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03月06日-03号

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  1. 鶴岡市議会 2020-03-06
    03月06日-03号


    取得元: 鶴岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和  2年  3月 定例会令和2年3月6日(金曜日) 本会議 第3日             出欠席議員氏名  出 席 議 員 (29名)  1番   長 谷 川     剛         2番   坂  本  昌  栄  3番   山  田     守         4番   菅  井     巌  5番   加  藤  鑛  一         6番   草  島  進  一  8番   中  沢     洋         9番   田  中     宏 10番   石  井  清  則        11番   加 賀 山     茂 12番   小  野  由  夫        13番   秋  葉     雄 14番   富  樫  正  毅        15番   黒  井  浩  之 16番   五 十 嵐  一  彦        17番   菅  原  一  浩 18番   尾  形  昌  彦        19番   佐  藤  昌  哉 20番   本  間  正  芳        21番   阿  部     寛 22番   石  塚     慶        25番   小 野 寺  佳  克 26番   本  間  信  一        27番   野  村  廣  登 28番   齋  藤     久        29番   渋  谷  耕  一 30番   佐  藤  文  一        31番   佐  藤  博  幸 32番   本  間  新 兵 衛  欠 席 議 員 (なし)             出席議事説明員職氏名 市     長  皆 川   治         副  市  長  山 口   朗 総 務 部 長  高 橋 健 彦         企 画 部 長  阿 部 真 一 市 民 部 長  渡 会   悟         健 康 福祉部長  白 幡   俊 農 林 水産部長  高 橋 和 博         商 工 観光部長  佐 藤 正 胤 建 設 部 長  増 田   亨         病院事業管理者  三 科   武 荘 内 病 院  土 屋 清 光         上 下 水道部長  佐 藤   真 事 務 部 長 消  防  長  佐 藤 利 洋         会 計 管 理 者  叶 野 明 美 藤島庁舎支所長  武 田 壮 一         羽黒庁舎支所長  佐 藤 潤 到 櫛引庁舎支所長  佐 藤   浩         朝日庁舎支所長  伊 藤 周 一 温海庁舎支所長  佐 藤 光 治         教  育  長  布 川   敦 教 育 部 長  石 塚   健         監 査 委 員  長谷川 貞 義 監 査 委 員  佐 藤 文 一         農業委員会会長  渡 部 長 和 選挙管理委員会  青 木   博 委  員  長             出席事務局職員職氏名 事 務 局 長  丸 山 一 義         事 務 局 主 幹  佐 藤 玲 子 庶 務 主 査  山 口 喜兵衛         庶 務 係専門員  佐 藤 直 子 議 事 主 査  高 橋   亨         議 事 係 長  進 藤 夕 子 調 査 主 査  齋 藤 正 浩         調 査 係 主 事  白 幡 麻 実             議事日程議事日程第3号    令和2年3月6日(金曜日)第 1  一 般 質 問             本日の会議に付した事件(議事日程のとおり) △開議 (午前10時00分) ○議長(本間新兵衛議員) ただいまから本日の会議を開きます。  本日の欠席届出者はありません。出席議員は定足数に達しております。  本日の議事は、議事日程第3号によって進めます。 △日程第1 一般質問 ○議長(本間新兵衛議員) 日程第1 一般質問を行います。   阿 部   寛 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 21番阿部 寛議員。   (21番 阿部 寛議員 登壇) ◆21番(阿部寛議員) 皆さん、おはようございます。通告に従いまして質問いたします。答弁によっては再質問もあります。  鶴岡市は、ブナの原生林などが広く群生する森林が市全体の7割を占めています。多くの動植物が生息し、地球温暖化防止や貯水機能など多目的な機能、公共機能を担っております。私たち市民の財産である森林をどのように利用して守っていくのか、3点お聞きします。  林道の整備と進捗状況についてお聞きします。林道の使用は木材を運搬、搬出することだけが目的ではなく、観光、森林学習、憩いの場などあらゆる観点からその目的のための整備が必要と考えます。林業事業体からの要望もあると思いますが、要望に対する林道整備の状況についての市の見解を伺います。  2つ目、市民の学習活動や交流の場について。本市は、面積の約7割を森林が占め、森林の活用が地域の活性化における重要な役割を持っていると考えます。森林学習は非常に大切なものと考えますが、子供たちを対象とした現在の森林学習の取組事例と今後の方向性について本市の見解を伺います。  3、森林事業者の育成について。最近昔と違って、山林を所有していてもチェーンソーを満足に使えない人が多くなっています。作業道に倒れかかった木を除去することも簡単でない場合があります。真っすぐな木であれば何とか伐採できるのですが、倒木した木を処理するには、倒れた木が変則的な跳ね返りをすることなど大変危険な場合があります。作業道で倒木が発生した際に自力で撤去できるよう、チェーンソーを安全に使用できるための技術を身につけられる仕組みをつくっていただきたいと思いますが、市の考えをお聞きします。  次に、露地野菜の大規模経営者の育成についてお聞きします。本市では、枝豆、ネギ、トマト、キュウリ、アスパラガス、赤かぶなどの野菜が水田の転作重要品目として露地栽培やハウス栽培などで生産されています。今年度は大規模リース事業により、規格品キュウリミニトマト栽培が始まるとのことで大いに期待をしています。ただし、園芸施設の導入には多額の初期投資が必要であることから、初期投資の少ない露地野菜を伸ばしていくことも重要であると考えられます。また、外食や加工業者は数量、価格が安定している輸入野菜に依存しており、この傾向は今後も続くものと考えられます。こうした外食や加工業者の需要に対し、国内の野菜産地として対応するためには、地域内での生産を強化することが重要であると考えられます。こうした点を踏まえ、鶴岡市が露地野菜の産地として安定した数量、価格で農産物を供給できるようにするために、大規模露地野菜経営者の育成が重要と考えますが、市の見解を伺います。  また、そうした露地野菜を得意とする経営体の育成に向けて、SEADSを活用した勉強会も考えられますが、市の見解を伺います。 ◎農林水産部長(高橋和博) それでは、初めに林道の整備と進捗状況についてお答えします。  林道は、森林作業を行う上で木材の搬出や作業機械の搬入に不可欠なものでありますが、市が管理します林道は177路線、総延長324キロメートルが整備されており、県内では最も長い延長となっております。一方で、森林1ヘクタール当たりの林道の密度は7.00メートルとなっており、県全体の6.16メートルよりは高いものの、県内市町村では12番目と低い状況にありますので、市といたしましては引き続き林道整備が必要であるというふうに認識しております。  この林道整備は、森林組合などの林業事業体からの要望などを踏まえ、市の森林整備計画に位置づけて整備することとしており、平成30年度からの鶴岡市森林整備計画では令和10年度までに新規開設として40路線、既存林道の改良として39路線を位置づけております。そのうち新規路線の開設につきましては、現在のところ平成28年度から着手しております温海地区の林道念珠関線の開設事業の早期完成を目指し、優先的に進めておりますことから、ほかの要望路線については着手に至っていない状況にあります。そのため、今後は林業事業体の伐採計画の有無や森林資源の状況などを総合的に判断し、優先順位をつけた上で、国の補助事業を活用しながら整備したいと考えておりますが、限られた予算の中ではこの整備を一気に進めることが困難な面もございます。  一方で、三瀬地区においては、民間事業者風力発電施設の設置や管理のために林道規格に準じた管理道路の整備を行っております。このような民間事業者によります整備を活用するとともに、既存の作業道を林道規格に改良するなど、様々な工夫をしながら整備を進めてまいりたいと考えております。  また、既存林道の改良要望につきましては、木材運搬に必要な10トン以上の大型車両の通行が困難な林道を拡幅するもので、効率的な木材搬出が可能となるものであります。しかしながら、林道の局部的な改良は国の補助事業の採択要件に満たず、市単独事業での対応となることからこれまで実施が見送られてきております。今年度から森林環境譲与税が交付されておりますことから、令和2年度はこの譲与税を活用し、既存林道の局部改良に取り組むこととしております。  次に、市民の学習活動や交流の場としての森林学習についてお答えします。自然の中での遊びや体験は豊かな情操を育み、森林への理解と関心を高めることにつながるものであります。本市では、学校や地域、ボランティアなど多様な主体と連携しながら、地域の特色を生かした森林学習に取り組んでおります。具体的なものとして、上郷小学校では山形大学農学部や地元の森づくり団体メンバーを指導者として、熊野長峰をフィールドに校外学習を行っております。1、2年生では山でドングリを拾い、地元の竹で作ったプランターでナラの苗木に育て、3年後に山へ植えるという取組を行っております。3年生では、指導者と一緒に熊野長峰のため池周辺を散策する中で、森林の持つ多面的機能やナラ枯れといった害虫被害について学習もしております。また、西郷小学校では、4年生を対象として付近の畑や家屋などに飛んでくる砂から守るクロマツの役割を学ぶとともに、松林の下草刈りや枝打ち作業を児童自ら行うことで地域の松林に対する愛着を深め、地域の森林を守り育てる意識を醸成しております。こうした森林学習は、郊外地の学校での取組にとどまっている面がございますことから、教育委員会や学校とも連携しながら、市街地の学校での取組についても検討してまいりたいと考えております。  次に、林業従事者の育成についてお答えします。チェーンソーを使っての伐採作業は重大な事故につながりかねないことから、安全な操作や作業法を事前に身につけた上で行うことが重要であります。一般の方がチェーンソーの操作を学べる機会としましては、県全体を対象に林業・木材製造業労働災害防止協会山形県支部が寒河江市において、山形県立農林大学校が新庄市においてそれぞれ操作講習会を開催しております。これらの講習会には誰でも参加できるわけでございますけども、主に業務としてチェーンソーを扱う林業従事者を想定した本格的なもののため、労働安全衛生規則に規定されております特別教育にのっとった内容となっております。このような本格的な講習のほかに、市が実施しております事業としては、森林を所有しているものの、山に入る機会が少ない会社員などのいわゆるサラリーマン林家などを対象に、森林活動のきっかけとなる軽作業や技術習得を行う山の活動体験事業がございます。この講習では、チェーンソーの操作方法やまき作りなど比較的簡単な作業を学ぶものですが、平成24年度より実施しており、これまで市内全域で延べ149名の方から参加いただいております。これまでの山の活動体験事業は年1回の開催であり、開催場所も温海地域内にとどまっておりましたことから、より多くの希望者が受講できるように実施方法を工夫するとともに、開催回数や場所、募集人数など内容の見直しも検討してまいりたいと考えているところでございます。  次に、大規模露地野菜農業経営体の育成についてお答えします。まず、大規模経営が期待できます経営体としては農業法人が考えられます。本市には現状で110の農業法人がありますが、そのうち68法人が水稲中心の経営であります。露地野菜を中心に経営する法人は3法人にとどまっておりますが、3法人の中には枝豆を中心に作付面積が10ヘクタールを超える大規模な露地野菜を生産している法人もございます。  一方、外食加工需要に目を向けますと、全国的に需要が多く、日常生活に欠くことのできない大根、ニンジン、タマネギ、キャベツなど、いわゆる指定野菜と呼ばれる13品目を中心に加工・業務用の需要が増加傾向にあります。これらの品目では、加工・業務用が約6割を占め、そのうちの約3割を輸入野菜が占める状況にあります。こうしたニーズの高い指定野菜などを中心に大規模生産に取り組むことは、ロットの拡大による安定した販売につながり、農家所得の向上が図られるとともに、増加しております輸入野菜から国産野菜への回帰も期待されると考えております。  しかしながら、この露地野菜の大規模経営体育成に当たっては課題も多くございます。まず、大規模経営の課題として経営者の育成があります。大規模経営では、収益性を考慮した品目の選定や複数品目を組み合わせた営農計画など大規模ならではの経営の判断が必要とされますので、こうしたノウハウを持つ経営者の育成が不可欠であります。経営者の育成については、鶴岡市地域定住農業者育成コンソーシアムが主催します食と農のビジネス塾や県農業技術普及課農業経営実践講座などへの参加を促すなど、経営ノウハウの取得に向けた機会を提供してまいります。  次に、労働力の面でございますが、作付面積の拡大が期待される枝豆や長ネギ、赤かぶなどの露地野菜では、定植、収穫作業などの機械化が進んでいるものの、選別や包装などの出荷作業は機械化が進んでおらず、労働力の確保が課題となります。農業分野のみならず産業界全体が労働不足となっている中で、こうした時期が限定される雇用は難しい面があり、労働力を安定して確保するためには通年雇用の実現も求められてまいります。市としましては、子育て中の女性やアクティブシニア層などの潜在的な労働力の掘り起こしの一環として、今年度から農作業の体験見学会を開催しているところであります。来年度は新たに枝豆やキュウリの定植、収穫作業など、品目と農作業の内容を拡大した体験見学会を開催し、JAと連携しながら雇用の確保につなげてまいりたいと考えております。  また、一年を通して安定した大規模経営を行うためには冬期間の収入確保も重要となりますが、本市は降雪のため、冬期間における露地野菜の生産が難しく、収入を確保することが厳しいという課題もございます。そのため、軟白ネギやホウレンソウなどの施設園芸の導入や農産加工品の製造など、冬期間の収入確保に向けた取組も進めていく必要があると考えております。  最後に、大規模経営体の育成に向けたSEADSを活用した勉強会の実施についてお答えします。SEADSでは、研修生だけでなく地域の農業者も学べる公開講座の開催を予定しており、来年度はスマート農業鳥獣被害対策の2つの講座を実施することとしております。露地野菜を中心とする大規模経営体を目指す農業者を対象とする公開講座も十分考えられますので、今後農業者やJA等の声もお聞きしながら、この検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆21番(阿部寛議員) 林道整備のことでありますけども、道路がないと間伐材を搬出、出荷できないということで、現在間伐材は国の補助事業に頼っていまして、7割が国、3割が地元の負担ということで、間伐材を出荷しないと3割が地元負担になってしまうということで、それでは間伐作業に入れないというのが現状にあるということです。ですから、なおさらに一層の林道の整備の加速をお願いしたいと思います。  それから、今市民の学習の場でドングリを集めて、苗を作って3年がかりで定植するという活動がありました。こういう活動を積み重ねることによって地元愛というのが深まっていくと思いますので、鶴岡市全域にこういう活動が広まりますように、どうかよろしくお願いしたいと思います。  それでは、交流の創出という観点から質問いたします。登山道や林道でウオーキングをして、そして温泉入浴、リラックスをしていただき、バランスの取れた食事を取っていただく。これらを総合的に取り組み、観光客の長期滞在を促すクアオルトというのがあります。観光資源として重要と考えますが、市の見解を伺います。 ◎商工観光部長(佐藤正胤) 観光資源としてクアオルトの可能性について御質問がございましたので、商工観光部よりお答えをさせていただきます。  クアオルトとは、ドイツ語で「健康保養地」、「療養地」を指し、温泉施設や野山を歩く気候性地形療法などの療養プログラムを活用し、医療のみならず居住する人、訪れる人も健康になり、地域が発展することを目的としております。現在本市では、DEGAM及び4温泉地観光協会を中心に、出羽三山詣でや精進落としの歴史、文化を生かし、「詣でる、つかる、いただきます」のキャッチフレーズで市内の寺社仏閣を詣でた後、温泉地で湯につかり、ユネスコ食文化創造都市に認定された本市の食と酒を楽しむ新しい旅の提案を行っているところであります。  御質問いただきましたクアオルトについてでございますが、ストーリーとしても、また内容的にも「詣でる、つかる、いただきます」のプロジェクトと共通するものがあると存じます。また、本市湯田川地区では、かつての金峯修験と温泉地でのはばき脱ぎの儀礼の歴史や文化を基に、東北公益文科大学と連携して金峯山でのウオーキングと湯田川温泉の利用を組み合わせた新たな地域振興策を考える取組も行っております。今後市内の観光関係者、また医療、健康に関する関係機関との連携も視野に入れながら、体験プログラムの開発や旅行商品化など、観光協会をはじめ関係機関と連携しながら具体的な取組を検討してまいりたいと存じます。 ◆21番(阿部寛議員) クアオルト、湯田川で勉強会がありました。市長と語る会でも市長とお話ししたということでありますので、クアオルトの前向きな検討をお願いしたいと思います。  今年は少雪で、除雪に関わった農家も大打撃でした。農家の減少や新規就農者の定着、耕作放棄地解消など、あと5年、あと10年と総括質問でも具体的な数字が出ていたようです。待ったなしの対応が迫られています。関係機関及び農業従事者が力を合わせて対応しなければなりません。今後ともどうかよろしくお願いいたします。  それでは、観光振興について質問いたします。観光客の公共交通について質問いたします。鶴岡駅は、観光客にとって本市の各観光地に行くスタートの地点であります。海外からの旅行者も増えていまして、さきの答弁では本市の外国人延べ宿泊者数は1万3,000人を超えているとのことであります。恐らく外国人も含め、多くの観光客は鶴岡駅を起点として路線バスを使い、目的地に移動しようと考えますが、現在の路線バスは以前の半分以下に減少し、その上土日、祭日の便数も減少しております。そこで、観光客が利用する公共交通の状況について市の見解を伺います。  2つ目に、駅周辺の観光振興についてお聞きします。観光客が電車の待ち時間で一、二時間の空き時間が生じるということは、私たちもよくある話です。仮に観光客から駅周辺の観光地を聞かれた場合、2時間あれば鶴岡公園周辺を御案内すると思いますが、1時間の空き時間で、かつ歩いて回れるような範囲であれば、松尾芭蕉ゆかり長山邸跡地を御案内する人もいると伺っております。しかし、長山邸跡地の場所が分かりにくいとの声もお聞きしますので、鶴岡駅周辺の観光スポットの一つである長山邸跡地の状況について市の見解を伺います。  以上2つです。 ◎商工観光部長(佐藤正胤) 初めに、観光客の公共交通についてお答えをいたします。  市内の路線バスは、市営バス3路線と民間バス37路線を合わせて現在40路線が運行しておりますが、そのうち鶴岡駅から主要観光地である羽黒山山頂、随神門前へ向かう路線は平日が1日12便、土日、祝日が1日10便、また加茂水族館へ向かう路線は平日が1日8便、土日、祝日で1日5便が運行されております。なお、松ヶ岡へ向かう路線は平成18年度に、また湯殿山へ向かう路線は平成28年度にそれぞれ利用者の減少により廃線となった経過がございます。  御質問のとおり、本市の観光地ではバス路線が土日、祝日に減便する状況や路線バスの通らない観光地があるなど課題があります。こうした課題に対応するため、市では湯殿山への交通の確保を図るため、平成29年度より市の観光連盟、現在はDEGAMでございますが、主体となりまして、鶴岡駅発着で羽黒山随神門湯殿山仙人沢の間を運行する鶴岡観光しゃとるバスに対して運行支援を行っております。今年度は、6月1日から11月3日までの土日、祝日と8月お盆期間の平日の合計で59日間運行しております。また、同様の運行体制で松ヶ岡開墾場への誘客促進を目的として、庄内交通路線バスと接続する形で、ゆぽかから松ヶ岡開墾場を往復運行する鶴岡観光ぐるっとバスに対して運行支援を行っており、今年度は4月27日から12月22日までの土日、祝日と8月の一部平日の合計で81日間運行しております。このほか朝日地域では、今年度夏季観光バス運行事業として朝日連峰縦走登山湯殿山神社仏閣への観光客の交通の確保及び観光振興による地域活性化を目的に、7月20日から9月29日までの土日、祝日の25日間、泡滝線と七ツ滝線の2路線を運行しております。さらに、DEGAMとハイヤー事業者が連携して企画し、鶴岡駅発着で出羽三山を巡る予約制観光ハイヤーや、JR東日本が運行し、羽黒山五重塔加茂水族館を巡る駅から観タクンなど民間事業者が運行する定額制運賃ハイヤーがあり、市ではDEGAMと連携して情報発信などの支援を行っております。  