田辺市議会 > 2021-06-28 >
令和 3年第4回定例会(第3号 6月28日)

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  1. 田辺市議会 2021-06-28
    令和 3年第4回定例会(第3号 6月28日)


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    令和 3年第4回定例会(第3号 6月28日)              第4回田辺市議会定例会会議録              令和3年6月28日(月曜日)           ―――――――――――――――――――    令和3年6月28日(月)午後1時開会  第 1 一般質問  第 2 4定議案第24号 訴えの提起について           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1から日程第2まで            ―――――――――――――――――― 〇議員定数 20名 〇欠  員  0名           ―――――――――――――――――――出席議員              議席番号   氏   名               1番  松 上 京 子 君               2番  前 田 か よ 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  加 藤 喜 則 君
                  5番  尾 﨑 博 文 君               6番  谷   貞 見 君               7番  柳 瀬 理 孝 君               8番  浅 山 誠 一 君               9番  宮 井   章 君              10番  福 榮 浩 義 君              11番  髙 田 盛 行 君              12番  北 田 健 治 君              13番  橘   智 史 君              14番  尾 花   功 君              15番  市 橋 宗 行 君              16番  安 達 幸 治 君              17番  安 達 克 典 君              18番  小 川 浩 樹 君              19番  塚   寿 雄 君              20番  佐 井 昭 子 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       林   誠 一 君             副市長       木 村 晃 和 君             教育長       佐 武 正 章 君             企画部長      山 﨑 和 典 君             たなべ営業室長   熊 野 雅 仁 君             自治振興課長    北 尾 幸 生 君             男女共同参画推進室長                       福 田   文 君             総務部長      西   貴 弘 君             総務課長      狩 谷 賢 一 君             危機管理局長    原   雅 樹 君             市民環境部長    中 村   誠 君             保健福祉部長    虎 伏   務 君             福祉課長      山 田 友 昭 君             子育て推進課長   久 畑 弘 幸 君             商工観光部長    丸 山 勝 司 君             農林水産部長    北 川 弘 泰 君             森林局長      宮 野 恭 輔 君             建設部長      衣 田   克 君             龍神行政局長    前 田 敦 司 君             学校教育課長    瀬 田 公 寛 君             消防長       安 田 浩 二 君             水道部長      木 村 博 充 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    松 本 清 子             議会事務局次長   松 本 誠 啓             議会事務局主任   古久保 修 平             議会事務局主査   藤 田 祐 輔  開 議 ○議長(北田健治君)    皆様、こんにちは。  定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、令和3年第4回田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。               (午後 1時00分)          ――――――――――――――――――― ◎諸般の報告 ○議長(北田健治君)    この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。  議会事務局長松本清子君。           (議会事務局長 松本清子君 登壇) ○議会事務局長松本清子君)    報告申し上げます。  本日付、田総第105号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、4定議案第24号 訴えの提起について、並びに議案参考資料の送付がありました。  いずれもお手元に配付いたしております。  以上でございます。           (議会事務局長 松本清子君 降壇) ○議長(北田健治君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(北田健治君)    日程第1 一般質問を行います。  11番、髙田盛行君の登壇を許可いたします。             (11番 髙田盛行君 登壇) ○11番(髙田盛行君)    皆様、こんにちは。  篤志会、髙田盛行です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。途中、お聞き苦しいことがあると思いますが御容赦ください。  大項目、新型コロナウイルス禍における子供の現状についてお尋ねします。  令和2年6月26日、第4回定例会一般質問におきまして、私は、新型コロナウイルス感染症による学校教育活動等への影響についてと題しまして質問させていただきました。あれからちょうど1年がたちましたが、現状はいかがでしょうか。  そこで、中項目1点目としまして、学校教育活動において3点お尋ねします。  1点目は、教科学習についてお尋ねします。  昨年度は、学校休校措置などもあり、教科学習の進度、学力の定着等が大変心配されましたが、その後の先生方の御努力でほぼ回復されたとお聞きしております。それを裏づけるニュースとしまして、令和3年3月13日の夕刊には、県の学習到達度調査の結果が公表され、理解、説明力に課題は残るものの基礎知識は定着していると報道されていました。現状はいかがでしょうか。  また、昨年度は、小学校においては、新学習指導要領全面実施の年でもありました。その全面実施を見据えて2018年度に策定されたのが教育のICT化に向けた環境整備5か年計画で、GIGAスクール構想がそれでありました。それによりますと、2023年度に1人1台端末の当初予定が、コロナウイルスの影響で計画が前倒しされ、昨年度末に各学校に導入されました。  国では、今回の新型コロナウイルス感染症臨時休校の長期化などで教育課程の実施に支障が出る事態に備えて、遠隔教育などの実現を加速して行おうとしています。そのために、緊急経済対策において1人1台端末などの整備を行ってきました。  しかし、この構想を進めるには、児童生徒向け1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークというハードだけでは進められず、ソフト及び指導体制が整ってこそ動き始め、加速もできると言われています。現状はいかがでしょうか。また、今後の取組はどのように進められるのかお尋ねいたします。  2点目は学校行事についてで、修学旅行についてお尋ねします。  先日、5月11日付の夕刊では、修学旅行や運動会、安易に中止しないとの見出しが目に飛び込んできました。先生方はじめ教育委員会の先生方の力強い思いを感じるところであります。児童生徒にとって、学校生活における最も記憶に残る人生の思い出としての学校行事が実施されることは大変喜ばしいことであります。その記事の中で、市内のある中学校が、5月中旬に予定していた修学旅行を1か月延期し、感染状況の様子を見て8月中旬や11月の日程も確保するなど、3段階で構えていると報道されていました。  昨年度は、確か上秋津小学校を皮切りに、市内外の小・中学校の多くの県内での実施に切り替えたふるさと和歌山の魅力を発見、再確認するなどで好評を得ていましたが、今年度の各学校の対応はどのような様子になっているのでしょうかお尋ねします。  3点目は、中学校における部活動についてお尋ねします。  昨年は、各種大会が全て中止となり、生徒の皆様の残念に思う気持ちとともに、進学に当たっての内申書への記述、記載がどのようになされるのかが大変気になりました。その点はいかがでしたでしょうか。影響はなかったのでしょうか。また、今年度も全国での緊急事態宣言が発令された時期に、県教委からも練習の制限、対外試合、大会等の禁止が発令されたと思いますが、現状はいかがでしたのでしょうか。  ここに来てワクチンの接種が進み、コロナ患者も少しずつ落ち着き、東京オリンピック・パラリンピックの開催、各種スポーツが観客の制限つきではありますが開催されるという状況から見ますと、中学校における部活動の大会等も実施されようかと思われますが、見通しはいかがでしょうか。  以上、3点につきましてお尋ねいたします。             (11番 髙田盛行君 降壇) ○議長(北田健治君)    11番、髙田盛行君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の学校教育活動について3点お答えいたします。  まず1点目、教科学習の現状についてですが、令和2年度県学習到達度調査の田辺市の結果につきましては、数値での公表はしておりませんが、県平均と比較してほぼ同じような状況で、小学校4年生の国語、5年生の算数、中学校1年生の国語と数学、2年生の理科で県平均を上回っておりました。内容につきましては、基礎はほぼ全ての学年・教科で県平均を上回っておりましたが、活用の部分で県平均を下回っている学年、教科もあり、読解力、説明力に課題がありましたので、現在、この結果を踏まえて各学校において授業の工夫改善に取り組んでいるところでございます。  議員御指摘のとおり、昨年度は約3か月間の臨時休業によって授業時数の確保が難しくなり、内容の履修や学力の定着が心配されました。そのような中、先ほど申し上げましたように、県の到達度調査で基礎的な知識や技能が定着をしていたことから、臨時休業による学力への影響をできる限り抑えることができたと見ております。
