田辺市議会 2019-12-09
令和元年第4回定例会(第2号12月 9日)
6番 久 保 浩 二 君
7番 宮 井 章 君
8番 福 榮 浩 義 君
9番 髙 田 盛 行 君
10番 北 田 健 治 君
11番 橘 智 史 君
12番 尾 花 功 君
13番 二 葉 昌 彦 君
14番 市 橋 宗 行 君
15番 安 達 幸 治 君
16番 安 達 克 典 君
17番 小 川 浩 樹 君
18番 塚 寿 雄 君
19番 佐 井 昭 子 君
20番 中 本 賢 治 君
21番 出 水 豊 数 君
22番 陸 平 輝 昭 君
――
―――――――――――――――――
〇欠席議員 なし
――
―――――――――――――――――
〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 林 誠 一 君
副市長 木 村 晃 和 君
教育長 佐 武 正 章 君
企画部長 早 田 斉 君
企画広報課長 狼 谷 千 歳 君
た
なべ営業室長 松 本 清 子 君
情報政策課長 池 本 徹 君
総務部長 松 川 靖 弘 君
危機管理局長 宮 脇 寛 和 君
防災まちづくり課長 上 村 哲 也 君
市民環境部長 松 場 聡 君
環境課長 井 澗 伴 好 君
保健福祉部長 虎 伏 務 君
子育て推進課長 宮 野 恭 輔 君
商工観光部長 前 川 光 弘 君
商工振興課長 丸 山 勝 司 君
農林水産部長 北 川 弘 泰 君
水産課長 中 田 実 君
森林局長 清 水 健 次 君
建設部長 栗 山 卓 也 君
土木課長 桒 畑 昌 典 君
龍神行政局長 寒 川 佳 裕 君
大塔行政局産業建設課長
小 川 恒 生 君
本宮行政局住民福祉課長
井 戸 誠 君
消防長 安 田 浩 二 君
消防総務課長 戎 嶋 健 君
教育次長 宮 﨑 和 人 君
スポーツ振興課長 中 野 哲 二 君
文化振興課参事 中 川 貴 君
水道部長 岩 本 章 君
業務課長 新 谷 恭 伸 君
――
―――――――――――――――――
〇
出席事務局職員
議会事務局長 千 品 繁 俊
議会事務局次長 前 田 敦 司
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 古久保 雅 之
開 議
○議長(
安達克典君) 皆様、おはようございます。
定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、
令和元年第4回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
○議長(
安達克典君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1
一般質問
○議長(
安達克典君) 日程第1
一般質問を行います。
なお、
一般質問の通告は去る11月29日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に沿って発言を許可いたします。
15番、
安達幸治君の登壇を許可いたします。
(15番
安達幸治君 登壇)
○15番(
安達幸治君) おはようございます。15番、くまのクラブの
安達幸治です。12月
議会トップバッターでございます。緊張感を持って臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は3件の質問をさせていただきます。
まず、中辺路町八柱神社境内の
トチノキ及びカヤの
文化財指定についてお聞きをさせていただきます。
この質問に対しましては、地元の市長さん初め、中辺路町の地元の議員さんおられますから、その方々のほうがずっと理解が深んでいると思いますけれども、どうぞお許しをいただきたいと思います。
中辺路町石船地区内に八柱神社があり、ここに
天津石門別命と五男三女の命がまつられています。その境内には、杉、カヤ、
トチノキなどの大木が空に向かって大きく伸びており、地元の人の説によれば1本の杉の木は樹齢1,000年ぐらいだろうと言われており、また、カヤや
トチノキに関しても、樹齢はわかりませんが、見た限りでは大変古いものだと感じます。
ちなみに、幹回りが、杉5メートル30センチ、カヤ4メートル50センチ、
トチノキ5メートル60センチ、これはおよそでございますけれども、八柱神社では、毎年体育の日に御祭典が行われており、ことしも10月14日にお祭りが行われました。私もお参りをさせていただいて、お餅もまかせていただきました。そのとき、地元の方から、実は中辺路町時代に、このカヤと
トチノキをまちの文化財としたいと町みずから話がありましたが、いまだになったような話は聞いてない。今どのようなことになっているのか確かめていただけないかとの話があり、私自身も必要性を感じ、今回こうして質問に至りました。
この神社内は、恐らく神が宿ることで森が守られてきたのだと感じます。
南方曼荼羅には入っておりませんが、本当にすばらしい神社です。ぜひお確かめの上、文化財にしていただければと存じますが、御見解はいかがでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
1回目の質問です。よろしくお願いします。
(15番
安達幸治君 降壇)
○議長(
安達克典君) 15番、
安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育次長、
宮﨑和人君。
(
教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○
教育次長(
宮﨑和人君) 議員御質問の中辺路町石船に所在する八柱神社の
トチノキ及びカヤの木についてお答えいたします。
この
トチノキやカヤの木がある八柱神社の森は、石船地域の鎮守の森としての性格を有する社寺林で、トチ、カヤ、カゴノキそれに杉などがまじり、古くからの鎮守の森としてその景観が維持されてきております。
議員御紹介の樹木のうち、特にカヤの木につきましては、樹齢等は不明ながら、この地域では大木の部類に属しており、その最終的な評価は専門家による詳細な調査検討を待たねばなりませんが、この鎮守の森の代表木の一つであると認識をしております。
続いて、これら樹木の
文化財指定等、今後の取り扱いについての御質問でございますが、市といたしましては、これまでも地域の歴史や文化、自然と風土、社会や生活を反映して深いかかわりを持つ地域の
自然文化遺産を詳細に調査し、特に重要な価値を持つものについては、これらを文化財として指定するとともに、保存及び活用のための必要な措置を講じてきたところでございます。
この
トチノキやカヤの木、また、これらの樹木を含む八柱神社の鎮守の森につきましても、今後、
文化財指定のための
事務手続や、どのような保存活用が図られるのか、所有権、その他財産権を尊重しつつ所有者や関係の皆様の協力を得ながら協議を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(
安達克典君)
安達幸治君。
(15番
安達幸治君 登壇)
○15番(
安達幸治君) 御答弁いただきました。ありがとうございます。
八柱神社の境内の杉の大木の下に3体のお地蔵さんがあるのですが、そのうちの1体が実は
カク地蔵さんというお地蔵さんでございまして、この
カク地蔵さん、昔この地域に多くの人たちががんで苦しまれたといういきさつがありまして、そのがんを封じるために地元の先祖さんがお地蔵さんをつくって、それ以来ずっとお参りさせていただいていると。私も約30年間、いろんな皆様の
つき合いの中で、一人でも多くの方々が、病気で苦しまれる方がないようにとお参りをさせていただいております。毎年、4月の第1日曜日がお祭りでございまして、もうずっとずっと続けているわけでございますけれども、その祭りが何とやはり1日限りでございますけれども、約300人ぐらいのお参りの方が訪れまして、今や全国の方々、本当に他府県からも多くの方々がお参りされているという現状でございます。
このお地蔵さんがあることによって、皆様がここに来られて、来られる方々がいつも言われるのは、ここへ来たら本当に落ちつく、心が安らぐということが余りにも多い、そういう意見を聞きます。むしろここは本当に、何と言いますか、神と仏が一体化になると思います。もともとの熊野の教えというのは、神さんや仏さんが一体でよくお参りされる方々がやはり心を清らかにして帰られるという、まさにこの神社も神仏一体のあらわれでございまして、今後、後世の人々に、一人一人の小さな努力によってこの鎮守の森というのを残していかなければいけませんので、今後ともまた、これから研究をいただきまして、文化財の指定になればと思います。これは地元の方々の深い要望もございますから、今後もどうぞよろしくお願いしておきます。
続いての質問に入らせていただきます。
続いて2問目です。堺市との連携についてお尋ねをいたします。
平成26年5月3日、田辺市は堺市との
友好都市提携を結び、深いお
つき合いが始まりました。堺市の人口は約83万人で
政令指定都市であります。
熊野古道九十九王子のうち境王子及び
大鳥居王子の二つの王子が堺市にあり、歴史的にも交流を深めておりますが、本年には、
仁徳天皇陵古墳を初めとする
中百舌鳥古墳群が大阪初の
世界遺産となり、まさに
世界遺産同士のお
つき合いが始まります。
これだけ大きな都市が田辺市のような小さなまちとお
つき合いをいただけることは、まことに光栄なことでありますし、これまでも多くの堺市民の方々が田辺市にお越しいただいております。
これまでの堺市長さんは竹山氏でしたが辞任をされ、2019年6月9日投開票の市長選にて元
大阪府議会議員の永藤英機氏が当選されました。永藤英機氏はまだ43歳の若さでこれからの活躍が大いに期待されます。当選されてからまだ半年でありますが、田辺市としてこれからのお
つき合いが大変重要なものと考えます。今後、新しい堺市との関係をどのように構築されるのかお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(15番
安達幸治君 降壇)
○議長(
安達克典君) 市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。
堺市とは、
熊野古道でつながる地である縁で
友好親善が始まり、旧本宮町との間で平成10年5月に堺市と
友好都市提携を締結し、相互訪問や物産交流など、文化、教育、経済面での交流に
取り組み、新市へ引き継がれました。
市町村合併後は一時期
友好都市としての関係が保たれていない時期もありましたが、その間も両市間の訪問や
子供たちの体験学習など、地域や民間でさまざまな交流が深まるとともに、
友好都市提携に向けた機運もお互いに高まったことから、改めて平成26年5月に
友好都市提携を締結いたしました。
これまでの具体的な
取り組みとしましては、堺市で開催される堺まつりや堺ふるさとまつり、本市で開催する
田辺農林水産業まつりといった両市のイベントでのお互いの産品の販売・PRを行う産業面での交流を初め、関西大学との連携事業の一環で、堺市内の
子供たちを対象とした
エコツアーの受け入れ、本市の小学生が
社会科見学で堺市の工場を訪問するといった教育面での交流のほか、
田辺スポーツパークに堺市の
スポーツチームが合宿を行い、
地元チームと試合を行うといった
スポーツ分野における交流など、さらなる広がりが見られるようになりました。
こうした中、堺市では、ことし6月に新市長が就任され、7月に百舌鳥・
古市古墳群が
ユネスコ世界文化遺産に登録されたことから、私は
永藤堺市長を訪問し、今後の両市の
取り組みについて、これまでの交流を土台としながら、文化面や
世界遺産、食などの
地域資源を生かした
経済活性化の面から、今後さらに一歩踏み込んだ
都市交流を実現できればとの両市の意向を確認するとともに、8月には
世界文化遺産登録を記念して堺市で開催された、第35回
全国自治体学会政策研究交流会議堺大会での歴史文化を生かした
まちづくりシンポジウムに
永藤市長からパネリストとして招かれ、持続可能な観光地を目指した本市の
取り組みについての紹介や
世界遺産を通じた
まちづくりに関する意見交換を行ったところです。
もとより本市にとりまして、特に
政令指定都市である堺市との交流は、人口規模、距離的にも大変有効な
取り組みであり、市の重要施策である
交流人口や関係人口の拡大、ひいては定住人口の創出につながるものと考えております。
そうしたことから、今後におきましても、これまでの
取り組みを踏まえるとともに、相互の理解を深めながら、両市が抱える課題や強みとなる
地域資源を共有する中で、儀礼的な
友好親善にとどまらず、さまざまな方面から両市にとって地域の活性化につながる
取り組みを実践し、持続可能な交流につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君)
安達幸治君。
(15番
安達幸治君 登壇)
○15番(
安達幸治君) 堺市との連携について市長さんからお話をいただきました。ありがとうございます。今まで竹山市長の時分から、堺市とは本当に連携をとって、田辺市も一生懸命頑張られてる。特に和歌山県、特にこの田辺市紀南地方につきましても、やっぱり近畿圏の方々のお客さんが余りにも多いものですから、やはりいつも堺市の皆様方の車のナンバーとか動向を伺っておるのですけれども、本当に海水浴に来て、いろいろチェックさせていただいても、堺市のナンバー大変多いようでございまして、先ほども申しましたとおり、堺市との
つき合いというのは、これから田辺市にとってどれくらい本当にありがたいものか、そしてまた相手が本当に大きな市でありますけれども、田辺市のこの小さな市と本当に心からお
つき合いいただいたら、本当に田辺市のメリットは大きいのかと思います。新しい市長さんとも新しい
つき合いが始まっているようで、既にもうお
つき合いがかなり深い関係にも深まっているような感じはいたしますので、そのことは安心をしておりますけれども、今後市と市のお
つき合いだけでなしに
議員間交流もできたらと思います。この
議員間交流、私たちの20人に比べて圧倒的に向こうは多いかとは思いますけれども、これまた市長さんが仲人さん、橋渡しになっていただいて、ますますこの
議員間交流が深められたらよいと思いますので、そのときはどうぞよろしくお願いをしておきます。ありがとうございます。
