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令和元年第4回定例会(2日目) 名簿 開催日:2019年12月09日
令和元年第4回定例会(2日目) 本文 開催日:2019年12月09日

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  1. 山口市議会 2019-12-09
    令和元年第4回定例会(2日目) 本文 開催日:2019年12月09日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2019年12月09日:令和元年第4回定例会(2日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより、本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、8番、山見敏雄議員及び25番、伊藤青波議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第50号までを一括議題といたします。  順次、発言を許します。11番、泉裕樹議員。               〔11番 泉 裕樹議員登壇〕 ◯ 11番 泉 裕樹議員 おはようございます。自由民主党山口の泉裕樹でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆様の明快な御答弁をお願いいたします。  まず、大項目アの令和2年度予算編成方針についてお尋ねします。本年5月に新たに令和の時代が始まり、早くも師走を迎え、あと20日余りで令和2年を迎えることになり、令和元年度の取り組みも仕上げの段階に入ってきているところであります。こうした中、11月に本市の令和2年度の予算編成方針が発表されました。令和2年度は第二次山口市総合計画の前期基本計画の3年目、ちょうど折り返しの年となり、予算編成方針では、令和2年度当初予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけられ、本市の未来を確かなものとするための挑戦、つまりトライを続けていくことを明記されたところであります。この方針は、先般、我々にすばらしい感動を与えたラグビーワールドカップ日本大会の関係もあったのではないかとも感じているところでありますが、高校時代にラガーマンとして活躍され、山口市を市民とスクラムを組みながら前へ前へと積極果敢に推し進めてこられた渡辺市長らしい前向きな方針だと感じているところであります。そして、この予算編成方針では、基本的な考え方として3つのトライ、挑戦が掲げられています。1つ目は、広域県央中核都市づくりと個性と安心の21地域づくりの取り組みを積極果敢に展開するオール山口の未来に向けたトライ、2つ目に、教育や子育て、産業振興、防災などの各分野の取り組みを積極的に進める今の市民生活を豊かにするトライ、そして、3つ目として、増大する地域課題や多様な市民のニーズに応えながら持続可能なまちづくりを進める持続可能な公共を目指すトライであります。この3つのトライを実現するために、積極的な基盤整備や事業展開を目指した令和2年度の予算編成を進めていかれるということであります。そこで、お尋ねいたします。この予算編成方針にあります3つのトライに込められた市長の思いについてお伺いいたします。とりわけ3つ目の持続可能な公共を目指すトライでは、Internet of Things、いわゆる物のインターネットやAI、人工知能などの革新的な技術を活用した便利で豊かな未来社会であるSociety5.0への対応を図る中で、小さくて大きい新たな公共を目指した公共サービスの最適化に取り組まれるといった新たな方針を示されていますが、令和2年度の予算編成に向けた市長の意気込みをお伺いいたします。また、予算編成方針には、参考として一般会計の収支試算が示されております。この収支試算によりますと、令和2年度は特定目的基金を38億円活用する中で財源不足額が36億円となっていることが示されており、この財源不足額は昨年の令和元年度予算編成方針の発表時と比べ8億円ほど増加しております。渡辺市長は、1市4町の合併、そして旧阿東町との合併以降、常に本市全体の発展のビジョンを描かれながら精力的に社会資本などの基盤整備に取り組まれ、そうした基盤整備が目に見える形になってまいりましたし、市民生活におけるきめ細やかな対応にも意を配しておられます。このたびの財源不足額は、予算編成方針を発表された時点でのサマーレビューを通じまして各部局からの概算要求を積み上げられたものがベースとなっているものであると認識しておりますことから、今後予算編成の過程の中で精査されていくものと思っております。しかしながら、今後、本市が本格的な人口減少時代を迎える中で、本市の未来を確かなものにしていく必要もありますし、新たな市民ニーズへの対応も必要になってくるのではないかと思っております。私も、市民の皆さんから山口市の財政状況は本当に大丈夫か、厳しくなるのではないかといった本市の財政状況を心配される声もうかがっており、市民の皆さんにしっかりと説明する必要があると考えております。そこで、お尋ねします。令和2年度の予算編成に向けて、この財源不足とその対応についてどのように考えておられるのか、市長のお考えを伺いまして、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) おはようございます。泉議員の令和2年度予算編成方針についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、令和2年度は第二次山口市総合計画前期基本計画の3年目となる中間年度であり、同時に現在策定作業を進めております第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のスタートの年度でございます。本市におきましては、これまでも第二次山口市総合計画と地方創生の総合戦略の取り組みを一体的に進めております中で、人口は約19万5,000人と現在の総合戦略における人口展望を約3,500人上回る水準で推移をいたしておりまして、これからも引き続き来たるべき本格的な人口減少時代に備えるべく、第二次山口市総合計画期間の早い段階において一定の社会基盤整備を整え、本市の未来を確かなものとするためのトライをいたし、また令和の時代における次世代のまちづくりにトライをしていかなければならないと考えているところでもございます。そこで、令和2年度予算編成方針におきましては、第二次山口市総合計画と地方創生の取り組みをさらに深めていくため、令和2年度の予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけ、3つのトライを掲げ、基本的な考え方として示したところでございます。まず、1点目のオール山口の未来に向けたトライにつきましては、本市の都市政策の柱である広域県央中核都市づくりと個性と安心の21地域づくりのプロジェクトを積極果敢に展開し、山口都市核と小郡都市核、そして市内21地域がそれぞれの特性と役割のもとでワンチームとなって本市全体の発展を目指していくという思いを込めております。とりわけ、ことしのラグビー日本代表の活躍が象徴しておりますように、多様な人材で構成されるチームのメンバーが互いの個性や強みを認め合い、仲間を信頼し合いながらトライを目指す姿を、本市において各地域やさまざまな人材が一丸となってチーム山口で本市全体の発展を目指す姿と重ね合わせている、そうした思いも込めているところでございます。また、2点目の今の市民生活を豊かにするトライにつきましては、教育・子育て、産業振興、医療・介護、防災、交通、環境などの各分野における取り組みについて、第二次山口市総合計画前期基本計画の8つの重点プロジェクトの施策横断的な展開とあわせながら着実に進めてまいりたいという思いでございます。とりわけ、持続可能な公共交通の構築、待機児童対策、若者を初めとした働く場の確保などは引き続き全力で積極的に取り組む分野であろうと認識をいたしております。また、3点目の令和の時代にふさわしい持続可能な公共を目指すトライにつきましては、これからの人口減少時代における財源縮小局面にあっても、増大し続ける地域課題や多様な市民の皆様のニーズに応えてまいりたい、最少のコストで最大限のニーズに応えることができる持続可能なまちづくりを進めてまいりたいという思いを込めております。このトライは、本市におけるその豊かなコミュニティーや多様な協働と、ともにつくる共創のもとで、IoTやAI、5Gなどの革新的技術を活用した便利で豊かな未来社会、Society5.0を見据えた対応を進めていくという挑戦でございます。そして、こうした本市におけるSociety5.0を見据えた対応に当たりましては、効率性のみを目的とするのではなく、デジタル技術やデータを使いながら多様な人材等がその創造性を発揮し、地域課題の解決と豊かな地域社会を築く価値創造というまちづくりにつなげていくことを目的に取り組む必要があると考えておりまして、主役はデジタル技術ではなく人や地域であるという考え方のもとで進めていく必要があると認識をいたしております。また、このことは第二次山口市総合計画に掲げる将来都市像「豊かな暮らし 交流と創造のまち 山口」における多様性と暮らしの質を高めることにより生み出される豊かな暮らしを、交流と創造により支えていくという考え方と方向性を同じくしているところでございます。また、こうした中で、行政の役割といたしましては、企業、生産者、生活者、行政の全ての領域が互いに連携しながらデジタル技術等を活用することで課題解決や価値向上、そして効率化の相乗効果をまち全体として発揮する、すなわちまちの生産性を向上させるプラットフォームづくりが求められていると考えておりまして、効率化により生み出された人材や財源をさらなる課題解決や価値創造につなげていく、こうした好循環を生み出すまちづくりが求められていると考えているところでございます。本市におきましては、本年度、窓口サービスを中心にスマート自治体の取り組みをスタートさせたところでございますが、令和2年度においては次世代交通サービスにおける施策検討や救急現場へのICT導入、山口情報芸術センター・大学・情報通信事業者等が立地する本市の特性を生かした連携や小・中学校におけるICT教育のさらなる充実など、地域課題の解決や価値創造につながる、そしてSociety5.0における人材育成につながる事業展開を図ってまいりたいと考えております。また、地域社会に散在する課題やニーズを把握し、課題解決や価値創造に向けた効果的なデジタル技術の選択、そして多様なプレイヤーとの連携や、ともにつくる共創を図っていくための組織体制のあり方につきましても検討いたしてまいりたいと存じます。このような考え方と方向性のもとで、行政、地域、民間企業、市民の公共への関わりを創発的にしつつ、新本庁舎整備にあわせたスマート自治体スマートシティの取り組みも加え、さまざまなプレイヤーの公共へのかかわりが複合的に重なり合う、いわば「小さくて大きい、新しい公共」を目指した公共サービスの最適化にトライいたしてまいりたいと存じます。あわせて、現在策定を進めております第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略における重点プロジェクトとしての位置づけもいたしてまいりたいと考えております。このような形で「トライ 未来創造」予算の編成に取り組んでいるところでございますが、令和2年度予算編成方針の公表時点における一般財源を基礎とした収支試算につきまして、まず歳入につきましては、市税や地方交付税の見込みなどから総額で547億円を見込んでいるところでございます。一方で歳出につきましては、各部局からの概算での要求額といたしまして、人件費、公債費、扶助費などの義務的経費が377億円、子ども医療助成事業費学校管理運営費などの増加等が見込まれる政策的経費が144億円、プロジェクト経費などの枠対象外経費が62億円でございまして、総額では583億円となっており、現時点での収支試算では36億円の財源不足を見込んでいるところでございます。この対応につきましては、今後、予算編成作業の中において事業費の精査に加え、地方創生推進交付金を初めとした国等の制度の活用、国の令和元年度補正予算や地方財政対策との連携、将来に備えて積み立ててまいりました財政調整基金や特定目的基金の活用などにより収支の均衡を図ってまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、人口減少時代や少子高齢社会において、本市全体が将来にわたって成長や発展を続け、若者世代などの働く場をしっかりと確保できる高次都市サービスが確立できるように、また同時に農山村において基幹産業でございます農林水産業の振興や定住促進が図られるように、本市の未来を創造するための投資を加速化することが将来における持続可能な行財政基盤の確立につながるものと考えているところでございます。あわせて、Society5.0を見据え、本市の未来を担う人材育成と社会基盤整備の2つの領域につきまして、積極果敢な事業展開が可能となるような予算編成を進め、令和の時代にふさわしい持続可能な公共を目指す次世代のまちづくりを加速し、本市のまちの生産性を向上させ、本市における地域課題の解決と価値創造も図りながら、「住んでよかった、これからも住み続けたい山口市」と思えるまちづくりにトライしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 泉裕樹議員。               〔11番 泉 裕樹議員登壇〕 ◯ 11番 泉 裕樹議員 続きまして、大項目イの新本庁舎整備についてお尋ねいたします。新本庁舎整備については、本年6月に山口市新本庁舎整備基本計画を策定され、その後、7月中旬から公募型プロポーザルにより基本設計と実施設計を担う設計事業者の選定を進めてこられたところでございます。執行部におかれましては、この事業者の選定に当たり、外部有識者等を中心に組織された山口市新本庁舎等基本設計実施設計業務委託に係る公募型プロポーザル評価委員会を設置され、慎重かつ専門的な見地から選考を実施されたところであります。また、審査は公開の場で実施され、9月29日の日曜日に、会場となった市民会館小ホールには会場がほぼ満席となる約160名の市民の皆さまが傍聴にお越しになられ、各事業者のプレゼンテーションやヒアリングが行われたところであります。改めまして、この事業に対する市民の皆様の関心の高さを認識したところでございます。そして、この評価委員会の審査を経て、株式会社石本建築事務所九州オフィスを受託候補者として特定され、10月23日には設計業務委託契約を締結されたところでございます。現在、市公式ウエブサイトには、石本建築事務所が提案されたプレゼンテーション資料が掲載されており、私も拝見をさせていただきました。新たな時代の庁舎として、またまちづくりの拠点となる庁舎として大きく夢が膨らみ、将来に期待を抱けるような内容となっております。当然、これらはプロポーザルの提案資料でありまして、新本庁舎の具体的なデザインや設計として決定されたものではないことは承知をいたしておりますが、本庁舎の整備に向けた具体的な議論を始める設計という新たなステージに入ってきたなと感じたところであります。このたびの設計では、建物の配置や平面計画、景観、防災、環境などさまざまな観点から新本庁舎の検討が進められるものと思いますが、私はこうした検討の中でまちづくりの視点も大変重要であると考えております。新たな本庁舎が立地する現本庁舎及び中央駐車場の所在地を拝見しますと、現地は山口都市核の中心部にあり、山口県庁から続くパークロードの南端に位置しております。また、県立美術館や図書館、博物館といった県立施設を初め、さまざまな文化イベントや催事が開催される市民会館に隣接し、周辺には亀山公園や一の坂川交通交流広場などの集いの場もございます。さらには、中心商店街にも近接するなど、まさににぎわいと交流の空間の中に位置しております。こうした恵まれた環境の中で新本庁舎を整備するに当たっては、基本計画の整備方針に掲げられた、市民が集う親しみの持てる庁舎となりますように、周辺の交通アクセスや周辺施設との回遊性や連携についても思いをめぐらせ、新本庁舎の敷地・建物のみならず、将来に向かって周辺エリアや山口都市核全体へ好影響を及ぼすような形で新本庁舎の整備を進めていく必要があるものと考えております。そこで、お尋ねします。新本庁舎の整備が具体的な段階に入っていく中で、山口市のまちづくりの視点から新本庁舎整備をどのように進めていかれるのか、市長の思いを改めてお伺いいたします。また、設計の中では消防本部の新本庁舎への集約についても検討課題になるものと考えております。御案内のとおり、基本計画では消防本部について本市を含む4消防本部で通信指令業務の共同運用の調整が進められているため、この状況を注視しながら、設計等の中で詳細の検討を行うとした上で、引き続き新本庁舎への集約について検討を行う組織と整理をされております。こうした中、本定例会の市政概況報告では、去る11月25日に開催されました山口県央連携都市圏域推進協議会において、山口市と防府市、萩市の3市の枠組みにより令和7年度を目標に本市の新本庁舎において通信指令業務の共同運用を実施することについて確認をされ、今後、実施に向けた具体的な調整を進められるとの報告がございました。さらに、消防本部につきましては、通信指令業務の共同運用に係るスペースの確保も含め、新本庁舎に集約する方向で設計業務において検討を進められることもあわせて報告があったところでございます。新たな本庁舎につきましては、自然災害などの万が一の際に、災害対策活動やその後の復旧活動の司令塔となるべき建物であり、市民の皆様の安全安心のよりどころとなる施設でございます。まずは、市民の安全安心を第一に、市長部局と消防本部の情報共有や連携、さらには通信指令業務との相乗効果が発揮できますように、必要なスペースの確保や本庁の防災担当課を初めとする関係諸室の配置などを含め新本庁舎の整備を進めていただきたいと考えております。そこで、お尋ねいたします。消防本部機能の集約の検討に当たっては、新本庁舎の設計にも影響するところが多いものと思われますことから、早急な検討が求められると思いますが、中央消防署の対応もあわせまして、消防本部の取り扱いについてどのような方向性で検討を進めていかれるのか、市長の思いをお伺いし、1回目の質問といたします。
    ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 新本庁舎整備についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、新本庁舎の設計業務につきましては9月29日に山口市民会館小ホールにおきまして約160名の市民の皆様が傍聴される中、公開プレゼンテーション及びヒアリングによる審査を実施いたし、10月2日に株式会社石本建築事務所九州オフィスを受託候補者として特定をいたしたところでございます。その後、10月23日に同社と設計業務委託契約を交わし、現在、鋭意設計業務を進めているところでございます。この設計作業の実施に当たりましては、山口市新本庁舎整備基本計画に掲げます4つの整備方針でございます、市民が集う親しみをもてる庁舎、将来を見据えた柔軟な庁舎、安全安心な庁舎、そして亀山を望む特徴的な立地にふさわしい庁舎を実現いたしますことはもちろんでございますが、議員からも御案内のありましたように、本市のまちづくりの視点も非常に重要であると認識をいたしているところでございます。私は、新本庁舎が行政サービスの拠点としての役割のみならず、本市のまちづくりの一翼を担い、また先導する役割も果たしていかなければならないものと考えております。そうした意味では、新本庁舎の整備は大きな節目ではございますが、さらに将来を見据えながら新本庁舎のあり方、そしてまちの姿を描き続けていく必要があるものと考えております。新たな本庁舎の整備を進めます現本庁舎及び中央駐車場の所在地は山口都市核エリアに位置し、山口県の県都として県庁を初め国の機関や美術館、博物館などが集積いたしますとともに、周辺にはにぎわいと交流の拠点でございます亀山公園ふれあい広場や一の坂川交通交流広場、山口都市核を一望できる亀山公園山頂広場を擁し、さらにはさまざまなイベントが催される市民会館、魅力ある中心商店街とも近接、隣接しております。こうした恵まれた環境の中で新たな本庁舎の整備を進めるに当たりましては、このエリアの持つすぐれた特徴を踏まえ、周辺のまちづくりを視野に入れながら俯瞰的な視点を持って検討いたすことが重要であると考えております。現在進めております設計におきましては、新本庁舎に導入する機能や配置計画の具体的な検討を行っているところでございまして、その検討に当たりましては、この整備区域のみならず周辺のさまざまな施設や公園、さらには山口都市核エリア全体の連続性・回遊性にも意を配してまいることが必要であると考えております。こうした中、現在の本庁舎の周辺に目を転じますと、敷地南側の市道は狭隘な幅員の上、中央駐車場の出入り口が面しておりますことから、交通がふくそうし、庁舎と市民会館とのつながりが途切れる形となっております。加えて、わかりづらい庁舎への進入路や東側の変則的なパークロードの側道等により、周辺の交通、歩行者動線が複雑化し、また分断されており、本庁舎と周辺施設や公園、市民会館あるいは中心商店街との連続性や回遊性を確保していくという点では一定の課題があるものと認識をいたしております。こうしたことも踏まえる中で、県道宮野大歳線の早間田及び市民会館前の交差点改良やバリアフリー化の県要望をかねてから行っていることは御案内のとおりでございます。これらの課題に対応してまいりますためには、市民会館や美術館を初めとする周辺施設や周辺公園との動線も思い描きながら、エリアとしての一体性・回遊性が生み出され、相乗効果が発揮されるような配置、平面計画を検討することが必要でございます。また、周辺道路網の再点検を行いまして、庁舎アクセスに加え、パークロードから中心商店街のエリアを含む周辺一帯の歩行者空間の安全性・快適性の向上、さらには山口都市核内外との交通アクセス等も視野に入れる必要があるものと考えております。私は、この地が長い歴史の中で積み重ねてきました行政、文化、商業、観光等の都市の特性や既存ストックを基盤といたしながらこれらを大切に守り、まちづくりの中でさらに発展させ、次の世代にしっかりとバトンタッチしていくことが求められており、新本庁舎の整備をそのまちづくりの契機といたしてまいりたいと考えております。新本庁舎を含むまちづくりにつきましては、現在策定中でございます都市核づくりのマスタープランにおきまして、20年先、30年先、あるいはその先のまちの姿を意識しながら検討を深めてまいりたいと考えております。次に、新本庁舎の整備に伴います消防本部及び中央消防署の取り扱いについてのお尋ねでございます。御案内のとおり、本市を含む宇部・山陽小野田消防局、萩市消防本部、防府市消防本部の4消防本部におきまして、通信指令業務の共同運用の調整を進めてまいったところでございます。こうした状況を踏まえまして、本年6月に決定いたしました山口市新本庁舎整備基本計画では、消防本部につきましては、引き続き新本庁舎への集約について検討を行う組織として整理をいたしたところでございます。こうした中、去る11月25日に開催されました山口県央連携都市圏域推進協議会におきまして、萩市と防府市そして本市の3市で通信指令業務の共同運用を本市の新本庁舎で進めていくことを確認をいたし、今後具体的な協議を進めてまいることといたしたところでございます。このように、通信指令業務の共同運用につきましては大きな節目を迎え、具体化に向けた検討を行う段階となりましたことから、新本庁舎整備におきましても、通信指令室を含む消防本部を集約する方向で具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。消防本部を新本庁舎に集約いたすことは、山口市新本庁舎整備基本方針の策定段階におきましても、新本庁舎の災害対策機能の強化を図る上で非常に有効な手段の一つと考えていたところでございまして、消防本部を災害対策関連諸室と連携できる配置とすることによりまして、災害情報の一元化による災害対応力の強化を図るとともに、災害発生時の迅速な初期活動や応急対策を市長部局と消防本部が一体となって機能させることが可能となる施設整備を目指してまいりたいと考えております。今後、新本庁舎の設計の中におきまして、消防本部との集約を念頭に、配置計画や周辺動線、景観、事業スケジュールなど詳細の検討を進めてまいることといたしており、通信指令業務の共同運用に係る3市間での合意に向けた調整状況も踏まえる中で、設計床面積の増加が見込まれますことから、設計事業者との変更契約等の必要な手続も行ってまいりたいと考えております。また、中央消防署につきましては、現在消防本部と同じ庁舎に配置をいたしておりますが、この庁舎は築後40年を超え、建てかえ整備等の検討を始める時期を迎えております。こうしたことから、中央消防署につきましても新本庁舎整備と並行して検討すべき課題であると認識をいたしており、消防本部の新本庁舎への集約についての調整を含む新本庁舎の整備の進捗にあわせまして、中央消防署の整備計画に着手いたし、建てかえについて検討を深めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、泉裕樹議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  4番、中島裕一議員。                〔4番 中島裕一議員登壇〕 ◯ 4番 中島裕一議員 県都創生山口の中島裕一でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきます。市長初め関係参与の皆様の明快な御答弁をお願いいたします。  まず最初に、大項目アの新山口駅北地区拠点施設整備事業について、中項目の1)拠点施設の核となる多目的ホールの積極的活用から質問させていただきます。この間の経過を若干振り返ってみますと、御案内のとおり、新山口駅北地区拠点施設整備事業については前回の9月議会において施設の設置及び管理条例である山口市産業交流拠点施設設置及び管理条例の議案が承認されたところであります。あわせて、拠点施設の産業交流スペースの運営についても経済産業部において運営事業者の選定に向けて準備が進められているとのことでありました。そして、今定例会においては指定管理者の選定に関する議案が提案されております。以上の経過は、市議会や小郡地域の住民の皆様との長年にわたるさまざまな論議を経て、またその論議を踏まえ、供用開始とその後の進展に向けた非常に大きな一歩であり、拠点施設自体の詳細が固まったと私は認識しております。そうした中、今議会初日の市政概況報告では、9月段階では進捗率約5%であった建設工事も順調に進んでいるとの御説明があり、9月22日には開館に向けたプレイベントとして子育てママと地元企業のマッチングイベント、「ママドラフト会議IN新山口」が開催されたところでありました。私も当日現場で拝見させていただきましたが、多くの市民、地元企業の参加でにぎわい、新たな交流やコミュニティーが生まれるなど、開館後の拠点施設の産業交流スペースの成果を予見させるプレイベントであったと認識しております。以上のように、この間のさまざまな論議がありつつも、令和3年4月の開館に向けての具体的なカウントダウンが始まり、その準備が着実に進められていることは評価しております。そうした状況を反映してか、私のもとにも市民の皆様から拠点施設に対する具体的なお問い合わせをいただく機会がふえております。例えば、以前に増して拠点施設周辺のアクセス道路や駅前通りの整備、県央部多部制高校や新山口駅北地区市街地再開発事業、そして拠点施設の具体的な中身についてであります。その中でも、多目的ホールについての関心は高く、先月中旬、私ごとで大変恐縮なのですが、小郡地域のあるグループから私に拠点施設とその周辺の今後について説明をしてほしいとの御依頼をいただきました。当日は、議員としての立場から私見を含め御説明させていただくと同時に、多目的ホールの活用について、具体的な使用に関する問い合わせや御要望をいただきました。多分、こうしたさまざまな問い合わせや御要望については執行部におかれても同様なことだと推測しております。この多目的ホールですが、新山口駅周辺のまちの移り変わりや新たなにぎわいを創出する新しい時代の小郡都市核のシンボリックな施設となることを期待する観点から、小郡地域の皆様を初め市民の皆様の注目を集めるところであります。その規模とスペックについては、長年にわたり論議されているところでありますが、開館後の多目的ホールの積極的活用は、令和という新しい時代を迎えた小郡都市核づくりと山口市発展に向けた試金石そのものになると推測しております。そうした意味において、今定例会において指定管理者の選定に関する議案が提案されたこの時点で、今までの論議を整理する意味も含めて市民の皆様へさらなる周知が必要だと考えております。そこで、お伺いいたします。拠点施設の核である多目的ホールを、ホール自体の機能・性能がどのようなものでどのようなコンセプトを持って運用していくのか、さらにそれが新しい時代の小郡のまちづくり、さらには山口市の発展にどう生かされていくのか、御所見をお伺いいたします。続きまして、中項目2)の山口県ナンバーワンのビジネス街づくりの将来展望に移らせていただきます。先ほどの中項目1)で質問させていただいたとおり、今現在、拠点施設の開館が現実になってきている中、今後のまちづくりのフェーズは拠点施設を整備することから、拠点施設整備後の山口県ナンバーワンのビジネス街づくりの波及効果に移っていくと考えております。私の本日の質問の次の項目にあるように、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に向けた協議が開始される中、次なる時代の山口・小郡の両都市核の発展が本市全体の発展の鍵を握るのは間違いないところであり、拠点施設供用開始後の5年、10年においても今の勢いをそぐことがないように、小郡都市核のまちづくりを加速度的に力強く進めていただきたいとの思いを持っております。そのためにも、官と民間で今後のまちづくりのビジョンを共有し、指定管理者候補を初め県内の企業や行政機関、多様なプロジェクトを並行し、ダイナミックに進めていく必要があると考えております。とりわけ、将来を見越した行政のリーダーシップは人的にも財政的にも大きくなってくるとの認識を持っております。そこで、お伺いいたします。山口県ナンバーワンのビジネス街づくりに向け、拠点施設を中心に山口県はもとより山口市経済産業部を初め公共交通、観光等さまざまな部局と連携をしていかなければならないと考えておりますが、現在、県や関連企業を初め関係部局とどのように将来展望に取り組まれておられるのか、御所見をお伺いいたします。  これで、1回目の質問を終わらせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 中島議員の新山口駅北地区拠点施設整備事業についての御質問にお答えをいたします。まず、拠点施設の核となる多目的ホールの積極的活用についてでございます。