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令和元年第3回定例会(5日目) 名簿 開催日:2019年09月12日
令和元年第3回定例会(5日目) 本文 開催日:2019年09月12日

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  1. 山口市議会 2019-09-12
    令和元年第3回定例会(5日目) 本文 開催日:2019年09月12日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2019年09月12日:令和元年第3回定例会(5日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、7番、野村雄太郎議員及び26番、宮川英之議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第18号まで及び諮問第1号から諮問第3号までを一括議題といたします。  順次発言を許します。5番、植野伸一議員。                〔5番 植野伸一議員登壇〕 ◯ 5番 植野伸一議員 おはようございます。継続力の会の植野伸一です。一般質問・質疑、本日最終日でございますが、トップバッターとして発言させていただきます。渡辺市長初め関係参与の皆様、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。それでは、大項目2つに分けて質問させていただきます。  大項目ア、第二次協働推進プランについて、中項目1)担い手不足。市民の皆様がお住まいの各地区には、自治会・町内会という組織があり、市民が住みやすく暮らせるように、組織単位でルールにのっとり、各役員を選出し、役割分担にて円滑な運営を目指しておられると思います。しかしながら、担い手不足の折、昨今、そういった役割を担う各役員選出において、何らかの課題が出ているのではないかと感じています。私自身、住んでいる地域でのボランティア活動や自治会・町内会役員として、それを実感しています。市もそのことは協働推進プランの第1章第2節、全国的な動向の中の2、人口減少・高齢化社会における地域社会の状況にて、「自治会や町内会に代表される地域コミュニティも、構成員の減少や人間関係の希薄化」という表記がされています。本市においても同様な現状把握をされていると思います。具体的には、役員選出方法には、自薦、他薦、公平性を保つくじ引き等、いろいろあると思います。みずから進んで役を引き受ける方が少ない御時世、役員選出に関しましてはかなり難航するケースが近年では出ていると感じております。役を引き受けるということは、さまざまな役割において、ある一定期間(任期)お世話をするということになります。お世話をすること自体、大変な御苦労ですが、反面、役をこなすことにより、今までわからなかったことが少しはわかってきて、知らなかった人とは知り合いになれることこそ、地域コミュニティーの目的だと思います。この目的を明確に理解をしていただくことが大事なことで、任期初めにはどうなることかわからない不安な気持ちが、任期満了時には大変だったが役をこなしてよかったと思っていただけることが、よりよい地域づくりにつながるのではないでしょうか。市は、各地域の担い手不足、時代の流れに沿った現状把握、どのように捉えておられるのか。また、分析や取り組みについて方針があれば御説明ください。中項目2)コーディネーターの役割と方針。市は、昨年からよりよい地域づくりのために、担い手不足の観点から地域づくりコーディネーターを構築されています。昨年の委員会報告では、その目的を立ち上がったばかりで役割や使命を明言されていませんが、担い手不足の地域において目的をはっきりと明言されることも必要な時期が来ているのではないでしょうか。地域の課題は地域で克服する。それが地域の個性だ。地域の実情に合った個性の創出が理想的なことではありますが、その個性を引き出す担い手として、時に行き詰まったときのコミュニティーをコーディネートできる人材の育成や取り組みについては、大変重要な課題として捉えておられると思います。どのように方向性をつけていかれるのか、お示しください。中項目3)地域間の連携。各地域における課題克服行事への取り組みは、地域ごと個別に協働推進プランにて紹介されていますが、地域事情によりそれぞれ違う課題や改善策を21地域、どのように共有し、連携を図るのかは、山口市の個性として表現をしなくてはいけないところではないでしょうか。現時点での具体策を伺い、この項目の1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田地域生活部長。              〔地域生活部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 地域生活部長(村田尚士君) おはようございます。植野議員の第二次協働推進プランについての御質問にお答えいたします。初めに、担い手不足についてでございます。自治会・町内会は、地域コミュニティーの中心として、それぞれの地域内の福祉や防災、防犯、環境対策等のさまざまな分野で住民の生活を支える最も身近な組織でございますが、議員御指摘のとおり、少子高齢化による人口減少や住民同士のかかわりの希薄化など、地域社会を取り巻く状況も大きく変化をしております。こうした状況の変化に伴います自治会・町内会の課題や現状を把握することを目的として、本年3月に自治会長・町内会長を対象といたしましたアンケート調査を実施いたしましたところ、約8割の自治会長が60歳以上であること、任期が1年の自治会長・町内会長は約半数を占めていることなどが数字の上でも明らかになってまいりました。また、困り事として一番多く挙げられましたのが、役員のなり手がいないという結果からも、自治会・町内会の役員の高齢化や地域活動の担い手不足が大きな課題であると、改めて認識いたしたところでございます。昨年度から単位自治会長の皆様を対象として、事例発表や意見交換を通じて課題の共有を図ることを目的に、自治会長情報交換会を開催しております。その場におきましても、地域活動の担い手不足や役員の固定化が進んでいるといった御意見が多く寄せられたところでございます。こうした中、第二次山口市協働推進プランにおきましても、地域づくりの担い手の確保、育成の推進を基本施策の一つとして掲げておりますことから、本年10月に山口市自治会連合会と連携をいたしまして、人材育成を大きなテーマとして、各地域の連合自治会長のほか、役員や事務局、単位自治会長も含めまして、座学とワークショップ形式による勉強会を開催することといたしております。また、これからの地域づくりを進めていく上では、次代を担う若者の力は不可欠でありますことから、若者がみずから考え、主体的に行動するための仕組みづくりが必要であると考えております。現在、秋穂地域のおしゃべりカフェや小鯖地域のさばろっち未来カフェでは、若者を中心に地域の未来を語るワークショップが開催されております。陶地域では、地域づくり計画が若年層を中心として策定され、その計画に基づき、新たな地域イベントであります陶夏フェスの開催に結びついているところでございます。仁保地域におきましても、若年層を含め、地域づくり計画の策定が進んでいるとうかがっております。このような若い世代を地域活動に巻き込む取り組みは将来の担い手育成にもつながりますことから、今後も地域づくり協議会と連携をし、地域で若者が集い活動できるきっかけづくり、場づくりを進めてまいりたいと考えております。地域活動の担い手不足という大きな課題に対する方針といたしましては、研修及び勉強会等のほか、情報の共有の機会の創出に加え、幅広い世代の地域参画を促進することで、担い手の育成・確保に努めてまいる所存でございます。次に、コーディネーターの役割と方針についてお答えをいたします。地域づくりコーディネーター養成講座「やまぐち草莽塾」は、地域における幅広い世代に対して、地域づくりへの関心を高めますとともに、地域づくりのコーディネート力を有する人材を養成いたし、新たな地域づくりの担い手の育成を図ることを目的として、昨年度から開催をいたしております。参加者は、地域づくりコーディネーターとしての心得を初め、対話の場づくりに必要なファシリテーションや地域課題の分析、また課題解決に向けた企画立案の手法をいろいろな場面で実際に体験しながら熱心に学ばれますとともに、参加者同士のネットワークづくりも進んだところでございます。おおむね全日程にわたり受講された方に修了証を授与いたし、山口市地域づくりコーディネーターとして29名を認定いたしたところでございます。本年度におきましては、昨年度の受講生を対象としてOB会を開催いたしまして、受講後の地域における活動の振り返りやOB同士の交流を図りましたほか、本年度のやまぐち草莽塾の運営に参画していただくなど、継続して地域づくりにかかわっていただいております。本年度のやまぐち草莽塾は、地域づくり協議会事務局職員を主な対象として実施することといたしておりますことから、OBの方々には講座の運営に参画していただく中で、本年度の受講者との交流をきっかけとして、今後の地域での活動につなげていただきたいと考えております。本講座を継続的に実施していくことにより、地域づくりのコーディネート力を有する人材を育成し、地域に修了者をふやしていきますとともに、習得した知識や技術を生かし、地域で活躍できる場づくりを進めることで、地域づくりの担い手確保・育成を進めてまいる所存でございます。次に、地域間の連携についてお答えをいたします。市内21地域の各地域づくり協議会におかれましては、さまざまな地域課題の解決に向けて、地域ごとの個性的なアプローチによる取り組みが実施されているところでございます。その取り組みを各地域間で共有しますことは、他の地域の事例を自身の地域に取り入れるなど改善の参考にでき、非常に有意義であると考えておりますことから、第二次山口市協働推進プランに一部地域の活動事例を掲載しているほか、毎年開催される地域づくり協議会の全体会議で、前年度の事例を資料としてお配りするなどの情報提供に努めております。加えて、昨年度は地域づくり協議会や自治会、地域交流センター職員など、地域活動にかかわる関係者約120名が一堂に会し、地域づくりのキッカケ見つけ隊21を開催いたしたところでございます。この地域づくりのキッカケ見つけ隊21では、各地域の特産品を持ち寄ることで、地域間の相互理解が深まりますとともに、各地域の事例発表や意見交換を通じまして、地域間の課題や情報を共有することができ、参加者の皆様からも各地域の状況が理解できて大変有意義であったとの感想もいただいているところでございます。地域間の連携による取り組みを幾つか御紹介いたしますと、平成30年度に日常的なスポーツの習慣化へのきっかけづくりや、スポーツによる住民の健康づくり、地域の活性化を目的とした鋳銭司・名田島・二島チャレンジデー2018が地域間の連携により開催されまして、本年8月には佐山地域を新たに加えまして、鋳銭司・名田島・二島・佐山チャレンジデー2019として継続して開催されているところでございます。また、奇兵隊など長州藩の諸隊で倒幕に奮闘し、維新後の脱隊騒動などで犠牲となった隊士をあらわす隊中様ゆかりの宮野、平川、徳地、阿東の4地域により、隊中様サミットが昨年開催され、本年度におきましても交流につながる取り組みを検討されているとうかがっているところでございます。このような地域間の連携につきましても、課題の解決に向けた取り組みとして重要であると考えております。今後におきましても、地域づくりのキッカケ見つけ隊21の開催による他地域との交流及び地域間の情報共有を図りますとともに、他地域と連携した取り組みがさらに進んでまいりますように支援してまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 植野伸一議員。                〔5番 植野伸一議員登壇〕 ◯ 5番 植野伸一議員 明快な御答弁ありがとうございました。この地域づくりの担い手不足、大変深刻な課題でございまして、この課題こそ行政力が試される課題だと思っております。どうか思いやりにあふれた山口市らしい取り組みをお願いして、次の質問に移らさせていただきます。
     大項目イ、防犯と防災について、中項目1)防犯カメラ。昨今、車によるあおり運転の話題はマスコミでも大きく取り上げられ、社会問題にもなりつつあります。そういった影響で車へドライブレコーダーを取りつけられる方が急増中とのことです。また、何か事件があったときの犯人の足取りを捜査するための街角へ取りつけてある防犯カメラの映像が、かなり事件解決に向けて役に立っているのではないでしょうか。本市としても、市民の皆様に、いつ、どこで起こるかわからない事件・事故に対しての不安を少しでも和らげるためには、現状において、ドライブレコーダー防犯カメラ等の設置状況や市民の防犯に対しての意識調査等、十分調査・分析をする必要があるのではないでしょうか。また、防犯カメラの設置につきましては、個人や民間が設置するもの、行政が公の場所に設置するものとまちまちと思われます。総合的な取りつけ情報を把握して、捜査機関などと連携をして、それらの情報を有事のときには共有できる仕組みや体制の構築があれば、素早い事件の解決につながるはずです。もちろん監視という概念には、個人情報、プライバシー侵害等、十分配慮する必要もあり、情報の公開には捜査機関において一定のガイドラインも設けられていると思います。いずれにしましても、安心安全の観点から、犯罪を起こさせない、起こしにくい、いわゆる抑止力の環境の整備は行政の大事な責務であり、第二次山口市総合計画の目的でもあります、住んでよかった、いつまでも住み続けたいまちという実感を市民の皆様に持っていただくための必須条件ではないでしょうか。現状での取り組みと今後の方針とあわせて御所見を伺います。中項目2)の質問に入る前に、今回台風で被災された主に千葉県の方──まだ停電中のところもあるようでございます──心よりお見舞い申し上げます。中項目2)アマチュア無線の活用。災いは忘れたころにやってくるということわざがあるように、まさに今の災害がそれでございます。大地震や近年多く発生している水害等、一旦災害が起こればその対応にはさまざまなルールや体制のもと、自助、共助、公助の順に復旧活動が行われます。その活動を迅速かつ的確に遂行する上で、災害現場や避難場所での情報をきめ細かく正確なやりとりを行い、いち早く分析をすることこそ、被害を最小限に食いとめ、被災者に安心を与えることにつながるはずです。きょうはそのライフラインも寸断されるような大災害発生時において、初期情報収集役に適している人材活用についての質問をさせていただきます。皆様はアマチュア無線というワードを御存じでしょうか。私自身、趣味で40年近く運用しており、この場におられる方の中にもその資格を持っておられる方も幾分かおられるのではないかと思います。定義としては、商用でなく、もっぱら趣味として行う電信電話の電磁波を通じて、また近年、インターネット回線等も活用されている無線通信で、それらを一定の定められたルールに従い、運用局同士の電波を通じたコミュニケーションを目的としています。本市の平成30年度地域防災計画第2編、災害予防計画、第12章、ボランティア活動の環境整備、第1節第2項、ボランティアの活動対象にも、その活用が無線の項目にアマチュア無線技士と表記されており、災害活動における数ある専門ボランティアの一員という位置づけです。ここで、そのアマチュア無線を運用される局数の本年3月末、最も新しい統計によるデータをフリップによって御紹介いたします。こちらをごらんください。このラインから上の3つの項目は、総務省電波利用ホームページからのデータの引用でございます。下段は私の分析、それから担当課による数値の提供でございます。全国には41万2,667局のアマチュア無線局がおられます。そして、この山口県は4,433局、比率でいいますと、全国比率は1%と余り高くはございませんが、本市、山口市には669局のアマチュア無線局がおられます。そして、下段になりますが、約19万5,000人の山口市の人口に対しまして、この669のアマチュア局の数を割りますと、約291人に1人の割合でアマチュア無線局の方がおられるということになります。そして、本市、山口市には自治会・町内会は769ございます。これをアマチュア局の数で割りますと、約ですが1.15地区に1人の割合でアマチュア無線局がおられるということになります。このデータで御理解をいただきたいのは、本市に──昨日御答弁の中にありましたが153だったと思いますが──ある避難所に、その近くから複数の自治会・町内会の方が避難されると思います。その中に1人や2人のアマチュア無線局がおられる可能性が高いということを御理解いただく根拠を示すデータでございます。戦後普及したアマチュア無線、何度かブームが起こり、昭和の時代には趣味の王様、あるいは石を投げればアマチュア無線局に当たると言われた時代もあり、局数に関しましては現在の約3倍、120万人以上いた時期もあり、家族全員が資格を持っているということも珍しいことではございませんでした。しかし、通信に関しましては便利な世の中に時代は変わり、携帯電話やインターネットの普及に伴い、運用局数は現在ではごらんのような全盛期の3分の1という衰退数値となっております。また、アマチュア無線を運用される無線局の人間性の特徴として──これは私が40年間アマチュア無線の運用をしてきて、私が感じている個人的な所見でございます──主なものは、聞き手、話し手による一方通行の無線通信になれている。次に、相対的に電気のことは詳しい方が多いです。非常時の電源の確保策等にたけた人が多いということです。次に、電波の伝搬状況をよくふだんから把握をされております。次に、運用規則が厳しく──これは法規でございます──法規を遵守してルールを守る習慣がございます。最後に、これが一番肝心なところでございますが、アマチュアのためボランティア精神にたけております。このような性格を持ち合わせた人が多く、有事のときには自主的に通信装備を持ち合わせた活動を効率的に展開できる可能性は高いものがございます。本市には大災害時、さまざまな取り決めが規則として存在すると思いますが、市民の皆様の安心安全への取り組みとして、大災害時における初期情報収集策の方法と訓練等の実施概況、あわせて今後アマチュア無線局の活用計画など御所見を伺い、1回目のこの項目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田地域生活部長。              〔地域生活部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 地域生活部長(村田尚士君) 防犯と防災についての御質問のうち、私からは防犯カメラについてお答えいたします。防犯カメラにつきましては、地域住民の方々や通行人の安心感を高め、防犯意識の高揚につながるものでございまして、議員御指摘のとおり、犯罪を予防し、被害を未然に防ぐとともに、犯罪発生時の迅速・的確な対応や犯罪解決に有効な設備であると認識いたしております。警察からの捜査目的による要請がございました際には、画像等の提供を行っているところでもございます。また、ドライブレコーダーにつきましても、交通事故発生時や昨今、全国のニュースでも話題となっております、あおり運転等のトラブル発生時の証明・記録となることや、安全運転意識の向上につながるものであると認識いたしております。民間事業者による防犯カメラの設置状況といたしましては、金融機関やコンビニエンスストアを初め、不特定多数の人が行き来する駅、商業施設、商店街等に多く設置されているところでございます。また、各家庭におきましても、昨今の防犯意識等の高まりや低価格化、性能の向上などによりまして、防犯カメラ、ドライブレコーダーともに設置が進んでいるところでございます。市におきましては、所管施設であります駐輪場、文化施設、公園、学校等へ防犯カメラを設置しておりまして、さらにドライブレコーダーにつきましても、公用車更新時に順次設置を進めているところでございます。お尋ねの防犯カメラ等についての市民意識調査につきましては、現在のところ実施いたしておりませんが、今後、防犯カメラ等について、地域住民等からの設置要望を踏まえますとともに、警察を初めとする関係機関と連携しながらガイドラインの策定、設置及び助成制度等の研究をしていく中で、市民意識調査の実施につきましても考えてまいる所存でございます。次に、本市における防犯対策についてでございますが、本市では、これまで防犯対策協議会を中心に、地域、防犯ボランティア団体や警察等との連携を図り、各地域において防犯パトロールや、いわゆる青パトによる巡回、街頭での防犯キャンペーンを実施し、通学路におきましては、登下校時の見守り活動、こども110番の家等を実施しております。また、夜間における犯罪抑止と通行の安全を図ることを目的といたしまして、防犯灯設置に対して補助する明るいまちづくり推進事業を実施しております。こうした取り組みの結果、昨年の本市における犯罪認知件数は933件と、10年前の1,958件と比較いたしまして半減してきているところでございます。お尋ねの防犯カメラ等の設置につきましては、犯罪抑止力など有効性は認識いたしておりますものの、日常的にカメラに撮影されることによるプライバシー・肖像権の問題や、撮影された画像の取り扱いに関する基準の整備、費用対効果、住民の皆様との合意形成なども必要であると考えておりまして、今後地域のニーズもお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今後とも地域、警察、学校等と連携、協働いたしまして、さらなる安全安心のまちづくりに取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは防犯と防災についてのお尋ねのうち、アマチュア無線の活用についての御質問にお答えをいたします。大規模災害発生時には、携帯電話や固定電話の回線が混乱し、通話が不可能になるなど、通信網に関しましてもさまざまな混乱が生ずることが想定され、そうした状況においても正確な情報収集を行い、迅速かつ的確に応急対策を実施していくためには、多様な情報収集手段を確保していくことが重要であると認識をいたしております。本市における大規模災害時の情報収集につきましては、防災行政無線、IP無線、ツイッター、職員の巡回等により行っているところでございまして、アマチュア無線につきましても、その機動力を活用して情報収集、伝達等に威力を発揮することが期待されておりますことから、大規模災害発生時に活用すべき通信手段の一つとして、山口市地域防災計画に位置づけているところでございます。次に、本市が実施する防災訓練等におけるアマチュア無線技士等専門ボランティアの参加でございますが、昨年6月17日の山口県並びに本市と防府市が共同で主催いたしました2018山口県総合防災訓練におきましては、一般社団法人日本アマチュア無線連盟山口県支部に電波を利用した画像通信の公開運営等に参加していただくなど、アマチュア無線の具体的な活用策につきましても連携を深めているところでございます。また、無線局の許可を有するアマチュア無線技士の活用につきましても、山口市地域防災計画において、専門ボランティアとして位置づけておりまして、大規模災害発生により通信回線が混乱し、通話等が不可能になった際の情報収集や広報活動等に協力していただくことを期待しているところでございます。その一方で、さまざまな災害の備えについては、災害の種類、規模、範囲などの想定を行った上で、その対策に必要な措置を講ずるための具体的な方策について検討しているところでございますが、現時点におきましては、あらゆる通信網が不通になった状態までの被害想定に至っておりませんことから、今後、日本アマチュア無線連盟山口県支部との意見交換を行うなど、大規模災害が発生した場合の状況の想定や、そのときに必要な対応、また対応に必要な情報収集のあり方などの議論を深める中で、アマチュア無線の有効活用について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、植野伸一議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  22番、瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 おはようございます。