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平成30年12月定例会(第2号12月 7日)

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  1. 田辺市議会 2018-12-07
    平成30年12月定例会(第2号12月 7日)


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    平成30年12月定例会(第2号12月 7日)              田辺市議会12月定例会会議録              平成30年12月7日(金曜日)           ―――――――――――――――――――    平成30年12月7日(金)午前10時開会  第 1 一般質問           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1            ―――――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  0名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               2番  柳 瀬 理 孝 君               3番  浅 山 誠 一 君               4番  前 田 佳 世 君               5番  川 﨑 五 一 君               6番  久 保 浩 二 君
                  7番  宮 井   章 君               8番  福 榮 浩 義 君               9番  髙 田 盛 行 君              10番  北 田 健 治 君              11番  橘   智 史 君              12番  尾 花   功 君              13番  二 葉 昌 彦 君              14番  市 橋 宗 行 君              15番  安 達 幸 治 君              16番  安 達 克 典 君              17番  小 川 浩 樹 君              18番  塚   寿 雄 君              19番  佐 井 昭 子 君              20番  中 本 賢 治 君              21番  出 水 豊 数 君              22番  陸 平 輝 昭 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員               1番  松 上 京 子 君           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       池 田 正 弘 君             副市長       林   誠 一 君             教育長       佐 武 正 章 君             企画部長      小 川   鏡 君             企画広報課長    前 川 光 弘 君             たなべ営業室長   松 本 清 子 君             情報政策課長    池 本   徹 君             総務部長      松 川 靖 弘 君             危機管理局長    宮 脇 寛 和 君             防災まちづくり課長 上 村 哲 也 君             市民環境部長    松 場   聡 君             市民課長      那 須   肇 君             保険課長      谷 村 憲 一 君             保健福祉部長    木 村 晃 和 君             福祉課長      虎 伏   務 君             やすらぎ対策課長  西   貴 弘 君             ねんりんピック推進室長                       川 合 良 平 君             商工観光部長    早 田   斉 君             観光振興課長    古久保 宏 幸 君             農林水産部長    那 須 久 男 君             農業振興課長    北 川 弘 泰 君             水産課長      前 田 眞 吾 君             森林局長      清 水 健 次 君             山村林業課長    中 村   誠 君             建設部長      栗 山 卓 也 君             都市計画課長    衣 田   克 君             土木課長      桒 畑 昌 典 君             龍神行政局長    敷 地 弘 規 君             消防長       安 田 浩 二 君             教育次長      弓 場 和 夫 君             水道部長      岩 本   章 君             工務課長      谷 口   明 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    千 品 繁 俊             議会事務局次長   前 田 敦 司             議会事務局主任   松 本 誠 啓             議会事務局主査   玉 置 大 祐  開 議 ○議長(小川浩樹君)    皆様おはようございます。  それでは、定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成30年第4回田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。               (午前10時00分)          ――――――――――――――――――― ◎報告 ○議長(小川浩樹君)    1番、松上京子君から欠席の届け出があります。  それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(小川浩樹君)    日程第1 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は去る11月29日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順に従って発言を許可いたします。  3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    皆様おはようございます。3番、篤志会、浅山です。本日は大項目2点質問させていただきます。  まず1点目、今年度で3期目を迎えるたなべ未来創造塾についてです。  私が田辺にUターンをしてからこの12月でちょうど2年が経過しました。この2年、駅前景観刷新事業や新武道館、新庁舎の建設といったハード面の大型事業が着々と進められています。またもう少し過去を振り返ると、平成21年には中心市街地の活性化に関する法律に基づき、田辺市中心市街地活性化基本計画が策定され、5カ年計画で推進されました。この10年で中心市街地の景色は随分変わり、外国人観光客が激増するなど成果が出ているのは皆様も承知のとおりだと思います。  ただ一方で、まちづくりにかかわる人々や、我々議員の中からもハード面の整備は進んでいるが、ソフト面が追いついていない、プレイヤーが少ないといった声もよく耳にします。  まちづくりは人づくりという有名な言葉がありますが、まさしくこの人づくり、ソフト面というのは成果が見えづらく、時間もかかってしまうため政策としては取り組みづらい領域なのかもしれません。そんなソフト事業において、大きな兆しを感じさせてくれるのがたなべ未来創造塾です。過去2期生の目覚ましい活躍もありたなべ未来創造塾出身者は、まちのために頑張っている、活躍しているというイメージが広がり、私と同世代、いわゆる若者世代の中で塾の卒業生がブランド化しつつあります。実際、私の周りにも塾生になりたいということで相談を受けるケースもふえています。  また、連携する富山大学では、大学が地方公共団体や企業などと協働し、地方における魅力ある就職先の創出、開拓とその地域が求める人材育成のための教育カリキュラム改革の取り組みに対し、文部科学省が支援する地の拠点大学による地方創生推進事業、COCプラスにおいて、たなべ未来創造塾の取り組みが評価され、全国42校の採択校の中から5校しかなかった最高評価となるS評価を得ています。  そこで、一つ目の質問です。市内の若者世代から注目を集め、外部団体からも評価を受けるたなべ未来創造塾のこれまでの取り組みと成果についてお聞かせください。よろしくお願いいたします。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えいたします。  本市では、平成26年度に世界遺産登録10周年、平成27年度に合併10周年などの大型周年事業を迎える中、これを単なる節目でなく、次なる10年の新たなまちづくりに向けた絶好の機会と捉え、平成26年4月に全国から選択される田辺市を目指し、地域経済の活性化等につなげ、市そのものの価値を高めていく価値創造プロジェクトを始動し、たなべ営業室を設置して今日まで取り組んでまいりました。  一方、国では人口減少対策と地域の持続的な発展を目指して制定された、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方創生の風が吹き始め、地方自治体でもその取り組みが進められる中、本市はこうした国の動きに先駆けて着手していた価値創造プロジェクトへの取り組みをもとにしながら、平成27年度に田辺市地方創生総合戦略を策定し、さまざまな施策を展開してまいりました。  その中でも、特に、次の田辺市を担う若手事業者が地域資源の活用や地域課題の解決と企業の営利活動との共通項を見出す中で、地域に根差した新たなビジネスを創出していくことが地域経済の活性化、持続可能なまちづくりにつながるものと考えております。  こうした考え方や取り組みはソーシャルビジネスなどと言われ、地方創生の重要なキーワードとして全国で広がりつつあり、本市においても具体的に取り組んでいくため、価値創造プロジェクトの立ち上げ時より御尽力をいただき、地域経済や地域づくりの分野で先進的なノウハウを持つ富山大学地域連携推進機構と平成28年1月に人材育成の連携に関する覚書を締結し、さまざまな事例研究や専門知識の習得等を行い、平成28年度に地域に根差したビジネスモデルの創出とビジネスリーダーの育成を目指した、たなべ未来創造塾を創設いたしました。  この塾は、年間全14回にわたる講義を通じて、塾生みずからが考えたビジネスプランを修了式で発表するというものですが、運営体制には市内の金融機関を初め、田辺商工会議所や各商工会にも御協力いただき、産学官金が一体となって取り組む中、平成29年度からは金融機関を監督する立場である近畿財務局和歌山財務事務所の後援をいただくとともに、これまで協力機関であった日本政策金融公庫田辺支店と経営者育成に係る連携協力に関する協定書を締結するなど、若手事業者の皆様の新たな挑戦を支援してまいりました。  その結果、これまで2期24名の修了生を輩出し、そのうち約7割が既にプランを実行するなどの成果があらわれており、さらには塾生同士や塾生以外の若手事業者とがつながり共同事業が生まれるなど、新たなまちづくりに向けた機運が高まっています。また、金融機関との連携が融資事例やクラウドファンディングによる資金調達につながるなど実績を生んでおります。
     こうした取り組みが評価され、富山大学が第7回地域産業支援プログラム表彰事業イノベーションネットアワード2018で優秀賞を受賞し、また近畿財務局の地域連携事例集でたなべ未来創造塾が紹介されるとともに、塾や修了生の取り組みがさまざまな媒体で延べ100回近くも取り上げるなど、地方創生の先進事例として全国から注目され始めています。  こうしたことから、今後も引き続き、たなべ未来創造塾の積極的な運営に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    全14回にわたる講義の最後にビジネスプランを発表するという塾の枠組みをベースに、産学官金での連携や塾生同士、あるいは塾生以外の若手事業者とのつながりによって共同事業が生まれるなど新たなまちづくりに向けた機運が加速されていることや、取り組みへの表彰、各種メディアにも多数取り上げられていること。それらによって地方創生の先進事例として全国から注目を浴びており、今後も積極的な運営に努めたいとのことでした。  実際、私も昨年勉強させていただくために2期生全ての講義にオブザーバーとして入らせていただきました。外部講師陣のわかりやすい分析や実体験をもとにしたアドバイス、市内にて先進的な取り組みを行う先駆者の熱い思いを聞いて、最初は何がしたいかわからないと言っていた受講者や半信半疑で話を聞いていた受講者の目の色が回を追うごとに変わっていき、最終的には地域課題を我が事と捉え、その地域課題を解決するためのビジネスプランを生き生きとプレゼンする姿を見て感銘を受けました。  また、修了生の約7割が既にプランを実行するなど、その遂行率の高さは富山大学が富山県内で先行して行っていた魚津三太郎塾の実行率50%を大きく上回っているなど順調に進んでいるかと思います。  一方で、3期目も終了を目前に控え、このよい状態をキープし、未来へつなげていくためにもさらなる進化を遂げる必要性があると思います。  そこで2問目の質問です。市長の答弁にも今後も積極的な運営に努めたいとの力強い回答がございましたが、たなべ未来創造塾の今後の展開についてどのようにお考えであるかお聞かせください。よろしくお願いいたします。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    企画部長、小川 鏡君。            (企画部長 小川 鏡君 登壇) ○企画部長(小川 鏡君)    議員の御質問にお答えいたします。  たなべ未来創造塾の今後の展開についてでございますが、本事業を継続することにより、1人でも多くの若手事業者を輩出し、新たなまちづくりへの機運を高めてまいりたいと考えてございます。  さらに、たなべ未来創造塾の取り組みを広く知っていただくため、ホームページやSNS、各種媒体への掲載などを通じて積極的に情報発信するとともに、たなべ未来創造塾の修了生や若手事業者による高校生、大学生への講義やインターンシップの受け入れ等により、地元で暮らしたい、将来は帰ってきたいという若者をより多く創出してまいりたいと考えております。  また、修了生等による定期的な活動報告会や研修会を開催し、ブラッシュアップに取り組むとともに、金融機関等の関係機関との連携を密にしながら創業後も継続した支援を行ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。            (企画部長 小川 鏡君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    本事業を継続することにより1人でも多くの若手事業者を輩出したい、塾の取り組みを知っていただくためのPR活動、学生との接点強化、修了生等による活動報告会や研修会の実施、金融機関等とも連携し創業後の継続支援といった展開を考えているとのことでした。私からも今後の展開について何点か提案させていただければと思います。  まずは広域化について。富山大学が魚津三太郎塾やたなべ未来創造塾と同様の形にて富山県高岡市で行っていた、たかおか共創ビジネス研究所は第3期を終了したのち、富山県西部6市で構成する、とやま呉西圏域まで対象を拡げ、とやま呉西圏域共創ビジネス研究所としてスケールアップし、活動を展開しています。広域化の背景には、人口減少・少子高齢化が進行する中、地域の再生と創生を果たすには一定の規模の広域的な地域において人口や活力ある社会経済を維持する必要があること。圏域のマンパワーが減る中で、行政課題を解決するための新たなビジネスの仕組みづくりが必要であること。また、取り組みを進めることが市民における創造意識の啓発、既存企業の事業拡大につながるとともに、圏域外の人への企業の魅力向上、まちの魅力向上につながり、生活したくなるまち、働きたくなるまちとして育っていくという思いのもと事業が進められています。  当市においても、紀南地方の中核市として行政サービスを担う自治体行政の広域化の検討が進められている今、地域課題を圏域で解決していく一つの方策としてぜひ検討していただければと思っております。  