田辺市議会 2017-06-26
平成29年 6月定例会(第3号 6月26日)
平成29年 6月定例会(第3号 6月26日) 田辺市議会6月定例会会議録
平成29年6月26日(月曜日)
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平成29年6月26日(月)午前10時開会
第 1 一般質問
第 2 3定報告第 1号 専決処分事項について
第 3 3定議案第 1号 田辺市
事務分掌条例の一部改正について
第 4 3定議案第 2号 田辺市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について
第 5 3定議案第 3号 田辺市過疎地域における固定資産税の特別措置に関する条
例の一部改正について
第 6 3定議案第 4号 田辺市子ども医療費の支給に関する条例の一部改正につい
て
第 7 3定議案第 5号 田辺市
山村振興公園条例の一部改正について
第 8 3定議案第 6号 市有財産の譲与について
第 9 3定議案第 7号 田辺市熊野古道の森を守り育む未来基金条例の制定につい
て
第10 3定議案第 8号 田辺市山村地域における子供の
居場所づくり事業利用者負
担金徴収条例の制定について
第11 3定議案第 9号 田辺市介護保険条例の一部改正について
(午前10時00分)
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○議長(小川浩樹君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
19番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 皆様、おはようございます。19番、公明党の佐井昭子です。5期目、第1回目の登壇です。5期目になりますとなれてくると思いましたけれども、意に反して、回を重ねるごとに緊張感は増すばかりです。十分でないところもあるかと思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、3項目について質問させていただきます。
3項目とも以前から取り組んでまいりましたテーマで、部分的な質問になりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、1項目、大地震・津波防災について質問させていただきます。
東日本大震災から6年が経過し、歳月とともに、あの恐ろしい地獄のような光景も薄らいでいきかねません。先日は、豊後水道で震度5の地震が発生しました。幸いなことに大きな被害はなかったようですが、南海トラフとの関係を心配する声もありました。
今回は、特に津波被害を念頭に置いた質問をさせていただきたいと思います。
田辺市は、まず命を守ることを第一義として、「津波から逃げ切る」「より高いところへの避難」をモットーに、防災学習、避難訓練、避難路の整備、
津波避難ビル指定などを進めてきました。
今回は、逃げ切れたことを前提に発災後の速やかな復旧の準備2点、指定避難所と
応急仮設住宅についてお伺いいたします。
それでは1点目、指定避難所についてお伺いします。昨年の突然の熊本地震から1年が過ぎました。課題も整理され、避難所については、このような報告がなされていました。少し長くなりますが御紹介いたします。
運営マニュアルの作成と訓練について、未作成、または周知不足、市町村の
地域防災計画が形式的。自主運営については、被災者による自主的な運営が少なかった。
指定避難所運営に多くの職員が投入され、他の
災害対応業務に支障が生じた。
避難所の生活環境の確保、トイレ不足、清掃、消毒・衛生面での労力が多大であった。長い避難所生活に伴う食生活への配慮、
エコノミークラス症候群への対応、ストレス等の低減、精神疾患に対する予防、早期発見等が必要。福祉避難所の拡充、絶対数の不足、開設場所の周知や、日常の防災訓練の実施が十分でなかった。指定避難所以外の場所に避難した避難者への対応。駐車場や公園における車中泊やテント泊など、屋外での避難所の滞在が多数あらわれ、トイレや支援物資の不足やおくれを招いたなどです。
この課題を踏まえまして、3点お伺いします。
1点目は、住民が運営することになる
避難所運営訓練の実施状況。
2点目は、要配慮者、特に高齢者や障害のある方が安心して避難できる福祉避難所の指定状況、受け入れ可能な人数。
3点目は、
外国人観光客への対応です。
次に2点目、
応急仮設住宅についてお聞きします。
田辺市
地域防災計画では、津波による全壊棟数が、3連動地震では2,600戸。巨大地震では、1万1,600戸。1カ月後、避難所に避難されている方は約1万4,000人と想定されています。その数字に近い方々が、一日も早く避難所から普通の生活のできる場へ移ることを望まれると思います。
そこで、
応急仮設住宅についてお伺いします。
避難所生活をされている方々が入居に必要な仮設住宅の数。用地、資材の確保。発災から
仮設住宅入居までの期間。
民間アパート等へ入居できるみなし仮設の検討。
以上についてお聞きします。これで1回目の質問を終わります。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 19番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部理事、早田 斉君。
(総務部理事 早田 斉君 登壇)
○総務部理事(早田 斉君) 議員御質問の1点目、指定避難所についてお答えいたします。
指定避難施設につきましては、台風や大雨などにより災害の発生が懸念される場合などに事前に避難する場所として、また、災害時に避難された方々が一時的に生活を営む場所として、学校や公民館等の公共施設を中心に、現在、185カ所を指定しております。
指定避難施設を開設した後の運営につきましては、短期的な事前避難等の場合を除き、田辺市
避難所運営マニュアルに基づいて、避難者による自主運営が望ましいと考えており、初動期においては、町内会、自治会、
自主防災組織等の会長や役員などと連携を図りながら運営組織を立ち上げていく必要があります。
そうしたことから、
避難所運営訓練については継続的に行うことが重要であり、毎年9月の第1日曜日に行っている田辺市防災訓練に合わせて実施されるもののほか、各地域においても
自主防災組織などによって行われており、
避難者台帳作成訓練、情報収集・伝達訓練、
パーテーション設営訓練、物資搬送訓練、炊出訓練、
資機材取扱訓練などが実施されております。
しかしながら、こうした訓練をより有効なものにしていくには、避難所で起き得る状況を理解しておく必要があることから、
自主防災組織などの依頼により開催しております防災学習会においても、避難所で起こるさまざまな出来事にどう対応していくのかを疑似体験する
避難所運営ゲームHUGを田辺市
社会福祉協議会とも連携し、実施しております。
このHUGでは、避難してきた要配慮者の部屋割り、炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保といった事柄に対して、意見を出し合ったり、話し合ったりしながら訓練を行っております。
いずれにいたしましても、円滑な避難所運営ができるよう平常時からあらゆる機会を捉え、
避難所運営訓練の実施に努めてまいります。
次に、福祉避難所についてですが、市内の四つの
社会福祉法人が運営する6施設について福祉避難所の確保に関する協定書を締結し、福祉避難所と位置づけております。また、緊急入所などの必要な場合の対応としまして、八つの
社会福祉法人が運営する10施設と「災害時における地域の安心の確保等に関する協定書」を締結しております。
避難所における要配慮者への対応につきましては、
災害対策本部の体制下に救護部要
配慮者支援班を置き、個々の状況に応じて一般の避難者と同様の対応となるのか、避難施設内でスペースを確保するのか、福祉避難所へ移っていただくのかといった判断をし、福祉避難所と連携を図りながら、要配慮者の受け入れを進めるとともに、緊急入所や病院施設への入院手続など必要な支援を行うこととなっております。
福祉避難所として受け入れをお願いするには、各施設での入所者の現状もあり、施設の専門的な人員等の確保も必要でありますが、今後も機会を捉えて
社会福祉法人に福祉避難所として位置づけいただけるよう働きかけ、要配慮者の不安を取り除き、安心して避難していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、避難所における
外国人観光客への対応についてですが、昨年10月の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の追加登録により、闘鶏神社等の史跡を訪ねて町なかを散策する
外国人観光客の姿がより多く見られるようになりました。
こうした
外国人観光客を含む避難所での外国人への対応につきましては、和歌山県国際交流協会などとも連携を図り、田辺市国際交流員や
ボランティア等の協力を得ながら、
災害対策本部に可能な限り多くの言語に対応できる相談窓ロを開設するとともに、避難所において災害時
多言語表示シートの活用や、必要に応じて通訳の派遣を依頼するなど、外国人の方々に安心していただけるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 2点目、
応急仮設住宅についてお答えします。
避難所での生活は、プライバシーの問題や生活環境が不便なことから、早急に被災者が安定した生活ができる住居の確保が必要になります。その場合、市営住宅や県営住宅等の公的住宅や県が借り上げる
民間賃貸住宅、いわゆる「みなし仮設住宅」への一時入居を優先して進めることを基本として、並行して市が用地を確保し、市の要望により県が
応急仮設住宅の建設を行うことになります。
南海トラフ巨大地震発生の場合、和歌山県が行った被害想定によりますと、発災から1カ月後には1万3,300人の方々が避難所にて避難生活を継続されることが予想されており、それらの方々の住居の確保が必要と考えております。
応急仮設住宅用地につきましては、長期的な使用となることも想定されることから、公有地を原則とし、
学校グラウンド等は教育上支障が出ることから避けて選定することになります。さらに、浸水や土砂災害など二次災害のおそれのない箇所や道路・上水道・電気等の
インフラ整備状況等を勘案し、選定することも重要です。そのような中、現在、市で
応急仮設住宅用地として検討している箇所は11カ所、約7.5ヘクタールで、約740戸の建設戸数を想定しており、これだけでは十分ではないと認識しております。
また、資材の確保と
応急仮設住宅の建設は県が行うことになり、県は関係協会と協定を締結しており資材は確保されることになります。入居までの期間につきましては、市が
応急仮設住宅建設を必要と判断し、県へ
建設要望手続を行い、県が着手することになりますが、災害規模が大規模の場合、資材や建設業者の確保が困難になる場合も想定されます。こうしたことから入居までの期間は明確ではありませんが、当市における平成23年台風12号災害により伏菟野地区に5世帯21名の方々が入居された建設事例では、市の建設要望から約1カ月半の期間で建設が完了し即日入居されております。
続きまして、「みなし仮設住宅」につきましては、県が民間の賃貸住宅を借り上げ、被災者に仮設住宅として提供する制度で、県が
不動産仲介業者一覧表を公開し、市は情報提供するとともに希望者からの
入居手続窓口業務を担当することとなります。平成23年台風12号災害時にも実績があり、6世帯11名が入居されております。
今後も、建設可能な用地の検討を進めてまいりますとともに、
応急仮設住宅の建設及び
民間住宅借り上げ事業についても県と連携及び協議を重ねてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 避難所の運営は基本的に避難された住民がみずから行うものとされています。市の職員の皆様には、できるだけ早く復旧、復興の業務に携わっていただけるよう、自分たちで運営をすることが求められます。住民の皆様には、想定外のことがたくさん起こることと思いますが、でき得る限り想像力を働かせ、あらゆる場合を考えての対応を疑似体験しておくことがスムーズな運営につながると思います。最近は、ペットの問題、車での避難、また、特別の配慮が必要な方々、例えば、高齢者の方々、障害を持たれている方、子供、女性、
外国人観光客などへの具体的な対応が必要とされますので、できれば全ての住民の方々に運営を体験してほしいものです。ゲーム感覚のHUGは、今後も町内会や自治会での訓練に積極的に取り入れ、参加型の訓練を繰り返し繰り返し実施していただきたいと思います。
福祉避難所につきましては、当事者、御家族の皆様の御意見をしっかり聞いていただき、引き続き進めていただきたいと思います。それでも希望される全ての方を福祉避難所が受け入れられない場合が出てくることも想定し、ホテル等の宿泊施設、避難所内での最適な場所での特別なスペースの確保、
ダンボールベッドやトイレの備蓄等、一番大変な方たちが安心できるよう細やかな取り組みをお願いしたいと思います。外国人への対応として、ボランティアの登録なども御検討いただければと思います。
応急仮設住宅につきましては、御答弁にありましたように、公営住宅、民間アパート、空き家など活用し、早期に入居できるようにお願いいたします。仮設住宅の用地の確保は難しい問題があると思いますが、必要な戸数を建設できるようしっかりと準備をお願いいたします。
それでは、2項目の世界遺産等を生かした観光についての質問に移ります。
ことし3月に「世界遺産等を生かした魅力ある
まちづくり基本計画」が策定されました。この計画でうたわれていることも踏まえ、3点質問をさせていただきます。
1点目は、市民の歴史・文化への理解とおもてなしについてです。田辺市が目指す質の高い観光とは、「市民一人一人が歴史への理解を深めるとともに、まちへの誇りと暮らしへの喜びをもって生活できるまちであり、訪れる観光客の心と体をいやし、滞在することに大きな満足感を持っていただけるまち」と明記されています。
最近こんな会話をよく耳にするようになりました。「外国の人、町なかで、よう歩きやるな」昨年、闘鶏神社等が世界遺産に追加登録されたころから、本当に大勢の外国の方々が町なかを歩く姿を目にするようになりました。
旧田辺市は、今まで観光地という認識は薄かったように思いますが、最近、皆様にも「田辺市に観光客が来ている」「外国からも来ている」と認識され始めたように思います。市民の皆様からも「観光地としてもっとマナーも向上させなあかん」という御意見等もいただくようになりました。いよいよ市民の皆様の中に「お客様をおもてなしする」という気持ちが芽生え始めたように感じます。このタイミングで、ぜひ市民の皆様の
おもてなし力の向上に努めていただきたいと思います。
計画の中にも、「世界遺産を通じて、市民と観光客……略……がつながるまち」と書かれておりますので、どのような具体的な取り組みで、歴史への理解を深め、
おもてなし力の向上に取り組まれるのかをお聞きいたします。
2点目は、1点目の一つの取り組みとして、外国人への市民の
おもてなし外国語講座の開催を提案いたします。
既に、飲食、宿泊、交通、
小売り業者等などを対象にした
外国人観光客おもてなし力向上事業が実施され、大変好評だと伺っています。日本、田辺の歴史、文化、食等を経験、理解されている田辺で暮らす外国の方に担当していただき、よく事業主さんの御意向も理解して取り組まれているので大変喜ばれています。
この市民版として、内容はよく御検討いただくとして、まず英語で簡単な案内、困ったときの対応、先ほどの防災の質問でも外国人対応をお聞きしましたが、災害時・後の対応などの内容も含めて、講座の開催はいかがでしょうか。
3点目は、観光関連、宿泊施設等での働き手、担い手の状況についてお伺いします。
最近、「外国人から宿が取れないと相談を受ける」という声をお聞きしました。以前から、人出不足で予約があっても断っているという声も聞いておりました。熊野古道を丁寧に順番に歩かれているのはほとんどが外国の方です。本当に信じられないくらいですが、遠くヨーロッパ、北欧からのお客様にも出会ったことがありました。お金も時間もかけて、こんな不便なところへ飛行機、電車、バスを乗り継ぎ訪れてくれています。
細かい話になります。ガイドブックによりますと、滝尻から歩き始めますと、近露継桜王子まで約17キロ、標準歩行時間約7時間。ここで1泊。ここから、本宮大社まで約20キロ、標準歩行時間7時間となっていますが、実際歩くと、小広から発心門まででも1日で歩けないことがありました。この間に1泊できるところが欲しいくらいです。
宿が少なく、一旦田辺まで戻り、また次の日バスで途中まで行き、そこから歩いているとか、寝袋を持って行ったという話も聞きました。観光での宿泊客数の増加を目指しているわけですから、働き手、担い手の減少という問題にどのように取り組まれるのでしょうか。
以上3点についてお伺いします。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の1点目、市民の歴史・文化への理解とおもてなしについては私から、あとは担当部長からお答えいたします。
