田辺市議会 2021-03-11
令和 3年第2回定例会(第4号 3月11日)
◎日程第1 一般質問
○議長(安達克典君) 日程第1 一般質問を行います。
10番、北田健治君の登壇を許可いたします。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君) 皆様、おはようございます。
議長のお許しを頂きましたので、大項目2点にわたり、一問一答方式で一般質問を行います。
私ごとですが、一昨日息子が中学校を卒業しました。市長からの卒業生に向けたお祝いの言葉が刷られたプリントを持ち帰ってきたのですが、その内容は、子供たちが
アフターコロナ社会で大きく羽ばたくことを願うものでした。
新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ予断を許さない状況にありますが、今をどうやってしのぐかということと同時に、終息後どうやって盛り返すかも考えなければなりません。今回の一般質問は、子供をはじめ、市民の皆様が未来への希望を持てるよう、あえて
アフターコロナを見据えた題材にいたしました。
まず、
民間ロケット発射場を生かした取組についてお伺いいたします。
我が国の宇宙進出・開発は、これまで国家主導によって進められてきましたが、技術の進歩により、近年、小型ロケットが実用化されるとともに、2016年には宇宙活動法が成立し、民間企業においても取り組むことができる事業となり、新時代の最先端産業として注目されています。
こうしたことから、キヤノン電子、
IHIエアロスペース、清水建設、
日本政策投資銀行の4社が共同出資により
宇宙事業会社スペースワンを設立し、小型衛星打ち上げサービスの事業化への取組を本格化され、串本町田原地区に国内初の民間企業によるロケット打ち上げ発射場を建設しています。
このロケット打ち上げ発射場の名称は、紀伊半島が
宇宙輸送サービスの鍵となるようにと、
スペースポート紀伊と名づけられ、現計画では、本年夏までにロケット打ち上げ発射場を完成させ、国の審査を経て、同年度中にロケットの初打ち上げが予定されています。
また、2020年代半ばには、年間20機の打ち上げを目指しているとのことであります。
国内における
ロケット発射場は、現在、鹿児島県の
内之浦宇宙空間観測所と
種子島宇宙センターのみであり、また、
スペースポート紀伊は、本州で唯一でありますので、単なるファンにとどまらず、全国から注目されるいわば希少価値の高い
観光資源となります。
県の試算によると、
スペースポート紀伊が県内に及ぼす
経済波及効果は、10年間で670億円、そのうち
観光消費による年間の
経済波及効果は13億円に上るとされており、打ち上げ時には2万人の見学者と8,000台の自動車が串本町を訪れると見込まれています。
当然のことながら、串本町及びその周辺のまちにおいては、新たな
観光需要の創出につながるとして、非常に期待が高まっている中でありますが、解決すべき課題もあります。
特に、交通網についてですが、
ロケット発射時には主要道である国道42号において交通渋滞の発生が予測されております。県の委託を受けた交通計画のコンサルタントは、鉄道や高速バスの利用促進が必要との見解を示しており、
ロケット発射時においては、これまで以上に公共交通が担う役割は大きくなるものと思われます。
そこで、明後日に改正されるJRのダイヤを見ますと、大阪方面から串本町を結ぶ特急は、季節列車の1便を含め6便しかなく、高速バスについては運行さえされておりません。宿泊施設につきましても、世界最大の
ホテルチェーンが串本町とすさみ町の2か所で建設されていますが、十分とは言えない状況にあります。
令和元年10月、これらの課題解決に向け、県は、串本町及び那智勝浦町とともに
民間ロケット発射場周辺地域活性化協議会を設立しました。アクセス、渋滞対策として、シャトルバスの運行や国道42号線の一部を駐停車禁止にする計画を立てていますが、依然不安の声が上がっているようです。
本市においては、この協議会に参画していないものの、近隣に位置する自治体として、
スペースポート紀伊を取り巻く課題解決を念頭に置きながら、一緒になって盛り上げる姿勢が必要であり、
観光産業を地域経済の一つとしていることからも、このことは重要なことだと考えております。
本市は、紀南随一の都市機能を有し、中心駅である紀伊田辺駅は、新大阪・天王寺駅からの特急が、季節列車の3便を含め15便ある上に、関西方面からの高速バスも数多く経由しております。
また、天候の悪化等によりロケットの打ち上げが延期することも往々にしてあるということですので、空白時間を持て余すことのない
ダブル世界遺産をはじめとした数多くの
観光資源を有しているという点においても、
スペースポート紀伊を目的とした関西方面からの来訪者にとって
観光拠点の有力な候補地となります。
本市が
観光拠点として来訪者から選択されるには、紀伊田辺駅及び市内
観光施設と
スペースポート紀伊を結ぶ2次交通の充実や、いにしえに思いをはせる熊野古道と未来に夢を描く
スペースポート紀伊を融合した旅行企画の提案等、今から関係機関と連携し、検討するべきであり、これらのことは、ロケット打ち上げ時においては課題解決の一助となりますし、それ以外においても、これからの広域
観光の推進、教育旅行の誘致に必ずやつながると考えます。
そこで、小項目1として、
民間ロケット発射場を生かした
観光客の誘致、
観光振興策について、どのような考えを持たれているのか御見解をお伺いいたします。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 10番、北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
商工
観光部長、前川光弘君。
(商工
観光部長 前川光弘君 登壇)
○商工
観光部長(前川光弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
平成31年3月26日、串本町で日本初の
民間ロケット発射場の建設が決定し、令和3年の夏の完成と同年度中のロケット打ち上げを目指し、工事が進められていると聞き及んでおります。
和歌山県の発表では、
ロケット発射場が県内に及ぼす経済効果として、建設に伴う直接投資や雇用創出などに加え、新たな
観光資源として期待されるなど、試算では、10年間の
経済波及効果は670億円、そのうち
観光消費効果は年間で13億円が見込まれており、
観光面におきましても大いに期待されているところであります。
また、議員御質問のとおり、ロケットの打ち上げにつきましては、天候をはじめとした様々な要因により発射日程が変更されることが往々にあるとのことで、そうした事情からも、
ロケット発射の見学に訪れた方々が周辺地域を
観光することも十分見込まれ、また、
ロケットファンのみならず、
ロケット発射場見学を行程に含めた南紀エリアでの教育旅行などの需要も高まるものと考えております。
本市におきましては、これまでも
世界遺産熊野古道や歴史ある温泉などの豊富な
観光資源を活用した誘客に加え、和歌山県をはじめとする周辺自治体との連携により広域的な
観光誘客事業に取り組んでまいりました。今回の串本町における
ロケット発射場建設につきましても、南紀エリアの広域的な
観光資源と捉え、
ロケット見学だけでなく、本市を含めた
観光資源あふれる周辺へも
観光客に訪れていただき、より長く滞在していただけるよう、広域的に取り組むことが重要であると考えております。
そうしたことから、市といたしましては、全国から
ロケット見学を目的として来訪される方々に本市にも滞在していただき、市内を周遊していただけるよう、田辺市
熊野ツーリズムビューローをはじめとした当地域で広域
観光に取り組む
観光事業者等と連携し、教育旅行を含めた
広域周遊ツアーの商品造成を図るとともに、和歌山県をはじめとする関係自治体、関係団体と連携しながら
観光客の利便性を考慮した受入れ環境の充実に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(商工
観光部長 前川光弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君) 教育旅行を含めた
広域周遊ツアーの商品造成とか、また、
観光客の利便性を考慮した受入れ環境の充実に取り組まれるということでした。
先般からの
コロナショックで、宿泊業、飲食業、卸売業など市内の事業者は大打撃を受け、深刻な状況にあります。そういった中で新たな希望の光を届けることが何よりも重要であります。
3月5日付の日経新聞に、紀陽銀行は
ロケット事業を進めるスペースワンに3億円を出資、地元企業とも組み、地元産品を活用した土産物を開発し、
観光コンテンツの創出に知恵を絞るとの記事が掲載されていました。こういった金融や企業の動向にアンテナを張り、コロナの終息後、直ちに反転攻勢に出られるよう、新たな
観光資源スペースポート紀伊を生かした
観光客の誘客、広域
観光について具体策を今から検討し、取組を進めていただきたい、このように思います。
次に、企業誘致についてであります。
宇宙産業は、通信衛星によるテレビ放送、気象衛星による天気予報やGPSによる
ナビゲーション等、私たちに様々なサービスを提供し、日々の生活を豊かにしていることは言うまでもありません。
世界の宇宙産業の市場規模は、2010年では2,700億ドルでしたが、2017年に約3,800億ドルとなり、大手投資銀行の予測レポートによると、2040年代には1兆ドルに達するとも言われております。
このような状況の中、我が国の宇宙産業の市場規模は約120億ドルと欧米に比べて小さく、特に人工衛星やロケット、地上設備などを製造する
宇宙機器産業は、国内官需が約9割を占めている、こういったことから、米国のように多数の
ベンチャー企業が市場を活性化させているとは言い難く、十分な国際競争力を有しているともいえない状況にあります。
宇宙産業は、我が国においても経済成長の大きな起爆剤になり得るとともに、安全保障にも貢献する重要な産業であり、新たな宇宙サービスの開発によって、他の産業の生産性や競争力の向上にも貢献することが期待されています。
これらのことから、内閣府は、2017年
宇宙産業ビジョン2030を策定し、民間参入を促しながら、2030年代早期の市場規模の倍増を目指して、その実現に向けた取組を進めております。
宇宙を利用した産業においては、衛星データの利活用促進に重点を置き、ビッグデータと融合した新たなビジネスの創出や、IT等の他産業による
衛星データ利用ビジネスへの参入を促す
実証プロジェクト等が行われています。
また、
宇宙機器産業においても、JAXAだけでなく、民間によるロケット及び地球観測衛星の開発を目指す新規参入者への支援も積極的に行っております。
これらの取組により、
ベンチャー企業は今後増加するものと思われますし、県はそういった動向も踏まえ、和歌山を宇宙産業の基地にとの展望を持っているようであります。
ロケット発射場の建設は、これまで企業誘致が進まなかった当地域にとって千載一遇のチャンスであり、本市においても宇宙産業の基地の一翼を担うべく、その実現に向けた積極的な取組が必要であると考えますが、小項目2として、
宇宙関連企業の誘致について御見解をお伺いいたします。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 商工
観光部長。
(商工
観光部長 前川光弘君 登壇)
○商工
観光部長(前川光弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
企業誘致は、雇用の創出、関連企業への波及など地域経済の発展に大きく寄与することから、本市におきましては、平成14年度に
企業立地促進条例を制定し、一定の要件を満たす企業に対し、雇用や事業所設置等に係る資金需要に対する奨励措置を講ずることによって、立地の促進を図ってまいりました。
また、近年においては、
