田辺市議会 2017-09-14
平成29年 9月定例会(第2号 9月14日)
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 稲 垣 清 司
開 議
○議長(小川浩樹君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成29年第4回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
◎諸般の報告
○議長(小川浩樹君) この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、糸川一彦君。
(
議会事務局長 糸川一彦君 登壇)
○
議会事務局長(糸川一彦君) 報告申し上げます。
本日付、田総第175号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、4定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)など、議案18件の送付がありました。
いずれもお手元に配付いたしております。
以上でございます。
(
議会事務局長 糸川一彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
なお、一般質問は、去る9月6日、午後2時に通告を締め切り、抽せんにより質問順位を決定いたしました。結果は、通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
6番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) おはようございます。6番、日本共産党、久保浩二です。通告に従いまして質問を行います。
まず1番目、旧市内の
乗り合いタクシーの運行についてから質問いたします。
3月議会、6月議会で川﨑議員が交通弱者の対策について質問をしました。旧4町村を中心に
乗り合いタクシーの運行について取り上げ質問しました。私は、旧田辺市内の高齢者などの交通弱者といわれる方々の移動手段をどのように確保していくのかについて質問します。
4月の選挙で私
たち共産党市議団は子ども医療費の無料化の問題と
乗り合いタクシーの実現を選挙公約として訴えてきました。
乗り合いタクシーの政策に対し多くの高齢者の方からぜひ実現してほしい。私たちが出かける元気のあるうちに、早く実現してほしい。また最近、車の運転に自信がなくなってきたので運転免許の返納をしたいが、返納してしまえば出かけることができないので悩んでいるなどの声を聞いてきました。そこで、市民の願いを届け、ぜひとも早期に実現できるようにという思いで質問をします。
まず1番目、交通弱者の移動手段の確保について、現状の認識についてお伺いします。
移動手段を持たない高齢者、旧田辺市内の70歳以上の人口が1万3,753人、これはことし3月31日の数字であります。今現在、高齢者の免許返納の現状はどのようになっているのか。また、70歳以上の女性の人口は8,211人、高齢女性の方の免許保有率はどのようになっているのかお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、小川 鏡君。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 70歳以上の女性の運転免許証の保有率についてお答え申し上げます。
田辺警察署の資料によりますと、田辺市内の70歳以上の高齢者の
運転免許保有者数は、平成29年7月末現在で9,635人で、そのうち女性の保有者数は4,065人となっており、市内の70歳以上の女性人口に占める免許保有率は約38%となってございます。
次に、
田辺警察署管内における運転免許証の返納者数の状況でありますが、平成28年1年間では186人、平成29年1月から7月末までに免許を返納された方は166人となっており、そのうち約4割の64人が女性となっております。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、現在の公共交通の現状と課題についてお伺いします。
現在の路線バスの状況、旧市内を通る路線の利用状況についてお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 既存の
路線バス事業者の各路線の利用状況についてお答えいたします。
市内には、4社の
路線バス事業者が合わせて9路線運行しておりまして、平成27年10月から平成28年9月までの1年間で、約65万7,000人の利用がありました。主な路線の利用状況を申し上げますと、龍神自動車が運行する路線では、紀伊田辺駅から龍神村内まで運行する龍神線は約4万3,000人、紀伊田辺駅から大塔地域及び中辺路町を経由して本宮町まで運行する熊野本宮線は約8万1,000人、紀伊田辺駅から上芳養まで運行する上芳養線は約1万3,000人、紀伊田辺駅から長野や伏菟野地域まで運行する長野線は約3,000人となっております。
次に、明光バスでは、紀伊田辺駅から白浜町まで運行する白浜田辺線が約34万6,000人、紀伊田辺駅から中辺路町まで運行する熊野線は約5万7,000人、続いて、熊野交通では、本宮町から新宮市まで運行する川丈線は約9万4,000人となっています。以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 既存路線で約65万7,000人という数字を言われ、白浜方面に向かうのがこのうちの6割ぐらいで、虎ヶ峰を越えて龍神へ行くものが4万3,000人、大塔、中辺路、本宮方面が8万1,000人ということですが、上芳養線で1万3,000人、長野線で3,000人ということで、やはり旧市内の利用が少ないように思います。
そこで、高齢者や障害者の買い物や通院など、バスの利用が困難な方の移動手段の現状をどのようにされていると把握されているかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 高齢者や障害者等のバス利用が困難な方の移動手段の現状について、お答え申し上げます。
田辺市
公共交通再編計画の策定の過程で実施いたしました自治組織等への
アンケート調査の結果によりますと、二輪車や四輪車等の自家用自動車を持たない世帯のバス以外の移動手段については、旧田辺市内では、タクシーの利用が最も多く、続いて徒歩や自転車、次に近所の方や知人の車に同乗するといった順になっています。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 参考資料を二つ出しておりますが、参考資料1で、旧田辺の地図に路線バスの通っているところを書いているのですが、上芳養のほうから駅まで来ているのがピンク色、駅から龍神向けに行くのがオレンジ色、そして駅から長野のほうに行くのが黄色、そして白浜に行く明光バスの路線が青で、もう一つ明光で文里を通って上富田から中辺路向けに行くのが緑という形であらわしています。
これを見ますと、もともとあった路線が大幅に減少、なくなっております。以前あった明洋団地や目良団地、稲成谷、
上秋津~西谷線、そして田辺の町なかを走るところが銀座、海蔵寺通りが拡幅されてバス路線がそちらに移りましたので、駅前新通りや湊本通り、北新町、栄町をバスが通らなくなって、市街地のバス路線が大きな空白地域をつくった状況になっています。バス停まで行けない高齢者が増加し、
買い物困難者が多く発生するという状況が生まれています。
このような現状について、どのように認識しているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 市街地においてバスを利用することができない高齢者等の状況の認識について、お答え申し上げます。
平成26年以降の路線バスの再編により廃止となった路線や、そもそも路線バスが運行していない地域にお住まいの方々、とりわけ自力での移動手段を持たない高齢者の方にとりましては、路線バスを利用することが難しい状況にあると考えてございます。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 以前から、高齢の方に出かける際はどうされていますかといろいろお話を聞きますと、今言われたように
タクシー利用が多いということです。病院に行ったり、中にはスーパーに行ったりという形で
タクシー利用をされている方もおりますが、多くの高齢の方は少ない年金で生活されていますので、なかなかタクシーを利用するというのが難しい現状があると認識しています。
そして、先ほどの参考資料の地図でも示しましたように、万呂地域でも左会津川の左岸のほうにバスは通っているのですが、週3日で1日多分4便だったと思うので、なかなか利用するにも利用しにくいし、やはり右岸からバス停まで行くというのが大変厳しいという方がふえてきています。
そして、明洋団地や目良団地に住む方々も団地ができて40年以上たつということで高齢の方がたくさんふえています。そして、屋敷町でも多くの高齢の方がふえてきて、なかなかバスを利用して出かけるというのが本当に困難な状況が生まれています。
そういう中で、田辺市の将来の目指す交通体系の姿についてお伺いします。
第2次田辺市総合計画の地域福祉のところで、それぞれの地域においてそこに住む人々が安心して暮らせると書かれています。そして、高齢者福祉のところでは、高齢者が住みなれた地域で自立した生活を送ることができる。そして、同じく総合計画の
生活基盤交通のところで、住民の生活に欠かせない生活交通が確保、維持されるということが言われています。
この田辺市の
公共交通再編計画は平成27年3月に出ているのですが、いろいろ書かれていまして、田辺市の
公共交通再編に係る主な課題というところで、高齢化の進行や自動車移動の状況もあり、運転者や歩行者等の安全面の観点から対策が必要です。そして、
交通事業者数の減少や業務規模の縮小が続いた場合、公共交通の移動が制約されることになります。そして、多くの福祉目的の輸送が実施されているが、これらの事業対象に該当しない層の移動手段については、対策が不十分であり、移動の手段が限定されている場合があります。
そして、再編に向けた行政、事業者、地域の体制づくりの中で、既存の交通基盤では賄えない市民の移動ニーズを充足する新たな運行、補助手法の検討が必要ですと書かれています。その中で、今いろいろと考えられている路線バスや住民バスなどの整備だけで課題が解決されると考えているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 路線バスや住民バス等だけで問題を解決するのは難しいのではないかとの御質問にお答え申し上げます。
公共交通再編計画の基本方針にもございますが、市内の
公共交通体系につきましては、現行の体系を基本として、継続的に改善・効率化を図りながら持続的な運行が可能となるよう検討を行っていくこと。また、再編が見込まれる路線バスについては、交通事業者による運行継続を可能な限り検討・支援することとしております。
こうしたことからも、路線バスや住民バスの現行の体系を基本に持続的な運行を目指すことに変わりはございませんが、一方で、バス等での日常生活の移動が困難となる状況が生じる、あるいは既に生じている市街地におきましては、現在は
民間タクシーの利用等により、市街地の
公共交通体系を維持しているという状況にございます。以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) なかなか路線バス、住民バスだけでそれを解決するというのは難しいと理解されていると思います。先ほども言いましたように、病院へ出かけたりするのに、
タクシー利用というのが皆さん言われるのですが、深刻な問題として御主人が病気で紀南病院や
南和歌山医療センターに入院した場合に、奥さんが見舞いに行ったり、着がえを持って行ったりということが頻繁に行われるようになるのですが、そのときに、遠い地域から行きますと、
南和歌山医療センターへ行くのに往復で5,000円かかるということが多くの皆さんから言われます。紀南病院へ行くのでも、3,000円ぐらいかかるということで、年金の収入だけではそんなに何度も何度もそういう形で
タクシー利用するというのは本当に経済的に厳しいということが言われています。
そして、以前、相談を受けた方でアパート住まいされている高齢の方で、2人で7万円余りしか年金がない。そして、アパートに住んでいるので、生活保護を受けたらどうですかという話をしたのですが、その夫婦の方は御主人が80代で奥さんが70代ということだったのですが、月のうち何度も病院に通わなければならないということで、絶対に車を手放すことができないというお話がありました。そのことがネックで生活保護を受けられることができずに、アパートも一番安いアパートに住んでいて、大変苦労されていました。
そういうときに、私
たち市議会議員の選挙の後、熊野市に行って
乗り合いタクシーという制度をいろいろ勉強してきたのですが、6月議会で川﨑議員も言いましたように、熊野市では
乗り合いタクシーというのが皆さんに利用されていて、本当に助かっているという声が多く聞かれました。そこで、田辺市でも
乗り合いタクシーを運行することで、こういう交通弱者の皆さんの移動を確保するということができるのではないかと考えます。
乗り合いタクシーによって、自宅から目的地、病院や買い物、催し物、サークル、介護予防など、気軽に出かけられるということで、先ほど部長の答弁にもありましたように、近所の方や家族に送り迎えしてもらうという方もおられるのですが、なかなか自分の都合でそれが十分できないという状況があります。それを解消するために、ぜひこのようなものが必要だと思います。
そして、熊野市では、介護予防、
生きがい対策事業、
認知症対策事業等の参加者に対し、
乗り合いタクシーの料金を無料化するということをやられています。それは、
高齢者福祉事業との連携で新規参加者の開拓、高齢者の外出促進で高齢者の医療費及び介護給付費の抑制を図るというふうに取り組まれています。
このような考え方は田辺市としてどのように認識されるのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 旧田辺市内で
乗り合いタクシーが導入できないかという御質問にお答え申し上げます。
乗り合いタクシーにつきましては、一般乗り合い旅客の許可を受けた事業者が、主に自治体等の要請を受けまして利用者の自宅等から目的地までの区間を予約状況に応じて巡回しながら乗り合わせて輸送する手段で、1回の利用料金が一律300円から500円程度で運行しているものでございます。
旧田辺市内には、民間の
路線バス事業者が2社と民間のタクシー事業者が3社営業しており、
乗り合いタクシーの輸送形態にもよりますが、路線バス事業とのルートの重なりも予想されます。また、乗り合わせての運行ではありますが、自宅から目的地までの送迎となるため、ドア・ツー・ドアの輸送に限りなく近くなり、
民間タクシー事業者と競合することになることから、既存の交通事業者との調整が大きな課題となります。また、旧田辺市内をどのような運行エリアに設定するのか、また、
乗り合いタクシーの導入に伴う運行費用などの課題もございます。
このように旧田辺市内に
乗り合いタクシーを導入するためには、さまざまな課題がありますが、
乗り合いタクシーを導入している自治体において、本市と類似した地域事情や背景等を持った事例を調査するなど、研究してまいりたいと考えてございます。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 6月の答弁と余り変わりがないのですが、6月にも調査研究をいろいろとやっていくという答弁をされていて、ほとんど同じだと思います。先ほども言いましたように、高齢の方で本当に経済的に困っている方、出かけたいけど出かけられないという状況が本当に広がってきています。先ほどは生活保護を受けたらどうですかという話をしたと言いましたが、実際に生活保護を受けておられる方は、医療費は生活保護の対象なので要らないのですが、先ほど言ったように、御主人が
南和歌山医療センターに入院して、その間、何度も着がえや見舞いに行くのに、やはり5,000円ぐらいかかったということで、生活保護費の中からそのお金を捻出するというのは本当に難しい。家族にお願いしても、家族の方もなかなかそのことができないということで、苦労したという話は生活保護を受けている方だけではなくて、大変多くの方から聞きます。
そして、障害を持っている方で、軽い障害で介助の必要のない方も少ない年金と作業所で働いた工賃で生活しているのですが、出かけるのに本当に苦労していて、なかなか行きたいときに行きたいところへ行けないという声があります。そういう方にも1回300円ぐらいという料金でしたら、本当に安心して出かけることができますし、熊野市でお聞きした話では、割と健康な高齢の方は、行きは歩いて買い物をしに行って、帰りは荷物があるので
乗り合いタクシーに来てもらって帰ってくるんだという話で、先ほど言いましたように、介護予防事業に参加するのが無料なので、積極的に参加しているのです。その方は月に7回から10回ぐらい利用されているというお話をしていました。
だから、高齢の方の外出をふやすという意味からも、ぜひこのような
乗り合いタクシーを実施するということが必要だと思いますし、高齢の方が出かけるということができる、精神的にも元気にやれるということが必要だと思いますので、調査研究をしっかりやっていただいて、先ほども言いましたように、高齢の方が出かける元気のあるうちに早く実現して、皆さんに喜んでもらえるようなものになるようにと思っています。
