審査の結果は,各会計の
歳入歳出決算及び基金,並びに
各種証書類の計数は,正確であり,予算の執行につきましても概ね適正と認めました。
次に,
審査意見についてご説明申し上げます。
意見書の2ページをご覧願います。
平成11年度の
一般会計と
特別会計を合わせた
決算額は,歳入にあっては,1,550億8,342万円で,前年度に比べ4.8%,また,歳出にあっては,1,505億9,992万円で,5.7%それぞれ増加しております。
この結果,本年度の収支の状況は,44億8,350万円の
剰余金を計上しておりますが,このなかには次年度に繰り越しとすべき財源が含まれるため,これを除いた
実質収支額は39億6,864万円となり,さらに,前年度の
実質収支額を差し引いた単
年度収支では1,688万円の黒字となっております。
会計別では,
一般会計の歳入が,888億6,506万円で前年度に比べ5.2%,歳出が852億8,126万円で6.3%それぞれ増加しております。
一般会計の歳入では,市債・
地方消費税交付金等は前年度より減少しておりますが,
地方交付税・
国庫支出金・
地方特例交付金等は増加しております。また,歳出のうち
土木費・
教育費等が減少し,
総務費・民生費・
衛生費などは増加しております。
自主財源であり歳入の根幹をなす市税は,前年度より4億8,099万円で1.3%増加しております。
特別会計では,歳入が662億1,836万円で前年度に比べ4.3%,歳出が,653億1,866万円で5.1%それぞれ増加しております。
一般会計と
特別会計を合わせた
収入未済額は,22億7,850万円で前年度に比べ6.8%増加しております。
収入未済額の増加は,負担の公平及び歳入の確保を損なうものであり,実態に応じた適切な措置を講じられ,滞納の整理にさらなる努力を図られるよう要望したところであります。
翌年度への
事業繰越額は,
繰越明許費が46億4,210万円で,前年度に比べ20億441万円減少しているが,今後とも事業を計画的に推進されるよう要望したところであります。
市債残高は,
一般会計・
特別会計を合わせて2,028億6,735万円となり,前年度より101億2,092万円で5.3%多くなっております。この金額は年間総
予算額を大きく上回るものであります。また,
普通会計における
財政状況を見ると,
財政力指数が0.03ポイント低下し,
公債費比率も19.2%となっていることから,
財政構造の弾力性を圧迫する要因とならないよう
財政運営にあたっては十分留意されるよう要望したところであります。
事業の
執行状況につきましては,需要費など
一般行政経費の削減に努められるなど,
財政運営の健全化に向けた努力の跡がうかがえます。また,
財政環境の厳しい中にあって,
福祉関連施設の充実に努められるとともに,昨年に引き続き
福祉関連事業の
ソフト面の
体制強化が図られるなど,
市民福祉向上への
取り組みが行われております。さらに,
都市基盤整備事業として山形駅
西口新都心ビルの
建物取得,
山形ニュータウン開発整備事業,
都市計画街路事業及び
生活道路新設改良など,来るべき新世紀に向けた県都にふさわしい,
社会資本の整備が積極的に推進されております。
今後も,山形新
総合計画に掲げるさまざまな事業が推進されると思われますが,
財政運営にあたっては,歳入面において停滞する経済状況の中,税収の伸びが大きく期待できない一方,歳出面では公債費などの義務的経費の増加が見込まれることなどから,限られた財源の中で予算の重点的配分と効率的な
行財政運営が求められております。また,本市は特例市に移行の予定となっていますが,なお一層の行財政改革の推進を図り,市民福祉の増進に寄与されることを要望したところであります。
なお,個別の意見・要望等につきましては,各項目ごとに記載しておりますので,4ページ以降をご覧いただきますようお願い申し上げまして,決算
審査意見の概要と説明といたします。以上でございます。
○議長(
中村幸雄君) 以上で,
決算審査意見書の説明は終わりました。
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◎質疑
○議長(
中村幸雄君) これより質疑に入ります。上程議案に対しご質疑ございませんか。21番 高橋嘉一郎議員。
○21番(高橋嘉一郎君) 市長の
提案理由説明の中で,県内の
景気動向については,全体として回復しつつあると。
個人消費の低迷,
雇用情勢の厳しさ,そして
企業倒産など,依然として厳しい状況だと。こういう
景気動向については,適切な見方かなと思っておりますが,その次に,
景気回復を確実なものとするために,本年度も総額4兆7,800億円の