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、働く時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現するテレワークやウェブ会議などの需要が高まっており、東京一極集中の是正の機運や議論が一層高まる中、県との連携の下、IT関連企業を中心とした企業誘致を行っているところであります。
そうした中で、御質問の
宇宙関連企業の誘致についてですが、一言に
宇宙関連産業と申しましても、ロケットの製作や、人工衛星の打ち上げ、通信衛星、地球観測、宇宙探査、GPSの利用、これらサービスを利用した事業など、裾野の広い産業構造となっており、企業のニーズも多種多様であります。
従来の日本の
宇宙関連産業は、官主導の下、発展してまいりましたが、近年は官民共創の時代へと移り変わり、農林水産業や防災など広範囲な分野で宇宙の利用による新たなビジネスの展開が予想され、また、
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、企業活動が停滞する中、宇宙システムを活用した社会のデジタル化やリモート化により、今後、ウィズコロナの時代において
宇宙関連ビジネスは、さらなる市場規模の拡大が見込まれる有望な産業と認識しております。
そうした中、来年度、串本町に国内3か所目となる
ロケット発射場が建設されることを契機として、県においては、
宇宙関連産業等の集積に向けた機運の醸成を図ることとしており、コロナ禍の現在、企業の動向も変化することが考えられますが、市といたしましても、
宇宙関連産業の動向を注視し、時代に即した柔軟な対策を講じていけるよう常にアンテナを張り、まずは
宇宙関連企業のニーズ等を把握してまいります。
そして、当地域として、
宇宙ビジネスを見据えた企業のニーズに対し迅速に対応できるよう、県との連携を図りながら、
宇宙関連企業を含めた企業立地活動を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(商工
観光部長 前川光弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君)
宇宙ビジネスを見据えた企業のニーズに対し迅速に対応できるようという文言がありました。答弁を伺いますと、これから企業のニーズを把握するということでありましたが、若干、いささか受動的な印象を持ちました。市としてこういった対応をするので来てほしい、こういった能動的な姿勢を示すことが必要ではないか、このように思います。
次の質問に移ります。
令和元年8月、県は、宇宙をテーマにしたシンポジウムを串本町において開催したとのことであります。定員を500人に設定していたところ、県内外から約600人が来場し、その中には県内の中高生も多数参加していたようで、大学教授、
宇宙ベンチャー企業社長及び
スペースワン社長による講演や
パネルディスカッションに興味深く聞き入っていたと伺っております。
この
シンポジウム自体が、
ロケット発射場を生かした教育の場としての役割を有していたものと認識していますが、JAXAの研究所や実験施設がある自治体で構成している
交流組織銀河連邦5市2町では、かねてより、宇宙を素材にした子供たちの科学的思考力や創造性を育む教育活動が実施されています。
そのうち相模原市では、JAXAの研究者を招いた講演会や宇宙開発の研究者と子供たちがインターネットを介して質疑応答できる授業などを実施しており、秋田県能代市では、教育大綱に、児童生徒の宇宙や科学技術についての学びの充実を掲げ、小学校において、ペンシルロケットの打ち上げやプラネタリウムを活用した理科の実験等も行っているようであります。
本県においても、宇宙やロケットに関する教育との関わりは古く、県教育委員会がJAXA筑波宇宙センターで実施された、教師のためのスペース・プログラムに教職員を参加させるなど、JAXAの教育活動に協力していた経緯もあり、平成22年JAXA宇宙教育センターと、全国初となる宇宙教育活動に関する連携協定を締結しております。
その翌年には、県教育委員会が宇宙教育を推進する教師集団JAXAスペースティーチャーズ和歌山を設置し、スペースティーチャーとして委嘱された教職員は、配属された学校において、JAXAの資料や自ら開発したロケット等の教材を生かし、教科や科学を指導していたようです。そのほかにも、過去にはJAXA職員による県内学校への出前授業や高校生を対象にした
種子島宇宙センターへの見学も実施されていたようであります。
このように、本県には宇宙教育の土壌がある上、串本町に
ロケット発射場が完成すれば、迫力ある施設やロケットを目の当たりにすることが可能となり、さらに最先端技術を使いこなすエンジニアや研究者等も紀南の地に集積することになります。
宇宙教育は、理数系教科のみならず、環境教育や外国語教育など、幅広い学習活動の充実を図り、児童生徒の学習への興味、意欲を高めるとともに、宇宙への憧れをきっかけとして、子供たちに広く科学への関心を持たせられる機会となります。
また、当地方の児童・生徒だけが味わえる感動や夢を与える教育は、愛郷心の醸成にも必ずやつながるものであり、まず手始めとして、
ロケット発射場の見学や研究者を招いての授業、
ロケット発射の瞬間をリアルタイムで味わえる取組など、この地理的優位性を生かした教育を積極的に取り入れてみるのもよいのではないかと、このように考えております。
そこで、小項目3として、
ロケット発射場の整備を契機として、宇宙を題材にした教育について、当局の御見解をお伺いいたします。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問の
民間ロケット発射場を生かした教育現場での取扱いについてお答えします。
県教育委員会では、平成23年から教育現場で宇宙教育を推進する宇宙航空研究開発機構JAXAスペースティーチャーズ和歌山を設置し、教育的な活動を行ってきました。この取組の中では、県教育委員会とJAXAが連携協定を結び、中学校や高等学校への出前授業や高校生の
種子島宇宙センターへの見学、教員のJAXAでの研修などを実施しており、宇宙やロケットに関心を持つ教育に早くから取り組むことで、その成果を上げているところであります。
また、小・中学校においては、教科学習の中の一つとして、天体や宇宙について取り扱われてきました。例えば、小学校理科の教科書にある月と太陽、中学校理科の教科書にある地球と宇宙などです。これらは、高等学校の学習につながる基礎の学びであり、そこから県教育委員会の推進する宇宙教育の取組へとつながっているところであります。
今後、串本町の
民間ロケット発射場運用により、児童生徒が
ロケット発射の様子を直接見る機会を持てるようになります。高度な技術であるロケットの実機に触れる機会を持つことができれば、紀南地方の児童生徒だけではなく、県内全ての児童生徒にとって教材をより身近に感じたり、学習意欲が高まったりするなどの教育的効果が期待されます。また、理数教育の充実だけではなく、将来に向けての夢を持つキャリア教育の効果もあるのではと考えられます。
今後、市内小・中学校においても社会科見学での訪問、キャリア教育として研究機関の方々を迎えての講演会など、様々な機会を設定できればと考えております。
紀南地方は、自然風土や歴史、文化などにも恵まれています。市内の児童生徒が価値ある財産に触れる機会を通して好奇心や探求心を持ち、将来に向けて学習の幅を広げることにつながればと考えておりますので、御理解賜りますようお願いします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君) 御答弁頂きました。串本町における
ロケット事業は、児童・生徒に感動を与えるとともに、地元の子供たちが、将来、誘致した
ベンチャー企業に就職する、地元で
ベンチャー企業を立ち上げる、こういった夢をも抱かせるものであり、本市をはじめとする紀南地方が明るい未来を切り開く大きなチャンスでもあると考えておりますので、企業誘致、また、宇宙教育双方にどうか積極的な取組をお願いいたします。
次に、ワーケーションについてであります。
昨年7月、コロナ禍で行われた政府の
観光戦略実行推進会議において、時の菅官房長官、現首相は、
観光需要の回復の切り口としてワーケーションの普及に取り組む考えを示しました。
ちなみに、この会議には12道県91市町村が参加するワーケーション自治体協議会会長の仁坂吉伸和歌山県知事が有識者として出席されており、本県におけるワーケーションの取組をプレゼンテーションした上で、政府による推進本部の設置や施設整備への財政措置などを要望されたようであります。
このワーケーションとは、働くのワークと休暇のバケーションを組み合わせた造語であり、企業、個人がリゾートや
観光地に足を伸ばし、その地域ならではの魅力に触れながらテレワークを行うというワークスタイルで、働き方改革及び新しい生活様式の実践が求められる中、ワークライフバランスの改善や生産性の向上等を図る働き方、新たなライフスタイルとして注目されております。
また、企業や社員が、仕事以外の時間を自由にバケーションスポットで過ごすようになることから、受入れ先となるまちにとっても、都市から地方への新しい人の流れが生まれることで、
観光業などの経済効果だけでなく、地域の活性化及び課題解決にも寄与するものとされています。
日本旅行が会社員や経営者を対象にワーケーションに関する考え方や取組の実態を調査したところ、会社員の6割がワーケーションに取り組んでみたいと答え、経営者の5割近くが既にワーケーションを実践しているという結果でした。
先般からのコロナ禍を機にワーケーションに対する意識の高まりが全国的に広がりを見せておりますが、全国の自治体に先駆けて、本県においては、平成29年より、ワーケーション・フォーラム、ワーケーション体験会を開催し、PR動画を作製するなど、積極的な取組を展開しております。
現在では、ワーケーションの専用サイトも立ち上げ、プランの提案や様々な情報を発信しておりますし、コロナ禍においても、ワーケーションをオンラインで体験できるプログラムも実施しているようであります。
このような取組の積み重ねにより、社員の働き方だけでなく、地方創生に絡めた新しいビジネスの展開につなげようとする企業も現れております。
例えば、白浜町のIT企業用オフィスに入居している三菱地所は、顧客企業の社員に何週間かワーケーションを楽しんでもらうという試みを実施し、NECでは、南紀白浜空港、宿泊施設、商業施設と連携して、
観光客が顔認証により空港や店舗への支払いを決済できるIoTおもてなしサービスの実証実験も行っております。
そのほかにも、平成29年からの3年間で104社、910名が本県でのワーケーションを体験したとのことであります。
今後も企業の地方創生分野に係る新規事業開発への関心の高まりとともに、新しい生活様式が求められる中において、より一層ワーケーションの需要は高まるものと考えております。
本市においても、ワーケーション自治体協議会に参加し、これまでも関係自治体と共に様々な取組を進めてきたものと思います。令和3年度の予算大綱にもワーケーションの推進が明記されておりますが、小項目1として、改めてワーケーションに対する認識について、これまでの取組や課題も含め、御答弁いただきたいと思います。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 商工
観光部長。
(商工
観光部長 前川光弘君 登壇)
○商工
観光部長(前川光弘君) 議員の御質問、ワーケーションに対する認識についてお答えいたします。
ワーケーションとは、欧米で始まった新しい労働スタイルで、リゾート地などで一定期間滞在しながら仕事もこなす、いわゆるテレワーク、リモートワークの進化型であり、リフレッシュできる環境に身を置くことで、作業効率の向上や斬新な発想が生まれるメリットがあるとされています。
また、政府の
観光戦略実行推進会議では、訪日外国人
観光客が見込めない現状において、国内
観光需要を高めるために、ワーケーションなどの新しい旅行スタイルの普及を図ることが必要とされており、国内
観光の新しい形としても注目されています。ワーケーションの普及により、多くの方々に本市を訪れていただき、世界遺産や温泉郷、自然や体験メニューなどの魅力ある豊富な
観光資源に触れていただくことで、当地域の
観光振興にもつながるものと認識しております。