そして、熊野市では、土日に旅行者の方も利用できる巡回タクシーのようなものができていまして、旅行者、観光客にも喜ばれる、市民の方にも喜ばれるという形で実施していますので、ぜひ田辺市の旧市内で
乗り合いタクシーの事業を進めていただければ、多くの高齢の方の利用がふえて、外出がふえて、元気な高齢の方が生き生きと地域で暮らせるという状況になると思いますので、前向きに検討していただきたいと思います。
次に、二つ目の市民に寄り添う相談機能の集約についてということで質問に入ります。私は今まで委員会でも、本会議でも市民が生活に困窮し、税や国保税の滞納問題で市民の生活状況を市当局がしっかり把握し、その方の生活実態に応じた、滞納整理に当たるべきだと発言してきました。市民に困りごとが発生したときに、市役所に気軽に相談できる仕組みがあれば、深刻な状態に陥る前に解決につながるのではないかという思いで、相談窓口をもっとわかりやすくする必要があるのではないかと考え今回質問します。
参考資料の2ですが、今、田辺市には相談窓口が10数カ所あります。その中で、いろいろな相談を受けて、相談窓口のほうで頑張られているのですが、このように10数カ所に分散して、どこへ行ってよいのかわからないなど、市民にとってわかりづらいのではないかと考えますが、今現在の相談状況や市の現状認識についてお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 相談窓口が分散しており、わかりづらいのではないかという御質問にお答え申し上げます。
まず、市における相談窓口についてでございますが、議員の御質問にもございましたが、各課において多種多様な相談が寄せられている状況にございます。相談窓口の設置に当たりましては、それぞれの相談分野ごとに、所管している法律や制度に精通し、また、過去の問題解決の実例等を踏まえ、問題解決に向けて行政サービスを迅速かつ的確に提供していくということが基本であると考えています。
また、相談内容によっては、担当部署だけで問題解決が図られるものではなく、他の課や外部の専門家、専門機関との連携あるいは引き継ぎ等が不可欠な要素であると考えています。
一つの例として、自治振興課で担当している相談業務には、市民・消費生活相談、市民法律相談、行政相談があり、市民法律相談につきましては弁護士に、行政相談につきましては総務省から委嘱された行政相談委員に相談を受けていただいており、また、消費生活相談につきましては県消費生活センター紀南支所と連携し対応しております。
他の課で行っている相談につきましても、先ほど久保議員の参考資料にもございましたが、人権・登記・相続相談、ひきこもり相談、愛あい子育て相談、女性電話相談、外国人相談、介護相談、不登校・いじめ・教育相談、いじめホットライン、家庭児童相談、生活相談等がございます。それぞれ専任の相談員や職員を配置し、対応しておりますが、これら各種相談につきましては、相談内容や相談員等が異なることから、相談に来られた部署で、迅速かつ的確に対応できるよう、相談窓口が担当部署ごとに分かれている状況にございます。
それから、市民の方がわかりにくいのではないかということに対しまして、私たちといたしましては、広報田辺であるとか、ホームページに、相談窓口や日時、場所等を掲載し、どこの相談窓口に行けばよいのかをよりわかりやすい形でお知らせをさせていただいているところであり、レイアウト等の改善にも取り組んでいるところでございます。
また、それぞれの相談窓口の周知のため、広報田辺やホームページ以外にも、チラシの配布やイベント、週間行事等の機会を捉えまして周知に取り組んでおります。
消費生活相談を例にとりますと、全戸へのチラシ配付や市民を対象に開催している消費啓発講座、街頭啓発等の機会に相談窓口等のお知らせをしており、特に高齢者の方につきましては、包括支援センターによる訪問の際に、消費生活に関する注意喚起チラシを配付するなどの周知に努めてございます。
他の相談業務におきましても、相談窓口等の周知に取り組んでおり、またそれぞれの相談業務の名称等からも、それほど相談先がわかりづらい状況ではないものと思っておりますが、より一層市民の方にわかりやすいものとなるよう、今後も各種取り組みを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 担当各課における相談窓口の受付で、今現在、そんなに問題はないと考えているということです。私自身もここに書いてある、ほとんどのところでお話を聞かせてもらいました。いろいろと連携をとりながらという形でしているのですが、中には取り次ぎ的な相談窓口、先ほど答弁にあったように県のほうに取り次いだりとか、法律相談でも月に3~4回ある法律相談で、こういう弁護士に相談できますよという形で言われているのですが、法律相談も1人1回、15分ということで、ほとんど簡単なアドバイスしか受けられない状況ではないかと感じています。
そこで、現状の相談窓口で情報共有はどのようにされているのか。そして、市民の皆さんが抱えている課題や問題の解決はどのように進んでいるのか、対応しているのかについて、お伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 現状の相談窓口における情報共有の状況等についてということで、御質問をいただきました。
それぞれの相談窓口では、相談員は、相手の立場に立った丁寧な聞き取りを心がけ、個人情報の取り扱いについても十分に配慮をしております。また、必要に応じまして関係部署や関係機関と連携を図り対応しております。
例えば、消費生活相談では、複雑な事例等については、県の消費生活センター紀南支所と連携して対応しており、また高齢者の方から相談があった際には、必要に応じて、包括支援センターと連携をとり対応をしております。また、家庭児童相談では、必要に応じて紀南児童相談所や田辺市障害児・者相談支援センターゆめふる等とも連携を図っております。
このように、それぞれの相談業務におきまして、関係する部署や機関等と連携をとりながら、問題の解決に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 連携をとって、いろいろ対策、対応をされているということです。各担当のところに相談窓口があり、広報か何かで周知しているということですが、まだまだ市民の皆さんにとって、困ったことがあったときにどうしてよいかということがわかりにくい状況だと私は理解しています。
そして、市民の皆さんが困ったとき、どこに誰に相談しているのかという疑問が出てきます。そしてもっと相談しやすい窓口が田辺市役所に必要ではないかと思います。
第3次地域福祉計画の中で、ワンストップ相談ということで、地域福祉の関係でそういう取り組みをするということが出ているのです。窓口を集約して、わかりやすい一つの窓口にしてはどうかと思うのですが、その辺について考えをお聞かせください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えします。
まず、市民の方が困られたときの相談先についてでございますが、先ほども企画部長より申し上げましたように、本市では広報紙、ホームページ等におきまして各種相談窓口の周知を図っております。また、庁内の各課におきましては、それぞれ市民の方々から多種多様な相談が寄せられております。市民の方が市に相談する場合、基本的にはそれぞれの分野に応じた専門の相談窓口や所管課に寄せられているものと認識してございます。
一方で、どこに相談したらよいのかわからない場合は、例えば、市の代表電話のほうに「このような場合はどこに相談したらよいですか。」といったお問い合わせの形で日々寄せられておりますし、来庁された場合は、総合受付や各課の窓口においてお尋ねいただくことが多くございます。また、電話、受付、窓口のいずれに寄せられた場合でも、対応した者がお話をお伺いし、その内容に応じて専門の相談窓口や所管課等へ御案内や引き継ぎを行っております。
中には、市の所管する業務ではないものもしばしばございますが、その場合も、関係機関等の連絡先をお伝えしたり、引き継ぎを行ったりする等の対応に努めております。
また、相談しやすい窓口として、ワンストップ相談体制についての御質問でございますが、まず、市の全体的な観点で申し上げますと、市民の方から寄せられる多種多様な御相談に対しましては、問題解決に向けた的確な対応を迅速にできるよう、それぞれの分野の専門の相談窓口におきまして対応することを基本としつつ、内容に応じて関係課や外部の専門機関等との連絡、連携を緊密なものとすることによりまして相談体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
なお、御質問にございました第3次地域福祉計画にお示ししてございますワンストップサービスの拠点につきまして、御説明を申し上げますと、本市では市民総合センターを保健福祉センターと位置づけ、地域包括支援センター、生活相談センター、障害児・者相談支援センターゆめふる、ひきこもり相談窓口、家庭児童相談室を設置するとともに、もとまち保育所に地域子育て支援センター「愛あい」を設置し、個々の住民が抱える課題への相談支援機能の充実に努めております。
これらの相談窓口におきまして、複合的な福祉課題を抱える住民ニーズに対応できるよう、ワンストップで相談を受けとめ、福祉や保健、医療、あるいは就労や年金、生活保護などさまざまな生活上の課題を抱える住民の相談に関係部局が情報を共有し、連携するとともに、適切な機関、制度、サービスにつなぎ、ワンストップサービスの拠点としての機能も果たす体制のものでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 2年前に生活困窮者自立支援法というのができまして、市などの福祉事務所のあるところにはその相談の窓口をつくりなさいということで、市民総合センターに生活相談センターというものができて、関連の部署からのかなりの相談を受けていると聞いております。
この生活相談センターというのは、生活や仕事に不安や悩みを抱えている方、そういう方に支援内容として生活や仕事に心配、不安、悩みを抱えている人を早期に把握し、支援できるようにします。総合相談窓口として生活に困っている人への情報と支援のサービス拠点となります。さまざまな問題を抱えている人に必要な支援を包括的、継続的に提供しますということでできています。そこを中心に市民生活相談課というものをつくって、そこを一つの窓口、相談窓口にして、そこが各担当と連携をとるという形のものをつくってはどうか。それをすることで、名実ともにワンストップの相談窓口ができると思うのですが、まだ決定ではありませんが、ことしの11月から消費生活相談員が配置されるという話も進んでおりますので、そういう方も含めて窓口をつくって、一つにしてはどうかと思うのですが、考え方をお聞かせ願います。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、本市の生活相談センターにおきましては、既に、生活困窮者支援の総合相談窓口として相談を受けとめ、生活に困っている人への情報と支援のサービス拠点としての役割を果たし、さまざまな課題を抱えている方へ必要な支援を包括的・継続的に提供しております。
また、消費生活相談の窓口を初めとする市の各種相談窓口におきましては、市民の方々から寄せられる困りごと相談の中で明らかとなったさまざまな課題につきまして、必要に応じて専門の相談窓口や所管課、関係機関への紹介、連絡、引き継ぎを行っております。
こうした中で、生活に関する課題は多種多様なものがあり、それぞれの課題の解決のためには、基本的には知識経験の蓄積のある専門の相談窓口におきまして対応することが望ましいと考えております。その上で、関係課や外部の専門機関等との連絡、連携の実施をより一層緊密なものとすることによりまして、市民の方が抱える生活上の諸課題の解決に向けた体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 次に、生活再建支援で滞納の解決ということでお伺いします。
今現在、住民税、国保税、市営住宅の家賃や水道料など市に関係する滞納があったとき、担当者はどのような対応をされているのかお聞かせください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えします。
滞納が発生した場合、一般的には、まず督促状、電話等により納付を促すこととなりますが、納付が難しいとの申し出がある場合には、事情を勘案して分割納付等の対応をとっております。また、納付にかかる相談の中で、滞納者の方から生活困窮に関する相談などが寄せられた場合は、関係する相談窓口の御案内を行うなど、個人情報の取り扱いに配慮しつつ関係課等との連携を行っております。
一例を申し上げますと、国民健康保険の収納業務におきましては、納付相談を受け、滞納解消に長期間を要する場合、困窮の可能性があると考え、納付できない特別な事情があるのかをお尋ねすることとなります。
その中で失業等、いわゆる生活困難者と認められる可能性がある事情を伺った際には、生活相談・就労相談の必要があると判断し、福祉の担当部署を御案内しております。
この場合、税法上の守秘義務によりまして、担当部署に情報を直接提供することができませんので、あくまでも御本人に相談に出向いていただく形となります。また、長期債務等では、グレー金利の問題であれば弁護士や司法書士に相談することで問題を解消できる場合があり、この場合は市民法律相談等を御案内しております。
このように、滞納に及んだ根本的な原因に対して、市や関係機関の取り組みで支援が可能なものにつきましては、連携を図り、諸問題を総合的に解消できるよう努めているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 私が予想した以上に、対応されていると答弁ですが、今まで私がかかわってきた場合に、そこまでの相談を受けてくれたことがあったかなということ。今、総務部長が答弁してくれたような、今回そういう取り組みをしっかりしていくべきではないかということの提案です。
今回の質問で、おせっかいという言葉がキーワードで質問するのですが、そういう相談が寄せられた場合、相談を聞きますよという形ですがそうではなくて、滞納があったということは、やはり困難がある、困っていると捉えて、しっかりその人の生活状況を聞き取って、それで滞納の整理、それから生活再建を進めていくということを全職員がそういう立場で、そういう考え方でやる必要があると思うのです。今の話ではかなりできているということですが、全部署でそのようなものがきちんとできているのか。守秘義務などがあるということで、相談者に窓口まで行ってもらうということですが、私は今回、市民に寄り添うということで質問させてもらっていますので、市がもっとかかわって、その人の暮らしを立て直す。生活再建を支援するという立場でやってほしいと考えて、この質問をしているので、滞納を市民からのSOSとして捉えて、相談をしっかり生活支援につなげるという形で本当にできているのか。もう一度お伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
生活困窮世帯には、失業等により収入が少なくなっているケース、一定の収入はあるものの債務返済等のため生計が維持できなくなっているケース、単に支出について自己管理ができず生計のバランスを崩しているケース等さまざまな原因で困窮に陥っている場合が考えられます。
全ての滞納者が生活困窮者であるとは言えないと考えますが、生活相談センターで経済的な相談を受けているケースにつきましては、多くの方が市税等の納付も滞りがちであると話されており、相談者に対し就労支援、住居確保給付金、家計相談支援事業、生活福祉資金貸付制度の活用、そして生活保護制度の説明等を含め、困窮から脱却できるようニーズにあったプランを作成し生活支援を行っているところです。
これまでも庁内各部署に来所された相談者に対しまして、その相談内容に応じ生活相談センターを御案内しておりますが、市税等滞納指導を行っている部署におきましてもさらにセンターとの連携を密にし、生活相談センターの活用を促進させ、相談者の生活再建支援に努めてまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 先ほど言いましたように生活困窮者自立支援法ができ、2年前に生活相談センターができて、そのような連携がとれるとなってきたと思うのですが、それ以前はそのような対応というのはほとんどなかったと思うのです。だから、先ほど言いましたように、生活相談センターを軸に窓口を一本化にして、市民課の横にそういうワンストップ相談ができる、本当にどんなことでも市民の困りごとを相談を受けられるものをつくって、そこのところで一元的に相談を受けて、関係するところにつないで、本当に困っている皆さんに市として生活再建に取り組んでいくということが必要だと思います。
滋賀県野洲市というところで、市民生活相談課というのがあります。この野洲市では、長年いろいろな取り組みをされていて、多重債務のときからいろいろと取り組みがされています。そして今現在、債権管理条例というものをつくって、滞納者が多重債務であったり、生活困窮であるおそれがあるということで、市民生活相談課と税部局が連携したり、そして生活困窮を理由に徴収停止するという取り組みをしたりしています。
今回の私の提案、思いは、困っている市民を市役所から見つけ、生活支援につなげ、生活改善、納付につなげる市民から信頼される市役所になって、頼りがいのある市役所をつくっていくべきだと思っています。
そして、困りごとがあれば、気軽に相談できる体制、生活支援につなげ、生活改善、納付につなげるということです。野洲市は、市民の生活再建を何よりも重視して、納付相談に乗りながら相談者が自立できるようにしています。その仕組みは、債権管理条例(ようこそ滞納していただきました条例)を定め、滞納は生活困窮者のシグナルと捉え、自治体挙げて生活再建の手助けをしています。
