山形広域圏の3市2町を
対象地域として,
合併によってできる新しい
都市の
まちづくりについて,本市の基本的な
考え方を明らかにするため,独自で
策定を進めてきた。本年5月の
策定以来,9月
定例会の
総務委員会,
広域行政推進特別委員会においてご協議いただくとともに,
市民代表の
山形市
広域行政懇談会や
広域合併市民フォーラムなどで素案を示し意見を聞き,このたび
合併都市ビジョンがまとまった。
ビジョンの
概要として,1ページからは
社会動向として,
高齢化と少子化の進行や
地方分権の
推進など6項目を取り上げ,
地方自治体を取り巻く
環境について述べている。
6ページからは
関連計画として,国の新・
全国総合開発計画のほか,
南東北中枢広域都市圏構想,
山形県新
総合発展計画など
各種計画を取り上げ,それらの中で,この
地域に対する期待などについて整理している。
13ページから始まる
現況については,3市2町の沿革や
自然環境と
地域構造,
土地利用の
実態,
人口や
産業の
現況を分析し,さらに通勤・通学や買い物・レジャーなどの
日常生活について,
山形広域圏全体としての姿とともに,
広域圏内の一体化が進んでいる
状況についてまとめている。
そうしたさまざまな
現況を踏まえて,54ページからは,
山形広域圏が将来に向かって魅力ある
地域づくりを
考えるとき,取り組むべき
課題として,
広域化の
進展,
多様化する
行政需要などについて述べている。
その
課題への
対応策として,57ページからは
合併の
必要性について6つの
視点でまとめている。
多様化,高度化する
行政需要に応え,一層の
市民サービスの向上と特色ある
まちづくりを
推進するためには,
都市としての
行政能力を高めることが必要であり,
地方分権の流れの中で,
制度として創設された
中核市の
指定を受けることが最も有効な手段であること,さらには
日常生活圏の
広域化の
進展に合わせた一体的な
都市経営,
広域的視点に立った合理的な
土地利用の
進展などの
観点からの
必要性について述べている。
64ページからは,
合併都市の
役割として,新・
全国総合開発計画などの中で示されている,将来に向かって
山形広域圏が担うことを期待されている
役割や目指すべき
発展方向についてまとめている。
66ページでは,将来像として「21
世紀の
都市をリードする
中核市・やま
がた」,サブタイトルとして「自然と活力が調和した
快適ネットワーク都市」を掲げ,さらに,その将来像を実現するため,多様な
都市機能のある
都市づくり,活力ある
都市づくり,やさしい
都市づくりの3つの
基本理念について述べている。
68ページからは,
合併都市づくりの
方向について,第1点として各
地域の特長を生かし,多極型の
都市形態を
形成するため,69ページの図に表したように5つの
エリアを設定している。第2点は,
合併都市が持っている魅力を大切にし,特色ある
まちづくりを進めるため,72ページの図のように7つのゾーンに区分した
土地利用の
方向性について述べている。第3点は,
都市としての
一体性を強化するために,さまざまな
ネットワークの
形成を述べている。
75ページからは,
合併都市づくりの
展開として,
基本理念を受けて,
合併都市づくりの
方向を踏まえた各分野にわたる
施策の
展開について述べている。
81ページ以降は,現在の各
市町の
総合計画などで掲げる
施策を尊重しながら,
基本理念や
合併都市づくりの
方向や
展開を通して
考えられる主な
施策について,全域を
対象とするもの,
ネットワーク形成に関連するもの,そして,各
エリアごとのものにそれぞれ区分して述べている。
次に,
パンフレットについての
説明であるが,これは広く
市民の
理解を得るために,
合併都市ビジョンを要約したものであり,1月1日発行の広報やま
がたに折り込んで全家庭に
配布を予定しているものである。なお,
配布の際には,
広域合併推進市民懇談会や
市民フォーラムなどでこれまで
市民から寄せられた
合併に対する質問や疑問の中から,基本的な事柄について答える
パンフレットも併せて
配布する。今後も,
合併に関する
情報をさらに提供し,
市民レベルで論議してもらうよう取り組んでいく。
最後に,
合併都市ビジョンについては,
関係市町の2市2町に対しても
説明をし,今後,この
ビジョンをたたき台として,3市2町が協同で同じ
テーブルについて,
合併に関する
調査研究ができるようになればと
考えている。
○
議員 先日の
新聞報道では、
上山市では山辺町・中山町を含めた2市2町の
合併を同時に行うべきだとの
市長の見解があったが、
上山市との
先行合併を
考えていたことからすれば、一歩後退したと
理解している
市民が多いと認識している。今後の
合併に向けての
タイムスケジュールはどういうものなのか。
○
総合政策室長 同じ
テーブルにつきながら
合併を論じるなかで、
熟度の違いが出てくるようであれば選択の道も出てくるのではないか。しかし、今は3市2町が一緒になろうとの提起をしている。
○
議員 あくまでも段階的なものではなく、3市2町による
合併を進めていくという
理解でいいのか。
○
総合政策室長 3市2町による
合併ということで進めているが、これまでの
市長の答弁にもあるように、差が生じた場合には、その段階で判断しながら進めていくこともあり得るのではないかと