     これにつきましては、臨時休業期間中に学校と家庭が連携して、きめ細かい課題のやり取りを行うなど、学校、児童生徒の双方が学びを止めない努力をしたことや、夏季休業期間を短縮して授業時数を確保したこと、ほかにも各学校において行事の精選や授業の進め方を工夫した結果だと考えております。  今年度からは、中学校でも新学習指導要領全面実施され、現在、各学校で感染症対策を徹底した上で授業が進められており、学習の進度もほぼ年間計画どおりに行えておりますので御理解賜りますようお願いいたします。  また、GIGAスクール構想における1人1台端末の活用につきましては、今年2月に市内全小・中学生に端末の整備が完了しました。また、高速大容量の通信ネットワークの整備に関しても、国の方針に沿って、各校の整備が完了いたしました。  今年度につきましては、指導体制の充実に向けてICT支援員事業を開始し、先生方のICT活用スキル及び活用機会の充実を目指し、教壇教員1人につき年6回の支援を予定しております。現在、各校で一度目の派遣が完了したところではございますが、各校からは、ICT活用の機会が増えた、また、先生たちも前向きに活用するようになったという意見をいただいております。  しかし、1人1台端末の利用が増加するにつれ、学校外のネットワーク環境に課題が見つかり、安定してインターネットを利用することができない状況にあります。現在、田辺市のネットワークセンター集約方式となっており、39校のネットワークが最終的に一つのネットワークに集約されております。1人1台端末の導入以前は、職員の端末とコンピュータ室の端末のみということもあり、安定して利用できたのですが、今回の整備により端末がおよそ5,000台追加され、利用台数が増加することでネットワークが詰まっている状況です。この現象は全国的にも見られるもので、ボトルネックと呼ばれております。  今後は、センター集約となっているネットワークから1人1台端末を切り離し、各校から直接インターネットにつなぐローカルブレイクアウトと呼ばれる方法を取り、ネットワークを安定させることを計画しておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。  続いて、議員御質問の2点目、修学旅行についてお答えいたします。  今年度の状況でありますが、5月、6月に予定していた学校は、県内並びに訪問予定地感染拡大を受け2学期以降に延期しております。ちなみに、7月に小学校2校と中学校1校が修学旅行を予定しており、うち小学校1校が和歌山県の歴史的な文化遺産を学ぶ目的で紀南地方への修学旅行を計画しております。  その他の学校の状況ですが、小学校では1泊2日で奈良、京都、大阪など関西方面や三重県を予定している学校が多く、中学校では2泊3日で関西方面や三重県方面、学校によっては広島県、福井県などを訪問する計画となっております。  議員御指摘の和歌山県の魅力を再確認する県内修学旅行のプランにつきましては、昨年度、田辺市校長会で田辺市熊野ツーリズムビューローから紀南地方を中心としたプランを紹介していただいたことや、GoToトラベル和歌山リフレッシュプランの補助により、当初の予算よりも安く実施できることもあり、市内小学校の約半数と中学校1校で県内の修学旅行が実施されました。参加した児童やその保護者からは、地元のよさを改めて学ぶことができてよかったなどの感想も寄せられ、好評だったと聞いております。  しかし、修学旅行で奈良、京都、三重などを訪問し、社会科等で学んだ遺跡や建築物を自分の目で確かめ、学習を深めることも必要などの理由もあり、現在のところ、多くの学校で県外への修学旅行を計画している状況であります。ただし、今後も変異株の感染拡大などが懸念される中、日程や行き先の変更を余儀なくされる場合には、昨年度の経験を生かし、県内への修学旅行についても柔軟に検討してまいりたいと考えております。  また、修学旅行における市としての補助ですが、昨年同様に田辺市修学旅行感染症対策支援補助金事業を実施しております。この事業では、修学旅行に参加する児童生徒を対象に、密集・密接を避けるために部屋数を増やした分の宿泊費やバスを増台させた分の交通費、また、飛沫防止のため食事の形態をバイキング形式から個食に変更した場合の増額分について補助をいたします。ほかにも、新型コロナウイルスによる日程及び行き先の変更、または中止に伴う宿泊費等キャンセル料についても補助いたします。  いずれにいたしましても、各学校が新型コロナウイルス感染状況を見極めながら、保護者の協力、理解の下、安心・安全に修学旅行が実施できるよう、日程や行程の代案を用意しつつ、丁寧かつ慎重に計画を進めておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。  最後に議員御質問の3点目、部活動についてお答えいたします。  まず、活動制限による昨年度の進学への影響についてですが、市内の中学校から大きな影響があったということは特に聞いておりません。  昨年度、新型コロナウイルスの影響により、春、夏の公式戦が中止となる中、和歌山県立高等学校入学者選抜への対応として県教育委員会から2点通知がありました。1点目は調査書について、大会出場等の機会を得られなかった入学志願者に不利益が生じないよう、県教育委員会から各高等学校にふだんの活動状況等を評価するように指示していること、2点目はスポーツ推薦について、大会出場等の機会を得られなかった入学志願者に不利益が生じないよう、各高等学校スポーツ推薦の出願条件において、全国大会等の実績や出場の有無を問わないよう変更していることです。この通知について、市内中学校の教職員、生徒、保護者に周知をいたしました。これらのことから、調査書及びスポーツ推薦の出願に当たり、入学志願者に不利益が生じないように配慮されていたと認識しております。  続いて、今年度の部活動の状況についてお答えいたします。  本市では、県教育委員会県立学校宛てに通知した内容を受け、西牟婁郡の各教育委員会と連携を取りながら、県教育委員会の方針に準じて部活動の活動内容について指導してまいりました。  活動の制限につきましては、4月中旬、新型コロナウイルスの県内外での急激な感染拡大を受け、4月21日に県外はもとより県内における練習試合合同練習等についても原則禁止を通知しました。これに伴い、春季大会を予定していた部活動は6月以降に延期または中止となりました。その後、感染状況も改善され、6月1日に県内の練習試合合同練習については可能となり、さらに6月7日に県民への外出自粛要請も緩和されたことから、現在は、県内外の学校との練習試合合同練習等は、一定の要件を満たし、感染防止対策の徹底と各競技団体が示すガイドライン等を守った上で実施可能となりました。また、延期されていた大会等につきましても6月中に実施済みでございます。  7月に予定されている田辺・西牟婁郡総合体育大会につきましても、県大会、近畿大会全国大会が開催予定であることから、種目ごとに競技団体が示すガイドラインを守り、感染症対策を講じた上で開催することとなっておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(北田健治君)    髙田盛行君。             (11番 髙田盛行君 登壇) ○11番(髙田盛行君)    御答弁ありがとうございます。今回のコロナ禍の影響で学校現場も大変だったかと思いますが、しっかりした対応をしていただきましたことが答弁の内容からも伝わってきました。教科学習については、県学習到達度調査での読解力、説明力には課題はあるものの、県平均とほぼ同じである、そういう結果を踏まえると、数字だけではなく学校と家庭、学校と児童生徒の双方の学びを止めない努力をしていただけた先生方の取組に感謝したいと思います。  小学校では、新しい学習指導要領完全実施、中学校では、本年度から完全実施となりますが、しっかりした学力を身につけ、社会に出る子供たちの育成によろしくお願いいたします。  気になりますのはボトルネックという障害です。詳しいことは私には分かりませんが、新しいことを始める場合、往々にして始めてみないと分からないと言われたりします。最小限の障害でとどめ、せっかくの最新の学習機器でありますので、最大限の活用を期待したいところです。よろしくお願いいたします。  2点目の修学旅行につきましては、コロナ禍が落ち着き始めた様子もあり、従来の方面への希望が増してきたようで、学校行事は学校長の判断によるところでありますが、昨年度のせっかくの実績もありますし、県・市の積極的な取組、また、田辺市熊野ツーリズムビューローの新しい案内もありました。修学旅行に限定せず、日頃の学習とのバランス、タイミングを図り、子供たちにとって、学校等にとってよき選択となるよう、教育委員会には御指導のほどよろしくお願いいたします。  3点目は、中学校における部活動であります。昨年度は、県教委から各高等学校への通知により、全生徒対象の調査書には大会成績のみ重視されるのではなく、日頃の取組、成長等を適切に判断するよう、また、スポーツ推薦者については、上位大会への出場の有無を問わないなどの配慮をし、入学志願者に不利益が生じないよう配慮されたことは、受験生を持つ親にとっては大変ありがたいことであったと、このように思います。  