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令和元年第2回定例会(2日目) 名簿 開催日:2019年06月10日
令和元年第2回定例会(2日目) 本文 開催日:2019年06月10日

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  1. 山口市議会 2019-06-10
    令和元年第2回定例会(2日目) 本文 開催日:2019年06月10日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2019年06月10日:令和元年第2回定例会(2日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりでございます。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、6番、竹中一郎議員及び27番、尾上頼子議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第25号までを一括議題といたします。  順次発言を許します。19番、原真也議員。               〔19番 原 真也議員登壇〕 ◯ 19番 原 真也議員 おはようございます。自由民主党山口の原でございます。新たな令和の時代の初めての定例会におきまして、最初に質問させていただきますことを大変光栄に思っております。それでは、会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆様、明快なる御答弁をよろしくお願いをいたします。  まず、大項目のア、令和の時代のまちづくりについてでございます。去る5月1日に天皇陛下が御即位され、多くの国民が祝意をあらわす中で、令和の新たな時代が幕を開けたところでございまして、我が会派といたしましても祝意を申し上げますとともに、新しい時代がさらに輝き、希望に満ちたものとなるよう私たちも努力を重ねてまいる所存であります。令和は、万葉集にある「初春の令月にして気淑く風和ぎ梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」から引用されておりまして、安倍総理も春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人一人があすへの希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いが込められており、人々が美しく心寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているとのことであります。したがいまして、本市におきましてもこれからの令和の時代にふさわしいまちづくり、市民一人一人があすへの希望を持ち、それぞれの夢がかなえられるような山口市となるべく、現在の山口市のまちづくりを確実に未来につなげていかなければならないと感じているところであります。さて、これまで本市は平成17年10月の1市4町合併、そして平成22年1月の旧阿東町との合併を経まして、1,000平方キロメートルを超える広大な市域を有する山口市となりました。平成の大合併以降、合併当初は財政運営も非常に厳しい中にあっても市長の類いまれな行政手腕のもと、新市建設計画などの取り組みを着実に進めてこられますとともに、市民の皆様との協働のもとで行財政改革にもしっかりと取り組まれ、合併後の本市の礎を築いてこられました。そして、合併後のまちづくりの道しるべとなります山口市総合計画の策定と推進、また第二次山口市総合計画の策定、さらには総合計画と地方創生の総合戦略の取り組みを一体的に進められたことによりまして、人口は19万5,600人余りと本市の地方創生総合戦略に掲げております人口展望を数千人上回る水準で推移しており、これもこれまでの渡辺市長が積極果敢にまちづくり取り組んでこられた成果であると高く評価をいたしているところであります。加えまして、国立社会保障・人口問題研究所において、県全体の人口減少が進む中、本市の人口は2040年代に山口県内最大の人口を有する都市となる人口推計がなされておりまして、さらには昨年末、本市は全国82都市の一つとして中枢中核都市に位置づけられたところであり、県都としての本市の役割が一層増してくるものと考えているところであります。こうした中で、本市では平成の時代から新たな令和の時代のまちづくりにつなぐために、意欲的な事業展開を図るための令和元年度当初予算を「時代をつなぐ」「地域をつなぐ」「施策をつなぐ」、この3つを基調とした「つなぐ 未来創造」予算として位置づけ、過去最大規模となる901億8,000万円の積極型予算を編成されておりまして、現在、その取り組みを鋭意進められているところであります。そこで、お尋ねをいたしますが、まず、平成の大合併を経て広大な市域を有する山口市となる中で、渡辺市長は常に本市全体の発展、そして県都としての発展に向けて取り組んでこられましたが、合併後の本市における平成のまちづくりについてどのように総括をされておられるのか、お伺いをいたします。また、今後本市が本格的な人口減少時代を迎える中で、市長は令和の時代に山口市の未来を確かなものとしていくため、さまざまな課題にしっかりと向き合い、さらなる本市全体の発展に向けて積極的に取り組んでいかれることと思っております。新たな令和の時代を迎えられ、改めて市長はどのように本市のまちづくりに取り組んでいかれるのか、その思いを伺いまして1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) おはようございます。原議員の令和の時代のまちづくりについての御質問にお答えをいたします。去る5月1日に天皇陛下が御即位され、今議会は新しい元号、令和の時代における最初の定例会でございますことから、私も希望に満ちあふれた新たな時代を切り開いていかなければならない、そうした決意を新たにいたしながら、令和の時代における初めての答弁をさせていただきたいと思います。まず、平成のまちづくりの総括についてでございます。地方における平成の時代を振り返りますと、平成は地方分権改革を通じて東京一極集中の是正、高齢社会・少子社会への対応、個性豊かな地域社会の形成を目指してきた時代でございました。国から地方への権限移譲や地方行政体制の整備としての市町村合併の推進など、地方自治を取り巻く環境が大きく変化いたしました。それと同時に、地方公共団体がみずからの判断と責任において、地域課題への対応や個性ある地域づくりを進めていくことが可能となる行財政基盤を確立する時代であったと認識をいたしております。こうした地方分権改革の積み重ねの上で、2度の合併を経て誕生いたしました本市における平成の時代のまちづくりにつきましては、本市が本格的な人口減少時代少子高齢社会に直面していくに当たって、持続可能な行財政基盤を確立いたしながら、本市の未来を確かなものとしていく取り組み、山積する地域課題への対応を進めていくことが求められているところでございます。また合併後の本市は、面積は県内で最も広く、人口も2番目に多い自治体となりましたが、国の三位一体の改革による地方交付税の減少等もございまして厳しい財政運営を余儀なくされておりました。そうした財政状況におきましても、私は特に心を砕き、合併後すぐに着手いたしましたのが地域交流センターを中心に地域に軸足を置いたまちづくり、いわゆる小さな自治の構築に向けた山口らしい地域内分権の取り組みでございました。それぞれの地域で培われたまちづくりや地域への思いを大切にし、地域のお祭りや日常生活の支え合いが続くような温かみのある地域社会を構築するために、住民自治によるまちづくりのもとで協働によるまちづくりの取り組みを新市において進めてまいりました。各地域の公民館にまちづくり機能を加えた地域交流センターを設置いたし、地域の皆様の御理解と御協力をいただきながら、市内21の全ての地域に地域づくり協議会を立ち上げていただき、地域づくり計画の作成や地域づくり交付金の活用を通じた地域活性化の取り組みとともに、地域づくりや地域防災の拠点となります地域交流センターの年次的な建てかえや機能強化も進めてまいりました結果、本市らしい小さな自治、協働のまちづくりのもとで、安心して暮らしていける地域社会づくりが平成の時代において実を結んできたと総括をいたしているところでございます。また、同時に厳しい財政状況にあってもまちづくりにおける諸課題に適切に対応するため、新市発足直後から徹底した行財政改革や事務改善に取り組み、内部管理経費の削減などを着実に実行いたし、関係者の皆様の御理解と御協力をいただきながら、持続可能な財政基盤を確立してまいったところでございます。こうした積み重ねの上で、平成23年度から市民生活の満足度を高める取り組み、すなわち雇用、子育て、教育、防災、健康長寿を初めとした市民の皆様の暮らしにおける安心を実現する取り組みを徐々に充実していくことが可能になってまいりました。さらに、合併特例事業債などの合併に伴う国の支援措置の活用や、新市としての予算規模や職員体制のスケールメリットのもとで、旧市町単位では実施が困難でございましたさまざまな未来への投資を、選択と集中により積極的に展開することが可能となってまいりました。未来への投資といたしまして、東京一極集中を是正するための魅力あふれる県都づくりとしての広域県央中核都市づくりにつきましても、平成26年度ごろから社会基盤整備等を本格化させてまいりました。御案内のとおり広域県央中核都市づくりは、人口減少時代少子高齢社会にあっても、将来にわたって成長や発展を続け、若者の働く場をしっかりと確保できる高次都市サービスが確立できる都市圏、すなわち県央部の人口60万人から70万人の広域経済・交流圏の形成と発展に貢献していくための魅力的な県都づくりを進める都市政策でございまして、山口都市核と小郡都市核を中心に高次の都市機能の集積につながる積極的な社会基盤整備や事業展開を新市の総合計画のもとで進めてまいりました。山口都市核づくりにつきましては、650年を超える歴史の中で積み重ねられてきました行政、文化、教育、商業、観光などの都市の特性や既存ストックをより高めるエリアとしての都市空間の形成を進めてまいりました。山口市中心市街地活性化基本計画に基づく、一の坂川周辺地区、アルビ跡地、一の坂川交通交流広場の整備などを進め、また大内文化ゾーンでは菜香亭の創造的歴史公園、十朋亭維新館、亀山公園山頂広場リニューアル整備などを行ってまいりました。さらに湯田温泉ゾーンでは、湯田温泉駅前における駐輪場や公衆トイレ等の一体的な整備、各通りの美装化等の修景整備、湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」や何遠亭を含めた井上公園の整備などを進めてまいりました。とりわけ中心市街地活性化について全国的に商店街が衰退し、お祭りなどの地域文化の喪失も危惧されている中にあって、本市の中心商店街はにぎわいや商業機能が保たれており、去る6月4日には経済産業省の全国はばたく商店街30選、この一つとして選定されたところであり、地域の発展に貢献している商店街であるとの評価がされたところでございます。また小郡都市核づくりにつきましては、新山口駅や周辺市街地を中心に県全体の玄関にふさわしい交通結節やアクセス機能の強化を図り、新たな交流やビジネスの拠点としての都市空間の形成を進めてまいりました。既に供用開始いたしました橋上駅舎、南北自由通路、北口駅前広場など、こうしたターミナル整備の進捗によりまして、小郡都市核づくりが目に見える形となってまいりました。同時に小郡都市核の市街地形成に欠くことのできない下水道整備、雨水排水対策などの都市基盤の整備も進んでおります。加えて県央部の6市1町で山口県央連携都市圏域を形成いたし、本市が県都としての中心的な役割を果たしながら、将来にわたって活力ある圏域を形成するための広域連携の取り組みが進んでいるところでもございます。こうした本市と県央部発展の方向性につきましては、平成元年度に合併前の県央部の2市2町が策定をいたしましたやまぐちコアポリス21プランにおきましても、県勢の発展を主導する中核都市の形成の必要性を明らかにしていたところでございますし、平成10年に策定された県政の運営の長期指針やまぐち未来デザイン21におきましても、県中部エリアにおける広域活力創造圏や中核都市等の連担的な整備の必要性が位置づけられていたところでございます。また、平成16年に策定した新市建設計画、そして平成19年に策定した山口市総合計画におきましては、山口・小郡の両都市核づくりを通じた本市の発展の考え方と事業を位置づけ、その取り組みを進めてまいりました。いわば平成の始まりから多くの関係者の皆様により御議論されてきた山口・小郡の両都市核づくりを通じた県都山口市と県央部の発展の方向性が構想や計画段階を経て新市において実施段階に移り、30年という期間を経て、平成の時代のうちにようやく目に見える形になってきたものと総括をいたしているところでございます。とりわけ小郡都市核は交通の利便性等の潜在能力が十分に発揮し切れていない状況がございました。私は、小郡都市核が機能発揮することなくして山口市の全体の発展はない、ひいては山口県の発展もないとの考え方のもとで、広域県央中核都市づくりを進めてまいりましたが、新市において多くの議員の皆様に都市核づくりを通じた県都山口市の発展というまちづくりの方向性に御理解をいただく中で、小郡都市核における未来への投資とビッグプロジェクトの推進が可能となってきたと考えているところでございます。この場をおかりいたして改めてお礼を申し上げたいと思います。このような形で、山口らしい地域内分権、広域県央中核都市づくり、市民生活の満足度を高める取り組みなど、合併後の本市における平成の時代のまちづくりを進めてまいりました結果、平成27年国勢調査におきまして本市の人口は増加に転じ、人口は地方創生総合戦略における人口展望を数千人上回る水準で推移をいたしているところでございます。また、昨年には全国82都市の一つとして、本市が地方の発展を牽引するところの中枢中核都市に位置づけられ、県央部や県全体を牽引していく役割が本市に期待されていることなどからも、市民の皆様とともに進めてまいりました平成の時代の本市のまちづくりは着実にその実を結んでいると総括いたしているところでございます。次に、令和の時代における本市のまちづくりについてでございます。御案内のとおり、令和には人々が美しく心寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているところでございまして、多くの関係者の皆様が積み重ねられてこられました平成の時代の成果が受け継がれ、未来志向の国づくりやまちづくりが花開く令和の時代としていかなければならないと考えております。さて、令和の時代の幕開けでございます令和元年度は、第二次山口市総合計画の主要プロジェクトを目に見える形にしていく計画期間の重要な2年目を迎えておりまして、本市は令和元年度当初予算を「つなぐ 未来創造」予算と位置づけ、平成の時代のまちづくりと令和の時代のまちづくりをつなぐための意欲的な事業展開を可能とする積極型予算を編成いたし、その取り組みを進めることといたしているところでございます。加えて、令和の時代において、令和22年である2040年ごろには我が国の高齢者人口が最大となりますことから、こうした未来の姿と諸課題を見据えますと、平成30年度から令和9年度までを計画期間とする第二次山口市総合計画におきまして、本市の都市政策の柱である「広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」のプロジェクトの積極的な展開を図り、令和の時代の早い時期において一定の社会基盤整備を完了させ、来るべき本格的な人口減少時代への備えを万全にしておく必要があるものと考えているところでございます。こうしたことから、広域県央中核都市づくりのうち、山口都市核づくりにおいては山口県ナンバーワンの広域観光・文化創造都市づくりを進めることを発展の方向性といたし、新本庁舎の整備を初め、黄金町地区における市街地再開発事業への支援などに取り組んでまいります。あわせて歩行者空間の整備として、いわば都市空間を自動車から歩行者に取り戻す取り組みを通じた回遊性の創出も、山口・小郡都市核づくりマスタープランの策定等において検討を進めてまいりたいと存じます。また、湯田温泉における多世代交流・健康増進拠点施設は山口都市核が積み重ねてきた歴史文化を踏まえながら、温泉が身近にある暮らしの豊かさから生まれる市民の誇り、市民同士の交流・定住促進につながる施設として整備を進め、温泉を楽しむ生活様式に市外、県外の方々が引きつけられ、湯田温泉が広域観光の拠点としての魅力をさらに高め、新山口駅からの誘客にもつなげてまいります。また小郡都市核づくりにおきましては、山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを進めることを発展の方向性といたし、その原動力となります新山口駅北地区拠点施設の整備、新山口駅南口駅前広場の整備、駅北口へのアクセス道路の整備促進を図ってまいります。そして、個性と安心の21地域づくりにつきましては、地域の特性を生かした個性豊かな21の地域連合を形づくることを発展の方向性といたしており、小郡、秋穂、阿知須、徳地、阿東の各総合支所エリアにおける地域経済活性化を図るふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトなどを進めてまいります。また、阿知須地域及び徳地地域におきましては総合支所と地域交流センターを複合施設として建てかえ、あわせて佐山地域、二島地域、鋳銭司地域における各地域交流センター阿東地域交流センター篠生分館の建てかえ整備などを進めてまいります。さて、御案内のとおり第二次山口市総合計画における目指すべき都市構造等では、重層的コンパクトシティ~好影響・好循環のまち~を掲げ、都市部も農山村も山口都市核も小郡都市核も異なる個性や特長を高め合い、さらなる価値創造や経済循環を図るという対流型のまちづくりを位置づけ、山口市全体の発展を目指すことといたしております。この対流型のまちづくりを検討するに当たり、私は特に思いをはせましたのは効率性や経済性を追求しすぎる一極集中のまちづくりや、全国どこにでもある画一的な個性のないまちづくりではなくて、地方都市だからこそ可能となる生活の質と多様性を創造していくことが本市発展の原動力となり、東京一極集中への歯どめにつながるという考えでございます。こうしたことから、都市核づくりの方向性といたしまして山口都市核では行政・歴史文化機能、そして小郡都市核では経済・ビジネス機能と、それぞれの都市機能を特化させ、両都市核が互いの特性に応じて個性を磨き上げるという、2つの中心的な都市核を持つという都市政策は我が国全体の都市を見渡しましても極めて特徴的でございまして、こうした形でまちの発展を目指すことで、定住実現のまちづくりが可能となっていくと考えているところでございます。また、同時に本市の地域づくりの方向性も地域特性のもと、各地域が個性を際立たせ、個性豊かな地域づくりを進め、市内21地域のネットワークの形成による地域連合を形づくることを位置づけているところでございます。こうした本市の都市構造を目指すことで、令和の時代にあっても市内の各地域が互いに美しく心を寄せ合うことができ、本市としてその歴史にふさわしい都市の風格や伝統的な祭事、美しい自然環境を保ち続け、文化遺産をしっかりと守りながら、新たな質の高い都市機能を加えつつ、市民の皆様の都市や地域の歴史を見守る温かいまなざしのもとで、令和にふさわしい山口ならではの定住実現を、そうしたことを目指した都市文化を育むことが可能となると考えているところでございます。また、あわせて今の生活を豊かにする市民生活に直結する取り組みを進めてまいります。まず教育分野におきましては、小・中学校及び幼稚園の全教室へのエアコン整備タブレット端末等を活用したICT教育環境の整備を進め、子育て分野におきましては幼児教育・保育の無償化への対応、保育園等の待機児童対策などを進めてまいります。また、産業分野におきましては中小企業における人づくり・生産性・働き方の改革と人手不足対策への一体的な支援に加えて、外国人材の受け入れ環境整備などの多文化共生社会の構築のほか、新たな産業団地でございます鋳銭司第二団地の整備、農林水産業の経営基盤の強化や担い手育成などを行ってまいります。さらに観光分野における令和3年度における山口ゆめ回廊博覧会の開催、健康福祉分野における二次救急医療体制の維持・確保に向けた綜合病院山口赤十字病院済生会山口総合病院の建てかえ支援などを行ってまいります。また、安全安心の分野では消防・救急通信指令業務の広域的な共同運用の検討、消防・救急体制の強化を図る鴻南地区への出張所整備などを進めてまいります。あわせて県農業試験場の跡地利用の検討としての新たな地域づくりテーマへの対応、スマート自治体の推進を通じた人口減少時代にあっても市民サービスを充実させ続けるための新たな挑戦なども行ってまいりたいと考えているところでございます。このような考え方のもとで、令和の時代におきましても第二次山口市総合計画に位置づける施策を着実に推進いたし、住んでよかった、これからも住み続けたいと心から思える定住実現のまちづくりに取り組んでまいる所存でございます。御支援もまたよろしくお願いを申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 原真也議員。               〔19番 原 真也議員登壇〕 ◯ 19番 原 真也議員 力強い答弁、本当にありがとうございました。  続きまして、項目イの新本庁舎の整備についてに移りたいと思います。昨年3月に山口新本庁舎整備基本方針を決定されてから1年余りを経まして、本定例会に先立ちまして同基本計画の最終案が示されたところであります。この間、市民アンケートや関係団体との意見交換を実施され、市民の皆様の意見把握に努められるとともに、山口市新本庁舎整備専門会議においても熱心な議論が重ねられてきたと思っております。市民アンケートや関係団体との意見交換につきましては、基本計画案の資料編にその概要が掲載されておりますが、執行部がしっかりと市民意見に耳を傾けてこられた様子がうかがえます。そして、その内容につきましても基本計画に反映されているものと評価をいたしているところであります。また、専門会議においてはこれまで5回の会議を開催され、各委員の皆様がそれぞれの専門的見地からきめ細かな意見や助言をされるなど、意義深い議論が重ねられてきたと感じております。一方で、当初は本年3月の基本計画策定を予定されていらっしゃいましたけれども、活断層調査の実施に伴いまして6月末の策定になるとうかがっております。この活断層調査につきましては、昨年6月のこの市議会定例会での議論が契機になったものと記憶をいたしておりますが、先般整備区域には繰り返し活動した証拠を有する活断層は認められないと評価するとの山口大学の調査報告書が公表されたところであります。その後も地質の知見を有する専門家の方からの指摘もあったようでございますけれども、市ではこの内容を山口大学に照会されて、一部内容の修正が加えられたものの結論の部分には変更がないとの確認をされたとのことであります。こうした経緯につきまして一部報道機関でも報じられているところではありますが、その内容については専門的な知見がなければ理解が難しいところがございまして、市民の皆様の中にも不安を感じ、心配をされていらっしゃる方もいるのではないかと思うところであります。また、基本計画の最終案におきましては消防本部に関する記載にも変更が加えられておりまして、消防本部は引き続き新本庁舎への集約について検討を行う組織として整理をされております。このことにつきましては、周辺の市との通信指令業務の共同化について調整が進められていることから、その検討結果を踏まえた対応を進めようとするものでありまして理解はするところであります。しかしながら、山口市新本庁舎整備基本計画には中央消防署がどうなるかが示されておりません。本庁舎の整備計画という目的からすれば当然のこととは思いますが、中央消防署についても老朽化が進んでおりまして、消防本部の調整結果に伴ってどのような整備の方向性が示されるのかについても気になるところではあります。本計画におきましては、整備方針の中に導入する機能が示されており、その一つの項目として災害対策機能の強化が示されております。本庁舎は自然災害など、万が一の際には災害対策活動、その後の復旧活動の司令塔となるべき建物でありまして、市民の皆様の安全安心のよりどころとなるものであります。こうした意味において、現在中央消防署が本庁舎に近接する形となっていることも、市民の皆様にとって安心を感じることのできる一つの要素となっていると考えるところであります。また、新たに迎えた令和の時代にふさわしい庁舎という視点も重要ではないかと考えております。多くの国民が未来への期待を抱く中で、本市の新たなまちづくりという視点からも新本庁舎が新たな時代に対応できる庁舎であることが求められております。こうした中、これからの人口減少社会に対応するため、総務省の有識者会議自治体戦略2040構想研究会において議論が重ねられてきた人工知能──AIやロボット等の技術を活用するなど、自治体としての本来担うべき機能がより質の高いサービスとして、効率的に提供される庁舎整備を進めることも求められております。さらには、新本庁舎の建設予定地は山口都市核エリアに位置し、山口県の県都として県庁を初め、国の機関や美術館、博物館などが集積するとともに、周辺にはにぎわいと交流の拠点である亀山公園などがあり、本市の都市機能の特徴ともなっているエリアであります。こうした中、新たな本庁舎は本市の都市機能の集積において特徴的な役割を果たしているパークロード沿いに集積する行政・文化機能の一翼を担うものでありまして、四季折々に美しい姿を見せるパークロードの景観にも配慮した上で、都市の顔としてその役割を担っていくことも必要と感じております。このたび新本庁舎整備基本計画の最終案が示され、いよいよ具体的な姿や形を描いていく基本設計に着手することを考えますと、このたびのこの6月定例議会は新本庁舎整備にとって、大変大きな節目の議会にも当たると考えております。そこで、2つの点についてお尋ねをいたします。まず、山口大学の断層調査報告書について一部指摘などもあったようでございますが、改めて市長がどのように受けとめられているのか、お伺いをいたします。また、いよいよ基本設計など具体的な施設整備に向けた段階に移行することとなりますが、令和という新たな時代を将来にわたって担っていくこととなる本庁舎の姿をどのように思い描いていらっしゃるのか、市長のお考えをお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。
     よろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 新本庁舎の整備についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、山口市新本庁舎整備基本計画につきましては、現在最終案の取りまとめを終え、パブリックコメントを実施いたしております。この基本計画につきましては、新本庁舎整備に向けて具体的な課題や条件を整理し、事業実施のための設計の指針といたすものでございます。昨年3月に山口市新本庁舎整備基本方針を策定いたしましてから、これまでの間、市民アンケート調査や関係団体との意見交換などにより、市民の皆様の御意見、お考えをお伺いいたしますとともに、山口市新本庁舎整備専門会議における有識者の方々の御助言を踏まえ、検討を重ねてまいったところでございます。市民アンケートにつきましては、昨年10月に5,000名の市民の皆様に調査票を送付いたし、その46.6%に当たる2,332名の皆様から御回答をいただきました。また、関係団体との意見交換では観光、経済を初め文化、環境、福祉、子育て、市民活動など、各分野で御活躍の17の団体の皆様方から直接お話をお伺いいたしました。この中では、新たな本庁舎に求めるものとして、高齢者、障がい者、子供など全ての方が利用しやすい施設であることや、防災の拠点施設として十分な機能を有しているといった御意見が多く、また利用しやすい庁舎とするために重要と思われることといたしまして、駐車場にゆとりがあること、短時間で必要な手続が終えられることなどの窓口サービスの機能の充実やわかりやすい案内表示などの御意見が多い状況でございました。さらには、本市の歴史・観光に関する情報発信機能、市民の皆様が気軽に利用できるスペースの充実など、多くの御意見をいただいたところでございます。こうした市民の皆様からいただいた貴重な御意見に加えまして、専門会議におきましてもこれまで5回の会議を重ねます中で、有識者である委員の皆様方の専門的な見地から、導入する機能や規模、配置計画、概算事業費、事業手法などにつきまして、さまざまな御意見、御助言をいただいたところでございます。また、配置計画等の検討におきましては、現本庁舎及び中央駐車場の所在地近傍に活断層が存在する可能性が指摘されましたことから、敷地内における活断層の有無を把握するための調査を実施いたしました。調査に当たりましては、国の活断層評価等にも携わっておられます国立研究開発法人防災科学技術研究所や、山口大学大学院の専門家の方々などに調査の必要性等について御相談をいたします中で、山口大学大学院の専門家の方から地元山口大学の研究者を御紹介いただき、同大学に研究委託をいたしまして、反射法地震探査による調査及びその評価を行っていただきました。その結果、「整備区域の地下には基盤岩の風化度に変化をもたらすような褶曲や断層が存在するが、基盤岩を覆う第四期の堆積物には断層活動による変位が認められなかった。よって、整備区域には第四期に繰り返し活動した証拠を有する活断層は認められない」との評価でございました。議員お尋ねのこの断層調査報告書の受けとめについてでございますが、御案内のとおりこの報告書の公表後、地元の専門家から報告書に対します疑義の指摘がございましたことから、調査を委託した山口大学にその内容を検証していただきました。その結果、内容の一部修正はございましたものの活断層は認められないとする結論の部分に変更はございませんでした。山口大学には反射法地震探査を初め、空中写真を用いた地形判読や既存のボーリング調査結果との照合など、多角的に調査・分析を行っていただき、とりわけ反射法地震探査におきましては現地の地形や地下構造物等の位置なども詳細に把握され、丁寧に作業を実施していただきました。私は、この調査結果は山口大学において詳細かつ慎重に調査された成果であると受けとめているところでございます。今後、この評価に加え、設計段階で実施する地盤調査の結果等を踏まえながら、引き続き情報把握に努めることといたしております。そして、免震構造を基本に最適な構造形式を検討、採用するなど、さまざまな災害時にも災害対策拠点としての庁舎機能を維持できるよう、高い耐震性等を備えた施設を目指してまいる考えでございます。次に、令和の時代にふさわしい庁舎についてのお尋ねでございます。御案内のとおり、令和には人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているとのことでございます。私といたしましては、新本庁舎が令和という時代にふさわしいものとなりますよう、その整備に臨んでまいりたいと考えております。こうした思いのもと、新本庁舎は市民の皆様の暮らしを守り、支える行政拠点として安全安心で人と環境に優しいこと基本にしながら、さらには効率的・効果的に行政サービスを行うことができる機能性と、情報化や組織体制の変化、あるいは多様な市民の皆様のニーズに的確に対応できる柔軟性を兼ね備え、新たな時代にふさわしいものとする必要がございます。議員御案内のとおり、総務省の有識者会議がまとめた自治体戦略2040構想では、人口減少や高齢化が進展する中、自治体行政においても人工知能──AIやソフトウェア・ロボットによる業務の自動化──RPAなどの活用による業務の効率化を図り、いわゆるスマート自治体を目指す必要性が述べられております。こうした時期に新本庁舎の整備を進めるに当たりましては、これを機会に本市のさまざまな業務を見直し、その効率化を加速させてまいりたいと考えておりまして、基本計画案の整備方針に将来を見据えた柔軟な庁舎を掲げ、今後の情報化や組織体制の変化にも対応できる庁舎を目指すことといたしております。また、議員からも御案内のありましたように、新たな本庁舎の整備を進めます現本庁舎及び中央駐車場の所在地は山口都市核エリアに位置し、山口県の県都として県庁を初め、国の機関や美術館、博物館などが集積いたしますとともに、周辺にはにぎわいと交流の拠点でございます亀山公園ふれあい広場や一の坂川交通交流広場、そして昨年9月にリニューアルオープンいたしました山口都市核を一望できる亀山公園山頂広場を擁し、さらには魅力ある中心商店街との連続性を有しております。こうした恵まれた環境の中で新たな本庁舎の整備を進めるに当たりましては、このエリアの持つ優れた特長を踏まえながら、周囲の景観と調和した庁舎建物のデザインや配置とすることが重要であると考えております。具体的にはJR山口駅からのアクセスの際に望みます四季折々の美しい姿を見せるパークロード、そしてサビエル記念聖堂の白い尖塔を抱いた亀山の風景につきましては、市民共有の財産であると考えておりまして、その景観の中に見える本庁舎の顔につきましては、庁舎機能と同様に十分な検討や配慮が必要であると思っております。基本計画の最終案では、新たな本庁舎の配置につきましては、現在の中央駐車場の位置に執務スペースをメーンとする新本庁舎の大部分を配置いたし、その東側であります現本庁舎の位置に市民交流スペースを含む低層の建物と新たな中央駐車場を配置する案など、3つの案を取りまとめております。各案に共通して敷地東側のエリアにつきましては、新たな本庁舎の顔──玄関口となりますことから、市民の皆様のアクセスを初め、亀山の景観との調和やパークロード、周辺エリアとの連続性・回遊性に意を配しながら、新たなにぎわいや波及効果の拠点といたすことが重要であると考えているところでございます。引き続き、設計の段階において設計者の創造的な発想も加え、周囲の景観との調和など、各案の特徴を踏まえながら、亀山を臨む特徴的な立地にふさわしい庁舎となりますよう、さらに詳細の検討を進めてまいる考えでございます。また、設計の段階で検討を進める事項といたしましては消防本部の集約がございます。御案内のとおり現在本市を含む宇部・山陽小野田消防局、萩市消防本部、防府市消防本部の4消防本部におきまして、通信指令業務の共同運用の調整を進めているところでございまして、こうした状況を注視しながら引き続き調整を行う必要がありますことから、この基本計画案の中では消防本部につきましては、引き続き新本庁舎への集約について検討を行う組織として整理をいたしたところでございます。こうした中で、議員御指摘の中央消防署につきましては、昭和50年に建築をされた庁舎に消防本部とともに配置いたしております。この庁舎は築後40年を経て、建てかえ整備等の検討を始める時期を迎えておりまして、中央消防署につきましても新本庁舎整備と並行して検討すべき課題であると認識もいたしております。私は、新本庁舎の整備におきまして消防本部及び中央消防署を考えますとき、新本庁舎の災害対策機能の強化に資するという観点からの検討が重要であると思っております。また、安全安心な庁舎として、災害発生時の迅速な初期活動や応急対策を市長部局と消防部局が一体となって機能させ、災害対策機能の強化を図るという観点からの検討が必要となりますと同時に、現行の消防本部や中央消防署の一体的な業務遂行による効率性や、人的な合理性を考慮する必要もあると考えております。さらには消防本部及び中央消防署は本庁舎に隣接いたしておりますことから、施設設計や配置の工夫によりさまざまな形で市長部局と一体的に連携・機能できるような環境を整えられる可能性があるものと考えております。こうしたことを総合的に勘案いたします中で、中央消防署につきましては4消防本部での通信指令業務の共同運用の調整状況を踏まえながら、また隣接することとなります新本庁舎の整備の進捗にあわせ、早期に建てかえ整備含めた検討を進める必要があるものと考えております。今後の本庁舎整備に係るスケジュールについてでございますが、現在実施いたしておりますパブリックコメントの終了後、6月末に基本計画の策定を終えまして、7月に基本・実施設計の委託事業者の選定手続を公募型プロポーザルにより開始いたしたいと考えております。その後、ヒアリング等を実施いたし、秋ごろの契約締結を見込んでおります。私は新たな本庁舎が市民の皆様の生命を守るための拠点として、また新たなまちづくりの拠点として、あるいは市民の皆様が心を寄せ合い文化が生まれ育つ拠点として、新たな令和の時代にふさわしい庁舎となりますように努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、原真也議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  13番、山下宏議員。               〔13番 山下 宏議員登壇〕 ◯ 13番 山下 宏議員 県都創生山口の山下宏です。会派を代表いたしまして一般質問させていただきますので、市長並びに関係参与の皆様の明快なる御答弁をよろしくお願いします。  初めに大項目ア、スマート自治体についてでございます。昨年、9月議会で同僚議員の代表質問でもスマート自治体について、問題点の共有と第二次山口市総合計画との方向性は同じとの共通理解が進んだところですが、重要な案件ですので再び質問させていただきます。国におかれましては、我が国が今後本格的な人口減少と高齢化を迎える中、住民の暮らしと地域経済を守るため、地方自治体が行政上の諸課題に的確に対応し、持続可能な形で質の高い行政サービスを提供する必要があるため、総務省において平成29年10月に65歳以上の高齢者人口が最大となる2040年ごろの自治体が抱える行政課題を整理した上で、今後の地方自治体行政のあり方を展望し、早急に取り組むべき対応策を検討することを目的として、自治体戦略2040構想研究会を立ち上げられ、昨年4月に第1次報告を取りまとめられ、そして同年7月に第2次報告を取りまとめられたところでございます。また、その後こうした報告を受け、現在第32次地方制度調査会において、人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える2040年ごろから逆算をし、顕在化する諸課題に対応するための地方行政体制のあり方について議論が本格化しているところです。本市も40歳代の職員は全職員の40%を占めており、同様に2040年ごろには退職者が多数出るため、対策を急ぐ必要があると考えます。自治体戦略2040構想研究会が取りまとめられた報告では、2040年ごろにかけて労働力の絶対量が不足し、多くの分野で働き手不足が見込まれ、地方自治体におきましても経営資源が制約されることが予想されますことから、地方自治体がAI──人口知能やロボティクス等の革新的技術を活用し、従来の半数の職員でも地方自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要とされており、スマート自治体への転換の必要性について明らかにされております。総務省のホームページにはAIやロボティクス等を活用した先進事例が紹介されており、埼玉県さいたま市では保育所の利用調整業務にAIを活用することにより、職員の入所選考に要する時間が大幅に短縮され、入所申請者への決定通知が早期に発信できることが見込まれ、市民サービスの向上に取り組まれている事例もありました。私もこの報告のとおり、地方自治体の将来を見据えた行政体制のあり方につきましては、早くから検討し取り組んでいくべきではないかと考えております。本市におきましても、全国と同様に人口減少時代に直面し、15歳から64歳までの生産年齢人口、いわゆる働き手世代が減少する推計がなされている一方で、高齢化の進展により行政サービスの増加等が予想されるところであり、そうした中にあっても職員のノウハウを蓄積しながら、組織運営をいかに円滑に図っていくかが中長期的な課題となっていくものと考えております。将来的には人口減少や高齢化の進展に伴いまして、地方自治体の役割は一層増していくものと考えております。労働者人口に限りがある中で、当然地方自治体における職員の確保も難しくなってくることも想定されます。そうした行政資源が制約を受ける中にあっても現場力を向上させ、市民サービスの維持・向上を図っていくため、中長期的な視野に立った対策を目的となる未来を定めた上で今何をすべきかを考える、まさにバックキャストの手法により検討しておく必要があると思っております。昨年度にスタートした第二次山口市総合計画の前期基本計画や、山口市行政改革大綱推進計画には具体的な対策が示されておりません。また、現在新本庁舎整備も基本計画の策定に向けて取り組まれており、この基本計画策定後は基本設計、実施設計、工事という具体的な整備に入ってまいりますことから、こうした時期にあわせましてICT技術やAIなどの革新的技術の活用も視野に入れた窓口業務の執行体制を初めとする行政経営のあり方を細部にわたって検討することが求められているのではないかと考えております。そこで、お尋ねします。昨年11月に設置された山口市ICT利活用推進本部の進捗状況を含め、スマート自治体への転換について市長はどのように考えられ、どのように進めていかれるのかお伺いし、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 山下議員のスマート自治体についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、国立社会保障・人口問題研究所が公表いたしております日本の将来推計人口によりますと、総人口は2015年から2040年までの30年間で、約1億2,700万人から約1億1,000万人と約12.7%減少する予測に対しまして、生産年齢人口、いわゆる働き手世代は約7,700万人から約6,000万人と約22.7%減少する予測がなされております。また、老年人口は約3,400万人から約3,900万人と約15.8%増加し、高齢化率が約26.6%から35.3%に増加する予測となっております。このことは、高齢化がピークを迎える2040年ごろには労働力の不足、高齢化による社会保障費の増大、老朽化した公共施設の更新費用の増大など、地方公共団体にとりましては人的にも財政的にも大変厳しい局面を迎える時期が到来することが予測されているところでございまして、今後この問題に各自治体がどのようにアプローチをし、どういう道筋を見出していくのかという、いわば自治体の経営力が問われる局面に向かうものと認識をいたしているところでございます。議員御案内の2040戦略構想は、総務省における研究会が昨年7月に取りまとめた構想でございまして、人口減少問題など2040年ごろに自治体が抱える行政課題を整理した上で、2040年を起点に現在を振り返り、早急に取り組むべき対応策を検討し、基本的な対応について3つの方向性、すなわちスマート自治体への転換、公共私によるくらしの維持、圏域マネジメントと二層制の柔軟化が示されているところでございます。このうち、スマート自治体への転換につきましては、業務の標準化や共通化を進めるとともに、AI──人口知能や職員が手作業で行っていた反復定型業務を自動化する仕組み、いわゆるRPAなどの次世代の先端技術を使いこなすことによりまして、従来の半数の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮できるような仕組みを構築することが示されているところでございます。また、本年5月24日には同じく総務省の地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会、通称スマート自治体研究会により、「Society5.0時代の地方を実現するスマート自治体への転換」と題した報告書が取りまとめられまして、スマート自治体への転換を図る上での実務上の課題が整理され、3つの原則と7つの方策が示されたところでございます。このうち、スマート自治体への実現に向けた原則としましては、市民の方が窓口に来られなくても所期の目的を実現できるよう、また自治体にとっても紙媒体で提出された書類をシステムに入力する作業負担を軽減できるよう、行政手続を紙から電子へとすることが掲げられているところでございます。また、スマート自治体を実現するための方策といたしましては、業務プロセスやシステムの標準化、AI・RPA等のICT活用普及促進、電子化・ペーパーレス化などが示されているところでございます。一方、将来推計人口を踏まえました本市の状況を申し上げますと、2015年から2040年までで、総人口は約19万7,000人から約18万4,000人と6.8%減少する予測に対しまして、生産年齢人口は約11万7,000人から9万8,000人と16.6%減少する予測がなされております。また、老年人口は約5万4,000人から6万5,000人と約20.6%増加し、高齢化率が約27.3%から35.3%に増加する予測となっております。こうした状況は、我が国全体の将来予測と同様の結果でございまして、本市におきましても生産年齢人口の減少に伴い、職員の確保が困難となる一方で、高齢化の進展による福祉サービスなどへのニーズもこれまで以上に高まり、厳しい経営が求められることが予測されます。こうしたことから鑑みますと、AIなどの先端技術を駆使してこれまで職員が時間をかけて処理をしていた定型事務の自動処理化を進めるとともに、これに伴って削減することのできる人員をフェイス・ツー・フェイスで対応が求められる相談業務など、人ならではのサービス提供に注力することを可能にする環境を構築していかなければならないと考えております。それを可能にするものがまさしくスマート自治体であり、それへの転換の必要性を認識いたしているところでございます。そして、スマート自治体への転換において求められるスキルといたしましては、行政経営において過去の電算化、OA化あるいは情報化など、それぞれの時期にさまざまな先進技術を生かした業務改善の取り組みがなされてまいりましたが、そのときのように今のシステムや業務プロセスの更新を前提にして、徐々に変えていくような改築方式によるのではなくして、今の仕事の仕方を抜本的に見直し、従来の方法から全く新しい方法に移行するいわゆる引っ越し方式によることが求められているところでございまして、こうした取り組みを進めるにあたりましては、職員が大胆かつ新たな発想を持って、そして組織を挙げて取り組まなければ実現できないものと認識をいたしております。こうしたことを踏まえまして、先月27日に副市長を本部長とするICT利活用推進本部会議を開催し、自治体戦略2040構想を踏まえた行政経営のあり方について、組織内での課題共有を図りますとともに、全職員が一丸となって取り組んでいくようプロジェクトマネージャーである各部局長が先頭に立って、マネジメント力を発揮していく体制とすることにつきまして確認を行ったところでございます。また、本部会議の中におきまして、今年度中にアクションプランを策定し、スマート自治体への転換に向けた研究、実証的取り組み等を進めてまいることといたしております。そして、第二次総合計画の後期基本計画がスタートいたします令和5年度を目途に、行政改革大綱の後期推進計画を初め、関係する部門計画等へ研究、実証した成果等を反映させることといたしたところでございます。こうしたスマート自治体への転換におきましては、議員御案内のとおり窓口業務をはじめ、市役所の組織や人員配置等もあわせて検討を進めることとなりますことから、現在進めております新本庁舎整備とも十分整合を図りまして、また国の第32次地方制度調査会の自治体戦略2040構想の観点に基づく、圏域における地方公共団体の協力関係、公共私のベストミックス、その他の必要な地方行政のあり方、これについての答申が夏ごろに出されるとも聞き及んでおりますことから、こうした環境変化にも対応しながら取り組みを進めてまいる所存でございます。今後の取り組みを個別具体的に申し上げますと、本年度におきましては広域連携による取り組みといたしまして、総務省の自治体行政スマートプロジェクト事業を宇部市、岩国市及び周南市とともに、山口市を加えまして4市で共同実施する予定でございまして、税務業務、内部管理業務を対象にRPA等を活用した事務の効率化、改善を検討してまいります。また、今年度からAIやRPAの導入などICTの利活用について検討を進めたいと考えておりまして、その一つとして職員が専門家によるコンサルティングを受けながら、RPAの導入を前提とした業務改善の検討を行います職場業務改善働き方見直し実践研修に取り組み始めたところでございます。また、議員から御紹介がございましたさいたま市の保育所利用調整業務を省略化した実証実験の事例は、AIを導入することによりまして延べ約1,500時間かかっていた業務を数秒で行えるという、大幅な効率化に道をつけた大変効果的な事例の一つであるとうかがっておりまして、そうした先進事例につきましても可能な限り実証的な取り組みを進めまして、本市への導入も視野に入れて検討いたしてまいりたいと考えております。このほか、先月の30日に福岡市で行われました住民窓口の民間委託の事例や、ICTを活用した窓口業務効率化の事例を紹介した住民窓口ソリューションセミナーに私どもの総務課、情報管理課、市民課の3課の職員が参加をいたしまして、転出証明書をOCRで読み込み、自動的にデータを作成するところの異動支援システム、マイナンバーカードや運転免許証のIC内蔵情報を活用して申請書を作成するところの申請書作成支援システムなど、興味深い事例につきましても情報収集に努めているところでございます。さらに、システムを導入する際に「書かせない、待たせない、移動させない」といったスローガンを掲げ、こうした業務支援システムにAI、RPAなどの最新の技術を組み合わせることによって、これまでの市民サービスを抜本的に改革するような事例も紹介され、大変参考になったところでございまして、引き続きこうした最新情報の収集に積極的に努めてまいりたいと考えております。こうしたさまざまな情報収集、実践、検証などを重ねながら、本市における2040戦略の具現化に向けた取り組みを本年度から順次取り組んでまいりますとともに、まずは実証実験を含めたアクションプランを策定し、今後3年間はそのプランをローリングさせながら進めてまいりまして、スマート自治体への転換を本格化させてまいりたいと考えております。その実施に当たりましては、組織、事務分掌、定員、財政、情報システムなど、部局横断的にさまざまな視点から組織一丸となって取り組んでまいりたいと思っているところでございます。私といたしましては、この人口減少という構造的な課題を抱える我が国において、輝き続けることのできる地方都市のあり方や、本当の意味での豊かさは何かといった視点から、本市における持続可能なまちづくりや質の高い行政サービスの提供の具体的なあり方について熟慮を重ねまして、その手段としてのスマート自治体への転換について、スピード感を持って取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 山下宏議員。               〔13番 山下 宏議員登壇〕 ◯ 13番 山下 宏議員 次に、大項目イ、新山口駅北地区拠点施設整備について質問させていただきます。御案内のとおり、この4月から新山口駅北地区拠点施設の整備工事が本格的に始まりました。車で駅周辺を通ると、くい打ちの作業が行われているのが遠目にもわかるところでございます。先般の執行部説明会では、実施設計とあわせてこの施設における取り組み内容や今後の運営に関する方針や施設個々の使用料など具体的な数字も示されたところでございます。県内最大2,000席の収容能力を有し、さまざまな規模や用途に柔軟に対応できる可変型の多目的ホールには最新の音響機器や通信を備え、eスポーツなど新しいイベントにも対応し、会議室と一体的に利用すれば、これまで誘致、開催が困難だった2,000人から3,000人規模のコンベンションも開催できるようになるとの説明がありました。また、多様な人材や情報、知恵の集まる産業交流スペースやライフイノベーションラボ、アカデミーハウスなどが整備され、相乗効果により新たなにぎわいや交流が創出されるとのことでした。今から2021年4月の開業が楽しみでございます。工事が始まり、施設におけるソフト事業も具体化していく中で、ターミナルパーク整備事業の総仕上げとなる拠点施設については、日に日に市民・経済界の期待感が大きくなってきていることを実感します。今から1年前、昨年の6月議会前に執行部が基本計画案を提案され、その内容及び取り組みの方向性については同僚議員からは期待する意見とともに、一方で不安視する意見や懐疑的な考えも出されるなど、まちづくりに対する多様な価値や考えが示されました。執行部におかれましては、将来の新山口駅周辺の発展を見据えた形でしっかりとしたコンセプトを打ち出され、それに基づいてぶれずにかつ多様な考え、価値を包摂する形で議会ごとに答弁を真摯に繰り返されておられました。議会でのやりとりはもちろん、経済界の会合など事あるごとに同プロジェクトについて説明に回られ、疑問等に対しても丁寧に対応されてこられたところでして我々も評価いたしております。そのかいもあって、新山口駅北地区拠点施設のプロジェクトについて理解が深まるとともに、世間一般への周知にもつながったと認識を持っているところでございます。先般の読売新聞の5月24日付特集記事「地域創造」には「新山口駅にビジネス拠点」という見出しで、新山口駅北地区拠点施設のプロジェクトに好意的な内容が書かれており、非常に発信力のあるものでございました。このように、拠点施設の整備が具体化する中で、さまざまな団体、企業等の動きが盛んになってきております。御案内のとおり、山口県におきましては新山口駅北地区拠点施設のプロジェクトをやまぐち産業イノベーション戦略のプロジェクトの一つに位置づけられ、やまぐち産業振興財団、山口しごとセンター等の拠点施設への移転を決断されたところでございます。