田辺市議会 2019-03-12
平成31年 3月定例会(第4号 3月12日)
平成31年 3月定例会(第4号 3月12日) 田辺市議会3月
定例会会議録
平成31年3月12日(火曜日)
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平成31年3月12日(火)午前10時開会
第 1 一般質問
第 2 1定議案第14号 田辺市長等の給与に関する条例の一部改正について
第 3 1定議案第15号 田辺市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正に
ついて
第 4 1定議案第16号 田辺市行政財産の使用許可に係る使用料条例の一部改正に
ついて
第 5 1定議案第17号 田辺市税条例の一部改正について
第 6 1定議案第18号 田辺市
本宮保健福祉総合センター条例の一部改正について
第 7 1定議案第19号 田辺市
ひとり親家庭等医療費の支給に関する条例の一部改
正について
第 8 1定議案第20号 田辺市老人憩いの家条例の一部改正について
第 9 1定議案第21号 田辺市長寿館条例の一部改正について
第10 1定議案第22号 田辺市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正につい
て
第11 1定議案第23号 田辺市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正につ
22番 陸 平 輝 昭 君
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〇欠席議員 なし
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〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 林 誠 一 君
教育長 佐 武 正 章 君
企画部長 小 川 鏡 君
人権推進課長 出 口 順 哉 君
総務部長 松 川 靖 弘 君
総務課長 山 﨑 和 典 君
総務課参事 栗 本 和 典 君
危機管理局長 宮 脇 寛 和 君
市民環境部長 松 場 聡 君
市民課長 那 須 肇 君
保健福祉部長 木 村 晃 和 君
子育て推進課長 宮 野 恭 輔 君
商工観光部長 早 田 斉 君
農林水産部長 那 須 久 男 君
森林局長 清 水 健 次 君
山村林業課長 中 村 誠 君
建設部長 栗 山 卓 也 君
建築課長 平 田 光 誠 君
会計管理者 杉 若 美津子 君
中辺路行政局総務課長
一 岡 真 成 君
大塔行政局長 坂 本 勇 夫 君
本宮行政局産業建設課長
森 幹 夫 君
消防長 安 田 浩 二 君
消防総務課長 戎 嶋 健 君
教育次長 弓 場 和 夫 君
学校教育課長 野 田 泰 輔 君
水道部長 岩 本 章 君
業務課長 新 谷 恭 伸 君
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〇
出席事務局職員
議会事務局長 千 品 繁 俊
議会事務局次長 前 田 敦 司
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 古久保 雅 之
開 議
○議長(小川浩樹君) 皆様おはようございます。
それでは、定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成31年第1回
田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
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○議長(小川浩樹君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
6番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) おはようございます。6番、日本共産党の久保浩二です。通告に従いまして質問を初めさせていただきます。
今回は、1項目で、すべての子供たちに行き届いた教育をということで質問させてもらいます。
今回、特別な支援を必要とする子供たちの状況について、私は発達障害の子供たちの様子を調査しました。
発達障害と言われるのは、最近かなり耳にするようになってきてあるのですが、なかなか十分理解されてない部分もありますので、文科省が出している定義やその人の特徴などについて少しお話させてもらいます。
発達障害の定義と特質で、学習障害、LDと言われる定義ですが、学習障害とは、基本的には全般的な知的発達におくれはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、
中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
LDは、得意不得意の差、できるできないの差が大きく偏りがあります。視覚的情報を処理することが苦手なことも多く、難解な図形問題を回答することは困難な場合があります。読む能力に困難がある読字障害は、学習障害と診断された人の中で1番多く見られる症状であります。学習障害は、本格的な学習に入る小学生ごろまで判断が難しい障害です。特定分野でできないことを除けば発達のおくれは見られないため、頑張ればできる、努力が足りない、勉強不足とやり過ごされることが多い。また、軽度の知的障害や高機能の自閉症と間違われるケースもあります。
その例として、文字や文章の意味を理解しながら読むことができない。文章を読ませると非常にたどたどしく、文章の内容、粗筋をつかんだりまとめたりすることができない。文章を理解できるが書き写すことが困難。鏡文字、反転した文字になる。自分で書いた文字が読めない。数の概念が身につかず、数系列の規則性などが困難。文字の大小や10以下の概念がわからない。繰り上げの計算や文章問題が解けない。位置や日時の認知ができない。右向け右という指示がわからない。きのう、あす、あさってを間違えることがある。
次に、注意欠陥多動性障害、ADHDと言われる定義です。ADHDとは、年齢あるいは発達に不つり合いな注意力及び、または衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障を来すものである。また、7歳前後にあらわれ、その状態が持続し、
中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
特徴として、多動性、椅子にじっと座っていられず立ち歩く、教室を飛び出す、話し始めるととまらないなどの運動調整の困難。不注意、課題を最後までやり遂げることが難しい、周囲の刺激に敏感に反応してしまうなどの注意持続の困難。衝動性、順番を待てない、質問が終わる前にだしぬけに答えてしまうなどの行動抑制の困難というふうに言われています。
次に、自閉症の定義。自閉症は、3歳くらいまでにあらわれ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達のおくれ、興味や関心が狭く特定のものにこだわりを特徴とする行動の障害があり、
中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
次に、高
機能自閉症の定義。高
機能自閉症とは、3歳ぐらいまでにあらわれ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達のおくれ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達のおくれを伴わないもの。
自閉症の中に
アスペルガー症候群というようなものがあります。知的発達のおくれを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達のおくれを伴わないものである。相手の感情や雰囲気を察することが難しく、
社会的ルールや暗黙の了解がわからないといった特徴があり、人や社会とのコミュニケーションに支障を来しやすいと言われています。悪意はなく、正直に思ったことを発するため、言葉で人を傷つけてしまったり、それにより嫌われてしまったりすることがあります。また、成長していくにつれて症状が薄れていくことが多いとも言われます。最近は、この自閉症を
自閉症スペクトラムと呼ばれるようになっています。
現在、調査の数字で見ますと、発達障害の割合に関する最近の報告をまとめてみると、知的障害で1%、自閉症2%、注意欠陥多動性障害(ADHD)が3から5%、学習障害(LD)が5%となっています。それぞれの障害は重複していることがありますが、単純に計算すると、子供の約1割が発達障害ということになります。2012年の
文部科学省の全国調査でも、通常クラスに在籍する生徒児童の中で発達障害と考えられる生徒児童が約6.5%認められたという報告もあります。
発達障害は軽度から重度までありますが、児童の10人に1人が何らかの障害を抱えているということになります。現在では、発達障害は決して珍しい病気とはいえないというふうに言われています。
このように、発達障害の特徴や定義についてお話しました。
もう一つ。昔から発達障害だったと今の時代になって言われる人がいます。それはよく天才と言われる人が発達障害であったのではないかというふうに言われています。その例を挙げますと、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ガリレオ・ガリレイ、グラハム・ベル、ベートーベン、織田信長、アインシュタイン、ゴッホ、トーマス・エジソン、最近ではビル・ゲイツやトム・クルーズもそのように言われています。トム・クルーズは、読むことができないというふうなことが言われているということです。そういう状況で、最近全国的に特別な支援を必要とする、発達障害と言われる子供たちがふえているというこの現状をどのように認識しているのか、まずお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、全国的に特別支援を必要とする発達障害と言われる子供たちがふえているという現状をどのように認識しているのかという御質問にお答えいたします。
平成24年の
文部科学省の調査によりますと、小・中学生の6.5%、40人の学級で2から3人に発達障害の疑いがあると言われています。発達障害の子供がふえてきているということにつきましては、現在さまざまな見解があり、一つの要因に決定づけることは難しい状況であります。また、発達障害の子供がふえてきたのではなく、学校現場や社会全体で発達障害についての理解が広がり、把握が進んだ結果であるとも言われています。
田辺市管内の学校におきましても、特別な支援を必要とする子供は全国と同様に増加の傾向にあり、各学校においては、より行き届いた教育を目指して取り組みを進めてきているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 発達障害に関する理解というのは、今教育長が言われたように、ふえてきているというものと理解が進んで診断がつくようになったというふうなことがあるというのは、私も承知しております。
それでは、田辺市の現状についてお伺いします。
特別支援を必要とする児童生徒の数が平成26年213人であったものが、平成30年には373人と1.75倍にふえています。
特別支援教育を支える支援員の数は、平成26年30人だったものが平成30年で32人、2名しかふえていません。
通級指導教室に通っている
児童生徒数は、田辺市内には小学校で4校、中学校で1校あります。その中で、小学校で78人、中学校で13人というふうになっています。この市内の特別な支援を必要としている子供の現状、支援の現状をどのように認識しているのかお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 田辺市の小・中学校の状況ですが、
特別支援学級の
児童生徒数は増加の傾向にあります。平成30年度においては、市内の
特別支援学級は32校に59学級設置されています。また、
通級指導教室は、これまで田辺第一小学校、稲成小学校、鮎川小学校の3校に設置されていましたが、平成29年度に
田辺東部小学校と高雄中学校の2校が新たに設置され、現在は5校に教室が設置されています。このことにより、
通級指導教室に通う児童生徒もふえている状況であります。さらに、通常の学級における特別な支援を必要とする子供につきましても増加の傾向にあります。
このような現状に伴い、田辺市では、
特別支援学級の1人学級が承認されたり、先ほど申しましたように
通級指導教室が増設されたりと、
特別支援教育の体制が少しずつ充実してきているところであります。
各学校においても、
特別支援学級だけでなく、通常の学級においても
特別支援教育の視点に立った授業が進められるなど、一人一人の状況に配慮しながらよりきめ細かな教育を目指した取り組みを進めてきているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 支援学級が1名で認められたりということで、
特別支援教育が進んでいるということなのですが、先ほどお示ししました児童生徒の数、支援員の数、それで十分な対応、特別な支援の十分な体制ができているのかどうか、認識をお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 十分であるとは言えませんけれども、鋭意段階に応じた体制をとって、少しずつですけれどもふやしてきているという状況にあります。御理解いただけたらというふうに思います。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 十分とは言えないが少しずつふやしていっているということでした。
支援を必要とする子供たちの影響で学級崩壊などの問題が起こっていないのか。以前、多動な子供たちでなかなか授業ができないというふうなことが起こっているというお話を聞いていますが、今現在そういう問題は起こっていないのか、お答えください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 学級崩壊ということにつきましては、この言葉にはっきりとした定義がございませんのでお答えすることが難しいのですが、子供たちが全く言うことを聞かず、授業が成立せず、保護者に協力を得て授業に入ってもらうなど、学校だけでは解決不可能な状況にある学級は、現在田辺市にはございません。
しかし、子供が授業中に落ちつかない状況にあるという学級はございます。子供が落ちつかない状況についてはさまざまな要因が考えられるため、個々の子供の様子や学級の状況を詳しく見とり、担任だけでなく管理職のサポートを初め、学校全体として取り組んでいるところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 同じように、支援を必要とする子供たちが不登校やひきこもりなど、そういうような問題が起こっていないのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御指摘のように、不登校の主な要因が発達障害によるのではないかと推測される事例もございますが、不登校には、家庭環境や学校生活、人間関係等さまざまな要因が関係していると考えられますので、確定するのは難しい状況にあります。
いずれにいたしましても、一人一人の子供に対して細かく丁寧な対応をすることが不登校を未然に防ぐことにもつながると考えており、教育委員会としましても校長会等の機会を通して、不登校について未然防止や早期の対応について周知徹底を図っているところであります。
各学校においては、校内委員会の充実や就学前から小学校へ、そして小学校から中学校へときめ細かい引き継ぎ等を具体的に行っているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、
通級指導教室へ他校から通級している子供たちの送迎は保護者の送迎というふうになっていますが、それで問題がないというふうに認識しているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、他校から
通級指導教室へ通う際、保護者の送迎で問題はないのかという御質問についてでありますが、現在、田辺市において、
通級指導教室へ通っている児童生徒のうちの約4割が他校から通っております。他校の児童生徒の送迎に対する公的補助はございませんので、子供が安全に
