第12 3定議案第10号 物品購入契約の締結について
第13 3定議案第11号 第2次田辺市
総合計画基本構想の策定について
第14 3定議案第12号 平成29年度田辺市
一般会計補正予算(第1号)
第15 3定議案第13号 田辺市簡易水道条例の一部改正について
第16 3定議案第14号 平成29年度田辺市
簡易水道事業特別会計補正予算(第1
号)
第17 3定議案第15号 平成29年度田辺市
特定環境保全公共下水道事業特別会計
補正予算(第1号)
第18 3定議案第16号 平成29年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第1号
)
第19 3定議案第17号 平成29年度田辺市
水道事業会計補正予算(第1号)
――
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〇会議に付した事件
日程第1から日程第19まで
―
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〇議員定数 22名
〇欠 員 0名
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〇出席議員
議席番号 氏 名
1番 松 上 京 子 君
2番 柳 瀬 理 孝 君
3番 浅 山 誠 一 君
4番 前 田 佳 世 君
5番 川 﨑 五 一 君
6番 久 保 浩 二 君
7番 宮 井 章 君
8番 福 榮 浩 義 君
9番 髙 田 盛 行 君
10番 北 田 健 治 君
11番 橘 智 史 君
12番 尾 花 功 君
13番 二 葉 昌 彦 君
14番 市 橋 宗 行 君
15番 安 達 幸 治 君
16番 安 達 克 典 君
17番 小 川 浩 樹 君
18番 塚 寿 雄 君
19番 佐 井 昭 子 君
20番 中 本 賢 治 君
21番 出 水 豊 数 君
22番 陸 平 輝 昭 君
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〇欠席議員 なし
――
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〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 福 田 安 雄 君
副市長 池 田 正 弘 君
教育長 中 村 久仁生 君
企画部長 小 川 鏡 君
企画広報課長 千 品 繁 俊 君
西部センター館長 田 中 和 史 君
土地対策課参事 中 田 実 君
総務部長 松 川 靖 弘 君
総務部理事 早 田 斉 君
総務課長 山 﨑 和 典 君
総務課参事 藤 井 利 計 君
防災まちづくり課参事
上 村 哲 也 君
市民環境部長 松 場 聡 君
保険課参事 新 谷 清 君
保健福祉部長 木 村 晃 和 君
福祉課長 虎 伏 務 君
子育て推進課長 宮 野 恭 輔 君
やすらぎ対策課長 西 貴 弘 君
健康増進課長 愛 須 誠 君
産業部長 那 須 久 男 君
観光振興課長 古久保 宏 幸 君
建設部長 林 誠 一 君
都市計画課長 桒 畑 昌 典 君
龍神行政局住民福祉課長
坂 本 勇 夫 君
中辺路行政局長 虎 地 一 文 君
中辺路行政局住民福祉課長
谷 口 裕 計 君
大塔行政局住民福祉課長
香 川 佳 久 君
本宮行政局総務課長 井 戸 誠 君
消防長 安 田 浩 二 君
警防課長 田 中 義 高 君
教育次長 弓 場 和 夫 君
学校教育課長 野 田 泰 輔 君
給食管理室長 福 田 琢 也 君
スポーツ振興課長 谷 貞 見 君
文化振興課長 打 越 康 之 君
水道部長 岩 本 章 君
業務課参事 新 谷 恭 伸 君
――
―――――――――――――――――
〇
出席事務局職員
議会事務局長 糸 川 一 彦
議会事務局次長 前 溝 浩 志
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 玉 置 大 祐
開 議
○議長(小川浩樹君) おはようございます。
定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成29年第3回
田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
○議長(小川浩樹君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
