田辺市議会 > 2020-06-29 >
令和 2年第4回定例会(第4号 6月29日)

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  1. 田辺市議会 2020-06-29
    令和 2年第4回定例会(第4号 6月29日)


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    最終取得日: 2021-09-20
    令和 2年第4回定例会(第4号 6月29日)              第4回田辺市議会定例会会議録              令和2年6月29日(月曜日)           ―――――――――――――――――――    令和2年6月29日(月)午前10時開会  第 1 一般質問  第 2 4定報告第 1号 専決処分事項について  第 3 4定議案第 1号 田辺市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正につ               いて  第 4 4定議案第 2号 田辺市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について  第 5 4定議案第 3号 工事請負契約の締結について  第 6 4定議案第 4号 物品購入契約の締結について  第 7 4定議案第 5号 物品購入契約の締結について  第 8 4定議案第 6号 物品購入契約の締結について  第 9 4定議案第 7号 訴えの提起について  第10 4定議案第 8号 あっせんの申立てについて  第11 4定議案第 9号 令和2年度田辺市一般会計補正予算(第4号)  第12 4定議案第35号 物品購入契約の締結について  第13 4定議案第36号 物品購入契約の締結について  第14 4定議案第37号 令和2年度田辺市一般会計補正予算(第5号)
     第15 4定発議第 1号 田辺市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の               一部改正について           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1から日程第15まで            ―――――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  0名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  松 上 京 子 君               2番  柳 瀬 理 孝 君               3番  浅 山 誠 一 君               4番  前 田 佳 世 君               5番  川 﨑 五 一 君               6番  久 保 浩 二 君               7番  宮 井   章 君               8番  福 榮 浩 義 君               9番  髙 田 盛 行 君              10番  北 田 健 治 君              11番  橘   智 史 君              12番  尾 花   功 君              13番  二 葉 昌 彦 君              14番  市 橋 宗 行 君              15番  安 達 幸 治 君              16番  安 達 克 典 君              17番  小 川 浩 樹 君              18番  塚   寿 雄 君              19番  佐 井 昭 子 君              20番  中 本 賢 治 君              21番  出 水 豊 数 君              22番  陸 平 輝 昭 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       林   誠 一 君             副市長       木 村 晃 和 君             教育長       佐 武 正 章 君             企画部長      早 田   斉 君             総務部長      松 川 靖 弘 君             総務部理事     桐 本 達 也 君             総務課長      西   貴 弘 君             危機管理局長    原   雅 樹 君             市民環境部長    中 村   誠 君             市民課長      那 須   肇 君             保健福祉部長    虎 伏   務 君             福祉課長      山 田 友 昭 君             障害福祉室長    馬場崎   栄 君             商工観光部長    前 川 光 弘 君             商工振興課長    丸 山 勝 司 君             農林水産部長    北 川 弘 泰 君             水産課長      永 井 幸 彦 君             森林局長      清 水 健 次 君             建設部長      栗 山 卓 也 君             消防長       安 田 浩 二 君             教育次長      宮 﨑 和 人 君             教育総務課長    吹 揚 恒 夫 君             学校教育課長    嶝 口 善 一 君             水道部長      岩 本   章 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    千 品 繁 俊             議会事務局次長   前 田 敦 司             議会事務局主任   松 本 誠 啓             議会事務局主査   古久保 雅 之  開 議 ○議長(安達克典君)    皆様、おはようございます。  定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、令和2年第4回田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。               (午前10時00分)          ――――――――――――――――――― ◎報告 ○議長(安達克典君)    11番 橘 智史君から遅刻の届出があります。  休 憩 ○議長(安達克典君)    この場合、暫時休憩いたします。               (午前10時00分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前10時02分) ○議長(安達克典君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(安達克典君)    日程第1 一般質問を行います。  4番、前田佳世君の登壇を許可いたします。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    皆様、おはようございます。4番、日本共産党前田佳世です。  通告に従いまして質問させていただきます。  今回は大項目一つ、新型コロナ禍における子供たちの心のケアと学びについてです。  新型コロナウイルス感染症による3か月間の一斉臨時休校からようやく学校が再開され、子供たちや保護者、学校関係者の皆様はひとまず喜びと安堵を感じていることと思います。学校再開に喜びを感じつつも、コロナ禍で見えてきた学校の諸課題と、今後、子供と教職員の健康と命、学びをいかに守っていくのか、その対策についてお伺いいたします。  長期の自粛生活、学校休業が与えた子供たちへの影響について伺います。
     長期の自粛生活と学校休業子供たちの学習面や心身にどのような影響を与えたか御認識をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    4番、前田佳世君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の長期休業による子供たちへの影響についてですが、学習面につきましては、休業期間中に家庭学習ができるように学校から課題を出し、定期的に教員の添削を行ってきました。  子供たちの心身の状況把握のため、担任は家庭訪問を通じて子供たちと会えた場合もありましたが、中には面と向かって会うことに不安を感じる保護者の方もおられたため、子供たちと関わりたいという思いがありながらも手紙や課題を投函せざるを得ない状況もありました。また、家庭から学校に、家でゲームをする時間が長くなったという報告もありました。  心身の影響につきましては、新型コロナウイルス感染症による環境の変化で心理的なストレスや不安を抱えていたり、生活リズムの乱れや運動不足等の体調の変化があったりする可能性があると考えられます。  いずれにいたしましても、学校は長期休業子供たちに様々な影響を与えていると想定し、今後とも担任やスクールカウンセラーを中心に子供たちの実態把握ときめ細かな対応をしていきたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    子供たちへの影響について御認識をお聞かせいただきました。  国立成育医療研究センターが全国の子供、保護者8,707名を対象に調査した「コロナ×子供アンケート」によれば、3か月にわたる休校中の子供たちの困り事として、お友達と会えないが8割近くで最も多く、次いで学校に行けないが6割、外で遊べない、または勉強が心配というのが5割近くあったとの報告がありました。  休校中に私が伺ったものとしましては、中学1年生の生徒さんは、入学式に1度行ったきり、クラスメートにも先生にも会えず中学生になった気がしない。ある保護者の方は、休校中大量の課題が出されて、子供、親子共に困惑した。学校とのつながりがなくなり、勉強もクラブ活動もできない中、前向きに生活するのが困難だと話しておられました。  我が家で言いますと、感染防止から子供を預けることを自粛しながらも、致し方なく学校、学童保育所、祖父母などに助けをお借りし、ときには親の働く場所にも連れていき、今日僕はどう過ごすのと子供に聞かれたときには、心の置き場所さえもさまよわせているようで申し訳ない気になりました。  これまで経験したことのない困難な状況で、不安やストレスをため込んだ家庭は多かったと思います。実態こそつかみにくいですが、感染の危機が深まるにつれ、家庭でのストレス度も増え、家庭に閉じ込められた子供たちは虐待の被害者やその目撃者になるという問題もなかったとは言えないと思います。  さらに、子供への心の影響について、先ほど御紹介しましたアンケートの報告では、全体の75%に何らかのストレス反応、症状が見られたとあります。具体的には、コロナのことを考えると嫌な気持ちになるが最も多く、小学生の5割弱が該当し、次いで集中できないが4割、すぐにいらいらしてしまうが3割強、寝つけない、よく目が覚めるが2割強、嫌な夢をよく見る、独りぼっちだと感じる、自分や家族を傷つけてしまうが1割強が該当していました。そのほか、何もやる気がしない、死にたいなど、子供の切実な声が記されています。  こうした子供たちを受け止め、心身のケアをしっかり行うことは、子供たちが学校生活を始める上で大前提となります。その必要性については、先ほども御答弁でお示しいただきましたので、では今後どのようなケアをしていくかについてお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員おっしゃるとおり、長期休業新型コロナウイルス感染症による環境の変化により、少なからずとも子供たちの心身に影響はあるものと考えられます。学校においては、子供たちの心身の状況をしっかりと把握し、必要に応じて心身のケアを行うことが必要であると考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    心のケアが大前提として状況把握に努めていかれるという御答弁でした。  授業再開に当たって、学校では、まず子供を温かく迎えようと、休業中にどんな生活をしていたか、どんな気持ちだったかを話し合う取組もされたと伺っております。これらは大変すばらしく、不安やストレスを抱えた子供を受け止め、共感してくださったことに感謝いたします。  東日本大震災で深刻な被害に遭った地域の学校では、子供と教職員がつらい体験や思いを語り合うことで学校生活がスタートできたそうです。  学校再開から間もなく1か月がたとうとしますが、担当課から御提供いただいた本市小・中学校における児童生徒の出席状況を見ましても、不登校の生徒数が日ごと少しずつ増えているのが気になります。子供たちはけなげですから、与えられた課題や感染予防の様々な制約に対して、気持ちを飲み込んで受け入れていきますが、自分でも気づかないうちに心身の疲労を重ねていることもありますので、できているから大丈夫であろうというのではなく、引き続き子供たちの気持ちに寄り添った対応をされることをお願いしたいと思います。  それから、今後、感染症や災害で休校となる場合のために、意識して対応していただきたいことがあります。今回の一斉休校で突如子供自身や家庭が学校とのつながりを持つのが困難な状況になりました。そんな中、どうやって子供の心のケアをしていくのかということです。  小学校では、学校で預かってもらえた子供も一部いましたが、ほとんどの子供にとって唯一つながれたのは担任の先生でした。感染予防のために子供との接触を避けたというのもあったかと思いますが、家庭内のストレスの高まりは児童虐待やハラスメントの危険性も増えることから、感染予防とのバランスを図りながら、担任教員と子供のつながりを持つ工夫が必要と考えます。  特に、子供自身が助けを求めたいときなどのために、電話、メール、SNSなどは有効な手段かと考えられますし、1人1台のタブレット端末が今後緊急時に手元にあれば可能性も広がるのではないかと思います。通信ツールを使うのが難しい低学年ですと学習課題の受渡しの際に、メモや日記でのやり取りなど可能な限り子供とつながっていただく、そういうことを緊急時の学校の共通認識として持って対応をお願いしたいと思います。  次に、生徒自身や保護者の悩みに対して臨床心理士であるスクールカウンセラーが相談活動をされておりますが、その活用方法について伺います。  今回の緊急事態宣言で、休業中の相談活動件数は4月と5月、前年同月比で半減しておりました。相談形式が面談であるために感染の発生状況から相談者が接触を避けたことも考えられますし、何か困ったことがあれば相談に応じますといったアナウンスが不十分だったとも考えられます。  しかし、特にコロナ禍においては、もともと悩みを抱える保護者はもとより、家庭のストレスが高まる中で、相談の受入れ環境が十分であれば幾らか心の落ち着きが取り戻せた保護者や子供は多かったのではないかと思います。実際、どんなことでもよいから相談できる場所があったらよいのにというお声もありました。これは教育現場に限定されず、全庁的に考えていかなければならないことかもしれませんが、学校にある機能として、スクールカウンセラーに言及するとすれば、周知、活用が十分といえたでしょうか、御認識をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のスクールカウンセラーの活用についてお答えいたします。  現在、県から14名のスクールカウンセラーが配置され、田辺市内各小・中学校において相談面接を行っています。このスクールカウンセラーについての紹介や相談日、相談申込み方法などの詳細につきましては、各小・中学校において、学校だよりや学年・学級だより、スクールカウンセラーだよりなどの配布により保護者に周知をしております。  臨時休業中の相談につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により相談を自粛した方が多かったのか、今年度に入ってからの相談件数は例年よりも少ない状況にあります。  また、相談の方法につきましては、文部科学省より児童生徒の心のケアや環境の改善に向けた支援の促進についての通知が来ております。この通知では、児童生徒の心のケアについて、感染防止に十分配慮をしつつ、電話やICT、手紙、家庭訪問等の手段を活用し、状況把握カウンセリングなどを行い、児童生徒や保護者とのつながりを継続する切れ目のない支援を行うことの重要性が示されております。  