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平成 7年 6月定例会(第3号 6月16日)

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    平成 7年 6月定例会(第3号 6月16日)


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    平成 7年 6月定例会(第3号 6月16日)   平成7年6月16日(金曜日) 〇出席議員(40名)     1 番   澤 渡 和 郎 君      2 番   石 澤 秀 夫 君     3 番   高 橋 啓 介 君      4 番   渡 辺 弥寿雄 君     5 番   高 橋   博 君      6 番   高 橋 民 夫 君     7 番   金 峰 聡 和 君      8 番   斎 藤 淳 一 君     9 番   加 藤 賢 一 君     10 番   高 橋 伸 行 君    11 番   渡 辺 ゆり子 君     12 番   豊 川 和 弘 君    13 番   加 藤   孝 君     14 番   石 沢 忠 八 君    15 番   竹 田 和 義 君     16 番   荒 井   啓 君    17 番   鈴 木 善太郎 君     18 番   峯 田 豊太郎 君    19 番   阿 部 喜之助 君     20 番   阿 部 豊三郎 君    21 番   高 橋 嘉一郎 君     22 番   佐 藤 義 久 君    23 番   酒 井 靖 悦 君     24 番   佐 竹 盛 夫 君    25 番   佐 貫 宏 一 君     26 番   小野寺   建 君    27 番   長 瀬 洋 男 君     28 番   会 田 邦 夫 君    29 番   渡 辺 秀 夫 君     30 番   宝 沢 啓 輝 君    31 番   枝 松 昭 雄 君     32 番   武 田 一 夫 君    33 番   佐 藤   稔 君     34 番   浅 野 泰 孳 君
       35 番   深 瀬 悦 男 君     36 番   尾 形 源 二 君    37 番   渡 辺 卓 弥 君     38 番   加 藤   正 君    39 番   中 村 幸 雄 君     40 番   大 沢   久 君  ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席した者   市長      佐 藤 幸次郎 君   助役       板 垣 啓 二 君   収入役     今 野 和 子 君   総合政策室長  斎 藤 健 司 君   総務部長     梅 津 久 勇 君   財務部長    佐 藤 冨 也 君   市民部長     酒 井 正 男 君   環境部長    寺 崎 琴 雅 君   福祉部長     横 倉 明 雄 君   産業部長    日 野 茂 男 君   建設部長     奥 山   漸 君   都市開発部長  垂 石 定 敏 君   下水道部長    山 崎 輝 翁 君   消防長     武 田 鉄 雄 君   済生館長     櫻 田 俊 郎 君   済生館事務局長 山 川 正 雄 君   水道事業管理者  阿 部 勇 蔵 君   水道部長    黒 沼 吉 男 君   教育委員長    後 藤 和 弘 君   教育長     洒 匂 勝 雄 君   選挙管理委員長職務代理者                                伊 藤 文 雄 君   選管委事務局長 加 藤 順 功 君   監査委員     伊 藤 常 男 君   監査委事務局長 加 藤 弘 一 君   農業委員会長   日 野 晃 昌 君   農業委事務局長 岸   善 明 君  ―――――――――――――――――――事務局職員出席者   局長      金 田 春 雄   総務課長    鈴 木   啓    議事課長     岩 田 充 巨   副主幹     菅   澄 子    議事係長     須 藤 正 博   調査係長    深 瀬   博    主査       金 澤 孝 弘  ――――――――――――――――――― 〇議事日程第3号   平成7年6月16日(金)午前10時開議  第1 市政一般方針に対する質問  ――――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件  日程第1 市政一般方針に対する質問  ――――――――――――――――――― ◎午前10時1分 開議 ○議長(大沢久君) これより本日の会議を開きます。  出席議員は,定数に達しております。  本日の議事は,日程第3号をもって進めます。  ―――――――――――――――――――市政一般方針に対する質問 ○議長(大沢久君) 日程第1 市政一般方針に対する質問を行います。質問者は通告により,議長において指名いたします。  なお,質問は会議規則第57条の規定により答弁を含めおおむね1時間とし,再質問は同第64条の規定により2回までといたします。  また関連質問は,許さないことにいたします。  市長はじめ答弁者は,時間の都合上簡潔にして,要を得るようご協力をお願いいたします。  それでは指名いたします。   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◎澤渡和郎君 質問 ○議長(大沢久君) 山形市百年の大計と市長の政治理念,ほか2項目について,1番 澤渡和郎議員。   〔1番 澤渡和郎君 登壇〕(拍手) ○1番(澤渡和郎君) おはようございます。  このたび市民の皆様方の温かいご支援のおかげで,伝統ある山形市議会に議席をいただきましたことは,無上の名誉といたしまして,市民の皆様に心から感謝申し上げます。  本日初めての定例議会で,先輩議員のご高配により一般質問の機会を与えていただき,誠にありがとうございます。何分勉強不足,内容につきましては不備,的外れの点も多々あろうかと思いますけれども,常日頃,私自身が政治について考えていること,市民の多くの方々といろいろな要望,意見などにつきまして,順次通告にしたがいまして質問をさせていただきます。  漠然としたテーマでございますけれども,山形市百年の大計と佐藤市長政治理念についてお尋ねいたします。  日本の歴史をふり返ってみますと,ちょうど100年前,明治28年は日清戦争で勝利に酔っていた年であります。そして戦後50年,50年前が昭和20年は国敗れ国民は多くのものを失いました。悲惨な敗戦,焼け跡の中から日本人は立ち上がり,奇跡的な経済復興,驚異的な繁栄をおさめた反面,我々は現在「第3の開国」といわれる大きな転換期を迎えております。  この内外の変革の時代であればこそ地方自治のリーダーである市長は「歴史に学ぶ」,世界的視野のもと50年,100年後の子孫に誇れるふるさとづくりを目指して,グランドデザインを措き,リーダーシップを発揮するにふさわしい人物であります。  戦後50年を迎えたこの時期に起きた今回のオウムサリン事件。警察の捜査でその実態が明らかになるにつれ,あまりのその異常さに,誰しも驚がく,戦りつを覚えるわけであります。私は,1人の狂気のリーダーが君臨する新興宗教集団による凶悪犯罪としてこの事件を片付けられるものではないと思います。なんで理性的と思われる多くの若いエリート達が,一見こっけいというかグロテスクな感じさえする教祖の命じるままに劇画もどきテロ大量殺人をやったのかと,この底知れない一連の不気味を引き起こしたのかと思うわけであります。私は戦後の物質中心主義といいますか,とにかく欧米に追いつけ追い越せと,経済繁栄に走るあまり,自分にとって損か得かという価値判断,これですべてをはかってしまうという昨今の風潮が,大切なものを欠落してしまったんではないかと,戦後半世紀の総決算として,我々すべてに突きつけられているものがあるのではないかと考えられると思います。  地方自治法では宗教法人は都道府県の所管と聞いておりますが,今回の事件や社会的な背景につきましては,そのような範ちゅうを超えて戦後の日本人の抱えた大きな問題を提示しているんではないかと思われます。特にこの根本的な事態を改善いたしませんとこの種の人間あるいは集団,そういった新興宗教というか,こういうものは今後も出てくる恐れがあるというふうに思われるからであります。この事件を通しまして戦後の世相といいますか,日本人の国家感あるいは歴史感,そして本来現世の人々の魂のよりどころ,善なるもの心を癒すものであるべき宗教と,これは政治や行政においてタッチすべきものではないという考えがあるかと思いますけれども,この件については非常に大事な点だと思いますので,市長の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。  続きまして,基幹産業であります農業についてでありますが,私は農業についてはまったくの門外漢でございます。生産高からみれば農業は商工業と比較すればきわめて低いものでございますが,しかし本来,山形の基幹産業であり,これからも守り育てていかなければならないものであります。米の自由化や農村の都市化現象等,長い目で取り組む必要があると思われますが,私自身の率直な意見としては農村とはいろいろな意味での豊かさがあると,うらやましくさえ思われます。  私は,古ことわざで「敵を知り己を知れば百戦危うからず」。今,日本の農業が国際競争力という点で欧米あるいは他の国との競争に打ち勝っていくには,やはり相手に飛び込んで,その技術,ノウハウ,そういったものを吸収して自分のものとしていくということが大事ではないかと思います。平成7年の農業後継者海外研修には8名の方が1人約35万円の助成をもって海外に研修に行かれているようでありますが,こういうアメリカ,カナダ,オーストラリアヨーロッパ諸国の,敵の力というか,技術というものをやはり日本の農業はもっともっと積極的に見付けていくべきではないかと,こんなふうに思いますが,市長は山形の農業の将来の展望についてどのようにお考えなのか,ぜひお聞かせいただきたいと思います。  続きまして,昨年の12月の定例議会一般質問におきまして,馬見ケ崎川に清流を取り戻す運動を展開し,蔵王第2ダムの建設を促進してはいかがかという議員からの提言がございました。すばらしいことでございます。市長も国,県等,関係機関先頭にたって働きかけいくと,実に力強い,頼もしいご答弁でありました。  去る6月2日緑町の三島神社例大祭に,かつて明治時代の県令として君臨いたしました三島通庸のひ孫にあたられる三島義昭さん,昌子さんご夫妻が参列されたわけですが,今を去る100年以上も前に三島県令は,山形市内の中心部を流れる暴れ川を改修しまして,現在の馬見ケ崎川としたわけであります。しかし,皆さん日本一の芋煮会の会場でありますあの馬見ケ崎川原ですが,昨年の夏の干ばつでももう水は全然なく赤茶けた,ぼうばうとした殺風景な風景でございました。そして,大花火大会をしましても山火事が起こったり,いろいろと果たして日本一の芋煮会の会場にふさわしいのかなと,私は思いました。この馬見ケ崎川を私は,蔵王第2ダムという考え方もあるのですが,ちょっとした運河というような形にできないものかなと。そして水と緑の豊かなものに三島県令に匹敵するような大事業を起こせないものかなと,こんなふうに考えたわけであります。これは市民に大きな夢とロマンを与えるものと思われます。ぜひ,この点での市長さんの積極的なご意向をお聞きしたいとこのように思っています。  続きまして,世界の山形,真の国際親善ということでございますが,昨今の不透明感を増した社会のパイオニアとして,柔軟で自由闊達な発想で新しい時代の座標軸を構築していくことは,優れた行政当局の責務であり,また政治家の任務でもあるのではないかと思います。  先日,鶴岡市の銀座商店街の理事長とお会いしまして聞いた話なんですが,鶴岡市役所の商工課に県庁の方から職員の方が出向して,県と鶴岡市のパイプ役と,あるいは行政の活性化,いろいろな点で大変役立っているということを仄聞いたしました。山形市は行政の垣根というものを取り払って,山形県あるいは国,民間企業と人事交流をもっと活発にすべき時代を迎えているのではないでしょうか。  これは学校教育においても同様に思われますが,市長が唱えるいきいきとした市政の展開におきましても,人事交流,人材登用についていかがお考えでしょうか。  そして,この考えを更に広げていきますと,山形市は国際交流として,欧州オーストリアのキッツビューエル市,中国の吉林市,オーストラリアスワンヒル市,アメリカコロラド州のボルダー市,ロシアのウランウデ市と,5つの海外の市と姉妹都市盟約が締結されまして,年々国際親善の輪が広がっておりますことは皆さん周知のことであります。この中でもオーストラリアスワンヒル市とは,20名余りの中学,高校生の短期交換留学事業,もうすでに第5回を数え,ホームステイ,家庭,学校教育を中心とした青少年の国際交流は目をみはるものがあり,数多いわが国の姉妹都市交流事業の中でも理想的な形であると,内外の絶賛を得ているそうであります。市長,市当局,教育長をはじめ,関係各位のご努力,ご英断に敬意を表するものであります。更にまた,平成5年度は,ロシアのウランウデ市との間で3カ月の職員の研修交流が行われました。当市からも国際交流課の中村進二さんが派遣されまして,大変国際交流の責を果たしたと聞いております。また,中国の吉林市からも受け入れをやったことがあるということであります。  山形市は昭和59年に平和都市宣言,また来る平成9年に世界平和都市会議を開催予定というこの山形市でありますが,他の先鞭をきってこの海外の5つの姉妹都市と,市職員の交互研修の派遣及び受け入れを実施したらいかがかと思うのであります。皆さんご存じのとおり,1週間とか10日とか,2週間ぐらいの海外研修では,すぐその印象とかいろいろなものを忘れてしまうのでありますが,私はかつて明治政府のリーダー達が明治維新以後に多くの方々がアメリカヨーロッパに派遣されて学んだという故事にならいましても,これから10年後,20年後,世界の各国の事情に通じた国際感覚豊かな人材が山形市の行政をリードするということで,私は国際平和都市として,世界の山形として,世にうたわれるのではないかと思うわけであります。