平成 14年 9月 定例会(旧鶴岡市)平成14年9月26日(木曜日) 本会議 第6日
出欠席議員氏名 出 席 議 員 (32名) 1番 草 島 進 一 2番 石 川 一 郎 3番 長 谷 川 雅 一 4番 加 賀 山 茂 5番 伊 藤 おの 一 6番 菅 原 健 7番 佐 々 木 俊 司 8番 加 藤 太 一 9番 三 浦 幸 雄 10番 水 尾 京 子 11番 阿 部 茂 12番 小 林 達 夫 13番 保 科 直 士 14番 斎 藤 助 夫 15番 榎 本 政 規 16番 五 十 嵐 昭 市 郎 17番 佐 藤 慶 子 18番 吉 田 義 彦 19番 川 上 隆 20番 芳 賀 誠 21番 佐 藤 信 雄 22番 神 尾 幸 23番 川 村 正 志 24番 野 村 廣 登 25番 阿 部 一 也 26番 富 樫 正 毅 27番 佐 藤 峯 男 28番 高 橋 一 夫 29番 中 沢 洋 30番 五 十 嵐 武 矢 31番 菅 原 信 喜 32番 本 城 昭 一 欠 席 議 員 (なし)
出席議事説明員職氏名 市 長 富 塚 陽 一 収 入 役 中 村 雄 一 総 務 部 長 芳 賀 肇 庶 務 課 長 林 由美子
企画調整 課 長 小 林 貢 人 事 課 長 菅 原 一 司 財 政 課 長 長谷川 貞 義 市 民 部 長 阿 部 恒 彦
環境衛生 部 長 芳 賀 一 弥
健康福祉 部 長 恩 田 隆 嗣 産 業 部 長 佐 藤 智 志 建 設 部 長 鈴 木 勉 水 道 部 長 鈴 木 文 雄 荘 内 病 院 長 松 原 要 一 荘 内 病 院 伊 藤 博 消 防 参 事 佐 藤 弘 事 務 部 長 教 育 委 員 会 石 黒 慶 一 教 育 長 本 間 重 二 委 員 長
選挙管理委員会 教 育 次 長 青 木 博 中 鉢 喜八郎 委 員 長 監 査 委 員 鈴 木 壽 和 監 査 委 員 保 科 直 士
農業委員会会長 石 井 善兵衛
出席事務局職員職氏名 事 務 局 長 奥 山 眞 弘 事 務 局 次 長 山 口 朗 調 査 主 査 兼 議 事 主 査 兼 岩 城 公 志 佐 藤 秀 雄 調 査 係 長 議 事 係 長 庶 務 主 査 兼 山 本 りゑ子
議事係調整主任 小 林 雅 人 庶 務 係 長
議事日程議事日程第6号 平成14年9月26日(木曜日)第 1 請願第16号 現行の
義務教育費国庫負担制度を維持するよう、国に対して「意見書」の提 出をもとめる請願 (
産業文教常任委員長報告) 第 2 請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願 第 3 請願第15号 米の生産を守り、
安定供給をはかる米政策の実現を求める意見書の提出を求 める請願 (以上2件
産業文教常任委員長報告) 第 4 請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書 を提出することについて (
総務常任委員長報告) 本日の会議に付した事件(
議事日程のとおり)
△開議 (午前10時00分)
○議長(
本城昭一議員) 本日は、去る11日の会議において休会とすることに議決されておりましたが、議事の都合により、特に会議を開くことにしました。 ただいまから本日の会議を開きます。 本日の
欠席届出者はありません。
出席議員は定足数に達しております。 本日の議事は、
議事日程第6号によって進めます。
△日程第1 請願第16号 現行の
義務教育費国庫負担制度を維持するよう、国に対して「意見書」の提出をもとめる請願
○議長(
本城昭一議員) 日程第1 請願第16号 現行の
義務教育費国庫負担制度を維持するよう、国に対して「意見書」の提出をもとめる請願を議題とします。 この際、
産業文教常任委員会における審査の経過と結果について委員長の報告を求めます。16番
五十嵐昭市郎産業文教常任委員長。 (
産業文教常任委員長 五十嵐昭市郎議員 登壇)
◆
産業文教常任委員長(
五十嵐昭市郎議員) 請願第16号 現行の
義務教育費国庫負担制度を維持するよう、国に対して「意見書」の提出をもとめる請願について、去る18日に委員会を開催して審査を行い、結論を得ましたので、その経過と結果について御報告いたします。
義務教育費国庫負担金について、去る6月17日に発表された
地方分権改革推進会議の中の
中間報告で、全額を
地方自治体の裁量になる
