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09月04日-03号

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  1. 鶴岡市議会 2020-09-04
    09月04日-03号


    取得元: 鶴岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和  2年  9月 定例会令和2年9月4日(金曜日) 本会議 第3日             出欠席議員氏名  出 席 議 員 (29名)  1番   長 谷 川     剛         2番   坂  本  昌  栄  3番   山  田     守         4番   菅  井     巌  5番   加  藤  鑛  一         6番   草  島  進  一  8番   中  沢     洋         9番   田  中     宏 10番   石  井  清  則        11番   加 賀 山     茂 12番   小  野  由  夫        13番   秋  葉     雄 14番   富  樫  正  毅        15番   黒  井  浩  之 16番   五 十 嵐  一  彦        17番   菅  原  一  浩 18番   尾  形  昌  彦        19番   佐  藤  昌  哉 20番   本  間  正  芳        21番   阿  部     寛 22番   石  塚     慶        25番   小 野 寺  佳  克 26番   本  間  信  一        27番   野  村  廣  登 28番   齋  藤     久        29番   渋  谷  耕  一 30番   佐  藤  文  一        31番   佐  藤  博  幸 32番   本  間  新 兵 衛  欠 席 議 員 (なし)              出席議事説明員職氏名 市     長  皆 川   治         副  市  長  山 口   朗 総 務 部 長  高 橋 健 彦         企 画 部 長  阿 部 真 一 市 民 部 長  五十嵐 浩 一         危 機 管 理 監  早 坂   進 健 康 福祉部長  渡 邉   健         農 林 水産部長  高 橋 和 博 商 工 観光部長  佐 藤 正 胤         建 設 部 長  村 上 良 一 病院事業管理者  三 科   武         荘 内 病 院  佐 藤 光 治                          事 務 部 長 上 下 水道部長  佐 藤   真         消  防  長  大 川   治 会 計 管 理 者  東海林   敦         藤島庁舎支所長  武 田 壮 一 羽黒庁舎支所長  伊 藤 義 明         櫛引庁舎支所長  佐 藤   浩 朝日庁舎支所長  土 田 浩 和         温海庁舎支所長  粕 谷 一 郎 教  育  長  布 川   敦         教 育 部 長  石 塚   健 監 査 委 員  長谷川 貞 義         監 査 委 員  佐 藤 文 一 農業委員会会長  渡 部 長 和         選挙管理委員会  児 玉 富 雄                          委     員              出席事務局職員職氏名 事 務 局 長  丸 山 一 義         事 務 局 主 幹  小 林 雅 人 庶 務 主 査  山 口 喜兵衛         庶 務 係専門員  佐 藤 直 子 議 事 主 査  高 橋   亨         議 事 係 長  進 藤 夕 子 調 査 主 査  齋 藤 正 浩         調 査 係 主 事  菅 原 彩 紀              議事日程議事日程第3号    令和2年9月4日(金曜日)第 1  一 般 質 問              本日の会議に付した事件(議事日程のとおり) △開議 (午前10時00分) ○議長(本間新兵衛議員) おはようございます。 ただいまから本日の会議を開きます。 本日の欠席届出者はありません。出席議員は定足数に達しております。 議員、当局の皆様に申し上げます。議場内が暑い場合は、上着を脱いでいただいて結構ですので申し添えます。 本日の議事は、議事日程第3号によって進めます。 この際申し上げます。当局から発言を求められておりますので、ここで当局の発言を許すことにしたいと思います。 ◎危機管理監(早坂進) おはようございます。 本日9月4日早朝からの大雨に関する情報、こちらのほうの概要について説明をさせていただきたいと思います。 まず、本日の大雨浸水害警報につきましては本日6時56分、それから大雨洪水につきましては5時46分に警報が発せられております。 これらにつきましては、8時34分、この段階で注意報に切替えという形でございます。 なお、報道等のございました記録的短時間大雨につきましては、酒田南部、遊佐町のほうに発せられておりまして、これにつきましては鶴岡市におきましては過去30年、発令がないという状況でございます。 それから、降水量につきましては、鶴岡地点で今朝の5時から6時の段階で、累加雨量で60ミリ、1時間当たりになりますけれども、60ミリを記録しております。 それから、鶴岡市の対策といたしましては、本日6時30分の段階で災害警戒本部を設置しております。 被害の状況でございますが、道路冠水が7地点となってございます。こちらにつきましては、下清水アンダーが現在も通行止めという状況でございます。 それから、冠水被害といたしましては、やまのこ保育園、北京田のバイオサイエンスパークのところにございますが、こちらのほうが一部冠水しておりますが、これも消防等の出動により対応が済んでおります。 さらに、土砂被害といたしましては、三瀬地区上降矢、こちらのほうは県道三瀬水沢線のところがのり面になってございますが、こちらが今現在、全面通行止めという状況でございます。 なお、河川につきましては、現在、三和の地点が9時50分現在の水位が3.06ということでなっておりまして、避難判断水位が2.8でございますので、レベル3のところを超えている状況にはございますが、現在雨が下降ぎみということもございまして、現在発令はしていない状況でございます。 なお、本日の雨につきましては、予報では本日の昼ぐらいまでは続くということで、午後からは下降ぎみになるという予想が出ておりますので、なお引き続き、警戒、注意に当たってまいりたいと思っております。以上でございます。 △日程第1 一般質問 ○議長(本間新兵衛議員) 日程第1 一般質問を行います。  佐 藤 昌 哉 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 19番佐藤昌哉議員。  (19番 佐藤昌哉議員 登壇) ◆19番(佐藤昌哉議員) おはようございます。 通告に従いまして、質問をさせていただきます。1項目になります。 鶴岡サイエンスパークについてです。 鶴岡サイエンスパークの21.5ヘクタールは、いわゆる地方拠点法に基づき、平成5年の2月に県知事の地域指定を受け、同年8月に基本計画を策定し、世界レベルの科学技術の開発拠点を目指して、試験研究機関、企業などを誘致してきました。 平成31年3月には、市、県、慶應義塾の第5期の3者協定に基づきまして、先端研の研究教育活動の成果を踏まえたバイオクラスターの形成を推進するなど、研究成果を活用した多様な地域活動が行われております。 また、バイオベンチャー企業は6社も生まれ、さらには先端研産業支援センター研究実験用レンタル室も増築し、62室というふうになっているようです。これからの企業化が期待されるところであります。 一方、スイデンテラスキッズドーム・ソライなどが建設されるなど、本来のサイエンスパークとしての機能や施設整備について疑念を持たれる声も聞かれます。 そこで、4点ほど、基本的なことも含めてお聞きいたします。 地域指定は、庄内全域を対象としているようですけれども、平成5年8月11日の基本計画策定後、何度か計画の変更をされているようです。 まず、確認ですけれども、その変更の理由、概要の経緯などについて、お聞きいたします。 次に、サイエンスパークにおける資産の所有区分として、市所有以外には先端研、ヤマガタデザイン社スパイバー社などがありますが、こういった民間所有財産に対しての税制上の優遇措置はあるのか、お聞きいたします。 3つ目、スパイバー社に関することについて3点ほどお聞きします。 拠点区域21.5ヘクタールのうち、ヤマガタデザイン社が所有の14ヘクタールのうち、約7.8ヘクタールをスパイバー社が取得、平成28年9月に転用許可、同年11月には造成完了の報告が農業委員会のほうにされております。 以来、5年になるわけですけれども、最近、農業者から、基盤整備した優良農地を市の発展のために提供したはずだが、施設を誘致するという政策はどうなっているのかと。いつまで、あのような耕作放棄地状態なのかという誘致への疑念と景観上の指摘をする声が寄せられています。 そこで、3点ほどお聞きしますが、農地法上の転用許可においては、地方拠点法に基づく施設の整備については例外として、施設整備をしなくても造成まででいいとされておるようです。 ただし、当該農地に計画されている施設の用に供されることが確実であると認められるときというふうな条件が法上、規定されているようですが、基本計画におけるこういった施設整備の年限はどういうふうになっているのか、年限はあるのか、お聞きいたします。 2つ目、造成後の管理はどのようにされているのか。市の対応についてお聞きいたします。 3つ目、スパイバー社の動向については、昨年3月の定例会の一般質問で部長答弁がありましたが、タイ工場との関係では、今後も本市にある研究開発部門を中心に雇用を拡大していく予定であるとしておりましたが、その後の状況はどうなのか、お聞きします。 答弁により、再質問させていただきます。 ◎企画部長(阿部真一) ただいまの御質問に順次お答え申し上げます。 初めに、庄内地方拠点都市地域基本計画についてでございますが、この計画は地方における若者の人口減少を防ぎ、地方都市の成長を牽引する産業業務機能の適正配置を促進するために施行された地方拠点法に基づき、当時庄内14市町村から構成される庄内広域行政組合が主体となり策定したもので、平成5年に認定を受けたところでございます。 計画が認定されますと、拠点地区内における施設整備に当たり、地方債の特例や開発許可の特例などの支援を受けることができることから、酒田市に2つ、鶴岡市に3つ、そして三川町に1つの合計6地区が拠点地区として設定され、地域資源と特性を生かした整備が進められてきました。 平成5年の認定以降、整備事業の追加や変更に応じ、計画は4回変更されてまいりました。 このうち、サイエンスパーク整備に関わるものといたしましては、平成11年と平成27年の計画変更が該当することから、この2点について、経緯など概要を御説明申し上げます。 まず、平成11年の計画変更につきましては、庄内地域における大学プロジェクト拠点地区の整備事業として位置づけるもので、酒田市最上川河口地区に大学の学部等の整備を、鶴岡市中心市街地区に大学院等の整備に関する事業を追加いたしました。 また、新たな拠点地区として、鶴岡市北部地区の21.5ヘクタールを加え、生命科学を中心とする研究開発企業試験研究機関業務機能等の集積を目指すサイエンスパークを整備する地区として位置づけたところでございます。 次に、平成27年の計画変更についてですが、これは平成26年までに慶應先端研バイオラボ棟、市の先端研究産業支援センター等の整備で7.5ヘクタールの開発を完了し、残りの14ヘクタールについて民間活力を生かしたスピード感ある開発に移行するため、開発許可の特例を受けることを目的としたものでございます。 具体的には、世界をリードする研究開発拠点化に向けたサイエンスパークに必要な機能といたしまして、スパイバー社などバイオ関連企業等による研究開発施設に加え、企業誘致や高度人材の確保などを図るための滞在型宿泊施設子育て支援施設の整備を計画に追加いたしたもので、通常2年から3年かかる開発許可までの期間を1年程度に短縮することができました。 これにより、スイデンテラスキッズドーム・ソライ企業主導型保育所やまのこ保育園が順次整備されまして、魅力あるサイエンスパーク開発につながったものと考えております。 次に、サイエンスパーク内の土地、建物など、資産所有者に対する税制上の優遇措置についてお答え申し上げます。 まず、21.5ヘクタールにおける資産所有の状況について御説明申し上げますと、市や慶應義塾が所有する土地は7.5ヘクタールであり、先端研究産業支援センター慶應先端研バイオラボ棟が整備されております。 また、それ以外の14ヘクタールにつきましてはヤマガタデザイン社スパイバー社等が所有する土地となっております。 この中では、スパイバー社等研究開発施設が計画されているほか、スイデンテラスキッズドーム・ソライ、それから駐車場等が整備されているところでございます。 拠点法におきましては、拠点地区内に土地区画整理促進区域の設定や土地区画整理事業が実施された場合は、税制上の特例がございますが、サイエンスパークでは該当しないことから、現在の所有者に対する拠点法上の税制優遇はございません。 次に、スパイバー社について御質問いただきましたので、順にお答え申し上げます。 まず、基本計画における施設整備の年限についてお答え申し上げます。 基本計画につきましては、計画の目標期間として、おおむね平成34年度まで、つまり令和4年度までと定めておりますが、個別の施設整備年限については定められていない状況でございます。 なお、平成5年の計画策定以降、整備事業の進捗に応じて、平成20年度と25年度に目標期間の変更を行っており、庄内広域行政組合においては、次期の計画についても策定を検討する予定となっております。 次に、造成後の管理状況と市の対応についてお答え申し上げます。 まず、平成27年度の計画変更に伴う開発につきましては、先ほど申し上げましたとおり、スイデンテラスキッズドーム・ソライ、やまのこ保育園をはじめ、道路、水路、調整池等を整備するため、大部分が農地であった土地を造成工事することにより宅地化いたしまして、平成30年度に工事完了したところでございます。 造成後の土地の管理につきましては、基本的には所有者が行うもので、全て市が管理を指導監督するものではないと認識しております。 一方で、当該エリアにつきましては、市が関与し、開発を進めてきたこともあり、その管理には十分留意してまいりたいと考えております。 議員御指摘の景観に関する農業者、市民の方からの問合せにつきましては、スパイバー社には届いていないと伺っておりますが、今後企業にお声がけをさせていただき、ともにサイエンスパークの景観向上に取り組んでまいりたいと考えております。 それから、昨年3月以降のスパイバー社の動向についてお答え申し上げます。 まず、タイでの人工構造たんぱく質素材プラント建設につきましては、新型コロナウイルス感染による影響は比較的少なく、工事はおおむね順調に進んでおり、予定どおり2021年には商業生産が開始されるとお聞きしております。 今後、タイから輸出される人工構造たんぱく質素材、ブリュード・プロテインは、国内に運ばれ、本市にある紡糸設備で繊維に加工される計画とのことで、これに伴う従業員の雇用や設備の拡充に関して社内で検討を重ねている状況とお聞きしております。 本市といたしましては、紡糸、加工工程に関わる設備拡張や造成などは付加価値の高い産業創出につながる可能性があり、雇用の面など地域経済への波及効果なども期待できることから、引き続き、スパイバー社との情報交換を進めながら、本市での事業拡大に向け、連携してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆19番(佐藤昌哉議員) 施設整備についての年限については、明確にはないということで、これから組合のほうで協議していくというようなことでありまして、分かりました。 再質問させていただきますけれども、ちょっと通告の部分が逆転するかと思いますけれども、再質問ということで3点ほどさせていただきますけれども、地方拠点法上の宅地造成という定義は少し曖昧で、一般、我々が認識している都市計画上の造成とはちょっと違うのかなということで、田んぼのままのところもあるわけですので。 それにしても、法的には問題ないということでありますが、このサイエンスパークは市街地と庄内空港を結ぶ県道322号線と国道7号バイパスが交差するというようなことで、多くの地元車両ですとか、県外車両が行き交う通勤道路でもあり、観光道路でもあり、物流道路でもあるということで、大変要衝な道路に面しているということで、市民の関心や内外の関心も非常に視線の熱いエリアだというふうに思っています。 あのような状態から、誰が見ても美しい景観とは言えないのではないかと思いますし、本市の景観のイメージも損なうのではないかと思います。 先ほども答弁ありましたけれども、民間所有地なので、限界はあるとは思いますけれども、市の関わりからも放ってはおけないのではないかなと思います。 協議をしながら取り組むということでありますが、具体的な市の方策について、再度この部分の取組についてお聞きしたいと思います。 あと、2つ目として、スパイバー社を含めて、民間所有地の権利移動というのは、基本的には私権ですので制限はできないと思いますけれども、転売は認められるのかということです。 この場合、基本計画の中では雇用者・労働者のためのホテルとか遊戯施設とか、そういうものは認められて建設になっているわけですけれども、それ以外でも列記されているような施設はあるわけですけれども、計画の中には。 例えば、それ以外の施設、規定されない施設。例を挙げれば、商業施設ということも考えられるわけですけれども、規定されないからそれは認められないということですが、私権は制限できないという、その辺の兼ね合いもあると思いますけれども、そういった場合はどうなるのかということでお聞きしたいと思います。 そして、3点目ですけれども、先端研産業支援センターでは、今年度、20室のレンタルラボを整備するとしております。バイオ関連の500社のアンケートの結果でも、用地需要はあるというようなことでお聞きしておりますし、今後さらなる事業用地の拡張の見通しはあるのか、お聞きします。 ◎企画部長(阿部真一) 再質問3点についてお答え申し上げます。 最初に、管理のお話でございました。基本計画に基づき整備されたサイエンスパーク世界レベル科学技術研究開発拠点を目指すということで、本市の特徴的なエリアであり、鶴岡市の未来を生み出す拠点としても認知され、その景観というものは、来訪者にとっても非常に印象深いものと思われます。 サイエンスパーク内の未整備部分につきましては、今後基本計画に基づき、企業の事業計画に即しながら整備されていくものと考えておりますが、それまでの間、景観も含め、適切な保全管理を行うことは重要なことと考えております。 今後、土地所有者等具体的対応について協議を行い、今議員からも言われましたけれども、全体として自然環境と調和したサイエンスパークの景観形成とイメージ向上につなげてまいりたいと考えております。 それから、2点目でございます。 民間所有地の転売についての御質問でございました。 これにつきましては、先ほど答弁申し上げたところですが、平成27年に基本計画を変更いたしまして、計画に位置づけられている研究開発施設滞在型宿泊施設、それから子育て支援設備を整備することを目的といたしまして、農地転用し、開発許可を受けたものでございます。 