また、ライフイノベーションラボに関連して、県、市、大学、島津製作所と連携され、認知症予防などの健康長寿に向けたソフト事業も動き出しているとうかがっております。加えて、拠点施設の北側で進められている民間の再開発事業の概要がこのたび明らかになり、拠点施設の機能を補完する形で、高層14階建てのホテル、マンション、店舗、オフィス等が建設されるとのことでございます。公の施設、いわゆる拠点施設が民間の需要を先食いするのではなく、B、Cゾーンにおける民間の高度利用を促すという執行部が描いている姿が現実になってきているところでございます。今年度末にはアクセス道路も完成いたします。こうした道路や拠点施設の整備にあわせて、民間投資の動きがさらに加速していくことを我々も非常に期待しているところでございます。山口県ナンバーワンのビジネス街への期待感がますます大きくなってきている中で、拠点施設整備の効果が早くも出てきているといっても過言ではないでしょう。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計では、2045年あたりで下関市の人口よりも山口市の人口のほうが多くなる、逆転するとの人口推計も出ているところでございまして、それが現実のものになるかならないかは、拠点施設を中心とした小郡都市核の発展が鍵を握っていると考えているところでございます。今、行政や政治に求められているのは、このプロジェクトを前に進め、まちづくりの勢いをダイナミックにさらに加速させ、将来の山口市の発展につなげていくことが重要だと感じております。そのためにも市長を初め執行部におかれましては、2021年4月の供用開始に向けて、多様な団体や関係者も巻き込みながら準備を着実に進めていっていただきたいと思います。そこでお尋ねします。次の9月議会には新山口駅北地区拠点施設に関する公の施設の設置条例も出されるとのことでございますが、今後、拠点施設の開館に向けた準備、さらには開館後の運営等についてどのような考えを持って臨もうとされているのか、さらにこの拠点施設を中心にB、Cゾーンの新山口駅周辺の発展の道筋をどのように描かれているのか、先般公表された民間再開発事業の内容の進捗や今後の行政とのかかわり方、支援策等とあわせて市長の考えをお伺いし、以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 新山口駅北地区拠点施設整備についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、去る4月5日に市議会議員の皆様や地元自治会、行政機関、事業者等多くの関係者に御出席を賜り、新山口駅北地区拠点施設建設工事の起工式をとり行い、工事に着手いたしております。現在はホール棟のくい打ち作業に入っており、7月からは基礎躯体工事にも本格的に入る予定でございまして、天候にも恵まれ、建設工事は順調に進んでいるところでございます。並行いたしまして、開館に向けた準備及び運営に関するソフト面の取り組みにつきましても、企画から設計、整備、運営まで一連の流れで業務を包括的に進めるPFI的手法を活用する中で、利用者の立場や施設の多様な使われ方を想定いたしながら、施設備品等の精査を初め、個々の機能におけるソフト事業のプログラムの造成、機能間の有機的な連携を図るための企画等の検討を行っているところでございまして、官民がそれぞれの強みを生かす中で、令和3年4月の開館に向けた準備を進めているところでございます。こうした中、9月議会には施設の設置及び管理に関する条例案を、そして12月議会には指定管理者指定議案を上程する予定で準備を進めておりまして、その前段といたしまして今議会前の執行部説明会におきましては、市民及び議員の皆様の御意見を伺うという視点から、実施設計の概要とあわせて各施設における事業内容や今後の運営に関する方針、施設個々の利用料金など、具体的なものをお示しさせていただいたところでございます。私といたしましては、開館の準備運営に当たりましては、開館に向けたプロセスを描く中で、4つの方向性を持って進めることといたしているところでございます。まず、1点目はビジネス街の形成に向けた情報発信、民間投資の促進でございます。御案内のとおり、平成27年10月には橋上駅舎、南北自由通路が完成いたし、昨年3月には北口駅前広場が全面供用開始するなど、山口県の陸の玄関としての装いも大きく変わってきているところでございます。また、今年度末には山口県において整備されておられる県道山口宇部線からのアクセス道路でございます都市計画道路新山口駅長谷線や、本市において整備をしております駅南口の駅前広場も全面供用開始するなど、新山口駅周辺のまちとしての骨格も形になってくるところでございます。さらにはBゾーンにおきましては、新山口駅北地区市街地再開発準備組合におかれまして、市街地再開発事業の概要が公表されたところでございます。こうした新山口駅を中心とした公共事業の進捗につきまして、私がいろいろなところで出席しておりますいろいろな会合におきまして各界、各層から評価をいただきますとともに、山口県の発展に向けた新たな拠点としての期待の声を多数いただいているところでございます。同プロジェクトが令和3年4月の開館に向けて、着実に進んでいるというメッセージを対外的に積極的に発信してまいることで民間投資を誘発し、山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向けた市街地形成を加速してまいりたいと考えているところでございます。2点目は、持続可能な運営に向けた体制の構築についてでございます。御案内のとおり、募集要項や事業者提案、基本契約等に基づき、15年間を基本に森ビル都市企画株式会社及び株式会社コンベンションリンケージを拠点施設の指定管理予定者として指定管理協定を締結してまいる予定でございます。森ビル都市企画及びコンベンションリンケージ等の事業者グループや協力企業の有する経験、ノウハウ、ネットワーク等を最大限に活用していくことで、これまで地方では実施が困難でありましたサービスの提供やイベントの開催、大型コンベンションの誘致、ビジネスコミュニティーづくりを行ってまいりますとともに、中長期的な視点からは人的資源や企業間のネットワークが本市や地元企業に蓄積できるように市内外の多様な機関と連携し、広域的な視点から発展的に各種取り組みを展開してまいりたいと考えております。そのためにも、開館までの残り少ない期間において、当プロジェクトの企画からの整備、運営まで包括的に進めていく手法のメリットを運営面においてもしっかり実現していける体制を構築してまいりますとともに、開館後の運営との連続性を持ってプレイベントやコンベンション誘致等を本格的に進めてまいりたいと考えているところでございます。また、これまでの議会におきましても御議論いただいた15年間の指定管理契約につきましては、年間3億4,000万円という指定管理料を基本に、社会経済情勢等の変化、災害等の不可抗力など事業の運営に支障を来すリスク等も十分に考慮する中で、持続可能な運営ができるような仕組みづくりをしっかりと行ってまいります。これから、指定管理者予定者とともに管理運営計画及び資金計画を精査していく中で、リスク分担や費用負担等多様なケースを想定して、詳細事項を詰めていき、指定管理協定の中に明記していくとともに、開館後には毎年度専門家を入れたモニタリング及び監査等を実施し、適切に事業評価がされ、次年度の予算計上に反映できるPDCAサイクルを構築していく体制整備を図ってまいりたいと考えております。3点目は、産業交流拠点としての多様な機関の人材、知恵が集まる仕組みづくりでございます。産業交流拠点といたしまして、県内最大2,000席の収容能力を有する多目的ホールや会議室を活用いたし、これまで誘致・開催が困難でございました2,000人から3,000人規模の大規模なコンベンションなど、MICE誘致を積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。本市のコンベンション等の実績はスポーツイベントが中心となっておりますが、交流拠点施設の活用という選択肢がふえることで、経済界や教育・行政系のコンベンションや学会の誘致を積極的に展開することが可能となり、新幹線駅に隣接する特性や宿泊拠点としての湯田温泉を有する本市のポテンシャルを積極的にアピールすることで、拠点施設への交流人口を拡大し、湯田温泉など市内や圏域に経済効果を波及させてまいる考えでございます。そうしたことから、先月山口観光コンベンション協会や商工会議所、旅館組合とともに、コンベンションビューローの立ち上げを行ったところでございます。また、産業交流拠点としての産業振興関連の機能につきましても、山口県ナンバーワンのビジネス街の形成に向け、国・県と連携して総合的な産業支援サービスをワンストップで提供できる環境づくりを初め、若者やアクティブシニア等の優秀な人材の活用や、中小企業における人材育成や就職促進の仕組みをつくり、さらには県内外のスタートアップ企業や実業家、大学などの知識やノウハウが集積するプラットホームづくりを進めてまいります。中でも産業交流スペースや公的機関オフィスにおける、やまぐち産業振興財団、山口しごとセンター、商工会議所等と連携した専門的な相談等を行うワンストップ総合窓口機能の充実を図ってまいります。また、統括コーディネーター等を配置し、起業や創業、あるいは事業を拡大される方々を専門的な支援窓口につなぎますとともに、一方では、日常的な交流イベントの開催や市民に開かれたビジネスの交流の場として、若者や女性、シニアなど多くの市民の皆様がビジネススキル等について学べる講座を開催するなど、新たなビジネスのネットワークづくりや産業人材の育成を積極的に行ってまいります。さらには、起業・創業して間もない方や若者にも低価格なオフィスとして利用いただきますとともに、市内外の事業者の打ち合わせや商談の場として利用していただくビジネス空間の整備を進めてまいります。最後の4点目は、市民に愛され、日常的に利用していただける視点でございます。多くの市民の皆様に利用いただける交流の場、憩いの場として、施設東側と西側にそれぞれ出会いの広場と地域交流広場、デッキ上には屋上広場を設け、多目的ホールのイベント等と連携した利活用や各種イベント等の開催を通じ、地域住民や施設利用者等との幅広い交流を進めることといたしております。また、若い人たちにとっても楽しめる場所となるよう、最新の音響、通信設備等を整備いたし、これまで興行がかなわなかったコンサートや演劇等のイベントの誘致を積極的に行うとともに、ライブビューイングという他の施設で行われているコンサート等を同時に見ること、聞くことができる新しい鑑賞スタイルの提供や、スポーツゲームの競技大会でございます、eスポーツという新しい時代のイベントにもチャレンジしてまいりたいと考えているところでございます。そしてライフイノベーションラボにおきましては、地域におけるかかりつけのお医者さん、施設内のフィットネスや整形外科クリニック、民間企業が連携し、健常者からリハビリ患者までを対象にサービスを提供する体制づくりを進め、若者から高齢者まで、多くの市民に気軽に利用していただける環境づくりを整えてまいります。こうした市民の皆様に拠点施設を気軽に使っていただくための料金面の配慮といたしましては、指定管理者制度における利用料金制の枠組みの中で、直前利用割引や市内中小企業割引など、各種割引料金の設定を検討いたしているところでございます。また、多目的ホールを効率的に利用していただけるよう、平土間の半面──半分ということ──半面利用や舞台のみの利用など、利用区分を細分化いたしますほか、広場等のオープンスペースや音楽スタジオについては安価で利用しやすい料金体系とし、また、ライフイノベーションラボにおきましては、月会員利用だけではなく、都度利用──いわゆる1回限りの利用も可能とするなど、市民の皆様に配慮した、利用者の視点に立った検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、開館に向けましては、今御説明を申し上げました4つの視点に沿って、市民の皆様、地域、各団体、民間企業等に積極的に情報発信を行いますとともに、皆様からいただいた御意見、御要望等を参考にいたしながら、ハード、ソフトの両面から、オープニングイベントを初めとする各種取り組みについて鋭意準備を進めてまいります。次に、お尋ねの拠点施設を中心としたBゾーン、Cゾーンの新山口駅周辺の発展の道筋と重点エリアBゾーンの第一種市街地再開発事業の進捗等についてでございますが、御案内のとおり、新山口駅北地区重点エリアBゾーン、Cゾーンにつきましては、新山口駅北地区重点エリア整備方針や小郡都市拠点の機能強化に向けた整備基本計画等におきまして、民間誘導地区と位置づけ、拠点施設整備の波及効果として、民間主導による都市機能の誘導や市街地整備を進めるエリアといたしているところでございます。これらのエリアにつきましては、今年4月に策定をいたしました山口市コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり計画におきましても、高次都市機能を誘導する都市機能誘導エリアとして位置づけておりまして、民間の再開発などが促進されるよう、国の補助制度等の活用も可能なエリアとしているところでございます。これらのゾーンでは、既に新山口駅ターミナルパーク整備事業による基盤施設整備等に加え、拠点施設整備事業によりまして、地価の上昇やBゾーンにおける民間主体による市街地再開発事業の進展、さらには、Cゾーンにおける県央部多部制定時制高校の立地が決定されるなど、高次な都市機能の集積が着実に進むことが見込まれ、波及効果があらわれつつあるところでございます。とりわけ、現在進んでおります重点エリアBゾーンにおける新山口駅北地区市街地再開発準備組合による市街地再開発事業につきましては、本年4月23日に改めて事業支援及び都市計画決定などに対する要望書をいただいたところでございまして、総事業費約46億円、14階建て約200室のホテルや、一部に店舗を有する13階建て約80戸のマンション、オフィスビル等の整備を令和5年中の完成を目指して進めておられるところでございます。この事業に対する今後の市のかかわりについてでございますが、現在、御提出いただいた事業計画書等をもとに事業認可者であります山口県との協議を進めるよう、担当部署に指示をいたしているところでございまして、これらを踏まえ、9月議会前には議会に御説明させていただきたいと考えております。本市の支援内容についてでございますが、国の制度でございます社会資本整備総合交付金を活用するため、国への予算要望や協議を進めてまいりますほか、再開発事業の実施に必要となります第一種市街地再開発事業及び地区計画の都市計画決定を市において進めますとともに、準備組合における組合設立認可等の県知事認可に向けた手続の支援を行うことといたしております。当該事業エリアにつきましては、新山口駅前の顔とも言える場所でございますし、本事業が重点エリアのみならず、旧市街地を含めた新山口駅周辺における再開発の起爆剤となることも期待をいたしておりますことから、今後とも事業成立に向けて支援をしてまいりたいと考えているところでございます。このように重点エリアにおきましては、既にさまざまな高次都市機能の集積が進みつつあるところでございますが、今後さらにこの動きを加速させるべく、国・県とも連携しながら、民間投資に対する支援を行い、重点エリアを初めとする小郡都市核が県央中核都市のまさに核となり、将来人口が県内一となることが見込まれる本市発展の道筋が確実となりますように進めてまいる考えでございます。また、御支援、御協力をひとつよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、山下宏議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15番、桜森順一議員。               〔15番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 15番 桜森順一議員 公明党の桜森順一です。通告に従いまして、大項目で2点質問させていただきます。渡辺市長並びに関係参与の皆様方の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  大項目アの山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお尋ねいたします。最初に、中項目1)の「しごとの創生」について伺います。まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本的な考え方として、人口減少と地域経済縮小の克服のため、地方から東京圏への人口流出に歯どめをかけ、東京一極集中を是正すること、しごとの創生とひとの創生の好循環を実現するとともに、東京圏の活力の維持向上を図りつつ、過密化・人口集中を軽減し、快適かつ安全安心な環境を実現する。そして、人口減少を克服するために、若い世代が安心して就労し、希望どおり結婚し、妊娠・出産・子育てができるような社会経済環境を実現する。また、人口減少に伴う地域の変化に柔軟に対応し、中山間地域を初め地域が直面する課題を解決し、地域の中において、安全安心で心豊かな生活が将来にわたって確保されるようにする。以上の視点から、人口、経済、地域社会の課題に対して、一体的な取り組みの重要性が示されています。政策の基本目標としては、地方における安定した雇用を創出する、地方への新しい人の流れをつくる、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに地域と地域を連携するとの政策が掲げられています。山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、若者の市外転出を抑制するため、若者の働く場の創出を大きな目標として掲げられています。こうした中、山口市の基幹産業における新卒者の採用や企業誘致における雇用の創出に向けた取り組みの成果についてお伺いいたします。また、職場見学やインターシップなど、市民に企業を知ってもらうための取り組みが必要と考えますが、これまでの取り組みの成果と今後の展望について、本市の考えをお伺いいたします。次に、中項目2)の少子化対策の取り組みについてお伺いいたします。厚生労働省は7日、平成30年度の人口動態統計概数を発表しました。生まれた赤ちゃんの数──出生数は91万8,397人、過去最少で3年連続で100万人を割り込んでいます。女性が生涯に産む子供の推定人数を示す合計特殊出生率は1.42で、前年を0.01ポイント下回り、3年連続のマイナスであります。また、結婚は6年連続で減り、58万6,438組で戦後最小です。少子化に歯どめがかからない状況が続いていることが明らかとなりました。そのような中、本市は若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備の中で、結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援に取り組むようになっていますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。さらに結婚においては、結婚希望者に向けた情報提供や出会いの場などの機会の提供をするやまぐち結婚応縁センターとの連携がありますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。一方、本市の少子化対策における若い世代の結婚に関しての取り組みが弱いように感じております。そこで結婚に伴う経済的負担を軽減するため、結婚に伴う住宅取得費用、住宅賃借費用、引っ越し費用等を支援する結婚新生活支援事業を実施してはいかがでしょうか。本市の考えをお伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 桜森議員の山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におけます「しごとの創生」についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、平成27年10月に策定いたしました、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、若者の雇用の場の創出を重要な政策の一つに位置づけ、本市の有する多種多様な地域資源を活用し、本市の基幹産業でございます農林水産業、サービス産業、観光交流産業等を軸に各事業体のイノベーションや経営改革の促進を図りますとともに、起業・創業や中小企業支援を初め、若者の就職支援、企業誘致などを包括的に進めているところでございます。このうち、議員御質問の若者の就職支援の取り組みといたしましては、山口労働局と締結しております山口市雇用対策協定に基づき、関係機関との連携のもと、若者と地元企業の出会いの場を提供いたしますともに、若者の地元就職並びに職場定着を推進しているところでございます。具体的に申し上げますと、毎年5月に実施をいたしております市内事業者への新規学卒予定者の正社員採用枠の確保に向けた要請や市内事業者及び誘致企業の県外での採用活動に対する支援、さらには若者のUJIターン希望者に対する支援等を一体となって進めているところでございます。また、御案内のとおり、本市におきましては、地域における雇用の場の創出や地域経済の活性化に向けまして、積極的に企業誘致に取り組んでいるところでございます。特に近年では、市外・県外からの誘致に加えまして、既に本市で操業しておられます企業による事業の拡大や、これに伴う設備投資につきましても積極的に促進しているところでございます。さらに、企業誘致における優遇制度のうち、企業の雇用人数に応じて交付する雇用奨励金制度におきまして、新卒者を採用された場合には交付額の上乗せを行うなど、若者の雇用に取り組まれる企業に対する支援を拡充しているところでございます。加えて、小郡都市核へのオフィス等の集積を促進いたしまして、産業交流拠点としての機能の充実・強化を図りますとともに、小郡都市核を県ナンバーワンのビジネス街へと発展させますために、小郡都市核においてオフィス等を開設する企業に対しまして、オフィスの賃貸料や従業員の雇用に係る経費の補助制度を昨年度新たに創設をいたしたところでございます。こうした取り組みによりまして、平成27年度からの3年間におきまして、既に本市で操業しておられます企業による事業の拡大も含め24社の企業が立地いたしますとともに、109件の新規創業が実現をいたしたところでございまして、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略に数値目標として掲げております若者の雇用創出数は、目標人数の180人を大きく上回りまして844人の雇用の場の創出につなげたところでございます。今後も引き続き若者を初めとした雇用促進に向けた環境づくりに取り組みますとともに、鋳銭司地域での新たな産業団地の整備や情報関連産業の誘致の推進により、若者にとって魅力のある多様な働く場の創出に取り組むことといたしております。次に、市民の皆様に企業を知っていただくための取り組みについてでございます。我が国では、少子高齢化や戦後最長となる景気回復などを背景とした労働需要の増加に合わせまして、若年層を中心とした首都圏や大都市圏への人口流出が続いておりますことから、地方におきましては地域経済を担う人材不足が深刻さを増しているところでございます。山口県内の有効求人倍率につきましては、本年4月時点で1.62倍と高い水準で推移いたしております中、本年3月末時点における新規学卒者の県内就職状況といたしましては、全体の就職決定者数に対する割合は、新規高卒者におきましては82.3%、新規大卒者におきましては40.4%という状況でございまして、若年層の中でも特に新規大卒者の地元就業は依然として確保が厳しい状況が続いているところでございます。そのため、本市といたしましても、将来における安定した人材確保や市内の経済基盤を強化する上におきましては、若年層向けの市内における就職促進は喫緊の課題と認識をいたしているところでございます。こうしたことから、第二次山口市総合計画におきまして、「働く・起業なら山口」を重点プロジェクトの一つとして掲げておりまして、若者の就職支援や市内企業の労働環境整備に係る支援に総合的に取り組んでいるところでございます。具体的に申し上げますと、山口市中心商店街において小学生等がさまざまな仕事を体験できるイベント職場体験の開催や、山口市物産事業者連絡協議会において市内の中学生と保護者を中心に親子体験・見学バスツアーを実施し、地元産品の製作過程に触れることで市内業者の仕事を知るツアーの実施、また、教育分野におきましては市内の中学生を対象に学校単位で地元企業の職場体験を実施されており、子供たちが地元で働くことに興味を持つきっかけづくりが行われているところでございます。また、市内の高校生を対象に地元企業で働く社会人を講師に迎え、その職種の理解を深めるための講座の開催や就職・就業意識を高めるため、社会で働くことを体験し、学ぶことのできる職場見学を地元の企業の御協力を得て実施をいたしております。また、大学生の地元就業に向けた取り組みといたしましては、就職活動を控えた大学生等を対象に企業訪問バスツアーを昨年度から実施しておりまして、昨年度は県内外の大学・高専から御参加をいただき、地場産品を活用した商品開発を行う企業や市内の名菓を取り扱う和菓子メーカー、成長分野の誘致企業等を訪問させていただきまして、現場見学や採用担当者の説明、交流会等を開催いたしたところでございます。本年度は、この取り組みを山口県央連携都市圏域の構成市町と連携いたしまして、圏域全体に拡大いたしますとともに、ツアーにつきましても複数回開催する予定といたしております。本市といたしましては、こうした取り組みを通じて若者が地元企業を知り、さらには魅力を感じていただくことによりまして、地元企業への就職に対する意識の醸成が図られるものと考えているところでございます。いずれにいたしましても、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げております、やまぐち地方創生100プロジェクトにつきましては、第二次山口市総合計画へ溶け込む形の中で、引き続き重点的に推進してまいることといたしておりますことから、これまでの取り組みの成果を十分に踏まえ、若者が市内へ定着し、そして、豊かな暮らしを実現するための働きやすい環境整備に努めるなど、心から住み続けたいと思える定住実現のまちづくりに積極的に取り組んでまいる考えでございます。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 兒玉こども未来部長。              〔こども未来部長 兒玉達哉君登壇〕 ◯ こども未来部長(兒玉達哉君) 私からは、少子化対策の取り組みについてお答えいたします。