一般財源化を念頭に置きつつ、当面子供の数をもとに交付金化することとしております。また、
事務職員、
栄養職員の
義務教育費国庫負担金の見直し問題では、
学校事務職員の行っている教職員、子供にかかわる事務、
学校予算事務、施設などの
維持管理事務、
学校栄養職員の行っている食の指導の重要性などが
国会決議の中で明らかになっているにもかかわらず、
義務標準法を通じた国の関与を見直すとされています。 政府も地方への
税財源移譲や
地方交付税縮減を検討されており、実施されれば
地方自治体の
財源負担が一層増えることから、全国的な
教育水準を確保するため、現行の
義務教育費国庫負担金制度を維持するよう、国に意見書を提出してほしいというものであります。
請願文朗読の後、質疑に入りました。以下、その主なるものを申し上げます。国のこの考え方について、
教育委員会としては基本的にどのように考えているかとの質疑があり、当局から教育の
機会均等、全国的な水準の確保などから見れば国の政策としてやっていただきたいし、その意味から、今の方向に対しては現段階では心配な部分がある旨の答弁がありました。 質疑を終結し、討論に入りましたが、討論者なく、討論を終結し、採決の結果、
全員異議なく採決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。
○議長(
本城昭一議員) これから質疑に入ります。ただいまの
委員長報告に対する質疑を行います。 これで質疑を終結します。 これから討論に入ります。 討論の通告がありませんので、これで討論を終結します。 これから請願第16号について採決します。ただいま議題となっております請願第16号についての
委員長報告は採択であります。
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。 (全 員 起 立)
○議長(
本城昭一議員)
起立全員であります。 よって、請願第16号については採択することに決しました。
△日程第2 請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願 外1件
○議長(
本城昭一議員) 日程第2 請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願及び日程第3 請願第15号 米の生産を守り、
安定供給をはかる米政策の実現を求める意見書の提出を求める請願の請願2件を
一括議題とします。 この際、
産業文教常任委員会における審査の経過と結果について委員長の報告を求めます。16番
五十嵐昭市郎産業文教常任委員長。 (
産業文教常任委員長 五十嵐昭市郎議員 登壇)
◆
産業文教常任委員長(
五十嵐昭市郎議員) 請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願及び請願第15号 米の生産を守り、
安定供給をはかる米政策の実現を求める意見書の提出を求める請願について、去る18日に委員会を開催し、審査の上、結論を得ましたので、その経過と結果について御報告いたします。 初めに、請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願は、
農林水産省の
生産調整に関する研究会の
中間報告、米政策の
見直し方向において生産者の
自己責任を強調する中で、
市場原理による
需給調整を基本に米の
安定供給や
過剰米処理に関する
政府責任の回避を色濃く提起している。一方で、
計画流通制度のあり方や
生産調整手法、新たな
経営所得安定対策の具体策は先送りされ、ますます生産者の不安と不信を募らせる結果となっている。また、
小泉内閣の
構造改革路線のもと発表された食と農の
再生プランにおいても消費者に軸足を置いたものとなっており、多くの農業者を切り捨てようとする内容になっている状況を踏まえ、主食たる米の
安定生産、
安定供給と担い手を中心とする広範な農業者が参画する
地域農業確立のために国に意見書を提出してほしいというものであります。
請願文朗読の後、質疑に入りました。以下、その主なるものを申し上げます。請願の趣旨の中で、
市場原理による
需給調整を基本に米の
安定供給や
過剰米処理に関する
政府責任が強い口調になっているが、この
中間報告の中で国は米の
需給管理をどのようにしていく方向で検討しているかとの質疑があり、当局からこれまでの
生産調整は一貫して米の