さらに、本市といたしましては、ワーケーションを推進することで、都市部を中心とする企業人との交流を図り、関係人口の創出を目指すとともに、サテライトオフィスの誘致につなげることで、働く場の確保並びにUIターンを含む定住人口の増加を図ってまいりたいと考えてきたところであります。
そうした中、本市では、平成31年2月に、県・白浜町・日本能率協会マネジメントセンターとの包括連携協定を締結し、これを機に県のワーケーション体験会や国の出張テレワーク、民間企業のワーケーション視察の受入れを行うほか、協定を結んだ日本能率協会マネジメントセンターが主催する企業の次世代リーダーを対象とした人材育成プログラムとワーケーション体験を融合させた事業である、こと・こらぼの開催等に対し、支援してまいりました。
この取組は、たなべ未来創造塾修了生と首都圏企業の若手社員が協働することによる地域課題解決型プロジェクトの創出を目的とした企業研修が主で、越境学習、またはラーニングワーケーションとも呼ばれ、企業の社員にとりましては、地方の異業種のリーダーと協働することで、今後の企業経営に役立つノウハウやスキルを得られるとともに、地域事業者につきましても新たな事業の実践につながり、双方にとって有益で関係人口への深化も期待できるリモートワークと研修等を組み合わせた業務型のワーケーションであります。
こうした業務型ワーケーションは、まず団体で当地を訪問していただき、当地の魅力を実感いただくことで、リモートワークと有給休暇を組み合わせた社員個人型のワーケーションにつながり、ひいては、サテライトオフィス誘致並びに移住・定住に発展するものとも考えております。
現在は、
新型コロナウイルス感染症の影響でほとんど行動に移せていないのが現状でありますが、一方、コロナ禍で働く時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現するテレワークやウェブ会議の導入が推奨され、これまでの働き方を見詰め直すきっかけとなり、出社しなくても仕事ができる、都市部でなくても仕事ができるという認識が高まっています。
今後、当地がワーケーションの地として選択されるためには、ワークする場所、余暇の過ごし方、バケーションの質を含め、さらなる受入れ環境のレベルアップが課題と考えているところであります。
(商工
観光部長 前川光弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君) これまで業務型のワーケーション視察の受入れ、それでラーニングワーケーションに取り組まれ、課題は受入れ環境のレベルアップということであります。
先ほども申し上げましたが、本市においても、都市部における外出自粛や訪日外国人の激減により
観光業が大きな打撃を受け、GoToトラベルにより一時は盛り返したものの、第3波の到来で今後の見通しはいまだ立たない状況にあります。それらの状況を打開するためには、新しい国内需要の喚起が必要となり、その一つの手法として、やはりワーケーションは有効であると考えます。
他自治体のワーケーション推進の取組を見てみますと、長野県中野市では、部署横断的な空き家を活用したサテライトオフィス誘致プロジェクトチームを組織し、サテライトオフィスやワーケーションの候補地を探している民間企業を対象に視察ツアーを実施しております。
また、国においては、環境省がワーケーションを省全体で推進する方針を示すとともに、令和2年度の補正予算により、国立・国定公園及び国民保養温泉地におけるワーケーションを推進するため、地方公共団体及び事業者に対する補助事業を設けており、県もシェアオフィスやコワーキングスペースなどの整備をしていくという県議会の2月定例会に提案されております。
本市は、南紀白浜空港からほど近く、高速道路の整備により東京や大阪からのアクセスが良好で、温暖な気候、豊かな自然や
観光資源を有していることからワーケーションに適した地といえます。
ワーケーションを推進する目的は、先ほどの答弁にありましたように、
観光振興、関係人口の創出や移住・定住、企業誘致、空き店舗の活用、地方創生など、様々な分野に及ぶことから、本市においても部署横断的な体制を組織し、廃校となった学校施設や勤労青年ホームわかしおといった遊休施設の有効活用、民間の空き家をリノベーションするなどの受入れ整備、また企業への働きかけ等、ワーケーションの推進に向け、より踏み込んだ施策が必要であると考えますが、小項目2として、今後の取組について当局の御見解をお伺いいたします。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
ワーケーションを推進することにより、直接的には本市に多くの方が訪れていただくことで
観光需要が高まり、当地の魅力を実感していただくことで関係人口が創出され、ひいては、二地域居住や移住を決断していただいたり、さらにはリモートワーク、テレワークを推進する企業のサテライトオフィス誘致につながることで、空き家、空き店舗、または市の遊休資産の活用が図られるなど様々な効果が期待できます。
本市におきましては、昨年、紀伊田辺駅前にオープンした市街地活性化施設tanabe en+(たなべ えんプラス)でワーケーションのワークの場を提供しており、一昨年ITオフィスを整備した秋津野ガルテンにおいては、ワークの場と宿泊や体験メニューなどのバケーションの場を提供されています。
また、
観光地づくりの法人である田辺市
熊野ツーリズムビューローでは、各企業のニーズに応じたワークスペースの確保をはじめ宿泊施設、体験プラン、交通手段までをワンストップで手配するなど、ワーケーションのコーディネーター事業に取り組まれているところであります。
そのほかにも、ホテルロビーをワークスペースに提供したり、農業体験や狩猟体験などのメニューを提供する事業者も生まれていることから、今後、本市では、こうした民間のワーケーションの誘致活動を支援するとともに、ワーケーション自治体協議会や県の和歌山ワーケーションプロジェクト等において積極的な情報発信を行い、ワーケーションの誘致を図ってまいりたいと考えております。
さらに、こと・こらぼをはじめ、関係人口創出事業であるたなコトアカデミーや、熊野リボーンプロジェクトなど、既存事業との連携を図り、地域事業者と都市圏企業が継続的に関係性を構築する機会の提供により、事業者間の新たな関係性や連携事業の創出など、新たな価値創造につなげてまいりたいと考えています。
また、ワーケーションの推進による移住定住施策への波及効果につきましても期待をしており、ワーケーションを契機としたテレワーク活用による移住を促進するため、東京圏在住者の移住に限定されますが、これまで、移住後の起業もしくは登録企業に就職される方を対象としていた移住支援金制度を拡充し、令和3年度からは、企業の社員が本市へ移住し、引き続きテレワークによる業務を継続する場合についても支援対象とすることを予定しております。
さらに、近年、都市で生活しながら地方での豊かな暮らしを実現できるライフスタイルとして、二地域居住が注目されていることから、このたび国土交通省の呼びかけにより設立されました全国二地域居住等促進協議会に本市も参画をしており、今後、この協議会におきましては、二地域居住に関する先進事例の共有や課題の対応方策に関する協議及び政策提言などを行う予定であり、これらの取組に併せてワーケーションやテレワークを通じた移住を促進してまいります。
市といたしましては、こうした取組によりワーケーションを推進し、
観光振興から関係人口へ、さらに移住定住及びサテライトオフィスの誘致を目指し、県を含む包括連携協定関係団体並びにワーケーションの誘致に取り組む民間団体との連携を一層密にするとともに、庁内関係部署が一体となって、遊休資産の活用などワーケーション関連施設の構築に努め、地域の活力向上、地域経済の活性化に取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番 北田健治君 登壇)
○10番(北田健治君) ワーケーションに取り組む企業や二地域居住を望む人のニーズを把握し、ワーケーションの地として選択されるよう、受入れ環境の充実、遊休施設の活用など、関連施策の構築に積極的に取り組んでいただきたい、このように思います。
先般からの
新型コロナウイルス感染症の影響で、先ほども申し上げましたが、多くの事業者や従業員が厳しい状況に置かれ、子供たちはいろんな楽しみを奪われました。経済用語か何かちょっと忘れましたけど、失われた何々年という言葉がありますが、今年度はまさにそういったことを実感した一年であったように思います。そういった状況であるからこそ、前回の一般質問で取り上げた扇ヶ浜エリアもそうですが、本市の可能性を信じ、来年度が市民にとって得られた1年だったと、そうなるよう、市民の皆様が未来に夢や希望を描ける施策に取り組んでいただきたいと思います。このことを強く要望いたしまして、今回の一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(10番 北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、10番、北田健治君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(安達克典君) この場合、10時55分まで休憩いたします。
(午前10時45分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時55分)
○議長(安達克典君) 続いて、7番、宮井 章君の登壇を許可いたします。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 皆様、こんにちは。紀新会の宮井 章でございます。
ただいま議長より一般質問の許可を頂きましたので、通告に従いまして、質問を順次していきたいと思います。
今回の一般質問でございますけれども、コロナ禍におけます市内の飲食業及び
観光業の実情、そして、今後のさらなる対策についてということで、若干、語りかけといいますか、言葉の投げかけの部分もあるかと思いますけれども、その辺も含めまして、2点について質問していきたいと思います。
さて、皆様も十二分に御承知のとおりでございますけれども、
新型コロナウイルス感染症は今もなお終息せず、国や地域が違おうと、言語や人種が違おうと、世界のどこにおいても同じ問題意識を感じており、住む国や地域の分け隔てなく人類共通の脅威対象となったことから、世界の産業経済はもとより、国内では、特に
観光業や飲食業をはじめとする地域経済に深刻な影響をもたらしているところでございます。
私自身も市議会議員の中では、味光路といいますか、田辺の飲食街を多く利用する一人でございますけれども、本市におきましても
新型コロナウイルス感染症の影響により、市内飲食店、特に飲酒主体の業態であります店舗が疲弊していると感じているところでございます。
また、
観光業におきましても、宿泊施設の利用客が長期にわたって減少しておりまして、非常に厳しい状態であると聞いております。
私見といたしましては、管内におけます
観光宿泊施設への影響につきましては、その経営規模や業態によって若干の違いはあると思われますが、ただ、私の地元であります中辺路町をはじめとする市内多くの
観光関連業者では、その特殊性としまして、熊野古道利用客がほとんどでございます。これを中心に開業、開設、発展したところが多い中、その支えとなっておりましたインバウンド事業が途絶えた現在、収益の大幅な減少から大きな喪失感にさいなまれているところでございます。
さらに、今後の
観光スタイルの変化とインバウンド需要の回復、そして何よりも世界的な
新型コロナウイルス感染症の終息について、ワクチン接種がただいま各地で始まっておりますけれども、またそれに変異株というものが出現したこともあり、見通しが非常に不透明なことから、将来の経営存続に苦慮しているのが現状であろうかと思います。
とある
観光業関係の民泊さんの話でございますけれども、これは中辺路で1月5日の話でございました。宮井君、ちょっと話があるさかい来てくれということで、とある民泊さんに伺ったのですけれども、昨年度は、いろいろ厳しい中にもいろんな支援策、国・県・市からの支援策をもちまして何とかしのいできた。でも、ここに来て、また3波の