御案内のとおり、本市におきましては山口県中部エリアの広域経済・交流圏の形成、さらには山口県全域における広域かつ高次な経済活動と経済成長を牽引する広域県央中核都市づくりを推進いたしております。こうした中で、本施設におきましては、山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向けた産業交流拠点として位置づけまして、地域に根差した産業振興を初め交流人口の創出や多様なにぎわいの創出を図り、広域的な経済波及効果を生み出す取り組みを展開いたすなど、県の経済全体を牽引する中心的な役割を担う施設として整備をいたすものでございます。中でも、本施設の核となります多目的ホールにつきましては、都市としての多様性や拠点性を高める上で大変重要な役割を担ってまいると考えており、多目的ホールの機能、機器・備品等の性能につきましては、施設の特徴を発揮できるものを整備いたしますとともに、運営面につきましても指定管理者の持つ実績やノウハウを生かす形で運営をしっかりと行ってまいりたいと考えております。その上で、多目的ホールにつきましては、県の中央に位置する広域的な交通結節点、ネットワーク拠点としての立地特性を生かす中で県内最大の2,000席の収容人数を有し、1,500人、1,200人規模のホール・シアター形式や、また座席収納時には1,000平方メートルの平土間として利用も可能な可変型ホールでありますことから、これまで県内でも実現することが困難でありましたコンベンションや学会、国際会議等を指定管理者や山口観光コンベンション協会等の関係団体と連携して誘致してまいり、交流人口の創出や関係人口の増加を図りますとともに、それによってもたらされる経済効果を小郡地域から湯田温泉そして市内全域、さらには圏域へと波及させてまいります。また、新山口駅周辺の新たなまちづくりに寄与する視点から、豊かで質の高い生活や芸術文化を創造、発信してまいります。そのためにも、市民の皆様に愛され、利用しやすいホールとして利用者の視点に立った柔軟な施設運営や市民の皆様が多様な活動の場としての利用ができるような施設備品等の配置を行いますとともに、指定管理者とも連携して地元の高校生・大学生の発表会や施設の一日開放デーの実施など、市民の皆様が気軽に参加できる事業も開催をいたしてまいります。とりわけ、最新の音響・映像システムを導入することで臨場感のあるスタンディングライブ等のイベントの誘致を積極的に行うとともに、他の施設と映像・音声の送受信が行える双方向の情報通信ネットワークの導入により、ライブビューイングやeスポーツなどの開催が可能となってまいります。さらに、電気通信事業者との連携により、将来的な第5世代移動通信システム、5Gにも柔軟に対応できる環境整備を行うことで、映像と音をミックスした動きのある多様なコンテンツにも対応できるなど、将来を見据えた設備を導入することで、今までにない新しい鑑賞のスタイルを提供できる施設としてまいることといたしております。このように、先進的かつ特長的な仕様としておりますことから、山口市民会館や県内の既存施設との差別化や機能分担も図ることができますとともに、多様な用途に柔軟に対応できることにより稼働率の向上も期待できるものと考えております。中でも、御要望のある中高生の吹奏楽や演劇等の発表など、市民の皆様の多様な活動の場としての活用はもちろん、利用率が高いと想定いたしております400人から1,000人規模の音楽での催事につきましては、移動式音響反射板等の備品の配置やホール内装及び運用面での工夫により十分に対応が可能であると考えております。いずれにいたしましても、本施設の核となる多目的ホールにつきまして、指定管理者や山口観光コンベンション協会等と連携してコンベンションや学会、コンサート等、積極的な誘致を行いますとともに、市民の皆様の多様な活動の場として利用していただきながら、交流人口の拡大やにぎわいの創出に資する取り組みを展開してまいる所存でございます。次に、山口県ナンバーワンのビジネス街づくりの将来展望についてでございます。議員御提案のとおり、本事業を着実に推進いたし、拠点施設整備後の山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向け、波及効果を広域的に生み出してまいるためには、関係機関との連携や多様なプロジェクトを積極的に推進してまいることが重要であると考えております。そのために、私といたしましては、次の3つの視点から新年度の予算編成作業等を進めているところでございます。まず、1点目といたしまして、駅周辺の面的整備を促進してまいります。先日公表された新山口駅北口の基準地価は前年度と比べまして約9%上昇するなど、本事業の進展やターミナルパーク整備等の基盤整備の効果も着実に出始めている中、拠点施設の北側──Bゾーンにおきまして地元の再開発準備組合におかれまして、第一種市街地再開発事業の準備が進められているところでございます。本市におきましては、第一種市街地再開発事業の実施に必要となります都市計画決定に向けた手続及び県へ提出する資料の作成支援を進めますとともに、社会資本整備総合交付金を活用するための国への要望や協議を進めているところでございます。また、今後の市街地整備を先導する事業につきまして、地権者や民間事業者等とも情報共有を図りますとともに、必要な支援を行いながら積極的に民間投資を誘導いたし、民間誘導地域等への市街地形成を促進してまいりたいと考えております。2点目といたしましては、産業支援・人材育成を通じて地域経済の活性化を図ってまいります。山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向けまして、拠点施設内の産業交流スペースにおきましてコワーキング・インキュベートスペースの運営を行いまして、圏域内のビジネスマン等が気軽に立ち寄り、相談や打ち合わせにおいて安価に利用できる簡易オフィスの提供を図りますとともに、新山口駅周辺のオフィス需要も踏まえまして、現行のオフィス進出を促進する補助制度の活用や、ICTやAIを活用した新産業の創出等、オフィス等の集積に向け効果的な施策を展開いたしてまいります。また、次世代の産業人材の育成といたしまして、若者や女性の起業・就業に向けて積極的にチャレンジできる環境整備を行いますとともに、近年、金融機関等におきまして起業者などを支援する側の育成プログラムも実施されるなど支援者の育成も求められておりますことから、施設内の国・県の行政機関ややまぐち産業振興財団、商工会議所、金融機関等とも相互に連携を図りまして、総合的な支援機能をさらに高めてまいります。3点目といたしまして、交流人口や関係人口の創出を図ってまいります。本年5月に、本市と山口観光コンベンション協会、山口商工会議所、湯田温泉旅館協同組合で立ち上げました新山口駅北地区拠点施設MICE誘致推進協議会や、副知事、私どもの副市長をトップといたします県と市の合同会議等におきまして、コンベンションや学会等の誘致について協議・検討を重ねますとともに、湯田温泉など市内はもとより圏域へ経済効果を波及させていくための中央公園や菜香亭等を活用したユニークベニューの実施等、アフターコンベンションの充実につきましても検討を進めているところでございます。また、先日も吉南青年会議所から学会等の誘致における山口都市核、湯田温泉との連携につきましての御要望もいただいておりまして、これら関係団体とも連携いたしながら進めてまいりたいと考えているところでございます。加えて、新山口駅と湯田温泉駅との間をストレスなく移動できるような交通手段の確保につきまして、現在関係部局と交通事業者において情報交換を行いながら検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向けましては、指定管理者を初め国や県の行政機関、関係団体、企業等と一つのチームとなって取り組んでまいることが重要でありますことから、連携体制をしっかり構築し、情報共有を図りながら進めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中島裕一議員。                〔4番 中島裕一議員登壇〕 ◯ 4番 中島裕一議員 それでは、次に大項目のイ、第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお伺いいたします。我が国において、少子化や急速な人口減少が進む中、人口減少に歯どめをかけ、将来にわたって活力ある社会を築いていくため、平成26年11月にまち・ひと・しごと創生法が施行され、同年12月には国の長期ビジョンと総合戦略が策定され、国と地方が総力を上げて地方創生に取り組むこととされたところであります。本市におかれましても、平成27年10月に令和元年度までを計画期間とする山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定されました。平成30年3月には、第二次山口市総合計画を策定される中で、人口長期ビジョンの目標を上方修正されると同時に、総合計画の取り組みとやまぐち地方創生100プロジェクトの取り組みを一体的に進められることとされ、国の地方創生の動きや県の取り組みとも呼応する形で、少子化や人口減少問題に対して積極果敢に取り組まれております。とりわけ、やまぐち地方創生100プロジェクトでは、政策目標として、1つ目に、若い人たちをターゲットに山口に仕事をつくる、2つ目に、山口に新たな人の流れをつくる、3つ目に、若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備、4つ目に、都市、農山漁村が共生する地域の特性に応じた生活圏、都市圏の形成を掲げられており、それぞれの政策目標に対して数値目標を設定し取り組まれておられます。こうした中、国では本年6月にまち・ひと・しごと創生基本方針2019を閣議決定され、本年12月に令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間とする第2期総合戦略の策定をすることとされました。この国の第2期総合戦略の策定に当たっては、将来的な地方移住にもつながる関係人口の創出を図るといった地方への人・資金の流れを強化する視点を初め、経済発展とさまざまな社会的な課題の解決を図るため、ICTや5G、AIなどの未来技術を活用した新たな社会である、いわゆるSociety5.0の実現に向けて、新しい時代の流れを力にする視点などを含む6つの新たな視点を踏まえ必要な見直しを行うこととされており、先般11月には骨子を示されたところであります。地方においても国の総合戦略を勘案し、地方創生の充実・強化に向け、切れ目ない取り組みを進めることが求められていることから、地方公共団体も今月に示される予定の国の第2期総合戦略に基づき、地方版の総合戦略を策定することとされております。山口県では、先月、第2期の総合戦略の素案を公表され、来年3月下旬には第2期の総合戦略を策定し、公表されるスケジュールを示されておられます。本市も、新年度の予算編成方針において、令和2年度が第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のスタートの年となることが示されている中で、Society5.0への対応も位置づけられており、私もこうした新たな取り組みを通じて仕事の創出や若者の定住、市民生活の利便性の向上、地域経済の活性化などが図られることを期待しております。こうした中、第2期山口市版総合戦略の策定に向けては、本定例会の市政概況報告にもあるように、去る11月29日に市民の方の代表や関係団体、有識者の方々で構成される山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議が開催されております。その会議では、現行の総合戦略の検証や第2期の総合戦略の策定が議題となり、さまざまな意見や提案があったとのことであったとお聞きし、本格的に論議が始まっていると感じております。そこで、お尋ねいたします。人口長期ビジョンとやまぐち地方創生100プロジェクトの達成状況、第1期の取り組みを通じた評価について、市長のお考えをお伺いします。また、今後、第2期の山口市総合戦略を策定していかれるわけではありますが、国や県の総合戦略、第1期の検証や先日の推進会議での論議を踏まえて、第2期総合戦略におけるポイント、特に重点を置かれる点について市長の思いをお伺いさせていただきます。  以上で、この項目の1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、本市では平成27年度からの5年間を計画期間といたします山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略のもと、地域社会の最重要課題であります人口減少対策を初め、移住・定住の促進や少子化対策などの地方創生の全力の取り組みを進めてきたところでございます。その結果、本市の人口は総合戦略における人口長期ビジョンに掲げた人口の目標値を約3,500人上回る水準で推移をいたしたところでございます。また、やまぐち地方創生100プロジェクトの達成状況においては、若者の雇用創出数は目標値の450名を大幅に上回る1,578名を創出し、若者の人口転出超過も抑制傾向に転じるなど、評価指標の約7割において目標値を達成している状況にございますことから、本市における地方創生の取り組みの成果があらわれていると評価をいたしているところでございます。そして、こうした成果は、議員の皆様を初め各関係者の皆様方の地方創生の取り組みの結果であると受けとめているところでございまして、改めて皆様方に感謝を申し上げる次第でございます。ただ、こうした一方で、東京圏を初めとした大都市圏への転出超過の流れは依然として変わっておらず、また保育所の待機児童対策として計966人の定員拡大をいたしましたものの、今なお待機児童が発生しているといった状況などもございます。したがいまして、今後もこうした山積する諸課題にしっかりと向き合い、地方創生に継続して取り組むためにも、今年度が計画期間の最終年度となります現行の総合戦略の成果や課題をしっかりと検証した上で、令和2年度から令和6年度までを計画期間とする第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略を今年度末までに策定することとしているところでございます。こうしたことから、御案内のとおり去る11月29日には山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議を開催いたし、住民代表、産業界、大学、また金融機関、労働団体、報道機関、行政機関などの各分野の委員の皆様方から第2期総合戦略の策定に向けたそれぞれの専門的見地からの御意見や御提言をいただいたところでございます。少し具体的に申し上げますと、現在の総合戦略の取り組みにより目に見える地方創生の成果が出ており、市の勢いが維持されていることから、第2期総合戦略においてもこれまでの取り組みの方向性は継続していくべきだといった御意見を多くいただいたところでございます。また、その上で、第2期総合戦略の策定に向けましては、新山口駅などから湯田温泉や中心市街地等を結ぶ二次交通の機能強化に対して数多くの御意見をいただきますとともに、移住・定住の促進といたしまして高齢者の就労希望者の増加への対応とアクティブエイジングの移住促進や、若者が事業承継したくなるような稼ぐ中小企業の育成などの御意見がございました。また、関係人口の創出として市内の大学生が地域行事に参加することで卒業後の関係人口に発展する事例や、30代から40代のふるさと回帰に重点を置いた関係人口創出の重要性などの御提言をいただきました。さらに、Society5.0を見据えたスマート農業の展開を初め、キャッシュレス決済の普及促進、スマホへの観光情報発信の重点化などの御意見のほか、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決するCSV経営の重要性、中心市街地の魅力や価値を伝える重要性、中央公園や中心商店街における恒常的なイベント開催を可能とする環境整備などのさまざまな御意見をいただいたところでございまして、こうした委員の皆様の御意見を踏まえ、第2期総合戦略の策定作業を進めているところでございます。また、議員御案内の第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定のポイントといたしましては、まず人口長期ビジョンを改定し、2060年における人口の目標値を第二次山口市総合計画との整合を図ることにより、現在の約17万人よりも2,000人程度の上方修正をいたしたいと考えております。また、具体的なプロジェクトにつきましては、現在の取り組みの方向性を維持しつつ、第二次山口市総合計画の重点プロジェクトや施策を地方創生の観点で再構築をいたし、新たな視点も加え、先ほど御紹介いたしました推進会議での御意見も踏まえる形で策定を行ってまいりたいと存じます。新たに加える視点といたしましては、去る11月に国や県が第2期総合戦略の策定に向けた基本的な方向性や素案で示されたところのSociety5.0への対応を初め、このほかにも地方創生の基盤をなす人材育成、関係人口の創出・拡大、歩きたくなる人を中心とする町なかづくりなどを反映してまいりたいと考えております。とりわけSociety5.0を見据えた対応につきましては、農林水産業・事業所・行政における生産性の向上、MaaSや自動運転車両などによる次世代交通サービスの導入、小・中学校におけるICT教育のさらなる充実、AIや5Gを活用した新商品や新サービスの開発支援などデジタル技術やデータを活用し、都市核や地域が抱えるさまざまな課題を解決いたしますと同時に、豊かな地域社会を築く価値創造につなげ、オール山口の発展を目指してまいりたいと考えております。こうしたSociety5.0を見据えた対応を教育・子育て、交通、防災、産業などまちづくりにおける幅広い分野において令和2年度から加速化してまいりますために、例えばスマートシティを推進する組織や、あるいはプレイヤーと未来社会をともにつくるいわゆる共創を推進する組織の強化などにつきましても今後検討してまいりたいと思っております。また、地方創生の基盤をなす人材育成については、大学、経済団体、地域等との連携や本市の産業交流拠点施設の活用を図りながら推進し、さらに関係人口の創出・拡大につきましては、市外・県外からも本市へのかかわりを深めていただける方々を増加させる取り組みを強化してまいります。加えて、新たな都市基盤や既存ストックの有効活用につきましても、県等との連携を図りながら検討を深めてまいります。こうしたポイントを踏まえながら、第2期総合戦略の策定を進めてまいり、次なる5年間においても引き続き本市の地方創生に向けた積極果敢な挑戦を進めてまいりたいと考えているところでございます。令和の時代における本市の地方創生の実効性をさらに高めるために、今後も策定に向けてさまざまな御意見を賜りながら、またその後の実行段階においても議員の皆様を初め多くの関係者の皆様との連携によりますオール山口の体制のもとで地方創生に取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続いての御支援また御協力を賜りたいと思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、中島裕一議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  14番、山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 公明党の山本敏昭でございます。今回も大項目2点についてお伺いさせていただきます。市長並びに執行部の皆様の明快な御答弁、どうかよろしくお願い申し上げます。  では最初に、大項目のア、令和2年度予算編成方針についてお尋ねいたします。山口市の第二次総合計画も来年が3年目となり、各種の事務事業が本格的に稼働しているものと思います。それらの事業展開には多くの職員の方々がかかわり、日々努力をされていることには心より敬意を表するものであります。さて、これまで山口市は数度にわたる合併を繰り返し、市域の拡大とともに事業数も増加し続けているのが現在の姿ではないかと思います。一方で、行財政改革のかけ声のもと、一般行政職員の数は減少を続けており、事業の効率化、電子データ化による作業効率の向上を加味しても職員1人当たりの事務処理量は増加しているのではないでしょうか。先日、議員セミナーに参加し、自治体経営や事業評価に関する講義を受けてまいりました。担当の講師の方は、関東圏のとある市で職員から副市長まで勤め上げられた方で、大胆な事務事業の見直しにより財務状況を改善された実績をお持ちの方でした。特に、存続要求の声も上がっていた赤字続きの市民温泉を廃止の方向に主導し、大幅なコストカットを実現したという実例を通してのお話がった際には、本市の交流拠点施設の温浴施設のことが一瞬頭をよぎり、かなり微妙な感覚になったところであります。講義の中では、人口、市域の広さに見合った事業展開は地方に行くほど実態とのずれが生じており、経営基盤の充実した都市の事業をコピーして我がまちの事業とした結果、惨たんとも滑稽ともとれる結果に終わる事業が多くある点、しかも事業廃止で投資経費が一切回収されず、失敗を起点とした次の事業も検討されないなど、単に税金の無駄遣いになっている事業の多さを指摘しておられました。そして、今後の過疎化の波は農村部から地方都市へ急速に波及し、経営的視点を持たない自治体は文字どおり崩れ去っていく可能性が高く、安易な中長期ビジョンの設定について十分注視すべきとの警鐘を鳴らしておられました。講義の中では、俯瞰的視点による展望の必要性なども指摘されていましたが、何より膨れ上がった事務事業数は地方財政を圧迫する主要因として早急に見直しが必要であり、その危機感、職員の当事者意識の醸成が何よりも必要なのではないかと述べられていました。実際、山口市においても膨大な量の事務事業があることは決算時の事業成果報告書の厚みを見れば容易に想像でき、今後、技術革新による作業の効率化が図られたとしても今回の方針の中に示されたスクラップ・アンド・ビルドというワン・オン・ワンの関係では、職員の方の作業量減少は見込みがたく、ツー・オン・ワンあるいはスリー・オン・ワンといった大胆な見直しがあってこそ業務環境の改善が図られ、モチベーションやコンプライアンスの低下も防ぐ効果が期待できると思います。また、従来の行政改革議論の中で、総合的に判断するという表現をよくお聞きいたします。この魔法の一言が事業継続の根拠あるいは理由づけとなる可能性もあり、説明責任を果たす上での客観的な判断基準の存在は必要ではないかと考えます。これからの人口減少社会を見据え、自治体経営の観点からも事業廃止という重い課題を視野に捉えた予算編成は取り組まざるを得ないつらいつらい宿題であります。直近の令和2年度の予算編成においても冷静な判断が迫られているものと思いますが、山口市の事務事業の現状と今後の取り組みについて渡辺市長のお考えをお聞きいたします。次に、中項目の2)として、施設の民間化と統廃合についてお聞きいたします。山口市内各所に存在する大小さまざまな市有施設においては、市民の皆様の活躍の場としてあるいは生活情報の発信拠点として、またスポーツなどのレクリエーションの場として活用されております。山口市は阿東町との合併から来年で10年の節目を迎えますが、これらの施設の存在意義や立地については市民のみならず行政サイドからも見直しを進める機運があるように感じております。折しも、山口県においては県内12の県有施設において廃止や市町への移管を検討しており、国においても地域医療確保に関する国と地方の協議の場において、全国で424の公立・公的病院の再編・統合について検証を要請するとの考えが示されたところであります。ここでも議論の発端となったのは人口減少社会というキーワードであり、過疎化に苦しむ地方自治体において利用者の減少による稼働率の低下は施設の存在意義と相まって注目を浴びることとなっています。今回の予算編成方針においても、公共施設等総合管理計画に基づいた統廃合の検討が行われるようですが、問われるべき課題、方向性について執行部の御所見を伺います。中項目の3点目は、電子入札と電子申請の導入についてお伺いいたします。市役所や総合支所には毎日多くの皆様がお見えになっています。御用件は多種多様であろうかと思いますが、大きなウエートを占めるのが申請や許認可などの文書提出による来庁ではないかと思います。近年、民間企業においては、設備投資などの多額の費用を要する案件にはプレゼンの後、電子入札や電子データによる相見積もりを実施することでドラスティックな最終判断ができるようにされています。これは、単に効率性を追求するだけでなく、物理的な移動を最小限に抑えることによるソフト・ハード両面でのコスト削減や、なれ合い、不適切な関係といった不要な判断因子の排除につながり、経営効率を最大限まで高める狙いがあります。近年では、全国の自治体でも電子入札について徐々に浸透が進んでおり、入札制度の公平性・透明性を担保する手法として認識されているようです。一方で、ICT環境の統一や仕様内容の正確な伝達などについては万全の体制が整っていない可能性も指摘されるなど、電子入札の導入にはまだまださまざまな御意見があることも承知しております。山口市としても電子入札の導入に向けては取り組みを進める旨の記述がありますが、今後のスケジュールや課題についてのお考えをお聞きいたします。また、市民の皆様にとっても身近な申請や文書等の受領においても同様に電子申請制度の拡大を求めていく必要を感じます。電子申請の大きなメリットの一つに24時間対応可能な点が挙げられます。生活サイクルの多様化により、窓口が開いている時間帯に来庁できない方は現在でも意外に多く、休みや時短などで工夫しなくても遅滞なく申請が行える、あるいは必要な文書の受け取りができることは、行政サービスの視点からも大事ではないかと思いますが、あわせて山口市のお考えをお聞きいたします。この項、最後のお尋ねはスポーツを楽しむまちづくりについてであります。今回の予算編成方針の5番目の柱に、2020年のオリンピック・パラリンピックに関する事業について言及があります。世界的なスポーツイベントを契機に多くの市民の皆様が健康増進について意識が高まることも期待されており、今後は施設利用についても一段と拡大するのではないでしょうか。一方、昨今の異常気象は春先から夏場にかけての異常な高温傾向が続いており、熱中症による健康被害は子供や高齢者を中心に広がり、最悪な結果となった事例も毎年報告されております。特に、スポーツ施設における熱中症の発症は全国的に後を絶たない状況であり、学校の体育館も含め対策の必要性を求める声は全国で広がっています。これまで熱中症の対策としては、適切な空調利用や水分の定期的な摂取が挙げられていますが、このうち水分の補給という面ではマイボトルの持参や自動販売機の利用により個人的な対策をとられることが一般的ではないかと思います。一方、施設側の対策として冷水器の設置による手軽な水分補給も検討できるのではないでしょうか。従来の冷水器は機器のサイズが意外に大きく、特に高さは1メートル前後ありますので、踏み台がなければ小学校低学年の児童が利用するには若干使いにくいものになっているように思います。また、車椅子を利用される障がい者や高齢者の方への配慮はされていない場合が多く、近年の多様なスポーツの広がりに十分対処できていないと感じるところであります。このユニバーサルデザインに配慮した冷水器は、全国の新しい行政施設や庁舎などでは既に導入が始まっており、好評を得ているものとお聞きしています。山口市内では、このようなユニバーサルデザインにまで配慮した冷水器は民間企業や商業施設においても設置されている例は意外と少なく、今回、市有施設で率先して導入を図れば、山口市の意識の高さを全国的にアピールできるとともに、多くの方々が快適にスポーツに取り組める環境づくりにおいても効果を発揮するものと思います。健康づくりの場であるスポーツ施設で健康を損なうことのないようしっかりした取り組みが必要と考えますが、山口市の御見解をお聞きいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 山本議員の令和2年度予算編成方針についての御質問にお答えをいたします。私からは、方向性についてでございます。御案内のとおり、本市におきましては行政評価システムを活用して事業等の評価を行い、その結果を事業計画や予算編成に反映いたしているところでございます。こうした中、議員御案内の事業量、すなわち歳出予算規模につきまして、新市発足直後は新市における一体感の醸成や小さな自治の構築に向けた山口らしい地域内分権の仕組みの立ち上がりの段階でもございましたことから、本市の予算規模は710億円前後でございました。また、国の三位一体の改革による地方交付税の減少等もございまして、厳しい財政運営を余儀なくされておりましたが、まちづくりにおける諸課題に適切に対応するため、新市発足直後から徹底した行財政改革や事務改善に取り組み、内部管理経費の削減などを着実に実行いたし、関係者の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、持続可能な財政基盤を確立してまいったところでございます。こうした積み重ねの上で、平成23年度からは市民生活の満足度を高める取り組み、すなわち雇用、子育て、教育、防災、あるいは健康長寿を初めとした市民の皆様の暮らしにおける安心を実現する取り組みを徐々に充実していくことが可能になってまいりまして、予算規模が約750億円前後となってまいりますとともに、この時期から将来のまちづくりに備えた財政調整基金や特定目的基金の積み立てが可能となってきたところでございます。そして、平成26年度からは合併特例事業債などの合併に伴う国の支援措置の活用や、新市としての予算規模や職員体制のスケールメリットのもとで、旧市町単位では実施が困難でございましたさまざまな未来への投資が選択と集中により積極的に展開することが可能となり、そのための社会基盤整備を本格的に進めることで、予算規模が800億円を超える形となったところでございます。議員御案内の、今後の事業量の見通しといたしまして、本市では来るべき本格的な人口減少時代に備えるべく第二次山口市総合計画期間の早い段階において一定の社会基盤整備を整え、本市の未来を確かなものにしてまいりたいと考えておりますことから、将来に備えて積み立ててまいりました財政調整基金や特定目的基金の活用などを図りながら、諸施策を展開してまいりたいと存じます。そして、令和3年度の新山口駅北口における産業交流拠点施設の供用開始、令和6年度の新本庁舎や湯田温泉における多世代交流・健康増進拠点施設の供用開始など、大規模なプロジェクトの順次完了を見込んでおりますことから、中期財政計画等の財政見通しにおきましては、将来的には普通建設事業費が徐々に減少していく一方で、超高齢社会を迎える中、社会保障関係費などの増加傾向は続いていく予測をしているところであり、こうした形で全体の予算規模、事業量を見通しているところでございます。