需給調整を基本に考えてきたが、これも豊作の中では非常に大きな
転作面積を強いられてきた。これを
面積ベースから量に変えていくということで、新しい手法である。
流通制度も平成7年から
自主流通米方式を導入し、政府もかかわりながら備蓄を行ってきたが、それを新しい方式にするということであるが、もっと勉強しなければならないし、情報も欲しいところである旨の答弁がありました。 また、従来のこの種の請願や意見書と今回のものと比較すると、農協が出す内容としてはかなり変わってきていると思うし、政権を担ってきた
政府自民党農政に対する責任ということで、政策的に国の責任だということがかなり強く出されていると理解するが、
農民団体、農民の強い不満、方向を変えろという強い意思を感じるし、賛成したいのだがとの質疑があり、
紹介議員より今までの
生産調整や
過剰米対策及び新食糧法とか見ると
米政策そのものに確立したものがなく、流動的であった。今まで国に対して協力したにもかかわらず、
過剰米対策が一向に回復しないときに新しい食と農の
再生プランの中で国の
責任回避が露骨に出ており、今回このような表現になったと思うし、そういう意味では従来とは変わったと思われる旨の答弁がありました。 質疑を終結し、討論に入り、反対の討論と賛成の討論がそれぞれ1件ずつありました。討論を終結し、採決の結果、賛成多数で採決と決しました。 次に、請願第15号 米の生産を守り、
安定供給をはかる米政策の実現を求める請願は、
農林水産省の
生産調整研究会が打ち出した米政策の
見直し方向は米の生産と流通を一層
市場原理にゆだね、国の責任を放棄しようとするものであり、国民の主食、
日本農業の大黒柱である米の生産と国民への
安定供給が危ぶまれる事態を強く危惧するものである。また、国家は需要に応じた売れる米はつくっていない。
生産調整は、
農家自身のためという意識がないなど、今の米政策の破綻を生産者の責任であるかのように主張している。こうしたことから、米の需給と価格に国が責任を持ち、
生産研究会の米政策の
見直し方向による農政の具体化を中止するよう、国に意見書を提出してほしいというものであります。
請願文朗読の後、質疑に入り、委員より本請願については先ほど採択された請願第14号と同趣旨の内容であるので、みなし採択すべきとの動議が出され、その旨を諮ったところ、
全員異議なくみなし採択とすべきに決しました。 以上、御報告申し上げます。
○議長(
本城昭一議員) これから質疑に入ります。ただいまの
委員長報告に対する質疑を行います。 これで質疑を終結します。 これから討論に入ります。 初めに、反対の討論を許します。9番
三浦幸雄議員。 (9番
三浦幸雄議員 登壇)
◆9番(
三浦幸雄議員) 請願第14号
農業政策の確立についての
意見書提出を求める請願について、
日本共産党議員団を代表して反対の討論を行います。
請願項目第1項に「
生産調整対策や
過剰米処理にあたっては、
生産者全員の参加と負担による公平な制度を確立すること」とあります。今回産
文委員会でこの部分を削除して、主食である米の
需給管理については国の責任、役割を明確にすべきと主張しましたが、請願者より同意を得られませんでした。同じような請願が平成13年12月の定例会で提出され、ここの部分について
賛成討論者は
米需給調整需要拡大基金が10アール当たり1,500円の拠出、
緊急需給対策準備金1俵272円、
特別調整保管米準備金1俵220円、10アール当たり10俵の収量とすると4,920円にかかる経費をすべて
計画米農家に求めているので、矛盾を生み、生産者から不満が出るのは当たり前と述べられました。しかし、最近政府では
計画米農家だけが国より助成を受けている
稲作経営安定対策の廃止や
転作奨励金を打ち切ろうとしています。そして、農協が扱っている
計画流通米が
市場原理の
流通機構の中で競争を阻害しているとして、
武部農水相は批判を覚悟の上で農協の
解体的改革を進めるべきだと
問題発言まで飛び出し、
農業関係者の怒りを買っています。 この問題について問うには、根本の問題をもっと深めるべきではないでしょうか。なぜ
計画外流通が増えるのか、なぜ米価が下がり続けるのか。この問題の結論は、第1に1994年に成立した新食糧法の問題、第2に
WTO協定の矛盾、
ミニマムアクセス米の輸入の問題です。新食糧法では、国による米の
全量管理をやめ、米流通を自由化にし、その上米価はそれまでの二重
米価制度を完全にやめ、
