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12月03日-02号

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  1. 鶴岡市議会 2020-12-03
    12月03日-02号


    取得元: 鶴岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和  2年 12月 定例会令和2年12月3日(木曜日) 本会議 第2日出欠席議員氏名  出 席 議 員 (29名)    1番   長 谷 川     剛         2番   坂  本  昌  栄    3番   山  田     守         4番   菅  井     巌    5番   加  藤  鑛  一         6番   草  島  進  一    8番   中  沢     洋         9番   田  中     宏   10番   石  井  清  則        11番   加 賀 山     茂   12番   小  野  由  夫        13番   秋  葉     雄   14番   富  樫  正  毅        15番   黒  井  浩  之   16番   五 十 嵐  一  彦        17番   菅  原  一  浩   18番   尾  形  昌  彦        19番   佐  藤  昌  哉   20番   本  間  正  芳        21番   阿  部     寛   22番   石  塚     慶        25番   小 野 寺  佳  克   26番   本  間  信  一        27番   野  村  廣  登   28番   齋  藤     久        29番   渋  谷  耕  一   30番   佐  藤  文  一        31番   佐  藤  博  幸   32番   本  間  新 兵 衛  欠 席 議 員 (なし)              出席議事説明員職氏名 市     長  皆 川   治         副  市  長  山 口   朗 総 務 部 長  高 橋 健 彦         企 画 部 長  阿 部 真 一 市 民 部 長  五十嵐 浩 一         危 機 管 理 監  早 坂   進 健 康 福祉部長  渡 邉   健         農 林 水産部長  高 橋 和 博 商 工 観光部長  佐 藤 正 胤         建 設 部 長  村 上 良 一 病院事業管理者  三 科   武         荘 内 病 院  佐 藤 光 治                          事 務 部 長 上 下 水道部長  佐 藤   真         消  防  長  大 川   治 会 計 管 理 者  東海林   敦         羽黒庁舎支所長  伊 藤 義 明 櫛引庁舎支所長  佐 藤   浩         朝日庁舎支所長  土 田 浩 和 温海庁舎支所長  粕 谷 一 郎         教  育  長  布 川   敦 教 育 部 長  石 塚   健         監 査 委 員  長谷川 貞 義 監 査 委 員  佐 藤 文 一         農業委員会会長  渡 部 長 和 選挙管理委員会  渡 部 君 子 委     員              出席事務局職員職氏名 事 務 局 長  丸 山 一 義         事 務 局 主 幹  小 林 雅 人 庶 務 主 査  山 口 喜兵衛         庶 務 係専門員  佐 藤 直 子 議 事 主 査  高 橋   亨         議 事 係 長  進 藤 夕 子 調 査 主 査  齋 藤 正 浩         調 査 係 主 事  菅 原 彩 紀              議事日程議事日程第2号    令和2年12月3日(木曜日)第 1  一 般 質 問              本日の会議に付した事件(議事日程のとおり) △開議 (午前10時00分) ○議長(本間新兵衛議員) おはようございます。 ただいまから本日の会議を開きます。 本日の欠席届出者はありません。出席議員は定足数に達しております。 本日の議事は、議事日程第2号によって進めます。 △日程第1 一般質問 ○議長(本間新兵衛議員) 日程第1 一般質問を行います。 一般質問は、配付してあります順序表によって順次発言を許します。 なお、会派の持ち時間終了の10分前にブザーで時間の経過をお知らせします。  坂 本 昌 栄 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 2番坂本昌栄議員。  (2番 坂本昌栄議員 登壇) ◆2番(坂本昌栄議員) おはようございます。 通告に従い、一問一答により質問いたします。 介護保険事業計画について、1つ目に介護保険認定の在り方と適正な認定についてお聞きいたします。 本市は、高齢化率が全国の26.3%、山形県の30.6%を上回る31.9%となっており、高齢者における後期高齢者の割合は55.2%となっています。介護認定率は平成30年度で19.6%、令和元年19.4%、令和2年は19.3%と推移しています。 第2次鶴岡市総合計画では、2029年3月の介護認定率の成果目標を19%と掲げています。第1回鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会では、介護保険をよりよく適正に使うために、介護保険事業の適正な運営を施策に掲げています。 現場の介護従事者からは、高齢者はよい状態のときも悪い状態のときもあり、よい状態に必要な支援を考えるだけではなく、悪い状態で必要となる最大の支援を考えるべきと捉えているようです。 介護事業者より、介護保険の認定が軽減することにより施設退去を余儀なくされたという切実な声が届いていますので紹介します。 介護老人保健施設に入所の要介護1の方ですが、ふだんは車椅子で移動しています。認定日はリハビリをしており、専門職員の付添いの下、歩行器を使用し練習をして、やっと歩いています。もちろん1人で歩けるわけもなく、生活に変化は見られていませんが、結果は要支援2の判定となりました。要介護以上の方しか入所できない介護老人保健施設にはとどまれず、施設職員が期間までに有料老人ホームを探し入所となりました。本人は、家族に負担金が増えることで申し訳ないと泣いていたそうです。介護老人保健施設では車椅子生活でしたが、有料老人ホームでは歩行器での自主歩行となることから、何度か転倒を繰り返しているそうです。現在は大きなけがにはなっていませんが、転倒により骨折や頭の打撲等が起きると、要介護1以上の状態になりかねないと危惧しています。現在は、本人に見合った介護認定を必要としていることから変更申請を行っているようです。 介護認定において、現状認識よりも成果目標に向けた適正化になっているのではないかと懸念されます。今年に入り同じような事例がある中で、介護保険の認定の在り方、適正な認定の適正とは何を示しているのか見解を伺います。 2つ目に、鶴岡市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画の策定に当たり、総合事業住民主体通所型サービスB事業の補助金交付の見直しについてお聞きします。 住民主体通所型サービスB事業事業費補助金交付要綱3項では、補助金の交付要件を(1)2時間以上のサービスを週2日以上開催すること。(3)では、月1回以上の保健・医療の専門職による指導を受けることとなっており、4項補助金の額では、保健・医療の専門職が対応した場合は、8,000円に当該対応した回数(月1回、年12回を上限)を乗じて得た金額を加算するものとなっています。 上郷地区のちよさんの家では、世話人会を組織し、週2回火曜日と金曜日、年90回ほど実施しています。世話人会は地域の住民13人が担っていますが、地域の若年層は働きに出ており、高齢者が主体となっています。その中で、週2回のプログラムを組むことは困難を極めており、年90回ほど開催している中で、約50から55回ほど、事業数の55.5から61.1%で、2回に1回は専門職の方から来ていただき、指導を受けているからこそ4年間継続しています。 通所されている方々からは、2年ほど経過した頃からつまづきがなくなった、夜中や明け方にこむら返りをしなくなった、肩凝りがなくなり体が軽くなったとの声が上がっています。 また、ちよさんの家世話人会では、認知症になった方でも独りぼっちにしないために、認知の状況やその日の対応などの情報を共有して受入れを行い、介護予防の実践がされています。専門職による指導があるからこそ、週2回の住民主体通所型サービスB事業が成り立ち、鶴岡市の先駆的事例と言われるほどになりました。世話人会だけでは途中挫折し、4年間の継続は不可能だったと思うとの訴えです。 専門職から年50から55回指導を受けていながら、市の補助金の交付要綱にのっとり、謝金(報酬)は上限の12回のみ、指導回数の22から24%です。厚意とはいえ、専門職の方々の仕事への影響を考えると、これでいいのか疑念が絶えません。住民主体型サービスB事業を推進する上で、専門職の支援を受けることも可能となれば、地域住民団体も安心して手挙げができるのではないかと考えます。 ちよさんの家におけるこれまでの専門職の指導効果とその回数の実績から鑑みて、補助金交付要件の専門職謝金(報酬)を当面上限を24回に引き上げ、さらに整合性のある見直しを検討されるべきと考えますが、見解を伺います。 3つ目に、鶴岡市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画策定に当たり、医療依存度の高い高齢者が暮らせる看護小規模多機能型居宅介護介護医療院等の新設や支援について伺います。 看護小規模多機能型居宅介護は、医療ニーズの高い利用者の状況に応じたサービスの組合せによる地域における多様な療育支援を行うことを目的として、平成24年4月に訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせて提供するサービスを複合型サービスとしていましたが、平成27年度介護報酬改定において、看護小規模多機能型居宅介護と名称を変更した事業です。 医療依存度の高い高齢者が暮らせる施設要望は、平成30年3月議会でも事例を挙げて一般質問させていただきましたが、いまだその方々は酒田市の施設に入所をしており、家族の方は休日を利用して往復しています。今でも本市の施設新設を強く要望していますが、本市ではこの間に介護医療院が1か所(10床)開設したのみです。看護小規模多機能型居宅介護は、看護等職員の配置が要件とされており、新設の検討はされていますが、看護等職員の新規確保が難しいなどの理由で事業採算の見通しが立たない状況です。 本市は高齢化率も高く、医療依存度の高い高齢者が在宅で介護を行うために、困難な理由も考慮しつつも、手挙げがないから計画に盛り込まないのではなく、必要性を重視し、本市の独自支援も視野に本市の方向性を示す意味でも、第8期介護保険事業計画に盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。 4つ目に、県内13市で最も高い介護保険料の見直しと介護の質について質問いたします。 本市は、県内13市の中でも最も高い介護保険料で、第1号被保険者の保険基準額は年額7万8,960円、月額6,580円となっています。第7期介護保険事業計画においては、保険給付費を平成30年から令和2年度の標準給付見込額を約483億2,941万円としておりましたが、現在は令和2年度の計画どおり見込んでも約463億8,711万円で、計画の96%となっており、保険料基準額の算定では、介護保険給付準備基金取崩しということで、見込額4億5,000万を盛り込んでいます。 しかし、令和2年度の決算状況は、もちろん今後も変動はあり得ますが、介護保険給付費準備基金を繰り入れなくとも成り立つ状況で、基金の積み増しも検討されているようです。第8期介護保険事業計画においては、介護保険給付費準備基金を組み入れ、介護保険料の引下げの見直しを検討するべきと思われますが、いかがでしょうか。 また、市民からは、介護保険料は高いのにサービスは思うように受けられない。認定が厳しく、在宅でサービスを受けにくいなどの声が届いています。本市で高齢者が安心して暮らしていけるための介護保険サービスの質をどのように担保していくのかお伺いいたします。 答弁により再質問させていただきます。 ◎健康福祉部長(渡邉健) おはようございます。 介護保険に関して4点の御質問をいただきましたので、健康福祉部から順次お答えをさせていただきます。 最初に、本市の介護認定の状況についてお答えいたします。 介護認定は、対象者の要介護度を判定するため、認定調査員による74項目の調査を国の1次判定ソフトにより判定し、それを介護認定審査会で審査するものとなっております。本来は、国が示した基準に従ってなされる認定が適正な認定と言えますが、本市は全国の平均値より重度に評価されている項目が多く、一時は要介護5の認定率が全国と比べて高いという時期があり、認定の精度が適正かどうかが課題であると考えておりました。 そのため、長寿介護課の認定調査員や委託先の認定調査員のどの調査員が調査を行っても結果にばらつきが生じないように、認定調査員の研修を行っております。また、介護認定審査会につきましても、どの合議体で審査しても同様の認定結果となることを目標に、介護認定審査会委員の研修を行っております。 その結果、現在では全国の平均値により近づいているといったような状況にございます。 続きまして、介護予防・日常生活支援総合事業通所型サービスBの補助金交付の見直しについての御質問にお答えいたします。 まず、第8期介護保険事業計画につきましては、令和3年度から5年度までを期間とする計画で、現在その策定作業を進めているものでございます。 通所型サービスBについて申し上げますと、市の担い手養成研修修了者を中心として運営される住民主体型サービスのことを指し、1週間に2回以上開催すること、要支援者等が3人以上所属していること、月1回を目安に専門職の指導を受けることを要件としております。また、活動に対する補助金として、1回の開設につき利用者8人以上の場合に6,400円を交付するほか、保健・医療等の専門職の指導を受けた場合には、1か月1回を上限に8,000円を別に交付しているものでございます。 世話人だけでの運営は困難であるとのことでございましたが、活動メニューやほかの団体の取組の紹介など、活動を継続できるように地域を担当する生活支援コーディネーターや市の各課等が連携して支援してまいりたいと存じます。また、専門職の指導に対する補助金につきましては、専門職の指導を受けることにより介護予防としての効果を高めるために交付しているものでございますので、各団体の実施状況を把握した上で交付回数を増やすことができるかを含めまして検討してまいります。 続きまして、3点目でございますが、第8期介護保険事業計画を策定するに当たり、医療依存度の高い高齢者が暮らせる看護小規模多機能施設や介護医療院等の新設や支援について、考えはあるかとの御質問についてお答え申し上げます。 まず、看護小規模多機能施設及び介護医療院の状況について申し上げます。 初めに、看護小規模多機能施設についてですが、議員御案内のとおり医療ニーズの高い要介護者に対応するため、通いを中心に訪問や泊まり、訪問看護のサービスを組み合わせて提供できる事業所でございまして、現在県内には7つの事業所がございますが、本市にはサービスを提供している事業所はないものでございます。 次に、介護医療院についてですが、主に長期療養が必要である要介護者に対して、療養上の管理や看護、医学的管理の下での介護、機能訓練等の必要な医療、日常生活上の世話を行う施設であり、現在県内には3施設ございますが、うち1施設は本年4月に本市の25床の介護老人保健施設から転換した施設でございます。 また、医療依存度の高い高齢者が在宅で生活するためのサービスの一つとして訪問看護がございますが、過去5年間の利用実績では年々伸びておりまして、ほかの医療系サービスと比較すると高い伸びを示しておりますことから、在宅生活を送る上で医療的ケアの必要性が高まっているものと認識しております。 介護施設の整備につきましては、第8期介護保険事業計画の策定に当たり、令和3年度から5年度までの3か年における施設等の整備計画を盛り込む必要がございますが、計画策定に当たって実施した基礎調査の結果や、市内で介護保険サービスを提供している法人の意向を踏まえ検討してまいります。 また、看護小規模多機能施設や介護医療院の新設等に当たっての支援について、この点を市として考えていないかということでございますが、看護小規模多機能施設及び29床以下の介護医療院の建設費用につきましては、介護保険事業計画施設整備計画に位置づけた上で、市が、国及び県が設置した基金を活用して助成を行うということになるものでございます。 看護小規模多機能施設や介護医療院等の運営について、市として独自の支援を行うことはできないかとお尋ねでございますが、介護サービス事業の実施につきましては、それぞれの経営判断に基づき運営されるものであり、これまでも介護サービス事業所別の経営に対して市単独での助成は行ったことがないことを踏まえ、現時点では市として運営に対する支援は考えていないというところでございます。 それから4点目でございますが、介護保険料の見直しについてお答えを申し上げます。 介護保険料は3年に1回見直しを行う介護保険事業計画で定めることとされておりますが、その算定に当たりましては、3年間の計画期間中に必要となる介護サービスの見込み量及び高齢者の介護予防や相談支援に必要となる事業費等を推計した上で、それを賄うための費用の一部として保険料を定めるものであり、現在はその介護サービス見込み量の推計作業を行っているところでございます。現行の第7期計画期間中におきましては、議員御案内のとおりこれまで取り組んできました介護予防事業給付適正化事業等の効果から、当初の見込みよりも介護給付費の伸びを抑えることができたものと考えております。 この点を踏まえまして、第8期計画の介護保険料につきましては、現在の給付状況をベースとして介護サービス量の見込みを立てているといったような状況にございます。また、介護給付費の伸びの抑制に伴い、当初予定しておりました介護給付費準備基金の取崩しは不要となり、逆に積み増しを行ったことから、第8期の保険料につきましては、当該基金の活用を前提に算定を進めているものでございます。 さらに、保険給付費等に対し、国が定める65歳以上の第1号被保険者の負担割合は、これまで保険料上昇の一因となっておりまして、第6期計画の22%から現行の第7期計画の23%へと1ポイント引き上げになった際には、これにより保険料が月額約300円上昇となったものです。 しかし、第8期計画におきましては、第7期と同率の23%に据え置かれることが示されておりますので、第1号被保険者の負担割合は、この点からすれば次期保険料に影響しないといったことになるかと存じます。 以上のことから、今後示される報酬改定の内容にもよりますけれども、これまでのような保険料の上昇は抑えることができるものと考えておるところでございますし、現在の推計から算出した次期保険料の案につきましては、今後開催する介護保険事業計画等策定懇話会で御協議いただく予定でございます。 次に、介護サービスの質についてでございますが、介護サービスケアマネジャーが御本人及び介護者の希望などを伺いながら個々人の状態に合わせたケアプランを作成し、それを基に事業所がサービスを提供するものでございます。このことから、介護サービスの質の向上のためには、ケアマネジメントの質の向上と事業所による適切なサービス提供が必要不可欠であると考えております。 国が示した基準に従ってなされる適正な認定結果を受けての適切なサービス提供が質の向上につながるものと考えておりますので、ケアプランや事業所への指導などを通じ介護サービスの質の向上を図ってまいります。以上でございます。 ◆2番(坂本昌栄議員) ありがとうございました。 看護小規模多機能型の介護施設は、住民の強い要望でもありますので、先ほど法人の状況を聞き取りしながらという答弁でしたが、ぜひとも計画に盛り込んででき得る方向性で検討をいただけるようお願いいたします。高齢者は、今までこの国で高度成長期を下支えしてひたすら働いてきた人たちなんです。そしてやっとゆっくり生活を送ろうとしているときに、生活や介護の不安を抱いて送るのではなく、本市の福祉サービスを充実させ、安心して暮らしていただけるように今後も検討を続けてください。 それでは、次に、新型コロナウイルスの感染拡大により医療現場は大きなダメージを受けています。11月に入ってからは第3波により全国的に猛威を振るい、感染者数も日々拡大し、重症者も増加しています。本市でも感染者数は日々増加しており、医療現場に与える緊迫感は計り知れないものがあると捉えております。現在も感染者の治療に当たっている医療現場の医療従事者には感謝申し上げます。 コロナ禍において地域医療の在り方について、1つ目に、休日夜間診療所の今後についてお聞きします。 コロナの感染者が拡大する状況で、休日夜間診療所の運営も心配されています。鶴岡地区医師会では、医師の二次感染を危惧し、新型コロナウイルスの検査体制をかかりつけ医による唾液検査を選択し、本市、三川町と共同で検体の受入れを行うサポートセンターを開設されたとのことです。 また、鶴岡地区医師会は会員数が減少し、高齢化が進んでいます。令和5年度には鶴岡準看護学院が閉校となるなど、医療体制にも大きな変化が起きています。その中で、鶴岡地区医師会の運営により休日夜間診療所が開設しておりますが、休日夜間診療所を軽症者が受診することで、市立荘内病院での救急搬送の受入れがスムーズに行われていると報告されています。このような状況で休日夜間診療所の継続した運営も心配されていますが、今後の対応策は検討されているのか伺います。 2つ目に、コロナ禍において現状の地域医療資源と今後の在り方について考えをお聞きします。 コロナ禍において医療現場では不足だったマスクは、県や団体からの支援や購入が可能となっていますが、いまだにガウンや手袋は不足状態に加え、価格の高騰による経営への負担が増加しています。また、医師、看護師不足がここ数年の課題となっていることに加え、医師の高齢化も本市では進んでいる。この中で、コロナ禍において医療機関でのクラスター発生など様々な場面での緊急事態を想定し、本市独自に医療体制の崩壊を招かないための検討はされているのか伺います。 本市では、鶴岡市地域医療を考える市民委員会や鶴岡の医療を考える有志の会による、鶴岡の医療を守る市民研究公開講座が開催されるなど、医療に対する意識が高まっています。この背景には、市立荘内病院の在り方や今後の地域医療体制、さらに地域医療構想との兼ね合い等が要因と考えられます。市立荘内病院だけがあれば地域の医療を守れるわけでもなく、病院やクリニック、診療所等の受入れがなければ成り立ちません。 私的病院も含め、今後本市全域での医療体制をどのように構築するのかは、横断的役割を担う地域包括ケア推進室市立荘内病院と一緒になって検討するべきと考えますが、見解を伺います。 ◎健康福祉部長(渡邉健) それでは、まず休日夜間診療所の今後についてといった御質問にお答え申し上げます。 鶴岡市休日夜間診療所は、鶴岡地区医師会会員の医師の協力により運営しておりますが、診療を担う鶴岡地区医師会では、医師の減少及び高齢化などもあり、休日夜間診療所での当番医となる回数が増え、負担が増加している状況でございます。そのため、このたび医師会より休日夜間診療所の開設日等の変更などの見直しの要望書が提出されておりますことから、健康福祉部及び荘内病院で今後の在り方について検討しているといったところでございます。 今後のさらなる人口減少と今回の新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中で、受診抑制による患者数の減少などもあり、休日夜間診療所の患者数動向の見極めも非常に難しい状況となっております。これらの状況を踏まえ、市としても開設日の見直しなどの必要性はあるものと捉えているところでございます。 また、開設日や開設時間等を変更する場合につきましては、荘内病院、医師会等の関係機関と連携し、住民に対してかかりつけ医の受診及び休日夜間診療所等の救急医療の適正利用についての啓発を行ってまいります。 続きまして、コロナ禍においての現状の地域医療資源と今後の在り方についてといった御質問にお答えします。 医療体制の崩壊を招かないために様々な場合での緊急事態を想定した医療体制の検討はなされているのかという御質問に、まずお答え申し上げます。 県内の新型コロナウイルス感染症入院患者の状況につきましては、12月2日現在、県全体で入院患者が31人、コロナ患者専用の病床占有率が14.4%となってございますが、庄内二次医療圏を見ますと、日本海総合病院の入院患者が11人、病床占有率が26.8%となっており、荘内病院も含め庄内地域においてコロナの病床占有率が高い状況となっております。 