平成 7年 9月定例会(第3号 9月 8日)
平成7年9月8日(金曜日)
〇出席議員(40名)
1 番 澤 渡 和 郎 君 2 番 石 澤 秀 夫 君
3 番 高 橋 啓 介 君 4 番 渡 辺 弥寿雄 君
5 番 高 橋 博 君 6 番 高 橋 民 夫 君
7 番 金 峰 聡 和 君 8 番 斎 藤 淳 一 君
9 番 加 藤 賢 一 君 10 番 高 橋 伸 行 君
11 番 渡 辺 ゆり子 君 12 番 豊 川 和 弘 君
13 番 加 藤 孝 君 14 番 石 沢 忠 八 君
15 番 竹 田 和 義 君 16 番 荒 井 啓 君
17 番 鈴 木 善太郎 君 18 番 峯 田 豊太郎 君
19 番 阿 部 喜之助 君 20 番 阿 部 豊三郎 君
21 番 高 橋 嘉一郎 君 22 番 佐 藤 義 久 君
23 番 酒 井 靖 悦 君 24 番 佐 竹 盛 夫 君
25 番 佐 貫 宏 一 君 26 番 小野寺 建 君
27 番 長 瀬 洋 男 君 28 番 会 田 邦 夫 君
29 番 渡 辺 秀 夫 君 30 番 宝 沢 啓 輝 君
31 番 枝 松 昭 雄 君 32 番 武 田 一 夫 君
33 番 佐 藤 稔 君 34 番 浅 野 泰 孳 君
35 番 深 瀬 悦 男 君 36 番 尾 形 源 二 君
37 番 渡 辺 卓 弥 君 38 番 加 藤 正 君
39 番 中 村 幸 雄 君 40 番 大 沢 久 君
――
―――――――――――――――――
〇説明のため出席した者
市長 佐 藤 幸次郎 君 助役 板 垣 啓 二 君
収入役 今 野 和 子 君
総合政策室長 斎 藤 健 司 君 総務部長 梅 津 久 勇 君
財務部長 佐 藤 冨 也 君
市民部長 酒 井 正 男 君
環境部長 寺 崎 琴 雅 君
福祉部長 横 倉 明 雄 君
産業部長 日 野 茂 男 君
建設部長 奥 山 漸 君
都市開発部長 垂 石 定 敏 君
下水道部長 山 崎 輝 翁 君
消防長 武 田 鉄 雄 君 済生館長 櫻 田 俊 郎 君
済生館事務局長 山 川 正 雄 若
水道事業管理者 阿 部 勇 蔵 君
水道部長 黒 沼 吉 男 君
教育委員長 後 藤 和 弘 君
教育長 酒 匂 勝 雄 君
選挙管理委員長
選管委事務局長 加 藤 順 功 君
職務代理者 伊 藤 文 雄 君
監査委事務局長 加 藤 弘 一 君
代表監査委員 大 山 昌 一 君
農業委事務局長 岸 善 明 君
農業委員会長 日 野 晃 昌 君
――
―――――――――――――――――
〇
事務局職員出席者
局長 金 田 春 雄
総務課長 鈴 木 啓 議事課長 岩 田 充 巨
副主幹 菅 澄 子 議事係長 須 藤 正 博
調査係長 深 瀬 博
――
―――――――――――――――――
〇議事日程第3号
平成7年9月8日(金)午前10時開議
第1
市政一般方針に対する質問
――
―――――――――――――――――
〇本日の会議に付した事件
日程第1
市政一般方針に対する質問
――
―――――――――――――――――
◎午前10時 開議
○議長(大沢久君) これより本日の会議を開きます。
出席議員は,定数に達しております。
本日の議事は,日程第3号をもって進めます。
――
―――――――――――――――――
◎
市政一般方針に対する質問
○議長(大沢久君) 日程第1
市政一般方針に対する質問を行います。質問者は通告により,議長において指名いたします。
なお,質問は会議規則第57条の規定により答弁を含めおおむね1時間とし,再質問は同第64条の規定により2回までといたします。
また関連質問は,許さないことにいたします。
市長はじめ答弁者は,時間の都合上簡潔にして,要を得るようご協力をお願いいたします。
それでは指名いたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎
佐藤義久君 質問
○議長(大沢久君)
障害者基本政策の確立について,ほか5項目について,22番
佐藤義久議員。
〔22番
佐藤義久君 登壇〕
○22番(
佐藤義久君) 本年4月23日に執行されました
統一自治体選挙で,市民の皆様の暖かいご支援により,3期目の当選をさせていただきましたことに,心より感謝を申し上げます。また,この時期に
一般質問の機会を与えていただきました先輩,同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
佐藤市長は,昨年11月市長に就任して,本9月定例議会で,ちょうど一巡いたします。就任以来,25万市民がゆとりと豊かさを感じ,希望を持ち,安心して暮らせる
まちづくりに鋭意努力されていますことに,心より敬意と感謝を申し上げます。
前金澤市政のもとで培われた良きものには,水をやり,肥やしを与えて育てるとともに,新たに佐藤市政による新しい種を蒔き,大きく育てていく時と思います。とき,あたかも第5次
総合計画の最終年度にあたり,市民各層の代表により第6次山形市
総合計画が,大きく変革するであろう新たな時代の山形市のあるべき方向について,精力的に審議されていることに,大きな期待を持っているところであります。
さて,私はこのたびの選挙で
1.誰もが安心して暮らせる
まちづくりをめざして―福祉の一層の前進と充実
2.活力と希望の持てる
まちづくりをめざして―産業の活性化と働く場所の創出
3.安全で快適な
まちづくりをめざして―道路の新設と改良による
渋滞解消。地域環境の整備
これらを公約とし自らの政治課題にしてまいりました。
従いまして,今回の
一般質問では福祉行政と
市民生活重視の行政について質問させていただきます。
その前に本月6日,フランスは全世界の多くの人達の
核実験再開反対の声を無視して,
地下核実験をしました。更に来年5月までに数回行うと表明しています。日本においても,唯一の被爆国として,各地で反対の行動が行われています。
地球の環境は,一国のものではありません。人間ばかりでなく,全生物の共有財産であります。中国の核実験にも強く抗議をするとともに,すべての核保有国の核実験はもとより,核の廃棄を求めていかなければならないと思います。
本市議会においても,7月
臨時市議会において中国の核実験に抗議し,フランスの核実験に中止を求める決議をしました。
平和都市宣言をかかげる本市の市長としてフランスの
核実験再開についての所感をお聞かせ願いたいと思います。
それでは,通告の順に従いまして質問をいたしますので,市長及び
関係部長等からご答弁をお願いいたします。
まず,はじめに
障害者基本政策の確立についてでありますが,高齢者に対する施策は,国のゴールドプランに基づき,本市においても
高齢者保健福祉計画が策定され,実施段階に入っております。本市の計画が有機的に機能するためには,ハード面における施設建設が数の課題であるとともに,ソフト面との連携に十分考慮されていかなければならないと思います。
また,高齢者の個々人の状況に差異がある中で,
医療機関,保健施設,
福祉施設とあるいは行政機関との各部署との総合的,系統的な対応がスムーズに行われていかなければならないと思います。その面において,計画実施の段階で一層,各分野の協議が必要であるとともに,この点についての問題について若干指摘をさせていただきたいと思います。
さて,高齢者に対する
基本政策の方向は今申し上げましたように示されているわけでありますが,
身体障害者や
知的障害者に対しても,施策の
基本計画を早急に作る必要があると思います。障害者に対する施策が,保育・教育・