この1年間か2年間の国際派遣の件でありますが,ぜひ市長のご意見をお聞かせいただきたいと思うわけであります。  続きまして,まちづくり都市計画につきましてですが,昨日の一般質問で加藤議員はじめ多くの議員の方々が言及され,私の言わんとするところはほとんどありませんが,ポイントについてのみ申し上げたいと思います。  最初に50万都市ということでありますが,現在山形市25万の人口と,そして合併の方向を見せております上山市,あるいは東村山郡の山辺,中山町を含みまして,31万人ということであります。天童も加えますと37万5千人と,50万人の人口までに10数万の差があるわけでありますが,昨今の人口の推移を調べますと,ほとんど増えないと,やや微増の段階ということでありますが,いろいろな状況をみましても,なかなか50万都市構想ということは,すぐには無理があるのではないかと思われます。やはり30年,50年先にそういう時期が展開するかもしれませんが,現在の6次総あるいは10年計画等におきましては,人口の構想といたしまして,2市2町,人口は31万人と,人口増につきましては,実数に立脚したシミュレーションをおいて,そして住宅計画,道路,その他インフラのプランをつくっていくべきではないかなと思われるわけでありますが,市長さんのご意見をお聞きしたいと思うわけであります。  そして,ここで我々がもっと注目しなければならない事実があるわけであります。最近の石油事情の件でございますけれども,現在の石油の採掘の状況からしますと,石油資源OPEC諸国の石油はあと86年,非OPEC諸国では18年と,総じてあと46年で今の石油消費でいきますと石油資源は枯渇するという事実でございます。限りある資源を有効に使うという見直しはもとより,山形市の人口が50万にならんとした頃には石油資源が枯渇すると,それに代わる太陽熱であるとか,いろいろなエネルギーが開発されるかもしれませんが,やはりこの点につきましては長期的な予測でもってリーダーは考えていかなければならんのではないかなと思うわけであります。  そして,多くの中心商店街の方々のお話を聞いたわけですけれども,まず第1になんとしても中心商店街の再開発のための都市計画を,力強く,粘り強く進めていただきたいと,これは切実な声であります。ぜひ市当局にお願いしたいと思います。  そして,私自身道路の拡幅等において,都市計画課,あるいは道路維持課道路河川課等の皆様方とこれまで公聴会,説明会等にも参加させていただいたんでありますが,山形市には私は常に協力の態勢といいますか,心は持っていると思うんであります。でも,行政当局が自信と使命感を持って粘り強く論理的に話し合いをして,こういう都市計画を進めれば必ずできると,こんふうに信じるものであります。public relationといいますか,この広報,住民の社会的な啓発という点ではまだまだ足りないのではないかと思います。この宣伝といいますか,ムードづくりということでもっと一歩も二歩も先にきた取り組みが必要ではないかと。そしてまた,行政が民間におろしていくということだけでなくて,町内会とか商店街とかとともに都市計画を考える自発的な委員会を設置し,まちづくり委員会ということで先輩議員の方々も大変活躍されておりますが,こういった形で住民のコンセンサスを得るというように機能させていきたいと思うわけであります。  このまちづくり都市計画の市街地の開発ということでは,ぜひ都市計画これまでの既存のものをお進めいただきたい。そして,そういう点につきまして市長さんの積極的なご意見をお聞きしたいと思っております。  最後に,観光振興伝統芸能の復権ということで質問いたします。  京都をはじめ関西各地の観光先進地と比べますと,山形はまだまだもてなしのノウハウといいますか,ホスピタリティという点で後進を期していると思います。本市には皆さん,ご存じのとおり,優れた観光資源,全国に誇るそば,食文化,名物がたくさんあるわけであります。これらを市民の財産と考えて,全市官民あげて観光客を誘致し,歓迎するという意識の高揚を図ってはどうでしょうか。特にキーワードとしては,県外観光客にとって都合のよいまちづくり,ハ−ド,ソフト両面において。それからどうしても全然知らない人とか,県外からの来訪客,こういう方々に積極的にものを売り込むとか,そういうことはどうしても「あがすけ」といって,山形市民の感情としてはなかなか相容れないようなところがありますが,こういった「アンチあがすけ」をいかに「あがすけ」にしていくかということが大事ではないかと。やはり市当局はじめ我々が先陣をきって,こういう観光というものに身をもって当たっていくということが非常に大切であります。ただいまのご意見のとおりであります。これは,単に観光地蔵王とか,山寺,温泉地ということに限らず,山形市民が見知らぬ方とか県外の方々に,本当にウエルカムという精神に満ち溢れたようにするということで非常に大切ではないかと思うわけであります。これは観光関係行政では非常に大変な足跡のある先輩議員もいらっしゃいますので,一言こういうことで申し上げておきます。  また,最後の伝統芸能復権であります。これは先ほど申し上げましたとおり,日本の経済復興ということで,大変,物質的には日本も繁栄してきたわけですが,この日本民族の伝統文化,あるいは歴史の継承という点で大きな欠落があったというふうに私は思うのでありますが,そういった意味で一流国民として自分の国の伝統とか,文化とか,しっかり継承していくということは,非常に大事なことではないかと思うわけであります。幸い震災とか戦災に遭わなかった山形市においては,歴史的な食文化,伝統芸能がいきいきと息づいておると,先般,山形商工会議所観光サービス部会伝統芸能振興対策委員会というものが発足したそうでありますが,これは新しい観光資源の開発,伝統芸能の普及と後継者育成,そして街の活性化ということで,非常にすばらしいことではないかと思っているわけでありますが,この点につきまして,市当局でも思いきった取り組みが必要かと思われますが,市長のご意見をお聞きしたいと思っております。これは私としてはなかなか言いにくいことでございますが,これだけは必ずということで釘をさされてまいりました。  以上,私の質問を終わらせていただきます。市長よろしくお願いいたします。 ○議長(大沢久君) 佐藤市長。    〔市長 佐藤幸次郎君 登壇〕 ○市長(佐藤幸次郎君) 最初の歴史に学ぶ百年の大計ということでございますが,歴史は後世になって評価されるという言葉もございます。良いものへのいわゆる憧れ,それを伝統的に引き継いでいくということが最も必要かなと思います。こういうことは行政運営においても同じだというふうに思いますし,市民の日常生活においてもそのような,よい歴史をふえまて受け継いでいくというその気持ちが必要かなというふうに思っております。  政治百年の市長の考えということでございますが,心豊かに,豊かな心を持つ,育まれる山形社会づくりに全力をあげてまいりたいと,このように思っております。政治的にはどのような立場でということでございますが,いつも申し上げております。市民と話し合う市政,市民にわかりやすい市政,市民本位の市政をモットーにしてまいりたいと,そして後世に清潔な政治を実現してまいりたいということでございます。  宗教に関してどのような考えかと,大変こういった質問は私としては明快に答えられるかどうかわかりませんが,何かを尊ぶと,何かを信じると,こういった心を持つことだろうというふうに思います。皆さん方も私もそうですが,市長は何を信じるかといわれて,皆さんもすぐ何と答えられる方はそんなにいないのではないかというふうに思います。それはもちろんすぐ当然何々だというふうにあろう方もおります。一般的に私なんかは,市長は何の宗教を信じているかと,こういわれると戸惑うという状況でございますから,いわゆるそういう意味合いからいっても私が先ほど申し上げましたような,何かを尊ぶ心であると,信じていく心であるというふうに回答申し上げたいというふうに存じます。  山形の農業の将来の展望ということでございますが,今,第4次の市の農業振興基本計画を策定しておりますが,これを100年までは延ばせないと思いますが,10年,20年サイクルで,山形市のいわゆるこれからの農業を守っていくための基本的な施策を,この計画盛り込んでまいりたいというふうに思っております。農業の機能を生かした足腰の強い農業経営体の育成,産業として自立させていくと,それが今後に課せられた私どもが計画を作成するうえでの基本理念であるというふうに思っております。山形市は地理的条件から,土地の利用の大型規模経営よりは,施設園芸等の収益性の高い作物と組み合わせた複合経営による都市型経営を目指していくことで,農業の保全と産地の生き残りがはかれるのではないかというふうに私は思っているところでございます。  次に,馬見ケ崎川に豊かな水と緑を復活させる。これは馬見ケ崎川を市民の憩いの場として,自然と人間のふれあいの場として,これから何とか清流を取り戻してまいりたいという意味で,それぞれの関係方面にお話し合いをしながら,協力をお願いしながら,調整的な第2の蔵王ダムを建設してかなければならないように私は思っていたところでございます。いろいろこれまでは,昔からあの川はそのままの流れで,ダムもなくそのままあったわけでございますが,途中で多目的の第1蔵王ダムがつくられました。それに次いで今度は清らかな水を取り戻す,こういう目的でなんとか関係者の皆さんとともにできないものかと思っていたところでございます。  下流の方のいろいろな河川敷につきましては,県の管理河川でございまして,いろいろな構築物その他については県が行うと,こういう建前になっております。私どもは,この馬見ケ崎川の沿道,いわゆるそれに沿ったものについて,市民が自然とふれあう,ふれあいの場所づくりを今後進めてまいりたいというふうに思っております。  その1つが現在進行中のプール,いわゆる健康,レクリエーション的な施設,更には今温水プールの関係で湯量とかいろいろな関係がございますが,それを使った昆虫博物センターのようなものを併設できるかどうかを今検討中でございます。  もう1つは市民が多く集まります芋煮会,更には花火大会,そういったものの皆さんが大いに使っていただくように,県から河川敷の使用をお願いして,現在駐車場その他になっている左岸側の道路を遊歩道的にもっとよく整備して,桜並木ももっときちんと整備して市民の憩いの場にしていきたい。これが馬見ケ崎川沿線にかける山形市のこれからの整備目標でございます。  民間人,または国,県との職員の人事交流でございますが,昨年初めて国の方の中央機関に市職員を派遣といいますか,研修といいますか,そういう意味で出しました。県と山形市の交流は,いろいろな事業においてそれぞれの立場から協力しあって,県の機構の中に入ってこれまでも実施ししてまいっております。来年度につきましても,中央官庁に職員を出すということで私から中央官庁の方に申し入れをさせてもらっております。今後ともそういう意味で職員の研修,そしていろいろな情報を取りあうという,よりよい行政の充実を目指してやってまいりたいというふうに思っております。  国際交流の場は,事例研修の場にしてはいかがかということでございますが,これまでも,今,澤渡議員からご指摘あったように,友好姉妹都市の海外の国と実態的には,実例をしてやってきております。これからオーストリアのキッツビューエル市とロシアのウランウデ市,これを目標にして,青少年のスポーツ交流を進めてまいりたいというふうに思っております。やはり国際交流は,国際理解の立場からして,交流の場としてこれを充実していかなければならんというふうに思っております。昨年,友好姉妹都市を締結いたしましたアメリカ合衆国のボルダー市には,今年,山形市民のボランティアを派遣いたしまして20名程度でございます。これは市の職員も一緒になって行きまして,いわゆる事例研修としての,いろいろな面で最も優れたボルダーのボランティア活動を実地に見て,そして研修してまいりたいと,この計画をたてているところでございます。職員の研修,国際交流については,先ほどウランウデ市と吉林市からそれぞれ山形市に研修,長期ではなかったのでございますが,やらせていただきました。これらも国際交流委員,語学指導助手として,海外からのいろいろな方々に山形に来ていただいて,交流をしてもらいたいというふうに思っております。農業後継者の海外派遣でございます。これまではヨーロッパとニュージーランドを派遣,研修の場として進めてまいりました。ただヨーロッパの場合は事情がございまして,日本が忙しい農業後継者の方々がこの山形を離れにくい時期が,やはりヨーロッパも一番忙しい時期だということで,本来であればそういう時期にヨーロッパのを視察研修するのが適切というふうに思いますが,これがなかなか参加者のこともありまして,実現できないと。それでほとんどニュージーランドが研修の場になっているわけです。こちらが忙しい時は向こうは冬であると,日本が冬に向かっている時は向こうが忙しくなるということもございます。そういうことで今回もニュージーランドに8名の農業研修者を9泊10日の日程で派遣させて,研修をしていただくということにしております。多くの後継者が参加できればと,私どもはいろいろそういった日程,コース等を計画しながら今後とも続けてまいりたいというふうに思います。長期となりますと,やはり農業後継者のいろいろな希望もございまして,それほど長くはだめだという意見がございます。そういうところで9泊10日の日程にさせていただいたということでございます。  それから合併の先進都市を見習っていろいろ実例を学ぶべきだということでございます。おっしゃるとおりでございまして,これまでいろいろな全国各地で合併の都市が実現しております。その形態をみますと,その1つは政令指定都市を目指した合併,または2番目には中核都市を目指しての,いわゆる広域行政の合併,3番目には町村が合併し,行財政の基盤を固めようとするもの,大体この3つに分けられるようでございまして,山形市が今目指しているのは,中核都市の形成を目指して隣接の市町に合併をお願いしているところでございます。今後も調査研究を続けて,必要に応じ,いろいろな問題に参加しながら,これを実現を図ってまりいたいということでございます。  50万都市の構想は,今の人口増ではどうかというご質問でございます。きのうも申し上げました。我が国の人口の増加のピークは,平成23年を頂点として,あと減少に転ずるだろうと,このように厚生省の人口研究所の推定でございます。