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平成30年第1回定例会(3日目) 名簿 開催日:2018年02月27日
平成30年第1回定例会(3日目) 本文 開催日:2018年02月27日

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  1. 山口市議会 2018-02-27
    平成30年第1回定例会(3日目) 本文 開催日:2018年02月27日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2018年02月27日:平成30年第1回定例会(3日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(重見秀和議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  なお、7番、大田たける議員から、本日の会議を欠席する旨の届け出がありました。よって、本日の当該議員の一般質問並びに質疑は行いませんので御報告いたします。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、5番、桜森順一議員及び25番、伊藤青波議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第68号まで及び諮問第1号を一括議題といたします。  順次発言を許します。28番、部谷翔大議員。               〔28番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 28番 部谷翔大議員 市民クラブ部谷翔大でございます。人生最後の一般質問になるかもしれませんので、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。  それでは、大項目ア、第二次山口市生涯学習基本計画(案)について、1)受講・実践の仕組みづくりについてお尋ねをいたします。長寿化社会の到来により、また高齢化が進んでおり、元気な高齢者の皆様には、社会の支え手としての役割が求められており、市としてもそうした方々の活躍できる環境づくりが必要、そして学び直す、生涯を通じて学ぶことが必要であるということで、生涯学習基本計画を策定され、今議会においては、第二次生涯学習基本計画が我々議員に提示されました。今回、中身に関して細かいことを言うつもりはございませんが、1点、市のお考えをお伺いするのですが、やはりこの生涯を通じて学ぶという理念を達成するためには、勉強会、学ぶ場所を提供しましたというだけでは目的を達することはできません。受講し培った、学んだ技術、知識を社会に役立てることが重要です。なぜこんなことを申すかと申しますと、全てとは言いませんが、生涯学習系講座は開いたら終わり、満足というものも見受けられ、主催者は山口市ではなかったのですが、とある生涯学習系の講座に行ってみると、参加者が1名でした。終了後、主催者にお話を聞いてみると、少し主催者側に助成が出ているということでした。このような、開催したら終わりと山口市の生涯学習をさせないためにも、また目的を達するためには、受講したくなるような仕掛け、また実践の場所が必要であると考えます。この仕掛け、例えば民間企業でしたら、ある資格を取得すれば給料に反映される、人事評価の対象になるなど学ぶ動機づけというのを提供するのは難しくないかもしれません。しかし、高齢者の皆様が学ぶための動機づけ、そして学んだことをさらに深めていく、ステップアップをどうしていくのか、いろいろ考えてみたのですが、やはり承認欲求を満たすということが重要なのではないでしょうか。退職後の方々は、基本的には、毎日他人の方と接する、社会と接する機会というのが減少してしまいます。そのため、ほかの方々から、社会から認められるという人間の根源欲求である承認されるということが少なくなってしまいます。その承認欲求を満たすためにどうすればいいのか。まあよくある話ですが、「○○マイスター」など市独自の資格をつくり、なおかつその資格が社会でも利用できるということはいいのかもしれません。例えば、教育マイスター保持者でないと路傍塾に登録できない、まちづくりマイスターでないと地域づくり協議会の事務局ができないなど、市の関係団体と直結させるなどの仕組みづくりはどうでしょうか。もろもろ申しましたが、生涯学習実現のため、講座の受講を促進、ステップアップにつなげ、学んだことを実践できる仕組みづくりにどのように取り組んでいくのか、市の御見解をお伺いいたします。第1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 兒玉地域生活部長。              〔地域生活部長 兒玉達哉君登壇〕 ◯ 地域生活部長(兒玉達哉君) おはようございます。部谷議員の第二次山口市生涯学習基本計画(案)の御質問の受講・実践の仕組みづくりについてお答えいたします。このたび策定を進めております第二次山口市生涯学習基本計画(案)におきましては、21地域に設置する地域交流センターや大学等の高等教育機関、YCAMを初めとする文化施設など本市が有するすぐれた学習環境を生かし、多様で体系的な学びが実践できる仕組みづくりに取り組むことといたしております。具体的には、学びの入り口として重点プロジェクトの一つ目に、「市民に身近な学習充実プロジェクト」を位置づけております。計画案の策定に当たり、平成29年1月に実施いたしました市民アンケート調査におきまして、時間がないことや費用がかかるといったことが学習の阻害要因として多く挙げられておりますことから、民間の講座も含め、開催日時、費用負担の有無、金額等が一元的、体系的に整理され、市民の皆様のニーズに合わせて選択できるような学習情報を提供する基盤の構築に取り組んでまいることとしております。さらに、学習の阻害要因として、仲間がいないことやきっかけがないといった課題も多く挙げられておりますことから、サークル活動への参加を促すための支援や、自治会集会所等の身近な施設を活用し、気軽に参加できる学習機会の創出も進めてまいることといたしております。また、きめ細やかに地域の学びを支えるためには、地域交流センターにおける社会教育のさらなる充実を図る必要があるものと考えているところでございます。新年度におきましては、現在、市長部局が所管しております生涯学習の機能を教育委員会に移管する組織改編を予定しているところでございまして、学びを総合的に支える体制を強化いたしますとともに、地域ニーズの把握や企画立案、広報能力等の向上のための担当職員の研修を拡充し、市民の皆様に向けた講座の充実を図ってまいりたいと考えております。次に、学びのステップアップにつながる仕組みづくりといたしましては、専門的な学びも含め、より多様な学びを選択できる環境づくりに向けて、2つ目の重点プロジェクトといたしまして、「山口の特色を生かした学習環境づくりプロジェクト」を位置づけているところでございます。この中で、大学等の高等教育機関や放送大学等と連携し、学びを深め、また学習者同士がつながり合い、効果的に学習できるような体系的な学習プログラムを構築してまいることといたしております。議員御案内の学んだことを社会で実践できる仕組みにつきましては、基本理念において、見つける・育む・つながるとして、学びによって社会とつながり、充実した毎日を送ることのできる社会を目指すこととしております。特に、人生百年時代におきましては、どの世代においても、生きがいを持ち、生き生きと輝く人生を送ることが重要でありますことから、やりたいことを見つけ、育み、それを生かすことのできる学びの循環の構築が必要となってまいります。そのため、人材バンク機能の充実に取り組みますとともに、学びが契機となって、地域づくりを初め、さまざまな分野での仲間づくり役割づくりにつながりますように、地域交流センターを中心に、庁内の関係部局が地域民間の関係団体とも連携いたしまして、新たな学びと活躍の場づくりも進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、学びは心身の充足につながり、地域社会との結節点ともなって充実した人生をもたらす効果が期待できることから、学びが市民の皆様の生活の一部となるような豊かな生涯学習社会の実現に向けて、鋭意取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 部谷翔大議員。               〔28番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 28番 部谷翔大議員 続きまして、大項目のイ、やまぐちクリエイティブ人材育成事業についてお尋ねいたします。今回のこの事業、個人的にも非常にわくわくしており、どんな事業になるんだろうと期待を持って質問をさせていただきます。事業概要を少し読ませていただくと、山口市において課題となっている若者の市外流出に対応するため、ICT人材の育成を産学官が連携して取り組むことで、東京圏からの仕事の獲得、優秀な人材を求める企業の誘致による雇用の創出及び若者の定着へとつなげる、ICT技術を農業、金融、ヘルスケアなど業界の壁を超えて活用できるクリエイティブ人材の育成を進め、さまざまな分野でイノベーションによる地域経済の拡大及び雇用の創出を図る、こうした取り組みに加え、2020年から小学校におけるプログラミング教育の必須化に先駆けた取り組みを進め、中長期的な人材育成体制の構築を図ると、非常に期待の持てる、わくわくする概要文だと考えております。今後、社会環境を考えると、そうした人材の育成は必須であり、企業としても優秀な人材がいることにより山口市への進出を考えるきっかけとなるのではないでしょうか。さて、今回の事業に関しまして、1点の懸念がございまして、リクルートが持っているTech総研という機関が、4,600のサンプルをもとに各県ごとのIT技術者の年収を調査しております。調べによると、山口県のIT技術者の年収は360万円と、平均値の459万円を100万円下回っており、全国ワースト4位です。ちなみに1位は東京ではなく徳島県で555万円です。そう考えると、こうした場所を選ばない職業に関しては、地方におけるポテンシャルはまだまだあるということです。では、山口市で地域に縛られる、こうした仕事を受注するためには、ICTを活用した働き方であり、ネット上で仕事を受注できるクラウドソーシングのような形が考えられますが、今回の事業で育成する人材が、ワードが使えるようになるとかエクセルを使えるようになる、もしくはフォトショップを少しいじれるようになる、ホームページ作成の基礎がわかるというような初歩的な人材育成に終始してしまっては、結果として単価の低い仕事しか受注できず、労働力を安く使われ、先ほどのTech総研のデータのような結果、つまり技術者がしっかりと稼ぐことにつながらないと感じています。そうならないためには、高度な技術取得は必須であり、学んで仕事につなげ、技術のレベルアップというような体制が、もしくはしっかりとした高度な技術まで取得できる体制を整える必要があると考えております。以上のことを踏まえ、今後、市としてどのような人材育成と体制づくりを進めていこうと考えているのか、お尋ねをいたします。
    ◯ 議長(重見秀和議長) 江藤ふるさと創生部長。             〔ふるさと創生部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ ふるさと創生部長(江藤寛二君) 私からは、やまぐちクリエイティブ人材育成事業についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市では、平成28年12月に国の認定を受けましたやまぐちクリエイティブ人材育成事業に係る地域再生計画に基づきまして、ICT人材を含みますクリエイティブ人材の育成に、産業界、大学、専門学校及び行政機関が、それぞれの強みを生かし、連携して取り組んでいるところでございます。これまでの取り組み状況といたしましては、まず中長期的な人材育成体制の構築に向けた取り組みといたしまして、2020年から始まる小学校におけるプログラミング教育の必須化に先駆けた小・中学生を対象としたプログラミング教育などを実施いたしております。また加えて、大学生や若年層の社会人の人材育成と就業促進につながる取り組みといたしまして、クリエイティブな取り組みを進めている市内企業等を知ることで、キャリアの形成や地元への就職につながるキャリアサロン事業や、ICTとビジネスのスキルを磨き、実践力を身に着けるクリエイティブ・アンド・ビジネスアカデミー事業などを官民連携により実証的に実施してまいったところでございます。こうした取り組みによりまして、ICT分野での就労をサポートする講座参加者の中から、平成28年度実績で11名のICTを活用した就労につながったところでございます。また、地域で人材を発掘、育成し、仕事の質を高め、東京圏等から仕事を獲得していくための民間企業等のニーズに合った人材育成の仕組みづくりを進めるため、誘致企業、大学、専門学校、創業支援施設、さらには東京圏のICT企業のネットワークとも連携したクリエイティブ人材の育成と仕事づくりのプラットホームの構築に向けた取り組みも始めたところでございます。こうした流れと連動した取り組みといたしまして、現在、民間事業者におきまして、オンラインと対面での指導を併用したICTスキルの学習と、ICTスキルを活用した就業、創業などの相談支援を一体的に行う取り組みの検討が進められている状況にございます。今後につきましても、本市の地方創生を先導する取り組みといたしまして、本市の強みを生かした仕事と人の好循環をつくり出していくために、分野や習熟度合に応じた学び合いの場づくりによる人材育成機能のさらなる強化を進めてまいります。あわせて、本市の産業力の向上につながる高度IT技術の習得など、民間主導による企業ニーズに合ったクリエイティブ人材の育成や、就業、創業、キャリア形成につながる場づくりにつきましても、関係機関とのさらなる連携を図りながら、引き続き積極的に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 部谷翔大議員。               〔28番 部谷翔大議員登壇〕 ◯ 28番 部谷翔大議員 最後に、大項目ウ、学校における運動器検診についてお尋ねいたします。まず、運動器とは、骨、関節、筋肉、神経、靱帯、腱など体を支えたり動かしたりする器官の総称でございます。言いかえれば、体を支える、体を動かす仕組みのことです。そして、この運動器の四肢──両手両足の検診が、平成28年4月1日から施行されることになりました。これにより、平成28年度以降に実施する健康診断においては、全ての学校種で、脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態の検査、いわゆる運動器検診が実施されることとなりました。では、なぜこの検診が必要かと申しますと、岐阜県学校保健会がまとめた、学校における運動器検診を進めるに当たってという資料に、なぜ運動器検診が必要か、わかりやすい文章がありますので御紹介したいと思います。「現代の子供は、身体の二極化現象が進んでいると言われています。身体活動・運動・スポーツの不足による体力・運動能力の低下現象は、肥満や運動器機能の低下等、本来発達すべき子供の運動器の機能が十分に伸ばされていない状態にあります。また、適度なスポーツの実践は、子供の心身の健全な成長・発達にとって極めて重要な意義を有しているということは言うまでもありませんが、子供の心身の特性に合わない形・方法の運動・スポーツの実践は、運動器疾患等の健康障害を招くことになります。高齢になっても健康な運動器を保つためには、成長期から正常な運動器の発育を助けるとともに、スポーツ障害を予防することが大切であり、学校における運動器検診において運動器疾患及び異常を早期に発見し、整形外科医で適切な治療を受けることが重要です。」となっておりまして、学校の健康診断において運動器の検診を行い、異常が見つかった場合は直ちに整形外科医などで治療をすることが、子供の生涯スポーツ、子供の健康にとっては非常に重要であるということで2年前から開始されました。余談ではありますが、私も野球部におり、高校まで野球をやっておりましたが、肩を壊しておりまして、現在、投げるという行為がほとんどできず、草野球も満足にできる状況ではございません。高校時代、高校卒業後、明らかに異常があるのに病院に行かなかった私が悪いので自業自得ですが。何が言いたいと申しますと、こうした故障があるとなかなかスポーツを楽しめない。楽しめないということは、そのスポーツから遠ざかってしまう。つまり、生涯スポーツや健康維持にとってもよくない影響を及ぼしてしまいます。それゆえ、早期の発見と治療は重要であると、私自身の体験もあり今回の質問をさせていただきました。少し余談が入りましたが、以上のように、学校における運動器検診は、運動器疾患及び異常を早期に発見し、健康障がいを予防することが目的の一つとして考えられるが、山口市の運動器検診の現状と目的達成の状況をお伺いいたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 中谷教育部長。               〔教育部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 教育部長(中谷尚夫君) 学校における運動器検診についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、人体における骨、関節、筋肉、神経など体を支えたり動かしたりする器官である運動器は、人の体を構成する大切な仕組みの一つでございます。近年では競技スポーツを始める時期の低年齢化等により、運動器を使い過ぎる症例が増加している一方で、生活習慣の中で運動やスポーツをする時間が少ない子供たちも増加しております。成長期における運動器の健全な発育や発達のためには運動は不可欠でございますが、運動器は極度の使用過多や使用不足のいずれにおいても、子供たちの将来の健康に大きく影響を与えることから、運動器検診により疾患や異常を早期に発見し、速やかに適切な治療につなげることが重要であると認識いたしております。本市の小・中学校における取り組みといたしましては、平成28年4月に施行された学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令により、学校における児童生徒の健康診断に、運動器に関する四肢の状態が必須項目として加えられましたことから、本市におきましても、この項目を追加し、学校医による運動器検診を実施いたしているところでございます。また、運動器疾患等を早期に発見するためには、家庭での観察も必要不可欠であると考えておりますことから、保護者を含む学校保健委員会や学校の保健だよりなどを活用して、運動器検診の重要性や家庭での取り組みについて周知を図っているところでございます。本市における運動器検診の結果といたしましては、市内小・中学校の児童生徒のうち、整形外科の受診を勧めた児童生徒の割合は、平成28年度におきましては、小学校で4.1%、中学校で4.4%、平成29年度におきましては、小学校で3.9%、中学校で3.8%となっております。