(傍聴席で発言する者あり)
○議長(
安達克典君) 傍聴人、静粛に願います。
○15番(
安達幸治君) 続きまして、3問目の質問させていただきます。ちょっと厳しい質問になるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
2015年3月5日に湊で発生した火災について、これは9月議会で
川﨑議員が質問された問題でございます。私自身は何の意図もございませんので、その点ではお許しをいただきたいと思います。
消防署、消防団は、市民の安心・安全、財産を守るために、日夜神経を張りめぐらせるお仕事であり、いざ現場に赴けば、そこは戦場となり、まさに命をかけた戦いが始まります。それゆえに市民にとりましては、手を合わせ、感謝される立場であります。しかし、9月定例会での
川﨑議員の
一般質問でその信頼が大きく傷つけられました。
ここで、当時の
一般質問の一部を抜粋し、御紹介させていただきます。
自分が今回この火災について取り上げたのは、調べれば調べるほど消防が単に
出火場所について見誤ったとは思えない。意図的なものがあるのではないかと感じるからです。
出火場所特定が難しい火災にもかかわらず、あえて出火の5日後の地元紙にわざわざこの民家が火元と見て調査しているという情報提供が行われたようです。そしてまたそれを掲載された。今回の
出火場所については、新たなスーパーが進出を予定し、
出火場所とされた民家の所有者に対し、火災の2年前に立ち退きの打診が行われています。そうした立ち退き要請に応えない民家に対して放火による地上げが行われた可能性は排除し切れない。新たな建物の地元説明も
火災発生2カ月後に行われており、建設計画があったことは事実。民間の活動がどうであれ、行政が口出しすべきものではありません。しかし、
万が一出火場所の特定に他意が含まれていたとすれば、これは
消防行政がゆがめられたことにほかならず、見過ごすことができません。消防というのは、ときには自分の危険さえ顧みず市民の生命や財産を守る、現場に突入するとうとい仕事、活動です。上司である指揮官を信頼するからこそ自分の命を預けられる。田辺市
消防本部において、消防署内及び消防団との関係において、残念ながらそうした信頼関係が損なわれた時期があり、この火災はその時期に発生しています。政治というのは、時として市民よりも利権に傾くことがあるというのは多くの現実が示しています。しかし、
消防行政はそんなことがあってはならない。田辺市において、年間の
火災発生件数は多くても数十件、
うち建物火災は数件、経験数の絶対的少なさはいかんともしがたいものであります。全力を傾けても誤った判断をしてしまうことはあり得るかもしれません。大切なことは、事実に対して謙虚であること。過ちに気づけばすぐに改めること、そして、何よりも大切なのは、その活動に政治的な思惑を持ち込まないことだと思います。消防団員としても、そんな信頼できる消防署との関係でありたいと願うと同時に、こうした問題が二度と起こらないことを願い、この件についての質問を終わりますということでございました。
ここで問題なのは、土地の地上げに関して、消防署が火災原因を意図的に変えたということです。それも消防署に対して反論の機会を与えず、一方的に質問を打ち切ったいわばかけ逃げです。柔道でいえば反則です。問題を提起するのであれば、しっかり根拠を示し、正々堂々と当局と論戦を交える、これが本当の議会です。私自身、日ごろ消防署員や団員に対して敬意を抱いている身としてまことに残念でなりません。
ここで、消防署あるいは消防団の名誉を守るため、毅然とした答弁が求められます。これまで
火災調査をどのようになされてきたのか、また、罹災者に対してどのような説明をなされたきたのかお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(15番
安達幸治君 降壇)
○議長(
安達克典君) 消防長、
安田浩二君。
(消防長
安田浩二君 登壇)
○消防長(
安田浩二君) 議員御質問の1点目、これまでの
火災調査がどのように行われてきたのかについてお答えします。
これまで、
消防本部が実施してきた全ての
火災調査において、消防職員がかかわって、出火箇所の判定に意図的な判断を行ったことはなく、また、
調査報告書に他意が含まれて
消防行政がゆがめられた、もしくは調査活動において政治的な思惑が持ち込まれたという事実はございません。
2点目の罹災者に対する説明についてお答えします。
火災調査については、関係者や目撃者からの情報を参考としながら、現場において得た物証を根拠に客観的に判断していますが、結果的に断定という形で結論づけられる場合以外に推定や不明となる場合もあります。中には、消防と罹災者との立場の違いもあって、十分な納得が得られない、または納得いただくのに時間を要することもあるわけですが、そうした場合には、これまで同様に丁寧な説明や対応を心がけてまいりたいと考えております。
(消防長
安田浩二君 降壇)
○議長(
安達克典君)
安達幸治君。
(15番
安達幸治君 登壇)
○15番(
安達幸治君) 明確な御答弁をいただきました。私自身、もともと疑いの余地のあるものではございませんでしたが、これまでどこかにもやがあったものがようやく晴れたような感じがいたします。消防署、そして職員の皆様の常は大変でございますが、今後とも胸を張って、市民のために職務の遂行に当たっていただきたい、そのように思います。
また、罹災者の方々の中には一部まだ御理解をいただいてない、その方もおられるようでございますので、このことに関しましては十分な御説明また御理解をいただくように、丁寧な御説明をいただきますようによろしくお願いしておきます。
令和元年も残りあとわずか、20日余りであります。市民の皆様にとりまして、実りある、そしてまたそのような令和2年でありますことを心よりお祈り申し上げまして
一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
(15番
安達幸治君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、15番、
安達幸治君の
一般質問は終了しました。
休 憩
○議長(
安達克典君) この場合、午前10時35分まで休憩いたします。
(午前10時25分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時35分)
○議長(
安達克典君) 続いて、17番、小川浩樹君の登壇を許可いたします。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 皆様、おはようございます。17番議員、公明党の小川浩樹です。通告に従いまして大項目2点について質問させていただきますので、御答弁をよろしくお願いいたします。風邪が長いので鼻声で聞き取りにくいですが御容赦ください。
まず1点目、水道事業についてであります。
大事なライフラインである、生活を支える水というものを確保するために、田辺の水道事業は多くの苦労を抱えながらその歴史の中で水を確保してまいりました。
水道ビジョンにうたわれている水道事業の沿革を紹介いたしますと、田辺の最初の水道施設は、明治の中ごろに稲成町糸田の高山寺の麓の会津川を水源として、現在の古尾のまちに集水槽を設けた施設が江川にあったということです。当時、まちの中央部には施設がなく、井戸水や自然水を利用し、伝染病などが絶えないことから、上水道の整備が必要とうたわれてまいります。昭和8年、その調査に着手、昭和11年、認可を受けて現在の水源地である万呂村大字下万呂、現在の水道事業所ですが、この地に江川の施設を買収をして、昭和14年4月給水人口2万5,000人で給水を上水として開始をいたしました。その後、人口増加の時代の中で2回の拡張事業に伴い、水源を新たに会津川の伏流水と地下水に求めますが、昭和40年代の渇水で会津川からの取水が困難となり、夏には給水制限を行ったというようなこともあったようです。そこで、新たな水源を隣の富田川に求め、昭和46年上富田町との間で分水契約を結び、1日に7,000立米の受水をすることで一旦その水不足は解消いたします。しかし、今度は、昭和40年代後半の市街地での開発ラッシュに伴い、再び水が不足をし、丘陵地では水圧が低下をし始めたことから、次には、芳養川に新たな水源を求め、浄水場、配水池などを建設して水需要に応えようとしますが、ここの水は飲んでみると鉄バクテリアによる赤水が発生をし、途中で取水を中止をせざるを得ないということがあったようです。私もこのときのことを先輩OBや市職員のOBの方に伺いましたが、この鉄バクテリアによる赤水が出た瞬間の失望感という、行政のその落胆というのは相当なものであったというふうに伺ったことがあります。そのため、昭和56年に、今度は上富田町からの受水を5,000立米増量いたします。しかし、さらなる人口増により昭和50年代後半になっても再び水不足が言われるようになり、今度は新たな水源を確保するために白浜町から1日1万8,000立米の受水を目的に昭和61年工事に着手、平成4年に現在のこの田辺の水体系である3水系、会津川を水源とした西部水系、上富田町からの受水による東部水系、白浜町からの受水による中部水系を確立することができました。そして、平成17年の
市町村合併を機に、秋津川、日向、稲成の簡水が上水へと統合、平成22年には、長野、古屋谷、大坊団栗の簡水が上水に統合、そして、平成30年の4月に旧4町村の多くの簡水が上水道へ統合し、現在の体系が確立したというふうになっています。
このように、水というものを確保する相当な歴史と苦労がありながらここまで来たわけですが、いよいよこれからは人口減少となり、給水量も徴収できる料金も減少してくるという時代になってきたことで、今回この小項目2点、ア、イを含めて4点について質問させていただこうと思います。
まず1点目。人口減少により給水人口、給水量が減少していく中、新水道ビジョンにもうたわれているように、2024年に水道事業の収益的収支が赤字になる分岐と見込まれています。将来独立採算が求められる公営事業として、経営が厳しくなっていくことが予想されますが、この将来の収支予想、また、経営改善をどのように図っていくのかお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 17番、小川浩樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。
本市水道事業においては、平成29年度まで給水人口が5,001人以上の上水道事業と101人から5,000人までの簡易水道事業の2事業を運営し、会計につきましてもそれぞれの会計で管理しておりましたが、平成30年4月1日に簡易水道事業を上水道事業に統合し、現在は一つの水道事業として運営しております。
水道事業経営における将来の収支につきましては、これまで上水道事業では、人口増加等による水需要の増大に対応するために拡張事業を実施し、簡易水道事業では、
市町村合併後から統合まで積極的に施設の整備を進めてまいりましたが、給水人口の減少により水需要が減少傾向にある中、老朽化した施設の更新時期が到来することや、耐震化等の災害対策、さらに水需要の減少傾向を踏まえた施設の統廃合、そしてまたダウンサイジングによるさまざまな課題を抱えており、今後、水道事業を取り巻く経営環境は大変厳しい状況になるものと予測しております。
こうした状況を踏まえ、田辺市新水道ビジョンの基本方針に基づき、市民生活にとって欠かすことのできないライフラインを守るとともに、将来にわたり健全な事業運営を維持するために、経営状況について明確に現状を把握し、業務の効率化や経営の健全化に一層努めてまいります。なお、本年度におきましては、令和2年度から10年間の将来の事業環境を予測し、経営の基本方針や収支の見通しを示す経営戦略を策定する予定としており、策定次第明らかにしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 給水量が減り、給水人口が減り、経営自体の改善が求められていくことはもう明白な状況にあると思いますが、どちらにしても、今の体系や体制のままでは将来の水道事業の公営事業としての独立採算が求められる状況が担保できないときがくるのではないかということは感じています。
次に、イの受水についてであります。
旧田辺市では、昭和14年より上水事業を開始以来、人口増加に伴い上富田、白浜からの受水の決定等々、大変な苦労を重ねて現在の3水系での供給の状態が完成をしておりますが、先ほどから申しておりますように、給水人口、給水量が減少し、収益的収支の赤字が見込まれる時代になる中で、両町に払っている負担金と受水費を合わせて約3億円という経費は大変大きなものです。将来的にもこの両町からの受水を継続していくことになるのか、お考えがあればお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 水道部長、岩本 章君。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員御質問の受水についてお答えいたします。
平成30年度の総配水量は1,093万851立方メートルで、そのうち白浜町と上富田町から用水供給を受けている受水量は713万6,883立方メートルとなり、全体の約3分の2を受水によって賄っています。両町からの受水量はほぼ2分するもので、全体の約3分の1の水量を各町より受水しています。
受水や施設整備関連費用の負担につきましては、2億9万7,284円を支出しております。また、両町より受水している区域は、水系ごとに分かれており、災害や断水時には、仕切弁で接続されているため水系の切りかえが可能となり、水を相互利用することが可能と考えています。
今後におきましても、水道水を安定して供給するため、給水人口の動向を見据えながら、両町からの受水を継続してまいりたいと考えています。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 管路があって、白浜からも上富田からも受水をするための施設をつくって、大変な苦労と歴史があったということは認識をしています。高度成長期の激しい時代には、田辺の議員と上富田の議員が、上富田の議員が怒って生馬の給水のとこの栓を閉めたるぞとか、やれるもんやったらやってみとか、水のやりとりでは本当に両町といろんな歴史があったというふうな認識をしています。決して両町に対して批判があるわけではないです。