施設建設等で行われてはいますが,量的な不足と,更に問題なのは断片的であり,施策に系統性と連続性が欠落しているところであります。個々人の状況,年齢に応じた保育・教育・施設,その後の住宅,自立と
社会参加のための就労,
老人ホーム等,幅広く対応できる
基本政策,また,障害者に優しい
まちづくりの
基本政策が必要だと思います。
例えば,若干繰り返しになりますが,障害のある幼児を受け入れられる保育体制,
特殊学級高等部新設,自立・
社会参加のための雇用創出,大
規模福祉授産工場の新設と授産施設の充実,自立及び
財政的支援のための住宅確保,
高齢知的障害者の
老人ホーム建設,
障害者スポーツ施設等々,さらに,
視力障害者,
車いす利用者が安心して街の中で行動できる
まちづくりが必要だと思います。
これは,障害者にやさしい
生活基本計画が必要だということだと思います。
市長には,
基本計画策定の必要性についてと,政策の基本的な柱についてお伺いいたします。
また,
福祉部長には,
身体障害者,
知的障害者に対する今後の施策推進について,具体的な面についてお伺いいたします。
次に,
健康都市山形をめざしてでありますが,本年の8月24日仙台市を会場として
日本人間ドック会議が開かれました。それによりますと,40代,50代における異常なしは全国平均で20%未満とのことで,10年前と比較すると,全国的に極端に悪化しているとグラフは示しています。脂肪分の多い食事等,ライフスタイルが均一化し,肝機能異常と高コレステロールの人が増えてきたためと分析されています。更に,ストレスも加わっているかも知れません。10年間の推移が示す東北地方のグラフは,10年前の他の地区との比較では,東北地方は悪い数値を示していたところですが,他の地区が悪化したため,現在は他と同様の数値,やはり20%未満と,こういう結果になっています。
しかし,これらの数値は,
人間ドックの受診率,あるいは
人間ドックに対する地域性があると思われるので,これをもって
健康度合いのすべてを推し量ることはできないと思いますが,一般的に,私達の周囲を見渡して見ますと,腰痛,高血圧,胃腸障害,糖尿病等々なんらかの病気を持っている人達が非常に多い気がいたします。
本市の状況を見ますと,検診には集団検診,個別検診,
人間ドック等がありますが,その中で健康課が行っている
基本健康診査,
胃がん検診,
大腸がん検診,
子宮がん検診,
乳がん検診,
肺がん検診は受診率が急速に上がっていると示しています。対象40歳以上の
基本健康診査受診者は,平成6年度においては51.9%で,その中の異常なしは11.8%であります。90%弱の受診者が
健康管理が必要だとなっています。
また,
医療機関と連携を取りながら,行政機関,主として健康課でありますが,
健康づくりの施策を行っていることを十分承知しています。
健康づくりには,運動,栄養,休養が大切だということで,国の
生活習慣改善指導方針に基づき,健康課に
運動指導係の新設や地域における
健康指導,また食の改善指導が行われています。
それぞれの機関で,最大の努力が払われていると思います。改めていうまでもなく,健康であることは,個々人にとっては何にも変えがたいものであります。家族が健康であることは,家庭が明るいばかりではなく,精神的にも経済的にも安定するものと思います。また,広く地域において,より健康な人が多いことは,活力が増し,活性化され,新たな発想が泉のごとく湧き出て,特色と活力のある
まちづくりに繋っていくものと思います。
そこで,本市において
健康都市宣言をし,その成果を上げるために,
健康づくり計画を策定し,
医療機関,医師,行政における保健婦,栄養士等々の有機的な連携をはかり,日本一の
健康都市,結果的に誰もが住みたい都市山形をめざしてはと思いますが,どうでしょうか。なお,
健康都市づくりは,病弱者,障害者を阻害することではなく,これらの人達には一層濃密で,温かい対応をすることが,同一線上になければならないと思います。
健康都市宣言をぜひすべきと思いますが,市長の考えをお伺いいたします。
また,済生館の館長に,指導的な
医療機関として,本市の
健康増進計画についての所見をお伺いいたします。
更に,
市民部長に,本市における保健婦,栄養士等の指導体制は満たされているのか,また,今後の健康増進のための具体的な施策についてお伺いいたします。
次に,
学童保育の
基本政策確立についてでありますが,本市には現在,
学童クラブが21カ所あり,581人の児童が利用しています。潜在的な数は,更に多くなると思います。それらの多くが,建物確保,更に資金面で,厳しい運営がなされていることは,行政当局も周知のとおりであります。それは,就学前の乳児園,保育園,幼稚園と比較して,制度上中途な状況にあったからだと思います。
もともと
学童クラブは昭和40年の後半,
高度経済成長,女性の社会進出による
共働き世帯の増加,
核家族化を背景に,
父母個々人の集まりによる自主的な組織として出てきたものが,今日までその必要に応じて拡大されてきたものであります。しかし,現在の状況,あるいは本市における特色が,既に具体的な対応が必要にして,欠くことのできない状態にあると思います。
本市の特色は,他県と比較して年少児童のいる家庭においても,父母の両方とも働くことによって家計を維持している形が多く,また,3世代同居が多いといわれつつも,
核家族化は,他県同様進行してきています。小学校低学年生を放課後,長時間放置して安心できる状況にはありません。危険な要因は,刑事犯罪ばかりでなく,交通事故,
少子社会における遊び相手のいない孤独感による
精神的ストレス等一層悪化してくることが予測されるのであります。幼児,児童の健全な育成は,将来の健全な社会をつくる原点であります。
学童保育の
基本政策を確立すべきと確信いたします。
まず,運営資金の確立も当然必要でありますが,特に,現在,建物の確保について急を要している
学童クラブはありますが,これについてはぜひ緊急的な対応をしていただくこととして,
基本政策として,
学童クラブの建物は行政がその責任において建設すべきものと思います。
その場合,場所の問題があります。私は現在の関係法上,不可能だと承知しながらも,なお,なんらかの方策はないのかとの立場で申し上げる訳ですが,公園の一部に建てられないかと思っています。現在,本市には大小の公園,遊園地があります。立派な公園が整備されるわけでありますが,残念ながら
少子社会あるいは子供達の生活習慣の変化から,公園を走りまわる姿が日常的に見られる公園は少ないと思います。公園は,従来から地域行事,あるいは災害時の避難場所等々の役割はありますが,その役割と共存できる範囲で建設を認め,公園で子供達を遊ばせることができないものかと思います。関係法律の検討をお願いいたします。むろん公園の隣接地に土地を確保し,公園も遊びのために利用することができれば最良と思います。
以上申し上げ,市長に
学童保育に対する
基本政策の確立についてお伺いいたします。また,教育長,
福祉部長それぞれに現在の課題を含め,
学童保育に対する具体的な対応策についてお聞かせ下さい。
次に,
渋滞解消,
生活道路の確保についてでありますが,本市が
歴史的経過がある中で,交通渋滞の解消,
生活道路の確保のため,道路の新設,改良が進められていることを十分承知しておりますし,また道路問題は全市的な課題であることについても承知をいたしております。
その中で,本
一般質問で,ぜひ市長及び関係部長にお聞きしたいのは,下条五叉路近辺及び江南地域における
生活道路についてであります。国道112号線は,
本市北西部地区の旧市街地に至る