補正予算を編成した。この
景気回復を確実なものにするために,こういう
補正予算を,3,4年前から,そのためにというので,何兆円,何兆円と前にとってきたわけだね。そして,
景気回復のために何兆円。今でも景気がよくなるような話を,常にやってきたわけだね。それでも尚且つ,
景気回復の見通しがたたないわけだ。失業者が依然として,今日のニュースにもあったのだけれども,先月と同じ最悪の事態だというような。これ,市長としてでは,
景気回復のために力を尽くしてきたということも述べているわけですけれども,この
景気回復の問題についてね,もう少し,見通しについて,今の状況では見通しないというのか,見通しつくというふうに言えるのかね,その点あたりのご所見を一つお願いしたいと思います。
○議長(
中村幸雄君)
吉村市長。
○市長(
吉村和夫君) 今の高橋議員のご質問は全くそのとおりであります。議員の方々が今回初めて私,市長に当選させていただきましてから,
景気動向につきまして説明を申し上げました。
今までは,
景気動向については無かったはずであります。
私が就任した2月からの議会では,助役と
企画財務部長と相談しました。国も県も景気の動向というものを
提案者が必ず報告するはずだと,わが方では無いけれども,やっていいのかといったら,それはおおいに結構ではないですかということで,一応,今日報告しましたとおりのことをしたわけでありますけれども,時間的に間に合わなかったものですから,議会側の方にお願いをしまして,今回この
景気回復につきましての動向について申し上げたという経緯がございます。
その中で,今,高橋議員からの質問でございますけれども,今どうなっているのだと,こういうふうに言われますと,私もなかなかちょっとはっきりと言いますと,責任ありますので,なかなか言えないけれども,山形市に関する限りは,景気はある程度底離れしたと,このように認識をいたしております。
それは何かというと,我々が経済界の方々と会っております。経済界の中で,ばらつきはありますけれども,決算はほとんどが黒であります。黒。だから予想以外にそういう黒が多かったわけですから,ばらつきはあります。もっともですね。だけども,企業にとってはいいんだなというふうに認識をいたしております。
それから,雇用,雇用の問題はご案内と思いますけれども,山形県内では,雇用の率は山形市が最高であります。県が東北で1番でございますけれども,そのほとんどが山形市が中心でありますので,雇用もまあまあ良いと。それから税収の伸びでございます。税収の伸び,我々予想以上に11年度の出納の閉鎖時期5月31日でありますけれども,もうすでに議会の方には報告しておきましたけれども,9億3,000万円の増収と,しかも法人税が良いということになりますと,固定資産税の場合は,これはある程度,消費者から見ますと義務的なものになりますけれども,法人税が伸びるということは,良いことでありますから,喜んでいたわけであります。その余った金を今までの補正で使わせてもらってきたという経緯もありますけれども,そうしますと,あとは行政でどうするのだということになりますと,冒頭に申し上げましたとおり,普通,地方自治体で前倒しということでやっております。4割前倒し,6割前倒しというふうなことをやっておりますので,私は今回の議会で平成12年度の予算を議決していただいたときから,とにかく全部使えと,雪降るまでは90%執行しなさいと,こういうようなことを部長会議で指示をいたしました。ということは,やるものをどんどんやっておかないと,繰越しとかそういうふうなことなりますと,今度は,その予算が死んでしまうということ,私も県会議員当時非常に多くの経験をいたしたので,計上して可決をいただいた予算は,もう全部使う体制をつくれと。しかも山形というのは,12月末から,はっきり申し上げますと,1月,2月,3月が雪であります。雪で事業関係は動けません。そうしますと,もしも困ったら補正というのがありますから,補正でお願いするとしましても,とにかく現予算というものをどんどん使いなさい,というようなことで,先程ご報告しました,11月末には92%,これは契約高でございますけれども,いわゆる執行率を示しております。おそらく,こんなこと言うと失礼でございますけれども,92%というのは,山形県内の地方自治体では1番であると,私は評価をいたしております。このように行政側でやれるものは,どんどんやっていこうというふうなことも,後押しをしまして,職員も今一生懸命でありますから,職員も景気浮揚というものについては,もう敏感で一生懸命でございますので,これだけやれば,後は消費者の特に女性の方々の財布の紐が,ちょっとこう膨らみますと,私は,年末には,良い正月になると,本当に景気は山形は良くなるのではないかという,期待よりももっと強く感じている次第でございます。以上,私なりの所見を申し上げたいと思います。