また、無症状者や軽症者用の宿泊療養施設につきましては、県内では村山地域に1か所確保されており、庄内地域においても県が確保に向けて対応しているところでございまして、庄内地区の2市3町もそれに対して協力しているといったような状況にございます。 新型コロナウイルス感染症患者への医療提供体制に関しましては、県の健康福祉部、県内各保健所長、感染症指定医療機関院長などで構成される県の新型コロナウイルス感染症患者受入調整本部で、病床の稼働状況の把握や入院調整等が行われており、緊急時の医療提供体制についても、その調整本部が中心となって調整・対応されるものと認識しているところでございます。 続きまして、今後本市全域での医療体制をどのように構築するかは、地域包括ケア推進室と荘内病院が一緒に検討すべきではないかとの御質問にお答え申し上げます。 南庄内の地域医療の現状といたしましては、議員御案内のとおり医師・看護師不足や医療機関数の減少、医師の高齢化などの課題に直面しているものと認識しているところでございます。これらの課題を受けまして、市では、昨年より鶴岡市地域医療を考える市民委員会を設置し、オブザーバーとして鶴岡地区医師会の会長をはじめ荘内病院の事業管理者、それから院長からも御出席をいただき、市民委員と一緒に地域医療についての議論を進めているところでございます。 また、市民レベルにおきましても、地域医療を議論する場が立ち上がり、市民や私的病院も含めた医療関係者が一堂に会し、この地域の最適な医療提供体制の構築についての議論が行われております。 当地域の医療体制の検討につきましては、これら様々な意見や取組を参考にしながら、県の地域医療構想の考え方も踏まえ、地域医療連携に関することを所管する地域包括ケア推進室が、地域の基幹病院である荘内病院と連携して検討してまいりたいと考えておるところでございます。以上でございます。 ◆2番(坂本昌栄議員) 答弁ありがとうございました。 今鶴岡市でも患者数がとても増えているということで、病院のほうでは大変なことになっていると思います。例えばクラスターが発生したときなんかに、鶴岡市独自できちんとした対応策を、この先どうしていいか分からないということにならないようにぜひとも検討していただくよう、お願いします。 そして、地域医療構想については、ぜひとも推進していかなければ、医師会と意見交換したときにも、とても今疲れてきているということもありましたので、休日夜間診療所も含め、今後の検討をお願いして質問を終わらせていただきます。  山 田   守 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 3番山田 守議員。  (3番 山田 守議員 登壇) ◆3番(山田守議員) 通告に従いまして、一般質問させていただきます。 初めに、中山間地対応についてです。 この間、鶴岡市議会意見交換会を行っておりまして、総務常任委員会総務班でも朝日地域大網地区での地域活性化の取組について伺ってまいりました。鶴岡市の中山間地域を取り巻く状況が厳しくなっている中で、地域の住民の方々に主人公になってもらう、暮らしを支える取組として小さな拠点づくり検討委員会を中心に積極的に進めていることなどを伺ってきました。その中で、幾つか切実な要望も出されておりました。 1つは除雪対応についてです。 地元の方のお話では、道路までは除雪してもらえるということですが、空き家やそれぞれの家の屋根の雪下ろし、これまではできなくて、自らがしなければならないことや、この地域の若い人たちが中心となって、何軒も一緒になって手伝いを行っているということでした。 冬季間の雪下ろしは豪雪地帯なので何回もしなければならないという実情や、豪雪によって家に帰れなくなる人も出ていることが紹介され、国道から先には入れなくなり、ホテルやコンビニの駐車場で車中泊をしている。このようなお話も伺ってきました。 地域の検討委員会の中でも、安全な雪下ろし講習会やシルバー人材センターへの雪下ろしの依頼などを進められていることなどの紹介がありましたけれども、現状の状況についての認識と今後の対応について伺いたいと思います。 また、併せて除雪の問題として聞き取りを行っているんですけれども、除雪機を使用する場合の軽油の費用、これについて補助の対応ができないものかという問合せなどもありました。このことについても併せて伺いたいと思います。 ◎朝日庁舎支所長(土田浩和) 小さな拠点づくりに取り組む朝日大網地区の除雪対策について御質問いただきましたので、朝日庁舎からお答えいたします。 大網地区は全国的にも有数の豪雪地帯であり、例年ですと3メートルほどの積雪がある地域でございます。大網地区における地域課題の中でも雪対策に対する地域住民のニーズは高く、議員御案内のとおり小さな拠点づくり推進事業において住民主体で策定した地域デザインに基づき、安全な雪下ろし講習会や他地域での除雪活動を行う三瀬スノースイーパーや朝日町の朝日雪下ろし隊等との連携を含め、住民による除排雪に係る負担軽減を図るための仕組みづくりを試行的に行っております。 朝日庁舎といたしましても、御質問のありました大網地区のみならず、朝日地域全体が特別豪雪地帯に指定されておりますので、雪対策は中山間地域の定住環境整備のための生活支援として取り組んでいるところでございます。 現在、市の除雪対策としましては、例年、朝日庁舎除雪対策本部を設置し、冬季間における管内の市道・歩道及び公共施設等駐車場について、国・県と連携した除雪作業を実施しております。また、生活支援策としましては、全市的制度であります高齢者世帯等雪下ろし費用の支援、朝日地域独自の支援といたしましては、ハード面では住宅整備に支援を行う克雪住宅整備支援事業、除雪機等に支援を行う克雪対策生活道整備支援事業、またソフト面では豪雪時に自治体等が中心となって行う除排雪作業支援の費用の支援を行っております。 また、新たな取組といたしまして御質問にございましたが、地域まちづくり未来事業による朝日地域助け合い玄関前除雪支援事業を行っており、高齢者や要支援者世帯の玄関前除雪を近隣住民グループで行う際の除雪機の燃料費等の支援を行っております。昨年度は例年より雪が極めて少ない中、大網地区の実績といたしましては高齢者6世帯が活用をしております。 次に、今後の除雪対策についてお答えいたします。 朝日地域につきましては、これまで取り組んでまいりました除排雪支援は、地域住民の日常生活及び経済活動の継続に欠かせない支援であります。積雪の多い中山間地域において、引き続き安全・安心に生活できるよう現行制度の周知を図りますとともに、地域の実情に応じた雪対策の在り方について今後も検討を重ねてまいります。 ◆3番(山田守議員) ありがとうございました。 除雪機の燃料費用、その内容についてはぜひ対応してもらいたいとの意見だったんですけれども、今のお話では行っているということなので私も伝えたいと思いますし、ぜひその地域の方に負担軽減のための取組、この内容についても周知していただきたいと思います。 除雪について私も聞き取りをしたのですが、高齢者で女性の独居の方が多くなっている実態があって、家の周りの除雪が大変になってきているということや、2人暮らしの高齢者夫婦で奥さんが病気がちで、御主人が除雪機を回しているそうですが、お隣が独居の方で除雪が大変なのでいつも手伝っているというようなお話も聞きました。 豪雪地帯の生活では、お互いの助け合いなくしては成り立たないということが地域の大きな特徴でもあると思います。それがこの間の人口減少、少子高齢化により地域独自の取組自体が大変困難になっている。このような状況があると思います。除雪についての施策対応について御紹介いただきましたが、引き続き地元の方に寄り添った対応をお願いしたいと思います。 次に、小さな拠点づくりについて伺いたいと思います。 平成28年度から始められた小さな拠点づくりですが、行政なども包括的な支援を行いながら地域住民が主体的に取組を行い、地域の組織を豊かにしていくこと、人を育てること、地域活動拠点の整備などが進められてきている。このような内容だと思います。また、特にローカルデザイナーの役割については地域の中でも大きな期待があって、意見交換会の中でも今まで担ってきた方々に対する信頼や、引き続き取組を進めてもらいたい。このような要望を出されておりました。今後の地域づくりの施策を継続して行ってもらいたいという地域住民の要望でもあると思いますけれども、この間の小さな拠点づくりの取組の成果や、今後どのような中山間地域の施策を検討されているのか伺いたいと思います。 ◎朝日庁舎支所長(土田浩和) それでは、小さな拠点づくり推進事業についてお答えいたします。 初めに、小さな拠点づくりとは、おおむね合併前の旧小学校区単位の生活圏において、商店、診療所などの生活支援機能や地域活動を行う場所を集約・確保し、生活基盤の維持・強化を目指す取組でございます。特に、人口減少や高齢化が著しい中山間地域等では、医療・福祉・公共交通・買物といった生活サービス機能の維持が大きな課題となっておりますことから、大網地区では平成24年度から単位自治会5集落全てが集落対策事業に取り組んでおり、その後、平成28年度からは広域コミュニティ組織による小さな拠点づくりに取り組んでまいりました。これまでの取組の成果についてお答えいたします。 1つ目は、地域の将来像となる地域デザインを策定する過程で地域住民が当事者意識を持ち、地域課題を共有することができたことでございます。検討体制において、若者や女性等幅広い住民層による検討を進めたことや、地域の現状やニーズ把握のためワークショップを重ねたことがその後の実践活動への意識づけにつながっていると感じております。 2つ目は、地域としてできることを増やしていくことができたことでございます。地域内交通の実証実験、小さな産直、買物支援として販売コーナーの設置、東京大網会との絆の強化といった試行的な取組を通じて、小さな実践と成功体験を積み上げていくことにより、自分たちでできることを考え挑戦する気風が強まっていると感じております。 これについて運営体制を確立するためにローカルデザイナーを配置し、個々の取組を振り返りながらワークショップを行い、個々の実践・失敗を次の取組へ生かす仕組みを構築できたことも成果の一つと考えております。 3つ目は、地域の中心部に位置する旧大網小学校跡地に広域コミュニティ施設を移転新築することで、地域活動の拠点を整備することができたことです。これによりまして、ハード・ソフト両面での活動の場づくりにつながっていると感じております。 最後に、中山間地域の施策について、集落対策の観点から今後の方向性についてお答えいたします。 中山間地域におきましては、人口減少や高齢化に伴う地域の担い手不足が進み、単独の集落だけでは解決できない問題が生じており、集落支援員を配置した人的支援を引き続き行うとともに、広域コミュニティとしての活動についても議論を促しているところでございます。 全市的な取組といたしましては、鶴岡市住民自治組織総合交付金や鶴岡市広域コミュニティ運営組織地域づくり交付金、鶴岡市市民まちづくり活動促進事業補助金などの支援制度により、安心して住み続けることができる持続可能な地域づくりを支援してまいります。 また、朝日地域独自の取組として、地域まちづくり未来事業の活用も検討しながら、地域の取組を支援してまいりたいと考えております。 ◆3番(山田守議員) 2015年の衆議院地方創生特別委員会の中で、日本共産党田村貴昭衆議院議員の質問に対し、石破地方創生担当大臣が過疎集落の対応について答弁しているんですけれども、大要を紹介しますと、結果的にそこに住みたいという方がおられる限り、居住の自由、そういうような言葉が明確に憲法にはないけれども、そこに暮らしたいという方々の意向は最大限尊重しなければならない。そのために最大限の努力をするのであって、切って捨てるようなつもりはないということ。また、憲法を引きながら居住の権利があること。納税の義務などに触れつつ、そこにおける人の暮らしを維持すること。中山間地の場合が多いので、そういうものをいかにして守るか。その地域の暮らしという大きな概念。人の営みであるとともに、そこにおける森林、水田、畑、そういうものを維持するのは政府の責務、地域の責務と考えている。このように答弁されております。 中山間地域の役割は、里山を維持することはもちろん持続可能な社会の実現や多様性がある社会の実現など極めて大きいものです。本市の第2次総合計画にも位置づけられた重要課題でもあります。引き続きの努力をお願いしたいと思います。 次に、行財政改革について伺います。 行財政改革について、第3次行財政改革大綱実施計画の素案が行財政改革推進委員会に示され、8月21日に第1回行財政改革推進委員会が開催されているところです。11月19日に開催された同委員会では、3つの大項目と12の重点的テーマ、方向性や具体的な取組項目として40項目が示されたとのことでした。 それぞれ重要なテーマで論議・検討が必要な課題であると思います。例えば、市営住宅管理の委託化についてですが、公営住宅法では第3条で地方公共団体は常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するために必要があると認めたときは公営住宅の供給を行わなければならないと、地方自治体に公営住宅の供給を義務づけています。 市営住宅管理の委託化については、この見地からの検討が必要で、行財政改革によって指定管理になった場合、居住する住民に対して不利益が生じないのか。個人情報の取扱いはどのような対応をされるのか。市として設置・修繕しているものがあると思いますが、そのような対応はどうなるかなど論議はされるべきではないかと思います。 また、ごみ排出抑制の推進についても、ごみ有料化を令和3年から検討開始することがスケジュールの中で示されているところですが、この問題についても、ごみ有料化の目的とは何か。有料化によってごみの減量へどのようにつながっていくかなど、行政側からの説明が必要ではないかと思いました。 行財政改革推進委員会では、第3次行財政改革大綱実施計画の素案についてどのような論議があって、今後どのように進めようとされているのか伺いたいと思います。 ◎総務部長(高橋健彦) 行財政改革に関する御質問にお答えいたします。 初めに、行財政改革推進委員会における議論と今後の進め方についてですが、行財政改革推進委員会は、民間の有識者、公募により選出された委員から構成されておりまして、市の行財政改革についての御提言、行財政改革の推進に関して助言をするものということで条例に定められ、設置されておるものでございます。このため、現在策定を進めております新たな行財政改革大綱実施計画におきましても、大綱のテーマ・方針について、その方向性や基本的な考え方、項目などの整理に見落としがないかなどについて、委員それぞれの御見識のところから助言として御意見を頂戴しているというものでございます。 これまでの議論におきましては、新大綱の3つの方針でございます市民サービスの創出・向上、財政の健全化、業務改善効率化とこれらに基づく12の重点テーマについて、地域内の拠点整備、地域内人材の育成といった新たな観点を追加すべきであるといったような御意見を頂戴しておるところでございます。 議員からは、個別の取組項目についても個々に委員会で議論すべきであるというお話でございました。これら個別の取組項目につきましては、庁内や関係機関、専門家などで事業に関する検討を進めまして、これらを踏まえまして行財政改革推進委員会において行財政改革の観点からの御意見・御助言、これを計画期間を通しましていただくと、このように認識しているものでございます。 例えば、御質問にございました市営住宅管理の委託化という個別事項につきましては、現在庁内において委託可能な業務内容の確認でありましたり、費用対効果、入居者サービス向上の工夫、こういったことについて検討を行っているところでございます。今後、方向性がまとまり次第、行財政改革推進委員会に御説明申し上げて、御意見・御助言を賜りたいというふうに考えております。 また、もう一つ、ごみの有料化という個別テーマをお上げいただきましたけれども、これも同様に現在先行他市の取組や課題の調査を行っておりまして、今後、廃棄物減量等推進審議会などの御意見を伺いながら、具体的な方針等が整理された段階で行財政改革推進委員会から御意見・御助言を頂戴いたしまして、市民サービスの向上と財政健全化の取組を進めてまいりたいと考えております。 また、第3次行財政改革実施計画の素案について、委員会ではこれまでどのような議論があって、今後どのように進めるかというお尋ねでございました。この点につきましては、創造的行革の視点を計画内でもっと重視すること、各取組について成果目標をしっかり定めること、歳出抑制の観点だけでなく歳入を伸ばす取組も加えることといったような御意見をこれまで御助言として頂戴しているところでございます。今後、こうした御意見・御助言を大綱実施計画に反映させ、策定を図ってまいりたいと考えております。 ◆3番(山田守議員) 今後の方向性ということで、要は行財政改革推進委員会の中で完結するものではなくて、その後の各課の担当で論議を十分行っていくということが策定につながっていくんだというような説明だと思いました。 ちょっと2つ紹介させていただいたんですけども、市営住宅の委託管理について、委託管理、指定管理になった場合は民間職員の人件費は減っていく傾向にあることや、入居者の個人情報管理を指定管理者が扱う場合があって、現在は個人情報保護法、条例に基づいての対応と公務員の憲法尊重擁護義務、そして守秘義務違反に関する厳しい罰則があると思います。退職後も漏えいした場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるとあります。民間職員にはこういうものがないので、非常に大きな違いだと思います。また、市営団地の入居者は低額所得者の方が多く、失業や病気等により福祉的支援が必要な場合があって、その連携については行政機関として完結するほうがずっとやりやすいのではないかと思います。 ごみ有料化についても、ごみ減量は確かに焦眉の課題で、入り口に当たる生産・流通・販売の各段階でごみ減量のために有効な対策を講じることが優先されるべきで、市民の負担を課したとして、有料化にして出口を絞るだけでは根本的な解決にはならないこと、ごみ有料化を実施している自治体でも、ごみ袋が高い、家計への負担が大きい、不法投棄が増えた、収集時間が遅いなどの声が寄せられていて、この問題についても再検討の必要性が論議されている自治体もあるそうであります。 こういった論議、推進委員会の中で完結するというようなものではないというお話もありましたので、ぜひ様々な観点で重層的に深めていただきたいと思います。 あと、もう一つスケジュールの関係で、最終的に2月の行財政推進委員会と議員全員協議会、パブリックコメントを行って、3月中旬の第4回行財政改革推進本部会議で大綱案・計画案が決定されるということなんですけれども、ちょっと改めて量的に十分な論議を保障することが必要だと考えるんですけれども、論議の方向について見解を伺いたいと思います。 ◎総務部長(高橋健彦) 今後の策定スケジュールについて、十分な論議の場の確保という観点から御質問がございました。この点につきましては、ただいま議員からもおっしゃっていただきましたとおり当初からの推進スケジュールということで、3月中旬に第4回の本部会議で最終的に決定して議会にお諮りしたいというようなスケジュールで進めておるわけでございますけれども、十分な御議論をいただけますよう委員会の協議内容をあらかじめ議員に御説明をさせていただきながら進めておるというような配慮をいたしておるところでございます。 また、必要に応じて個別に御意見を伺い整備するというようなことも事務レベルでも進めまして、こういった工夫により議論を深められるよう努めてまいるということでございます。 なお、個別の項目を含め大綱実施計画の内容につきましては、来年度以降も進捗に応じて見直しなどを行ったり、その一つ一つのテーマの課題等をしっかり議論していただくローリングということも計画しておるところでございますので、こうした機会を広く捉えまして御意見をいただけますよう進めてまいりたいと考えております。
    ◆3番(山田守議員) ありがとうございました。 各項目については非常に重要な項目が当然多くあって、多様で重層的な市民や議員の意見が保障され、反映されるような議論の場が必要だと思います。ぜひ検討を加えていただきたいと思います。 それで、再質問なんですけれども、デジタルガバメントの推進について業務効率化の方向性が示され、ICT技術の活用や働き方改革の推進、人材育成などが示されております。私は、デジタル化の問題については丁寧な情報提供を行って委員の方から内容を理解してもらい、デジタル化が推進される中で具体的に業務がどのように改善され、また懸念される側面はないのかなど議論が必要だと思います。9月議会の中でも行財政改革推進委員会での論議を踏まえてというお話がありましたけれども、この内容についてどのように考えられているか伺いたいと思います。 ◎企画部長(阿部真一) デジタルガバメントの今後の進め方についてお答え申し上げます。 デジタルガバメントを含めた今後の本市のデジタル化の推進につきましては、国の動きにも留意し、今後庁内の体制づくりに取り組み、その中ではICT有識者などの協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。 また、行財政改革推進委員会等の御意見も参考に幅広く議論し、取り組む領域やスケジュールなど推進計画を策定してデジタル化の推進を図ってまいりたいと存じます。以上です。 ◆3番(山田守議員) 総括質問の中でも、本市におけるデジタル化についての論議がありました。社会保障の中ではマイナンバーの推進により個人認証がその要になるのですが、個人情報の収集分析と利活用が拡大していくことが想定され、そうした個人情報の取扱いを住民が理解し合意の下で行われるのか、いまだ疑問が残るところです。特定個人情報保護評価をどう市民に説明するか。情報漏えいだけでなく、プライバシーリスクに関わる影響、これについては自ら情報をどうコントロールするか、そういった権利と公益性があれば共同利用できるんだというふうに主張されている方がいらっしゃって、深刻な対立があると思います。そういった内容についても、既に発行されているカードを含めて、その説明は不十分だと思います。 また、国による事務手続など様式の標準化、複数の自治体でシステムを利用する共同化、今後、国全体でシステム統合があるというふうに伺いましたけれども、そのような押しつけを許さないで全て国や民間企業に任せるのではなく、自治体自らチェックできるように管理・関与できる体制を、人材を含め早急に確保する必要があると思います。自治体の行政サービスは、医療・福祉・教育はもとより窓口業務を含め人間を相手にする対人サービス労働を本質とする公務労働によって提供されております。AIやデジタルの技術は職員の労働負担の軽減や業務効率化には有効ですが、職員を削減するための手段として利用するのであれば、住民の福祉の増進を図るという自治体本来の役割から乖離するものです。 本市でのデジタル化についてお話しさせていただきましたけれども、今後の行財政改革における、慎重な論議を進めていただくことを期待して質問を終わります。  長谷川   剛 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 1番長谷川 剛議員。  (1番 長谷川 剛議員 登壇) ◆1番(長谷川剛議員) 通告に従いまして、大きく2点質問させていただきます。 まず、1点目に子供の貧困対策について、学校歯科健診とその後の対応について伺います。 歯が10本以上虫歯になっている口腔崩壊児童の存在が注目されています。開業医らでつくる全国保険医団体連合会が2018年に行った調査では、学校に口腔崩壊の子供がいると答えたのが小学校で39.7%、中学校で32.7%、高校50.3、特別支援学校では45.1%と報告されています。また、その後の未受診率は小学校で50.8%、中学校で65.3%、高校で82%と報告されています。 文部科学省によりますと、70年代には子供の約9割が虫歯であり、当時は永久歯に換わるので治療しなくてもよいという見方があったようですが、80年代から90年代にかけて予防対策が進んだと言われています。親の意識の変化も大きく、育児雑誌などでも仕上げ磨きを推奨していること、学校給食後の歯磨きタイムなどの取組、こういったものが上げられます。 学校歯科健診の現場では、子供の虫歯が急激に減少する一方で、かむことが困難な口腔崩壊の子供が少なからず存在するという二極化の様相を呈することが報告されています。歯の喪失は、運動・学習能力の低下を招き、将来の健康を損なう要因になると言われております。 このような口腔の健康格差を生み出す構造的要因として、貧困が存在します。治療の放置を親の責任、自己責任に転嫁せず、社会的な対策を講じる必要があると考えております。そこで、何点か質問いたします。 まず、本市の児童・生徒で口腔崩壊が疑われる児童・生徒数と、歯科健診の結果、治療を要している児童・生徒数について伺います。 次に、学校歯科健診後の治療・処置済みの割合がどのようになっているか伺います。