また、今後の展開でもお答えいただきましたが、活動報告会もぜひお願いできればと思います。活動報告会を行うことが修了生の意識やモチベーションを高く保ち続ける仕組み化につながるだけでなく、まちづくりにかかわる全世代の方々にその内容を知ってもらい、巻き込むきっかけになると思います。世代が違うとつき合うことにちゅうちょしがちではありますが、このまちを思い、活動されている方々は若者だけではありませんし、年齢は関係ないと思います。今は戦略的に若者世代にフォーカスしてますが、軌道に乗り始めた今、世代間ギャップを埋めていくことも運営側の使命ではないかなと思っております。また、最後に研修会というお話もありましたが、学び直しについてもぜひ検討していただきたいと思います。  常に世のニーズは移り変わるものです。ビジネスに生かすためにも常に最新情報や成功事例、失敗事例を学び続ける仕組みづくりオープンデータ化や、また予算配分を見直し、田辺を飛び出して全国にあるローカルヒーロースーパー公務員と呼ばれる人々が活躍する地に実際に足を運び、見て、学んできていただくこともおもしろいかもしれません。  広域化、全世代の巻き込み、学び直しと申し上げましたが、たなべ未来創造塾はまさしく田辺の未来を創造し得る希望を感じさせてくれる事業だと思っています。また詳細は次の質問でとなりますが、関係人口の増加に向けて修了生が大事な役割を担うとも考えています。だからこそ、今後も継続できるよう創意工夫をお願いして大項目1の質問を終了させていただきます。  続いて、大項目の2番、シティプロモーションを活用した移住施策の充実についてです。  人口減少地域を救う新しいキーワードとして関係人口という言葉に注目が集まっています。明治大学の小田切教授が座長を務める総務省のこれからの移住・交流施策のあり方に関する検討会がことし1月にまとめた報告書に関係人口について政府関係で初めてきちんと位置づけたことから、急速に全国で広まりました。関係人口とは、観光などで訪れる交流人口以上、その地域に住む定住人口未満、その地域に多様にかかわる人々、仲間やファンだと定義されています。地方では今、関係人口がふえることで地域が活気づく、関係性が深まり、行く行くは関係人口から定住人口へと移り変わることが期待されています。  今年度の当市のシティプロモーションの取り組みでは、この関係人口をふやすための取り組みをされていると認識しておりますが、改めて今年度のシティプロモーションの取り組みについて、過去の取り組みとの違いや狙いを踏まえてお教えください。よろしくお願いします。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    企画部長。            (企画部長 小川 鏡君 登壇) ○企画部長(小川 鏡君)    議員の御質問にお答えいたします。  先ほどの市長の答弁にもございましたように、平成26年4月にたなべ営業室を設置し、価値創造プロジェクトが目指す交流人口の増加と地域経済の活性化に向けた取り組みを進めてまいりました。  平成26年度と平成27年度のシティプロモーションにつきましては、世界遺産登録10周年などの大型周年事業を絶好の機会と捉え、まずは田辺市を知っていただくことに重点を置いた取り組みとして、首都圏のメディア等に対して世界遺産熊野古道や温泉、食を初めとしたさまざまな地域資源を積極的に情報発信してまいりました。  平成28年度と平成29年度のシティプロモーションにつきましては、これまでの知っていただくから行動心理に訴えかける、そういうことに重点を置いた取り組みへ移行し、欧米豪を中心とする外国人観光客や情報感度や行動意欲が高い首都圏の女子層をターゲットに世界文化遺産世界農業遺産を初めとする地域資源、南方熊楠翁生誕150周年、さらには味光路等の街なかの魅力を情報発信するとともに、モニターツアーの実施等によりまして地域との交流を図るなど、より深い交流人口の創出を図ってまいりました。  こうした中、今年度のシティプロモーションにつきましては、昨今都市圏の若者を中心として自然や文化等にめぐまれた地方での生活や地域貢献への志向、地域とのかかわりへのニーズが高まりつつあることを踏まえ、ソーシャルビジネスなどの視点から新しい価値を生み出し地域に活力をもたらしている、たなべ未来創造塾の修了生など市内で活躍している人に焦点を当て、その方々の取り組みや暮らしぶり、営み、言いかえますと、物だけではなく人やことにも焦点を当て、田辺市の多様な魅力を情報発信しているところでございます。  そして、こうした情報発信を行いながら、田辺市の人や地域にかかわりたいという都市圏の居住者との交流を図ることで、地域の新しい担い手として期待される関係人口の創出を図るとともに、将来的には移住定住につなげていくことも見据えながら持続的な地域づくりにつながる取り組みを進めているところでございます。  以上でございます。            (企画部長 小川 鏡君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    今年度のシティプロモーションの取り組みについて、情報発信を図ることで関係人口の創出を図り、将来的には移住定住につなげたいとのことでした。  今年度、情報発信のタッグを組む雑誌「ソトコト」は社会や環境がよくなって、そしておもしろいをテーマにソーシャルグッドな話題を編集し、発行部数は月10万部を誇ります。このソーシャルとは、社会や地域、環境をよりよくしていこうという行動や仕組みを広く意味しており、個人の幸せだけではなく、地域の幸せも考える公共的、利他的なあり方を指し、リーマンショックや東日本大震災の影響から特に若い世代で広がっている価値観となります。  実は私も「ソトコト」の読者であり、今から4年ほど前には雑誌で特集を受けた人に感銘を受け、実際に会いに行き、その後、今でいう関係人口のような形である地域にかかわらせていただいた経験があります。その経験が昨年の市議会議員選挙への立候補の意思を固めさせてくれました。以前の私のように、今年度のシティプロモーションを通して「ソトコト」の読者が田辺市の人や地域に興味を持ち、関係人口となり、いずれは移住希望者になってくれる方があらわれることも予想できます。  ただ、いざ田辺市へ移住したいとなってもシティプロモーションで登場する田辺の人の多くは、メーンの移住相談窓口の対象外となる旧市内の方が多く、ミスマッチが生まれてしまいます。もし仮に、「ソトコト」に登場する人と同じ地域で仕事がしたいという移住希望者があらわれても、うまく相談に乗れない可能性がある状況となっています。  昨年の9月議会においても移住相談窓口の一本化について質問させていただきましたが、機が熟したと判断し、再度、移住相談窓口の一本化についてどのように考えているのか、また現在の庁内でのすみ分けと取り巻く状況についてもあわせてお聞かせいただければと思います。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    森林局長、清水健次君。            (森林局長 清水健次君 登壇) ○森林局長(清水健次君)    議員の御質問にお答えいたします。  本市では、平成19年度に田辺市定住支援協議会を立ち上げ、森林局に移住担当職員を配置し、山村部は森林局、町なかは商工観光部がそれぞれの取り組みを進めております。  そうした中、平成19年度から今年度10月末までの約11年半で、和歌山県内で最も多い167世帯、310人の移住者を受け入れ、そのうち平成29年度は31世帯57人、今年度は15世帯25人の移住者の受け入れを行っています。  また、平成25年度住宅土地統計調査によりますと、田辺市の空き家率は全国平均の13.5%を大きく上回る18.9%となっており、そのうち駅から2キロ圏内の空き家が52.2%と市街地に空き家が集中しているという現状であります。  そうしたことから、昨年度より南紀みらい株式会社に地域おこし協力隊を派遣し、主に中心市街地の空き家の掘り起こしや活用に取り組んでいるところであり、現在実施している市全域の空き家調査とも連携しながら新たな空き家を掘り起こしていきたいと考えております。  NPOふるさと回帰支援センターが昨年行った首都圏在住の移住希望者に対する地方移住に関する調査によりますと、移住先として64%もの方が地方都市の市街地を希望しており、これまでニーズが高かった山村部から市街地へとニーズが変化してきております。こうした市街地への移住希望者の受け入れとして住居の確保が大きな課題でありますが、中心市街地の空き家を有効活用し、新たな人の流入につなげていきたいと考えております。  本市は利便性が高い市街地や世界遺産の熊野古道を初めとする自然文化、温泉など豊富な地域資源を持つ山村部など、多様で魅力ある地域を有しております。こうした地域特性のもと多様化する幅広い移住ニーズに対応した市全体でのより円滑な受け入れの取り組みが必要であり、また人口減少が急速に進行する中、それぞれの地域で将来の担い手を確保することが重要であると考えております。そうしたことから、さらなる移住定住の促進を図っていくために、今後組織体制や庁内連携等について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (森林局長 清水健次君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    浅山誠一君。             (3番 浅山誠一君 登壇) ○3番(浅山誠一君)    市域全体でのより円滑な受け入れの取り組みが必要である、また、今後組織体制や庁内連携等について検討していくとのことでした。  関係者の努力が実を結び、昨年度の移住実績は過去最高だったようですが、移住希望者は現在仕事をしている方が多いため、相談対応や移住イベントは土日となり、森林局では実質1人体制で対応していることからマンパワーの限界を迎えているというお話を伺っています。また、町なか移住の担当は商工観光部であるが専門外のため受け入れ実績がないこと、山村部から地方都市へ移住先のニーズが変化していること、また、ふるさと回帰支援センターでは、地方都市を希望する方に対して県内では和歌山市や橋本市が優先的に紹介されている事実があるといったお話も伺っています。そのため、早期の検討及び実行をお願いできればと思います。  今回の質問全体を通してお伝えしたかったことは、たなべ未来創造塾で地域内の人が育ち、シティプロモーションで地域外の人が田辺に興味を持つ。その二つが合わさることで新たな人の流れやイノベーションを生み出すのではないかという期待感が高まっているにもかかわらず、いざ移住となった際の相談窓口が不十分であり、早期の改善が必要なのではないかということでした。  また、人口の東京一極集中を是正するため、政府が東京23区から地方に移住して就職する人などを対象に最大300万円を給付する制度をつくり、来年度2019年度から実施する方針を固めたという報道も出ており、来年度以降は移住者の獲得に向けた地域間競争はますます加速すると思われます。そのような環境の中で移住定住者を継続して受け入れ、地域の活力を維持していくためにもさらなる移住施策の充実をお願いして、今回の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。             (3番 浅山誠一君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    以上で、3番、浅山誠一君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(小川浩樹君)    この場合、午前10時40分まで休憩いたします。               (午前10時29分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(小川浩樹君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後10時40分) ○議長(小川浩樹君)    続いて、16番、安達克典君の登壇を許可いたします。             (16番 安達克典君 登壇) ○16番(安達克典君)    16番、紀新会、安達克典でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問に入ります。  今定例会初日に、文教厚生委員会委員長報告にありましたとおり、田辺スポーツパークの利用につきましては、県外からの利用者数は、平成29年度が3万1,516人で施設が全面供用を開始した平成27年度に比べて約1万2,000人の増加。また、県内からも多くの方々にお越しいただいており、施設の利用率も前年度に比べ増加している状況であります。パラリンピック陸上競技の強化拠点施設に指定され、9月のパラ陸アジア大会の事前強化合宿にも利用していただき、また9月から10月にかけて開催された世界バレーでは、カメルーン代表チームが事前合宿を行い、世界トップレベルのプレーを見せていただきました。そのほかにも、ことし7月に開催された都市対抗野球大会では、全国制覇をなし遂げた大阪ガス硬式野球部などの強豪チームや、姉妹都市提携を結んでいる堺市のスポーツ少年団など、多くのチームが強化合宿の地として田辺スポーツパークを利用してくれています。まさに田辺市の重要施策として位置づけられている交流人口の増加に大きな影響を与えています。  そんな中、2015きのくに和歌山国体、和歌山大会以来のビッグイベントとして注目されてきた、ねんりんピック紀の国わかやま2019の開催まで残り1年を切りました。この大会でありますが、厚生省創立50周年を記念して、昭和63年、1988年に兵庫県で第1回大会が開催されて以来、毎年開催されています。平成30年、2018年には、第31回大会として富山で開催されました。次年度開催地として現地に調査に行ってこられたようですが、その詳細について御説明いただけたらと思います。  次に、(2)田辺市での開催についての質問でありますが、ボランティアを含むスタッフの体制についてであります。多くの選手関係者が当地を訪れることが予想される中、県・市の職員に加え、各種団体の御協力がなければ円滑な大会運営ができないと思います。また、開催期間中のスポーツ関連施設の利用については、準備から本番まで、また撤収に至るまで、できるだけ圧縮して一般の方々の利用への配慮も考えなければなりません。  そして、大会関係者の宿泊等、観光産業への影響、ここではよい意味での影響という点での質問です。経済的な波及効果であります。参加者の皆様は、元気で心と懐にも余裕を持たれた方々が全国から集結します。田辺市を満喫してもらえる田辺市を全国にPRできる絶好のチャンスです。各課連携してこれに取り組む必要があります。  最後に、この開催期間中について若干不安があります。毎年市内各地でさまざまなイベントが開催されています。市主催の他のイベントへの調整が必要と考えられますが、そのようなことも含めて総合的にお答えください。よろしくお願いいたします。             (16番 安達克典君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    16番、安達克典君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えいたします。  まず、ねんりんピックとはどのような大会であるのか、その概要を申し上げますと、正式には、全国健康福祉祭といい60歳以上の方々を中心とした健康と福祉の祭典であります。スポーツ、文化の交流大会を初め、健康や福祉・生きがいに関する多彩なイベントの開催を通じ、健康保持・増進や社会参加、生きがいの高揚を図ることで、触れ合いと活力のある長寿社会の形成に寄与することを目指しています。  本年度の富山大会では、夢つなぐ長寿の輝き富山からというテーマのもと、11月3日から6日までの4日間にわたって開催されました。県内15市町村を会場としたスポーツ・文化の交流大会には、全国47都道府県と20政令指定都市から約1万人の選手団が参加され、年齢を感じさせない元気はつらつとしたプレーが展開されていました。開会式会場では、物産販売コーナーや観光PRコーナーなどのブースが設けられ、多くの選手団や一般来場者でにぎわいを見せており、各会場においては歓迎装飾や振る舞いなども行われ、選手団を温かく迎えられていました。  また、ねんりんピックでは、選手や来場者が消費する宿泊や飲食、観光、お土産の購入などによる経済波及効果が大きいと言われておりまして、富山大会の前年に開催された秋田大会では、大会開催による経済波及効果は106億8,000万円、県外選手団1人当たりの消費額は約12万5,000円との報告もされております。  