そのため、民間所有の土地売買自体を規制することはできないと考えておりますけれども、一方で土地利用につきましては、あくまで計画に規定する施設整備しか認められないことから、計画にない施設整備を目的とした土地売買は行われないものと考えているところでございます。 それから、3点目の御質問であります。 バイオ関連企業へのアンケートによる用地需要及び今後の事業用地拡張の見通しについてお答え申し上げます。 本市を取り巻く広域的なバイオサイエンス関連企業の立地動向の把握と立地需要を推計いたしまして、今後のサイエンスパーク拡張に向けた基礎資料とするために、令和元年11月から令和2年1月にかけて、先端研究産業支援センター入居企業、それから日本バイオインダストリー協会法人会員、その他バイオベンチャー関連企業など546社にアンケートを送り、81社から回答が寄せられ、うち32社から本市へ立地する可能性があるとの回答をいただいたところでございます。 アンケートの結果につきまして、まずレンタルラボの需要についてですが、合計で44室が必要との回答がございました。 うち、22室は3年以内に必要との回答がありましたので、今年度から3か年をかけまして、20室のレンタルラボを新棟として整備することとしております。 次に、用地の需要についてでございますが、企業立地用地と道路、調整池などの用地を含めると約3ヘクタールが必要になると試算いたしました。 今後の事業用地の拡張につきましては、バイオベンチャー企業研究開発動向を注視する必要がございますが、引き続き鶴岡バイオ戦略懇談会等の有識者から御意見をいただくとともに、企業誘致を担当いたします部署と連携しながら、第2次鶴岡市総合計画における産業強化イノベーションプロジェクトの一環として検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆19番(佐藤昌哉議員) まず、用地需要に対する見込みについては、幾つか可能性もあるということで、その見通しはないわけではないということでありますけれども、ずうっと先の話になるかもしれませんけれども、拠点法による宅地、その辺の景観上の今回の状況も踏まえて、その造成という定義が曖昧だということでありますけれども、農地法上もそこまで規制はないわけでありますけれども、指導として、ああいうふうな状態にならないような管理というものも、広大な面積ですから目立つと思いますし、状況もああいう状況なので、ぜひその辺の指導はお願いしたいと思います。 あともう一つ、現在のあそこの荒れ地の状況は宅地ということで地目はなっていると思いますが、一部に盛土は見えるんですね。ブルが1台あって、たまにならしているような状況も見受けられるんです。土盛りした土地をならしているような感じで。 しかし、その全体をならすように大々的にやっている様子でもないので、いつ完了するのかなあというふうに、あそこを通るたびに見ているんですけど、昨日もブルはあったけれども、そういう作業は見られないということでした。 あの状態では、あの辺かいわいといったら虫の発生も多いのではないかということで、宿泊施設スイデンテラスもありますので、悪影響を及ぼしているのではないかと、その辺の実態は分かりませんけれども、少し状況を調査しながら対応すべきものはしていくということで取り組んで、ぜひとも一日も早く、鶴岡市のホットなエリアですので、本市にふさわしい景観になるように働きかけていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。以上です。  渋 谷 耕 一 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 29番渋谷耕一議員。  (29番 渋谷耕一議員 登壇) ○議長(本間新兵衛議員) なお、29番渋谷耕一議員からは参考資料の持込みの申し出があり、議長においてこれを許可しておりますので、御了承願います。 ◆29番(渋谷耕一議員) 酒井家庄内入部400年記念事業の取組状況とそれら文化財を生かした文化振興事業について伺いますが、2年後の令和4年には酒井家の庄内入部400年の歴史的な節目の年を迎える記念事業に取り組むとして、今年度1,620万円ほどの高額な予算が計上されました。 鶴岡の歴史や文化など、いろいろな伝統が形成された鶴岡市ですが、しかし6か市町村合併して、まだ日が浅い今日、若い人や多くの市民は酒井家の歴史も含め、「庄内入部とは」の認識や鶴岡と酒井家の成り立ちなど、多くの事柄への認識は薄いのではと不安に思うのは、私だけでしょうか。 この機会に、酒井家と鶴岡市の歴史、その魅力などを多くの市民が共有しながら、国内外に情報発信し、鶴岡市の未来に向けた事業になることを大いに期待したいと思います。 そのことを思うとき、この記念事業の目的、狙いなどの意識啓蒙など、まだまだ市民にその計画や進捗状況の周知を図るべきと思います。今現在で、報告できる事柄についてお尋ねいたします。 なぜなら、合併した本市、400年記念事業と言われても、多くの市民は、その認識は希薄であろうという問題課題と、反面、この事業が未来に向けた市民協働、官民連携と市民の一体感の醸成になり得る、その事業効果も期待できると思うからであります。 また、酒井家は人づくりに尽くされてきましたが、本市も今、人づくりという課題は重要であり、その事業と並行して取り組む課題ではないかと思いますが、御所見を伺います。 あわせて、この事業の交流人口の拡大策についても伺います。 なお、この事業は、市、行政が主体となるべき事業なのか、市が酒井家に後押しする事業と捉えるべきものなのかなどの説明や議論のないまま進まれておりますが、このことは重要な課題と思いますが、いかがでしょうか。その考え、理由、見解も御説明いただきたいと思います。 次に、これらに至る計画立案、作成の段階として進まれていることと思いますが、酒井家庄内入部400年記念事業は、総額幾らの計画で、酒井家との負担割合はどのように見積もられているのでしょうか。 厳しい財政事情、幾ら計上してもいいものではありません。類似した祭典を実施した市もあり、5,000万円事業とも聞いて驚いておりますが、本市はどう描いておられますか、お尋ねいたします。 ◎企画部長(阿部真一) 酒井家入部400年に係る御質問5点につきまして、順次お答え申し上げます。 現在の城下町鶴岡の礎というものは、藩政時代の酒井家入部に始まります。歴史と文化の継承に努め、特に藩校致道館に代表されるように人材育成に篤く、学ぶことを奨励されてきました。学ぶ気風というものは、今日でも受け継がれ、文化の香り高い鶴岡市を形づくっていると考えております。 こうした本市の歴代酒井家の始祖となる酒井家第三代当主、酒井忠勝公が庄内入部し、令和4年度に400年の節目を迎えることから、記念の事業に向けまして、昨年度から準備を進めております。 事業の目的としましては、郷土への愛着と誇りを高めることや交流人口の拡大を図ること、それによりまして、庄内鶴岡のさらなる発展を図ることを掲げ、今年の3月には実行委員会を立ち上げたところでございます。 初めに、市民への意識啓蒙や事業の周知に関する御質問でありますが、このことは非常に重要なことと認識しております。 新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、事業の進捗に遅れが生じているところでございますが、現在、市の広報におきまして、各月で400年記念事業の関連記事を掲載しております。 9月号では、酒井忠勝公入国300年記念祭の様子について御紹介をさせていただいたところでございます。 今後は、様々な媒体での情報発信が課題になってまいりますので、各種情報発信に努めてまいりますが、専門のアドバイザーからも御協力をいただくこととしており、より効果的な発信方法なども工夫してまいりたいと考えております。 また、専門のコンサルタントからも御協力いただき、ホームページの立ち上げやSNSの活用、ポスター、チラシの作成などに取り組むこととしており、市民への周知はもとより、より多くの方々に対しまして各種情報をお伝えしてまいりたいと考えております。 次の御質問、一体感の醸成のための市民協働、官民連携等についてお答え申し上げます。 この事業につきましては、市が単独で進めるものではなく、より多くの関係者の参加をいただきながら、実行委員会形式で行うこととしております。 実行委員会には、総務企画、観光、まちづくり、そして歴史文化の4つの専門部会を設置することとしており、それぞれの立場から御意見等をいただくこととしております。 官民連携等についての重要な取組であり、市民の主体的な活動に対しての支援策なども検討してまいりたいと考えております。 あわせて、この事業につきましては、庄内藩という庄内全体の視点も必要と考えておりまして、庄内の各自治体とも連携しながら事業に取り組むこととしております。 また、人づくりについてのお尋ねもございましたが、この事業に多くの市民から関わっていただく中で、様々なノウハウを学んでいただくとともに、人的ネットワークを構築してもらうなど、今後のまちづくりに生かしてもらいたいと考えております。 あわせて、郷土の歴史や文化を後世に伝え残し、しっかり学んでいただくことで地元への愛着や誇りを高め、若者の地元定着や人材育成にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、交流人口の拡大策についての御質問に対しましてお答え申し上げます。 交流人口の拡大ということでは、見てみたい、参加してみたいと思わせる魅力的なイベント企画のほか、周知のための情報戦略が重要になってくると考えております。 このたび、情報発信の専門知識を有するアドバイザーからも御協力いただくこととしており、併せてコンサルタントからも他自治体の優良事例などを御紹介いただきながら、集客を図り、交流人口の拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、この事業は市が主体となるべき事業なのかというようなお尋ねでございます。 この事業につきましては、昨年3月に策定いたしました第2次鶴岡市総合計画に位置づけておりまして、400年の節目を契機として、本市の歴史と文化の継承や城下町鶴岡としてのブランド化を進める城下町つるおかリブランディングプロジェクトとして取り組むこととしているものでございます。 郷土への愛着と誇りを高めることや交流人口の拡大を図ることなどを目的とした事業であり、実施主体としては実行委員会でありますが、市が主体的に関わるべきものと考えております。 次に、総事業費の見込みと酒井家との負担割合に関する御質問でございます。 まず、総事業費でございますが、現在事業計画案について内部で検討を行っているところでございまして、より詳細な全体事業計画につきましては、コンサルタントやアドバイザーからの助言等をいただきながら、今年度中にまとめることとしたいと考えております。 こうしたことから、現時点では内容や予算額の詳細はまだ固まっていない状況でございます。 今後、機運醸成イベントの開催や各種情報発信の取組、関係自治体との連携事業など、具体的な事業内容や予算規模、スケジュールなどについて検討いたしますが、計画がまとまり次第、改めてお示ししてまいりたいと考えております。 それから、酒井家との負担割合についてもお尋ねをいただきました。 先ほど申し上げましたとおり、この事業は実行委員会を組織して市が事務局を務め、様々な方々から支援をいただき取り組むものであります。酒井家から負担金を頂いて実施するような性質の事業ではないと考えているところでございます。以上でございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) 確かに明解な御説明をいただきまして、るる分かりました。 その中で、今後の啓蒙やら、あるいは集客、交流人口等の課題については、アドバイザーとかコンサルのいろんな御助言をいただくということ。これも、私は大変賛成、有意義だというふうに思っておりますので、ぜひともこの辺のところも立派な事業になるように御期待を申し上げたいというふうに思います。 酒井家400年事業については、まだまだ時間はありますので、随時質問してまいりますけれども、ここで再質問いたしますが、この事業は大事業で高額投資になる事業であります。一過性のもので終えてはならない事業と私は考えております。 そこで、この継続的・波及的取組という観点から、400年事業とともに中心市街地の文化財を活用した文化振興の在り方を教育委員会はどう描いているのか、御所見を伺いたいというふうに思います。 ◎教育部長(石塚健) それでは、400年事業とともに中心市街地の文化財を活用した文化振興の在り方ということでの御質問にお答え申し上げます。 鶴岡公園周辺には、国指定史跡の旧致道館をはじめといたしまして、重要文化財建造物の旧鶴岡警察署庁舎及び旧西田川郡役所を有する致道博物館、さらには旧風間家住宅「丙申堂」や鶴岡カトリック教会天主堂、そして市指定建造物の大宝館と歴史的・文化的にも価値のある多くの文化財施設がございます。 所有者の皆様の物心両面にわたる特段の御理解と御協力の下に、適切な保存管理が行われ、公開施設として活用が図られておりますが、歴史的価値を維持するために、修理の際の保存技術者や材料の確保に苦労している状況にございます。 また、修理にかかる費用も高額であることから、今後も国や県の助成事業を活用いたしまして、大学などの研究機関とも連携しながら、施設の維持管理に支援し、保存・継承を図ってまいります。 また、鶴岡公園周辺には藩政時代の貴重な文化資源などが保存されております。本市の新たな歴史的価値を見いだし、地域資源として活用していくためにも、所有者の御理解と御協力の下、調査研究を進めていきたいと考えております。 そして、国の施策といたしまして、文化財は保存だけではなく、活用しながら次世代に継承していく取組を進めていくこととしております。 本市での文化財を活用した取組といたしましては、小学1年生の児童及び転入生に親子で楽しむ庄内論語を配付し、小学校の校外学習などで致道館の講堂を使っての素読教室を行っております。 昨年度は15校、782名が体験したところでございます。 そのほかに、市内にございます保育園や幼稚園、高校、地元企業の研修などでも素読教室を体験し、ふるさと鶴岡のよさに触れ、地域を学び、そして伝える機会として活用されております。 また、大宝館は郷土人物資料館として本市にゆかりの深い人物につきまして、様々な資料展示を基に功績を紹介し、来館者からは評価をいただいております。 どちらの施設も県外からの入場者が8割となっており、市街地の観光施設としての役割が大きくなっている状況にございます。 一方、地元の利用が少ない現状でありますことから、市内外の多くの方から致道館、大宝館を利用していただくために、1つの文化財施設としての保存・活用にとどまらず、周辺の文化財との連携を図っていくことも必要と考えております。 そのために、鶴岡市第2次総合計画の未来創造のプロジェクトの一つであります城下町つるおかリブランディングプロジェクトに掲げます、この酒井家入部400年事業を機に、歴史文化の学びの機会の創出や歴史的建造物の保存活用を進めまして、町並み景観の整備、さらには戦略的な観光促進を展開いたしまして、多くの来訪者を呼び込むことについて、関係課と連携し、取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆29番(渋谷耕一議員) 大変すばらしい御答弁でありました。 その中で、文化財を活用した文化振興は大学、研究機関等も活用しながら進めてまいりたいという御答弁をいただきました。 その中で、先ほど企画のほうからも御答弁ございましたけれども、酒井家400年記念事業はまだまだ時間もあります。別の機会で質問、提言をしてみたいというふうに思いますが、ただいまの質問の中で、調査してみますと疑問に思うことがありました。それと関連して、また議員のチェック機能として御質問をしてみたいというふうに思います。 その中の文化振興専門員、特別職が元年度、選定されました。そのことについて伺いたいというふうに思います。 選定の目的は何だったでしょうか。その業務内容、あるいは調査研究項目、そしてその専門員の活動日数と、その成果報告はどのように出されているのか、まず伺っておきたいというふうに思います。 ◎教育部長(石塚健) 御質問の文化振興専門員につきましては、教育委員会で委嘱しておるものでございますが、初めに委嘱に係る経緯について、目的という御質問でありましたので、その至る経緯について御説明申し上げます。 先ほども御説明いたしましたが、大宝館については郷土人物資料館として本市にゆかりの深い人物を様々な資料を基に紹介して、来館者から評価をいただいておりますが、その一方で、市街地観光施設としての役割も大きく、利用者からは休憩スペースの確保等の御意見をいただいている状況にございます。 また、鶴岡公園周辺には、先ほども申し上げましたように大宝館、致道館、致道博物館など、文化財施設が多くございますが、それらのいわゆる点と点の存在を面として活用し、地域の歴史文化を発信しながら、新たな活用策につなげられる仕組みづくりが重要な課題と考えております。 あわせまして、今お話になっております酒井家入部400年記念事業を機会といたしまして、史跡や歴史遺産の保存継承、新たな観光拠点としての魅力発見や、それらを市内外に発信するために、取組につきまして検討が必要と考えておったところでございます。 これらの課題解決に向けまして、文化財や地域の歴史、文化に広い知見があり、学芸員として文化資料の保存、展示、活用、調査研究、教育普及活動等の専門的な知識・経験があり、また調査活動も独自に行っていただけるような、そういった取組をできる内容といたしまして、総合的に判断して、このような特別職としての専門員を委嘱しているものでございます。 これにつきましては、ほかにも黒川能の保存継承でありますとか、松ヶ岡開墾場の活用策、または食文化の推進に関する事業などについても知識や経験をお持ちの方に指導・助言をお願いし、地域の特色を生かした施策形成に取り組んでいるところでございます。 そこで、成果といたしまして、特別に日数とか、そういう活動日数等を求めるようなものではございませんので、成果といたしまして、専門員のほうからは、大宝館の休憩スペース確保の問題解決といたしまして、県内外にあります人物顕彰施設や文化財を活用した施設展示の報告をいただいております。 また、大宝館の歴史的建造物の価値を生かしまして、休憩スペースの確保とともに展示方法を見直した計画案の御提案、さらには市内の公共施設を活用した分散型展示の方向性についても御提案をいただいております。 加えまして、大宝館、致道館、致道博物館など、3館連携に関する事業提案や課題についての御意見もいただいておりますことから、教育委員会といたしましては、このような提案を参考にいたしまして、さらに関係者からの御意見もいただきながら、いろいろと整備に向け進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
