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06月20日-03号

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  1. 新宮市議会 2018-06-20
    06月20日-03号


    取得元: 新宮市議会公式サイト
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    平成30年  6月 定例          平成30年6月新宮市議会定例会議録             第3日(平成30年6月20日)---------------------------------------議員定数17名、現在員16名、出席議員16名、氏名は次のとおり。                             1番  北村奈七海君                             3番  杉原弘規君                             4番  大石元則君                             5番  松畑 玄君                             6番  前田賢一君                             7番  福田 讓君                             8番  辻本 宏君                             9番  榎本鉄也君                            10番  久保智敬君                            11番  濱田雅美君                            12番  上田勝之君                            13番  東原伸也君                            14番  田花 操君                            15番  松本光生君                            16番  屋敷満雄君                            17番  大西 強君---------------------------------------欠席議員 なし。---------------------------------------議事日程 平成30年6月20日 午前10時開議 日程1 一般質問      別冊 一般質問通告表 番号(4)から---------------------------------------会議に付した事件 日程1 一般質問      別冊 一般質問通告表 番号(4)から(6)まで---------------------------------------地方自治法第121条の規定による出席者               市長               田岡実千年君               副市長              向井雅男君               企画政策部               部長               新谷嘉敏君               企画調整課長           尾崎正幸君               商工観光課長           勢古口千賀子君               総務部               部長               小谷 充君               参事(防災及び危機管理担当)   西 利行君               総務課長             山下泰司君               財政課長             小林広樹君               防災対策課長           山本茂博君               市民生活部               部長               平見仁郎君               生活環境課長クリーンセンター長 稗田 明君               健康福祉部               部長兼福祉事務所長        田中幸人君               子育て推進課長          辻本美恵君               健康長寿課長           河邉弘ミ子君               建設農林部               部長               田坂 豊君               都市建設課長           宇井俊治君               農林水産課長兼農業委員事務局長 平見良太君               熊野川行政局               局長               名古一志君               参事兼住民生活課長        澤 隆弘君               医療センター               事務長              中前 偉君               水道事業所                所長               畑尻英雄君               消防本部               消防長              川嶋基正君               教育委員                教育長              楠本秀一君               教育部               部長               片山道弘君               次長兼教育総務課長        北畑直子君               学校教育課長           嶋田雅昭君               文化複合施設建設推進室長     須崎誠久君---------------------------------------本会議の事務局職員               局長               久保欽作               次長兼庶務係長          岸谷輝実               庶務係主任            中尾 愛               次長補佐兼議事調査係長      岡崎哉               議事調査係主事          大居佑介             第3日(平成30年6月20日)--------------------------------------- △開議 午前10時00分 △開議の宣告 ○議長(屋敷満雄君)  おはようございます。 ただいまの出席議員は16名であります。 定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、別紙にて配付いたしたとおりであります。御了承願います。--------------------------------------- △日程1 一般質問 ○議長(屋敷満雄君)  日程に入ります。 日程1、一般質問を行います。 この際、一般質問の発言順序の変更について、御報告いたします。 発言番号4番、久保議員が12番へ、発言番号12番、北村議員が4番へ変更いたしましたので御了承願います。 別冊、一般質問通告表の番号4から順次発言を許可いたします。---------------------------------------北村奈七海君 ○議長(屋敷満雄君)  1番、北村議員。 ◆1番(北村奈七海君) (質問席) おはようございます。 今回は、順番を入れかえさせていただいて、きょう一番にさせていただきます。よろしくお願いします。 通告のとおり、今回も文化複合施設についてを主にやっていきたいと思います。 文化複合施設なんですが、きのうも同僚議員からも質問がありましたとおり、かなり金額も高額になり、本当にこの計画を進めていって今後の新宮市の財政状況は大丈夫なのか、それが本当に市民のための建物になるのか、そういったことが私も同じように危惧している部分であります。 今、文化複合施設は実施設計に入ったところだと聞いております。実施設計に入ってしまえば、本来は建物の大きな設計変更はできないと聞いております。しかし、今、実施設計に手をつけ始めた今だからこそ、もう少し新宮市の将来のことを考えて設計を見直すべきだというのが、私の変わらない考えです。その考え方に基づいて質問をしていきたいと思います。 まず、項目として、①で施設のあり方、設計についてを質問していきたいと思いますが、その前に遺跡の話を少ししたいと思います。 遺跡に関して言うと、きのうも同僚議員からも質問がありましたとおり、どのように保存し、どのように活用していくのか、そしてまだ市民の皆さんの中にも遺跡は全部壊すのか、その上にどうやって建てるのか、まだまだ認識が浸透しているとは言いがたい状況かなというふうに考えています。 ちょっとその辺をよりきのうの答弁でも最後にまたしっかりと答弁していただいたと思うんですけれども、その遺跡に関して、私が一つずっと気になっていることがあります。それは、遺跡の保存の際に、歴史と文化を重要視する、歴史と文化を大事にするという新宮市のもともとの考え方があるはずですが、遺跡の保存に関しては、なぜかそういったものはもう過去のものなのだから壊してしまっても構わないであるとか、それよりも今からの文化複合施設建設のほうが重要であるというような声もたくさん聞きました。 ですが、文化と歴史を標榜する、そして私自身もこちらに来て、歴史と文化がとても深いまちだと思っている新宮市にとって、そういった発言が出てしまうのはすごくもったいないことだと感じています。 それで、何がもったいないのかというと、遺跡というものに関して、これは遺跡の保存だけには限らないんですけれども、現在の新宮市にとって学術的な視点を重要視する、または大事にするという視点が少し不足しているのではないかと思う部分です。 遺跡の話をしたときに、そういったものは専門家の言うことやから専門家と、言い方はちょっと悪いですけれども、専門ばかというような言われ方もして、そういった専門性を全面に押し出すことは市の発展とか文化の振興を妨げることになるから余り重要視しなくてもよいのではないかという声も聞きました。 しかし、遺跡の話には限らないんですけれども、やはり歴史の積み重ね、例えば新宮城もそうですけれども、やっぱりそこには学術的な研究とその研究の蓄積があって、初めてその価値が認められて、それが重要なものだというふうに市民の方たちの中にも浸透していくものかなと思います。 なので、遺跡というのはなかなかなじみがないものではありますが、そこに対してのまだ知の蓄積が不足しているだけであって、これからしっかりと研究が重ねられていけば、国史跡指定になりますよとだけ言われてもなかなかその価値というのは感じづらい部分はあると思うんですけれども、そこをしっかりと公的機関が市民の方に向けて広報していく、そして本当に新宮市には歴史と文化が根づいているんだなという市民的な感覚を醸成していく、それも私は文化行政という一つの行政的な役割だと考えています。 ですので、特に市長の発言の中には、ずっと遺跡は記録保存でいきますという姿勢を崩しておられなかったわけですが、そこには私が今言ったとおり学術的な視点というのが抜け落ちているというふうに考えています。学術的な視点がどういったものかといいますと、やはり事実を一つ一つ検証して、そこに間違いがないか、そしてこういった判断を下して本当に正しいのか、そういったことを一つ一つ積み上げていって、そこにきちんと自分たちで価値づけをしていく、そういった視点、そしてそういう働きができていないと感じています。 それが顕著だったのが、遺跡の保存の部分だと私は考えていますが、その姿勢が文化複合施設の大規模な予算の増加、そしてそれをずるずると許してきてしまったという姿勢につながっているのだと考えています。ですので、遺跡の保存をしてくださいというのは、もちろん私の考えでずっと主張してきた部分でもあるんですが、その根底としてはもう少し学術的な視点を行政の中にもしっかりとより取り入れていっていただきたいというものがあったので、そういう主張をしてきたということです。 そういった視点があれば、しっかりと感情だけではない理論に基づいて今後の財政、そして新宮市をどのように発展させていくかを私が新宮市が一番重要だと考えている歴史と文化をベースにして、形づくっていけるのではないかなと考えています。ですので、ちょっと遺跡の話というふうに言いましたが、より新宮市政には学術的な視点を大切にしていっていただきたいと思います。 ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、1番の施設のあり方、設計についてに入ってまいります。 1番、施設のあり方、設計についてで、図書館の面積10%減、1万6,000冊の開架書庫減はすべきでないというふうに項目を書かせていただきました。この項目のとおりなんですけれども、その前に前提の確認として、文化複合施設の設計がどのように変わったかを大まかなところだけ抜き出してみたいと思います。 もとの設計では、建築面積が約1万平米で、ホールが約1,000席を想定していました。そして、舞台の大きさですが、これは基本計画に18メートル掛ける15メートルということで記述がありました。そして、大ホールとほかに小ホールもあるという計画でした。そして、図書館は開架が約11万冊という話になっていました。 図書館のもともとの建築面積はどれぐらいでしたでしょうか。 ◎文化複合施設建設推進室長(須崎誠久君)  現在の図書館で、延べ床面積が約700平米でございます。 ◆1番(北村奈七海君)  新しく文化複合施設を建設した場合の図書館の面積数は700平米ではなくて、どれぐらいになるんですか。 ◎文化複合施設建設推進室長(須崎誠久君)  4階部分のいわゆる図書館の開架部分で約1,200から1,300平米でございます。 ◆1番(北村奈七海君)  すみません、ちょっと質問が余りうまくなかったと思うんですけれども、基本計画のときに図書館はどれぐらいの面積だったんでしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  基本計画では1,520平米を予定していました。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 図書館は今言われたとおり1,500平米ということなんですけれども、もとの設計というのは基本計画をもとにして、2棟案までどんどん計画が変わってきたんですけれども、現在は市民の皆さんも御存じのとおり、1棟案ということで1階から3階部分までがホール、そして4階に図書館という設計になっているんですけれども、そこで、建築予定場所も建物が丹鶴小学校の校庭東側から西側に移ったことによって、かなり縮小を余儀なくされてはいます。どのように変わったのかというと、現在見せていただいている設計では、ホール部分が座席数、実質816席、舞台の大きさが19.8メートルから10.8メートル、小ホールがなくなっているので、それは可動席を設置することによって、施設を代替できるような設計になっているとのことです。 図書館なんですけれども、先日の新聞報道でも大きく取り上げられていたと思いますが10%減ということで、まず面積が10%減ります。そして、その面積が減ったことによって、開架が約8万9,000冊少なくなるというふうに言われています。すみません、ちょっと今の8万9,000冊は申しわけないです。8万9,000冊減るのではなくて1万6,000冊減るので、開架が約8万9,000冊ということでもともとの図書館開架の11万冊から8万9,000冊に1万6,000冊減ということになっています。 それで、建築面積の縮小によってかなり無理をした設計になっているので、建設費の大幅な増をこういった形で無理をせざるを得ない部分で、減らすという設計になってしまっています。私は、そうはいっても図書館の10%減はするべきではないと考えています。そもそも4階部分に図書館を上げることになった時点で、それで本当に市民の皆さんが使いやすい図書館になるのかというのは疑問が残るものでありました。 また、図書館関係者の方から4階にできれば上げないでほしいという要望もあったというふうにも聞いています。ですので、10%減すべきではないのであれば、どのようにすべきかということなんですけれども、やはりこれは分離して別に移して1階に建設するということが望ましいのではないかと私は考えています。 もう一つ、折衷案ではないですけれども、開架書庫の不足を補うためにどのようなことが考えられるかということで、私もちょっといろいろ考えてみたんですけれども、その一つとして電子書籍の導入を検討するということは、もう少し検討してもいいのではないかと考えています。ちょっとお聞きしたいんですけれども、その開架書庫の不足の代替案として電子書籍の導入を検討するということは、課内で話し合われたことがあるんでしょうか。 ◎文化複合施設建設推進室長(須崎誠久君)  私ども建設推進室また文化振興課内で1万6,000冊減に伴う電子書籍のことについては、検討は今のところしたことがございません。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 今、したことはないということなんですけれども、やはり1万6,000冊の不足がどのような本を減らすことになるのかというのは、前回の委員でもどれを減らしますというような答弁ではなかったと記憶しています。ただし、その冊数が減ってしまうからといって、それを受け入れろというのは、私はやはり余りにも暴論だというふうに考えております。 この電子書籍なんですけれども、神戸市が先日試験導入したということで新聞記事にもなっていたんですけれども、私が調べたところRakutenOverDriveという、OverDriveというのはアメリカの会社なんですけれども、電子図書館サービスを展開している会社のサービスを導入したということを聞いています。 ちょっと導入費用、ランニングコスト、それから利用人数の伸びなどは、現在ちょっと問い合わせをしているところなので、これはまた別の機会にお伝えしたいと思うんですけれども、電子書籍についてですが、教育長は以前、私がVRで遺跡の復元であったりを検討してもいいんではないかというときに、おおむねそれもいいのではないかというような答弁をいただいていたような記憶があるんですけれども、この電子書籍に関して、今すぐ導入というのは難しいと思いますし、このサービスもまだ2013年ぐらいに導入した自治体が初めてということなので、その結果を待ってからでないと判断はつかないと思うんですけれども、電子書籍を導入していくということに関して、教育長はどのようにお考えでしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  今、国会図書館なんかで古文書とか、そういったものは電子化しています。私ども図書館の担当者として、郷土資料について熊野学に関する部分については原本を今来たら、見に来た方に提供して見てもらっているという、非常に傷むんで、このことについては電子化したいなという話をしたことがあります。 ですので、私が今考えておるのは、図書館の担当者と話したように、まず郷土資料、熊野学に関する部分は電子化していきたいなというふうな考えを持っております。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 教育長が言われるのは、いわゆる一次資料を二次資料として電子化していくということだと思うんですけれども、そこは意見の相違というふうになってしまうかもしれないんですが、私は熊野学という点に関しては、文献資料なども多いと思うんですけれども、そういったものはやはり一次資料としてしっかり残していって、閲覧しやすくするために電子書籍というか、電子化するのが一番ベストかなというふうに考えています。 あとは、本当にその図書館の一般書架として、雑誌であるとか、漫画本であるとかというのも、現在の図書館にも置いてあると思うんですけれども、そういったものから電子書籍を導入していくということが一番導入しやすいのかなと思ったんですけれども、そういったいわゆる一般書籍に関しては、現時点では、教育長としては導入というのはどんなふうに考えておられますでしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  電子化は進んでおりますから、それはいいことだなと思いますが、これもやはりコストが伴いますので、その辺のことが今、議員が提案していただいた、今初めて聞いたんですけれども、Rakuten何とかというんですか、そういったことが幾らぐらいかかるのかという問題もありますが、将来的にはそういう方向で、紙も私は大事だと思っていますけれども、電子化の書籍も導入することは大事じゃないかなと、そういうふうに思います。
    ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 どうしても、今後、私は紙の本がなくなるということは思っていないですし、絶対に紙で残すべき文献資料とかもありますので、紙の本はなくならないと思っています。ただ、私自身も電子書籍を読むその媒体を持っているんですけれども、やはりすごく便利で、また年配の方でもそういう電子書籍リーダーというんですか、を使われる方がいるんですけれども、やはりその文字を大きくできる拡大の機能がついているので読みやすいということで、年配の方でも電子書籍を読む方もふえているというふうに聞きます。 ですので、そういった新しい部分も導入していくというのが、これから図書館のあり方を考えていく中では必要かなと思います。ちょっと今回、コストのことに関しては議論ができないので、それはまた次に持ち越したいと思いますが、コストであるとか、ランニングコストであるとか、導入費用が幾らかかるのかというところも踏まえて、やはり図書館の開架書庫が減ってしまうというところにしっかりと対応していくという姿勢はあってしかるべきかなと考えています。このまま10%減らして、それでホール部分も減っているので、どちらも我慢してくださいということでは、文化の振興ということには余りつながっていかないのではないかと思います。 それで、電子書籍を導入すればそれでいいのかと言われると、やはりそうではなくて、本来、図書館というものがどういう機能を持つのかということを考えれば、どうしても別の場所に建設が望ましいという結論に私はなってしまいます。 ちょっとそこの議論を深く言っていくよりも、やはりそのように計画を変更していったほうがよいのではないかと考える理由として、今、その図書館の面積が減ってしまうことのほかに心配していることがあります。それがどういうことかといいますと、入札が不調になった場合、どのように対応していくのかという現在の市側の姿勢です。 入札が不調になった場合、一つは予算を増額する、もう一つが設計図の見直しを図るという二つが大きくはあるのではないかなと考えています。市長は、よく設計図の見直しに関して、委員上の答弁でも、実施設計が進んでもその都度必要があれば見直しもかけますというような発言をされています。 しかし、本当に実施設計が進んでいった中で、予算が膨らんでいったので実施設計を見直しますということができるんでしょうか。それはできるというふうに設計業者のほうからも何か回答があって、そのように言われているんでしょうか、これは課長にお尋ねしたいんですけれども。 ◎文化複合施設建設推進室長(須崎誠久君)  実施設計を進めていく上で、設計の金額が上がってくるということになれば、いわゆるVEという言葉を使うんですが、機能を落とさずに部材などを変えてコストを下げると、そういうような努力をして、設計費の上がってくるのを抑えるということを実施設計の中で取り組んでいくということで考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  通常考えられることとしては、機能を落とさず部材を下げるということなんですけれども、機能は確かに落ちないかもしれないんですけれども、意匠というんですか、部材を下げることによって、本来、文化複合施設が目指していた視覚的な効果であったり、与える印象であったりというのは、かなり下がってしまうことが懸念されるかなというふうに思います。 市長は、座席の幅を50センチから52センチということで大きくしたわけですけれども、それもやはり座りやすく、ホールに座ったときにいいホールができたということで、そういう印象を持ってもらいたいがためにそういう座席の設定をしていると思うんですけれども、本当にこのVEというので、部材を下げることによって、市長が考えられているいいホールというものになっていくと考えられているんですか。 ◎市長(田岡実千年君)  できれば下げたくはありませんが、予算の関係でどうしても予算を下げなければならない場合、仕方なく下げなければならないことも出てくるということであります。 ◆1番(北村奈七海君)  今の答弁にとても顕著にあらわれていると思うんですけれども、そこが私はすごく本末転倒だなと思う部分です。仕方なく下げるというのでは、本当に何のために文化複合施設、いい施設をつくって50年、60年、これから先の人たちにも使っていってもらうという施設を考えたのか、お金がかかるからそのときになってこれを下げる、これを諦めるということでは、やはり見通しが甘いと繰り返し指摘されても仕方がないと思います。 そういったことを防ぐためにも、今しっかりと予算の膨らみを抑えてつくれるものをつくるという方向に切りかえていくべきだと思うんですけれども、そこをかたくなに変えようとしない、本当に何のために建てるのかが、市長の中では文化複合施設を建てること、それだけが目的になってしまっているように思います。 VEという案で、どれぐらい予算が抑えられるのかはちょっとわかりませんが、仮に設計図を見直さなければいけないということになれば、再度の設計料の計上も必要やと思いますし、再設計によってスケジュールの変更も必要になってくるかなと思います。それは現実的ではないと思いますし、そうなると予算をふやしていくという方向に進むしかないのかなと思います。 ですが、現時点でも約63億円というもともと市長が御自身で言われていた55億円というラインをはるかに超えた費用になっています。この55億円という金額について、市長は一度熊野学センターを先送りするという判断をして55億円に近づける努力をしますという話をされていたはずです。にもかかわらず、今回63億円というかなり大幅な費用の増加に当たって、今回は見直さない、今回はなぜ自身で引いた55億円というラインを大幅に超えていながらこの計画でやっていきますという判断になったんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  63億円の中には、遺跡の発掘調査費も入っておりますので、55億円が63億円にふえたということではありません。まずそこを理解していただきたいんですが、55億円からといえば約3億円余りふえておりますが、前回は、まだ前回のときは3棟を一つ減らす、2棟にするという、予算内におさめるためにそういう選択肢はありましたが、今回はもうこれ以上減らすところはありませんので、プラス3.数億円になりましたが、これでさせていただきたいということであります。 ◆1番(北村奈七海君)  今、55億円の中には遺跡の費用も入っていないということだったんですけれども、55億円というのは総事業費であって、本体工事48億円でプラス外溝なども含めて全部で55億円という話だったかと思います。 ちょっとその点は、担当課長としてどのようにその55億円というものを言われていたのかを、その事実としてちょっともう一回確認させていただきたいんですけれども。 ◎文化複合施設建設推進室長(須崎誠久君)  55億円といいますのは、平成28年2月の委員で資料もお出ししているんですが59億8,000万円と予定外事業として発掘調査をお出しさせていただいております。55億円といいますのは、新宮市とすれば突発的に出てきました中世の遺構、いわゆる発掘調査に係る部分についてはちょっと別枠で考えさせていただきたいということで、当時の委員でお願いさせていただいたところでございます。 そういった中で、先ほど市長からございましたように、その考え方からしますと、今55億円から3億数千万円オーバーしているということと、それとは別枠で関連事業として発掘調査などで4億4,000万円で考えているということでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  わかりました。 そうすると、ただ総事業費としては平成28年2月3日に教育民生委員の資料で、確かに整備事業費として、先ほど、今、課長が言われた59億8,000万円というものが計上されていて、予定外事業として埋蔵文化財の発掘事業等ということで1億8,600万円が計上は確かにされています。これを市長のほうでは別というふうに捉えているので、先ほどのような発言が出てくるのだと思いますが、遺跡の発掘に関しては文化複合施設を建設するのであれば、避けては通れない事業のはずです。遺跡を発掘して、それを記録保存しなければ、その上には物が建てられない、だから発掘をせざるを得ないという順序のはずです。 ですので、これを確かに中世の遺構が発掘されたのは突発的なものではありますが、現時点で建物を建てるということであれば、これは必要経費に入ってくるものではないんですか。 だから、今、市長が言われた予定外のものなので、実際には3億円しかふえていませんというのは、ちょっと筋が通らないかなと私は思います。 ◎市長(田岡実千年君)  そうですね、私の考えを先ほど申し上げましたが、北村議員の考え方の観点から言えば、プラス8億円増ということだと思います。 ◆1番(北村奈七海君)  ですので、私からすれば8億円増ということを、市長が先ほど言われたとおり、もうほかに減らせるものもないのでこのままやっていきたいということなんですけれども、本当にほかに減らせる部分はないのか、そこはもう少し考える部分はあるのではないかと思います。 一つは、今考えられている大ホールを小ホールとしても使えるために可動席の導入、座席が移動して平土間がつくれるという席なんですけれども、この可動席をやめることでマイナス2.1億円というふうに当局からも発表が出ています。 まず、この可動席ですが、小ホールには確かに基本計画の中で可動席も導入できるのではないかというふうに書かれていました。しかし、今、建設費が増大していっていることを考えれば、可動席をやめて、まずマイナス2.1億円行ってもよいのではないかと考えています。 そして、ホール、これを建設、望ましい、早く建ててほしいという方がおられるのも十分承知はしておりますが、ホールをより小さくして、ランニングコストの減に努めるということももっと考えてもいいのではないかと思っています。 市長は、公約で文化複合施設の建設、座席数1,000席確保ということを言っておられたと当初言っていましたが、6月の文化複合施設の委員で、座席数は1,000ではなく実質816席ということで少なくなってしまいましたという発言もされています。これ以上削ったら新宮市としてのホールの機能が果たせない。ですが、市長が言われた増大分の約3億円、これは可動席をやめることでもっと減らせるのではありませんか。そこの部分の検討はもう一度してもいいのではないでしょうか、どう思われますか。 ◎教育長(楠本秀一君)  物理的にはおっしゃるとおり、可動席をなくせばコストはかかりませんが、今、議員もよく文化は大事であるというふうにおっしゃっておりますが、私どももやはり可動席にするということは、平土間ホールでいろんな活動をして、市民の文化活動、そういったものを保障していきたい、それからつくり上げていきたい。第2次新宮市総合計画に掲げている魅力ある文化がつなぐにぎわいのまち、それをつくるためにもどうしてもこの平土間が必要であるというふうに考えています。 それは、今、新宮市展なんかは、私どもの新宮市は昭和26年、戦後から始まって非常に古い時期に、戦後間もなく市展とか、そういう文化活動取り組んでおります。あるいは、熊野の美術協会というのは70周年この間迎えましたけれども、そういった方々、村井先生がかかわってこの美術協会を支えてきた、そういった絵を描く方々が一生懸命活動していらっしゃいます。あるいは、南紀展、この間、書作展ありましたけれども、その方々も作品展をやっております。これ53回目を迎えています。その方々、南紀展の方が今度平土間できたら書き初めなんかもしてみたいと、そういう企画も持っていらっしゃいます。 そういった多様な文化活動を保障するのが平土間のホールであります。そういった意味から、教育委員としてはどうしても可動席で平土間をつくりたいということで、これについてはこだわっているわけです。 ◆1番(北村奈七海君)  確かに、教育長の言われるとおり、私も文化、文化と言っておいて、遺跡は保存しろ、でもホールは縮小しろということでは、整合性がとれないのではないかというふうに、自分自身でも考える部分はあります。 そして、過去の文化財も保存するだけが文化行政ではないというのはもちろんそのとおりですし、平土間を利活用して市民の方の多様な文化活動を後押ししていきたい、それはよくわかります。 ただ、そういった文化活動、文化活動というのはちょっと大きな話になるんですけれども、人間が日々絶対にしないといけないことではないと考えています。それはどういう意味かというと、文化活動を本当にしていける方が新宮市の中にどれぐらいおられるのか、今、教育長が言われた書き初め大会といったものも、余暇がしっかりとあって、そういった情報を取り入れることができて、そこに行ってみようと足を運べる、そして書き初め大会に限りませんが、例えば何か催し物をして、参加費が要る、入場料が要るといったときに、それをお金に余裕があって払うことができる、そういう方が新宮市の中にはどれぐらいおられるのか、私はそういったところもしっかりと見ていかないといけないと考えています。 ◎教育長(楠本秀一君)  少し捉え方が狭義的ではありませんか。お金を払わないと文化活動ができない、そういったそれが文化であるとは思いません。私は、西村伊作先生が、「生活を芸術として」というエッセイ書いていらっしゃいますが、それそのものが、生活の中で文化活動をするということが文化だと思うんです。例えば図書館へ行って本を読む、お金を払わなくてもできるじゃないですか、お金を払わなくちゃ文化活動ができないというのは、ちょっと私は狭義的な解釈じゃないかなと思います。 ◆1番(北村奈七海君)  すみません、ちょっとそれは私の言い方が余りうまい言い方ではなかったかもしれないですけれども、お金を払わないと文化的な活動ができないということではなくて、生活に余裕がない、それは金銭的な面かもしれないですし、精神的な面かもしれないんですけれども、今、教育長が言われた西村伊作の言葉、生活の中に文化がある、それは一つ理想やとは思います。 ですけれども、きのうの同僚議員の質問の中にもありましたが、実際今、生活に困っておられる方、そういった方が本当に生活の中で文化を感じることは、実際できるんでしょうか。私としては、そういう西村伊作の言葉のような生活を目指していくという方向は間違いではないと思うんですけれども、現実的にそれができていない方というのも、新宮市の中にはたくさんおられるというふうに思います。 ですので、結局、何が言いたいかというと、文化的な活動、それはもちろん行政が全市民の方に利用してもらえるようにしっかりと整備していかないといけないけれども、そこに潤沢なお金を使えるほど新宮市の財政状況はよくないという現実があるということです。 なので、ちょっと財政の話に入っていきたいんですけれども、文化的な活動が全市民の方が利用できるようなものになっていってほしいし、そういう施設をつくってもらいたい、その考え方の根本は私も同じです。ただし、そこにはやはり財政的な裏づけがなかったら、絵に描いた餅というのは言い過ぎかもしれませんが、具体的なものにはなっていかないという危惧を抱いています。 ですので、しっかりと先ほど言った大きくは可動席を見直したほうがよいんではないかというところの話になるんですけれども、2番目の財政の見通しが不安すぎるという項目に入っていきたいと思います。 財政の見通しが不安すぎるというような項目をつけたんですけれども、先日、文化複合施設の特別委員の中で、財政シミュレーションを見せていただきました。これは9月にいつも出してもらえる正式なものではなく簡易版だというふうに聞いてはいるんですけれども、そこでやはり説明を聞く中では、新宮市の財政状況はとても余裕があるという状態ではなく、しっかりと見直すべきところは見直して、堅実な財政運営に努めるべきだという考え方を改めて強くしました。 ちょっとこの財政シミュレーションの話で、一番大事だなと私が思うのは、これはいろいろな条件づけをしてシミュレーションをつくっているという部分だと考えています。それを共有しないとシミュレーションの結果だけ見てもなかなか共通した認識に立って議論を交わすことが難しいのではないかと考えました。 ですので、お聞きしたいんですけれども、平成32年度以降過疎債は含まないというのが主要な条件として一つ入っているかと思うんですけれども、ほかにこのシミュレーションで含まれている主要な条件というのは、何が入っているんでしょうか。 ◎財政課長(小林広樹君)  今、議員おっしゃいましたように、大きくは平成33年度の制度といいますか、過疎債が使えなくなるということで、財源状況が大きく変わっています。 ほかに大きく変わっているのは何かと言いますと、いろいろありましてなかなか全てを申し上げることはできませんけれども、例えば地方交付税であれば平成33年度から算定がえといいまして、合併のときに増額でいただいている分がゼロになるということもありますし、あとは財政シミュレーションで一番大切なところといいますと、扶助費などを考える場合に、必ず歳入と連動させること、あとは投資的経費であればなかなか先の事業までは不明でありますけれども、ある程度はどうしてもそこで文化複合施設が例えば終わった後、事業が全てなくなるということは現実的には考えられませんので、ある程度は事業を確保しているとか、そういうことになろうかと思いますけれども、一番大切なことはシミュレーションというのは絶対値ではありませんので、きちんと歳入歳出のつじつまが合っているというところが大切なのかなと考えております。 ◆1番(北村奈七海君)  ありがとうございます。 今、課長が言われたとおりシミュレーションというのは予測であるということなんですけれども、確かに予測ではあります。ただシミュレーションというのは、これが確かに絶対ではないというのはそのとおりだと思います。しかし、何のためにシミュレーションをするのかといえば、この条件のときにはどういう財政状況になるか、この条件のときにはどういう財政状況になるか、そういった前提の条件づけを共有して、その先にどういう財政運営が行われるのか、そこをきちんと認識するという部分だというふうに考えています。 それで、市長にお聞きしたいんですけれども、この1種類以外のシミュレーションを例えばつくるように指示したり、もしくは複数つくってもらって、それを見比べたりということはされたことがあるんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  基本的に、財政シミュレーションというのは一つでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  いや、それで言うと今の課長の話と整合性がとれてこないですよね。財政シミュレーションというのは、絶対的なものではなくて、この条件づけの場合はどうなるか、この条件づけの場合はどうなるかというものなので……。 ◎市長(田岡実千年君)  今回、この文化複合施設が予定より増額になったことにおいて、財政課には何種類かのシミュレーションをしていただいたこともございました。 ◆1番(北村奈七海君)  何種類かほかのシミュレーションもつくったということなんですけれども、それは、じゃ、市長はごらんになったということですか。 ◎市長(田岡実千年君)  そのとおりです。 ◆1番(北村奈七海君)  それで、ごらんになって、じゃ、議会側にはこの1種類が出てきたわけなんですけれども、その1種類だけを見せるというような判断をしたのはどういう根拠があってそうしたんですか。 ◎市長(田岡実千年君)  そのシミュレーションをいろいろ見比べたときに、1つを選ばせていただいたということでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  いや、その理由です。なぜこの1種類にしたのか、それは市長が考える前提条件が最も合っているからなのか、それともほかに理由があるのか、その1種類だけこちら側には出てくるわけです。ただシミュレーションのつくり方としては、今、市長が言われたとおり、その条件を変えたら別のものが出てくるわけなんで、取り合わせというのは無限にできるわけじゃないですか。それを市長は複数見ていると、これが一番いいと思ってそれを出したということなんですけれども、議会側はこの1種類しか見られないわけです。 ◎総務部長(小谷充君)  今、市長が申し上げたのは、何種類かというのは、ここまで出すまでに幾つかのシミュレーションというんですか、まず原案といいますか、財政課からこういった形でシミュレーションを立てましたという形で、市長に報告しました。その中で、協議した中で、まあいったらこういった部分も足りないよ、またこういった部分はこうじゃないかというような議論の末、最終的なシミュレーションをお出しさせていただくというところでありますので、最初から幾つもの、2種類とか3種類とかシミュレーションを出して、そこからこれを一つ選んだというような形ではないということでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  今、小谷部長が説明していただいたので、実際わかったわけですけれども、今の市長の答弁だけでは、シミュレーションが複数あってそれを比較検討したというふうに受け取れますので、そういったことがないのであれば、しっかりと答弁を、その事実をもとにしてお話していただきたいと思います。 ○議長(屋敷満雄君)  北村委員、どうですか、ちょっと10分程度、休憩どうですか。 ◆1番(北村奈七海君)  はい。 ○議長(屋敷満雄君)  いいですか。 質問中ですが、10分間程度休憩いたします。 △休憩 午前10時55分--------------------------------------- △再開 午前11時13分 ○議長(屋敷満雄君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 1番、北村議員。 ◆1番(北村奈七海君) (質問席) 休憩前に引き続き質問をさせていただきます。 ちょっと休憩前、シミュレーションについて、複数のものを見ているのかという質問に対して、いつも議会に出される1種類のものになる前のものを市長は見ているということでした。ただし、私もこのシミュレーションというのは一つベースにはなるものだと思っています。しかし、これは絶対的なものでもありませんし、条件づけによってこのシミュレーションの結果というのは幾様にも変わるものだというふうに考えています。 ですので、複数あったほうがシミュレーションというのはいいのではないかというふうに考えています。これから先の新宮市の運営を考えるときに、単一のシミュレーションを見て、もちろんこれも市長いわく、厳しくつくっているということですので、もちろん一つの判断材料にはなりますが、例えば平成33年度以降、過疎債も延長されたらどのような財政状況になるのか、過疎債延長されないまま文化複合施設の建設費がより膨らんだらどういう財政運営になるのか、そういった現時点で予想されるべきものはしっかりと予測結果をシミュレーションに反映して、それらを複数見比べた上で、どの選択肢が適切なのかを判断していくというのが、私は本来であればシミュレーションの果たすべき役割をより発揮できると思いますし、市長の判断の精度も上がると思います。 財政課の方にお聞きしたいんですけれども、ほかのシミュレーションをつくる、今こういった形で出されているようなシミュレーションをベースとして捉えて、このベースをもとに例えば文化複合施設をつくらない場合、もしくは文化複合施設、建設費がより増大した場合はどうなるのか、そういったシミュレーション結果もつくることはできるのでしょうか。 ◎財政課長(小林広樹君)  財政シミュレーションは一定の条件を設定してつくるものですので、そこだけを変えるというのは可能ですけれども、それはきのうもちょっと申し上げたんですけれども、基本的には一つのベースをつくらせていただきまして、それによって歳入の増要因があれば収支は改善しますでしょうし、歳出がそれより、例えば文化複合施設の事業費がふえれば、それだけ起債も必要になって、財も必要になりますので、収支が悪化するでしょうし、そういう形で一つの目安として考えていただければということで、昨日申し上げたところでございます。 ◆1番(北村奈七海君)  つくることはできるということやと思うんですけれども、それがこういった形で、一つの指標として使う分には複数あるよりもわかりやすいという意味ではそうかもしれません。しかし、そこはこのシミュレーションを見る側として、何がベースであって、そしてこの前提条件をどう変えたものなのか、その結果としてこうなっているというその前提条件をしっかりと踏まえることができれば、そこまで混乱は起こらないのではないかなというふうに思います。 そして、議会側にどういった財政シミュレーションを提出するかというのは、市長の判断かなと思いますので、市長としては、財政シミュレーション、複数見ることと、それを議会側に提出すること、その2点についてもう少し変えていくことは考えられないのでしょうか。 ◎副市長(向井雅男君)  議員のおっしゃっている設定条件というところなんですが、その時々の設定条件を平成33年度からない過疎債を入れるとか、そういうことをしてしまうとシミュレーション自体の信用性というものが失われますので、やはり根本的なシミュレーションの中の設定条件というのは同じにすべきであるというふうには思います。 市長とシミュレーションの中で議論するやはり大きな要因というのは、投資的経費の形をどういうふうに持っていくかというところが出てくると思いますので、その辺を議論する中で、いろんなバリエーションのあるシミュレーションが出てくるという形を理解していただきたいというふうに思います。 ◆1番(北村奈七海君)  ちょっとシミュレーションの信頼性が失われるというところは、私は余り当てはまらないのではないかなと思いますし、バリエーションのあるというふうに最後におっしゃられましたけれども、そのバリエーションの結果を議会側も見ることができれば、より精度の高い判断、また、こちら側としてももっとこういうふうにすべきではないのかという提案ができるのではないかということです。 ですので、難しい部分というのは今後すり合わせが必要かなとは思うんですけれども、こういった大きな事業を行うに当たっては、やはり1種類のみのシミュレーションだけではなくて、いろいろ想定され得る事態、条件を全て洗い出してそれをもとに、この条件のときはどうなる、この条件のときはどうなるという複数やはりあったほうはいいのではないかと思いますし、市長においては、そういった形で複数のシミュレーションを議会側にも提出してもらうようにしてほしいと思います。 それで、財政シミュレーションなんですけれども、これを見ても、先ほども言ったとおり、財政的に余裕があって、しっかりと健全な状態であるというふうには言いにくいのかなと考えています。 それでは、私が心配していることなんですけれども、②番の二つ目の点の必要な事業ができなくなってしまうのではないかという項目なんですけれども、必要な事業ができなくなってしまうというところについて、二つ心配している部分があります。 一つは、財政的な問題です。もう一つは、人員的な問題だと考えています。 一つ目の財政的な問題なんですけれども、平成33年度以降、過疎債が入ってこないという想定でして、ですので、基金の取り崩しが始まります。そうすると財政調整基金という新宮市のいわゆる貯金、それが平成39年度末には約8億円しか残らないというシミュレーション結果が示されています。この8億円という金額なんですけれども、それだけでは多いのか少ないのかちょっとよくわからないので、別の指標というか、別の目安が必要だと思うんですけれども、財政調整基金は標準財政規模の10%ぐらいが適正と言われているというふうに言われていまして、このシミュレーションを見せていただいた委員の席上でも、副市長は標準財政規模の14%、15%が値としては望ましいというふうにおっしゃられていました。 ですが、この平成39年度には8億円という財政調整基金の残高、これは何%ですかという質問をしたところ8%ですということでした。ですので、その適正と言われている値より少なく、そして副市長が望ましいと言われた数値よりも平成39年度末にはかなり少ない残高になってしまうという想定がなされています。 ただし、平成31年度、平成32年度で繰越金もあるので、そういったところも使って積み立てていきたいというふうに答弁がありますが、本当にそういうことができていくのかというのはそれこそシミュレーションなので、行えるのかというのはそういう想定になっていくのかどうかは、現時点ではわからないと言えます。 そして、経常収支比率ですが、これまでも言われているように、今後100%を超え続けます。そして、これは平成44年度の土地開発公社の借金を返し終わるまでは、ほとんど下がることはないと言っていいのではないかなというふうに考えています。土地開発公社に毎年2億円ずつ返済していますが、それがかなり公債費の負担を押し上げているので、それが終わるまではなかなか数値の改善というのも難しいというふうに私は捉えています。 ですので、経常収支比率100超えていていわゆる行財政改革で対応していくというふうにも市長もおっしゃられるんですけれども、行財政改革というところで大きくはやはり人件費という部分に手をつけざるを得ない部分も出てくるのかなというふうに思っています。ただし、私はそれが本当にいいのかどうかということは、しっかりと考えていかないといけないというふうに考えています。 ですので、この基金の残高を見ても経常収支比率を見ても、新しく何かを始めることは難しいのではないかというふうに考えています。 特に、市長は、熊野学センターは先送りしたので、後年、財政状況がよくなれば建設しますというふうに言われていますけれども、この財政調整基金一つとってみても、財政状況がよくなるというふうには言えないんじゃないかと思います。 それで、あたかも後年、熊野学センターも建てますよというふうに受け取れる言い方をしてしまうのは、それは熊野学センター、涙をのんで先送りを承認してくださった市民の方に対して不誠実だと思うんですけれども、市長はどういうふうにして財政状況、健全化する見通しを持っておられるんでしょうか。 ◎副市長(向井雅男君)  お言葉をお返しするようですが、第三セクター等改革推進債の20年間の今お返しをしていることについては、僕、田岡市長のすごくいい英断だというふうには判断しています。これは、今もしそのまま続いていれば毎年9,000万円の利子を返しながら元金はそのまま残っているという状況なんです。今、毎年2億円を返させていただいて、そのうちの利子の半分を、しかも交付税で措置していただいているというところですので、この辺は議員も一度、第三セクター等改革推進債のことを勉強していただいて御理解はいただきたいと思いますが、ただ、新宮港そのものを市が引き取ったときに、それなりに当然債務も負っていますので、その辺はこれから土地の販売については頑張らないけないというふうには思っていますので、その辺は粛々とそういったことについてできるように頑張っていきたいというふうに思います。 当然、市長が就任してから数年間は景気対策もあって、基金もそれなりに積んできた経過がございます。何度も言うようですが、シミュレーション自体はその収支の中で、どうしても収支を合わす中で不用額、あるいは行革の効果額を翌年度に積めないという状況がありますので、基金の取り崩しをそれなりにしていかなければならないという状況がありますので、昨年のシミュレーションの結果と今回のシミュレーションの結果を見ていただいたらわかると思いますが、財政調整基金に多分今回のシミュレーション1億5,000万円積んでいます。そういったことをもし3,000万円でも4,000万円でも財政調整基金へ積めれば、今後9年間で3億円余り積むことができます。といえば8億円何がしが十何億円になって、今、議員御指摘の10%を超えるということも出てきますので、その辺は毎年の行革をしながら、考えながらやっていきたいと、やらなければいけないというふうには感じております。 ◆1番(北村奈七海君)  今、副市長がそのように御答弁されたんですけれども、私の理解では、土地開発公社の借金を返していくというところについて、交付税の算入はゼロだというふうに捉えていましたし、実際これは借金をただ返しているというだけのものではなかったんですか、そこはちょっと確認のためにもう一度。 ◎財政課長(小林広樹君)  先日、議員にお話したときには、交付税の措置はないという話をさせていただきました。それをすみません、ちょっと言葉足らずやったと思うんですけれども、過疎債や合併特例債のように普通交付税に元金が算入されることはないという意味でございまして、今、副市長が申し上げましたのは利子の分が特別交付税で3割から5割ぐらい算入されると、そういう過疎債とか合併特例債に比べればもうわずかですけれども、そういう算入はございます。申しわけありません。 ◆1番(北村奈七海君)  ちょっと私が先日理解したところとしては、交付税の算入はないというふうな理解だったので、そのように言わせていただいたんですけれども、今しっかりと確認した中では、特別交付税の中にわずかではあるけれども入っているということでありました。ですので、事実と違うことを言ってはいけないと思いますので、その点に関しては、私の勉強不足だった部分というのは確かにあると思います。 ただし、私が言いたかったのは、公債費の中にこの土地開発公社の借金が含まれていて、それが悪いということでは全くありません。これは平成44年度まではどうしてもその金額があるので、経常収支比率も100を超え続けるし、毎年2億円は絶対に出ていくという事実を言っただけであって、その判断を行った市長が悪いとか、今のこの状態がよくない、そういう話をしたつもりは全くありません。 じゃ、何が言いたかったかというと、こういう現状なので、私はやはりきっちりと堅調な財政維持をしていくことがベストだと考えているので、結論としては余り大規模な歳出が想定される文化複合施設の建設をこのまま進めていくべきではないという結論にどうしても戻ってくるんですけれども。このシミュレーション上では、文化複合施設の新しい建設費を含んでいて、これで何とかやっていけますというシミュレーション結果になっているので、これを見て市長も進めていきますというような回答をされていると思うんですけれども、先ほど言った必要な事業ができなくなってしまうというところの人員的な問題、これでちょっと私が気にしているところを少し述べさせていただきたいと思います。 それは、一つ、基金年度末残高というところで、退職手当基金というのがあるんですけれども、これが平成39年度末でゼロになりますというのは、先日も同僚議員が指摘したところだと思うんですけれども、今は退職債という起債で賄っておられるということなんですが、もうそれは平成37年度でなくなると聞いています。 そして、この起債は借りにくくて交付税措置もないということで、それこそ借金のみが残ると私は理解しております。そして、起債もなくなって、基金もなくなった場合は、どのようにして退職金を捻出するのかということなんですけれども、今度は一般財源から捻出するというようなお話を聞いています。 なかなか退職金のお話というのはすごくナイーブなものなので、難しい部分はあると思うんですけれども、一般財源から退職金を捻出するということが今後容認されていくかというのはすごく難しい部分があるのかなと私自身は思っています。 ただし、私は公務員の方々も安心して働き続けられる環境をつくっていったほうが絶対いいと思っているので、将来的にですけれども、この基金がゼロになって起債も難しくなったときに、シミュレーション上はそれが想定される部分ではあるので、副市長のさっきの言葉であれば、毎年3,000万円ずつ積んでいけば10%ぐらいには戻るだろうということなんですけれども、市長はそういう実際働いている方たちに対して、このシミュレーション結果を見て、これで別に希望が持てる環境をつくれていると思われているんですか。 ◎市長(田岡実千年君)  そんなに悪いシミュレーション結果ではないと、厳しさはあらわれておりますが、先ほどから言っていますように、シミュレーションは毎年、毎年動きますので、なるべく健全財政になるように、そのシミュレーションをもとにいろいろ事業をやめるのか、進めるのか、そんな判断をしていきながら、健全財政を目指していくということだと思います。 ◆1番(北村奈七海君)  市長はそんなに悪い財政シミュレーションではないとおっしゃられましたけれども、去年の平成29年9月6日の議員説明のシミュレーションでも、大もとはそんなに変わっていないので、平成39年度末には退職手当基金でゼロに去年の分もなっているんですけれども、将来的な安定をしっかりと提示することができないのに、特に悪くはないというような話を出してしまうということが、私はすごくよくないと思っていて、正直、職員の方もその退職金の是非というのはまた別途議論していかないといけない部分ではあると思うんですけれども、正直モチベーションにも影響してくる部分ではないのかなというふうに、私は率直に思う部分はあります。 平成39年度までは大丈夫だけれども、その先、それはどうなるのか、そういった部分は今すぐ問題にはならないかもしれないですけれども、じゃ、市役所で長いこと働いて、そしてしっかりとその力を市民の方たちに還元していく、言い方は適切ではないかもしれないですけれども、そこにはやはり働いている方の生活環境であるとか、そういったところもしっかりと保障は、私はしてしかるべきだと考えています。 ですので、その退職金の話だけでそこまで言い切ることは難しいかもしれないんですけれども、今後財政が悪化していくというような方向で考えたときに、退職金は将来的にはほぼもらえなくなります、そして給与もどんどん下がっていきますというふうなことを考えると、そこで一番危惧するのが、いい人材を確保していくのが難しくなっていくんじゃないのかなということです。 どうしても生活保障といったらあれなんですけれども、新宮市に住んで新宮市のために働く、それを後押しするのは気持ちだけではなかなか難しい部分があるというふうに私は思っています。だから、財政的な問題は結局人員的な問題に結びついていくんですけれども、そういう将来的な、安心して働ける環境を提供していくというのも、それは私は組織のトップとして、市長のやるべきことだというふうに考えています。 ですので、このままのシミュレーションでいった場合、いい人材を確保するのが難しくなるというような方向にもしなってしまえば、財政破綻もしていないのに、ちょっと他自治体のことを言うのはあれなんですけれども、人材不足に陥って夕張市のようになってしまう。夕張市の財政破綻とは全く原因が違うので、すぐさま財政破綻するということには陥らないかもしれないんですけれども、実際夕張市で起こっていることというのは、人材を確保することがすごく難しいし、そして身分保障という意味では雇用はされていますけれども、実際に生活保障という意味で、それが十分なのかといったら、そうではないという現状があるはずです。 ですので、財政的な問題、運営も難しくなる、そして人員確保、将来的に難しくなっていくかもしれない、そうすると自治体運営自体が難しくなっていってしまうのではないかということを私は危惧しています。が、市長はそんなに悪いシミュレーションではないということなんですけれども、少しでもこのシミュレーションを見てそういう未来が予見されるかもしれないということをちょっと考えたことはありますか。 ◎市長(田岡実千年君)  職員の退職金とか給与というのは条例で定められておりますので、出さないということはないと思います。 ◆1番(北村奈七海君)  ですので、全く私の質問の趣旨を理解していない答弁をするのはやめていただいて、私が言った質問に答えてもらいたいんですけれども、私は何も職員の給料を出さないほうがいいなんて一言も言ってなくて、全く言ってないですよね。質問を曲解して、その質問を単純化して、それを答弁としてこちらに返すのをやめてください。私はそんな質問はしていません。シミュレーション上で退職基金がゼロになる、それはシミュレーション上で示された結果であって、これをもとにして、じゃ、起債がなくなった場合、将来的な保障をどうするのか考えたことがあるんですかという質問です。 ◎副市長(向井雅男君)  退職基金については、シミュレーションを見たらゼロになるということは、やっぱり好ましいのか、好ましくないのかといえば好ましくないというふうには思います。ですから、今後、そこへ何らかの繰り出しをして、基金を積み立てていく必要はあるかというふうには認識しております。 ◆1番(北村奈七海君)  ちょっと市長の答弁はもらえなかったので、市長としては全くどういうふうに考えているのかははっきり示されていないということがよくわかりました。 そして、今回、職員の方の環境をどうやって捉えているのかということを言わせてもらいましたが、ほかにもこのシミュレーションを見た上で議論すべき観点というのはあるはずです。ただし、私は本当にこのまま文化複合施設の建設を見直さないままいくと、このシミュレーションのようになっていくかもしれない。そうすると自治体運営が難しくなっていく未来も想像できるというふうに考えているので、それこそ副市長が言われたように、好ましくないですし、自治体の持続性も失われるというふうに考えています。 ○議長(屋敷満雄君)  北村議員、残り時間5分です。もうまとめてください。 ◆1番(北村奈七海君)  私は、平成44年度までは特に財政維持を一番に考えるべきだと思っていますので、実施設計に今入ったということは言われていますけれども、今もう一度設計を見直すべきだというふうに考えています。 このまま設計を進めていくと、遺跡のことで何回も設計変更があったように、入札、例えば不調になったとして、設計変更か予算の変更かでまた新しく計画に変更が起こるおそれがあります。そこの原因は何かというと、かたくなに計画をそのときにならないと見直さない、市長の見直しの甘さが一番の原因だと考えています。きのうの松畑議員の質問にもありましたけれども、市長は文化複合施設の設計の金額が想定金額を超えた場合はどうするんですかという質問に、そのとき考えるという答弁をされています。これまでも、そのとき考えるということを繰り返してきたから、用地の変更、3棟から2棟、2棟から1棟、その1棟もどんどん縮小されていく、全くこの一大事業に市長がイニシアチブを発揮していない、それがここまで建設費を増大させて、そして市民の方たちにここまで施設建設ができない、計画がおくれてきたということを強いてきた一番の要因であると、私は考えています。 ですので、結論としては、やはり文化複合施設建設によって、今後のランニングコストが特に財政を圧迫することが予測されますし、新規事業をやっていくことも難しい、そして行財政改革も削ればいいというものでは私はないと考えていますので、そういった将来懸念されることを今から防ぐためにもしっかりと計画の見直しを今すべきだと思います。 文化複合施設が、つくってしまえばそれでいいということには絶対になりません。ですので、当局には、この文化複合施設の建設再考を求めて、一般質問を終わります。 ○議長(屋敷満雄君)  昼食のため、午後1時まで休憩いたします。 △休憩 午前11時47分--------------------------------------- △再開 午後1時00分 ○議長(屋敷満雄君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。--------------------------------------- △大石元則君 ○議長(屋敷満雄君)  4番、大石議員。 ◆4番(大石元則君) (質問席) これより、屋敷議長の許可を得て通告に従い一般質問を行います。 まず、恒例により市長、きょう6月20日は何の日だったでしょうか。 去年もお尋ねした日にちが6月20日でございました。 ◎市長(田岡実千年君)  ペパーミントの日でありまして、ハッカが特産品の北海道北見市まちづくり研究が昭和62年に制定しております。 ハッカ、二十日の語呂合わせ。6月は、この北海道の爽やかさがハッカそのものであるということでございます。 ◆4番(大石元則君)  いつもながら、明快なお答えありがとうございます。 当然、今回の一般質問も我々一人一人が市民生活の安全を確保するため、前向きな行動を起こし続けられるよう発火したいと考えております。 発火点になるように。そして最後は、ペパーミントのように爽やかに終われるように、ともにチャレンジしてまいりたいと思います。 それでは、通告の順番に従い、単刀直入に尋ねてまいります。 まず、担当課に聞きます。 新宮市においても、農業問題は深刻であります。見解を求めます。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  本市における農業の飼料、作物は、稲作を中心として白菜、サツマイモ、イチゴなどの野菜類が栽培されており、また畜産業におかれましては、県産黒毛和牛の熊野牛が肥育されているところでございます。 農業につきましては、狭小な耕地での営農でありますことから、農家の経営は厳しく、また労働環境もきつく、高齢化や後継者不足が問題となっております。また、新規就農者も少なく、それに伴い担い手が不足し、遊休農地が増加している現状でございます。また、市内の農家のほとんどが兼業農家でございまして、その要因としまして、専業農家では生計が成り立たないのが現状であります。 今後の課題としましては、定年し年金等の収入がある方や農業に興味を持ち積極的な若手をいかに農業へ参入していただき、遊休農地の減少、利活用につなげていくための支援が必要であると考えております。 こういった課題は、本市だけではなく国内における農業全体においても同様でございまして、国や県から情報を収集し地域農業の振興を推進していかなければならないと考えております。 ◆4番(大石元則君)  では、今の状況を踏まえ、その解決のため、どのような対応をされているのか、また、今考えているのかお答えください。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  昨年の6月議会でもお答えさせていただきましたが、農業問題にかかわっての今後の対応につきましては、非常に大きな課題や問題等がございます。 本市としましても、農業推進のための施策は、将来への明るい展望や夢を持って持続可能な農業を継続するため対応していきたいと思っております。 課題等の解決としましては、重要な担い手でありますが、小規模生産者が気軽に誰でも参加できる新たな販売、流通体制の確立などにより、生産者の意欲向上と生産増加を図り、所得の増加につなげていく農業など、新たな振興を図ることが大切であると考えております。 また、遊休農地で現役農家がつくる農地の集積や新規参入の推進等に取り組むことで、遊休農地の解消及び発生防止に努めてまいります。 また、農業委員の遊休農地対策として新設されました農地利用最適化推進委員の活動等により、県の公的機関であります農地中間管理機構と連携し、農地を貸し手と借り手とをつなぐなど、より一層農地等の利活用を推進していきたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  丁寧な御回答に感謝いたします。 確かに、私の3年間の一般質問を振り返ってみますと、毎年6月は農業の問題を取り上げてきております。6月は田植えも終わり、稲の生育が気にかかるころであります。災害に見舞われることなく金波銀波の豊作を願いたいものであります。 さて、農業問題ですが、生産者すなわち耕作者があってこそ農業だと私は考えます。 そこで、農家の方が1年でも長く農業を続けられることや当局からも御指摘があったように、後継者と新規就農者が一人でも多く育つように取り組むことが大切であります。そのためには、就農者が安心して耕作できる環境づくりも必要になってまいります。 あと1点、農業経営を確かなものにしていくためには、地元農協JAみくまのとの連携が肝要かと思います。 この三つの視点から順次質問をさせていただきます。 高齢化が懸念されている専業農家の中にあって、よい知らせが届きました。はや80歳を超え、廃業を考えていたときに息子家族が後を継ぐことになりました。この方は、熊野川町でおいしいイチゴづくりをされています。国道沿いの個人直売所では、毎年売り出すたびに、たちまち売り切れになる状況であります。ところで、本市にあっては、くろしお苺生産組合に3軒が加入しているのは承知しております。この出荷組合はいつ設立されておりますか。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  昭和46年に設立されたと聞いております。 ◆4番(大石元則君)  では、当初は何軒の農家が加入していたんでしょうか。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  当初の名簿を調べましたところ、農協には残っていないということでございましたが、昭和61年には、旧新宮市で6軒、旧熊野川町で3軒、那智勝浦町で2軒というのが、わかる範囲での加入者が最も多かった時期であると聞いております。 ◆4番(大石元則君)  現在当組合は、那智勝浦町を含めて13軒の農家が加入しています。那智勝浦町でも件数は減少していますが、世代交代がなされ若い方が育ってきております。過去においては、新宮市のほうが件数が多かったという状況もございます。 さて、熊野川町でイチゴづくりを続けてきている農家のお話に戻させてもらいます。 熊野川町の広い土地で条件がよいと思いきや、7年前だけでなく去年も水害で水没しました。その都度、被害を受けております。それにもかかわらず栽培を続けておられる。不屈の精神はもちろんでありますが、この方は、環境に応じた工夫もされております。水害によって畝立て方式では、定植時にイチゴの苗が水没してしまい泥にまみれてしまいます。また、畝が平たんになってしまいます。そこで、みずから機材を駆使し水耕栽培を利用した高設、床上げに取り組んでおります。水が引いた後、最小限度の被害で済むように、水耕栽培の面積を少しずつふやしておられます。このような取り組みの中で、父親の姿を見て事業の継続を決めたのが、会社勤めをしていた息子であります。 さて、今の課題は、パイプハウスの更新をする必要があると聞いております。農業施策の中で幾つかの支援事業があると思うのですが、今回、該当するような事業があるのかないのか、あるとすれば、その内容はどのようなものであるのかを聞きます。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  熊野川町でイチゴづくりをされている農家につきましては、たび重なる水害において被害を受けたにもかかわらず、営農を再開し頑張っている姿は見受けられます。また、息子に営農を引き継ぎ新たに設備投資を行う計画も聞いております。そういった農家の営農の継続支援として、野菜花き産地総合支援事業等の補助事業がございます。現在この補助事業を活用し、規模拡大における設備投資への支援を検討しているところでございます。 ◆4番(大石元則君)  今説明のあった事業は、これまでに、本市において使われたことはあるのでしょうか。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  今回の事業については、初めての取り組みとなりますが、これまで農家への支援といたしましては、過去には、平成24年度、台風12号の災害において被害を受けました方々につきまして、営農再開緊急支援事業補助金による災害を受けたハウスの再建に対しまして、2件の補助をしております。 ◆4番(大石元則君)  財政難にあえぐ那智勝浦町にあっては、この事業実施が毎年続いております。そして、本年度も実施される予定と聞いております。ぜひ、この機会に野菜花き産地総合支援事業の実施に当たっては、適正にかつタイミングを外すことなく行っていただきたいと思います。いかがでしょうか。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  ただいま紹介しました野菜花き産地総合支援事業につきましては、生産効率を上げ、安定した農業経営を営む実施主体へ経営拡大を後押しする県の単独事業でありますが、県の採択基準等をクリアするため実施主体等からヒアリング等を行いながら、事業の推進に向けて取り組んでいきたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  頑張っていただけたらと思います。 次に、新規就農者の確保であります。 全国的に田舎暮らしが注目され、Iターン、Uターンが推し進められてきております。 Iターンの一助となる地域おこし協力、この事業は国の制度で、過疎地域に都市人材を配置し地域活性化を促進することを目指すものであります。活動内容は、農林水産業などの地域産業振興に関する活動が必須とされております。 地域おこし協力の事業について、平成28年度、29年度の本市における実績、そして本年度の予定も含め、状況を御報告ください。 ◎熊野川行政局参事兼住民生活課長(澤隆弘君)  平成28年度地域おこし協力実績についてお答えいたします。 平成27年度受け入れをした第3期生1名の協力の2年目に当たり、活動実績は、移住希望者への問い合わせの対応や空き家を自分で改修した電力自給宿ikkyu(一休)を宮井に仮オープンさせました。 続いて、平成29年度の実績としては、ゲストハウスを7月に完全オープン運営をしました。そのほか、コンポストトイレの製作、販売をしています。なお、本年度の地域おこし協力の委嘱予定はございません。 ◆4番(大石元則君)  本年度は予定がないということで。 この事業でありますが、3年間の生活と活動の資金が提供されます。全国的に見てみますと、平成28年度現在で、2,625人の隊員が673自治体に派遣され、約6割の方が任期満了後定住されております。特に、熊野川町にあっては、全国のIターンの方との交流が盛んと聞いております。これまでのIターンの方で、農業に就農された方はおられるのでしょうか。 ◎熊野川行政局参事兼住民生活課長(澤隆弘君)  行政局としては、2世帯4名の兼業農家の方を把握しております。 ◆4番(大石元則君)  今年度は予定がないということですけれども、そこで、農林水産課にお尋ねします。 地域おこし協力の制度の利活用をどこまで考えているのか、現時点での説明を求めます。 ◎熊野川行政局参事兼住民生活課長(澤隆弘君)  行政局からお答えいたします。 行政局としては、現時点では受け入れを考えておりませんが、今後、熊野川地域の振興等に受け入れが必要であれば、考えていきたいと思います。 ◆4番(大石元則君)  要検討ということで、承りました。 さて、突然ですが、地域包括ケアシステム事業を推進している健康長寿課に、参考までに質問します。 私は常々、これからのケアシステムの一役を担うのが健康寿命を延ばすことだと理解しております。家庭菜園を楽しまれている方は、体を動かし新鮮な野菜を食することから健康な方が多いように思われます。担当課の見解を求めます。 ◎健康長寿課長(河邉弘ミ子君)  平成24年度なんですけれども、農林水産省の調査の中で、農作業と健康についてのエビデンス把握手法等調査報告書というのがございます。その中で、市民農園や家庭菜園で農作業をする人は、農作業をしない人に比べて活動量が多いこと、充実感を持っていること、人とのつながりを持っていること、野菜を多く摂取していることなどが明らかになっているという結果より、農作業が健康増進に与える影響が明らかになってきているということが発表されておりました。 これらのことからも、健康長寿課といたしましては、作業負担とならない程度の家庭菜園や農作業は、健康づくりや生きがいづくりの側面からも有効であるという啓発を行っていくことが重要と考えております。 ◆4番(大石元則君)  参考にさせていただきます。 私は、農業の農に少なからずかかわっていただくことで、健康増進が図られることを願っております。そのためにも、支援農園を開設され、誰もが野菜づくりをできるようになればよいと考えます。そうすれば、農業そのものの裾野が広がると思っているからです。 さて、次に、耕作地の確保であります。 現実は、担い手不足や耕作放棄地が進む中、大規模商業施設の進出、ベンチャー産業の進出が盛んであります。この流れのほかに、太陽光発電によるソーラーパネルの設置の動きも相まって、農地の減少が加速していると思います。この流れをとめるには、地主の理解のもと、耕作者の頑張りにかけるしかないと考えます。 そこで、今、耕作者が望んでいる施策の一つの中に獣害対策があります。人のための食料が山から下りてくるイノシシや鹿、猿だけでなく、近辺の小動物のアライグマ、アナグマ、テン、イタチなどによって食い荒らされることが多くなりました。収穫を前に被害に遭えば、生産意欲がどれだけなえてしまうか考えてみていただきたいものと思います。今こそ、耕作者が安心して耕作を続けられることを考えるときだと思います。 そこで、過去の遺産の中に、猪垣があります。当地方にも獣害から耕作地を守るためにつくられた猪垣が残っております。その猪垣は、熊野川を越えてお隣の浅里地区にも続いております。そこの古文書には、食料増産に迫られたときに40年もの長い年月をかけて完成させたとあります。浅里に残っている猪垣は、木ノ川にある猪垣と違って高さもあり、形状も申し分のないものだと知りました。この機会に、猪垣を復活させればと思いますが、担当課の見解を求めてみたいと思います。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  猪垣と呼ばれる石積みにつきましては、熊野地域に広く分布しているようですが、本市におきましては、木ノ川から高森、また南檜杖、相賀、高田に見られるということでございます。農作物を守るための先人の知恵と努力が見受けられます。 かつての猪垣のような、集落全体を囲うような大規模なものになれば、国庫補助事業の活用となりますが、費用対効果等の問題や地元集落の維持管理等のハードルが高いと思われますので、現状の対応では難しいかなと考えております。 ◆4番(大石元則君)  確かに、現状では難しゅうございますが、その当時の人が農地を守ろうとして40年もの歳月をかけて行動を起こされた。この行動は、尊敬に値すると思います。猪垣に秘められた人々の思いに接したとき、市長はどのような感想を持たれるかお聞きします。 ◎市長(田岡実千年君)  この猪垣については、私は、二十数年前に、テレビ放送のための撮影で高森あたりの猪垣を撮影させていただいたことがありますが、この猪垣については、一般的には江戸時代以来、大切な生活の糧である農作物をイノシシや鹿などの害獣から守るため、村を挙げて大変苦労して築いてきた施設であるということでありますが、これは、先人の汗と涙の結晶であり、当時の人々の暮らしぶりを理解する上でも貴重な民俗文化財ではないかというふうに感じます。 ◆4番(大石元則君)  民俗文化財としてお考えのようであります。 私は本来、昔の人にできたのだから、今の人にできないはずはないと考えます。しかし、40年も待っているわけにはいきません。そこで今、耕作地を獣害から守る施策について聞きます。担当課の答弁を求めます。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  市の単独事業としまして、市内の個人を対象にしまして、農地等に係る野生動物による被害を防止するために、防護柵等の資材購入費に対しまして補助金を予算の範囲内で交付しているところでございます。 補助率は資材購入費の半額であり、上限額は10万円となっております。また、2戸以上の農家や団体が実施主体であれば、県の事業も活用することが可能となっております。 ◆4番(大石元則君)  最近知ったことですけれども、同じような施策を昨年度からJAみくまのも取り組み始めております。内容は、1件当たり最大5万円の助成額で事業費の3分の1を対象とするものであります。当然、JAの組合員であることの条件はつきますが、農家にとっては有効なものとなっております。市町村の事業と合わせていけば、ほぼ自己負担を限りなく少なくして耕地を囲うことができます。耕作者の皆さんには、どのような形で情報を提供されておりますか。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  各地域の農業実行委員と、また農業委員様からの御紹介なり、また新宮市の窓口に来られたら、さまざまな県の施策、市の施策、またJAの施策につきましても、あわせて説明させていただきながら、個人の負担が安くなるような方法を考えて、しっかりお伝えしたいなと考えております。 ◆4番(大石元則君)  今後とも、よろしくお願いします。 次に、生産意欲を高めていくためには、どうしても販売促進が欠かせません。 さて、どこで潮目が変わってしまったのか。広角の周辺農家も期待を込めていた道の駅でありますが、そこの農産物直売コーナーを心待ちにされていた経緯もございます。今、道の駅は、どこへ行ってしまったのか説明を求めます。 ◎企画調整課長(尾崎正幸君)  広角用地への道の駅の整備につきましては、議員の皆様も御存じのとおり、平成27年度に予備調査等の業務を行ってございます。前提といたしましては、国の一体型というものを前提といたしておるものでございます。その中で、市が担う地域振興施設のコンセプトでありますや、また、規模、機能、そういうものも含めて検討をしてございます。 これにつきましては、当時、平成28年度だったと思いますけれども、総務建設委員でも御報告させていただいたところでございます。 そういう中で、財源あるいはランニングコスト、これ、重要な問題でございますけれども、また、地元産品の確保の方法であるとか、そういうところが大きく指摘されているところでもございまして、こういうところの課題を、まずクリアしていかないといけないということで、こちらのほうに時間を要しているような状況でもございます。 その中で、国との協議は継続しているわけでございます。その協議の中での今までの経過や今後の方向性、これについてちょっと整理をしてほしいというようなことも求められてございます。結果的には、こういう中で、進捗は現在のところ見ていないというのが現状でございます。 ◆4番(大石元則君)  ということは、ここ何年かは、道の駅自体が動き出すというは、なさそうですね。どうなんでしょう。 ◎企画政策部長(新谷嘉敏君)  経過は今、企画調整課長が申し上げましたとおりでございます。 当初、国とあわせてこの予備調査を一緒にやったわけでございます。議員各位からも、委員、またこの一般質問等を通じまして、いろいろ将来的な財源を危惧する意見をいただいてございます。また、当局におきましても同様でございます。 そういった中で、いろんな手法を検討してまいりました。道の駅を整備した上での養生地の民間活用でありますとか、そういったところの誘致、そういった中で、先般、今年度に入りましてから、担当課のほうで紀南河川国道事務所のほうに赴いた際には、今、課長申し上げましたように、いつまでも宙ぶらりんということはあれなんですけれども、小康状態をこのままというわけにいきませんので、一定の方向を、市の姿勢を少し見せていただきたいということも求められてございます。 そういった中で、近々市長、副市長とも、今後の市の方向性ということも協議をする中で、またその状況を見ながら、まずは総務建設委員等ででも、今後のあり方について御報告をさせていただければというふうに考えてございます。 ◆4番(大石元則君)  今の説明の中で私なりに考えますと、文化複合施設の財源のこともあります。当面、先送りではないんですけれども、動き出す気配がないのではないかと思います。 そこで、担当課に尋ねます。 このような状況で、販売促進にどのように今後かかわっていくのか見解を求めます。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  大石議員おっしゃったように、生産を担保するのが販売であるということで、生産を担保する中では、やはり利益が上がる販路を確立することが重要だと考えております。 その一つの手だてとしまして、農産物の特売所でありますが、事例の一つとしまして、JAみくまのが佐野のAコープランティス店で行っております地場産物の直売ですとか、また新たに本年の5月25日に緑ケ丘の恵広場というところを開設しまして、第1回朝市を実施しておられ、今後、毎月最終金曜日に開催していくということを聞いております。これらの直売に出荷しまして販路を拡大していくことが、生産意欲を向上すると思われるところでございます。市としましても、何らかの地場産物の直売所の設置を考察しているところでございます。 また、先ほどの道の駅のお話ですが、計画が進めば、関係所管とも協議をしてまいりたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  ぜひ、道の駅が動き出すまで、担当課のほうで販売促進に努めていただきたいと思います。 さて今回、JAの営業事業にも触れさせていただきました。これからの、現況の農業の衰退に歯どめをかけていくには、県の振興局はもちろん、JAとも連携を密にする必要があるように思えます。当局の考え方を問います。 ◎農林水産課長兼農業委員事務局長(平見良太君)  さまざまなJAの取り組み等々ございますので、今後、JAみくまのと協議を重ねながら、新たな販路拡大に向けて調査研究等をしてまいりたいと思います。 ◆4番(大石元則君)  これからの活動に期待していきます。 話は飛びますが、今の政府は働き方改革の中で、国家公務員の兼業容認に本腰を入れ始めております。人口減少が進む中、人手不足、人材難に対応しようとしています。地方公務員の世界でも、率先して神戸市が2017年度に解禁しました。内容は、在職3年以上の職員は、勤務時間外の休日に地域貢献や社会的課題の解決といった内容に沿った公益活動に従事できるようになったということであります。 現在の公務員の兼業容認に向けての動きに際し、当局の見解を伺います。 ◎総務課長(山下泰司君)  今、議員おっしゃられましたとおり、政府は国家公務員につきましては、NPO法人など公益活動を目的とした兼業に限り認める方針で現在調整していると聞いております。 本市におきましては、現在、地方公務員法第38条の規定に基づきまして、職員が営利企業等に従事することは制限しております。農業につきましても、営利を目的とする限り制限を受けますが、自家用の米や野菜を生産する程度であれば該当しないものとなっております。 今後は、国や他自治体の状況を見ながら、職員が本来業務に支障が生じない範囲での公益活動への従事について研究していきたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  そこでお尋ねします。 春の田植え、また秋の収穫、公務員が休日に参加することはできるのでしょうか。これはお手伝いなんですけれども。 ◎総務課長(山下泰司君)  先ほども申しましたとおり、自家用の農作物をいただくということでしたら大丈夫だとは思いますが、報酬を得るということになりますと、その辺はちょっと制限がかかってきまして、許可をとらなければいけないということになっております。
    ◆4番(大石元則君)  報酬はいただけそうにないんですが、機会があれば皆さんにもお願いしたいと思います。今後の流れを注視していきたいと思います。 これからは、地域貢献の一端も担ってきた農業の現場に職員の皆さんにも興味を持ってもらうように、今後とも私も努力してまいりたいと思います。そして、皆さんが退職された後、農業の現場に再就職できるような時代が来れば幸いであると思います。 さて、ことしも7月に熊野川町で9月のひまわりまつりのため、この7月にヒマワリの種の作業が予定されております。7月1日に行われると聞いております。まずは、皆さんの参加を促しまして農業の項を終わらせていただきます。 次に、防災・減災の項であります。 期せずして一昨日、大阪府北部において震度6弱の地震が起こりました。この場で、亡くなられた方々の冥福を心から祈りたいと思います。 今回の地震を受けて、防災・減災の立場から質問をさせてもらいます。 この地震は、登校時間帯に起こりました。小学校のプールの横にあるブロック塀の倒壊により、緑の安全地帯を歩いていた9歳の小学生の女の子が犠牲になりました。尊い命が失われました。担当課に伺います。 今問題に上がっているのは、倒壊した塀が建築基準法に適合していなかった点、また学校が維持管理しなければならない項目の中にこの塀が入っていなかったという点であります。新宮市にあっては、今の二つの問題点を既に把握されていたのでしょうか。 ◎教育部次長兼教育総務課長(北畑直子君)  学校施設におきましては、建築基準法第12条にある、建築物の敷地構造及び建築設備について損傷、腐食、その他の劣化状況の定期点検を2年に1度受けております。幼稚園、小学校、中学校で受けておりまして、昨年度29年度の検査では、敷地内の塀について、幼稚園、小学校、中学校とも指摘なしで報告を受けております。 ◆4番(大石元則君)  では、本市においても同じようなことが起こらないようにしていかなければならないと思います。 早速、国からの通知によって、教育委員のほうへ対応を開始するよう通達があったと思います。子供たちを地震から守るために、担当課のこれからの現在の取り組みを含めてお尋ねいたします。 ◎教育部次長兼教育総務課長(北畑直子君)  このたびの地震による女子児童の死亡については、深く受けとめております。 地震が発生しました18日の月曜日午後から沿岸地域にある小学校3校、神倉小学校、王子ヶ浜小学校、三輪崎小学校について、通学時危険なところはないか、まずブロック塀が道路に面したところはないかということで、担当者と私で、目視ではありますけれども応急的に確認に参りました。神倉、王子ヶ浜については、そのような場所についてはなかったかなと思っております。ただ、三輪崎小学校につきましては、敷地をブロック塀で囲っている状況であります。ただ、その高さについては、基礎部分を入れて上にブロックを4段積み上げた高さと確認しましたので、1メートルほどのものかなと。中には、金具で補強しているような状況も見受けられました。あと、山間部につきましては、今までの経験上該当するところはないかなと思いましたが、校長に電話で確認をしているところです。 また同日、県教委からも学校敷地内、通学中で地震、津波等の自然災害により被害を受ける危険な箇所はないか、再確認するよう連絡がありました。 そして、昨晩ですけれども、県教委を通じまして、文科省のほうから、安全確認と安全確保に努めるようにという通知がございましたので、今後また、直ちに設計技術者の協力も得ながら点検をして、安全確保をしていきたいと思っております。 ◆4番(大石元則君)  いち早い対応をありがとうございます。引き続き、子供たちの安全の対応を行っていただきたいと思います。 先ほどにもありましたように、通学路で子供たちの見守りをするために、これは多分通学路だと思うんですけれども、民間のブロック塀が倒壊し、80歳の男性の方も亡くなられております。防災対策課では、常々避難路を設定するとき、危険なブロック塀について、ある程度把握されてきていると思います。倒壊のおそれのあるブロックから市民を守るためには、どういった対策をとられているのか、当局の見解を求めます。 ◎防災対策課長(山本茂博君)  新宮市では、いろいろとブロック塀対策、今回のこういったことを受けまして、避難路の関係のところ、あらゆるところを関係課で連携しながら調査研究をしてまいりたい。また、補助制度なども探ってまいりたい。このように思っております。 ◆4番(大石元則君)  次に、家具の固定です。 本当に残念なことですが、地震の揺れに対応できていれば命を落とすことは少なかったのではないでしょうか。市民の皆さんも、改めて家具の固定の重要性を認識されたことと思います。 しかし、実際地震が起こらないと、その重要性が認識されにくいのではないでしょうか。本市にあって、家具の固定はどれだけ進んでいるのか。そして、今こそ現況を踏まえ、市民に防災・減災を呼びかけるときと考えます。担当課の見解を求めます。 ◎防災対策課長(山本茂博君)  東日本大震災以来、津波災害に目が向けられる傾向にございます。新宮市では、過去の地震や地形特性などから、揺れ、火災の危険が高く、その対策が必要と考え、揺れ対策といたしまして、家具転倒防止器具の取りつけを平成16年度から高齢者や障害者世帯の災害弱者に対して実施してまいりました。 