議員より御質問のありました観光客が利用する公共交通の今後の展開でありますが、本市の全ての観光地を公共交通網でカバーすることは現状では難しい状況にございますが、次年度は松ヶ岡方面に関しては利用しやすいルートやダイヤの再検討を継続するとともに、湯殿山方面はインバウンドの誘客拡大に向け、東京オリンピック・パラリンピックの期間中、運行日の充実やルートの改善を図ってまいります。市といたしましては、交通、観光事業者などとの連携、協力を図り、モデルコースへの誘導が容易となるバスの運行、交通機関相互の接続改善、路線バスとぐるっとバスで異なる乗車券の統合検討など、可能なものから順次取り組んでまいりたいと存じます。  続きまして、長山邸跡の状況についてお答えいたします。長山邸跡は、松尾芭蕉が全国を旅した際に鶴岡城下で3泊し、連句の座を持った場所である庄内藩士、長山重行邸の跡を示すものとして、本市が現在の株式会社まちづくり鶴岡の所有地の一部をお借りし、記念碑や説明板、あずまや等を整備したものでございます。当該施設は、芭蕉の足跡をたどられる方や市街地を散策される観光客などが立ち寄られておりまして、本市では現在主に来訪者が増加する夏から秋にかけて、植栽の剪定、消毒、草刈り作業などを実施しているほか、あずまや等においても破損等が見られた際には適宜修繕を実施し、観光客に快適に利用いただける環境づくりに取り組んでおります。  議員御指摘のとおり、当該施設は山王通りから一本奥まった場所にあり、土地カンの少ない観光客にとっては少々分かりにくい立地となっておりますが、本市といたしましても中心市街地散策用観光パンフレット、鶴岡駅からマップへの記載に加えまして、山王日枝神社前の歩道部分に誘導標識を1基、山王通りの裏通り部分の電柱に案内広告4枚を掲載するなど、案内の充実に努めているところでございます。また、令和元年度からはNPO法人公益のふるさと創り鶴岡が長山邸跡の今後の利活用、再整備などをテーマとするワークショップを開催しており、市も参画しながら長山邸跡の魅力向上に向けて検討を進めているところでございます。  御質問にありますとおり、駅前の鶴岡市観光案内所では電車までの空き時間を活用し、市街地を観光したいというお問い合わせが多く寄せられているところでございます。お客様の滞在時間に合わせ、きめ細かく観光コースを提案できるように案内の充実に努めてまいります。 ◆21番(阿部寛議員) 観光客の側に立った対応をこれからもよろしくお願いしたいと思います。  東京都の代官山にTSUTAYAがプロデュースする図書館がございます。図書館内ではお茶を楽しみながら本を読むことができ、購入もできるようです。子供たちも勉強でき、観光客や学生の待ち時間も有意義に使えると思います。  TSUTAYAの協力を得て、佐賀県の武雄市に武雄図書館が2013年にリニューアルオープンし、年間100万人が訪れたと観光スポットの記事を拝見しました。また、駅周辺の空きスペースを活用し、ガーデンセラピーという五感を刺激し、脳を活性化させることができる体験スペースもあればいいなと思います。  TSUTAYA図書館やガーデンセラピーについては答弁は求めませんが、昨年からの新潟県・庄内エリアのDCに合わせてJR鶴岡駅を改築するなど環境整備も進んでいるようですし、このままDCの機運を継続していただきたいと思います。また、鶴岡駅周辺の活性化のためには、関係機関及び関係各課と十分に議論を重ねていくことをお願いして、私の一般質問を終わります。   本 間 正 芳 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 20番本間正芳議員。   (20番 本間正芳議員 登壇) ◆20番(本間正芳議員) 20番、本間正芳です。それでは、通告しておりました3件につきまして、一問一答方式で質問させていただきます。  まず初めに、4月から完全実施される小学校学習指導要領についてお聞きします。2018年度から移行期間として取り組んできた小学校の新学習指導要領がいよいよ4月から全面実施となります。ほぼ10年に1度ずつの改訂について、私も教員時代には大変苦しんだ思い出と、新しいことに着手できるわくわくした気持ちになった覚えがあります。  さて、そうした中で新しい学習評価の考え方や教科としての道徳等は少しは経験があるから大丈夫でしょうが、高学年の外国語科創設、中学年から外国語活動を学ぶようにするなど英語教育を深化させ、論理的思考を身につけさせるプログラミング教育も本格化していると思います。鶴岡市では、外国語科と外国語活動をどう進めていくのか、プログラミング教育を含めた情報活用能力をどう進めていくのかお聞きしたい。  また、それに伴ってデジタル教材の提供などICTの機器をどう準備するのか。もちろん準備することが目的ではないと思います。このことについては、国のGIGAスクール構想を活用していくと考えられますが、市としてのアプローチの仕方をお聞きしたいと思います。  答弁により再質問します。 ◎教育長(布川敦) 初めに、本市の小学校の外国語教育についてお答えいたします。  本市でのこれまでの新学習指導要領完全実施に向けた具体的な支援策といたしまして、小学校外国語教育スタート支援事業を実施してまいりました。教育委員会が小学校を訪問し、各学校の実情と今後の方向性について話し合ったり、新教材の扱い方に関する研修を行ってまいりました。また、小学校教員の指導力の向上を狙いとした様々な研修会を開催してきました。さらに、小学校での外国語に関する業務を支援し、新学習指導要領への円滑な移行を支援するためにALTや外国語サポーターを派遣してまいりました。  新学習指導要領では外国語活動から外国語科へ、それから小学校から中学校へと外国語によるコミュニケーション能力の育成を図るという一貫した目標が掲げられております。英語教育を深化させるためには小中連携が重要となります。小中それぞれの教員が双方の指導内容を知ることが大切と考えております。また、思考力、判断力、表現力等を外国語の授業で育成するためには、単に英語の語彙や文法を理解するだけではなく、英語を実際に聞く、読む、話す、書くという4技能を使った言語活動を行うことが不可欠であり、そのような授業を目指した授業改善が必要となります。ALTや友達が話す英語を理解できたり、自分の思いを英語で伝えたりできる喜びが外国語学習において何よりの動機となり、英語教育の深化につながると捉えております。教育委員会といたしましては、小学校の教員だけではなく、中学校教員を対象とした研修会、さらに互いの事業を見合うなど、小中の教員が交流する研修会を開催し、小中連携、授業改善の推進をさらに図ってまいりたいと考えております。  次に、本市の学校におけるプログラミング教育を含めた情報活用能力の育成についてお答えいたします。本市でのこれまでの新学習指導要領完全実施に向けた具体的な支援策といたしまして、教員を対象としたICT活用研修会を実施してまいりました。研修会の内容といたしましては、新学習指導要領に示されたプログラミング教育の概要と進め方を説明したり、実際に模擬授業を体験したりするものです。小学校でのプログラミング教育は必修となったものの、新学習指導要領の中では教科や領域、学年、授業時間数が示されているものではございません。  そこで、本市では学校での実践に当たって、次のようにプログラミング教育を進めるように提案しております。4年生においては簡単なゲーム設計を体験し、その後新学習指導要領に例示されているように5年生では算数の正多角形の単元で、さらに6年生では理科の電気の利用の単元においてコンピューターを活用して実践を進めていくものでございます。このような実践を通して、論理的に考えていく力であるプログラミング教育的思考を育んでいくことを狙いとしております。  新学習指導要領におきましては、情報活用能力が言語能力と同様に学習の基盤となる資質、能力と位置づけられました。情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会に参画する態度から成る情報活用能力の育成のためには、単にプログラミング教育を充実し、プログラミング教育的思考を育めばよいということではございません。情報を収集、整理、比較、発信、伝達する等の力をはじめ、情報モラルや情報手段の基本的な操作技能なども含めたトータルな情報活用能力を育成していくことが大切となります。教育委員会といたしましては、研修会を開催してこれらの情報を伝えていくなど、引き続き適切な支援を行ってまいりたいと思います。  続きまして、本市の小中学校におけるICT環境整備の現状についてお答えいたします。文部科学省は、2018年に教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を策定し、地方財政措置を講じております。これを受け、本市でも第2期鶴岡市ICT教育機器整備計画を策定し、整備を進めているところでございます。内容といたしましては、普通教室、特別教室及び体育館をカバーできる校内LANの整備などが挙げられます。2018年からの2年間で小学校6校、中学校7校の整備が終了いたしまして、24校が未整備の状況でございます。  そのような状況の中、12月に閣議決定されましたGIGAスクール構想は、全国的な整備の格差をなくし、Society5.0時代を生きる子供たちに公正に個別最適化された学びを提供するために出された施策であります。また、1人1台端末及びそれをストレスなく使用することができるための高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する施策であり、端末に関しましては1台につき4万5,000円、ネットワーク構築に関しましては2分の1を国が助成することから、本市としましても国から示されたロードマップに従い、できる限りの整備を進めていきたいと考えております。  しかしながら、整備ありきではなく、育むべき資質、能力を明らかにし、どのような機器をどのような場面でどのように活用するのか、本市の学校教育における1人1台端末の活用イメージを具体的に検討した上での整備が重要であると考えます。既に関係各課とは情報を共有しているところですが、今後も連携を図りながら、新学習指導要領に掲げられた目標を達成できるように協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆20番(本間正芳議員) 1人1台の端末や高速大容量の通信ネットワークは鶴岡市ではすぐには無理だと思いますが、GIGAスクール構想に乗り遅れることなく取り組んでほしいと思います。取りあえず今進めているはずである3人に1台のタブレットが使えるようにしてほしいと思います。  次に行きます。次に、鶴岡市の教育デザインについてお聞きします。鶴岡市の小中学校の配置をどのような方向で考えているのか、具体的にお聞きしたいと思います。朝暘第五小学校の改築ではいろいろ問題になっていたようですが、決定のプロセスをきちんと示していれば誰も問題にはしなかったと思います。市教育委員会としては計画性に乏しく、出てきた問題に対しての対処に重きを置いているように感じます。  ただ、ここまでの市教育委員会が何回かの意見交換会を開催し、丁寧に説明してきたことは評価していきたいと思います。これからは新しく入学してくる世代の保護者にも丁寧に説明して、その後住民の願いどおり、一歩でも早く改築してもらいたいと思います。  さて、現在の鶴岡市の学校配置は、合併前の旧市と新市から成る鶴岡市と4町1村の合併で新鶴岡市になって、その後の統廃合で現在は26小学校、11中学校になっています。旧4町1村には5つの中学校があり、11の小学校があります。人口シミュレーション等も踏まえて、この配置は将来的にどのようにしていくのか。また、今回問題にもなっていた鶴岡駅北側の児童数の増加の対策は配置的にどうしていくのか、現時点での学校配置計画、または構想をお聞きしたい。  次に、第2次鶴岡市総合計画にも記載してあったコミュニティスクールの導入についてです。現時点でどこにどのように進めていこうとしているのかお聞きしたい。また、そのほかの形態も考えているのか併せてお聞きしたいと思います。  また、朝暘第五小学校校舎改築に関する意見交換会で教育委員会の庁内検討会議の資料を頂きましたが、通常、表に出ないようなシミュレーションの資料だったと思います。このような検討委員会をオープンな形でできないかお聞きしたいと思います。  また、学校を考えていくときにコミュニティの問題が必ず出てきますが、鶴岡市はコミュニティをどのように形成していこうと考えているのかお聞きしたい。この部分は、教育というよりコミュニティ推進の話になると思います。  答弁により再質問します。 ◎教育部長(石塚健) それでは初めに、現時点で考えられる学校配置についてお答え申し上げます。  学校の適正配置の検討につきましては、これまでは学校適正配置基本計画に基づきまして小学校単位での統廃合を進めてまいりましたが、平成29年度をもって対象校としておりました14の小学校の統廃合が完了しております。その後も教育委員会といたしましては、市内の小中学校の児童生徒数の推移や複式学級の状況について動向を注視しておりまして、議員から御指摘のございました今後の児童生徒数の減に伴う学校統廃合でありますとか鶴岡駅北側の児童数の増加に伴う対応、また地域における少子化の影響から少人数で中学校へ入学する地域があることも検討が求められていると、そういったことは教育委員会としても承知しているところでございます。そういったような状況を基に、まずは各地域の保護者や学校の考え方を丁寧に聞き取ることから始めておりまして、今年度は教育委員会と市のPTA連合会との懇談会におけるグループ討議や校長会を通しての意見、要望の情報収集を行いながら、このことについて市全体の枠組みの中で長期的視野に立ち、検討するべきものと捉えているところでございます。今後は、各地域の保護者等の意向も加えまして確認していくとともに、地域地区別の人口推移なども勘案しながら、まずは庁内での検討の中でその課題、対応等を洗い出し、研究してまいりたいと存じます。  続きまして、鶴岡市における将来的な学校の形態についてお答えいたします。本市では、2012年に年間の出生数が1,000人を下回り、2017年には800人を下回るなど、今後も少子化傾向が続くと予想されております。このような状況を受けまして、学校の小規模化が進む中、多様な価値感を受容し、共生していくことが求められており、子供たちが安心して学校生活を送られるよう教育環境を整備していく必要があると捉えております。  また、若者の地元定着、地元回帰を課題に持つ本市において、鶴岡を担う人材や鶴岡に愛着を持つ心情を育成していくためには、学校と地域が連携、協働することが大切であると考えております。そこで、学校と地域の連携の仕組みづくりといたしましては、第2次鶴岡市総合計画におきましても地域学校協働本部やコミュニティスクールの推進を示しているところでありまして、既に地域学校協働本部を設置しております渡前小学校、あさひ小学校、朝日中学校、あつみ小学校の4校に加えまして、来年度から新たに設置されます鼠ヶ関小学校、温海中学校に対しましてコミュニティスクールの実施を進めていく必要があると考えております。また、鶴岡市教育研修所では、各中学校区をブロックとしまして小中学校職員による研修会を実施しております。教職員の資質の維持、向上を目的とした取組でありますが、この研修会を通して小中学校間の情報共有が行われ、連携が図られているところでございます。教育委員会といたしましては、このような取組を参考にしながら、小中一貫教育についても引き続き調査研究を実施し、導入の仕組み等を検討してまいります。  次に、オープンな形での検討委員会というようなことでの御質問でございますが、庁内検討会議資料の公開の是非につきましては、公開された場合に市民の間に不要な誤解や混乱を生じさせるおそれがないか、その後の会議での自由な意見交換に支障を来すおそれがないかなど、その開示、不開示については慎重な判断が求められるものでございます。議員御指摘の朝暘第五小学校改築に係る庁内検討会議の資料につきましては、一部報道にあるような教育委員会として具体的に改良、現地改築、移転改築の3案を期成同盟会に対して示したという、そういったものではなく、平成30年8月に開催いたしました庁内の担当者同士の検討の場で、改築に当たり想定し得る課題をシミュレーションとして議論したものでございます。さきに申し上げましたように、公開した場合、不要な誤解を生じさせるおそれも想定されたため、積極的な情報提供は控えておったものでございますが、情報公開請求を受けまして開示したという経過があるものでございます。これらの経過を踏まえまして、当該資料に係る説明も求められましたことから、2月以降の地域への説明会、意見交換会では当該内容を資料に加えまして、住民の皆様に誤解のないよう丁寧に説明を行ったものでございます。  それで、今後想定される会議につきましても庁内で検討を行うもの、外部の有識者等を入れて検討するものなどいろいろな形態が想定されますが、これらをオープンにすることで傍聴された市民の間に不要な誤解や混乱を生じさせたり、会議での自由な意見交換に支障を来すおそれがないかなど、そういったところを慎重に検討しながら、それらの会議の形態や目的によって個別に判断して進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎市民部長(渡会悟) それでは私、市民部のほうから地域コミュニティの考え方についてお答えいたします。  地域コミュニティは、単位自治組織である町内会など、さらにこれらにより構成される広域コミュニティ組織があり、広域コミュニティはおおむね小学校区単位で組織されてきております。地域コミュニティについては、その地理、歴史、文化などを共有する地縁を基本としたつながりでありますが、広域コミュニティの形成には子供たちに関わる事業や親同士のつながりも大変重要な要素であったことから、また様々な既存の団体も小学校区単位とされてきたことも踏まえ、特に家屋が連担する市街地においては、可能な限り小学校区と広域コミュニティの区域を一致させることが望ましいとされ、現在に至ったものと考えられます。近年の小学校区の統廃合により、小学校区と広域コミュニティの区域と差異が生じている状況もありますが、従前の区域で地域特有の文化や協働活動の維持、継承に取り組まれております。いずれにいたしましても、広域コミュニティ組織が区域とする地区の成り立ちやこれまでに蓄積されてきた地区の連帯感などを踏まえれば、現在の区域が適当であると考えております。そのため、地域コミュニティ施策の観点からの区域の再編などを行政が主導して行うことは現在のところ想定しておりませんが、広域コミュニティ組織におきまして区域の再編を計画される場合には、市としてそれぞれの地区の考え方を尊重しつつ、調整などの必要な支援を行ってまいります。 ◆20番(本間正芳議員) 鶴岡市教育委員会の丁寧に聞き取ってからという言葉と長期的視野に立つ言葉は、もう何回も質問しているので、あっ、これはすぐにはしないということなんだなというのは分かりました。  それでは、駅北側の茅原北地区の造成地、何と呼ぶのか分かりませんが、もっと北に延びるような感じもしますが、スクールバス対応の距離になるところも出てくるかと思いますが、準備はできているのかお聞きします。  また、コミュニティスクール推進のために地域学校協働本部を進めているということは、地域学校協働本部はコミュニティスクールに必要な学校運営協議会と同じことでしょうか。それとも準備段階の総称でしょうか、お聞きしたいと思います。また、一番大事な地域住民への説明は完了しているのでしょうか。また、流れとして小中一貫校に移行していくのかお聞きしたいと思います。