また、保護者への受診促進、相談対応について伺います。 最後に、就学援助を受けている児童・生徒には、学校の健康診断で見つかった場合、治療費も出るということになっておりますが、扶助費支給額がゼロになっているのはなぜか伺いたいと思います。 ◎教育部長(石塚健) それでは、学校における歯科健康診断の結果と、その後の対応についてお答えいたします。 児童・生徒の健康診断は、学校教育法及び学校保健安全法の規定に基づいて各学校で毎年実施しているものでありますが、そのうち歯科健康診断の結果につきましては御指摘がありましたとおり、本市におきましても近年、う歯、虫歯の数は減少傾向が続いておりまして、家庭における歯科衛生への意識が高くなっていること、学校での指導も効果的になされていることなどが伺える良好な状況となっております。 ただ、その一方で、いわゆる口腔崩壊と言われる状態の児童・生徒につきまして各学校に調査を実施したところ、中学校ではそのような状況は確認されませんでしたが、小学校のうち19.2%の学校でそのような児童がいるとの回答があったものでございます。議員御案内の全国保険医団体連合会による調査結果と比較しますとかなり少ない状況ではございますが、今後も注意深く対応していく必要があると考えます。 そして、歯科健診の結果によりまして、さらに受診が必要と診断された児童・生徒の人数につきましてお答え申し上げます。 令和元年度の状況となりますが、小学校では健診を受けた5,874人のうち2,228人に対して医療機関への受診勧告を行っておりまして、中学校では健診を受けた3,162人のうち受診勧告を行ったのは871人、合わせて3,099人に受診勧告を行っております。割合で申しますと、小学校37.9%、中学校27.5%、全体では34.3%となります。 続きまして、健診後の受診勧告を受けて医療機関で治療処置を行った数につきましては、小学校で1,469人、中学校では407人、合わせて1,876人でございます。こちらも割合にいたしますと、小学校で65.9%、中学校で46.7%、全体では60.5%となっております。これは先ほどの未受診率のほうに振り替えて申し上げますと、小学校では34.1%、中学校が53.3%、全体では39.5%ということでございます。 ただし、歯列の異常等、治療に期間を要するため完了報告が出されていないというケースもございますので、医療機関に全く行っていないというお子さんの割合は実際はもっと少ないと考えているところでございます。 また、保護者の方への受診促進と相談対応についてでございますが、こういった報告がない場合には、学校におきまして複数回にわたりまして受診を促す対応をしております。中には受診させることが難しい事情があるなどの相談が養護教諭に寄せられるケースもありまして、保健師や医療機関等の関係機関と連携しながら受診につなげている状況にもございます。 最後に、就学援助を受けている児童・生徒に対する医療費の支給状況についてお答えいたします。 鶴岡市就学援助要綱によりまして援助費目とされている医療費の範囲は、学校保健安全法施行令に規定する疾病の治療費等となっております。その中にう歯、虫歯も含まれているわけでございます。児童・生徒の健康診断の結果により、これらの疾病の治療を受ける場合には就学援助制度が適用されるものでございますが、対象となる疾病が限られている関係かと思われますけれども、この就学援助の制度を利用しないで鶴岡市子育て支援医療給付制度、こちらも無料で受けられるわけですが、あと生活保護の医療扶助等、他の制度の適用を受けている状況にございまして、このため就学援助費からの支出がゼロとなっているものでございます。 以上となりますが、今後も児童・生徒及びその家庭の抱える問題に寄り添いながら関係各機関との連携を密にいたしまして、児童・生徒の健康保持増進に努めてまいるものでございます。 ◆1番(長谷川剛議員) いろいろ聞き取りなど小・中学校にも調査をされたということで、市内の子供たちの状況は分かりました。 やっぱり今答弁にもありましたけれども、治療が放置されているということ自体が保護者の意識の問題というのももちろんありますけれども、就労とか経済状況、あるいは虐待とかネグレクト、様々な要因が考えられます。特に、今新型コロナによる失業とか収入減の世帯も増加する中で、ぜひ子供たちの健康を支えていく施策、それから対策の充実をお願いして次の質問をいたします。 次に、就学援助の援助率とさらなる拡大について質問します。 2018年の子供の貧困率は13.5%であることが、今年7月の厚生労働省が発表した国民生活基礎調査の結果から明らかとなりました。約7人に1人の子供が貧困状態にあるということで、1学級当たり四、五人となる計算です。また、一昨年子供の貧困調査を実施した山形県では、さらに高く16%でありました。特に母子世帯などは半数が貧困ラインと言われております。 まず、このコロナ禍の下、保護者から学校を通じて教育委員会へ就学援助などの相談が寄せられているか伺います。 次に、認定基準について伺います。 本市の要保護・準要保護援助率は、今年3月の時点で8%となっています。県の子供の貧困率、先ほど申し上げましたが、16%から見ると大体半分の数値であります。本来、保護が受けられる児童・生徒にきちんと行き渡っていない状況もあると考えます。就学援助は申請が必要であり、民生委員の方の聞き取りを受ける、そういったケースもあるためにハードルが高いと考える保護者もいると考えます。 全国では、昨年10月の消費税増税を受けて認定基準を引き上げる自治体も増えております。東京世田谷区では、就学援助の支給基準を生活保護費の1.24から1.4倍、給食費は2.06倍へ拡大をしております。これにより、援助支給対象者が2倍に増えたとのことでした。本市においても支給基準を引き上げ、利用対象を拡大すべきではないかと考えますが、見解を伺います。 全国の自治体との比較検討はされているか、この点についても伺います。 現在の支給基準では、収入額から住民税、所得税、社会保険料、さらには国保税などを控除すると生活保護基準を下回るケースも見られるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎教育部長(石塚健) それでは、就学援助についてお答え申し上げます。 まず、初めに新型コロナウイルス感染症の影響と思われる相談が寄せられているかということにつきましては、今年4月から10月末までに学校を通じて申請をいただきました71件のうち新型コロナウイルスの影響がある旨の記載があった申請は7件ございました。そういった中には、教育委員会に学校を通さず直接相談が寄せられたケースもございました。 なお、この就学援助の認定の審査に当たりましては、通常ですと前年の世帯所得を基に決定しているものですが、こういった新型コロナウイルス感染症の場合等も含めまして、世帯の収入状況に急な変動があった場合は、前年所得によらず現在の収入状況により審査をしておりまして、今回の新型コロナウイルス感染症の影響による申請につきましても、この取扱いにより現在の収入状況を確認した上で認定審査に当たっているものでございます。 続きまして、認定基準及びその利用対象者の引上げについてでございますが、本市の就学援助の認定に当たりましては、以前は生活保護基準を使用しておりましたが、平成25年8月の生活保護基準見直しの際にいろいろ試算を行った結果を踏まえまして、引下げ前の生活保護基準額を使用することといたしまして、さらにその1.3倍を認定基準とすることで本市の就学援助に生活保護基準の引下げの影響が及ばないように対応してきたものでございます。 ただ、御指摘がありましたように、現在の認定基準で対象となるのに申請していない世帯が潜在的にまだあることも考えられますので、援助の必要な方々へ、例えば独り親世帯などに限らず申請ができることなどをまず、そういった制度の内容の周知を徹底いたしまして、申請件数を増やすことが重要と捉えているところでございます。現在、市のホームページへの掲載や学校でのお知らせの配付、就学時健診及び中学校入学説明会の際のお知らせの配付等によりまして、就学援助制度の周知を図っておりますけれども、今後も必要な家庭に必要な援助が届きますよう、さらなる周知を引き続き図ってまいりたいと考えております。 次に、全国の自治体との比較ということでございましたが、この生活保護基準に一定の係数を掛けた基準を適用している自治体が、全国だと1,322団体ございます。そのうち、生活保護の基準額に本市のように1.3倍を超える係数を掛けた基準を適用している自治体の割合は、全体のうちの約17%となっております。本市のこの認定基準と現在の生活保護基準との比較算定については行っておりませんが、先ほど申し上げましたように本市の就学援助においては平成25年の生保基準引下げ前の基準を適用しているため、計算上は本市も1.3倍を超える団体の中に含まれている、17%の中に含まれているというふうに考えております。 また、本市での認定に当たり、控除に関しての御質問もございましたが、控除を行っている項目は本市の場合、社会保険料、あと生命保険料、地震保険料となっております。この控除後の額がその認定基準に該当するものとして認定しているわけでございます。先ほど言いましたように、この現在の生活保護基準等との比較算定は行っておりませんが、25年の引下げ前の生活保護基準額により算定しておりますので、認定の幅は比較的広くなっているものと捉えており、今後も申請をいただいた世帯の現在の状況を確認しつつ認定審査を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆1番(長谷川剛議員) 今答弁にありましたように、やはり子供たちの状況や親の収入の激減、いろいろな要因があると思いますが、本市の場合3世代同居率も非常に高いところであります。保護者の収入、それに祖父母の年金など家族全体で家計を支えている状況もあり、中には貧困が見えにくいという側面もあると思います。 この間、就学援助制度の新入学用品の支給が2月に前倒しをされ、大変助かったという声も届いております。現在の収入状況で認定をしているということでしたので、10月頃に一度通知が学校のほうからありましたが、この状況の下ですのでもう一回追加できないかとか、さらなる徹底、支援を求めて次の質問に移りたいと思います。 大きな2問目として、上下水道事業について質問いたします。 上下水道事業は、ライフラインを預かる事業であり、24時間欠かすことのできない事業であります。この間、効率化の下に進められてきた委託推進、人員削減、こういったものが危機管理能力を奪っていないかという危惧もしております。危機管理体制は事象が発生する前に整備し、周知徹底され、実行できなければなりませんが、近年頻発する自然災害や同時に発生する可能性もある感染症へのリスク対応も求められております。 2018年12月、水道事業の民営化を可能にする水道法改正が行われました。水道法は、第1条を水道事業を保護育成するということから基盤強化へ表現を変え、さらに今年の10月には水道の基盤を強化するための基本的な方針の柱は広域化と官民連携であり、基盤強化の唯一の選択肢のような表現に変わっております。人口減少による水需要の低迷により、水道料金収入は年々減少しております。支出を圧縮することにより経営で黒字を維持している状況です。 そこで、本市の今後の水道事業について幾つか質問いたします。 まず、水道事業の広域連携と包括委託について伺います。 平成29年から料金収入、検針などの包括的業務委託が開始されましたが、現段階でどう評価しているか伺います。 次に、第3次行財政改革大綱の財政健全化の項目で、酒田市・庄内町との広域連携用水供給事業を行う県との垂直統合を検討されておりますが、鶴岡市民にとってのメリットはあるのか。一方で、基礎自治体の住民の意見が反映されない仕組みになる危険はないのか伺います。 鶴岡市水道ビジョンによれば、人材の確保の項目、現状評価、課題の中で、施設の点検業務や修繕関連業務等の委託や事務の効率化に伴い、職員数は年々減少傾向にある。また、技術職員の退職や人事異動等により人材育成が困難になり、今後は技術力、事務能力の低下が懸念されるとしております。技術職員率は、平成27年で37.5%となっておりました。これが令和8年の目標値を54%に水道ビジョンで設定されておりますが、その達成に向けた取組について伺います。 次に、災害時の対応について伺います。 重要給水施設管路耐震化計画に基づく、第2次避難所までの耐震化はどの程度進んでいるのか伺います。また、本市が被災した場合、他自治体からの受入れ態勢は整備されているのかについて伺います。 ◎上下水道部長(佐藤真) 上下水道事業に関しましての御質問に順次お答えいたします。 初めに、現在実施しております窓口収納等包括業務委託の評価についてお答えいたします。 料金収納等の窓口業務包括委託につきましては、民間のノウハウを活用した経営の効率化とサービスの向上を目的として、平成29年度より5年契約として実施しております。これにより、事務系職員の圧縮による人件費の削減のほか、収納率の向上など経費の面においての効果はもとより受託事業における事務員の地元採用、これについては、現在お客様センターは11名いらっしゃいますが、その中で10名が地元での新規採用につながっていると。このような2次的な効果も表れております。 また、毎年実施しております窓口にいらっしゃるお客様を対象といたしましたアンケート調査におきましても、対応の面において高く評価をいただいておりまして、順調に効果が出ているというように評価をしております。 次に、水道事業の広域連携等における市民にとってのメリットと、統合した場合の住民意見の反映ということでございます。 広域連携につきましては、将来の人口減少に伴う事業収益の低下が懸念される中で、安定運営を図っていくための効果的な手法の一つとして検討をしているものであります。平成30年度に行いました庄内地区広域連携に関する調査報告書によりますと、本市の水道の約87%を供給しております県企業局と酒田市・庄内町を含めた2市1町による経営統合が最も効果的であると報告されているものであります。 本市におけるメリットは、経営統合を行っても水源も水質も変わらず、スケールメリットにより将来的に料金の高騰を抑制する効果があるとされておりますし、広域化に伴う国の交付金による財源の確保などのメリットがあるものと考えております。 経営統合における組織の在り方につきましては、公営企業の一部事務組合である企業団を設立して運営していくものと想定しており、多くの事例によれば、企業団のトップである企業長や副企業長には構成自治体の首長が就任しております。また、企業団議会の議員は構成自治体の議員の中から選出されておりますので、構成市町の意見、また市民の意見が反映されていく仕組みが執られていると認識をしております。 次に、水道事業ビジョンに掲げた水道事業に携わる技術職員率の達成に向けた取組についてであります。 技術職員率とは、水道事業に従事する全職員数に対する技術系職員の割合であります。平成27年度におきましては、全職員数48名に対し技術系職員が18名となってございましたが、平成29年度の包括業務委託の実施によりまして、令和2年度では52.8%となってございます。なお、技術系職員数につきましては、過去5年間において1名の増ということで、現在19名という状況です。技術系職員の人材育成に関しましては、水道課は今4係体制となってございますが、課内でのOJT、これにつきましてはそれぞれの所管業務を一定期間でローテーションさせて、業務全体の習熟を図るという取組でございますが、これらの取組に加えまして、国・県・協会等で実施しております技術研修会や講習会の参加、さらには経験者による内部研修などにより技術力の向上を図っているところであります。 次に、災害時への対応に関する御質問の中の、水道施設の耐震化の進捗についてお答えいたします。 重要給水施設への水道管路耐震化事業については、本市防災計画による2次避難所や災害拠点病院などへの給水ルートを確保する目的で、平成26年度から第1期10年計画として実施しております。令和元年度末までで約7,900メートルの整備が完了しております。第1期分の計画延長は全体で1万1,600メートルとなってございますので、進捗率は約68%と、計画どおりの進捗となってございます。 これまでに第1期計画での対象施設28施設のうち、荘内病院やコミセン、それから学校施設等の22施設への給水ルートの耐震化が図られておりまして、今後も計画的に事業を進めてまいります。 次に、本市が被災した場合の受入れ態勢の整備についてお答えいたします。 近年、全国各地で地震や豪雨による水道施設の被災が数多く発生しており、長期間の断水が発生している被災地への応急給水活動の支援も水道事業体として重要になっております。本市におきましても、昨年10月の台風19号によります豪雨において発生した東北地方太平洋側の地域での大規模断水に関連いたしまして、福島県いわき市へ給水車1台、これは12日間で延べ10人ほどですが、給水車を派遣いたしまして、応急給水活動を行ったところであります。 このような大規模災害の発生時においては、本市を含めて中小規模の事業体が独自で対応に当たることは困難でありますので、全国の水道事業体等が加盟いたします日本水道協会で令和2年4月に地震等緊急時対応の手引の改正を行いまして、緊急事態が発生した際の連絡体系のルール化、それから情報連絡体制の確立を図ったほか、被災事業体における備蓄資材の把握、調達方法、それから応援活動に必要な施設や管路の情報、また応急給水拠点に関する情報など、応援準備態勢を整えておくことを定めたものです。 本市上下水道部における災害対策マニュアルにおいては、受援体制の整備といたしまして、情報の伝達、集約手順や応援派遣元との連絡調整方法などを定めておりまして、国・県及び災害時相互応援協定に基づく日本水道協会各支部等との情報連絡体制や給水車及び緊急資材、給水袋等の備蓄状況につきましても、各支部内での情報共有を構築しているところであります。 また、災害時を想定いたしました対応訓練におきましては、市独自の訓練のほか円滑な受援活動を可能とするために、日本水道協会東北支部が実施いたします山形・宮城・福島の南東北3県による合同災害訓練へも毎年参加をしておりまして、さらには鶴岡管工事協同組合等各種団体との災害時応援協定により災害への体制強化を図るなど、災害発生時に備えた取組を行っているところであります。 ◆1番(長谷川剛議員) ありがとうございます。 次に、下水道処理包括委託のほうについても伺います。 第3次行財政改革大綱によれば、令和4年に管路の包括業務委託、令和5年からは下水道処理施設包括委託と計画されております。仕様書発注から性能発注へ切り替えるとされておりますが、地元企業が優先されるような入札になるのかどうか、外国企業などが破格の入札額で受注し、地元企業が下請になるようなことにならないのか、地域経済への貢献ができる仕組みになるのか伺います。併せて、受注企業の従業員の最低賃金が保障され、現在と同等の維持管理が保障されるのか伺います。 次に、本市の上下水道事業において所有権は自治体、民間事業者が運営を行うコンセッション方式まで導入することを検討されていないのか伺います。 最後に、本市の下水道資源の活用の点でも全国トップレベルの成果を上げており、国土交通大臣賞も受賞されましたが、今後の下水道資源を活用した新たな計画について伺います。 ◎上下水道部長(佐藤真) ただいま下水道事業において4点ほど御質問がございましたので、お答えいたします。 まず、最初に下水道事業における包括委託に関しまして、地元企業が優先されるかとの御質問でございます。本市における下水道施設等の維持管理に関しましては、これまでも地元企業への優先発注を実践してございまして、包括的民間委託に関する場合におきましても、この方針を変えることなく将来においても地元企業が中心となって本市下水道の維持管理を担っていただけるような制度設計にしたいと考えております。 次に、最低賃金や適切な維持管理の保障についてございますが、包括業務の発注、また契約に関しましては、その業務量に見合った適正な価格での契約となるようプロポーザル方式や総合評価方式など適切な発注方式によるものとし、同時に維持管理業務の履行に関しましても適切で確実な実施となるよう業務を管理するための履行管理体制を確立してまいりたいと考えております。加えまして、コンセッション方式につきましては、維持管理のみならず経営、計画、改築、資金調達に至るまでの運営権全てを民間に委ねるものでありますけれども、本市下水道におきましては、官民がそれぞれの役割を担うものとして現在検討しております包括的民間委託が最良と考えてございまして、水道事業も同様ですが、コンセッション方式の導入は全く考えてはおりません。 次に、下水道資源の活用の計画についてであります。議員から御紹介いただきましたが、本市の下水道資源活用の取組につきましては、令和元年度第12回の国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」にて、イノベーション部門の受賞となってございます。 本市では、産学官の連携の下に、発電や熱、処理水、汚泥などの利用促進に取り組んでございまして、本年度はミニトマトやホウレンソウのハウス栽培に加えまして、処理水によるアユの養殖を試験的に実施しております。これら水産業への資源活用として、全国的な注目を集めているところであります。現在は、下水道資源の活用についての可能性、これの調査及び研究を進めているところでございますが、今後もさらに研究を進めていくとともに、民間での事業化における採算性評価、それから市民への水平転嫁を図るための課題整理を行いまして、実用化に向けた下水道資源循環構想の策定に取り組んでまいりたいと考えているところであります。以上です。 ◆1番(長谷川剛議員) ありがとうございます。 この間、共産党市議団では、公共上下水道業務に携わる専門的知見を創出する行政力と市民サービスの低下、あるいは委託先の労働条件の低下の懸念、自治体業務のアウトソーシング化は地域経済の土台を揺るがし、労働者の貧困・格差の要因を生む、こういう理由から業務委託には反対をしてきた経緯があります。今答弁の中でもコンセッション方式まではしないという御答弁がありましたが、コンセッション方式まで進んだ浜松市などでは、大変混乱をしていると、結果的には市長がその導入を延期するというような報道もされております。 最初に申し上げましたように、本当に本市の上下水道事業は様々な工夫をされながら取り組まれていると思います。ぜひそういった点、市民のほうにも様々周知していただければと思います。以上で質問を終わります。  菅 井   巌 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 4番菅井 巌議員。  (4番 菅井 巌議員 登壇) ◆4番(菅井巌議員) 通告に従って質問をいたします。 まず、風力発電計画の在り方について伺います。 この間、庄内自然博物園構想推進協議会が企画した地域における自然エネルギー学習会に私も参加させてもらいました。その中で、脱炭素社会に向けた潮流及び環境影響評価法制度の概要と題して、環境省東北環境事務所環境対策課長の報告があり、企業の脱炭素経営の広がりとして、企業側のリスク回避と併せてビジネスチャンスと捉えた世界規模での金融投資が拡大しているということを私も認識しました。 また、環境影響評価法の制定までの過程として特徴などが述べられて、大きく3点で、1つ、事業者のセルフコントロールの制度、2つ、規制法ではなく手続法、3つ、具体的な事業に対して公衆が直接関与できるとして、具体的には国が事業の可否・判断を行うものではなく、たとえ一定以上の影響があったとしても事業を強制的に中止させる機能はないとされ、参加者からは歯止めにはならないのではないかという疑問が出されました。 そうした下で市当局では、先般の羽黒山周辺の風力発電事業を巡っての対応を経て、一定の歯止めをかけるため本市のガイドラインの改定を行うとし、今月に関連する審議会を予定しております。まず、その状況、内容について伺いたいと思います。 また、現在開発・建設中の三瀬八森の風力発電事業者が引き続き行うとされている(仮称)三瀬矢引風力発電事業など今後の事業計画に対して、改定される新ガイドラインについて事業者への対処をどのようにやっていくか、この点について伺います。 次に、これも学習会で参加者から指摘があったのですが、県外企業による大規模な風力発電の在り方と市の地域エネルギービジョンに掲げるスモール・スマート・サスティナブル、訳すれば「小規模で洗練された持続可能な」という関係についてです。再生可能エネルギー分野でこれまでも市民や地域、自治体で取り組む事例があった一方で、近年の状況を見ますと全国や県内の事例を見ても、資本力のある大企業の参入が著しいと思います。また、現在本市で建設、計画されている風力発電事業は、外資系の県外企業であります。 電力供給による利益の中心の流れは、企業本社、中央、出資者である外資系資本へ流れていきます。市立図書館では、現在SDGsの環境問題をテーマにした書籍の展示がされております。その中の1冊に地域型風力発電事業に携わってきた方による著書があり、「こうすればできる!地域型風力発電」、副題として「地元に利益を生み、愛される風車の実現」を拝見し、読みました。