また、議員御案内の毎年度の予算編成における事務事業の状況につきましては、積極的なビルド・アンド・スクラップをいたしておりますことから、毎年度新規事業数と廃止事業数が均衡いたしており、予算規模の増加にかかわらず、全体の事務事業数は横ばいの状況が続いているところでございます。こうした中で、第二次山口市総合計画がスタートした平成30年度予算編成時におきましては、新たな施策体系に移行したことに伴いまして、事務事業の統合が一定程度可能となった年度でございました。今後も施策体系の変更など、一定の機会を捉えながら、適切な事務事業数を検討してまいりたいと思っております。また、議員御案内の事務事業の客観的な廃止基準を設けることについてでございますが、本市の行政評価システムにおいて、事務事業の見直しや廃止を行うに当たりましては、まちづくりの方向性や目標達成状況を市民の皆様と行政が共有し、関係者の御理解をいただきながら、丁寧に進めていく必要があると考えているところでございます。また、同時に議員御案内のとおり人口減少時代における財源縮小局面にあって、増大し続ける地域課題や多様な市民の皆様のニーズに応えていくことの困難さも十分に認識をいたしているところでございます。こうしたことから、今後も引き続き行政評価システムにより、事務事業の見直しに取り組みますとともに、令和2年度予算編成方針に書かれておりますSociety5.0を見据えたスマート自治体などへの対応を進めますことで、最少のコストで最大限のニーズに応えることができる持続可能なまちづくりの実現に向けた諸施策を積極的に展開してまいりたいと、このように考えているところでございます。御理解と御協力を賜りたいと思います。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、令和2年度予算編成方針についての御質問のうち、施設の民間化と統廃合についてお答えをいたします。御案内のとおり、山口市公共施設等総合管理計画につきましては、人口減少や少子高齢化など社会環境の変化、またはライフスタイルの多様化に伴う市民ニーズの変化、さらには財政状況や施設の費用対効果などを検討いたしました上で、平成27年8月に策定いたしたものでございます。本計画におきましては、本市における公共施設の保有総量の適正化、既存施設の有効活用、ライフサイクルコストの縮減、民間活力の導入などの具体的な取り組みを進めることといたしておりまして、公共建築物の縮減目標として計画期間の終期である令和11年度末までに2.7%の縮減を目指しているところでございます。また、今年度中に策定を予定しております山口市公共施設等総合管理計画個別施設計画におきましては、施設ごとの老朽化の状況や利用状況等を整理した上で、長寿命化や更新等の対策を実施する際の優先順位の考え方を明確にするとともに、必要な対策について、講ずる措置の内容や実施時期、対策費用の概算等を施設ごとに整理することといたしております。その上で、総合管理計画に基づく目標を達成するための公共施設の総量コントロールの手法として計画的な維持管理・更新のみならず、施設の集約化、複合化、用途転用、廃止、民間化といった手法につきましても検討を進めているところでございます。議員お尋ねの来年度の課題と方針についてでございますが、公共施設の多くは市民の皆様にとって身近な施設として、地域福祉や生涯学習などさまざまな住民活動の拠点となっておりますことから、計画策定後におきましても施設の利用状況、役割、機能あるいは市民の皆様の御要望等を検証するとともに、総量コントロールに向けた統合・廃止などに取り組むに当たりましては、市民目線、市民の活動に主眼を置いた公共施設のマネジメントという視点も失うことなく円滑に移行できるよう、丁寧な対応により進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤副市長。                〔副市長 伊藤和貴君登壇〕 ◯ 副市長(伊藤和貴君) 私からは電子入札と電子申請の導入についての御質問にお答えをいたします。まず、電子入札についてでございます。議員御案内のとおり、電子入札とは従来入札会場において行っていた入札について、同額入札におけるくじ引きも含めまして、電子入札システムを使用することによりインターネットを介して行うものでございまして、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づく国の指針や通知におきましても、その導入の推進が明示されているところでございます。国内の導入状況を申しますと、主な国の省庁や独立行政法人等を初め、全ての都道府県及び約750の市区町村で既に導入されている状況でございます。県内市町では下関市において導入されており、宇部市におかれましては来年度夏の導入に向けた準備を進められているところでございます。本市におきましては、令和2年度予算編成方針の中でSociety5.0時代における効果的な公共サービスの提供を可能とする取り組みの一つといたしまして、電子入札システムの導入を掲げております。システムにつきましては、まず令和2年度中に建設工事におけるシステムの構築を進め、その後、導入に向けた実証実験及び業者説明会を行いまして、令和3年4月の本格導入を目指して鋭意準備を進めてまいりたいと考えております。また、令和4年度に建設コンサルタント業務等について導入を進めまして、将来的には物品購入・業務委託の一部につきましても導入に向けた調査・研究を行うなど、さらなる電子入札システムの拡充にも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。電子入札におけるメリットといたしましては大きく3点ございまして、まず1点目は事務手続の適正化及び効率化でございます。これは、発注者における事務の効率化はもとより、応札者においても件名や日付の書き損じによる無効入札がなくなるとともに、自社のパソコンの操作による応札が可能となりますことから、移動に要する時間や費用の節約につながることに加え、入札案件の情報入手から結果閲覧等を含めた一連の手続が、電子入札のシステムにより一元的かつ効率的に行えるようになるものでございます。2点目として入札参加機会の拡大がございます。例えば、遠方からの入札が容易となりますほか、応札の際のパソコン操作におきましても、あらかじめ指定した範囲の日時において自由に行うことができますことから、地理的制約や時間的制約が解消されるという効果がございます。そして、3点目として透明性・公正性の確保がございます。開札やくじ引き等の処理がシステムにおいて機械的に行われますとともに、応札者が一堂に会する機会の減少による談合等の不正防止にも寄与することが期待されているところでございます。一方、電子入札導入に当たり懸念されるべき点といたしましては、応札者においてインターネット等のシステムに適応したICT環境を整える必要性、そしてシステムトラブルへの対処がございます。こうした状況を踏まえまして、現在、国を初めほぼ全ての自治体が導入している一般財団法人日本建設情報総合センター、通称JACICが提供する電子入札コアシステムを基盤とするクラウド型の電子入札システムの採用を検討しているところでございまして、OSが基本的にWindowsに限られるなどの制約はございますものの、国・県の電子入札に参加されている応札者におかれましては新たな費用負担は不要でございまして、また新規の事業者でございましても、インターネット環境が整えばシステムログインに必要なICカードと、カードリーダーの購入に必要な1万円から2万円の費用負担で済むこととなっております。また、導入に際しては希望される事業者に対しまして説明会を開催いたすとともに、導入後はシステム業者の提供する電話でのトラブル対応サービスを契約するなど、応札者に対する十分なサポート体制を整えてまいる考えでございます。その上で、万が一のシステムトラブルや応札者におけるパソコンの故障等といった不測の事態に備え、応急的に紙での入札書提出も可能とするなど、そのような対策も講じることで、スムーズな電子入札への移行が図られるものと考えているところでございます。次に、電子申請についてお答えいたします。本市におきましては、平成18年3月から電子申請サービスを開始し、現在山口県及び長門市との共同運用を行っているところでございます。具体的には住民票の写しの申請や水道の開栓・閉栓手続など、御自宅のパソコンなどから申請可能な13種類のサービスを提供しているところでございます。申請件数の実績といたしましては、平成28年度が865件、平成29年度が1,064件、平成30年度が1,113件と全体の申請件数としては増加傾向にあるという状況でございます。こうした中、国におきましては令和元年6月に閣議決定されました世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画において、社会全体のデジタル化の推進には住民に身近な行政サービスを提供する地方公共団体に対する手続のオンライン化の加速を初め、地方公共団体のデジタル化が急務であるということが盛り込まれております。こうした国の方針を踏まえまして、本市におきましては今年度公共施設予約システムの山口県と近隣市町による共同利用や、宇部市を初めとした近隣自治体との共同による税務事務等の標準化、通勤手当算定などの定型業務を自動化するいわゆるRPAの導入を進めますとともに、本議会におきましては補正予算案に住民異動時の窓口における手書き負担を軽減するためのシステム導入に向けた所要の経費を計上いたしているところでございます。また来年度におきましては、マイナンバーカードを利用した申請書作成支援システムの導入の検討や手書きの申請書をデータ化するAI-OCRの導入、QRコードによる手続の簡素化などに取り組むことによりまして、住民サービスの向上や業務の効率化に努めてまいりたいと考えているところでございます。こうした取り組みの中で、特に議員御提案の来庁する必要がなく自宅等で行政手続を完了させる電子申請につきましては、電子申請に必要なオンライン上での個人認証やマイナンバーカードでサービスを利用するために必要なマイキーIDの設定が、スマートフォンの一部の機種での対応にとどまっている状況でありまして、国内で約半数のシェアといわれるiPhoneへの対応につきましても、現在国において開発段階にある状況でございます。こうしたスマートフォンによるオンライン化への開発が進めば、行政手続のオンライン化に向けた環境が整いますことから、本市といたしましてはマイナンバーカードの普及啓発に引き続き取り組みますとともに、電子申請が可能となるシステムの開発状況を注視し、当面は市民の皆様の暮らしに密着した申請や届出を中心に行政手続のデジタル化・オンライン化を積極的に推進してまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、急速な技術革新に本市も歩みを同じくし、Society5.0の実現に向けて電子入札の導入や電子申請の拡充等に取り組み、市民の皆様や事業者にメリットを実感していただけるよう、スピード感をもってスマート自治体への転換を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 私からは、スポーツを楽しむまちづくりについてお答えをいたします。議員御案内のとおり、スポーツ活動時における熱中症予防対策の一つといたしまして、体調や気温など状況に応じ水分を小まめに補給することが大切であると認識をいたしております。また、環境省熱中症環境保健マニュアルによりますと、特に冷水は深部体温を下げる効果があるとともに、水を吸収する器官である小腸に速やかに移動することから、スポーツ活動中の水分補給に適しており、熱中症予防に大変効果があると言われております。こうした中、本市所有のスポーツ施設のうち、現在冷水器はやまぐちリフレッシュパーク総合体育館に1台、山口市スポーツの森西京スタジアム内に8台、そのほか山口南総合センターなどの施設に設置しているところでございます。設置中の冷水器につきましては、いずれの施設も高さ1メートル程度の大人用のみでございますことから、障がいを持たれた方や児童等が御利用される際に御不便をおかけしている場合もあると考えているところでございます。本市といたしましては、第2期山口市スポーツ推進計画におきまして、ユニバーサルデザインの推進を掲げ、障がいの有無や年齢等を問わず、誰もが快適に御利用できる環境整備を目指しておりますことから、今後施設の利用状況、利用ニーズ及び設置コスト等を検証いたしますとともに、他自治体等の設置状況を踏まえまして総合的に検討してまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 午後1時まで休憩いたします。                  午前11時51分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時00分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 では、次に大項目のイ、安全安心のまちづくりについてのうち中項目の1)防災・減災についてお伺いいたします。小項目として、社会インフラの整備についてお伺いいたします。先日委員会の行政視察で京都市に伺いました。歴史的まちなみが多く残る京都市において、景観に対する市民意識の高さは並々ならぬものがあるようで、行政の取り組みもさることながら、町屋組織の意気込みが非常に高く、自治組織の熱意に驚かされたところであります。今回ピックアップいたしました先斗町は、道幅約2メートル前後の狭い通りで、昔ながらの飲食店・住居などの町屋が軒を並べ、独特な風情を醸し出しています。しかし、これまでは電柱が通行の邪魔になる上、見上げれば多くの電線が通りの空を分断しており、歴史風情が台無しなっていたようです。また、狭い路地には緊急車両も入れず、火災などの際には大規模な延焼が想定されるなど、防災面での懸念も高い状況にあったようです。そこで、京都市では地元自治会や町屋組織の協力も得ながら先斗町通りの無電柱化を進め、現在約半分の区間で地中化を完了しておられます。従来無電柱化については、コストの面から敬遠されることが多く、全国的にも主要な緊急輸送路については比較的整備が進んでいますが、市民生活に不便を感じさせる狭隘道路や人口密集地への整備は優先順位も低く、山口市内においても国道の一部と大殿付近の景観地域で進展があるのみとなっています。無電柱化のメリットは、土地の有効活用という面だけではなく、台風などの強風対策や地震による電柱の倒壊などにも効果を発揮します。近年では小型ボックス埋設活用方式という技法で省スペースの実現、地震時に発生する地面の褶曲にも対応でき、コストについても従来1キロメートル当たり5億3,000万円とも言われていた事業費が、現在では国交省試算で3億5,000万円程度、民間事業者の試算では3億2,000万円前後まで抑えられるようになってきております。本年は、千葉県などで台風による強風で多くの電柱が倒壊したり、周囲の樹木が電線を切断するなどの原因により、長期間にわたる停電の主要因になったことは記憶に新しいところです。近年多発する猛烈な強風被害から重要な社会インフラである送電システムを保護する施策は、地元要望などを加味した上で人口密集地域や狭隘な市道にも広げる必要性を感じますが、山口市の取り組みについてお伺いいたします。次に、小項目の2つ目、率先避難についてお聞きいたします。現在、山口県では山口県率先避難モデル事業として、各市町から応募していただいた町内会をモデル地区に設定し、住民説明会等を実施されています。山口市においては大内地域の宮島町町内会が名乗りを上げ、先日も講師の方を招いて逃げおくれゼロを目指した各種の取り組みについて説明会が開かれました。説明会の内容については割愛しますが、情報の収集と共有、声かけグループの確立、日ごろの訓練の3項目についてその重要性を講義されていましたが、宮島町自体がハザードマップで3メートル以上の浸水想定地域であることから、参加者の方々も真剣な表情でお話を聞いておられました。山口市においても自主防災組織の立ち上げで、地域の共助体制が徐々に整ってまいりましたが、近年は新規の組織化が少なくなっているようです。そこで、県事業の縮小版ともいえるグループ避難モデル地区を市内数カ所で立ち上げてみてはいかがでしょうか。これは、町内よりさらに小さい班などの単位で避難の際に相互の声かけの簡単なルールをつくっていただくことで、早期避難をお互いで呼びかけ、高齢者や障がい者の方の逃げおくれを防ぐものであります。なお、山口市で取り組みを進めておられます自主防災組織との関連性も課題として出てくる可能性がありますので、現在自主防災組織が立ち上がっていない地域で取り組むのが効果的ではないかと考えております。今年度の県事業において、市内で応募した地域は宮島町だけだったとお聞きいたしました。広報の問題など、県からのアピール不足の面も否めませんが、市民の皆様の防災意識向上に山口市としても啓発・周知を一層向上させる必要があるのではないかと考えます。その意味からも、より身近な山口市オリジナルの小単位防災について検討される必要を感じますが、担当部局のお考えをお聞きいたします。次に、中項目の2番目、公共交通について2点お伺いいたします。まず、小項目の一、待合環境の整備についてということですが、既に過去に数名の先輩議員の方が取り上げられておられ、その後の状況等についてもお聞かせいただければと思います。まず、一部のバス停には設置されています上屋の整備についてであります。従来より、交通結節点でないバス停については、運行事業者あるいは地元自治会等で設置されることが前提となっており、山口市においても設置・修繕には3分の2の経費、上限70万円とした補助も行っておられます。しかしながら、市内で新設された上屋を見かけることは少なく、場所によっては屋根に穴が開いて空が見える場所もあります。利用者の方が傘がいるバス停とか、上屋があってもなくても同じとのお話を聞くと公共交通の利用率向上に資する設備となっているか疑問に思います。そこで、バス利用の促進を促す意味でも上屋整備に関する支援をいま一歩進める検討をしてみてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。また、市内の一部のバス停ではベンチが設置されていないところを何カ所か見かけます。先日もそのようなバス停に高齢者の方がバスを待っておられましたが、その際に歩車分離の境界ブロックに腰かけておられ、危険を感じたところであります。バス停によってはベンチを設置するスペースを確保できない場合があることは山口市だけの課題ではないようで、東京都新宿区でも同様の問題をガードパイプを活用した腰かけ防護柵を設置することで解決しようとしています。こちらがその新宿区の取り組みです。この方式であればベンチ設置のスペース確保が不要となり、ベンチを新規に設置する際のスポンサー確保も必要ありません。バス停の周囲でガードパイプがあれば比較的容易に設置でき、バス利用者の利便性も向上できると考えます。なお、類似の設備として県道陶湯田線の台という名前のバス停にはパイプベンチタイプの腰かけ設備が設置されています。こちらがその台のバス停にある設備ですね。ここでは、なぜかパイプベンチの前に通常のベンチがわざわざ置いてあるという、非常に珍しいレイアウトになっておりますが、なぜ置いてあるのかはちょっと正直わかりません。これ実際に使ってみますと、ここに設置されたパイプベンチは高齢者や児童には少々高過ぎるようですので、設置の際には利用者が快適に使える高さにも十分な御配慮をいただく必要性を感じます。コミュニティバスの路線など、市道沿線でベンチを置くスペースのないバス停は意外に多いように思いますので、試験的に設置して効果のほどを見てみてはいかがでしょうか。執行部のお考えをお聞きいたします。小項目の2番目はコミュニティタクシーについてであります。山口市のコミュニティタクシー制度は既に10年以上の歴史があり、全国的にも行政視察の対象となるなど、内外で話題となっていました。運行状況はここ数年新規参入もなく、7路線での利用が続いております。そのような中、山口市においてはコミュニティバスの延伸を望む声は依然として根強く、議会においても何度となく取り上げられております。従来はその都度コミュニティタクシー制度の利用やグループタクシーの利用を進める答弁があるわけですが、先ほども申しましたがコミュニティタクシーについては新規の導入が絶えており、制度利用のハードルの高さや地域の中心者が不在のなどの課題が解決されないまま現在に至っております。また、コミュニティタクシーについては運行事業者からもさまざまな声があるようで、特に益率に関しては厳しい御意見があるようにお聞きいたしました。現在では運転手不足から深夜のタクシー運行も激減しており、タクシー事業自体の継続を不安視されている会社もあるようにお聞きしております。最悪の場合、タクシー会社の撤退や廃業といった事態に陥れば、当然地域とって貴重なコミュニティタクシーの継続にも影響が出る可能性は高く、現在のコミュニティタクシー制度の代替案の検討も進める必要性を感じます。そこで、現在の山口市で取り組んでいるタクシーを使った公共交通システムの今後の展望について市の所見を伺います。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 安全安心のまちづくりについての御質問にお答えいたします。私からは、まず防災・減災の御質問のうち、社会インフラの整備についてでございます。議員御案内のとおり、社会インフラである道路における無電柱化は、景観の阻害要因となる電柱・電線類をなくすことによる良好な景観の形成や、無電柱化で歩道の有効幅員を広げることによる通行空間の安全性・快適性の確保、また地震や台風等の大規模災害時に電柱等が倒壊することによる道路の寸断防止等の防災を目的とし、その有効な手段として全国で取り組みが進められております。国におかれましては2018年4月に無電柱化推進計画を策定され、計画期間を2018年度から2020年度までの3年間とし、防災、安全・円滑な交通確保、景観形成・観光振興、オリンピック・パラリンピック関連の4つを重点に挙げ、1,400キロメートルの整備目標が掲げられております。本市では、現在新山口駅周辺地区におきまして、矢足新山口駅線及び中領長谷線で830メートルの整備を推進いたしているところでございまして、市道における無電柱化整備延長は整備済みと合わせますと約8.6キロメートルでございます。また、大内文化特定地域である大殿地域の竪小路周辺において良好な景観形成に取り組んでおり、地元住民で構成された大内文化街道まちなみ協議会と連携いたし、桜畠一丁目下後河原線で600メートルの整備を検討いたしているところでございます。無電柱化の整備には、無電柱化協議会において実施に向けての電力等事業者との合意や、路上機器等の設置場所に係る沿道住民の合意形成、またガス・水道管等地下埋設物の移設に期間を要しますことから、長い期間を費やしているのが現状でございます。また、電力等事業者との費用負担につきましては、歩道の有無や伝統的建造物群保存地区等の位置づけの有無で取り扱いが異なり、特に歩道のない狭隘な道路などにおきましては、全額要請者の道路管理者の負担となり、さらに在来工法で整備いたしますと1メートル当たり100万円を超える試算となる等、事業期間の短縮や事業費の縮減が課題となっております。こうしたことから本市といたしましては、地域との相互協力の体制づくりや、無電柱化協議会での十分な議論を交わし、協力を要請してまいるとともに、低コスト手法による費用縮減について京都市の事例を参考にいたしながら研究しまして、安全安心のまちづくりを推進するため、住宅密集地域や狭隘道路における無電柱化につきましても、特に必要性の高い区間から重点的に検討してまいりたいと考えております。次に、公共交通の御質問のうち、待合環境の整備についてでございます。市内には路線バスやコミュニティバス等の停留所が約960カ所あり、上屋のある停留所の多くは交通事業者が整備されておりまして、中には道路管理者が整備いたしているものもございます。議員御案内のとおり、本市におきましては停留所の上屋を設置・修繕される自治会やバス事業者に対しまして、補助金を交付する制度を設けているところでございます。しかしながら、平成25年度以降、利用実績がない状況でございますことから、今後補助制度の適切なあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。一方で、利用者が多く見込まれ、交通結節機能を有する停留所につきましては、今後とも交通事業者と協議いたし、道路管理者と調整の上、歩行空間、用地の確保等の物理的な条件が整いました場合には、上屋の設置・修繕について検討してまいりたいと考えております。また、待合環境の整備につきましては、第二次山口市市民交通計画において、商業施設・商店、医療機関、公共施設等を待合場所として活用することについても推進することといたしており、現在ではバスロケーションシステムの導入により、バス停まで行かずにバスの到着情報を確認できるようになりましたことから、バスロケーションシステムが確認できるデジタルサイネージの整備促進や、コンビニエンスストア・病院等との連携に取り組んでまいりたいと考えております。議員御提案のガードパイプを使った椅子の設置につきましては、本市においても山口大学前の停留所に設置事例がございますが、この新たな設置に当たりましてはベンチの設置も含めまして、歩道の幅員を初めとした道路環境との兼ね合いや利用者にとって座りやすいものとなるのか等の課題を含めまして、道路管理者とも協議・研究してまいりたいと考えております。次に、コミュニティタクシーについてでございます。コミュニティタクシーにつきましては、第二次山口市市民交通計画におきまして、地域が主体となって整え、行政が支援をすることといたしております。コミュニティタクシーは、現在市内7地域で運行されておりますが、平成23年度以降、新たな地域での導入がないことから、本年4月に運行しやすいものとなりますよう、制度の見直しを行うとともに、コミュニティ交通導入の手引きを作成いたしたところでございます。現在、新たに南部地域や吉敷地域などで勉強会が開催されておりまして、勉強会の中で制度や手引きの御案内をさせていただいております。今後も、地域の皆様と十分な協議をいたしながら、地域に適した公共交通体系の構築に取り組んでまいりたいと考えております。また、コミュニティタクシーにつきましては、近年の運転士不足により、タクシー業務へ専念するためコミュニティタクシーから撤退された事例もございます。今後高齢化の進展の中で、よりきめ細やかな運行のできるタクシー事業者の存在はより一層重要になると考えておりますことから、山口市公共交通委員会におきましてバス・タクシー運転士体験会を開催するなど、運転士確保につながるよう取り組んでいるところでございます。今後とも、タクシー事業者と協議してまいりますとともに、タクシー事業者の中にはAI等の新たな技術の導入を検討される事業者もおられますことから、このような事業者とも連携いたし、コミュニティタクシーの高度化を初め、より効率的で効果的な運行ができないか研究・検討することにより、引き続き市民、事業者、行政の適切な役割のもと、地域内の移動を支える持続可能な公共交通の維持・確保を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、防災・減災のお尋ねのうち、率先避難についてお答えをいたします。議員御案内のとおり、今年度県と連携し、災害からの逃げおくれゼロの実現に向け、災害リスクの高い地域における避難行動体制の構築を図るためのモデル事業が実施されており、率先避難の取り組みを波及させるための起点となる率先避難重点促進地域として大内地域の宮島町町内会が選定されているところでございます。先日は、地域における災害リスクについての地元住民説明会が実施されたところでございまして、今後避難行動呼びかけグループ並びに避難情報発令時の呼びかけ避難を促すリーダーの設定等を行い、それらを踏まえた呼びかけ訓練や避難訓練等を実施することといたしております。この事業の実施の背景といたしましては、平成30年7月豪雨におきまして、多くの自治体からの避難行動を促す情報が発信されましたが、必ずしも市民の皆様の避難行動に結びつかず、尊い命が失われる事態がございました。また、ハザードマップで示された浸水想定が実際の浸水状況とほぼ一致していたとの報道もございました。適切な避難行動をとるためには、精度の高いハザードマップや避難先の確認などを行っていくことが必要であり、率先避難の重要性や啓発の必要性は本市においても認識をいたしているところでございます。災害時、人は、避難勧告等が発令されても自分だけは大丈夫という思い込みに陥りやすい一方、知り合いからの避難の呼びかけや回りの人が逃げているという現実を目の当たりにすることで、避難行動を起こしやすいと言われておりますことから、災害リスクを抱える地域のみならず、避難時の注意点などを解説する説明会を町内会総会などにあわせて開催することについても必要であると考えております。議員御案内の市内数カ所をグループ避難モデル地区に設定し、市の事業として市民理解を広げる取り組みについてでございますが、山口県率先避難モデル事業は県が波及効果を目的とし、市町ごとに自治会1カ所を設定し進めている事業でございまして、順次取り組みを拡大し、避難体制づくりの早期実現に向け、来年度も引き続き実施されることとなっております。一方、本市といたしましては、来年度から県事業を参考としながら、自治会単位ではなく地域単位による逃げおくれゼロをテーマとした防災実動訓練を市の独自事業として新たに計画しているところでございます。近年の豪雨災害における教訓を生かし、呼びかけ避難や率先避難のための体制づくり、避難を牽引する地域防災リーダーの設定を行い、避難訓練を実施するなど、地域住民の防災意識の高揚を図り、行政と地域の災害対応能力の向上に努めることを目的とした実地訓練を順次各地域で実施してまいりたいと考えているところでございます。ただいま議員から小単位での取り組みの御提案をいただきまして、その必要性も重要な視点でございまして、今後の取り組みに生かしたいというふうに感じたところでございますが、来年度は実動訓練との連動、地域への広がりという視点から取り組んでみたいというふうに考えているところでございます。いずれにいたしましても、本市におきましてはさまざまな施策を進めていきますとともに、県事業との相乗効果で災害からの逃げおくれゼロの実現に向けた取り組みを計画的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 御答弁ありがとうございました。中項目の1)、小項目の一の電線の地中化・無電柱化について1点だけお伺いさせていただきます。実は、狭隘道路に結構電柱が飛び出しているというのは市内各所で見かけるのですが、こういったものを撤去すると、逆に通行環境がよくなって車がスピードを出しすぎるのではないかという懸念があるというふうにお聞きしたことがあります。先ほど部長からの御答弁では、歩行者の通行環境を確保するという意味で効果があるというふうに認識されておられましたが、そのあたりの整合性はいかがでしょうか。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 安全安心のまちづくりについての防災・減災の社会インフラの整備の2回目の質問にお答えいたします。