    ◎教育部長(石塚健) 初めに、それではスクールバスにつきましては、遠距離通学の児童生徒及び保護者の負担軽減を目的といたしまして、交通機関の運行がない地区、または通学時間帯に交通機関の利用が困難な地区を対象に運行しているものでございます。通学距離の基準といたしまして、小学校がおおむね4キロメートル以上、中学校はおおむね6キロメートル以上で、冬期間はその半分の距離を基本として、これに地理的な条件や個々の地域の事情などを配慮しながら運行区域を決定しております。  御質問のありました駅北側の造成等に伴うスクールバスの準備ということでございますが、現時点ではどこにどれだけの住宅が建ち、その結果児童生徒数にどのような影響が出るなど、今時点ではなかなか把握し難いところでございますので、具体的な準備とまでは至っておりませんが、当該地の児童生徒の推移を注視しながら、通学距離基準を基本として適切に対応してまいりたいと存じます。  続いて、コミュニティスクール等の御質問でございますが、まず地域学校協働本部につきましては、従来の地域と学校の連携体制を基盤といたしまして、より多くの幅広い地域の方々から参画していただき、地域と学校が連携、協働して地域を創生する、学校を核とした地域づくりを推進する体制のことでございます。言わば本部というのは実働部隊みたいなところでございます。また、学校運営協議会は、学校と保護者や地域の方々がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることができる一定の権限を有する機関でございまして、この協議会を設置している学校をコミュニティスクールと呼んでおるところでございます。そのため、法的な位置づけや組織等については異なる点がありますが、どちらも学校と地域の連携、協働を効果的に進めるためには欠かせない機能や役割を有するものであると捉えております。  それで、地域住民の方への説明ということでございますが、今年度地域学校協働本部の体制づくりが先進的に行われております朝日地域においてコミュニティスクール情報交換会が行われまして、地域の方々へ地域学校協働活動との連携の在り方やコミュニティスクールの魅力等について説明をしたところでございます。令和2年度から地域学校協働活動事業に対する国からの補助要件にコミュニティスクールの導入、または導入計画の策定が示されましたことから、本市においては既に地域学校協働本部を設置しております学校からコミュニティスクールの実施を進めていく必要があり、地域の方々へ今後も丁寧に説明してまいりたいと考えております。  また、小中一貫教育につきましては、教育委員会において引き続き調査研究いたしまして、導入の仕組み等を検討してまいりたいと考えております。 ◆20番(本間正芳議員) いろいろお話はお聞きしました。まず、最初のオープンな会議をしてほしいというのは、私のほうではすごく思っているんですけども、教育委員会の中だけでぐちゃぐちゃ話をして、言い方悪いんですけれども、話をして、外に出さないような内容があると誤解を招くというのを言っているみたいですけれども、もっとオープンで、全市的に人を集めて鶴岡のこれからの教育について語っていけるような、そんなきちんとした会議をしたほうがいいんじゃないかということです。  それから、教育デザイン、学校配置には大胆な発想をしていかないと進まないのではないでしょうか。例えば駅北側には第七小学校をつくっていくとか、地域住民も巻き込んでデザインしていくような、そんな発想もやっぱり必要なんじゃないかなというふうに思います。また、学校の形態としては、コミュニティスクールはもちろん、中高一貫校ができると優秀な子を取られてしまうというふうに考えている周辺の地域もあるようでした。そうした中学校も存続させるためには、小中一貫校や義務教育学校などの形態を語るのも大事なのではないでしょうか。このほかに、私は学校をこれ以上減らさないために特認校制度、鶴岡市教育委員会では20年ぐらい前もこのことは研究したと思いますけれども、特認校制度も考えていただければと思います。  次に、新型コロナウイルスの対策についてお聞きします。昨日、20番議員と総括の12番議員の質問と答弁で鶴岡市としての対策は大部分が分かる予定でしたけれども、時間の関係で答弁が聞けない部分がたくさんありました。しかしながら、私はタブレットや紙面で頂いておりましたので、その中で市民目線で1つだけお聞きします。感染の疑いがあるときの対応を教えてください。これが1つです。  あと、それとは別に学校と放課後児童クラブについて少しお聞きしたいと思います。2月27日に内閣総理大臣から感染拡大を防ぐため、全国の小中高校と特別支援学校について、3月2日月曜日から春休みに入るまで臨時休業の措置を取るように要請がありました。ここには法的根拠はありません。学校保健安全法第20条で学校の設置者が臨時休業をできるとしてあります。決定権は鶴岡市にあるということです。鶴岡市教育委員会、または鶴岡市は対策本部開催後、この法律に基づき、3月2日月曜日から臨時休業することを決定しました。私は、2月28日金曜日に鶴岡市内の小中学校5、6校を回って校長や先生方に話を聞いてきました。どの学校も何となくは聞いていたが、実際は急な臨時休校で困惑していました。取りあえず宿題を預けたり、安全指導を紙面でしたり、内容的に間に合わなかったところもあったみたいです。山形市や酒田市は、3月3日火曜日からの臨時休業で、2月28日、29日、3月1日、休日も挟みますが、準備の時間が取れたと先生方は言っていました。そこで質問です。なぜ3月2日だったのですか。事前に臨時の校長会、または代表者会等を開き、意見は聞けなかったのか。また、市として放課後児童クラブにどのような要請をして、どのような支援をしたのでしょう、お聞きしたいと思います。  答弁により再質問します。 ◎健康福祉部長(白幡俊) 健康福祉部より感染の疑いがあるときの対応と放課後児童クラブへの要請、支援についてお答えいたします。  感染の疑いがあるときの対応につきましては、保健所に設置されております帰国者・接触者相談センターへ電話で相談をしていただき、感染症としての診察が必要な場合は、感染症患者を診察することができる帰国者・接触者外来を受診していただきます。帰国者・接触者外来は、県内では県立中央病院、県立新庄病院、県立河北病院、日本海総合病院、公立置賜総合病院の感染症指定医療機関を含む13医療機関に設置をされております。  放課後児童クラブの対応につきましては、2月27日の国から事務連絡によりまして、共働き家庭など留守家庭児童を対象としておりますことから、感染予防に留意した上で原則として開所するよう要請をされました。これを受け、翌28日に本市としましても放課後児童クラブ開設の方針を決め、各クラブに市内小学校の一斉臨時休業に合わせ、3月2日から長期休暇などにおける開所時間に準じた開所をしていただくよう個別に要請をしたところでございます。急な要請にもかかわらず、22クラブ全てから開所について対応可能である旨の回答を得ることができ、改めて2月29日に文書で3月2日からの開所と未登録児童の可能な限りの受入れについて要請をしたところでございます。  次に、市の支援についてでございますが、通常登録していない児童など急遽利用が必要となる場合が想定されましたことから、2月29日の土曜日、3月1日の日曜日に子育て推進課内に相談窓口を開設をいたしました。相談件数は、2日間で1件でございましたが、調整を図った結果、その児童についてはクラブの利用が可能となっております。また、3月2日から各クラブに対しまして児童の利用状況や課題などの聞き取りを行ったところ、職員の不足や感染予防物品の不足のほか、一部保護者からは昼食用弁当の準備が負担であるとの声がありました。その対応としまして、教育委員会を通じて各小学校に協力要請をしたところ、朝暘第一小学校でグラウンドの開放、朝暘第五小学校、京田小学校、大山小学校で体育館及びグラウンドの開放、加えて五小ではクラブで職員が不足する時間帯に教職員を派遣していただくことになりました。また、マスクやアルコール消毒液につきましては、緊急的に市の在庫物品から若干数でありますが、支給をしております。昼食用の弁当につきましては、市が弁当提供協力者、協力店の募集を行い、クラブへの情報共有を行うこととしております。財政的な支援につきましては、国から今後の放課後児童クラブの臨時的開所に伴い、人件費など追加で発生する経費について補助する方針が示されておりますので、必要な財政措置を予定をしております。  新型コロナウイルスの感染拡大につきましては、まさに現在進行形で日々状況が変わっておりますことから、国、県の動きの把握に努めるとともに、各クラブの状況把握に努め、必要な支援をしてまいりたいと存じます。 ◎教育部長(石塚健) 私のほうからは、3月2日からの臨時休業と判断した経緯についてお答え申し上げます。  議員から御案内ございましたように、2月27日、国の新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について3月2日から春休みまで臨時休業を行うよう要請する方針が内閣総理大臣より示されまして、本市では2月27日、その日のうちに全小中学校長に対し、3月2日からの臨時休業になることを想定した準備を進めていただくよう連絡したところでございます。翌28日には文部科学省より一斉臨時休業についての通知、そして県教育委員会より学校臨時休業等の対応についての依頼がございまして、市の感染症対策本部における検討を経て、学校保健安全法第20条に基づき、各小中学校と保護者に対し、3月2日から各学校の年度末休業の初めの日まで臨時休業を実施することを正式に通知いたしたところでございます。  今回の決定につきましては、全国的な非常事態と受け止めておりまして、本市におきましてもいつ新型コロナウイルス感染者が出てもおかしくない状況の中、日常的に長時間集まることによる感染リスクに対しまして一日でも早く備え、子供の健康、安全を第一と考えまして、県教育委員会が示した原則にのっとり、3月2日からの臨時休業と判断したところでございます。  以上でございます。 ◆20番(本間正芳議員) 最初の部分できちんと聞けなかった部分があったのですが、例を挙げて鶴岡市で感染の疑いがあったときどうするのかというのをちょっとお聞きしたかったんですけども、さっとしか話はなかったので、私が調べた範囲では、最初かかりつけのお医者さんに行ったり、もしくは保健所に電話をするということですよね。その後に日本海病院に行って、どういうふうに行くのか分かりません。自分で運転して行けというふうに言っていたみたいですけれども、日本海病院に行って検体を取って、その検体が山形県の研究所のほうに送られるというパターンだそうですよね。その場合、1日で何人ぐらいの検査を受けることができるのか、また何分ぐらいで結果が分かるのかお聞きしたいと思います。  それから、教育委員会のほうですけれども、3月2日に決定するまでに事前に臨時の校長会、または代表者会等を開き、意見を聞けなかったかという質問には答えていませんでしたので、どうだったのでしょう。  あとそれから、放課後児童クラブから要請があった支援員不足について、もう一度詳しく対応をお聞きしたいと思います。  3点お願いします。 ◎健康福祉部長(白幡俊) 健康福祉部より検査の件と放課後児童クラブの要請の件についてお答えいたします。  先ほどちょっと説明が不足して申し訳ございませんでした。かかりつけ医を受診した場合についても先ほど議員御案内のとおり、そこから保健所の帰国者・接触者相談センターへ連絡されるという流れは御案内のとおりでございます。  1日で何人の検査を受けることができるかというお尋ねでございますが、山形県内で、PCR検査というものでございますけれども、山形市にある山形県衛生研究所のみとなっております。1日当たり最大60検体で、1日最大20検体を3回の検査が可能というふうにお聞きしております。検査結果については、検査を始めてから早くて6時間、場合によっては2日程度を要するというふうにお聞きをしております。PCR検査の流れとしましては、先ほども御案内のとおり、医療機関で採取した検体を保健所が県衛生研究所へ移送して検査を行い、検査結果は衛生研究所から保健所へ報告され、保健所から医療機関、検査対象者へ報告する流れとなっております。しかしながら、今日の新聞報道で、検査について医療機関から直接、保健所を通さずに検査も可能だという報道がございました。これについては内容を確認しているところでございます。  また、放課後児童クラブの件でございますけれども、現在も各クラブの利用状況や支援体制について状況を把握しているところでございます。支援不足の要請があった場合には、先ほども申し上げましたが、教員の派遣などクラブの運営に支障がないように対応してまいりたいと考えております。 ◎教育部長(石塚健) 事前の臨時の校長会あるいは代表者会等のまずは開催についての御質問でございますが、これにつきましては先ほどもお答えしたとおりでございますが、2月27日に国の方針が示されたことを受けまして、本市におきましてはその日のうちに全小中学校長に対し、3月2日から臨時休業になることを想定した準備を進めていただくよう連絡をいたしました。その後もできる限りの情報収集に努めまして、県の依頼や他市町の動向も参考にしながら検討を進める中で、翌28日には午前で授業を終える学校もございましたことから、臨時の校長会でありますとか代表者会を開催する時間の確保は大変難しかったところでございます。  教育委員会といたしましては、この日々感染が拡大している状況の中、先ほども申し上げましたように子供の健康、安全を第一と考えまして、そういった感染リスクに対して一日でも早く備えることが、最優先するべきことであるという方針を固めまして、3月2日からの臨時休業について市の感染症対策本部で検討を図り、28日の午前に各小中学校と保護者へ通知をした経緯でございます。  以上でございます。 ◆20番(本間正芳議員) 話はお聞きしましたけれども、まず最初に健康課のほうに、日本海病院で検体を取って、そこからまた山形県衛生研究所に持っていくわけですよね。2時間かかるんじゃないかなというふうに思います。それで、またそこでPCR検査をすると。何か80体まで可能になったとかというのもお聞きしていますけれども、それを持っていかない方法はないのか。感染症が出た場合、もっと早く検査できるようなシステムをやっぱり鶴岡にも、庄内にもつくっていただきたいなというふうに思います。  それから、3月2日の部分について、校長会が開かれませんでした。教育長は、ちょっと前までは教育の現場だったはずです。急な対応は理不尽なんじゃないかなというのは十分分かっていると思います。山形市や酒田市では校長会を動かして、現場の意見を吸い上げながら決めていっています。やっぱり鶴岡市もそういうふうにしていくべきなんじゃないかなというふうに思います。人を動かす決定権の重みを次に生かしてくださればなというふうに思います。  あと学校教育と放課後児童クラブについて、支援員不足を何か学校の教員等で賄っている部分もあると。第五小学校でしたか、先生方がそこに行っているということでした。私は、手続とか面倒な部分はたくさんあるのかもしれませんけれども、そんなのは抜きにして、みんなで協力し合っていける、やっぱりそういう鶴岡市であってほしいなと思うので、私は大変よかったことじゃないかなというふうに思っています。また、ほかの学校でも続けていただければと思います。  最後に、議場の空気も籠もっているので、適時に換気をしたほうがよいのではないかというふうに思っています。  以上です。   五十嵐 一 彦 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 16番五十嵐一彦議員。   (16番 五十嵐一彦議員 登壇) ◆16番(五十嵐一彦議員) 通告に従いまして、一問一答方式により質問させていただきます。  初めに、荘内病院中期経営計画について質問させていただきます。平成29年度から令和2年度までの中期経営計画は3年を経過し、あと1年となるわけですが、その進捗状況はどうなっているのか。特に職員の確保と育成は、安定した地域医療の提供にとって欠かせない課題であると思いますが、現在の荘内病院の病床数に対して適正な職員数は何人なのか、それに対して現在の状況がどうなっているのか伺います。また、3年を経過した時点での課題とその解決に向けた考え方を伺います。  2点目として、県では団塊の世代が75歳を迎える2025年を見据えて、将来の医療需要と必要な病床数を示すことを目的とした地域医療構想を策定していますが、市の将来の人口構成の推計を見据えての必要病床数、特に急性期の病床数が財政的にも人員的にも大きな課題になっているわけですが、市としての方向性を伺います。  また、庄内地域の病院再編についてはどのように考えているのかも併せて伺います。  答弁により再質問させていただきます。 ◎荘内病院事務部長(土屋清光) それでは、初めに荘内病院中期経営計画の進捗状況と課題についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、荘内病院中期経営計画は平成29年3月に策定した計画でございまして、荘内病院が将来にわたり各世代の市民の皆様に安全で安心な医療を提供するため、果たすべき役割やその実現に向けた具体的取組を明確にしたものでございます。計画期間は平成29年度から令和2年度までの4年間の計画で、具体的数値目標としておりますことは、計画最終年度の令和2年度が終了したところでの経常損益の黒字化、経常収支比率100%以上としているところでございます。この計画を着実に推進していくために、計画年度終了ごとに各部署において年次計画の取組結果を自己評価しまして、その結果について外部の評価委員会を開催して、その取組達成状況について指導、意見を頂いております。また、評価委員会の結果につきましては、市と病院のホームページ上で公表しております。平成30年度の評価結果につきましては、財務に係る評価では経常損益が4,800万円の赤字とはなりましたが、前年度比較でいきますと2億9,800万円改善しておりまして、平成30年度の経常収支比率、これは退職給付引当金を除いたものとはなりますが、計画目標値に対する達成率は101.6%となりまして、現在のところ順調に進捗しているものと評価しております。  次に、現在の職員数についての御質問にお答えいたします。当院の令和2年3月1日現在、今月1日の医師数は76名となっておりまして、年度当初の昨年の31年4月1日現在の72名から4名増員となっております。しかしながら、これは平成29年の決算状況調査による全国500床以上の公立病院、これには独立地方行政法人も含んでおりますけれども、この平均を用いて推計した人数で申し上げれば約98名となっておりまして、全国平均から見てもまだ不足の状況となっております。また、看護職員の職員数についてでございますが、令和2年3月1日、今月1日現在では正職員、パートを含めた総数は490名となっており、年度当初の昨年の4月1日現在の493名より3名少なくなっている状況でございます。看護職員数につきましては、平成30年度の県内400床以上の主要な6つの病院の中で看護師数を100床当たりの人数で比較した場合、6つの病院の平均が90.5名に対しまして荘内病院は89.8名でありまして、ほぼ平均的な人数となっております。なお、荘内病院は入院棟において入院患者7名に対して看護師1名の配置の施設基準となっておりますが、これを満たす人数は確保しているところでございます。  続きまして、中期経営計画の取組の中での課題についてお答えいたします。課題の第1には、何と申しましても医師確保がございます。病院の医師数の増加は患者数の増加、また病院の経営改善にもつながりますし、医師の働き方改革の推進、勤務負担の軽減も図られるものであり、また地域全体の医療体制を確保していく上でも最重要課題として捉えております。引き続き関連大学への医師派遣の要請、医師紹介会社の積極的な活用にも取り組んでまいりますし、山形県への医師の適正配置を要望してまいります。  また、医師の労働環境の改善につきましても重要な課題として捉えておりまして、医師事務作業補助者の増員などにより、医師の事務的負担の軽減や、研修により特定の診療の補助が行える看護師の育成、これにも取り組み、医師の労働環境改善に努めてまいりたいと考えております。  次に、病院運営を支える看護師、薬剤師、医療技術職の人員の確保も重要な課題と捉えております。看護職員の職員数につきましては、先ほど御紹介いたしましたが、今年度は出産に伴う産前産後休暇、育児休業を取得する職員数が月平均40名と前年に比べ10名ほど多く、また育児休業取得後、職場に復帰した職員において、核家族や家庭における育児時間確保などの理由から夜勤勤務の免除、時間外勤務の免除、制限、育児部分休業を申請する職員が増加しており、今年2月現在では制度の利用者が58名と前年同期に比べ14名多い状況となっております。こうしたことから夜間勤務の可能な看護職員の数が前年度に比べ減少している現状となっておりまして、夜間勤務ができる看護職員の確保についても大きな課題となっております。この看護師の確保につきましては、年間の採用試験の回数を増やし、受験の機会の拡充を図るとともに、4月採用のみにこだわらず、中途での正職員採用も積極的に進めてまいりたいと考えておりますし、県内外の看護学校への訪問、実習生の受入れなどを今後も積極的に行いまして、病院のPRに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  2点目の質問につきましては、病院事業管理者より答弁申し上げます。 ◎病院事業管理者(三科武) それでは、地域医療構想を踏まえた市の方向性、庄内地域の病院再編について私のほうからお答え申し上げます。  庄内の構想区域におきましては、将来人口構成の推計を見据えまして、2025年には病床の必要量は約2割減少し、高度急性期、急性期病床が過剰となる一方、回復期病床が不足するというふうに言われております。荘内病院におきましても人口減少に伴う患者の減少、そして疾病構造の変化に合わせた病床数、機能の見直しは避けられないものと考えております。しかしながら、庄内南部地域の基幹病院であります荘内病院の病床削減は、鶴岡地域の医療に及ぼす影響も大きいことから、この地域におきます医療体制、例えば今年1月に市内の病院が有床診療所となり病床が減少したこと、また今月をもって市内の開業医の方が診療所を閉所する予定であることなど、地域の状況をよく把握しながら慎重に検討し、見極める必要があると考えております。  また、庄内地域の病床再編についてでありますが、これまで議会答弁で申し上げてきたとおり、鶴岡市、庄内南部地域は広大な区域を有しておりまして、病院までのアクセス面から見ましても救急医療、災害医療をはじめとした急性期医療を提供する医療機関は地域社会に必要不可欠なインフラであると考えております。これからも庄内南部地域におきまして医療機関の連携を一層進め、相互に補完しながら過不足のない医療体制を確保していくことが重要と認識し、推進してまいりたいと考えております。  以上です。 ◆16番(五十嵐一彦議員) ありがとうございました。今お答えいただきましたが、やはり人員確保というのが一番の課題になっているということでございます。  再質問を何点かさせていただきますが、山形県で公表している地域医療構想の現状と課題という項目、これホームページにも載っているんですけど、庄内地域における病院入院患者の動向を見ると、2016年の数字でありますが、北庄内の方が荘内病院を利用する割合が1.2%、それに対して南庄内の方が日本海総合病院を利用する割合は40%とかなり高くなっていますが、その原因についてはどのように把握しているのか伺います。  2点目に、ただいまの答弁でも職員数については夜勤要員において人員不足の状況にあるとのことでしたが、現場では人手不足によって看護師さんの労働環境がかなり悪化しているとの声も聞こえてきています。時間外労働や休みの取得状況など、現場の労働環境の状態をどのように把握しているのかも伺います。  3点目に、将来の人員確保の観点から、鶴岡市立荘内看護専門学校のここ数年の卒業生の就職先について何人が荘内病院に就職しているのか、ほかの卒業生はどこに就職しているのか、分かる範囲でお答えお願いします。  令和2年度から新たに創設された給付型奨学金制度について、その学生の利用申込み状況がどうなっているのか。  以上、4点についてお願いいたします。 ◎病院事業管理者(三科武) 庄内南部地域からの日本海総合病院の利用率が40%となっている原因の把握についてお答え申し上げます。  