○議長(林透君) 質疑なしと認めます。 ただいま議題となっております議案第1号ほか43件は、お手元に配付の
議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。────────────────────────────────────────
△市長の施政方針
○議長(林透君) 日程第47 議案第10号「令和2
年度下関市
一般会計予算」から、日程第67 議案第30号「令和2
年度下関市
ボートレース事業会計予算」までの21件を一括議題といたします。 議案第10号 令和2
年度下関市
一般会計予算 議案第11号 令和2
年度下関市
港湾特別会計予算 議案第12号 令和2
年度下関市
臨海土地造成事業特別会計予算 議案第13号 令和2
年度下関市
渡船特別会計予算 議案第14号 令和2
年度下関市
市場特別会計予算 議案第15号 令和2
年度下関市
国民健康保険特別会計予算 議案第16号 令和2
年度下関市
土地取得特別会計予算 議案第17号 令和2
年度下関市
観光施設事業特別会計予算 議案第18号 令和2
年度下関市
漁業集落環境整備事業特別会計予算 議案第19号 令和2
年度下関市
介護保険特別会計介護保険事業勘定予算 議案第20号 令和2
年度下関市
介護保険特別会計介護サービス事業勘定予算 議案第21号 令和2
年度下関市
農業集落排水事業特別会計予算 議案第22号 令和2
年度下関市
母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 議案第23号 令和2
年度下関市
後期高齢者医療特別会計予算 議案第24号 令和2
年度下関市
市立市民病院債管理特別会計予算 議案第25号 令和2
年度下関市
公債管理特別会計予算 議案第26号 令和2
年度下関市
水道事業会計予算 議案第27号 令和2
年度下関市
工業用水道事業会計予算 議案第28号 令和2
年度下関市
公共下水道事業会計予算 議案第29号 令和2
年度下関市
病院事業会計予算 議案第30号 令和2
年度下関市
ボートレース事業会計予算
○議長(林透君) 提案理由の説明を求めます。前田市長。 〔市長
前田晋太郎君登壇〕
◎市長(
前田晋太郎君) 本日ここに、令和2年度当初予算案を初めとして、諸議案の御審議をお願いするに当たり、市政運営に臨む所信の一端を申し上げるとともに、その概要について御説明をいたします。 私は市長に就任以来、「希望の街・下関」の実現に向け、改革への挑戦の思いを胸に、全力で市政運営に取り組んでまいりました。長年の懸案でありましたウオーターフロント開発については、あるかぽーと地区へのホテル事業者として、株式会社星野リゾートを誘致したほか、下関港が国際旅客船拠点形成港湾、いわゆる国際クルーズ拠点港に指定され、
長州出島において大型クルーズ船受け入れ拠点の整備に着手いたしました。下関の総力を結集し、人口減少に負けない持続可能な都市機能を強化することで、人口減少に歯どめをかけ、活力と魅力あふれるまちづくりを進めてまいります。 また、小中学校のトイレの洋式化やエアコンの設置、本市が誇るS級グルメを集めた、しものせき海響グルメフェスを初めて開催し、多くの来場者に楽しんでいただくなど、目標達成に向けて、一つ一つ着実に前進することができました。このように、さまざまな行政課題について議論を深めながら市政を進めることができましたのは、市議会を初め、市民の皆様の御理解と御支援のたまものと心から厚く御礼申し上げます。 さて、国においては、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、未来への投資と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後を見据えた、経済活力の維持・向上を柱に、令和元年度
補正予算と令和2