先ほど無電柱化で歩道の有効幅員を広げることによる通行空間の安全性・快適性の確保ということを申し上げましたが、今やはり道路の構造というのが、これまでやはり車を中心とした構造になっています。これからは、やはり歩行者に目を向けた優しい道づくりが大事になってくると思います。そういった意味で有効幅員を多少広げまして歩行者にとって優しい道、あるいはそういった幅員が広がることによる車のスピードを出すということにおきましては、何らかの手段で──路肩と車道部を視界によって速度を抑えるとか、そういった手段もございますので、そういったことも踏まえて一緒に考えていきたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、山本敏昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  33番 伊藤 斉議員。               〔33番 伊藤 斉議員登壇〕 ◯ 33番 伊藤 斉議員 高志会の伊藤斉でございます。通告に従いまして、一般質問を順次させていただきます。市長並びに参与の皆さんの明快なる御答弁をお願いいたします。  まず、大項目アの山口市の財政展望について3つの項目でお尋ねをいたします。公共施設いわゆる公共の財としての性格を持つ施設──公園、図書館、市民会館、道路、下水道といったインフラ施設も含まれたものと認識しておりまして、地方自治法にも、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するための施設とあります。この公共施設、市道等も含めますと数えきれないほど存在し、当然市が管理運営を行っているわけであります。この場では、あえて道路、上下水道といった生活に直結するインフラ等及び学校等教育施設、公営住宅を除いた、いわゆる一般市民が使用料等を支払って一時的に利用するといった公共施設を対象にお尋ねしたいと思います。現在、全国的にも少子高齢化、人口減少の波が押し寄せ、生産年齢人口の減少からの外国人受け入れ、公共交通に至るまでのAI化、コンパクトなまちづくり等、さまざまな施策が全国で展開されております。よく少子高齢化に歯どめをかけるといった言葉を耳にするのですが、そもそも合計特殊出生率が1.42の今般、少子化に歯どめをかけることはできません。もし歯どめがかかるとすれば、即刻この数字を2.07以上に押し上げることで、数十年後に効果があらわれることと思います。人間は年をとるものですから、高齢化については歯どめはかけられるものではありません。山口市の総合計画には少子化に歯どめをかけるという言葉がありますが、このことについては置いておきましょう。大事なことはこういった事実を受けとめ、将来を見据えながら対策を打っていくことであり、言葉を並べるのではなくて、徹底的なリサーチ、シミュレーションに基づく具体的な方向性、方針を出していくことであると考えます。こういった現状を踏まえまして、このたびは、将来的に税収等が減少することが見込まれる中、一般市民の方が利用される公共施設の維持管理、建設整備の観点から、市政運営の根本である財政展望についてお伺いしたいと思います。初めに、公共施設の維持管理の観点からお尋ねいたします。報道等によりますと、山口県は行財政改革の一環として、県有施設の廃止や移管を検討しているとのことであります。全ての県有施設を維持管理していくことが非常に厳しいといった判断なのだろうと理解をしております。そういった中、本市を見ますと公共施設建設ラッシュと言っていいほど近年大規模公共工事を行ってきております。山口・小郡の両都市核にも巨大公共施設を計画され、既に着手されているものもあります。こういった公共施設につきまして、運営に係る徹底的なリサーチに基づく将来ビジョン、例えば数年間にわたる施設利用の需要に関しての明らかな見通し、受益と負担のバランス等を描いておられるでしょうか。簡単に言いますと、つくったはいいが全然使用されず維持管理に係る費用ばかりが出やしないかということであります。まず、山口市が保持する全既存公共施設及び今から建設を予定している施設に係る年間運営費をつまびらかにし、それに加え財源の当ても示していただきたいと思います。既存公共施設もある中、どんどん公共施設をつくっていますけれども、その維持管理に関して財政的には安心ですといった内容をぜひ市民の皆様にお示しいただきたいのですが、私は財政の硬直化は避けられないであろう将来に向けて、非常に厳しいと思っております。予算を審議し、議決権を持った我々市議会議員も、市民の皆様の負託を受けているわけですから、来年度予算の議決に向けた判断材料として公共施設の維持管理の現実とそれに対する財政展望についてお伺いいたします。次に、公共施設の建設整備の観点からお尋ねいたします。公共施設、住民の福祉を増進する目的である施設の建設は当然必要であると認識しております。しかしながら、そこには過度な住民要望や提言等が存在し、全てを全うすることは困難ですし、ときには地域住民にとって耳の痛いことも論じながら当該地域の人口等の実情、施設の利用頻度、他施設との兼ね合い、財源等を踏まえ、総合的な判断をする必要があると思っております。道の駅長門峡が9月にリニューアルし、新たにキッズコーナーや授乳室、会議室等も設置されたとのことでした。こうした中、阿東地域交流センター篠生分館整備の計画が進められておりまして、目と鼻の先である道の駅長門峡にこうした機能ができたのであれば、分館の機能としてはこれをシェアすればよいのではないかと考えます。実際、道の駅長門峡に設置されました会議室について、現場サイドに確認いたしましたところ、ほとんど使用されていないということでした。そもそも主として観光交流の目的である道の駅長門峡で、観光客が会議室を使用するのでしょうか。地元の要望ということであったのかもしれませんが、会議室は自然休養村センター内にもあります。この道の駅長門峡内に会議室を設置した経緯、必要となった根拠、分析についてお伺いいたします。私は、公共施設を建設整備する際には、これからの時代を見据えた一定の考え、方向性がまず必要だと思っております。つまり、つくるのが前提ではないということであります。市も山口市公共施設等総合管理計画を策定されておられます。公共建築物や道路、橋りょう等のインフラ施設への投資をこれまでと同水準で継続していくことは困難であるという判断からと理解しておりますが、果たして機能しているのでしょうか。以前担当部長から、本市の重要施策を進めるために必要な場合には新設も行うという答弁がありましたが、結局のところ何でもありと受けとめられてもしようがないといった感は否めません。また、施設の保有総量の適正化を図るとありますが、現在の本市の事業展開を見るに到底そうは思えません。当該計画の中にあります計画期間内における総延べ床面積を2.7%縮減という文言について、もう少し具体的に御答弁いただきたいと思っております。山口市の将来を見据え、次世代への負担を減らしていくためには、公共施設の建設整備に対する合理化・効率化の考え、理念は大変重要であり、必ず実行していかなければならないものだと思っております。一般論として、無秩序に土地を買い、後づけで目的を付していくような旧態依然の手法からは脱却すべきであります。私は、少子化、高齢化、人口減少といった社会的要因及び施設の利用率といった実績、さらに財政事情等も踏まえ、施設機能の取捨選択、複合化、廃止等さまざまな要因を総合的に勘案、判断した、市民の皆様を不安にさせない公共施設の建設整備の確固たる方向性と展望が必要だと思います。令和2年度予算編成に向けた山口市の財政展望について、公共施設の建設整備の観点から、道の駅長門峡の事例、公共施設等総合管理計画の中にある総延べ床面積2.7%の縮減というのは、どのくらいの面積の縮減を指すのか、具体的な数字とこれらを踏まえた上で現時点における公共施設の建設整備の現実について市民の皆様にもわかりやすく説明いただくとともに、私の公共施設の建設整備の方向性への見解に対する市の考えをお伺いいたします。次に、多世代交流・健康増進拠点施設の整備事業に絞って質問をいたします。公共施設を建設整備する際、例えば有利な財源を活用しといった財源には問題ないかのような考え、地域からの要望だからといった考え、高次都市機能の強化、経済産業基盤の強化などなどといった考えがよく示されます。こういった抽象論では中身もわかりませんし、議会としても市民にとって真に必要な施設なのかどうかといった点が議論できません。統計やリサーチの手法が多様化する現在、マーケティングに係る情報や人の行動についても精密な分析が可能である中、民間では当然こういったリサーチに基づく数値、いわゆる数字を重要視しますし、こういった手法を行う自治体もあると聞き及んでおります。要は、事業の方向性や規模の妥当性を分析する、いわゆるマーケティングリサーチがこういった事業には不可欠であります。私は多世代交流・健康増進拠点施設整備事業について、この点を求めたいと思います。こういった類の計画に関しては数字が一番わかりやすいので、マーケティングリサーチによるさまざまな分析結果の数字等を市民の方にもお示しいただきたいと思います。平成31年3月に本施設の建設整備に係る基本構想が示されて以来、多くの同僚議員がその詳細や方針、必要性等も含め、一般質問をしてまいりました。私も改めて会議録を確認し読み返してみましたが、はっきり言って何をされたいのかよくわかりません。答弁中よく出てくる言葉として、質の高い施設や空間の創造といった言葉や、健康と交流をキーワードとした温浴機能といった言葉が見受けられ、温泉イコール健康といった感を想起させられます。これは、科学的に確かなのでしょうか。地方公共団体が施設をつくるのであれば、まず何を目的に何の機能を持たせるのか、それは公共で行うべきことなのかから始まり、財源の見通しも含め市の将来を考えながら検討、決定していかなければなりませんし、当然のことだと考えます。改めてお伺いいたしますが、多世代交流・健康増進拠点施設というのは何の施設でしょうか。見聞きする限り、私は温泉・温浴を提供する施設と受けとめております。しかしながら、このサービスは既に民間で業として行われていて、そこに官が手を出す理由は何なのでしょうか。税金を投入せざるを得ない確固たる理由、これにはよほどのリサーチが必要だと考えます。例えば、地域振興施策、福祉施策といった大きな公共性はもちろん、その対象や人口規模、当該サービスの規模、民間との料金も含めた需給調整、利用客の見通しから収支等運営の見通しなど、先ほど述べましたマーケティング調査・分析が必要であると考えます。よく温泉文化の醸成のためと一言で言われますが、市民アンケートでも足湯を含め利用していないという結果が50%──過半数を超えています。この理由を分析されておられるのでしょうか。民間が設定する入湯料が高いからでしょうか。それならば、それは市場の原理に任せるべきものと考えます。その中で、民を後押しするのが行政の役割でしょう。また入湯税が高いからなのか、施設環境等の問題から来るものなのか、あるいは市民の方はいつでも湯田温泉を利用できるといった感覚から平時の利用が控えられているからなのか、答えはさまざまな分析・調査を経ないと見えてきません。本当に市民の方々が温泉文化の醸成を望んでいるのか、そもそもどうなれば醸成されるのかわかりませんが、押しつけではないのか、消費者のニーズを的確に把握し、効率のよいサービスを提供するのは民間のほうが長けていますし、基本的に民間に任せるべきと考えます。これを覆してでも当該事業を行うその根拠となる分析・調査結果がほしいところであります。当該施設をつくる際に寿泉荘、児童文化センター、湯田地域交流センター等の公共施設を複合化し、機能集約を図っていくという計画であれば一定の理解はできるのですが、現時点での計画では民間でも提供できるサービスを官が行おうとしているようにしか見えないところであります。以上述べた点を踏まえまして、現在、基本計画を策定中とうかがっております多世代交流・健康増進拠点施設につきまして、基本計画の概要──要は基本構想を受けて検討した敷地等の利用想定、事業実施のための具体的な課題、条件を整理した内容、及びそれに対する具体的な対応策や発想、また事業概念の確定や公共施設の集約化等代替策の検討、ボリュームの検討、管理運営に係るフロー、事業費概算等、事業実施のための現時点での青写真についてお伺いいたします。また、予算を議決する要素として、先ほどから述べております当該施設を建設するに当たってのマーケティング調査に係る数字等──これほどの規模の事業ですから当然行っておられると思いますので、この数字をお示しいただきたいと思います。今年度末には予算議案が提出されることでしょう。我々は、市民の生活が豊かになることを考えていかなければなりません。議決権のある我々市議会が、当該施設整備に関してこれほどの調査が施され、確固たる公共性があるという根拠及び将来に向けても財政展望は明るいものだと太鼓判を押せる、市民生活が豊かになるという、安心感を覚える具体的かつ丁寧な答弁をお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 伊藤議員の山口市の財政展望についての御質問にお答えをいたします。私からは、公共施設の維持管理についてでございます。御案内のとおり、本市におきましては新市発足後、山口市総合計画のもと、広域県央中核都市づくりと協働によるまちづくりの取り組みを進め、第二次山口市総合計画におきましても、2つの都市政策の柱でございます、広域県央中核都市づくりと、個性と安心の21地域づくりを推進いたしまして「豊かな暮らし 交流と創造のまち 山口~これが私のふるさとだ~」の実現に向け、都市核づくりや地域拠点づくりのための社会基盤整備を積極的に進めているところでございます。まず、都市政策の1つ目の柱でございます広域県央中核都市づくりといたしましては、山口都市核・小郡都市核を中心として高次の都市機能を集積しサービス業の振興等を図りますとともに、市内全域、そして山口県央連携都市圏域等に対しまして、高次の都市機能を波及・提供することで広域的な経済活力や交流の創出を進めているところでございます。山口都市核づくりといたしましては、現在、新本庁舎の整備に向けた取り組みを進めておりますほか、亀山公園山頂広場や十朋亭維新館などの整備をいたしたところでございます。また、湯田温泉の魅力を高める多世代交流・健康増進拠点施設の整備に向けた取り組みを進めるなど、長い歴史の中で積み重ねてきました行政、文化、教育あるいは商業、観光等の都市の特性を生かしまして、山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造都市づくりを進めているところでございます。また、小郡都市核づくりといたしましては、南北自由通路や新山口駅前広場の整備などの新山口駅ターミナルパーク整備事業とともに、2,000席の収容能力を有する多目的ホールなどを備えた産業交流拠点施設の整備を進めておりまして、県全体の玄関にふさわしい交通結節やアクセス機能の強化を図り、新たな交流やビジネスの拠点としての都市空間の形成を進めまして、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを進めているところでございます。都市政策のもう一つの柱でございます個性と安心の21地域づくりにつきましては、あらゆる世代が将来にわたって安心して住み続けることができるコミュニティーの実現に向けまして取り組みを進めているところでございまして、総合支所や地域交流センターの整備や機能強化を図りますなど、地域の課題は地域で解決できる山口らしい地域内分権を推進いたしますとともに、道の駅の機能強化を図りますなど、それぞれの地域の特性や個性に応じた地域拠点の整備を進めているところでございます。また、こうした一方で、本市における公共施設等の将来のあるべき姿につきましては、人口減少や少子高齢化に伴う市民ニーズの変化や財政状況、費用対効果などを総合的に検討いたし、平成27年8月に山口市公共施設等総合管理計画を策定いたしたところでございまして、本市の公共施設の保有総量の適正化等を図っているところでございます。こうした中で、議員御案内の本市における、道路・橋梁、そうしたインフラあるいは上下水道、学校施設、市営住宅、こうしたものを除きます公共施設の年間の管理運営費につきましては、平成30年度決算でございますけれども、総額で約46億円となっておりまして、その財源といたしましては、市民の皆様に御負担いただいた使用料などが約8億円、放課後児童クラブなどの運営に伴います国・県補助金が約3億円、ソフト事業に対応する過疎対策事業債が約1億円、残りの約34億円が一般財源となっている状況でございます。また、今後の公共施設の管理運営費の展望といたしましては、令和4年度までの中期財政計画期間におきましては、産業交流拠点施設が令和3年度から供用開始となりますことから、令和3年度から約4億円増加することを見込んでいるところでございますが、公共施設等総合管理計画に基づきまして、現在計画をいたしております徳地総合支所や阿知須総合支所、地域交流センターなどの建てかえの施設につきましては近接する施設との複合化など施設規模の効率化を図ってまいりますほか、その他の施設整備につきましても、市民の皆様の御意見等を伺いながら必要最小限の整備水準や省エネルギー化によるライフサイクルコストの縮減などに取り組みまして、可能な限り抑制してまいりたいと考えているところでございます。こうした取り組みにより進めております施設の整備につきましては、施設利用者の増加に伴うにぎわいの創出や地域経済の活性化を図り、ひいては将来的な一般財源の確保にもつなげていきたいと考えております。いずれにいたしましても、第二次山口市総合計画の計画期間の早い段階におきまして一定の社会基盤整備を整え、本市の未来を確かなものにしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。  他は担当参与から答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 荒瀬阿東総合支所長。              〔阿東総合支所長 荒瀬秀治君登壇〕 ◯ 阿東総合支所長(荒瀬秀治君) 私からは、公共施設の建設整備のうち、道の駅長門峡に関する御質問についてお答えいたします。道の駅長門峡につきましては、施設の老朽化などを理由に平成29年度から整備に着手し、観光情報や地域情報など、幅広い地域内情報のインフォメーション基地としての情報発信機能の充実と施設のリニューアルによるにぎわいの創出、また安全安心な農畜産物の販売拠点としての機能強化などを目的といたしまして整備を行ってまいったところでございます。議員御案内のとおり、道の駅長門峡につきましては、レストラン部分の改修や展示即売室棟の増設、交流ターミナル施設棟のインフォメーションコーナーやレストスペースの拡大、授乳室やキッズコーナー、会議室などの新設を行いまして、全面的なリニューアルオープンを9月14日に行ったところでございます。議員御質問の当施設の会議室を設置いたした経緯等についてでございますが、平成26年度にNPOあとう、山口県央商工会阿東支所、山口阿東森林組合、一般社団法人ふるさと振興公社、JA山口中央阿東支所、有限会社聴秋や長門峡観光協会といった地域団体と本市を構成員といたしまして、阿東の地域経済の振興・活性化について協議するために設立いたしました阿東地域振興協議会において、道の駅長門峡の整備事業に関する協議も行ったところでございます。その協議において、今後の管理機能の強化として、施設出店業者や野菜等の出荷者などを集めて協議する会議スペースが必要であるとの御要望がありましたことや、他の道の駅の整備状況等を参考に基本設計を行う中で、施設整備方針の中に会議室の設置を盛り込んだところでございます。この会議室につきましては、現在施設出店業者や来客者等の協議の会場として使用いたしておりまして、販売戦略や情報交換等を行うことで、道の駅長門峡の集客力や販売力が図られているものと考えているところでございます。また、会議室としての利用に加えまして、緊急時における救護室やレストスペースと一体的なオープンスペースとしても利用できるようにいたしておりますことから、萩ジオパーク構想の普及・啓発の際の会場、混雑時のレストスペースの拡充スペース、観光等で訪れられた方にごらんいただける写真や絵画などが展示できるスペースなど、多目的に活用いたすことといたしております。なお、利用のない場合におきましては、広く地域の皆様にも御利用いただきたいと考えております。今後も道の駅長門峡の会議室につきましては、道の駅長門峡の管理運営上の利活用と阿東地域の交流人口の増加等を主な目的として利活用することで、地域情報の受発信による都市との交流をさらに促進し、阿東地域の特産品の普及及び農家・林家の所得向上に取り組むことで、阿東地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、公共施設の建設整備のうち、山口市公共施設等総合計画による取り組みについてお答えをいたします。御案内のとおり、本市の公共施設の保有面積は、山口市産業交流拠点施設や多世代交流・健康増進拠点施設の建設等も控えておりますことから、今後数年間は増加していく見込みとなっておりまして、合併特例債や基金を活用しながら、将来の山口の都市基盤づくりと位置づけた事業を着実に進めているところでございます。したがいまして、平成27年8月に策定いたしました山口市公共施設等総合管理計画におきましても当面、本市が取り組んでおります高次都市機能の強化や経済産業基盤の整備等による広域県央中核都市づくりに係る重点施策を推進するため、新たな都市機能を有するための施設整備については可能としながら、人口減少や人口構造の変化等を考慮した施設の総量コントロールによる適正化に取り組むことといたしているところでございます。この総合管理計画におきましては、平成27年度を起点として、その後40年間で必要となる公共建築物の更新費用と設備投資の平均値を基本とした投資可能額を比較した結果、234億7,000万円の財源不足が見込まれ、市が保有する公共建築物のうち普通財産や歴史的建造物など更新になじまない施設を除きまして、延べ床面積の11.9%が更新できないものと試算いたしているところでございます。その上で、公共建築物の総量につきましては、急激な縮減により市民サービスの低下を招かないよう、必要な行政機能の保持に配慮しながら検討する必要がございますことから、計画期間の終期である令和11年度までの15年間におきまして施設総量の2.7%、延べ床面積に換算いたしますと1万6,774平方メートル、本庁舎が1万3,731平方メートル、この約1.2倍に相当する面積の削減を目標といたしているところでございます。このため施設ごとの老朽化の状態や利用状況等を整理した上で、長寿命化や更新等の対策を実施する際の優先順位の考え方を明確にするとともに、総合管理計画で示した基本方針に基づく必要な対策について講ずる措置の内容や実施時期、対策費用の概算を施設ごとに整理し、計画的な維持管理・更新等を推進し、保有総量の適正化を図るために、山口市公共施設等総合管理計画個別施設計画を今年度中に策定する予定といたしております。個別施設計画では、総合管理計画における基本的な考え方の一つである保有総量の適正化に基づき、機能を集約し、近接する施設と複合化するなど、機能を維持しながら施設規模の効率化について検討することを基本とし、総量コントロールが可能な施設を洗い出しながら集約化、複合化、用途変更、廃止、民間への譲渡や売却、地域の地縁団体等への移譲等を行う民間化といった適用手法につきましてもお示しすることといたしております。この個別施設計画策定後の推進方策につきましては、今後の本市のまちづくりの方向性や市民生活に与える影響など、さまざまな要因を丁寧に分析しながら、市民目線、市民の活動を主体とした公共施設のマネジメントという視点も失うことなく、本市の公共施設マネジメント、施設保有総量の適正化という目標に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、多世代交流・健康増進拠点施設についてお答えをいたします。御案内のとおり、多世代交流・健康増進拠点施設の整備につきましては、平成27年10月に策定をいたしました山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略における湯田温泉おもてなしのまちづくりの取り組みの中で、老朽化した公共施設の再編や未利用地の利活用を位置づけ、この総合戦略のもと平成28年11月に山口市生涯活躍のまち構想を策定し、アクティブシニアの移住促進等を図るため、老朽化した公共施設の再編などが可能な湯田地域の遊休地において、温泉を身近に活用できる健康なまちとしての魅力や多様な食を有する観光・保養拠点にふさわしい都市生活空間を整備することについて検討し、そして平成30年3月に策定をいたしました第二次山口市総合計画前期基本計画重点プロジェクトにおきまして、市民温泉を含む多世代交流施設整備を位置づけたところでございます。こうした施設整備の判断に至る経緯におきましては、湯田地域への市民温泉の整備につきまして、これまでも湯田地区町内会連合会からの御要望を初め、多くの市民の皆様、関係団体の皆様からも御要望や御提案をいただいてきており、また本市議会におかれましても、その必要性につきまして何度も御議論をいただいているところでございます。また、平成28年3月に、本市において湯田温泉のニーズや利用状況などの現状を把握するため、市民の皆様を対象に湯田温泉の日帰り入浴施設に関するアンケート調査を実施いたしたところでございます。この調査によれば、湯田温泉を月に1回以上利用される方は全体の13.2%という結果でございました。また、湯田温泉をほとんど利用しない、利用したことがない方は全体の30.4%でございまして、約3割の市民の方が湯田温泉をほとんど利用されていないという現状がございまして、この結果から、湯田温泉の利用拡大の可能性がまだまだあるものというふうに捉えたところでございます。また、今後湯田温泉に立地を希望する施設、機能につきましては、全回答者の約4割の方が健康増進・維持のための施設、また約2割の方が日常の入浴施設との回答をいただいておりまして、このような機能の必要性を認識いたしたところでございます。したがいまして、こうした状況や調査結果などを踏まえまして、更新時期にありました60歳以上の皆様を対象といたしております現在の山口市老人憩の家寿泉荘を、あらゆる世代の皆様が利用できる市民温泉として整備するとともに、湯田温泉という本市が誇るべき貴重な地域資源の活用を広げ、広く市民の皆様に健康で潤いのある暮らしを提供する場としての整備を進めることで、湯田温泉エリアが市民の皆様の健康で潤いのある生活空間としての価値をより高め、市外・県外からの皆様を引きつけることで、さらなる定住や交流を促す、住んでよし、訪れてよしの湯田温泉のまちづくりを推進していくこととしたものでございます。次に、拠点施設基本構想の策定後の検討状況でございますけれども、御案内のとおり、本施設の基本構想では目指す姿を、温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点としておりまして、本施設において、快適で魅力的な温浴機能、多様な交流を促し、にぎわいを生む機能、憩いとふれあいの場を提供する機能の3つの機能を柱に検討することといたしております。基本構想から基本計画の策定の段階に向けましては、この基本構想で定めました3つの機能を実現可能なものとして具現化していく必要がございます。この3つの機能を具現化することによりまして、施設の規模でありますとか配置、敷地の利用形態、また概算事業費などの検討が可能となってまいりますことから、まずは本施設に導入する具体的な機能や事業展開などを検討するため、基本計画の策定支援事業者と連携をし、さまざまな市民の皆様の御意見や御提案をお伺いしているところでございます。具体的に申し上げますと、公募によります市民ワークショップをこれまでに3回実施いたしておりまして、幅広い世代の市民の皆様から、施設の機能やにぎわいが生まれる企画・サービスなどにつきまして、さまざまなアイデアをいただいているところでございます。また、湯田温泉の観光・宿泊・飲食事業にかかわる関係団体の皆様などへのヒアリングも実施いたしておりまして、各方面からの御意見、御提案をいただいております。さらに、拠点施設に隣接する湯田地域交流センターの関係団体の皆様との協議の場を設けまして、センターの増改築を初め、拠点施設の整備に伴います周辺施設の解体、移転、集約化等を踏まえました一体的な機能配置などにつきまして協議を進めているところでございます。拠点施設に導入する具体的な機能や事業展開などにつきましては今後、こうした調査などによりいただきましたアイデアを踏まえます中で、第二次山口市総合計画に掲げる本市のまちづくりの方向性を初め、山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画における都市機能誘導の考え方、また現在の公共施設、民間施設の設置状況でありますとか、湯田温泉の地域特性などとも照らし合わせながら、市民の皆様に対する湯田温泉への愛着の醸成といった視点を初め、湯田温泉ゾーンの個性や特徴を際立たせることによります温泉街や山口都市核への波及効果や、小郡都市核との連携や相乗効果の発揮といった視点、さらには施設のランニングコストの低減といった視点などから検討をいたすこととしております。また、御案内のとおり本施設は複合施設でございまして、基本構想にも3つの機能を掲げております。このうち特に、温浴機能のほかに定めております多様な交流を促し、にぎわいを生む機能、それから、憩いとふれあいの場を提供する機能、この2つにつきましては、市内各地域の都市機能との連携や補完、また相乗効果を発揮することを検討いたしますことで、湯田温泉の新たな魅力を創出し、そして本市全体の発展にもつながることになるというふうに考えているところでございます。したがいまして、こうした方向性の中で、市民の皆様からの貴重なアイデアを可能な限り生かせますよう、基本計画の策定支援事業者が有する建築技術や専門的知見を踏まえ、具体的な機能や事業展開などを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。また、こうした中で温浴機能につきましては、山口市老人憩の家寿泉荘を多世代型の温浴機能、いわゆる市民温泉として更新をすることといたしておりますが、老人憩の家寿泉荘につきましては昭和49年の開設当時、湯量の不足によりまして対象者を高齢者に限定したといった経緯もございまして、これまで半世紀近くにわたり湯田温泉における唯一の公共の入浴施設として、市内の高齢者の皆様により温泉文化が育まれてきたところでございます。こうした寿泉荘が果たしてまいりました役割を継承しながら、あらゆる世代の市民の皆様に利用を広げますことで、より多くの市民の皆様に湯田温泉の歴史や文化を実感していただけるものと考えておりまして、こうした温泉文化に親しむ市民の皆様の姿などには、市内外から訪れる観光客やビジネス客の皆様にも大いに魅力を感じていただけるものと考えております。なお、議員御案内の管理運営に係るフローなどにつきましては、基本計画の次のステージである基本設計や指定管理者制度の導入を視野に入れた際に詳細な検討を行うものというふうに考えておりますけれども、導入する機能を検証する上では必要な運営シミュレーションなどについては行うものであろうというふうに考えております。いずれにいたしましても、施設の具体的な機能が固まりましたら施設の規模や配置、敷地の利用形態、また概算事業費などの検討を行いまして基本計画の案を作成することを考えておりますけれども、その検討の際には議員御案内のマーケティングリサーチでありますとか、類似の公共施設の事例などの調査でありますとか分析といったことが必要になるものというふうに認識をいたしておりますことから、必要に応じて実施をしてまいりたいというふうに考えております。御理解を賜りたいと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 伊藤斉議員。               〔33番 伊藤 斉議員登壇〕 ◯ 33番 伊藤 斉議員 それでは、1点だけ再質問をさせていただきます。大項目アの2)公共施設の建設整備の中で、道の駅長門峡の件でございますが、会議室は出店者の皆様の検討の場といいますか、そういう会議をする場だということですが、実際には行われていないように聞き及んでいるのですが、それはそれとして何を言いたかったかというと、本当に必要なものなのかどうなのかという判断と、ほかの今度また建設するであろう篠生分館のそういう複合化といいますか、共有化といいますか、そういうことができたのではないのかと、そのときに協議すればですね。ということを聞いたのですが、粛々と答えられたという感じなので。それはそれとして、私もこの質問をするに当たって、道の駅長門峡を昨日ちょっと訪れてもう一度館内をよく見て回りました。そうしたら、そこの中に運転手休憩室というのがあるのですよね。よく高速道路などのサービスエリア、長距離運転者に対するレストルーム機能というのですか、そういうことが想起されるのですが、この機能というのは道の駅に必要なものなのでしょうかね。仮にそれが必要な施設としても、この運転手というのは多分バス等の運転手であろうと思うのですが、特定の使用者を対象としている時点で当然これは有料になるのではなかろうかとも思うのですが、まず、この施設機能の利用実態と必要性の説明をお願いしたいと思います。それからあわせて、この有料の場合には条例改正が必要になるのですが、当該施設がリニューアルをして以来、条例改正の提案がございません。このあたりの検討を含めてちょっとお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 暫時休憩いたします。                  午後2時15分休憩       ────────────・────・────────────                  午後2時22分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 会議を再開します。  荒瀬阿東総合支所長。