    ◆29番(渋谷耕一議員) その専門員は誰ですか。 ◎教育部長(石塚健) 平成31年度から、酒井忠順氏に委嘱させていただいております。 ◆29番(渋谷耕一議員) その専門員、特別職の立案は誰ですか。 ◎教育部長(石塚健) 教育委員会で委嘱申し上げておりますので、教育委員会でそこは立案の上、予算要求等させていただいておりました。 ◆29番(渋谷耕一議員) 教育委員会ですね。 先ほども御答弁の中にありましたけれども、こういうようなものを活用する場合は、大学、研究機関等々に御依頼するというようなことの答弁があったんですけれども、私はこのような研究、あるいは企画は、普通はコンサルタント会社、あるいは大学とか専門機関、研究機関に委託するのが妥当ではないのかなあというふうに思いますが、いかがですか。どう思いますか。 ◎教育部長(石塚健) この問題に限らず、市全般のものといたしましては、今御紹介のありましたコンサルタントに委託するとかございますけれども、こういった特定の方に個人的に委託するという場合、あるいはこういうふうに非常勤職に委嘱いたしましてお願いするといういろいろパターンがあるかと思いますので、それによったといいますか、そういった例を参考にしながら今回委嘱させていただいているものでございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) その例は、あるとするなら、またお示し願いたいと思いますが、酒井氏は大宝館、致道館の指定管理者である財団法人致道博物館の副館長ではありませんか。大宝館の指定管理者の当事者ではありませんか、伺います。 ◎教育部長(石塚健) 大宝館の指定管理ということで、致道博物館のほうにはお願いしております。酒井氏はその組織の中の方と、それは承知しております。 ◆29番(渋谷耕一議員) 大宝館の利活用を考えるのは、おおむね指定管理者の業務の範疇ではありませんか。私は何かそう思いますけれども、いかがですか。 ◎教育部長(石塚健) おっしゃっているとおり、大宝館の指定管理というのは、その運営管理といいますか、建物の維持管理も含めましてお願いしているところでございます。 ただ、今回文化振興専門員としてお願いしている分は、これからの活用の在り方についてというところでのものをお願いするのであって、そういう形でまずは委嘱したということでございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) 先ほど、業務の成果報告等ということでお示しいただきましたけれども、一応、私、この資料がございます。酒井氏からの報告の中で、中身の書かれている部分が「日本一の人物資料館を目指して」、2月24日の提出でございますけれども、1ページ目は単なる表紙であって、2ページ目が目次、3ページ目が現状と課題となっております。4ページ目、5ページ目等々が金沢の人物博物館の資料展示の複写になっています。6ページ目が課題解決というようなことで御提案されておりまして、あと最後のほうに今後の取組というふうになっていますけれども、本人からの率直な御意見というか、中身のある御報告ではなくして、課題だとか、あるいは今後の取組とかいう、その辺のところがなされているような御報告でございました。 そんなことを思うとき、私は調査・企画というのは、どうも個人に依頼されるものはおかしいような内容ではないのかなというふうに思われます。企画書、計画書はコンサルのほうで作ってきた資料がありましたけれども、それを見せてくださいといったら、教育委員会のほうは見せられませんというふうに言われましてですね。議会に見せられませんというか複写していただくことができなかったんです。議会で御質問するので、ぜひとも複写できませんかと言ったら、できませんというふうに言われたんですけれどもね。じゃあ、公開請求になるんでしょうけれども、それは時間もありませんので、私、もらいませんでしたけれども、私は指定管理者、あるいは財団法人が財政支援をいただきながらコンサルに依頼すべき事業課題の内容の計画書、企画書であって、そんな使命を及ぼすべきものであると私は思うんですけれども、再度お伺いしておきたいというふうに思います。 この調査・企画は、個人に依頼するのはおかしいのではと私は思います。ましてや、指定管理者の酒井氏への依頼は、私はあり得ない、おかしいと思うんですが、いかがですか。 だって、例えばゆ~Townの支配人にゆ~Townの利活用を報酬を与えて頼むようなものですよ。例えば、加茂水族館の奥泉館長に利活用についての報酬を与えてそれを依頼する。そんなような感じを私は受けて、そう見えてならないです。その辺の御見解はどうなんですか。 ◎教育部長(石塚健) 先ほど説明の中でも申し上げましたが、今回お願いしている内容は、1つとして大宝館のまずは今後の活用というところもございますが、先ほども申し上げましたがそれだけでなく、鶴岡公園周辺、大宝館、致道館、致道博物館など、そういった点と点の存在を結びつけたような新たな活用策と、そういった広い範囲でのものもございますので、そういった面でまずお願いしていると。 そして、その成果についても、今御紹介がありましたように、しっかりしたものをいただいているとこちらとしては認識しております。 ◆29番(渋谷耕一議員) 私は、なぜ個人の酒井氏に依頼したのかという疑問と、この課題は業務委託が妥当で、法人格にするのが常識であって、わざわざ個人に依頼しておいて報酬を与えるものではないような感じがするということなんです。 それでは、文化振興専門員、特別職の選定基準はありますか。 ◎教育部長(石塚健) 選定基準につきましては、言いましたように特に基準を設けるということは、いろいろなパターンがある中で、その中の公平性をまず求める上で必要になってくるのかと思いますが、今回の場合は、まず先ほども申し上げましたが、本市で抱えるそういう課題解決に向けた、文化財でありますとか、そういう知見、あるいは学芸員としての知識や経験等に基づいて、求められる方ということで酒井氏にお願いしているということでございます。 それから、最初のところでありました個人か法人かという点につきましては、やはりそれは必ずしも法人でなくてならないとか、実際に個人で委託している部分もございますので、御了解いただきたいと思います。 ◆29番(渋谷耕一議員) それは、あなたとの見解の違いだけですけれどね。 その中で、ただいま特別職の設置のルールとか、条例等は規定されていないということなんですね。 それでは、今回の専門員は誰が決めて、誰が選定しましたか。教育長ですか。 ◎教育部長(石塚健) 先ほども申し上げましたが、まず教育委員会等で検討して、担当課を通しまして検討いたしまして、選定に至っていると思います。 ◆29番(渋谷耕一議員) 教育者たるもの、うそは答弁していないでしょうね。そのように信じたいというふうに思いますが、虚偽答弁にならないようにしてくださいよ。 それでは、なぜ報酬なのですか。しかも特別職、専門員の項目にどこにも当てはまらないような多額の報酬を支払うのはどうなんですか。ほかの特別職との報酬のバランス等は取れているというふうに思いますか。 ◎教育部長(石塚健) 報酬であるのは、非常勤職員としての委嘱ということでございますので、その対価としては報酬になるということでございますし、その金額等につきましては、やはりほかの委員の方とのバランスといいますか、そういったものを考慮した上で判断したものと捉えておりますし、先ほど来、申し上げますように、その部分で成果品として、それに見合うだけのものはこちらとしてはいただいていると、そのように認識しております。 ◆29番(渋谷耕一議員) 成果ですけれども、私たち議会研修でも、1泊行っても、本当に中身のある濃い研修内容、あるいは報告をしていますけれども、本人の報告は課題とか今後の取組の2点の要点を書いているだけですよね、と私は思います。 その中で、じゃあタクトのアドバイザーとかいうような報酬は幾らで、教育委員会の委員の報酬は幾らなんですか。 ◎教育部長(石塚健) タクトといいますか、関係したものといたしますと、利活用会議の方と思いますけれども、あの場合は年間契約といいますか、そういう形ではなくて、その都度その都度というところでございますので、例えばその中にアドバイザーの方がいらっしゃいますけれども、そういう方については1回5万円という形になりますし、あと教育委員の報酬といたしましては月額10万円くらいということで、ちょっと正確な数字は申し訳ございませんが。 ◆29番(渋谷耕一議員) 教育委員は数々の会議があって忙しいというふうに思いますけれども、10万円ですけれども、この文化振興専門員、特別職の報酬は月21万9,000円の年間260云々の予算となっております。 報酬金額の指示は誰が決めたのですか、誰がしたのですか。 ◎教育部長(石塚健) 報酬額等につきましては、まずほかのと同じように予算要求の上で査定いただいての選定となります。 あと、今の月額21万9,000円ということでございますけれども、例えば県内外の博物館等の学芸員を募集する際のものも調べてはみましたけれども、その際でもやはり20万円から25万円と、そういうものはございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) 誰が提示したのですか。その教育委員会のほうの教育委員さん、この決定に至るまでの。誰が提示したのですか、21万9,000円という金額は。 ◎教育部長(石塚健) それは、やはりほかのと同じように担当課のほうで予算要求いたしまして、先ほど言いましたように査定を経て、予算として計上いたしているものでございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) 専門員の報酬の決定理由の教育委員会、この220万という額は、鶴岡市の特別職にはない金額なんですよね。その教育委員会が、社会教育たる行政職の皆さん方が決められる金額ではないんですよ、私の思うには。教育長ですか、提示したのは。教育委員会の中で、あるいは社会教育の中で決められる金額では……。私は行政職で決められる、決定できる、それを要請できる金額では、私はないというふうに思っていますけれども、それは私の政治の勘です。 なぜならばと言えば、高額な報酬であること。それから、教育長はまだなったばっかりの教育長で、その判断には、私は至らないんだろうというふうに思っている、勘です。 そこで、副市長にお尋ねいたします。 ただいままでの質問の中で、このことを知っていましたか。あるいは、指示していますか、していませんか。 ◎副市長(山口朗) ただいまの案件について、知っているかということでございますが、この事業があることは承知しておりますし、所管は教育委員会であるということで認識いたしております。 ◆29番(渋谷耕一議員) じゃあ、副市長は何の御助言もしていない、ただ知っているのみというふうに理解していいですか。 ◎副市長(山口朗) そのとおりです。 ◆29番(渋谷耕一議員) それでは、皆川市長は知っていますか、指示していませんか。 ◎市長(皆川治) まず、お答えする前にですね……。  (「それだけ答えてもらえばいい」という者あり) ◎市長(皆川治) 時間もあるようですので。 この酒井家入部400年に向かって、実行委員会を立ち上げて準備をしているわけですけれども、今この文化振興専門員という点での御質問があったわけですが、これについては教育部長から御答弁申し上げているとおりに、大宝館の休憩スペースの確保等の検討というようなことと、それから3館連携の事業提案というようなことで酒井忠順氏に委嘱をしているということでございます。 これについては、私も承知をしておりますし、教育部長から御答弁申し上げたとおり、酒井忠順氏は学芸員でありまして、文化資料の保存、展示、活用、調査研究、教育普及活動等の専門的な知識や経験がある方であります。学芸員の資格を有しているというようなことを考慮して、月額の報酬なども決まっているというふうに承知をしております。 市の事業でございますので、所管が教育委員会だとか、市長部局だとかいろいろありますけれども、その内容については全て私が把握し切れるかという細かなところまでという問題はありますが、当然私としても承知しているものであります。 ◆29番(渋谷耕一議員) 私の質問は、指示はしておりますかと聞いておりますが、指示しておりませんか。予算とか、あるいは内容等々、専門員等々は指導はしていませんかということなんです。 ◎市長(皆川治) ちょっと、その指示というのはどういう御質問なのかが、よく分からない点があるんですが、どういう意味でしょうか、指示というのは。 ◆29番(渋谷耕一議員) 教育委員会で答弁されたことをずうっと聞いています。そのことについて、知りませんか。知らないだけじゃなくて、あなたは指示はしていないんですかということなんです。報酬とか、あるいは専門員の選任とか等々についてのことも、市長としては何も関わっていないんですかということなんです。 ◎市長(皆川治) あらゆる案件につきまして、私は日頃から市民の皆様方の御意見も伺いますし、また教育委員会が検討している内容についても報告を受けたり、それについて私の考え方を述べたりしております。 そういう中で、この事業が必要だということで組織として決定をされたものであります。 ◆29番(渋谷耕一議員) じゃあ、もう一度伺います。 直接、指示はしていませんか。あるいは専門員の選任についても、御助言等の指示はしていないんですかということなんです。  (何事かいう者あり) ○議長(本間新兵衛議員) 静粛に願います。 ◎市長(皆川治) 何か私が指示をする、指示をしないというようなことにこだわっておられるようでありますけれども、この検討が教育委員会のほうでなされまして、この内容について私も認めて、組織として決定して、今予算の執行がなされているところであります。 ◆29番(渋谷耕一議員) らちが明かないです。じゃあ、報告書は見ましたか。市長、副市長は見ましたか。 ◎副市長(山口朗) 内容は、まだ見ておりません。 ◎市長(皆川治) その点も、報告書ということも大事だというふうに思いますし、それもなされているんだろうというふうに思いますが、私自身がその報告書の詳細について、教育委員会のほうからは報告を受けておりません。 ◆29番(渋谷耕一議員) じゃあ、教育長どまりになっていると理解したいというふうに思います。 私が思うには、この事業は明らかに実施計画を含む選任の在り方、報酬の在り方、報告と当局依頼の乖離、矛盾という中身の伴わない予算決算ではないのかなというふうに思われます。 予算執行の妥当性については、大変、質問、答弁においては疑問に思います。今定例会でも、決算に表れておりますので、常任委員会でも慎重審査、聞き取りを委ねたいというふうに思います。 また、今後、会計事業監査もあろうと思います。執行の妥当性についても、しっかりと監査することを委ねて、この質問を一応終わっておきたいというふうに思います。 次に、通告しております本市の全国住みよさランキングの認識とその対応施策について伺いますが、先般同僚の秋葉議員が総括質問で似通った質問をされていました。私からは、6月の新聞紙上に東洋経済新報社が毎年調査、公表しています住みよさ2020年全国ランキング各種公的統計データを基に評価をされました。 本市は、驚くことに全国812市の中で底辺に位置する612位でした。しかも、前年度より100位もランク落ちであります。 一方、山形県内13市の中では、本市鶴岡市、県下では昨年度より1ランク落ちて、ワースト3番目の11位でありました。がっかりであります。正直、驚きと市民に申し訳ないような気持ちでいっぱいでもあります。 県内のトップ3は同じ顔ぶれで、1位は東根であります。なるほどと感銘の言葉しか出てきませんが、住みよさは国の統計などの指標のうち、各項目、安心度、利便度、快適度、富裕度などなどのデータを基にした総合評価とのこと。住みよさを表すその指標について、説明を願います。 考えるに、市民は常に住みよい地域を追い求めるもので、それに応えるのが我々議会でもあり、行政であります。 そのランキングが全国及び県下でのランキングが下位に位置することは、政策実施、あるいは結果に課題がある一つのバロメーターと思われますが、その要因は何なのか。当局の見解をお尋ねいたします。 政治は結果を出すことであり、そこに信頼を得るものと言われております。皆川市政はランキングの公表を受けて、反省はどう受け止めておられますか、伺います。 福祉、産業、環境、教育、医療、子育て、また交通網の整備などなど、そして人づくりやら、地域連携、住民サービスなどなど、年代別市民欲求が満たされることが住みよさかもしれませんが、ただ何々してほしい、何々をつくってほしい、何々を安くしてほしいなどという欲求をかなえるのが行政ではないはずであります。真の住みよいまちとは何だと思いますか、伺います。 その追求、対応と皆川市政が全国、そして山形ランキング上位へランクづけする努力施策は今何なのか、そのお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎企画部長(阿部真一) このたびの住みよさランキングに係る4点の御質問について、順次御答弁申し上げます。 初めに、議員より御紹介いただきました住みよさランキングでございますが、このランキングは東洋経済新報社が1993年から全国の792市と東京20区を合わせた812都市を対象に、様々な分野の公的統計を用いて、住みよさにつながる都市力を明らかにすることを目的として公表しているものでございます。 総合順位のほか、住民生活に関係する安心度、利便度、快適度、そして富裕度の4つの部門に分けまして、それぞれの部門で4つから6つの指標を設定して順位づけをしております。 指標につきまして、具体的に申し上げますと、安心度の部門では、病院・一般診療所病床数や子ども医療費助成、それから交通事故件数など6項目、利便度の部門では、大規模小売店店舗面積や飲食店数など4項目、快適度の部門では、転出入人口比率や下水道普及率、また気候など5項目、そして富裕度の部門では、財政力指数や納税義務者の所得及び住宅の延べ面積など5項目の指標が設定されております。 なお、この調査は毎年指標の追加、変更が行われており、1年ごとの順位の変動が大きくなっていることが一つの特徴として上げられております。 それから、本市のランキングにつきまして、議員御紹介のとおり、総合評価では全国812市区のうち612位となっており、前年度と比べまして、昨年度の518位から順位を100位ほど下げております。 その主な要因を部門ごとに前年と比較いたしますと、安心度につきましては、370位から374位へ、利便度が340位から327位へ、快適度が646位から635位と前年の順位をほぼ維持しております。 一方で、富裕度では順位が上位であった指標評価である人口当たりの財政歳出額、それから持家率が今年度は除かれましたことから、順位を432位から528位へ下げており、このことが総合順位に影響しているものと分析しております。 なお、快適度の順位が低いことにつきましては、昨年から年間日照時間や最深積雪など気候が評価指標の一つに加えられたことが要因と分析しているところでございます。 それから、次に住みよさランキングをどう受け止めているかということにつきましては、このランキングにつきましては、住みよさについて様々な公的統計を用いた評価指標を基に順位づけされておりますけれども、毎年のようにその評価指標が見直されるため、県内13市の状況を見ましても、変動の大きいことがうかがえます。 一方、これは昨日、26番議員への御答弁でも申し上げましたけれども、宝島社発刊の移住専門雑誌「田舎暮らしの本」本年2月号におきましては、住みたい田舎ベストランキング2020が発表されておりまして、この中では本市は全国10万人都市の90都市の中で総合部門で13位、それから子育て世代が住みたい田舎部門で10位と上位にランキングされております。 また、最新の「田舎暮らしの本」10月号でも、東北6県の移住先進地として、本市の移住定住支援の取組が紹介されております。 住みよさランキングは、主に都市の地理的条件や物質的、経済的な指標を重視する一方で、住みたい田舎ランキングにつきましては、その都市が持つ観光や様々な資源、人を引きつける都市の魅力といった要素を反映しているため、上位にランキングされているものと考えております。 このように、住みよさランキングのほかにも様々な観点から順位づけが行われておりますが、こうした評価による結果も参考にしながら、第2次総合計画の目指す都市像の着実な実現に向けて、一層取組を進めてまいりたいと考えております。 それから、4点目の御質問につきまして、真の住みよさ、まちづくりにつきまして答えさせていただきますが、先ほど申し上げましたとおり、第2次総合計画に基づく目指すべき都市像の実現に向けて、庁内でも関係部署が横断的に連携して、7つのテーマを重点化して、未来創造プロジェクトとして取り組んでおります。 