田辺市内の小・中学校におきましても、今後も保護者にスクールカウンセラーの配置や相談方法についての周知を行うとともに、子供たちの心身の状況把握に努め、保護者のニーズや状況に応じて、面談だけでなくメールや電話等も含めて柔軟な対応が行えるよう取り組んでまいりたいと考えますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    ふだんより周知は保護者への通知などでも行われているということでした。そして、私が御提案させていただこうと思っておりました相談のツールですが、電話、インターネット、今後はリモート相談活動なども考えられると思いますが、そこに向けては取り組んでいただけるということで、あえて御認識をお伺いするのはもうやめておきます。  緊急時に最悪を想定した備えが平常時にも役立つことは、多くの分野でも言われていることですので、面談による相談を軸にしながら、柔軟な対応をぜひ導入していただきたいと思います。  次に、スクールカウンセラーの配置拡充についてお伺いします。  これまでも拠点となる中学校に少しずつ配置、拡充が行われ、現在14名体制ということです。特別支援学級や通級教室のニーズが高まるに対して、人的、物理的環境充実が図られているところではありますが、空き教室がないという大きな課題も立ちはだかっております。  ならば、予防的意味合いを込めて、子供の発達や生活の悩みを少しでも解決に導く役目を担っているスクールカウンセラー必要重要度は、これまで以上に増すのではないでしょうか。最低でも未設置である高雄中学校には配置されるべきですし、今後の配置拡充を県教委にしっかり求めるべきかと考えますが、御見解をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    近年、様々な背景により支援や配慮の必要な子供たちが増えてきております。通級指導教室につきましては、現在、田辺第一小学校、稲成小学校田辺東部小学校鮎川小学校高雄中学校の5校に設置されていますが、さらなる特別支援教育の充実のため、県教育委員会に増設の要望をしているところであります。  議員おっしゃるとおり、現在の学校の状況を鑑みますと、児童生徒や保護者の抱える悩みを受け止め、学校におけるカウンセリング機能の充実を図るため、臨床心理に専門的な知識、経験を有するスクールカウンセラーの存在は非常に大きいと考えます。今後もスクールカウンセラー配置拡充につきましては、引き続き県に要望してまいりたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    御答弁ありがとうございました。  次に、学習の遅れと格差への対応について伺ってまいります。  学年の締めくくりと新しい学年のスタートの時期の3か月間の休校は、子供に計り知れない影響を与えました。学校からは課題プリントが配られ、家庭学習を促す努力をしていただきましたが、量の多さに戸惑ったり、クラスで話し合ったり、考えたりという取組ができない中、単にプリントをこなすというパターンに意欲が持てなかったり、生活リズムが崩れる中、勉強が手につかない子供もいた一方で、塾やオンライン授業を受けたり、ネット教材に取り組んだ子供たちもいたと思います。長期の休校は、学習の遅れと学力の格差を広げた点でも深刻です。  報道によりますと、奈良県で行った調査では、県内中学3年生の6,100人のうち、7割が今後の学習に不安を感じ、3割が英語、数学、理科、社会の4教科の出題範囲に不安を訴えていたようです。  この次の質問、アとイの順番を変えさせていただき、イから質問させていただきます。  これらの学習の遅れについて、本市では、夏休みと冬休みを短くして授業時数を確保することで、本年度指導計画にある内容については、学年内の指導が終えられるとの見込みであるとのことでした。一見安心できるのですが、現場の教員のお声を伺うと、遅れを取り戻すといっても学級人数が多いと学力差が出る。今のペースでよいのか不安のまま進めている。学習に楽しみを持たせるための取組ができない。中学校では、来年度に学習指導要領が新しくなるに当たって、今年度に次の学年の学習内容が前倒しで入ってきているが、今の学年分の単元を3か月遅れた中で履修させるのに精いっぱいだ。中学3年生では、前倒しで入ってきた高校の内容を未履修にさせるわけにいかず、無理しなければいけなくなるのではといった声がありました。  学習内容を無理に詰め込んだり、駆け足で進めれば、子供たちに新たなストレスをかけ、不登校を増やし、学力格差を広げかねません。子供の実態に沿って無理なく学べる配慮が必要かと考えますが、御認識をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の遅れた学習についての対策でありますが、田辺市内の小・中学校では、夏季休業期間及び冬季休業期間を短縮し、授業時数を確保する予定です。7時間授業や土曜日授業の導入につきましては、現時点では基本的に考えておりません。夏休み及び冬休みを短くして授業を実施することで、各学校において、本年度指導を計画している内容について、学年内に指導が終えられると考えております。  議員おっしゃるとおり、約3か月ぶりの学校再開、授業再開の中で学習を駆け足で進めることは、子供たちへの大きな負担となります。校長会でも学習の進め方については、子供たちの実態を把握し、配慮をしながら取り組んでいくことを確認いたしました。  今後も子供たちの様子を見ながら、学習を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    計画どおりであっても配慮をしていただけるという御答弁でした。  日本教育学会は、5月22日、文科省に対して提言書を提出し、学びの遅れの心配に応えるために、その学年で核となる学習事項を見定めて、深く考え、それ以外は教科横断で学んだり、次年度以降に効率的に学ぶという学習内容の精選を提言しています。  さきの松上議員の質問に対する御答弁では、コロナの第2波が襲来し、授業ができなくなる場合には、次の学年、その次の学年へと教育課程を編成するとのことでしたが、第2波襲来がなくても、先ほども御答弁いただきましたように学力の格差に配慮し、無理なく進めるようにするとすれば、学習内容の精選を行い、長期休業による学習と学力の格差への懸念から、例年どおりの学習にとらわれず、提言に沿った学校の柔軟で工夫ある取組を容認し、サポートされたいと思いますが、いかがでしょうか。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の学習内容の重点化と精選でありますが、現在、各学校において、教育課程の見直しを行い、年間学習指導計画を立てております。文部科学省新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合対策パッケージにおいても、限られた授業数の中で効果的に指導する学習活動の重点化が示されており、各学校に応じた柔軟な対応が求められております。  田辺市内の小・中学校におきましても、各学校や児童生徒の実態に応じた学習が進められるよう、今後も取り組んでまいりたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    子供たちの実態に即した支援をということになりますと、新たな人材の必要性も出てくるかと思います。そのことについてはまた後ほど伺います。  本市では、万が一の休校に備えて、小・中の最終学年ではタブレットを使ったリモート授業の環境整備を検討しておられるところですが、前例のない取組であるだけに発信側も受け取り側も不十分さが出ることも考えられます。一斉休校中に実践されたところでは、平常時と同等レベルの授業は難しいとも言われております。  学習の格差を生まないためにも、今後第2波が来るおそれもあることを考慮すれば、先ほどお話しいただきましたような学習内容の精選、しっかりしていただきたいと思いますし、これはもっと大事なことなのですが、入試の出題範囲を縮小し、それを早期に方針が公表されることが必要かと思います。このことは、県に対してしっかり要望することが求められますが、いかがでしょうか。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の新型コロナウイルス感染症第2波が起きたときの中学3年生の入試対応についてお答えいたします。  せんだって行われた県議会の一般質問において、県教育長から、高校入試の出題範囲の縮小について、「最も優先すべきことは、将来にわたっての学力の基盤を保障すること。出題範囲を縮小すると、その単元の勉強がおろそかになるため慎重に検討すべき。市町村教育委員会を通じて学習状況などを把握し、より良い方法を講じる」との答弁がありました。  田辺市教育委員会といたしましては、こうした状況を踏まえて、田辺市内中学校の学習状況を県教育委員会に伝え、より一層連携を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    ある中学校の先生に伺いましたところ、先ほども御紹介しましたが、来年度学習指導要領が変わるに当たって、既に中学3年生ではもう高校の分野が前倒しで入ってきていると。この3か月遅れた中で、今の学年で履修しなければいけないことを一生懸命今遅れを取り戻そうとしている中、そこに高校の分も入ってくるとなると非常にもう大変だというようなお声を伺っております。前回の入試のときには、3学期の本当に最終の部分で、たまたま学校が急いでおられたためにしなかった読み物教材という、言ったら発展教材ですけれども、そういうところから単語が出題されたというような事例もありますので、ほかの県におきましては、3学期の最終の部分についてはもう出題範囲にしないというような方針も打ち出しておられますので、その辺は本当に具体的に例をお示しいただきまして、聞き取り調査もあるということですので、お声を上げていただければなと思います。
     次に、学習指導員の配置について伺います。  学習指導員は、臨時休業中の未指導分や家庭学習で対応するも学習内容の定着が不十分な児童生徒に対して、別途、個別に補修を実施したりなど、学習支援をするための教員です。文科省は、第2次補正予算で追加配置を行い、退職教員や、場合によっては教員志望の学生、塾講師など幅広い人材確保を呼びかけており、県の6月定例会では、学習指導員600名分の予算が決定されております。現場教員の声を十分に聞いた上で、必要に応じて県に対して配置拡充を求めていく必要があるのではないかと考えますが、御認識をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇)  休 憩 ○議長(安達克典君)    暫時休憩いたします。               (午前10時30分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前10時32分) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    田辺市教育委員会は、これまでも県教育委員会に対して人の配置等について要望してまいりました。今後も引き続き要望してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    御答弁ありがとうございます。  県内小・中学校は378校ありますから、この学習指導員600名を単純に割って各校に1名ないしは2名といったところと単純に考えます。でも、これでは不十分のように思うのです。子供たちの実態に寄り添い、手厚い教育をするために、創意工夫をする学校現場へのサポートとして改めて支援を要望したいと思います。  次に、遠隔・オンライン授業の対策準備について伺います。  義務教育を受ける児童生徒にパソコン1人1台を整備し、ネットワーク環境などの整備を目指すGIGAスクール構想は、当初の5か年計画から、コロナ禍に対応すべく前倒しされ、本市では約3億7,700万円の予算が用意され、タブレット端末は数量的に確保の見通しはあると伺っております。  新型コロナウイルス感染症マニュアル(第3版)では、陽性反応者や濃厚接触者の出席停止、学級・学校閉鎖、感染不安から登校しない選択も認めることになっております。そのため、学習保障策を早急に準備する必要があり、教育委員会においても準備、検討されているところです。現在、どのような状況であるかお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の遠隔・オンライン授業の対策準備についてお答えいたします。  今回のコロナ禍による全国的な臨時休業に伴い、GIGAスクール構想実現に向けてネットワーク環境の整備と1人1台の端末整備が前倒しになり、整備が加速する運びとなりました。タブレット型PCの導入スケジュールにつきましては、現在、機種の選定を行っているところです。導入時期につきましては、本年度中には整備ができる予定であります。校内における整備につきましては、現在、準備を整えているところではありますが、再度臨時休業となった場合のオンライン授業については準備段階の状況であります。  今回の臨時休業中、オンラインの通信が可能であるかを把握するために、市内小・中学校の家庭の通信環境を調査したところ、Wi-Fi環境が未整備である家庭や、児童生徒が個人的に使うことができるタブレット端末などを所持していない家庭もあり、現在の田辺市内においては、オンラインの授業を等しく全員が行うことは困難であると把握をしております。  しかし、緊急時、つまり新型コロナウイルス感染症第2波による臨時休業があった場合、特に小学校6年生と中学校3年生の学びの保障は重要であります。卒業を控えた学年の学習は年度中に終わらせなければならないと考えており、家庭でのオンライン授業の実施は必要になります。そのため、まずは小学校6年生と中学校3年生のネット環境にない家庭への支援策として、国の第2次補正予算を活用し、子供たちの学習保障の取組への支援メニューにある貸出し用モバイルWi-Fiルーターの購入費用を追加議案として本議会に提出をさせていただいているところでございます。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    再度臨時休校となったときの小・中最終学年への対策が優先されるというのは、その必要、重要度からいってそうなのだと思います。しかし、御答弁では全児童への貸出しが難しいとのことなのですけれども、先ほど一斉休校中に学校とのつながりが持ちづらくなった際、前向きな生活を保つのが困難だという保護者のお声を紹介しました。課題がどんと渡されて、勉強が身に入らないのだと思います。新型コロナウイルスの第2波が襲来し、学校で陽性反応者が複数出た場合は、少なくとも2週間は学校が閉鎖されるとのことですから、そうなった場合の子供と学校のつながりを保つこと、まずこれを考えていただきたいです。  遠隔授業の早期実現と考えると敷居が高くなりますが、先行した学校では、まず子供たちが教師や友達とつながることを非常に重視して、効果を上げた事例が多数あります。子供は、まず、子供と先生が、さらには子供たち同士がつながることで孤立感を防ぎ、多くの人とつながっている意識を回復することが大切です。朝の5分間、教師や友達とつながるだけでも重要な第一歩となり、社会的つながりが学力の基盤として有効な役割を果たすというのは、これは欧米の研究でも実証されており、オンラインの活用もまず社会的つながりの回復に向けられる必要があると考えます。その上で、子供の学習権を保障し、学習環境の違いから来る学力格差を生まないようにする必要があります。保護者の援助がなければ、遠隔授業の実施が難しい低学年については、可能な限り少人数編成の対面授業が望ましいのではないかと考えますが、遠隔・オンライン授業対策は全ての子供に対応可能となるよう、ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。そのために行政のほうも、もし要望があった場合は緊急事態という御認識の下、お応えいただきたいと思います。  遠隔・オンライン授業の研究準備を誰がするのかということですが、結論から申し上げまして、そもそも教員個々に情報通信技術、スキルの違いがありますし、慢性的な多忙が問題視されている上に感染防止対策で新たな業務負担が増えてしまっている教職員に、これ以上の負担をかけないでいただきたいということです。複式学級の担任が二つの学年分の内容作成となると相当の困難を来すと考えられます。特別なスキルとセンスが必要となる遠隔授業内容の作成、準備は、市教委が主体となって、情報技術スキルの高い教職員の力も借りながら、作成チームを編成し、進められたいと考えますが、御見解をお聞かせください。