともに、こうした目標の達成に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。本定例会に上程されております議案第26号山口市基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部を改正する条例は、森林の整備及び促進を図ることを目的に、山口市森林環境整備基金を新設しようとするものであります。議会初日に渡辺市長から御説明があったように、この基金の原資は国から譲与される森林環境譲与税であります。この予算規模についても気になるところでありますが、問題はこの基金をどのように活用していくのかということであります。私は、何より人材の育成が急務であると考えます。それは、現場において実際に作業をする方々はもちろん、事業の管理あるいは監視をしていくべき行政職員にも当てはまるものと考えます。そこでお伺いいたします。森林環境の保全を図っていくためには、行政職員を含む広い意味での担い手育成が重要であるとの考えのもと、森林環境譲与税の譲与を契機とする山口市森林環境整備基金の活用方針について御所見をお伺いいたします。続いての項目は、新交通システムの展望についてであります。本定例会に上程されている予算案には、山口・小郡両都市核における新たなモビリティサービスの調査・実証事業が掲げられておりますが、今回私が取り上げますのは、御高齢の方々を中心に日々の生活の中における身近な移動手段、例えばバス停に行くまでの移動が難しくなってきている、もっと言うと、商店街に行っても商店街の中で店から店への移動もままならなくなってきた等の声に、何らかの施策展開はできないだろうかという視点であります。今から2年前、2018年の6月、政府は新たな成長戦略として2020年をめどに、公道で運転手がいないバスやタクシーのような移動サービスを始め、2030年までに全国100カ所以上で展開する目標を掲げました。この報道を目にした当時の私の感想としましては、車通り・人通りの少ない比較的広い道で、短距離とは言いませんが、比較的短いスパンなら可能かもしれないなというものでした。実証運行ならともかく、2030年までに100カ所以上での定常運行の展開は可能となるのだろうかと。しかし、現代科学の進歩は目覚ましく、茨城県境町では、本年4月から自動運転バスの公道での定常運行が始まるとの報道もあったところであります。この件に関する報道資料は、同僚議員の皆様にはタブレット端末のインサークルにURLを事前に送らせていただいております。執行部の皆様にもお送りしたかったのですが、タブレット端末をお持ちでないので残念であります。現行の法律上の問題から運転士に当たる方が同乗はするようですが、運転席もハンドルもない、実質的な自動運転バスということであります。路線延長は片道2.5キロメートル、往復5キロメートルで、順次ルートをふやしていく予定とのことであります。コンセプトは横に動くエレベーターだそうであります。このような先進事例を見聞きすると、この先進事例がなぜ山口市ではないのだろうかと考えていってしまいます。山口市の中心商店街のアーケードは約700メートルでほぼ直線。ほぼ直線一本のアーケードとしては日本有数であるそうであります。すごいのかどうなのかよくわからないのですけれども。この700メートルを超える商店街に横に動くエレベーターがあればどうでしょうか。歩行者・自転車との接触が一番最初に頭に浮かびますが、この点は技術的にはほぼクリアできているようですし、話題性は抜群であります。逆に自転車・歩行者の側の意識が向上すればむしろ安全になるのではないかとすら思いますし、何より利便性が向上します。郊外の大型住宅団地にはバス停までの距離が遠く、また高低差の激しい地域もあり、横に動くエレベーターがあれば助かるのにと考える住民も少なくないと考えます。夢物語のようですが、問題解決のために実証実験、試験運行に積極的な自治体は既に始めており、早々にも本格運行が行われようとしている地域もあるのに、おくれている自治体が全国的に多いという実態を我々は直視しなくてはなりません。我が山口市もAIの活用や自動運転技術の展開という点では、現時点でほとんど取り組めていない自治体の一つであります。そこでお伺いいたします。令和2年度予算案には、都市核間における新たなモビリティサービスの実証事業が挙げられています。都市核間の移動を確保することは重要であると考えますが、それに加え、バス停までが遠いという声も多く、いわゆるラストマイル対策への自動運転も検討が必要ではないかと考えます。全国的にもAIの活用や自動運転バスの実証実験などの取り組みが進んでいる中で、山口市においてもアーケード商店街や団地内といった限られた空間においては、実証実験も比較的容易にできるのではないでしょうか。令和2年度だけでなく、未来を見据えた山口市の新交通システムの展望について御所見をお伺いし、この項目1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 午後1時まで休憩いたします。                  午前11時56分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時00分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 村上議員の御質問にお答えをいたします。  私からは、まず森林環境の保全についてでございます。御案内のように広大な森林を有する本市におきましては、成熟期を迎えております豊富な森林資源は本市の活力のある産業創造に向け、欠くことのできない、また大きな可能性を持った貴重な財産でございまして、産業や暮らしに恵みと潤いを与える多面的な機能が持続的に発揮され、そうした豊かな森林として次の世代にも引き継いでいかなければならないと認識もいたしているところでございます。こうしたことから本市におきましては、平成25年3月に山口市森林・林業ビジョンを策定し、今後の森林政策における基本方針をお示しいたしますとともに、令和5年を目標年次といたしまして、本ビジョンの展開方針に沿った施策ごとの具体的な目標を定めたところでございます。まず、お尋ねの3点の目標についての平成30年度末時点での進捗状況について申し上げます。1点目の森林経営計画認定森林面積につきましては、2万3,500ヘクタールの目標に対しまして1万5,934ヘクタールを、2点目の森林の境界を明確にした面積につきましては、1,000ヘクタールの目標に対しまして3,293ヘクタールを、3点目の造林作業路整備済延長につきましては、3万8,000メートルの目標に対しまして6万2,598メートルをそれぞれ実施いたしているところでございまして、それぞれの項目におきましても順調に事業の実施が図られているものと認識をいたしているところでございます。こうした中で、令和2年度当初予算におきましては、林業振興費及び林道費を合わせまして約4億8,000万円を計上いたしておりまして、造林等補助事業による所有者負担の軽減を通じた森林経営計画面積のさらなる拡大に努めますとともに、森林境界明確化促進事業につきましては、約300ヘクタールの森林の境界明確化を図ることといたしておりますほか、造林作業路の整備につきましては、約4,500メートルの新規整備に加え、維持補修作業等もあわせて行うなど、本ビジョンに掲げております諸施策をさらに推進させていくことを念頭に置いた予算計上をいたしているところでございます。次に、森林環境譲与税に関するお尋ねでございますが、御案内のとおり平成31年4月から森林経営管理制度が開始され、この制度に必要となりますその財源につきましては、森林環境譲与税として今年度から譲与が開始されたところでございます。令和2年度の本市の歳入予算におきましては、約1億100万円の森林環境譲与税を見込んでおり、新たな制度に関する意向調査や調査に基づく間伐作業、担い手の育成等に活用することといたしております。とりわけ議員から御案内のありました担い手の育成につきましては、これまで日本型フォレスター等育成支援事業の中で、林業従事者の技術習得や研修会への参加支援、住宅手当の助成等を行い、新規就業者の確保・育成に取り組んできたところでございますが、令和2年度におきましては、当該譲与税を活用いたしまして担い手育成のための支援策をさらに拡充する予定でございます。具体的には、就業から3年間を支援の対象としておりました事業につきまして、安全性や労働環境の向上につながる内容につきましては、4年目以降の従事者も対象とすることや、資格取得や各種安全衛生教育等の支援対象の拡大、他市からの移住者に対する支援など、国・県等によります既存の人材育成施策と相互に補完し合いながら、林業従事者のさらなるスキルアップを図ってまいりたいと考えているところでございます。また、本市の職員につきましても、新たな森林経営管理制度が開始されたことに伴いまして、30年、あるいは50年、100年先を見越した長期的な視点に立った森林管理の組織的遂行能力がこれまで以上に求められることとなりますことから、成熟度に応じた各種研修会に参加するなど、県の林業普及指導員との連携も図りながら、必要となる技能や知識の習得に努め、研さんを積ませてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、森林環境譲与税は既存の事業だけでは森林の整備が追いつかない未整備林の解消に向けた新たな森林経営管理制度の取り組みに活用することといたしておりますが、譲与税に関する当該年度の余剰金につきましては、本議会に議案として提出をいたしております森林環境整備基金に積み立てをいたしまして、今後拡大してまいります民間私有林等、対象森林の森林整備やその促進のために有効に活用してまいる考えでございます。次に、新交通システムの展望についてお答えをいたします。議員御案内のとおり、高齢化の急速な進展に伴い、高齢者の移動手段の確保が喫緊の課題となっておりまして、都市核間を含めた基幹路線の確保とともに、自宅や目的地からバス停・駅までのいわゆるラストマイル対策に取り組んでいく必要があると考えております。こうした中、新年度に予定いたしております新たなモビリティサービス調査・実証事業につきましては、小郡都市核に産業交流拠点施設を整備することにも伴いまして、そのコンベンションの参加者等を湯田温泉を初めとした山口都市核にも誘導することで経済効果を市内全体に波及させることを目的として、既存の公共交通を生かしながら、それを補う新たなモビリティサービスを創出するために、交通流調査や運行情報のデータ収集・分析とともに、相乗りタクシー等の実証やラストマイル対策としてのシェアサイクルや小型モビリティの実証、そしてこれら移動手段を連携させるMaaSシステムの構築に向けた調査・研究を県と一体となって取り組んでまいることといたしております。この調査の中でもラストマイル対策等におきましてもどのようなニーズがあるのか、どのような手法が本市において有効であるのかを研究してまいりたいと考えております。また近年、公共交通の運転士確保も深刻な課題となっておりまして、自動運転技術につきましてはそれを補う有効なものとして注目されているところでございまして、そのための自動運転技術に係る実証研究も進めてまいる必要があると考えております。また、議員御提案のアーケード商店街や高低差がある団地における自動運転車両の運行につきましても検討対象としていく必要があると考えております。そうしたことから、既に今年度におきまして自動運転技術を初めとするAI、IoTの技術を有するモネテクノロジーズ株式会社等と次世代運行サービスに係る施策等の連携についての覚書を締結しているところでございます。今後、各地の先進事例や国の制度活用、企業の動きも踏まえまして、技術的な可能性と同時にその運行主体や機能の役割分担等についても具体的な検討をいたしてまいりたいと考えております。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは障害者雇用率についてお答えをいたします。本市の障がい者雇用につきましては、今年度新たに22名の障がい者を雇用し、昨年7月に山口労働局へ障害者である職員の任免に関する状況の通報による報告をいたしたところでございまして、本市の障がい者雇用率は、前年と比較して1.15ポイント増の2.35%でございました。本市の取り組みといたしましては、今年度から職員課内に障がい者雇用推進室を設置いたしまして、障がい者の働く場として設けたワークステーションの運営を行ってまいりましたが、その能力を最大限に発揮し、適性に応じて働くことができるよう定期的な面談や日ごろからのコミュニケーションを通じて、個々の障がい特性を理解し、それに応じた職場環境の充実を図ってまいりました。さらにそれぞれの能力や意向を踏まえまして、ワークステーション以外の所属へ配置するなど、各部局での障がい者の受け入れも積極的に進めてまいったところでございます。また、障がい者を対象とした正規職員の採用試験については、今年度から等級にかかわらず全ての身体障がい者の方を対象としたほか、知的障がい者、精神障がい者の方も対象に加えるとともに、年齢要件を34歳まで引き上げて募集を行ったところでございまして、2名の方を採用する予定といたしております。こうした取り組みによりまして、来年度の本市の障がい者雇用率は約2.7%を見込んでいるところでございまして、法定雇用率が達成できる見通しとなっております。次に、障がい者雇用の取り組みにおける今年度の課題についてでございますが、受け入れる側の障がい特性の理解不足や理解が不足していることによる対応のおくれなどがございまして、安定した職場定着につながらなかったケースもあるものと認識しているところでございまして、職場内でのマネジメントや健康管理、必要な配慮の提供など、障がい特性に応じたサポートのさらなる充実が必要と感じているところでございます。こうしたことから、障がい者や各職場における支援を専門的な見地から行うため、障がい者雇用支援員及び障がい者生活相談員による相談体制を強化するとともに、障がい者の方々に相談窓口を周知することにより、就業面における不安を解消できるようサポート体制を整えてまいりたいと考えております。また、就業面以外の不安を解消していくことも必要であり、状況に応じてかかりつけ医や支援事業所等の関係者及び関係機関と連携しながらしっかりとサポートをいたしまして、安心して働き続けられる職場環境づくりを目指してまいる所存でございます。また、昨年6月に障害者の雇用の促進等に関する法律の一部が改正されたことに伴い、障がい者である職員の職業生活における活躍の推進に関する計画として、障害者活躍推進計画の作成が義務づけられましたことから、本年4月の公表に向けて作成を進めているところでございます。この計画は、法定雇用率の速やかな達成に向けた取り組みを進めることが求められている一方、障がい者が活躍しやすい職場づくりや人事管理を進めるなど、雇用の質を確保するための取り組みを確実に推進することを目的に作成するものでございまして、採用や雇用定着に関する具体的な目標を定量的に設けまして公表することといたしております。こうした中、本市といたしましては、職員一人一人が障がい特性について理解を深め、その特性に応じた配慮が必要であることの認識を深めるため、管理職を初め、全ての職員を対象とした研修を継続的に実施し、障がいがあるないにかかわらず、ともに働く職場づくりを進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、障害者雇用促進法の趣旨を踏まえまして、障がい者の雇用の安定を図るためにも、一事業所として障がい者雇用のあり方をしっかりと検討し、住みなれた地域で安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向けまして、引き続き、障がい者雇用の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本健康福祉部長。              〔健康福祉部長 楳本和正君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(楳本和正君) 私からは、健康長寿のまちづくりについてお答えいたします。本市におきましては、市民の皆様が生涯にわたり元気で生き生きと暮らすことができますよう、健康長寿のまちづくりを進めているところでございます。市民一人一人の主体的な健康づくりを支えるためには、議員御案内のとおり、病気の予防や早期発見・早期治療、さらには重症化予防の取り組みが重要であると認識しており、健康的な生活習慣の確立や、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の発症及び重症化の予防に計画的に取り組んでいるところでございます。病気の予防のための取り組みといたしましては、健康的な生活習慣を実践されている方に特典を付与いたします元気いきいきポイント事業や事業所訪問による健康チェック等により、職場全体での健康づくりを支援いたします働く世代健康コンシェルジュ事業を実施しているところでございます。また、病気の早期発見・早期治療のための取り組みといたしましては、がん検診や生活習慣病予防のための特定健康診査等の健診、病気の重症化予防の取り組みといたしましては、精密検査の未受診者や治療の中断者等への訪問、電話、文書送付による受診勧奨をそれぞれ行っているところでございます。こうした中、健診の受診率が伸び悩んでいるという課題がございまして、市民の皆様が自身の健康状態を理解された上で生活習慣の改善や必要な治療に取り組んでいただくためには、受診率の向上が必要であると考えております。こうしたことから令和2年度からは、国民健康保険の特定健康診査において全ての受診者の自己負担額を無償化するなど、受診しやすい環境づくりに取り組むことといたしております。また、本年1月には明治安田生命保険相互会社との健康増進に関する連携協定を締結いたしまして、市民の皆様へ健診の受診を呼びかける等、健康意識を高める啓発活動をより充実するなど、受診率の向上に向けた取り組みを進めてまいります。次に、歯と口腔の健康は、生活習慣病の予防等、全身の健康に影響を与え、食事や会話を楽しむなど豊かな生活を送る上での基礎となるものと認識いたしており、乳幼児期から高齢期まで各世代に応じた歯と口腔の健康づくりの取り組みを展開しているところでございます。歯科検診につきましては、幼児から高齢者まで各世代において実施しているところでございまして、健診の結果、治療が必要となった方に対しましては、個別に健診結果を説明し、受診を促す等の早期治療への働きかけを行っているところでございます。また、乳幼児や小学生におきましては、医療費の自己負担分を助成する医療費助成制度を拡充し、受診しやすい環境づくりに努めておりますことから、こうした制度とあわせて早期発見・早期治療の必要性を周知しながら、適切な受診につながるよう取り組んでいるところでございます。議員御案内の歯科治療に係る無料クーポン券の発行につきましては、早期受診のきっかけになると考えられますことから、歯科医師会等と引き続き連携を図りながら、御提案も踏まえまして、早期治療につながる取り組みについて研究してまいりたいと考えております。今後とも、健康的な生活習慣の確立など、市民の皆様の主体的な健康づくりの取り組みを進めまして、生涯にわたり元気で生き生きと暮らすことができる健康長寿のまちを目指してまいります。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 村上満典議員。               〔32番 村上満典議員登壇〕 ◯ 32番 村上満典議員 それでは、1)の障害者雇用率について2回目の質問をさせていただきます。