本市では、これまでも世界遺産熊野古道を中心に、歴史や文化、海、山、川、温泉等の豊かな地域資源の魅力を田辺市熊野ツーリズムビューローや各観光協会等と連携しながら、パンフレットやホームページ等により広く情報発信するとともに、田辺市観光センター等の観光施設の建設を初め、トイレ整備や英語併記の案内看板の設置等、受け入れ体制の充実を図り、交流人口の増大に向けて取り組んでまいりました。
このような取り組みの成果もあり、宿泊客数つきましては、平成26年では約42万人、平成27年では約44万人、平成28年では約41万人と高い水準で推移しております。また、外国人宿泊客数につきましては、平成16年の世界遺産登録時では1,409人でしたが、平成26年には約1万2,000人、平成27には約2万2,000人、平成28年には約3万1,000人と最近、大幅に増加している状況にあります。
特に、昨年10月、市街地に位置する闘鶏神社が世界遺産に追加登録されたこともあり、
外国人観光客も含め、多くの観光客が町なかを散策されており、今後は町なかに滞留してもらうための取り組みが重要であると考えています。
このようなことから、市としましても、今年度から国で新たに創設された景観まちづくり刷新モデル地区の指定を受け、関連事業に取り組むこととなりました。その主な事業としましては、まち歩きの拠点となるポケットパークの整備事業や「世界遺産のまち田辺市」の玄関口としてふさわしい景観に刷新するための田辺駅前商店街外観修景整備事業があり、中心市街地の景観資源を生かした魅力あるまちづくりを関係機関及び関係団体と連携しながら進めてまいります。
また、多様化する来訪者のニーズに対応するため、駅前商店街エリア店舗おいて、田辺市熊野ツーリズムビューローが実施する手荷物の一時預かりや手荷物搬送等、来訪者への新たなサービス事業を支援してまいります。
これらの事業とあわせて、来訪者を迎える意識が高まりつつある市民の皆様にも来訪者をおもてなしいただくためには、議員御提案の市民の皆様が田辺市の歴史や文化への理解を深めていただくことが必要であると考えています。
これまでにも市民の皆様を対象に郷土の歴史や文化への理解を深めるための講演会や講座を開催するとともに、旧田辺エリアの各公民館におきましても、地域の魅力を再確認していただくため、史跡を巡るウオークラリーや熊野古道歩きも開催しております。さらに市内の小中学校におきましても、次世代を担う子供たちが地域の歴史や文化を学習し、語り部ジュニアとして活動しています。
今後におきましても、こうした取り組みを継続するとともに、市民の皆様に世界遺産や歴史・文化に対する理解を深めていただき、地域への誇りと愛着の醸成を図るため、関係団体、関係機関と連携しながら、学習の機会を提供してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の2点目、外国人への市民の
おもてなし外国語講座についてお答えいたします。
本市では、これまでも田辺市熊野ツーリズムビューローとの共同によるパンフレット及びホームページの多言語化、海外メディア対応のプロモーション等の情報発信並びに観光事業者を対象したセミナー開催による受入地としてのレベルアップ、加えて、平成26年のスペイン国サンティアゴ・デ・コンポステーラ市との観光交流協定に基づいた共同プロモーションを行ってまいりました。その取り組みの成果もあり、外国人宿泊客数につきましては、平成26年では約1万2,000人、平成27年では約2万2,000人、平成28年では約3万1,000人と、ここ数年で大幅な増加となっております。
特に昨年、闘鶏神社が世界遺産に登録されてから、町なかを多くの
外国人観光客が歩かれています。また、本市では増加する
外国人観光客の受け入れ体制を充実させるため、平成27年度から店舗等を対象に英語メニューや商品説明等の作成を支援する事業に取り組んでいるところであり、今年度におきましても募集定員を満たしていることから、事業者の皆様におかれましても
外国人観光客に対する関心の高まりが伺えます。
議員御質問の広く市民の皆様に向けた
おもてなし外国語講座につきましては、異文化への理解や
外国人観光客を受け入れるための意識づけという観点からも有効な取り組みの一つであると認識しております。
昨年度に本市が策定しました世界遺産等を生かした魅力ある
まちづくり基本計画では、行政だけでなく、市民や事業者・各種団体が主体的にそれぞれの役割を果たし、互いに連携をしながらまちづくりに取り組んでいくことが重要であると位置づけております。今後とも市民の皆様が
外国人観光客を温かくお迎えし、交流を深めていけるような取り組みについて庁内関係部局及び関係団体と連携しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、議員御質問の3点目の観光関連、宿泊施設等における働き手、担い手の状況でありますが、関係団体からはゴールデンウィーク、盆、正月といった繁忙期には、宿泊施設の部屋数や働き手の不足に苦労されている施設もあり、また、経営者の高齢化に伴い、通年の営業が難しくなってきている宿泊施設もあると聞き及んでおります。
ハローワーク田辺管内の平成29年3月度の求人・求職者の状況を職業別に見てみますと、接客・給仕の職業の有効求人倍率は2.85倍であり、サービス業全体でも2.25倍と観光関連、宿泊施設等に限らず働き手が不足している状況であるといえます。
このような状況ではございますが、市といたしましては、今後とも世界遺産「熊野古道」を中心とした地域資源の魅力を国内外に発信し、さらなる交流人口の増加、いわゆる需要を拡大させることが、地域経済の活性化につながるものと考えており、観光客のニーズ、入込数や各地域の宿泊施設の状況等を見ながら、その実情に対応した施策について、庁内関係部局及び関係機関と連携しながら調査・研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 田辺市は観光等によって交流人口の増加を図るということで、市長みずからトップセールスに出向かれています。観光施策として、案内の多言語化、今、御答弁にもございましたように、観光センターやトイレの整備等の観光関連施設の整備、誘客の施策等々打ち出してきました。
熊野ツーリズムビューローでは、プレスツアー、プロモーション等の情報発信で、その効果が顕著にあらわれ、外国からのお客様が加速度的に増加しています。
発表を見せていただきましたが、小中学校における「語り部ジュニア」の活動も大変すばらしいと思います。ガイドつきのウオークラリーや、古道歩きも楽しいものです。今後も、若い方たちも楽しく参加、学べる機会をつくっていただき、裾野を広げていただきたいと思います。
観光で「儲ける」「雇用を創出する」、これがなくては推進する意味はありません。それと同時に観光を進めることで地域の魅力を再発見し、この地で暮らすことへの誇りを持てることも大事な要素です。そのために、市民の皆様が、歴史や文化を学び、
おもてなし力を発揮できるよう取り組みを進めていただきたいと思います。
交通、飲食、宿泊施設等での「
外国人観光客おもてなし力向上事業」は大変好評ですが、まだ十分とは言えません。しっかり取り組んでいただきたいと思います。そして、市民の皆様の「
おもてなし力向上外国語講座」もあわせて進めていただきたいと思います。
宿泊施設等の働き手、担い手に関しましては、実態を細やかに把握し、その対応を民間の方々と連携しながら、お客様が安心で安全な旅を楽しまれるよう、取り組みをお願いいたします。
本宮などで既に取り組まれています大学生のインターンシップ制も広く取り組めるようシステムの構築も御検討いただきたいと思います。また、近露から本宮までの間に、1カ所、山小屋のような簡易な宿泊施設があれば、もっと歩きやすいのではと思います。特にこの辺は、アップダウンがきつく、しんどいコースですが、古道の雰囲気が色濃く残る魅力的なところです。あわせて御検討をお願いできればと思います。
また、民泊法が改正され、来年6月から施行される見通しになりました。住民の皆様、旅行者の皆様、双方が気持ちよく過ごせるよう、しっかりと準備をお願いしたいと思います。
今回の質問にはありませんでしたが、道に迷い、119番通報もあるようです。迷う箇所等、確認整備をお願いしたいと思います。
2項目めの質問を終わりまして、最後の質問、3項目め、健康パスポートについてお伺いします。
日本が世界に先駆け突入している超高齢社会は、健康長寿社会ともいえます。人生80年、90年、長いか短いか、それぞれでしょうけれども、健康で生き生きと暮らしたいというのが、誰もが抱く願望ではないでしょうか。
先日、フリーアナウンサーの小林麻央さんが、乳がんで、34歳という若さで旅立たれました。私は、読んでいませんでしたが、彼女のブログが大勢の方々へ勇気を与えたと大きな反響を呼んでいました。人生は長いから幸せ、短いから不幸せとはいえません。「短い人生にも短いなりの春夏秋冬がある」という意味の言葉を残し去っていった著名な先人がおられました。とは言え、大切な家族がおり、やりたい仕事もあれば、切に「健康で生きたい」と願います。年を重ねれば「できればぴんぴんコロリ、寝込まず、自分のことは自分でできて」と願います。若いころは、それほど健康に関心があるわけではありません。永遠に自分は元気で人生を謳歌する、全うできると疑うこともありません。しかし、人生前半の過ごし方が、高齢になってからの健康を大いに左右するよう感じます。そこで今回は、高齢者だけの健康ではなく、若いころからの健康への関心、健康づくりの観点から質問をいたします。
1点目は、田辺市の健康課題についてです。田辺市では、平成28年度から29年度にかけての国民健康保険データヘルス計画を策定しています。ここからどのような課題が見え、どう取り組もうとされているのかお聞かせください。
2点目に、若いころから、健康に関する正しい知識と健康維持のための実践が必要だと考え、楽しく取り組め、地域の活性化にもつながる「健康パスポート」のような取り組みを田辺市でも考えてみてはどうかと提案いたします。この「健康パスポート」の制度は、高知県が昨年から取り組んでいるもので簡単に説明しますと実施の目的は、高知県は、50代働き盛りの男性の死亡が多いので、その対策として、参加者は20歳以上の県民、仕組みはヘルシーポイントシールを3枚集めてパスポートを手に入れる。シールを手に入れるには、「健診を受ける」「楽しく動く」「知る・参加する」のカテゴリーの事業、イベント、教室等に参加する。
パスポートの楽しみ方は五つあります。1、県内参加施設でお得なサービスが受けられる。2、ヘルシーポイントを集めると豪華景品が当たる。3、シールを集めて市町村の実施する事業で特典が受けられる。4、シールを集めるとパスポートのランクがアップ。5、パスポートⅡランクアップ者には、抽選で景品が当たる。
高知県は、昨年9月にスタートしたばかりですが、3カテゴリーの「健診を受ける施設」750カ所、「楽しく動く」100カ所、「知る・参加する」320カ所、パスポート発行数が半年で1万3,000冊という状況だそうです。高知県の人口は約70万人、田辺市の人口はその約10分の1と考えれば、半年で1,300冊、平成29年度予算が1,800万円、内容は、パスポート、プレゼント、パンフ、はがき、ポスター、のぼり、ステッカー、HP管理料等。単純計算ではいきませんが、田辺市を10分の1とすれば180万円。パスポート取得者は、男性は3割、女性7割。年代は40代、50代だったそうです。男性の数はまだ少ないようですが、40代、50代の参加者が多かったので期待が持て、既にパスポートⅡ、Ⅲまで実施予定だそうです。
田辺市で実施できるとすれば、「健診を受ける」これは今までの機関で行います。「楽しく動く」は、行政が行う健康教室、サロン、民間のスポーツジム、教室、ボランティア活動。「知る・参加する」は、病院、薬局、行政等の健康講座等、ここにパスポートで料金割引などをしてもらえる施設、店舗等を募る。民間事業所さんへの補助金などはないけれども、ステッカーやチラシに「健康を応援する事業所」として店名を載せてくれる。このような仕組みであります。仕組みの構築は大変だと思いますが、健康増進課だけではなく、商工振興課、スポーツ振興課などと連携して、田辺版「健康パスポート」に取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の健康パスポートについてお答えします。
まず、田辺市国民健康保険データヘルス計画についてですが、国民健康保険法に基づき効果的・効率的な保健事業の実施を図るための計画でありまして、本計画により田辺市国保における健康課題として見えてきたものとしましては、国保の1人当たり医療費は年々増加傾向で、疾病別に見ますと循環器系の疾患の診療費が最も高くなっており、虚血性心疾患、高血圧性疾患、糖尿病、腎不全の患者が多い状況で、65歳以上では、半数以上が生活習慣病で医療機関を受診している状況です。
また、人工透析を伴う腎不全の患者が増加してきており、新規の透析対象者は男性の50歳代から増加しています。また、平成27年度の特定健診の結果によりますと、メタボ該当者は14.9%、メタボ予備群者は9.3%と、受診者の4分の1を占めており、有所見者割合では、収縮期血圧、LDLコレステロール、ヘモグロビンA1cが高い状況で、脳血管疾患を初め、心不全や狭心症、動脈硬化の進行など、体のさまざまな臓器に影響を及ぼす危険性があるため、その改善を促す必要がありますので、特定健診受診率及び特定保健指導実施率の向上等に努めていく必要があるものと考えています。
こうした健康課題に対する取り組みとしましては、特定健康診査受診率向上のため未受診者への受診勧奨として、節目の年齢ごとの個別通知、電話での受診勧奨、医療費通知への健診案内同封を実施しています。また、がん検診との同時実施や集団検診では、土日の休日の健診も実施しています。
さらに、医師会との連携により、かかりつけ医から通院中の方への受診勧奨を依頼しております。
次に、生活習慣病の有病率が高いことに対しましては、改善に取り組む人をふやすために、特定保健指導の実施を初め、血管生き生き健康教室や速歩き健康塾等を開催しています。さらに生活習慣病の重症化予防のため、特定健康診査の結果、脳卒中・虚血性心疾患・腎不全を発症するリスクの高い方に対して、保健指導を実施し治療につなげるよう取り組んでいます。また、田辺市健康づくり計画「元気たなべ」2013に基づき、関係機関等と連携を図りながら健康施策を推進しているところです。
続きまして、高知県の健康パスポート事業についてですが、議員から御紹介もありましたが、県民が市町村の実施する特定健診やがん検診の受診、ウオーキング教室等への参加、またスポーツジム等の利用でポイントを貯めて市町村に申請すると健康パスポートが取得でき、このパスポートの提示で県内の商店・企業・各種施設等での割引やさまざまな特典が受けられる事業でありまして、昨年9月から開始されております。
事業の目的としましては、健康に無関心な層への働きかけによる県民健康意識の向上、運動の継続や健康的な食事など生活習慣の改善を通して健康寿命の延伸を目指すものであります。
和歌山県におきましては、今年度から新規事業としまして、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」が計画されています。和歌山県では全国平均と比較して、要介護認定率が高い、メタボ該当者が多い、野菜摂取量が少ない、運動をする人や社会活動の参加者が少ないという課題がありますので、県民総参加の健康づくりを推進するため、楽しみながら運動や自治会活動に参加し、地域ぐるみの健康増進を図ることを目的としております。
内容は、自治会単位で会員各自がウオーキングやスポーツ等日々の運動や自治会の草刈・溝掃除等の活動への参加をポイントとして記録、自治会に報告し、県のWEBサイトに入力することで、県が自治会ごとのポイントを公表し優良自治会を表彰するものです。
ことし8月から、参加する自治会の募集が始まり10月から事業開始となっておりまして、田辺市におきましても事業の広報啓発や申し込みの受付、また市が実施する「速歩き健康塾」などの運動教室等での登録など県と連携し推進に向け努めてまいりたいと考えております。
御質問の高知県の健康パスポート事業につきましては、県内の保健関係機関だけでなく広範囲な機関・団体・企業等の参加と協力により実現できたものと考えております。
今後、和歌山県の「健康づくり運動ポイント事業」を進める中で、参考事例として研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 田辺市の健康課題の取り組みをお聞かせいただきました。
課題に対して、さまざまな取り組みをしていただいております。私も計画で気になったことが同じようなことでありました。65歳以上の被保険者の半分以上が生活習慣病で受診をされている。メタボは、男性の割合が高い。介護認定、心臓病が多い。人工透析が増加している。特に、50代男性が増加している。このようなことは大変気にかかるところであります。
健康が大事なことは誰もがわかっていますが、健康維持のための食事、また運動を1人で続けるというのはなかなか難しいことです。若いころから大勢の人たちと楽しみながら、健康への正しい知識を取得し、自分の状態を把握し、健康づくりに励めるように取り組んでいただきたいと思います。
和歌山県でも、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」を推進されるようです。健康パスポートのほうは時間、手間がかかりますが、若い方も楽しんで参加できると思いますし、地域の活性化にもつながっていくと思いますので、ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。