(傍聴席で発言する者あり)
○議長(
安達克典君) 傍聴人、静かに願います。
○17番(小川浩樹君) 両町に不満があるわけではないですけれども、単純に考えて将来的に給水量がそう必要でなくなる時代が来るのであれば、大きなお金を支払って水をいただくということが必要なくなる時代が来るのではないのかなというふうに単純に感じています。長い将来の先のことかとは思いますけれども、将来的にこのことを水道当局にも認識をしておいていただきたいというふうに思っています。
次に、料金体系について、ア、イ、2点について質問をさせていただきます。参考資料をごらんください。
参考資料の上半分が現在の田辺市の水道料金体系の料金表になります。口径別従量料金という形を田辺市はとっています。口径別、メーター口径、それぞれ13ミリ、20ミリ、25ミリ、30ミリとメーター口径の大きさによって基本料金が変わり、基本料金プラス使った水の立米数に対して1立米幾らという額が加算されていくという料金体系です。表にありますように、従量料金については1立米から20立米、21立米から40立米、41立米から60立米とくくりの大きさがあり、それに伴い払っていく額が1立米99円、21立米から40立米の枠、1立米99円から、41立米から60立米になると132円、61立米から80立米までの使用となると165円というふうに従量料金の体系は使えば使うほど割高で、従量料金の値段が高くなっていくという設定になっています。
携帯電話の使用のように、使用量が多くなるほど安くなるという考え方ではなくて、使用量が多くなるほど割り増しで高くなるということは、当時からこの大事な資源である水をなるべく使ってもらわないようにしよう、少しでもこの大事な水を大切に使っていただこうという理念のもとでこの割り増しで高くなるという料金設定がされているというふうに考えておりますが、この料金の設定の理念については、私が考えている解釈のようでよろしいでしょうか、お答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 水道部長。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員御質問の料金体系についての設定理念についてですが、地方公営企業法の趣旨に基づき、法の適用を受ける公営企業は独立採算による運営が求められており、地方公営企業の経営に要する費用は受益者が料金として負担することが原則となっています。
そうした中、料金体系の設定につきましては、水道を使用する皆様にとって公平な負担となることを理念としており、現在の料金体系につきましては、メーターの口径に応じて料金を設定する口径別料金体系とし、施設を運営、維持するために必要となる基本料金と、使用水量に応じて逓増負担いただく従量料金から成る2部料金制を採用しております。
使用水量が増大することに伴い、料金単価が増す点につきましては、御家庭で使用する水道料金の負担軽減と使用水量が増大することに伴い施設規模を大きくしなければならない部分は、水道をより多く使用する方に負担していただくことで公平な負担に資するものと考えております。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) いよいよ給水人口、給水量が減少する時代になり、今後よほどの災害がない限り、昭和の時代に起こったような水が不足をして取水を制限しなければならないというような事態は考えにくいものと思っています。つまり足らない水を大事に大事に使って、少しでも使わないようにしていただこうという料金体系をこれからの時代を続けるには少し無理があるのではないかなというふうに思っていますが、将来的に料金体系を変えることについての考え方についてお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 水道部長。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員の御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、給水人口、使用水量が減少傾向にあります。
本市におきましては、現在、経営戦略の策定に向けて取り組んでいるところであり、経営戦略策定後、状況に応じて料金体系の調査研究をしてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 次に、イの従量料金の細分化を質問させていただきます。
再度参考資料をごらんいただきたいと思います。料金表の下ですが、上水で使用量が20立米以下、基本料金のみの件数の推移を書いています。上の料金表にありますように、メーター口径13ミリ、20ミリ、25ミリ、この3口径で一般家庭のほぼ全てが含まれているということになりますが、ここの枠の方たちは従量料金1立米から20立米までの使用以内であれば基本料金のみ支払えばいいという料金設定になっています。その基本料金のみを支払っている13ミリ、20ミリ、25ミリの件数、それから、全体に対するその割合、それから、この枠の中での方たちの平均使用量の推移です。
平成15年にも同趣旨の質問を
一般質問させていただきましたが、当時水道局から提示をいただいた数字がこの平成10年度、平成14年度の数字です。基本料のみを払っている方の徴収の延べ件数が、平成10年度5万1,779件、平成14年度5万7,565件、全体に対するこの基本料だけを払っている人の割合が平成10年度28.5%、平成14年度30.8%、そしてその平均使用量は9.58立米、それから8.68立米という状態でありました。この件数が、当時も全体に対する割合がふえ続けている状況にあり、そして、その中の平均使用量は減り続けている状態にありました。つまり、3人、4人家族の一般家庭の割合が減り、高齢者のみの世帯や単独世帯がふえてきたことで、その割合は増加し、そして、使用の平均量は減っているという状況にありました。
その後、平成17年、平成22年にそれぞれ旧田辺の簡水が統合したことで、全体の件数の割合はふえることになりますが、2番目の表です。平成28年、平成29年、平成30年度、一旦この平成17年と平成22年に旧田辺の簡水が統合したここの範囲だけでの数字ですが、割合は35.3%から35.8%、36.6%へとやはりふえており、また、使用量は8.4立米から8.33立米に減っているという状況になります。平成10年の9.58立米からと比べても年数を重ねるだけその分減ってきたなという印象を持っています。一番下の表が旧4町村の簡水を上水に統合した数字も全て足した上での件数になりますが、旧簡水を足しますとさらにその割合はふえて、使用量はさらに減っている状況にあります。
この基本料金だけを支払っているというゼロから20立米の使用の方たちの枠ですが、これだけ平均使用量が8立米まで下がってきました。3人、4人の家庭のおられる方と同じように20立米の枠の中で基本料金を一律同じ額を払うということに独居世帯の方や高齢者世帯の方には不公平感があるというふうに感じています。つまり、1立米から20立米の枠が大き過ぎるというふうに感じているのですが、これを例えば10立米ずつに細分化するなり、また、基本料金の額を二重に設定するなりというような料金設定が望ましいというふうに考えておりますが、この従量料金の細分化についてお考えをお聞かせください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 水道部長。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員御質問の料金体系の従量料金の使用水量区分の細分化についてですが、現在、メーター口径が主に家庭用の13ミリメートルから25ミリメートルでは、使用水量が20立方メートルまでが基本料金に含まれ、20立方メートルを超える使用水量は80立方メートルまで20立方メートルごとに段階的に区分し、21立方メートルから40立方メートルまでが1立方メートル当たり99円、41立方メートルから60立方メートルまでが1立方メートル当たり132円、61立方メートルから80立方メートルまでが1立方メートル当たり165円、81立方メートルから140立方メートルまでが1立方メートル当たり220円、140立方メートルを超える場合は1立方メートル当たり242円と設定しております。
このように、基本料金とあわせて口径と使用水量による一定の区分に応じて従量料金を設定しておりますが、議員御指摘のとおり、独居老人や単身世帯など使用水量が少ない水道使用者の中には、使用水量に対して水道料金が高いと負担に感じられている方がおられることは認識しております。
また、今後、大規模災害の発生が予測されるほか、人口減少や高齢化が進むなど、水道を取り巻く環境も大きく変化しております。そのため、今後は本年度策定予定の経営戦略に基づき、さまざまな要因を考慮し、現行の料金体系に対する負担のバランスや区分の見直しなどを将来に向けて研究していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 料金について感じていることを2点質問させていただきました。従量料金が使えば使うほど割高になっていっている点と、それから、20立米以下の基本料のみを支払っている人の不公平感について、将来的に、長い将来にはなると思います。収支を立てながら公営企業として独立採算を図っていかなければならない中で料金体系を考えていくということは、もう本当に難しい作業だというふうに思っていますが、何とぞよろしくお願いをします。特に、このゼロから20立米の枠の方の基本料が同額であるということについて、一番自分自身、料金体系の変更についての思い入れがあります。今の答弁では従量料金20立米ずつのくくりについてお答えをいただきましたが、再度この20立米以下の基本料金のみの人の枠について、具体的に体系を変える必要があるかどうかという点をお聞かせください。お答えよろしくお願いします。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 水道部長。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたように、現在、経営戦略の策定に向けて取り組んでいるところであります。その経営戦略の中で将来のさまざまな要因を検証しながら、総体的な料金体系を研究してまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 何とぞよろしくお願いいたします。
以上で大項目1点目の質問を終わります。
次に、2点目、治水対策についてお伺いをいたします。
本年10月に発生しました台風19号による災害では、東北、関東地方を中心に98名という大変多くの方が亡くなることになりました。阿武隈川や千曲川といった大きな河川が多くの箇所で氾濫、決壊をし、一気に甚大な浸水が起こったことにより被害が拡大したようです。昨年7月には、九州、四国地方の広い範囲で西日本豪雨災害が発生、200人を超える方が犠牲となりました。倉敷市の真備町では、多くの堤防が決壊をし、真備町だけで51人の方が亡くなり、そのうち43人は屋内で発見され、避難することができずに犠牲になったとされています。私たちは、この地元でも2011年に紀伊半島豪雨災害を経験しており、あのときの被災の記憶はいまだに消えることはありません。
このように、台風や豪雨による浸水災害は、地球の温暖化もあってか、いつ日本のどこで起こってもおかしくないとされています。いざ災害が起こったとき被害を最小限にとどめることができるよう行政として対策をとっておかなければならないと考えておりますが、関連すること4点について質問をいたします。
まず1点目。避難についてであります。
ことしの台風19号、昨年の西日本豪雨災害では、避難のおくれにより多くの方が自宅で浸水の犠牲となりました。行政とすれば、いつどの箇所で浸水、決壊が起こるかは予想を立てにくい中、早目早目の避難を促す決断をし、その方策をとらなければなりません。この避難を促す方策についてどのように必要性を判断、決断し、市民の皆様に周知を行っていくのかお聞かせください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君)
危機管理局長、宮脇寛和君。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 洪水、浸水からの避難についての御質問にお答えいたします。
市では、国から示された避難勧告等ガイドラインや県の避難勧告等の判断伝達マニュアルの作成のためのモデル基準に基づき、田辺市避難勧告等の判断伝達マニュアルを作成し、その中で気象庁や県などから出される気象情報等をもとに、災害発生の危険性の高まりに応じて、避難準備・高齢者避難開始、避難勧告、避難指示の三つの避難情報を発令するなど、これまでの災害の教訓を踏まえ、災害によりとうとい命が失われないように、適時適切な避難情報の発令に努めているところであります。
そうした中で、台風の接近等により災害発生のおそれがあると判断した場合は、まず、避難準備・高齢者等避難開始を発令し、明るいうちの避難や、雨が強くなり避難をためらう状況になる前の早目の避難を呼びかけることとしております。
また、その後において雨風が強くなったり、夜間で周囲が暗くなるなど避難所等への避難が困難であると判断された場合には、自宅等の中で比較的安全な場所への緊急避難として、例えば2階以上への垂直避難をしていただくなど、早目の避難と状況に応じた避難について住民啓発に努めております。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 水防のマニュアル等ででも最終的に避難の指示に至るまでの町内での決定経路等々を見させていただきました。準備はできているのだというふうに思っています。いざ浸水災害が起こったときに、本当に早目早目に決断をどれだけ早くできるかという、そのタイミングによって犠牲が変わることかと思います。大変難しい判断が、その災害時には行政には求められるわけですが、セーフティーに、なるべく早くその周知を行うということをよろしくお願いしたいと思います。
