田辺市議会 2018-09-07
平成30年 9月定例会(第2号 9月 7日)
それでは、定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成30年第3回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
◎報告
○議長(
小川浩樹君) 1番、松上京子君から欠席の届け出があります。
◎諸般の報告
○議長(
小川浩樹君) この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、千品繁俊君。
(
議会事務局長 千品繁俊君 登壇)
○
議会事務局長(千品繁俊君) 報告申し上げます。
本日付、田総第133号の3をもって、市長から本定例会の追加議案として、3定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてなど議案17件の送付がありました。
いずれもお手元に配付いたしております。
以上でございます。
(
議会事務局長 千品繁俊君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(
小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
なお、一般質問の通告は8月30日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
13番、
二葉昌彦君の登壇を許可いたします。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 皆様おはようございます。13番、誠和会、
二葉昌彦、一般質問させていただきます。
質問に入る前に、今回台風20号、21号と続き、北海道では、震度6.5から7の地震が起こりました。災害が続いております。今回、災害に遭われました皆様方にこの場をおかりし、心からお見舞い申し上げます。
では、一般質問に入らせていただきます。
今回、初めて一番くじを引きました。緊張感を持ちながら質問させていただきます。
今回、大項目として、老朽化による
公共施設・インフラの更新問題について。小項目として、
公共施設・インフラの現状について、
公共施設の利用状況について、指定管理の状況について、2040年時の
公共施設のあり方、将来にわたる見通しと課題について、
公共施設の更新問題への対応と整備と見直しについて、マネジメントの必要について、計6点を一問一答にて質問させていただきます。
さて、総務省において、
公共施設等総合管理計画の策定に当たって指針が発表され、それにのっとり、田辺市においても、平成29年3月に田辺市
公共施設等総合管理計画が策定されました。これは、
公共施設・インフラの現状や、将来にわたる見通し、課題を把握し、これからの
公共施設・インフラのあり方を示したものであるように認識しております。
我が国において、出生数が100万人を切りました。人口減少問題、国のほうも、まち・ひと・しごとの
創生総合戦略を策定し、
少子化対策、移住政策が進められていますが、人口減少に歯どめがかからない状態が続いています。
団塊の世代、1947年から1949年生まれのころは、毎年260万人以上子供が生まれ、
団塊ジュニア世代で200万人以上、2017年には100万人を切り、94万人まで減少しました。予想では、2040年には74万人程度になるという厳しい予想が出されています。それに比べ、高齢化はますます進み、2015年には65歳以上の
高齢者人口は3,387万人、
団塊ジュニアが65歳以上になる2042年には3,935万人を占め、高齢化率36.1%という予想が出されています。出生率も多いときに比べ約3分の1近くになっています。
このように、人口減少が進行していった場合、私たちの地域の生活にとり、具体的にどのような影響が出てくるのか見てみると、
生活関連サービス、
サービス産業の縮小、
経済産業活動の縮小により税収入が減少、
社会保障費の増加等で地方財政は厳しさを増していく。この厳しい財政状況の中で、
高度経済成長期に建設された
公共施設やインフラの老朽化、
地域公共交通の縮小・撤退、空き家、空き店舗、町内会や自治会といった住民組織の低下等、人口減少による多くの課題があることに、改めて人口減少問題への対応の必要性を思う次第です。
今回は、その中で、老朽化による
公共施設・インフラの更新問題についてお聞きしたいと思います。
公共施設の現状についてまずお聞きします。
少子高齢化が進行しております。今後もそうした傾向が予測され、
公共施設等の需要等も変化していくものと考えます。財政面も合併による
普通交付税の特別措置の終了も迫り、さらに厳しくなります。
今後も人口減少、
少子高齢化や厳しい財政状況を踏まえながら、
行政サービスの維持向上、将来世代への配慮を持ち、田辺市
公共施設等総合管理計画をもとに
人口減少等に対するための
公共施設の整備再編の検討が始まったように思います。
その中で、
公共施設、まず
学校教育系、市営住宅、
社会教育系、たくさんの施設がありますが、そのほとんどが
高度経済成長期の折に建設されたものが多いように思います。
学校等建てかえが進んでいますが、現時点で50年以上、40年以上、30年以上経過の建物がどれくらいあるのかお伺いします。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 13番、
二葉昌彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
昨年作成いたしました田辺市
公共施設等総合管理計画に基づき申し上げますと、平成29年3月現在において、
公共施設の総数は708施設あり、
延べ床面積の合計は約49.2万平方メートルとなっております。
延べ床面積での内訳についてでありますが、
学校教育系施設が30.2%、市営住宅が18.3%で、この二つの累計で全体の面積の半分近くを占めております。このほか、スポーツ・
レクリエーション系施設が11.9%、
社会教育系・
市民文化系施設が10.1%、
産業系施設が5.9%、
行政系施設が4.9%などとなっております。
次に、
インフラ施設につきましては、道路が市道、農道、林道合わせて約2,174キロメートル、橋梁が、市道橋、農道橋、林道橋合わせて1,219橋、トンネルが、市道、林道合わせて22カ所、上水道の管路延長は約828キロメートル、集落排水の管路延長は約128キロメートルとなっております。
また、
公共施設の
建築年度別面積につきましては、建築後50年経過したものが3万639平方メートルで全体の6.2%でございます。主な内訳といたしましては、
学校教育系施設が1万1,501平方メートル、市営住宅が9,097.7平方メートルでございます。次に、40年経過したものが、9万4,334.5平方メートルで、全体の19.2%でございます。主な内訳といたしましては、市営住宅が2万8,429.8平方メートル、
学校教育系施設が1万9,720平方メートルでございます。30年経過したものが12万6,424.4平方メートルで、全体の25.7%でございます。主な内訳といたしましては、
学校教育系施設が4万3,074平方メートル、市営住宅が2万2,402.7平方メートルでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
引き続いて、インフラ、橋梁、
トンネル老朽化状況、要対策数、
対策済み数についてお聞きしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の橋梁、トンネルの点検につきましては、平成24年12月に山梨県で起きた
中央道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて、道路法が改正され、平成26年度より橋梁・
トンネル等の
道路構造物定期点検を5年に1回行うことが義務づけられました。これにより、田辺市においても平成26年度から橋梁・
トンネル定期点検を実施しております。現在、田辺市市道橋につきましては、1,018橋あり、平成29年度までには898橋について点検済みで、残る120橋については本年度点検を行うこととなっており、全橋梁の点検が一巡いたします。これに合わせて、傷んだ橋梁の
維持管理等につきましても取り組んでいるところでございます。
また、トンネルにつきましては、全13カ所のうち6カ所については点検済みで、残る7カ所については本年度点検を行うこととなっております。
点検済みのトンネルのうち、既に1カ所で修繕を行い、2カ所について現在修繕に向けた取り組みを行っております。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
引き続いて、上水道の現状についてお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 水道部長、岩本 章君。
(水道部長 岩本 章君 登壇)
○水道部長(岩本 章君) 議員御質問の上水道の施設の現状についてお答えいたします。
現在、本市の水道事業につきましては、水道管や配水池等の水道施設の維持管理を
水道使用料によって賄っておりますが、将来に向けて給水人口の減少が見込まれ、
節水器具等が普及している昨今の現状からすると、より一層収益が落ち込むことが予想されます。
このような状況の中、第2次田辺市総合計画や
厚生労働省が公表している新
水道ビジョンとの整合を図りながら、昨年度より3カ年かけて田辺市新
水道ビジョン等を策定し、安全で安心な水道水の安定供給や、災害に強く、効果的、効率的な水道施設の整備、健全な
水道事業運営の持続など実現するために水道施設の現地調査を行い、現状把握を行っているところであります。
水道施設は、創設から4回にわたる拡張事業で整備してまいりましたが、老朽化が進んでいることから、水道管の布設がえ工事を実施し、老朽管の更新を進めてきているところであります。
今後におきましては、水道施設全体の
老朽化対策として、経営状況を勘案しながら計画的に更新整備を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
(水道部長 岩本 章君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
引き続いて、廃校の利活用についてお聞きしたいと思います。
○議長(
小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(
教育次長 弓場和夫君 登壇)
○
教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の廃校舎の利活用についてお答えいたします。
現在、
教育委員会が管理している廃校舎は12校あります。そのうち選挙の投票所や災害時の避難所としての利活用を除きますと、旧
甲斐ノ川小学校の校舎の一部を
簡易郵便局として、旧
四村川小学校の校舎の一部を
高齢者支援ハウス及び
本宮公民館四村川分館として、旧
殿原小学校の校舎の一部を
龍神地域保育所給食共同調理場として、旧
伏菟野小学校の校舎の一部を
民間事業所の
スイーツ工房として、合計4校の廃校舎の一部が利活用されております。利活用されていない廃校舎は8校であります。
以上でございます。
(
教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。対策は考えていると思いますが、なかなか進みにくい状態だと思います。しかし、このままの状態が続くと
維持管理費がかさみ、使用しないと老朽化が早く進むだけです。使用目的に縛られず、目的外の使用も考え、幅広く有効活用できるように考えてみてはどうかと思いますので御検討ください。
さて、質問に入ります。
公共施設・
インフラ施設の維持管理及び借地料についてお伺いいたします。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市における施設及びインフラの
維持管理費につきましては、平成30年度予算額で申し上げますと41億4,380万3,000円となっておりまして、そのうち借地料につきましては2,455万3,000円となっております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。これらの施設は、人口増加、経済成長を背景に快適な暮らしを支えるための
市民サービスの一環としての役割を果たしてきたが、老朽化もますます進み、
維持管理費がかさむように思う。これからも社会に合う仕組みを考えていただきたいと考えております。
引き続いて、小項目2、
公共施設の利用状況についてお伺いいたします。
公民館の文化祭等よく見せていただくのですが、年々出品作品も少なくなり、参加者が少なくなってきているように感じます。
また、7月には、
秋津公民館で七夕祭りを開催し、いつも公民館には100名近い子供たちが参加し、完成したササを秋津の橋に飾り、多くのササ飾りで秋津の夏の風物詩の一つとなり、行き交う人に安らぎを与えていたのですが、ことしはササ飾りも少なくなっていました。公民館に携わった関係でいつも気になります。
そこで、
公共施設は広い範囲ですが、今回、公民館、図書館、美術館の利用状況をお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 教育次長。
(
教育次長 弓場和夫君 登壇)
○
教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の
公共施設の利用状況についてお答えいたします。
田辺市
教育委員会が所管する市民の皆様に御利用いただいている
公共施設には、公民館、美術館、また図書館と
歴史民俗資料館を収容する複合施設、田辺市
文化交流センターたなべるなどがございます。
それぞれの施設の平成29年度の利用者数につきましては、公民館が21施設を合わせて14万3,193名、美術館が
田辺市立美術館と
熊野古道なかへち美術館を合わせて1万3,926名、たなべるが22万1,505名となっており、それぞれの利用者数を平成24年度と比較しますと、5年間で公民館は3万5,650名の減少、美術館は2,934名の増加、たなべるは7,981名の減少となっております。なお、施設を利用するに当たっては、利用者の年齢別のデータは集計してございませんので、御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。
(
教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
引き続いて、指定管理の状況について。
指定管理者施設のうち、
指定管理料が発生している施設とそうでない施設の数についてお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 企画部長、小川 鏡君。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
田辺市では、平成18年度から指定管理者制度を導入しており、民間事業者が持つノウハウを活用することで、より質の高い住民サービスの提供を行うとともに、管理運営経費の節減などが期待できる27の施設について指定管理者による管理運営を行っていただいております。
そのうち
指定管理料を要する施設は14施設で、要しない施設は13施設となっております。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
小項目の4の2040年時の
公共施設のあり方、将来にわたる見通し、課題についてお伺いしたいと思います。
総務省から自治体戦略2040年構想研究会の報告が出されています。今から20年先、2040年ごろには総人口が毎年100万人近く減少、自治体の税収も減少し、高齢者の人口がピークを迎える年であります。医療、福祉、治安、防災、インフラ等問題が山積みであるように思います。持続可能な
行政サービスが続けられていくのか不安が残ります。