年度予算における臨時・特別の措置を組み合わせた、15カ月予算を編成し、機動的かつ万全の対策を講じることとしています。 また、人生100年時代をしっかりと支えるべく、新たな経済、社会システムづくりが進められているほか、SDGsアクションプラン2020において、あらゆる人々が活躍できる社会の実現に向けた施策が示されているところです。そのような中、私はふるさと下関が、令和という新しい時代にあっても、活力あるまちであり続け、市民の皆様が夢を語り、希望をかなえることのできる「希望の街・下関」の実現に向けて、引き続き取り組みを進めてまいります。 それでは、令和2年度当初予算に掲げております諸施策の概要について、まず、特に力を入れて取り組む四つの重点施策を、説明させていただきます。 重点施策の一つ目は、「市街地の賑わい創出」です。豊かな自然と都市機能を融合させることで、まちの魅力を高めるとともに、さらなるにぎわい創出につながる取り組みを進めます。 下関駅周辺から火の山の海峡沿いを中心とした地域については、令和元年度から若手市職員と市民や民間事業者の皆様が主体となって進めている、まちの魅力再発掘プロジェクトを次のステージへ進め、令和2年度は当該地域のにぎわいや回遊性を確保するためのエリアビジョンを策定します。あわせて、下関駅周辺エリアにおいて、魅力あるスポットをつなぎ、新たなにぎわいルートを創出するモデルの開発に取り組むとともに、唐戸エリアにおいては、本庁舎市民広場にカフェを誘致し、民間事業者の実績やノウハウ等を生かしつつ、海峡沿いエリアにおけるにぎわいの創出を図ります。 また、岬之町地区の開発に必要な調査を実施するとともに、あるかぽーと地区においてはホテル開業にあわせたにぎわい通りの整備等、周辺地区の回遊性を高めるための検討を行い、市民の皆様や観光客等、誰もがくつろぎ、交流のできる環境整備を進めます。 火の山地区については、みもすそ川公園及び関門トンネル人道入り口周辺から山頂に至る観光施設全体の再編についての調査結果を踏まえ、かねてより懸案事項でありました施設整備に向けた基本構想を策定します。 本年5月に聖火を掲げたランナーが本市を駆け抜け、いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開幕します。本市出身の選手や本市が事前キャンプ地に決定しているトルコ共和国柔道代表チームを初め、全ての選手の方々に心からのエールを送りたいと思います。また、この大会を大勢の人がスポーツを通じた感動を共有し、一体感を高める絶好の機会と捉え、多くの市民の皆様に世界レベルでのスポーツを身近に感じ、楽しんでいただけるよう、大会期間中に海峡沿いエリアにおいて、誰もが自由に観戦し、選手を応援することができるイベントを開催します。 重点施策の二つ目は、「くじらの街 日本一の推進」です。昨年7月から商業捕鯨が再開され、10月には下関港で再開後初となる、鯨肉の陸揚げが実施されました。今後さらなる鯨肉の消費拡大を図るため、関係団体と協力して鯨を取り扱う店舗への支援を行うとともに、引き続き学校給食への提供を実施します。 また本市において、全国鯨フォーラム2020を開催するなど、市民の皆様と一緒になって、くじらの街下関を全国にアピールします。さらに、捕鯨母船日新丸の母港化を目指し、現在、国が検討を進めている新船建造の本市への誘致に取り組むとともに、捕鯨船団の下関港での係留や船員の本市への移住に対する支援等、受け入れ体制を強化します。 重点施策の三つ目は、「若者・子育て世代への支援」です。若者世代をターゲットにさらなる定住、移住に向けた取り組みの強化を図るほか、子育て世代を強力に支援します。若者世代については、引き続き、しものせき未来創造jobフェアの開催や、しものせきjobnetアプリを活用した地元就活情報の発信に努めます。また、若者の地元就職を後押しする奨学金返還支援制度のPR強化を図ります。さらに、就職氷河期世代を含む幅広い世代の活躍の場を広げ、市内中小企業の人材不足に対応するため、両者のマッチング等に取り組みます。 子育て世代については、子供を安心して産み育てる支援を進めます。子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、乳幼児医療費助成制度を拡充し、小学校入学前の全ての児童の医療費を無料化します。 また、宿泊等を伴う子育て短期支援事業においては、制度や受け入れ体制を拡充し、子供を預けやすくすることで、多様化する子育て家庭のニーズに応えます。 本庁舎東棟においては、1階全体を子育て支援フロアと位置づけ、子育てに関する相談・支援体制を充実するとともに、子育てに関するさまざまな情報を発信・交換する場として、親子ふれあい広場を設置し、子育てについての不安感や孤独感の軽減を図ります。 放課後児童クラブについては、待機児童の解消を図るため、専用棟を建設するなど施設整備や運営の充実を図ります。 幼稚園、保育園、こども園においては、現在、小中学校で運用している、きらめきネットコムを活用して、各園から園児の安全・安心に係る情報を速やかに、保護者へ一斉にメール配信するシステムを構築し、保護者の皆様が安心して働くことができる環境をつくります。 