市民、企業、それから行政と多様な力を合わせて、豊かで暮らしやすい魅力あるまちづくりを推進していくことが重要であると考えております。 特に、人口減少対策が最重点課題でございますので、これの克服を目指すためには、第2期の鶴岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略を着実に進めていくことが住みよいまちづくりにつながるものと考えております。 具体的には、若者の地元就職を促進するため、企業とのマッチングや就職活動に対する支援、安定雇用を創出するための取組の強化、また進学などで本市を離れた若者の地元回帰や地元就職を促すため、奨学金返済支援などの支援施策の検討、SEADSを活用した農業人材育成など、本市の産業を支える、発展に導く人材の育成、確保を進めてまいります。 さらに、乳幼児期の相談対応や放課後児童対策の推進など、子供の成長に応じた支援により、子供を産み、育てやすい環境を充実させること、ワーク・ライフ・バランスを促進して女性の活躍を推進していくことなどの取組を進めてまいりたいと考えております。 住みよさランキングや住みたい田舎ベストランキングのほかにも、全国の市町村を評価するランキングは様々ございます。その調査の基礎となっている指標の分析などを通じまして、本市の特性や課題などを把握することは有益なことでありますので、今後のまちづくりの参考として活用して、本市の様々な魅力や都市の機能などをさらに高めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆29番(渋谷耕一議員) 御答弁、分かりましたけれども、まず住みよい鶴岡になるには、何よりもその結論は、定住が定まって、そして移住が増えて、そして人口が増えるという要素があればこそ、やっぱり住みよい鶴岡というふうになるでしょうし、住みよい鶴岡であればそのようになっていくのかなあというふうに、簡潔に言えばそのようなことだと私は思っております。 その中で、同僚議員の質問への答弁等を聞いていると、どの施策もいつも立派で、ごもっともの答弁をされておりますが、住みよさランキングは全国的に出された結果の数字であります。 当局は、数字に真摯に向き合って、今の企画、それから施策に満足することなく、統計データの解析をしながら、市民が住みよさを実感できる鶴岡市になるように、皆さんの行政執行に大いに期待をして質問を終わりたいというふうに思います。  坂 本 昌 栄 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 2番坂本昌栄議員。  (2番 坂本昌栄議員 登壇) ◆2番(坂本昌栄議員) 一問一答にて質問させていただきます。 1つ目に、学校給食費の無償化の拡大について伺います。 本市の学校給食費、第3子無償化は平成30年度の対象児童・生徒731人で、給付金の支給額は3,772万2,000円、令和元年度の対象児童・生徒は740人で、支給額は3,787万2,000円で、1人当たり年間約5万円の負担軽減に対して、子育て世代の方々からは、保育料や医療費、学校給食費などの無料化により、経済的支援はすごく助かると評価する声が届いています。 現在、義務教育は無償のように見えても、実は保護者の私費負担が多いという現状があります。学校給食費のほかにも、学校生活で必要な制服や体操着、上履き、学用品などを買いそろえ、PTAの会費などを支払わなければなりません。 文部科学省の平成30年度子供の学習費用調査では、保護者が1年間で負担する具体的な数字、子供1人当たりを出して、公立の小学校では、学校教育費が6万3,102円、学校給食費は4万3,728円、公立の中学校では、学校教育費が13万8,961円、学校給食費は4万2,945円と大きな負担となっています。 義務教育中の児童を育てる経済的に困っている家庭においては、救済措置として自治体が学用品や給食費などを援助する就学援助制度もありますが、就学援助制度を利用しても、保護者が義務教育で負担する費用はゼロではないとなっています。 現在は、政令指定都市の大阪市では新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえて、令和3年度から予定していた無償化を財政調整基金を充てて前倒しして、今年4月から全小・中学校で無償化を実施しています。 中核市の兵庫県明石市では、幼児教育・保育の無償化で市の財政負担が減ったために、浮いた財源を充てて、保護者の所得に関わらず、本年4月より市内の公立13中学校の給食費を無償化としました。 また、宮城県名取市でも、同じく今年4月より、市内の公立中学校3年生を対象に給食費無償化を実施し、将来的には対象を市内全ての公立小・中学校に拡大していくとされています。 このように、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、各地区での無償化が進んでいます。 市長は、鶴岡市民ファーストの5つの約束で、人口減少に歯止めがかからない状況、市民の暮らしを直視し、正面から立ち向かうこととして、発祥地の学校給食費を段階的にゼロと掲げていました。 平成30年度は、第3子の学校給食費無償化を実施しましたが、令和元年、令和2年度と進んでいません。 現在、新型コロナウイルスの影響は今後も続くと見られ、子育て世代の負担軽減は喫緊の課題と思いますが、財源確保とともに、実現に向けた検討はされているのか、伺います。 ◎教育部長(石塚健) 給食費無償化に係る御質問にお答え申し上げます。 平成30年度から、第3子以降の小・中学生の給食費無償化事業を実施してまいりましたが、御紹介ありましたように、平成30年度は対象者が731名で金額が3,772万2,000円、令和元年度は746名で、無償化部分ということで3,787万2,000円。それで令和2年度、今年度の見込みといたしましては754名で3,928万円を見込んでいるところでございます。 本年5月1日現在、児童・生徒数は小学校が5,762名、中学校3,182名、合わせて8,944名、給食費といたしましては、年間約5億1,000万円が見込まれております。 こういったことから、完全無償化するとした場合には、さらに4億7,000万円を要することとなりまして、対象者の拡大に目を向けつつも、財源の確保を課題としているところでございます。 給食費は、小学校が270円、中学校が310円で、1人年間で5万円から6万円程度となります。現行の無償化事業による約4,000万円の行政負担により、子育て世代、多子世帯の負担軽減につながっているものと捉えておりまして、これが単年度でなく複数年にわたって対象となりますので、軽減効果はさらに上がるものと考えているところでございます。 御紹介ありましたように、全国的にもいろいろ動きがある事業でもございますので、そういった情報を収集しながら、引き続き子育て世代の支援策として充実した制度となるよう、制度を拡充するときの課題でございます財源の確保のために、必要な方策を引き続き検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(坂本昌栄議員) ありがとうございます。 しかし、財源の確保はすごく大変だということはもちろん理解しています。 先ほど述べた兵庫県の明石市では、財政負担の限度額を検討して、小・中学校の両校の給食費の負担を無償化することを賄うことはできないということで、高校受験等の教育費が必要となる中学校の学校給食費の無償化を優先したとしています。 中学校の入学時とか、高校の入学に係る費用が増大する中学校3年生、または小学校6年生など、無償化の手法はいろいろとあると思います。 今回、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、3月から学校での給食ではなく、自宅での食事を伴うことによって、家庭での負担は大きなものとなっていると聞いています。ましてや、残業代とか賞与、所得が減った家庭が増えている中で、この給食費の負担というのは大きなものとなっているということで生活は苦しいんだという声も届いています。そのしわ寄せが子供たちの生活に及ばないようにしていただけるようお願いして、子育て世帯の負担軽減を早急に検討していただけますようお願いいたします。 そして、何より第3子ということであれば、そこの第3子がいる家庭だけにしか無償化は及ばないことになりますが、学年で割れば回収の手間とか、そういう業務に係ることも軽減できるのかと思いますので、そのことも踏まえて、できれば来年度には対象者を増やしてほしいなと思っていますので、早期に検討していただきますようお願いして、次の質問に移ります。 2つ目に学校給食センターの改築に向けた課題について伺います。 学校給食センターの改築については、第2次総合計画で、老朽化した学校給食センターの改築などの検討を進めますと掲げていますが、市民より、検討は行われているのか、注視されています。 検討委員会の開催予定や、開催しているのであればどのような内容が行われているのか。また、素案づくりや改築開始予定などのめどが立っているのであれば、お伺いしたいと思います。 学校給食センターの改築に当たり、多くの検討課題を現段階ではどのように捉えているのか、伺います。 地産地消の取組や輸送時間の問題、今後増えていくアレルギー対応などを含め、合併するのか、地域へ残すのかなど多くの課題があると思われます。 皆さんも御存じのとおり、本市は学校給食の発祥の地であり、食文化創造都市であります。 児童・生徒に本市の魅力を発信するためにも、地産地消のメニューを多く提供することは有効と考えています。 藤島や櫛引、朝日、温海の地域センターでは、地元の生産者とつながりを築き、食育や地産地消の豊富なおいしいメニューを取り入れています。 もちろん、学校給食センターでも地産地消のメニューを取り入れていますが、食数の多さから地産物の確保が難しく、地域センターほどのメニューには至っていないように見られます。 地場産業を支える観点からも、地域センターを残すべきと考えますが、現時点での見解を伺います。 本市の学校給食センターを改築するに当たって、災害時の利用を想定しているのか、また利用に当たっての課題はあるのか、お伺いします。 ここ数年、本市では地震や豪雨による災害が頻発しております。7月28日には豪雨による災害が起こり、避難を余儀なくされた方々がいました。もちろん、今日は避難をするほどではありませんが、このまま雨が続くとどうなるか分からない状況であったと思われます。 災害時において、学校給食施設を活用しての食事提供に当たって、菅井議員がさきに紹介した2018年7月の西日本豪雨による災害時の愛媛県西予市の事例の後、学校給食施設を改築・新築の際は災害時の利用を想定して整備が進んでいます。 埼玉県の本庄上里学校給食センターでは、緊急食糧基地として、ライフラインが停止した場合でも炊き出し可能な施設を完備しています。 また、大分県佐伯市では、災害時の食事を提供する拠点として整備をしています。 福井県では、給食に関する災害時対応マニュアル作成のための様式集を作り、学校給食施設の利用を盛り込んでいます。 今後も予想される災害時の利用についての見解を伺います。 ◎教育部長(石塚健) それでは、学校給食センターの改築に関わる、まず初めに検討委員会についてお答え申し上げます。 鶴岡市学校給食の在り方検討会ということで、本年2月に学校関係者、PTA関係者、食材提供者、学識経験者、10名を委員として発足したところでございます。 新型コロナの影響から、今年度当初より会議を開催できない状況が続いておりましたが、去る8月19日に、食育の充実、地産地消の推進の2つをテーマにいたしまして、第2回の検討委員会を開催したところでございます。 食育、地産地消、それぞれの定義を再確認するとともに、本市の取組を紹介し、それぞれの立場から御意見を頂戴したところでございます。 この先、今年度内に2回程度の開催を予定いたしまして、給食施設や機能などについての検討を加え、最終的に本市のあるべき給食の姿を見いだすこととしております。 また、改築・改修予定につきましては、第2次総合計画の後期期間内を予定しているということで、手続に後れを取ることがないよう進めることとしております。 次に、その改築に向けた検討課題についてお答え申し上げます。 給食センターそれぞれの築年数は、鶴岡のセンターは33年でございます。櫛引センターが25年、朝日センターが19年、藤島センターと温海センターが18年と、まずは鶴岡のセンターが最も古く、次いで櫛引センターといったような形となっております。 それぞれの各センターの特徴といたしましては、全てのセンターがズックで作業できるドライシステムというふうになっております。そして、藤島センターと朝日センターは、衛生管理の徹底が図られるHACCPに対応しておりますし、藤島センターは設置条例を別にすることで、福祉給食も提供しております。 また、朝日センターはオール電化で炊飯も行っており、温海センターは中学校との合築といった形となっております。 検討すべき課題といたしましては、将来的なセンター配置の在り方によりまして、鶴岡センターの改築に当たっての施設規模でありますとか、機能が変わってくるということがあると考えております。 また、各地で取り組んでいる特色ある献立や行事食、地場産野菜生産者と連携した地産地消システムや交流給食会など、これまで培ってきました食育の充実と地産地消の推進もまた課題と捉えているところでございます。 さらには、食中毒を防止するため、調理完了から喫食まで2時間とされる時間制限なども今後検討すべきものと捉えているところでございます。 このようなことを踏まえまして、議員の御指摘のとおり、地場産業の振興にも関わってまいりますので、いろいろな角度から今後とも検討を加えてまいりたいと考えております。 次に、学校給食センターの災害時利用の想定、利用に当たっての課題についてでございますが、学校給食センターの改築に当たりまして、災害時利用の想定というのは、この先の検討事項ということで、毎年のように起こる大雨災害や予期できない大地震など、避難生活が長期化することを想定した対策を講じておく必要があると認識しているところでございます。 その際、災害時利用に当たっての課題といたしましては、まず根本的に小・中学校が授業日であれば学校給食が優先されますので、災害対応がまず困難となるということが上げられますが、大規模災害時に学校給食センターから避難所である学校等へ給食を提供できる仕組みにつきましては、いろいろ課題も多いこととは思いますが、全国的な事例や動向を踏まえながら、関係部署等と今後とも調査、検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(坂本昌栄議員) ありがとうございます。 日頃より、児童・生徒を一番に考えて、温かい給食が届くように給食業務に従事している方々は本当に大変なことだと思っています。 この鶴岡は、すごい広い面積を擁している。そして、冬には降雪するということで、悪路ということもあって給食の運搬は困難を極めているというふうに認識しています。 それでも、やはり温かい給食をできるだけ届けていただく。それは、児童・生徒には食文化の鶴岡、食文化創造都市としておいしい給食が食べられることがもちろん前提であると考えています。 しかし、先ほど述べていました災害時の、もちろん小学校、中学校が行われている時点での災害時の利用ということではなく、それでも一緒にできないかとか、災害が起きたときにそこが拠点として食事を提供できる。同じ時間内じゃなくてもいいわけですので、温かいものを自衛隊の方がいらっしゃって、いつもつくっている映像が映りますが、あれで賄えるものではないというふうに感じています。 災害時のときに、ぜひともその給食センターの利用を考えていただいた上で、今後のセンター改築に向けた検討委員会でも、そのことを検討していただいて、ぜひとも盛り込んでいただきたいなと思います。そのことをお願いできますでしょうか。 ◎教育部長(石塚健) 先ほど御説明いたしましたように、まずセンター等の改築の必要性が迫られる中で、今後いろいろそれに向けた素案づくりというものを進めてまいりますが、今言われました災害時の対応というところも、どこまでできるのか、全てフルでできるのかどうかというところもございますけれども、まずできる限りのことは踏まえて検討してまいりたいとは考えております。 ◆2番(坂本昌栄議員) ありがとうございます。 できる限りという名前がいつもつきますが、できる限りではなく、検討をしていただくようにお願いしたいと思います。 3つ目に、学童保育所の施設や運営主体について伺います。 現在、第三学区学童保育所では4つの支援単位で運営を行っていますが、生活を伴う学童施設としては狭く、新型コロナウイルス感染症の予防の観点からも、子供たちの3密を避けることは不可能に近い状態です。 以前、市長も第三学区の学童保育所を視察され、そのように感じていたのではないかと思われます。 このコロナの出る前、以前より施設の要望が出ておりますが、進捗状況について伺います。 また、新入生の入所児童が急増している斎小学校の学童保育所では、このたび体育館の改築に当たり、今までの体育館隣接の倉庫の部分から学校の空き教室へ移動しました。そこは今後も使用すると決まっています。体育館の改築変更に伴って、体育館内に学童保育所の増築を望み、教育委員会への要望書も出されたとされていますが、先日の21番議員への答弁からも、工期や予算の問題も含み、可能性を期待できるものとは思えません。 しかし、21番議員も述べましたが、斎小学校の登録児童数は70名以上で、毎日40名以上の子供たちが通所し、放課後の生活を送っています。 このたび移動した教室は、普通教室よりも狭い教室で、1人当たりの専有面積を積算すると17名ほどしか入れない狭い施設となっております。 今は、ワークスペースの使用により、何とか生活ができている状況ですが、工事後は隣接された建物含め、今の施設と建物を含めて2つの施設を利用しても、40名の児童が生活を伴う学童施設としては狭いと思われています。 この工事が完了した後も、ワークスペースの利用、学校施設の利用なども鑑みていただいて、工事終了後の施設確保の対応について伺います。 第五学区の改築が予定され、学童保育所も校舎内への施設整備や隣接の施設整備が検討されているとお聞きしています。 酒田市の学童保育所は公設で整備され、NPO法人によって運営がされています。 天童市や寒河江市、東根市、先ほど皆さんが言っていた住みよいまちづくりランキングで上位のこの3つの市では、市が施設を造り、従来どおりの運営委員会方式で運営しているところもあります。 本市においても、ぜひとも公設での学童保育所を新設し、運営主体も今までどおり運営委員会方式でと願っていますが、本市の施設整備や運営主体についての考え方をお伺いします。 ◎健康福祉部長(渡邉健) 学童保育所の施設整備や運営主体についての御質問でございますが、初めに支援単位の増加や利用児童数の増加に伴う学童保育所の施設整備に向けての進捗状況についてお答え申し上げます。 学童保育所の運営に当たっては、現在新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、3密を避けながら運営しなければならない状況となってございますが、既存の施設だけでは難しいところがあることは十分認識をいたしております。 その対応といたしまして、学童保育所から学校施設の利用についての希望を聞き取り、まだ利用していない学区におきましても、可能な限り放課後の学校施設開放が進められるよう学校と調整を図るなど、コロナ禍における学童保育の環境の改善を図っていくこととしております。 御質問にございました第三学区学童保育所につきましては、市の普通財産である建物やプレハブ施設を利用し、4支援の単位で運営されております。 