人口が多いときのいろいろな仕組みが崩れてくるこのようなときに備え、新しい仕組みが必要であると考えます。当局のお考えをお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
2040年時点に限ったことではありませんが、
公共施設を取り巻く環境や施設に対するニーズは、人口のさらなる減少や高齢化の進行などにより今後大きく変化していくことが予想され、
公共施設を現状のまま維持し続けた場合、提供するサービスと市民のニーズとの間に不つり合いが生じる可能性もございます。
そのため、
公共施設に対するニーズを踏まえ、提供するサービスに合わせて機能の充実や縮小、廃止を適切に行っていく必要があり、施設の利用需要や行政が直接保有、関与する可能性などを精査した上で、継続して維持すべき施設と廃止や統合に向けた検討を進めていく施設を検討してまいりたいと考えております。
また、施設を引き続き維持していく場合におきましても、人口動向などから想定される利用需要等を踏まえた上で必要規模を十分に検討し、適正規模での維持管理や更新等を行ってまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
続いて、
公共施設の更新問題への対応と整備と見直しについてお伺いしたいと思います。
公共施設は、住民に公共サービスを提供する場所であります。その住民のニーズが変化したり、今までの
公共施設、公共サービスではなくサービスの提供のあり方を見直す時期に来ているように思いますが、当局のお考えをお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
過去に建設した
公共施設の多くは、サービスの対象となる利用者層や行政上の目的等に応じて整備を進めてきましたが、今後人口減少や高齢化の進行など社会状況の変化により
公共施設において提供されているサービスが市民の利用ニーズと適合しなくなる可能性もございます。
公共施設の多くは市民に広く開かれた場であり、さまざまな人が集い、有効に利用されることにより新たなにぎわいの創出や地域の魅力向上に寄与できる可能性があると考えておりますので、今後施設の利用促進を図るとともに、地域の活性化や
市民サービスの向上を図る観点から、市民や事業者等とも連携しながら
公共施設の有効活用について進めてまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
引き続いて、マネジメントの必要性についてお伺いしたいと思います。
公共施設・インフラは、人口増加、経済成長を背景に市民の皆様が身近な生活の中で快適な暮らしを支えるための
市民サービスとして役割を果たしてきました。これらの
公共施設・インフラの状況が老朽化し、更新していかなくてはいけない時期に来ているように思います。人口減少、高齢化社会がますます進み、そういう中、財政の問題もあり、全ての
公共施設が更新できていけるか、いけないのか、このような状況をどれだけの市民の方が関心を持たれているのかと思うと、私は少ないように感じます。
市民の方に対し、
公共施設・インフラの現状の課題について単発の周知ではなく継続した周知を行ってはどうかと思います。当局のお考えをお伺いしたいと思います。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市で管理している学校、市営住宅、スポーツレクリエーション施設などの
公共施設及び道路、橋梁、上水道などの
インフラ施設についての適正な配置や効果的、効率的な運営の方向性を示すべく、平成28年度に田辺市
公共施設等総合管理計画を策定し、市広報やホームページなどにより公表し、市民の皆様への周知を図っているところでございます。
また、毎年5月と11月には市の財政状況を公表するとともに、市の予算、決算の状況につきましても市広報やホームページにより市民の方々に市の財政状況について周知しているところでございます。
公共施設等は、建設から数十年が経過した施設も多く、施設の老朽化が進行しつつある中、将来人口減少がさらに進み、今後の厳しい財政状況を鑑みますと、
公共施設等を全て現状のまま維持していくことが難しいことにつきましては、市民の皆様に総論として御認識をいただけていると考えております。
しかしながら、各施設の更新につきましては、一つ一つの
公共施設のあり方を住民の皆様とともに考え、進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
二葉昌彦君。
(13番
二葉昌彦君 登壇)
○13番(
二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。
これから人口増加時代から人口減少時代へ転換していきます。平成24年度総務省
公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の比較分析に関する調査結果によると、現状の水準を2倍以上超えるような更新費用が必要であるという報告も出されています。
公共施設の老朽化の対応を進めていく上で、人口減少、体制等の問題を市民と当局がこの理解を共有し、今後の方向性に向かい進んでいく必要があるように感じます。まずは、広く周知し、合意のもとに進めないと、総論は賛成であるが各論は反対になり、進んでいかない状態になるように考えます。まずは市民の方に広く周知し、現状を把握し、それにより委員会等を設置し、課題問題の共通認識をつくることが先決であるように考えます。
御答弁の中には、各施設の更新については、一つ一つの
公共施設のあり方を住民の皆様とともに考え、進めてまいりたいと考えているという答弁をいただきました。今後、次世代の方に負担をかけない取り組みを当局の方は勇気を持って進めていただきたいと思います。私も引き続きこの問題に取り組み、公共サービスについて考えていきたいと思います。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(13番
二葉昌彦君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 以上で、13番、
二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
小川浩樹君) この場合、午前10時45分まで休憩いたします。
(午前10時31分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後10時45分)
○議長(
小川浩樹君) 続いて、20番、中本賢治君の登壇を許可いたします。
(20番 中本賢治君 登壇)
○20番(中本賢治君) 皆様おはようございます。20番議員の中本賢治でございます。
初めに、今回の台風20号、21号で被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。
それでは始めさせていただきます。
今回は、和歌山県が進める事前復興計画について質問したいと思います。
近い将来、南海トラフを震源とする大規模地震が発生すると想定される中、政府の地震調査委員会は、関東から九州、沖縄地方までの広い範囲で被害が想定される南海トラフ巨大地震について、ことしの7月時点で向こう30年以内の発生確率が以前の70%程度から80%に引き上げられました。南海トラフを震源とされる地震は一定の周期で繰り返し発生しており、前回の昭和21年12月に発生した昭和南海地震から72年が経過する中で、今後ますます警戒と対策が必要であると考えるところであります。
そうした中で、本当に地震や津波が発生したらどうでしょう。大規模災害が発生すると、まず初動対応として災害対策本部を設置し、人命救助、道路の啓開、避難所の開設などに追われます。そして、次に復旧活動として、道路やライフラインの復旧、がれきの処理や応急仮設住宅などの対応に追われます。そして、その後が復興になるわけです。この復興には、土地の区画整理や集団移転、そして漁業集落機能の強化や産業の復興となります。災害の規模が大きければ大きいほど初動対応や復旧等の業務量が多くなるため、復興、まちづくりへの対応がおくれるおそれがあります。
復興事業は、私たちにとってこれまで経験したことのない大規模かつ複合的なものなので、復興事業に時間がかかりますと、被災された地域住民の皆様の気力、活力も失われてしまいます。
そうしたことから、被災する前に復興計画を事前に策定しておくことで、いち早く復興に取り組むことができるわけでございます。被災後も地域住民の人たちがこのまちで住み続けていきたいと思うまちにするには、現在のまちが有している課題の解消策をも復興計画の中に盛り込んでおくことが重要なことだと思います。
東日本大震災における復興計画策定時の問題として、行政、住民の人材不足や被災前のまちに戻すのか、またかさ上げや移転するのかなど復興の方針がまとまらないことが大きな問題になったそうです。
また、復興計画というと、道路や住宅などの都市機能的なことを考えるのも大事なことですが、産業の復興も大きな問題です。特に、沿岸部の漁業関係者は、津波被害により仕事場や漁船を奪われることもあります。そうしたとき迅速に産業を再開させ、復興させないと人口の流出を招き、地域が衰退してしまいます。
そうしたことから、事前防災という観点からも、災害が発生する前に行政と地域住民により被災後のまちの将来像を計画策定していくことは非常に大切なことだと思います。
そうした中、今年2月に和歌山県は大規模災害への備えとして、復興計画事前策定の手引きを作成し、今年度から各市町村と連携を図りながら支援するとお聞きしました。私は、近い将来発生するであろう南海トラフを震源とする地震、それに伴う津波に対して、今のうちから備えとして都市機能を初めとする復興計画を事前に策定することは非常に重要であり、市として対応していくべき問題であると考えます。
そこで質問です。県が進める事前復興計画とはどういうものか。また、市としての考え方と今後の取り組みについてお聞かせください。
次に、防災対策について。ブロック塀の撤去について質問します。
これも南海トラフの巨大地震が近いうちにやってくるということで、地震発生時においてブロック塀の倒壊による被害の軽減や避難路の寸断を防ぐため、ブロック塀等の撤去や、生け垣またはフェンス等への転換に対して補助を行っているブロック塀等耐震事業費補助金というものが田辺市にはございますが、この補助事業ができてから、どれくらいこの制度を活用されてるのかお聞かせください。
次に、津波避難ビル整備事業の現状についてでありますが、津波からの一時避難場所を確保し、市民の生命を守ることを目的に始められた整備事業でありますが、平成28年9月議会での私の一般質問の中での答弁で、津波避難ビルが17施設あるとなっていましたが、この2年間の間にどれくらいふえたのかお聞かせください。
以上で質問を終わります。
(20番 中本賢治君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 20番、中本賢治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の1点目。復興計画事前策定については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
当地域では、近い将来、南海トラフ巨大地震の発生が予想される中で、被災後に地域の復興に時間がかかり過ぎると住民や企業がまちを離れる事態を招くなど、地域の活力が失われるおそれがあり、まちの衰退にもつながることになります。
一方で、これまで経験したことがないような大規模かつ複合的な復旧・復興事業になり、災害への初動活動や復旧業務等に追われ、復興計画の策定には時間を要し、各種事業に係る調整不足や住民合意の形成により、計画が進まないような事態に陥ることにもなりかねません。
こうしたことを踏まえ、平時から災害が発生した際のことを想定し、災害が発生しても即時に対応できるよう、復興に対する事前準備をしておくことが被災後のまちづくりを円滑に進めることにもつながります。
現在、県では最も大きな被害が見込まれる南海トラフ巨大地震津波の被害想定を基本に、地域における復興まちづくりを迅速に、またよりよいまちに再生できるよう県内沿岸19市町を対象に復興計画事前策定を推進しているところです。
県がことし2月に策定した復興計画事前策定の手引きでは、大規模災害からの復興に備えておくため、人口、世帯数や地場産業など地域ごとに想定される被害やまちの特性、課題を把握し、持続可能なまちが復興できるよう基本的な方針や策定に向けた手法などが示されているところです。
復興計画事前策定を進めることで、復興事業着手までの期間短縮が可能となり、事業の計画変更も少なく、迅速に工事が進むことで、新しく復興したまちで早期に住民の暮らしが始まることにつながる効果があるとされています。
復興計画事前策定は、被災後の新たなまちづくり計画でありますが、調整や課題が多い取り組みとなることから、市といたしましては、今後とも県からの指導や助言をいただきながら、まずは復興計画事前策定に向けた手法や取り組みを学ぶため、勉強会の開催など研究を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
危機管理局長、宮脇寛和君。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の2点目、防災対策についてお答えいたします。
まず、ブロック塀の撤去の現状についてでございますが、熊本地震や阪神・淡路大震災などの大地震では、多くの方が住宅やブロック塀の倒壊に加え、倒れてきた家具の下敷きとなりとうとい命を失ったり、けがを負うような事例が報告されております。本年6月18日に発生した大阪府北部地震でも、本棚や家具等の転倒やブロック塀の倒壊により死傷者が発生いたしました。
市では、平成26年度から地震発生時におけるブロック塀の倒壊等による被害の軽減や避難路の寸断を防ぐことを目的に、地震による倒壊の危険性が高いブロック塀の撤去や生け垣またはフェンス等、他の塀に改善する場合に、工事費に係る経費の一部を補助する制度を設けております。
平成27年度から29年度までの過去の3年間の実績では、平成27年度には撤去が11件、改善が7件、平成28年度には撤去と改善がそれぞれ2件、そして平成29年度には撤去が2件、改善が1件で、過去3年間の合計は、撤去が15件、改善が10件でありました。
市では、ブロック塀の安全対策に努めるため、大阪北部地震の教訓を受け、広報たなべ7月号の配布に合わせ、市内全戸へ補助制度の周知と安全対策の啓発のため案内チラシを配布したところ、これまでに約70件の相談が寄せられる中で、大阪府北部地震発生から8月末までの間に撤去で9件、改善で7件の利用があり、今後もふえる見込みでございます。
次に、2項目めの津波避難ビルの整備事業の現状につきまして、市では、津波浸水想定区域における津波避難ビルの指定に努めてきておりますが、和歌山県が公表した南海トラフ巨大地震の津波浸水想定に基づき、津波避難ビルの指定の見直しも行い、平成30年4月現在16施設を津波避難ビルに指定しております。
さらに、津波災害警戒区域内での民間における津波避難ビルの新設や、既存の津波避難ビルの機能を維持するための修繕に要する経費に対する補助制度を新設いたしました。
議員御指摘のように、津波災害警戒区域には、津波避難ビルとして要件に該当する既存建物が少ない等厳しい状況にはございますが、一時的に避難できる場所の選択肢をふやしていきたいと考えており、引き続き津波避難ビルの確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 中本賢治君。
(20番 中本賢治君 登壇)
○20番(中本賢治君) 御答弁ありがとうございます。平成23年3月の東日本大震災から7年が経過する今、東北3県、岩手県、宮城県、福島県の復興状況はいまだに仮設住宅で生活されている方が被災前の町並みに戻っていない地域もあり、以前のまちのにぎわいを取り戻すには、まだまだ多くの問題を抱えたままというのが現状のようであります。
県が進める計画事前策定なるものは、いまだかつてなされたことのない計画であります。これから、和歌山県と田辺市が一体となって進めていかなければなりません。