考えている。
○
議員 上山市
金瓶地区において、
合併すれば、蔵王二小が移転されて非常に便利になるという
市当局の
説明があったという。そのようなことまで具体的に話が出ているのか。
○
総合政策室長 上山市において実施している
座談会等の詳細については承知していない。学校の問題や
生活に関わる問題については、最終的に道路や
まちづくりという
観点の中で、広く論じながら、
市民に問いかけて、
市民の判断をいただきながら進めていくのが
合併作業であると
考えている。
○
議員 行政水準を高めていくということは、財政的にも大変な負担になってくるが、その辺を明確にしていない。今後の
市民の暮らしをどのようにしていくかが非常にあいまいである。
合併すれば
山形市の場合は、むしろ
行政水準を落とさざるを得ないのではないか。期待して
合併して、やってみたら、こんなはずではなかったなんてこともあり得るのではないか。さきに
合併ありきではないのか。どのように認識しているか。
○
総合政策室長 広域合併の
必要性の中で、特に
中核市の
指定を受けることによって一体的・一元的な
行政サービスをしながら、現在以上の
市民の満足を得たいとしている。また、現在の
財政状況を
考えたとき、
重複投資の整理や既存の
社会資本の
活用などの
視点で
考えている。さらには
パンフレットに折り込んだ「
合併に関する疑問にお答えします」の中で、いくつか基本的なスタンスを示した。1回だけでわかってもらえるほど簡単なものとは
考えておらず、いろんな角度から
情報を提供しながら、広く論議を得たいと
考えている。
○
議員 中核市になっての願いは
自治権の確立であるが、
実態はそうでない。これまで他市の
合併をみてみると、
交付税が相当落ちてくるという
実態がある。そのようなことも含めて、十分に配慮して進めてほしい。
○
議員 税収の伸びが見込めない厳しい
財政状況のなかで、どのような
行財政改革をするのか、どのような新しい
住民サービスを提示するのか。
行財政改革が大きなポイントであると
考えるが、具体的な
考えはどうか。
○
議員 中核市指定の
人口要件等が変わるという話があるが、その場合どのような影響があるか。また、
合併した場合の
歳入歳出の具体的な
シミュレーションは行っているのか。
○
総合政策室長 行財政運営という側面での
シミュレーションを起こしながら
展開していくことは、今後の
作業になるのではないか。また、
中核市指定の
要件が変わることについては、
情報を得ていない。
○
市長 市民への
行政サービスが低下するであろうとの懸念はなきにしもあらずだが、できるだけ少なくしていかなければならないという
考えでいる。
2.
山形市
土地開発公社に対する
債務保証の
状況等について
建設部長から,
別紙資料に基づき,次のような
報告があった。
[
報告概要]
平成10年9月1日から11月30日までの
債務保証の
状況は,
平成10年8月31日現在の
債務保証額(
借入額)は,143億4,920万9,000円であった。その後,
平成10年9月1日から11月30日までに,2億8,440万円を新たに
借入し,
償還はなかったので,
平成10年11月30日現在の
債務保証額,つまり
借入額は146億3,360万9,000円となっている。この
期間に
債務保証を行った
事業の
明細は
記載のとおりである。
次に,
平成10年12月1日から
平成11年2月28日までの
債務保証の
減額見込額については,この
期間に
借入を見込んでいる
事業及び
償還を見込んでいる
事業の
明細は,
記載のとおりである。
平成11年2月28日までの
借入金総額は,163億5,328万6,000円となる見込みであり,これは
山形市
土地開発公社に対する
債務保証限度額250億円の範囲内である。
3.
平成9年度
最上川中部水道企業団事業報告について
水道部長から,
別紙資料に基づき,次のような
報告があった。
[
報告概要]
給水戸数,
給水区域内人口,
給水人口については
業務概況の(1)に
記載のとおりであるが,前年に比べそれぞれ増加している。なお,
普及率は94.5%となっている。また,
年間の
取水量,受水量,
給水量,及び有
収水量等については
業務概況の(2)に
記載のとおりであるが,有
収率は前年に比べ0.2%増の85.6%となっている。
次に,
経営状況については,当初
予算において2,039万1,000円の
利益を計上していたが,
給水量が伸びず,結果的には1,486万8,780円の純
利益となっている。
次に,
収支内訳については,
収益的収入は8億8,154万6,718円,
支出は8億5,125万8,489円で,その結果,先ほどのとおりの
当年度純
利益となった。
資本的収入は,3億944万2,230円,
支出は4億6,015万228円となり1億5,070万7,998円の不足を生じたが,
過年度分損益勘定留保資金,
当年度分損益勘定留保資金,
当年度分消費税資本的収支調整額,
建設改良積立金で補てんしている。なお,
工事については,本年度の
建設改良工事の
総額は3億5,705万4,034円である。また,
下水道事業に伴う
水道管移設工事としては,1,952mを施工している。
なお,決算については9月29日の
企業団議会で認定されている。
4.