整形外科受診後の結果といたしましては、多くは経過観察となっておりますが、コルセットの装着や手術を要する事例もございましたことから、本検診が運動器疾患等の早期発見、早期治療に寄与しているものと考えております。教育委員会といたしましては、今後も、各学校での健康診断を初めとする保健事業を着実に実施するとともに、家庭での取り組みについて、さらなる普及啓発を行うことにより、子供たちが心身ともに健やかに成長できるよう、健康障がいの予防等に努めてまいる所存でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 以上で、部谷翔大議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  17番、村田力議員。               〔17番 村田 力議員登壇〕 ◯ 17番 村田 力議員 おはようございます。至誠会の村田力です。先輩方と内容が重複する部分もありますが、通告に基づき一般質問をします。よろしくお願いします。  初めに、平成30年度当初予算についての、財政調整基金からの繰入について質問します。平成30年度一般会計歳入歳出予算の総額は871億5,000万円です。歳入のうち一般財源の概算は507億7,000万円、特定財源363億8,000万円です。国県支出金や市債のように特定の事業に充てる特定財源とは異なり、使途に制限のない一般財源をどの事業に充当するかは自治体の判断となりますが、政策的経費、プロジェクト経費に充てる取り組みが望まれます。この歳入一般財源について──ボードの黄色の部分です──平成22年度以降、繰り入れのなかった財政調整基金を8億円取り崩し、一般財源不足を補填されています。行政サービスを維持向上させるため事業費の充実は不可欠であり、基金からの繰り入れもその手段の一つですが、財政調整基金からの繰り入れに頼った当初予算となりました要因をどのように見ていらっしゃいますでしょうか。要因と今後の見通しについて、お伺いします。次に、ふるさと納税について質問します。ふるさと寄附金通称ふるさと納税といいます。納税といいますが、自治体への寄附を通じて地方創生に参加できる制度で、好きな自治体に寄附を送ることができ、寄附金のお礼として、お米やお肉といった特産品や名産品などがお礼の品としてもらえることから人気を集めています。また、寄附後、確定申告の手続を行うと、所得税の還付や市民税の控除が受けられます。本市では、お礼の品を寄附者にお送りすることで、ふるさと産品の消費拡大、伝統工芸品産業の振興や販路拡大に向けた取り組みを支援されています。平成30年度──ボードのオレンジ色の部分です──ふるさと山口寄附金額7億円、寄附金の返礼に係るふるさと産品営業推進事業費3億5,545万円で、1万円の寄附を受けたとき、お礼の品と発送等に係る経費は約5,000円、差し引き5,000円を一般財源として地方創生などの経費に充てる当初予算です。市民、自治体の立場でふるさと納税について考えますと、市民の立場で1万円を寄附し、返礼割合が3割の品を選択したとき、3,000円分の特産品などがもらえ、所得税の還付や市民税の控除額が8,000円となります。自治体の立場では、1、市外の方から本市が1万円の寄附を受けたとき、寄附金1万円、返礼等に係る経費と地方創生などの経費がそれぞれ5,000円となります。2、山口市民が他の自治体に1万円を寄附されたとき、山口市の市民税が8,000円減少しますが、市民税減少のうち75%は国から補われるため、普通交付税が6,000円増加します。3、山口市民から本市が1万円の寄附を受けたとき、寄附金1万円、返礼等に係る経費と地方創生などの経費がそれぞれ5,000円となります。また、市民税が8,000円減少しますが、普通交付税が6,000円増加します。ふるさと納税は、寄附によりふるさとを応援していただき、地方創生につなげることが目的です。ふるさと産品営業推進事業費と寄附金の差額をどのような形で地方創生につなげられるのでしょうか、お考えをお伺いします。次に、起債事業について伺います。平成30年度投資的経費の概算は175億円、うち123億円は市債を発行し、充てられる当初予算です。この起債し、行う事業について、10月に認定いたしました平成28年度の決算と連動した質問です。決算で各会計の予算執行につきまして、款や項の間の流用はなく、適正に行われているものの、予算審査時とは異なる財源による事業費の充当が見受けられます。当初予算や補正予算では起債し、経費に充てることとされた事業にあっても、一般財源のみで賄われたり、予算現額以上に一般財源の充当がなされた事業が多くあります。市債の発行を抑制、あるいは起債しないことにより、市債残高が減少し、将来の財政負担が軽くなることは好ましいものです。しかしながら、起債の目的の一つに、住民負担の世代間の公平を確保する調整機能があります。例えば、単年度で整備できるような橋梁を建設した場合、完成した橋を翌年度以降も通行できるため、整備に係る経費の一部を市債で賄い、その償還に次年度以降の市税を充てるというようなものです。このように、その事業費を全額賄える予算があっても便益が翌年度以降も継続するものは、経費負担を将来の市民に手伝ってもらうべきではないでしょうか。平成28年度一般会計の特定財源として、投資的経費に約107億円は市債を発行し、これに充てる当初予算、補正予算を議決しておりますが、実際の起債は63億円程度にとどまっており、次年度以降への繰越事業に充当される市債分約23億円を差し引きましても、21億円程度の乖離があります。不用となりました一般財源を節や目の中において他の事業へ流用し、市債の発行を調整することで予算全体の執行率は上がりますが、適債性が高く、予算化された事業は、議決しました予算現額と同程度の市債を発行し充当すべきと考えます。平成30年度当初予算の起債事業の財源についてお考えをお聞かせください。 ◯ 議長(重見秀和議長) 松冨総合政策部長。              〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕 ◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、平成30年度当初予算に関する御質問のうち、財政調整基金からの繰入と起債事業についてお答えをいたします。まず、財政調整基金からの繰入についてでございます。本市におきましては、山口市総合計画がスタートいたしました合併直後は国の三位一体改革による地方交付税の減少などもございまして、極めて厳しい財政状況にあり、財源不足を補うための基金からの繰り入れに依存した財政運営を余儀なくされていたところでございます。こうした中、現在の財政運営健全化計画に沿って、市税の徴収率向上や人件費を初めとする内部管理経費の削減などを着実に実行いたし、財政の健全化に努めてまいったことにより、議員御案内のとおり、平成22年度当初予算編成以降、財政調整基金の繰り入れに頼らない予算編成をいたしてきたところでございます。さらには、将来の財政需要に備え、計画的に基金の積み立てを行ってきました結果、現在の基金残高は約270億円、そのうち財政調整基金残高におきましては約56億円となったところでございます。平成30年度当初予算の編成におきましては、予算編成方針でもお示ししておりますように、全事務事業について、過去の決算状況や、その必要性、費用対効果等を改めて検証し、徹底した見直しを行いながら、第二次山口市総合計画の初年度として、総合支所の権限強化を初め、積極的なプロジェクト展開を図ったところでございます。そして、こうした中で8億円の財政調整基金繰入金を予算計上して対応をいたしたところでございます。今後の見通しといたしましては、新たな総合計画のもと、8つの重点プロジェクトを着実に進めていくため、財政調整基金や特定目的基金を活用しながらの財政運営が続くものと見込んでおりますが、毎年度の決算剰余金のほか予算の執行において不用額が生じた場合には、基金への積み立てを行いますなど、基金残高についても一定程度の残高が保たれるよう努めてまいる所存でございます。次に、起債事業についてでございます。まず、起債事業における市債発行の基本的な考え方でございますが、市債は、道路や公共施設など長期間にわたり市民の皆様に御利用いただく社会資本を形成するための財源として活用できるものでございます。こうした社会資本の整備には多額の経費が必要となりますが、市債を発行することによりまして、一時的に必要となる財源を調達できるようになり、また、将来世代の市民の皆様にも利用していただく施設でありますことから、将来の市民の皆様からも公債費という形で御負担をいただくことにより、世代間の負担の公平を図るといった意味合いがあるものでございます。このように、市債の発行は、将来に義務的経費となる公債費として、その元金と利子を必ず返済していかなければなりませんので、過度に依存するのではなく、将来の財政状況をしっかりと見極め、計画的に活用することが重要であると認識いたしているところでございます。こうした考え方から、市債を予算計上している場合におきましても、予算執行段階における決算見込みの状況などを勘案し、交付税措置のない市債や発行限度額のある合併特例事業債などの発行を抑制し、市税等の一般財源で賄う公債費を可能な限り少なくなるようにすることで、将来の負担に配慮しているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 有田経済産業部長。              〔経済産業部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 経済産業部長(有田 剛君) 私からは、ふるさと納税についてお答えをいたします。議員御指摘のとおり、ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとや応援したい自治体への気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度の税制改正によって創設され、本市におきましても、ふるさとやまぐち寄附金として創設当初より取り組んでいるところでございます。平成29年度の個人版ふるさと納税による本市への寄附状況につきましては、2月18日現在、寄附件数が2万7,524件、寄附金額は約8億1,000万円と、昨年度の同時期を上回る御寄附をいただいているところでございます。平成30年度からの本市のふるさと納税につきましては、平成29年4月1日の総務大臣通知に基づき、お礼の品の返礼割合を3割以下とすることや、市民の皆様への返礼品の送付を終了いたしますことから、寄附件数や寄附金額の減少が予想されるところでございます。このため、平成30年度のふるさとやまぐち寄附金につきましては、昨年度との比較では、3億円減額の7億円を計上いたしておりますが、お礼の品の返礼割合の引き下げもございまして、本市のまちづくりに活用できる実際の歳入歳出の差額につきましては、これまでと同規模で維持できると見込んでいるところでございます。全国の皆様からいただきました寄附金につきましては、本年度から子育て支援の充実や産業活力を創出するまちづくりなど、地方創生に資する6つの分野から寄附者の方が使い道を選択ができるよう変更いたしており、本市のまちづくりにおける各分野の貴重な財源として有効に活用させていただくこととしております。また、寄附者の方へ、年度ごとに寄附金がどの分野で活用されたかをお知らせするため、分野ごとの寄附金額について市ホームページで公表いたしているところでございます。いずれにいたしましても、ふるさと納税の寄附金による財源の確保はもとより、全国各地の寄附者に本市と継続的なつながりを持っていただく絶好の機会となりますことから、地方創生を促進する上での有効な手段として、引き続き取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村田力議員。               〔17番 村田 力議員登壇〕 ◯ 17番 村田 力議員 次の項に入ります。第二次山口市総合計画の基本構想についての、新本庁舎整備について伺います。もう決まったのではと思われる方もいらっしゃいますが、候補地の位置について、根拠とされますのは、検討委員会及び本市の評価、またその説明を移動市長室で聞かれました952名の方のアンケートの回答並びに候補地の絞り込みの比較検討表です。この新しい本庁舎を整備することが記されました総合計画の議決を前に、新市基本計画の変更や、新しい本庁舎を現在地及び中央駐車場において建てかえ整備する事業を含む予算案などが提案されています。この次期総合計画の新本庁舎整備に係る質問です。新しい本庁舎整備の利子を含む総事業費の概算は141億3,000万円を試算され、負担の内訳として、基金対応額50億3,000万円、交付税措置額36億5,000万円、実質的な市民の負担54億8,000万円を示されており、大きな普通建設事業です。さて、10年前に策定されました現在の総合計画では地域づくりの方向性が示され、阿東町との合併後の後期まちづくり計画では山口都市核の中心部、大殿・白石・湯田におきましては、昔ながらの町並みや既存ストックを活用した居住環境の再構築を進め、小郡都市核は、広域交通の結節機能の強化、都市や圏域の成長、発展を牽引するビジネス拠点の魅力を高めるなど、中核市や特例市を初めとする地方の中心的な役割を担える都市づくりを進めると記されました。成果としまして企業誘致による事業所や雇用者数は目標を大きく上回り、市内人口も維持され、現在の総合計画は高く評価できます。次期総合計画の策定協議会最終回では、委員から、目標は後で達成できたかを検証することも大事だが、達成するための最善の努力をすることが大切という意見も出るなどし、答申をまとめられました。また、パブリックコメントを実施されました総合計画素案では、未設定の重要目標達成指標のKGIや、重要業績評価指標となるKPIの目標値も設定され、最終案がまとめられています。総合計画は、本市の最上位計画であり、山口市人口長期ビジョンにおける展望である平成72年における人口17万人を維持するために、諸施策を展開することで10年後の平成39年度において19万人を維持することを想定された人口減少を抑制させる計画や、交流人口を増加、市民の豊かさを指標化したふるさと指標のスコア向上を目指し、補完する政策や関連する施策を推進されます。人口減少時代にあっても本市が発展を続けていくためには、人・物・資金・情報を地域内や市内で循環させるとともに、これら資源を市外、県外から呼び込むことが重要となることから、交流人口を、年間471万人から10年後600万人に増加させる計画です。また、新しい本庁舎を、現在地及び中央駐車場において建てかえ整備することが明記されています。この整備につきまして、検討委員会の評価では、市外、県外の人をたくさん呼び込むことができ、企業を誘致し、移住を促進するための条件がそろっている、将来性、発展性は山口地域よりも小郡地域のほうが優れているとされ、その後の市の検証でもこの評価は適正であるとされました。したがいまして、新しい本庁舎を現在地及び中央駐車場において建てかえ整備することは、第二次総合計画が目指す交流人口の増加や人口維持のための最善の取り組みではありません。そこで、こうした新しい本庁舎の現在地及び中央駐車場においての建てかえ整備と第二次総合計画との整合性についてお伺いします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 松冨総合政策部長。              〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕 ◯ 総合政策部長(松冨博之君) 第二次山口市総合計画基本構想についての、新本庁舎整備についてお答えをいたします。御案内のとおり、今期議会に議案として提出をいたしております第二次山口市総合計画の基本構想におきましては、将来都市像として「豊かな暮らし 交流と創造のまち 山口~これが私のふるさとだ~」を掲げますとともに、数値による10年後のまちの姿として、定住人口約19万人の維持、交流人口年間600万人への増加、暮らしの豊かさを本市独自に指標化したふるさと指標の数値向上を掲げているところでございます。そして、これらを実現するための本市の都市政策の柱を、広域県央中核都市づくりと、個性と安心の21地域づくりといたしているところでございまして、特に、広域県央中核都市づくりを展開いたしております山口都市核と小郡都市核の2つの都市核を中心とした都市拠点においては、人口減少時代にあっても、県央部等における圏域全体の経済成長を牽引し、生活関連機能サービスを向上することが可能となる高次の都市機能の集積強化を図ってまいることといたしており、互いの都市核の特性に応じて、それぞれの都市核の個性を際立たせ、連携やネットワーク化により本市全体としての活力が向上する都市拠点を構築してまいることといたしております。こうした中で、山口都市核では、長い歴史の中で積み重ねてきた行政、文化、教育、商業、観光等の都市の特性やストックをより高めていく発展の方向性を明らかにいたし、また、小郡都市核では、新山口駅や周辺市街地を中心に、県全体の玄関にふさわしい交通結節やアクセス機能の強化を図り、新たな交流や広域的な経済の拠点としての都市空間を形成するという発展の方向性を明らかにいたしているところでございます。このように、本市全体の発展のためには、高次の都市機能が集積する広域県央中核都市づくりとしての山口都市核及び小郡都市核の特性や個性を生かしたまちづくりが必要であり、こうした異なる特性を持つ両都市核が、それぞれの機能分担のもとに発展し、そのことが両都市核同士での好影響、好循環を呼び、そして周辺部を初め、市内の他の地域にも波及効果や相乗効果をもたらすものと考えているところでございます。議員御案内の山口市本庁舎の整備に関する検討委員会による新本庁舎の候補地の評価につきましては、本市といたしましてもその内容を検証いたしており、山口地域及び小郡地域の候補地について、利便性、防災・安全性、将来性・発展性などの視点により評価をいたしたものでございます。こうした中で小郡地域の将来性・発展性につきましては、新山口駅ターミナルパーク整備事業などの事業進捗により、将来的な交流人口の大きな増加が期待できることによりまして、山口地域よりも優位であるとの評価がなされているものでございまして、本市といたしましても、こうした評価や議員御案内の多くの市外、県外の人々を呼び込むといった将来性・発展性の高いポテンシャルについては、大いに認識しているところでございます。こうしたポテンシャルを十分に発揮させるため、小郡都市核におきましては、新たな交流や広域的な経済の拠点形成を目指す、いわば山口県ナンバーワンのビジネス街づくりを進めていくこととし、その原動力となる新山口駅ターミナルパーク整備事業や産業交流拠点施設の整備など、県全体の玄関にふさわしい空間形成に取り組んでいるところでございます。御案内の新本庁舎につきましては、多くの市民の皆様が御利用されますことから、来庁者の皆様の利便性や安全安心への対応が特に重要な役割であると捉えておりまして、本市といたしましても検討委員会の評価結果のうち、とりわけ市民の皆様の利便性と防災・安全性について重点的な検証をいたし、いずれも山口地域のほうが小郡地域よりも優位であるという検討委員会の評価が適正であると確認をいたしたところでございます。