以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、19番、佐井昭子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午前11時まで休憩いたします。
(午前10時52分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時00分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、5番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) こんにちは。5番、日本共産党の川﨑五一です。通告に従いまして一般質問を行います。
6期目となりまして、回数でいうと66回目の質問になるかと思います。今回の質問は、3月議会に引き続き、乗り合いタクシーについて取り上げさせていただきます。
交通手段の確保というのは、議員になって以来、一貫して取り上げてきた問題で、ライフワークというようなものになってきたかと思います。中辺路町時代には、住民バスの運行を求めて運動もしました。また、合併後におきましては、中辺路町でも近野地区は住民バスがなかったのですが、その地域にも走らせてほしいという声を受けて、また行政の御協力をいただいて、近野地区でも住民バスが走るようになりました。
行政だけではなくて、路線バスのダイヤが非常に使いにくいということで、バス業者への申し入れを行ったこともあります。また、今議会では路線バスの減便によって通学が困難になってきた子供たちへの通学補償として住民バスを走らせるというような事案も出されていますし、こうした取り組みを一貫して行ってまいりました。
今回の選挙では、二つの大きな公約を掲げ、選挙戦を戦いました。一つは子ども医療費の中学校卒業までの早期実現、そしてもう一つがこの乗り合いタクシーです。私は中辺路町という山間部に住んでいますが、乗り合いタクシーについては山間部に限らず、非常に全市域的に大きな反響を得ました。また、高齢者だけではなく、50代、60代、まだまだ現役で運転免許を持って自身が運転されている方々からも非常に大きな反響を得ました。それはそれだけ、もしこの地域で免許を持たなくなったときに、いかにして暮らしていけるのかということに対して大きな不安があるということの反映ではないかと思います。
では、通告に従って質問を行ってまいります。
まず、1点目の移動手段を持たない人の現状についてということです。
さまざまな施策を行うときには、何よりも実態の把握を先に行うことが大切だと思いますので、こうした移動手段を持たない人たちの現状について、実態が把握できているのかどうか。そして、できているのであれば、その実態はどのようになっているのか。もし、できていないというのであれば、把握する必要があるのではないかと考えますが、そのように実態把握のための取り組みをする考えはあるかどうかということについて、お聞かせいただきたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 5番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、小川 鏡君。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 移動手段を持たない人の実態把握はできているのかについてお答え申し上げます。
移動手段を持たない人の中には、運転免許の取得年齢に達していない子供や、各種障害や疾患等によりまして運転免許を取得できない方、高齢等の理由により運転免許を返納された方、運転免許は持っているが、運転する車両を所有していない方などさまざまなケースがあるものと想定され、また統計的なデータもない中で、移動手段を持たない人の実態をつぶさに把握することについては難しい点があろうかと考えております。
こうした中、運転免許の所有状況について田辺警察署のデータによりますと、田辺市における平成29年5月末現在の運転免許所有者数は5万3,687人で、住民基本台帳による本市の人口7万5,811人から差し引いた運転免許を所有していない人口は2万2,124人となり、その割合は29.2%となっており、一つの指標であろうかと思います。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 悉皆調査、全ての人たちに調査を行って、あなたは免許があるのかどうかというのを調べるというのは、なかなか現実的には非常に困難でありますし、そこまで費用をかけてやるほどのことはないと考えています。およその状況が推測できるのではないかと。先ほど類推されるデータということで、警察署の免許保有のデータをお示しになりました。
では、現時点の状況ですが、この状況は10年前、もしくはそれ以前と比較して、どのように推移しているとお考えでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) これまでの推移ということでございます。
このデータにおきましては和歌山全体のデータとなるのですが、和歌山県の警察本部が発行している平成27年度版の交通年鑑によりますと、県人口から運転免許人口を差し引いた運転免許を所有していない人口は、平成17年で34万2,451人であったのに対しまして、平成27年では28万5,265人となり、10年間で5万7,186人減少しています。
このように、運転免許者の数というのは減少しているという状況だと思います。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 純粋に運転免許を持たない人の数ということでした。質問のタイトルも移動手段を持たない人の現状ということですから、客観的にその数字ということだと思うのですが、とりわけ今回、問題として取り上げているのは、交通弱者の問題で、そういう移動に困るという人たちという意味合いですので、若干その辺のすれ違いがあるのかなという感じはするのですが、当地域においては、具体的なデータもないという中での話で、今後、憶測とは言わないまでも類推するしかないという状況の話ですが、当局は、今後、こうした交通弱者、移動困難者の予測はどうなっていくと考えておられるでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 今後の予測はどうかについてお答え申し上げます。
先ほども申し上げましたが、移動手段を持たない人の実態を詳細に把握することはなかなか難しいところでございますが、県内全体で運転免許を所有していない人口は減っているという現状を申し上げました。ここで、平成27年12月に策定しました田辺市の人口ビジョンでございますが、運転免許の取得年齢に達していない15歳未満の人口と75歳以上の高齢者を合わせた人口の見通しでございますが、2015年の国勢調査時の2万1,552人から徐々に増加し、2030年には2万3,588人となりますが、その後徐々に減少し、2060年では2万586人となり、この45年間で966人減少する推計となっています。
これらのデータを踏まえる限りでは、移動手段を持たない人の数は、将来的には横ばい、もしくは減少傾向に向かっていくのではないかと考えております。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 人口そのものが減少していきますから、当然、運転免許を持たない方たちも減っていく。当然、私たちが何か行政サービスをするときでも、ニーズ自体は少なくなっていくという、これは必然的な状況ですから、それをとっていうと、どんな行政ニーズも必要がなくなっていくのではないか。将来的にはという話になりかねないので、数字と今お聞きしている問題点とは若干違うのかなと思います。
(1)でお聞きしたのは、現状認識についてです。今の答弁から全てわかるように、具体的な数値を市としては持ち得ていないということです。抽出したものでも構いません。地域を選んででも構わないのですが、実態をつかんでいただきたい。私たち議員及び候補者が、地域を回る中で、この声を非常に多くの候補者が聞いてきたことだと思いますが、非常に切実です。ですから、ぜひとも具体的な調査に取り組んでいただきたい。このことは求めておきます。
そして、今後の予測ですが、移動に困る、日常生活に困ると言いかえてもよいかもしれませんが、こうした人たちがふえるであろうということはさまざまな客観的な条件から類推できます。一つは移動販売です。中辺路で行商をされていた方も5月末で廃業されたのですが、トラックの冷蔵庫が耐用年数を過ぎてなかなか冷えない。設備更新をすると、多額の投資が必要になる。でも、なかなか実際行商というのは今、高齢化した集落は人数が減っている上にお年寄りで、この人たちは律儀なので買わないと来てもらえないと思って一生懸命買うのですが、なかなか必要以上には買えません。魚も半身一つを買うというわけにはいかなくて、行く方も採算が合わない。そうした中で、奉仕の精神でこうした行商の方々に活動していただいているという状況になる。
以前、公的に行商すべきではないかというテーマで質問したこともありますが、本当にこうした行商の廃業によって、日常において、生活物資を地元で購入できなくなってきているということ、だから何とかしてお店まで自分が行かないといけないという人たちがふえてくるということ。
それから、地域にあった店舗もどんどん閉鎖されています。私が中辺路町に越してきた22年前には、温川にもお店がありましたが、この店も今はありません。枝線の集落ではお店のあるところはほとんどなくなりました。中辺路町の中心地である栗栖川に目を移しても、中芝にあったお店も、下芝にあったお店も20年来の中で廃業されてしまった。本当に身近なところで買い物ができなくなっている。いわゆる買い物難民の問題も出てきております。
こうしたことから、移動しなければ日常生活が成り立たない。移動手段がないことで困る人たちがふえてきたのは明らかではないかと思います。
また今、高齢者ドライバーの事故問題が一時期社会的にも大きな問題として取り上げられて、高齢者ドライバーの事故数というのは総数としてはほとんど変わっていない。横ばいだと。もしくは、車の安全性能そのものがよくなっているので、死亡事故などの事故は非常に減っているらしいのですが、マスコミのように連日に取り上げられる。また70歳のドライバーがということで取り上げられて、非常に家族も「おやじ、早く免許を返してくれ。」と。事故でも起こされたらえらいことだからという家族からの圧力もある中で、返納が非常にふえている。全国で年間20万人を超える返納者がいるということですし、田辺警察でもほぼ連日のように返納の方が1人ぐらいは来ているという話もお聞きしました。
全国的に言うと、こうした返納が進められる中で、自治体によっては、返納したら経歴証明書、この人は免許を返した人ですよという証明書を渡して、それを持っていけばバスが無料になる。タクシーが割引になるということをやっているところもあります。和歌山県は返納推進ということは打ち出していますが、特典はないです。そして、自治体でもさまざまやっていますけれども、なかなかそれが進んでいない。実際に、91歳の車を乗られている方とお話をしたのですが、「わしらは免許を返したら、さんまの1本も買いに行けんのやで。」という話をされていました。実際、そのとおりだと思います。
そうした中で、返せない状況がある。一方では返さざるを得ない。返納が進んでいるのは大都市部です。公共交通が発達しているところでは、返しても生活が成り立つので、返す人たちがそこそこいるという状況になっています。そうしたことから、非常に板挟みの中で、高齢者も免許を返そうか、返すまいか、悩みながらの生活を送っているということではないかと思います。
(2)に移ります。そういう状況を踏まえて、今後の対応についてということでお伺いします。
ア、路線バスや住民バスで対応が可能かということです。幾度かこうしたバス以外の手段による公共交通の確保が必要ではないかと取り上げてまいりました。その都度、当時の企画部長から路線バス及び住民バスを軸として対応していきたいと考える。こういう御答弁をいただいたのですが、果たしてそれで本当にこういった移動手段を持たない人たちのニーズに対応できると考えておられるのかどうか。再度確認をしておきたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答え申し上げます。
路線バス、住民バスにつきましては、定時定路線運行により不特定多数の利用者を一度に輸送する手段としてすぐれておりまして、さらに路線バスと住民バスの連携接続によりまして、広域間の移動が可能なため、移動手段を持たない人にとっては、通院、通学及び買い物等の日常生活に必要不可欠な移動手段であると認識しています。
こうしたことからも、本市における交通手段としては、今後も路線バスや住民バスの乗合輸送は欠かせないと考えていますが、一方で、移動手段を持たない人の中には、さまざまな事情によりバスを利用することが困難な方々が存在していることも認識しておりまして、市といたしましては、外出支援サービス等も実施しているところでございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 不特定多数とおっしゃったのでお聞きしたいのですが、確かに住民バスという一くくりに言いましても、さまざまな住民バスが田辺市内には走っておりまして、走っていた幹線道路の路線バスがなくなった場合に、廃止代替路線として走らせる住民バスというのもあります。また、従来からバス路線がなかったところに新規に、谷々の筋へ走らせる住民バスというのもあります。
とりわけ、谷々へ走っている住民バスですが、非常に利用が減っています。この利用者の減少、先ほど人口が減っていくという話があったのですが、それ以上に極端に減っている。減少率でいうと、余りにも極端だという話です。3月議会でも西谷線は1年間でたった6人しか乗らなかった。昨年のデータで見ると、そういう状況だったと。この利用者の減少の理由をどのように分析されているのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 住民バス利用者数の動向ということでございますが、各行政局管内で運行している住民バスの全体利用者数でございますが、平成27年度は1万405人、平成28年度が1万1,524人で、対前年比で1,119人の増加となっております。
利用者数増加の背景としては、路線の新設や停留所の設置など、地域の方々や利用者のニーズに対応する中で、住民バスの利便性が向上し、利用頻度や利用者の拡大につながったものと考えてございます。
それから、議員からお話がございましたけれども、小さな山間集落へ乗り入れている路線の中には利用者が減少している路線もございます。その減少の背景といたしましては、行政局管内の15歳未満及び高齢者人口が減少傾向にあることに加えまして、地域内の移動手段として住民バスが定着する中で、利用者がある程度、固定化されている状況であることから、その利用者が個人の事情等によりまして、住民バスを利用しなくなるような経緯を経まして、徐々に減少してきていることが要因であると思われます。
現在、こうした路線も含めまして、住民バス利用者の現状を把握するために、全地域で利用者アンケート調査を実施しているところであります。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 利用者が固定化すると言われました。おかしいですよね。最初に、不特定多数を運ぶ手段として住民バスとおっしゃっていたのに、要するに不特定多数ではないですね。特定少数になっていて、その人が使わなくなったから減ったと。議論としておかしいではないですか。構いません。現実はそうなのです。公共交通は足り得ていない。確かに、このバスは欠かせないもの。私も実現を求めてきた側ですから、当然、不特定多数の人を少しでも効率よく運ぼうということでこの実現を求めました。
そして、公共交通として一定の貢献をしてきたのです。ただ、利用者が減っている、固定化してきている背景には、バス停まで行けない人たちがふえてきているのです。バスは、一定のサイズのあるものですし、これはバスとしての届け出ですから、路線を勝手に変えられない。陸運局との関係もありますし、一つ変えるとなると大変な作業が必要になる。そうした中で、より最大公約数のところを回らざるを得ない。そんな中で、使い勝手が悪い。また、効率よくしようということで予約制にしたということから、前日までの予約としているが、なかなか次の日の体調までわからないので、予約できないという高齢者の声があります。また、土日運行がないということも含めて、さまざま使い勝手が悪いという。土日運行については現行でも可能なので、ぜひともやっていただきたいと思うのです。予約制のまま、土日も予約できるということは対応可能だと思うので、これについてはぜひとも検討はしていただきたいのです。
なかなか今の住民バスがニーズに対応し切れなくなってきた。そういう地域の現実があるのだと思います。そうした中で、では今後どうやって対応していくのか。
