◆3番(松畑玄君) 実際そのときにもできたと、我も我もと。だけど言われても、やっぱり困っていたら我も我もでも対応せざるを得んと思うんですよね。1人許してしまったらだめだとかじゃなく、今後対応してもらえるということなんですが、本当に我も
我もと理由がきっちりあって、本当にその人が困っておられるのであれば、やはり私は親切に対応してあげるべきだし、今回の事例もしてあげるべきだったと。 私、議員になってから感じるんですが、やれない理由をつくるのは上手でありまして、だけど、新宮市というのはもう本当にいろいろな問題を抱える中で、当局と議会、一丸となって住みやすい新宮市をつくっていかなければならないと感じております。やれない理由を考えるよりもやれる理由、そして方法を一緒になって考えていきたいと思いますので、それについて市長、できる限り努力していただくことを約束していただいてよろしいでしょうか。
◎市長(
田岡実千年君) 住みかえについては、なるべく早くできるようにお約束はさせていただきたいと思いますし、今、議員おっしゃったやれない理由をつくるのが上手というような話がありましたが、そのところもやはり
行政改革、
意識改革はやっていかないといけないと私も思っておりますので、市政は市民のためにという理念でそういった
前例主義をもう捨てて、積極的に市民のために頑張りたいというふうに思います。
◆3番(松畑玄君) ありがとうございます。 最近、そして
市営住宅についてほかにもちょっと要望がございまして、その点についても少ししゃべらせていただきたいと思います。 内容といたしましては、
市営住宅の家賃のことであります。一定以上の所得を得る者については家賃がかなり高額になり生活が苦しいと、家賃を減免してほしいとの要望でありますが、私自身、この要望を初めて聞いたときは、所得が高いのだからしようがないと決めつけて話を聞いていましたが、詳しく話を聞いていますと、自分が先入観で話を聞いていたということに気づきました。 詳しい内容等、この場で言いますと個人が特定される恐れがありますから控えさせていただきますが、実際に一定以上の所得を得た場合、どのように家賃が上昇するのかお聞かせください。
◎
管理課長(
望月敬之君)
市営住宅の家賃につきましては、上位法である
公営住宅法に基づき、入居者の収入、住宅の規模や立地、
建築年数など、住宅の便益に応じて算定される
応能応益制度が導入されております。このため、所得が著しく低い状況のときは、低廉な家賃、所得がふえれば家賃も増加することになってございます。
◆3番(松畑玄君) やっぱり
一定所得以上になるとかなり高額な家賃になるわけですか。
◎
管理課長(
望月敬之君) 先ほど申し上げましたけれども、収入が増加することによって家賃は増加するということでございます。
◆3番(松畑玄君) 一定以上を超えたときにもうかなりやっぱりどんと上がってしまうんですね。やはり相談者が言っていたように。
◎
管理課長(
望月敬之君) 住まわれている方の人数がふえた場合には、当然収入に対して控除額もございますので、一概には答えにくいんですけれども、当然収入がふえる
イコール家賃も増加するというお話です。
◆3番(松畑玄君) 市長、私、新宮市の景気というのはどんどん悪くなっていると感じておるわけですね。市長はどのように感じておられますか。
◎市長(
田岡実千年君) 都会では景気が上向いてきたという状況もあると思っているところでありますが、やっぱり
地方都市においてはまだまだ厳しいというふうに感じております。
◆3番(松畑玄君) 景気が悪くなると個人が抱える問題、多様化、複層化してくる可能性は大いにあります。特に、潜在的な問題が顕在化してきたときにはもう深刻な状態に陥っているということはよくあります。 今回の相談についても問題が複層化しており、行政の配慮が必要なケースではないかと思います。一律に
所得制限を外してくれとか、そういうことは私、申しませんが、
個別事例に柔軟に対応していただける入り口ぐらいはつくってあげる、考えてあげられる市の体制をつくってほしいのですが、市長、いかがでしょうか。
◎
管理課長(
望月敬之君)
松畑議員、所得が多くても、子供のいる世帯などにつきましては当然
教育費等が、生活が苦しい世帯があるということは当然認識しております。このため、
市営住宅の
家賃算定の上でも、16歳以上23歳未満の
扶養親族がいる世帯については、国が定める
特定扶養親族の控除の規定がございますので、一定の配慮がなされていると考えております。 住宅の入居者においては、当然多種多様な
家庭事情などを有しておりますので、入居者と
ヒアリングを行うなど、入居者の声に耳を傾けながら対応しているところでございます。
◆3番(松畑玄君) もちろん制度上配慮されているのはわかっているんですけれども、今の新宮市の景気、はっきり言うたらどんどん悪くなっていると思うんです、私が感じるのは。今までの配慮じゃ足りない時期に来ているのかなと思います。 本当に
市営住宅条例第17条にも家賃の減免または
徴収猶予、このように定められております。市長は次の各号に掲げるいずれかの特別の事情がある者に対し、必要があると認めるときは家賃の減免または徴収の猶予をすることができる。その各号の第4号の中に、市長が特に必要と認めるときとあります。ここもやはり市長の、住みかえと同様に裁量権というのはかなり大きいわけなんですよね。 そういう中で、やはり一律に皆さんまけてあげろというわけでもなく、やっぱり個別の事情、事例に対して親切に対応していただきたいという要望なんですよ。これ自体も、やっぱり親切に対応するかせんかはもう本当に市長の腹次第だと思うんです。市政は市民のためにということで、やはり聞く耳でちゃんと考えてあげる、配慮してあげる、考慮してあげるということを私、市長にお願いしたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。
◎市長(
田岡実千年君) このことについても
一般市民の方からの提言、要望もいただいておりまして、私なりにいろいろ研究をしました。ただ、この家賃については、上位法であります
公営住宅法で定められた方法で算出をするしかないというのが今の結論であります。 ただ、
市営住宅は生活に困窮している方のために低い家賃で住宅を提供することを目的としておりますので、いろんな課題がある入居者の方々には
ヒアリングを行うとともに
公営住宅の制度や趣旨について御理解もいただけるよう、丁寧な対応をするように担当課には指示しているところであります。
◆3番(松畑玄君) もちろん上位法があるという中でも、条例の中で減免については市長が特に必要と認めるときということがうたわれておりますので、やはり市長の腹次第だというふうに考えております。もう何にしても、今まで以上に住みやすいまちにしていこうと思ったら、行政の親切な対応というのを私、この件に限らずやっぱり要望していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、2項目めの市長の
教育行政の考え方を問うということで質問させていただきます。
子供たちを育む教育に力を入れることは、新宮市の政策において最重要課題であります。将来への投資だと思うのですが、市長はどのようにお考えでしょうか。
◎市長(
田岡実千年君) そのとおりだと思います。
◆3番(松畑玄君) 2019年
経済協力開発機構(
OECD)加盟国や
調査パートナー国における
教育機関や教育にかかわる人的資源などについて国際比較をしました。2016年
OECD加盟国において、国内総生産(GDP)、これのうち
教育機関に対する公的支出の割合から見ると日本は2.9%で、比較可能な35カ国中最下位でありました。ちなみに、割合が最も高かったノルウェーは6.3%、次いでフィンランド5.4%、ベルギー5.3%となっております。
OECD加盟国の平均は4.0%だそうです。 この割合を見ても、日本は教育に関心が高いほうではないと思うのですが、市長の見解をお聞かせください。 あっ、教育長にお願いします。日本は、GDPに対する比較でいうと教育に政府として関心の高いほうではないんじゃないかということに対してなんですけれども。
◎教育長(
速水盛康君) 比較をしての今の御意見ですが、余り私、実感としては、このまちに住んでいまして、教育に対する関心は保護者の皆さん、地域の皆さん、非常にあるというふうには感じてございますけれども、教育のどの部分に関してというところも含めていろいろと御意見があるのかなと、あるいはそのような調査になっているのかなというふうに思っております。
◆3番(松畑玄君) 一概に比較して、実際にGDPに対するお金のかけ方なので一概には言えないでしょうけれども、私、先進国で日本はもっと教育に熱心な国なのかなというところを自分で思っていたのが、こんなに低いのかということを驚かされたわけなんですね。 そういう中で、財団法人日本青少年研究所というところがありまして、いろいろな興味深いアンケートをとっております。それについて当局、説明のほうをお願いしたいと思います。
◎
学校教育課長(
富田英之君) ただいま議員がおっしゃられました日本青少年研究所についてですけれども、青少年の意識や行動について調査、研究を行うとともに、青少年及び青少年育成指導者に対する教育活動の実施、青少年の国際交流、青少年に対する健全な労働時間及び職業観の育成、また青少年に対するボランティア活動及び特技開発への奨励などを行い、青少年の健全な育成に資することを目的として設立された財団法人であるというふうに伺っております。 日米中韓の4カ国、高校生調査事業が有名なのですが、この財団につきましては、平成25年に解散されまして、その事業については国立青少年教育振興機構に継承されたというふうに伺っております。
◆3番(松畑玄君) ここ、おもしろいというか、私、ちょっとびっくりさせられるようなアンケート、日本、中国、韓国、アメリカの高校生を対象に2011年に行ったアンケート調査なんですけれども、高校生の心と体の健康に関する調査というものがございまして、このようなデータになっておるということで。 自己評価については、「自分自身を肯定的に評価する」、「自分に満足している」、「自分が優秀だと思う」等のアンケートをとったわけなんですが、自己評価に関しては、日本人はほかの3カ国に比較して際立って低かったわけなんです。そして、「自分に価値がある人間か」という問いには、「全くそうである」と答えたのは韓国が20.2%、中国が42.2%、そしてアメリカというのは57.2%。日本はというと7.5%でありました。「まあそうだ」と答える子が韓国が54.9%、中国が45.5%、アメリカが31.9%、日本は28.6%でありました。いずれも、価値があるということに対して一番低いわけなんですけれども、「余りそうでない」、「価値は余りない」、「全然ない」と答えたのは、合わせて韓国が24.7%なんですよ。中国が12%、アメリカ9.6%、日本はというと62.7%です。 日本の高校生の6割以上が自分に価値がないと答えているわけなんですよね。もう本当に異常事態であると。このような現実について、市長はどのようにお考えでしょうか。
◎市長(
田岡実千年君) 憂慮すべき点だと思っております。やはり生き生きと頑張っていただきたいと思っております。
◆3番(松畑玄君) 教育長はどのように思っているでしょうか。
◎教育長(
速水盛康君) 国民性というんですか、やっぱり我々謙譲の美徳であったりとか、割と日本人は控えめなところがあります。そういったところも歴史と文化、風土の中で、日本の歴史の中でというんですか、いわゆる封建的なものの中で培われてきた残滓というんですか、それがまだ残っているような環境の中で
子供たちも育っているのかもわからないです。 ただ、私は、否定的な回答はすごく気にはなります。肯定的な回答は、今申し上げましたような要因があるにしろ、自分を否定するということについては、やはり教育の中でもう少し自尊感情なり何なり、成功体験なりを少し視点を当てた取り組みというのも必要なのかなと感じたところでございます。