県の新しくつくった新総合発展計画においても,初めて人口の目標はマイナス成長というふうになっておりますが,幸い山形市周辺,この都市はこれまでの傾向をみますと,微増ではございますが,人口は増え続けております。都市の機能を集中しまして,山形市もそのようなものをつくって,これからその目標に向かってがんばってまいりたいというふうに思っておりますが,なんといいましても,すぐというわけにはいきません。澤渡議員がおっしゃるように百年の大計でもがんばりながらやっていきたいというふうに思っているところでございます。  都市計画の道路建設整備でございます。大変ご協力をいただいておりまして,感謝にたえないところでございます。私どもは,この街をそのままでやってはいけないと,もっともっと優れたすばらしいまちづくりを進めていかなければならないというふうな気持ちでおります。これはその担当にあたる職員もこの都市計画を実現していくんだという,それぞれの地区の地元の皆さんのご理解とご協力を得ながら,そしてそのなかで自信と,いいまちをつくるんだという使命感にたって,職員全体ががんばってまいりたいというふうに思っているところでございます。これまで計画をお示しいたしましたものについて,実現に向けて全力をあげてこれから達成に努力してまいりたいというふうに思っております。  まちづくりは市民のコンセンサスが最も必要だということでございますが,まちづくりの根幹は,今策定中の6次総でこの中にしっかりと明記していきたいというふうに思います。総合計画審議会を設置しておりまして,市民代表として各界各層30人の委員,更に19人の専門委員を委嘱しております。さまざまな観点から進めておりますわけで,これがいわゆるシンクタンクだけの考え,または一方的な考え方でないようにしてほしいという,そういったいろいろな市民の要望に基づきまして,多くの委員の方,専門委員の方,そして皆さん方の市の職員もそれに参加しながらつくってまいりたいというふうに思っているところでございます。その内容的には将来の展望や土地利用に関する考え方,これが非常に重要な今後の山形市の21世紀に向けた都市づくりに向かうものだというふうに考えております。  観光客へのもてなし,ホスピタリティでございますが,私どももべにばな国体を契機に,この観光客へのもてなしということではこれまでも最大に努力してまいりました。観光アカデミーや,観光協会の事業の中で,ホスピタリティの向上を図ってまいりたいというふうに思っております。やはりこういったものを普及啓発していくには,全国規模の大会を多く山形で開催していくということが一番肝心だと思っております。したがいまして,スポーツ大会にしても,学術会議にしても,いろいろな各種会合を大いに山形市に誘致して,開催していきたいと。全国大会でなければ,東北大会でもいいと,こういうことで県外から多くの観光客,スポーツ関係者,学術,そういう方々が山形に訪れていただいて,そして,市民がこれを温かくもてなして歓迎するということをこれからも大いに啓発していきたいというふうに思っております。  伝統文化につきましては,これまでも優れた伝統民俗芸能文化が,保存,継承されております。私どもも,これは非常に重要な心の潤いを与える,ゆとりのある,そして文化創造の根源であると,このように考えておりますので,民俗芸能の保持団体に助成を申し上げまして,無形民俗文化財指定の8団体に後継者育成の面で助成をさせているところでございます。また一方では小学校でもそれぞれ地区の伝統的な民俗芸能について,指導伝承を小学校の中で,正規の科目ではございませんが,それぞれそういう立場をとらせていただいているところでございます。
     以上でございます。 ○議長(大沢久君) 1番 澤渡和郎議員。 ○1番(澤渡和郎君) 誠に理に入り、細にわたったご答弁ありがとうございます。  土地計画につきまして,以下の質問をさせていただきます。  仙台と比べますと,山形の街といいますか,中心商店街が非常に早く終わってしまうと。タクシーの運転手に聞きましたらば,帰りのバスが無いと,中心商店街に通勤する方も帰りのバスが無いと,結局マイカーを使っているということであります。バス会社では,やはり採算ということで,路線をどんどんカットしてしまうというわけでありますし,また,お客も来ないから,商店街も早く店を閉めてしまうと,だんだん街がさびれてしまうということでありますが,地元の商店街の方のお話では,横浜ではスペシャル終バスという,終バスが終わってから倍の金額でスペシャル終バスというものを実施しているとか,あるいは通勤の方が,バスが無いということで大変困っているという声が聞かれるわけであります。仙台の場合ですと,地下鉄,それから市営バス,それから民間のバスというふうに大量輸送,トランスポーテーションも非常に山形と比べますと,発達しているんでありますが,いわゆる車社会の中でバスというものをもっと活用できるようにできないものであろうかと。いろいろ聞いてみますと,バス部門は大変な赤字でこれを他の部門でカバーしているんだというようなことも聞きますが,この中心商店街の活性化という意味での,バス路線のもっと有効な活用といいますか,結局は終バスをもう少し遅くして,最近どんどん早くなっているんだそうであります。  そういう点と,それから先ほど申し上げた資源の枯渇ということで,これは30年,50年先を見たらば,現在のように自家用車をどんどん乗り回すというような時代ではなくなるのではないかということから考えますと,公害とか,資源ということから,大量輸送のバス,このエネルギーがガソリンか何かわかりませんけれども,そういうことも踏まえて,このバスというものを市民の輸送の手段として本格的に考えていくべき時ではないかなと私は痛感するわけでありますが,市長のご意見をお聞きしたいと思います。 ○議長(大沢久君) 佐藤市長。 ○市長(佐藤幸次郎君) 確かに商店街の夜の賑わいがないということでございまして,市内の商店街の皆様ともお話し合ったことがございます。それにつきましては,やはり従業員の問題もある。従業員をもっと遅く,タクシーなり自家用でなく帰れるようなバスを運行してほしいという商店街の方々からのお話がございました。これについては,私どももバス活性化委員会,こういうものが陸運事務所と県と山形市でつくっておりますので,そういう中で,従業員がまず遅くまで商店街で働けて,帰宅も安心してやれるような状況にもっていけないかと思っているところでございまして,そういったバス活性化委員会の中でもそういう話を進めさせていただきたいというふうに思っております。それは定期ではなくていろいろなところをバスがまわる,いわゆる定期路線ではないやり方を皆さんが望んでいるようでございましたので,そういう中で検討させていただきたいというふうに思います。  資源につきましては,やはりこれは国家の非常に困難な誰もがこれに直面している問題だと思いますが,それに大量輸送のバスを使って少しでも緩和すればいいのではないかということでございます。山形市周辺,県内もそうでしたが,前はそのようにバスに頼っていたということでございます。特に私達最近は高齢化の時代,更には乳幼児,若い方々の足はやはり大量輸送のバスが一番使用を占めていると,こういう考えを持っております。そのために,これまた同じでございますが,先ほどの委員会において,こういった問題を研究していきたいというふうに思っております。 ○議長(大沢久君) 1番 澤渡和郎議員。 ○1番(澤渡和郎君) 追加の質問をさせていただきます。東北地方の南の山形,福島,宮城という3県で広域な問題を協議していく場を持っているそうでありますが,どうしても日本の社会は中央集権的な傾向が強く,山形でも,東京とか,仙台の動向は大変情報が早いです。ご存じのとおり,東京の新聞社,あるいは河北新報の総局というのは山形市にありますが,しかし,似たような条件,環境で同じような問題に取り組んでいるというお隣の福島県とか,あるいは秋田県,あるいは新潟県,こういったことが意外とわかっていない。これは新聞社の支局も無いということだと思いますけれども,私はこういう同じような問題に取り組んで,同じような条件のお隣の県の状況をよく知るというようなことでも,これらの3県の地方紙,新聞を市役所でとって,市民,あるいは市の職員の方々が見られるようにしてはどうなんだろうなと,こんなふうに感じるわけであります。  それからもう1点でありますが,職員研修,あるいは海外の研修という点で私自身のつたない体験からいたしますと,海外の経験では1週間とか10日では本当に物見遊山,観光的なものになってしまうと,やはり海外で本当に苦労してホームシックになるような思いをして,初めてそこの国の事情とか,国際理解ができるのではないかと私は思います。そういった意味でやはり市の職員の方に難しいことを押し付けるみたいな話ですけれども,ぜひこれから本当に日本人が国際化というものを取り組んでいくには,リーダーであるべき行政の職員の方々が1年なり2年なりの海外研修を積むということは,私は非常に大事ではないかと思うわけであります。特に,昨今の政治改革とか,規制緩和とか,あるいは政治不信等々を見ますと過去の延長ではこれからの世の中は立ち行かないというふうな事情ではないかと思います。そしてまた私は,山形市の市民性として大変まじめな市民性でありますし,そしてまた市の当局,職員の方々も誠にレベルの高い仕事をされているとひしひしと感じますので,ぜひいろいろな問題に前向きに発想の転換を図ってお願いしたいとこんなふうに思うわけでありますが,市長,いかがでございましょうか。 ○議長(大沢久君) 佐藤市長。 ○市長(佐藤幸次郎君) 地方紙を市役所にとれというご要望のようでございますが,即日に入手できるか,これがまず基本だと思います。その辺がまだ研究したことがございません。本来,県内外の各市町村の広報紙,こういったものは交換を行っておりますので,山形市市役所内にも全部ございますが,日常の新聞紙については,今も申し上げましたように,即日のうちに市民に提供できるという状況があるかどうか,これは調査してみてからでないとお答えできないなというふうに思っております。調査をさせていただいて,検討させていただきたいと思います。  海外研修につきましては,もちろん私もそのとおりでございます。一番いろいろな政策,市の行政,そういう意味で非常に若い職員を中心に今後進めてまいりたいというふうに思っております。これまで毎年職員の海外研修については,10名以内ぐらいの人員で実施してきております。この3年間で海外研修を経験した職員は25名ほどにのぼっていると,このように思っております。 ○議長(大沢久君) 以上をもって,澤渡和郎議員の質問を終わります。(拍手)   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◎金峰聡和君 質問 ○議長(加藤正君) 次に,円高対策について,ほか3項目について,7番 金峰聡和議員。    〔7番 金峰聡和君 登壇〕(拍手) ○7番(金峰聡和君) 本定例会議において,一般質問の機会を与えていただき,心より感謝申し上げます。  市長に対する,円高対策,表蔵王工業団地,企業誘致,ごみ清掃工場の更新につき質問し,山形市の方向を確かめたいと思います。  質問に先立ち,先般の統一地方選挙山形市議選に,再度挑戦し,当選でき,市民の負託を受け,市政に,参画できたことを深く感謝するとともに,その責任の重さに身の引き締まる思いです。  さて,最近の政治に対する,世論調査によりますと,国民の政治に対する意識は,従来のような政党政治の枠組を逸脱し,支持政党無し,または無関心層が増し,政治に対する不信感が感じられます。政治家が本気で市民,国民の側に立った適切な施策を行わず,政治家の論理で自分勝手な行動が行われているからです。今必要なことを速やかに行ってこそ,政治家のなさねばならぬことであります。市民国民の生活の安定,生命財産の基本的人権を守り,皆,等しく安心して生活ができることが第一と思われます。先ほど澤渡議員もおっしゃったように,物が豊かになった分,心が哀しく,淋しくなったといわれています。日本人として,人間として,当然あるべき姿は敬神崇祖の心を持ち,奉仕の心,世のため人のために生き,また生かされていることを自覚し,他人の痛みの理解できる世の中をつくり出すことこそ,為政者の使命であると思います。  さて,我が山形市は,四方が山々に囲まれ,四季の花々が咲き,田園が広がり,果物が豊かに実り,人情厚く,また人それぞれ勤勉な方々で,本当に住み良いところですが,その良さを忘れることなく,大切に持ち続けていきたい。その中で「旧きを温ね新しきを知る」ということわざがありますが,昔から民間の中に根強く受け継がれて,今に至るものが多くありますが,その中に観音信仰があります。観音信仰は江戸時代が最も栄えました。各地に三十三観音霊場がありますが,これは親しき人を失い,その霊を供養するために巡礼に出かけるのです。その中で村山内陸地方,南は上山市から,北は新庄市に至る最上三十三観音霊場は,みちのくの霊場として全国的に有名です。山形城主斯波兼頼公の十一代城主の娘,光姫に関わる悲運にまつわる男の霊を弔うために巡礼の旅に出かけたのが始まりです。以来,今日まで560年に及び民衆の中に引き継がれ,今は県外の4割,南は九州,四国,特に名古屋の方々が,北は秋田,岩手等々より,今は観光も兼ねて巡礼団が山形を訪れるのです。その多くの方々は,会社を定年し,人生にゆとりのあるご夫婦の方が,都会の雑騒を逃れ,我が山形県内に4泊,5泊として,山形の自然や人情に触れながら,都会では味わうことのできない野の仏や古びた観音霊場に心の安らぎを求め,手を合わせ,ひとときの幸せを満喫し,山形が好きになり,信者になって帰るのです。信者とは,また必ず来るのです。信ずる偏に者を書いて,儲かると読ませます。山形を好きな信者が多くできたら,山形は賑わい,本当に潤うでしょう。しかし,オウムの信者は絶対いりません。何もお金をかけなくとも,山形の観光や融客になることがあるのです。  一方,残念ながら忘れ去られようとしていることがあります。それは蔵王山のお山参りです。蔵王山は1200年前,奈良大和国吉野郡より総本山とする修験道のお山なのです。お山に登り,その霊気にふれ,我が身を清めて,罪やけがれを取り除き,再びよみがえり蘇生するのです。その習慣は戦後も続き,昭和30年代頃まで蔵王は夏山で賑わい,特に男子15にして必ず父親とともにお山参りをしたのです。西は出羽三山月山,東は蔵王と,必ずお参りしたのです。  ところが昭和25年,毎日新聞社主催,観光百選山岳の部日本一に蔵王が選ばれて以来,蔵王は観光のお山,スキーのメッカと様変わりしたのです。