市場原理のもとに置きました。また、当市は米価の乱高下を制限するために
値幅制限を設けましたが、これも数年後に廃止されています。さらに、
流通規制を緩和することにより、どこでも米を買える状況と、
大手量販店と大企業に
生産流通支配に道を開いています。今までこのような農政を進めてきたのは
自民党農政であり、行政がやるべきことを農協が代行してきたのではないでしょうか。農家が
計画外流通にシフトしなければならない状況をつくり出した今進められている農政こそが問題と思います。 農家が農業で生活をしていかなければならないときに、農民の分断を招くようなことを持ち込む必要はないのではありませんか。農民の苦境の原因をあたかも計画内、計画外といった
農家同士の問題にすりかえ、農民を対立させてしまうことは真の解決にはつながらないと思います。今農家が期待していることは、米の
価格補償の復活、
ミニマム米の削減、廃止など
減反面積の削減、国の抜本的な
農政転換こそが農民の苦境を打開する道であることを農民の声として訴え、反対の討論とします。
○議長(
本城昭一議員) 次に、賛成の討論を許します。14番
斎藤助夫議員。 (14番
斎藤助夫議員 登壇)
◆14番(
斎藤助夫議員)
平政クラブを代表しまして、請願第14号
農業政策の確立についての意見書の提出を求める請願について賛成の討論をいたします。 本請願は、
JA鶴岡市
農協組合長、遠藤稔より提出されたものであり、農協、農政対が綿密なる
情勢分析に基づき
慎重審議の上、組織決定されたものであると聞いております。したがって、この請願は鶴岡市農家、農民の総意であるという認識を持つものでございます。そのことをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。
請願趣旨にありますとおり、30%に及ぶ
生産調整の中で
市場原理の導入による米価の低迷は
農家経営を圧迫し、かつてない危機に直面している現状であります。そうした厳しい
農業情勢の中で、さらに追い打ちをかけるように農水省の
生産調整に関する
中間報告では、
過剰米処理に対する生産者への
自己責任の強要や政府の
責任転嫁等が強く打ち出され、容認できるものではありません。また、
請願項目にありますとおり、米の
需給管理に関する国の責任の明確化と、同時に年々増加する
計画外流通米を含む
過剰米処理については生産者に
不公平感を生じないように対応すること。また、稲経の
現行維持、年間75万トンにも及ぶ
ミニマムアクセス米の廃止や
大幅削減等を求める本請願は、冒頭に申し上げましたとおり、
JA鶴岡市農協の総意であるという認識に立ち、妥当なものであるという判断をするものでございます。 以上申し上げまして、
賛成討論といたします。
○議長(
本城昭一議員) これで討論を終結します。 これから採決に入りますが、初めに請願第14号について採決します。ただいま議題となっております請願第14号についての
委員長報告は採択であります。
委員長報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。 (賛 成 者 起 立)
○議長(
本城昭一議員) 起立多数であります。 よって、請願第14号については採決することに決しました。 次に、請願第15号について申し上げます。先ほど採択されました請願第14号と同趣旨であることから、請願第15号については採択されたものとみなします。
△日程第4 請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書を提出することについて
○議長(
本城昭一議員) 日程第4 請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書を提出することについてを議題とします。 この際、
総務常任委員会における審査の経過と結果について委員長の報告を求めます。19番川上
隆総務常任委員長。 (
総務常任委員長 川上 隆議員 登壇)
◆
総務常任委員長(
川上隆議員)
総務常任委員会に付託されました請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書を提出することについての請願について、去る13日に委員会を開催し、審査の上、結論を得ましたので、その経過と結果について御報告いたします。 この請願は、
治安維持法は