主要幹線道路の1本となってます。しかし,この道路は狭く,しかも変則的な交差点があるため,朝夕の通勤,帰宅時はむろんですが,日常的に交通量が多く慢性的に渋滞しています。自転車,歩行者は極めて危険な状態で通行しているのが実態であります。また,江南地域の人達の車が112号線に出て市の中心部に行くためには,左沢線に平行して走る江南7号線がほとんど唯一の道路で,しかも,この合流地点には信号がないため112号線に出るにはまことに困難であり,自転車,歩行者には交通事故の危険性が潜在しています。更に,左沢線を自動車以外の方法で越えるためには,
西バイパス南山形天童線と112号線のほぼ中間地点に隧道があります。小中学生,
バス利用者,自転車等,通常500人以上が利用しています。しかし,この隧道は,一直線になっていないために前方の見通しがきかず,また暗いため,夜間の通行には極めて不安を感じています。時に,非行の温床になることもあると聞いています。まさに,多少誤解を恐れながらいえば,この地域は交通の孤島といえます。
江南の
区画整理は昭和40年前半に行われ,その後,西田の
区画整理がされたと思います。当時,なぜ両地域が左沢線で遮断される状態で放置されたのか,行政の指導はどうであったのか,ぜひお聞きいたしたいと思います。時代は,更に変化していきます。現在,
馬見ケ崎区画整理事業が行われ,更に,今塚地区の開発も予定されていると聞いています。両地域の車は分散すると思いますが,国道112号線利用者は増大することは間違いありません。渋滞の状態は極限に至るものと予測されます。ぜひ,西田,江南,江俣,今塚に至る左沢線を通過できる道路の新設がぜひ必要だと思います。
市長に,この地域における
交通孤島脱却のための施策についてお伺いいたします。
また,
都市開発部長に,今後の
区画整理と
交通渋滞解消策について合わせて考えると先ほど申し上げました両地域が車道で結ばれなかった
歴史的経過がどうであったのかまことに疑問と思いますので,ぜひお聞かせ願いたいと思います。
更に,
建設部長に,現在の隧道は,通学路でもあり通行量は非常に多いこと,しかも,不安と不満があること等から,今後の対策についてお聞かせください。
最後に,
シルバー人材センターについてお伺いいたします。
本市の
シルバー人材センターは昭和55年11月に発足し,現在680人が登録されています。登録者の技術も年々幅が広がり,センターの業績も上がり,利用者から大変評価されていると聞いています。その点で,関係者の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
更に,私は別の観点からも,この事業が一層充実していくことを望んでいます。時代は,一層高齢化が進行します。体力,気力があっても,定年退職後,同一の会社に続けて働ける人は数多くありません。また,後継者に後を継がせた人も多くいます。広い意味での
高齢者福祉の重要な観点は,健康な高齢者をより健康であってもらうためにはどうするのかであります。そのためには,社会の動きの中に現役として参加してもらい,役割を果たしてもらうことだと思います。
各市で調査されている
シルバー人材センターに登録されている人とそれ以外の
国民健康保健利用者,医療費でありますが,この比較は極端な差があります。比較的健康な人が登録しているという面を考慮しても,
シルバー人材センターの果たしているこの面での役割も大きいと思います。更に,今後の高齢社会において,長年の間に培った知識,技術を生かしてもらうとともに,
社会参加してもらうことにより健康が保持されるということで,政策として重要なことと思います。
シルバー人材センターの今後の役割は,高齢化が一層進む中で,更に充実,強化されることが必要だと思いますが,この事業に対する市長の所見をお伺いいたします。
以上で,第1回目の質問を終わります。市長並びに
関係部長等の明快なご答弁をお願いして終わります。
○議長(大沢久君) 佐藤市長。
〔市長
佐藤幸次郎君 登壇〕
○市長(
佐藤幸次郎君) 去る6日の実験については国際世論の高まりの中で行われたと,こういう状況の中にありまして,私どもは大変遺憾に思うし,残念であったというふうに思います。
フランス政府は今後とも核実験の継続をやると表明しておりますが,こういった実験が二度と行われないように,更に国際世論を盛り上げながら中止してもらいたいと,こういう希望があり,非常に強く思っているところでございます。
障害者基本政策の確立について申し上げますが,平成8年から
身体障害者,
精神薄弱者,これは福祉部門で担当しておったわけですが,それに
精神障害者,これは医療部門で担当し,2つの部門でバラバラになっていたものを1つにして,これから
福祉医療,
福祉障害者関係の福祉の面の向上に努めてまいりたいというふうに思っております。特に障害者の
基本計画につきましては,平成8年度中に策定をすることにしております。この内容としては,いろいろなこの3部門において,課題,さらにこの福祉向上の面での目標,具体的な方策をこの中に盛り込んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
もちろん,先程ご指摘あったような系統的にきちっと行政でやれるような方策を取ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
障害者の保育につきましては,
精神発達遅滞,遅れている児童。これらの方々は重度であっても集団保育が可能で,通園できる児童については一部受け入れております。保育園としてそのようにやっているところでございます。これからの障害者の保育についても,いろいろな面で保育所に受け入れに対応できるような保母を配置しておりまして,現在七つの保育園で保育を実施しているところでございます。障害者にやさしい
まちづくりについても,いろいろな提言も出ておりまして,車椅子,歩行,そういったものに安心できるような
まちづくりを今後とも進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
山形市の
健康づくり推進協議会がございまして,いろいろとこの問題に取り組んでいただいております。明るい
家庭づくりと市民の健康と福祉を基本としたいわゆる健康だけではない福祉を加味した
健康都市づくり,こういった宣言についても,これからいろいろ検討していきたいというふうに思っているところでございます。健康,
スポーツ都市宣言をし,更には,健康で福祉の充実した山形市を建設していきたいと,都市宣言をしながら,そういった行政の面でも施策を充実してまいりたいというふうに思っております。
児童,
学童クラブにつきましてですが,いろいろこれまでも対策を講じてまいりました。現在では21園に対して,平均的に220余万円の補助を支出させてもらっているわけでございますが,それぞれのケースが非常に違っております。21園それぞれが違う。しかし,このままでは行政としても,なんらかの手を打っていかなければならないと,こういう考えでおりますが,国の施策,文部省,厚生省,そういったものの考え方もそれぞれ検討していかなければならないというふうに思っているところでございます。今の現状では,山形市の
高齢化社会対策審議会の中に,
児童福祉施設整備のあり方,これについて諮問をお願いし,この答申を受けまして,
児童クラブについての
ハードソフト面を含めて検討してまいりたいというふうに思っております。現状ではこれまで同様,それぞれのクラブに対しての補助,支援を続けていきたいというふうに思っております。都市公園の中に,保育,