この計画を進める上で、一番大事なことは住民との合意であると思います。この計画を成功させるには、いかに住民に理解してもらえるか、いかに住民を納得させるかだと思います。
復興には土地区画整理や集団移転、そして漁業集落機能の強化や産業の復興がありますが、住民の協力なしでは実現できません。行政と住民が一体とならなければなし得ません。市のほうでは、勉強会の開催など研究を進めていきたいということなのでよろしくお願いいたします。
そういうことで、これからしっかり事前計画なるものを進めていただきたいと思います。
そして、もう一つ言っておきたいことは、南海トラフの巨大地震が発生すれば、大阪や神戸の大都市も被災してます。そうなれば、我々地方の自治体は置き去りになってしまいます。大都市に偏った復興計画を立てられ、いつまでたっても復興のできない地域になってしまいます。せめて復興計画を立てていれば、先駆けて復興に着手してもらえると思いますので、復興計画をいち早く立案していただきたいと思います。
いずれ必ずやってくる南海トラフ巨大地震、我がふるさとを愛する住民のために、そして将来田辺市を担う若い世代のためにも復興計画を進めていく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、ブロック塀の撤去についてでありますが、大阪北部地震で、小学生がブロック塀の倒壊によって死亡したことでブロック塀は危ないということになり、全国的に話題になっていますが、答弁では、田辺市でも約70件の相談が寄せられているそうですが、この際、住民が関心を持っているときに、広報たなべで知らせるだけではなく、特集ということで地方紙に載せるということを考えてはどうですか。ブロック塀は危険であるということと、ブロック塀の撤去にはこんな補助制度があるんだということを新聞で紹介すれば、もっともっとブロック塀の撤去が進むと思います。これは私の提言ですので答弁は要りません。
次に、津波避難ビル整備事業でありますが、浸水地域に住む住民2万6,700人の命をどう守るのか。答弁では、私が質問した2年前から津波避難ビルは全くふえていないということで、大変ショックを受けているところでございます。
しかし、私が職員の立場に立ってもふやすことは難しいと思います。ビルの所有者の理解を得るのも、そして津波避難ビルに適する建物もこの地域には少ないからであります。
私は、今田辺第二小学校区に住んでいるのですが、第二校区は人口密集地でありまして、避難場所はファミールヴィラやつぶり坂のオークワの高台に向かって逃げるというふうになっており、扇ヶ浜の海岸からファミールヴィラやオークワの高台までかなり距離があり、この高台との間にぽつんと一つ第二小学校があり、この場所が津波避難ビルとなっています。この地域は、先ほども申しましたように人口密集地であるため、第二小学校だけの津波避難ビルではカバーし切れないというのが現状であります。
そこで、これも提言ですが、末広や磯間にある市営住宅を何とか津波避難ビルにならないかと思うわけでございます。民間の高いビルもないし、唯一第二小学校が津波避難ビルとなっていますが2,000人しか避難できません。何とか考えていただけないかと思うわけでございます。浸水地域2万6,700人の命をどう守るのか、これからもこの質問を続けてまいりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(20番 中本賢治君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 以上で、20番、中本賢治君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
小川浩樹君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時08分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 市橋宗行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 市橋宗行君) 続いて、5番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 皆様こんにちは。5番、日本共産党の川﨑五一です。
通告に従いまして質問を行います。
今回2項目について質問させていただきますが、1項目め、民意を反映する行政についてということでお伺いさせていただきます。
行政にとって民意とは、その意義についてお伺いします。
行政を行う上で住民の願いや思いというのはどのように位置づけられているかということについてまずお聞きしたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 5番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、小川 鏡君。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 川﨑議員の御質問にお答えいたします。
行政にとって民意とはということでございますが、民意は、市政運営にとって必要なものであり、市民の皆様から御意見をいただくことも大切であると考えております。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 非常にシンプルにお答えいただきありがとうございます。
代議制、間接民主主義で政治を行う以上、こうした民意に忠実であることは必然であるというふうに考えております。選挙で当選してしまったら任期中何をしてもいい、白紙委任というわけではありませんから、その時々の民意を反映することが必要だと思うのですが、では、田辺市ではどのように民意をくみ上げているのか、どのような手法によってその住民の意思や願いをくみ上げているのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
どのように民意をくみ上げているかということでございますが、手紙、ファクス、メール、電話等を通じて受け付けております市政未来ポストや市長ふれあい訪問、まちづくり報告会等がございます。
また、担当各課では政策課題に合わせまして地元説明会やアンケートの実施、パブリックコメントの募集、審議会委員の公募等により幅広く市民の声を聞かせていただいております。
田辺市では、このような市民の声をお届けいただく機会の情報提供に努めており、広報紙、ホームページ、フェイスブック、ツイッター、ラジオ、報道機関等を通じて市民の皆様にお知らせをしているところでございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) さまざまな方法で意見をくみ上げようとしているということだと思いますが、その一つでありますパブリックコメントの有効性についてお伺いしたいと思います。
民意をくみ上げる手法の一つとしてパブリックコメントがありますが、その目的、今言われた民意をくみ上げるという目的は達成されているのでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
パブリックコメントにつきましては、平成23年度から本年7月末まで34件の計画等で実施してきておりまして、民意を把握する一つの方法としてその役割を果たしていると考えてございます。
以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 一つの方法として役割を果たしているということでしたが、この間の実績を見させていただきまして、一つのパブコメを取り扱ったもので20件程度来ているというのが三つほどですかね、観光に関するものと長計に関するもの、それ以外で言いますとゼロであったり1であったりというのがほとんどで、その20ぐらいあるものを除くと平均すると1あるかないかないかというような状況だと思いますから、なかなか民意を市政運営に反映させるということでは私は機能していないのではないかなというふうに感じるわけですが、ではなぜこれだけパブリックコメントに寄せられる意見が少ないというふうに分析されているのでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
パブリックコメントに寄せられる意見の数は、指針案や計画案等によりまして、さまざまでございます。計画案の策定に当たりましては、意見数の多寡のみを考慮するものでもありませんが、先ほど御説明申し上げました平成23年度から本年7月末の新庁舎整備基本計画素案まで実施した34件のパブリックコメントにおきましては、寄せられた意見の数が総体的に多くないということは課題であると考えてございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 多くないことが課題だから、なぜこういうのが少なかったのか、どういうふうに認識して、分析しているのかなというふうにお聞きしたのですが、なかなか答えにくい質問かとも思います。関心を持たれていないと一言で言ってしまうのか、それ以外の何か原因があるのか。広報が足りないのか。広報については、さまざまされているということも先ほど言われましたから、やはりそういうのが習慣づいてないのかというところもありますけれども、そういう少ないパブリックコメントですが、今回の庁舎整備の基本計画素案に対して多くの意見が寄せられましたが、この理由についてはどのように分析されているでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
新庁舎整備基本計画素案は、市役所の庁舎整備という市民にとりまして身近な施設であるということから、これまでよりも意見が寄せられたものと考えてございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 今回寄せられたパブリックコメントの多くは、原案にどちらかというと批判的、反対の立場からのものが多かったのではないかというように思いますし、それに対する市の回答を読む限りでは、先ほど言われたように、貴重な御意見をいただいたというような姿勢は感じられない、私はね。どちらかというと、これはこうなのだ、納得しなさいというような回答に感じられたのですが、実際、そしたらこれまでにそれほど多くない意見が寄せられてきたということですが、これまでにそうしたパブリックコメントなどで寄せられた意見によって、そもそもの原案が改善した、向上したというような取り組み、実例があれば教えてください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
パブリックコメントにつきましては、いただいた御意見を参考としながら施策等の策定を行うものでございますが、平成28年度から平成29年度の2カ年で実施したパブリックコメントでは、14件の計画等に対し9件について御意見をいただき、そのうち3件について修正を行っております。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 14件のうち9件いただいたということですから5件は意見がなかったということと、うち3件で改善した、何か反映したということですが、できればそういう具体的な内容についても御説明いただけたらわかりやすかったかなと思いますが、次に進みます。
では、4番の市政に民意は十分に反映されているかという問題ですが、パブリックコメントに限らずさまざまな手法によって、手紙、ファクス、メール、ふれあい訪問、まちかど報告会でしたか、とかで意見もいただいていると、アンケートや審議会等も行っているということで、さまざまな手法でそうした民意をくみ上げることに努力されているということですが、その民意は、田辺市政に十分に反映されているというふうに御認識されているでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 御質問にお答え申し上げます。
先ほども申し上げました、また議員からもお話がございましたが、田辺市では、市政未来ポストや直接市民の皆様の声をお聞きする市長ふれあい訪問、まちづくり報告会等の広聴業務に加えまして、市が新しい施策を実施する場合には、必要に応じて地元説明会やアンケートを実施したり、審議会等で議論をしていただいたり、パブリックコメントで意見募集をしたり、申すまでもなく議会で御審議をいただくなど、あらゆる機会を捉えて民意が反映できるよう積極的に努めている、そういう状況でございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 直接民主主義というか、全員が集まってということをやらない以上は、やはりこうした間接的に民意を吸収する、反映させていくというのはもう永遠の課題なのかなと。こういう間接民主主義にとってはそういう課題だと思うのですが、やはり常に満点はないのですが、そしたら今後、まだやはり不足してると思われる部分が恐らくあるでしょうから、そしたら今後はそれをいかにもっと、今までもたくさんやっていると言われました、未来ポスト、それから公聴会、説明会もそれに加えられましたけど、説明会の場合は、どちらかというと決まりました、こういうことをやりますよという話しするのが説明会ですから、なかなか反映しにくいのかなと思います。
ですから、政策決定する前の段階で声を聞くということが必要だと思うのですが、今後具体的に取り組みとしてこういうことに取り組みたいというのがあれば聞かせていただきたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
今後の取り組みについてということでありますが、市民の方々がより市政に参画できる機会や、意見を届けることができる方法等について引き続き研究してまいりたいと考えてございます。
以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 市政にどういうふうにその声を反映していくかということで、聞かないことには反映できないですから、どう聞き出していくかということが課題だと思うのですが、暮らしの日常的に感じているそんな願いや、愚痴であったり悩みであったり、こういうものを人はどんなときに誰に対して言うのか。中には、未来ポストそういうものを通じて言ってくださる人もあるでしょう。もうたまりかねて言う人もあるでしょう。でも一般的に自分たちはどんなときにそんな話をしているのか。恐らく気心の知れた方にこんなんやな、こういうこと困っているよね、何とかならんかな、こういう相談をされるのではないかなというふうに思います。
そこで、行政職員が日常的にそういう対象となり得ているのかどうかということが私は一つの課題かなというふうに、この問題を取り上げていて思いました。やはり顔が見える、中辺路町のときに町の長計で出ていた一人一人の顔が見えるまちづくり、非常に具体的だし、本当にその人の悩みに寄り添える行政だったというふうに思います。それは、合併して大きくなってもこの精神というのは忘れてはならないものだと思います。ですから、顔が見える行政をということを思考しなければ、本当の住民の声、住民の暮らしの声というのは聞こえてこないのではないかと。アンケート、そういった形のものでは、なかなかやっぱりくみ上げ切れないものがあるのではないかと思います。
必要なのは、やはり個々の手法よりも、根本のところで住民と心を通わす行政をいかに実現するか、ここを目指さなければ、こうしたITを使おうと何しようとなかなか本当の声というのが届かないのではないかというふうに思いました。
それが1項目めの質問です。そのことを基本に2点目の庁舎整備の話に移りたいと思います。
では、市民が求める庁舎整備というものについて、ここで議論したいと思います。
なかなか民意を余りくみ上げられてないな、それが田辺市の現状だなというふうに思うのですが、その市が進めている庁舎整備ですが、少なくとも形となってあらわれた民意をどのように理解して、それを反映しているのかということについて1項目めではお聞かせいただきたいと思います。