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御指摘のとおり、オンライン授業等のICTを導入した授業を行うことは、今までの授業スタイルとは大きく変わるため、授業準備や授業研究等に時間がかかり、教員の負担が増えると考えられます。今後は各校で研修を進め、教育委員会が主催する講習会を開催していきたいと考えております。  また、教師がICTを活用しやすくなるような情報提供をしたり、GIGAスクールサポーターやICT支援員などの活用を行ったりすることで、教員への負担軽減を推進していきたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    教職員へのICT活用の講習会、または支援員を活用されるということです。講習会につきましては、ぜひとも勤務時間内に終われるような、これ以上の長時間労働にならないような配慮も含めてお考えいただきたいと思います。  次に、スクールサポートスタッフの配置拡充について伺います。  感染予防のために、教員は今、毎朝子供の健康チェック、消毒など、ふだんにはない業務が増えています。この業務負担軽減のために、スクールサポートスタッフが県から7名配置され、市から11名追加配置されたことは、業務の負担軽減の緊急必要性を認識されてのことで、大変評価されることと思います。  国の2次補正予算を受けて、県ではスクールサポートスタッフ200人分の予算がつけられましたが、本市への配置見込みがまだお分かりでないということです。それを受けた上でのサポート体制というのは心配されるところですが、大規模小学校には、今のところ7時間勤務のスタッフがおられるのですが、そのほかは4時間勤務のスタッフが1日置きに複数校を兼任しておられるとのことです。また、中学校では配置がない状態です。現場教員からは、「お手洗いに行くのも忘れるほど息つく暇がない」「疲労がたまる」「スタッフさんには消毒ばかりお願いして恐縮ですが、1日いてもらえたら」「気になる子供もいるが、ゆったり落ち着いて話すことができていない」などのお声を伺っています。教員が子供たちの心のケアや授業に専念できるよう各校に1人ずつのサポート体制が必要です。  県から補充があるということは、県議会での議決でも分かっているのですが、一体では何名が田辺市に配置されるのかというのがまだお分かりではないということです。しかし、和歌山県の小学校は249校、中学校は129校です。用意された200名のスタッフが、仮に未設置である中学校に1人ずつ配置されたとしても、まだまだ不足ではないでしょうか。最低でも各校に1人は1日いてもらえる体制で教員の負担軽減がされるよう、再度市費でも追加配置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のスクールサポートスタッフの配置拡充についてお答えいたします。  今年度、スクールサポートスタッフは、県から7名、7校の小学校に配置されております。そして、新型コロナウイルス感染症対策として市費で11名新たに雇用し、スクールサポートスタッフが配置されていない幼稚園と小学校に配置いたしました。  このスクールサポートスタッフの増員により、これまで教師が行っていた校内の消毒や給食準備の補助等の感染症対策業務が軽減したという報告を各学校から受けておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。  次に、議員御質問のスクールサポートスタッフの今後の状況についてお答えいたします。  先ほど、お答えしましたように、今回11名のスクールサポートスタッフが市費で配置されたことにより、新型コロナウイルス感染症予防対策については、教師の負担軽減が各学校から報告されております。  しかし、議員がおっしゃっておりましたように中学校へは配置ができておらず、小学校についてもスクールサポートスタッフの勤務が隔日の学校もあることから、現状で十分であるとは考えておりません。  県教育委員会に確認をしましたところ、現在、県が国の第2次補正予算に伴い、県から国に対してスクールサポートスタッフの配置要望を上げているが、配置の有無については今のところ未定ということですので、今後も県教育委員会と連携を図ってまいりたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    スクールサポートスタッフさんが1名いてくださることで本当に助かるのはそのとおりだと思います。でも、御認識にもありましたように、これでもまだ不十分だということですので、再度増やすということを考えていかなければいけないと思っております。  学校にとって感染症による休校はもちろん再開後も非常事態です。子供たちと教員の命と安全を守るためにさらなる財政出動が必要です。市長は先日時期を失することなく支援をしていくという言葉に私たちは大変安心感を持ちましたが、教育現場に必要なさらなる支援といたしまして、行政としても応えていただけることを期待したいと思います。  次に、先ほども少し触れましたが、コロナ禍学校再開において、感染症から子供たちと教職員を守り、子供たちの実態に沿った手厚い教育をするには、少人数学級は絶対に必要です。学力格差を減らそうとすれば、どうしても子供一人一人に目を向け丁寧に対応する必要があるからです。ですが、学級人数が35人超えする状況もあるところではそれが難しく、3密を避け、ソーシャルディスタンスを取るという感染予防対策においても大きな矛盾がはらんでいます。  矛盾解消には、やはり教職員を増やすことが根幹となるのではないでしょうか。地方からしっかり声を上げ、県には、国に働きかけることを求めていくことが、今後市の教育委員会としても一層大事になるのではないかと考えますが、御答弁をお願いいたします。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    田辺市教育委員会は、これまでも県教育委員会に対して少人数学級加配を含め、人の配置等について強く要望してまいりました。今後も機会を捉えて、引き続きスクールカウンセラーやスクールサポートスタッフ、またその他の加配措置等を要望してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    前田佳世君。             (4番 前田佳世君 登壇) ○4番(前田佳世君)    今、2次補正で人数分の予算確保されても、各現場では支援員の先生たちは集まるかどうか分からないのですが、非常勤講師の先生たちを探すというのも非常に苦労されていると伺いました。これというのは、やっぱりこれまでの長きにわたる国の政策にも大きく関係すると私は感じております。  コロナ禍においては、学校がいかに事態打開が困難であるかが浮き彫りになったと思います。この問題はなぜ起こったのか。それは、新自由主義政策の下、行財政の効率化とともに学校が統廃合され、学校6日制から5日制に変わった際、本来なら教員の授業時間数も6分の5になるよう減らされるべきところ、教員を増やすことなく授業時間数だけを増やし、多忙に追い込んできたことに原因があると考えます。  削るべきでないところを削り、危機を招いたことでいえば、病院や保健所の統廃合を行い、病床数を減らしたことで医療崩壊の危機を招いたことと構図が似ているように思います。  コロナは、私たち人類に効率よく利益を得ることを第一主義とする新自由主義の危うさと限界を示しているのではないでしょうか。ワクチンができれば元のさやに収まるのではなく、この教訓を生かし、真に子供たち一人一人に寄り添い、豊かな想像力を持ち、多様な社会を生き抜く力を育む学校づくりを心から求めるものであります。そのために、少人数学級の実現とその根幹となる教員を増やす、この取組をよりよい学校を望む全ての方々と一緒にやっていきたいと思います。  以上をもちまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。             (4番 前田佳世君 降壇) ○議長(安達克典君)    以上で、4番、前田佳世君の一般質問は終了しました。  休 憩 ○議長(安達克典君)    この場合、11時まで休憩いたします。               (午前10時51分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前11時00分) ○議長(安達克典君)    続いて、3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    皆様、おはようございます。3番、篤志会、浅山です。  今回の一般質問では、多くの皆様が新型コロナウイルス関連の質問を様々な角度からされており、大変勉強になりました。私も本日は新型コロナウイルス関連で大項目3点についてお伺いさせていただきます。  まず1点目は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う本市への影響と今後の経済対策についてです。  新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が全面解除されて1か月が経過し、県をまたいでの移動自粛も解除されました。日本では徐々に社会活動が再開され、新しい生活様式を取り入れながら日常が戻りつつあります。  しかし、田辺市内で飲食店や飲食店向けの卸をされている方にお話を伺うと、客足の戻りは鈍く、経営的に厳しいという声ばかりです。  新型コロナ関連の経済面での影響では、特に飲食店と観光業を営む方々が大きいと認識していますが、先日からの答弁にもあるようにその影響は多岐にわたります。  田辺市においては、第1弾、第2弾と経済対策を打ってこられましたが、短期間で新型コロナ対策関連の新たな施策を打っていくためには、正しい状況把握が大切になろうかと思います。  そこで1点目の質問です。コロナ禍において、田辺市ではどのようにして市内事業者の状況把握をなされてきたのでしょうか。また、市内事業者の状況を業界、業種別にどのように捉えているのでしょうか、お聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。  商工観光部長、前川光弘君。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。
     県内での新型コロナウイルス感染者が判明した2月13日以降、商工会議所や各商工会、商店街等の経済団体への定期的な情報収集を行い、特に全国に緊急事態宣言が発出された4月16日以降は、急増しているセーフティーネット保証認定の内容を確認するとともに、電話での各種相談による景況感の聞き取り等により、新型コロナウイルス感染症の影響による地域の景気動向の把握に努めているところであります。  このような中、本市においては、新型コロナウイルス感染症患者が田辺保健所管内で発生したことで一気に消費行動が縮小し、飲食業や観光関連事業者にいち早く影響が出始め、それに伴い宿泊業や飲食業と取引のある卸売、小売業者や交通事業者に波及し始め、人の移動の自粛または制限により理美容業や学習塾、さらには葬祭場などの経営にも影響を及ぼしたところであります。  また、現在は、建設、不動産取引、自動車修理や保険業に至る業界にも及んでおり、様々な業種において影響が出ているものと認識しております。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    状況は日々変化しておりますので、引き続き、各種団体とも連携をしながらしっかりと事実の収集に努めていただければと思います。  続いて、田辺市小規模事業者事業継続支援給付金について伺います。  まず初めに、こちらの給付金ですが、申請から振り込みまでのスピードが本当に速く、国の持続化給付金が入るまでの間、田辺市の給付金のおかげで助かったという声を複数聞いています。庁内では、いち早く給付するためにゴールデンウイーク中も準備を進め、ときには日をまたぐような働き方をしながら対応に当たっていらっしゃったようで、一市民として本当に心強く、感服しております。この場を借りて御礼申し上げます。  さて、小川議員も申請数について質問をされていましたが、現状認識のために改めて給付実績を業界別にもお聞かせいただけますでしょうか。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  まず、田辺市小規模事業者事業継続支援給付金の実績につきましては、6月19日時点での給付件数は1,199件であり、業種につきましては、宿泊業・飲食サービス業が391件、小売業・卸売業215件、生活関連サービス業・娯楽業206件、建設業112件、製造業86件、教育・学習支援42件、ほかに分類されないサービス業39件等となっており、幅広い業種が新型コロナウイルス感染症の影響を受けている状況となっています。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    給付実績については非常に好評だということが伺える数字でした。  先ほどの答弁でも、現在では、建設、不動産取引、自動車修理や保険業にも影響が出ており、影響の裾野が広がっていることや、小川議員の質問の際にもあったように、まだ御存じでない方も一定数いることが想定されるため、申請件数1,500件の上限を超える可能性があります。  コロナ禍において、当局も一定の事業所支援ができていると認識されている田辺市小規模事業者事業継続支援給付金について、今後申請枠を拡大するなどの予算措置についてどのような見解をなされているのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  本給付金につきましては、当初、申請件数を1,500件と想定していましたが、現時点でも給付金に関する問合せもあり、加えて、直近の1週間で見ましても事業者からの申請数が1日20件程度あることから、市といたしましても今後も申請状況を見ながらではありますが、コロナ禍での事業者の事業継続のための支援は必要であると考えておりますので、不足する場合は、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    ぜひ必要に応じてお願いできればと思います。  続いて、給付対象者の要件について、小川議員からも市税滞納者への考え方についての質問がありましたが、私からも2点お聞かせください。  線引きをどこでするのかというのは大変悩ましいものではあると思いますが、田辺市のにぎわいを守るためには、今現在、市内で店舗を出されている全ての小規模事業者さんを可能な限り支援することが重要だと考えています。今回、県の事業継続支援金の対象が今年1月から5月創業の事業者も新たに加えられましたが、市では、4月以降の新規創業事業者は対象外となっています。  まず、1点目として、4月以降の新規創業者を対象外とした理由をお聞かせください。  2点目として、市内に事業所を有する個人事業者の中でも近隣町にお住まいの方を対象から外されておりますが、その理由も併せてお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  まず1点目の4月以降の新規創業事業者を対象外とした理由につきましては、国の持続化給付金は、新規創業事業者の対象要件について、令和元年12月31日までを対象としており、本市といたしましては、国の基準を参考とするとともに、本市での新型コロナウイルス感染症の影響を受けた時期を鑑み、令和2年3月31日までに開業した事業者を対象としているところであります。  これは、本給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した市内事業者の事業継続を支援することを目的としており、当市におきまして4月以降も開業となりますと既に新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、その影響状態を比較できないことから、令和2年3月31日までの開業を対象とする制度設計を行った次第であります。  次に、2点目の本市に事業所を有する個人事業主のうち、近隣の町にお住まいの方を対象外とした理由についてですが、本給付金は、先ほども申し上げましたとおり、感染症の影響により売上げが減少した市内事業者の事業継続を支援する目的であることから、まず、市内の店舗事業者であることとし、そして、市単独の給付事業であることから、本市に住民登録している事業主とさせていただきました。  本給付金の申請受付を開始した当初から、本市でお店を経営されている近隣の町の住民の方から本給付金の対象になるのか等のお問合せもございましたが、本給付金の目的や対象となる要件を丁寧に説明させていただいておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    例えば、田辺の宝の一つである味光路、こちらで店舗を構えている小規模事業者の方で近隣町にお住まいの方は少なくありません。