市税については,
県内外の
経済情勢を勘案して,総額を
362億2,613万4,000円と,前年度より15億5,849万6,000円,率にして4.1%の減を見込んでいる。内訳だが,
個人市民税は前年度比3.5%の減,
法人市民税は,
企業収益の悪化から大幅な減収となる
見込みであり,前年度比14.8%の減,
固定資産税は,家屋の評価替に伴う減額を
見込み,前年度比1.9%の減となっている。
地方譲与税についても,8億5,000万円と2.2%の減となっているが,
地方消費税交付金については,納期の関係で
平成20年度分の一部が21年度にずれて納入されることから,27億円,9.3%の増となっている。
地方特例交付金は4億2,100万円で20.6%の増を
見込み,
地方交付税については,
地方財政計画における
増額措置を考慮し,94億8,700万円を計上,前年度当初と比較して10億4,900万円,12.4%の増を見込んでいる。なお,内訳は
普通交付税が13.3%増の87億8,800万円,
特別交付税が2.8%増の6億9,900万円となっている。
使用料及び手数料については15億425万9,000円で,前年度より18.6%の減となっているが,これは
指定管理施設の
利用料金制度導入の影響によるものである。また,国・
県支出金は100億6,066万1,000円,7.9%の増を見込んでいる。
諸収入は49億6,405万1,000円で,前年度より15.4%の増となっているが,これは
中小企業者への
特別経営支援資金融資あっせん事業貸付制度の創設などに伴う
貸付金元利収入の増によるものである。
市債は63億9,410万円で,22.9%の増となっているが,
東小学校校舎改築事業への着手,
都市計画街路事業の
推進などに伴う
市債の増が主な要因である。なお,
臨時財政対策債は19億2,850万円を見込んでいる。繰入金については,
市税の
減額等に伴う
財源不足への対応として
財政調整基金から7億円,
市債の償還に充てるため
減債基金から7,570万2,000円をそれぞれ繰り入れた。
次に
歳出予算だが,
議会費は前年とほぼ同額の6億6,320万円である。
総務費は,
JR山形駅
バリアフリー化設備整備費補助金,
山形国際ドキュメンタリー映画祭開催費補助金等により74億7,403万1,000円で,7.7%の増となっている。
民生費は,
乳幼児医療制度から「
こども医療給付事業」と
名称変更の上,
内容を拡充した費用や,新たに創設する2箇所の
民間保育所への
補助など
子育て支援事業の
推進により,前年度比0.9%増の202億8,577万1,000円を計上した。
衛生費は,
妊婦健康診査委託費,新
清掃工場整備事業費負担金の増額があったが,立谷川,半
郷清掃工場基幹整備事業の
完了等により前年度比4.0%減の59億6,102万円となっている。
労働費は,
緊急雇用機会創出支援事業費を計上したことにより,6億8,273万8,000円と前年度比35.3%の大幅な増となり,
農林水産業費も,
最上川中流土地改良施設整備事業費負担金や
水田農業構造改革対策事業費,
地籍調査事業費等の増加を
見込み,6.6%の増の17億8,416万5,000円を計上している。
商工費は,
緊急経済対策である
特別経営支援資金や
中心市街地活性化支援資金の
制度融資の創設,
山形まるごと
館運営事業費の新たな計上など42億4,097万6,000円となり,前年度比20.3%の大幅な増となった。また,
土木費についても,新たに
御殿堰整備事業の着手,
都市計画街路事業費,
市営南山形住宅第一期・第二期建替
事業等で134億6,072万1,000円と,5.5%の増になった。
消防費は23億7,194万1,000円で,前年度比2.0%の増。
教育費も,
東小学校校舎改築事業の着手や
小・中学校への
地上波デジタルテレビ整備などで95億4,959万8,000円,前年度比4.7%の増となった。
災害復旧費は,
平成19年の台風9号による
災害復旧事業が完了し,平年ベースの1,442万9,000円を計上。
公債費は,
繰上償還による
償還元金及び利子の減などにより4.7%減の98億2,141万円となり,
予備費は前年度同額の5,000万円を計上した。
続いて,
特別会計,
企業会計予算について説明する。
特別会計は,
公共下水道事業会計の
企業会計への移行により9
事業会計となり,総額で415億1,092万9,000円,前年度比30.4%の減となった。なお,
公共下水道事業会計を除いた対前年比では7.2%の減となっている。
企業会計は,
水道事業会計,
病院事業会計,新たに移行した
公共下水道事業会計をあわせて391億4,340万5,000円となった。
水道事業会計は7.8%減の93億9,364万3,000円,
病院事業会計は0.3%増の120億4,117万6,000円であり,
公共下水道事業会計は
企業会計移行に伴い
減価償却費を計上したことで19.0%増の177億858万6,000円となった。
財政指数等であるが,
市債発行額は63億9,410万円で,
東小学校校舎改築事業や
都市計画街路事業の
推進に伴う借り入れにより前年度比で22.9%の増となるが,