次に、議員御質問の2点目、田辺市での開催についてお答えいたします。  まず、スタッフの体制については、和歌山大会は11月9日から11月12日までの4日間の会期で開催されます。本市では、スポーツ交流大会として、弓道、四つの市町で共催によるサッカー、そしてねんりんピックでは初めてとなる田辺市ゆかりの合気道の3種目を開催することとなっています。会場は、弓道が市立弓道場、サッカーが田辺スポーツパーク陸上競技場、合気道が紀南文化会館となっておりまして、本市で開催する種目には、約1,000名の選手団が参加される予定です。  本年4月には交流大会の円滑な運営を図るため、関係機関、団体から組織するねんりんピック紀の国わかやま2019田辺市実行委員会を設立し、関係機関との調整や広報活動を行うなど鋭意準備を進めているところです。  大会の運営に当たっては、市職員はもとより各種目を主管していただく競技団体、さらには大会の運営ボランティアを募集するなど多くの市民の皆様の参画を得ながら、円滑かつ効果的な運営ができるよう万全の準備態勢を整え、大会に臨みたいと考えています。  次に、開催期間中のスポーツ関連施設の利用については、弓道交流大会では、市立弓道場と市立武道館、目良多目的グラウンド、そして選手控室として田辺スポーツパーク体育館を、また、サッカー交流大会では、田辺スポーツパーク陸上競技場を初め、田辺スポーツパーク内の全施設を競技会場及び交流大会の運営のために使用する予定です。準備と撤去も含め一定期間貸し出しを停止することになりますが、利用者の皆様への影響を最小限にとどめられるよう、可能な限り会場設営の期間を短縮してまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。  次に、大会関係者の宿泊等、観光産業への影響についてでございますが、参加選手団の宿泊については、県実行委員会が合同配宿センターを設置の上、全選手団の宿泊施設を確保し、配宿することになっております。  県実行委員会が定める宿泊施設の選定基準では、交流大会期間中の宿泊施設は、各交流大会等会場市町内の施設を最大限利用できるよう配慮するとうたわれており、この方針に沿った配宿を実行できるよう、県実行委員会及び合同配宿センターに働きかけるとともに市実行委員会も協力してまいります。なお、そのほか運営スタッフ等の宿泊施設につきましては、各市町の実行委員会が確保することとなっておりますので、選手団の宿泊施設の確保状況等を注視しながら競技運営に支障が生じないよう、できる限り競技会場に近い施設の確保に努めてまいります。  観光産業への影響については、先催地の状況を見ましても、かなりの経済波及効果が期待できるものと考えており、本市で開催する種目に参加される多くの方が市内での宿泊を初め、飲食やお土産物の購入などをされることにより地域経済の活性化に寄与するものと期待しているところです。  また、本市においては、選手及び大会関係者の皆様に、大会期間中世界文化遺産熊野古道を初め、海、山、川や温泉などの観光資源の魅力を体験いただき、次回家族や友人などとお越しいただけるような観光ツアーの企画を検討するとともに、大会会場では特産品等の振る舞いや観光PR、お土産物の販売ブースの設置を行う予定でございます。  次に、同時期に開催される市主催のほかのイベントとの調整については、例年同時期には、田辺農林水産業まつりや田辺・弁慶映画祭、関西実業団対抗駅伝などが開催されています。また、日程のみならず会場や運営スタッフが重複するイベントもある中で、ねんりんピックの開催に伴い、やむを得ず日程を変更していただくことになったイベントの主催者の皆様には格別の御配慮をいただき、日程調整を行っていただいているところでございます。
     一方、田辺農林水産業まつりにつきましては、全国から訪れる選手団に本市の第一次産業に触れていただく絶好の機会と捉え、ねんりんピックと同時開催とし、市民の皆様と選手団との交流が図られるなど相乗効果が得られるよう、祭りの主催者ともイベントの内容等調整を進めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、本大会の開催を通じて市民の健康づくり、生きがいづくりを推進するとともに、当市が誇る豊かな地域資源を全国にアピールし、田辺に来てよかった、また来たいと感じていただけるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    安達克典君。             (16番 安達克典君 登壇) ○16番(安達克典君)    ありがとうございました。紀の国わかやま国体、また和歌山大会等、これまで実施してきた多くの大会等の経験を生かし、すばらしい大会となりますよう準備を進めていただきたいと思います。  次に、大項目2の災害対応、市国土強靭化地域計画についてであります。  ことしも本当に多くの大型災害が連続して発生いたしました。今定例会で審議する補正予算もまさに災害対応が中心ということになっています。個々の災害関連予算については、それぞれの委員会で審議されますので、総合的な観点から本日はこの災害対応、国土強靭化について質問させていただきます。  ことしを振り返りますと、6月には大阪北部地震が発生しました。7月には西日本豪雨災害が発生しました。9月には台風の大きな被害も発生しました。また、北海道胆振東部地震が同じく9月に発生いたしました。改めてこの多くの災害において被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。  こうした災害を振り返りますときに、私は幾つかの特徴があると思います。例えば、ことしの災害、広域にわたって同時多発的に被害が発生するということで、近隣の自治体同士の協力がなかなか難しい、こういった事態が各地で発生しました。  また、今までの想定を超える風とか雨が記録されることによって想定外の大きな被害が発生する、こういったこともありました。さらには、被害の内容が洪水、氾濫であったり、土砂災害であったり、大型の停電であったり、越波であったり、あるいは水道施設の被害であったり、本当に多岐にわたっています。よって、被害の状況あるいは現地のニーズ、実に多岐にわたっている、こういったことも一つ特徴としてあるのではないかと思います。こうした特徴を見てみますと、市の果たすべき役割、責任、大きいものがあると改めて感じています。  市長もことし本当に多くの災害現場を視察してまいられました。ことし発生した大きな災害を振り返る中でどのように感じておられるのでしょうか。そして、こうした災害を前にして今後どのように復興・復旧を進めていかれようとしているのか、市当局に質問してまいりたいと思います。ア、長期化した停電による市民への影響と今後の対策について。また、イとして、いまだ残る倒木処理の現状についてであります。  当地を襲った台風20号、21号、24号の被害はどうだったのか。こうした被害状況において、台風21号による被害は長期にわたる停電が市民の生活に大きな影響を与えました。関西電力は、通行どめ等の道路情報が把握できず、また倒木などの障害物が妨げとなり復旧作業におくれが生じるなど、停電復旧の初動対応に問題があったのではないかなというふうに考えます。  また、市民は停電の復旧見込みが伝えられず不安な日々を送ることになりました。こうしたことから、災害発生時には、関西電力や県と連携し、早期の停電復旧が図られる体制が必要と考えますが、今後の対応について現段階での当局のお考えをお答えください。  また、今年度の台風では、倒木により道路が通行どめとなる被害が多発し、住民生活に影響が及びました。現在は倒木は処理されて通行が可能になっていますが、道路に影響しない、通行に影響しない倒木や根株はそのまま残っていることから、今後災害による同様の影響を心配する声が地域住民から多く寄せられています。このような中、倒木処理の現状や対策について当局の見解をお伺いします。  (2)として防災行政無線について。デジタル化工事に伴う戸別受信機の更新についてであります。  龍神、中辺路、大塔行政局管内の防災行政無線について、デジタル化整備事業が進められています。この工事は、野外スピーカーに対応する工事であり、戸別受信機への対応は含まれていません。私は以前からこのことに対して疑問を感じています。龍神、中辺路、大塔行政局管内で全戸に貸与されている戸別受信機はアナログ対応であり、デジタル化には対応せず、今のままでは使えなくなるということなのです。これは大きな問題です。大雨などの場合、野外スピーカーからの放送は聞こえにくい場合があります。雨戸を閉めて、さらにはペアガラス、二重サッシの家が増加する中、情報伝達において戸別受信機は必要不可欠なものと考えます。防災行政無線のデジタル化に伴い戸別受信機の整備はどのように考えているのか。  また、我々消防団の出動命令についても戸別受信機からの放送を聞いて現地に駆けつけるようになっています。メールでの通知もありますが、7年前の紀伊半島大水害や今回の台風災害では携帯基地局も機能停止する状態が実際に起こっています。今までアナログ戸別受信機を設置していた各家庭において、ある日を境にその情報伝達手段がなくなる、そんなことは到底受け入れられません。このことは、市議会と市連協役員との懇談会の場でも議論されました。既に期限が決まっている中、現段階での市の考え方をお伺いいたします。             (16番 安達克典君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    危機管理局長、宮脇寛和君。           (危機管理局長 宮脇寛和君 登壇) ○危機管理局長(宮脇寛和君)    議員御質問の1点目のうち、長期化した停電による市民への影響と今後の対策についてと2点目の防災行政無線のデジタル化に伴う戸別受信機の更新についてお答えいたします。  まず、長期化した停電による市民への影響と今後の対策につきまして、たび重なる台風による被害状況については、8月23日から24日にかけて当地に影響を及ぼした台風20号では、本宮町川湯地区で大塔川の水位の上昇により25件の床上浸水が発生し、また市道串峠平治川線が本宮町下湯川地内で大規模な崩落により寸断され、曲川地区が孤立するなどの被害が発生しました。  9月4日に当地の最接近をしました台風21号では、目良地区で越波による浸水があったほか、暴風雨による家屋被害も多数発生し、被害件数は、住家、非住家合わせて517件に上りました。また、市内全域において大規模な停電も発生しております。  さらに、9月30日に田辺市付近に上陸した台風24号では、台風21号に引き続き、越波による浸水があり、目良地区では床上浸水4件、床下浸水13件、一部損壊が1件の被害が発生いたしました。  そうした中で、台風21号の影響による停電は、関西電力の発表によると市内全域で約2万5,000戸にも及びました。中でも龍神行政局管内では、復旧まで1週間以上の時間を要した地区もございました。  そうしたことから、市としましては、市内各地域で備蓄している発電機を長期にわたり停電している各世帯に貸与したほか、関西電力からも発電機車両を配備していただくことで電源を確保するなど復旧までの生活支援に努めたところでございます。  関西電力が復旧に時間を要したのは、被害規模が大きく、早期に被害全容の把握ができず、加えて倒木などの障害物により作業におくれが生じたことによるものと聞いております。  また、こうした作業のおくれに加え、関西電力のホームページの停電情報が、システムのふぐあいにより更新が停止したことなどから、関西電力から田辺市への復旧見通しの情報提供がおくれるなど停電が発生している世帯の皆様は不安な日々を過ごされることとなりました。  こうしたことから、大規模な停電発生時においては、関西電力の復旧作業とともに県や市も連携し、復旧作業に必要な道路情報の提供や倒木などの復旧作業を妨げる障害物を優先的に除去するなど早期の復旧に向けた取り組みが必要であることから、今後大規模な停電発生時における情報共有や連絡体制を構築するよう努めてまいりたいと考えております。  次に、防災行政無線のデジタル化に伴う戸別受信機の更新についてお答えいたします。  防災行政無線は、緊急時に気象情報及び災害情報等の的確、かつ迅速な放送を行い、また、平時には行政からのお知らせを行うなど必要不可欠な情報伝達手段であります。  龍神行政局管内の防災行政無線設備については平成9年度に、中辺路行政局管内については平成11年度に、また、大塔行政局管内については平成13年度に整備されたものであることから老朽化が進んでいることもあり、今年度から再来年度までの3年間で龍神、中辺路、大塔の各行政局管内の機器の更新整備を行い、アナログ方式からデジタル方式へ移行いたします。  そうした中で、住居内等に設置される戸別受信機につきましては、現在、龍神、中辺路、大塔の各行政局管内においては全戸に貸与されており、既に防災行政無線のデジタル化がされている本庁管内及び本宮行政局管内においては難聴地域の世帯や福祉施設のほか、熊野川流域の世帯に貸与がされています。  今回防災行政無線のデジタル化に伴う龍神、中辺路、大塔の各行政局管内の戸別受信機につきましては、アナログ方式に対応しているため、デジタル化に伴い使用することができなくなります。  しかしながら、昨今の住宅は防音性も高く、室内にいる場合は豪雨等の状況下においては屋外子局の放送だけでは聞こえにくい現状もあり、戸別受信機の必要性は十分に認識しているところでございます。また、国においても戸別受信機は各世帯の屋内で災害情報を受信する最も確実な手段の一つとして、近年その普及を促進しているところであります。  市といたしましては、こうしたことを踏まえ、龍神、中辺路、大塔の各行政局管内における防災行政無線のデジタル化に伴う戸別受信機の更新につきましては、本庁管内及び本宮行政局管内の戸別受信機の整備も含めて、アナログ波の送信終了の時期を見据えて、その方針や方策を構築してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。  以上でございます。           (危機管理局長 宮脇寛和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    森林局長、清水健次君。            (森林局長 清水健次君 登壇) ○森林局長(清水健次君)    議員御質問の倒木の処理の現状についてお答えいたします。  ことしは多くの台風による災害に見舞われ、冠水や倒木等により市道や林道が通行できなくなる被害が多く発生しました。  市では、初動対応として、現場を確認し、通行どめによる安全管理を行い、次に倒木や崩土など障害物の撤去に当たっております。  一方で、通行に影響を及ぼさない道路脇の倒木や根株については、民法及び森林林業基本法や平成31年4月1日に施行される森林経営管理法においても所有者みずからが適切に管理することとされており、処理が進んでいないのが現状であります。  数十年に一度と言われる災害が毎年のように発生している中で、今後もこのような被害が予想されますので、対策等について国・県と協議してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (森林局長 清水健次君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    安達克典君。             (16番 安達克典君 登壇) ○16番(安達克典君)    御答弁ありがとうございました。倒木の被害現場を見るときに、やはり幅員であったり高規格の道路の所よりも比較的幅員の狭い道路、山肌ぎりぎりに道路があり電柱があり電線があるといった所が、やはり今回の被害が広がった特徴であります。  私の住む殿原では、上は区内の三ツ又口、川成向かい、中は小森、そして下は亀畑峠などの倒木で以前なら孤立状態でした。しかし、この春開通した国道371号により中辺路への道が通行可能でした。住民の不安は少し和らぎました。  そして、停電についてですが、いつも龍神奥、小又川、特に三ツ又、丹生ノ川、殿原が最後まで残ります。これは順番に作業をしてくるのでいたし方のないところでありますが、この災害発生中に地元区長から市長にも直接要望があったように、中辺路からの電気は笠塔トンネルまで来ています。ここから371号経由で殿原まで新たな電線を設置し、次の災害に備える準備を事あるごとに関西電力等関係各位へ要望を市としても行っていただきたいというふうに思います。  そして、今後、防災、減災に取り組む基本的な考え方の一つとして申し上げたいことがあります。  私も災害現場を回らせていただきました。その中で、どこに行っても言われることがありました。それは、河川の堤防の補強であるとか砂防ダムの整備など、平時から対策を講じていたところは、これは比較的被害が少なかったところで、しかしながら一方で、計画段階のままであって手つかずであったところ、これは大きな被害が出た、こういった趣旨のものであります。  