全国に有名になり,また高度成長,レジャーブームに乗って,我が山形蔵王は観光の目玉となり,年間二百数十万人の観光客が冬の蔵王に観光に来ます。  しかし,昨年来,皆様ご案内のとおり,全国にスキー場も整備され,高速道路網も各地にでき,客足が蔵王でも減少し始めたのです。近年,蔵王もオールシーズンタイプの大型ホテルの建設があいつぎ,蔵王の課題はいわゆるグリーンシーズンをどうするかが鍵となりました。冬も夏もお客の来る蔵王にするには,いろいろな方策が考えられますが,私はただいま縷々申し上げたように,夏は今忘れ去られた蔵王のお山参りを再びよみがえらせることができたならば,蔵王の山観光は前にもまして賑わうでしょう。  今蔵王の山々に草むらに埋もれた石仏や山岳信仰の遺跡がたくさん残っています。「旧きを温ね新しきを知る」夏山蔵王の活性化はこれが一番だと私は考えております。このことは,後日機会をもって皆さんとともによくご相談いたしたいと思います。  伝統を掘り起こしてこそ未来に生きる術を得ることができるのです。近代的な発想も取り入れながら,伝統文化を忘れることなく観光山形をつくり上げるべきです。  さて,前置きが大変長くなりましたが,肝心の円高問題に入ります。  今,我が国の経済は不況の長いトンネルに入り,円高と株価安,バブルの崩壊と重なり,人間ですと糖尿病を患ったのと同じでこのままではいろいろな病魔が発生し,生命にもかかわるといわれます。今の政府は特に円高については何の施策も持たず,全く無能に等しい。特に製造業を中心とした,我が国の輸出に係る産業は大打撃です。日本から物づくりがなくなりますという人がたくさんおります。私は全く同感です。全く深刻です。地方の企業までが国内生産をあきらめ,中国や東南アジアに生産工場を移転しようとし始めました。インドネシアや中国では時給20円,1日8時間160円で女子労働者が働いているのです。日本でつくるニット製品や家電,家具と全く同じ物が作られているのです。日本の20分の1の賃金で物が作られているのです。私の知っている方で,大阪の本社より仕事をもらっている知り合いの社長さんは顔色を無くしていました。今は生産価格はボーダーレス時代,国際価格競争の中で企業の生きのびることを考えても,一企業では何もできません。本市は,2次3次下請け企業が9割を占めています。民間の苦しみを代弁する,理解するには,その人が誰であろうか,その立場が本当に悔やまれます。しかし,その影響は1人,その下請け企業のみならず,関係のない街の小売業や観光業者,食堂,建築業,サービス業などすべての民間経済に及び,皆売上げが上がらず困っているのです。それは,その企業に働く従業員の給料,ボーナス等の目減りが先立ち,先が見えないので消費を控えているのです。今年の秋頃より,このまま円高が進めば,会社倒産が増え,失業者が増え,社会的に大問題となるでしょう。本来ですと,政府が早く手を打つべきですが,自社さきがけのなれ合い与党では,3党の与党の数の結束だけが心配で,国民には何も手を貸すことをしないのです。  そうした中で政府がだめなら,市が取り組んだ円高対策は,山形市内の多くの中小企業が待ちに待っています。  先日の新聞報道によりますと,山形市におきましては,助役を委員長とし,関係部長を委員とする他市にない先取りした施策であり,このような緊急な対策は非常に心強く市長の中小企業に対する速やかな適切な最良の政治姿勢と高く評価するものです。もはや時間はありません。十分に早急に協議を重ね,この円高対策会議がどのような対策を行われるのかお尋ねいたします。  バブル崩壊後3年半になります。その不況を乗り越えた企業が今残っております。この円高を乗り切れば必ず足腰の強い企業が生き残ります。行政の指導をもって切なる希望で市当局の絶大なるご支援をお願いします。  次に,表蔵王工業団地の企業誘致について質問いたします。  前日の一般質問で取り上げましたが,再度質問いたします。まず第一に全国至る所に工業団地があることを念頭においてください。今や企業誘致が問題にされていること事態,非常に困難な時代となりました。そこで市は,商工課の中に誘致課を設置され,誘致活動されているようですが,企業誘致の仕事は役所の人間が民間企業を相手に話を持っていくことです。その場合,当市はこれは当てはまらないと思いますが,担当課の係がどれほど民間企業の考え方を認識しているかが問題です。民間の企業はまず第一に採算を考えます。県外企業がくる場合は,まず山形に来て何がメリットがあるかを考えるでしょう。山形の良さを協調するには,何をもってするのか。労働者の質の良さ,人が集まるか,交通アクセスは,その他諸々の利点を上げて企業に気に入ってもらえるように作戦を立てなければなりません。そのために民間企業担当者に対する対応や接待など,常識のお付き合いを十分心得て対応してこそ,他の多くの団地との企業誘致合戦を勝ち取るのです。多くは申しませんが,役所仕事ではなかなか頭の切り替えができなければできぬ仕事と,一言申し添えます。  私が心配な要素は土地の単価の問題です。坪当たり平均9万2千円とお聞きしましたが,参考までに新潟県南部工業団地,これは上越の高速道路の側で,条件も良いところですが,坪当たり6万2,700円と,過日の日刊工業新聞に広告されていました。その他諸々の優遇措置や,今後の見通しや現状をご報告ください。多少誘致には時間がかかっても,優良な企業を選択し,表蔵王にふさわしい企業を融致してこそ,地元産業の活性化と考えられます。まずは全力で取り組むべきと考えます。市長の考えをお聞かせください。  次に,「市民の森林」についてお尋ねいたします。  蔵王地区上山田に位置し,瀧山のふところ,市営古竜湖キャンプ場に接し,市内を一望できるできる非常に景観の良い所で,農業法人「山田ブドウ団地」を市が買い上げ,12haの場所に市民の自然と親しむレクリエーション基地として位置づけをもつために,市民の期待すること大であります。学童の課外活動の場,家族とともに自然を親しめる所,四季の移り変わりに感動する所と考えられます。そこで質問します。  第1に,いつ頃完成を目標にして整備するのですか。  第2に「市民の森林」に至る道路の拡幅整備をしなければいけないと思うが,具体的な計画はあるのか。  第3,近くに野草園や湖沼群さらに民間の花夢花夢と一体的なレクリエーション基地と位置づけ,他の施設と競合しないように整備する必要があると思うが,具体的なプランがあるのか。  第4,市民の森林から見上げる夜空が大変きれいなので天体望遠鏡のある施設を建て,子供達の夢を育ててはどうか。  第5,ソリやスノーボード等,気軽に楽しめるように,冬期間も利用できる施設を整備してはどうか。  特に週休2日の学童が課外学習の場として,また家族連れで手弁当を持って一日中楽しく過ごせる所,市民の要望を入れ,夢のある森林に作り上げるように四季を通して楽しめる所,春はツツジ,山桜,ワラビ採り,夏はキャンプに夜空の観察,秋は紅葉,ドウタン,キノコ狩り等,冬はソリ遊びと,気軽に安く楽しく何回も来て遊びたい所,オートキャンプ場,ログハウス,バーベキュー広場として,本格的な野外広場とすべく企画してはいかがですか。  なお,水路と道路等に関しては地元とのコンタクトを取って協力を得てこそ,すばらしい市民の森林ができると思われます。  次に,山形市の清掃業務,特に半郷清掃工場の更新についてご質問いたします。  本市の清掃業務は,2市2町を視野に入れた広域的に業務がなされているとお聞きしています。そのことを含めて,将来50万都市構想に加え,表蔵王工業団地や山形ニュータウン等々,都市が拡大されると思われるが,ごみの減量作戦を取りつつも,こうした中で,半郷清掃工場が新設以来17年目を迎え,焼却炉の耐用年数15年を越え,更新を迎える時がくる場合,清掃工場からの余熱利用が多くの市民から要望があります。他の市や町村での実例,計画を含めて余熱利用についてお尋ねいたします。市民の健康福祉,レクリエーション設備,市民に親しめるクリーンなイメージこそ21世紀に向けた清掃工場と思われますが,今こそ,その大山形の受皿として取り組むべきと考えられますが市長のご所見をお尋ねいたします。  以上で私の第1回目の質問を終わります。  本当にご清聴ありがとうございました。 ○議長(大沢久君) 佐藤市長。    〔市長 佐藤幸次郎君 登壇〕 ○市長(佐藤幸次郎君) 最近の円高は,中小企業の多い本県にとって,また,輸出関連の業界にとっては,非常に深刻な問題だというふうに受け止めております。このため,市としてもできるだけ行政としてのご援助を申し上げたい。こういう立場から,今回,金融対策としては6月5日から工場等集団化経営安定資金と8項目にわたって,これまでの金利の0.3から0.9%最大これを引き下げて,6月5日から実施をさせていただきました。もう一方では,庁内に円高対策会議を設置いたしまして,この中でそれに引き続きまして,更に,この貸付け資金の限度額を引き上げていこうと,こういう内容で,これにつきましては,7月1日から実施したいということでございます。内容的には1千万円から最大3千万円を増額して,最高8千万円までの貸付けに増額してまいりたいというような内容でございます。これは1日から実施させていただきたいというふうに思っております。  更に,もう1つは,公共事業を早期に前期に集中して発注していくという考え方でございます。これについては,これまでのそれぞれ建設3部,それに水道も含めまして,推計では79.5%の前倒し発注ができるというふうに思っております。こういった公共事業を早期に発注して,この景気が落ち込んでいる,これを支えていかなければならんと,このように考えております。  庁内の懇談会は,今後ともその必要に応じて開催してまいりたい。特に,この懇談会ではこういった金融,そして金利の関係の対策を打ち出してまいりますが,それぞれの業界の皆様とも,懇談申し上げて,情報の交換,その他いろいろな要望事項について協議をさせていただきたいというふうに思っております。  表蔵王工業団地でございますが,これまでもたびたび申し上げました多くの関係者,産業界,経済界の皆さん,その人脈にお願いしながら山形市にきていただきたいというふうに,今がんばっているところでございます。  特にどこにメリットがあるかということでございましたが,いわゆる表蔵王工業団地そのものが,観光資源的になるような景観の場所にあるということとともに,体験のできるような消費者交流型の企業にしてまいりたい。これはいろいろな市民の方々が,その工場に体験的に行っていただいて,そのような工業団地を造成してまいりたいというふうに思っております。更に,建設製造業関係につきましては,山形市の助成制度,企業立地促進条例,これがございますので,これを優遇措置として,それぞれ誘致されます企業に対して,適応して活用していただきたい。こういったものをPR,山形市の工場団地造成の内容として,それぞれ誘致活動にがんばっているところでございます。状況は大変厳しいなかにございますが,早期にこの目的達成のため全力をあげてまいりたいというふうに思っております。  値段の方は先ほど実例が出されましたが,今のところ山形市の場合は,平均でございますが,9万5千円から10万円程度でやりたいと思いますが,製造業に関しましては,先ほど申しました立地促進条例を適用されますと,かなりの額が優遇措置として認められますので,実質的にはもっとぐっと安くなる価格になると,このように思っております。  市民の森林の造成は,今後,補助事業としての林業山村活性化林業構造改善事業を導入しながら,平成8年度から事業に入りたいというふうに思います。施設の整備は4カ年計画としまして,平成11年完成を目指しております。ご指摘のアクセス道路でございますが,市道成沢古竜湖線がございますが,これは改良,その他狭いと,そういう事情もございまして,西蔵王高原ラインから,林道,成沢線を利用していきたい。このため,林道はこれから道路を拡幅しまして,3年計画でバスも運行できるようにしていきたいというふうに考えております。現在,測量と設計を行っているところでございます。この市民の森林の内容でございますが,隣接する古竜湖キャンプ場とタイアップした森林造成事業を考えております。これは森林に親しむということで,この内容の基本にしていきたいというふうに思います。具体的プランでございますが,今後,市民アンケートを行っておりますので,これを参考にさせていただきながら,結論としては西蔵王地区の開発整備事業との整合性をとりながら,市として検討してまいりたいというふうに思っております。  ただいま金峰議員からいろいろな問題が,こういったものはどうかというふうにいろいろご指摘ございました。天体望遠鏡,まず市民,小学校,特に小学生の要望が非常に多いものでございますが,林業構造改善事業の中の事業だけに,これが非常にこれから研究課題になると,そのまま天体望遠鏡が取り付けられるかどうか,非常に微妙でございまして,この辺を検討させていただきたいというふうに思っております。  アウトドアスポーツとしてのソリやスノーボードはどうかということでございますが,今一番心配なのは冬期間の道路事情,いわゆる道路改良しましても,非常に積雪の多いところだということで,この場合アクセス道路の前を考えると,冬期間の利用はどの程度やれるかということが,非常に問題だというふうに思っております。したがいまして,今の構想としてはスリーシーズンを重点的にやってまいりたい。そのほか,道路の改修事情を考慮しながら,その他については,研究させていただきたいと思っております。  ログハウス,バーベキュー広場,これもご指摘,ご要望でございますが,野外活動の施設づくりでございます。森林の中にあって初めてアウトドア,レクリエーションに沿うものであるというふうに私どもは考えております。ですから,アウトドアは森林の中でやるんだということでありますと,森林がやはりそれなりに成長したところで,よく整備してまいりたいと思っております。  ごみ処理場でございます。半郷の清掃工場は,昭和53年に建設いたしまして,これまで17年間使用しております。非常に老朽化して,毎年大幅な補修工事を行いながら使用しておりますので,改築計画を今出しております。この改築計画は平成14年度から稼働したいと,実際に使えるようにしていきたいという考えでございます。もちろんまだ立谷川の工場の方も13年経っておりますし,これの方も今後改築に迫られるということでございます。ですから,この半郷の方をまず改築すると,しかし,広域行政の中でごみ処理の量も増えておりますので,大型にならざるを得ないというふうに思っております。