今年度の登録児童数は211名で、新たに同小学校区において1クラブが開設されたことにより、昨年度から18名の減となっておりまして、過密状態は緩和されてはございますが、施設の老朽化の問題もあり、新たな実施場所の確保を要望されているところでございます。 現在の第三学区学童保育所の敷地は道路に接しておらず、建築基準法上、新たな建物を整備することができない場所となっているため、施設整備のための用地の確保が最大の課題であり、現在運営主体や教育委員会と代替の方法について検討を重ねているところでございます。 斎学童保育所につきましては、これまで小学校内の体育館隣接の倉庫やグラウンドに整備した学童保育施設で運営しておりますが、近年登録児童数が増加しており、今年度は79名となってございます。 現在、体育館の改築工事により、小学校の教室1部屋とワークスペースの貸与を受け、市の規則で定めている児童1人当たりの面積1.65平方メートル以上を確保している状況にございます。 体育館改築工事後は、引き続き教室1部屋とワークスペース、または他の余裕教室等の活用について、市教育委員会や運営主体と連携して協議し、児童の居場所の確保を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、第五小学校の改築に伴った学童保育所の整備や運営主体についての考え方についてお答えいたします。 第五学区学童保育所につきましては、児童数の増加に応じて、施設数が増え、現在4施設に分散して運営されております。 施設の中には老朽化した施設もあることから、運営主体である第五学区学童保育所運営委員会からは、施設整備の要望を受けております。 市といたしましても、既存施設の狭隘化や老朽化が課題になる中、新たな実施場所の確保が必要であると認識しており、利便性や児童の安全性の確保といった観点から、学校の改築に併せた学校敷地内の施設整備について検討しております。 現在、学校の改築に係る議論の中で、運営主体や保護者、地域の方々の御意見を伺っており、これらを基に学校施設整備基本構想を策定し、整備を進めることとしております。 次に、本市の施設整備や運営主体に関する御質問についてお答え申し上げます。 近年、学童保育のニーズの高まりを反映し、登録児童数は増加しており、この傾向は今後も継続すると予測しているところでございます。 また、老朽化や耐震化が未実施であるなど、ハード面に課題があるとともに、学校の余裕教室や市有施設等の活用が困難な地域もございます。 これらのことを踏まえ、施設整備につきましては、学校の余裕教室や市有施設等を有効に活用できる場合は施設の環境整備に対し支援することとし、また学校の余裕教室や市有施設等の利用が困難な場合は、学校改築に併せた整備を行うなど、小学校区ごとの実情を勘案しながら、施設の確保を進めたいと考えております。 また、本市で新たに施設整備を行う際の運営主体につきましては、これまで児童館を活用して学童保育を実施するといった場合には、指定管理者制度により運営者を選定した経過がございます。 学童保育のみを実施する場合につきましては、これまでの経過や実績を踏まえ、地域の実情に応じ、運営委員会が引き続き実施することも想定しながら、運営委員会や保護者、地域の方々と協議の上、検討してまいりたいと考えております。以上です。 ◆2番(坂本昌栄議員) ありがとうございます。 2018年度の厚労省の新・放課後子ども総合プランでは、近年女性の就労率が上昇となり、さらなる共稼ぎ家庭などの児童数の増加が見込まれておりますということで、放課後児童クラブの追加的な整備が不可欠な状況と述べています。 加えて、今新型コロナウイルスの感染症で3密対策が必要条件と捉えると、現在の状況を黙止することはできないと思われています。 斎小の先ほどのお話ですが、やはりワークスペースを今使用できているから人数が賄えていますが、そこは生活をする場所ではなくて、子供たちが遊ぶために使える場所というふうに捉えると、子供たちが落ち着いて生活する場所の確保というのはきちんとしていただかなければ、静養室もありません、子供たちに何かがあったときに助けられる教室は別にないということで、いろんな面から見ても学童保育所に必要な部分が欠けているように思います。 ぜひとも、施設整備を早急に検討していただきますようにお願いいたします。 今、人口減少に歯止めが利かない状況を鑑みると、子育て世代の負担軽減を図り、子育てしやすい本市を目指すべきと考えます。 そのためにも、課題の整理と財源確保に向け、取組を早急に検討していただけますようお願いして、質問を終わらせていただきます。 ○議長(本間新兵衛議員) 暫時休憩します。再開を13時とします。  (午前11時54分 休 憩)  ─────────────────  (午後 1時00分 再 開)  (議長退席・副議長着席) ○副議長(佐藤博幸議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。  山 田   守 議員質問 ○副議長(佐藤博幸議員) 3番山田 守議員。  (3番 山田 守議員 登壇) ◆3番(山田守議員) 通告に従いまして質問を行います。 まず初めに、ICT(情報通信技術)教育の在り方について質問をします。 この間、GIGAスクール構想で示されたタブレットなど情報通信機器を活用すること自体は、その道具を使って豊かな授業を行うことはあり得る状況だと思います。新型コロナ感染症対策として、この間全国的な一斉休校対応がありましたが、今後、個々の学校、あるいは地域ごとの休校なども予想され、対応するオンライン授業なども考えられる状況だと思います。 そのような緊急時において、ICTは教員・子供の間のコミュニケーションを取る有効な手段となって双方向型の授業なども可能になると思いますが、通常の授業で子供がどこでつまずいているかをタブレットに聞くような教育になるのではないか、そのような疑問の声も出されています。 一昨年、小・中学校教職員の長時間過密労働の実態対応について一般質問を行って、答弁で改善策や基本的な対応などが示されました。しかし、残念ながら抜本的な改善には至っていないのではないでしょうか。コロナ禍の中で多忙な労働環境に置かれ、今後さらにICT教育が進められる中で、個々の教職員の対応も求められることになると思います。 今後予想される状況を踏まえ、教職員の労働環境の改善をどのように進められようとしているのか伺いたいと思います。 ◎教育長(布川敦) ICT教育と教職員の労働環境の改善を含めた対応についてお答えいたします。 教職員の労働環境の改善を図るために、これまで教育委員会では学校教育支援員や部活動支援員等の人的な配置を計画的に進めるとともに、ストレスチェック及び、その結果に基づく専門医との面接指導を実施する等、教職員のサポートと負担軽減、それから労働環境の改善に努めてまいりました。 また、各学校におきましては、行事、会議等の精選や効率化、定時退庁日や長期休業中の閉庁日の増設等、教職員一人一人の意識改革を図りながら業務改善に取り組んでまいりました。 今年度はコロナ禍での対応であるため昨年度までのデータと単純に比較はできないかとは思いますが、残業時間が減少するなど、小・中学校における超過勤務の改善が図られてきております。 今後、GIGAスクール構想におきまして1人1台端末が整備される環境の中での学習では、教師は授業中でも一人一人の反応を的確に把握できますので、子供たち一人一人の考えや意見を生かした授業展開が可能となります。 また、協働学習の場面では、一人一人の考えをより分かりやすく伝えるためのツールとしての活用が可能となりますので、タブレット等のICT機器での学習が従来の授業のよさを否定するものではないと捉えております。 ただし、議員御案内のとおり、ICT教育が急速に促進される中で教職員の対応も求められ、負担が増えることが予想されます。そこで、教職員が活用しやすいように整備いたします端末のオペレーションシステムを、なれ親しんでいるウインドウズにしました。 また、教職員を対象としたICT機器の基本的な使用方法の研修のほか、教科ごと、学年ごとのニーズに応じた応用的な活用方法の研修を、スモールステップで計画的・継続的に行っていく予定であります。当然のことながらICT機器を使うことが目的ではなく、よりよい学びのためのICT機器活用が大切でありますので、学びの目的を達成するための効果的な活用方法を学ぶ研修を行ってまいります。 また、書類作成やデータ管理等、学校・教員の様々な業務を効率化し、教職員の負担軽減につながる統合型校務支援システムがありますので、その導入も検討してまいります。 ◆3番(山田守議員) 教職員の長時間労働の是正には抜本的な対策が必要なわけですけれども、この間指摘されているのは授業数に比べてあまりにも少ない教員定数、これを増やす必要があること。また、国・自治体・学校双方からの不要不急の業務の削減について、このことについての対応は御紹介ありました。 制度的なことについて言えば給特法、労働基準法第37条の適用除外規定や残業代不支給の規定を削除するなど、残業代ゼロを定めた法律を改めることがどうしても必要だと思います。 ICTの活用ですけれども、教職員の対応については答弁がありました。タブレットはあくまでも道具なので、それによって教員の方々が従来培われてきた授業内容、教育の質が損なわれることがないよう対応をお願いしたいと思います。 次に、1月24日に開かれた中央教育審議会の総会では、これからの小・中・高などの教育の在り方に関する論点の取りまとめが報告されました。先端技術の活用で一人一人の子供に個別最適化された学びを推進するなど、学校教育を大きく変える内容が盛り込まれています。 その中で個別最適化された学びについての項があり、情報通信技術(ICT)や先端技術を使って一人一人の子供の学習傾向やスポーツ・文化活動などのデータを分析して、それぞれの子供に最適化された学習内容を提供すること、2018年6月に経済産業省の「未来の教室」とEdTech研究会の提言や文科省の報告書、Society5.0に向けた人材教育等でも提起されています。 今後、公教育への企業参入が一層進められ、集団的な学びがおろそかになり、教育の画一化、これにつながるおそれがあることが指摘されています。小学校では既にプログラミング教育も始まっていますが、情報通信技術を使うこと自体が目的化すれば、新たな教員の負担を増やすことにもなりかねないと思います。 本来、子供たちが人との関わりの中で豊かに学び、教職員が専門性を発揮するためには、これまでの労働環境と現在の感染症対策やICTを含む課題対応を含めて教職員等の増員が必要だと思いますが、今後の対応について伺います。 ◎教育長(布川敦) 続きまして、ICTの導入につきまして教育の画一化につながるのではないかという御懸念と、それから教職員の増員につきましてお答えいたします。 Society5.0の社会では、ICTの活用は日常のものになるとされています。新しい時代を生きる子供たちが社会の変化を前向きに受け止め、持続可能な社会のつくり手として社会の形成に参画するための資質、能力を育成する上で、学校教育におけるICT環境の充実は欠かせないものであると考えております。 議員御案内の個別最適化された学びにつきましては、教師を支援するツールとしてのICT環境や先端技術を取り入れることで、特別な支援が必要な児童・生徒等を含め多様な子供たち一人一人の能力、適性等に応じた学びを提供し、誰一人取り残すことのない学びの実現を目指すものであります。 EdTech、エデュケーションとテクノロジーを組み合わせた造語ではありますが、このEdTechを学校の授業に使用し、個別最適化された学びの実現を目指す中で、今後、民間企業のコンテンツを活用する機会が多くなることも想定されます。 しかしながら公教育におけるEdTechの活用につきましては、あくまでも学習指導要領の範囲内で補完的に行われるものであり、これまでの問題集や資料等を活用した学習と比較して、効率よく学習を進めることで生まれた時間を他者と関わり合いながら対話的に学ぶ時間に充てることを想定しております。 また、学校教育法の中でも教科書の使用義務が示されておりますことから、ICTの導入が教育の画一化を進めるものではないと考えております。 続きまして、教職員増員の対応についてお答えいたします。 公立の小・中学校の教職員定数につきましては国・県が定める標準に基づいて算定されるものとなっておりまして、市独自の判断として教職員を増員することは認められておりません。 しかしながら議員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症対策に加え、ICTを含めた教育課題に学校現場が対応していくためには人的な支援が必要であると捉えております。 現在、県教育委員会において国の第2次補正予算を活用した学習指導員並びにスクール・サポート・スタッフの追加配置を行っております。市教育委員会といたしましても各学校に早急に配置できるよう、県教育委員会とともに人員の確保に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。 ◆3番(山田守議員) 指導や学習の手段としてICT教育条件整備は進められるべきだと思いますが、その整備方法は公平性や無償制など慎重に検討されるべき問題が多くあると思います。 教育長も触れられておりますが、本来授業は、みんなで学んで、みんなで考えて深めることもあって、タブレットの活用などで個別的、個別効率的な学びにより、テストの点がよければいいということが深く進んでいけば教育格差が広がることになると思います。この点について言えば、経済産業省の「未来の教室」EdTech研究会の中ではそのような内容では書かれていないので、ぜひその立場で今後も進めていただきたいというふうに思います。 少人数学級については総括質問の中で、検討を加えるという教育長の答弁もありましたので、その関係でも本来の公教育の役割が十分に発揮できるよう、教職員の増員についても検討をお願いしたいと思います。 次に、地方行政のデジタル化について伺います。 窓口で申請や届出などの手続業務を担当する職員の方は、憲法に基づく住民の基本的人権を保障するために住民を最新のサービスにつなぐ役割があり、住民からは各種の申請や届出に付随して様々な問合せも寄せられ、住民の話を聞いて状況を把握し、コミュニケーションを取りながら制度内容、手続を説明し、関連する窓口や担当部署の紹介をしていくという役割を果たされていると思います。 2019年の総務省スマート自治体研究会報告書・概要では、住民にとって窓口に来ることは負担、窓口に来なくても所期の目的を実現できないか常に考えるという原則を打ち出し、人が介在しなくても完結できるサービスを目指し、窓口業務を手続業務と相談業務に切り分けるとしております。 地域住民の利便性を向上し、行政の無駄を省くことは必要ですが、手続業務を無人化して行政サービスがよくなるのかという疑問もあると思います。 今年度、本市の行財政改革大綱基本フレームの中でも市民窓口改革、行政サービスの在り方の重点整理が掲げられておりますが、どのような内容を検討されているのか伺いたいと思います。 ◎総務部長(高橋健彦) 行政のデジタル化の観点から、新行革大綱における市民窓口改革、行政サービスの在り方の検討についてお答えいたします。 新たな行財政改革大綱の策定につきましては、その柱として財政健全化の取組、業務改善効率化の取組と合わせまして市民サービスの向上の取組を新たな視点として掲げております。 お尋ねの市民窓口改革、行政サービスの在り方の見直しにつきましては、この市民サービス向上の取組に位置づけ、取り組むものであります。 市民サービス向上の取組は、効率化によって単なる切捨てや縮小とならないように工夫を凝らし、行政サービスの維持向上を図ることを目的としております。市民窓口改革につきましては、現在窓口業務が抱えている市民の方の待ち時間や混雑の課題、受付動線の問題の課題、こうした課題に対しましてICT等の技術を活用し、窓口サービスのオンライン化により、市民の皆さんが窓口にいらっしゃらなくてもサービスを受けられるようなシステム、こうしたことも段階的に整備するなど、効率化と並行して市民の利便性の向上につながる取組、こうしたことを目指して進めることを想定しております。 具体的な内容につきましては、今後、大綱策定作業の中で検討していくこととなりますが、行革推進委員の皆様の御意見も伺いながら、市民の利便性向上と効率化が両立するような内容の検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆3番(山田守議員) 総務省が示したように相談窓口を設けても、住民が自分が相談した内容を正しく理解し、進んで行政に相談を持ちかけることは容易なことではないと思います。市の職員の方が窓口の手続業務を通じて住民が抱えている問題を発見し、他の窓口や各種支援策の利用について誘導する役割を担っていると思います。AIやデジタル化の技術を窓口の手続業務を無人化したり、職員を削減する代替手段として導入するのではなく、職員が憲法第15条第2項に基づく全体の奉仕者の役割を発揮できるよう、職員の労働負担を軽減するための補助手段として活用すべきだと思います。 基本的な考え方は総務部長のほうから示されましたので、引き続きの対応をお願いしたいと思います。 次に、また同じく、本市の行財政改革大綱基本フレームの中ではデジタル・ガバメントの推進が掲げられています。2020年6月の第32次地方制度調査会の答申では、1点目として地方行政のデジタル化が掲げられ、デジタル化に当たっては、国主導による自治体業務の標準化を進めることと、デジタル化を進めるために自治体業務の見直しが提起されています。 また、同じく7月に経済財政運営と改革の基本方針2020、いわゆる骨太方針が閣議決定され、ここでも単なる行政手続のオンライン化ではないとし、新技術の単なる導入だけでなく、制度や政策、行政も含めた組織の在り方等をこの1年で集中的に改革することや、行政と民間の連携によるプラットフォーム型ビジネスの育成等に集中的に取り組むとしています。 5月に成立した国家戦略特別区域法の一部を改正する法律、スーパーシティ法ですが、プラットフォーム型ビジネスとはスーパーシティを指していて、これにより今後、行政や病院、学校、企業などが保有する様々なデータを一元管理し、それらと情報技術を連携させることで新たなビジネスモデルを地域につくり出すもので、ビッグデータを一元的に管理することができれば巨大な市場を生み出すことができると言われています。 鶴岡市の行財政改革大綱基本フレームの説明では、市民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率を推進するとし、この間、本市は企業との連携合意に係る基本合意の取り交わしを行っております。 今後のデジタル・ガバメントの具体化について、どのように考えられているか伺いたいと思います。 ◎企画部長(阿部真一) デジタル・ガバメントの具体化についてお答え申し上げます。 政府が昨年12月に閣議決定いたしましたデジタル・ガバメント実行計画では、地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進として、行政手続のオンライン化の推進、地方公共団体におけるシステム等の共同利用、いわゆる自治体クラウドの推進、AI・RPA等による業務効率化の推進、また公共データのオープン化の推進などを具体的に掲げております。 さらに行政のデジタル化を進め、行政サービスの内容や提供方法、行政組織を刷新し、市民の利便性の向上と行政の効率化を図るとともに、地域の諸課題の解決に資することも期待されております。 本市のデジタル・ガバメントの推進では、この政府のデジタル・ガバメント実行計画を基本に取り組むこととなりますが、この取組に支援をいただき、広くデジタル化による構造改革事業を推進するため、株式会社野村総合研究所と基本合意書を取り交わしております。 進め方といたしましては、行財政改革推進委員会等の御意見を参考に、今後、手順、スケジュールを作成し、本市のデジタル・ガバメントを段階的に進めていきたいと考えております。 