議員御案内の数値は、2016年の庄内南部地域にお住まいの方が手術などの処置のため、日本海総合病院へ予定入院した割合を示したものであるというふうに存じます。最新といいますか、患者数まで書かれてある2018年のデータ、これは令和元年度に庄内地域保健医療協議会で講演されました山形大学、村上正泰先生が示されたものでありますが、同じようなデータであります。これによりますと、庄内南部地域の予定入院で手術ありの総患者数が3,287名で、そのうち日本海総合病院に入院された方が36.7%、1,206名となります。このうち内視鏡治療が多い消化器系の患者さんが338名と約3割を占めているという結果であります。  なお、2018年におきます庄内南部地域の全ての入院患者1万5,668名について見ますと、荘内病院で58.6%、それから日本海総合病院は19.4%となっております。  一方、救急医療について見ますと、庄内南部の救急搬送の入院では、81.9%を荘内病院で診療しておりまして、庄内地域全体におきましても当院が44.2%と最も多くの救急患者を診療しております。2次医療圏でそれぞれの病院で特色のある専門的治療を行っておりまして、荘内病院では脳血管内手術が庄内地域全体の92.9%、そのほか緊急帝王切開や母体、または胎児に健康上危険があるハイリスク分娩を60.5%と高い割合で患者の治療を行っております。このように地域内でそれぞれ得意とする分野の診療分担を行っておりまして、医療連携を推進しながら、よい治療を提供できるようにさらに努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎荘内病院事務部長(土屋清光) 続きまして、看護師の労働環境についての御質問にお答えいたします。  看護師の勤務形態は、日勤と夜勤に分かれておりまして、夜勤は3交代制、または2交代制としておりますが、当院に適用される施設基準では看護師の夜勤時間は月平均72時間以内、回数では月9回以内となっております。この施設基準は病院全体でクリアはしておりますが、部署によっては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、夜勤の可能職員の不足から基準を上回る夜勤をせざるを得ない状況も生じているところでございます。  次に、時間外勤務の状況でございますが、今年度1月末までの1人平均、看護師ですが、月6.8時間でありまして、前年度の7.7時間と比べまして、ほぼ同水準という状況になっております。時間外勤務につきましては、事前命令の徹底を図るとともに、勤務終了後職場に残っている職員がいましたら、所属長が声かけを行いまして、時間外勤務が必要な場合には命令をするなど適正な勤務管理に努めております。  また、年次有給休暇の取得状況でございますが、昨年の1月から12月までの間で1人平均7日取得しております。平成30年の1年間の取得日数4日と比べて3日多く取得している状況となっております。しかし、一部の部署では育児休業職員などの関係で指定された休日をしっかりとれない職員も見受けられるようですので、定期的に職場の実態を踏まえた部署間での異動を行うなど、不足する部署への適正配置、これに努めているところであります。  次に、荘内看護専門学校の卒業生の就職先についてお答えいたします。過去5年間になりますが、看護学校の卒業生90名について申し上げます。県内就職者は66名で、全体の73.3%、県外に就職した数が16名で17.8%、進学者は8名で8.9%となっております。県内就職者66名のうち、鶴岡市内の医療機関等に就職した人数は46名で、卒業者全体の51.1%となり、次いで酒田市の12名で13.3%、その他県内8名で8.9%となっております。卒業者全体の半数以上が鶴岡市内の医療機関等に就職しておりますが、このうち荘内病院に就職した人数は32名で卒業者全体の35.6%となっており、年の平均にしますと6.4名となっております。また、荘内病院以外の鶴岡市内の医療機関等に就職した人数は14名で全体の15.5%となっており、これを1年の平均にしますと2.8人という状況でございます。  次に、給付型奨学金制度についてお答えいたします。新たな給付奨学金制度は、家庭の経済状況に左右されずに意欲ある子供たちが大学や専門学校等へ進学し、学ぶことができるようにするために国が給付型奨学金を拡充したものでございまして、大学等における修学の支援に関する法律、この施行によって令和2年度から学生への新たな支援が開始されるものです。支援は、国の要件を満たした大学、専門学校等の学生に対し行われるもので、住民税非課税世帯やそれに準じる世帯の学生に対して日本学生支援機構が給付型奨学金を給付するものです。あわせて、対象となる大学、専門学校等は、給付決定者に対し入学金、授業料の免除、減額を行い、減免等に伴う費用は国または自治体が負担する仕組みとなっております。鶴岡市が設置している学校としては、唯一荘内看護専門学校が対象校となっております。  御質問がございました学生の利用申込み状況でございますが、令和2年4月入学予定者の申込み状況についてはまだ把握はしておりませんが、看護学校の在校生で日本学生支援機構へ申込みを行っている学生は4名と伺っております。  制度と活用方法等の周知につきましては、国、県などが全国の高等学校等を通じ、学生、保護者へ行っておりますが、市並び看護学校におきましても制度の内容等について広報やホームページ等で周知に努めているところでございます。  以上です。 ◆16番(五十嵐一彦議員) ありがとうございます。日本海病院の利用者が多いという、お互いに連携してカバーし合ってやっているというのはよく分かりますけど、今荘内病院の医師不足から診られない科もありますよね。例えば呼吸器科とかやっていないと思うんですけど、それが原因で、本来荘内病院で診るべき患者を日本海さんに負担してもらっているというような実情もあるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがですか。 ◎病院事業管理者(三科武) おっしゃるとおり昨年来、呼吸器内科のほうが人員が不足しているということは確かであります。その専門的な治療あるいは検査が必要な場合に、日本海総合病院のほうに行っていただくということを今やっているわけなんですが、山形大学に一昨年ですか、1年くらいかけましてお願いをしていたところ、庄内2次医療圏という範囲内で判定をされて、常勤医が当院には派遣ができないということを言われました。先ほども申しましたように、庄内2次医療圏といいましてもあまりにも生活圏からしたら広過ぎまして、それぞれもう少し狭い範囲で考えていただきたいということは、私、地域医療構想委員会の中でも申したことはあるんですが、県の方々の地域医療構想ということからすると、2次医療圏内でやりなさいというような話をずっとされました。必要なのは、やはり生活圏からもっと近いところできちっとした医療が受けられるようにということをやっていかなければいけないんじゃないかというふうには考えております。  その中で、先ほどもお答えいたしましたけども、救急医療という一番身近といいますか、大変なところで、庄内の2次医療圏の中でも当院、日本海よりも救急搬送の患者を受け付けておりますし、実際診療しております。いわゆる世間的に言いますと、たらい回しというようなことはこの地域では起きておりませんし、我々が見まして、やはり専門的な治療が必要、例えば肺のほうの手術であったり、あるいは心臓の手術であったりという部分については日本海総合病院のほうにお願いをするという専門的治療の部分について分担をしている。先ほども申しましたように、脳血管内治療につきましては、ほぼ庄内地域では荘内病院が受け持っておりますし、そのぐらいやはり得意の分野を、あるいは医療スタッフの数の問題、あるいは機器の問題で分けてやっているというように考えております。 ◆16番(五十嵐一彦議員) 地域医療にとって大きな課題ではあると思うんですけど、国もそうですけど、山形県も大学のほうもそういう庄内医療圏として考えているというところを見れば、将来的にはやはり庄内の病院が統合を目指して、再編を目指していかなければならないというふうにも考えられますが、そのことについてはどうですか。 ◎病院事業管理者(三科武) 先ほども申しましたように、患者さんがこの地域でも高齢化してくると思います。その中で庄内2次医療圏というかなり広い範囲内で判定されたときに、今でも私あるいは病院になぜ酒田まで行かなければならないのかと。特に以前言われたことで、私、非常にこれは大変だなと思ったことがありますのは、眼科がうちで専門的治療ができなくなったときに、視力が落ちた、年も取ってきた、80近くになって誰も連れていってくれる人がいないのに、自分で見えないところを車で運転していかなければならないような状況をどうかしろということを言われたことがあります。私からすれば、それは確かにそうだと。議員おっしゃるように、2次医療圏内で考えなさいというのは、それは県からしたらそう言っておけばいいのではないかと思いますけど、私は患者の立場からしたら、やはりより近いところでいい医療を受けられれば一番幸せだろうし、その中でやはりどうしてもそれぞれ得意、あるいは人員、機械の部分で助け合う部分については、あっちこっち行ってもらうということが必要だろうというふうに私は考えております。  患者数のこともあるんですけど、専門医を取得する必要がある認定機関、医療機関で医師として勤務の実績が必要になります。学会で、例えば心臓血管外科では年間100例以上の手術が必要であるとか、呼吸器の手術を50例以上する必要があるとかというようになってくると、患者数が少ない疾患についてはやはり1か所にまとめる必要があるだろうということは私も思います。患者さんが年間50例以上あるような疾患につきましては、やはり北と南で頑張る必要があるだろうし、一つは人口10万というものをめどに私は考える必要があるだろうと。ですから、鶴岡が10万人以上の都市であり続ける場合は、やはりこの地に1つちゃんとした急性期の医療ができる病院が必要だというふうに私は考えております。そのことも県の保健所長なんかには伝えてありますし、今後何か発言する機会があるようであれば、そのことは申したいというふうには思っておりますけど、議員の皆さん、あるいは市民の皆さんが広い範囲の2次医療圏で1か所でいいという判断をされるようであれば、それはそのように考えていくしかないというふうに思いますが、私は患者さんの立場から考えたら、それぞれ南と北でちゃんとした急性期を1か所ずつは必要だろうというふうに考えております。  以上です。 ◆16番(五十嵐一彦議員) 地域のために身近な病院でちゃんと医療を提供できるようにしていきたいというその思いは分かります。そのためには、やっぱり医師の確保というのはもっと本当にしっかり取り組んでいかなければいけないと思います。今答弁の中にもありましたけど、本来であれば荘内病院で入院もできる患者が酒田まで行かなければいけない。それが高齢で車も運転できないという状況であれば、その交通費も余分にかかってしまう。タクシーで行く場合もあれば、そこは厳密に言えば、鶴岡市にも大きな責任があると思います。この先そういう状態が続くようであれば、そういう患者さんの交通費、そういったところにも市はちゃんと見ていかなければいけないんではないかなと思います。いずれにせよ、地域医療としてしっかりやっていこうというのであれば、本当にもっと真剣に医師の確保、そこをお願いしたいと思います。  それと、看護師さんの夜勤のほうにかなり負担がいっているという状況の中で、なかなか思うように残業も自分で言い出せなくて、結果的にサービス残業になってしまっているという話も少し聞こえてきているんですけど、その辺のサービス残業について実態があるのかどうか、その辺伺いたいと思います。 ◎荘内病院事務部長(土屋清光) 先ほども答弁申し上げましたが、サービス残業というようなことのないように所属長がそれぞれの部署において、例えば残っているような職員がいたときには、今どのような業務をしているのか、全部今日のうちにやらなきゃいけない業務なのかどうか、そこら辺をよく職員のほうに聞くなどしまして、それで必要であれば時間外の命令をするというようなことがあります。  また、これは私も病院にいて思ったというか、感じているところなんですが、医療従事者の皆さん方はもう日進月歩で情報というか、新しい最新の技術がどんどんと変わってきて、それに追いついていくために日々勉強というか、研さんを積まなければいけない職種というふうに理解しております。そうした中で、毎日のように研修会でありますとか最新の情報のいろいろな情報収集するための集まりなんかがございます。その中でどのようなものが一人の医療スタッフとして身につける自己研さんの部分なのか、病院として身につけてもらうために必要なものであれば、それは時間外としてきちんと見るというところ、そこのすみ分けのところが以前、これは労働組合のほうともお話をしましたけれども、はっきりしない場面があったので、そこは看護部のほうからこの研修会については時間外をきちっとつけましょう、これは自由参加で自分のスキルアップのためであれば参加してくださいというような形ですみ分けをしながら、どの業務が時間外になるのかならないのかというところは、まず明確にしているところではございますが、ただ職員によってそこのところがはっきりとしないというようなところがもしあるのであれば、そこについてはまた調査というか、通知等をしながら、きちんと分かるような形で対応していく必要があるかとも思っております。 ◆16番(五十嵐一彦議員) 研修とか自己研さん部分と業務との境がはっきりしないというのは、それも問題かなと思いますので、そこはぜひきっちりはっきりさせて、時間外のものはちゃんと時間外とするという、そういう仕組みをつくることが非常に大事だと思います。  そこからいろんな問題も発生してくると思うんですけど、例えば6時から8時まで業務の残業をしたとして、今度8時から9時、10時ぐらいまで研修とか自己研さんの部分で残った場合、その時間で帰って、もし仮に事故とか遭った場合、それは通勤災害に適用になるのかどうか、そこをちょっと確認したいんですけど。 ◎荘内病院事務部長(土屋清光) 通勤災害になるかどうかの判断というところのものは、どこまでの時間外命令をして、その命令どおりで基本的にきちっと帰ってもらって、その時間からかなりの時間が空いて、それで帰宅する途中で事故に遭ったというような場合は、通勤災害になる、ならないという判断は難しいところもあろうかと思いますけれども、まずは事前命令の徹底のところがございますけれども、その職場においてどこまでが時間外の勤務の命令なのかというようなところをはっきりとするところがまず肝要だと思いますので、そこのところはケース・バイ・ケースのこともあろうかとは思います。 ◆16番(五十嵐一彦議員) 例えば今言ったような問題も起こりかねないと思いますので、そこはしっかりと対応していただきたいと思います。また、公休が取れない人たちがまだいるということもこれは問題なのかなと。経営計画の中にも労働環境の改善というのがしっかりうたわれているわけですから、そこをさらに改善になるようにしっかり努力していただきたいと思います。 ○議長(本間新兵衛議員) 一般質問の途中ですけれども、暫時休憩します。再開を13時とします。   (午前11時57分 休 憩)                     (午後 1時00分 再 開) ○議長(本間新兵衛議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。 ◆16番(五十嵐一彦議員) 前の質問に関連して少しだけ付け足しですが、せっかく鶴岡看護学校に入学してくれる学生さんが一人でも多く荘内病院に入ってくれるような仕組みをつくっていくというのも大事かなと。例えば協立病院では独自の奨学金制度をやってそれなりの成果も出しているみたいですし、その辺も検討して、一人でも多く入ってくれるようにしていただきたいと思います。また、しつこいようですが、特に看護師の労働条件の改善については強くお願い申し上げまして、次の質問に移ります。  公共建築工事の将来展望について伺います。数年前から建築業界では、建築設計に関する新しい技術であるBIMの導入に向けた動きが活発化しています。一般にはまだあまりなじみのない名前だと思いますが、BIM導入に関しての現在の状況はどうなっているのか。また、将来的にはどう進んでいくのか伺います。 ◎建設部長(増田亨) それでは、BIMの導入に関して現在の状況についてお答えをいたします。  ビム、アルファベットでBIMでございますけども、このBIMとはまずビルディング・インフォーメーション・モデルリングの頭文字を取った建築用語でありますけれども、建物の完成図をコンピューター内で立体的に作成しまして、建物を様々な角度から見ることができることから、設計から施工までの建物に関する情報を一元化することで作業効率が上がり、工期短縮などが図られる効果がございます。さらに、作成した情報を完成後の施設の維持管理にも活用できるとされています。現在諸外国では、土木や建築など様々な分野でこのBIMの活用が進んでおりますが、国内におきましてはBIM導入に係る設備投資の負担と、それから人材育成、設計と施工の連携が不十分であるなどの課題がありますことから、鉄骨加工や配管設備の施工図など限られた分野での利用にとどまっている状況のようでございます。  こうした状況を受けまして、国では昨年の6月に成長戦略実行計画を閣議決定し、建設業業者、設計者、建築物の所有者などの広範な関係者によりまして建築BIM推進会議を設置しております。この当会議では、官民の役割分担や標準規格など具体的な検討作業が行われておりまして、令和2年度には民間事業者が行う実際の建築現場をモデルといたしまして、建築BIMに関する課題と改善方策の検証作業が行われる予定であると伺っております。また、こうした国の動きを受けまして、庄内におきましても鶴岡と酒田地区の設計事務所や建設業者が発起人となりまして庄内BIM研究会が設立されまして、これに賛同いたしました企業など約70社が参加しまして、設立総会が先月開催されたところでございます。  次に、BIMが将来的にどう進んでいくのかについてお答えをいたします。建築BIMの活用による効果等につきましては、ただいま申し上げましたが、建築設計と施工の効率化、建築技術者などの人材の不足、資材高騰、働き方改革など、建設現場が直面している問題解決の手段の一つになるものと考えております。本市におきましては、現在検討が進められている国の建築BIM推進会議の動きを注視しながら、また地元の庄内BIM研究会などと情報を共有しながら建築BIMの活用についての研究を行っていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆16番(五十嵐一彦議員) ありがとうございます。地元庄内でそういう新しい技術に対応していくという動きもあることですから、市としても情報収集と、それから今後将来を見据えた人材育成に注視しながら対応していっていただきたいなと思います。  以上で質問を終わります。   佐 藤 昌 哉 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 19番佐藤昌哉議員。   (19番 佐藤昌哉議員 登壇) ◆19番(佐藤昌哉議員) 通告に従いまして、2つの項目について質問をいたします。  初めに、鶴岡市上下水道事業についてです。上下水道は、市民生活においても最も重要な社会資本であります。水道事業は厚生労働省、下水道事業は国土交通省、農村集落の汚水処理等は農林水産省、水環境では環境省と各省庁がそれぞれの関わりの中で方針を示し、施策を講じております。人口減少社会、間もなく9年になります東日本大震災の経験などから、社会資本整備の再構築やさらなる効率化を目指した事業運営が求められております。こうした中、本市においては将来に向けて自立した経営に努め、市民サービスを提供しながら、持続可能な事業運営に努めていくとしております。そうした観点から4点について質問いたします。  1点目、上下水道に関する計画等についてです。上下水道事業に関しては、様々な将来像や計画など、いずれも平成29年3月に策定をしております。水道事業ビジョン、鶴岡市下水道事業経営戦略、鶴岡市上下水道事業経営効率化計画と、また鶴岡市水道事業基本計画と様々な計画を策定をしております。まずは、これら計画等の狙い、関連性についてお聞きいたします。  2点目、水道施設の更新、耐震化等についてです。東日本大震災の経験や人口減少社会での水道使用量の減少を踏まえ、厚労省では平成25年3月に新水道ビジョンを公表し、本市では平成29年3月に令和8年度までの10年間の鶴岡市水道事業ビジョンの策定をいたしました。2点お聞きします。  本市の水道施設の整備については、昭和40年代に布設された老朽化した鋳鉄管の更新、旧簡易水道の水質対策、遠隔監視システムの整備、また昭和30年代に整備された旧簡易水道等の基幹施設の更新も必要としております。来年度は、管路や浄水場の耐震化整備の減から前年度比で6,200万円ほどの減額とはなっておりますが、この進捗状況、そして課題についてお聞きいたします。  2つ目、東日本大震災では水道管路の甚大な被害による大規模かつ長期間にわたる減断水が発生し、市民生活に多大な影響を及ぼしたことを踏まえ、本市は震災発生時における給水を確保するために水道管路を耐震化する水道管路耐震計画を平成26年に策定をしております。これによれば、平成25年3月末時点で耐震化した管延長は128キロ、全体の約9%ということですが、非耐震管延長1,222キロメートル、91%に当たるこの部分に対しては年間6キロメートル、事業費ベースで4億円の更新を行うと想定した場合、完了には204年という膨大な年数を要することから、避難拠点を工区単位とした整備を行うとしております。計画期間は2014年度から2063年度、50年間とし、工区を5グループに分け、1グループをおおむね10年間で整備するとし、2014年度から2023年度までの10年間、第1期事業ということで耐震化延長約14.8キロ、概算事業費では9億4,700万円程度としております。耐震化のこれまでの進捗度と予算執行額、今後の見込みと課題についてお聞きします。  