その際,発生する余熱をどう利用するか,これは当然私どもとしても研究しているところでございます。全国の事例を申し上げますと,発電施設を持っていると,東北で5カ所ございます。そのうち自家用に使っているのが4カ所,1カ所だけは売電,いわゆる電力を売っている施設です。これら5カ所。それから温水プールに使用している,これが仙台市,千葉市,水戸市,札幌市の4市,その他でございます。また,温室,植物園に利用している,横浜市と水戸市。更には,雪道の道路融雪用に使っているのが,札幌市と仙台市でございます。  最後の福祉関係では,老人福祉センターに使用しているのが,千葉市と福岡市でございます。山形市,どのように,どれが一番適切に効率的に利用できるかというところを今後検討してまいりたいというふうに思っております。以上です。 ○議長(大沢久君) 7番 金峰議員。 ○7番(金峰聡和君) 市長の答弁に対して,大変わかりやすく答弁いただきましたが,工業誘致に対してですが,こういう意見をいうのはまだ早いと思いますが,目的が工業誘致ですから,工業誘致にこだわってやるのが本筋ですが,今こういう厳しい状態を踏まえて,いく先不透明な中で,全部工業用地とはいわなくても多少の部分,用途変更するような場合もあり得るということで,将来,そんなことも取り入れなくてはいけないのではないかと思うんですが,一言だけ市長さん,よろしくお願いします。 ○議長(大沢久君) 佐藤市長。 ○市長(佐藤幸次郎君) 今回の工業団地は秋口から分譲を開始するということでございます。非常に大きな投資をしながらやっているわけでございまして,できるだけ早くこれを皆さんに造成分譲したいという考え方をもっております。そのためには,工場という条件でやったわけでございますが,やはり中央からの企業誘致だけではあの地区はなかなか大変だろうと。県内,特に市内のこれまでいろいろな面にある中小企業なり,そういった方々が業務の拡大に伴って,新たな敷地を求めている方についても,これを分譲してまいりたいというふうに思っております。  それにつきましては,いろいろな広大な面積でございますので,どの程度にするか,更には,今,金峰議員からおっしゃられたように,すべての業種というまでにはいかないと思うわけでございます。やはりある程度の限定した業種の中で,製造業ではない,工業だけではない,そういったものに変えることが必要ではないかという考えは持っております。以上です。 ○議長(大沢久君) 以上をもって,金峰聡和議員の質問を終わります。(拍手)  この際,午後1時まで休憩いたします。     午前11時32分 休 憩  ―――――――――――――――――――     午後1時    再 開 ○副議長(中村幸雄君) 休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を続けます。   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◎斎藤淳一君 質問 ○副議長(中村幸雄君) 次に,第5次総合計画の総括について,ほか6項目について,8番 斎藤淳一議員。   〔8番 斎藤淳一君 登壇〕(拍手) ○8番(斎藤淳一君) 多くの市民の皆様のご理解と温かいご支援により初当選をさせていただきました斎藤淳一でございます。先輩議員各位のご理解のもと,初の定例議会において,一般質問の機会を与えていただきましたことを心から感謝申し上げ,市長並びに行政当局の山形市勢発展に対する日頃のご尽力に対し敬意を表しながら,最年少議員として今後の議員活動に臨む決意や市勢発展のための私の考えを述べ,通告に従ってこれから質問をさせていただきます。去る4月23日に施行された,山形市議会議員選挙の投票率は,前回の平成3年度より6.24ポイントも下がる68.10%と過去にない低さでございました。  政党離れ,政治離れ,そして政治不信が取り沙汰されている昨今ですが,その2週間前に行われた県議会議員選挙の73.70%という山形市区での投票率をみると,必ずしもそれだけが原因ではないと考えられます。有権者の方々が投票に行かなかった大きな理由の1つに山形市議会の総与党化が挙げられるのではないでしょうか。したがって私は議員本来の姿である「いいものはいい」「悪いものは悪い」という是々非々の立場を決して忘れることなく,執行部の皆様はもとよりすべての市民が願う市政のさらなる発展を期して,与えられた4年の任期を精一杯努力することを胸に置き,質問に入らせていただきます。  昭和61年第5次山形市総合計画「いきがいろまん・山形21」が策定され,本年はその最終年度になります。当時ダイジェスト版まで作成し,全戸配布を敢えてなされたことは,その答申の水準の高さと実現に向ける行政側の並々ならぬ熱意と意欲が感じられ,それを読んだとき,私は驚きと感嘆の情を隠しきれませんでした。10年後には,山形市はこんな素晴らしい都市に変貌するのか。そしてこんな暮らしやすい街になるのかと,わくわくしながら拝見したものでありました。しかし,最終年度を迎えた今日,10年前より都市基盤が整備され便利になったという実感が,街中に人が溢れ活気に満ちているという実感が,そして豊かさの実感がわいてきません。都市の活性化,街の発展の基準が人口の増加にあることは申すまでもありません。総合計画の策定年の国勢調査によると人口は,24万5,159人でした。10年後の今日4月1日の時点で25万1,861人とわずか6,702人の増加にすぎません。当時の推計人口は,昭和65年で26万人,昭和70年,つまり本年平成7年で,自然増で27〜28万人,5次総の実施により新たな人口集積を加味すれば約30万人の計画人口となっております。ただ人口の増加率からみると,世帯数は4月1日現在,8万2,322戸となっており予想された通り核家族化だけは確実に進行しでいるといえます。私は昭和60年の総合計画が,山形市の自助努力によって人口の集積を目指しているところを大きく評価したいのです。しかし,平成2年から「50万都市づくり」のスローガンを掲げ,合併問題が突如として提起され,それが今日まで大きくクローズアップされてまいりました。今はまず,遅々として進まない,そして数々の問題が山積する合併問題よりも,山形市独自の施策の充実のもと人口の集積を図るべきだと思うのであります。  そこで将来の目標として取り上げた人口,世帯数,そして産業の中での就業者数,生産額及び所得の目標達成率を示していただき,5次総に対する反省点を踏まえ,6次総策定に向けての市長の基本的な考え方と決意をお伺いいたします。併せて5次総での積み残し部分で特に何に力を入れようとなさっているのか明確な答弁をお願いいたします。  金澤市政の28年で,他の県庁所在地と比較し大きく遅れをとったものの1つに都市基盤の整備,特に道路行政の立ち遅れが上げられます。東西を結ぶ幹線道路で,今後輸送業務の主流になるであろう25t車のトラックが通行できる道路は,国道348号線のみであります。果たしてこれで県都としての機能が果たせるのでしょうか。山形市を大きな視野でみた場合,その発展の大きな妨げになっているものに,奥羽本線の問題があります。とりわけ山形新幹線開通後は,踏切の解消が大きく取り沙汰されております。第5次総にも奥羽線の連続立体交差の推進が盛り込まれておりますが,未だ検討委員会さえも設置されていないのが実状であります。山形市における東西交流の必要性をどの程度認識しているのか,まして冬期間の通勤通学の時間の大きなロスにみられるように,経済的な損失も膨大と思われますが,市長の考えと今後の方向づけをお伺いいたします。  更に山形地区都市拠点総合整備事業による十日町双葉町線のアンダーパス建設,東原村木沢線の拡幅によって奥羽線問題を部分的解消で済まそうとするなら,山形新幹線の新庄延伸を要望している中で,山形駅・北山形駅間の朝夕の車の通行量が激しい4カ所の踏切を含めた既存の踏切解消をどう進めて行くのか,その考えを聞かせて下さい。今,市民が最も関心を寄せている山形地区都市拠点整備事業は,山形駅西口を「新都心」と位置づけ東ソーの移転問題など数々の難問をかかえながらも,平成15年の完成にむけ,着実に進行しているものと思います。将来,そこを拠点として山形市の西部地区は大きく発展する事でありましょう。また,公約された50万都市構想の実現により,山辺町,中山町が合併され,山形市の行政対象となる人口は大きくふくらむにちがいありません。そこで,拠点整備事業に含まれている「生活情報センター」の中に,市役所の分庁舎を内設し,窓口業務だけでもできれば市民のニーズに大きく応えられるものと思います。行政は最大のサービス産業であるはずです。市長の考えをぜひお聞かせください。  次に県立病院の跡地利用についてお伺いいたします。  県立中央病院の移転が昨年決定し,平成12年には青柳地区に新病院が完成いたします。ご案内のように跡地利用については県としてまだ白紙の状態にあります。土地については,現在,病院管理課つまり環境保健部の管理の下にあり,近い将来企画調整部の方に移管するものと思われます。現在,病院周辺の立地状況を見ると,東大手門,山形美術館,最上義光歴史館が建ち並び山形市における大切な文化ゾーンであると同時に主要な観光ゾーンにもなっております。  他県から訪れた人達に山形市の観光名所を端的に知らせながら主要生産品,例えば山形鋳物,打刃物等の販売や,全国においてもその味のよさでは定評のある山形そばの紹介ができる観光拠点施設を設置し,あわせて大型バスの駐車場建設も考えるべきだと私は思いますが,今後いつの時点で,どのような計画を立案し,県に対して,山形市土地開発公社による跡地の買い上げを含め,どのようにアプローチしていくつもりなのかお伺いいたします。  次に企業誘致に関してお尋ねいたします。  高齢化社会への対応として若い人の定住が不可欠であることは申すまでもありません。山形市においても5次総策定以来,東北芸術工科大学の設置,そして同大学院の新設と,高等教育機関の充実に力を入れて来られたことに対しては,深甚なる敬意を表したいと思います。しかし卒業生の受皿となる企業はまだまだ不十分であります。  来年度つまり平成8年度には東北芸術工科大より第1期生が社会に旅立ちます。  芸術工科系という特色のある専門分野だけに,その就職先もおのずと限定されてくるわけです。幸いにして,山形県の頭脳立地構想により「アルカディアソフトパーク山形」が本年秋に分譲を開始いたします。  頭脳立地法による特定事業をみると,デザイン業,ディスプレイ業,情報処理サービス業と芸術工科大卒業生にふさわしい業種が羅列されております。しかし問題は,果たしてそこに張り付く企業があるかどうかということです。  バブル経済の崩壊後,日本国内における企業の空洞化が顕著になり,過去のように賃金格差による労働力の供給だけでは,企業誘致そのものが困難になったことは十分に承知をいたしておりますが,山形市におけるこれまでの企業誘致の実績には目を覆いたくなるものがあります。  本年度から企業誘致課の新設,そしてそれに伴い1,100万円強の予算措置がなされましたが,明日明日造成が完成し,分譲が始まる現段階では,まさに「泥棒を見て縄をなう」的考え方ではないでしょうか。
     表蔵王工業団地にも核となる企業の設置が未だみられないという先ほど来の市長さんの答弁でしたが,私は行政も経営者的な発想をし,営業努力を惜しみなくすべきだと考えます。例えば東京,大阪など大企業が集まる都市に誘致が完了するまで山形市の出先機関を置き,広報・営業活動を幅広く行い,企業に対して積極的にアプローチすべきだと思います。  そこで2つの点についてお尋ねいたします。1つ目は,表蔵王工業団地の造成,アルカデイアソフトパーク山形の立地を決めるにあたって,どのような企業誘致計画があったのか。2つ目は今後の誘致方法とそのめどについてお聞かせください。  5つ目の項目についてお伺いいたします。  政府は平成7年度を「情報通信基盤整備元年」と位置づけ,情報通信政策の総合的展開を図っていくこととし,平成12年つまり西暦2000年までを目標として,県庁所在地に民間主導で光ファイバー網を敷設し,人口カバレッジ20%を目指しております。  また,公共施設へのアプリケーションの開発導入の実用化を掲げており,これが実現すれば2000年のマルチメディア市場は,現在の16兆円から59兆円と飛躍的に増大し,新たな雇用として199万人が創出できるものと見込んでおります。併せて,山形県の「新総合発展計画」や本市の「山形市地域情報化基本計画」の中でも,それぞれ産業経済の活性化や豊かな市民生活の実現を目指し,光ファイバーケーブル網の敷設をはじめとする整備を中核とした各種の補助政策を打ち出そうとしております。今,地域経済への影響そして人材の健全育成を考えた時,情報格差の是正は避けて通れない問題であります。  しかし残念ながら山形市地域情報化基本計画を見ると,2000年まであと5年しかないにもかかわらず具体的な施策が打ち出されておりません。  例えば,郵政省のテレトピア指定を受けた米沢市,ハイビジョンシティ構想のモデルに地区に指定された鶴岡市,通産省のニューメディアコミュニティ構想のモデル地区になった酒田市,農林水産省のグリーントピア構想の指定を受けた寒河江市等,着々と整備を進める各自治体がある中で,そのどれにも入ることのなかった山形市は,今回,政府が打ち出した施策を千載一遇のチャンスとし,積極的に取り組むべきだと思いますが,いかがなものでしょうか。また,全国からみれば,134番目と大きく出遅れはしましたが,現在,民間で行われている都市型ケーブルテレビ事業に対し,先に申し上げた国・県がバックアップ体制を取ろうとしている状況の中で,山形市も大きな支援体制を取るべきだと存じますが,市長の明確な考えをお聞かせください。  最後の質問になります。  昨年11月施行された山形市長選挙で佐藤市長は,数多くの公約の中でドーム型施設の建設及び馬見ケ崎川に清流を取り戻すことを大きくアピールなされました。  今回,青島新東京都知事が世界都市博をめぐって開催か否かの決断をしようとした時,1番の判断基準にしたのは,政治家として,公約を守れる男かどうかということだそうでございます。  国民すべての注目する中での中止決定は,まさに政治家として本来あるべき姿と感心したと同時に公約というものの重さを痛感いたした次第です。公約というものは,一期一期選挙のたびに変わっていくものと思います。したがって,公約の実現目標も4年間を一つのめどとし,その実現に向かう方向づけをすべきものであるはずです。  