子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき、新たに子供の貧困対策計画を策定するとともに、子供の居場所づくりとして地域の中に少しずつ広がりを見せている地域食堂や学習支援といった取り組みを行う団体への支援を行います。 小中学校については、「Society5.0」に向け、ICT活用が学びのスタンダードへと変わっていく中で、時代に取り残されず、夢を実現し活躍できる人材、地域社会に貢献できる人材を育成するため、まず小学校五、六年生及び中学校1年生を対象に、児童、生徒1人1台のタブレット端末を配備するほか、普通教室等への電子黒板の導入を進めます。 老朽化した校舎等については、施設の長寿命化を進めるとともに、トイレの洋式化や施設の計画的な維持改善に取り組み、安全・安心な教育環境の整備をさらに推進します。 また国により、本年10月から定期接種化されるロタウイルスワクチン接種について、本市は既に本年1月より、任意接種に対し半額助成を実施しており、引き続き経済的負担の軽減を行い、接種の促進を図ります。 重点施策の四つ目は、「暮らしやすい生活環境・基盤の充実」です。市民の皆様の利便性の向上を図り、安全で快適な生活を守るため、新たな生活環境・基盤の充実に取り組みます。 中でも、公共交通については、下関市総合交通戦略に基づき、バス利用者の利便性の向上を図るため、バス交通系ICカードシステムの導入を促進します。 新たな移動支援策の取り組みについては、路線バス等の既存公共交通を補完するAI乗合タクシーの実証実験を行います。 また、令和2年1月に策定した下関市立地適正化計画における居住誘導区域内において、宅地開発を行う民間事業者に対して支援を行い、良好な住環境の整備を促進します。 市営住宅については、安全で良質な団地への再生を進めるため、建てかえ・改善事業の推進を図ります。特に白雲台団地において、建てかえ事業に着手するとともに、下関駅周辺地区に位置する市営住宅の効果的かつ効率的な建てかえを推進し、安心で活気ある魅力的な住環境を整備することを目的とした団地再生計画を策定します。 防災対策については、国土強靭化に係る基本法等に基づき、被災時の人命保護を最優先に、国民の財産や公共施設等の減災・縮災を目指します。このため大規模自然災害等による被害回避及び迅速な復旧復興対応策等の指針となる国土強靭化地域計画を策定します。 光ブロードバンド未整備地区については、引き続き光ブロードバンド整備を行う通信事業者を支援し、地域住民の生活や地元企業の活動に必要な通信環境整備に努めます。 また、多文化共生による地域づくりを推進するため、新たに国際交流計画を策定し、増加し続ける外国人住民の方を含む誰もが、地域社会の中でともに働き、学び、暮らすことができる環境づくりに取り組みます。 以上、令和2年度の重点施策を御説明いたしました。 続きまして、その他の主要な施策について、「活力」、「賑わい」、「優しさ」「安心」の四つの視点から御説明申し上げます。 第一は、「活力邁進 下関」です。活力みなぎるまちを実現するためには、経済活動の基盤となり多様な就業の場を提供する地域産業の活性化を図ることが重要です。このため、本市の強みである多彩な地域資源を生かし、地域経済に刺激を与え、農林水産業を初め、各種産業の活性化や市民生活の豊かさの向上を図ります。 農業の担い手育成については、新規就農者対策として、引き続き就農初期の経営支援に加えて、県外からの移住就農者の確保に向けた取り組みを実施するとともに、新たな対策として、地域の青年農業者等による農業体験を通じた就農相談体制の充実を図ります。 また、生産流通基盤の整備については、重点推進作物の産地拡大対策として、新たな担い手の受け入れと生産拡大に必要な取り組みを支援し、担い手の確保及び農家所得の向上を図ります。 林業については、令和元年度に施行された森林経営管理法に基づき、私有林の適切な管理が図れるよう森林経営管理システムを構築し、森林が有する多面的機能の増進を図ります。 また、近年深刻な状況にある鹿やイノシシ等による農林作物への被害については、新たにICT技術を活用した有害獣捕獲や被害の著しい地区における大規模捕獲を実施し、捕獲対策の強化に取り組みます。 水産業については、南風泊市場高度衛生管理型荷さばき所の本設工事に着手するとともに、令和2年度末に竣工予定の下関漁港の高度衛生管理型荷さばき所等の整備を県とともに推進し、本市水産業の再生、強化を図ります。 