なお、デジタル・ガバメントを実現するためには単にデジタル技術を導入することではなく、書面や押印の原則などデジタル化の障壁となっている制度や習慣にまで踏み込んだ業務改革が必要となります。 また、デジタル化を進める際の前提といたしまして、データ漏えいやデータの目的外利用などセキュリティーの確保や個人情報の保護の徹底、そして、高齢者等などパソコンやスマートフォンの操作が不慣れな方々に対するデジタルディバイド対策も一緒に進める必要があると考えております。 今後、デジタル技術の活用が社会全体に急速に普及する中で、市民が不安なくデジタル化の恩恵を享受できることを念頭に業務の効率化を進め、利便性の高い行政サービスが提供できるようにデジタル・ガバメントの構築に取り組んでまいります。以上でございます。 ◆3番(山田守議員) 未来投資会議がまとめた未来投資戦略2018では、Society5.0、データ駆動型社会への変革が記され、Society5.0の展開として幾つか掲げられている中に、行政インフラ、デジタル・ガバメント、行政データのオープン化、PPP・PFIが盛り込まれています。昨年発足した総務省有識者研究会、自治体戦略2040構想研究会の第二次報告ではスマート自治体への転換を掲げ、半分の職員で担うべき機能が発揮できる自治体、破壊的技術、破壊的技術というのは人工知能AIやロボットによる業務自動化、重要データのやり取りなどを可能にする分散型台帳技術(ブロックチェーン)を使いこなすスマート自治体への転換や、自治体行政への情報、業務過程の標準化、共通化が求められるとしております。 このことは一見すると、新たな経済成長と生活の利便性をもたらす構想のようにも取れますが、一方で経済界主導の公共サービス産業化や行政データのオープン化により公共性や基本的人権など、本来の地方自治体行政の在り方を大きく変質させる事態が懸念されます。 5月にスーパーシティ(国家戦略特区)法が成立していますが、これは政府と財界が提唱するスーパーシティ構想を実現するための法律で、内閣府によれば、スーパーシティとは、AI(人工知能)やビッグデータなどを最先端技術を活用した丸ごと未来都市を想定しております。 スーパーシティでは住民の様々な個人情報を一元管理するというもので、地域レベルで様々なデータを関連づける場合、要になるのは行政が保有しているデータで、行政は地域で暮らす全市民の基礎データや土地所有、インフラなどの基幹データを保有しておりますが、この行政が保有しているデータに教育・医療・エネルギー・金融・小売・交通など様々なデータを関連づけることができれば、全市民、地域全体を網羅するビッグデータが誕生することになります。 内閣府によれば、個別の住民サービスの提供は民間の事業者を中心に行うとし、個人情報の一元管理に伴い、国家戦略特区データ連携基盤整備事業は、自治体が事業主体であっても実際の運営は民間大企業や関連委託先が担うことになります。 最大の問題点は、個人情報がないがしろにされプライバシーが侵害される危険性があるという点です。 現在でもクレジットカードなどで利用内容を企業に提供することがありますが、その企業が勝手に利用以外の目的で情報を流用したり、他の企業に情報を譲渡することは、個人情報保護法の下ではできないことです。しかし、スーパーシティでは個人情報一元管理が前提なので、そのためには先ほどの関係でいう住民一人一人が自分の健康状態、預金口座、家族関係に至るまで、全て日常的にデータ連携基盤に提供しておく必要があります。 個人情報保護法制には、公益に資するなど特別な理由がある場合、本人の同意なしで提供できると定められていて、スーパーシティという公益を理由に、本人の知らないところで個人情報が民間事業者に提供される可能性があると思います。 最先端のIT技術の利便性を享受することは市民の多くが望むことだと思いますが、個人情報が一元的に管理されれば、その人の全情報が企業や自治体、国に把握され、プライバシーが奪われることにもなります。 デジタルやAIの技術は地方自治法第1条に示されるように、住民の福祉の増進を図るという自治体の役割を発揮させるためにこそ活用されるべきだと思います。 既に新たに第1回行財政改革推進委員会等でもこの議論が行われておりますが、今後、地域住民の納得と合意が十分に図られることを含め、地方行政のデジタル化について深く論議されていくことを期待して質問を終わります。  菅 井   巌 議員質問 ○副議長(佐藤博幸議員) 4番菅井 巌議員。  (4番 菅井 巌議員 登壇) ◆4番(菅井巌議員) 通告に従って一般質問を行います。 まず豪雨災害の対策についてですけれども、今朝も大雨で、私自身も早朝から地元のほうをちょっと回ってきました。自治会長も既に、内水被害の常襲地帯に出ていまして、早速消防団を派遣したところだというような状況でした。 幸いに大きな被害にはならなかったようですが、本市においては7月の27、28日、豪雨で市内各地の川の増水、内水被害も多く被害が及びましたけれども、市民から従来に増して河川の急激な増水の様子を見て、居住地周辺の自分たちの川、この適切な改良、河床のしゅんせつ、支障木の撤去など、その要望が聞かれるところであります。 とりわけ私の地元の大山地区の南北を流れる大山川の中流域、上郷の水沢周辺から大山の栃屋間、地元の方々から今回の大雨で、もう数時間同じ勢いの雨なら越水の危険性があったと危惧の声が寄せられております。 現在の状況では、特に下小中集落の新山橋周辺、この辺りでは川幅の約半分に土砂がたまって支障木が繁茂しております。その木は橋の欄干を超える高さ、ここまで至って生い茂っています。豪雨の後には、そこに当然土砂や流木、ビニールごみ、これらが支障木周辺に堆積しております。 これまでも度重なる豪雨によって、河川の流下能力に支障を及ぼす事態となっております。地域住民から、以前からこのことについては地元の要望として早期の改善を求めていましたが、県河川管理の計画的な事業ということで、いまだにこの場所の改善は図られておりません。 この地域は大山川が改修されたわけですけれども、改修以前は大雨によって越水被害が常態化していたところでありまして、住民にはその被害の記憶があります。備えを万全にしてほしいという願いがあります。 市でも県に対して重点要望も含めて働きかけをしておりますが、頻発化する大雨、短時間豪雨に備えるためにも大山川流域の河川改良、河床しゅんせつ、支障木撤去の早期実現、計画の前倒しを強く求めたいと思いますが、市の見解を伺います。 ◎建設部長(村上良一) 初めに、大山川の河川整備の状況について申し上げます。 大山川は、山形県の「一級河川赤川水系河川整備計画」に沿って昭和38年に中小河川改修事業に着手しております。昭和54年には災害復旧助成事業、昭和61年からは小規模河川改修事業が平成18年まで実施されてきております。 平成30年8月の豪雨により最上・庄内地域を中心に甚大な被害が発生したことを機に、浸水被害箇所を調査した結果、局所的な集中豪雨の増加や河川内の経年的な堆積土と、それから支障木の増加により洪水に対する危険性が年々高まっているとして、県は昨年3月に河川流下能力向上緊急対策計画を策定しています。 今年度は五十川、それから黒瀬川など11か所の河床しゅんせつ、それから藤島川や千安川等7か所で支障木の伐採を予定するなど、令和3年度までの3年間で集中的に対策事業を実施しているところでございます。 一方、大山川流域につきましては、本年度に水沢地区の河床しゅんせつと水沢と栃屋の一部で支障木の伐採事業を実施するということで伺っております。 議員御紹介の新山橋周辺の状況については、河川内の堆積土が増え、樹木は橋の欄干の高さを超えるほど伸びているということを本市でも確認し、山形県にお知らせしておりました。お知らせしたところ、河川を管理する担当課からは、重要性が高い事態になっているということを再認識したので、本年度内に実施可能か計画を見直したいと、そういった回答をいただいておるところでございます。 次に、大山流域の河床しゅんせつ及び支障木の撤去の早期実現、計画の前倒しについてお答えしたいと思います。 新山橋以外にも、本市では中楯から栃屋までの地域、石山橋から津利橋周辺の水沢地区など、対策の未実施区間についても早期の実施について県に要望しているところでございます。 河床しゅんせつで発生した堆積土を処理するための土捨場の確保というのは、堆積土を運搬ですとか処分するための費用が軽減されることから、より多くのしゅんせつが可能となります。要望に当たっては、本市が所有する土地であるとか地元から御協力をいただいた私有地など、本年度は10か所の候補地を県のほうに情報提供させていただき、事業の推進に協力しているところでございます。 また、令和元年度の台風19号で河川氾濫等の大規模な浸水被害が相次ぐ中、国では緊急的な河川のしゅんせつ経費について、地方債の発行を可能とするための特例措置として今年度新たに緊急浚渫推進事業を創設するなど、財政面での後押しも行っているところでございます。 本市としても県が主体となる事業のさらなる推進のため、河川改良事業の実施と河床しゅんせつ並びに支障木の伐採など、適正な維持管理による大雨対策といったものをこれまで以上に強く要望してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆4番(菅井巌議員) 早速、質問に当たって当局のほうで県のほうに照会をいただき、重要性を認めて、今後、河床のしゅんせつ、そして支障木の伐採、これらに着手されるということでしたので、一定の安堵感はあります。 計画的にこれは実施していただいて、何せ河床の支障木とかこれらに関するものは経年的に出てくるもので、非常に時がたつとまた同じ問題が出てくるという根本的な河床の在り方についても問題があるかなと思うんですけれども、ぜひ国のほうの緊急の地方債などの財源も補充されるという話でしたので、国へのそうした治山治水の予算、引き続き拡充、これを求めて抜本的、市内の要望ある重点的な、ほかの河川も含めて早急な改善を強く求めたいと思います。 次の質問に入りたいと思います。 市の環境基本計画についてです。 市の環境施策の大綱となる環境基本計画は、平成24年に制定され、10年を目途にして来年度までの対象期間として取組がされております。今般、担当課で次期計画の策定に向けて市民・関係者による座談会が開催されており、私も傍聴させていただきました。町内会で廃棄物減量化に取り組んでいる方や森林資源の地域活用を手がけている方、自然環境での触れ合いを保育に取り入れている方、海岸での海洋プラスチックごみの啓発活動を行っている方々、こういった方々が参加されておりまして、様々な立場で市の環境問題を真剣に考えて行動されていることを改めて認識いたしました。 とりわけ私、印象的だったのが、参加者の間で話題となった海岸・河川敷での漂着プラスチックごみの問題、地域でのごみの分別の仕方・出し方、市民モラルの課題、そして森林、木質エネルギー利用による鶴岡らしい暮らし方、鶴岡らしさの追求など、ぜひともこうした観点を次期計画に生かしていただきたいと思っております。 そこで、改めてこれまでの環境基本計画を見ますと5つの基本目標を掲げ、個別の施策として地球温暖化の防止や廃棄物の減量、森林や農地の保全など、12の施策と具体的な目標数値を掲げてあります。 目標数値については、それぞれの取組の中で中間見直しもされている経過があるようですが、次期計画策定に向けて、その分析と総括が必要と考えますが、市の見解を伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 環境基本計画についての質問にお答えいたします。 初めに、次期計画に向け、環境基本計画に掲げた目標等の分析と総括に対する考え方についてお答えをいたします。 鶴岡市環境基本計画につきましては、地球環境の保全や持続可能な循環型社会の推進など5つの基本目標を掲げ、具体的な取組と数値目標を設定して、市・市民・事業者の協働により目標達成のために取り組んできたところであります。現計画は令和3年度が計画最終年度になることから、庁内に策定委員会を立ち上げ、次期計画の策定作業に入っております。 策定に当たっては、社会情勢や目標数値の積算根拠の変化などの背景を的確に捉えながら、現計画の達成状況、課題についての評価・検証や、市民座談会やアンケート調査を実施し、総括的な評価を行ってまいります。 次期計画の策定に当たっては、現計画の評価、現状分析を十分に行った上で、SDGs、地域循環共生圏、また座談会で御意見いただきました鶴岡市の特色、こういった環境を取り巻く情勢を的確に捉え、専門家の方々や市民の皆様の御意見をいただきながら進めてまいります。 ◆4番(菅井巌議員) 社会情勢の変化などがこの10年間に起きて、市の目標に対しての取り組み方も変わってきているということは否めない事実があるかと思います。ただ、目標に掲げるからには、やっぱりそれに向けて全力で頑張るということが私は必要だと思います。 その中で、環境基本計画の当初の目標数値から見て、とりわけ私が危惧するのは廃棄物の減量の関係の数値であります。 この基本計画に示された来年度の目標数値、令和3年度の目標数値が、8月26日に開催された今年度の第1回廃棄物減量等推進委員会の資料で示された昨年度の実績、この目標値に照らし合わせますと、生活系ごみが目標の2万6,500トンに対して現状は2万9,444トンと2,956トンの未達、1人1日当たりの生活ごみの排出量、目標は540グラムに対して645グラムということです。 資源の集団回収団体の目標、これについては450団体を目標にしていましたが、394団体にとどまっており、リサイクル値に至っては、目標18.9%に対して11.8%という実態です。 昨年度の本市のごみの排出量は4万4,086トンで、市民1人1日当たりに換算すると排出量は966グラム。環境省の調査によれば、平成30年度の全国平均が918グラムで、それに比べても本市は50グラム近く多いです。 全国平均は、この5年間で1人1日当たりの排出量50グラムを5年間で減らしていますが、本市の場合で昨年度までは5年間で僅か5グラムしか減っておりません。あえて指摘すれば、環境基本計画の策定時の平成22年度で870グラムだったのが、昨年では894グラムなので、市民1人1日当たりにすれば、むしろごみの排出量は増加したことになっております。リサイクル率の全国平均も約20%という中で、本市は昨年度実績11.8、目標との乖離が著しいわけであります。 廃棄物の減量に向けたこの間の取組の在り方に根本的な問題がなかったのか伺いたいと思います。 また、単年度の一般廃棄物処理実施計画では、目標数値についてその都度見直しが図られているようですが、当初環境基本計画に掲げた目標との乖離のあるごみの増加やリサイクル率の伸び悩み、こうした課題と対処はどのように考えているのか伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 廃棄物の減量に向けた取組に根本的な問題がなかったのか、課題と対策についての考えはとのお尋ねでございますが、1人1日当たりの生活系ごみの排出量やリサイクル率は、昨年度においても計画の目標値に達しておらず、全国平均とも開きがあると認識をしております。 これまでの取組として、市広報やエコ通信などでの情報発信、ごみ分別講習会、またごみの減量や適正な分別についてガイドブックを全戸配布するなど、その啓発を重点に取り組んでまいりました。今回の結果を見ますと、この取組が十分ではなかったことが大きな原因と考えられます。 また、環境白書によれば、世帯の人数が少なくなるほど1人当たりのごみの排出量が増加する傾向があるとの報告があります。本市でも人口減少に対して世帯数が増加傾向にあることが、1人当たりの排出量の減少につながらない一つの要因と捉えております。 さらに、デジタル化の進展により、新聞や雑誌などの資源回収量が減少しているということがリサイクル率の減少に影響しているものと考えられますが、いずれにしてもこれらの社会情勢の変化を的確に予想できなかったことが目標値との乖離が生じた原因と捉えております。 ごみの減量やリサイクル率の向上を図るためには、これまで以上の3Rの推進、特に食品ロス削減など、ごみの排出抑制への取組や資源回収の品目、方法などの見直しも課題であると捉えております。 現在、次期環境基本計画の策定と連携して一般廃棄物処理基本計画の見直しを進めておりますが、これまでの取組の課題や社会情勢の変化を的確に評価・分析し、より効果的な施策の推進に努めてまいります。 ◆4番(菅井巌議員) 現在、コロナ禍の下で自宅で暮らすというスタイルが増えているわけで、ごみの発生量も、その社会情勢によって変わるということもあるかもしれません。 しかし、やはり今後、先ほどの洪水問題、温暖化問題、これらの根本的出発点に、このごみの問題も大きく関わっているのかなと、世界的な問題ですけれども、私はそう考えますので、ぜひ重点的に減量化を目指すという考えを持っていただきたいと。 その中で、私が矛盾と考えている点を質問したいと思いますが、本市は現在、ごみの焼却施設と最終処分場の建設を行っているわけですけれども、ごみの問題は市民生活で、先ほど言ったとおり重要な課題であるわけです。経年的に続くものであります。とりわけ市民負担の軽減には、私は減量が大変重要だと思います。 一方で、今建設されている焼却施設は売電事業を行う施設である。事業を継続させる上では一定規模の焼却が必要となってくるのではないかと考えます。 ごみの減量化とごみ焼却の発電は相矛盾する立場にあると考えます。発電を維持するためにごみ分別・再利用できるものも安易に焼却していくことはあってはならないと思います。 先ほど述べたように、この間のごみの排出の抑制・減量化が全国平均にも満たない現状を見ますと、本市の今後の取組の姿勢に疑問がありますので、ぜひその辺の見解を伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) ごみ減量化とごみ焼却発電との関係についてお答えをいたします。 ごみ焼却による発電量を確保するためには一定量の焼却ごみが必要と考えております。ただ、本市としてはごみ処理の優先順位をリデュース・リユース・リサイクルの3R、そしてエネルギー回収、適正な処分と位置づけ、あくまで3Rの取組によるごみ減量化を第一に推進し、なお焼却処分が必要なごみについては、焼却により発生するエネルギーを有効活用し、地域の電力として活用してまいります。 ◆4番(菅井巌議員) 事業継続のためには一定量必要だということが明らかになりました。 それで私、今回の問題、地球温暖化、環境破壊、それらの最大の要因は、利潤第一主義を掲げる資本主義、グローバル化経済の下での大量生産・大量廃棄、これにあると考えます。 次期環境基本計画を策定する上で、SDGs未来都市宣言、未来都市の選定を受けた本市の重要な観点として、私は地球環境に配慮した廃棄物の減量化、とりわけ今部長がおっしゃった3R(リデュース・リユース・リサイクル)、そのうち発生抑制のリデュースと分別する再生利用のリサイクルに本気になって取り組むべきだと考えます。 人口減少、これが進んでいる本市の中で、またコロナ禍の中で新しい生活様式に基づく暮らし方、これらで暮らし方を見直す中で、廃棄物減量を環境基本計画の太い柱にしていくべきだと思います。 そこで疑問なのが、今年度の一般廃棄物処理実施計画に掲載された令和7年度のごみの排出量の目標数値であります。人口減少を勘案した上でも家庭系ごみは横ばい、事業系ごみの排出量は増加を見込むとした目標は、時代に逆行するものだと考えます。 この根拠と考え、この計画を見直す必要があると考えますが、見解を伺いたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 令和7年度の目標値の関係についてお答えをいたします。 