◆3番(松畑玄君) 教育長の世代のときの精神性というか、そういう部分は今の子は多分全然違うと思うんですよね。今の
子供たちに昔のような精神性があるかといったらないと思います。本当にすごいいろいろな問題が多い中で自分に価値を見出せない。本当にこの一番の要因というのは、人間関係の希薄化ではないかと思うのです。 この調査では人間関係についても調査されておりまして、親との関係について、日本の高校生は自分の優秀さを親が評価してくれているかの肯定率が低いわけなんですよね。アメリカでいうと91.3%、中国で76.6%、韓国は64.4%。日本はもう32.6%なんですね。親が勉強へのアドバイスをすることや生き方を教えてくれることについても、相対的にもう肯定率が低いわけであります。教師との関係、相対的にも希薄であると。優秀さの評価、教師が自分のことを優秀と思ってくれているかというのはもう2割弱で、教師への相談しやすさというのは3割弱であります。いずれも4カ国中で最も低く、友人関係においては、「友人と一緒だと気が楽で楽しい」と高く評価しておりますが、相談できる友達がいるかとの肯定率は4カ国中最も低く、家族や教師、友人以外の人や組織との関係について見ると、日本の高校生は信頼できる他人や助けてくれる団体や組織のどちらも肯定率が4カ国中最下位でありました。 もう人とのかかわりの中で、人に大事にされていないと感じる人間が人のことを大事にできるかというところなんですよね。そして、自分の価値とかいうのを本当に肯定しにくく、そういう人物になってくるのじゃないかと将来心配なわけなんですよね。人間関係の人同士の関係というのがいかに大事かということをやっぱり伝えていくべきであると。 本当に人間関係が希薄になっていったという主な原因というのはどのように捉えておられますか。難しいですね。漠然としていて。
◎教育長(
速水盛康君) 大きいのは、先ほど私、言葉足らずで、封建時代の歴史の中での残滓という言い方をしましたけれども、例えば何々らしさとよく指摘されるんですが、何々らしさというのは果たしてそうなのかなと。それぞれ個人が個人であるところを、我々よく男の子らしく女の子らしくとか中学生らしくとかと言いますけれども、らしさということで一くくりにしている我々の文化というのは何なのかなという。そんなところを含めて、我々大人社会の反映が子供の後ろ姿であるというふうに考えてみますと、いろんな我々も考え方を持ちながら子供と接していくことが大事かなと思っております。 先ほどのなぜ希薄になってきたのかという御指摘なんですが、一般的には核家族化、この流れと少子化という中での地域のコミュニティーが非常に薄くなってきた、そういう部分含めて、
子供たちの社会環境が大きく変化をしてきたというところでは、一般論ですけれどもそうではないかなと思っております。
◆3番(松畑玄君) 希薄化の中で、このままほっといたらすごい大丈夫なのかなというふうに思うわけなんですよね。何かが薄くなった分、何かを厚くしていかなければ日本の世の中は成り立っていかないんじゃないかなと。 そういう中で学校のあり方、もう学校生活の充実というのがキーになってくると感じております。私、結構スポーツ振興についてよく言うわけなんですけれども、学校がすごいクラブ活動に否定的になっているような、そういう傾向があるのではないかなと。その顕著な例というのがクラブ活動だと思うんですよね。もちろん文化部もそうなんでしょうけれども。我々の時代、生徒数も多くて、そこと比較するのはちょっと難しいのかもわからんですけれども、どんどん衰退していると。かかわりを、学校でやることがすごい大事だと思うんですね。サッカー、野球にしても。今ではもうサッカー、野球なんて合同で試合に出ているらしいんですけれども、そんなにやっぱりクラブ活動をする
子供たちが減ってきたわけなんですか。
◎教育長(
速水盛康君) 生徒が減っているということは確かですが、当然パイが少ないものですから、少なくはなります。 ただ、人気のあるところには結構たくさん集中しているという傾向と、あと社会体育のところで、そちらのほうのクラブチームに所属するということで合同チームになっているという部活動も2、3新宮市内にもございます。
◆3番(松畑玄君) その分社会体育のほうでやってくれているとは思うんですけれども、以前からちょっと疑問に思っていたのが、例えばクラブチームに入っていたら学校のクラブに所属できないというのは、あれはなぜなんですか。
◎教育長(
速水盛康君) 同一チームの場合には、それぞれクラブチームなり学校体育なり、団体名で登録したり個人名で登録をしたりするものですから、同一チームになりますと、いわゆる二重登録というのが発生をする、そういうことについては、大会へ出るときにはそれぞれの大会が主催するものには出られますし、両方が主催するものには両方は出られるんでしょうけれども、そういった関係で二重登録の問題があるというのは聞いております。 ただ、例えばどこかのクラブチームに入っているんだけれどもそれ以外の競技をしたいということで、じゃ、ちょっとそれとは違う部活動を学校体育で入らせてくださいということで、違う競技の場合にはそういう形で登録をして出場しているということはルール上は可能であると。
◆3番(松畑玄君) 私がわからないのは、僕、社会体育でやられるクラブチームというのは塾の延長ぐらいのものでしか思っていなかったわけなんですよ。もちろん中体連の試合とは全然別物だと思っていたわけなんですよね。学校で一つの競技をして、クラブチームでまだプラスアルファというかという感覚でおったわけなんですけれども、クラブチームへ登録することによって中体連の試合に出られなくなるというのがわからなかった。二重登録になるとか。例えば数学、学校で教えてくれて、数学の塾に行ったからあなた教えませんよというのと一緒やと思うんですよね、やっておることが。本人はやりたいわけなんですから、学びたい、まだスポーツしたい、学校環境じゃないところでやりたいというのだと思うんですよね。それがなぜ。もちろん学校の生活を優先すべきだと思うんですよね。そこは許さないのはどちら側が許さないんですか。学校側が許さないんですか。クラブチームに所属していたら中体連、同じクラブ入れませんよということは、どちらかが拒んでいるわけなんですよね。
◎教育長(
速水盛康君) 拒んでいるということじゃなくて物理的に無理なので……
◆3番(松畑玄君) 物理的に無理というのは。
◎教育長(
速水盛康君) 例えば同じ日曜日に練習するときに両方には練習しに行けないですね、両方のクラブに入れば。例えば学校体育ですから、中学校体育連盟、全国体育連盟があり、そして県があり各郡市の学校体育の中の部活動に所属するわけですから、そこで練習をして同じ競技でまた同じ、野球なら野球としますと、クラブチームに行くということは物理的に無理になる。
◆3番(松畑玄君) 結構夜やっていますよね、練習って。クラブチームでサッカーにしても野球にしても。昼間、時間の調整でどうにでもなるんじゃないかなと思って。すごいお互い、やりたいんやったらやりたいだけやらしてあげたらいいと思うんですよ、僕。僕の考えなんですけれども、やはり学校のクラブでやって大会に出るということはすごい大事なことだと思うんですよね。ただ、生徒が減っていった、クラブチームに行ったからじゃないと思うんですよ。どっちもやれるように努力して、やはり学校を背負って出るということはすごい大事なことだと思うんですよね。私だけが感じているのかもわからないですけれども、学校は学業だけを教える、すごいクラブチーム、社会体育のほうでスポーツ活動なりをやっていってもらうという、すごい切り離していっているんじゃないかということを言いたいわけなんですよ。 やはり学校というところは、学業にしろスポーツ活動、そして文化活動、これらバランスよく健全な環境でやらせていかなければならないと思うわけなんですよね。学業の面では、来年度から夏休みの変更であったりとか復習の時間を設けてくれるということなんですけれども、ありがたいことなんですけれども、それと同時にやっぱりクラブ活動、
子供たちが成長していく上で本当に大事だと思うんですよ。小さくてもいいから、私、成功体験というのをしっかり身につけていきたいと思うんですね。そういう中でやっぱり勉強で成功体験を得るということはすごい難しいことなんですよ。 僕も余り勉強できるほうではなかったので、やはり難しいですよ、勉強というのは特に。
子供たちは、何らかの得意なものを見つけると自然に勉強もできてくるというふうな事例もよく聞きますので、人間関係が希薄化してきて、自分自身に価値を見出せない
子供たちの現状を考えると、今のままどんどん学校から離していくようでは、そのうち社会や学校が
子供たちに置いていかれるんじゃないかなと心配するわけなんですね。 学校というところはやっぱり一番大事な部分でありまして、もうちょっと働き方改革もあるのでしょうけれども、先生にはより踏ん張ってもらっていろいろ取り組んでいただきたいんですよね。
◎教育長(
速水盛康君) 私も大賛成です。やはり学校体育の中で魅力ある部活動を推進していくということは、今、ラグビーの例でいきますとワンチームという言葉がよく言われます。もう一人の力では無理だけれども全体の力で一つになると、そこの中で自分たちの存在意識なりがより高まっていったり、あるいは先ほどおっしゃいましたような成功体験だったり、そしてそういったところが自信になると、一つ自信になるとやっぱりほかのところにも大きな影響を及ぼしていくという。それは学校体育の魅力でして、学校体育でやりますとそういったことが自信になって、そしてそれが先生たちに伝わっていって、そしてクラスに伝わっていって、そして学校活動なりそして自分たちのクラスの中での新しいリーダーが育っていくとかということに、すぐ学校生活に直結していくというのが非常に学校体育の大きな魅力であると思っておりますので、またぜひその辺のところを校長会あたりにでも、改めて私のほうから強調しておきたいと思います。
◆3番(松畑玄君) そして市長、前にレスリングの、ジュニアのクラブから中学校でつくってほしいという要望があったんですけれども、ことしも全国大会に優勝者を出して、毎年出しているわけなんですよね。何年か前には新高のレスリング部の生徒が国体で優勝したわけで、中学時代がすごい空白でもったいないと、中学校でレスリング部つくってくれないかという要望が何年か前にあったと思うんですけれども、それについてはどうですか、市長。 どちらでも。いい返事くれるほうで。
◎教育長(
速水盛康君) 本当に私もそう思います。そこについても、私自身も現職でいるときに御要望を直接、そこの学校でつくってくれないかということを承りました。それで調べてみました。先ほども言いましたように、中体連の中でレスリング部というのがない。全国の中体連の中で。ということは、学校体育の中でないものをつくるというのはちょっと難しい状況であると。ただ、最近の例でいいますと、しかし硬式テニスあたりが準という形で認められつつありますから、今後そういうふうな形でレスリングの動きも、そういう環境になってくれば新宮市は非常に熱心なものですから、ぜひ私もリーダーシップをとってレスリング部を中学校にできるようには働きかけてみたいと思っております。