ドーム施設とりわけ自治体が建設したものの先例に「出雲ドーム」があります。市長もすでに見ておられると思いますが,私も機会があり,昨年施設見学をいたして参りました。「出雲ドーム」は木の文化の推進を行政の一つの柱としている出雲市の施策のため,日本最大の木造建築という特異性はありますが,何よりも目をひいたのはその建築経費の内訳でありました。  総経費これは用地費,周りの公園工事費を含めたものですが,68億円のうち一般財源からの持ち出しは15億円にすぎず,残り53億円を自治省の「まちづくり特別対策事業」の認定を受け,起債しかも後年交付金として返ってくる地域総合整備事業債を使っての建設だったということです。  一般財源の持ち出しを少なくし,なおかつ最大の効果を上げることは,自治体の財政の基本原則と考えますが,市長が公約なされたドーム施設の建設の時期,並びに建設における財源をどう確保するつもりなのか,その計画をお聞せください。  次に,馬見ケ崎川に清流を取り戻すという公約についての考えをお伺いいたします。  長良川河口堰建設反対運動に見られるように今河川の改修,あるいはダム建設等においては,自然の生態系をこわさないという点を最大の考慮に入りながら事業を進めていくことが大切な時期になったと思います。  1つダムを造ることによって,そこに生息する植物群がなくなります。それを頼りに生きていた虫がいなくなり,その虫を餌にしていた小魚がなくなり,さらに小魚を食べていた魚がというように,その生態系はどんどん破壊されてしまうのです。市長が示された蔵王第2ダムの建設によって馬見ケ崎川に水を流すという構想は今の世論に逆行するものと思います。  川は水が流れて初めて川といいます。馬見ケ崎川に清流を取り戻すことは鈴川公園整備事業と相まって大切な事業と思いますが,具体的な時期,方法をお示しください。  以上で私の第1回目の質問を終りますが,重ねて明解な答弁をお願いいたします。 ○副議長(中村幸雄君) 佐藤市長。    〔市長 佐藤幸次郎君 登壇〕 ○市長(佐藤幸次郎君) 第5次総合計画の総括についてからご回答申し上げたいと思います。これは今年で最終年度にあたり,それにつれまして第6次新たな山形市の総合計画を現在策定中でございます。今ご指摘いただきました人口,また世帯数,さらには就業者数,こういったものを総括いたしますと,総人口は山形市は5月1日現在では25万3,163名でございまして,これによりますと目標値から達成率は84.4%でございます。また,世帯数は平成6年の数字で88万2,980戸数,達成率が91.2%とこのようになっております。就業者総数でございますが,これは平成2年の数字になりますが,いわゆる12万5,955人,達成率86.3%,このようになります。また生産額をみますと,第1次産業が達成率109.7%,第2次第3次と80%台,こういった数字になっております。このように,第5次総合計画で掲げた目標と数値がある意味では落ちていると,こういうことでございまして,これはいろいろな要素があったろうかというふうに思います。とくに最近の経済の不況,更には人口増が少子化の方にきていると,いろいろな面があったと思いますが,今回の第6次総に向けましては,都市の集積度数を高めながら,そして土地の高度利用を高め,山形市の人口がそういう意味で増えるように,この第6次総合計画の中に取り込んでまいりたいというふうに思っております。  第5次総合計画についての,今まで達成できなかった事業については,主なものは何かということでございます。これにつきましては,山形駅西の地区いわゆる駅西地区の都市拠点整備事業,これは継続しながら今後ともやってまいりたいというふうに思います。それから山形ニュータウンの造成,これも第5次総合計画の中で発案されたものでございます。そしてまた,3番目には子ども科学文化館の建設,そして4番目は音楽堂と,こういったものが第5次総合計画の中で実現をできず,今継続中のものを含んでいるわけでございます。それにもう1つ,道路網の整備等をあげてまいりたいとこのように思っているところでございます。これらについては,6次総の中に再度盛り込んで実現を目指してまりたいというふうに思います。  特に先ほどからご指摘いただきました道路状況,東西交通についてでございますが,都市計画路線を中心に適時,立体化計画による見直しを行ってきているところでございます。関係機関のもとに整備をしていきたいという,今の進行状況をみまして,そのように今後とも取り決めていきたいというふうに思います。特に東西交通のJR関係の中では,東原村木沢線篠田病院前,これについては県施工で現在工事いろいろな面で整備に入っております。もう1つは天童内表線の千歳地区につきましては,これも県施工でございますが,踏切のアンダー工事に着手すると,こういうことでございます。市の方の事業としては,十日町双葉町線,山形駅の地下をくぐっていく新設の道路,これを今調査に入らせていただいておりまして,幅員30mで工事にかかりたいと,このような計画でございます。私どもも市道について,いろいろな面で全力をあげて,今後ともそのような東西交通の解消に向けてがんばってまいりたい。更には国道,地方主要道ともあるわけでございまして,これらにつきましては,県,それなりの関係機関に強く要望して整備を進めて促進してまいりたい,このように思っております。  山形・北山形の問題でございますが,山形新幹線にはJRが在来線の整備によって改造を目指して強化していきたい基本構想がございます。これは山形以南についてもそうでございました。今回の山形以北延伸については,まだJRの最終的な決定は聞いておりません。ですから,私ども市長会としても要望は続けておりますが,どのようにJRの方が徹底してやるのかと,そしてまたその方式がどのようになるのか,これがまだまだ未知数でございます。話によりますと,JRは県の方に内々に沿線の市町村の踏切を現在の数から半分に減らすことはできないだろうかと,このように話が入っているというふうに聞いておりますが,JRの最終的にやる延伸の決定はまだみておりませんし,今後については,いろいろな関係方面と十分に連絡,協議をしながら,問題の解決にあたってまいりたいとこのように思っております。  市庁舎の分庁舎を西口につくってはどうかと。西口の新都心ビル,仮称でございますが,これを建設する予定でございます。直接住民サービスの窓口ともいえる,いわゆる保健センター,消費生活センター,まちづくり情報センター等をこの中に入れていこうという考えでございます。したがいまして,私どもはこの多くの住民,市民が集まる地域的なこともございますが住民票の交付等,こういった業務は施設導入も検討していきたい。分庁舎とまではいかないにしても,窓口のサービスができるような方向で,これをここに設けてまいりたいとこのように考えております。この西口新都心ビルだけでなくて,いろいろ議員の方々にもご指摘いただいております。地域の公民館にもこのような機能を取り入れてはどうかといういろいろな提示もいただております。今回の都心ビルの窓口サービス充実とあわせて,そういったものを今後とも検討してまいりたいと,このように思います。  県立病院の跡地利用につきましてはご指摘のとおりでございます。きのうから私もいろいろご答弁申し上げておりますが,いわゆる文化ゾーンの形成の一つの拠点でございます。霞城公園,済生館,そして寺町,ここがいわゆる歴史文化軸のルートとして,これからも整備を急いでいきたいというふうに思っております。駐車場のある,いわゆる観光拠点施設,こういったものも当然歴史文化,あの辺に集中している,更にはこれまでのアンケートでも市内では一番の観光客の多いあの周辺,霞城公園の東大手門を中心としたものがでておりますので,そういったものを検討してまいりたいというふうに思っております。  県への申し入れについては,こういった問題は大きな山形市の施策の中に折り込んでまいりたいという意味で,6次総の策定の中に取り込んでいって,そうした時点をタイミングをみて,県に対してお願いするなり,また県にやってほしいというふうにまずお願いして,市でやってほしいとなった場合は,その土地の利用について,私どもが,市が考えていこうとこのようにしてまいりたいというふうに思っております。  表蔵王工業団地,頭脳立地業務団地についてでございますが,表蔵王工業団地は交通の要衝の地に開発をしたということ,周辺地域には集客力のある施設があるということ,このような立地特性を考慮しながら,工業団地そのものが観光資源となるようにしたいと,更には消費者交流型の企業を誘致したい。それが基本的な構想でございました。いろいろな最近の状況によって,相当に厳しい条件でございますが,全力をあげてここが全部造成できるような,それに企業が立地できるように努力してまいりたいというふうに思っているところでございます。  頭脳立地業務団地につきましては,頭脳立地法において,16の業種が,先ほどご指摘のとおりでございます。東北芸工大の開学の観点からしてみますと,主にソフトウエア工業,デザイン業,自然科学研究所,こういったものを中心に誘導してまいりたいというふうに考えております。  特に芸工大初の卒業生が出るわけでございまして,私どもとしても,それぞれの企業,産業界にそういうふうな啓蒙をしながら,地元に定着した大学の振興を図ってもらいたいというふうに思っております。  企業誘致につきましては,先ほどから申し上げておりますが,これまでもいろいろな企業訪問や県,市出身者の経済産業人の人脈による情報活動,企業動向調査を行いながら精度の高い情報を入手して,きめの細かい誘致運動をやってまいりたいというふうに思っております。  そして東京周辺,そのようなところで山形市の企業誘致の懇談会等を開催しながら,時間的には大変残り少ないのでございますが,そういったものを始終開催しながら山形の方に来てほしいというふうに要望してまいりたいというふうに思っております。  民間主導の光ファイバー網の件でございます。昨年に山形市は平成15年度を目標に山形市地域情報基本計画,これを策定いたしました。個別システムの検討など具体化にむけて推進を図っているところでございます。今後,この実現に向け,実施計画の整備が必要となるわけでございますが,組織体制の充実と合わせて,ハード面での財源確保など,今緊急の課題が残されております。こういったものを確実に処理して見通しのつくようにしながら進めてまいりたいというふうに思います。これは民間と行政のタイアップがやはり必要だろうというふうに思っております。郵政省のいろいろな国の施策等を見ながら今後とも進めてまいりたいというふうに思います。  都市型ケーブルの利用でございますが,山形市のケーブルテレビ事業者に対する支援は平成6,7年度地域総合整備貸付け資金の貸付け制度,この無利子制度で対応させていただいたところでございます。これはふるさと融資制度でございます。総額1億6,000万円を予定しているところでございます。最近では,ケーブルと光ファイバーの両通信網の整備が一体化している事例もございます。マルチメディア社会の根幹の一つとして期待されております。市としてもその重要性を十分認識しておりますので,今後とも研究課題を検討してまいりたいとこのように思います。ただケーブルの放送エリア,そして加入者数等から現在は融資の支援を今のところやらせていただいたと,このように判断しているところでございます。これからのことにつきましては,国などの施策の展開,そして他の電気通信事業者等の動向を総合的に判断して検討してまいりたい,このように思います。個別の活用につきましても,放送エリアの今後の展開を考慮して,これはいろいろな,例えば水道料金とか,そういった測定につきましてもこの導入は可能かどうか,そういったものを探ってまいりたいというふうに思っております。  ドーム競技場の建設でございますが,この構想は霞城公園内の現在の野球場を移転しなければならない。このような状況と合わせて市内の適地にこのドーム競技場を建設してまいりたいというふうに思っております。確かに,出雲市の木造ドームは大体,今ご指摘があったとおりでございますが,私どももこういった,やはり国・県の補助制度,その他の助成制度を研究していかなければならない。加えて有利な起債も十分に活用して進めてまいりたいというふうに思います。出雲市の場合は,地域総合整備事業債ということで大半がそれによってまかなわれている。この事業債の有利なところは,起債ではございますが,そのうちの45%程度が実質的に補助になると,このような制度だというふうに伺っております。そういったものを利用し,活用しながら,今後進めてまいりたいというふうに思います。実施時期につきましては,これからですから,私どもはスポーツ振興資金に積み立てをしながら,その実施時期までに全計画をまとめてまいりたいというふうに思っているところでございます。  最後でございますが,馬見ケ崎川の清流,これは河川の整備は利水だけではなくて,自然環境や生態系に配慮した水に親しめる地域に密着した川づくりが必要だというふうに基本的には考えております。ただ蔵王ダムの水がなかなか下まで清流になって流れてこない。こういう事情もございまして,生態系の破壊のないような,そのような方法で中間にダムが建設できないかと,こういうふうに研究しているところでございまして,清流を取り戻し,そして河川敷地内はすべて県管理の施工となりますが,私どもはその清流に沿った河川沿いの整備を急いでいきたいというふうに思っております。それが,1つは先ほども申し上げましたが,レクリエーション,健康づくりのための触れ合いの場としての市民のプールづくり,そして昆虫センターのようなものを建設してまいりたい。そしてもう1つは,左岸の緑町周辺の道路,現在,駐車場その他使用されております。県管理の河川敷でございますが,ここを県からお借りしながら,道路として整備して新たな桜並木等を整備して,市民の憩い,健康,散策の通りとして整備してまいりたいと,このように考えております。以上でございます。 ○副議長(中村幸雄君) 8番 斎藤淳一議員。 ○8番(斎藤淳一君) 今,市長さんからお答えいただきましたけれども,行政のやる気を見せていただく一番端的な方法は,計画年度あるいは実施年度を明確に市民に知らせ,それに向かって実現に向けての努力をしていただくのが一番肝要かと思うわけでございます。今お答えいただきました中に,例えばドーム施設の建設が,いつをめどにやられるのかという具体的な時期もございませんし,それから光ファイバー網の敷設にいたしましても,ふるさと融資ということで対処なされたということでございますけれども,それは国の施策でございまして,しかも利子は後ほど返ってくるはずでございます,国のほうから。