路線バスや住民バス、こういった不特定多数と言いましたけれども、こうしたものでは対応できないニーズの存在を認識しているのかどうか。また、そうしたニーズの存在を認識しているのであれば、今後どのような対策を考えているのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 御答弁申し上げます。議員から不特定多数の話がございました。先ほど、私が説明いたしましたのは、路線バス、住民バスの定時、定路線動向による不特定多数の大量輸送ということを申し上げたのですが、議員からもお話がございました、集落へ行く、そういうところへ行く減少傾向については特定の個人の方の事情により乗れなくなった方も多いのではないかと、そういう御説明でした。よろしくお願いいたします。
それから、今後、どのように対応していくのかということでございますが、移動手段を持たない人の中には、さまざまな事情により路線バスや住民バスを利用することが困難な方が存在していることは、先ほども申し上げましたとおり認識しております。
一方で、交通ニーズにつきましては、利用頻度、利用目的、行き先など、個人の実情に応じて状況が異なり、さらに、各種交通施策との整合性や交通事業者を初めとした関係者との調整など、多種多様な要因が複雑に絡み合っているのが実情でございますが、今後も地域の方々の移動手段確保に向けて、さまざまな観点から検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) バスの不特定多数利用の話ですが、住民バスが不特定多数を対象にできなくなってきている。いわゆるバス路線、バス停近くの人しか利用できないという限定的な条件をバスの側が持ってしまっているということです。誰でも乗れるのです。乗れるのだけれども、利用者の側が固定化せざるを得ない。私はバス停まで行けないので住民バスは利用できないという利用者側のそういう条件があります。そのことによって固定化してしまわざるを得ないということです。ここは言葉の話なので、ここで議論をしても仕方ないので、それは構いませんが、そういう状況の中で、今もるるおっしゃられ、企画部長になられて間もない中で、余り込み入った議論をするというのも非常に申しわけないのですが、机の上に、恐らく水色の冊子は公共交通再編計画の冊子も持っておられると思いますので、そもそものお話を1点お聞きしておきたい。公共交通再編計画は一体誰が何のためにお金をかけてつくったのですか。そのことについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 再編計画をどうしてつくったのかということでございます。公共交通、とりわけ地域の交通ということは、自動車等の移動手段を持たない住民の方々の通勤であるとか、通学、買い物などの日常生活を支える活動に対し移動手段を提供するのに、どういう方法がよいのかという現状を踏まえまして、将来、どういう運行手段をもって組み合わせていくのがよいのかということを市のほうで策定した計画でございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) その計画の中に、現状としてバスではなかなかそうしたニーズに対応し切れない。何らかの手だてを検討しなければならないと書かれています。これは僕が言っているのではないのです。僕はそうすべきだと思いますが、市がみずからつくった計画に現状も認識して、バスではやはりニーズを拾い切れないということを行政みずからがつくった計画に書いているではないですかということを重ねて申し上げているのです。
そこは大いに賛成です。バスというのは、一つのパイの一定数のあるところではうまく機能するけれども、これだけパイそのものも減ってきた。また非常に地形もこういう地形の中では、なかなかバスというのがうまく機能しない現状の中で、それでは僕も知恵を出そうということで、さまざまな御提案を申し上げていて、そこで建設的な議論をしようとするのに、いつも何か計画と違う答弁が返ってくるので、何のために計画をつくったのだろうと思ってしまうのです。
その点を踏まえて、建設的な提案ということで、若干資料も用意したので、御提案を行いたいと思います。
その前に、アについて、再度そういう議論をした中で3月議会で乗り合いタクシーの提案について御答弁をいただきました。3カ月たちまして、基本的には変わらないと思うのですが、この3カ月間、いろいろな検討、研究もされたかもしれませんので、若干平成29年3月議会、一般質問はどんな答弁だったかというのを皆さんもわかりにくいと思いますので、簡単になぞりますと、さまざまなよいところも言ってくださったのですが、デメリットの認識として、乗り合いで予約するので路線バスに乗り継ぎするときにおくれることがある。予定以外のところへ走ったりするのでおくれるときがある。運行主体のタクシー業者の選定にもいろいろと困る。新たな施設整備をするときの予約のための設備だとか、また誰を利用者として限定するのかという問題。費用的にも大変かかるということで、結論的には極めて困難な状況にあると考えておりますという答弁をいただいたのですが、この答弁は今も変わりませんか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 3月議会の答弁の認識は変わらないかということでございます。
乗り合いタクシーにつきましては、一般、乗合旅客の許可を受けた事業者が、主に自治体等の要請を受けて利用者の自宅等から目的地までの区間を予約状況に応じて巡回しながら乗り合わせて輸送する手段で、交通事業者と調整の上、区域内は自由乗降が可能とする場合や、おおむねの目安となる時刻を定め、拠点施設等に停留所を設置して運行する場合など、地域の状況に応じてさまざまな形態が採用されてございますが、乗り合いタクシーについては、予約の煩わしさや他人と乗り合わせることへの抵抗感、予約数の多寡による時間的な正確性の欠如、運行経費などに加えまして、道路運送法との関係、交通事業者との調整、地域公共交通会議での協議などの課題があるという状況には変わりはございません。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 状況は変わらないですね。僕は認識についてお伺いしたのですが、そういう困難であるからやるかやらないかという認識なのですが、若干、今乗り合いタクシーの御説明もいただいたので、参考資料を使って私のほうからも乗り合いタクシーについてお話ししたいと思うのですが、先日、選挙が終わってから、新たな市議団として前田佳世議員も含めて共産党市議団で視察に行ってまいりました。三重県の熊野市というところです。人口は1万7,545人ですから、人口で田辺の約5分の1程度、面積でいうと、373平方キロで面積的に言うと3分の1ぐらい。人口密度でいうと、若干、熊野市向こうのほうが少ない。そんなところで乗り合いタクシーを走らせています。
どんなものかといいますと、熊野市の場合は第一交通さんが受けられているみたいですが、業者に委託し運行されていて、自由乗降ではなくて自宅から目的地、目的地はいろいろ決められています。商業施設であったり、医療機関であったり、公共施設であったり、バス停であったり、こういう場所までの行き来ができる。また、目的地から目的地、病院から買い物のお店という呼び方もできます。予約は40分前にすればいけます。タクシーに乗る際に予約が煩わしいからタクシーは使いませんという人に、私は余り出会ったことはないのですが、予約の煩わしさといいながら住民バスをデマンド方式にしているのですね。ここは定時運航のバスを走らせていたらしいのです。福祉バスを走らせていたけれども、乗り合いタクシー導入に当たって、それを切りかえたらしいです。
だから、確かに予約制の煩わしさはあったそうです。予約してもらわないといけない。ただ、40分前なので、その日の朝起きて体調がよいからきょう行こうとできるのです。今の住民バスのように前日の夕方までにということではないのです。そういう意味では予約しやすい。1回の利用料金は300円。利用者の特定はありません。外出支援サービスの話も部長からありましたけれども、公共交通ですから誰でも利用できます。小学生が利用することも可能だということです。
委託ですから、新たな予約のための費用は要りません。当然向こうは、プロのオペレーターが受けてくれます。そこで予約して、この人とこの人をぱっと路線で組み合わせて走らせてくれるというようなことです。大体セダン型の普通のタクシーで走ったり、ワゴン車、ワンボックスで大きいので走ったりもしている。当然、今全国的には住民タクシーということで、白タクもやられていますけれども、これはプロです。二種免許を持ったプロのドライバーが走っているということで安心だと言われていました。
乗車人数と経費ということで、下のほうに表を書いたのですが、平成25年は秋から始めて1,000人です。翌年は5,000人と5倍に超えてふえています。次の年も8,000人、昨年度28年度で1万3,000人が利用しています。予算としては、今年度29年度は759万円ぐらい。市内で住民タクシー的なものが走っている地域もあるので、五つの地域で公共輸送について取り組まれています。乗り合いタクシーとして市が実施しているのがこの四つのエリアなのですが、それぞれ始めた年から翌年に倍化するのです。非常にそれだけニーズに合っているということです。負担としても、そんなにべらぼうな金額ではありません。1回300円の運賃収入は市のほうに入りますし、国からの国庫補助の路線に該当するところについては国庫補助もあります。それから、特別交付税で8割の補填もありますから、ほとんど持ち出しはないに等しいので、これだけのことができる。
利用者の方々にもわざわざ来ていただいてお話をお聞きしたのですが、何せ驚いたのは行政に対する信頼感と感謝の思いです。熊野市は非常に私たちのことを考えてくれている。こんな私たちでも自由に生き生きと暮らせるということを本当に語っておられました。行政サービスを通じて行政との信頼関係が築けるのだなと。職員もやっていて楽しいだろうな。こういうことをして感謝をされてと思いました。
中には、参考資料に書いているように、300円でできるというのはうそだと思った。300円でタクシーが乗れるはずがないという話、運転手さんもとても皆親切、1日7便走っているので都合に合わせて予約しやすい。最初は確かに電話をするときに勇気が必要だったが、今は何ともない。確かに、乗り合わせなので、乗り合わせたくない人と一緒になるときもある。でも300円だからそんなことまで言わない。
なぜ熊野市がこういうことに取り組むようになったのかというのは、最初は当然、住民タクシー、白タクで住民が取り組み始めて、デマンド方式が非常に効率がよいということがわかった。その中で、平成24年にとにかく検討を始めろと市長の号令がかかりました。さまざまさっき言われた困難はあります。公共交通会議でさまざま業者との調整も必要になります。
しかし、平成24年9月に検討を開始して、一番最初のタクシーが走り出したのは平成25年10月です。1年間で走ることができているのです。さまざまな条件があったかもしれません。それで、次々とこれはよいということで、うちの地域でもうちの地域でもとどんどん広がり今4地区で走らせている。担当職員からもお話を聞きました。やはり一番苦労したのは業者間の調整だと。民業圧迫にならないような形の調整も必要だということで、そこの調整も非常に苦労したということです。他市町村へ乗り入れるというところをどうするのか。幹線はバスを残すのだと。地域内での消費を促進するために、エリア内での利用とする。そのためにこの4エリアに分かれているのです。そのときに、福祉バスについては、これで十分カバーできるので、これにかえてしまうということで廃止する理解を求めたということを言われていました。
やって悪いというものは何も出てきていない。非常に困難だと言われましたが、要はやると決める政治判断と行政がそのために汗をかくかどうかだと考えます。私は、こうした状況を見る中でいうと、やはりここはトップの政治判断をしていただくべきだと。そして、そのために職員の皆さんにも汗をかいていただいて、ぜひとも走らせていただきたいと思うわけですが、当局の認識はいかがでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
乗り合いタクシーにつきましては、各地域の地理的条件や集落の分布状況、さらに路線バスやタクシー等の公共交通機関の運行状況や営業範囲等によって、さまざまな運行形態がございます。また、既に乗り合いタクシーを導入している自治体とはそれぞれの地域事情や背景が異なるため、田辺市にそのまま適用することは難しいとは考えてございますが、導入している自治体の事例を調査し、本市の公共交通体系のあり方について研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 最後で若干前向きな御答弁をいただきました。100点のものというのは何をやってもないと考えています。ただ、今の状況は何か手だてを取らずに放置できる状況にはないというのも現実です。そうした中で、試験運行でも構いません。中辺路町で住民バスを走らせたときにも、最初、試験運行で半年間やるという形でスタートしたと思うのです。まかり間違っても1カ月の試験というのはやめていただきたいのですが、1カ月ぐらいでは定着する前に終わってしまう。実績をもって、やはり利用が少なかったといってやめてしまうというのは余りに余りなので、半年間ぐらい一度試行錯誤する。半年して一遍やめるかもしれませんよという前提でも構いません。とにかく一度やっていただきたい。前向きに進めていっていただきたいと思います。きょうは感情が高ぶりましたけれども、この件については、今後とも引き続き議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
2点目の生活保護費詐欺事件についてお聞かせいただきます。
この件については、前の任期以来ずっと継続して取り上げてきました。市長の任期の間に、合併3期目の間に公表して、そして市民の審判を受けるべきではないかと、途中経過であっても公表すべきではないかということを求めてきましたが、残念ながら今日に至っております。そういった中で、なるべく早い時期にという御答弁をいただいてきたわけですが、現在の調査の進捗状況について、どのような状況にあるのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員御質問の調査の進捗状況はどうかについて、お答えいたします。
調査につきましては、鋭意全容解明に向け、適正、不適正の判断材料となる証拠資料の収集及び関係者、関係機関への事実確認を行いながら、元職員に対しまして、昨年7月から20回約116時間にわたる聞き取り調査を実施しており、現在におきましても、慎重かつ徹底的に調査を行っているところであります。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 調査が終わり次第、発表されるということでしたから、まだ調査を行っているというのは当然だと思うのですが、進捗状況を聞いているのですから、どこまで進んでいるのかという質問です。イのところで再度お聞きします。
では、今の進みぐあいからして、いつごろ公表されるのかをお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほど申し上げました現在実施している調査が終わり次第、弁護士等にも調査結果を確認いただき、損害額を確定した上で公表いたしたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 具体的な御答弁がないのですが、今損害額というお話もありましたのでお聞きします。では、結果を公表した後、どういったことが具体的に行われるのか。損害額の確定ということですから、それにまつわってさまざまな行政的な手続があるかと思うのですが、そのことについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
公表後におきましては、加害者である元職員に、市等が受けた損害額を請求することとしております。また、生活保護費につきましては、その大部分が国庫負担金で賄われておりますことから、国へ返還すべき国庫負担金の返還手続について、国及び県とも協議を行っているところでございまして、しかるべき段階で、損害賠償額及び国への返還額の予算を計上させていただきたいと考えております。
なお、管理監督する立場にあった元職員の直属の上司につきましては、不正または不適正な事務処理が行われることとなった原因、これらが行われたことによる結果や影響などを総合的に勘案して、厳正な対応を検討したいと考えているところでありますので、御理解賜りますようお願いします。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) この問題は余り建設的な話ではないです。正直言って、やっていても楽しいものでも気持ちのよいものでもありません。なぜ共産党はこんなにしつこくこの問題をやるのかと思われることもあるかもしれません。私たちは前の任期中に、議会で全容解明と再発防止のために調査特別委員会の設置をすべきだと、議会の中でも提案をしました。残念ながらこれについては否決されました。当局は、こういう金銭授受、金銭を取り扱う部署全てについて見直しを行う、全面的にこういうシステムを見直す。再発の防止に断固として取り組むということで、議会の特別委員会設置反対の中でも、警察に委ねられたとか、当局は一生懸命やると言っているのだからなど。私は議会としては本来はチェック機能ですから、当局がやるのは当然のこと、でも議会もそれを外部の目でチェックすべきだということで提案をしましたけれども、残念ながらその設置には至らなかった。