沿岸漁業の推進については、栽培漁業センターにおいて、将来ブランド化が見込まれるなど、付加価値の高い魚種の資源回復を図るため、アワビやアカウニ等の中間育成やクルマエビの放流効果の実証実験、令和元年度から開始したバフンウニの育成試験を引き続き実施するとともに、水産大学校や民間事業者と連携した、新たな人工飼料の開発等、沿岸漁業者の所得向上に向けた取り組みを進めます。 担い手対策については、漁業技術習得等の支援を行い、後継者の確保、育成を引き続き推進します。 水産物の需要拡大については、大都市圏等での「下関ふく」を初めとした、水産物の販売促進イベントを開催するとともに、下関漁港を起点とした、新たなにぎわい創出のための仕組みづくりを引き続き検討します。 エキマチ広場周辺におけるにぎわい創出については、シーモール前歩道でのキッチンカーと屋台による物販イベント等に加えて、新たに文化や芸術をテーマにしたイベントを開催します。 さらに、本市が誇るS級グルメを堪能する、しものせき海響グルメフェスを引き続き開催し、市内外からたくさんの方が訪れる本市の食の一大イベントになるよう取り組みを進めます。 創業支援については、引き続き創業支援カフェKARASTA.及び空き店舗のマッチングステーションGRESTA.による創業から開店までの一貫した支援を行うとともに、商店街のにぎわいの創出に取り組みます。 近年増加している外国人観光客の受け入れについては、SNS等を活用した海外への情報発信を強化するとともに、商店街等におけるインバウンド需要を取り込むための事業や環境整備の支援を拡充するなど、体制の強化を図ります。 港湾の振興については、下関港の利用拡大に向けた、新たな支援制度を創設するとともに、引き続き地元事業者と連携して、国内外の荷主、物流事業者、船会社等に向けたポートセミナーやポートセールスを戦略的に展開し、集貨や新たな航路誘致に努めます。 また、
長州出島においては、産業振興用地の売却促進策として、民間企業が持つ情報量やネットワーク等を存分に活用した制度を取り入れ、実効性の高い誘致活動を実施します。 第二は、「賑わい邁進 下関」です。本市への集客とにぎわいを生み出す回遊連鎖を図るため、本市が有する芸術、文化、食、観光、スポーツ等、数多くの地域資源を融合した、本市ならではの観光施策を推進します。 観光交流都市下関の実現を目指すため、下関市観光交流ビジョン2022に掲げる観光客数1,000万人、宿泊客数100万人の目標達成に向けて、多様化する観光客のニーズ、社会情勢等の変化、増加する訪日外国人観光客といった諸課題に官民一体となって、柔軟に対応した実効性の高いさまざまな観光振興戦略を展開していくとともに、下関観光コンベンション協会を初め、関係団体と協力してコンベンション誘致に取り組みます。 また、令和元年度に観光庁のモデル事業で、下関歴史VR探索マップを制作しました。今後は官民一体での取り組みを進展させ、本市の強みである歴史をテーマに、世界最先端のVR技術を最大限に活用し誘客を図り、市内観光地の回遊性向上を目指します。 東京2020オリンピック競技大会のトルコ柔道代表チーム事前キャンプ地として、選手をサポートするとともに、市民の皆様と地元出身のメダリスト等との交流事業を実施します。 あわせて、スポーツ合宿等の誘致について、全日本強化指定選手等が所属するトップスポーツ団体も対象団体に加えた、宿泊費の助成を引き続き実施します。 また、歴史のまち下関市の原点回帰の一つとして、横浜DeNAベイスターズの本市でのオープン戦の継続的開催を目指すとともに、将来的な公式戦誘致に向けて取り組みます。 クルーズ客船誘致については、MSCクルーズ社と連携して、国際クルーズ拠点港の指定による整備を着実に進めるとともに、寄港地決定に影響力を持つキーパーソン等が集まる世界最大の商談会に出展するなど、クルーズ誘致活動を強化し、寄港数の増加を目指します。また、市民生活の安全安心を第一に、寄港したクルーズ客船の乗船客が本市を回遊し、多くの経済効果が波及するよう、受け入れ環境の充実を図ります。 体育施設の整備については、本市スポーツ振興の中心的役割を担い、イベント等も開催できる県内最大級のメーンアリーナを備えた新総合体育館の整備を目指し、引き続き取り組みを進めます。 豊田地区においては、地域の拠点である道の駅「蛍街道西ノ市」を核とした、地方創生事業に令和元年度から着手しており、新たなホタル舟の建造や本市でのほたるサミットの開催等、引き続き交流人口や観光消費額の拡大を図るほか、地元特産品を活用した新商品の開発を行うなど、販路拡大と生産者の所得向上に努めます。また、引き続き道の駅温浴施設の改修を行い、利用者満足度の向上を図ります。 