結論的な私の見解としては、風車を回して地域経済を回していくと言えます。資金力と開発スピードに勝る企業の参入、その過程において地域には影響を及ぼすと考えております。 改めて、海外資本や県外企業による大規模な風力発電の在り方と、市が地域エネルギービジョンに掲げるスモール・スマート・サスティナブルの方向性との矛盾について伺いたいと思います。 次に、今環境影響評価法の方法書の縦覧が始まっているわけですけれども、(仮称)三瀬矢引風力発電事業計画の対応について基本的な見解を伺います。事業所の説明によれば、同地ではローター直径が約117メートルから170メートル、高さが約143メートルから158メートル、4,200キロワット級の風車を最大7基程度の建設を計画しております。地域学習会でも、環境保護や森林環境に携わる専門家の話を伺い、地域の自然環境などに精通した研究者や地元の人の声をよく聞くことが大切だと認識しました。 そこで懸念されるのは、11月に開かれた三瀬・由良・上郷地域の方々への事業説明会、これには関心のある一部の住民しか集まらない中で、住民が今後遭遇する可能性のある、計画段階で想定できない課題が、ほぼ声として出なかったことであります。騒音や低周波での健康被害、山林開発と風車の設置での動植物や生態系への影響、保水能力の低下と下流域への影響、土砂災害の誘発など懸念がある一方で、森林整備の課題とされてきた山間部への路網整備、伐採計画、森林所有者の管理などが進むとされ、住民の理解が、後者である期待に目が向けられる一方で、風力発電の計画・開発によって将来リスクについて理解がされているのか疑問であります。 自治体が事業者にとって不都合なことは市民に知らせないでは、万が一住民に被害を及ぼす事案が発生したとき責任が問われると考えます。地域住民の暮らし、安全を確保する観点から、自治体が民間事業だからといって関与に距離を置くのではなく、改定ガイドラインを土台とした周知も併せて適切に事業経過や市の事業の捉え方、得た情報や懸念課題を地域内の全住民に伝えるべきだと思いますが、見解を伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 風力発電計画の在り方について、初めに環境アセスメントの在り方、市ガイドライン改定、事業者側への課題対処の求め方についてお答えをいたします。 鶴岡市における風力発電施設の設置等に係るガイドラインの改正に向けた進行状況につきましては、既に再生可能エネルギー、また歴史・文化など各分野の有識者の方々からヒアリングを終えておりまして、環境審議会など3つの審議会に提案する改正案の作成を進めているところでございます。 今後、12月14日には環境審議会、翌15日に景観審議会を開催し、委員の皆様から専門的な知見に基づき御意見を伺うとともに、文化財保護審議会の委員の皆様からは書面により御意見を頂戴することとしております。各審議会より頂戴いたしました御意見を基に最終的な調整を行いまして、年内中には新たなガイドラインを公表できるよう、改正に向けた作業を進めてまいります。 ガイドラインの改正概要につきましては、大きく3つ考えております。 1つ目は、日本遺産、また国指定名勝の周辺などを規制の対象とするということ。2つ目としては、市民への早期の段階における事業概要の公表を行うこと。3つ目として、事業実施に当たり同意を求める範囲、これを拡大することということで検討を進めているところでございます。 今後計画される事業に対してどのような課題対処を求めるのかということで、三瀬矢引風力発電事業につきましては、既に現行のガイドラインに基づき事業が進められているところではあります。しかしながら、今後計画される事業計画と同様に、改正を予定しております新たなガイドラインに基づき、市としても市民に対する早期の情報提供を行うとともに、事業者には丁寧な説明を行っていただきながら、事業者と市民の相互理解により事業を推進していただくよう求めてまいりたいと考えております。 続きまして、県外企業による大規模な風力発電の在り方、市の地域エネルギービジョンに掲げるスモール・スマート・サスティナブルとの関係についてお答えをいたします。 平成25年5月に策定いたしました鶴岡市地域エネルギービジョンでは、目指す本市の将来の姿として、スモール・スマート・サスティナブルエネルギーネットワークシティ鶴岡と掲げております。これは本市の多様性を生かした小規模なエネルギー生産のネットワーク化(スモール)、エネルギー需給のバランスを考慮した最適化(スマート)、将来にわたって持続可能なエネルギー供給体制の構築(サスティナブル)、これらを図ることを重視しながら、新たなエネルギーの創出と最適な需給のネットワーク形成を図るまちづくりを進めるといったものになります。 一方、同じビジョンの中で陸上風力発電の在り方については、地域に活力をもたらす再生可能エネルギーの導入拡大という施策の柱の中で、風況に恵まれている本市において、風力発電はエネルギー効率も高く、関連産業の振興も期待されることから、民間による開発についても事業の可能性について検討し、導入を図るとしているところでございます。 市といたしましても、新しいごみ焼却施設における電力のネットワーク化なども取り組んでいるところではございますが、民間事業者による風力発電事業の導入につきましても、事業者と市民の相互理解の下に推進してまいりたいと考えているところでございます。 続いて、騒音・低周波音、生態系への影響、土砂災害の誘発など、将来リスクへの対応についてお答えをいたします。 議員より御指摘がありましたように、将来リスク、これの対応につきましては、環境アセスメントにおいてはリスク回避と低減について調査検討を行いながら、環境への影響がより少ない事業計画を作成することとなりますけれども、市といたしましても、年内に改正を予定しております新たなガイドラインに基づき早期の段階で事業概要を公表するとともに、事業者側には将来的なリスクも踏まえた丁寧な説明を行っていただきながら、事業者と市民の相互理解により事業を推進していただくよう強く求めてまいりたいと考えております。 ◆4番(菅井巌議員) 部長のほうからは、3つの質問、それぞれ相互理解ということが示されました。住民の中に、やはりしっかり周知して、分かっていただいて、そのリスクも考えていただいて理解をするということが重要だと思います。 現在、三瀬矢引は環境影響評価法の方法書が縦覧ということで、私も昨日見させていただいております。専門家による指摘には、たしかコウモリのことが載っておりました。あと鳥の部分。ただ、環境で言われる、特に山林を伐採したときの影響というのは、専門家からの意見がまだそこには載っていなかったように私は記憶しております。今後、市としてもそうした専門家の意見をぜひ適切に聞いていただくということが重要かなあと思っております。 そこで再質問ですが、現在進められている発電事業、またこれから進められる発電事業、今2つ実際に動いているわけですけれども、風力発電事業者が事業期間としているのが20年と伺っております。営業期間が終了した後、どうしていくのかという更新の在り方、そして実質的な終了後の撤退があった場合、撤去、その後の跡地の問題、これらについて市はどのような説明を受けているのか伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 風力発電事業、20年と営業期間がされているわけですけれども、その更新の在り方、実質的な終了後の撤退・撤去、跡地の問題についてお答えをいたします。 風力発電事業の営業期間につきましては、現行の固定価格買取り制度、いわゆるFIT制度の期間が20年であることに起因するものでございます。事業者に伺ったところでは、発電に関する部分の更新は必要になると思われますけれども、タワーを含めた基礎部分の耐用年数には問題がないということで、継続も可能であるとのことでありました。 営業期間終了後の更新につきましては、事業者側、この20年後の運営状況によるものと考えられますけれども、事業を継続する場合には改めて事業者と地域の合意が必要だと考えております。事業終了後の撤去費用につきましては、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法において、廃棄費用の積立て計画、進捗報告が義務化をされておりますので、事業者において適切に撤去・廃棄することとなっております。 また、撤去後の敷地につきましても、林地開発許可の審査基準にもございますように、基本的には原状回復されるものと考えております。 ◆4番(菅井巌議員) 20年間の根拠がFITの制度だということは分かりました。事前にいろいろお聞きしたときには、やっぱり大規模な企業が参入するのも資金力が必要になるのも、そのFITの買取り価格がやはり問題であると。年々下げられていくのに見合った事業規模でなければ間に合わない。だから、いわゆる小規模な市民型の風力発電がなかなかできにくいということも伺いました。 国の制度上の問題、再生可能エネルギーの利活用を進めるというときのFITの問題、これらについては、市を挙げて持続的な再生可能エネルギーというからには、やはりその辺も指摘をせざるを得ないかなあと思っておりますので、ぜひ今後ともこの問題は取り上げていきたいと思います。 現在建設中の大荒のごみ最終処分場の工事がありますけれども、搬入路ののり面の一部崩壊は市民部長からもあって、追加工事がされたと。その先にあるのが矢引の山であります。土質や植生の形態、同様ではないかなと。昨日見た方法書では、そのような危惧がされます。 風力発電事業が山間部で開発推進されていることに、近年の気象被害を見ていますと想定外の自然被害が心配されるということで、やはり自治体としてもより慎重な対応を取るべきだと思いますので、指摘して次の質問に移ります。 特別障害者手当について伺いたいと思います。 この制度は、国の制度として所得制限がありますけれども、在宅で20歳以上の精神や身体に極めて重い障害があって、常時特別な介護を必要とする人に支給される制度で、月額2万7,350円を3か月分ずつ受け取る仕組みで、判断は各自治体とされております。この問題については、私も新聞報道で知ったのですが、名称に「特別障害者」、申請要件に「在宅」となっているために、その捉え方や判断について自治体ごとの周知の在り方に差があり、課題があると報じられております。 この制度を詳しく紹介している政令市の事例では、障害者手帳がなくても要介護4、5の高齢者でも申請可能とし、グループホームや在宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅(サ高住)に入居していても可能だとあります。これは、本市としても支給の要件として同様であるかということをまず伺いたいと思います。 次に、令和2年度の市の健康福祉の概要によれば、同制度の給付実態は令和元年度で242人です。一方で、制度に該当すると考えられる介護4の認定者1,106人、要介護5が1,033人、計2,139人のうち、居宅介護のサービス、地域密着型サービスの利用者は要介護4で664人、要介護5で538人の計1,202人となっております。制度の給付要件に該当すると思われる方に対して、給付実態の差が見られるのではないか、制度が利用できるにも関わらず、周知漏れがあるのではないかという懸念があります。 要介護4、5の認定者で、特別障害者手当の申請・受給の状況など、現在の取組や周知の実態について伺いたいと思います。 ○議長(本間新兵衛議員) 一般質問の途中ですが、暫時休憩します。再開を13時とします。  (午前11時57分 休 憩)  ─────────────────  (午後 1時00分 再 開) ○議長(本間新兵衛議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉部長(渡邉健) 本市の特別障害者手当の支給要件等について御質問いただきましたので、御答弁申し上げます。 この特別障害者手当は、在宅生活を送る上で常時特別の介護を必要とする重度の心身障害のある満20歳以上の方を対象とし、一定の所得制限を超えない方へ支給される国の制度でございます。 また、居住する市町村に申請を行うに当たり、併せて専用の診断書や所得状況届などの書類の添付も必要となっており、障害者手帳や介護保険の要介護4・5の受給者証の交付を受けていない方であっても申請を可能とされているというものでございます。 なお、在宅生活として申請が認められる施設の形態についてでございますが、これにつきましては全国同一の基準で取り扱われており、議員が申された施設以外では、小規模多機能型居宅介護事業所や、軽費老人ホームが該当するものでございます。 その一方で、資格を喪失する場合の例といたしまして、障害者、または高齢者福祉施設への入所のほか、3か月以上の入院やお亡くなりになられた方などが対象となってございます。 次に、要介護4・5の方の受給状況及び制度の周知等についてお答え申し上げます。 特別障害者手当の受給者は、今年の11月25日現在でございますが、215名の方が受給をされておられますが、そのうち介護保険の要介護度4及び5の認定を受けられている方につきましては106名となっており、約5割を占めている状況となっております。 この手当ての受給者数と要介護度4・5の認定者数の差異に関しましては、在宅生活の有無ですとか、所得確認など個別の事情もありますので、このような差異になっているものというふうに考えております。 本市では、当制度周知に当たりまして、市のホームページや市広報で御案内をしているほか、障害者手帳の交付の際には、利用可能な各種制度や手当て等について申請の手続なども含め、まずは窓口で丁寧に御案内はしております。 近年受給者数も年々減少傾向にあり、制度周知につきましては課題と認識しているところでございますが、今後はより効果的な方法により認知度が高められるよう検討するとともに、障害福祉の領域のみならず、介護や医療など関係機関との連携や情報提供に一層努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆4番(菅井巌議員) 要件のほうについては詳しく説明をいただきました。診断書なども必要だということで、受給に至るまでのハードルもあるというような形になっています。 私もその後調べてみたら、手足の不自由、いわゆる身体の関係で重度の1級、2級に当たる手帳の交付率も年々下がってきているというのは、やっぱりそういう方が少なくなっているという現状があると思って見ていました。 給付の関係でいうと平成25年が最高で、504人が特別障害者手当を受けている、その当時は1,600人を超える1級、2級の手足の不自由な方々が重度の手帳をもらっていますが、年々100人ずつ減ってきているという状況もかいま見えてきましたし、今部長のほうから介護のほうではほぼ半数の要介護度4・5の方々がこれに申請をしているということでした。 やはりこの手当ての取扱いが、現在、福祉課の障害福祉係になっておって、心身障害者の福祉項目に健康福祉の概要でも分類されておって、私もなかなか気づかなかったんですが、今後も制度の周知については長寿介護課と連携、これらも図っていただいて、市民の周知という点でお願いしたいと。 この手当てだけにとどまらず、所得税や住民税の申告の際、特別障害者控除や障害者控除、介護サービスでの医療系サービス費は医療費控除になるという、このような制度もあります。要介護認定された方への認定証交付の際、先ほどの特別障害者手当のこと、あと今御紹介した内容なども含めて改めて実態なども点検いただいて制度の周知の徹底を図っていただきたいと思います。 また、介護事業者の方からは、現場で携わるケアマネジャーへの周知という点で、市も支援している介護支援専門員のネットワーク、ケアネットつるおかでの研修などが有効なのではということも伺っておりますので、ぜひこの辺も活用して制度の周知を図っていただきたいということで要望しておきます。 では、次の質問に移ります。 大山地域の史跡について何点か伺います。 今、大山地域では、コミセン建て替えに向けてコミセンの建て替えアンケートの調査、その分析、そして話合いが行われております。災害避難所機能の充実、コロナ対応、施設整備についてはこのような対応の要望が多く出されております。 建て替え場所については、現地建て替えの声が多い中でも、また先般私も質問したのですが、地盤の関係、大山公園、上池、下池、ほとりあ、近郊の保育園や小学校や特別養護老人ホームなどの連携や地域の将来ビジョンも含めて、旧鶴岡西校跡地を望む声も聞かれております。 昨年9月の議会で私が質問した際、大山コミセン建て替えについては、改築場所として旧鶴岡西校跡地への見解を伺った際、当時の市民部長から、この場所は埋蔵文化財包蔵地であるため、工事前に調査を実施する必要があるとの課題が示されました。 調べてみますと、この場所は平成13年に試掘調査が実施され、報告書によれば古墳時代から中世、近世にかけての土器や磁器片、堀跡、これらが見られたとされております。この報告書の調査目的と方法には、調査は平成13年以降に計画されている開発計画について、事前に照会、協議を行い、それを基に開発事業に先行して詳細な分布調査を行うとされております。 報告書では、同所も含めて9件の報告がされております。そこには、ほかで言えば消防ポンプ庫の建て替え、区画整理など、開発の具体的な要因が示されておりますが、旧西校跡地の場合は、調査原因は詳細分布とされているのみです。 調査目的にある将来の開発に備えていたという試掘と考えられますが、当時この場所の試掘調査に至った経緯や、調査結果の概要について伺いたいと思います。 また、現在の同所の利用については、体育館跡は更地にされて地元保育園の関係者の駐車場、そして旧校舎1棟と武道場は教育委員会で埋蔵文化財の保管調査施設として利用されておりますが、こちらも建物の劣化が著しくて雨漏りもしています。近い将来、この建物にも限界が生じてくると思いますし、近隣の住民の方々からは更地の場所の雑草の管理とか草刈り、側溝の掃除など毎年要望いただいております。 また地域では、五中学区にある4つの自治会やスポーツ団体、これらからは共有認識として総合型の体育施設・体育館の要望もありますし、地元保育園が運営している旧市立幼稚園、この園舎も老朽化が著しいと伺っています。 こうした状況の下で普通財産である旧西校跡地について、今後の利活用の方針や計画について検討がされているか、伺いたいと思います。 次に、大山地内の松倉山馬頭観音に関する質問です。 これは、大山地区に無料配付されている地域応援情報誌「Mekke」というのがありまして、その6月号に地域の歴史文化サークルの記事があり、私も含めて地域の方々も改めて再認識したところであります。 中世に活躍した武藤家由来の史跡とされる高館山のやや下に松倉山というのが位置しておりまして、その付近から、武藤家が滅亡を経て大山3丁目上本町地内に移って、地域の方々が祭ってきたのが松倉山馬頭観音堂です。 現在でも地域の人たちで維持管理されて、堂内には観音様が安置されて、仁王門には2体の仁王像、そして、今年はコロナ禍で見送られましたけれども、毎年7月17日はお祭りもされていると。 今回の情報誌掲載にもありますけれども、地域の方からは、この松倉観音をめぐる史実としての評価や、今後の維持の関係もあって、市に対して文化財指定も念頭に、数年前に調査のお願いがされたということをお聞きしております。また、それに対応もされてきたとも伺っております。 地域の大切な歴史文化遺産の一つと考えますので、その経過と今後の市の対応について伺いたいと思います。 ◎教育部長(石塚健) それでは、大山地域の史跡についてということで、初めに旧鶴岡西校跡地についてお答え申し上げます。 この旧鶴岡西校跡地は、酒井家入部以前に庄内地域の名士として活躍した武藤氏の本拠である尾浦城の一部であったと伝えられております。それで、平成11年度に旧鶴岡西高等学校の解体工事の際に、県の教育委員会が試掘調査を行いまして、敷地の東側に幅30メートルの南北方向に延びる大規模な溝跡が確認されたところでございます。 この結果を受けまして、旧鶴岡市の教育委員会では、平成13年度に詳細を把握するために15か所の試掘調査を実施いたしまして、平成11年度調査の続きであります大溝でありますとか、敷地の西側では幅、深さとも不明な複数の溝跡を確認いたしました。出土遺物は漆器等の木製品を含む4箱ほどが出土しておりますが、その主な時期は、室町時代後半から江戸時代初期でありまして、そのときの土器、陶磁器の破片であったものであります。以上のことから、やはりこの旧西校跡地には、武藤氏時代の尾浦城の一部と思われる痕跡があると確認されたところでございます。 そして、現在の利活用の状況といたしましては、御案内ありましたように教育委員会では旧校舎1棟と武道館を出土遺物の保管や整理などの作業を行う施設といたしまして使用しておりますが、老朽化による雨漏りもありますので、今後新たなこの保管場所等の設定について検討もしているところでございます。 また、更地部分の管理状況でございますが、草刈り等につきましては、最低でも年2回は実施いたしまして、状況によっては除草剤の散布や除草作業の回数を増やしながら対応してきております。 それで、跡地利用につきましては、やはり埋蔵文化財包蔵地でありますことから、事業者による開発行為を進めるに当たっては、教育委員会との協議が必要となります。教育委員会では、事業の内容を確認いたしまして、発掘調査を行うこととなります。その調査が終わるまでは事業着手ができないこと、あるいは発掘調査にかかる費用は事業者側の負担となりますことなどから、様々な制約がある場所でございますので、今後、跡地利用を行う場合には、当該事業者と調整を図りながら対応してまいります。 次に、松倉山馬頭観音に関することについてお答えいたします。 松倉山馬頭観音堂関係の調査につきましては、平成29年度に世話人会から相談を受けまして、市の教育委員会で現地調査を実施したものでございます。敷地内には、観音堂及び堂内に祭られている観音像や絵馬、仁王門及び仁王像、縄巻地蔵や縁の下地蔵を確認いたしました。その翌年、山形県文化財保護審議会彫刻部門の委員の方から、観音像の写真を見ていただく機会がございまして、その委員からは、室町期以降のものではないかとのお話がありました。 このことにつきましては、世話人会の方にもお伝えするとともに、市の文化財保護審議会にも報告いたしまして、観音像のほかお堂などの一連につきまして、未指定文化財として今後調査の対象としたところでございます。 市内には200件を超える未指定文化財がありますことから、調査を依頼する専門の方や調査の仕方、調査の順番等を検討しながら進めているところでございます。 また、市の文化財指定に至るまでには様々な調査を行いまして、専門家からの評価や報告書を基に文化財の価値を確認した上で、文化財保護審議会に諮り、市の教育委員会で指定を決定いたします。 一方、市内には指定された文化財が510件ございますことから、その保存に関する支援を行う中で、この未指定文化財につきましても歴史を伝える貴重な文化資源であることは認識しておりますので、重要性、緊急性を踏まえ、文化財の指定登録に向けた取組を引き続き進めていきたいと考えております。以上でございます。 ◆4番(菅井巌議員) 西校跡地については、今後利用する場合には事業費負担とか跡地の調査が相当かかるということが改めて認識をしたところです。 いずれにしても有効な場所ですので、何らかの利活用の方向を今後とも探っていただきたいなと思っております。費用の負担の関係もありますが。 あと、松倉山馬頭観音の関連史跡についてですけれども、冒頭触れたように、今の尾浦城の跡の関係もありますけれども、コミセン建て替えの話でも地域の歴史や文化の伝承、保存についても話題が及んでいるわけです、残してほしというのは。 現在、NHKの大河ドラマで明智光秀を主人公とした戦国時代が題材となっていますが、その時代、この地域を治めていたのが武藤氏であります。居城があったのが現在の大山公園、尾浦城です。本能寺の変は1582年ですが、その翌年、1583年、この地では武藤義氏が部下の前森蔵人から裏切りにより城を攻められ、新山森で自害したということが伝えられています。 その後、山形の最上氏に支配が移り、そしてそれを上杉景勝の支援を受けた武藤氏と本庄氏の連合で十五里ヶ原古戦場の戦いを経て、越後上杉家の支配、これらがあって、この地については酒井家入部前に、まさに庄内の戦国時代の歴史が残されているわけです。その史実を知るのが地域の史跡や文化財の研究調査、その伝承だと思います。 尾浦城をめぐる史跡や文化財など、地域では地道に調査を続け保管を求めている方々がいらっしゃいます。地域の宝としたいという思いがありますので、そうした声に耳を傾けていただいて、市としても調査研究に対して、また文化財指定についても改めて支援をお願いして私の質問を終わります。  加 藤 鑛 一 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 5番加藤鑛一議員。  (5番 加藤鑛一議員 登壇) ◆5番(加藤鑛一議員) それでは、通告に基づき一般質問を行います。 初めに、鶴岡市平和都市宣言と核兵器禁止条約発効についてであります。 