市長は「税金を納めてもらう以前に市民の生活が健全でなければならない。市民の生活を壊してまで滞納整理をするのは本末転倒だ。生活を壊さず納付してもらうのが原理原則」とおっしゃっています。また、「自立支援を優先することは、理想論過ぎるという声。全体の奉仕者である公務員が個人のためにそこまでやっていいのかなどの指摘もある。しかし、目の前の1人を救えなければ問題は解決しない」と市長は力を込めて言っています。困っている市民一人一人を、債権管理条例やくらし支え合い条例などをつくり支援しています。市のトップの思い熱意が、市民の安心・安全な暮らしを支え、職員も市民のためにと頑張っています。
そして、先ほどの熊野市で行っている
乗り合いタクシーのところでも、市長の決断で実現しています。職員は市民の願いに答えるために、前向きに奮闘されています。市民利用者は出かけることを楽しみにしていて、市役所を信頼していますし、大変喜ばれています。
タクシー事業者で働くオペレーターは仕事をてきぱきこなし、運転手さんは優しく利用者の人気者になっています。
市民に喜んでいただくのが行政の仕事ではないでしょうか。トップの決断が重要だということを訴えて、今回の質問を終わります。ありがとうございました。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前11時00分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時10分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、13番、二葉昌彦君の登壇を許可いたします。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 皆さん、こんにちは。13番、誠和会、二葉昌彦、一般質問させていただきます。
私たちが毎日生活をする中で、必ず何らかのごみを出します。今回、私たちが生活をする中で、身近な問題、ごみ問題についてお伺いしたいと思います。大項目1としまして、循環型社会を構築する中で、ごみ回収とリサイクル活動について。その中の小項目1としまして、本市の一般廃棄物処理状況について。2、資源ごみ集団回収の実績と今後の取り組みについて。3、生ごみ処理機器購入費補助金の実績と効果について。4、食品廃棄物の状況と残食のリサイクルについて。5、食育を通しての家庭教育、学校教育について、一問一答でお伺いしたいと思います。
環境省は、平成29年3月に、平成27年度における全国の一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果を発表しました。ごみの排出は4,398万トン、東京ドーム約118杯分のごみが排出されております。1人1日当たりのごみの排出量939グラム、1人約1キロのごみを出しており、年間1家庭で1から2トンのごみが出されていることになります。
また、日本は、ごみの焼却場数は断トツで世界一であります。日本の焼却場数は1,141施設で、ごみ大国であります。リサイクルは進んでいるが、大量生産、大量消費、これが続く限り大量のごみの排出をとめることができない。その中で、3R(排出抑制、再利用、再生利用)の取り組みベスト3が紹介されておりました。人口別に、3部門で紹介されていて、田辺市と同じ規模の人口10万人未満のクラスで、取り組みが印象に残ったのが、徳島県神山町の1人当たりのごみの排出量272グラム、また、リサイクルの部では、徳島県上勝町の79.5%と小さい町であるが徳島県の取り組みが印象に残りました。上勝町では「ごみゼロ」宣言をし、住民一人一人が問題意識を持ち、全員でまちづくりに取り組む意識改革をされ、持続可能な取り組みをされているのが印象に残っております。
また、地区の役員をする中、カラスが生ごみを荒らすごみ問題、ごみの放置、ごみのポイ捨て問題、ごみ集積所の問題等、地域の方々が生活する中での身近な問題として、今回の質問に至りました。
そこで、小項目1、田辺市一般廃棄物処理状況についてお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長、松場 聡君。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の田辺市一般廃棄物処理状況についてお答えいたします。
平成28年度における一般廃棄物の処理状況でございますが、ごみ処理総量としましては2万8,078トンであり、10年前の平成18年度と比較しますと16.9%減少してございます。
また、ペットボトルやプラスチック類、アルミ缶やスチ一ル缶及び古紙類などの資源化量の平成28年度実績につきましては、5,662トンであり、資源化率は20.2%となっており、10年前と比較いたしまして、2.9%増加してございます。
また、環境省が発表しています平成27年度の資源化率の全国平均が20.4%となっていますので、ほぼ同じ値となってございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) そこで、田辺市民1人当たりのごみの量とそれにかかる費用がどれぐらいなのかお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 田辺市民1人当たりのごみの量及びそれにかかる費用についてお答えいたします。
平成28年度における田辺市民1人1日当たりのごみ排出量は、平成28年9月末時点における人口7万6,654人で算出しますと1,004グラムでございます。また、平成28年度におけるごみ処理に要する経費は焼却施設の大規模改修等の臨時的経費を除いた額で約8億3,000万円、市民1人当たり約1万1,000円の経費を要しています。そのうち燃えるごみの処理に要する経費、いわゆる焼却経費につきましては、平成28年度で約2億500万円となっておりまして、市民1人当たりに要する経費は約2,600円となってございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) そこで、1人当たりのごみの排出量が全国平均に比べ少し高くなっているように思います。何か原因があるのか、お伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 1人当たりのごみの排出量が全国平均に比べて高くなっているのは何か原因があるのかとの御質問についてお答えします。
1人当たりの排出量は、ごみ処理総量を人口で除して算出いたします。このごみ処理総量には観光客等から排出されるごみも含まれておりまして、全国的にも観光地の自治体における1人当たりのごみ排出量は、比較的高い数値を示していることから、本市においても若干高くなっているものと考えてございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 人が訪れるとごみの量がふえるということは、これから田辺地方も観光客がふえ、観光客が落とすごみの量も今以上に増加していくことだと思います。観光ごみ問題は、これからの田辺市の課題になってくることだと思いますので、対策をよろしくお願い申し上げます。
続いて、秋津地区で気になる生ごみ被害ですが、イタチから始まりまして、今はカラスが生ごみを荒らしています。そこで、田辺地区の鳥獣によるごみ被害の状況をお聞きします。また、小さい子供がいるお母さんの話ですが、急に大きなカラスが舞いおりてきて、恐怖感を感じたという話を聞きました。「子供に襲いかかることはないのか」と随分心配されておりました。鳥獣によるごみ被害とカラスが小さい子供に被害を与えることはないのか当局にお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 鳥獣によるごみ被害の状況についてお答えいたします。
集積所における鳥獣被害の件数につきましては把握してございませんが、廃棄物処理課へ御相談があった場合におきましては、その対策として、ごみ集積かごの設置補助や網の無料配布などを行っております。なお、子供に被害を与えることはないのかとのことでございますが、ごみ集積所において鳥獣等による子供たちへの被害が懸念される場合には、関係課と連携しながら対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 地域でもカラス対策としまして、網を用意していただきました。網の取りつけは、それぞれ工夫してやってくれています。少しでも自分たちで対応しようという気持ちを持ってもらうことで、地域でのかかわりを今以上に持ってもらえることだと期待しています。
続いて、地域のごみの収集日に気づくことですが、プラスチックごみの量が年々多くなり、集積場がいっぱいになっています。きょう、秋津地区はプラスチックのごみの収集日です。ここに来るときでもそうだったのですが、集積場は、山積みになっておりました。プラスチックのごみの量がふえているように感じますが、田辺市の状況をお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 御質問のプラスチックごみの量がふえているのではないかについてでございます。
平成28年度における家庭から排出されたプラスチックのごみ量は1,616トンで10年前の平成18年度の排出量1,597トンと比較すると約1%の増加となってございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 公共施設や市内のスーパーの店頭に、回収ボックスの設置等、当局も対応していただいていますが、何分プラスチックごみはかさばるので、どうしてもごみ袋の数が多くなり、集積場もいっぱいになるのだと思います。プラスチックごみの出し方の工夫、そして回収ボックス設置場の増加等考えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
続いて、小項目2に移りたいと思います。
資源ごみ集団回収の実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。子供の人数も多く活気のあったころは、年3回ほどの取り組みもあり、子供たちには、地域での環境の勉強、また、奨励金をいただき、子供会でもそれを生かした活動もでき、よい面がたくさんあったように思います。しかし、今では子供の人数も減る中で、子供会離れも起こり、子供会を解散のするところも出てきました。継続していくことは可能ではあると思いますが、今後ますます団体の数は減少すると思います。今後の補助のあり方等、当局のお考えをお聞きしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の資源ごみ集団回収の実績と今後の取り組みについてお答えいたします。
本市の資源ごみ集団回収事業につきましては、平成3年度から実施しておりまして、その趣旨はごみの減量及び資源の有効利用を促進することであり、子どもクラブや町内会及び女性会などが、自主的に実施する古紙類などの集団回収に対して、奨励金の交付を行うものであります。
今年度は123団体が活動していただいております。奨励金の額は、回収した古紙類などの重量1キロ当たり4円を交付しております。
回収実績としましては、平成28年度実績で2,028トンでありました。年間回収量が最も多かった平成18年度の3,098トンに比べまして、1,065トン減少している状況でございますが、団体数については大きな変動はなく、多くの市民の方々に継続して取り組んでいただいている状況でございます。
古紙回収量が減少している要因につきましては、インターネットの普及などにより雑誌や新聞の購読数が減少したことによるものが大きいと考えてございます。また、本市の資源化率20.2%のうち約7%分が集団回収によるもので、全体の約3分の1を占めてございます。
毎年、集団回収を実施していただいている団体の中で、前年度実績で特に回収量が多い、または毎月継続して活動していただいた団体に対しまして、市から感謝状をお渡しし、引き続いて継続した活動をお願いしているところでございます。
ごみを減らすためには市民の協力が不可欠でございます。今後も環境学習会や広報たなべ、公民館報などで資源ごみ集団回収奨励補助金制度の周知を継続し、1団体でも多く活動していただけるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 団体数はさほど変わりないと思いますが、団体への加入人数が減少している中、参加してくれる団体をふやす工夫を早目に考えていただき、対策していただきたいと思っております。
続いて、小項目3の生ごみ処理機器購入費補助金の実績についてお伺いいたします。
生ごみ処理機(電動式、バケツ式、コンポスト)等の取り組みは、必要でよい取り組みであると思いますが、ここ数年を見る限り補助利用数が下降ぎみであるように感じます。この補助金の実績と効果をどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の生ごみ処理機器購入実績と効果についてお答えいたします。
生ごみ処理機器購入費補助につきましては、合併前の各市町村でそれぞれ実施してまいりました。合併後、本制度につきましては、補助の対象品目を電気式、コンポスト式、バケツ式と定め、購入費の2分の1の上限で2万円の補助を行っているところでございます。
平成28年度までの補助実績につきましては、電気式生ごみ処理機で1,728台、コンポストで1,796台、バケツ式で1,328台、累計合計台数は4,852台であります。これら補助を実施した処理機器について全て継続的に使用されていると仮定した場合、平成29年4月の全世帯3万5,486世帯で換算いたしますと、普及率は約13.7%となります。
また、効果につきましては、生ごみ処理機器の使用による具体的なごみ減量データは把握しておりませんが、生ごみ処理に関する資料によりますと、生ごみ処理機器が10%普及するとごみ排出量が2%減少すると言われており、これに基づき試算してみますと、普及率が13.7%でございますので、排出量が約3%減少することと推計され、先ほど申し上げました平成28年度のごみ処理総量2万8,078トンのうち、家庭から排出された燃えるごみが1万2,385トンでございますので、約370トンが減量されたものと試算されます。
また、減量化以外にも生ごみの水分が垂れなくなり、集積所における悪臭やカラス・猫などの被害も少なくなるなどの一定の効果があるものと考えております。
しかし、生ごみ処理機器購入に係る補助申請件数につきましては、平成21年度以降年間50件を下回る実績でございます。今後につきましては、生ごみ処理機器補助制度の周知徹底や効果等の啓発活動に取り組み、さらに多くの市民の皆様に御利用いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 生ごみの約8割が水分とも言われています。焼却する廃棄物の中に水分が多く含まれていれば、水分の蒸発に熱が使われ、それだけ廃棄物の燃焼効果が低下する。そこで、札幌市の取り組みですが、家庭で手軽に水切りをすることによって、燃焼効率を上げ、少ないエネルギーでごみ処理に取り組んでいます。このようによい参考事例があります。田辺市においても市民全体で、ごみのことを考える新しい取り組み、まずはモデル地区をつくり、生ごみの水分を減らし、ごみ出しをする。家庭で簡単にできる取り組み、目標水分1割減、まずは簡単なところから目指し、環境問題に取り組む市民意識を向上させる取り組みは、どうかと考えますが当局のお考えをお伺いします。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) ただいま議員から御提案いただきました、台所の生ごみ水切りの必要性については認識しておりまして、これまでも環境学習会等において市民の皆様にお願いをしてきているところでございます。
今後も機会をとらまえまして、ごみを出す前に水分を減らす工夫など普及啓発に努めてまいりたいと考えていますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) そこで、非常にごみが多くなっていると思うのです。新しい取り組み、市民全体で取り組んでいくという姿勢が大事だと思うので、何とぞ対策を考えていただきたいと思っております。
続いて、食品廃棄物の状況と残食のリサイクルについてお伺いいたします。生ごみの約8割が水分であり、その水分を少しでも減らす取り組み、市民意識を育てることが大事であるということを提案しました。田辺市においても家庭ごみ、事業所から相当な量の生ごみが排出していると思いますが、本市ではどれくらいの量が出されているのか、全て焼却なのか、リサイクルする部分があるのかお伺いします。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○
市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問の食品廃棄物の状況と残食のリサイクルについての本市で排出される食品廃棄物の量及び全て焼却処理されているかについてお答えいたします。
平成28年度にごみ処理場へ搬入された燃えるごみは1万9,981トンございました。そのうち生ごみの重量については、燃えるごみの中に含まれている生ごみの割合が過去5年間の平均値が22.9%となってございますので、約4,580トンと推計されます。
また、ごみ処理場へ搬入された燃えるごみにつきましては、ごみ収集車両から直接焼却施設のごみピットに投入されますので、全量焼却処理を行ってございます。
(