全国的にも岡山においても兵庫においても、あるいは広島においてもこういった事例がありました。例えば、大阪港、その周辺において、昭和36年に第二室戸台風の際に約13万戸が浸水をいたしました。その後、護岸あるいは河川堤防、水門、こういった整備を行った結果、今回の台風21号においては、過去最高の潮位を記録したにもかかわらず、市街地への高潮浸水を完全に防止することができた、こういった指摘があります。かかった費用、これは維持管理費を含めて約1,500億円と言われています。これに対しまして、この被害防止の効果でありますが、今回の台風21号による被害想定だけでも約17兆円という試算があります。整備以来たびたび大型災害が起こっているわけですから、整備以来今日までに防いできた被害はどれだけ大きなものがあるのか改めて感じます。  こうした事例を見てもわかるように、平時から先手を打って災害に備えていたほうが、一旦災害が発生して、そして、インフラ、被災者の生活、なりわい、復興・復旧、こういったことよりもはるかに社会的コストが小さい、何よりもとうとい命を守ることができる、こういったことではないでしょうか。  財政との関係においても、こうした災害対策については、財政状況が厳しいからできないというものではなく、財政状況が厳しいからこそ、より社会的コストが小さくて済む徹底した事前の取り組み、あるいは、防災、減災、国土強靱化、こういったものに力を入れていく、こういった考え方をとるべきではないかと思います。  事前防災を進めていく上で大切なことは、行政による公助はもとより、市民一人一人がみずから取り組む自助、そして、地域、企業、学校、ボランティアなどのお互いに助け合う共助を組み合わせ、地域全体で防災意識を高め、常に防災、減災の視点を持ってあらゆる自然災害に備える防災意識社会を構築していくためにも戸別受信機への設置というのが必要であると考えます。  ハードだけではなく、ソフトもしっかりと充実させながら、ソフト、ハードを組み合わせた対策を総動員して、田辺市一丸となって事前防災にしっかりと取り組んでいかなければなりません。  今回御答弁いただいた内容については、しっかりと内部で調整をとっていただき、早期に予算そして工事への実施に向けて取り組んでいただくよう強く強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。             (16番 安達克典君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    以上で、16番、安達克典君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(小川浩樹君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時17分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 市橋宗行君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時00分) ○議長(副議長 市橋宗行君)    続いて、10番、北田健治君の登壇を許可いたします。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    皆様こんにちは。ここ数日来の寒暖差に体が対応できす少し声がおかしい状況になってますが、聞きづらい点もあるかと思いますが、御了承いただきたいというふうに思います。  それでは、通告に従い、大項目3点にわたり一問一答方式で一般質問を行います。  まず、巨大地震発生時の給水対応について質問いたします。  平成26年に発表された和歌山県地震被害想定調査書によりますと、3連動地震や南海トラフ地震が発生した場合、本市における断水人口は震災直後で7万5,000人強、1日後で約7万人、1週間後で約3万6,000人、1カ月後におきましても約3万1,600人に上るとされています。こうした被害想定のもと、本市や市民の皆様や事業所へ飲料水を最低3日分、可能であれば1週間分以上備蓄されるよう周知しているところであります。  また、給水対応については、上水道施設による供給を基本としながら、拠点給水や河川水、家庭用井戸水及び災害対策用造水器等による応急給水体制を整えることとしており、備蓄拠点への受水槽、高架水槽の配備等さまざまな対策を講じています。  しかし、地震発生時の状況によっては、市民の方々が例え水の備蓄を行っていたとしてもこれを持ち避難できるとは限りません。また、小泉浄水場の津波浸水対策や水道管の耐震化及び緊急輸送道路の確保など、上水道施設や拠点給水による対応にも課題が残っています。  さらに、備蓄物資にはペットボトル等の飲料水が含まれていない中、飲料水供給の補完的役割として、プールの水を活用する災害対策用造水器が小学校8校に導入はされていますが、プールそのものの耐震性は保証されておらず、可搬式といえどもその活用は限定的であります。加えて、環境課が災害時における生活用水協力井戸の登録を呼びかけているものの、登録数は現在20カ所にとどまっています。これらの状況から、被災後に必要な水を確実に供給できるのか、疑問を抱いております。  私は、被災された方々の生命と生活を守るためには、水の供給このことが最優先に取り組むべき重大な使命であると捉えております。そのためにも確かな給水供給体制の構築や飲料水の備蓄、さらには災害時生活用水協力井戸の登録等の対策をこれまで以上に推進していく必要があると考えております。  そこで小項目1として、大規模地震発生時における給水対応にかかわって、課題と今後の取り組みについてお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    10番、北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。  水道部長、岩本 章君。            (水道部長 岩本 章君 登壇) ○水道部長(岩本 章君)    議員御質問の給水対応についてお答えいたします。  上水道では、地震発生に備えて、管路被災による二次災害防止と水量確保のため主要配水池の7施設に緊急遮断弁を設置しており、このほかにも秋津川浄水場、長野浄水場などにも浄水施設があり、これらを総合すれば、被災状況にもよりますが多くの水量を確保することができます。  また、確保した水を配水池から各避難所へ水を供給する応急給水体制につきましては、給水班が指定避難所等の各給水拠点に給水車や給水タンクを積載したトラック等にて、速やかに応急給水を行う拠点給水を基本としております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、輸送ルートの寸断等により拠点給水による水の確保が困難な場合や被災状況により人員や車両が不足する場合が想定されます。  このことから、拠点給水以外の水の供給方法として、河川水による供給や市内小・中学校8施設にプールの水を浄化する造水器を配備し、飲料水の供給を行うこととしており、また、災害時生活用水協力井戸登録制度を設け、市内20カ所で登録いただくなど生活用水の確保にも努めております。  人員や車両が不足する場合については、水道災害相互応援対策要綱に基づく協定書により、日本水道協会和歌山県支部を通じて支援を要請することとしております。  また、今後輸送ルートの確保対策として、道路啓開を迅速に進めるため、道路啓開計画の作成の取り組みを進めるとともに、市内幹線道路における代替性を確保するため市道整備を推進し、道路ネットワークの多重化に努めてまいります。  さらに、水の確保対策として、ペットボトルの備蓄について災害用備蓄品整備計画を見直す中で十分に検討してまいりますとともに、災害時生活用水協力井戸登録制度のさらなる周知にも努めてまいります。  なお、津波浸水想定域にある小泉浄水場の改修及び水道管の耐震化につきましても現在策定中の新水道ビジョンをもとに、今後基本計画の中で検討してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。            (水道部長 岩本 章君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    御答弁いただきました。その中で、輸送ルートの確保対策に努められることや小泉浄水場の浸水対策及び水道管の耐震化、加えてペットボトルの備蓄についても検討されるということでした。水は、人間が命を維持する、生活を営む上で最も重要なものです。ぜひ災害時における給水対応の充実に向け前向きに進めていただくことを要望して次の質問に入ります。  午前中、安達議員さんからも災害時の電気に係る質問がございました。私のほうからは、指定避難施設における電源の確保について質問を行います。  本市の地震発災1週間後の避難所生活者数は、3連動地震で2万3,200人、南海トラフで2万4,700人と予測されております。避難者の受け入れ態勢については70カ所の指定避難施設に約2万2,000人の収容が可能とされています。  大規模な地震が発生した際、被災者は長期にわたり指定避難施設での生活を余儀なくされることから、これら施設には食料や水といった物資の供給はもとより照明や空調、情報端末機器等が使用できるとともに医療機器を要する方にも対応できる環境、つまり自立した電源の確保が必要不可欠であると考えます。
     こうした中で、本市では県のグリーンニューディール基金を活用し、避難施設で必要な電源を確保するため、新庄中学校、ひがしコミュニティセンター、田辺第三小学校、芳養小学校に太陽光発電設備と蓄電池が設置され、その他にも幾つかの学校において建てかえや耐震改修の際に太陽光発電設備が整備されております。  また、平成26年度から、カセットガス式発電機を配備するなど、災害時における電源の確保に向けた取り組みが進められております。  しかし、太陽光発電設備を有している指定避難施設は限定的であり、また、カセットガス式発電機は、あくまでも照明器具の利用を想定したものであることから、指定避難施設における電源の確保はいまだ十分ではないと考えます。  防災対策強化のための備品整備事業期間は本年度までとなっていますが、小項目2として、指定避難施設における電源の確保について現状認識と今後の計画についてお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    危機管理局長、宮脇寛和君。           (危機管理局長 宮脇寛和君 登壇) ○危機管理局長(宮脇寛和君)    議員御質問の指定避難施設における電源の確保についてお答えいたします。  指定避難所に避難されている方は自宅が再建されるまで、または新たな生活拠点が見つかるまで指定避難所での生活を余儀なくされることから、状況により指定避難所での生活は長期にわたる場合がございます。長期にわたる指定避難所での生活においては、できるだけ避難者が不便を感じないような環境も求められる中、水や食料の供給のほか、指定避難所内の照明や、季節によっては冷暖房器具、情報収集手段として欠かせないものとなっている携帯電話やスマートフォンの充電、また電気を必要とする医療器具を使用している場合など電源を確保する必要がありますが、被災状況によっては指定避難所への電気の供給が途絶え、長期にわたる停電が発生する場合もあります。  こうした場合の指定避難所における電源の確保対策といたしましては、平成27年度に指定避難所のうち新庄中学校、ひがしコミュニティセンター、田辺第三小学校、芳養小学校の4施設に太陽光発電設備と蓄電池設備を整備したほか、215台のポータブル発電機を備蓄しており、適宜指定避難所へ配備することとしております。  加えて、状況に応じて、関西電力に要請してポータブル発電機の追加や発電機車両を配備していただくほか、近畿総合通信局へも移動電源車の配備を要請してまいります。  しかしながら、被災状況によっては全ての指定避難場所に電源を確保することが困難な場合も予想され、関西電力の復旧作業に対して、県や市も連携し早期復旧に向けた取り組みが必要であることから、今後大規模な停電発生時における関西電力との情報共有や連絡体制を構築するように努めてまいります。  また、ポータブル発電機の備蓄につきましては、災害用備蓄品整備計画に定められた数量は完了しておりますが、今後必要数については備蓄品整備計画を見直す中で検討するほか、先進地事例の調査研究も行いながら、指定避難場所における電源の確保に努めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。  以上でございます。           (危機管理局長 宮脇寛和君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    御答弁いただきました。全国には太陽光発電設備と蓄電池、あるいは発電機等のみならず自動車販売会社だったりバッテリー会社等の企業と災害発生時に避難所の電力を電気自動車から供給する、あるいはバッテリーで電力を供給するといった電力供給協定書を交わしている自治体もあるようです。さまざまな先進地事例も踏まえながら電源の確保に向けた取り組みを今後も進めていただきたいというふうに思いますのでよろしくお願いします。  続きまして、災害医療について質問いたします。  阪神・淡路大震災では、通常の救急医療を行えば救えた、避けられた災害死が500人もいたとされ、災害医療に対する多くの課題が浮き彫りとなりました。  大規模災害が発生すれば、医療現場は、医療を求める方々が大幅に増加し、停電や断水、医薬品及び衛生材料の供給停止等により過酷な状況になります。  厚生労働省では、こうした教訓を踏まえ、災害現場における医師と各行政機関、消防、警察、自衛隊が連携した医療行為の必要性を強く認識し、発災後直ちに現地へ駆けつけ、医療活動を行う災害派遣医療チームDMATを発足させました。  同省の資料によりますと、東日本大震災においては、全国から約380チーム1,800人の災害派遣医療チームが被災地に入り、12日間にわたって地域医療機関と連携しながら、病院支援、地域医療搬送、広域医療搬送、避難所救護所活動等の医療行為が行われたとのことであります。また、熊本地震においても、2,000人以上が同様の活動をされたようであります。本市においても、3連動地震や南海トラフ巨大地震が発生すれば、医療能力が不足することは明らかで、災害派遣医療チームの応援は必要不可欠であります。  しかし、そうした応援を最大限に生かすには、当然のことながら、受け入れる側の体制、つまり災害医療体制の構築が極めて重要であります。  本市の災害拠点病院である紀南病院と南和歌山医療センターでは耐震性が確保され、自家発電装置や貯水槽などの設備強化も図られていますが、民間の二次救急病院や透析実施病院等においても同様の対策が必要であり、急務であるとも考えます。  さらに、津波浸水区域内に位置している医療機関においては、津波浸水時には機能不全となることが予測されることから、入院患者等の受け入れ先の確保も必要となります。  そこで小項目3として、災害医療体制の現状認識と今後の取り組みについて御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    保健福祉部長、木村晃和君。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員御質問の災害医療体制についてお答えさせていただきます。  大規模な災害発生時には、多数の負傷者が発生するとともに、医療機関自体も被害を受け、市内、県内の医療機関だけでは重傷者の受け入れ、治療に十分対応できないことが想定されることから、おおむね発生から48時間以内の超急性期に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チーム、DMATが国・県からの派遣要請に応じ全国各地から被災地に参集をして活動を開始します。  県災害対策本部は、参集してきたDMAT等の医療チームの活動調整などを含め、県内における医療機関への支援を行い、容態安定化措置などの救命に必要な対応が可能な医療体制を確保し、あわせて地域医療搬送を実施するとともに、国等の防災関係機関とも連携して県内での対応が困難な重症患者を災害区域外に搬送する体制を構築することとなっています。  本地域には、災害拠点病院として紀南病院、南和歌山医療センターが、災害支援病院として白浜はまゆう病院、国保すさみ病院が指定されており、また、南紀白浜空港には傷病者を航空機で被災地外に搬送するための広域搬送拠点に開設される医療施設、SCUが設置されることとなっております。