平成29年、2017年7月7日、国連で122か国の賛成により採択された核兵器禁止条約は、同年9月20日から各国により署名が開始され、今年10月24日、批准した国が発効要件となる50か国に達しました。90日後となる来年1月22日に条約が発効する見込みです。史上初めて核兵器を違法化する国際条約が動き始め、核兵器廃絶を目指す取組は新たなステージに入ります。 私は、旧藤島町で青年団活動の中で被爆体験を持つ故池田伝三郎さんから話を聞き、原水爆禁止世界大会の広島に3回、長崎に1回参加してきました。世界で唯一の被爆国日本は、被爆者をはじめ全ての国民が核兵器のない世界を強く求めてきました。 鶴岡市平和都市宣言、旧市の平和都市宣言、旧町村の非核平和の町宣言は、核兵器の廃絶を訴えています。被爆75年の年月をかけて、核兵器禁止条約発効という歴史的な快挙を実現するこの時代に遭遇した鶴岡市民に向けて、政府の対応はどうあれ平和都市宣言の首長としてメッセージを発する考えはないかをお聞きいたします。 2つ目に、新たなごみ処理施設の三川町負担金についてであります。 新たなごみ処理施設の三川町負担金について、施設整備費の負担はこれまでごみ搬入割合だったものに、新たに10%の均等割を設け、残り90%を搬入割とするものです。均等割10%の考え方として、人口割や財政規模割という考え方もあったと思いますが、現在の試算で仮に住民1人当たりの負担額で比較すると、三川町は鶴岡市の約2倍になると思いますが、住民1人当たりの負担額の比較は行われなかったのかをお聞きいたします。 均等割10%で上げられている先行事例について見ますと、千葉県山武郡市広域行政組合は、東金市が人口6万人、山武市は5万5,000人、大網白里市は5万人で大体同等ですね。それから、山武郡九十九里町は1万7,000人、芝山町は7,000人、横芝光町は2万4,000人と、こういう町村はちょっと低いですけれども、一般廃棄物は横芝光町は一部の区域でありますが、こういった3市3町で構成されております。 し尿処理と浄化槽汚泥の処理施設をやっているところですけれども、10%の均等割ですが、ほかに15%の財政力割もあって、75%が利用率割となっているようです。しかもここは委託ではなくて、一部事務組合の方式です。 また、2つ目の例で長野県湖周行政事務組合は、岡谷市は5万人、諏訪市は5万人で同等ですね。下諏訪町は2万人ですから大きな開きはありません。 3例目の枚方京田辺環境施設組合は、枚方市が40万人に対して、京田辺市は約7万人であります。人口規模の開きは大きいのですけれども、しかし令和4年度からの新焼却場の施設建設は、この小さいほうの京田辺市に設置されるということで利便性があるということから理解できます。 一方、人口割を採用しているところを調べますと、例えば平塚市、大磯町、二宮町の1市2町でブロックでやられています。ここですと平塚市は25万人に対して大磯町は3万人、二宮町も約3万人ということで、ここでは交付対象事業分は処理量割で、対象外について処理量割が50%と人口割が50%と、こういうことを採用しているようです。 人口1人当たりの負担額が2倍もの開きがあるということで、小規模自治体に対する鶴岡市の品格が問われないか心配をしておりますけれども、見解をお聞きしたいと思います。 ◎総務部長(高橋健彦) 1点目の鶴岡市平和都市宣言と核兵器禁止条約発効についてお答えいたします。 議員御案内のとおり本市では、平成23年に核兵器をはじめとする大量破壊兵器の速やかな廃絶を訴え、戦争のない恒久平和と文化の構築を強く決意する平和都市宣言を行いました。 また、同年には核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起することにより、世界恒久平和の実現に寄与することを目的とした平和首長会議へ加盟する一方、平和の大切さを市民に訴え後世に伝えていくため、市独自で平和都市推進事業に取り組んでいるところでございます。 今般、核兵器禁止条約が発効する見通しとなったことについて、平和都市宣言の首長として市民に向けたメッセージを発する考えはないかとの御質問でありましたが、本件は外交、安全保障に関する事項であります。政府において批准していない条約について、地方自治体、地方公共団体の首長が独自にメッセージを発するなどの対応については慎重を期す必要があると考えております。 市といたしましては、今後も鶴岡市平和都市宣言記念の集いの開催などを通して市民の皆様とともに平和都市宣言の市として戦争の悲惨さ、核兵器をはじめとする大量破壊兵器の速やかな廃絶を訴え、平和の大切さを啓発してまいりたいと存じます。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 続きまして、新たなごみ処理施設整備に係る三川町負担金について、1点目の施設整備の負担における住民1人当たりの負担額を比較検討したのかどうかについてお尋ねでありますけれども、初めにこれまでの負担金算定の経過と新たな算定方法の内容から御説明させていただきます。 現在、ごみ処理事務の委託に係る三川町からの負担金につきましては、平成19年度に締結した三川町と鶴岡市との間における一般廃棄物の処理に係る事務の委託に関する協定書に基づきまして、ごみの搬入量に基づく搬入量割で算定をしております。 一方、ごみ焼却施設及び最終処分場といった大規模施設整備に合わせて、区域内のごみ処理の責務がある両市町がより公平・公正に負担し合うために応分の負担を盛り込んだ算定方法を協議してまいりました。 公平・公正な負担につきましては、利用する者の受益に応じて負担するといった応益負担、あるいは人口や財政規模等に応じて負担するといった応能負担の考え方がございます。一部事務組合など一つの共同組織におきましては、議員御案内のとおり搬入量割や均等割などの応益負担と各構成団体の人口割や基準財政需要額に基づく財政力割などの応能負担を併せて算定している事例がございます。 一方、本件につきましては、三川町が本市にごみ処理事務を委託し、本市の事務として処理をしている受委託関係でありますので、委託者の財政力などにより負担金の額を算定する応能負担のこの考え方はなじまないと考えております。 また、応益負担として、両市町が単独整備するよりも、建設コストが軽減するといった受益や、ごみ処理施設に係るあらゆる事務を負わずに施設を利用できるといった三川町の受益があることを踏まえ、施設整備に係る費用の10%を両市町が等しく負担する均等割を新たに設けたところでございます。 こうした応益負担に基づいて、搬入量割と均等割による新たな算定方法を基本方針として三川町にお示しし、その内容で調整を進めることについて文書で回答を求めたところであり、10月16日に同町から承諾する旨の回答があったものであります。 議員より御指摘のありました新たな算定方法における施設整備費については、三川町の住民1人当たりの負担額が本市と比較して高くなるということは認識をしております。一方、他の事業費において両市町の住民1人当たりの負担額を公表されている令和元年度決算額で比較しますと、三川町では、例えば総務費では約2倍となっておりますが、ごみ処理を含む衛生費は約4分の1となっており、事業によって違いが出ているところであります。 本件につきましては、両市町が公平・公正に負担し合うことを重視しながら算定方法を協議してきたものであり、合理的な算定方法であると認識をしております。 次に、負担割合の算定での小規模自治体に対する鶴岡市の姿勢、品格という御質問でございますが、一般的に区域内から排出された一般廃棄物については、収集運搬から中間処理、最終処分までの事務を、その区域の地方公共団体が行うという自区内処理の原則という考え方がございます。両市町は区域内のごみ処理を行う責務があるという基本理念に基づき、公平・公正に負担し合いながら、お互いに納得した上で受委託関係を継続することが肝要と考えております。 この公平・公正に負担し合う応分の負担につきましては、参考となる事例がない中で明確な根拠と妥当性を重視しながら、関係省庁の指針や先行事例等を研究し、ごみ処理費用として計上すべきあらゆる項目を一から洗い出し、検討を行ってまいりました。そうして両市町が互いの考えを出し合い十分に時間をかけて協議を重ねてきた結果、このたびの新たな算定方法の基本方針を示すに至り、その内容で調整を進めることについて三川町から承諾をいただいたところであります。 本市といたしましては、区域内のごみ処理を行う責務を分かち合う三川町と双方が納得できる合理的な算定方法であると認識をしております。 ◆5番(加藤鑛一議員) メッセージについてはなかなか難しいという話でしたけれども、市長は市民が大きく関わって企画した今年の平和都市宣言の記念の集いに出席されましたね。最後までおられましたので、もしできれば感想を生の声でお聞かせ願えればありがたいと、こういうふうに思います。 それから、2つ目のごみ処理の問題ですけれども、やはり一部事務組合ですと、自治体の規模の大小はあれ対等、平等だと思うんですが、やっぱり受託、委託の関係ですとどうしても大きいところ、委託を受ける側の権限が強いと、こういう関係にありますので、やはり小規模自治体に対する一定の配慮というのは当然必要になってくると思います。それは、市民憲章に示された認め合い、助け合って笑顔あふれるまちにしましょうというふうなことが、単なる市民生活ではなくて、自治体の関係でも問われるのではないかと思いますので、その点についての考え方もお聞かせ願えればありがたいと思います。 以上、お願いします。 ◎市長(皆川治) 加藤鑛一議員さんから御質問いただきました平和都市宣言、また核兵器の禁止条約発効の関係でございますが、この政府の批准していない条約という関係につきましては総務部長から申し上げたとおりでございますが、鶴岡市平和都市宣言記念の集い、今年の8月に開催をされまして、改めて戦争の悲惨さ、また核兵器をはじめとする大量破壊兵器の速やかな廃絶、このテーマは非常に重要なことでございますので、引き続き私もこうした集いを通じて発信してまいりたいというふうに考えております。 それからもう一つ、三川町の負担金の関係でございますが、これも市民部長からお答えをさせていただいたところでございますが、両市町でこれはしっかり協議をしてまいりまして、10月16日に回答もいただいているというところでございます。 市と町の規模の違いというような御指摘もあるわけでございますが、それぞれの市町でこのごみ処理をする自区内処理の原則ということもございますので、お互いに歩み寄って、この合意に基づいて処理を進めていければというふうに考えております。 ◆5番(加藤鑛一議員) 先行事例がない中で、鶴岡市のやり方が一つの先行事例になるわけです。そういう意味で、やはりこの大規模自治体の品格が問われないようにきちんと小規模自治体にも配慮して進めていく。これはごみ処理だけではなくて水道も消防も同じような考え方で進めていくということが非常に大事だと思いますので、そのことを強く要望して終わりたいと思います。  加賀山   茂 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 11番加賀山 茂議員。  (11番 加賀山 茂議員 登壇) ◆11番(加賀山茂議員) 通告をしておりました件について質問いたします。 全国的傾向にありますが、地方、地域は人口の減少に伴い活力の衰退が顕著に感じられます。特に地域集落にあっては、次代を担う若者が地域にしっかりと根差し、地域おこしの原動力として活動し、活気ある社会づくりを先頭に立ってリーダーシップを発揮していただきたいものと常日頃から希望し願っている一人であります。 家庭、家族生活の充実は最も重要視されるものでありますが、人が生きていくには周りとの共存が極めて大事なことであり、その周り、地域において若者たちが立ち上がり、地域づくりに本腰を入れ取り組んでくれるような魅力のある将来構想と展望を地域が一体となり構築しなくてはならないものと思っております。この課題は、鶴岡全市域に共通する重要な案件であるものと受け止めております。 まず、行政として地域づくり構想の方針、考え方とこれまで取り組んできた経過、現状について伺います。 さらに、地域づくりに対する行政としての役割と認識について伺います。 また、活性化対策推進の考え方はいかがか伺います。 一言で地域づくりと言っても多岐にわたり、その中身は膨大でありますが、特に自然災害等に対する安全対策の充実は喫緊の課題となっております。その対策について伺います。 先般、7月28日の豪雨にあった湯野沢地区の自主避難を経験して、市内の避難所全般に言えることですが、コロナ禍では大人数の避難者に対応することが困難になっているものと思いますが、その対策について伺います。 次に、地域活動の拠点整備は、地域活力を生み出すポイントであります。その地域が置かれている現状、伝統と歴史文化などなど、特色ある遺産を伝承し、地域の発展に役立てる極めて重要な案件であるものと思っております。 実例を紹介しますが、私の住んでおる栄地区では小学校が統合となり、最も多くの住民が活動場所として使用していた旧小学校体育館は老朽化が著しく、地区として当たり前のこととして活動してきたことが困難な状況であります。当たり前の生活を当たり前にできるように対処するのが市としての責務ではないのかとの声は地区全体に広がり、行政に対する不満が大きくなっていることを踏まえ、地域活動の拠点整備についての考えを伺います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 地域づくり構想についてお答えいたします。 なお、災害対策につきましては後ほど危機管理監より答弁させていただきます。 初めに、地域づくりの方針、考え方についてお答えいたします。 本市では、地域がそれぞれの個性を発揮し、また地域間が連携することにより市全体が生き生きとした活力あるまちとなることを目指し、地域の個性と自主性を生かした自律分散型のまちづくりを推進しております。そのためには、地域住民が地域に誇りと愛着を持って暮らしていけることが大切であり、次世代にしっかり継承する取組を進め、地域資源を磨き、地域内外の人々と交流をしながら新たな価値を創造していくことが必要であると認識をしております。 こうしたことから本市といたしましては、地域まちづくり未来基金を新たに創設し、平成31年3月には地域まちづくり未来事業計画を策定しました。この計画に基づき各地域において様々な事業を実施しているところでございます。 また、より身近な地域コミュニティにおいては、地域コミュニティ推進計画に基づき、住民の交流、防災や防犯など地域における安全で心豊かな暮らしの実現が重要と考えております。 そこで、身近な地域課題を解決するため、地域特性を生かした地域ビジョンの策定など地域と行政の連携・協力の下、地域住民が主体的に取り組む仕組みづくりを推進しております。 次に、地域づくりにおける行政の役割についてというお尋ねでございます。 さきにお答えしたとおり、地域の個性と自主性を生かした自律分散型のまちづくりを推進しており、地域の自主性を重んじ、行政はその活動に寄り添い後押しをしていくことが肝要と考えております。 本市では、未来を見据えた地域づくりを人的に支援するアドバイザー職員制度を創設し、地域課題の解決や地域ビジョンの策定、事業実施、体制づくりなど、地域の求めに応じて職員をアドバイザーとして派遣し、引き続き地域の主体的な活動を後押ししてまいります。 次に、活性化対策推進についてお答えいたします。 本市での地域づくりの取組につきましては、平成27年度に策定した鶴岡市地域コミュニティ推進計画に基づき、各地域の現状と課題を踏まえた上で、住民が安全安心で心豊かな暮らしを築くために住民主体による地域特性を生かした持続可能な地域づくりを推進してきたところでございます。この推進計画は、計画期間が5年であることから、今年度は第2期の策定に向け自治組織の会長さんや若手で活動に関わっておられる方を対象に、アンケート調査や意見交換会を行い、地域の現状や課題などの把握を進めてきたところでございます。 第1期の取組状況といたしましては、役員の負担軽減と事業の効率化を目的に組織改革に取り組んだ地域、組織を統合して事業の一本化と充実に努めた地域や、防災、福祉をテーマとしたワークショップを開催して地域ぐるみで災害や高齢化に備えようとしている地域など、地域課題の解決に向け一定の進捗が図られたものと認識しております。 一方で第2期計画に向けた課題として、町内会などの単位自治組織の運営が高齢化や担い手不足などにより厳しさを増してきているということから、課題解決のためには広域のコミュニティ組織との役割分担など広域で支えていく体制づくりが課題であると考えております。 また、活動状況を地域内外に向けて発信することも重要な取組であり、ホームページやSNSなど、こういった情報共有も有効であると考えております。これらのツールを用いることは、広い世代の方々から地域活動に興味を持っていただくきっかけにもなると思いますし、日頃の地域活動に活用いただくことで新しい生活様式の定着にもつながる取組ではないかと期待をしているところでございます。 なお、市ではコミュニティの活性化を図ることを目的に、広域コミュニティ組織運営・地域づくり交付金を交付し、地域が主体的に行う生涯学習や福祉、防災、生活環境整備等の総合的な地域活動のほか、地域の特色を生かした地域づくりや地域課題の解決に向けた取組等に活用いただいております。 令和元年度には大幅な見直しを行い、職員人件費の増額やコミセン事業の拡充に活用され、見直しの効果が一定程度あったものと考えております。 また、住民主体による地域づくりを進める観点から、地域ビジョンの策定を支援しております。ビジョン策定に当たっては、多くの地域住民が関わりながら地域の課題や価値、さらには目指すべき姿、方向性を共有するプロセスを経ることで、我が事としての地域づくりが進められると考えております。 現在、鶴岡地域の三瀬、加茂、藤島地域の藤島、羽黒地域の手向、櫛引地域の宝谷、朝日地域の朝日東部、温海地域の越沢、福栄の8地区で地域ビジョンが策定されておりますが、地域の多くの人々が策定に関わることで新たな担い手の発掘につながっていると伺っております。 ほかには、市では地域まちづくり未来事業や、市民まちづくり活動促進事業、アドバイザー職員制度などを通して地域の自発性と主体性を尊重し、自由度の高い活動ができるよう支援してまいります。 地域コミュニティを維持するためには、担い手が不可欠でありますが、担い手は日頃からの地域コミュニティの活動、取組を通じて発掘、育成されていくものと考えており、地域参加のきっかけをつくることが何よりも重要であります。市では、市民、地域と行政の連携を図りながら住民主体によるまちづくりに向けて地域とともに取り組んでまいりたいと存じます。 次に、地域活動の拠点整備の考え方についてお答えいたします。 本市における地域活動の拠点施設といたしましては、町内会のような単位自治組織が設置するいわゆる公民館、また市が設置するコミュニティセンターなどがございます。市が設置するコミュニティセンターにつきましては、おおむね小学校区を単位として33施設ございまして、それぞれの地区におきまして広域的なコミュニティ組織を指定管理者としております。 広域コミュニティ組織においては、鶴岡市広域コミュニティ組織運営・地域づくり交付金を活用いただきながら、コミュニティセンターを拠点として、地区の将来を見据えた地域ビジョンの策定や地域課題の解決に向けた取組が行われております。そのほか生涯学習事業や地域文化の伝承活動など、地域独自の様々な事業が展開をされております。 コミュニティセンターの整備につきましては、老朽化が著しい施設については、地元と協議しながら改築や閉校した旧小学校を活用するなどして整備を進めております。 さらに、大規模改修事業では、防災、福祉、地域活動等の拠点施設機能を充実させることにより、財政負担の軽減、平準化を図りながらバリアフリー化や省エネルギー化、生活様式の変化などに対応した求められる公共施設の水準に高めるなど、こういった整備も進めているところでございます。 また、学校統合により小学校が廃校になった地域においては、小学校廃校後も小学校を中心に行われてきた地域行事が継続できるよう学校施設の再利用にも取り組んでいるところでございます。 コミュニティセンター等地域活動の拠点施設は、住民が健康で文化的な住みやすい地域社会をつくっていく上で大変重要な施設でありますので、施設の効率化、効果的な活用が図られるよう地域の皆様と協力しながら各地域の実情や既存施設の状況に応じて改築、改修など計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。 ◎危機管理監(早坂進) それでは、私のほうから自然災害等に対する安全対策の充実についてお答えいたします。 自然災害等に対する安全対策といたしましては、これまでも地震や豪雨、自然災害に対応できる市街地や河川の整備など国土強靱化対策に国・県と連携しながら取り組んでおりますが、相当の期間を要するため、第一義的には住民の皆様がいち早く危険な状態を回避できるよう災害や危機の情報共有、伝達、避難手段等の仕組みづくりや防災意識の高揚につながる施策等に取り組んでおります。 具体的には、災害発生の危険性がある区域と避難先を表示した洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップ、津波ハザードマップ等を住民皆様とともに作成し、全戸配布のほか、ホームページへの掲載、地域で開催する防災訓練や研修会等でマップを紹介するなど危険な箇所や状態について情報共有をしております。 また、毎年、地元住民や警察、県等と合同で実施しております土砂災害危険区域実態調査や、さらに災害時の情報伝達といたしましては、防災行政無線や携帯電話のエリアメール、さらにテレビ、SNS、広報車両などにより幅広く情報提供することで市民皆様の安全確保に努めてまいります。 次に、コロナ禍における避難者の対応についてお答えいたします。 現在、新型コロナウイルス感染症の現状の下、避難住民同士の距離を保ち、3つの密を回避するための避難所対策が求められております。こうした状況には、広いスペースが必要となるため、指定避難所のほか、町内会、自治会の公民館、集会場等への避難や、親戚、知人宅への自主避難などといった分散避難をお願いしているところでございます。今年7月には全地区で説明会を開催しております。 また、避難所の収容人員が超えるような場合は、周辺の指定避難所を順次拡大して開設する対応も検討しております。障害者や高齢者等の避難行動要支援者に対しましては、旅館、ホテルなどへの避難ができるような仕組みについて検討しているところでございます。以上でございます。 ◆11番(加賀山茂議員) 市民部長よりは地域構想について、市域全般にわたるこれまでの取組と、そして現状を答弁していただきました。これについては評価に値するところが大でありますので、何一つ言うことはありませんけれども、1つ、もっと絞って質問させていただきたいと思います。 地域づくりには、地域自らが特性を駆使した住民が主体の持続可能な地域を目指して取り組まなければならないものと常に痛感をしております。しかし、現実を見ればそこに至る活動資本とも思える物理的なものが備わっていなければ幾ら自主性を強調したとしても限界があります。このことについては、先ほど市民部長が後押しをする、後押しをすると2度ほど言っておられました。心強い言葉ですけれども、何も物理的なものがないところにどうして後押しをするのか、ちょっと私は現実と離れているんじゃないかなあと思っております。 そこで実例を挙げると、栄地区の現状を市はどのように捉え、思い、考えているのかをまず確認をしたい。 それから、栄小学校が京田小学校に統合となり、地区住民が140年を超える長きにわたり心のよりどころとして共に歩んできた学校の歴史が閉じられました。このことは既に御存じですよね。分かっていますよね。応援頼みますよ。 そこで、同時に老朽化著しい体育館は危険度が最も高いランクにあったわけです、その学校時代から。それを今何とか、危険を取り払うことなく、地域でどうしても大きいスペースが必要なイベントには使ってもいいよと、いいよというようなニュアンスで言ったのかどうか、私はそう受け止めておりますけれども、それでいいのかということが私としては不思議に思えてなりません。使用するには大きなリスクがあるということを現実に受け止めていただいておるのか、これもまた私としては不思議に思います。 また、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、コミセンの状況、手狭であり地区民が集うイベントを不本意な状況でも開催している状況です。 さらに、先ほど危機管理監も答弁されておりましたけれども、災害時の対応を考える上でも様々な多目的施設が必要不可欠であると、私はこの栄地区の場合は特別違うように思えるんですけれども、この辺の実情をどうつかみ取っておるのか、まずここもお聞きをしなければなりません。 もし多目的な施設を、これから建設というようなことになれば、高床式で本当に耐震とかバリアフリーの適応など整えられた施設が必要と思われるんですね。 そして、もう一つ付け加えさせていただきますけれども、学校統合を積極的に推進しました。栄地区は慎重に考えて、時間がかかって統合が一番遅くなったわけですけれども、何一つ統合のときに要求はしておりません。