本市におきましては、こうした検証結果や山口都市核と小郡都市核の役割を踏まえた本市全体の発展につながるまちづくり、また山口都市核における候補地の比較検討などを踏まえ、これらを総合的に判断いたします中で、新本庁舎は現在地及び中央駐車場の所在地において整備を進めてまいるという結論に達したところでございまして、第二次山口市総合計画との整合性は図られているものと考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村田力議員。               〔17番 村田 力議員登壇〕 ◯ 17番 村田 力議員 次の項に入ります。次の項、山口市財政運営健全化計画(案)について質問します。経常収支比率の増加などに見られます財政の硬直化や一般財源不足を補うための財政調整基金の取り崩しなどを踏まえた取り組みとなります財政運営健全化計画(案)を示されています。この計画や新市基本計画の変更、中期財政計画などに係る質問です。平成28年度の決算の認定の際、今後、経常収支比率が高くなることが想定され、経常的な経費の見直しや経常一般財源等の増加を積極的に研究・検討することを要望しましたが、財政運営健全化計画(案)への反映は不十分と考えます。平成29年度末一般会計の市債残高は1,061億円を見込まれ、このうち交付税措置額769億円を差し引きました292億円を、実質的な負担と表現されています。本市では、後年度、基準財政需要額に算入される市債を、交付税措置される有利な財源と呼ばれ、この財源を有効活用してこられました。確かに後年度、国からの交付が見込まれる財源の有効活用は、市民にとっては好ましく、適債性の高い事業では起債すべきと考えます。しかしながら、交付税措置と、後年度、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額に算入されることとは異なり、基準財政需要額に算入される市債769億円の全額を実質的な負担に含めないことは、正しい表現ではないと考えます。普通交付税交付額と臨時財政対策債発行可能額の算定につきまして、概要を本市の平成29年度地方交付税算定台帳の数字を使用して説明します。まず、児童生徒、園児数やクラス数、学校数などから本市の教育費33億円を算出し、市道の幅や距離などから土木費41億円を、高齢者数などから厚生費147億円などを積算していきます。これに過去起債しました市債、例えば、山口情報芸術センターの整備時に起債しました市債などの償還に当たる公債費58億円などを合計しましたのが振替前需要額──左の棒グラフ全体の400億円です。次に、錯誤額等を調整し、臨時財政対策債振替相当額28億円を除いた基準財政需要額──緑色の部分の372億円を算出します。最後に、市民税や法人市民税など本市の自主財源となる基準財政需要額──青色部分の229億円を差し引き、赤色部分の普通交付税交付額138億円と臨時財政対策債発行可能額28億円が算定され、この赤色部分をまとめて普通交付税等と呼びます。本市では、左の棒グラフ黄色の部分の公債費58億円の100%が、この赤色部分の普通交付税等に算入されているというお考えです。後年度、基準財政需要額に算入される市債について、財政力指数が0.0の場合、100%交付等をされ、反対に財政力指数が1.0以上の場合、全く交付等をされません。本市の財政力指数は0.65程度あり、青色部分の基準財政収入額分として、本市の市税で賄われる部分もあり、実質的な負担は292億円以上の負担が考えられます。交付税措置される有利な財源という呼び方で、後年度、基準財政需要額に算入される額の全額を実質的な負担に含めないことは、将来の負担を見誤ることになります。交付税措置につきまして、本市のお考えをお聞かせください。 ◯ 議長(重見秀和議長) 松冨総合政策部長。              〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕 ◯ 総合政策部長(松冨博之君) 山口市財政運営健全化計画(案)についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、本市における平成29年度末の一般会計の地方債残高は1,061億円を見込んでおります。このうち償還時において交付税措置額、いわゆる普通交付税の基準財政需要額に算入される額を769億円と見込んでおり、それを差し引きました292億円を実質的な負担額といたしているところでございます。地方債の活用により、普通交付税の基準財政需要額に算入されます交付税措置額でございますが、この交付税措置額は、地方債を活用しなければ基準財政需要額には全く算入されないものとなりますことから、本市のように、公債費を除く基準財政需要額よりも少ない基準財政収入額のもとにおいては、地方債を活用したことにより算入される交付税措置額は、交付税額の純増につながるものでございます。こうしたことから、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づきます将来負担比率を算定する場合におきましても、将来負担額である地方債現在高から普通交付税の基準財政需要額に算入される公債費等の全額を差し引いて、将来の実質的な負担額を算定することとなっているところでございます。こうした中で、本市では、これまでも財政運営健全化計画に基づきまして、合併後の都市基盤整備等につきまして、合併特例事業債や緊急防災減災事業債などの交付税措置率の高い有利な地方債を活用いたす一方で、将来的な公債費への負担などに備えて、基金への積極的な積み立ても行ってまいりましたことから、実質公債費比率や将来負担比率とも良好な水準にあり、健全な財政運営を維持できているものと認識をいたしているところでございます。現在、策定中の山口市財政運営健全化計画(案)におきましても、第二次山口市総合計画の着実な推進と健全な財政運営の維持の両立を図ることといたしており、必要な事業推進に当たりましては、将来的な財政見通しをしっかりと見定める中で、将来世代への過度な負担を残さないよう配慮しながら、交付税措置のある有利な地方債を有効活用いたすことによりまして、財政運営の健全化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村田力議員。               〔17番 村田 力議員登壇〕 ◯ 17番 村田 力議員 再質問します。平成29年度普通交付税等の概算は166億円ですが、本市のお考えを反映しますと、市債償還分の公債費58億円──黄色の部分を差し引きました108億円が実質的な一般財源となり、平成26年度との比較では、3年で28億円減少しています。本市の現状としまして、一般財源の総額に大きな減少はないものの、後年度、基準財政需要額に算入される割合の高い合併特例事業債や合併推進債などの市債の償還に充当されます実質的な公債費が普通交付税等の中に多く含まれることで、使途が特定されず、どの経費にも自由に充当できる実質的な一般財源が減額しています。結果として、政策的プロジェクト経費に充てる一般財源不足が進み、概算要求枠を対前年度比でマイナスにするなど、予算編成がより困難となっているのではないでしょうか。財政運営健全化への取り組みの一つとしまして、現在、交付税措置される有利な財源と呼ばれています後年度基準財政需要額に算入される市債であっても、慎重に活用すべきと考えます。お考えをお聞かせください。 ◯ 議長(重見秀和議長) 松冨総合政策部長。              〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕 ◯ 総合政策部長(松冨博之君) 再度の御質問でございます。市債の活用につきましては、社会資本形成に係る財政負担の平準化と、将来にわたって公共施設等を利用する世代間の公費負担の公平性を図るといった効果をもたらす一方で、公債費という将来的な義務的経費を伴うものでございますので、市債への過度な依存は将来世代に対しまして重い負担を強いることにつながることが懸念されます。こうしたことから、今後とも将来的な財政見通しをしっかりと見定める中で、後年度の公債費負担に配慮しつつ、交付税措置のある有利な地方債を有効かつ適切に活用いたしますことにより、健全な財政運営を維持できるよう取り組んでまいる所存でございます。今議員おっしゃいましたけれども、交付税の合併算定替えにつきましては、合併算定替えが平成32年で終了しますけれども、その合併補正につきましては、合併直後に必要となる経費として、行政の一体化に要する経費であるとか、それから行政水準、あるいは住民負担水準の格差を是正するための経費であるとか、そういったものが、その10年間の間に同一にしていくようにということで、一時的に要る経費を交付税措置がされているといった背景がございます。それともう一つ、公債費につきましては、制度的に、例えば本来国が負担すべきもの──義務教育施設であるとか災害復旧であるとか、そういったものは国が本来負担すべきものなのですけれども、そこを自治体がつくったりしたときに一時的な経費として借りた、それを償還に合わせて国が本来負担すべきものを交付税に加えて交付してくれると、そういった制度のもの、それともう一つは、その年の国策で、例えばこの年にこの事業をしなければならない、そのときにもう既に地方財政計画というもので、その1年間の予算、地方財政全体の姿ができておりますので、それ以上の負担をということになると地方には負担ができないので、そこは本来なら国が全部お金を出すべきところが、国がそのときお金がないので、とりあえず地方に借金をしてもらっておいて、後からその償還に合わせて交付税で補填していくといったような制度的なものがかなりあるという背景がございます。ですから、歳入の年、いわゆる市債を発行した年の収入というのは、決算で見ると、交付税措置があろうがなかろうが、効果は一緒なわけです。ところが、この平成29年で見ますと、先ほど議員から御指摘ありましたように、58億円の地方交付税での算入があると。その反面で、一般会計の──当初予算ですけれども──95億円の元利償還の公債費がございます。ですから、この95億円のうちの58億円が交付税措置されているということは、差額の約37億円を一般財源、要するに今の市民の皆様からいただいた市税で賄うといったような仕組みになっております。ですから、もしその58億円がなかったら、95億円全てを今の税で返済していかなければならないと、こういったことになります。そうなりますと、もう予算編成の段階から、その58億円の一般財源というものが必要になるわけですから予算の姿が変わってまいりますね。そういったことがございますので、地方交付税に算入される有利な地方債というような言い方をしているということでございます。それと、今議員がおっしゃっていたのは、地方交付税だけのことの、こういうふうにおっしゃってましたけれども、先ほど言いましたように、地方財政というのは地方財政計画というのがありまして、それをもとに地方の財源不足をどういうふうな形で補填していくかということが、今国の施策の中で行われております。交付税そのものも、たしか所得税と法人税の33.1%、それから酒税の50%、それから消費税の23.何%、それから地方消費税の全額とか、そういったものが原資になっておりますので、その原資は、本来ならば地方が税で取ればいいものを、国が一応そういったお金で取って、それで地方行政が一定程度均衡に住民サービスができるようにということで、国のほうが一応収入を取って、あとはその市町村に配分をしていくと、そういった制度でございますので、地方交付税だけをちょっと捉えるのではなくて、地方財政全体というものを見ていただいて、その辺のお話をしていただければいいかなというふうに思います。それと、先ほど財政力指数の話がありましたけれども、財政力指数の基準財政収入額の算定する場合は、税については4分の3で計算するわけですね。例えば、100億円入るんであれば、75億円で計算をして、それで一般的に要る経費と比べて差額が出れば、そこが地方交付税で入ってくるという計画ですので、税そのものがふえていくということは、大きい目で見ると非常に、山口市がもしふえてくれば、税の25%部分というのは、もう交付税算入されない、需要額で見られない自主財源ということになりますので、大きい意味ではいいことだというふうに思います。ですから、そういった地方財政全体というものを見ながら、そういった判断といいますか、されるとよろしいのではないかというふうに思っております。そういったことで、我々はこの健全な財政というものをこれからも維持していけるように、また鋭意努力していくつもりでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村田力議員。               〔17番 村田 力議員登壇〕 ◯ 17番 村田 力議員 最後の項に入ります。給与等の引き上げ改定について質問します。議案第29号から議案第31号は、平成29年度と、平成30年度からの議員及び特別職の期末手当と一般職員並びに再任用職員の勤勉手当をそれぞれ引き上げる条例の改定です。国家公務員の給料表及び期末勤勉手当は、人事院勧告をもとに引き上げられました。県におきましては、人事委員会からの給料表及び期末勤勉手当──ボーナスについて、職員給与と民間給与はおおむね均衡していることなどから改定を行わないことが適当であるとの勧告を受けて、引き上げを見送りました。平成29年度は、住民の方に国民年金や厚生年金、児童扶養手当、障がい者への給付などの減額をお願いしています。また、本市の財政は硬直化が進み、一般財源の不足が示されています。平成29年4月、本市のラスパイレス指数は100.6と、国家公務員の給与より山口市の職員給与は高い状態です。県では据え置かれました手当について本市の取り組みとして引き上げることは、市民感情からすると納得できません。給与等の引き上げにつきまして、御説明をお聞かせください。 ◯ 議長(重見秀和議長) 大田総務部長。               〔総務部長 大田正之君登壇〕 ◯ 総務部長(大田正之君) 私からは、給与等の引き上げ改定についての御質問にお答えをいたします。御案内のとおり、地方公務員の給与決定につきましては、地方公務員法に定められております職務給の原則、均衡の原則、給与条例主義の3原則に基づいて行われているところでございまして、そのうち均衡の原則におきましては、職員の給与は、生計費や国及び地方の公共団体の職員、民間事業の従事者の給与、その他事情を考慮しなければならないと定められているところでございます。本市の給料表につきましては、山口県人事委員会勧告に基づいたものといたしておりまして、以前は国家公務員の給与に準じることといたしておりましたが、平成18年の給与構造改革以降につきましては、給与水準、すなわち給料表につきましては、各地域の民間給与をより重視して、均衡の原則を適用し、各団体が地域の民間給与水準等を反映させた給料表を定めることができるとされたことを受けまして、平成27年度から山口県人事委員会の勧告を基本とした給料表を定めているところでございます。このたびの給与改定のうち、給料表につきましては、山口県人事委員会勧告におきまして、県職員給与と民間給与の較差がわずかであることから、改定を行わないことが適当とされたところでございます。また、期末勤勉手当につきましては、人事院におきまして、国家公務員の期末勤勉手当の年間の平均支給月数が、民間事業所の特別給の支給割合と比較いたしまして、0.12月分下回っていたとの調査結果から、勤勉手当の支給月数を0.1カ月分引き上げる勧告がなされたところでございます。一方、山口県人事委員会におかれましては、民間の支給割合とおおむね均衡しているとの調査結果から、改定を行わないことが適当とされたところでございます。このたびの本市におけます給与改定につきましては、昨年12月議会でも御答弁申し上げましたが、こうした人事院勧告及び山口県人事委員会勧告を踏まえまして、職員団体との協議を経まして、給料表につきましては改定は行わないことといたし、期末勤勉手当につきましては、今後の人材確保の観点、さらには支給月数を0.1月分引き上げられます本市以外の県内12市との均衡など、総合的に検討いたしました結果、国に準じて勤勉手当の支給月数を0.1カ月分引き上げることといたしたところでございます。また、議員及び特別職につきましても、国に準じて期末手当の支給月数を0.05カ月分引き上げることといたしたところでございます。今後における人件費に関する一般財源の確保につきましては、本議会に議案を提出いたしております山口市職員の給与の特例に関する条例、いわゆる給与カットによります給与水準の適正化や山口市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例によります退職手当の減額を初め、内部管理業務の集約化や事務事業の見直し、民間化の推進により業務量を縮減するなどによります適正な定員管理に取り組みますとともに、働き方改革や業務改善などの推進によるなど、より効率的かつ効果的な執行体制の構築により時間外勤務を縮減するなど、人件費の抑制に引き続き努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 以上で、村田力議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15番、村上満典議員。               〔15番 村上満典議員登壇〕 ◯ 15番 村上満典議員 公明党の村上満典でございます。通告に従い、順次質問をさせていただきます。市長並びに関係参与の皆様方の明快な御答弁、よろしくお願いいたします。  大項目の1点目は、山口県央連携都市圏域についてでございます。この圏域については、国の連携中枢都市構想に基づき、山口市と宇部市の連携を軸に、周辺7市町で市民サービスの向上に取り組んでいこうということであると理解をしております。私は、この圏域について、観光や産業という枠組みにとどまらず、これまで山口市民は山口市のサービスを、宇部市民は宇部市のサービスをといった基本的な考えのもと、各自治体で取り組んできた行政サービス等を自治体連携という、いわば基本的な枠組みを拡大してのさまざまな行政課題に取り組むことによって、無駄遣いをなくしていき、市民サービスの向上をさせていけるのではないかと期待している一人であります。連携中枢都市圏域形成の目的にも、生活関連機能サービスの向上との記述もあるところであります。当然、それぞれの自治体、市民が一方的に得をする、あるいは損をするという形ではなく、お互いがウイン・ウインの関係になれたら最高ですし、そのような連携となるよう強く望むものであります。そのような視点から2点お伺いいたします。まず、保育の相互補完についてであります。一般に保育需要──あそこの保育園に入りたいというような希望は、市の中心部、人口密集地域に多く、周辺部や人口減少地域には希望者が少ない傾向にあります。一方で、生活圏の拡大から、市域を超えて通勤・通学などを行う方々もふえており、市外の保育園、幼稚園への入園希望者も潜在的には多いのではないかとも感じております。昨年末閣議決定された子ども・子育て支援法の改正案では、待機児童解消等の取り組みとして、都道府県で協議会を組織することによる保育所等の広域利用の推進が掲げられております。一方で、山口市の税金を投入して維持している保育所等を山口市以外の方々が利用することへの御批判も当然あることでしょう。しかし、圏域の自治体が連携することによる機能強化により、自治体間での保育の相互補完を行うことは、やり方によっては市民サービスの向上を図ることができると考えますが、いかがでしょうか。