                 〔阿東総合支所長 荒瀬秀治君登壇〕 ◯ 阿東総合支所長(荒瀬秀治君) 公共施設の建設整備のうち、道の駅長門峡に関する再度の御質問にお答えいたします。バスの運転者の控室についてでございますけれども、道路利用者全般においての休憩スペース、道の駅というものが休憩スペースということでありますから、その道路利用者のための運転手──事業者の運転手にしても個人の運転手にしても対象でありますことから、今後も御利用いただければと思います。それから、今後つくります分館においての機能のシェア的な話ですけれども、まずは阿東総合交流ターミナルの設置及び管理条例に基づいた利用を優先して今後運営していきたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 伊藤斉議員。               〔33番 伊藤 斉議員登壇〕 ◯ 33番 伊藤 斉議員 今御答弁いただきましたが、基本、運転手の休憩室があるというような道の駅は、山口県内で聞いたことがないのですよね。例えば、バスとか事業者の方なら、バスからトイレに行かれる以外はほとんど離れられない、いつお客さんが帰ってくるかわからないということもありまして離れられないので、そういう休憩室を使われることがまずないという中で、何でつくったのですかというのを聞いただけで、もうこれから聞いていっても仕方がないので、この項は置きますけれども。  続いて大項目イの環境行政についてお尋ねいたします。1点目は、金属・小型家電製品選別ストックヤード整備についてであります。本市では、金属・小型家電製品選別ストックヤード整備に取り組んでおられ、令和4年4月の供用開始予定と聞き及んでおります。この選別ストックヤードの建設の目的は、より良品質な資源物として再資源化を図ることを目的に選別及びストックするためのヤードを建設することで、選別機能を強化し、資源物の適正処理を進めていくとされております。しかしながら、実際には現在、民間に委託し、細かく丁寧に金属と廃プラスチック等に選別して再資源化しているのを、市のほうで小型家電リサイクル法の制度等を利用して金属と小型家電、大まかに言えばその2つに分類をすれば認定事業者に運搬費だけで引き取ってくれるのでそうするとのことであります。説明のあった目的とは真逆のことをされようとしております。なぜこのようなことをしようと考えられたのかを私なりに推察いたしますと、本市が民間事業者に委託している資源化処理業務の委託料は、山口市不燃物中間処理センターからの運搬費等を含め、消費税抜きの金額で1トン当たり7万3,500円ぐらいだと思うのですが、これを約1億5,000万円かけて選別ストックヤードを建設し、認定事業者に運搬費だけで引き取っていただく。そのことにより民間事業者に大まかに2つに分類してもらうことにより、委託料の縮減を図ろうとされているのだと思います。市が考えているように本当にそのようになればよいのですが、私が認定事業者等に聞き取り調査をした限りでは、運搬費だけでなく、さらに処理費もかかることが予想され、かなり厳しいのではないかと考えております。そこでお尋ねいたしますが、市が試算する整備事業費約1億5,000万円の内訳と供用開始後の人件費等のさまざまなランニングコストの見込み、また選別ストックヤードを建設せずに委託処理を継続した場合と比較すると、整備事業費は何年で採算が取れるようになるのか、お伺いいたします。また、このように環境行政を取り巻く状況が目まぐるしく変化している現状において、市が想定しているとおりの処理ができなくなった場合、市としてどのような責任を負うのか、お伺いいたします。環境行政についての2点目は、ごみ収集車の維持管理についてお伺いいたします。本市では、平成30年度3月においてパッカー車両を57台所有しておられますが、昨年度は車両の故障等が多く発生し、修繕費が大変かさんできている状況との説明を聞いております。清掃事務所では2年半前に車両更新計画を作成し、この57台を有効に費用のかからない形で使用する計画を立てておられますが、基本的には配備から10年から12年、あるいは走行距離20万キロメートル以内を更新の目安としており、年間約5台程度の車両の更新が必要となっております。私は、経費の縮減の観点から、必要最低限の車の確保は当たり前のことですが、そうでない部分については減らすべきと考えます。そこでお尋ねいたしますが、現在、一般廃棄物のごみの収集業務の一部を民間委託されておりますが、市のパッカー車を貸与して委託しているものがあります。修繕費、車両の維持管理費のことを考えると、委託業務に係る車両は、契約更新時に貸与をやめて事業者で用意させるようにしたほうがよいのではないかと思いますが、市の考え方をお伺いいたします。次に、環境行政についての3点目は、ペットの適正飼養についてであります。参与や議員の皆さんもテレビでのCM放映を見られた方が多くいらっしゃると思いますが、公益財団法人日本動物愛護協会のCM曲に「にゃんぱく宣言」というものがあります。歌詞の内容は、「お前、俺の飼い主ならば俺の体、俺より管理しろ」「家の外に出してはいけない」「飼えない数を飼ってはいけない」となっており、作詞をされた歌手のさだまさしさんが歌われています。近年、無計画に猫を飼い、数がふえ過ぎて世話ができなくなる多頭飼育崩壊が問題となっております。本市におきましても、猫の多頭飼育や野良猫への餌やりなどにより、近隣に迷惑をかけているという苦情があると聞き及んでおります。それに対して、市からは適正飼養についての指導をされていることとは思いますが、なかなか解決に至らないといったケースがあると聞いております。先ほどのCM曲ではありませんが、市は猫の飼養について、適正な頭数についてはどのように考えておられるのか。また、多頭飼育をされている方への適正な飼養に係る指導と、その後の状況についてお伺いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 松本環境部長。               〔環境部長 松本裕之君登壇〕 ◯ 環境部長(松本裕之君) 伊藤議員の環境行政についての御質問にお答えいたします。まず、金属・小型家電製品選別ストックヤード整備についてでございます。収集した金属・小型家電製品の処分につきまして、以前は分別せず有価で業者に引き渡すことができておりましたので、多い年で年間約4,000万円の収入がありましたが、価格変動により処理委託となり、平成30年度は約9,000万円の負担となっております。今後も市況の動向により、委託費がさらに高額になることが懸念されます。そのため、選別・保管場所としてストックヤードを整備して、市において選別をし、金属類は売却、小型家電製品は国の認定事業者へ引き渡そうとするものでございます。議員お尋ねの整備事業費でございますが、造成工事費が5,000万円、工事費が1億円の計1億5,000万円としておりまして、基本設計費、造成設計費及び建設設計費は別に1,600万円見込んでいるところでございます。小型家電製品につきましては、現在、運搬費のみで認定事業者に引き渡すことが可能でございますが、議員御指摘のとおり、市況の変化等により、来年度からは別に処理費が必要になると本年11月に認定事業者からうかがったところでございます。ストックヤード供用開始後の選別業務委託費及び小型家電製品の処理費といたしましては年額約5,500万円程度を見込んでおりまして、平成30年度の委託処理費を基準として比較しましたところ、供用開始後おおむね6年目から累積経費の総額において有利になると考えているところでございます。なお、試算には反映しておりませんが、施設設備費について3分の1は国庫補助を受けられる予定でございます。一般廃棄物処理を取り巻く状況は大きく変化しておりますが、こうした中であっても、安定的かつ適正処理を行う体制を整えることが廃棄物処理法上の市の責務であると考えているところでございます。次に、ごみ収集車の維持管理についてお答えいたします。議員御案内のとおり、現在、ごみと資源物の収集につきましては、市の直営と民間事業者への委託により実施いたしております。委託業務のうち、合併前からの経緯や業務に必要となる車両を市内業者が所有していない場合等については、市から車両貸与をしているところでございます。車両がごみ収集車などの特殊車両でございますことから、納車までの期間が長いため、入札後に車両の準備が困難であり、加えて高額であるため、業務受託決定前に車両を購入することは事業者にとりまして負担は大きいものであると考えております。また、自社業務とは別に、市の業務を受託できる車両を保有している事業者は限られているという状況もございますので、車両貸与をすることは入札の参入機会が多くの事業者に与えられ、適正な競争性が確保できるものと考えているところでございます。なお、車両の維持管理に関する経費につきましては、貸与車両の場合、車検費用やタイヤ費用などは市の負担としておりますが、自社車両の場合は、それらの費用を委託料の中に加えておりますので、市の経費負担は大きく変わるものではございません。こうしたことから、車両の貸与は必要な措置であると考えておりますが、今後とも契約更新時期におきまして、事業者の車両保有の状況や市の車両更新計画等を考慮し、委託内容について精査してまいりたいと考えております。次に、ペットの適正飼養についてお答えいたします。まず、猫の適正な飼養頭数につきましては、環境省の家庭動物等の飼養及び保管に関する基準にも具体的な頭数は示されておりませんが、飼い主が適切な飼養環境と終生飼養を確保し、周辺の生活環境の保全に支障を生じないよう管理のできる範囲内であるとされております。次に、適正飼養のための指導の状況につきましては、平成28年度に、山口市猫の適正飼養等ガイドラインを策定し、飼い主が管理できる飼育環境や頭数の範囲内において、猫の適正な飼養と飼い主のいない猫に接するルールなどを提示いたしたところでございます。また、国の基準にも、必要に応じて繁殖制限の措置を講ずるようにと示されていることから、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費助成制度により、繁殖の抑制にも取り組んでいるところでございます。猫に関する苦情には、野良猫への無責任な餌やりや外飼いの猫が他人の敷地をふん尿で汚すなど、野良猫との接し方や飼い主のモラル、マナーの行き届かないことに起因するものが多く、啓発チラシの回覧や必要に応じて戸別訪問による面談等を実施し、ガイドラインに基づいた適正な飼養に努めていただくようお願いいたしております。しかしながら、市民の皆様のペットや動物に対する思いや考え方はさまざまでございまして、問題解決に至らない場合もございます。多頭飼育は動物虐待につながるケースも想定されますことから、引き続き山口環境保健所とも連携しながら適正飼養に関する啓発をさらに強化し、今後も粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、伊藤斉議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  17番、大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 日本共産党の大田たけるです。会派のトップバッターとして通告に従い、質問いたします。わかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。  まず大項目ア、令和2年度予算編成方針についてお伺いします。各項目ありますが、大きくは予算編成の考え方についてお伺いしたいと思います。中項目1)憲法と自治権の理念についてです。自治体戦略2040構想研究会報告では、自治体が基盤環境整備を行うプラットフォーム・ビルダーに変わることで、公共サービス供給主体──プロバイダーとしての機能を縮減する方向を明確にしております。これは、本来自治体が担う業務が放棄され、自治体が公・共・私のマネジメント役──経営管理というマネジメント役に特化して外部化を加速するものと危惧されています。自治体の行政フルセット主義から自治体間連携への議論があります。これは地方圏での連携協約による連携中枢都市圏の形成により、都市機能の選択と集中化をするものです。国は2040年までに連携の事実をもとに地方自治体を解体し、圏域行政体の構築を図っています。つまり、新たな機能分担論、ネットワーク論としての圏域マネジメント論の構築を狙っています。圏域マネジメント論は、地方自治法上の地方公共団体ではなく、議会を持たず自治権も曖昧なものであり、自治体の枠を越えサービス供給に関して共有し、外部化された連合体であるとされています。その連合体では、意思決定や物の価格決定も可能と考えられ、費用負担は受益者負担となるのは明白であり、こうした議論が今まさに国では行われているということです。憲法第8章に規定される憲法第92条、法律による地方公共団体の設置、第93条、法律による議会の設置と、首長と議員の住民の直接選挙、第94条の財産管理・行政執行などの規定、こうした憲法を飛び越えた議論が自治体戦略2040の実態であると専門家も指摘しております。ここには国が本社で都道府県が支社、市町村が出張所という経営視点、経済界の視点・意向が色濃く反映される議論となっています。山口市の令和2年度の予算編成方針にも自治体戦略2040の文字や、第32次地方制度調査会の答申を踏まえという記述が並んでおりますが、こうした国の示す方向にすぐに乗るのではなく、憲法の規定する自治権、山口のことは山口で決めるという自決権を守ることが重要ではないでしょうか。私たちが心がけるべきは、地方自治体の財源の多くを占める地方交付税など、暮らしや地方自治を支える大もとの制度を大切に維持していくこと、国の議論する地方制度の改正に過大な期待をかけないこと、そして、今、手元にある制度と資源を可能な限り使って自治の成果を上げることではないでしょうか。老若男女、性的マイノリティーの方、障がいのある方、海外からの移住者の方も一人残さず、ここで生きていく、ワンチーム山口としての市政運営が必要と考えますが、まず市長の認識をお伺いいたします。次に、中項目2)社会保障の拡充です。ことし9月11日、内閣改造に当たり基本方針を閣議決定し、全世代型社会保障検討会議の新設が発表されました。同9月17日、有識者メンバー9名が発表されましたが、そのうち3名が経済財政諮問会議の議員であり、他に経済同友会からも委員が入っておられます。経団連会長とともに財界ツートップがそろっていることから、今まで以上に財界主導の社会保障改革になると危惧されております。厚労省を飛び越え、推進される危険もあると専門家も指摘しております。全世代型社会保障の構築を口実に国民生活の実態を無視して消費税が10%へ引き上げられましたが、年金制度、医療保険、医療制度改革、介護保険改革、どの分野でも負担する人をふやし、給付を減らす目的なのが透けて見えるような議論が行われております。社会保障には健康な労働者を多く生み出す効果があり、その恩恵を企業が受けているという側面からも、企業が相当の負担をするのが筋ではないかという批判もあります。また、政府が掲げる医療や介護での予防重視には、健康自己責任論の落とし穴があると指摘しています。健康を損ねた人や認知症の人に、生活習慣の改善や認知症対策を怠った人、努力をしなかった人とのレッテルを張り、集団から排除することになりかねないと言われています。非正規雇用が4割にも及ぶ現在の社会状況では賃金が安いため、ダブルワークやトリプルワークを強いられ、自己の健康管理に気を使う物理的余裕がなくなります。十分な食事をとる時間も経済的余裕もないため、コンビニ弁当やジャンクフードに依存せざるを得なくなる、適度な運動をするための時間もお金もない。こうした経済的・物理的根拠を欠けば、健康に対する十分な情報も得ることができなくなります。国民健康保険では、事業主負担がないことや収入の少ない人、年金者、無職の人が多い構成となっているので、他の健康保険よりも保険料負担が重いということはこれまでも述べてまいりました。さらに、均等割は他の健康保険にはなく、世帯人数が多いほど負担も大きい前近代的な人頭税方式もあり、税や社会保険料の基本理念である応能負担原則からも逸脱しております。社会保障制度は、健康権、文化権、生活権を掲げた憲法第25条の具現化されたものであり、店頭で売買される商品ではなく、受益と負担の原則は働きません。現況の社会保障政策には、人権原理の視点がいまだに不十分と専門家も指摘しております。消費税が10%に引き上げられ、地方消費税の増収も見込まれると思います。それは社会保障のためとして引き上げられたものであります。せめて国民健康保険の子供の均等割を廃止し国保料を引き下げる、全ての子供の医療費無料化の拡充として、高校卒業までを目指すといった市独自の社会保障拡充の施策が求められるところであります。暮らしを守る防波堤の役割として重要と考えますが、新年度の予算編成の考えをお伺いいたします。次に、中項目3)の社会基盤整備です。予算編成方針では、社会基盤整備という言葉がキーワードになっていると感じました。本来であれば社会基盤整備というと、道路、上下水道、通信施設など産業基盤の社会資本や、学校、病院、公園、社会福祉施設など生活関連の社会資本など、国民・市民福祉の向上と、国民・市民経済の発展に必要な公共施設と解釈されます。しかし、市の進めるものは新山口駅北地区の約110億円で整備し、15年間の維持管理費が50億円を計画する産業交流施設、また湯田温泉の住宅エリアに30億円、4,000平米で整備を計画する多世代交流・健康増進施設を積極的に進めるというものではないでしょうか。小郡と山口の都市核づくりを進めれば、市全体が発展するというトリクルダウンの考えで、まちをコンパクトにし、行政効率を向上させる狙いが前面に置かれているのではないかと考えるところであります。周辺地域がなくなれば一番端がなくなるわけで、そのすぐ近隣のところが今度は一番端になってしまいます。都市核の中にも一番端というものがあるはずなのです。そこがなくなれば、どんどんその内側が端、一番端になっていくと。やはり周辺地域を重視する施策が必要と思うわけです。農林漁業を支える周辺地域で住み続けられるように河川のしゅんせつ、護岸や橋梁の強化・改良、生活道路の整備、災害対策や備蓄など、そういったことに力を注ぐべきであり、また地元の中心企業が潤うように市内循環型の経済に力を注ぐべきではないでしょうか。農林漁業を市の基幹産業に据え、法人の経営体だけでなく、家族経営体にも必要な補助や的確な施策が必要でありますし、周辺地域に住み続けることで国土を守り、災害対策にもなっているという側面があります。消費税増税後の消費喚起と地元事業者の仕事おこしにもなる、安心快適住まいる助成事業を継続し、補助率も上げるなど、さらなる工夫が必要です。昨年度の決算状況では、毎年、事業費が足りない状況があったのに使い残しがあったという報告があります。商工会議所との連絡を密にし、使い残しが発生しそうであれば、後期事業として2段階の構えで実施することも必要と考えます。さらに、以前から提案している店舗のリニューアル助成事業も検討を求めたいところであります。平時からの河川のしゅんせつ、護岸や橋梁の強化・改良、生活道路の整備などは災害対策にも資するものでありますし、地元事業者が活躍しやすい分野でもあると考えます。また、避難所の整備や備蓄なども現在の市内各地の状況をきちんと把握し、何を備蓄、整備して何をほかの自治体に支援を要請するのか、そういった区分け、受援の体制も検討すべきと考えます。そこでお尋ねしますが、大型の開発一辺倒ではなく、こうした各地域の市民の生活向上に資する社会基盤整備であるべきと考えますが、市の考えをお伺いいたします。次に、中項目4)です。移動権、交通権の生きるまちづくりです。公共交通に関しては、これまでも毎議会のように取り上げてまいりました。今回は公共交通を考える際の理念の重要性を考えたいと思います。交通とは、衣食住とともに、人間が生きていくための営みの基盤をなします。そのため、交通は人間が生きていくための権利、基本的人権と捉えられています。交通の本質は人との交流、コミュニケーションとしても重要であり、文化を育むものであります。人間社会を支える基本的な人権であると考えられる交通は、移動の確保だけではなく、歩行の安全、自転車の安全走行も含め、また災害時でも重要な役割を果たします。地域交通政策を考えるときに日常の生活圏を重視し、地域の自治を重視し、地域の課題を解決するために協働が重要であります。持続可能な地域社会とよく言われますが、平和で個人の尊厳が尊重され、食、エネルギー、交通などの地域資源を活用し、循環型の地域経済が確立している地域社会、それが持続可能な地域社会ということで求められているものではないでしょうか。交通権や移動権、これは憲法の基本的人権の条文を集合した新しい人権とも言われています。誰もが、いつでも、どこでも、豊かな交通を享受できる交通社会を目指すものであります。また、クロスオーバーベネフィットという考えもあります。これはある部門で捉えられた出費を含む行動がほかの部門に利益や節約をもたらすという考えで、公共交通だけでなく、社会保障への税負担は多くの社会的便益をもたらすという考えであります。こうした理念を政策理念とすることが重要と考えます。一つの例として、長野県木曽町の生活交通システムの例があります。公共交通は、まちづくりの土台という理念の地域交通政策です。山に人が住んでいなければ国土は守れない、そこに住む人の生活を守るための命の交通網であると。行政が地域の声を聞き、行政が主体となり、交通事業者と事業計画をつくり上げたものということです。そのほかにも、町民の声に応え利便性を向上させた富山県朝日町のコミュニティバス「まちバス」の例ですとか、交通政策を福祉政策と一体に進め、医療費も下がっているという三重県玉城町のシステムバスなどの事例もあります。そこでお尋ねしますが、まちづくりの三原則ともいわれております地域の生活実態を把握する、地域に入り地域を学ぶ、市民と話し合いを重ねるという行政の取り組みが求められると考えます。部局横断的に移動困難な人のための通院、介護、買い物などの支援に取り組むことが必要と考えますが、市の考えをお伺いして、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 大田議員の令和2年度予算編成方針についての御質問にお答えをいたします。私からは、憲法と自治権の理念についてでございます。御案内のとおり、昨年7月に第32次地方制度調査会が発足をいたし、総務省における研究会が取りまとめた自治体戦略2040構想を踏まえた形で、圏域における地方公共団体の協力体制、公・共・私のベストミックスが諮問され、本年7月に中間報告を取りまとめられたところでございます。今後、地方制度調査会においては地方行政体制のあり方について、地域の枠を越えた連携、組織の枠を越えた連携、技術を活かした対応をとるための方策、この3つのテーマに沿って、すなわち広域連携、公共私、デジタル化やSociety5.0の3つのテーマに沿って議論を深めることとされております。この第32次地方制度調査会における3つの議論の方向性と、本市のまちづくりで進めておりますところの山口・小郡の両都市核づくりや、連携中枢都市圏の取り組み推進を初めとした広域県央中核都市づくり、協働によるまちづくりや安心の暮らしの機能構築を初めとした個性と安心の21地域づくり、そしてSociety5.0を見据えた対応は、その方向性を同じくしていると捉えているところでございます。こうした中、令和2年度予算編成方針におきましては、第二次山口市総合計画と地方創生の取り組みをさらに深めていくため、令和2年度の予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけ、あらゆる世代があらゆる地域に将来にわたって安心して住み続けられるまちづくりを進めるためには、いわば議員御案内の、皆が取り残されることなく山口で生きていくことができるまちづくりに向けて3つのトライを掲げ、基本的な考え方として示したところでございます。1点目のオール山口の未来に向けたトライにつきましては、本市の都市政策の柱である広域県央中核都市づくりと、個性と安心の21地域づくりのプロジェクトを積極果敢に展開してまいります。山口・小郡の両都市核づくりや山口県央連携都市圏域の取り組み推進を通じまして、県央部の圏域全体の活力につなげる広域県央中核都市づくりでは、本市が県都としての役割を果たす中で、高次の都市機能を集積し、サービス業の振興等を図り、市内全域や県央部等に対しまして高次の都市機能を波及・提供することで、圏域内のあらゆる地域に安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいります。このうち、山口県央連携都市圏域につきましては、圏域を構成する各市町がその個性を発揮し、自分のまちのことは自分で決めるという各市町の自主性や独立性に基づく、いわば業務提携としての枠組みのもと、地方交付税を初めとした各市町の財源でその取り組みを進めているところでございます。また同時に、協働によるまちづくりや安心の暮らしの機能構築を通じて、あらゆる世代が将来にわたって安心して住み続けられるコミュニティーの実現を目指すところの個性と安心の21地域づくりの取り組みを進めてまいります。これは地域のことは地域で解決できる、いわゆる小さな自治の構築に向けた山口らしい地域内分権の確立を進め、地域が主体的に使い道を決定できる地域づくり交付金等を活用されながら、それぞれの地域で培われた個性を生かした地域づくりに取り組み、地域のお祭りや日常生活の支え合いが続くような温かみのある地域社会を構築するという、地方自治の本旨に基づく住民自治によるまちづくりのもとでの協働によるまちづくりの取り組みでございます。また、2点目の今の市民生活を豊かにするトライにつきましては、教育・子育て、産業振興、医療・介護、防災、交通、環境などの各分野における暮らしを支える取り組みを着実に進めてまいりたいと思っております。さらに、3点目の令和の時代にふさわしい持続可能な公共を目指すトライにつきましては、これからの人口減少時代における財源縮小局面にあっても、増大し続ける地域課題や多様な市民の皆様のニーズに応えてまいりたい、最少のコストで最大限のニーズに応えることができる持続可能なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。このトライは、本市におけるその豊かなコミュニティーや多様な協働とともにつくる共創のもとで、IoTやAI、5Gなどの革新的技術を活用した便利で豊かな未来社会、Society5.0を見据えた対応を進めてまいりたいと考えております。このように令和2年度予算編成方針における基本的な考え方である3つのトライの方向性は、今後の第32次地方制度調査会の3つの議論の方向性と重なり合うところも多いものと考えているところでございます。とりわけ、本市は既に山口県央連携都市圏域における広域連携に取り組んでおり、また市民、地域、企業等との協働や共創というプラットフォーム・ビルダーの役割を担っておりますなど、自治体戦略2040構想や第32次地方制度調査会の理論に先駆けまして、人口減少時代を見据えたまちづくりの取り組みを進めてきたところでございます。こうした本市の取り組みは、効率化のみを目的とするのではなく、人口減少時代における課題解決や、新しい時代における価値を創造するための取り組みとして進めてきたところでございます。あわせて、地方制度調査会は、地方制度に関する重要事項を調査・審議するために設置されております中で、このたびの第32次地方制度調査会におきましても国、地方、学識経験者による真摯な議論がしっかりと重ねられているものと認識をいたしているところでございます。いずれにいたしましても、令和2年度は、第二次山口市総合計画と第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の取り組みをさらに深めていく、進めていく年度となる中、引き続き、第32次地方制度調査会の議論、国の令和元年度補正予算や地方財政対策を注視しながら、またSociety5.0を見据えた本市の未来を担う人材育成と社会基盤整備の2つの領域につきまして、積極果敢な事業展開が可能となるような予算編成を進め、令和の時代にふさわしい持続可能な公共を目指す次世代のまちづくりを加速し、本市のまちの生産性を向上させ、本市における地域課題の解決と価値創造を図りながら「住んで良かった、これからも住み続けたい山口市」と思えるまちづくりにトライしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本健康福祉部長。              