DMAT等医療チームは、それらの医療機関の支援に当たるとともに、災害時の医療情報をインターネット上で共有し、被災地での医療情報を集約して提供する広域災害救急医療情報システム、EMISによる医療機関等の情報及び各市町の災害対策本部から収集された情報や要請に基づいた県対策本部による活動調整のもと災害救急医療活動を行います。  当地域においては、県災害対策本部により、田辺保健所に設置をされる地域保健医療調整本部内に地域災害医療コーディネーターを中心とした対策チームが招集され、市からも必要に応じて参集することとなっています。関係各所からの要請、情報等を集約し、DMAT等医療チームの派遣などを地域の実情にあわせ調整します。  市対策本部においては、医療救護活動本部を組織し、田辺市医師会、田辺西牟婁歯科医師会、田辺薬剤師会を初めとする医療関係機関とともに、災害地域保健医療調整本部と連携して災害医療に対応することとしており、浸水想定区域における医療機関の入院患者については、災害発生後、必要な治療が困難な状況であれば地域災害医療コーディネーターが調整し、広域災害救急医療情報システムや周辺自治体災害対策本部、医療関係機関等各所からの情報をもとに、受け入れ可能な医療機関に搬送されることとなります。  また、災害拠点病院及び災害支援病院においては、十分な耐震性を有するとともに、自家発電機、貯水槽等を整備していますが、その他の病院については、国・県により耐震化等の支援について対策が講じられているところであり、これらの情報についても必要に応じ、適切に把握してまいりたいと考えております。  本市といたしましても、田辺地域災害医療体制検討会のもと、多くの医療関係団体が参加する巨大地震を想定した災害医療訓練に参画しており、当地域全体が大規模災害時にDMAT等医療チームの受け入れを円滑に行い、できる限り充分な医療が提供されるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    続いて、ミカン農業についてであります。  ミカンは、我が国の主要果実であり、かつて農政審議会において選択的拡大品目として位置づけられたことから西日本各地でミカン畑が造成されました。その結果、栽培面積は、ピーク時の昭和48年には17.3万ヘクタールになり、生産量も昭和50年ごろには367万トンに達しました。  しかし、昭和50年代後半から他の果実の生産増加や農産物輸入自由化等、時代の変化に伴い生産調整が図られ、ピーク時に比べ、栽培面積で4分の1、生産量で5分の1程度になり、今後も隔年結果による増減を繰り返しながら減少傾向が続くものと予測されています。  一方、消費量につきましても、この30年間で7割も減少したと言われ、今後も人口減少や若い世代の果実離れ等によるミカン消費量の減退が危惧されるところであります。  言うまでもなく、本県はミカン生産量日本一であります。本県の産出額は、平成28年時300億円を超えており、梅の128億円と比較すればミカン農業がいかに当地方の地域経済を支えてきたことかが伺えます。  本市においても、秋津谷や大坊を初めとする芳養谷地域において、ミカン栽培が盛んに行われており、消費減退は地域経済において大きな影響を及ぼします。地域の担い手の確保という点においてもしかりであります。  そこで、小項目1として、本市におけるミカン農業の現状と将来性についてどのような御見解を持たれているのか、ことしの市場動向とあわせてお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えいたします。  全国のミカンの生産量は、昭和50年ごろにピークを迎え、以降は人口減少に加え、イチゴやメロン、海外から輸入されるアメリカ産オレンジといった他の作物への若い世代の嗜好の変化に伴う需要の減少なども影響して、生産量は増減を繰り返しながらも年々減少している状況にあります。  そのような中でありますが、和歌山県は全国一のミカンの生産量を誇っており、本市においても温暖な気候を生かして田辺地域を中心に広く栽培され、デコポンやバレンシアなど晩柑類を含めますとほぼ年間を通して多種多様なかんきつ類が収穫されています。  本市におけるかんきつ栽培の歴史は古く、江戸時代後半から栽培が始まり、昭和30年代後半からは農地造成事業等の基盤整備を進めながら、栽培面積の拡大と生産量の増加を進めてきましたが、昭和50年代からは梅の需要の高まりとともに営農面においても所得効率のよい梅への改植が進みました。こうしたことから、ミカンの生産量はピーク時に比べ減少していますが、本市においては梅と並ぶ主要な農作物として栽培が行われています。  また、全体としては、生産量は減少したものの、JA紀南の主導により、近年では日南とゆらわせをかけ合わせた極わせミカンYN26といったよりよい品種への転換や高い糖度を保つ天ミカンの生産を推進するためのマルチ栽培の推進など、より一層の高品質化による地域ブランドの強化が進められております。  市といたしましても、マルチ栽培による甘いミカンづくりを支援するための補助制度の運用や高品質ミカンの選別のための糖度センサー導入に対する補助金交付などを通して、こうした品質向上に資する取り組みへの支援を実施しているところです。加えて、販売促進としましても、JA紀南及び生産農家の代表者、県、本市で田辺市柑橘振興協議会を組織し、国内外でのかんきつのPR活動を継続的に実施しています。  さて、本年の市場動向ですが、極わせミカンは、たび重なる台風による影響も懸念されましたが、価格的にはおおむね良好な状況で推移しているとお聞きしています。これから出荷を迎える木熟ミカンにつきましても糖度の高い天ミカンなどは引き合いも強く、例年高価格で取引が行われており、10月以降は降水量が少なかったことで味もよくなっているとのことで、極わせミカンと同様の傾向で取引されることを期待しているところです。  このように、ミカン栽培を取り巻く環境は時代とともに変化してきたところでありますが、品質向上への取り組みや高品質ミカンの生産力の強化、また新たな優良品種の栽培による地域ブランド力の強化などによっては、ミカン栽培はこれからも十分に将来性が見込めるものと考えております。  また、販売についてもJAへの出荷のほか、産直店やインターネットの活用、農家独自のネットワークを生かすなど多様な展開が可能であります。したがいまして、農家にとりましては、それぞれの努力や積極的な取り組みによりこだわりを持ったミカン栽培ができ、よいものをつくれば高価格でも販売も期待できるという点においても夢のある農業であり、こうしたことから、今後においてもミカン農業は、本市の地域経済を支える主要な産業であることに変わりはないと認識しているところです。  市といたしましては、今後もJA紀南を初めとする関係機関と連携をとりながら、農家の皆様が安定してよりよい品質のミカン栽培に取り組めるよう必要な施策を引き続き行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    御答弁いただきました。答弁のとおり、ミカン栽培、品質向上や高品質なミカンの生産力の強化等を図ることで将来性のあるものになるというふうに私も思います。農家の皆様が品質の高いミカンづくりに取り組める施策を今後も引き続き行っていきたいということでありましたので、その部分についてもまた改めて議論したいと思いますが、まずは、本年までが事業期間となっている甘いミカンづくり支援事業の件をここで強く要望しておきます。  次に、販売促進に向けた取り組みについて質問いたします。  まずは、首都圏への販売促進についてであります。本県産ミカンの地方別シェアを見ると、関西圏では約65%に達し圧倒的なシェアを誇っていますが、首都圏においてはいまだ15%程度にとどまっております。東京都中央卸売市場における平成29年度におけるミカンの産地別取り扱い実績を見ますと、和歌山県産の取り扱い数量は1万1,500トンで、愛媛県の2万5,000トン、静岡県の1万9,000トン、長崎県の1万6,000トン、熊本県の1万2,000トンに次ぐ5番目、取引金額においても、愛媛県の77億円、静岡県の58億円、長崎県の47億円に次いで和歌山県は34億円であることから、シェアの拡大の余地はいまだあると考えています。  本市のミカンの味は、愛媛ミカン、三ケ日ミカンなど有名ブランドミカンに引けをとらないものの、東京での知名度においてはやはり大きな差があるものと認識しております。  東京都中央卸売市場といえば、毎年6月6日の梅の日に紀州梅の会がPRのため東京・大田市場において大々的に梅フェアを開催しており、いまや風物詩となって多くの市場関係者から好評いただいていることは皆様も御承知のとおりであります。  その一方で、ミカンの日があるということは皆様御存じでしょうか。これは、農林水産省が全国果実生産出荷安定協議会によって制定されたもので、11月3日と12月3日がその日になります。このミカンの日を活用し、梅の日同様に大々的なPRを行う等、首都圏のシェア拡大に向けた取り組みをより積極的に行うべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    農林水産部長、那須久男君。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の首都圏への販売促進についてお答えいたします。  ミカンの流通につきましては、これまでの長い歴史の中で、和歌山産は関西圏へ、愛媛産や九州産は関東方面へというように、いわばすみ分けがされてきたようでございますが、JA紀南の平成29年度における主要市場への販売実績では、極わせは関西方面への販売が多いものの、その後のわせ、中生は関東方面への販売に主軸を切りかえるといった結果となっており、JA紀南としてもこうした首都圏への販売強化は今後も続けたいとお聞きしております。  また、首都圏での販売促進につきましては、田辺市柑橘振興協議会の販売促進活動の一環として、毎年東京都中央区にあるオフィスビルや複合商業施設から成る晴海トリトンスクエアや千葉県内の大手スーパーマーケットでの催事等のPR活動を実施しており、期間中は多くの方々に御来場いただき、田辺産のミカンについて御好評をいただいております。  また、新たなPR活動につきましても、機会を捉え取り組んでまいりたいと考えておりますが、そういう意味においても議員から御提案いただきましたミカンの日の活用は今後の活動における一つの手段であると認識しております。  今後も、首都圏において、田辺のミカン、紀南のミカンの認知度をより高めていくため、こうしたかんきつの販売促進、PR活動につきましては、ミカンの日の活用も含めまして、引き続き積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    次に、海外市場への販売戦略であります。  我が国の農林水産物・食品の輸出は、平成25年から5年連続で増加しています。平成29年の農林水産物・食品の輸出実績は8,071億円であり、国はその輸出額を来年には1兆円の大台に乗せようとしております。  そういった状況にもかかわらず、昨年のミカンの輸出量は1,500トンとリンゴの輸出量のわずか5%にとどまっています。また、輸出額においても5億円と109億円のリンゴに遠く及ばず、近年急激な伸びを示しているブドウ、イチゴ、桃、梨にも後塵を拝する結果になっています。  田辺市やJA紀南等で構成する田辺市柑橘振興協議会は、海外での販路獲得のため、2015年から香港の大手スーパーマーケットにおいて温州ミカンのPRを行っており、今や流通経路が確立されつつあるとのことですが、香港は貿易に対して参入障壁が低いため、九州、愛媛県、静岡県と他県も出荷しており、既に価格競争が発生している状況にあると聞き及んでおります。そういったことから農家への利益還元を念頭に置いた価格で取引できる新たな市場開拓が求められています。  昨年10月、県は地域経済にとって国内外の需要を開拓することが必要であるとして、県庁内に日本貿易振興機構、通称ジェトロを誘致しました。ジェトロは、海外での展示会や商談会に参加を希望する企業や自治体をサポートしているほか、海外に拠点が70カ所ある強みを生かし、さまざまな情報提供等を行っている独立行政法人で、多くの自治体が農林水産物を初め特産物の輸出促進にジェトロを活用されているとお伺いしております。本市においても、せっかく県内にジェトロが所在しているわけですから、最大限に連携を図り、販売促進を進めてみてはいかがでしょうか。  そこで、海外の販売戦略について、ジェトロの有用性も含め御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の海外への販売戦略についてお答えいたします。  かんきつの海外への販路拡大につきましては、田辺市柑橘振興協議会を中心に国内の販売促進と並行して取り組みを進めており、議員からも御紹介いただきましたとおり、平成27年度から今日まで香港の大手スーパーマーケットを初めシンガポール、台湾における販促活動や現地のバイヤーを招聘しての相談会の実施などに取り組んでおります。  また、本年度については、11月下旬に新たにマレーシアにおいて生産者及びJA紀南職員による販促活動を実施したところであり、これを皮切りに、今後香港、シンガポールでの活動も予定しております。  こうしたかんきつの海外展開への取り組みは、JA紀南や和歌山県農業協同組合連合会、大阪中央青果株式会社、また海外の多数のスーパーマーケットにネットワークを持つウィズ・プロデュースとの連携のもと実施しているのがこれまでの経過でございます。  一方で、昨年県内に、日本貿易振興機構、ジェトロの窓口である和歌山県貿易情報センターが開所され、本市では、世界農業遺産を切り口とする梅の海外展開として、平成29年度はシンガポール、本年度はニューヨークにおいて現地のバイヤーやメディア向けに梅の効能説明や地元レストランのシェフによるレシピの紹介等を通した産地のPRや販路拡大事業に取り組んできております。  議員御指摘のとおり、ミカン農家への利益還元につながる新たな市場開拓を進めるに当たっては、政府の関係機関であるジェトロが有する海外との太いネットワークと、それに基づくマーケット動向など、多岐にわたる情報の活用は、梅の取り組み事例から見ましても非常に有効であると認識しております。  したがいまして、引き続きかんきつの海外販路拡大事業を実施していくに当たり、市としましては、JA紀南や関係機関との連携のもと、今後の取り組みについてジェトロとの協議を行い、その活用を検討してまいりたいと考えております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇)