3点目、下水道施設未普及地域等の整備についてです。鶴岡市下水道事業経営戦略によれば、鶴岡市街地周辺の郊外地約1,000ヘクタールの未整備地域の解消に取り組むとしております。平成27年度末の本市の公共下水道、農業集落排水等の汚水処理事業の普及率は89.9%、接続率は91.4%となっております。2つお聞きします。  初めに、管渠については、旧町村地域と鶴岡市街地の整備はおおむね完了し、現在は鶴岡地域の郊外地の整備ということで、京田、栄地区については来年度から令和7年度までの6か年で管渠整備を行うとし、30億円余りを計上しております。当該地域の説明会は行ったと聞いておりますが、この進捗状況や今後の説明会を含めたスケジュール、課題についてお聞きします。  次に、管渠整備完了後の家庭内の排水設備の接続状況についてお聞きします。この排水設備工事の支援として、市では1年以内は3万円、1年を超え3年以内は1万5,000円の補助金制度と最高120万円の融資に対するそれぞれ全額、半額の利子補給制度があります。接続の状況と補助金の融資あっせん制度の効果についてお聞きします。また、義務設置期間3年で整備しない場合はどうなるのか併せてお聞きいたします。  4点目、上下水道の事業経営効率化計画の進捗についてです。市では、この計画で3つの項目について取り組むとしております。1つは自立した公営企業の経営、2つは将来にわたる持続可能な経営の堅持、3つはお客様視点に立った事業運営です。昨年10月30日の上下水道事業経営審議会では、計画の進捗状況の報告がなされています。その中の自立した公営企業経営の観点から3点ほどお聞きをいたします。  1つ目、上水道事業の広域連携についてです。平成30年度、民間資金等活用事業調査費補助事業の調査対象を本市、酒田市、庄内町、県ということで酒田市が調査主体で検討会をされたようですが、事業化に向けてのシミュレーションを行っていますが、どの程度まで進んでいるのか、また課題についてお聞きします。  2つ目、組織強化に関する包括業務委託の見直しはどういう業務を見直すのか。また、下水道管路の包括維持管理委託のこれまでの取組と課題についてお聞きいたします。  答弁により再質問をさせていただきます。 ◎上下水道部長(佐藤真) 本市上下水道事業に関しまして4項目についての御質問がございましたので、順次お答えいたします。  初めに、上下水道事業に関わる計画の狙いとそれぞれの関連性についてお答えいたします。まず、水道事業における鶴岡市水道事業ビジョンでありますが、これは水道事業をめぐる本市の現状や課題を踏まえ、国の新水道ビジョンに掲げられた安全、強靭、持続の理念に基づき、中長期的な視点から本市水道の将来の理想像に向けた持続可能な水道事業運営の方針を定めたものでございます。この方針を基に具体的な計画として、安全に関しては水安全計画、強靱に関しては水道管路耐震化計画などを策定し、事業を推進しているものであります。また、水道事業基本計画につきましては、水道法改正により、資産管理のための水道施設台帳を整備した上で、長期的な観点から水道施設の計画的な更新、整備費用の見通しを作成し、公表するように求められたことから、令和2年度末までの策定に向けて準備を進めているものでございまして、最終的にはアセットマネジメントの構築につなげてまいりたいと考えております。  次に、下水道事業におきましては、鶴岡市生活排水処理基本構想で公共下水道、農業集落排水、浄化槽を合わせた市全体の整備方針を定めており、その方針を具現化するため、下水道事業の経営戦略で財源確保も含めた年次的な整備計画を定めて、令和10年度までの下水道整備のおおむねの完成を目指しているものでございます。また、上下水道事業経営効率化計画は、水道、下水道事業を合わせた経営の効率化を図り、自立した公営企業の経営、将来にわたる持続可能な経営を目指すものでございます。  次に、2項目め、水道施設の更新、耐震化における進捗状況と課題についてお答えいたします。本市が管理する水道施設は、平成30年度末現在で水道管路は総延長で約1,370キロメーター、浄水場や配水池等の水道施設は128施設となってございます。現在の管路の経年化率、これは管路の全体延長に対する耐用年数を過ぎた管路の割合を示すものですが、管路の場合、耐用年数40年となってございますが、この経年化率については現在約18%となってございます。しかしながら、今後何も対策を行わない場合には、20年後には経年化率が約80%に急増する状況にありますことから、経年管路対策として、昨年度、経年化管路更新事業計画を策定いたしまして、今後計画的な更新に力を入れていくこととしてございます。また、管路以外の水道施設に関しましては、主に設備の更新となりますが、各施設、これには送水ポンプだったり、機械設備、それから遠方監視システム等、そういった施設もございますが、これらの法定耐用年数に基づきまして更新計画を策定しており、適切に計画的に更新を図っているところであります。課題につきましては、整備の優先順位や更新に係る財源の確保などが挙げられますが、現在策定中の水道事業基本計画において整理・検討し、事業の平準化を図る予定としてございます。  次に、水道管路耐震化計画における耐震化の進捗と予算の執行額についてでございますが、耐震化計画における第1期事業では、平成26年度から10か年での計画延長を約11.7キロメーターと予定してございまして、平成30年度末までに約6.7キロメーターが完了し、進捗率は約57%とおおむね順調に進んでございます。平成30年度までの予算執行額は約6億円で、内訳は補助対象事業費約2億円の4分の1が国の交付金となってございまして約5,000万円、残り5億5,000万は市単独費となってございます。  次に、水道管路耐震化の今後の見込みと課題についてでございますが、現在国において水道施設の耐震化を国土強靱化における重点事業に位置づけたこともあり、今後は国の交付金等の積極的な活用により耐震化を推進するとともに、経年化管路の更新や他工事に伴う移設の際に耐震管路を使用し、耐震化率の向上を図ってまいります。課題といたしましては、この耐震化計画は、先ほど議員から御案内ございましたが、総事業費約90億円と多額の費用を要しますし、期間も1期10年、5期まで50年間という長期計画になっていることから、将来の水需要を見据えた施設規模のダウンサイジングや他工事との同調施工により整備費用の縮減を図るほか、社会情勢の変化に対応した計画の見直しも適宜行い、効率的かつ経済的な施設整備に努めてまいります。  次に、御質問の3項目め、下水道未普及地域等の整備について、進捗状況とスケジュール、課題についてお答えいたします。未普及対策事業における進捗状況について、これ整備面積で申し上げますが、平成27年度末で集合処理区での整備面積は4,255ヘクタールでありましたが、令和元年度末での見込み面積が4,513ヘクタールとなりまして、この間に258ヘクタールの整備が進んでおります。具体的な整備地区につきましては、湯田川、黄金、西郷、小堅地区などでございます。今後の整備につきましては、公共下水道事業では栄、京田地区や清水新田、下興野、下小中、中楯地区に着手するほか、農業集落排水事業では清水地区において国の事業採択の準備を進めるとともに、今後着手を予定してございます三瀬地区、油戸地区、中山地区などの各地区において事業説明会や意見交換会等を開催いたしまして、地域住民と十分に意思疎通を図りながら、令和10年度までの整備に向け、準備を進めてまいります。  整備を進めるに当たっての課題でございますが、1つに財源の確保が挙げられます。これら未普及対策に係る事業費は、令和2年度から令和10年度までで約153億円を見込んでございまして、このうち4割に国の交付金を充てる計画となってございますので、その確保に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  また、現在職人不足等による事業費の増加、発注者、受注者双方の技術者不足が深刻化してございまして、これらの課題解消を図るため、栄、京田地区ではデザインビルド方式を採用するなどして事業費削減と工期の短縮を図るものとしているものです。  次に、管渠整備後における下水道への接続状況についてお答えいたします。平成30年度末における鶴岡市全体の下水道等の接続率は92.9%でございまして、主に市街地を対象といたします公共下水道の接続率が92.5%、郊外を対象とする集落排水事業の接続率は94.8%となってございます。  次に、普及を目的とした排水設備設置への補助金、融資あっせん制度の効果についてお答えいたします。議員御案内のとおり、本市においては下水道整備完了後3年以内に接続していただく場合に排水設備設置に対する補助金及び融資あっせん制度を設けてございまして、平成30年度までに9,923件の御利用をいただき、利用率は19.5%となってございます。また、融資あっせん制度は7,304件の御利用がございまして、利用率は14.3%でございます。両方合わせますと33.8%の御利用をいただいており、補助金のこれまでの総額はおよそ3億円、融資あっせん制度の利子補給の総額は3億3,000万円ほどになります。3割を超える御利用がございまして、9割を超える接続率となってございますことから、本制度につきましては普及促進に一定の効果があるものと認識しているところでございます。  次に、下水道の供用開始から3年以内に接続工事を行わなかった場合についてお答えいたします。接続義務については、下水道法において公共下水道が供用開始された場合、遅滞なく接続しなければならないとされております。また、法に基づく罰則は、くみ取便所に対してのみ規定されておりますが、本市におきましては罰則を適用するのではなく、普及専門員の訪問による説明や助言により接続率を上げていく取組を行っているものであります。  次に、4項目めの上下水道事業経営効率化計画の進捗における水道事業の広域連携の進捗と本市の課題についてお答えいたします。議員の皆様には、昨年の7月に水道事業を単独経営した場合と広域化した場合の将来見通しについて、広域化を行った場合には将来的に水道料金上昇の抑制が図られるとのシミュレーション結果につきまして御報告をさせていただきました。今年度は、県が設立した庄内圏域水道事業広域連携検討会の作業部会を3回開催してございますが、単独で事業運営をしている受水団体側と県内4圏域で水道事業、電気事業、工業用水事業など複数の事業を運営している県企業局とは広域連携に対する考え方に違いがございまして、検討はそれ以降進んでございません。本市の課題ということにつきましては、水道事業の統合をした場合の下水道事業の位置づけとか料金統一など過去の市町村合併時と同様の課題はございますが、庄内地域の安定的な水道事業の経営につきましては水平統合が有効と捉えておりますので、今後とも推進に向けて取り組んでまいります。  次に、包括業務委託の見直しについてでございますが、上下水道部では平成29年度から5年契約で窓口業務を含む料金徴収等業務やメーター関連、そして浄水施設等の保守管理業務を包括的に委託しております。その効果といたしましては、主に人件費等の削減効果があるほか、窓口対応の充実、料金システム導入による業務の効率化、新規地元雇用の創出など様々な効果が現れてございます。今年度は、3年目という中間期を迎えておりますことから、その効果の検証を行い、現在まだ個別に委託しているものについても包括委託に組み込めないかなど、次期更新に向けて効率的な包括業務委託の在り方について精査をしているところでございます。  次に、下水道管路包括維持管理委託の検討についてお答えいたします。本市の下水道施設につきましては、管渠の延長が約960キロ、処理場数が30、中継ポンプ場9、マンホールポンプ401基と膨大な数に上り、老朽化とともに維持管理費が年々増加する一方、人口減少における下水道使用料収益の減少などから下水道サービスの水準確保が難しくなることが想定されます。この対応策といたしまして、民間の財産である技術、人材、資機材等をこれまで以上に活用を図るために、管路や施設の維持管理における包括的民間委託の導入を検討しているものであります。現在は、担い手となります民間事業者への聞き取り等を踏まえまして事業スキームを検討中でございます。今後実施方針を策定いたしまして、令和3年度には事業者の選定を行う予定としてございます。課題といたしましては、導入後の履行管理の方法などの検討事項がございますが、令和4年度からの導入へ向けてさらに検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆19番(佐藤昌哉議員) るる説明いただきましてありがとうございます。再質問いたします。  昨年の10月の審議会において、審議会長から市長への公共下水道負担金の設定についての答申の中で2つの項目の附帯意見が付されています。これについてお聞きします。  1つ目は、下水道事業整備においては、未整備地域の早期解消を進める一方で、地域住民に対して丁寧な説明をすることを要望しているが、今答弁あったように対応については理解できました。そしてまた、本管を既に設置した地域や昨年説明会をされた地域の方々からちょっと声がありますけれども、今後排水設備工事費がどの程度になるのか心配の声が聞かれます。指定工事店は30社以上あるようですけれども、業者によっては工事費に差があって、依頼に悩んでいるということもあるようです。例えば一定の排水設備の距離などから工事施工標準額というのは業者間の調整の中で示すことはできないのかということです。工事を依頼しやすく、接続率をさらに上げていくための目安となる情報提供は必要だと思いますが、考えをお聞きします。  2つ目の附帯意見ですけれども、負担金等の設定においては今後想定される高齢者世帯増加等の社会情勢に配慮した対応を求めています。市街地と異なり、郊外地の農村地域は敷地も広く、接続距離も長く、工事費もかさむということも出てくるかと思います。高齢者世帯の負担感も重くなるのではないかということで、例えば建物から公共ますまでの一定の距離以上についてはかさ上げ支援など、実態に応じたきめ細かな支援も考えられるのではないかと思います。考えをお聞きします。 ◎上下水道部長(佐藤真) ただいま排水設備の設置に関して2点の御質問ございましたので、お答えいたします。  最初に、排水設備設置に関して、工事施工に当たって標準工事費的な提示ができないかという御質問でございます。下水道への接続工事につきましては、個々の家庭の事情によって工事内容がやはり大きく異なります。くみ取り式便所の場合についてはトイレの設置、それから排水管の新設を行わなければならないため高額となりますし、合併処理浄化槽の場合については既存の配管が利用できるということから比較的安く上がる傾向があります。市では、地域住民の方々に対して行う事業説明会、それから工事説明会の際に、これまでの実績からくみ取り式便所や単独処理浄化槽の場合ではおよそ120万円程度、合併処理浄化槽の場合ではおよそ50万円程度が目安になるとの情報提供をしているところでございますが、議員のほうから例えば御提案がございました工事施工の標準価格を設けるなどにつきましては、各家庭の水回りの位置等についてやはり全然違ってくるというところもございまして、実質的には難しいものと考えております。  なお、説明会では、家屋の状況はやはりそれぞれ異なりますので、その工事を行う際には複数の指定工事店さんのほうから実際に御自宅の状況を見ていただいて、見積りを取ることをお勧めしているところでございます。  続いて、2点目の敷地が広い農村地域などへの配慮として排水設備設置に関する支援制度の緩和、検討についての御質問でございました。下水道整備に当たっては、接続工事の際、できるだけ住民の負担とならないように水回りの位置など家屋の状況を考慮した設計を行うとともに、公共汚水ますの設置に関しましては、その接続工事に支障がない場所をこちらのほうで助言した上で位置を決めていただくなど、住民の負担が増えないように留意してございます。  このような対応を行っている中で、先ほど補助金と融資制度の実績につきまして申し上げましたけれども、既に数多くの方から御利用いただいてございまして、未普及対策の今の整備の途中で補助内容を変更するということは、公平性の観点からも少し問題があるのではないかと存じますので、現行制度の変更については考えてはいないところでございます。なお、本市で実施しております住宅リフォーム支援事業、これございますけれども、この住宅リフォーム支援事業を活用して下水道の接続工事を含めてトイレの改修を行う方もあるようでございますので、これらの制度につきましても説明会等において皆様に周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆19番(佐藤昌哉議員) 上水道の施設整備については、経営審議会のほうで報告なり意見が出されてチェック機関はあるわけですけども、長期にわたる事業ということで、これも切れ間なくやっていく必要があるということで、課題としてはやっぱり国からの交付金の状況によって大きく左右されるという側面もあるかと思いますけれども、引き続き自立した経営と将来にわたる持続可能な経営の効率化の実現に努めていただければと思います。  次に、鶴岡市の公文書等について質問いたします。公文書管理法が2011年4月に施行され、行政機関は行政文書の管理について法令上の義務を負うことになりました。その目的としては、1つは行政活動、歴史的事実の記録、2つは健全な民主主義を支える国民共有の知的資源、3つは主権者である国民が利用し得るものと位置づけ、公文書を通して政府がその諸活動の説明責任を全うすることを求めており、地方公共団体においてもこの法律の趣旨に基づき、保有する文書を適正に管理しなければならないとしております。このことを踏まえ、4項目お聞きします。  初めに、公文書等の管理の現状についてです。本市の公文書等については、条例、規則などの公示令達文書等と諮問、答申、照会など一般文書を定める公文規程、それらを処理・整理し、管理する文書管理規程に基づき公文書等の管理がされているわけですが、市史の資料や歴史的価値のある資料も含めて管理の現状についてお聞きします。本市が保管している公文書等の全体数と保管の状況、そしてそれはどのような手順で保管し、または廃棄されているのかお聞きします。  2つ目、鶴岡市公文書等の管理に関する条例について。このたびの条例案の背景は、新文化会館建設に関する第三者調査・検証専門委員からの答申で、決裁文書では意思決定の結論を示すのみで結論に至る意思決定の過程を説明できる資料はほとんど存在していなかったということで、こうしたことから昨年の3月定例会において、1つは公文書の適切な管理に向けた監視機能を発揮できる仕組みを検討、2つは市民への説明の在り方、3つは建設工事の契約変更の在り方とともに、今後市長及び執行機関に対して政策形成過程における適切な情報提供を求め、この3点について決議したものであります。このことを受け、本定例会において条例案が示されたわけです。そこで、2点お聞きします。  条例策定に当たっては、公文書管理法や山形県公文書管理条例などを参考にして、外部の有識者からの意見も聞くということでしたが、誰にどのような意見をお聞きしたのか、課題、提言等そのプロセスをお聞きします。  2つ目、このたびの条例策定に当たり、前段で申し上げた背景や教訓を踏まえ、特に配慮した点というのはあるのか、盛り込まれているのかお聞きいたします。  3項目めです。規則、規程等についてです。本条例案の施行期日は、一部を除いては令和3年度施行ということですが、今後予定されている規則並びに規程にはどういうことを規定していくのか、考え方と内容についてお聞きします。  4項目め、公文書館等の考え方と設置についてです。公文書館の設置については、昨年9月定例会での部長答弁もあり、平成29年10月の調査によりますと、市区町村1,721団体のうち97団体、5.6%とのことでした。一方、公文書等の管理条例等の制定の市区町村は、1,605団体のうち条例は12団体、0.7%にとどまっており、規則、規程、要綱等で規定しているのは1,583団体と92%に達しています。また、同じ調査で公文書館の設置の検討をしていない理由として、予算、施設、人材確保が課題となっているようで、全国自治体の共通の悩みでもあるようです。これについても昨年度の定例会で部長から答弁あったとおりであります。しかしながら、過去から受け継いだ行政文書や歴史的資料などは市民の財産としてしっかり保存活用し、そして必要な研究調査を行いながら、新たに築いたものも含め、次世代へしっかり引き継いでいく責任があると思います。  ある県の公文書館長のお話ですが、公文書館は公文書の単なる保管庫という認識が少なからずあり、まずはこういった意識を取り除くことが重要であるとしております。また、正しい公文書管理は地域社会の土台づくりでもあるというふうに言われております。このたびの公文書管理条例を契機に一番に考えなければならないのは、ハード整備の検討や政策の意思決定の過程を残すことは大事ですが、同時に将来に向けての公文書館機能を組織の中でどう共有し、構築していくか、基本からシミュレーションしていくことが重要だと思いますが、お考えをお聞きします。 ◎総務部長(高橋健彦) 公文書等に関する御質問について順次お答え申し上げます。  初めに、1点目、公文書等の管理の現状ということについてお答えいたします。市が保管している公文書の全体数については、現在文書の保管が各施設単位で行われておりまして、各施設に分散して保管されていることや、特に合併前に永年保存とされていた古い文書については目録等が存在しないものも多いことから、現状正確には把握できていないのが実情という状況でございます。  なお、この文書の所管課である総務課では、本庁舎内の各所管課から毎年度おおむね専用の文書保存箱で200箱程度の文書を引き継いで保管しておりますことから、市全体としては文書保存箱に換算いたしまして数千箱程度の文書が保管されているものと見ているところでございます。  文書の保管状況につきましては、先ほど申し上げましたとおり、紙の文書に関しては現在各施設単位で文書の保管を行っておりますことから、原則としてその施設内で保管されているということでございます。