〔健康福祉部長 楳本和正君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(楳本和正君) 私からは、社会保障の拡充についてお答えいたします。議員御案内のように、社会保障と税の一体改革におきましては、消費税率の引き上げによる増収は社会保障の充実と安定化に充てることとされ、消費税率は平成26年4月からは8%に、本年10月からは10%に引き上げられたところでございます。この消費税の引き上げによる、いわゆる社会保障の充実分のうち、国民健康保険制度に係るものといたしましては、平成26年の8%への引き上げ時には低所得者対策として1,700億円の公費拡充が図られたところでございます。また、本年10月の10%への引き上げ分の取り扱いにつきましては、国が保険者の保健事業の取り組み状況等に応じて交付金を交付します保険者努力支援制度等の強化に充てることとされ、その具体的な予算規模等につきましては、予算編成過程で調整されるとうかがっておりまして、本市におきましては、こうした国の予算編成の状況を踏まえながら、国民健康保険制度の枠組みのもとで予算編成作業を進めているところでございます。議員御提案の本市独自の社会保障拡充施策としての国民健康保険における子供の均等割廃止に関しましては、まず国民健康保険では制度上、保険料に均等割を賦課することが定められ、世帯の人数に応じた御負担をいただいているところでございます。また、国民健康保険法の保険料減免の規定につきましては、災害等の個々の事情に応じて判断されるべきものに適用され、個々の事情によらず一律に減免を行うことは想定されていないため、国においては一律に子供の均等割を減免することは適当ではないとの見解を示されているところでございます。このため、本市といたしましては、子供の均等割のあり方につきましては、国民健康保険の制度設計の責任を有する国において財源を含めて検討されるべきとの認識のもと、子育て環境の充実を図っていく観点から、子供の均等割を軽減する制度の創設について、市長会を通じて国に要望してきたところでございます。今後も、こうした機会を通じまして、国に働きかけてまいりたいと考えております。また、保険料の引き下げにつきましては、まず本市の国民健康保険の財政状況を申し上げますと、被保険者の高齢化や医療の高度化の影響により、1人当たりの医療費は年々増加し、厳しい財政運営が続いているところでございます。平成30年度からの都道府県単位化後におきましてもこうした状況が続き、平成30年度当初予算では4億円、令和元年度では4億5,000万円の国民健康保険支払準備基金を繰り入れることで収支の均衡を図り、保険料率を据え置いてきたところでございます。国民健康保険の1人当たりの医療費につきましては、今後も増加していくことが見込まれます中で、厳しい財政運営を余儀なくされるものと考えております。このため、本市といたしましては、被保険者の皆様の保険料負担が過大なものとなりませんよう、引き続き国に必要な財政支援を求めてまいりますほか、保険者努力支援制度等を通じた財源確保や医療費適正化の取り組みの推進を図ってまいりますとともに、支払準備基金の活用等により、現在の保険料水準を維持できますよう努めてまいりたい、こうした考えのもとで予算編成作業を進めているところでございます。次に、議員御提案のこども医療費助成制度の拡充についてでございます。子育て世帯を対象とした医療費の助成制度につきましては、平成25年10月から乳幼児医療費助成制度において、全ての未就学児を対象に保険診療による医療費の自己負担分を助成しているところでございます。加えまして、平成26年10月からは本市の独自施策として、こども医療費助成制度を創設いたし、これまで段階的に対象年齢等の拡大を図ってきたところでございます。現在、こども医療費助成制度は小学1年生から中学3年生までの児童生徒を対象に実施しておりまして、昨年10月には小学1年生から3年生までの児童、本年10月には小学4年生から6年生までの児童を対象に、父母の所得制限を撤廃したところでございます。これによりまして、乳幼児医療費助成制度とあわせますと、山口市内に在住の乳幼児から小学6年生までの全ての児童と市民税所得割の非課税世帯の中学生が無料で保険診療を受診できることとなったところでございます。こうした中、教育・子育てなら山口の取り組みとして子育て世代における経済的負担を軽減し、安心して子育てができる環境づくりを進めてまいる必要があるとの認識のもと、こども医療費助成制度につきましては、義務教育課程における児童生徒を対象とした拡充について段階的に取り組んでおりますことから、通年での医療費や給付件数の実績等を検証し、継続的に議論してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、社会基盤整備についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市は令和2年度予算を「トライ 未来創造」予算と位置づけておりまして、来るべき本格的な人口減少時代に備えるため、第二次山口市総合計画の計画期間の早い段階において一定の社会基盤整備を整え、本市の未来を確かなものにするためのトライをいたすこととしており、その方向性といたしまして、3つのトライを基本的な考え方としてお示ししたところでございます。まず、1点目のオール山口の未来に向けたトライにつきましては、本市の都市政策の柱でございます広域県央中核都市づくりと、個性と安心の21地域づくりのプロジェクトを積極果敢に展開し、山口都市核と小郡都市核を中心に高次の都市機能を集積し、サービス業の振興を図り、市内全域や県央部等に対しまして高次の都市機能を提供すると同時に、市内21地域における地域の生活を支える拠点整備を進めることで、農山村を初め、本市のあらゆる地域に安心して住み続けることができる社会基盤整備を検討しているところでございます。具体的な取り組みを申し上げますと、広域県央中核都市づくりのうち、山口都市核づくりでは新本庁舎整備を初め、湯田温泉の多世代交流・健康増進拠点施設の整備や都市計画道路の一本松朝倉線の早期事業化、済生会山口病院の建てかえ支援とあわせました周辺のバリアフリー化の整備などを図り、また小郡都市核づくりでは産業交流拠点施設の開館準備や周辺道路の整備などを進めてまいります。あわせて、広域交通網の整備促進や、山口県央連携都市圏域における広域連携の取り組みを推進してまいります。また、個性と安心の21地域づくりにつきましては、農山村の転出超過の抑制に向けまして移住・定住支援を通じました中山間地域や南部地域の活力アップを図りますとともに、各地域における拠点づくりや機能強化、阿知須地域と徳地地域における総合支所と地域交流センターの一体整備、地域公共交通分野など、安心の暮らしの機能を守る取り組みを進めてまいります。また、2点目の今の市民生活を豊かにするトライにつきましては、教育・子育て、産業振興、医療・介護、防災、交通、環境などの各分野におきまして、第二次山口市総合計画の前期基本計画における8つの重点プロジェクトの施策横断的な展開とあわせながら着実に進めてまいりたいと考えております。具体的にはまず、教育・子育てなら山口の取り組みにつきましては、先進の教育環境づくりといたしまして、ICT教育のさらなる充実や市独自の補助教員の配置などを進めますとともに、安心の子育て環境づくりといたしまして、保育園と放課後児童クラブにおける待機児童ゼロに向けた施設の整備などを進めてまいります。次に、働く・起業なら山口の取り組みにつきましては、農林水産業における経営基盤強化と担い手育成の取り組みや、中小企業の人手不足対策・事業承継支援、起業創業支援に加え、鋳銭司第二団地の整備推進、中心商店街の活性化の取り組みや、市内消費喚起などを図ります。次に、文化・スポーツ・観光なら山口の取り組みにつきましては、文化の薫る創造都市づくりやスポーツを楽しむまちづくり、令和3年度に開催予定の山口ゆめ回廊博覧会に向けた観光地域づくりの取り組みなどを進めます。次に、健康長寿のまちの取り組みにつきましては、地域医療体制の充実や、障がい者の生活環境や雇用就業環境の向上を図る取り組みなどを展開いたします。次に、安全安心のまちの取り組みにつきましては、災害に強いまちづくりとして、自然災害に備えた施設の計画的な整備や改修を進めますと同時に、日常生活の安心を高める消防救急体制の強化などを進めてまいります。次に、市民サービス向上の取り組みといたしましては、多様な市民ニーズや新たな行政課題に対応できる市役所づくりを進めてまいります。そして、3点目の令和の時代にふさわしい持続可能な公共を目指すトライにつきましては、これからの人口減少時代における財源縮小局面にありましても、増大し続ける地域課題や多様な市民の皆様のニーズに応え、最少のコストで最大限のニーズに応えることができる持続可能なまちづくりを進めてまいりたいと考えておりまして、IoT、AI、5Gなどの革新的な技術を活用した便利で豊かな未来社会、Society5.0を見据えた対応をスマート自治体スマートシティの取り組みにより進めてまいります。そして、私どもはこうした3つのトライ、そのいずれもが議員御案内の市民の生活向上に資するための社会基盤整備であると認識をいたしているところでございまして、引き続き第二次山口市総合計画のもと、都市部も農山村もともに発展する、都市部への一極集中ではない、山口市全体の発展を目指すというまちづくりの取り組みを進めてまいりたいと存じます。こうした考え方のもと、令和2年度の予算編成を進めてまいりまして、本市のあらゆる地域において「住んで良かった、これからも住み続けたい山口市」と心から思えるまちづくりにトライをしてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 私からは、移動権、交通権の生きるまちづくりについてお答えいたします。議員御案内のとおり、公共交通は単に移動手段であるだけでなく、経済活動を支え、交流や連携の基盤となるなど、まちづくりの重要な要素であり、各分野における政策目的の実現を図る上でも充実が求められており、それぞれが連携・連動をいたしていくことが不可欠でございます。公共交通は、通院、買い物、公共施設の利用等、市民の皆様の日常生活を支える大切な移動手段でございまして、国の定めた地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針におきましては、その確保のため公共交通機関の連携を十分に図るとともに、地域特性に応じた多様な交通手段の組み合わせにより、面的な公共交通ネットワークを形成することとされております。本市といたしましても、基幹交通やコミュニティ交通といった公共交通の機能分担を図りながら、それらを組み合わせる中で、地域特性や市民移動のニーズに応じた交通手段が確保できるよう努めているところでございます。現在、徳地地域や阿知須地域等において地域の皆様との話し合いを進めており、例えば買い物や通院が不便な地域であれば、そうした地域での課題やニーズの把握、解決方法について地域と総合支所、地域交流センター、関連部局が連携を図りながら取り組んでおり、また高齢者や障がい者など移動が困難な方に対しましては福祉部門とも連携いたし、福祉優待バス乗車証の発行等、移動サービスの提供に取り組んでいるところでございます。今後も、日常生活を支える持続可能な公共交通の維持・確保に向け、部局横断的に連携・連動いたし、住んでみたい、住み続けたいと思える山口を目指したまちづくりに鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 次の大項目の質問に移ります。大項目イ、山口市自殺対策計画(案)についてお伺いいたします。平成28年に自殺対策基本法が改正され、全ての市町村が自殺対策計画を策定することになり、山口市でも山口市自殺対策計画(案)がこのたび示されました。国が計画をつくりなさいというからつくるということではなく、策定される計画を市役所全体で取り組む意識を持つことが重要だと考えます。そうしてこそ実効性のある計画になると考えております。対面する市民の方にだけではなく、職員の皆さん、職員同士としても深刻な悩みや状況、環境があるのではと意識をすることが大切だと思っております。この計画案について御所見をお伺いいたします。また、計画案では、自殺対策として基本施策と重点施策を設定し、取り組みを推進することとしておられます。その中の重点施策2、生活困窮者への支援に、本計画と連動させ、生活困窮者支援の取り組みを進めるとあります。前回の議会でも提案いたしましたけれども、特に感じておりますのは収納課とも連動いたしまして、こういった生活に困っておられる市民の皆様への徴収業務として、生活再建型の徴収業務の取り組みを求めた経緯がありますけれども、この重点施策の取り組みについてもお伺いいたします。自治体戦略2040構想の中でもSociety5.0ということで、革新的な技術ですとかAIなどを導入ということが言われていますけれども、私はこの分野に関してのみならず行政の業務に関してはやはり人と人とのつながり、コミュニケーションの中で、人の感覚で意識して初めてわかっていくという部分があると考えております。ですので、そういった最先端の技術ですとかを導入する、活用していくということは大変大事なことだと思いますが、それに頼るのではなく、やはり、こうした行政の皆さんの感覚、意識というものが非常に重要だと考えておりますので、一般質問で取り上げさせていただきました。御答弁をよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本健康福祉部長。              〔健康福祉部長 楳本和正君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(楳本和正君) 山口市自殺対策計画(案)についての御質問にお答えいたします。自殺対策につきましては、平成18年に自殺対策基本法が制定され、それまで個人の問題と認識されることの多かった自殺は社会の問題として広く認識されるようになり、自殺対策が総合的に取り組まれた結果、自殺者数は減少傾向にあるところでございます。しかしながら、全国における自殺者は毎年2万人を超えるなど、いまだ非常事態の状況が続いておりますことから、自殺対策をより一層総合的かつ効果的に推進するため、平成28年に自殺対策基本法が改正され、全ての都道府県及び市町村が自殺対策計画を策定することとされたところでございます。これらの背景を踏まえまして、本市におきましても自殺対策を総合的に進めるため、令和2年3月を目途に山口市自殺対策計画の策定作業を進めているところでございます。本市における自殺者数につきましては、平成22年の53人をピークに、平成29年には29人と減少傾向となっております。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率も同様の傾向で、平成22年27.1が平成29年には14.9となっており、国・県の数値をいずれも下回っておりますが、依然として自殺に追い込まれる状況がありますことは、大きな課題と認識しているところでございます。こうした状況を踏まえまして、本計画案では、誰も自殺に追い込まれることのない山口市の実現を計画の基本理念に掲げ自殺対策に取り組むこととしており、その基本となる対策といたしまして、自殺対策におけるネットワークの強化や、自殺対策を支える人材の育成など、5つの基本施策を設定いたしております。また、60歳以上の方や無職者の自殺者が多いなどといった本市の特徴から、特に優先する課題への対策といたしまして、高齢者への支援、生活困窮者への支援、勤務・経営問題への支援の3つの重点施策を設定したところでございます。議員御指摘のとおり、市役所全体で取り組む意識を持つことは重要と考えておりまして、本計画の推進体制といたしまして、副市長及び関係部局長で構成されます自殺対策推進本部の設置により、関係部局の連携を図り、職員が共通認識のもと、自殺対策に総合的に取り組むことといたしております。さらに、自殺対策を効果的に推進するため、山口市健康づくり推進協議会等と情報共有を図りながら、地域団体や関係機関等と連携して取り組みを進めていくことといたしております。また、生活困窮者への支援についてでございますが、自殺の多くは、多様かつ複合的な原因や背景を有し、さまざまな要因が連鎖する中で起きていると考えられており、生活困窮はその大きな要因の一つでございます。生活困窮者が抱えておられる問題に対しましては、生活や就労に関する支援、消費生活や納税に関する相談など、関係部局が連携を図りながら、きめ細やかに対応するよう取り組んでまいります。本市の自殺対策におきましては、自殺に追い込まれる危機は誰にでも起こり得るものであることを踏まえまして、保健、医療、福祉、教育、労働など、関連施策の連携を図り、自殺対策を総合的かつ効果的に推進していくことで、誰も自殺に追い込まれることのない山口市の実現を目指してまいります。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 次の大項目に移ります。大項目ウ、質疑です。中項目1)議案第43号「(仮称)湯田PAスマートインターチェンジ」建設工事委託に関する協定の一部を変更することについてお伺いいたします。この事業は、当初事業費の1.6倍、約1億8,150万円と大幅な増額を提案されています。そこでお伺いいたします。1つは、ICT施工の費用追加として3,100万円とされています。国交省が提唱する施工法のためとされていますが、この施工法の必要がこの現場であったのでしょうか。この施工法でないとできない工事だったのでしょうか。事業者からの提案とお伺いしておりますが、いつの時期に提案され採用決定したのか。市と事業者の責任の所在はどうなのでしょうか。そもそも工期短縮と費用縮減が売りの施工法にもかかわらず3,100万円と目いっぱいの純増額ということは理解できないため、お伺いいたします。2つ目は、地元要望による目隠し板の追加工事に1,500万円とされています。地元の要望とは、いつの時点の要望だったのでしょうか。当初から要望があったのであれば、なぜ当初から採用していなかったのかが問われると思います。着工前、当初の計画の地元説明会や協議が不十分だったのではないでしょうか。そう考えるため、お伺いいたします。3つ目、舗装工事発注追加の2,000万円です。計画の変更がなぜ発生したのでしょうか。当初の計画前の現場調査や協議が十分ではなかったのではないでしょうか。市と事業者の責任の所在はどうなのでしょうか、お伺いいたします。4つ目は、地元協議に伴うカルバートボックス追加に2,800万円です。いつの時点の地元協議なのでしょうか。当初の地元説明会や協議が不十分だったのではないでしょうか、お伺いいたします。5つ目は、地元協議・工事進捗による道路構造の変更に4,900万円です。いつの時点の協議でしょうか。当初の計画の前の地元説明会や協議が不十分だったのではないでしょうか、お伺いいたします。6つ目は、その他の雑工事に3,800万円です。立木や竹の処分場が遠方のため増額とされていますが、当初の計画の前にわかっていることではないでしょうか。また、想定地盤の相違など、事前の現地調査が十分だったのでしょうか、お伺いいたします。いずれにいたしましても、当初計画の前の準備不足は否めないと思います。税金を投入しての当初の計画前の事前の現場調査なども不十分だったのではないかと考えますし、その責任の所在は市と事業者のどちらにあるのでしょうか。当初計画の地元説明や協議で出た意見を真剣に聞いていたのか不信です。当初計画から不十分だったと言わざるを得ません。全てとは言いませんが、ほとんどの増額が不信であります。現場が動き出してから、次々と追加や変更をして、当初の1.6倍の増額ということが適切な事業と言えるのでしょうか。  1回目の質疑といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 議案第43号「(仮称)湯田PAスマートインターチェンジ」建設工事委託に関する協定の一部を変更することについての質疑にお答えいたします。本議案は、中国縦貫自動車道湯田パーキングエリアから市道御堀平井線に接続するスマートインターチェンジの整備を西日本高速道路株式会社に工事委託している契約金額を増額変更いたすものでございます。本協定は、平成29年度から3年間締結しておりまして、本年8月に西日本高速道路株式会社から変更の協議の申し出を受けまして、両者で協議を重ね、同年10月に仮協定を締結いたしたところでございます。変更額の内訳は、主に、舗装の追加工事、あるいは、ボックスカルバートを含めた側道の整備、目隠し板、ICT建設機械による施工、立木伐採に係る費用でございます。まず、側道整備と目隠し板についてでございます。平成28年10月に地権者を初め地元関係者を対象に住民説明会を開催いたし、側道整備、目隠し板についての御要望をいただきましたが、スマートインターチェンジの早期完成を目指し、直ちに工事発注する必要がございましたことから、御要望のありました側道整備と目隠し板については、継続的に地元関係者と協議いたし、側道のルート選定や舗装の追加工事、あるいは、その道路の工法検討に期間を要し、このたびの変更となったものでございます。次に、ICT建設機械による施工についてでございます。当該施工は、切り土及び盛り土の土工において、機械の近くでの作業が不要となることによる安全性の向上、省人化及び施工の効率化による工期短縮が図られることから、国土交通省において推奨されているところでございます。西日本高速道路株式会社からも、当該施工の提案を受けまして、本市といたしましても、限られた工期の中、施工の効率化が図られ、早期完成に向けて有効でありますこと、また、現場において複数の大型重機を使用する施工でも、事故なく安全で計画的に進められることなどから、ICT建設機械による施工を決めたものでございます。次に、立木伐採についてでございます。当初、立木の処分は市内の処分場を計画しておりましたが、根株に付着した粘性土を取ることができず、そのため、処分場に受け入れられず、市外の処分場に変更いたしたものでございます。当該事業の増額につきましては、地元要望についての検討とスマートインターチェンジの工事を並行いたしながら実施しておりましたことから、西日本高速道路株式会社による工事費用の増額分の算出がこの時期に至り、このたびの契約変更となったものでございます。当該事業の実施に当たりましては、周辺の交通安全対策や雨水排水対策などの多くの課題がございましたことから、地域の皆様と協議を重ね、平成28年2月に測量調査の実施について御了解をいただき、同年10月に住民説明会を開催し、事業についての御了解が得られましたことから、直ちに用地測量に着手いたし、平成29年12月末には地権者を初め地元関係者の御協力のもと、用地補償契約を全て完了し、平成30年3月に工事を着手したところでございます。こうしましたことから、議員お尋ねの工事着工前の現地調査や地域住民への協議や時期につきましては適切であったものと考えております。本市といたしましては、住民の皆様を初め地元経済団体からの期待も大きいスマートインターチェンジを早期に完成させたいという強い思いから、このような経緯に至ったものでございまして、引き続き年度内供用に向け、鋭意工事に推進いたしてまいりますことから、協定の一部変更につきまして、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、大田たける議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15分間休憩いたします。                  午後3時38分休憩       ────────────・────・────────────                  午後3時54分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  8番、山見敏雄議員。                〔8番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 8番 山見敏雄議員 市民クラブの山見でございます。通告に従いまして、大項目4点につきましてお伺いをいたします。  まず大項目のア、阿東合併についてお伺いいたします。平成22年1月16日に山口市と阿東町が合併し、現在の山口市の形となって、来年1月で丸10年を迎えます。平成17年10月の1市4町での新設合併におくれること4年余りで、阿東町が山口市に編入するという合併であったこともあって、既に新しい山口市のまちづくりが一定の軌道に乗っていた状況で迎え入れていただいた感もあります。阿東地域においては、合併協議の段階では合併に対する不安な声もありましたし、合併直後には合併に対する批判的な意見もありました。そうした阿東地域ではありますが、合併に関する住民説明会などを通じて、多くの住民の皆さんが合併に対して理解を深められ、合併が実現したものと考えますし、合併後も時間の経過とともに、合併してよかったとの地域住民の声がふえてきたように感じています。とりわけ、平成25年7月に阿東地域で発生した山口・島根豪雨災害の際には、旧町のような小規模な自治体では対応が困難な大胆で迅速かつ大規模な対応がされ、想定よりも早い復旧・復興がなされたことが契機となって、合併による効果が地域住民に広く認識されたのではないかと推察します。また、旧山口市のころから関係の深かった自治体から多くの救援物資も阿東地域の被災者に届けられましたし、平成21年の梅雨前線豪雨への対応の山口市としての経験値がボランティアセンターなどに生かされたことから、そうしたことも合併による効果であったと考えているところでございます。一方で、合併後も阿東地域は過疎化・高齢化が進み、山口市においても過疎地域の振興策が積極的に展開されているにもかかわらず、地域住民の皆さんの中には将来に対する不安が年々ふえてきているという状況もあります。こうした過疎化・高齢化の課題は、本市に限らず、全国的な課題となっており、一朝一夕には解決できない課題であることを十分に認識していますが、阿東地域のこれからのまちづくりを考えると、こうした課題解決の取り組みを今後も引き続き積極的に展開していただきたいと考えます。そうした中、阿東地域においては来年1月の合併10年を迎えるに当たり、地域づくり協議会など地域が主体となられて記念行事も計画されているとのことで、そうしたことからも阿東地域の住民の皆さんが合併を一定評価され、今後のまちづくりに関して、地域を挙げて取り組まれようとされているあらわれではないかと考えます。そこでお伺いしますが、市長は10年前の阿東町との合併をどのように評価されているのか。また、今後の阿東地域のまちづくりについて、どのような位置づけで諸施策を進められようとされているのか、お考えをお伺いします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 山見議員の阿東合併についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、来年1月に本市は旧阿東町との合併から10年という節目の年を迎えることとなります。この節目を迎えるに当たりまして、合併という御決断をされました多くの関係者や住民の皆さんに対しまして、改めて敬意を表しますとともに、合併後のまちづくりに御尽力をいただいております多くの皆様方に対して深く感謝を申し上げる次第でございます。さて、合併前の本市と旧阿東町は、古来より山陽と山陰を結ぶ石州街道でつながり、また、大正12年のJR山口線の開通、昭和40年の国道9号の開通を経ながら、一体となった日常生活圏や経済圏として発展してまいりました。また、消防救急業務やごみ処理業務、SLやまぐち号を初めとした広域観光の取り組みなどを合併前から一体となって進めてきた経緯もございます。こうした中、阿東との合併を経た本市のまちづくりにおきまして、私が特に心を砕き、取り組んでまいりましたのが、地域交流センターを中心に地域に軸足を置いたまちづくり、いわゆる小さな自治の構築に向けた山口らしい地域内分権の取り組みでございます。これは、それぞれの地域で培われたまちづくりや地域への思いを大切にし、地域のお祭りや日常生活の支え合いが続くような温かみのある地域社会を構築するために、住民自治によるまちづくりのもとでの協働によるまちづくりの取り組みでございます。この取り組みを進めるため、まず、阿東の地域づくりや地域防災の拠点となる阿東地域交流センターを図書館を併設する形で整備をいたしたところでございます。あわせて、阿東地域におかれましては阿東地域づくり協議会を立ち上げられまして、地域づくり計画の策定や地域づくり交付金を活用されながら、市無形民俗文化財の土居神楽の伝承や担い手育成、地域内における明治維新関連の史跡めぐりを通じた郷土愛の醸成などを合併後もしっかりと特色ある地域活性化の取り組みとして進めてこられたところでございます。また、阿東地域の基幹産業でございます農業につきましては、県内トップクラスの圃場整備率を誇っておりまして、この優良な農業生産基盤を保全・整備いたしながら、担い手の確保や人材育成、6次産業化への支援などを進め、あわせて、あとう和牛の生産支援などの畜産振興も図ってまいりました。また、同時に森林整備の促進や木材生産の向上に向けた取り組み支援を図る中で、本年6月に山口阿東森林組合と山口中央森林組合が合併され、経営基盤の一層の強化、担い手の確保・育成、事業量の拡大と効率化に積極的に取り組むこととされましたことは、本市全体の林業振興に大いにつながるものと考えているところでございます。さらに、平成30年4月に願成就温泉センターをリニューアルオープンいたし、地元木材を使用した木質バイオマスボイラーの導入、足湯施設や情報発信設備の整備などをいたしたところでございます。また、本年9月に道の駅長門峡をリニューアルオープンいたし、地元農林産品や加工品などの販売スペースを拡充するなど、売り場面積を従来の約3倍に拡張いたしました。道の駅長門峡につきましては、長門峡の入り口にあり、観光梨園などに近い特長を生かしながら、地域の魅力発信と回遊性のさらなる向上を図るふるさとのにぎわいの拠点として、これまで以上に多くの方々に愛される施設となることを目指してまいりたいと思っております。加えて、阿東地域が誇る地域資源でございます、あとう和牛、リンゴ、梨などの食、そして、観光農園、キャンプ場やスキー場などの観光地、さらに、SLやまぐち号、徳佐八幡宮のしだれ桜などの自然景観、これらの阿東地域の皆様が磨き上げてこられた地域資源を本市全体の魅力として一体的に情報発信いたし、地旅や着地型ニューツーリズムの実施などにも取り組んでまいりました。同時に地域で暮らすための生活の安全安心を確保する取り組みも進めてまいりました。去る11月に健康福祉の拠点として整備を進めてまいりました阿東保健センターが完成し、あわせて、障がい者就労支援施設山口市アカシア工房も阿東保健センター内に移転しまして、阿東地域における健康づくり、子育て、地域福祉等の機能充実を行ったところでございます。また、簡易水道の施設更新、消防団の消防車庫の建設、移動系デジタル防災行政無線の整備、学校施設の長寿命化対策や僻地保育所の運営、日常生活を支える移動手段の確保としての阿東生活バスの運行などに取り組んでまいりました。