行政が住民の皆様の避難について取り組んでいる一方で、どれだけ周知をしても、今度は実際住民の皆様が避難をしてくれないと意味がありません。町内会、自治会等では役員や自主防災組織の方たちを中心にいざという災害時、実際住民の皆様が本当に避難をしてくれるかどうかというのは大変大きな悩みです。自治会にこの実際の避難の周知についてどのように啓発をしていくかについてお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君)
危機管理局長。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 住民側の避難の意識についての御質問にお答えいたします。
当地域では、ことしの出水期においては、幸い台風等による人命にかかわるような被害はありませんでしたが、平成23年の台風第12号災害以降も全国各地で毎年のように台風等による被害が発生しています。河川においては、水害を防ぐため、堤防等の施設が整備されているところでございますが、このような災害を教訓として、市民の方々がいつみずからの身に起こってもおかしくないこととして捉えるとともに、水防施設に頼り切ることなく、一人一人が適時適切な避難行動を心がけていただく自助が基本となります。このため、市では、学習会等において、早期避難の大切さを啓発するとともに、お住まいの地域の危険性を周知する
取り組みを行っております。
また、各地域の
取り組みについては、自主防災会による防災訓練を初めとした各種活動を支援しており、このような地域の活動を通して、日ごろからの共助の意識を高めていただき、非常時においては隣近所で声をかけ合うなど、災害で命を落とすことのないように助け合っていただくことが大変重要であると考えております。
市といたしましては、今後も広報紙や学習会、ホームページなどを通じて早期避難の重要性等について引き続き啓発を進めてまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 答弁ありがとうございます。行政が行っている、打とうとしている手が打ててないというふうには感じていません。津波、地震災害についても、浸水災害についても、自主防災組織や町内会の役員をやっていただいている方たちに向けてのアナウンスはもう十分行っていただいているというふうに感じていますが、その先、町内会の役員の方や自主防災組織の方たちが自分たちの本当に地元のお年寄りの方たちが避難を促したときに逃げてくれないという悩みはやっぱり相当なものです。行政と町内会の役をやっている人たちのギャップはある程度埋まっているというふうに感じていますが、そこから下、本当に住民の方たちまでの間のところに大きな気持ちの差がある。これがいざ避難ということになったときの一番のつらい部分ではないかなというふうに感じています。実際避難訓練を行っても、避難訓練自体は盛大に開催をされますが、やっぱり来られている方は割合が少なく、顔を出されている方もほぼ同じ方たちという状況がどうやら続くようです。本当にここが大きな悩みのところかと思いますが、啓発作業を打ち続けるしかないのだろうなというふうに思っています。今後も自治会に向けての
取り組みをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
次に、2点目、堤防についてです。
近年の大水害では、豪雨により、流量の増大により、予想もしていない箇所での堤防決壊により被害が拡大することが起こっています。田辺市内の堤防はどのような状態でしょうか。危険だと認識している箇所、また、その改修や調査についてお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長、栗山卓也君。
(
建設部長 栗山卓也君 登壇)
○
建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の堤防についてお答えします。
ことしの台風19号などにより、東日本の広範囲において河川の堤防決壊が多数発生したことにつきましては、田辺市としましても治水対策への重要性について再認識したところでございます。
本市の市街地周辺において、流域が広範囲にわたる河川につきましては、県管理河川が主であり、河川改修等の状況につきましては、県では計画策定からおおむね20年から30年の期間で整備することを目的とした河川整備計画を策定しており、会津川につきましては、平成15年に2級河川左会津川水系河川整備計画、芳養川につきましては、2級河川芳養川水系河川整備計画が平成26年にそれぞれ策定しており、それらの計画に基づき、今年度は芳養川の中芳養の区域や左会津川の古尾地区や切戸橋上下流など複数の箇所において河川改修工事が進められており、また、同じく中芳養地区や秋津、万呂地区におきましても河川改修に向けた計画が進められているとのことでございます。
議員御質問の堤防決壊の危険があると認識されている場所についてですが、県にも確認しましたところ、特定の地点だけに限らず、さまざまな要因により全区間において堤防決壊への注意が必要であるとのことです。
この認識のもと、県では、豪雨時の発生の際には出水前、出水後に河川のパトロールを行っており、また、市民が憩いの場として利用することの多い親水護岸などで平常時においても月1回の目視による点検を行うなど、日常パトロールに努めているとのことでございます。
県では、策定した各水系の河川整備計画に基づき、今後も堤防の強化に取り組んでいくとのことでございますので、市としましても、県と連携を図りながら治水対策に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 河川管理は基本的には県ですので、県の事業ということになるのかと思いますが、市としても、地域の皆様が危険だと認識している箇所については、県に対しての事業が早く進むよう要望することを手助けしてあげてほしいなというふうに思います。
3点目、河床整備についてです。
多くの浸水災害では、上流からの土砂が堆積し、河床が上がることで浸水が起こりやすいとされています。田辺市内の河川でも、近年堆積している土砂が目立ち、各地域からその撤去、しゅんせつの要望が大変多いようです。市内どれぐらいの要望があるのか、またその事業の進捗状況についてお答えください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長。
(
建設部長 栗山卓也君 登壇)
○
建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の河床整備についてお答えします。
河床整備につきましては、県に対して毎年しゅんせつの要望を行っており、今年度は、市内全域で約60カ所のしゅんせつを要望しております。西牟婁振興局建設部によりますと、河川のしゅんせつを含め、河川の修繕も合わせますとさらに要望箇所は多い状況となっている中、本年度のしゅんせつ工事につきましては、旧田辺地域で申し上げますと、既に会津川、芳養川その他の河川におきましても数カ所実施しており、限られた予算ではありますが、引き続きしゅんせつ工事を予定しているとのことでございます。
また、市管理河川におきましても堆積土砂が河川断面を阻害している箇所を日常のパトロールや地域の方々の通報により確認した場合、できる限り素早く対応するよう努めているところでございます。
災害予防の観点から、少しでも地域の皆様の不安が解消できるよう、今後より一層県とも連携を図り、河床整備に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 各地域からのしゅんせつの要望が大変箇所が多いのでなかなか進まないのはしょうがないのかと思いますが、この県事業が進捗しない状況は、よく言われる予算の問題ではなくて、土を搬入する場所がなくなっているのではないかと言われますが、なかなか進まない原因は、この土砂搬出先が確保できないことが原因なのでしょうか。それとも県の予算の問題なのでしょうか。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君)
建設部長。
(傍聴席で発言する者あり)
○議長(
安達克典君) 傍聴人、静粛に願います。
(
建設部長 栗山卓也君 登壇)
○
建設部長(栗山卓也君) 県によれば、現在のところ残土処理については、土砂の搬出先が確保できているという状況でございます。限られた予算の中で順次しゅんせつを行っているところであります。
(
建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 県の予算としての事業が進むかどうかという、そしたらそういう問題なのかと思います。市役所としては、地域から上がってくる土砂撤去しゅんせつの要望が大変多いことは認識をしておられると思います。あくまで県事業ですけれども、その優先度合いを判断して県に働きかけをするという、その役割は役所として担っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
4点目、過去の水害地への対策についてであります。
私が議員になってからこの十数年ですが、議員になってから浸水が起こった場所へ行かせていただいた地域がこの十数年だけの間でも中芳養の平野、西部地区の益穂、それから、コメリの前のあたりの文里地区では、満潮になると逆流して浸水が起こることもありました。それから、地元上屋敷では、もう3度片町の大通りの裏の通りの数十世帯の地域で床上・床下の浸水が起こっています。それから秋津地区、そして、多くの議員が質問してこられた、大規模な範囲で起こる万呂地区です。古尾でも2年の間に2度大変大きな浸水被害がありました。当時、この地域の方の泥を撤去する苦労や家財道具を多く失ったその落胆は相当なものでした。2年後に同じことが起こったときのもうその住民の皆様の心情というのは、当時もう本当にはかり知れないものがあったというふうに思っております。しかし、この古尾地区には、ポンプの設置により一旦当時の雨量であれば浸水を免れることができるような状況をつくり上げることができております。
特に私の地元上屋敷、これ平成15年から要望しておりますが、地元上屋敷、それから、秋津地区、それから万呂地区、この3地区については、浸水対策についてそろそろ何か手を打ってあげないと住民感情として限界に来ているのではないかなというふうに感じています。この過去の災害地への浸水対策について、当局のお考えをお聞かせください。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長。
(
建設部長 栗山卓也君 登壇)
○
建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の過去の水害地への対策についてお答えします。
過去の豪雨により、会津川流域で家屋の浸水及び道路冠水等の被害が発生しております秋津地区、上屋敷地区、万呂地区の一部区域につきましては、平成29年度から30年度にわたり地域内の浸水状況をシミュレーション化する雨水流出解析調査を行いました。この調査において、これらの3地区の浸水対策のために既設水路の改修や調整池の設置、ポンプでの強制排水などの案が示されました。いずれの対策につきましても用地の確保や多額の費用が必要となることや、さらには、事業期間も長期にわたるなど課題が多い状況であります。
そうした中で、市としましては、豪雨による家屋の浸水、道路冠水時に地域住民の方々が不安な思いをされていること、また、危険の伴う中、消防団により水防活動を行っていただいていることも十分認識しております。
このような中、庁内関係部署で構成する浸水対策作業部会及び浸水対策協議会を設け、課題について協議を行い、3地区の防災・減災対策として、移動式排水ポンプ等の運用を検討していきたいと考えています。
今後、より一層関係部署とも連携を図り、浸水対策に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 小川浩樹君。
(17番 小川浩樹君 登壇)
○17番(小川浩樹君) 御答弁ありがとうございました。治水対策について4点、項目はそれぞればらばらでしたが、自分が感じていること4点について質問させていただきました。本当に日本中のいつどこでゲリラ豪雨や浸水災害が起こってもおかしくないという状況にあります。行政に対してさまざまな要望をしましたが、いざというときに備えられるよう、その整備をお願い申し上げまして
一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(17番 小川浩樹君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、17番、小川浩樹君の
一般質問は終了しました。
休 憩
○議長(
安達克典君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時24分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 陸平輝昭君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 続いて、3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 皆様、こんにちは。3番、篤志会、浅山です。
本日は大項目1点、田辺市から市民への情報提供というテーマで質問させていただきます。
先日、NTTドコモ、モバイル社会研究所の調査で2015年33%だった60代のスマートフォンの所有率が2019年に70%となり、利用率が爆発的に伸長しているという報道がありました。70代のスマートフォン利用率もことしに入って初めて5割を超え、今や全世代で84%がスマートフォンを利用しているそうです。ネット、スマートフォンが普及し、情報が氾濫する現代において、情報を正しく伝えることはもちろん、正しく伝わる、情報を確実に届けることが重要になります。これは常に市民へ市政情報を発信している田辺市も同じかと思います。