ただし、総務課が各課から引き継いだ文書につきましては、本来の保管場所である本庁舎の地下書庫に収まり切らない状況にありますことから、保存期間が長い文書を中心に職員研修会館の地下や地域庁舎の空きスペース、廃校となった校舎等に保管しているものもございます。また、市では平成20年から文書管理システムを導入いたしておりますことから、現在は紙で保管されている公文書のほか、システム上のデータとして保管されている公文書も相当数ございまして、それらが混在している状況というふうになっております。  また、歴史的価値のある資料につきましては、郷土資料館等で5,000件余りが保管されておりますほか、市の例規集に登載される条例や規則の制定や改廃に係る決裁文書、これにつきましては総務課で保管いたしておるというものもございます。  次に、文書の保管・廃棄の作業手順について御説明申し上げます。文書の保管・廃棄につきましては、文書管理規程に従い行っておりまして、収受、または作成した文書は、その種類に応じて1年、3年、5年、10年、または30年間の保存というふうになっております。その保管の手順については、本庁舎の手順を例に申し上げますと、保存期間が3年以下の文書につきましては期間満了まで担当課で保管し、保存期間満了後に各担当課において規定に従い、廃棄を行っております。  一方、保存期間5年以上の文書については、原則として一定期間経過後に各課から総務課へ引き継ぎ、以降は総務課が一括して保管しているということであります。そして、その保存期間満了後は、毎年一定の時期に所管課や郷土資料館の担当者の立ち会いのもと、歴史的価値のある文書を保存文書といたしまして選別し、それ以外のものについては廃棄しております。  2項目めの鶴岡市公文書管理条例についての御質問にお答えいたします。公文書管理条例につきましては、一昨年の新文化会館建設に関する第三者調査・検証専門委員の答申や昨年の市議会3月定例会において、速やかな公文書管理条例の策定に関する決議がなされたことによりまして、今般制定に向けて検討を進め、このたびの提案に至ったということでありますが、先ほど議員から御紹介あったとおりでございます。条例制定に当たっては、まず素案の段階で新文化会館第三者調査・検証専門委員を務めていただき、また山形県の公文書等管理委員会の委員も務めておられます山形大学の和泉田准教授から御助言を頂いたところであります。和泉田先生からは何点か御助言を頂き、公文書管理法や県条例にはない市独自の規定であります、「職員は、この条例の目的を十分認識し、文書の作成、公文書の整理等を適切に行わなければならない」とする公文書管理の原則に関する規定を追加するなど御意見を条例に反映させているところであります。  加えまして、昨年12月には鶴岡市情報公開・個人情報保護審査会において委員から御意見を伺いまして、職員が作成したメモの取扱いや文書のデジタル化などについて御意見を頂いております。いずれの御意見も文書管理の具体的な事項でありましたことから、今後規則や文書管理規程などを策定する際の参考とさせていただくこととしております。  また、条例制定に当たり、特に配慮した点でございますけれども、まず条例のうち公文書管理の原則及び文書の作成に関する部分の規定を先行して施行することとしたと、この点が挙げられます。これは、さきの議会で御答弁申し上げているとおりでございますが、現行の文書管理における最大の課題は文書管理の目的や文書の作成に関する規定がないことと認識しておりますことから、この点を先行して対処するといたしたものでございます。また、文書の管理に関する課題としては、冒頭も申し上げましたが、保管状況の全体像を現状把握できていないという点が挙げられます。条例の施行により各実施機関に簿冊の一覧表である公文書ファイル管理簿の作成が義務づけられますことから、保管されている文書について、簿冊単位ではございますが、その数や保管場所を今後把握できるようになるという予定といたしております。  3点目の規則、規程についてでございますが、今後制定することとなる規則や文書管理規程の考え方と内容というお尋ねでございました。規則及び文書管理規程については、条例に基づき、今後設置する公文書等管理委員会の意見をお聞きいたしまして定めることとする予定でございまして、現時点では確定的なことは申し上げられないところでありますが、規則については条例において規則で定めることと明記している事項、具体的には公文書の整理の方法や公文書ファイル管理簿の記載事項などについて、公文書管理法施行令や山形県の規則に準じて定めることを想定いたしております。また、文書管理規程については山形県の文書管理規程の改正、これを参考に現行の規程を改正いたしまして、管理体制や文書の作成に関する部分の規定を充実させるほか、文書の保管期間について類型ごとに、より詳細に定めることなどを想定いたしております。  4点目でございますが、公文書館等の設置に関する御質問にお答えいたします。公文書館の設置に関しましては、こちらもさきの議会でも御答弁申し上げておりますけれども、施設や設置に関する職員の問題もございまして、現時点では具体の検討は行っておらないところでございます。ただ、公文書管理条例の趣旨の一つであります市民への説明責任の全うのためには、歴史的に重要な文書を適切に保存し、市民の皆様が利用できるようにする必要があると考えております。そして、それを実現するためには、施設としての公文書館を設置するか否かにかかわらず、公文書館機能の構築に向けた検討が必要であると認識いたしておるところでございます。  以上でございます。 ◆19番(佐藤昌哉議員) 再質問いたします。  1点目ですけれども、公文書等の管理については、今部長答弁あったように保管場所がかなり分散されているということは、管理上課題ではあると思います。先ほどの郷土資料館の歴史的資料も含め、増え続ける公文書等の取扱いについて、きっちりこれから取り組むというようなことですけれども、公文書等のデジタル化や保存年限を経過した文書等の廃棄については、全体のシミュレーションとともに明確にルール化をしていく必要があると思います。しかし、こういった一連の事務事業というのは、職員が日常業務の片手間に到底できるものではないと思いますし、体制も含めて本気で考えていく必要があると思いますが、その取組の時期も含めて考えをお聞きしたいと思います。  2つ目、このたびの条例制定の意義は、繰り返しになりますが、その理由は先ほど申し上げたとおりですけれども、しっかりその意思決定過程を説明できる行政文書を残すことということが重要なポイントなわけですけれども、しっかり市民に説明していくために、例えば日常担当職員がメモ的にしている備忘録ですとかメールの文書などを含め、どういう行政文書をそこに残していくのか、この点についてお聞きいたします。 ◎総務部長(高橋健彦) 2点の再質問を頂戴いたしました。  1点目の文書のデジタル化や廃棄のルールについてという点でございます。歴史資料として重要な文書のデジタル化は、郷土資料館においては現在も一部行われております。特定歴史公文書等として保存する文書のデジタル化につきましては、合併前の旧市町村の文書で永年保存とされていた文書等の整理が、これ終わってからの検討となると考えておるところでありますが、並行してデジタル化の研究も進めてまいりたいと考えております。文書のデジタル化も含め、歴史資料として重要な文書の適正管理につきましては、これ専門的な知識を要する事項でもございますので、ただいま議員からも御指摘ありましたとおり、本格的に取り組むには組織体制の強化が必要であることから、総務課内の体制見直しを現在検討いたしております。そして、条例施行後、速やかに各庁舎に保管してある文書で保存期間が既に過ぎているものを調査いたしまして、リスト化する作業を進めてまいりたいと考えております。  文書の廃棄につきましては、これまでも保存期間が満了した文書については文書管理規程に従って廃棄を行っておりまして、今後も規程に基づきまして適切に対処してまいりたいと存じます。また、条例や規則、文書管理規程の施行により、文書管理に関する仕組みが整備されますことから、来年度においてその詳細を検討する際に廃棄の際のルールについても見直しし、明文化を図ってまいりたいと考えているところでございます。  2つ目に、メモ的な備忘録やメール文書についての御質問がございました。まず、個人が作成した備忘録等のメモにつきましては、これ国が作成した行政文書の管理に関するガイドラインというものがございまして、これによりますと一般的には行政文書に当たらないとしながらも、当該メモに行政機関における法律立案の基礎となった国政上の重要な事項に係る意思決定が記録されている場合などについては行政文書として適切に保存すべきであると、このようにされており、本市においてもこれに倣って同様に判断したいと考えております。このような重要な事項は、本来は個人のメモにとどめるようなものではなく、きちんと資料や会議録といった文書を作成し、組織として共有、保管すべきものでありますので、まずはそのように取り扱うよう、マニュアルや研修を通じまして職員に周知してまいりたいと考えております。その上で、なお重要事項が記載された文書が個人のメモしかないというような事態が発生してしまった場合は、国と同様、当該メモを公文書として保存することになると、このように考えております。  電子メールにつきましては、その内容が特定の職員への連絡等にとどまるものである限りは、個人が作成したメモと同様、公文書には当たらないと解します。一方、その内容が組織的に共有すべきものである場合は、議員御指摘のとおり公文書に当たるものでありますので、紙の文書と同様に処理し、適切に管理、保存することとなると考えているところでございます。 ◆19番(佐藤昌哉議員) 行政文書は日常業務で発生するものであって、何を文書として作成し、それをいつまで保存するかというのは、公文書管理の問題だけではなくて、行政活動の正当性とか妥当性にも関わってくると思います。そして、行政文書はそもそも行政側の説明責任を果たすために、情報公開法でもさっきあったように定義されてきたということもあって、情報公開条例とも密接に関わっている、リンクしているということも言えると思います。そういう意味では、今回の条例案とともに、これに基づく規則や規程の運用面の実践面といいますか、そういったことが極めて重要になってくるものと思います。  本市では、答弁にあったように膨大な行政資料や歴史的な資料があります。答弁にあったように今後は体制も見直しながら、リストアップに取りかかるというようなこともありまして、一歩踏み出せたことは大変よかったなというふうに思っております。条例の制定は、先ほど申し上げたように29年度で全国で12団体しかないということで、あれから2年経過しているわけですけども、まず20番以内には入っているのかなということで、先進事例として鶴岡市に視察に来る可能性もあるかと思います。そういった面で、きっちりそういった公文書等の管理については構築していただきますようにお願い申し上げ、今後のさらなる取組に期待をして質問を終わります。  以上です。   小野寺 佳 克 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 25番小野寺佳克議員。   (25番 小野寺佳克議員 登壇) ◆25番(小野寺佳克議員) それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  まずは庄内空港の拡充・利用促進についてでありますが、この件につきましては総括質問、それから昨日の一般質問と重なる部分もございますが、よろしくお願いしたいと思います。  庄内地域の発展、地域の活性化に重要な高速交通ネットワークである庄内空港の利便性の向上、整備拡充、利用促進は本市の最重点要望事項であるとともに、全庄内共通の課題であり、これらの進展は庄内地域の発展のみならず、山形県全体の発展に寄与するものと考えております。そのような観点から、このたびの羽田発着枠政策コンテストへの応募は、庄内羽田線の5便化の実現に向け、千載一遇のチャンスであり、5便化が実現すれば年間利用者数50万人に限りなく近くなり、滑走路2,500メーター化の要望実現につながる大きな意味合いのものであります。しかしながら、県は庄内羽田線の政策コンテスト応募を見送りました。このことで、ちまたでは増便も滑走路も、そして新幹線も全部山形になってしまうのではないかとの声も上がっております。私は、県は山形県全体の発展につながる庄内羽田線の増便についての検討をどのくらい行ったのか甚だ疑問でありますし、県が庄内全体の悲願に寄り添う姿勢はないと感じております。応募見送りまでの判断に至るプロセスを含めて甚だ遺憾であり、いまだ納得がいきません。初めから山形羽田線のみの応募ありきで意図的、作為的に進められたものと受け止めざるを得ません。そう感じるのは私だけではないでしょう。加えて庄内開発協議会会長、庄内空港利用振興協議会会長である皆川市長のリーダーシップ、行動についても甚だ疑問に思っていたところでありますが、昨日までの答弁にあるよう、あくまでも県と航空事業者が主体として申請するもので、単に地域からの要望活動で実現するものではないとする答弁に、13番議員同様に受け止めていると同時に、やはりこれは政治でありますので、地域の強い要望と力強い活動がなければ実現しないものと思っております。そこで、以下の点について伺います。  1つ目、初めに今年度の政策コンテストに係るこれまでの経緯と経過について、担当部局の動き、庄内開発協での協議、県とのやり取り、全日空とのやり取りなども含めお伺いをいたします。  また、全日空は政策コンテスト応募のための共同提案に前向きな考えを示し、昨年10月頃から県と地元で議論してほしいと県に打診していたと聞いております。今回の見送りの理由を県は、全日空はジェットスター・ジャパンの安定運航に支障が出る可能性を払拭できないなどとして、総合的に判断して県との共同提案を見送るとの連絡を頂いたとしております。全日空は、県に最終的な判断を求めたが、明確な回答がなく、県は立候補する意思がないとしか考えられないと判断すると伝えたとしており、県の理由の報道に対し、明確に事実とは異なり、そうした趣旨の発言はしていないと県に対し抗議したとの報道がありました。双方の言い分は異なりますが、真実はどうだったのか伺います。  2つ目として、応募見送りの理由にLCC、ジェットスター・ジャパンとの競合が懸念されることが挙げられました。そこで、ジェットスター・ジャパン、全日空、それぞれの利用状況と利用客層などの特性について伺います。  3つ目、県は山形羽田便2往復運航継続に関して、日本航空と共同提案するべく事前に協議に入っていたようですが、私は山形新幹線などほかの高速交通が充実している中で、山形羽田線ありきには疑問を持っております。山形羽田便の利用状況、機体の種類や搭乗人数、東京駅までの所要時間を伺います。また、山形新幹線の運行状況、利用状況、東京駅までの所要時間を伺います。  4つ目、羽田発着枠を割り振る政策コンテストの制度は2014年から始まり、山形羽田線の2往復化がこの年から配分され、延長もあり、これまで継続していると認識しております。その間山形空港利用促進策に対する県の補助金も多くあったと記憶しております。その内訳について、庄内空港に対する補助金と併せてお伺いします。  5つ目は、県は山形空港、庄内空港の滑走路2,500メーター化について、どちらを優先するかの検討のため、2020年度も調査費を計上しております。このことに大きく寄与するのが今回の政策コンテストの応募による増便とチャーター便の就航なのではないかと危惧をしております。チャーター便の運航状況、利用者数の内訳についてお伺いします。  6つ目、滑走路延長に加え、滑走路端安全区域、RESAと略しますけれども、この拡張も課題の一つであります。このRESAについては今年度より調査が始まり、2025年完成の予定と聞いております。進捗状況と今後のスケジュールについてお伺いします。 ◎企画部長(阿部真一) 議員から6点にわたる御質問いただきました。るる御説明申し上げます。  最初に、政策コンテストに関わる経過等についてお答え申し上げます。このことにつきましては、26番議員と13番議員にお答えしており、繰り返しとなりますが、昨年12月18日に国への提案募集が開始されました。このことを受け、県に対しましてコンテストの詳細について説明を求めたところでございます。1月7日に2市3町の首長に対してコンテストの概要や全日空側の意向、そしてそれらを踏まえた県の考え方が示され、1月10日に庄内開発協議会で県への要望活動を行うことを決めました。当初20日に要望書を提出する予定でありましたが、日程の変更があり、30日に全日空との共同提案として政策コンテストに応募するよう、知事宛ての要望書を副知事に提出いたしました。  その後、31日には全日空本社ネットワーク部担当者同席のもと、庄内空港利用振興協議会の実務者レベルでの打合せを行い、2月6日はその実務者、そして2月10日は2市3町の首長に対しまして、県として応募しない旨の報告がなされたものでございます。その理由といたしましては、さきに申し上げましたとおり、全日空側の総合的な判断による応募の見送りの連絡があったことと、庄内成田便への影響を懸念して県として総合的に判断したものと承知しております。  また、全日空と県の言い分が異なるということにつきましては、御質問いただきましたが、2月7日に全日空本社に伺った際に幹部の方からお話をお聞きしたところでは、当日発刊の山形新聞の内容は、全日空の認識と違う旨の説明を受けました。記事では全日空が断念とありましたが、全日空は自治体からの打診を待つような立場とのことであり、県と全日空側でやや認識のずれがあると感じたところであります。  そのため、2月10日の県担当者による2市3町の首長を対象にした県の判断説明の中で、鶴岡市長が両者の認識が異なるということは、今後も要望活動を行っていく地元としては困ることなので、適切な説明に努めてほしい旨県に対し申入れをしたところでございます。いずれにせよ、羽田5便化に向けては、県、全日空、そして地元である庄内地域がなお緊密に連携し、取り組んでいくことが重要と考えております。  続きまして、JJP、全日空、それぞれの利用状況と利用客層などの特性について御答弁申し上げます。全日空の調査によりますと、全国的に30代から50代が約7割を占め、男性の比率が高いと伺っておりますが、国土交通省の平成29年度航空旅客動態調査によりますと、庄内便では平日は7割がビジネスでの利用、休日では約6割が観光での利用となっております。ジェットスター・ジャパンは、全国的には比較的に若い女性の方が多く、その利用方法はレジャーが主な目的と伺っておりますが、庄内便を見ますと性別では男性の割合が僅かに高く、比較的シニア層の利用が多い傾向にあるようです。  次に、山形羽田便と山形新幹線の状況についてであります。山形羽田便1日2往復の利用状況についてでありますが、令和元年の利用者数は10万6,997人、搭乗率は78.7%であり、使用機体はエンブラエル170型機で座席数は76席となっております。そして、山形空港から東京駅までの所要時間は約2時間30分であります。また、山形新幹線についてでありますが、1日16本が運行し、山形駅から東京駅の所要時間は約2時間40分であります。山形新幹線の年間の平均乗車率は公表されておりませんが、2018年の山形新幹線を含む奥羽本線、山形―福島間の1日の平均通過人数は1万256人であり、1日の乗車定数1万2,864席から算出した平均乗車率は約80%であります。  続きまして、山形空港と庄内空港への負担金の違いでありますが、県の通常負担金につきましては、山形空港利用拡大推進協議会への負担金は平成26年度は2,500万円でありましたが、平成28年度から現在までは1,500万円となっております。一方、庄内空港利用振興協議会の負担金は平成26年度は350万円、平成28年度から3年間利用拡大分として656万円が増額され、各年度では合計で1,006万円となっております。今年度からは、ジェットスターの就航によりまして利用拡大分が1,000万円に増額され、合計で1,350万円となっております。そのほか特別な事情による負担金といたしましては、山形空港では政策コンテストにて1便が増便された際に、地方航空路線活性化プログラム特別会計として、平成26年度から平成28年度までの3年間で合計で1億6,626万円、山形名古屋便の就航に伴い、平成28年度から地方創生推進交付金として令和元年度までの5年間で計2億5,000万円、また航空会社と地域が互いに赤字を共有する制度の負担金として令和元年度は575万円が予算化されております。ただし、ただいまの赤字を共有する制度につきましては、目標搭乗率であります72%を下回ったことがないため、これまで支出はされていないと伺っております。  一方、庄内空港では今年度よりジェットスター・ジャパンの就航に伴い、地方創生推進交付金を活用し、県は5,113万円を負担する計画となっており、令和3年度までの3年間で合計で1億2,951万円となります。これ以外に山形空港や庄内空港に新規路線が就航した際は、カウンター設置などハード面での支援が航空会社に対して行われておりますし、このほか県からの直接工事や補助、委託される事業などもあり、単純な比較は難しいところでありますが、今年度のそれぞれの協議会への県の負担金総額は山形空港が5,362万円、それに対して庄内空港が6,662万円となっております。  なお、山形空港ではこれ以外に、いせでわDMO推進委員会への委託料が3,000万円あり、先ほどの5,362万円と合わせますと8,362万円となります。  次に、チャーター便の状況でございますが、令和元年度のチャーター便は252便運航し、うち山形空港が220便、利用者は約1万5,000人であり、庄内空港は32便、約2,200人の利用でありました。また、令和2年度の4月から9月までの台湾チャーター便は、当初山形空港に60便が計画されておりましたが、新型コロナウイルスの影響で24便が見合わせとなり、36便となっております。  