市民アンケートから市民が願う庁舎整備を読み解くということでお伺いしますが、市民アンケートのところで、市役所の機能について、あなたが重視されるのはどの機能ですか、こういう設問がありました。それで、多い順に並べますと、防災拠点機能、災害対策の拠点となることが66.5%、約3分の2の方、それから住民サービス機能、窓口での戸籍謄本、住民票の発行等これが64.9%、そして相談機能、子育て支援や高齢者福祉、保険・年金に関する相談、これは手続ではなくて相談ですよね、それが52.3%、これでもう過半数の方々。そして、若干下がりましてアクセス性、車や交通機関での来庁のしやすさ、バリアフリー、これが38.6%ほぼ4割ですが、これらの民意というのは今回の庁舎整備にどのように反映されているのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
議員御質問のアンケートにつきましては、平成28年2月から3月にかけて実施したアンケート調査のことであると思いますが、これは市役所本庁舎及び市民総合センターの今後の整備方針の検討の参考とするため、庁舎整備方針検討委員会が実施したものでありますが、その中で、市役所の機能についてあなたが重視されるのはどの機能ですかという設問に対して、議員から御紹介もございましたように、防災拠点機能が66.5%で最も多く、次いで住民サービス機能が64.9%とほぼ同率となっております。
そうした中で、新庁舎は防災拠点機能とともに住民サービス機能についても多面的な視点から検討を重ね、新庁舎整備基本計画を策定したものでございまして、この市民アンケートの結果にも沿う形になっているものと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 具体的な中身についてはまた後ほど論旨をしますが、市民アンケートに示されたこの民意というのは、今後整備するときに重視するというのは、ある意味では現状への不満を反映しているのではないかなと、現状はこういうところに不安があるからこれを改善してほしい、今度整備するならこれを解決してほしいというのが項目としてあらわれているのではないかなというふうに私自身は感じました。
問い14でも同じような質問ですが、整備を考える際に重視される項目、この先は市役所の機能についてあなたが重視されるのはどの機能、問い14では、整備を考える際に重視される項目といって、この違いを住民がどのように受けとめるのかちょっと難しいなと思うのですが、その設問では、整備を考える際に、今度新たに整備される際に重視される項目では、津波や洪水による浸水からの安全性の確保、これは断トツで83.6%、耐震性の確保57.9%、車での来庁のしやすさ、先ほどとは違って、今度は、来庁のしやすさが45.8%、幹線道路との接続、駐車場の利用のしやすさというのがここに出てきてます。そして、若干下がりまして庁舎分散の解消というのが32%、ほぼ3割。それから、庁舎機能、バリアフリーであるとか使いやすさが26%、市街地の活性化に配慮することというのは20.7%となってるのですが、今回の整備方針では、この順位で言うと6番目に当たる、アンケートでいう市街地の活性化に配慮することというところに非常にこだわって、駅から近いというような条件を出してきたわけですが、なぜ、そしたら、その4倍以上ですね、安全性の確保であったりとか、倍以上ある車での来庁のしやすさ、こういったところがなぜ重視しないのだろうかと。
パブリックコメントと同様、意見を出しても聞き入れられないというのなら市民はどんどん声を上げなくなってしまう。今でも声を上げる人が少ないのに、ますますそうした意見を出してもらう人が少なくなってしまうのではないかなと、私はこの今回の庁舎整備の進め方を見ているとそういうふうに思います。
その点を言いまして、次の2問目へ移りますが、社会状況から期待される行政の役割を読み解くということです。
一つは、こうした形となってあらわれる民意というのが当然あります。声となって出てくる、アンケートとなって、文字となってあらわれる。こうしたものが一つ受けとめなければならない住民からのメッセージですが、もう一つは、市民が置かれている社会の環境、こうしたものもやはりしっかりと見きわめて施策に反映していく必要があるかと思います。
午前中の二葉議員が指摘されたように、公共インフラの維持管理の問題等もありますし、地域の現実ということで目を向けますと、高齢化、それから子供たちが少なくなる少子化、これに伴い当然人口は減少していきます。そして、全体的に高齢化することによって地域の活力も非常に低下してきていると。祭りすら維持できない、ずっとやってきた行事だけれども、それが維持できないという集落がふえてきているというのも現実です。そして、長引く経済不況があります。これらの社会状況というのは、全ての行政運営の前提となるわけですけれども、とりわけ、庁舎整備を行う一つの大きなイベントですよね、一つの大きなことを行うときに、プロジェクトを行うときに当たっては、こういう社会状況をどう配慮し、そしてそれにどう対応する具体化を行ったのかということは大事かと思うのですが、この庁舎整備の中でこうした社会状況はどのように配慮して具体的な取り組みを行われたのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
社会情勢の変動に対応した行財政運営を行うことは、いつの時代におきましても行政に求められるものでございまして、昨年の7月に策定いたしました第2次田辺市総合計画もそうしたことを踏まえたものでございます。
そうした中で、新庁舎の基本理念につきましては、100年誇れ、時代の変化にも対応することができ、また市民の心のよりどころとなり、市民が集い、親しまれる庁舎とするため、人と地域を大切にする、未来につなぐみんなの庁舎としてでございますが、これは、市のまちづくりの方向性と市庁舎が備えるべき基本的機能を踏まえたものでございます。
なお、新庁舎の執務機能の基本的な考え方といたしまして、将来の行政機構の変化、そしてまたICTの進展等にも柔軟に対応することが可能な執務機能とすることとしてございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 大変美しい言葉で語っていただいたと思うのですが、選挙のときに政治家が話すような抽象的な言葉ばかりで、具体的にどのような配慮を行ったのかとお聞きしたのですが、人に親しまれ、人が集う、時代の変化にも、時代の変化というのは、先ほど最後に言われたICTへの対応等を含めて言われているのかと思いますが、具体的に見えてこないのですよね。高齢化している、高齢化した皆様に対応した庁舎のあるべき姿というのは一体どうなのかというのが今の話からは見えてこない。長引く経済不況、地域で非常に深刻な経済不況が続いている。それに対して今回の庁舎整備はどんな手を打つのか、そのことが見えてこない。子供たちが少なくなっていく、高齢化する、高齢化して移動範囲が狭くなっていく、そんな人たちにどう対応するのかというのが、私は今の庁舎整備の基本計画からは読み取れない、どんな手を差し伸べようとしているのか、どんな声が聞こえているのか、市民のどんな姿が見えているのか。私は基本計画からは読み取れないなというふうに思います。
本当に災害が日常化しているという感じですよね。本来ならば21号災害がしばらくの間テレビの話題をにぎわす、それぐらいの大きな被害でした。一昨日でもまだ23万件が停電している、大阪府がそのうち15万件停電しているというニュースを見て、すごいな、まだそんだけ、それで自分たちの身近なところでもまだ停電している。うちだってきのう10時過ぎにまた停電して、これからまたしばらく電気のない生活になるのかな、そんな不安を続けています。また、高齢者のひとり暮らしもふえている中で非常に心細い暮らしを送っておられる方がふえていると思います。
高齢化によって免許証を返した。そんな中で返したくないけれども、返さなければ子供にもし事故を起こしたらどうするんだと言われて返さざるを得ない、そんな中で行動範囲が狭まるという人たちもふえていっています。多くの住民がさまざまな不安を抱えている。そうした現実が、この先ほど取り上げたアンケートの相談機能を強化してほしい、困ったときに頼りになる行政であってほしいということにあらわれているのではないかと私は見ています。
従来の延長線上での行政の関与では、地域を支え切れないということがもう既に私は明らかではないかというふうに思っています。自立した地域というのはもう既に数えるほどしかない、本当につまずいたらいつ寝たきりになってしまうかもわからないという集落が非常にふえてきていると。
そうした状況を踏まえた中で、なぜこの庁舎整備をそうした問題解決のチャンスとして捉えられないのか。庁舎の移転する最大の目的は、防災やさまざまありますけれども、根本のところは、自治法の精神である住民福祉の増進でなければならないのではないでしょうか。都合のよいときだけ自治法の精神を口にするのは謹んでいただきたいなというふうに思いますが、そういう状況を踏まえて、アンケートから示された声、そうした社会状況、そうした市民の願いに応える庁舎整備のあり方とはどうあるべきなのかと。自分はこうした民意に応える庁舎整備になっていないというふうに、現時点で今も言いましたとおり考えていますが、これらの課題を踏まえて、市が進める庁舎移転というのは、その市民が有形、無形、言葉にしたり、しなかったりで求めているものに沿っているというふうに認識されているのでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、庁舎の整備方針につきましては、諮問機関である田辺市庁舎整備方針検討委員会におきまして、市民アンケートの結果や客観的な調査資料、また、学識経験者の見解など幅広い観点から検討がなされ、7回の会議を経て、津波洪水の想定浸水域外でかつ中心市街地から近い場所に両庁舎機能を統合した新庁舎を早期に整備することを結論とするとした答申が出されました。
市といたしましては、この答申を踏まえまして、庁舎整備方針を決定した上で候補地選定調査を実施し、地方自治法第4条第2項、事務所の位置を定め、またはこれを変更するに当たっては、住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係について適当な考慮を払わなければならないとの規定を踏まえまして、総合的な評価を行い、昨年3月東山を建設候補地として市長から公表をしたところでございます。
その後、新庁舎整備基本計画の策定に関する予算の議決をいただいた上で、昨年の10月から本年1月にかけて市内12会場におきましてまちづくり報告会を開催し、その中で、市長から市民の皆様に新庁舎整備事業について御説明申し上げ、こうした経緯の中で市民の皆様にはこの整備計画地について御理解が得られていると考えております。
さらに、その後、市民意見募集、市民アンケート、市民ワークショップ、高校生ワークショップ、パブリックコメントを実施し、田辺市にふさわしい庁舎、新庁舎に求める機能などについて市民の皆様の意見を反映した東山を整備計画地とする新庁舎整備基本計画を策定できたものと認識してございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 経過を話すことによって、そこで民意を反映してきたということを主張したいのかもしれませんが、かみ合ってないような気が私はします。私が聞いていることについて、庁舎そのものがどうかという議論をしてるのですよね。その選ばれた経緯はどうでもいいと言ったら乱暴ですけれども、経緯はさておき、それによって選ばれたものが、そのプロセスではこういうことをしてきましたよとは言ってますけれども、実際できたものがそれに対応できているのかということを言っているわけですよね。最も便利な場所とかも言われましたし、ワークショップについても言われましたが、ワークショップの捉え方というのが若干違うのかなと。
確かに、ワークショップ、いろんなアイデアを出し合うということでは有効な手法だと思いますが、ワークショップの目的というのは、私は、そのワークショップに参加した人たちが主体的にその問題に取り組むようになる、そこで自分の問題として考えるようになるということは非常に有効な手法だとは思うのですけれど、広くさまざまな人たちの課題を入れていくというとこで言うと、確かに高校生のワークショップを行ったり、年代の違うワークショップを行ったりということで一定はされているのでしょうが、それによって何かできるということではなくて、またそもそももう東山ですよ、ここに建てますよという大枠を決めた中で庁舎に望む機能はどうですかというとこなんですね。せっかくの大事業なのに、もっと大きなところから見直せるチャンスなのになぜそれをしないのかというふうに思うわけですが、4番目の諸条件からあるべき庁舎整備を考えるというところでもう少し掘り下げて話をしたいと思いますが、東山への移転案というのは、先ほど部長はこれらのアンケートにも沿う形で行われていると言いましたが、防災拠点としての安全性は大きな疑問があるとこれまで何度も指摘してきました。3方向が想定浸水域になるということは行政も認めています。そして、あけぼの方面へ通じるルートしか緊急輸送道路である田辺バイパスへつながる方法がないということも認められてます。途中で二股に分かれるから二つのルートがあるとか言いますけれども、基本的にはもうそちらへ行く一方向しかないというさまざまな問題、橋があるとかさまざまなことも指摘してきました。そして、アクセス性については、バスのルートがたくさんあるということで言われます。でもアンケートで明らかになったのは、公共交通を利用してほとんど来る人がないという現実だったのではないでしょうか。今度は、バス停の近くなので、ひょっとしたらバスで来る人が若干ふえるかもしれないということで、アクセス性については若干の改善が見られるかもしれませんが、この地域の人たちは遠くなるから不便になります。向こうの人たちは近づいてくるから便利になるということで、余りそこでは大差がないのではないかなとも思います。
それで、中身については、相談窓口については、今後検討はされるのでしょうけれども、そうしたこともこの庁舎整備でどう具体化するのかという方針がやっぱり出てきていないのですよね。聞いてじゃなくて、今さっき言った、社会状況を踏まえて、こんなこと、相談機能を強化するためにこんな庁舎整備をしたいというものも出てくるべきではないかと。そしてまた、住民サービスについても特段こういうものが提起ありません。
そんな中で、きょう資料としてお配りしましたが、共産党田辺市議団で庁舎整備の提案というのをつくりました。読みますと非常に長いので、この論点というかポイントだけを言いますと、私たちはさまざまなこうした条件を勘案して、市民との協働、これによるまちづくりを進める、そして、顔の見える行政、また将来世代に大きな負担を残さない、地域経済に好循環をもたらす、そうした庁舎整備の方策として提案を作成しました。
具体的には、旧市内に7カ所ほどの行政局、これは4町村にあるほどの規模ではありませんが、ミニ行政局的なものを設置して、これについては既存の公民館等を改修する、そして
公共施設を有効活用するという方法です。そして、そこで基本的な住民サービス、ワンストップ全てそこで賄える、先ほどのアンケートにありました戸籍や住民票、そして高齢者福祉、保険、年金、こうした相談にも対応できる程度の窓口サービスを行う。職員については10名前後になるかとは思いますが、そうしたミニ行政局を設置する。このことによって顔が見える行政を行っていく。アクセス性については、一番最初の民意について質問したときに、庁舎整備のパブコメになぜこんなに多くの意見が寄せられたかという質問に対して企画部長は、身近な施設に関するパブコメだったからと答えられましたよね。身近な施設整備に関するパブリックコメントだったからこれだけ関心が高い。そうなんですよ。まさにそのとおりであって、身近な行政を市民は求めているということだと思います。
本庁舎については当然必要とはなりますが、本庁舎の大きな建物を一つつくってまちのにぎわいをつくる、そんなことがかなうはずがありませんから、本庁舎については、本当に安全な場所に、そして災害時に本当に災害拠点となる、職員も通勤しやすい、そうした場所に整備する、これについては場所の候補地の条件は駅から近いという条件から外れますから、候補地はまだまだ探せるというふうに考えてます。