通級指導教室へ通うことを第一に考え、保護者の送迎が原則となっております。保護者には、送り迎えの負担をかけてしまう部分もありますが、実際に学校に来てもらうことで、
通級指導教室で学習をしている子供の様子を見ていただいたり、
通級指導教室担当者と子供の状況を共有したりすることにより、
通級指導教室担当教員、保護者、担任が連携した子供の支援を図ることができるという面もございます
また、保護者の仕事など、諸事情により子供の送迎をすることができない場合もございます。そのような場合には巡回相談を活用することもできます。巡回相談とは、
通級指導教室担当教員や特別支援学校の
特別支援教育コーディネーターなど、
特別支援教育に関する専門的知識や経験を有している教員等が各小・中学校を巡回し、該当児童生徒の観察なども通して、当該校の教員に対して校内支援体制の整備や障害のある児童生徒に係る指導助言を行うという活動です。
さらに、各学校においては、一人一人の児童生徒の実態を把握し、それぞれの子供に応じた支援を学校全体で組織的に取り組んでおります。その中で、相談室等を利用した個別対応など、個に応じた支援を行っている学校も多くあり、
通級指導教室が開設されていない学校においても、よりよい
特別支援教育に向けた取り組みが進められているところであります。
したがって、保護者の仕事などの諸事情により子供の送迎ができない場合には、先ほど申しました、巡回相談や相談室での個別対応をとることも可能ですので、まずは家庭の事情等を学校に相談していただければと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今、巡回相談などで対応するというふうに言われましたが、それの実績、できたらお示しいただけますか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員、今御質問の実績についてですけど、今ちょっと手持ちの資料がございませんので、また調べて後日報告させていただきたいと思います。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 国の法律で、
特別支援教育の充実がずっと言われてありますが、現在の教職員の不足や多忙化の解消が
特別支援教育の充実に不可欠ではないかと考えますが、認識をお聞かせください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の教職員の不足への対応や多忙化の解消が
特別支援教育の充実に不可欠であると考えるが、認識はどうかということですが、教職員の不足への対応や多忙化の解消は、
特別支援教育の充実だけに限らず、全ての教育活動の充実につながっていくと認識しております。田辺市教育委員会では、引き続き
特別支援学級への加配教員の増員を県教育委員会に対して要望するとともに、多忙化解消に向けて、学校の様子や各教員の状況を的確に把握し、対応してまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) それでは、現在の
特別支援教育にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの果たしている役割はどのようなものがあるのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 現在、田辺市では20校にスクールカウンセラーが、また、スクールソーシャルワーカーにつきましては2名が配置されております。スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーは、どちらも悩んでいる子供の力になるという意味で大きな役割を果たしております。
それぞれの役割としましては、スクールカウンセラーは、悩んでいる児童生徒や保護者と面談することによって心のケアを行い、スクールソーシャルワーカーは、悩んでいる生徒の福祉面の環境を整えるサポートをしております。
田辺市においても、スクールカウンセラーが子供と保護者、そして担任がそれぞれに持っている思いをつなぐ例や、スクールソーシャルワーカーが虐待など、学校だけでは解決することが難しい問題について分析し、関係機関との調整を行った例があります。このことにより、学校だけで問題を抱え込むことなく、チームとして子供の支援に取り組むことができていると考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、
通級指導教室のことについて質問をさせてもらいますが、ここでまず改めて
通級指導教室についてどんなものか、私のほうからお話させていただきます。
通常の学級に在籍する、比較的軽度の障害がある児童生徒に対して、障害の状態に応じて特別な指導を行うための教室。教科の学習は通常の学級で行う。言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害、注意欠陥多動性障害、肢体不自由、病弱、身体虚弱の児童生徒が対象。障害の状態を改善、克服するための自立活動を中心に、必要に応じて各教科の補充指導などを別室で受ける制度。
特別支援学級、特別支援学校に在籍する児童生徒は対象外というふうになっています。
今回、この問題を取り上げるに当たり、田辺市内にある小学校4校、中学校1校、全て訪問してお話を聞かせていただきました。
一人一人に適した教育、指導を実践し、子供の症状の改善を目指す。ストレスの解消、子供が落ちつきを取り戻し、学習に対してもクラス内でも前向きになっている。
通級指導教室の担任とクラス担任との連携、保護者との信頼感、学校全体の落ちつき、小さい気づき、他の子供との関係に気をつけてみる。中学生になると思春期でプライドがあり、自校に
通級指導教室があっても個別指導を受けるのをためらうというお話もありました。小学生からの支援が重要というふうに思われます。
このようなすばらしい教育実践をどのように評価しているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の
通級指導教室ではさまざまな取り組みを行っている。このような教育実践をどのように評価しているのかについてお答えします。
通級による指導は、学校教育法施行規則第140条及び第141条に基づき、小・中学校の通常の学級に在籍する軽度の障害がある児童生徒及び特別な支援を必要とする児童生徒に対して、各教科等の授業は通常の学級で行いつつ、一人一人の状況に応じた特別の指導を特別の場で行う
特別支援教育の一つの形態であり、個々の児童生徒に対して、個別指導を中心とした特別な指導をきめ細かに、弾力的に提供する教育であります。
このような通級による指導は、障害による学習上、または生活上の困難の改善、克服を目的とした指導が児童生徒のニーズに応じて受けられる上に、通常の学級における授業においてもその指導の効果が発揮されることにつながると期待されております。
田辺市においても、現在5校に
通級指導教室が設置されており、それぞれの教室の担当教員が一人一人の児童生徒の実態に応じたきめ細かな指導や支援を行うとともに、保護者、担任との連携により効果的な指導が行われていると考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 効果的な指導がされているというふうに教育長からお話がありました。
私もその辺気になって、先生方に結構細かくお話を聞かせてもらったら、一番最初に言われたのが、やはりそういう困難を抱えている子供というのは、人間関係の問題だったりでストレスをかなり抱えて学校で過ごしているということで、
通級指導教室に来ると一気にしゃべり出して、自分のストレスを吐き出すようなことをして、落ちついて、それから実際に授業を始めるというふうに言われていました。
そして、学習障害、LDの場合はとにかく得意分野を伸ばすこと。そのことに気をつけているというふうに言われていました。ほかの学校でも、とにかく子供の様子をしっかり見て、その特徴を生かすということに心を砕いているというふうなお話でした。
先ほど言いましたように、中学生になるとなかなか他校に行くというのが難しいし、自校にあったとしても、それに抜けて行くというのが自分のプライドが許さないというふうなことがあって、なかなか自校にあっても中学生になってから
通級指導教室に通うのは難しいというふうに言われていました。
そして、言語のほうで対応している
通級指導教室のお話では、その指導によってかなり改善されて、状態もよくなるというふうに言われています。
そして、共通して言われているのは、どの学校の先生も本当にやりがいのある仕事やと。子供の成長というか子供の改善、発達が見えて、本当にやりがいのある仕事やというふうに言われていました。
それで、先ほども言いましたように、
通級指導教室に通っている児童生徒は、小学校で78名で、自校からは44名、他校から34名ということです。そして一方、その発達障害の診断名を受けている通常教室による小学生が163人、中学生が50人という数字がありますが、今現在の
通級指導教室の数で、先ほど巡回相談もやられているということのお話ありましたが、現在の
通級指導教室の数で本当に必要な支援ができているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、現在の
通級指導教室の数で必要な支援ができているのかについてお答えします。
特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴い、
通級指導教室についてもさらなる増設が望まれるところであり、田辺市教育委員会としましては、県教育委員会に対して担当教員の増員や教室の増設等を要望しているところであります。
また、
通級指導教室に通っている子供たちは、9割以上の時間を自校の通常の学級で過ごしておりますので、通常の学級での
特別支援教育の充実を目指して、それぞれの学校で一人一人の子供の実態に応じた支援ができるように取り組みを進めていくことも大切であると考え、取り組んでいるところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 全国的に見ますと、通級指導を受けている児童生徒は、2017年度10万8,946人で、1993年、24年前から比べますと8倍にふえています。そして、最近の伸びが顕著で、2016年から2017年、平成28年から29年の間に1万人余りがふえています。これは、
通級指導教室が必要であるということで、全国的に
通級指導教室の数がふえていくことで、この利用する児童生徒もふえているということであります。県のほうに増設を求めてということですが、本当に必要とされる子供に十分な支援がまだ十分できていないということになると思います。
そこで、豊かな教育を保障する取り組みとして、まず、現在の教職員の多忙化の解消ということが大事やというふうに思うのです。教職員が普通の生活ができていない。朝早くから夜遅くまで学校で仕事をしている。そういうことでは教職員が自分の生活、自分の普通の生活ができない。そういう状態で子供に対して十分な教育ができるのかという問題です。
私は、先生方のお話を聞く中で、小さな気づき、子供の小さな気づき、そのことを物すごく重要にしているというふうに言われていました。これは、
通級指導教室の先生だけではなくて全ての先生方、教職員に当たるというふうに思いますが、今現在の先生方のこの多忙な状態、そういう状態で、学校の中で子供の変化、小さな気づきが感じ取れる状態であるというふうにお考えでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 教員は、子供たちに力をつけてほしい、伸びてほしいという思いから、よりよい支援を目指し、丁寧に、そして熱心に授業の準備を行っております。その結果として、
通級指導教室へ通うことを希望する保護者も多く、担当教員が就業後、残って授業の準備を行っているという現状もございます。
議員御指摘のとおり、
特別支援教育を含む全ての教育の充実は、教員が健康で働きやすい環境があってこそだと考えております。教職員の不足への対応については、加配教員の配置について県教育委員会に対してさらに要望してまいりたいと考えております。
また、多忙化の解消につきましては、学校の様子や各教員の状況を的確に把握するとともに、校務支援システムの導入なども通して取り組んでまいりたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今も答弁いただいたのですが、やはりまず教職員の多忙化解消、そのことから取り組まないと十分な解決にはつながらないというふうに思います。
そして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの拡充も必要ではないかというふうに思いますが、先ほどスクールカウンセラーが20校に配置されているということを言われましたが、多分1人のスクールカウンセラーで数校かけ持ちというふうな形やと思うのですが、その辺をやっぱり拡充する、スクールカウンセラーを各学校に配置できる、そういうことも必要やし、スクールソーシャルワーカーが今2名というふうなことを言われて、いろんな関係機関との調整をしているということを言われましたが、そこの拡充も必要ではないかというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員が今言われてましたように、拡充については今後も県に働きかけながら進めていきたいというふうに考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、
通級指導教室の現状についてお聞きします。
通級指導教室の担任の先生は、多い方で週に29こま、5日間で割りますとほとんど毎日6こま、6時間持っていて、そして、ほとんどの先生が7限目、普通小学校では7限目というのはないのですけれども、
通級指導教室は他校からの通級指導を受ける子供さんのために、児童生徒のために7限目をほとんど毎日に近いほどやっているということを言われていました。そして、先生方、それだけの授業をこなしていますと授業準備どんなにしているのですかというお話を聞きますと、時間内ですることが困難で、学校で残ってしたり、家に帰ってそれをしたりというふうな形で、現状で今の
通級指導教室の数、先生の仕事を考えた場合に、本当に対応は限界に近い状態になっているというふうに思います。その辺についてどのように考えられているのか。本当にこの状態で支援をきちんとできる状況にあるのか。その点についてはいかがですか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の
通級指導教室の教員は担当時間が多く、週のほとんどに7限目の授業が入っていると。そのために勤務時間内での授業準備等の問題等、本当に大変ではないかという御質問ですけれども、先ほども私のほうからも言わせていただきましたけれども、確かに
通級指導教室を希望する保護者も多いため、終業後に残って残業しているという、授業の準備を行っているという現状もありますので、先ほどの繰り返しになりますけれども、今の状況が十分だというふうには思っておりませんので、できるだけ県のほうにも働きかけながら増設、増員を要求していきたいなというふうに強く思っているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 私、今回いろんな学校訪問させていただいて、調査して感じたことは、全ての学校に
通級指導教室を設置することが必要ではないかというふうに感じました。
通級指導教室で聞いたお話ですが、
通級指導教室が自校にあると本当にすばらしい対応ができる。すぐに支援を必要とする子供への対応がスムーズに行えるというふうに言われていました。学期の初めに、その数に入っていない子供も授業している中で気づいて、その後、
通級指導教室に通わせるようになって対応がすぐできたということで、その担当の先生も校長先生も自校にあることで、すぐ対応できて本当によいですというふうに言われていました。