    ○10番(北田健治君)    次に、地理的表示保護、GI制度についてであります。  2015年、地名に産品名を結びつけた地理的表示を知的財産として保護する地理的表示保護GI制度が始まりました。地理的表示とは、夕張メロンや下関フグのように、その名称から当該産品の産地を特定できる農林水産物の名称であり、農林水産省によって登録が認められた産品は、あわせて登録標章を付すことができます。地理的表示保護制度によって、行政が地理的表示の不正な使用を取り締まることから、産品のブランドを守ることができるとともに、行政のお墨つきを得ることにもなります。  加えて先日、国会で可決されたTPP関連法によって、地理的表示産品が2国間、多国間で国際協定により相互保護されることから、世界を舞台に地理的表示産品のブランド化とその保護が一層図られることとなります。  現在、農林水産省に登録された地理的表示産品は、既に69品目となっており、今後ますます注目度が高まってくるのではないかと考えています。  過去にJA紀南が木熟ミカンの登録申請を行ったと聞き及んでおりますが、本市にとって、ミカンのブランド力強化はもちろんのこと、ミカンといえば田辺というように産物を生かし、本市の価値を高めるという観点からも地理的表示保護制度への登録は効果的であると認識しております。そこで、地理的表示保護制度について御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の地理的表示保護制度についてお答えいたします。  地理的表示保護制度につきましては、地域の気候や風土、それらと結びついた伝統的製法によって高い品質が認められてきた農作物等の産地名称や地域ブランドの保護を目的として、平成27年度に運用が始まりました。この制度を活用し、産品と産地名を結びつけた地域ブランドとして全国に情報発信することにより、地域の活性化につなげる取り組みが全国各地で行われております。  この地理的表示を獲得するためには、産品が生産地域において、その特性を有した状態でおおむね25年以上の生産実績があることや、品質についても基準がしっかりと確立され、販売においても統一管理されているものといった諸条件があり、これを踏まえ、当該産品の生産・加工にかかわる団体が主体となって申請する必要がございます。  JA紀南においては、平成29年3月に木熟ミカンを紀南木熟ミカンという名称で申請を行っておりますが、品質そのものは一定の状態を維持しつつも、出荷についてはJA紀南の選果を通らない同程度の品質を有するミカンも流通しているなど、販売形態が多岐にわたり統一されていないといったこともあり、今のところ登録には至っていないとお聞きしております。  しかしながら、一方では、他の制度の活用になりますが、温州ミカンには、骨の健康維持に役立つとされるベータクリプトキサンチンが多く含まれていることから、JA紀南では、消費者庁の機能性表示食品の許可を得て、年明けから、先ほどの効能を表示したパッケージでの販売が予定されています。この機能性表示によって、地域産品のブランド力が強化されることになりますが、同じく地理的表示保護制度についても産品のブランド力だけではなく田辺そのものの価値をさらに高めていく手段として大変有効であると思われます。国内での販売活動はもとより、今後始まるTPPにおいても多国間でその評価が相互に保証されるため、海外に向けて当地の産品を売り込んでいく上でもこの制度の活用は重要なポイントになるものと考えております。  市としましては、今後もJA紀南を初め、生産団体等による地域産品のブランド力を高める取り組みに対しまして支援を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    次に移ります。市街地における主要道路の景観についてであります。  現在、本市は、国交省の景観まちづくり刷新支援事業を活用し、魅力ある中心市街地の形成に取り組んでいるところであります。私はかねてから市街地における活性化のポイントは、鬪鶏神社・扇ヶ浜エリアであるとともに、本市の玄関口である紀伊田辺駅とその双方を結ぶ動線、つまり田辺大通りと宮路通りの町並みが重要になると考えてきました。  紀伊田辺駅から湊交差点までの田辺大通りについては、駅前空間の刷新事業によって、また、鬪鶏神社の参道に当たる宮路通りについても、舗装の美装化によって趣ある景観づくりが行われているところであります。  しかし、アオイ交差点から扇ヶ浜までの区間は、数年前、県において道路の舗装工事や電線の地中化が図られ美しく整備されたものの、以前、街路に沿って植えられていたナンキンハゼが撤去されたことで、町並みの無機質さが浮き彫りになりました。  街路樹は、管理面において弊害が指摘されますが、反面では、通りに自然の安らぎや潤いをもたらすとともに、町並みの多様性と統一性を有機的に結びつけ、良好な景観の形成に大きく寄与するものであります。  住宅地等においての街路樹の設置は慎重に判断するべきであると考えますが、この田辺大通りは、紀伊田辺駅とさらに魅力が高まるであろう扇ヶ浜エリアを結ぶ本市のメーンストリートであり、今以上のにぎわいを期待する通りでもあることから、美化だけでなく魅せる景観整備が必要であります。  そういったことにより、例えばクマノザクラを街路樹として植栽してみてはいかがでしょうか。クマノザクラは、熊野川流域に群生し、葉が細長くて小さく、鮮やかなピンク色の美しい花を咲かす特徴があり、観賞価値の高いものとされています。このクマノザクラによる街路樹形成は、まちに華やかさを与えるだけでなく、市街地においても熊野を感じることができ、また田辺大通りが、潮垢離場のある扇ヶ浜と熊野三山の別宮となる鬪鶏神社をつなぐ道であることから、熊野古道に見立てた物語の創造も可能であります。  全国に目を向ければ、大阪の御堂筋や名古屋の久屋大通り、和歌山市のけやき大通り等、メーンストリートには往々にして立派な街路樹が整備され、良好な景観を形成しており、その街路樹自体も道路とともに街のシンボル的な存在になっています。  そこで小項目1として、田辺大通りが統一性や物語性・趣を有した本市のメーンストリートにふさわしい道となるよう、街路樹等による魅せる景観整備に取り組むべきであると考えますが、当局の御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長、栗山卓也君。            (建設部長 栗山卓也君 登壇) ○建設部長(栗山卓也君)    議員御質問の田辺大通りについてお答えいたします。  湊交差点から扇ヶ浜までの田辺大通りにおいて、舗装工事や電線の地中化による無電柱化等の整備工事が平成27年度に完了しております。この無電柱化によって良好な景観の形成に一定の成果が得られました。また、あわせて街路樹のナンキンハゼの撤去を行いましたが、これにつきましては、無電柱化の管路埋設に伴い木の根が支障となることや、町内会要望によるもので、撤去に至りましたが、その結果、無機質な景観になってしまったことも否めません。  議員からの御紹介のあったクマノザクラによる街路樹形成につきましては、それらを解消する一案でございますが、ナンキンハゼを撤去することとなった経緯などを踏まえて県と協議してまいりたいと思います。  当市は、平成28年10月24日、鬪鶏神社などが世界遺産に追加登録されたことを契機として、景観まちづくり刷新事業などの市街地における良好な景観形成に資する事業に取り組んでいるところでございます。このため、田辺大通りのアオイ交差点から扇ヶ浜までの区間における取り組みにつきましても、議員から御提案のありました街路樹形成の件も含め、道路管理者や地域の皆様と協議を重ねてきながら魅力ある景観づくりに向けて県と連携しながら検討していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (建設部長 栗山卓也君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    次に、外環状線についてお尋ねいたします。  平成28年、和歌山県議会9月定例会で知事は、文里湾横断道路の整備に係る一般質問に対し、文里湾横断道路建設に向け田辺市と連携して進めるよう指示したとと答弁されました。  また、本年県議会6月定例会においても文里湾横断断道路に対する踏み込んだ考え方が示され、文里地区側は、神島高校南側付近の県道文里湊線との接続を検討しているとのことでありました。  現在、県は、橋の長さや橋脚の間隔など基礎的構造を検討する基本設計に取りかかっており、本市においても、県とともに関係機関との調整や道路の概略設計を進めています。  この文里湾横断道路の実現は、津波避難困難地域解消や南和歌山医療センターへの搬送時間短縮、新庄地域の渋滞緩和、災害時の輸送道路の確保等、本市にとって大きな利点をもたらすものとなりますが、特に、私は、一大観光地である白浜からのアクセスがよくなることから、交流人口の増大による市街地の活性化に大きな期待を寄せております。  ところが、横断道路と接続予定の外環状線は、訴求力のある景観になっているとは言いがたい状況で、来訪者はふえても、それを観光振興や地域振興に十分に生かせず、本市が高速道路までの単なる通過点になってしまうのではないかと危惧するところでもあります。  皆様も御存じのとおり、この外環状線からは、都会にない磯間の漁師町の風景や、本市が誇る美しい海岸線及び松林を眼下に望むことができます。また、その沿道に位置する扇ヶ浜公園、扇ヶ浜ビーチにおきましては、植芝盛平顕彰館を併設した武道館建設や海岸環境整備等の事業も進められております。  本市のように、中心市街地に世界遺産はもとより、美しい海岸線を有するところは珍しく、希少価値が高いことから、文里湾横断道路や庁舎の跡地利用も考慮に入れ、扇ヶ浜エリア一帯を地域資源とする、本市の個性を生かした田辺市ならではのまちづくりを進めなければなりません。そういった意味において、海岸線に位置する外環状線も、田辺大通り同様、来訪者に魅せる、来訪者の心を引く景観整備に取り組むべきであると考えます。  そこで、小項目2として、外環状線の現状に対する認識と沿道整備の必要性について御見解をお伺いいたします。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長。            (建設部長 栗山卓也君 登壇) ○建設部長(栗山卓也君)    議員御質問の外環状線についてお答えいたします。  現在、県と連携して進めている文里湾横断道路が完成すれば、白浜町中心部から田辺市街地が主要地方道南紀白浜空港線文里湾横断道路によって結ばれることとなり、鬪鶏神社等の世界遺産追加登録を契機とした景観まちづくり刷新事業の取り組み等によって中心市街地への来訪者の増加が見込まれますが、その際には外環状線が南の玄関口となります。  このような状況を踏まえ、文里湾横断道路からの導線となる外環状線沿道につきましては、本市の個性を生かした田辺ならではのまちづくりを推進するものとして良好な景観の形成が重要となってくると考えておりますので、今後、他の自治体の事例を参考にするなど情報収集に努め、具体的な取り組みにつきまして検討してまいります。  また、県道自体も沿道の景観を構成する大きな要因の一つでございますので、これにつきましても県と連携を図りつつ、景観に配慮したものとなるよう要望していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (建設部長 栗山卓也君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    北田健治君。             (10番 北田健治君 登壇) ○10番(北田健治君)    御答弁いただきました。6月ですか、名札ストラップのデザインを競う全国シティセールスデザインコンテスト2017が福井県坂井市で開催され、本市の未来へつながる道田辺市のデザインが大賞を受賞しました。このデザインは、合併10周年を機に、本市の価値やイメージを高め、本市とともにまちづくりを進めるためのシンボルとして製作したもので、市長もあらゆる場面において道をキーワードにしたプロモーションを活動されてきたことと思います。本市のキーワードは道であります。田辺大通りや外環状線のように、特に来訪者を迎える道路には、道をキーワードにしたまちにふさわしい魅せる景観整備に取り組んでいただきますよう要望しまして、今回私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。             (10番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    以上で、10番、北田健治君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 市橋宗行君)    この場合、2時5分まで休憩いたします。               (午後 1時53分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(小川浩樹君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時05分) ○議長(小川浩樹君)    続いて、6番、久保浩二君の登壇を許可いたします。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    こんにちは、6番、日本共産党、久保浩二です。今回は2項目、1項目めは、高齢者の健康寿命向上に外出支援と乗り合いタクシーということと、もう一つが、田辺の漁業とカツオ漁について質問をしていきます。  高齢者の健康寿命を向上させていくためには、高齢者を閉じこもりさせないということ、外出支援が大変重要になるということでこの質問を取り上げていきます。  厚労省の資料で、閉じこもり予防支援マニュアルというものがありまして、その中で閉じこもり症候群とは、生活の活動空間がほぼ家の中のみへと狭小化することで、活動性が低下し、その結果、廃用症候群を発生させ、またこれは説明あるのですけど、さらに心身両面の活動力を失っていく結果、寝たきりに進行するという考え方である。老化に伴いさまざまな要因で外出頻度が少なくなり、生活空間が屋外、地域から自宅内へ狭くなっていく。屋外や地域でやるべきことがないとどうしても日中の生活空間は屋内になりやすい。また、家庭における役割、買い物などがない、あるいは地域社会における役割がないと外出頻度が低くなる、閉じこもり予防は、外出頻度自体を増加させることが目的ではなく、屋外、社会における役割を担う結果として外出頻度がふえ、生活全般を活性化させることが本来の目的であるとなっています。  そこで、高齢者の平均寿命、健康寿命について、和歌山県の平均寿命、男性で79.94歳、これは全国で44位、女性が86.47歳で全国41位、健康寿命で見ますと、男性71.36歳、全国で45位、女性が74.42歳、39位となっています。そして、平均寿命との差は男性で8.58歳、女性で12.05歳となっています。これを、健康寿命を延ばすことで高齢の方が生き生きと社会で暮らしていけるような、そういう取り組みが必要だと考えています。  そこでまず、現在の田辺市の高齢者の平均寿命、健康寿命について、また高齢者の医療費と介護給付費の現状をどのように認識しているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。  保健福祉部長、木村晃和君。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  本市の70歳以上の国民健康保険及び後期高齢者医療における被保険者の近年の医療費、並びに介護保険サービスに係る費用額等の動向についてお答えいたします。  まず、国民健康保険の70歳以上の被保険者に係る給付費の費用額の合計は、平成25年度22億9,779万2,352円、平成26年度23億1,387万3,720円、平成27年度22億4,980万6,807円、平成28年度19億9,148万9,354円、平成29年度21億1,818万8,781円でございます。  次に、後期高齢者医療の被保険者に係る給付の費用額の合計は、平成25年度97億4,436万7,468円、平成26年度102億3,623万845円、平成27年度105億3,597万209円、平成28年度104億5,144万1,030円、平成29年度110億244万5,135円でございます。  また、本市における介護保険サービスに係る費用額等の推移についてでございますが、平成25年度85億4,886万9,850円、平成26年度88億299万6,473円、平成27年度88億1,876万2,429円、平成28年度88億9,134万761円、平成29年度89億8,501万5,912円でございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    今、国保、後期高齢、介護の各給付費をお示しいただいたのですが、平成29年度でこの三つ合わせますと221億円で、ここ5年間の推移を見ましても少しずつ伸びてきています。そして、介護保険料、大きく引き上げられて、田辺市は、介護保険料の基準額が7万8,800円であります。そして、和歌山県の平均は全国4位の高さになっています。これを減らしていくことというのは難しい現状にあると思うのですが、健康寿命を延ばしていくことで、ほかの取り組みでしっかり高齢者の健康を取り戻していくことで、その辺の伸びを抑えていくことができるというふうに考えています。  そこで、2番の高齢者を閉じこもらせないために外出や買い物に出かける機会をふやすことが求められています。現在、田辺市の65歳以上の人口が約2万4,000人、75歳以上が約1万3,000人で、高齢者だけの世帯が約1万世帯、そのうち高齢者の単身世帯が約5,500世帯で全世帯の3割を超える状況になっています。  健康寿命の向上への取り組みで、先日歯科医院に行きますと、そこの病院の壁に口の中、口腔の健康で健康寿命を延ばしましょうというポスターが張ってありました。また、病気や足腰が弱る前に、整形や内科、歯科受診をすることで健康寿命の向上につながります。しかし、高齢者が病院に通えるだけではなくて、外出や買い物に出かける機会をふやすことで心の健康や精神の健康にもつながってまいります。  現在、田辺市は高齢者を閉じこもらせない外出をふやすためにどのような取り組みをしているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員御質問の外出や買い物に出かける機会をつくる、そうした取り組みの状況について御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、市といたしましても外出の機会をふやして、人との交流を持つことが健康寿命を延ばすことになり、そのため社会参加を促進させることが必要であると考えているところでございます。  東京都健康長寿センター研究所が65歳以上の500人を対象にした研究において、毎日5,000歩以上歩き、少し早目の歩き方を7分半以上している方は、認知症や心疾患、脳卒中の予防ができる可能性があると報告されています。  また、市が2014年に要支援・要介護認定を受けていない高齢者を対象に実施した高齢者実態把握調査において、週に1回も外出をしない高齢者と毎日外出している高齢者の3年後の状況を比較したところ、外出頻度が少ない高齢者は介護が必要な状態になる割合が毎日外出する高齢者に比べて2.5倍高くなっています。  健康寿命を延ばすため、市では介護予防事業の健康教室を拠点となる公民館で実施し、教室終了後は住民主体の自主活動として活動し、外出の機会を持っていただくよう取り組みを続けているところです。  また、介護予防・日常生活支援総合事業の生活支援サービスの一つで、研修を受けた高齢者がシルバー人材センターに登録し、家事援助の業務についていただく訪問サービスを創設し、高齢者が活躍する機会の取り組みを実施しているところです。  以上でございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。