菊川地区においては、高齢農業者の負担軽減を図るため、生活バスに、乗客だけでなく小日本ふるさと市に出荷する野菜等も積載して運搬するサービスの導入に向けて、試行運行に取り組みます。 豊浦地区においては、市民と来訪者の交流の場である川棚温泉交流センターが開館10周年を迎えることから、記念コンサート等を開催します。 豊北地区においては、本市の主要な観光資源である角島大橋が開通20周年を迎えることから、つのしま夕やけマラソンを記念大会として実施します。 ボートレース事業については、令和2年度は「SG第66回モーターボート記念競走」並びに「G1開設66周年記念競帝王決定戦」の開催を予定しており、引き続き市財政へ貢献できるよう、さらなる収益の向上に努めます。 第三は、「優しさ未来 下関」です。誰もが健やかに、安心して生きがいのある生活を送り、活躍できるまちづくりを推進するため、安全で質の高い保健、医療、福祉サービスを確保するとともに、市民の皆様全てがともに学び、楽しみ、未来を開くことができる教育環境の充実を図ります。 高齢者福祉については、高齢者が住みなれた地域や家庭で生きがいを持って暮らし続けられるよう、介護予防・日常生活支援総合事業を初め、在宅医療・介護連携、認知症施策等の充実を図り、地域包括ケアシステムの構築に引き続き取り組みます。また、在宅介護をしている方に、介護の知識や技術の普及を目的とした介護入門講座を開設します。 地域福祉については、成年後見制度の利用促進に向けた協議会を設置し、認知症、知的障害、精神障害等の理由により、判断能力が不十分な市民の方の福祉サービス利用や意思決定支援を行う仕組みの充実強化に取り組みます。 障害者福祉については、下関市障害者計画等に基づき、適正な障害福祉サービスの提供と地域生活や社会参加に対する支援の推進に努めます。 また、手話の普及及び習得の機会をより一層促進するため、手話言語条例の制定に取り組みます。 介護保険については「第7期下関市介護保険事業計画」に基づき、地域密着型サービスを初めとする介護サービスの充実に努めるとともに、令和3年度からの3年間を計画期間とする第8期下関市介護保険事業計画を策定します。 また、人口減少と高齢化の進行により、介護人材の不足が深刻化していることから、介護職員の業務負担の軽減、介護事業所のイメージアップを図るため、介護人材の確保・定着に取り組みます。 生活困窮者の自立支援については、ひきこもり状態にある方が安心して利用できる居場所づくりを行うなど、社会参加や就労につながる新たな支援に取り組みます。また、引き続き自立相談支援や就労準備支援等を実施するとともに、学習支援の場所を増設します。 医療については、持続可能で良質な医療提供体制を確立するため、地域医療構想により、引き続き地域の医療機関等関係者による協議を進めるとともに、昨年策定した下関市地域医療の確保に関する基本計画に基づく取り組みとして、地域医療を守るための研修会や上手な医療のかかり方のセミナーを開催するなど、地域医療や救急医療の体制の充実を図ります。 また、骨髄等の移植の推進を図るため、骨髄等を提供する方の経済的負担を軽減する支援制度を創設します。 特別支援教育については、支援員の増員を行い、障害のある児童生徒への発達段階に応じた、きめ細やかな指導や支援ができる環境づくりを推進します。 学校給食施設については、老朽化が著しい南部学校給食共同調理場と自校方式給食室を再編し、民設民営方式により整備を進めます。 下関市立大学については、インクルーシブ教育に関する取り組みを支援するとともに、地域や学生のニーズをくみ取り、地域の活性化につながる新たな学部・学科の設立を検討します。また、大学等における修学の支援に関する法律の令和2年度からの施行に伴い、下関市立大学が実施する入学金や授業料の減免相当額を交付します。 第四は、「安心未来 下関」です。市民生活の安全を守り、快適に安心して暮らすことのできるまちづくりを進めます。 下関北九州道路については、早期実現に向けて要望活動を引き続き行うとともに、企業等へヒアリングを行うなど、必要な調査を実施します。 山陰道についても、俵山・豊田道路の整備促進を図るとともに、長門・下関間の全区間の早期事業化に向けて、引き続き要望します。 市街地における駐車場については、社会経済情勢や土地利用の変化等に対応するため下関市駐車場整備計画を見直すとともに、観光シーズンや土日祝祭日等に発生する交通渋滞問題への課題解決に向けた調査等にも取り組みます。 公園については、乃木浜総合公園整備を引き続き実施し、令和3年春の供用開始を目指して、グラウンドゴルフ施設の整備を行います。 