今回は、戦後最大の危機とも言われる有事であります。給付金の性質も理解しますが、全ての事業者さんの努力の結果、味光路が県内随一の飲食店街であり続けられていることを考えると、田辺の町並み、にぎわいを守るためにも様々な支援策を考えていただければなと思います。  続いて、田辺市雇用維持支援補助金についてでありますが、6月19日時点の申請件数は3件とのことでした。国の制度も変化したことで、今後劇的に増えることは少ないかもしれませんが、国の雇用調整助成金の緊急対応期間が9月末まで延長されています。田辺市の補助対象期間は6月末までとなっていますが、対象期間を見直すお考えがあるのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  本制度につきましては、国の雇用調整助成金の支給を受けた事業者のうち、事業者の自己負担分の一部を補助する制度となっているため、国の雇用調整助成金の支給決定を受けた後に市のほうへ申請する流れとなっております。当初は、国、ハローワーク田辺への問合せが多いことから、今後本市の申請件数も増えてくるものと想定しておりましたが、この6月12日に国会にて可決されました国の雇用調整助成金の制度改正に伴い、中小企業者において解雇等を伴わない休業等の場合には、助成率を10分の10とするなど制度内容が拡充され、市が事業者の自己負担分を一部補助する部分が少なくなってきているのが現状であります。  しかしながら、やむを得ず解雇等を行った中小企業者や各種法人などで、国の助成率が10分の10でない事業者に対しましては、引き続き支援を行っていく必要があると考えており、また、国の雇用調整助成金の緊急対応期間が延長されたことに伴い、田辺市雇用維持支援補助金においても対象期間を延長する方向で検討してまいりたいと考えております。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    先日の小川議員とのやり取りの中で、ハローワーク田辺に雇用調整助成金の申請は約300件あるとの答弁がございました。確かに一定数の申請はあろうかと思いますが、ハローワーク田辺の管轄は西牟婁郡とみなべ町にまたがります。恐らく宿泊事業者の多い白浜町の事業者さんの申請が多いことが予想されますし、雇用調整助成金の申請は非常に手間がかかり難しいとの声もお聞きします。例えば、他市では社労士さんへの謝金の補助を出すことで申請を促し、雇用を守るといった支援策を講じているところもありますので、ぜひ研究をしていただければなと思います。  また、先日の26日、議会運営委員会にて新型コロナウイルス感染症対策の地方創生臨時交付金の2次補正について、市への交付限度額が11億3,774万9,000円であること、現在、庁内各課連携の下、この交付金事業の対象となる施策や支援策等について鋭意検討を行っているとの説明をいただいておりますので、新たな経済対策を行う見通しについての質問は割愛させていただきます。  田辺市小規模事業者事業継続支援給付金を既に給付された方は、国や県の支援があろうとも、この状況が続けば倒産、廃業につながってしまいます。今後の支援策の制度設計においては、例えば2度目の給付や対象の拡大、また、地域の雇用の受皿である中規模以上の事業者への支援など、前例にとらわれず、柔軟かつ思い切った政策を打ち出していただければと思います。  続いて、大項目の2番、コロナ時代における企業誘致について伺います。  新型コロナウイルスの影響により、働く人々にはテレワークが推奨され、東京都によるテレワーク導入率の調査では、3月時点で都内にて24%だった導入率が4月には63%になるなど急速に拡大していきました。一部ではありますが、東京をはじめとする都会で働く労働者は都会で働くその意味を、事業者は都会の一等地にオフィスを構える必要性を見直す動きがあるという報道もなされています。  今後、労働者は地方移住を検討する方が増え、企業はヘッドオフィスを東京近郊に置きながらも、東京一極集中のリスク回避や社員の福利厚生、採用に苦戦するベンチャー企業のPR材料の一つとして、地方でのサテライトオフィスを検討するケースが増えることが考えられます。  和歌山県ではワーケーションを、田辺市では、移住支援や関係人口の創出といった個人向けの施策に力を入れていますが、人口ビジョンを下方修正したように、若者の流出を減らし、生産年齢人口を維持していくためには、若者が望む働く場所をつくらなければなりません。  今後、自治体間にて移住者受入れが激化していったように、企業誘致、特に比較的働く場所を選ばず柔軟性の高いIT関連企業の誘致は激化していくことが予想されます。  市においても、昨年、秋津野ガルテン内にITオフィスを整備するなど、取組がなされていますが、IT関連の誘致に関して、これまでの取組と実績、また、現在抱えている課題はどのようなものが上げられるているのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  企業誘致は、雇用の創出、関連企業への波及など地域経済の発展に大きく寄与することから、本市におきましては、平成14年度に企業立地促進条例を制定し、一定の要件を満たす企業に対し、雇用や事業所設置等に係る資金需要に対する奨励措置を講ずることによって立地の促進を図ってまいりました。  御質問のITオフィス誘致の現状と課題につきましては、合併後、市が関与した立地企業11社のうちIT関連企業は5社となっており、この5社の新規雇用者数は27名であります。  また、平成31年2月に地域未来投資促進法に基づき、上秋津、秋津野ガルテン内に整備されたITオフィスも間もなく満室となる予定で、合計で6社の立地となります。  ITオフィスの誘致に当たっては、県との連携の下取り組んでおり、現在は、ワーケーションの推進により、まず当地でのリモートワークを体験していただくとともに、当地の魅力を理解していただき、そこから一歩進んでサテライトオフィスの立地につなげていくことを目標としております。  そうした中、今後のIT企業誘致に向けましては、ワーケーション事業の再開と立地場所となる物件の確保、そして、地元人材の育成確保が課題と認識しており、特に企業からは人材の移動が激しい業界であることから、即戦力確保の強い要望も頂く中、その対応策も検討しなければならないと考えているところであります。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    誘致については一定の実績を出されていると思います。皆様も御存じのとおり、IT誘致においては、お隣の白浜町が先進地としてここ数年全国的な注目を集めています。白浜町ITビジネスオフィスの第1、第2オフィスは既に満室で、現在は民設民営での第3オフィスの建設が進んでいます。田辺市でも秋津野ガルテン内のITオフィスが満室予定とのことですが、これからさらに誘致活動を行っていくためには、課題にも上げられていたように、企業が入居できる環境の整備が必要となります。建物を新設するのはコストがかかってしまうため、既存の建物、特に公有財産の有効活用をいま一度IT企業誘致に使えないかどうかという目線で見直すことも必要ではないでしょうか。  田辺市公共施設等総合管理計画にあるように、人口減少局面における公共施設の維持管理は大きな課題となっています。整備に投資は必要ですが、公共施設を貸し出すとしても、売却するとしてもIT企業を誘致できれば金銭面や雇用面での市のメリットは大きいと思います。  市長の今年度の予算大綱にもIT企業等の立地を促進するとありましたが、田辺市において今後の企業誘致についてどのような展開を考えているのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えします。  新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、極めて深刻な経済的、社会的影響が発生し、企業活動が停滞する中、働く時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現するテレワークやウェブ会議の導入が推奨され、これまでの働き方を見詰め直すきっかけとなり、出社しなくても仕事ができる、都市部でなくても仕事ができるという認識が高まっています。  また、企業のみならず、学校においても授業がオンラインで行われるなど、社会生活のあらゆる場面でデジタルトランスフォーメーションの波が押し寄せています。  そうした中、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波の到来が懸念され、経済情勢は不透明ですが、市といたしましては、公有財産を有効に活用するため、施設等の詳細な情報を集約、精査の上、企業誘致向けの情報として有効活用するとともに、併せて、以前から取り組んでいる空き家、空き店舗等の民間ストックの活用も図ってまいりたいと考えております。  また、こうした公有財産等の有効活用を図るためにも、これまで県との連携の下に取り組んできたワーケーション事業に地域資源を活用したアクティビティを組み合わせるなど、さらなる内容の充実を図り、誘致活動を加速させてまいります。  新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業や人口等が集積することのリスクが改めて浮き彫りとなった今、東京一極集中の是正の機運や議論が一層高まるとともに人の価値観もより変化することも考えられ、そうした情勢等を見逃すことなく、効果的な情報発信と受入れ環境の整備に努め、企業のテレワーク拡大も踏まえ、IT企業を中心とする企業誘致につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    誘致活動を加速させるという力強い答弁を頂きました。  なぜ白浜町にはあれだけの企業が集まるのか、個人的に非常に興味深く、何度もIT誘致の担当者や入居企業の方とお話をしています。  白浜町がぬきんでた実績を残すことができているのには主に三つの理由があると個人的には考えています。一つ目は、空港が近く、風光明媚でキャッチーなロケーションがある。二つ目は、入居できる箱がある。三つ目は、専任の担当者を置き、営業活動だけでなく入居後の私生活を含めたフォローができているという3点です。  田辺市も1点目の立地条件は近しいと思います。その反面、入居できる箱の整備と専任担当者という点は白浜町に劣ります。企業誘致を担当する商工振興課は、現状5名体制で、その業務は多岐にわたっていることから、こちらから積極的に仕掛けていく攻めの企業誘致ができるような状況ではないのではないかとお見受けします。  移住定住におけるワンストップパーソンや白浜町のように企業ニーズを捉えて、的確な提案をしていくためにも、今後は専任の担当者を設置することも検討いただければと思います。  また、人材の確保という課題については、魅力的な働く場所があれば人は集まってきます。  また、和歌山大学や和歌山高専、田辺工業高校との連携はもちろんのこと、県も本気で紀南地域をIT関連の集積地となるよう動いていることから、県や白浜町と手を取り合って、専門学校などの学びの場を誘致し、解決していくといった中長期的な目線であらゆる可能性を追及していただきたいと思います。  続いて、大項目3のGIGAスクール構想とオンライン授業についてであります。通告時には、追加でWi-Fiルーターの購入費が上がると伺っておりませんでしたので、その点御容赦ください。
     2019年12月に文部科学省が打ち出したGIGAスクール構想とは、児童生徒向けの1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を全国の学校教育現場で持続的に実現させる構想と要約できます。本来、国は令和5年度までに1人1台の端末整備を進める予定としておりましたが、新型コロナウイルスの影響による全国一斉臨時休業が長期化したことから、本年度中の整備を目指すこととなりました。  先ほど、前田議員の答弁の中でも本年度中に整備をするとございましたが、4月30日の文教厚生委員会では、タブレット自体が手に入るかどうか未定との答弁もございました。加えて、今年度は夏休みが短縮されていることから、長期休暇中に一斉に校内ネットワークの工事を進めることも難しい状況にあります。  そこでお伺いします。タブレット型パソコンの導入スケジュールと夏季休業短縮に伴う校内LAN工事等のスケジュールはどのような見通しとなっているのでしょうか。また、端末を整備しても授業で活用するプロジェクターやモニターも整備していかなくてはなりません。しかし、これらの補助的な機器は国の補助対象外となっていますが、今後どのように整備していくのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のGIGAスクール構想の実現に向けた環境整備のロードマップについてお答えいたします。  GIGAスクール構想とは、昨年12月に閣議決定されたSociety5.0時代を担う人材投資、子育てしやすい生活環境整備として、特別な支援を必要とするなどの多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、一人一人に応じた個別最適化学習にふさわしい環境を速やかに整備するため、学校における高速大容量のネットワーク環境、校内LANの整備を推進するとともに、特に義務教育段階において、令和5年度までに全学年の児童生徒一人一人がそれぞれの端末を持ち、十分活用できる環境を目指すこととし、事業を実施する地方公共団体に対して、国として継続的に財源を確保し、必要な支援を講じるものであります。  今回のコロナ禍による全国的な臨時休業に伴い、GIGAスクール構想の実現に向けて、ネットワーク環境の整備と1人1台の端末整備が前倒しになり、整備が加速する運びとなりました。タブレット型PCの導入スケジュールにつきましては、現在、機種の選定を行っているところです。導入時期につきましては、本年度中には整備できる予定です。  また、田辺市内の小・中学校では、今年度は夏季休業を短縮することが決定しております。学校設備の工事については、通常長期休業期間を利用して行ってまいりました。しかし、夏季休業の短縮のため校内整備をその期間に合わせることが困難であります。  しかし、校内のネットワーク環境の整備は、タブレット型PCの導入より早く実現することが必要になりますので、年内に整備が完了するよう計画しております。  今回のGIGAスクール構想の補助対象外となるプロジェクターなどの大型提示装置の整備でありますが、現在、田辺市内の小・中学校におきましては、3クラスに1台程度のプロジェクターの整備がなされています。現在、それらの大型提示装置を活用し、効率の良い授業展開を行っております。最終的には、モニターを各教室に設置できる環境を検討してまいりたいと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    タブレット型PCに関しては本年度中、ネットワーク工事については年内に整備するとのことでした。努力なされていることは重々承知しておりますが、第2波の懸念もございますので、可能な限り早く整備いただければと思います。  今回、令和5年度までにハードを整備し、その間にソフト面を整備していくというGIGAスクール構想の流れが一気に早まっています。GIGAスクール構想を教育現場で実装していくためには、授業研究、教員負担、パソコンの保守管理、セキュリティー対策、システム利用料等々、様々な課題が上げられておりますが、田辺市としてどのような課題を想定し、課題解消に向けてどのような対策を講じているのかお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のGIGAスクール構想の実現に向けての運用面と費用面についての課題とその対策についてお答えいたします。  タブレット型PCは、非常に多くのことができ、便利である反面、導入することで考えられる課題は多岐にわたります。  また、運用面での課題として、大きく分けて、活用方法、管理方法が上げられます。まず、活用方法としては、端末、ソフトを教職員が活用できるかということや、適切なソフトの選定、児童生徒の安全な使用、管理方法としては、端末管理、保守管理、家庭での使用方法などが想定されます。  活用方法の課題解決のためには、先進的な実践校からの情報収集を行うとともに、使用者への研修が必要になると考えております。導入後には、教師への研修、子供たちへの情報モラル教育や使用方法のガイドライン、また、家庭には、正しい使い方の啓発や試行錯誤をしながら次につなげて活用していくトライアル・アンド・エラーの意識も含めた共通理解をすることで課題解決を行ってまいりたいと考えております。  