山形市として,積極的な支援態勢をとるというふうなことにはならないのではないかというふうに思うわけでございます。今のドーム競技場建設の時期と,それから先ほど来,民間の都市型ケーブルテレビに対してのお答えにありましたけども,どの程度の例えば普及率になったときに新しい展開を考えられるのか,その2点についてお伺いしたいと思います。 ○副議長(中村幸雄君) 佐藤市長。 ○市長(佐藤幸次郎君) ドーム競技場につきましては,その霞城公園の野球場が移転しなければならない時期に合わせてやっていきたいというふうに私は考えております。  光ファイバーにつきましては,どの程度のエリアになったらということでございますがこれはこれからの推移をみて検討させていただきたいと。今,どの程度というふうにはなかなかなじみませんので,今後ともそういった趨勢をみまして検討をさせていただきたい,このように思います。 ○副議長(中村幸雄君) 8番 斎藤淳一議員。 ○8番(斎藤淳一君) 大変ありがとうございました。今,山形市民あるいは日本国民でもすべてでございますけれども,行政に対してあらゆる面でお願いしたいのは,スピードでございます。速さでございます。いつ頃まで,どのくらいの速さでやっていただけるのか。あらゆる福祉行政,あらゆるすべての面だと思います。そのことを市長さんは頭にいれていただきまして,今後の市政運営をしていただくことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。 ○副議長(中村幸雄君) 以上をもって,斎藤淳一議員の質問を終わります。(拍手)   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◎高橋民夫君 質問 ○副議長(中村幸雄君) 次に,個性豊かなまちづくりの推進について,ほか3項目について,6番 高橋民夫議員。    〔6番 高橋民夫君 登壇〕(拍手) ○6番(高橋民夫君) このたび一般質問の機会をお与えいただきまして,誠にありがとうございます。  私も山形市勢発展のために全力を尽くす所存ですので,何とぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。  それでは通告の順にしたがいいまして以下質問に入らせていただきますが,最終質問者ですので他議員の質問と重複する場合もありますが,お許しをいただきたいと思います。  最初に個性豊かなまちづくりの推進についてお伺い申し上げます。  本市は21世紀に向けた50万都市構想の都市基盤づくりを目標とし,活力と魅力ある都市,自然・歴史・風土等の地域特性を生かした個性的なまちづくりを目指した「第5次総合計画」を推進し,本年度が最終年度を迎えました。来年度より平成17年度までの「第6次総合計画」の策定年度にあたり,市長の基本政策策定の理念を以下お伺いいたしたいと思います。  まず第1点はまちづくり基本理念についてお伺いいたします。  平成4年に開催されました「べにばな国体」を契機に,当市はビッグプロジェクトが完成し,大きな変換をとげたことは誠に喜ばしいことと思います。高速交通体系の整備としての山形新幹線の開通,山形駅整備,山形自動車道の開通及び東北芸術工科大学の開校,山形国際交流プラザ「ビッグウイング」の運営開始,総合スポーツセンター等体育施設の完成,並びに地区公民館整備等ハード面の充実は,市勢発展の大きな要素として実現に向られたご努力に対して敬意を払うものであります。しかしながら,こうした整備は地方中核都市としての当市政策課題の他地方中核都市との格差解消を図ること,即ち後進性の脱却であったことも一面であろうと思います。これまでのまちづくりは「問題解決型」が主流でありましたが,高度経済成長期が終わり,バブルがはじけ,低経済成長期となった今日は市民の行政に対するニーズは,より高度化・多様化しているものであります。このような高度化・多様化している市民ニーズにあって他地方中核都市と比較して進んでいる面,優れている面を,更に立体的な創意と工夫によって伸ばすという「個性形成型」のまちづくりに今後は行政手法を変えていくべきと考えますが,市長の考えをお聞きしたいと思います。  次に,個性あるまちづくりにとって重要なことは当市のイメージの形成であり,当市の「顔」を作ることであろうと思います。一例として昨年6月,財団法人東北開発研究センターより発表された「東北のニューイメージに関する調査」よりますと,この調査は札幌市・東京都・名古屋市・大阪市・広島市・福岡市の6市の住民6千人ヘアンケー卜したものですが,祭り・行事・イベント部門で花笠まつりが25.0%,芋煮会13.5%,国際ドキュメンタリー映画祭が0.6%の知名度となっております。このように当市の主要イベントが個性化・特化したものであればあるほど,当市のイメージ強化として,市民は自らが住む地域を誇りに思い定住意識が高揚するとともに,当市を訪れる人も増加することだろうと考えるのであります。山形国際ドキュメンタリー映画祭は,現在は非常に低いイメージでありますが,今後評価が高まり一般にも広がってくれば,当市の文化活動に対するイメージも改まってくることが期待され,今後推進されるべきと考えます。以上一例を申し上げましたが,個性あるまちづくりに当たって,第6次総合計画のなかで,どのようなイメージを考慮にいれて策定なされるのか,市長の考えをお伺いしたいと思います。  第3点はまちづくりの策定に当たっては総合的な視点とバランス感覚が不可欠であろうと考えられます。住宅が建設され人口が増加すれば,学校,道路,公園,福祉施設,文化施設といったさまざまな都市設備が必要であります。そして,これらのバランスがとれて初めて都市機能は向上し,市民に快適な都市生活を提供することが可能になるのではないでしょうか。そうした観点から考えますと,本年4月1日の組織改編で,総合政策室を誕生させたことは誠に時宜を得たものであり,その機能が十分に発揮されますよう期待するものであります。つまり中央官庁のタテワリ機能がそのまま地方行政内に入り込んでいるのでは,総合性を考えることはできないのは自明の理であります。どの都市においても民間のシンクタンクに依頼して行政の計画を策定する傾向があるため,全国どこでも同じような「横ならび」のものができあがる傾向にあります。当市住民の意見を熟知しているのは当市職員の皆様であり,ぜひ徹底的に議論をつくされて,当市職員が自ら個性ある基本計画の大きな力になるべきと考えますが,市長いかがでしょうか。  そこで今後の総合計画策定に当たって人口フレームが大きな要素となってくるのは明らかであります。第5次総合計画では最終年度の平成7年度では30万人を想定しておりますが,本年4月1日現在25万1,861人であり,約84%の達成率となっており,なかなか人口が増加しない傾向となっております。  これは全国的な傾向であり,当市だけの特徴でないのでありますが,県都として,地方中核都市として市勢発展の要素から,大きな問題として把握しなければならないと考えられます。高齢化と少子化の2つの傾向の中で,生産年齢人口のうち若者の定住対策が課題の1つであります。定住対策としての性格も抱えながら,平成4年に開学した東北芸術工科大学が来年3月初めて卒業生を送り出すごとになり,4年生は就職戦線の最中にあります。不況の長期化による企業の求人数減少の中であって,卒業実績のない芸工大では,大学及び学生とも大変厳しい挑戦を強いられているのが現状であると聞いております。東北芸術工科大学の将来を考えた場合,来年3月の就職実績は,今後の芸二大への評価を決定する要素となると考えられますので,ぜひ山形市として側面より卒業生の市内企業・団体への受入れについての働きかけを支援すべきと考えますが,市長の考えをお聞きしたいと思います。  また,定住化対策として,女性にやさしいまちづくりを基本コンセプトとして,施策として取り入れるべきと考えるものであります。特に20代,30代の若い女性が,当市を住みよい都市とイメージするような施策が定住化対策として,特に重要であろうかと思います。仮称女性センターが明春オープンいたしますが,同センターにどのような機能を持たせるつもりか,市長の考えをお聞きしたいと思います。  6番目に個性豊かなまちづくりとの関連で,50万都市構想についてお伺いしたします。今後のまちづくりは前述しましたように個性形成型であり,都市のイメージ形成が必要であろう思います。広域合併に対する理解を深めるためには,山形市民及び周辺市町の住民に合併イメージを定着してもらうことが非常に大切であろうと考えるものであります。数合わせによるスケールメリットだけでは,多様化した今日では理解を得ることは困難になってきています。確かに都市の力を図る尺度として人口は大きな要素となり,企業誘致や行政の効率化等,市勢発展のバロメーターとしてかかせないものであります。また,あらゆる分野で都市間競争が激化する一方であり,多様化している市民のニーズに答えながら市政を推進して行くことは困難を伴うことでありますが,市長の公約である市民本位の姿勢で,ぜひ37万都市,そして50万都市の実現へ向けて推進されますよう強く期待申し上げるものであります。そして第6次総合計画では,関係市町の住民の皆さんに合併メリットが理解される施策となるよう特段の配慮を要望し,市長の50万都市構想実現への決意を改めてお聞かせいただきたいと思うわけであります。  次に,観光都市山形を目指して蔵王の再編整備についてお伺いいたします。  本市は観光資源に非常に恵まれた地域であります。前述の「東北のニューイメージに関する調査」の名所・観光地・レジャーリゾート項目では,蔵王は十和田湖・奥入瀬地域に次いで第2位の36.8%の知名度の結果が出ております。山寺は25位の4.4%の知名度となっております。また,全国的知名度は低いのですが,面白山,紅葉川渓谷,霞城公園等優れた観光地が存在し,多くの国民や外国観光客に親しまれております。産業として観光事業は受入れ施設のみならず他産業への波及効果が大きいことから適切な対応が必要なことは言うまでもありません。しかるに国際社会の動向は観光産業全般にも大きく影響し,昨今は円高による国内旅行の低迷や低価格化,小グループ化等観光全般に対する志向が多様化しております。  こうした周囲を取り巻く環境が大きく変化していく中で蔵王への入り込み減少傾向がみられ,このままでは下降線をたどる一方との危機感が生じていることはご案内の通りでございます。観光物産課のデータによりますと,ピーク時の平成2年度の蔵王温泉入込数246万8千人が,平成6年度は234万1千人と約5.1%減少しております。内訳としてスキー客は平成2年度158万1千人が平成6年度130万6千人と約7.4%減少しております。特にスキー客が平成5年度前年比5.5%減,平成6年度は前年比11.3%減と冬期間は55%から60%の年間シェアであるため,影響度が大きくなっています。これはスキー客のニーズが多様化している中で特に岩手県及び福島県会津地区新設スキー場との競争激化が第1にあげられます。  第2には高校生のスキー修学旅行が全国的に見直し期に入り,全員参加から希望者による任意参加へと変化しつつあることと,山形市内小学校の1日スキー教室が休日増による影響もあり,ワンシーズン2日が1日に短縮される傾向にある等,学校需要減も大きな原因になっていると考えられます。  こうした外的要因に対して,内的要因として蔵王の基盤整備の遅れが多様化した観光客のニーズに追いつかないのも事実であろうと思われます。これまで地元蔵王温泉観光協会,蔵王温泉組合と市が対応策について協議し,本年3月にはプレック研究所に委託しました蔵王国定公園構造改善総合計画が策定されましたが,細部については課題が山積していると聞いております。成熟社会を迎えた今日,観光地は本物志向と多様化したニーズに応えられる整備を推進することが基本になると考えられます。ついては,冬季型から四季型すなわち通年型観光地としての脱皮こそが蔵王振興のポイントであろうと思います。こうした観点から当面の課題として以下について推進する必要があろうかと思います。  第1に交通アクセスの整備促進として主要地方道蔵王公園線の道路拡幅及び県道蔵王公園妙見寺線の道路改良と西蔵王高原ラインの無料化。  第2に大規模駐車場用地の確保と造成。  第3に四季型観光地の魅力づけとして樹氷館,こけし館等と合わせた複合コンベンションセンターの建設。  第4に公共下水道施設の早期実現と湯の町ルネッサンスとしてのまちなみづくりの推進。  第5に定住用地の確保。  こうした課題に取り組むためにも,地元と行政の合意形成が何より重要であると思います。  市長の蔵王再編に取り組む姿勢について決意をお聞かせいただきたいと思います。  3番目に高齢者福祉政策として老人のタクシー利用補助制度の導入についてお伺いいたします。  急速な勢いで進む高齢化の中で交通弱者である運転免許不所持の方や,身体的衰えから運転できない方々は移動手段は家族の車へ便乗することが増える傾向にあります。しかし生きがいを求めて人とのふれあいの場への移動や通院等,自力移動の機会を家族への遠慮から抑制することは精神衛生上,誠に好ましいことではないと考えられます。  高齢者の社会参加意欲と生活圏の拡大を高揚するため,福祉政策として満70歳以上の高齢者にタクシー利用の補助制度の導入を提案するものです。財源の問題もあり,課税所得200万以下の方に小型基本料金,1.5kmまで600円相当を2枚交付する内容で提案申し上げるものであります。市長のご所見をお伺いしたいと思います。  最後に地元になりますが,成沢地域の環境整備改善についてお伺いをさせていただきたいと思います。  ご案内のように,当地域は当市南部に位置し,国道13号線が南北に走り交通の要所でもありますが,他地域に比べるとこれまで開発計画が遅れた感があろうかと思います。しかしここにきて開発計画が具体化し,街の形態が大きく変容しようとしています。まず約50haに及ぶ表蔵王工業団地の造成に始まり,約40haの組合施行成沢土地区画整理事業が3月17日に組合設立が認可され,成沢城跡公園整備事業も本年が約14haの買収が予定されています。こうした開発発展の観点から要望したいと思います。  まずは成沢城跡公園整備事業ですが,長年地域住民が要望していた歴史公園がいよいよ長谷堂と一緒に実現の運びとなることは誠に喜ばしいことであります。