県都創生山口の瀧川でございます。いつものように端的に質問をしてまいりますので、渡辺市長、伊藤副市長並びに関係参与の皆様の明快で前向きな、そして市民にも議員にも納得できるような答弁を期待しております。今回は大項目で4点の質問をしてまいります。  まず最初、大項目ア、空き家等の対策について質問をいたします。空家等対策の推進に関する特別措置法が平成27年2月26日に施行されてから4年半が経過しております。一時は空き家等をリフォームしたり、解体したりして対策が進んでいるようにも思えたのですが、ここ最近は余り進んでいるようにも思えないし、空き家なのか住んでいらっしゃるのかはわからないが、近隣や通行者に迷惑がかかっているのではないかと懸念される物件も存在しており、こうした老朽空き家については早期の対応が必要不可欠ではないかと考えます。そこでお尋ねしますが、老朽危険空き家等の除去の状況はどのようになっているのか、お伺いします。次に、現在、山口市においては定住促進のために、中山間地域を初めとして空き家バンク制度を展開されていますが、その現状についてもお伺いします。また、今後も空き家の増加が予想されるところではありますが、空き家等の有効活用についてさらなる取り組みが必要ではないかと推察しますが、山口市としては今後、次の一手としてどのような方向性で利活用を進めていこうとされているのか。そして、そのための取り組みとしてどのような研究等をされているのか、お伺いします。山口市における定住の推進、地域の活性化に結びつき、住んでよかった、これからも住み続けたい山口市をしっかりと実現していけるようなお考えをお聞かせください。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田地域生活部長。              〔地域生活部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 地域生活部長(村田尚士君) 瀧川議員の空き家等の対策についての御質問にお答えをいたします。私からは、老朽危険空き家の除却の状況及び空き家バンク制度の現状についてでございます。御案内のとおり、全国的に空き家が急増いたしており、空き家の不適正な管理等を背景として、安全や公衆衛生、景観等の多岐にわたる問題を生じさせておりますことから、その対策は喫緊の課題となっております。こうした空き家の除却についての本市としての対策といたしましては、最初に空き家等の適切な管理を行っていただくため、所有者等を把握する調査を行い、文書や口頭により、所有者等みずからによる空き家に起因する問題の解決を促しております。その中で必要に応じて空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく勧告や命令等、あるいは代執行も視野に入れまして対応することといたしております。2点目といたしまして、平成28年度に創設をいたしました、老朽化した空き家の除却工事費の補助制度であります、老朽危険空家等除却促進事業補助制度によりまして、所有者等による自主的な解決を促しております。この制度を活用いただきまして、昨年度までに32件の危険な空き家が除却されたところでございます。本制度は、老朽危険空き家の除却費用等の一部として、補助率3分の1、上限50万円の補助を実施するものでございまして、不良度、危険度、周囲への影響度など、一定の基準を満たした老朽危険空き家を対象といたしております。本年度におきましても、6月3日からこの補助金の募集を開始いたしまして、現在のところ10件の交付決定を行い、既に3件の除却が完了いたしております。3点目といたしまして、相続人が明らかでない・存在しない空き家等につきましては、これまでも対応に苦慮しているところでございますが、この問題の解決のため、相続財産管理人制度の活用に取り組んでいくことといたしております。相続財産管理人制度につきましては、相続人が確認できず、誰も相続財産を管理しない状態になったときに、家庭裁判所に弁護士等を相続財産管理人として選任していただき、相続財産を管理させ、必要な清算を行わせる制度でございます。本市におきましても、この制度を活用し、空き家が除却された実績もございますことから、相続人が確認できない案件等への対応につきましては、相続財産管理人制度等、各種民法制度を研究し、活用することによりまして、老朽危険空き家の除却につなげてまいる所存でございます。次に、空き家バンク制度の現状についてお答えをいたします。御案内のとおり、空き家バンク制度は、地域にございます空き家を有効利用が可能な資源として捉え、その情報をウエブサイト等の媒体を通じて発信し、空き家の利用希望者とのマッチングを行うものでございます。現在、本市で運用しております空き家バンク制度は、人口減少や少子高齢化が進み、かつ民間事業者による中古住宅の流通が困難な地域におきまして、空き家を移住・定住の受け皿として活用する移住・定住施策として取り組んでおり、徳地、阿東、仁保、名田島、秋穂二島の5地域で実施いたしているところでございます。平成20年度に同制度を開始いたしまして以降、この7月末までに136家族、284人の御成約をいただいております。この空き家バンク制度は、空き家の物件調査や利用希望者の物件見学の際の御案内など、地域の関係団体や住民の皆様と連携・協力を図りながら、制度の運営を行っているところでございまして、空き家バンク制度の活動を通じまして地域において移住者を受け入れる機運の醸成が図られますとともに、ひいては地域の活力維持のための担い手確保という地域づくりに積極的にかかわっていただく意識の向上にも資するものと考えております。今後は、現在、空き家バンク制度を運用しております徳地、阿東、仁保、名田島、秋穂二島と同様の条件の地域を対象に、地域の皆様との連携体制を構築しながら、順次空き家バンク制度を展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 私からは空き家の有効活用についてお答えいたします。本市では、本格的な少子高齢化、人口減少社会の到来に対応し、今後の豊かな住生活の実現に向けた居住性の確保や住生活の質の向上を図るため、山口市住生活基本計画を平成29年度に策定いたしまして、危険空き家の解体・除却や空き家の利活用の促進を重点プロジェクトとして位置づけているところでございます。このうち、空き家の利活用の促進につきましては、市内の宅建協会へのヒアリングを実施いたしまして、立地場所や築年数等による空き家の需要と供給、空き家の購入や賃貸の現状を把握いたしますとともに、先進自治体への視察により、空き家の利活用制度の研究を進めているところでございます。不動産業界や建築士会等の専門家と連携した空き家の所有者と利用者のマッチング制度や居住誘導区域内の空き家を購入した場合の補助制度等の他市における事例も参考にいたしながら、本市の特性に応じた、また施策と連動した新たな制度につきまして、今後検討してまいり、定住促進につながるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 次に、大項目イ、防災についてお伺いします。ことしも大雨等による災害が佐賀県、長崎県など、九州北部で発生しました。メディアによるインタビューで、被災地域の方々は、ここに五十数年住んでいるが初めての出来事、生まれてこの方初めて被災したなど、今までは災害が起きなかった地域、ここでは災害は発生しないだろうと思われていた地域で災害が起きているのが現状ではないでしょうか。それも毎年のように全国各地、至るところで発生しています。山口市も例外ではないと思いますが、山口市としてどのような対策を講じていかれるのか。また、市民に対しての防災意識の向上、啓蒙活動は十分だと思っていらっしゃいますか。私が耳にする限りでは、まだまだ行政依存型の市民の方が多くいらっしゃり、自分の命は自分で守る、そのために必要な準備・行動を理解しておられない方が多くいらっしゃるように感じます。市民に対しての防災意識向上に向けての取り組みと今後の展望をお聞かせください。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 防災についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、平成30年7月豪雨では、多くの自治体におきまして避難行動を促す情報が発信されましたが、必ずしも市民の皆様の避難行動に結びつかず、その結果、とうとい命が失われる事態となりました。その一方で、自分ではどの時点で避難すべきか判断ができなかったものの、隣近所の皆様の声かけにより避難行動に移し、命が救われたケースも多々ございまして、声をかけ合ってみんなで避難する、自助を補うための共助の重要性が再認識をされたところでございます。こうした状況を踏まえまして、平成31年3月に国の避難勧告等に関するガイドラインが見直され、これまでの、行政主導の取り組みを改善することにより防災対策を強化するという方向性が根本的に見直されまして、市民の皆様がみずからの命はみずからが守るという意識を持ってみずからの判断で避難行動をとり、行政はそれを全力で支援するという住民主体の取り組みを強化することで、防災意識の高い社会の構築を目指す報告がまとめられたところでございます。また、警戒レベル3、避難準備・高齢者等避難開始、警戒レベル4、避難勧告など、災害発生のおそれの高まりに応じて市民の皆様がとるべき行動を5段階に分け、市が発令する避難情報に警戒レベルを付すことで、気象情報と地方公共団体が発令する避難勧告等の避難情報が関連づけられたところでございます。議員お尋ねの本市におけるソフト面の防災対策についてでございますが、国のガイドラインの見直しに対応いたしまして、既に避難情報に警戒レベルを付して発令するなど、市民の皆様の避難行動につながるようにわかりやすい情報発信に努めているところでございまして、災害発生前後のあらゆる状況下において、全ての市民の皆様が情報を取得できるよう、防災メールや防災行政無線等、可能な限り複数の伝達手段をもって情報を発信することといたしております。現在進めておりますデジタル防災行政無線等整備事業の第3次整備におきましては、さまざまな方式による伝達手段についてさらに検討を進めているところでございまして、携帯電話をお持ちの方は防災メールによる情報配信、また普及が進んでおりますスマートフォンをお持ちの方は本市独自の防災アプリによる防災情報の取得、さらには防災行政無線情報を屋内で受信できる戸別受信機や御自宅の固定電話に防災情報をお知らせする方法など、スマートフォンや携帯電話等をお持ちでない方への対策も含めまして、基本設計の中で検討を重ねているところでございまして、全ての市民の皆様が何らかの形で情報を入手できる環境を強化してまいりたいと考えております。また、防災意識の向上に向けての取り組みにつきましては、まず災害が発生しやすい梅雨時期に合わせまして、本年6月16日から半月間、山口ケーブルビジョンの市の広報番組、発見!やまぐち「このまちに愛たい」におきまして、みずからの命はみずからが守るという意識と、そのために必要な準備・行動につきまして啓発を行ったところでございます。また、市報7月1日号におきましても防災特集記事を掲載いたしまして、市民の皆様が主体の防災意識の高い社会の構築につきまして広く紹介し、周知を図ったところでございます。さらに、現在、本市におきまして想定し得る最大規模の降雨量から算定されました洪水浸水想定区域を掲載した新たなハザードマップと防災情報をまとめた山口市防災ガイドブックを作成中でございます。ぜひ市民の皆様にはハザードマップを活用し、平時からお住まいの地域にどのような自然災害のリスクがあるのか、どこが危険な箇所なのかについて正確な情報を御確認いただきまして、避難情報が発令された際の適切な避難行動につなげていただきたいと思っております。こうした本市が主体となる取り組みに加えまして、地域コミュニティーにおける防災対策につきましては、国のガイドラインの見直しを踏まえまして、自分たちの地域は自分たちで守るという連帯感のもと、地域の方々が自発的にさまざまな防災活動を行われる自主防災組織につきましては、本市の防災対策上、共助の役割を担う重要な存在と認識いたしておりまして、本市ではこの自主防災組織の活性化を図るため、より高い知識と技術を持つ地域防災リーダーの育成を目的に、自主防災組織フォローアップ研修を毎年市内3カ所で実施いたしているところでございます。また、県と市が一体となって住民の自発的な避難行動を促進し、災害時における逃げおくれゼロの実現に向けて取り組みを進めております率先避難体制づくりに向けたモデル地域の選定につきましては、大内地域の自治会をモデル地域といたしたところでございまして、モデル地域から地域全体に逃げおくれゼロの実現に向けた取り組みが波及していくことを期待しているところでございます。こうしたさまざまな取り組みを進める中、今後の防災対策における重要な視点といたしましては、市民の皆様がそれぞれお住まいの場所における地域特性、住宅構造、家族構成なども違いがある一方で、避難勧告等は一定のまとまりを持った地域に発令されますことから、防災の視点からとるべき行動やそのタイミングなどが異なる場合もあり、市民の皆様が適切な避難行動や避難のタイミングを理解し、洪水や土砂災害など、災害の種別ごとにどのような避難行動をとればよいのかにつきまして再度御確認いただくことが、みずからの命を守る行動につながるものと認識いたしているところでございます。また、避難を迷っている隣近所の方へ避難スイッチを入れるには、一緒に逃げようという声かけが鍵となってまいりますことから、今後は地域における防災力を強化し、逃げおくれゼロを目指すため、避難を促す声かけ地域防災リーダーの育成を初めとした地域コミュニティーの観点からの避難行動の取り組みを進めてまいる所存でございます。本市は、地震災害が比較的少ないということから、市民の皆様の意識の中にも災害の少ないまちという印象はございますが、浸水、土砂災害、高潮など、リスクの高いものもございます。まずは、最も大切な命を守る観点から、逃げおくれゼロを目指し、隣近所に一緒に逃げようという声かけが広まり、防災意識が高まるよう啓発に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 防災について2回目の質問をさせていただきます。先ほどるる御説明がありまして、今、国全体、NHKを初めとしたメディアもとにかく最近災害等あるときに言っているのは、みずからの命を守る行動を起こしてくださいという話が大変多い。方向的には、今、本当にそういう状況になっているというふうに思っています。ただ、そういったことがまだまだ市民に伝わっていない状況というのが大変あるのではないかなというふうに思います。そういった中で、先ほど言われました梅雨時期にケーブルテレビを通じていろいろな広報をしたと、もしくは7月1日号の市報でそういったことも載せたというふうにおっしゃいましたけれども、実際今、ハザードマップとか、そういったものが新しいものができるまでの間、市報に載せても、市報って大変見にくいのですよね、文字が小さく。いろいろ見るのですけれども、その一部に載っていてもなかなか市民意識というのが上がってこない。できれば一つのペーパーとして全戸配布するぐらいの、それもできればカラー刷りで、要は市民の目にぽんと飛び込んでくるような、そういったものをつくって意識を高めていくというのが必要ではないのかなというふうに思いますけれども、その点について御見解をよろしくお願いします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 防災について2回目の御質問にお答えをさせていただきます。今年度の広報につきましては、平成31年3月にガイドラインが見直された後、災害の多い梅雨時期に備えて、それまでの間にその趣旨をしっかり伝えていこうという努力はいたしましたが、議員御指摘のとおり、それが本当に浸透したかというところではまだまだ不十分であろうというふうには感じております。今ハザードマップと防災情報を一体にしたガイドブックの作成を今進めているところでございますが、これはカラーで作成し、可能な限り見やすいハザードマップと防災情報を一体で整理したものを今年度中には全戸配布をいたしたいと思っておりますし、ちょうど2月か3月にそれが配れれば、その後のまた梅雨時期に向けても、さまざまな周知の機会を設けるタイミングとしてもいい機会かなというふうに思っておりますので、来年度の予算編成作業の中でもしっかりと検討させていただきたいと思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 防災について3回目の質問をさせていただきます。今お話がありましたハザードマップ、ガイドブック、そういったものを来年度の梅雨時期までに、今年度中にということで大変期待をしておりますし、またそういったものはお年寄りとかの方が見やすいというのも必要だと思うのですよね。文字の大きさとか、あとはそういうイラストとか、そういったものでしっかりと伝えるようなものをつくっていただきたいなと思います。期待をしております。それで、先ほど最初にお話があった、そういった携帯電話とか、デジタル行政無線とか、防災メールとか、いろいろな形で伝えてということも行政的にも一生懸命やっていらっしゃると思いますし、携帯電話等ではエリアメールとか、そういったものも入ってきて、伝わっては来るのですが、要は本来であれば市民一人一人がそういうのを待つのではなくて、自分で情報をとりにいくというのも必要なことの一つなのですよね。そういったこともしっかり訴えながらやっていただきたいのと、以前にもちょっとお話をしたのですが、デジタル行政無線、そういったものを今、市内あちこちにつくってはいらっしゃいますけれども、なかなか気密性の高い家の中に住んでいると聞こえない。それが全てだというふうには思っていませんけれども、そういった中で、以前お話ししたのが、そういったものの上に赤色灯、回転灯とかをつけて、要はそういったものが発しているときには回転灯が回っていれば、夜なんかでも光というものが見えることによって、何か言っているのではないかという意識も高まってくると思うのです。そういったことを以前にもちょっと御提案をさせてもらったこともあるのですけれども、そういったことについて、要は市民がみずから情報をとりにいかなければならないのではあるが、行政としてどれだけ多くの情報を市民に伝えていこうという意識、その辺についての御見解をお聞かせください。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 防災についての3回目の御質問にお答えをいたします。まず、市民の皆様がどういうふうに積極的に情報をとりにいくという意識を持っていただくかということと、その行動に移るためのきっかけとなるような対策、先ほど議員から御案内がありましたサイレンに赤色灯をつけて、何を言っているかははっきり聞こえなくても、赤色灯が回っているということは情報をとりにいったほうがいいタイミングなのだなというような方法というのも、非常に重要な方法であろうというふうには考えております。今まさにデジタル防災行政無線の3次整備事業の基本設計を行っているさなかでございます。ハード整備だけでなく、そういったツールの使い方の想定もしっかりいたしまして、議員御指摘の内容について少しでもその環境が整うよう、さらに検討を進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 続いて、大項目ウ、総合浸水対策についてお伺いいたします。防災・減災に絡めて、総合浸水対策についてお尋ねをするのですが、質問の前に、昨年度の事業で仁保川流域の取水ゲートの整備についてのお礼ですが、ことしの大雨において、全てのゲートが整備されたことにより、目に見えて大内地区の内水の量が少なく、日ごろからすぐに道路が冠水する水路においても、そうした被害が出なかったことについては高く評価したいと思いますし、お礼を申し上げたいと思います。総合浸水対策を行ってきた4年半を振り返って、事業の評価・検証を行い、今後のさまざまな対策に生かしていくべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山田上下水道局長。              〔上下水道局長 山田喜一郎君登壇〕 ◯ 上下水道局長(山田喜一郎君) 総合浸水対策についてお答えを申し上げます。御案内のとおり、近年、雨水対策施設の能力を大きく上回る集中豪雨が増加するとともに、都市化の進展に伴い、雨水流出量も増大傾向にあり、従来型の流すための施設を中心としたハード対策だけでは対処できない状況となっております。本市におきましては、豪雨災害による市民生活や社会経済活動への浸水被害の軽減を図るため、山口市総合浸水対策計画を平成27年2月に策定いたし、ハード・ソフトを含めた、さまざまな手法を効果的に組み合わせますとともに、市民、事業者、行政が相互に連携し、浸水対策に取り組んできたところでございます。このうち、ハード整備につきましては、雨水排水路の整備や雨水貯留施設の設置、取水ゲートや転倒堰といった各種ゲート整備など、各地区の地形や水路形態等、実情に応じた浸水対策を行ってきたところでございます。大内地区におきましては、農業用水を仁保川から取水し、問田川に排水する水路形態であり、この水路は雨水排水路も兼ねておりますことから、大雨時には上流部の仁保川からの流入を防ぐことが浸水対策において効果的であると考え、12カ所ございます全ての取水ゲートの改良を行い、水をとめる機能を高めますとともに、大雨時や夜間においても安全にゲートの開閉が可能となるよう、電動化の整備をあわせて進めてまいったところでございます。また、地元水利関係者の皆様方におかれましては、浸水被害の軽減という整備趣旨を御理解いただき、気象予報を踏まえ、早目に取水ゲートの操作を行ってくださるなど、これまで以上の維持管理に取り組んでいただいておりまして、こういったことが、今、議員からも御紹介いただきましたような地区の浸水被害の軽減につながったものと考えております。浸水対策事業の評価・検証を今後の対策にどう生かすのかというお尋ねでございますが、現在は大雨の際に各種浸水対策施設の稼働状況の確認や周辺の浸水状況の調査、降雨状況などのデータ収集を行っているところでございます。今後はこれら収集したデータの分析や関係者への聞き取りを行いまして、事業の客観的な評価と総合的な検証をいたしてまいりたいと考えております。これらの検証結果を踏まえ、効果的な事業手法の選定や改善が必要な事業や箇所の絞り込みなど、今後の浸水対策事業の検討に活用いたしますとともに、ハード整備の取り組み状況や事業効果につきまして、市民の皆様への周知にも努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 瀧川勉議員。               〔22番 瀧川 勉議員登壇〕 ◯ 22番 瀧川 勉議員 最後に、大項目エ、農業施策についてお伺いします。毎年のように担い手が減少し、耕作放棄地がふえていく現状の中、今のままの進め方・方針で山口の農業を守っていくことができるのでしょうか。もうかる農業が一番ではありますが、そこそこ生活ができるぐらいでやりがいを感じることのできるような農業、地域での自給率向上を推進していけるような農業をしっかりと考えていかなければ、農業という産業がなくなっていくのではないでしょうか。そうした思いをしっかりと考えていただけるような、未来に向けての農業施策は考えていけないものでしょうか、お尋ねします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 農業施策についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、農業を取り巻く環境は担い手の不在や農業従事者の高齢化による耕作面積の減少、食生活の多様化などによりまして、農業の基幹的作物でございます米の消費が減退し、生産者にとりましては非常に厳しい状況が続いているところでございます。