また、管理方法の課題についても、使用方法、保管方法などについての規則、ガイドラインを示すことで安全に管理し、セキュリティー対策を導入することで安心して活用することができるよう整備してまいります。  費用面での課題は、今後ソフトに関わるアカウント使用料や家庭への持ち帰りに伴うセキュリティー対策ソフトの使用料、家庭学習・学習ソフトの選定、オンライン授業を実施する上で必要な機材に係る費用などがあります。  学習を効率よく進めていくためのソフト、校務支援のためのソフト、セキュリティーに関わるソフトなど、ソフトの使用料に係る課題と、それらのソフトを効果的に活用するためのICT機器に係る費用面での課題が考えられます。これらの費用面の課題につきましても、必要なものを適切に選択し、効果的な活用ができるよう検討してまいりたいと思います。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    導入においては混乱も多々生じるかと思います。一つ一つ乗り越えながら丁寧にフォローしていただければと思います。  また、先ほどの答弁で、最終的にはモニターを各教室に設置できる環境を検討したいとありましたが、教室の端から見える大きさのモニターを確保するためには、1台当たり20万円程度必要と伺いました。全教室でそろえるとなると費用面の負担が非常に大きくなります。課題としても上げられていたようにICT教育を推進していくためには莫大な費用がかかりますが、今は国からの地方財政措置もあります。  また、教育は未来への投資です。財政が厳しいのは重々承知しておりますが、市としてもさらに優先順位を上げて積極的に進めていただければなと思います。  続いて、今後の推進体制についてであります。  前田議員の質問にもございましたが改めてお伺いさせてください。  新学習指導要領が導入され、新しい指導課科目が増える中にICT教育が加わると教員への負担は非常に大きく、現場主導では難しい状況になると認識しています。  そこでお伺いします。ICT教育の推進を担う組織体制整備は、教育委員会内、学校内においてどのように進めていく予定なのでしょうか。また、教員への負担軽減や同構想を加速させるためには、外部人材の活用も必要不可欠となります。ICT技術者の配置経費を国が支援するGIGAスクールサポーター制度の活用やICT支援員など、企業や地域の多様な人材の活用が必要と考えますが、今後の推進体制についてお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御指摘のとおり、タブレット型PC導入直後は、新しい機材の使用方法や管理の仕方の理解に加え、ICTを導入し、授業展開を一新する場面も出てくることで、これまでの授業スタイルとは大きく変えていかなければならない教員も出てくると考えております。そのような教員にとっては授業準備などに時間がかかるなど、負担が増えると考えております。  ICTを全ての授業で活用するのではなく、ICTの活用が効果的、効率的である場面で、段階的に活用していくような計画をしてまいります。  また、積極的に活用する教員の授業の様子を公開したり、各校にて研修を進めたり、教育委員会が主催する講習会を開催するなどして、ICTの使用頻度、使用意欲を高めていく計画を考えております。その上で、さらにGIGAスクールサポーターやICT支援員などの活用を行うことで、教員への負担軽減及び活用を推進していきたいと考えております。そのときには専門性のある地域人材、地域企業との連携を依頼するなど、サポート体制の確立に向けて検討してまいります。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    おっしゃったとおり、現場では、今までの経験とは全く別のスキルや知識が求められる場面が多々出てくるかと思います。ぜひ現場の意見を吸い上げながら、よりよいものをつくり上げていただければと思います。  また、専門性のある地域人材、地域企業との連携というお話もございました。お隣の白浜町では、誘致したIT企業が率先してICT教育に参画してくれているようです。ぜひこの点でも参考にしていただければと思います。  続いて、(2)の緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備について伺います。ここでの質問は、1人1台のタブレット型PCの配備が終えていないであろう今年の秋から初冬にかけて、学校が臨時休業または登校停止となった場合を想定して質問させていただきます。  まず初めに、教育委員会内では、市内小・中学校の家庭の通信環境についてアンケート調査を取ったと伺っています。アンケートの結果、もし仮に現時点でオンライン授業の必要性が迫った場合、田辺市では実現できる状況なのでしょうか、お聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    今回の臨時休業中、オンラインの通信が可能であるかを把握するために、市内小・中学校の家庭の通信環境を調査いたしました。その結果、小学校や中学校による校種別での差、小規模校や大規模校などの地域による差はございますが、田辺市内全体としましては、約9.5%の児童生徒の家庭にWi-Fi環境が未整備であることが分かりました。また、児童生徒が常時使うことができるタブレット端末などを所有している割合は、現時点で約56%という結果でありました。家庭でのWi-Fi環境が整備されていたとしても児童生徒が個人的に使用することができるタブレット型PCなどがなければ、オンラインの授業はできないことになります。  現時点では、オンラインでの授業を行った場合、小学校、中学校合わせて約2,200名以上の児童生徒が参加できないことになります。そのため、現在の田辺市内においては、オンラインの授業を行うことは困難であると把握をしております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    現時点では、難しいとのことでした。3月2日の一斉休校以降、約3か月にわたり児童生徒にとって学びを継続することが難しい状況となりました。他の地域や私立校では、オンライン授業やICTの活用が進んでおり、実際に休校中も学びを止めずに済んだケースもあります。今回の追加予算で、ネット環境のない御家庭への支援策となるGIGAスクール構想の一つのモバイルWi-Fiルーターが計上されていることは、個人的に大変喜ばしく思っています。  ただ、新型コロナウイルスの第2波が襲来し、1人1台の機器の配備前に登校停止となった場合、文部科学省からは個人端末の活用をしてでも学びの機会を保障するよう強いメッセージが出されています。  先ほど、オンライン授業の実施は難しいとの見解を示されましたが、それならば、例えば、家庭で自由に使えるパソコンがない世帯に向けて貸出しを行うであったり、密になるのを避けて、一部の児童生徒に登校してもらうであったり、様々な形で学びの機会を保障する手法が考えられます。千葉県松戸市では、既に各学校に配置してある機器のうち、貸出し可能な分を緊急対応として、今月から順次貸出しができるよう準備を進めているそうです。  そこでお伺いします。田辺市では、児童生徒への貸出しが可能なパソコンは持ち合わせているのでしょうか。また、個人端末の活用と併せながらも運用できる体制を築いていくべきだと考えますが、見解をお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御指摘のとおり、GIGAスクール構想の加速による学びの保障として、緊急時における家庭でのオンライン学習の環境の整備におきまして、モバイルWi-Fiルーターの購入費用も支援の一つに上げられております。今後の新型コロナウイルスの第2波による臨時休業で対応する可能性もあります。その場合、家庭でのオンライン授業の実施は必要になると考えます。そのため、ネット環境のない家庭への支援策として、国の第2次補正予算を活用し、子供たちの学習保障の取組への支援メニューにある貸出し用モバイルWi-Fiルーターの購入費を追加議案として今議会に提出させていただいております。そのとき、特に学びの保障をしていかなければならない学年は小学校6年生、中学校3年生です。卒業を控えた学年の学習は、年度中に終わらせなければならないと考えております。  GIGAスクール端末整備前に新型コロナウイルスの第2波が襲来した場合、端末を所有していない家庭に対しては、学校で現在所有しているPCなどの緊急的な使用も含め、小学校6年生、中学校3年生への対応を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    御答弁にもありましたように、小学校6年生、中学校3年生に学びの空白を生まないよう、あらゆる想定をしながら検討を進めていただければと思います。  それでは、最後の質問に移ります。学校が再開され、日常が戻ることが望ましいのですが、この週末には、アメリカで1日当たりの感染者数が最多を更新するなど、世界的にはパンデミックが加速している状況にあり、第2波、第3波の不安は尽きません。  先ほども少し触れましたが、休業期間中もテレビ会議を使った朝の会の実施やユーチューブなどによる授業動画の配信を行った公立学校もあると聞きます。学校再開後の教育現場が大変なのは理解できるのですが、GIGAスクール構想を進めていく上ではもちろんのこと、万が一今年の夏や今年の秋に第2波が来たときにオンライン授業ができるよう研究を続けていくのが我々大人の使命だと考えるのですが、見解をお聞かせください。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御指摘のとおり、万が一第2波が来たときに備えて、家庭でもオンライン授業ができるように研究を続ける必要があると認識してございます。  今回の臨時休業中には、市内の学校において、学びを保障するためプリント配付と添削を中心に学習を進めてきました。また、臨時休業が長引く中でプリントを中心とした学習だけでなく、各校においていろいろな取組の工夫がなされました。例えば、DVDを配付して学習の仕方を伝えたり、ユーチューブで授業動画を限定公開したり、QRコードとURLを添付した宿題を配付し、動画を見ながら学習したり、ホームページ上に動画配信して、現在の学習状況を学年ごとに示したりと、各校独自の取組を行い、オンラインでの授業展開を模索し、研究する学校もありました。  また、教育委員会としましては、試験的にテレビ会議システムであるZoomを使い、市内全小・中学校と一斉に接続をしました。情報教育担当者を中心に呼びかけましたが、学校においては、管理職や有志の教員とともに複数で参加したり、接続している様子を学校の大半の教員に見学させたりして、テレビ会議システムの利用の可能性を紹介しました。研修の後には、学校内で利用してみたり、希望した家庭とのテレビ会議システムで接続したり、クラス全員の家庭の通信環境が整っている場合は、朝の会や終わりの会をテレビ会議システムで行ってみるなど、研究をしている学校もございました。  今後も、環境整備とともに、様々な研修を行うなど、GIGAスクール構想の実現を進めていく上でもオンライン授業について研究をする必要があり、併せて第2波に備えたオンライン授業の在り方についても職員研修を行い、充実させていく必要があると認識しております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    学校休業中、プリント配付だけでなく各校で独自のすばらしい取組もなされていることが理解できました。ただ、それを各校独自のすばらしい取組で終えるのではなく、市全体へ平準化させていかなくてはならないと思います。本当に難しいことではありますが、地域や学校の違いが教育格差とならないよう、これからも鋭意取り組んでいただければと思います。  本日は、新型コロナウイルス関連にて大項目3点に分けて質問させていただきました。新型コロナウイルスが発症する前と後で世界が大きく変わろうとしています。ICT後進国と言われた日本も大きな転換期を迎えています。今回質問させていただいたとおり、目の前の経済、雇用を守りつつ、新しい時流に乗り遅れることのないよう積極的に取り組んでいただくことをお願いして、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(安達克典君)    以上で、3番、浅山誠一君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(安達克典君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時51分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時00分) ○議長(安達克典君)    続いて、5番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    皆様、こんにちは。5番、日本共産党、川﨑です。  通告に従いまして質問を行います。  今回は大きく3項目について議論をしたいと思います。  まず1点目、不正根絶への取組状況についてということでお伺いいたします。
     この4月、総務課の中にコンプライアンス推進係が新設されました。このコンプライアンス推進係の設置について、コンプライアンス推進係設置の目的は何かということについてお伺いいたします。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    5番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えします。  これまで、市では、全ての職員に対し、公金の取扱事務の適正化を徹底するよう通達するとともに、職員における倫理規範の徹底に資する研修などを実施してまいりましたが、平成24年度に田辺市ふれあいの森緑化推進関連補助事業に係る補助金の不正受給事案が明らかとなり、また、平成27年度には生活保護費不適正処理事案が、さらに、平成30年5月には水産関連事業に係る補助金等の不正受給事案が発生しました。  このような経過を重く受け止め、そうした事案を二度と起こさないという決意の下、一日も早い適正な職務執行体制の確保、市政及び市職員に対する信頼の回復を図ることを目的として、田辺市補助金交付事務適正執行検証委員会を設置し、過去に行われた補助金等の交付事務が適正であったかを検証するとともに、手続全般について不適正事務の再発防止に向けた対策及び組織の在り方を検討していただいたところであります。  検証結果につきましては、本定例会において所管の総務企画委員会にて御報告させていただくこととしておりますが、検証委員会における御意見も踏まえ、組織としての自浄能力をさらに発揮させるための担当部署が必要であるとの判断に至り、本年4月1日に総務課内にコンプライアンス推進係を設置したものであります。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    市長から御答弁を頂いたということで、非常にその覚悟ですね、重く受け止めてということで、市の姿勢が示されたかというふうに私は感じています。この推進係の設置というのは、取りも直さず不正を根絶することであるというふうに思いますが、資料をお配りしてるのですけれども、この図表が何度か用いられました。不正のトライアングル理論ということで、不正が発生するには三つの要素、機会、動機、正当化が重なると言われますが、コンプライアンス推進係の設置というのは、この不正のトライアングルのどの要素に対して有効な取組だとお考えでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    総務部長、松川靖弘君。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長(松川靖弘君)    議員の御質問にお答えをいたします。  まず、コンプライアンス推進係では、組織としての自浄能力をさらに発揮させるため、検証委員会での御意見を踏まえ、市の現状において持続可能な実効性のある仕組みづくりを検討した上で、順次それらを実施していくこととしてございます。  議員御質問の不正のトライアングル理論にいうどの要素に対して有効かということにつきましては、そうした仕組みづくりを行っていくに当たり、まずは三つの不正リスク要因のうち客観的な要因である不正等を行おうとすれば出来得る機会を可能な限り排除するための実践的な対策を講じていかなければならないと考えているところであります。