市の取り組みに関しては感謝申し上げますとともに非常に評価している一人であります。この障がい者雇用率というのは非常に難しい問題だと私も勉強すればするほど思っている問題でありまして、障がい者雇用率、法定雇用率の2.5%を余りに急いで達成することが目的になってしまうと新たな問題も生じかねないという思いがありまして、この点だけを強調することはしてこなかったつもりであります。幸いにも来年度、ことしには法定雇用率は達成する見込みだということで安堵もしたところなのですけれども、今の法定雇用率の達成というような急ぐことがもしかしたら新たな問題を生じかねないものもあれば、本当に急がないといけないものもあると考えているわけです。その一つが、私は環境づくりの一環として、職員の意識改革であるのではないかと思っているわけです。今健常者だけで構成されている職場に障がいを持たれた方が来るかもしれない、そのときの業務分担がどうなるのかということを考えたときに、後ろ向きな考えをお持ちの方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。そういうことがあっていいのかどうなのかということは、職場環境の改善の大きな要因の一つではないかと思うわけであります。こういった急ぐべき課題というものが私はあると考えているのですけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。質問の内容としては、職員の意識改革というのは本当に急ぐべきではないかと思っているわけですけれども、その点について御所見をいただきたいと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 障害者雇用率の御質問の2回目のお尋ねということで、職員の意識改革を急ぐべきではないかというお尋ねであろうと思います。まさに議員御指摘のとおり、我々が目指しております障がい者雇用のあるべき姿は、本来、障がい者がともに働くことが普通なことで特別なことではないと、その特別な事態に我々が対応するということではなくて、それをいかに普通なことにしていくかということがこの障がい者雇用の本来のあるべき姿であろうと思っております。しかしながら、その一方で、障がい者雇用については、やはり社会進出がおくれてきたという中で、さまざまな経験をそれ以外の職員がしてこなかったということがございます。我々も今障がい者雇用を積極的に進める中で、やはり対応の仕方、配慮、そういったものが欠けていたり、失敗したということもございます。我々としては、課長級のみならず全職員の研修機会を少しでもふやして、少しでも意識改革を早めて、場合によっては失敗も繰り返しながら、しっかりとした共生社会ということの実現を目指して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 村上満典議員。               〔32番 村上満典議員登壇〕 ◯ 32番 村上満典議員 それでは、大項目の2点目、山口市公共施設等総合管理計画についてお伺いいたします。2月10日に開催されました執行部説明会において、現在策定中の山口市公共施設等総合管理計画の個別施設計画及び山口市学校施設長寿命化計画の説明を受けたところであります。この2つの計画はいずれも山口市公共施設等総合管理計画を上位計画として策定されようとしているものですが、総合管理計画にも掲げられている安全性の確保や必要な行政サービスの提供体制の維持、将来的な市民ニーズを含めた総合的な検討を行っていくための基本方針が反映されているのかという視点でチェックしていく必要があると考えます。箱物としての安全性の確保、財政的な見通し、機能維持のための総量検討など詳細な部分を読み取ることはできますが、10年、20年、あるいはもっと先の将来を見据えた個別の施設が有すべき機能について読み取ることが難しいものもあるのではないかと考えています。その一つが、ユニバーサルデザインについてであります。ユニバーサルデザインとは、年齢や障がいの有無、性別、国籍などの違いにかかわらず誰もが使いやすいもの、施設、仕様を示すもので、障がい者など特定の人のための対応を意味しがちなバリアフリーとは似て非なるものであります。バリアフリーは高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の通称名をバリアフリー新法と言うように、法律で縛り、場合によっては規制するものでありますが、勘違いを恐れず私見を述べるならば、ユニバーサルデザインとは法律の上をいく誰もが使いやすいと感じられるような、あるいは、使いやすいという感情すらあらわれることなく誰もが使うことのできる、そんな使いやすいデザインであると考えます。例えば、施設の入り口に段差がある、足の不自由な方などのために手すりやスロープを整備するのはバリアフリー、施設整備時につえをついていようと、車椅子であろうと、自由に出入りできるような施設にしていくことがユニバーサルデザインであります。冷水器を設置する。小さな子供が利用しやすいように踏み台を設置するのは、物理的な障害──バリアを取り除くという点でバリアフリーと言えるかもしれませんが、設置当初より小さい子供からお年寄り、車椅子の方でも利用しやすいデザインの冷水器を設置するのがユニバーサルデザインであります。そのような視点から総合管理計画、あるいは個別計画を見ても、残念ながら私にはユニバーサルデザインに関する記述を読み取ることができませんでした。もしかすると文の底に秘し沈められているのかもしれませんし、そんなことは表記しなくても当然だということかもしれませんが、確認をしておかなければならないと感じた次第であります。あえて補足するならば、ユニバーサルデザインに関する取り組みは施設新設時に限ったことではありません。しかし、一旦でき上がった施設の改修を行うことは、施設の利用を継続しながらの工事や新設時と比べると大きくなりがちな事業費、また他の施設とのバランスなどを考慮すると、現実的に優先順位や考え方を明確にしていく必要があると考えます。そして、そのことは各施設に任せてしまうのではなく、市として市全体の公共施設のマネジメントとして確立し、明確にしていかなければならないと考えます。そこで山口市公共施設等総合管理計画による公共施設の総合的かつ計画的な管理に関し、2点お伺いします。公共施設は一度整備するとその後何十年も使い続けることになりますことから、新設時には高い水準においてユニバーサルデザインの考え方を満たした施設整備を実施すべきと考えます。そのためには、新設時におけるユニバーサルデザインへの対応方針を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いします。また、既存の施設においては、ユニバーサルデザインに加え、トイレの洋式化や防災対応設備の整備など、建設時にはなかった課題への対応が必要となる場合も考えられます。そうした課題への対応については、個々の施設所管課に任せることなく、市の公共施設マネジメントの一つとして、計画的に取り組めるよう方針を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いし、この項目の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 山口市公共施設等総合管理計画についての御質問にお答えをいたします。まず、新設時の整備方針についてでございます。御案内のとおり、国におかれましては平成18年に策定し、平成23年に改正された移動等円滑化の促進に関する基本方針の中において移動円滑化の意義の一つとしてバリアフリー化を進めることにより、どこでも誰でも自由に使いやすくというユニバーサルデザインの考え方に基づいた全ての人に利用しやすい施設等の整備も実現できるとされているところでございます。また、同年に制定されました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー新法におきまして、特定の建築物の新築時等には、国が定める建築物移動等円滑化基準への適合義務が規定されているところでございます。一方、山口県の福祉のまちづくり条例におきまして、特定の公共的施設の新築時等には県が定める構造等基準への適合義務が規定をされているところでございます。さらには山口県福祉のまちづくり条例設計マニュアルにおいて、高齢者、障がいのある人を初めとする全ての人に対応した施設づくりに向けた自主的な取り組みを促進するため、義務規定である構造等基準の解説をするとともに、ユニバーサルデザインの観点から標準的に整備すべき基準を整理した設計標準、より望ましい整備水準や利用者等からのヒアリングにより得られた知見や意見などを整理した望ましい配慮が示されているところでございます。このことから本市において公共的施設を新たに建設する場合には、原則として同法の建築物移動等円滑化基準及び同条例の構造等基準への適合はもとより、同マニュアルにおける設計標準及び望ましい配慮にも考慮いたしまして、いわばユニバーサルデザインに基づくことは法定事項との理解のもと施設の整備を行っているところでございます。また、ユニバーサルデザインは技術向上や利用者ニーズの多様化など社会の成熟度にあわせて常に変化していくものと認識をいたしております。本市といたしましては、今後とも新築及び改築の際には、バリアフリー新法の趣旨や山口県の基準等に照らし、また施設の設置目的や性質、さらには利用状況や利用者の御意見等を参考にいたしながら、当該施設に最適なユニバーサルデザインへの対応を適切に行っていくことを方針といたしているところでございます。次に、既存施設の改修についてでございます。このたび策定いたします個別施設計画におきましては、既存施設の改築や改修時にユニバーサルデザインの考えに基づき、防災設備、トイレ、空調などをそれぞれの施設の状況により求められる社会的要求水準に配慮して、計画的な取り組みを進めることといたしているところでございます。こうした建設時には想定されていなかった新たな機能や社会的要求水準の変化への対応につきましては、本計画の公共建築物保全方針におきまして、大規模改修時に対応することを原則といたし、財源の確保等も含めた中で、その優先順位を定めまして計画的に取り組むことといたしているところでございます。このほか各施設において個別具体的な状況から、早急な対応が必要と判断したものにつきましては、大規模改修を待たずに速やかに実施することといたしているところでございます。本市といたしましては、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づきまして、これからの公共施設の計画的な維持管理、更新を推進することとなりますが、その推進に当たりましては、原則として全ての公共建築物について個別施設計画の公共建築物保全方針に定めるユニバーサルデザインの考え方に基づいて取り組みを進めてまいる考えでございますので、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 村上満典議員。               〔32番 村上満典議員登壇〕 ◯ 32番 村上満典議員 それでは、どちらでもいいのですが、2回目の質問をさせていただきます。山口市にもバリアフリー基本構想というものが平成28年、阿東町との合併を機に改定という形でつくられております。このバリアフリー基本構想の中には、ユニバーサルデザインの考え方は当然反映されているという前提でつくられているわけでございますけれども、市の職員という意味ではありません、全体的にユニバーサルデザインへの理解度というものは大丈夫なのだろうかというときがよくあります。なぜここまで反映されていないのかということにやはり疑問を持つわけなのですけれども、ただいま同僚議員の皆様にはインサークルで静岡市のユニバーサルデザイン基本構想をお送りしましたけれども、静岡市ではユニバーサルデザイン基本構想を立てられています。バリアフリー基本構想がないかというとこれもあるのです。ある中で、ユニバーサルデザインの構想を、これも平成21年に策定されております。この中を見ますと、ユニバーサルデザインとはバリアフリーの上をいくものだと明確に書かれているのです。先ほども申しましたが、法律で縛られている部分に対しては、特に市の職員の方々はもう明確に守られます。そこについて懸念を示しているわけではなくて、その上の部分ができる方とできない方がいるのが現状ではないかと思うわけです。1回目の質問で明確な方針を示すべきだという言葉を2回ほど使わせていただきましたが、静岡市のようなユニバーサルデザインを市として進めていくのだという基本構想、基本計画、方針というものは明確に出していくべきではないかと思うわけです。そうしなければ、例えばこんなことはないでしょうけれども、前の担当者は意識を持ってこういう協議までしていたのだけれども、人事異動で違う方が来たら、ちょっとその辺余り考えたことがなかった方で、ちょっとおくれてしまったというような事案があってはこれは不幸な話です。あるという意味ではありません。こういうことがないようにするためには、市全体としての方針は明確にしていくべきではないかと。人が変わろうが、時代が変わろうが、必ず山口市はこれを進めていくのだというものは明確にしていってほしいと思っているわけですけれども、そのあたりの検討というのはかつてされたことがあるのかという点と、今後どうされていくのかをお伺いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 山口市公共施設等総合管理計画について、2回目の御質問にお答えをいたします。ユニバーサルデザインを基本的な方針としてバリアフリーを上回る一つの考え方として整理するような内部検討を行ってきたのかと、また、今後どうするのかといったお尋ねかと思います。議員御指摘のとおり、このユニバーサルデザインというのは、障がい者だけではなく、いろいろな個々の細やかなニーズにどういう配慮をして、それを不便なく使うことができるか、そういった要求に一つ一つ丁寧に対応をしていこうというのが基本的なまず考え方であろうというふうに思っております。公共施設をつくる際にも、そのいわゆる社会的要求水準というのは時代とともに高まりを見せておりますし、さまざまな方が社会に進出する中では、それにきちんと応えていくことも必要であろうと思っております。私どもも、市の施設をつくるときに、もう少し配慮したほうがよかったなとか、こういう配慮についてはちょっと気がつかなかったなということが、その法定事項という部分ではないにしろ感じることもございますし、そういった意識を職員全体でカバーする、それから、もしくはこういった計画を策定する部署、それから健康福祉部局、それから実際に整備を行う都市整備部局、こういった部署ときちんと集まって、それをなるべく丁寧に実現していくためにはどういう手法がそもそも必要で、そのためには行政内部でどういう取り組みを検討すべきかといったことをしっかりと議論すべきであろうというふうに感じております。差別解消法のときにもそういう議論は行ってはまいりましたが、十分ではない点はあろうかと思いますので、引き続き、特に3部局が中心になって今後研究をさらに進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 村上満典議員。               〔32番 村上満典議員登壇〕 ◯ 32番 村上満典議員 それでは、今の考えを対外的にどうするのかという点で端的にお伺いします。施設新設時に地元の方々の意見を聞くことは多くあると思います。地元の方々がいろいろな要望をする中で、それを実現するためには、ユニバーサルデザインを標準としていくためにはこういう問題が出るのだというのは、市の側から明確に示していかないといけないと思うのです。地元の方々が仮に望んでいなくても、市としてはここまでやるのだというのは明確にしていくということでよろしいのでしょうか。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 3回目の質問にお答えをいたします。過去にはチェックリストのようなものをつくったこともございます。刻々と社会的要求水準も変化していることを考えると、そういう作業をやったものをいかに続けてメンテナンスして、PDCAサイクルのような形で維持していくその業務のシステムをつくるかということが非常に重要であろうというふうに考えております。その具体的な中身まではこの場で申し上げられませんが、そういったものができ上がっていくように、少し3部で議論を重ねてみたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、村上満典議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  34番、氏永東光議員。               〔34番 氏永東光議員登壇〕 ◯ 34番 氏永東光議員 高志会の氏永でございます。このたびは、3点について質問をしてまいります。まず令和2年度の当初予算について、そして広域県央中核都市について、そしてもう一点は、椹野川河口のしゅんせつについての3点について質問をしてまいります。執行部の皆様の力強い御答弁を期待して質問してまいります。  まず思いますのは、昨今、去年──令和元年の全国の企業倒産数は8,383件と2008年リーマンショックによる世界経済不況以来11年ぶりに倒産が増大をいたしました。その90%は中小企業であった。このまさに消費税の増税、人手不足、自然災害、この三重苦が日本経済、市民経済を大きく追い込んだというところでございます。ここで、まず大項目1点でございますが、令和2年度当初予算についてでございます。この当初予算について、中期財政計画の中のほうで、このような状況の中で、市は令和2年度予算を938億8,000万円と過去・将来的にわたっても最大規模の予算としました。10年間の中期財政計画・計画期間後の財政見通しにおいて、何を重点的に考えて計画をされたのかというものです。と言いますのは、まず予算規模がこれは令和2年度予算を岐路にどんどん今から縮小してまいります。そして基金を繰り入れないと予算が組めない状況になっております。そして、まず義務的経費、これが大きく増大をいたしまして、経常収支比率が98.8%、もう硬直のきわみでございます。そして、この財政的には普通建設事業費、これが年々縮小してまいりまして、このたびは二百何億円ぐらいですが、この10年後には75億円、3分の1になります。そして、その3分の1の75億円のうち、約40億円は公共施設の維持補修費ですから真水とすれば30億円というふうになります。そして本当に新規事業がとりにくい、熱のない事業になるというふうに思っておりますので、この質問をしているわけでございます。次に2番目に、10年後の普通会計見通し、令和3年度以降の財政収支がマイナスになっておりまして、基金の繰り入れが必須となっております。10年後には基金が大幅に減少し底をつく。どのような予算編成を行っていかれるのか、まずお尋ねをいたします。次に3点目でございますが、財政審議会の設置ということでございます。まさにるる申されますが、人口減少・高齢化が加速して、2025年には今の仕事の52%は機械に取ってかわられるとの予測もされております。雇用環境が激変をしてまいります。そこで健全な財政運営には、客観的で中立的な立場の機関としての審議会等の設置が必要であると思いますが、お考えを聞かせていただきたい。  この項については終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 氏永議員の令和2年度当初予算についての御質問の中期財政計画からの考察についてお答えをいたします。まず、最重点課題についてでございます。