学童クラブの建物を建ててはどうかということでございますが,先ほど議員のおっしゃったように,建築法の関係で,都市公園法によって規制されております。したがいまして,これを突破できるかどうか,いろいろ研究しなければならないというふうに思っております。都市公園の中にこういったものをつくるとなりますと,そこに入っている子供達が中心になると,他の学童はどうなるんだと,こういう面もございますので,やはり平等に,公園で遊べるような方向がやはり一番いいのではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして,この建物については,今後この答申をもらって市の方針をしっかりとしたものを作って,支援できるものはそういうふうにしていきたいと,そういう方向で今後検討していきたいというふうに思っております。
西田,江南の
生活道路でございますが,今後南天線が整備されると,更には北部地区に
区画整理事業が行われていると,こういう状況で五叉路周辺が混雑するだろうということでございますが,外環状道路網の整備でもって,山形市の根本的な山形通過車両を外環状道路網によって,そこを通過していただくと,こういう方針をとっております。したがいまして,この外環状道路網をいち早く整備しながら,一部北部地区がまだ遅れておりますので,県と協議させていただきながら,これを整備してまいりたいというふうに思っております。
江南と西田地区の連絡
生活道路の整備でございますが,非常に2つの地区とも地域の良好な住環境の形成がすでになされているわけでございますが,この部分をいかに道路を切って整備していくかということでございますが,現状をみますと必要だというふうに私どもは認識しております。それぞれの地元,また,関係機関と相談しながら,この道路整備について検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
シルバー人材センターについてでございますが,今年で発足以来15周年になります。
社会参加の喜び,そして自らの生きがいの充実を目指して,この
シルバー人材センターは発足したわけでございますが,今,事業,会員ともに増えて,そして伸びております。今年からホワイトカラー,いわゆる事務系,そういった会員の働く場の確保を目指しまして新しい事業として,事務系職種就業分野開拓推進事業と,このように
シルバー人材センターが取り上げておりますので,市としてもこういう面の新たな分野の開拓に支援してまいりたいというふうに思っているところでございます。
今後とも高齢者の方が安心して,そして働ける
社会参加ができるような面で市としても支援してまいりたいと,このように思っているところでございます。以上でございます。
○議長(大沢久君) 横倉
福祉部長。
○
福祉部長(横倉明雄君)
身体障害者と
知的障害者に対する今後の施策推進についてでございますが,ご案内のとおり,わが国の障害者の施策は,障害者が可能な限り地域の中で普通の暮らしができるように,施設福祉から地域福祉,在宅福祉,及び自立と
社会参加という大きな流れがあります。このような流れを受けまして,ただいま市長から申し上げました山形市の障害者計画を平成8年度に策定する予定でおります。今後は,この計画に基づいて,
身体障害者と
知的障害者に対する施策を推進してまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。
○議長(大沢久君) 櫻田済生館長。
○済生館長(櫻田俊郎君) 皆様の済生館は山形市民の健康,福祉の維持,向上のために,地域の中核病院としての使命達成のために鋭意邁進しているところでございます。本市の
健康増進計画につきましては,健康,保健行政と連携を密にしまして,職員の医療スタッフの参画をさせまして,前向きに,そして積極的に取り組んでいきたいと存じます。以上でございます。
○議長(大沢久君) 酒井
市民部長。
○
市民部長(酒井正男君) 市民の健康増進についての事業の推進についてということで,ご質問と思いますが,ご承知のとおり山形市におきましても,少子化,高齢化,これが非常に進んでいる状況でございまして,7月末現在ですと,65歳以上の老齢人口は17%になっております。昭和50年には8.3%であったということをみますと,いかに長生きしていただいているかという状況です。また,逆に少子化の出生者数でございますが,これは健康課の調べでございますが,今年,6年度で1年間に2,600余名,これが51年では3,541名の出生があったわけでございます。数にしまして年間で937名ほど出生が落ちているという状況でございまして,ますます少子化が進んでいるわけでございます。
また,今申し上げました高齢化,人生80年台が現実的になっているわけでございまして,これにつきましては,単に寿命を伸ばすという量的な問題から,80歳年代を,長寿を,いかにいきいきと生きがいのある生活をおくることができるか,またおくっていただくことができるかという質的な問題がまた新たに提起されてきているわけでございます。山形市としまして,これらを踏まえまして,市民の
健康づくり事業としまして成人各検診をはじめ,成人保健,母子保健から健康運動,健康栄養等について,それぞれ年代,世代に応じた形で事業を展開させてもらっているわけでございます。幸い山形市は今,済生館長からもお話ありましたが,指導機関である県並びに保健所,こちらとの情報交換,また,市の医師会をはじめ,
医療機関,検診機関,これらと密接な連携が得られるという立場にありまして,非常に指導,また,人材的にも,いろいろと,人的な協力もいただけるという恵まれた環境にあります。これらを考え合わせますと,山形市におきます健康に対する指導体制につきましては,他の市町村よりは優っている,優れていると認識しているわけでございます。ただ,職員におきましては,職場における専門研修,職員同士の相互の専門研修とか,こういう点についてはこれから評価していかなければと思っているところでございます。
これからの健康増進のための施策でございますが,ただいま申し上げましたとおり,高齢者に対しましては,先に山形市
高齢者保健福祉計画を策定させてもらっているわけでございます。これを基本にしながら状況を把握し,更に保健サービス事業を推進してまいりたいと思っております。
また,平成9年度からは地域保健の見直しに伴い,市民に身近で頻度の高い母子保健サービスの実施が市町村に移譲されると,こういう状況でございますので,関係機関と連絡を密にしまして,母と子供が安心して出生,また育児ができるような環境づくりのための事業を進めてまいりたいと思っております。
健康づくりは市民自らが自分の健康は自分からと,こういう生きがいを持っていただくことが一番大切なものでございます。行政は,それに対して情報,施設を提供,更に,動機を与えてやるものと存じております。これから計画されております,市民健康センターでございますが,これを拠点としました各事業を活発に展開させていただきます。特に,アクティブ80ヘルスプランでございます。いわゆる食と運動による
健康づくりの事業でございますが,これはすでに実施しているわけでございますが,これからもこれを一層推進しまして,運動普及推進員,また,食生活推進員,こちらの要請も図りながら,市民自ら
健康づくりに励むような幅広い事業にしていきたいと思っております。
○議長(大沢久君) 酒匂教育長。
○教育長(酒匂勝雄君)