現在の国内のコロナ禍のこの状況を見ますと、まだまだどのようになるか分かりません。市教委からも引き続き県教委への働きかけ、要請等をお願いしまして、この項目を終えさせていただきます。  次に、中項目2点目、家庭生活について3点お尋ねします。  まず1点目は、学校休校中についてであります。  昨年の2月27日の安倍首相による突然の3月2日から春休みまでの休校要請があり、その後、6月1日の学校再開までの約3か月もの学校休業期間中、各家庭では外出が自粛され、不要不急の生活が強いられました。あれから学校生活は平常を取り戻してはいるものの、社会生活はなかなか元には戻りにくい状況が続いているかと思います。  そんな中、今年度もはや3か月余りが経過し、子供たちもすっかり元の学校生活を取り戻したように思われますがいかがでしょうか。  2点目は、子供を持つ親に限らず、国民にとっても大変ショッキングなニュースであります若年層の自殺についてであります。  新聞、テレビ、マスコミの報道によりますと、2021年2月15日に開催されました、2020年度第1回児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議が開催され、文部科学省が、厚生労働省と警察庁によるデータを基にコロナ禍における児童生徒の自殺等に関する現状が公表されました。それによりますと、小学生は前年より6人増えて14人、中学生は34人増えて146人、高校生が60人増えて339人、ちなみに大学生は25人増えて415人という報告でした。児童生徒合わせて499人となり、前年より100人増えて、国の統計が始まった1978年以降最も多くなったようです。そして、把握された小・中学生や高校生の主な原因や動機は、進路に関する悩み55人、学業不振52人、親子関係の不和42人となっていたようです。  田辺市においては、今は無縁の出来事、ニュースかと思いますが、最近では、マスコミをにぎわす各種の出来事が全国どこで起こっても不思議ではないと言われています。教育委員会では、このようなショッキングなニュースをどのように受け止められているのでしょうか。  3点目は、ヤングケアラーの問題についてであります。  これも少し前になりますが、新聞、テレビでの報道で、私には耳慣れない言葉、それがヤングケアラーという言葉でした。皆様は御存じでしたでしょうか。法令上の定義はないとされていますが、一般的には若年層の介護を指す言葉として認知が広がっており、広い意味では20代30代までの介護者を含むこともあるようで、厚生労働省では、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供と定義されているようです。  そのヤングケアラーの実態把握について厚生労働省が大規模な実態調査に乗り出し、令和3年3月ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書として公表されました。5月13日NHKクローズアップ現代でも内容が報道されたようです。その研究結果によりますと、中学生は5.7%、17人に1人、高校生では4.1%と発表されています。  また、調査の中では、自らのことがヤングケアラーなのか分からないと回答した子供が1割から2割程度いることから、潜在的なヤングケアラーも一定数いると推測されます。  会合の中で、山本厚生労働副大臣が、これまでヤングケアラーに着目した対策を打ってこなかったことが悔やまれるが、即効性のある対策を急ピッチで検討したいと述べられたようです。  今回のこの調査結果を教育委員会はどのように受け止められていますでしょうか、お尋ねいたします。             (11番 髙田盛行君 降壇) ○議長(北田健治君)    教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の家庭生活について3点お答えいたします。  まず、議員御質問の1点目、学校休校中についてですが、コロナ禍の影響でこの1年間のうちに子供たちの生活には様々な変化がありました。感染防止対策として手指消毒の徹底、毎日の検温、給食時の段ボールシールド、マスクの徹底など日々の生活の仕方が大きく変化しました。また、実技授業や班活動などの取組方、水泳授業や部活動の在り方、修学旅行や運動会などの学校行事には、田辺市教育委員会で策定しました園・学校における新型コロナウイルス感染症対策マニュアルを遵守し、各園・各学校において感染症予防に取り組んでまいりました。また、コロナ禍により家庭が不安定になるケースもあり、子供だけでなく保護者もスクールカウンセラーに相談することもありました。  このように、昨年6月からの登校から様々な変化はあり、コロナ禍以前の学校生活とは異なる部分があります。現在は、昨年度にできなかった取組について3密を意識した上で実施しております。例えば、水泳授業は学年単位から学級単位に分散しつつ、命を守る水泳指導を中心に取り組んでおり、体育の授業でのマスク使用については、時と場合によって着脱するように指導しております。特に長距離走や激しい運動を実施するときには外し、話し合い活動を行うときにはマスクを着けるよう指導しております。また、感染リスクを下げるために、給食時には会話をせずに黙って食べたり、人数の多い学級では教室を分散させたりしております。昨年度から指導してまいりました手洗いやマスク着用については、全ての園・学校で定着しております。  さらに、本年度は、5月中旬から6月初旬にかけて小学校5校、中学校2校で春季運動会を開催いたしました。その際、半日開催とし、新型コロナウイルスの感染リスクを軽減させるよう取り組みました。また、熱中症を避けることにも効果があり、好評であったと聞いています。  今後もコロナ禍学校生活を意識しながら、子供たちの心身の健康、安全を大切にした上で楽しく学べる学校となるよう指導してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。  続いて、議員御質問の2点目、若年層の自殺についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、令和2年度の全国児童生徒自殺者数は、令和元年度と比較して大幅に増加しております。コロナ禍の影響により増加したかについての分析は明確ではありませんが、昨年度初めの臨時休業後には自殺者数が増加しております。また、夏休みなどの長期休業明けにも増加する傾向にあります。児童生徒の自殺等については、決して起こしてはならないものであります。  令和2年2月15日に文部科学省が公表いたしましたコロナ禍における児童生徒の自殺等に関する現状についてでは、児童生徒の自殺の原因、動機は、学校問題としては、進路に関する悩み、学業不振、学友との不和が上位であり、また、家庭問題としては、親子関係の不和、家族からのしつけ、叱責が上位になっております。児童生徒の悩みを早期発見し、そのような事態を未然に防止することが重要であります。  児童生徒の悩みを早期発見するための取組として、田辺市内全小・中学校で楽しい学校生活を送るためのQUアンケートや定期的なアンケート調査を行っており、また、その結果を学校で共有し、専門的な助言をいただくため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携し、個人面談等も行い、児童生徒の心のケアや環境改善に努めております。  また、適宜ケース会議を開催し、多面的に情報収集を行い、児童生徒の悩みの早期発見と早期対応に努めるとともに、SNS等で自殺をほのめかす書き込みがネットパトロールで発見されたときには、緊急対応として児童生徒の安全確保を最優先にするようにしております。  田辺市においては、令和2年3月に田辺市第1期自殺対策計画を策定し、24時間子供SOSダイヤル、田辺市公式LINEつながる相談など、教育相談窓口の周知のほか、夏休み明け9月の自殺対策として市立図書館に自殺対策関連図書コーナーを設けるなど、関係機関との連携をした対応も行っております。  また、田辺市いじめホットライン、田辺市いじめ相談ダイレクトメール、子供人権SOSミニレターなどの教育相談窓口の周知徹底を図っております。  今後も教育委員会では、児童生徒の自殺等を無縁の出来事とは捉えず、児童生徒の心身の状況を把握し、きめ細かく取り組んでいかなければならないと認識しておりますので御理解賜りますようお願いいたします。  最後に、議員御質問の3点目、ヤングケアラー問題についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、昨年12月から今年1月にかけて、抽出校による全国の学校調査では、生徒に対して世話をしている家族がいるかどうかを尋ねたとき、いると答えた中学生が5.7%であり、そのうちの7割以上が家族の代わりに幼い兄弟の世話をしているとの結果でありました。今回の調査で回答を求めるに当たっては、ヤングケアラーの定義として、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っていることにより、子供自身がやりたいことができないなど、子供自身の権利が守られていない子供とされています。このような子供には、何らかの家庭的な事情があると考えられます。コロナ禍の影響により、家庭状況が一変し、子供自身の権利が守られていない状況が生まれているかもしれません。  本年度より和歌山県が実施している問題行動等発生状況報告におきましても、ヤングケアラーと思われる児童生徒数を調査することになりました。今後は、学校現場においてもヤングケアラー問題への認識を高め、調査結果の分析や地域からの情報収集、子供たちの生活の様子を注視していくなどして実態を把握し、課題があれば対応していくよう進めてまいります。  今後も日頃の子供たちの様子を観察し、大人が担うような介護、家事を行っているヤングケアラーを認知したときには、その子供への対応と家庭との連絡を行い、スクールソーシャルワーカーや関係機関と連携を取り、課題の早期発見、早期解決をし、子供の権利が守られるように努めてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(北田健治君)    髙田盛行君。             (11番 髙田盛行君 登壇) ○11番(髙田盛行君)    御答弁ありがとうございます。1点目の学校休業中でありますが、田辺市教育委員会が策定されました園・学校における新型コロナウイルス感染症対策マニュアルの遵守が、学校生活はもとより学校以外の家庭生活でも生かされ、効果的であったことがうかがわれます。  また、コロナ対策に追われるだけではなく、新たな発見、新たな取組の発見などがあったようで、コロナ禍を逆手に取った、そのような活動がなされることをこれからも期待しております。  2点目は、若年層の自殺についてであります。自殺は、本人には気づきにくく、周りの誰かが気づき、予兆をキャッチすること、その体制をつくっておくことが大切だと言われています。田辺市の体制はきめ細かく取り組まれ、それが結果として表れているのではないかと思われます。今後も、子供たちのためにも、市民の方々のためにも、自殺で悲しい思いをすることの人々がないよう取組をよろしくお願いいたします。  3点目は、ヤングケアラー問題であります。子供自身の権利が守られていない状況が中学生で5.7%いる調査結果が出ました。この数字は、単にコロナ禍の影響だけではなく、ふだんの生活の延長であると推察されます。そのため、2点目の若年層の自殺対策と通ずるところですが、家庭だけで、学校だけで対応できる問題でなく、社会全体で対応していく必要のある問題であります。  学校・家庭・地域がお互いにそれぞれの立場でできること、学校であれば、子供たちの日々の観察、指導、スクールソーシャルワーカーや関係機関との連携などを今後とも推し進めていただくことをお願いしまして、大項目1点目を終わります。  それでは、大項目2点目、子供食堂とフードバンクについて3点お尋ねします。  1点目は、数字から見る子供たちの環境についてであります。  私は、この問題につきましても平成29年12月定例会、令和2年6月定例会一般質問で子供の貧困対策、コロナ禍における児童生徒の食生活と題した中で、子供食堂について質問してまいりました。  当初は、私自身、田辺市の子供の貧困の実態が分かりませんでしたので、子供の貧困の一指標と思い、生活保護、就学援助、児童扶養手当の受給者数から子供たちの置かれている環境を少しでも推しはかることができればと思い、平成24年から平成28年度までの5か年の資料を出していただきました。この数字は、子供たちの置かれている実態としましては、ほんの一部かと思いますが、その後の各年度の集計結果はどのような変化をたどっているのでしょうか。担当課では、その結果をどのように分析され、認識されているのかをお尋ねいたします。  2点目は、第2期子ども・子育て支援事業計画についてであります。  平成29年12月定例会での答弁の中で、現在、推進している子ども・子育て支援事業計画の中で着実に子供の貧困対策についていくとともに、次期計画策定に向けて、来年度に実施予定のニーズ調査の中で、本市における子供の貧困の実測について把握できるように検討してまいりたいとのお答えを頂きました。  そして、令和2年3月に作成されました新しい子ども・子育て支援事業計画がこれであります。  今回の事業策定に当たりまして、本市における子供の貧困の実測について、どのように把握されているのかをお尋ねします。  3点目は、子供食堂とフードバンクの開設に向けてであります。  県下第2の都市であります田辺市におきまして、今回のこのコロナ禍の影響の中で、田辺市が把握されています2か所の子供食堂以外に動きがありませんでしたし、加えて、フードバンクに関する報道もなかったかと思います。果たして、田辺市には生活困窮者、児童生徒及び家庭で困っている方々はいないのでしょうか。ただ数字として表れていないだけであって、潜在的な欲求、需要は実際にはいると解釈してよいのでしょうか、どうでしょうか。調査やアンケートによる見える数字と見えない数字。見えない数字、今回の場合であれば生活困窮者、子供の貧困家庭と仮定すれば、そのような立場に置かれている人々、家庭に手を差し伸べる、助成をしていくなどの対策を講じていくのも行政の一仕事ではないでしょうか。  ないから動かない、申請等がないから支給しない、できないの待ちの姿勢ではなく、なくとも実態があれば、見込まれるものがあれば一歩踏み出す積極的な攻めの姿勢が必要なこともあるのではないでしょうか。  今回のこのコロナ禍では、子供食堂は3密回避の関係で休止となる施設が多かったようですが、フードバンクの社会貢献は大きかったようです。当局のお考えをお聞かせください             (11番 髙田盛行君 降壇) ○議長(北田健治君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員御質問の子供食堂とフードバンクについての2点目、第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画については私から、そのほかは担当部長からお答えいたします。  本市におきましては、近年の少子化や核家族化、地域社会の関係性の希薄化など、子供とその家庭を取り巻く状況の大きな変化に対応するため、それまでの子ども・子育て支援に関する取組を継承しながら、子ども・子育て支援法に基づき、平成27年度から令和元年度までを計画期間として、田辺市子ども・子育て支援事業計画を策定いたしました。  そして、この計画が令和元年度に終了するに伴い、引き続き計画的に施策を推進するため、令和2年度から令和6年度までの5年間の計画期間として、第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画を昨年3月に策定いたしました。  この第2期計画を策定するに当たり、平成31年1月に確保を図るべき教育・保育・子育て支援に関して、保護者の利用状況や今後の利用希望等を把握するためのニーズ調査を行っておりますが、同時期に県において子供の貧困対策を推進することを目的とした子供の生活実態調査が行われたことから、市独自の調査は行っておりませんが、同調査の結果では、経済的に厳しい世帯の子供ほど生活習慣が備わっていない割合が高いなど、子供の貧困が単なる経済的困窮にとどまらず、子供が当たり前に持っているはずの物、人とのつながり、教育・経験の機会等が奪われているという一般的な説が裏づけられ、子供の学力や自尊感情、健康など、様々なものにマイナスの影響を与えている状況が明らかとなっています。  こうした中、本計画は、子供の貧困対策の推進に関する法律に基づく市町村計画としても位置づけており、基本理念、基本的視点は、前回計画を継承しつつ、基本目標におきましては、新たな項目として、様々な家庭の状況に応じた支援体制が整ったまちを加え、その中では、子供の貧困対策の推進を方針の一つに掲げており、経済的に厳しい世帯が多いとされる独り親世帯や多子世帯をはじめ、支援が必要な子育て世帯に対して各種施策の展開を図ることとしております。  いずれにいたしましても、子供が健やかに育成される環境の整備に努め、計画の基本理念である豊かな未来の創造に向け、子供の健やかな成長をみんなで支える社会の醸成に向け、計画を総合的に推進する中で貧困の連鎖を断ち切り、未来を担う子供たちが生まれ育った環境に左右されることのないよう、子育てや貧困を保護者や家庭のみの責任にするのではなく、地域や社会全体で課題を解決する意識を常に持ち、国・県と連携を図りながら子供の貧困対策についても対応してまいりたいと考えております。  以上です。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(北田健治君)    保健福祉部長、虎伏 務君。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員御質問の子供食堂とフードバンクについての1点目、数字から見る子供たちの環境についてお答えいたします。  まず、平成29年12月定例会におきまして、生活保護、就学援助、児童扶養手当について、それぞれの平成28年度までの受給者数の実績の推移についてお答えさせていただきました。  現在の状況についてですが、平成29年度以降の実績数を申しますと、まず、生活保護の過去4年間の平均被保護世帯数と平均被保護人員につきましては、平成29年度は821世帯、1,014人、平成30年度は812世帯、985人、令和元年度は798世帯、962人、令和2年度は784世帯、944人となっております。  次に、就学援助費を受給している児童生徒の数につきましては、小・中学校合わせまして、平成29年度は941人、平成30年度及び令和元年度は953人、令和2年度は955人となっております。  全児童生徒に占める割合につきましては、平成29年度は16.8%、平成30年度は17.4%、令和元年度は17.9%、令和2年度は18.4%となっております。