さらに、定住コンシェルジュや定住サポーターの配置、空き家バンク制度の運用やUJIターン希望者への移住支援、地域おこし協力隊の受け入れなど、移住・定住の促進も全力で進めてまいったところでございます。その結果、阿東地域における空き家バンク制度の成果につきましては、現在までに80件の成約と168人の定住に結びついたところでございますし、また地域おこし協力隊につきましては、これまで延べ9人を阿東地域において受け入れていただいたところでございます。こうした中、議員御案内のとおり、平成25年7月に山口・島根豪雨災害が発生をいたし、多くの方々が被災をされたところでございます。復旧・復興に当たりましては、新市における全庁的な職員応援体制のもと、とりわけ、土木・建築などの専門職員を重点的に配置させていただくなど、国や県の災害復旧の御支援をいただきながら、迅速な対応に努めたところでございます。議員御案内の合併の評価でございますが、まず本市全体のまちづくりにおいて、阿東地域を初めとした農山村が有する自然環境、おいしい食、森林資源、歴史文化資源は、市民全体の生活の潤いや憩いの場となっているだけでなく、国内外からの観光誘客につながる魅力にもなっており、阿東の魅力が本市全体の魅力につながっていると認識をいたしているところでございます。また、合併以降の阿東の地域づくりの方向性の柱は、人口減少対策と高齢社会への対応でございまして、過疎債等の有利な財源を活用いたしながら、積極的な地域づくりの取り組みを進めることができたと評価いたしております。とりわけ、合併後の阿東地域における普通建設事業費は合計で約70億円となっておりますなど、合併による行財政規模の拡大効果により、旧町時代における事業規模を大きく上回る積極的な形で未来への投資、すなわち、あらゆる世代が将来にわたって安心して住み続けることができる地域づくりにつながるところの投資を行うことができたとの認識をいたしております。加えて、過疎債の過疎地域自立促進特別事業、いわゆる過疎債のソフト事業や、その他の有利な財源も活用いたしまして積極的な事業推進も図ってきたところでございます。また、阿東地域における人口の転出超過は近年抑制傾向に転じておりまして、こうした状況を総合的に考えますと、合併以降の阿東の地域づくりは、多くの関係者の皆様の御尽力のおかげをもちまして、一定の実績と成果が出ているものと私自身は評価をさせていただいているところでございます。こうした一方で、人口減少の流れは、死亡が出生を上回る自然減を主たる原因として依然として変わっておらず、阿東地域における直近の平成27年国勢調査の人口は5,772人でございますが、本年6月に国から提供されたデータに基づく推計では、このままであれば、40年後の2060年には約1,000人にまで減少するといった推計がされているところでございます。したがいまして、今後とも、阿東地域の地域づくりにおける諸課題への対応をしっかりと進めるための議員御案内の位置づけといたしましては、第二次山口市総合計画において、都市政策の柱に広域県央中核都市づくりと個性と安心の21地域づくりを位置づけておりまして、あらゆる地域に安心して住み続けられるまちづくりを掲げているところでございます。あわせて、前期基本計画の8つの重点プロジェクトの一つに、協働による個性と安心の21地域づくりを掲げ、中山間地域の活力アップや安心の暮らしの機能構築を取り組みの方向性として位置づけているところでございます。具体的な取り組みを申し上げますと、阿東地域のふるさとにぎわい計画であります、あとう農山村いきいきプロジェクトに基づく事業展開として、道の駅長門峡を交流の核とし、現在整備を進めております国指定名勝の常徳寺庭園、願成就温泉センターなど、阿東地域全体への回遊性を高め、地元特産品や農畜産物等の販路拡大、新商品開発とあわせて、地域経済の活性化を図るものでございます。また、阿東地域の基幹産業である農林業振興では、これまでの取り組みに加え、Society5.0を見据えた対応として、省力化や低コスト化につながるスマート農業やスマート林業の取り組み支援を進めてまいります。さらに、地域を支える拠点づくりとネットワーク形成として、阿東地域交流センター篠生分館の整備や過疎地域における次世代交通サービスの検討、災害に強いまちづくりとして、デジタル防災行政無線の第3次整備のほか、簡易水道施設の更新整備、地域おこし協力隊などの外部人材の活用や空き家の利活用を通じた移住・定住の促進などに取り組んでまいります。加えて、今年度中に策定をいたします第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく、本市の地方創生の取り組みを展開してまいります。また、こうした取り組みは、過疎債等の有利な財源を活用して積極的に進めてまいりたいと考えております中、令和2年度末にいわゆる過疎法が期限を迎えますが、引き続きの過疎対策を全国市長会等を通じまして、国等にしっかりと要望してまいりたいと思っております。私が阿東との合併に当たりまして、強く印象に残っておりますのは、JR山口線の仁保と篠目の境にございます田代トンネル入り口に刻まれた本市出身の総理大臣寺内正毅の揮毫でございます。この揮毫には、「遠きを和らげ、近きを能くす」と書かれておりまして、この言葉には、鉄道の開通により、遠い人も近くの人もみんなが幸せになるようにという願いが込められております。私は、こうした先人の地域をつなぐ地域全体の発展に向けた志を、その思いを合併後のまちづくりにおいてもしっかりと受け継いでいきたいと心に刻んだところでもございます。農山村の発展なくして都市部の発展はない、また、都市部の発展なくして農山村の発展もないという合併後の本市のまちづくりの考え方は、第二次山口市総合計画における、好影響・好循環のまちづくりとして受け継いでおり、オール山口の発展に向けた全力の取り組みを引き続き推進してまいりたいと考えているところでございますので、御理解とさらなる御支援、御協力をよろしくお願いを申し上げます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山見敏雄議員。                〔8番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 8番 山見敏雄議員 次に大項目のイ、会計年度任用職員制度につきまして、お伺いいたします。まず中項目の1点目、予算措置についてですが、このたび、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例が市議会本議会に上程され、本市に勤務する臨時・非常勤職員を会計年度任用職員として位置づけ、関係条例が整備されることとなります。当該会計年度任用職員制度については、昨年の12月議会で、現状認識や今後の方向性等について質問を行ったところですが、1年を経過し、ようやく臨時・非常勤職員の処遇改善の具体的な内容が決まったと受けとめております。その際の答弁で、財源確保については、退職手当や期末手当の支給などの新たな財政負担が生じることから、機会を捉え、市長会等を通じて、国に対して交付税等による財政措置を求めていくというふうにされました。そこでまずお伺いしますが、国に対して財政措置を求められた結果としての国の財政措置の状況についてお伺いをいたします。次に、公共サービスの多様化に対応し、安定的にサービスを提供するためには、臨時・非常勤職員の存在は不可欠です。昨年の執行部答弁においても、「臨時・非常勤職員は行政の重要な担い手となっている」との発言もあったところであり、法改正の趣旨を踏まえると処遇改善に向けた適切な予算措置がなされるべきと考えます。予算については、前年と同額もしくはそれ以下の額を枠として配分されると、地域交流センターや分館など、義務的な固定経費と人件費のみで予算が組まれている部署においては、勤務時間・日数を減ずることになります。そうしたことで、施設の運営に支障を来すのではないかと懸念しているところでございます。法改正の趣旨を踏まえ、臨時・非常勤職員の処遇改善とともに、市民サービスの低下を招かない予算措置に関してどのような姿勢で取り組まれるお考えか、市の見解をお伺いいたします。次に、中項目の2点目、今後のスケジュールについてですが、来年4月の会計年度任用職員制度のスタートまで残り3カ月余りで、職員募集や採用などの手続を全て完了する必要があります。処遇が改善されることで、新たに応募されようとしている方もおられることが予想され、また、現在勤務されている臨時・非常勤職員への聞き取りもされるとのことでありましたが、採用事務に遺漏のないように進めていただきたいと考えます。そこでお伺いしますが、今後の募集、採用、聞き取りなどの事務をどのように進められようとされているのか、今後のスケジュールに関して、市の見解をお伺いします。いずれにしても、予算措置や人員確保等、遺漏のないよう進めていただきたいというふうに考えております。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 会計年度任用職員制度についてお答えをいたします。私からは、予算措置についてでございます。御案内のとおり、会計年度任用職員制度につきましては、地方公共団体における行政需要の多様化等に対応し、現状において地方行政の担い手となっております非常勤職員及び臨時的任用職員の適正な任用や勤務状況を確保するため、平成29年5月に地方公務員法及び地方自治法の一部が改正をされ、創設された制度でございまして、令和2年4月1日から施行されることとなっております。本市におきましても、会計年度任用職員が従事する職務の内容や責任、職務の遂行上必要となります知識、技術、経験などの要素を考慮いたしまして、類似する職務に従事をしております常勤職員の職務の初号給の給与月額を基礎として、会計年度任用職員の給与等の水準を定めるとともに、勤務状況に応じて、期末手当や退職手当などを支給することとし、本議会に関係条例議案を提出いたしたところでございます。こうした中で、本制度の創設に伴います新たな財政負担に対しましては、全国市長会を通じまして、国に地方財政措置を要望したところでございますが、本年8月に総務省からお示しをされました令和2年度地方財政収支の仮試算の中には、具体的な数値の算入は行われておらず、会計年度任用職員制度施行に伴い必要となる歳出については、予算編成過程で必要な検討を行うということが示されていたところでございます。こうしたことから、現在、全国市長会を初めとする地方団体が一丸となり、国に対して適切な財政措置を講じられるよう要望をいたしているところでございまして、引き続き国の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。また、こうした中で、会計年度任用職員に対します予算措置についてでございますが、御案内のとおり本市におきましては、第二次山口市総合計画の各施策に必要な一般財源の配分を行います中で、事業の必要性や緊急性、費用対効果などを踏まえ、事業の優先順位を定めますとともに、必要な見直しを行う施策別包括的予算制度のもとで、それぞれの事業に必要な予算措置を行い、各施策を推進しているところでございます。こうした中で、今回のように法改正に伴い事業を取り巻く大きな環境変化が生じる際には、議員からございましたように、例年ベースの施策への配分額では対応することが難しい場合もあるということから、国の財政措置の状況等も踏まえながら、必要に応じた額を調整をして配分をすることによりまして対応しているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、会計年度任用職員制度についてのお尋ねのうち、今後のスケジュールについてお答えをいたします。議員御案内のとおり、平成29年5月に地方公務員法及び地方自治法の一部が改正されたことに伴いまして、現行の臨時・非常勤職員の多くが令和2年4月1日から会計年度任用職員に移行することとなりますことから、来年度からの制度のスタートに向けまして、これまで職員団体等とも協議を重ねながら任用形態や勤務条件等を検討してきたところでございます。本市の会計年度任用職員の採用手続につきましては、総務省の会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルに沿って、基本的には、これまでと同様に本市公式ウエブサイトや市報等を活用いたしまして、できる限り広く募集を行い、面接や書類選考等を行った上で採用することといたしております。採用までのスケジュールについてでございますが、基本的には、会計年度任用職員制度へ移行した後もこれまでと変更はございません。具体的に申し上げますと、来年1月に市報や本市公式ウエブサイトを通じて会計年度任用職員の募集を開始いたしまして、令和2年度の会計年度任用職員候補者名簿へ順次登録をしてまいります。その後、4月からの任用であれば、おおむね1月下旬から3月上旬ごろに面接等を行いまして、任用する職員を決定することとなります。このほか、保健師など資格を必要とする専門職につきましては、各所属において個別にハローワークなどを通じまして求人募集を行い、任用する職員を決定することといたしております。また、現在勤務している臨時・嘱託職員に対しましては、自動的に会計年度任用職員として任用されるわけではございませんので、新たに応募される方と同様に候補者名簿への登録や公募する職に応募していただくなど、一定の手続をしていただいた上で、面接試験等の能力実証が必要となることを各所属を通じて、しっかり周知してまいりたいと考えております。周知の方法につきましては、現場に混乱を招かないよう、現在職員向けに会計年度任用職員の任用事務マニュアルを作成しているところでございます。このほか、会計年度任用職員向けの手引きも作成しているところでございまして、雇用する側、される側のそれぞれが理解を深めた上で会計年度任用職員制度へ円滑に移行できますよう引き続き準備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山見敏雄議員。                〔8番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 8番 山見敏雄議員 次に大項目のウ、スマート自治体の推進についてお伺いをいたします。令和2年度の予算編成方針の、令和2年度予算における検討の方向性の中の、心かよう市民サービスの向上において、スマート自治体の取り組みを進めるとされています。今年度予算においても、スマート自治体の推進に対して予算措置がされ、本年3月議会では関連した質問を行ったところですが、その答弁の中で、本年度の具体的な取り組みとして、住民情報等を扱う総合行政システムや財務会計等の行政内部情報系システムのクラウド化などを行うための電算システム開発事業、職員管理業務のシステム化やペーパーレス化などを図るための庶務管理システムの改修など、スマート自治体の推進に係る各種の取り組みに着手するとのことでした。今後、スマート自治体への転換はさらに加速化されるものと考えております。スマート自治体の推進は、総務省の研究会が出された自治体戦略2040構想に沿ったものであり、破壊的技術とされているAIやロボティクスを使いこなすスマート自治体への転換や、自治体行政の標準化・共通化を実施することが求められています。そうした中、AIの浸透によって、職員の仕事への向き合い方、自治体職員としての役割に影響がないかという議論もあります。本来であれば、現場で市民とコミュニケーションをとりながら市民ニーズを引き出す必要がありますが、全てAIに聞けばよいとなってしまうと、現場の仕事は誰がやっても同じということにつながりますし、また、これまで職員は、みずからの業務に関してみずから勉強してきましたが、もし、AI任せになれば、職員がみずから勉強しなくなるという懸念も指摘されています。市民と対話し、市民の言葉を感じ、市民が本来知りたいことを探るという仕事は職員しかできないと言われています。そこでお伺いしますが、今後、本市においてもさらなる技術革新が進み、AIなどの破壊的技術を導入して業務を進めていく中で、将来の自治体業務を担う市の職員はどのように対応すべきと考えておられるのか、お伺いをいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) スマート自治体の推進についての御質問にお答えをいたします。本市では、令和2年度予算編成方針における検討の方向性として、心かよう市民サービスの向上を掲げており、新本庁舎整備とあわせて、スマート自治体スマートシティの取り組みを進めていくことといたしております。その中で、新たなデジタル技術の活用を図り、令和6年度の新本庁舎の供用開始時や、総務省の自治体戦略2040構想研究会の報告書を踏まえた2040年ごろの市民サービスのあり方や職員の働き方を描きながら、持続可能な公共サービスの構築を目指した取り組みを進めることとし、重点的な課題として予算編成作業を進めていくこととしたところでございます。このような中、本年度におきましては、総務省の自治体行政スマートプロジェクト事業をRPAの共同研究事業として、本市、宇部市、岩国市及び周南市の4市で取り組んでいるところでございます。RPAとは、これまで職員が行ってきた定型業務をパソコン上で自動化する仕組みでございまして、業務効率化や生産性向上を実現するテクノロジーとして注目されている技術でございます。このRPAの共同研究事業によりまして、軽自動車税の賦課事務における廃車業務や市県民税の給与所得者等異動届出書の入力処理、財務事務の月例出納検査の監査資料の作成や財政事情の公表業務、職員の通勤手当算定業務等において、業務の共通化を踏まえた分析や改善等について取り組みを進めているところでございます。これらの取り組みを通じまして、必要なデータの電子化とRPAツールの活用が業務改善に効果的であることが職員にも直接的な業務の中で確認できましたことから、今後は、例えば、全国共通の地方税ポータルシステムeLTAX、また、地方公共団体情報システム機構J─LIS、さらには、山口県・長門市と共同運用行っておりますやまぐち電子申請サービス等の電子申請の対象業務の拡大、申請率の向上にも取り組んでまいりたいと考えております。こうしたスマート自治体への転換を図る取り組みによりまして、これまで職員が時間をかけて処理していた定型事務の自動化を進め、職員の事務負担を軽減することにより、フェイス・トゥー・フェイスでの対応が求められる相談業務などで、人でなければできないサービス提供に注力できる環境の充実に努めてまいる所存でございます。議員お尋ねの今後求められる職員像につきましては、ICTの利活用に関するスキルに加え、単に前例を踏襲し、これまでの仕事のやり方を続けるのではなく、みずからの発案や先進事例等を参考に、日々直面する業務に対する改善・改革の意識を持ち、果敢にチャレンジする意識も求められてくるものと考えております。そして、いつの時代にあっても、職員みずからが市民の気持ちに寄り添い、きめ細やかな市民サービスを提供できるよう今後とも職場環境の充実に加えまして、職員の育成に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山見敏雄議員。                〔8番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 8番 山見敏雄議員 次に大項目のエ、ICT教育の推進についてお伺いをいたします。まず中項目の1点目、学校におけるインターネット環境についてですが、本年6月に文部科学省が、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)を公表しました。その中で、新時代における先端技術を効果的に活用した学びのあり方、新時代に求められる教育に関する提言が行われております。本市の予算編成方針においても、将来を担う子供たちを育む教育・子育てなら山口の中で、本市がこれまで県内に先駆けて進めてきたICT教育の環境整備を生かし、Society5.0を見据え、ICT教育のさらなる充実とともにデジタル教科書導入などを進めることとされています。新学習指導要領における教育活動は、インターネットの活用が必須となってきている中においては、学校がネットワークにアクセシブルで、インターネット環境の増強が必要と言われています。文部科学省においても、学校現場で児童生徒1人につき1台のパソコンの環境整備を目指すこととしており、インターネットに接続する台数の増加に伴い、インターネット環境への負荷が課題となります。これまで学校のインターネット環境は自治体が整備したこともあって、制約が多かったり、高速ではなかったりするといった現状にあると言われています。そこでお伺いしますが、今後、ICT教育を推進するに当たって、その前提となる高速インターネットを初めとするインターネット環境について、本市の小・中学校における現状と課題についてお伺いをいたします。次に中項目の2点目、インターネットリテラシー教育についてですが、学校現場におけるICT教育を進めるに当たって、インターネットリテラシー教育の推進をあわせて行うことが大変重要と考えます。ちなみに、リテラシーとは適切に理解・解決し、活用するという意味です。先日、大阪府の小学校6年生の女児がSNSで知り合った男に誘拐・監禁された事件が起きました。同じ週には愛知県、兵庫県でも女子中学生が誘拐され、犯人が逮捕されたという事件も報道されました。警察庁の調べによると、SNS──ソーシャルネットワーキングサービス等に起因する事犯の被害児童数──この児童数は対象が18歳未満ではありますが、平成20年には792件であったものが、平成29年には1,813件となっており、10年間で約2.3倍と急増しています。現代において、子供たちとインターネットの距離は年々近づいてきており、総務省によると小学生のスマートフォンの所有率は、最新の2018年時点で約46%で、1年前──2017年の約2倍と急増をしております。また、中学生においては、2018年におけるスマートフォン所有率が約70%となっています。これらの数値からもわかるように、インターネット利用の低年齢化が急激に進んでおり、小・中学生がそうした事件に巻き込まれる危険性が増大をしています。リテラシー教育によって、SNSの向こう側には悪意を持った大人もいるという意識を子供たちに持ってもらうことが犯罪に巻き込まれないために重要です。さらには、子供たちを犯罪者にさせないことにもつながると考えます。日進月歩のインターネット技術に対する知識は、子供のほうが親世代を上回るとも言われ、家庭内で解決できるものばかりではありません。家庭と学校が協力して、専門家によるインターネットリテラシー教育を進めることで、情報の本質や偏りを判断できる能力を子供に身につけさせることが重要となっています。そこでお伺いします。本市において、ICT教育を推進する中のインターネットリテラシーに関する教育の現状と今後の取り組みについて、市の見解をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本教育部長。               〔教育部長 藤本浩充君登壇〕 ◯ 教育部長(藤本浩充君) ICT教育の推進についての御質問にお答えいたします。まず、学校におけるインターネット環境についてでございます。議員御案内のとおり、本年6月に文部科学省から示された、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)において、ICTを基盤とした先端技術が急速に浸透しており、このような技術は教育の場にあったほうがよいという存在ではなく、なければならないものとして、学校現場におけるICT環境整備の推進が求められております。現在、あらゆるものがインターネットにつながることで、収集・蓄積される膨大なデータが、AIやロボティクスなどの発展でこれまで以上に幅広く活用されることにより、これまでにない新たな価値が生み出される新たな時代Society5.0の到来が提唱されております。この新たな時代を生き抜く力を育成するために、学校においてICT環境を基盤とした先端技術等を活用していくことが期待されております。これらを活用していくためには、高速で安定したインターネット環境が必要不可欠であり、本市では全ての小・中学校を、文部科学省が定義する超高速インターネット接続30Mbps──これは文字で例えますと、1秒間に約1,500万文字が通信できるレベルの速さをあらわしておりますが、その4倍にあたる120Mbpsの回線速度で現在接続しており、児童生徒が行うインターネット検索や動画視聴等の教育活動に支障がないように適切に維持管理を行っておりますことから、現時点においてはインターネット環境に関する課題は生じていないところでございます。今後、想定される課題といたしましては、現在、国において検討されております、児童生徒1人につき1台のコンピューターが配置された場合、接続台数の増加やインターネットを通じて行う学習内容等の変化により、インターネット環境に相当の負荷がかかることが予想され、これらを解消するために機器や回線等の増強等、新たな費用負担が発生することが懸念されます。教育委員会といたしましては、今後もインターネット環境の維持に努めるとともに、国の動向に注視する中で、ICT技術の急速な変化や進歩の波に飲み込まれないよう、しっかりと将来を見据えながら対応してまいりたいと考えておりまして、新たな費用負担等が必要な場合には、国に対しその負担の軽減について要望してまいりたいと考えております。次に、インターネットリテラシー教育についてでございます。議員御案内のとおり、SNSやオンラインゲームがきっかけとなった事件の発生が全国的な増加傾向にございまして、インターネット上の情報がどのような意味で発信されているか真偽を判別したり、情報をそしゃくしてわかりやすく発信するなど、インターネットを正しく活用する知識や能力の育成、いわゆるインターネットリテラシー教育を実施することが求められております。内閣府の平成30年度における青少年のインターネット利用環境実態調査では、インターネットの利用率が小学生では85.6%、中学生で95.1%となっており、そのうちインターネットへの接続機器で最も割合が多いのはスマートフォンとなっております。スマートフォンの利用率で限定いたしますと、小学生で45.9%、中学生で70.6%となっておりまして、近年、増加傾向にございます。また、インターネットを利用するに当たり、家族のルールの有無に関する意識の認識につきましては、保護者と子供で差が生じており、子供たちは家庭内でルールが決められているとは思っていないという実態が浮かび上がっております。このような状況から家庭と学校が協力し、専門家による子供たちへのインターネットリテラシー教育の充実が必要であると考えておりまして、子供たちがSNSなどを介した犯罪に巻き込まれないようにするため、教育委員会と各小・中学校を接続しているネットワーク内に情報収集・活用能力を高めるためのサイトを開設し、授業で活用できる資料を掲載しているところでございます。また、ことしの夏休みには山口警察署及び山口南警察署と連携した少年リーダーズサミットを開催し、市内全中学校から代表生徒2名と教員が参加し、情報モラルを守ってSNSと上手につき合おうという協議題のもと、SNSをどのように使っていけばよいかを子供たちの目線で話し合い、警察の方から指導講話をいただいたところでございます。今後、新学習指導要領において、インターネットリテラシー教育を含む情報活用能力の重要性が示されておりますことから、子供たちにインターネット上にあふれる情報を主体的に読み解くことに加え、安全安心なSNS等の活用についても、授業の中でしっかりと指導してまいりたいと考えております。また、携帯電話会社や警察署などの専門家を積極的に活用した講演会や研修をさらに推進し、教員の指導力の向上や家庭内でのルールづくりを含めた保護者への意識啓発にも努めてまいるとともに、山口県都市教育長会等を通じて、インターネット上の有害情報のモニタリングや不適切な事案に対するサイト管理者等への削除要請の仕組みの構築について、県に対して要望をいたしたところでございます。教育委員会といたしましては、インターネットリテラシー教育を通じ、インターネットに対する正しい知識を身につけた上で、利用することができる子供たちの育成に向け、より一層取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、山見敏雄議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  26番、宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 チームみらい共創の宮川英之です。本日、最後の一般質問になりました。どうぞ、最後までよろしくお願いします。通告に基づき、会派を代表して一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆さんの明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  まずは大項目のア、多世代交流・健康増進拠点施設整備についてお尋ねいたします。初めに、中項目の1)になりますけれども、基本計画の策定に向けての方針についてです。現在まで、市民ワークショップや湯田地域交流センター等整備検討協議会が開催されるとともに、関係団体等へのヒアリングを随時実施され、市民の皆様から快適で魅力的な温浴機能や、多様な交流を促しにぎわいを生む機能、憩いとふれ合いの場を提供する機能など、そのような観点からさまざまな意見や提案等をいただいていると思われます。令和2年3月の基本計画策定に向け、これら多種多様な意見や提案をどう受けとめ、どのように計画に反映していくつもりでしょうか。御所見をお伺いいたします。次に、市民温泉の整備についてお尋ねいたします。老人憩の家寿泉荘の老朽化に伴い、多世代交流・健康増進拠点施設においては、寿泉荘を全世代に対応する市民温泉として整備する方針とうかがっております。拠点施設自体については、市民はもとより観光客やビジネス客など、多様な人々を引きつける湯田温泉ならではの交流機能を検討することとされている中で──これは基本構想の中でうたわれていたわけですが──この施設全体だけではなく、市民温泉としての温浴施設についても、市民間の交流だけではなく市内外の方々や観光客も意識した施設整備をすべきであると思います。単なる入浴施設ではなく湯田温泉のシンボルとなるような施設で、山口の歴史や文化を感じ、外からわざわざ訪れたくなるような市民が誇りに感じるような施設にすべきです。市民温泉のコンセプトについてはどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。あわせて、対象者がふえることになりますので、それに見合う施設整備の規模が必要になると考えられます。現在、寿泉荘では入浴利用を60歳以上の方に限っています。本市発表の令和元年10月31日現在における住民基本台帳による年齢別人口によれば、60歳以上の人口は6万7,844人で、市全体の人口の約35%に当たります。単純に人口比率で全世代対応にするということを考えれば、現在の約3倍の規模が必要となってまいります。また、現在でも寿泉荘の利用者はそのキャパシティーに比べて多く、日々混雑しているとうかがっています。加えて、近隣で比較的安価な料金で日帰り入浴の営業をされていたかんぽの宿がことしの12月20日をもって営業終了することを発表されています。さらに、拠点施設が市内外からの利用者、観光客も受け入れるとなれば、現在の規模では到底対応不可能であり、全世代対応としてサービスを提供するには、それなりの規模、それなりの設備が必要であると思います。湯田温泉まつり開催時の温泉開放、こういった特別なサービスや万一の災害対応なども考慮すれば、なおさらのことであります。これらの状況も踏まえ、市としてはその規模や利用人数について、どのように想定され、整備に反映されるのでしょうか。市の考えをお伺いいたします。  以上で、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) あらかじめ、会議時間を延長いたします。  田中総合政策部長。