学童保育に対する課題,また,具体的な対応についてのご質問というふうに存じております。
学童保育に対する問題としましては,社会全体が,少子化,あるいは
核家族化,更には,また,女性の
社会参加の増加,また,学校5日制の定着等により,放課後の対策として,その必要性が年々高まっており,学校教育と密接な関係がある課題であるというふうに認識しております。
学童保育については,文部省の方針が最近,多少変化いたしまして,空き教室の利用等,承認されるなど,緩和の傾向がございます。学校全体の運営に支障のないという前提ではございますが,今後,個々に検討いたしまして,更に研究いたしまして,国の指導も受けながら進めていくべきものというふうに考えております。
学童保育については,全般にわたる対応については,教育委員会側と福祉部と検討を進めて子供達の
学童保育対策をしていきたいというふうに考えております。以上です。
○議長(大沢久君) 垂石
都市開発部長。
○
都市開発部長(垂石定敏君) 江南地区と西田地区の交通対策,それから今後の
区画整理との関係での
交通渋滞解消策の点でございます。江南地区,それから西田地区の
まちづくりは,ご指摘のとおり,40年はじめに組合
区画整理事業ということで行われております。経過は定かではございませんけれども,左沢線を横断して当地区を結ぶ道路については,当時の国鉄と立体交差による整備等の協議等も行われたのではないかというふうに聞いております。その中で,組合
区画整理事業の莫大な事業費の増高,それから事業時において,周辺がすでに宅地化されておったというふうなこともあって,立体交差による宅地や,接続道路との段差が新たに発生するなどの問題点もあって,現在の幅員での整備がなされたのではないかと想像されます。そういう状況の中にあって,周辺地区において,現在馬見ケ崎地区の
区画整理事業が進行中でございます。また,今後も今塚,江俣,両地区の整備も計画されております。そういうことによって新たな交通量の発生も予想されるわけでございますけれども,渋滞を避けるため,先ほど市長が答弁したとおりでございますけれども,現在未整備となっている南山形天童線と天童内表線の外環状線の整備をまずしっかり行うということであろうと考えております。更に,あわせて議員のご指摘にもございましたように,国道112号の機能強化のことについても国に対して働きかけてまいりたいというふうに考えております。両住区を結ぶその中に新たな都市計画道路を挿入するというふうなことは現時点ではちょっと難しい状況にあるといわざるを得ないということでございます。
○議長(大沢久君) 奥山
建設部長。
○
建設部長(奥山漸君) ご指摘の隧道の改善については,これまでも地区民からの要望がございまして,我々も現地調査しながら検討してまいりました。しかし,地形の問題,そしてJRが走っているもんですから,JRとの調整などについて非常に問題があって現在に至っているような状況でございます。現在もどんどんと住宅が密集化も進んできていますし,我々としても今後も引き続き改善に向けて検討を重ねてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(大沢久君) 横倉
福祉部長。
○
福祉部長(横倉明雄君) 先ほどの
学童保育に対する課題,今後の具体的な対応についてお答えを申し上げたいと思います。大変失礼しました。
核家族化と少子化の流れは今後,一層強まることが予想されます。
学童クラブの必要性は,少子化あるいは女性の働きやすい環境づくりという視点からも,ますますこの重要性を増してきているというふうに思います。本市は,
学童クラブに対しまして,運営委員会設置方式,いわゆる民設民営を施策の基本として補助金の交付で対応しているところでございます。
学童クラブに対する行政の今後のかかわり方につきましては,国の動向,あるいは本市の
高齢化社会対策審議会に
児童福祉施設整備のあり方について諮問申し上げておりますので,その答申をいただくことにしておりますが,それらを踏まえながら庁内に検討委員会を設置して検討を加えてまいりたいと思います。以上でございます。
○議長(大沢久君) 22番
佐藤義久議員。
○22番(
佐藤義久君) 市長はじめ関係部長,教育長,館長からお答えを願っているわけでありますが,ずいぶんこちらの方で納得いくといいますか,いい回答だという感じが正直なところしないというのが本音であります。障害者に対してですね,平成8年にひとつの
基本政策が作られていくということなんですが,やはり私は行政の中で答申も去ることながら基本的に行政としてどうしていくのだという面をしっかりもっていなければいけないのではないかと思うわけであります。特に,障害者については,先ほど申し上げましたように高齢者と比べてかなり施策の遅れが全国にあります。やはり系統的な政策がとられなければならない。特に,働く場所,これは決して賃金をもらって,あるいはそれだけで生活をするということではなくて
社会参加をすると,こういう意味で私は授産施設,特に,先ほども申し上げたように大規模授産福祉工場的なもので,障害者のその障害の程度にある程度幅を持たせて,誰でも働けると
社会参加ができると,こういうものについて真剣に考えていただきたいと思います。
更に,
知的障害者に限らず一般的障害者の中で,やはり住宅問題が貸主との関係で非常に苦労しています。この関係もありますので,ぜひ今回の今後の答申は答申として行政の場で主体的にひとつ進めていただきたいと思います。
街の中の整備についても,
視力障害者,あるいは車椅子で安心して歩ける状態ではなくて,むしろ非常に障害者のために作られた点字ブロックがかえって危険な状態,相反する状況になっておりますので,こればかりではありませんが,街の中も障害者にやさしい
まちづくりということで,今後とも進めていただきたいと思います。
それから
健康都市ということで,ぜひここでは宣言していただきたい。宣言すれば目的を達するわけではありませんで,健康な街を作るという意味で,先ほど市長からもなお検討してという前向きの話がありましたので,そこに大いに期待をしたいと思っています。
ただ,済生館長には済生館と,あるいは総合病院と個人医院,ホームドクターとのかかわり等も含めて,地域に気楽に相談できる状態,そして重い病気については済生館とかいろいろあると思いますが,それらは言われても久しいわけですが,根づいていないと,こういう状況もありますので,今後,
健康都市を目指すという立場でそういう部分についても地域で,本人はもちろんですが,地域で
健康づくりがされていくように,
医療機関は病気の患者さんだけを治していくだけではなくて,患者をつくらないと,こういう立場でも今後ともご努力を願いたいと思います。
それから
学童保育については,私は非常に不満なわけでありまして,確かに先ほどから
福祉部長が言われたように,民設民営でされてきた経過があります。それが今日の状況になっていて,すでにこれがこのまま放置できる状態ではないと思っております。先ほど教育長からも学校の空部屋を利用してというのがありますが,これは痛いところにとりあえずバンソウコウを貼ると,こういうような状況であって,私はこれはだめだと思っております。過去の保育園が学校の敷地につくられた経過があります。もちろんそれは有効な状態に今日もあるわけでありますが,やはり敷地が狭いということと,どうしても借りているという,そういう負い目の立場があります。先ほどの学校の空き部屋を使うというのは,これは当面緊急避難的に行われればいいんですけれども,やはり基本的な政策があっていかなければ,学校の空き部屋を使うというのでは,学校を改築したならばどうなのかということで,そこでだめだということになってくるわけでありますし,子供さんの数が増えたらどうなのかというわけでありまして,これは週5日制の定着一層前進の中で,これは低学年の問題は更に多くなってくると思いますので,ぜひこれは空き部屋ということではなくて,政策の中で私は今でこそ公立で,運営はもちろん民間でもいいのですけれども,