全面的に見直しをして、二度とこういうことが起こらないという覚悟で臨んでおられるということですが、残念ながら選挙前に、非常にずさんな公金の管理の現場を目にしました。こんな扱い方はないでしょう。なくなってもわからないでしょう。それも個人のものじゃないです。個人で置いていたとかそういう問題ではない。残念ながら行き渡っていないのです。見直したと言っているかもしれないですが、全ての部署にそれが行き渡っていなくて、また起こり得るのです。これは故意によるもの、過失によるもの、紛失も含めて起こり得る管理の現場に遭遇しました。ここで部署を上げてどうこうということはしませんけれども、そのときに、やはり議会がしっかりと全部のところを見なければならないと思いました。
この問題を取り上げてきたのは、システムの問題だとずっと言ってきましたけれども、個人の責任、当然、行為を行った職員個人が悪いのは当然です。しかし、それを許さないシステムがあれば、やろうと思ってもできない。強盗のように力づくで奪い去っていけば別です。不正に詐取するというのは、詐取できる条件がなければあり得ないのです。だから、システムの見直しをきちんとやりましょう。そして、僕たちも行政のチェック役としてお金をいただいている議員なので、そのための仕事をやりましょうということを提案して、こういう形で何度も取り上げてきました。この問題については、一日も早く公表が行われて、新たな信頼回復への一歩、会見のときに市長も信頼回復に努めると言ったが、信頼回復の行為というのは、公表してからしかスタートしないのです。ここで一度、自分たちも大きな批判、行政もそうですし、一生懸命やっている圧倒的多数の職員もこの批判にさらされます。議会も一体何をしてきたのか。おまえたちは年間750万円もの支出を受けて、22人もいて何を見てきたのか。そういう批判にさらされます。しかし、そこからしか信頼回復はスタートしない。だから、早く公表していただきたいという思いで取り上げてきました。一日も早い公表を求めます。
乗り合いタクシーについては、自分自身も公約として掲げました。公約というのは4年間の公約ではありますけれども、先ほども言いましたように、4年間待てない現状です。実際、僕の担当地域というのは、選挙のたびに4年すると本当に多くの人たちに出会えないのです。一番最初21年前にこっちへ越してきて、町会議員選挙に出たときは、よそから来た当時31歳の私が地域を回っているときに、「こんな暑い中よう来たな。お茶でも飲んでいき」と言ってくれたおばあちゃんたちも、圧倒的多数が出会うことのない人たちです。御存命の方でも施設に入ってしまって、もう出会えないという方たちもふえてきている。そうした中で、本当にこのバスの実現を望む人たちが多くいらっしゃいます。実は、選挙が終わった直後に電話がかかってきて、電話番号を教えてほしいということでした。私の電話番号かと思ったら違うのです。タクシーを予約したいので電話番号を教えてほしいと。それぐらい切実なのです。一日も早く実現させなければならない。そして、実現するのに、当局がその気になってから1年はかかるのです。熊野市は一生懸命やっても1年かかった。そういうことでいうと、早くそのための一歩を踏み出してもらわないと、間に合わない人たちが多数いらっしゃる。その中では、一日も早い実現を求めて、今後とも具体的な提案も行っていきたいと思います。これからの4年間もしっかりそのために頑張っていくことを決意申し上げまして、一般質問を終わります。
どうもありがとうございました。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、5番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時55分)
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―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、9番、髙田盛行君の登壇を許可いたします。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 皆さん、こんにちは。9番、篤志会、高田盛行です。4月24日に当選証書をいただき、5月22日に今期4年間の議員任期が始まり、5月26日には臨時議会の初登庁、そして、きょうは初の一般質問と、この約2カ月余り、初めてのことばかりで慌ただしく過ぎてまいりました。そのような状況下での初質問であります。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして一般質問に入ります。
まずは、中学校運動部活動についてお伺いします。
1点目といたしまして、中学校運動部活動の現状についてお伺いします。私自身、中学校での教員生活が長かったもので、中学校教育、特に部活動につきましては、強い関心がございます。この議場におられる皆様方も中学生時代は、クラブ活動・部活動で活動された経験をお持ちのことだと思います。
その部活動とは何かについて、和歌山県中学校運動部活動の在り方に関する有識者会議のまとめから引用しますと、「運動部活動は、生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を育て、体力の向上や健康の増進を図るだけでなく、生徒の自主性や協調性、責任感、連帯感などを育成するとともに、部員同士が同じ目標に向かって取り組むことで、豊かな人間関係を築くなど、心身ともに健全な育成を図ることができる大変有意義な教育活動である。」と定義されています。
また、文部科学省から出されている学習指導要領では、「学校教育活動の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。」と記されています。つまり、部活動は、教育課程での位置づけはなされていませんが、学校教育活動の一環としての有用性が認められているといえます。
しかし、近年、少子化による生徒数の減少や、それに伴う教員数の減少、専門性を有する顧問教員の不足、生徒のニーズや保護者の要望への対応、一部に勝利至上主義の弊害が生じているなど、運動部活動の運営等について、さまざまな課題が指摘されている状況にあります。
また、平成24年12月に発生しました、大阪の桜宮高校のバスケットボール部顧問教員の体罰を背景として、高校生がみずからの命を絶つという痛ましい事故については、皆様も記憶に新しいところではないでしょうか。
当市議会においても体罰につきましては、何度か質問されていますが、少し視点を変えて質問いたします。先ほどの有識者会議のまとめによりますと、「一部に休養日を設けないで活動することで、生徒のバランスの取れた生活や成長に支障を来している場合があることや、長時間の指導が教員の多忙化の要因になっていること等が、運動部活動の新たな課題として取り上げられるなど、社会的な関心も高まっている。」と記されています。
そこで、まず現在の田辺市の中学校運動部活動の現状について、教育委員会はどのように認識されているのか、特に、生徒、教師の多忙化という点について、まずお聞かせ願いたいと思います。
2点目としまして、去る5月の連休に、たまたま中学校の野球の試合を観る機会がありました。ちょうどその場には、私が教員時代、野球部の生徒であった保護者も子供の応援に来ていました。そこで、その保護者が私に「先生、ことしから中学校の部活動が週に1回、休みになるんやで」と少し驚いたような口ぶりで話してくれました。そうかもしれません。私自身も学生時代、教員になってからも、平日は練習時間が短く思うようにできないため、土曜日・日曜日・祝祭日は、練習や試合が最もできるときであると思い部活動を続けていました。その保護者も生徒の時は、そのような指導を受けてきたため、戸惑うのも無理からぬことではないと思いました。
実は、私は、この保護者から先ほどのような話を聞く前に、和歌山県教育委員会から出された和歌山県中学校運動部活動の在り方に関する有識者会議まとめの概要、今、皆様の手元に資料として配付させていただいているものに目を通していましたので、その保護者の言っていることが、有識者会議の提言を受けて、県教委から市教委に通達がきて、各学校から保護者に説明やお願い文が配布されたのではないかと思いました。
和歌山県教育委員会では、中学校運動部活動の改善に向けて、平成27年9月1日から1年間をかけて、和歌山県中学校運動部活動の在り方に関する有識者会議が6回開催され、平成29年1月に和歌山県中学校運動部活動指針なるものが発表されました。
この指針を田辺市ではどのように取り扱われているのか。また今後、どのように進めていくのかについてお聞かせください。
次に3点目です。生徒、保護者、学校の反応についてですが。和歌山県教育委員会のその指針を実施するに当たって、まだ実施後間もないわけですが、生徒・保護者・学校の反応はいかがでしょうか。生徒・教員の学校生活における多忙さは、過去における調査等でたびたび指摘されてきました。
今回質問するに当たって、ある中学校の校長先生を訪ねました。校長室に通され、まず目に入ったのが、行事黒板が1カ月ではなく、2カ月分近く掲示されており、その中には、部活動の大会の応援も数多く含まれていました。多忙さは、管理職も例外ではないと改めて思いました。
その指針を実施することによって、生徒・教員に少しでもゆとりが生まれ、休養を取ることができ、勉学に、また、家族や地域とのコミュニケーションなど、いろいろな方面で生かされることは、プラスの面での効果が予想されます。
しかし、心配される要素はないのでしょうか。先ほどの保護者の例ですが、彼は中学校では県大会まで出場し、優勝経験もあり、卒業後は高校でも野球を続け、チームの主力で活躍した選手でした。そのため、週1日の休日により、競技力やレベルが落ちはしないか等、心配しているのではないかと思いました。
また、顧問・指導者の方々の中には、部活動の指導にもすぐれ、生徒を学習・スポーツに上手に導いている方々もおられます。「教師は授業で勝負」と、私も初任のころ、管理職・先輩の先生方からもよくアドバイスをいただきました。確かに、そのとおりです。しかし、教員にも得手不得手があります。学校教育は、教科指導だけではありません。教育課程は、教科・道徳・特別活動・総合的な学習の4領域からなっていますし、部活動は、教育課程に通ずる教育活動と認められています。
私は、この各領域をバランスよく身につけることが大切で、しかも、その中で自分の得意分野を持ち、他の分野に生かしていくことが大切だと思っています。
そこで、部活動指導にすぐれた力量を持つ方々のモチベーションが下がらないか、それが引いては中学生の競技力やレベルの低下につながりはしないかと心配するのですが、現在の生徒・保護者・学校の反応をお聞かせください。
最後に、生涯スポーツとりわけ社会体育・社会スポーツとのかかわりについてお聞きします。
中学校の部活動においては、従来から各種目の協会等とのかかわりが少なからずあり、春の大会は協会主催・共催、夏の大会は中体連主催、また、それ以外にも各種大会等が数多く開催されているのではないでしょうか。
それだけ関係の深い社会体育・社会スポーツの関係する協会・団体の方々にも、県教育委員会・田辺市教育委員会の方針、そして、各学校・学校体育連盟の対応姿勢を説明・周知しておくことが大切ではないかと思います。
指針の調査資料等にもありますが、若い先生方がふえ、部活動を担当する顧問が保健体育科以外で、その種目の活動経験がない先生方が多くなり、外部指導者にお願いをすることが今後多くなると予想されます。
今議会の教育委員会の予算にも計上されている運動部活動指導員7名の配置依頼や、今後、大阪市や東京都杉並区のように部活動を外部に委託するような制度が導入されないとも限りません。
また、スポーツ庁で検討されているガイドラインの中には、「中学校の運動部では、学期中は、週当たり2日以上の休養日を設定」などの記述も見られます。となると、学校部活動の活動時間等が短縮され、ますます社会体育・社会スポーツ分野との協力が重要になってくると思われますが、その認識はいかがでしょうか。
以上、4点につきまして、御答弁よろしくお願いします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 9番、髙田盛行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、中村久仁生君。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 議員御質問の中学校運動部活動の現状についてでありますが、部活動は生徒にとって、スポーツや文化及び科学等に親しむとともに、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養に資する重要な活動として、教育的意義が高いものであります。田辺市の各中学校においては、そのことを十分に踏まえた取り組みが展開されております。一方、部活動の時間が増加しますと、生徒自身の十分な休養の時間や家庭学習の時間、また家族と過ごす時間や地域の行事に参加する時間など、生徒が家庭や地域で過ごす時間がその分減少するということでもございます。
また、教職員につきましては、議員も心配されていますとおり、昨年度田辺市教育委員会が行ったアンケートによりますと、中学校教職員のおよそ9割が時間外勤務を行っております。その時間外勤務の主な理由の一つが部活動であると回答した教職員は、全体の4割弱という結果が出ております。教育的意義を感じ、熱心な指導が行われている一方で、部活動等による負担感や多忙感を持つ教師がいることは議員御指摘のとおりであります。
続きまして、和歌山県中学校運動部活動指針の市の対応についてでありますが、この指針には、三つの柱がございます。一つ目は、学校教育の一環としての運動部活動であることを再確認すること。二つ目は、運動部活動を支える環境整備を図ること。三つ目は中学生期の発達段階に応じた望ましい指導をしていくこと。この3点であります。
この発達段階に応じた望ましい指導の中で、1週間のうち1日は休養日を設けることや、平日の練習は2時間程度とすることが示されてございます。
田辺市におきましては、この指針を受けて、昨年度末、西牟婁地方4市町の教育委員会教育長と、また、田辺・西牟婁校長会と、田辺・西牟婁学校体育連盟の代表の方が集まって協議をしました。そして、この指針を遵守することを確認いたしました。そして、校長会において各学校で周知徹底を図るようお願いするとともに、今年度当初には、学校を通して保護者にも理解と協力をお願いしたところであります。
さらに、各学校から部活動の内容について定期的に報告を受けることによって、実態把握にも努めております。
次に、生徒、保護者及び学校の反応についてでありますが、原則土曜、日曜いずれか1日の休養日の設定、及び平日2時間程度の練習時間の設定につきましては、生徒、保護者及び教職員から特に関心が高い項目であると思われます。一部の教職員や保護者の中からは、練習時間の短縮によって競技レベルが維持できないのではないかという懸念の声もあると聞いております。しかし、ほとんどの教職員、生徒、保護者におきましては、おおむね指針の趣旨を御理解いただき、受け入れていただいているものと理解しております。
今後も、発達段階に応じた休養の重要性を認識するとともに、一方では短い時間での効果的な指導法を研究するなど、指導法の工夫、改善を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、生涯スポーツのかかわりについてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、部活動は学校教育の一環であり、教育的意義も高いものがあります。しかしながら、生徒数の減少やニーズの多様化から、学校の部活動だけでは対応し切れない側面があることも事実であります。
部活動の意義や和歌山県中学校運動部活動指針の趣旨等を踏まえ、休養の取り扱いも含めて、部活動と生涯スポーツが同じ方向に向かって連携していく必要があると考えてございますので、よろしくお願いいたします。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 2点目のどのように取り扱っているかという質問のお答えの中で、やはり4月から実施されてのきょうで6月です。4、5、6月と3カ月の中でありますので、そんな大きな反応、トラブルはないかもわかりませんが、今後学校からの報告を受けて、実態を把握しながら修正すべきところは修正するという対応をとられているようなので、そのあたり懸念しますのは、学校週5日制、平成14年にスタートしたときに、子供たちを週1日は家庭、地域へ戻そうといった、あの制度が今、ないがしろになってきている。こういう状況の中で、このような週1日は休ませようという制度が出てくる。また同じ繰り返しかというような反応を持つ方もおられると思います。だから、このことに関してこういう報告を受けて、実施をしていっていただければと思っております。最後に少し触れたいと思います。