主権在民を唱え、戦争に反対した団体、個人を根絶するねらいで制定された世界でもまれな法律で、この法律により
革新政党、
労働組合、
宗教団体を初め
平和主義者、
知識文化人まで数十万人の人々が逮捕され、拷問により虐殺、獄死した人々は2,000人にも上っている。山形県関係でも数百人が検挙され、弾圧を受けている。 日本が
ポツダム宣言を受諾したことにより、
治安維持法は反人道的、反民主的な法として廃止されたが、戦後の
歴代政府はいまだにその犠牲者に対して謝罪も賠償も行っていない。ドイツ、イタリアなど
西欧諸国では、今日なお戦犯の追及が行われ、犠牲者には謝罪と賠償が行われており、アメリカ、カナダでも戦時に強制収容した
日系市民に謝罪と賠償を行っている。 ついては、再び戦争と
暗黒政治を許さず、平和と
民主主義を守る立場から、国が新たに
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)を制定し、犠牲者に一日も早く謝罪と賠償を行うよう、政府に対して意見書を提出してほしいというものであります。
請願文朗読の後、質疑に入りましたが、質疑なく、質疑を終結して討論に入り、反対の討論が1件、賛成の討論が2件ありました。討論を終結して採決の結果、
賛成少数により不採択とすべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。
○議長(
本城昭一議員) これから質疑に入ります。ただいまの
委員長報告に対する質疑を行います。 これで質疑を終結します。 これから討論に入ります。
委員長報告は不採択でありますので、初めに賛成の討論を許します。6番菅原 健議員。 (6番 菅原 健議員 登壇)
◆6番(
菅原健議員)
日本共産党議員団を代表して、上程されております請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書を求める請願について賛成の立場から討論を行います。 鶴岡市で
治安維持法により弾圧をされた経験を持つ唯一の生存者であった
阿部正雄さんが国家による謝罪と賠償を祈念しながら、ことし7月に亡くなられました。心からの御冥福をお祈りするとともに、二度とあのような悲惨な戦争を繰り返さないこと、恒久平和を改めて誓うものです。
治安維持法は、1925年、大正14年に制定されましたが、人間の基本的な権利である思想を弾圧した法律です。この法律により
戦争反対はもちろんのこと、天皇制の打倒や
国民主権を主張するだけで処罰の対象となり、
共産主義者や
社会主義者のみならず、宗教者や普通の国民でさえこの戦争は負ける、もうやめろと言っただけで逮捕し、過酷な取り調べを行ったものです。そのため、多くの
共産党員や真実を求めた学者、
自由主義者や宗教者が弾圧をされ、そして命を落としました。有名な
プロレタリア作家、
小林多喜二は、逮捕されたその日に拷問により虐殺されました。この法律が日本が
侵略戦争に突き進むための国民の
思想統制の大きな主柱となったことは歴史の事実です。だからこそ戦後
治安維持法は直ちに廃止され、
治安維持法による刑罰を受けた人はすべて無罪になったのです。しかし、法律は廃止されましたが、この法律により拷問を受け、心身に障害を持った人に対しての
補償制度は創設されず、今なお何の補償もされていないのが現状です。 この請願に反対する人は、当時の天皇制の
国体護持、
資本主義体制を守るためにはやむを得ない法律だった、悪法も法なりということを述べています。しかし、仮に適法だったとしても拷問や虐殺まで許されるわけではなく、行為者及び国の責任は免れません。この請願に反対する人は、このことをどのように解釈しているのでしょうか。 また、
総務常任委員会の
反対討論で、
コミンテルンや各地の
コミンテルン支部が
暴力革命を目指していたので、自衛のためにとった手段の一つということを述べています。しかし、戦前の
日本共産党が掲げた天皇制の廃止、
戦争反対、
国民主権というものは今では当たり前のことであり、武力による革命を掲げていなかったのは歴史の事実であり、
反対討論の趣旨は全くの事実誤認であり、希代の悪法である
治安維持法を擁護するための詭弁です。私
たち議員は、世界に誇れる
平和憲法を擁護し、住民の利益のためにこそ働かなければならないと思うのですが、歴史をねじ曲げ、
平和憲法を否定するような、このような言動は議員としての資格が問われざるを得ません。 当時の我が党の主張の正しさは、戦後憲法に