学童保育のための施設は,建物は行政が関与して,政策の中で関与してつくっていくと,こういう方向性をひとつお願いしたいと思っております。
それで,一方的にしゃべって申し訳ないんですが,答弁をいただく時間もないわけですが,希望など申し上げます。
渋滞解消の関係で,112号線が渋滞を現在でもしているわけですが,
区画整理の進捗にあって当然更に渋滞をすると,これは国道の関係でありますので,市がどうのこうのという下地にはならないと思いますが,今後,
区画整理の進捗によって渋滞するということは間違いない。ただ,渋滞するというのは通行者の問題ではなくて,そこの閉じ込められたような状態になっている江南地区の問題をどうするか。こういうことであります。先ほど
都市開発部長が新たな道路を切るのは大変だと。したがって国道を改良してということでありますが,果たしてその対応で今後10年,20年,30年,50年,100年,対応できるか。私はできないんじゃないかと思っています。今だと空き地もありますので,具体的な政策をつくっていただかなければ,あの地区は将来とも交通の便では極めて悪い状況におかれると思っています。そして,
建設部長にはあそこが先ほど申し上げたように,途中で曲がっていると,水道管があるという関係もあるらしいですが,これは道路をつくろうという発想にあったとしても相当年限を要しますので,あの隧道に関しては緊急的な課題です。ぜひ,検討するんではなくて,とにかくなおしていただくと。あそこの住民にとっては,112号線で止められている,しかも,左沢線でいく場所がない。こういう状況の中で唯一の歩行者にとっての道路でありますので,ぜひ積極的な改良をお願いをしたいと思っています。以上,申し上げて,ひとつだけ最後の隧道に関して
建設部長からもう一度お聞かせを願って質問を終わります。
○議長(大沢久君) 奥山
建設部長。
○
建設部長(奥山漸君) 先ほども申し上げましたけれども,いろいろな問題がまだ解決しなければならないものがございます。解決をすればひろく改善,改良に入りたいと考えております。
○議長(大沢久君) 以上をもって,
佐藤義久議員の質問を終わります。(拍手)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎荒井 啓君 質問
○議長(大沢久君) 次に,行政機構の見直しについて,ほか3項目について,16番 荒井啓議員。
〔16番 荒井啓君 登壇〕
○16番(荒井啓君) 9月定例議会,
一般質問のしんがりとなりましたが,市政研究会を一部代表して,通告に従い
一般質問をさせていただきます。
今日,わが国の財政は,国,地方を問わず,バブルの崩壊後の円高等により,長引く不況は改善の兆しが見られず,国,地方ともに,限りなく危機に瀕しております。
企業の倒産が相次ぎ,倒れることがないとまで神話化された,銀行までが経営破綻が発生しており,深刻な経済環境はとどまるどころか,底知れない危機感を増幅させている近況にあります。
一方,国と地方の相互関係は,未曽有の財政危機を契機として,その変革,再編を迫られ,避けて通ることのできない岐路に直面しているわけであります。
21世紀に向けて,地方行政の直面する課題は,大きく2つあると思います。その1つは,成熟化社会への対応であります。すなわち,成熟化した地域社会に対し,従来の官治統制型の「殻」から脱し,地域主導の真のゆとり,豊かさが実感できる社会を創設していくことであると思います。
中央の押しつけ的,官僚的地方コントロール体制は,地方の特性ある創意と競争の芽をつんでしまっているわけで,この点から旧式のコントロール体制の変革を強く求めていく必要があります。
他の1つは,自治体をして,地方政府たるにふさわしい構造と機能を付与させ,その活性化を図っていく点だと思います。
この変革には伝統的な「タテ」志向という「論理回路」を思い切って,地域に根ざした発想に転換させる意味で,「イメージ回路」を重視していく必要があります。そのためには,市長,職員,議員まで,地域経営をあずかるすべてが,地域経営感覚を醸成するとともに,右脳革命及び管理型職員から企画型職員へと変革し,新たな成長機会を勝ち取っていくことが肝要だと思います。
一方,本市の財政面は,過去3年間の財政指数・経常収支比率・公債比率をみるかぎり,硬直化傾向にあり,危機感をいだかなければならない時だと思います。特に公債比率は本年度当初予算で16.7%と,これまでの定説とされた15%以上は黄色信号,20%は赤信号からみるに,かぎりなく赤に近似する位置にあるわけです。しかし,自治省の指導方針に変更があり,公債比率の直視型から,地方債許可制限比率を重くみる方向となりましたが,本市財政運営にとっては,ここが正念場と受けとめられることから,鋭意,財政健全化をめざす必要があると思います。
佐藤市長は,昨年市長就任にあたって,前任者の行政手腕を評価し,継承するとしてスタートいたしました。そして時を移さず去る7月に行政改革推進本部を設置し,「市民ニーズにこたえ,市民に分かりやすい行政をめざすとともに,財政を含めて,すべての面で抜本的な見直しを断行したい」として,組織機構の見直しをはじめ,数項目を提起して,「改革とチャレンジ」と銘をうって,佐藤カラーを打ち出すため,敢然としてテイクオフしたことは,トップ交代期及び6次総の策定を目前に控え,誠に時宜を得たものであり,市長の英断と現状を直視した攻めの姿勢に対し,敬意を表する次第であります。
まず第1点として,組織機構の見直しについてお尋ねいたします。
変化への対応――,行政であれ,企業であれ,発展と継続のためには何よりも,これが重要であります。変化させることへの抵抗の強い伝統的な管理中心の固い組織は,生きのびることが困難な社会になってきております。行政には,大別して,管理,統制する機能と,事業を実施する機能がある訳で,この2つの機能が,しっかりすることにより,安定性と継続性は,おおむね確保できますが,しかし,管理,統制,実施機能だけでは,組織を発展させることはできないのであります。組織を発展させていくには,適切な管理や実施機能に支援された政策形成機能,変化に対応して,仕事の内容や,仕組みを替えていく「管理プラス,アルファー」の働きが肝要なことであります。すなわち,これが「企画型職員」と私は呼ぶわけでございます。
たとえば庭木や街路樹を私達が剪定するとき,新しい枝となるべき芽を残します。この芽が発想し,企画し,発展させる潜在力をもつことになります。組織運営,人材活用にあたっては,常に,この芽を育成しなければならないわけであります。企画型職員への期待は,まさに,そういう伸びる組織の現実の担い手になってもらうところにあります。「市民」のニーズをくみあげ,アイデアを出し,政策化するのは,企画型職員に課せられた役割であります。本市の有能な職員を,更にこの企画型職員に資質を向上させますよう育成し,「一職員」「一政策の発想」「一サービスの提供」ができる,いきいきとした「組織機構の見直し」の根底でなければならないと思いますが,市長はどのように考えられておりますか,ご所見をお尋ねいたします。
第2点目に職員研修についてお伺いいたします。