このような整備を行う場合、一番資料の後ろに若干比較検討を行いました。若干誤字があるので一応言っておきます。市議団案の一番右上のところの執務庁舎と書いて、執務庁舎は用途取得と、用地取得の間違いですのでちょっとそこだけ訂正をお願いします。こうやって考えてみると、若干課題があるなといったところは、一番下の行政職員からの視点のところで、行政効率、本庁1本にすると1カ所に多数の部署が集中しているため効率はよい。ただ、こうして分散、さまざまな行政局を幾つもつくると分散による非効率的なところが出てくる。でも先ほど総務部長が言っていただきました。ICTに対応すればいいのですよ。情報通信技術はどんどん進んでいますから、離れている場所でもきちんと情報やりとりできる、そういうことをすれば何ら問題がない。まだ現在においても、田辺市は紙による決済を行ってます。文書を所属長の、どんどん上へ上がっていくという決済を行っています。そのことによって行政局から毎日のように定期便に職員がその書類を持って本庁まで来ている。非常に前近代的なことをまだやってるのですよね。1,026平方キロもある市がそうしたことをやっていると。これこそすぐにICTを活用して電子決済にすれば、職員がそんな車で来る必要もなければ事故の可能性だって減るし、その分ほかの住民サービスにも振り分けれるわけですから、やはりそうしたことをやるべきではないかな。ちなみにこないだ社協の局長の机の上に決済の書類があったので、ここも紙ベースで決済ですかと、いや社協はもう合併前から電子決済ですよというふうに軽く言われて、田辺市そういえばまだ紙ですね。本当にね、ちょっともう時代についていけてないのではないかなと思います。これによって、この課題だけですよね。実際こういう比較をしてみると、東山に建てることの非常な不都合、さまざま出てきますけれども、私たちが提案した提案で整備すれば、多くのところでそれ以上の効果が得られる、また効率的に市民にも近い行政が実現できると。
この表をつくっていて、実はレーダーチャートもつくってみたのですよ。こういう五角形、六角形のやつをね。でも余りにも恣意的だと言われそうなのでやめました。余りにも東山の案がどの案についても劣っているから余りにも恣意的だと思って。このレーダーチャートというのは、つくる人のさじかげんでこんなふうにつくれるのかなとも思いましたが、こうした比較案も見ていただいて、これは間違っているよというとこもあるかもしれません。
でも、こうした整備ならこんなに高齢化する住民にも対応できる。身近な行政を求めている市民にも対応できるというふうに思うのですが、こうした整備を行政は検討されたのでしょうか。今の社会情勢を踏まえて、こうした整備をしたらそういう社会情勢に対応できるという検討をされたのかどうか。もし、したのであれば、こういところに欠点があるので、しなかったと教えていただきたい。そして、また仮にこういう案を考えてなかったというのであれば、ぜひとも検討していただきたいと思いますが、当局の考えをお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほどの答弁でも申し上げましたが、新庁舎の整備につきましては、庁舎分散を初めとした現庁舎が抱える課題に対処するため、諮問機関である田辺市庁舎整備方針検討委員会からの答申、候補地選定調査、基本計画策定といった形で順序を踏まえて、必要な検討を行い、東山の整備計画地に現在の本庁舎と市民総合センターの庁舎機能を統合した新庁舎を整備することとしているところでございまして、今後におきましても基本計画に基づきまして取り組みを進めてまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) そういう姿勢が聞く耳を持たないと言われるところだと思うのですよね。具体的な提案をしてるじゃないですか。それで、質問したのに答えていただきたいのですが、こうした整備方法については検討されたことがありますか。庁舎分散などの課題と言われましたが、庁舎が分散することによって住民がこうむる不利益とは何ですか。お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、一つ目の検討したかどうかということでございますけれども、検討はしてございません。
そして、分散による不利益、不都合ということでございますけれども、一例を申し上げますと、妊婦、乳幼児、小中学生等を伴う転入につきましては、本庁舎で転入手続を済ませた後、市民総合センターの各課において手続を行う必要がある場合などがございます。
これは、もう一つは、市民のサービスという観点ではございませんけれども、行政機能のやはり非効率性、これを招くものと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 私が庁舎分散の住民の不利益を聞いたのは、要するに今の庁舎ですよね、市民総合センターと本庁が要するに機能が分離しているということによって、こっちで転入手続きをしたけれども向こうで転校手続きだとか、要するに機能を分けた分庁の場合の問題ですよね。私が聞いているのは、ワンストップの窓口をこうした行政局単位でつくるということをした場合に、住民に何か不利益が起こりますかというふうに聞いてるのです。ワンストップの、今、旧4町村、大塔、中辺路、龍神、本宮には行政局があります。そこでワンストップの窓口をやってますけれども、これによる不利益、住民にとっての不利益は何かあるのでしょうか。そのことについてお聞かせいただきたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) ワンストップ窓口による住民の不利益ということでございますけれども、これについては利便性を高めるものであるというふうに考えてございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、行政機能といたしまして、やはりそうしたワンストップ窓口を設けるに当たりましては、やはり一定数の職員配置、そしてまたそうした熟練といいますか、そうした経験等も必要となってまいります。そうしたことから、ひいては行政機能の非効率性、ひいては財政状況にも影響を及ぼすものと考えてございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 住民にとっては利便性を高めるという御答弁をいただきました。そうですよね。身近なところ、アクセス性のよさは各段によくなります。旧市内にそれだけの場所をつくれば、どこにつくっても、遠いところ、近いところ、必ず出てくるように、でもそれを分散すれば近くの窓口で全てができるということで利便性が非常に高まるということだと思います。
職員が分散することによって非効率だというお話があったのですが、特別委員会で総務省のほうに視察に行かせていただきました。フリーアドレスといって、特に個人の机が指定されていないのですよね。ロッカーにパソコン1台が入っていて、そのパソコンを充電して帰って、来たら、パソコンを取り出してあいている机どこでも座って仕事をする。課ごとにかたまっているところもあれば、好きなところに座っている人たちもある。中には、きょうはちょっと子供が熱を出したので家で仕事しますということで、在宅で仕事する人もいてるというのが今の時代です。いみじくも部長が言われたICTが進んでいるんですよね。同じ課の人と机並べないと仕事できないよという時代じゃないのですよ。その非効率性はさまざまな改善によって解消できるのですよ。
財政的な問題、今言われましたよね。大きな財政負担を120何億円をかけてやろうとしてるのでしょう、今。これはそれを圧縮しようという提案です。特別委員会で見に行った紀の川の庁舎、物すごく立派ですよ。幾らで建ったかといったら46億円だそうです。物すごく圧縮できるじゃないですか。人件費にかかったってその分おつり来ますよ。こういう整備をすれば。人件費は地元へ全て落ちるんですよ。その経済は必ず地域へ循環します。
災害のとき、特に言われるのは、やはり人は城ってよく言うじゃないですか。マンパワーが全てなんですよ。ボランティアにしても何にしても。その人を削ることに一生懸命になるよりも、しなければならない整備があるのじゃないかというふうに思います。
当初、一番最初冒頭のとこでも言いましたけど、停電がね、まだしている、災害が多発している中で、台風21号でまだ停電している地域があります。そんな中で、私、行政の対応で大したことだなと思ったのは、停電した、災害のときに当然行政局は宿直というか、みんな泊まってますよね。総務課長を初め、産業建設課長も。そして、近野地区では停電している中で連絡所にも職員を泊めるという判断をされたじゃないですか。停電している地域の連絡所には職員を当直させろという判断をされた。これ非常に私ね、すばらしい決断だと思います。それは、でもなぜそんなことをしたかというと、災害時に住民の近くに行政があることの必要性を認識しているからそういう対応をしたのでしょう。連絡所5時で閉めてしまったら住民が不安になる。何かあったときに対応できないから、その近くに行政を置いておこうという判断じゃないのですか。私この判断は正しいと思います。庁舎整備イコール大規模な総合庁舎と決まっているわけではないですよね。
100年に1度の大事業、市そのものや市民が抱えている社会背景、まちづくりの展望、それらを全て含めて検討してこそ、今必要な庁舎整備が見えてくるのではないかと考えています。
今、市の皆様には、まちでの住民の声というのが耳に届いているでしょうか。耐震性のない建物を税金で壊してあげて、土地は当たり前の値段で買ってあげて、おまけに新しい店までつくってあげる。一体何でそんなことまでしてあげるんですか。私には、答えられません。こんな理由ですよと答えられないです。そこに続く言葉を多くの市民が発し、恐らく多くの議員も職員も耳にしているのではないかと思います。そんな疑念を一かけらも持たれることのない、透明で、真に市民の暮らしを考えた庁舎整備にしなければ将来に大きな禍根を残すことは明らかだと考えています。
この提案を何人かの市民の方にも聞いていただきました。その人たちは、できるならこんな整備をしてほしい、近くに行政があれば相談しやすいし心強いというふうにおっしゃっていただきました。その人たちの反応にまちづくりの提案をしているのだなという実感を持ちました。その人たちは、この提案を見てイメージが湧いたと思うのですよね。庁舎整備によるまちづくりってそんなことできるんだって。以前庁舎移転に当たって、庁舎を核としたまちづくりの展望はあるのかというふうに聞きました。それに対して答えはないということでした。そもそも、まちづくりの展望も持たずに候補地を選定すること自体が間違っていると思います。整備方針検討委員会の答申を都合よく解釈するのではなく、そこに秘められている意図をしっかりと読み解くべきだと考えています。
この件については、月曜日の久保議員がしっかりとただしていただきますので、そのときにまたしっかりと御理解いただきたいと思います。
先ほど、部長はこういった案について、分庁というよりもミニ行政局を整備すると、身近な行政をつくるという策については検討していないということでしたから、日本共産党田辺市議団の提案を真摯に受けとめ、現在市が強引に進めている東山への移転は一旦凍結し、今回提出されている関連議案は取り下げ、庁舎をまちづくりの拠点とした整備を再度しっかりと検討するよう求めて質問を終わります。ありがとうございました。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 以上で、5番川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 市橋宗行君) この場合、午後2時10分まで休憩いたします。
(午後 1時58分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時10分)
○議長(
小川浩樹君) 続いて、18番、塚 寿雄君の登壇を許可いたします。
(18番 塚 寿雄君 登壇)
○18番(塚 寿雄君) 皆様こんにちは。台風20号、そして21号の襲来による災害と、そして昨日には北海道胆振東部地震が発生し、甚大な被害の様子が連日放映されているところであります。このたび、被災された方々に対し心からのお見舞いと、お亡くなりになられた方々に対し心からの御冥福をお祈りを申し上げます。
田辺市におきましては、相次ぐ二つの台風により市内の各地で多くの被害が発生いたしました。特に、私の住む本宮町では、川湯地区のある大塔川水系や四村川水系を中心に、私の記憶にはない洪水が発生いたしました。たった1日でこうなってしまうのかというのがそのときの正直な感想でありました。
さて、災害発生後、市当局におきましては、職員の方に呼びかけていただき多くのボランティアを結成していただきました。また、民間のボランティアを含め、多くの方々が川湯、四村川、上大野そして切畑等へと駆けつけていただき、応急復旧に当たってくださいました。大変な猛暑の中、ボランティアの方々は懸命に頑張ってくださいました。被災者にとっては、将来への不安を覚える方もいたと思いますが、皆様方の頑張りに落ち込んでいる場合ではない、そう心に誓った方もいたと思います。改めて当局の皆様や多くのボランティアの方々にこの場をおかりして心から厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
それでは、災害復旧について何点かお聞きいたします。
災害の翌日に、閉じ込められた曲川地区を含め、川湯、そして上大野に行ったときのことでありますが、あるお年寄りが、我々が若いころと比較いたしまして土砂がもう2メートル余り堆積している、そんな箇所がたくさんあるので、いつかこのような災害が起こると思っていた。とにかく土砂をとってくれと多くの方々から言われました。
熊野川につきましては、河川法20条による河床整備事業が計画的に行われておりますが、今回の川湯地区にこの事業を当てはめて考えると、土砂の運搬距離によります採算性の問題や、また今現在も問題となっておりますが、とにかく土砂の保管場所がありません。こうしたことが大きなハードルになると考えられます。
今大切なことは、管理者である和歌山県に対し、災害事業としての認定を早急に採択をしていただくように動くことが肝要であると考えます。
次に、この土砂を撤去すると、つまり河原を下げると堤防が壊れてしまうのでやめてほしいという声が必ず出てまいります。しかし、和歌山県議会では、知事が議会の場でこう発言しております。河原を下げて危険な堤防が判明すれば、同時進行で堤防の改修も進めてまいりますと、このように発言をされておりますので、どうか対象地域におけるさまざまな誤解というか不安というものを解消していくことも大きな、大切な課題の一つであろうかと考えます。
以上、熊野川支流の洪水対策として、1点目に、県に対し災害認定を受けていただきたい、このことと、2点目として、地域住民の協力体制の構築にも力を入れていただきたい、そう思いますが当局の見解をお聞かせ願います。
次に、市道串峠平治川線でございますが、御承知のとおりに7年前に大規模な道路決壊が発生し、1年半にわたり曲川地区が閉じ込められたわけであります。今回、再び以前より大規模な決壊で、今度は完全復旧までに2年はかかるのではないかと、まことしやかにうわさをされているところであります。
崩壊した斜面の復旧についてでありますが、現場は、素人目にも地盤が軟弱で難工事が予想される箇所と考えます。今現在、災害発生後も、行政の職員やまた家族によって支援物資の配達などを二通りの山道を使って行われております。曲川地区には幾つかの山道がありますが、今のところ片道40分前後かかる山道というのが、私の知っている限り2本、先ほど申し上げましたが2本ございます。一つは、曲川地区から久保野の小字、横尾というところですが、そこに行く山道です。このルートにつきましては橋をかける必要はありません。もう一つは、曲川地区から対岸に橋を渡して、現在私の住んでいる檜葉地区に行く山道です。どちらも途中に急斜面があり、お年寄りや小さな子供が歩行をするのには危険が伴います。こうした行きどまりの迂回路のない地区への対応として、防災のため新たに市道を開設する必要があると考えます。