     最後に、児童扶養手当の受給者数につきましては、平成29年度は、受給者数952人、支給対象児童数1,407人、平成30年度は、受給者数902人、児童数1,361人、令和元年度は、受給者数869人、児童数1,311人、令和2年度は、受給者数845人、児童数1,260人となっております。  それぞれの受給者数の推移については、平成29年当時に比べまして大きく増加しているということはなく、横ばいもしくは減少傾向となっております。しかしながら、本市におきましては、少子化の進行により、市全体の児童数そのものが減少傾向であることや、就学援助の全児童生徒に占める割合は微増傾向であるなどの点を考慮いたしますと、経済的支援を求められている子育て家庭は現在も一定数はおられるのではないかと考えております。  次に、御質問の3点目、子供食堂とフードバンクの開設に向けてでございますが、地域住民の方々やNPO法人等が主体となり取り組まれている子供食堂につきましては、全国的に年々その広がりを見せており、市内におきましても、現在、NPO法人と個人が運営している2か所の子供食堂がございます。  子供食堂は、栄養バランスの取れた食事を無料または安価で食べられるということだけでなく、1人きりではなく誰かと一緒に食事ができる、子供同士や保護者同士のコミュニケーションが取れるなどの幾つかのメリットがあり、単に子供に食事を提供する場所ということにとどまらず、栄養不足や孤食といった問題への対応した取組であるものと認識しております。  一方、フードバンクの活動についても、単に食品ロスの削減につながるだけでなく、経済的に支援を必要としている人や福祉活動団体にとって有意義であり、持続的な運営には安定した食材調達が欠かせない子供食堂にとってもフードバンクは貢献されているものと考えております。県内におきましては、NPO法人1団体がフードバンク活動を始め、子供食堂の設立から運営に至るサポート活動までを県内各地で行っていると伺っております。  このように、子供食堂とフードバンクの取組は、それぞれに有意義な活動ではありますが、地域のボランティアの方々に頼る部分が大きいだけに、さらに地域住民の方々にもその取組が浸透し、多くの方々に関わっていただくことが大切であると考えております。  このような中、市といたしましては、利用者からの問い合わせに対しての案内や、子供食堂を既に実施している、またはこれから始めようとしている団体等に対しまして、県の助成事業である和歌山子供食堂支援事業や民間の助成事業などの情報、並びにフードバンクについての情報の収集や提供を引き続き行うとともに、今後とも困窮する児童生徒の把握や対応に努めてまいりたいと考えております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(北田健治君)    髙田盛行君。             (11番 髙田盛行君 登壇) ○11番(髙田盛行君)    御答弁ありがとうございました。1点目の数字から見る子供たちの環境についてですが、三つの指標について、平成24年度から数字をいただいたことですが、横ばい状態、減少傾向と把握されているということでありましたが、第2点目の第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画の中でも示されていましたとおりです。その中では、子供の生活実態調査は、県の資料からも絶対的貧困とともに相対的貧困が明らかとなりましたと表現されております。田辺市も第2期支援事業計画の中の基本目標に、新たな項目として子供の貧困対策の推進の方針を位置づけられたことは、市の姿勢を示すことと大変意義深いことだと、このように思っております。  今後とも、国・県とも連携を図りながら取り組んでいただけたらありがたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  3点目は、子供食堂とフードバンクの開設に向けてでありますが、このことについては、過去に、「田辺市には2か所」「資料・情報は提供する」「地域の方々の協力が必要だと」「今の状況の中で設置は難しい」こういう答弁をいただいております。子供食堂、付随するフードバンクのメリットであったり、効用、必要性等については行政の方々も認識いただいているかと、このように思います。  少子高齢化、コミュニティーの弱体化が顕著になり、地域を引っ張る人材が少なくなった今、地域の課題解決の出番は行政かもしれないと私は思っております。新しい型の地域づくりを模索されてはいかがでしょうか。  大変長い一般質問となりましたが、終始真摯に御回答いただきました市当局の方々にお礼を申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。             (11番 髙田盛行君 降壇) ○議長(北田健治君)    以上で、11番、髙田盛行君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(北田健治君)    この場合、午後2時10分まで休憩いたします。               (午後 2時00分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(北田健治君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時10分) ○議長(北田健治君)    続いて、2番、前田かよ君の登壇を許可いたします。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    皆様、こんにちは。  2番、日本共産党、前田かよです。通告に従いまして一般質問を行います。  今回は大項目一つ、女性の生理に対する理解と環境整備についてです。  世界経済フォーラム、WEFが国別に男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数2021が今年3月に発表されました。日本は調査対象となった世界156か国の120位で、先進主要7か国では昨年に引き続き最下位でした。特に政治と経済の分野での男女差が著しく、政治分野では意思決定の場における女性の少なさ、経済分野では収入格差、管理職や専門職における女性の比率の低さが順位に影響していると分析されています。  ジェンダーギャップを埋めるために女性の活躍という言葉が社会に出てきていますが、まだまだ言葉だけが走っている感も否めません。まずは性の違いや特徴を知ることが問題解消への第一歩ではないでしょうか。  生理は歴史的には汚れや恥ずかしいこととして扱われ、タブーとされてきました。余談ですが、私自身小学校時代を思い出せば、生理の学習の際は、男子生徒は教室を出て女子生徒だけで受けた記憶があります。それゆえか、本市でも合併後の市議会で一般質問で詳細に取り上げられた実績はなく、自省すれば私自身も女性でありながら問題として捉えることなく来ました。しかし、今の社会情勢を知る中で、政治参画する者として声を上げるときが来たと感じています。どこまで言及するのか、表現にも戸惑いながら質問を準備してきました。まだまだ学習段階ですが、ジェンダー平等に向けた一助となることを信じて質問してまいります。  小項目一つ目は、生理に対する認識についてです。  最初に、基本的な生理周期と心身の関係についてお話したいと思います。  生理とは、約1か月の周期で胎児のベッドと例えられる子宮内膜が出血を伴ってはがれ落ち、体外へ排出されることです。生理の周期は約4週間で、その間のホルモン状態から心身状態が様々に変化します。生理前は黄体ホルモンの急激な変化によって心身は不安定になり、体の症状として、頭痛、肩こり、腰痛、下痢、にきび、肌荒れなど不快症状が表れ、心の症状として、いらいら、憂鬱、不眠、眠気、過食、無気力、集中できない、細かい作業ができない、ぼーっとするなどの症状が起こりやすくなります。これらを生理前症候群といい、生理がある人の20%から50%がこの症状を自覚し、そのうち3%から5%が月経前不快気分障害といって、より深刻な状態に陥ってしまいます。  生理の期間は4日から7日ほどで、生理痛といって下腹部や腰、頭の痛み、吐き気、出血による貧血、倦怠などの症状が表れます。痛みを言葉に例えると、一日中ナイフがおなかの中に入っている不快感や、小人たちが100人くらいで一斉に下腹部を内側から押してくる感じという状況です。ひどい場合には寝込んでしまうほどで、日常生活に支障を来すような場合は月経困難症という病気で治療の対象となります。  生理がある人はこのような周期を11歳を過ぎる頃から平均しておよそ35年間、毎月繰り返しています。生理周期における様々な不調は、生理があれば誰にでも起こり得るものなので、多くの人はひどい生理痛でも特に病気と思わずに、つらい症状に耐えながらやり過ごしています。  しかし、月経前症候群や月経前不快気分障害に進行すると心身の変調だけでなく、周囲の人との人間関係や社会生活に大きな影響を及ぼし、女性の活躍においても重要な機会を失うことも少なくありません。  ここまで簡単に生理周期と心身のリズムについてお話ししましたが、月経前症候群や月経前不快気分障害など心身への影響、日常生活での支障や社会活動での機会の喪失、さらに生理用品に関する経済的問題や、性の認識が女性でなくても生理がある性的少数者の悩み、男性や社会の無理解など、生理にまつわる諸問題について当局の認識をお伺いします。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    2番、前田かよ君の質問に対する当局の答弁を求めます。  企画部長、山﨑和典君。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  男女が互いの身体的性差を十分に理解し、人権を尊重しつつ、相手への思いやりを持って生きていくことは、男女共同参画社会の形成に当たっての大前提です。  女性の生理による体調変化により、社会生活に影響を及ぼすほどの症状がある方など、日常生活や社会生活、学校生活等において、悩んだり、苦労されている方もいらっしゃると認識しております。  そのためには、男女を問わず正しい知識を得るための学習機会や生理休暇などの制度が充実していくこと、周りの理解や配慮が進むことが大切であると考えております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    御答弁ありがとうございます。認識のほどは十分いただけているようです。認識がなかったことがあるかもしれませんが、それは、生理に関しては表立ってこれまで語られてきませんでしたので、知れば納得というか、もっと知りたい、互いを理解し合うために知りたいとおられる皆様に思っていただけたらうれしいことです。  次に、生理休暇についてお伺いします。  労働基準法では、第68条で、生理によって職務を行うことが困難な職員は、正規雇用・非正規雇用を問わず誰でも休暇を取得できることが認められています。戦前から働く女性たちの運動があり1947年に制定されました。本市市職員における休暇取得の実績とその評価についてお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    総務部長、西 貴弘君。            (総務部長 西 貴弘君 登壇) ○総務部長(西 貴弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  令和元年と令和2年の生理休暇実績につきましては、令和元年は15件、令和2年は12件の実績がありました。  