◆3番(松畑玄君) ありがとうございます。本当にありがたいことでございます。もう必ずや将来、新宮市からオリンピック選手が出ると信じておりますので、よろしくお願いいたします。 先月、11月22日付の朝日新聞に掲載された、元サッカー日本代表監督岡田武史氏のインタビューなんですけれども、「『自立』なき国の五輪」ということで、サブタイトルとして「自ら決めて行動をする」、そして「スポーツも社会もおかしなこと多い」というインタビューなんですけれども、あと8カ月後に迫った東京五輪・パラリンピックを日本人が自立するきっかけにしようということを呼びかけております。東京五輪のマラソンコースが札幌に変わるなど、五輪開催をめぐる混乱が続いています。東京都や大会組織委員会は自分たちの意思をはっきり言うべきであった。アスリートも主体的に自分の意思を言わなかった。それこそ自立していなかった。一方、ラグビーワールドカップは予想以上に盛り上がりました。ラグビーの日本代表は主体的に判断してプレーできていた。サッカーはどうなのかというと、主体的にプレーできるやつは何人かいるが、チーム全体となるとなかなかそうもいかないと。外圧、外から批判されて、それの反発心から出る主体的な力は短期的には効力があるが長続きはしない。本来はみずからが勝ちたい、勝つことが楽しいという内発的欲求で力を出せることが真の自立であると。 日本人はなぜ自立をしていないのかという問いについては、一度も市民革命を経験していないからとよく言われておりますが、お上に従っていれば間違いないという、これがしみついております。自分たちでかち取った民主主義とか自由とかいう発想がないから、命令された仕事をこなすようになるということなんですね。 私の個人的な考えですが、本当にこのとおりだなと思うんですよね。日本人はちょっと平和ぼけをしてしまったんじゃないかなと。上から来た、中央から来たことに従って続けてきたのが今回の日本青少年研究所のアンケートの結果だと思います。これについては市長、どのように。
◎市長(
田岡実千年君) すみません。何かよくわからなんだんですけれども、また勉強させてください。
◆3番(松畑玄君) 市長、自立していないということ、そして日本人は、言うたら上から言われることに従う傾向にあって、みずから考えたりとかいうことを避けてしまう風潮にあるから今の高校生たちが自分自身に価値を見出せないというアンケート結果が出たんじゃないかということを私、簡単に。すみません、私の言い方が悪かったのかもわかりません。そこについて市長はどのように。
◎市長(
田岡実千年君) 今の世の中、いろいろ多様な面がありますので、かつてのやはり大和魂というんですか、そういうところも見直すべきかなというふうに思います。
◆3番(松畑玄君) 今回、岡田氏のインタビューの結びでこのように述べております。経済的な豊かさだけではなく、心の豊かさのように目に見えないものを社会にもたらさなければならないと。人を育てることや信頼といった目に見えない資本が経済を回す時代に来ていると思う。グローバル化はもう後戻りできない上にAIが進化していく中で、人間が何なんだということを問い直される。このように述べております。 もちろん学業、大事であります。しかし、我々が今失いつつある心の豊かさというのをしっかり身につけられるような運営をやっていただきたい。そういうことをお願いしたいと思いますがどうでしょうか、教育長。
◎教育長(
速水盛康君) まさに学校というのは、知、徳、体の調和のとれたということでございますので、先ほどの部活動もそうですし、学力の問題もそうですし、今の道徳の心の豊かさもそうですし、そのようなあたりはしっかりと意識しながら教育現場は取り組んでいかなければいけないのかなと思います。 特に私たちの住んでいるところは世界遺産の地でもありますし、熊野というところはそういった多様性を求めて、そして育んできたというところのふるさと学習からも、ただ行って帰ってきてこうであったんじゃなくて、そういうところから何かを学んで発信していくという、そういうところも含めて、今後、さらに深めていきたいと考えてございます。
◆3番(松畑玄君) 本当に生徒たちが自立できる、そして新宮市独自の、もう本当に新宮の文化をちゃんと次世代へ受け継げられるような教育をお願いして、私の
一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(
前田賢一君) 10分間程度休憩いたします。
△休憩 午前10時53分
---------------------------------------
△再開 午前11時05分
○議長(
前田賢一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続けます。
---------------------------------------
△
上田勝之君
○議長(
前田賢一君) 4番、上田議員。
◆4番(
上田勝之君) (質問席) それでは、
令和元年12月議会のトリの
一般質問を始めさせていただきます。 初めの項目は、水野家入部400年記念事業「水野家と新宮城下町」。これは大盛況裏に終えたと思います。今後、こういったような新宮城関係、あるいは水野家関係をどう展開していくのかということを中心にお尋ねをしたいと思います。 先月11月9日、10日の両日、水野家入部400年記念事業「水野家と新宮城下町」が開催され、記念式典やシンポジウム、水野家入部と新宮の発展、新宮城跡会場ではさまざまなイベントや物産展、城跡ガイドツアー、あるいは川上不白生誕300年記念のお茶会、さらに丹鶴町や駅前本通り、仲之町の各商店街では協賛イベントも開催され、また新宮商工会議所青年部による和傘の灯り、新宮青年会議所による市内小学生が作成した竹灯籠によるライトアップイベントも11月初めから行われ、当日は鐘ノ丸にこんなにたくさんの人が登ってくるのかと、大変なにぎわいでありました。市民の皆さんのお城への関心の高さを改めて実感した次第です。 さて、この大盛況裏に終えた水野家入部400年記念事業はどういう目的を持って発案され、どのようなコンセプトで企画されて、どういう効果を狙って計画されたのでしょうか。お尋ねをいたします。
◎
商工観光課長(
勢古口千賀子君) 水野家入部400年記念事業は平成29年12月に前田議長よりこちらの事業の提案がありました。そうしまして、市の中でもこの
令和元年度は水野家入部400年、浅野家移封400年、川上不白生誕300年ということもありまして、新宮城復元に向けての広報活動、そして水野家関連自治体の交流の場としても市もその機運が高まってまいりました。 その中でイベントの実施によりまして、水野家と国指定史跡新宮城跡の魅力を市内外の方に知っていただく、そしてそれらを発信することで城郭ファンや歴史ファン、それらの人たちとの交流人口を拡大していく、そしてまた本市と交流のある自治体をお招きしまして交流を深めていこうという目的のために実施しました。
◆4番(
上田勝之君) そういったような目的、あるいはコンセプトの中でこの水野家入部400年記念事業というものが開催され、そして盛況裏に終えたと。その目的は達成されたのか、狙った効果は期待どおりにあったのか、そういった振り返りはされていますでしょうか。
◎
商工観光課長(
勢古口千賀子君) 先ほど議員から御紹介いただきましたとおり、大変多くの方にお越しいただきました。シンポジウムは約400人の方に来場いただきました。新宮城や商店街に多くの方がお越しいただいたということですが、こちらのイベントを次につなげていくことが大変重要と考えております。 昨日、榎本議員もおっしゃられましたようにイベントは地域振興の手段であるということで、こちらイベントを図ることで集客を図ってより一層新宮の魅力を市内外に知っていただく、そしてまた文化財は専門家のためだけではなく、広く
一般市民や観光客に知ってもらってこそ真価を発揮するものであるということを改めて皆で共有をしております。
◆4番(
上田勝之君) 確かにこの一過性のイベントに過ぎなければ何のためにお金を投入してイベントを実施していくのか、そういったことにしっかりとした目標や効果を持って行っていくことは大変大事だと思うんですね。その中でやはり今回、多くの市民の皆さんの関心を高めた新宮城址や水野家に関して今後どのような展開を考えているのか、どうつないでいくのか、そういったことをどういうふうに今後検討していくのか、そのお考えをお聞かせください。
◎
商工観光課長(
勢古口千賀子君) 今後、文化振興課や企画調整課など関係課とも連携して今回のイベントを一過性のイベントではなくて、新宮の歴史・文化を広く皆さんに知っていただく、そのような広報活動や事業を行っていきたいと思っております。また、水野家子孫の方々や関係自治体、これを機会に市としてより一層交流を深めていきたいと思っております。
◆4番(
上田勝之君) 私はこの水野家入部400年記念事業の際に、その効果というものがどういうものであったかということは、シンポジウムの中で徳川宜子さんが「新宮市では西村伊作邸や旧チャップマン邸を保存している。価値観や精神性などの思いを受け継いでいくことに気づくことが重要」と述べられていました。私は大変印象に残ったんですね。新宮人の価値観や精神性、その思いを次の時代へ紡いでいく。そのことを新宮人が気づき、広く知らしめることが今回のイベント開催の大きな意義であり、成果であったのではないかと考えています。また、宜子さんはこうも述べられていました。「歴史や文化が感じられるからこそ、西村伊作邸や旧チャップマン邸は保存されていく価値がある」、若干俗物的ではありますが、江戸期の新宮城址や水野家墓所、明治大正期の西村伊作邸や旧チャップマン邸だけではありませんが、歴史や文化が感じられ、その中に価値観や精神性が感じられるからこそ多くの外国人がこの地を訪れていただけるのではないでしょうか。新宮市再生の一つの方策、交流人口の獲得、拡大のコンセプトはここにあるのではないかと。 そして、やっぱり強く感じたのは、多くの市民の皆さんが新宮のお城が大好きなんですね。本当にたくさん話題に出ました。私は市民の方からたくさんお話を伺いました。本当に話題に事欠かなかったと思います。ぜひ、ランドマークとしての修復なり復元なりといったことについて真剣に取り組んでいただきたいと思います。この新宮城跡の修復については後の項でお尋ねいたします。 ところで、せんだって開かれた総務建設委員会で、商工観光課のことし8月以降の主な取り組みが報告されました。実に8月の花火大会終了後から11月中旬まで15もの事業といいますか、さまざまなイベント業務に対応しています。大きなイベントは例年の新宮秋まつりや、そして先ほど申し述べた水野家入部400年記念事業、そしてその2週間後には和歌山県人会世界大会のふるさと巡りツアー紀南コースの受け入れ、その他にも姉妹都市を初め、ゆかりのある自治体のイベントへの参加、徐福関係、日本遺産登録を目指す神武東征協議会関連、都市部や旅行業者へのPRイベント関連等々、数多くのイベント業務に追われています。もちろん、市が関係して実施しているイベントは商工観光課だけでなく、他の部署でもさまざまに行われています。イベントのスタッフとして参加協力するのみならず、事務局的役割を担ってこれだけ連続してイベント業務を実施するのは尋常ではないのではないか。本当にたくさんのイベントなり、あるいはブース出展等いろんなことをされています。その後にも新宮市魅力発信女子部がワークショップを開催したり、あるいは和歌山大学で新宮市の魅力発信展、こういったようなことも11月から12月にかけて行われています。 商工観光課の担う業務の中心はここにいる議員メンバーを初め、多くの市民の皆さんも訴えられる観光による交流人口の拡大と、それに伴う関連産業の振興や起業の拡大など観光によるまちづくりではないか。私はこれまでも新宮市不沈の鍵は観光の振興と森林資源の活用であると訴えてまいりました。そして、観光についてはこれまでも
一般質問等を通じ、新宮市のハブ機能の充実やDMOの立ち上げ、カルチャーツーリズムの育成等々を訴えてまいりました。特に近年はいわゆるインバウンド効果が当地方にも顕著に現れており、外国人旅行者を数多く見かけます。9月議会でも新宮市のDMOも熊野ツーリズムビューローに託すことや、高野坂の駐車場の課題解決に向けての提案もさせていただいております。 商工観光課が本来担うべきは交流人口の動向調査などのマーケティングや熊野川地域や高田地域を含め、市内をいかにめぐってもらうか、いかにとどめおくか、そのためにはどういったハード整備が必要か、ソフト面ではどういった対策が必要かといった戦略立案やあるいは市内の各事業者などの関係機関の協力を得るためのコーディネートの役割を果たすべきです。多岐にわたるイベントの実動部隊ではないと考えますが、いかがでしょうか。