地区民が失った日常保障の手だてがいつになるのか、それが一番今地域住民が望んでおるところです。 行政として地域づくりの本気度を見せてもらいたいと思いますが、考えを伺います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 再質問にお答えをいたします。 栄地区に多目的施設が必要だということでありますけれども、この件につきましては、平成30年度に鶴岡市自治振興会連絡協議会から要望を受けておりまして、さらに今年の1月に栄地区自治振興会及び京田地区自治振興会の連名で要望書を頂戴しており、市としても検討しているところでございます。 要望では、小学校の統廃合により新たな小学校区となった栄地区及び京田地区の連携による地域振興とその活動拠点として体育館機能を備えた多目的ホールを栄コミュニティセンターに増設するということが上げられております。 市といたしましても小学校の統廃合ということについては、大変重いものであると認識をしております。統廃合に御理解と御協力をいただきました地区に対して統合後も地域活動の維持について配慮が必要であるというふうに考えております。 現在、栄小学校の校舎は鶴岡サイエンスパーク内にある先端研究産業支援センターの別棟として昨年4月から利用をされております。そのほか栄地区の倉庫でありましたり、冬季間はスクールバスの待合室ということで利用をいただいているところでございます。 多目的ホールの整備につきましては、現在、市と地区で意見交換を行っておりますが、地域内でも、先ほど紹介ありました旧体育館、これが老朽化により使用できなくなった場合に実施が困難になる、そういった地域行事は何なのか、多目的ホールをどのように活用していくのか、こういった施設の使用頻度なども含めて話合いが進められているというふうに伺っております。 市としても、今後とも地区の皆様と協議を重ねながら地区の活動拠点として、また災害対応拠点としてコミュニティセンターの機能と併せて、どのような機能を持つ施設が必要であり、施設にとってどのような施設整備が有効であるか、地域の課題の解消に向けて検討を続けてまいりたいと考えております。 ◆11番(加賀山茂議員) 地域のことを踏まえて前向きな話をしていただいたものだと思っております。 後押しだけではなくて、先に立って引っ張っていくことも行政として大事なのではないかと思いますので、それを希望して質問を終わります。  田 中   宏 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 9番田中 宏議員。  (9番 田中 宏議員 登壇) ○議長(本間新兵衛議員) なお、9番田中 宏議員からは参考資料の持込みの申出があり、議長においてこれを許可しておりますので、御了承願います。 ◆9番(田中宏議員) それでは、一般質問してまいります。 広報「つるおか」12月1日号に掲載された市長の一筆入魂の中で、皆川市長はこう書いておられます。 市行政の特徴は総合行政にあると。住宅、福祉、廃棄物、道路などなど、住民生活の基礎的なサービスから国や県と連携した専門性の高いものまで幅が広く、まさに総合的な行政の展開が期待されているのだと。国の行政現場も熟知しておられる皆川市長だからこその見識だと思います。 今回の質問では、縦割りの弊害を超えたまさに総合行政としてのまちづくりを考えていきたいと思います。 それでは、大きな1番目、文化と福祉のまちづくりについてです。 1つ目は、鶴岡まちなかキネマについてです。以下まちキネと略しますけれども、本年5月、惜しまれつつ閉館したまちキネ、それにつきましては鶴岡市社会福祉協議会、以下市社協と略させていただきますが、新たなプレーヤーの登場によりまして半年間の膠着状態から大きく動いたと思います。多くの市民がまちキネ復活の可能性を喜ばしく受け止めていると認識しております。ここまでこぎ着けられました関係者の御尽力、市社協の御英断、そしてキネマ3・4部分の運営を担おうという山王まちづくり株式会社の崇高な決意、それら全てに深く敬意を表するものでございます。 去る11月25日には、映画機能付交流スペース利活用検討会の第1回が開催されました。私も傍聴させていただきましたけれども、前向きな意見が飛び交う大変有意義な場でありました。 座長を務めておられた太下義之さんからは、「映画館×福祉」、そして「バリアフリー映画館」などのキーワードが提示されました。高齢者や障害者など社会的弱者の映画へのチャンネルを市の施策として持つべきだという御指摘にも深く共感するところであります。 この検討会での成果と今後の見通しについて市当局としてどう捉えているのか、お示しください。 そして先日、まちキネの創造的再生とまちづくりを考えるフォーラムと題したイベントが開催されました。私も参加いたしました。有識者の講話や会場全体でのディスカッションなどを通しまして、歴史的建造物の価値、そして町なかに劇場空間が4つもあり、その隣に可能性に満ちた大きながらんどうが2棟もあることの価値、そして個別の建物だけでなくエリアとして捉えて相乗効果を考えていくことが重要であることを学びました。相乗効果ですね。 そこで、今回は現行案には含まれていないD棟・E棟も含めたエリア全体として捉えて、文化と福祉のまちづくり拠点として整備する可能性を探っていきたいと思います。 まず1つ目ですが、歴史的建造物と価値でございます。 言うまでもなく本市は「サムライゆかりのシルク 日本近代化の原風景に出会うまち」として日本遺産に認定されております。昭和初期からの織物工場と倉庫は、サムライゆかりのシルクを表現する重要な産業遺産であると思われます。 そして、町なかにしっかりとした劇場空間が4つもあり、その隣に可能性に満ちたがらんどう、5,000平米もの大きながらんどうですね、2棟もあることの価値、これについてはそのフォーラムの場では工場や倉庫など大空間を持つ簡易大規模建物の再生事例といたしまして、サンフランシスコのフェリーターミナルですとか、パリのベルシー地区のワイン倉庫などの事例が紹介されておりました。 そして、先ほども申し上げた相乗効果について。今回、市社協という新たなプレーヤーの登場によりまして、10年間積み重ねられてきた映画文化に加えて、福祉という文化との相乗効果が見えてきたと思われます。現行案では事務室、会議室、そして介護予防スペースが予定されているとのことですが、この図にあります右側、D棟・E棟を活用できれば、子育て世代からニーズの高い無料で使える屋内型の遊び場ですとか、先ほどのお話でも運動場の話が出ておりましたけれども、低予算で整備できるなど可能性が広がるわけです。 さらに、そこからカフェやオフィス、マーケット、レストランなどの生活の分野、そして低価格で宿泊できる、今ホステルと呼ばれていますけれども、観光の分野などといったように様々な機能を少しずつプラスしていくことで、さらに相乗効果が高まることで収益性を高め、魅力的で持続可能なエリアにしていくことができるのではないでしょうか。 そしてさらに、昭和49年開設の老朽化した老人福祉センターの問題でございます。市社協が整備した施設ではありますけれども、公益性の高い施設でもあり、建て替えを社協任せにするのではなく、D棟・E棟への移設も検討できるのではないでしょうか。その老人福祉センターは、市民プールの脇にありますので、その跡地を活用すれば市役所周辺の駐車場不足も大きく改善できるなど、官民連携によって社会課題を解決するという絶好のモデルとなり得るのではないかと考えます。 市が官民連携、あるいは最近のはやりで言いますと公民共創とも言っておりますけれども、まちづくりの司令塔としての役割を果たして、D棟・E棟を含めたこのまちキネエリアとして構想していくことで、映画館の存続にとどまることなく鶴岡全体の価値を高める創造的解決につながるのではないかと考えますが、市の見解をお伺いいたします。 そして2番目、文化芸術推進基本計画についてです。これまでの経緯、そして策定までのスケジュールについて伺います。 文化芸術には、ジャンルや世代の壁、そして障害の有無ですとか、軽々と超えていく力があると思っています。計画策定に当たっては、狭義での文化芸術というと何かパフォーマンスをするとか、あるいは作品をつくるみたいなことが想像されますけれども、食文化も明記されている国の劇場法の趣旨に鑑みて、ユネスコ創造都市、そしてSDGs未来都市という鶴岡ならではの価値とも関連させていく必要があると思います。 また、文化芸術を通して、いかにして住民のQOLの向上や社会課題の解決に取り組んでいくのか、そうした方向性も計画に盛り込んでいくべきだと考えますが、市の見解はいかがでしょうか。 そして、今申し上げたユネスコ創造都市についてです。2018年、本市からユネスコに提出したモニタリングレポート、そしてモニタリングレポートを受けてのユネスコからの評価書を踏まえて質問させていただきます。 国内唯一、食文化部門でユネスコ創造都市ネットワークに加盟している意義、どのように捉えているのか、改めてお尋ね申し上げます。そのユネスコからの評価書によれば、本市の食文化の伝統や歴史、その保存・継承は高く評価されておりますが、保存と継承に偏り過ぎて革新的で創造的な取組が不足しているのではないかと指摘されておりました。モニタリングレポートの中では本市がユネスコ創造都市として2030年のアジェンダ及び持続可能な開発目標、すなわちSDGsの達成に貢献していくと明記しており、その後策定した食文化推進プランの中でもSDGsへの貢献につながるよう取組を進めるとしています。今後の方向性はいかがでしょうか。 そして、そのSDGsから見まして、私が今つけているこのSDGsバッジ、17のゴールを表現しております。市長もつけておられますよね。このSDGs未来都市については、鶴岡市SDGs未来都市計画で掲げられているウエル・ビーイング・コミュニティという言葉があります。こちらについては、前回の9月議会でも質問させていただきましたけれども、文化と福祉のまちづくりの観点から説明いただければいいなと思います。 計画の中では、ウエル・ビーイング・コミュニティとは身体的にも精神的にも社会的にも満たされた地域社会を指し、鶴岡市は地方圏における豊かな地域社会の象徴を目指すとあるのですが、ちょっと抽象的で不明瞭ではないかと感じています。 一方、鶴岡市と野村総合研究所との合意書の中では、市民の健康や安心で快適な生活を支援する質の高い都市サービスを実現することでウエル・ビーイング・コミュニティの構築を目指しますとあり、下記の3項目が上げられております。 健康への意識が高く安心が確保されている。市民同士の交流が活発で地域に対する信頼が生まれている。地域主体全てが豊かさを実感している。まさにQOLが高いまちと言うこともできそうですよね。そういった文化と福祉のまちづくりの観点から御説明いただければと思います。 そして、このSDGsといいますと、SDGs未来都市計画の中で、AIなどのテクノロジー、そして鶴岡に育まれてきましたバイオサイエンスなど学術文化、どのように市民のQOL向上に寄与していくのか、具体的に御説明いただければと思います。 以上、1問目といたします。 ◎健康福祉部長(渡邉健) 1問目、文化と福祉のまちづくりについて、4点ほど御質問をいただきましたので、まず第1点目の旧鶴岡まちなかキネマについて、健康福祉部より御答弁させていただきます。 旧まちなかキネマにつきましては、現所有者である株式会社まちづくり鶴岡と鶴岡市社会福祉協議会とで現在売買交渉が進んでおります。 社会福祉協議会では、旧まちなかキネマの取得後、事務所機能を集約するとともに地域貢献の観点から、一部映画機能を残したスペースを運営主体に無償で貸し出す予定としておるところでございます。 このスペースにつきましては、映画機能を発揮した多様な交流を促進する施設として利活用を検討し、持続的な運営を図ることを目的に、有識者、市民団体、山王商店街関係者、金融機関、関係機関をメンバーとしまして検討会を設置し、来年1月までに利活用と運営に関わるアイデアを検討いただくということにしております。検討の成果につきましては、運営主体として想定しております山王まちづくり株式会社が、今後事業計画を立案する上での貴重な参考意見となるものと考えているところでございます。 次に、鶴岡老人福祉センターについてお答え申し上げます。 鶴岡老人福祉センターは、鶴岡市社会福祉協議会が設置運営する施設でございますが、議員御案内のとおり昭和49年に建設され、高齢者の健康相談、レクリエーション及び教養講座などの実施により多くの高齢者に利用いただいてまいりました。建設から50年近くが経過し老朽化しており、またサークル活動に対する意識の多様化などにより利用者数は減少しております。この老人福祉センターの施設移転等につきましては、現時点では白紙状態と市社協から伺っております。 また、空き工場でありますD棟・E棟を含めた一体的活用につきましては、現在民間企業が所有する不動産でありますことから、市といたしましては今後の推移を注視してまいりたいと考えております。 市社協事務局の移転に当たりましては、新たな拠点において「おだがいさまのまちづくり」という市社協の基本理念の下に、地域における公益的な取組とまちづくりが一層進むものと期待しております。 議員御案内のとおり、11月25日に開催されました旧鶴岡まちなかキネマ、シネマ3・4区域利活用検討会におきまして、映画と福祉の融合というアイデアが出され、ボランティアや高齢者の活動と交流の場としての可能性も示されたところでございます。市社協事務局が旧まちキネに移転することにより、福祉と文化の新たな接点が生まれることが期待されております。 また、老人福祉センターの今後につきましては、コミセンなど市が所有している同様の施設の利用状況などについて情報提供しながら、高齢社会の今後の進展を見据え、市社協と意見交換してまいりたいと存じます。以上です。 ◎教育部長(石塚健) それでは、教育委員会より文化芸術推進基本計画につきまして御説明申し上げます。 初めにこれまでの経過についてでございます。平成29年6月に文化芸術基本法が改正されまして、地方文化芸術推進基本計画の策定が地方公共団体の努力義務とされたこと、加えて第2次鶴岡市総合計画におきましても、本市の優れた文化芸術活動の伝統を継承、発展させて文化振興を図るため、指針となる計画をつくることが明記されたことなども受けまして策定を進めているものでございます。 策定までのスケジュールでございますが、この法の趣旨を踏まえまして、芸術や文化財のほか教育や福祉、食文化、観光やまちづくりなど様々な分野を代表する方で構成いたします策定委員会を設置いたしまして、昨年度は3回、今年度も3回の計6回の協議を経まして、2か年でまとめることとしておるものでございます。 今年度につきましては、コロナウイルスの影響もあり策定委員会の開催が遅れておりますけれども、それでも1回目を8月に、2回目は去る11月24日に開催したところであり、本市の文化芸術の将来像、それに基づく基本方針や施策の方向などについて議論をいただいているところでございます。 現在、これまでの策定委員会での議論を踏まえたその内容を整理しているところでございますが、今後は整理した内容を今年度の第3回の策定委員会で協議いただきまして、今年度内に計画としてまとめ、その後、議会の皆様への説明、パブリックコメントを経て完成したいと考えているところでございます。 次に、その計画の方向性についてお答え申し上げます。 文化芸術は人々の心を豊かにし、また創造性を高め、多様な価値を認め合う豊かな人間関係をつくるだけでなく、文化芸術活動が新たな活力を生み出し、それが地域活性化に寄与し、活力ある地域づくりに結びつくものと考えております。 また、文化芸術が有する活力を生かしながら新たな文化芸術の創造を進めるには、本市における食文化創造都市でありますとか、SDGs未来都市の取組は大きな強みになるものと捉えているところでございます。 計画策定に当たりましては、現在、本市において芸術文化に関連して取り組んでいる事業を拾い上げた上で、それでも本市において何か足りないもの、今後考えられる事業、例えば市民が興味を持ったり面白いと感じる取組などを計画に盛り込みまして、文化芸術の多様な創造性を活用し、市民生活の向上と地域課題の解決にも貢献することを示せるような本市の魅力を高める文化芸術推進基本計画を策定してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◎企画部長(阿部真一) 3点目の御質問、ユネスコ創造都市、それから4点目の御質問、SDGs未来都市について、企画部のほうから御答弁させていただきます。 最初に、ユネスコ創造都市ネットワークに加盟している意義についてお答え申し上げます。 本市のユネスコ食文化創造都市の認定は、在来作物、行事食、また信仰に根差した精進料理、また季節ごとの郷土料理など幾代にもわたる食に関わる人の営みが豊かな文化として伝承されていることが高く評価されたものでございます。こうした取組が国際的に認められることは、内にあっては市民の誇りであり、郷土愛を育む原動力になります。また、外にあっては、鶴岡市の大きな特徴として本市を国内外に広く知っていただく機会となります。 その上で、ユネスコ創造都市ネットワークに加盟している意義といたしましては、本市同様加盟都市の特徴的な取組を会員同士が広く知り意見交換ができる格好の機会であり、またSDGsなど世界的な潮流への取組の様子を知ることができるなど、今後の本市発展の上で貴重な示唆をいただくことにつながるものと考えております。 また、平成30年度に提出したモニタリング報告書に対してですが、食の映画祭や料理人派遣制度、食育と地産地消などの取組については高い評価をいただいたところですが、一方で創造的な取組が弱い。SDGsとの関連性についての記載が不明瞭といった指摘を受けたところでございます。 こうした指摘を受けまして昨年10月には、本市の発案により全国から90の自治体や団体の賛同を得て豊かな食の郷土づくり研究会を設立したところでございます。今後はこうした国内のネットワークを通じ食文化における新たな価値の創造、発信にも努めてまいりたいと考えております。 加えて、SDGs推進のためには人材の育成が不可欠となります。こうしたことから、食や食文化を通じた人材教育プログラム、鶴岡型ESDの構築について検討してまいりたいと考えております。 続きまして、本市SDGs未来都市計画のウエル・ビーイング・コミュニティについてお答え申し上げます。 ウエル・ビーイング・コミュニティは、デジタル化や未来技術によるまちづくりを通じ市民が将来にわたって健康で安心し、生きがいの持てる豊かな地域の実現を目指すものでございます。 議員の御質問は、AIなどのテクノロジーや本市で生まれたバイオサイエンスなどの学術文化が市民の生活の質の向上につながるよう取り組むことが必要との御趣旨かと存じます。一例を申し上げますと、市民の協力により鶴岡みらい健康調査が行われております。この調査は、本市で行われているメタボローム解析を取り入れた世界初のコホート調査であり、これに関連いたしましてこれまで行われてきたセミナーや地域健康づくり活動のほか、プロジェクトの研究成果等が将来的に市民等への積極的な情報提供などにつながることが期待されております。また、バイオベンチャー高等教育研究機関等による健康増進、がんの早期発見などの研究成果が市民の保健医療、福祉などの向上に寄与することも重要であると考えております。 こうした観点では、国立がん研究センター東病院と荘内病院の連携協定が締結され、11月からは同病院の医師による荘内病院でのがん患者外来の開設を皮切りに、遠隔診療による相談治療や術後でのフォローなどが、今後、鶴岡にいながら享受でき、患者の経済的、身体的な負担軽減が期待されるところでございます。 このほか公共施設や高齢者等の移動手段となるデマンドタクシーの予約システムの導入の検討などを進め、AI、ICTなどのデジタル化によるウエル・ビーイング・コミュニティの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆9番(田中宏議員) ありがとうございます。 本当に創造都市ということが鶴岡において大分市民の間にも言葉としては定着してきたと思いますけれども、ぜひその創造都市が強みになるように引き続き取り組んでいきたいわけでございます。 創造都市というものについて改めてどういうことなんだというと、一応定義としましては、様々な芸術、文化のジャンルにおきまして都市間でパートナーシップを結んで相互に経験と知識の共有、そして国際的なネットワークを活用して文化的産物の普及促進と、あと都市の活性化、文化多様性の理解増進というふうに定義してありますけれども、まさに先ほど御紹介いただいた豊かな食の郷土づくり研究会で鶴岡がリーダーシップを取っているというようなことが都市間のネットワーク、パートナーシップを結んでいくことというので、やはり唯一の食文化創造都市としてリーダーシップを期待したいところでもあります。 そしてさらに、みらい健康調査のお話がありましたけれども、そういった住民のQOLに直接関係があること、もちろんみらい健康調査は何千人もの市民の方々から御協力いただいて、私も協力しておりますけれども、それが一体どうなるんだということについてもう一歩踏み込んで情報共有されていくと一層市民の満足度、鶴岡に暮らしていてよかったということが広がるのではないかと期待するところでございます。 それでは続けて、今の文化と福祉のまちづくりに関連もしていますが、荘銀タクト鶴岡についてでございます。 2018年3月のグランドオープンから2年半が経過しました。これまでの評価と、そしてハード、ソフト面含めまして改善すべき点などどう認識しておられますか、お聞きします。 そして、新たな運営体制への移行が今進んでいるところだと認識していますが、現状と見通しについて伺います。 そして、鶴岡市の文化芸術の中心でありますパッケージ型で購入する出来合いの公演、これは外部からはちょっと分かりにくいですけれども、自主事業といってもパッケージを買ってくるだけの公演というのは今は全国的に日本の現状におきましては古いと言われているんですよね。今、私の認識では荘銀タクト鶴岡についてパッケージ型で購入、あるいは受託している公演が多いと認識していますが、もっと多様な視点、あるいは幅広い視野、そして高い視座からの自主事業に取り組んでいく必要があるのではないかと思っています。もちろんそれはタクトの中だけで完結するのではなくて地域の歴史や伝統芸能との連携、あるいは東田川文化記念館とか、あるいはまちキネのような、ほかの施設とのタイアップなどなど無限の可能性を秘めているのが文化というものであろうと思います。 例えば東京オリ・パラ、どうなるか分かりませんが、こちらのホストタウン事業についてももっと国際村とかとコラボしながらタクトが何か役割を果たしていくということもできるんじゃないかと思っています。 もちろんユネスコ創造都市、SDGs未来都市も文化芸術との関わりは深いわけですが、タクトに期待される役割としてプロデュース機能の強化が急務だと思いますが、今後の方針についてお尋ねします。 ◎教育部長(石塚健) それでは、荘銀タクト鶴岡につきまして何点かの御質問に順次お答え申し上げます。 初めに平成30年3月のグランドオープンから、まず施設提供事業、いわゆる貸館事業、あるいは鑑賞事業、自主事業をはじめとしたそういったものを実施してきておりますが、それらに加えまして2年目からは「ピアノリレーコンサート」による参加体験事業でありますとか、「ダンスアウトリーチ」といった育成事業を実施しております。 3年目となる今年度は、コロナ禍の休館期間中に地域発信事業といたしまして動画配信を行ったり、交流にぎわい事業として館内ライトアップを実施し、タクトが市民の皆様の撮影スポットとなるなど、これまでの公共ホール運営の枠を超えた取組を行ってまいりました。エントランスホールでは、高校生などが自習スペースとして使用したり、ストリートピアノを設置して演奏してもらうなど市民が集う場所ともなっております。 また、コロナ禍での新しい生活様式への対応といたしまして、合唱の実証実験を行い、館での公演における対応方針を作成するなど、本市の公共ホール運営において先導的な役割を果たしてきているところでございます。 ただその一方で、改善すべき点についてでございますが、ハード面ではこれまで利用者からの御意見により大ホールの手すりの追加でありますとか、館内サインの追加など施設面の改善を行っておりまして、ソフト面では、市民ニーズを取り入れた貸館対応などを行い利便性を高める館運営に努めております。 今後は指定管理へ移行するに当たりまして、これまでいただいた利用者からの御意見を指定管理者へ引き継ぐとともに、引き続き利用者の御意見をお聞きしながら、よりよい館運営につなげてまいりたいと考えております。 次の御質問で、指定管理に向けた新たな運営体制への移行の現状でございますが、昨年9月定例市議会において指定管理者として議決いただきましたタクトつるおか共同企業体に今年度は管理運営支援業務を委託いたしまして、館としての各事業を実施しながら、市の職員から共同企業体職員への業務の引継ぎも進めておるところでございます。 また、共同企業体の運営調整会議に市がアドバイザーとして参画いたしまして、管理運営に指導、助言をし業務が円滑に進むようにしております。