RESA、滑走路端安全区域整備に関しましては、県から今年度用地の調査、測量を実施し、令和2年度に用地買収を行い、事業完了を令和7年度と伺っているところでございます。  以上でございます。 ◆25番(小野寺佳克議員) るる説明を頂きました。県と全日空との理由の話ですけれども、市長も食い違いがあるのは困るということで適切な説明をという求めもしたということでありますが、これについては何か本当に残念なことだと私も思っております。事実がねじ曲げられたような報道であったもんですから、非常に悔しい思いをしているところであります。そういった意味では、市長のほうからも今後ともしっかり求めていっていただきたいなというふうなことを思っております。  それから、LCC、ジェットスター・ジャパンとの競合の話ですけれども、いわゆる全日空便はビジネス利用だと、先ほど土日は観光が多いというお話もいただきました。ジェットスター・ジャパンは、観光が多いというようなことだったと受け止めております。若者あるいはシニア層だということであります。そういったことから、時間帯によっては影響がないということではないかもしれませんが、それほど大きいものではないのかなというふうに私としては受け止めておりますが、ちょっと1点確認したいんですけれども、県が懸念を払拭する材料を求めておったと思うんですが、新聞の報道によりますと、1月31日の実務者の会合というんですか、会議のときに払拭する材料の提出を求めたというような報道がありました。その受け止めでよろしかったでしょうか。 ◎企画部長(阿部真一) 1月31日は、庄内空港利用振興協議会の実務者が集まって、県の担当者、それから先ほど申し上げたとおり全日空の本部からもいらっしゃって、そのもとに会議が開かれました。そのとき県のほうからは、やはりJJPの懸念というものは表明されておりました。 ◆25番(小野寺佳克議員) その時点では締切りまで、2月14ですので、2週間しかないという非常にタイトな日程だったんです。その時点で求めたとすれば、これは非常にあまりにも無謀であるというふうに受け止めざるを得ないと思っております。市長言われるように、単に地元の要望でなるものではないということであれば、この制度はもとより県に主体性があるわけでありますので、県が主体となってそのことについて検討を重ねてくるべきであったというふうに私は思うわけでありまして、県の責任逃れとも受け止められるんではないかなというふうにも考えが及ぶわけであります。  3つ目の山形羽田便と、それから山形新幹線の関係ですけれども、増便によりまして機体がたしか大型化したこともあったのかもしれませんが、もともと76席の機体であるということの中で、果たして増便の効果がどのぐらいというのはちょっと加えて疑問に思います。また、新幹線との比較でありますけれども、東京駅までは航空便で山形羽田便を使って2時間30分、それから山形新幹線では2時間40分程度、それから新幹線のほうは1日16便走っております。ちょっと私も調べたんですが、山形発着で16便、新庄まで行く新幹線だと10本ぐらいということでありました。また、山形発着に加えて、恐らく山形空港であれば東根でありますので、さくらんぼ東根まで、山形駅から15分から20分プラスでかかるということでありますが、加えて新幹線の乗車率80%という内容でありますので、全く空きがないということでもないということでありますので、新幹線を活用、利用する余裕はまだまだあるんだろうなというふうに思います。飛行機の利用となると手荷物検査や、あるいは預けた荷物の受け取り、それから羽田空港から目的地までの移動時間もかかりますので、どちらかというと新幹線のほうが気軽に、あるいは手軽に活用できるのかなという思いもあるものですから、山形羽田便にどのぐらいの優位性があったのかなということも今でも疑問に感じておる次第であります。  次の各山形、それから庄内の補助金のお話ですけれども、いろいろ数字出てきたもんですから、合計で、じゃ幾らなのかということもちょっと今すぐは出ませんけれども、思っていたほど大差はないのかなというふうなことも思いますし、しかしながら山形空港の場合は羽田線のみならず、名古屋だったり大阪、それから札幌というようなこともありますので、そういった意味も含めて多いのかなという感じはした次第であります。  それから、2,500メーター化につながる部分でまた申し上げますと、年間増便すると、山形空港の政策コンテストのこれまでの目標値なども見ておりますと、やはりかなりの利用がされるのではないかなというふうにも感じておりますが、加えてチャーター便、令和元年は山形220便、庄内32便と。利用数でいきますと1万5,000人、庄内は2,100人ですか、2,000人ですかというようなことで、令和2年度はコロナウイルスのことがありますので、あまり例にはならないのかなと思いますが、このように増便については庄内空港は当面望めなくなりましたので、チャーター便の数も大きくこのように差があることから、令和2年度はどうか分りませんが、コロナウイルスが収まれば、また大きく差がついていくのかなというふうにも感じるところです。非常に危機感を覚えております。  それから、滑走路の安全区域、RESAについて、令和2年度が用地買収、それから令和7年完成予定だということで、こちらのほうはしっかり取組を進めていただきたいなというふうに思っております。  そこで、質問させていただきますが、国土交通省の羽田発着枠政策コンテストの評価等に関する懇談会、こちらにおいて昨年の9月2日には発着枠をこれまでの3枠から5枠にするということが示されておりました。それを受けて12月の応募開始となったと思いますが、応募開始から締切りまでは年末年始を挟みまして窮屈なスケジュールというのは見当がついていたんではないかなと思います。担当部局に対しまして、政策コンテスト応募についてどのような指示をしておられたのか伺います。これ市長に対しての質問です。  また、一連の動きや県との会合、要望会での発言等に対しまして、参加者の感想を聞くにつけ、どのくらい本気で考えておられたのか甚だ疑問に感じております。意図的不作為ではないかというふうにも感じておりますので、皆川市長の臨む姿勢、意気込みはどうであったのか伺いたいと思います。 ◎市長(皆川治) 今御質問いただきました担当部局に対する指示についてでございますけれども、羽田発着枠政策コンテストにつきましては、県などの地方自治体と航空会社が共同で実施をする需要開拓や運航コスト削減のための施策などに関し、優れた提案を行った路線に対し、発着枠が付与される制度でございます。応募について、県と全日空が評価基準を踏まえた具体的な政策、申請内容を協議し、調整して行われるものでございます。そのため、県においてどのような検討状況になっているのか情報収集をするとともに、庄内空港利用振興協議会の会長として、2市3町の首長に対し、県はどのような検討状況であるか説明を行うように指示もしております。  市長の意気込みについてということもございましたが、1月7日に県のほうから説明を受けまして、1月10日に要望活動に取り組むことといたしまして、当初20日に要望書の提出であったわけでございますが、日程が30日に変更になりまして、その際庄内地域の首長や議会の代表、また商工会議所の代表などとともに要望活動を行いまして、私のほうからもその必要性をしっかり訴えさせていただいたところでございます。 ◆25番(小野寺佳克議員) この件で昨日、政治は結果であるというお話もありましたように、開発協の会長、それから利用振興協議会会長、私どもの首長ということでございますので、ある意味なりふり構わず、10月ぐらいの早い段階で地域の思いと熱意をこのことの決定権者に伝え、掛け合うべきだったんではないかなというふうに思うところであります。そうすることで早くから懸念材料についても把握することができたと思いますし、検討する余裕もあったんではないかというふうに思います。また、熱意が伝わって、違った結果になったのではないかなと。これは、なるかならないか分かりませんが、残念でなりません。  次に行きます。これ最後になりますけれども、市長提案にも羽田5便化や利用促進と利便性向上に取り組むということで冒頭説明がありました。今回の見送りで今後は全日空に対し、5便化を求めるのは難しくなったとの前庄内開発協議会の会長であります丸山酒田市長のコメントもありました。羽田便5便化やLCCの利用促進、それからチャーター便誘致など運航拡充や利用促進、滑走路2,500メーターへの延長をはじめ、施設整備の拡充についてどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎企画部長(阿部真一) 今後の対応につきましてお答え申し上げます。  26番議員、それから13番議員の説明と重複いたしますけども、増便、滑走路延長などの庄内空港の機能拡充を図るためには、平成17年度から継続して行っている5便化の要望を県、全日空に対し粘り強く行うとともに、成田空港とつながったジェットスターの搭乗者数を確保、定着すること、それからチャーター便の誘致などインバウンドの取り込みを含め、利用者の拡大を図っていくことは大変重要であると考えております。県知事からは、県議会2月定例会本会議におきまして、羽田発着枠の今後の見通しや庄内成田便の状況も注視しながら、次期政策コンテストへの提案も見据え、庄内空港が地方創生に果たす役割も十分に踏まえ、地元の皆様とともに庄内空港の活性化に取り組んでいく旨の答弁があったと承知しております。県知事からは、次期コンテストへの提案も見据えとのお話があったことから、これがさらに前向きな取組となるよう私どもも確認していきたいと存じます。今後とも県はじめ関係機関と連携して庄内空港利用振興協議会が掲げる諸施策に取り組み、利用実績を着実に積み重ね、庄内空港の増便などの運航拡充、滑走路延長等について引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◆25番(小野寺佳克議員) ありがとうございます。今のお話で、知事は次期の政策コンテストを見据えてとの県議会での答弁もあったということで、これについては非常に期待をするところであります。  しかし、昨年11月の羽田発着枠政策コンテストの評価等に関する懇談会、こちらでは配分期間の見直しについて話が出ておりました。当初の2年間を3年間とし、その間の取組の評価によって2年また延長すると、そういった意見が出されておりました。これまでの経過と山形空港のこれまでの評価を鑑みれば、当然今後2年間延長して5年間となるのではないかなというふうに感じております。そういった意味から見据える期間は5年間になるんだなというふうに受け止める次第でありますが、やはりまさに千載一遇のチャンスを逃したツケは大きいのかなというふうに感じております。  また、RESAの完成時期と今回の政策コンテストの配分期間が終了する5年間、この時期と同じ時期になるんではないかなというふうに感じております。そこでちょっと危惧するのは、滑走路延長の調査、検討の材料にRESAの拡張整備が取り上げられるのではないかなというふうにちょっと心配をしております。機能的に違いますから、そんなことはないんだろうなということを信じたいわけですが、そんなことも頭に浮かんでくるもんですから、ちょっと心配であります。部長から今答弁ありましたように、施設の利便性や拡充、それから滑走路の延長の取組を庄内一丸となって取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、この質問を終わります。  次に、国土強靭化地域計画について伺います。阪神・淡路大震災、東日本大震災や各地の地震、津波、台風や豪雨災害、また社会活動や経済活動、人間の暮らし方などに起因する地球温暖化と思われる気候変動など、大自然の力には到底及ばないかもしれませんが、大規模自然災害に備え、可能な限り手を施し、防災・減災に努めることが今の私たちにできることではないかというふうに思っております。政府は、このような大規模自然災害からとにかく人命を守り、また経済社会への被害が致命的なものにならず、迅速に回復する強さとしなやかさを備えた国土経済社会システムを平時から構築するという発想に基づき、継続的に取り組むことが重要であると述べております。このようなことから、国土強靱化基本法に基づき本市においても国土強靱化地域計画の策定に取り組んでおりますが、計画策定の目的、経緯、経過について伺います。  2つ目は、各自治体が地域計画を策定し、国土全体が早期に強靭化していくことが求められているのだと思います。市民の命と財産を守り、地域の経済活動を最大限に継続可能とするために、インフラの整備強化を地域計画に盛り込むことによる国によるインセンティブもあると聞いておりますが、どのようなメリット、優位性があるのか伺います。  次に、昨年6月に発生した本県沖の地震においては津波警報も出され、避難を余儀なくされました。緊急避難路の整備についても促進していく必要があると考えておりますが、中でも本市には830を超える橋梁があり、緊急避難路や重要物流道路へのアクセスなど重要な役割を果たすものと認識しております。しかしながら、本市の橋梁の多くは1980年代までに造られたものが多く、今後は老朽化が進むと予想されます。橋梁の崩壊は、避難や物流において致命的な惨事になりかねないことから、平時からの点検、修繕、補強等の長寿命化あるいは架け替えなどの整備を財政負担の面からも計画的に行う必要があると思っております。そのようなことから、本市は平成25年3月に橋梁長寿命化修繕計画を策定し、平成30年度まで実施した点検結果により計画の更新をしておりますが、その進捗状況を伺います。  また、計画推進にあっては、長期的コスト縮減や予算の平準化が求められると同時に財政的課題が大きいと思われます。課題解決のための取組について伺います。 ◎市民部長(渡会悟) それでは、私から鶴岡市国土強靱化地域計画についてお答えさせていただきます。  初めに、本市計画の目的、経緯、経過についてであります。東日本大震災を教訓に大規模災害に備えた防災・減災などに資する国土強靱化基本法に基づき、国では平成25年12月に国土強靱化基本計画を、山形県では28年3月に地域計画を策定しております。しかし、これ以降も一昨年の西日本豪雨、昨年の台風19号など昨今多発する大規模自然災害を受け、内閣府では災害に対応できるインフラ整備や災害の情報伝達システム、災害ハザードマップの整備などを加速していくことが求められるとして、全国の基礎自治体に対し、国土強靱化地域計画の策定を国土強靱化基本法第13条に基づき推進しているものであります。本市においても想定される大規模自然災害から市民の生命と財産を守り、安全で安心して暮らせる国土整備のため、国及び県、事業所など関係機関と連携した本市における国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として策定することとしたものであります。本計画では、平成25年度に発生した京田川や藤島川の河川氾濫に対応した河川改修事業や朝日地域での地滑り防止対策事業、さらに自然災害発生時においても経済活動が滞らないサプライチェーン確保に必要な日本海沿岸東北自動車道などの高速交通網の整備推進など関連機関との連携、総合的な視点からの施策展開について記載しているものであります。  本計画では、山形県計画に設定されている人命の保護が最大限図られること、市及び地域社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること、市民の財産及び公共施設に係る被害の最小限化、迅速な復旧、復興、この4つの基本目標に加え、基礎自治体である本市では災害発生時において町内会、自治会等の自治組織や自主防災組織、民生委員・児童委員、消防団の役割が大変重要であるとして、地域コミュニティ機能が維持されることも基本目標として強靱化に向けた施策推進方針にもつなげております。  次に、計画策定の経緯といたしましては、国では平成25年の法施行後、全ての都道府県で地域計画策定が完了している一方、基礎自治体での策定が進んでおらず、また先ほど申し上げた自然災害頻発化、激甚化に対応するため、市町村にも早期の計画策定を促すこととされたものです。これにより令和2年度からは、国土交通省や農林水産省、総務省などの各省庁の国土強靱化に係る国庫補助金や交付金が国土強靱化地域計画に位置づけられた事業について重点配分や優先採択がなされ、令和3年度からは補助メニューによっては事業採択の要件化、いわゆる国土強靱化地域計画の記載事業でないと補助金適用にならないという方針が示されております。本市といたしましても頻発化・激甚化する自然災害、これに対する国の方針を踏まえ、令和2年度から6年度までの5か年計画として国土強靱化地域計画を策定することとしたものであります。  策定の経過といたしましては、これまで庁内の関係課による作業部会、学識経験者と県関係者をオブザーバーとし、部長級以上の職員をメンバーとした推進会議で検討、協議、計画案の作成を進め、2月21日には議員の皆様に計画案を説明させていただいております。現在パブリックコメントを3月12日までの2週間実施しており、頂いた御意見等を踏まえ、必要な修正の後、本年度中に計画を決定させ、公表してまいりたいと存じます。  次に、インフラの整備強化事業を地域計画に位置づけることによるメリットや優位性についてお答えいたします。先ほど申し上げましたように、国土強靱化関係予算について、国土強靱化地域計画に位置づけられたインフラの整備や強化事業などに対し、令和2年度からは重点配分、優先採択等の重点化を行うことにより支援の拡充を図るとされております。令和2年度の国土強靱化関係予算では、国土交通省や農林水産省、総務省などの9府省庁所管の46の交付金、補助金のうち7府省庁の27の交付金、補助金が国土強靱化地域計画に基づき実施される取組などに対し、予算の重点配分や優先採択などの重点化の対象とされております。本市地域計画にも現在本市が取り組んでおります道路改良事業、橋梁長寿命化修繕事業、治山災害復旧対策事業、さらには避難所強化事業に活用する社会資本整備総合交付金事業及び防災・安全交付金事業、農山漁村振興資金事業など本市における国土強靱化につながる事業を位置づけるなど、今後の事業実施に当たり有利な交付金、補助金が優先的に確保されるよう対応しております。なお、事業の進捗に合わせ、当初計画に位置づけられていない事業につきましては、随時計画の見直しを進め、対応してまいります。  いずれにいたしましても、本市といたしましてもこれまで重要事業要望に上げている国や県の事業の計画に加え、さらに市の主要事業が総合的かつ効果的に実施されるよう策定する本市国土強靱化地域計画を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎建設部長(増田亨) 次に、橋梁長寿命化修繕計画における進捗状況についてお答えをいたします。  議員御案内のとおり、本市の橋梁長寿命化修繕計画は平成25年3月に策定し、その後の平成26年3月に道路法施行規則の改正によりまして、トンネルや橋梁などの道路構造につきましては5年に1度の近接目視点検が義務づけられ、昨年度までに市が管理する834橋全てについて1巡目の近接目視による点検診断が完了したところでございます。また、その点検結果を受けまして、平成31年3月に橋梁長寿命化修繕計画の更新をしております。点検結果につきましては、国が定める統一された基準によりまして、橋梁の状態に応じ、4つに区分しておりまして、1巡目に実施した点検結果といたしましては、健全とされる判定1の橋梁が527橋で全体の63%、軽微な損傷が確認され、予防保全段階の判定2の橋梁が233橋で全体の28%、そして早期に措置を講ずべきと判断された判定3の橋梁が73橋で全体の9%、そして緊急的な措置が必要と判断された判定4の橋梁が1橋で全体の0.1%となっております。  なお、これまでの橋梁の修繕などの対応状況につきましては、平成25年3月に策定しました橋梁長寿命化修繕計画に基づき実施してきており、緊急的な措置が必要と判断された25年3月の時点で判定が4の18橋については、通行止め1橋、修繕2橋、架け替え7橋、撤去2橋の12橋の措置を行っておりまして、残りの6橋につきましては新たな判定のもと、更新した橋梁長寿命化修繕計画の中で対応することとしております。  次に、橋梁長寿命化修繕計画における長期的コスト縮減や予算の平準化などの課題解決の取組についてお答えをいたします。橋梁長寿命化修繕計画は、損傷が深刻化してから大規模な修繕を行う対症療法型の維持管理から損傷が軽微なうちに計画的な修繕を行う予防保全型に転換させていくことで長期的な事業費の縮減を図るとともに、橋梁の立地条件や損傷状況によりまして修繕の優先度を決め、計画的な維持管理を行うことで事業費の平準化を図っていくものでございます。本市では、平成31年3月に更新を行った橋梁長寿命化修繕計画を進めるために、まずは今後早期措置が必要な判定3の橋梁61橋を予防保全段階の判定にまで健全度を改善することとしており、その費用といたしまして約25億円と約7年の期間を要すると試算をしております。こうした中、財源の確保につきましては、道路施設の老朽化対策を推進する国の補助制度を積極的に活用しているところでございますが、今後国の施策として、先ほど市民部長も申し上げましたように、各自治体で策定する国土強靱化地域計画に明記された事業に対し、補助金が重点的に配分されるとの情報もございますので、より有利な制度を活用し、一層の財源確保に努め、橋梁長寿命化修繕計画の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆25番(小野寺佳克議員) るる説明いただきましてありがとうございます。まず1つ、この地域計画に盛り込むことによって補助金、交付金などの重点配分や優先的な採択ということのようでありますから、ここについては漏れなくしっかり対応いただきたいというふうに思いますし、また生命と財産を守るという観点からハード面のみならず、ソフト面の強化についても重要になってくると思います。その意味で、この地域計画の基本理念に地域コミュニティの組織強化、体制整備ということで冒頭部長からもお話しありましたが、こういったことが挙げられておりますので、そういったことも、ソフト面についても今後の取組を期待をしております。  