今年度の一般廃棄物処理実施計画に掲載いたしました令和7年度のごみの排出量の目標値につきましては、一般廃棄物処理基本計画を策定いたしました平成28年3月当時のごみの排出量の推移や人口等の将来推計を踏まえ設定した目標値となっております。 現在、一般廃棄物処理基本計画の中間見直し作業を行っておりますが、この中で、この令和7年度の目標値につきましても、過去の実績の分析や近年の社会情勢等を踏まえ、適正な目標値の設定に努めてまいります。 ◆4番(菅井巌議員) 平成28年度の計画で推移から推計したものだということでありますが、ぜひ私が今質問したような内容を踏まえて、一層廃棄物の減量化に取り組んでいただきたいという考えです。 先ほど御紹介したとおり、全国的なごみの1人当たり1日の発生量は918グラム、本市が966グラムでありますが、全国の先端を行っているリデュース(発生抑制)、今のごみの1日1人当たりの排出量の上位は、1位が小金井市で605グラム、2位が日野市639グラム、3位が掛川市645グラムということで、本市とは300グラム以上離れています。1人1日当たり300グラムですので、相当の量が同じ人口規模の10万人から50万人のこの市の中での全国的な推計での値ですので、かけ離れがあると思います。ぜひ本気になってごみの減量化に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。 次の質問に移りたいと思います。 市営住宅の連帯保証人について伺います。 この問題については、3月議会で同僚議員の加藤鑛一議員が質問し、市当局からは、滞納家賃の回収のためだけでなく、入居者の生活の見守りと支援を担っていただいており、保証人制度は継続していきたいとされております。 私は現在、市営住宅に住む高齢の女性、独り暮らしの方からこの問題の状況を伺いました。契約更新の際に、今まで頼んでいた市内在住の兄弟から連帯保証を断られた。それで関東圏に住む子供にまず頼んだということです。 また、別の男性高齢者の独り暮らしの方からは、この方は生活保護を受給されていますが、それまで市内で連帯保証人を担っていただいたお姉さんが死亡されて、ほかに頼める親族もいないということで、連帯保証人については現在空白のままで更新されているとのことです。 この市営住宅における連帯保証人の確保の問題は、現在と今後の公共住宅入居者の状況を十分に見た上で判断する必要があると考えます。 そこで、市営住宅への入居状況や独り暮らしの独居率、高齢化率、そして生活保護受給世帯などの推移、現状、そして、これまでの連帯保証人がどうしてもいないと相談があった場合の本市の対応はどのようにされてきたのか伺います。 また、このたび民法改正によって連帯保証人には極度額(限度額)を示すこととなっておりますが、本市の場合はどのようになっていますでしょうか。あわせて、市が求める連帯保証人の収入や所得水準はどのようになっていますでしょうか伺います。 ◎建設部長(村上良一) 初めに、市営住宅の入居状況と独居率及び高齢化率、生活保護受給世帯の状況と推移についてお答えいたします。 入居世帯数は、10年前の平成22年4月では739世帯、87.2%から85世帯減少し、今年8月末現在で654世帯、全管理戸数が822ですので入居率は79.6%となっています。 次に、単身世帯の推移は、同じく337世帯、39.8%から35世帯増加し372世帯、45.3%となっています。 次に、65歳以上の高齢化率の推移ですが、379人、26.6%から48名増加し427人、39.2%となっています。 生活保護受給世帯の推移ですが、111世帯、15%から29世帯減少し82世帯、12.5%となっております。 このように、10年前との比較では入居率と生活保護受給世帯の率というのは減少傾向にございます。また、単身世帯の比率と高齢化率は上昇している状況にございます。 次に、連帯保証人を確保できない場合の対応についてお答えいたします。 先ほど議員からも御紹介ありましたとおり、連帯保証人は、家賃の保証だけでなく入居者支援などの重要な役割を担っていただいていることから、市内に居住し、独立した生計を営む方を連帯保証人としております。 市外や県外にお住まいの方である場合には、身元引受人の登録も併せてお願いしているところでございます。 過去には、連帯保証人が見つからず入居のお申込みをちゅうちょされているといったようなこともあったようでございますが、近年ではそのような事例というのは確認していないところでございます。 また、既に入居されている方については、連帯保証人は入居者にとっても重要なことであるということから、更新手続の際には再度連帯保証人をお願いしているところでございます。ただ、先ほど御紹介ありましたとおり生活保護を受給されている方の場合、家賃の代理納付と緊急時の連絡先を登録していただくことにより、家賃であるとか緊急連絡対応が担保されるといった観点から、条例の例外規定に基づきまして保証人を不要としているといった事例も中にはございます。 次に、限度額の考え方と連帯保証人の所得水準についてお答えいたします。 保証人が負担する債務の上限である限度額は、本年4月に民法の一部を改正する法律の施行に伴い、鶴岡市営住宅設置及び管理条例施行規則を改正し、契約書であります使用証書に記載している項目になります。 極度額の算出に当たりましては、山形県や酒田市などの例を参考に、近傍同種の家賃の額に6を乗じた額、これに20万円を加えた額を極度額と設定させていただいております。 また連帯保証人の収入、所得水準につきましては、条例の定めに従いまして入居決定者と同等以上の収入を有する者ということで定められておりますので、これに従って運用させていただいておりました。以上です。 ◆4番(菅井巌議員) 答弁いただいて入居率と生活保護の世帯は現在減っているということですが、一方で独居率、高齢化率は高まっている。とりわけ独居率は45.3%と半分近い方々が独居ということになろうかと思います。 今、部長から連帯保証人の関わる限度額が使用証書に明記されて、近傍地の賃貸借の価格掛ける6、6か月分と言うのかもしれませんが、6ということです。仮に2万円として12万、3万円としたら18万、プラス20万というのが保証の極度額ということです。あわせて、市が求める連帯保証人の方は入居される方と同等以上の経済力を持つと。 現在、先ほど部長から示していただいた独居率や高齢化率を鑑みて、この入居者が今後、そういった保証人を求めるときに気安く頼める人が果たしていらっしゃるのかと。今後、そこに住まい続ける上で高齢化が進む中であるのかという問題が、この極度額の金額を示されたときに30万から40万近いという中で、本当に受け入れる人がいるのかという問題があろうかと思います。 私は、現状でこうした方々への連帯保証人の関係は非常に配慮が必要だと思います。日本弁護士連合会は、今年2月にこの問題で意見書を出して提言しています。その中で、連帯保証人の保証責任についてこのように触れています。 民法改正によって借主が死亡した場合、入居されていた方が死亡した場合に生じる賃貸借人の貸した方の債務に関しては、賃貸人は連帯保証人に対して保証責任を求めることはできないとして、保証という法的関係を維持する合理性はないと指摘しています。死亡された場合は保証を求めることができないということを日弁連のほうでは法的な部分から指摘をしているわけです。 そして、何よりも低所得者の入居を妨げない公営住宅法の趣旨に反すること、近年増加する単身高齢者の住宅セーフティネットとしての公営住宅としての役割、既に複数の地方公共団体で連帯保証人等を不要としている、条例を改正している、これらのことを上げて全国の自治体に提言し、促しております。 改めて伺いますが、連帯保証人を不要とし、条例改正ができないのか。それが難しいのであれば、先ほど部長からは実際には例外規定であると言われていましたが、当面の入居者の生活状況や諸状況、実態に配慮して連帯保証人の免除、猶予の措置をしっかり市民にも分かるように設けるべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎建設部長(村上良一) それでは、条例改正の再質問についてお答えいたします。 市営住宅において保証人というのは、やはり単に債務の保証だけではなく、入居者の生活の見守り支援といったところで重要な役割を担っていただいていることから、入居者御本人の生活の安定を図る上でも保証人制度は継続する必要があるというふうに考えております。 しかしながら、入居世帯の高齢化、単身化は年々増加傾向にあり、身寄りがないなどの理由により、今後は現実的に保証人の確保が困難な方が増加していくということも認識しております。 今後、民間保証会社による保証を充実させることによりまして、保証人を確保できない方の経済的また精神的負担の軽減を図るとともに、他自治体の取組なども参考にさせていただきながら、入居者にとって重要な役割を担っている保証人ではありますけれども、免除または猶予することができるか、保証人について必要な条件についても検討してまいりたいというふうに考えております。以上です。 ◆4番(菅井巌議員) 前回、3月議会での同僚議員への回答とほぼ同等、また認識としては前進の部分では、高齢化率とか、そういった部分で配慮を考えていきたい、全国的な事例を学んでいきたいということの話がありました。 既に民法の改正に基づいて、全国の自治体では既に条例でこの連帯保証人を廃止するというところ、そして、今部長がおっしゃったとおりに保証協会、そういったところを使って低額、極めて低い金額で保証をするというシステム、制度に持っていっている自治体もあるようです。 ぜひとも私は本市において、高齢化率、独居率が高くなるという、こういった事態を見て、いち早くほかの自治体の模様見でなくて、こうした連帯保証人の廃止について取り組むべきだということを再度指摘して、私の質問を終わりたいと思います。  加 藤 鑛 一 議員質問 ○副議長(佐藤博幸議員) 5番加藤鑛一議員。  (5番 加藤鑛一議員 登壇) ◆5番(加藤鑛一議員) 初めに、荘内病院におけるPCR検査機器の導入活用について、今議会でも何度か答弁がありまして重複する箇所がありますけれども、再度確認の上、聞きたいというふうに思います。 新型コロナウイルス感染症の感染防止のためにはPCR検査の抜本的な拡充が全国的に求められています。PCR検査には、精度を高めるために技術が必要だとか、時間がかかるとか、あるいは試薬が足りないということが指摘されて、一方では1,000万以上と高額ですけれども、海外で一般的な自動化した機器の導入なども、全国で進んでいるということであります。 荘内病院におけるPCR検査機器の導入の現状と課題、そして、問題をどのように捉えているか、1点目お聞きします。 2つ目にはPCR検査の目的についてですけれども、感染者を見つける、それから濃厚接触者の感染拡大を防ぐ、そして院内感染を防ぐ、感染能力を保持している無症状の感染者を見つけて隔離をすると、こういう目的があるというふうに思います。 荘内病院におけるPCR検査機器は、行政検査と院内感染防止などに使う方針ということですけれども、その具体化についてお聞きをいたします。 それから3つ目に、新型コロナウイルスがまだ収束の見通しが立ちません。感染拡大が続いています。専門家の提言によれば、唾液検査の導入など検査能力の拡充や行政検査の対象を拡大する。感染リスクの高い施設、例えば病院、介護・福祉施設、学校など、人が多く集まるところで定期的な検査を行う。リスクが高い地域との交通・人の移動における検査、そういったPCR検査の抜本的な拡充が今後図られるというふうに思います。 この行政検査の拡充が図られた場合に荘内病院における検査体制も十分に拡充されるのかどうか、その検討はどうなっているのかをお聞きいたします。 以上、よろしくお願いします。 ◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 荘内病院におけるPCR検査機器の活用についての御質問に順次お答えいたします。 初めに、PCR検査機器の導入の現状についてでありますが、県は検査体制を強化するため、当院を含む新型コロナ感染症外来設置医療機関に行政検査を委託しており、当院でも契約を締結し、対応可能な範囲で協力することとしております。しかし、実際、診断に必要なPCR検査機器の配置が、全国的に感染が拡大しているため需要が逼迫し、納入時期は9月末頃になる見通しであります。 課題につきましては、検査機器が納入されても検査用試薬キットが品薄状態であり、同じ機種を配置した庄内保健所によれば、月に10セット限定配給の状況と伺っており、物資の安定供給が課題となっております。 さらに、検査機器の拡充に伴い、検査科の遺伝子検査室の整備と検査技師の増員も課題となっており、職員採用を計画しているところであります。 問題は、冬の感染流行期に入った際、新型コロナとインフルエンザが混在することが予想され、待合室や検査場での感染が懸念されること、併せて、PCR検査を受ける方が大幅に増加すると予想されますので、検査体制の強化が必要であると考えております。 次に、荘内病院におけるPCR検査機器の活用方針についてでありますが、さきに述べたとおり、県との委託契約に基づき対応可能な範囲で行政検査として判定まで行うために活用することとしております。 また、荘内病院は救急センターを持つ急性期の病院であり、医師の判断により治療上急いで確定診断する必要がある場合や、院内感染防止を徹底しながら通常の診療を維持していくため、全身麻酔を伴う手術等の前にスクリーニング検査にも活用する予定であります。 次に、行政検査が拡充された場合の荘内病院の検査体制についてでありますが、議員から検査の目的の御紹介がありましたが、行政検査の拡充は感染拡大を抑制することを目指すものと認識しております。 荘内病院は、感染症指定病院ではないものの、県の新型コロナ感染症における重点医療機関に位置づけられており、日本海総合病院と連携して患者対応に当たることが求められております。 今後、さらに行政検査が拡充されるとすれば無症状の方が多く検査に訪れることになると予想されます。4月の第1波のピーク時には、庄内保健所への相談件数が1日150件近くになった日もあり、仮にそうした方々が全てPCR検査を受けることと想定すれば、これまでの割合から鶴岡管内では70件ほどになると推定され、これまでのやり方では、とても荘内病院の発熱外来で対応できる件数ではなく、また院内感染を防止する観点から、専用の検査体制を病院とは別個に設けることが望ましいと考えております。 この検査体制につきましては、今後予想される感染拡大期に備え、庄内地域におけるPCR検査体制の拡充や唾液による検査の導入などについて、庄内保健所や鶴岡地区医師会に市健康福祉部も加わって検討を進めておりますので、可能なことについては当院も協力してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆5番(加藤鑛一議員) 今の答弁で、検査機器が9月末に荘内病院に導入されたらどういうことになるかということがある程度想像できる。大変な状況になるだろうと予想されますよね。荘内病院の負担はかなり大きなものが生ずるということになります。 そういうことを想定して、今後やっぱりどうするかということで再質問は通告していなかったんですけれども、市長に一番考えてもらいたいのは、つまり荘内病院に例えば9月末に機器が入れば、市民は当然に検査をしてほしい。例えば東京から、やっと親戚が来る、あるいは子供が帰ってくるときに、ちゃんと検査を受けられるようにしてほしいとかという希望だって当然生まれてくるわけですよね。あるいは医療機関とか福祉施設とか、やっぱり安全・安心のためにはPCR検査をまず定期的に受けたいと、こういうふうに思っているわけですよね、そういうのがやっぱり集中すると思うんです。そうなったときに、今あるように試薬は10セットしか手に入らない。そのうち幾つ荘内病院に回るか分からないですけれども、大変な状態に私はなるのではないかと思います。そういうことにならないように、やっぱり今後、市民にもいろんな点でPCR検査について周知をさせていくということが大事です。 私、市長に聞きたいのはこういうことなんですよ。つまり、荘内病院にだけ負担を負わせるのでなくて、先ほど答弁にありましたが医師会と保健所と市の行政と、いろいろやっぱり連絡を取り合っているということなんで、ぜひこれは鶴岡市PCR検査センターを市の公衆衛生行政として、センターを設置する。荘内病院の施設機器を核にして、行政が公衆衛生として感染制御を行うために、つまり、ほかの人にうつす前に無症状の感染者を見つけるのが、これが公衆衛生の重要な任務ですので、そういうことをできるように今後、冬季間のインフルエンザの流行期の前に、何とかこのPCR検査センター、鶴岡市の公衆衛生行政として検討できないのか、ぜひこれを市長にちょっと聞いて、通告をしていないので答えられるかどうか分かりませんけれども、お願いします。 ◎市長(皆川治) 議員お話しのとおり荘内病院については、この全身麻酔を伴うような手術、そうしたものを市民の健康を守るため着実に実施をしていただく。その際に、このPCR検査を活用するとともに行政検査についても可能な限り協力をしていくという方針であるわけですけれども、特に、症状がないような方も含めて荘内病院にということになりますと、病院の業務が逼迫してきて、やらなければいけないことが難しくなってくるというようなことも想定されますので、庄内保健所、医師会、また健康福祉部と連携して、この唾液による検査の導入というものをしっかり取り組んで対応していきたいというふうに思っております。 あわせて冬季にできるだけこのインフルエンザを予防していくということが重要ですので、市民の皆様にも予防接種を受けるというようなことも積極的に広報してまいりたいというふうに考えております。 ◆5番(加藤鑛一議員) 全国各地では保健所を通さないで、つまり行政検査を通さないで無症状の感染者を見つけるということで、PCR検査センターを各自治体の、市として、公衆衛生として造っているところがやっぱり増えていますので、それを参考に検討に着手していただきたいと、こういうふうに思います。 次に、(仮称)山形県鶴岡市風力発電事業に係る計画についてお聞きします。 前田建設工業ですね、一部庄内町を含む鶴岡市内の2区域で風力発電施設の建設を計画しており、面積は約2,296ヘクタールということです。発電出力は3,200キロワット級から4,200キロワット級、ローターの直径は何と120メーター、最大高さは180メーターですよ。もう40階建てのビルぐらいなんでしょうかね、添川近郊に14基程度、川代・宝谷近郊には26基程度で最大で発電機約40基を設け、出力12万8,000キロワットとする計画。2024年7月着工で27年7月頃の営業運転開始を予定して、完成すれば県内最大規模となるということです。 今回の計画で事業者が風力発電事業を実施するには、法律に基づく手続も含めてどういう手順で進められるのか、そして、もし問題がある場合に中止・撤回となる場合には、どういう条件が想定されるのか、中止・撤回となる場合の条件ですね、それをお聞きしたいと思います。 2つ目には事業計画について、市長は8月21日の記者会見で、事業区域が出羽三山の山岳信仰の聖地に近く、重大な懸念を持っている。景観などに関し、事業者には丁寧に説明してほしいと述べたことが報道され、昨日の本間信一議員の質問に対する答弁でも、事業者の事業撤回を希望する旨の発言がありました。 吉村知事も25日の定例記者会見で、「出羽三山は日本遺産にもなっており1,400年もの歴史がある。空気感が非常に大事だと思っており、ちょっとあり得ないと思っている」との考えを示し、庄内町の原田町長も26日、日本遺産でもある出羽三山の近くでの計画は理解できないと語ったことも報道されています。 こうした景観保全の問題が大きな争点として浮上していますが、鶴岡市における風力発電施設の設置等に係るガイドラインでは、鶴岡市景観条例に基づく良好な景観の形成や、景観に与える影響が甚大で良好な景観もしくは風致を著しく阻害する場合は必要な措置を講じるとしています。 