本休暇の取得状況についての評価は困難ではございますけれども、本休暇を利用し、生理時の職務軽減を図っている一定数の職員がいることから、本市としては、体調不良時に我慢をしながら勤務することのないよう、業務軽減の制度環境を一定程度整備できているものと考えておりますが、より取得しやすい環境整備に努めてまいることが肝要だと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。            (総務部長 西 貴弘君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    実績について御報告いただきました。件数でお答えいただきましたが、女性職員の人数でいうと、いずれの年度も利用者数は3名から4名、割合でいいますと全女性職員の0.6%ということになります。相当少ないと感じます。  しかし、これは本市職員に限ったことではないようです。厚生労働省の調査では、生理休暇の取得率は1965年のピーク時には26.2%だったのが、雇用における男女平等を求めた男女雇用機会均等法成立への流れの中で取得率が減少し、同法成立の1985年には9.2%となり、さらに1999年の改正法施行により、女性の残業や深夜労働などを制限した女子保護規定も撤廃され、男性並みに働く女性が増えたことでここ数年は1%を割っています。その背景には生理休暇を取ることが女性の社会進出にとって不利になるとの意識が働いているとも言われています。  全国労働組合連合が5年ごとに実施している、妊娠・出産・育児に関する実態調査では、2020年の7,829人の女性に対する調査で、21.8%の女性が月経時に鎮痛剤を毎回服用する、34.8%が時々服用すると回答しています。生理がある人の約半数が生理痛を抱えている実態があります。  しかし、生理休暇を取っていないと回答した女性が83.9%でした。その理由で最も多かったのは、苦痛ではないので必要ないで36%、2番目は、人員の不足や仕事の多忙で職場の雰囲気として取りにくいで28.7%、3番目は、恥ずかしい、生理であることを知られたくないが19.2%です。あと2015年の調査では、男性の上司や同僚に言いづらいが上げられています。症状がひどい人でも、生理は隠すものという社会の風潮が根強い理由になっていると考えられます。そのため、つらい症状を我慢している人や、生理とは言わずに病欠として有給休暇を取得している人が多いとも言われております。  このように、生理休暇の取得率は低い一方で、民間の妊娠・出産・育児の情報サイト運営会社の調査によれば、生理休暇は必要だと考える人が74%と非常に多いです。これらの調査から、生理休暇は必要だけど生理と言いにくいから取りづらいという考えが読み取れます。本市職員が休暇を取得する際の申請書を見せていただきましたが、括弧欄に申請者自身が生理休暇と書くようになっていましたが、複数の休暇の中から括弧で選んで選択するようにするだけでも心理的なハードルは下がるのではないでしょうか。  そこでお伺いします。生理痛など症状が重いのに無理を押して働けば、ストレスでさらに症状は悪化して月経前症候群や月経前不快気分障害に進行してしまいますから、心身の健康を守るために体を休めることはとても大切です。また生理がつらいのに働くのは非効率という考えもあります。  そのために生理休暇取得については、希望する人によって、休暇申請書式の工夫、生理のことを言いやすく理解してもらえる雰囲気など、環境づくりが必要ではないかと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    総務部長。            (総務部長 西 貴弘君 登壇) ○総務部長(西 貴弘君)    議員の御質問にお答えします。  生理休暇の申請につきましては、他の休暇と同様、システムまたは紙の休暇届による届出が可能でございます。このうち、システムによる届出につきましては、届け出る職員及び決裁権者以外の目に触れることはなく、この点において、心理的負担については一定程度の軽減が図られているものと考えております。一方で、紙の休暇届につきましては、議員御指摘のとおり、職員が生理休暇と記入する形となっておりますので、より心理的な抵抗なく申請できるよう、様式や方法等について検討を行ってまいりたいというふうに考えております。  また、職場の雰囲気づくりにつきましては、職場全体の意識向上を図りつつ、全庁的に取得を促進し、職員が心身の健康を保ち、効率的な職務ができる環境づくりに努めてまいりたいと考えてございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (総務部長 西 貴弘君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    非常に前向きな御答弁をいただき大変うれしく思います。理解してもらえる雰囲気づくり、環境づくりというのは、まず知ることからだと思います。  そこで、最近では、新入社員に生理に関する諸問題や休暇制度について研修内容に盛り込む企業もあるようです。生理が軽い女性や管理職の方々にも意識の共有を図られたいと思います。  その際、忘れてならないのは性的少数者への配慮かと思います。心や外見は男性でも生理があるトランスジェンダーの人もいます。そういう人たちが生理休暇を申請するのは女性以上にハードルが高いです。社会全体がもっと性の多様性を認識し、理解することがますます必要ではないでしょうか。  また、5月28日は、世界月経衛生デーといって、生理をめぐる不平等に目を向け、ジェンダー平等を実現していこうという取組があります。2013年、衛生や人権問題に取り組むドイツのNPO団体によって設立されました。背景には二つの目的があります。  まず一つは、月経に対する沈黙を破って社会の意識を変えること。そして、世界、国家、地域それぞれのレベルで意思決定者に対し生理に関する制度の政治的優先順位を高めるよう促すことです。ぜひ男女共同参画推進室などから庁内に限らず広く市民にも発信していただきたいと思います。  次に、生理の貧困について伺います。  生理の貧困とは、生理用品を買うお金がない、または、利用できない環境にあることを指します。かねてから発展途上国で深刻視されていましたが、格差が広がる先進国でも問題になり、日本では、コロナ禍で女性や若者の貧困が顕著化し、社会問題となっています。  労働政策研究機構とNHKの調査によれば、2020年4月以降に仕事を失った人のうち11月の時点で再就職していない人は女性が男性の1.6倍だったそうです。今年2月から20代の若者のグループによる「#みんなの生理」がインターネットで学生を対象に調査したところ、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者の割合が20.1%に上り、学生の5人に1人が生理用品の入手に苦労しているという実態が明らかになりました。また、過去1年以内に金銭的理由で生理用品でないものを使ったと答えた割合は27.1%、生理用品を交換する頻度を減らしたと答えた割合は37%でした。こうした実態に対する生理の貧困の当局の御認識をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    企画部長。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、非正規雇用労働者を中心に雇用や生活への影響が続いており、経済的困難に陥る家庭や独り親家庭等の生活困窮者の増加が顕著になっております。こういった中、経済的な理由で生理用品を購入できない女性や女の子がおられるということが生理の貧困というキーワードとともに全国的な社会問題となってきていることは認識しております。  また、この問題は、今までの社会では女性が声を上げにくく、社会全体の悩みとされてこなかった問題がコロナ禍で顕在化し、改めて問題提起されたものとなっている側面もあると考えております。  内閣府男女共同参画局の公表資料によりますと、生理の貧困に係る取組を実施し、または実施を検討している地方公共団体について、5月19日時点では255団体あり、うち防災備蓄の利用が184件、予算措置によるものは55件、企業・住民等からの寄附によるものが44件とされており、これらは主にコロナ禍による困窮者への対策という観点で行われているものと認識しております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    生理の貧困に対する認識、十分にお聞かせいただきました。また、既に他市事例なども御参考にしてくださっているということです。ありがとうございます。  補足ですけれども、ちなみに1回の生理でかかる生理用品の金額は、例えば、一番安価な使い捨てナプキンの場合、月経の量が多いとき、少ないとき用、そして、就寝時の漏れを防ぐ夜用など、複数の種類を使い分けすることを考慮すれば、大体の目安ですが500円から1,000円くらいと言われています。しかし、生活が困窮し、食べ物か生理用品かとなると生理用品を諦めざるを得ません。すると、ナプキンの交換は大体2時間ごとが望ましいのですが、交換回数を減らしたり、夜用のを1日中つけているという実態があり、性器に炎症などの病気を引き起こすリスクが高まります。また、ティッシュペーパーを何重にも重ねたり、古着の布を切って自作している実態もありますが、こうした代用では月経が漏れ、衣服につくとどうしようもなくつらい思いをします。しかし、始まった月経を止めることやその量をコントロールしようがありません。これに対応するには生理用品は欠かせません。  そこでお伺いします。生理用品の必需性についてお伺いします。生理がある人にとって生理用品は生活必需品であるか、当局の御認識をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇)