御案内のとおり、全国的な傾向と同様に本市におきましても少子化の傾向にございまして、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援に取り組んでいるところでございます。具体的には少子化の主な要因である非婚化・晩婚化対策といたしまして、県の施策でございます、やまぐち結婚応縁センターややまぐち結婚応援団との連携など、結婚に向けた出会いの場の創出や情報提供に取り組んでいるところでございます。やまぐち結婚応縁センターの運営状況につきましては、県全体の件数ではございますが、平成31年2月28日現在、登録者数1,284人、引き合わせ申し込み件数2万723件、引き合わせ実施件数5,023件、結婚報告件数68組という状況でございます。また、妊娠を望む夫婦の経済的負担の軽減といたしましては、不妊・不育治療費や妊婦健康診査費用の助成などに取り組むとともに、子育て・多子世帯に対する経済的支援といたしまして、乳幼児医療費・子ども医療費の助成、多子世帯における保育料の軽減などに取り組んでいるところでございます。子育て環境の充実といたしましては、妊娠期から出産期における悩みや不安等に関する相談や子育て家庭への情報提供・相談機能として、やまぐち母子健康サポートセンターややまぐち子育て福祉総合センターなどにおきまして、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援に取り組んでおります。また、保育施設、放課後児童クラブにつきましても、施設整備等による定員拡大により待機児童の解消に努めているところでございます。若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備の数値目標でございます、合計特殊出生率につきましては、令和元年度の目標値1.60に対しまして、平成29年度の実績値は1.47となっておりまして、子供を安心して産み育てられる環境が整っていると思う子供を持つ親の割合は、令和元年度の目標値65.0%に対しまして、平成30年度の実績値は50.0%という状況でございます。引き続き目標値の達成に向けて取り組みを進めてまいります。次に、議員御提案の結婚新生活支援事業についてでございます。結婚新生活支援事業につきましては、国の地域少子化対策重点推進交付金の事業でございまして、結婚の日において夫婦の年齢がともに34歳以下で、かつ、世帯の所得が340万円未満の新規に結婚した世帯を対象といたしまして、結婚に伴う住宅取得費用、住宅賃借費用、引っ越し費用の一部を地方自治体が支援するものでございまして、国の補助金制度では、1世帯当たり30万円を上限にその支援額の2分の1について国から補助金が交付されるものでございます。なお、本市の窓口で受理いたしました婚姻届の件数につきましては、平成30年度は814件でございまして、結婚新生活支援事業の年齢、所得要件等を考慮いたしますと、この事業の対象世帯は一定数あると見込まれるものでございます。また、結婚に踏み切れない主な要因は、結婚資金・結婚のための住居費用などの経済的な理由と回答された割合が高かったことに基づき国において事業が導入された背景もございますことから、結婚新生活支援事業につきましては、今後、年齢や所得などの対象要件、あるいは、他市町での効果等も踏まえ研究してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、少子化対策につきましては重要な課題でございますことから、結婚から出産、子育てへの切れ目のない支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 午後1時まで休憩いたします。                  午後0時01分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時00分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  桜森順一議員。               〔15番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 15番 桜森順一議員 次に、大項目イの防災・減災についてお尋ねいたします。最初に、中項目1)自主防災組織について伺います。先月、香川県丸亀市の川西地区自主防災会に視察に伺いました。全国的に自主防災組織が低迷する中、さまざまな創意工夫により積極的な取り組みをされておられました。比較的災害の少ない地域で防災の意識を高めながら組織の構築・維持をされている原動力は、リーダーの強い一念とスタッフの意識の高さではないかと感じました。また、大きな目標──防災まちづくり大賞日本一を掲げモチベーションを維持しながら、ユニフォームをつくるなど一体感の工夫をされておられました。災害時のボランティアとして東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨の被災地を訪れ、そこで経験したことを次のボランティア活動・防災訓練に役立てられておられ、それがいつ起こるかわからない防災意識の維持・向上につながっていると感じました。そこで地域の防災力向上のため、防災士の資格を持ったレベルの高いリーダーを数多く育成する必要があると感じます。数多くのリーダーを育成するため、防災士資格取得試験に関する費用を全額補助すべきでないかと考えますが、本市の所見をお伺いいたします。また、丸亀市の組織では、民間企業が備蓄保管場所や避難所として開放するなど連携が見られました。自主防災組織と学校、地域と企業などの連携が必要となってくると思いますが、本市の所見をお伺いいたします。次に、中項目2)地区防災計画について伺います。平成30年7月の西日本豪雨では、避難のおくれなどから亡くなられた方もおられました。さまざまな防災情報が発信されたものの、多様かつ難解であったため多くの住民が活用できない状況でありました。これを踏まえて、住民が情報の意味を直感的に理解できるよう防災情報を5段階の警戒レベルにより提供し、住民等の避難行動を支援するガイドラインが設定されました。避難準備・高齢者避難開始は警戒レベル3として発令し、高齢者の避難を促します。避難勧告は警戒レベル4として発令し、全員に避難を促します。災害が実際に発生しているとの情報は命を守る行動のため極めて有効であることから、災害が実際に発生していることを把握した場合、可能な範囲で警戒レベル5を災害発生情報として発令し、災害の発生を伝え、住民の命を守る最善の行動を求めています。情報を受けて、どう行動するかが大事であります。減災に大きな役割を担うのは、自助であり共助であります。その地域に住んでいる住民が主体となってつくる防災計画は、地域の特性を踏まえた実践的な計画であると考えられることから重要であると思います。この地区防災計画を地域防災計画に連動させることで、逃げおくれゼロの取り組みにつながるものと考えます。そこで、県では災害時避難行動等促進事業において逃げおくれゼロの実現を目指し、モデル事業を促進しているところでありますが、本市ではどこをモデル地区として選定し、どのような取り組みをされるのかお伺いいたします。次に、中項目3)避難所の備蓄品についてお伺いします。本年3月、子育て中の家庭などからの要望を受けて液体ミルクの販売が開始されました。液体ミルクは開封して哺乳瓶に移しかえればすぐに乳児に与えることができ、栄養素も母乳に近く、常温で約半年から1年間保存ができます。海外では既に商品化されていましたが、日本では安全性の基準がなく、国内での製造・販売は認められていませんでした。このような中、転機となったのは2016年に発生した熊本地震です。海外からの救助物質として届けられた液体ミルクは注目され、2018年8月、政府は製造・販売を解禁いたしました。液体ミルクは計量やお湯の温度調整が必要な粉ミルクより手間がかからず、外出時などの際に便利とされています。また、災害時の活用にも期待が寄せられているところでもあります。避難所などでは水を十分に確保できない状況も考えられることから、備蓄品としての要望もあります。そこで最初に、本市の災害時の食品や飲料水等の備蓄状況についてお伺いいたします。また、備蓄品に液体ミルクを加えてほしいと考えます。備蓄品については、食品ロスの関係から子ども食堂やNPO法人、イベント等に活用できないか、本市の見解をお伺いいたします。最後に、中項目4)ため池についてお伺いいたします。ため池は雨が少ない地域で農業用水を確保するため人工的につくられ、瀬戸内地域に約6割が集中していて、全国に20万カ所あるとされています。農業用ため池の多くは、江戸時代以前に築造、または築造年代が不明とされていることもあり、そのうちの3割は所有者が不明であるとされています。今後、さらに離農や高齢化で管理できないため池の増加が懸念されるところでもあります。近年の自然災害を見ると、東日本大震災では福島県でため池が決壊し、8人の犠牲者が出たほか、2017年の九州北部豪雨でも多数のため池が被災、2008年から2017年までの10年間では、被災原因の約7割が豪雨、約3割が地震でありました。このような中、昨年の西日本豪雨では防災重点ため池や危険ため池以外のため池が決壊し、被災しています。これらの所有者不明のため池は今後管理が困難となりますが、本市においては全体で幾つのため池が存在し、所有者不明はどの程度あるのか、また、今後これらのため池の周知や管理をどのようにしていく方針か、お伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 防災・減災についての御質問にお答えをいたします。まず、自主防災組織についてでございます。自分たちの地域は自分たちで守るという連帯感のもと、地域の方々が自発的にさまざまな防災活動を行われる自主防災組織は、本市の防災対策上、共助の役割を担う重要な存在でございます。本市ではこの自主防災組織の活性化を図るため、地域防災リーダーの育成を目的といたしまして、自主防災組織フォローアップ研修を毎年市内3カ所で実施しているところでございます。また、防災士の資格を持たれた方につきましては、防災講座等の講師として地域の皆様に防災意識や知識等の啓発を行っていただいているところでございます。議員お尋ねの資格取得への補助につきましては、地域づくり協議会における独自の取り組みとして、地域の防災リーダーに資格取得への補助を行い、リーダー育成に取り組んでいる地域がございます。こうした中で、自主防災組織の結成数につきましては、地域における防災意識の高まりとともに年々増加している状況でございますことから、今後、数多くの地域防災リーダーが必要となってまいりますとともに、より高い知識と技術を持つリーダーの育成が重要であると認識をいたしているところでございます。議員から御提案のございました地域防災リーダー養成のための防災士資格取得補助につきましては、防災士としての知識等を生かした活動が地域に根づく形となりますよう、既存の補助制度である自主防災組織補助金の活用等のあり方も含めまして検討してまいりたいと考えているところでございます。また、自主防災組織と学校や企業などとの連携についてでございますが、企業による備蓄保管場所の提供や合同防災訓練など、地域における連携は地域防災力を維持していく上で必要不可欠であると考えております。こうした中、市内の小・中学校におきましては、全ての学校においてコミュニティスクールの取り組みが進んでおりまして、防災訓練はもとより、さまざまな形で学校と地域の連携が行われているところでございます。一方、企業におきましては、一部社屋を避難所として開放するなどの取り組みは行われているところでございますものの、防災訓練等を地域と合同で実施するまでには至っていないところでございます。こうしたさまざまな主体による連携体制の確保は、災害発生時の避難行動がより迅速に行われるなど地域防災力の向上につながりますことから、他市の取り組み事例も参考にしながら、自主防災組織と企業の連携が深まりますよう働きかけてまいりたいと考えております。次に、地区防災計画についてお答えいたします。議員御案内のとおり、今年度、県と連携いたしまして、逃げおくれゼロの実現に向けた地域の避難行動体制を構築する取り組みを実施することといたしております。取り組み内容といたしましては、率先避難の取り組みを波及させるための起点となる率先避難重点促進地域として自治会単位のモデル地域を1地域指定いたしました後に、研修会の開催などによりまして、地域内の災害リスクの理解を進め、避難行動呼びかけグループの構築並びに避難情報発令時の呼びかけ避難を促すリーダーの設定等を行うことといたしております。現在、本市では、各地域交流センターや各総合支所にモデル地域の推薦を依頼しているところでございまして、その事業の実施効果として、モデル地域から地域全体に逃げおくれゼロの実現に向けた取り組みが波及していくこととなりますよう地域の選定を進めてまいりたいと考えております。また、あわせて、議員から御案内のございました避難情報の発令につきましても、市民の皆様にとってわかりやすい発信に工夫を重ねてまいりたいと考えているところでございます。次に、避難所の備蓄品についてお答えをいたします。本市における備蓄品につきましては、災害発生後必要となる物資を、食料、飲料水、生活必需品の3種類に区分し、応急対応やその後の復旧・復興といった時期に応じて、それぞれを適切に確保、配給していくこととして地域防災計画に定めているところでございます。応急対応としての食料、飲料水につきましては、平成21年災害の実績を基本といたしまして、3日間1,000人分──9,000食を目標に整備を行っているところでございます。このほか、他の自治体や企業との応援協定等による各所の保有分も含めまして、当面の物資の提供を行うこととしているところでございます。議員御案内の備蓄用の液体ミルクにつきましては、常温で長期間の保存が可能な製品であり、乳児がそのまま飲むことができる乳児用食品でございます。国におきましては、昨年8月に国内での製造販売に必要な安全基準等の整備を行うとともに、2019年に改定が予定されております国の男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針において、新たに災害時に必要な物資として液体ミルクを加えることについて検討を進めておられるところでございます。本市におきましては、現在、乳幼児に必要な備蓄品といたしまして、指定避難所であります地域交流センター等へ、粉ミルクを初め、哺乳瓶、紙おむつなどを備えているところでございますが、大規模ライフラインが断たれた際には液体ミルクの活用が有効と考えられますことから、今後、備蓄品の一つとして加えることを検討してまいりたいと考えております。また、食品ロスへの対応についてでございますが、備蓄品の管理におきましては、非常食を大量に調達して賞味期限が一度に到来することのないよう、年数回に分けて調達をしているところでございます。また、賞味期限が近づいた非常食につきましては、防災フェアや地域で開催されます防災訓練、防災関連のイベントなどに早目に提供し、御活用いただくなど備蓄品の有効な活用に努めているところでございます。今後、NPO法人や子ども食堂などで御活用いただくことも検討をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは、防災・減災についての御質問のうち、ため池に関する御質問にお答えをいたします。まず、ため池の現状でございますが、県におきまして5年ごとに調査されるため池実態調査におきまして、現在、市内に存在しますため池は1,441カ所、このうち所有者の登記がないものは380カ所でございます。また、地域防災計画に掲げます危険ため池は6カ所、堤体の高さが15メートル以上など国がその基準を示します防災重点ため池は4カ所となっております。議員御案内のとおり、昨年7月に発生いたしました平成30年7月豪雨におきまして、広島県福山市の危険とされていなかったため池が決壊し、尊い命が奪われるといった悲惨な災害が発生いたしましたことから、このような潜在的に危険なため池は全国的に相当数存在するのではないかということが改めて認識されたところでございます。この災害を契機といたしまして、国におかれましては、これまでの防災重点ため池の基準が大きく見直され、昨年7月より対策チームを組織され、都道府県に対し全国のため池の再点検を指示されたところでございます。これを受けまして、本県におきましても本年1月に県を中心に各市町、県土地改良事業団体連合会等と防災重点ため池対策推進チームを組織され、危険ため池以外のため池についてもその現状把握に努められたところでございます。本市におきましては、ため池より100メートル以内に家屋が存在するものや、貯水量が1,000トン以上で500メートル以内に家屋が存在するものなど、国が示す新たな基準に照らし、280カ所のため池の再点検を県と合同で実施いたしたところでございまして、その結果、早急に改修を必要とするため池が5カ所、農業用としての利用がなく切開工事を行うべきため池が8カ所、豪雨時に相応の注意を要するため池として267カ所を確認いたしたところでございます。このように全国で実施されました点検による調査の結果も踏まえ、国におかれましては、農業ため池の情報を適切に把握し、決壊による災害を未然に防止する目的から、さきの通常国会におきまして、農業用ため池の管理及び保全に関する法律が成立いたしまして、本年4月26日に公布されたところでございます。この法律の概要を申し上げますと、ため池の所有者及び管理者に対し、適正管理と都道府県への届け出を義務とし、都道府県にはその届け出に基づくデータベースの整備と公表の義務づけ、加えまして、決壊時に危険と想定されるため池を特定農業用ため池として指定し、防災に関する工事の勧告が可能となるほか、所有者等が不明な場合には、この防災工事について都道府県による行政代執行が実施できることとされたところでございます。本市におきましては、さきに申しました再点検を実施いたしました280カ所のうち、市が所有いたします15カ所を除いた265カ所について、法に基づく特定農業用ため池に指定される予定でございまして、現在、最終的な検証を県と連携して行っているところでございます。また、市町村には、ため池ハザードマップの策定及びその周知が義務づけられましたほか、特定農業用ため池のうち所有者が不明なため池の操作、維持、修繕などの通常の維持管理権を20年間取得できることとされております。いずれにいたしましても、昨今の豪雨の状況を鑑みる中、今後、さらにため池災害が発生するおそれが増加するものと考えられますことから、今回、法律の施行により、ため池の所有者、管理者、国、県、市の責務と役割分担が明確に位置づけられましたことは、本市のため池に係る防災対策に大きく効果を発揮できるものと考えているところでございます。今後、新たな法律の定めに沿いまして、ため池の所有者、管理者を初め、県、関係部局と連携いたしながら、事前の防災対策はもとより、ため池の適正な管理と必要な情報の周知に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、桜森順一議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  25番、伊藤青波議員。               〔25番 伊藤青波議員登壇〕 ◯ 25番 伊藤青波議員 高志会の伊藤青波です。会派を代表いたしまして質問させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。  大項目アの一つで、山口市新庁舎整備に係る断層調査報告書についてであります。地震の予知というのは大変難しいわけでありまして、今回この報告書が出されましたけれど、専門家の多くの方が疑問を呈していると。私はやはりそういう疑問点はきちんと明確にして、しっかりと改めて調査をして、私はそういう疑問点に対して調査をしていく必要があるのではないかということで質問をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。まず1)地質図における伏在活断層のずれ──これは調査報告書の3ページの図1になるのですけれども、この図1は山口県地質図第3版に記載された伏在断層の存在を確認するための調査なのですけれど、報告書の地質図で約100メートルも南東にずらして転写をされている、その理由をお聞かせ願いたいと。正確な位置をもって断層があるかないかを検討すべきでありますので、その辺についての理由をお伺いいたします。2)として花崗斑岩としている理由であります。これは11ページの図10に断面が示されているのですけれど、まず11ページの図10の断面では南東──これ平地なのですけれども──南東側がGp?──Gpというのはいわゆる花崗斑岩、珪長岩、流紋岩──北西山側がSm──これは泥質片岩ですが──と書かれていますが、これは下の説明のところなのですけど、松浦ほか(2007)では北西山側がGpで南東平地側がSmで、全く逆で図面の不正確さが認められると。そして、この11ページの同じ図10の地質解釈断面図(測線1)でボーリングデータがないのに南東平地側をGp?としていると。松浦ほか(2007)ではGpとなっているが、西村ほか(2012)ではSs──これは砂質片岩となっていると。この地質の齟齬は報告書の根幹をなすものでありまして、Gpでなければ地質境界でもない。片一方はSmで片一方がGp?にしていますので、これは、要は地質が同じなら地質境界ではなくて断層ではないかと。この点線が断層ではないかと、そういうことを言われていまして、やはり正確に確認するためにはここにボーリング調査をしっかりしていく必要があるのではないかと思っていますし、まずこの断面で示されているGp?をなぜ花崗斑岩としているか、その理由をお伺いするものでございます。次に3)として同じ図10なのですけれども、測線と地質断面の図が100メートルも離れているのに測線上のボーリング結果が掲載されている理由。この図面を見ますと、いかにも測線上にボーリングがしてあるように思うのですけれども、実際は、この調査報告書でも9ページに今までの既往のボーリングの位置が示されているのですが、実際はいかにも測線上にボーリングがしてあるとそういうふうに載っていますので、その記載されている理由をお伺いいたします。4番目として浅層反射法地震探査での解析の限界であります。報告書10ページの図9に示されたボーリング結果で、亀山下の崖から市役所敷地付近は基盤が急傾斜で落ち込んでいる──ナンバーゼロとナンバー1なのですけれども──測線2、測線3がラップしておらず、測線1は端部──端なので観測すらされていないと。すなわち、断層を見つけるために探査したのではなくて、やりやすいところだけを探査したものと疑義を抱かざるを得ないと。崖下に断層があるとすれば、浅層反射法地震探査での解析は限界があるのではないかと。その場合、この箇所についてもトレンチ掘削などを行って専門家の意見を求めるなどの必要があるのではないかということで、この浅層反射法地震探査での解析は限界があるのではないかということでありまして、このことにつきましてお伺いいたします。5番目として概略的な調査であります。公表された報告書11ページの図10によれば、市民会館裏の道路に沿って不連続面が描かれており、南東傾斜のため、文献に示されている北西傾斜とは傾向が異なるので断層ではなく、片岩と花崗斑岩のただの地質境界とされていると。一方で、この不連続面が位置する箇所は、測線1では交差点のための欠測──はかってないのですね。測線2では暗渠があり不鮮明で満足に解釈できる探査結果とは言いがたいと。さらには、この両欠測理由があって不鮮明にもかかわらず、「第四紀に繰り返し活動した証拠を有する活断層は認められなかった」とまとめているが、結果を踏まえた解釈がなされておらず、この程度の不確かな探査結果はそもそも概略的な調査であり、断層の有無を議論できるはずもないと考えると。したがって、本来このようなギャップが観測、確認されたら、開削して、断層の有無、活動履歴、さらには重要な建物基礎としての適性を確認する必要がある。これらを行わない今回の浅層反射法地震探査は断層の有無が確認できない概略的な調査と考えているが、その点について執行部のお考えをお伺いいたします。次に、事業費の増大であります。今回、この新本庁舎整備基本計画の中でも断層調査の項目で、今後この評価に加え──要は「この評価」というのはこの報告書なのですけれども──設計段階で実施するボーリング調査の結果を踏まえながら引き続き情報把握に努めるとされているのですけれども。設計段階でやるとある程度いろいろな状況が進んでいるのですね。実際にそのときにボーリングをして活断層が出れば、当然、図面の変更──位置を変えるとか建物も変更をしていく必要が当然起きてきますし、そういうことになれば当然経費もかかるわけであります。また、福岡市では、平成20年に警固断層に着目した建築物の耐震対策について条例化がされております。この断層の活動度は大原湖断層と同程度であり、高さが20メートルを超える建築物の構造耐力は当該数値に1.25を乗じて得た数値を用いるように努めなければならないとなっていまして、いわゆる活断層とかそういうものを認めれば普通の建物よりは1.25倍も、要は通常よりはしっかり丈夫にしなさいと。要は丈夫にするということは経費がたくさんかかるということでありますし、今後、ここに建設して耐震をしたとしても、その後、その建物が倒れないにしても大きな被害を受けたり、また、この新しい本庁舎がそのまま使えるかどうかそれもわからない。今きちんとやるべきこと、疑問点があることは調査して進め、私は今後莫大な──先ほど言いましたいろいろな経費がかかるのではないかと思っていますので、そのことについても執行部の考えをお伺いしたいと思っております。7番目として、ボーリング等のさらなる調査の実施であります。今回、山口大学からの最終報告書によりますと「敷地内には活断層は認められない」と結論を出されておりますが、研究者の方は既往研究成果──今までのいろいろな研究成果から、「山口盆地の成因といわれる活断層が敷地内付近を通ることは学説から事実である」とそういうことを言っておられます。その中で、原子力発電所と本庁舎は違うのですけれど、東京電力の福島第一原子力発電所ですけれど、事故から8年がたちましたが、今も廃炉の方針が決まっていないのですね。そして、敷地内に既に113万トンの処理水、タンクで約1,000基に達し、福島県の大熊町、双葉町、浪江町はまだ放射線量が非常に高いレベルにあることから帰還困難区域に指定をされています。今回、この福島の第一原子力発電所では、事故原因について、日本学術会議──内閣府の特別の機関で、我が国の人文、社会科学、自然科学、全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関なのですが、この5月に「我が国の原子力発電所の津波対策」という報告を発表されました。