その上で、他のリスク要因である不正等を犯すための動機、プレッシャーや正当化する理由の存在に対しましても、これらの排除に向けた対策を検討してまいりたいと考えております。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    今御答弁いただきました機会の存在についてというのは、非常にこれは見えやすく、ある意味防止しやすいところかなと思います。課題はこの2であったり、3である、動機や正当化の芽をいかに摘んでいくかということだと思いますが、これまで私は何度かこの問題に触れて、第三者機関や専門機関の設置を求めてまいりましたので、係の設置は前進面として大変評価できるものだというふうに考えています。その係が、今後の取組ということで期待するわけですが、こうした目的にふさわしい体制というのが本当に確保されているのかどうか、実効あるものになるのかどうかということでお聞きしたいと思います。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長(松川靖弘君)    議員の御質問にお答えをいたします。  コンプライアンス推進係では、内部統制に関することのほか、職員の服務や賞罰に関すること、職員の研修に関すること、また、人事評価に関することなどを所掌範囲としております。  市といたしましては、コンプライアンスを強化、徹底するに当たり、今申し上げました当該推進係が所掌するこれらの業務を総合的に進めていく必要があると認識しているところでありますが、まずは、関係各課と連携を図りながら、現体制でもって持続可能な実効性のある仕組みづくりを検討し、順次実施してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    今お聞きしただけでも多くの業務を抱えておられるということで、それにしてはちょっと人員が余りにも少ないのではないかなと思います。当初は室でスタートするのかなと思ったのですが、係ということで、最初の市長の御答弁にもありましたが、やはりこれまで非常に多くの不正であったり不適正な会計処理等が出てきたというこの市の現状を勘案すれば、やはり体制が少し弱いのではないかなというふうに思います。  これまで、何度もこういうものが発覚するたびに、もうないですかと質問すると、もうないものと認識しているという御答弁いただいてきたのですが、私はやはりまだあるだろうというふうに思っていました。そして、その結果それが当たってしまったと。不幸な結果としてまた不正が起こったということが続きました。現時点においても表面化していない不適切な会計処理や不正は、私は残念ながらあるというふうに考えています。なるべく早くうみを出し切る取組をこの係にも期待するものです。  専任者によるチェックという外圧も必要ですが、やはりこのトライアングルでいう3のところですね、正当化を内側から生まない抜本的な意識改革こそ必要だと思います。そして、これがトライアングルの2と3の解消に当たるのかなと思います。  このコンプライアンス推進係の職員が調査に入ったときに、職員が不快に思うのではなく、自分たちの組織の正常化に寄与しているという歓迎の思いが持てるようになることが必要だというふうに考えています。  従来からの会計規則の遵守ということを繰り返すだけではなく、やはり別次元の意識改革に対する取組を求めてこの項での質問は終わります。  2項目め、地域経済の復興の手だてと今後への備えということでお聞かせいただきたいというふうに思います。  新型コロナウイルスの影響で外出自粛や渡航禁止で落ち込んだ観光業をどう立て直すのかということに絞って議論したいと思います。  新型コロナウイルス感染症への対策として、緊急事態宣言の下、外出自粛や飲食店などの営業自粛が求められました。飲食業への支援については、先日の公明党、小川議員が行いましたので、私はこの観光業に絞って質問を行いたいと思います。  宣言解除後も3密の回避を求められる中で、団体旅行の自粛など、観光関連産業は壊滅的な打撃を受けています。今後どのように観光業を再建、振興しようとしているのかお考えをお聞かせください。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長、前川光弘君。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、市民生活及び地域経済に多大な影響を及ぼし、特に、宿泊施設などの観光産業への影響は甚大なものであると認識しております。緊急事態宣言の解除後、外出自粛が段階的に緩和された現在におきましては、厳しい状況ではありますが、当地域への観光客も少しずつ戻り始めたところであります。  こうした中、市といたしましては、落ち込んだ当地域の観光需要喚起策として、海外需要が見込めない現状から、国内需要を喚起するための誘客事業の展開が必要であると考え、市民を対象とした観光キャンペーンと全国に向けた観光キャンペーンの二つの事業を実施いたします。その内容は、市民の皆様に向けては、ツアー参加券と宿泊券、全国に向けては宿泊券をそれぞれ抽せんで発行するものであります。  これらの事業につきましては、できるだけ早い段階において、適切なタイミングで実施してまいりたいと考えておりますが、海外からの誘客につきましては、国別の渡航制限や海外の感染状況なども踏まえ、誘客するターゲットとなる国を見極めながら徐々に取り組む必要があると考えております。  国内の新型コロナウイルス感染症の状況を見ますと、まだ一部の地域では感染者が確認されるなど、感染症への不安が残る中ではありますが、市といたしましては、市民や事業者の皆様にも感染拡大防止の取組を行っていただきながら、以前のように国内外から多くの観光客をお迎えできるよう、田辺市熊野ツーリズムビューローや各観光協会をはじめとする観光関係団体、関係機関と連携し、積極的かつ効果的に誘客活動に取り組んでまいりたいと考えております。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    先日の塚議員の質問に対しても、様々具体的な政策については御説明いただいたのですが、私は以前から、田辺市の観光業、田辺市だけではなく全国的にですけれども、インバウンド、外国人観光客に偏重しているというふうなことを非常に懸念してまいりました。  今年の市長の所信表明の中でも、外国人を含めた観光客誘致ということで、外国人もということではあるのですけれども、やはり中心が外国人になっているのではないかというふうなことを常々思ってまいりました。2011年3月、3.11が起きた直後の予算審査の委員会でも、私はその影響について、日本が放射能による汚染国と見なされた場合、外国人は激減するのではないか。このときに観光業をどう守るのかということについてもお聞かせいただきましたし、こういう国内にやはり目を向けた観光業というのが必要ではないかということで言ってまいりました。そういう観点から、2015年、平成27年6月の議会では、まちづくりと関わってですが、大人がまず、このまちに愛着を持つことによって子供たちにまちへの愛着を育てようという議論をする中で、やはり合併以降に広くなった田辺市ですから、市内全域に行ったことのある人というのは非常に少ないのではないかと。本宮町の温泉に入りに行ったことのある市民というのはどれぐらいあるのか。龍神温泉に入ったことのない人たちはかなり多いのではないかということから、やはりこういった人たちにまず知ってもらうということをしようというようなことを呼びかけました。それで、そのときには、梅干しのことについても、梅干しなんかも本当の東京へ出している梅干しを知ってもらおうというようなことを言いまして、この梅干しモニターなんかは実際に行われたりしましたが、私は、今回改めてこの機会に市民に市内の宿泊施設に泊まってもらう、こういう一大キャンペーンに取り組んではどうかという提案をするわけですが、これについてはいかがお考えでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  今回、市が実施する市民を対象とした観光キャンペーンは、市民の方に市内の観光資源を巡るツアーの催行と市内の宿泊施設を利用できる宿泊券を抽せんでプレゼントするものであり、中でも市内観光ツアーにつきましては、宿泊施設だけではなく、観光バスや語り部、体験型観光メニュー等も利用することで、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ観光産業の回復につなげるとするものであります。  市といたしましては、本キャンペーンを実施するに当たり、当選された方々だけではなく、より多くの市民の皆様に市内各所を観光していただけるよう、受け入れていただく側であります宿泊事業者をはじめとした観光関連事業者や各観光協会をはじめとする地元の方々にも市民の皆様に向けた積極的な誘客やおもてなしに取り組んでいただき、田辺市全体で観光産業への応援の機運を高めていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    市がやるものと、あとは業者さんそのものに市民向けのものをぜひとも取り組んでもらいたいということだったのですが、私は、市がこれをできるなら、ぜひ、やったらよいのではないか、市民対象のものですね。例えばなのですけれども、市民であることを証明するために、仮に住民票でもよいですし、専用のそういう証明書でも構わないのですが、それを持って行ってもらえば、1人上限5,000円の半額補助、1,000円未満切捨てということで構わないと思うのですが、それで市内の宿泊施設を利用してもらう。利用後にモニターとしてアンケートに回答してもらって、サービス改善につなげていく。現場で半額にしてもよいですし、モニターに回答すれば半額分の補助が戻ってくる。これでも構わないと思いますが、こういうことをしたらどうかなと。市のキャンペーンは、市内向けが3,500万円なのですが、3,500万円で宿泊と日帰り含めて3,280人の利用ということになるのですけれども、この今の私の提案で行くと、上限5,000円で行くと、2,000万円あれば4,000人の誘客ができるということになります。かつ業者には4,000万円以上、市が2,000万円出しても半額以上は市民が出しますから4,000万円以上の収入がそこへ行きますから、経済波及効果も大きいのではないかと。こうした、当たったから行っていただくという方も大事だとは思うのですけれども、行ってでも応援したいという方々に積極的なサポーターになってもらってお送りをしていただければ、積極的なセールスマンになっていただけるのではないかというふうに考えています。  全国各地でもこうした取組がされているようで、インターネットで調べただけでも岐阜市をお得に楽しもう。岐阜の場合は、富山市民を誘客する。隣接の部分でそういうのをする。田辺なんかの場合で言ったら、新宮であったり十津川村であったりとか、三重であったりというのも検討できるのかなと思いますが、あと、奄美市だとか、佐世保市、熱海市、様々そういうのを取り組まれてます。  それで、ステイホームで家の掃除をしていたときに古い新聞を見つけまして、1999年ということで、もう20年前の若きリーダーということで、中辺路町長の真砂充敏町長と串本町の田嶋勝正町長が対談しているのが載っていたのですが、ここで20年前の真砂町長がおっしゃっているのですよ。「紀南の良さ、自然や歴史や文化に恵まれた地域の良さをほかの他府県の人や世界の人に知ってもらうこと、その機会をつくるのは当然だが、それと同時に町民の皆さんにも自分たちの住んでいるところの良さを知ってもらいたい。一過性ではなく、この機会にまちづくりそのものについても新しく考えていきたい」というふうにおっしゃっていて、20年前の町長と私同じことを考えているのだなと意を強くしましたので、ぜひともこのことを御検討いただけたらなというふうに思います。  では、次の項目のプレミアム商品券事業についてお聞かせいただきたいと思います。  今回の商品券事業の主たる目的は何かお聞かせください。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問にお答えいたします。  田辺市地域活性化商品券事業、いわゆるプレミアム商品券事業は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済活動の抑制により落ち込んでいる地域内の消費の喚起を図り、商工業者支援並びに地域経済の活性化につながることを主たる目的としております。  また、本事業におきましては、学校の休業等で負担が大きかった子育て世帯と感染症予防に細心の注意を払い、心身共に負担の大きい妊婦さんへの支援を併せて行うことといたしました。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    子育て世帯と妊婦さんもありますが、やはり主たる目的というのは商工業の振興だというふうに思うのですが、様々な議論をするときに、よく総務部長がおっしゃる最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと、地方自治法第2条第14項のことをよくおっしゃってこられました。同じ金額の予算を支出するのであれば、商工振興にのみ目を向けるのではなく、同時に低所得者への所得保障対策など、複数の分野に対して影響がある方策を考えるほうが効率的、合理的ではないかというふうに考えます。  商品券事業というのは、購入して使用する人がいて初めて成立する事業です。しかし、今回の商品券もそうなのですが、年金生活者や生活保護受給者など低所得者はまとまった1万円というお金が用意しにくく、購入できない方が多い。商品券を予定数量完売しようとすれば、結局お金に余裕のある人が購入し、お金がある人が30%分の恩恵を享受するということになります。今後の検討をぜひともこれは求めたいと思います。  では、主たる目的である商店などの所得増加に本当に効果があるのかという点についてお聞かせいただきたいと思います。  これまでも、平成27年、2015年と昨年の消費増税に伴う生活支援プレミアム付商品券、2度にわたって商品券事業に取り組んで来ましたが、事業効果の検証は行われてきたでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員御質問の平成27年度のプレミアム商品券事業の効果検証についてお答えいたします。  このプレミアム商品券事業は、平成26年のまち・ひと・しごと創生法施行に伴い、地方創生を合い言葉に国の消費喚起策として全国で実施されました。田辺市では、プレミアム率20%で総額8億400万円を発行し、8億248万6,000円が利用されたことから、総務省の産業連関表の標準試算を用いての経済波及効果は12億1,350万円となります。  また、利用者アンケートの結果から、商品券により新たな消費等につながった新規消費喚起の効果を約3億2,000万円と推計しており、発行した商品券の約40%は通常の消費行動以外の消費に利用されていることから、商品券事業は、消費喚起策として効果があったものと認識しております。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長、虎伏 務君。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員御質問のプレミアム付商品券事業についてお答えします。  消費増税生活支援プレミアム付商品券事業につきましては、消費税率の10%への引上げが消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起し、下支えする目的で実施されたものです。  対象者につきましては、住民税が非課税の方及び3歳未満が属する世帯となっており、商品券の購入を希望される9,499名に対しまして購入引換券を交付いたしました。額面5,000円単位で1人当たり2万5,000円まで購入でき、プレミアム率は25%です。  昨年10月1日から本年3月までの6か月間に1億9,252万4,000円が使用され、地域での消費喚起に一定の効果があったと認識しております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    今二つのプレミアム商品券についてお聞かせいただいたのですが、保健福祉部長の御答弁いただいたほうというのは、そもそもが商工振興ではなくて消費税増税に伴う購買力の低下を救済しようというものですから、若干目的そのものが違うわけですが、この地方創生のプレミアム商品券については、当局としては、利用者のアンケート等から3億2,000万円の消費喚起があったということなのですけれども、このアンケートも商店のほうに取られたりとか、あと、ちょっと難しいかもしれないですけど、やはり税収のところから、そうした商工者の所得がどれぐらい上がったのかというところを検証していかないと、本当に目的としたところへ行ったのかどうかというのが検証できていないのではないかなというふうに考えます。確かにこうした商品券というのは、期限を設けることで消費の前倒し効果というのは一定起こり得ると思います。ただ、やはり、さっき言ったように、商品券を発行することでなかった消費を生み出せたのかどうか。それで、そもそも商品券を使う予定のない人は商品券を購入しないということですから、こうした検証には多大な労力が必要となるとは思うのですけれども、やはり事業の検証をしていくということは、この事業にかかわらず様々な事業で必要があるのではないかと。前回の水産増養殖事業なんかでも、その放流事業が効果があるかどうかをきちんとしないまま続けたところが様々な問題を生んだのではないかと思いますから、漫然と従来の方法を繰り返すことなく、限りある資源を有効に活用するということから、やはり検証をシステム化していっていただきたいと。  現在の商工振興課、先ほどの浅山議員の発言でもありましたが、商工振興課にその人的体制があるかというと、それは非常に困難だと思いますが、市が全体の姿勢として、事業検証の意義を位置づけて、人員を配置して検証を行うと、こういうことをぜひともシステム化していっていただきたいなと。PDCAサイクルを確立してもらいたいということを申し上げておきます。  小項目の三つ目ですが、緊急融資の制度化ということについてお聞かせいただきたいと思います。