    ○議長(北田健治君)    保健福祉部長、虎伏 務君。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員の御質問にお答えします。  生理については、個人差はありますが、おおよそ28日周期で初経から閉経まで約40年間繰り返されるもので、この間、様々な体調の変化をもたらします。こうした長期間にわたり、主に経血の吸収を目的として使用される生理用品につきましては、当然生活必需品であると認識しております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    ありがとうございます。生理用品は生活必需品という御認識をいただきました。  次に、これと関わって、災害用備蓄物資への生理用品追加について伺ってまいります。  災害から命を守り切るために、防災・減災の3要素として自助・共助・公助が重要とされています。そして、自助による対策の一つとして非常用持ち出し品を用意しておくことが啓発されています。しかし、どこまで浸透しているかは当局においても希望測でしかないようです。  お伺いします。非常用持ち出し品がなぜ必要なのか。また、避難の際、場合によっては身一つで逃げ込むことも考えられますが、行政としてはそういうことも想定して備蓄対策をすることが必要ではないでしょうか。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    危機管理局長、原 雅樹君。           (危機管理局長 原 雅樹君 登壇) ○危機管理局長(原 雅樹君)    議員の御質問にお答えします。  災害からの被害を軽減するためには、自らの命は自らで守るという自助の意識を持ち、日頃からの備えの一つとして、各自非常用持ち出し品を準備しておくことが必要です。こうしたことから、市といたしましては、広報、防災学習会等による啓発を通じて、それぞれの家庭や個人の実情に合った食料や医薬品、生理用品などの個人備蓄をお願いしているところです。  また、自宅に非常用持ち出し品を備えていても外出時など避難を要する場合が想定されますが、台風などの風水害の場合には、避難を要するまでに時間的な余裕があることから、事前に各自で準備することが重要であると考えております。  しかし、地震・津波災害のように時間的余裕がない場合や被災時などに備え、市では、生命維持に直結する水や食料、毛布等の防寒用品など最低限必要なものを中心に備蓄しているほか、必要に応じて県の備蓄や民間業者との協定等による流通備蓄により確保することといたしております。           (危機管理局長 原 雅樹君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    自助の観点から生命に直結するものの備蓄をと、それが非常用持ち出し品ということです。生理用品が生命に直結するかといえば直結しませんが、そこにこの初動3日間の期間に人権問題をどこまで反映させるかというのは非常に際どいところなのですけれども、あえて生理用品の備蓄を求めたいのです。まず、非常用持ち出し品の備蓄量の目安は最低3日分と言われています。根拠となる理由は、災害発生後72時間は、救助、救援活動を優先させるため、物資の支援は遅くなってしまうので、各自で備蓄をして対応してほしいということだと思います。非常用持ち出し品が備えられているのは大抵自宅です。先ほど御答弁にもありましたが、被災する場所によっては、または、災害の緊急規模によっては身一つで避難することも大いにあり得ることです。  そして、話は生理のことに戻りますが、避難したとき生理が始まれば、そのときから生理用品は必要です。知らない人が大勢逃げ込む避難所で月経が処理できずに困る状況を皆様想像してみてください。赤ちゃんのおむつなら、自分の子供のために、どなたかおむつを貸してくださいませんかと言えるかもしれませんが、ただでさえ生理を恥ずかしいと思う人が、ナプキンをどなたかお持ちでないでしょうかと聞けると思いますでしょうか。  本市には田辺消防本部の備蓄倉庫の中に生理用ナプキンがあるようですが、災害用備蓄物資のリスト項目には生理用品はありません。在庫分を使用した後はどうなるのでしょうか。繰り返しになりますが、トイレットペーパーでは生理用品の代用にはなりません。  お伺いします。生理がある人にとって生活必需品である生理用品を災害備蓄物資の項目に追加し、指定緊急避難場所に備蓄されることを求めます。御見解をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    危機管理局長。           (危機管理局長 原 雅樹君 登壇) ○危機管理局長(原 雅樹君)    議員の御質問にお答えいたします。  現在、生理用品をはじめとした日用品につきましては、消防庁舎にある防災備蓄倉庫及び各行政局に一定量を備蓄、管理しており、必要に応じ各避難所に搬送することとしております。こうした日用品など多品目を分散備蓄し、管理することは、品質保持の観点から現実的ではないと考えており、各協定先との流通備蓄による調達を念頭に置いた対策を講じております。  こうしたことから、現在、保有している生理用品につきましては、引き続き集中管理を行いたいと考えており、今後は備蓄物資リストに掲載して公表することとし、備蓄数、ローリングストックの方法など関係各課と調整の上、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (危機管理局長 原 雅樹君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    大変踏み込んだ御答弁をいただきました。トイレットペーパーやおむつ、そして、芳養の津波避難タワーにも温泉水が備蓄されたり、また、液体ミルクなども備蓄されて、細かな備蓄品については、この数年の間に住民からの要求や議会での言及に応えて少しずつ拡充されています。生理用品もぜひその必要性を御理解いただき、備蓄されますことを本当に期待いたします。  生理用品に関しては、分散型では品質の管理が課題だという御答弁だったのですけれども、不衛生になることもあるということもあると思うのですが、先ほど言いました代用品をしたり、例えば、1枚の生理ナプキンを一日中つけたり、そのことのほうが不衛生だと私は感じております。ぜひともその辺りも念頭に分散備蓄のことは前向きに御検討いただきたいと思います。  生理用品に関しては、これまで表立って言うことではないという風潮と、本市の防災会議における女性比率が20%弱という点からしますと、やはり意思決定の場に女性が少ないゆえに見過ごされてきたのではないかと思います。今後は女性の視点や声がより反映されやすくなる環境の構築も併せて必要ではないかということも問題提起させていただき、次の項に移ります。  小項目五つ目、公共施設における生理用品の提供についてです。  生理の貧困対策は一過性でなく、経済的貧困とジェンダー不平等という根深い問題の解決に向け世界各国で取り組まれています。  幾つか紹介しますと、韓国では2016年から低所得者の女性に生理用品の無償配布が行われており、昨年11月にはスコットランド議会が、女性だけでなくトランスジェンダーの人など生理用品を必要とする全ての人を対象に生理用品を無償で提供する法案が全会一致で成立されています。ニュージーランドでは、今年6月から全ての学校で生理用品が無料提供されます。ほかにもフランス、カナダ、アメリカで無償配布や非課税措置などが取られています。  日本では3月に新型コロナ貧困対策として2020年度の予備費から13億5,000万円の交付決定がされ、内閣府の調査によりますと、先ほど御答弁ありましたとおり、既に5月19日の時点で255の自治体で生理用品の無償配布や公共施設トイレでの設置など取組が実施されています。細かい取組は先ほど御答弁されましたので、割愛させていただきます。  また、内閣府の男女共同参画局のホームページにも詳しく取組が紹介されておりますので、ぜひほかの担当部署の皆様におかれましても御参照いただけたらと思います。  一部事例を御紹介しますと、千葉県松戸市では、男女共同参画センターから無償配布の案内がされ、公共施設15か所、そのうち9か所で子供や若者が立ち寄る公共施設に生理用品の入った袋を配布し、袋の中には市の相談窓口の案内も入れて支援につなげています。奈良県大和郡山市では、5月の臨時議会で、市内の生理用品が必要な年代の女性4分の1に行き渡る大規模な無償配布が決定し、財政調整基金と地方創生臨時交付金の活用で市役所や保健センターでの配布と小・中学校への無償配布が始まっています。市の担当者は、必要な人に行き渡らせることを探求したのは市民への奉仕の根本だとインタビューで話されていました。まずは、コロナ禍における緊急対策として本市においても取り組まれることを求めます。  生理用品の配布にも適用可能な内閣府地域女性活躍推進交付金は追加募集される予定です。動向を注視して適時、生理用品の無償配布が実施されることを求めます。  そして本件を一過性の貧困対策にとどめず、恒久的な取組として、本日お話ししました生理をめぐる様々な実態をお酌み取りいただき、トイレットペーパーと同じトイレ必需品として公共施設トイレで生理用品を設置することを提案いたします。以上、御答弁をお願いいたします。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    総務部長。            (総務部長 西 貴弘君 登壇) ○総務部長(西 貴弘君)    議員の御質問にお答えします。  本市の公共施設におきまして、生理用品の無料配布をしている例につきましては、一部指定管理施設である道の駅の店舗内の女子トイレにおいて、お客様へのサービスの一環として置いているほか例はなく、本庁舎や市民総合センター等では売店において販売をしているというのが現状です。  議員御案内の内閣府のホームページに掲載されている自治体の例につきましては、先ほども企画部長が答弁申し上げましたとおり、公共施設の利用者へのサービスというよりも主に困窮者対策という観点で行われているものであると認識しております。  こうした中で、本市の公共施設の利用者へのサービスという観点から生理用品を女子トイレへ常備することにつきましては、管理上の課題もございますが、先ほど危機管理局長から答弁しましたローリングストックとの組み合わせなど、そういった観点で関係課と調整の上、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (総務部長 西 貴弘君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    もうローリングストックのお話まで言及いただいて、こちらとしてはこれを提案したかったので非常にうれしく思います。  