そして、先ほども言いましたように、田辺市の小学校の数から言ったら、今現在4校というのはとても足りませんし、そして、先ほど言った普通学級による診断を受けている子供の数だけではなくて、本当に特別な支援を必要とする子供の数はもっと多くあるというふうに思います。その中で、まず田辺市内の大きな規模の学校に速やかに、そして旧4町村では鮎川小学校にありますが、中辺路、龍神、本宮にはありません。やはり最低限拠点校をできるだけ速やかにつくる必要があるというふうに思いますが、その対応策というのはあるのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 今議員お話されました、そういうきめ細かな部分での対応は、先ほど言いましたけれども、県への要望等では出しておりますけれども、まだ具体的に、では来年度から、再来年度からという状況で今確定しているわけではありません。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 特別な支援を必要とする子供の対応というのは待ったなしの状況やというふうに思うのですが、先ほどから教育長は何度も県のほうにお願いしてということを言われてあるのですが、県の状況を待っていた場合になかなか前に進まないということもあると思うのですが、市単独でこの
通級指導教室をふやしていくという考えはあるのかどうかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の
通級指導教室の増設を市単独で行う考えはあるのかについてでありますが、現在、県にかわって市が
通級指導教室の増設及びそれに伴う教諭の採用を行うという取り組みは行っておりません。
また、教育的課題は
通級指導教室の問題だけではなく、多岐にわたり取り組むべき課題が多いため、現状から言えば今の段階では難しいことであると考えますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 先ほども少しお聞きしましたが、他校から
通級指導教室へ通う児童生徒への送迎というのは、今現在、保護者が行う自己解決というふうになっています。そのために、特別な支援を必要とする子供が保護者の都合、仕事の都合などでそれを利用できない、断念しているという状況がたくさんあります。また、全国的に見ますと、子供の送迎で仕事をやめたという事例が多数起こっているということも言われていて、これが
通級指導教室の最大の課題でもあると言われています。
通級指導教室を利用したくても送迎ができない、自校にないからという声があります。自校に
通級指導教室ができるまで、他校に通級をしている児童生徒への送迎支援を公的に行政のほうで実施すべきではないかと考えます。これは、義務教育である間は、やはり自己解決ということではなくて、やはり公的な部分、行政がするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、他校から
通級指導教室へ通っている児童生徒への公的な送迎支援を実施すべきではないかということについてお答えします。
他校の
通級指導教室へ通っている全ての児童生徒に対し、公的な送迎支援を行うことは難しい状況でありますが、
特別支援教育を初めとした教育への取り組みは非常に大切なものでありますので、今後も関係部署とも連携の上、教育にかかわるさまざまな取り組みを進めていきたいと考えております。
また、先ほども申しましたように、保護者の仕事等の諸事情により子供の送迎ができない場合には、巡回相談や相談室での個別対応をとりながら
特別支援教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
そして、
通級指導教室につきましては、今後も引き続き県との連携を密にしながら増設について強く要望してまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 東京都は、都内に1,200ある公立の小学校に特別支援教室というのをつくって、
通級指導教室に他校から通うことのないように、全て自校で受けられるようにしているというふうに言われています。それは、区の中の拠点校に複数つくって、そこから巡回に各学校に派遣して、他校から
通級指導教室に通うことのないようにやったというふうに出ています。これは、やはり保護者の送迎が要らない、保護者に負担をかけない、特別支援を必要としている子供が自分の学校でその授業を受けられるという、本当にすばらしい形ができています。
田辺市でも先ほど教育長が後日答弁させてもらうということで巡回のお話をされていたのですが、その巡回の数ではまだなかなか行き届いていないということだと思うのです。
私は、今回の問題を取り上げた場合に、やはり全ての子供たちに、特別な支援が必要な子供だけではなくて全ての子供たちに行き届いた豊かな教育を保障していく、そのことが絶対に必要だというふうに思います。
ゆとり教育は間違っていた。もっと教育を詰め込まなければならないということで教科書の中身をふやす。授業時数をふやしていく。全国学力テストだけでなく県でも市でも学力テストをやる。校務文書がふえている。学校現場は窒息しそうなほどの仕事量で、夜遅くまで学校は明々と電気がついています。仕事をふやすことばかりで不必要な仕事を減らすことはほとんどありません。
小学校の英語教育導入は教員をふやすことなく、お金もかけずにやる。現在の政権の思惑で道徳教育を正式な教科にしていく。教員の多忙化はひどくなるばかりです。全ての子供に、豊かで行き届いた教育をするためには、まず、教職員の多忙化を解消するために、教員を抜本的にふやすこと抜きに解決は見込めません。それから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、図書室の司書を各学校に配置するなどが必要です。教職員が一人一人の子供たちの小さな変化に気づく、小さな気づきを感じられる、時間的にも、精神的にも余裕が必要ではないでしょうか。しっかり児童生徒に向き合う時間が大切です。
教職員も人間です。人間らしい暮らし、普通の家庭生活が送れることが必要です。そのことができなければ、特別な支援を必要とする児童生徒に行き届いた教育が保障されません。詰め込み教育でなく、全ての子供たちに豊かで人間として成長するための教育になることを要望して質問を終わります。ありがとうございました。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午前11時5分まで休憩いたします。
(午前10時54分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時05分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、15番、安達幸治君の登壇を許可いたします。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 皆様こんにちは。15番議員のくまのクラブ、安達幸治です。どうぞよろしくお願いいたします。
風邪なのか鼻炎なのか、果たして今はやりのものなのかわからないのですけど、ちょっと悪声でございますが、お許しいただきますようにお願いいたします。
大項目三つについての質問ですが、第1項目から質問させていただきます。
まず、林業、木材産業を取り巻く情勢についてお伺いいたします。
一時は繁栄を続けてきた我が田辺市の木材産業も、今は鳴りを潜め、低迷を続けております。私が学生のころには、新庄町には多くの製材所があり、活気に満ちておりましたが、その後、外国産材の輸入による影響もあり、今は大手を残しほとんど皆無となっております。
林業の低迷は森林にも大きな影響を与え、間伐が行き届かないため森は鬱蒼となり、下草などが生い茂らないため、雨が降れば地すべりやがけ崩れが起こり、川が氾濫し、真っ赤な水が大量に海に注いでいます。その結果、漁業にも大きな打撃を与えているのが現状です。農林水産業は田辺市の命。特に林業が栄えることによって山間部は活気を取り戻します。
そうした中、ここに来て朗報がもたらされました。それは国による森林環境税の導入でございます。この森林環境税については、皆様御承知のとおり、1991年、本宮町当時の中山喜弘元町長が全国の先頭を切って御提唱をされました。木材生産だけではなく森林の多面的機能を生かした環境保全に対し、国全体で支えるものだと声高々に主張され、いつしか全国的にも輪が広がりました。そして今、国の御理解のもと2018年5月に森林経営管理法が成立し、本年4月1日より森林環境譲与税として県を経た後、各市町村にも、人口、私有林人工林面積、林業就業者に応じて配分されることとなりました。
森林局の皆様には、既に施行に当たっての心構えはできていると思いますが、現在、考えるだけでも課題は山積されているのではないでしょうか。
ここで改めて森林経営管理法について御説明の上、新たな森林管理システムについても具体的にお示しください。
また、3点目として、森林環境譲与税の使途についてですが、発信元の田辺市としては全国のモデルにならなければなりません。森林環境税ということで環境を口にする以上、林業経営に関することだけではなく、山の本来の自然の姿を取り戻し、荒廃を防ぎ、川を守り、漁業者の方にも大きな利がある譲与税であってほしいと思います。譲与税についての本市のお考えをお伺いいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 15番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の3点目、森林環境譲与税については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
森林環境譲与税は、平成31年4月から新たに施行される森林経営管理法の施行に伴い、市町村等が実施する森林整備や経営管理に必要な財源に充てるため、平成31年度税制改正において森林環境税とともにその創設が決定しているところです。
また、この法律制定の背景としましては、戦後の拡大造林によって植林され、収穫、伐採の時期を迎えている森林が、これまでの国産材需要の伸び悩みや木材価格の低迷などの要因が相まった結果、適切な森林整備や管理が行われていない手つかずの森林、いわゆる放置森林や未整備森林の問題となって顕在化してきたことなどが上げられます。そうした背景のもと、適切な時期に適切な森林整備や経営管理を促進するため、森林所有者及び市町村等の責務を明確にしたことがこの法律の特徴です。
今後、市町村等においては、法律の趣旨に沿って新たな森林管理システムを運営する中で森林整備等を進めることになりますが、この実行経費として平成36年度から実施される森林環境税に先駆け、この秋から森林環境譲与税が市町村等に毎年譲与されることになっております。
この森林環境税の創設につきましては、先ほど議員からも御紹介がありましたように、平成4年に当時の本宮町長であった中山喜弘さんが山村振興に資する市町村の自主財源確保の必要性を提唱し、結成された森林交付税創設促進連盟の活動が実を結んだことは言うまでもないと考えております。
さて、国内においては、国土面積の3分の2に当たる約2,500万ヘクタールが森林である中、そのうち約1,000万ヘクタールが杉、ヒノキ等の人工林で、またそのうちの半分が10齢級、50年以上で伐採時期を迎えておりますが、実際は年間の成長量の4割程度しか伐採されていないという状況です。
こうしたことから、これまでのような森林資源の成長を促す保育、政策だけではなく、立木を伐採して、再造林、植栽をして木材等として使う、活用するといった新たな時代が到来しており、いわゆる林業の成長産業化に寄与する仕組みの構築が求められております。
また、本市域でも、昨今たび重なる台風や大雨による風倒木や山腹崩壊などが発生する中、私権という要因もあり、道路、電気、電話といったインフラ復旧に時間がかかるなど大きな課題となっております。
一方、地球規模での環境問題が懸念される中、1992年に開催された地球サミット国連環境開発会議が起点となり、2009年には人類共通の活動概念として、安全に活動できる範囲を地球の限界から考えるプラネタリー・バウンダリーといった考え方が発表され、さらに2015年には世界全体の普遍的な目標として、気候変動や森林分野を含む持続可能な17項目の開発目標、いわゆるSDGsが提唱されるなど、世界的にも大きな意味で森林の果たす役割が高まっており、森林が有する多面的な広域機能を維持、発揮するための整備や経営管理の必要性は大変重要となっております。本市におきましては、今回の新たな法律の施行や譲与税の実施などを50年、100年先の地域の未来づくりを醸成するための絶好の機会と捉え、また、これまで検討を進めてきました林業、木材産業や山村振興等の課題解決につなげていくため、引き続き国・県・各森林組合など関係機関と連携の上、積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 森林局長、清水健次君。
(森林局長 清水健次君 登壇)
○森林局長(清水健次君) 議員御質問の、林業、木材産業を取り巻く情勢の1点目。森林経営管理法について及び2点目の新たな森林管理システムについてお答えいたします。
まず、森林経営管理法は、本年4月1日からの施行となります。この法律の特徴といたしまして、森林所有者や市町村の責務が明確化されたことです。特筆すべきは、森林所有者は、保有する森林について適時に伐採、造林、保育を実施することにより経営管理を行わなければならない点と、市町村は、この経営管理が円滑に行われるよう必要な措置を講ずるという二つの点が義務づけられたことです。
次に、市町村が行う必要な措置、いわゆる新たな森林管理システムとは、市町村が森林所有者の森林経営に関する意向調査を実施し、森林所有者みずから森林の経営管理を実行できない場合は、市町村が森林の経営管理の委託を受け、林業経営に適した森林は、意欲と能力のある林業経営者に再委託をし、また、市町村が経営管理の委託を受けても再委託ができない森林及び再委託に至るまでの期間の森林は、市町村が管理を実施するともなっております。これらの経費といたしまして、この秋から森林環境譲与税が国から譲与される予定です。平成35年度までの譲与税は、国が暫定的に譲与税特別会計の借り入れで対応し、市町村の体制整備の進捗に伴い徐々に増加するよう設定されております。
また、この借入金は、平成36年度実施予定の森林環境税の税収の一部から償還することとなっております。
本市への譲与額につきましては、和歌山県の試算によりますと、平成31年度から33年度までの3年間は、毎年1億円余りが譲与される予定です。それ以降につきましては、平成34年度から36年度の間は毎年1億5,000万円が、また、平成37年度から40年度の4年間は毎年2億2,000万円余りが、平成41年度から44年度の間は毎年3億円弱、さらに平成45年度以降は3億5,000万円余りとの試算が示されております。
さて、この森林環境譲与税の使途につきましては、平成30年5月に開かれた第196回国会の中でも、税の使途に関しては市町村が弾力的に必要な事業ができるようにとの国会議員等の意見がありました。
その中で、本譲与税の使途の基本的な考え方として、政府当局からは、地域の実情に応じて、法令に定める予定の範囲で事業を幅広く弾力的に実施できるものとして、次のような答弁に言及されております。市町村が行う森林の公的な管理や新たな森林管理システムの円滑な実施、境界の確認、公有林の整備、都市と山村の連携による森林整備、竹林利用促進のための加工業者支援、森林環境教育などです。
また、税の使途に関しましては、国会答弁以外でも林野庁の考え方として次のような事例が示されております。制度の普及啓発、寄附による公有林化、集約化、林道・作業道等の維持、市町村が実施する間伐等の森林整備、天然林施業、侵入竹林の整備、木材利用の促進、林業研修等の人材育成や担い手の確保などです。
本市といたしましては、こうしたことから、平成31年度中に第三者を入れた附属機関や協議会等を設置し、市としての森林管理のあり方、理念や基本方針などのほか、重要事項を審議した上で、そのプロセスや客観性を持って今後の森林環境譲与税の使途やその方向性をしっかりと判断していくことが重要だと考えております。
いずれにいたしましても、長らく低迷を続けてきた林業、木材産業分野が、今回の情勢によりまして大きくさま変わりをすることが予想されます。
本市といたしましては、引き続き関係機関と連携の上、事業を実施してまいりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
(森林局長 清水健次君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 林業、木材産業を取り巻く情勢として、その中で森林経営管理法、新たな森林管理システム、そして森林環境譲与税についてお答えいただきました。