こうした中、本市の農業の現状につきましては、市内の全農業経営体数3,922経営体のうち、3,771経営体が経営面積5ヘクタール未満のいわゆる小規模農家・家族農家の皆様が全体の約9割を占めているところでございます。農業就業者の年齢構造を見てみますと、中核的な労働力でございます15歳から64歳までの生産年齢人口は全体の約23%となっており、平均年齢も69.7歳と、全国平均よりも高い水準で推移しているところでございまして、担い手の高齢化、後継者不足という課題に直面しているところでございます。また、耕地面積につきましては、担い手不足を背景といたしまして、市全域で9,219ヘクタールでございますが、このうち1,080ヘクタール、約12%が耕作放棄地となっているところでございます。こうした現状を踏まえ、本市におきましては、山口市食料・農業・農村振興プランに掲げる持続可能な農業への仕組みづくりに向けまして、現在、農業を営まれている皆様の生産意欲の向上を図り、生産量の増大や農業所得の向上につながる仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。中でも、小規模農家・家族農家の皆様に対しましては、主食用米から加工米・業務用米への転換や、水稲から園芸作物への作付転換、また専門性を有する民間事業者と連携、協働することによる高付加価値や6次産業化、さらには集落営農法人や農業法人との連携による効率化と低コスト化など、さまざまな施策を推進しているところでございます。また、こうした取り組みに加えまして、ドローンでの農薬散布や無人草刈り機の導入、情報通信技術を使ったモニタリング装置の設置といったスマート農業の導入も、現在、積極的に推進しているところでございまして、農家の皆様の培ってこられました経験と知見に基づいた農業からデータに基づいた農業への転換は、新規就農者の確保や栽培技術力の継承等が期待できますことからも、農業が抱える諸課題を解決する上で極めて重要になるものと考えているところでございます。いずれにいたしましても、本市の基幹産業でございます農業の振興は、地域の経済発展、特に農村部における活力と地域コミュニティーの創出において大変重要な役割を担っていると考えているところでございますことから、これまでに申し上げましたさまざまな施策を積極的に推進することによりまして、全ての農家の皆様の所得が増加し、若者が就農を希望する夢のある産業に変えていく必要があると考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、瀧川勉議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  7番、野村雄太郎議員。                〔7番 野村雄太郎員登壇〕 ◯ 7番 野村雄太郎議員 市民クラブの野村雄太郎です。通告に従いまして、大項目2点についてお伺いいたします。  まず、大項目のア、多世代交流・健康増進拠点施設について、中項目2点お伺いします。当該施設に関しては、本議会でも同僚議員からさまざまな見地からの質問があり、市長からは当該施設の公共サービスの提供への考え方についてもお伺いしたところではありますが、私なりの視点で改めてお伺いします。前回の6月議会の一般質問では、主に経営的視点からお尋ねいたしました。また、その前の3月議会の討論では、当該施設整備において懸念すべきことを数点言及させていただいたところですが、私としては懸念していたとおりに進んでいるという印象が拭えませんので、改めて質問をさせていただきます。まず、中項目の1点目、公共サービスとしての必要性についてお伺いします。6月議会の答弁で、当該施設が目指す姿は温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点とされています。このたびの議会でも同様の答弁がされています。豊かな暮らしは誰もが求めるものだと思いますが、公共サービスの質の高まりを理由に、公共で温泉施設を整備することが本当に市民の豊かな暮らしにつながるのか、理解ができないのが正直なところです。公共として違うアプローチがあるのではないかと思っているところでもあります。ここで、会派で視察に行きました長野県須坂市の須坂温泉について御紹介させていただきます。これは、いわゆる先進事例ではなく、温泉施設をつくってしまったがために後に大変困ってしまったという事例です。須坂市では、今から50年以上前に、当時市内に民間を含めて温泉が一つもなかったために、市民要望を結集した形で、市民が気軽に利用できる憩いの場と観光開発を目的として、須坂温泉古城荘を整備し、第三セクターである須坂温泉株式会社に運営を任され、営業を開始されたとのことでした。須坂市内に温泉がなかったという点は、湯田温泉の状況とは異なりますが、市民利用と観光開発を目的とした施設整備を行政がリードされて行われたという点では、重なる部分も多いと感じたところです。須坂温泉の経営は近年では赤字が続き、当初「この町にも温泉を」と言っていた市民からも、「なぜ温泉なんかに手を出したんだ」と言われるようになっていったそうで、それ以降、民間経営力の活用を図られ、コンサルタントによる収益向上の提案や宿泊業経験者の採用など、収益を出すための取り組みを行ったが、残念ながら効果がなかったとのことでした。現時点での経営状況では、「今後の見通しは非常に厳しい、延命措置と言わざるを得ない」との話もされておられました。また、「温泉という施設は、その性質上、維持管理費が膨大になる、一度建てたら撤退も難しい、ノウハウがない行政がかかわるべきものではない」とも言われておりました。現に、須坂温泉株式会社の事業全部を温泉経営にノウハウを持つ新会社、株式会社古城荘に平成29年9月から賃貸されています。そこでお伺いします。須坂市が施設整備に踏み切られたのは今から50年以上前ですから、自宅にお風呂のない家庭もあったかもしれませんし、市内に一つも温泉がなかったということで市民ニーズが高かったということが整備の後押しになったと考えられます。山口市では、市内に民間を含め、たくさん温泉がある中で、また自宅にお風呂があるのが当たり前となった今の時代に、行政が新たに温泉施設を整備し、公共サービスとして提供する必要性をどうしても感じることができないのですが、市の御所見をお伺いします。平成30年代に整備された須坂市でさえ、行政が直接ではなく、第三セクターに整備・運営を任され、そして現在ではノウハウを持つ民間事業者に運営を任されており、ノウハウを持たない行政は後方支援に努めておられます。次に、中項目の2)行政が取り組むべき根拠についてお伺いします。まず、小項目の1点目、市民利用度についてお伺いします。現在、月に1回以上湯田温泉を利用される市民の方が13%しかおられない状況であるために、温泉施設を整備して、広く市民の方に来ていただき、湯田温泉や山口への愛着につなげていくとのことですが、施設を整備したことで、そこに需要が生まれ、市民利用がふえるという箱物行政的な考え方に疑問を感じているところです。私は、この13%という数字には、施設整備の市民ニーズがもともとないと考えており、その数字を向上させる意味を感じておりません。あわせて、湯田温泉には既に民間の温泉施設が多くあることは周知の事実であり、そうした既存の民間施設との連携や活用をまずは優先することで、これまでの観光利用に加えて、市民利用を高める取り組みも十分可能であると考えます。こうした状況の中、なぜ行政が新たな施設整備に着手するのか、その根拠についてお伺いします。最後に、小項目の2点目、コンセプトについてお伺いします。基本計画策定体制を見ますと、策定支援事業者、市民ワークショップなど、非常に多くの人の意見や提案を聞き、取り入れようとされていることがわかります。前回の議会でも申し上げましたが、こうしたさまざまな関係者の思惑が交錯してしまうと、コンセプトが中途半端な施設になりがちと考えています。行政が主体となる以上、公平・公正の点で、特定の誰かの思いや意見だけを優先することができないことは明白ですし、さまざまな意見を政治的配慮などを理由にいろいろ詰め込んでしまうとコンセプトがぶれてしまい、結局は何のための施設なのか、わからなくなってしまうということになりかねないと考えます。コンセプトがぶれることで、最悪の場合、交流も観光も生まれない施設、生まれるのは維持管理費だけという市民にとって笑うに笑えない施設は全国的にもたくさんあると思っており、最近では、公が整備した保養施設等の閉鎖や払い下げは社会問題にもなっています。あくまで最悪のシナリオではありますが、そうならないためにも過去に学ぶべきだと考えます。こうした事業は明確な目的とターゲットを決めなければ成功はしないと思いますが、先ほど申し上げたような理由から、さまざまなしがらみのある行政には難しいのではないでしょうか。……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………そこでお伺いしますが、さまざまな意見を集約せざるを得ない行政が主体的に取り組むことで、コンセプトのぶれも懸念される中、行政が取り組む根拠について、市の御所見をお伺いします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 野村議員の多世代交流・健康増進拠点施設についての御質問にお答えをいたします。まず、公共サービスとしての必要性についてでございますが、御案内のとおり、本年3月に策定をいたしました拠点施設の整備基本構想におきましては、本施設が目指す姿を温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点といたしておりまして、市民の皆様の豊かな暮らしを支え、生活の質を高めるため、全国的にも珍しい都市型温泉地としての湯田温泉の優位性と、住宅地エリアと温泉街エリアの双方に接しております整備予定地の立地特性を生かしますことで、温浴機能を含めました質の高い施設や空間を創造することといたしております。そして、本施設の整備によりまして、市民温泉を初め、市民の皆様の健康増進につながる機能や、湯田温泉の歴史や文化、風土に根差しました魅力的な空間を提供いたしまして、子供から高齢者までの幅広い世代の市民の皆様が集い、触れ合い、快適に過ごされますなど、市民の皆様の暮らしの質を高め、そしてふるさと山口への誇りや愛着を醸成することにもつなげていくことを目指しているものでございます。また、温泉文化などに親しまれる市民の皆様の姿や生活様式に、市外・県外の皆様が引きつけられることによりまして、湯田地域や山口都市核への移住定住の促進のほか、交流人口の増加によります温泉街や山口都市核への経済波及効果、そして小郡都市核を初め、市内外からの誘客を生み出していくといった広域観光拠点としての湯田温泉の新たな魅力づくりにもつなげてまいりたいと考えているところでございます。こうした中で、温浴機能につきましては、人生100年時代の到来でありますとか、近年の健康志向の高まりを背景に、現在、60歳以上の皆様を対象といたしております山口市老人憩の家寿泉荘の温浴機能を更新する形で、あらゆる世代の皆様が利用できる市民温泉を整備することといたしておりまして、湯田温泉という本市が誇るべき貴重な地域資源の活用を広げ、高齢者には日々の健康づくりや憩いの場として、子育て世代や若者には癒しやリフレッシュの場として、そして子供たちにはふるさとへ親しみを深める場として、広く市民の皆様に健康で潤いのある暮らしを提供するためのものでございます。家庭のお風呂では味わえないリラックス効果や交流などにつきましては、現在も寿泉荘という形で提供をしております公共サービスでございますし、こうしたことに加えまして、健康などさまざまな機能をあらゆる世代の皆様に提供いたしますことは、より多くの市民の皆様の暮らしを向上させることにもつながる公共サービスと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。次に、行政が取り組むべき根拠についてでございます。御案内のとおり、湯田地域への市民温泉の整備につきましては、かねてより多くの市民の皆様から御要望や御提案をいただいてきたところでございます。具体的に申し上げますと、平成24年3月には、湯田地区町内会連合会の皆様から、大殿・白石・吉敷・平川・大歳地域の五つの連合町内会の支持表明書を添えられる形で、市民の誰もが気軽に、末永く愛用できる良質な大衆温泉浴場の建設に関する御要望をいただいております。また、湯田地域の宿泊や飲食の事業者を初め、経済団体や地域団体などで構成されます湯田温泉まちづくり協議会の皆様が平成24年度に策定をされました2030年の湯田温泉街を想定した長期計画に位置づけられる形で、健康増進を目的とした地元の人々が生活の場として使えるような温浴施設の建設についての御提案をいただいております。さらに平成25年11月には、湯田温泉女性部を中心に500名を超える市内在住の女性の皆様から、市民も観光客も気軽に、楽しく、安価に利用できる入浴施設の建設についての御要望、そして平成30年8月には、湯田地区コミュニティ運営協議会の皆様から、市内外の方々の利用促進のための大浴場を建設するよう申し入れをいただいたところでございます。また、観光経済新聞社が発表をされておりますにっぽんの温泉100選の中で、見どころや体験の充実度などを評価したランキングにおいて上位を占める全国的に有名な多くの温泉地につきましては、民間の日帰り入浴施設や宿泊事業者が開放している内湯などの温浴施設とともに、市民が気軽に利用できる公共の温浴施設が整備をされておりまして、こうした官民一体の取り組みによります相乗効果のもとで、観光客だけではなく、広く市民の皆様に親しまれる、魅力ある温泉地づくりが進められているところでございます。本市といたしましては、こうした地域の皆様の御要望や全国的な取り組みなどを初め、第二次山口市総合計画の前期基本計画を踏まえまして、老人憩の家寿泉荘の温浴機能を生かし、多世代型の温浴機能として更新することによりまして、子供のころから湯田温泉の恵みを享受し、温泉文化をはぐくむことができる市民温泉を整備することといたしております。そして、多くの市民の皆様にこの市民温泉を利用していただく中で、湯田温泉への愛着やまちへのかかわりを高めていただくことによりまして、民間施設を含めました湯田温泉の市民利用を促進してまいりますとともに、温泉街や山口都市核への経済波及効果も生み出してまいりたいと考えているところでございます。次に、この拠点施設のコンセプトにつきましては、御案内のとおり、基本構想において温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点といたしているところでございます。この基本構想の考え方のもと、拠点施設におきましては、市民温泉を中心に、多くの市民の皆様が集い、憩い、触れ合うなど、身近に温泉のある湯田地域にふさわしい、心身ともに健康な暮らしを実感できる空間のほか、市内外の人々を引きつける広域観光拠点としての湯田温泉の新たな魅力につながる空間を整備してまいりたいと考えております。こうした中で、拠点施設に導入する具体的な機能や事業展開などにつきましては、現在、基本計画の策定支援事業者と連携をする形で、湯田温泉の宿泊・飲食事業者を初め、経済団体や地域団体など、関係団体への皆様へのヒアリングを進めておりますほか、今後は公募によります市民ワークショップを今月下旬から実施をいたしまして、市民の皆様の多様な御意見にしっかりと耳を傾けながら、建築技術の専門的な知見も踏まえまして、検討することといたしております。なお、施設の名称につきましても、今後、施設の供用開始前に定めることとなります施設の設置及び管理条例の中で決定することとなります。また、これから拠点施設に導入する機能などが明らかになりました段階で、市民の皆様の御意見などもお伺いしながら、施設の役割がわかりやすい名称などにつきましても改めて検討してまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、本施設の整備を契機といたしまして、多くの交流人口でにぎわう湯田温泉エリアが市民の皆様の健康で潤いのある生活空間としての価値も高め、市外、県外の皆様を引きつけることで、さらなる定住や交流につながる、住んでよし、訪れてよしの湯田温泉のまちづくりを着実に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野村雄太郎議員。               〔7番 野村雄太郎議員登壇〕 ◯ 7番 野村雄太郎議員 中項目の1)公共サービスとしての必要性について2回目の質問をさせていただきます。先ほどの御答弁では公共サービスとして必要であると。そのため、市が施設整備を行う方針で、それを基本にこれから議論は進んでいくということになるのだと受けとめさせていただきました。それでは、市が整備された後のノウハウが最も必要と考える当該施設の運営の主体についてはどのように考えておられるのか、お伺いします。  以上で、2回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 多世代交流・健康増進拠点施設の公共サービスとしての必要性の2回目の御質問でございます。本施設の運営主体の御質問でございましたけれども、現在の寿泉荘につきましても指定管理者制度で運用されているところでございまして、本施設につきましても、それに加えて健康などの機能も提供するような複合施設になるのであれば、そういった民間のノウハウなどが生かせるような指定管理者制度の導入というのが見込まれてくるのかなというふうに考えております。そういうことになりますと、基本的には先ほども名称のところで申し上げました、施設の設置及び管理条例の中で指定管理者制度が導入できるような条例にいたしまして、そこから運営主体の指定管理者の選定を進めていくような形になると思います。ただ、いずれにいたしましても、今の状況でそれがどうのこうのというところではございませんで、今のこの施設がどんなサービスを提供していくのか、そこについて今、しっかりと市民の皆様の声を聞きながら検討してまいりますので、そこが固まってきた段階でそのサービスを提供するにふさわしい民間事業者の姿もまた見えてこようと思いますので、まずは今、提供するそのサービスの内容をしっかりと検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野村雄太郎議員。               〔7番 野村雄太郎議員登壇〕 ◯ 7番 野村雄太郎議員 次に、大項目のイ、教育行政について、中項目3点お伺いします。まず、中項目の1点目、特別支援学級の現状と課題についてお伺いします。最近では、発達障がいを持つ子供の話題がよくマスコミなどでも取り上げられるようになってきていると感じております。発達障がいのタイプには、学習障がい、自閉症、アスペルガー、注意欠如、多動性など、さまざまな形態があり、いろいろな特性を持った子供がいます。通常の学級でも、30人クラスに二、三人は発達障がいの傾向があるという調査結果もありますが、市内の小学校の教員にお話を伺ったところ、体感的にはもう少し多いように感じると言われておられました。発達障がいは、早目に診断を受けて、それに合った対応をきちんとすることで社会生活にかなり適応できるそうです。一方で、発達障がいの子供を持つ保護者は、その事実を受け入れられない現状があるとも聞き及んでおります。発達障がいは先天的な症状であり、病気ではありません。決して、しつけ不足や愛情不足、育て方の問題ではないのですが、まだまだ理解が進んでいないのか、そうした偏見や誤解に苦しむことが多い現状があるようです。また、受け入れることができたとしても、通常の学級と特別支援学級のどちらに在籍させるべきか悩まれるケースもあると聞き及んでおります。その障がいの程度については学校の教職員にもわかりにくいのではないかと考えます。そこでお伺いします。保護者と学校、医療機関が連携して、子供を見る体制づくりが大変重要だと思いますが、本市において、その連携、また通常の学級から特別支援学級への在籍変更の手続について、現状と課題をどのように認識されているのか、お伺いいたします。次に、中項目の2点目、合理的配慮についてお伺いします。2016年に施行された障害者差別解消法によって、発達障がいがある子供がほかの子と平等に暮らしていけるよう、学校においても合理的配慮が義務づけされました。しかしながら、実際には適切な支援がなく、不登校に陥る子供もいると言われています。これは、まだまだ学校において合理的配慮の理解が進んでいないのが原因ではないかと考えます。子供がうまく学べない場合、決して子供が悪いのではなく、その指導や支援を積極的に変えていくことが教育には求められると思います。全ての子供たちが居心地のよい学級であったり、授業が楽しい、わかりやすいと感じてくれることが大事ではないでしょうか。発達障がいのある子供の教育に本格的に取り組むことが教育全体の底上げにつながるのではないかと考えます。そこで、お伺いします。発達障がいのある子供への合理的配慮の徹底について、教育委員会と学校においてどのように取り組まれているのかお伺いします。最後に、中項目の3)認知機能強化トレーニングの導入についてお伺いします。認知機能とは、記憶、知覚、注意、言語理解、判断、推理などの要素が含まれた機能とのことです。簡単に言えば、見る、聞く、想像するなどの力のことで、子供たちが学校や社会で困らないためにも、もっと言えば人がよりよく生きるための全ての行動の基盤となる機能です。この認知機能が弱いと、落ち着きがない、すぐに切れる、勉強が苦手、対人関係でトラブルになりやすいなど、勉強や運動はもとより、日常生活にも支障を来しやすいと考えられております。一方で、こうしたことに対する現在の指導の主流は対処療法的な心理面・行動面でのアプローチが中心となっているようですが、その効果については疑問の声もあるようです。ここで、今まで申し上げたような認知機能の向上に効果がある取り組みの一例として、コグトレを御紹介させていただきます。コグトレとは、現在、立命館大学の教授である宮口先生が、もともと精神科ドクターとして少年院に勤務されていたときに開発された認知機能を上げるためのトレーニングのことです。宮口先生によると、障がいを持っているといえば、本来は学校で守らなければならない存在ですが、その子たちが障がいに気づかれず、支援されず、挫折し、結局、非行化してしまうケースが多いとのことです。少年鑑別所で初めて障がいがあったということに気づかされるという現実があり、まさに被害者が被害者をつくっているという、最悪なケースが起こっています。子供の非行のきっかけは勉強がわからなくなったことが多いようで、生きづらさや問題を抱えた子供たちがたくさんいたそうです。そうした状況を見て、子供たちを被害者にも加害者にもしないとの思いから、コグトレという認知能力を上げるトレーニングを開始されたようです。非行少年に共通していたことは、簡単な足し算も引き算もできない、漢字が読めない、図形を写せないなど、認知能力が低いことだったようで、認知が弱いから、いけないとわかっていても行動にブレーキがかからず、同じ非行を繰り返したりしてしまうそうです。逆に言えば、正しい認知ができて初めて自分のしたことが自覚できるということでもあります。コグトレでは、根本療法的な機能的アプローチがとられていて、社会面として対人スキルの向上、学習面として基礎学力の土台づくり、身体面として不器用さの改善という、3方面から子供を支援する包括的プログラムになっています。たった週2回、1回80分、わずか4カ月のトレーニングでIQが20もアップしたとの効果もあったそうで、IQが20もアップしたら顔つきまで変わり、別人のようになったそうです。このように、もともとコグトレの核は、発達障がいや知的障がいを持った非行少年のために考えられたものだったのですが、一般の小・中学校でも多くの子供たちが同じようなところでつまづき、生きづらさを感じていることがわかり、また学校教育現場で、先生方が頭を抱える子供の特徴が非行少年たちの特徴と共通していることが多いことに気づかれたとのことでした。