御案内のとおり、令和2年度につきましては、第二次山口市総合計画前期基本計画の3年目となります中間年度でございます。また、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略がスタートする年度でもございまして、本市におきましても、来るべき本格的な人口減少時代に備え、本市の未来を確かなものとするため、令和2年度当初予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけ、次世代のまちづくりにつながります基盤整備や事業展開を可能とする積極型予算として編成をいたしたところでございます。こうした中で、議員御案内の令和2年度当初予算とあわせてお示しをしております中期財政計画と計画期間後の財政見通しにつきましては、歳入面におきましては、普通交付税の合併支援措置が令和2年度で終了することや令和3年度以降市税の大きな伸びが見込まれないこと、また、歳出面におきましては、人件費や高齢化の進展に伴う社会保障経費などの義務的経費や現在進めております施設整備などの投資的経費に伴います公債費や維持管理経費が増加することなどを見込んだものでございます。そして、こうした歳入歳出の状況から見ました本市の財政運営上の課題でございますが、短期的には山口市財政運営健全化計画に掲げております令和4年度末における基金残高につきまして135億円以上という数値目標と比べまして、約20億円減少をする見込みとなっておりますこと、また、長期的には歳出が歳入を上回る歳出超過が継続する見込みであること、これらが大きな課題であるというふうに認識をいたしております。次に、10年後の普通会計見通しについてでございます。本市におきましては、山口市財政運営健全化計画に掲げておりますまちの持続的な発展をもたらす財政運営、将来への都市経営を支える財政運営、将来世代への過度な負担を残さない財政運営の3つの基本方針のもと、将来を見据えた財政基盤の確立に向けた取り組みを進めております。これまで進めてまいりました取り組みといたしましては、歳入面では、国県支出金などの確保や交付税措置率の高い有利な地方債の活用に加えまして、市税の収納対策の効果的な推進や普通財産の売却・貸し付け、市ウエブサイトなどへの広告掲載に伴う広告料収入、ネーミングライツ料収入などの自主財源の確保に努めてまいりましたほか、歳出面では、人件費を初めとする内部管理経費の削減や金利の高い市債の繰り上げ償還などに取り組んでまいったところでございます。こうした取り組みとともに、施策別包括的予算制度の導入などによりまして、平成22年度から平成29年度までの間、財政調整基金からの繰り入れをせずに当初予算を編成いたし、この間に将来のまちづくりに備えて基金の積み立てを行いまして、一般会計の基金残高につきましては、平成22年度末時点の約135億円から平成29年度末時点の約275億円へと約140億円増加をいたしたところでございます。そして将来のまちづくりに備えてこれまで積み立ててまいりましたこうした基金につきましては、第二次山口市総合計画の計画期間中の早い段階において、社会基盤整備を積極的に進めるために現在活用いたしているところでございます。こうした中で、中期財政計画と計画期間後の財政見通しにつきましては、毎年度の予算編成時に見直しを行いますことで将来の財政見通しを明らかにし、全部局で共有をしているものでございまして、こうした見通しによる財政状況をしっかりと見据えまして、山口市財政運営健全化計画に基づきます歳入歳出両面からの財源確保の取り組みを当該年度の予算執行を初め、次年度に向けましたサマーレビューや予算編成方針などで展開をいたしながら、次年度の予算編成につなげているところでございます。今後も山口市財政運営健全化計画に基づきまして、歳入面におきましては、税収拡大に向けた取り組みやふるさと納税の促進、市税の収納対策の効果的な推進、普通財産の売却・貸し付け、広告掲載に伴う広告料収入、ネーミングライツ料収入などの自主財源の確保や地方創生推進交付金を初めとする国県支出金の確保を図り、また、歳出面におきましては、ICT化の推進やスマート自治体への転換などによります内部管理経費の削減、市民サービスの質に配慮いたしながらの事務事業の見直しなどにしっかりと取り組みますとともに、山口市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づきます公共施設等の総保有量の適正化や施設の長寿命化によるライフサイクルコストの削減などに全力で取り組みまして、基金残高の目標を初めとした健全化計画に掲げる財政目標を実現し、第二次山口市総合計画における必要な施策や事業の着実な推進と健全な財政運営の維持の両立を図ってまいりたいと考えております。次に、財政審議会の設置についてでございます。本市におきましては、先ほども申し上げましたように、中期財政計画と計画期間後の見通しにおいて、将来に向けて継続した歳出超過が見込まれておりまして、その解消に向けましては、全部局が一丸となっての取り組みが重要になるものと考えております。また、健全な財政運営に取り組むに当たりましては、単に財政面からだけのアプローチではなく、市民サービスの視点も踏まえた行政改革としての取り組みが重要であるというふうに考えております。したがいまして、財政運営の健全化や持続可能な財政運営に向けました今後の取り組みに当たりましては、現在の財政見通しの状況やこのたびの議員からの御提案も踏まえまして、まずは庁内組織として行財政改革の推進に関する本部会議を設置いたしまして、全部局が一丸となってしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 氏永東光議員。               〔34番 氏永東光議員登壇〕 ◯ 34番 氏永東光議員 時間がありましていろいろ調整がございますので、次に、大項目の広域県央中核都市づくりについて、3点ほどお尋ねをいたします。まず、第1点が山口・小郡両都市核の一体化の促進ということでございます。これは全国県庁所在地で唯一中核市になれない人口の少ない山口市でありながら、2つの都市核を持って広域県央中核都市づくりというまちづくりの挑戦をしているわけでございますが、この合併効果を生かして、補完し合う都市核同士で相乗効果のある都市核づくりを行わなければなりません。現在、山口・小郡都市核づくりマスタープランの改定作業が進められており、両都市核の特性を生かした取り組みの方向性が検討されておりますが、それに加えて特に一体化の交流の促進が必要だというふうに思っております。都市核の特性についてはるる申されましたが、この一体化を図っていくということの中で、より強い都市核ということで、ワンチームになってやっていくとこういうことになろうかと思いますが、交流促進の手段として、一つの考え方ですが、両都市核間の交通費用の無償化をしたらどうだろうか。この両都市核間の公共交通の利用者数、それにかかわる交通費用を無償化するというシミュレーションをして、アッパーリミットで大体どのくらいかかるのかということをお示しいただいて、今後の政策に生かしたらどうかというふうに思っておりますのでお尋ねをいたします。次に、小郡都市核エリアの拡大充実に2点ほど申しますが、まず第1点が多目的ホールの充実、これは幾度も質問をしてまいりましたが、改めて質問をさせていただきたいと思います。この新幹線駅直近の多目的ホールは、県内最大となる2,000人の収容能力を有し、全国的にも注目をされ、音楽演奏では全国トップレベルとも言われている県内、市内の大学、高等学校、中学校の発表の場としても大変期待をされております。このホールの最初の利用者計画数は50%稼働率で年間12万人としておりますが、音響設備を充実すれば利用者がふえ、稼働率の向上に公共施設の利益にも高揚にもつながるということで考えて質問をいたしました。前回の答弁では2つの問題点があると、大きく分けて2つあるということでございました。1つ目は、1億円の費用がかかる、予算が足りないということでございました。まさに今回、備品の予算の中で移動式音響反射板とグランドピアノ等で8,300万円予算を組んでおられます。もう少しです、増額の検討をお願いしたいということでございます。そして2つ目が、建築確認や法的にクリアする問題があって、半年ぐらい時間がかかるということでございましたが、備品の設備に建築確認は要らないのでは。また、要らないような方式で行うことを考えなければいけないというふうに思います。そこでお尋ねをいたします。音響設備を充実すれば、全国大会の音楽、文化の利用がふえて多目的ホールの稼働率の向上につながると思いますが、お考えをお尋ねいたします。次に、業務集積ゾーンのエリア拡大についてでございます。地方の人口増に大きく寄与する雇用の拡大方策は政治の使命でございます。この雇用の場づくりの面から山口・小郡都市核エリアの業務集積ゾーンのエリア拡大、また、新たな都市拠点ゾーンと小郡都市拠点エリアの拡大をされたことは高く評価をいたします。そこで、この業務集積ゾーンの土地利用の加速化を図るために、3点お尋ねをいたします。農業振興地域の見直し方策、また、防災面等の対策、そして土地開発にかかわる県の参画を願うとよいと思いますが、どのように進めていかれるのかお尋ねをいたします。最後に、これはたびたび私も申しますが、山口県防府土木建築事務所の山口市への復帰。この現在防府市にある山口県の土木建築事務所について、本市は県下一広大な市域面積を有し、多くの県道・河川がございます。官民の土木建築の業務量も多く、また、これからは温暖化により災害も多く発生が予測をされます。こうしたことを踏まえ、山口市への土木建築事務所の復帰を県に強く要望すべきだというふうにお尋ねをいたしました。これに対して先般来、お答えは、県におかれては国の山口河川国道事務所との連携、港湾の機能強化を踏まえられて、また、県下8圏域オクトピア構想のバランスを考えて行われていると。山口市には健康福祉センターや環境保健所、県税事務所等があるので、それで一応県の見解を理解しているという御答弁でございました。そこで県と直接土木建築事務所について、山口市として絶対に必要であると強く県に訴えた形跡が市民の目から見ることができません。県の意向を勘案する答弁でございます。正面から県へ山口市の今の実情を話して、そのことがぜひ必要であると、いつ誰と県の人と話されましたかということを踏まえまして、改めてお尋ねをいたしました。こうしたことを踏まえて、土木建築事務所の本市への復帰を今こそ県に強く要望する責任があると思いますが、お考えをお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 広域県央中核都市づくりについての御質問のうち、まず、山口・小郡都市核の一体化の促進についてお答えをいたします。御案内のとおり、山口・小郡都市核づくりマスタープランにつきましては、令和2年度末の策定を目指し、現在改定作業を進めているところでございまして、先般、このたびの改定に向けます趣旨や基本的な方向性を基本構想骨子案として議員の皆様にお示しをいたしたところでございます。本骨子案におきましては、山口都市核は山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造拠点づくりを、そして小郡都市核は山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを改めて基本方向に掲げ、それぞれの都市機能を特化させ、両都市核が互いの特性に応じて個性を磨き上げるというこれまでと同様の方向性のもと、都市部も農山村部もともに発展するという好影響・好循環の対流型のまちづくりを一層進めますことで、大都市圏への若者の流出に歯どめをかけますとともに、市内のあらゆる地域で安心して住み続けることができる本市全体の持続可能な発展を目指すことといたしたところでございます。こうしたこのたびの改定の方向性は、広域県央中核都市の実現に向け、引き続き両都市核の特性に応じてそれぞれの個性を磨き上げますとともに、これまでの両都市核づくりの取り組みの成果を対流型のまちづくりを通じまして、本市はもとより県央部の発展にいかにつなげていくかという点にあると考えているところでございます。とりわけ議員の皆様や多くの市民の皆様に県都山口市の発展というまちづくりの方向性に御理解をいただきます中で、合併により未来への投資が可能となったビッグプロジェクトでございます新山口駅ターミナルパーク整備や産業交流拠点施設を原動力とした小郡都市核で生み出される新たな交流や活力を、山口都市核が山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造拠点として引きつける取り組みが重要となってきていると考えております。こうしたことから、このたびのマスタープランの改定に当たりましては、都市核間の連携強化に向けまして、明確な軸を設定いたすことで交通ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。その具体的な考え方といたしましては、山口都市核と小郡都市核を結び、人の交流や物流といった経済活動などを支える主要幹線道路や鉄道などを都市軸とし、都市軸と各ゾーンを結び、各ゾーンへ人の流れを誘導する外周道路を交流軸とし、また、本市の広域的な求心力や拠点性を高めていくために、本市と他都市とをつなぐ空の玄関口でもあります山口宇部空港や山口県央連携都市圏域内の他都市と本市を結び、広域的な求心力や拠点性を高めていくための広域高速交通網を広域連携軸として位置づけてまいりたいと考えております。これら都市軸、交流軸、広域連携軸の交通ネットワークを交通軸として位置づけ、また5Gやビッグデータ、AI、IoTなどの革新的技術を活用したMaaSや自動運転などによる次世代交通サービスの導入やカーシェア、シェアサイクルなどの活用といった今後の環境変化も視野に入れながら、経済活動や社会活動を促す人や物などの物理的な移動を円滑にしていくための具体的な連携方策について検討いたしてまいります。議員御案内の両都市核間の公共交通の利用人数や交通費を無償化した場合の本市の財政負担につきましては、明確な金額の算出は困難でございますが、参考までに申し上げますと、鉄道利用者につきましては、平成30年のJR山口線の新山口駅と山口駅間の各駅からの乗車人数の合計は約190万人でございまして、これに一律240円の運賃を乗じて試算しますと約4億5,600万円となるところでございます。また、バス利用者につきましては、平成30年の山口都市核、小郡都市核内の各バス停からの乗車人数の合計は約54万5,000人でございまして、これに新山口駅から山口駅までの標準的な運賃でございます670円を一律に乗じて試算いたしますと約3億6,500万円でございます。これらの試算はあくまで限られた数値からの単純計算でございまして、無償化に係る実際の本市の財政負担を示すものではございませんが、詳細な金額の算出を行う場合には、一定の条件のもとで各事業者が有しておられますさまざまなデータや情報の提供をいただく必要があるところでございます。なお、両都市核間の交通費用の無償化につきましては、現時点におきましては検討していないところでございますが、今後展開されるMaaSの実証や交通系ICカードの導入による効果などを見据えますとともに、令和3年度に供用開始いたします産業交流拠点施設を原動力とした山口県ナンバーワンのビジネス拠点として生み出される新たな交流や活力を効果的に山口都市核へ波及させるための連携方策として、都市核間の人の移動等に係る支援等につきましては、いろいろな方策が考えられますことから、今後の検討課題であると認識をいたしております。御理解を賜りたいと思います。次に、山口県防府土木建築事務所の山口市への復帰についてでございます。御案内のとおり、防府土木建築事務所の立地の経緯につきましては、平成17年に県が策定されました県庁機構改革の指針に基づき、土木建築事務所や県税事務所を初めとした出先機関を8つの広域生活圏ごとに1つの事務所とすることを基本に進められたものでございまして、防府土木建築事務所につきましても、それまで本市と防府市にそれぞれ本所機能が置かれておりましたところを県におかれまして、国の山口河川国道事務所との連携や港湾の機能強化などを踏まえられ、平成22年4月に本所機能を統合する形で防府土木建築事務所を設置され、本市には維持管理部門等を担う山口支所と阿東分室を設置されたところでございます。また、こうした中で同じく平成22年4月に再編整備されました県税事務所及び健康福祉センターにつきましては、本市に本所を置く形で統合をされたところでございます。山口農林事務所は従前から本市と防府市を所管区域とする事務所として本市に設置されており、また、防府水産事務所は本市や防府市などを所管区域とする事務所として防府市に設置をされておりましたが、こちらは平成30年4月に農林水産部の組織改編によりまして山口農林事務所と防府水産事務所の統合が行われ、山口農林水産事務所が本市に設置をされ、そのうちの水産部門は防府市に置かれているところでございます。このように県の出先機関につきましては、それぞれの都市の特性と各分野の機関のバランスを考慮されながら配置をされてきたところでございまして、県における機構改革の中でこうした配置が行われましたことにつきましては、県央部のそれぞれの都市の特性のもとで近隣自治体と都市機能の分担、共有、連携を図りながら、県央部全体の発展に貢献していくという本市のまちづくりの方向性も踏まえる中で、私は一定の理解をいたしているところでございます。あわせて本市と防府市を結ぶ交通ネットワークが整ってまいります中で、本市と防府市の市民の皆さんが互いに県の出先機関を利用されるに当たり、支障が生じているとの認識はいたしていないところでございます。したがいまして、県の土木建築事務所につきましては、本市といたしましても重要な機関であることは認識をいたしておりますものの、本市における県の土木建築事務の多くが本市に設置されております山口支所と阿東分室で取り扱われる等、事務分担がなされている状況、そして県央部における連携中枢都市圏において、広域的な経済活動や交流が進んでおりますことなどを総合的に考えますと、現時点におきまして県の土木建築事務所の本市への復帰について県に要望いたすことは考えていないところでございますが、平素から県と連携を図り、市民の皆様の利便性の確保に努めてまいります中で、県の土木建築事務所を初めとする出先機関の運用が市民の皆様の利用に支障が生じるような形となる場合には、県に対して事務改善等のお願いを申し上げてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 私からは、小郡都市核エリアの拡大充実のうち、多目的ホールの充実についてお答えいたします。御案内のとおり、多目的ホールにつきましては、県の中央に位置する広域的な交通結節点、ネットワーク拠点としての立地特性を生かす中で、県内最大の2,000席の収容人数を有し、1,500席、1,200席のホール・シアター形式や座席収納時には1,000平方メートルの平土間形式でも利用可能な可変型ホールでありますことから、大規模なコンベンション、会議、学会、イベント等の開催はもとより、コンサートや演劇、さらには市民の皆様の多様な活動の発表の場としての利用が可能となっております。また、最新の音響・映像システムや他の施設と映像・音声の送受信が行える双方向の情報通信ネットワークを導入することにより、臨場感のあるスタンディングライブやライブビューイング、eスポーツなど先進的かつ特徴的なイベントの開催も可能でございますことから、山口市民会館や既存施設との差別化や機能分担も図ることができるとともに、多様な用途に柔軟に対応できることにより稼働率の向上も期待できるものと考えております。