19番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 皆様、おはようございます。19番、公明党の佐井昭子です。5期目、第1回目の登壇です。5期目になりますとなれてくると思いましたけれども、意に反して、回を重ねるごとに緊張感は増すばかりです。十分でないところもあるかと思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、3項目について質問させていただきます。
3項目とも以前から取り組んでまいりましたテーマで、部分的な質問になりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、1項目、大地震・津波防災について質問させていただきます。
東日本大震災から6年が経過し、歳月とともに、あの恐ろしい地獄のような光景も薄らいでいきかねません。先日は、豊後水道で震度5の地震が発生しました。幸いなことに大きな被害はなかったようですが、南海トラフとの関係を心配する声もありました。
今回は、特に津波被害を念頭に置いた質問をさせていただきたいと思います。
田辺市は、まず命を守ることを第一義として、「津波から逃げ切る」「より高いところへの避難」をモットーに、防災学習、避難訓練、避難路の整備、
津波避難ビル指定などを進めてきました。
今回は、逃げ切れたことを前提に発災後の速やかな復旧の準備2点、指定避難所と
応急仮設住宅についてお伺いいたします。
それでは1点目、指定避難所についてお伺いします。昨年の突然の熊本地震から1年が過ぎました。課題も整理され、避難所については、このような報告がなされていました。少し長くなりますが御紹介いたします。
運営マニュアルの作成と訓練について、未作成、または周知不足、市町村の
地域防災計画が形式的。自主運営については、被災者による自主的な運営が少なかった。
指定避難所運営に多くの職員が投入され、他の災害対応業務に支障が生じた。
避難所の生活環境の確保、トイレ不足、清掃、消毒・衛生面での労力が多大であった。長い避難所生活に伴う食生活への配慮、
エコノミークラス症候群への対応、ストレス等の低減、精神疾患に対する予防、早期発見等が必要。福祉避難所の拡充、絶対数の不足、開設場所の周知や、日常の防災訓練の実施が十分でなかった。指定避難所以外の場所に避難した避難者への対応。駐車場や公園における車中泊やテント泊など、屋外での避難所の滞在が多数あらわれ、トイレや支援物資の不足やおくれを招いたなどです。
この課題を踏まえまして、3点お伺いします。
1点目は、住民が運営することになる
避難所運営訓練の実施状況。
2点目は、要配慮者、特に高齢者や障害のある方が安心して避難できる福祉避難所の指定状況、受け入れ可能な人数。
3点目は、
外国人観光客への対応です。
次に2点目、
応急仮設住宅についてお聞きします。
田辺市
地域防災計画では、津波による全壊棟数が、3連動地震では2,600戸。巨大地震では、1万1,600戸。1カ月後、避難所に避難されている方は約1万4,000人と想定されています。その数字に近い方々が、一日も早く避難所から普通の生活のできる場へ移ることを望まれると思います。
そこで、
応急仮設住宅についてお伺いします。
避難所生活をされている方々が入居に必要な仮設住宅の数。用地、資材の確保。発災から仮設住宅入居までの期間。
民間アパート等へ入居できるみなし仮設の検討。
以上についてお聞きします。これで1回目の質問を終わります。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 19番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部理事、早田 斉君。
(総務部理事 早田 斉君 登壇)
○総務部理事(早田 斉君) 議員御質問の1点目、指定避難所についてお答えいたします。
指定避難施設につきましては、台風や大雨などにより災害の発生が懸念される場合などに事前に避難する場所として、また、災害時に避難された方々が一時的に生活を営む場所として、学校や公民館等の公共施設を中心に、現在、185カ所を指定しております。
指定避難施設を開設した後の運営につきましては、短期的な事前避難等の場合を除き、田辺市
避難所運営マニュアルに基づいて、避難者による自主運営が望ましいと考えており、初動期においては、町内会、自治会、
自主防災組織等の会長や役員などと連携を図りながら運営組織を立ち上げていく必要があります。
そうしたことから、
避難所運営訓練については継続的に行うことが重要であり、毎年9月の第1日曜日に行っている田辺市防災訓練に合わせて実施されるもののほか、各地域においても