そこで1点目の質問です。広報田辺、ホームページ、ラジオ、SNSなどさまざまな広報媒体を有する中で、発信すべき情報の取捨選択、内容の精査、リリースタイミングの判断、ターゲットに応じた広報ツールの使い分けなど、本市における情報発信マネジメントの考え方についてお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。
市政情報をお伝えするために使用している媒体としまして、広報紙「広報田辺」やホームページ、ラジオ広報、ツイッター、フェイスブックといったSNS、広報紙閲覧アプリ「マチイロ」を活用しており、また、報道機関に対して報道を依頼することによって、新聞、テレビ、ラジオを通じて情報の提供、発信を行っているところです。さらに各課においては、各種パンフレットや月間だよりを発行したり、専用のアプリを導入するなど、伝えたい対象や情報の内容に応じた媒体を活用して情報発信に取り組んでいます。
こうしたさまざまな情報媒体を利用している中で、自治体広報の基本は、全ての市民の皆様にひとしくお知らせすることであると考えており、その点で、広報紙「広報田辺」は全ての世帯の皆様の手元にお届けすることで、パソコン等の電子情報端末機の有無にかかわらず、幅広い世帯の方々に手軽にごらんいただけており、行政情報の伝達手段の根幹と位置づけております。
しかしながら、広報紙「広報田辺」は月1回の発行であり、また、紙面に限りもありますので、ホームページやツイッター、フェイスブックなどの電子媒体を活用し、常時掲載しておくべき情報や即時性が求められる情報、より詳細な情報などを提供、発信しているところです。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 広報田辺が行政情報の伝達手段の根幹であり、常時掲載すべき情報や即時性が求められる情報、より詳細な情報ではホームページやSNSなどの電子媒体を活用するとのことでした。
ここで参考資料の1をごらんください。こちらは平成28年5月に実施された広報活動に関する市民アンケートについての結果を抜粋したものです。市政情報について市民が情報を取得するツールとして広報田辺が約8割と飛びぬけて多いことがわかります。それに比べて市のホームページは1割強、ツイッター、フェイスブックといったSNSは5%にも満たしていません。
今後、デジタルネイティブ世代が生産年齢人口の中心となっていくことを考えると、ホームページやSNSの利用率は大きな伸びしろがあり、ウエブ媒体のさらなる活用が求められると思います。もちろん3年半前の調査のため、状況は変わっているかもしれませんが、アンケートにおいてホームページ、SNSからの情報取得が少なかった、その理由はどのように捉えているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
平成28年に実施した広報活動に関する市民アンケートでは646名の方々から御回答いただきましたが、市政情報の取得方法については広報紙「広報田辺」が528名と最も高く、続いて新聞が356名となっており、ホームページは71名、SNSは28名と電子媒体での取得は、はるかに少ない結果でありました。この理由につきましては、広報紙や新聞といった紙媒体は幅広く市民の方の手元に届き、市政情報を得るための媒体としてなじみ深いものとなっており、また、ホームページやSNSといった電子媒体は、情報を得るために行動を起こす必要があることから、そのことが一つのハードルとなっていることもあると考えられます。
また、アンケートの方式が郵送であったため、ふだんからパソコンやスマートフォンといった電子情報端末を利用されている方からするとウエブ上で回答できないため、そうした層の方々からの回答数が低かったといったことも考えられます。
しかしながら、アンケートは平成28年に実施したものでありますので、スマートフォンの普及状況等も背景に当然電子媒体で情報を取得される方も現代はもっとふえてきているものと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 電子媒体で情報を取得される方について現在はもっとふえているだろうとのことでした。昨日時点でツイッターのフォロワー数、田辺市のフォロワー数は1,780件、フェイスブックは974件でした。ちなみに田辺市に比べて人口が半数以下の新宮市ではツイッターのフォロワー数が3,665件です。田辺市は小まめな発信がなされておりますが、全体数からするともう少しフォロワー数もふやすことができると思いますので、引き続きフォローのほうお願いできればなと思っております。
また、ホームページに関しては、最新情報の見づらさを指摘する声をよく耳にします。特に募集とイベント告知が同じページに乱立し、情報が埋もれてしまっています。市民にとって使いやすいページとなっているのか、この観点で定期的な見直し等は行っているのでしょうか、お聞かせください。
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
市のホームページについては、平成27年にホームページの管理ソフトの更新に合わせて全面リニューアルをいたしました。あわせてスマートフォンでの閲覧が増加していることに対応し、パソコン用画面とリンクしたスマートフォン専用のホームページをつくり、どちらのツールでも見やすいように改善を行いました。ホームページの改善については、軽微でない変更の場合、パソコンとスマートフォンの両方のツールや見やすいレイアウトとなるような検討も必要となるなど、随時の変更では対応できない場合がありますが、軽微なものであれば随時変更を行っております。
議員御指摘のトップページについては、以前は掲載件数が限られている中で、一つの項目に全ての情報を掲載しており、掲載したばかりの情報もすぐに消えてしまう状況でありました。そこで、平成27年のリニューアルにより、イベント告知と申し込み等が必要な案件について長期間掲載できるよう改善を図りましたが、募集とイベントが混在していてわかりにくいという点については、今後の見直しの参考とさせていただき、さらに他の自治体のホームページも参考にしながら、よりよいホームページの作成に取り組んでまいりたいと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) ユーザーは見づらい、使いづらいと感じたらそのページを離れてしまいます。引き続きどうすれば市民の方にとって使いやすいホームページとなるのか、試行錯誤と改善を続けていただければと思います。
続いて、(2)に移ります。
本年も台風19号の被害を初め、全国的に災害の多い年となりました。災害が目の前に迫っているとき、災害後に市民にとって最も大切なことの一つは、正しい情報を受け取ることです。現代社会では残念ながら災害時にデマが広まりやすく、2016年の熊本地震ではデマを流した投稿者が後日逮捕される事案もございました。災害時の情報発信は即時性と正確性が求められるため広報田辺では間に合いません。資料2にもあるとおり、地震や台風などの災害情報を得るための媒体としてテレビの次にスマートフォンが上げられており、3年半がたった今、冒頭に述べた使用率の増加もあり、より多くの方がスマートフォンで情報収集していることが想像できます。
災害情報は全ての住民、滞在者に早く、正しく提供することが求められますが、地震や台風など災害情報の発信におけるマニュアル等はどのように整備されているのか、お聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君)
危機管理局長、宮脇寛和君。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 災害時の情報発信についての御質問にお答えいたします。
気象庁から発表される気象警報や国・県から発表される各種防災情報、国民保護情報など、Jアラートにより送られてくる緊急情報は、自動的に市の防災行政無線及び防災行政メールに連携されることにより、防災無線放送及びメール配信が行われる仕組みとなっております。また、市が発令する避難情報等については、防災行政無線や防災行政メールで伝達するとともに、田辺市公式ツイッター並びに公式フェイスブックにおいても同様に情報を発信しており、各アカウントをフォローしていただくことで情報を取得していただくことができます。
さらに、こうした気象警報や各種防災情報及び避難情報等については、報道機関への情報提供により、テレビ等のメディアによる情報発信もなされています。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 昨年発生した北海道胆振東部地震ではエリア全域に及ぶ大規模停電、いわゆるブラックアウトが発生しました。地震発生当日に利用できた端末はラジオが最も多く、スマートフォンや携帯電話の利用は制限され、テレビの視聴は困難となり、被災者にとって情報が手に入らない怖さ、不便さが報道されました。万が一、当地でブラックアウトした場合のシミュレーションもされているかと思いますが、ぜひこの点も研究を進めていただければと思います。
また、防災行政メールでの伝達という答弁がございました。有事の際に防災行政メール等の電子媒体は非常に頼りになるツールになろうかと思います。
そこでお伺いします。第2次田辺市総合計画の第1次、第2次実施計画には防災行政メールの登録者数を平成27年末の4,383件から令和2年の6,800件へふやすと目標値に掲げられておりますが、現在の登録状況はいかがでしょうか。また、6,800件を目標に設定した根拠もあわせてお教えください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君)
危機管理局長。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 防災行政メールの登録件数及び第2次田辺市総合計画で掲げた目標数値についての御質問にお答えいたします。
防災行政メールは、平成20年8月からサービスを開始しており、本年11月末時点での登録件数は5,128件となっています。
サービス開始当初は多くの方に登録をいただき、その後も登録件数は一定増加してきているところであり、平成32年度末の目標数値につきましては、目標設定前の5カ年の増加の推移を勘案する中で目標設定したものであり、市のホームページや広報紙、各地域や各種団体向けの学習会などを通じて登録を促進してまいりましたが、今後におきましてもさまざまな機会をとらまえ、啓発を行ってまいりたいと考えております。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 現状、5,128件の登録ということでした。5カ年の増加の推移を勘案した目標値ですが、12月時点で日程消化率75%に対して目標達成率31%ということで、啓発をしてもなかなか難しい状況にあるのだと思います。ちなみに新宮市では6月時点で6,654件、上富田町は9月時点で45件とのことで、各自治体でも登録人数はばらばらです。もちろん引き続き、啓発活動を続けていただきたいのですが、災害が差し迫っている中で情報収集をしない人はほぼいらっしゃらないので、これは皆様、ほかのツールを使って情報を集めていることだろうと思います。
では、より多くの市民の方々に情報提供をするためにはどうすればいいのかという提案については、また最後の項にて質問させていただきます。
次いで、(3)のオープンデータの
取り組み状況についてです。
オープンデータとは、行政機関が持つ統計資料や公共施設の場所などの公共データや、交通機関などの公的企業のデータを著作権や特許などの規制を受けずに、インターネットなどを通じて誰でも自由に無料で入手し、利用、再配布できるデータの総称のことをいいます。市民の方に有効活用していただくことはもちろんのこと、商用としても利用可能で、例えば民間企業が開示された情報を分析、加工することで、新しい行政サービスやビジネスにつながることが期待されています。
平成29年5月30日に閣議決定された、世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画では、令和2年度までに地方公共団体のオープンデータ
取り組み率100%が目標とされています。2019年9月17日時点での
取り組み率は福井県、京都府、島根県、富山県の全自治体で100%、人口カバー率でいいますと日本全国で74%となっているのに対して、自治体全体では約37%とばらつきがある状況です。県内では和歌山市、海南市、橋本市の
取り組みのみにとどまっています。
そこで質問です。来年度までの
取り組み率100%が国から求められていますが、田辺市での現在の
取り組み状況はどのようになっていますでしょうか、お聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。
オープンデータとは、今議員のほうから御紹介もありましたように、国・地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて、容易に利用できるよう、営利目的、非営利目的を問わず2次利用可能なルールが適用されたもの、機会判読に適したもの、無償で利用できるものという三つの要件のいずれにも該当する形で公開されたデータと定義されております。
また、オープンデータの公開とその利活用を促進することを目的として、政府として公開を推奨するデータと公開するデータの作成に当たり、準拠すべきルールやフォーマット等を取りまとめた推奨データセットが公開されており、地域、年齢別人口、公共施設一覧、観光施設一覧、AED設置箇所一覧など例示されております。
オープンデータの
取り組みにつきましては、平成28年12月14日に公布、施行された官民データ活用推進基本法第11条におきまして、国・地方公共団体が保有する官民データについて、国民がインターネット等を通じて容易に利用できるよう措置を講じることが義務づけられました。
また、同法に基づき、平成29年5月30日に閣議決定されました世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画におきまして、令和2年度までに地方公共団体のオープンデータ
取り組み率100%を目標とすることが掲げられております。
本市におきましては、オープンデータの