現時点での取り組みと、今後の取り組み方針について、お伺いをいたします。次に、環境施策における都市連携についてお伺いします。一般にごみといっても、分別をすることにより資源物になるものもあれば、一般廃棄物と産業廃棄物の縦分けにより、同じものでも取り扱いが違うなど一庶民にはわかりにくい分野ではないかと理解をしております。そして、資源物等のリサイクルを含む庶民感覚で言うところのごみの処理については、法体系的にも山口市で発生したごみは山口市内で処理していくことが基本であると考えます。しかし、市民負担の軽減の観点から、山口県央連携都市圏域の枠組みの中で、他市町、特に宇部市と連携し、広域で対応できることはないでしょうか。あくまでお互いがウイン・ウインであるならばという前提であります。環境施策、特に広い意味でのごみの処理における都市間連携について御所見をお伺いし、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 有田健康福祉部長。              〔健康福祉部長 有田稔子君登壇〕 ◯ 健康福祉部長(有田稔子君) 私からは、山口県央連携都市圏域についてのお尋ねのうち、保育の相互補完についてお答えいたします。議員御案内のとおり、子ども・子育て支援法の改正案につきましては、本年2月6日に閣議決定され、今国会での成立と本年4月1日の施行を目指すこととされております。この改正案におきまして、待機児童解消等の取り組みの支援といたしまして、都道府県を中心として、市区町村、保育事業者、有識者が参加する、(仮称)待機児童対策協議会を設置することができることが盛り込まれております。この待機児童対策協議会の主な役割の一つといたしまして、保育所等の広域利用の促進が掲げられておりまして、市区町村間の利用調整や広域利用のための協定の締結支援を行うこととされております。現在のところ、国会での法案の審議中であり、具体的な内容について国からの情報の提供等はございませんが、県の担当部局と連携をとりながら、法の改正後に速やかな対応が図れますよう、必要な準備を進めてまいりたいと考えております。一方で、現時点での保育所等の広域利用につきましては、保護者の就労先が住所地と異なる場合や、出産等の理由で住所地以外の保育所等を利用したい場合に、住所地の自治体から入所を希望する保育所が所在する自治体へ、入所調整の依頼を行うこととなります。本市におきましては、現在、待機児童が発生している状況から、他自治体から広域入所を受け入れることは難しい状況ではございますが、他市と隣接した地域に立地しており、定員に余裕のある保育所を中心に、本年2月1日現在で約40人の児童を市外から受け入れております。また、本市から他自治体には約100人の児童を受け入れていただいている状況でございます。加えて、保育の補完、相互補完の観点から申し上げますと、病児保育におきましては、宇部市と協定を締結し、病児保育所の相互利用を可能としているところでございます。平成28年度の利用実績を申し上げますと、山口市から宇部市の病児保育所を利用した児童が400人、宇部市から山口市の病児保育所を利用した児童が36人でございました。いずれにいたしましても、近隣の自治体がそれぞれの機能を相互補完を行うことは、圏域全体として行政サービスの向上が期待できますことから、保育の相互補完につきましても、法の改正後、具体的な内容を踏まえつつ、可能な限りの対応を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 藤本環境部長。               〔環境部長 藤本和政君登壇〕 ◯ 環境部長(藤本和政君) 私からは、環境施策についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、ごみ処理の根幹であります廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の法令により、一般廃棄物の処理責任は市町村にあり、市で発生したごみは市内で処理することが基本となっております。現在、本市では、市内で排出される一般廃棄物処理につきましては、清掃工場における可燃ごみ焼却処分や不燃物中間処理センターを経ての不燃物ごみ残渣の埋め立て処分のほか、資源物の売却を行っており、法の趣旨にのっとり、適正処理の実施に努めているところでございます。しかしながら、このたび策定いたします山口市一般廃棄物処理基本計画の中で、将来推計に掲げておりますように、人口減少社会を迎え、ごみの排出量の減少が想定される中で、施設の耐用年数が経過した際の建てかえや長寿命化といったハード整備に係る課題もございますし、一般廃棄物処分費用の市民負担の軽減など、解決していかなければならない多くの課題があることは十分に認識いたしているところでございます。こうした中、全国的にも近隣の自治体で共通する課題を共有し、ともに課題解決に取り組んでいこうとする動向がございまして、現在、宇部市、本市を初めとする7市町の間で山口県央連携都市圏域を形成し、お互いに個性と魅力を高め、交流や雇用が生まれ、あらゆる地域に定住できる連携都市圏域を、目指すべき将来像として取り組みを進めているところでございます。この連携協約に基づき推進する取り組みにおける施策の一つとして、圏域全体の生活関連機能サービスの向上を掲げ、その中で循環型社会構築、環境の保全などに取り組むことといたしているところでございまして、こうした枠組みを活用して課題解決をしていくことは、議員御案内のとおり有益な方策であろうと考えております。本市の環境部門における基本的な計画として、現在策定を進めています山口市環境基本計画におきましても、施策の一つに、多様な主体による環境保全活動の推進、他都市との連携を掲げ、その方向性を示しているところでございまして、一般廃棄物処理にとどまらず、環境保全や地球温暖化対策の取り組みなど広域化する課題についても市域を越えた取り組みの必要性を強く意識しているところでございます。こうした広域での取り組みは、より効率的な事業の推進に資することに加え、社会的コストの軽減にもつながるものであり、市民サービスの向上や市民負担の軽減の観点からも、どのようなことが可能であるか本市としても研究してまいりたいと考えており、食品リサイクルなどの先進的取り組みもされております宇部市とも連携しながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村上満典議員。               〔15番 村上満典議員登壇〕 ◯ 15番 村上満典議員 大項目の2点目は、消防行政についてお伺いいたします。今回は、市民の安心安全の要となる消防職員の皆様方の中でも、特別救助隊に関して取り上げさせていただきます。御案内のとおり、山口市中央消防署に在籍する特別救助隊につきましては、傷病者を迅速かつ安全に救助するため、専門的な知識と高度な救助技術を習得した隊員で編成される救助の専門部隊であるとされております。市のホームページでも御紹介のあるとおり、火災や交通事故など日常生活の中で起こり得る事故はもちろんのこと、震災などの特殊な災害に対しても、高度な資機材を使用して、迅速的確に対応できるよう常日ごろから訓練を行っているとのことであります。私は、このような使命を担う特別救助隊には、必要な資機材が最優先で整っている必要があると考えますが、現在、特別救助隊の標準的な資機材は十分整っているのでしょうか。まず、現状についてお示しください。また、今後、あらゆる災害の発生を想定すると、さらにさまざまな資機材を充実させていく必要があると考えますが、予算等の関係で市単独で整備することが難しい資機材について、隣接の自治体等と分担して整備をし、訓練等も含め、連携して活用することが有益なのではないかと考えます。特別救助隊の特殊な資機材の整備について、広域連携という視点での御所見をお伺いいたします。もう1点、まだまだ認知度も高くないと私は感じている特別救助隊ではありますが、特別救助隊という存在を広く市民に知っていただくことは大切なことではないかと感じています。そこで、市民に広く知っていただく一つの手法として、特別救助隊の愛称をつけてはいかがでしょうか。とはいえ、どのような呼び名がふさわしいか、私のような頭の堅くなりつつある大人には、よい愛称もつけられないかもしれません。そこで、山口市の未来を担う子供たちから特別救助隊の愛称を募集してはいかがでしょうか。個人的な意見としては、市広報等で広く愛称を募集するとともに、特別救助隊の任務に関して特集をして市民の認知度を上げていく、愛称を考えてくれた子供との対談を載せたりするのもよいかもしれません。近い将来、その記事を見て、特別救助隊になりたいと市消防に就職を希望する人も出てくるかもしれません。あるいは、違う仕事についたけれども、子供のころに特別救助隊に憧れたその思いから消防団に入りましたという方も出てくるかもしれません。夢は広がりますが、市民に愛される手法として検討に値するのではないかと考えます。特別救助隊に愛称をつけることに対する御所見をお伺いし、この項目の質問といたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 田中消防本部理事。              〔消防本部理事 田中功夫君登壇〕 ◯ 消防本部理事(田中功夫君) 村上議員の消防行政についての御質問にお答えいたします。各自治体におけます救助隊の編成、装備及び配置につきましては、総務省令によりその基準が定められており、本市の人口規模におきましては、列車など重量物を持ち上げることが可能なマット型空気ジャッキや、テロ災害に対応できる化学防護服など60種類以上の資機材を装備した特別救助隊を配置することとされております。本市の特別救助隊は、人命救助に関する専門的な教育を受けた隊員で編成するとともに、この基準に基づく資機材を全て装備いたしており、火災や交通事故を初め、特殊な機械事故などに中央消防署から市内全域に出場いたしているところでございます。近年、全国各地で地震や集中豪雨が頻発する中、特別救助隊や本市の有する各部隊の能力を超える大規模災害が発生した際には、県内の消防相互応援協定による各市町の連携体制が整備されており、さらにそれを超える災害では、全国で組織されている緊急消防援助隊による応援体制も整えられているところでございます。また、家屋の倒壊や道路の寸断が懸念されるこうした大規模災害では、応援部隊が到着するまでの初動段階におきまして、災害現場へいち早く重機を投入することが有効となります。そのため今年度におきましては、特別救助隊員も重機を運用できるようオペレーターとして養成を開始するとともに、3月には重機を保有する民間事業者との協定を締結する運びとなっているところでございます。議員御提案の隣接自治体との連携による整備や活用につきましては、こうした大規模災害に対する機能強化の一つの方法として考えられますことから、まずは隣接自治体の整備の意向や維持管理の方法、また国の財政支援の強化などの考え方について協議してまいりたいと考えております。次に、特別救助隊の愛称募集についてでございます。特別救助隊発足以降、市民の皆様に本市の安全で安心な暮らしを実感していただくため、また消防防災意識を高めていくため、特別救助隊が活躍する姿を子供たちや市民の皆様に広く知っていただくことが必要であると考えており、消防出初式を初め、地域イベント、学校での避難訓練などにも積極的に出向いたしているところでございます。オレンジ色の救助服を身にまとい、各種災害現場で活躍する特別救助隊が子供たちにとって憧れの存在となれば、消防防災意識の芽生えとなり、さらに将来の地域防災の担い手につながっていけば大変喜ばしい限りでございます。議員御提案の特別救助隊の愛称募集につきましては、その愛称が特別救助隊のイメージとして末永く定着し、また一人でも多くの市民の皆様に認知していただけることが必要でございますことから、時期や募集方法などを今後検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村上満典議員。               〔15番 村上満典議員登壇〕 ◯ 15番 村上満典議員 大項目の3点目は、水環境の保全についてお伺いをいたします。その1点目は、下水道会計の健全化についてであります。難しい言い方になりましたが、簡単に言うと、無駄遣いをなくしてしっかりもうけるための不断の努力をしていきましょうということでありますが、現状はどうなっているのでしょうか。無駄遣いをなくす、つまり支出を削るという点では、下水道建設工事費や下水道処理に係る費用を縮減していくことが課題かと考えます。また、しっかりもうける、収入をふやすという点では、さきの議会でも取り上げました消化ガスの有効利用や徴収率の向上などが挙げられるでしょう。また、それ以上の取り組みにも大いに期待をしているところであります。そして、健全経営を目指す上で、下水道料金の値上げは最後の最後の最後に検討すべきことであって、それまでに取り組むべき課題は山積しているものと考えます。そこでお伺いいたします。下水道事業の健全経営に向けて、収入の確保や支出の削減などの経営努力が重要であると考えますが、市として今後の取り組みの方向性や検討状況をお示しください。次に、下水道計画区域外の住宅団地等に設置されている大型合併処理浄化槽の更新についてお伺いいたします。昭和50年から60年代に建てられた住宅団地に設置されている大型合併処理浄化槽については、老朽化が進み、今後長い時間を待たずに更新が必要になるものと思われます。その地域にお住まいの方の中には、下水道に接続していると勘違いしている方もいるのが現状で、浄化槽更新の話を聞いて驚かれるという事例もあると聞き及んでおります。全国的には、浄化槽の更新のためにみんなで積み立てていた更新費用が全然足りなかったとか、なくなっていたとの事例もあるようで、適切な処理がなされないまま汚水が公共水域に放流されるようなことがあると、水環境にも大きな影響が出る可能性をはらんでおります。そこで、下水道整備計画区域外に設置された大型合併処理浄化槽を更新する場合、市としてどのような対応をしているのかお伺いし、この項目の質問といたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 野村上下水道事業管理者。             〔上下水道事業管理者 野村和司君登壇〕 ◯ 上下水道事業管理者(野村和司君) 水環境の保全についての御質問にお答えいたします。私からは、下水道会計の健全化についてでございます。御案内のとおり、公共下水道事業は、衛生的で快適な生活環境を整え、豊かな自然環境を保全するため、生活排水などの汚水処理と浸水対策としての雨水排水を行っており、市民生活や社会活動を支える上で必要不可欠な事業でございます。その事業運営に当たりましては、独立採算を基本とした公営企業として、常に経済性を発揮することが求められており、議員御指摘のとおり、収入の確保や経費削減などの経営努力を継続していくことは、非常に重要なことと認識いたしております。こうした認識のもと、これまでに水道事業との組織統合による業務の効率化、地方公営企業法の適用による経営状態の明確化、企業債の繰り上げ償還による利子の軽減、上下水道料金徴収業務などの民間委託の推進、下水道使用料の改定などを行ってきたところでございまして、これらの取り組みにより、健全経営に向けて一定の成果を上げてきたものと考えております。しかしながら、今後の下水道事業を取り巻く経営環境は、施設の老朽化や地震などの災害対策に伴う費用が増大する一方で、人口減少に伴う使用料収入の減少が見込まれており、厳しさを増していくことが予測されます。こうしたことから、平成29年3月に山口市公共下水道事業経営戦略を策定いたしまして、将来にわたって安定した下水道サービスを提供していくため、50年先を見据えた事業運営の方向性と、向こう10年間の取り組みをお示ししたところでございます。この経営戦略でお示ししております今後の取り組みといたしまして、施設のリスク評価や改築費用の予測をもとに、効果的で効率的な修繕改築を行っていく手法でありますストックマネジメントを導入することとしており、施設の機能を保ちながら長寿命化対策を行うことで、施設の建設、維持、解体に至るまでの全ての費用、いわゆるライフサイクルコストの低減を図っていくこととしております。また、50年間の財政シミュレーションにより、投資に見合った収入の確保を見込んだ上で、未普及地域の整備を計画通り進めていくこととしており、新たに公共下水道の区域となる地域の皆様に対しまして、早期の接続を促すため、引き続き普及啓発活動に取り組んでまいることとしております。さらに、公共下水と農業集落排水の共同処理による処理場の統廃合の検討なども進めてまいることとしておりますが、今後の事業運営に当たりましては、既成概念に捉われることなく、新たな事業手法の検討も含め、常に多角的視点に立った経営努力を継続してまいる所存でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 藤本環境部長。               〔環境部長 藤本和政君登壇〕 ◯ 環境部長(藤本和政君) 私からは、大型合併処理浄化槽の更新についての御質問にお答えいたします。浄化槽の維持管理、更新につきましては、通常、その浄化槽の所有者におかれまして行っていただくこととなっております。しかしながら、住宅団地で集合処理のために設置される大型合併処理浄化槽のように、その規模が大型となれば、老朽化により壊れた場合、環境に与える影響が非常に大きいことや、更新も相当な経済的負担や準備期間がかかることが想定されます。こうしたことから、下水道等の整備が計画されていない地域にございます老朽化が著しい大型合併処理浄化槽のうち、各世帯の敷地が狭いため個別の合併処理浄化槽への切りかえが困難なものにつきましては、生活環境の保全、公衆衛生の向上といった観点から市が一定の関与を行い、計画的な更新を促す必要がございます。このため本市では、御案内のとおり、平成26年度に大型合併処理浄化槽改築整備事業補助金交付要綱を策定し、補助対象設備の改修に要する費用の2分の1を補助いたしているところでございます。補助金の交付要件といたしましては、戸建て専用住宅からなる住宅団地の100人槽以上の大型合併処理浄化槽であって、設置後30年以上経過し、老朽化により周辺環境に著しい影響を及ぼす可能性のあるもの、また各戸別に合併処理浄化槽を設置することが困難であることなどでございます。また、本市の補助制度以外では、国の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金におきまして、平成29年度から大型合併処理浄化槽の更新に当たり、二酸化炭素の排出の抑制を図る機械設備等を導入する場合、事業に要する経費の一部に対し、その2分の1を補助することとなり、平成30年度からは101人槽以上であったものが51人槽以上に緩和されるなど、この制度の拡充が図られるとうかがっております。一方で、少子高齢化の進行により、将来的には世帯数の減少や空き家等が増加する場合も考えられます。こういった場合、大型合併処理浄化槽の維持管理や更新に要する経費につきましては、1世帯当たりの経済的負担が大きくなることが想定されますことから、設置費補助のございます戸別の合併処理浄化槽への切りかえの検討も重要であると考えているところでございます。