前述のとおり,組織の見直しは理論上ではわかっていても,そうたやすくは進まないのが現実でもあります。近年,プロジェクトチーム方式が定着し,特定課題を担当する独任制のポストが増えるなど,柔軟な構造の組織が本市にもみえてまいりましたが,きめ細かさや,迅速性という点では,まだまだ不足の感があります。適時,的確にこまわりをきかせて,市民の要求に応えられるのは,やはりなんといっても個人の能力,資質いかんだと思います。自分の頭で考えタイムリーに行動する,自前のエンジンで動く,職員モデル「企画型職員」が早いテンポで変わる時代の行政を支えるわけであり,単一指向でない,多チャンネルの能力をもつ企画型職員が多いほど,感度のよい,柔軟な組織ができるのではないでしょうか。これからの行政はそういう職員によって,運営されなければならないと思うわけであります。これらの観点から,行政の方向転換及び組織の見直しと合わせ,職員の意識改革を促すため,日常の指導と,職員研修のあり方まで,その手法を改善することが肝要であります。レクチャー方式指導のほか,先日の尾形議員の提言と重複しますが,サークル活動の導入などがあります。一方,新しい発想で,改革に全庁職員の参画意識を向上させる上からか,今般,お役所仕事の一掃を始められたことは高く評価いたします。これらの点から,市長いかがでしょうか。市長はどのようにとらえ,どう対応しようとしておりますか,その決意のほどをお聞かせ願います。
第3点目に,可能な部門を民間委託に移行する構想がありますか,お尋ねいたします。職員の定数は財政上からも増員は厳しいわけで,尚かつスリム化が必要なものであります。一方,駅西,十日町,ニュータウンなどなど大きな開発事業をかかえ,また,福祉の高度化に伴うマンパワーの増強など,部門によってはどうしても増員せざるを得ない部門があることから,スクラップアンドビルド方式をとるものと思いますが,民間委託として考えられる部門の一例をあげるとすれば,中央卸売市場を検討してみてはどうでしょうか。昭和50年に公設市場として開所し,青果,水産物合わせて年間約12万tの扱いで,よい品を適正価格で提供し,その役割をこれまで十分に果たして参りました。卸売市場法の法律のなかで,現今の商流の大きな変革に伴い,管理の一部を残し,民活はできないか,検討すべき一例として提言いたしますので,市長のご所見をお聞かせ願います。
第4点として,抜本的な機構改革にチャレンジするとしておりますが,プロジェクトチームを編成する考えはありますか,お尋ねいたします。
行革本部を部長級以上のメンバーで構成し,また,来年1月頃に民間有識者を委員にお願いし,「行政改革推進懇話会」を発足させるようでありますが,庁内の担当部門単独では,現行の山積している重要事業等からみて,片手間になりはしないかと心配するところから,市長はどのように判断されていますか,ご所見をお聞かせ願います。
さて,第2の質問項目は,25万市民の長年の夢でもあります本市を流域とする二大河川に清流を戻すことについてお伺いいたします。
古来から馬見ケ崎川は,本市にとって,うるおいとやすらぎ,そして数多くの市民の命の源として,母なる河川であったわけであります。
しかし近年,灌漑用水に取水することになって以来,農業用水としての取水口から下流は,夏はから川となり,清流が消えて久しいわけであります。全国どこの都市を見ても市内を流れる川があり,そこに居住します住民のうるおいの場として,欠くことの出来ない大切な親水であるわけであります。
馬見ケ崎川に清流を戻そうとの提言は,これまでも多くの先輩議員から提言されましたが,進んでいないわけであります。今般の私の提言は,結論から申し上げますと,須川の浄化により馬見ケ崎川に清流を戻す,いわゆる本市の東と西を流域とします二大河川に命の源を蘇えらせる提言であります。
馬見ケ崎川は,市民の命の水として上水道取水は現状通りとしなければなりませんが,最上川中流土地改良区事業としての取水分を須川の浄化による流水に置き換えることができるよう,農業用水としての水質PH6までにすることが可能ではと思われるわけであります。
さて,須川の酸性の元凶は,蔵王の酸性泉と鉱毒によるものであり,これまでも幾度か地下溶透,あるいは浸透法による対策など試みられましたが,テストの段階で挫折したわけであります。新たな発想とは,一昨年秋,山形市議会,須川改修促進議員連盟で,秋田県の八幡平にあります玉川温泉の中和処理施設を視察し,須川と同様以上の酸性河川の浄化は,可能であることを知り,視察に参加しました私たち10数名の同僚が,誠に勇気づけられてきたわけであります。このとおり,いろいろなパンフ,データ等をもらってまいりましたので,後ほど皆様から見ていただきたいと存じます。玉川酸水対策の概要を申し上げますと,田沢湖に流入する玉川の約20km上流に玉川温泉があり,泉温は98℃と高温で,硫酸のほかに塩酸を主成分として,湧出量は毎分約8,400リットルと我が国屈指の酸性泉でPH値は1.1と極めて毒性の高い水質であります。昔から種々の対策を講じてきましたが,建設省で担当し実際実験の結果,粒状の石灰石と温泉水とを直接反応させる,中和処理を温泉場の約1km下に温泉水を直接導入する,中和処理施設を建設し,約2年余の工事で,平成3年4月に運転を開始し,魚,うぐいが住めるところまで中和することができたわけであります。建設省の主体工事で,中和処理施設の建設費として約25億円,ランニングコストは年間約2億円と聞いております。
須川の浄化は,鉱山等の毒水処理がなされたことから,温泉水の対策で可能と思われます。ぜひ玉川方式による対策を考えるべきと提言いたします。市長,いかがでしょうか。昨年の市長選の折,確か佐藤市長の政策の1項目に,馬見ケ崎に清流を戻す項目があったはずでございます。誠実な佐藤市長,公約実現のためにも,ぜひ県・国に強く働きかけるとともに,6次総の中にとりあげ,25万市民の長年の夢を実現させてくださいますよう,検討を始める,今こそがその時であると思いますが,市長の並々ならぬ決意のほどをお聞かせ願います。
第3番目の質問は,表蔵王工業団地及び頭脳立地団地への企業誘致の促進についてであります。
現況の景気低迷の中,そして特にハイテク産業を中心とする企業は,海外進出が根強い傾向にあり,時期を同じくして,両団地に企業を誘致することは,誠に厳しいことであると予測されます。仮称表蔵王工業団地は,総面積52haに対し,分譲は約34ha,アルカデア・ソフトパークとしての頭脳立地団地は,総面積12.5haに対し,分譲は10.9haと,双方合わせての分譲面積は約45haと広大なものとなり,土地価格が近隣の市より高く地下水などの問題もあって,誘致には相当な苦労が予想されますことから,次の3点について質問をいたします。
第1点は「仮称表蔵王工業団地」として,これまで議会に種々案件が上程されてきましたが,去る8月30日の山形新聞に全紙大の誠にビッグな広告を出したわけでありますが,“山形市蔵王産業団地造成工事完成”として,副題に産学官が一体となった,地域経済発信基地のテイクオフ,誠に見事な手法をとられたわけでございます。工業団地から産業団地に,正式に名称変更をなされたと認識しますが,この発想の転換をなされた真意のほどをお聞かせ願います。
第2点目は,4月から新設されました企業誘致課は誠にタイミング良く,力点をおかれました市長の先見の目に敬意を表します。スクラップアンドビルド方式で課長以下5名の有能な人材を配置されましたが,関東・中京方面まで,広く活動を展開し努力していることに対し敬意を表しますけれども,新しい発想で本市ゆかりの方々の懇談会の開催など,そして関東と中京に民間の有識者に嘱託的にお願いしたと聞いておりますが,これらの感触の一端はいかがであったでしょうか,お聞かせ願います。