取り組みは未実施でありますけれども、国の目標に合わせて今後検討を進めてまいりたいと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 国の目標に合わせて検討を進めるとのことでした。推奨データセットについても触れられましたが、参考資料3がその一覧となります。まずは基本編として14のデータが、応用編として5つのデータが上げられています。元データだけでも少々パソコンを触れる市民の方であれば有益な情報となりますし、情報公開を行っている自治体では多種多様なアプリが開発されたり、全国的に利用されているアプリのアップデートに使われていたり、有効活用されています。例えば、奈良県生駒市では、手帳アプリのジョルテと協働し、地域のイベント情報やごみ収集日など生活に役立つ情報を発信されています。
そこでお伺いします。オープンデータに取り組むことによって各自治体で住民福祉の向上に寄与している事例が多数ございますが、田辺市としてオープンデータの有益性をどのように捉え、今後どのように展開していこうと考えているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
オープンデータの意義といたしまして、国のオープンデータ基本指針におきましては、国民参加、官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済の活性化、行政の高度化・効率化、透明性・信頼性の向上等が上げられております。
市が保有する統計情報、暮らしの安全・安心に関する情報、観光客の利便性向上に資する情報等をわかりやすく、容易に利用可能な形で提供することにより、本市の現状を御理解いただく契機となり、地域課題の共有、解決に向けた
取り組みにつながることが考えられます。
また、民間事業者に活用していただくことで、地域の利便性向上も期待されることから、有益な
取り組みであると認識しております。
今後の展開につきましては、オープンデータ基本指針や地方公共団体オープンデータ推進ガイドライン等に基づき、オープンデータとして提供する情報の精査を行い、市民の皆様への新たな情報提供の手段として活用できるよう検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 田辺市としても有益性を認識されていますし、今後は国の方針に沿って実現に向けて検討を重ねていかれるのだと思います。これからの時代、複雑多様化する住民ニーズに市役所だけの力では解決できないこともふえていきます。市民自身がテクノロジーを活用して、行政サービスの問題や社会課題を解決するシビックテックが
まちづくりには欠かせなくなり、そのためにオープンデータは必要不可欠となりますので早期の実現をお願いします。加えて、オープンデータを活用していくためには、全庁的に情報の残し方、仕事の進め方を変化していかなくてはなりません。全庁一体となって取り組んでいただくことをお願いして(4)の質問に移りたいと思います。
最後の項目は新たな広報媒体についてです。
2019年5月21日より、地方公共団体を対象にしたLINE公式アカウントが基本的に無料で利用できるLINE地方公共団体プランの受け付けが始まりました。その機能は、一斉配信による市政情報の発信から始まり、LINE公式アカウント上での戸籍、住民異動、福祉、教育など住民向けサービスの各種申請、届け出の受け付けや、災害時における住民への避難方法の緊急連絡など、さまざまな用途でLINE公式アカウントを活用することができ、全国の自治体での導入が相次いでいます。情報発信という観点で、市民にとって有益なツールとなると思うのですが、このLINEについてどのようなメリットがあると考えられるでしょうか、お聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
LINE株式会社の本年6月の調査によりますと、LINEは、日本の人口の64%以上となる8,100万人のユーザーがおり、SNSの中でも最も利用されている媒体であることから、情報発信の手段として、大変有意義な媒体であると考えられます。また、情報の種別や地域ごとに自分の欲しい情報を選択、受信できることや、特定のキーワードに返信するキーワード応答機能、質問をカテゴリーに判別して自動的に返信するシンプルQアンドAといった市民の皆様が知りたいときに知ることができる便利な機能が豊富であることなど、メリットがたくさんあると考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) やはりアカウントを持つことで情報をダイレクトにかつ、確実に相手に届けられるという点が大きなメリットかと思います。日本で一番利用者が多く、もはや生活インフラとなっているアプリですから、資料1の、市政情報を取得するためにどのような媒体が必要だと思いますかという問いに対してLINEと答えた方が非常に多くなったこともうなずけます。
また、資料4の上部は、台風19号時の千葉市からのプッシュ通知の抜粋になります。リアルタイムの警報等の情報だけでなく、避難所の場所や被災後の罹災証明書の申請まで、その時々で必要な情報を確実に個別に届けることができていることがわかるかと思います。
防災行政メールは利用者数の伸びが鈍化しており、ホームページであれば検索しなければなりませんし、ツイッターやフェイスブックでは情報が流れてしまうため確実に情報が届くかと言われれば疑問符が残ります。LINEならいち早く届けたい相手に情報を100%届けることが可能で、災害時の親和性の高さも感じます。
資料の下部については、関西で一番活用されている大阪府四條畷市の内容になるのですが、点線部分で囲っているアイコンを押すと右側の道路のふぐあいのページに飛び、写真と位置情報を送ることで市の担当者が道路の確認に出向くというシステムになっています。過去に広域な田辺市の道路の維持管理という点で専門アプリの導入について質問もございましたが、新しくアプリ等をつくらずともLINEの活用で実現が可能であり、迅速な補修と職員の負担軽減につながることができます。情報取得の新規媒体として市民からのニーズもあり、広報媒体、市民協働のツールとして多くの可能性を秘めた公式LINEアカウントを導入すべきであると考えるのですが、市の見解をお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほど御答弁させていただいたように、LINEを導入するメリットはたくさんあると考えております。一方で、現在、市のSNSとしては、ツイッター、フェイスブックがあり、同様の情報をLINEで発信するのがよいのか、または何らかの分野に絞って発信するのがよいのかといった検討すべき課題もあります。
議員のお話にもありましたように、さまざま手段により、より多くの方に本市を身近に感じていただき、関心を高めていただくことはもちろん、市民と行政が情報や課題を共有することにより、行政運営を効果的、効率的に進めていくという視点は、今後ますます重要であると考えます。
そうしたことからも、LINEも含めた新しい媒体の活用について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 技術革新は我々の想像を超えるスピードで進んでいます。限られた予算と人員の中で住民福祉を向上させるためには、さまざまな工夫とツールの活用が必要になります。そのためには、まずアンテナを高く張って情報収集することが大切です。私は、LINEの自治体アカウントが無料化されてから、数十の自治体をフォローして発信内容をチェックしています。6月、9月の
一般質問でも取り上げようか迷ったのですが、その効果にいまいち確信が持てずにいました。しかし、台風19号以降の災害対応におけるLINEの有効性を強く感じ、今回提案させていただいております。ぜひ前向きに検討を進めていただくことをお願いして、
一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 以上で、3番、浅山誠一君の
一般質問が終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 陸平輝昭君) この場合、午後1時40分まで休憩いたします。
(午後 1時30分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時40分)
○議長(
安達克典君) 続いて、11番、橘 智史君の登壇を許可いたします。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) こんにちは。清新会の橘です。通告に従いまして
一般質問を始めていきたいと思います。
初めの質問内容は水産振興についてです。
現在でも調査中ではありますが、昨年5月に補助金の不適切な会計処理が発覚したことから、当然のことではありますが、水産振興に係る事業が縮小されるなど継続も難しくなってきており、漁業者のなりわいにも影響を及ぼす可能性もあることから、また当地の水産業の衰退も危惧し、今回の質問に至りました。
田辺市は、北はみなべ町、南は白浜町、西は紀伊水道から四国を臨み、海岸線は吉野熊野国立公園を含む岩礁地帯の総延長32キロメートルに及ぶ地形をなしています。
黒潮紀南分流により水産資源の種類は多く、一本釣り漁業、まき網漁業、船引き網漁業等が行われており、主な魚種として、イサキ、カツオ、アジ、サバ、シラス、イワシ等があり、他にイセエビ、車エビ類、ガザミ、ヒロメ等も漁獲されています。
当市には和歌山南漁業協同組合と新庄漁業協同組合の2漁協があり、漁業協同組合は、漁業者の協同組織として、販売事業や購買事業等を通じて、水産業の振興及び組合員の福祉の向上、漁業権の管理を中心とした資源や漁場の管理、水産業を核とする漁業地域の活性化等の広範な役割を果たしています。
比較的漁業条件にめぐまれた当地域ではあったものの、近年漁業を取り巻く環境は厳しさを増しているところで、漁獲量の減少や漁業従事者の高齢化等も相まって組合員数も減少傾向にあるのが実情です。
当市の漁業協同組合の漁獲量は昭和48年には全体で1万2,727トン、約14億6,000万円の水揚げがありましたが、平成30年では3,055トン、約5億8,000万円と大きく減少しています。また、当地の主要漁法であります、まき網漁でのサバ、アジ類の漁獲量は田辺本所で平成11年に5,980トン、金額で約13億1,600万円ありましたが、平成28年では3,147トン、約3億4,300万円と漁獲量は半分近くに落ち込んでいます。本年も黒潮の大蛇行の影響か、8月ぐらいまでほとんど水揚げできていないと聞いております。
漁業を取り巻く環境は年々ひどくなってきていることから、漁業への抜本的な対策や支援を早急に講じなければならないと思い、質問をしていきたいと思います。
まず、小項目の1の放流事業についてです。
放流とは種苗生産した対象種を育成管理した後放流する方法と、ある一定の大きさや特性、雄雌等の放流に適した対象種を捕獲した後放流する方法等があり、水産資源の枯渇を防ぐため、また、漁業者の所得の向上のため必要な事業であると思われます。
昨年度の当市の水産増養殖事業の種苗生産した放流魚種は、イサキ、ガシラ、マダイ、クエ、アサリ等の5種でイセエビは種苗生産できないことから、捕獲種を買い上げての放流、タイワンガザミ類は組合員が捕獲した雌ガニを買い上げ、甲羅に捕獲日と注意喚起の「トルナ」とペンキで書いて放流しています。以前はヒラメやオコゼ、ヒオウギ貝の放流も行われていました。種苗生産した放流方法は、種苗生産・放流育成管理による水産資源を積極的に増大させる
取り組みで、それらは栽培漁業で安定した種苗を放流することができます。
和歌山県では、栽培漁業基本計画を定め、種苗の生産及び放流並びに水産動物の育成に関する基本計画を定め、育成に関する指針においては放流後の減耗が最少となる水域、時期、サイズ、数量等を考慮し、放流効果の向上に努め、育成の場となる増殖場や藻場の造成等、漁場整備に留意し、漁獲サイズに達するまでの適切な資源管理を行い、混獲率や回収率を調査、分析するとともに、放流効果に努めるものと定められています。
和歌山県の平成30年度実施結果報告書では、平成29年度漁期の和歌山南漁協田辺支所内での放流イサキの混獲率は0.6%、平成24年放流イサキ5歳以下回収率は2.5%と、調査データとしては少ないながらも効果がないわけではありません。養殖イサキと天然イサキの見きわめは、出荷時に鼻の穴の数で見きわめますが、セリ前の忙しい中では見逃してしまうこともあると思います。天然魚の鼻の穴は二つに分かれているが、養殖魚は一続きになると言われています。これは、前方の穴で餌のにおいをかぎ分け、後方の穴から海水を出すと言われています。餌を探す必要がない養殖魚は一続きになると言われております。
イサキは高級魚で人気魚種のため、遊漁釣りでの対象魚になるため、一般の釣り人が捕獲していることが多々あり、調査できていない可能性もあると思われます。これは、ガシラ、マダイ、クエでもいえることで、せっかく放流した魚を漁業者以外の方に釣られることは、漁業をなりわいとしている方からすれば耐えがたいことであり、何らかの対応を考えるべきであると思い、海上保安部や県に密漁種として登録できないかと相談もしましたが、移動する種の登録はできないとの回答をいただき、断念したことがあります。
また、世界的な乱獲で絶滅危惧種と指定されたクロマグロ漁では、政府の漁獲規制がかかったことから、当地でも盛んな35キログラム未満のクロマグロ漁もTAC管理で漁獲制限され、漁業者はほとんど漁に行けない状態であります。しかし、一般の遊漁者は取り締まることができにくいため規制から漏れている状態で、その漁法も引き縄漁法であり、当地ではケンケン釣りと言われる漁法ですが、遊漁者には禁止されている漁法でもあるにもかかわらず取り締まりができていません。そのようなことからも、結局罰則のある漁業者に負担がかかっております。
放流事業は、水産資源も漁業者の生活も守ることから今後も絶対必要であると考えます。市として、今後も放流事業を継続していくのであれば、遊漁者へのルールづくりや捕獲禁止の周知も含め、何らかの対策を講じていただきたいのですが、御意見をお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君) 11番、橘 智史君の質問に対する当局の答弁を求めます。