     田辺市に関して言うと、様々な制度融資が非常に順調に行われたということです。ただ、報道なんかで見ていると、大阪市は、まだ先日で3%しか特別定額給付金が支給されてなかったり、名古屋市も非常に遅れているとかのようなことを言われていたのですが、こうした、とりわけ国の救済制度というのが申請から給付まで非常に時間がかかっている。全国的には申請してもなしのつぶてで、3週間してから書類の不備があると連絡が来たというような様々あって、緊急時に間に合わないという声もお聞きしました。  そうした中での提案なのですが、国の制度と同額の融資を実施して、国のお金が来たら一括返還してもらうと。つなぎ融資といいますか、一時的な緊急融資制度を創設する。財源については、返ってくる財源ですから、特に何かのお金が必要ということではないですが、こういったものをつくっておいて、また第2波、第3波で国が制度を打つといったときに骨格が固まれば、先に市のほうで優先的に貸すというふうな、こういうことについてのお考えはいかがでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    商工観光部長。           (商工観光部長 前川光弘君 登壇) ○商工観光部長(前川光弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  御質問のつなぎの融資制度につきましては、長期間給付が実行されない場合、緊急事態における事業者の皆様にとっては有効な制度と思われますが、給付実行の担保や債権回収など融資制度に付随するリスク回避の制度設計が必要となり、一方では、事業者の皆様にとりましては、融資手続に時間や手間等がかかる制度になるとも考えられます。  また、議員御指摘の全国的な国の給付金等の給付の遅れについては、様々なメディア等で取り上げられていることは承知しているところではございますが、当地方におきましては、市の事業者支援給付金申請者等から伺う限り、国の給付金については、比較的スムーズに給付がなされているように思われます。  今後、国においては、今回のようなウェブ申請等による全国規模の給付事業について、その検証や改善がなされ、同様の事業等についてもより迅速な給付等が実施されるものと考えているところであります。           (商工観光部長 前川光弘君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    国については、本当にスムーズに、今後はこの教訓を生かしてスムーズに、本当に緊急制度というか、緊急の融資というか助成なので、本当にスピード感を持ってではなくてきちんとしたスピードで対応していただくことを私も願うわけですが、こうした、今回この点を質問させていただいたというのは、市民に最も身近な行政として、国の行政が足りてなかったり、手が届いてない部分に対して迅速な対応ができるのがこういう地方自治体であると思います。従前にも増して、市民生活に目を向けて声に耳を傾けていただきたいと思います。自分たち議員もそのパイプとしての役割を全うできるように努めていくという思いです。  では、大きな3項目め。自殺をなくす取組についてということでお聞かせいただきたいと思います。  市は、この3月に田辺市第1期自殺対策計画というものを発表されました。この自殺対策計画を実効性あるものにするために幾つかお聞きしたいと思いますが、この計画策定の背景と目的についてお聞かせください。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員御質問の計画策定の背景と目的についてお答えいたします。  平成18年10月に自殺対策基本法が施行され、それまで個人的な問題とされがちであった自殺が社会的な問題として捉えられるようになりました。これにより、国や自治体をはじめ、関係機関による自殺対策の総合的な取組が推進され、本市においても9月の自殺予防週間や3月の自殺対策強化月間における自殺予防の啓発活動等、関係機関、団体と連携、協力の下、各種施策を積極的に進めてまいりました。こうした取組により、全国的に自殺者数は減少傾向にありますが、依然として毎年2万人以上の方々が自ら命を絶つという深刻な状態が続いています。  和歌山県及び本市における自殺者数は、平成25年までは減少傾向にありましたが、平成26年から増加傾向にあり、県内では年間200人前後、本市ではその1割の20人前後の方が自殺によりかけがえのない命を失っています。  こうした中、平成28年に自殺対策基本法が改正され、誰もが生きることの包括的な支援として、自殺対策に関する必要な支援が受けられるよう、全ての自治体に自殺対策計画の策定が義務づけられ、本市においてもこれまでの取組を総括するとともに、自殺対策を全庁的な取組として総合的に推進するため、今年の3月に田辺市第1期自殺対策計画を策定いたしました。  この計画においては、「誰も自殺に追い込まれることのない いのち支える田辺市をめざして」を基本理念として、五つの基本施策のほか、本市においては、男女共に60歳以上の無職者に自殺が多いことから、重点施策として高齢者への支援に優先的に取り組むとともに、それ以外の関連する事業をまとめた生きる支援関連施策も定めております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    資料をお配りしています。カラーのほうは市の計画の中からさせてもらった折れ線グラフ、それから、数字のは私がホームページのほうから数字を拾い出したものですが、警察庁の発表と厚労省の発表で数字が違うのは、警察庁については自殺した場所でカウントする。それから外国人を含みます。厚労省は、自殺した人の居住地でカウントするということで数字が違います。そのため、警察発表では、自殺した場所ということで、名所と言われるような場所がある山梨県青木ヶ原樹海があるところでは自殺率がトップになるということが起こり得ます。  2016年に全国3位の自殺率を記録したのが和歌山ですが、その県内でも自殺率が高いのが田辺市です。市町村合併後15年の間に複数の職員を自殺により失った田辺市行政にとっても、自殺対策は緊急かつ重要な意味を持つものだと考えています。一般的には、自殺対策基本法に基づいて策定された対策計画ですが、やはり市は特段の必然性を持ってこの計画を進めていくということが必要だと思いますが、この人が自殺に至るメカニズムについて、どのように分析、解明されているでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員御質問の自殺のメカニズムについてお答えいたします。  自殺は、その多くが過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などの社会的要因が複数重なり、危機的な状態に追い込まれ、自殺以外の選択肢が考えられない心理状態に陥ったときに起こることから、その対策は社会全体で取り組む必要があります。  田辺市第1期自殺対策計画の基本理念である、「誰も自殺に追い込まれることのない いのち支える田辺市をめざして」の実現に関する施策は、広範多岐にわたっており、庁内関係各課が自殺対策に関する情報を共有し、自殺対策の一翼を担う視点を持って事業に取り組むことができるようネットワークの強化を進めることや、自殺の可能性が高い人の早期発見、対応のため、ゲートキーパーの役割を担う人材の養成に努めること。自殺対策に関する相談窓口の周知、自殺啓発リーフレットを作成し、市民向けに自殺に関する正しい知識の普及に努めるとともに、相談窓口の連携を進める取組を通じ、あらゆる分野の事業に自殺対策の視点を反映させつつ整合性を持って効果的に推進してまいります。  今後とも関係機関、団体との連携、協力の下、誰一人として自殺に追い込まれることのない地域の実現を目指して、自殺対策の取組を着実に推進してまいりたいと考えております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    これについても資料をお配りしてます。これは自殺対策計画からの抜き出し、地域生活の現場から、右側の黒い自殺というところに至る様々な要因、危機要因というふうに言われますが、こういうものがあるというふうに言われています。  また、裏のほうを見ていただいたらライフイベントのストレスというものがあるのですが、自殺というのは、大体亡くなられた、きっとあのことを気に病んでというふうに言うのですが、人の自殺というのは一つの理由ではなかなか自殺に至らない。平均的には、やっぱりこの四つの危機要因が重なった人が多かったというふうな調査結果があるようです。それで、このライフイベントのストレスなんかを見ていただくと、決して嫌なことばかりではないのですよね。結婚であったりとか、転居であったり、昇進であったりとか、そこの職場環境が変わる、こういったことがやはりストレスとなって、その後、よく本人も分からないけれども気分が優れない、そしてここから鬱になっていくというようなことがあるというふうに言われています。  そして、その下のところの図の23では、そんなふうに見えなかった、非常に元気だったのにと言われますが、元気なときは外へ出てきているときで、見ているときで、見えないところで非常に落ち込んでいると。こういった波を繰り返しながら希死念慮、死にたいという思いが増幅されることもあるというふうに。鬱は治りかけが怖いというふうに言われるのは、こうした活動的になったときに自殺ということに至ってしまうということがあるというふうに言われています。  この自殺が追い込まれた末の死であるというふうに書かれています。要するに防げる死であるということが認識されている。ですから、早期発見であったりゲートキーパー、相談窓口の充実ということにつながっているのだと思いますが、この防げる死ということでは、その裏づける事実として、男性と女性の自殺率の差があるのではないかと思います。男性の自殺者数というのは女性のほぼ倍程度です。思いを一人で抱え込む男性と悩みや愚痴を他人に話す女性と一般的な性格的な違いがSOSの発信とそれへの援助の手が届き、自殺を抑制しているという可能性が高いのではないかというふうに思います。  先日、紀南こころの医療センターでもお話をお聞きしてきましたが、弱音を吐く、また、死にたいという思いを口にする、精神科を受診する、これらの行為のハードルを下げていくことが自殺防止にとって大きな影響があるのではないかというふうにおっしゃられていました。  そこで、自殺は防ぐことのできる死であるという認識から2項目めをお聞きしたいのですが、コロナ禍の影響に関する対策についてです。  危機要因の一つである経済問題が新型コロナによって非常に増大、悪化しております。食べるのに事欠く生活苦を防がなければ自殺を防止できません。様々な補助や支援策は実施されていますが、自殺対策といった観点から生存権を保障するのに十分な手だては取られているでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員の御質問にお答えいたします。  憲法において、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとされ、誰もが持っている人間としての生きるための権利が保障されております。  市においては、市民の皆様の命と健康を守ることを最優先として、新型コロナウイルス感染症の不安や困り事に対応するため、2月15日に感染症予防等のための新型コロナウイルス感染症休日相談窓口を開設。また、その後、県内及び本市において感染者が出たことや、政府の緊急事態宣言を受け、4月27日に新型コロナウイルス感染症対策総合案内を開設し、感染症対応のほか生活維持、事業所維持、学校、保育所に関すること、風評被害などの相談をゴールデンウイーク中に受け付け、市民一人一人に寄り添った相談対応を行いました。各課それぞれの窓口において寄せられた相談については、水道料金、市税、国民健康保険税、市営住宅使用料等の相談が多く、これまでに延べ2,250件の相談が寄せられております。  一方、生活維持のための緊急対策としては、国の緊急対応策が2月13日に示され、続く3月13日に緊急対応策第2弾において、社会福祉協議会で実施している生活福祉資金に特例が設けられたことから、コロナの影響による収入減少があった世帯を対象とした緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付けについての財政措置が講じられております。この特例貸付けは3月25日から受付が開始され、本市社協において6月24日までに延べ594件、2億1,354万円の貸付けが実施されており、また、生活困窮者自立支援制度による住居確保給付金についても、コロナの影響による休業や収入の減少があった方にも対象範囲が拡大され、74名の方に3か月分の家賃を補助することが決定しております。特別定額給付金については、6月24日現在、受給対象世帯3万5,195世帯のうち3万3,961世帯、96.5%から申請があり、70億5,500万円、97.4%の給付が完了しております。  このように、生活維持のための緊急対応を行いながら、寄せられた相談内容に応じ給付金の支給や資金の貸付け、支払い猶予、減額、免除等の対応を行っているところであり、コロナ禍の影響により失職や減収等に遭われた方々が生活に行き詰まり、生きる希望を失うことのないよう市全体で取り組んでいるところであります。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    今回の新型コロナに対する市の対応というのは非常に迅速であったと。そして、市民の立場に立ったもので、そういう意味では非常に評価できる取組だったなというふうに思います。その陰には、かなり無理をされた職員さん方もあったと思いますので、その方々が体を壊されないように願うわけですが、今、冒頭で言われた憲法第25条の精神ということですね、文化的な最低限度の生活を営む権利を有するということなのですが、自殺対策基本法第2条にも基本理念として、生きることの包括的な支援こそ必要であるというふうに書かれています。補助金や給付金でもなお食べていけない場合の救済策として生活保護制度があると思います。セーフティーネットである生活保護制度の活用については、市としてはどのようにお考えでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員の御質問にお答えいたします。  御承知のように、生活保護制度については、憲法に規定する理念に基づき、健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するため、全ての国民に対し、国の責務として生活の保障をする制度でございます。その方の所有する資産や労働力、扶養義務のある方からの援助のほか、各種法律に基づく制度、さきに述べたような新型コロナウイルス関連の各種施策を全て活用した上において、なお生活を維持することが困難な方につきましては、ひとしく受けることができる国民の権利でありますので、そういった場合は、決してためらうことなく御相談いただきたいと考えております。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    去る6月15日の参議院決算委員会で、安倍首相は、日本共産党の田村智子副委員長の質問に答えて、文化的な生活を送る権利があるので、ためらわずに申請してほしい。