新型コロナウイルス感染症の影響におきまして大変厳しい。また、この3波がいつまで続くのか不安です。そしてまた、その中でまたさらに第4波のことまで考えてしまい、今後、展望が見えない中、心が折れそうであります。一時的に閉業しようか、転職して地元の大阪へ帰ろうか思案しているのだということを聞きました。このときにも何らかの支援や対策について一抹の情報でもあれば、もう一度頑張ってみようと思うという話でございました。
そして、先月12日だと思いますけれども、望みの持てる支援をということで、紀伊民報さんに掲載されておりましたが、田辺の飲食業組合の皆様が本市に対しまして、将来に望みの持てる支援をお願いしたいとの陳情がございました。そのときの内容でありますけれども、飲食業をはじめとするコロナ弱者支援に予算を活用してほしい。そして、売上げに関係なく固定費は月数百万円かかります。雇用維持のために何とか営業を続けているが、努力には限界がある。いつまで耐えればよいのか。先が見えないのが非常につらい。コロナが落ち着いても以前のようには戻らないだろう。冬を終えたら春が来るのかさえ分からない、そうつづってありました。
さらに、先週の3月2日の午後にも、飲食業組合の方から再度の陳情と聞き取りの要請があったところでございます。そのときの内容ですけれども、バイキング形式に対する感染リスクの高さから営業打撃についての話、そして、多くのイベント、式典、行事の中止が影響しまして、飲食関連の仕出しなどの予約キャンセルが相次いだ。今はデリバリーや弁当販売など工夫しながらしのいでいますけれども、大変厳しい状況であるということ。それから、1,000万円余りの借入金をしておりますけれども、もう残高が少なくなる中、景気回復の見通しが感じられず、予定が立たない。今の飲食業、
観光業の実情を分かってくれているのだろうかと関係者の中で非常に不安が広がり、募っているということでございました。
また、緊急事態宣言下での時短要請の対象ではありませんけれども、実質は、補償支援のない時短営業をしているようなものであり、地方都市の飲食業者は非常に苦境に立たされている中、さらに若い経営者の再生熱、そして復興熱が萎えてしまうのではないか、業界離れが進むのではないかと非常に危惧しているとのことでございました。
これらの大きな課題への対応策には、市・県・国の連携が必要不可欠であると思いますが、それには、末端の現状把握と情報の共有が大事ではあるのではないか。まずは、市町村からの支援要請と景気回復への機運の高まりと発信が必要であると感じた次第であります。
以上のように、今の窮状について切に訴えられておりましたけれども、当局としてこのコロナ禍における市内飲食業及び
観光業の実情についてでありますけれども、首都圏を中心に2回目となる緊急事態宣言が発出され、田辺市においても社会経済活動が抑制される中、売上げ等が減少している市内の飲食業及び
観光業の現状について、どう把握し、分析しているのかお聞かせください。お願いします。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(安達克典君) 7番、宮井 章君の質問に対する当局の答弁を求めます。
商工
観光部長、前川光弘君。
(商工
観光部長 前川光弘君 登壇)
○商工
観光部長(前川光弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
コロナ禍における市内の飲食業及び
観光業の実情についてですが、昨年の年明け第1波の
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や、8月の第2波の発生、加えて、2回目となる緊急事態宣言の発出に至った年末からの感染拡大による第3波の影響により、国内での社会経済活動が抑制され、さらに海外からの
観光を目的とした旅行客の入国制限により、訪日外国人
観光客は皆無の状況となり、我が国の景気は大きな影響を受けました。
一方、和歌山県内でも、昨年2月に
新型コロナウイルス感染症の感染者が確認され、特に田辺保健所管内においても3月末に感染者が確認された際に、一気に消費行動が縮小し、飲食業や
観光関連事業者にいち早く影響が出始め、それらの事業者と取引がある卸小売業者や交通事業者にも波及し、人の移動の自粛、または制限により理美容業や学習塾、さらには建設、自動車修理業等、幅広い業種において経済的な影響が出ている状況でありました。
このような状況の中、国・県においては、事業者の事業継続を支援するための持続化給付金や家賃支援給付金等各種支援が実施され、加えて、現在は
新型コロナウイルス感染拡大によりGoToトラベルが全国一斉停止となっていますが、国内の消費喚起のためのGoToキャンペーン等が実施されているところであります。
また、本市におきましても、市内事業者の事業継続や雇用維持のための小規模事業者事業継続支援給付金、雇用維持奨励金等を創設するとともに、落ち込んでいる地域の消費喚起を図るための地域活性化商品券事業や市民生活応援商品券事業、加えて、落ち込んだ
観光需要喚起策として、市内宿泊施設への支援交付金事業、並びに、じもたび、たな旅といった
観光キャンペーン事業等を実施するなど、それぞれの局面に応じた支援策に取り組んでまいりました。
これらの支援に取り組む中、昨年実施しました平成31年と令和2年の同月比の売上高が30%以上減少した小規模事業者事業継続支援給付金事業への申請者2,132事業者の状況を分析したところ、全体平均では売上高が67%の減少率となり、特に飲食業の平均減少率においては74%、宿泊業の平均減少率は85%という状況でありました。
また、さきに和歌山県が公表している県内飲食業に係る
新型コロナウイルスによる影響調査では、令和3年1月売上高は、対前年同月比で平均47%の減少見込みとなっており、業態別では特に居酒屋・料亭、スナック・バーを中心に下落率が大きく、居酒屋・料亭においては、これも見込みではありますが、令和3年1月売上高は、対前年同月比で平均59%の減少と、大変厳しい状況になっています。
このようなことから、
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない現在、特に飲食業者、宿泊業を含めた
観光事業者におかれては、人の移動制限や外出自粛の影響を直接的に受け、依然、厳しい状況にあるものと認識しているところであります。
(商工
観光部長 前川光弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 宮井 章君。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。ただいまの御答弁にありましたように、これまで、市内の事業者の事業継続や雇用維持のための支援給付金、そして、奨励金等を創設するとともに、落ち込んでいる地域の消費喚起を図るための商品券事業、そして、加えて、落ち込んだ
観光需要喚起策としての市内宿泊施設への支援交付金事業、そして、
観光キャンペーン事業等を実施するなど、それぞれの局面と状況に応じた施策をもって取り組んでこられたということでございました。しかしながら、依然と厳しい状態が続いておられると、そういう現状にあるとのことです。
これには、度重なるコロナの再拡大で消費者心理が悪化しまして、消費行動に急ブレーキがかかっていることが大きな要因の一つでもあると思いますけれども、何よりも消費者の間で感染に対する不安感が完全に払拭され、消費行動が元に戻るまでには多くの時間を要するのではないか。でも、それでは遅過ぎるのではないか。今すぐに活性化のために何らかの対策を打たなければなど、目の前の困難に淡々と向き合いつつも、コロナ後、
アフターコロナに向けて何をすべきなのか、安全を守り、いかに事業や雇用を継続するかに皆様、必死だと思うのです。
そこで、これらのことを受けまして、今後の推進課題を検討しておられると思いますけれども、コロナ禍における現時点での取組と今後の
アフターコロナを見据えたさらなる対策についてということで、飲食業及び
観光業からの実情を踏まえ、現時点の取組とコロナ禍におけるさらなる支援策への考え方について、当局、市の見解をお聞かせ願いたいと思います。お願いします。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
現在、国においては、本年1月7日に発出された緊急事態宣言に伴い、11都府県における飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動自粛により影響を受け、売上げが減少した中堅・中小事業者を支援する一時金を創設し、3月8日から申請受付を開始しており、また、和歌山県においても売上げが減少した飲食・宿泊・旅行事業者を支援する給付金の予算が県議会2月定例会で可決されております。
本市におきましては、これまでコロナ禍の局面に応じ、市議会臨時会並びに定例会において、議会の承認を頂き、事業継続や雇用維持、消費喚起の対策に取り組んできたところであります。さきの2月臨時会においても産業経済緊急対策支援金制度の御承認を頂き、長引くコロナ禍で厳しい状況下にある飲食業者及び
観光業者等の事業継続を下支えするための支援に努めているところであります。
先般、関西圏を含む2府4県の緊急事態宣言が解除され、
新型コロナウイルス感染者数は低い値で推移していますが、関東1都3県の緊急事態宣言が延長されるなど、国民の感染症に対する不安は完全にはぬぐえない状況が続いています。そうした状況は当地方も同様であり、市としましては、引き続き事業者の皆様の現状把握に努め、必要に応じた対策を講じてまいりたいと考えております。
また、今後、
新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せる状況となっても、コロナウイルスが完全に消滅することは難しいと考えられ、このウイルスとの共存する中で、市民生活を送り、社会経済活動を営んでもらう必要があると考えております。
市民の皆様には、これまでと同様に感染防止と社会経済活動の両立を図るため、引き続き、御自身の健康管理の徹底と、日常生活の中で、手洗いやマスクの着用などの感染防止対策に努めていただき、いわゆる新しい生活様式を実践していただくとともに、事業者の皆様には、感染防止対策の徹底をお願いし、安全・安心の確保に取り組んでいただいた中で、新しい生活様式に対応した事業経営をしていただくことが重要であると考えております。
市としましては、現在のブレーキ状態からアクセルを踏める状況を見極め、国や県の動向も注視しながら、いわゆる
アフターコロナの時機を逸することなく、市内の飲食業や
観光業をはじめ、幅広い事業者が元気になれるよう、外食やレジャーなどの消費行動の喚起を促進する施策を打ち出し、各経済団体等とも連携をしながら地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 宮井 章君。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 御答弁頂きました。ありがとうございます。引き続き、事業者の皆様の現状把握に努め、必要な施策を講じていきたいとの答弁がございました。また、アクセルを踏める状況を見極め、来る
アフターコロナの時期、チャンスを逃すことなく、市内の飲食業や
観光業をはじめとする幅広い事業者が元気になれるような消費喚起を促進する施策を打ち出す、そして、各経済団体との連携の下、地域経済の活性化について考えているということでございました。
また、答弁の中にもありましたけれども、さきの臨時議会におきまして、これらの実情への支援を鑑みて、田辺市はいち早く
新型コロナウイルス感染症対策、田辺市産業経済緊急支援対策金を、市独自の支援策を打ち出し、実施されたことには非常に感謝しているところであります。さらに、和歌山県議会におきましても、飲食・宿泊・旅行事業者を支援する飲食・宿泊・旅行業給付金の予算を定例会提案されているとのことでございます。
あるアンケートからでございますけれども、
新型コロナウイルス終息後の意識調査によりますと、約半数の人は外食や国内旅行を