全国市議会議長会主催の
米国・
カナダ行政視察の
報告について
枝松昭雄議員から、次のような
報告があった。
[
報告概要]
今回の
米国・
カナダ視察は、毎日毎日がテーマを設けた
視察であり、純粋な
観光的部分はほとんどない日程であった。10月6日には
カナダのトロント市郊外約50kmにある
バーリントン市を訪問した。
人口14万人ほどのあまり大きくない市ではあるが、
市長を始め
議員、
市当局と懇親を深めてきた。
バーリントン市議会の
議員数はわずかに7名であり、
報酬は年俸で6万5,000ドルと
市長とも同じということであった。むしろ
助役(シティ・マネージャ)の方が常勤ということで、
報酬が高く9万ドルであった。また、東京都板橋区と
姉妹都市を結んでおり、交流が深いとのことであった。ここでの市の
行政とは、いわば
メンテナンス事業が主で、つくるということがあまりないような感じを受けてきた。
翌10月7日は
ナイアガラの
ごみ処理施設を訪問した。
ごみは
有価物と
生活ごみとに分けられており、
有価物を2週間に1回回収し、新聞紙・ダンボール・
ビン類を集め分別した後に販売するとのことであった。それが
年間320万ドルにもなり、職員6名、
作業員19名の
人件費を全て賄えるということには感心した。独立採算制的なものであった。また、
生活ごみについては1週間に1回回収しているが、販売できるものは販売しているということであった。さらに
ナイアガラでは
水力発電所を
視察したが、
発電量は30万とのことであった。10月8日は
ニューヨーク市を訪問し、
リバーフロント再
開発を
視察した。従来ハドソン川は
貿易船や
観光船の出入りする港であったが、水深が浅く、現在は船の
大型化などにより使われていないということであった。それをいかにして利用していくかが
課題であるが、
現況は更地であった。21
世紀に向けて検討中であるとのことであった。10月9日は
ニューヨーク市にある
高齢者福祉施設を訪問した。
福祉施設とはいえ国や州、市からの補助は一切なく、貯金を持っているか、高額な
保険に入っていなければ入所できないものである。毎月の
入所料は5,000ドルかかり、
年間で6万ドルである。約400名の定員であるが、
充足率は現在300名程度である。
さらにシカゴのマーチャンダイズ・マートを訪問した。
家具の
デザイン展示が行われていた。
デザイナーたちが1区画1,000ドルほどで借り受け、それぞれ趣向を凝らした
家具を展示するというものであり、ここから一躍
アメリカ全土に広まっていく。
最後にシアトルを訪問し、
緑地計画実施地域を
視察した。ここで興味深かったことは、家には
土地が付き物であるとの
考え方で、
固定資産税も主に
土地ではなく、建物に対して課税されるということは、感覚的にも日本とはだいぶ違うものであった。
5.
東北市議会議長会主催の
ヨーロッパ行政産業視察の
報告について
金峰聡和議員から、次のような
報告があった。
[
報告概要]
最初の
視察地パリ市において
地方自治制度、
議員内閣による
地方自治のあり方、またスイスのチューリッヒ市においては
防災対策、有事に対する
核シェルターの完備、強固な
国民参加による
防災システム等々、さらに
老人福祉制度では
スタンフェバッハ老人ホームを訪問した。立派なホテルを思わせる
施設など、行き届いた
公的施設と
年金受給など
社会保障の充実に感銘を受けた。
ドイツ、フライブルグ市では
環境保全、
容器使い捨て禁止リサイクル、生
ごみの堆積による
天然ガス利用、
熱エネルギーの
活用などを
視察した。フランクフルト市では
世界経済の
中心都市で、
ユーロ経済圏のしくみや、既に1995年から導入されている
介護保険のレクチャーを受け、民間による
制度運営や0歳からの適用などの
説明は大いに参考になった。また、ヘッセン州
議会訪問では、
地方自治体の
行財政のしくみ、
議員より選出される
市長、各省の
委員制や独自の
予算執行など、
地方自治が確立されていた。さらに、市、
州自体が農園数千haを持ち、若者の就職・
失業対策を担っていた。
ロンドン、
スペルソーン市議会訪問では、
デニス女性市長に出迎えられ、
議員選出市長、ボランティアによる
議員活動など、自由な
議会運営であった。
最後に、歴史と伝統を重んじ、
自然環境を守り、ハイリスク・ハイリターンの
社会保障、特にフランスは
食糧自給率150%の
農業国であり、国の基は農であるということを感じた。...