もちろん災害復旧というものは原則原状復帰という大前提があるのは承知いたしております。しかし、今回、一つの選択肢にとらわれることなく、さまざまな見地からより早く開通できる方策というものを県また国と協議をしていただきたいと思います。
ある曲川区民の1人は、もうそろそろ決断をするべきに来ているのではないかなということをおっしゃいました。何かというと、集団移転のことであります。このことにつきましては、それぞれ区民の皆様さまざまな思いがありますので、簡単に行くことではないかとは思いますが、いろいろな観点から市当局の皆様方には今後も御努力をお願い申し上げたいと思います。
次に、(2)の本宮小学校とたんぽぽ保育園についてでありますが、ここは、今回大きな被害を受けた川湯地区の下流約五、六百メートルに位置しております。今回の大雨でランチルームや調理場、グラウンドに大量の土砂が堆積し、大きな被害を受けたわけでございます。
この学校及び保育園の周辺には、以前から大量の土砂が堆積しており、この土砂の撤去が今後少しでも災害を防ぐための有効な手段でありますので、和歌山県への強力な要望活動を行っていただきたいと思います。
7年前の台風では、熊野川本流からの逆流で今回以上の被害を受けました。全くこれは、もうそもそも論で申しわけありませんが、あの場所で本当によいのかという単純な疑問を覚えます。当局の見解をお尋ねいたします。
次に、(3)ですが、水害を受けた多くの世帯では、土砂や泥の清掃に大量の水道水を使用しました。確か7年前の水害におきましても水道料金の減免等を行っていただいたと記憶しております。今回も同様の対応をお願いしたいと考えます。
また、先ほど来申し上げました曲川地区におきましては、現在一時的に緊急移転を進めておりますが、なかなかうまくいかない一つの問題として、生活する上で必ず必要な白物家電、いわゆる冷蔵庫や洗濯機でありますが、当然、曲川から持ち出すことは不可能でありますので新たに購入をしなければなりません。しかし、道路が開通したときには不要なものとなってしまいます。こうした問題に何らかの配慮をしていただけないかお聞きいたします。
全く災害が発生して間もない時期であり、また、台風21号も通過していったわけですが、まだ方策も全然決まらない中、大変申しわけありませんが、現時点での田辺市当局の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。答弁のほどよろしくお願いします。
(18番 塚 寿雄君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 18番、塚 寿雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) まず、私から今回の台風20号、そして21号災害についての心境を申し上げ、あとの質問については担当部長からお答えさせていただきます。
初めに、このたびの台風20号、また先日の台風21号災害により被害に遭われた方々に改めて心からお見舞いを申し上げます。
さて、台風20号災害についてですが、私も発災直後に現場を訪れましたが、その被害の大きさに衝撃を受けたところです。今回の台風で、浸水被害を受けた本宮町川湯地区における大塔川の水位は、ちょうど7年前に当地域に未曽有の豪雨災害をもたらした平成23年紀伊半島大水害時をも上回り、この影響により川湯地区の旅館は休業を余儀なくされるなど甚大な被害となりました。また、曲川地区に通じる唯一の市道が地すべりのため通行不能となっており、地域住民の皆様に御不便をおかけしている状況にあります。
さらに、五味・木守地区につきましても、唯一の生活道路である国道371号が崩土や損壊等により不通となったことから、道路管理者である和歌山県知事に早急な対応をお願いし、現在のところ五味地区までは通行ができるようになりましたが、五味から木守間は、いまだ自動車の通行ができず、木守地区の皆様には林道を迂回していただいている状況にあります。
そして、台風21号ですが、大きな水害や土砂災害というのはございませんでしたが、強風により至るところで倒木があり、道路の不通箇所が発生しました。そして、今なお電線の切断、電柱の倒壊等によって電気が不通になっている地区がある、そういう状況でございます。
市では、発災直後から現地に職員を派遣し、被災者の方々のニーズ調査を実施し、その調査に基づき市職員延べ140名が現地に赴き、ボランティアの方々とともに初期の災害対応に当たりました。
今後とも、引き続き市民の皆様方の生活を最優先に県等の関係機関との連携を密にしながら、一日も早い復旧及び生活支援等に全力で取り組んでまいる所存です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の熊野川支流の洪水対策についてお答えします。
去る8月23日から8月24日にかけて、市内全域に被害をもたらした台風20号につきましては、8月23日の夜間に最接近し、この影響により市内の各地で倒木や土砂崩れ等による道路の不通、停電などの被害が相次いで発生するほか、本宮町におきましては、熊野川の支流である大塔川があふれ、川湯温泉街において旅館、家屋への浸水被害や損壊が生じました。この対応としまして、市職員がボランティアの方々とともに作業に当たるなど、被災された地域の復旧に取り組んできたところでございます。
しかしながら、大塔川の河床には流入した砂利が堆積している状態であり、今後、大雨が降った際などは、水位の上昇により再度の氾濫の発生が懸念されるところでございます。
議員御質問の大塔川に堆積した砂利の撤去につきましては、河川管理者である和歌山県が事業主体となりますが、県としましても被災直後の8月27日に知事が視察に訪れるなど、現地の被害状況を確認する中で、このたびの甚大な被害を重く受けとめており、国との間での連携を図りながら事業化する方法を検討、模索しているところであります。
本市といたしましても、引き続き和歌山県への働きかけを行うなど、国・県との連携を密にしながら、早期の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
次に、市道串峠平治川線の早期開通についてお答えします。
田辺市道串峠平治川線につきましては、延長約140メーター、斜面の長さ約180メーターの範囲にわたり大規模な斜面崩壊が発生し、道路が寸断され、今もなお通行どめの状態が続いております。今回の被災箇所は、平成23年に甚大な被害をもたらした台風12号において延長約110メーター、斜面の長さ約90メーターにわたり斜面が崩壊し、今回と同様道路が寸断され、通行どめとなり、工事完了までに約18カ月を要しましたが、今回の被害はそのときよりもさらに範囲が拡大し、崩壊している状況となっております。
市としましては、被害の報告を受け、直ちに担当職員が現地確認に向かい、現在、国に対して公共土木施設災害復旧事業採択を受けるための災害報告を行い、復旧工法選定に必要な地形測量やボーリング調査を行っているところでありますが、復旧までの見通しにつきましては、大規模な斜面崩壊による土砂の堆積量も非常に多く、現時点におきましては、工事完了までに相当な時間を要すると考えております。
そのような中、議員御質問のとおり、復旧には多額の費用も必要となることが考えられるため、本来災害復旧事業の原則は原形に復旧することではありますが、原形復旧にすることが困難または不適当な場合において、これに変わるべき復旧につきましては災害復旧事業とみなすことができるとあることから、別ルート等の検討も含め、事業費の縮減及び早期復旧を目指すことができる手法について、今後より一層、国・県とともに連携を図りながら早期開通に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○
教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の本宮小学校の被害状況等についてお答えいたします。
本宮小学校の被害につきましては、さきの台風20号の大雨により大塔川が氾濫し、学校敷地内へ大量の土砂が流れ込んだことによるものであります。一番被害の大きかったグラウンドにつきましては、石や砂利、泥に覆われており、排水用の管が濁流により掘り出されている状態であります。グラウンドにあった遊具につきましても、ブランコや登り棒などは基礎から流され、土砂に埋まっている状態であり、また、体育倉庫も壁面が破損し、そのため倉庫内の備品が流出した状況でございます。この一連の被害は、平成23年の台風12号と同等程度のものであったと考えております。そうした中、現在小学校では、9月23日に運動会を予定しておりますので、最低限使用できるスペースを確保できるよう、土砂の撤去及び整地等を実施している段階でございます。
校舎内につきましても、平成23年の台風12号ほどではなかったものの、ランチルームと調理場に床上1センチ程度の浸水がありました。被害翌日から学校職員、保護者等による清掃を行い、その後、業者による清掃、消毒を実施したところであります。給食につきましては9月3日から開始しておりますが、現在もランチルームは使用していない状況であります。
今回の被害が7年前の台風12号と同程度の被害をこうむったという状況から、学校敷地の抜本的な対応策を将来的な課題として考えていく必要があると、このように認識しております。
現段階といたしましては、河川管理を担当している和歌山県に対し、同じような被害が起こらないよう、河川のしゅんせつや土砂対策、破損した堤防の復旧、補強等を含め十分な対策を要望してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(
教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問のたんぽぽ保育園に関しましてお答えさせていただきます。
今回の台風20号による大雨で、たんぽぽ保育園は、園庭と玄関が浸水の被害を受け、8月24日は保育園を休園にして、保育園の職員で被災場所の清掃を行い、翌25日には業者に園庭及び園の周辺の土砂の撤去をお願いし、26日には、9月に予定していた奉仕作業を前倒しして職員と保護者の方々で園舎及び園庭の掃除をしていただきました。
たんぽぽ保育園の浸水被害は、平成17年の市町村合併以降では、平成23年の台風12号と今回で2回目となります。
今後も台風や大雨の際には浸水被害の発生が懸念されるところではございますが、たんぽぽ保育園の移転につきましては、本宮地域全体における将来的な保育事業を踏まえ、保育施設の配置を検討していく必要があるものと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
危機管理局長、宮脇寛和君。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○
危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の被災者のケアにつきましては、浸水被害に遭われた地域においては、家屋や家具の洗浄等の復旧作業に水道水を使用されているかと思います。こうした場合の水道の使用料金につきましては、減免措置を行ってまいりたいと考えております。また、手続につきましても被災者の負担にならないよう簡便なものとしたいと考えております。
また、孤立している曲川地区への対応につきましては、地区外への仮住居の転居の際に必要となる家電製品については、一般の方や市職員からの提供により調達を行っております。
いずれにいたしましても、復旧・復興に当たり、被災されました方の負担を少しでも軽減できるように努めてまいります。
以上でございます。
(
危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 塚 寿雄君。
(18番 塚 寿雄君 登壇)
○18番(塚 寿雄君) 答弁ありがとうございます。国と県との協議を深め、別ルート等も検討ということでありますので、よろしくお願いいたします。また、水道料金等についても簡単にできるように御配慮をいただいたようであり、ありがとうございます。白物家電につきましても対応していただいているようなので、一安心したところであります。
小学校と、また、たんぽぽ保育園の位置については、巨額のかかる事業でございますが、将来的な重要な課題であるという御認識だけはどうぞずっと持っていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
田辺市内には、迂回路のない地区がまだまだ多く存在しておりますし、防災上、迂回路の確保というものは大きな行政課題の一つであることは、当局の皆様も十分認識されていると思いますので、課題解決に向けて取り組んでくださいますようお願いいたします。
自然の力には到底勝つことはできません。このことは誰もが知っていることでございます。しかし、少しでも被害を少なくすることは可能であります。特に今回の水害でありますが、現在とれる方策のうち河原を下げるということが最も有効な手段であると考えますので、市当局の皆様方には、何かと御苦労をおかけしますが、災害に強いまち、住みよいまちのために今後とも御理解と御協力を賜りたいと思います。
それでは、大きな2番の学童保育についてお聞きいたします。
学童保育を補完する事業の一つといたしまして、冬休み、春休み、夏休みの長期の休みの期間に限って居場所づくり事業を行っていただいております。この居場所づくり事業における今回の夏休み期間の実績等についてお聞きいたします。参加人数や実施された場所についてお聞かせください。
それともう1点、以前、五、六年前だったかと思うのですが、学童保育について保護者アンケートを実施したことがあろうかと思いますが、その当時から比較いたしまして、保護者の学童保育に対する認識というものは大きく変化をしていると考えます。いま一度学童保育に対する意向調査を実施できないかと考えております。あわせて、アンケートの実施に当たっては、保育園の保護者に対しても同様のアンケートを実施できないかお聞きいたします。よろしくお願いします。
(18番 塚 寿雄君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 教育次長。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○
教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の山村地域における子供の居場所づくり事業の実績につきましてお答えいたします。
山村地域における子供の居場所づくり事業は、山村地域の小学校の長期休業日に児童が安心して安全に過ごすことができる居場所を確保し、次代を担う児童の健全育成に資することを目的として、龍神及び中辺路地域は平成29年度から、本宮地域は今年度から実施している事業でございます。
ことしの夏休みにつきましては、7月23日から8月31日までの間、龍神地域、中辺路地域及び本宮地域において、管内の小学校に在籍する1年生から6年生までの子供たちを対象に実施いたしました。
それぞれの地域における開設場所につきましては、龍神地域は龍神市民センター、中辺路地域は中辺路小学校、本宮地域は本宮公民館で、開所時間は午前8時から午後6時30分までを基本に、児童が帰宅するまでの時間において実施いたしました。
各地域の利用者数につきましては、龍神地域は22名で、学校別では、咲楽小学校から4名、中山路小学校から8名、上山路小学校から9名、龍神小学校から1名で、学年別では1年生から3年生が14名、4年生から6年生が8名でございました。中辺路地域は25名で、全員が中辺路小学校の児童で、近野小学校からの利用者はありませんでした。また、学年別では1年生から3年生が19名、4年生から6年生が6名でございました。本宮地域は18名で、本宮小学校から15名、三里小学校から3名で、学年別では1年生から3年生が15名、4年生から6年生が3名でございました。