学校の先生方からもコグトレへの興味や要望が強まり、取り入れる先生や学校もふえ、現在、少しずつ広まってきているとの声も聞きます。これまで、発達障がいを絡めてお話させていただきましたが、現在の学校教育では教科教育が中心となっており、生きる上での土台となる認知機能が弱いゆえに、勉強のみならず、対人関係もうまくいかず、苦しんでいる子供たちは見逃されていたり、置き去りになっている現状があるのではないでしょうか。もちろん、勉強ができるに越したことはありません。しかし、私としては社会性こそが教育の、特に集団教育においては、最終目標なのではないかと考えているところです。社会性があれば勉強ができなくても何とか生きていけますが、勉強だけできても社会性に問題があれば社会でうまく生きていけないばかりか、犯罪につながる可能性もあるからです。そこでお伺いします。本市の将来を担う大切な存在である子供たちを学校や社会が支援をし、守っていくために、コグトレなどのトレーニングを教育現場に取り入れる必要があると考えますが、市の御所見をお伺いします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本教育部長。               〔教育部長 藤本浩充君登壇〕 ◯ 教育部長(藤本浩充君) 教育行政についての御質問にお答えいたします。まず、特別支援学級の現状と課題についてでございます。本市では、通常学級から特別支援学級への在籍変更を検討する場合におきましては、まず、校長や特別支援教育校内コーディネーター等を委員とする校内教育支援委員会で協議することといたしております。協議に当たりましては、保護者と学校とが慎重に話し合いを進め、児童生徒の対応について合意形成を図っているところでございます。教育委員会におきましては、各学校から提出された在籍変更の希望について、医師、学識経験者等を委員とする山口市教育支援委員会で審議し、適切な支援のあり方や適正な在籍学級について判定することといたしており、この判定をもとに再度、保護者との合意形成を行うことといたしておりますが、判定に際しましては専門機関の検査結果や診断書が必要となっており、審議までに時間がかかる場合が見受けられます。教育委員会といたしましては、学校と保護者との連携の重要性に加え、長期的な視点に立った早期からの専門機関との連携の必要性につきましても、校長会や研修会等においてより一層指導してまいりたいと考えております。次に、合理的配慮についてでございます。御案内のとおり、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行され、学校において合理的配慮の提供が法的に義務づけられたところでございます。合理的配慮とは、障がいのある子供が平等に教育を受ける権利を確保するために、学校の設置者及び学校が行う必要かつ適当な変更及び調整、障がいのある子供たちに対し、その状況に応じて個別に必要とされるもので、かつ均衡を失した、または過度の負担を課さないものとされております。本市におきましては、山口市における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領及びその留意事項を策定し、校長会、特別支援教育担当教員の研修会などを活用いたし、各小・中学校及び幼稚園に対し、その対応についての周知を図っているところでございます。本市の学校における合理的配慮の取り組みといたしましては、視覚的には黒板全面の掲示物を取り除いたり、聴覚的には机や椅子の脚にテニスボールを取りつけ、雑音を軽減したりすることにより、授業に集中しやすい環境づくりに努めております。また、授業の中で積極的に電子黒板やタブレット端末等を活用して、視覚的な情報を提示することで、子供たちの興味・関心を引きつけるなど、さまざまな工夫により、理解の促進を図っているところでございます。これら合理的配慮の取り組みにつきましては、本人及び保護者と学校とが常日ごろからコミュニケーションを重ね、合意形成を得ながら進めていくことが重要との認識のもと、今後も全ての子供たちにとって、わかりやすく、学びやすい環境づくり、授業づくり、そして安心感や達成感のある学校づくりを目指し、取り組みを進めてまいりたいと存じます。次に、認知機能強化トレーニングの導入についてでございます。議員御案内の認知機能強化トレーニングは、記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断といった認知機能の強化を目的としたトレーニングでございます。基礎学力の土台となる、覚える、数える、写すといった力を伸ばすことができるといったことが注目されており、市内の学校におきましても、特別支援学級や通級指導教室で、見たり、聞いたりする力を伸ばすために、この認知機能強化トレーニングを活用している学校もございます。また、認知機能の強化トレーニングに限らず、目の諸機能を鍛えることによって脳を活性化させ、集中力や情報処理能力などを高めていくためのビジョントレーニング、自分の思いを正確に伝え、対人関係を円滑にしていくためのソーシャルスキルトレーニングなど、市内の学校においてもさまざまな取り組みがなされております。教育委員会といたしましては、今後、研修会等においてこれらの活用事例について情報提供を行い、児童生徒一人一人の発達に応じた指導に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、野村雄太郎議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  午後1時まで休憩いたします。                  午前11時59分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時00分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  14番、山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 公明党の山本敏昭でございます。今回も大項目について3点お尋ねさせていただきます。執行部の皆様方の明快な御答弁、どうかよろしくお願い申し上げます。  最初に、大項目のア、うつ病対策についてお伺いいたします。このうつ病について一般質問で取り上げるのは久しぶりのことで、前回は公明党の先輩議員が約7年前に取り上げて以来のことではないかと思います。その当時は自殺者が全国で3万人前後で推移していたころで、その原因の一つにうつ病が挙げられており、山口市においても心の健康づくり対策の推進を目指し、ゲートキーパーの育成や広報の充実を推進する旨の議会答弁があったようです。その後、経済の好循環など社会情勢の変化などにより少しずつ自殺者も減少し、うつ病に対する認識も若干変化の兆しが見られるようになりました。従来は怠け病という偏見が少なからず蔓延し、ともすれば発症者をバッシングするような風潮がありましたが、近年ではうつ病が深刻な心の病であること、周囲の理解なくして寛解が図られることがない病であること、さらに、長期にわたる加療が必要であり、その間に命を絶つ危険性を常にはらんでいることが知られてきました。同時に、その御家族の御心痛、御苦労もさまざまな媒体で語られることにより周囲の理解も広がりつつあります。先日、数人のうつ病の方から直接お話を聞く機会があり、その際に最も心に刺さったのが、うつ病は死ぬ病という言葉でした。死に至る病というのは、さまざまな疾病で使われることがありますが、うつ病においては死そのものが目的となることが多く、その引き金は周囲の何げない言葉や自分の思い込みである場合もあり、いつ・どこで・なぜという要因全てに死が直結しており、死ぬ病という表現はこの病気の本質を突いたものではないかと思います。一昨年、警察庁が発表した自殺統計において、全国で1年に約2万人強、本年の7月までの速報値では1万2,000人の方が全国で命を絶っています。自殺の直接原因は多岐にわたりますが、約25%はいわゆるうつ病を初めとした気分障害であり、この割合はここ数年大きな変化は起きていません。一方で、従来うつ病の発症例が少ないとされていた10代前半での発症、逆に高齢者の重症化も指摘されており、行政を含め周囲の継続的な関与とさらに幅広い理解が求められているものです。他の疾病と同じくうつ病においても早期治療により寛解状態に移行できる確率は大きく上昇し、日常生活を問題なく送れることもできるようになります。逆に、初期段階で方向性を誤り、適切な治療が行われなかった場合、自傷・自殺行為へ移行する危険性が極めて高くなり、近年は若年層においてひきこもり状態でのうつ病が発症するケースが増加しており、コミュニケーション対象の限定による症状把握のおくれが重症化を加速するとともに、自殺や他人への暴力行為へと転化するケースが見られます。山口市において、うつ病対策の一環としてゲートキーパー養成講座の実施など、国・県の施策と連動して取り組みを実施されていると思いますが、実際に当事者の方々が気にされているのが情報難民になることとお聞きいたしました。特に、医療機関に受診した際、行政や民間での支援事業について説明をしてくれるお医者さんと、医療行為中心の説明に終始するお医者さんとの違いがあり、セカンドオピニオンで別の医者にかかって初めて周囲の助けがあることを知ったという方は意外と多いようです。うつ病中等症以上の方では他人とのコミュニケーションが困難な場合が見られ、周囲の支援体制や支援情報を受け取る機会が限定される可能性があります。そのような方々にとって外出が求められる数少ない機会が治療のための通院であります。担当医は患者さんの現状を最も正確に把握されている方であり、情報さえあれば行政やサポート団体との適切な橋渡しができる数少ない存在であります。医療機関に本来の医療行為とは違った面で画一的な協力を求めることは難しいのかもしれませんが、例えば症状に合わせた冊子の提供や相談機関の窓口紹介などで、周囲のサポート体制を知っていただくなどの連携体制を構築することは、御本人や御家族の安心につながると思いますが、担当部局のお考えはいかがでしょうか。中項目の2つ目は、うつ病を初めとしたひきこもりの現状把握という点であります。現在、山口市内ではおよそ1,000名の方がひきこもり状態にあると言われています。要因はさまざまで、今回取り上げさせていただきましたうつ病も大きなウエートを占めていますし、社会の景況による失業、対人環境の複雑化、子供たちにはいじめ、あるいはそれに伴う登校拒否などもあるでしょう。現在、市内ではNPO法人などでひきこもりの方々を支援する取り組みが進んでおり、公開講座の開催や個人・家族の相談受付など、積極的な活動を続けておられます。先日、公明党でひきこもりについて学習する機会があり、内閣府が平成30年度に実施した生活状況に関する調査をもとに、就労・社会参加、支援プランなどについて自治体の取り組みを進める必要性のある事例を学ぶことができました。その中で、ひきこもり状態にある方々への訪問実態調査の実施という項がありました。本年8月2日の時点で一般市・区においてひきこもりが想定される方へアウトリーチでの実態調査が実施されているのは全体の8%程度という調査結果が出ています。このような訪問調査は時間と手間がかかり、この場で提案すれば執行部の皆様方が苦笑いすることは十分承知しておりますけれども、直接お会いして初めて知り得る情報は決して少なくありません。例えば、その方の就労意欲や特技・能力など、自宅の中で埋もれさせてしまうには余りにも惜しい、そういった能力は決して少なくありません。それらの技能を発揮する場の提供までつなぐことができれば、その方の社会復帰の大きな一歩であるとともに、山口市を支えていただく人材のカムバックといううれしいお知らせにもなります。もしかすると障がい者雇用施策の面での打開策が見えてくるかもしれません。あわせて、うつ病を発症されている方についても状況をリアルに把握し、今後の施策展開を的確に進める一助とされることも可能ではないかと考えますが、訪問調査の実施に向けた執行部のお考えはいかがでしょうか。次に、中項目の3)として、学校現場での対応についてお伺いいたします。先ほども申しましたが、最近の傾向としてうつ病発症の低年齢化は、うつ病の理解が進むとともに顕在化し始めている状況です。これまで単純にひきこもりや反抗期、思春期の不安定な感情などと同一視されることが多かったうつ病ですが、発症が認められても病気だと思いたくない周囲の期待から、子供に無理を押しつけ重症化し、最悪の場合、自殺や暴力行為へ発展してしまう場合もあります。他者とのコミュニケーションに抵抗を感じるうつ病の場合、集団生活を送る学校は非常に大きなストレス要因であり、その前兆が最も見えやすい場所でもあります。その意味でも、教員がそのシグナルを受けとめるか否かは大変重要であると考えます。クラスメイトの中での孤立、いじめ、クラブ活動の休止、思い込んだり放心したりするような表情、学力の急激な低下など、さまざまなシグナルを発信している場合、教員や周囲が適切なフォローをすることは重症化防止という意味で大切なアプローチとなります。確かに現在では、スクールソーシャルワーカーの配置で以前に比べ対処は速やかになされているものと思います。しかし、そのスクールソーシャルワーカーにつなぐのは学校においては多くの場合教員であり、その教員の資質や知識が不十分ではせっかくのサポート体制が機能しない可能性もあります。そのためにも教員の皆様にはうつ病を理解する機会をしっかり持っていただくとともに、クラスメイトである中高生の皆さんもうつ病が自分にも起こり得る病気であることを学習する機会が必要であると思います。現在、統計上では子供たちの約8%がうつ病、あるいはその予備軍と言われており、クラスの中で3人前後の子供たちが病気に至る悩みを抱えていると考えられます。現在ですらSNSなどによるいじめや、スマートフォンを介在した有害情報はあふれかえっています。今後さらに複雑混迷化する情報社会の中で一段と子供にかかるストレスは増加し、ひきこもり、さらにうつ病の発症に移行するケースは少なからず発生するものと思われます。今後、教育委員会としてうつ病に対する積極的な関与に向けた取り組みについての御所見をお尋ねし、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本健康福祉部長。
                 〔健康福祉部長 楳本和正君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(楳本和正君) 山本議員のうつ病対策についての御質問にお答えいたします。私からは、まず医療機関との連携についてでございます。うつ病は、憂鬱である、気分が落ち込んでいるなどといった症状であるうつ状態が強い病気で、ストレスなどが引き金になる場合もありますが、原因がはっきりしない場合もあり、発症の要因は十分に解明されているとは言えない状況でございます。また、早目に治療を始めるほど回復も早いと言われておりますが、中には症状が長引き、長期的な支援が必要となる場合もございます。そのような現状から、本市のうつ病についての対策といたしましては、予防という観点から、過度なストレスを抱え込まないことや十分な睡眠による休養をとることなど、健康的な生活習慣についての普及啓発を行っているところでございます。また、疾病の早期発見・早期治療につながる取り組みといたしましては、うつ病を初めとした心に不調をお持ちの方が早期に専門医を受診できますよう市内・近隣の精神科及び心療内科の情報につきまして、パンフレットや市ウエブサイトに掲載するなど情報発信に努めているところでございます。また、発症後の社会的支援につながる対策といたしましては、医師の診断により医療費の一部を公費で負担する制度や福祉制度を利用するための手帳の交付等につきまして、県や関係部局と連携を図りながら取り組んでいるところでございます。議員御提案の医療機関と連携した行政サービスの情報提供につきましては、症状が長引く場合などに、治療を継続するために役立つ福祉制度などの情報を医療機関へ周知すること等につきまして、今後検討をしてまいりたいと考えております。次に、現状把握についてでございます。議員御案内のひきこもりについてでございますが、ひきこもりとは半年以上学校や職場に行かず、家族以外との親密な対人関係が持てない状態が続いている場合とされているところでございます。ひきこもり状態にある方の現状把握につきましては、うつ病を初めとする精神疾患の発病がきっかけとなる場合のほか、その原因や背景はさまざまであることに加え、地域や社会との関係性が希薄であるという特性がございますことから、その実態は非常につかみにくい状況であると考えております。実態調査につきましては、本市におきましては市内のひきこもり支援団体等との情報交換や、窓口等での相談受付などによりまして、ひきこもり状態にある方を把握いたしてはおりますが、議員お尋ねの市内全域を対象といたしました調査は実施していないところでございます。全国の調査状況につきましては、本年8月に国から公表されました自治体によるひきこもり状態にある方の実態等に係る調査結果によりますと、ひきこもり状態にある方の実態調査を実施した市町村は全国で105自治体、市町村全体の6%、また、政令指定都市を除く一般市及び東京23区で64自治体、全体の8%という状況でございます。調査方法につきましては、無作為抽出によるアンケートやひきこもり支援団体等への聞き取り、民生委員・児童委員からの情報提供等により実態把握している自治体が多いところでございますが、いずれの方法におきましても詳細な把握は難しく、調査手法には検討が必要であると考えております。また、議員御提案のとおり、実態調査を行う場合におきましては、社会復帰のきっかけや適切な支援につながりますよう、その方の特技や保有される資格のほか、有益な調査項目をあわせて検討することは必要と認識しているところでございます。実態調査につきましては、ひきこもり状態にある方の現状を把握するために必要でありますことから、他市での調査実績や有識者から御意見を伺うなどいたしまして研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 藤本教育部長。               〔教育部長 藤本浩充君登壇〕 ◯ 教育部長(藤本浩充君) 私からは、学校現場での対応についてお答えいたします。文部科学省の問題行動・不登校調査によりますと、年間の欠席日数が30日以上の不登校児童生徒は増加傾向にございます。そのうち不登校の理由といたしましては、不安、無気力、学校の人間関係が多く占めております。また、日本うつ病学会が示す治療ガイドラインによりますと、この不安や無気力がうつ病につながるサインであり、治療に関しましては本人に近い家族や学校関係者などの対応が重要であると示されております。現在、市内の各学校におきましては、児童生徒の生活の様子や友達との関係、心の状態などを把握するため、日常的に児童生徒の様子に目を配り、教職員間でこまめに情報共有を行っております。また、週1回の生活アンケートや個別教育相談を実施しており、状況によりましてはスクールカウンセラーによる本人及び保護者への面談を行うなど、児童生徒一人一人に寄り添った支援に努めているところでございます。今後につきましては、教職員へのうつ病に対する正しい知識の習得のため、国の動向や事例について情報を収集するとともに、校長会や教育相談担当者研修会等の機会を通じて、関係機関との連携を視野に入れた早期対応の必要性について理解を深めてまいりたいと考えております。次に、児童生徒に対するうつ病に関する学習の機会につきましては、疾病そのものを取り上げた学習は行っておりませんが、小・中学校における保健学習の中で、心の健康について学んでいるところでございます。ストレスへの向き合い方や心の健康を学習する中で、児童生徒の発達段階に応じた学習を積み重ねていくことが未然防止・早期発見・早期対応につながるものと考えております。教育委員会といたしましては、今後も不登校等の背景にある児童生徒の内面に目を向け、臨床心理士であるスクールカウンセラーとのさらなる連携を図り、児童生徒一人一人に寄り添った心の教育の充実に努めるとともに、教職員に対しましてもうつ病等への正しい認識のもと、児童生徒への適切な支援を行うよう取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 ありがとうございました。  では、続きまして、大項目のイ、国際交流事業についてお伺いいたします。最初に、交流事業の今後についてのお考えをお聞きいたします。この数カ月、テレビや新聞の報道で韓国と多方面での摩擦が毎日毎日取り上げられております。事態は国民の感情部分にまで浸透し、全国的にも交流事業の中断や対話の機会が失われるなど、日を追うごとに両国間の溝は深く、広くなっています。山口市は韓国の公州市と昌原市の姉妹都市交流事業を継続しており、歴史も長く、民間も含め広く往来がありました。しかし、ことしに入って交流事業が相次いで中止になってしまったことは、市政概況の中で渡辺市長から御報告があったとおりでございます。私としては、今回の両国間の正当性のいさかいについての言及は避けますが、山口市民の税金が投入されている国際交流事業のあり方や方向性については議論されるべきであるとの考えであります。これまで山口市の姿勢というのは、基本的にはこちらからドアを閉ざすことはしないというものであったと思います。この山口市の姿勢についても市民の皆様の間では賛否があり、「友好の歴史と政治は無関係だ」という御意見がある一方で、「かの国の国民感情は変化しない、交流による事業効果があると断言できるのか」という厳しい意見もよくお聞きいたします。そのような中で、山口市が引き続き姉妹都市に対する事業予算を確保し、交流に意欲を持って取り組むのでしたら、交流事業を疑問視する市民の皆様に説明申し上げる必要があるのではないでしょうか。そろそろ来年度の予算編成に向けた動きもあるかと思いますが、まずは今年度後半の交流事業に対する見通しと、来年度以降、公州市・昌原市との国際交流の方向性についてお示しください。次に、中項目の2)として、観光交流人口について、目標達成に向けた山口市の意気込みをお伺いいたします。これまで全国で多くの訪日観光客を受け入れていく中で、お隣の韓国から来訪される方は全体の4分の1に当たる753万9,000人に上り、中国とともにインバウンドの牽引役でありました。山口県においては、その地域性、航空・船舶などの交通事情も影響して、全体の半数近くが韓国からのお客様であり、観光分野における経済効果も大きなものとなっています。昨年までは訪日観光客が増加傾向にあり、今後もオリンピックなど国際イベントの開催で楽観的な観測がなされてきました。しかし、御存じのとおり政治的なあつれきが民間交流にまで影を落とし、今年度の訪日韓国人の数は昨年対比で3割から5割の減となっているという調査結果もあるようです。山口市の観光動態調査によりますと、昨年度本市を訪れた韓国の方は5万5,711名に上っておりましたが、今年度の全国傾向をそのまま当てはめれば2万人以上の外国人観光客が減少することになり、これは内外の観光客全体の4%に相当する人数です。経済波及効果についても、通過型の周遊が多い山口県の傾向性を考慮しても1億5,000万円程度の影響が出ると思われます。今回の日韓の懸案は解決に少々時間がかかりそうな気配であり、山口市の観光誘客には一定の期間影響が出るのは回避できないのではないかと思います。山口市としては、総合計画内に観光交流人口の目標値を設定していることからも、今後その達成に向けた新しい施策の展開は必須であり、国内はもとより海外の広い範囲を視野に新たな誘客を目指す必要があると考えます。これまでも議会質問で、東アジア圏以外の交流について、例えば英語圏都市との交流など、姉妹都市交流などの提案がありましたが、それ以外にも今後は東南アジア、インド、中近東などをターゲットとした誘客活動の必要性を感じるものであります。ただ、この地域の方々で特徴的なのが宗教をバックボーンにした文化的風習であります。特に厳しい戒律で知られるムスリムは、宗教的素地が日常生活の隅々にまで行き渡っており、日本的宗教感からは理解しがたい部分が大きく、現状のままで受け入れを進めれば大きな摩擦や誤解を生む可能性があります。