◎
企画政策部長(
新谷嘉敏君) ただいま上田議員から本来の商工観光課の担う役割についてのお話がありました。担当部局としても同様に考えておるところでございまして、理想とするところであります。 ただ、そう近づかなければ本来の観光行政を戦略的に進めることができないと、目の前のイベントを消化するだけの部署になっていっているのではないかというふうに実感もしております。そういう意味におきましては、我々行政としても効果あるイベント、また慣例的にやっていても効果の薄いイベント、これを今一度精査して思い切った形で縮小もしくは廃止ということも今後必要かと思います。 また、一方では昨日福田議員からもお話もありましたように、観光協会の業務の分担を市との中で明確にする中で観光現場の最前線ではやはり観光協会のほうに頑張っていただくというようなことも必要かと思います。 また、最後になりますけれども、市の観光行政を進めるに当たりまして、今後の市の観光の主体となるところはやはりこれまでも恩恵を受けております熊野ツーリズムビューローとの連携というのは必要不可欠であると思っております。また、連携のあり方につきましては、現在進めている後方支援にとどまるのか、またDMO設立に向けての後方支援をいただくのか、またいろんな形を、これは市が主体的に決めていく必要があると思います。そういったところを総括して今後、観光行政を進めていくと、そういうことが必要であると思います。
◆4番(
上田勝之君) 今、新谷部長がお答えいただいたように、私、きのうの福田議員が観光協会の課題を質問された際に、新谷
企画政策部長が観光協会のスタッフの体制強化を図る旨の答弁をされておりましたし、今もお答えをいただきました。 観光協会の事務局を、人件費を中心に運営費用を補助し、商工観光課から独立させてアウトソーシングし、15年程度経過しているんですね、現在。今、新谷部長がお答えいただいたようにやはり今一度、商工観光課と観光協会の役割分担を明確に断行すべきではないかと私は考えます。 これは一つの例なんですけれども、都市部や旅行業者へのPRイベントや、あるいは姉妹都市である名取市や、あるいは交流のある八尾市、水野家関連の刈谷市、あるいは友好都市を結んだ気仙沼市、そして今後は先般姉妹都市提携を結んだ三原市等々、ゆかりのある自治体ではやっぱりイベントでPRブースを出展したり、新宮の、この地域の特産品を販売したりといったようないわゆるブース出展等も考えられます。そういったことが商工観光課ではなく観光協会に担っていただくなど、そういったような役割分担をしっかり進めていかなくてはならないと私は思うんです。もっと言えば、観光関連のイベントの事務局機能やあるいは熊野三山協議会、こういったような事務局、それに関連した日本遺産登録を目指す協議会参加の実務など、さらに言えば徐福関係は徐福協会、こちらも出捐金の課題もありますが、徐福協会と観光協会の一体化、これなんかも至近距離にありながらレンタサイクルなど同一の事業を別々の団体が行っているなど、もっと観光関係の業務を整理し、しっかりと役割分担を果たす、そういったことが新宮市の交流人口の獲得、拡大につながる戦略的立案を行える、そういった関係にしていかなくてはならないと私は考えます。そのためにはやはり観光協会の体制強化を図らなくてはなりません。商工観光課から15年程度前に事務局を
分離独立させた意義や経緯を鑑みれば、体制強化を強く求めますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◎市長(
田岡実千年君) 議員おっしゃるとおり、今いろいろ問題も出てきているところだと思います。結構、商工観光課は、議員がおっしゃるような戦略を考えるのが本来だと思うんですが、どうしてももう実動部隊になってしまっているなどですね、そういう意味で今後の観光協会のあり方もしっかりと改革をしなければならないというふうに私も思っております。
◆4番(
上田勝之君) ぜひ、今市長のお答えのとおり、しっかりとその辺を検討していただきたい。 本当にイベントとか、当然日常業務は日常業務で市役所の職員の皆さん頑張っていただいているし、担っていかなくてはなりません。ただプラスアルファそういったまちづくりに関連する、まちを再生させていくためにどうしていくか、そういったのは、私はもうこれは本当に、企画調整課や都市建設課やさまざまな部署、あるいは文化振興課、これはきのう榎本議員も取り上げておられましたけれども、さまざまな部署で非常に過剰な負担というか、本来やるべき、本来担ってほしい、そういった業務がどうしても日常業務に追われてしまう、そういったところの整理をしっかりしていく、その中でやはり商工観光課であればとりわけ観光部門をですね、交流人口の獲得、拡大を目的とする戦略本部として機能させる役割に特化していく。本当にこれはまちづくりのための
行政改革です。先ほどの市長のお言葉、ぜひ全庁的に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。 さて、続いてですね、水野家入部400年記念事業で本当に多くの市民の方々の関心を集めた新宮城跡。平成15年に新宮城跡附水野家墓所として国の史跡として指定され、平成16年よりまず水ノ手の炭納屋遺構から保存修理事業に着手、その後は景観整備、眺望確保のための樹木の除去と自然災害による斜面崩落の復旧事業を中心に整備が行われ、あわせて石垣の修復に向けてその基礎資料となる測量や図面の制作が行われてきました。 ただ、平成26年を最後に、災害復旧を除いて城跡の整備のための国庫補助事業は残念ながら途切れてしまっています。当面、石垣を含む城跡の修復や整備が早急に見込めないのであれば、現状これ以上の城跡の損壊を防がなくてはならないのではないか。特に鐘ノ丸や松ノ丸に植樹された桜の木の成長に伴う根の張り出しによる石垣の変形が著しい。また、本丸天守台南側の美しい横矢掛、いわゆる屏風折と言われる石垣直近の桜の木の根の張り出しの影響と石垣中腹の樹木の繁殖がこの美しい石垣の崩落を招きかねません。このような現状を放置すべきではないと考えますが、担当課である文化振興課の認識はいかがでしょうか。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 御指摘のとおり、石垣の際に植えられております桜の樹木や隙間から生えている草木につきましては、石垣に影響があるという認識がございます。 毎年、景観整備事業において一部除去等を行っておりますが、あくまで一部にとどまっている状況でございます。
◆4番(
上田勝之君) 本当に今お答えいただいたとおりなんですけれども、私は問題はそれだけではないと思うんですね。 これは実は、新宮城跡は所管が多岐にわたる。文化振興課が担当している場所、あるいは都市公園の丹鶴城公園として都市建設課が担当している部門、もう一つは配水池がありますから
水道事業所も担当している場所があります。 最も急がれるのは本丸南側の屏風折と言われる美しい横矢掛の石垣の崩落、これを防がなくてはなりません。悪影響の大きい桜の木と石垣中腹の樹木の除去を、これを行っていただきたいのですがいかがでしょうか。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 石垣から生えております樹木につきましては景観整備事業、これによりまして対応を検討してまいります。また、桜の木につきましては丹鶴城公園を所管しております都市建設課との連携により検討してまいります。
◆4番(
上田勝之君) こちらはもう検討する段階じゃないんですよ、この大きな桜の木に関しては。これをそのまま放置すると、この屏風折というか、横矢掛の石垣はもうもたないというお話を伺っております。 本当に屏風折のところだけじゃないんですけれども、この桜の木、たくさんあるんです、たくさん植樹していただいているんですね。そして、この木の根が石垣に与える影響を本当に取り除いていかなくては修復、復元に向けてのプロセス、その前になんとか保全しておかなければ、崩壊してしまう可能性があるんですね、天守台のように。 ただ、シーズンには桜の花見を楽しみにしている市民の皆さんも多数おられます。また、植樹された方やその御遺族もおられます。特に市街地から遠望できる鐘ノ丸の石垣直近に植樹された桜群は一度に除去するのではなく、毎年少しずつ間伐を実施し、石垣の保全に影響の出ない箇所に桜の苗木を植樹するといった現況を一度に変えてしまうことなく植樹された関係者や花見を楽しみにしている市民の皆さんの理解を得つつ、石垣の保存を行えないものでしょうか。いかがですか。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 平成22年3月に保存整備基本計画報告書案を作成しております。その中の植生計画におきましては史跡環境の保全として石垣にはらみ、崩れ、破損等を引き起こすおそれのある樹木やツタの撤去及び移植を行うとございます。移植につきましては史跡の変更申請が必要となり、保存整備の基本方針として新宮城を幕末期の状態に整備すると定めておる関係から、また桜の木は石垣の保全の観点からも撤去が望ましく、城内へ移植するということは不要と考えております。 また、樹木やツタの撤去につきましては、毎年度予算をいただきながら進めているところでございます。 桜の木につきましては先ほど議員がおっしゃられましたとおり、市民の集う名所ともなっておりまして、公園を管理いたします都市建設課とも協議しつつ市民の御理解を得ながら、また記念植樹もございますので、寄贈者の御了解も得ながら支障となる樹木につきましては少しずつ撤去を進めてまいりたいと考えております。
◆4番(
上田勝之君) ぜひその辺を進めていただきたい。これは一度に全てを除去するということはなかなかやっぱり理解を得にくい。そうするとやはり一番危険箇所、危険箇所というか石垣の崩落を招きかねないような箇所から順次経年を追って撤去を進めていただきたいと思うんですよ。 それにやっぱり加えて本丸南側の屏風折と言われる美しい横矢掛の石垣、これ本当に見えるように、観覧できるようにしていただきたいんです。この屏風折の石垣の直下は民有地と伺っています。なんとか協力を取り付けて樹木を撤去するなどすることや、屏風折の石垣の真上にある桜の大木、あるいは鐘ノ丸の際に、列に植えられた桜の木の間伐、そういったことがやっぱり都市公園として所管している都市建設課、どういった見解といいますか、どのように進めていただけますかね。
◎
都市建設課長(
木村雅洋君) 都市建設課といたしましても、石垣をよく見えるようにすることは新宮城の魅力がより一層高まると考えてございます。 ただ、先ほどお話のございました屏風折のところにつきましては民有地ということもあるのですが、そのほかに土砂災害防止法に基づきます土砂災害特別区域、レッドゾーンに指定されておりますので、傾斜地の崩壊を誘発しかねない伐採につきましては難しいものと考えてございます。
◆4番(
上田勝之君) きのう、
松本光生議員でしたか、この土砂災害警戒区域の指定、確かに質問されておりましたが、私も後で取り上げてさせていただこうと思っておるんですけれども、レッドゾーンということであればこれはなかなかその辺を整備していくというのは厳しい現状があるのかとは私も感じます。 ただそれであれば、あるいはその石垣の中腹から出ている樹木はこれは文化振興課が撤去するんですね。あるいはその石垣の上部、本丸の際に植わっている桜の大木、あるいは鐘ノ丸の際にたくさん植樹されている桜の木、こういったような部分については少し除去を進めていただくとか、間伐を進めていただく、あるいはそのレッドゾーンのいわゆる石垣の直下の部分についても、全ての樹木を、私が伐採と言うと結構皆さんが笑っちゃうかもしれないですけれども、切っていくということではなくて、少なくとも列状に、1列2列ぐらいは少し、いわゆる川上不白の碑のあるところからでも見やすいように環境といったようなものをぜひ御検討いただきたいと思うんですね。その辺は文化振興課と都市建設課でしっかりと協議をしていただいて、石垣の保全、あるいは景観整備を考えていただきたいと思います。 もう一点、斜面崩落による水ノ手炭納屋遺構と松ノ丸を結ぶ回遊歩道、斜面復旧については少し設計においていろいろ問題というか課題があった場所ですが、そちらの斜面が復旧すればこの回遊の遊歩道、通行どめ解除はできるのでしょうか。その際には階段の踏み板など破損箇所についても補修を行っていただき、長年通行どめにしていた関係で足元が滑らないように考慮していただくような整備、そういったことを行っていただきたいと思うんですがいかがでしょうか。