内容といたしましては、職員2名が臨場いたしまして、寝室や居間などで地震時に転倒するおそれのある家具を、ベルトや転倒防止金具で固定するというものでございます。ただ、取りつけを行うだけではなく、訪問時を絶好の啓発の場と捉え、個人に応じたリスクや避難場所、避難方法につきまして、また備蓄品等についての確認、助言、直接話すことで地域防災力の底上げを図っております。平成16年度から平成29年度まで、累計708戸で実施をさせていただいております。 ◆4番(大石元則君)  来たるべき大きな地震に備え、中身については、今後とも詰めていければと思います。 さて、いよいよ雨のシーズンがやってまいります。その中で、まず1点だけ、先にお伺いしたいことがございます。 7年前の災害を受けて、那智勝浦町、特に那智川では大きな災害を経験しております。その土砂災害の大きさにより、那智川も氾濫することになり、貴重な住民の命が奪われております。 さて、あれから7年近くになりますが、土砂災害の対策として、砂防ダムの建設が那智川沿いで国の事業で取り組まれてきました。大規模事業なだけに、かなりの年月を費やしたと思います。既に、完了されているのでしょうか。 ◎都市建設課長(宇井俊治君)  紀伊山系砂防事務所に問い合わせしましたところ、那智川砂防堰堤群の整備事業につきましては、現在継続中でありまして、進捗状況としましては、平成23年の紀伊半島大水害で土砂災害のあった渓流について、それぞれに1基ずつ砂防堰堤を整備しており、ある程度の安全性は確保できているとのことでした。 ◆4番(大石元則君)  地元の国会議員の二階代議士も提唱されている国土強靭政策が一つのきっかけにもなっているように考え感謝しております。 この砂防ダムの効果は、既に実証されております。次なる土砂災害には大いに寄与してくれるものと思います。 ただ、砂防ダムがあったところが壊されたままのところ、またこれまでの災害によって砂防ダムが土砂で埋まったままの箇所が見受けられます。次なる土砂災害に備えるには危ういと考えます。担当課の見解を求めます。 ◎都市建設課長(宇井俊治君)  議員御指摘の危険箇所等がありましたら、管理者と連携をとりながら実態を把握し、危険箇所につきましては、対策を要望していきたいと考えております。 ◆4番(大石元則君)  よろしくお願いします。 話をもとに戻させていただきます。 100年に一度の紀伊半島豪雨災害も去年の記録的短時間雨量も経験している新宮市であります。これまでの教訓を生かした防災・減災に取り組めば、市長がこれまで主張されている、1人の犠牲者も出さないで済むかもしれません。確かに、防災・減災への取り組みが試されるときであると思います。しかし、そのためには、まだまだ時間もお金もかかることと思います。 今回、消防長が新任されました。今、災害が発生すれば、現場の状況をつぶさに把握し、市長に報告するとともに、直接現場の指揮をとることになると思います。多くの犠牲者を出したJR脱線事故のときに、新しく新任した市長が全権を委ねて対応に当たらせたのは消防長でありました。そういう話も伺っております。これからの災害を考えたとき、消防長に寄せる市民の期待は大きいと思います。消防長の今の抱負を求めたいと思います。 ◎消防本部消防長(川嶋基正君)  御指名でありますので、消防長としての抱負を述べさせていただきたいと思います。 大規模災害が発生した場合におきましては、消防本部単独での活動は限界がございます。それを補っていただくのは、新宮市消防団330名の団員の皆さんの協力が不可欠となってまいります。私としましては、消防団と消防本部の連携、協力体制の強化を図っていきたいと思っております。そして、市民の皆様の安心と安全につなげていきたいと考えております。 ◆4番(大石元則君)  抱負を述べていただき、ありがとうございます。 では、時間の都合により、防災・減災の項をこれで終わりたいと思います。 ○議長(屋敷満雄君)  一般質問中ですが、10分間程度休憩いたします。 △休憩 午後1時55分--------------------------------------- △再開 午後2時12分 ○議長(屋敷満雄君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 4番、大石議員。 ◆4番(大石元則君) (質問席) では、最後の項、市長の基本姿勢に移らせていただきます。 私は今回、市長の基本姿勢を問いたださせていただくに当たり、今、財政上大きな懸案事項になっている文化複合施設建設を課題にしたいと思います。そのためには、教育長、副市長にも答弁していただく必要があります。なぜなら、市長の基本姿勢を支えているのがお二人だからと考えております。 まず教育長、立場上、常に新宮市の教育、文化に関する知識の集まるところにおられると思います。そのあなたが包蔵地に建物を建てようとしたら、発掘調査が文化庁から課せられることは事前に御存じだったと思います。当初から記録保存で対応する予定だったのか。その点も含めて、どうだったのかお伺いします。 ◎教育長(楠本秀一君)  私は、行政経験上2回ほど発掘調査を経験しております。1回目は、阿須賀神社に歴史民俗資料館を建てるときに発掘調査をやらせていただきました。2回目は、新宮城の発掘調査です。そのときは単なる作業員ですから、土を丁寧にかいていくと、柱跡があったらちょっと感触が違うんです。そういうところが出てきたら、手でさわって土を分けるとかそういう作業をしただけで、発掘調査というのは大変だなということはそこで理解しましたが、歴史的に学術的にそれをどうのこうのということの判断というんですか、そういう知識はございませんでした。 今回、文化複合施設を建設するに当たって、埋蔵文化財の包蔵地ですから、一次発掘調査が入って、平成28年の2月9日から7月29日まで第一次調査がありました。その中で、鎌倉式の地下倉庫とか、そういった竪穴住居跡地とかいろいろ出てきました。そのことをもって、同年の一昨年になるんですけれども、7月に市長とともに県知事のところへ参りまして、複合施設の進捗状況、それと埋蔵文化財の状況調査を報告に行ったわけですけれども、その時点でも、私は記録保存でやっていけるんではないかと。 というのは、鎌倉式地下倉庫から出てきたといったときに、鎌倉市のホームページ等を見ましたら、全て記録保存で対応していると。たくさん出てきているから記録保存で対応しているというような文献とか、そういう記録調査をホームページで見させていただいたので、記録調査でも十分対応し得るんじゃないかなという認識のもと、知事のところへ行かせていただいたわけですけれども、そのとき同席してきた県教委の文化遺産課の担当者が、ちょっとそれはまずいんじゃないかと。記録保存だけではまずいぞという、それで新宮市はいいんですかというような投げかけがありまして、そこで、記録保存だけではだめなんだなという認識に至った経過があります。そのとき知事は、新宮市の意向は、紀伊風土記の丘のような国宝級ではないだろうということなので、担当者には、私は今でも覚えているんですけれども、「君の心の気持ちが傷つかない程度に、新宮市のまちづくりに協力しなさい」という知事のお言葉が担当者にあったということは、今でも覚えております。ですから、記録保存で十分であっただろうという考えから、そのときをして、記録保存ではだめなんだなという認識に変わりました。それが私の今までの、この第一次の埋蔵文化財に対する認識でございます。 ◆4番(大石元則君)  記録保存から現状保存に考えが変わられた経緯、伺いました。 ただ、次から次へ遺跡の発掘に時間を要しております。こういった中、確実に文化複合施設を建設していこうと思えば、ほかの場所へ、建てる場所を変更したり、別の案でもって対応することも、機会もあったはずでございます。 これまでそういった点にもおいて、常に市長のはたにおられて実際これまで市長にどのように進言されてきたのか、その一端なりともお聞かせいただきたいと思います。 ◎教育長(楠本秀一君)  私は、この地に文化複合施設を建設するといったことは、学校の統合再編から事務の担当者として携わっております。学校を統合再編して複合施設をつくって、まちなかににぎわいを取り戻す。それとともにこの地区を文教、文化ゾーンのまちづくりにつくるという、そういう総合計画の目標がありましたから、それを一貫して市長に、ここに文化複合施設が建つのが妥当であるし、ここの計画を進めていきたい。教育委員として進めさせてほしい。そういったことは、この姿勢は一貫して変わらず今まで今日にまで来ております。 それと、当初は合併特例債等の財源しかなかったわけですけれども、市長のお力で都市再構築戦略事業の交付金事業に採択されたということで、有利な財源も見つかったということも一つの大きな要因であります。この地に、当初の目的どおり文化複合施設を建ててにぎわいを取り戻す、そういったことが、私の意識の中では一切今まで変わっておりません。 ◆4番(大石元則君)  この機会に理解を深めることができればと思います。 次に副市長、文化複合施設を建設するに当たり、国の施策を取り組むことに努力されてきていると思います。いろいろ駆使されて、ようやく国からの幾つかの助成事業をこれまでかち取ることができたと聞いております。 しかし、助成事業にも自己負担が伴うと思います。発掘調査で出費もかさんでいます。市長は小ホールを実現するために設計になかった可動席を導入することになりました。3億円余り、このお金を新たにかけることになっております。これから先、入札時のことを考えると、小ホールを断念する選択肢もあったように思います。この点の見解と教育長にもお尋ねしたように、副市長は市長をどのような形でサポートされておられるのか聞きたいと思います。 ◎副市長(向井雅男君)  2棟案から1棟案になった時点で、小ホール機能を何とかこの1棟案の中で確保していかなだめだという問題については、ずっと認識はしておりました。 議員御存じのとおり、基本設計の概算額が示されたときに、可動席を含めた6.4億円の増額分が示されたわけですが、正直、財政部門あるいは企画部門を歩んできた私にとっては、これまでに想定されていた額にプラス6.4億円という数字は本当に高額であり、葛藤があったことは事実であります。 それはどうしてかと言うと、やはり歳出の面で、これから基本設計から実施設計に移ります。実施設計に移るときには、やはりプラマイ幾つかの何らかの増減があるというふうにも言われておりますし、ちょうど、来年は消費税の変わる時期でもあります。そういった関係の中で、当然契約時期をいつにするかで増額も考えられます。あと、契約時期が進む前に入札もございますので、当然庁舎の入札ということも、他市の状況も考えるときに、そういった不調ということも考えておく必要がある。 歳入の面では、やはり県の補助金が確定というところまでは行かない状況であり、国の交付金も多分新宮市だけだと思うんですが、これまでは100%の交付金をいただいております。今後、事業費が始まると、100%の交付金がいただけるかどうかというのは、やはり、これは市長には当然頑張っていただかないといけないんですが、獲得はしていかないといけないんですけれども、それも100%ではないと。そういったことを考えると、私自身の中には、いろんなジレンマがございました。 ただ、この文化複合施設を使っていただく中で、やっぱり市民の方に喜んで使っていただく。ぜひ、この建物を使いたいという、そういった気持ちになっていただくということが、やはり一番大事なのではないかと。当然そういった中で、使っていただく方の選択肢をより幅広く、使うということについては、これまでは固定席であった市民会館を可動席にして、そういった小ホール機能もある、あるいはほかの使い方もできるということを考えれば、やはりそういったこともあるのかな。ただ、財政運営の問題、そして平土間を前面にしなければいけないという問題。そういうところは少し残っておりますので、当然この6.4億円の分を、この間特別委員の中で少し圧縮をしていただいて3億円少しに抑えていただいて、今後、VEの中で、また、華美なものはつくらないという中で圧縮をお願いしておりますが、何とかこの可動の利活用しやすい、いろんな選択肢ができる、そういったものの増額分だけでおさまるような格好で、今後引き続き市長とは議論をさせていただきたいというふうには思ってございます。 ◆4番(大石元則君)  今後とも、お二人とも市長をサポートされていかれると思いますけれども、文化複合施設に関しては、いろいろな課題が見えてまいりますので、その都度中身のある検討をお互いに加えながら、今、副市長が言われた方向性は皆さん共有できると思いますので、中身を詰めていければと思います。 さて、市長、何事も決定するのはキーマンである市長であると思います。これまで、文化複合施設建設に当たって、少なくとも三つの大きな変更があったと思います。当然トップとして、その都度市長なりの根拠で判断をされてきていると思います。 そこで、どういった理由で判断されてきたのかお尋ねしていきたいと思います。正直に御回答いただければと思います。 まず、基本設計のときに1棟案で行くようになっておりました。途中、プロポーザルによって1棟案から3棟案に変わりました。基本設計で決められていた1棟案がなくなったということと理解しております。この点において、市長はどういったおつもりで決断されたのでしょうか。 ◎教育長(楠本秀一君)  プロポーザルの選考委員の一人であります教育長の私のほうから、その件についてお答えさせていただきます。 プロポーザルを募集しましたところ、数社、五、六社から応募がありました。その中で、プロポーザルを実行する中で、新宮市の条件、8,000平米から1万平米、そして本体工事費48億円で、基本計画にある文化複合施設を建てたいという条件の中で応募してきたのが五、六社あったと思います。その中では、はなから48億円では無理ですという設計会社もありましたし、そういった中で、絶対48億円にするということは言えないが、できるだけ頑張って48億円にするということで、その提案が3棟案という中で、コストを一番意識していただいた、今設計をお願いしている山下設計、金嶋設計に落ちついたというところでございます。 そういうことがあって、3棟案ということをプロポーザルの選考委員、民間の委員も入っている中で、その業者に決めさせていただいたというのが経緯でございます。 ◆4番(大石元則君)  さて市長、経緯が見えてまいりましたけれども、市長としてはその当時、別に違和感がなかった、いや納得されていた。その経緯の中で、その当時、市長はそのような結果が出たときに、どういう御感想を持たれたんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  基本計画では、1棟の中に三つの機能があるというふうな計画でありましたので、審査の結果、そういった3棟案を示された業者に決まったときには少し驚きはありましたが、審査員の方々が一番いいというふうに決めていただきましたので、そこにお任せするということでございます。 ◆4番(大石元則君)  ということは、民意に委ねられたと理解させてもらってよろしいんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  そうですね。 その審査、いろんな方々に参加いただいておりますので、皆さんの意見をやはり尊重すべきだというふうに思いました。 ◆4番(大石元則君)  次に、3棟案から2棟案に委員のほうで変更になった瞬間を、私はその当時まだ委員ではおりませんでしたので、傍聴席で立ち会わせていただきました。これについての説明は、午前中の一般質問の中で説明されていましたので、省略させていただきます。 三つ目として、当初から市長は、遺跡保存に当たっては記録保存で対応すると明言されておりました。先ほど、教育長のほうからもその点については説明がありましたけれども、市長としては、まずどの時点で現状保存を考えるようになったのかお聞かせください。 ◎市長(田岡実千年君)  議員おっしゃるとおり、今回の建設予定地、ほとんど全てにおいて保存は記録保存でさせていただいて、予定どおり、予定の場所に建設したいというふうに考えていたわけでありますが、御承知のとおり、熊野川の近くの部分、旧丹鶴幼稚園の下には、大変重要な国の指定にもなり得るような川湊遺跡が発見されたわけでありまして、これはやはり県とかとも相談する中で、どうしても破壊はできないというふうに判断させていただきましたので、今のこの1棟での4階建てということになってきたわけであります。 ただ、もう建設、実施設計も入っている中で、今の建設予定地から遺構が出てきたとしても、ここは記録保存で保存して予定どおり建設したいというふうに考えてございます。 ◆4番(大石元則君)  一つお尋ねします。 市長、その遺跡の価値については、県の教育委員と折衝するに当たり、川湊のお話を伺うに当たり、どういった形でその遺跡の価値を持たれたのでしょうか。もともと遺跡には、ふだんから自分たちもその価値に触れることがなかったのでありますが、市長自身はどうだったんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  中身については、私どもの文化振興課の職員と県の職員でいろんな協議をしていく中で、そういった遺跡の重要性については、担当者からレクチャーいただいてその価値を知ったということでございます。 ◆4番(大石元則君)  価値観は、当初、文化複合施設を建てようとしたときと今と、比べようがないんですけれども、市長の中ではどういった形で価値観が今定着しているんでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  私は、余り遺跡に関しては詳しくありませんので、その価値については、いろいろ教えてもらわないとわからなかったこともありますが、先ほども申し上げましたが、大変貴重な川湊という珍しい遺跡だということでありますので、そこは現状保存ということにしました。 いろんな、古くは縄文時代とか鎌倉時代とか江戸時代にはたくさんの遺跡が出てきておりますが、時代を知る上では、それぞれに価値があるものだというふうに思っております。 ◆4番(大石元則君)  遺跡の価値を共有されながら、結果的にその遺跡に配慮する中で、建設場所の位置がその都度変わってきております。 最後にいよいよ行くところがなくなって、敷地の隅に追い詰められるような形になって、その限られた場所に文化複合施設の機能を全部満たそうとすれば、分棟ではなく1棟案の4階建て、こういったふうに対応されてきたように経緯を振り返ってみますと思われます。それはやはり、貴重な遺跡に配慮した結果だと、私には、市長が貴重な遺跡だと認識されてそういう経緯をたどられてきたように見えたのですが、市長いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  議員おっしゃるとおりでございます。 大変貴重な川湊遺跡を現状保存するためには、今の1棟で4階建てということになったということであります。 ◆4番(大石元則君)  そこまで、市長も遺跡に配慮されているのがうかがえるんですけれども、遺跡を保存するの皆様には、残念ながら好感を持たれていないように思われます。なぜなのか、その点について、市長なりの見解をお聞かせいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  そのの方からは、何度も直接お話も聞かせていただいておりまして、全面残して文化複合施設を全く違う場所に建てるべきだという訴えもいただいているところでありますが、この場所は総合計画でも決められておりまして、なぜこの場所に文化複合施設かといいますと、もちろんこの施設、市民の皆さんの文化の拠点でありますが、さらに、衰退している中心市街地、商店街の復活、活性化に期するところも大変大きく担う施設だというふうに思っておりますので、当初から大きく場所を変更するという考えは全くございませんでした。 ◆4番(大石元則君)  結果的に、遺跡の全面現状保存は無理なのが見えてきているんですけれども、唯一、市長が今言われたように、基本構想のときから、あの場所へという思いは貫かれているように思います。それが、市民の皆さんにどれほど理解されているか。また、それはあそこへ建てたからいい効果が出てきた、これは、建ててみての話になると思うんですけれども、市長なりに、あそこへどうしても建てようとした理由を、もう少し一般の市民の皆さんに少しでも理解してもらえるように伺いたいのですが、いかがでしょうか。 ◎市長(田岡実千年君)  先ほども申し上げましたが、建設予定地は、かつての中心市街地、かつてといいますか今もですが、中心市街地で、商店街もすぐ近くにある場所でありますし、またつい横には新宮城跡が、西には世界遺産の熊野速玉大社もあり、中心市街地の活性化とともに、観光の拠点ともなる絶好の場所だというふうに思っておりまして、完成した暁には、やはりここに建設してよかったなと言ってくださることを願っております。 ◆4番(大石元則君)  まだまだ文化複合施設への建設に向けては、いろいろな検討がなされると思います。私も、私なりの立場で検討を重ねていきたいと思います。 さて、総括に入らせていただきます。 市長の基本姿勢は、これまでも伺っております。3期目に指揮をとられるに当たって、もう既に、市長は職員の皆さんと一丸となって市政に当たられているように見受けられます。 昨夜、サッカーのワールドカップで、日本がかなり格上のコロンビアに奇跡的な勝利をおさめました。今の市長は、日本代表の西野監督の役割を課せられていると思います。職員を一つに束ねられた市長です。次は、市民を一つに束ね、新宮市の活性化への道を進まれると思われますが、その施策は、市長なりにどのような施策をお持ちなのか、お考えの一端なりとも伺えればと思います。 ◎市長(田岡実千年君)  まちづくりの基本は、私は協働だと思っております。行政と民間の方々、市民の方々と同じ目的に向かってそれぞれの立場、役割を頑張っていくことがまちづくりの基本でありますし、まちづくりを進めるのにスピードアップして成果が出るコツが、やはりこの協働だというふうに思っております。 そういう中で、いろんな民間の団体に顔を出させていただいたり、また市民の皆さんとなるべく接する時間を持つために、いろんなところをうろうろしたりもして意見も聞いているところでありまして、この協働ということをしっかりと進めていきたいと思っておりますが、やはり、まちづくりの中心を担うのは市の職員だというふうに思っておりまして、職員の皆さん、毎年毎年新しい若い方も入庁してくるわけでありますが、皆さん、難しい採用試験をクリアして入ってきているわけでありますので、皆さん優秀であります。その優秀者プラス、そのまちづくりにいかに熱意を持っていただくかというところが非常に大切だというふうに思っておりまして、サッカーの監督に例えて私が市役所の監督だとすれば、私の仕事は選手の皆さん、職員の皆さんに、そういった、いかにチームワークをしっかりとって、熱意ある仕事をしてもらうかということだと思っておりますので、今後もそういったところに気持ちをしっかりと持って、まちづくりを進めてまいりたいと思っております。 ○議長(屋敷満雄君)  大石議員、あと4分ですのでよろしくお願いします。 ◆4番(大石元則君)  市長、前向きな御答弁ありがとうございました。 私も、私なりに気づかされることが多ございます。 