全国的に見ると富山県、新潟県、三重県などの中部地方の各都市でムスリムインバウンドの受け入れ整備に取り組んでおられ、料理や宿泊での注意点・留意点を観光関係者に周知され、ムスリム受け入れの先進地となっているようです。今後、山口市においても文化・風習が似た東アジア以外をターゲットにする際には、その地域の言語、宗教観といった面での配慮が官民ともに求められます。山口市のすばらしさを世界中に発信するに当たり、山口市自体もおもてなしの基本である心地よさを一層研究しておく必要を感じるものであります。そこでお尋ねいたしますが、今後山口市が進めるインバウンド対策も含め、従来の方向性とは異なる観光交流人口増加策、その市場の開拓、そして、その前段階として受入体制の構築に向けた取り組みについてのお考えをお聞かせください。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 国際交流事業についての御質問にお答えをいたします。まず、交流事業の今後についてでございます。御案内のとおり本市はスペインのパンプローナ市を初め、中国の済南市、韓国の公州市と昌原市の4都市と姉妹・友好都市提携を締結いたしておりまして、友好親善を目的に市民の皆様に参画いただきながら文化・スポーツ交流を初め、さまざまな分野で交流事業を行っております。これまでの交流によりまして、市民間に信頼関係や親近感が生まれるとともに、青少年の国際感覚の醸成やホストタウン事業など、新たな交流に発展するなどの効果があったものと認識をしているところでございます。今年度の交流事業といたしましては、済南市との青少年交流事業、昌原市との姉妹都市締結10周年記念事業、公州市との市民親善交流訪問団受入事業及び姉妹都市締結25周年記念事業を計画しておりましたが、そのうちの昌原市姉妹都市締結10周年記念事業と公州市姉妹都市締結25周年記念事業並びに教育委員会が所管しております山口・公州ジュニア交流隊事業につきましては、韓国側からの申し出を受け、残念ながら延期または中止の判断をいたしたところでございます。国と国との関係は時に困難な局面を迎えることもございますが、都市間交流につきましては、未来を見据え、市民と市民とが交流することに意義がございまして、これまでの交流の中で育まれてきた各都市との信頼関係と市民の皆様との間に生まれた友情は本市の貴重な財産であり、国家間の困難を乗り越え、未来を開く大きな力になるものと考えております。このたびの延期または中止となった事業に係る今年度内の見通しでございますが、現時点におきましては再開に向けた具体的な協議には至っておりませんが、できるだけ早い時期に事業を再開したいとの思いは、昌原市、公州市の双方とも共有しているところでございます。今後、情勢を注視しつつ、事務レベルで両都市との情報交換を行いまして、状況が整いましたら改めて事業再開に向けて進めてまいる所存でございます。また、来年度におきましても、今年度内における事業の進捗を踏まえて、できるかぎり柔軟に対応をしてまいりたいと考えております。なお、来年度のそのほかの姉妹・友好都市との交流事業といたしましては、パンプローナ市との姉妹都市締結40周年記念事業、済南市との友好都市締結35周年記念事業を予定しておりまして、これらとあわせ多くの市民の皆様に参加いただけますよう事業内容を検討することといたしております。姉妹都市交流は、進展するグローバル化への対応や多文化共生社会の構築に大きく寄与できる取り組みであると認識いたしておりまして、今後も市民の皆様の御理解をいただきながら、多様な分野で交流が展開され、交流人口の拡大や地域活性化にも貢献できますよう鋭意取り組んでまいる所存でございます。次に、観光交流人口についてお答えをいたします。議員御案内のとおり、本市の昨年の外国人観光客数11万3,589人のうち韓国からの観光客数は5万5,711人で、近年は外国人観光客の約半数を占めている状況でございます。こうした中、昨今の外交状況を受け、韓国からの訪日観光客の減少につきましても本市に影響が及んでいるものと認識をしているところでございます。外国からの観光客を安定的に確保するためには、多様な国・地域から観光客を受け入れることが必要と考えており、新たな市場開拓や観光プロモーション活動が重要と考えております。こうした中、近年関係を強化しております台湾からの観光客数につきましては、平成26年は2,246人でございましたが、平成30年には2万1,680人とこの5年間で10倍近く増加いたしており、国・地域別の観点からも韓国に次ぐインバウンド市場となっているところでございます。とりわけ台湾からのアクセスに関しましては、近隣の広島空港や福岡空港の定期便に加えまして、昨年、新たに北九州空港におきまして台北線の就航が開始されましたことから、近隣空港を経由する台湾からの山口へのアクセスの機会が増加いたしております。この状況も踏まえまして、今年度、本市の外国人団体旅行者向けバス助成の交付対象を、従来の山口宇部空港の利用のみから、広島県、福岡県発着便利用も加え拡大したところでございます。さらには、今月1日付で台湾から国際交流員1名を採用し、今後さらに台湾を中心とした国外への情報発信の強化・充実を図ってまいる所存でございます。議員御質問の新たな取り組みといたしましては、外国人観光客が多く訪れている広島・福岡との中間に位置する立地を生かし、双方向に向けた観光誘客推進や、現在、本市が国際交流を実施しております国・地域との連携、また、瀬戸内を囲む7県と、民間で瀬戸内海の活性化に取り組む組織や中国地方5県等の広域連携の枠組みを活用しながら、新たな誘客につながる活動も進めているところでございます。今後も国外の動向を踏まえまして、県や周辺市町と連携し、台湾などの東アジアに加え、シンガポールやタイなどの東南アジアや欧米豪など、多種多様な国・地域からの誘客促進を強化してまいりたいと考えております。次に、海外からの観光交流人口増加のための受入体制づくりでございます。観光情報コンテンツの多言語化での充実化を図るため、本市の観光情報サイトや観光パンレット、西の京やまぐちにおきまして、英語、スペイン語、韓国語、中国の簡体語、繁体語、それから、タイ語で作成しております。また、ムスリムの受け入れにつきましては、例えば、食についてハラルなどの情報を集約するなど、多様な文化や習慣を有する外国人観光客のニーズにも対応できますよう、湯田温泉旅館協同組合や湯田温泉料飲社交組合などの関係団体と連携し、体制づくりと情報発信を行ってまいりたいと考えております。なお、湯田温泉旅館協同組合におかれましては、現在、インバウンド対応といたしまして、ハラルの料理、それから、ベジタブル料理などの提供の検討も今しておられるところでございます。また、外国人観光客にも対応いたしましたまち歩き事業を促進するため、10月から英語、スペイン語、中国語、韓国語で通訳案内を行う地域通訳案内士の育成研修を実施いたしてまいります。今後につきましても令和3年度に開催いたします山口ゆめ回廊博覧会を見据えて、広域連携並びに官民一体となりまして観光の国際化に取り組み、観光誘客を図ってまいる考えでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 ありがとうございます。今の観光交流人口についての2回目の質問をさせていただきます。先ほどハラルのこともちょっとお話し出まして、非常に難しいルールがありまして、これはなかなか日本の国内の普通のいわゆるお客様を取り扱っているところでハラル認証を得るというのは非常に難しいのです。ただ、イスラム圏の方というのは意外とそんなに遠くにいらっしゃる方じゃなくて、例えばインドネシアなんかというのは国民のほぼ7割ぐらいがイスラム教徒の方です。今後、そういったイスラム教徒の方──ムスリムと言われますけれども、そういった人たちの生活状況というのは今、いわゆる収入というのがどんどんふえていまして、ちょうど昔の日本が高度経済成長にかかったころ、ハワイに行ったりとか、アメリカの西海岸に行ったりとかという、同じ感覚で今、東南アジアの方というのは日本に来ることを一つのステータスとして求められております。そんな中で、今後、明らかにこの方面というのは増加する傾向があるのですけれども、いわゆるハラル認証を得る、そういった食事を提供するような場所、そういったものを今の旅館組合のほうだけにお願いしてていいものなのかなと。ある程度行政のほうで音頭をとってあげることも大事なのではないかなというふうに思うのですが、御見解はいかがでしょうか。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 2回目の御質問にお答えをいたします。昨日もちょっとお話したのですが、国際懇話会の話の中で、市内のムスリムの方の対応という話が出まして、実際その中で、ハラル料理の提供、それから、宗教上の関係でお祈りの場というところもありますし、あと衣装の関係といった、そうした課題も今いろいろ出まして、実際、今、ハラル料理を提供しておられる市内の事業者につきましてはいらっしゃらないということなのですが、実際、山口大学の食堂で今提供しているということと、あと、インド料理のほうを今、ムスリムの方が使っておられるということは聞いております。先ほど申しましたように、旅館組合のほうも今その対応について検討をしておられまして、実は、これに対して国の助成制度もございますので、そうした助成制度も御紹介いたしながら、市も積極的に側面支援をしてまいりたいと今考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山本敏昭議員。               〔14番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 14番 山本敏昭議員 ありがとうございました。  では、続きまして大項目のウに移ります。今回も河川整備に関しての質問ですが、最初は河川の取水堰についてお伺いいたします。山口市内には多くの河川があり、その豊かな水資源がもたらす恩恵は、農林水産業に限らず、飲料水などさまざまな面で私たちの生活を支えてくれています。この川から水を引き込み水田を形成するという板堰の概念は弥生時代から始まったとされ、現代に至るまで取水堰の存在は、地域の農業にとって貴重な基盤、あるいは財産であり、近年は水位調整も可能な可動堰として活躍を続けています。一方で、近年の豪雨災害の際に指摘を受けることが多いのも堰の存在であります。堰はその構造上、河川の流下を阻害するようにつくられているわけですから、大雨のときのように速やかな流下を求められている際には邪魔者扱いされることがあります。先日の大雨の際も固定堰の手前で水位が大きく上昇し、濁流が勢いよく堰を乗り越えるシーンはテレビ等でも取り上げられていましたが、間近で見ると確かに大迫力で、この堰がなければもっとスムーズに流れるのではないかと考えるのはごく自然なことだと思います。さらに、堰の近くに住む方々にとって、家屋の浸水、あるいは命の危険も頭をよぎり、農地が減少していく地域では、なぜこんな所に堰が必要なのかと思われる方もおいでになると思います。しかし、実際に取水堰の改廃ということになれば、堰からの水利で生活をされている方にとって死活問題であります。また、お聞きしたところによりますと、地域消防などではせきとめた水を消防用水として活用されている地域もあるとうかがっております。多方面から慎重な検討がなされる必要があります。そして、何より改廃を行うとなれば莫大な河川改修費用の捻出が求められ、県河川などでは山口市も応分の費用負担が求められることになります。一方で、市街地の拡大に伴い、極端に耕作面積が少なくなっている地域に引水している堰などについては、改廃検討のテーブルに上げ、防災の観点からも地域の不安要素を取り除く必要もあるのではないでしょうか。全国では農地減少地域の取水を水中ポンプに移行している自治体もあり、利水の状況によっては不可能ではないと考えます。ここで問題になるのが、その取水堰を利用する水利組合の方々の把握という問題であります。1つの取水口から引き込んだ水を利用するいわゆる受益者について、県・市の河川管理者では代表者等の大まかな情報は把握されておられますが、水利組合員の構成や耕作状況の細密なデータについては収集し切れないものと思います。しかし、それでは改廃・改修に向けた議論をスタートさせる際に、現状把握という重要なピースが欠けていることにならないでしょうか。そこで質問ですが、将来的に防災の観点から改廃を含めた堰の整備を進める際に重要な判断要因となる取水堰の利用状況について、山口市として実態調査し、現状把握をされておく必要を感じますが、担当部局のお考えはいかがでしょうか。次に、中項目の2番目は山口県への要望についてお聞きいたします。皆様御存じのとおり、市内の主要河川は県管理河川が多く、山口市が幾ら危険を訴えても県が行動を起こさない限り防災は一歩も前に進みません。これまでも多くの議員が河川のしゅんせつや河道内に繁茂する植物の除却について質問を続けてまいりましたが、なかなかスピーディーな解決がなされたことがないように感じます。この要因について、県土木建築事務所が防府市に移転したからではないかと、そのあたりはよくわかりませんけれども、事業のスピード感において歯がゆさを感じるのは先輩議員だけではないと思います。近年の多発する豪雨災害を見るまでもなく、河川が起因する災害は明らかに増加しており、気象庁のデータにおいても1時間当たり50ミリメートル以上の降雨が観測された件数は、30年前に比べ1.4倍となっています。明らかに豪雨による災害は頻発傾向にあり、河川のスムーズな流下は防災の面で最重要課題であると思われます。山口市においては豪雨災害に対する御理解・認識は十分に進んでいると思いますが、残念ながら県要望においてそのトーンは他の要望と同様で、特段緊急性を感じられる表現はなされていないように感じるのは気のせいでしょうか。確かに河川にかかる整備費用は大きなもので、それのみに予算を集中することは難しいと思います。しかし、今や日本人が感じる災害のイメージは、地震、台風に加え洪水、土砂災害も大きなウエートを占めており、山口市にお住まいの方は地震の少ない地域性もあり、豪雨災害に対して特に敏感になっていると思います。この5年間だけでも山口県周辺では多くの豪雨災害が発生しており、被害についても枚挙にいとまがない状況です。その直前には阿東を中心とした山口市北部も大きな被害が発生し、多くの皆様が長期にわたり大変な御苦労をされたばかりであります。今後も豪雨災害は発生します。いつ線状降水帯が山口市の上空にあらわれ、数十年に一度の大雨が降るか、一切不明です。そのような中で、山口市が完全な防災体制を構築するのは不可能でありますが、行政として万全の体制に近づける不断の努力は、たとえ、それが県管理河川であっても積極的に働きかけ続ける必要があるのではないでしょうか。その意味でも、県への要望と協議の場は大変重要であると考えます。今後も県要望を続けていかれるとは思いますが、市民の命を守る河川整備に係る要望について、災害の傾向性、山口市の地域特性などを鑑み、特段の姿勢で臨まれる必要性があると感じておりますが、執行部の御所見を承ります。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは河川管理についての御質問のうち、取水堰についてお答えいたします。昨今の豪雨の状況を鑑みますに、河川の流水阻害となる橋梁や取水堰といった不安な要素は各地で課題となっていることは認識いたしております。まず、取水堰の利用に関する現状把握についてでございますが、農業用の取水堰につきましては、大きく分けて2種類がございまして、基本的には河川の必要な断面を阻害しないとされる固定堰と増水時には河川水位の上昇により自動的または施設管理者により手動操作で転倒し、河川断面を確保する可動堰がございます。いずれも河川区域内に設置されますことから、河川の占用許可、また取水の許可など、河川法の手続を経て、水利組合や土地改良区等が本来管理を行うものと考えておりますが、市内に設置されております取水堰は昭和39年の河川法制定以前から施設が存在したものや、河川改修の際、附帯工作物として河川管理者が築造した施設など、そのほとんどがいわゆる慣行水利権の取り扱いとされておりますことから、市の準用河川はもとより、県管理河川におきましても、これら全ての現状把握には至っていないのが実態でございます。こうした状況の中で、河川法第23条により、許可水利権を取得している取水堰は1級河川佐波川で36カ所、その他2級河川で68カ所が許可されておりまして、この104カ所については、取水量を初め、取水スケジュール、受益面積、組合員数等の利水状況、管理体系が把握されているもので、今後とも県の河川管理担当部局により指導監督がなされるものと考えております。一方、市において確認できる現状といたしましては、河川管理とは別に施設管理者の組織として土地改良区による管理形態がございまして、市内14土地改良区で367カ所の堰の十分な管理がなされておりますと同時に、改良区所有の施設台帳により、その現状把握が可能でございまして、今後も引き続き必要な施設であると認識いたしております。しかしながら、市街地を初めとする土地改良区の存在しない地域におきましては、任意の水利組合による管理運営が行われておりまして、先ほどの河川法に基づく許可水利権を持つ104カ所を除き、そのほとんどが慣行水利権に基づいて使用されておりますことから、管理者や組合員数、受益面積、管理運営規約などの実態把握が困難となっております。県の河川管理担当部局におかれましては、今後、水利関係者によって行われる堰の維持改修工事など、河川法の手続を必要とした際に、あわせて河川法第23条の許可水利権に移行を条件とし、その実態把握を進めていかれるものと伺っているところでございます。いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、これらの中には宅地化や耕作放棄地などを初めとする土地利用の転換により、従来ほどの用水を必要としない、また、既に今後の水利用の見込みがない堰が存在することも考えられます。このことから、市といたしましても早急に河川管理部局と連携いたしまして、取水堰の現状調査と河川法の適正な手続を施設管理者へお願いしてまいるなど、農業施設整備担当課におきましては、可動堰を中心とした任意の調査を行いますことで、今後の緊急の連絡体制、維持管理方針、施設の可動状況等を的確に把握いたしまして、河川の氾濫による豪雨災害に未然に対応していく体制を整えてまいりたいと考えております。また、営農者や耕作地の減少により、取水量を見直すべき必要が生じた堰につきましては、従来よりポンプ施設への転換を提案し、実施してまいりましたが、今後も引き続き、国・県・市の補助事業を活用するなどして、受益面積に応じた取水方法の見直しを行い、河川の流下能力の負担軽減を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 私からは、山口県への要望についてお答えいたします。豪雨による被害を未然に防止するためには、河川のしゅんせつ、立ち木の伐採等の維持管理が大変重要であると認識いたしております。そのため、本市におきましては、職員によるパトロールにより、準用河川の巡視点検を行い、危険箇所の把握に努めますとともに、地元からの要望を踏まえまして、河川のしゅんせつ、立ち木の伐採に鋭意取り組んでいるところでございます。また、県河川のしゅんせつの促進等の地元からの要望につきましては、本市からも県に対しまして進達を行っておりまして、事業促進についてお願いいたしております。また、毎年度、県と合同で開催いたしております山口市公共土木事業説明会におきまして、市長出席のもと、県河川のしゅんせつの促進と維持管理予算の確保について直接お願いをするなど、連携を密にいたしているところでございます。さらに、毎年度の県の予算編成時には、本市が提出いたします要望書におきまして、山口市総合浸水対策計画と連携した整備促進として、県河川のしゅんせつ工事の促進に係る予算確保を強く働きかけておりまして、県におかれましても、毎年度、予算を確保され取り組まれているところでございます。今後とも本市といたしましては、災害に強いまちづくりに向けまして、県と連携を密にいたし、予算確保も含めた河川の適切な維持管理に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、山本敏昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  9番、馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 自由民主党山口の馬越帝介でございます。本日の5番目、通算23番目の質問者であります。既に質問された同僚議員と重複する項目もありますが、御容赦をいただき、質問させていただきます。関係参与の皆さんの明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。  まず、大項目のア、学校教育についてお伺いします。中項目の1)新学習指導要領に対する準備状況について。令和2年度から新しい時代に必要となる資質・能力の育成と学習評価の充実を目指して、全国の小学校において新学習指導要領が全面実施されることは皆さん御承知のとおりだと思います。これは、グローバル化や人工知能──AIなど、技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代に、子供たちには、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、みずから判断して行動し、よりよい社会や人生を切り開いていく力が求められることから、学校での学びを通じ、子供たちがそのような生きる力を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校から順に実施されるとされています。小学校中学年から外国語教育を導入し、また、小学校におけるプログラミング教育を必修化するなど、社会の変化を見据えた新たな学びへと進化するとされています。そこでお伺いします。教育現場における外国語教育、プログラミング教育について、その内容と本市の準備状況、また今後の課題についてお聞かせください。次に、中項目の2)教育現場におけるICTの活用についてお伺いします。新学習指導要領移行のため、文部科学省では学校のICT環境整備は自治体の喫緊の課題としています。幸いにも本市ではICTの環境整備に早くから力を入れてきたところであり、本議会議案にも山口市立小中学校校務用コンピューター等の取得についてという議案が上程されているところであります。新学習指導要領に示された学習指導で活用することは当然として、学校教育におけるICTインフラをいかに活用するかが今後の課題と考えます。全国の自治体に目を向けますと、ICTを利用した遠隔授業や、児童見守り情報配信サービス、電子図書館、国際交流事業など、多岐にわたる導入例があります。とりわけ最近注目されているのが、ICT部活動支援システムです。ICT部活動支援とは、小学校、中学校、高等学校を対象に、体育の授業や部活動の指導において学校が抱える課題を解決し、スポーツを通した子供たちの成長をサポートするというシステムで、体育・部活動顧問の先生や生徒は、スマートフォンやタブレット、パソコンを利用して、プロアスリートなど、知識や経験が豊富な専門のコーチからオンラインによる遠隔指導を受けることができるというものです。そこでお伺いします。ICT環境が整備されれば、今まで思いもしなかったような斬新な活用が教育現場においても可能になる中で、本市ではICTを今後どのように活用していくのか、お考えをお聞かせください。  以上で、大項目アの1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 馬越議員の学校教育についての御質問にお答えいたします。まず、新学習指導要領に対する準備状況についてでございます。平成29年3月に告示された新学習指導要領では、今の子供たちが成人して社会で活躍するころには、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化するなど、予測が困難な時代になると言われております。