再 開 13時15分
○
阿曽隆委員 タブレット端末導入前倒しに伴い、
ICT支援員の増員も考えてほしい。ICT環境の整備による個別最適化された教育も集団での学びも大切であるとのことだが、矛盾するのではないか。集団の中で人格形成を目指す教育内容から
タブレットで個別の学習をするようになることは、これまでの教育の在り方が変わるのではないかと懸念しているがどうか。
タブレットを導入しても、長文読解力の弱さや授業についていけない子供の本質は変わらないと思う。不登校の子供についても、学びを求めている子供に学習機会を提供できる一面はあるが、不登校が減ることはないのではないか。先生の多忙化や過重負担も解決されず、逆に大変になるのではないかと懸念している。学校の先生が子供たちと向き合う時間や授業の準備時間を取れないことが学校現場の一つの問題の本質であると思うが、どのように考えているのか。
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教育長 タブレットの配備により、全ての授業で
タブレットを使うのではなく、これまでの教室の中で意見を交換しながら集団思考を高めていく方法も教育効果の高いものであり、今後も大切にしていきたいと考えている。
タブレットは学習の重要なツールとして使っていくこととしており、プログラミング教育での活用のほか、教科書紙面上のQRコードを読み取り、動画を見て理解の助けにするなど、学びを深め、広げることができるものである。個別最適化された教育と集団的な学びは、並行して努力していかなければならないと考えている。また、学習についていけない子供、不登校の子供も含め、全ての子供の学習が成立することを目標としている。不登校の子供を減らすことは難しいが、居場所が違っても学びを保証するためには、
タブレットは有効に働くと考える。子供と向き合う時間の確保については、様々な方策を取りながら教員の業務量を減らし、子供の学びを育んでいく学校の姿を目指していきたい。
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阿曽隆委員 子供たちは
タブレットの操作にはたけていると思うが、
タブレットを使用した学習の仕方が苦手な子供もいると思うがどうか。また、全ての授業で
タブレットを使用するものではないとのことだが、教員の判断で使用するかどうか決めることはできるのか。
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学校教育課長 タブレットはまだ全ての学校に導入されていないため、苦手な子供については把握できていないが、コンピューター導入の際に、操作が得意な子供と操作に悩む子がいたことから、
タブレット導入時にはそういう視点も必要と感じた。必ず
タブレットを使わなければならない授業は、プログラミング学習などに限られているが、それ以外の学習場面においても、
タブレットに一人一人の考えを手書きで書き込めるため、教員は子供たちに挙手をさせなくてもどのような考えをしているか分かるなど、
タブレットを使うことによって、授業がしやすく、分かりやすくなることを周知していくことが教育
委員会の役目であると思っている。これまでの教育理論を大事にしながら、
タブレットの活用によるさらなる効果について研修し広げていきたいと考えており、
タブレットの活用により人間的な面が損なわれることはないと考えている。
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阿曽隆委員 教員が
タブレットを使用しなかったことによる勤務評定上のペナルティはないということでよいか。
○
学校教育課長 そのとおりである。
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阿曽隆委員 子供たちの蓄積された学習ログは個人データとなると思うが、どのように保存して活用していくのか。
○
学校教育課長 タブレットが個人所有であれば、個人の学びの履歴が残っていても問題ないが、今回は市が賃借し、使用料を支出するため、現段階では、アカウントを割り振った後、学年が上がっても同じ
タブレットを使用することを考えている。卒業後は、新1年生に貸し出すことになるため、個別の学習ドリルなどの学びの履歴などの保存データは削除することを考えている。国では、将来的には幼少時から成人までの学びの履歴を活用したいと考えているようであるが、個人所有となるまでの過渡期の段階の取扱いについては、今後も検討していきたい。
○
阿曽隆委員 学習支援ソフトのクラウドは3年間使用可能となっているが、どのような内容なのか。個別の
タブレットに残っているもののほか、担任の教員の
タブレットに蓄積された教育データなども全て削除することになるのか。
○