                (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    健康教室を各公民館でやられていたり、日常的に歩いたり、そういう運動に取り組んでいくことをしていくと将来的に健康寿命が延びていくという答弁でした。  今現在、地域に集える場所で高齢者向けのサロンの取り組みなどがされていますが、その結果についてどのようになっているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  高齢者が身近な地域で集える場所があることが地域のコミュニティを活性化させ、より効果的な介護予防につながるものと考えてございます。現在、さまざまな住民主体の地域活動がされているところですが、市では、歩くことが介護予防、認知症予防に効果があることから、歩いて通える身近な場所で集える場所が確保できるよう、地域の集会所などを活用した通いの場づくりに取り組んでおります。介護予防の啓発教室として1年に6回程度の教室開催を行うとともに、住民主体の地域活動が同様に地域の集会所などにおいて継続するように支援のための取り組みを行った結果、平成30年度は24の地域で自主活動グループが介護予防活動団体として登録をしています。  こうした身近な地域で集いの場をつくるため、地域介護予防活動支援事業を実施し、空き家などを活用する場合には上限10万円までの準備経費を、また活動に係る運営経費についても1回3,000円まで補助する取り組みを行っているところです。  本事業については、高齢者が主体となった活動であれば、子供を含む多世代の方が参加しても対象となることから、多世代の方を含め、地域の実情に応じた集いの場の整備ができるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    今、多世代で取り組めるというふうなことを言われました。私もそのように感じています。高齢者だけの取り組みではなく、子供や子育て世代の親、高齢者など老若男女集える取り組みにしてはどうかということで、私はほとんど毎日会津小学校で行われているラジオ体操に参加しています。参加者の多くは60代、70代、80代が中心ですが、最近ずっと数人の幼稚園児や小学生の低学年の子供さんが参加してくれています。高齢者だけでなく小さな子供が参加してくれていることで、参加者の皆様は癒されているように思っています。  また、子供食堂などの取り組みの中に、貧困の問題だけでなく、孤食をなくそうという取り組みで、子供だけでなく高齢者も参加して、一緒に食事をするという取り組みもふえてきています。田辺市でも公民館などを中心にこのような取り組みを積極的に進めてはどうかというふうに思いますが、見解を求めます。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えさせていただきます。  先ほどの答弁でも申し上げましたが、高齢者が身近な地域で集える場所があることが、地域のコミュニティを活性化させ、より効果的な介護予防につながるものと考えてございます。また、その場が多世代で参加できるものであることが、より効果のあるものと考えてございます。  以上です。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    多世代で取り組むことは重要だということなのですが、食事など、お茶を飲んだりとかということもあるのですけど、食事などを一緒にするということも大切だというふうに思うのですが、そういう取り組みは今のところやられてないのでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えさせていただきます。  集いの場ということで、個々の取り組みの状況というのを詳細に把握した資料が手元にございませんが、それぞれ活動の中で食事をともにすると、共食という活動を続けておられるというところもあると理解しております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    高齢者の健康寿命を延ばす上で、先ほど言いましたように高齢者だけの世帯が単身を含めて1万世帯ほど田辺市にあるということで、そういう方々は、1人で食事をしたりという方が多いと思うのです。その中で孤食というふうに言われるのですが、高齢者の孤食が問題視されているのは、食欲や口腔、嚥下機能の低下と相まって食の楽しみや関心がなくなり、体力の減退が進むというふうになって、そのことで要介護状態に陥りやすくなるということです。  低栄養は、免疫力の低下にもつながる、そして近年は孤食を減らす取り組みとして、部長からもありましたように、ほかのところでは、各自治体が会食サービスや会食の場を提供するケースもふえています。このような会食の場は、地域の高齢者同士や多世代の人たちでテーブルを囲む参加者全員で調理もするなど場所や主催者によって内容やさまざまなものが取り組まれていますが、いろんな人と交流しながら食事を楽しむことは、単に栄養をとるだけでなく心の健康にもよい結果を与えているというふうに言われています。  その具体的な取り組みの中で、高知県の土佐市では、子供食堂の高齢者版ということで月1回開いてこういう取り組みをしています。1回300円で、毎月第一火曜日午後5時から7時にバイキング形式で食事をされているということで、わいわい会話をしながら食事をするほうがおいしい、月1回だが高齢者が外に出るきっかけにもなればというふうに言われています。そして、活動に賛同する土佐市内外の農家などからいろんな食材が提供されているというふうに取り組まれています。  また、埼玉県ふじみ野市では、保健センターで高齢者が手づくりの昼食を食べながらおしゃべりに花を咲かせということで、10年ほど前から月1回開いているそうです。ここも1回300円以内というふうにやれています。  こういう取り組みが本当に高齢者にとって、体だけではなくて心も精神にも健康にしていくという取り組みだと思うので、田辺市でももっと具体的に取り組んでいくことが必要だというふうに思います。  次に、健康体操やエクササイズなど参加している方が結構おられると思うのですが、また最近は、先ほどもありましたように介護や介護予防でリハビリに特化したデイサービスの利用がふえています。こういうことも含めて現在の状況がどのようになっているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員御質問の健康体操などへの参加について、高齢者の参加状況についての御質問にお答えさせていただきます。  市では、平成18年度から市民総合センターなどの拠点施設にて毎年2教室程度の介護予防の運動教室を開催し、教室終了後にも継続した運動習慣の確保のため、自主活動グループの立ち上げを行ってまいりました。運動教室に初めて参加される高齢者は年々ふえ、運動の自主活動団体は、平成26年度に17団体だったのに対して、平成30年度には22団体と増加し、ほとんどの自主活動グループは週に1度メンバーが集まり活動しています。  また、身体機能や認知機能が低下することで虚弱となる、いわゆるフレイル状態の高齢者を対象とした短期集中型の通所型介護予防事業では、事業所までの移動に送迎を行うことで運動器の機能向上に取り組んでいただく体制の整備をしています。  また、事業対象者や介護認定を受けた高齢者が送迎のある介護保険の通所事業所を利用していますが、半日程度の短時間リハビリなどの運動器の機能向上に取り組む事業所への利用は、昨年に比べ66.7%伸びており、運動に取り組む高齢者は増加しています。今後とも、より効果的なフレイル予防の実施に向けた体制を整備するに当たって、送迎を含め検討を行ってまいります。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    昨年、私たち共産党の田辺市議団は、熊野市に乗り合いタクシーの視察に行ってまいりました。そこの熊野市は、市の健康増進事業への参加者は無料で乗り合いタクシーの利用ができる取り組みをしております。そしてそのことで、健康増進事業への参加者がふえているというふうに言われます。また、熊野市は健康検診の受診を促進することや、健康の維持改善を目的に、毎日楽しみながら健康づくりに取り組んでもらうために健康増進ポイント事業を実施しています。特定健康診査を受けると500ポイント、健康にちなんだ講演会、イベント、教室に参加すると50ポイントから200ポイントがもらえ、2,000ポイント集まれば商品券と交換できる事業をしています。このことで、特定健康診査は少しずつふえているそうです。市が行う健康増進事業に参加すれば、乗り合いタクシー無料で健康増進ポイントがもらえる二重にうれしい取り組みです。  この熊野市では、健康増進事業への参加者は、平成28年度2,963人、平成29年度5,086人、平成30年度は、この10月末までで2,842人と参加者がふえています。田辺市でもこのようなポイント制度を利用して健康増進に取り組む運動を実施してはどうかというふうに思いますがいかがでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えさせていただきます。  本市におきましても健診の受診率向上や生活習慣病の重度化予防、重症化予防の取り組みについては重要な課題であると考えてございます。  本県におきましては、健康づくり運動ポイント事業という名前のポイント事業を県が実施いたしております。これは、生涯にわたり健康を維持するため、楽しく運動習慣の定着を図る仕組みを構築し、地域コミュニティに密着した健康づくりを推進することを目的に、平成29年10月より和歌山県によりまして事業化をされています。対象者は18歳以上の県民ということで、現在田辺市でも147名の方が登録をされております。平成29年度年間累計ランキングに田辺市の方が8位となり表彰されているところです。活動の多い方については県知事による表彰があるという制度でございます。市といたしましてもこの県の制度について一緒に取り組みを今現在進めている状況です。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    県の取り組みに参加しているということなのですが、田辺市としてもやっぱり健康診査の向上やとか、そういう高齢の方がいろんな市の健康増進の事業に参加することをもっともっとふやすために、市独自としてやられることが望まれるというふうに思います。  次に、外出支援の取り組みについてお伺いします。  路線バス、住民バスの利用の限界があるのではないかということで、定時定路線で運行する路線バスや住民バスでは、バス停から遠くに住む高齢者が利用するには限界があるというふうに考えますが、市の認識をお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    企画部長、小川 鏡君。            (企画部長 小川 鏡君 登壇) ○企画部長(小川 鏡君)    議員の御質問にお答えいたします。  路線バス、それから住民バスの運行につきましては定時定路線運行となってございますので、利用者の方には自宅から最寄りの停留所まで来ていただくと、そういう必要がございます。  自宅から停留所までの距離によりましては、高齢者の方に限らず、路線バス、住民バスを利用することが御不便な方がいらっしゃるということにつきましては、認識をしております。            (企画部長 小川 鏡君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    バス停から遠い方の利用が難しい状況であるというのは認識しているということなので、次に、やすらぎ対策課のほうからいただいた外出についてのアンケートの中で見ますと、高齢者の外出手段で一番多いのが自分で自家用車を運転していく方が29.1%、バイク15.3%、徒歩21.5%、自転車9.3%というふうになっています。自分で乗り物に乗れない方というのは、ほかの人の自家用車に乗せてもらう14%、バスが3.3%、タクシーが3.8%でバスは3.3%で一番低い、高齢者にとって利用しにくいものになっています。  また、自家用車を自分で運転している方もバイクの方もいずれは乗れなくなります。自分で出かけたいときに出かけられる移動手段が必要になります。  高齢者の閉じこもりを防ぎ、健康寿命を向上させるためには、世代間を超えて市民が集える場所づくりや各種健康教室などの開催に加え、これらの事業に参加しやすい環境づくりが必要だと考えます。そのためには移動手段の確保が重要な課題です。低料金で、自分で出かけたいときに利用可能な乗り合いタクシーの導入により、こうした課題は解決できると考えますが、市の認識をお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    企画部長。            (企画部長 小川 鏡君 登壇) ○企画部長(小川 鏡君)    議員の御質問にお答えいたします。  乗り合いタクシーは、全国で導入している自治体等の事例がございますが、その運行形態につきましては、路線バスや住民バスと同様、決まった時間と経路を乗車定員12人以下の車両で運行する、いわゆる定時定路線運行や自宅付近から区域内の目的地を予約に応じて運行する区域運行などがございます。  一方、路線バスや住民バスは児童生徒の通学や通院、買い物などに利用されるほか、観光客等の来訪者の二次交通として一度にある程度まとまった利用者を輸送することができる、行動計画が立てやすいなどの特徴がございまして、本地域の公共交通として有効であると考えてございます。  議員から御質問がございました乗り合いタクシーにつきましては、路線バスやタクシー事業者等の民間事業者との調整に加え、市が実施しております住民バス事業、外出支援サービス事業及び診療所送迎事業との整合性や費用負担などの課題もあり、現在実施している各種事業の柔軟な運用も含めまして引き続き研究してまいりたいと考えております。  以上です。            (企画部長 小川 鏡君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    ここで、熊野市の乗り合いタクシーのことについて少し説明をさせてもらいます。  熊野市は、行政区域が373平方キロもの広範囲にもかかわらず、乗り合いタクシーの公共交通機関の整備により、一部地域でNPO法人が運行している公共交通空白地有償運送を含めると誰もが自宅から移動できる手段が確保されている。  これを取り組むに至った背景、目的では、過疎高齢化が進む熊野市では独自の交通手段を持たない高齢者等にとってバス等の公共交通機関はなくてはならないものであった。一方で家からバス停までが遠い、バスも走っていない集落など、地域によっては公共交通機関を利用しにくい地域もあった。今後、さらに過疎高齢化が進み、バス停まで行くことも困難になる方がふえ、日常生活は送れても、買い物や病院に行けなくなることで住みなれた地域を離れなくてはならない状況が懸念されていた。そこで、自宅から買い物や病院などの日常生活に必要な施設へ移動できる手段があれば安心して住み続けることができるのではないかと考えて乗り合いタクシーの運行を始めたということです。  そこで、田辺市の住民バスの問題についてちょっと見ていきます。今現在、住民バスの委託料は年間3,406万円要っています。また、路線バスの維持対策費の補助金が6,603万円、二つ合わせて1億円余りです。住民バスの乗車率、中辺路町が0.9人、龍神で3.1人、住民バス1人当たりの費用は3,089円かかっています。熊野市の乗り合いタクシーの状況を見ますと、利用者が平成29年2万1,142人、平成29年度決算で2,324万円で乗り合いタクシー1人当たりの費用は1,099円になっています。こういう費用面から見ても乗り合いタクシーの運行を検討すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    企画部長。            (企画部長 小川 鏡君 登壇) ○企画部長(小川 鏡君)    議員のほうから助成に係る費用単価について、そこの基準を比べて乗り合いタクシーを検討すべきではないかという御質問をいただきました。  これまで田辺市内のバス事業については、平成26年ごろの大幅な再編計画の中で、路線バスから住民バスの移行など、そういう経過がございます。それから、先ほども申し上げましたように、田辺市内におきましてはバス事業者、それからタクシー事業者等との調整も課題になります。そういう点から行きましても現在乗り合いタクシーの導入については研究を進めていると。それに合わせて現在実施している各種事業についても拡充を研究していると、そういう段階でございます。            (企画部長 小川 鏡君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    検討しているということなのですが、健康寿命を延ばす、外出を支援する、そういうことで高齢者にとって出かけたいときに出かけられる、行きたいところへ行けるということが望まれているというふうに思います。また、部長から説明あったように、介護や福祉の制度の枠内で改善を取り組んでいったとしても限界がやはりあるというふうに思います。  乗り合いタクシーの運行で介護や福祉の制度を包括できる、今一生懸命制度を変えようとして考えているものが、乗り合いタクシーが運行されればそのことが十分改善、解決できるというふうに思います。必ず利用者がふえて、市民に喜ばれます。