自主防災組織などによって行われており、
避難者台帳作成訓練、情報収集・伝達訓練、
パーテーション設営訓練、物資搬送訓練、炊出訓練、
資機材取扱訓練などが実施されております。
しかしながら、こうした訓練をより有効なものにしていくには、避難所で起き得る状況を理解しておく必要があることから、
自主防災組織などの依頼により開催しております防災学習会においても、避難所で起こるさまざまな出来事にどう対応していくのかを疑似体験する
避難所運営ゲームHUGを田辺市
社会福祉協議会とも連携し、実施しております。
このHUGでは、避難してきた要配慮者の部屋割り、炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保といった事柄に対して、意見を出し合ったり、話し合ったりしながら訓練を行っております。
いずれにいたしましても、円滑な避難所運営ができるよう平常時からあらゆる機会を捉え、
避難所運営訓練の実施に努めてまいります。
次に、福祉避難所についてですが、市内の四つの
社会福祉法人が運営する6施設について福祉避難所の確保に関する協定書を締結し、福祉避難所と位置づけております。また、緊急入所などの必要な場合の対応としまして、八つの
社会福祉法人が運営する10施設と「災害時における地域の安心の確保等に関する協定書」を締結しております。
避難所における要配慮者への対応につきましては、災害対策本部の体制下に救護部要配慮者支援班を置き、個々の状況に応じて一般の避難者と同様の対応となるのか、避難施設内でスペースを確保するのか、福祉避難所へ移っていただくのかといった判断をし、福祉避難所と連携を図りながら、要配慮者の受け入れを進めるとともに、緊急入所や病院施設への入院手続など必要な支援を行うこととなっております。
福祉避難所として受け入れをお願いするには、各施設での入所者の現状もあり、施設の専門的な人員等の確保も必要でありますが、今後も機会を捉えて
社会福祉法人に福祉避難所として位置づけいただけるよう働きかけ、要配慮者の不安を取り除き、安心して避難していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、避難所における
外国人観光客への対応についてですが、昨年10月の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の追加登録により、闘鶏神社等の史跡を訪ねて町なかを散策する
外国人観光客の姿がより多く見られるようになりました。
こうした
外国人観光客を含む避難所での外国人への対応につきましては、和歌山県国際交流協会などとも連携を図り、田辺市国際交流員や
ボランティア等の協力を得ながら、災害対策本部に可能な限り多くの言語に対応できる相談窓ロを開設するとともに、避難所において災害時
多言語表示シートの活用や、必要に応じて通訳の派遣を依頼するなど、外国人の方々に安心していただけるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 2点目、
応急仮設住宅についてお答えします。
避難所での生活は、プライバシーの問題や生活環境が不便なことから、早急に被災者が安定した生活ができる住居の確保が必要になります。その場合、市営住宅や県営住宅等の公的住宅や県が借り上げる民間賃貸住宅、いわゆる「みなし仮設住宅」への一時入居を優先して進めることを基本として、並行して市が用地を確保し、市の要望により県が
応急仮設住宅の建設を行うことになります。
南海トラフ巨大地震発生の場合、和歌山県が行った被害想定によりますと、発災から1カ月後には1万3,300人の方々が避難所にて避難生活を継続されることが予想されており、それらの方々の住居の確保が必要と考えております。
応急仮設住宅用地につきましては、長期的な使用となることも想定されることから、公有地を原則とし、
学校グラウンド等は教育上支障が出ることから避けて選定することになります。さらに、浸水や土砂災害など二次災害のおそれのない箇所や道路・上水道・電気等の
インフラ整備状況等を勘案し、選定することも重要です。そのような中、現在、市で
応急仮設住宅用地として検討している箇所は11カ所、約7.5ヘクタールで、約740戸の建設戸数を想定しており、これだけでは十分ではないと認識しております。
また、資材の確保と
応急仮設住宅の建設は県が行うことになり、県は関係協会と協定を締結しており資材は確保されることになります。入居までの期間につきましては、市が