主な活動内容としましては、夏休みの宿題、プール水泳、体育館でのボール遊び、絵本の読み聞かせ、調理実習、路線バスの乗車体験及び消防署による防火教室などを行いました。これらの活動は、それぞれの居場所事業の支援員だけでなく外部講師を招いての講座も行うなど幅広い活動を展開できたものと考えております。
また、大きな事故やトラブルもなく終えることができ、児童が安心して安全に過ごすことができる遊び場、居場所の確保と児童の健全育成につながる事業を展開できたものと考えております。
以上でございます。
(
教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(
小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 本宮地域における学童保育の利用に関する保護者の意向調査についてお答えいたします。
田辺市の学童保育所は、市内25の小学校区のうち、公設公営で13カ所、民設民営で1カ所の計14カ所で運営しておりますが、行政局管内では、鮎川小学校区と去る9月1日に開所いたしました中辺路小学校区の2カ所のみとなっています。
一方、現在の田辺市子ども・子育て支援事業計画では、学童保育所の整備目標を定員600人と定め、平成27年11月には市における学童保育所の開設基準を従来の利用希望者が20人のところを10人に緩和し、中規模校への学童保育所の整備を進めてまいりました。このことによりまして、現在の学童保育所の定員は635人となっており、既に目標を達成しているところです。
しかしながら、未設置となっている小学校区についても学童保育所の開設を希望している保護者がおられることについては認識しているところであります。
本宮地域につきましては、本宮小学校と三里小学校のいずれも学童保育所未設置校となっておりますが、学童保育所の設置を希望する御意見をいただいており、山村地域の子供の居場所づくり事業の利用実績も踏まえ、学童保育所開設のための施設や指導員など受け入れ体制の確保や意向調査の実施について検討してまいりたいと考えております。
また、第2期の田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に向けたニーズ調査を本年度中に実施する予定でございますので、このニーズ調査の中でも本宮地域を含め市全体の学童保育所に関する保護者の利用希望の動向についても把握してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 塚 寿雄君。
(18番 塚 寿雄君 登壇)
○18番(塚 寿雄君) 答弁ありがとうございます。部長おっしゃったとおりに、保護者のニーズというのは、もう有料になろうが必ずあるのは間違いないのですけれども、私ども本宮町のことを言わせてもらえれば、当然人口が少なく、子供さんも少ないのが実態で、分母が小さいのが実態であり、今回本宮小学校と三里小学校が合同で居場所づくりを行ったようでございますので、10名というハードルというのも何とかクリアできるのではというふうに考えております。
また、本宮小学校も三里小学校も通学バスで通学をしております。その通学バスの最終の終着点というか保管場所ですね、そこは本宮中学校の横になります。ですから、当然学校が終わって、通学バスに乗って、最後に保管する場所は、行政局を通過して本宮中学校のほうに行くので、場所というのも本宮の行政局の一角になるのか、あるいは、これはちょっと考え過ぎかもわかりませんけれども、中学校の生徒さんにも学童保育のというか、親御さんの都合にもよりますので、時間つぶしというかそこで安心しておれればいい生徒さんもいるかもわかりませんので、必ず学校で行わなければならないとか、そういったところにこだわることなく、行政局あるいは本宮中学校も範疇に入れた、そういった学童保育を進めていっていただければありがたいかなと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
少し時間早いのですけれども、以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
(18番 塚 寿雄君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 以上で、18番、塚 寿雄君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
小川浩樹君) この場合、午後3時まで休憩いたします。
(午後 2時47分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 3時00分)
○議長(
小川浩樹君) 続いて、11番、橘 智史君の登壇を許可いたします。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 皆様こんにちは。清新会の橘です。通告に従いまして、大項目で二つの質問をさせていただきます。
まず最初の質問は、豊かな海づくりについてです。漁業に携わる一人として、水産業の継続的な発展のため、環境の面から実体験をもとに質問をしていきたいと思います。
田辺市は市としては本州の最南端に位置する市であり、太平洋に面しており、黒潮によって運ばれるさまざまな海の幸に恵まれていることから、古くから漁業が盛んでした。一本釣り漁業、まき網漁業、船びき網漁業等が行われ、田辺で水揚げされる主な魚の種類として、イサキ、タイ、カツオ、アジ、サバ、イワシ、シラス、タチウオなどのほかにもイセエビ、クルマエビ類、ガザミ、ヒロメ等があります。
田辺市には、県管理の田辺漁港、市管理の芳養漁港、目良漁港、内之浦漁港と四つの漁港があり、漁業組合は、田辺漁業協同組合、湊浦漁業協同組合、新庄漁業協同組合の3漁協がありましたが、平成19年4月1日に田辺漁協、湊浦漁協、白浜漁協、日置漁協、すさみ漁協の5漁協が合併し、新たに和歌山南漁業協同組合が発足しました。
各組合での漁法の種類には特色があり、カツオ、マグロなどのケンケンと言われる引き縄漁業やイサキやタイの一本釣り以外では、新庄漁業ではヒロメやツメバイなどの採貝採藻漁があり、船の上から箱眼鏡で見ながら、とり過ぎを防ぐための漁法です。和歌山南漁協田辺支所では、中型まき網でのアジ、サバ、イワシ漁が盛んで当地方の水産業を支えてくれています。
また、中本議員の地元である湊浦支所でのイワシ・シラス漁には機船船びき網漁と引き寄せ網漁があり、機船船びき網漁は現在のシラス漁の主流になっている、効率的な漁獲ができる引き回し網、パッチ網といいますけれども、その名のとおり船で網を引き回すので、魚の鮮度は落ちることになります。
引き寄せ網漁は2隻の船で網を広げ、少しずつ絞って漁獲する漁法で一見すると非効率ですが、磯間の伝統漁法として伝えられてきたものであり、デリケートなシラスにも環境にも優しい伝統漁法で、結果的に田辺湾の資源保護にもなっています。
伝統の船びき網漁法では、ほとんど人間の力だけで網を引くので、小さな魚体にも優しく、傷つけず水揚げされます。手こぎ舟しかなかった時代から全国各地で行われてきた漁法ですが、いつの間にかシラス漁としては磯間に残るだけとなっており、世界文化遺産の中に入れてほしいぐらいです。その湊浦漁協にある湊浦漁協食堂での生しらす丼のシラスはこの漁法でとられたシラスであるため、大変おいしく好評と聞いております。まだ、食していない方はぜひそのおいしさを味わっていただきたいと思います。
現在の漁業の近況を申し上げますと、皆様も御存じかと思いますが、大変厳しい状態で、全国的にも漁獲量の低迷が続いています。昭和40年代をピークに漁獲量が減少していまして、県下でも有数の水揚げを誇っていました田辺市でも全体の漁獲量は、昭和48年には1万2,727トンありましたが、平成29年は3,275トンと大幅に減少しています。人口がふえ、とればとるだけ売れ、漁業者の収入も右肩上がりだった時代はいつのことだったのでしょうか。
余談になりますが、漁業者の暮らしがわかる一例として挙げますと、笠鉾が巡行する鬪鶏神社の夏祭り、田辺祭では、江川町だけ笠鉾が2基あり、巡行で先頭を務める住矢と呼ばれる衣笠も出てきて、お旅所勤めも江川漁港で行われます。このようなことからも、古くから漁業者は裕福で町を賑わしていたことが伺え、当地の経済も引っ張っていたのではないでしょうか。
時代は変わり、船もエンジンも漁具も最新鋭のものができて一度に簡単にたくさんの量がとれる時代になりましたが、一方でとり過ぎてしまったことから資源が枯渇する原因にもなっていると思います。
そんな中、漁業者も禁漁区や禁漁時期を行政の基準だけではなく独自にも制定し、漁獲量の設定や魚礁や藻場の整備なども行い資源の確保に向け取り組みも行っていますが、現状資源の回復は思わしくございません。
田辺市や和歌山県と共同に事業を取り組んでいる中、海の変化を感じることになり、今回の質問に至りました。
1960年代後半から、我が国の高度経済成長に伴い、当地方でも護岸の開発や埋め立てなど、さまざまな開発により多くのアマモ場や干潟など沿岸生態系を支える重要な生態系が失われてきました。都市部では、開発された護岸への工場や人口の集中はそれらの海に流れ出す下水の量をふやすことになりました。
当地方でも、
高度経済成長期に、小さいながらもそのようなことが起こっていたのではないでしょうか。下水の量がふえたことから、公害等の問題にかかわるさまざまな化学物質のほか、窒素やリンなどの本来の海の生態系にとっても重要な栄養塩が過剰に供給されることになり、その結果、過剰な栄養塩により植物プランクトンがしばしば大発生して赤潮を引き起こし、漁業被害が恒常化するとともにアマモの減少など、生物多様性も低下しました。
一方で、植物プランクトンを餌にする生物、アサリやイワシ類などが増加しました。その後、集落排水など下水道の整備や個別の浄化槽、し尿の海洋投棄の廃止に伴う処理場の整備などから、海に流れ込む化学物質や栄養塩類が低下し、魚介類の漁獲量が減少しています。
身近に感じたところでは、アサリ類の個体の激減や、ヒジキなどの藻場の激減です。また、アマモ場の急激な回復は、栄養塩の低下により植物プランクトンの増殖量が減ったことから、海中の光環境がよくなったことが考えられます。
栄養塩とは、植物プランクトンや海藻の栄養となる海水中に溶けたケイ酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩の総称です。
また、ことしの春先から瀬戸内海から、大阪湾、紀伊水道の中紀ぐらいまで二枚貝に影響を及ぼす貝毒が猛威を振るっていました。この貝毒は、毒性のある植物プランクトンをアサリなどの二枚貝が摂取することによって引き起こし、食すると手足がしびれたり、呼吸困難で死に至ることもある有害なプランクトンです。下水道の復旧で水質浄化が進み、海水が貧栄養化になると発生すると言われ、適正な植物プランクトンが実在すれば発生は抑制できると言われています。平成27年には田辺湾でも発生し、貝類の出荷停止から、当地域の漁業にも影響を及ぼしました。
そこで、一つ目の質問です。海洋環境が生態系に及ぼす影響についてですが、田辺市では田辺湾内の水質調査を数カ所でしていると思いますが、水質状況は過去と比較して変化しているのかお聞かせください。
二つ目の質問は、し尿処理場等の放流水質についてですが、私の組合に田辺市とみなべ町で構成する一部事務組合である清浄館から、毎月放流水質結果をいただいていますが、窒素の排出数値は法令基準値1リットル当たり120ミリグラム以下とあるが、実際の放流数値は1リットル当たり平均3ミリグラムと約40分の1の値でした。また、リンの排出数値は、法令基準1リットル当たり16ミリグラム以下とあるが、実際の数値は1リットル当たり平均0.03ミリグラムと約500分の1の値でした。これは地元との協定や機械の特性にもよると思いますが、ここまで落とすものなのでしょうか。また、市の
公共施設である集落排水も含め、放流水について、窒素やリンをふやすコントロールはできないのかお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 11番、橘 智史君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市民環境部長、松場 聡君。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の点についてお答えいたします。
田辺湾の水質状況につきましては、昭和50年に県により環境基準点が磯間沖に設けられ、守るべき水質基準が定められております。県が調べたこの環境基準点の水質検査結果の中で、海域の水質を評価する上で最も重要視されるCOD、化学的酸素要求量の数値で申し上げますと、昭和55年から平成29年までの38年間において、昭和61年度に1リットル中2.3ミリグラム、平成8年度に同じく1リットル中2.1ミリグラムと、2度1リットル中2.0ミリグラム以下の環境基準を上回っておりますが、その他の36回については環境基準を満たす良好な数値で推移しております。
2点目のし尿処理施設及び市の管理する集落排水施設等の水質コントロールについてでありますが、これらの施設につきましては、水質汚濁防止法に基づく特定施設に当たり、排出基準が定められており、基準値以下で排出しなければならないため、その規定値より低い値で放流できるよう設計されております。これらの施設は通常運転で排出基準値を達成できる性能を有しており、排出基準値ぎりぎりの値でコントロールするような運転調整機能を有しておりませんので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 答弁いただきました。小項目1の水質状況の変化の答えは、海域の水質を評価する上で最も重要視されるCOD、化学的酸素要求量、数値は環境基準を満たす良好な数字とのお答えでありました。小項目2での放流水について、窒素やリンをふやすコントロールはできないかとの問いでは、水質汚濁防止法などの観点から機械の性能からも難しいとの答弁でありました。今回の質問は、大変難しい質問であると理解はしております。しかし、海の貧栄養化への対策として適正な数値があるのではないかと一漁業者として感じております。けっして海を汚してくれとのことではありませんので御理解いただきたいと思います。
海洋投棄が行われていたころの大阪湾の話ですけれども、イワシ漁師は、し尿処理タンカーが汚物を投棄した後に網を巻いたと聞いております。
ここで、他地域での取り組みを紹介させていただきます。愛知県の三河湾では、アサリの生産量の低下やノリの色落ちに歯どめをかけるために、下水処理のリンの濃度を上げる実験を行っております。瀬戸内海では、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正して、今よりも多くの栄養を海に流して、生物がふえるように試み、広島県福山市では、2015年に瀬戸内海で減少しているノリの生産量回復に乗り出し、市内3カ所の下水し尿処理施設で処理能力を弱め、リンや窒素など養殖に必要な栄養塩の濃度を高めた処理水を海に放流する試みを初めて実施しています。ノリの色づきが悪いとされる2月中旬から3月末に生活排水などを処理する施設の処理槽内の空気量を減らして、浄化に利用する微生物の働きを抑える緩和運転を行い、同市沖の養殖場5カ所で水質を調査した結果、一部でノリ養殖に適した栄養塩の濃度の確認もできて、毎年の実施期間を長くすることで、効果が出やすい環境を整えたいと今後の方針を打ち出しています。
近年、国レベルにおいても閉鎖性海域の健全な水環境の保全のための取り組みが進められており、先月の8月22日開催の中央環境審議会水環境部会瀬戸内海環境保全委員会において、栄養塩と水産資源の関係に係る調査・研究状況についてが取り上げられています。その中で、漁獲統計、養殖統計、水産観測データ等のさまざまな研究結果から、栄養塩と植物プランクトン、動物プランクトン、海藻、二枚貝、貝類との関係の解明が今後さらに必要であり、まとめとして、栄養塩濃度が水産資源に及ぼす影響については、海域の栄養塩を直接利用するノリ等の藻類養殖への環境は明らかであり、二枚貝や魚類生産との因果関係は科学的検証が必要としており、これを受けて水産庁事業として、栄養塩の水産資源に及ぼす影響の調査を平成30年度から実施する予定であります。