○議長(
中村幸雄君) 21番 高橋嘉一郎議員。
○21番(高橋嘉一郎君) 市長の見解といいますかね,お聞きしたわけで,それなりの経済界においてでは,景気の回復の兆しは見えると,ばらつきがあるけれどもというような。それは,そのとおりではないかと思うわけだね。ただ,これは全体的ではないということだけは明確だと。それから,そこには全体的ではないという点で,市長は口頭答弁非常に難しいようなそういう答弁だったと思いますけれども。問題は,やはり一般市民の懐具合が非常に冷めているというような,ここが問題ではないのかというような,やはり街の中に入れば,商店街が非常に淋しい状況がもう進んでいる。だんだん良くなるというのではなくて,進んでいる。
それから,農業,農村も広大な人口から就農状況があるわけですけれども,昨日の日本農業新聞では,農業の所得が去年で,去年ですね,12%落ち込んだと。米の方は18%落ち込んだと。これは去年です。今年はさらに落ち込んでいる。この落ち込みのパーセントはさらに大きいと見ているわけだね,私は。そういう中から,一部企業が景気が良くなったと見られるけれども,全体的な
市民生活から見ますと,相当落ち込んでいると。それから,介護保険の導入で負担が多くなってきている。医療制度がね,昨日,今日のニュースでもあったように,負担増になる。こういうもろもろの負担増が,出てきますと,先行きが見えないわけだね。市長の答弁の中で,懐の紐が,財布の紐が解けるのじゃないかというのです。私としては,逆に財布の紐が締まるのじゃないかと,そういう危険性をもっているというようなね,私はそこをシビアに見ているのです。
その点,どんなものだかね。市長は財布の紐が,それは市長としてではそういうふうに期待したいと思うのだけれども,私としてでは,財布の紐が締まるのじゃないかと。こういう市民全体の,市民の中ではね,その辺どんなものですか。
○議長(
中村幸雄君)
吉村市長。
○市長(
吉村和夫君) 大事な問題だと思います。今,ばらつき,いわゆるこれは議員のご判断と同じでありまして,ばらつきがあるというのは,業種によってもばらつきがあります。
例えば,我々が想像できなかったのは,物流ですね。物流のコスト,こればらつきですね。それから,土木業者についての値段のばらつきですね,これなにかというと,山形以外は非常に安いのです,仙台も全部。それが今押し寄せてきています。それに対する対抗するための問題で,負けちゃうと,こういうふうなこともあります。いろいろなことあります。ただ,言えることは,これは山形市というもの,特に山形県というものは,国の景気に余り左右されないのです。
例えば,朝鮮動乱がございました。そのときの景気は山形は,こうなっております。こうならないのです。質問しましたら,山形県というのは,農村県であると。いわゆる農村県の中での,一つの県作りがなっておりますと。山形市のことをいいますと,農村の方々が非常に多い中で,商工業者というのが入っている。それに,後は公務員とか,そういうサービス関係の業者が入っていると。これは,一つの大きな景気のものについて,がたんとはいかないのだと。と同様に,バブルの問題でも,一部の人は非常な利益を上げたと思いますけれども,そんなに儲かったところはないはずだと。したがって,バブルの崩壊の後も,そんなダメージを受けた,全部が受けたということはないはずだというふうな中で,今,おっしゃるとおり,いわゆる農業者の景気浮揚をどう考えるかと,こう言った場合は,もうご案内と思いますけれども,ちょっと長くなりますけれども,農業者の中でも,専業者,それから兼業農家とありますから,この両部門が,山形として安心して所得が向上できるような体制を組めば,私は,山形市というのは,全般的に底上げできるのではないかなと。それは企業ですね。そういうことを考えまして,今度,今お願いしております,部を産業部を,農林部というふうなこと分けましてやっていきたいと。農林は農林関係で新しいいわゆる農政というものを考えていくべきだと。商工行政は商工行政,
観光は
観光と,こういうふうなことを真剣に考えていくべきだということでお願いしている次第でございます。いずれ,また正式にお願いをしますけれども,大変なところでござますけれども,ややもすれば,皆が景気悪い悪い悪い悪いとこう言っているものだから,良い人も言えないと,恥ずかしくて。俺のところ良いのだと言えないという方もいるのです。