最近、市民窓口で1人の市民の方とともに窓口でお話を聞く機会に恵まれました。そのときに確信したことがあります。新宮市民を救うことができるのは、新宮市の職員の皆さんであります。神や仏にすがることができても、直接神や仏は手を差し伸べることはできません。前回の一般質問の日が3月9日でございました。市長みずから感謝を述べられたのも、私には今になってうなずけてまいりました。 さて、きょうは6月20日であります。マザー・テレサの「日々のことば」という本がございます。6月20日の欄を紹介しまして私の一般質問を閉じたいと思います。 「6月20日、遠くにいる人たちを愛するのは簡単なことです。インドの飢えた人たちのことを考えるのも、とても簡単なことなのです。あなたは、まず自分の家庭に、次に、お隣に、そしてあなたの住んでいるところ、それから、あなたのまちに目を向けなければなりません。それから初めて外に向かうのです。」皆さんとこの言葉を共有していければと思います。 御清聴ありがとうございました。これで、私の一般質問を終わります。 ○議長(屋敷満雄君)  一般質問を続けます。--------------------------------------- △上田勝之君 ○議長(屋敷満雄君)  12番、上田議員。 ◆12番(上田勝之君) (質問席) それでは、6月議会一般質問を始めさせていただきます。 初めに、公共施設の運営管理・マネジメントをどう考えるか!という題でお尋ねをしてまいりたいと思います。 文化複合施設が実施設計、実際の建物の設計の段階に入り、施設整備と維持管理、それに伴う財政状況について、きのう、きょうの一般質問あるいは特別委員等々を通じて、さまざまな意見のもと議論が交わされています。また、さきの3月議会では、この市役所庁舎完成に伴い、閉鎖された仮庁舎として使用されていた旧職業訓練センターの耐震改修事業について議論が繰り広げられました。教育委員が使用していた旧西別館、旧水道事業所庁舎については、学童保育としてリニューアルされ活用が図られました。また、この6月議会定例前の教育民生委員では、三輪崎幼稚園の閉園による園舎の利活用の方向性について意見が交わされました。 市が新たに施設を更新整備し、旧来の役割を終えた施設について利活用するのか、あるいは償却して公共施設のスリム化を図るのか。政策として未成熟なまま施設整備を行うことの是非について、公共施設等総合管理計画を含め質問をさせていただきたいと考えております。 ただ、まずその前に、先ほど大石議員からも質問で触れられておりましたが、月曜日の朝、午前7時58分、大阪府北部を震源として最大震度6弱の地震が発生しました。高槻市では、市立寿栄小学校のプールのブロック塀が倒れ、4年生の女子生徒が下敷きとなり死亡しました。高槻市の教育委員は、この塀が高さ2.2メートルを超え、補強のための控え壁がなく、建築基準法に違反していると発表しました。地震災害の中でも大変痛ましい事故で、心から御冥福をお祈りいたします。 この地震防災対策の観点から、老朽化したブロック塀の撤去について、私は以前から提言しているように、撤去を促す施策の必要性を改めて訴えさせていただきます。その点で、公共施設のブロック塀を初めとして、老朽化した塀の撤去など安全対策も進めなくてはなりません。 新宮市の平成30年度予算において、蓬莱体育館から蓬莱保育所にかけての市道と歩道の拡幅が事業化され予算措置が講じられています。ここも、旧蓬莱小学校時代から老朽化したコンクリート製の塀があり、拡幅に伴って撤去の予定と伺っております。 先ほどは、教育委員のほうでは学校や幼稚園の施設等あるいは通学路等の点検も目視ではありますがされたとのことでしたが、この蓬莱体育館や蓬莱保育所横の市道、通学路でもあり、せっかく予算措置が講じられているんですから、事業実施を前倒しして早急に塀の撤去を行うべきと考えますが、当局はいかがお考えでしょうか。 ◎都市建設課長(宇井俊治君)  議員御指摘の旧蓬莱小学校東側の市道池田町第1王子橋線につきましては、今年度と来年度の2カ年で歩道拡幅工事を予定しております。その工事区間には、石塀やコンクリート塀がありまして、歩道拡幅工事で取り壊す予定となっております。今年度分の工事につきましては、できるだけ早い時期に発注したいと考えております。 ◆12番(上田勝之君)  そうですね、せっかく予算措置が講じられ、事業化が図られているわけですから、こういった痛ましい事故、本当に残念なことです。新宮市ではこういったことを起こさないためにも、せっかく事業化をして予算措置を講じているんですから、一刻も早くかなり前倒しを行っていただいて、撤去を進めていただく、そういったことをぜひお願いしたいと思います。 また、今触れさせていただいた道路は通学路でもあると思います。あわせて、これは教育委員、きのう、文科省やあるいは和歌山県の教育委員から通知があったようにも伺っております。けさの全国紙の和歌山版の記事なんかにもいろいろ、和歌山市では早速点検をしたというような記事も載っておりました。 これ、学校施設だけではなくて、全ての公共施設のブロック塀などの点検や撤去について、公共施設の管理という観点からも実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎総務部参事[防災及び危機管理担当](西利行君)  防災対策課では、施設の耐震化という部分のこれまで把握はしておりますが、ブロック塀についての把握はしておりません。おとといの事故等も受けまして、早速ブロック塀についても、市の公共施設について調査をやっていきたいと思っております。 ◆12番(上田勝之君)  ぜひ、こういった点検等はしっかりと、しかも早急に行っていただく。特に、地震災害という自然災害ではありますが、こういった痛ましい事故をなくしていく、未然に防いでいくということは本当に必要なことだと考えますので、ぜひよろしくお願いをいたします。 さて、3月議会で議論された旧職業訓練センターの耐震改修後の利活用についてですが、地域包括支援センターを含む高齢者や障害を持つ方々のワンストップ窓口とし、ホール部分については、文化複合施設完成までの暫定措置としてホールとして使用、その後の活用方法については、今後検討するという方向性を示されたと、私は認識しております。これで、間違いありませんでしょうか。 ◎総務部長(小谷充君)  3月議会で今後の検討をしていくということで申しました。そういった中で、現在、庁内組織であります公共施設等のマネジメント委員において、議論、協議を行っているという状況でございます。 ◆12番(上田勝之君)  その公共施設等マネジメント委員の中で、この旧職業訓練センターの利活用についてはどのような議論が交わされ、検討されているのでしょうか。 ◎財政課長(小林広樹君)  平成30年度に入りましてから、マネジメント推進委員を2回ほど開催しております。その中の議論としましては、今のところスケジュールの確認でありますとか、あとは、運営開始に向けた所管課などを含めた実施体制、そしてまた条例などの手続などについて、今のところは審議を行っている状況でございます。 ◆12番(上田勝之君)  ホール部分を含めた、これは文化複合施設完成後ということであるんでしょうが、暫定利用後は、いわゆるモデルとした静岡県掛川市の地域健康医療支援センター「ふくしあ」のような施設に整備していかれるお考えでしょうか。 ◎健康長寿課長(河邉弘ミ子君)  ふくしあと同じ形とはならないとは思いますが、在宅医療相談窓口を併設いたしました地域包括支援センターを高齢者の相談支援センターの窓口として移設する予定です。 今後、さらにその支援を行う上での実働的な連絡先との関係づくりでありますとか、支援の能力の向上に努めてまいりたいと思っております。 ◆12番(上田勝之君)  河邉課長が担当される健康長寿課等々におかれましては、そういったソフト部分の取り組みというのは非常に重要かと思います。 ただ、実際この大きな旧職業訓練センター、どう全体を活用していくかという議論が必要なのではないかと。耐震改修、3月議会で認められ、耐震補強をした上で必要最低限の改修を行っていくということでしたが、当然これは文化複合施設の施設建設、施設整備とも兼ね合いがございますが、いわゆるホール部分、どう使っていくかということの検討は、この公共施設等マネジメント委員では議論はされていないのでしょうか。 ◎財政課長(小林広樹君)  現在のところ、平成32年度までの文化複合施設ができるまでの暫定的な使用について審議を行っているということで、少し段階的に考えていくということになっておりまして、平成33年度以降につきましては、継続してこのマネジメント推進委員の中で審議していくということになってございます。 ◆12番(上田勝之君)  ちょっと1回、この旧職業訓練センターの利活用の件は置きます。 次に、旧三輪崎幼稚園の園舎についてお尋ねをします。 園舎の建物は学童保育として活用したいとの要望があると伺っていますが、市当局は、現在どのような検討状況にあるのかお尋ねをいたします。 ◎教育部次長兼教育総務課長(北畑直子君)  教育委員ですけれども、昨年12月7日に1軒の学童保育所から保護者の方、または指導員の方から約100名近くの署名を添えて、三輪崎幼稚園閉園後の園舎使用に関する要望書というのを受けております。 それを受けまして、市担当者である子育て推進課、そしてまた、この学童保育所の指導員の方も入れて4回、5回ほどの協議をさせていただいているところでございます。 ◆12番(上田勝之君)  その協議の方向は、どのようになっていますでしょうか。 ◎教育部次長兼教育総務課長(北畑直子君)  協議の方向は、まず、それぞれの教育委員の条件といいますか内容と、そして子育て推進課の条件といいますか内容、そして学童保育所を運営されている方の条件といいますか、そこらのすり合わせをしているところでございます。 ◆12番(上田勝之君)  この学童保育というのは公設民営ですよね。ということは、施設を貸し出しても、賃貸料とかの概念とかはないわけですよね。 ◎子育て推進課長(辻本美恵君)  現在、新宮市において3カ所で学童保育を実施しておりまして、そのうち2カ所の学童保育は公設民営の方式になっております。 運営については、委託料による運営で純利益はほとんど見込めない状況でありますので、賃貸料の支出については負担が大きいと思われます。 ◆12番(上田勝之君)  市が設置して、運営自体がいわゆる学童保育を運営される方々ということで、理解でよろしいんでしょうか。 ◎子育て推進課長(辻本美恵君)  そのとおりです。 ◆12番(上田勝之君)  学童保育は、保護者の仕事の関係などで昼間自宅に保護者がいなかったり、面倒を見ることができる大人がいない小学生が放課後や夏休みなどの長期休暇中に通う施設で、2015年の児童福祉法の改正により対象児童が小学校に就学している児童となり、小学校6年生までの利用ができるようになりました。 保護者にとっては、小さい子供の体力や交通事故あるいは不審者対策といった観点から、学童保育施設の場所もとても気になるところであります。 全国では、小学校の空き教室で学童保育を実施している事例が多数あります。保護者にとっても学校敷地内の学童保育は安心感も増すのではないでしょうか。公設民営で学童保育を実施している新宮市ならば、小学校校舎を利用すべきではないのでしょうか。なぜ、学童保育は小学校の空き教室で行えないのでしょうか。 ◎学校教育課長(嶋田雅昭君)  議員おっしゃるように、小学校の空き教室を使って学童保育を実施しているところがあると聞いております。新宮市におきまして、学校の空き教室を利用できないか、現在各小学校の余裕教室の数やその活用状況等について調査をしているところでございます。 ◆12番(上田勝之君)  ぜひ、そういった調査を早く進めていただいた上で、でき得ることならば、小学校の空き教室等を利用した学童保育の開設あるいは現在開設されているところを小学校の空き教室に迎え入れる。そういったような施策を進めていただけないかなと私は思います。 小学校の空き教室で学童保育を実施すると他の施設は不要となり、行政のスリム化が図られるのではないでしょうか。 また、以前から提言している学童保育事業の子育て推進課から教育委員への移管、小学校就学前と就学後といった年齢別に子供たちの育ちを支援する体制を、しっかりと整えるべきではないかと考えます。この点について検討はいかがですか。 ◎学校教育課長(嶋田雅昭君)  現在、県下で教育委員が学童保育を所管しているところを調べましたところ、30市町村のうち16市町村となっております。もう少し細かく申し上げますと、9市のうち2市、21町村のうち14町村、教育委員が学童保育を所管しております。 新宮市につきましては、今後、関係課と協議してまいりたいと思っております。 ◆12番(上田勝之君)  ぜひ、小学校就学前と就学後の年齢別に子供たちの育みを支援していく体制、しっかりと市がとられることが大事だと私は考えます。 加えて、先般、知事による和歌山県の行政報告がありました。その中で、子育て世代包括支援センターを、2019年度末までに県内全市町村に設置すると県は報告されておりました。知事は、田岡市長は今年度設置すると話されていたと報告をされていました。この子育て世代包括支援センターとは、いわゆる日本版ネウボラと言われる事業なのか、そして新たな施設整備が必要なのか、どのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 ◎子育て推進課長(辻本美恵君)  子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期にわたる切り目のない支援、いわゆるネウボラ事業を構築することです。国は、平成32年度末までに設置するように言われており、本市においても、なるべく早い時期に設置する予定としていましたが、体制等の課題もありまして、現在平成31年度中に設置できるように、保健センターと子育て推進課の中で協議を進めているところです。場所においては、現在の保健センター内で設置する予定になっております。 ◆12番(上田勝之君)  としましたら、新たな施設整備は行わなくて、今の施設内にそういった子育て世代の包括支援センターを設置していく。これは、現在の子育て推進課あるいは子育て支援センターとの違いというものはどういった部分にあるかというのは、これからの検討課題なんでしょうか。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(田中幸人君)  今回の子育て世代の包括支援センターは、子育て支援の部分と母子保健の一体化というのが最終的な目標となっています。そうしますと、現在保健センターの中には、保健センターと子育て推進課がおりますので、その中で、当初は連携型というような形で、カウンターを工夫するとか、そういうような形で一体の支援を目指していくと。その上でまた、なおかつ機構改革の部分、多分いろんな高齢者のセンターとか絡んできたら、やはりちょっと見直ししなきゃいけない部分は出てくるかと思いますので、そういうときには、こちらの子育てのセンターもさらに強化し、そして高齢者の部分のセンターについても強化するというような、そういうことも取り組んでいきたいということで、現在のところは、先ほど子育て推進課長が言いましたように連携型という形を考えております。 ◆12番(上田勝之君)  こちら、新たな箱といいますか、そういったような施設整備は行わなくて、保健センターの中で機構改革を行い、一括した子育て世代の支援を行っていくということなんですけれども、今、健康福祉部長おっしゃっていただいたように、そういった中では、保健センターの中には妊娠期から子育て世代の部分、あるいは高齢者の部分というふうになります。そういった中で、また今の子育て推進課の中には、小学校就学前と就学後というふうに学童保育も受け持たれている。そして、いわゆる旧職業訓練センターでは、地域包括支援センタープラスアルファの機能を受け持つ施設をつくろうとしている。きちんとその辺を、皆さんが今協議されている中で、しっかりと、じゃ、妊娠されてから小学校就学前までは保健センターの場所へ行けばいい。それで、小学校へ入学されてからは、この市役所に教育委員が存続されるのだろうと思うので、市役所の教育委員に来ればいい。あるいは、高齢者や障害を持たれる方々が何か相談を行くには、旧職業訓練センターへ行けばいいというような、ワンストップ窓口をしっかりと皆さん方の中で整理をしていただいて、保健師なんかはどうしてもかぶってくる部分があるのかもわかりませんが、そういったような、非常にそこの窓口へ行けば、その世代、いや、相談が1カ所で受けられるというような形を、せっかくいろんな整備を図っていこうとされるんですから、そういった中で、いわゆる遊休施設といいますか、そういった施設を有効活用していく、あるいはといったようなこともあわせて考えていく。そういったことが必要なのではないかと思うんですが、こういったことを取りまとめてくれる方っていらっしゃるんですか。 ◎総務部長(小谷充君)  上田議員、今おっしゃっていただいたこと、本当にありがたい御意見だと思っております。 そういった中で、先ほど申し上げました庁内組織である、このマネジメント委員で、そういった各課、各部の連携を保って、またそのセクションごとにワンストップ化という部分を構築していきたいという部分において、これからいろいろと協議、審議、議論をしていきたいというふうに思っております。 ◆12番(上田勝之君)  その点は、いわゆる最後の項目の自治体運営といった部分の行政改革等々とも大きく絡むことだと思うんです。そういった中で、全体の機構を見直しながら、市民にとってより使いやすく、よりわかりやすく、そこへ行けば1カ所で相談が済み、非常に困られている点が解消できるといったようなことをしっかりと検討をしていただきたい。そういったことのために、遊休施設を利活用していくということは非常に大事なことだとは思います。 ただ、やはり、旧職業訓練センターの話で言えば、暫定利用の間に、順調に行って3年ぐらいですか。文化複合施設、これはまたいろいろ議論の分かれるところですから、いろんな議論はあると思いますけれども、それまでの間ホールを使う。それで、この旧職業訓練センターの使用方法、活用方法をしっかりと早く結論を出しておくことというのは大事なんだろうと思います。そうでないと、我々もそうですし、もちろん市長もそうだと思うんですけれども、やっぱりいろいろ活用したり、いろんな話が出てまいります。そうすると、それは、むやみやたらにいろんな話を受けるわけではございませんが、やっぱり市の施設というのがどうしても肥大化してしまうんですよね。 この公共施設と総合管理計画では、30年の長きにわたりですけれども、床面積ベースで40%の削減というものを公共施設の削減を計画されています。ま、そうでないと成り立っていかないんじゃないだろうかという話ですよね。 ただ、利活用できる施設については、リニューアルやリノベーションを行い使用していくことということは、やっぱり望ましい施策だとは私は考えます。 ただ、この3月議会でも大変議論になったところではありますが、政策としてしっかりと成熟した案にしてからの利活用なんだと思います。 そして、その遊休施設についてですが、全てを市が受け持ったままではなくて、民間に活用を促していくのも、今からの新宮市にとっては大変大事な1案ではないかと。新しい施設、例えば、この市役所庁舎が完成してスクラップ・アンド・ビルドを行い、そうしなければ、ますます行政は肥大化していく。これはもう、後の自治体運営にもつながってまいりますが、どうしても経常収支比率が、入ってくるお金に対してどうしても要るお金のほうがたくさん要るというような100%を超える状況が続きます。そういった中では、やっぱり行政のスリム化もあわせて考えていかなければなりません。 本当に、最後の質問の項目の財政に与える影響を考慮し、遊休化する施設についてはしっかりとした検討を行っていただきたい。そうでないと、例えば、保育所は統合した。幼稚園も認定こども園化した、そういった中では、いろいろな施設、これは本当は悲しむべき現実で子供たちの数が少ないという現実でもあるんですけれども、市の財政運営等々を考えれば、やはりその遊休施設をどうしていくのかというあたりをしっかりと議論を進めていかないと。これはまた最後の自治体の項目で触れさせていただきます。 ○議長(屋敷満雄君)  上田議員、休憩したいんですが。 ◆12番(上田勝之君)  はい。 ○議長(屋敷満雄君)  質問中ですが、10分間程度休憩いたします。 △休憩 午後3時14分--------------------------------------- △再開 午後3時28分 ○議長(屋敷満雄君)  休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 12番、上田議員。 ◆12番(上田勝之君) (質問席) 続きまして、「まちの浮沈のカギは観光振興にあり!」新宮市観光振興計画の実効性を問うという点でお尋ねをいたします。 先日、NHK和歌山で、民泊で世界最大手の仲介サイトを運営するアメリカのエアビーアンドビー(Airbnb)社が、昨年3月からことし4月にかけて、日本国内の市町村別に利用者の満足度を調査したランキングを公表し、新宮市が全国1位になったとのこと。新宮市内の民泊を利用した人の半数以上が、アメリカやフランスなど欧米を中心とした外国人観光客で、一つ、世界遺産の熊野古道に近く、二つ、改装された古民家に泊まって田舎暮らしを体験できることなどが、高く評価されたというニュースが放送されました。 昨今、まちなかで外国人旅行者が歩いている、そういった場面を目にすることが多い。目に見えてふえているというのが実感としてあります。 また、今月9日、イタリアのクルーズ客船コスタネオロマンチカ号がことし3度目新宮港に入港しました。その際に観光ガイドの方たちが、新宮港におり立った乗船客の皆さんに聞き取りのアンケート調査をされていました。このアンケートについて、新宮市や熊野地方を訪れてくれた方々の動向や意識について、まだアンケート調査されてから日にちが浅いのでどうかとは思いますが、内容を集計分析されていますでしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  エアビーアンドビーのことは大変喜ばしく思っています。簡易宿所を運営されている皆様のおかげだと思っています。今後とも新宮市の観光振興を励んでいきたいと思っています。 そして、クルーズ船のアンケートなんですけれども、コスタネオロマンチカとスターレジェンドがことしになって入っていますので、そのために新宮港と新宮駅前のテントでアンケートをとらせていただきました。アンケートの内容をまだ集計途中なんですけれども、性別や国籍、それから新宮市でどこへ行かれたか、あと大体お金を使われたのですかとか、新宮市に対して期待はどの程度でしたとか、そのようなアンケートをとらせていただいています。 その中で特にやっぱり、スターレジェンドは欧米の方が中心で年齢層も高く、コスタネオロマンチカのほうはいろんな多国籍の方がいらしているということです。あと日本に来たのが初めての方が多いんですが、3回以上という方も多数おられますので、その方たちがまた今後ターゲットになるのではないかと思っていますし、また新宮市に来られて期待以上だったという方もいらっしゃいますので、そのようなちょっとしたサプライズとか、そのようなことを仕掛けていければいいなと考えております。 ◆12番(上田勝之君)  このコスタネオロマンチカ号、あるいはスターレジェンド号、こういった外国船籍のクルーズ船が新宮港に多数回入港されております。これまでの市の取り組みが勃興してきたものと大変頼もしく感じるところでありますが、これまで、昨年まででもいいんですが、クルーズ船入港時の乗船客やあるいは民泊に宿泊された方々、あるいは熊野川の川舟の乗船客の皆さんに、来訪された動機やあるいは当地域での動向、関心事、そういったことについてヒアリングやアンケート調査は行われていますか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  クルーズ船に来られた方につきましては、今までも企業立地推進課のほうでアンケートをとられています。あと商工観光課のほうでも平成28年度には対面調査を行ったり、あと市外のイベントのときにアンケートをとったり、モニターツアーをした際にアンケートをとったり、今回もちょっと事業者にアンケートをとって、それらを分析して今後の観光振興に役立てようとしています。 ◆12番(上田勝之君)  今お答えをいただいたんですけれども、そういった調査をこのたび策定されたこの新宮市観光計画に反映されているのでしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  それらのアンケート、それからモニターツアーの結果、それと昨年とかもネットを通じたマーケティングとか、そのようなことを分析してこちらの計画に反映しております。 ◆12番(上田勝之君)  この観光振興計画、少々残念なのは、内容が抽象的で、あれもこれもと盛り込んで総花的な印象が否めないのではないかと私は感じました。昨今の新宮市の状況、インバウンドと言われる外国人旅行者の増加を受けて、さらにこの活況を維持し上昇させるには、もっと観光振興の対象を絞り一時的なブームに終わらせないようにすることが肝要ではないかと私は考えます。 例えば徐福公園ですが、最近の入場者数の推移はどのような状況でしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  観光振興計画につきましては、確かに広範囲に掲載していますが、今後観光振興計画の推進委員や関係機関などと協議しながら、見直しをしたり随時いい方向に持っていきたいと思っています。 それと、徐福公園の来園者なんですが、ここ5年間ほどで平成25年で2万7,230人、平成26年で3万1,255人、平成27年で3万3,379人、平成28年2万8,949人、平成29年2万8,980人とやや平成26年、平成27年に比べては少し減少しています。 ◆12番(上田勝之君)  これは私の印象なんですけれども、徐福公園の駐車場、漢字のロゴを側面に大きくデザインした台湾や中華系、東南アジア系の訪日観光客を乗せたバスが訪れているのが、最近少々減少しているのではないかというふうに感じております。大旗のみで徐福というコンテンツ、内容を充実させられず、訪れてくれたお客様に満足感を与えられなかったことが減少傾向につながっているのではないでしょうか。 私はこの徐福公園を訪れるお客様に対して、売店ありますよね。売店をやはり改装して資料館へ。資料等も少ないのかもわかりませんが、そういった資料館や資料や、あるいはいわゆる徐福に関する観光ガイドの方々にしゃべっていただく、そういったような改装を行って、徐福を体感、実感してもらう戦略が必要だったのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  確かに徐福公園の主な外国人客は台湾人なので減少しています。これは和歌山県全体でも減少していまして、今台湾人が団体の観光客から個人旅行にちょっと変わってきているので、その分少なくなってきていると思いますので、今後もっとPRを重ねていきたいと思います。 資料館につきましては、議員おっしゃられるように、展示する資料も少ないということもありまして、お墓が大きな資料といえば資料なんですけれども、その辺また調査研究し、徐福協会の理事の方々とも相談しながら、よい方向にもっと徐福公園がPRして、徐福というものを広めていける方向になるように考えていきたいと思っています。 ◆12番(上田勝之君)  観光というのは、特にインバウンド、訪日外国人旅行者の方々は、やはり日本らしさを体感したり体験したり、そういったようなあるいはカルチャーツーリズム等を求めて訪れておられる方が多い、そういったような旅行者に形態が変わってきているんではないかと。 このたびの観光振興計画は、インバウンドの訪日外国人旅行者を倍増させようと対象者を明確に打ち出されています。また、アクションプログラムと銘打って、具体的な行動を起こして実行する意欲的な計画だと期待をしております。惜しむらくは抽象的で総花的な点にあります。 どこが抽象的かと言えば、新宮市の目指す観光とは熊野のハブ、観光の要衝とうたわれています。これはどういったことを指しているのでしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  文字通り熊野の中心ということなんですけれども、新宮市は国が観光振興の必要な4条件としています自然、気候、食、文化を兼ね備えています。またその歴史と文化というのが新宮市の売りでありますので、そちらをPRして熊野の中心、もちろん新宮に来ていただいてそこから熊野三山をめぐっていただいたり、また三重県のほうを訪ねていただいたりというコースがあるんですけれども、その場合、新宮市に目的を持って来ていただける熊野の中心として、それを目指していこうと要衝と定めています。 ◆12番(上田勝之君)  確かにおっしゃられる意味というのは私も理解するところです。ハブとは確かに中心という意味で、熊野の中心ということなんでしょう。 ただ、やはり私は空港や港湾の結節点で使われる本来の語彙のとおり、新宮市は交通の要衝でもあります。新宮を拠点に宿泊地として滞在し、もちろん新宮市域内も当然でありますが、この圏域全体を訪ねてもらう。この新宮で宿泊し、せっかく民泊では満足度が全国1位なんですから、そういったような土壌がある中では、やはりこの交通の結節点という有利な点をしっかりと活用していくことが大事でありますし、そういった圏域全体を訪ねてもらう、新宮を拠点としてもらうといったような戦略で臨んだほうがよろしいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
    商工観光課長勢古口千賀子君)  議員のおっしゃられるように、新宮は交通の中心としてそのような熊野三山を先ほども申しました回るというようなところ、重要なところでもありますので、今後ともそのような広域連携とか交流人口の増加のために、そのような戦略で臨んでいきたいと思っています。 先ほど申しました新宮に来てもらう、新宮で1泊してもらう、あと近隣のところにも泊まってもらう。例えば2泊3日とかそのようなコース設定も考えていますので、議員おっしゃられるように、圏域全体を訪ねてもらうということももちろん念頭に考えて、進めていきたいと思っています。 ◆12番(上田勝之君)  この観光振興計画、目標数値を定められています。外国人宿泊者数を昨年2017年の6,623人から5年間で倍増の1万3,200人。国内旅行者を5年後に昨年比5%増の137万人。経済効果を5年後に4億1,600万円の増を見込んでいます。 では、この目標数値を達成するためにどのような施策を考えておられるのか。また、その初年度はどのように考えられているのかをお尋ねいたします。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  こちらの目標数値を定めるために、関係機関とのネットワークを初年度は構築していきまして、まちなか歩きやターゲットごとの観光の戦略をかけていきたいと思っています。特に四季を通したプロモーションをことしはまずかけていこうと思っていますので、春夏秋冬にあわせ、また家族連れ、女子旅、インバウンド、それぞれに夜の楽しみ方などを提案していきたいと思っています。 それの振興に当たりましては、計画の推進委員、先ほども申しました関係機関、例えば商工会議所とか観光協会、その他の方々と連携しながら進めていこうと思っています。 ◆12番(上田勝之君)  この目標数値でもわかるように、明らかに外国人宿泊者、旅行者をターゲットに置いている計画であり、その方向性はまさに目指すべき方向だと考えます。 その中において三つの施策、1、事業者のサポートと商品開発、2、サービス・観光情報の整備とコンテンツ化、3、インバウンドへの取り組みと熊野エリア、広域での連携と差別化を打ち出されアクションプランを策定されています。 では、そのアクションプランを主眼としている外国人宿泊者、旅行者と果たしてマッチングしているのでしょうか。さきに述べた動機や動向、関心事を探るアンケート等を生かしてアクションプランにつなげているのでしょうか。 例えば事業者のサポートと商品開発の項では、天台烏薬関連商品開発と掲げられていますが、インバウンド旅行者の関心がどの程度あるのか、どのぐらい売れているのか、目標とマッチングしているのか、そういった点についてはいかがお考えでしょうか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  インバウンド向けのメニューなんですけれども、観光メニューの充実ということで欧米向けのメニューなどを載せています。特に欧米は、特にアメリカなんですけれども、世界遺産より国立公園のほうが人気もありますので、そのようなメニューを今後考えていきたい。あと川舟下りなども欧米には人気なので、実際体験された方にはすごく高評価を得ていますので、まずは知ってもらうというPRをかけていきたいと思っています。 天台烏薬につきましては、今石けんをちょっと考えているんですけれども、確かに今のところ石けんは国内向けをターゲットにしているのですが、昨年山口理事が韓国の済州島のフォーラムで熊野新宮の天台烏薬ということを発表したときに、とても好評を得たということなので、個人的には美容とかに関心のある韓国などでも受け入れられるのではないかなと思っています。 ◆12番(上田勝之君)  確かに石けんは私も使わせていただいております。多少しょうのう臭いにおいがきつい部分もあったりしますけれども、非常にいい商品だとは私も実感をします。 ただそういったように、やっぱり徐福関連であるとかそういったような本当に関心のあるところに向けて、美容やあるいは健康といったような側面で、以前これは副市長ですかね、東京都の病院のほうへ出向かれてお話をされてきたとかいろいろあったと思うんですけれども、そういったようなターゲットをきちんと絞っていく、そういったような商品化ということをしっかりと念頭に置いていただきたいと思うんですけれども、その中で、どうしてもサービスや観光、情報の整備とコンテンツ化のアクションプランでは、行政主導のプランが軒並み羅列されており、しかも行政が各所管課に分かれてしまい、縦割り行政でこの戦略、アクションプランが進んでいかないのではないかという危惧を持ちます。 その点についてはいかがお考えですか。 ◎企画政策部長(新谷嘉敏君)  今後の推進に当たりましては、進捗管理も含めまして今年度推進委員のほうで議論させていただくことになってございます。 議員今御指摘のありましたとおり、観光という分野ではございますが、やはり各部局の連携ということが非常に大事になってくると思います。もちろん民間の方のお力をいただきながら、協力いただきながら、市長先ほど申し上げましたように、協働という部分で民間のお力をいただいて、行政ではできない部分を民間の方に担っていただく。行政はどうそれをコーディネートするかという役割が求められていると思います。 そういったところにおきましては、庁内もやはり横の連携を密にしまして、地方創生でも今横展開、また稼ぐ力ということが求められておりますので、そういったところを念頭に置いて進めていきたいと考えております。 ◆12番(上田勝之君)  そうですね。もっと民間の力を生み出し伸ばしていく。行政はそのためのサポートやバックアップ、あるいは個々の事業者や同業者組合、所管官庁とのコーディネートといった役割に行政は徹するべきではないか。そして、基本的には個々の事業者が、しっかりとそのお客様方に対して商売をしていただくなり民泊をしていただくなり、いろんなことをやっていただく、そういったことを後押ししていくのが行政の役割で、私は行政が市役所が余り全面に出過ぎないということをすることのほうが、適切だと考えます。 それはなぜかと言うと、市長は民間出身ですけれども、やはり皆さん公務員という方々は、やはりいわゆる利益を出す、経済的な利益を生み出すということにこれは正直申し上げてたけていない。そういった概念がこの公務員という職種にはないんです。 だから、そういったようないろんなことの仕事で利益を生み出していくということに関して、経済的な利益を生み出していくということは、民をしっかりと全面に出してやっていく。そのためのサポートやバックアップ、あるいはコーディネート的な役割ということをしっかりと行政が果たしていく、そういったようなことをしっかりと役割分担を考えていただきたいと思うんです。 その中で、本当にこの観光振興計画、いろいろうたわれております。しかも非常に片仮名用語が多いんです。私も調べながら結構ふだん何気なく使っているんですけれども、やっぱり実際の意味というのがなかなか、何となくそういう語呂なんだろうなと思って使っているような言葉が多くて、実際の意味というものが片仮名が多過ぎてわかりづらい部分もあるんじゃないかなと思うんですけれども、本当に新宮市というのはいろんな要素が多いんで、たくさんたくさん並べられているんです。そうすると力が分散してしまうんじゃないかと。 一番の目標であるインバウンドの外国人旅行者、宿泊客を対象にするということが、やっぱりどうしてもそこに力点が分散してしまう、そういう嫌いがあるんではないかと思うんで、少し個別に伺いたいと思いますが。 3月議会でも議論された旧チャップマン邸について、体験交流のできる観光施設、情報発信の基地として活用するとうたわれています。これは3月議会でもそういったような説明がございました。そして今、建物の改築が始まっております。 また、旧西村家住宅は文化芸術拠点の一つとして活用していくとのこと。これは具体的な運営や維持管理、事業スタイル等の検討は進んでいますか。 ◎企画政策部長(新谷嘉敏君)  平成29年度で実施設計が終わりまして、今年度改修整備ということで、もう足場も組みましてそういった準備も整っているところでございます。 これからの来年度以降の利活用、運営につきましては、今庁内で関係部署、また市長、副市長とも協議をこれから開始するところでございます。 今幾つか案が上がってございますが、もうしばらくちょっと具体的な活用についてはお時間をいただきたいと思います。方向が大体まとまってまいりましたときには、委員、また議会のほうに御説明、また御相談もさせていただきたいというふうに考えてございます。 ◆12番(上田勝之君)  なかなかこれは3月議会から進んでいないんですよね。3月議会でもたしかもう指摘をさせていただいたように、これは旧職業訓練センターの利活用の問題ともあわせて同様のことが言えるんですけれども、未成熟なままスタートを切っている。しっかりとした成案、こういうふうに使ってこういうところが事業主体で、こういうふうに使っていくんだという未成熟な案のまま進められている、そういったところに私は大変危惧を持ちました。 それが3月議会で大きく指摘をされた点なんだと思います。その点が3カ月たって、まだ検討中。しかも実際にはもう改築が進められている、そういったような状況の中では、もっと早い検討が求められるんではないか。事業主体にしてもどういった運営をしていくのかにしても、そのための準備も必要です。そういった意味では、ぜひ早期に結論を出していただきたい。 また、これも一例なんですけれども、新宮城跡も触れられています。今般新宮城復元対策委員を立ち上げられ、これは企画調整課で受け持たれますね。文化財としての文化振興課、水野家入城の400年イベント、どうやってこれらを包括して具体的な行動を起こしていかれるのでしょうか。 ◎企画政策部長(新谷嘉敏君)  いずれも文化振興課におきましても、新宮城跡の保存、また今回立ち上がりました企画調整課のほうでは新宮城復元対策委員ということで、新宮城の復元ということがこれから検証事業を展開していくわけでございます。また水野家の入部400年につきましては、一応今のところ所管は商工観光課ということになってございます。 ただこの来年度の入部400年に際しましては、交流、ただのまち間同士の交流ということではなく、やはりこの新宮城ということを一つの共通の用語とする中で、それぞれの文化振興課で担当します文化財の部分、企画調整課の新宮城の復元、それぞれの事業がその後、膨らんでいくような今少し漠然としておるんですけれども、膨らんでいくような弾みのあるようなイベント企画を考えていきたいというふうに思ってございます。 まだこの入部400年につきましては、実行委員等立ち上がっておらず、今後民間も交えた中で、所管課のほうに早急な実行委員の設置を今指導指示しているところでございます。 ◆12番(上田勝之君)  本当に各課にわたるんですよね、これを一つとっても。それを今般解消しようとしてくれた施策があるわけです。 この最適な交通手段の提供と案内の作成もうたわれておりますが、交通手段と言えばバスの課題、地域内交通のかなめとしてデマンドバスや100円バスの導入、路線の再編など、さまざまに提言を私や屋敷議長を初め多くの議員が重ねております。 今般、企画調整課にその任が移管されたと伺いましたが、検討状況はいかがでしょうか。 ◎企画調整課長(尾崎正幸君)  ただいま議員からお話しいただきましたことにつきましては、多数の議員からいろいろ要望されているところを認識してございます。 今年4月から企画調整課がこの公共交通の見直しにつきまして、庁内の横断的な取りまとめを行うということで動き始めてございます。 現在の進捗と今後の進め方でございますけれども、現在、庁内各所管が目的別にバスやタクシーを運行しているという状況にあることは御存じかと思います。これらを5月末に庁内関係課会議を開催いたしまして、運行ルート、本数、利用者、市負担の金額もろもろを概況調査として実施しているところでございます。 これが今月末には提出されまとめられてくるということになってございますので、問題点の整理、課題の整理を行いながら、地域の適性特性に応じた効率的、効果的な公共交通のサービスが提供できるよう検討していきたいと、こういう予定にしております。 また、あわせて年度内には市民へのアンケート調査も実施予定としてございます。これらのアンケート調査の結果の分析等も踏まえまして、あわせて市の方向性を年度内に詰めていきたいという予定にしてございます。 ◆12番(上田勝之君)  ぜひその取り組み、スピードアップをしていただいて、少なくとも事業者との話し合いの場まで踏み込んでいただければと思うんです。大変たくさんの業務を抱えた中で関係各課もたくさんある中で御苦労かとは思うんですけれども、そういった施策を本当にレスポンスよくスピードアップして検討していく、進めていくということが求められているんだと思います。よろしくお願いいたします。 また、案内の作成や交通観光情報の多言語対応についても一言触れておきたい。 私の町内にある権現前バス停では、よく外国人旅行者が勝浦行きと本宮行きについて迷われている場面に遭遇します。英語表記はあるものの小さく、ルート情報がないため戸惑っています。 新宮市域内を見渡すと、どこが中継点で結節点か見えてきます。新宮駅はもちろん、権現前、裁判所前などのバス停です。これらを多言語化を重点的に整備すべきであり、あわせて権現前を速玉大社に、裁判所前を神倉神社に改称してはと考えますが、いかがでしょうか。こういったことを提言していただけないか。 ◎商工観光課長勢古口千賀子君)  こちらの権現前を速玉大社にとかいうことは、事業者にも確認したんですけれども、なかなか費用面や、また観光客だけでなく三重県などから長年通われている方もいらっしゃるので、ちょっとすぐには難しいのではないかということでしたが、今後含めて考えていきましょうということです。 それと、外国人旅行者のこととか去年から和歌山県が中心となりまして、外国人観光客の二次交通についての会議を開いていまして、今多言語化もこの権現前のバス停とかも多言語化、全部バスは多言語化になっています。 ただ、議員おっしゃられるように、多分字が小さいのかちょっとわかりづらいところもあると思いますので、今後その辺も含めて観光協会などと協力してPRしていきたいと思います。 ◆12番(上田勝之君)  ぜひそういったコーディネート役を果たすことこそが、行政に求められる部分であり、ぜひしっかりと検討を進めていただきたいと思います。 私は各論の戦略についてはもっともっと提案したいんですが、時間の都合もあります。 一例ですが、和菓子文化をこの観光振興計画ではうたわれています。先日、各和菓子店をめぐりながら、そのお店のメーカーを少しずつ小量ずつですが食べ歩いている女子旅の旅行者がいました。この楽しみながらまちを散策できる要素は、新宮のまちにはふんだんにあると思います。 また、観光振興計画、私はたくさん並べられて総花的であるという少し指摘もさせていただいたんですけれども、触れられていなかった部分、例えば高野坂でありますとか水野家墓所でありますとか、そして私は大きなこれは新宮のカルチャーツーリズムのコンテンツであると思う人権文化、こういった体感や体験、そして知的欲求を満たすカルチャーツーリズムの要素もまたふんだんに存在しているのが、新宮というまちだと私は考えます。もっと綿密な戦略といいますか、アクションプログラムを立てられることが肝要ではないかと考えます。 ただ、いずれにしても商工観光課は、日常の業務や年中の行事、イベントの主催等々、これまでの業務量も多忙をきわめているように感じられます。さらにこの観光振興計画のアクションプログラムを担うのは、一担当課のみでは過重負担ではないかと考えます。それこそこれまでと同様に、各種の計画はつくったはいいですが実効性はないといったような、これまでの轍を踏んでしまうのではないかと危惧してしまいます。 私はこのアクションプログラムと銘打った具体的な行動を実行していくためには、所管課ごとにアクションプログラムを割り振り、市長もしくは副市長を座長としたプロジェクトチーム方式のもと、各所管課が各拠点の各論の戦略を実行し、そこにPDCAサイクルを導入してインバウンドの外国人旅行者を倍増させ、目標を達成してみようではありませんか。 こういった点、いかがですか。 ◎企画政策部長(新谷嘉敏君)  確かに議員御指摘のとおり、商工観光課のほうは年間を通していろんなイベントに直面してございます。間もなくまた花火等の時期がやってまいります。また、増加しているクルーズ船の寄港に際しましても、企業立地推進課と連携してほぼ寄港した際は課員が全員出払っている状況にございます。 また、今後この計画を推進するに当たりましては、先ほども申し上げましたように、当然庁内だけでできるものではございません。民間のお力もいただいて進めるところは進めていきたいと思ってございます。 また、御指摘の推進体制、またPDCAのこの効果検証につきましては、今年度総合計画も新たに開始してございます。