いずれにいたしましても、議員御案内のとおり、設置後30年以上経過いたしております住宅団地の大型合併処理浄化槽は、更新の時期が近づいていると思われますが、住宅団地によって状況が異なりますことから、これらの補助制度の活用など、それぞれの状況に適した方策をしっかりお示ししながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村上満典議員。               〔15番 村上満典議員登壇〕 ◯ 15番 村上満典議員 大項目の4点目は、教育行政についてお伺いいたします。その視点は、今後の施設整備の方針であります。もう10年近く前になろうかと思いますが、市内中学校にはプールのない中学校があることから、プールの整備について提案をさせていただこうと担当部局に御意見を伺ったところ、その時点では校舎等の耐震化を優先的に進めたい旨の御返事があり、子供たちの生命を守る取り組みである耐震化を優先的に事業化する方針に、仕方ないなと旗を降ろした経験があります。しかし、その校舎等の耐震化も平成27年度に完了し、来年度には非構造部材である屋内運動場、体育館の吊り天井の撤去が完了する予定となっております。そこで、これら事業完了後の取り組み方針についてお伺いいたします。私は、学校にプールのない状況などは、早急に解消すべきであると考えております。施設整備を進める手法としては、学校プールの整備などにおいても、民間活力の導入を含めた検討を行う必要があるとも考えております。イメージできるようにあえて申しますが、民間事業者に施設整備のみならず維持管理についてもお任せする手法で検討すべきであると考えます。PFIという手法であります。建ててくれる業者があるんだろうかと心配する方もあるかもしれませんが、簡単であります。建ててくれるような条件にすればよいだけであります。例えば、夏だけでなく、オールシーズン対応可能な温水プールで整備ということも考えられます。学校の授業がある期間は、市がそれなりの金額で借りること、それ以外の期間での事業展開に幅を持たせること、市民プールのようなことも考えられますし、最近では介護施設における事業の一つの取り組みとして、プールを活用する事例も多くあるようでございます。また先日、J1のサガン鳥栖がプールトレーニング施設を導入とのニュースもありました。レノファ山口とのコラボも当然考えられます。皆さん御存じ、道の駅阿武町のABUウォーターボーイズのような地域おこしに一役買える施設になるかもしれません。また、近接の施設、小学校、中学校、幼稚園等が共同で利用できるような形にすることも可能でしょう。いずれにしても、教育施設についても、民間活力の導入はやり方次第ということです。一方、今後の施設整備においては、児童生徒のみならず、教職員の負担軽減につなげる施設整備も必要なのではないかと考えます。昨日も同僚議員の質問に対し、社会に開かれた学校、地域とともにある学校を肯定する発言が教育長よりあったところであります。私はその方向性に疑問を持つわけではありません。賛同いたすわけでありますけれども、教職員の皆様の置かれた立場を考えると、先生方がほっとできるような空間を確保していくことも職場環境の改善という視点から重要ではないかと考えます。この点については、現場の意見、教職員の皆様の意見を聞いてはだめです。教育長は教育現場の経験も豊富でありますので、すぐにピンとは来ると思いますが、山口市の教職員の方々は、職場環境の改善をしようと思うんだけれども何にしましょうかと先生方に聞くと、必ず、教職員はいいから子供たちのためにこっちをしてくれと言います。必ず言います。市として、市の教育委員会として、教職員の職場環境の改善のために施設整備を進めていきますと、子供たちの環境整備もちゃんとやりますが教職員の職場環境の改善に力を入れていきますとの方針を示さないと、いつまでたっても教職員の職場環境の改善は進まないと考えます。以上のようなことから、今後の施設整備について、民間活力の導入と教職員の職場環境の改善という2つの視点からの御見解をお伺いし、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 中谷教育部長。               〔教育部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 教育部長(中谷尚夫君) 教育行政についての御質問にお答えいたします。本市の学校施設整備につきましては、平成27年に改定いたしました山口市学校施設整備方針に基づき、安全で快適な教育環境の整備に取り組んでいるところでございます。これまで優先的に実施してまいりました構造体の耐震対策を終え、現在、吊り天井を初めとする非構造部材の耐震化、トイレの洋式化、プールの改修、全教室へのエアコン設置準備などを進めており、屋内運動場の吊り天井撤去につきましては来年度中の完了を、また全教室へのエアコン設置につきましては来年度の事業者決定を目指して取り組んでいるところでございます。今後につきましても、本方針に基づきまして、トイレの洋式化、プールの改修なども含め、施設の長寿命化に向けた取り組みを実施してまいりたいと考えております。議員から御案内のございました民間活力の導入につきましては、このたび学校エアコン整備事業に関して検討調査を行い、PFI方式の優位性が確認されたところでございます。今後、プールも含めた学校施設整備におきましては、PFIや指定管理など民間活力の導入を有効な整備手法の選択肢の一つと捉えつつ、有利な起債や国庫補助事業の活用も考慮した検討を行ってまいりたいと考えております。また、学校施設は児童生徒のみならず、教職員にとっても一日の大半を過ごす場所でございます。毎年度、全小・中学校に対して行う施設の改善要望に関する調査では、児童生徒の学習環境のほか、教職員の職場環境に関する欄も設けて要望をいただくこととしております。上がってくる要望といたしましては、職員室等の各種修繕が13校、更衣室や休憩室の改善7校、職員のトイレの洋式化10校などがございます。これらにつきましては、スペース等の制約もございますが、現地協議の上、必要に応じて修繕、改修等の対策を行うほか、職員トイレの洋式化につきましては、児童生徒用トイレの洋式化とあわせて取り組んでいるところでございます。今後も引き続き、教職員の職場環境に関する要望の把握に努め、必要な対策を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 村上満典議員。               〔15番 村上満典議員登壇〕 ◯ 15番 村上満典議員 大項目の5点目は、新山口駅北地区拠点施設について。どんなアンケートをとっても、6割以上の市民の方々に御賛同いただけるような、市民の共感を得られるような取り組みを御提案できればと、2つの視点から整備後の取り組みについてお伺いいたします。その1点目は、いわゆるこけら落としについてであります。現在進められている新山口駅北地区拠点施設整備事業では、その核となる施設──2,000席の収容能力を有する多目的ホールについても事業推進がなされているところですが、拠点施設については、開館時にオープニングイベント、いわゆるこけら落としを実施されるものと認識しております。私はせっかくこけら落としを実施するのであれば、施設の宣伝と周知を含めたインパクトのある興行を誘致してほしいと考えております。この点について、いろいろ調べましたところ、有名事務所のアイドルグループにこけら落とし興行をお願いしている事例もあり、さまざまな取り組みもあるものだと感心をしたところであります。このこけら落としについては、ぱっとしない申しわけ程度の行事を行うよりは、注目度の高い、市民の皆さんも共感、期待できるような興行の誘致にチャレンジしていくべきではないでしょうか。例えば、アイドルグループという表現が正しいかどうかわからないのですが、ジャニーズの「嵐」にこけら落とし興行を依頼してはどうでしょうか。駅北施設はジャニーズのコンサートなどを想定すると小さいとの指摘もあることでしょう。いろいろな御批判もあるかもしれません。反対に、賛成の御意見も多数あるものと確信をしております。問題は、市民も喜び、県民が驚くようなビッグネームが来てくれるかどうかということですが、「至誠にして動かざる者はいまだこれあらざるなり」です。一回きりのこけら落とし、平成32年の開館まで、まだまだ時間があります。誠意を尽くして行動すれば、大規模なものとはならないかもしれませんが、可能であると感じております。もちろん、運営事業者に任せるだけではだめです。早期に市が主体となって取り組んでいくべきと考えます。嵐を呼ぶ自治体と。嵐を呼ぶ市長となれば、裕次郎よりは人気が出ると思っております。そこで、まず新山口駅北地区拠点施設におけるこけら落とし興行に対しての、現在の市の御所見をお伺いいたします。もう1点、開館後の取り組みについてお伺いします。障がい者スポーツとして考案されたスポーツで、近年では障がいの有無にかかわらず、誰でも楽しむことのできるスポーツとして注目されている競技に、ボッチャという競技があります。このボッチャについて、日常的に練習、競技会等を行われている方々にお話をうかがう機会がありました。予想どおり、会場へのアクセス、つまり交通手段の確保に腐心されていることとあわせ、会場管理者には競技に関する知識のない、あるいは余り御存じない方が多く、そのことが会場確保のハードルを高めている現状もお聞きしたところであります。現在、大きなボッチャの競技会は、維新公園の山口県スポーツ文化センターアリーナで開催されておりますが、会場までの公共交通等のアクセスが悪い点が、特に障がいを持たれている方々にはネックとなっているとのことであります。この点、駅北の拠点施設は、立地やアクセス性にすぐれており、軽スポーツにも対応可能な多目的ホールが整備されることから、ボッチャの競技会の会場として最適ではないかと考えております。また、練習も含めた日常的な利用のハードルを下げることができれば、いわゆるボッチャの聖地ともなり得るのではないかと考えております。高校球児が甲子園を目指すと目標に掲げるように、ボッチャの聖地「小郡」を目指そうとなれば、実際の競技者だけではなく、都市イメージの向上や施設の宣伝にも役立つのではないかと考えます。当然、維新公園アリーナとの分散開催という方法もあります。また、このような取り組みは、多目的ホールの稼働率向上の観点からも有効と考えますが、いかがでしょうか。さらには、多目的ホールの事業展開に当たっては、ボッチャ競技会としての利用を円滑にしていく観点から、先ほども申しましたとおり、障がい者スポーツ等に精通している担当者が運営事業者に雇用されていると、大きな効果も期待できます。少なくとも障がい者スポーツ団体等との有機的な提携を図り、運営に当たって支障とならないような、使いやすい手法も検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いし、1回目の質問といたします。 ◯ 議長(重見秀和議長) 東都市政策部長。              〔都市政策部長 東 洋光君登壇〕 ◯ 都市政策部長(東 洋光君) 新山口駅北地区拠点施設についての御質問にお答えいたします。まず、拠点施設の開館後初の興行、いわゆるこけら落としについてでございます。議員御案内のとおり、多目的ホールは2,000席の収容能力を有し、可動席を設けることにより平土間ホールとしての利用も可能といたしており、コンベンションや展示会での活用はもとより、プロによるコンサートや演劇、パブリックビューイング等にも対応可能な舞台装置、照明、音響、映写設備を備えた次世代型の多目的ホールとして、さらには県央部の陸の玄関にふさわしいシンボリックな施設として整備することといたしております。本施設の開館は、平成32年度中を予定しておりまして、こけら落としは3年後となりますが、本施設を広くPRする絶好の機会でもございますことから、議員御指摘のとおり、市といたしましても、早い段階からの主体的な取り組みが必要であると考えております。拠点施設整備事業の受託事業者は、全国規模のネットワークや運営実績を持つ森ビル都市企画株式会社や株式会社コンベンションリンケージが構成員であり、そのネットワークやノウハウなど強みを最大限に発揮してもらい、市民の皆様に喜んでいただけるとともに、本施設の特徴を市内外にも広くPRできるこけら落としとしてまいりたいと考えております。次に、多目的ホールのボッチャ競技会場としての利用についてのお尋ねでございます。多目的ホールは、座席収納時には1,000平方メートル程度の平土間が確保できる形態といたしており、軽スポーツにも対応可能な可変型のホールとして整備することといたしておりますことから、ボッチャの競技会場としても対応可能な仕様となっております。多目的ホールにおいては、コンベンションや展示会のほか、コンサートや演劇等、さまざまな規模及び形態の催事を展開していきたいと考えておりますが、議員御指摘のとおり、ボッチャ競技会等の軽スポーツの会場としても御利用いただくことで、本施設の稼働率向上が図られるものと考えておりますことから、ボッチャの競技会及び練習会場としても御利用していただきたいと考えているところでございます。本施設は、新山口駅からペデストリアンデッキでつながる構造といたしており、すぐれたアクセス性を有しておりますことから、ボッチャにとどまらず、あらゆる障がい者スポーツの会場にも適した施設と考えておりまして、障がい者スポーツの大会誘致にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、障がい者スポーツ競技会を円滑に運営していくためには、運営事業者と主催者及び障がい者スポーツ団体等との連携が不可欠と考えておりますことから、施設の運営体制及び障がい者スポーツ団体との連携のあり方につきまして、議員御指摘の趣旨を踏まえ、事業者とも協議を重ねながら対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 以上で、村上満典議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  午後1時まで休憩いたします。                  午後0時07分休憩       ────────────・────・────────────
                     午後1時00分再開 ◯ 議長(重見秀和議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  2番、山本貴広議員。                〔2番 山本貴広議員登壇〕 ◯ 2番 山本貴広議員 県央創造清風会の山本貴広です。通告しておりますとおり、一般質問をさせていただきます。市長を初め、関係参与の皆さんの明快なる御答弁をお願いします。  最初に大項目ア、小中連携・一貫教育の推進についてお伺いします。この小中一貫教育につきましては、本議会の会議録を見ますと、複数の先輩議員が一般質問の中で取り上げられておられます。このたびは、平成30年度から始まります第二次山口市総合計画の分野別計画として位置づけられている、第二次山口市教育振興基本計画の一つの施策として取り入れてもらいたいとの思いから、また、先日会派で行政視察に行きました、福岡県宗像市の先進事例なども紹介させていただきながら、概論や机上論ではなく、具体的な実践事例をもとに質問をさせていただきます。御案内のとおり、平成27年に学校教育法等が改正され、平成28年度から義務教育学校、小中一貫型小学校・中学校が制度化されました。これを契機として、文部科学省では平成28年12月、小中一貫教育の導入を希望する自治体、学校などを主たる対象に、小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引を作成、公表しました。あわせて、既に実施している11の学校を紹介する事例集も作成し、導入の経緯や小中一貫教育の取り組み概要、取り組みの工夫並びにこれまでの成果と課題、今後の取り組みなどを記載しています。文部科学省が作成した手引書には、平成26年度5月時点で、211の市町村が1,130件取り組んでいた実態から、平成28年度の制度の施行に伴い、さらに136校、439件が取り組もうとしており、制度化を契機により質の高い取り組みを推進する観点から、1)小中一貫教育の新規導入を希望する自治体・学校、2)将来的な一貫教育の導入検討も念頭に置きつつ、当面小中連携の高度化を図る自治体・学校、3)小中一貫教育を導入しているものの本格的な取り組みに至っていない、または取り組み上の課題を抱えている自治体・学校を主たる対象として、核となる教育課程や指導計画の作成・実施を中心に据え、全国各地の多様な工夫の先進例や留意事項を盛り込んで、11章で編集しています。まず、第1章は、小中一貫教育が求められる背景と理由が記載されています。義務教育の目的・目標の創設。教育内容や学習活動の量的・質的充実。発達の早期化などにかかわる現象。子供たちが小学校から中学校への進学に際し、新しい環境での学習や生活に不適応を起こす事態、いわゆる中1ギャップ現象。地域コミュニティーの衰退、三世代同居の減少、共働き世帯やひとり親家庭の増加など、社会性育成機能の低下。学校現場の課題の多様化、複雑化などを明らかにしています。第2章は、小中一貫教育制度です。この中では、まずは、制度の3類型を示しております。このフリップにありますように、1類型の義務教育学校では、同一学校で9年間を前期課程6年、後期課程3年とする学校、図の左側です。真ん中ですけれども、2類型は、併設型小学校・中学校、これは同一設置者の小・中学校を一体的に運営する学校、そして、3類型は右側ですけれども、連携型小学校・中学校、これは異なる設置者が運営する学校同士が連携する形態です。後でお示しします、福岡県宗像市は、この真ん中の2類型の併設型小学校・中学校であります。第3章は、基本的な導入手順とPDCAの推進としており、9年間のグランドデザインや学校の教育目標がまずあって、それをどのように実現していくのかという発想で検討し、取り組むことが重要で、これを4章から10章までに詳述しています。最終章では、教育委員会の果たすべき役割が重要であるとしています。全国的にも、小中一貫教育に関する推進計画を作成した上で、導入しているともしています。手引書の紹介が長くなりましたが、ここで、最初にお尋ねします。この文部科学省が示しています小中一貫教育の制度につきましては、9年間の義務教育の捉え方、中1ギャップ対策、学校間連携並びに教師のスキルアップなどの付加価値についての考え方をお伺いします。また、山口市内でも、この一貫教育に取り組んでいるところがあるとうかがっておりますが、その詳細を教えていただければと思います。次に、本市の第二次山口市教育振興基本計画の5カ年がこの4月から開始しますが、新たな基本的方向性の5番目として、導入の検討の余地があるか否かをお伺いします。御案内のとおり、広域の本市には市立の小・中学校が50校あり、子供の増加により教室が不足している学校がある一方で、児童生徒がいなくなり閉校を余儀なくされる学校が出るなど、地域性、多様性が求められると思います。さらに、少子化を迎えておりますことから、幼保から高校まで、いや大学までの一貫教育が必要であると感じております。多様性が求められる今日、本市はコミュニティスクールに力を入れていますので、改めて21の地域性を考慮しながら、地域住民や御父兄の意見を聞きながら、進めることのほうがむしろ大事かもしれません。