◎
都市建設課長(
木村雅洋君) 復旧工事の完成に伴いまして通行どめは解除いたしますので、事前に遊歩道の点検を行いましてふぐあい箇所につきましては修繕を行ってまいりたいと思います。
◆4番(
上田勝之君) ぜひその辺もよろしくお願いしたいと思います。 また、以前から懸案となっています大手門付近、水ノ手地区の史跡の追加指定についてですが、平成23年に地元説明会を開催し、翌平成24年には土地の測量や建物の調査を行い、平成25年度には鑑定調査まで進めた、そしてそのまま進展がない状況です。 文化複合施設建設に伴う旧丹鶴小学校用地の新宮城下町遺跡のほうが先行してしまって文化財指定へ向けて準備が進められています。 この水ノ手、大手門付近の史跡追加指定は今後どのように進めていくお考えか、お尋ねをいたします。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 城跡のほうの追加指定につきましては、保存活用計画の策定指導を受けております。これは新宮城の城郭としての範囲を明確にして、保存すべき範囲を明らかにするものでございますが、ここで現在進めております城下町遺跡と新宮城跡は密接に関係していますことから、計画は一体として検討をとの有識者の方々からの意見をいただいております。まずは城下町遺跡の保存措置を急ぎまして地域一帯の保存活用を検討した上で、必要範囲の指定を目指してまいります。
◆4番(
上田勝之君) 今お答えいただいたように一体的に追加指定をいただけるというのであれば非常にありがたい進め方なんだろうと思います。 今はどうしても大手門付近の水ノ手地区の追加指定というのがとまってしまっているんですね。その中で、今お答えがあったように城下町遺跡の先行というところに私は少し疑問を感じるというか、一体の追加指定ですか。城下町遺構の保存というのはどういったことを意味されているんですか。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 発掘現場より出てまいりました城下町遺跡につきましては、その価値づけを進めているところでございます。今後それに伴いまして、城下町遺跡につきましての保存活用について計画を進めていくというところでございまして、それにあわせて新宮城につきましても先ほど申し上げましたように一体的な調査等も必要というところでございます。
◆4番(
上田勝之君) 出土されたものの保存ということなんだろうと理解しましたが、やはり近接というか一体のものですよね。特に江戸期の部分というのは一体のもので、城下町遺跡は名称の変更も求められておりますけれども、複層的な遺跡が残っているというようなことで、地域指定としては一体的に行っていくということでよろしいか。
◎
文化振興課長(
福本良英君) 現在の計画の中では、進めている中では、個別の計画として必要であるというふうに捉まえております。計画書はそれぞれに必要となってまいりますが、先ほども申し上げましたように近接地となるため内容につきましては重なる部分が多うございます。
教育委員会といたしましては文化財としての活用、また調和のとれた計画とするためには地域一体の視点での保存活用をまず検討しているところでございまして、特に追加指定を目指す場所は両遺跡に挟まれた場所でございますので、これにつきましてはそれぞれの計画の中で検討が必要であるというふうに考えております。
◆4番(
上田勝之君) もちろん、それは別個の史跡指定になるのではないかと思うんですけれども、やっぱり今水ノ手側からガイドさんがお城の跡を見学に、あるいはガイドをされているんですね。たくさんの方が水ノ手側に入ってくるんです。 やっぱり修復、復元に向けての第一歩というのはこの大手門ですよ。そこをしっかりと追加して、それは別個の遺跡、史跡なのかもしれないけれども、同時並行して進めていく。これは大変、文化複合施設の建設とそれに関連するさまざまな事業等を抱えながら大変な部門ではあるとは思うんですけれども、城下町遺跡の保存活用に向けては行っていくわけです。同一の地域、近接地というか隣接地ですよ、それであれば区域の追加指定については同時並行で進めていく、これぐらいの返事をいただかないと、そうでないと新宮城、先ほど水野家入部で高まった関心、市民の皆さんがやっぱりお城はええねと、何とかしてほしいやないのというようなお声をたくさん頂戴しているわけですよ。やっぱり新宮市のランドマークとしてしっかりと修復、復元をしていきたい。そのためにはまずその第一歩なんですよこれは。そういったことを年次的に行っていく、あるいはその部分については同時並行で行っていく、ただもう少し費用のかかる部門であるとか、あるいは財源的な部分が必要であると、そこはもう少し数年先やというのであれば、ぜひともそういったことは年次計画を立てて考えていただきたいんですが、市長、いかがでしょうか。
◎市長(
田岡実千年君) 議員がおっしゃるようになかなか進まない一つの原因は、新宮城跡に関してはいろんな部署が関わっている、文化振興課とか、都市建設課、また観光に関しては商工観光課が、この間のイベントもそうですが担当しておりまして、そういったところを一体化してしっかりと連携をとることがいろんな事業を進めていく、新宮城を今後しっかりと利用していく上で大切だと思っておりますので、そういったところをしっかりと連携するという指示もまた出させていただきたいと思います。
◆4番(
上田勝之君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 本当に今市長お答えいただいたようにこの新宮城跡、本当に市民の皆さんの関心が高まった、せっかくこの水野家入部400年記念事業を大盛況裏に終えたわけです。本当に高まったと思うんです。そのことを契機として、じゃあ保全、修復、あるいは最終的には復元へ向けて、これは超長期にわたる課題かもわかりません。費用もかかります。その財源をどう捻出していくか、あるいは丹鶴城址整備基金というような基金も長年手つかずのまま新宮市には眠っています。そういった部分もしっかりと検討を加えていただきたい。 本当に今市長おっしゃられたように文化振興課と都市建設課、こういったように部門が分かれているのはなかなかやっぱり進まない一因にもなっていると思うんですよね。そういった意味ではこの都市公園という枠を外して、それではもう文化振興課が担う、そうすると文化振興課は本当に文化複合施設の建設、あるいはきのう榎本議員も取り上げておられましたけれども、国民文化祭に向けての準備、そういったことも非常に大変業務的には厳しい。そういった中では、私は先ほども、これは全てに関連してくるんですけれども、やっぱり商工観光課と観光協会の役割分担を図って商工観光課は観光戦略本部にするのであれば、そして今度はそれの素材となる文化財を生かす文化振興課をもう少し手厚くしていく、そういったようなこともしっかりと全体的に見据えた
行政改革というのを行っていくべきなんだろうと思います。 本当に何度も繰り返しますけれども、水野家入部400年記念事業は大盛況に終わったんです。本当に多くの市民の皆さんの城跡への関心も高めました。新宮城復元対策委員会で視察させていただいた香川県の丸亀城や高松城では30年以上の超長期的視野に立って復元計画を進められています。 本当に新宮城跡も保全、修復、復元に向けて担当部署の一元化や、もう一点、これはもう市長にぜひ御検討いただきたいんですけれども、お城に精通した学芸員の確保、こういった人材がなければやっぱりなかなかこれも進んでいかない要因なんですね。そして、どうしても職員の年齢も上がってきます。そういった中では若い学芸員を育てる、そういったことを積み重ねながら年次的に、以前は計画も立てられておりました、でもとまってしまっているんですね。そういったことをぜひ御検討をいただきたいと思うんです。改めて市長、いかがですか。
◎市長(
田岡実千年君) 大変貴重な意見、大変同感するところであります。しっかりと検討してまいります。
◆4番(
上田勝之君) ぜひよろしくお願いします。
○議長(
前田賢一君) 昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
△休憩 午前11時46分
---------------------------------------
△再開 午後1時00分
○議長(
前田賢一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 (「議事進行」と呼ぶ者あり)
○議長(
前田賢一君) 14番、屋敷議員、議事進行。
◆14番(
屋敷満雄君) 上田議員の
一般質問中でございますが、ちょっと休憩を挟みますので、お許しをいただきまして、先ほどから当局の新宮城関係につきまして答弁を聞かせていただいているんですけれども、打開策というんですかね、非常に答弁が検討するばっかりで先が見えない。 僕も城の関連で丸亀城や高松城も見せていただいて、3年間、向こうのほうは専属の城担当の専門学芸員を雇っております。 もう一つ、やはり具体的に、出丸とか炭納屋こういうものでもつくっていって、やはり市民にこういうことが再建につながるようなことができるんやということを見せていかんとあきませんので、どうかプロジェクトチームのような形のものをつくっていただきたいのですがその辺をよろしくお願いいたします。
○議長(
前田賢一君) ただいまの屋敷議員の議事進行についてでありますが、一度協議をしたいので市長、副市長、教育長、御足労ですけれども、議長室までお願いいたします。 暫時休憩いたします。
△休憩 午後1時01分
---------------------------------------
△再開 午後1時31分
○議長(
前田賢一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 先ほどの14番、屋敷議員の議事進行についてでありますが、議長室で協議の結果を田岡市長から報告させます。 市長。
◎市長(
田岡実千年君) 先ほど屋敷議員の議事進行で、上田議員の午前中の新宮城に関する質問に対して、もっと明確にということでありましたので、改めてお答えをさせていただきます。 この新宮城、保全、また再建、復元等ということは、この新宮市の観光にとっても大変重要な取り組みだと、必要なことだというふうに認識は変わってございません。 そういう中で、やはりこのことをスピード感を持って進めていくに当たって、専門的な学芸員の配置等をしっかりとやっていきたいというふうに思っておりますので、また今後もどうかよろしくお願い申し上げます。
○議長(
前田賢一君) 屋敷議員よろしいですか。
◆14番(
屋敷満雄君) はい、了解です。お願いします。
○議長(
前田賢一君) それでは、
一般質問を続けます。 4番、上田議員。 お待たせしました。
◆4番(
上田勝之君) (質問席) それでは、
一般質問を続けさせていただきます。 3項目めの学童保育の王子ヶ浜小学校区内への開設を求めるものです。 今議会の補正予算案に、旧三輪崎幼稚園の園舎を学童保育、子育てクラブパンダハウス用に転用、改修する費用が上程されています。リニューアルによる公共施設の活用と、子育て支援施設の充実という好事例だと考えます。三佐木蜂伏地区にはもう一カ所、蜂伏に学童クラブ虹が開設されており、三輪崎小学校校区内に2カ所の学童保育があります。新宮地区には井の沢放課後児童クラブたんぽぽが、