そういったところの整合性を図りながら、せっかくつくり上げた計画ですので、着実に一つずつ、5年計画ではありますけれども場合によっては6年、7年かかってでも実行できるような計画としていきたいというふうに考えております。 ◆12番(上田勝之君)  実際に皆さんもまちへ出られると実感されることが多いと思うんです。本当に欧米系、あるいは欧州系の外国人旅行者が大変たくさん訪れていただいています。大変な伸びだと思うんです。 この伸びを本当に維持、上昇させていく、そのためには何をするか、そういったことをしっかりと考えていく、推進していくことが大事なんだろうと思います。 ホテル、旅館運営のトップブランドとして著名な星野リゾートの星野佳路社長は、「旅の本質は非日常。地域らしい体験ができこの場所に来てよかったと思ってもらえることがテーマである。そして、最も大事なのがコンセプト。誰に対して何を提供するか、それを社員全員が共感しなくてはならない」と述べられています。 まちを再生させるのは観光振興、交流人口の増加しかない。まず、市役所全体がそのことを共感しなければならないのではないかと私は提言させていただきます。 これで、この観光振興計画についての項は終わらせていただきます。 3番目の自治体経営のガバナンス、新宮市の財政状況は持続可能か。 さきの文化複合施設建設特別委員では、文化複合施設の整備事業費と維持管理費を含めた財政への影響を反映した財政シミュレーションが示されました。特別委員ときのう、きょうの一般質問の議論を聞かせていただきました。財政状況を懸念される議員と当局の質問と答弁。 私は、平成26年、平成27年のこの市議会の会議録、この議場のある市役所庁舎の設計から二度の入札不調を経て建設に至った際の議論を読み起こしました。私は浪人中の身だったのでライブで聞いたわけではなかったのですが、実は本当にびっくりしたんです。全く同じ議論が市役所庁舎の建設の際とこの文化複合施設の建設の議論、全く同じような議論で論戦されていますね。本当に質問もそれに対する答弁もほとんど同様の議論です。 この市役所庁舎、当初の建設予算28億円から8億円増額して37億円で建設したわけですが、庁舎建設基金を取り崩して9億円の増額に充当されました。この庁舎建設基金という積立金は、もともと28億円の建設事業を全額ではありませんけれども、賄うための合併特例債の返済に充てる積立金だったわけですよね。ところが、返済に充てる分を増額分に充ててしまったために、返済計画に変更を余儀なくされたわけです。 この増額が財政に与えた影響はどのようなものだったのでしょうか、お尋ねをいたします。 ◎財政課長(小林広樹君)  庁舎建設事業につきましては、最終的には総事業費が約37億円となったわけですけれども、当初の計画としましては、備品なども含めた総事業費は31.5億円程度であったと思っていまして、そのベースでいいますと、プラスの5.5億円となったということになります。 その31.5億円の財源内訳のうち合併特例債の対象とならない備品でありますとか、あと引っ越し費用などに対しまして、基金から3.8億円の基金を充当しまして、残りの5.2億円を償還財源に充てる。そして、減債基金に積み立てるという予定としてございましたので、議員から御指摘のような財政への影響ということであれば、その5.2億円が減債基金の残高から減少したと言えるのではないかと考えております。 ◆12番(上田勝之君)  つまり、この庁舎建設基金というのも合併特例債を使って積み立てを行っているわけですよね、たしか。さきに合併特例債で建設を行って、そこは7割の交付税、返済のために7割の交付税負担。返済するために積み立てるお金も合併特例債で積み立てているので7割の交付税負担、交付税措置がある。だから両方ダブルで7割の交付税措置があるということで、非常に有利なような形で、この返済基金の庁舎建設基金というものを積み立てられたはずなんですよね。 それがさきに庁舎の2回の入札不調を経て増額になった分に充てられたわけです。そうすると、返済に狂いが生じてくるのは当然じゃないですか。そこに財政計画に狂いが生じてきたのは当たり前であって、財政に影響があったのは当然なんですよ。 こういったことがその当時、当然その当時もたらればの議論で仮定の話なんです。ところが実際には、二度の入札不調を経て増額になってしまったわけなんです。 なぜ今この話を持ち出してくるかというと、大型公共施設の建築事業において、経過や金額の違いはあれど全く同じ経過をたどっているように感じられてならないわけです。この市役所庁舎の建設、これが後先になったから文化複合施設だけが先だったかもしれない。紀伊半島大水害がなければ先だったかもしれない。一つだけだったら新宮市の財政はまだ耐えられたんですよね。しかし、これが同様に重なってきたらどのようになってしまうか。 そういった点では、非常に懸念して、この文化複合施設の事業費が膨れ上がった分を含めての財政シミュレーションを示していただいたわけです。 ただ、その財政シミュレーションを示していただいた中では、先ほどの質問の中でもございました。皆さんされているんで、松畑議員、北村議員、大石議員とされていましたんで、その中で、やはり財政シミュレーションには数パターンある。確かにその中で当然、どういったものを議員に対して説明をしていくか、市民に対してどうやって説明をしていくかということは精査をすべきだろうと思います。ただ、市長の御認識は大丈夫と。副市長は、その点については非常に懸念を持っておったけれども、庁内議論の結果、やはり有効活用に向けてその懸念を払拭して、何とかこの増額された文化複合施設を建設していこうという結論に落ち着いたというふうに私は受け取りました。 ただ、やはりこの財政シミュレーションといいますか、文化複合施設建設の事業費については、やっぱり新宮市財政に与える影響が非常に大きい。そして、非常に心配される事態に陥るんではないかと私は考えます。 まず、建設は何とかできそうなんです。この財政シミュレーションを見せていただく限り。それは毎年毎年のことがあるから、9年後、10年後には基金がゼロになっていても大丈夫なんだ、そういったふうに説明をされる。これは実は市役所庁舎の増額の際にも同様の説明をされているんです。これは財政当局の当然のお答えなんだろうとは思いますが。 ただ私は、この建設費の財源の確保についても非常に不安があるんではないかと。この都市再構築戦略事業交付金という国からの交付金、上限の50%満額を予定していますが、そしてこれまでは新宮市は満額を交付されております。そういうふうに伺っていますが、間違いございませんね。 ◎企画調整課長(尾崎正幸君)  議員おっしゃるとおりでございます。 ◆12番(上田勝之君)  この上限の50%満額を予定しているが、これからの2年ないし3年かな、間では全国各地で都市再構築戦略事業の認定を受けた他都市との獲得競争の中、果たして満額交付されるのか、この交付金が満額獲得できなければどういったような財源で充当されるおつもりでしょうか。今度は庁舎建設基金はありません。 ◎財政課長(小林広樹君)  予定されていた財源が不足した場合には、現在シミュレーションにおきましては、具体的な事業が決まっていない合併特例債がまだ3億円ほどありますので、例えばその3億円を使う、あとは各種基金の充当が考えられるわけですけれども、実際には過疎債をできる限り申請していきまして、今申し上げたほかの財源というのは、その過疎債の配分枠が不足した場合の補填財源という考え方で進めることになるんではないかと想定してございます。 ◆12番(上田勝之君)  そういったような想定の中、現在過疎債を使って、このちなみに平成30年度過疎債でハード、ソフトの事業にどういった事業に充当されていますか。 ◎財政課長(小林広樹君)  平成30年度の当初予算におきましては、一例を申し上げますと、旧チャップマン邸の整備であったりさつきの改修、こういう観光施設の整備です。あとは林道や道路の整備、そして消防関係では高規格救急自動車の整備、あとは光洋中学校のバリアフリー化や外壁の落下防止、あとはやたがらすサッカー場の人工芝の張りかえなどにハード的には充当してございます。 あとソフト事業ですけれども、子ども医療費などの医療費関係、あとは教育プログラム事業、そして川舟運航事業などの補助金等について充当をしているところでございます。 ◆12番(上田勝之君)  そうですね、さまざまに使われています。また、今度は学校司書に対しても過疎債を充当していくという過疎債の変更計画が、今回の議会にも上程されていますよね。本当に過疎債、その前に合併特例債を充当していくことになれば、三輪崎支所の改築に対して今度は事業費が足らなくなるわけで、財源がなくなるわけですよね。 過疎債の場合、これは和歌山県の配分次第ですけれども、やはりハード的な部分というのは割と単年度で終わっていくのかもしれません。でもソフト事業というのは削ることができないので、そういったところを過疎債で本当に重点配分を受けて、さらにその中で文化複合施設の整備に関して重点配分していけるのか、そういった点が物すごく懸念されるわけです。 そういった点が、やはり建設財源の確保といった面で不安は払拭されない。 もっと心配されるのは、この維持管理運営経費の物件費の増加です。これは経常的な経費で一般財源で賄わなければなりません。 そしてもう一点、私が大変危惧する点、追い打ちをかけるようにと言えば悪いのかもしれませんが、私はこれは以前から訴えています。熊野川町との合併における最大の恩恵である地方交付税の算定がえの期間が終了することの影響が出るはずなんです。 こういった点について、財政当局はどのようにお考えか。 ◎財政課長(小林広樹君)  今お話のありました合併算定がえの件ですけれども、合併算定がえにつきましては、合併後10年間は二つの市町村が存在するものとして、増額分は満額をいただけるわけですけれども、その後5年間をかけまして段階的に減少してまいります。 平成28年度からもう既に減少期間に入っておりまして、平成29年度の影響ということであれば約3,600万円ということになっておりまして、平成29年度の算定ベースでは5年間で1億2,000万円が減額されるという計算になってございます。 ◆12番(上田勝之君)  それが、やっぱりそういったような影響が多々出てくるんだろうと思います。 そして、経常収支比率です。市税等で得た収入に対し毎年必ず必要になる経費の割合を示す指標で、市の財政の弾力性の有無を示しています。本来であればおおむね70から80%が標準とされ、80%以上になると要注意の状況で、政策的な投資に使えるお金が厳しいと言われています。 ところが、平成28年度から収入よりも必要な支出が上回る100%超えの状況になっており、今後10年間もこの状況が続くと予想されています。 この経常収支比率について、財政当局の見解はいかがでしょうか。 ◎財政課長(小林広樹君)  経常収支比率についてですけれども、先日の文化複合施設の特別委員におきましても今議員がおっしゃられましたように、平成28年度決算で100%を超えまして、財政シミュレーションにおきましても、今後も100%を超えて推移するものと予測しているということで、説明させていただいたところでございます。 経常収支比率につきましては、収入も関係するものでございまして、国の制度にも大変左右されるということで、試算についても大変難しい指標でありますけれども、高水準で推移するということは確実であると思っておりまして、財政課としましてもこの状況については当然留意すべきものであると考えております。 ◆12番(上田勝之君)  では、この経常収支比率の改善についてはどのような方策を検討されていますか。 ◎財政課長(小林広樹君)  先日の特別委員におきましても議員から、増加するものがあれば削減するものが必要であるというお話もいただいたところであります。その点につきましては、現時点におきまして限定的にこの部分を削減するというのは、なかなか申し上げるのは難しいですけれども、これまでも行革の中で一定の経費の削減目標を決めまして予算編成に取り組んできておりまして、そのことを通して、各課において工夫しながら経常経費の削減を図ってきたという経緯がございます。 したがいまして、今後につきましても平成30年度に策定予定であります新しい行革大綱の中でも、取り組めることもあると思われますし、加えまして、各課の事業計画からさらに事業を選択するとともに、地方債の借入額を抑えるために事業費を圧縮すること、また事業年度をなるべく平準化することなどを全庁的に取り組んでいきまして、新宮市におきましては、ほかの団体よりも比較的高い品質になっております物件費と公債費について、特にできる限り抑制していきたいというふうに考えております。 ◆12番(上田勝之君)  今、財政課長お答えいただいたんですけれども、物件費と公債費を抑制していきたいんですけれども、物件費って絶対上昇するわけです。この文化複合施設の関係で絶対物件費って上昇するわけです。 そういった中で、小林課長、あるいはその前任は小谷総務部長、そのまた前任は向井副市長、皆さん財政畑出身なんですよね。本当に危機意識ないですか。 ◎総務部長(小谷充君)  今、上田議員おっしゃっていただいたように、そういった形で私ども、また向井副市長も財政を経験しているというところでは、十分認識は持っております。 そういった中で、やはり今おっしゃっていただいたように、文化複合施設の整備によって当然ながらランニングコスト等による物件費は上昇するというところは認識しておりますし、それに伴いまして各方面の経費について、先ほど言いました行革等も図ってできる限り抑えていって、健全な経営につなげていきたいというふうには思っております。 ◆12番(上田勝之君)  紀伊半島大水害前までは、新宮市の一般会計の年間予算額って120億円から130億円ぐらいで推移してきたはずなんですよね。何とか経常収支比率が九十数%を何とか維持してきたはずなんですよね。 紀伊半島大水害以降、復興の部分もありますが、一気に180億円程度まで年間の一般会計の予算額が膨らんでしまっているんですよね。そのままたまたま合併特例債、それにもう一つ都市再構築戦略事業というのが加わってきたわけなんです。それで大きな事業がどんどんできるようになってきているわけですよね。 確かにこの機会でないとなかなか、市民会館とか図書館とかとてもとてもよう建設せんねという話はよく伺いますし、私も理解はします。ただそこの点、非常に事業費が膨らんでしまった。さらに建設事業費が膨らんでしまった上に維持運営管理費も、やっぱり当然その施設整備を行っていくわけですから、文化振興の市民の文化力の向上を目指して市民生活に寄与するというためには、やっぱり何がしかのお金は必要になってくるわけです。そうすると、やっぱり維持管理、あるいは運営、そしてプラスアルファ、そういった市民の文化力向上のための財源というものも必要になってまいります。 そういった点が、やっぱり財政に与える影響というのは非常に大きい。本当に皆さん、各議員が心配をされて、本当に必要な部分に振り向けられないんではないか、そういった心配を非常にされているわけなんです。 先ほど副市長、本当に正直なお答えをいただいたと思うんですけれども、その点について非常に心配されておった。ただそれは庁内議論の中でいろいろ収れんされて建設にゴーサインを出された。建設というか、実施設計にゴーサインを出されたわけですよね。 ただその中でも、やはりこの財政シミュレーションを見させていただくと、私は財政当局、特に財政当局ですけれども、これはもう本当に庁舎建設基金、歴代の財政課長がお答えになられているんですけれども、私は本当にそこは違うんだろうなと思うのは、実は財政調整基金や減債基金について、近い将来、9年後、あるいは10年後にはゼロになっているんじゃないかという指摘をたくさん受けます。その際には、毎年積立金、繰越金を積み立てに充当していくから基金はきちんと積まれていくんだと、だからそこはあくまで基金を取り崩す一方で、積み立てのことを先々数年間の積み立てが記載されていないから、そこは不確定要素だから基金が減っていくんだという説明をされるんです。 ところが、私は思うんですけれども、それは多分にフロック的な要素が強いんです。それは先ほど小林財政課長が言われたように、国の施策にもよりますしあるいは景気対策、あるいは特別交付税の配分、そういったことによってやはりいわゆる決算を打って翌年度への繰越金ができて積み立てが行えていく、そういったフロック的要因が強いんです。歳出を抑えてそれが結果として繰り越しのお金ができて、それを積み立てていくというわけではないんですよ。だから、基金が毎年積み立てられていくということは、非常にフロック的要素が強いし幻想にすぎないと思うんです。 そういった点では、非常に認識が甘いと言わざるを得ません。これについてはいかがですか。 ◎副市長(向井雅男君)  ちょうど私が中堅職員のころに三大プロジェクトというのがありました。病院、クリーンセンター、新宮港という形です。多分このときも財政的な形ですごく議論をされたかというふうには記憶されています。 今回の特進プロジェクトもそれとよく似た形だというふうには思います。実際先ほど議員からも御指摘があったとおり、台風以後、国の景気対策もあって、その財源を結構賄うことができて、基金への積み立ての中で何とか台風12号の一般財源はたしか11億円か十何億円かだったと思いますが、財政運営をすることができてきた。 今回そういった形のものがあるのかどうかということも含めて、楽観的な視野を含めれば、過疎債の延長であったり8%から10%の消費税の経済対策であったり、保育所の無料化であったり等々も含めれば、そういった楽観的な視野もあるかと思います。 でも、財政部局としては、そういった楽観的な視野を含んだ中で当然リスク管理をしながら、リスクを含みながら運営することは不可能ですので、とりあえず今の事業費が何とか可動式の分を賄うためと、これからのリスクを考えた中で、当然全職員が一丸となって今回、行革に打ち臨んでいくということはすごく必要なことではないかなというふうに思います。 先ほどシミュレーションの中で積む、積まない、基金のほうに繰り入れできる、繰り出しできるという話もありましたけれども、これまでの状況を加味すれば、全く積めないという状況は考えにくいと思います。幾らか財調と減債の二つには積めるかと思います。どうしてもということになれば、全体の基金の見直しということも考えていかなあかんのかなと思いますので、その辺は行革の中でやる中でいろんなことを模索しながら、財政運営をしていく気持ちで臨みたいというふうには思っております。 ◆12番(上田勝之君)  非常にそこは楽観的なんじゃないかなと、そういったお答えしか非常に厳しいのかなと私は思うわけです。 ちょっと時間がなくなっちゃったんで、実際には文化複合施設の中身についてもるる申し述べたいところはあるんですけれども、その中ではやはりこの都市再構築戦略事業というものが、非常に新宮市にとって、これは表裏というか非常に厳しい結果を招く。今建設するに当たっては非常にありがたい財源なんではあるんだけれども、今後を考えれば非常に厳しい交付金になってしまうのかなとそう感じざるを得ません。 そういった意味では、私は実施設計は実施設計を進めるにしても、その実施設計の期間の間に一度しっかりと立ちどまって、その新宮市の財政状況を鑑みる、勘案するということが絶対必要なんです。場合によっては、これは実施設計をやっていますから進めていますから、これからどういった膨らみぐあいになるか、あるいはそこでVE案というものができてどこまで削減できるのか、そういったこともあるかもわかりません。 ただ、その中ではもっと大幅な見直しは図ることが必要になってくるんではないかと。もう全ての都市再構築戦略事業を捨てるというんではなくて、私は図書館を待望されている方には大変お叱りを受けるかもしれませんが、図書館部分の先送りということも一案ではないかと考えます。そうすることによって、複合施設ではない、だから都市再構築戦略事業の交付金は30億円から21億円に減額になります。ただ、その交付金の範囲内でしっかりとホールを建設して、そうすることによって後々の維持管理運営、市民の文化力の向上が図られていく、そして市長が言われたように、例えば三セク債が完了する、三セク債がしっかりと減少すれば、その時点において図書館やあるいは熊野学センターとの合築といったようなものもしっかりと考えていけばいいんではないか。 大変図書館を待望している皆さんにはお叱りを受けるかもしれません。ただそうしないと新宮市は絶対にもちませんよ。 市長、いかがですか。 ◎市長(田岡実千年君)  大変心配してくださることに対して本当にありがたく思っております。 ただ、私の使命としては、前市長からの前市長のときにつくってこられている総合計画の中に、三大プロジェクトとして、旧市内の小学校の再編、そして庁舎の建てかえ、そして文化複合施設の建設というこの三大プロジェクトをいわば引き継いでいるわけでありまして、これを実現するのが私の仕事だというふうに思っております。 ただ、先ほど議員もおっしゃっておりましたが、非常に厳しい中でさらに7年前に水害があって、その後今まさにおっしゃられたように、当時の状況では、まず市民会館の建てかえしかできないかなというところもあったんですが、今回都市再構築戦略事業に採択いただくことによって、当初の予定どおり、少し熊野学棟は減少しましたが、何とか図書館との複合施設建設が可能になったというふうに思っておりまして、それは示させていただいたシミュレーションでも一応証明はさせていただいているといったところでありまして、今後建てた後、いろんなことを行革しながら、少しでも健全経営に、財政の健全化になるようにやはり努力していかなければなりませんが、やはり何とかこのチャンスに最低でもホールと図書館はつくらなければならないと、そういうふうに思ってございます。 ◆12番(上田勝之君)  ちょっと時間が過ぎて申しわけないです。市長のお考えももちろん理解するところではあります。当然市長も私どもも選挙に出る立場でもあります。公約というものもあります。 ただ、市長が前市長の時代からしっかりと総合計画を引き継いで三大プロジェクトをなし遂げていきたい、ただその点については、楠本教育長もそうですけれども、私や榎本議員を初めとして東原議員、松本光生議員、いろんな形で学校統合に皆さんかかわられて、しかも地域で学校がなくなるということのいろんな御批判をいただきながら、しっかりと学校統合を進めてまいりました。 そういった中で、私は地元中の地元で大きな空地ができております。そこには遺跡というものも発見されました。その中でどういった施設整備を行っていくかということを真剣に議論してきたつもりです。 でも、そういった中でもやっぱり新宮市のこの自治体として持続可能な財政運営を見るなら、市長ここは英断すべきです。ぜひこの再考をしていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 以上で一般質問を終わります。--------------------------------------- △延の宣告 ○議長(屋敷満雄君)  お諮りいたします。 本日はこの程度をもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(屋敷満雄君)  御異議なしと認めます。 よって、本日はこれをもって延することに決定いたしました。 あすは午前10時から会議を開きます。 本日は御苦労さまでした。 △延 午後4時36分...