次に、福岡県宗像市の実践から、本市で取り組めることについてお尋ねします。神宿る島沖ノ島は世界遺産にも登録され、一躍全国的や世界的に知られるようになりました。宗像市は、この小中一貫教育制度を平成18年度から開始していますが、市内の児童生徒の学習意欲が、学年が上がるにつれて低下していることや、中学校段階では、学習などに不適応を起こし、不登校になる生徒がふえていること、また先ほどから述べています中1ギャップやいじめ問題が、この制度を取り入れる要因だったそうです。宗像市は、平成18年度に小中一貫教育基本方針を示した上で、徐々に取り組みの輪を広げた結果、8年間かけて、市内にある中学校の7つのエリアにある15の全ての小学校と協働して、小中一貫教育の研究指定を終えています。離島を2つ抱えている宗像市では、小中一貫校の名称を学園としています。現在は、宗像市第II期小中一貫教育基本方針を立てた上で、平成27年度開始の学校教育基本計画における重点施策を7項目として位置づけ、その最初に、家庭・地域と協働する小中一貫教育の推進を掲げているのが特徴といえます。特に、宗像市の地元には福岡教育大学があることから、幼・保・小・中・高校・大学との連携推進も掲げられています。教職員の卵たちも、大学の地元に絶好の実習の場があることは非常に有効であり、本市も同様に山口大学教育学部があります。このフリップは視察の折にいただいたデータですが、生徒指導上の諸問題であるいじめや不登校の実態について、平成22年度から児童生徒1,000人当たりのいじめ認知件数と、不登校児童生徒数をあらわしています。グラフにありますように、全国の平均より低い推移をあらわしていますし、宗像市においても減少傾向にあるとし、その効果を示されています。そこでお尋ねします。この宗像市の実践事例をもとに本市での今後の取り組みについての御所見をお伺いし、小中連携・一貫教育の推進について、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 山本議員の小中連携・一貫教育の推進についての御質問にお答えいたします。まず、本事業の基本的な考え方及び効果についてでございます。議員御案内のとおり、平成28年4月1日、小中一貫教育制度の導入に係る学校教育法等の一部を改正する法律が施行され、同年12月に公表された小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引に基づき、全国において、さまざまな小中一貫教育が展開しつつあるところでございます。小中一貫教育を導入している学校におきましては、不登校などの引き金となる中1ギャップの緩和、学力向上、教職員の意識・指導力の向上等の成果が報告されているところでございます。本県におきましては、平成28年度より、文部科学省委託の小中一貫教育推進事業として、岩国市や和木町、萩市などが、モデル地域として指定を受け、県内の設置率が100%となったコミュニティスクールの仕組みを生かした9年間の一貫性のある継続的・系統的な指導を行うことを目的として、研究を行っているところでございます。本市におきましても、県の方針を踏まえ、コミュニティスクール、地域協育ネットの取り組みを進めている中で、中学校区内で合同学校運営協議会を開催し、学校課題をともに検討しており、合同学校運営協議会での議論を通して、地域で目指す子供像を共有するなど、地域ぐるみの教育を展開することとしております。さらに、中学校教員が小学校に出向き乗り入れ授業を行ったり、中1ギャップの解消に向けて、生活や学びのルールの共有や情報交換を積極的に行ったりするなど、小中連携の強化を進めているところでございます。具体的な事例を申し上げますと、大殿中学校では、3年生全員が大殿小学校を訪れ、6年生の外国語活動の授業で交流を行っており、また阿東東中学校では、1年生が徳佐小学校5・6年生の外国語活動に定期的に参加するなど連携が行われております。さらには湯田校区におきましては、中学生が長年行ってきたボランティア活動に、小学校6年生も加わり、足湯の清掃などを一緒に行うなど、さまざまな活動を通して、小学生にとっては中学生の様子を知る機会となるとともに、憧れの中学生像の形成につながっております。また中学生にとっては、先輩としてふさわしい姿を見せる場となり、責任感や思いやりの心が育まれると同時に、小学校とのつながりを実感する機会となっております。さらに、地域とのかかわりの中で、地域への感謝の心をより一層深める一助となっております。こうした研究的な取り組みを進める中で、一方、小中一貫教育におきましては、人間関係の固定化、小学校高学年のリーダー性・主体性の育ちにくさ、組織の硬直化、会議の増加による教職員の負担等、課題も報告されているところでございます。本市におきましては、小・中学校が強い連携の中で、小中が一貫した教育に取り組んでいるところでございまして、山口県教育委員会の取り組み方針も踏まえながら、それぞれの地域の特性を生かし、その地域にふさわしい教育を展開してまいりたいと考えております。次に、宗像市の実践から、本市で取り組めることについてでございます。議員御案内の宗像市では、平成18年度から調査研究を進め、7中学校区全てで小中一貫教育を推進されています。学習意欲の低い児童生徒の減少、学習規律や学習態度の定着、組織体制の構築、家庭・地域と連携した取り組みなど、他の小中一貫教育実施校同様の効果が報告されております。本市といたしましては、学校、家庭、地域が連携・協働して、子供たちの学びや育ちを支えるコミュニティスクールや地域協育ネットの取り組みを進めている中で、小中連携を一層強化し進めていくことで、小中一貫教育と同様の成果が得られるものと考えております。特に、先行する他市の好事例を参考にしながら、9年間を通じた教育目標の設定や9年間の系統性を確保した教育課程の編成、あるいは、学習規律や学び方を学習スタンダードとして統一するなどの取り組みは、より大きな成果につながるものと考えております。小中一貫教育はよりよい教育を実現するための手段であって、それ自体が目的ではございません。合併後の山口市におきましては、それぞれの地域のアイデンティティーや独自の教育を検証しつつ、中1ギャップ等にどのように対応していくか、それぞれの学校で特色のある多様な取り組みが求められております。本市が現在積極的に取り組んでおりますコミュニティスクールや地域協育ネットの仕組みの中で、小・中学校の教職員が互いに支援し合う体制づくりに取り組み、より魅力ある学校づくりを進めていくことが、地域や保護者の皆様の学校への信頼、そして子供たちのふるさとを愛する心の醸成へとつながるものと考えております。  以上で終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 山本貴広議員。                〔2番 山本貴広議員登壇〕 ◯ 2番 山本貴広議員 それでは続きまして、大項目イ、中山間・南部地域の活力アップについてお尋ねします。新年度の当初予算はオール山口の発展元年としており、過去最大の予算が計上されていますが、このうち、とりわけ南部振興策については、平成25年度から南部振興局にルーラルアメニティ推進室を設置し、平成28年度から定住促進課に担当を移し、これまでに南部地域広域連携事業や、やまぐち瀬戸内魅力創出事業に取り組まれました。この間、同僚議員からも、この南部振興策については、農業施策の視点、移住・交流人口の視点など、部局横断的な取り組みについても、幾度も質問をされています。そこで、南部振興を切に望むものとしてお尋ねをいたします。4月から南部振興局にかわり、この振興策のかじ取りをする定住促進課として、今後南部振興の方向性をどのようにつけていくのかお伺いします。余談ですが、3年半前突然、阿知須地域は中山間地域として、市内では7番目の指定となり、市当局を初め県の関係部署もびっくりされたようですが、この間、国から中山間地域指定されましたけれども何らメリットがなかったような気がしております。2年ごとに名称を変えた施策も展開され、ことしは中山間南部地域の活力アップのページも当初予算資料には掲載されましたが、ルーラルアメニティ、いわゆる回遊、交流人口からスタートして、南部地域はどういった切り口でどこにたどり着こうとしているのか、再度お伺いをいたします。次に、中項目2番目の歴史文化基本構想策定事業についてお尋ねします。広域の本市を21のエリアに分け、それぞれの地域特性に磨きをかけているさなかであります。それぞれの地域には、たくさんの逸材が眠っている宝箱のようでもあると思います。しかしながら、その宝箱の中身を地域住民が知らない灯台もと暗し的な場合もあります。本日はその一例を取り上げてみたいと思います。皆さんは、上野英信という方を御存じでしょうか。本名は上野鋭之進といいます。私も、30年前までは全く知りませんでしたが、ある方から阿知須出身で、満州にあった建国大学で学び、学徒召集後、陸軍見習い士官となったが広島で被爆。戦後、京都帝国大学に編入学するが中退し、25歳のときに炭鉱の筑豊に移り住み炭鉱労働者となった。彼は記録文学作家として、福岡の筑豊地方を舞台に、炭鉱で働く人々の過酷な労働と生活を記録した作家さんで、阿知須の中村区で生まれ育った方との紹介を受けました。阿知須の中央図書館においても、上野英信没後30年記念企画展が、昨年秋に開かれたようですが、先月の23日の朝日新聞に「いま読み直す上野英信」の記事が掲載されています。その記事の中で、昨年11月から12月にかけて、没後30年をきっかけに福岡市文学館で上野英信展やイベントが開催されたことを受け、嘱託員のコメントが掲載されています。炭鉱はなくなっても、それを生み出した資本主義の階級は変わらずに存在し、人間を虐げる側面も変わっていないと思うと。また新聞記者は、今の世の中のように、生産性、効率性を突き詰めていけば、いつか自分も追い込まれる側に回る。誰かを切り捨てれば、あすは自分が切り捨てられるということをわかっていたのではないかと。まさに働き方改革そのものでもあります。零細炭鉱をはいずり回り、地の底にある構造的な搾取、差別の問題を記録していった上野英信、阿知須の図書館には彼の書いた著書のコーナーが、中野真琴さん──彼も阿知須のさまざまな人物を自叙伝のように本に残している人ですが──一緒に特設コーナーとして、数多くの著書がおいてあります。しかしながら、知らない住民のほうが多いわけでして、恐らく市役所の職員も知らない人がほとんどだろうと思います。そこで、お尋ねします。今、歴史文化基本構想を策定されていますが、本事業において、こういった地域の逸材、とりわけ昭和初期以降の地域に埋もれた逸材を、地域の人たちと一緒に掘り起こし共有する、研究し合うというと言い過ぎでしょうが、子供たちの教材にしてもいいと思うのですが、事業の目的や内容、また対象についてお伺いし、この中山間・南部地域の活力アップについての1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 兒玉地域生活部長。              〔地域生活部長 兒玉達哉君登壇〕 ◯ 地域生活部長(兒玉達哉君) 中山間・南部地域の活力アップについての御質問にお答えいたします。私からは、まず、南部地域資源利活用事業及びやまぐち瀬戸内魅力創出事業についてでございます。御案内のとおり、山口市総合計画後期まちづくり計画におきまして、南部ルーラルアメニティづくりを重点戦略に位置づけまして、平成25年4月にルーラルアメニティ推進室を設置し、平成27年3月には、南部地域振興ビジョンの諸施策を部局横断的に取り組むため、実行計画である南部ルーラルアメニティづくりアクションプランを策定し、南部地域広域連携事業を初め、南部ルーラルアメニティ推進事業ややまぐち瀬戸内魅力創出事業など、関連事業を実施いたしまして、交流人口の拡大と地域経済活動の向上を進め、個性豊かで活力のある自立した地域社会の形成に取り組んでまいったところでございます。具体的には、南部地域の海や山、田園などの豊かな自然環境や町並みを活用し、阿知須地域でのきららノルディックウォーキングフォーラム、南部地域を舞台にしたサイクルイベント、ツール・ド・山口湾やアウトドアフィットネス山口南の実施、地元テレビ局と制作した南部地域情報誌ヤマグチ南向きの発行など、南部地域に人を呼び込む仕掛けづくりや、南部地域の魅力発信に取り組み、これまでにはなかった新たな交流人口を創出してまいったところでございます。また、南部地域の農水産物や商工業者の技術力などの地域資源をフル活用した商品開発にも取り組み、はなっこりーの花ふりかけや、くりまさるの焼酎あじすむすめ、益次郎ワイン、おせったいうどん、秋穂ココえび狩リーなどの多数の特産品が誕生し、地域ブランドの形成や、地域経済活動の向上に資するとともに、地域の皆様の自信と誇りにもつながったものと評価いたしております。こうした取り組みには、地域おこし協力隊などの外部人材の新たな視点と発想が加わることで、地域資源の秘めた価値や魅力の開花につながったものと評価しておりますことから、今後の地域活性化における重要な担い手として、地域おこし協力隊の受け入れを、さらに進めてまいりたいと考えております。平成30年度につきましては、地域の関係する皆様と協議を重ねまして、地域内には、まだまだ新たな可能性が期待できる地域資源が多数ございますことから、これまでの取り組みを検証し、さらに充実、発展させていくことが重要との認識に至ったところでございます。こうしたことから、南部地域資源利活用事業では、商品開発や交流人口の拡大に取り組む団体などへの支援に加え、地域資源の調査、研究や活用方法の提案、また各団体などの商品開発で得たノウハウや情報を、南部地域全体で共有するフォーラムを実施してまいります。また、やまぐち瀬戸内魅力創出事業では、1,000万本の山口の花が咲き誇る山口ゆめ花博との相乗効果を狙った、花博開催期間中でのきららノルディックウォーキングフォーラムの実施、また、食のおもてなしをより充実させたサイクルイベント、ツール・ド・山口湾の実施、また、新規に南部地域の魅力を若い世代の女性に発信する交流事業、仮称ではございますが、ヨガフェスの実施を計画しているところでございます。今後の南部地域の振興につきましては、来年度に山口市南部地域振興ビジョンと南部ルーラルアメニティづくりアクションプランにおける、これまでの取り組みと実績をさらに高めていくため、農山漁村エリアにまなざしを当てた、(仮称)南部エリア活力アップ推進プランを策定いたします。本プランに基づきまして、地域住民や団体、商工業者の取り組みに、新たな視点を持つ地域外の人材も受け入れながら、南部地域の美しい瀬戸内の海や田園などの自然環境や、そこから生み出される農産物や海産物はもとより、各地域で大切に守り続けられています、例えば、阿知須いぐらの館周辺の白壁の町並み、名田島新開作南蛮樋、周防鋳銭司跡などの歴史や文化といった、多様な地域資源を磨き地域の個性を際立たせ、交流人口の創出と地域経済の好循環につなげていくこと、そして南部地域の魅力と可能性を域内外に発信することにより、南部地域の移住・定住の促進、ひいては南部地域の持続可能な地域社会の形成を目指す、そういった方向性を持ちまして、鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 中谷教育部長。               〔教育部長 中谷尚夫君登壇〕 ◯ 教育部長(中谷尚夫君) 私からは、歴史文化基本構想策定事業についてお答えいたします。御案内のとおり、本市におきましては、本年度から3カ年の計画で歴史文化基本構想の策定に取り組んでおります。本事業は、地域の文化財を指定、未指定にかかわらず、抽出、把握し、山口市の文化的特質を明らかにして、今後の文化財行政のマスタープランを作成しようとするものでございます。現在は、各地域交流センターからの推薦により選ばれた個人、団体の皆様に、それぞれの地域の文化財の洗い出しを行っていただいているところでございまして、教育委員会といたしましては、これら各地で収集した情報、資料を今後の地域づくりに生かしてまいりたいと考えております。文化財は、いわゆるお宝のような美術工芸品、長年伝えられてきた祭りや習慣、人々の願いをあらわす路傍の仏たち、季節によって見事な景色を見せてくれる名勝地など、内容が多岐にわたっておりますが、どれも、そこに暮らす人々の営みによって形成されたものでございます。したがいまして、議員御案内の阿知須出身の作家上野英信など、地元出身者の顕彰に関するものも、構想策定のための基礎資料となるものでございます。したがいまして、今回の文化財の抽出、把握作業につきましては、さまざまな地域の埋もれた逸材の発掘、顕彰につながるものと考えております。なお、本市におきましては、上野英信顕彰の取り組みといたしまして、昨年11月に中央図書館と阿知須図書館におきまして、没後30年を記念した企画展示を同時開催し、御好評をいただいたところでございます。このように地域の文化財、歴史資源等を地域づくりに生かせるよう、引き続き地域の歴史文化の抽出、把握を行いながら、構想の策定を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 以上で、山本貴広議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  6番、山本敏昭議員。                〔6番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 6番 山本敏昭議員 公明党の山本敏昭でございます。今回は、大項目について3点お伺いいたします。市長並びに関係参与の皆様方の温かい御答弁をどうかよろしくお願い申し上げます。  最初に大項目のア、平成30年度当初予算について、4点お尋ねいたします。今回の当初予算は、オール山口の発展元年と位置づけられ、871億円余りの予算を計上されておりますが、山口市が周辺の自治体に先駆けて取り組む事業や、他市との差別化を図れる計画の有無についてお聞きしたいと思います。中項目の1)は、中小企業の事業承継についてであります。現在、国内企業の99.7%を占める中小企業は、地場産業を支える根幹であると同時に、地域の雇用を守る日本経済の基盤であります。その技術力は国内企業の国際競争力を保ち、技術立国日本の金看板を裏方から守り立てる存在となっています。しかし、昨今の高齢化の波は、この日本の産業基盤も確実に浸食し、事業承継時のハードルの高さと相まって、その事業所数は減少の一途をたどっています。公明党は、これまでも、少子高齢化に立ち向かう施策として、この事業承継の問題を取り上げてまいりましたが、昨年末に政府が新しい経済政策パッケージを閣議決定した際に、生産性革命の中で、この問題について具体的な前進をさせたところであります。その中で、自社株を後継者に引き継ぐ際の相続税猶予、そして猶予対象条件の中にある雇用維持についても厳格化が緩和され、黒字でありながら事業承継が難しくなる案件について、具体的な救援策が盛り込まれています。今回、山口市として中小企業の後継者不足、事業承継への重点的な取り組みとして、約1,000万円の予算を計上され、対象となる企業等と向き合っていくわけですが、主にどのような施策をお考えでしょうか。市内に多く存在する優良事業所の明るい将来が見通せる内容であると同時に、今後、国が進める対策以上の取り組みを検討されているとは思いますが、山口市のオリジナル支援メニューを充実させない限り、他市との差別化は図れませんし、今後県内ですら企業間競争が激化する中で、中小企業を守り切ることは難しいのではないかと思います。