事故の原因としては、地震によって停電──いわゆる外部電源を失ったのですが、地下に設置された非常用ディーゼル発電機を起動したところ、高さ14mから15mの津波によって全電源喪失になり、核燃料の冷却ができなくなって、炉心溶融──いわゆるメルトダウンですね──が起き、その後、大量の放射性物質が放出され、史上例を見ない大きな原発事故になったわけであります。しかしながら、東電はこの事故の前の2008年に、原発の敷地を超える高さの津波を試算したのですね。しかし、知見が不十分として、土木学会に妥当性の検討を依頼していたのですけれどその間に津波が来たと、そういう状況にあります。私も、やはりこの新本庁舎を利用する市民、そして勤務する職員、または今回この新本庁舎は防災拠点や災害対策活動の司令塔として19万市民の生命を守るとても重要な建物であるとそういう認識をいたしております。先ほども言いましたように、今回、山口市新本庁舎整備基本計画では、断層調査の中で「今後、この評価に加え設計段階で実施するボーリング調査の結果等を踏まえながら、引き続き情報把握に努めることとします」とありますが、今までも質問をしてきましたように、多くの研究者の方がいろいろな疑問を呈しております。設計段階でボーリング調査をするのでなくて、現時点において、やはり疑問点に対して調査、ボーリング等をし、また、さらなる調査をしていく必要があるのではないかと私は考えますので、そのことにつきまして執行部の考えをお聞きして、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 伊藤議員の山口市新庁舎整備に係る断層調査報告書について、御質問にお答えをいたします。私からは、ボーリング等のさらなる調査の実施についてお答えをいたします。この調査につきましては、現本庁舎及び中央駐車場の所在地近傍に活断層が存在する可能性が指摘されましたことから、敷地内における活断層の有無を把握するため実施をいたしたものでございます。調査に当たりましては、山口大学に研究委託をいたしまして、反射法地震探査による調査及びその評価を行っていただき、その結果、「整備区域の地下には基盤岩の風化度に変化をもたらすような褶曲や断層が存在するが、基盤岩を覆う第四紀の堆積物には断層活動による変位が認められなかった。よって、整備区域には第四紀に繰り返し活動した証拠を有する活断層は認められない」との評価でございました。その後、地元の専門家からこの報告書に対します疑義の御指摘がございましたことから、調査を委託した山口大学にその内容を検証していただき、その結果、内容の一部修正はございましたものの、活断層は認められないとする結論部分に変更はございませんでした。山口大学には反射法地震探査を初め、空中写真を用いた地形判読や既存のボーリング調査結果との照合など、多角的に調査・分析を行っていただき、とりわけ反射法地震探査におきましては、現地の地形や地下構造物等の位置なども詳細に把握され、丁寧に作業を実施していただきました。私は、この調査結果は、山口大学において詳細かつ慎重に調査をされた成果であると受けとめているところでございます。こうしたことから、現在、パブリックコメントを実施いたしております山口市新本庁舎整備基本計画案におきまして、この報告書の内容を踏まえ、断層調査の結果として記載をいたしたところでございます。議員お尋ねのボーリング等によるさらなる断層等に関する調査の実施につきましては、現時点においては考えていないところでございますが、設計段階におきまして基礎設計のためのボーリング調査を実施することといたしており、その情報等も十分に把握することといたしております。いずれにいたしましても、新たな本庁舎が市民の皆様の生命を守る拠点として、安全安心な施設となりますよう、免震構造を基本に最適な構造形式を検討するなど、災害対策拠点としての庁舎機能を備えることができるよう、基本設計、さらには実施設計に取り組みまして、令和6年度の完成を目指してまいる考えでございます。御理解を賜りたいと思います。  詳細な項目等につきましては、担当参与のほうから御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 私からは、まず地質図における伏在活断層のずれについてお答えをいたします。調査報告書に挿入された図につきましては、山口県地質図第3版に記載された伏在断層を転載され、存在が推測されている伏在断層と調査箇所との位置関係を大まかに図示される意図で掲載をされたものでございます。そのため、縮尺も5万分の1と尺度が小さく、本来的に図の精度を求めているものではございません。こうしたことから、転載した伏在断層を示す線がずれているという御指摘に関しましては、調査結果には影響がないというふうに理解をしているところでございます。次に、花崗斑岩としている理由についてのお尋ねでございますが、報告書で地質境界線と判断された地点から南側の地質を花崗斑岩とされた理由につきましては、地質境界線と判断した地点の南側と北側では反射法地震探査における重合速度がやや異なり、その速度が変わるところで反射のパターンも異なることから、市民会館と中央駐車場の交差点付近を境界に地質が異なると解釈をされております。その上で、これらがどの地質に対比されるのかにつきましては、地質図、既存のボーリング資料をもとに検討をされたところでございまして、その過程においては、本地域の既存資料として参照できたものが小縮尺の地質図であったこと、図幅によって、周防変成岩類、岩脈である花崗斑岩、珪長岩及び流紋岩の分布が異なっていたことも考慮されながら、北側の基盤岩類は既存のボーリング資料に基づき、周防変成岩Smに、南側については変成岩と異なる地質である半深成岩岩脈Gpに対比したとされております。また、ここでは、周防変成岩と岩脈の地質境界線は断層である可能性にも言及されております。この地質境界の表記に関し、地質の齟齬という形で指摘がなされましたが、本調査は敷地内における活断層の有無を把握することを目的としておりますことから、一般的に活断層かどうか判断される際にポイントとなる第四紀層が繰り返し変位しているかどうかという点においては、地質の齟齬の有無にかかわらず、そうした変位は認められないことを確認されているところでございます。次に、測線上のボーリングについてでございます。地質断面図が探査測線から100メートルも離れているにもかかわらず、ボーリング結果として記載されているという点についてでございますが、報告書の地質解釈図に記載されたボーリング孔につきましては、本調査で設定されました探査測線の近傍の既存ボーリング調査結果を転記されたものでございまして、その一部につきましては、参考値として記載されているものと理解をいたしております。これは基盤岩の標高を確認するために反射法地震探査から求められた基盤形状と既存のボーリング調査結果を照合されたものでございます。探査測線から距離のあるボーリング調査結果につきましては、報告書の中におきましても参考値ということが明記をされており、山口大学ではこれを踏まえ分析が行われたところでございます。こうしたことから、探査測線と一部ボーリング孔の距離によって調査結果自体に影響はないものと理解をいたしております。次に、浅層反射法地震探査での解析の限界についてでございます。この調査は、昨年6月の市議会定例会において、第9回土砂災害に関するシンポジウムで発表予定の論文に、山口県地質図第3版に記載された伏在断層のうちの1条が新本庁舎の整備敷地近傍に存在する可能性が示されたことを受けまして、実施をすることといたしたものでございます。こうした経緯から、調査における探査測線の設定につきましては、山口県地質図第3版に示されている断層位置を参考にしつつ、現地踏査により地下構造物の状況も踏まえられ、3本の探査測線を設定されました。これは、当該論文に引用された活断層が推定されたように存在するのであれば、中央駐車場西側の探査測線1及び現本庁舎敷地内の探査測線2によって捉えることができ、さらに北東方向への延伸の可能性がある場合には、山口県立美術館東側の探査測線3によって捉えることが可能として設定されたものと伺っております。したがいまして、設定された3つの探査測線は、山口県地質図第3版に記載されております敷地内に推定された伏在断層の有無を確認するために設定されたものでございまして、その目的に鑑みますと、反射法地震探査は適切な調査方法であったものと理解をいたしております。次に、概略的な調査についてでございます。開削調査を行わない今回の浅層反射法地震探査は、断層の有無が確認できない概略的な調査ではないかとのお尋ねでございますが、山口大学では、反射法地震探査に当たりまして、現地の地形や地下構造物の位置など現地踏査の上、詳細に状況を把握され、丁寧に調査を実施していただきました。具体的には、暗渠や道路をまたぐ部分については、欠測による不連続、構造物による双曲線状の反射面が見えていることを確認しつつ、慎重に解析をされたとのことでございまして、そうした状況を踏まえた上で基盤岩上面の第四紀層に系統性、累積性が認められるような明瞭な変位があるとは解釈できず、活断層は認められないとの結論に至ったものと伺っております。こうしたことから、新本庁舎の敷地内における活断層の有無を判断するという本調査の目的に照らしますと、十分な調査内容であったものと理解をいたしております。次に、事業費の増大についてでございます。議員御案内の福岡市では、警固断層に着目した建築物の耐震対策といたしまして、平成20年に福岡市建築基準法施行条例の一部が改正され、高さが20メートルを超える建築物等は震度6強から震度7程度の大地震動が発生した場合に必要とされる構造耐力の1.25倍の強さの耐震性を確保するよう努力義務が課せられているところでございます。新本庁舎につきましては、地震等の災害時において、市内の災害対策活動の司令塔として市民の皆様の安全安心の拠点としての役割を担いますことから、大地震動が発生した際にあっても、発災直後から補修することなく継続使用ができること、また、機能停止しないことが求められているものと認識をいたしております。こうしたことから、庁舎の耐震安全性を確保いたしますために、山口市新本庁舎整備基本計画案におきましては、活断層の有無にかかわりなく、防災拠点として地震等の災害発生時においても十分な機能確保が必要な施設でございますことから、国土交通省の官庁施設の総合耐震・対津波計画基準における構造体分類I類と同程度の耐震性能を確保することといたしておりまして、大規模地震後、構造体を補修することなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られている状態を維持することといたしております。そのため、新本庁舎の耐震性につきましては、震度6強から震度7程度の大地震動が発生した場合に必要とされる構造耐力の1.5倍の耐震性を確保することといたしており、地震後においてもしっかりと機能するよう高い耐震性能を備えた施設整備を視野に入れまして、当該費用につきましても事業費に見込んでいるところでございます。  私からは以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 伊藤青波議員。               〔25番 伊藤青波議員登壇〕 ◯ 25番 伊藤青波議員 どうも答弁ありがとうございました。専門的になるので、まず1)なのですけれども、活断層の精度を求めるのに100メートル違ってよいのだという、そういう基本的な考えはどうかなと私は思っているのですけれども、答弁はいいので。あと、2)は見解の違いかなと思っていますし、4)、5)もこれも視点の違いかなと思っています。7)の2回目の質問をさせていただきますけれども、8ページの3・2、新庁舎整備区域の地質情報と反射断面の地質学的解釈というのがあるのですけれども、これは市としての考えでよいです。この中で「整備区域近傍には、活断層の存在を示す積極的な証拠は認められなかった」と。これは、認められなかったら、別に「積極的な」と入れなくてよいですよね。それなら、消極的にはあるのかということですよね。その中で、まずこの整備区域近傍の場所の把握をされておられるか、それと今言ったように、消極的にはこの活断層というのは認められるのですか、その辺の市としての考えをお伺いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 中谷総務部長。               〔総務部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 総務部長(中谷尚夫君) 伊藤議員の2回目の御質問にお答えをいたします。このたびの調査におきましては、山口大学におきましては、反射法地震探査だけでなく空中写真を用いた地形判読、既存のボーリング調査結果との照合など、多角的な調査分析を行っていただいております。その結果として、活断層の定義でもございます基盤岩を覆う第四紀の堆積物に繰り返し活動をした証拠を有する活断層は認められないと、この部分についてははっきりと報告書に示されているところでございまして、私どもとしては報告書中に「積極的」という言葉があるのは確かでございますが、それを積極的、消極的というふうに対比して捉えているものではなく、あくまでも第四紀に繰り返し活動をした証拠を有する活断層は認められないというこの結論部分を最終的な基本計画案にもお示ししたところでございまして、私どもとしてはこの調査報告書をしっかりと受けとめたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 伊藤青波議員。               〔25番 伊藤青波議員登壇〕 ◯ 25番 伊藤青波議員 7)の最後の質問なのですけれども、今の答弁で、反対に近傍に消極的な活断層図があったらしっかり対応しないといけないと思っていますし、先ほどの答弁では見解の違いとか視点の違いとかがいろいろあると思っているのですね。その中で、市長は改めてボーリング調査はしないと言われましたけれども、最初に言いましたように、今回多くの専門の方が疑問を呈しておられるので、私はここでそういう専門家による会議を改めて持って、やはり疑義のあるところはそういう方に「いや、それはそうじゃない、こうなのだよ」と納得してもらう中できちんと進めていくべきではないかと。改めてそういう専門家によるこの活断層に関する調査を市として考えるかどうか、その点についてお伺いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) ボーリング等のさらなる調査の実施についてに関する再質問でございますけれども、先ほど来、私も御答弁申し上げておりますように、このたび山口大学に研究委託をいたしまして、その結果につきましては担当参与、また私のほうからも答弁したとおり、いわゆる活断層は認められないとの評価でございました。そして、この評価に対しまして、地元の専門家の方からも、この報告につきまして疑義の御指摘もございました。そうしたことから、再度調査を委託した山口大学にその内容を検証していただきました。その結果、活断層は認められないとする結論の部分に変更はないということも確認したところでございます。そうしたことから、現時点におきまして、ボーリング等によるさらなる断層等に関する調査の実施につきましては現時点では考えていないということを答弁させていただいたとおりでございます。しかしながら、これから設計段階等におきましては基礎設計のためのボーリング調査を実施することといたしておりまして、その情報等も十分に把握いたしまして、そういうボーリング調査の中からいろいろなことが出ればさらなる調査もしていかなければならない、このように考えております。いずれにいたしましても、私どもはこの免震構造をきちんとした免震構造にしていくと。福岡県の例もございましたけれども、1.25倍ということでございますけれども、私どもは、震度6強、あるいは震度7に対応できるような形の中で、1.25倍というよりは1.5倍というふうな形の中で耐震構造といいますか、免震構造にしていくという形をとることにいたしております。そうしたことでございますので、さらなるボーリング調査、この時点でのボーリング調査は考えていないということで御理解を賜りたいと思います。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、伊藤青波議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  28番、西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 共産党の西村芳和でございます。通告順に質問をいたしてまいります。どうかよろしくお願いをいたします。  最初、ア、地方創生についてということでお尋ねをしてまいります。地方創生は、2014年9月第2次安倍改造内閣によりまして、総務省がまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げたところでございます。さて、2005年──平成17年10月までさかのぼってみますと、この年は山口市の旧小郡町を初めとする1市4町の合併がされた年でもあります。2008年になりますと山口市総合計画が始まり、2009年には定住自立圏構想が打ち出され、地方から東京など大都市圏への人口流出の抑制ということで始まりました。さて2010年1月16日、山口市と旧阿東町の合併がありまして、2014年には経済産業省の都市雇用圏、あるいは国交省の国土のグランドデザイン2050におけるところの高次地方都市連合、総務省の地方中枢拠点都市構想も出されたところでございます。この年、2014年9月に第2次安倍改造内閣となり、12月にまち・ひと・しごと創生本部が設置され、2015年1月には連携中枢都市圏構想を打ち出して、これが全国展開されているところでございます。山口市は2017年──平成29年の3月20日ですが、国の連携中枢都市圏構想に基づいて、山口県央連携都市圏域の6市1町、山口・宇部・萩・防府・美祢・山陽小野田・島根県の津和野町、これを一つの圏域として形成をし、現在、圏域ビジョンに基づく取り組みを推進しているところです。また、同年の平成29年10月2日には、自治体戦略2040構想研究会の第1回も開催をされておりますが、この2040構想については既に同僚議員が12月でしたか、質問をしているところでございます。2018年──平成30年、まち・ひと・しごと創生基本方針にわくわく地方生活実現政策パッケージが加えられ、また国は昨年──平成30年の12月に東京一極集中是正のために近隣市町を含めた地域全体の経済や生活を支えるための拠点とされる中枢中核都市を全国で82市選んでおり、本市もその一つに選ばれたのだと市長からも報告があったところであります。このように地方創生を目的に、山口市の合併から15年、まさに矢継ぎ早にといいますか、毎年のように新しい施策が展開をされてきました。こうした施策展開のため、2017年には1兆7,536億円、また2018年にはおおよそ1兆7,877億円という予算がつけられております。しかし、私は結果として目立ったような成果は上がっていないのではないかと、国の人口にしても山口市の総合計画が始まった2008年をピークに連続して減少を続けておりますし、総務省の人口推計では平成29年での高齢化率は27.7%、山口市におきましても平成27年度にいたしましても27.6%となっているわけであります。このように我が国の高齢化は世界的に見ても、空前の速度と規模だとされているところです。地方創生が何をゴールとするのか、どのような地方が創生され、なぜそれが望まれるのか、そうしたものがはっきりしないとその成果もはかり難いのではないのでしょうか。そこでお尋ねをするのですが、現在、山口県央連携都市圏域の中心とする都市は山口市と宇部市の複眼型での位置づけでありますけれども、今回、山口市が中枢中核都市になったということで、中心都市としての役割や宇部市との関係において何か変化があるのかどうか、お伺いをいたします。次に、また山口県央連携都市圏域の取り組みを進行するとした中で、これまでの取り組みをどのように評価しておいでになるのかお伺いをいたします。さらに、連携中枢都市圏の中心都市に求められる役割とされております圏域全体の経済成長の牽引、さらに高次都市機能の集積・強化の推進は、周辺市町や本市における農村エリアから都市部への人口移動をさらに推し進めるのではないかと考えており、圏域全体の発展とはならないのではないかと危惧しているところであります。圏域内の周辺市町、あるいは本市の農村エリアにとどまれるよう、その地域内における一次産業を初めとして、地域経済の活性化を図る施策展開が必要ではないかと考えますが、市長の考えをお伺いいたします。次に、まちづくりと財政運営ということでお尋ねしますが、本年度におきましても「つなぐ 未来創造」予算として、新本庁舎整備として約150億円、あるいは新山口駅南北開発費の約110億円、幼・小・中学校空調設備が36億6,000万円、湯田温泉の多世代交流・健康増進拠点施設に30億円、この上に徳地や阿知須の各総合支所、阿東地域の健康福祉の拠点施設、阿東地域交流センター篠生分館の農協との合築、さらには市内道路の整備、あるいは大型化する市営住宅などなど、まさにまちづくりに向けた大型投資がされておりますし、されようとしております。今後、本市においても人口減少が進む中で将来に向けた財政状況が心配されるところですが、これについても今後の見通しをお伺いいたします。  以上で、地方創生についての質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 西村議員の地方創生についての御質問にお答えをいたします。私からは、連携中枢都市圏のあり方についてでございます。御案内のとおり、平成29年3月に国の連携中枢都市圏構想に基づき、本市と宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市及び島根県津和野町の7市町におきまして、広域連携の枠組みでございます山口県央連携都市圏域を形成し、平成29年度から令和3年度までを計画期間とします山口県央連携都市圏域ビジョンを策定いたしたところでございます。この圏域ビジョンには、圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積強化、圏域全体の生活関連機能サービスの向上の各分野で市町の連携を図る取り組みを位置づけているところでございまして、中心都市であります本市と宇部市には、圏域全体の経済成長を牽引する役割と高次の都市機能のサービスを圏域住民に提供する役割が広く求められているところでございます。議員御案内の中枢中核都市につきましては、昨年、政令指定都市、中核市、県庁所在市、連携中枢都市など全国82都市が位置づけられ、県内では本市のほか、下関市と宇部市が位置づけられたところでございます。この中枢中核都市に期待される役割といたしましては、圏域から東京圏への人口流出を防ぐために、近隣市町を含めた圏域全体の経済や生活を支えていくことでございまして、このことは、広域連携中枢都市圏の中心都市に期待される役割とその方向性を同じくしているものと認識をいたしております。したがいまして、議員御案内の連携中枢都市圏の中心都市としての本市と宇部市の役割は、中枢中核都市の位置づけが公表された後も特段変わるものではなく、引き続き宇部市との連携を図りながら、連携中枢都市圏の中心都市としての役割を果たしてまいりたいと考えているところでございます。次に、本圏域における取り組みの評価についてでございます。御案内のとおり、山口県央連携都市圏域ビジョンにおける圏域の将来展望では、交流人口や雇用を創出することで、人口減少時代にあっても圏域の定住人口を一定程度維持していくことを掲げております。その実現に向け、計画初年度の平成29年度には、交流人口の創出を図る8つの重点プロジェクトの推進に向け、7市町の関係職員で構成するプロジェクトチームを設置いたしましたほか、61の連携事業に着手をいたしました。また、平成30年度は地域経済の成長につながる取り組みを中心に新規事業をふやしまして、全体で77事業の取り組みを進めているところでございます。本圏域ビジョンに基づく取り組みに着手してまだ2年余りという現時点におきましてこれまでの取り組みを評価いたすのは難しい面もございますが、このような連携事業がふえているという点において一定の評価をいたしているところでございます。こうした中で、圏域の人口は平成30年10月1日時点で約61万5,000人でございまして、これは圏域ビジョン策定時の国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口を約7,000人上回る良好な状況で推移しているところでございます。引き続き本圏域ビジョンに基づく取り組みを7市町の連携のもと推進してまいりたいと思っております。続きまして、地域経済の活性化を図る施策の展開についてでございます。山口県央連携都市圏域におきましては、圏域経済を牽引し、圏域住民全体の暮らしを支えるという観点から、交流人口や雇用を創出する取り組み、地域医療の確保や災害対策、地域公共交通の維持確保などの取り組みを総合的に進めまして、圏域内のあらゆる地域に安心して住み続けられる圏域の実現を目指しているところでございます。その実現に向けまして、圏域を構成する各市町におきましては、特性や地域資源を生かしたみずからのまちづくりを進めながら、連携により政策効果が相乗的に高まる取り組みにつきましては、いわば業務提携、業務連携という形で連携や補完のもとで互いに個性と魅力を高め合い、圏域全体の発展につなげていくことといたしております。議員御案内の周辺地域や農山村における地域経済の活性化につきましても、こうした連携効果を生かしながら、各市町においても施策展開を図られているところでございます。こうした中で本市におきましては、県内トップクラスの農畜産物生産地でもあり、かつ連携中枢都市圏の中心都市でもありますことから、圏域の関係市町との連携効果や圏域全体への波及効果を意識しながら、農山村地域における地域経済の活性化の施策展開を図っているところでございます。まず、農山村地域の基幹産業でございます農林水産業の振興につきまして、農林水産業の担い手の育成支援や農地集積や圃場整備、あとう和牛を初めとする畜産農家支援、農林水産物のブランド化、木材生産の拡大支援、漁港施設機能の長寿命化などを進めているところでございます。関連する圏域連携事業といたしまして、圏域内の農林水産事業者によるマルシェの開催や、道の駅等における各市町の特産品共同販売、6次産業化セミナーの共同開催などを実施しているところでございます。あわせて、東京などの都市圏で開催される移住イベントへの共同出展、地域おこし協力隊に対する共同研修会等を実施しているところでございます。とりわけ本圏域では、現在50人を超える地域おこし協力隊の皆さんが地場産品の開発・販売、農林水産業への従事、地域資源の魅力発信等の活動をされております。広域的な人的ネットワークの構築や起業創業支援を図ってまいりますことで、任期終了後の地域おこし協力隊員の定住率の向上につなげてまいりたいと思っております。