学校教育課長 タブレットの履歴は中学校卒業時に削除される。
○
阿曽隆委員 業者のクラウドにデータが残っていくことになるため、データの取扱いを決めなければトラブルのもとになると考える。制度設計の中にしっかりと位置づけてほしいがどうか。
○教育
委員会管理課長 国のGIGAスクール構想は、クラウドの活用も踏まえたものになっており、クラウドを活用することにより、自宅でも遠隔授業等が受けられることになる。総合
学習センターにおいても、情報セキュリティポリシーを定めており、個人情報保護法や関連する法令にのっとり、しっかり運用していく。
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阿曽隆委員 卒業時にはデータを削除するのか。
○
学校教育課長 タブレット端末に残っている情報は削除することとし、それ以外の部分については制度設計の中で検討していきたい。
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阿曽隆委員 ICT教育により、個別の学びの場を提供するとのことだが、山形市立商業高校への対応はどのように考えているのか。また、県立高校での対応はどうなっているのか。
○
学校教育課長 山形市立商業高校でも、各家庭のICT環境についての調査をしているが、ほとんどの家庭で環境が整っているようである。県立高校では、貸出用の
タブレットとモバイルルーターを準備しており、ICT環境のない家庭には、モバイルルーターを貸出し、通信料を各家庭で負担してもらう方向で進めており、山形市立商業高校でも参考にしながら検討していると聞いている。
○
阿曽隆委員 経済的な格差が心配されるため、公平性をしっかり考えて対応してほしい。
学校給食用炊飯施設の建設を検討するに当たり、山形市の給食の在り方をどのように考えていくのかという視点が抜けていると考える。自
校炊飯や現
炊飯業者への設備更新費用の補助などの選択肢がある中で、経費の比較等も示されておらず、様々な検討が不十分である。議論が足りない中で、
基本設計及び
実施設計に対する予算には賛成できないため、現時点では態度を保留したい。
○
荒井拓也委員 学校給食用炊飯施設の建設については、進め方に違和感がある。9市町の意向を確認した後に、設計に係る予算を計上してもよかったのではないか。なぜ今定例
会での提案となったのか。
○
学校給食センター所長 現在の設備の故障により、米飯の供給ができなくなることを危惧しており、できる限り早急に
炊飯施設を建設したいと考え、今定例
会に提案している。設計に間に合うよう、各市町の意向を確認し、設計に生かしていきたいと考えている。
○
荒井拓也委員 令和4年に予定している供用開始まで時間があるが、その間の異物混入などへの対応は考えているのか。
○
学校給食センター所長 山形県
学校給食会とも協議しており、小規模の
炊飯業者で供給できなくなった場合は、他の
炊飯業者などからの供給で対応可能であるが、大量に供給している
炊飯業者が供給できなくなったときの対応は難しいため、早急に施設整備を進めたいと考えている。
○
荒井拓也委員 小規模の
炊飯業者については、ほかの業者でカバーできるということであれば、今定例
会への提案でなくてもよかったと思うし、大規模な
事業者において発生した場合の対策を考えていないというのはおかしいのではないか。これまでの質疑で出た、
建設負担金を支出した場合と支出しない場合の米飯の供給単価の違いや、自校方式とした場合のシミュレーションなどは、いつ報告してもらえるのか。
○
教育部長 各市町の意向確認は7月までとしているため、確認できた内容をまとめて9月定例
会の
委員会で報告したい。
○
荒井拓也委員 様々なシミュレーションの結果も示してもらえるのか。
○
教育部長 準備ができたところで報告したいと考えている。
○
荒井拓也委員 タブレット端末はどのように配付されることになるのか。また、自宅に持ち帰り使用することも可能となるのか。
○
学校教育課長 タブレットは個人ごとに配付し、進級時も同じ端末を使用することとなるが、学校ごとの配備となるため、小学校から中学校へ進学する際には端末は持ち出さず、新1年生が使用することとなると考えている。また、
タブレットの使用場所は、今年度の構想では、原則学校での使用としているが、
新型コロナウイルス感染症の影響により、休校を余儀なくされた場合は、貸出しも検討することとしている。
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荒井拓也委員 生活保護世帯に対しては通信費も教材代として支給することになったが、今後予算計上されるということでよいか。
○
学校教育課長 生活保護対象者や就学援助対象者に対する国の方針や、現在実施している各家庭でのICT環境調査も踏まえて、