何事も他市の動向を注視し、横並びの施策で満足するのではなく、山口市内の中小企業が一歩も二歩も抜け出せるグラウンドを築くことは、市内経済の活性化と新たな雇用を生み出す原動力にもなると思いますが、執行部のお考えをお聞きいたします。続きまして、中項目の2)は、やまぐちヒストリア創出事業についてです。辞書には、ヒストリアとはラテン語で歴史書をあらわすそうですが、某テレビ局の歴史番組でお聞き覚えの方も多く、イメージの先行した言葉になっているように感じます。今回の当初予算では、この事業に前年比260万円プラスの2,000万円以上が投資され、歴史資料やデータを活用するまちづくりを進めるとあります。具体的には、冊子の発行が示されていますが、前年のような講演、講座等が見えなくなっています。実は、山口市が開催される歴史関連講座などの講演会は大変好評で、毎回多くの歴史ファンが期待している企画であります。今回、このようなイベントについての言及がなく、残念に思われている方も多いのではないかと思いますし、山口市の観光産業の多くが歴史関係の史跡や文物をもとに成り立っていることを考えると、紙媒体だけではない事業展開も必要なのではないかと考えます。そこで、今回のヒストリア創出事業内での取り組みについて、具体的な事業内容をお聞きいたします。また、山口市内には多くの指定文化財があり、その歴史的価値は研究者の方々の貴重な資料であると同時に、郷土の誇りであり、そして重要な観光資源でもあります。そこで提案ですが、現在ユネスコで選定されている世界遺産や、文化庁認定の日本遺産にちなみ、山口市も市内の重要文化財を山口文化遺産、あるいは山口歴史遺産とした愛称をつけてみてはいかがでしょうか。若干、後づけ感満載ではありますが、あわせて御検討いただけないか提案申し上げます。続きまして、中項目の3)は、観光維新ブランド創出事業についてです。この事業も、観光や地場産業育成を後押しするものであろうと推察されるわけですが、山口市全体を観光ブランドとするとは、どのようなビジョンを描かれているのでしょうか。例えば、京都、東京、大阪などの大都市では、来訪者数の規模や海外向けを含む情報発信の量が桁違いに大きく、都市ブランドの構築は自然発生的にでき上がりますし、広島、札幌、神戸といった都市は、国内外にしっかり定着した都市イメージが確立しており、改めて情報発信の必要性がないぐらいに高ブランド化しています。では一方で、山口市はどのようなイメージが確立しているのでしょうか。インターネットで、山口市、イメージとして、恐る恐る検索してみますと、残念ながら相当辛辣なコメントが並んでおり、県内外のこのような認識の中で、産品との融合による都市ブランドを構築することは、多くの課題が山積し、厳しい取り組みになるのではないかと考えるところであります。もちろん行動のないところに結果が生まれることはなく、官民挙げた努力なくして、山口市のシティセールスはあり得ないわけですが、そのベクトルを誤れば、税の無駄遣いとのそしりも受けかねないことは、全国の自治体の失敗事例からも容易に想像できるものであります。あえて、責任の所在を問うようなことは申し上げませんが、山口市の名前を全国にとどろかせるには、入念に検討された企画と、セールスリーダーたる渡辺市長の強固な意志がなくしては成功は考えられません。また今回の事業展開は、観光業界やその周辺企業にとって、山口市という都市の将来性をはかる指標となり得る取り組みではないかと思います。そこで、今回の山口市の観光ブランド創出に対する認識、事業展開、情報発信をどのように進めていくお考えなのかについてお尋ねいたします。中項目の4)は、空き家等適正管理事業についてです。山口市においても、これまで各種空き家に対する取り組みを進められ、山口市空き家等対策計画や空き家バンク制度、除却促進事業補助金の創設など、施策を打ち出されてきました。きのう我が家に届いておりました、3月1日の市報にも空き家についての特集記事があり、積極的にPRされているのを拝見いたしました。今回、当初予算の重点プロジェクトの7の中で、空き家等適正管理事業を充実させていく旨の記載がありましたが、この中で、老朽危険空き家の補助対象範囲を拡大し、崩落、崩壊に至る前の段階から対応するとされています。危険空き家に対し、なるべく早い段階からかかわることで、周辺住民の皆様の心配も半減することが期待され、場所によっては、近くを通行する人や車に与える危害をなくすことも可能であると考えます。ただ、市内には多くの空き家が文字どおり点在し、しかも日々変化する空き家の現状を常に注視していくことは、時間も手間も必要になってまいります。一方で、近年、所有者不明土地の問題も全国で提起されていることは、前回の12月議会で、墓地行政の質問の際にも取り上げたところです。空き家になって長い時間がたち、所有者が代がわりしても、登記がそのままになっている事例は全国に数多くあり、共有地などでは、その相続対象者が数十人から100人以上にまで膨れ上がり、その土地が公共工事などの対象になった場合、行政に係る事務作業は気の遠くなる手続を経る必要が出てきます。近年は、所有権絶対の考え方に疑問を唱える有識者も散見されるようになり、民法改正も視野に入れた議論が活発になってきています。山口市内においても、中山間地のみならず、町なかの団地などでも放置された空き家が散見されるようになり、自治会などでも問題になっています。その際に、所有者が判明していれば、除却費用の補助などで、適切な状態への移行も目指せるわけですが、所有者不明の場合は、長期間にわたり追跡、所有者への説明、御理解に時間を要することになります。当然、周辺住民の皆様の心痛も長引くこととなり、場合によっては、対応が遅いといった行政への批判につながるかもしれません。今回の空き家等適正管理事業において、除却補助対象の拡大が示されたことを受け、行政が大きく踏み込み、問題解決に向けた方向性が示めされた、と期待されている市民の皆様も多いのではないかと思います。ただ、この問題は民法にもかかわるデリケートな点も含んでおり、山口市としても拙速な対応は慎むべきであり、市民の皆様が期待されるとおりの解決策となり得るのか、少々疑問が残る点もあります。そこで、今回の対象拡大により、所有者不明の空き家に対しても、行政がスピード感を持ち、これまで以上のアプローチが可能になるのかについてお聞きいたします。また、早急な対応を講じた場合など、所有者との間に認識のそごがあり、トラブルに発展するケースが他市でも見られたようですが、即応したがゆえのリスクについても、お示しいただきたいと思います。  以上で1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 有田経済産業部長。              〔経済産業部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 経済産業部長(有田 剛君) 山本敏昭議員の平成30年度当初予算についての御質問のうち、私からは、中小企業の事業承継についてお答えいたします。議員御案内のとおり、事業承継への対策は中小企業、小規模事業者にとって、喫緊の重要な経営課題の一つとして挙げられ、国におかれましても、円滑な事業承継に向けて今後10年間、集中支援を実施することとされておられます。国によりますと、2025年までに、70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、そのうち約半数の127万人は後継者未定であり、また本市を含めた山口県の状況については、昨年11月に民間調査機関が実施されました調査結果によりますと、山口県の後継者不在率は76.4%と、全国で2番目に高い割合となっており、そのうち60歳代の社長の後継者不在率は66.7%となっております。売り上げの規模別で見ますと、規模が小さいほど後継者不在率が高くなっており、経営者の高齢化に対応し、早急な事業承継に向けた支援が必要となっている状況でございます。このような状況の中、本市では県内他市に先駆けまして、平成27年度から事業承継に関する意識啓発や取り組み促進を図るため、セミナーや個別相談を開催してきたところでございます。これを踏まえ、平成30年度からは、事業承継に係る取り組みをより強化いたし、市内の中小企業の円滑な事業承継の実施に向けた支援を行うことにより、地域の雇用の場の確保につなげることを目的とした事業を展開いたすこととしております。事業を進めるに当たりまして、まずは、市の取り組みを広く周知することで、市内の中小企業の意識啓発を図る必要があると考えております。例えば、中小企業診断士や税理士等の士業専門家によるセミナーの開催、無料相談会の定期的な開催等、事業者が気軽に相談できる支援体制を構築し、事業者の掘り起こしを行うこととしております。また、気軽に相談できる支援体制の一つとして、事業承継に関する総合相談窓口を、事業者にとって身近な支援機関である山口商工会議所に設置いたし、事業者の経営の現状認識、課題把握、承継者の有無、今後の取り組み予定等、まずは事業承継についてのさまざまな課題整理と今後の方向づけを行うこととしております。さらに、事業承継計画の作成等、より具体的な対応として、専門家派遣による個別指導を行い、事業承継に向けたより細やかな支援を行っていくこととしており、この派遣にかかる費用を支援することといたしております。また、本事業につきましては、山口県央連携都市圏域において取り組むことといたしており、本市を初め、圏域内の事業者を対象としていく予定にしておりまして、広域での事業実施による事業者へのスケールメリットを生かした事業統合などの支援につなげてまいりたいと考えており、本市が中心となり、近隣市町と連携して取り組むことといたしております。また、事業承継について具体的な対応を進めていくには、それぞれの事業者に寄り添った、さまざまな課題に対応できる方法を検討していく必要がございます。そのために、行政だけではなく商工会議所や商工会などの商工団体、士業等専門家、金融機関等、さまざまな機関と連携を図りながら、また事業者ニーズの把握に努めながら、迅速かつきめ細やかに対応できる、より効果的で柔軟な事業展開を推進いたし、雇用の創出や地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 江藤ふるさと創生部長。             〔ふるさと創生部長 江藤寛二君登壇〕 ◯ ふるさと創生部長(江藤寛二君) 私からは、平成30年度当初予算についてのお尋ねのうち、やまぐちヒストリア創出事業及び観光維新ブランド創出事業についてお答えいたします。まず、やまぐちヒストリア創出事業についてでございますが、御案内のとおり、この事業は今年度から取り組んでおりまして、明治維新や大内文化など、本市の有する豊かな歴史や文化にかかわる資料を調査、収集分析し、その成果を市民を初め多くの皆様に向けて情報発信し、まちづくりや地域学習に活用していただくことで、シビックプライドの醸成や、交流人口の増加につなげることを目的とするものでございます。具体的には、広報誌の発行のほか、教育委員会との連携により、続日本100名城に選定されました高嶺城についての講演会や見学会の開催、さらには、佐山地区史研究会との共同調査の実施等により、地域のまちづくり、歴史資料が活用できるよう取り組んできたところでございます。これに加えまして、平成30年度におきましては、新たに小郡、秋穂、阿知須、徳地、阿東地域におきまして、石造物等に刻まれた文字資料をおさめた、金石文資料集の刊行等に取り組むことといたしておりまして、必要な予算を拡充して計上いたしたものでございます。また今年度に引き続きまして、本市ゆかりの人物や出来事、エピソードを取り上げた広報誌、やまぐちヒストリアを発行する予定といたしております。さらに、本年は明治改元から150年に当たりますことから、幕末明治維新期における本市ゆかりの人物を紹介するガイドブックの刊行と販売、秋には十朋亭維新館の開館を記念いたしまして、市民を初め、多くの皆様を対象とした講演会の開催を予定いたしているところでございます。なお、平成30年度からは新たに文化交流課内に、歴史文化のまちづくり推進室を設置いたすこととしておりまして、地域の歴史文化資源の掘り起こしや活用への取り組みについて、さらに進めてまいる所存でございます。次に、市指定文化財の新たな愛称に関するお尋ねにつきましては、文化財に対する市民の皆様の親しみが増しますとともに、話題性もございますことから、歴史文化資源の活用を通じた交流人口の増加を図る上でも有効な手段と考えております。したがいまして、今後、先進自治体の事例なども参考にいたしまして、文化財の指定を所管する教育委員会とも調整をいたしながら、さまざまな観点を踏まえまして、研究してまいりたいと考えております。次に、観光維新ブランド創出事業についてお答えをいたします。本市の観光ブランドの創出の取り組みは、平成22年に策定をいたしました山口市観光交流基本計画において重点プロジェクトとして位置づけ、大内文化や日本のクリスマスは山口からなど、本市を代表する観光ブランドとして、行政あるいは観光事業者や関係団体、さらには地域の皆さんが主体となって情報発進、交流促進に取り組んできたところでございます。また、本市は数多くの歴史資源を有し、大内氏ゆかりの文化財や明治維新に関する史跡など、多くの歴史的・文化的遺産が所在しており、長い歴史に培われた伝統的な文化や風土が今日まで市民に親しく継承され、大内文化や幕末明治維新期の特色ある歴史などは本市の財産であり、貴重な観光資源となっているところでございます。しかしながら、議員御指摘のように、国内での観光市場において、これらの認知度が十分であるとは必ずしも言えない状況にあることも認識しておりまして、民間の地域ブランド調査における認知度市町村ランキングでは、平成29年時点で175位という状況でございます。こうした中、第二次山口市総合計画のKPIの指標におきまして、平成34年までに、認知度100位以内を目標値に掲げたところでございまして、このたび新たに観光維新ブランド創出事業を創設いたし、既存ブランドのさらなるイメージアップを図りますとともに、本市固有の歴史や文化を改めて見つめ直し、景観、特産品、温泉といった、多様なブランドの要素と融合・連携させることによりまして、奥深い歴史と新しい文化が一つになった、新たな視点からの観光ブランドの創出に取り組む考えでございます。また、第二次山口市総合計画では、山口市全体の発展を、次なる10年の本市のまちづくりにおける理念として掲げているところでございまして、各総合支所エリアで取り組みます地域再生プロジェクトとも連携を図りながら、市内の全域における観光ブランドの創出について働きかけ、新たな交流・対流につなげてまいりたいと考えております。加えまして、現在大内文化を軸としたストーリーで、文化庁の日本遺産の認定申請を行っているところでございまして、認定されれば観光プロモーション事業への補助なども受けられることになりまして、本市の観光ブランドの認知度アップに弾みがつくものと考えております。議員御指摘の単市でのブランド確立の課題につきましては、例えば、本市固有の大内文化といったものにつきましては、日本遺産認定申請などの取り組みを通じまして、本市単独により認知度を高めてまいる考えでございますし、また明治維新というテーマでございましたら、県や維新ゆかりの市町との連携した取り組みも効果的であると考えておりまして、それぞれのブランドにあわせた柔軟な対応も必要であるものと認識いたしております。観光ブランドの創出は、まち全体に活力と交流人口拡大に資する効果的な戦略と捉え、市民の皆様や関係団体などと一体となって取り組むことといたし、観光ブランドの情報発信に当たりましては、市長のトップセールスも含めまして、訴求力の高いプロモーションを展開することによりまして、国内外に存在感を示す、観光地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 兒玉地域生活部長。              〔地域生活部長 兒玉達哉君登壇〕 ◯ 地域生活部長(兒玉達哉君) 私からは、空き家等適正管理事業についてお答えいたします。まず、スピード感のある事業実施についてでございます。議員御指摘のとおり、本市におきましても、空き家は市民の身近な問題であると十分認識いたしており、本年度、山口市空き家等対策計画を策定し、空き家対策を効果的、効率的に推進し、総合的かつ計画的に実施してまいることといたしております。具体的な取り組みといたしましては、各総合支所や地域交流センター等において、空き家の実態調査結果を地図共有システム上で閲覧可能とし、市民の皆様からの御相談への対応や、倒壊等の緊急時における対応の迅速化を図りますとともに、実態調査において特に老朽度、危険度が高い区分の211件の空き家と、市民の皆様から御相談をいただきました空き家から順次、スピード感を持って現地調査等を実施し、所有者等が判明したものから文書等により、適正な管理の依頼を行ってまいったところでございます。また、昨年度創設の山口市老朽危険空き家等除去促進事業補助金制度を活用し、所有者みずからの問題解決への取り組みを後押しすることで、早期解決を図っており、昨年度7件の解体、今年度も年度末までには、8件の解体を見込んでいます。次に、所有者不明の土地や物件に対する措置についてでございます。老朽危険空き家除却補助制度につきましては、これまでに老朽度、危険度の判定基準を満たし、かつ一部または全部に崩落、崩壊が見られるものを対象としておりましたが、より早い段階での対処を図る必要性がございますことから、崩落、崩壊の要件をなくし、対象範囲の拡大を行うことといたしております。また、接道条件が悪い老朽危険空き家につきましては、重機等の機械が入らず、人件費など解体費用が高くなることが考えられることから、除却補助額の加算を行う方向で順次進めておるところでございます。さらに、相続登記が行われていない空き家が多く見受けられることから、現在の空き家に対する土地登記費用助成の要件から、老朽度、危険度の判定基準をなくし、一定年数が経過した空き家を除却する場合には、補助の対象とすることを検討しております。補助の対象の拡大などにより、一層広い範囲の老朽危険空き家等について、さまざまな条件等を考慮した対応が可能となり、所有者等へさらに踏み込んだアプローチが行えるものと考えているところでございます。次に、危険空き家等に対しまして、早期の対応を行った場合に、想定されるトラブルについてでございます。空き家に対する措置に当たり、まずは、トラブルにならないよう法や条例等に十分留意し、相続権者の把握漏れや手続の遺漏などのない適正な手続を行っていく必要がございます。しかしながら、法に基づく命令や代執行、市の条例に基づく緊急安全措置などにおいて、適正な手続を行ったとしても、場合により、個人の財産権等を侵害しているとの指摘を受ける可能性もございますことから、実施に際し、その必要性や手続、措置の内容等は適切であるかなど、慎重な対応が必要であると考えております。いずれにいたしましても、空き家は個人の財産であり、本来、所有者等の責任において、適正な管理を行っていただくものでございますことから、所有者等みずからによる課題解決がなされるよう、より一層の啓発や指導などに取り組んでまいりますとともに、法や条例等に基づく措置等につきましても、適正で迅速な対応に努めてまいります。  私からは、以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 山本敏昭議員。                