応急仮設住宅建設を必要と判断し、県へ建設要望手続を行い、県が着手することになりますが、災害規模が大規模の場合、資材や建設業者の確保が困難になる場合も想定されます。こうしたことから入居までの期間は明確ではありませんが、当市における平成23年台風12号災害により伏菟野地区に5世帯21名の方々が入居された建設事例では、市の建設要望から約1カ月半の期間で建設が完了し即日入居されております。
続きまして、「みなし仮設住宅」につきましては、県が民間の賃貸住宅を借り上げ、被災者に仮設住宅として提供する制度で、県が
不動産仲介業者一覧表を公開し、市は情報提供するとともに希望者からの
入居手続窓口業務を担当することとなります。平成23年台風12号災害時にも実績があり、6世帯11名が入居されております。
今後も、建設可能な用地の検討を進めてまいりますとともに、
応急仮設住宅の建設及び
民間住宅借り上げ事業についても県と連携及び協議を重ねてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 避難所の運営は基本的に避難された住民がみずから行うものとされています。市の職員の皆様には、できるだけ早く復旧、復興の業務に携わっていただけるよう、自分たちで運営をすることが求められます。住民の皆様には、想定外のことがたくさん起こることと思いますが、でき得る限り想像力を働かせ、あらゆる場合を考えての対応を疑似体験しておくことがスムーズな運営につながると思います。最近は、ペットの問題、車での避難、また、特別の配慮が必要な方々、例えば、高齢者の方々、障害を持たれている方、子供、女性、
外国人観光客などへの具体的な対応が必要とされますので、できれば全ての住民の方々に運営を体験してほしいものです。ゲーム感覚のHUGは、今後も町内会や自治会での訓練に積極的に取り入れ、参加型の訓練を繰り返し繰り返し実施していただきたいと思います。
福祉避難所につきましては、当事者、御家族の皆様の御意見をしっかり聞いていただき、引き続き進めていただきたいと思います。それでも希望される全ての方を福祉避難所が受け入れられない場合が出てくることも想定し、ホテル等の宿泊施設、避難所内での最適な場所での特別なスペースの確保、
ダンボールベッドやトイレの備蓄等、一番大変な方たちが安心できるよう細やかな取り組みをお願いしたいと思います。外国人への対応として、ボランティアの登録なども御検討いただければと思います。
応急仮設住宅につきましては、御答弁にありましたように、公営住宅、民間アパート、空き家など活用し、早期に入居できるようにお願いいたします。仮設住宅の用地の確保は難しい問題があると思いますが、必要な戸数を建設できるようしっかりと準備をお願いいたします。
それでは、2項目の世界遺産等を生かした観光についての質問に移ります。
ことし3月に「世界遺産等を生かした魅力ある
まちづくり基本計画」が策定されました。この計画でうたわれていることも踏まえ、3点質問をさせていただきます。
1点目は、市民の歴史・文化への理解とおもてなしについてです。田辺市が目指す質の高い観光とは、「市民一人一人が歴史への理解を深めるとともに、まちへの誇りと暮らしへの喜びをもって生活できるまちであり、訪れる観光客の心と体をいやし、滞在することに大きな満足感を持っていただけるまち」と明記されています。
最近こんな会話をよく耳にするようになりました。「外国の人、町なかで、よう歩きやるな」昨年、闘鶏神社等が世界遺産に追加登録されたころから、本当に大勢の外国の方々が町なかを歩く姿を目にするようになりました。
旧田辺市は、今まで観光地という認識は薄かったように思いますが、最近、皆様にも「田辺市に観光客が来ている」「外国からも来ている」と認識され始めたように思います。市民の皆様からも「観光地としてもっとマナーも向上させなあかん」という御意見等もいただくようになりました。いよいよ市民の皆様の中に「お客様をおもてなしする」という気持ちが芽生え始めたように感じます。このタイミングで、ぜひ市民の皆様のおもてなし力の向上に努めていただきたいと思います。
計画の中にも、「世界遺産を通じて、市民と観光客……略……がつながるまち」と書かれておりますので、どのような具体的な取り組みで、歴史への理解を深め、おもてなし力の向上に取り組まれるのかをお聞きいたします。
2点目は、1点目の一つの取り組みとして、外国人への市民の
おもてなし外国語講座の開催を提案いたします。
既に、飲食、宿泊、交通、小売り業者等などを対象にした