この必要な措置の中に中止・撤回も含むと理解されるのか確認したいと思います。 また、鶴岡市景観計画の中で大規模建築行為に対する制限の対象区域は市全域でありますけれども、特にその中で羽黒地区大鳥居周辺地区を明示して制限を加えていることに特別な意味があると思うのですけれども、その理由についてはどうでしょうか。藤島地域でいえば、計画地域北部には文化財の根子杉があり、風車から直線距離で390メートルと近く、景観や周囲の杉の保全など問題が生じる可能性があります。 またローターの超低周波音ですね、これはガイドラインにも明記されていますけれども、現実にはその影響については感じ方に個人差があるというふうに思います。 日本遺産でもある出羽三山の近くで常時低周波音がするという環境、出羽三山の精神文化とこの低周波音、不快な音がする環境は相入れないと思うのですけれども、どうでしょうか。 それから3つ目には、標高930メートルの黒森山の自然ブナ林も実施計画地域に入っています。ゼンマイなど山菜取りやキノコ取りに行くという人から聞くと、熊の生息地にもなっていると話しておりました。何度か熊を見かけたということです。 豪雪地のブナ林の植生復活は、この標高500メートルまでが限界と言われる中で、930メートルの標高の自然ブナ林を伐採するということは、この自然ブナ林の植生復活はできない。保護は大きな問題になると思います。 さらに、熊やキツネなど野生動物を山から追い出して新たな鳥獣被害を及ぼさないか懸念されます。 あとは、地滑りの危険性がある地域というふうにもされていますので要注意です。 4番目には流域治水の問題についてです。 実施計画地域の南部は今野川、藤島川の上流で、北部は京田川の上流です。タワー周辺の開発や大きなブレードを運ぶための広大な作業道は、大雨の際には水路となって下流に流れ込むと思われます。流域治水上の問題が生ずると思いますが、どうでしょうか。 月山山麓の畑団地や草地などが開発されて以降、藤島川は増水が頻繁に起きるようになったというふうに住民は言っています。さきの7月28日の大雨の際には、藤島川は藤島元町で越水寸前になったことを踏まえるべきというふうに思います。 以上4点、お願いいたします。 ◎市民部長(五十嵐浩一) (仮称)山形県鶴岡市風力発電事業についてお答えをいたします。 初めに、事業者が風力発電事業を実施する場合の手順につきましては、一般的な流れの御紹介となりますが、事業者により進め方が異なる場合もありますので御承知おきいただきたいと思います。 事業実施に当たりましては、初めに事業化可能性調査として、風況データの収集や事業規模の想定などが行われます。その後、風況観測等の風況精査を実施し、風車の設置地点、規模の設定等基本設計、さらに実施設計を行うことになります。 それらの作業に並行いたしまして、例えば現在縦覧が行われております環境影響評価法に基づく手続など、関係法令などに基づいた許認可手続や系統連系などの検討なども実施されることになります。 次に、事業が中止・撤回に至る条件でございますが、風力発電事業の実施に関しましては、現在行われております環境アセスメントに加え森林法など、計画用地選定、これらに関する法令、電気事業法など設計・施工に関する各種法令に基づく許認可が必要となります。事業を実施するにはそれぞれの認可条件を満たすことが求められ、それらの条件をクリアできない場合は中止・撤回の条件となるものと思われます。 なお、滋賀県米原市及び岐阜県関ケ原町で計画されました(仮称)米原風力発電事業では、地元の理解が得られない中で環境アセスの手続を進めることはできないとして、事業者側が一時凍結を表明した事例もございます。 続いて、景観の問題についてお答えをいたします。 議員より御指摘ございました必要な措置につきましては、市のガイドラインにおいて風力発電施設の設置等に当たって事業者が遵守すべき事項として定めたものであり、事業者において必要な措置を講ずるよう求めているものでございます。 したがいまして、例えば景観に与える影響が甚大であるとされ、市の景観計画に不適合となる場合は、市では指導・助言を行いますけれども、必要な措置の内容につきましては中止や撤回も含めて事業者側の判断となるものであります。 次に、鶴岡市景観計画において、羽黒地域大鳥居周辺地区を明示して制限を加えていることについての理由についてお答えをいたします。 市の景観計画に位置づけている羽黒地域大鳥居周辺地区につきましては、古くから出羽三山参拝の門前集落である手向地区への参拝道であり、大鳥居を正面に月山をはじめ周辺の山々が眺望できる景観良好の場所になっているため、旧羽黒町では、この美しい景観を後世に残し保全するため、景観保全条例を制定し、大鳥居周辺の建築物、工作物の形態、色彩等に関する基準を規定しておりました。 市では、市町村合併後の平成20年に自然、風景と調和した美しい景観の形成を実現するため、景観法に基づく鶴岡市景観条例及び景観計画を制定しておりますが、大鳥居周辺地区につきましても旧羽黒町の条例の趣旨を引き継ぎ、建築物等の基準を規定したものでございます。 次に、風力発電施設から発生する低周波音と健康への影響につきましては、いまだ明らかな関連を示す知見は確認されていないということが環境省のホームページにも掲載されておりますけれども、環境省が行った風力発電施設に係る騒音、低周波音の実態把握調査によりますと、風力発電設備からの距離が近くなるほど、また1施設当たりの風力発電設備の設置基数が多くなるほど騒音や低周波音に関する苦情等の発生割合が高くなるという報告がされております。 議員御指摘のとおり事業実施区域に隣接する出羽三山を訪れる方も含め、近隣住民の生活に対して影響が及ぶことが懸念されるところでございます。 続きまして、豪雪地におけるブナ林の保護と熊などの野生動物の生息地に与える影響についてお答えをいたします。 議員御指摘のとおり南部における事業実施想定区域にはアガリコブナを代表とするブナ林があり、専門家からもその歴史・文化的価値は高いものと伺っております。 現在縦覧中の計画段階環境配慮書において、ブナ林は環境省基準の植生自然度は8という「自然に近い二次林」となっておりますが、その背景にある歴史・文化的価値も踏まえ、これら貴重な森林資源に対する影響が懸念をされるところでございます。 また、熊などの野生動物の生息地についての御指摘もございましたが、熊を含め希少種以外の動植物につきましても、その生態に対する影響が懸念されるところでございます。 続きまして、流域治水の問題についてお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、近年多発しております集中豪雨により藤島地域を含めて多くの水害や土砂災害が発生しており、河川上流における森林開発が、本来の森林が持つ水源涵養機能や土砂流出防止機能など、これらの低下に影響することが懸念をされます。 このたびの計画段階環境配慮書では風車の建設位置や基数がまだ確定しておらず、工事計画等についての熟度も低いということで、次のステップである環境影響方法書以降の手続において検討することとされておりますので、これらの影響に関する記載はございません。 しかしながら、このたびの事業実施想定区域及びその周辺には保安林や砂防指定地、急傾斜地崩壊危険区域、地滑り防止区域、土砂災害特別警戒区域等が存在することから、治水や土砂災害に対する影響が懸念されるところでございます。以上でございます。 ◆5番(加藤鑛一議員) 今、答弁で非常に懸念される事項が具体的に明らかにされました。縦覧されている環境影響評価調査を見ても、なかなか見つからない問題ですよね。そこまでちゃんと把握しているのか非常に疑問を持つ評価書だったんですけれども、それが今の答弁だと非常に懸念されるということが明らかになっています。 再質問なんですけれども、出羽三山が山形県で初の日本遺産に認定されたのは平成28年4月25日ですよね。山形県が再生可能エネルギー活用適地調査を実施したのは、その日本遺産認定の5年も前の平成23年度なんですよ。その適地調査を基に申請が来たわけですけれども、今の段階、日本遺産に認定されて以降、それは使えないのではないかと。でも、その風力発電の適地調査の中を見ますと、羽黒山北側については、今、添川地域ですね、羽黒山は重要な信仰地であることから景観に注意すると、留意事項ではその当時もきちんと指摘がされています。 こういう状況ですので、今、日本遺産に指定されて、この出羽三山がこの鶴岡市の市民の宝だというところで、例えば羽黒街道からあの大鳥居を眺めれば、その周囲に風力発電がずらっと並んでいるような景色を想像できますかということですよ。 ある大学の先生がそのイメージ図をホームページに掲載しておりましたけれども、本当にびっくりするような状況です。この地域に再び風力発電計画が浮上しないように、やっぱりきちんと今回、鶴岡市における風力発電施設の設置に係るガイドラインの見直し、改正、これを行う必要があるんじゃないか。例えば、その中に日本遺産認定の出羽三山には設置しないということをきちんと明記していくということです。そういうことができないのかどうか、お聞きします。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 議員御提案の特定の地域における風力発電事業の計画を制限する、いわゆるゾーニングにつきましては、市のガイドラインに法的強制力はございませんが、市のここは保全すべき場所という考えを表明する点では非常に有効であると考えております。 今後、先進事例を調査・研究しながら、また関係のある審議会からも御意見を伺いながら、ガイドラインの改定について検討してまいりたいと考えております。 ◆5番(加藤鑛一議員) やはり日本遺産認定というのは大きかったと思いますね。それ以前と以後では違うということを明確にしていきたいというふうに思います。 2つ目に再質問ですけれども、この再生可能エネルギーの問題では、鶴岡市地域エネルギービジョンの中で小規模のエネルギー生産のネットワーク化の施策についても触れています。今回のように、東京の大手が開発して風力発電を行って利益を中央に持っていくというのではなくて、地元の力で地域循環型のエネルギー施策をどう構築していくかですね、このことに本格的にやっぱり前向きに考えていくことだというふうに思います。そういう点では皆川市長も小水力発電についての研究の一定の蓄積がありますし、今の市政の下で可能ではないかというふうに思いますので、小規模なエネルギー生産の地域循環のネットワーク化、これについてお聞きいたしたいと思います。 ◎市民部長(五十嵐浩一) 小規模なエネルギー生産のネットワーク化の推進につきまして、エネルギーの地産地消の仕組みづくりやエネルギー需給のネットワーク化を目指すものでございますが、例といたしまして、三瀬地区では平成28年度から地元産材を木質バイオマスエネルギーとして活用することによる地域活性化、この取組が行われておりまして、そのシンボル的事業として、現在工事中のコミュニティセンターの大型改修に合わせて木質バイオマスボイラーの導入が予定されております。このような地域循環型社会への取組が進められているところでございます。 本市は、今年7月にSDGs未来都市に選定されておりますが、こうした地域が主体となった地域循環型社会の構築に向けた取組は、SDGs未来都市の基本理念としている経済・社会・環境の3側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い先導的な取組であると認識しております。 市といたしましても、このような地域主体の取組については引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 ◆5番(加藤鑛一議員) もうあと最後ですけれども、昨日は皆川市長も記者会見以降、一歩踏み込んで撤回を希望する旨の発言があったように思います。 改めて今日の議論を聞いて、皆川市長の見解を伺って終わりたいというふうに思います。 ◎市長(皆川治) 昨日申し上げたとおりでございますけれども、このたびの計画につきましては、立地の問題があるとともに、この事業の進め方ですね、特に地元との合意形成ということで、今、反対署名運動なども起きているというような状況がございますので、大変問題がある状況だというふうに認識をしております。 いずれにいたしましても、今、配慮書への意見を審議会の御意見も聞きながら提出する準備を進めている段階でございますので、それにしっかりと対応してまいります。 ◆5番(加藤鑛一議員) 終わります。  長谷川   剛 議員質問 ○副議長(佐藤博幸議員) 1番長谷川 剛議員。  (1番 長谷川 剛議員 登壇) ◆1番(長谷川剛議員) 通告しています若者の地元定着について質問をいたします。 本市の人口減少は、自然動態と社会動態が共に減少していることが要因となっております。議会においても人口減少・地域活性化対策特別委員会が設置されております。出生率も年々低下しており、ここ2年間は700人台の出生にとどまっているという状況が続いています。 本市全体の人口の現状分析を行った2014年から19年の年代別コーホート変化率のうち、20代男女の流出超過が課題であるとし、高校卒業後世代を中心に流出が始まり、その後も20代後半まで流出傾向が続いていること。また、男性よりも女性のほうがより多く流出しているとの結果でありました。 若者をいかに地元に定着させるかが大きな課題であると同時に、大学・専門学校等、進学により本市を離れた若者が戻ってくるためには様々な要因があると思います。賃金格差の是正や子育て支援など様々な組合せが必要と認識しています。 一方で、新型コロナの影響により来春卒業予定の高校生のうち、地元就職希望者が増加傾向であるとの報道もされております。あるいは昨日の一般質問の答弁でも本市への移住を相談される方も増加しているとのことでした。 そこで、本市が現在行っております若者定着への支援策、地元企業の採用促進について伺います。 ◎商工観光部長(佐藤正胤) 若者定着への支援策、地元企業の採用促進についてお答えいたします。 初めに、若者世代の人口流出といった課題でございますが、本市を含め庄内地域の高校卒業後の県内定着率が県内4地域で最も低いといった実態がございます。若者の地元定着率は庄内地域全体の重要な課題として共通認識されておりまして、庄内総合支庁や管内の市町、関係団体で構成される庄内若者定着促進会議において情報を共有し、連携協力しながら各種対策を講じているところでございます。 一方、本市におきましても新規高卒者の地元定着状況や転出状況を把握するために、平成26年度から市内の高等学校9校の全日制課程を卒業した生徒の進路状況を調査しております。この調査の結果から、今年3月の高卒者の就職者と進学者を合わせた1,389人の進路先は、県外が892人で前年より6人増加し、県内が497人で25人減少しており、県外・県内の比率がおおむね6対4となっております。 また、本市から転出した人数は1,154人であり、毎年1,000人以上の卒業生が本市を離れるといった実態が続いていることなども把握をしてきたところでございます。 これらの状況を踏まえまして、本市の若者定着の促進策といたしましては、在学中の高校生や高専生、またその保護者に向けた地元定着を促進する取組として、これまでの地元企業に対する情報不足といった課題を踏まえまして、具体的には市内高校や高専、山大農学部の校内における地元企業の説明会をはじめ、保護者も含めた企業見学会の開催、つるおか大産業まつりの武道館会場における企業活動の紹介や生産品の展示、また学校側とも連絡を取りながら、生徒や学生、保護者に対して地元企業の情報を詳しく伝えることなどに力を入れてまいりました。 また、進学や就職により県外に在住されている方に対する地元回帰を促進する取組といたしましては、東京と仙台を会場にした地元企業とのマッチング支援のほか、同じ会場内でハローワーク鶴岡による就職相談やUIJターンを対象にした移住相談なども行ってまいりました。 御質問にもございましたが、移住を希望される若い方には仕事や住居に関する情報のみならず、子育て環境なども移住先を決める際の重要な条件となります。居住地として本市を選んでいただくため、雇用情報のみならず、空き家や若者向け住宅などの不動産情報、農業経営者育成学校(SEADS)などの就農情報、子育て支援施策といった移住・定住に関する各種支援制度についても紹介をしてきたところでございます。 こうした若者定着に向けた取組を平成28年度から継続しておりましたが、現在、新型コロナウイルスの感染拡大により新規学卒者の求職動向や就職活動にも大きな変化や影響が出てきております。ハローワーク鶴岡が8月31日に公表した新規高等学校卒業者の就業紹介状況では、求職者数は昨年より減少となりましたが、県内就職を希望する生徒の割合、これは昨年の67.3%から74.9%に上向いているという結果もございます。 また、大学新卒者を中心とした就職活動も、3密を避け感染防止の観点から、対面式からオンラインによる企業説明会や面接会へとさま変わりをしております。 今後も新型コロナウイルス感染症の収束が見込めない中で、地方企業における採用活動もオンラインを活用するスタイルに比重が高まっていくことが予想されます。本市においても移動時間がなく距離の影響を受けずに多くの人とつながるオンラインのメリットを活用しまして、市内企業への就職希望者に広く情報を伝えるため、動画による地元企業の紹介事業を開催するため今議会に補正予算案を上程しております。 また、地元企業の採用促進に向けた対策につきましては、採用する企業側も就職先として選んでいただくためのスキル、その向上が必要と考えております。市では、自社の魅力や強みを伝えるためのプレゼンテーションの手法や採用に結びつけるためのインターンシップの手法を研修するセミナーを開催し、地元企業の採用力の向上にも取り組んでおるところでございます。以上でございます。 ◆1番(長谷川剛議員) 様々な取組をされているということでありました。 また、あわせて新型コロナによって今までにない新たなスキルを高校生自身も身につけなきゃいけないというようなお話も伺っております。 そこで一つ提案的なものでありますが、高校生が地元の企業に就職する際には、ほぼ全ての企業で自動車の普通運転免許の取得が必須条件となっております。高校生や保護者からの声として、この取得に係る費用について負担となっているということで、徳島県美馬市では、地元就職応援事業の一環として、市内に就職が内定した高校生と卒業後1年以内の既卒者に対しては20万円を上限にした自動車運転免許取得費用の一部助成を行っておりました。 本市でも市内の企業に就職が内定した高校生に自動車運転免許を取得する場合の経費に助成をする、そういった考えはないか伺いたいと思います。
    ◎商工観光部長(佐藤正胤) 御提案をいただきました自動車運転免許の取得経費に対する助成の導入に対する考え方でございますが、御提案のありました徳島県美馬市にお伺いしましたところ、高校生など地元就職応援事業として平成28年度から30年度までの3年間実施をされた事業であり、助成件数や助成額、事業アンケート結果など、取組の状況についてはホームページで公表されておりました。 市といたしましては、地元定着に向けて、より実施効果の高い取組を推進するためにも、御提案をいただきました美馬市の事例も参考にしながら、費用対効果の検証や事業実施前後の世代との不公平感など、こうしたことにも十分配慮をしつつ、制度について研究してまいりたいと考えております。 ◆1番(長谷川剛議員) 自動車運転免許取得に限らず、地元に就職をして社会人としてこの地でスタートを切る高校生に様々な支援策の検討をしていただくよう、ぜひお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。 △散会 ○副議長(佐藤博幸議員) 本日はこれで散会します。  (午後 2時52分 散 会)...