そのような中、未来のつくり手となるために必要な資質・能力を確実に子供たちに育むことが大変重要であり、来年度からの新学習指導要領の全面実施に向け、円滑に移行することが大切であると考えております。本市の小学校におきましては、平成30年度から移行期として新学習指導要領への対応を進めており、外国語活動においては、平成30年度に小学校3年生から6年生までの授業時数を15時間ふやし、今年度からは来年度以降の全面実施の時数を確保し、実施しているところでございます。英語と初めて出会う子供たちが、授業の中で外国語指導助手の話す生きた英語に触れることは、その後の外国語教育に有効でありますことから、これまで段階的に外国語指導助手の増員を行うとともに、外国語指導助手と教員が連携しやすい体制を整えてまいったところでございます。また、小学校教員の指導力向上につきましては、昨年度から放送大学と連携したオンライン受講による研修を行うとともに、教育委員会主催の外国語指導助手による夏季研修会、山口大学との連携による冬季研修会を行ったところでございます。さらに、本年8月21日には、市内全小学校教員を対象に文部科学省から講師を招いて、新しい外国語教育の目指す方向及びその指導方法についての研修会を行ったところでございます。これまで教員の指導力向上や外国語指導助手の増員、ICT機器や教材・教具の整備等、さまざまな準備を進めてまいったところではございますが、外国語の指導を行う教員の中にはまだまだ不安を抱えている者がいるのが現状でございます。今後、教科書の効果的な活用方法や11月以降に公表される外国語科の評価についての研修等により、不安感を払拭できるよう取り組みを進めてまいることとしております。次に、小学校におけるプログラミング教育についてでございます。来年度から小学校で実施されるプログラミング教育は、自分が意図する一連の活動を実現するためにどのように指示すればよいのかを論理的に考えていくプログラミング的思考を養っていくことが狙いとなっております。このプログラミング教育を実施するために必要なICT機器の整備につきましては、各小学校への児童用タブレット端末や電子黒板の普通教室への設置、無線LANの整備等を行っており、ICT機器の環境は全国的に見ても高い水準となっております。また、これらの機器を活用して子供たちを指導する教員の指導力向上につきましては、今年度、県のプログラミング教育指定校であります鋳銭司小学校の研究成果や、先進都市でございますつくば市への視察から得た情報を小学校情報教育研究会で共有し、各校での実践事例とあわせて、市内の教員へ周知しながら校内研修での活用を進めているところでございます。今後も、ICT機器の活用技術のさらなる向上や、プログラミング学習を組み込んだ教育課程の編成など、種々の課題が想定されるところではございますが、一歩一歩準備を進め、円滑な移行に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。次に、教育現場におけるICTの活用についてでございます。議員御案内のとおり、本市ではICT機器の環境整備を計画的に進めているところでございます。小学校における授業でのICT機器の活用状況調査におきましては、ほぼ毎日活用していると回答した教員の割合は、一昨年度と昨年度を比較したところ、タブレット端末では28%から35%に増加し、電子黒板では21%から45%に増加しているところでございます。本年度も算数科でデジタル教科書を活用し、図形を操作しながら立体を組み立てる授業や、社会科ではお互いの考えをタブレット端末の画面で比較、共有する事業に取り組むなど、児童の興味・関心を高める工夫をしております。さらに、授業支援システムを用いて、児童の学びの進捗状況をリアルタイムで確認しながら個に応じた支援を行うなど、これらの実践は学力の向上の一助になっているものと考えております。また、中学校の部活動においては、教師用のタブレット端末を用いて活動の様子を撮影し、技術や戦術等を子供たちと指導者が一緒に振り返り、模範となる選手の映像を見ながら練習するなど、主体性や課題解決能力の向上を図っているところでございます。今後は中学校に生徒用タブレット端末等のICT機器の配置が完了しますことから、機器の積極的な活用を図り、生徒がわかった、楽しい、もっとやってみたいと実感できる授業や部活動の取り組みを進めてまいります。また、コミュニケーション能力の向上やグローバル人材の育成に向けて、ウエブ会議システムを用いた遠隔合同授業の日常化や海外の小・中学校との交流事業、部活動の遠隔指導等、将来を見据えた幅広い活用についても、今後、研究してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、学習指導を初め、教育活動全体を通して、より効果的なICTの活用を推進し、未来を生き抜く子供たちの育成に全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 御答弁ありがとうございました。  それでは次に、大項目のイ、観光振興についてお伺いします。中項目の1)TOKYO2020に向けて。本市は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、平成28年度にスペインとの人的、経済的、文化的な相互交流を進めるホストタウンに登録され、平成30年2月にスペイン王立水泳連盟と協定を締結し、競泳、アーティスティックスイミング、水球競技について、代表のトレーニングキャンプを受け入れています。オリンピック関連のインバウンド需要が見込まれる中、観光施設等の多言語表記について検証しますと、サイン──いわゆる案内板については英語表記は見受けられますが、英語以外への対応は進んでおらず、また、本市の観光ウエブサイト西の京やまぐちにおいても、英語、スペイン語、ハングル、そして2つの中国語と、5言語しか翻訳されておりません。2016年の12月議会で多国籍言語表記の積極的導入について質問いたしましたところ、当時のふるさと創生部長が「観光情報ウエブサイト及びパンフレットの多言語化につきましては、英語、韓国語、中国語による表記に加えまして、東南アジア、特にタイ、シンガポールへのプロモーションを昨年度から重点的に実施していることにあわせまして、新たにタイ語のパンフレットを作成いたしまして、インバウンド対応の充実を図っているところでございます。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしましたホストタウンとしての取り組みを踏まえ、観光情報ウエブサイトのスペイン語対応などによる情報発信にも取り組んでまいりたいと考えております。今後とも国・県の動向を踏まえ、本市が山口県のインバウンド事業を牽引するという気構えを持ちまして、引き続き積極的なインバウンド誘客の推進に取り組んでまいる所存でございます」との力強い御答弁をいただきました。来年、すなわち2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの年であります。2016年当時と余り変わっていないようにも思える現状の中、また、開幕まで1年を切り、時間が限られる中で、サインや観光施設等の多言語表記に当たって、ICTの活用等、どのような環境整備を行っていかれるのか、お考えをお聞かせください。次に、中項目の2)キャッシュレスへの対応についてお伺いします。本年10月の消費税率引き上げを見据え、国では電子決済を使ったポイント還元やキャッシュレス環境の整備に積極的に取り組んでいることは御承知のとおりです。経済産業省は、現在、約20%であるキャッシュレス決済を、大阪・関西万博が開催される2025年までに40%にするとしています。また、県においても交通系ICカードの導入に向けた働きかけなど、取り組みを進めていると聞いております。インバウンド誘客、特に韓国や中国のインバウンド誘客には、キャッシュレス決済の環境整備は喫緊の課題であると言われており、福岡市ではインバウンド観光客の要望に応えるため、官民を合わせた実証プロジェクトが行われています。そこでお伺いします。本市の観光施設においても、インバウンドを初めとした観光客への利便性を向上させるため、入場料や提供するサービスの決済にキャッシュレスへの対応が急務と考えますが、どのような方策をお考えか、御所見をお聞かせください。  以上で、大項目イの1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 観光振興についての御質問にお答えいたします。まず、TOKYO2020に向けてでございます。御案内のとおり、国におきましては、2020年までに訪日外国人観光客数4,000万人の目標達成に向け、急速に進む個人旅行化に伴う地方への展開、体験型観光への関心といったインバウンドの変化に対応した施策への支援がなされているところでございます。こうした中、本市といたしましても、本年3月に策定いたしました観光交流加速化ビジョンにおきまして、重点市場と位置づけております東アジア、東南アジア、さらには欧米豪の外国人観光客の獲得に向けた取り組みを進めているところでございます。とりわけ、地方都市における外国人個人旅行者が増加する中、安全安心にまち歩きができる受け入れ環境の整備に努めているところでございます。御質問の観光施設の多言語状況につきましては、外国人観光客が多い香山公園を初め、山口市菜香亭や常栄寺雪舟庭など、主な観光施設の英語表記は対応済みであり、観光パンフレットなどの紙媒体につきましても、英語、韓国語、中国の繁体語・簡体語、スペイン語、タイ語の6言語を用意して対応しているところでございます。一方、スマートフォンなどのICTを活用した情報発信や観光案内につきましては、明治維新150年記念事業実行委員会が制作された明治維新150年の山口市を旅するアプリの活用検討や、今年度、大内文化特定地域内でのサイン設置とあわせ、関係部局と準備を進めているところでございます。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、さらには2021年に開催予定の山口ゆめ回廊博覧会を見据え、インバウンド対応が求められる中、ICTを活用した観光ホスピタリティの取り組みが効果的であると考えておりまして、観光交流加速化ビジョンに掲げております多様な主体の活力を引き出す施策といたしまして、民間参入によりますICTを活用した観光戦略事業にも積極的に取り組んでまいる所存でございます。次に、キャッシュレスへの対応についてお答えをいたします。御案内のとおり、国におきましては、2025年までにキャッシュレス決済比率40%の目標を掲げられ、県におかれましても、その比率を40%以上とするとされておられます。こうした目標を受け、本市といたしましても、訪日外国人観光客の消費を取り込む上で、キャッシュレス決済の導入が急務と認識しているところでございます。本市の観光施設のキャッシュレス決済の導入状況を申し上げますと、湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」がQRコード決済を導入しており、また、国民宿舎秋穂荘がクレジットカード決済に対応しておりますが、観光施設全体でのキャッシュレス決済の導入については、まだ十分とは言えないのが現状でございます。本市といたしましては、観光施設におけるキャッシュレス決済の導入拡大につきまして、利用者の利便性向上や消費拡大を促す観点からも急務と考えておりますことから、導入に向け、指定管理者と情報共有を図り、手数料や会計処理の方法など、さまざまな課題を整理いたしながら、前向きに進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 御答弁ありがとうございました。  それでは次に、大項目のウ、山口市産業交流拠点施設の詳細についてお伺いします。このたびの議会において、拠点施設の設置及び管理条例が上程されました。開館に向けて準備が本格化しているとのあかしでもあり、大変喜ばしいことであると考えております。一方で、市政始まって以来の大型プロジェクトで、かつ官民一体となった取り組みということであり、全く不安がないかというとそういうわけでもありません。今後、拠点施設の設置及び管理条例をベースに、どのような形で施設を運営されようとしているのか、数点の質問についてお聞きいたします。中項目1)事業評価委員会の詳細について。先般の執行部説明会において、開館後の拠点施設の管理・運営体制図が示されました。その中では、指定管理者の選定委員会が事業評価委員会に移行するとの説明がありましたが、拠点施設の指定管理者は、このプロジェクトで採用しているPFI的手法において、森ビル都市企画株式会社・株式会社コンベンションリンケージJVが担うという認識を持っていましたが、指定管理者の選定委員会を開催される意図は何であるのか、市のお考えをお聞かせください。また、選定委員会が事業評価委員会に移行するとのことでありますが、御案内のとおり、拠点施設は公の施設として約109億円の整備費に年間の指定管理料3億4,000万円で契約期間15年という大型の契約が結ばれることになります。言うまでもなく、チェック機能を有する事業評価委員会の果たす役割は非常に大きくなるとの認識をしておりますが、今後の体制を含めて、どういう形で、そしてどういう視点を持って、事業評価・政策評価を行っていくのか。開館後に拠点施設をしっかり運営してもらうためにも、施設の設置及び管理条例が提案された中で、執行部としてのお考え、また方向性を市民に説明する必要があると考えますが、市のお考えをお聞かせください。次に、中項目の2)管理・運営経費の資料根拠についてお伺いします。執行部説明会の資料の中の管理・運営経費の根拠についてお聞きします。執行部説明会において、管理・運営経費に関する収支見通しの説明もありましたが、その内容は簡単に言えば、年間の指定管理料3億4,000万円の積算根拠の提示であったと認識しております。通常、公の施設を新規に整備した場合、1年間の運営期間、いわゆる試行期間を経て、指定管理料の額を精査し、確定することがこれまでの通例だと理解しております。拠点施設については、年間の指定管理料3億4,000万円で契約期間15年という大きな枠が基本にあるわけですが、現時点で、3億4,000万円の管理・運営経費の見込み、その精度について、算出根拠や今後のリスク管理も含めて市としてどのように考えておられるのか、お聞かせください。また、このたびの収支表は、拠点施設全体の人件費、部門経費等の会計部門別の収支ではなく、多目的ホール、ライフイノベーションラボなど、機能別、言いかえれば事業ごとの収支になっていますが、その意図もあわせてお聞かせください。次に、中項目の3)産業交流スペースについてお伺いします。産業交流スペースでは、市、商工会議所、指定管理者の3者による支援チームによる対応が想定されているほか、拠点施設内の公的機関オフィス等にも国・県の機関等が入居することから、産業支援機関が集積することになると考えます。こうした環境の中で、産業交流スペースでは具体的な窓口相談対応をどのように想定し、また、各支援機関との役割分担をどのように考えているのか、お聞かせください。また、コワーキング・インキュべートスペースではオープンスペースとなっておりますが、これまで視察にお伺いした大分市のホルトホール大分にある大分市産業活性化プラザや大垣市にあるソフトピアジャパンのインキュベートルームなどの例を見ますと、個室であるオフィス部分のイキュベートルームと、商談や情報交換、会議等に対応するコワーキング機能を有するオープンスペースがうまく配置されており、オフィス部分に当たるインキュベートルームについては、24時間365日体制で運用がされていました。本施設も情報の保全や24時間活用の観点から個室が設定されるべきと考えますが、起業希望者、起業後間もない事業者などへのオフィス利用のための支援についてどのように考えておられるのか、お考えをお聞かせください。最後に、中項目の4)拠点施設のICT化についてお伺いします。このたびの拠点施設整備は、今から整備される施設として、既存の公の施設よりも施設のあらゆるところでICT化が図られることが期待されています。最近では施設予約も含め、コンサート等においても携帯端末やQRコード、ICタグなどを使うケースもふえてきています。また、パブリックビューイングなどの映像コンテンツを考えてみても、5Gの時代はすぐ間近に迫っています。日進月歩のICTですから15年後の予測は不可能ですが、オープン前の現在、どのような視点で施設としてのICT環境の整備を行われようとしているのか、お考えをお聞かせください。  以上で、大項目ウの1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 山口市産業交流拠点施設の詳細についての御質問にお答えいたします。私からは、まず、事業評価委員会の詳細についてでございます。本議会において、拠点施設の設置及び管理条例案の提出に当たりまして、本市及び森ビル都市企画株式会社等の事業者グループが連携いたしまして、同プロジェクトに関して、本市が示した募集要項や要求水準書及びそれに基づく事業者提案をベースに、事業計画を初め、資金計画、運営体制、リスク管理等の詳細を詰めてきたところでございます。こうした中、事業評価委員会の母体となります指定管理者選定委員会を本年10月に開催する予定としており、その目的といたしましては、15年の長期にわたる契約を前提に、事業計画や指定管理協定書等の内容が適切かつ妥当性のあるものか、外部の専門家の視点も入れて、改めて評価を行うものでございます。開館後の事業評価委員会につきましても、毎年度、外部の専門委員に入っていただき、運営面、財務面の両面から評価を行っていくことといたしております。内容につきましては、コンベンション等の誘致、営業など、多目的ホールの運営を初め、民間提案施設であるライフイノベーションラボや、アカデミーハウスの運営、民間のノウハウ等を活用した自主事業の運営等について、協定書に基づく適切な事業量となっているのか、また、収益構造の異なる機能ごとに適切な会計処理が行われているのかといった視点から、個別事業の評価を行ってまいります。加えて、拠点施設全体の施策貢献度、指定管理料の精算及び見直しの妥当性、損失が生じたときのリスク分担のあり方等についても、客観的かつ専門的な視点から評価を行う予定としております。次に、管理・運営経費の資料根拠についてでございます。まず、収入額でございます。収入額の算定につきましては、機能別の目標値と利用料金をもとに事業者グループと協議を行う中で、利便性と収益性のバランスを十分に考慮しながら行ったところでございます。算定の根拠となる目標値につきましては、小郡都市核づくりを牽引するリーディングプロジェクトにふさわしい成果指標となるよう、本市が示した募集要項や要求水準書、それに基づく事業者提案、各種マーケティングやヒアリング調査、施策貢献度等を総合的に勘案し、設定いたしたところでございます。また、利用料金につきましても、最大の事業効果やサービス水準の確保に主眼を置きつつ、類似施設の利用料金との比較・均衡や受益者負担の考え方等を勘案するとともに、市民の皆様を初め、さまざまな御意見をお伺いしながら、適正な料金水準・料金体系の検討を進めてきたところでございまして、これらの数値をもとに算定を行った収入額につきましても、一定の精度が確保されているものと認識いたしております。次に、支出額でございます。支出額の算定に当たりましては、固定経費としての建物や設備の維持管理にかかる経費について、効果的で効率的な施設管理が可能となるよう、舞台設備の点検補修、頻度や警備手法、清掃手法等の細部に至るまで事業者グループと検討を行うなど、十分精査を行ってきたところでございます。また、事業計画の検討が進み、業務実施体制等も整ってまいりましたことから、施設運営や事業実施のために必要な人件費や事業費等についても精査を進めてきたところでございます。あわせて、議員御指摘の今後に向けたリスク管理につきましても、当初想定以上の設備の劣化等による維持管理費の増大、利用者数の伸び悩み等による収入の減少、光熱水費や物価の高騰、修繕費の取り扱いなど、想定リスクを検証いたし、適正なリスク分担のあり方についても、協議・調整を進めているところでございます。こうしたことから、このたびお示ししました収支見通しにつきましては、本市が負担する指定管理料3億4,000万円の範囲内で最大の事業効果が発揮できるものと認識いたしているところでございます。なお、このたびお示しした収支見通しが機能別の収支になっている点につきましては、本施設が産業交流という大きな目的のもと、主要施設である多目的ホールや提案施設であるライフイノベーションラボなど、さまざまな施設からなる複合施設であり、かつ、貸館事業やフィットネス事業など、多様な事業形態が混在する施設でございますことから、開館後の事業評価のあり方として、施設全体としての会計部門別ではなく、機能別に整理いたしたものでございます。次に、拠点施設のICT化についてでございます。拠点施設の整備における具体的なICT化につきましては、施設内の公衆無線LANの整備、施設情報や催事案内等の情報提供を行うためのデジタルサイネージの設置や各会議室へのスクリーン及びプロジェクターの配備等により、来訪者や利用者の利便性の向上を図るとともに、主催者にとりましても使い勝手のよい施設となりますよう、多目的ホールにおける音響、映像、照明等の舞台設備基幹ネットワークの統合化により、作業の効率化や演出の自由度の向上を図るほか、各催事における持ち込み機材についても支障なく対応できる仮設分電盤の整備や、電源容量の確保等を行うことといたしております。さらに、他施設と映像・音声の送受信が行える双方向の情報通信ネットワークの導入や、将来的な第5世代移動通信システム5Gの導入にも柔軟に対応できる環境整備を行うなど、将来を見据えたICTの活用を積極的に進めてまいるとともに、議員御案内の入場の際における携帯端末やQRコード等を利用したチケットレス化への対応や、通信事業者と連携し、Wi─Fi基盤を活用したビッグデータの収集・分析による地域活性化に向けた取り組み等についても検討してまいりたいと考えております。なお、施設の利用における申請等につきましても、ICTの活用による手続の簡素化等を図ってまいることといたしておりますが、当施設の主な機能がコンベンション施設であるという性格上、例えば競合する企業が隣り合うことや試験会場とにぎやかな催事が隣り合うことを避けるなど、受付時において申請者の確認や会議室の利用調整等、利用内容に応じた配慮が求められますことから、電話及び窓口による受付を中心に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは、産業交流スペースについてお答えをいたします。御案内のとおり、産業交流スペースにおきましては、本市に加え、県央連携都市圏域を視野に入れた産業振興や中小企業の支援等を行ってまいることといたしておりまして、起業創業や事業承継、経営課題などの相談に対する総合相談窓口の設置を初め、ビジネスコミュニティーの形成促進やコワーキングの運営など、多様な支援機能を有することといたしております。本スペースの運営に当たりましては、本市や山口商工会議所、指定管理者がチームとして連携し、窓口に来られる方の一次的な相談対応や支援を行ってまいりますとともに、高度な支援を必要とする場合など、その相談内容によりまして、拠点施設内に入居されますやまぐち産業振興財団などの国や県の支援機関につなぐ役割を果たしてまいることといたしております。本市といたしましては、産業交流スペースを初め、拠点施設内に国や県、市の多様な支援機関が集積いたすことが大きな強みであると認識いたしておりまして、気軽な経営相談から高度な専門性を要する相談に至るまで、企業の皆様が有しておられる幅広い課題に対しまして、それぞれが得意とする支援機能を発揮いたしながら、拠点施設全体として切れ目のない、重層的な支援を行える体制構築を進めてまいりたいと考えております。次に、コワーキング・インキュベートスペースにおける支援についてでございますが、本スペースは、ビジネスマッチングやビジネスコミュニティー形成を促してまいる観点から、会員同士が触れ合い、交流しやすいオープンな空間づくりを基本として整備いたすことといたしております。