早期着工について具体的なスケジュールを示してほしいと思います。  次に町内を貫流する鳴沢川の河川改修についてですが,大雨等による河川氾濫の心配があり,地域住民の不安解消のためにもぜひ河川改修を促進すべきと思いますが,市長いかがでしょうか。  また,当地域の水瓶であります西蔵王の二つ沼が,ここ数年湧水がひどいことからぜひ整備の促進をお願いしたいと思います。  最後に成沢公民館の移転新築についてお願い申し上げます。現成沢公民館は地元成沢地区の財産でありますが,進入路も狭くかつ駐車場もありません。成沢区画整備事業が完成すると約700戸の住宅が増え,現公民館では対応が不可能になるのは明らかであります。蔵王地区に小学校は4校ありますが,市の公民館は1館であり成沢土地区画整理地内に蔵王公民館の分館を建設し,社会教育の一層の充実を図るべきと考えますが,市長の考えをお聞きしたいと思います。  新旧の調和を保ち,より良いまちづくりへ地域一丸となってチャレンジしている熱意を申し上げ,私の一般質問を終わらせていただきます。誠にありがとうございました。 ○副議長(中村幸雄君) 佐藤市長。    〔市長 佐藤幸次郎君 登壇〕 ○市長(佐藤幸次郎君) 個性豊かなまちづくりという提唱でございます。私も個性のあるまちづくりは,市民に潤いを与え,いきいきとしたまちづくりが進むのではないかと,このように思っております。高齢化の進展する社会では,義務的経費が非常に膨らんでくるのは事実でございます。魅力あるまちづくりを進めるには社会資本の整備などの投資的事業には,計画的総合的判断のもとに優先度の高いものから実施していくと,このように考えております。そういう意味からいきましても,個性豊かなまち,いわゆるソフト面の重要性,それをこれらの事業によって形成されていくようやってまいりました。本市のこのようなアイデンティティを高めるためには,ソフト面の施策を進めていく必要があろうかと考えております。  この中でも6次総のイメージをどのように県都山形の顔づくりを考えているかということでございますが,やはりこの6次総の一番の内容的,基本的な考え方は4つございます。山形のいわゆる県政を牽引する地方中核都市をつくってまいりたいということでございます。そして市民の自主的な参加によるまちづくりを形成していきたい。更に3番目としては,ハード,ソフトの一体化を図った施策の総合的なまちづくりを進めていきたい。  4番目は第4次全国総合開発計画,これは見直しに続きまして,次期の総合開発計画が出てまいります。それらのものとか,そして山形県の新総合発展計画との整合性を進めていく必要があろうかと思います。特に周辺市,町との連携を十分に配慮した計画,内容にしてまいりたいというふうに思います。いわゆる都市機能の集中した,そしていきいきとした産業,経済の発展した,そういう街,山形県都としての立派な空間を駅前,中心商店街,そのようなところにつくっていく山形市の顔づくりを進めてまいりたいというふうに思っております。  全国横並びでない,その6次総を策定するにあたりましては,山形市独自の個性ある総合計画をつくるにはどうするかということでございますが,市民の意識調査や,これまでまちづくりの提言募集などをやってまいりまして,市民各層による懇談会,座談会,そういった会合も開催しながら,多くの方々のご意見,考え方をまとめさせていただいております。特に今回ご指摘ありました総合政策室に総合計画係を設置いたしました。職員自ら計画策定の主体になってほしいという,そのような考えのもとにこの係を新設して今回の6次総の策定の中心になってほしいというふうに思っているところでございます。これは係だけではなくて,各部,各担当課のいろいろな施策を吸い上げながら,これが総合計画が中心となってまとめあげていきたいということでございます。  その他に専門知識や技術を要するものにつきましては,やはりある程度はシンクタンクいわゆるコンサルタントの活用も併用していく必要があると,これがある意味では効率的なものが出てくるというふうに私は思います。しかし,この中心となるのはあくまでも多くの市民にお願いしております委員の方30名,更には専門員の方19名の方が,それぞれの各層各界のご意見を集約しながら,まとめさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  人口フレームについてどのように考えているかということでございますが,きのう,きょうと私申し上げてまいりましたが,やはり人口の伸びが,厚生省の人口問題研究所では平成23年をピークに減少に転ずると,このように推計しておりますし,県の総合発展計画でもマイナス成長とみております。しかし,山形市としては県都としての一層の土地機能の充実を目指して人口の集積が望まれるような,そのような施策を打ち出していきたいというふうに思っております。  その中で,今回来春に初めての卒業生を出す東北芸工大,これはもちろんでございますが,山形大学,更にはその他の高等教育機関の人材も市内に定着させていきたいと,このような考えでおります。いろいろな機会をとらえて私は,企業,産業界などの会合ごとにそういうところに多くの皆さんが山形で就職して,本県,山形市の経済産業の発展にがんばってほしいというように機会あるごとに私からPRしておりますし,今後ともそういった面で産業界,いろいろな中小業界,皆様方に市としても地元に若い人材を定着していただけるように今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。  女性センターが来春にオープンいたしますが,まず第1に学習機能を充実し,整備していくということでございます。視聴覚室や研修室,女性の生き方の幅が広がるような,そういうものを目指したいろいろな各種講演会やシンポジウムが開けるような学習機能がまず第1でございます。そして2つ目には交流の場としてのセンターの充実にあたっていきたいというふうに思っております。交流コーナー,女性の皆さんが活動の拠点として,いろいろ利用できるような交流の場に仕上げていきたいというふうに思います。3番目は相談機能の充実でございます。相談室をつくって相談員がさまざまな女性の悩みごと,いろいろな問題,相談に応じる、ことができるような機能をもった相談室をつくっていくということでございます。そしてもう1つは情報機能としての情報コーナーをつくって女性問題,女性指導のいろいろな問題に関するさまざまな情報の提供も行えるようにしてまいりたいというふうに思っております。もう1つは保育室をつくって,いろいろな講座開催の時なんかは,幼児,子供さんが預けられるような託児や,センター利用の場合の一時保育の場にも利用できるような施設をつくってまいりたいというふうに思います。  蔵王の観光客の増加でございますが,21世紀に向けた通年山岳リゾート蔵王の形成を目指して,昭和4年から上山市と蔵王国定公園における自然環境の保全と地域活性化方策策定調査を行ってまいりました。大体結果が出ましたので,今まとめに入っているところでございます。  これによりまして,一方では地元蔵王温泉街が,蔵王まちづくり湯の町ルネッサンス構想,こういったものをまとめまして提案されてきております。これは蔵王温泉の再編計画で合意を得た,こういうものをもとに地元とともに積極的にこの問題について私どもは推進方を目指して取り組んでまいりたいというふうに思っております。大火災から相当の年数がかかって,これまでのいろいろな地元を中心とした計画ができあがったものを大事にして,私どもは取り組んでまいりたいというふうに思っております。中でも下水道の整備につきましては,すでに調査に入らせていただきますし,また,温泉街の防火帯となるような中心の道路新設を含めて,現在この事業については取り組んでいるところでございます。  また,温泉までに到着するアクセス道路につきましては,地方主要道路の蔵王線,これが拡幅しないとやはり狭い部分が数多くございますので,これを県と一体となって,県の方に要望をお願いしながら,道路の整備にあたってまいりたいというふうに思っております。  また,地元から強い要望が出ております樹氷館とこけし館の併設した施設でございますが,今地元と昨年からこれは検討研究させてもらっております。特に樹氷館はほとんど蔵王しかないということだと思いますが,こけし館については蔵王とまた別の地区からも一部欲しいという要望もございますので,この辺の地域的な調整を図って建設の方に研究してまいりたいというふうに思っております。駐車場につきましては,地元のご協力で大変整備はされてきておりますが,まだまだ足りない部分もございまして,今後とも適地をみつけて,できるだけ早期に駐車場も整備してまいりたいというふうに思っております。
     蔵王の体験学習につきましては,小学校が3年生以上,ほとんどの学校でスキー教室を実施しております。また,蔵王国際ジャンプ大会の参加等も実施しておりますし,中学校におきましては7校が1年生の時に1泊から2泊で宿泊訓練を行っております。蔵王の自然に親しむと同時に,貴重な体験学習を行っているところでございます。今後も普及充実を図ってまりたいと,蔵王の,郷土への誇りをもってもらえるようにしてまいりたいというふうに思っております。  高齢者のタクシー券でございますが,今,山形市では福祉タクシー利用助成事業として,昨年度は福祉関係でございます,身障者のいわゆる福祉タクシー,2,123名に交付させていただきました。これは昨年度の実績でございます。タクシー券についてでございますが,これまで当議会につきましても,このいわゆる高齢者のタクシー,バスについていろいろ出ておりますが,議会では陳情についてはいろいろな異論がありまして,実現しなかったのを記憶しているところでございます。その理由がやはり財政的に非常に例のバスでございますが,それについてはそのような結論が出ております。タクシーにつきましては,私どもは今の時点では福祉関係の方に限ってやらせていただきたいというふうに思っております。これからやるにつきましては,いろいろな問題を検討しながら,どの程度,いわゆる財源的に必要か,こういったものを考えて,すぐにできないとすれば年齢的な面でどのようにするか,こういったものを検討させていただきたいというふうに思っております。  成沢城跡公園でございますが,今年約14ha,これを歴史的遺産と自然環境を後世に伝えると,市民のレクリエーションの利用に供したい,このような考えのもとに平成7年度は,用地の取得にあたりたいと思っております。今後は平成8年から,いわゆる古い遺構,遺跡があるようでございますので,これを発掘調査をしなければなりません。平成8年度からこの調査を行いまして,総合整備を図って,平成16年から実用に供してまいりたいというふうに思います。自然を生かしながら散策路や歴史の広場づくりをこの内容としていきたいというふうに考えているところでございます。成沢川につきましては,昨年度地形の測量750mを実施いたしました。現在は河川断面等の計画について検討を進めているところでございます。非常に多くの用地が必要でございまして,受け入れ態勢づくりが必要かと思います。これにつきましても,地元の協力をお願いしながら検討させていただきたいというふうに思っております。  二つ沼につきましては,7年度管理している成沢土地改良区,改修のための調査と基本設計を実施するようになってございます。平成8年度の農水省の補助事業を老朽ため池等整理事業の採択を得た後で整備していくと,こういう方針でございますので,市も全面的に支援してまいりたいというふうに考えております。  最後になりましたが,成沢土地区画整理組合の地区内公民館分館を建ててほしいということでございます。現在の公民館は生涯学習と地域活動の中心拠点として20年の改築整備に入っております。蔵王公民館が平成3年に改築したばかりでございましで,非常に大型なものでございます。同一学区になかなか2つというのは鈴川だけでございまして,これまでこれからいろいろな区画整理の住宅の張り付けをみながら,この公民館の分館建設については今後とも検討課題にさせていただきたいというふうに思っております。以上でございます。 ○副議長(中村幸雄君) 6番 高橋民夫議員。 ○6番(高橋民夫君) ただいまは大変誠意あるご回答いただき,ありがとうございました。  再質問でご返事いただくつもりだったのが,市長から,質問の前にご返事をいただきましたが,私の再質問をさせていただきまして,私の質問を終わらせていただきたいと思います。  蔵王の観光振興について,もう1点ご提案させていただきたいと思います。蔵王は優れた観光地であり,郷土の山であります。市民のふるさとの山として自然環境との調和を図りながら整備を進めていく必要がありますが,市民が率先して蔵王のすばらしさを知り愛着を持つことが大切なことだと思います。特に21世紀を担う小学生,中学生の児童,生徒が郷土の山として愛着を持ってもらうよう,校外活動の一環として,蔵王での体験学習をグリーンシーズンに市内全部の学校が定期的に実施するよう提案させていただきたいと思います。蔵王は湖沼群,高山植物,カモシカ,野鳥等学習材料は豊富であり,登山,ハイキングを兼ね,次代を担う子供達の心に蔵王の思い出を刻み,将来ぜひ全国そして世界へ発信していただきたいと期待するものであります。また,地元でも蔵王の自然に造詣の深いインストラクターの養成や派遣方法等,受け入れ態勢の整備も推進する必要があろうかと思います。月2回の土曜休業の導入もあり,教育現場には困難もあろうかと思いますが,将来の山形を背負う若人にぜひ蔵王に愛着を持ってもらうためご提案させていただきました。  先ほど市長からご回答をいただいておりますので,これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(中村幸雄君) 以上をもって,高橋民夫議員の質問を終わります。(拍手)  以上をもって本日の日程は,全部終了いたしました。  ――――――――――――――――――― ◎休会 ○副議長(中村幸雄君) この際,お諮りいたします。委員会審査のため,明日から6月25日まで,9日間休会いたしたいと思います。  これにご異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(中村幸雄君) ご異議なしと認めます。よって会議は明日から6月25日まで,9日間休会することに決しました。  ――――――――――――――――――― ◎散会 ○副議長(中村幸雄君) 本日はこれをもって散会いたします。     午後2時28分 散 会...