この質問は、平成29年9月議会において、宮井章議員の一般質問でも取り上げられましたが、施行が間近に迫っている今、改めて現在置かれている状況をお伺いしました。細かい内容についてはこれからとしても、目前に控えた環境税の施行に当たっては緊張感を持って臨まれているようでございますし、いろいろな課題をめぐり、平成31年度中に第三者を入れた附属機関や協議会等を設置、重要事項を審議し、この森林環境譲与税の使途やその方向性をしっかり判断していくということで、ここはしっかりとお願いしたいと思います。
また、譲与税の使途についてですが、制度の普及啓発、寄附による公有林化、集約化、林道・作業道の維持、市町村が実施する間伐材等森林整備、天然林施業、侵入竹林の整備、木材利用の促進、また林業研修等の人材育成や担い手の確保などいろいろと充てられることですが、もちろんこれからの林業、木材産業に重きを置くことは重要事項ですが、この中でも私的には、この際徹底して放置人工林を天然林に戻してはどうかという考えです。このままでは、いずれ日本の環境はもたなくなります。豊かな山は豊かな水を育てます。水は人間の命。森が川が海が完全に壊れてしまう前に、もう一度時をかけて自然豊かな森を里を取り戻したいものです。
また、今後数年かけて体制をつくっていく中で、今の森林局の状況では余りにも仕事が多過ぎてとても人数が足りないと思っています。恐らく今ここで人数が足りているのかと質問させていただいても、森林局の職員は遠慮して答えられないでしょう。今のすぐれた人材をそのまま維持し、新たに山の専門家、つまりスペシャリストを何人か投入することが望まれます。
この森林環境税は、我が田辺市にとってはまたとない大きなチャンス到来です。ぜひ日本中のお手本となるよう、みんなで考え、みんなで力を合わせて、すばらしい森のまち田辺市を完成させようではありませんか。このことをお願いして、次の質問に入らせていただきます。
続いて2点目、行政局長の在職期間についてお伺いいたします。
旧田辺市と4町村が合併して、ことしで14年の歳月が流れます。それまでは、元町村には、町長、村長の首長がおられ、そのリーダーシップのもと、それぞれの政が行われておりました。各町村内におきましては、それぞれ葛藤はありましたが、その意見も何とか一つにまとまり、現在の田辺市となっております。もちろん、以前よりも職員は減り、各行政局内も何か寂しくはなっておりますが、各行政局の職員も懸命に頑張っており、合併自体はこれでよかったんだと感じております。
ただ、長い間見ている中で、行政局長の在籍期間について多少の違和感を持っています。行政局長といえば以前の村長であり町長であります。また、町村のトップであります。その局長が2年や3年でころころ変わるようでは町村の安定があるはずがありませんし、計画も十分消化できないでしょう。地元出身の局長であってもその町村を完全に治めていくには結構時間がかかりますし、ましてや他の町村出身の方でありますとその地域になじむだけでも最低二、三年はかかりますし、またそれからが本領発揮です。
私個人から見ていても、その意味において何か行政局が軽く見られているようにしか思えません。もちろんそんなことはないとおっしゃられることでしょう。ほんの例ですが、私の出身の龍神村においても、現在本宮出身の行政局長がおられますが、在職期間がこの3月で切れようとしております。やっと龍神村にもなじみ、龍の里プロジェクトもでき上がり、これから計画を実現しようという段階です。こんなやさきに定年のために退職、これでは本当に寂しい限りです。このことは、中辺路、本宮、大塔においても同じことです。本人にやる気があり、やりたいことが残っているのであれば可能な範囲を探りながらもぜひ任せるべきだと考えます。
また、もし定年というものが最後の基点となるものであれば、四、五年は早目に選任すべきであり、できれば地元をよく知っている職員を行政局長にすることが理想的です。行政局長の在職期間についてどのように考えておられるのかお聞かせください。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、全体の職員配置の考え方についてでありますが、職員の能力や知識、経験、意欲、人柄など。また、業務内容や課題、組織の目標等の状況を把握した上で人事異動を行っているところでございまして、こうした状況を踏まえ、職員の在職期間も含めて職員の適正な配置に努めているところでございます。
そうした中、行政局長を含む部長級への任命についてでありますが、地方公務員法に職階ごとの標準職務遂行能力が定義されており、部長級職員として六つの標準職務遂行能力が求められることになっております。
一つ目は、倫理として、全体の奉仕者として高い倫理感を有し、部の重要課題に責任を持って取り組むとともに、服務規律を遵守し、公正に職務を遂行することができるとあります。
二つ目には、構想として、所管行政を取り巻く状況を的確に把握し、先々を見通しつつ住民の視点に立って部の重要課題について基本的な方針を示すことができるとあります。
三つ目には、判断として、部の責任者として、その重要課題について豊富な知識、経験及び情報に基づき冷静かつ迅速な判断を行うことができるとあります。
四つ目には、説明・調整として、所管行政について適切な説明を行うとともに、組織方針の実現に向け、上司を助け、困難な調整を行い、合意を形成することができるとあります。
五つ目には、業務運営として、住民の視点に立ち、不断の業務見直しに率先して取り組むことができるとあります。
最後の六つ目には、組織統率として、指導力を発揮し、部下の統率を行い、成果を上げることができるとあります。
以上の六つの点を踏まえ、これまでの知識、経験や実績等から部長級職員として、所管の職員と力を合わせ重要課題に適切に対応し、部の責任者として冷静かつ迅速な判断ができるかどうか、そして業務目標や課題に対し結果を出すことができるかどうかなど、総合的に判断し、能力の発揮が期待できる職員を部長級としておりまして、行政局長につきましても同様に行っております。
そうした中で、行政局長の場合、他の部長級と違い、一定の行政エリアを統括する立場にありますので、当然のこととして地域の実情や課題を的確に把握しなければなりませんし、地域に対する愛着、地域振興への強い意欲がなければ務まりません。
今後とも、行政局長の任命につきましては、こうした点を踏まえ、各行政局管内での取り組みや課題等に適切に対応し、これまでと同様に各種事業や取り組みが遂行できるよう、適材適所の人事異動、適正な職員配置に努めていきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 行政局長の在職期間について御丁寧にお答えをいただきました。ありがとうございます。
今まで選任された方々はよく頑張ってこられたと思いますし、人選について異議を唱えるものではありませんが、質問にもありましたように問題は期間です。ぜひ落ちついて行政局を治められるよう、余裕のある時間を与えていただいたらと思いますので、どうぞよろしくお願いしておきます。
続きまして3点目、不法投棄について質問させていただきます。
平成30年2月4日、今から約1年ちょっと前でございますが、龍神村の友人から電話があり、虎ヶ峰へ上がる手前、下栃谷の県道沿いに大量の廃棄物が捨てられているので何とかしてほしいということでございました。後日、行政局及び本庁の担当課にお願いし、早速現場を視察していただきました。雪の多い時期でございましたので、季節のよいときに龍神の住民の皆様の手をかりてやろうということでその場は役所の皆様にお預けをさせていただきました。そして秋も過ぎ、12月1日に龍神村民の有志の方々、行政局の皆様、そして土木関係の皆様には大型のクレーン車を導入していただき、8時半ごろから夕方3時ごろまでに約10トンのごみを片づけていただきました。まだ3割ぐらい残っておりますが、また後日として皆様帰路につきました。安達克典議員にも随分お手伝いをいただきました。このごみについては、長い間の蓄積で、恐らく最低40年ぐらい前から捨てられていたのではないでしょうか。恐らくこの間には誰かが気づかれていたことだろうと思います。
また、昨年暮れになりますが、稲成町の谷中地区の竹やぶに大量のごみが捨てられておりました。ここは田辺市の中でも最大の蛍の生息地ということで、稲成町の町内会長さんの室井さんに町内会の皆様で何とかならんやろうかとお願いしましたところ、数日後、町内会の皆様とともに全部片づけていただきました。後にお礼に伺いますと、やったけどまあえらかったわと笑顔で話されておられました。稲成町内会の対応の早さには、改めて頭がさがります。
もちろん、私も他人に押しつけているばかりではありません。私自身も町なかにごみが落ちているのが大変嫌いなので、時間があれば、少しの時間でも拾うこととしていますが、それでもなかなか追いつきません。いろんな場所を回っておりますと、ごみが捨てられている場所には決まってごみ捨て禁止という田辺市の看板が立てられています。今は、田辺市もそこにごみが捨てられている場所だと知りながらも、この状況ですとパトロールをしていないということになります。
この問題は何も環境課だけのことではありません。環境をうたう、あるいは文化振興、教育をうたう田辺市として、みんなで取り組むべき問題だと考えます。田辺市としてこの状況をどのように捉えているのか。また、今後誰がどのように取り組まれるのかお聞かせください。
また、小・中学生にとりましても教育の中で環境問題に取り組むことは大変意義のあるものです。恐らくごみを拾う子供は、大人になっても決してごみは放らないものと考えます。既に会津小学校などでは実践しておりますが、他の全ての小・中学校の学びの場として、積極的に取り組むべきだと考えますが、御見解はいかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長、松場 聡君。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の不法投棄についての1点目、パトロールについてまずお答えいたします。
本市が行っている不法投棄のパトロールにつきましては、日常業務として国立公園内や熊野古道沿いの道路、過去に不法投棄が頻繁に発生している箇所や田辺保健所から情報提供を得た箇所等の定期的な巡回を行うとともに、庁内でごみ不法投棄対策連絡会を組織し、連携を図りながら市全域における不法投棄の把握に全庁的に取り組んでおります。
また、日常業務に加えて、5月30日のごみゼロの日から6月5日の環境の日まで、全国ごみ不法投棄監視ウイークと位置づけられている週間では、出動車両に不法投棄防止の啓発マグネットを張りつけてパトロールするとともに、9月24日の清掃の日から10月1日までの環境衛生週間と位置づけられている週間では、和歌山県産業資源循環協会の協力を得て、不法投棄された廃棄物を撤去するなどの取り組みを実施しております。
2点目の処理について。市が不法投棄を発見した場合の対応についてでありますが、不法投棄を発見した場合の対応につきましては、まず不法投棄発生場所の状況確認を行い、投棄物の中に投棄者が判明するものの有無を調査し、判明した場合は、投棄者に対し聞き取り調査を実施し、投棄を認めた場合は、投棄者による適正処理を行うよう指導しているところです。
また、投棄者が不明の場合は、投棄場所の管理者責任において投棄物を処理することが原則となっておりますが、道路沿いの川や谷などに不特定多数のものにより大量に不法投棄されている箇所等につきましては、土地の管理者、地元町内会等と連携して市において処理している場合もございます。
そうした対応に加えて、不法投棄を防止するための啓発活動としまして、市では、広報田辺やラジオ広報による啓発、土地の管理者や地元町内会等へ不法投棄禁止看板を貸し出したりするなどの取り組みを行っております。
また、町内会や公民館、企業等各種団体で構成されている田辺市環境美化連絡協議会とも連携して、例年環境記念日における街頭啓発活動や熊野古道清掃ウオーク等を行っており、ことしは議員から御紹介のありました龍神村柳瀬地内においてボランティア清掃を行うなど、官民協働により啓発活動や実践活動に努めております。
市としましては、引き続き関係機関や団体と連携を図りながら、不法投棄防止に努めてまいりたいと存じますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 委員御質問の不法投棄について、教育の観点から環境を守る取り組みについてでありますが、小・中学校の学習指導要領総則には、環境の保全に貢献し、未来を開く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うと示されており、環境にかかわる学習や取り組みは各校で行われております。議員より御紹介いただきました会津小学校では、自分たちの地域の川をきれいにすることを目的に、3年生が会津川河川敷の清掃活動を毎年実施しております。
このような取り組みは、会津小学校以外にも多く見られます。例を挙げますと、大塔地区では、鮎川小学校と大塔中学校が一緒に大塔リフレッシュ大作戦という清掃活動を実施しております。これは、小学1年生から中学3年生まで全員が集まり、交流する場として、また自分たちが住む地域を少しでもきれいに、気持ちよく暮らせるようにという環境整備の観点から、毎年地域の方々にも呼びかけて実施しているものです。
また、田辺第三小学校の4年生が地域の老人クラブの方々と一緒に天神崎の清掃活動をしたり、秋津川小学校と秋津川中学校が地域の方と一緒に校区の清掃活動をしたり、さらに田辺第二小学校の5年生と6年生は扇ヶ浜の海開きの時期に合わせて地域の人と一緒に清掃活動をしたりなど、内容は各学校によってさまざまでありますが、どの学校においても環境を守る取り組みや学習が実施されております。
今後も地域に貢献のできる子供の育成を目指して、みずからの体験や経験を生かした環境教育等の充実を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 不法投棄についてのお答えをいただきました。ありがとうございます。全般的には一生懸命やられているようで、大きく見れば田辺市全体からはごみは少なくなっているのかなというようには感じますが、しかし、丁寧にのぞいていきますと、やはり歩く方がのぞかれるのと、また車でのぞかれるのとは、もう全く視点が違いますので、そこら辺のところでちょっと御説明させていただきますが、参考資料なのですが、これは動鳴気峡のトイレがあるのですが、そこから大坊に上がる信号までの直線、大体300メーターぐらいの間のごみです。私もふだんこの辺をよく歩いておりますので、道からちょっとのぞいてもたくさんのごみがあります。まず上の写真の不法投棄と書いてあるところのごみなのですが、これは、不法投棄と書いてあるところのすぐ左下に捨てられていた、ここの左下だけのごみなのです。下の写真は、それよりちょっと七、八十メーター上流に落ちておりましたごみの一部です。これは、上と下と合わさったものでありませんで、もともと別々のものでありますが、下がもう処分場のほうに私が持ち込んで処分場で写したものですが、これはまだまだほんの一部で、この上流のほうでごみを置いておりましたものは市役所の職員が大分取りに来ていただいておりますので、合わせたらこの付近だけでもこれだけのごみがあったということが、ずっと、本当にわかっていたのかわかっていないのかわかりませんけれども、放置されてきたという現状でございます。これ以前にも、昨年の12月にかけてですが、秋津から丸山組のプラント付近までに入っているごみも、かなりの廃棄物、タイヤ等ありましたので、これは道から上に全部上げて、市の職員には取りに来ていただいている、今はこのような現状でございます。
本当に車だけでパトロールしてもなかなかわかりにくい現状があること。こういう現状が至るところに見えてくる。パトロールしているという現状はよくわかるのですが、細かくパトロールしているか、細かくしていないか、このことが完全に問われている問題ですので、今度本当に部局だけでなしに、いろいろ環境も含めた中で皆様一緒に合同でパトロールして、年に1回ではなしにせめて月に何回かパトロールして、その中で市の職員の皆様がなかなかごみを拾って、もともとこれを捨てに行くということは不可能かもわかりませんけど、各町内会の皆様に御相談いただきまして、観光のまち田辺市が本当にごみのないような町でありますように、お客様が本当に快く迎えられることをお願い申し上げまして一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、15番、安達幸治君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時44分)