道路については、交通事故防止対策として通学路の横断歩道のカラー舗装化を実施するとともに、市街地の視覚障害者誘導ブロックの整備を推進します。 民間住宅については、定住人口の増加や住宅市場の流通促進による良質な住宅ストックの形成と住環境の向上を図るため、中心市街地においては、引き続き若者世帯や子育て世帯への新築住宅の購入支援を行います。さらに、移住者に向けた住宅の購入支援を創設し、多世代にわたる地域コミュニティーの形成とまちのにぎわい創出に取り組みます。また、住宅や空き家の問題解決及び利活用の促進に取り組む団体への支援を行い、民間のノウハウや地域に根差した活動を生かした良好な住環境の整備を促進します。 一般廃棄物処理施設については、リサイクルプラザ、奥山工場の延命化を図るため、長寿命化総合計画を策定するとともに、同計画に基づき、リサイクルプラザの基幹的設備改良に取り組みます。 地域コミュニティーの活性化については、令和元年度に策定した第2次下関市住民自治によるまちづくり推進計画に基づき、地域の課題解決及び地域活性化に取り組むまちづくり協議会に対し、活動支援等を行います。 また、市政情報を初め、まちづくり協議会や小中学校の行事予定等を中心とした地域の情報、日常の生活に便利な情報や災害時に役立つ情報等を集約し、一元的かつタイムリーに市民の皆様へお届けするスマートフォンアプリを開発します。 防犯対策については、地域における防犯体制の強化を促進するため、通学路等に防犯カメラを設置する自治会等の団体に対する支援を開始します。 消防については、会話による119番通報が困難な聴覚・言語機能障害者に対し、スマートフォン等で音声によらない緊急通報ができるシステム「Net119」を整備します。 また、消防施設の改修や消防車両の更新整備等、施設及び装備の充実による消防力強化を図り、市民の皆様の安全・安心を確保するとともに、地域防災力の中核を担う
消防団員にトランシーバーや活動用保護具を配備し、災害活動の充実強化を図ります。 近年全国各地において、集中豪雨等による河川の氾濫が多発しており、対応が必要な河川については早急に整備を進めるとともに、五つの二級河川――木屋川、田部川、綾羅木川、友田川、武久川について、想定し得る最大規模の降雨を前提とした洪水ハザードマップへの更新を行います。 公共施設マネジメントについては、平成30年度に策定した公共施設の適正配置に関する方向性に基づき、住民や関係者の皆様と対話を図りながら総合的かつ計画的に進めます。 安岡公民館、支所については、園芸センター敷地内に移転し、図書館機能も備えた複合施設の整備を目指し、民間の資金やノウハウを積極的に活用するPPP/PFI手法の検討を行います。 以上、令和2年度に取り組む主要な施策を説明いたしました。 令和2年度は、第2次下関市総合計画後期基本計画及び第2期下関市まち・ひと・しごと創生総合戦略がスタートする重要な年であります。これらの計画に込められた市民の皆様の期待をしっかりと受けとめ、新たなまちづくりに向け、力強く第一歩を踏み出します。そして、安全・安心で豊かな市民生活の確保を目指し、身近な生活環境の課題解決に向けた歩みを着実に進めつつ、時代の機運を的確につかんだ施策を推進するとともに、長期的な展望に立ったまちづくりに邁進してまいります。 私は就任4年目となる令和2年度も熱意とスピード感を持って市政運営に取り組むとともに、さまざまな課題にも真摯に向き合い、未来につながる希望の風を感じ取っていただけるよう、全力を傾注してまいります。 議員各位並びに市民の皆様におかれましては、より一層の御支援、御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。 最後になりますが、議長にこのたびお許しをいただきまして、議員の皆様方を初め、市民の皆様方に関心の高いコロナウイルスについて、私のほうから、原稿もありませんけれども、少しお話をさせていただきたいと思います。 現在、報道等で、皆様方、コロナウイルスの状況というのはお聞きされていると思います。我々、対策本部も連日開催し、緊張感を持って執行部一丸となって、今取り組んでいるところでございますけれども、幸いにして、今現状では発生者は市内に一人もいません。ただ市民の皆様は、非常に心配をされていらっしゃるので、さまざまなうわさ等々が流れていると思いますけれども、それは議員の皆様からも、しっかりと説明をしていただきたいと思っております。そして昨日、総理から、全ての公立の小中高について春休みまでの期間延長といいますか、休校の要請が各自治体にございまして、けさ方、我々も教育委員会と三役で協議をさせていただきまして、先ほど発表させていただきましたけれども、3月2日月曜日の11時から、26日の木曜日まで、臨時で休校という措置をとらせていただきました。