本スペースにおきましては、会員同士がつながるきっかけとなるようなさまざまなイベントなどを実施してまいりますとともに、インキュベートマネジャーを初め、多彩な支援スキルを有するスタッフによる相談支援が受けられる環境を整えてまいりたいと考えております。こうした中で、これから起業を目指される方や起業から間もない方に向けた支援につきましても、同様にオープンな環境の中におけるスタッフの親身な支援などを重視いたしておりまして、ここで起業された皆様がいずれ本施設の周辺に事務所等を構えていただくことにより、拠点施設にとどまらず、地域全体で活発なビジネスが展開されていくことを目指してまいりたいと考えております。また、利用時間につきましては、本スペースが複合施設内に位置しておりますことから、セキュリティー等の面から、施設全体の運営時間と合わせまして午前9時から午後10時までの設定といたしているところでございます。複合施設としてこうした一定の制約はございますものの、議員御提案のとおり、この空間を利用されます会員の皆様の利便性向上や情報保全への配慮等に可能な限り努めてまいる必要があると認識いたしておりますことから、今後、内装や設備、備品等を整備していく中におきまして、例えばパーティション等を利用し、一部仕切られた空間を確保することなどについて検討してまいりたいと考えております。また、空間整備に当たりましては、可変性の高い仕様といたしまして、開館後も会員の皆様の御意見などを伺いながら、ニーズ等に適宜対応してまいることといたしております。いずれにいたしましても、産業交流スペースにつきましては、新山口駅に近接する立地の特性、優位性や各産業支援機関が集積するメリットを最大限に生かす運営に努めながら、ビジネスに関する新たなコミュニティーや展開が生まれるような場づくりを進めてまいりますとともに、こうした動きの地域一帯への波及等を通じまして、県ナンバーワンのビジネス街形成にはずみがつくよう取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 産業交流スペースにつきまして2回目の質問をさせていただきます。ただいまの御答弁で、複合施設であるからという部分があったのですが、先ほど述べた大分のホルトホールなんかも複合施設でありまして、ただ、そこはインキュベートルームに外から、もちろん認証システムでロックはかかるのですけれども、24時間自由に出入りできるというようなシステムをとっておられるのですね。なぜこういうことを申しますかというと、やはりIT関連とかそういうベンチャー企業系のオフィスを中心とした事業を展開される方は、まず最初の資金がない。どこも大体3年から5年でスライド式にだんだん利用料金が上がっていくということで料金設定されていますし、そういうところは日本国内だけの相手先だったらいいのですけれども、やはり最先端を行くということになると海外を相手にするという部分がありまして、そうするとやっぱり24時間対応できるようなスペースを求めていらっしゃいます。当然、御承知のように、県内にも各市がいろいろなそういう施設をつくっていらっしゃいますけれども、やはりビジネスナンバーワンを山口市が目指すのであれば、そういう若い活力のある、また才能にあふれた人たちを集めるためには、個室型のインキュベートルームが必要ではないかと。一度建ててしまうと、さっき言った、例えば外からの出入りとか、それからパーティションによる仕切りと個室では音響とか音が外に漏れる等の防音性も変わってまいります。すぐにとは言いませんが、まだ少し開館まで時間があるので、他市の状況とかも含めて、やはり最先端の事業をやっていこうとすると24時間体制は必要ではないかと思うので2回目の質問をさせていただきましたが、その辺のお考えをお聞かせください。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 産業交流スペースについての2回目の御質問にお答えいたします。産業交流スペースの利用時間につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、現時点におきましては、施設全体の管理運営を考える中でそこに合わせて午前9時から午後10時までというふうにいたしているところでございます。議員御指摘のとおり、いろいろな利用者の方のニーズ、そういったものを踏まえまして、やはり運用の中でそういったことが可能となるようなことも考えてまいりたいと思います。スペースもクローズにするかどうかというのは、私どももいろいろ悩んでいるところではございます。ただ、やはりインキュベートルームという一つのクローズドの空間も必要とは思うのですが、限られたスペースの中でやはりなるべくオープンな人の交流を促していこうという考えのもとに、今のような配置を考えているところでございます。いずれにいたしましても、もう少し時間ありますので、やはりクローズドの空間も必要であるというような認識のもと、詳細を詰めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、馬越帝介議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  議事整理のため、暫時休憩いたします。                  午後2時40分休憩       ────────────・────・────────────                  午後3時28分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、お諮りいたします。野村雄太郎議員から本日の本会議における発言について、会議規則第65条の規定により一部取り消したい旨の申し出がありました。この発言取り消しの申し出を許可することに御異議はございませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 御異議なしと認めます。よって、野村雄太郎議員からの発言取り消しの申し出を許可することと決しました。  一般質問並びに質疑を続行いたします。  17番、大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 日本共産党の大田たけるです。通告に従いまして、このたびは大項目で3点の質問をいたします。わかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。  まず最初に、大項目アです。公共事業と地元中小企業支援について、中項目の1)で新山口駅北地区拠点施設整備のPFI的事業と学校施設空調設備整備のPFI事業についてなのですが、この両事業につきましては、本年3月議会の討論で指摘をさせていただいています。仮契約書の中では、その問題点を解消する努力は見られましたけれども、昨年9月本会議での元請事業者と下請事業者の適正性が確保されるよう、契約条項等の中で対策を講ずる必要があるとされた副市長の答弁があるにもかかわらずその対策が見られず、建設業法ですとか、その建設業法でのガイドラインを遵守する条項を設けるべきという指摘をさせていただいています。これについてお伺いいたします。元請事業者と下請事業者の適正性が確保されるよう、契約条項等の中で対策を講じるように指示は出されたのでしょうか。もし指示を出されたのであれば、いつ、誰が、誰に、どのような指示を出されたのかお伺いいたします。実際、学校エアコンPFI事業では、事業者の方のさまざまな声をお聞きしております。この場ではちょっと差し控えさせていただきますが、聞き取りのときに詳細をお話させていただいています。そのお話したまさにそのとおりの、指摘したとおりの懸案の事案というのを聞き及んでいるわけです。本来、1件でもこうしたことがあってはいけないというふうに考えているわけですけれども、建設業法または建設業法令遵守ガイドラインに抵触する可能性もあると考えます。どうしても元請・下請の力関係や今後の仕事への影響から仕方なく泣き寝入りしている状況がずっと連綿としてあって、そのために法で定められる背景にもなっていると考えます。今後、新山口駅北地区拠点施設整備では建築工事が控えており、これからこの事業のほうでの懸念事項となってくるわけです。昨年9月の本会議で、PFI事業について地域経済振興の観点からの問題として指摘させていただいています。受注できる体力と技術を持った大手ゼネコンが中心に請け負い、少ない経費で大きな効果、VFMのため下請を安く使うことは企業論理として当然あり得る。幾ら地元事業者の参加や活用を位置づけても、事実上最初から排除されることや、孫請、3次、4次下請など元請との力関係で対等な契約にならず、安く請け負わされることになる。従来の直接契約のような適正な価格での契約になり得ないというふうな指摘をさせていただいているのです。今後、対策はどのように考えておられるのかお伺いします。中項目の2)です。大企業、東京一極集中の是正です。このたびの議案では、産業交流拠点施設設置及び管理条例が上程されています。新山口駅北地区重点エリア拠点施設整備事業ですけれども、当初95億円とされたものが105億円となり、さらには、本来なら契約変更となるべき規模の増床による増額で、結局約110億円の事業にまで膨らんでおります。産業・雇用の創出見通しが不明で、投資効果も不明確であり、これまで指摘してきた中園情報文化都市づくりが計画倒れに終わったという教訓が生かされていません。さらには、収益性や維持管理費の根拠が不明確です。少しさかのぼると、新山口駅のターミナルパーク整備事業、これも当初150億円としながら、総事業費は160億円と拡大を想定されています。昨年度、2018年度決算までの執行済額は144億3,000万円と伺っています。ここでも当初より事業費が簡単に10億円も拡大しているのです。ターミナルパーク整備事業では、昨年度、2018年度執行済額、今申しました144億3,000万円のうち、地元業者──もちろん市内に本社のある市内の地元業者受注額が38.8億円で23.42%を占めます。その内訳は、工事請負費として30億9,000万円、測量等委託費として2億9,000万円と伺っております。また、残りの110億5,000万円の内訳は、JRの委託が91億8,000万円、用地補償費などが18億7,000万円、JRの委託91億8,000万円のうち約4割が地元業者とお伺いしております。それを信用するならばですけれども。執行済額144億3,000万円から先ほどの用地補償費などの18億7,000万円を差し引いた事業費125億6,000万円のうち、地元業者の受注額は約70億円と思われます。巨額な投資事業でありながら、地元事業者が束になってかかっても受注は約5割強程度というふうな状況になっています。一方で、残りの半分を大手が持って行き、それがどのように還流をするのかわかりませんけれども、この割合についてどのように考えるかということにもあります。そもそもこの北地区の重点エリアの拠点施設整備は、我々は反対しているわけですけれども、現実的には契約が締結され、工事も進んでいる状況です。地元事業者との共同企業体とはいえ、やはり大手の企業が元請業者として入っております。今後、約110億円という事業費をかけて進められるわけですけれども、その大半が大手の企業に支払われ、公共事業に投資した税金が地域内で潤うことがないのではないでしょうか。両事業とも下請業者の選定に当たっては、地元事業者を優先的にとお願いするだけで、目標などの設定もなく、どれだけ地元業者が入っていけるのか、対等な契約についても元請に委ねられるのが現状ではないでしょうか。地方自治体は大型開発一辺倒ではなく、第一次産業、再生可能エネルギー開発、観光、福祉など地場産業の振興を通じて、地域経済の活性化を図ることをこれまでも求めてまいりました。公共事業を通じても市の経済を支える地元事業者の振興を図り、その経済が市内をめぐり循環する地域内循環型の経済を図る必要があると考えますが、市の考えをお伺いして1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤副市長。                〔副市長 伊藤和貴君登壇〕 ◯ 副市長(伊藤和貴君) 大田議員の公共事業と地元中小企業支援についての御質問のうち、新山口駅北地区拠点施設整備のPFI的事業と学校施設空調設備整備のPFI事業についてお答えいたします。まず、学校施設空調設備整備事業の契約において、元請負事業者と下請負事業者の適正性が確保されるよう契約条項等の中で対策を講じるように指示を出したのかとのお尋ねでございます。これにつきましては、昨年7月の入札公告等におきまして、入札説明書、要求水準書及び事業契約書案におきまして、業者間の適正性の確保対策に関する記載等をその時点において既に行っておりまして、その後の9月議会での大田議員からの御質問に際し、本事業の担当部署と協議を行う中で、既に対策済みであることを確認いたしているところでございます。対策の具体的な内容といたしましては、まず、入札時におきましては、入札説明書におきまして下請負事業者への経費のしわ寄せや労働条件の悪化につながる可能性を含め、事業内容に適合した履行がなされないおそれが生じると判断された場合は、低入札価格調査を行うことといたしたところでございます。また、事業を実施するに当たり、満たすべき水準などを示した要求水準書におきまして、遵守すべき法令等として、議員御指摘の建設業法を初めとした各種法令のほか、山口市の入札・契約に関する要綱等を掲げたものでございます。この山口市の入札・契約に関する要綱等の中には、元請負事業者と下請負事業者との間における対等の協力者としての適正な契約の締結及び施工体制の確立などを図ることを目的といたしました山口市建設工事における元請・下請適正化指導要綱も含んでいるものでございます。また、事業契約書におきましては、提出すべき書類といたしまして、下請工事契約時チェックリスト及び下請工事完了時チェックリストを掲げまして、元請負事業者が取引上の地位を利用して、下請負契約の金額をその工事の施工に通常必要な原価に満たない金額とすることがないよう確認を行っておりまして、通常の工事請負契約と同様、元請負事業者と下請負事業者の適正性が確保されるよう対策を講じ、契約を締結いたしたものでございます。次に、PFIまたはPFI的手法により、下請負事業者に安く請け負わせることへの対策をどのように考えるかという点でございます。PFIでは一括発注や長期契約、性能発注を行う中で、民間の資金、経営能力、そして技術を活用し、民間事業者の自主性と創意工夫を活用することによりまして、効率的かつ効果的に事業が実施できるというメリットもありますことから、必要に応じまして今後も活用いたしていきたいというふうに考えております。また、PFI的手法を採用しております新山口駅北地区拠点施設整備事業におきましても、学校施設空調設備整備事業や通常の工事請負契約の場合と同様に、元請負事業者と下請負事業者が適正な請負価格による契約締結や施工等が行われるよう、関連する法令や要綱等に基づいた対策を講じておりまして、今後とも適正な監理を行ってまいりたいというふうに考えております。次に、大企業、東京一極集中の是正についてお答えをいたします。地方公共団体の契約は、地方自治法第234条の規定に基づき、原則として一般競争入札により一定の資格を有する不特定多数の事業者による入札の方法によって競争させることなど、適正な競争原理のもとに、経済性、公平性、公正性の確保を図りながら行うといったことが大前提となっております。その一方で、地域経済の活性化につきましても地方公共団体の重要な役割の一つでございますことから、地方自治法施行令第167条の5の2におきまして、入札参加者の事業所の所在地等の条件を付することができる旨が定められておりますことに基づき、本市におきましては、山口市ふるさと産業振興条例の趣旨も鑑みまして、原則として市内事業者への優先発注をすることといたしているところでございます。また、下請負人の選定についてでございますが、本市発注の建設工事におきましては、受注者──すなわち元請負人でございますが──これに対する指示事項といたしまして、下請負人の選定における市内事業者の活用に努めることを明記いたしまして、市内事業者以外の者を下請負人とする場合はその理由書の提出を求めるなど、市内事業者が参入できる機会の確保を図っているところでもございます。議員御案内の新山口駅ターミナルパーク整備事業についてでございますが、平成30年度決算までの執行済額は144億3,000万円となっておりまして、用地補償費等としての18億7,000万円を除く建設工事に係る事業費は125億6,000万円となっているところであります。このうちJRへの工事委託91億8,000万円につきましてでございますが、鉄道施設を含む事業におきましては、鉄道専用の資格や特殊な技術、鉄道基準に沿った安全管理が求められますことから、鉄道事業者への工事委託という発注形態にならざるを得ないといった側面もございます。しかしながら、下請負人の選定に当たりましては、一般の工事と同様に市内事業者の優先活用をお願いいたしておりまして、実績といたしまして下請負人のうち約4割が市内事業者であるとの報告を受けているところでございます。そして、残りの33億8,000万円につきましては、新山口駅北口駅前広場整備工事等の建設工事や測量業務等でございまして、これらは全て市内事業者への発注となっているところでございます。また、新山口駅北地区拠点施設整備事業についてでございますが、総整備事業費約109億8000万円のうち、約97億4000万円が建設工事となっておりまして、その規模や求められる技術力等を踏まえまして、市内外の事業者で構成する共同企業体による施工を行っているところでございます。現在、工事の進捗状況は5%でございまして、下請負人が未定となっている部分も多くございますが、他の建設工事と同様に市内事業者の優先活用に努める旨の指示をいたしておりますことから、現時点の下請負人届予定表によりますと、届けがあった一次下請人の約4割が市内事業者となっている状況でございます。次に、議員御指摘の受注者に対して市内事業者への下請発注の目標を設定する等の制約を設けることについてでございますが、独占禁止法で掲げる公正かつ自由な競争の促進や事業者による自主的な判断での自由な活動の確保を制限するおそれがありますとともに、市内事業者の技術力や競争力の向上の機会を逸することにもつながるということから、かえって市内事業者の健全な育成を阻害してしまうといった側面もあるというふうに考えております。そういったことから本市といたしましては、現行制度の維持、継続によりまして適切な下請負契約及び施工体制の確保のための取り組みを推進いたしてまいる所存でございます。今後とも建設工事における市内事業者の受注機会の確保を図りますとともに、市内事業者の健全な育成という視点において適正な競争性を確保することによりまして同時に地域経済の循環を活性化させ、活力ある地域経済の形成に資するよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 中項目1)について2回目の質問をいたします。ちょっと違和感があったのが、昨年9月の時点で、いろいろな対策を講じての答弁だったということだと思いますけれども、それでしたら契約書の中で対策を講じるというような答弁にならなかったのではないかと思うのです。なので、ちょっと違和感があります。適切に扱われているということをおっしゃっておりますが、実際に聞き及んでいる現場では、やはりさまざまな困難な声ですとか、やはり元請と下請という力関係の話というのはおうかがいしております。ですので、もしそういった事案、はっきりした事案があった場合、しかるべき対応をちゃんととられるのでしょうか、その点お伺いします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤副市長。                〔副市長 伊藤和貴君登壇〕
    ◯ 副市長(伊藤和貴君) PFI事業等に関する再度の御質問でございます。まず1点目に、昨年9月時点での私の答弁において、元請負事業者と下請負事業者の適正性が確保されるよう、契約条項等の中で対策を講ずる必要があるものと考えていると、私答弁をいたしました。なぜそういう答弁になったかというと、まだ9月時点では実際に契約を結んでいない状況であります。その後契約を結んでいるということで、契約を結ぶ前の段階でありましたので、そういう必要があるという認識論を示したというふうな御理解をいただければ幸いであります。それから、もう一点、さまざまな下請負事業者にとって困難な事例があると聞き及んでいるという話でありますが、我々チェックリストの提出を義務づけておりまして、そういう下請負事業者に対しては、不利になるような扱いをしていないというところにチェックをさせていただいております。それが入札して、下請負契約を結ぶ前段階と結んだ後とそれから最終的な段階の3つのチェックポイントを持っております。それぐらいのチェックをしておりますので、基本的にはそういった事例はないのだろうと思います。ただ、議員がおっしゃるのは、その下請負契約に至る以前の話、業者間のいわゆる私的自治の自由な契約をすり合わせる段階でどのような話があったかは、ちょっと我々存じることにはまいりません。あくまでもでき上がったきた契約をチェックするという段階において、そのような事例に接したことはちょっと私はないということを申し上げたいと思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 中項目2)について2回目の質問をいたします。先ほど来、適切な公共事業の発注をされているということでありますけれども、やはり私たちは、日本共産党としては事業規模が大きすぎる。そこでやはり大手の企業が入って来ざるを得ないというふうに考えております。ですので、やはり適切な、身の丈にあった規模というのがあると思うのです。そうした場合にやはりこういった心配をする必要がないのです。ですので、やはり地元の事業者の振興を図るという意味でも、適切な規模を今後見極めていかなければいけないと思います。前回の議会でも、公共施設の総合管理計画でさまざまな見通しで懸念が出されているという指摘もさせていただいていますので、ぜひ今後はそういった大手の企業に向いたものではなくて、やはりしっかりと地元の事業者を見据えた事業展開というのをお願いしたいのですけれども、地元の業者の振興、この思い、ぜひ再度御答弁いただきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤副市長。                〔副市長 伊藤和貴君登壇〕 ◯ 副市長(伊藤和貴君) 大企業、東京一極集中の是正に関しての再度のお尋ねであります。地元の中小企業をちゃんと見据えた工事発注等をしっかり考えるべきではないかとの御指摘だというふうに受けとめております。確かに議員御指摘のように、やはり地域経済を考えたときには、やはり地元の企業が請け負いやすい金額、適正サイズといったものが多分あるのであろうと思っております。その中で議員御存じのように住宅リフォーム事業であるとか、地元産材の活用促進事業であるとか、そういったきめの細やかな事業も用意をいたしているところであります。と同時に、やはり合併をしまして、新しい市をつくっていくというインフラ整備の中で、どうしても規模の大きな施設整備、機能更新も必要になってまいります。そのあたりの大きな事業と小ぶりな事業のバランス感、それをとりながらしっかり財政運営を進めていければいいかなと思っております。そのあたり御理解いただければと思っております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 では、次の項目の質問に移ります。徴収業務についてです。この徴収業務についての質問のまず背景をお話したいのですが、昨年度から制度の枠組みが変わって県単位化された国民健康保険の制度があります。この国民健康保険の現状は、平成30年2月の国務大臣の答弁があります。平成27年度の数字で、加入者1人当たりの平均所得に対する平均的な保険料負担の割合として、国保は10.0%、協会けんぽは7.6%、組合健保は5.8%という答弁があります。