同時に共同企業体では、職員採用など必要な人材確保を行いながら組織体制づくりも進めており、運営体制の移行は計画どおり進んでいるものと認識しておるところでございます。 今後は、指定管理者の事業計画等に対する評価指導機関としての(仮称)運営委員会を市で設置いたしまして、指定管理者の運営方針や各事業の内容について評価・チェックを行い、市民ニーズに合った的確な館運営につなげてまいりたいと思います。 最後に、御質問ありましたいわゆるプロデュース機能の強化についてでございます。 これまでも職員の資質向上に向けまして先進的な会館へ職員を派遣しての実地研修でありますとか、先進地視察、専門人材を招いての研修などを行ってまいりました。旧会館にはないこのプロデュース機能が本市の文化芸術の中心としての荘銀タクト鶴岡の可能性を広げ、そのことが市民の多様な文化芸術活動につながって新たな活力を生み出し、創造性に富んだ本市のまちづくりにつながるものとの認識から、現在策定を進めております文化芸術推進基本計画でありますとか、食文化創造都市、SDGs未来都市の取組もこの事業に反映できますように、今後は今までアドバイスいただいた方々、この複数の専門人材はある程度固定いたしまして、定期的にタクトでの研修を行い、館の実情に即した事業の企画立案ができるよう職員の資質向上、育成につなげ、事業運営のノウハウの蓄積を図ってまいりたいと考えております。 ◆9番(田中宏議員) そうですね、今御説明いただいたとおり、その活用という、市民参加という面で、出来合いのパッケージを見るだけという参加ではやっぱり古いと。それで、ピアノリレーコンサート、あるいはストリートピアノなどの取組を御紹介いただきましたけれども、タクトを造るときの設計思想として、これが賛否両論も生んだわけですけれども、広い回廊形式のエントランスというのがありますが、こちらの活用、ストリートピアノですとか、あるいはマルシェなども含めて行われてきたということも一つ蓄積としてこの2年半あるんだなというふうに感じたところです。 一層の活用を踏まえて、今プロデュース機能について御紹介ありました。そのプロデュース機能につきましてですが、専門人材という言葉が今出ました。結局、今移行しようとしているタクトつるおか共同企業体については、芸文協さんがまず企画部分については主体となるであろうと予想されますけれども、言ってみれば芸文協さんたちは自分の大好きなジャンルを長年取り組んで来られた方々の集団でありますので、そこに一歩高い視座ですとか、幅広い視野を期待し過ぎるのはなかなか難しいものがあります。 それで、先ほどプロデュース機能という話を申し上げたわけですが、専門人材ということについて、できればというか、よくあるパターンとしましては館長とかチーフプロデューサー的な役割の方を雇って、鶴岡にというかタクトに常駐していただいてという形もあると思うんですけれども、その辺り何かお考えはあるでしょうか。 ◎教育部長(石塚健) その件につきましては、これまでも例えば「ヘッドハンティングしてくる」、おっしゃられたような形のものでありますとか、そういった方法もあるということでの御説明もしておりますけれども、最近の状況といたしましては、言ったように今いる職員の中での研修機能を高めつつそういったプロデュース機能の取り込みでありますとか、そういったものを図っていきたいとは考えております。 ただ、おっしゃるようにプロデュース機能というのは、なかなか育成していくというのは大変難しいものだというふうに考えておりまして、やはり先進事例、実際やっている他市の、他地区のものをまずはそこから学んでくる、そういった形、あるいは将来的には実際その人から来てもらうと、そういったことも今後は視野に入れなければならないと現在では考えております。 ただ、今現在におきましては、今言ったようにまずは研修という形で、進んでいる事例について学んでくる、あるいはそちらで専門的にやっている人たちからの教えを請いながら、それも定期的に同じ人からじっくり聞いてまず勉強すると、そういった形で進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆9番(田中宏議員) 今、専門人材、あるいは先進事例の場所といいましょうか、全国に優秀な文化機能を果たしておられる施設がいっぱいありますけれども、実際そこに職員さんを派遣して研修を割とじっくり腰を据えてやっていただくような体制ですとか、あるいは全国でクリエーティブ人材とも言いますけれども、専門人材の奪い合い、それはデジタル面においてもそうですし、今回のような文化面においてもそうだと思いますが、やはり人材は限られておりますので、奪い合いの面があります。 そんな意味でいうと、専門人材とのネットワークを構築してアドバイザリーボードといいましょうかアドバイザーグループのようなものをタクトの応援団として組織して、その方々のお知恵を借りながらということは現実的だなというふうに、今聞いていてうかがえました。 さて、その文化の話でもう一つ、森林公園というテーマで伺います。 本市は、森林文化都市も標榜しておりまして、ドイツとの関わりですとか様々なことにおいて、7割とも8割とも言われる森林についての関わりが深いまちでございます。 その中で、既存の森林公園が幾つかありますけれども、それぞれの特徴や活用の現状について伺います。 さらに、旧いこいの村庄内跡地を森林公園として整備する動きがあると伺っています。既存の森林公園ですとか、あるいは農村公園、都市公園とのバランスに鑑みて、この場所を森林公園として整備する意義と、期待する効果、そして想定されるコストなどについて伺います。 ◎農林水産部長(高橋和博) それでは、森林公園について順次お答えさせていただきたいと思います。 森林公園は、森林に対する理解を深め、自然との触れ合いの中で心身の健康の増進を図ることを目的に、本市では5か所に設置され総面積が約23ヘクタールとなってございます。 そのうち鶴岡藤沢地区のケヤキの森は、3.8ヘクタールに林間広場や遊歩道、トイレ等を整備し、自然体験イベントや保育園の森林体験活動に昨年度は約250人が参加してございます。 次に、櫛引西荒屋地区の生き活きべんとう村は、15.2ヘクタールに遊歩道やあずまや等を整備し、小学校の校外学習、保育園の森林体験活動などに約100人が参加しているほか、山形自動車道の櫛引パーキングエリアから徒歩でもアクセスできますことから、高速道路利用者の利用もございます。 同じく櫛引地域の水無川上流のかじかの里につきましては、1.7ヘクタールにトイレを整備し、淡水魚や星座の観測ができる公園となっております。 また、朝日越中山地区の古の里森林公園は、0.6ヘクタールに遊具やあずまや等を整備し、隣接します道の駅月山の観光客や地域の親子連れに多く利用されております。 温海の小国ふれあい公園は、1.7ヘクタールに遊歩道や広場等を整備し、近くの廃校を利用した宿泊施設の宿泊者の利用に加え、森の保全事業や小学校の里山トレッキングを開催しております。 このように森林公園の多くは、自然体験活動等に利用されている一方で、かじかの里のように林地の奥にあって利用が低調な公園もあり、利活用に格差が生じていることが課題となっております。 次に、旧いこいの村の跡地、約10ヘクタールについてでございますが、昨年度から自然愛護やスポーツ関係団体、観光協会などの地元の関係団体で跡地利用の意見交換会を立ち上げ議論してきた結果、市民が集える憩いの広場や散策、チューリップ鑑賞などができる公園としての活用が望ましいとの意見に集約されております。 公園の種類としましては、都市公園や農村公園、森林公園がございますが、都市公園と農村公園につきましては、地域住民への健康増進と憩いの場の提供を設置目的としており、森林公園は農村地域における都市住民との交流の拠点として、市民が自然に親しみ人間性豊かな心を育むことを目的としております。 こうしたことから、設置目的や利用の現状、意見交換会の経過を踏まえますと、現段階では森林公園としての整備がふさわしいものと考えているところでございます。 次に、森林公園として整備した場合の意義や効果についてでございますが、現状ではエリアの約半分が黒松林等の林地であること、森林浴やウオーキングにより自然に親しみ、チューリップ園に訪れる多くの市民や観光客の交流拠点として本市の中核的な森林公園になるものと期待しております。 また、整備内容といたしましては、既に散策道やチューリップ園、広場等が整備されておりますことから、必要なトイレ等の改修程度にとどまるものと見込んでおります。 なお、維持管理については、現在、利用団体や地元の関係団体と市職員のボランティアによる草刈り等を行っておりますが、森林公園となった場合も引き続きボランティア作業を中心とした管理を基本とし、コスト軽減と地域に愛される公園づくりを目指してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆9番(田中宏議員) ありがとうございます。 森林公園、条例上は農村地域における都市住民との交流の拠点だというようなことが書いてあります。言わば結節点ということでもあろうかと思いますね。それで、その森林公園はほかの公園と比べまして、林地が主になっているわけですので、お花があるだけというような、あるいは平場が多いところとは違って、樹木が中長期的に成長したり衰退したり、変化を止めることは人間にはできません。 ということで、その中長期的な見通しを持った計画と管理がないと景観ですとか安全を保てず、そうすると魅力がなくなって都市住民も行かなくなるということになって、地元の方々だけで細々活用する、あるいは管理だって大変だということになりがちだと考えます。 ということでこの森林公園の整備に当たりましては、言わば現在ある森林公園もそうなんですけれども、次世代の育成というのもなかなか課題が多いというふうに聞いております。森林公園にするときには物すごく地元も盛り上がって勢いがあってということだったんだけど、やはり一世代、二世代過ぎた森林公園が多いですので、次世代の育成も含めて持続可能な、言わば鶴岡における森林文化を守り伝え、そして住民福祉に資する取組につなげていくということが求められていると思いますが、その辺り、ぜひその中長期的な見通しと計画というようなところについて一言お願いします。 ◎農林水産部長(高橋和博) 先ほど答弁で申し上げましたように、現在、市の5つの森林公園については、利用上の課題もある公園もございます。そうした公園につきましては、今後どのような形でその森林公園を位置づけていけるのかということについては、地元の方々、関係者含めてよく議論をしていく必要があるというふうに考えてございます。 そうした中で、それぞれの森林公園の特徴を生かした公園がこの鶴岡で息づくことによって、まさに森林文化都市としての意義と有効性というのが生まれてくるのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆9番(田中宏議員) ありがとうございます。 一般に公園といいますと、市民の方からすればうちの隣にある町なかの公園も、何とか公園もみんな一緒というふうに捉えられがちですけれども、やはりそれぞれの公園、成り立ちも違えば性格も違う。今の森林公園でいえば、例えば朝日の奥のブナ林に行くというほどではない身近なアクセスしやすい森林公園、櫛引パーキングエリアから徒歩でアクセスできるなんて本当にすばらしいですけれども、そういった森林公園ならではの意義ということも踏まえて、ぜひ整備検討がなされていくことを期待しております。 そこでまとめですけれども、ユネスコ創造都市、あるいはSDGs未来都市であることの価値を我々一人一人が再認識したいと思います。 そして、文化芸術の力、今策定中の計画も含めまして文化芸術の力を信じるということが、やはりこの歴史と伝統文化に彩られた鶴岡ならではのまちづくりにつながっていくのではないかと思っています。 そんなわけで、もう一回繰り返しますけれども、まちキネエリアも含めまして住民福祉の向上ですとか、あるいは交流人口、関係人口の拡大、そして様々な産業も引きつけていくというような魅力あるまちづくりにつなげていくよう相乗効果を期待してこの質問を終わらせていただきます。  石 井 清 則 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 10番石井清則議員。  (10番 石井清則議員 登壇) ◆10番(石井清則議員) 通告した点について質問させていただきます。 最初に風力発電のガイドライン改正について質問します。 9月議会で取り上げた出羽三山周辺に計画された大型風車発電事業、ちょうど9月に質問した2日後、9月9日に業者さんの判断によって白紙撤回ということになりました。 しかし、この件で課題に対応するため、市は現在ガイドラインの改正を進めています。そのスケジュールと現状は、これまでの資料提供であったり、本日の答弁で分かりました。しかし、この民間事業者というのは、ガイドラインが完成するまで事業等を待ってくれるわけではありません。現在も月山周辺、具体的には櫛引地域の天狗森の国有林の風況調査を行っている民間事業者があります。 そこで最初に、今紹介した天狗森周辺での風況調査を行っている事業について伺います。 風況調査の予定が来年3月31日までなので、具体的な事業計画はこれからなのかもしれませんが、その事業計画について市で把握している状況や対応を伺います。また、この事業については民間の事業ですので、公表できる範囲で構わないです。 次に、現在改定しているガイドラインにより、市として規制は可能なのか、伺います。具体的には、開発許認可等の権限を持つなど具体的な規制が可能なのかを伺います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) ガイドラインで規制が可能なのかどうかということでありますけれども、初めに櫛引地域の天狗森周辺における風力発電事業につきましてですが、現在、風況調査を行っております。今後変更もあり得るということではございますが、風況調査前の段階の規模といたしましては、4,000キロワット級の風車10基程度というふうに伺っております。 この事業に対する市の対応といたしましては、この事業計画につきましても今年9月に事業者側の計画の白紙撤回となったものと同様に、日本遺産に認定されております出羽三山に近接する区域であることから、事業者に対しましては事業化しないように申入れを行っているところでございます。 ガイドラインの改正内容につきましては、本日、菅井議員の答弁でお答えをしたところでございますけれども、改正を進めておりますガイドラインにつきましては、風力発電施設の設置を行う事業者に対して、生活環境や自然環境等の保全の観点から自主的に遵守するべき事項をまとめたものであり、ガイドライン自体に強制力はございません。 しかしながら、市として事業者に守っていただきたいという事項を事前に示すという意味では規制までには至らないものでございますが、事業抑制の効果はあるものと認識をしているところでございます。 ◆10番(石井清則議員) 答弁でガイドラインだけでは規制ができない、抑制できる強制力がないという状況だということが分かりました。 そこで対策について伺います。 環境影響評価法に基づいた環境アセスでは、地域の意思が反映されにくいと前回も大きくそのことが問題になりましたけれども、一番影響を受けると思われる周辺地域に何の決定権もないというのが大きな問題だと私は感じています。 そこで、条例等による規制、市での許認可の権限を急いで持つ必要があると考えますが、条例等による許認可制などの規制は法的に可能で、それが効力があるものとして機能するのか、伺います。 あわせて、この質問を通告した後、12月1日の新聞報道でしょうか、山形県で住民の署名及び要望を受けて事業計画に何らかの規制を講じる条例の制定を検討しているというような報道がありました。 市にも同様の署名及び要望が出されていますが、条例制定等による規制の導入について市の考えを伺います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) それでは、条例による規制が法的に可能であるかどうかというところでございますけれども、効力があるか、機能するかというところでございますが、地方公共団体は憲法第94条及び地方自治法第14条の規定により、法律に抵触、矛盾しない範囲で条例を制定することができ、罰則を伴った条例を制定することもできるとされておりますことから、条例による規制は法的にも有効なものと認識はしております。 しかしながら、法律による規制が講じられていない状況においては、基礎自治体が具体的に実効性のある条例を制定することについては、様々な課題もあるものと考えているところでございます。 他の自治体においては、風力発電施設の設置を条例により規制している事例もございますので、御紹介申し上げますと、秋田県にかほ市では、景観計画と景観条例による規制を行っておりまして、景観特性などを踏まえて景観計画区域を大きく4つのゾーンに区分し、さらに特徴的な景観特性を持つ重要な区域として重点景観ゾーンを2つ定めております。 重点景観ゾーンの一つである国指定天然記念物、象潟の九十九島ゾーンでは原則設置を認めないとする一方で、風の見える丘ゾーンでは高原の自然と風車とが調和した新たな観光スポットとして活用できるよう誘導するなど、制限する区域と誘導する区域を設けながら景観との調和を図るものとなっております。 そのほかは、静岡県富士宮市では再生可能エネルギーに特化した富士宮市富士山景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例を制定し、一定規模以上の太陽光発電設備や風力発電施設の事業に関して抑制する区域を指定しております。事業者は、事業着手の60日前までに市長への届出と同意申請が必要とされており、抑制区域におきましては、原則市長は同意しないということになっております。 そのほかにも東北地方では、岩手県の盛岡市や遠野市、宮城県富谷市などにおきましても条例による規制が行われているところでございます。 県におきましても、地域の自然環境や歴史、文化と調和の取れた再エネ発電施設の導入を住民合意の下に進めるために、最終的に県知事が事業を認定する仕組みを盛り込んだ形での条例の制定を検討するとしております。本市といたしましても、基礎自治体が憲法や法令に矛盾しない条例を制定することについては、様々な課題もございますが、県とも連携を図りながら条例の制定について今後検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(石井清則議員) 結局、一番この間に問題になっていたのが、地元に決定権がないということですので、やはり県で条例化を考えているという部分で一つ安心点はあるんですけれども、やはり鶴岡市として許認可できるような条例というのは急ぐべきだと思いますし、ほかに例があるのであればどんどん参考にしてやっていくべきだと。 特に今回白紙撤回していただいた業者さんにおいては日本の企業です。これが例えば外資系だったり、例えばファンドであったら、それはもう止めるというのはほぼ不可能になってくるだろうなと。だからこそ急ぐべきだと思いますので、ぜひ、検討するという話でしたけれども、まず事例をどんどん調べて急いで制定していただければ、制定に向けて動いていただければと思います。 次に、大きな2項目め、日帰り温泉入浴施設について質問します。 最初に、これまでの説明や総括質問の答弁について伺います。 藤島地域のぽっぽの湯及び櫛引地域のゆ~Townでは、温泉を活用した健康福祉サービスを提供すると位置づけ、介護予防や健康事業などを行うことに加え、スポーツ事業とタイアップなども実施し、新規利用の拡大を予定しているというような答弁があったと思います。 それぞれ温泉で行った場合に、市民の利便性が向上するようなものや、より効果が上がるようなものであれば理解できますが、具体的事業が示されていない現在、健康増進等ではなく、経営が苦しい温泉を何とか行政主導で存続させ、問題を先送りするために取りあえずの利用者を増やすことが目的になっているように私は感じています。 そこで、現在想定されているそれらの事業はそもそもそれぞれの温泉で行うべき必要性がある事業なのか、伺います。 さらに温泉で行うべき必要性のある事業であるならば、市民や議会に対して想定されている具体的事業、またその事業が新規事業の場合には実施するのに必要と想定される予算を示すとともに、両施設で事業を実施した場合の効果をどう考えているのか、伺います。 次に、日帰り温泉入浴施設の経営については、これまで何度も質問を繰り返してきました。現在提案されている案では、両地域から運営を引き継ぎたいとの要請があったことに応え運営継続するという判断になったと理解しています。 そこで2点目に、過去に繰り返し質問してきた行政直接支出経費について、地域にどのように説明したのか、伺います。 あわせて、その説明に対し両地域ではどのように受け止めているのか、伺います。 ◎副市長(山口朗) 藤島と櫛引の2つの日帰り温泉についての御質問につきまして、まず私から両施設の指定管理受託者であります第三セクターの代表として冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。 まず、日帰り温泉の運営の見直しにつきましては、行革の検討項目として合併当時から引き継いでまいりました課題でございます。 日帰り温泉の運営の見直しにつきましては、石井議員さんのほうからは、合併後、平成24年頃からこれまで長く御指摘をいただいてきたところでございますが、宴会部門も含めまして財政支出を伴い支えてきたことへの十分な議論が行われずにこれまで来たということでございます。ただいま申し上げました行政からの直接支出経費につきましては、宴会の部門も含めまして支えてきたことの地域への説明が十分であったかということにつきましても、議員御指摘のとおり反省すべき点がございました。 今回、見直しによりまして、宴会部門の切離しを行いますとともに、さらに議員の皆様方の多くの声を取り入れながら、今後、2つの施設が安定的に運営できますよう努めてまいりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。 なお、答弁各項目につきましては、行革の観点から総務部長のほうから御答弁申し上げます。 ◎総務部長(高橋健彦) それでは、1点目の具体的に想定されている事業ということの内容について御説明申し上げます。 施設継続のために重要な利用拡大につなげる特色ある事業として、介護事業、フレイル予防事業及び健康事業を実施、展開してまいりたいという考え方でございます。このことにつきましては、従来の観光、地域活性化のみの施設ということから、市民の健康増進の拠点という新たな行政目的に重点を置いた施設に両温泉を移行してまいりたいと、このような考え方に基づくものでございます。 この事業の内容といたしましては、身体的機能や認知機能低下が見られる状態、いわゆるフレイル、このフレイルの予防として心身を健康な状態で維持する事業や、加齢による活力低下を軽減する事業などを想定しておるものでございます。 具体的に健脳、健康な脳ですけれども、健脳エクササイズでありましたり、ラフターヨガ、リズム体操、こういったメニューを想定しておりまして、これら健康事業に温泉の効果も組み合わせて事業目的を達成いたしまして、市民の健康増進というサービスの向上、さらには利用者拡大につながるようにしてまいりたいというものでございます。 これらの事業につきましては、まさに温泉を併せ活用することで大きな効果が相乗効果という形で期待されますし、地元密着型の体制も生かせるというふうに考えておるものでございます。 このほかにも新たな組織が主導する地域行事でありましたり、イベント企画のほか担当庁舎における3課で各種事業の活用や市役所内部に設けました「ぽっぽの湯・ゆ~Town運営戦略委員会」における横断的な支援など、多角的な視点で支援、活性化を図ってまいりたいと存じます。 なお、事業の予算ということでございましたけれども、現段階で想定しております健康増進事業につきましては、1施設、現段階の試算で450万程度を想定しておりまして、国の補助事業を導入して実施してまいる想定でございます。 続きまして、2点目の行政の直接支出経費について地域に説明したのかという点での御質問でございました。 この点につきまして、この間、各地域において説明してまいった状況について、まずは申し上げさせていただきます。藤島地域におきましては、株主である長沼温泉振興会に対しまして、毎年度末に決算見込み数値と、市の直接支出した経費という形で報告はいたしておりまして、個人会員の皆さんと温泉職員、庁舎職員の3者でこうした状況について意見を交換いたしてきた経過でございます。 また、平成31年3月の町内会長会においても、同様に施設修繕状況や決算見込み等について情報提供をしております。また、本年9月には、コロナ禍による経営状況について、地元長沼地区町内会長会のほうにも説明をさせていただいた経過でございます。 櫛引地域におきましては、令和元年4月及び12月に公社の経営資料や市財政支出を提示する説明とともに、本年9月には櫛引地域振興懇談会、11月には区長会役員会でこれらの情報提供をしております。