外国人観光客おもてなし力向上事業が実施され、大変好評だと伺っています。日本、田辺の歴史、文化、食等を経験、理解されている田辺で暮らす外国の方に担当していただき、よく事業主さんの御意向も理解して取り組まれているので大変喜ばれています。
この市民版として、内容はよく御検討いただくとして、まず英語で簡単な案内、困ったときの対応、先ほどの防災の質問でも外国人対応をお聞きしましたが、災害時・後の対応などの内容も含めて、講座の開催はいかがでしょうか。
3点目は、観光関連、宿泊施設等での働き手、担い手の状況についてお伺いします。
最近、「外国人から宿が取れないと相談を受ける」という声をお聞きしました。以前から、人出不足で予約があっても断っているという声も聞いておりました。熊野古道を丁寧に順番に歩かれているのはほとんどが外国の方です。本当に信じられないくらいですが、遠くヨーロッパ、北欧からのお客様にも出会ったことがありました。お金も時間もかけて、こんな不便なところへ飛行機、電車、バスを乗り継ぎ訪れてくれています。
細かい話になります。ガイドブックによりますと、滝尻から歩き始めますと、近露継桜王子まで約17キロ、標準歩行時間約7時間。ここで1泊。ここから、本宮大社まで約20キロ、標準歩行時間7時間となっていますが、実際歩くと、小広から発心門まででも1日で歩けないことがありました。この間に1泊できるところが欲しいくらいです。
宿が少なく、一旦田辺まで戻り、また次の日バスで途中まで行き、そこから歩いているとか、寝袋を持って行ったという話も聞きました。観光での宿泊客数の増加を目指しているわけですから、働き手、担い手の減少という問題にどのように取り組まれるのでしょうか。
以上3点についてお伺いします。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の1点目、市民の歴史・文化への理解とおもてなしについては私から、あとは担当部長からお答えいたします。
本市では、これまでも世界遺産熊野古道を中心に、歴史や文化、海、山、川、温泉等の豊かな地域資源の魅力を田辺市熊野ツーリズムビューローや各観光協会等と連携しながら、パンフレットやホームページ等により広く情報発信するとともに、田辺市観光センター等の観光施設の建設を初め、トイレ整備や英語併記の案内看板の設置等、受け入れ体制の充実を図り、交流人口の増大に向けて取り組んでまいりました。
このような取り組みの成果もあり、宿泊客数つきましては、平成26年では約42万人、平成27年では約44万人、平成28年では約41万人と高い水準で推移しております。また、外国人宿泊客数につきましては、平成16年の世界遺産登録時では1,409人でしたが、平成26年には約1万2,000人、平成27には約2万2,000人、平成28年には約3万1,000人と最近、大幅に増加している状況にあります。
特に、昨年10月、市街地に位置する闘鶏神社が世界遺産に追加登録されたこともあり、
外国人観光客も含め、多くの観光客が町なかを散策されており、今後は町なかに滞留してもらうための取り組みが重要であると考えています。
このようなことから、市としましても、今年度から国で新たに創設された景観まちづくり刷新モデル地区の指定を受け、関連事業に取り組むこととなりました。その主な事業としましては、まち歩きの拠点となるポケットパークの整備事業や「世界遺産のまち田辺市」の玄関口としてふさわしい景観に刷新するための田辺駅前商店街外観修景整備事業があり、中心市街地の景観資源を生かした魅力あるまちづくりを関係機関及び関係団体と連携しながら進めてまいります。
また、多様化する来訪者のニーズに対応するため、駅前商店街エリア店舗おいて、田辺市熊野ツーリズムビューローが実施する手荷物の一時預かりや手荷物搬送等、来訪者への新たなサービス事業を支援してまいります。
これらの事業とあわせて、来訪者を迎える意識が高まりつつある市民の皆様にも来訪者をおもてなしいただくためには、議員御提案の市民の皆様が田辺市の歴史や文化への理解を深めていただくことが必要であると考えています。
これまでにも市民の皆様を対象に郷土の歴史や文化への理解を深めるための講演会や講座を開催するとともに、旧田辺エリアの各公民館におきましても、地域の魅力を再確認していただくため、史跡を巡るウオークラリーや熊野古道歩きも開催しております。さらに市内の小中学校におきましても、次世代を担う子供たちが地域の歴史や文化を学習し、語り部ジュニアとして活動しています。