農林水産部長、北川弘泰君。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員御質問の1点目。放流事業についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、放流事業につきましては、水産資源の保護及び増殖を図ることで漁業経営の安定化に資することを目的とした事業であり、これまで本市の水産振興施策の重要な柱の一つとして取り組んできたところでございます。
一方、近年では遊漁船業の発達、プレジャーボートによる遊漁者の増加、行動範囲の広域化等、遊漁を取り巻く環境は大きく変化してきております。
遊漁者による漁獲状況を示す具体的な資料はないものの、平成18年5月に公表されております和歌山県太平洋南区イサキ資源回復計画の中では、イサキは遊漁船による船釣り漁獲が多く、イサキの遊漁採捕量がイサキ資源に対して高い漁獲圧をかけていることが示されております。
こうした中、和歌山県資源管理指針において、全長20センチ以下のイサキについては再放流することが奨励されており、漁業者においてはこうした規制を遵守しているものの、遊漁者には漁港施設への看板の設置など啓発活動を行っておりますが、どこまで浸透しているか不透明な状況であります。
また、一部漁港におきましては、遊漁者によるものと思われます違法駐車やごみの放置なども見受けられ、漁業操業に支障を来しているといった報告も受けております。
このような中、市といたしましても、海上保安部や県と同様に遊漁者に対して法的な漁獲規制をかけていくということは難しいものと考えますが、仮にこうした規制をかけた場合、釣りを目的に当地域を訪れる方も多数ある中で、その影響も心配されます。
今後においては、遊漁者に対して、小型魚を釣り上げた場合における再放流の協力を求めるとともに、漁港施設におけるマナーの向上について広く呼びかけを行うなど、対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 市も遊漁者の採捕量の多さは認識しているとの答弁でありました。私も一般の遊漁者、釣りをされる方を締め出すようなことは多方面において影響があるのは認識しております。
そこで、放流事業について、水産振興といった観点だけではなく、遊漁者へのレジャーという側面から考え、例えば、市が放流魚を調達し、放流作業を漁協等へ委託するといった方式で実施することは可能か教えてください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
放流事業につきましては、水産資源の保護及び増殖を図ることで漁業経営の安定化に資することを目的に実施してきたものであり、こうした考えのもと、基本的には漁協等が事業主体となり、これに市が支援する形で取り組んできたところでございます。
議員から御提案のありましたレジャーといった側面も含めた放流事業の実施については、事業の目的や効果など精査すべき点も多く、非常に難しいものと考えますが、放流事業の手法等につきましては、今後十分検討すべき課題であるものと考えております。
以上でございます。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。
放流事業については、効果がわかりにくいことから消極的な意見も聞こえてきますが、私は水産資源の枯渇を防ぐため、また、漁業者の生活を守るために必要な事業であると考えます。
しかし、放流の仕方については、まだまだ研究していかなければならないと思います。対象種の放流をやみくもにするのではなく、海域の特性を考えた適正数の放流や減耗を防ぐために餌類の同時放流も考えていく必要があると思います。
また、以前事業としてやられていた海底耕うんや海底清掃も得策と考えます。放流前に海底を耕すことにより底質の窒素やリンをかきまぜることにより栄養塩を増加させ、植物性プランクトンの活性を促し、餌になり得る微生物や小魚をふやすことができると思います。以前のような芳養川や会津川河口だけでではなくて、田辺湾全体で実施すると効果が伺えると思いますので、県と協議しながら、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
次に、小項目の2、再生事業について質問します。
ヒロメ、ヒジキの藻場再生事業は、県、市、漁協で
取り組み、磯焼けによる藻場の消失、衰退を防ぎ、漁場を回復させる事業です。
ヒジキの再生事業は、胞子嚢が付着しやすいように岩場を手作業で磨き、磯の環境を整えます。自生するヒジキが少ない場合は母藻を設置して増殖しています。ヒロメの場合は、春先にヒロメの茎から胞子体を取り出して水槽で育て、12月になると成長した幼体をつけた種糸を養殖用ロープにつなげて海に戻します。
しかし、近年、夏場の水温が高いために、幼体がうまく育たず、自前での養殖はできていません。天然ものでも冬場の水温が高いことから年々漁獲量が減っています。
また、ヒロメは地域ブランドで、大手のスーパーマーケットからの引き合いもあるため、新たな種苗生産を考える必要があると思うが、市としての考えをお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員御質問の2点目、再生事業についてお答えいたします。
議員からも御指摘のとおり、ヒロメの水揚げ量につきましては、平成24年の約23.4トンをピークに年々減少を続けており、平成30年度におきましては約7.5トンとなっております。その原因といたしましては、海水温等の上昇に伴う田辺湾内の環境変化や乱獲による資源量の急減などさまざまな要因が考えられますが、いまだその原因は特定までには至っておりません。
こうした中、本市におきましては、平成30年度からヒロメの生育環境を初め、胞子を確実に供給する核藻場の造成による天然ヒロメ群落の増殖に係る実証実験、従来の養殖方法の検証及びフリー配偶体の培養による養殖ヒロメの安定生産を図ることを目的に調査研究事業に取り組んでいるところでございます。
本年につきましても、海水温が低下する12月以降におきまして、ヒロメの成長時期及び収穫期を迎える中で、これにあわせて潜水調査等による本格的な調査研究を行うこととしており、随時その調査状況を確認するとともに、本調査により得られた結果については各漁協へフィードバックするなど、新たな種苗生産手法等の確立に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) ヒジキやヒロメの海藻類やアサリなどの貝類は海域の栄養にも影響されることから、海底耕うんなどの植物性プランクトンの活性を促すことが必要であるとともに、こうした藻場の整備は、微生物や小魚など食物連鎖の底辺を形成している種のすみかになるため、豊かな海をつくる上で絶対欠かせない整備であります。これらの再生事業は、多くの人手や労力が必要であるが、作業に係る人件費が補助されない中で作業が縮小されている状況にあります。適正な藻場再生を進めていくためにも、市に対して協力を求めたいが、市の考えをお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
市といたしましても、藻場再生に向けた
取り組みについては、漁場環境の改善を図る上でも非常に有効であるものと認識しており、これまで県と協調しながら支援を行ってきたところでございます。
ただいま議員さんから人件費等のお話がございましたが、そういった点につきましても、今後、水産業に関する各事業の性質を見きわめながら、活用をしやすい支援のあり方について検討をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 水産増養殖事業で、アサリ放流育成事業が本年度にも予算計上されていましたが、ほとんど人力頼りの作業であるため、補助メニューに乗れず、市としての事業とはなりませんでした。
この事業は、資源を回復させるための再生事業で、砂利を入れた網袋を干潟に50袋ほど設置し、アサリの種苗をとり、適正な漁場に放流し、魚類からの食害を防ぐためのネット張りもしております。この作業はなかなか重労働ですが、アサリの成長も伺え、ネット下の漁場にはマテ貝などの新たな種の生存も見ることもできました。これらは資源回復を目的とした浜の再生事業で、熊本県の有明海にある網田漁協は、アサリ資源回復の先進地で、我々と同じ手法で平成24年に160袋の網袋の設置から始め、今では1万袋にふやし、操業停止にまで追い込まれたアサリを昨年には漁獲量63トンまで回復させています。
アサリに限らず、以前は捨てるほどあった水産資源が当地域の沿岸部で見られなくなってきています。そのことからも、これからの漁業は、水産資源の管理、増養殖、育成等育てる漁業にも力を入れなければならないと思うが、市としてどのように考えているかお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市では、かねてからとる漁業からつくり育てる漁業への転換を図るべく、放流や藻場再生への
取り組みなどに支援を行ってきたところでございます。磯焼けによる消失、衰退した藻場を再生させることは、魚介類の産卵、そして育成の場としての機能を回復させ、豊かな海を守っていく上では欠かせないものであると認識しております。今後も各漁協や漁業者の御意見をお伺いしながら、水産資源の管理、増養殖、育成など、いわゆるとる漁業からつくり育てる漁業への転換に向けてより一層取り組んでいかなければならないと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。
それでは、小項目3、ブランド力の向上についてに質問してまいりたいと思います。
ここでは、紀州いさぎ、紀州ひろめについて質問していきたいと思います。
田辺市のブランド魚、紀州いさぎは、1年を通して漁獲され、特に冬場と産卵前の春先のイサギは脂の乗りがよく、大変おいしいイサギです。田辺湾沖周辺海域は、紀州灘と言われ、黒潮の分子流と瀬戸内海の海水が流れ込む潮の流れが速い海域で、その海でとれたイサギは十分に身が締まっています。また、手釣りという漁法で魚体に傷がつかないように1尾1尾丁寧に釣り上げ、船倉で生かしたまま帰港し、水揚げ直前に生け締めされ、抜群の鮮度で水揚げされています。
しかし、それだけの労力や技術を駆使して釣った魚であっても、もう一つ水揚げ金額に反映されてないと聞いております。船曳網などの漁法でとる魚は、すれなどの傷みがあり、本来であれば金額的に紀州いさぎとすみ分けされなければならないのですが、余り差はないと漁業者からは聞いております。このままでは漁業者の意識の低下から高品質のおいしい魚の提供ができなくなると思いますが、市はどのように地域ブランドを守っていくのか。また、紀州ひろめについても水揚げが減る中でどのように推奨していくのか、藻場整備や種苗生産技術の開発の
取り組みができるのかも含めてお答えください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員の御質問にお答えします。
紀州いさぎ、紀州ひろめといった地域ブランドにつきましては、地元を代表する水産物として、これまで販売促進やPR等に積極的に取り組んでまいりました。
本市の一本釣り漁業の主要魚種であるイサキにつきましては、平成22年度から紀州いさぎとして地域ブランド化を図りながら、県内外を問わず広く消費者にPRするため、漁業組合によるポスター、パンフレット、イサキの一本釣り風景を撮影したDVD等の啓発グッズを活用した販売促進活動、商談会への参加、展示会への出店や市内飲食業者の協力のもとに実施する紀州いさぎフェアの開催などを支援してきたところであり、その認知度も徐々に向上してきている状況にあります。
また、和歌山南漁業協同組合では、紀州いさぎは労力や技術を駆使しての水揚げとなるため、漁獲量はふえてはいないものの、その価格には反映されてきているというふうに伺っております。今後もさらに幅広い世代に対して紀州いさぎのおいしさを発信することによりブランド力を高めるとともに、販路拡大、漁業経営の安定化に向けた新たな事業の立案について、県、漁業協同組合及び漁業者と連携を図り検討してまいりたいと考えております。
次に、紀州ひろめにつきましては、平成26年に地域団体商標として登録され、漁業協同組合による京阪神でのPR活動、大都市圏での商談会等への出店や地元でのイベント等を通じてその認知度は徐々に高まりつつあり、一定のブランド力を維持してきておりましたが、近年、水揚げ量が著しく減少しております。
こうした中、今後も紀州ひろめを引き続き市の特産品として位置づけ、新たな販売促進の
取り組みを検討していくとともに、先ほども申し上げましたが、ヒロメの生息する環境や増殖に係る地方の調査研究の成果をもとに、県、漁業協同組合及び漁業者の皆様と連携を図りながら、水揚げ量の増大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。
次の質問に移りたいと思います。次の質問は、専門技術者の配置についてです。
田辺市の水産課の職員には、残念ながら水産についてのスペシャリストが配置されていません。専門的な支援は和歌山県の水産振興課に協力いただいているが、担当が田辺市からすさみ町と広範囲になるため、対応がおくれることもあります。
先ほどの項目でもありましたように、漁業者の所得の向上のためには、育てる漁業も必要になるため、新規の養殖技術等の相談や実現には専門技術員の協力が不可欠であります。農業振興課にはJA紀南のOBさんが、森林局には和歌山県の職員がそれぞれ配置されておりますが、水産課にも県等の専門職員やOBさんの配置が必要と思いますが、市としてどのように考えているのかお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君) 市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。
本市の漁業につきましては、漁獲量の低迷やそれに伴う漁獲金額の減少、また、担い手不足や漁業従事者の高齢化など、取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。
そうした中で、このたびの水産増養殖・水産振興事業補助金等の不適切な会計処理事案を受け、今後、本市における水産関連事業のあり方について見直しを図るとともに、より一層水産振興に取り組んでまいりたいと考えております。