それから、3点目に上げました、生徒、保護者、学校の反応という点ですが、週1日休ませるということに関して、私は自分自身も教員時代がんがんにクラブ活動をやってきた人間として、休みをとることによってレベルが下がらないか。技術力がというような思いを常に持ちながらやってきたものでございます。
ただ、県から出た指針の中に、こういう文言が入っております。恐らく、教育委員会でも見られていると思うのですが、中学生期の発達段階に望ましい指導のあり方、休養日の設定という中で1週間のうちに1日は休養日をとりなさいという一番最後に、アンケート結果から、本件では1週間休みなく練習している部と1日休養日を設けている部を比較して、近畿大会や全国大会に出場する割合に特段の差は見られなかったというくだりであるとか、もう一つは練習時間の設定、これに関しては平日は2時間、休日は4時間にしなさいよという、その一番最後に、アンケート結果からは、本県では、平日、休日の1日当たりの練習時間が長いことが近畿大会や全国大会に出場するなど、競技成績を押し上げているとは言えなかったという、そういう言葉で区切られております。
こういうあたりが、今のクラブを熱心にされている先生方を説得する一つの材料ではないかと思われますので、また一つ御活用いただけたらと思っております。
それで、今回の質問を準備していました6月22日です。文部科学省が「教員の働き方改革」として、中教審総会で、学校現場での長時間労働解消に向けて諮問をしたというニュースがテレビで放映されていました。翌日の朝刊では、その諮問書には、「次期学習指導要領を確実に実施するため、授業のほか、生徒指導や部活動などで多忙となっている教員の役割を見直し、勤務環境を整備する必要がある」と強調されたと載っていました。
まさに、国の目指す方向を一足早く、和歌山県・田辺市が実行に移したのではないかと思っております。
平成28年9月の和歌山県議会において、宮下県教育長に、教員の多忙化解消に向けて、県教育委員会の本気度について質問がなされたということもあったようです。先日、県の部活動担当者に聞きますと、今回は県教育長も指針の実施に向けて力を入れているとのことでした。
確かに、全県下的に実施するには、各地域ごとに県下の事情もありますので、足並みがそろいにくいと聞いておりますが、田辺・西牟婁が県下のモデルを示すという意気込みを持って取り組んでいただきたいと思います。
今後、田辺市、我が国を支えていく将来のある中学生が部活動で、バーンアウト等で挫折することなく、指導関係者が部活動の趣旨を踏まえ、中学生時代の部活動は一通過点であり、生涯スポーツへつながる指導、休養も練習の一環と理解し、田辺市の中学生が賢く、元気で、たくましく育ってくれることを願って、この項での質問を終わります。
二つ目の質問に移ります。
市のスポーツ行政についてお伺いします。
1点目は、今回策定されました第2次田辺市総合計画におけるスポーツの位置づけについてであります。田辺市の今後10年間の方向性を決める第2次田辺市総合計画は、昨年7月5日に第1回審議会が開催され、ことし3月27日までの約9カ月にわたり、計6回の審議を経て、4月14日に吉村会長より答申がなされ、市長が政策判断をされ、今議会には、基本構想の策定についてが提案されています。
その計画の中の六つの基本方向に基づき、政策、第1章「人」の施策5に、スポーツ振興が位置づけられ、将来のあるべき姿では、「生涯スポーツ社会が実現され、市民誰もが気軽にスポーツに親しみ、健康で豊かな生活を送ることができています。」と明記されています。
スポーツの持つ魅力や効用については改めて申すまでもなく、皆様方それぞれがお持ちのことと思います。
2015年に本県では、2巡目となる紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が開催され、田辺市でも弓道・軟式野球・サッカー・ボクシング、またデモンストレーションスポーツでは、合気道・キンボールスポーツ・インディアカ、そして障害者スポーツでは、バレーボール・バスケットボールが開催され、市職員の方々はもちろんのこと、市民・県民の多くの方々の御協力があって成功裏に終了できました。
その国体の盛り上がりを一過性のもので終わらせるのではなく、これを契機に持続・発展させることは、市民・県民誰しも願うところではないでしょうか。
幸い田辺市では、田辺スポーツパークの開設により、施設の充実とともに、各種目の競技力が、大いに向上してきたのではないでしょうか。
今後、2019年にはねんりんピック、2020年には東京オリンピック、そして、2021年には関西ワールドマスターズゲームズなどの大きなイベント等が予定され、今以上にスポーツの機運が高まることが予想されます。
また、スポーツの振興は、一スポーツ界の繁栄だけではなく、観光・産業等、他分野への波及効果もあり、今後、スポーツを核に他分野とのコラボレーションが、田辺市の発展にも寄与するのではないでしようか。
このような状況の中での第2次田辺市総合計画におけるスポーツ振興の位置づけについて、市当局の思いをお聞かせ願えればと思います。
2点目ですが、国では、平成23年にスポーツ基本法が制定され、スポーツに関する施策を総合的に推進できる組織としてスポーツ庁が新設され、鈴木大地氏が長官に就任されました。
そして、和歌山県では、スポーツ基本法第10条に明記されている「都道府県及び市町村の教育委員会は、スポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即したスポーツ推進に関する計画を定めるよう努めるものとする。」に基づいて、平成28年12月に出された和歌山県長期総合計画を受けて、和歌山県スポーツ推進計画(案)-豊かなスポーツライフの創造を目指して-が、平成29年3月に発表されました。
その内容は、第1章では「推進計画の策定に当たって」から始まり、策定の背景、性格及び期間、第2章では「基本方針」、第3章では「スポーツ推進の具体的な方策」、第4章では「連携・協働による施策の総合的な推進」となっています。
田辺市においては、国、県が、スポーツに対する理念、方向性を明確に提示されたことに対して、どのように対応されるのかお聞かせください。また、県下の市町村の状況はどのようになっているのか、あわせてお聞かせください。
3点目です。2点目の質問の流れを受けてですが、第2次田辺市総合計画は、田辺市全体の今後10年の姿を描くものでありますが、スポーツ分野において、先の質問でも触れましたように、国体を通じて、また、今後予定されているビッグイベント等を控え、このスポーツの機運が盛り上がっている時期、また来年は、田辺市体育連盟創立70周年の節目の年だとお聞きしています。
確かに、田辺スポーツパークが整備され、南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会を初め、関係職員の方々の大変な営業努力で、スポーツ合宿等での市外からの学校や企業チーム等の利用頻度が高くなりました。今後の利用増加に向けて大いに期待すると同時に、これからは田辺市民のスポーツ振興について、市が積極的にリーダーシップを示す時ではないでしょうか。
田辺市のスポーツ界の今後10年の進むべき方向を示す、田辺市スポーツ推進計画(仮称)なるものを策定されるお考えはあるのかどうか、お伺いします。
2020年に開催される東京オリンピックに向けて、田辺市からもオリンピック選手を輩出できるよう頑張ろうという意気込みがあってもよいのではないでしょうか。
最後になりますが、市のスポーツ界を統括する新しい組織の新設についてお伺いします。
現在の田辺市全体のスポーツ界を見ますと、田辺市体育連盟・体育協会を中心にして、スポーツ少年団、スポーツ推進委員、総合型地域スポーツクラブ、各種学校体育・スポーツ、そして、その他各種団体が日々活動をなされている状況ではないでしょうか。
私ごとですが、平成11年度に学校現場から、市の市民スポーツ係に配属され、総合型地域スポーツクラブという初めて聞く事業を担当することとなりました。その当時、その事業を推進する文部省・日体協の方々からの話では、「従来の日本のスポーツ界は、企業と学校が支えてきていた。しかし、少子高齢化の流れ、バブルがはじけて、経済の低迷による企業のスポーツからの撤退など、従来の日本型のスポーツ界の形態が、疲労骨折を起こした状態といえる。」と言われていました。
そのような時代の流れの中にあって、現在、田辺市のスポーツ組織は、それぞれの団体が独自の活動で横並びで活動し、横の連携、また全体を視野に入れ方向性を示す、そういう組織が不在ではないかと思われます。
そういう組織は、全国的に見て、名称はともかくとしましても数多く存在するのではないでしょうか。例えば、私案として申し上げれば、仮称ですが「田辺市スポーツ振興財団」、そのような組織の立ち上げを検討されるお考えはあるのでしょうか。
以上、4点につきまして、御答弁よろしくお願いします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 通告時間が迫っておりますので、発言は簡潔にお願いします。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問のうち、1点目の第2次田辺市総合計画におけるスポーツの位置づけについては私から、あとは担当部長からお答えいたします。
第2次田辺市総合計画につきましては、本議会へ基本構想部分を議案として、また、基本計画及び重点プロジェクト部分を議案参考資料として提出しております。
基本構想におきましては、まちづくりの理念を「一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくり」と定め、まちの将来像を「人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺」の実現に向けたまちづくりの基本方向として、人、活力、安全、希望、安心、快適の六つのテーマを掲げております。また、これらの基本方向に対する具体的な施策の方針や展開等を体系的に示した基本計画、さらには、将来像の実現に向けて、横断的な施策の連携を強め、戦略的にまちづくりを進めていくため、重点プロジェクトにより構成しています。
こうした構成の中で、スポーツにつきましては、市民一人一人が心豊かに人生を歩むことのできる環境を整える基本方向の「人」を構成する施策の一つとして、スポーツ振興を位置づけ、市民誰もが気軽にスポーツに親しみ、健康で豊かな生活を送ることができるよう、スポーツ活動の支援や施設整備など、各種施策の展開をお示ししております。
また、基本方向の「活力」を構成する施策「情報発信交流」におきましても、田辺市スポーツパークを中心としたスポーツ合宿や大会誘致の取り組みを、交流人口の増加や地域の活性化に寄与する重要な施策の一つとして、位置づけているところでございます。
以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の2点目、国のスポーツ基本計画及び県のスポーツ振興基本計画を受けて、並びに3点目、田辺市スポーツ推進計画(仮称)の策定についてお答えいたします。
まず、国においては、スポーツ基本法に基づき、平成24年3月にスポーツ基本計画が、そして平成29年3月には、スポーツ立国の実現を目指す上での重要な指針として第2期スポーツ基本計画が策定されており、計画の理念を「スポーツの価値」として具体化するとともに、中長期的なスポーツ政策の基本方針や今後5年間に取り組む施策が示されています。
また、和歌山県においては、この国の計画を受けて、現行の和歌山県スポーツ振興基本計画を和歌山県スポーツ推進計画として、新たに作成中であり、県内の市町では和歌山市、橋本市、海南市などが現在スポーツ推進計画や振興計画を策定しているという状況でございます。
このような中、本市におきましては、第2次田辺市総合計画を初め、田辺市教育大綱、田辺市の教育並びに田辺市生涯学習推進計画において、スポーツを重要施策の一つとして位置づけ、スポーツ振興に係る各施策に取り組んでいるところでございます。
スポーツ推進計画の策定につきましては、今後、社会情勢や生活スタイルの変化に伴い、スポーツの価値やスポーツが果たす役割も変わってまいりますので、時代に即した施策の展開が図られるよう、国や県が示すスポーツ基本計画、スポーツ推進計画に基づき、本計画の策定について検討してまいりたいと考えております。
続きまして、議員御質問の4点目、市のスポーツを統括する新しい組織の新設についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本市には、体育連盟・体育協会・スポーツ少年団・総合型地域スポーツクラブなどのスポーツ関係団体が組織され、それぞれに活動を行っておりますが、構成団体や設立趣旨、地域性や活動内容等もさまざまでございます。
しかしながら、同じスポーツにかかわる団体として、資金面や安全対策、指導者の育成等共通した課題も多く、市といたしましても、これら団体への活動支援とともに、熱中症予防やケガの応急処置、AEDやテーピング技術の講習等、共同で行う研修会を実施するなどの取り組みを進めているところであります。
このような状況の中、議員御提案のスポーツ振興財団のような各スポーツ団体を統括する新たな組織の設立は、団体間の連携はもちろん、各団体が抱える課題の共有・解決にもつながり、ひいては、スポーツの普及・発展にも結びつく有効な手段の一つだと考えますが、新組織設立には、各種団体との調整や活動資金の確保等、調整項目や検討課題も多いことから、今後は他の自治体等の先進地事例を参考にしながら、調査・研究を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 40分の通告時間が過ぎていますので、若干の発言を許可いたしますが、簡潔にお願いいたします。
髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 済みません。時間の読みが甘かったもので超過してしまいまして申しわけございません。種々、御答弁をいただきました。今回の私の質問に関しましては、平成24年6月議会で久保議員がスポーツ基本法施行による田辺市の取り組みについてという質問がなされていました。
そして、中村教育長が残り時間が少ない中で、市民憲章にのっとり全力を挙げて取り組むという種々の御答弁を端的に力強く述べられておりました。
その後、平成27年に紀の国わかやま国体、わかやま大会が開催され大変忙しい状況であったことは承知しております。
ただ、先ほど御答弁にありましたように、タウン誌の状況を聞きますと、和歌山市、橋本市、海南市では既に策定されているとのことでありました。
県下第2の都市田辺市としましても、また紀南をリードする田辺市としましても、策定に取り組んでいただけるよう期待したいと思っております。
答弁では、検討、さらなる調査研究ということでいただきましたが、私も微力ではありますが、支援協力させていただきます。今後の進展に期待しまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、9番、髙田盛行君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、1時50分まで休憩いたします。
(午後 1時42分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時50分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、4番、前田佳世君の登壇を許可いたします。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 皆さん、こんにちは。4番、日本共産党、前田佳世です。たくさんの方々の願いによって、この議会に送り出していただきました。子供たちに平和な未来を手渡すため、そして市民の皆さんの願い実現と田辺市のさらなる発展のため力を尽くしてまいりたいと思います。通告に従いまして質問を行います。
まず1項目めは、学童保育の拡充についてです。
安心して働きながら子育てもしたいという親たちの切実な願いによって、42年前に旧田辺市で最初の西部学童保育所が開設されました。合併以前に7カ所だったのが、今日に至っては倍近くの13カ所となりました。大規模校においては全ての校区に設置され、さらなる拡充を図るため、平成27年度には構成人数の開設基準を10人以下と緩和されるなど、少しずつ進展しています。
しかしながら、特に山間部において少子化と過疎化の影響で未設置の地域があり、量的課題が依然残されています。
山間部においては、まず、未設置の対応についてお伺いしたいと思います。山村部では家が点在しているため、自宅すぐ近くに遊べる友達がおらず、地域の方々も高齢化で自宅に引きこもりがちです。親たちの中には、放課後にやむなく1人で留守番させている我が子を心配しながら働いている人たちがいます。せめて夏休みなどの長期休暇だけでも、安心して預けられる場所が欲しいと、龍神や中辺路では保護者たちが自主サークルを立ち上げ、交代で仕事を休みながら子供たちを見守ってきました。仕事で忙しい上に、サークル運営費の工面や指導員探しに奔走しているのは、聞くだけでも相当な苦労をしていると感じられます。