教育委員会の事務所跡をリニューアルして開設されています。 この井の沢放課後児童クラブたんぽぽ、現在利用している児童は、神倉小学校、王子ヶ浜小学校、それぞれ何名でしょうか。
◎
子育て推進課長(
辻本美恵君) 神倉小学校は32名、王子ヶ浜小学校は26名で計58名の児童が利用しております。
◆4番(
上田勝之君) 井の沢放課後児童クラブたんぽぽは、神倉小学校から通ってくる際には、国道42号の横断歩道と、以前、交差点の注意喚起の青色カラー化を行っていただいた井の沢隣保館交差点の2カ所が危険箇所ですが、そのほかは、おおむね車の通行量が少な目で比較的距離が短いのですが、王子ヶ浜小学校から通うには距離も遠く、市田踏切から野田を通っても、田鶴原橋を通っても、車の通行量も多く、また距離も遠いことなどから、不審者対策の観点からも安全面が懸念され、やはり一つの小学校区内に一つの学童保育施設の開設が必要だと考えます。 その際に確認させていただきたいのですが、令和2年度の市立幼稚園、丹鶴幼稚園と、王子幼稚園の申し込み状況はいかがなっていますか。お尋ねをいたします。
◎
学校教育課長(
富田英之君)
一般質問の日程終了後に開催予定の教育民生委員会にて御報告させていただく予定でしたが、御質問いただきましたので、回答させていただきます。 まず、丹鶴幼稚園につきましては、3歳児が8名、4歳児が1名、5歳児が4名の応募でございました。王子幼稚園につきましては、応募者がなしという状況でございまして、令和2年度、王子幼稚園については休園させていただく方向で進めさせていただいております。
◆4番(
上田勝之君) 王子幼稚園の申し込み者がゼロ名、令和2年度は休園の措置という御答弁でした。 この要因について、
教育委員会はどのように捉まえていますか。
◎
学校教育課長(
富田英之君) 要因として考えられますのが、認定こども園の増加でありますとか、幼児教育の無償化、そういうものが始まった中で、保護者の皆様が自分の働き方等との兼ね合いを考えられた結果、幼稚園ではなく、保育所、保育園、認定こども園を選択されたのではないかというふうに考えております。
◆4番(
上田勝之君) この事象は、確か以前、榎本議員も
一般質問等でこういった事象が起きるのではないかというようなことを質問をされていたと記憶しておりますが。 それでは、令和3年度以降、旧三輪崎幼稚園のように、王子幼稚園は令和2年度に休園という措置をとられるのであれば、募集停止なり、その後、閉園という方向で考えられているのでしょうか。
◎
学校教育課長(
富田英之君) 王子幼稚園につきましては、来年度、令和2年度でございますが、早い時期にニーズ調査を行わせていただきまして、継続か、または閉園かについて決めていきたいと考えております。
◆4番(
上田勝之君) そこで、この王子幼稚園の園舎を活用して王子ヶ浜小学校の児童の学童保育を実現できないかと、私は考えます。王子ヶ浜小学校敷地に隣接といいますか、一体の用地内にあり、特に低学年の
子供たちにとって遠い距離を通わなくてもよくなり、交通安全面や、先ほど申し述べたように、不審者等の不安も拭えるのではないかと考えます。 また、井の沢放課後児童クラブたんぽぽも
教育委員会事務所跡に移転しましたが、施設面積と現在の利用状況を見れば、元気のいい
子供たちもたくさん通われているようですから、少々手狭になっているのではないかと思います。 この王子幼稚園の1年間の休園期間中に、学童保育を運営してくれるスタッフの先生方の確保など課題はありますが、その課題解決に向けて、一つの小学校区内に一つの学童保育の開設、これをぜひとも実現させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
◎
子育て推進課長(
辻本美恵君) 学童保育はおおむね40人以下が望ましいと言われていますが、現在、先ほど申しましたように、井の沢放課後児童クラブたんぽぽには、神倉小学校と王子ヶ浜小学校の58名の子供が利用しております。来年度の利用申し込みを今とっているところですが、希望が多く、
優先順位をつけなくてはいけないような状況になってきております。 また、国も小学校の余裕教室を利用することを進めていますので、課題はたくさんあり、ハードルも高いと思いますが、子供の安全性も考慮しまして、担当課といたしましては、一つの小学校区内に一つ学童保育が望ましいと考えております。
◆4番(
上田勝之君) そうですね、ぜひその辺進めていただきたいと思うんですね。課題は確かにたくさんあると思います。 ただ、子育て支援策としては、これは新宮市では、田岡市長の英断により中学校卒業までの医療費の無償化、これを実現させました。また、その後、国のほうにおいても、先ほど御説明にもございました、幼児教育、保育料の無償化というような大きな措置がとられております。こういった点からも、経済的な支援というのは、かなり充実をしてきたのではないかと考えます。 私は、6月議会において、子育て支援策の今後の充実はソフト面で拡充していくべきではないかと訴えました。病児、病後児保育や、あるいは学童保育や児童館の土曜、日曜など休日の開設日数の増加や、土曜日の時間延長などです。夫婦共働きがスタンダードになっている生活状況でもあり、あるいはまた、新宮市の場合、ひとり親家庭も増加しています。子育て世帯の保護者がフルタイムで働くことはもちろん、パートタイムでも夕方から深夜帯といったような時間に働くという働き方の方も少なくありません。 今後の子育て世帯への支援としては、育児と就労の両立支援を行っていく、新宮市で子育てしやすい環境をつくることが魅力あるまちづくりと考えます。 こういった点においても、一つの小学校区内にやはり学童保育、あるいは放課後健全児童育成事業、そういった形で、ぜひとも王子ヶ浜小学校、これは王子幼稚園の休園という措置がとられることもあって、この園舎をリニューアル活用するような形でぜひとも進めていただきたいんですが、教育長の考えをお聞かせいただけますか。
◎教育長(
速水盛康君) 私もそのように考えております。できるだけ学校を開いていくというんですか、その敷地内での子供の放課後の生活を安定させるということは、非常に大事な教育的な営みであると考えてございます。
◆4番(
上田勝之君) ぜひ、この休園中の間に、課題解決に向けて実現を図っていただきたいと思います。 それと、私、これも以前から提案させていただいているんですけれども、この学童保育の市の担当部署の問題です。 子育て世代包括支援センターも開設されますが、実情に応じて、この子育て世代包括支援センターというのは、18歳までの
子供たちと、その保護者も対象になるようなんですけれども、そういったような柔軟な運用を求められているわけなんですが、やはりその中でも、母親の妊娠期から特に3歳までの子育て期に重点を置く、そういったようなことがガイドラインでも示されております。 私は、やはり
子供たちが小学校就学を一つの区切りとして考えて、小学校就学前までを子育て推進課、小学校就学後は
教育委員会が担うほうが、市民の方、あるいは子育て世代の保護者にとってもわかりやすい、非常に相談しやすい、そういったような形が望ましいんではないかと考えます。これは以前にも何回か質問をさせていただいていますし、提案もさせていただいているんですけれども、学童保育の担当部署は
教育委員会が担ってはどうかと本当に思います。改めてお尋ねをいたします。
◎教育長(
速水盛康君) 対象は、就学前、就学後の子供になるわけですが、中には、放課後の子供の保育をどのようにして支援をしていくか。それが保護者支援であったり、家庭支援であったり、あるいは子育て支援であるという、そういった福祉的な視点からのこの支援であるというふうに考えますと、私は、一体的に就学前も就学後も同じ所管をしているところが、一体的にその中身を福祉的な視点に当てて取り組んでいくことではないかと思っておりますが、今、御提案をいただきましたんで、一度担当課の
健康福祉部とも一度意見交換をしながら検討させていただきたいなと思っております。
◆4番(
上田勝之君) 当然、学校畑御出身の専門職でいらっしゃる教育長に対して大変申しわけないというか、大変失礼になるかもしれませんが。小学校就学前と小学校就学後で、なぜその年齢で、そういう担当課をきちっと分けたほうがええ。私は思うには、
子供たちの成長というのは、やっぱり学校に行っているか、行っていないかにかかわらず、6歳になれば6歳児、5歳までは5歳児と、5歳児から6歳児になる段階で、いわゆる年齢によって成長がそれぞれ、それがこちらももともと厚労省の福祉行政、あるいは幼稚園教育、文科省というような縦割りの弊害が非常に言われており、保育と幼児教育と、じゃ何が違うんだということというのは非常に言われていたわけですよね。それが国のほうでは内閣府になって認定こども園とかというような形になってきたんですが、やはりいまだに保育のいわゆる福祉的な行政と、幼児教育、これは幼稚園と保育所の違いですけれども、そういった部門で、当然、学校畑と、学校の畑という言い方は失礼、学校の分野と、教育の分野と福祉的な分野の違いというのは当然生じるのかもしれないですけれども、年齢に応じて担当部署、あるいはそこの教育の部門が担う、それも実際の現場ではなくて、学童保育を所管する事務方の部分の整理統合だと思うんですね。学校部門で、学校の教育の専門分野のことに関して担っていただくというよりも、その事務を所管する、事務の業務をしっかりと区切りをつけるということを、そうすることが保護者の方にとってもわかりやすいんではないかと思うわけなんです。これは全く素人考えなのかもしれませんが。
◎教育長(
速水盛康君) よくわかります。そういう御意見についてよくわかりますので、先ほども言いましたように、私自身は、今御指摘ありましたように学校の立場ということがございまして、学校管理下にない時間帯なんですね、放課後というのは。そもそも学校管理下にない時間帯になるものですから、それを教育で所管するということが、ちょっと整理ができないところもありますので、福祉的なところの専門的な
健康福祉部と、一度意見交換をしながらすり合わせてみてどうなのかなという。 今、御指摘あったのは中身じゃなくて、所管をもう少しわかりやすくしてもらいたいということですので、事務的な作業になると思いますので、少し意見交換をさせていただきながら勉強させてもらいたいなと。そのようにお願いをしたい。
◆4番(
上田勝之君) その辺はお願いをしたいと思うんですね。 何というんですか、少なくとも王子ヶ浜小学校と王子幼稚園の園舎、三輪崎小学校と旧三輪崎幼稚園の園舎、神倉小学校であれば、現在であれば、井の沢のたんぽぽというような形で、特に王子ヶ浜の場合は隣接した一体の敷地というか、一応隣接した形にはなっております。だから、実際の学校現場ということではなくて、保護者の皆さんが相談に行かれるときに、子育て推進課は小学校就学前まで、ここからはもう
教育委員会へ行ったほうがわかりやすいというような形が、私は思いますので、ぜひ一度御検討をいただければと思います。 それと、話は、こちらは今度はもっと大きくなりますが、思えば、旧新宮市と旧熊野川町が平成17年に合併後14年を経過しました。平成17年に合併後、新宮市内の小学校の統合と、新宮市立の幼稚園、保育所のあり方を、議会では、榎本議員を委員長とする教育環境検討特別委員会を立ち上げました。そして、