議員御質問の音響設備の充実につきましては、移動式音響反射板等の備品の配置やホール内装及び運営面での工夫等により、本ホールにおいて利用率が高いと想定しております400人から1,000人規模の音楽催事には十分対応が可能であると考えておりまして、当初予算に移動式音響反射板の購入を含めた備品購入費を計上いたしているところでございます。一方、多目的ホールの利用促進を図るために、これまで市内の学校や文化・芸術関係者等へのヒアリングを実施いたす中で、市内の小・中・高生の吹奏楽や合唱の合同音楽祭等における利用の御要望もいただいているところでございます。また、天井をしっかり覆うような音響反射板を設置すると、音楽ホールとしてのさらなる機能強化を図ることで音質を高めることができるという御意見がある反面、音質面における改善に対して限界があるという御意見や特殊な備品を設置することによる利用者への費用負担を懸念される声もいただいているところでございます。本市といたしましては、多目的というホールの特性を十分考慮いたす中で、文化、芸術、教育面において市内の音楽関係者や舞台関連の専門家等の御意見をお伺いしながら、多目的ホールの音響及び舞台機構のあり方につきまして、引き続き検討をしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは業務集積ゾーンのエリア拡大についてお答えをいたします。御案内のとおり、このたびの山口・小郡都市核づくりマスタープランの基本構想骨子案におきましては、両都市核の各ゾーンの対象エリアについて、周辺整備の進捗により一定の土地利用が進んだ部分はゾーンから外し、今後土地利用が進んでいくことが期待される部分については新たにゾーンに加えるなどの見直しを行い、お示しをいたしたところでございます。こうした中で、小郡都市核の業務集積ゾーンにつきましては、エリアの増減は行っておりませんで従前どおりといたしておりますが、現在山口県総合交通センターや山口南警察署などが立地をしております業務集積ゾーンの南側部分であります公共的利用を進めるエリアを業務機能等を誘導するエリアとして整理をいたしたところでございます。これは当該エリアを引き続き業務集積ゾーンとして位置づけます中で、新山口駅南口周辺の土地の高度利用が進み、市街地の拡大が必要となった際には、公共的利用に限らず、民間投資も含めた土地利用を促すことを想定したためでございます。議員お尋ねの業務集積ゾーンの南側と西側のエリアにおきます農業振興地域の見直しや防災面の対策などにつきましては、当該エリアがハザードマップにおいて浸水被害が想定されている場所でございまして、昨年4月に策定をいたしました山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画、いわゆる山口市版立地適正化計画におきましても、災害リスクの観点から都市機能を誘導するエリアの対象から除かれているという状況もございますことから、当面は新山口駅南口周辺における高度の土地利用を促す取り組みを優先的に進めることといたしておりまして、将来的な検討課題と考えているところでございます。なお、土地開発に係る県の参画につきましても、こうした課題などを踏まえまして、現時点では想定をいたしておりませんが、そういったことが必要になった時点で改めて考えてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 氏永東光議員。               〔34番 氏永東光議員登壇〕
    ◯ 34番 氏永東光議員 いっぱい質問したからなかなかあれですが、これからいきましょうか。この山口県防府土木建築事務所の山口市への復帰ということで、るる申されますが、県の施設を県が配慮していく、それを理解すると。今、県は12施設ですか、縮小していく、廃止をするということですが、その当事者の市はいろいろ意見を言うではないですか。ただ唯々諾々とこの県土木建築事務所をと思いますのは、47都道府県で県庁所在地に土木建築事務所がないというのは、山口市ぐらいのものなのですよ。ある人も言っていましたが、「五十鈴川という川を見たときに、工事現場に防府土木建築事務所と大きな看板が出ている、後ろには県庁があるのに。これは恥ずかしいな」と言われまして、「氏永さん、これはぜひやらないといけないよ」と。また、その面積が防府市は189平方キロメートルではないですか、うちは1,023平方キロメートル。まさに事業量も多い、だから、職員も朝と終礼は防府ですが、ほとんど全部の現場が山口市。そういうことも踏まえまして、今いろいろな県の施設がありますが、何が一番必要なのか。県土木建築事務所がまず必要、あれは要らない、これは要らないということは必要ないですから、必要だということを県に申し入れて、そうしたらこれはあっちに移せということですが、そのときの優先順位とすれば、今からの自然災害を踏まえて、山口市に県土木建築事務所、まず優先課題として県に申し入れるべきであると。ほかの施設については、ほかの施設も要らないことはないですが、こっちが要らないということはないもので、とにかく、それを提案していくということを県に申し入れる。市長は申し入れないと言われたけど、そんなことではいけないですよ。長州男児だから行って、県がどんなことを言うか。ぜひほかの施設も必要ですが、県土木建築事務所が一番必要と思いますので、ぜひ県に申し入れてほしいと思いますが、改めてお答えをお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 土木建築事務所についての再度のお尋ねでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、現時点におきまして、県の土木建築事務所の移転につきまして、また山口市のほうへの移転につきまして、要望していくという考え方は持っていないところでございます。その内容については、るる御説明しましたとおりでございます。しかしながら、議員がおっしゃるように土木建築事務所が山口市に要らないという考え方ではないのです。今使っている土木建築事務所は山口市としても使っている、防府市としても使っている、そういうふうな全体の形で考えますと、特別に支障を来しているという考え方には至っていないところでございます。しかしながら、この問題につきましては、前回、前々回等につきましても議員からいろいろ御提案がございますので、私としましては、この土木建築事務所を山口市に移転してくださいというふうな要望は出す気持ちはございませんが、今後の将来的な方向として、県の全体の出先機関、こういうふうなものについて、今時点でのいろいろな考え方があるのかどうか、またいろいろな県の考え方といいますか、いわゆる出先機関に関するものにつきまして、今公共施設等については県もいろいろな形で検討されておりますけれども、そうしたことも踏まえまして県にお話は聞いてみたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 氏永東光議員。               〔34番 氏永東光議員登壇〕 ◯ 34番 氏永東光議員 今後もぜひタイムリーにやっていかないと、土木建築事務所も防府のほうで市役所と合築をされるという話がありますので、お話をさせていただいたということでございまして、県に一応聞いてみるということでございますから、ぜひよろしくお願いします。  次に、時間の関係がございますが、今度は大項目の椹野川河口域の土砂堆積防止策について。この椹野川の河口域の土砂の堆積ということで、まず1点目が椹野川のしゅんせつ計画促進、これが椹野川でできているわけでございまして、ここ辺までで河川と港湾かが分かれているわけでございますが、椹野川、ここが今の山口湾、これが周防大橋になって、この海の中の白いのが、これが砂とかヘドロなのです。それを今からお願いをするわけでございます。椹野川のしゅんせつ計画、椹野川等から、この上のほうから土砂が山口湾に押し流されて堆積をしております。県河川の椹野川のしゅんせつ状況及び河川のしゅんせつ予定についてお尋ねをいたします。時あたかも国は防災・減災対策として、河川の水位上昇防止工事、川底の土砂除去の工事について補助金を考えるという制度を具体的に検討しているという記事が出ておりました。この椹野川のしゅんせつを促進するに当たって、県へそういうことも含めて働きかけることが必要だというふうに思います。お尋ねをいたします。次に、椹野川河口域のしゅんせつ計画の促進でございます。これは椹野川です。河口域はこれは約300ヘクタールとも言われておりますが、その河口域のしゅんせつ計画についてお尋ねをいたします。高潮対策で実施されているのは、だんだん高くなる堤防のかさ上げ、何年か前に50センチほど上げました。地元の不安は、堤防がどんどん上がるわけですから、その近所におられる方は大変不安に思っておられます。この椹野川河口域、山口湾のしゅんせつがぜひ必要であると考えます。椹野川河口のしゅんせつ計画についてもお尋ねをいたします。これは県の港湾課になるのかな。そこでまとめての質問になりますが、国や県、市、漁業組合等による防災や水産振興を目的とした(仮称)椹野川河口域復興協議会というのを立ち上げて、抜本的に砂のしゅんせつを行って干拓をつくる、あるいは埋め立て等によって開作をつくっていく等の協議をする組織を設置することが今こそ必要だというふうに考えます。と申しますのは、ここにございますように、ここも昔は小郡開作も、ここは北の江・寄江開作というところですが、これも100ヘクタール、これも海であったのです。ここの北の江・寄江開作、これも100ヘクタール、これも海であったのです。こっちの佐山のこちら、阿知須もそうですし、名田島もそうです。小郡開作も皆そう。そういうふうに、これだけに図面でわかりますように白いではないですか。これがみおです。満潮になったら船が出られる、満潮になったら帰れるという。ですから、これだけのものを昔の人は堤防を築いて、こういう耕地とか宅地にしたのです。これだけのものを今何もしないで堤防を上げていく、余りにも知恵がない。ですから、これを渡辺市長のときに、令和開作と称するかどうかはわかりませんが、そういうふうに干拓、開作をつくってこの泥を、下関の人口島、長州出島って言うのですか、あれも海の底の泥をしゅんせつするためにつくったということ、それは国の第四港湾がやったわけでございますが、ここはぜひこのままにしているとどんどん天井川になって堤防をどんどん上げていく、余りにも無責任。ですから、渡辺市長が本気になって、国、県、市、漁業組合等に働きかけて、市はお金がありませんから、国に考えていきましょうとそういう提案をぜひしてほしい。そのための組織をつくってほしいということを申し上げているところでございます。お答えのほどよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 椹野川河口域の土砂堆積防止策についての御質問にお答えいたします。私からは、しゅんせつ計画のうち、椹野川のしゅんせつ計画促進についてでございます。椹野川のしゅんせつ状況につきまして河川管理者である県に確認いたしましたところ、国の防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策の予算を活用し、今年度は中流域の平川地区、矢原地区、白石地区、宮野地区、椹野川水系問田川、仁保川、吉敷川などでしゅんせつを実施し、来年度以降も国の制度を活用して緊急性の高い箇所から順次計画されているとのことでございました。また、椹野川のしゅんせつ促進につきましては、施策決定及び予算編成時にあわせ、県に対しまして要望書を提出し、計画的なしゅんせつ工事の実施を強く働きかけておりますとともに、毎年度県と合同で開催しております山口市内公共土木事業説明会におきまして、市長出席のもと県河川のしゅんせつの促進と維持管理費の予算確保について直接お願いをしているところでございます。今後も県と連携を密にいたし、また国の動向も注視いたしながら、県河川の適切な維持管理について引き続きお願いしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは、しゅんせつ計画に関する御質問のうち、椹野川河口域のしゅんせつ計画促進についてお答えいたします。椹野川河口域のしゅんせつにつきましては、防災上の観点から、椹野川と今津川が合流している部分について、流量の違いや地形の形状により土砂の堆積が顕著にあらわれているとして、この部分に限定して土砂の堆積による堤内地側に越水等の影響がないか調査等を行っていただくよう県と協議を行ってきたところでございます。県におかれましては、平成11年の台風18号による被害から見直された整備基準により堤防等の整備事業を行っておられますが、河口域については、土砂の堆積による海底地形の変化により高潮の影響を受けることはほとんどないと認識されており、現時点ではしゅんせつ等を行う計画がない旨を示されております。また、椹野川河口域については、県が管理する航路等の水域施設がないため、国の補助制度を活用したしゅんせつ事業を行うことが難しいとの見解も示されております。しかしながら、本市といたしましては、近年多発しております大規模な自然災害への対策として、今後も椹野川河口域のしゅんせつによる防災対策について、必要な箇所に限定して引き続き県へ要望してまいりたいと考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。次に、椹野川河口域復興協議会の設置についてお答えをいたします。議員御提案の椹野川河口域復興協議会につきましては、椹野川河口域に堆積していく土砂を取り除き、そのしゅんせつ土砂を有効に活用するなど、防災と水産振興の両面から幅広く検討・調整を行う組織であると認識いたしておりますが、こうした組織の立ち上げにつきましては、山口湾の管理者でございます山口県を中心とした取り組みが必要でございます。山口湾における水産振興に関する現在の取り組みを申し上げますと、椹野川上流部からの泥の流入や生活排水の影響などにより悪化した河口域の干潟の自然を再生するため、平成16年8月に山口県が中心となって椹野川河口域・干潟自然再生協議会が設立され、現在、関係団体との連携のもと、里海の再生の取り組みが進められているところでございます。また、防災面から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、県では土砂の堆積による海底地形の変化は高潮にはほとんど影響がないと判断され、しゅんせつの計画がない状況でございます。こうしたことを踏まえますと、山口湾のしゅんせつについて、防災と水産振興の両面から幅広く検討・調整を行う新たな協議会の設置は大変難しい状況であると考えております。したがいまして、本市といたしましては、まずは水産業復興として、引き続き干潟自然再生協議会へ支援を行いますとともに、防災面からは県との協議の場として実施しております山口市内公共土木事業説明会などの場におきまして、必要な箇所に限定したしゅんせつについて今後も要望を行ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、山口湾が安心安全で豊かな自然を有する環境となるよう、水産振興、環境保全、防災といったそれぞれの面からの取り組みを関係部局が連携して進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、氏永東光議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15分間休憩いたします。                  午後2時44分休憩       ────────────・────・────────────                  午後2時59分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  28番、西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 共産党の西村芳和でございます。通告順に従いまして一般質問をさせていただきます。  大項目のア、令和2年度当初予算についてということで、中項目、地方創生の成果と反映のお尋ねをいたします。近年、国が示します合計特殊出生率は2005年の1.26人、2018年の1.42人です。合計特殊出生率が人口置換水準を下回る状況が1974年の2.05以降、40年以上にわたって続いております。2018年6月時点での政府の現状認識としては、若者を中心に地方から東京へ毎年10万人を超える転出超過、このことから地方の若者が3割減少、15年間では532万人、15歳以上の就業者は地方では大幅に減少し、15年間で228万人、東京圏はプラスの160万人としています。さらに、2040年ごろの日本の人口はおよそ1億1,100万人と今より1,500万人余り減少する、そして全国のおよそ4分の1の自治体で人口は今の半分程度になると描いております。また、高齢者がピークを迎えます一方、若い労働者の絶対数は減り、労働力不足がさらに深刻化します。20年後には社会保障費や老朽化したインフラの修繕費など、行政の支出は増大をする、逆に収入は人口減少による所得や地価の下落で落ち込み、地方財政は一層厳しくなるとの推測であります。このような認識のもとで、政府は地方創生を言いながら、一方では対外国との政策を言い、東京、名古屋、大阪をつなぐとする大都市圏域の構築です。この圏域形成政策の柱がリニア新幹線構想です。山口市においては、第1期創生総合戦略の成果として、人口が目標を3,500人上回るとされておりますけれども、全国の地方で見られるように、本市も同様に東京への転出超過は続いており、本市の地方創生に成果が出ている、こういう市長の所見には疑問を持たざるを得ません。山口市においても創生総合戦略にのっとりまして、中枢中核都市の機能強化、つまり山口と小郡都市核形成のためのまさに箱物ラッシュであります。農山村の周辺地域は人口減少が進み、取り返しのつかない状況です。にもかかわらず、市の新年度予算を引き続き、大型箱物を中心とした基盤整備の加速だとされていますが、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略のスタートの年として、第1期をどのように検証され、第2期に反映されるのか疑問とするところであります。そこでお尋ねをいたしますが、現在市長が進められております大型開発を進めれば、本当に地方創生、東京一極集中をストップできるとお考えなのかどうなのか。私たちは地方創生戦略は破綻していると考えます。1期について、どのような総括がなされたのかについてお伺いをいたします。中小企業、農業、市民生活は、少子高齢化の中で、また消費税増税による景気悪化の中であがき苦しんでいます。税収も地方交付税などはふえる見通しのない中、財政規模は小さくなっても将来的には大きくはならないわけです。私たちは大型で箱物中心の投資計画を見直して、節約の視点と思い切った縮小や計画の延期も視野に入れて考え直すべきだと思います。そして市民の暮らしや経営に重心を切りかえ、自治体の本旨でありますところの住民の福祉と将来に向けた堅実な財政運営にかじを切りかえるべきというふうに考えます。見解をお聞かせいただきます。周辺部についてはどのような位置づけがされて、当初予算に反映がされたのかについてもお伺いをいたします。次に、中項目の2)、令和2年度当初予算における3つのトライのうちの3番目ですが、便利で豊かな創造社会を目指すトライとしてSociety5.0を見据えた対応を進める中で、スマートシティの構築とスマート自治体の取り組みを両輪で進めることとされております。2019年3月からは国土交通省がスマートシティモデル事業を公募しました。