この状況を打開すべく、ことしの夏休みから龍神、中辺路で行われる「山村地域における子供の居場所づくり事業」は、保護者にとっては大変な喜びであることでしょう。しかしながら、保護者の本来の願いは、通年での学童保育所の開設です。田辺市としては、数値的ニーズはつかんでおられることと思いますが、その切実度がいかほどか把握しておられるのでしょうか。お伺いいたします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 4番、前田佳世君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えします。
平成27年4月から、子ども・子育て支援新制度がスタートし、2年2カ月が経過したところでありますが、田辺市では、平成25年度に実施しました田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査の結果に基づき、平成27年3月に「田辺市子ども・子育て支援事業計画」を策定しております。
現在、この計画に搭載している各事業を計画的に推進しているところであり、平成25年度のニーズ調査及び平成28年度に実施した、中辺路小学校区を対象としたアンケート調査結果からも、児童数の少ない小学校区におきましても、学童保育所の開設要望があることは認識をいたしております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 数値的なニーズは把握しておられるということですが、特にお母さんたちのお声というのは把握しておられるでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 小規模校におきましては、児童数自体が少ないということもあります。この児童を学童保育所の要件であります保育が必要であるなしに分けるということについてはいかがなものかという議論もありました。
平日においては、スクールバスを使っての通学という状況もございます。ですので、長期休暇ということの子供の居場所づくり、今回上程させていただいております議案につながっているものと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 私が伺ってきたお声を少し紹介させていただきたいと思います。
山村地域では、近くに働く場所がないため、旧市内や自宅から遠い場所で勤務している場合、もしも留守番している子供に何かあってもすぐに帰れない。友達の家が遠く、子供だけで遊びに行くとなると、最近は車の交通量が多くて事故に巻き込まれないかと心配だ。母子家庭でたくさん働きたいが、預かってくれる場所がなければ必然的にパート勤務しかできず、キャリア形成も難しく非常に苦しい思いをしている。こういったさまざまな声が上げられていました。そして、山村地には働く場所だけでなく、病院や買い物施設も近くにないため、市街地に比べ生活費や移動のためのコストはどうしても割高になります。
しっかり収入を得るためには、時間的に安心して働ける補償としての学童保育が必要不可欠であると思われます。ぜひともこの切実な願いを酌み取っていただきたいと思います。
次に、長い間、開設基準である構成人数が20以上とされていたのが、一昨年、10人以上19人以下へと引き下げられました。これまで多くの議員が取り組まれ、田辺市も検討と努力を積み重ねてこられた結果であり、大きな前進だと思います。
この基準緩和は具体的にどのような検証のもと実現されたのかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の学童保育所の設置基準の緩和についてお答えいたします。
従来の学童保育所の開設基準につきましては、保育を必要とする児童が20人以上おり、学童保育所への申し込みが見込まれることに加え、基本的には学校内に活用できる空き教室があることを条件としておりました。しかしながら、田辺市においても、子育て世代の女性の就業率が向上し、共働き世帯が増加傾向にあり、未就学児童については、保育所等において対応できていますが、小学校に上がると放課後に家庭で保育をできる人がいないという状況になります。
このような状況の中、平成27年度において、大規模校への学童保育所の開設は一定の目途がたったとの判断のもと、設置基準緩和の検討を具体的に始めました。
庁内の関係各課等と協議を重ねた結果、子供の発達段階での同年齢の集団生活が発達上、非常に重要であることから、同年齢3人以上が妥当との考えのもと、1学年3人以上を目安とした3学年とし、さらには、国の補助基準が田辺市の場合は10人以上であることから、平成27年11月に、従来の20人という基準を10人以上に変更したものでございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 当然、財政面での努力もあったことと思いますが、大規模校区での開所ができた後の段階的な措置として検討を重ね、構成人数が20人以上という基準に達しなくても基準を緩和することによって市民の願いに応えようとする政治的判断であったと思いますし、改めてここに地方自治の値打ちを感じます。しかし、山村地域の小規模校においては、そもそもの児童数が少ないことから、10人以上の基準を満たせず開設されないままです。
今後も少子化の進行により、分母となる児童数がふえることは期待できず、現在の基準のままでは保護者の願いは遠のくばかりです。子ども・子育て新支援制度に基づく放課後児童健全育成事業の交付金要綱では、構成人数が1人からでも国庫補助対象になっております。
そこで質問ですが、もう一歩政治判断を進めていただいて、10人以下でも開所できるよう所管の連携も視野に入れて基準の再検討をしていただけないでしょうか、お伺いいたします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
今後の整備方針については、平成27年11月に改正した基準による運用で現在は考えてございますが、今後、国、県の補助制度を注視するとともに、引き続き小規模校での開設について研究してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 研究していただけるということですが、こういう市の答弁がどういう受けとめ方をしたらよいのか、私は初めてなので少しわからないところでもあるのですが、簡単にはできないということなんだと思います。
そうであるならば、必然的に複数合併により基準を満たすという方向にならざるを得ないのではないでしょうか。龍神では、「せめて1カ所だけでも開設してほしい」という要望があります。中辺路においては、2013年6月議会で川﨑議員がスクールバスを活用して、鮎川の学童への集約も提案されています。
ここ数年、市の答弁では「合併などの設置方法や、設置基準の見直しも含めて、田辺市の学童保育のあり方等について検討していきたい」と3度同じ答弁をされていますが、ぜひとも保護者の願いを酌んでいただけるよう積極的かつ具体的な取り組みをお願いいたします。
「第1次田辺市総合計画」の基本理念であった「一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくり」は、第2次でも継承されるとあります。一人一人が大切にされるということは、一人一人の違いを超えて大切にされるという意味であると考えます。私がこれまで傍聴席で伺ってきた「公平性」という言葉は、それぞれの違いを鑑みず同じ待遇を施す意味合いのものが多かったように感じますが、子育て支援の分野では、それぞれの違いに応じて待遇を変え、住民が等しく受益できるという意味合いで使われるようになりました。担当課においては地域間の格差を埋める努力をされ、これぞ地方自治のあるべき姿と言えると思います。この姿をさらに強めていただけることを期待申し上げます。
次に、学童保育の拡充についてお話しさせていただきます。
私は、選挙中に学童保育を6年生まで受け入れてもらえるようにしてほしいという声を伺ってきました。平成27年度からスタートした「子ども・子育て新支援新制度」により、6年生までが対象となったので、お母さんたちの願いがかなえられたらという思いで、このことに取り組むことにしました。
そして、まずは学童保育の現場にお邪魔させていただきました。そこで浮かんできたのが、保護者や子供たちが抱えるさまざまな問題を、今のままの学童保育というパッケージに詰め込んでしまってよいのだろうかという疑問でした。
核家族化や長引く経済不振により、共働き家庭が一般的となり、ひとり親家庭も多くなっています。また、家庭と地域とのつながりが希薄化してきたこともあり、子育ての環境が大きく変化してきています。それゆえに、学童保育での支援が単に安全に留意して預かるというだけでなく、子供たちが個々に持つさまざまな課題に対し、専門的な知識をもって支援することが望まれるようになり、学童保育のあり方が変化してきています。今後の子育て支援を考える上で、これまでの「学童保育」という枠だけでなく、所管の再編も視野に入れた、幅広い観点からのアプローチや連携が必要になってきているのではないでしょうか。
そこでお伺いします。田辺市において子育て環境を勘案して、どのような学童保育にしたいとお考えか、その理念をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の学童保育の理念についてお答えいたします。
学童保育所は、児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館などを利用して適切な遊びや生活の場を与え、その健全な育成を図るものとなっております。
田辺市の学童保育所では、国の基準に基づき、児童の健康管理や安全確保等に努めるとともに、遊びを通して自主性、創造性を培い、さらには学年の違う児童とのコミュニケーションを図ることにより社会性を身につけること等を実践しており、引き続き、児童の健全育成に寄与できるよう、保護者や学校、関係機関等と連携を図りながら、現在の保育を継続してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 家庭のかわりとなる学童保育所、そして、子供たちが安心して過ごせる生活の場であるという理念、そして、子供の安全面や自主性、創造性、社会性、そういった多岐にわたる面において高い理念を持っておられることは大変親としてもありがたいことであります。
しかし、近年、子供を取り巻く環境として、貧困、ネグレクト、アレルギー、発達障害、愛着障害など、さまざまな困難を抱える子供たちが多くなっていると言われています。また発達障害においては、医学的な診断基準を全て満たさないものの、その特徴的なあらわれがある、いわゆるグレーゾーンにある子供も多くなってきていると言われます。
こういったさまざまな課題を個々に持つ子供たちに向き合うために、指導員に求められることは何であるか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
田辺市立の学童保育所では、直近で12学童13クラスに552人が通所しており、児童を預かる立場の指導員は47名で、そのうち配慮の必要な児童への対応として10名を配置しております。
指導員は、心身ともに発達段階にある児童の安全を確保することを第一義とし、その上で適切な生活指導、必要な学習指導等を実施することにより、児童とその保護者との良好な関係を築くことが大切であることから、指導員の質の向上に向けた取り組みを継続して実施しております。
平成28年度では、和歌山県主催の4回の研修会に延べ74名、保育所と学童保育所の合同研修会には、延べ42名が参加しており、また研修会参加後には必ずレポート提出を求めるなど、指導員の意識の向上につなげることができるよう取り組んでいるところであります。
研修内容については、子供の人権にかかわるものやアレルギーのある子供への対応、配慮の必要な子供への支援や接し方など、多岐にわたっております。
今後とも、指導員の資質向上を図るため、研修等を実施してまいりたいと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 指導員に専門性を高めてもらえるよう県主催の研修会に参加してもらったり、支援員同士での情報交換会議を持つなど、課題への対応が一定なされていることは確実に子供たちにとってよりよい生活の場につながっていることと思います。
でも、それでもまだ子供たちの命と生活を守るために力を注ぎたいという指導員の熱意によって支えられている部分が大きいのも事実です。中には、自費で研究会に足を向けるなどして、知識を深める方がおられたりします。
子供たちが安心して過ごせる居場所づくり、それを実現させる指導員の活動を補償するために、行政としてどのようなフォローが必要とお考えであるか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
指導員の専門性を高めるためには、必要な知識を得ることができる研修会への参加を促すとともに、支援の必要な家庭には、学校や保健所、児童相談所等の専門機関との連携強化が必要となってきます。
指導員については、学校の長期休業日以外の勤務時間は午後1時30分から6時30分までの間で、5時間勤務の者と4時間勤務の者を配置していますが、各クラスで1名を主任指導員として位置づけ、主任手当を設けて、責任の所在を明確にするなど勤務条件の改善に努めているところであります。
今後とも、労働環境の改善や必要な研修への参加促進などに取り組んでまいりたいと考えています。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 研修の充実は一定なされていると思うのですが、田辺市の学童保育での状況をもっと現場からたくさん声を聞いて、田辺市独自の研修会がもっとたくさん開かれることによって、指導員たちも支援員の先生たちももっと課題を共有できて、しかも質の高い学童保育ができるのではないかと感じております。
また、労働条件に関しては、現在、田辺市内に13カ所ある学童保育の指導主事として、指導統括と休暇の補助を保育士資格を持つ1名の嘱託職員の方が行っています。子供たちの抱える問題の多様化、深刻化に対して指導員たちからいろいろな相談を受けたり、または指導を行うために、数多い学童保育の中で、指導主事たった1人というのはその方への負担が大き過ぎますし、また高度な専門性と責任を負うのですから、正職員であるべきと考えます。
そして、学校や他の機関との連携ですが、必要であるということは認識しておられ、一定されていると思うのですが、それでもやはり現場からは学校や臨床心理士などの専門家との綿密な連携が必要だという声が上っています。そして、そのことによって、他機関との問題の共有ができ、また親とも連携を図ることによって、子供の課題を共有でき、子供の発達にも寄与できるのではないかと考えております。
それから、労働条件に関することですが、十分な打ち合わせの時間を確保してほしいという声もありました。また、5時間勤務者をふやしてほしいという声もありました。どれも限られた時間の中で、数多い仕事をこなすのに指導員の方たちの負担が相当大きいことのあらわれであると思います。もう一歩踏み込んで、こういった労働条件の向上、連携を図る取り組みを行っていただきたいと思います。
次に4年生以降のニーズに関してお伺いします。
「4年生以降も継続利用させてほしい」というニーズは把握しておられるでしょうか。把握されているとすれば、必要とされる理由は何であるか詳細はつかんでおられるでしょうか、お伺いします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の4年生以降の利用ニーズの把握についてお答えいたします。
現在の本市の学童保育所は、小学校1年生から3年生に加え、障害児に限定し4年生以上を受け入れています、
しかしながら、平成27年4月の児童福祉法の改正により、学童保育所の対象児童が「おおむね10歳未満」から「小学校就学児童」となったことから、4年生以上の受け入れが課題となっています。
平成26年度に策定しました「田辺市子ども・子育て支援事業計画」における子ども・子育て支援の量の見込みは、平成25年度に実施しました「田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査」の結果に基づいて、平成29年度に600人の確保を目指すと定めました。この目標値は、平成28年度をもって既に達成したところでありますが、4年生以上を含めた数値ではなく、平成25年度以後は全市的なニーズ調査は行っておりません。
既に開設している校区の小学校には、空き教室がないところも多く、現状では、全市的に4年生以上の受け入れは厳しい状況であると考えております。
現在の子ども・子育て支援事業計画の期間が平成31年度までであるため、次期計画の策定に向けて、平成30年度にニーズ調査を実施予定でありますので、その際に4年生以上のニーズ把握への対応を検討してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) これまでニーズ調査も行われて、平成30年にもニーズ調査を行う予定であるということです。
4年生以降になると、子供たちに個人差はあるものの、それまでの学童保育での指導により、多くは子供自身が自立した放課後を過ごせるよう成長していたり、塾や習いごとに通ったり、一部の地域では芳養小学校のふれあい教室のような地域の方々の御尽力のおかげで放課後を過ごすことができていて、莫大なニーズではないようにも思われます。それでもなお4年生以降の継続保育が必要とされる理由に、保護者の中には「やっぱり心配だ」という声が上っています。この言葉の背景には、子守りを担ってくれている祖父母の高齢化、子供自身の発達面の不安、発達面あるいは経済面から来る学習のおくれに対する不安、不審者による治安面での不安など、さまざまな理由があげられます。ぜひとも、こういう詳細なニーズ調査をしていただき、分析を行っていただきたいと思います。