市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 引き続いて、学校給食の残食のリサイクルについてですが、学校給食から発生する食品ロス等の
アンケート調査が、市区町村を対象に実施され、その結果が報告されました。田辺市においては、給食残食量は少ないと聞いていますが、その残食の処理をどのようにしているのか、それぞれの調理場での状況をお伺いします。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の給食の残食の処理はどのように行っているのかについてお答えいたします。
本市には、共同調理場が4カ所、自校式調理場が9カ所の合計13の調理場がありますが、主な調理場として、市内の小中学校の約70%の児童生徒に給食を提供している城山台学校給食センターでは、平成28年度で約80万7,000食の給食を提供しており、その日の献立によって残食量に違いはありますが、1食当たり約20グラム、1日当たり平均で約90キログラムの残食があります。
その処理については、毎日の残食を御飯類とそれ以外の物に仕分け、御飯類については、そのままの状態で、また、それ以外の物については、脱水機で水分を少なくした後、生ごみ処理機で乾燥させた上で、いずれも畜産農家の方に引き取っていただき、家畜の飼料等として再利用しております。
このほか、9カ所の自校式調理場においては、残食がほとんど出ないという状況でありますが、大塔中辺路給食センター等の共同調理場においては、残食が出た場合は、城山台学校給食センターと同様に、家畜の飼料等として再利用したり、生ごみ処理機により処理をしているところでございます。以上でございます。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 給食は地域によって残食の多いところもあるようですが、田辺地区は少なく、学生の評判もよく安心しています。給食の量も残食の様子を見て、給食センターで考えてくれるみたいで先生方は助かっているみたいです。子供たちにとって、給食は食育、栄養面を考える中で、大事な部分を占めているように思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
続いて、小項目5の食育を通しての家庭教育、学校教育についてお伺いしたいと思います。
給食による残食の処理は、焼却せず、家畜の飼料として、また、脱水機で水分を少なくした後も乾燥させ家畜農家の方に引き取っていただき再利用しているとのことでした。そこで、食育を熱心に取り組んでいる小学校を紹介します。高知県の初月小学校の取り組みですが、残食から発酵させ堆肥、リサイクル肥料をつくり、畑に還元して、それを利用して作物をつくる循環型社会、環境教育を実践しています。各学年にテーマがあり、4年生では、ミニトマト、大根の苗を植え、雑草抜きから収穫、そして近くの店で販売の経験をし、食育の大切さを伝えています。実践する中で、作物をつくる農家の方々への苦労、食べ物へのありがたさがわかり、また、1年生から6年生までの取り組みにおいて、地域の特産物を知り、食材を給食で食べることにより、地域のよさを知り、誇りに思う気持ちを育てているように思います。
当局においても循環型社会を考える中で、こうした取り組みは可能であると思います。当局のお考えをお伺いします。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長、中村久仁生君。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 循環型社会を目指した教育について、学校教育ではどのような取り組みができるかということについてお答えいたします。
限りある資源を効率よく利用するとともに、再利用の割合を高めていく循環型社会を推進するため、学校教育においても取り組みを進めることは重要だと考えております。現行のカリキュラムにも各教科にその内容が含まれており、小学校家庭科では、「食生活とごみ」「買い物の仕方」などの単元の中で、資源を生かすことやごみを減らすことを学習しております。
また、社会科では、「ごみの始末と活用」の単元の中で、地域の廃棄物処理方法等を調査し、廃棄物処理が果たす役割や意味を考えさせ、廃棄物を資源として活用することを学習しております。中学校においても、理科、家庭科、社会科において、資源循環型社会への転換を図るための省資源、省エネルギー及びリサイクルなどの必要性に気づかせ、みずからの生活を見直し、これらの課題について考え続けることを学習しております。
議員からの御紹介にありました高知県の小学校のように、農作物の栽培、消費、肥料への還元、さらに販売までを一貫して行っている学校はございませんが、当市でも多くの小・中学校でサツマイモ、カボチャ、プチトマトなどを育てており、子供たちは食材の学習、調理などを通して、農家の方々への感謝の気持ちや食べ物のありがたさを学んでおります。また、校内のイチョウから銀杏を収穫し、加工、販売している学校、地域の田んぼで田植え、稲刈りを行っている学校、地元の特産物である梅や柿などを用いた調理実習を行っている学校もあります。
さらに、当市が推進している学社融合の取り組みの中で、地域の方々をゲストティーチャーに招いた郷土料理の実習や、地元の食材を生かした創作料理の販売などを通して、地域への愛着や誇りに思う気持ちを育んでおります。
次期学習指導要領においても循環型社会を目指した学習が引き継がれており、今後とも、小・中学校でこれまでの取り組みを継続、発展させていきたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 引き続いて、公民館行事の中で、親子料理教室を開催したときのことですが、コロッケづくりをしました。コロッケは家でつくるものと思っていましたが、参加した多くの子供たちは、コロッケはスーパーで買うものと聞き驚いたことがあります。また、以前は、食事のときに姿勢、箸の持ち方、残さないで食べる、家庭でのしつけが厳しく言われましたが、今は随分変わってきているように思います。そのような中で、家庭の意識を変えていくことも重要であると考えますが、学校としてできることがあるのかお聞きしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 家庭教育に学校がどのようにかかわっていけるのかという趣旨であろうと思いますので、お答えさせていただきます。
田辺市では、今年度自校や他校で子供たちの食育の授業を行うことができる栄養教諭が4名から6名にふえました。これまでより一層食育の充実に努めたいと考えております。また、学校での児童・生徒への指導だけでなく、家庭や地域への働きかけも積極的に行っております。
家庭への啓発として、毎月の献立表のほかに給食だよりの発行、家庭にそれぞれ配布しております。市のホームページには、お勧めメニューの写真や調理方法などを公開しております。また、保護者を対象とした給食試食会を実施し、新食材やメニューについての意見交換を行い、食育への理解を深めていただいております。そのほかにも、朝食の料理方法を紹介している学校や、参観日に、先ほど言いました2名増加していただきました栄養教諭によります食育講演会を実施している学校、食に関する月目標を決めて家庭との連携を図っている学校などもございます。
さらに、保護者だけでなく、食に対する意識を地域全体に広げるために、ラジオを通して献立を紹介する取り組みも行われております。議員おっしゃるとおり、食育への意識を高めるためには、児童・生徒への指導だけでなく、家庭の協力も大変重要であるため、今後も広く啓発に努めていきたいと考えております。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) 学校給食においても地元産の食材は使われていますが、もっと地元の食材を使うことはできないかと思います。全てが地元産ということは無理ではあるが、なるべく多く使用することで、地元の農家の方もやりがいをもって、作物をつくる仕事ができ、地産地消を実践できると思いますが、当局のお考えをお伺いしたいと思います。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の地産地消の実践についてお答えいたします。
地元で生産された食材を使っての学校給食は、子供たちの生産者への感謝の気持ちと生産物に対する関心と理解が深められ、食育という教育の一環としても重要であることから、学校給食においては、このことを十分理解した上で地元産の食材を取り入れた献立を提供するよう心がけているところでございます。
例えば、城山台学校給食センターでは、毎月約20種類の野菜を使用していますが、その産地は市内産、県内産、国内産の順に優先して給食に使用しており、特に市内産の野菜については、城山台学校給食センターが稼動することに合わせて設立されたJA紀南学校給食食材生産研究会の会員の皆様につくっていただいた野菜から、納入可能な市内産野菜を優先的に使用するという体制をとっているところであります。
また、お米につきましては、100%県内産を使用しており、他の食材につきましても、市内で生産・製造されたものは優先的に使用するなど、できる限り地元の食材で給食を提供できるよう努めているところでございます。また、本市の名産である梅は、梅干しでの提供のほか、練り梅を使用した梅味の献立を取り入れたり、旬の時期によって地元産のバレンシアオレンジや温州ミカン、ポンカン、ネーブルオレンジ等、地元の名産品を取り入れるなど、地産地消の推進に努めているところでございます。
今後とも、給食費を負担していただいている保護者の御理解のもと、できる限り地場産物の利用に努めるとともに、毎月の献立表や給食だよりなどを通して地元食材利用の周知を図りながら、地産地消の推進に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 二葉昌彦君。
(13番 二葉昌彦君 登壇)
○13番(二葉昌彦君) ごみのことを考えますと、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会のあり方を見直していかなくてはなりません。以前、使わない電気を消して、CO2の削減をしようという取り組みに参加したことがあります。よい取り組みでしたが、なかなか持続していくことは難しいことでした。みんなで取り組むことができる新しい仕組みづくり、人材育成、教育が必要になり、行き着くところは、人づくりになってくるように思います。持続可能な社会の構築のために、人づくり、そのための教育をお願いし、今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(13番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、13番、二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時48分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 市橋宗行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 市橋宗行君) 続いて、7番、宮井 章君の登壇を許可いたします。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 皆さんこんにちは。7番の紀新会の宮井 章でございます。ただいま、議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。何分、初めての一般質問でございますので、少々緊張もしております。お聞き苦しい点など多々あろうかと思いますけれども、何とぞ御容赦のほどよろしくお願いいたします。
さて、9月に入りまして、日中はまだまだ日差しが厳しくございますけれども、夕暮れからは幾分か涼しくなりまして、鈴虫の声も聞こえ始め、少しずつ秋らしくなってきているように思います。しかしながら、この時期は台風発生・台風到来の季節でもございます。今週末にも台風18号が近畿地方に接近するということで、その影響を私も心配しているところでございます。特に近年の状況を見てみますと、異常気象等を踏まえた危機管理、いわゆる想定外を想定したとでもいう危機管理が必要でございます。そして、それなりの対策と備えをしっかりとしておきたいものであります。
そこで本日の一般質問としては、そういったことを踏まえまして、まず最初に第1項目として、異常気象からなる山地災害と森林保全について、続いての質問は、第1項目の案件内容を補完でき得るであろう、全国森林環境税の創設について、以上二つを大項目として、それぞれ分割質問方式によりお聞きいたします。
まず質問するに当たりまして、簡単に田辺市の森林概況から触れてみたいと思います。
田辺市の森林率については、和歌山県農林水産部の森林・林業局刊行の資料によりますと、平成29年4月1日現在区域面積が10万2,691ヘクタールに対しまして、森林面積は9万827ヘクタールと、約88%を占めております。これは田辺市が非常に森林資源が豊かであり、また私たちが、いかに森林に囲まれ、森林に抱かれた生活環境にいるかがわかると思います。
それゆえに、森林整備保全状況のいかんによっては、その森林の持つ公益的、多面的機能が損なわれることとなり、私たち市民の生活環境に大きく関係し影響してくると考えられます。また田辺市の保安林の指定面積においては森林面積全体の52%となっており、これは県内の他市町村と比べましても非常に高い数値であります。これも森林においての田辺市の状況の中で見る特徴の一つでもあります。さらに関連しまして、森林の持つ多面的機能、私、言葉にしましたけれども、多面的機能というのは一般の方は気づかないところでございますが、あえて言いますと、生物多様性保全機能・地球環境保全機能・土砂災害防止機能・土壌保全機能・水源涵養機能・快適環境形成機能・保健レクリエーション機能・文化機能・物質生産機能と、たくさんの機能区分があるわけでございます。
今回は林野庁等が、随時調査、昭和55年から8回に分けて林野庁、総務庁等々が調査したものがございます。その中で、「国民が森林に期待する働きについての意識調査等の世論調査」の中から、8回のうち7回は土砂災害の防止機能を取り上げられております。長期にわたって特に関心の高かった土砂災害防止機能を取り上げて質問に入っていきたいと思います。
まず大項目1としまして、近年各地域で頻発しております異常気象によります局地豪雨から発生する山地災害より、森林保全を絡めた市民生活の安心安全をテーマとして、集中豪雨による山地災害から見た森林保全整備の現状とあり方について、少々要望も含めましてお聞きしたいと思います。
今、全国各地で異常気象によります予測できない集中豪雨による山地災害が多く発生しているところでございます。地球温暖化・気候変動等の要因によりまして、アメダス計測地点での1時間降雨量が50ミリ以上、1日降雨量400ミリ以上などの激しい降雨の回数は年々増加傾向にあります。先日、9月12日に、龍神村でも時間雨量が55ミリという激しい雨が降りまして、一時、住民に対しまして避難勧告が出されることとなっておりました。私の住んでいる栗栖川地区ですが、自宅の後ろにちょうどアメダスの観測計がございますが、栗栖川でも39.5ミリと、まとまった降雨がありました、近年においては、平成23年の紀伊半島大水害を初め、平成24年の九州豪雨災害、平成26年の広島豪雨災害、平成27年の関東・東北豪雨など激甚な災害が全国各地で頻発している状況でございます。
記憶に新しい中では、今年の7月5日の福岡県朝倉市では、1時間当たりの降雨量が129ミリと観測史上最大を記録し、24時間雨量は545ミリに達し、大分県日田市でも370ミリと観測史上最大を記録することとなりました。
また、人的被害としましては、7月6日午前8時30分までに福岡・大分両県を中心にした合計約51万7,900人にものぼる方が避難指示や避難勧告が発表された中、大変な被害をこうむりました。両県合計29地区の集落が一時孤立状態となっております。さらに8月3日に消防庁が発表しました情報によりますと、福岡県で33名、大分県日田市で3名の計36人のとうとい命が奪われることとなっております。また、福岡県朝倉市で5人の方が行方不明になっており、まだまだ災害復旧には大きな労力と時間がかかると思われます。被災された皆様方、及び関係者の方々には、心からお見舞い申し上げたいと思います。
アメダス雨量計の設置されていない場所も含めましたレーダー解析値で記録された総雨量は約1,000ミリに達し、もはや30年に一度、50年に一度という想定外という簡単な言葉では片づけられない災害が次々と発生しております。これからも、記録的短時間大雨情報が出されるなどの地球温暖化を起因とした異常気象が多く発生することが予測されておりまして、山地災害発生のリスクが、今後一層高まると思われます。
そういった中、平成29年度の林野庁の公共事業の現状と課題の中にも林業の成長産業化はもとより、地球温暖化対策と並びまして、集中豪雨や地震等によります災害発生を懸念し、事前防災・減災の観点から森林の効用によります防災力・減災力の強化が必要であり、緑の国土強靭化の実現に向けた森林整備の推進が叫ばれているところでございます。
やはり、地域の安全・安心を確保するためには、適正な森林整備を行い、土壌保全機能を高め、災害外力に耐え得る森林の育成をすることによりまして、山地災害による被害を軽減する事前防災・減災対策が必要不可欠になっていると思われます。
そこで、我が田辺市でもいま一度、現況を確認しながら、山間部の森林の効用、防災力・減災力につきまして見直し強化していく必要があるのでないでしょうか。
そこで、関連しまして、以下4点についてお聞きいたします。