まず、緊急的な貧困対策として、本市においては消防本部の備蓄倉庫にある生理用品を活用できるのではないでしょうか。備蓄が4年前からだと伺っていますが、ナプキンは使用期限が3年から5年ですのでもうそろそろ替えどきです。先ほど指定緊急避難所における生理用品の備蓄を求めましたが、その避難場所はほとんどが公共施設です。常備設置しておけば、いざ災害時、物資が届くまでの間は当面はしのぐことができます。あとは公共施設以外の指定緊急避難所で災害備蓄物資として備えれば、言及いただきましたローリングストックが実現できるのではないかと思います。試験的にでも取り組んで、その後、恒久的な対策に発展させることも含めてぜひ前向きな御検討をお願いいたします。  また、性的少数者への配慮として多目的トイレでも対応が必要です。多目的トイレがない場合、生理用品の扱いまでどうするかは、ちょっと私もなかなか自信を持って言えませんが、せめて男性トイレの個室にもサニタリーボックスは必要ではないでしょうか。今後、公共施設には多目的トイレの設置がスタンダードになることも多様な性への理解の上で非常に重要なことだと思っております。  次に、学校における生理用品常備の現状と今後の提供について伺ってまいります。  昨年3月議会で、子供の貧困について一般質問しましたが、和歌山県子供の生活実態調査によりますと、小学校5年生及び中学校2年生の世帯を対象とした調査ですが、家庭の年収中央値は238万円で、その半分を下回る収入世帯の子供の割合は11.6%、生活必需品の購入困難、料金の支払い困難など、経済的困難世帯とされる世帯が17.4%であるという状況です。子供は声こそ上げませんが、生理の貧困は学校でもあると考えるのが自然だと考えます。経済的困窮だけでなく、DVやネグレクト、また父子家庭で子供が言い出せない状況にある場合もあります。こうしたことから、4月には文部科学省から生理用品の提供場所を保健室のほかに設けたりするなど、必要とする児童生徒が安心して入手できるよう、提供方法や配置場所等の工夫などを検討いただきたいとの事務連絡が発出されています。  まず、現在、学校では保健室で生理用品を常備し、必要な生徒に貸与または提供されていると思いますが、その具体的な現状をお聞かせください。  そしてまた、貧困は子供自身が原因ではないのに、保健室で、すみませんナプキンをくださいとお願いをしなければいけないというのは子供の心を追い詰めてしまいます。子供の尊厳を守り、安心して学校生活を送り、学習できる環境を保障するためにも、生理用品はトイレに設置されることを求めたいと思います。  以上、御見解をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    まず、議員御質問の学校における生理用品の整備状況についてでありますが、小・中学校ともに保健室で常備しており、必要に応じて児童生徒に提供できるようにしております。中には、職員室でも対応できるよう職員室の救急セットに生理用品を常備している学校や、保健室の生理用品を封筒や包装紙にあらかじめ入れておき、必要なときに周りの目を気にせず渡せる工夫をするなど、児童生徒が安心して保健室に相談に行けるよう工夫をしている学校もございます。  また、生理用品を提供した場合に返却を求めている学校は39校中6校ございます。提供する際に、今後忘れることのないようにということや、マナーとして返却するよう心がけてほしいという思いから声かけをするものの強制はしておりません。  なお、昨今の生理の貧困に関する報道や新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによって、女性が抱える様々な困難・課題があることについて、市の校長会で周知をしたことから、今後は生理用品の返却を求めないよう方針を変更する予定の学校もあります。  今のところ、学校において、保護者や児童生徒から、生活困窮のために生理用品が準備できないなどの相談を受けているという報告はございません。しかし、議員御指摘のとおり、相談することができない状況にある御家庭や児童生徒がいないとは限りませんので、そのような児童生徒も安心して学校生活を送れるよう、学校としてできる限り配慮することが大切であると考えております。  学校では、児童生徒に生理について指導する際、実際に生理用品を配布し、使用の仕方を含めた指導をするなど、適切な性教育を行っております。そして、日々、全ての職員が児童生徒の様子に気を配り、いつもと違う様子があれば本人に声をかけたり、保護者に連絡をしたり、場合によっては保健室で対応したりしています。児童生徒が体調面や精神面で不安を抱いているときには、担任の先生をはじめとした教員だけで児童生徒に対応するのではなく、保健室で養護教諭に様子を見てもらったり、話を聞いてもらったりすることが児童生徒の安心につながるということはよくあります。また、そのような機会を捉えて、養護教諭が心や体に不安を抱えた児童生徒の体調管理や心のケアを行っていることもあります。  このように、児童生徒の発達段階に応じた保健室の果たす役割は大変大きいと考えておりますので、学校では、児童生徒がためらうことなく相談できるよう、日頃から保健室を安心して訪ねていける場にするよう努めております。そのような点からも、生理用品を保健室で常備することが児童生徒の安心につながっていると考えております。  議員御提案の生理用品をトイレに設置することも一つの方法ではありますので、本当に困っている児童生徒を助けるための方法として有効であるか、また、学校としてトイレに設置することが適切か、養護教諭の研修会の議題にするなどして、様々な視点から研究してまいりたいと思いますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(北田健治君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    様々なケースを想定して御検討いただくということです。ここで保健室での役割のことを言及いただきまして、それも私としては理解できないわけではありません。それも非常に大切なことだと思うのですけれども、一つ生徒の声を紹介させていただきます。それは、保健室に生理用品を借りに来るということを想定してなのですけれども、「家庭のことを探られたくない」「毎月だと言いにくい」「ほかの人がいると、たとえ袋に入れてもらったとしても恥ずかしくて言えない」もらったら返しに行くみじめさなどが上げられています。  トイレに設置した生理用品に、困ったことがあれば1人で悩まないで、一緒に考えましょうというメッセージを添えられ、それを養護教諭の先生との相談につなげるという取組事例もあります。  子供たちが貧困、そして生理と非常にデリケートなことを抱え、悩んでいることを考えれば、必要なら誰にわびることなくトイレで使えることが一番うれしい支援ではないかと私は思っております。ですので、トイレでの設置を求めたいと思います。そうすることによって、自分は社会に見守られているということが実感でき、自分を大切に思う気持ちも持ち続けられることと信じたいと思います。ぜひとも前向きな御検討をよろしくお願いいたします。  最後になりますが、生理に対する理解はジェンダー平等と性の多様性への認識を高めることにつながります。社会を構築する全ての人が教育や社会的な認識の変化によって、安心して暮らし続け、幸せを実感できるよう発展することを祈念いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(北田健治君)    以上で、2番、前田かよ君の一般質問は終了いたしました。 ◎日程第2 4定議案第24号 訴えの提起について上程 ○議長(北田健治君)    続いて、日程第2 4定議案第24号 訴えの提起について上程いたします。  ただいま上程いたしました議案は、本日、市長から提出のあったものであります。  提出者の説明を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    ただいま上程されました議案第24号 訴えの提起について、その概要を御説明申し上げます。  本議案は、令和元年10月24日付で和歌山家庭裁判所田辺支部にて受理された相続限定承認に基づき市の債権となったものに関し、市からの支払い催告に応じない者に対して田辺簡易裁判所に支払い督促の申立てを行うにつき、相手方から督促異議の申立てがあった場合には通常訴訟へと移行することから、あらかじめ議会の議決をお願いするものです。  以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(北田健治君)    以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております議案第24号については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(北田健治君)    異議なしと認めます。
     よって、さよう決しました。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明日6月29日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(北田健治君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(北田健治君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。               (午後 3時00分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   令和3年6月28日                    議  長  北 田 健 治                    議  員  加 藤 喜 則                    議  員  尾 﨑 博 文                    議  員  谷   貞 見...