どんなに便利になっても、目的は市民生活の質の向上であり、市民やまちをどうしていくのかという明確なビジョンのもとに推進すべきであります。市民のニーズや社会状況はかなりのスピードで変化をしていきます。スマートシティ計画を硬直的に実現しようとすると完成時には市民ニーズとまるでかけ離れてくるということも考えられます。また、スマート自治体の取り組みは自治体の業務は半分の職員で行うべき、職員は企画立案あるいは住民への直接サービスなど、職員でなければできないとする業務に集中すべきとしているわけであります。自治体戦略2040構想です。この2040構想でいうところの人口減少社会では地域の中心都市でも都市機能が維持できなくなるとして、自治体行政の標準化・共通化を進め、圏域単位での行政をスタンダード化していく流れを加速するのだと考えるが、これは自治体が自主的権限によって、みずからの事務を処理するという団体自治の観点から見ても問題があるというふうに思います。そこで、新年度予算におけるスマート自治体の取り組みについて、「小さくて大きい、新しい公共」を目指すとされておりますけれども、国の押しつけではない周辺自治体との圏域マネジメントのあり方、あるいは農山村における行政サービスについて、本市としてどのような将来の姿を描かれる中で、この取り組みを加速されようとされているのかをお伺いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 西村議員の御質問にお答えをいたします。  私からは、令和2年度当初予算についての御質問のうち、地方創生の成果と反映についてでございます。御案内のとおり、本市では平成27年度から今年度までの5年間を計画期間といたします山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のもと、地域社会の最重要課題であります人口減少対策を初め、移住・定住の促進や少子化対策など、地方創生の全力の取り組みを進めてきているところでございます。その結果、本市の人口は総合戦略における人口長期ビジョンに掲げました人口の目標値を約3,500人上回る水準で推移をいたしているところでございます。また、やまぐち地方創生100プロジェクトの達成状況につきましては、若者の雇用創出数は目標値の450名を大幅に上回る1,578名を創出し、若者の人口転出超過も抑制傾向に転じるなど、評価指標の約7割において目標値を達成している状況にございますことから、本市における地方創生の取り組みの成果があらわれていると認識をいたしているところでございます。しかしながら、御指摘がございましたように、一方で若者を中心とした東京圏を初めとする大都市圏への転出超過の流れは依然として変わっておらず、また、本市が今後本格的な人口減少時代や少子高齢社会に直面していくに当たって、山積する諸課題にしっかりと対応し、地方創生の取り組みを切れ目なく進めるため、令和2年度から令和6年度までを計画期間といたします第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を進めているところでございます。第2期総合戦略の策定に当たりましては、昨年11月に山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議を開催いたしまして、住民代表や産業界などの各分野の委員の皆様から現在の総合戦略の検証や第2期総合戦略の策定について、それぞれの専門的見地からの御提言などをいただいたところでございます。具体的に申し上げますと、現在の総合戦略の取り組みにより目に見える成果が出ており、市の勢いが維持されていることから、第2期総合戦略においても、これまでの本市の地方創生の取り組みの方向性を継続していくべきだといった御意見を多くいただいたところでございます。また、同時にSociety5.0への対応など、新たな視点の施策の方向性も位置づける必要があるとの御意見もいただいているところでございます。こうした委員の皆様方の御意見を初め、現在の総合戦略の成果や課題などを十分に検証いたし、そして第二次山口市総合計画の重点プロジェクト、そして国や県の第2期総合戦略の方向性を踏まえまして、このたび第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の案を策定し、お示しをいたしたところでございます。あわせて第2期総合戦略の取り組みを第二次山口市総合計画に掲げる8つの重点プロジェクトとして再構築をいたし、令和2年度当初予算に反映をしているところでございまして、さらなる地方創生の挑戦を進めますために、本市の令和2年度当初予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけ、令和の時代における本市の地方創生につながる基盤整備や事業展開を実現するため、令和2年度一般会計当初予算につきましては、過去最大規模の938億8,000万円を計上いたしますとともに、このうち将来のまちづくりへ向けた投資的経費を約208億9,000万円といたしますなど、本市の未来を創造するための積極型予算として編成をいたしたところでございます。当初予算への反映につきまして主立ったものを申し上げますと、まず「広域県央中核都市づくり」につきましては、高次の都市機能を集積し、若者等の雇用の受け皿となるサービス業の振興を図り、市内全域や県央部等に対して広く高次の都市機能を提供することで、あらゆる地域で安心して住み続けられるまちづくりを進めていくものでございます。山口都市核づくりでは、山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造都市づくりを進めることを発展の方向性といたし、新本庁舎の整備を初め、第3期の山口市中心市街地活性化基本計画の策定、大内文化ゾーンにおける道路美装化や築山跡の歴史広場整備、湯田温泉における多世代交流・健康増進拠点施設の整備、情報文化都市づくりにおける中園町周辺地区の整備などを進めてまいります。また、小郡都市核づくりでは、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを進めることを発展の方向性といたし、その原動力となります産業交流拠点施設の整備を初め、周辺地区における道路の整備、第一種市街地再開発の事業の支援などを行ってまいります。さらに広域ネットワーク機能の強化といたしまして、新たな産業団地であります鋳銭司第二団地の関連道路の整備などを進めてまいります。次に、令和2年度当初予算に反映している農山村エリア等の地域振興策につきましては、主に「個性と安心の21地域づくり」のプロジェクトの展開を通じまして、この取り組みを進めていくことといたしております。主な取り組みを申し上げますと、まず小郡、秋穂、阿知須、徳地、阿東の各総合支所エリアにおけるふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトの推進を初めといたしまして、南部地域活力アップ推進プランに基づく瀬戸内の魅力創出などの取り組みや、中山間地域づくり指針に基づく地域資源活用の取り組み、各地域の文化財の保護や活用を進めてまいります。また、阿知須地域及び徳地地域におきましては、総合支所と地域交流センターを新たに複合施設として整備をいたし、阿東地域交流センター篠生分館の建てかえに向けた取り組みを進めてまいります。さらに徳地地域や阿東地域における生活バスの運行を初め、簡易水道施設の更新整備や地域の個性を活かす交付金事業の実施、移住・定住促進、地域おこし協力隊や地域おこし企業人の受け入れ体制づくり、中山間における滞在型企業研修の受け入れ、空き家の利活用の取り組みなどを進めてまいります。また、農山村エリア等の基幹産業でございます農林水産業につきまして、経営基盤の強化と担い手の育成を図り、あとう和牛の増頭対策を初め、圃場整備の促進、森林経営管理制度に基づく森林施業や人材育成、漁港施設の長寿命化や漁業就業者の支援などに取り組んでまいります。このような形で議員御案内の農山村エリア等の発展につながる積極的な取り組みとしての社会資本整備や事業展開を図ってまいりますほか、第2期総合戦略のスタート年度となります令和2年度の当初予算では、製造業の誘致等につながる未来への投資を初め、交流や経済活力の市外・県外からの呼び込みや、雇用の受け皿となりますサービス業の振興、先進の教育環境づくりや子育て支援、地域公共交通ネットワークの構築、医療体制の維持や健康づくりの推進、災害に強いまちづくりや環境衛生の向上、行政サービスの向上の取り組みなどを図ってまいります。こうした取り組みのいずれもが総合計画と総合戦略におきまして重要かつ必要な施策でございまして、そして農山村エリアを含めた地域振興につながる取り組みでございまして、本市のまちづくり、そして地方創生には欠かすことのできない取り組みとして進めてまいります。こうした形の中で、第二次山口市総合計画における都市部も農山村部も異なる特性や個性を高め合い、さらなる価値創造や経済循環を図るという好影響・好循環の対流型のまちづくりの実現に向けて、都市政策の柱でございます広域県央中核都市づくりと個性と安心の21地域づくりを初めとしたプロジェクトの展開によりまして、都市部も農山村部もともに発展するまちづくりを進め、山口市全体を発展するオール山口の発展につながる予算として編成をいたしていると認識をいたしているところでございます。あわせて本市における第2期の地方創生におきましては、東京圏を初めとした大都市圏への転出超過を抑制いたしますとともに、人口減少と少子化に歯どめをかけ、高齢社会が進展する中にあっても豊かで安心して暮らせるまちづくりを進めることにつながる令和2年度当初予算といたしていると考えているところでございます。御理解を賜りたいと思います。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、令和2年度当初予算のうち、スマート自治体についての御質問にお答えをいたします。議員御案内のSociety5.0は、革新的な技術により、全ての人と物がつながり、必要な情報が必要なときに提供され、ロボットや自動走行車など最新の技術の活用などによりまして、都市部、農山村部を問わず、それぞれの地域の特性に対応し、一人一人が快適で活躍できる未来社会を目指そうとするものでございます。こうした社会の実現に向け、本市の令和2年度における取り組みといたしましては、令和元年度に着手いたしましたRPAやAI-OCRを活用した業務の自動化・効率化に引き続き取り組み、対象となる業務の拡大や県内他市との事務の共同化を図るための共同研究のさらなる推進を図るとともに、さまざまな証明書等のコンビニ交付や電子申請など、住民サービスの利便性を高めるためのマイナンバーカードの普及促進に取り組んでまいります。また、住民異動届手続へのタブレットの導入による書かない窓口の実現、スマートフォンのアプリによる職員採用試験の申込み、市政情報等の発信ツールとしてのSNSアプリの活用、市税等のキャッシュレス決済の拡充など、さまざまな取り組みを進めてまいります。さらには新山口駅と湯田温泉を結ぶ新たなモビリティサービスの調査・実証を県と連携して取り組むほか、交通系ICカードシステムの導入支援、スマートフォンで利用可能なシェアサイクルの導入などを進めてまいります。このほか産業分野への支援として、農林業における農薬散布や栽培管理へ活用するためのドローン等の導入支援、AI技術を活用したヘルスケア関連産業等における新産業・新事業の創出支援や中小企業におけるデジタル人材の育成支援などを進めてまいります。こうした取り組みにより、人口減少と少子高齢化を背景とした社会課題の解決と産業分野の振興を通じて持続的な地域経済の発展を両立できる社会システムの構築を進めるため、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のもと、デジタル化の流れを地方創生につなげてまいりたいと考えております。議員お尋ねの周辺自治体との圏域マネジメントのあり方についてでございますが、近年の社会は、居住地や職場、学校、あるいは買い物等のいわゆる日常生活圏が広範囲にわたっており、そうした環境における行政サービスの利便性を考える中で、周辺の市町と事務の標準化を進め、ICTを活用して相互にサービスを提供することは大変有効であり、いつでもどこでも行政サービスを享受できるという点において、市民の利便性が飛躍的に高まるものと考えております。そのためにも市民活動や経済活動における相互の補完関係が強固な山口県央連携都市圏域を一つのエリアとして行政サービスの標準化を検討していくことは重要な視点であると考えているところでございまして、スマート自治体の構築におきましても、さまざまな視点から研究を進め、市民サービスの質の向上につながる圏域マネジメントとなるよう努めてまいりたいと考えております。また、農山村における行政サービスのあり方につきましては、我が国の人口減少が明らかになる中、現在の暮らしの質を維持し、経済活動がより付加価値の高いものとなっていくためには、革新的な技術の活用は積極的に取り組むべきテーマであると認識をいたしているところでございまして、交通や農林業分野における技術革新には大きな期待を寄せているところでございます。議員御案内のとおり、中山間地域におきましては、他の地域を上回るペースで人口減少、高齢化が進行する中で、自治会など地縁機能の低下や農業・公共交通の担い手不足などの課題が顕著になってまいりまして、本市の都市政策の柱である広域県央中核都市づくりと個性と安心の21地域づくりに取り組む中で、革新的な技術の導入により、さまざまな生活サービスを今まで以上に質の高いものとしていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。こうした便利で豊かな未来社会を実現するとともに、本市の21地域において、住んでよかった、これからも住み続けたいと心から思ってもらえるまちづくりを進めるためにも、最少のコストで最大限のニーズに応えることができる、いわば「小さくて大きい、新しい公共」を目指した公共サービスの最適化に取り組む所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 次に、大項目のイ、学校教育についてお伺いをいたします。中項目の1)GIGAスクール構想ということでお尋ねをいたします。もともと文部科学省では政策として教育の情報化が進められていました。ところが、2016年の第5期科学技術基本計画でSociety5.0が突然出てきて、ここからが教育のSociety5.0化へのキックオフだと言われております。GIGAスクール構想とは、Society5.0時代に生きる子供たちの未来を見据え、児童生徒向けの1人1台学習用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想であります。誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育、ICT環境の実現に向けた施策だとされております。クラス全員が一度にアクセスしても利用できる通信環境の整備です。こうした中、令和元年度補正予算にもGIGAスクール構想関連予算を2,318億円計上されるなど、令和時代のスタンダードな学校像の構築が目指されています。これ以降も4年間で4,000億円をつぎ込む計画であります。この事業に対しての補助金がすごいとされております。国庫補助で5割、交付税措置で3割、全体の8割が補助とされていることからも見ても、短期間に進めたいとする政府、文科省の姿勢がうかがえます。ICT環境の整備が進んでいるとされる本市としても、さらなる充実・強化に向けGIGAスクール構想の取り組みが求められますが、現状の取り組み状況と今後の対応についてお伺いをいたします。2)として、プログラミング教育についてお伺いをします。令和2年度に全面実施される小学校の新学習指導要領においては、プログラミング教育が必修化されることになっています。学習指導要領は、全国どこの学校でも一定の教育水準が保たれるように文科省が定めるカリキュラムの基準で約10年に1度改訂されるわけですけれども、2020年度からの具体的な変化は、外国語の教科化とプログラミングの導入であります。外国語活動は3、4年生から35時間、5、6年生は70時間とされ、評価はこれはつくものだとされております。外国語は学級担任の場合と中学校など英語の教員免許、専門性の高い教師の場合とがあると思いますが、学校によると思いますけれどもALTに手を借りる場合もあるでしょう。このような方向が急に示されたことから、先生方などの対応や父兄の戸惑いもあると思います。プログラミング教育に関しての本市の状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 学校教育についての御質問にお答えいたします。まず、GIGAスクール構想についてでございます。議員御案内のとおり、昨年12月に文部科学省から示されたGIGAスクール構想につきましては、Society5.0時代を生きる子供たちにとって必要な飛躍的な知の発見・創造などの新たな社会を牽引する能力や読解力、計算力、数学的思考力などの基礎的な学力を育むために、ICTを基盤とした先端技術等を効果的に活用することにより、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む教育の実現を目指しているものでございます。こうした中、国におかれましては、本構想を実現するための新たな国の補助事業として、校内ネットワークを整備する事業と児童生徒1人につき1台の端末を整備する事業の2つの事業を示されたところであり、関連予算が令和元年度補正予算に計上され、去る1月30日に成立したところでございます。このうち校内ネットワークを整備する事業につきましては、小・中学校の全ての学校で高速通信が可能となる校内LANの整備等を行う場合に交付の対象となるものでございます。また、児童生徒1人につき1台の端末を整備する事業につきましては、平成30年度に国から示された教育のICT化に向けた環境整備5か年計画に基づき、これまでに地方財政措置が講じられている台数の端末につきましては自治体単独で取り組むこととされておりまして、この計画以上の端末の整備を行う場合に交付の対象となるものでございます。なお、本構想においては、令和5年度までに全学年で1人1台の端末を整備することが文部科学省のロードマップに計画されておりまして、令和2年度までに小学校では5、6年生、中学校では1年生に優先的に整備し、継続的な使用を促すことにより、ICT機器の操作や活用方法の学習を進めることとされております。本市における取り組み状況についてでございますが、ICT環境整備に関しましては、これまでも県内他市に先駆けて取り組んでおりまして、校内ネットワークの整備につきましては、全ての小・中学校において高速通信が可能な水準を達成したところでございます。また、児童生徒1人につき1台の端末の整備につきましても、全児童生徒数の3分の1以上となる台数の整備を完了したところでございます。今後の対応方針でございますが、既に校内ネットワークであるLANの整備を完了しております本市といたしましては、児童生徒1人につき1台の端末の整備に重点的に取り組み、令和5年度までに整備を完了できるよう国の補助金を活用し、計画的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。このようなことから、端末整備の早期実現に向けて、本議会において関連する補正予算案の提案をさせていただいております。