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―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 市橋宗行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 市橋宗行君) 続いて、1番、松上京子君の登壇を許可いたします。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 皆様こんにちは。1番、篤志会、松上京子です。まず最初に、前回、前々回と定例会を欠席し、御迷惑と御心配をおかけしましたことをおわび申し上げます。今、元気にこの場に立ててうれしいですし、また同時に責任を持ってこれから職務に臨みたいというふうに思っております。
では、通告に従いまして大項目2点につき質問させていただきます。
1点目は市の障害者雇用施策についてです
昨年の夏、中央省庁や地方自治体の障害者雇用数の水増し問題が次々と明らかになり、大きな社会問題となりました。障害者雇用促進法の第6条には、国及び地方公共団体の責務について、障害者の雇用について事業主や国民一般の理解を高めること、障害者の雇用促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を推進させるよう努めることと責務について明記されています。
いわば本来、民間のお手本と位置づけられてきたわけですが、今回の出来事はこの法律、制度の信頼を根本から崩壊させる可能性があり、また同時に就労を目指している障害当事者や家族、関係者の希望や期待を裏切るものであります。
この法律は1960年の制定当初、身体障害者のみが対象だったものが、その後対象とする障害者の見直しなどが行われ、最近では平成25年に知的障害者、平成30年4月からは精神障害者へと対象も広がり、段階的に施行されているところです。
また、参考資料を少しごらんいただきたいのですが、この上のほうに書かれているとおりに、法定雇用率が引き上げとなりました。国・地方公共団体においては、法定雇用率が平成30年4月からは2.5%に上がっています。このような中、本市の障害者雇用の状況についてどのようになっているのかをお聞きしたいです。
1点目の質問として、本市の障害者雇用状況とその状況をどのように分析しているかをお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 1番、松上京子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の本市の障害者雇用の状況については私から、その他は担当部長からお答えいたします。
民間企業、国、地方公共団体は、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき、法定雇用率に相当する人数以上の障害者を雇用しなければならないとされており、地方公共団体の場合、法定雇用率は2.5%となっています。
昨年、国の行政機関において、障害者雇用率が不適切に算定されていたことを受け、全国の地方公共団体を対象として再点検が実施され、本市の各対象機関につきましても障害者雇用義務制度の対象となる障害者の範囲に誤りが見られたことから、実雇用率等の修正を行ったところです。
平成30年の再点検結果については、市長部局では、法定雇用障害者数の算定基礎となる職員数が857.5人に対し、障害者の人数が9人、実雇用率は1.05%となっています。同様に教育委員会及び水道事業所においても法定雇用率が未達成となっております。
障害者雇用の促進等に関する法律において、全ての事業主は、障害者の雇用に関し、社会全体の理念に基づき、適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであって、進んで障害者の雇用に努めなければならないと定められております。
このような中、本市におきましても障害者雇用義務制度の対象となる障害者の範囲に誤りが見られ、実雇用率等の修正に至ったことにつきましては、市民の皆様の信頼を損ない、障害を持たれている皆様に不信感を与えてしまう結果となり、心からおわび申し上げます。
このことを重く受けとめ、障害を持たれた方の雇用の場の確保と、何よりも継続して働き続けられる職場環境づくりに一丸となって取り組んでまいる所存でありますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 障害者雇用の状況につきましては、市長から答弁させていただきましたので、私からは、実雇用率等が修正により低下した理由につきまして御説明申し上げます。
まず、平成30年の再点検前の実雇用率につきましては、市長部局で2.24%、教育委員会で2.08%と報告しておりましたが、市長が答弁させていただきましたとおり、再点検結果は、市長部局は1.05%になり、そして教育委員会はゼロ%になるとともに、水道事業所は通報対象の機関となり実雇用率がゼロ%でございました。
こうした結果に至った理由といたしましては、まず1点目として、田辺市では、病気休暇等の申請で提出された医師の診断書から対象者であると判断しておりましたが、厚生労働省のプライバシーに配慮した障害者の把握確認ガイドラインでは、対象者の判断は手帳によることとなっており、この再点検の結果、手帳を所持していないケースがあったこと。
2点目といたしましては、法定雇用障害者数の算定基礎となる職員数につきまして、臨時職員は地方公務員法第22条の規定により6カ月の雇用となっていることから、対象外と判断し、これまで正職員のみを対象としていましたが、今回の再点検の際、和歌山労働局から、更新することで結果的に採用から1年を超えて勤務することに至った場合、臨時職員についても算定基礎に計上するよう指導がございまして、算定の基礎となる職員数が増加したこと。
そして、3点目として、これまで実雇用率の報告に際しては職員本人に同意を求めておりませんでしたが、ガイドラインでは本人の同意が必須となり、同意を得られなかったケースがございました。
以上が実雇用率等が修正に至った理由でございます。申しわけございませんでした。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) お答えいただきました。法定雇用率は、市長部局で1.05%、教育委員会、水道事業所ともにゼロ%と非常に低い値であります。再点検の結果、さきの発表よりもさらにこのような低い値になったことに関しては、手帳を持っていないケースをカウントしていたこと。そして、分母となる正職員の数の算定の仕方が違っていたこと。本人の同意が得られなかったことが理由とのお答えでした。けれど、再点検前も市長部局では2.24%、教育委員会で2.08%と法定雇用率は満たしておらず、いずれにしても障害者雇用推進の難しさをあらわしていると思います。
そこで、2点目に質問ですが、ではこれまで障害者の雇用促進に関して市ではどのような努力をしてきたのでしょうか。また、課題と考えていることは何でしょうか、お答えください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
これまでの障害者雇用の取り組みにつきましては、職員の採用試験におきまして、平成27年度から一般事務職3種試験として、身体障害者を対象とした採用試験を実施しており、平成30年4月に1人採用し、平成31年4月にも1人を採用する予定になっております。
また、直接の雇用ではありませんが、容器包装プラスチックリサイクル業務やペットボトルリサイクル業務、公園清掃業務や田辺スポーツパーク管理業務等を福祉作業所へ委託するなど、障害を持たれた方の働く場所の確保に努めてきたところでございます。
次に、障害者雇用における課題につきましては、法定雇用率の達成がまずもっての課題でございますが、先ほど市長が申し上げましたとおり、何よりも障害を持たれている方が市役所において継続して働き続けられるようにすることが非常に重要であると認識しております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 平成27年度から採用試験を実施ということで、お聞きする限りまだまだこれからという感じがいたします。
市では多くの業務を委託していますから、実際に市役所内で可能な仕事が限られてくるということはある程度理解できます。そんな中、直接の雇用ではないながらも、障害を持った人たちの働く場の確保に努力してくれていたということは評価したいと思います。
ただ、おっしゃいましたように、市役所で継続して働き続けられることが大切です。私がお聞きしたのは、そのためにどんな取り組みをすべきかということです。
民間が障害者とともに働く努力をしてきて、法定雇用率を満たしていない場合には1人月5万円の納付金を納めていることから考えても、市にはより一層の努力が必要だと考えます。
では、三つ目の質問として、全国的な障害者雇用数水増し問題が明らかになったことを受け、それをきっかけとして田辺市でもこれまでとは違った何らかの取り組みをされていることと思います。今既に行っている取り組みについて、そして今後どうしていくのかをお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
今回の再点検において、法定雇用率が未達成となったことを受けまして、法定雇用率の達成のため、全庁的に取り組んでいく方針を各部長に通達し、まずは、庁内の各部局において障害を持たれている方が継続して働くことができると思われる業務についての洗い出しを行いました。その後、洗い出した業務につきまして、田辺公共職業安定所や紀南障害者就業・生活支援センター等の関係機関と協議いたしまして、就業の可能性が高い業務について絞り込みを行いました。
そうした中で、本市におきましては、これまで障害者を雇用する環境が十分に整っているとはいえず、一度に採用するという方針ではなく、順次個別の部署ごと、一つずつ丁寧に採用に向けた取り組みを進めていくことといたしております。
採用に向けた具体的な手順につきましては、まず就業生活支援センターの支援ワーカーが各部署を実際に訪れ、具体的な業務内容や職場環境について聞き取りや確認を行い、就業が可能な業務かどうかを判断いたします。そして、可能であると判断した場合は、センターに登録されている方の中から就業の可能性の高い方に対して業務内容等の説明をし、その上で本人が希望すれば職場見学を行い、その後、職場実習を実施することになります。
これら一連の段階を踏まえ、職場実習の終了後におきましては、採用手続として、田辺公共職業安定所におきまして公募を行い、採用することになります。
一方、雇用の定着に向けた取り組みといたしましては、紀南障害者就業生活支援センターの支援ワーカーによるジョブコーチ支援制度を受けることを基本としております。具体的に申し上げますと、職場実習の期間中、支援ワーカーが障害を持たれた方に同行し、職場での職員とのかかわり方や効率のよい事務作業の進め方のアドバイスを行うとともに、受け入れ部署の職員に対しましては、障害を持たれている方が力を発揮しやすい業務の提案や、障害特性を踏まえた仕事の教え方などの助言を行うもので、採用後についても雇用の定着に向け、定期的に職場訪問が行われます。
こうした取り組みは、再点検の結果が出た昨年より進めておりまして、ことし2月から新たに障害を持たれた方2人を臨時職員として採用しているほか、現在1人職場実習を実施しているところでございます。
また、受け入れ側の体制整備に向けた取り組みとして、部長級職員や想定業務を所管する課長及び係長等職員等については、身体、知的、精神障害のそれぞれの特性や、ともに働くための配慮の必要性について理解を深めるための研修を行うとともに、障害者差別解消法が施行されたことを受け、全職員を対象に窓口対応などでの不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮についての研修を行ったところでございます。
これらに加えまして、正職員における今後の障害者雇用の拡大に向けた取り組みといたしまして、職員採用試験の一般事務職3種の受験資格につきまして、障害の区分にかかわらず受験できるよう、受験資格の要件見直しを検討しております。
以上、御説明させていただきましたとおり、今後とも関係機関と連携を図りながら、障害を持たれた方が継続して働き続けることができる職場づくりに全庁的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 再点検のあとすぐに動き出してくれているとのことです。全庁的な取り組みとして研修を行っていること、業務の洗い出しによって、関係機関との連携のもと実習から段階を経ての採用をしていること。そしてまた、生活支援センターの支援ワーカーによるジョブコーチを受け、継続のための努力をしていることなどがわかりました。
その結果、既に2月から2人が臨時職員として働いていること、1人が職場実習をしていることは大変喜ばしいことです。何とか定着して働き続けてくれたらと思います。
雇用に際しては障害の特性を知ることや職員の理解を深めることなどが大切ですが、そういった努力をしながら法定雇用率を達成している自治体もあります。好事例として御紹介したいと思います
一つは福岡県。こちらでは、知事部局で身体、精神障害の正職員が183人勤務しておられます。本庁や出先事務所などで幅広い業務に当たっており、平成30年6月時点での雇用率は3.45%ということです。ここでは障害のある職員を交えた意見交換会をもう20年以上続けられているとのことでした。
それから、福岡市。こちらは、チャレンジ雇用を2005年から導入しているそうです。チャレンジ雇用というのは、1年間、最大3年になりますが、知的障害者等を各自治体に非常勤職員として雇用し、その後、ハローワークなどを通じて一般企業の就職につなげる制度であり、福岡市では、チャレンジ雇用の採用者は76人おられて、うち72人は正規に採用枠のない知的障害者、精神障害者だということです。ただ、このチャレンジ雇用というのは、実習的な意味合いが強く、市での継続雇用には直接つながりませんけれども、ただ受け入れる自治体側としては、ともに働く経験を蓄積できるというメリットがあるのではないかと思っています。
それから、もう一つは川崎市です。こちらは、東京大学先端科学技術研究センターの近藤准教授が進めている超短時間労働とワーカーシェアリングを組み合わせた新たな雇用形態を実践しています。超短時間労働とは、15分ほどの短い時間帯からでも就労することで報酬や社会参加の機会を獲得できる働き方のことです。ワーカーシェアリングとは超短時間労働者が複数の組織で就労する働き方のことで、この共同研究事業は、企業ではソフトバンクと、そして自治体では今申し上げた川崎市が2016年2月からと、それから2016年11月からは神戸市が行っており、注目されているところです。
身体障害だけでなく、知的障害、精神障害にも雇用の拡大が求められている今、働きたいけれども長い時間働くことが難しく就労の機会を逃している人にとって、この超短時間労働による雇用というのも一つの形として参考になるかと思います。
これら事例も全て地道なものですが、地道な努力の結果、数字が追いついてくるというのがよい形だと思います。単なる数字合わせや数字にとらわれた無理な雇用をすれば雇うほうも雇われるほうも不幸です。
私が今回この質問をしたのは、田辺市の障害者雇用率の低さを指摘して、けしからんではないかと言うためではありません。この問題をきっかけにして市が障害者雇用に関する取り組みを行うときに方向性を誤らないでほしいと思ったからです。つまり、数字を追いかけないでほしいということです。
厚生労働省はさらなる法定雇用率の引き上げを予定していて、先ほどの参考資料に戻りますと、下の留意点のところに、さらに平成33年4月までに0.1%引き上げるというふうになっています。つまり自治体では2.6%が目標となるわけですが、こんなに性急に引き上げたり、現在の数字にこだわるべきでないと思っています。
本来あるべき障害者雇用とは、本人が能力を十分発揮できるような働き方を提示することです。ともに働き何が必要かという気づきの体験を重ねていくことが大切だと思います。障害に応じた配慮をすれば力を発揮してもらえる。そのためのソフト、ハード両面での環境づくりをしていってほしいです。御答弁でも、先ほど順次、一つずつ丁寧に採用につなげていくとありました。時間がかかってもよいです。今後も障害者雇用推進のために地道な努力をお願いいたします。