まず1点目としましては、特に人家、公共施設等々を保全対象としております山地災害危険地区、そして土砂災害危険箇所について、森林現況はどうなっているのか、また山地防災力の強化に資する森林保全整備のあり方ついてお聞きします。
2点目としまして、未整備森林はいろいろな定義がありますが、その中でも放置林・条件不利森林等々の現況把握についてですが、未整備森林等について現況把握はされているのか、また今後の整備推進はどうしていくのかお聞きします。
3点目として、予防治山の観点から田辺市の山林を遠望し、眺望してみますと、ここ数年で多くの小規模崩壊、山腹の崩壊が見受けられます。私の記憶では、以前はよく施工されておりましたが、小規模山腹の復旧治山工事は、ここ十数年要望・施工されていないと思います。小規模復旧治山・予防治山については、その保全対象や地区指定・事業費等、いろいろとある採択基準・採択要件により取り上げるには、いろいろと難しい部分もあろうかと思いますが、災害に対して市民の皆さんが非常に敏感になっている時節でございます。担当部局の現地踏査と各森林組合等からの情報提供によりしっかりと現状を把握し、関係機関への要望と提案をしていただきたいと思いますが、当局の見解をお聞かせ願いたいと思います。
あわせて、4点目としまして、先ほども述べましたように、我が田辺市の森林面積のうち約52%の半分以上が保安林であり、この意味合いは非常に大きいものと考えております。その17種類ある保安林種の中より、今回は山地災害をテーマにしている関係から、特に土砂流出の防備林と土砂崩壊防備林について、その機能を高め、維持していくためにはどういった森林管理をしていくか、どういった施業をしていくのかといったことについてお聞きしたいと思います。
以上について、県の担当部局に帰属する内容も含んでおりますので、市当局として答え得る範囲で結構でございますので、よろしくお願いいたします。以上です。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 7番、宮井 章君の質問に対する当局の答弁を求めます。
森林局長、鈴木徳久君。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 御質問の近年における異常気象を起因とした山地災害と森林保全についての山地災害危険地区・土砂災害危険箇所の森林現況と山地防災力の強化に資する森林保全整備につきまして、お答えいたします。
田辺市管内の山地災害危険地区指定箇所数は、民有林、国有林を含めて、山腹崩壊危険地区が1,546カ所、崩壊土砂流出危険地区が1,177カ所、地すべり危険地区が5カ所の合計2,728カ所あり、指定面積合計が市内林野面積の約45%に当たる4万750ヘクタールであります。
また、田辺市管内の土砂災害危険箇所数は、土石流危険渓流が863カ所、地すべり危険箇所が85カ所、急傾斜地崩壊危険箇所が2,167カ所の合計3,115カ所であります。
山地災害危険地区・土砂災害危険箇所に指定されている区域の現況は、スギ・ヒノキの人工林が多い状況となっております。これらの人工林においては、間伐などの適切な森林整備が実施されない場合、木々が密集することで林内に太陽光が十分に届かず、下草や下層樹木がない、むき出しの表土となり、豪雨などの災害に弱い森林となります。
そこで、山地防災機能を維持・向上させるためには、森林の現況を把握し、適切な森林整備を推進することが必要であると考えております。
次に、2点目、未整備森林の現況把握とその整備状況について、お答えいたします。
まず、未整備森林とは、自然的、社会的条件が不利であることにより、現行の施策では放置されている森林のことを示しており、近年、増加しております。この要因としましては、木材価格の低迷等による森林所有者の経営意欲の低下、無関心化とともに、森林所有者や境界の不明確化・相続による細分化や未登記の増加などが挙げられます。
さらに、急傾斜地・林道整備の予定がないなど・施業するに当たり、多額の費用を要する条件不利森林も、要因の一つとして考えられております。
未整備森林の状況把握につきましては、平成24年度以前は、森林施業計画により、市内森林ほぼ全域の施業履歴や状況を把握しておりましたが、平成24年度に集中的に森林施業を行うための森林経営計画制度に移行してからは、市内森林のうち約3割程度の計画樹立にとどまっているため、双方の計画を照合して把握している状況となっております。
今後、森林経営計画樹立推進と森林情報の把握、森林整備の実施、森林所有者への働きかけ等、関係機関と連携し、森林整備の推進に向け積極的に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目、発生している小規模崩壊地に対する山腹復旧治山につきまして、お答えいたします。
大規模崩壊地や一定規模以上の崩壊地につきましては、現在、国及び県において復旧事業を実施しており、国の直轄治山事業では、上秋津、旧大塔村西大谷及び鮎川字愛賀合、本宮町湯峯、本宮町上切原、本宮町平治川の6区域、また、県施工の復旧治山事業等では、上芳養、龍神村安井、龍神村殿原、旧大塔村深谷等、数カ所で復旧事業を施工中であります。
これらの事業の採択基準は、工事規模が8,000万円以上や、50ヘクタール以上の森林の地域設定が必要など、小規模崩壊への対応が困難となっております。このため、小規模崩壊箇所につきましては、県単独の県土防災対策治山事業において、公共施設は県事業、人家などは、市が県の補助を受け、それぞれ復旧工事を行っているところであります。
特に、平成23年の台風12号による災害以降、小規模な山腹崩壊が多数発生していることや、山林の多くは、個人の財産であることなどから、全てにおいて公共事業で復旧工事を行うことは、非常に難しいと考えておりますが、小規模崩壊が大規模崩壊の引き金となる可能性もありますので、採択基準の緩和を含め、県へ要望してまいります。
次に、4点目、土砂流出防備林と土砂崩壊防備林につきまして、お答えいたします。
土砂流出防備林・土砂崩壊防備林は、公益機能の発揮上、重要な森林として指定された保安林であり、災害防止を目的としております。土砂流出防備林は、土砂の流出や崩壊による土石流等を防ぐ流域的な保安林であり、保安林指定面積は、県内では2万9,144ヘクタール、うち田辺市では4,676ヘクタールになっております。
また、機能の低下した土砂流出防備林は、治山事業、森林環境保全整備事業、紀の国森づくり基金を財源とした森林整備事業を活用し、森林整備を順次実施しております。土砂崩壊防備林は、人家等に近接する裏山などの山崩れを防ぐ局地的な保安林であり、保安林指定面積は、県内では643ヘクタール、うち田辺市では201ヘクタールになっております。また、土砂崩壊防備林につきましては、治山事業で復旧した山腹法面がほとんどであり、復旧箇所では森林整備が不要となっております。
近年、集中豪雨の頻発など、異常気象の増加による災害の激甚化が懸念されており、森林の有する公益的機能が発揮されるよう、適切な整備・保全を実施し、維持・管理していくことが必要となっております。
しかし、国の調査によりますと、今後、未整備森林が増加していくことが予想されており、全国的にも課題となっております。
このような課題を背景として、平成31年度までに、森林整備の取り組みを推進することを目的として、市町村が森林所有者及び境界等の情報を林地台帳として整備することが義務づけられております。
また、無関心な森林所有者への働きかけや条件不利森林など、自発的な整備が見込めない森林への対策として、森林環境税に期待が寄せられております。
市としましては、林地台帳の整備や森林環境税の創設といった動向を踏まえ、関係機関と連携し、森林整備への働きかけを、さらに推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。以上です。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 宮井 章君。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 今回の私の質問は、森林林業より業と言いますか、なりわいの部分、経営と経済の部分を外した質問になりましたが、御答弁いただきましたように、荒廃した森林整備、未整備森林と放置森林の発生要因は、やはり森林・林業に関する関心の低さのあらわれであると思います。林業の成長産業化に向けました森林の経済的利用はもちろん喫緊の最重要課題ではございますが、やはり同時に市民の安全・安心を確保しながら業界関係者だけではなく、一般市民の皆さん方が森林保全の有効性を享受できる、身近で効果的な森林保全の活動、山仕事を行うことがこれからの林政の理解を広げ、また、森林林業への関心が高まり、より浸透していくことにつながるのではないかと考えております。
林業は農林施業全てにおいてそうですが、やはり現場主体の考え方を持っていかないと前には進んでいかないと思うのです。引き続きまして、関係機関と連携をして現状把握を第一に持ちまして、荒廃森林の解消とその問題点がどこにあるのかという原因を突きとめて、それの解消に向けて頑張っていただきたいと思います。
続きまして、次の質問に移りたいと思います。
大項目2としまして、高知県での森林環境税創設にかかる議員視察研修を終えまして、森林環境税の創設にかかる当局の考え・体制ほかについて、質問したいと思います。
去る7月20日に高知県高知市で開催されました、全国森林環境税創設にかかる総決起大会(第24回定期総会)及び記念講演会へ、田辺市議会より会派の一員として参加し研修してまいりました。全国森林環境税創設に向けた定期総会は今年度で24回を迎え、いよいよ平成30年度に行われる税制改正においては基本的な合意・結論が示されるのではないかと聞いております。
ちなみに田辺市議会からは、大先輩であります紀新会の安達克典議員が全国森林環境税創設促進議員連盟の副会長として選任されているところでございます。
さて、この森林環境税の創設については、国土保全や地方創生等において、地球温暖化対策を初め、循環型林業の構築と持続可能な森林管理の推進にとって非常に重要なことであります。その実現のために、安定した財源確保が必要となってきている中で、この森林環境税創設に当たり、今回、全国森林環境税創設促進議員連盟の板垣会長様より森林環境税創設に関する意見書の採択についての依頼文が来ているところでございます。その意見書の内容等々、さきの研修会の資料にもありました大会宣言の内容から見ましても、山村地域を抱える市町村並びに林業関係者からの非常に大きな期待と願いが寄せられていることがわかります。
新税導入に当たりましては、多くの国民、もちろん田辺市民の皆さん方の御理解をいただくのは当然のことでありますが、そのためには、期待されている効果と成果をわかりやすく発揮する必要がございます。先ほど第1項目で質問しました中の森林の持つ公益的・多面的機能を十分に発揮されていない森林に対する整備保全の推進や、自然的・社会的な条件が不利なことによって所有者等の自発的な間伐が望めない放置林・未整備森林の解消には、この森林環境税の創設は、非常に有意義で有効な施策であると期待しております。そのことから、多くの皆さん方にも十分な理解が得られるのではないかと思っております。
ただ、事業執行に当たりましては、市町村が事業主体となると思いますが、現行の施策において、整備保全ができていなかった森林に対して、新たな整備と管理をしていく仕組み、取り組みを推進することになりますが、これについては、所有者が不明な山林の根幹にかかわるところに対して市町村からの働きかけの部分が大変多くなると思います。また、これに並行して現況把握、さっきも申しましたが、山林というのは現状の把握というのが大変難しいのです。広大でございますし、徒歩で行くわけにもいかない場所もございますので、現状把握をするために基礎データとして林地台帳の整備が急務となってくると思われます。
さらに、事業実施については既存している和歌山県の紀の国森づくり税との連携と区分が必要でありまして、和歌山県と田辺市が将来を見据えた綿密な事業計画を立案して、相乗効果のある事業内容を検討していくことが、この森林環境税創設による望まれた効果を発揮するためには、非常に重要なポイントとなってくると思います。
いろいろと申し上げましたが、ここで、以上に関連しまして3点ほどお聞きします。
まず1点目、林野庁のほうから、森林環境税創設にかかる今後の大まかなスケジュールが示されている中に、市町村主体の森林整備施策の案について説明し、事業のあり方について意見を聴取する期間が設けられていたと思いますが、田辺市として、その意見聴取の中でどういった事業メニュー・使途についての考え方を示したのかお聞かせ願います。
2点目としまして、各関係団体、森林組合でありますとか、いろいろな事業体がございますが、そこの部分との意見交換、その集約の取りまとめについてどうなっているのか。
最後に、説明資料の中より、「林野庁から市町村に向けた説明状況と意見の概要」というところを見てみますと、どの都道府県からも市町村の体制についての意見が多く寄せられているようです。正直申し上げまして、森林環境税の導入に際しては、現場労務班を抱えます各事業体や関係部局・国当局・県当局との調整等に多くの事務量と労働力が発生すると思われますが、それに先駆けての田辺市関係部局の体制づくりをどう考えているのかについてお聞かせ願いたいと思います。以上です。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 御質問の全国森林環境税の創設につきましては、平成3年9月3日付の全国紙に掲載された、旧本宮町の(故)中山喜弘町長が、森林交付税を提唱したことに始まります。この記事を受けて、翌年2月、全国の賛同する市町村の参加により、第1回森林交付税フォーラムが開催され、さらに、11月には、森林交付税創設促進連盟が発足し、全国の市町村が加盟する現在のような形となりました。25年の歳月を経て、平成29年度の政府与党税制改正大綱には、「市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等について総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得る」と盛り込まれました。
また、この大綱の主な施策の内容としましては、「市町村から所有者に対する間伐の推進強化や未整備森林及び要間伐森林において、市町村が間伐等を実施・代行、また、寄附受け入れ山林の公的な管理強化、さらに民間林業技術者による市町村の体制支援」などがあります。
このような動きに対して、全国市長会や町村会を初め、知事会や全国森林環境税創設促進連盟、並びに議員連盟などさまざまな団体が、提案・要望を行っている状況であります。
このような中、林野庁においても、森林整備に伴う現状や課題の把握とともに、市町村主体の森林整備の具体策に関する調査を実施しております。今年の5月にも関係者が本市を訪れ、市町村として求められる森林環境税のあり方について、本市の意向を確認されたところです。
これらの状況を鑑みますと、現時点においては、事業メニューや使途等につきましては、引き続き慎重に検討されるものと存じます。
次に、森林環境税についての各関係団体の意見の取りまとめについてですが、機会をとらえて、随時、各森林組合から直接、御意見・御要望をいただいておりまして、国に対しては、市の考え方も含め、次のような意見・要望を伝えております。
まず、森林整備に関する予算並びに市町村への交付税を維持することや市町村による間伐の代行は、森林所有者の財産権等にかかわる事項であることから、慎重な検討、及び都市部の方の理解を得るため、木材使用等に関する支援制度の検討、並びに、伐採後の植林等に対する支援の検討、そして、市町村が行う間伐事業の発注形態の改善等を要請いたしております。
いずれにしましても、この森林環境税の創設につきましては、実現の可能性に各方面から大きな期待が寄せられております。市としましても、その動向を注視しながら、林地台帳の整備の推進や境界明確化等による所有者確定、施業集約化とともに、林業の担い手対策、また、間伐等により生産された木材の活用の課題解決に資する効果的な運用・取り組みにつなげられるよう、体制も含めまして、今後しっかりと検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 宮井 章君。
(7番 宮井 章君 登壇)
○7番(宮井 章君) 今回は、二つの大きな項目について一般質問をさせていただきましたが、やはり、林政というのは、国政・県政が大きく携わる部分がございますので、なかなか市当局としましても独自回答をするに当たって難しい部分が多々あったろうと私は推測しておるところでございます。
しかし、田辺市の山河は、ここにいる私たちが守っていかなければならないのであります。そこで、現場はここにあるのですから、私も含めまして、もっと自信を持って胸を張って、声高らかに問題提起、そして意見を述べていきたいものであります。
最後に、本日の私の一般質問が、柔軟な林政と伸びやかな林業、ひいては山村地域の活性化による緑の国土強靭化に向けた将来への布石となりますことを御祈念、御期待申し上げまして、以上、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
(7番 宮井 章君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 以上で、7番、宮井 章君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 市橋宗行君) この場合、1時50分まで休憩いたします。