第3点は,いずれにしても,困難な時期に公害のない,ハイテク企業または研究所等の誘致であり,トップセールスはもとより市長はじめ政治力を発揮すべき時と思いますが,その決意及び現在紹介を受けている企業が概略どの程度ありますか,お聞かせ願います。
その他といたしまして,山形ニュータウン整備事業についてお尋ねいたします。
これまで,都度質問してまいりましたので,現況の要点のみ伺います。
県及び本市の開発意欲が500数十名の数多くの地権者から,おおむね理解が得られ,第4次にわたる価格交渉も,山形・上山両市の地権者会が内諾しようとする機運にあって,大きなハードル越えが可能な現況にあります。これから先,代替農地及び租税等のつめを残しますが,基本合意も目前とみられ,先行きが明るく,いよいよ本格的に動き出すものと期待しているところであります。これまで努力されました,市長,助役はじめ,ニュータウン担当各位あわせて,数多くの地権者のみなさんのご苦労に対し心から感謝するところであります。
この点から,核となるべき公的施設の構想を,更に明確化しなければならない時期と思うわけであります。約300haと広大な計画は,本市はもとより,本県においてもはじめての大開発計画であります。この点から核となる大きな施設が必要となるわけです。これまで話題にのぼった,@勤労者総合福祉センターB型,Aこどもの国と併設しての子供科学館,そして近ごろ取りやめのうわさが出ています日赤病院。これらを今どうアプローチし,今後どのように進めようとしていますか,市長の方針をお聞かせ願います。
また,一方,昭和62年,山大キャンパスのニュータウンへの移転取りやめがあったわけでありますが,その後平成5年に,農学部が山形キャンパスへ移転の意思決定が,農学部教授会であったこと及び,小白川キャンパスの教養部の廃止に伴い,山大内部に「総合大学への発展に向け,キャンパス統合問題は避けてとおれない問題である」としている旨を仄聞しているところです。山大本部の立地の本市として,市長はどのように受けとめ,どう対応されようとしておりますか,市長の考えをお聞かせ願いまして,第1回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(大沢久君) 佐藤市長。
〔市長
佐藤幸次郎君 登壇〕
○市長(
佐藤幸次郎君) 市の関係の事務のスリム化と,いきいきとした行政,こういうことでございますが,現在職員総参加による事務事業の総点検を進めているところでございます。これは,第6次総の策定を機に,機構的な改革を含めまして,財政事情への対応をしてまいりたいと,このように思っているところでございます。
職員からいろいろな提言を受けながら,そしてお役所仕事といわれる,そういったものを廃止していく。職員はいきいきとマンネリ化を打破して,やる気を出していかなければならないと,私も指示し協力をお願いしているところでございます。
民間委託についてでございますが,今,例が出されました。卸売市場でございますが,この施設は地方公共団体に開設が許可されているものでございまして,他のものはできないと,こういうことでございます。
ですから,全面の委託は不可能でございます。今までも一部警備とか,それから下水道の処理施設の管理,こういったものを民間に委託してやってもらっておりますが,今後ともそういった部門を調査してやれるものは,民間に委託していきたいと,このように思っております。
なお,全体的な部門においても,卸売市場だけでなくて,そういうものがやれるものを調査して,今回でやってまいりたいというふうに思います。
民間との懇談会でございますが,これは1月にこの行財政改革推進本部を設置いたしまして,現在,検討に入っているところでございます。全面的な見直しを前提にしてやっておりますが,1月に民間の入った懇談会を作る。さらには,市の職員で推進本部は部長以上でございますが,その幹部組織として,幹事会を設置しております。ここに,全職員の意向,考え方,そういったものを集約させて,幹事会で検討を詰めさせていただきたいと思います。
特に,これからの職員のねらいとしては,より政策形成ができる,そういう職員を形成していきたい。そのために,研修もその方面に充実したものに現在やらせてもらっているわけでございます。
6年度においては,余暇時間の増大に対応した政策の企画研修,いわゆる元気都市山形づくりを目指した研修をやりました。それにもう一つは,魅力ある都市観光,地域拠点化推進,こういったものをテーマに掲げながら政策研究の研修を進めてきたところでございます。
最後にいきいきキラキラ心が踊る長寿社会,こういったものについても,政策的にこれからの福祉行政を進めるうえでの職員提言,更には研修を進めてまいったところでございます。
須川の浄化については,これまで,昭和63年から平成2年まで建設省の山形工事事務所で,調査に入って,その結果が出たわけでございます。先ほど,ご指摘のとおり,3方式による中和とか,いろいろ調査したわけでございますが,いずれも経費がかかりすぎるという結論が出されました。しかし,私どもは,更にもう一歩進んで県の方でも一体となって,この須川浄化に取り組んでいこうという動きがございます。私どもは,建設省にこういったものを,早速取り上げていただくように,今後ともその中和,その他の方法に研究をしながら,県と一体となって,この須川浄化に改めて取り組んでいくようにしてまいりたいというふうに思っております。そして,この須川沿線をグリーンベルト地帯として整備していかなければならんというふうに思いますし,沿岸の整備についても,国の直轄,県の施設工事と分担されておりますが,そういう中で進めてまいると。建設省は桜堤をやっていこうと,提言してきておりますので,これを建設省の方でぜひやっていただきたいというふうに思っているところでございます。
工業団地と中央卸売市場の移転ということでございますが,いろいろこれは先ほど申し上げましたように,ちょうど中央卸売市場は今年20周年でございます。もっともっと営業が盛んになるように,市民の台所に生鮮食料品として充実したものを提供していただくような設備,その他の充実を図っていかなきゃならないと思っているところでございます。
工業団地の現在の状況を申し上げますと,この名前を変えたのはというのは,立地優位性をメリットとした業種を誘導するということが大切であると考えております。上山口からまいりまして,山形市の玄関口にあたると。そして,自然景観,蔵王が望める,須川縁にあると,こういった自然景観をいかした誘致の優位性をメリットできる企業を多くの業種に分譲していきたいと,そのように考えまして,狭く限定しない産業と名称をつけさせていただいたものでございます。
団地の今の申し込み状況を申し上げますと,地元関連企業では10社でございます。前向きにこれが誘致分譲に入りたいという申し出がございます。進出以降の再確認を進めている企業が10社でございます。これを張り付けをお願いしているところでございますが,現在の全工業団地の半分程度がこれで大体いくと。企業として,なかなかもっとほしいという希望もございます。東京,関西,中央企業の進出を誘致している建前上,私どもは現在のところは半分程度今のところもっているということでございます。
そういう状況の中で,これからの中央企業の方の進出が進まないとなれば,地元企業の方にそれぞれ分譲を増やしていきたいと,こういう考えでおります。