                 〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 宮川議員の多世代交流・健康増進拠点施設についての御質問にお答えをいたします。まず、基本計画の策定に向けての方針についてでございます。御案内のとおり、現在、本市では本年3月に策定をいたしました拠点施設の整備基本構想において掲げております本施設が目指す姿、温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点を踏まえまして、より実現性の高い整備基本計画を策定するため、基本計画の策定支援事業者と連携をし、さまざまな市民の皆様の御意見や御提案をお伺いしているところでございます。具体的に申し上げますと、公募によります市民ワークショップをこれまでに3回実施をいたしておりまして、10代から80代までの幅広い世代の市民の皆様から施設の機能やにぎわいが生まれる企画・サービスなどにつきまして、さまざまなアイデアをいただいているところでございます。毎回、30人近くの市民の皆様にお集まりいただき、本施設に対する関心と期待の高さを感じることができたところでございます。また、湯田温泉の観光・宿泊・飲食事業に関わる関係団体の皆様を初め、公共施設の管理運営に携わられている皆様、そして市民ワークショップへの参加が難しかった小さなお子さんをお持ちの子育て世代の皆様などへのヒアリングも実施をいたしまして、各方面からの御意見、御提案をいただいております。さらに、拠点施設に隣接する湯田地域交流センターの関係団体の皆様との協議の場を設け、センターの増改築を初め、拠点施設の整備に伴います周辺施設の解体、移転、集約化等を踏まえました一体的な機能配置等について協議を進めているところでございます。こうしたさまざまな機会を通じ、多種多様な御意見、御提案をいただいているところでございまして、現在、こうした御意見などを、基本構想に掲げる3つの機能、すなわち、快適で魅力的な温浴機能、多様な交流を促し、にぎわいを生む機能、そして、憩いとふれ合いの場を提供する機能をもとに、市民の皆様のアイデアが生かせるよう、導入機能検討の視点として整備をいたしておりまして、先般、議員の皆様にもお示しをしたところでございます。拠点施設に導入する具体的な機能や事業展開などにつきましては、今後いただきましたアイデアなどを踏まえます中で、第二次山口市総合計画に掲げる本市のまちづくりの方向性を初め、山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画における都市機能誘導の考え方、また現在の公共施設、民間施設の設置状況や湯田温泉の地域特性などとも照らし合わせながら、市民の皆様に対する湯田温泉への愛着の醸成といった視点を初め、湯田温泉ゾーンの個性や特徴を際立たせることによります温泉街や山口都市核への波及効果や、小郡都市核との連携や相乗効果の発揮といった視点、さらには、施設のランニングコストの低減といった視点などから検討をすることといたしております。また御案内のとおり、本施設は複合施設でございまして、基本構想にも3つの機能を掲げております。このうち特に、多様な交流を促し、にぎわいを生む機能や、憩いとふれ合いの場を提供する機能につきましては、市内各地域の都市機能との連携や補完、また相乗効果を発揮することを検討いたしますことで、湯田温泉の新たな魅力を創出し、そして本市全体の発展にもつながることになるというふうに考えているところでございます。したがいまして、こうした方向性の中で市民の皆様からの貴重なアイデアを可能な限り生かせますよう、基本計画の策定支援事業者が有する建築技術、また専門的知見を踏まえまして、具体的な機能や事業展開などを検討し、基本計画に反映してまいりたいというふうに考えております。次に、市民温泉の整備についてでございます。御案内のとおり、本施設につきましては、第二次山口市総合計画前期基本計画の「広域県央中核都市づくり」プロジェクトの中で、湯田温泉おもてなしのまちづくりの取り組みの方向性として、市民温泉を含む多世代交流施設整備を位置づけているところでございます。こうした方向性を踏まえまして、施設整備の基本構想におきましては、山口市老人憩の家寿泉荘を多世代型の温浴機能、いわゆる市民温泉として更新することといたしております。この市民温泉のコンセプトといたしましては、人生100年時代の到来や近年の健康志向の高まりなどを背景として、60歳以上の皆様を対象といたしております現在の寿泉荘を、あらゆる世代の皆様が快適に利用できる市民温泉として整備し、湯田温泉という本市が誇るべき貴重な地域資源の活用を広げ、高齢者には日々の健康づくりや憩いの場として、子育て世代や若者には癒しやリフレッシュの場として、そして子供たちにはふるさとへの親しみを深める場として、広く市民の皆様に健康で潤いのある暮らしを提供しようとするものでございます。また、子供のころから気軽に湯田温泉に親しむ機会や湯田温泉の歴史や文化、お湯の特性などを学ぶ機会を提供いたしますことで、市民の皆様にとって湯田温泉がより身近な楽しみや癒しの空間となりますなど、本市の温泉文化を醸成することや、子供や若者、子育て世代を初め、湯田温泉の利用者層を広げる取り組みなど、温泉街の民間事業者にも波及効果が及ぶような事業展開も検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。老人憩の家寿泉荘につきましては、昭和49年の開設当時、湯量の不足によりまして対象者を高齢者に限定したといった経緯がございまして、これまで半世紀近くにわたり湯田温泉における唯一の公共の入浴施設として、市内の高齢者の皆様により温泉文化が育まれてきたところでございます。こうした寿泉荘が果たしてまいりました役割を継承しながら、あらゆる世代の市民の皆様に利用を広げますことで、より多くの市民の皆様に湯田温泉の歴史や文化を実感していただけるものと考えておりまして、こうした温泉文化に親しむ市民の皆様の姿などに市内外から訪れる観光客やビジネス客の皆様にも大いに魅力を感じていただけるものではないかというふうに感じているところでございます。また、議員お尋ねの市民温泉の規模でありますとか、利用人数の想定の考え方といたしましては、これまで60歳以上の方限定でございました寿泉荘が全世代の皆様の利用可能な施設になるわけでございますので、これまでの寿泉荘での利用状況をもとに、新たに加わります利用者数の見通しや、子供のころから湯田温泉に親しんでいただき、温泉文化の醸成を図る取り組みとして、例えば小学校の生活科見学や社会科見学での活用を想定した場合に受け入れ可能な規模といった視点からの検討も必要であろうかというふうに考えております。また、さらに周辺の温浴施設などとの連携でありますとか、相乗効果などを生み出す視点、また山口公共施設等総合管理計画のライフサイクルコストの縮減の視点、こういったさまざまな角度からいろいろな調査や分析を含めまして、検討をしてまいりたいと考えております。こうした考え方とともに、湯田温泉おもてなしのまちづくりの趣旨を踏まえまして、市民の皆様はもとより、湯田温泉を訪れた人々が快適に利用できる空間となることも念頭に、専門的な知見も活用しながら、適切な規模や利用者人数についていろいろな側面から検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁いただきましてありがとうございました。今の大項目アにつきまして、再度の質問をさせていただきたいと思います。その中項目の2番目、市民温泉の整備についてですけれども、あらゆる面から検討していきたい、その規模等についても検討していきたいと。あるいは、民間施設とも連携していきたいというところがあったわけですけれども、全ての山口市民に平等にこの温泉の入浴の機会が十分に与えられるよう、あるいはそのほかからも来られる方にとってもよい印象で帰っていただけるためのそれなりの整備というのはやはり必要であると思いますので、ぜひそういった観点を踏まえて、人口規模あるいは来訪者にも見合ったような形の規模の整備を進められるというところの視点を強く持っていただきたいというふうに思いますのと、それから温泉文化の醸成というところで、一つお聞きしたいのですけれども、温泉文化の醸成のためには──この質問の中でも申し上げたところではあるのですけれども──ただ単に規模を大きくすればいい、あるいは対象者を広げればいいということだけではなくて、やはりこの湯田温泉というものの歴史や文化、室町時代からある、そして白狐が見つけたお湯である、毛利のお殿様も入ったお湯であるし、明治維新の志士も集ったそのお湯であるということが、この温泉文化の醸成につながっていくのではないかというふうに思っております。単なる入浴施設ではなくて──もちろん温泉資源というその効能だけでもすばらしいものがあるというふうに思っていますけれども──山口全体の歴史と絡めて、文化と絡めていくことによって、大きな効果が出てくるのではないかというふうに思います。そのあたりのこの温泉施設のコンセプトと考え方について、再度質問させていただきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 市民温泉の整備についての2回目の御質問ということで、これまで60歳以上を対象としていた寿泉荘でございますが、これをあらゆる世代の皆様に御利用できるように整備するということで、そうした中でこの市民温泉につきましては、私どももこれから整備をいたしますその拠点施設は複合施設ということで、一つの機能というふうに考えておりまして、この機能につきましてはいわゆるその住民の福祉向上に寄与いたします公の施設として、これまでの寿泉荘と同様に、湯田温泉の歴史とか文化を、純粋に温泉で感じていただく、そのほかにも事業としても感じていただけるような場として整備をしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、そういった中で、市民の皆様の生活の質を高めたり、そういったことなどによって整備していくということを考えております。そうした中で、複合施設ということで、全体的な施設整備の中で、先ほどの相乗効果を図りまして、湯田温泉の交流人口の拡大でありますとか、温泉街の民間事業者との連携や湯田温泉地域での波及効果、山口都市核の波及効果や相乗効果、小郡都市核にも連携とか相乗効果も発揮していきたいというふうに考えています。これは入浴施設だけでもできないことでございまして、またそれは、今、湯田の遊休地でありますあそこ全体の活動の中で、しっかりとそういった機能を発揮していかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。そうした中で、入浴施設についても、これまでの寿泉荘を更新するという形でやってまいりますので、そうした中の規模については、やはり民間施設もある中でいろいろな差別化も図りながら、お互いが相乗効果を発揮できるような規模がどれぐらいがいいのかと、そういったこともしっかりといろいろな分析をしながら検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。そうした中で、その温泉文化の醸成については、その入浴施設だけで感じてもらおうとも私ども思っておりませんし、全体の機能を発揮させる中で、いろいろな事業展開もあると思います。そういった中で、これまでの温泉の歴史や文化、そういったものが感じられるような事業展開を図っていって、そこに拠点施設としてさまざまな市民の方を中心に集まっていただいて、そこからまたほかの市外・県外の方に、観光客にも魅力があるような形でつながっていくように施設整備はしていきたいというふうに考えております。御理解いただきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 ありがとうございます。  では、続きまして、大項目のイ、市職員の働き方改革についてお尋ねいたします。初めに、時間外労働削減・有給取得率向上への取り組みについてお尋ねいたします。働き方改革関連法が4月から施行されています。公務員の働き方については、国家公務員法や地方公務員法が適用されますので、直接的にこの法施行が適用されるわけではありませんが、働き方改革関連法案の提出を受けて、国家公務員の人事院規則が改正され、時間外労働の上限規制が強化されたことなど、その影響は少なくありません。民間事業者においては、時間外労働の罰則つき上限規制や5日間の有給休暇取得義務化などがスタートしております。市職員の働き方は、ある意味本市の民間事業者にとって規範的なものであると思います。そこで、本市職員における時間外労働削減や有給休暇取得率の現状と、今後の取り組みについてお伺いいたします。次に、中項目の2番目です。育児休業取得率向上への取り組みについてであります。育児休業取得率の向上、とりわけ最近では男性の育児休業取得率向上が課題になっております。政府は報道等でも報じられましたけれども、国家公務員の男性職員に対して、原則として1カ月以上の育児休業取得を目指す考えで、2020年度の実施を目指すことが報道されています。今後、地方公務員についても対応が求められるものと思います。そこで、育児休業取得率について本市の現状と、それから今後の取り組みについてあわせてお伺いいたします。中項目の3番目ですが、RPA導入等、業務効率化への取り組みについてお尋ねいたします。まず、前述のような市職員の労働時間を削減するためには、生産性向上に積極的に取り組んでいくことが必要であります。少子高齢化が急速に進み、人口減少が急速に進んでいく今日においては、人海戦術的なたくさんの人でもって仕事を推進していくというような業務推進のスタイルというのは難しく、効率化によって問題解決を図ることが求められています。民間事業者においては、テレワーク推進による通勤時間の削減──在宅勤務でありましたりとかそういった形ですけれども──そしてワークライフバランスの適正化、テレビ会議・ウエブ会議の活用による移動時間の削減、ビジネスチャットの活用による会議時間の短縮・削減、クラウドサービスの活用による情報の一元化、既存業務のロボットによる自動化──これがRPAというもので、ロボティク・プロセス・オートメーションの略でありますけれども──等によって積極的な生産性の向上が図られています。市としても、これらの取り組みをしっかりと研究しRPA、ICT導入による業務の効率化、生産性の向上を積極的に推進すべきと思います。市としての方針をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 私からは市職員の働き方改革についての御質問のうち、RPA導入等、業務効率化への取り組み方針についてお答えをいたします。御案内のとおり、働き方改革につきましては、一億総活躍社会や地方創生の実現に向けた労働環境を大きく見直す取り組みでございまして、多様で柔軟な働き方を選択することができる社会を目指し、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律、いわゆる働き方改革関連法が施行されました本年は、我が国の働く環境が変わる大きな節目であり、本格的な実行段階に入ったものと認識しているところでございます。そうした中、国におかれましては、社会のあり方に影響を及ぼす先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していくと同時に、少子高齢化などの社会問題を一人一人のニーズに合わせて解決していく新たな社会としてSociety5.0の実現を目指すこととされているところでございます。これに伴い、各自治体にも新たな行政のあり方が求められているところでございまして、自治体戦略2040構想には、全ての自治体において今後想定される人口減少、少子高齢化に伴い若年労働力の絶対量が不足し、経営資源が制約されることを前提に、あらゆる業務を大胆に再構築していくという基本的な考え方が示されているところでございます。こうした中、AIやRPAにつきましては、多様で柔軟な働き方を実現する上で非常に有効な手段としてさらなる発展が期待され、医療、介護、あるいは教育、防災、交通、農林水産など、幅広い分野において利活用が進められておりまして、こうした分野への利活用により、少子高齢化への対応や労働力人口の減少への対策、そして生活の利便性のさらなる向上などが期待されているところでございます。議員御案内のとおり、RPAはこれまで人が手作業で行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウエアロボットにより自動化するものでございます。具体的には表計算やメールソフト、基幹業務システムなどへの手作業による入力業務を的確かつ迅速に実行することができるという特徴から、近年、自治体においても導入が進んでいるところでございまして、働き方改革を推進する上で、非常に有効な手段であると認識をいたしているところでございます。こうしたことから、本市におきましても、AIやRPA等の利活用の検討を進めているところでございまして、本年6月から導入効果が高いと見込まれる業務を選定いたし、RPAにつきましては、児童手当の現況届確認業務や介護保険認定審査会委員の報酬支払業務など5業務に、そしてAI-OCRにつきましては予防接種予診票システム入力業務の1業務に試験的に導入をいたしたところでございまして、これらの導入効果といたしまして、年間1,029時間の作業時間の削減が見込まれる結果となったところでございます。あわせまして、職員の意見といたしまして「人的な単純ミスがなくなりストレスが軽減された」「職員の本来業務である窓口対応に専念することができた」「既存の業務手順の見直しも行えた」などの副次的な効果があったものと聞き及んでおります。また、今年度は総務省の自治体行政スマートプロジェクト事業によりまして、宇部市、周南市、岩国市と共同で税務や内部管理業務におけるRPAの活用とともに、自治体間における業務の共通化を踏まえた分析等にも取り組んでいるところでございます。こうした取り組みのうち、総務省の地方公共団体におけるRPA実装に関する事業として採択され、経費の一部が特別交付税により措置される業務につきまして、今年度から先行的に導入いたしているところでございまして、職員の働き方を見直し、業務の効率化を図るためにもAIやRPA等の積極的な活用を推進してまいりたいと考えているところでございます。情報通信技術は日々進化しておりまして、AIやIoT、ロボット、ビッグデータ等の先端技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられようといたしております。今後、本格的な人口減少や少子高齢化を迎え、生産年齢人口も減少していく中で、現状を冷静に捉え、あらかじめ対策を講じていくためにも技術革新に迅速かつ適切に対応いたし、AIやRPA等を積極的に活用することによりまして、より一層業務の効率化等を進めることで効率化により生み出された経営資源・人的資源を市民サービスのさらなる向上に振り向けてまいりたいと考えております。こうしたICTを活用した働き方改革の流れは、働く人の意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくるとともに、個々の事情に応じ多様な働き方を選択できる社会の実現を目指すものでございます。こうしたことを踏まえまして、本市といたしましては、持続可能で市民の皆様に満足していただける質の高い行政サービスを提供していくためにも、職員の能力が最大限発揮できる先進的な職場環境づくりに努めますとともに、行政がワークライフバランスの旗振り役として、しっかりとその役割を果たしていくという視点からも、職員一丸となって取り組んでまいる考えでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、市職員の働き方改革についてのお尋ねのうち、まず時間外労働削減・有給取得率向上への取り組みについてお答えをいたします。御案内のとおり、本年4月から働き方改革関連法が施行されたことを受け、国におかれましては人事院規則を改正され、本年4月以降原則1カ月について45時間、1年について360時間を範囲内とした超過勤務命令の上限時間が定められたところでございます。こうしたことから、本市におきましても、国と同様に超過勤務の命令を行うことができる上限時間を定めた条例等の改正を行うなど、働き方改革の取り組みを進めてきたところでございます。本市の取り組みを具体的に申し上げますと、残業しないデーや原則20時退庁、午後4時以降の会議の禁止などに継続的に取り組むほか、職員一人一人の意識改革とマネジメント能力の向上を図るため、管理職や担当リーダーを初め、職員向けに意識啓発研修に取り組んでまいったところでございます。さらに、今年度は約2カ月半にわたり時差出勤を試行的に実施してまいったところでございまして、試行実施の結果を踏まえまして、より働きやすい職場環境の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。また、昨年度から複数の所属に対しまして、外部コンサルタントによる業務改善支援を受けながら、ICTの利活用を含め実証的に業務手順の改善や効率化を進めてまいりまして、昨年度実施いたしました所属については、働き方見直しに関する意識の変化や時間外勤務の縮減効果などが図られているところでございます。このほか年次有給休暇取得につきましては、年間計画表を所属内で共有し、年次有給休暇取得を促す取り組みを実施しているところでございます。このような中、本市職員の時間外勤務につきましては、本年4月から10月までの時間数が前年比で7.6%の減、年次有給休暇平均取得日数につきましては、平成30年の平均取得日数が11日で、前年比較でほぼ変わらない状況となっているところでございます。一方で、時間外勤務が上限時間を超えている所属もございますことから、その要因の整理、分析及び検証を行い、長時間勤務の改善に努めてまいりますとともに、計画的に年次有給休暇を取得することができるよう職場環境の充実に努めてまいりたいと考えております。次に、育児休業取得率向上への取り組みについてでございます。本市におきましては、男女ともに働きやすい職場を目指し、昨年4月に職員のための次世代育成及び女性活躍推進プランを本市の特定事業主行動計画として策定いたし、職員が父親として、また母親として安心して子育てをしていくことができるよう、職場を挙げて支援していくことを行動目標として定めております。このプランの中では、男性職員の育児休業取得率を13%、妻の産前産後に各種特別休暇及び年次有給休暇を利用し、10日以上の休暇を取得する男性の割合を50%とすることを目標に掲げております。平成30年度の実績を申し上げますと、女性職員の育児休業取得対象者が26人、取得率は100%に対しまして、男性職員の取得対象者は36人で、育児休業の取得実績はなく、産前産後において各種特別休暇等を10日以上取得した職員については2人となっております。なお、男性職員の育児休業取得者は過去5年間でも2人にとどまっているのが現状でございます。男性の育児休業につきましては、社会的にまだ浸透が浅く、周囲の職員の理解と協力が不可欠であるとも考えておりまして、職場内で子育て中の職員も周囲の職員もお互い気持ちよく助け合うことができるような環境をつくっていくことが重要でございます。日ごろから全職員に対して、出産や育児に伴う休暇等を記した男性職員の育児参加計画書の活用や、育児関連のパンフレットによる周知をいたしますとともに、対象の男性職員に対しまして、育児休業等による相談や取得しやすいよう積極的な働きかけなどを行いまして、職場全体で育児する職員をサポートする職場環境の整備・充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御答弁ありがとうございました。男性の育休がゼロ%ということなので、そういったところはしっかりと、民間事業者でもなかなか厳しいとこはあると思うのですけれども、市が先陣を切って計画的にやっていただくことで、やはり民間事業者に波及していくと思いますし、市職員を目指す方もふえてくると思いますので、ぜひよい職場づくりのためにも働き方改革を計画的に推進していただきたいと思います。  では大項目のウです。最後の質問をさせていただきたいと思います。シネマコンプレックス誘致についてお尋ねいたします。シネマコンプレックス、通称シネコンとは、複数の映画を同時に上映できる複合型映画館のことを言い、現在は全国の映画館の半数以上がこのスタイルであると言われています。平成24年12月1日に本市湯田地区にあった映画館、山口スカラ座が閉店してから丸9年以上がたちました。現在、市内にはYCAMなど定期的に映画上映をする場はありますけれども、はやりの映画を上映する映画館はございません。全国的にも県庁所在地でこのような映画館がないのは、奈良市と山口市だけと言われています。奈良市は関西都市圏にあり、私鉄──近鉄ですけれども──等の鉄道網も充実しておりますので、他市へのアクセスが比較的容易であります。現在、山口市民の多くは、映画観賞する場合には隣接する防府市や宇部市に出かけているものと思われます。自家用自動車で行ける方はそれほど不便ではないかもしれませんが、比較的シネマコンプレックスへの関心が高いと思われる若い世代において、自動車の運転免許、自動車そのものを、あるいはそういった交通手段がなかなか十分でない学生などは大変不便に感じているように思いますし、若者定住促進等における観点からも都市の魅力を損ねているのではないかと懸念するところであります。市民アンケート──山口市まちづくりものさしアンケートでも、文化・芸術を鑑賞する機会について、10代、20代の若者については映画を鑑賞する機会は十分にあると思わないといった回答が最も多いことからも、映画館誘致への期待は大きいものと認識しています。私もいろいろな若い方とお話するときに、やはり「何で山口市には映画館ないのですかね」と言われる若い方は多いです。皆さんもそう感じていらっしゃるのではないでしょうか。まちづくりの方針として、若者の期待が大きい映画館の誘致について、他市の事例でもあるような奨励金の交付などの制度創設等も含めて、民民のことではありますけれども、市も積極的に誘致促進すべきと考えますがいかがでしょうか。市のお考えをお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) シネマコンプレックス誘致についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、本市にもかつて立地をしておりました単独の映画館が全国的に閉鎖をしていった中、現在は複合映画館、いわゆるシネマコンプレックスが大型商業施設などとの併設によりまして、相乗的な集客効果を図る形で立地をされている状況でございまして、山口県央連携都市域内の7市町におきましては、宇部市と防府市の2カ所に立地をしているところでございます。こうした中、市内では2012年に唯一の映画館が閉鎖をされて以降、映画館がない状況となっているところでございますが、議員からも御案内ありましたように、現在、YCAMにおきましては、ワイカムシネマ事業といたしまして、年間を通じて良質な映画鑑賞の機会を提供しておりますほか、民間の団体が子供から大人まで幅広い世代の方々に映画鑑賞の機会を提供するため、市内の教育施設などで定期的に映画上映を行われているところでございます。しかしながら、議員御案内のとおり、平成31年1月に本市が実施をいたしました市民アンケートの、山口市内で文化・芸術を鑑賞する機会に関する質問では、映画を鑑賞する機会は十分とは思わないという回答が7割近くと最も多くございましたことから、市内の皆様の映画館のニーズは高いものというふうに認識をいたしているところでございます。こうした中、本市では、現在、第二次山口総合計画のもと、広域県央中核都市づくりに向けた取り組みを進めているところでございますが、本年4月に策定をいたしました山口市版の立地適正化計画でございます、山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画におきましては、山口・小郡都市核を中心に高次都市機能の誘導を図る都市機能誘導エリアとそのエリア内に誘導すべき施設を設定したところでございまして、映画館につきましては、娯楽・文化施設として誘導すべき施設に位置づけまして、山口都市機能誘導エリアの中心商店街ゾーンと小郡都市機能誘導エリアの産業機能集積ゾーンに誘導することとしているところでございます。また、この立地適正化計画との整合性を図りますとともに、こうした機能の集積を図るため、現在策定作業を進めております、山口・小郡都市核づくりマスタープランにおきまして、両都市核及び各ゾーンの特性に応じまして、どのようにこうした機能の集積を図るかといったことをまちづくりの基本的な方策として、現在検討しているところでございます。したがいまして、議員お尋ねのシネマコンプレックスの誘致策につきましては、本市における立地適正化計画の位置づけでありますとか、本市の皆様のニーズ、そして山口県央連携都市圏域内での現状なども踏まえながら、まずは山口・小郡都市核づくりマスタープランにおきまして、両都市核や各ゾーンの魅力や価値を高めるための基本的な考え方や整備計画などを検討する中で、民間投資の動向なども注視をいたしながら研究をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、宮川英之議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  以上で、本日の一般質問並びに質疑が終了いたします。  本日の日程は全て終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。再開は明10日午前10時であります。                  午後5時35分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  山 見 敏 雄                    会議録署名議員  伊 藤 青 波 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....