我々も様々な機関を活用して国民に働きかけていきたいというふうに答えられました。車なんかも含めて、適切に活用できる資産は保有を認めていると。それを売ってしまうと仕事ができなくなってしまうというものについては、持ったままでも生活保護制度認めるという答弁をされてますので、ぜひともそういった姿勢で進めていっていただきたいと思います。  2012年に自民党の世耕弘成参議院議員や片山さつき参議院議員らによるプロジェクトチームが生活保護バッシングを行い、1995年以来増加してきた65歳未満の生活保護率は、初めて2014年、翌年と低下をしました。もともと日本の生活保護制度の捕捉率は国際的に見ても非常に低水準となっています。本来、保護を受けるべき所得水準であるにもかかわらず保護を受けない人が圧倒的に多い。これは、生活保護に対する負のイメージが大きな原因だと考えています。  非常事態の現在、制度の弾力的運用と、当然の権利として生活保護制度が活用できるよう、広報でも知らせて、啓発に取り組んでいっていただきたいと思います。  次の項目に移ります。子供たちの心のケアについてお聞かせいただきたいと思います。  この件については、松上議員の質問や前田議員の質問にもお答えになっておられたと思うのですが、学校の長期臨時休業による虐待やDVの増加への対策、それから、従来から夏休み明けの9月1日は自殺多発の日と言われてきました。様々な対応が行われていると思いますが、自殺対策という観点からの心のケアはどうなっているでしょうか。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御指摘のとおり、18歳以下の子供の自殺は、長期休業後に多くなり、特に夏休み明けの9月1日に最も多くなるという報告があります。今回のコロナ禍により、約3か月という長期休業が明け、学校が6月1日より再開をされました。学校再開後においては、様々な不安やストレスを抱える児童生徒や保護者の経済状況など、家庭環境に変化が生じる児童生徒の増加が見込まれます。学校では、休業期間中も家庭訪問や電話連絡を行い、定期的に子供たちの様子を確認してまいりましたが、学校が再開され、さらに子供の様子を見取ることができるようになりました。これからもきめ細かく、子供たちの状況を把握していくことに努めてまいります。  議員御質問の自殺に特化した取組を各校において重点的に行っていることはございませんかという質問に対してですけれども、日頃から面談や聞き取り、アンケート調査等を行うなどにより、児童生徒の状況を的確に把握し、変化が見受けられるときにはスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーによる心理面、福祉面からの支援を行ってきております。  また、家庭や地域とも連携を密にし、担任だけではなくスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを含めた学校全体として、また、民生児童委員、児童相談所及び教育研究所などの関係機関とも連携をし、組織的にチーム学校として子供たちの心のケアを行い、今後も悩みを抱える児童生徒の早期発見、早期対応に努めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    全国的にも非常に子供たちからのSOSが増えているというのが言われています。神戸新聞のほうでは、兵庫県いのちと心のサポートダイヤルなどの電話相談には、2月に比べて5倍以上4月に電話がかかってきたというふうなことが言われていますし、学校では、やはり授業の遅れを取り戻すという教師のプレッシャーが急ぎモードになって、それが子供たちに影響し、ストレスからいじめなどに向かうということが起こり得ると。休業、倒産などで生活が苦しくなった家庭では、大人も精神的に不安定になり、父親に殴られた、母親がいらいらして御飯も作ってくれないという話は既に珍しくないというふうに言われています。  子供たちをめぐる環境は確実に悪化しています。年間の自殺者総数というのは年々減少していますが、19歳未満の自殺者数は1993年の446人を底に横ばいを続け、ここ4年間は増加を続けています。死にたいのではなく生きるのをやめたいという若者たちが増えていると言われています。そんな子供たちのSOSを見落とさないためにも、スクールカウンセラーの増員配置など特段の対応が必要だと思います。前田議員に対する答弁では、県に要望していくとのことでしたが、緊急性を考えれば、市単独ででも増員を検討すべき課題ではないかというふうに考えています。  続いて、三つ目の条例の制定についての検討についてお聞かせいただきたいと思います。  自殺対策基本法の最も大きな効果というのは、意識づけと啓発ではないかと思います。実効性を高めるために、市としても条例を制定してはどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。             (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 虎伏 務君 登壇) ○保健福祉部長(虎伏 務君)    議員の御質問にお答えいたします。  自殺総合対策推進センターが取りまとめた自治体における自殺対策の施策の実施状況調査によると、自殺対策について条例を定めている都道府県、政令指定都市は9%、市区町村は1%と条例化が全国的に進んでいないことが伺えます。  一方、条例化によるメリットを挙げさせていただくと、行政、学校、事業者、市民一人一人の役割や責務を明確にさせ、それぞれが自殺対策の一翼を担っているという意識の共有につながることが考えられます。  市におきましては、今年3月に策定いたしました田辺市第1期自殺対策計画を基に、福祉、教育、健康、商工など、市庁内各課多岐にわたり自殺対策の一翼を担う意識を高めながら各課業務に取り組み、納税相談、就職支援、高齢者の仲間づくり等、直接自殺対策とは無関係と思われることであっても、分納対応により負担を軽減する、中高年齢者のためのライフプランセミナーを実施する、孤立を防ぐ等の対応により、心配事や悩み事の解決につながり、そのことが間接的に自殺防止につながることが考えられるため、まずは自殺対策計画にある基本施策を庁内、関係機関とともに取り組んでまいりたいと考えております。  条例制定については、今後も自殺対策の取組の中で、県下の制定状況や制定効果を研究してまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。           (保健福祉部長 虎伏 務君 降壇) ○議長(安達克典君)    川﨑五一君。             (5番 川﨑五一君 登壇) ○5番(川﨑五一君)    条例については、また今後ということですが、日本共産党が昨年の参議院選挙の政策に出した自殺対策というのがあるのですが、この中では、この自殺対策を進めるためにもプライバシーに配慮しつつデータの公表を求めると。警察が持っているデータですが、市町村にはその詳細なデータがありません。性別だとか年齢だとか、そういったものが市町村単位で出されないためにやっぱり検証しにくいと。前段の質問でもやりましたが、検証はやはりする。対策をしっかり進めるためにはこうしたデータを公表すべきであろうと思います。  ピーク時に比べ少なくなったとはいえ、年間およそ2万人が自ら命を失う現状、未遂はその10倍から30倍いると言われています。この質問時間約60分の間に約2人から3人が自殺をしたという計算になります。世界規模の新型コロナ感染症での死亡者数が今約50万人、日本では約17年間で自殺者数は50万人を超えます。データがある昭和53年からの42年間では109万人を超えています。  今回の新型コロナウイルス感染症は、今までの暮らしの在り方を根本から見直す機会となりました。サージカルマスクすらいつまでたっても入手できない輸入への依存体質やもうからないものは人件費の安い外国で作ればよいという政策が、必要なものを必要なときに供給できない非常にもろい体制として露呈しました。  1998年、自殺者が3万人の大台に乗った年ですが、この年の前年に消費税が5%に引き上げられ景気は低迷、金融機関の破綻が相次ぎ、就職状況が悪化、大企業の利益を守るために職員は正規雇用から切り捨てやすい非正規へとシフトし、その結果、不安定雇用が増え、過労死や自殺が珍しくない社会となりました。  アフターコロナと言われる社会は、これまでの社会とは変わらざるを得ません。豊かと言われてきた日本で、子供たちの相対的貧困は確実に増え、先進国断トツの自殺率は生きにくい社会であることを表しています。  真の豊かさとは何か、一人一人の命が大切にされ、人間らしく生きられる社会がこれから目指すべき社会の姿だと思います。そんな社会をつくるため、一つずつ提案を続けていく決意を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
                (5番 川﨑五一君 降壇) ○議長(安達克典君)    以上で、5番、川﨑五一君の一般質問は終了しました。  以上をもちまして一般質問を終結いたします。  休 憩 ○議長(安達克典君)    この場合、2時10分まで休憩いたします。  再開の際は議案書をお持ちください。               (午後 2時00分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時10分) ◎日程第2 4定報告第1号 専決処分事項について上程 ○議長(安達克典君)    続いて、日程第2 4定報告第1号 専決処分事項についてを上程いたします。  この場合お諮りいたします。  本件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略し、後日審議いただくことにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    異議なしと認めます。  よって、4定報告第1号については、委員会の付託を省略し、後日審議を願うことに決しました。 ◎日程第 3 4定議案第 1号 田辺市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正についてから  日程第14 4定議案第37号 令和2年度田辺市一般会計補正予算(第5号)まで一括上程 ○議長(安達克典君)    続いて、日程第3 4定議案第1号 田辺市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正についてから、日程第14 4定議案第37号 令和2年度田辺市一般会計補正予算(第5号)まで、以上12件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました12件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。  質疑はありませんか。              (「質疑なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    質疑なしと認めます。  それでは、ただいま議題となっております12件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  各常任委員会の付託事件は、配付しております議案付託表のとおりであります。 ◎日程第15 4定発議第1号 田辺市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例                の一部改正について上程 ○議長(安達克典君)    続いて、日程第15 4定発議第1号 田辺市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正についてを上程いたします。  提出者の説明を求めます。  22番、陸平輝昭君。             (22番 陸平輝昭君 登壇) ○22番(陸平輝昭君)    4定発議第1号 田辺市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について、地方自治法第112条及び田辺市議会会議規則第14条第1項の規定により、次のとおり提出する。  令和2年6月29日。提出者は、私、陸平輝昭。  賛成者は、尾花 功議員、髙田盛行議員、橘 智史議員、小川浩樹議員、川﨑五一議員、安達幸治議員、中本賢治議員で、会派の代表者の皆様に賛成いただいております。  提案理由の説明を行います。  新型コロナウイルス感染症の拡大による市民生活への影響及び社会経済情勢が厳しい状況を踏まえ、議長、副議長及び議員の議員報酬の月額を減額するため条例を改正するものであります。  新型コロナウイルス感染症については、緊急事態宣言が5月25日に全面的に解除され、これからは次の感染の波を抑止しつつ、医療提供・検査体制の充実に加え、感染予防と社会経済活動の両立に向け取り組んでいく必要があります。  現在、市におかれましては、雇用維持や地域経済への支援、さらには子供たちの教育の確保等、様々な支援に早急に取り組んでいただいておりますことに敬意を表します。  こうした状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策に少しでも役立てられるよう、7月分の議長、副議長及び議員の議員報酬の月額を一律10万円減額することに加え、本年度の常任委員会等の視察を中止とし、視察に係る議員の費用弁償を全額減額することを全会派が合意しました。  つきましては、その減額した財源である603万円を新型コロナウイルス感染症対策事業の財源の一部に充てられますようお願いするものであります。  議員報酬の月額につきましては、議員報酬の特例措置として、令和2年7月1日から同月31日までの間、議長については、43万5,000円。副議長については、37万5,000円。議員については、33万円に改正するものです。  御審議をいただき、御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。             (22番 陸平輝昭君 降壇) ○議長(安達克典君)    提出者の説明が終了いたしました。  これより質疑に入ります。  質疑はありませんか。              (「質疑なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    質疑なしと認めます。  お諮りいたします。  本件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略することにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    異議なしと認めます。  よって、4定発議第1号については、委員会の付託を省略することに決しました。  これより討論に入ります。  討論はありませんか。              (「討論なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    討論なしと認めます。  これより採決に入ります。  4定発議第1号 田辺市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正についてお諮りいたします。  発議第1号は原案のとおり可決することに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    異議なしと認めます。  よって、4定発議第1号は原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ、明日6月30日から7月6日までの7日間は休会とし、7月7日、午後1時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(安達克典君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  散 会 ○議長(安達克典君)    それでは、本日はこれをもって散会いたします。               (午後 2時17分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   令和2年6月29日                    議  長  安 達 克 典                    議  員  松 上 京 子                    議  員  川 﨑 五 一                    議  員  北 田 健 治...