広報紙等でも一定の説明、周知をしている状況ではございます。 ただ、議員さんがおっしゃっておられる本質は、先ほど副市長からもありましたとおり、行政の直接経費が宴会部門も含めて支えてきておるというその現状をしっかり中身として伝えたのかと、こういうお話と受け止めておりまして、そういった点、十分認識いただいたような形の説明になっていたかという点では、地域への説明が十分であったかどうかということについて議員の御指摘のとおり反省すべき点があったものと考えております。 ◆10番(石井清則議員) これまで質問するときには、商工観光部の観光物産課担当でしたので、あまり施設名だとか直接言ってこなかったんですけれども、前回のときはもう行革に代わっているということではっきり言わせていただきます。 第三セクターの会計とは別に行政、市の一般会計から温泉を維持管理するために支出してきた行政直接経費について、資料によると、平成15年から令和元年までの資料を頂いておりますけれども、藤島地域のぽっぽの湯では行政から温泉施設への支出、工事費、修繕費、委託料など17年間で2億1,000万円を超えています。年平均で1,200万円、月平均にしても100万円を超えている出費を17年間続けてきているんです。 櫛引地域のゆ~Townでは、17年間で4億5,000万円を超えていますし、これを年平均にすると毎年2,650万円、月平均で毎月毎月220万円の支出を17年間繰り返してきた、それだけの額を使ってきているんです。 以前もこの状況を指摘して、各施設の将来と行政サービスの選択について質問した際に、地域住民の皆さんに各施設の経営状況をお知らせし、情報の共有を図り、その上で各施設の在り方について話し合っていただくことは大変重要、そういった答弁だったと私は記憶しております、間違いないと思いますが。 そこで確認なんです。先ほど反省すべき点があるというような言い方をしていましたけれども、じゃあこの状況は伝わっていない上で、分からなくて経営を継続する、運営を引継ぎしたいという要請があったということでよろしかったですか。 ◎総務部長(高橋健彦) 今回の仕組みの変更につきまして、地元町内会長会等と役員会との一定の御説明するやり取りをさせていただいたことは先ほど御説明したとおりでございます。したがって、経営の苦しい状況ということについて説明をいたしまして、新たな対応策、革新していかなければならないということの認識を共有はさせていただいて説明をさせていただいている経過はあるというふうに認識いたしております。 ◆10番(石井清則議員) 私が言っているのは、直接経費の現状、17年間どの施設も改修も含めてということで、このもらっている資料の中でそこを平均して出しているんです。それでこれだけのお金がかかりますよと、その施設の現状を分かった上で地元の人たちが受けたいという話になったのかというところ、そこを確認しないと駄目でしょうという、それをずうっと言い続けているんです。 私はずうっと言っているとおり、地域で残したいという思いがあるのであれば別に残してもいいと思うんです、それは。その代わり、前回も言いましたけれども、全ての行政サービスをずうっと全て続けるのは現実的にもう不可能なんです。だからサービスの選択が必要だという質問を前回からずっとしているんです。 その中で、これだけのお金がどんどん毎年かかっていく、そして建物はどんどん傷んできて維持管理費、工事費がますますかさんでいくと思います。1,000万、2,000万、毎年毎年それが繰り返されて支出になっていくお金があるのであれば、それぞれの地域でもっと特色ある事業に投資したほうがいいんじゃないですかという提案なんですよ。それをずうっと繰り返しているんです。 だからそれを選ぶのは行政じゃなくて、住民が、いやそれでも農業に使うよりも温泉を残してくれ、伝統文化を残すよりも温泉を残してくれというのであれば温泉を残してもどうぞ御自由にと思うんです。それでいいと思うんです。その選択を行政が勝手にしちゃおかしいでしょうという話をずうっとしているんです。だから住民の方々が欲しいというんなら、それはそれでいいんです。でもこのお金って毎年毎年その地域に出ていく話なんですよ。そのサービスの選択ということが全然セットで進んでいないということが私は問題だという話をしている。 それで、行革の観点からというのは先ほども言いましたとおり商工観光部の担当から行革のほうに代わっています。そこで総務部長にお尋ねしますけれども、行革の観点からこの施設を続けるときに、各地域、または鶴岡市の中で財政を確保していくために何のサービスをカットしますか。 ◎総務部長(高橋健彦) 最初の町内会、地元とのやり取りの部分でのお話について付け加えさせていただきますと、再三申し上げますが、今回の運営手法の変更の改善策ということについて、地元にかなり説明を重ねてきたものでございまして、その結果として各新しい団体が市長に対して要望書という形でぜひ続けさせてほしいというふうに要望書を頂戴しておる、このことも事実ということでございますので、この点よろしくお願いいたしたいと思います。 その上で、この事業を続ける代わりに、見返りに何の事業をカットするのかと、そういう御趣旨でございますけれども、予算編成というものの構成でございますが、例えば何々の事業を廃止する代わりにこの事業を新しくやるというような、その対応関係で予算を編成するというものではございませんで、予算全体の中で調整しながらこの予算は確保する、この予算とこの予算とこの予算とこの予算は少しずつ減らしながらそれに充てる等々、様々な調整をして予算は積み上がっていくものでございます。1対1でこれをやめるからこれはやる、これをやるからこちらをやめるというように単純化した構図はなかなか難しいものと思いますし、ただ議員のおっしゃる趣旨は、もちろん重々趣旨として行革の観点から理解できるところでございますので、事業のプライオリティーをしっかり議会に御説明させていただきながら予算を検討して上程させていただくと、このようなことで御理解いただきたいと存じます。 ◆10番(石井清則議員) 長年質問してきて、答弁のときにはそれなりの答弁しながらも、いざとなると何も切れないという、事業をやめない。今、各庁舎もそうです、市の職員もそうです、一人一人が抱えている業務量がめちゃくちゃ増えているというのが現実にあるのは知っていると思います。職員が減っている、その中で一人一人の職員が抱えている事業量ってめちゃくちゃ増えている。それはなぜかというと、じわじわと真綿で首を絞めるように予算は削るけれども、その事業をやめないという、それが今の鶴岡市の現実なのではないかなと感じているんです。 だから行革の中でちゃんと計画を立てて、そのことを話し合って、本当にこれは必要なサービスなんですかということを市民の方に問いかけていかないと、やめるものもやめられない、全てをやって全部中途半端になっていく、そんなことになっていくのではないのかなと。 今回、特に温泉に関しては行革の担当になったので、もう少しいい答弁が来るのかなとは思っていたんですけれども、なかなかそうもいかないみたいですので、見直しにより歳出削減という観点で再度質問させていただきます。 今、議会に示されている市の財政負担額の推計、グラフでだんだん下がっていくというように書いてありますけれども、これは歳入として入浴料、それを含めた金額になっているというふうに聞いています。これまでは三セクのほうに入っていた収入で、それが市に入ることになるので、そもそもの金額、それの比較基準が違っているということになります。 また、見直しによる効果の部分で利用者拡大等による財政負担軽減とあるだけで、利用者の推計見込み等が示されておりません。ぜひ示していただきたいなと思います。 また、質問の最初に指摘したとおりの事業の予算というのが、先ほど数字として国の補助でやりたいというのが少しは出てきましたけれども、例えばこれまでの答弁でいう福祉の事業をする、観光の予算を使ってイベントをする、そんなことをしていけば利用者は拡大になるでしょうけれども、それと同時に事業を行う担当課の職員、担当課の予算というのは膨らんでいくんじゃないでしょうか。 また、これまでコミセンで行っていたようなもの、例えば継続事業でやっていたものを温泉に持っていく。じゃあそのときコミセン等の規模とか予算は縮小になっていくんですか。結局、今までやってきたのを回して、こっちが……。その心配をして先ほどからずうっと言っているんです。 そこで、なかなかそこも進みませんので、その直接支出経費の中から施設を維持するのに必要と思われる工事費、修繕費だけを抜き出して、そちらも計算しております。年平均で両方とも1,000万を超えています。経年劣化が進んでおりますので、この支出、今後もまだ増えていくのではないでしょうか。 さらに櫛引地域のゆ~Townでは、今紹介した年平均で1,000万超えの工事費、修繕費に加え管理運営委託料(修繕委託料含む)と記載されているものが約960万円ほど、約1,000万円の支出となります。このうちの修繕費に当たるのが幾らかは手元の資料では分からないですけれども、今後も多額の維持管理費の支出が続いていくことは容易に想定されます。 そこで質問します。 現在の案では、これまで一番経費がかかっていた施設維持、修繕のための工事費・修繕費が全く手つかずになっていますけれども、根本的な行政支出削減にならないのではないでしょうか。 ◎総務部長(高橋健彦) 今後の施設運営の中で、修繕費が足かせとなって行政支出の持ち出しの削減につながらないのでないかと、そういった御趣旨の御質問でございました。 今般の温泉施設見直しにおいて、特に検討課題といたしましたのは、先ほど来議員からお話しありましたように、何としても市の持ち出し支出を削減していかなければならないと、この点であります。このため、委託という形で赤字の原因となる部分を削っていくということに主眼を置いたわけでございます。 両施設とも大きな赤字を計上しておりましたのが食堂・宴会部門、これであります。これが大きな経営の足かせとなっていたものでございます。これを直接経営から外しまして、ノウハウのある民間企業に任せてテナント方式にしていきたいと、これが大きな変更点と考えております。これに伴いまして、人件費を大きく節減することが可能になるわけでございます。 具体的に申し上げますと、この分での削減は、ぽっぽの湯で従来26人でありましたけれども、この食堂・宴会部門を外すことによりまして18人まで圧縮する見込みでございます。それから、ゆ~Townにおきましては、従来から外し作業を続けておりましたので、直接人数が2人ということになりますが、15人から13人に圧縮ということで、これが今回の経費削減の大きな構成要素になるものでございます。 それから、維持管理費でございますけれども、これにつきましては、当然運営施設の基盤となる施設設備、これについて経年劣化を修繕して交換したりということ、これは温泉だけでなくいかなる施設にとっても宿命としてある経費でございます。これらについて平常ベースの金額を見ておりますけれども、議員からもおっしゃっていただきましたとおり平常ベースの工事・修繕費でありますと、大体、ぽっぽの湯で1,000万程度、それからゆ~Townですと300万から400万程度、これらについてはランニングとしての通常の委託費に含めて運営を試算しております。ですので、現在の経費試算の中では、この通常の修繕経費については含んでやっておるということであります。 ただし、大規模な施設修繕、これまで通常の経費で賄うのはやはり難しいということで、そうした特殊要因のみ外しての試算構成というふうになっております。 ◆10番(石井清則議員) 三セクの件で冒頭に副市長から社長としてという話があったんですけど、ちょっとゆぽかの件と比べてお話しさせていただきたいと思います。 ゆぽかも同じように三セクとして経営していて、同じように17年間、どのくらい経費がかかったのかなと調べてみました。そうすると藤島地域のぽっぽの湯よりも行政としての経費が余計予算がかかっていると、2億3,000万ほど、年平均で1,350万円ほどかかっております。 しかし、ぽっぽの湯とゆ~Townでは行っていない大きな違いとして、市への納付というものがあります。具体的には償還金としてこれまで分かっている範囲で、17年間で2億5,000万円ほど、あと福祉施設のほうへの分湯としてお湯を販売してこれまで1,300万円ほど、17年間、今分かる範囲の資料で2億6,500万円を超えています。 ゆぽかに対する市の支出、収入、差引きすると、ゆぽかがあることによって市はこの17年間だけで3,500万円の利益を得たことになります。これには当然入湯税は入れていませんので、それプラス入湯税が市に歳入として入ってきたと。 この差額、大きく差額があることが分かるわけですけれども、これに加えて今回調査する中で新たな疑問も見つかりました。平成30年、ゆぽかから市への納付の中に、施設改修分担金という項目があります。本来大家さんみたいなものですよね。市の施設で、市の責任で改修すべきものを運営会社が分担金を納付して直してくれる。私はあり得ない項目だなと思っております。 私は三セクであろうとも企業努力をして収入を上げる、それは当たり前のことだと思いますし、民業で温泉をやっている方もいらっしゃるので、実際は民業を圧迫している可能性もあるわけですので、そこが赤字でいいということはあり得ないと私は思っているんです。 その中で、黒字のところ赤字のところ大きな差があるわけですけれども、それを長年指摘してきたわけです。 この3施設、大きな違いがありますけれども、それはいかがお考えでしょうか。 ◎総務部長(高橋健彦) ゆぽかとぽっぽの湯、ゆ~Townとの違いということでの御質問でございますけれども、ゆぽかにつきましては、ほか2施設と同様に、コロナ禍による利用者の落ち込みは見られるものの、今お話にありましたとおり一定の貯蓄に加えまして経営継続可能な出資金残高等がございまして、非常にある意味良好な経営状況にありまして、現段階では現状のままで一定の安定経営が見込まれるということから、このゆぽかについてはこれまでと同様に三セク運営、利用料金制の継続として変えるべきではないだろうというふうに判断したものでございます。 ◆10番(石井清則議員) 私が聞いているのは、片方が大きな黒字でほかが赤字で、そして片方からは分担金だとかいろいろお金を頂いていて、同じ三セクで同じ社長がやって何でこんなに違いがあるんだろうかということを長年言い続けてきたんですが、今の答弁を聞いてもまた答えが出なさそうですので、もう一点、日帰り温泉施設として現在、組合によって運営されている朝日地域のぼんぼ、廃止前は福祉施設として運営されておりました。しかし、恒久的な赤字経営や施設の老朽化などの理由で平成28年度末に廃止ということになりました。 現在の案、説明や答弁によると、廃止する前の朝日地域のぼんぼに近い形での運営になっていくというように感じているのは私だけでしょうか。赤字だからと廃止した福祉施設としての温泉、赤字だからといって営利を目的としない福祉の拠点として運営していこうとしている温泉、この点について矛盾は感じていないのか、伺います。 ◎総務部長(高橋健彦) ぼんぼとの矛盾はないのかという御質問でございますけれども、まずこれまでの経過を一度整理させていただきたいのですけれども、かたくり温泉ぼんぼは平成29年3月に行政財産としての用途を廃止後、29年4月からはかたくり温泉ぼんぼを管理運営組合による運営に移行したわけでございます。住民組織による自主運営体制への移行ということで、まさにこの際、経費を縮減して温泉施設を活用した介護予防事業を実施することで機能を発揮されることになったというものであります。 こうしたかたくり温泉ぼんぼの取組につきましては、地域活性化における地元住民と行政の役割分担の一つの事例ということで、行革推進委員の皆様も実際ぼんぼを視察しまして、非常にいい事例であると、今後の温泉見直しのモデルであるというふうな委員の高い評価を受けたところが実際であります。 こうしたことを考えますと、今回、ぼんぼのような形を一つ参考にするモデルとして今回の改革方法を考えた点につきましては、矛盾ということにはならないかなということで考えておるところでございます。 ◎副市長(山口朗) 先ほどの3つの温泉の各地区の対応が違うというところで、先ほどの石井議員のお話についてちょっと補足でありますけれども、冒頭申し上げましたように、この件は行革検討項目として合併当時からの課題ということで、議員さんがちょうどこのことについて御指摘された頃だと思いますが、それぞれの旧町村ごとで対応が違っていたということから、統合の検討も行われたという記憶がございます。それをやはり数年間、何とかいろんな面で統合、統一できないかということが検討されたところですが、結局収拾つかなかったと。それがこれまで引き継がれたといいますか先送りされてきたと。 旧櫛引町のゆ~Townについては、当初から委託料を支出する形態でありましたし、羽黒のゆぽかにつきましては、当初の契約から一定の設備投資に対して、売上げから相当分の利益剰余金を町に返納すると、そういう形での契約。それぞれの町でそういったことが取り決められておりましたものが合併後もそのまま現在まで引き継がれていると、そういうことでございます。 ◆10番(石井清則議員) 知っていますというか、だから指摘をずうっと続けているんです。でもこれ以上お話ししても多分今のところ矛盾も感じていないようですし。 ただ1点、私もちょっと確認しないと分からないんですけれども、行革の委員の方々がぼんぼ、朝日のほうを視察したときに、確かにいいモデルだという話のほかに、大変経営がつらいという話もされたというふうに私聞いていたんですけれども、それはちょっと事実かどうか後で担当のほうにもう一度聞きに行きたいなと思います。私は、行革の委員の方から確かに福祉と一緒にしたらいいモデルになるけれども、財政的には大変だというふうに聞いたんですけれども、ちょっとその辺後で確認に行きますので、事実確認を行革のほうでしていただければと思います。 先ほどから言うとおり、平成24年12月、ちょうど8年、本当に長い間手つかずになっていたものがやっと動いたということで、今の市長も市長になる前からずうっと指摘をしてきたものがやっと今回動いたということで、その改革に動き出そうという姿勢自体は評価します。ただその中身としては私はまだまだ不十分だなと感じています。 もう一点、今議会で提案されている施設の利用料金制を廃止するという施行期日が4月1日になっています。つまり次の議会で間に合うのではないかと感じております。というのが、新年度予算との関係があって今のうちにということも推測はしていますけれども、何か利用料を廃止して現在の案を進めるという既成事実になってしまうのではないかと危惧しています。まずは事業内容をもうちょっと具体的にしっかりと改革の内容を詰めて説明して、それからということではないのかなと思っている、意見です。 時間がないので、まちキネのほうの質問に入らせていただきます。 社会福祉協議会がまちキネ購入を最終決定するというのは3月に予定されている総会だというふうに聞いています。また、運営主体として名前が挙がっている山王まちづくり株式会社のほうに問い合わせたところ、まちキネを存続させるという思いは強いものの存続できるかどうか経営プランを練っている段階で決定ではないというようなことでした。 そんな中、まるで既成事実のように想定されている予算額や購入者、運営主体の名前が資料に掲載されて公表されていることに違和感を覚えています。今回の事業について行政主導の事業のように感じてしまいますが、いかがでしょうか。 ◎企画部長(阿部真一) 旧鶴岡まちなかキネマについての御質問、このたびの事業計画、行政が主導したのではないかというお尋ねでございます。 計画概要につきましては、旧まちなかキネマを鶴岡市社会福祉協議会が取得し、地域貢献として一部映画機能を持つスペースを残す、そしてこのスペースの運営を無償貸与により山王まちづくり株式会社が担うというような計画でございます。 まず閉館した旧まちキネの譲渡につきましては、株式会社まちづくり鶴岡と債権者団体代表である荘内銀行から、かねてから事務所の一部機能の移転を検討していた社会福祉協議会へ打診があったと伺っております。打診を受けた社会福祉協議会では、隣接する山王商店街をはじめとする中心市街地の振興、また旧まちキネ存続のため署名活動が行われている状況を考慮いたしまして、建物の保全と映画機能の一部維持を模索されていたところでございます。 その際に、市に対し地域振興スペースの改修支援、また定款上、映画上映や貸館業務を行うことができない社会福祉協議会に代わって運営を担う組織について相談があったものでございます。 市といたしましては、直接映画事業を行うことが難しいことにより、運営主体として山王商店街、また山王商店街のまちづくりを担われている山王まちづくり株式会社に相談いたしましたところ、山王まちづくり株式会社からは、山王商店街の魅力として旧まちキネを新しい形で再生し、市とともに商店街振興を図りたいとのお話を受けたところでございます。 したがいまして、今回の事業計画につきましては、株式会社まちづくり鶴岡、そして荘内銀行、そして鶴岡市社会福祉協議会という民間ベースでの交渉が土台となっておりますことから、行政主導で行ってきたという認識はございません。 ◆10番(石井清則議員) 行政主導ではなくて、民間のほうで土台となってという答弁でしたけれども、今回の進め方の中で、行政支出予算の見込みが先に示され、これから利活用を検討するというのが順番がおかしいのではないかと私は感じています。 特に進み方に違和感を覚えるのは予算が先行して、行政予算ありきで、まちキネ存続ありきで進んでいるように感じてしまうのですが、その点について市の考えを伺いたいと思います。 また、併せてですけれども、この計画を練っていく段階で行政から支出は行わないという選択肢は残っているのか、伺いたいと思います。 ◎企画部長(阿部真一) 今後、事業計画を練る段階で行政からの支出を行わないという考え方、また選択肢があるかというようなお尋ねについてお答え申し上げます。 現在の計画は、これまで社会福祉協議会、債権者団体、山王まちづくり株式会社、そして市で協議し合意を図ってきた内容であります。今後、利活用検討会での様々なアイデアを参考にしつつ、合意のための前提条件が変わらない限りにおいては予定どおり進めていきたいと考えております。 そのため事業費を精査した上で3月議会で予算を上程し御可決をいただきたいと存じますし、それぞれの組織におきましても、組織としての最終的な意思決定が行われる予定です。そうした手続が円滑に進むよう今後とも丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(石井清則議員) 事業の計画が固まってからという、予算の額は今は想定しているだけだということで、じゃあゼロベースもあり得るというふうに受け取ってよかったですか。 ◎企画部長(阿部真一) さきの11月17日の説明では数字を明示いたしましたけれども、先ほど申し上げましたとおり様々なアイデア、そういったものを参考にしつつ決めていきたいと考えております。 ◆10番(石井清則議員) なぜこの行政の予算を出すことについて何度も言っているかといいますと、11月25日、私も利活用検討会を傍聴に行きました。その中で参加された方からの意見として、本当に残したい気持ちがあるならば、市民出資やクラウドファンディングで資金は集まるはずだという趣旨の発言がありました。私もそうだと思います。 また、署名活動で残そうという話がいろいろあって大分集まったみたいですけれども、山王まちづくり株式会社の方がネット上に、今試算したら年間運営費で2,000万必要だと、最低でもそのくらいは必要だろうと。それで知らない人でもないので応援しますよという話をしていましたら、じゃあ2,000万ってどのぐらいかなとなったときに、1万人が半年に1回、年2回見に行くと2,000万になりますよね。そういうことを考えると、何か会議を聞いていると行政が金を出すのが当たり前でそれがないと成り立たないということが先行し過ぎていて、だから最初の質問で行政の予算ありきなんじゃないかと。 多分、私はまずは民間が動いて、動いているわけですよね、今、そこに市民の動きがあって、そこで必要性があった場合に行政からの支援があるべきだろうなと感じています。市の考えを伺います。 ◎企画部長(阿部真一) 議員の御質問は行政支出の見込みが先に示されて、その後に利活用を検討すること、これについては順番が違うんじゃないかと、そういったお尋ねでございます。 まず支出の見込みにつきましては、社会福祉協議会、山王まちづくり株式会社と協議、調整するに当たり、その目安として共有したものであります。映画館の再生につきましては、市民の関心も高く、まちキネの存続を求める署名活動も行われておりますけれども、一方でこれまでの映画事業の踏襲をしているだけでは運営がうまくいかない懸念が大きく、幅広く議論をする必要性が高いものと認識しております。  (持ち時間終了ブザー) ◎企画部長(阿部真一) そのためできるだけこれまでの検討内容を明らかにして、より適切な議論が行われることが望ましいということから、このような順番になったところでございます。 △散会 ○議長(本間新兵衛議員) 本日はこれで散会します。  (午後 3時34分 散 会)...