GIGAスクール構想につきましては、本市の学校におけるICT環境の充実に寄与するものでございますことから、この機を逃すことなく一丸となって取り組み、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に取り組んでまいる所存でございます。次に、プログラミング教育についてでございます。議員御案内のとおり、平成29年3月に文部科学省から告示された学習指導要領は、令和2年度から小学校において全面実施され、プログラミング教育の必修化が示されております。プログラミング教育は、自分が意図する一連の活動を実現するために、どのように指示すればよいのかを論理的に考えていくプログラミング的思考を養っていくことが狙いとなっており、学習の過程において、コンピューターに意図した処理を行うように指示し、動かすことができる体験をさせるということが求められております。これらの取り組みについては、新たな教科を設定するのではなく、既存の算数、理科、総合的な学習の時間などの教科等の中で実施することが求められているところでございます。例えば、小学校5年生の算数では、簡単な指示事項を自分なりに組み合わせることで意図的に動作を実現することができるプログラミングソフトを使って、コンピューター上で正三角形や正方形、さらに角がふえた正多角形を作図する授業などを実施することとされております。御案内のとおり、本市におきましては、これまでにプログラミング教育を実施するために必要なICT機器の整備につきましては、各小学校への児童用タブレット端末や電子黒板の普通教室への設置、無線LANの整備等を行ってきたところでございます。また、今年度につきましては、鋳銭司小学校がプログラミング教育推進校として県の指定を受けており、プログラミングロボットやタブレット端末を活用したプログラミング教育の研究を実践したところでございます。本研究につきましては、教育委員会主催の小・中学校情報教育研究会で紹介するなど、各学校で成果の共有化を図りながら、今後の展開に備えているところでございます。また、現在各小学校におきましては、各学校の教育目標や学校・地域の実態等を踏まえ、来年度のプログラミング教育の全体計画と年間指導計画の作成、文部科学省が開設されているウエブサイト、プログラミング教育ポータルを参考とした校内研修での模擬授業、タブレット端末を用いたプログラミング研修などを弾力的に行うなど、指導体制の充実を含む諸準備を着実に進めているところでございます。教育委員会といたしましても、各学校の研修時等に担当指導主事や情報教育支援員を派遣するなど、プログラミング教育の円滑な実施に向け、各学校への支援体制の強化に取り組んでいるところでございます。今後、各学校へ提供する教材やGIGAスクール構想により整備されるICT機器の機能・能力が最大限に引き出され、より効果的な活用が図られますよう、山口情報芸術センターYCAMを有する本市の強みも生かしながら、プログラミング教育の本旨に沿って、プログラミング的思考を養うことで情報化が進展する社会においてもしっかりと生き抜いていける力を備えた子供たちの育ちを全力で支えてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 次に、大項目のウ、農業についてでございます。中項目の1)国土保全に地域農業は必須ということでお伺いをいたします。直接支払いや所得補償制度の復活をという思いでございます。食料自給率の向上は、食糧安全保障の観点から枢要な国家目標とされなければなりません。このことは経済政策や文化政策、国土政策の点からも極めて重要な意味を持ちます。政府が進めているTPP11、あるいは日欧EPA、日米FTAなど、農産物の際限ない輸入自由化路線とは相入れません。さらに気候大変動によります食糧生産の不安定化や物流コストの上昇を考えれば、いかにも異常と言わざるを得ないわけであります。この実態を克服するためには、社会的な安定要素であります農業・農村の持つ多面的な機能を評価し直し、地域に根差した経済への転換、具体的には農業を核に、食糧、エネルギー、人材、水、森林などの地域資源をフル活用し、域内だけで完結させるようなSDGs経済の構築であります。市における中山間地域づくり指針にも明記されておりますように、中山間地域の経済を支えてきた農業収入の減少を意識した取り組みと、農業の多面的機能を正当に評価する直接支払い、所得補償などの積極的な支援など、営農に向けたエールが必要ではないでしょうか、所見をお伺いいたします。次に、家族農業あるいは小規模農業の再生を農業政策の柱にということでお尋ねしたいと思います。国連は2019年から2028年を家族農業の10年と決め、家族農業・小規模農業への支援を呼びかけました。これは大規模化・効率化一辺倒の農政が世界で貧困や飢餓を拡大し、地球環境を悪化させてきたことへの反省から、農政の方向転換を求めたものであります。際限ない自由化ドミノの推進は、世界の流れに逆行するものであります。農業は食料自給率の向上、環境保全機能、水源の涵養、エネルギー資源など、命を守り、育む生命産業です。農業の持つ多面的な役割は農産物価格には反映されず、農家の無償労働によって提供がされております。こうした立場から、市としても本格的に家族農業・小規模農業の再生・発展を農業政策の柱に位置づけるべきというふうに考えます。法人経営の優遇、つまり税制面や情報面を全否定するというものではありませんけれども、しかし、農業経営体の90%以上が小規模家族経営体であることからしても、冷遇路線を切りかえる積極的な施策展開が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。それでは、次に中項目の2)スマート農業の早急な展開ということでお尋ねをいたします。富山県では、スマート農業の普及に向け拠点となる研修施設を設け、農機操作の疑似体験ができるシミュレーターの導入や練習場の整備等、事業費は6億円程度がつけられ、2021年の稼働を目指すとして動き出しております。山口市は中山間地域づくり指針において、国においてSociety5.0の実現として提唱をされております。技術革新の導入は中山間地域づくりの視点の一つとして明記されておりますAIやロボット、ICT、これを活用したスマート農業は、高齢化や担い手不足の課題を解決する施策として期待がされております。現在ではAIを使ったかん水や施肥の自動化、栽培管理を最適化するなど、システムの導入も進んできております。スマート農業が従来の農業機械による省力化と異なるのは、ICTを取り入れることで農作業の効率化や品質の向上が期待できるからであります。しかし、そのためには栽培環境や農作物の品質・収量のデータの活用が不可欠であります。同じ農地でも作物の育成を左右する天候は年によって異なるわけですから、1年分のデータを入れただけというわけにはいきません。水稲の場合、1年に1度の収穫ですから、精度のいい収量予測は5年から10年分のデータが必要となります。農林水産省の知的財産課は農業データの取り扱いに関するガイドラインを作成したとしています。熟練度の低い新規就農者でも質の高い農作物の生産が期待できることから、高い技術を持ったところの篤農家の農業データガイドラインづくりが必要であります。スマート農業に向かう今後の取り組み計画を明らかにし、市民とともに取り組む姿勢を含めて考えをお伺いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは、農業についての御質問にお答えいたします。まず、国土保全に地域農業は必須についてでございますが、議員御案内のとおり、農業の有する機能は、食料自給率の向上はもとより、環境保全や水田の貯水能力による防災機能など、多面的にその効果をもたらし、国土保全に寄与しているところでございます。本市では、その恩恵を市民の皆様が将来にわたって享受いただけますよう、このような保全活動に対し、重点的かつ効果的に支援を行うことを目的とし、平成27年度から多面的機能支払交付金事業に取り組んでいるところでございます。令和元年度における実績といたしましては、農用地面積約4,856ヘクタールにおきまして、35組織の皆様が行う農用地の畦畔や農道・水路のり面の草刈り、水路の泥上げなどの共同活動に係る手当や、農業施設の維持や更新に係る資材費などに対して支援を行っているところでございまして、これは、農業振興地域内の農用地面積の約63%に当たるものでございます。一方、本事業に取り組んでおられない地域も存在いたしますことから、新たに取り組まれる地域の掘り起こしを行いますとともに、広く本制度を認知していただくために、フェイスブックを活用した情報発信や、市役所本庁の市民ホールにおいて、これら活動事例を紹介するパネル設置も行ってきたところでございます。なお、農業が持つ国土保全の役割に対する支援を直接農家に支払うことが必要ではないかとのお尋ねにつきましては、多面的機能支払交付金事業が、国土の保全を初めとする農業が有する多面的機能の発揮は、個別の農業生産活動によるものだけではなく、地域の皆様方の協働によって支えられているという側面が大きいことと、さらに地域コミュニティーの醸成効果も含めた支援制度であることを鑑みますと、本事業はいわゆる個別給付金といった制度とは対象が異なるものと理解をいたしております。本市といたしましては、今後も引き続き、多面的機能支払交付金事業の情報発信に努めるとともに、説明会や研修会を開催するなど、本事業による支援を拡充することで、地域農業の活力と多面的機能の向上に努めてまいりたいと考えております。次に、家族農業に関するお尋ねでございます。本市におきましては、農作物の作付面積の約8割が水稲であることや、多くの小規模農家や家族農業の皆様が主食用米の作付を中心に農業収入を得られているという現状でございますことから、平成30年3月に、山口市食料・農業・農村振興プランを策定し、持続可能な農業への仕組みづくりに向けまして、現在多様な施策を展開しているところでございます。具体的には、確実な販路となる契約栽培を前提とした、酒造会社や中食・外食産業をターゲットとする加工米や業務用米への転換、小さな面積でも高収益が期待できる園芸作物への作付転換、また、専門性を有する民間事業者と連携、協働することによる高付加価値化や6次産業化、さらには、集落営農法人や農業生産法人との連携による効率化と低コスト化など、農家の皆様の生産活動状況を踏まえながら、中長期的な視点で取り組みを進めているところでございます。また、現在農家の皆様がみずからの経営判断に基づき販路が選択できる取り組みとして、新たな流通システムを南部地域で実証運用しているところでございますが、今後は他の地域への導入も検討するなどさまざまな取り組みを進めてまいることで、農業所得を向上させ、農業の魅力を高めることで、新たな担い手の確保にもつなげてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、小規模農家・家族農業は、本市の農業の中心的形態でございますことから、こうしたさまざまな施策をしっかりと推進していくことがまずは重要と考えておりますが、こうしたことに加えまして、高齢化や後継者不足を背景といたしまして、大規模化も加速しているところでございますので、今後は、ICTやAIなどを活用した次世代農業を掛け合わせた新たな農業の実現に向けた積極的な施策展開も必要と考えているところでございます。次に、スマート農業についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、国におかれましては、生産性の向上や規模の拡大、作物の品質向上や新規就農者への技術の継承、また、高度な農業経営を実現するスマート農業の実践など、さまざまな取り組みを進められているところでございます。とりわけ、近年の情報通信技術やロボット開発技術の進展に伴い、人工知能を活用したスマート農業は急速に進展しておりまして、今年度から実施されているスマート農業実証プロジェクト事業において、スマート農業の研究開発、実証・普及、環境整備等には積極的に取り組まれているところでございます。本市におきましても、今年度から県やJA等の関係機関に2つの集落営農法人が加わり、山口市南部地域スマート農業活用促進協議会が設立されたところでございまして、現在、関係団体との情報共有や導入効果の検証等を行っているところでございます。こうした中、本市におけるスマート農業の導入の具体的な内容といたしましては、ドローンでの農薬散布や無人草刈り機の導入、また、苺などの施設野菜の栽培においてはICTを使ったモニタリング装置の設置などがございまして、こうした先進技術の活用により、農作業の負担軽減や作業時間の削減はもとより、必要コストの低減や圃場の拡大に伴う生産量の増大、さらには作業データの蓄積によるノウハウの継承といった多くの効果が検証できているところでございます。一方で、今後のスマート農業の普及に関しましては、ロボット機能のさらなる精度の向上や機器の価格の問題など、幾つかの課題もございますが、本市におきましては、今年度から山口市担い手経営革新加速化支援事業を創設いたし、スマート農業の普及に対する支援策を実施しているところでございまして、これまでに、農業用施設の環境制御システムなど2件の交付決定を行ったところでございます。また、ドローンや無人草刈り機といった先進機器については、導入に係る経費が農家の皆様の負担となりますことから、その有効活用等についても現在検討しているところでございます。具体的には、集落や農業法人等による共同利用やオペレーターの融通などでございまして、とりわけ南北に広い本市の地形を考えますと、農業の繁忙期がそれぞれ異なりますことから、南部地域と北部地域の地域間連携について、関係機関での検討を始めているところでございます。今後は、こうした取り組みを継続してまいりますとともに、スマート農業のさらなる推進に向けて、国や県、JA等の関係機関と連携いたし、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 最後になりますが、公共交通についてお尋ねをいたします。時間がありませんから、途中から読みます。国を挙げて高齢者の免許返納が叫ばれる中、高齢者が公共交通を利用するため、バス停までの長い距離を徒歩で歩く、そうする中にもバス停にはベンチもない、高速で走る長距離トラックの風に傘が飛ばされるなどなど、山口市の開発として都市核には何百億円という税金を投入するのに、最後まで地域で元気に生活したいという地域の声がなぜ届かないのか。阿東や徳地地域の公共交通が利用しやすい環境となるよう、待合所の整備などバスに乗るまでの環境整備を真剣に考え、行う必要があると考えますが、見解をよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 荒瀬阿東総合支所長。              〔阿東総合支所長 荒瀬秀治君登壇〕 ◯ 阿東総合支所長(荒瀬秀治君) 公共交通についての御質問にお答えいたします。議員御指摘のとおり、自宅からバス停まで距離がある方もおられると認識しているところでございます。そのため、路線バスが利用しやすいものとなるよう、待合環境の整備や路線バスまでの地域内の移動手段の確保が課題であると考えております。議員お尋ねの公共交通が利用しやすい環境づくりについてでございますが、まず、バス待合施設の整備につきましては、乗りかえ機能のある停留所につきまして、優先的に上屋の設置等をいたしておりますが、ベンチも含め、道路環境によっては道路に設置できない場合もございますので、バス停の移設も含めまして設置箇所の確保等について、地域の皆様の御協力をいただきながら検討してまいりたいと存じます。また、阿東地域内を巡回いたしております阿東生活バスにつきましては、阿東地域の地域拠点と生活拠点を円滑に結ぶことができ、地域にふさわしい路線となりますよう、地域の皆様の御意見を伺いながら改善に努めているところでございまして、令和2年4月から、地福篠生線を阿東地域の地域拠点であります徳佐まで延伸いたすほか、徳佐嘉年線など他の路線におきましても利用率の高い店舗や医療機関を経由するよう運行ルートを改正するなど、より身近な場所から公共交通を利用できる環境整備を図ったところでございます。こうした現行の公共交通の利便性を図りますほか、新たな公共交通の仕組みづくりも検討いたしているところでございまして、人口減少時代、運転士不足における持続可能な移動手段の確保に向けて、令和2年度から、高齢化が顕著な中山間地域におきまして、AI、IoT等の革新的技術を活用して、移動手段の高度化・効率化やオンデマンドの可能性など、新たなモビリティサービスの導入に向けた取り組みについても調査、研究することといたしております。今後も引き続き、地域の皆様とともに、阿東地域の公共交通が利用しやすい環境づくりに努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、西村芳和議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  26番、宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 チームみらい共創の宮川英之です。本日一般質問最後の登壇となりました。通告に基づき、会派を代表して一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆さんの明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  まずは、行財政改革についてお尋ねいたします。来年度当初予算規模は、御案内のとおり938億8,000万円と過去最大となっています。未来に向けて、今必要な投資・整備を積極的に進めていることは高く評価できますが、一方で、財政収支の赤字化や経常収支比率の悪化、基金残高の急激な減少など懸念材料も見られます。令和2年度において、収支バランスは赤字で、基金からの63億円の取り崩しにより、収支バランスをとっています。また、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は98.8%で、5年前の平成28年度に比べ9%近く悪化しており、財政硬直化が懸念されるところであります。令和2年度当初予算資料における中期財政計画・計画期間後の財政見通しでは、令和9年度までにおいて、基金を取り崩して収支バランスをとる形になっています。約3年前の平成29年度までに275億円まで積み上げた基金残高は、令和9年度には約37億円まで減少する予測です。実にここ約10年間で基金約238億円の取り崩しが予測されている状況であります。どこかの早い時点で、基金に頼らない財政運営を基本とすべきです。現時点では、基金が底をついた後の絵は描けていないように思えますが、長期的な視点を持って収支バランスの黒字化などの目標を定め、選択と集中による市有施設の長寿命化や民間移譲、事業の統廃合などを積極的に進めるとともに、将来にわたって持続可能な財政運営の姿を早期に示すべきだと思います。現在、県においては、大胆な行財政構造改革が懸命に進められています。県保有施設の秋吉台国際芸術村について、廃止や美祢市への譲渡が検討され、県、美祢市、地元関係者等緊迫した調整が続いています。本市においても、今後同様なケースも想定されるのかもしれません。行財政改革における今の県の姿は、将来の本市の姿なのでしょうか。行財政改革の必要性が明らかな今、問題を明らかにし、市民と課題を共有しながら目標を明確に設定し、早期に取り組むべきと考えます。問題を先送りし、追い込まれて行うのではなく、意識を共有しながら早期に進めていけば、ソフトランディングも可能です。そこで、これらの状況を鑑み、本市としては今後行財政改革のためどのような取り組みを行う考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。