続きまして、2点目の質問に移ります。2点目は、色覚に特性のある児童生徒への配慮についてです。
平成14年3月の学校保健法施行規則の改正により、平成15年から色覚検査は学校の健康診断の必須項目から削除されました。程度の差は大きいものの色覚に特性がある人は日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合でいると報告されています。日常生活に特に支障のない人も多いと思いますが、児童生徒が自分の色覚の特性を知らないまま大きくなり、将来就職などの際に不利益となる可能性もあります。
そこで、一つ目の質問ですが、平成15年以降の田辺市の色覚検査の実施状況はどうなっているのでしょうか。保護者に対し検査希望の有無などを聞くためのお知らせなどはどのように行っているのでしょうか。また、受診の割合などもわかれば教えてください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 委員御質問の色覚検査の実施状況、保護者への周知、受診率についてお答えします。
委員御指摘のように、平成14年の学校保健法施行規則の改正によって、色覚検査は、平成15年度より健康診断の必須項目から削除され、必須項目に加えて色覚検査を実施する場合は、児童生徒及び保護者の事前の同意を必要とすることとなりました。
田辺市内の学校においても、学校保健法施行規則にのっとり、事前に同意した希望者に対して色覚チェックを行い、異常が認められた場合は医療機関で診断してもらうように保護者にお願いしております。
また、色覚に限らず見え方が気になるように感じた場合は、特別支援学校の見え方相談も活用している状況です。
周知につきましては、保健室からの文書で希望者を募る案内を出している学校もありますが、基本的には教職員が異常を感じた場合に保護者に案内することになっております。
また、受診率につきましては、基本的には全体での検査を行っていないため、詳しい数値は把握しておりませんが、低いものと予想されます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 学校では事前に同意した保護者に対して色覚チェックを行い、異常があれば医療機関へとのことです。
それから、保護者への周知は、保健室からの案内を出している学校もあるけれど、基本的には教職員が異常を感じた場合に保護者へ案内するということでした。先生方は子供たちの様子をよく見てくださっているので大丈夫だとは思いますが、小さな異常の場合気づかない可能性もないとは言えません。
平成26年4月の学校保健安全法施行規則の一部改正等についてでは、色覚の検査について、児童生徒等が自身の色覚の特性を知らないまま不利益を受けることのないよう、保健調査に色覚に関する項目を新たに追加するなど、より積極的に保護者等への周知を図る必要があることと書かれてあります。保護者の方に対しては、色覚の特性に関する正しい知識や検査に関する基本的事項などをぜひわかりやすい形でお伝えするようにお願いしたいと思います
では、2点目の質問に移ります。程度の差こそあれ一定の割合で色覚に特性のある児童生徒がいるわけですが、こういった子供たちに対し学校現場ではどのような配慮をしているのかお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の学校現場での配慮についてお答えします。
まず、教科書については、色覚の個人差を問わず、より多くの人に必要な情報が伝わるよう、デザインや配色の配慮がなされております。また、授業中に教員が行う板書につきましても、誰にでも識別しやすくなるよう、文字の大きさ、構成、配色を工夫しております。特に配色につきましては、黒板の緑に対して赤、青のチョークは識別しにくいため、白、黄を主体として使用しております。また、近年では蛍光色、いわゆる色覚チョークを使用している学校も増加しております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) ありがとうございます。色覚に特性のある子供だけではなく、全ての児童生徒に対し、色に関しての配慮がなされているというお答えでした。
お答えの中にあった板書についてですが、資料の裏側を見ていただきたいと思います。こちらは
文部科学省から教職員向けに配付されている、色覚に関する指導の資料の一部です。ここにあるとおり、板書については白と黄のチョークを主体的に使います。その下のところを見ると、黒板上に赤、緑、青、茶色などの暗い色のチョークを使用すると見えにくいため避けるようにしますと書かれてあります。また、その下へ行きますと、あえて白と黄以外の色チョークを使用する場合にはアンダーラインや囲みをつけるなど色以外の情報を加えますというふうにありまして、お答えにあったとおり、まさにこの指導の資料に沿って配慮をしていただいているのだと思います。
そして、今色覚チョークのお話も出ました。もう一つの参考資料を見ていただくとわかると思いますが、この色覚チョークというのは、従来に比べ赤や青といった色も非常に鮮やかで見やすいチョークです。この写真にある左側が色覚に配慮されたチョークで書かれたもの。そして、右側が従来のチョークです。この色覚チョークは非常に鮮やかで見やすいので、私も何人かの先生にお聞きしたのですが、見やすくてとてもよいと好評でした。
そこで、三つ目の質問ですが、田辺市内の学校で色覚チョークはどのくらい使われているでしょうか。また、使った感想などがあればお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の学校での色覚チョークの使用状況についてお答えします。
調査を行ったところ、田辺市内では一部の学級、または全ての学級で色覚チョークを使用している学校の割合は約80%でした。
また、その感想ですが、おおむね良好であり、色が明瞭であるため見やすいことがその長所でありました。一方で、単価が高いことや消えにくいという感想もありました。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 一部の学級で使っているのが何校で、全ての学級で使っているのが何校かというのがちょっとわかりませんが、合わせて80%ということで、多くの先生が使用してくださっているということです。ただ、私がお聞きしたところ、色覚チョークのお話をしたら、それは何というふうに知らない先生もいらっしゃいました。ただ、現場ではおおむね好評と生の声を聞かせていただきました。
私が調べたところ、色覚チョークのもともとの価格は従来のチョークとほぼ変わらないそうです。共同購入すれば安くなり個別で買うと高いといったふうに購入の方法によって値段が変わってくるのではないかと思います。
近年、教科書に関しては色に配慮をしたカラーユニバーサルデザインが重要視されています。教科書が大切であるのと同じく、児童生徒が日々学習する中で一番目にするのは黒板です。私が以前教育委員として学校訪問をさせていただいたときには、どの先生も本当に子供たちにわかりやすいように、きれいで丁寧な板書を心がけておられたことが印象に残っています。黒板に書かれた文字や図、絵などが見やすいというのはとても大事なことです。
白と黄を主体的に使うというのはよいことですが、見やすい赤や青なら気にせずに使えるのではないでしょうか。漢字の書き順などを示すときには白、黄以外にも複数の色を使うので便利だというお話も聞いたことがあります。カラーユニバーサルデザインの観点から、誰にとっても見やすい色覚チョークをより積極的に使ってもらえればと思っています。
全国的な例を見ますと、千葉県松戸市や兵庫県尼崎市では全面導入をしています。また、同じ兵庫県では西宮市、豊岡市、川西市など、その他多くの学校が積極的に導入を進めています。
そこで四つ目の質問です。田辺市として、市内小・中学校で色覚チョークを導入することについての見解はいかがでしょうか。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 色覚チョーク導入についての教育委員会としての見解ですが、委員のおっしゃるように、黒板の文字等がどの児童生徒にとっても識別しやすいものとなる配色や工夫は必要であると考えます。どのようなチョークを使用するかについては、各学校で適切に判断すべき事柄ではありますが、色覚チョークにつきましても、今後その工夫の一つとして、学校訪問や校長会等で紹介をしたいと考えておりますので、御理解いただきますよう、よろしくお願いします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) チョークについては、それぞれの先生が感じる書きやすさや使いやすさというのもあるかと思います。また、単価が高いとの問題もありますが、これは購入の仕方で解決できることです。全ての児童生徒にとって見やすくわかりやすい、そして、色の見え方の違いによって学びやすさに差が出ない、学習効果も上がる、このような利点を考え、今後も多くの学校で導入が進むように積極的に紹介していただけるようにお願いいたします。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 以上で、1番、松上京子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 市橋宗行君) この場合、午後1時50分まで休憩いたします。
再開の際は議案書及び予算書を御持参ください。
(午後 1時38分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時50分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、4番、前田佳世君の登壇を許可いたします。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 皆様こんにちは。4番、日本共産党、前田佳世です。通告に従いまして、今回は大項目二つお伺いいたします。
一つ目は、高齢者の命を守る対策について。二つ目は、学童保育の待機児童への対応についてです。
では、早速一つ目の質問から入らせていただきます。
平成30年度9月現在の住民基本台帳によりますと、本市における65歳以上の高齢者人口は、全人口の32.1%に当たる2万3,940人です。今回は特に防災の観点から、高齢者の命を守る対策について質問したいと思います。
南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に80%の確率で発生すると言われ、最悪の場合、死者が32万人以上に達すると推定されています。中でも特に高齢者や障害を持つ方々は大きな被害を受けやすく、住宅耐震改修事業はそうした方々の命を守る対策の一つと考えます。それにつきましてお伺いいたします。
阪神・淡路大震災では、亡くなった方6,434人のうちのほぼ半数が65歳以上の高齢者で、およそ9割が倒れた住宅や家具の下敷きになったことによる圧死であったとの報告があります。死亡原因として最も多いこの圧死を減らすためには、家具の転倒防止とともに住宅の耐震性強化がまず重要です。本市におきましては、平成16年度より住宅耐震診断と住宅耐震改修事業が行われています。
まず、事業開始1年後の平成17年度から平成29年度までにおける耐震化率の経過と、これまでの耐震診断延べ件数に対する耐震改修実施率についてお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 4番、前田佳世君の質問に対する当局の答弁を求めます。
建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の耐震化率の推移についてお答えします。
平成17年度末の耐震化率は56.1%、平成27年度末の耐震化率は59.1%、平成29年度末の耐震化率は59.9%となっております。
次に、議員御質問の田辺市における平成17年度末から平成29年度末における耐震診断延べ件数に対する耐震改修実施率についてお答えします。
平成17年度末から平成29年度末における耐震診断の延べ件数は2,437件であり、平成17年度末から平成29年度末における耐震改修及び現地建てかえを含む補助実施件数は187件であるため、耐震改修実施率は約7.7%となっております。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 耐震診断に関しては、重点地域にローラー作戦を展開し、事業周知に努められ、予算件数に対して100%の診断件数を上げていることは担当課の方々の努力の結果だと思います。しかしながら、御答弁いただきましたように、耐震化率の経過からも事業開始1年後から田辺市耐震促進計画改定の前の年に当たる平成27年度までの伸び率はわずか3%です。同じ計画の改定後から1年後の平成29年度の伸び率はわずか0.8%、12年間で3.8%しか伸びておりません。また、耐震診断から改修に至る確率もかなり低い状況が伺えます。
そこでお伺いします。耐震改修実施率が低い原因は何であると捉えておられますでしょうか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の耐震改修実施率が低い要因についてお答えします。
以前に耐震診断を実施していただいた住宅所有者のうち、耐震改修を検討したが、耐震工事を行っていない方を対象にアンケートを行い、改修工事を行っていない理由を調査したところ、耐震改修工事費が思ったよりも高額であるという回答が最も多い結果となっております。そのため、工事費用が高額である点が改修の進まない要因と考えております。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 当局の率が低い原因は、主に費用が思ったより高いということであるということです。お話を伺う中で私が感じましたのは、まず事業を知らないという方も多いと思います。そして手間と時間がかかるということも大きな要因ではないかと考えられます。
田辺市耐震促進計画では、平成32年度末までの耐震化率を80%と目標を定め、平成29年度末時点で耐震が必要な住宅戸数は推定で1万3,000戸とのことです。この紀南の地では南海トラフ巨大地震の発生確率が高いことから、住宅の耐震化対策が急がれますが、この耐震化率の目標及び耐震必要戸数に対してどのような具体的な対策を講じていかれるのかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問についてお答えします。
費用面では、補助額拡充として、平成16年度の制度開始当初における補助額が最大60万円であったことに対して、現在は最大116万6,000円まで拡充されています。これにより、工事費によっては自己負担なしで改修工事を行うことが可能となりました。それに加えて、制度面では、平成18年度から実質的な工事の要件緩和となる避難重視型補強制度、また、改修を検討されている方を支援する制度である耐震マネジャー制度の創設も行っております。
平成21年度からは設計費も補助の対象となり、平成28年度からさらなる改修費用の低減を行うため、県が低コスト耐震改修工法を認定し、工法の普及のために工務店等を対象とした説明会を実施する取り組みも行っており、費用、制度面からも非常に使いやすい、充実した補助制度となっております。
しかしながら、相談会におけるアンケート調査では、補助制度を知らない方が現在でも7割以上を占めている状況が続いているため、拡充をした補助制度等を各種イベント時における耐震相談会を通じてさらなる啓発が必要と考えており、今後も市民の皆様への周知に努めてまいります。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) これまでさまざまな改定を重ねながら、できるだけ耐震改修に至っていただけるような努力は一定なされているとは思います。それにしましても、当局が行われたアンケート結果によりますと、無料で耐震診断を受けられることを知らない人がおよそ7割。耐震改修工事費の補助事業を知らない人がおよそ8割ということです。
そこで、耐震化が進まない理由としての大きな要因の三つ私が考えましたのは、まず費用が高い、それから事業を知らない、あと手間と時間がかかる、この3点において、ここへのアプローチをしながらできるだけ促進につなげていけるよう見直しについて質問してまいりたいと思います。