(午後 1時38分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時51分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、2番、柳瀬理孝君の登壇を許可いたします。
(2番 柳瀬理孝君 登壇)
○2番(柳瀬理孝君) 皆さん、こんにちは。2番、清新会の柳瀬です。議長より登壇の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問を始めさせていただきます。今回は大項目にして2点御質問させていただきます。いずれも農業分野からの質問となります。まず1点は、田辺市における農業の展望について、当局の現状の認識を問うとともに、今後、市として取り得る方策を私なりに考察・提案したいと思います。続いて2点目では、農業における鳥獣被害の現状認識及び狩猟免許を取得した際の各農家の負担について言及し、鳥獣害対策及び農家の負担軽減のための具体的な方策として鳥獣被害対策実施隊について提案させていただきます。
それでは大項目1、農業の今後の展望についてより、田辺市における農業の現状認識について御質問差し上げます。本項では、この田辺市において、長らく基幹産業として栄えてきた農業が近年急激に衰退しつつあることに対して、その原因として私なりに3点の理由を述べ、それに対する当局の考え及び対応策をお聞きしたいと思います。私が考える農業衰退の要因の1点目としましては、農業は、業界として親族継承が主であり、閉鎖的な面が強く、また技術習得の手段が未成熟であるという点です。2点目は、収入が不安定であるという点です。そして3点目は、職業としてのブランディングが不十分であるという点です。
まず1点目の業界として親族継承が主であり、技術習得の手段が未成熟であるという点についてですが、皆様も御存じのとおり、農業の主な事業継承方法は親族継承であり、親族以外に継承するというのはレアケースであるといって差し支えないでしょう。それでは全ての農家が自分の親族に事業継承できるのかといえば、もちろんそうではありません。そうしたときに農業従事者が減少するのは自明の理であります。農業センサスによると、日本において、平成17年の農業就業人口は約335万人でしたが、平成27年の農業就業人口は約209万人であり、この直近の10年間で約126万人の農業従事者が減少したとのことです。
ではこの減少に歯どめをかけるためにはどうすればよいのでしょうか。内部継承ができないのであれば外部に人材を求めるしかありません。そして、その際に大きな問題となるのが、技術習得の手段が整備されていないという部分です。農業の技術を継承する方法は親族継承であれば直接指導を受けることも可能ですが、新規就農者である場合、常に指導を受けることはできません。そうした場合、手探りの状態で農業に従事することになります。果たしてそのような環境下で新規就農を志す人がふえるでしょうか。私はそうは思いません。この閉鎖性こそが現在の後継者不足、そして農業就業人口の減少につながっていると考えます。
次に2点目の収入が不安定であることについてですが、皆様も御存じのとおり、農業というのは自然との調和の中で行うものであります。そのため環境に依存する割合が他業種に比べて非常に高くなっており、環境要因によって収穫量が大きく左右されます。皆様も御存じのとおり、天候に恵まれれば地域全体で収穫量が多くなる場合もありますし、同じ年でも高地は豊作、低地は不作といったふうに場所によって違うといったこともあるのが農業というものです。また天候や土壌に限らず、鳥獣被害についても同様のことが言えるでしょう。
工場で生産される製品であれば1日の生産量が決まり、収支のバランスを考えて価格設定ができますが、現状、農業においては外部要因に左右される部分が大きいため、依然として収入の見通しが立てづらい状況が続いています。熟練農家の方々はこうした環境要因に対して長年培った知識と経験で対応していますが、それでも毎年のように、ことしは収穫量が少ない、ことしは収穫量が多いといった会話がなされるほど生産量にばらつきがあります。もちろん収穫量だけで収入が決まるわけではありませんが、基準にはなります。
皆さん、一度想像してみてください。自身がこれから農業を始めようとしたときに、どれだけの収穫量があって、どれだけの収入が得られるかわからない。そうした状況で農業を始めようと思うでしょうか。これについても、私はそうは思いません。ここにも新規就農者を阻む壁があるといえるでしょう。
次に3点目、職業としてのブランディングが不十分であるという点についてです。冒頭にも申し上げましたが、農業というのはこの田辺市をこれまで支えてきた基幹産業であります。そこには皆様も疑う余地はないでしょう。しかしながら一部の農家の方からは、「農業は大変だからわざわざ子供にやらせるつもりはない」、「わざわざ大学まで行ったのに農業をやるなんてもったいない」といった声を漏れ聞くこともあります。もちろんここには、自分の子供に苦労をさせたくない、子供の好きなようにさせてあげたいといった親心も内在しているでしょう。では農業というのは本当に大学に行ってまでやる価値がないのでしょうか。私はそうは思いません。大学で何かを学んできたのであればそれを生かす農業を考えればよい話です。また、企業に就職したならば、そこで得たものを持ち帰り、自分なりの農業を考えればよいのです。
では、どうして現状では、農家という職業が就職、再就職の選択肢に入りづらいのでしょうか。そこには先に述べた2点にも深くかかわってきますが、農業に対するイメージが大きく影響しているように思います。今回このような一般質問をするに当たり、現場の声を聞きたいと思い、私の同世代の非農家の人間に、「なぜ農家をしなかったのか」という質問をぶつけてみました。実家が非農家の人間の主な答えは、「実家が農家ではないので、そもそも選択肢に入っていない」、「農業というのは大変な割にもうからないというイメージがある」、「わざわざ不安定な農業をする必要がない」、「自営業をやるのは怖い」といったものでした。
実家が農家で、かつ今は非農家の人間の主な答えは、「親が仕事を継ぐ必要はないと言ったから」、「収入が低いと思うから」、「いつかはやるかもしれないが親が元気なうちは外で働く」といったものでした。もちろんこれは私の周りの少数の意見ですのでこれを一般論として語るつもりはありませんが、決して的外れな意見ではないと思います。農業といえば「大変」で、「不安定」、「閉鎖的」、「もうからない」といったマイナスイメージがつき過ぎているように感じます。
今後、新規就農者をふやしていきたいと考えているのであれば、このネガティブイメージを払拭していくことが不可欠であると考えます。ここまで近年の農業の衰退要因について、①業界として親族継承が主であり、閉鎖的な面が強く、また技術習得の手段が未成熟であるという点、②収入が不安定であるという点、③職業としてのブランディングが不十分であるという以上3点について述べさせていただきましたが、これに対する当局の認識と考えられる対策があればお聞かせください。
(2番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 2番、柳瀬理孝君の質問に対する当局の答弁を求めます。
農林水産部長、那須久男君。
(農林水産部長 那須久男君 登壇)
○農林水産部長(那須久男君) 議員御質問の農業の現状認識についてお答えいたします。
本市の農業は、梅やミカンを柱とした果樹栽培が中心で、農業後継者については年度により増減がありますが、5名から20名程度、田辺管内を中心に就農されています。しかしながら、現在の農業人口については、農林業センサスによりますと、平成17年には5,367人であったのが、平成27年には4,006人に減少し、農家数についても同様に減少しており、加えて全体に占める65歳以上の割合も53%となるなど、高齢化も進んでおります。
議員から3点の御意見をいただきましたが、全国的に見ましても、少子高齢化時代の到来とともに、農業従事者の高齢化の進行や後継者不足が深刻な問題となっております。本市の農業につきましても例外ではなく、農家人口の減少、高齢化の進行等により農業が衰退し、ひいては地域活力の低下は否めない状況となりつつあり、今後、取り組んでいかなければならない重要な課題であると認識しております。
まず1点目の業界として親族継承が主であり、閉鎖的な面が強く、また技術習得の手段が未完成であるため新規参入者を受け入れづらいという点についてですが、当市だけでなく全国的に見ましても、確かに農業は家族経営が中心であり、これまで親から子、子から孫への継承を基本とする中で農業技術も受け継がれてきており、この点においては他の業種に比べて参入が難しい業種であるということは言えるかもしれません。
議員もおっしゃるとおり、この産地を維持していくためには、次世代を担う若い世代に農業の経営ノウハウや栽培技術などを伝承していくことは大変重要なことであります。
担い手の育成確保に関しましては、新たに農業に参入する場合は、農地を貸したい方と借りたい方をマッチングさせる農地中間管理事業を実施しており、また、技術を習得する場合は、国の制度である農業次世代人材投資事業の準備型を活用し、県の就農支援センターや指定された先進農家で就農前の栽培技術等の研修が受講できるほか、JAにおいても農協の各支所に営農指導員を配置し、農業経営に関しての情報提供や指導、アドバイスを行い農業経営の安定化に向けて取り組んでいます。
また、市としましても、今年度から農業振興課内に営農技術員を相談員として配置し、新規就農者が安心して経営できるよう、困ったときに相談できる営農サポート体制を整備しており、農業後継者及び新規就農者への支援を進めているところであります。
2点目の収入が不安定であるという点についてですが、その年々の気象条件により収穫量や品質が左右されること、また、市場の動向により価格が左右されることなどが要因として挙げられます。そのため、安定的な収入確保に結びつかないといったことが、農業を営む上での大きな課題であることは認識しているところであります。
一方で、こうした不安定な部分を解消するために複合経営を取り入れるなど、農家の営農意欲によっては自由な発想で積極的な取り組みや改革を行っていけることが強みであり、同時に大きな魅力の一つであると考えております。
3点目の農業が職業としてブランディングが不十分であるという点についてですが、先ほども申し上げましたとおり、農業は自然相手の職業であるがゆえに、その年々の天候や鳥獣被害等によって作物の品質や収穫量が左右されることなどから、安定した収入が必ずしも約束されているものではありません。また、親族間での継承が主なこともあり、農業に携わっていない方から見れば、その仕事の内容や魅力が伝わっていないところもあろうかと思います。
一方で、農家の意欲次第では自由な営農に取り組めるため、その努力が成果にもつながってくることや、グリーンツーリズムなど他分野との連携による可能性、田舎暮らしという良好な子育て環境など、農業が持つ魅力や可能性をしっかりと情報発信することができれば、また、今後の科学技術の進展によって、収穫や防除の重労働が軽減されることになれば、農業に対する印象も変わってくるのではないかと考えております。
いずれにいたしましても、本市の主要産業である農業の発展は地域の活性化に直結するものであり、今後もより多くの方々に新規就農を初め、営農を支援する各種制度を活用いただけるよう取り組むとともに、農業が持つ魅力を発信していくことについては、農家のみならずJAや関係機関と連携しながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、お願いいたします。
(農林水産部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 柳瀬理孝君。
(2番 柳瀬理孝君 登壇)
○2番(柳瀬理孝君) 御答弁をいただきました。農業の現状については当局としても満足しておらず、より発展させていきたいという認識を持っていると理解いたしました。
では、次に小項目の2番、スマート農業の推進について質問させていただきます。先ほどの質問では近年の農業の衰退について分析し、それについての当局の考えをお聞きしました。本項では、この問題に対する解決策の一案としてスマート農業について提案したいと思います。
まず、このスマート農業という言葉自体聞きなれない言葉だという方も多いと思いますので簡単に御説明させていただきます。スマート農業とは、農林水産省の「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間取りまとめ(平成26年3月公表)の定義によれば、ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業であるというように定義されています。
では、少し具体的な事例を見ていきましょう。配付の参考資料をごらんください。これは、平成28年11月9日に開かれた「第5回スマート農業の実現に向けた研究会」の資料の抜粋です。ここにスマート農業について4分類が記されています。4分類はそれぞれ、①ロボット化・自動化された超省力農業、②データを駆使した戦略的な生産、③誰もが取り組みやすい農業に、④生産・流通・販売の連携・効率化となっております。
具体的には、①のロボット化・自動化された超省力農業では、果菜類・果樹等の収穫作業のロボット化、共同選果場等における選別、パッキングの自動化、摘果・選定などの管理作業のロボット化、農機操作の自動化・無人化などが目指されています。
次のデータを駆使した戦略的な生産では、これまで形式知化されていなかった熟練農家のノウハウの形式知化や病虫害などの早期判定などが期待されています。誰もが取り組みやすい農業では、センシングやデータ等に基づく栽培・環境管理の最適化等が期待されています。生産・流通・販売の連携・効率化では、生産予測(市場予測など)に基づく生産管理・労務管理・出荷計画の策定、トレーサビリティの確保等による高度な品質管理等が期待されています。
ここまで簡単にスマート農業について概要をお話しさせていただきましたが、簡単に言えば、「スマート農業とは人工知能や情報技術を活用して農業の自動化を進めるとともに気象情報や熟練者の技術をデータ化して集積することにより効率的で誰もが取り組みやすい農業を目指すもの」と言いかえることができます。これが先ほど小項目1で述べた農業の衰退要因に対する解決策の一つであり、今まさに国が進めようとしている農業の新しい形です。
このスマート農業については、平成25年に農林水産省で協議会が発足し協議を重ねてきました。そして今年、平成29年中に公的機関や民間が保有するさまざまな農業関連情報を1カ所に集約するデータプラットフォームの試作段階を運用すると発表しております。つまり、今後は農業に関する全ての情報をこのプラットフォーム上に集約し、そこに集まってきた情報を分析することにより効率的な農業を行うことが推進されるようになるということです。
では、この国の施策に対して現時点で市が行うべきことは一体何でしょうか。それはこのスマート農業の導入にスムーズに対応できる体制を整えることです。具体的には、まずこのスマート農業に対する理解を深めること、そしてまた現時点から試験的にでも情報の蓄積を始めることです。プラットフォームが完成すれば気象情報や市場情報は国のレベルで集約されるでしょうが、各地の土壌の情報や栽培技術に関しては地域ごとで集約しなければならないでしょう。
特に熟練農家の農業技術のデータ化には早急に取り組む必要があるでしょう。現在の環境ではすぐれた栽培技術を持つ農家があったとしても、その方が農業をやめてしまえばせっかくの技術が失われてしまいます。これは地域の農業にとって大きな損失です。そうした事態を防ぎ、また今後推進されるであろうスマート農業にスムーズに対応するために協力農家を探し、情報の蓄積を行っていくべきであると考えますが、これについて当局の考えをお聞かせください。
(2番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。
まず、近年、全国的に農業従事者の高齢化や後継者不足などから労働力不足は大きな課題となっております。そうした中で、現在、その解決策の一つとしてロボット技術やICT情報通信技術などの最先端技術を活用し、作業の省力化や高品質生産等を可能とする新たな農業経営スタイル、いわゆるスマート農業というものが注目され、今後これらに関連した技術も急速に進化するものと思われます。
議員から御紹介もありましたが、国では、スマート農業の実現に向けた研究会を立ち上げ、ロボット技術やICTを活用して、超省力・高品質生産を実現するスマート農業の実現に向けて、種々検討がされております。県におきましても、IoT・AI・ロボットなどの開発や導入の支援、アシストスーツやドローン、GPS自動トラクターの導入等も含め、IoT等の利活用による産業の振興を図る取り組みが進められております。
また、身近なところでは、県内JAにおいて、県の施策を活用し、労働作業の負担軽減や効率化につながるアシストスーツや新機器などの導入に対して、その費用の一部を支援するといった事業も実施されております。
そうした中で、議員御提案のIoT技術を用いたスマート農業の試験的な導入を検討すべき時期に来ているのではないかといった御質問についてでありますが、熟練した農業者の長年の経験から得られた豊富な栽培技術等をデータ蓄積し、次世代を担う後継者や新規参入者が、これら日々の作業履歴の記録や生産工程、そのほか経営情報を共有することは技術の伝承や栽培技術の向上につながるとともに、産地を維持、発展させるために大変有効なことであると考えます。
また、こうした新しい技術の導入による良質な農産物の安定生産、安定価格での販売などについては、国や県の研究機関でも試験研究がされております。