国民主権が明記され、世界に誇れる
平和憲法を制定したことなどからも実証されています。この請願を採択することは、あの
侵略戦争を日本が真に反省し、将来にわたって二度と武力による国際紛争は起こさないとする
平和憲法の精神を改めて国の内外に示すものになると思います。 今日本では、あの
侵略戦争を美化し、皇国史観に基づく歴史教科書を押しつけ、有事法制の整備を急ぐなど、再び日本を戦争する国にしようとする、歴史の歯車を逆に回そうとする動きが強まっています。このことは、多大な苦痛を与えたアジア諸国を初め世界中から不信の声が上がっていることからも見逃せないこととなっています。アジア諸国を初め国際社会から日本が信頼を得るためには、あの
侵略戦争をきちんと反省し、被害者に対し補償をきちんとしていくことが不可欠です。ドイツ、イタリア、カナダ、韓国、そしてアメリカでさえ戦時中に日系人を隔離したことに対して国家保障を行っています。日本でも隣の秋田県では65市町村すべて採択をしておりますし、この山形県でも山形市、天童市、寒河江市を初め3市6町で採択されており、この9月議会でも採択される見通しのところがあるなど、確実に採択の動きが広がっています。また、国連でも何ら補償しないことに対し世界中からあきれられ、毎年国連の人権に関する委員会には、この問題のときには参加者や傍聴する国が増えているそうであります。
治安維持法の問題は、思想の問題ではなく、人道上の問題であります。だからこそ世界が注目し、日本でも採択する自治体が増えているのではないでしょうか。これらの動きを見れば、世界の流れは犠牲者に補償しろという声が大きくなっているのは間違いありません。諸外国で行われている国家保障がなぜ日本では行われないのでしょうか。
治安維持法の犠牲者は高齢化しており、もはや一刻の猶予もありません。当議会でも平和を求め、戦争責任を明確にし、誤った歴史をきちんと総括するためにもこの請願を満場一致で採択してくださいますようお願いし、賛成の討論といたします。
○議長(
本城昭一議員) 次に、反対の討論を許します。25番阿部一也議員。 (25番 阿部一也議員 登壇)
◆25番(阿部一也議員) ただいま上程されております請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対して意見書を提出する請願に
平政クラブを代表いたしまして、反対する立場で討論を行います。 近年では、平成6年3月と平成10年の3月に、それに平成12年の12月の定例議会に同趣旨の請願が提出されまして、いずれも不採択になっております。この種の討論では、騒がしきことが多くあるようでありますが、最後まで心静かにお聞きをいただきますようにお願いを申し上げます。 この
治安維持法は、国体の変革や資本主義制度の否認を目的とする組織活動や個人的行為に対して罰則を定めた法律で、
ポツダム宣言受諾と敗戦を経て昭和20年10月に廃止されたものでございます。それにしましても、この法律は余りにも悪法のイメージがあり、あるいは根強い誤解や偏見のつきまとう法律でございますが、その比較や当時の時代背景抜きでは論じることができないものでございます。 1917年のロシア革命によって資本主義国家を暴力的転覆での世界革命を唱える
コミンテルン、いわゆる共産主義インターナショナルの総本部がモスクワに設けられております。当時は、欧米諸国を初め多くの国々が共産主義や過激な政治活動に対し、その自衛手段の一つとしてこの種の法律の制定は一種の流行現象でもあったとも言われております。日本でも
コミンテルン日本支部の創立から3年後に諸外国の先例を参考にしまして、
治安維持法が公布されております。一方、ソ連などの共産主義の国ではKGBや秘密警察による弾圧や処刑などで治安の維持や共産主義の防衛に努めていた時代でもございます。 奥平康弘氏の現代史資料、