アフターコロナに希望しているとのデータも見受けられまして、
新型コロナウイルス感染症が終息した暁には、外食・
観光に行きたいというニーズは非常に多い、少なくないことが分かります。いわゆるリベンジ消費と言われる、抑圧されていた消費行動の爆発によります超回復に望みをつなぎまして、大きく期待したいところであります。
また、
観光業に目を向けましても、世界中の
観光旅行者は、今、コロナ禍によりまして、長期間にわたって旅行目的を果たせずにいます。一時的に近隣
観光地への代替旅行に切り替えたとしても、その旅行欲は、
アフターコロナに向けて大きく膨張し、増大していると思われます。答弁にもありましたように、アクセルを踏むタイミング、それを見極めて、
アフターコロナに向けた納得のできる今後の施策に期待をしております。
最後になりますけれども、地球規模で
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、経済回復と感染抑制に向けた施策は、現在の感染拡大の第3波にさらされている状況からも、そのコントロールは非常に困難であるというほかありません。
また、抜本的対策と解決についても、今般のワクチン接種が最後のとりでのような危機的状況下にあって非常に悩ましいところでもあります。
さらには、コロナダメージから長い冬が明け、やっと春がやってきたとしても、そこには新しい生活様式、ニューノーマルを意識した日常が存在します。この部分につきましては、引き続き飲食業、
観光業を含めました経営者の皆様側にも工夫が必要となり、行政からも適切なアドバイスや新たな支援が必要になってくると思います。
このようなことからも、この問題には、先ほども言いましたように、市町村・県・国はもとより、市民、業界の皆様が一丸となって立ち向かわなくてはならないことは当然ではございますが、そこに至るまでの機運といいますか、関心の高まりといいますか、これが非常に大事だと感じるわけでございます。
今回、市民の皆様、特に飲食業組合の皆様をはじめとする各々の事業主の皆様方からの度重なる陳情事、要望事がございました。人の疲弊はまちの疲弊につながります。ここに機運の高まりを求めて、まさに警鐘を鳴らされているわけでございます。市当局もできる限り、できる範囲の精いっぱい、一生懸命の支援策を考えてくれることに感謝しておりますが、ここはもうひと踏ん張り、市から県へ、県から国へと私たち市議会ともども現場の声を大きく押し上げ、届け、受け止めていただけますようお願いを申し上げまして、最後は要望といいますか、市民の皆様方の代弁という形になりましたけれども、これからの消費喚起への施策、そして、各経済団体との連携によります地域経済の活性化への施策に期待を込めつつ、これをもって私の今期最後の一般質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、7番、宮井 章君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(安達克典君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
再開の際は議案書及び予算書を御持参ください。
(午前11時20分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(安達克典君) 続いて、6番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 6番、日本共産党、久保浩二です。今任期の一番最後の質問者であります。
通告に従いまして質問を始めます。
まず、1番目に、左会津川浸水・冠水問題の抜本対策についてお伺いします。
中万呂、下万呂地区の浸水・冠水対策で、私は、議員になってからこの地域の浸水・冠水対策について何度も一般質問で取り上げてきました。今年度ようやく水害時の対策として、移動式排水ポンプの配備が実現しました。しかし、これで台風や豪雨などの水害時に住民の安心・安全が完全に保障されたとはいえないと思っております。そこでいま一度、中万呂、下万呂地区の浸水・冠水対策についてお聞きします。
中万呂、田中代排水門の管理について。現在、ここの排水門は水利組合が管理しておりますが、大水が出たときにいつ閉めればよいのか判断がつかず、一度も排水門を閉めたことがないと聞きました。排水門の管理がどのようになっているのか。今後どこが管理するのかお伺いします。
○議長(安達克典君) 6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
農林水産部長、北川弘泰君。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
この樋門につきましては、議員おっしゃるとおり、主に上万呂にある清水前頭首工から取水する農業用排水施設の一部でございまして、管理につきましては、地元水利組合関係者など受益者で行っております。
従来の、平常の管理につきましては、今後も地元水利組合関係者など受益者の皆様で行っていただきたいというふうに考えてございます。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今後も水利組合が管理するということなのですが、移動式排水ポンプを設置するとした場合に、左会津川からの逆流を止めないと、排水門を閉めないと、移動式排水ポンプの設置をしても機能を果たさないというふうに思いますので、その辺についてどのように考えているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
台風など大雨が予測されるときや洪水が発生した場合には、地元の関係者と連携しながら移動式排水ポンプを稼働させるよう進めておりますが、実際に稼働させる場合は、当然ながら樋門の管理と併せて行う必要がございます。
この場合、市の指示の下、委託業者、また後方支援の地元消防団で樋門の開閉操作を行うこととしております。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、移動式排水ポンプの設置場所についてお伺いします。
当初の計画では、万呂に2基計画するということで、1基は大谷橋上手の田中代排水門の近くに配備し、もう1基は下万呂のところになっていたと思います。しかし、その後の配備計画では2基とも大谷橋下手となっております。実際、豪雨災害、浸水・冠水になりそうになったときに移動式排水ポンプをどこの位置に設置するのか、配備するのかお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
移動式排水ポンプの設置場所ですが、平成30年度に行いました雨水流出解析調査を参考に、現在、中万呂地区として大谷橋上流の田中代樋門付近、それから、下万呂地区として大谷橋下流の天王代付近の水路への設置を計画しております。当初いろいろと地元の皆様の御意見を頂く中で、設置場所をいろいろ検討したところですけれども、現在こういう形で考えております。
なお、ポンプや排水ホースの位置、加えて、発電機や操作制御盤の配置場所など、現場で稼働させてみる、こういったことが必要であることから、近々当該地区で市と委託業者及び後方支援の地元消防団の皆様と合同訓練を予定しておりまして、その際に出た問題点や意見などを参考にしながら、より効果的に運用できるよう検討してまいります。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 移動式排水ポンプを設置して、浸水・冠水対策に用いてくれるということなのですが、説明では1分間に10トンを排出するように書かれてありますが、2011年の12号台風のときの雨量で、浸水・冠水を防ぐだけの能力があるのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
今回、万呂地区に導入しました低水位型排水ポンプパッケージの仕様につきましては、口径が200ミリ、全揚程10メーターで毎分5立方メートルの排水能力があり、1セット2台が2セットで合計20立方メートルの排水能力を有しております。
消防ポンプ自動車に例えますと、毎分2立方メートルの排水能力があり、消防ポンプ自動車10台分に相当する能力がございまして、一定の対策が講じられると考えております。
議員御質問の平成23年台風12号に対してどうかということでございますが、平成23年の台風12号は、西牟婁振興局観測所のデータによりますと、8月29日から9月4日までの7日間で総雨量713ミリ、最大時間雨量53ミリ、最大日雨量が466ミリを記録し、当該地域においても浸水・冠水が発生しております。
今回導入しました設備を運用することで、台風など大雨が予測される場合は、事前に設置し、浸水被害を軽減するとともに、住民の皆様が避難する時間を少しでも確保できることなど、効果が期待できるものと考えております。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 2011年の12号台風の雨量ではなかなかこの移動式排水ポンプだけではちょっと対応が難しいというふうに思います。
次に、下万呂用水路暗渠の改修による浸水・冠水の改善予想についてお伺いします。
参考資料1を御覧いただきたいと思います。
この四角で囲われているところが今言った用水路の暗渠でありまして、実際に工事をしたときには全面開けてありましたが、下のほうの住民の皆様の強い要望で、今現在4分の1に閉めるという状況になってあります。そのため、12号台風のときとかそれ以外の大雨降ったときには、その印のある堤防向けに真っすぐ伸びてある道から右手のほう、用水路全般のところ、須佐神社の下から全て池のようになってあります。須佐神社裏の地域の浸水・冠水を防ぐためには、これを全開にすることが今後必要になってくるというふうに思いますが、どのように進めるのか。また、全開することで浸水・冠水がどれだけ改善するのか見解を求めます。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えします。
現場の状況につきましては、市のほうでも把握してございますが、この平成30年度に行いました雨水流出解析調査では、降雨量が時間70ミリで議員御指摘の水路暗渠の断面の縮小を解消し、元に戻したと想定した場合、その下流で必要な水路断面が確保できていないため、溢水する結果になることが考えられます。
浸水を防ぐためには、田辺バイパス付近まで水路断面を確保する改修が必要であると、こういった結果報告を受けております。
しかしながら、水路改修を実施することについては、既存の水路や道路幅員も狭隘でありまして、また、家屋も隣接しておりまして、用地の問題等もあり、課題の整理が必要であるというふうに考えております。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 暗渠の下手の部分の改修がなかなか進みにくいという答弁だったのですが、いずれにしても、この中万呂、下万呂地域の浸水・冠水の抜本対策で、やはり移動式の排水ポンプだけでは住民の皆様の安心・安全をすることにならないということなので、やはりポンプ場が必要になってくるというふうに思います。今後の対応をきちんと求めておきたいというふうに思います。
次に、2番の県工事の会津川堤防のかさ上げに伴う浸水・冠水対策についてお伺いします。
今年1月15日に万呂町内会、万呂小泉町内会、万呂土木建設連絡協議会から市長宛てに、下万呂落合地区に排水ポンプ場設置の要望が出されています。この要望の中に、左会津川は、明治22年の大水害や大正6年の暴風雨など、堤防の決壊や秋津の龍神橋、高山寺麓の高山寺橋が大正6年には流出し、現在の下万呂葺石から小泉にかけて堤防下から水が噴き出し、堤防が危うくなったというふうに書かれています。そして、現在の磯間の青年の皆様や在郷軍人が防備に駆けつけて土俵を作って積むなどして、辛うじて食い止めたというふうなことが田辺町史に書かれてあります。