閉鎖的水域である瀬戸内海で発生している現象が田辺湾に当てはまるかどうかはわからないですが調査や研究は必要と考えております。
私が所属している新庄漁協では、市に御協力いただいてアサリの養殖実験を行っています。春にアサリの種苗をとるため網状の袋の砂利を入れて干潟に設置し、8月末に回収します。決してよい環境の干潟ではございませんが、50袋ほどの袋から昨年は500個ほどアサリの種苗を捕獲できました。捕獲したアサリの種苗は、いかだで中間育成した後、ほかの干潟に放流し、エイなどの魚類からの食害を防ぐためにネットで覆います。増殖するに当たり、種苗を他地域から仕入れ、放流するのが手っ取り早いのですが、今環境省のフォーラムでもDNAが違うものを余り放流するなという話もございますので、新庄のDNAを継承したアサリをふやそうと頑張っております。
また、広島大学、和歌山県、新庄漁協でアサリの生育調査も行い、田辺市、新庄漁協、和歌山県で行っている藻場の再生事業では、ヒジキの種が付着しやすいように磯を洗ったり、ヒジキ、ヒロメへのウニの食害を防ぐため潜水しての駆除もしております。ウニの駆除に当たり、新庄中学校の生徒にも御協力いただいております。
雨が降り、落ち葉を伝い、腐葉土から地中を通り、ミネラルいっぱいの水が河川から海に流れたことが自然の摂理です。アスファルトに整備された道路に降った雨は地中に浸透せず、溝を通り海に流れていきます。これでは、ごみやちりしか海に流れません。生物の多様性と生産性が確保されるように、専門家や有識者の方とも協議しながら、適正な数値を見出していけたらと思いますので、そのときにはまた協議させていただきたいと訴え、この項での質問を終わります。
二つ目の質問は、世界遺産を生かした観光振興についてです。
田辺市では、世界遺産熊野古道を初め、豊かな自然、古い歴史や文化、日本三美人の湯で知られる龍神温泉や日本最古の湯と言われる湯の峰温泉、どこまでも水がきれいな安川渓谷、食事の面でも日本一の梅や生シラスなど多くの魅力的な地域資源があり、これまでも田辺市熊野ツーリズムビューローや市内の各観光協会との連携のもと、観光パンフレットやホームページ、プロモーション映像等による情報発信、観光案内施設及びトイレ整備等による受け入れ体制の強化等、交流人口拡大のためにさまざまな取り組みを進められています。
また、平成28年10月には、市街地にあります鬪鶏神社を初め、北郡越、長尾坂、潮見峠越、赤木越の5カ所が世界遺産に登録され、田辺市でも世界遺産登録を盛り上げるため官民一体で取り組まれた記念式典では、田辺シティブラスが田辺市合併10周年記念曲いにしえの道を演奏し、真砂市長が式辞で、中心市街地の中に世界遺産があるのは田辺市だけであり、中心市街地から最終目的地の熊野本宮大社までつながっていることをPRできる。去年は世界農業遺産にも登録され、ダブル世界遺産のあるまちとして田辺市のまちづくりに取り組んでいきたいと述べていたことが今でも強く印象に残っています。
そして、昨年11月に世界的にも有名なオーストラリアの旅行ガイドブック「ロンリープラネット」において世界の訪れるべき地域のベスト5位に紀伊半島が選ばれました。この地で育ち、住んでいる者にとっては、当地のすばらしさに気づいていない方もたくさんいると思いますが、田辺市を含めた熊野エリアは世界で注目を浴びていることは事実であり、今後においても外国人を含む多くの観光客が訪れることに期待しています。
そうした中、ことしは世界遺産である熊野本宮大社が創建2050年を迎える記念の年でありまして、熊野本宮観光協会を初め、各種団体や民間事業者による熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会が立ち上げられ、地域が一体となってさまざまな取り組みが進められています。
このようなことから、当協議会においては、奉祝式年の期間であることしの12月末まで、誘客のためのさまざまな取り組みが切れ目なく展開されると聞いています。
そこで、一つ目の質問として、熊野本宮大社創建2050年について、これまでの具体的な取り組み状況とその効果についてお聞かせください。
次に、来年は、世界遺産である鬪鶏神社が創建1600年を迎える年でありまして、偶然にも世界遺産の周年事業が続くことになります。熊野本宮大社創建2050年と同じように民間団体が中心となり鬪鶏神社創建1600年を地域全体で盛り上げていくことが重要でないかと考えています。
そこで、二つ目の質問として、鬪鶏神社創建1600年に向けた関係者を含めた地域の動きについて把握されている範囲で結構ですのでお聞かせください。
このように、世界遺産関連の周年事業が連続し、田辺市としてもこの周年期間を田辺市の魅力を内外に情報発信できる絶好の機会として誘客促進に取り組まれているところですが、三つ目の質問といたしまして、これらの取り組みを生かした観光振興について世界遺産を核とした観光振興の視点での取り組みが重要であると考えますが、現在、景観まちづくり刷新事業及び扇ヶ浜における新武道館の建設事業等が進められている中で、これら町なかのハード事業と連携した観光振興をどのように進めていくのかをお聞かせください。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の世界遺産を生かした観光振興についてお答えいたします。
紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産に登録され、ことしで14年を迎えますが、観光動態調査による昨年の本市の観光客数は約364万人であり、そのうちの宿泊客数は約44万人となっており、世界遺産にはいわゆる賞味期限があると言われる中で、観光客数については、平成16年の世界遺産登録以降、平成23年の台風被害による落ち込みはあったものの、それ以外の年の観光客数については約360万人で推移しています。そのうち本市への外国人宿泊客数については、平成26年には1万人を超え、平成29年には約3万7,000人と大幅に増加している状況です。
本市の本宮地域にも多くの観光客がお越しになられている中、御質問の1点目、熊野本宮大社創建2050年についてですが、熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会につきましては、昨年9月に観光関係団体や民間事業者等により設立された協議会であり、本市としましても、熊野本宮大社創建2050年を本市への誘客の絶好の機会と捉え、同協議会が行う記念事業等の取り組みを支援しています。
同協議会では、ことし1月1日の年明け記念の催しに始まり、新春落語会、著名人によるトークショーやコンサート、裏千家家元による献茶式等、誘客のためのイベント等が開催されています。また、そのほかにも奉祝式年期間中の通年事業としまして、熊野本宮大社御創建二千五十年記念インスタグラムキャンペーン、熊野路田辺スタンプラリーキャンペーン等も実施されているところです。
このような中、これら記念事業による効果についてですが、本年1月から7月までの川湯温泉、湯の峰温泉、渡瀬温泉の本宮温泉郷の宿泊客数は、昨年の同期間と比べ相当増加しており、また、ことしのゴールデンウイーク期間中の宿泊客数や熊野本宮大社の参拝者数も昨年の同時期よりもふえております。そのほかにも、熊野本宮大社と熊野本宮協会による旅行会社をターゲットとした企画商品も人気を博しており、ことし8月末時点で約340件の申し込みがありました。
このように、奉祝期間の途中ではありますが、協議会の記念事業につきましては、本宮地域を中心に一定の効果があったものと考えております。
次に、御質問の2点目、鬪鶏神社創建1600年についてですが、来年世界遺産である鬪鶏神社が創建1600年を迎えることから、本市としましても、ことしの熊野本宮大社創建2050年に引き続き、田辺市の魅力を国内外に情報発信する絶好の機会であると認識しております。
また、鬪鶏神社については、市街地に位置する世界遺産ということもあり、田辺商工会議所、田辺観光協会等の民間団体が中心となって、去る8月31日に世界遺産鬪鶏神社創建1600年記念事業推進協議会を立ち上げ、町なかへの誘客促進を図り、地域を盛り上げるための記念イベントや広報宣伝活動等が企画されているところでございます。田辺市としましても、このような民間による地域活性化に向けた取り組みに対して、側面的に支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、御質問の3点目、これらの取り組みを生かした観光振興についてですが、本市としましても、観光資源である世界遺産の周年事業での手法等を今後の観光振興施策にも取り込んでいくことにより、交流人口の増加を図り、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。
このように、今後も世界遺産を核とした観光振興に取り組んでいくとともに、町なかにおける景観まちづくり刷新支援事業、さらに扇ヶ浜での新武道館の建設等、中心市街地でのハード事業とも連携し、田辺の三偉人をめぐるモデルコースの提案や、田辺市街なかポケットパークを拠点とした散策イベントの企画等、熊野古道を目的に訪れられる方に町なかを回遊していただくための仕掛けづくりにも積極的に取り組んでいるところでございます。
さらに、田辺観光協会、田辺商工会議所、商店街、田辺市熊野ツーリズムビューロー、南紀みらい等と連携し、町なかの情報発信や受け入れ体制の充実に取り組むことにより、外国人観光客も含めた観光客の滞留時間の増大を促し、町なかを活性化させることで、市内全域の経済の活性化にもつなげてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 御答弁ありがとうございました。世界遺産を生かした観光振興について、昨年の観光客数は364万人、宿泊数は44万人、そのうち外国人は3万7,000人と大幅に増加しているとの答弁でした。中心市街地にもその恩恵は広がっていて、外国人の観光客を見かけることは珍しくなく、味小路でも普通に見かけるようになりました。
本宮大社創建2050年については大盛況と聞いていましたが、さまざまな催しの開催も誘客に役立っていると感じました。
鬪鶏神社創建1600年については、昨年民間団体が中心となり世界遺産鬪鶏神社創建1600年記念事業推進協議会を立ち上げ、地域活性化に向けて取り組んでいると、市としても側面的な支援を行うとの答弁でしたが、市としての色も存分に発揮していただきたいと思いますので、この点もよろしくお願いします。
三つ目のこれらの取り組みを生かした観光振興については、交流人口の増加も図りながら滞留時間を増大させ、町なかを活性化するとのことでした。鬪鶏神社の玄関には街なかポケットパークが整備され、大福院も修復されます。平日にポケットパークの前を通ることが多いのですが、にぎわっているという感じはまだまだ足りないと思いますが、観光バスの発着場所や動線をうまく引くことによってにぎわいが集中するのではないでしょうか。駅前商店街の景観事業、新武道館の建設など中心市街地でのハード事業がめじろ押しですが、さまざまな事業や産業にも波及するように取り組んでいただきたいと思います。
私は、18歳で田辺を出て、30歳で帰ってきたUターン組でございますが、腰を据えて住んでみて、田辺のよさに気づかされた一人でございます。私の友人もこの田辺の魅力を感じ、毎年のように海、川、温泉、そしてうまい魚を食べに毎年遊びに来てくれます。その友人、知人からもこんなにいいところはないという言葉をいつももらっております。
また、先日違う知人が訪ねてくれたときは、私の家の前に熊野古道の看板が家の前にありまして、それを見た友人は、鬪鶏神社はここから2キロなんやなということで、すぐにちょっと見てくるよということで、鬪鶏神社のほうにお参りしてくるということでした。感想は、すごく昔からの雰囲気のある社で、もっともっとアピールすればたくさんの人が来るんじゃないかという言葉もいただきました。
多くの旅行者に田辺の魅力を発信していけるように、私自身海ばかり見るのではなく、視野を広く持ちたいと思いました。
先日の20号、21号台風による被害で、山間部の観光地は宿舎の被災による休業などで大変な状況と聞いております。議員の中にはボランティアに参加された方もいると聞いております。営業が再開されても風評被害による観光客の減少は避けられないと思います。少しでも早く平常営業に戻れるように、もとの活性が取り戻せるように、ハッシュタグやSNSなどを使った復興の発信は誰でも簡単にできることですので率先して発信して、この当地を盛り上げていけたらと思います。
当局におかれましても、より一層の災害支援など御支援をお願いしまして、少し早いですが、今回の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 以上で、11番、橘 智史君の一般質問は終了いたしました。
◎日程第 2 3定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから
日程第18 3定議案第32号 平成29年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算
についてまで一括上程
○議長(
小川浩樹君) 続いて、日程第2 3定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、日程第18 3定議案第32号 平成29年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上17件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案17件は、本日市長から提出のあったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただ今、上程されました議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、議案第31号 平成29年度田辺市
四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの16議案は、いずれも平成29年度各種会計の決算につきまして、地方自治法の規定により議会の認定をお願いするもので、議案第32号 平成29年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成29年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法の規定により議会の議決をお願いするとともに、当該会計の決算につきまして、同法の規定により議会の認定をお願いするものであります。
なお、お手元に決算書及び監査委員の意見書とともに、主な施策の成果に関する報告書等を提出いたしております。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、御賛同を賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
小川浩樹君) 以上をもって提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております17件については、既に提出されているほかの議案と同様に後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす9月8日から9日までの2日間は休会とし、9月10日、午前10時より再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(
小川浩樹君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 3時40分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成30年9月7日
議 長 小 川 浩 樹
副議長 市 橋 宗 行
議 員 出 水 豊 数
議 員 陸 平 輝 昭
議 員 柳 瀬 理 孝...