まずは、周知強化についてです。これまで、当局におかれましては、広報や新聞記事、イベントでの相談会など従来の手法に加え、さらに周知強化が必要ではないでしょうか。そこで、町内会の自主防災組織と連携して、学習会や説明会を行うことを提案いたします。
静岡市では、行政と設計、施工業者の3者で小学校区単位の住民向け説明会を年間30回ほど行い、耐震改修の実例を用いて工事方法や費用などの具体的な説明をし、耐震化の促進をしているとのことでした。現在、田辺市での自主防災組織の結成率は95%ということですが、実際の活動に結びついている組織は限られています。組織連携することによって、事業の具体的な内容理解と促進が期待できる上に、自主防災組織活動の活性にもつながり、さらには住民の防災意識を高めることができると考えますが、本提案についてのお考えをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問についてお答えします。
議員より御提案いただいた地元町内会と連携した耐震説明会は随時行っておりますが、説明会への出席者数が少ないことから、思うように周知に至っていないのが現状でございます。
そこで、田辺市では、平成20年度より各町内会に協力を依頼し、事前に回覧板で通知を行った上で、戸別訪問での啓発活動に努めております。啓発活動を行う中で、耐震診断の申し込みを同時に募ることで、年間200件の診断実施に至っております。今後もこういった取り組みを含め、さらなる啓発に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 自主防災組織というのは、ほぼ町内会の役員さんが自主防災組織のメンバーであると思いますので、特に自主防災組織でというふうな連携でなくてもよいかもしれないのですけれども、今のような町内会単位での説明会をさらに重ねていっていただきたいと思います。
担当課と建築士協会の方とのお話の中では、耐震化に対する考え方を、建物を強固にするという考え方から、建物は地震によって損壊するかもしれないけれど命は守るというふうに考え方を変え、以前は工事費が坪単価で言うと50万円ぐらいだったのが30万円くらいでできるようになったとのことでした。ぜひそうした創意工夫をしっかりアピールしていただいて、促進につなげていただきたいと思います。
次に、補助金の見直しについてお伺いいたします。
本事業は、災害時の救援、救護活動を迅速に行えるようにするため、住宅や建物などの社会資本の耐震強化を図り、被害を最小限に抑えるべく、防災に強いまちづくりを目的とされ、財源は国の社会資本整備総合交付金ということです。
しかしながら、住宅の耐震化が進まないのは、住民の経済的負担が大きいことが最大の理由です。これまで幾人かの議員からも求められておりましたが、補助金額の増額がこれまで以上に必要ではないでしょうか。特に住宅を社会資本と捉えるのであれば、国庫支出の増額も求めていくべきかと考えます。
さらに、築年数が40年前後の住宅に住んでおられるのは、年齢的に高齢者の方がほとんどです。そうしたことから、関東のほとんどの自治体では、また、関西では大阪、三重などでは、高齢者、障害者、要介護者、またはそれらの方が同居する世帯に補助金の上乗せを行っております。
お伺いします。国庫支出金増額を求めるとともに、補助金の上乗せを田辺市でも取り入れてはどうかと考えますが、御答弁を求めます。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の補助金額の増額についてお答えします。
現在は、補助額を増額するのではなく、自己負担額を軽減するという考え方から改修を促す取り組みを行っております。現行の制度であれば、改修工事が少額の場合、自己負担なしで改修工事が行えます。
今後さらに制度を利用していただくためには、自己負担額を軽減させることが重要だと考えますので、議員御指摘の補助金増額については県と連携を図り要望してまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 障害者の上乗せについての答弁あったですが、いいですか。
前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 自己負担額の軽減ということでありましたら、これまでのお話は当局の方とはしておりませんでしたが、代表受領制度というのも県からマニュアルとして通達が行っているそうですので、その辺の研究もさらにしっかりしていただきたいと思います。
高齢者世帯は収入が年金だけというのがほとんどで、医療や介護に係る費用を貯蓄から切り崩して生活されています。先々が不安な中、高額な改修にはお金は出せないとの声もあります。高齢者の生活実態にしっかり目を向けて、利用しやすい事業へと補助金額の見直しを強く求めます。
次に、広報の見直しについて2点お伺いいたします。
1点目は、事業の存在を知っていても耐震診断をはなから受けない、診断は受けても改修工事には至らない理由に、先ほどから申しましたように、費用と時間と手間がかかるというのがあります。
現在、田辺市が行っているのは、2階建ての住宅であれば、建物全体を構造評点を1.0以上、または0.7以上とする耐震改修方法ですが、それに加え、静岡市、大阪市で行われていますのは、住宅の1階部分を構造評点1.0以上とする改修方法です。
地震の際、1階部分がまず最初に潰れて、その後建物全体が潰れるという実例が多いことから、1階部分を補強することで建物全体の倒壊を防ぐという考え方だそうです。そうすることで、費用も時間もうんと縮小されることから、住民にとっては着手しやすくなるのではないかと考えます。
それから、2点目は、地震に津波が伴うことを考えれば、沿岸部の住民にとっては住宅耐震改修に踏み切るのはなかなか心理的に難しいかと思います。そこで、高台移転など別の土地で建てかえや転居の際に住宅を取り壊すことも補助対象にすれば、高台移転の促進や将来的な空き家予防にもつながると考えます。
以上2点についてのお考えをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の補助対象工事の要件緩和についてお答えします。
耐震改修のもととなっている耐震改修促進法は、阪神・淡路大震災における死者の数の約9割が住宅の倒壊等であったことを教訓として、平成7年12月25日に施行された法律で、地震による建築物の倒壊等の被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、建築物の耐震改修の促進のための措置を講じることにより、建築物の地震に対する安全性の向上を図ることを目的としております。
このことから、補助対象工事の要件緩和につきましては、議員がおっしゃるように1階部分を補強するというやり方もございます。これらの目的が最低限達成される範囲の中で検討する必要があると考えておりますので、今後の検討課題とさせていただきます。
次に、現在は、現地建てかえすることについては補助対象となっていますけれども、現地建てかえ以外の建てかえは補助対象とはなりません。今後とも県へ補助対象拡大を呼びかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。
最後に、耐震ベッド、耐震シェルターの普及強化について質問いたします。
住宅の地震対策には耐震改修工事が最も効果的ですが、経済的負担の重さから工事を諦めざるを得ない場合、耐震ベッド及びシェルターは、改修工事費に比べて値段が安く、短期間で、しかも住みながら設置ができるため、地震のときに自力で避難することが困難な高齢者や障害者にとっては効果的だと考えられます。
しかしながら、住宅耐震改修事業の中に平成27年度から補助対象となって以来、設置件数は、耐震ベッドがたったの1件だけとのことです。社会資本の防災対策に加えて、命を守るという危機管理対策としての視点も必要ではないかと思います。
そこで2点お伺いいたします。
1点目は、市のホームページの掲載に関してですが、現在、インターネットで田辺市耐震ベッドと検索をかけますと住宅耐震改修の説明ページに行き、さらにそこから詳細ページへもう一度クリックして初めて耐震ベッドやシェルターの案内にたどり着きます。これは、直接ヒットするようにホームページでの掲載方法を変えてはいかがでしょうか。
2点目は、耐震ベッド及び耐震シェルターの案内や普及は防災まちづくり課と協働で取り扱ってはいかがでしょうか。
以上2点、御見解をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問についてお答えします。
議員御指摘のとおり、田辺市建築課のホームページ上の耐震ベッド及び耐震シェルターの購入、設置補助の掲載については、よりわかりやすく工夫してまいります。
また、次に、防災まちづくり課との連携ですけれども、今現在では、ホームページ上、建築課でも防災まちづくり課でも同じようにヒットするようになっていますので、今後とも防災まちづくり課と連携をとりながらよりよい掲載にするよう努めてまいりますので、よろしくお願いします。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 田辺市耐震改修促進計画は、防災まちづくり課と建築課による策定計画で、耐震ベッド及びシェルターもその計画の中で行われている補助事業です。住宅耐震改修は社会資本整備ということですが、シェルターやベッドというのは、命を守るという危機管理のニュアンスのほうが高いように思われます。耐震改修を諦める住民に対して、命を守るという点でしっかり普及強化に努めるべきですが、担当の建築課では、耐震化の促進に力を注ごうとすればするほどベッドやシェルターへのアピールが弱まるのは当然かもしれません。そうなれば、耐震ベッドやシェルターへの設置補助は単なるアリバイになってしまうのではないでしょうか。災害弱者と言われる高齢者や障害者の命を守るという認識のもと、各課それぞれ取り組まれることを求めまして、本項目での質問を終わります。
大項目二つ目、学童保育の待機児童に対する対応についてです。
厚労省の公表結果によりますと、平成30年度の放課後児童健全育成事業における登録児童数は、前年比6万3,204人増の123万4,366人、クラブ数は、前年比755カ所増の2万5,328カ所、待機児童数は、前年比109人増の1万7,279人、いずれも過去最多を更新しました。共働き世帯などの増加により学童保育のニーズが急速に高まっています。
育児をしながら働く保護者のニーズについてお伺いしてまいりたいと思います。
子供を養育するのは、父親、母親、祖父、祖母と家庭によってさまざまですが、今国においては、女性の社会進出が促される中、育児と仕事の両立を望む女性が多いことから、今回は働く母親に焦点を絞って質問させていただきたいと思います。
それでは、育児をしている女性の就業率について。平成29年度職業構造基本調査結果によりますと、育児をしている女性の就業率は、和歌山県では65.2%で、5年前の調査時より13.1%上がっています。そこで、田辺市における女性の就業率についてお伺いいたします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市における育児をしている女性の有業率についてお答えいたします。
平成25年度に実施いたしました田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査では、就学前児童の母親の有業率は64.7%であり、その内訳は、フルタイム勤務以外で就労中が29.8%、休業中が1.7%、フルタイム勤務で就労中が25.3%、休業中が7.9%となっています。小学生児童の母親の有業率は70.9%であり、その内訳は、フルタイム勤務以外で就労中が34.2%、休業中が1.5%、フルタイム勤務で就労中が31.7%、休業中が3.5%となっております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 御報告でありましたように、いずれも和歌山県における就業率よりも田辺市の母親の就業率は高い数値をあらわしております。
2020年度からの第2期子ども・子育て支援事業計画策定に向けたニーズ調査結果が間もなく発表されるとのことですが、就業率は恐らく先ほどの御答弁の数値より高くなっていることと思います。
次に、子供を預けることについての思いについて伺います。
保護者が、学童保育所に我が子を預けるに当たっての思いについて、当局としてはどのように認識されているかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
学童保育所につきましては、就学をされている子供さんの学校が終わった後の時間、保護者が就労等で家庭にいないような状況等を含めて保育が必要な子供さんをお預かりしているという状況でございます。
その思いについては、より安全に、安心して働ける状況のもと預かってほしいという保護者の思いがあるものと理解しております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 安全に安心して預かってもらえるのが保護者の思い。おっしゃるとおりだと思います。
保育のあり方で考えれば、保育所は、保護者から離れて、基本的な生活習慣を身につけ、1人の人間としての健全な育ちを育む場であると考えます。それに対し、学童保育は、放課後における家庭にかわる心安らぐ生活の場で、また、ほかの人とのかかわり合いの中で豊かな人間性を育む場であると考えます。それこそが子供を預けて働く保護者の願いであり、自分が仕事で子育てできない時間にただ預かっていてほしい、そう思ってはいないことをお伝えして、次の質問に移ります。
待機児童の対応についてです。来年度、幾つかの学童保育所で待機児童が出ておりますが、各学童におけるその待機の人数と対応策についてお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
平成31年度の学童保育所の入所申し込みの状況は、定員640人のところ直近での申し込みは596人となっています。現時点で待機児童が出ている学童保育所は、芳養で15人、三栖で1人の計16人となっています。このうち、芳養学童保育所の15人は、入所申し込み期間内で申し込みがあったもので、三栖学童保育所は、期間後の申し込みによるものです。
今後、入所の辞退や年度途中で待機者が出た場合には、待機となっている児童が随時入所していただくことができますが、芳養学童保育所については、待機児童15人全員が年度内に入所できる可能性は低いと考え、本年1月15日付で待機となることを15世帯の保護者に通知するとともに、並行して別の形での受け入れについて検討してまいりました。芳養小学校の校舎内には、現状では空き教室がないことから、1クラスふやすことは難しいとの判断のもと、送迎についても国の補助対象となることから、何とか通年で学童保育所が利用できるよう、芳養小学校からタクシーにより定員に空きのある中芳養学童保育所か中部学童保育所へ送る対応について検討を重ね、タクシー会社も対応が可能であることが確認できたため、現在、保護者の皆様へ利用の有無について照会を行っております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 特に芳養学童についてですが、前例のない中、タクシー送迎によってあきのある学童への案内という提案につきましては、一定前向きな提案でありますが、保護者の反応は厳しいものがあったと思います。
先ほど、子供を預ける保護者の思いを述べさせていただきましたが、そのあたりで学童保育に対する認識のずれがあるのではと私自身は感じております。
そこでお伺いいたします。保護者が安心して働けるためには何が必要と認識されておられますか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
子ども・子育て支援法第2条の基本理念には、子ども・子育て支援は、父母、その他保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、家庭、学校、地域、職域、その他社会のあらゆる分野における全ての構成員がおのおのの役割を果たすとともに、相互に協力して行わなければならないとなっています。
また、学童保育所が利用できる家庭の要件については、保護者の就労や疾病、親族の介護、就学、求職活動などがありますが、最も多いのが保護者の就労であります。保護者が就労等により、放課後等において保育の必要のある児童が学童保育所を利用することによって、保護者が安心して働くことができることにつながっていくものと考えてございます。