次に、地域における中小企業の経営支援策といたしまして、中山間地域等における就業や事業承継のためのUJIターン就労支援のほか、本年度からは中小企業の都市圏における求人活動を支援するところのUJIターン就職支援事業の拡充や人材確保企業重点支援の新規事業化を図ることといたしております。また、ふるさとやまぐち寄附金を通じたふるさと産品の販路拡大、安心快適住まいる助成事業による地域内消費の喚起等も進めてまいります。関連する連携事業といたしまして、圏域の中小企業における喫緊の課題でございます事業承継につきまして、商工会等を中心に初期相談窓口体制の整備を圏域全体で構築することといたしております。こうした中で、昨年8月に本市と宇部市及び防府市の商工会議所、そして商工会が事業承継の連携協力協定書を交わされたところでございます。次に、地域における交流人口創出の取り組みとして、本市では地域に受け継がれてきた伝統文化や歴史・自然などの地域資源を活用した観光地域づくりを推進しているところでございます。小郡、秋穂、阿知須、徳地、阿東の各総合支所エリアにおけるふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトの推進、南部地域活力アップ推進プランに基づく瀬戸内の魅力創出を図る取り組み、阿東地域の名勝常徳寺庭園を初めとする文化財の保存整備、生雲八幡宮奴道中や土居神楽舞などの保存伝承活動支援、長門峡もみじ祭り等の地域イベント支援などをいたしております。また、道の駅願成就温泉や道の駅長門峡の機能強化に向けた改修工事の実施をいたすなど、地域の回遊性を向上させる拠点機能の強化を進めているところでございます。関連する広域連携事業といたしまして、令和3年度に開催をいたします山口ゆめ回廊博覧会は、このように磨き上げた地域資源を巡る周遊型の博覧会として実施する予定といたしておりまして、本年3月に実行委員会を立ち上げ、現在、博覧会の開催に向けた具体的な準備を進めているところでございます。交流人口年間1,700万人を目標とする本博覧会では、インバウンド誘客の促進、特産品の振興、圏域の認知度の向上を図りながら、地域の文化や自然を守り、圏域全体において持続可能な観光地域づくりを実現してまいりたいと存じます。加えて、本博覧会の開催年、令和3年には、小郡都市核で整備を進めております新山口駅北地区拠点施設が供用開始となりますことから、多目的ホール等を活用した大規模イベントの開催、大規模コンベンションの誘致等を通じまして、本博覧会との相乗効果も生み出してまいりたいと考えております。また、駅北地区拠点施設におきましては、産業支援と人材確保・育成支援の総合的なビジネス支援体制が整いますことから、圏域全体の中小企業支援の充実、強化にも貢献してまいりたいと思っております。このように連携中枢都市圏の各市町が連携によりまして全体として強みを発揮する取り組みの中、地域経済の活性化を図る施策展開を行いまして、都市部も農山村地域も異なる個性や特長を高め合い、さらなる価値創造や経済循環を図る好影響・好循環の対流型のまちづくりを進めまして、定住実現の圏域づくりに取り組んでまいる所存でございます。  他は、担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、まちづくりと財政運営についてお答えをいたします。御案内のとおり、本市におきましては山口市総合計画や第二次山口市総合計画を推進していく中で、広域県央中核都市づくりや協働によるまちづくり、また個性と安心の21地域づくりなどに必要な投資を積極的に行いますことで、交流や定住の促進などによります地域経済の活性化や市税の増収などにつながります取り組みを展開しているところでございまして、本年度の当初予算におきましても未来へつながる投資といたしまして、新本庁舎や総合支所を初め、新山口駅北地区拠点施設や多世代交流・健康増進拠点施設、あるいは小・中学校や幼稚園における空調設備につきまして整備を進めることといたしております。こうした中で、これまで取り組んでまいりました新山口駅ターミナルパークの整備や地域交流センターの整備など、都市核づくりや地域拠点づくりに向けた社会基盤の整備を行うに当たりましては、国庫補助金などの活用や合併特例債や過疎対策事業債などといった交付税措置率の高い有利な地方債の活用を最大限に行ってきたところでございまして、地方債残高につきましては令和元年度末時点で過去最大の約1,171億円を見込んでおりますものの、交付税措置額を除きました実質的な負担額につきましては約360億円でございまして、実質公債費比率でありますとか、将来負担比率といった財政健全化法に基づきます健全化判断指標につきましても健全な状況となっているところでございます。議員御案内の本市における将来の財政状況についてでございますが、これから見込まれます合併支援措置の終了でございますとか、人口減少に伴います歳入の減少のほか、施設整備の財源として活用いたしました地方債を償還する公債費の増加、あるいは施設の管理運営経費の増加、そして、高齢化に伴います社会保障関係費の増加など、本市の財政状況を取り巻く環境はこれから厳しくなってくるものと認識をいたしております。こうした中で、本市におきましては、こうした将来の財政状況を見据えながら、これまでも山口市財政運営健全化計画や山口市定員管理計画などに基づきます取り組みを行ってきたところでございまして、今後も行財政改革に向けました不断の取り組みを一層進めていく必要があるというふうに考えております。具体的な取り組みを申し上げますと、歳入面では国県支出金等の確保でありますとか、市税の徴収率向上などによります自主財源の確保、また交付税措置率の高い有利な地方債の活用などにこれからも取り組んでいくことに加えまして、これからは財政調整基金を初め、庁舎建設基金や減債基金など、これまで将来のまちづくりに備えて計画的に積み立ててまいりました基金についても有効に活用してまいることといたしておりますし、歳出面ではAIなどICT化の推進、スマート自治体への転換などによります内部管理経費などの削減や市民サービスの質に配慮しながらの事務事業の見直しも行ってまいることとしておりまして、歳入歳出両面からの財源確保に取り組んでいるところでございます。また、毎年度の当初予算編成時におきまして、中期財政計画にあわせて、おおむね10年程度の財政見通しをお示しをし、将来の公債費や社会保障関係費などの状況を見定めます中で健全な財政運営に向けた取り組みを進めているところでもございます。本市といたしましては、今後も県都として、また中枢中核都市や連携中枢都市圏の中心都市としてふさわしい高次都市機能の充実や市民生活を支える地域の拠点づくりに向けまして、必要な投資的事業につきましては第二次総合計画のもとで検討して取り組んでまいることになるというふうに考えておりますが、こうした中で、山口市財政運営健全化計画などの取り組みをこれからもしっかり引き続き推進していきますとともに、将来の財政見通しを明らかにすることで、これからも財政の健全性を維持し、持続可能な財政運営を行いますよう予算編成の過程での対応などを通じまして、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 それでは、イの教育についてということでお尋ねをしていきます。1)として、教員の働き方でございますが、文科省の2016年度教員勤務実態調査、これによりますと、残業時間が月45時間以上の公立小学校教諭の割合は81.6%、中学校が89.0%に上るとされております。教員の働き方改革で、中央教育審議会の特別議会は1月に教員の負担軽減を目指し、学校が担ってきた業務の一部を自治体や地域住民と分担や部活動の見直し、変形労働制の導入などの総合策を文科大臣に答申したと。そして、これと連動して、文科省は教員の残業時間の上限原則月45時間に関する指針を策定しております。この指針につきましては罰則はありませんが、休日労働を例外なく残業時間に算定するなど、運用を厳格にし、時短の取り組みを促しているところでございます。しかし、4月には、文科省が原則月45時間と定めた指針を特別の事情、つまりいじめや学級崩壊への対応を理由とする場合は月100時間を超えない範囲で超過を容認するなどの対応事例が示されたところでございまして、個々の判断においては教育委員会や学校で行うとされておりますが、本市においてはこのことについてどのように対応されようとしているのか、お伺いをいたします。次に、小学校高学年教科担任制ということでお尋ねをいたします。2020年度から主体的・対話的で深い学びを掲げる新学習指導要領が全面実施されるところであります。小学校では学級担任制がこれまで一般的でございましたが、小学校5、6年生は英語が正式教科となるということからも、教員にはより高い専門性や知識が必要となることになります。このような状況下、教科担任制を導入するということで、例えば、英語やプログラミングなどの知識がある教員に授業を任せられるメリットもありますし、負担軽減にもなると考えられます。文科省は、英語であれば他の教科を教えない専科教員が2017年12月時点での3,900人を2020年までに8,000人に倍増するとしているところであります。このように、教科担任制にはより多くの教員確保が必要であり、財政状況による自治体格差が生じてくる可能性は私は高いと思い、児童数が少ない小規模校では各教科の担当教諭を確保できず、実施が困難といった課題もあります。これまで導入して、2018年度に県内の9割を超える小学校が2教科以上で導入をしておりますところの兵庫県だとか、仙台市、さらには、横浜市などはいずれも大規模な自治体であります。教科担任においての現状と推し進める中での小規模校の問題をどのように捉えておいでになるのか、お伺いをいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 教育についての御質問にお答えします。まず、教員の働き方についてでございます。昨今では、少子化や核家族化、共働き家庭が増加するなど、子供たちを取り巻く家庭環境や地域環境が変化していることに加え、情報化やグローバル化が急速に進む中、子供たちが自立的に生きていくための資質・能力を育成するため、学校教育の改善・充実が求められてきております。中でも教員に対しましては、これまでの働き方を見直し、みずからの授業を磨き、人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるよう、学校における教員の働き方改革が進められております。こうした状況の中、文部科学省におかれましては、学校における働き方改革の総合的な方策の一環といたしまして、平成31年1月25日に議員御案内の公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定され、教員の超過勤務時間の上限の目安として1カ月で45時間以内、1年間で360時間以内とすることが示されたところでございます。なお、臨時的な特別の事情がある場合の超過勤務時間の上限は1カ月で100時間以内、1年間で720時間以内とされており、これらをもとに、今後、県及び市教育委員会はそれぞれ公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針等を策定することが求められております。学校におきましては、授業の準備や部活動指導の時間に加えまして、いじめや不登校、その他問題行動等に関する校内での会議、児童生徒や保護者への対応等、迅速かつきめ細かな対応が必要な場合がございます。とりわけ、いじめにつきましては学校内でのいじめだけでなく、SNSによるいじめも認知されており、その内容もさまざまで、学校、保護者、地域が連携し、組織的に対応することが必要でございます。教育委員会といたしましては、このような場合におきましてもいじめ速報カード等により、直ちに学校との情報共有を行い、状況に応じていじめ初動対応サポーターや指導主事等を派遣し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等とも連携しながら早期解決を図り、教員の負担軽減に努めているところでございます。今後策定いたします本市教育委員会の方針等では、議員お尋ねのいじめ事案への対応、または、生徒指導上の重大な事案が発生した場合の対応など、一時的または突発的に所定の勤務時間外に勤務をせざるを得ない場合につきまして、文部科学省の見解と同様に特例的な扱いの臨時的な特別の事情として対応してまいりたいと考えているところでございます。次に、小学校高学年教科担任制についてでございます。現在、日本国内の多くの小学校では1人の教員が全て、または大部分の教科を教える、いわゆる学級担任制が一般的でございまして、児童の心身の状況を把握し、個に応じたきめ細かな指導ができるといったメリットがございます。一方、議員御案内の教科担任制は教科ごとに専門の教員が指導するものでございまして、本年4月に文部科学省は中央教育審議会に対して、小学校高学年の授業での教科担任制導入についての諮問を行ったところでございます。このような中、県教育委員会におかれましても、一人一人の児童の学力向上、教員の授業力向上を目指し、1学年が複数学級ある小学校において、学級担任が学校の実態に応じて授業を交換し、複数の学級を指導する授業交換による教科担任制を推奨しているところでございます。この授業交換を実施することで、複数の教員の指導による多面的な児童理解が進むことに加え、同一教科を指導することによる教材研究の充実が図られるなど、多くのメリットが確認されております。本市における小学校高学年の授業交換による教科担任制の平成30年度実績といたしましては、市内小学校33校中、年間を通じて2教科程度行っている小学校が15校、教科書の内容によって行っている小学校が11校、学期・月など一定期間行っている小学校が3校ございます。これらに加え、算数、理科、音楽、外国語などの教科で専科教員、少人数担当教員が授業を行っている小学校もございまして、各学校の状況を踏まえ、さまざまな指導体制のもとに授業を進めているところでございます。また、小規模校におきましては高学年の学級数が限られるといったこともございますことから、高学年に限らず全校体制での授業交換による教科担任制を行っている小学校が7校、教員の得意分野を生かして5年生と6年生の担任が音楽、家庭科と体育で交換を行っている小学校が3校など、各学校の実情に応じて柔軟に実施しているところでございます。加えて教頭による授業やサポート、県教育委員会から配置された非常勤講師の効果的な活用、県内トップレベルの人数となる本市の補助教員の配置など、きめ細かな指導はもとより、教職員の負担軽減にもつながるよう取り組んでいるところでございます。今後、教育委員会といたしましては、小学校の教科担任制につきまして、国や県の動向を注視しながら児童への質の高い教育を提供するための取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
    ◯ 議長(入江幸江副議長) 西村芳和議員。               〔28番 西村芳和議員登壇〕 ◯ 28番 西村芳和議員 最後になりますが、ウの民生委員制度についてということでお伺いをいたします。民生委員協力員制度の導入についてでございます。地域住民の困り事に対応する民生委員制度ができて102年を過ぎたところでございます。民生委員は地域福祉の担い手で、子供や妊産婦を支える児童委員も兼ねておりまして、特別職の地方公務員で守秘義務があるわけであります。都道府県知事の推薦をもとに厚労大臣が委嘱をするということになっている制度です。そして、ことしは民生委員・児童委員の一斉改選の年でもあることから、民生委員制度について伺うわけであります。近年では少子高齢化や核家族化が進むとともに、地域のコミュニティー意識が希薄化し、地域や家族が抱える問題は多様化・複雑化してきております。近年では、いわゆる8050問題──つまり、80代の親が50代の子供を支えるというような問題。原因はひきこもりの長期化、高齢化ということになろうかと思います。こういった8050問題も喫緊の課題として顕在化してきているところであります。こうした社会情勢の変化の中で地域の状況を把握し、住民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政を初め適切な支援やサービスへのつなぎ役として、民生委員の果たす役割がより重要となってきていると考えます。民生委員法によりますと、民生委員・児童委員は、社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるものとするというふうにありまして、人格識見高く広く社会の実情に通じ、かつ、社会福祉の増進に熱意のある人をもって大臣委嘱がされます。そのような重要な位置にある民生委員ですが、民生委員本人の高齢化が進み、次のなり手がないという現状が見受けられます。このたび、県が定める年齢に係る選任基準が地区担当民生委員・児童委員については75歳未満から80歳未満に、主任児童委員については60歳未満から65歳未満にそれぞれ引き上げられたと聞いておりますが、これも民生委員の高齢化やなり手不足から引き上げられたのではないかと推測をしております。こうした現状から、民生委員協力員制度の導入についてお伺いをいたします。民生委員協力員制度とは、民生委員1人について協力員1人を配置する制度で、民生委員の活動を補佐・協力することで民生委員の負担の軽減を図るとともに、新たな地域福祉の担い手の掘り起こしを図ろうとするものであります。そして、行く行くは協力員が次の民生委員になっていただくことによりまして、民生委員のなり手不足の解消にもつなげられるというふうに考えます。現在、広島市や千葉市、大分市など、一部の自治体では独自に設けているところもあると聞いておりますけれども、大分市では民生委員の負担軽減の取り組みとして、平日の日中だけの対応だったものを休日や夜間でも24時間対応できるよう、各課担当者の自宅連絡先を民生委員に公開することで緊急対応への不安を和らげると、こういうようなことでございます。民生委員に対する担い手支援制度の市としての見解をお伺いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本健康福祉部長。              〔健康福祉部長 楳本和正君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(楳本和正君) 私からは、民生委員制度についての御質問の民生委員協力員制度の導入についてお答えいたします。議員御案内のとおり、本年11月30日をもって現在の民生委員・児童委員の任期が満了し、一斉改選を迎えます。現在、一斉改選に係る手続が円滑に進みますよう準備を進めているところでございます。民生委員・児童委員の皆様におかれましては、地域や家庭の抱える問題が多様化・複雑化する中、高齢者の見守り活動や児童虐待に関する相談などその活動は広範多岐にわたっており、委員一人一人の負担軽減は大変重要な課題であると認識をいたしております。山口市民生委員児童委員協議会では、民生委員・児童委員活動が円滑に行えますよう、ブロック別研修や部会研修を開催し、資質向上に努められているところでございまして、本市といたしましても同協議会の事務局業務を委託しております山口市社会福祉協議会と連携、協力し、市民の皆様への活動内容の周知や関係機関との連携など、民生委員・児童委員が活動しやすい環境づくりに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。議員御提案の民生委員協力員制度につきましては、協力員が民生委員の活動を補佐することによる民生委員の負担の軽減や地域福祉の担い手の拡大を期待し、比較的人口の多い都市部の一部自治体が導入されているとお聞きしております。本市におきましては、おおむね自治会ごとに山口市社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会から委嘱を受けられた840名の福祉員がふれあい・いきいきサロン、ふれあい型給食サービスへの支援や見守り訪問活動など、地域福祉の担い手として地域に根差したさまざまな活動を行っておられます。民生委員と福祉員はともに地域福祉の向上に向けての推進者であり、連携して活動することが民生委員活動の円滑化、さらには地域福祉の発展につながるものと考えております。御案内の民生委員協力員制度につきましては、山口市民生委員児童委員協議会の御意見を伺いつつ、その機能や効果等を研究いたしますとともに、民生委員と福祉員の連携が深まることなどを通じ、よりよい民生委員・児童委員活動につながりますよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、西村芳和議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15分間休憩いたします。                  午後2時50分休憩       ────────────・────・────────────                  午後3時05分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  7番、野村雄太郎議員。               〔7番 野村雄太郎議員登壇〕 ◯ 7番 野村雄太郎議員 市民クラブの野村雄太郎でございます。通告に従いまして、大項目2点につきましてお伺いいたします。  まず、大項目のア、多世代交流・健康増進拠点施設についてお伺いします。当該施設については、前議会の討論で会派を代表して課題について数点言及させていただきました。重複することはなるべく避けたいとは思いますが、今回、主に必要性や経営的視点の観点からお伺いしたいと思います。先月29日に基本計画デザイン等支援業務に係るプロポーザルの公開プレゼンテーションがあり、私もその様子を見学いたしました。3社が2次選考に残る形となり選定されたところです。今後は、評価委員の方が3社の代表建築物を訪れてデザインの独自性や施設の快適性などを見て審査し、6月下旬には候補者を決める流れとなっています。このたび山口市では初めて基本構想の段階で民間事業者のアイデアを取り入れられる新しい試みですが、公開プレゼンテーションを見ていて懸念すべき点もありました。今回のプレゼンでは当該施設に関する考え方の提案ということで仕方ない部分もありますが、ランニングコストや収益的な話が一切ないため、施設規模や内容がどうなっていくのかが非常にわかりにくかった点です。広域県央中核都市づくりプロジェクトの重要な取り組みとされていますが、重要なのは来場者数ではありません。大切なのは売り上げではなく利益です。そして、売り上げ規模ではなく利益率です。供給目線でなく、需要目線で身の丈に合った施設であれば着実な収益から公共サービスがさらに充実されることも可能となるかもしれません。しかしながら、大規模な施設投資となれば施設の維持経費は高くなります。当然ながら利益は圧縮されていきます。圧縮されるどころか赤字を垂れ流している公共施設は全国的にも本当にたくさんあります。これには、行政が税金を使って事業をする以上、特定の誰かだけを優遇することができないことも一つの要因だと思います。行政が主体となればさまざまな人の意見を聞き、配慮に配慮を重ねた結果、結局何をしたいものなのか全くわからないということが多くあります。また、まちづくりにおいては往々にしてコンセプトが中途半端な施設が生まれます。地域の人の交流の場を提供するなどと標榜したものがその典型であると言われています。利用者の明確なイメージがない施設は誰も寄りつきません。事業目的とターゲットを明確にし、まずその事業が黒字になることが大前提として必要ではないでしょうか。そのためにも民間が中心となって実施すべきではないかと考えます。地域を元気にしていこうという取り組みは極めて公共的なものですが、決して行政の専売特許というわけではありません。むしろ、限りある資源を有効活用して事業を運営するのは民間の得意分野です。公共施設は全て税金でつくり、税金で維持しなければならないという前提にとらわれる必要はないと思います。実際に岩手県紫波町のオガールプラザでは民間開発に切りかえて金融機関から資金調達をして公共施設と民間施設の両方の開発を進めるという方針にし、成功されています。私も前職では金融機関の融資部門にいましたが、金融機関はきちんと返済される、つまり黒字で経営される事業でなければ融資はしません。しっかりと収益を出すことが地域を強くすることになると行政・民間チームは考え、議会もそれを後押ししたとのことでした。ただ、これまでも多くの自治体で公共施設と民間施設を一緒に建てる開発は行われています。しかし、そのほとんどが失敗していると言われています。これは自治体主導で公共施設開発の手法を用いて民間施設を一緒に建ててしまうからです。どういうことかといえば、自治体主導による開発は予算ありきで使える金額を全て使い切ることが前提となっていますが、民間企業と金融機関による開発では収支計画を立て、返済できる範囲でしか投資をしません。施設のスペックも、さまざまな関係者の思惑が交錯した自治体開発ではどうしても大きくなる傾向があります。一方、民間企業と金融機関の開発では返済計画が最優先され、実力に即したスペックにおさまります。この返済可能な施設というものは、普通は建設費の捻出さえ難しくなりがちで、維持費にかけられる財源が減少していく地方にこそ求められる重要な基準だと考えます。そこでお伺いしますが、基本的な考えとして、温浴機能を持つ施設、いわゆる市民温泉を整備するのであれば民間で実施すればよいのではないかと考えておりますが、行政が事業を実施し、その施設にどのような付加価値を加えようとされているのでしょうか。行政が整備する必要性やその意義について市の御所見をお伺いします。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 野村議員の多世代交流・健康増進拠点施設についての御質問にお答えいたします。多世代交流・健康増進拠点施設の整備につきましては、平成27年10月に策定いたしました山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におけるやまぐち地方創生100プロジェクトの湯田温泉おもてなしの街づくりの取り組みといたしまして、町なか温泉地ならではの魅力ある地域資源を活用し、交流人口と定住人口の増加や子育て世代から高齢者までの皆様が快適に過ごせるまちづくりを実現するため、老朽化した公共施設の再編や未利用地の利活用を初め、都市機能や居住環境を高めていくための検討を行うことを位置づけたところでございます。そして、この総合戦略のもと、平成28年11月に山口市生涯活躍のまち構想を策定いたし、この構想の中で、特に湯田地域におきましては平坦で歩きやすいバリアフリーな温泉街を有しており、宿泊施設や飲食店などが集積しておりますほか、居住エリアには公共施設の立地や県道沿いの豊富なバス路線やJR山口線湯田温泉駅の結節がございますなど、町なかの利便性と良好なアクセス性を有しておりますことから、湯田地域を東京圏などからのアクティブシニアの移住などを促進していくための重点エリアと位置づけまして、老朽化した公共施設の再編や機能強化の種地となります湯田地域の遊休地において温泉を身近に活用できる健康なまちとしての魅力や食の多様性を有する環境・保養拠点にふさわしい都市・生活空間を整備することについて検討してまいりました。