平成21年度末における
市債残高は,前年度から1.0%減となり,880億883万5千円となる見込である。
自主財源比率,
財政力指数は,
市税の
減収等により低下するものと見込んでいるが,
経常収支比率は83.2%,
実質公債費比率は12.8%で,本市の財政は健全な状況で推移できるものと考えている。
17ページからは,
経営計画に定めた
重点課題に対応する主な施策・
事業について整理したもので,
新規事業を中心に説明する。
1つは,社会全体で
子育てを
支援する
仕組みづくりである。
平成21年度は,定員120名の
民間立保育所2園の創設や,3歳未満の
乳幼児を対象に家庭的な雰囲気の中で少人数の保育を行う
保育ママ事業を新たに実施する。また,今までも
認可保育所に同時に2人以上預けている場合に
保育料を減免していたが,新たに
認可外保育所に預けている場合の
補助制度を設けることとした。
さらに
乳幼児の
医療費負担軽減を
小学校1年生まで拡大し,「
こども医療給付事業」として新たに制度化するとともに,県の動向を踏まえ,
入院費についても
小学生全員を対象に
負担軽減を図る
予算措置を行ったほか,
妊婦健康診査に対する助成も5回から14回に拡充した。なお,妊婦健診の
負担軽減は3月から適用し,3月中に受診した方については
領収書などで
確認し,
償還払いとすることにしている。
教育環境の向上に向けた
施設整備として,
東小学校校舎改築事業や
南沼原小学校の
プレハブ校舎増設のほか,小
中学校19校での
校内LANの
構築工事を行い,あわせて
地上波デジタル対応テレビを導入する。また,新たに5カ年計画で全
中学校の椅子・机を
可動式にし,21年度は3校で更新を行う。
2つ目の,環境にやさしい
くらしづくりは,
市民との共創による
環境保全事業として,
山形五堰にホタルや
梅花藻が生息できる
環境づくりを引き続き進めるほか,
BDF事業の
支援,
菜の花栽培モデル事業で収穫された菜種油の
学校給食への提供などを行う。また,
平成24年までの4年間で集中的に間伐や
搬出路開設を行う,美しい
森林づくり整備事業を実施する。
3つ目は,交流を軸とした
山形らしさの
ブランド化による産業の振興である。
広域観光による交流の拡大に向けて,
NHK大河ドラマ「天地人」の放映を契機に,
関連史跡である
長谷堂城跡を活用した新たな
観光ルートの開拓や
関係市町と連携したイベントを開催し,
県内外からの誘客
推進を図る。また,
山形の
特産品等の
PR・販売促進に向けた
拠点施設として,
中心市街地に「
山形まるごと館」を開設し,やまがた
ブランドの確立・向上に取り組む。
4つ目は,都心の魅力と
賑わいづくりによる
コンパクトシティの形成である。都心の
賑わいづくりに向け,
中心市街地活性化基本計画の
推進を図る。
商店街や
文化観光施設が連携して行う
事業の
支援や,
中心市街地への出店や
既存店舗の改修を対象にした
融資制度の新設など
活性化に向けた
ソフト事業のほか,
御殿堰の
復元工事とあわせた
歩行者空間の
整備を新たに実施,第一
小学校旧校舎,
市民会館の
改修工事を引き続き実施する。
5つ目は,安全・安心のための基盤の確保である。
小・中学校の
耐震化については,
小学校6校,
中学校5校で
耐震診断を実施,
小学校4校,
中学校5校で
耐震補強設計を行う。また,
市営南山形住宅第2期建替工事に着手するほか,
山形駅
在来線ホームの
エレベーター設置に対する
補助,
耐震貯水槽の設置,
はしご消防車や高
規格救急車の更新を行う。
6つ目は,
市民活動の
支援による共創の
まちづくりである。地域の
自主運営による
デマンド方式の
公共交通実証運行,
桜堤景観整備など,地域・
市民が協働して行う活動を
支援していく。また,
地域団体への
公民館運営委託については,新たに9地区で受託してもらうことになり,20
公民館中14
公民館で
自主運営が実施されることになる。
その他の主な
事業については,
小規模特別養護老人ホームの新設に対する
補助,75歳以上の低
所得高齢者世帯に対する
住宅用火災警報器の給付・
設置事業,
登下校に際し送迎が必要な障がい児の
支援活動に対する
補助を新たに行うほか,
ボルダー市からの
友好訪問団の受け入れ,
スワンヒル市へ
短期交換留学生の派遣を行う。
なお,主な
緊急経済対策として,
景気後退の影響を受け経営や資金繰りに支障をきたしている
中小事業者を
支援するための12億円の
特別融資枠を設けた。また,
市内商店街の
活性化を図るため,
プレミアム付お
買い物券として,「
山形まるごと
商品券」の発行に対する
補助も行う。そのほか,それぞれの分野で
事業の前倒しや拡大をする方向で
予算計上を行っている。
雇用機会創出についても,当面の
対策として2月から
臨時職員の採用を行っているが,当初
予算にも
緊急雇用機会創出支援に係る
事業枠1億8,000万円を計上し,
各種事業を展開する中での
臨時職員雇用拡大,民間・NPOへの
委託事業による
雇用創出に精力的に取り組む。
以上が
平成21年度当初
予算の
概要であるが,以降の
資料は
各種集計表及び
資料を掲載しているので御参照願いたい。
2.