今後におきましても、こうした取り組みを継続するとともに、市民の皆様に世界遺産や歴史・文化に対する理解を深めていただき、地域への誇りと愛着の醸成を図るため、関係団体、関係機関と連携しながら、学習の機会を提供してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の2点目、外国人への市民の
おもてなし外国語講座についてお答えいたします。
本市では、これまでも田辺市熊野ツーリズムビューローとの共同によるパンフレット及びホームページの多言語化、海外メディア対応のプロモーション等の情報発信並びに観光事業者を対象したセミナー開催による受入地としてのレベルアップ、加えて、平成26年のスペイン国サンティアゴ・デ・コンポステーラ市との観光交流協定に基づいた共同プロモーションを行ってまいりました。その取り組みの成果もあり、外国人宿泊客数につきましては、平成26年では約1万2,000人、平成27年では約2万2,000人、平成28年では約3万1,000人と、ここ数年で大幅な増加となっております。
特に昨年、闘鶏神社が世界遺産に登録されてから、町なかを多くの
外国人観光客が歩かれています。また、本市では増加する
外国人観光客の受け入れ体制を充実させるため、平成27年度から店舗等を対象に英語メニューや商品説明等の作成を支援する事業に取り組んでいるところであり、今年度におきましても募集定員を満たしていることから、事業者の皆様におかれましても
外国人観光客に対する関心の高まりが伺えます。
議員御質問の広く市民の皆様に向けた
おもてなし外国語講座につきましては、異文化への理解や
外国人観光客を受け入れるための意識づけという観点からも有効な取り組みの一つであると認識しております。
昨年度に本市が策定しました世界遺産等を生かした魅力ある
まちづくり基本計画では、行政だけでなく、市民や事業者・各種団体が主体的にそれぞれの役割を果たし、互いに連携をしながらまちづくりに取り組んでいくことが重要であると位置づけております。今後とも市民の皆様が
外国人観光客を温かくお迎えし、交流を深めていけるような取り組みについて庁内関係部局及び関係団体と連携しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、議員御質問の3点目の観光関連、宿泊施設等における働き手、担い手の状況でありますが、関係団体からはゴールデンウィーク、盆、正月といった繁忙期には、宿泊施設の部屋数や働き手の不足に苦労されている施設もあり、また、経営者の高齢化に伴い、通年の営業が難しくなってきている宿泊施設もあると聞き及んでおります。
ハローワーク田辺管内の平成29年3月度の求人・求職者の状況を職業別に見てみますと、接客・給仕の職業の有効求人倍率は2.85倍であり、サービス業全体でも2.25倍と観光関連、宿泊施設等に限らず働き手が不足している状況であるといえます。
このような状況ではございますが、市といたしましては、今後とも世界遺産「熊野古道」を中心とした地域資源の魅力を国内外に発信し、さらなる交流人口の増加、いわゆる需要を拡大させることが、地域経済の活性化につながるものと考えており、観光客のニーズ、入込数や各地域の宿泊施設の状況等を見ながら、その実情に対応した施策について、庁内関係部局及び関係機関と連携しながら調査・研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 佐井昭子君。
全国的に言うと、こうした返納が進められる中で、自治体によっては、返納したら経歴証明書、この人は免許を返した人ですよという証明書を渡して、それを持っていけばバスが無料になる。タクシーが割引になるということをやっているところもあります。和歌山県は返納推進ということは打ち出していますが、特典はないです。そして、自治体でもさまざまやっていますけれども、なかなかそれが進んでいない。実際に、91歳の車を乗られている方とお話をしたのですが、「わしらは免許を返したら、さんまの1本も買いに行けんのやで。」という話をされていました。実際、そのとおりだと思います。
そうした中で、返せない状況がある。一方では返さざるを得ない。返納が進んでいるのは大都市部です。公共交通が発達しているところでは、返しても生活が成り立つので、返す人たちがそこそこいるという状況になっています。そうしたことから、非常に板挟みの中で、高齢者も免許を返そうか、返すまいか、悩みながらの生活を送っているということではないかと思います。
(2)に移ります。そういう状況を踏まえて、今後の対応についてということでお伺いします。