また、今後基金が減少し、財政状況が悪化した場合、市全体の資金繰りも大変になることが考えられますが、そうした中で資金の管理運用が重要になると考えます。そこで、本市としては、資金の管理運用について、現状と今後のあり方についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 宮川議員の行財政改革についての御質問にお答えをいたします。私からは、持続可能な財政運営についてでございます。本市におきましては、新市発足後、山口市総合計画や第二次山口市総合計画を推進いたします中で、広域県央中核都市づくりや個性と安心の21地域づくりなどに必要な投資を積極的に行ってまいりまして、令和2年度当初予算におきましても、本市の未来を創造するための投資を加速する取り組みを進めることといたしております。御案内のとおり、本市の今後の財政状況の見通しにつきましては、令和2年度の当初予算案とともにお示しをいたしましたとおり、令和3年度以降の毎年度の財政収支はマイナスとなり、基金残高につきましても減少をしていく見通しとなっているところでございます。これは、歳入面では、普通交付税の合併支援措置が令和2年度に終了することや、令和3年度以降市税の大きな伸びが見込まれないことなどによるものであります一方、歳出面では、人件費や高齢化の進展に伴います社会関係保障費などの義務的経費の増加や市本庁舎の整備、産業交流拠点施設整備などの大型建設事業に伴います公債費を初めとする義務的経費などが増大するなど、歳出の増加が見込まれることによるものでございます。こうしたことから、今後の本市の財政状況は厳しさを増す見込みではございますが、そのような中にありましても、第二次山口市総合計画に基づく重点プロジェクトにしっかりと取り組んでまいりますため、引き続き、財政運営健全化の取り組みを進めますとともに、将来負担にも考慮する中で、交付税措置率の高い有利な地方債の活用や、これまで将来の財政運営に備えて積み立ててきた基金を計画的かつ有効に活用いたしながら、山口市財政運営健全化計画に掲げております令和4年度の基金残高の目標はもとより、他の財政目標の実現に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。そのための歳入の安定した確保のための具体的な取り組みといたしましては、市税等の収納対策の効果的な推進や税収拡大に向けた取り組み、ふるさと納税の促進、ネーミングライツ料収入などによります自主財源の確保や、地方創生推進交付金を初めといたします国県支出金の確保などに取り組んでまいります。また、歳出におきましても、ICT化の推進やスマート自治体への転換などによります内部管理経費の削減を初め、市民サービスの質に配慮いたしながらの事務事業の見直しなどにしっかりと取り組みますとともに、山口市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づきまして、公共施設等の保有総量の適正化や施設の長寿命化を進めることで、ライフサイクルコストなどの削減に全力で取り組んでまいりたいと考えております。今後とも、山口市財政運営健全化計画に掲げております、まちの持続的な発展をもたらす財政運営、将来への都市経営を支える財政運営、将来世代への過度な負担を残さない財政運営、これら3つの基本方針に基づきまして、将来を見据えた持続可能な財政基盤の確立に向けまして一層の努力を重ねてまいりたいと考えております。また、そのためにも、庁内組織として、新たに行財政改革の推進に関する本部会議などを設置いたしまして、全部局が一丸となってしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 小野会計管理者。               〔会計管理者 小野雅行君登壇〕 ◯ 会計管理者(小野雅行君) 私からは、資金の管理運用についてお答えをいたします。本市におきましては、毎年度の予算に基づきまして、市税・国庫補助金等の歳入や、大きな支出が発生する時期を予測し、1年間の収支をあらかじめ見通して、毎年度公金管理計画を策定し、適正に資金の管理運用をいたしているところでございます。この計画において、歳入と歳出のタイミングのずれにより、支払い準備金の不足が生じた場合には、山口市基金の設置、管理及び処分に関する条例の規定に基づき、基金に属する現金を支払い準備金に繰りかえて運用することといたしておりまして、繰りかえ運用の終了後には、繰りかえた期間に応じた利子を付し、それぞれの基金へ払い戻すことといたしております。本年度における実際の対応につきましては、令和元年10月以降に支払い準備金の不足が生じましたことから、財政調整基金等からの繰りかえ運用を実施いたしまして、合計で約91億4,000万円を支払い準備金に繰りかえ、適宜対応することといたしております。議員御案内のとおり、本市では、これまで将来に備えて積み立ててまいりました特定目的基金につきましては、これからのまちづくりを進めるため、計画的に活用してまいることといたしているところでございますので、その残高も今後徐々に減少していく見込みとなっているところでございます。そのため、将来的には、支払い準備金の不足に対処するための繰りかえ運用に用いることができる資金の額も減少していくことが見込まれるものでございます。こうしたことから、今後におきましては、会計部門といたしましても総合政策部との連携をより深め、市の資金管理におけるリスクマネジメントや総合的な戦略などについて、予算に定める一時借入金の活用や基金を原資とした一定期間の国債等の債権運用といった財源確保策を検討し、より有利で確実な資金運用を行うとともに、また専門的な人材の育成なども含め、長期的で多様な視点からの資金の管理運用をしっかりと実践してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁ありがとうございました。それでは、今の大項目のアについて、再度質問させていただきたいと思います。同僚議員からも同様に、現状のいわゆる財政収支、財政状況を憂う質問がありましたけれども、先ほど御答弁いただいたところで、市としても税の財源あるいは自主財源とか収入を確保したり、あるいは支出面でも見直し、ICT化を進めたりしていろいろな努力をされているということではございましたけれども、現状における財政運営健全化計画においては、あくまでもその基金を取り崩すという形の収支バランスが主な形になっておりまして、そして令和9年には、先ほど述べましたとおり、ピーク時には275億円あった基金は37億円まで減少するという絵となっているわけでございます。そのペースでいきますと、令和10年以降については、まもなく基金は底をつくというようなふうにも受け取れるわけでございますが、その中において、いろいろな努力をされていることは承知した上で申し上げるわけですけれども、やはりその山口市公共施設等総合管理計画等においても、いろいろな民間化計画等もうたわれ、進めていらっしゃいますけれど、それをいつまでにやるのか、いつそれが財政に反映されるのか。そういった収支バランスの黒字化の目標を明確にして、その目標に向かって取り組んでいくという姿勢がなければ、それでは令和10年以降どうやって予算を組んでいくのかというのが現時点ではわからないという状況ではないかというふうに思います。その意味でも、早期に黒字化バランスの目標を立てて進めていくべきだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。  再質問させていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 行財政改革についての2回目の御質問ということで、黒字化に向けた目標といいますか、取り組みを急ぐべきではないかということでございます。今お示しをいたしております中期財政計画と計画期間後の財政見通しにつきましては、毎年度当初予算編成時に見直しているところでございまして、どうしても当初予算がベースとなってまいりますので、歳入については辛目といいますか、厳し目に見て、歳出については大き目に見たものを、将来にわたって見通していくというような流れになってまいります。そういったことを御理解いただきました上で、そういった中で、財政運営の基本といいますのは、やはり入るをはかりて出ずるを制すではございませんけれども、やはり歳入をしっかりと見た上で、歳出を決めていかないといけないだろうというふうに思っています。そうした中で、今の地方財政については、地方財政計画という地方財政制度の中で地方財政それぞれが運営しているところでございまして、やはり税と地方交付税の関係とかそういったものの中で、なかなか歳入についてどんどんふえていくというような見込みが持てない中で、そういったものに関係しないふるさと納税でありますとか、使用料とか、そういったものの検討をこれからしていかないといけないであろうというふうに考えております。それと、もう一方の歳出につきましては、これまでも予算編成の中でよりよい市民サービスのためにいろいろな事務事業を見直しまして、そしてその中で事業費を削減したりふやしたりしながらやってきたという経緯もございます。そういった中で、今合併後のまちづくりを仕上げ段階ということで一生懸命それを加速させているところでございますので、そういったものについては配慮しながら、しっかり今やっていかないといけないのかというふうに思っておりますし、そういったものを進める中で、将来にわたっての持続可能な財政運営についてはその基本のところでしっかりやっていかないといけない。それについては、先ほど申し上げましたように、今の財政運営健全化計画が、今の第二次山口市総合計画の前期基本計画の財源の裏づけになっているようなところもございますので、そういった中で今の目標年次に向かって財政目標をきちんと立てて、今やってきているところでございます。その目標につきましては、しっかりと達成できるように今からも頑張っていきたいと思います、大義的には。そして、その次の後期の総合計画に向けてまた財政運営健全化計画をつくってまいりますので、その中で、また財政見通しもしっかりと行いながら、そういったもので予算編成にどんどんつなげていくと。そういうような形で進めておりますので、しっかりと黒字化に向けて、黒字になれば言うことはないのですけれども、どうしても予算で見ますと、歳入は辛目、歳出は大き目になりますので、そういった中で、そこの時点で黒字になるということはなかなかあり得ないことだろうというふうにも考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁ありがとうございました。懸命に取り組んでいらっしゃるとは思いますけれども、スピード感と危機感を持って取り組んでいただけることを期待しております。  それでは、大項目のイに移らせていただきます。次に、多世代交流・健康増進拠点施設についてお尋ねいたします。御存じのとおり、先日、多世代交流・健康増進拠点施設の整備基本計画素案が示されました。その中から、まず市民温泉(温浴施設)について数点お伺いいたします。市民温泉(温浴施設)の規模についてですけれども、小学校の施設見学等の受け入れも想定して、毎時最大浴場利用人員を50人から60人と寿泉荘の2倍程度を想定されています。現在、寿泉荘は、利用を60歳以上の方に限定していますが、このたび整備される施設は多世代対応型とうかがっています。私は、昨年12月の一般質問において、本市のこの方針を踏まえて、本市における60歳以上の方の人口比率が市全体の人口の約3分の1程度に当たることから、単純に機会均等という考え方を目安にすれば3倍程度の規模になるとの目安をお示しいたしましたが、このたびの現在の寿泉荘の2倍程度という想定はどのような考え方に基づいているものでしょうか、お尋ねいたします。また、料金について大人500円程度と想定されています。有名温泉地には、市民温泉・共同浴場が多く存在しますが、その料金設定は、市民温泉・共同浴場ができた時期や規模、コンセプト等によってまちまちであります。有名なところでいきますと、愛媛県松山市には、これは道後温泉でありますけれども、3カ所の市営温泉が存在します。100年以上の歴史を持つ道後温泉本館は大人420円ですが、約2年前に新設された別館飛鳥乃湯は610円となっています。大分県の別府市には、実に17カ所の市営温泉が存在しますが、110円程度の安価なところが多いようであります。本市拠点施設については、どのような根拠でこの500円という料金想定をされたのでしょうか、お尋ねいたします。また、現在寿泉荘では60歳以上の方が1回100円で利用可能です。建てかえ整備による新築とはいえ、いきなり利用料金が5倍は既存の利用者にとって大きな負担であるように思います。今後、高齢者割引、高齢者優待のような制度を設ける御予定はあるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。次に、規模や料金の想定を踏まえた上で、近隣の民間温浴施設への影響についてはどのようにお考えでしょうか。私は、このたびの施設整備が民業圧迫ではなく、例えば湯めぐりの起点となるなど、温泉文化がさらに醸成され、利用者が拡大し、多くの市民に愛用され、市民一人一人が応援団となってさらに湯田温泉が発展していくことを強く期待しています。また、70度を超える高温な源泉を持つ温泉の特性や、山口の歴史や文化を生かした工夫が必要だと考えています。例えば、泉質のすばらしさを体感していただくために、温泉かけ流しの浴槽があったり、建物の外観や内装から山口の歴史・文化を感じ取ることができるのも手法の一つかと思います。本市の御所見をお伺いいたします。多世代交流に今スポットを当ててお話ししましたが、健康増進という側面もあると思います。この施設の健康増進の面では、健康保険や介護保険の保険料低減化につながる未病対策や、温泉のリハビリ利用なども考えられます。長野県松本市においては、健康維持増進施設「湯~ぱれあ」という施設において、温泉プールを使ったメタボリック、腰痛などの疾患予防や、高齢者向けのアクアウォーキングなど、さまざまな運動プログラムが展開されています。実際にこれらの取り組みによって、健康保険や介護保険の保険料低減化につながったとのデータも報告されているようです。本市においても大変参考になるものと思われますが、温泉を健康増進につなげる取り組みについてどのようにお考えでしょうか。次に、多目的スペース、多目的室、大屋根広場について2点お伺いいたします。多目的ホールの整備については、湯田温泉旅館協同組合、湯田温泉配給協同組合、湯田温泉まちづくり協議会からも市に要望が提出されており、交流人口の拡大や地域活性化の面からも大きな期待がされます。拠点施設の整備基本計画案では、この多目的ホールを、前述の多目的スペース、多目的室、大屋根広場に区分し、整備することとされています。多目的スペース、多目的室、大屋根広場などを一体的に利用し、1,500人程度の交流会の開催が可能との想定がされていますが、基本計画案では半屋外の大屋根広場が大部分を占めています。本市としては、近隣住宅への騒音対策や、イベント参加者に対しての夏冬などの時期における猛暑・防寒対策について、どのようなお考えをお持ちでしょうか、御所見をお伺いいたします。また、市内には、今後供用開始となる新山口駅の産業交流拠点施設を含め、山口市民会館、山口情報芸術センター、中央公園など、集会、イベントスペースが複数存在します。私は、他施設と密接に連携し、大規模コンベンションの後の交流会、懇親会等、アフターコンベンションを積極的に誘致していくことが必要だと考えます。本市として、これらの施設との連携やすみ分けについてはどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 多世代交流・健康増進拠点施設についての御質問にお答えをいたします。まず、市民温泉についてでございます。御案内のとおり、本市では、昨年3月に策定をいたしました多世代交流・健康増進拠点施設の整備基本構想を踏まえまして、基本計画の策定支援事業者と連携し、これまでに公募によります市民ワークショップを初め、湯田温泉の観光事業や宿泊・飲食事業にかかわる関係団体の皆様などへのヒアリングを実施いたしておりまして、幅広い世代の市民の皆様、また各方面の皆様からの御意見・御提案をいただいているところでございます。そして、こうした多くの皆様からの多様な御意見や御提案を踏まえまして、拠点施設に導入する機能や各機能の整備方針、そして施設配置の考え方などを整理いたしますとともに、本市のまちづくりの方向性とも照らし合わせ、整備基本計画の素案をこのたび皆様にお示ししたところでございます。こうした中で、温浴機能の規模の考え方につきましては、寿泉荘を多世代型に更新し、湯田温泉の市民利用を促進することを踏まえまして、全国の類似事例の規模や民間温浴施設の規模を考慮いたしますとともに、例えば小学校の施設見学の受け入れなども想定をし、寿泉荘のおおむね2倍程度の男女それぞれ最大25人から30人が利用できる規模を想定いたしております。また、市民温泉の料金の根拠につきましては、全国的に有名な温泉地や県内における公共の日帰り入浴施設の利用料金がおおむね400円から600円でありますこと、また、平成28年に実施をいたしました湯田温泉の日帰り入浴施設に関するアンケート調査におきまして、利用料金が400円までが妥当、または600円までが妥当と回答された市民の皆様の割合が半数を超えているといったことなどから、大人500円程度と想定をいたしたものでございます。こうした中で、御案内の高齢者割引のような制度につきましては、本施設につきましては、あらゆる世代の市民の皆様の湯田温泉の利用促進や温泉文化の醸成を目指すといったものでございますことから、現時点におきましては検討いたしておりませんけれども、今後、議員からも御案内がございました、現在の寿泉荘を日常的に御利用されている皆様への配慮でありますとか、例えば特定の日に特定の世代の利用を促す取り組みでありますとか、高齢者を対象とした健康増進事業など、具体的な事業展開を検討する段階で、こうした割引制度につきまして周りの民間事業者の皆様の御意見もお伺いしながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。次に、近隣の民間温浴施設への影響についてでございます。御案内のとおり、全国的に有名な多くの温泉地では、民間の日帰り入浴施設や宿泊事業者が開放されている内湯などの温浴施設とともに、市民の皆様が気軽に利用できる公共の温浴施設が整備をされておりまして、こうした官民一帯の取り組みによります相乗効果のもとで、観光客だけではなく、広く市民の皆様に親しまれるような魅力のある温泉地づくりが進められているところでございます。こうした中で、本市が本年1月に市民の皆様を対象に実施をいたしました市民温泉の整備に関するアンケート調査の結果におきまして、湯田温泉に日帰り入浴施設があることを知っているものの、この1年間に利用していないと回答された方の割合は5割を超えておりまして、こうした皆様に湯田温泉に日帰り入浴施設があることを知らないと回答された方を加えますと、実に7割を超える市民の皆様がほとんど湯田温泉を利用されていない状況でございます。こうしたことも踏まえまして、本市といたしましては、市民温泉の整備によりまして、この湯田温泉への市民の皆様の潜在的な需要を掘り起こし、湯田温泉の利用向上を図りますとともに、民間の温浴施設との連携を図ります中で、民間の温浴施設などへの市民利用についても促進をしてまいりたいというふうに考えておりまして、本施設の温浴機能の規模や料金につきましては、こうした取り組みを進めるためにも適切であるものと考えておりますが、この点につきましては、今後も周辺の事業者の皆さんの御意見も伺いながら、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。