教育委員会では、新宮市教育環境整備計画審議会を設置して、ともどもに議論を重ね、時には議会が主導する形で結論を導き出しました。 そのときの結論は、小学校、中学校に関しては小中連携、それによる神倉と緑丘、王子ヶ浜と城南、三輪崎、光洋、高田小中、熊野川小中というような、小中連携ということを一つの結論として導き出して、そして新宮市立の幼稚園、保育所に関しては、スタンダードとして一つの保育所、一つの複数年齢の幼稚園というような形で、大浜と熊野地の保育所の統合でありますとか、丹鶴幼稚園の複数年保育、そういったような形で、少し過渡期は経ましたけれども、一つの結論を導き出してそういう形に落ちついてまいりました。 そして、その跡地の有効利用として、これは本当に当局の皆さんや議会の中でもいろいろ議論があったんですけれども、丹鶴小学校の用地に文化複合施設というようなことが計画されてきた経緯があります。その文化複合施設に関しては、私もいろいろ考えを述べさせていただいたんで、最終的には意見が異なってしまった点はありますが、そういった中で十数年経過し、悲しいかな、どうしても新宮市の人口減少、あるいは少子化が進む状況の中で、今朝ほどの
松畑議員の質問にもありました。中学校のクラブ活動の問題であるとか、一つの学校だけでなかなか組織編成ができない。それは、
松畑議員、いろいろ提言されていましたけれども、そういったような複数の学校で一つのチームをつくるというような、クラブ活動をするような形式も生まれてきております。 今後、新宮地区の中学校の存続や、あるいは体育館等を初めとして、こちらも今議会の補正予算にありますけれども、王子ヶ浜小学校の体育館の改修に向けての設計予算が補正予算案として計上されています。そういったような教育施設の老朽化、大浜体育館なんかもそうですよね。そういうような社会教育施設に関してもそうです。そういったような老朽化してきている、こちらの更新等の新たな教育環境の整備について検討を始めるべきではないかと、私は考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。
◎教育長(
速水盛康君) 子供の数が確実に減少しているということは事実でありますし、将来も恐らく減っていくということが見込まれています。その中で、どういうふうな教育を新宮の
子供たちに与えていくかというところの教育内容をしっかりと、今、御指摘いただいたように充実させていくということが学校統合をすることによって大きな成果が得られると。そういう見通しを持った中で、一つは教育内容として学校統合について考えていくという、一つあると思います。 もう一つは、御指摘あったように、非常に正直言いまして施設が老朽化していると。それで、今年度、学校施設の劣化度調査というのを実施しまして、令和2年度に長寿命化計画を策定するということになっております。その結果が令和2年度に来るものですから、その結果をもとにして、劣化度などをもとにいたしまして、早急にこの校舎の問題と学校統合の問題というのは、現実に考えていく必要があるかと思っております。 ですので、今まではある程度ぼんやりと教育内容だけのことに絞って、果たして学校統合が教育活動として適切なのかどうかということを議論してきましたが、いよいよ目の前にある建物がだめだという状態になってきた場合には、そのような結果になってきた場合には具体的にそのことも勘案しながら、あわせて学校統合のことは計画的に進めていく必要があるというふうに考えてございます。
◆4番(
上田勝之君) 今、教育長がお答えいただいたように、やはり
子供たちの教育という部分が一番、私は大事な部分だと思います。統合によってそれがよくなるんであれば進めるべきだし、どちらかと言えばマイナス面のほうが多いというんであれば、それはやっぱり現時点では見合わそうということは、当然そこが一番ポイントなんだろうと思います。それは、例えば、学力にしても、あるいはスポーツにしても、文化活動にしてもそうなんだろうと思います。やっぱりそこが一番ポイントなんだろうと思います。 市町村合併後の小学校の統合の議論では、もう少し期間が長く、当時も一般の市民の方からなぜ中学校を統合しないんだ、緑丘と城南統合しないんだ、緑丘校歌に900人で作詞されているんですよね。それが年々年々3分の1ぐらいになっている。もっと減ってきているかな。そういったような状況の中では、そういった御意見も非常に多く、お叱りを受けるような御意見も頂戴しました。ただ、議会の榎本委員長が務めていただいた教育環境検討特別委員会の中では、やはり小中連携、そういったようなことを重きを置いて、どの学校も同様に小中連携を図りながら新宮市の
子供たちが育まれる環境を整えていこう、そういった中で、当時議論したのを思い起こします。 ただ、少しどうしても少子化の進行が速いんですよね、残念ながら。こちらは本当に解決せなあかんのですけれども、こちらの課題というのはなかなかすぐには解決しない。そういった中では、やはり今後どうあるべきか、それとやっぱり施設の老朽化というのは、市役所全体で公共施設等の計画、存続や統廃合とか、いろいろなさまざまな学校施設だけではない、教育施設だけではなくて、そういったものの中で、しっかりと議論しながら、その中で
子供たちの教育環境がどうあるべきか、あるいはその結果によって公共用地が有効活用できる、それによって、例えば、大浜の体育館をどうしていくんだというような形をしっかりと今から議論を始めていただくことが大事なんだろうと思いますので、その点をよろしくお願いいたします。 それでは、続きまして、4項目め、国土強靱化地域計画と新宮市の防災対策。 この防災対策ということでは、ことしも全国各地で台風の襲来、あるいはきのうも北海道の宗谷岬付近では大きな地震も起こっておりますし、頻発しております。これは、きのうも松本議員も指摘されておりましたが、本当に大規模自然災害に備えるということは大変大事であります。 その中で、平成25年12月に制定された、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法というものが制定されました。その第13条に基づき、いかなる大規模自然災害等が発生しても人命の保護が最大限図られ、迅速な復旧・復興を可能にする施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国土強靱化地域計画を定めることができるとされています。
令和元年12月現在、全国で120の市区町村が策定済みで、865市町村が策定中、もしくは策定を予定しているとのことです。 新宮市、この国土強靱化地域計画への取り組みはいかがなっていますか、状況についてお尋ねをいたします。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) 新宮市の国土強靱化地域計画でございますが、現在、まさに策定中、策定作業を進めているところでございまして、今月中には策定が完了する予定となっております。
◆4番(
上田勝之君) 今月中に策定がされるということなんですね。 その策定される計画は、地方公共団体におけるさまざまな分野の計画等の指針となるものとガイドラインではうたわれております。 その中では、その地方公共団体の最上位計画、総合計画よりも最上位にもってくるという最上位計画に位置づけるタイプと、総合計画と整合、調和を図りながら並列の上位計画とするタイプ、あるいは地域計画と総合計画を一体的に策定するタイプなど、計画策定パターンがガイドラインでは示されておりますが、新宮市の地域計画は、このような最上位計画なのか、あるいは総合計画と並立を図って整合、調和をとっていくようなタイプ、どのようなタイプを検討されているのか、その内容について御説明を願います。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) 新宮市の地域計画につきましては、まず国の国土強靱化基本計画や和歌山県の国土強靱化計画を踏まえまして、これらの計画と調和を図ることを意識して策定いたしております。いわゆる国土強靱化基本法には、地域計画以外の国土強靱化に係る市町村の計画等の指針となるべきものとして定めることができると規定されておりまして、議員のおっしゃる最上位計画という位置づけなど、例示されておりますタイプ以外の策定方法も可能でございます。 そこで、新宮市の地域計画につきましては、県の企画総務課とも協議、相談を重ねまして、市の総合計画との整合、調和を図る形で策定を進めております。
◆4番(
上田勝之君) ありがとうございます。 実は、この国土強靱化地域計画、特に市町村が策定する計画なんですけれども、全国的には、なかなか策定が進んでいなかった状況だったんですね。 ただ、令和2年度から、地域計画に基づいて、この策定した計画に基づいて実施される取り組み、または明記された事業において、補助金、交付金等の重点配分、あるいは優先採択、そういった形が行われ、さらに令和3年度からは、計画に盛り込まれている、明記されていることが交付要件となる、要件化が検討されるというか、こちらの方向に実施されると。つまり、国土強靱化地域計画が策定されていないと、来年度からは補助金、交付金が受けられなくなる可能性が高い、あるいは競争に負けてしまうと言ったら変ですけれども、全国的にはどこもそういったような防災対策、あるいはハード対策をしっかりやっていこうという中では、やっぱりどうしても策定しているところで、明記しているところと差がついてしまう。そういったことが国のほうから示されたがために、先ほど申し上げたように、865市町村が策定中、もしくは予定中と大変大慌てで策定をしているような状況ではないかと思っております。 この国土強靱化地域計画に明記されている事業や、あるいは取り組み等で重点配分や優先採択、要件化などに該当する補助金、交付金は、どういった事業が対象なのでしょうか。また、新宮市が今後計画している対象事業はあるのでしょうか、お教えください。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) 国の九つの府、省庁の所管の34の交付金、補助金に関する事業が対象になっておりまして、地域計画に基づいて実施される取り組みについて、令和2年度から重点配分や優先採択などが始まるということで理解しております。 なお、新宮市が今後計画している事業につきましては、補助金や交付金が確実に受けられるよう、財政課を初め各課とも情報共有を密にしまして、地域計画中の実施方針、実施する取り組みなどの記載に漏れがないよう留意してまいりたいと考えております。
◆4番(
上田勝之君) 今議会の
一般質問でも防災対策、あるいは防災ラジオ等について、多くの議員の皆さんが質問をされております。実はきょうお昼前に終わったもんですから、お昼休みの最中にお昼のお知らせが流れてきたんですよね。やっぱりスピーカーが正面を向いているところは物すごく聞こえると。たまたまおられた方が歌を口ずさんでいたんですよ。じゃあ、ふだんの状況はどうですかと聞くと、この正面向いたあるところは防災行政無線もやっぱり聞こえてくると。きっちり聞こえてくると。でも、私、自分のところに行ったら、全く聞こえんのやと。そういったようなお話をたまたま伺ったんですね。 そして、この国土強靱化地域計画を策定していく上では、この情報伝達の不備による人命の危険にさらすこと、こういったようなリスクというのが大きくうたわれているところがどこもあるわけですね。どこの計画を見せていただいても。やはり、情報伝達の不備というものを解消しなくてはならないということが言われております。 例えば、大地震や津波、大型台風や記録的短時間集中豪雨などが発生した際に、やはり当然そういった際には、地震の場合はちょっと違いますけれども、そういった際には雨戸を閉め切っている。風雨も強い、あのスピーカーからの声というのは風に乗ってしまう。どうしても聞こえないところが出てくる。そういったときに、各議員からもさまざまな提案、FM波を使ってはどうか、あるいはこういった電波帯を使うような放送システムはできないかとか、そういったような御提案ございました。 では、こういう避難情報伝達の不備を解消するための防災ラジオや戸別受信機の配付といったような事業は、そもそも重点配分や優先採択、要件化はその翌年度ですけれども、重点配分や優先採択の事業となり得るのでしょうか。いかがでしょうか。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) 防災ラジオや戸別受信機の配付につきましては、県のほうにも確認いたしましたが、補助金、交付金の対象にはならないとのことでございました。ただ、補助金、交付金の対象にはなりませんが、市がこのことに取り組むことになる場合には、市の強靱化に係る強靱化に資する取り組みにもなりますので、地域計画のほうにのせることになると思います。