現在、会津川の水害、津波対策として、県事業の堤防のかさ上げの改良工事が進められています。県の説明では、落合、水道局横左会津川合流手前に小泉堤防の高さと同じぐらいまでかさ上げし、排水ポンプで排水しますと説明がありましたが、西牟婁振興局は、堤防のかさ上げは県、内水処理は田辺市ということのようで、県は堤防のかさ上げ工事を進めていますが、排水対策はどのようになっているのか、落合地区への排水ポンプ場の設置はどのように計画されているのかお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えします。
現在、県では、会津川の河川整備計画に基づき、下万呂落合地区付近で河川整備事業に取り組んでいます。
また、この事業に伴い、市に対して地元町内会の皆様から内水排除に関しての要望を受けたところでございまして、市といたしましても、地元の方々が大変心配されているといったことを認識しているところでございます。
市といたしましては、県に対して河川整備事業での地域の皆様からの意見を反映できるように、落合地区の河川からの逆流を防止するフラップゲートをスライドゲートに変更するなど、実施可能な対策を講じていただくよう県に要望してまいりたいと考えてございます。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 排水ポンプ場の設置についてお伺いしましたが、そのことに言及はされていませんが、その排水ポンプ場の必要性についての認識はどのように考えておられますか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
現地につきましては、以前から、議員からもございましたように、溢水する、また浸水した過去からの経緯がございまして、現在、県がかさ上げ等の工事を実施している中で、水が今後たまってしまう、そういった可能性が十分あるというふうに認識しております。今後、県と協議しながら、この排水ポンプの必要性といいますか、必要であるものと認識してございますが、検討してまいりたい、協議してまいりたいと、以上のように考えてございます。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 必要性について少しは認めるようなお話だったのですけど、なかなか現実的なところになってないというふうに思います。以前から、先ほども質問しましたように、左会津川に排水ポンプ場を設置してほしいということを質問しましたら、なかなか国・県の補助事業がないので、するとしたら市単独でしなければならないということで、1基するとしたら数億円、2億円とか3億円とかという話なのですが、もし、ここの落合地区に排水ポンプ場を設置するとしたら、どれぐらいの費用がかかるというふうに試算されているのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
当該地区については、排水ポンプの詳細な調査を行っていないため、現時点では必要な設備等の検討ができておりません。排水ポンプ場設置に伴う費用は、こういった関係でお示しできませんが、過去の事例で言いますと、平成25年度に整備した尾の崎排水第1樋門に設置したゲートポンプ設備では、排水面積40.6ヘクタール、ポンプ口径900ミリが2台と自家発電機やごみを取る除塵機など併せて、設計金額が約3億6,000万円となっております。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 尾の崎の立派な排水ポンプ場、ごみも取り除いてするというのが3億6,000万円ということでした。
次に、命の危険を避け、生活の安心・安全最優先の施策をということで、地球温暖化による巨大台風の出現やゲリラ豪雨、線状降水帯による記録的な豪雨、大水害など、命の危険が脅かされることが増大しています。近年、全国各地で河川の氾濫や水害が多発しています。命の危険を避け、生活の安心・安全優先の施策が求められます。今後、田辺市は庁舎整備に90億円、文里湾横断道路で百数十億円と莫大な工事費を使うことを計画しています。二つの大規模公共工事で借金の返済額と維持管理費で、私の試算で、毎年年間約10億円にも上ることが予想されます。大型公共事業を進める前に市民の命を守る、生活の安全・安心最優先の施策をするべきではないかというふうに思います。大型公共事業を中止、見直しをして、住民の願いである中万呂、下万呂と落合地区に水害対策のポンプ場を設置する必要があると考えますが、当局の見解を求めます。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 農林水産部長。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
地元、万呂町内会においては、地域住民が安全に安心して生活していけるよう、和歌山県に対して左会津川の河川整備事業を要望し、現在、左会津川左岸に位置する当該地区で強固な堤防を築造する工事が着手されたところであります。
当該工事による堤防のかさ上げや右会津川秋津地区で着手された河川整備事業に加えて、会津川で適宜実施されている河川堆積土砂のしゅんせつにより、今後、会津川の流下能力が改善され、大雨時における河川氾濫が抑制できると考えております。
議員から御指摘のありました堤防かさ上げにより予想される下万呂落合地区の内水排除については、地域住民が安全に安心して生活できるよう、和歌山県に対して河川整備事業と合わせた一体的な対策を要望していくとともに、今後、工事進捗状況等を注視していく中で、和歌山県と連携を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。
また、庁内での必要な事業の考え方でございますけれども、役所の中で、市の中で十分庁内協議しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 県のほうと要望していくというふうなことを言われています。
先ほど言いましたように、今の有利な条件の事業がないということでありますが、田辺市は、現在、財政調整基金が35億円、減債基金が93億円と平成17年、2005年合併時に比べて80億円も増やしています。住民の命と暮らしを守るために無駄をなくし、基金を使ってこの命を守るために要望に応えるべきだと申し上げて、次の質問に移ります。
次に、東山庁舎敷地内の店舗の借地料についてお伺いします。
先日、新庁舎整備室のほうから、普通財産の民間企業、民間事業者への土地の貸付けについて資料を頂きました。その中に、携帯電話の基地局が5つ、その他6か所、そして、商工振興課所管の部分が3か所あります。これについての経緯をお示しいただけますか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事、桐本達也君。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えします。
普通財産の貸付け事例といたしましては、契約課所管の土地について申し上げますと、まず国等の機関に対しては、地震観測用施設、雨量観測所、測量基準点、運行標識施設などの用地として、地方公共団体に対しては、交番、県営住宅、運転免許試験場、交通安全施設、公立病院医師住宅などの用地として、そして、福祉団体に対しては、障害者福祉施設や保育所の用地として、その他公共的団体への貸付けは、町内会館などの用地として、民間企業への貸付けとしては、先ほど議員御紹介のありました携帯電話基地局、それから資材等の置場、自動販売機、温泉配管などの用地として、個人に対しては、駐車場、資材置場などの用地としての貸付けがございます。
なお、企業への貸付けについてでございますが、用途としましては、携帯電話基地局が5件と最も多く、次いで資材等の置場が2件となっております。
また、契約課の所管ではありませんが、旧町村において誘致した企業等への貸付けについても、現在も継続しているものでございます。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) これらの貸付けについては、全て随意契約になっているのでしょうか。入札とかそういうことがあったのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えいたします。
これまでの普通財産の貸付けにつきましては、少額なものが大半でした。また、大きな区画のものにつきましては、公共的な利用といったようなことでございましたので、入札等は行わず随意契約によるものばかりでございます。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 全て相手側からお願いされて、それで貸し出しているということだと思います。その中に、先ほど言いましたように、商工振興課所管分で、本宮町のものは、平成17年以前、合併以前からの貸出しで年間5万円、そして、龍神村でしているものは年間30万円、大塔で貸し出しているものについては36万円、これ全て定額です。それ以外、先ほどから説明のあった携帯電話の基地局、ほかのところについても、固定資産税評価額掛ける0.04、0.06というのがあります。この辺について、0.04と0.06の基準の違い、そして、また定額貸付けはどのような基準になっているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えします。
まず、普通財産の貸付けにつきましては、私法上の賃貸借契約に分類されますので、その貸付料については法令上の具体的な定めはなく、田辺市財産管理規則第32条第1項において適正な貸付料を徴収するものとすると規定しています。
そうした中で、市では、普通財産である土地の貸付料の算定に当たっては、行政財産の使用許可に係る使用料条例で定められている、固定資産税の課税に用いる評価額の算定方法に準じて市長が定める単位面積当たりの価格に100分の4を乗じて得た額に貸付面積を乗じて得た額という計算式を準用することを基準としています。
こうしたことから、この計算式のうち、係数については100分の4を基準としていますが、民間事業者への貸付けの場合で、貸付面積が狭小であったり、貸付期間が短かったりする場合は、費用対効果を考慮して100分の4の係数を100分の6に置き換える運用を行っています。
なお、こうした貸付け以外に、先ほど御紹介のありました旧町村において誘致した企業等への貸付けについて、当時の町村において定められた貸付料を引き継いでおります。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 100分の4と100分の6で、100分の4が基準で、民間で狭いものについては100分の6に置き換えたということなのですが、これは誰が判断して決めるのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えします。
庁内決裁を経て貸付けを行っております。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 庁内決裁ということなのですが、どこまで上がるのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えします。
市長決裁です。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 市長決裁ということは、市長が最終判断するという、そういうことでよろしいですね。
次に、この店舗のものについてお聞きします。
オークワ店舗との事業用定期借地権設定契約、これはいつ結ばれたのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えします。
1月28日でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) この中で、区分所有で、田辺市が60.95、オークワ社39.05とあります。その中で、2階、オークワ社駐車場の車路の一部、そして、トイレについては本市が専用使用するとなっていますが、この車路について一部と書かれてあるのですが、一部というのはどれぐらいの一部なのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