治安維持法によりますと、実際にはこの法律違反のみでは終戦までに死刑を宣告されたり、死刑に処せられた人はいなかったと言われております。この法律によって、20年間で6万7,223人が検挙されて起訴されたのは6,024人と起訴率は1割もなく、大部分は思想の転向、いわゆる改悛をし、不起訴になっていることなどは厳罰だけで臨んではいなかったことの時代の事実とも言われております。また、諸外国の実態に比べ死刑が実際に行われていないこの種の法律は、当時のような時代ではむしろ例外で、特異な存在とも言われております。この法律は、そんな時代背景を伴って制定されており、その時代においては制定そのものがやむを得ない側面もあったとも言われております。 それにしましても、この法律は反人道的で反民主的、あるいは言論や思想の自由をじゅうりんした世界でもまれな悪法の代表のように言われておりますが、廃止から57年たった今日でも世界の中には民主的などとはほど遠いやみに閉ざされた国家体制がいまだに多くございます。日本国民であれば、ひとしく憤りを感じる非人道的な行為である思想や言論の弾圧などは日常的で、幸せに暮らしている人たちをある日突然無残にも拉致したり、一つ間違えばやみからやみに処刑されたり、お年寄りから幼児まで巻き込むような無差別テロなどや、毎日が恐怖におびえる
暗黒政治が多く存在するのも事実でございます。 だからといって、戦争の惨めさや悲しさを身を持って体験をいたしております戦争遺児の私は、この
治安維持法が立派で、普通の法律であったとは思っておりません。特に戦時中などは拘束されたり、投獄されたり、ひどい扱いを受けた例が個別には多くあったと言われておりますので、心情的には忍びないという思いは強くございます。 しかし、この法律の適法性については自由に物が言われる民主的な日本では国民の中でも考え方や信条の違いによっては見方も違ってまいります。また、現在の憲法や法律学者の中でもさまざまな見解に分かれており、それに国でも明確な結論や方向性が見えない中で、なおさら国の謝罪や賠償についての正当性の合意ができていない現状でございます。また、国家や国際問題、それに戦争責任に関するような問題については一地方議会の議員が判断できる資料や認識を持ち得ない中で地方議会が審査をし、結論を下すのは甚だ難しく、疑問であり、なじまないものと思っております。それと、前回審査当時の判断状況とかわるべき資料や変化が今は認められず、この意見書の提出に対し反対をするものであります。 以上をもちまして、
反対討論といたします。
○議長(
本城昭一議員) 次に、賛成の討論を許します。1番草島進一議員。 (1番 草島進一議員 登壇)
◆1番(草島進一議員) 請願第13号
治安維持法犠牲者国家賠償法の制定を支持し、政府に対して意見書を提出することについて、賛成の立場で討論をいたします。
治安維持法によって平和を願う、また真実を求めた哲学者、思想家、教育者、そしてたくさんの一般の方が人権を奪われた。私は、その現場にいたわけではありませんし、戦争を体験したわけではありませんが、さまざまな資料からすれば相当の数の方が国家によって時には拷問、そして死に追いやられていた、相当な弾圧を受けていた、人道的に許せないことが続いていた、まさに狂った社会が繰り返されていたという事実を察することができます。 私は、人権の尊重、平和、共存を強く望むものであります。また、言語、言論、思想、宗教の自由に対しては、今は日本国憲法で保障されていますが、こうした過去についてはきちんと反省を持って賠償されるべきであり、こうした処理は請願文にもあるように、諸外国では当然のこととして慎重に今でも調査や、そして賠償が行われております。日本でも戦後処理ということをしっかり行い、二度とこうした狂った社会を繰り返さない平和、共存の道を進むべきと感じます。よって、この意見書は真っ当なものであり、賛成をするものであります。 この庄内には公益文科大学も設置され、真の公益のふるさとづくりを進めようとしています。この庄内の自治体議員からこの意見書の提出というのは、とても意義のあるものであると考えます。 また、9月11日、1周年を経過しましたが、あのテロを受けた米国であってもバーバラ・リー国会議員のように平和と正義をたった一人でも訴えることができる、これが真の
民主主義であると思います。ぜひこうした真の
民主主義を実現する新しい日本の構築のためにも皆様の満場の御賛同を求めるものであります。
○議長(
本城昭一議員) 次に、反対の討論を許します。 これで討論を終結します。 これから請願第13号について採決します。ただいま議題となっております請願第13号についての
委員長報告は不採択であります。請願第13号については、これを採択することに賛成の議員の起立を求めます。 (賛 成 者 起 立)
○議長(
本城昭一議員) 起立少数であります。 よって、請願第13号については不採択と決しました。
△散会
○議長(
本城昭一議員) 本日はこれで散会します。 (午前10時43分 散 会)...