そして、学童保育の4年生以降の門戸を広げる模索をしつつ、こういったさまざまな課題をほかの子育て支援事業へ橋渡しをしたり、問題解決のために学校や地域、あるいは専門家に具体的、かつ強力な協力を得たり、子供の発達にかかわる課題を社会全体で共有できるよう広く市民に啓発したりと、所管の連携または再編による学童保育の質的向上を図っていただきたいことをお願いいたしまして、この項目での質問は終わります。
大項目2項目めについて。非核平和都市宣言についてお話しさせていただきます。
非核都市宣言が世界に広がっていく契機となったのは、1980年のイギリスのマンチェスター市での非核宣言で、アメリカ・ソ連の冷戦の最中、核兵器の脅威をなくすため、みずからのまちを非核兵器地帯であると宣言し、他の自治体にも同じような宣言をするように求め、すぐにイギリス国内の多くの自治体が賛同しました。その後、この宣言運動は世界に広がり、日本でも1980年代からこの非核宣言を行う自治体がふえ続け、現在では日本の自治体の90.5%の1,619自治体が宣言を行っています。
旧田辺市で非核都市宣言がされたのは、そうした機運の中、1987年、昭和62年7月1日、市民団体からの請願を受け、議員発議により市議会で宣言制定することが可決されました。当時、私は中学生でした。子供ながらに、「広島、長崎のような悲惨な出来事が二度と起こらないように、自分たちがずっと安心して暮らせる平和な世の中を、自分が住んでいるこの田辺市が守ってくれようとしている」ということに感動したのを今でも覚えています。
しかし2005年、5市町村が合併したことで、旧田辺市の非核平和都市宣言、龍神村の非核・平和村宣言、本宮の非核・平和自治体宣言は事実上なくなってしまいました。そこでお伺いします。
合併時にこの件に関しどのような議論がなされたのか。そして、合併から今日に至ってどうして進展が図られなかったのかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、合併時において都市宣言について議論されたのかということについてでございます。
合併前の5市町村におきましては、あわせて13の都市宣言を制定し、先ほども議員から御紹介がございましたが、このうち3市町村において非核平和都市宣言が制定されていました。都市宣言につきましては、合併協議の中でも検討されておりまして、各市町村において、宣言時の社会情勢等を反映する中で、各自治体の姿勢として表明したものであることから、単に新市において、引き継ぐといった性格のものではないという判断により、合併後の新市において調整することとしたものでございます。
続きまして、今日に至るまでという御質問でございますが、これも先ほども議員から御紹介がございましたように、旧田辺市では、昭和62年に各種団体からの請願が出されたことを受け、同年7月1日の市議会におきまして、議員発議により可決されており、同じく、本宮町におきましても、昭和63年に議会への陳情を受け、同年3月23日の町議会におきまして議員発議により可決されております。
また、龍神村では、昭和61年に請願が採択されたことを受け、平成5年3月23日に村長から議案提出され、同月26日に可決されております。
市といたしましては、こうした宣言制定時の経過も踏まえまして、宣言制定に向けた機運の状況につきまして、今後とも見守ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 新市になったことで、法的合理性があるとはいえ、制定されるまでに、それまでの努力の積み重ねをあっさり消されてしまったというのが市民感情であるように感じます。
合併前に制定された非核平和都市宣言は、世界的な機運の中で生まれ、日本国内でも多くの市民の願いと携わった人たちの尽力で制定されたものであることに、心を寄せていただきたいと思います。しかも合併前の五つのうちの三つの市町村が非核平和自治体であったのですから、合併時に宣言継続をもっと前向きに議論してほしかったという思いがいたします。ちなみに和歌山県内では、有田川町では合併時にそのまま宣言は継続され、橋本市、白浜町では、合併から約半年後には宣言が復活しています。
以前この件に関しては、私もこれまでの議事録を読む中で、合併後から今日に至るまで市民の機運の高まりがなかったという記述がありましたが、幾人かの議員や団体が取り組んでこられたことがあります。これを少し御紹介させていただきます。
2008年、平成20年には市民団体が宣言制定の要望書を議長に提出されました。2009年、平成21年、在任中の吉本議員が、合併10周年を機に宣言制定を一般質問で提案されておられます。そして、翌年2010年、平成22年、署名活動を行った団体が約1,000筆の署名とともに議長に陳情し、その後市長に陳情をされています。
2013年、平成25年、同じく在任中の吉本議員が、再度合併10周年を機に宣言制定を提案されています。そして、2015年、平成27年、在任中の松下議員が一般質で取り上げておられます。
また2015年秋は安保法制で大きく世論が動きました。田辺市でも多くの市民が平和を守るために声を上げ、議会では安保法制の慎重審議を求める意見書提出を全会一致で可決するに至っています。こうした流れを見ると市民の中に恒久平和を願う機運の高まりは十分にあったと思われます。
また世界に目を向けると、ことし3月に核兵器禁止条約の交渉会議が始まりました。5月には条約の草案が出され、草案の前文で明記された「核兵器の犠牲者や核実験被害者の苦しみを心にとめる」との文言には、犠牲者を英訳するとSurvivor(サバイバー)という言葉を「ヒバクシャ」と記述されています。核兵器の非人道性と再び使われてはいけないと訴えてきた広島・長崎の被爆者の運動が結実した意義深いものであると思います。
そして第2回目の交渉会議が先週6月15日よりニューヨークの国連本部で開かれております。地球上から核兵器を廃絶すべく、核兵器を法的に禁止する史上初めての条約実現に向けて、条約の草案が各国と市民社会の代表によって討議され、来月7月7日の採決を目指して討議されています。世界的な機運が今まさに高まっていると言えるのではないでしょうか。
ここで、市長も加盟しておられる平和首長会議についてお話しいたします。
まず、平和首長会議について御紹介いたします。原爆が一瞬にして町を廃墟とし、多くの命を奪い、戦後70年以上たっても放射線による後遺症や精神的苦しみを多くの市民に残した広島・長崎の悲劇を地球上で二度と繰り返されることのないようにとの願いのもと設立されたのが平和首長会議です。1982年、昭和57年6月24日、ニューヨークの国連本部で開催された第2回国連軍縮特別総会において、当時の広島市長が、世界の都市が国境を越えて連帯し、ともに核兵器廃絶への道を切り開こうと「核兵器廃絶に向けての都市連帯推進計画」を提唱し、広島・長崎両市長から世界各国の市長宛てにこの計画への賛同を求められました。
その目的は、世界の都市が連携し、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起し、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に貢献することとあります。ここでお伺いします。
平和首長会議への加盟の経緯と加盟された際の市長の思いをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 平和首長会議に加盟の経緯と思いについてお答えいたします。
平和首長会議につきましては、ただいま議員からも御紹介がありましたように、昭和57年に当時の広島市長が国連において、世界の都市が国境を越えて連携し、ともに核兵器廃絶への道を切り開こうと「核兵器廃絶に向けての都市連携推進計画」を提唱し、広島・長崎両市長から世界各国の市長宛てにこの計画への賛同を呼びかけ、この趣旨に賛同する都市で構成された機構です。平成3年には、国連経済社会理事会の非政府組織NGOに登録され、平成29年6月1日現在、世界162の国及び地域、7,355都市の賛同を得ており、日本国内でも1,671都市が加盟し、県内では全ての市町村が加盟しております。
本市におきましても、広島・長崎の悲劇が二度と繰り返されることなく、世界の都市が国境を越え、核兵器の廃絶に向けて努力することを誓う、この趣旨に賛同し、平成21年9月1日付で加盟しているところでございます。
以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 加盟の2009年はオバマ前大統領がプラハで「核兵器のない世界を」と提唱し、後にノーベル平和賞を受賞されています。これに呼応する思いもおありだったことかもしれません。市民の財産と命を守る、そういう思いもあったことと期待申し上げて、この加盟は心より喜ばしいことと思います。加盟自治体として、田辺市のこれまでの活動とそして今後の展望をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
平成21年9月の加盟後、核兵器廃絶に向けてさまざまな取り組みを行う平和首長会議の加盟都市の一員として、核兵器のない平和な世界の実現に向けて取り組むとともに、過去の戦争による惨禍を繰り返すことのないようさまざまな取り組みを行ってきております。
主なものといたしましては、公民館活動における平和学習のほか、平成27年度から毎年原爆ポスター展を開催しております。このほか、加盟前から毎年、原爆が広島に投下された8月6日、長崎に投下された8月9日、そして終戦記念日である8月15日に、それぞれ世界の恒久平和を願い、市民の皆様方とともに、とうとい犠牲となられた幾多の皆さんに黙祷をささげるため、防災行政無線でその呼びかけの放送を行ってきております。
今後も、加盟自治体の一員として、核兵器のない平和な世界の実現に向けて取り組んでまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 平和首長会議はサイトなどを見ますと、毎年、全国的な会議がなされて各自治体の首長さん方も出席しておられます。ぜひともそういう舞台へも出向いていただけたらと思います。
平和首長会議では、核兵器廃絶を目指す「行動指針2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を策定し、各国政府に核兵器禁止条約締結に向けた具体的交渉を開始し条約締結を要請するなどとしています。そして行動指針にのっとって、ことし3月、平和首長会議の小溝事務総長が「第1回核兵器禁止条約の制定交渉会議」に出席し、平和首長会議を代表して、条約の締結と核兵器の廃絶には、市民社会の後押しが不可欠であることを強調するとともに、心ある市民社会のパートナーと協働すると話されています。
この趣旨にのっとって、ぜひとも田辺市でも市民との協同を行っていただきたいと思います。
では、最後の質問になります。
田辺市は、「世界に開かれた持続可能な観光まちづくり」を基本理念に、世界遺産を生かした魅力あるまちづくりを行っています。世界遺産を生かしたまちづくりの取り組み内容と効果、実績をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の世界遺産を生かしたまちづくりの実績についてお答えいたします。
本市におきましては、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を中心にそれらを生かしたさまざまな観光施策に取り組んでまいりました。その具体的な取り組みとしましては、平成18年に設立した田辺市熊野ツーリズビューローとの共同によるホームページ及びパンフレットの多言語化や、国内外へのプロモーション等を展開してまいりました。
また、田辺市観光センターや世界遺産熊野本宮館の建設、熊野古道沿いでの仕様を統一した案内看板及びトイレの整備、語り部・ガイド等のレベルアップ、
外国人観光客の受入体制の充実を図るコミュニケーションツールの作成やWi-Fi環境の整備等に取り組んでまいりました。
さらに、スペイン国サンティアゴ・デ・コンポステーラ市と平成26年5月に観光交流協定を締結し、世界で2例しかない数百キロにも及ぶ巡礼道を有する都市として、共同で熊野古道とサンティアゴ巡礼道の情報発信に取り組んでまいりました。
共同事業の一つとして、両方の道を巡礼していただくことを目的とした共通巡礼手帳の取り組みを行っており、平成29年6月19日現在、両方の巡礼道の達成者は、41カ国681名となっております。
これまでの取り組みにより、本市の日本人宿泊客数につきましては、旅行形態の個人化が進む中、平成24年は約33万人でしたが、平成26年からは約40万人に増加し、それ以降、高い水準で推移しております。
とりわけ外国人宿泊客数につきましては、世界遺産登録年の平成16年の1,409人に対し、平成26年には約1万2,000人、平成27年には約2万2,000人、平成28年には約3万1,000人と、最近では急増している状況でございます。
以上でございます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 午前中の佐井議員への御答弁でもありましたとおり、特に、外国人の来客数がここ数年3万人を超えるなどして、飛躍的な増加が見られております。
合併後から今日に及ぶ地域資源の活用、おもてなし向上などの取り組みの成果であると思います。
ここで皆さんにも想像していただきたいのですが、日本は安保法制により海外で軍事展開を広げられるようになりました。もしこれが実践されれば、日本は欧米の諸大国同様テロの標的とされるでしょう。万が一国内でテロが起こった場合、警戒措置が直ちに敷かれ、外国人旅行者は瞬く間に来なくなります。観光が栄えるのは世の中が平和であってこそです。これは観光に限らず、経済、産業、文化、教育・子育てなど、あらゆるものに同じことがいえると思います。大切なもの全ては、平和であってこそ保証されるのです。国内外の不穏な動きを感じるにつれ、日本国憲法前文にもあるように、平和は不断の努力によって守っていかなければいけないものであるということに気づかされます。だから恒久平和を求める非核平和都市宣言を今回取り上げさせていただきました。
先月14日に行われた原水爆禁止国民平和大行進の際、市長はメッセージをお寄せくださいました。これはまさに平和首長会議が示す市民社会との協働であり、いただいたメッセージの内容は、以前、旧田辺市で制定されていた非核平和都市宣言の文言そのもので、私は大変感激いたしました。さらに協働を強めていただき、首長提案による宣言の制定へとイニシアチブをとっていただけることを心から期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、4番、前田佳世君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第2 3定報告第1号 専決処分事項について上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第2 3定報告第1号 専決処分事項についてを上程いたします。
この場合、お諮りいたします。
本件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略し、後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、3定報告第1号については、委員会の付託を省略し、後日審議願うことに決しました。
◎日程第 3 3定議案第 1号 田辺市
事務分掌条例の一部改正についてから
日程第19 3定議案第17号 平成29年度田辺市
水道事業会計補正予算(第1号)についてまで
一括上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第3 3定議案第1号 田辺市
事務分掌条例の一部改正についてから、日程第19 3定議案第17号 平成29年度田辺市
水道事業会計補正予算(第1号)まで、以上17件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました17件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております17件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会及び特別委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ散会し、あす6月27日から7月5日までの9日間は休会とし、7月6日木曜日、午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(小川浩樹君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 2時45分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成29年6月26日
議 長 小 川 浩 樹
議 員 前 田 佳 世
議 員 川 﨑 五 一
議 員 宮 井 章...