一方、現時点においては、導入コストやセキュリティー面、知的財産の取り扱い等の課題もあり、今後の実用化に向けた動向を見きわめなければならない一面もあります。しかしながら、市といたしましては、今後の農業を展望しますと、IoTを初めとする新しい技術導入も視野に入れる必要があると考えており、各方面からの情報収集はもとより、県の研究所やJA紀南等との連携を図りながら、それぞれの活用について研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 柳瀬理孝君。
(2番 柳瀬理孝君 登壇)
○2番(柳瀬理孝君) 御答弁をいただきました。
確かに私もスマート農業そのものにつきましては、まだまだ考慮すべき課題が残されていると理解しています。しかしながら、答弁にありました知的財産権については昨年、慶應大学が中心になり、農業ICT知的財産活用ガイドラインというものを制定し、農家への周知を進めているところであります。またコスト面に関しては、アシストスーツやロボット技術のような開発コストもかかり、国や企業が開発を進めている部分は現時点ではその進展を待てばよいと思います。しかしながら、田辺市の熟練農家の栽培技術をデータ化することや田辺市の各農地の土壌情報等の収集、蓄積は田辺市でしかできません。そうした国で担当すべき部分と市が担当すべき部分を見きわめて研究をしていただきたいと思います。
続きまして、大項目の2番、鳥獣被害対策についてです。ここでは鳥獣被害対策として鳥獣被害対策実施隊について提案したいと思います。配付の資料を見ながらお聞きいただければと思います。
鳥獣害対策に関する検討は各地域で行われており、田辺市議会でもこのテーマに関する一般質問は幾度もなされております。そしてこの問題に対しては、当局としてもその重要性は十分に認識されているところだと理解しております。近年の風潮として、猟銃を撃つ人が少なくなったこともあり、農家がみずからの生業を守るためにわな免許を取得するケースがふえているのは皆様も御存じのところかと思います。和歌山県のデータによりますと、猟銃を扱える猟友会員数は平成23年で1,742人、平成28年で1,455人と約300人減少しておりますが、わな免許を有する猟友会員数は平成23年で904人、平成28年で1,042人と130人余りが増加しております。
このように農家の方がみずからの生業を守るためにわな免許を取得するケースはふえてきています。しかし、その中で課題として出てきているのが、毎年の狩猟税と猟友会費の負担です。現状、狩猟税と猟友会費を合わせた負担は、わなのみを扱う方で年額約2万円、銃を扱う方で年額約3万円となっております。農家の方がわなを仕掛けるというのは、自分の畑だけでなくその地域の農業を守ることに寄与しています。しかし、現行の制度では地域の農業を守ろうと動いた人が労力も金銭的負担も負うことになってしまい、そこには違和感を覚えずにはいられません。
そこで鳥獣被害対策実施隊の設置を提案したいと思います。鳥獣被害対策実施隊とは農林水産省が定める制度で、自治体ごとに設置可能であり、その隊員については、鳥獣被害防止施策に積極的に取り組むことが見込まれる者から市町村長が任命します。この制度によって隊員に任命された者は狩猟税が非課税になります。さらに、その活動費は8割が特別交付税で賄われます。もちろん国費だからといってむやみに使ってよいというものではありません。しかしながら、国がこの実施隊に予算を優先的に配分すると明記しているのは、こういった制度を使って自治体ごとに鳥獣害対策を進めてくださいというメッセージであると考えます。
当市が平成26年度に策定し、平成27年度から29年の3年間を対象にした田辺市鳥獣被害防止計画によると、「鳥獣被害対策実施隊については設置を検討する。」という記述が残されています。当計画の最終年度となる今年度において、もう一度この鳥獣被害対策実施隊の設置を検討してみてはいかがでしょうか。当局の見解をお聞きします。
(2番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 農林水産部長。
(農林水産部長 那須久男君 登壇)
○農林水産部長(那須久男君) 議員御質問の鳥獣被害対策実施隊の設置についてお答えいたします。
農作物被害を防止するための施策の中で、被害をもたらす有害鳥獣の生息数を適切なものに抑えていく捕獲事業の推進は、最も重要かつ有効な施策であると考えております。その継続的な取り組みの推進のためには、捕獲に従事していただける狩猟免許取得者をふやしていくことが必要であり、少しでも免許取得に係る経費負担を軽減するため、県の制度を活用し、経費の一部を補助する狩猟免許取得支援事業を実施しているところであります。
しかしながら、当事業は免許取得に係る補助制度であり、議員御指摘の毎年の狩猟を行うための狩猟者登録時にかかる狩猟税や猟友会費、また、3年に1度の免許更新経費等を軽減するための制度はなく、このことが有害鳥獣捕獲に従事していただいている方々、とりわけ農家の皆様にとって負担となっていることは十分認識しております。
こうした中で、議員御提案の国の制度である鳥獣被害対策実施隊の設置につきましては、同隊に所属し有害鳥獣捕獲に従事していただくことで、平成31年3月31日までの期間措置ではありますが、従事者の方々の狩猟税が免除となるため、負担軽減につながる一つの手段として活用できる施策であると考えているところでございます。
この鳥獣被害対策実施隊については国が設置を推進しているところであり、隊員の狩猟税免除だけでなく、活動時におけるけが等の公務災害適用等の優遇措置もあり、また、市にとりましても、実施隊活動にかかる市の負担経費への特別交付税措置や鳥獣被害防止総合対策交付金の重点配分といったメリットが挙げられるなど、今後、設置を検討すべき施策であると考えております。
しかしながら、隊員の人選に係る市内各猟友会分会との調整や、「鳥獣捕獲への積極的な取り組みが見込まれる者」といった加入要件による隊員への負担、また、適切な隊員報酬の検討、優遇を受ける隊員と非隊員との間で不公平感が生じることによる諸課題の発生も懸念されるなど、実施隊の設置に当たり整理すべき課題が多くあるというのが実情であります。
こうしたメリットやデメリットにつきまして、既に設置している他市町村等の活動状況も参考にしながら、引き続き鳥獣被害対策実施隊の設置についての検討を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(農林水産部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 柳瀬理孝君。
(2番 柳瀬理孝君 登壇)
○2番(柳瀬理孝君) 御答弁をいただきました。
先ほども申し上げましたが、鳥獣被害対策実施隊については国の方でも優先的に予算配分を行うと明記しております。また今後、鳥獣害対策を行う農家の負担を減らすために非常に有効な手段ではないかと考えますので、ぜひとも検討していただきたく思います。
今回の一般質問では、農業分野より2点質問させていただきました。私は、農業というものは田辺市の基幹産業であると同時に田辺市を語る上で外せない文化的な意味合いもあると考えます。そしてその農業は今、転換期にあるといえるでしょう。何事であっても、よい結果を生むには、よい準備が必要です。スマート農業についても国がこうした施策を推進していることを当局にも理解していただき、そしてそこへ向けた準備を入念に行っていただきたいと思います。また鳥獣害対策の必要性は当局も十分に認識されていると理解しておりますが、地域の農業を守ろうとする農家の前向きな動きを後押しするという意味で鳥獣被害対策実施隊についても御一考いただければと思います。
それではこれで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(2番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、2番、柳瀬理孝君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、2時35分まで休憩いたします。
(午後 2時24分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時35分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、20番、中本賢治君の登壇を許可いたします。
(20番 中本賢治君 登壇)
○20番(中本賢治君) 皆さん、こんにちは。20番議員の中本賢治でございます。それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
まず、1点目の新庁舎の高台への移転整備についてでありますが、この件については、前回6月議会で、日本共産党の久保浩二議員が市庁舎移転候補地決定の経過について質問されていました。私は、新庁舎整備事業に係る今後の課題や問題点について質問をさせていただきます。
田辺市の庁舎は、本庁舎と市民総合センターの2カ所に分かれ、両庁舎ともども築40年以上が経過する中で、耐震基準も満たしておらず、その上、南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波想定浸水域内にあることから、田辺市庁舎整備方針検討委員会は、昨年の8月10日、市役所本庁舎と市民総合センターの整備方針の検討結果について、津波・洪水の想定浸水域外で、かつ中心市街地から近い場所に、両庁舎機能を統合した新庁舎を早期に整備することという結論を導き、田辺市に対して答申がなされたものであります。
また、これまで積極的に取り組んできた中心市街地のまちづくりにおいても、大勢の人が集まる市庁舎が中心市街地から遠く離れた場所に移ることになれば、これまで市が取り組んできた事業が無駄になるのではないかと大変心配していたところであります。それが、紀伊田辺駅から徒歩10分以内の高台に移転することになるのですから、私自身、本当によかったと思っているところです。
新庁舎について、計画では、延床面積1万5,500平方メートルの鉄筋コンクリート6階建ての建物とのことですが、まず、1点目の基本合意についてお尋ねします。
去る8月3日、新庁舎整備事業にかかわって、本市と株式会社オークワとの間で基本協定が結ばれました。合意の内容として、一つ目には、用地取得は第三者の適正な評価に基づき協議する。二つ目には、地域住民の日常の買い物の利便性の確保ということから、オークワにおいては、新庁舎整備事業の対象区域内において、新たな店舗で営業が継続できるよう取り組み、市もこれに協力する。三つ目には、オークワは現店舗の閉店に伴う営業補償は求めないことを前向きに検討するという趣旨の基本合意であります。
また、市は用地取得の関係費用として、用地費と施設解体費をそれぞれ10億円と試算しており、施設解体に係る費用は市が負担する。これが基本協定の概要であります。ただし、基本合意ということですから、まだまだ細部についてはこれから詰めていかなければなりませんが、基本合意の中で、施設の解体費用を市が負担しなければならない理由をお聞かせください。
また、オークワにおかれましては、なぜ営業補償を求めないということを前提として検討されることになったのかという点についても、あわせてお聞きしたいと思います。
以上、オークワとの基本合意の経緯について、その概略をお聞かせください。
続いて、2点目の市民総合センターの今後の利活用についてでありますが、市民総合センターには、保健福祉部、教育委員会、社会福祉協議会の組織が入っています。また、市民の皆さんの生涯学習等の活動拠点としての役割を果たしてまいりました。さらに、休日等には、休日急患診療所として、市民の安心安全を守ってきたところでもあります。新庁舎の整備方針は、本庁舎と市民総合センターを統合することとされており、市民総合センターは耐震化工事をして残すのか、あるいは解体撤去されるのか。今後、どのような活用を考えているのかについて、当局のお考えをお聞かせください。
次に、3点目の会議室の確保についてでありますが、紀伊田辺シティプラザホテルが廃業となれば、ライオンズクラブやロータリークラブ、各種企業等のセミナーなどにおいて、これまでよく使用されていたホテルですので、そういった方々にとっては行き場を失うこととなります。そして、先ほども申し上げましたが、市民の皆さん方にとっては、これまで無料で利用できていた市民総合センターの会議室がなくなるとすると、今後の活動について大変心配をされている状況であります。そういった中で、会議室の確保について、市としてどのように考えているのかお聞かせください。
次に、4点目でありますが、交流人口の増大と宿泊客への対応についてでありますが、さきの紀の国わかやま国体によるスポーツ施設の充実や鬪鶏神社の世界遺産追加登録により、市長が掲げられている交流人口の増大が進んできており、紀伊田辺シティプラザホテルが営業中の現在にあっても、宿泊施設が不足傾向にあり、困っているといった声があります。なかなか庁舎とホテルを一緒に建てるということは難しいと思うのですが、今後も宿泊客が増加することが予想される中で、宿泊施設の確保についての対応をどのように考えているのか、お聞かせください。
次に、文里湾横断道路の整備について質問したいと思います。
この質問は、以前、平成27年3月議会で吉田克己議員が、そして平成28年12月議会では橘 智史議員が質問されていました。私が、なぜ今回この質問をするのかと申しますと、当該事業に対して田辺市がもう一つ盛り上がっていないということを県の関係の方からお聞きしました。そこで、一石を投じるつもりで質問させていただきます。
私は、この文里湾横断道路整備事業については、過去に質問された議員の皆さんと同様に一日も早く完成させ、諸問題を解決したいと思う1人であります。
この事業には、渋滞緩和を含む交通の円滑化であったり、
南和歌山医療センターと市街地を結ぶ緊急輸送ルートであったり、市長が掲げている交流人口を増大させるための道路であったり、災害時における新文里港へのアクセスを確保し、緊急物資を輸送する重要な道路であったり、文里地区の津波避難困難地域や周辺地域の要配慮者及び施設利用者等の避難路や避難場所として大切な道路であったりと、まさに多岐にわたり事業効果が高いと思われる事業であり、当局の皆さん方もこの点は御認識いただいていることと思います。加えて、当該事業を推進していくためには、県との連携を図らなければならないことも、私自身、十分理解をしているところでございます。
そこで、文里湾横断道路整備事業に係る進捗状況及び今後の取り組みについて、当局にお聞きしたいと思います。
以上で、1回目の質問を終わります。
(20番 中本賢治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 20番、中本賢治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の1点目の新庁舎整備の基本合意については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
まず、本市の庁舎については、南海トラフ巨大地震の想定浸水域内にあり、また、耐震基準を満たしていないことから、災害対応拠点としての安全を確保すること、また、これまでも積極的に取り組んでまいりました中心市街地のまちづくり、この両方の観点から「津波・洪水の想定浸水域外で、かつ、中心市街地から近い場所に両庁舎機能を統合した新庁舎を早期に整備する」との方針について諮問機関の答申を踏まえて決定しました。
この上で、移転候補地の選定調査を行い、新庁舎の位置に最もふさわしい場所として、本市東山にある株式会社オークワ様のオーシティ田辺店・紀伊田辺シティプラザホテルの敷地を選定し、本年3月22日に公表いたしました。4月には、神吉社長にお会いし、新庁舎の敷地としてお譲りいただけないか、交渉を進めさせていただきたいと申し入れをさせていただきました。
その後の担当レベルでの交渉では、用地や建物の金額に関することはもちろんですが、地域の皆さんの日常の買い物の利便性を確保できるのかといったこと等を中心に協議を重ね、一定の合意に至ることができ、8月3日に本基本協定を締結するに至りました。
最終合意までは、まだまだ解決すべき課題もございますが、市民の安全・安心を担う災害対応拠点としての庁舎機能の安全性の確保、そして、本市の未来へつながる道への大きな一歩を踏み出すことができたという思いでございます。以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) それでは引き続きまして、私からお答えさせていただきます。
初めに、8月3日に締結をいたしました基本協定の概要についてでありますが、議員から御紹介いただきましたとおり、まず、土地については第三者の適正な評価をもとに協議する。建物については、市が解体工事を施工する。営業補償は、オークワ様が求めないことを前向きに検討される。新たな店舗による営業継続にオークワ様が取り組み、それについては、市が協力するという内容でございます。
議員御質問の建物の解体費用を市が負担する理由についてでありますが、本来、公共事業の用地取得におきまして、建物の解体にかかる費用については、事業主体である市が負担するものでございまして、このたびの基本協定におきましても、その考え方に基づき、位置づけております。
次に、オークワ様が営業補償を求めない方向で検討されていることについてですが、先ほど申し上げた土地・建物等について、総合的な協議の中で、営業補償を求めないことと位置づけたられたものであります。
市民総合センターの今後の利活用についてでありますが、田辺市では、今後の人口減少・少子高齢化や厳しい財政状況を踏まえながら、行政サービスの維持向上や将来世代への配慮の視点を持ちつつ、公共施設等の適正な配置や効果的な運営の方向性を示すべく、田辺市公共施設等総合管理計画を平成29年3月に策定しており、新庁舎の整備や市民総合センターの今後の利活用につきましては、本計画の基本的な方針に沿った検討が必要であると考えてございます。