ア、路線バスや住民バスで対応が可能かということです。幾度かこうしたバス以外の手段による公共交通の確保が必要ではないかと取り上げてまいりました。その都度、当時の企画部長から路線バス及び住民バスを軸として対応していきたいと考える。こういう御答弁をいただいたのですが、果たしてそれで本当にこういった移動手段を持たない人たちのニーズに対応できると考えておられるのかどうか。再度確認をしておきたいと思います。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答え申し上げます。
路線バス、住民バスにつきましては、定時定路線運行により不特定多数の利用者を一度に輸送する手段としてすぐれておりまして、さらに路線バスと住民バスの連携接続によりまして、広域間の移動が可能なため、移動手段を持たない人にとっては、通院、通学及び買い物等の日常生活に必要不可欠な移動手段であると認識しています。
こうしたことからも、本市における交通手段としては、今後も路線バスや住民バスの乗合輸送は欠かせないと考えていますが、一方で、移動手段を持たない人の中には、さまざまな事情によりバスを利用することが困難な方々が存在していることも認識しておりまして、市といたしましては、外出支援サービス等も実施しているところでございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 不特定多数とおっしゃったのでお聞きしたいのですが、確かに住民バスという一くくりに言いましても、さまざまな住民バスが田辺市内には走っておりまして、走っていた幹線道路の路線バスがなくなった場合に、廃止代替路線として走らせる住民バスというのもあります。また、従来からバス路線がなかったところに新規に、谷々の筋へ走らせる住民バスというのもあります。
とりわけ、谷々へ走っている住民バスですが、非常に利用が減っています。この利用者の減少、先ほど人口が減っていくという話があったのですが、それ以上に極端に減っている。減少率でいうと、余りにも極端だという話です。3月議会でも西谷線は1年間でたった6人しか乗らなかった。昨年のデータで見ると、そういう状況だったと。この利用者の減少の理由をどのように分析されているのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 住民バス利用者数の動向ということでございますが、各行政局管内で運行している住民バスの全体利用者数でございますが、平成27年度は1万405人、平成28年度が1万1,524人で、対前年比で1,119人の増加となっております。
利用者数増加の背景としては、路線の新設や停留所の設置など、地域の方々や利用者のニーズに対応する中で、住民バスの利便性が向上し、利用頻度や利用者の拡大につながったものと考えてございます。
それから、議員からお話がございましたけれども、小さな山間集落へ乗り入れている路線の中には利用者が減少している路線もございます。その減少の背景といたしましては、行政局管内の15歳未満及び高齢者人口が減少傾向にあることに加えまして、地域内の移動手段として住民バスが定着する中で、利用者がある程度、固定化されている状況であることから、その利用者が個人の事情等によりまして、住民バスを利用しなくなるような経緯を経まして、徐々に減少してきていることが要因であると思われます。
現在、こうした路線も含めまして、住民バス利用者の現状を把握するために、全地域で利用者アンケート調査を実施しているところであります。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 利用者が固定化すると言われました。おかしいですよね。最初に、不特定多数を運ぶ手段として住民バスとおっしゃっていたのに、要するに不特定多数ではないですね。特定少数になっていて、その人が使わなくなったから減ったと。議論としておかしいではないですか。構いません。現実はそうなのです。公共交通は足り得ていない。確かに、このバスは欠かせないもの。私も実現を求めてきた側ですから、当然、不特定多数の人を少しでも効率よく運ぼうということでこの実現を求めました。
そして、公共交通として一定の貢献をしてきたのです。ただ、利用者が減っている、固定化してきている背景には、バス停まで行けない人たちがふえてきているのです。バスは、一定のサイズのあるものですし、これはバスとしての届け出ですから、路線を勝手に変えられない。陸運局との関係もありますし、一つ変えるとなると大変な作業が必要になる。そうした中で、より最大公約数のところを回らざるを得ない。そんな中で、使い勝手が悪い。また、効率よくしようということで予約制にしたということから、前日までの予約としているが、なかなか次の日の体調までわからないので、予約できないという高齢者の声があります。また、土日運行がないということも含めて、さまざま使い勝手が悪いという。土日運行については現行でも可能なので、ぜひともやっていただきたいと思うのです。予約制のまま、土日も予約できるということは対応可能だと思うので、これについてはぜひとも検討はしていただきたいのです。