この対応に対しては、民間の皆様からさまざまな反応は当然あろうかと思います。共働きの家庭もございますし、母子家庭の方々、非常に困っている方々もいらっしゃることは、私も十分に理解をしております。しかしながら、今回のコロナウイルスというのは、我々の想像を超える感染力の強さ、また潜伏期間の長さ、さまざまなそういった要素が背景にある中で、下関は1件もございませんけれども、今後、いかなることがあっても、子供たちの命をしっかりと守る。もしも休校せずに発生をしてしまっていたら、同じように、バタバタと休校させてしまって、なおかつ病院の対応とか、薬があるないとか、そういうことで、また市民を混乱に招いていくおそれもありますので、今回の決断は、痛みを伴いますけれども、市民の皆様、そして子供たちの命を第一優先に考える措置として、どうか議員の皆様方にも暖かい御理解をいただきたいと思いますし、情報共有を初めとして、ここは我々執行部と議員が一致団結をして、市民の皆様を守っていくという強い信念を持って、この議会にも臨みたいと考えておりますので、温かい御理解をいただければと思います。 そのことを皆様方に、心を込めてお伝えをいたしまして、私の施政方針とさせていただきます。どうぞ今議会よろしくお願いいたします。
○議長(林透君) 続きまして、三木副市長。 〔副
市長三木潤一君登壇〕
◎副市長(三木潤一君) 令和2年度は、令和という新しい時代にふさわしい「希望の街・下関」の実現を目指し、未来世代に誇れる活力あるまちづくりを推進するための諸施策を展開してまいります。 そのため、予算編成に当たりましては、希望の街実現枠を設定するとともに、「市街地の賑わい創出」、「くじらの街 日本一の推進」、「若者・子育て世代への支援」、「暮らしやすい生活環境・基盤の充実」について、重点的に力を入れてまいります。 また、本市の財政状況は、基金残高の減少が続く大変厳しい状況が続いていますが、行財政運営と改革の基本方針に基づき、下関せんたく会議による組織、施設、事業の見直しにより、施策の新陳代謝を図るとともに、令和2年度から令和6年度を期間とする財政健全化プロジェクトⅢ期計画にのっとり、財政の持続可能性の確保と新たな施策形成を両立させる取り組みも進めてまいります。 予算の規模としましては、一般会計は、前
年度予算に比べて0.2%増の約1,148億円となっております。 また、特別会計の合計は、他の会計の公債費と重複する公債管理特別会計を除き、前
年度予算対比0.4%減の約762億円、企業会計の合計は、前
年度予算対比23.4%増の約1,240億円となっております。 以下、予算の内容につきましては、お手元に配付いたしております予算議案説明等を御参照いただき、よろしく御審議をお願いいたします。
○議長(林透君) ただいま議題となっております議案第10号ほか20件につきましては、前田市長、三木副市長より提案説明がありましたが、これに対する質疑は、各会派代表質問及びその関連質問並びに個人質問として、3月3日以降の本会議において行います。────────────────────────────────────────
△議席の一部変更
○議長(林透君) 日程第68 「議席の一部変更について」を議題といたします。 会派所属議員に異動がありましたので、議席の一部を変更いたしたいと思います。 お諮りいたします。議席については、お手元に配付の変更議席表のとおり、その一部を変更することに御異議ありませんか。 〔なし〕
○議長(林透君) 御異議なしと認めます。よって議席については、変更議席表のとおりその一部を変更することに決しました。 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。────────────────────────────────────────
△散会 -10時57分 散会-──────────────────────────────────────── 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。 令和2年2月28日
下関市議会議長 林 透 ───────────────────────────────
下関市議会議員 田 辺 よし子 ───────────────────────────────
下関市議会議員 林 真一郎 ───────────────────────────────...