だから,今度は大いに議員の先生方もやっと良くなったというようなことを,選挙区に帰りまして言ってもらえますと,ある程度こう「わぁー」となるのではないかと,期待もやっぱり空気ですから,ある程度ですね。景気というものは空気が非常に影響しますので,良くなるのだというふうなことを考えますと,そういうことアピールしていただきますと,皆が元気を出すのではないかと,やっぱり元気のある山形市というものであれば,非常にありがたいとこう思いますので,どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。以上です。
○議長(
中村幸雄君) 21番 高橋嘉一郎議員。
○21番(高橋嘉一郎君) 市長に対して,意見としてでは終わるわけでありますけれども,とにかく,市長は,いろいろ前倒しから,何から,
景気回復のためにやったと,92%も発注したと。そういう点では,市長としては,やるだけやれる力を出したというような,そこはわかるわけですけれどもね。答弁の中で,農業は専業農家とか何とかというようなことで,そういうふうなことをすると何か良くなるような,そういう話もあったわけですけれども,農業,本当に大変ですよ。専業農家ほどやられているのだから。本当にまず今の状況では,立ち直るには,本当に大変だというような。ぜひね,農林部というようなことを今最後に言ったのだから,そういう部を作るというのなら,作って,確実にね,この
提案理由にあるように,
景気回復を確実なものにするためということあるのだから,確実なものにするために,農林部あるいは商工産業の方の産業部というような,産業も大変なことだからね。これは確実なもののため,一つお力を出すように,その点を指摘して終わります。
○議長(
中村幸雄君) ほかにご質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
中村幸雄君) ご質疑なしと認めます。これをもって質疑を終結いたします。
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◎動議(決算・
予算委員会の設置,議案付託)
○議長(
中村幸雄君) 23番 加藤孝議員。
○23番(加藤孝君) この際,動議を提出いたします。
ただいま上程されました案件のうち,議第117号については,議長を除く全議員で構成する
決算委員会を設置して付託,議第118号から議第126号までの議案9件については,議長を除く全議員で構成する
予算委員会を設置して付託のうえ審査されるよう動議を提出いたします。
○議長(
中村幸雄君) ただいま加藤孝議員から提出されました動議を議題とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
中村幸雄君) ご異議なしと認めます。
よって
決算委員会・
予算委員会の設置及び議案付託の動議を議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決するにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
中村幸雄君) ご異議なしと認めます。
――
――――――――――――――――――
◎委員会付託
○議長(
中村幸雄君) よって,議第117号については,
決算委員会を設置して付託,議第118号から議第126号までの議案9件は
予算委員会を設置して付託,その他の議案は配布しておる付託案件表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
なお,請願は請願文書表のとおり,各常任委員会に付託いたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○議長(
中村幸雄君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
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◎休会
○議長(
中村幸雄君) この際,お諮りいたします。
議案調査のため,明日から12月5日まで4日間休会いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
中村幸雄君) ご異議なしと認めます。
よって,会議は明日から12月5日まで4日間休会することに決しました。
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――――――――――――――――――
◎散会
○議長(
中村幸雄君) 本日は,これをもって散会いたします。
午前10時45分 散 会...