以上申し上げて、質問を終わります。   菅 原 一 浩 議員質問 ○議長(本間新兵衛議員) 17番菅原一浩議員。   (17番 菅原一浩議員 登壇) ◆17番(菅原一浩議員) 通告に従いまして、一問一答方式により順次質問をさせていただきます。  まずは、通告をしておりました庄内空港の利便性向上に向けてでありますが、今議会におきまして総括質問及び一般質問合わせて3名という多くの質問者に対する答弁により、経過、事実関係や方向性については理解をいたしましたので、質問については割愛をいたしますが、やはり今般の羽田発着枠政策コンテストについては、総括質問等におきましても皆川市長も残念と表現をしておられましたが、非常に残念な結果となってしまいました。当地域といたしましては、今回土俵にすら上がれなかった経緯も踏まえ、今後の庄内空港の利便性の向上、また5便化に向けました活動を切れ目なく展開をしなければなりません。その上で発着枠の配分見直しや政策コンテスト開催の基礎となりました、昨年1月から国土交通省交通政策審議会の航空分科会に設けられました羽田発着枠配分基準検討小委員会での議論、報告書等を十分分析をしていただきまして、今後の活動の土台としていただければと考えます。この報告書や議論など拝見をいたしますと、随所に羽田空港の国内線発着枠の希少性という表現が見られまして、混雑空港に位置づけられる羽田空港における増枠確保がいかに困難なことであるかが実感できます。今回の政策コンテストがまさに千載一遇のチャンスであったということが実感をできるわけであります。今回の市議会でも本制度は地元の要望だけでどうにかなるものではないという答弁も頂きました。まさにそのとおりなのであります。ただし、最低限地元の熱意がなければ今回の二の舞となるのかと思っております。今後は、より一層地元の熱意が伝わります効果的な要望活動の展開を期待をいたしまして、次に移らさせていただきたいと思います。  中高一貫校につきまして質問をさせていただきます。山形県教育委員会は、昨年の12月17日に鶴岡南高と北高を統合し、県立中学校を併設いたします中高一貫校について、2024年、令和6年の4月開校に向けたスケジュールを県議会に報告したとのことでありました。これまでは2024年度以降、できるだけ早い時期としておりましたけれども、県教委によります最も早い開校方針は、早期開校を要望していた本市にとって大変喜ばしいことであると考えております。一方で、当初予定よりも約1年2か月遅れで計画決定をした経緯があり、非常に限られた期間での具体的整備計画が求められていると考えられます。そこで、4点について伺います。  1点目といたしまして、開校スケジュールと基本コンセプト等について確認をいたします。  2点目に、開校に向けました具体的な整備を検討する組織について確認をいたしますとともに、本市の関係機関の参加状況、そして役割について伺います。  3点目には、計画によりますと、開校時、中学校は1年生のみ、高校は1年生が新制度下での入学となり、2年生、3年生は鶴南、鶴北それぞれでの入学者となりまして、開校3年目にして新制度への完全移行となるわけでありますが、その間の教育面での課題をどう捉えているのか伺います。また、各校舎の整備計画についても併せて伺います。  4点目といたしまして、本市の中学校空白区となります中心市街地に県立の中高一貫校が整備されることによります本市の既存中学校に対する影響について伺います。  答弁により再質問させていただきます。 ◎教育長(布川敦) 初めに、開校までの主なスケジュールにつきましてお答えいたします。  昨年3月に田川地区の県立高校再編整備計画、第2次計画が県の教育委員会において正式に決定されまして、庄内中高一貫校、まだ仮称でございますが、本市に設置されることになりました。昨年7月、教育基本計画策定委員会が設置されまして、議員御案内のとおり、昨年12月に本市でも要望していた令和6年度の開校に向けたスケジュールが県議会に報告されたものであります。教育基本計画につきましては、来年度7月の策定を目途とし、その後令和2年9月から令和4年3月までに開校整備委員会を、それから令和4年4月から令和6年3月までに開校準備委員会を設置しまして、令和6年度の開校を目指す計画となっております。  次に、基本のコンセプトでございますが、現在行われている策定委員会におきましては、基本理念や育てる生徒像、目指す学校像等が話し合われておりまして、そのほかにも教育課程に関わりまして特色ある内容をどうするか、入学定員の考え方等が協議されてまいりました。中でも基本理念につきましては、複雑で予測困難な社会からの求めに対し、未来を担う子供たちに必要となる資質、能力の観点から検討が重ねられております。また、併設型中学校の入学定員数につきましては、平成31年3月に示されました田川地区の県立高校再編整備計画に記載のとおり、2から3学級、66人から99人の範囲内で話し合われている状況でございます。  次に、開校に向けた具体的な整備を検討する組織及び本市関係機関の参加状況と役割についてお答えいたします。現在進行中の教育基本計画策定委員会につきましては、本市からは副市長、教育長、本市の関係機関からは山形大学農学部副学部長、田川地区中学校長会長、それから県立鶴岡南高等学校長、それから県立鶴岡北高等学校長が参加し、ほかにも庄内地域の関係機関からは飽海地区の中学校長会の会長、それから教育事務所長も委員として参加しております。また、教育基本計画の原案を検討する作業部会というのがありまして、総括として部会長に県立鶴岡南高等学校長、それから副部会長に県立鶴岡北高等学校長、教育計画班及び施設整備班のそれぞれに本市の指導主事が1名ずつ参加しております。  次に、開校3年目にして新年度への完全移行となる間の教育面での課題についてお答えいたします。まず、モデルとなっております県立東桜学館中学校・高等学校について、併設型中学校では開校年度に選抜された1年生のみが入学し、教職員定数については3年間をかけて順次そろっていくことになりますが、高校の教員も合わせた形で支援していく体制を整え、部活動については中高合同で行うなどの手だてや工夫があったと伺っております。また、併設型高校では、開校年度に選抜されて入学してきた1年生と県立楯岡高等学校に在学していた2年生、3年生が一緒になったわけですが、在学していた県立楯岡高等学校では事前に中高一貫校の基本理念を見据えた教育課程が実施され、開校に向けた事前準備をしっかりと行うことでスムーズに開校を迎えたと伺っております。庄内中高一貫校につきましては、県立鶴岡南高等学校と県立鶴岡北高等学校の2校が統合される計画となっておりますので、さらにきめ細やかな移行期への対応が必要であると捉えております。  次に、各校舎の整備計画についてお答えいたします。令和2年度から地質調査や基本設計及び実施設計を段階的に行い、令和5年度から改修工事に着手する計画となっております。併設型高校を現鶴岡南高校に、それから併設型中学校を現鶴岡北高校とするほか、教室の整備や中学校における特別室の整備、さらに交流するための施設の工夫、同じく中学校での給食提供の方式やそれに伴う施設設備などについても協議がなされ、骨子となることが話し合われている状況でございます。  次に、一貫校が整備されることによる本市の既存の中学校に対する影響についてお答えいたします。平成30年10月、山形県教育委員会が示した本県における併設型中高一貫教育校についての中間検証によりますと、近隣の市町村立小中学校、小学校が43校、それから中学校16校へのアンケート調査を実施しました。そこで、東桜学館中学校の開校による影響について、おおよそ7割の学校がほとんど影響がなかったと回答しており、影響は限定的と見られ、影響があったとする学校の記述内容を見てみますと、中学校においてはリーダー性のある生徒が減少していると捉えている学校がある一方で、これまで活躍の機会が限られていた生徒が活躍する機会が増えたと捉える学校もありました。また、少子化が主な原因ではありますが、それに相まって東桜学館中学校への入学者が出たことで、地元東根市の中学校において学級減が数校見られ、その結果教員数が減り、部活動の指導等に影響を受けたなどの報告がございました。また、近隣市町村立の教育委員会へのアンケート調査からは、生徒数の減少による影響を懸念する一方で、小中学校教育の活性化につながっているとして、さらに児童生徒の魅力ある学校づくりの推進に取り組んでいくというような報告を受けております。  以上でございます。 ◆17番(菅原一浩議員) これまでの答弁と併せまして、現時点での全体像でありましたり課題、また懸念をしていた点につきまして今明確に御答弁いただきましたので、理解をいたしたところであります。  また、検討委員会、整備策定委員会とか、本市からは副市長、また教育長はじめいろんな方々が参加をされているということでありましたので、本市の考え方もしっかりと伝えていただければありがたいなというふうに思っております。  この中で1点だけ再質問をさせていただきます。中学校が当初2から3クラスの募集といいますか、クラス編成になるということでありました。中高一貫校をこれまで先進的に設置してきました地域、東京都とか首都圏ということになるのでありますけれども、高校での募集を廃止をしまして、全て中学校からの入学とするような地域も出てきているようでございます。当地におきまして、現時点でそのような議論がなされているのかどうかを伺いたいと思います。 ◎教育長(布川敦) 中高一貫校を先進的に設置してきた地域におきまして、高校入学を廃止して、全て中学校からの入学とする地域も出てきております。  ただ、現時点でそのような議論はなされているかというような御質問でございましたが、平成21年6月、山形県教育委員会が示した山形県中高一貫教育校設置構想の中で、議員御案内のいわゆる中等教育学校、中学校、高校がずっと同じ定員ということです。その中で、1学年の学級数が6年間固定されており、適正規模の学級数、1学年が4学級から8学級を確保するとなれば、既存の中学校に与える影響は少なくないと考え、また他県の中等教育学校の検証からは、入学後の進路変更の問題や、それから中だるみへの対応等、課題も指摘されていることから、柔軟な形態である併設型の中高一貫教育校の設置を基本とするという設置構想を示しているところでありまして、現時点におきましては、中等教育学校の議論については行われていない状況であります。  以上でございます。 ◆17番(菅原一浩議員) 了解しました。平成21年でよろしいんですよね。10年前ぐらいということでありました。  ただ、今年の東桜学館の募集倍率、こちらを拝見いたしますと、中学時点の1.90倍に対しまして高校募集では0.83倍ということで定員割れとなっているというようなことでございました。中高一貫校におきましては、カリキュラムの進行度合いが早めに計画されるような傾向がある。あるいは出来上がった関係性の中に生徒が後から加わることに対する懸念などが指摘をされておりまして、高校募集の出願が低調となる傾向があるとされております。中高一貫の6年間であれば、探求型学習であるとか国際教育といった面でのアドバンテージがあるなど、高校募集の停止に踏み切るケースが増えてくるのかなというふうに考えているところでございます。  一方では、今教育長からも懸念が示されましたけれども、高校選択の幅が狭まるという懸念もございます。また、既存中学校への影響がやはり大きくなるんだろうなというふうに思っておりますので、こちらについてはやはり慎重な検討が求められるべきであろうと、このように私も考えるところでございます。今回はともに進学型の伝統校同士の合併を伴う開校となります。先進地の動向なども踏まえながら、当地域といたしましてもしっかりと議論に加わっていただきまして、よりよい仕組みづくりを本市教育行政の中でも御議論、検討いただければと思っておりますし、今後校名等々いろいろと複雑な課題も出てくるのかなというふうには思っておりますけれども、このようなことに対しましても本市としてしっかりと対応いただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。  次に、防犯対策につきまして質問をいたします。全国的に凶悪犯罪に関するニュースが頻繁に報道されております。本市においてはそのような凶悪犯罪は近年認められていないところではありますが、侵入窃盗であったり、また器物損壊等の犯罪認知件数は昨年度には増加傾向にあるようでございます。近年防犯カメラの普及により、犯罪捜査にその映像が活用され、犯人検挙に大きく寄与をしている現状がございます。そのような中、先日開催されました山形県市長会において、防犯カメラ設置に対する補助という項目が国等への要望事項に盛り込まれたとの報道がございました。そこで、防犯カメラに関連して3点の質問をいたします。  1点目といたしまして、県市長会での要望趣旨とその内容を伺うとともに、今後の要望の取扱い等についてお伺いします。  2点目として、現時点で国や県等に補助制度があれば、その概要を伺いたいと思います。また、県内では東根市が新年度予算に関係予算を盛り込んだとのことでありましたが、その内容と、併せて他市町村等に民間団体等へ防犯カメラ設置、維持管理に対する補助制度があればお知らせをいただきたいと思います。  3点目として、本市における防犯カメラの設置状況及び今後の検討課題について伺います。よろしくお願いいたします。 ◎市民部長(渡会悟) それでは、何点かの御質問でしたので、順次お答えさせていただきます。  初めに、ただいま議員からお話ありました山形県市長会総会での要望趣旨とその内容等についてお答えいたします。2月18日に開催されました山形県市長会総会において、東根市より自治体が設置する防犯カメラ設置に係る財政支援についての議題が提案され、その趣旨及び内容は、各自治体が設置する防犯カメラの設置と更新の財政支援について、現行基準の施設整備等及び通学路に限定されたものに対する支援から、各自治体が防犯対策として街頭等に設置する防犯カメラへの国費による財政支援の拡充と防犯カメラの更新機器に係る財政支援について併せて要望するものであり、この議案については全会一致で採択され、山形県市長会として山形県知事宛て要望する予定となっております。  次に、2点目の国・県の補助制度と東根市の新年度予算及び他市町村の補助制度についてお答えいたします。防犯カメラ設置に関する財政的支援制度は、県では該当する制度はございませんが、国では社会資本整備総合交付金、または防災・安全交付金により、道路や住環境整備などの基幹事業に合わせた効果促進事業として実施した場合、交付金の対象事業とされておりますが、カメラ単体での補助申請は難しいと確認しております。また、平成30年5月に新潟市で下校途中の7歳の児童が殺害された痛ましい事件をきっかけに、国で策定された登下校防犯プランがございまして、通学路の合同点検の結果などを踏まえ、補助金、交付金ではございませんが、防犯カメラの設置経費が平成30年度、平成31年度の2か年ではありますけれども、特別交付税の算定基礎に算入される措置がなされております。  次に、東根市の新年度予算についてでありますが、東根市に確認させていただいたところ、平成30年5月以降に実施した先ほどの通学路点検の結果や地域から出された防犯カメラ設置要望により、令和2年度予算として市の一般財源により100万円の予算を計上しているとお聞きしております。先ほどの防災・安全交付金の活用を検討したとのことですが、県からは交付金対象への該当は難しいと回答されたため、今後も引き続き防犯カメラの設置に係る財政支援について国へ要望していくということでございます。  また、他市町村で行っている防犯カメラ設置、維持管理に対する民間等への補助制度につきましては、一例としまして、栃木県宇都宮市では町内会や防犯灯を管理する公共的団体を補助対象として防犯カメラの機器購入費及び設置工事に係る経費の3分の2を補助しております。また、札幌市では町内会や自治会を対象に防犯カメラ1台当たり16万円を上限として費用の全額を補助する制度があり、新潟市は町内会や自治会、同様の防犯活動を行う団体に対し、1台当たり25万円を上限として対象経費の6分の5を補助する例などがございましたが、県内の市町村では同様の補助制度を行っている例はないと伺っております。また、防犯カメラの維持管理に対する補助については、行っている市町村が把握はできておりません。  次に、本市における防犯カメラの設置状況と検討課題についてお答えいたします。市が管理する施設や小中学校に施設管理を目的として屋外に監視カメラを設置している施設もございますが、街頭などに設置されている防犯を主に目的とした防犯カメラは、鶴岡公園と鶴岡駅前マリカ広場の2台となっております。また、平成14年に鶴岡警察署において鶴岡公園周辺に防犯カメラが備えられたスーパー防犯灯が設置されておりましたが、老朽化に伴い、鶴岡警察署のほうで平成30年に防犯カメラ部分のみ一斉に撤去しております。本市でも新潟市の小2女児殺害事件を受け、平成30年9月に通学路における緊急合同安全点検を鶴岡警察署生活安全課、教育委員会学校教育課、小学校並びに関係者で実施しており、児童生徒の通学路において大人の目が行き届かない場所として市内通学路で9か所挙げられ、鶴岡警察署よりはその翌年の令和元年7月、昨年7月に市内通学路へ9か所、計10台の防犯カメラの設置要望をいただいております。防犯カメラの設置について、県内で自治体が設置している状況は通学路が2市、繁華街や商店街が4市と少ない状況にありますが、他県では東京都や千葉県などで警察が設置している事例もあります。  本市といたしましては、警察と自治体の役割分担が明確に整理されていないこと、仮に防犯カメラ設置が自治体の役割とされた場合、もしくは自治体が主体的に設置するとした場合の国、県の財政支援、さらにはその監視体制、維持管理費、維持管理負担等が課題と捉えております。いずれにいたしましても、防犯カメラの設置・維持管理への財政支援の拡充については全国市長会を通して国への要望をするとともに、少なくとも県内で警察と自治体の役割分担にばらつきがないよう県に働きかけるなどしながら防犯カメラの設置に対応してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆17番(菅原一浩議員) 県市長会での要望事項につきましては理解をいたしました。今後国に対する要望として段階を踏んで上がっていくんだろうなというふうに思っております。  また、現段階では国の制度といたしまして、いろいろと要件が厳しいというか、いろんな要件がある中で、カメラ単独での設置に対する補助制度はないということなのかなと思っております。地方自治体による民間団体への補助制度に関しては、先ほど御紹介をいただいたとおり比較的大きな都市を中心に多く見られるようになってきているのかなというふうに思っております。ただいま答弁ありましたとおり、今後国の制度も見据えながらでありますけれども、本市としても通学路であったり、また人目につかない箇所などへの防犯カメラの設置については、要因を分析しながら検討する必要があるのではないかなと感じておるところでございます。設置箇所によりまして、設置者が民間であったり、また地方自治体であったり、あるいは警察であったりと様々なケースが想定をされるところであります。また、カメラ設置に対するプライバシーに関する懸念であったり、また監視社会への懸念といったいろいろな課題もあるところかと思っておりますが、犯罪立証の観点のみならず、犯罪抑止力といった観点からも防犯カメラの重要性は今後当地域でも高まってくるのではないかなと感じているところでございます。現状、大変平和な本市ではありますけれども、先んじての検討を行っていただければありがたいなというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。  最後に、FOODEVERの今後についてでありますけれども、今後の鶴岡市としての対応につきましては3点の質問を準備しておりましたが、先日の総括質問への答弁によりまして、現時点での対応方針については理解をしたところでありますので、こちらも質問は割愛をさせていただき、若干所感を述べさせていただければと思います。  これまでの経過報告と、また総括質問に対する答弁から、現時点では市としてはあくまでもFu―Do社の判断を待っている立場であり、仮に同社が撤退をした場合においても市が全ての業務を継続あるいは引き継ぎ、新年度予算においても従来どおり施設管理業務委託料あるいは光熱水費などを計上しており、運営自体に大きな支障は生じないと考えているということだと思います。ボールはあくまでも現在先方にあるというお考えだと思いますけれども、これまでに提供いただきました資料からは、現在の形での同社による運営継続は極めて困難であると考えられ、事実そのために同社から、せんだっての要望書が提出をされたわけであります。それに対し、市といたしましてはゼロ回答を行ったということでありますから、補助金返還等々、これらの要因も考慮いたしますと、本施設を継続するためには市による運営が選択をされるということなのかなと思っております。  仮にこの場合、これまでの提供資料によれば、同社の金融債務に加えまして役員個人による同社への貸付金など、同社及び役員個人の損失は数千万円単位と多額に上るものと思われます。この事業は、官民連携事業としてスタートした事業であります。本事業運営のために設立をされた法人の関係者にとりましては、経営責任の一言で断ずるにはあまりにも大きな代償であり、今後の当市における官民連携事業において多大な影響をもたらすことが考えられます。サブリース原賃貸借契約の内容であったり、また国による補助要件などが不明な中、ここで軽々なことは申し上げられませんが、同社との協議には真摯に臨まれまして、本来の目的であります駅前地域の活性化につなげるとともに、今後の官民連携事業へのあしき前例とならないよう対応いただきますことを要望いたしまして、私の質問を終了とさせていただきます。 △散会 ○議長(本間新兵衛議員) 本日はこれで散会します。   (午後 3時23分 散 会)...