そして、その結果として、平成30年3月に策定した第二次山口市総合計画におきまして、前期基本計画の重点プロジェクトでございます広域県央中核都市づくりの湯田温泉おもてなしのまちづくりの取り組みの中に市民温泉を含む多世代交流施設整備を位置づけ、取り組むこととしたところでございます。本年3月に策定いたしました拠点施設の整備基本構想では、本施設が目指す姿を温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点といたしておりまして、市民の皆様の暮らしを支え、生活の質を高めるため、全国的にも珍しい都市型温泉地としての湯田温泉の優位性と住宅地エリアと温泉街エリアの双方に接しているという整備予定地の立地特性を生かし、温浴機能を初めとしたさまざまな機能が融合した質の高い施設や空間を創造することといたしております。そして、本施設の整備によりまして、市民温泉を含め、市民の皆様の健康増進につながる機能や歴史や文化、風土に根差しました魅力的な空間を提供し、子供から高齢者までの幅広い世代の市民の皆様が今以上に集われ、交流され、快適に過ごされますなど、市民の皆様の暮らしの質を高めますとともに、ふるさと山口への誇りや愛着の醸成にもつなげていくことを目指しているところでございます。また、温泉文化などを楽しむ多くの市民の皆様の姿や生活様式に市外・県外の皆様が引きつけられることによりまして、湯田地域や山口都市核への移住・定住の促進のほか、交流人口の増加によります温泉街や山口都市核への経済波及効果、そして小郡都市核を初め市外・県外からの誘客を生み出していくといった広域観光拠点としての湯田温泉の新たな魅力づくりにもつなげてまいりたいと考えているところでございます。このように、この拠点施設につきましては、公の施設として市民の皆様の豊かな暮らしを支え、生活の質の向上を図っていくことを主目的として湯田温泉の新しい魅力を発信し、移住・定住の促進や交流人口の拡大、そして都市全体の経済循環や価値創造にもつなげていくことを目指しているものでございまして、本市の都市政策上におきましても重要な都市機能を発揮する公共施設になるものと考えております。第二次山口市総合計画のもとで、現在、本市が広域県央中核都市づくりや個性と安心の21地域づくりなど定住実現のまちづくりを進めております中で本市が責任をもって整備していく必要性や意義があるものと認識しておりますので、御理解を賜りたいと存じます。いずれにいたしましても、今年度は施設の基本計画を策定することとしておりまして、これから検討してまいります施設の機能構成や各機能の面積、配置のほか、運営などにつきましては、現在、選考中ではありますが、専門的な知見や豊かなアイデアを持った事業所と一緒に市民の皆様や関係団体などの御意見をしっかりと伺いながら具現化してまいる考えでございます。議員御案内の経営的視点につきましては、いわゆる施設のライフサイクルコストの縮減の観点、そして本市の財政運営の観点からも大変重要な視点でございます。したがいまして、そうしたことにも早めに対応できますよう、通常の施設整備の手法では基本設計からのところになりますものをそれよりも早い基本計画の段階から建築士を有する事業所にかかわっていただくこととしたところでございます。これから専門的見地からのアドバイスをいただきながら施設のライフサイクルコストを縮減することなどにつきましてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。いろいろ公共施設について御意見をいただきましたけれども、地方自治体が整備する公の施設につきましては、収益を上げるということよりも住民の福祉の向上で施設を利用していただいて市民の皆様に豊かな生活を送ってもらうと。そういったものを主たる目的としておりますので、そういったものには一定の税金の投入というのは必要であろうというふうに考えております。そういった中で、公共施設を使ったまちづくりの中でいろいろなやり方があろうと思っております。御案内の紫波町の事例については10ヘクタール以上の敷地がある中での取り組みだと思いますし、そういったことも含めながら都市核の中で整備していく公共施設として考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野村雄太郎議員。               〔7番 野村雄太郎議員登壇〕 ◯ 7番 野村雄太郎議員 ありがとうございました。  次に、大項目のイ、産業活力・地域雇用を創出する「働く・起業なら山口」についてお伺いします。まず、中項目の1点目、多様な働き方への支援策についてお伺いします。現在、第二次山口市総合計画が2年目に入り、このうち産業活力と地域雇用を創出していくことは山口市にとってとても重要な政策の柱だと認識しているところです。こうした中で「働く・起業なら山口」プロジェクトを推進されていることは大変心強いですが、昨今の全国を取り巻く人手不足の現状を鑑みますと、市内企業にとって人材確保に関しての課題は多く、多様な働き方の創出に向けての有効な支援策が求められているのではないかと考えます。一つの例として、近年、人手不足が深刻化する中、副業・兼業を促す取り組みが進んでいます。厚生労働省のモデル就業規則は2018年1月に改訂され、労働者が守るべき「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除し、副業・兼業についての規定を新設しました。現在、空いた時間を活用して本業以外の仕事や資格の活用ができる仕事をし、収入の確保もしたいというニーズは高く、副業を希望している人は増加しています。しかしながら、実際に副業をしている人は横ばい傾向となっているようです。これは企業がまだまだ従業員の副業・兼業を認めないケースが多いことが原因となっております。企業からすれば、本業に集中してほしいことや情報漏えい、人材流出、健康管理、また労災や社会保険の複雑化など、さまざまなことを考えなければならないことからなかなか踏み出せていないのだと思います。一方で、経済産業省の産業構造審議会の2050経済社会構造部会において、副業がある人の9割が本業に支障がないと回答されていたり、副業がある人の2割は本業のモチベーションや集中力が高まったと回答されているようです。また、副業経験者は副業経験がない従事者に比べて思考・分析タスクが36%高いとの分析結果が示されました。このように、収入増はもちろん本業での労働生産性の改善にも寄与するというデータもあります。また、収入を得ながら新たな人と他社と交流ができるという点でも大きな意味があると思います。なぜかと申しますと、企業で働く方は自宅と職場との往復になりがちであり、人との交流において、家族を除けばほとんどが職場の人となり、非常に限定的になってしまうからです。そして、ある調査によりますと、職場の悩みやストレスの原因の第1位は人間関係だということがわかっています。悩みやストレスの根幹である狭いコミュニティー以外の方と接する機会が極めて少ないのです。もっと言えば、同じ山口市内でも知らない会社、知らない仕事、知らない人だらけだと考えます。民間の団体ではさまざまな仕事の方とかかわれるような組織もありますが、会費を納めて交流するという形態が一般的であり、経営者ではない労働者の方にとってはハードルが高いと思われます。そういう意味でも、収入を得ながら気軽に他社の仕事や雰囲気を知ることもでき、新たなコミュニティーをつくることができる副業はメリットが大きいと考えます。また、転職を考えている方の意見として「今の仕事を辞めることなく副業としてまず他社を知れたら、やっぱり今の仕事がよかったなと感じることもあるかもしれないが、現状ではそれができない」という意見もありました。このように副業は余剰労働力として個人の能力を他社でも活用でき、人手不足の解消にもなり、市内の人との新たな交流、スキルの習得、新たな事業の創出などにつながり、大きな可能性を秘めていると考えます。一方で、副業への理解、制度の整備や受け入れる企業においても正社員だけでなくスポット的に働いてくれる副業で欲しい人材の募集方法やプラットホームづくりなども必要だと思います。そのためには行政の支援が不可欠だと考えます。そこでお伺いします。多様な働き方を創出していくためには、先ほど例に挙げて申し上げましたような個人の能力を活用し人材不足を解消しながら新たな交流やスキルの習得にもつながる副業・兼業による労働力の確保と有効活用が重要で、これらを後押しするような総合的・重点的な取り組みが必要だと考えます。総合計画に掲げる産業活力・地域雇用の創出に向け、本市として今後どのように取り組まれていくのか、市長の考えをお伺いします。次に、中項目の2点目、体験型キャリア教育についてお伺いします。現在、国において新時代に対応した高等学校改革が進んでおります。教育内容や制度の抜本的な見直しがこれから本格的に始まろうとしており、注目しているところです。その最大の焦点となっているのが戦後の制度になってからずっと同じだった普通科の改革です。現在は約7割の生徒が普通科に在籍しておりますが、教育内容が画一的であり、学習意欲の低下などが問題視されています。今後は、より目的意識を持って学べるよう普通科を細分化する方針のようです。今、まさに子供たちの学びが大きく変わろうとしています。このような流れの中で市として今まで以上に力を入れていかなければならないのが職業体験におけるキャリア教育だと考えます。なぜならば、この問題はこれからの生き方について何の考えも持てない子供たちが多いことにあるからです。自分の社会における役割、自分のやりたいこと、夢、働く意義というのはキャリア教育を通して実際に体験し学ぶことが重要だと思われます。中途半端なキャリア教育では子供たちの将来像はむしろ漠然としたものになりかねません。これから多様化する社会において積極的な生き方をみずから選択できる子供を増加させるためには、きちんと自己理解が深まり、将来の意思決定を促すようなキャリア教育が必要不可欠です。つまり、このたびの高等学校の改革と職業体験におけるキャリア教育の充実は表裏一体となっていなければならず、そうでなければ子供たちは学びの細分化についていけなくなると思います。ここで民間事業者の取り組みを御紹介いたしますが、キッザニアという大変人気の子供向けの職業・社会体験施設があります。現在は東京と兵庫にありますが、2021年度にはお隣の福岡県でもオープンされる予定となっています。キッザニアは日本の未来を開く子供たちが今後の実社会で生きる力を育んでほしいという思いが込められた施設となっています。楽しみながら学ぶをコンセプトに約100種類もの職業・社会体験をすることができます。子供たちはたくさんのリアルな体験を通して自分の人生観をつくっていきます。そして、将来、自分がどんな仕事を目指したいのか、どんな大人になりたいのかを早い段階から模索できます。また、実際に起こり得る社会体験に真剣に取り組むことで、チャレンジ精神、コミュニケーション力、集中力、社会性、ホスピタリティーなどが自然と身についていくとされています。さらに、支援しているスポンサー企業にとっても、親子に共通の企業ブランディングを認識してもらえたり企業特性を体験の中でつかんでもらうことは意義深いようで、企業の社会貢献やイメージアップ、従業員のやる気にもつながっているとのことで好評となっています。現在、キッザニアでは大人向けの職業体験イベントをやったり、地方の中小企業や行政との連携を軸にした地方版キッザニアを監修されたりしていますが、いずれも高い評価となっているようです。このように、子供たちにとっても、また企業にとっても職業体験・社会体験は大きな意義があると思います。もちろん、子供たちがその中から職業を選ぶとは限りませんし、その必要もないと思います。子供たちに将来の夢は何かと聞くと、職業の名前を言う子が多いと思います。お医者さんだったり、サッカー選手、公務員など、最近ではユーチューバーと言う子も多いようです。夢イコール職業を選ぶという感覚を持っています。でも、本当に大切なことは職業を通して何がやりたいのかということではないでしょうか。まず、やりたいことがあり、そのためにこの職業を選ぶというのが自然で本来の考え方だと思います。子供たちが何をしているときに楽しいとかうれしいとか喜びを感じるのか。人と話しているとき、ものづくりをしているとき、誰かを守っているとき、人それぞれだと思います。その気づきを与えるきっかけをたくさん提供してあげることが大切ではないでしょうか。現在、本市においても職業体験の機会はありますが、規模や参加人数、方法など、まだまだ改善の余地があるのではないかと考えます。学校に課外授業として実施したり、逆参観日として子供たちに大人の働く姿を見せてあげたり、市主催のイベントとして多数の企業の協力のもとで職業体験フェアなどもまだまだできるのではないかと思っています。また、高校生や大学生からは、企業説明会だけでは仕事内容や職場の人のイメージができないため、職業体験やインターンシップなど、もっとたくさんあってほしいという意見を聞きます。また、先ほど申し上げたとおり同じ市内でも知らない職業や仕事は非常に多いと思われるため、子供たちの職業体験などを通して大人もまた市内の職業理解や人への関心を高めることは大切だと思います。市内の消費の喚起や若者の就労支援、地元の就職率の増加にもつながると考えるからです。そこでお伺いしますが、あらゆる世代にとって職業体験の機会をふやしていくことは有効であり、極めて重要だと考えますが、今後、市の方策としてどのように取り組んでいかれるのかをお伺いします。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 私からは、産業活力・地域雇用を創出する「働く・起業なら山口」についての御質問のうち、多様な働き方への支援策についてお答えを申し上げます。現在、我が国におきましては、加速的に進む少子高齢化や戦後最長となる景気回復などを背景に労働需要が増加し、多くの産業において人手不足感が顕在化するなど、中小企業を取り巻く環境は予断を許さない情勢となっております。このような中、国におかれましては、平成29年度に策定されました働き方改革実行計画において、労働制度の抜本的な改革や労働生産性の向上、柔軟な働き方がしやすい環境整備など働く人の視点に立った改革を掲げられ、本年度から働き方改革関連法が順次施行されているところでございます。また、昨年度に日本経済全体の生産性の底上げを図るために策定されました未来投資戦略2018におきましては、中小企業の生産性革命のさらなる強化として経営者の高齢化や人手不足の問題を解決するために事業承継の集中支援や副業・兼業・出向などの多様な人材の活用方法による中核人材の確保策を促進されるなど、企業が維持・成長する上で不可欠となります人材確保に向けた施策に国を挙げて取り組みが進められているところでございます。本市といたしましても、市内事業者の皆様の声や商工団体等の関係機関とのかかわりの中で人材不足への対策とその解消につながる働きやすい職場環境の整備が緊急の課題であると認識いたしておりまして、これまでの事業に加え、本年度から内閣府の地方創生推進交付金を活用いたし、企業の人材確保策や多様で柔軟な働き方を推進するための人材確保企業重点支援事業と働き方改革推進事業を新たに創設いたしたところでございます。これらの事業では、企業側と労働者側の両面の視点に立ちまして、まず企業向けの支援策といたしましては、労働者のさまざまなライフスタイルに合わせた短時間勤務などを導入したい企業向けのセミナーやアドバイザーの派遣、企業と求職者をつなげる独自のサービス等を提供する市内事業者への支援、企業が従業員向けに働き方改革に関するセミナーを開催する経費の一部助成などを行っていく予定といたしております。また、労働者向けの支援策といたしましては、女性や高齢者、障がい者などの多様な働き手の参画を促進いたすためにアクティブシニアのセカンドライフ応援セミナーや合同就職面接会の開催、子育て女性の働くきっかけづくりを目的とするカフェ形式の座談会など各種イベントやセミナーを開催し、多様な働き手と受け入れ企業とのマッチングを支援してまいりたいと考えております。議員から新たな取り組みの一つとして副業・兼業の促進について御提案いただきましたが、国におかれましても働き方改革実行計画において多様で柔軟な働き方としてテレワークや副業・兼業を推進される中、昨年1月に厚生労働省が示すモデル就業規則が改訂され、これまで原則禁止されておりました副業・兼業が可能となります規定が明記されたところでございますが、企業側におきましては、副業・兼業を認める場合には労務管理上の支障や企業秘密の漏えい等の管理が必要となりますことから、多くの企業では副業・兼業を認めていない状況でございます。そうした中、先週6日に政府の規制改革推進会議がまとめた答申におきまして、複数の職場で働く労働者の労働時間の通算など、企業が懸念すべき労務管理上の課題に関して制度を見直すべきとの考え方が示されたところでございます。加えて、現在、民間企業の動向といたしましては、大手企業や金融機関などでは社員のスキルアップや新事業を創出できる人材の育成等を目的に条件つきでの副業・兼業を解禁する動きも出始めております。こうした中、県内企業と首都圏の人材紹介企業が連携し、首都圏から高度人材を副業・兼業して地方へ誘致する取り組みも進んでいると聞いておりまして、このような取り組みにつきましては、地方では困難である高度・専門人材の確保や流動化、社会全体でのオープンイノベーションの進展といった観点から、今後どのような業種や職種で有効であるのかも含め、多様な働き方の一つの手段といたしまして、今後、研究も検討もしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、第二次山口市総合計画に書かれております産業活力と地域雇用創出の実現に向けまして、市内の中小企業が抱える人材不足に関する課題を的確に把握いたしまして、議員の皆様方の御意見また御支援もいただきながら、多様な働き方の創出を初め、諸施策にもしっかりと取り組んでまいる所存でございます。  他は担当参与から御答弁を申し上げます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 江藤経済産業部長。              〔経済産業部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ 経済産業部長(江藤寛二君) 私からは、産業活力・地域雇用を創出する「働く・起業なら山口」についての御質問のうち、体験型キャリア教育についてお答えいたします。本市におきましては、地元企業への就業機会の拡大や市内学生の就職意識の醸成を目的に市内の高校生を対象とした就職支援事業を実施しているところでございまして、これまで、地元企業で働く社会人を講師に迎え、その職種の理解を深めるための講座の開催や、就職・職業意識を高めるため、実際に会社などで働くことを体験し、学ぶこともできる職場見学を開催いたしているところでございます。また、平成29年度からは市内在住の高校生を対象とした企業訪問バスツアーも実施いたしておりまして、こちらの事業は、高校生だけでなく、その保護者の参加も可能としており、保護者の方々にも地元企業を知っていただく機会となるものでございまして、本年度はより多くの学生や保護者の方に参加していただけるよう幅広い周知や内容の充実を図りながら実施してまいりたいと考えております。また、大学生への取り組みといたしましては、就職活動を控えた大学生等を対象に企業訪問バスツアーを昨年度から実施しておりまして、昨年度は県内外の大学等から御参加いただき、製造業やサービス業など山口ならではの幅広い業種の企業に訪問させていただき、現場見学や採用担当者との交流会等を開催いたしたところでございます。議員御提案の子供向けの職業体験の機会をつくっていくということにつきましてはさまざまな取り組みが考えられるところでございまして、実例を申し上げますと、平成27年度から毎年、市内の物産事業者等で構成いたします山口市物産事業者連絡協議会が親子体験・見学バスツアーを実施され、市内各地の事業所を直接訪問し、製造過程の見学や製作体験を通じて地元産品に対する愛情やこだわりを肌で感じていただく機会を提供されておられます。また、毎年7月には市中心商店街各店舗が中心となり、実際の店舗で小学生がさまざまな仕事を体験できるイベント、職場体験を開催されております。このイベントでは小学校1年生から6年生までの約100名の児童が参加し、商店街の活性化にもつなげながら子供たちが職業理解を深めるよい機会を創出されているところでございます。教育分野では、中学2年生を対象に学校単位で地元企業の職場体験を実施されておりまして、平成30年度は18校で実施され、参加生徒数は1,555人、参加された地元企業は633社となっています。また、地域での取り組みといたしましては、小郡地域では毎年開催されます新山口ゆめフェスタにおきまして小学生を対象としたさまざまな職業を体験できるブースを設置され、子供たちの将来の夢づくりの契機となる取り組みを地域を挙げて実施されているところでございます。このように市内各地域ではさまざまな取り組みが行われているところでございまして、本市の次代を担う児童生徒が地元企業の職場や仕事を体験することは地元に愛着を持つ優秀な若い人材の確保の観点から大変重要であると認識いたしております。また、若者が体験を通じてさまざまな店舗や商品を知ることで後日の購買や来訪が期待できることなど、消費の喚起や地域活性化の面でも効果があるものと考えております。さらには、他市の事例ではございますが、北海道石狩市では市内外の学生をインターンシップとして1カ月間受け入れ、商店街での就業体験と同時にインターン生による企画立案を商店街の魅力向上に生かすという取り組みもなされているところでございます。いずれにいたしましても、職場体験につきましては企業の御理解と御協力が不可欠でございます。本市といたしましても受け入れに対する企業への周知や理解を図りますとともに、インターンシップ等の仲介団体や大学等の教育機関と連携を図りながら受け入れ企業の掘り起こしを行い、体験する側と受け入れる側にとって有益であり、また大人から子供まで幅広い世代へ効果をもたらす取り組みとなりますよう、議員御提案の取り組みを含め、先進の事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、野村雄太郎議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  26番、宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 チームみらい共創の宮川英之です。通告に基づき会派を代表して一般質問をさせていただきますので、市長並びに関係参与の皆さんの明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  まずは、多世代交流・健康増進拠点施設整備についてです。同施設については、本年3月に基本構想を策定され、今年度においては基本計画を策定のこととうかがっております。この基本計画についてはデザイン等の支援業務を委託することとされています。事業者選定については公開型プロポーザル方式がとられ、多くの応募があった中から書類選考を経て、先日、第1次選考の公開型ヒアリング審査が行われ、3社が第2次選考に進まれました。まずはこの過程についてですが、当初24社の応募があった中からどのような点に重点を置きながら書類審査、第1次選考を経て3社に絞られていったのでしょうか。また、第2次審査は代表作品の現地審査とうかがっておりますが、どのような点を重点的に審査、評価されるお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。次に基本構想からこの施設整備に関する考え方についてお尋ねいたします。本構想には、この施設が目指す姿を温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点と位置づけられています。そして、子供から高齢者までの幅広い世代にとって快適な温泉空間を創出することによって多世代の交流や心身の健康増進につなげ、豊かな暮らしを実現し、あわせて温泉活用により観光客やビジネス客の来訪につなげ、市民を含めた豊かな交流を促すことで地域活力の向上を目指し、量から質へとの価値観に基づいた豊かな暮らしと交流を提案することで新しいつながりが創出され、活力やにぎわいが広がる豊かな都市空間の形成につなげるとされています。つまりは、この施設は、市民の多世代交流や健康増進によって暮らしの質を高めると同時に、観光客を誘客し、交流を促進し、まちを活性化させるための施設であると言えるわけですが、本施設整備に関する基本的な考え方について市の御所見をお伺いいたします。次に湯田温泉の市民利用についてお尋ねいたします。平成28年3月に山口市が行った調査によれば、市内在住者990名のうち、湯田温泉の日帰り入浴施設を月に1回以上利用する方の割合は約13%とされています。私ごとで恐縮ですが、現在、山口大学の体育会、アメリカンフットボール部のお世話をしており、部員が大学を卒業する時には、たまに「湯田温泉のお湯に入浴したことがあるか」と質問いたします。結果は「4年間ほとんど入浴した経験がない」との回答ばかりで本当に驚かされます。距離的にもこれだけ近いのにこの状況では県立大学など、他大学での状況は想像にかたくありません。それでは、学生を含む市民利用が進まないのはなぜなのでしょうか。それは温泉文化が根づいていないからだと思います。市内に山陽道随一と言われる有名温泉はあるが、観光客などが利用するものとの意識が強いのではないでしょうか。また、民間温浴施設はありますが、毎日のように頻繁に利用することを考えれば比較的料金が高く、気軽に利用できないことも原因であるように思います。正確に調査したわけではありませんが、大人料金は1,000円ぐらいが相場であるような印象も受けますし、家族5人で利用すれば入浴料だけで四、五千円はかかる場合もあり、飲食や館内利用も合わせると相当な家計の出費となります。もちろんそれだけの満足感もあり、非日常感を味わうことができるわけですから悪いわけではありませんが、健康増進の意味からも毎日のように利用するとなれば、少しハードルが高いように感じます。それでは、民間事業者に補助金をつけて値下げを図る方法もあるかもしれませんが、民間温浴施設はアミューズメント性が高い施設も多く、またこのたびの施設のコンセプトとは異なりますし、民間事業者の独立性や他事業者との公平性、透明性確保等の観点からも単に運営が難しいように私は思います。やはり補助金等により利用促進を図るというのは直接的あるいは間接的であれ、お祭りのときや災害時、緊急時に限ったほうがよいように思います。