そうした中、新庁舎整備方針といたしましては、両庁舎機能を統合した新庁舎を目指しており、具体的に申し上げますと、行政としての執務機能を新庁舎に統合し、分散による不便さや非効率といった課題を解決し、さらに機能を充実させて市民サービスを向上させていくことを考えております。
一方で、市民総合センター内にある執務機能以外の機能である生涯学習センターの貸館、休日急患診療所、在宅サービスセンター機能を含めた社会福祉協議会等につきましては、今後どうすることが市民の利便性向上や有効利用につながるのか、あるいは防災対策上、有効に活用できないか等、総合的に市民総合センターの役割を整理する必要があると考えており、田辺市公共施設等総合管理計画の基本方針も踏まえ、庁舎整備基本計画の策定と平行して検討してまいりたいと考えております。
続きまして、会議室の確保についての御質問でございますが、紀伊田辺シティプラザホテルは、中心市街地に近く、駐車場も完備され、会議室として利用できる部屋も多く、多人数収容できる部屋もございまして、各種団体の集会や講演会・セミナーなど、多くの市民の皆さんが御利用されております。
また、市民総合センターは、現在、生涯学習を推進する拠点施設として、大小合わせて11室の会議室の貸し出しを行っており、さまざまな各種教室やサークル活動等に広く御利用いただいており、延べ利用者数で年間約8万人が御利用されている状況でございます。
そうした中で、会議室の確保という観点につきましては、現在の市民総合センターの会議室の利用形態等を踏まえるとともに、市内の公共施設であるスポーツパークの多目的ホール、紀南文化会館の研修室、ビッグユーの研修室など、既存施設の利活用も視野に入れ、検討してまいりたいと考えております。
次に、交流人口の増大と宿泊客への対応についてでありますが、田辺市におきましては、全国平均を上回る人口減少率や卸売業・小売業が多いという経済構造に対応するために、交流人口の増大を重要な施策として位置づけており、特に中心市街地におきましては、鬪鶏神社の世界文化遺産追加登録を絶好の機会と捉え、景観まちづくり刷新事業や新武道館建設事業の推進、その他、スポーツ合宿誘致や大学連携等の事業を展開するとともに、多くの方に田辺市を訪れてもらえるよう、情報発信にも積極的に取り組んでおります。
そうした中で、旧田辺市内の宿泊客数の推移を見ますと、世界遺産登録がされた平成16年以降、横ばい傾向でありましたが、これまでの取り組みにより、この3年間は20万人を超えている状況でございます。紀伊田辺シティプラザホテルは、中心市街地に近く、宿泊室数も多く、旧田辺市内の宿泊機能の一翼を担っている施設であります。市といたしましても、市内の宿泊施設の実情を考えますと、宿泊機能確保の必要性は認識しており、中心市街地を中心としたエリアの宿泊機能をどのように充実させていくのかにつきまして、今後とも研究・検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長、栗山卓也。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の文里湾横断道路の進捗状況についてお答えします。
これまでの取り組みにつきましては、昭和50年代から文里湾横断道路構想に関し、田辺商工会議所を初めとする関係団体による要望活動が始まりました。その後、市町村合併協議においてもさまざまな協議を経て、新市づくりの基本方針を定めた市町村建設計画に、その実現に向けた取り組みについて位置づけがなされ、また、合併後の第1次田辺市総合計画においても地域間幹線道路として重要施策に位置づけし、これまでも県に対し、文里湾横断道路構想の整備実現を要望してまいりました。
この構想につきましては、一般県道文里湊線より文里湾をまたぎ、主要地方道南紀白浜空港線に接道する架橋を含めた道路整備をする構想となっており、この構想が実現しますと、新庄地区の渋滞緩和を含む、田辺市街地と白浜町・上富田町間における交通の円滑化が図られ、地域間幹線道路として大きな役割を果たすことができ、さらに第3次救急医療機関である
南和歌山医療センターと市街地を結ぶ効果的な緊急輸送ルートが確立され、また災害時には防災拠点ネットワーク港湾に位置づけられた新文里港からの緊急物資輸送として利用できる緊急輸送道路として、さらには、市街地における交流人口の増大にもつながる効果も考えられます。
しかしながら、高速道路の南伸等道路状況の変化や津波被害への備えなど、本市の市街地を取り巻く社会情勢も大きく変化したことから、田辺市では、平成26年度において文里湾横断道路構想の事業効果についての基礎資料を取りまとめ、交通混雑の緩和や交通安全の向上を初め、中心市街地の活性化や緊急時において、その整備効果があると改めて認識したところでございます。
また、南海トラフ巨大地震の津波想定による津波避難困難地域を解消するため、田辺市では、田辺市南海トラフ地震津波対策検討協議会において検討を重ね、平成28年7月に田辺市津波避難困難地域解消計画を策定し、仮称文里湾横断道路については、文里地区の津波避難困難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所としても位置づけし、県知事に対してその実現に向けた取り組みを進めていただくよう要望したところであります。
その後、平成28年9月の和歌山県議会定例会において、田辺市と連携を進めていくよう指示したとの知事の答弁がなされました。このことを受けて、県とともに、検討を進める上で必要な前提条件の整理を行うため、海上保安庁などの関係機関へのヒアリングを行うとともに、県においては、ルートを検討する上で必要な地形図の作成が行われました。現在の状況としましては、県とともに関係機関との調整や起終点の位置を含めた道路概略設計を行っているところです。
次に、文里湾横断道路の今後の取り組みについてお答えします。
引き続き、県と連携し、関係機関や地元との調整、都市計画決定の手続などを進め、文里湾横断道路の早期実現に向け、取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 中本賢治君。
(20番 中本賢治君 登壇)
○20番(中本賢治君) 1点目の市庁舎の基本合意についてでありますが、私は今の候補地に決まって安堵している1人でございますが、市長にはウインウインの関係を構築するのに大変苦労されたことと思います。それを導き出してくれたことに一市民として感謝申し上げる次第でございます。基本合意としましては、まだまだこれからでありますので、市民の皆さんの意見を大いに取り入れていただいて進めていただきたいと思います。
次に、2点目の市民総合センターの利活用についてでありますが、耐震化で残すか、あるいは解体撤去をするのかという質問でありましたが、答弁では、田辺市公共施設等総合管理計画の基本計画を踏まえ、庁舎整備基本計画の策定と並行して検討していきたいとのことで、まだまだ未定だそうですが、市民の皆さんから喜んでいただけるよう、しっかり考えて検討していただきたいと思います。
次に、3点目の会議室の確保についてでありますが、市民総合センターは、現在、市民の皆さんが生涯学習の拠点施設として大いに活用されております。それがなくなった場合、市内には紀南文化会館やスポーツパーク等の公共施設の中に会議室や研修室があるとのことですが、市民の皆さんは総合センターのほかにどこに会議室や研修室があるのか知らない人が多いと思いますので、広報誌等で知らしめてほしいと思います。
それから、シティプラザホテルにしても、総合センターにしても、今まで中心市街地の近くにあって、駐車場も完備されておりましたので、多くの市民の皆さんが利用されておりました。会議室の確保については、まだまだこれからの検討課題だそうですので、市民の皆さんが活動しやすい場所をつくっていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、4点目の交流人口の増大と宿泊客への対応についてでありますが、田辺市においては、鬪鶏神社の世界遺産追加登録などにより、交流人口が増大したため、宿泊施設が不足傾向にあることは当局の皆さんもよく理解していることと思います。そして、シティプラザホテルが廃業になれば、宿泊客は周辺の地域へ宿泊先を求めていかなければなりません。田辺市においては、今まで交流人口をふやすことに努力してきた経過がある中で、宿泊施設を減らすことは田辺市にとっても大きなマイナス材料であります。もし、オークワさんがホテルに前向きでなかったら、これからの取り組みの一つとして、ホテルの誘致も考えなければと思うわけでございます。
そして、私の考えではありますが、できるなら市庁舎跡地にホテルを誘致できればと思っています。まだまだこれからではありますが、市民の皆さんが誰もがよかったと言えるような新市庁舎建築を期待しまして、この項を終わります。
次に、文里湾横断道路についてでありますが、答弁を聞いていますと、昨年12月議会の橘議員の質問の答弁とさほど変わりなく、8カ月が経過した中でも進んでいないというのが現状のようです。9月4日の県政報告会で仁坂知事が文里湾横断道路整備事業は必ずやると明言しておりましたが、どのような事業手法で整備をするのか言っておりません。道路事業としての整備と都市計画道路事業としての整備が考えられ、事業手法によっては進捗率も大幅に変わってくると考えます。
道路事業では、他の道路の整備などもあって、国の予算の確保が難しく、なかなか前に進むことができないかと思います。しかし、都市計画道路事業で整備する方法だと、県と一緒に要望すれば事業進捗も図れるのではと思うわけでございます。
そして、和歌山県選出の国会議員さんが国の中枢にいるときにしなければと思うのです。道路事業での整備と都市計画道路事業としての整備のどちらの方法を市として考えているのかお聞かせください。
(20番 中本賢治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の事業手法についてお答えします。
議員御質問の事業手法としましては、道路事業で整備する方法と都市計画道路事業として整備する方法があります。文里湾横断道路につきましては、田辺地域の骨格となる道路であり、田辺市のまちづくりを考える上でも重要な地域間道路であることから、市としましては今後、事業手法については、県と連携しながら早期事業化に向けて取り組んでまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 中本賢治君。
(20番 中本賢治君 登壇)
○20番(中本賢治君) 文里湾横断道路については、県と連携して早期に進めていくとのことですので、よろしくお願いいたします。
この道路は、事業効果が極めて高く、県知事もやっとはっきり明言しております。そして、保守系の国会議員さんも国の中枢にいる間にと思います。そういうことで、市としての早い決断をお願いいたします。
市長の言っている交流人口を増大させたいという思いを実現するには、そして、事業効果の高い各事業を充実させるには、2車線ではなく、4車線の横断道路を要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
(20番 中本賢治君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、20番、中本賢治君の一般質問は終了いたしました。
◎日程第 2 4定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)から
日程第19 4定議案第33号 平成28年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで一括上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第2 4定議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)から、日程第19 4定議案第33号 平成28年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上18件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案18件は、本日、市長から提出のあったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただいま、上程されました議案は、予算に関するもの1件、決算に関するもの17件でございまして、その概要について御説明申し上げます。
まず、議案第16号 平成29年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)につきましては、補正額が749万円で、損害賠償請求事件に係る民事訴訟の判決が確定したことによる弁護士委託料を補正するもので、今回の補正に要する財源としましては、繰越金をもって充てることにしております。
このほか、議案第17号 平成28年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、議案第32号 平成28年度田辺市四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの16議案は、いずれも平成28年度各種会計の決算につきまして、地方自治法の規定により議会の認定をお願いするもので、議案第33号 平成28年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成28年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法の規定により議会の議決をお願いするとともに、当該会計の決算につきまして、同法の規定により議会の認定をお願いするものであります。
なお、お手元に、決算書及び監査委員の意見書とともに、主な施策の成果に関する報告書等を提出いたしております。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、詳細につきましては、関係部課長から説明いたさせますので、よろしく御審議の上、御承認を賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 続いて、補足説明を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) それでは、議案書に基づきまして補足説明をさせていただきます。
1ページをお願いします。
4定議案第16号 平成29年度田辺市の
一般会計補正予算(第4号)は、次に定めるところによる。
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ749万円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ412億6,621万1,000円とするもので、内容につきましては、3ページの歳出をお願いします。
総務管理費、一般管理費につきましては、本市職員が勤務時間中に軽度外傷性脳損傷及び頸部挫傷の傷害を負い、高次脳機能障害などの後遺障害を残したとして、市などを被告として提起した損害賠償請求訴訟について、最高裁判所で市の勝訴が決定したことに伴い、弁護士費用を支払うものです。
なお、今回の補正に要する財源といたしましては、繰越金をもって充てています。
次に、4ページをお願いします。
4定議案第17号 平成28年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、19ページの4定議案第32号 平成28年度田辺市四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの16件は、いずれも平成28年度の各種会計の決算につきまして、地方自治法第233条第3項の規定により議会の認定をお願いするものです。
20ページにまいりまして、4定議案第33号 平成28年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成28年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法第32条第2項の規定により議会の議決をお願いするとともに、あわせて平成28年度の当該会計の決算につきまして、同法第30条第4項の規定により議会の認定をお願いするものです。
なお、お手元に平成28年度の各会計田辺市
歳入歳出決算書、田辺市各会計
歳入歳出決算等審査意見書とともに、主な施策の成果と財政健全化判断比率・資金不足比率報告書及び当該審査意見書を提出しています。
以上をもちまして、補足説明を終わらせていただきます。
よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております18件については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす9月15日、午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(小川浩樹君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 3時16分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成29年9月14日
議 長 小 川 浩 樹
副議長 市 橋 宗 行
議 員 久 保 浩 二
議 員 福 榮 浩 義
議 員 髙 田 盛 行...