特に2階の車路の部分につきましては、3階、4階に市の車両が通ることから、その部分については共用としているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 参考資料の裏を御覧いただきたいというふうに思います。これは、以前、整備室のほうから出された資料で、1月26日に出された新庁舎整備室からの資料で、下に令和元年9月27日議会議決というところがありまして、共用部分のうち、屋上駐車場及び塔屋の一部並びに2階の駐車場トイレ及び車路の一部については、市が専用使用するというふうに書かれています。一部というふうに書かれていますが、この参考資料を見てもらったらどこが一部になるのか。これ全て田辺市の専用になっていて、オークワは駐車場、車止めるとこだけになっているのです。この書き方というのが一部といったら、どれか一部というふうになると思うのですが、この資料を見ますと全てというふうなことなので、記述がちょっと納得できないのですが、その辺についていかがですか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
ちょっと記述の点につきましては確認をいたしますけれども、この参考資料で出されている資料のとおり、3階、4階については、基本的に市の専用でございまして、そして、1・2階につきましては基本的には通路を除く部分がオークワ社の専用部分となります。こうしたことにつきましては、法務局の登記官と協議の中で設定をしているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) その参考資料の1階の駐車場へ上がる登り口の道も全てオークワのほうから除外されています。1階の部分が1,609.72平米、2階は870.65平米で、それで2,480.37平米で39.05%になってあるのです。これは、オークワさんがお店だけで2階の駐車場を使わないのでしたら、もしかしたら、こういうふうな1階の部分、2階以上が田辺市の分でしたら、そういう計算も合うかも分からないですが、2階にオークワのお客さんが車止めてするという案分をした場合に、なぜこういうふうな、田辺市が全て道の部分についてこういうふうになるのか。それによってオークワの使用料の計算の基準が大きく変わってくるのですが、これはどういう理由からこういうふうになったのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えをいたします。
まず、1階のスロープ部分、そして、2階の通路部分、これにつきましては、先ほども申し上げましたように、3階、4階を使用する市の車両もこのスロープを通行いたしますし、2階につきましては、上るとき、そして、下るとき、双方におきましてこの通路を使いますので、共有といたしているところでございます。先ほども申し上げましたけれども、この設定の仕方につきましては、法務局の登記官に相談をさせていただいております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) どうしてもね、2階へ上がる人も使うということは、オークワにとってもその負担部分はあると思うので、先ほど書かれていた一部という表現ということでするのだったら、この参考資料でお示ししたところはちょっと違うというふうに感じております。
次に、新しく出来た建物のエレベーター内の表示にどのように書かれているのか、エレベーター内の3階、4階の駐車場をどのように書かれているのか、御存じだと思うのですが、ちょっと理解していただけたら、ちょっと答えていただきたいと思うのですが。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
すみません、先ほどの答弁の中でちょっと補足をさせていただきたいと思います。1階の通路部分、2階の通路部分につきましては共用としているということでお答えをさせていただきましたけれども、共用部分につきましては、当然ながらこの39.05%対60.95%の割合でもってオークワ社もその応分に応じた負担をしているところでございます。
そして、御質問のエレベーターの表示につきましては承知しておりません。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 区分所有の60.95と39.05というのはね、その参考資料を見てもらったら、共用部分、車路について共用で省いてあるということだと思うので、そこオークワにとっても上っていくお客さん、2階で車止めてするというところについたら、やはり一部分負担してもらうか何かしないとあまりにも市の負担が大きくなり過ぎるということで、借地料の計算も違ってくると私は感じるので、その辺をお伺いしました。
そして、エレベーターの表示なのですが、3階、4階も2階もお客様駐車場という表示で、田辺市の駐車場という形は今取っていません。今後どうなるか分かりませんが、オープンした中では、お客様駐車場という表示になっています。
次に、普通財産の不動産鑑定についてお伺いします。
公共的な施設への貸出しと商業施設への貸出しで不動産鑑定が同じ判断でよいのかについてお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えします。
先ほどの件でございますけれども、オークワとの案分によりオークワ社も負担をしているということでございます。
不動産鑑定でいいのかどうかという御質問でございますけれども、市といたしましては、財産管理規則におきまして、普通財産の貸付けに当たっては適正な貸付料を徴収するものとすると規定をされている中、行政財産の使用料条例、この規定に準じて算定をしているわけでございます。本件については、確認のため鑑定を行って、市の算定額が適正額であることを担保しております。市といたしましては、この鑑定以上のものはないものと考えております。
そして、行政法に詳しい弁護士にも御相談をさせていただいておりますけれども、鑑定評価に基づくことにつきましては、適正であると見解を頂いているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 不動産鑑定というのは、私の認識では、単位面積当たりの価格、土地鑑定評価額、これを頂くというのはそうだと思うのです。しかし、田辺市の財産管理規則の中の第2条、100分の4を乗じて得た額を使用面積に乗じて得た額となっていて、ここに関して不動産鑑定の方に鑑定していただく必要はないというふうに思うのですよ。これについては、市が独自で決めることだと思うので、その100分の4にまでついて不動産鑑定を求めるというのは、不動産鑑定の方の考えが行き過ぎてあって、市がそこまで求めるというのは、私はちょっと違うと思うのです。やっぱりこれは政治的判断、商業施設に貸し出すという、そういうときに、先ほど0.04と0.06の話がありましたが、市の判断で、政治的な判断でするべきだというふうに思うのですが、その辺についてはいかがですか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えをいたします。
まず、市としましては、行政財産、普通財産を問わず、企業に使用させる、あるいは貸し付ける場合、使用料または貸付料につきましては、行政財産の使用料条例を基準に考えており、今回も同様でございます。
そうした中で、まずこの4%でございますけれども、本件につきましては、借地権の設定期間も35年と長い、そしてまた借地権を設定する面積も3,066.3平米と広いため、先ほど総務部理事よりお答えをいたしましたこれまでの運用と照らし合わせても適正であると考えております。
そしてまた、なおかつ、まず一つは、この4%につきましては、かねてより御説明をいたしておりますけれども、不動産鑑定士からも適当であるとの意見を頂いております。それはそれとして、その額を、その算定した額を念のため確認するために、貸付料そのものの不動産鑑定を行って再確認をしたというところでございまして、そうした経過で申し上げますと、市が貸付料を設定して、そして鑑定によって、それを、適正さを担保したということでございますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 認識の違いなのであれですけど、これは田辺市財産管理規則の中にあるものなので、100分の4までを不動産鑑定の方に妥当なのかどうかと聞くのは、市の判断でするべきだということを言ってるんです。
そして、次に、田辺市内の商業地の借地料、テナント料の金額、相場をどのように認識しているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
この相場の認識ということでございますけれども、貸借に係る相場といいますのは、土地の広さ、形、日当たりなど、その土地が持つ様々な個々の要因だけにとどまらず、貸手、そしてまた、あるいは借手の必要度などが大きく影響するものでございまして、相場を一概に捉えることは難しいものであるというふうに考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) はっきりお答えしていただけませんでしたが、もう一度、私はいろんな方に地代についてお伺いしてきました。前回も言いましたが、稲成地区に商業施設がたくさんあって、ほとんど借地で営業しております。そこで聞きますと、個人個人の契約で、なかなか具体的に皆様答えてくれるというの難しかったのですが、宅地で貸している場合に、大体国道近くで坪900円から1,000円、これは前回も同じような話でした。そして、農地で貸していて、宅地造成してお店が建ったりする場合には500円から700円、最近出来たところでは一律900円というふうな話もしてました。以前に比べたらかなり下がってきたということでした。そして、商業ビルのところでお話を聞いてきますと、大通りにある3階建ての商業ビル、1階だけのテナント料どれぐらいですかというふうにお聞きしたら、大体20坪ぐらいで16万円というふうに言われました。商業施設のテナント料もかなり安くなったということらしいのですが、需要と供給のところもあるのですが、坪で5,000円以下というのはなかなか難しいというふうな話でした。私はこれを見てもやはり、あの建物を月20万円というのはどう考えても私自身は納得できません。そして、ほかの事業者とどう考えても公平性を保っているというふうには考えることができません。
次に、普通財産の貸付けについてお伺いします。
今まで随意契約でということだったのですが、田辺市は入札とか公募とかそういうふうな形で貸し出すことは考えてないのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 総務部理事。
(総務部理事 桐本達也君 登壇)
○総務部理事(桐本達也君) 議員の御質問にお答えします。
先ほどもお答え申し上げましたように、従来、入札等による貸付けという事例はございませんが、今後において入札に付す必要があると考えられる事案が出てきたときには、内容等を十分に見極めて検討してまいりたいと考えております。
(総務部理事 桐本達也君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今回も他市町、他のいろんなところの資料を探して、引っ張り出してしました。ほとんど入札というふうな形で、金額もかなり常識的な範囲で貸し出してあります。田辺市は今まで入札、公募がないということで、全て随意ということなのですが、やはりほかのところを見ましたら、新潟市で、宅地1,307平米、年額4,585万円というふうな格好で、ほかのところでは田辺市ではないような形ですね。駐車場、市がやっている駐車場の入札525万円という格好でしたりとか、大体金額は妥当なところではないかなと思います。あの東山のところがやっぱり月20万円というのはあまりにも安いというふうに思います。
次に、最後の質問に移ります。
保育所の入所基準の問題点についてお伺いします。
もう時間がないので、今回は、兄弟姉妹の入所申込みで入所できなかったということで相談を受けました。以前にも何回かその相談を受けましたので、今回どうしてもそういう希望があった場合に、兄弟が一緒に入れるようにいろいろ頭をひねってしてほしいなという思いから聞きました。