次に、温泉の特性や山口の歴史や文化を生かした工夫についてでございます。御案内のとおり、本市の貴重な地域資源であります湯田温泉につきましては、非火山性でありながら、源泉が70度を超える高温であり、山陽路随一の日量2,000トンもの豊富な湧出量を誇っております。また、肌のリフレッシュ効果があるアルカリ性泉、温熱効果がある食塩温水、そして体への負担が少ない単純温泉というすぐれた泉質を有しておりまして、江戸時代には温泉番付の前頭に位置づけられるなど、その効能は古くから認められてきたところでございます。さらに、1372年に渡来した明の趙秩がつくったと言われます山口十境詩の中にも登場するなど、その歴史は室町時代までさかのぼり、江戸時代には長州藩御用の湯治場でございます湯田御茶屋が置かれ、また幕末には維新の志士たちが湯田温泉の地を訪れたという歴史や文化もございます。したがいまして、こうした湯田温泉が歩んできました歴史や文化やお湯の特性、また周辺の民間施設の情報なども加えました湯田温泉全体の情報をわかりやすい形で市民の皆様や来訪者の皆様に発信する取り組みなどによりまして、湯田温泉に対するシビックプライドの醸成、また来訪者の皆様にも湯田温泉の魅力をしっかりと伝え、湯田温泉の認知度を高めてまいりたいというふうに考えておりまして、温浴機能の場だけではなく、文化体験スペースなども活用して、しっかりとこうしたことについても行ってまいりたいというふうに考えております。次に、温泉を健康増進につなげる取り組みについてでございます。拠点施設の温浴機能につきましては、湯田温泉の湯に親しむ体験の場を歴史・文化などとともに提供をいたしますことで、民間の温浴施設の利用も含めました湯田温泉全体の利用拡大につなげるといったことを目的にしようとしているものでございまして、浴室については、そうしたことからもシンプルな整備とすることといたしております。こうした中で、市民の皆様の健康増進などに活用の幅を広げる取り組みにつきましては、温泉に入ることで免疫力が高まるといった事例もうかがっているところでございますことから、まずは温泉利用そのものを促進することが必要であるというふうに考えております。また、湯田温泉のすぐれた泉質を市民の皆様の健康づくりに効果的に生かすため、入浴方法などの情報発信を行ってまいりますほか、現在湯田温泉関係団体の皆様が進めておられますヘルスツーリズムの取り組みの中でこの拠点施設を活用していただきますなど、健康増進への意識の高まりを観光や宿泊などへつなげていく取り組みとしての事業展開も検討してまいりたいというふうに考えております。次に、多目的スペース、多目的室、大屋根広場についてでございます。拠点施設における交流機能につきましては、市民ワークショップなどでの多様な御意見を踏まえまして、基本的な整備方針として、市内外の多くの人々を集め、多様な交流や温泉街などへの回遊の起点となり、さまざまな用途や規模の行事や催しなどで使い勝手のよい施設とすることといたしておりまして、多目的に利用できる大小さまざまな諸室・空間を有する多目的交流施設と、これに連なる屋根つき広場を整備することによりまして、屋根のある空間において1,500人規模の交流会の開催が可能な施設といたしたところでございます。多目的交流施設の多目的スペースと温浴施設1階の文化体験スペースを大きな屋根を有する半屋外のスペース、いわゆる大屋根広場に対しましてフラットに開くことができる空間といたしますことによりまして、立食パーティーを想定いたしました1,500人規模の交流会の開催が可能な屋根つきの空間の確保を検討いたしておりまして、この空間の3分の2程度を半屋外の大屋根広場が占めることを想定いたしているところでございます。この大屋根広場では、通常は完全な屋外で実施するイベントなどにつきまして、天候に左右されることなく、季節感も感じつつ、独自色のあるさまざまなイベントの展開が可能となるものでございまして、市民ワークショップなどで御提案をいただきましたさまざまなイベントに対応でき、また平常時には、市民の皆様が自由に出入りをし、憩いの場としても活用することが可能となるものでございます。こうした中で、お尋ねの近隣住宅地へのイベント開催時の騒音対策につきましては、本施設の整備予定地が住宅地エリアに隣接しておりますことから、しっかりと対策を講じる必要があるというふうに考えております。基本計画素案の施設配置の考え方の中でお示しをいたしておりますように、現在、大屋根広場の3面を建物で囲う配置といたしております。残りの1面も樹木などで住宅地との緩衝帯を設けることを検証しているところでございます。また、夏冬における猛暑・防寒対策につきましては、風通しや季節風の影響を考慮いたしました設計のほか、ミストでありますとか、温泉熱を活用した暖房など、今後設計段階におきまして具体的なイベントの実施も想定をいたしながら、それぞれの対策についてより詳細な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。次に、既存施設との連携やすみ分けについてでございます。御案内のとおり、市内には令和3年度に供用開始となります新山口駅北口の山口市産業交流拠点施設を含め、山口市民会館、山口情報芸術センター、中央公園など、屋内外の集会・イベントスペースが、公共施設だけでも複数存在をいたしております。具体的に申し上げますと、山口市産業交流拠点施設には、県内最大2,000席の収容能力を有する平土間の多目的ホール、山口市民会館には固定席1,500席を有する舞台形式の大ホール、そしてシアター形式で400名収容可能な平土間の多目的小ホールがございます。また、山口情報芸術センターにおきましては、シアター形式で450名収容可能なスタジオA、約350平方メートルのフラットスペースであるスタジオBなどがございまして、コンベンション、ライブ、コンサート、ダンス、舞台芸術などに適した屋内施設は確保されているものと認識をいたしております。また、屋外施設では、中央公園におきましては、芝生広場を中心とした広大なフラットスペースがございますことから、近年、全国的なビールイベントでございますオクトーバーフェストが開催されるなど、大規模なイベントが実施可能である一方で、雨や日差しを遮る場所や夜間の照明が少ないといったこともありまして、大規模なイベントなどを実施する際には、天候や夜間対策を含め、主催者が大がかりな仮設施設を整備する必要がございます。こうした屋内外の市内施設との差別化を図りますとともに、これまでにない交流の空間として、湯田温泉の拠点施設におきまして大屋根広場の整備を検討いたしているところでございます。また、山口市産業交流拠点施設につきましては、新山口駅周辺におけます山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向けた産業交流拠点として整備を行っておりますもので、県央部に位置する広域的な交通結節点、ネットワーク拠点としての立地特性を最大限に生かしまして、コンベンションや学会、シンポジウム、大規模な会議、展示会などの利用を促進いたしますことで、新たな交流人口の創出が見込まれるものでございます。この産業交流拠点施設を初め、小郡都市核が生み出します新たな交流人口や、また山口都市核で展開をされます文化創造イベントなどを県内最大の宿泊拠点でございますこの湯田温泉に誘引することで、湯田温泉の宿泊客などを増加させる役割も本施設が果たしてまいりたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、近年、体験型のコト消費、さらには、今そこでしか体験できない再現性の低いトキの過ごし方を楽しむ価値観が広がりを見せております中で、今後、季節感や地域色があるイベントなどに対するニーズが高まっていくものと考えておりまして、こうした体験の場を本施設で提供することで、市民や来訪者の皆様の豊かな交流を促しまして、小郡都市核との連携や、湯田温泉街や山口都市核、そして市内全体への経済波及効果につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁ありがとうございました。それでは、大項目イ、多世代交流・健康増進拠点施設についての中の中項目1)市民温泉(温浴施設)について、2回目の質問をさせていただきたいと思います。御答弁にありましたように、この施設というのが、現在のパイを奪い合うのではなくて、長期的視点に立って潜在需要を掘り起こして、そして利用者拡大につなげていく、そして周辺施設にその経済波及効果をもたらすというような施設になっていかなければならないというふうに思います。そこで、市民温泉の規模についてなのですけれども、この市民温泉の規模については、先ほどの部長の御答弁の中では、類似の温泉地等のこういった市民温泉の施設を参考にしているというような御答弁があったのですけれども、私は現状をどう把握されているのかというところをちょっとお伺いしたいのですけれども、寿泉荘の1日の平均利用者数、これは調べればわかることだと思いますが、現地の視察、現地の調査、あるいは指定管理者への聞き取り調査等を行われていらっしゃるのかどうか、あるいは行うべきではないかというふうに思います。私が聞き及んでいるところで、あるいは現地に行って見たところもありますけれども、現在1日100人超の利用者がありまして、60歳以上に限定した中においても、日々大変混雑しているという状況であります、ですから、この今度の施設の規模がどうなのかと。60歳以上だけではなくて、多世代にこれを対応した場合に、これで対応できるのだろうかというところも、実際のもう少し詳細な調査をした上で、あるいは聞き取りをした上で進めていく必要があるのではないかというふうに思います。また、規模だけではなくて、やはり利用時間ですとか、休日等の見直しも含めて、現地調査の上、総合的に判断した上でこの規模を想定されるべきだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。  2回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 多世代交流・健康増進拠点施設についての市民温泉の2回目の質問でございます。市民温泉の規模について、現状の寿泉荘が100名程度、1日でですね。それで混雑しているのに2倍程度は小さいのではないかというような御質問だったと思いますけれども、先ほども申し上げましたように、この市民温泉につきましては、今の市民利用がなかなか少ない中でその潜在的な需要を引き起こしまして、それをこの施設のみならず、民間の施設にどんどん広げていきたいということを考えておりまして、そういう意味では、寿泉荘がある中で今の民間の施設が使われているところでございまして、ここでその倍も2倍も3倍も利用者をふやして、ここでじっと確保していくということではないわけでございます。そうした中で、ここでまずは入っていただいて、歴史とか文化を知る中で体験として入っていただいて、ほかにも周辺にこんな施設があるのを知っていただいて、どんどんよそに入っていっていただきたいと。そういう中では、ここだけで全てを賄うということは考えておりませんで、実際もういっぱいになってよその民間の事業者のところに行かないとお風呂入れませんという状況が生じたとしても、一歩としてここの施設に来ていただいているわけですから、それなりの役割は果たしているのかというふうにも考えておりまして、そういった今の需要を引き起こすという役割、そしてほかの温泉地での公共のあり方、そういった中での市民温泉の規模、料金、そういったその民間施設につなげていくための規模、料金、そういったことを総合的に検討いたしながら、今はこれぐらいと思っておりますけれども、その中でいろいろなまた御意見も聞きながら検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁ありがとうございました。規模が小さいのではないかと言ったわけではなくて、それが適正かどうかというのをもう少し現地の調査をして、あるいは現地の方の声を聞いたり、利用者の方の声を聞いたりして、本当に適正かというところを見きわめていただきたいというお話であります。ですから、規模というのは一律には言えないというふうに思っていますけれども、オープンしたはいいが、やはり本当に利用ができなくて、本当に混雑しているという状況になって最初から不満が続出するようなことにはなってはいけないので、その意味ではやはりしっかりとよく調査をしながら進めていきましょうというお話をさせていただいた次第です。  それでは、最後の大項目ウ、交通政策について進めさせていただきたいと思います。高齢化がますます進展する中で、高齢者の移動手段確保は喫緊の課題であります。これまでも、コミュニティバスの路線延伸や路線変更を求める声を多く聞いておりますが、各地域・各地区からの要望が多く、運転手不足の現状もあって、地域の拡大や運行の時間延長はなかなか難しい状況にあると思います。そのような中、地域の実情にあった、よりきめ細かいサービス展開をするためには、コミュニティタクシーやグループタクシー制度を積極的に導入することが重要だと考えます。現在吉敷地域においては、コミュニティタクシーの導入検討が進められており、令和2年度実証実験、令和3年度以降の本格導入に向けて準備が進められています。今後、他地域においてもニーズを丁寧にくみ上げながら、同様に取り組みを広げていく必要があると思います。高齢化がますます進展する中、タクシー事業者や地域づくり協議会にどのような働きかけをしておられますか。本市としての取り組み状況をお伺いいたします。次に、当初予算においては、コミュニティタクシーにおける実証・検討として、民間事業者との連携事業が予定されていますが、今後具体的にどのような革新的技術を活用し、どのようなサービスができるようになるのでしょうか。また、どのようなスケジュールを持って進めていかれるお考えでしょうか、お尋ねいたします。最後に、最近の新聞報道であったわけですけれども、国土交通省は公共交通空白地における自家用有償旅客運送制度において、地域住民に加えて観光客も利用可能とする法改正を行う方針との報道がされています。つまり、白タクのような制度を拡大していくと。これを交通空白地において、そういった制度の緩和をしていくというような報道がされているわけですけれども、本市としてもこういった制度の検討が可能なものなのか、御所見をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問とさせていただきます。
    ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 交通政策についての御質問にお答えをいたします。まず、コミュニティタクシーの導入等に当たっての市の取り組み状況でございます。議員御案内のとおり、高齢化がますます進行する中で、移動手段の確保は喫緊の課題であると認識をいたしております。そのため、交通不便地域におけるコミュニティタクシーやグループタクシー制度の導入といったコミュニティ交通の確保や、自宅・目的地からバス停・駅までのいわゆるラストマイル対策の取り組みは大変重要であると考えております。本市におきましては、地域内の移動手段につきましては、地域の主体的な取り組みを基本といたしておりまして、市民の皆さん、事業者、行政が協働いたし、地域に適したコミュニティ交通を整えられますよう、地域主体での取り組みを積極的に支援してまいることといたしております。こうしたことから、昨年度、コミュニティ交通導入の手引きを作成いたしまして、この手引きを用いながら、吉敷地域を初め、徳地、阿知須、陶、鋳銭司、秋穂二島、名田島、秋穂などの地域におきまして、地域づくり協議会を初めとした地域の皆様との話し合いを、場合によっては交通アドバイザーにも参加いただきまして進めてまいっているところでございます。次に、民間事業者との連携についてでございますが、高齢化が急速に進む中で、定時定路線を基本といたしました生活バスやコミュニティタクシー、さらにはグループタクシー制度といった本市のこれまでの交通施策に加えまして、今後は新たな手法も検討いたしてまいる必要があると考えておりますことから、昨年、本市でAI乗り合いタクシー「Noruuu」の実証実験を行われました株式会社REA及び山口第一株式会社と本年1月に施策連携に関する協定を締結いたしたところでございます。今後、地域の交通課題の解決方法といたしまして、AIやIoTの新技術の活用が適していると想定される場合につきましては、それらの技術を活用することにより、複数の予約があった場合でも最適なルートを設定し、乗り合わせることが可能なドア・ツー・ドア方式の乗り合いタクシーなど、新たな移動手段の導入に向けて取り組んでまいりたいとこのように考えておりまして、そのため、コミュニティタクシー等の導入を検討されておられる地域に対しましては、このたび本市と協定を締結いたしました株式会社REAを初めとする先端技術を有します民間事業者と連携をいたしまして、具体的な提案や協議をいたしてまいることといたしております。なお、今後のスケジュールにつきましては、地域の皆様とのこうした技術を活用した手法が地域のニーズに有効であるかについて検討を進めまして、有効であると想定される場合には、地域におきまして運行の区域や頻度等の運行計画を策定いただき、1年間程度の実証運行を行う予定といたしております。実証運行の結果、コミュニティタクシーの本格運行基準を達成すると地域で判断されましたら、その後、本格運行に向けて支援をいたしてまいりたいとこのように考えております。次に、自家用有償旅客運送制度の活用についてでございますが、交通事業者による運送事業が成り立たない地域におきましては、本制度の活用も検討いたしてまいる必要があると考えております。自家用有償旅客運送につきましては、地域にお住まいの方を対象といたすもので、市町村が行う市町村有償運送と、NPO法人等が行う登録者のみを対象といたしました公共交通空白地有償運送の2つの種類がございまして、本市におきましては、公共交通空白地における市町村有償運送として、阿東生活バスを運行いたしております。このたび進められている制度改正により、地域にお住まいの方に加え、観光客等も運送の対象として法律上明記される見通しでございますが、交通事業者による運送事業が成り立たない地域においてのみ認められるという要件は変わらないというふうにうかがっております。本市におきましては、バス事業者等、交通事業者による運送が可能な場合は、まずは交通事業者による運送を第一に考えてまいりたいと思っておりますが、過疎化の進行等により、今後それが困難な状況も生じてまいることが考えられますことから、議員御案内の交通事業者にかわる自家用有償旅客運送制度の活用につきましても、一つの手法として検討または研究してまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、宮川英之議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  本日の一般質問並びに質疑は、これをもって終了いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。再開は、明26日午前10時であります。                  午後4時54分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  馬 越 帝 介                    会議録署名議員  其 原 義 信 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....