山形県知事選挙における
投票・
開票事務のミスの
概要と
調査結果について
初めに,
選挙管理委員長より次のような発言があった。
[
発言概要]
去る1月25日執行の
山形県知事選挙における
開票においては、
投票者数と
投票枚数に相違が生じ、
市民の皆様、議員の皆様に大変御不安と御心配をおかけし、深くおわび申し上げる。
選挙管理委員会においては、その原因の
調査に当たってきたが、
投票録に記載された
投票者数が実際の人数より9人少なかったことを
確認したものの、他の票の
確認までには至らなかった。なお、
投票者数の
記載誤りの主な原因は、
投票用紙の数え誤り、
事務局と
投票所との間の連絡の
不手際など、
基本的な
事務のミスが重なったものであった。このようなことを招いたことについて、重ねておわびしたい。
今後は、みずからも律しながら、職員の処分も含め厳正に対処するとともに、
委員会として
再発防止策を取りまとめ、適正で公正な
選挙事務を執行できるよう全力を傾けていく。
続いて,
選挙管理委員会事務局長から次のような
報告があった。
[
報告概要]
去る1月25日執行の
山形県知事選挙の
開票事務において、不受理を含めた
投票総数が
投票者数より10票多くなり、また
開票結果の確定が大幅に遅れ、
市民の皆様、議員の皆様に多大なる御迷惑をおかけしたこと,心よりおわび申し上げる。
開票事務の状況及びその後の
調査結果の
概要などについて,
資料に基づいて
報告する。
最初に、1の
開票の状況について説明する。
1月25日、午後9時15分から
開票を開始したが、11時ころ、
投票総数と不
受理票の合計である
投票総数等が
投票者数より9票多くなる
見込みであることがわかり、
開票作業を中断し、その原因を
確認するため
投票用紙の
残枚数や
集計済みの
投票用紙の
枚数の再点検を実施した。その中で、100枚ずつの
有効投票の束のうち1束が101枚であることがわかり、県の
選挙管理委員会の助言を受け、翌日の午前1時30分に、
投票総数等130,071票が
投票者数130,061人より10票多い
内容で
開票の結果を確定した。
続いて、2の
開票結果に関する
事後調査及びその結果について説明する。
翌日の1月26日から、
選挙管理委員会事務局において原因の
調査を開始したところ、蔵王第2
投票所において
投票者数を誤って9人少なく
投票録に記載していたことを
確認し、1月27日、
投票者を130,070人に訂正し、
県選挙委員会に
開票結果の
報告を提出した。
なお,蔵王第2
投票所における
投票者数の
記載誤りについては,
選挙管理委員会事務局から蔵王第2
投票所に送付した
投票用紙100枚束の中に、109枚の束が1束あったと推定されるが、同
投票所では送付を受けた日に
投票用紙の
枚数を
確認したものの気づかなかった。同
投票所の
管理者は、
投票中に
投票所入場整理券と
投票用紙の
残枚数に9枚の差が生じていることを
確認したが、
投票者数を
投票用紙の
残枚数に合わせたため、
投票録には9人少ない
投票者数を記載してしまった。
また,ほかに
投票総数等が1票多い原因を
確認するため
調査を継続した。
主な
調査内容は、蔵王第2
投票所を除くすべての
投票所について、
投票所入場整理券の
枚数及び
選挙人名簿の当日
投票済みの
チェック数を
確認し、この中で
投票録の
投票者数と一致しない
投票区については、
入場整理券と
選挙人名簿の
チェックの照合を行った。その結果,
入場整理券または
選挙人名簿の
チェックのいずれかがある
有権者数が
投票録の
投票者数より1人多い
投票所が2カ所あることが判明した。ただ,これら2つの
投票所では,
入場整理券の
枚数,
投票用紙の
使用枚数及び
投票用紙交付機の
カウント数は
投票者数と一致している。また,
投票管理者からの聞き取りにより,受領した
投票用紙の
枚数を複数回点検したこと,
入場整理券の
枚数の
確認状況などについて
報告を受けており,
投票者数が1人多いことを
確認・確定することができなかった。相違を
確認したが、先に
確認した蔵王第2
投票所以外については
投票者数の変更はないものと判断した。
また、期日前
投票及び
不在者投票の
投票者数について、
宣誓書、
投票用紙の
請求者名簿などを
確認したところ、
開票結果の