インターネット環境のない家庭に対してルーター等の準備など支援の方法を現在検討している。
○渡辺元
委員 採決に当たり申し上げたい。先ほど
教育部長から9月定例
会に報告したいとの答弁があったが、市としても早急に
炊飯施設の整備を進めようとしているのであれば、まとまり次第、
委員会を開催してほしい。また、今回の
基本設計と
実施設計の予算については了承としたいが、本来であれば、9市町の意向を把握した上で予算を提案しなければならず、順番が逆であることを申し上げたい。
大要以上の後、議第46号の
付託部分のうち歳出第10款については、退席者がいる中採決した結果、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
〇歳出 第11款災害復旧費 第1項農林水産施設災害復旧費
森林整備課長から説明を受けた後、質疑に入った。その主なものは次のとおり。
○
須貝太郎委員 気候の変化により想定外の災害が発生しているが、市内で災害が発生しやすい場所を把握しているのか。
○森林整備課長 図面上で把握しており、毎年、台風やゲリラ豪雨の時期に路面洗堀が発生する常襲地帯があるため、
災害発生時にはすぐパトロールし対応している。
○
須貝太郎委員 森林経営管理制度により森林の整備が期待されるが、気候が変わっているため、早めに対応しなければ大変である。SDGsの中に災害に対する考えもあるので参考にしてほしいがどうか。
○森林整備課長 森林経営管理制度を進めていく上で、15年間を目標に市内全域で意向調査を行い、優先順位をつけて森林整備を行っていくこととしている。優先順位をつけるに当たっては、土砂災害の危険区域や災害が発生しやすい地区の優先度を上げて進めていきたいと考えている。SDGsについては、森林経営管理制度を評価するに当たり、そのような視点も含めて評価や進捗管理を行い、公表したいと考えている。
○
須貝太郎委員 地域の方からも情報収集し、協力してもらいながら進めてほしい。
大要以上の後、議第46号の
付託部分のうち歳出第11款については、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
2 報第4号
専決処分の承認について(令和元
年度山形市
公設地方卸売市場事業会計補正予算)
地方卸売市場管理事務所長からの説明を了承し、
全員異議なく承認すべきものと決定した。
3 報第5号
専決処分の承認について(令和元
年度山形市
農業集落排水事業会計補正予算)
農村整備課長からの説明を了承し、
全員異議なく承認すべきものと決定した。
4
報告事項
(1)令和元
年度山形市
一般会計予算繰越明許費(第6款第1項、第7款第1項、第10款第2項・第3項、第11款第1項)について
関係課長から、別紙資料に基づき報告があった。
○渡辺元
委員 トイレ改修事業がほぼ執行されていない理由は何か。
○教育
委員会管理課施設整備室長 現在は、設計が終わった段階であるため、今後発注し、今年度中に工事を完了させる予定である。
○渡辺元
委員 いつの
補正予算に計上していたのか。
○教育
委員会管理課施設整備室長 令和2年3月
補正予算に計上している。
○渡辺元
委員 小学校のトイレの洋式化整備は終了したということでよいか。
○教育
委員会管理課施設整備室長 今年度の工事で全ての小学校の改修工事が終わり、今後は中学校の改修に入ることになる。
○渡辺元
委員 中学校は整備完了までどのくらいかかるのか。
○教育
委員会管理課施設整備室長 令和3年度から築年数の古い順に4校ずつ改修し、令和5年度に終了する予定である。
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田中英子委員 ふるさと納税推進事業について、
新型コロナウイルスにより、サクランボの収穫に人手が足りず困っているという話を聞いているが、予定どおり発送できる見込みなのか。
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山形ブランド推進課長 農協に確認したところ、人手不足の影響ではなく、今年は寒暖の差が少なく、色づきが遅れていることにより出荷は遅れるが、例年通りの数量は出荷できるとのことであった。
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阿曽隆委員 タブレット導入事業について、充電保管庫はどのように配置するのか。
○教育
委員会管理課長 充電保管庫は、収納台数が40台と20台の保管庫があり、各クラスに配置することとしている。配置場所については、学校ごとに確認し、設計に盛り込んでいる。
(2)令和元
年度山形市
農業集落排水事業会計予算繰越明許費について
農村整備課長から、別紙資料に基づき報告があった。...