     行政、自治体の仕事は住民福祉の向上です。旧4町村ではすぐにでも実現に向けて取り組みができるのではないか。熊野市のように首長の決断で実現できます。ぜひ早期に実現できることを希望して、この項での質問を終わります。  次に、田辺の漁業とカツオ漁について質問します。  田辺の漁業の漁獲量を昭和48年以降で見ますと、最大の漁獲量が、資料にありますように1万2,727トン、これは昭和48年です。最大漁獲高が24億6,963万円、平成2年、一番少なかった漁獲量が、平成26年の2,698トン、一番少なかった漁獲高が、同じく平成26年の5億3,138万円というふうになっています。漁獲量、漁獲高の著しい減少、量、高とも約5分の1になっている、この現状をどのように認識しているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長、那須久男君。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員の御質問にお答えいたします。  議員のお話にもありましたが、田辺市の漁業協同組合の年度別漁獲量と漁獲金額の推移につきましては、各漁業協同組合から提出された数値をもとに作成した統計データによりますと、全体として漁獲量は、昭和48年の1万2,727トン、漁獲金額は、平成2年度の24億6,963万円をピークに減少傾向にあり、最も不漁だった平成26年度では漁獲量2,698トン、漁獲金額5億3,138万円となっております。  また、最近では、平成29年度で漁獲量3,275トン、漁獲金額5億8,290万円とわずかながら持ち直しているものの、ピーク時と比べますと、漁獲量については45年間で約4分の1、漁獲金額については28年間で約5分の1に減少しており、非常に厳しい状況にあると認識いたしております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    非常に厳しいということをお認めになりました。  江川、湊浦漁協の正組合員の数は、昭和61年の794人から平成29年は153人となっています。新規就業者を見ますと、和歌山県全体で平成20年が23人、平成25年が10人、漁業者の漁獲物販売金額、水揚げというか金額ですが、その約4割が100万円未満となっています。この現状をどういうふうに認識しているのか。仕方ないと考えるのか、本腰を入れて漁業の再生に取り組む覚悟があるのかどうかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員の御質問にお答えいたします。  田辺市の水産業は第一次産業にあって、農業、林業に続く当市の基幹となる産業であり、水産業の動向は地域経済と密接なかかわりを持っています。しかしながら、当市の水産業を取り巻く現状は非常に厳しいものがあり、漁獲高の低迷、漁業従事者の高齢化、後継者不足等、将来のビジョンが描きにくい危機的な状況にあります。  市としましては、先ほども統計データを紹介させていただきましたが、ピーク時の平成2年度の漁獲金額が約24億7,000万円という金額は大変大きく、地域経済に及ぼす影響はそれ以上の大きな額であり、約5分の1に激減した現在の状況に対し危機感を持って捉えておりまして、今後は県と連携し、漁協とも十分協議をしながら水産業の振興に向け取り組んでまいりたいと考えております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    次に、一本釣り漁の現状について。この資料にもありますように、イサキが平成5年以降で平成7年に158トンというのがあるのですが、平成29年は31トンになっています。カツオは、平成19年以降で、平成21年で250トン、一番少ないときで平成27年で43トン、金額で平成21年で1億4,669万円、一番少ない平成27年で3,471万円というふうな、大変厳しい状況になっています。そして、一番下の図にありますように、平成10年からの表を見ますと、ケンケン漁によるカツオの水揚げ量が1,858トン、約2,000トン弱から平成28年は56.1トン、これは1月から5月までの春期のものですが、こういう状況、当局の認識をどのように感じているのか伺います。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員の御質問にお答えいたします。  議員のお話にもありましたが、田辺市の一本釣り漁の代表魚種として、当地方のブランド魚、紀州いさぎと春漁に代表されるカツオがありますが、イサキにつきましては稚魚放流を始めた平成7年度の158トンをピークに、平成29年度には31トンと約5分の1に激減しており、カツオにつきましては、直近の10年間でいいますと、平成21年度の250トンをピークに最も不漁だった平成27年度は43トンと、これは約6分の1に激減しておりまして、全体の漁獲量と同様に非常に厳しい状況にあると認識しております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    漁業全体も1本釣りも大変厳しい状況やというのは認識されているということなのですが、次に、カツオ漁の不漁の原因についてお話をお伺いします。  カツオは、先ほども言いましたように、平成10年から大変厳しい状況が続いてまして、ここ10年ぐらいは本当に厳しい状況になっています。その中で言われているのは、熱帯域の大きなまき網漁でカツオがとられているということがあるということなのですが、国際的な会議の中では、カツオ自体はそんなに減ってきていないということなのですが、日本近海では目に見えて不漁が続いています。カツオは黒潮に乗って春に上ってきて、秋に東北のほうから戻りガツオとして行くのですが、いろいろと異変が出てきています。  カツオを数十年にわたって研究している方のお話で言いますと、黒潮ルート、そして紀伊半島に真っすぐ上がってくる紀州沖ルート、それから、伊豆・小笠原ルート、東沖ルートと四つカツオが上がってくるルートがあるということなのですが、そのほとんどがカツオが上がってきていないというのが現実に確認されています。  こういう問題について、私は県や国に働きかけてしっかりカツオが日本に、この紀伊半島に戻ってくるような取り組みをしていくことが必要だというふうに思うのですが、市としての考え方をお聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員の御質問にお答えいたします。  紀南地域にとってカツオは春から夏にかけての重要な水産資源であり、カツオ資源の激減は、当地方水産業にとっても重大な問題であります。  カツオ漁の不漁の要因でございますが、議員御指摘のとおり、中西部太平洋での大型まき網漁船による乱獲が原因であるということも聞いておりますが、近年カツオの春先の北上海域である沖縄東方沖の水温が低かったことや、潮岬沖の冷水塊による黒潮大蛇行などさまざまな要因も影響していると言われております。  このように、多様な要因が重なり合っている中で、確定的な要因がつかめていないのが現状でございますので、今後の状況を見ながら対応を検討してまいりたいと考えております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    水温の問題、黒潮の蛇行の問題言われたのですが、先ほど言いましたように、日本に上がってくる黒潮のルート、紀州沖ルートにしても、ほとんどが魚が上がってきてないというのが調査の結果出てるということなので、水温が上がったからカツオがたくさん釣れるとかということではないというふうに専門家の方が言われてますので、そういうふうな説を言う方もおられるのですが、とにかくカツオが南方からこの日本にほとんど上がってくるのが大変な勢いで減ってくるということなので、その辺についてやはり国に対してしっかり働きかけていってほしいというふうに思います。  次に、漁業再生への取り組みについてお伺いします。  今まで行ってきた田辺市の取り組みはどのようなものであったのか、まずお聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の今までの市の取り組みについてでありますが、漁獲高の低迷、漁業従事者の高齢化、後継者不足等、このような危機的な状況の中、以前より水産増養殖事業、いわゆる放流事業による水産資源の維持増大、魚価の向上のための水産物のPR活動及びブランド化、田辺湾内の漁場再生のための藻場再生事業等の水産振興事業に取り組んでまいりました。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    増養殖事業にも取り組んできたということなのですが、先日の委員会でいただいた資料で見ますと、イサキは、増養殖、放流が始まった年が一番水揚げが多くて、だんだん減ってきて、その間に数十万尾ずっと放流してきてあるのですがふえておりません。減っていく一方であります。ほかのマダイにしても、ほかの魚にしてもそういう結果なのですが、その結果についてどのように分析、認識しているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の今までの取り組み結果の分析と認識についてでありますが、今までの施策により一定の効果はあったと考えておりますが、現在の水産業の状況を考えますと、より効果的な方法を模索しなければならないと危機感を持っております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    一定の効果はあったということなのですが、私は一定の効果はほとんどなかったというふうに思うのです。そやからそういうところでしっかり分析して、総括して、放流の仕方、それでいいのかどうかということをやっぱり検討してするべきだというふうに思います。それがないと今後田辺市としてどういうふうな取り組みが必要なのか、どういうことをやっていくべきかということが出てこないというふうに思いますので、その辺についてもっと真剣に分析をして、やっていただきたいというふうに思います。  次に、漁業法改正の影響についてお伺いします。  今、国会の参議院で審議中の漁業法改正について、田辺市としてどのように認識しているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    農林水産部長。           (農林水産部長 那須久男君 登壇) ○農林水産部長(那須久男君)    議員御質問の漁業法の改正案についてでありますが、約70年ぶりの大改正となる漁業法の改正について説明申し上げますと、法改正の趣旨としましては、大きく二つありまして、一つは漁業権の優先順位を廃止し、漁業権が適切かつ有効に管理できていない場合に養殖業などの新規参入を認めるということであります。もう一つは、乱獲を防止し、資源保護の強化を目的として漁獲可能量を決める魚種をふやし、漁船ごとに漁獲枠を割り当てる制度に移行するものであります。  この法律の改正によりまして、当市の水産業にどのような影響を及ぼすのか現時点では申し上げることは困難でございますが、漁獲管理や養殖業などの新規参入により水産業の持続的な成長を促すという期待があります。しかし、その一方で、小規模漁業者への影響も心配されます。  いずれにいたしましても、許認可権が都道府県知事に与えられることになりますので、今後は県に対しまして、地元の実情を説明し、その運用について協議してまいりたいと考えております。           (農林水産部長 那須久男君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    私は、この漁業法の改正というのはとんでもないというふうに思っています。それは、部長の答弁にもありましたように、漁業権のもともとは漁業者だったり漁協に優先するということで、戦後の漁業の民主化を図るということを目的にやってきました。しかし、効率化を図るということで、森林の経営管理法と同じようにちゃんとしているかどうかというのを知事が判断して、その知事の判断でこの漁協のやり方はふさわしくないというか、効率が見込めないというふうになったら企業を参入させて漁業者の権利をとってしまうということが議論されているところです。  そして、海区調整委員会というのが今まで公選制でやられてたのですが、それを知事の認可で決めるということで、漁業者の意見が反映されないという結果になってしまいます。また、全国の沿岸漁業を見ますと、カツオだったりマグロだったり、この辺だったらヨコワ何かのところでも一部のまき網漁船に大きく割り当て量を当てて、小規模の沿岸の漁業者にとったら本当に少ない額しか割り当てをされていません。  ことし6月29日和歌山県議会でクロマグロ資源管理に対する意見書というのが採択されて、やはり小規模の漁業者を守る、そういう取り組みが必要だというふうな意見が出されています。今の漁業法改正についてもそういうことが言われています。  現在の政権の漁業に対する考え方は、引き縄漁や一本釣りなど沿岸の小規模漁業者を守ろうという考え方でなく、大規模に効率的に魚をとるという考え方で漁業権を漁協や漁業者から取り上げ、生産性の高い企業に漁業権を与えるというものです。クロマグロの漁獲規制でも大型まき網漁の規制は10%ほどで小規模漁業者へは90%近くの規制になっています。小規模漁業者のなりわいが成り立たない状況がつくり出されています。  漁村の小規模漁業者を守ることを優先しないと地方は成り立ちません。国会で漁業法の改悪がなされそうになっていますが、今こそ地方から声を上げ、地方の暮らしを守るため、自治体として行動を起こすべきだと訴えて質問を終わります。ありがとうございました。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(小川浩樹君)    以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす12月8日から9日までの2日間は休会とし、12月10日、午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(小川浩樹君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(小川浩樹君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。               (午後 3時04分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成30年12月7日                    議  長  小 川 浩 樹                    副議長   市 橋 宗 行                    議  員  浅 山 誠 一
                       議  員  前 田 佳 世                    議  員  川 﨑 五 一...