◆4番(
上田勝之君) ただ今後、総務省、総務大臣の発言なんかもございますし、やはり全国的には同様の問題というのは当然多々あるわけです。戸別受信機や、あるいは防災ラジオの配付といったことが、結構全国的に、それは有償、無償もありますし、全世帯に配るんだ、そうでないんだといったような違いは多々あると思います。それは鋭意研究を進めて実現へ向けて進められていくというお答えを、他の議員の質問の中でもされておったかと思うんですけれども。今後、国の施策のほうとしてもどう変わってくるかもわかりません。そういったような財源的にもどうしていくんだというあたりも、しっかりと注視しておいていただきたいと思うんです。 それに加えて、本当にことしは台風災害、台風19号を初め全国各地で台風、集中豪雨による甚大な被害が相次ぎました。当地方も8年前の紀伊半島大水害、平成29年の集中豪雨による市街地の浸水被害等、大型台風や集中豪雨からの被害軽減策にどうしても関心が向きます。屋敷議員も取り上げられていましたが、熊野川や市田川の対策、こちらのほうも、本当に賢明な努力によって一歩も二歩も前進してきているとは思います。 だけど、やっぱり新宮市のリスクはそれだけではないんですね。これも忘れないで取り組まなくてはいけません。大規模地震による津波、津波避難、こういった点が、やっぱり一つ、水害のほう、どうしても近いところで受けた被害のほうが頭に残る。ただ、リスクとしては、津波被害も本当に考えていかなくてはなりません。 例えば、大浜地区においては、盛り土の堤防を兼ねた高速道路の建設、こちらは要望していかなければなりませんが、大浜の住宅付近の沖側を高速道路が、いよいよ今ドローンを使って測量をされていますけれども、国土交通省によってドローンを使って測量をされてルート選定がされているところではありますが、いよいよこちらの盛り土にしてほしい、盛り土で堤防兼用にしてほしい、あるいはあけぼの側、河口大橋、新宮紀宝道路の河口大橋の取りつけ部分が盛り土工法によって、そこで堤防のかわりになって食いとめられるんではないか。そういったようなこともいろいろ整備は進んでおりますし、王子製紙の跡地の高台や旧蓬莱小学校の高台等、これもいろいろ御意見はありますが、いろいろと整備を進めています。まだまだ新宮地区も十分とは言えませんが、一つの計画、そういったような方向性は見えてきているんだろうとは思います。 だけど、やっぱり三輪崎や佐野地区、津波避難タワー等の津波避難施設、こちらも本当に着手すべきではないかと私は考えます。これらの避難タワーも重点配分や優先採択の事業となり得るものなのでしょうか。補助金、交付金事業に該当していくのでしょうか、お尋ねをいたします。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) 避難タワー等の避難施設の整備につきましては、交付金、補助金の事業に該当いたします。
◆4番(
上田勝之君) そうなんですよね。やっぱりこちらも該当していくわけです。 こういったように、新宮市、財政は厳しい部分も、そうでない部分もしっかり注視しながらというような、どちらかと言えば大丈夫だということを、きのうでしたか、お答えがあったかと思うんですけれども。でも、新規に事業をしていくということは財源的には非常に厳しいんだと、私は思うんですね。 今、国の政策の動向も、自治体にとっては、どちらかと言えば有利な方向に進んでいるように思いますんで、しっかりとそういった重点配分や優先採択、こちらも我々といいますか、私ども議会のほうもしっかりみんなで一致協力をして、地元選出の国会議員や、さまざまな形で支援をいただけるよう、支援をかち取れるように積極的に活動をしていきたいと思いますので、ぜひ、こういったような、本当に市長が言われるように市民の命を守る、一人の犠牲者も出さない、そういったような決意のもとに、そういったことを、せっかく国土強靱化地域計画を立てられて、その中に避難施設等も盛り込まれるんであれば、盛り込まれるんであればではなくて、ぜひ盛り込まなくてはならないと思いますが、そういったような海岸部に住宅地の多いような地域にしっかりと避難施設を建設していく、そのために財源確保に向けて、かつ行動を起こしていく、そういったことが求められるんだろうと思います。 いずれにいたしましても防災ラジオの配付や津波避難タワーの建設は、本当に人命を守るための最優先に取り組むべき課題であり、その財源を国土強靱化の各施策に求めて確保する。そのために制定されるわけですが、ぜひ国土強靱化地域計画の着実かつ早期の制定をお願いしたいと思います。 さて、もう一点ですが、和歌山県では、平成13年4月に施行された土砂災害防止法に基づいて、土砂災害が発生するおそれのある区域を明らかにし、警戒、避難体制の整備を図るとともに、一定の開発行為を制限する区域ほか建築物の構造規制を行うような土砂災害警戒区域の指定が実施されています。 土砂災害も、土石流、急傾斜地崩壊、地すべりに分類され、それぞれに特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンと警戒区域、イエローゾーンに指定されてきています。この特別警戒区域と警戒区域、それぞれどのような規制内容なのでしょうか、お尋ねをいたします。
◎
防災対策課長(
佐藤尚久君) まず、イエローゾーンにつきましては、土砂災害が発生した場合、住民の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域でありますが、指定をされていない区域と同様に、建築行為や開発行為について特に規制は受けません。 一方、レッドゾーンにつきましては、土砂災害警戒区域の中でも建築物に損壊が生じ、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域ということになります。このレッドゾーンの規制内容としましては、宅地分譲や社会福祉施設の建設など特定の開発行為を行う場合に県知事の許可が必要になること。また、居室を有する建築物の建築等については、着手する前に構造が土砂災害を防止、軽減するための基準を満たすことになっているか確認を受けるため、建築確認申請が必要になることが規定されております。 さらに、レッドゾーン、イエローゾーンともに不動産取引におきまして、宅地建物取引業者は、対象物件が区域内である旨など重要事項説明を行うことが義務づけられております。
◆4番(
上田勝之君) やっぱりレッドゾーンというのは、かなり規制が厳しくなるということなんですよね。けさほども新宮城の南側斜面の点については、やはりレッドゾーン区域であるということで、樹木の除去については非常に厳しいんではないかというお答えがございましたが、この土砂災害警戒区域等の指定というのは、和歌山県によって順次行われているんですよね。新宮市域内は、今後、指定地域がまだまだ増加する見込みでしょうか。
◎
都市建設課長(
木村雅洋君) 本市におけます土砂災害警戒区域の指定につきましては、
令和元年11月19日現在、警戒区域が546カ所ございまして、そのうち493カ所が特別警戒区域に指定されてございます。また、現在、南檜杖の3カ所が指定準備中であるとともに、熊野川町において2カ所追加指定を予定していると聞いてございます。 和歌山県に確認しましたところ、令和2年度中に市全体の指定が完了予定と聞いてございまして、その後につきましては、新たな住宅の建設や道路が新設された箇所を5年に1回見直しを行って、要件を満たす場合には、新たに区域指定を行っていくということを聞いてございます。
◆4番(
上田勝之君) 最終的に南檜杖、熊野川の地域が指定を受けて、新宮市内は当面完了というような形ですよね。その際には、やっぱり市民の方々に対して土砂災害警戒マップといったようなものを、本当に津波のハザードマップ、洪水・浸水のハザードマップ、それで土砂災害と、これもなかなか市民の方々には大変なんですけれども、やっぱりしっかりとお知らせ、広報・啓発していかなくてはいけない。そういったこともあわせてお願いしたいと思います。 ただ、やっぱりこの新宮市、なかなか平地が少ない土地柄でもあります。旧新宮といいますか、旧新宮地内、あるいは三佐木地区、海岸部、なかなか平地が少ない土地柄、すぐ山がどうしても急峻に立っているような地形でもございます。 そういった中で、市内にも丘のような、山のような、小山のような地形も幾つか存在します。そういった場合には、津波避難施設としては有効に利用できるんですけれども、そこの近接地がこの土砂災害警戒区域などに指定されれば、新宮市のまちづくりにとって大変大きな、障害という言葉が適切かどうかは別として、そこにどう対応していくかというのは非常に悩ましい問題なんだと思います。 レッドゾーンの場合ですと、これはなかなか規制も当然かなりかかりますので、かなり危険な地帯ということで、これはもう当然、公共施設等々の配置というのは難しいと思うんですが、いわゆるイエローゾーンは、先ほどの説明では特に規制はない。ただ、やはり注意はしておくことが必要だというような指定だと。そういったようなケースの際に、有効活用できる公共用地や、あるいは公共施設を配置しようとした場合に、非常に悩ましい問題が、悩ましいのは、そのイエローゾーンに公共施設を配置していいのかどうかというような課題が出てくるんだと思うんですけれども、そういったような課題について、市長、公共施設の配置に、まちづくりの観点からと、いわゆる土砂災害警戒区域、危険度はレッドゾーンほどではないけれどもというような場合に、どういった判断をしていくのか、そういったような市長のお考えをお聞かせください。
◎市長(
田岡実千年君) レッドゾーンにおいては、やはり公共施設等、特に整備することはなかなか難しいと思っておりますが、イエローゾーンは、大変多くの箇所がまちの中でも指定されたりしておりまして、そこを全然、公共施設が整備できないとなれば、非常にまちづくりにとって厳しいものになってまいりますので、先ほど、答弁、イエローゾーンについては特に法律的には規制等はないという中で、そのところに公共施設を仮につくりたいとなったときには、やっぱりしっかりといろんな面で調査して、使えるところは使っていくべきだというふうには思ってございます。
◆4番(
上田勝之君) ぜひ、その辺は慎重に考えていただいて、やはり安全面も考慮しつつしっかりとまちづくりを進めていく、そういったような中で御検討をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で、
一般質問を終わります。
○議長(
前田賢一君) 以上で、
一般質問を終了いたします。
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△休会について
○議長(
前田賢一君) 以上で、本日の
議事日程は終了いたしました。 この際、お諮りいたします。 議会運営の都合により、あす12月13日から12月19日までの7日間休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
前田賢一君) 御異議なしと認めます。 よって、あす12月13日から12月19日までの7日間、休会とすることに決定いたしました。
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△散会の宣告
○議長(
前田賢一君) 以上により、次回の本会議は12月20日午前10時から会議を開きます。 本日は、
議事日程のとおり、その議事を終了いたしましたので、これにて散会いたします。
△散会 午後2時22分...