そのためには、今後、漁業関係者の皆様の現状を十分把握するとともに、御意見をお聞きした上で、問題、課題を整理し、県や試験研究機関等と連携を図りながら取り組んでいかなければなりません。
この
取り組みの円滑な推進には、水産業全般に係る知見や技術はもちろんのこと、本市周辺における漁業の実態等について熟知した専門員の必要性を十分認識しているところであり、今後検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。確かに、ちょっと今微妙な時期で、なかなか私もちょっと質問はどうかなと思ったんですけれども、やはりこの地域の水産業が余りにも衰退しているということで今回質問させていただきました。
私も近畿大学の水産研究所の公開講座とか、和歌山県水産試験場の成果発表会によく参加させてもらうのですけれども、やはり技術者が近くにいてくれるということは、本当に望ましいといいますか、この技術だったら我々でも何か一つお手伝いしてもらったらできるのと違うかなというような
取り組みもありますので、ぜひ技術者の専門員の配置については、前向きに検討していただきたいと思います。
以上で、この大項目1の水産振興についてを終わりたいと思います。
次に、大項目2の質問の、ゴールデンスポーツイヤーズを踏まえたスポーツ振興についての質問に移りたいと思います。
9月20日から全国12会場で開催されたラグビーワールドカップ2019は、日本代表が目覚ましい活躍を見せ、史上初の決勝トーナメントに全勝で進出したことに驚きとともに勇気と感動をいただけた大会でした。そして、2020年開催の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで既に1年を切り、開閉会式を含め、各競技観戦チケットの争奪が起きるほど国民のスポーツ熱が高まりを見せているところです。
また、和歌山県では、先月の11月9日から12日までの4日間にわたり、健康と福祉の一大イベントである、ねんりんピック紀の国わかやま2019が開催され、60歳以上の方々を中心に、テニス、卓球などのスポーツ交流大会を初め、囲碁や将棋などの文化交流大会が県内各地で繰り広げられました。田辺会場でも弓道、合気道、サッカーの開催があり、大盛況だったと聞いております。余談にはなりますが、同市の尾花議員も選手として和歌山市で開かれたテニスに参加し、開会式では最高の笑顔で入場行進をしていたと聞いております。
さらに、令和2年度においては、冒頭に申し上げました東京オリンピック・パラリンピックへの機運醸成の一環として、4月10日から11日までの2日間にかけて、三重県から引き継いだ聖火が県内をめぐる東京2020オリンピック聖火リレーがとり行われます。聖火ランナーたちにより、平和、団結、友愛といったオリンピックの理念が体現され、来るオリンピックへの機運醸成が図られることと思います。
また、東京オリンピック・パラリンピック開催直前の7月中旬から和歌山市の秋葉山公園県民水泳場ではカナダ競泳チームが、紀三井寺陸上競技場においてはオーストラリア陸上競技チームが事前キャンプを行うこととなっており、本市においてもバレーボール女子カメルーン代表の合宿誘致に乗り出すと地元新聞に掲載され、オリンピックに向け、スポーツへの関心がますます高まっていくものと思われます。
そして、再来年には、世界最大の生涯スポーツのイベントであるワールドマスターズゲームズ2021関西がアジアで初めて本県を含む関西エリアで開催されます。この大会では、公式競技35競技、59種目行われ、本県では陸上、ダンススポーツ、セーリング、ライフル射撃、バレーボールの5競技7種目が行われることになっており、本市では、陸上競技の駅伝が開催されます。
このような大規模スポーツイベントが相次ぐゴールデンスポーツイヤーズを契機として、スポーツ熱をより高めていけるよう、継続的な
取り組みが必要であると考えますが、ゴールデンスポーツイヤーズを迎え、本市としての今後のスポーツ振興についてお伺いしたいと思います。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
教育次長、
宮﨑和人君。
(
教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○
教育次長(
宮﨑和人君) 議員の御質問にお答えいたします。
御質問の中にもありましたとおり、本年9月から11月にかけてラグビーワールドカップ2019日本大会が開催され、日本代表チームが大活躍をし、日本中に勇気と感動を与えたことは記憶に新しいところでございます。
また、来年7月からは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が、再来年の5月にはアジアで初めてのワールドマスターズゲームズ2021関西が日本で開催されます。
そうした中で、本市におきましても、来年4月に東京2020オリンピック聖火リレーの実施が決定しており、また、東京オリンピックの魅力を身近に感じてもらうため、バレーボールのナショナルチームの事前合宿誘致に取り組むなど、これらが実現すればオリンピックを通じてスポーツへの関心がますます高まっていくものと期待をしているところでございます。
また、ワールドマスターズゲームズ2021関西では、
田辺スポーツパークを会場として、陸上競技の駅伝種目が開催されることになっておりますが、機運醸成を図ることを目的に、これまで3回和歌山リレーマラソンを和歌山県教育委員会との協賛により開催しており、多くの方々にスポーツに触れ、楽しんでいただいているところでございます。
さらに、
田辺スポーツパーク内の陸上競技場につきましては、スポーツ庁からパラリンピック競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設として指定されていることから、パラ陸上のトップアスリートの方々にも御利用をいただいております。
また、体育館につきましては、昨年の世界選手権、本年のワールドカップバレーボールに出場したカメルーン女子バレーボールナショナルチームが事前合宿を行っており、野球場につきましては、本年11月の社会人野球日本選手権大会で優勝した大阪ガス硬式野球部がキャンプを行うなど、トップアスリートを初めとする多くの方々に御利用いただいているところでございます。
現在、来年秋の完成を目指して新武道館の建設を進めているところでありますが、完成の暁には、
田辺スポーツパークと同様にスポーツ振興の拠点施設として多くの方々に御利用いただけるものと期待をいたしているところでございます。
以上のように、ゴールデンスポーツイヤーズを契機に、市内のスポーツ拠点施設を核として、今後も継続的に多くの市民の皆様方にスポーツに関心を持ってもらい、そして気軽にスポーツに参画し、楽しんでいただけるよう、より一層のスポーツ振興に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。
次は、ジュニア育成のための
取り組みについて質問していきたいと思います。
平成27年に開催された紀の国わかやま
国体では、チーム和歌山が一丸となって男女総合優勝という輝かしい実績を残したことは記憶に新しいところです。ことしに入って、私の地元新庄出身の高校生がカヌーでアジア大会に出場、新庄中学校の生徒がスロバキアで開かれた国際大会オリンピックホープスに出場するなど、世界での活躍が期待できるトップレベルの競技者を輩出できたことは本市のスポーツ振興に大きく寄与し、そのことがこれからの元気な田辺市、和歌山県の実現につながるものと考えます。そのためには、まずスポーツ好きの子供を1人でも多くふやし、その
子供たちの発育段階に応じて計画的、継続的に育成を図っていくことが重要であると考えますが、本市においては、ジュニア選手の育成についてどのような
取り組みを行っているのかお伺いします。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
教育次長。
(
教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○
教育次長(
宮﨑和人君) 議員の御質問にお答えいたします。
ジュニア選手の育成について、一例を申し上げますと、毎年1月に開催している田辺市民駅伝大会、田辺市子どもクラブ駅伝大会が本年度でそれぞれ第24回、第37回となり、新春田辺長距離走大会は第46回を迎えます。
また、毎年2月に開催されている市町村対抗ジュニア駅伝大会は、第19回を迎えますが、田辺市選手団として参加し、監督やコーチの指導のもと、ジュニア選手の活躍により昨年度は準優勝を果たすなど、例年好成績をおさめております。この市町村対抗ジュニア駅伝競走大会へ参加した選手がその後、日本学生陸上競技対抗選手権大会で優勝したり、全国都道府県対抗男子駅伝競走大会において過去最高順位の更新に貢献するなど活躍されており、こうした継続的な
取り組みがジュニア選手の競技力向上につながっているものと考えております。
また、市内で活動しているスポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブの活動につきましても、競技力の向上のみならず、青少年の健全育成やスポーツ振興に大きく寄与していただいているところでございます。
今後におきましても、より多くのジュニア選手が全国規模の大会の舞台で活躍できるよう、これらの
取り組みや活動支援を継続的に実施していくとともに、田辺市体育連盟等の関係団体とも連携を図りながら、スポーツ教室や研修会を実施するなどジュニアの育成に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。ジュニアの活躍は、本人たちにとっても喜ばしいことでありますが、それを見た次の世代のやる気や夢を育むことになると思います。
答弁にもございましたが、
田辺スポーツパーク陸上競技場が平成28年3月にパラリンピック陸上競技ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定され、2020年東京パラリンピックに向けてトップアスリートが集中的、継続的にトレーニングを実施することになると思いますが、児童生徒にとって本物のアスリートに触れる機会をつくってあげることは、スポーツ選手としての
取り組み方や夢を持つことになり、それは家庭や学校生活での
取り組みに変化が伺えることにもなると思います。
そこで、児童生徒にすばらしい時間を寄与するための選手との交流や観戦等も考えているのかお伺いいたします。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君)
教育次長。
(
教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○
教育次長(
宮﨑和人君) 議員の御質問にお答えいたします。
トップアスリートとジュニア選手の交流につきましては、昨年9月パラリンピック陸上競技日本代表選手の強化合宿が
田辺スポーツパークの陸上競技場で行われた際、市内の中学生を対象にパラ陸上競技の体験をするなどの交流事業を行いました。
また、昨年の世界選手権、ことしのワールドカップ出場のカメルーン女子バレーボールナショナルチームの事前合宿においては、国内の強豪実業団チームや大学の体育会バレーボール部とのテストマッチを開催したり、地元の小学生を対象にバレーボール教室や交流イベントを実施したりしております。
さらに、毎年春の社会人硬式野球部の合宿に際しても交流イベントや野球教室を実施するなど、トップアスリートが事前合宿する際には積極的に交流の場の創出に努めているところでございます。
これらに加えて、平成25年度からJFAこころのプロジェクト・夢の教室事業として、現役及び元サッカー選手、プロ野球選手を初め、さまざまなアスリートを特別授業の講師、夢先生として迎え、実体験に基づく特別授業、夢の教室を通して仲間と協力することや夢を持つことの大切さを学び、夢や目標に向けて努力しようとする意識や態度を育むことを目的にこうした事業を実施してきております。
今後におきましても、ジュニア選手や地域の指導者がトップレベルのプレーヤー、技術に身近に触れられるよう、こうした教室や交流イベントの開催に加えて、トップアスリートによる学校訪問など積極的に交流の場の創出に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
(
教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(
安達克典君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁ありがとうございました。JFAこころのプロジェクト・夢の教室事業、これは、私の地元の小学校にも来てもらって、
子供たちからは本当によかったと聞いております。こういうことも今後もまた、ちょっと開催の学校が少ないと聞いておりますので、またいろんな方、いろんな
子供たちが交流できるようにしてほしいと思いますし、今の答弁では、トップアスリートによる学校訪問というふうに積極的に交流の場をつくっていただけるという話でございました。
国体のときは
子供たちが学校から見に行けるようにはしていただきましたけれども、今回は学校へ訪問してくれるという、こういうことは本当に
子供たちにとってもすごく励みになることだと思いますので、こういうせっかくの機会を有効に使っていただきたいと思います。
これで私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、11番、橘 智史君の
一般質問は終了しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす12月10日、午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(
安達克典君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 2時28分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和元年12月9日
議 長 安 達 克 典
副議長 陸 平 輝 昭
議 員 市 橋 宗 行
議 員 安 達 幸 治
議 員 小 川 浩 樹...