ですので、国保の場合は組合健保の1.6倍、協会けんぽの1.3倍の重い負担となっております。これはこれまでも御紹介しているとおりです。加入者の実態も国務大臣が答弁されていますが、制度発足の1965年と直近の2015年の比較とされていまして、1956年の国保加入世帯主の職業構成割合は、農林水産業で42.1%、それ以外の自営業で25.4%、被用者が19.5%、その他が6.4%、無職が6.6%。一方2015年では、農林水産業で2.5%、それ以外の自営業で14.5%、被用者が34.1%、その他が4.8%、無職が44.1%とあります。発足当時は農林水産業と自営業で7割を占められていましたが、現状としては被用者と無職で8割を占める状況があります。発足当時より明らかに加入者の負担が重くなっています。今年度県から示された国民健康保険の標準保険料率は約4,600円増額で、県内で一番高い額が示されました。払いきれずに滞納する、せざるを得ないといった市民の方が少なくない状況があります。全国的にも容赦のない差し押さえが実際にされているようです。全国で昨年の滞納世帯は311万世帯と高どまりの状況があります。さらに、国保の保険者努力支援制度により、収納率向上に対して交付金を上乗せするという仕組みもあります。県単位化の制度です。このため、新規の差し押さえ件数をふやす方向になりかねない状況があります。先ほどの国務大臣も、もちろん個々の事情に応じてきめ細やかな対応は当然と答弁しておられますけれども、現実は滞納すれば無理な納付計画を約束させられ、払えなくなると約束が破られた、信用できないということで差し押さえをする。こうした連鎖は断ち切らなければなりません。国税徴収法は第1条で目的を定めておりますけれども、法律の定めがある場合における滞納者の事業の継続及び生活の維持を念頭に置きながら、徴収を確保することを目的とするべきと私は考えます。徴収緩和制度と強制徴収手続規定は優先劣後の関係になく、租税徴収制度の車の両輪、どちらの法律を適用するかは滞納者の実情・現況で判断すべきだと考えます。行政にとっては滞納者の実情の把握、これが滞納整理の出発点であるべきと考えます。給与の振り込み直後の入金口座差し押さえなど脱法行為も全国的にも山口市でも何件も聞いています。徴収法の欠点、幅広い裁量権の乱用、何でもやれるという思い込みが行政にあるのではという税理士の指摘もあります。差し押さえ禁止財産が法令で規定され、具体的には給与から差し引かれる所得税、住民税、社会保険料など相当額のほか、1月ごとに納税者本人につき10万円、生計を一にする親族1人につき4万5,000円を加算する額が差し押さえ禁止財産であるという政府参考人答弁もあります。ちょうど7年前の9月議会で、日本共産党の先輩議員の質問に対して市長は、職員は全体の奉仕者として収納徴税でもその考えをもとに職務遂行をと話していると。滞納処分をするような事態にならないように、常に該当者の生活状況、営業実態、つぶさに確認し、該当者の言い分、主張についても真摯に受けとめて答えをしていく、まずはきめ細かな納付相談の形をとって、できる限り完納に向けての計画的な分割納入、協議していくように職員などにも話をしているという答弁をされております。適切に対応されていると思っているとおっしゃっておられました。7年たっても、この間市の対応が強すぎて怖い、相談しようにも聞いてもらえず、どこに言って行けばいいかわからない、まるで市から死ねと言われているようだ等々、相談者から直接私はお聞きしています。名前を名乗られない方からも電話でさまざまうかがったりすることもあるのです。この現状を7年前答弁されましたけれども、7年たってこの現状をどのように認識されているか、まずお伺いします。提案として、滋賀県野洲市の山仲善彰市長の試み、「ようこそ滞納いただきました」という例があります。ちょっと紹介させていただきますと、これは温情主義ではなく、ビジネス的見地からの手法とおっしゃっています。問題が深刻化する前に手を打つことで、行政コストを減らす手法だと。部署を横断する相談体制と就労支援に至る生活再建型の滞納処分対策が最も有効だと考えておられるようです。滞納はそのシグナルとして受けとめられるから、ようこそなのだそうです。連絡がとれないなどの案件に差し押さえ件数も極力抑えているのは、行政コストが高く、非効率だからともおっしゃっております。市民を税源として見るのではなく、生活者として、就労者として生活再建を目指す視点が逆に行政コストを低減し、住民福祉の向上に寄与すると考えます。山口市としても強行的な徴収の姿勢からこの生活再建型に転換することを求めますがいかがでしょうか。  1回目の質問といたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山崎総務部税務担当部長。             〔総務部税務担当部長 山崎輝彦君登壇〕 ◯ 総務部税務担当部長(山崎輝彦君) 私からは徴収業務ついてお答えをいたします。まず、現状認識についてでございます。御案内のとおり税や保険料は納期内納付が原則でございます。法令上納付がない場合、納期限後20日以内に督促状を発し、その日から起算して10日を経過した日までに完納しない場合には、財産を差し押さえしなければならないとされているところでございます。しかしながら、本市といたしましては、市民の皆様に対し滞納処分をいたすような事態にならないよう、納付相談の中で双方の協議を踏まえて、その事情を加味した納付計画を作成し、納付者の立場に立った対応に努めているところでございます。それでもなお資力があるにもかかわらず、納付相談に応じていただけなかったり、納付の約束が守られないような場合につきましては、最終的な方法といたしまして差し押さえ等を行っておりますが、一方で生活困窮などにより納付が困難と判断した場合には、納付の猶予や滞納処分の執行停止などの負担軽減にも配慮しているところでございます。7年前に市長が申し上げましたとおり、従前と変わらず納付者に対しましては真摯な対応に徹しているところでございます。次に、生活再建につなげて滞納を解消する取り組みについてでございますが、初期においてはコールセンターからの電話による納付の呼びかけを行い、それでも納付いただけない方に対しまして、納付相談の中で現状をしっかりとお聞きして、生活が困難な事情を把握できた場合には、必要に応じて消費生活センターや地域福祉課等へ御案内するなど、庁内の連携を図っているところでございます。いずれにいたしましても納付がなければ滞納処分を行うというだけではなく、きめ細やかで適切な対応に努め、生活困窮者を支援しつつ、納期内納付の推進や徴収率の向上を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 2回目の質問をいたします。適切な対応をされているとおっしゃっていますが、給料や年金などの振り込みの朝、振り込みと同時に全て差し押さえている案件、これは私も直接かかわっておうかがいしております。明らかに給料ですとか年金と認識していながら、差し押さえた後の市民の生活は自分のこと、まず税金を払い、あとは借金すればいいなどと言われたという具体的なお話もおうかがいしております。ほかにも分納の約束を守ってやっていたにもかかわらず、担当職員がかわったとたんいきなり残額全てを納めるように言われ、できないなら差し押さえすると言われる案件もおうかがいしております。こうした対応が適切と言えるのでしょうか。市民を税源としてしか見ていないのはないかと考えます。先ほどの滋賀県の野洲市の滞納整理事務基準の冒頭部分に、滞納整理を行うにあたってという項目があるのですが、少し読み上げますと、滞納原因の把握と滞納者の生活実態を踏まえ適切な対応をということがあります。さらに滞納者の実情に即した最も妥当で合理的と判断する手段・方法で徴収すること、当然だと思います。それと、徴収吏員によって選択肢が異なることのないよう対応の均一性を図ること、これもうたってあります。また、悪質滞納者、生活困窮者の見極めについては、十分に聞き取りや調査を行った上で判断すること。先ほど来から申しています生活再建型の滞納整理については、生活困窮者については家計相談、就労支援、債務整理等による生活支援のため、関係課と連携するというふうに規定されています。私、この事務の基準というのは、当然で真っ当な基準だと思います。ですので提案しているわけですけれども、事前に今の収納課の職員の研修の状況などもいろいろお聞きしました。この研修の充実ということも必要だと思います。やはり強権的に徴収できる権利もありますけれども、差し押さえ禁止財産など、そういったものをきちんと守らなければいけないという部分もある。先ほど言いました車の両輪なのですけれども、やはり国税庁はこうした研修については、社会人としての良識及び公務員の自覚を学ぶことを目的というふうに明記されています。具体的な座学の時間として312時間学び講義研修、1年の実務経験を経て、2カ月間の専攻税法研修と、実務経験を2年経て専科で7カ月の研修、合計738時間の講義研修が組まれ、通算で国税専門官には3年間の研修があり、実務研修2年間、講義研修1年間となるとされています。国税庁ではこれだけの研修を経ているのです。ですので、やはり適切な対応の根拠となるべきものですから、こうした研修の充実をしていかなければいけないと思います。私は収納課の部局としては、市民のそういった悩みですとか窮状を細かく把握できる部局でもあると考えています。困窮した市民に寄り添い、一人一人をきちんと生活や事業を安定させるために他部局につないでいくことが求められるとも考えております。私は市長にお伺いしたいのですが、やはり市民の方が死にたくなるというようなことをおっしゃるというのは非常に悲しいことだと思います。そうしたことを言わせないような行政にしていかなければいけない、山口市にしていかなければいけないと考えるわけですけれども、ぜひ市長の思いをお伺いしたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 滞納処分についての再度のお尋ねですけれども、議員御指摘がありますように、滞納処分については、きちんとした手続を経て、きちんとした対応をしていくというのを原則にしております。そして、そうした中で、滞納処分には滞納が生じた原因がございます。そうした原因についてどう対応できるのか、いろいろな分野との連携も徴税者には必要でございまして、そうしたこともきちんとしていく。要は、滞納をまずはなくしていくことが原則ですし、滞納があった場合には滞納をいかに完納できるような形にしていくか、それにはいろいろな形がありますので、そうしたものを適正に対応していきたい、こういうふうに思っています。そしてまた御指摘がありましたけれども、徴収者いわゆる税の職員の体制ですけれども、私どもはそういった形については研修あるいはセミナー、こうしたものを重視しておりまして、いろいろな形で研修を受けていただくようにしています。そして、特に重要なのは、職場研修というのが非常に重要でございますので、職場研修というものを日々のケース・バイ・ケース、そうしたことの中で経験をしていく、その中で研修を積み上げていく、こういうふうな形について総務部長あるいは税務担当部長にもお願いをしております。そうした形の中できちんとしていこうと思います。おっしゃられるいろいろな形の中で、滞納があった、それを完納していくために一生懸命やっていらっしゃる方、そうした方々に対して我々もきちんとした対応ができる、また協力ができる、そうした形に努めていきたいと思います。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 大田たける議員。               〔17番 大田たける議員登壇〕 ◯ 17番 大田たける議員 市長の思い、お伺いしました。ぜひ今後ともそういった市民の皆さんが、本当に税金を納めることを前向きに考えていただけるような適切な対応を求めていきたいと思います。  次の質問に移ります。大項目ウ、新山口駅北地区第一種市街地再開発事業についてお伺いします。このたび8月26日の執行部説明会で、この事業に支援を決定することの報告を受けました。この事業は、新山口駅北地区のいわゆるBゾーンで、民間の事業主体により整備されるものと認識しております。全国でも各地で大手企業主導の大型再開発事業が多くあります。しかし、外からは再開発の真実の姿はなかなか見えにくいものです。再開発事業が完成するとまちの景観も変わって、市民の方としても何か新しいものができたなというふうに気づくことになるわけですけれども、さまざまな問題が全国的には指摘されています。そこで数点お尋ねいたします。まず、周辺都市景観との調和、周辺住宅街とのバランス、道路・駐車場などの交通施設、小・中学校とのバランスなど、山口市の都市計画で考えられていたことに影響がないようになっているのかどうかお伺いします。この事業へは行政から潤沢な補助金が支出されます。この事業に対しては、総事業費の2割の補助金となり、国と自治体が半分ずつ負担するということになりますが、財産の取得でもなく、単に税金を支出するだけのもの、この税金の使い方として適正性が問われるものと考えますが、市としてはどのようにお考えになりますか。また、この事業が実施されることにより、周辺の道路の拡幅や整備などの環境整備の負担、補助金とは別の支出はあるのでしょうか。また、現段階の事業計画は、基本計画段階であり、おおよその概算で、これから具体的な精査が行われると思いますが、補助金を使う事業であり、詳細な事業費の積算などチェックをするべきと考えます。今後どのようにチェックされるつもりなのかお伺いします。また、これらの詳細設計や事業費の積算資料は全て公開すべきと考えますが、市としての考えをお伺いします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 坂本都市整備部長。              〔都市整備部長 坂本公昭君登壇〕 ◯ 都市整備部長(坂本公昭君) 新山口駅北地区第一種市街地再開発事業についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、新山口駅北地区重点エリアは、上位計画であります山口市都市計画マスタープランにおきまして都市拠点と位置づけ、高次都市機能の集積を図ることとしておりますほか、都市基盤施設の優先的整備を推進することといたし、これまでターミナルパーク整備事業によりまして駅前広場や周辺基盤施設整備を進めてきたところでございます。また、新山口駅北地区におきましては都市空間デザイン指針を策定するなど、本市の広域交流拠点として重要な役割を担うエリアとして山口県の顔となるような景観づくりを推進することといたしております。また、山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画では、小郡都市機能誘導エリアにおきまして、医療、商業、教育、娯楽、文化機能の集積を図るとともに、経済のまちとして発展させるため、オフィス機能等の集積を図ることといたしております。このように、本市におきましては、上位・関連計画に基づき、新山口駅北地区重点エリアの整備を計画的に進めてきたところでございまして、これらの波及効果として実施される新山口駅北地区第一種市街地再開発事業に大いに期待をいたしているところでございます。議員お尋ねの周辺都市景観との調和につきましては、準備組合が事業計画を検討される中でも重視されているところでございまして、完成予想図や図面等の中で当該地区のこれからの都市空間の基本的な方向性を示します、本市の都市空間デザイン指針に沿ったものであることを確認させていただいているところでございます。次に、本市の都市計画への影響でございますが、まず、道路・駐車場等の交通施設につきましては、本施設に必要とされる駐車台数は敷地内に整備することとされているほか、産業交流拠点施設のような集客施設とは異なり、発生交通量は限定的であると考えられるため、周辺道路に対しまして過度な影響を与えることはないと判断いたしております。また、周辺学校の受け入れ体制についてでございますが、当該地域の小・中学校の児童・生徒数につきましては、今後、増加してくることが予想されるところではございますが、当面は現在の学校施設で受け入れることが可能であると考えております。また、当該地域は、本市の都市計画におきまして商業地域に指定し、高度利用を図るエリアとしておりますほか、当該エリアを都市拠点として高次都市機能を集積するエリアといたしているところでございます。このようなことから、本事業は市街地の更新、防災性の向上、良好な市街地の形成、経済波及効果等の面からも都市計画的に望ましいものであると考えております。次に、補助金の妥当性についてでございますが、市街地再開発事業は、都市再開発法に基づき実施されるものでございまして、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、広場等の公共空間の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る事業とされておりますが、共同化のための権利調整作業を伴う困難な事業であることや地域の都市機能の更新も伴う事業となりますことから、国・地方公共団体が事業の推進を図るための助成を行うことができることとされております。また、本市にとりましても、事業の実施に伴う効果といたしまして、税収増が見込まれますほか、経済波及効果として、建設工事の実施による効果、約60億円及び雇用誘発効果、約461人、施設の稼働に伴う効果、年間約6億2,000万円及び雇用誘発効果、約70人、その他の地域活性化効果として居住人口の増加やそれに伴う地域消費需要の拡大効果などが見込まれているところでございます。この事業は、産業交流拠点施設との相乗効果の期待できる機能も導入されますことや経済波及効果など、さまざまなメリットのある事業でありますことからも、国の制度に基づきまして支援を行うことといたしたところでございます。次に、環境整備に対する市の負担についてでございますが、本事業区域周辺は、ターミナルパーク整備事業といたしまして、市道矢足新山口駅線の整備を進めるなど、基盤施設が整いつつあるエリアでございますことから、本事業の実施に伴い、周辺道路の拡幅などの環境整備に新たに必要となります、本市の補助金とは別の負担はございません。最後に、事業費の精査についてでございますが、本事業につきましては、市街地再開発事業に対する国の助成制度を活用した支援を考えておりまして、国への申請額を確定するために事業費の精査は必要となってまいります。今後、準備組合による実施設計等が行われ、詳細な積算資料等が作成された後、これら資料の提出を受けまして、事業費の内訳について適正な積算がなされているか、補助金の適正な執行体制が整っているか等について、国とともに精査を行うことといたしております。また、これらの詳細な設計図書や事業費の積算資料等につきましては、準備組合により作成されるものでございまして、工事発注の資料となることや特殊な技術工法等、公開すべきでない内容も含まれる場合もございますことから、準備組合の意向を踏まえつつ、公開する内容や時期についても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、大田たける議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。  以上で、一般質問並びに質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております議案第1号から議案第18号までについては、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれの所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております諮問第1号から諮問第3号までについては、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略したいと思います。これに御異議はございませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 御異議なしと認めます。よって、諮問第1号から諮問第3号までについては、委員会の付託を省略することに決しました。  これより討論に入ります。諮問第1号から諮問第3号までについて、討論はありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 討論なしと認めます。  これより採決いたします。諮問第1号人権擁護委員の候補者の推薦について、異議のない旨通知することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、諮問第1号は異議のない旨通知することに決しました。  諮問第2号人権擁護委員の候補者の推薦について、異議のない旨通知することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、諮問第2号は異議のない旨通知することに決しました。  諮問第3号人権擁護委員の候補者の推薦について、異議のない旨通知することに賛成の議員の起立を求めます。                   〔全員起立〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 起立全員であります。よって、諮問第3号は異議のない旨通知することに決しました。  日程第3、議案第19号令和元年度山口市一般会計補正予算(第3号)を議題といたします。  市長から議案に対する提案理由の説明を求めます。渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 本日、追加提案いたしております議案第19号の令和元年度山口市一般会計補正予算は、8月28日から30日にかけて発生した豪雨により被災した市内の道路などの公共土木施設の災害復旧に係る所要の経費を追加計上するものでございまして、歳入歳出予算の総額にそれぞれ4,900万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ915億1,332万3,000円といたしております。歳出予算からその概要を御説明申し上げますと、災害復旧費につきまして、土木施設災害復旧費4,900万円を追加計上いたしております。次に、歳入予算につきましては、特定財源といたしまして、国庫支出金3,000万円、市債1,900万円を追加計上いたしております。第2条の地方債の補正につきましては、今回補正いたします事業に見込まれる起債につきまして、その限度額を変更いたすものでございます。  以上で説明を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、議案に対する説明が終わりました。  ただいま説明のありました議案を調査するため、暫時休憩いたします。                  午後4時27分休憩       ────────────・────・────────────                  午後4時48分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  これより質疑に入ります。質疑はありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 質疑なしと認めます。  ただいま議題となっております議案第19号については、所管の常任委員会であります予算決算委員会に付託いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。再開は、26日午前10時であります。                  午後4時49分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  野 村 雄太郎                    会議録署名議員  宮 川 英 之 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....