一方、既に山口市が所有する寿泉荘は比較的安い利用料金──1回100円程度で利用することができ、実際に日々多くの市民の皆様に利用されているのですが、原則60歳以上で利用可能といった年齢制限があり、例えば、おじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れていくこともできず、家族団らんで利用したくても、あるいは別の言い方をすれば家庭内で多世代交流をしたいと思っても利用できない状況であります。また、老朽化も御存じのように進んでいるという状況がございます。私は、このような問題を解決し、温泉文化を市民の誇りとして根づかせるためには拠点施設の整備が不可欠であると思いますがいかがでしょうか。一方で、拠点施設の建設が民間事業者にとって民業圧迫になるのではないかとの懸念の声もあると聞いております。私ごとで恐縮であり、御存じの方もおられるかもしれませんが、私の実家は湯田温泉で温泉宿を営んでおり、外湯としての温泉営業もしておりますし、私は湯田温泉で生まれ育ち、今も湯田温泉で事業を営む多くの方々に支えられておりますので、民間事業者の状況は十分理解、承知しているつもりであります。私は、コンセプトがしっかりしていれば、すみ分けは充分可能であると思います。地元事業者の皆様の御懸念、心配は承知しておりますが、今は10年先、20年先、いや50年先の湯田温泉の将来像を見据えて行動を起こす時と考えます。もし短期的に不利益な部分があるとしても、中長期的には地域の活性化に大いに寄与するものと思います。なぜならば、今はこれだけ少ない市民利用を拡大し、市民に愛される温泉地、温泉文化を根づかせることこそが、交流拡大、湯田温泉の発展には必要不可欠だからです。利用を促進し、多くの市民が利用し、恩恵を受け、温泉に誇りを持って市民それぞれが温泉文化のよさを口コミで広げてくれれば、これほど強いものはありません。湯田温泉の利用はこの30年間で横ばい状態にあります。このことを今後打開していくためにも市民に愛され、利用される温泉づくりが必要不可欠なのです。拠点施設に伴う湯田温泉の市民利用促進についてのお考えをお聞かせください。次に、県内外からの誘客による地域活性化についてお尋ねします。前段の市民利用のところでも触れましたが、湯田温泉の宿泊客数、県外利用者数は横ばいもしくは下降気味にあります。今後この施設整備をどのように交流人口の増加につなげていくお考えでしょうか。私は、旅に出て温泉地へ行くとそこの元湯や市民湯をよく訪れます。そこでは地元の方、あるいは観光客が一緒に入浴されていて、地元の方に「地元の名産は何でしょうか」「おいしいお店はこの近くにありますか」「観光にはどこに行ったらいいと思いますか」などと尋ねます。特段意識して交流したわけではなくてもお得な情報が聞けて、少しその地域の通になったような気がして得した気分になります。それは旅の思い出に花を添えてくれます。逆の体験をすることもあります。旅のお客さんと湯田温泉の大浴場でたまたま居合わせて山口の名物やおいしいものを聞かれることがあります。あるいは観光地を聞かれることもあります。旅のお客さんに山口の歴史、文化、いいところを伝えることで山口のよさを再認識するとともに、私自身がこのまちに生まれて育ち、暮らしていることが本当に誇らしく感じてきます。交流とはそのようなものではないかと私は思います。県内外の方が集まるためには、そのほかにも多くの仕掛けづくりが必要であると思います。現在建設中でせっかく令和3年4月オープン予定の新山口駅北地区拠点施設に県内外から多くのお客さんが集まっても、湯田温泉の拠点施設の存在が知られず、また知っていても魅力がなければ湯田温泉までお客を引き込むことはできないでしょう。むしろこれまで湯田温泉において会議やコンベンションで利用していたお客さんを逃してしまうことにもなりかねません。新山口と湯田温泉が決して交流人口を奪い合う結果になってはならないと思います。そうではなく、それぞれが新しい付加価値を生み出すことで新しいニーズ、新しいお客をつくり、これまで福岡、広島、関西など、他地域に流れていた交流の流れを引き込むことこそが重要であると考えます。人口減少社会の中で地域間競争・都市間競争の時代が来たと言われる中にあっては、県外、市外の地域、都市との競争は避けられない側面もあると思います。しかし、同じ山口市内の湯田温泉と新山口とはそのような関係ではありません。湯田温泉と新山口、湯田地区と小郡地区、山口都市核と小郡都市核は競い争う競争ではなく、会派名でもあり恐縮ではありますけれども、山口の未来を共に創る共創関係にあります。両拠点施設及び両都市核の連携について御所見をお伺いいたします。次に、拠点施設の魅力づくりについてお尋ねいたします。この拠点施設が県内外、市内外から多くの方々に訪れていただくためには、湯田温泉のお湯を楽しむ温浴機能ばかりでなく、地元の方との交流の場であり、情報発信の場であり、山口市の歴史・文化を知ることができる場である必要があります。湯田温泉は800年前に白狐が発見した湯との伝説があり、室町時代に栄華を極めた大内氏時代の文献にも登場し、江戸時代には毛利氏のお殿様の湯として、幕末明治維新においては志士たちの集ったお湯としての歴史を刻んでいます。大殿地区の大内文化ゾーン湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」、中原中也記念館などとも連携することによってこの拠点施設の魅力は何倍にも高まるものと思います。施設整備の魅力づくりについて市の御所見をお伺いいたします。  以上で、大項目の質問1回目を終わらせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 宮川議員の多世代交流・健康増進施設整備についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、湯田地域交流センター南側の遊休地を中心に整備を予定しております多世代交流・健康増進拠点施設につきましては、本年3月に拠点施設整備の基本構想を策定いたしまして、今年度は施設整備の基本計画を策定することといたしております。そして、この基本計画につきましては、施設の機能や規模、建物配置などにつきまして、専門的な知見やアイデアとともにまちづくりの視点も踏まえました具体的な内容とするために建築士が所属いたします事業所に基本計画を策定するための支援業務を委託することといたし、現在、事業所選定のための公開型プロポーザルを実施いたしているところでございます。これまでの本プロポーザルでの選考につきましては、4月からの公募に対しまして、東京、大阪、広島など全国各地から24社もの多数の応募がございましたことから、まず先行して書類審査を実施いたしまして、通過された8社によります第1次選考のヒアリング審査を去る5月29日に公開により実施いたしまして、その結果、3社を第2次選考の対象者として選定したところでございます。議員お尋ねのこれまでの審査における重点事項についてでございますけれども、今回の公募型プロポーザルにつきましては、本施設の基本計画の策定を支援していただくのにふさわしい事業所、いわば本市と一緒に基本計画をつくっていくパートナーを選定するものでございまして、選考におきましては事業所そのものの能力や考え方などを評価するということになりますことから、各事業所の代表作品が建設地の敷地の特性をどう捉え、そしてその地域にどのような好影響を与えたかといったことや、本施設整備に対する考え方などに重点を置いて評価することといたしております。したがいまして、まず書類審査におきましては、設計担当者の経験年数や過去の建築関係の受賞歴などの客観的な指標を評価し、選定いたしました。そして、続く第1次選考におきましては、書類審査での評価に加えまして、公開プレゼンテーションのもとで設計担当者が手がけた代表作品の地域性、独創性などの設計実績でありますとか、本施設整備に対する考え方などを評価いたし、3社を選定したところでございます。また、第2次選考におきましては、6月15日及び16日に3社の代表作品に対します現地審査を実施いたしまして、デザインの独自性や施設の機能性、また現地のまちなみや周辺環境との調和が図られているかといったことなどを現地で評価をいたしますとともに、施設管理者や発注者の意見なども評価をいたしまして最優秀者及び次点者を選定する予定といたしております。次に、本施設整備に関する基本的な考え方についてでございます。御案内のとおり、拠点施設の整備基本構想におきましては本施設の目指す姿を温泉資源を活用した豊かな暮らしと交流の拠点といたしておりまして、全国的にも珍しい都市型温泉地としての湯田温泉の特性と、住宅地エリアと温泉街エリアの双方に接しているという立地特性を生かし、健康や交流をキーワードに温浴機能を初めとしたさまざまな機能が融合した質の高い施設や空間を創造することといたしております。そして、本施設の整備によりまして子供から高齢者までの幅広い世代の市民の皆様が今以上に集われ、交流され、快適に過ごされますなど、市民の皆様の暮らしの質を高めますとともに、ふるさと山口への誇りや愛着を醸成することにもつなげていくことを目指しているところでございます。また、温泉文化などを楽しむ多くの皆様の姿や生活様式に市外、県外の皆様が引きつけられることによりまして、湯田地域や山口都市核への移住・定住の促進のほか、交流人口の増加によります温泉街や山口都市核への経済波及効果、そして小郡都市核を初め、市外、県外からの誘客を生み出すような広域観光拠点としての湯田温泉の新たな魅力づくりにもつなげてまいりたいと考えておりまして、こうした考えのもとで施設整備を進めていくこととしております。次に、本施設整備に伴います湯田温泉の市民利用の促進についてでございます。本施設におきましては、現在、整備予定地に立地しております寿泉荘の温浴機能を多世代型として更新することによりまして幅広い世代の方々が気軽に立ち寄り、御利用いただける施設としてまいりたいと考えているところでございます。寿泉荘の温浴機能を初め、健康や交流などのさまざまな機能が融合した質の高い施設や空間を創造する地域性や独自性のある施設を整備することによりまして、湯田温泉の新たな魅力を創出し、多くの市民の皆様の利用を促進いたしますことで市民の皆様の暮らしの質を高め、そして、湯田温泉への誇りや愛着を醸成することや温泉文化を育むことのきっかけとしてまいりたいと考えております。また、この施設が市民の皆様に愛され、そして、多くの市民の皆様に温泉文化などが浸透していくことによりまして、市内外から訪れる観光客やビジネス客などにも魅力を感じていただける施設になるものと考えております。したがいまして、これから多くの市民の皆様に御利用していただけるような必要な機能につきまして、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。次に、山口都市核と小郡都市核の連携についてでございます。これまでも申し上げてまいりましたように、本施設は全国的にも珍しい都市型温泉地としての湯田温泉の優位性などを生かし、温浴機能を初め健康や交流などのさまざまな機能と融合させることで市民の皆様の豊かな暮らしを支えるとともに市内外からの誘客なども生み出せるような温泉地としての新たな魅力づくりを目指して整備をいたすものでございます。したがいまして、これから小郡都市核が新山口駅や産業交流拠点施設を原動力に山口県ナンバーワンのビジネス拠点として生み出す新たな交流や活力を山口都市核が山口県ナンバーワンの広域観光拠点として誘引するといった本市全体の経済循環や価値創造につながる好影響・好循環の対流型のまちづくりを進めてまいります中で重要な役割を担う施設になるものと考えているところでございます。これから新山口駅北地区拠点施設の供用が開始されることに伴いまして、大規模なコンベンション事業が開催されるのを契機といたしまして、コンベンションの後の催しや懇親会などのいわゆるアフターコンベンションを湯田温泉に誘引できるような機能を検討いたしますなど、山口・小郡両都市核での取り組みが相互に効果を発揮できるような機能の導入につきましても、これからしっかりと検討してまいりたいというふうに考えています。次に、本施設の魅力づくりについてでございます。御案内のとおり、本施設を整備いたします湯田地域ではこれまでも中原中也記念館を初め湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」、井上公園や何遠亭を整備いたしておりまして、さらには現在、リニューアル工事を進めております湯の香通りの足湯など、湯田温泉おもてなしのまちづくりとして本市の魅力を高めます観光、文化、歴史資源などの整備に取り組んでいるところでございます。また、民間におかれましても、幕末維新ゆかりの志士たちが訪れたとされます歴史ある旅館の存在でありますとか、湯田温泉の泉源を体感できます温泉舎などの施設が集積しておりまして、それぞれが湯田温泉の魅力の向上や本市の歴史や文化、観光に資する魅力づくりの役割を担っているものと考えております。こうした中で、本市がこれから整備いたします本施設におきましても、その整備基本構想の中で歴史ある温泉の活用とともに、本市の風土などに根差した独自性が発揮された求心力のある温泉空間を創出し、豊かな交流を促すことを施設の目指す姿といたしております。したがいまして、本施設のこのような姿が魅力として輝きを放ち、また周辺にこうした魅力を波及させる拠点となりますとともに、既に集積をしております周辺のそれぞれの魅力をつなぎ、発信する役割を担うことで、回遊性の向上でありましたり、山口都市核全体の魅力の向上につなげていくような本施設の機能や役割、また必要なソフト事業などについてこれから検討してまいりたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、本施設に必要な機能、役割につきましては、これから専門的な知見や豊かなアイデアを持った事業所と一緒に基本計画を策定してまいります中で、市民の皆様を初め関係者の皆様の御意見、御提案などをしっかりといただきながら具現化してまいりたいと考えておりますので御理解賜りたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、大項目イ、中枢中核都市について質問いたします。政府は昨年──平成30年12月21日閣議決定したまち・ひと・しごと創生総合戦略2018改訂版の中で地域経済の中心的な拠点となる全国82都市を中枢中核都市に選定し、本市も県庁所在市としてこの中枢中核都市に位置づけられました。これまで以上に県央部や県全体の発展を牽引していく役割、県都としての役割を果たすことへの期待が高まっていくのではないかと考えています。選定された都市は人口流出を食いとめる対策を盛り込んだ計画を提出し、認定されれば、地方創生推進交付金の増額支援や各省庁の合同チームによる人的支援を受けらえるとされています。この支援は手上げ方式によるとされております中で、本市としての計画を提出される御予定はありますでしょうか。お尋ねいたします。その場合、これらの支援メニューは具体的にはどのようなもので、本市におけるその計画の予算規模はどのくらいをお考えでしょうか。また、仮に計画を提出されるのであれば、本市が中枢中核都市として果たそうとしている役割や取り組み内容はどのようなものを想定されているのでしょうか。お伺いいたします。私としては、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中にある若者らの地方移住を後押しする施策や、外国人労働者と地域の共生を図る施策に取り組んでいくべきだと思いますが、そうした点も含めてどのような役割や取り組み内容をお考えでしょうか。現時点におけるお考えをお伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。                〔市長 渡辺純忠君登壇〕 ◯ 市長(渡辺純忠君) 中枢中核都市についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、中枢中核都市は政令指定都市、中核市、施行時特例市、県庁所在市、連携中枢都市に該当する全国82都市が選定されておりまして、昨年、本市もその一つとして選定されたところでございます。この中枢中核都市の役割といたしましては、活力ある地域社会を維持するための中心拠点として近隣の市町村を含めた圏域全体の経済、そして生活を支え、圏域から東京圏への人口流出を抑止する機能を発揮することが期待されているところでございます。こうした中で、中枢中核都市の機能強化に向けての国の支援メニューにつきましては、中枢中核都市が共通に抱えている地域課題に対して関係省庁の横断的な支援チームによるハンズオン支援を行うこととされております。また、このハンズオン支援を初めとした中枢中核都市の取り組みを進めていくための財源措置として地方創生推進交付金が拡充されており、先駆タイプはこれまでの4億円が5億円に、横展開タイプは1億4,000万円が1億7,000万円に上限額が引き上げられたところでございます。そして、国のハンズオン支援につきましては、全国で数カ所のモデル的な中枢中核都市に限定して実施することとされておりますとともに、対象となる政策テーマにつきましても、1つには近未来技術の社会実装の推進、1つには、地域中核企業等の成長の促進、1つには国際競争力の強化を図る都市再生の推進、もう一つが住宅団地の再生、この4つのテーマとされておりまして、国におかれましては、本年4月に政策テーマごとにハンズオン支援を希望する自治体を募集されたところでございます。議員お尋ねの国に対する計画書の提出についてでございますが、本市におきましては、現在、小郡都市核で整備を進めております新山口地区北地区拠点施設において展開しようとする取り組みが、国のハンズオン支援の対象となる4つの政策テーマのうち地域中核企業等の成長の促進に該当するものと考え、本年5月に国に計画書を提出したところでございます。この計画書の内容といたしましては、現在、本市が検討を進めております新山口駅北地区拠点施設における事業展開のうち、産業交流スペースにおける取り組み内容を基調とした形といたしたところでございます。御案内のとおり新山口駅北地区拠点施設におきましては、やまぐち産業振興財団、県の山口しごとセンター、山口県福祉人材センター、国の新卒者・既卒者の就職等支援機関の入居が決定し、国や県などの広域的かつ高次な産業支援機能や人材確保・育成支援機能が備わっているところでございます。そこで、本市の産業交流スペースにつきまして国や県などの支援機能と連携いたし、ものづくり産業とサービス産業の融合によりますところの新事業の創出などにつながる支援やビジネスコミュニティーの活動の場づくりを重点的に進め、市内や県央部における地域中核企業等の成長の促進を図ることを検討いたします中で、計画期間の3年間の予算規模として約1億2,000万円を想定しているところでございます。こうした中で、産業交流スペースの運営につきましては、今年度、その業務の委託やコーディネーターの選定を進めることといたしておりまして、その選定に当たりましては、市内や県央部における地域中核企業を初めとしたさまざまな企業連携や新規事業の創出などにおいて、きめ細やかな対応が可能となるネットワークや知見を有していることなどを重視してまいりたいとこのように考えております。とりわけ新山口駅北地区拠点施設全体として国や県の支援機能と本市の支援機能との役割分担や連携を踏まえますと、産業交流スペースに求められる本市の役割や機能は人と人との出会いの相乗効果によりましてビジネスの輪が広がっていくことでございまして、こうしたことから共用スペースは拠点施設全体の多様なビジネス関係者が共有できる可変性のある空間としての整備をいたしたいと考えております。同時に、供用開始後に人の出会いを生み出す事業展開が図られるよう、その取り組み内容を検討してまいります。また、スマートフォン環境とともに成長してきた今の20歳代から30歳代前半のミレニアル世代が2040年代にビジネスの主役となる世代となりますことから、この世代の働き方や価値観も踏まえながら共用スペースのデザインや企画事業内容を検討していく必要もあると考えております。このような形で、これまで本市が検討を進めておりました新山口駅北地区拠点施設の産業交流スペースで展開しようとしている取り組み内容に沿いまして、国にハンズオン支援の計画書を提出いたしたものでございます。仮に今回のハンズオン支援が採択をされましたならば、本年度に事業内容や予算規模などをさらに精査して、令和2年度からの事業化に取り組むこととなりますが、新山口駅北地区拠点施設においては、ハンズオン支援の計画書に記載しておりますもの以外の地域経済の活性化の取り組みを展開していくことといたしております。こうした中で、議員御案内の若者の移住・定住につながる地域経済の活性化の取り組みにつきましては、今、申しましたハンズオン支援制度の導入等、中小企業支援の総合的な展開等を図りつつ、直接的な取り組みといたしましてUJIターン就職及び創業の促進に係る支援や国のわくわく地方生活実現政策パッケージに基づく東京圏からの移住促進支援などに取り組んでまいります。また、外国人材を含む労働力不足対策につきましては、中小企業の人づくり・生産性・働き方の3つの改革を進める中で、外国人材の受け入れ拡大に対応した取り組みとして、企業向けのセミナー開催や多文化共生社会の構築に向けて外国人の方への日本語学習支援、あるいは、山口県が設置されますやまぐち外国人総合相談センターと連携した取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。また、本拠点施設では、本県全体の課題でもございます中小企業の事業承継支援などにも取り組んでまいります。このように、令和3年度に供用開始いたします新山口駅北地区拠点施設におきましては、国のハンズオン支援等の中枢中核都市支援施策等も十分に活用いたしながら、産業交流スペースにおける取り組みを初めとしたさまざまな地域経済の活性化に向けた取り組みを進めまして、小郡都市核における山口県ナンバーワンのビジネス拠点づくりを実現し、本市全体の発展、さらには圏域全体の発展につなげてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮川英之議員。               〔26番 宮川英之議員登壇〕 ◯ 26番 宮川英之議員 詳しく御答弁いただきましてありがとうございます。  最後になりますけども、大項目のウ、山口ゆめ回廊博覧会についてお尋ねいたします。現在、本市と宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市、津和野町の7市町で構成する山口県央連携都市圏域における取り組みとして令和3年7月から12月の間で山口ゆめ回廊博覧会が開催予定と聞いております。この圏域が目指す将来像は、互いに個性と魅力を高め、交流と雇用が生まれ、あらゆる地域に定住できる連携都市圏域と聞いております。この博覧会開催が一過性のイベントとして終わるのではなくて、持続的な交流人口の拡大を生み出していく契機となっていくことが求められていると思いますが、現在の進捗状況と本市としてどのような効果を期待してこの博覧会を開催するのか、御所見をお伺いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 山口ゆめ回廊博覧会についての御質問にお答えいたします。本博覧会は7つの市町で構成する山口県央連携都市圏域の住民が主体となった観光地域づくりの加速とシビックプライドの醸成、圏域が目指す将来像の目標の1つでございます交流人口拡大を目的に圏域全体を会場と位置づけ、さまざまなイベントやガイドツアー等を行うことで、来場者に圏域をめぐっていただく周遊型の博覧会として開催するものでございます。まず、進捗状況といたしましては、官民が一体となり本博覧会を推進していくため、圏域内の観光団体、経済団体、行政からなる山口ゆめ回廊博覧会実行委員会を設立し、本年3月29日に第1回総会を開催、市町負担金を原資とする本年度予算5,200万円及び事業計画が承認されたところでございます。これを受けまして、現在、多様な地域資源を有する圏域各市町の魅力を整理し、統一性を持ってプロモーションを行うための外部人材の選任や圏域内を訪れる外国人観光客を案内する地域通訳案内士の育成計画の策定、まち歩きなど地域資源を活用した着地型観光プログラムの造成支援事業など、博覧会開催に向けた諸準備に取り組んでいるところでございます。次に、本市として期待する効果といたしましては、博覧会における圏域市町の連携による周遊促進の取り組みを通じ、広域交通網や都市間ネットワークの形成、観光関連産業の振興により本市が目指しております魅力的で躍動感あふれる広域県央中核都市の実現につながるものと考えております。博覧会に向けた本市独自の取り組みといたしましては、本年4月に副市長を本部長とする山口ゆめ回廊博覧会山口市庁内推進本部を設置いたし、開催に向けた準備を部局横断的に進めているところでございます。現在、この推進本部のもと、4つの部会として地域資源活用重点プログラム部会、リーディングイベント部会、情報発信部会、交通・宿泊部会を設置し、市内各地域での独自プログラムや観光客の受け入れ体制の充実、さらには博覧会に資する事業の洗い出しを行うとともに山口ゆめ花博基金の活用など、効果的な事業運営について検討を進めているところでございます。とりわけ地域資源活用重点プログラム部会においては、市民の皆様や民間事業者、専門家等のガイドや解説を通じて、地域資源をしっかりと体感するガイドウオークや体験プログラムなどを中心に一過性のものにとどまらず将来にわたって持続可能な観光プログラムの造成を進めることといたしており、行政や観光関係団体のみならず市民の皆様や民間事業者など、多彩な担い手が観光にかかわり、活躍できる機会を創出してまいることといたしております。本市には、かねてよりボランティア団体による観光ガイドやSLやまぐち号へのお手振りなど、市民の皆様による観光客への温かなおもてなしを行ってきた文化がございます。山口ゆめ回廊博覧会におきましても、より多くのお客様にお越しいただくことはもちろん、市民総おもてなしの機運を高めてまいることで観光客と市民の皆様の交流を促進するとともに、観光客の満足度を一層高め、山口市ファンを拡大する機会としてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、宮川英之議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  本日の一般質問並びに質疑はこれをもって終了いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。再開は明11日午前10時であります。                  午後4時30分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  竹 中 一 郎                    会議録署名議員  尾 上 頼 子 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....