〔6番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 6番 山本敏昭議員 ありがとうございました。  続きまして、大項目のイ、市道の交通環境整備について、2点お尋ねいたします。まず、中項目の1)は無電柱化の推進についてです。この件については、私ども公明党のみならず、過去に多くの先輩議員が質問に立たれており、なかなか事業が進展しないあたりに、山口市の苦悩も見てとれるわけですが、市民の皆様から、狭い市道に立っている電柱について疑問の声をお聞きする機会が多く、そろそろ山口市が本格的に検討に入る必要性を感じているところであります。私自身も以前、市道路線の電線地中化について質問し、御答弁をいただいたわけですが、その際には、既に国道9号線沿線で地中化を進めているので、今後も引き続き推進していきたいとのお話でありました。確かに、旧小郡町内から朝田にかけての国道9号沿線では、延々と工事が続いており、一部では電線の地中化も進んでいるのであろうと思います。しかし、市民の皆様から最もお聞きするのは、片側2車線の広い国道の話ではなく、地域に根差した狭隘な生活道路やいわゆる旧街道、旧幹線に当たる拡幅の難しい市道の部分です。山口市は、古い町並みが至るところに残っている趣のあるまちではありますが、殊、道路事情に関しては、その町並みがネックとなり、通学路に多くの危険箇所があったり、時間短縮の抜け道としてスピードを出した車が横行し、歩行者あるいは自転車の通行に危険を及ぼす可能性のある路線が多く見られます。特に、車道上に大きく飛び出した電柱は、安全な通行を著しく阻害し、高齢者や児童生徒、あるいは車椅子利用の方々が安心して通行できる環境とはとても思えません。また一方で、山口市は歴史をクローズアップし、シティセールスの中心に置いているにもかかわらず、景観への配慮などみじんも感じさせない電線の波を見るにつけ、無電柱化に対する山口市の考え、優先順位に疑問を持たざるを得ないのは私だけではないと思います。無電柱化の推進に当たっては、京都市の先斗町などが、歴史的景観やまちの風情を保ちつつ、地下ケーブルへの移行を進めておられる先進地であり、全国に先駆けて、小型ボックス活用埋設方式を導入した地域でもあります。これは従来の埋設管方式に比べ、コンパクトで、ほかの地下ライフラインに与える干渉が少なく、狭隘な路線での活用が可能になるメリットがあります。地上配置の機器についても、建物の軒先や縁の下などに、景観に細心の注意を払いつつ、私有地の中に設置するという、沿線住民の皆様と行政のしっかりした信頼関係なくしては成り立たない、地道な取り組みを進めておられます。通行の安全性と景観に対する配慮を両立させた事例として、行政の非常に高いパフォーマンスを感じるものでありますが、翻ってここ西の京山口市はいかがでしょうか。さきに先斗町や愛知県犬山市、茨城県つくば市などの事例ももとに、山口市の状況に合うようにアレンジされた事業展開が研究されているものと思いますが、電線等の地中化は相当な高コスト事業でもあります。限られた財源の中で、山口市単独の事業として大きく展開することは難しいのではないかと思います。そこで、市内に多く存在する市道路線の中で試験的に1路線を選び、実証実験をされてみてはいかがでしょうか。今後の道路行政、ひいては安心安全なまちづくり、そして観光客誘致に向けた取り組みの面からも、貴重なデータとなるのではないでしょか。ぜひ西の京の誇りを持って、市道等への進展を図っていただきたいと思いますが、市の所見をお伺いいたします。次に、中項目の2)老朽・狭隘化した市道橋についてお聞きいたします。昨今、全国で頻発する豪雨災害において、老朽化した橋梁の破損、倒壊などの被害が数多く報告されております。山口市でも、平成25年の北部豪雨で橋梁流出が発生するなど、例外とは言えない状況であります。これまで橋梁に対する安全対策は、阪神大震災や東日本大震災を経る中で、耐震性が大きくクローズアップされてまいりましたが、建設から50年近くが経過した橋梁が多くなっていく今後は、老朽化対策もスピード感を持ったものでなくてはなりません。今回、当初予算内にも橋梁長寿命化対策事業や同維持補修事業が組み込まれており、市内各地の老朽化した橋梁への手当てが進むものと思いますが、同時に橋梁に起因した通行上の危険因子にも御配慮いただきたいと思います。特に、通学路でありながら歩道部分が十分に確保できていない橋梁は早急な対策が必要であり、大内にある下市橋などはその典型であります。下市橋の幅員は5.8メートルですが、路肩の歩行可能なスペースは、白線を含めても片側60センチほどしかなく、しかも車両の通行量が多い上、常時対面通行であり、橋の建設当時に比べ、車幅の広い3ナンバー車両が圧倒的に増加している現代では、歩行者や自転車が通行できる部分はわずかでしかありません。しかも、毎朝多くの児童が通学路として利用している現状からも、周辺にお住まいの皆様から安全を危惧する声は大きく、車のドライバーの立場からも細心の注意を払ってなお危険を感じる、危険度マックス、デンジャラスブリッジといえます。ただ、幸いに、この下市橋は市道長野御堀2号線の一部であり、都市計画道路の一環であります。当然計画着工の折には、既存の道路部分は改修が行われ、下市橋についてもかけかえが必須となります。道路部分の新設や拡幅については、用地買収や地元理解に大きな労力とお金がかかりますが、既にある橋梁を一足早くかけかえ、安全を先取りすることは、予算はともかく、地域住民の皆様、通学する児童生徒の皆さんの安全、あるいは通行するドライバーの安心にも寄与するものであると思いますが、市の御見解を伺います。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 岡本都市建設部長。              〔都市建設部長 岡本 充君登壇〕 ◯ 都市建設部長(岡本 充君) 市道の交通環境整備についての御質問にお答えいたします。まず、無電柱化の推進についてでございます。議員御案内のとおり、無電柱化は安全で快適な通行空間の確保、災害の防止、歴史的町並みの保全や観光振興などに極めて有効な手段でございます。現在は、国道や県道において、電柱倒壊による緊急輸送道路の寸断を防止することなどを目的に無電柱化が進められております。本市におきましても、一の坂川周辺地区や中園町地区、新山口駅周辺地区などの幹線道路や拠点施設周辺におきまして、無電柱化を推進いたしてまいりました。現在までの整備済み、あるいは整備中の路線延長は8.6キロメートルほどでございます。議員お尋ねの観光地の無電柱化への取り組みといたしましては、大殿周辺地区都市再生整備事業による無電柱化に向けて、調査検討をいたしております。こうした中で、狭隘な道路の無電柱化につきましては、電線類地中化に必要なスペース確保のため、水道などライフラインの移設や地元調整などさまざまな課題があり、改めて難しさも実感しておりますが、この地区にふさわしい市道の健全な交通環境整備として、十分検討を行ってまいりたいと考えております。こうした無電柱化は、交通環境整備に必要な手法と認識しておりますが、推進していく上ではコストが最大の課題と考えております。無電柱化のコストは、国土交通省の調査によりますと電線共同溝の場合、1キロメートル当たりの工事費が5億3,000万円とされており、別にライフライン等の移設費用が必要となる場合もございます。また、十分な幅員の歩道がない生活道路では、電線類の埋設箇所や路上変圧器の設置場所の確保が困難な上、低コスト手法が確立されておらず、コスト高となる傾向にございます。さらに、狭隘な道路で無電柱化を実施した場合には、自動車の通過速度が上がり、歩行者の安全を脅かすことも危惧されます。したがいまして、こうした道路では、警察等と連携した交通規制対策や地域ぐるみの交通安全活動などの効果的なソフト対策も必要と考えております。また、狭隘な道路への通過交通を抑制するためには、都市計画道路の整備など、本来のハード対策も重要であると考えております。こうした中、国土交通省から、無電柱化の推進に関する法律に基づく無電柱化推進計画(案)が示され、この中で、緊急輸送道路、バリアフリー化の必要な特定道路、景観形成・観光振興に寄与する道路、オリンピック・パラリンピック関連道路の4つを重点に挙げ、1,400キロメートルの整備目標が掲げられております。本市といたしましては、計画案に示されました計画期間は、2018年から2020年という3カ年と短期期間であることから、低コスト化に向けた技術開発の進展、政府による財政措置、地方公共団体への技術支援などの施策につきまして、具体的な国の対応や動向を注視しながら、無電柱化による事業効果が十分得られる対象事業を研究してまいりたいと考えております。次に、老朽・狭隘化した市道橋についてでございます。議員御案内のとおり、市道長野御堀2号線の下市橋につきましては、昭和49年に架設され、現在43年が経過しております。市内には、このように、年数が経過した橋梁などが1,325橋あり、平成26年度から5年間で、全ての橋を対象に点検を実施いたしております。その結果、構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずるべきレベル3の橋梁が、現在14橋ほどございますが、下市橋につきましては、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましいレベル2の橋梁となっております。今後も老朽化した橋梁が増加していくことが見込まれますことから、本市といたしましては、早期に措置を講ずるべき橋梁から優先して、計画的に補修工事などを実施してまいりたいと考えております。また、かけかえなど、抜本的な対策につきましては、下市橋の都市計画道路としての整備や、山口県による仁保川の河川改修にあわせて検討することになるものと考えております。なお、仁保川の河川改修時期は、現時点では未定とうかがっております。したがいまして、当面はレベル2予防保全措置により、長寿命化を図ってまいる考えでございます。こうしたことから、下市橋の早急な対策といたしまして、路肩へのグリーンラインの設置による、歩行空間の明確化などにより、通学路としての安全確保に努めてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(重見秀和議長) 山本敏昭議員。                〔6番 山本敏昭議員登壇〕 ◯ 6番 山本敏昭議員 ありがとうございます。  次に、大項目のウ、山口市の新たな拠点づくりについてお聞きいたします。先日、私の住んでおります大内地域で、老朽化して狭隘な地域交流センターについて、機能強化に向けた、地元住民の皆様と山口市担当課の方々の話し合いが行われました。席上、担当者の方から、交流センターの増築案のたたき台が出され、出席者の皆様から活発な御意見が上げられました。結果的に、お持ちいただいた、たたき台はこっぱみじんに粉砕されて、見事リジェクトされることとなったわけですが、今の大内地域交流センターの現状に対する地元の皆様の我慢、そして、他地域の真新しい交流センターの様子を見れば、むべなるかなといったところではないでしょうか。大内地域は、市内でも有数の人口増加地域であり、現在2万3,000人が暮らす大きな地域であります。しかも、地域内には常に新しい団地造成が進み、大型商業施設や各種公開型の小売店舗も相次いで出店している、将来性豊かな地域であります。その中ほどにある地域交流センターは、建設から36年が経過し、途中1回の増築を経て現在の状況にあるわけですが、施設利用状況は高稼働の状態が続いており、協議に参加された自治会の方のお話では、収納スペースが絶対的に足りず、物品の保管場所がセンターの一部を占拠し、各施設をフルに使えない原因になっていると、明確な指摘がなされていました。センター建設当時の大内地域は、人口が1万2,000人弱であり、当時としては、このサイズでも十分機能していたのかもしれませんが、現在は、小郡地区と比べてもわずか2,000人差、市内2番目の人口集積地の地域交流センターとしては、明らかにキャパシティー不足であります。しかも、従来が農地と住宅地の混在地域のため、会議等が受け入れ可能な施設が非常に少なく、それゆえに地域活動推進の阻害要因になっているのが現状であります。今回、山口市からの話では、建てかえには時間がかかるので、現在のキャパシティー不足を緊急に補うために、増築を計画しているとのことでしたが、住民の皆様からは、つけ焼き刃の対策ではなく、建てかえを含めた、早期の抜本的対策を求める声が広く、大きく出されておりました。現在の地域交流センターの機能強化に向けた検討は、地元との協議を十分踏まえつつ、大内の皆様が満足できる早急な解決を図っていただきたいと思いますが、それとは別に、もう少し広い範囲、広範囲での行政機能の強化、地域に身近な拠点づくりについて考える必要性もあるのではないかと考えます。すなわち、大内、仁保、小鯖を管轄する総合支所の検討をされてみてはいかがでしょうか。過去をさかのぼってみますと、この3地域は、おのおの大内村、仁保村、小鯖村であったものが、昭和30年に旧大内町として合併、その後、昭和38年に山口市に編入合併されたものであります。現在も、大内、小鯖は一つの中学校区となっておりますし、仁保地域と大内地域については、かつて区分が不明瞭で地域融合が進んでいた時期もあり、決して不自然な地域のくくりではないと考えます。この3地域を合わせると、対象人口は3万人を超え、面積は141.58平方キロメートル、地域特性も、いわゆる中心部の文化・行政・観光ゾーンとは異なる、商業、住宅、農業の集積地であり、この3つの地域が連携したまちづくりを進めることは、山口都市核、小郡都市核に続く、市内の第3局を形成し、従来の2つの都市核を線で結ぶ形から、3局間が面として、バランスのある広域的で、重心的な山口市の発展に寄与するものと思いますが、いかがお考えでしょうか。建設場所についても、以前議会質問で取り上げました、県の農林総合技術センター、つまり農業試験場を確保しておけば、非常に利便性も高くなり、周辺のショッピングゾーンとの兼ね合いも含め、中心交流拠点となり得る立地を得られます。さらに、防災機材等の備蓄機能を付加することで、椹野川南部が災害で交通が分断された際の中心的な防災拠点とすることで、山口市全域のリスク分担を図ることもできると考えます。旧山口市内において、行政の不必要な細分化を求めているわけではありませんが、地域要望に対し、瞬発力があり、しかも、ある程度の権限を持った新たな拠点の存在は必要であると考えますが、執行部のお考えをお聞きいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(重見秀和議長) 大田総務部長。                〔総務部長 大田正之登壇〕 ◯ 総務部長(大田正之君) 山口市の新たな拠点づくりについての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市は、平成17年の1市4町の合併によりまして、新たな山口市として誕生いたし、さらに平成22年には、阿東町も加わりまして、現在の山口市が誕生いたしたところでございます。平成17年の合併に際しましては、合併協議の中で、それぞれの地域の行政サービスの低下を招かないように、総合支所方式が採用されまして、旧市町それぞれに総合支所を置くこととする協定が締結されたところでございます。合併に携わられた多くの皆様の将来に向かって、全ての地域がそれぞれの役割や特性を発揮しながら、発展を遂げていかなければならないと、強い思いが総合支所という形になったものであるというふうに考えております。合併後におきましては、総合支所は、旧町エリアにおける地域振興や、地域の行政サービスの総合的な窓口としての役割を担い、本市の地域振興や地域づくり、市民サービスの提供に大変重要な役割を果たしてまいりますとともに、それぞれが果たしておりました、歴史や文化、伝統もまた大切に引き継いでまいったところでございます。議員御提案の大内地域における新たな拠点づくりでございますが、こうした合併の経緯、あるいは総合支所の設置という背景を考えましたとき、また効率的で効果的な行政サービスの展開も考慮いたしましたときに、総合支所という形の拠点を新たに設けますことは難しいものと考えているところでございます。しかしながら、議員御提案のとおり、大内・小鯖・仁保地域が、昭和30年代に大内町として町制を施行いたしておりました歴史的な関係性や、御案内のとおり、大内地域の人口が2万3,000人を超えておりまして、市内21地域の中で、小郡地域に次ぐ人口を擁しておりますことなど、地域ごとの特性を踏まえた検討を進めることは、大切な視点であるというふうに考えているところでございます。こうしたことからも、現在、市内21地域に設置いたしております、地域交流センターを最大限に有効活用いたしますことで、地域の拠点としての役割を、さらに発揮するための機能強化を進めますと同時に、地域交流センター同士の連携を強化し、相互に補完し合いながら支え合う、ネットワーク形成に向けまして、検討を進めてまいりますことが、豊かな市民生活のさらなる向上につながるというふうに考えているところでございます。地域交流センターにつきましては、現在、それぞれの地域における、地域づくりの活動の支援に関する事業や、生涯学習や社会教育の推進に関する事業を行いますと同時に、旧山口市地域の大殿、白石、湯田並びに旧町以外の地域交流センターにおきましては、住民の皆様に身近な行政窓口サービスを提供いたしておりまして、本市の地域振興や地域づくり、市民サービスの提供に大変重要な役割を果たしているところでございます。このたびの組織改編における、総合支所の機能強化に伴いまして、今後、市内21地域の地域交流センターと総合支所、そして本庁がどのような形で連携をいたし、また地域交流センターがどのような役割を果たしていくのかにつきましては、地域の拠点としての役割や、そのあり方、さらには市民の皆様のさらなる利便性の向上、行政窓口サービスの充実等につきまして、総合的に勘案しながら、よりよいあり方を今後ともさらに検討してまいりたいと考えております。現在、大内地域交流センターにつきましては、増築整備の検討を進めておりますことから、整備に当たりましては、地域の皆様に愛され、利用しやすい施設となりますように、地域の皆様の御意見、御要望をしっかりとお伺いいたしながら、地域の活性化の拠点となりますよう、充実整備を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(重見秀和議長) 以上で、山本敏昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  本日の一般質問並びに質疑は、これをもって終了いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。再開は、明28日午前10時であります。                  午後2時28分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  重 見 秀 和                    会議録署名議員  桜 森 順 一                    会議録署名議員  伊 藤 青 波 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....