先日、いろいろと資料を頂きまして、ここ3年間で平成31年度のときには77組の申込みがあって1組だけ駄目でした。令和2年度、昨年度は、89組あって5組同じように入れなくて、3組取り下げたということです。そして、令和3年度、来年度は72組あって3組、これは、皆様別の希望のところに行ったということなのです。ですからなかなかね、お話聞いたら、担当、頭をひねってほとんどの人が入れるようにということでやっていただいたということなのですが、やはり別々になって、保護者が送り迎えということを考えた場合に、その辺の負担、大変な状況があるというふうにお聞きしましたので、何とか一緒に入れるようにということで、環境整備を整えてするというふうにしていただきたいということで、答弁をよろしくお願いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 保健福祉部長、虎伏 務君。
(保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
保育所及び認定こども園は、施設の規模とそれぞれのクラス年齢に応じた受入れの定数がありますので、特定の園において全ての兄弟姉妹の同時入所をかなえようとすれば、ニーズを超えた定員の確保が必要となり、特に、民間保育所の場合は、施設の改修や保育士の確保など、当該園の運営に過度の負担を強いることになります。
これまでもそれぞれの施設の受入れの定数やそれに伴う職員配置等を踏まえて、選考基準となる指数で優先順位を決定することが最も合理的であるとの考えの下、入所選考を行ってまいりました。
兄弟姉妹につきましても、できるだけ同じ園が利用できるよう加点を設けておりますが、在園している兄姉と同一の保育所を希望する弟妹に指数の変更や追加により過度な加点をしますと、保護者の就労状況などのほかの要素がほとんど影響しなくなりますので、指数の設定の在り方に関しましては指数の要素全体を鑑みて、慎重に検討していく必要があると考えております。
これまでも兄弟姉妹が同じ園を希望する場合は、ほかの同時入所が可能な園を御案内するなど、できるだけ保護者の希望に添えるよう利用調整を行ってきたところであり、引き続き、きめ細かな対応を心がけていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(安達克典君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 部長言われることは、以前も説明を受けて重々分かっております。大変難しいことだと思いますが、要望を聞いていただきますようにお願いします。
行政の施策で一番優先することは、市民の要望、願いに応えることではないでしょうか。高齢になっても生まれ育った地域で住み続けることを保障する、子育てに頑張っているお父さん、お母さんを応援する、進学、就職で一度ふるさとを離れた若者が田辺市に戻ってきたいと思えるまちにしていく、行政の仕事は、一部の企業優遇や豪華な庁舎建設、大型公共事業をする前に、頑張っている市民を支え、応援することではないでしょうか。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 2定議案第13号 田辺市人権尊重の
まちづくり条例の制定についてから
日程第31 2定議案第42号 令和3年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算
(第1号)まで一括上程
○議長(安達克典君) 続いて、日程第2 2定議案第13号 田辺市人権尊重の
まちづくり条例の制定についてから、日程第31 2定議案第42号 令和3年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)まで、以上30件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました30件については、過日、既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
4番、前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 2定議案第39号 和解について、質疑いたします。
こちらは、水産関連補助金の返還請求の和解額です。市からの返還請求額は5%の延滞分を含めて5,247万3,145円と伺っております。そして、和解金は3,500万円ということです。この差額1,747万3,145円、そこに弁護士委託料300万円を足しますと2,047万3,145円となります。これは、この不祥事がなければ支出する必要のなかったもので、市民に不利益となります。この市民に不利益を与えたことについてどのようにお考えであるか。そして、この責任の所在はどこにあるのか、そして、その責任をどう取ろうとされておられるのか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(安達克典君) 4番、前田佳世君の質疑に対する当局の答弁を求めます。
○議長(安達克典君) 農林水産部長、北川弘泰君。
(農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
ただいま御質問にございました当初の返還請求と今回の和解議案の金額、この差異でございますけれども、市が和歌山南漁業協同組合に返還請求を行っておりました金額につきましては、令和元年12月9日付で和歌山南漁協における補助金不適切会計処理問題に係る最終報告書に基づく不正等の額として認定をいたしました4,997万4,424円に年5%の割合による遅延損害金を加えた額でございます。
一方、今回提案させていただきました和解議案に示されている金額につきましては、和歌山弁護士会紛争解決センターから和解解決金として示されている金額となっております。この金額につきましては、あくまでも和解解決金という性格のものでございまして、その金額の算定に当たりましては、経験豊かな弁護士があっせん人となり、双方の主張等を十分に確認いただいた上で、公平・公正な立場の下で判断がなされたものであると考えており、請求額とは算定における観点が異なるものであるものと考えております。
また、弁護士費用の300万円に関しましても、この要項の中であっせん人からの、この3,500万円に含めた形で最終この和解解決金が示されたというふうに認識してございますので、よろしくお願いします。
その責任という点におきましては、この問題の調査結果が出まして、この不正問題、これに関する関係した職員の処分、それから、市長、副市長等関係者の自らの減額という、その減額ということをもって対応してございます。この差額につきましては、あくまでも金額の差異によるものでございますので、市においての責任というものは考えてございません。
(農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 先ほどの御説明で、和解金3,500万円というのが専門の方々の見識により算出されたのでということだったのですけれども、私がここでお伺いしたかったのは、この3,500万円の金額が妥当なのかという、そういうことではなくて、そもそもこの不正がなければ、不祥事がなければ支出する必要がなかったという、このことに対して、その金額云々よりかは、金額も相当な金額なのですけれども、この市民に不利益を与えたということに対してどのように考えておられるのか、というのをお聞かせいただきたいと思います。
といいますのは、今回、この議案提出の際に、形式的に非常に、報告のような形で議案を上げられたのですけれども、何らメッセージになるような言及がなかったことについて、非常に、じゃあ、この不利益についてどのように考えておられるのだと、正直そんなふうな感を受けました。そのことについてお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 細かな数字の端までは少し御容赦いただきたいのですが、今回、市が受けた不利益というのは請求額です。四千九百何がしという元金、これが市が本来受けた不利益ということで、この責任を漁協に求めたわけです。これを返してもらうと。ただしかし、漁協には漁協の言い分があって、双方の言い分を紛争解決センターで議論した結果、仲裁案として3,500万円という、いわゆる和解金という提案を今回受け入れたということでございます。
この間の不正、不適切な漁協関係の支出については、何回もおわびを申し上げてますし、職員もその分を返還していますし、金額の多寡は別として、我々責任のある特別職についても自らの減給をもって市民の皆様におわびを申し上げ、その責任の一端を果たさせていただいているということで御理解をいただきたい。このように思っています。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 他に質疑はありませんか。
6番、久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 令和3年度の田辺市一般会計予算についてお伺いします。
田辺市は、
新型コロナウイルス感染症対策で国の第3次臨時交付金を用いて、事業者への支援対策を補正予算で新年度にも計上されています。第3次の臨時交付金は5.5億円あったというふうに思います。事業者支援で約3.6億円使われて、2億円弱残っていると思います。新年度予算に、コロナ禍での市民一人一人への支援策が計上されていないと思いますが、
新型コロナウイルス感染症対策で個人への支援策は考えていないのか、お伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(安達克典君) 6番、久保浩二君の質疑に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
新型コロナウイルス感染症の支援施策につきましては、これまで状況の把握や情報収集に努めながら、市の現状を踏まえた中で必要な施策を早急に実施すべく、その都度補正予算をお願いし、対応してまいりました。
今後につきましても市民の皆様の生活を守り、また、地域経済の回復を図るための必要な施策については、
新型コロナウイルス感染症の動向や地域の実情を的確に捉え、これまでと同様に庁内において十分な議論を図ることはもちろんのこと、スピード感を持って対応していきたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(安達克典君) 他に質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(安達克典君) それでは、質疑を終結いたします。
それでは、ただいま議題となっております30件については、会議規則第37条第1項の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は配付いたしております議案付託表のとおりであります。
◎黙祷
○議長(安達克典君) 今日、3月11日は、10年前に東日本大震災が発生した日であります。
この震災により、尊い命を亡くされた方々に対し哀悼の意を表するため、1分間の黙祷をささげたいと思います。
御起立をお願いします。
黙祷。
(全員 黙祷)
○議長(安達克典君) 黙祷を終わります。
御着席ください。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ散会し、明日3月12日から23日までの12日間は休会とし、3月24日、午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(安達克典君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 2時16分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和3年3月11日
議 長 安 達 克 典
議 員 松 上 京 子
議 員 柳 瀬 理 孝
議 員 浅 山 誠 一...