報告と一致することを
確認した。
以上の
調査結果を受け、
選挙管理委員会としては
投票総数等が
投票者数より1票多いことの理由を
確認することができなかったため,このたびの
選挙の
開票結果は1月27日に
県選挙管理委員会に提出した
報告のとおりと結論づけざるを得なかった。
次に,このたびの原因を分析するため,
投票事務の具体的な
作業内容などについて点検を行ったところ,
選挙管理委員会事務局及び
投票所における
投票用紙の
管理などに幾つかの問題があったことがわかった。
初めに、
投票用紙の
管理の
基本となる
投票用紙の
仕分け作業と
枚数確認の
作業について説明する。
資料は、
点字投票用の
投票用紙を除いた
一般投票用紙についてまとめたものである。
昨年12月18日、
県選挙管理委員会から
投票用紙206,000枚を受け入れ、22日に当
事務局では2台の
計数機により100枚ずつにそろえ、
結束機を用いて100枚束、さらに500枚束に束ねた。束ねた
投票用紙は
保管箱に収納し、当
事務室内の鍵のかかる
キャビネットに保管した。
その後の
投票用紙の
管理は、翌23日に
①不在者投票用、
②期日前
投票用、
③残りの
投票用紙に区分けし、それぞれの
保管箱に収納し、同じ
キャビネットに保管した。
不在者投票用と期日前
投票用の
投票用紙については、必要とする都度、
枚数を
管理しながら使用してきた。
また、当日の
投票所用の
投票用紙については、1月21日、78
投票所ごと必要枚数に分け、紙袋に収納し、再び鍵のかかる
キャビネットに収納している。その後,1月23日の
投票事務打ち合わせ会の際に、各
投票所の
投票管理者に
投票用紙を送付した。
投票管理者は、その日又は翌日に
投票事務従事者を集め、受領した
投票用紙の
枚数を
確認している。
次に、この
作業及びその後の
事務の中で発生したミスについて具体的に
報告する。主なものとして6点ほど考えられた。
1点目は、
選挙管理委員会による
投票用紙の計数及び
結束作業の際に誤りがあったと考えられる。
投票用紙の計数及び100枚束への
結束作業中、この
作業中では気づかなかったが、2枚不足する束,9枚不足する束,9枚多い束をそれぞれ1束ずつ発生させる誤りを起こしたものと思われる。ほかに2枚多い束が1束、または1枚多い束が2束生じたものと推定している。
2点目は、
投票所から2枚不足する束、9枚不足する束について連絡を受けた際に、全体の
投票用紙の
枚数を
確認することなく、安易に100枚束と交換したことである。このため、他の
投票所に
投票用紙が多く送付されている
可能性に気づくのが遅れてしまった。
3点目は、各
投票所における
投票用紙の
枚数確認が一部
投票所で不徹底となっていたことである。
4点目は、
選挙管理委員会事務局から
投票所への連絡の
不手際である。
事務局では、
投票日の
投票開始前に各
投票所に
投票用紙の再
確認について電話連絡したが、一部
投票所への
連絡漏れや
庶務係から
投票管理者への
連絡漏れなどがあり、連絡が徹底されなかった。
5点目と6点目は、いずれも
投票所の
事務に関することだが、
投票用紙の
枚数と回収した
入場整理券の
枚数が異なることを
確認した際の判断の誤り及び
入場整理券の受け取りや
選挙人名簿への
チェックの不注意によるものである。
今回明らかとなった
事務の
不手際は、適正な
選挙執行の
基本となる
内容であり、今後の
選挙において同様の問題を発生しないよう具体的な
防止対策を講じていきたいと考えている。
その主な
内容は、1点目は
投票用紙の計数及び
結束方法について、2点目は
投票用紙の
管理体制について、3点目は、
投票所における
投票用紙の
枚数確認について、4点目は
選挙管理委員会事務局及び
投票所との間の
情報伝達方法について,5点目は
入場整理券の回収について,6点目は
投票録作成についてである。
これらの
内容は現時点で取りまとめたものであるが、今後とも
選挙事務全般にわたって
事務の点検を継続して行い、適正で公正な
選挙の執行に努めていく。
最後に、
山形県知事選挙において生じた
投票・
開票事務の問題、
不手際により、
市民の皆様、議員の皆様に多大なる御迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。...