児童が通学している小学校に設置している学童保育所を利用できることがこの場合最もよいと考えておりますが、今回、芳養学童保育所については、申し込みが非常に多く、施設面で全員を受け入れることは困難な状況にありましたので、保護者が就労を継続されるということを第一に検討させていただいて、ほかの学童保育所を利用する方法ということを提案をさせていただいたところでございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 保護者が継続して就労できるためにはやはり安心が必要です。その安心というのは、学童保育所で子供自身が安心して楽しく過ごせているという、そこへの確認という安心感があってこそ保護者は安心して働き続けることができます。それがなければ、母親としては、子供にふびんな思いをさせることに対して、母親は我が身をどうしても責めてしまいます。自分が嫌がる子供を無理してまで学童に預けることをしなければ、私が仕事をやめればこの不安定な感情というのは、子供の不安定な感情も取り除けるのかと。母親というのはそのように感じてしまいます。
次にお伺いいたします。子供たちが学童保育所で安心して過ごせるために必要なことは何であるか、当局の認識をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えさせていただきます。
先ほども申し上げましたが、学童保育所につきましては、保護者が就労等により、放課後等において保育の必要性のある児童が利用することとなってございます。保護者の皆様が安心して働くことができることにつながっていくこと。そのことにつなげるために児童が安心して通えるということが必要でありますけれども、これについては、行政が規定に従ったきちんとした学童保育所を提供させていただくと、そういう場所を提供させていただくということがまず第一の要件であると考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 子供たちがどうすれば安心して過ごせるかということをお聞きしたかったのですが、通いなれた場所で長年つき合った友達と楽しく過ごせることが必要だと考えております。子供自身の気持ちにも目を向けていただきたいと思います。
厚労省の学童保育に関する中間報告のまとめにも、児童の福祉の観点から子供の自主性を尊重すべきであるというふうなことが書かれておりますので、ぜひそこもお目通し願いたいと思います。
この安心があって初めて保護者は安心して働けます。ですから、定員にあきのあるほかの学童に通うことを子供自身が望みませんし、実際、芳養小学校のあるお子さんは、自分がどうなるのか心配で、毎日みんなと同じ学童に行けるのと聞くのだそうです。あるお子さんは、みんなと違うところに行かされるのだったら3年生になりたくないと言うのでお母さんまでもが困惑しています。どうか、子育て推進課の看板どおり、子供たちや保護者の気持ちにもう一歩寄り添って子育てを応援していただきたいと切に願います。
次に、クラス増の必要性についてお伺いいたします。
お手元の参考資料をごらんください。これは、芳養学童における利用率の申込者について、子育て推進課から御提供いただいた2014年から2019年度の実績と
児童生徒数に基づき、各年度の利用率の誤差が最少になるように、最小二乗法という数学の計算式によって今後5年間の推移を予測したものです。ことしで元号が変わりますので、各年度は西暦を用いています。前段で述べました職業構造基本調査結果にありましたとおり、女性の就業率が増加するに伴い、学童の利用率は増加の一途をたどり、5年後の2024年には、学童利用率は60.6%となっています。
次に、下の学童申込者の推移予測をごらんください。各年度の児童数は子育て推進課から御提供いただきました資料によるものです。以下、利用率と学童申込者は、先ほど申し上げました最小二乗法に基づいてはじき出された数字です。これをごらんいただきますと、児童数は減少傾向ですが、利用率の高まりから学童を希望する児童数はこの先60人を超え続けています。芳養学童の定員数は40名のところ、待機児童をゼロにするために定員数を超えて入所させていますが、子供の安全性から50名前後が限度になってきていますので、それを考えますと、今後5年間を見る限り10名以上の待機児童が出ることが容易に予測されます。仮に、来年度の希望者数が66名であったのを特異的な数字と捉えても、利用率が40%を達するとやはり待機児童は出続けます。
待機児童の対応策として、ほかの学童への案内が言われましたが、まず子供自身がそれを望まないこと。加えて、学童とキックやソフトベースボールクラブ、ふれあい教室などを行き来したり、保護者が迎えの最終時刻までに迎えに行けないために17時以前に子供が自分で下校している児童がいるため、ほかの学童への入所は無理があるようです。10名以上が学童開設の条件と照らし合わせても、保護者からは、芳養学童ではクラスを一つふやすべきだとの声が上がっています。しかしながら、学校から空き教室の提供が受けられないことから、学校の敷地内に、具体的には、現在防災備蓄倉庫がある場所に施設を増設し、クラスをふやす必要があるのではないでしょうか。
さらに、せめて長期休暇中は学童を開設してほしいとの強い要望があります。これに関しては、学校からも教室は提供できるとの回答を得ておりますので、その必要性から早急に対応するべきです。クラスをふやすこととあわせて御答弁を求めます。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、タクシーを利用して他の学童保育所への通所について、保護者の皆様の御意向を現在確認しているところでございまして、これを確認してから対応することとなりますが、1クラスふやすことにつきましては、芳養小学校内に空き教室がないことから、慎重にその対応を検討する必要があると考えています。
また、現在実施しております第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に向けたニーズ調査の結果を踏まえ、市全体の学童保育所に関する今後の対応について、将来的な需要の動向も勘案し、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
また、長期休業中の学童保育所の利用につきましては、現在もあきのある学童保育所について御案内をさせていただいているところでございますので、あわせて回答申し上げます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 長期休暇中の学童も空きのある学童への案内ということですが、芳養小学校におきましては、学校側は夏休みでしたら使っていない教室がありますので、そこでの学童というのはもう行政判断になるとのお言葉をいただいております。ぜひとも前向きに検討を願います。
仮に、一時的な雇用で指導員の確保が難しいという課題はありますが、そうであるならば、保護者の要望にもあるとおり、1クラスふやすことによって、雇用期間を保障することによって指導員の確保に明るい兆しが見えるのでないでしょうか。慎重に検討とのことですが、仮に新しく建てた学童が子供の減少によって利用がなくなるときが来るかもしれないという考えがあると思いますが、午前中の久保議員の質問にもありましたが、支援学級、通級教室へのニーズの高まりに対する必要があっても、教科がふえ、学社融合を進める今日の学校には教室がないという課題があります。新たにつくった場所が、例え学童としての利用がなくなるときが来るとしても、ニーズが多様化する学校運営の中で有効利用ができるはずです。
また、学校の
児童生徒数のおよそ半数が学童を利用する状況を前に、児童生徒の放課後の生活に関する問題を子育て推進課だけのことにするのではなく、教育委員会としても縦横に対応していくことが求められているときに来ているのではないかと思います。芳養学童に限らず、待機児童への対応は双方しっかり連携して、取り組んでいただけることを切に願いまして質問を終わります。ありがとうございました。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、4番、前田佳世君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 1定議案第14号 田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから
日程第71 1定議案第83号 平成31年度田辺市
水道事業会計予算まで一括上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第2 1定議案第14号 田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから、日程第71 1定議案第83号 平成31年度田辺市
水道事業会計予算まで、以上70件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました70件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております70件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
◎日程第72 1定発議第1号 田辺市
太陽光発電設備の設置等に関する条例の制定について
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第72 1定発議第1号 田辺市
太陽光発電設備の設置等に関する条例の制定についてを上程いたします。
提出者の説明を求めます。
5番、川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 1定発議第1号 田辺市
太陽光発電設備の設置等に関する条例の制定について。
田辺市議会会議規則第14条第1項の規定より提出する。
平成31年3月12日。
提出者は私、川﨑五一。賛成者は、久保浩二議員、前田佳世議員です。
提案理由の説明を行います。
まず初めに、なぜ今このような条例を提案するのか、その背景と目的を中心に説明させていただきます。
8年前の東日本大震災、福島の原子力発電所の放射能漏れを受け、安全でクリーンな再生可能エネルギー、自然エネルギーへの注目が高まりました。日本は、いわゆる資源に乏しい国であり、このような再生可能エネルギーの活用並びに普及は重要な施策であり、基本的に推進されるべきであると考えています。
しかし、国によるグランドデザインや法整備が不十分なまま、民間活力任せの普及が進められていることにより、全国各地でさまざまな問題が発生しています。
水力発電では、ダムによる濁水、水質悪化、大雨のときの放流による水害などが発生。風力発電では、大型風車による景観の問題や低周波による健康被害のほか、強風により風車が破損、倒壊するといった事故も発生しています。材木を燃料とする木質バイオマス発電では、当初は間伐材や廃材、製材によって発生するくずなどの有効活用が主流でしたが、プラントの規模に見合う燃料が集まらず、良質な木材までまとめて燃やしてしまう。または、燃料を使って船を動かし、海外から燃料を輸送してくるという再生可能エネルギーの理念から見て本末転倒な状況も発生しています。
今回の条例発議の主題となった太陽光発電も例外ではありません。超大規模のメガソーラーに限らず、耕作放棄地や丘陵地などほんの少しの空き地にも設置が進められ、さまざまな問題が発生しています。
具体的には、住居のすぐそばに設置されることによる光の反射、風向きの変化、パワコンと呼ばれる機械から発生するモーター音、景観への影響などに苦情の声が上がっています。何より、突然何も知らされないまま工事が始まった。という戸惑いの声も少なくありません。このような近隣及び地域住民とのトラブルの軽減、解消が条例制定の一つの目的です。
また、ソーラーパネルの施工が建築基準法の規制を受けないことから、乱雑な設置が行われることもあり、強風による飛散や雨風による崩落も発生しています。
昨年12月に条例制定を行った神戸市では、山陽新幹線の線路のすぐ横に設置されていたソーラーパネルが崩れ落ち、新幹線のダイヤに乱れが出るという事故が発生しています。このような事故、災害の未然防止の観点も条例制定の目的となっています。
そして、我が田辺市にとって大きな理由が景観への影響です。田辺市は、世界文化遺産熊野古道を持つまちとして多くの観光客を受け入れています。観光客の多くは、よみがえりの道として熊野古道を歩き、熊野三山を目指します。その道中で今多くのソーラーパネルを目にすることとなります。田辺市にとって大きな産業として育ちつつある観光産業ですが、その重要な観光資源である景観が無秩序なソーラーパネルの設置によってその価値を失おうとしています。先人たちが築き上げてきた歴史と文化によってつくられた景観を後世に引き継いでいくことは、現在を生きる私たちの使命でもあります。
本来、こうした規制は、私権の制限にかかわる問題であり、国が責任を持って法整備を行うべき課題であると考えますが、現状を放置するわけにはいきませんので、今回の議員発議とさせていただきました。
今回提案している条例は、設置の制約を行う拘束力は持ちませんが、事前協議や地元説明会により景観と環境保全を目指すものとなっています。
以下、条文に即して説明を行います。
第1条は、条例制定の目的について定めています。先ほど申し上げた世界遺産のまちとして貴重な観光資源である景観を守ることを目的の一つとしています。
第2条は、条例で使用する語句の定義を行っています。
第3条は、この条例の適用範囲を定める条項ですが、県条例の適用範囲は、発電出力50キロワット以上となっているため、県条例に含まれない発電出力50キロワット未満のものを対象とすることを定めています。また、同時に住宅などの建物の屋根に設置するものを除外することを規定しています。
第4条から第6条までは、それぞれ市、事業者、事業を行う土地の所有者の責務について定めています。事業者等の責務については、あくまでも努力義務であり法的拘束力はありません。
第7条は、事業を実施する前に市長に申し出て、
太陽光発電設備の設置等に関する計画について協議するよう定めています。
第8条は、市と協議した後、地域住民に対して事業計画の内容についての説明を行うよう求めています。
第9条は、事業者に対し、事業計画書の提出を求めています。
第10条では、事業計画書の届け出を受けた市は、ホームページに掲載する等の方法によって公開することを定めています。これによって、事業着手によってしか事業の実施を知らなかったというトラブルが若干たりとも回避されるものと考えています。
第11条と第12条は、事業者に対し、事業着手と完了の届け出を求めています。
第13条では、届け出た事業の変更の協議を、第14条では、事業を廃止するときの届け出について定めています。
第15条では、市長による事業への指導及び助言の権限について定めています。
第16条は、規則による委任について定める条項となっています。
附則として、施行期日は平成32年3月1日としています。これは、附則第2項の30日の経過措置を鑑み、事実上新年度の4月1日より条例が効力を発揮できるように設定しています。
以上、説明を申し上げましたが、提案の趣旨を十分に御理解の上、御審議いただき、賛同賜りますようお願いしまして、提案説明を終わります。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) これより質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 質疑なしと認めます。
本件は、会議規則第37条第1項の規定により、所管の文教厚生委員会に付託いたします。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ散会し、あす3月13日から24日までの12日間は休会とし、3月25日、午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(小川浩樹君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 2時46分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成31年3月12日
議 長 小 川 浩 樹
副議長 市 橋 宗 行
議 員 松 上 京 子
議 員 久 保 浩 二
議 員 宮 井 章...