なかなか今の住民バスがニーズに対応し切れなくなってきた。そういう地域の現実があるのだと思います。そうした中で、では今後どうやって対応していくのか。
路線バスや住民バス、こういった不特定多数と言いましたけれども、こうしたものでは対応できないニーズの存在を認識しているのかどうか。また、そうしたニーズの存在を認識しているのであれば、今後どのような対策を考えているのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 御答弁申し上げます。議員から不特定多数の話がございました。先ほど、私が説明いたしましたのは、路線バス、住民バスの定時、定路線動向による不特定多数の大量輸送ということを申し上げたのですが、議員からもお話がございました、集落へ行く、そういうところへ行く減少傾向については特定の個人の方の事情により乗れなくなった方も多いのではないかと、そういう御説明でした。よろしくお願いいたします。
それから、今後、どのように対応していくのかということでございますが、移動手段を持たない人の中には、さまざまな事情により路線バスや住民バスを利用することが困難な方が存在していることは、先ほども申し上げましたとおり認識しております。
一方で、交通ニーズにつきましては、利用頻度、利用目的、行き先など、個人の実情に応じて状況が異なり、さらに、各種交通施策との整合性や交通事業者を初めとした関係者との調整など、多種多様な要因が複雑に絡み合っているのが実情でございますが、今後も地域の方々の移動手段確保に向けて、さまざまな観点から検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) バスの不特定多数利用の話ですが、住民バスが不特定多数を対象にできなくなってきている。いわゆるバス路線、バス停近くの人しか利用できないという限定的な条件をバスの側が持ってしまっているということです。誰でも乗れるのです。乗れるのだけれども、利用者の側が固定化せざるを得ない。私はバス停まで行けないので住民バスは利用できないという利用者側のそういう条件があります。そのことによって固定化してしまわざるを得ないということです。ここは言葉の話なので、ここで議論をしても仕方ないので、それは構いませんが、そういう状況の中で、今もるるおっしゃられ、企画部長になられて間もない中で、余り込み入った議論をするというのも非常に申しわけないのですが、机の上に、恐らく水色の冊子は公共交通再編計画の冊子も持っておられると思いますので、そもそものお話を1点お聞きしておきたい。公共交通再編計画は一体誰が何のためにお金をかけてつくったのですか。そのことについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 再編計画をどうしてつくったのかということでございます。公共交通、とりわけ地域の交通ということは、自動車等の移動手段を持たない住民の方々の通勤であるとか、通学、買い物などの日常生活を支える活動に対し移動手段を提供するのに、どういう方法がよいのかという現状を踏まえまして、将来、どういう運行手段をもって組み合わせていくのがよいのかということを市のほうで策定した計画でございます。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) その計画の中に、現状としてバスではなかなかそうしたニーズに対応し切れない。何らかの手だてを検討しなければならないと書かれています。これは僕が言っているのではないのです。僕はそうすべきだと思いますが、市がみずからつくった計画に現状も認識して、バスではやはりニーズを拾い切れないということを行政みずからがつくった計画に書いているではないですかということを重ねて申し上げているのです。
そこは大いに賛成です。バスというのは、一つのパイの一定数のあるところではうまく機能するけれども、これだけパイそのものも減ってきた。また非常に地形もこういう地形の中では、なかなかバスというのがうまく機能しない現状の中で、それでは僕も知恵を出そうということで、さまざまな御提案を申し上げていて、そこで建設的な議論をしようとするのに、いつも何か計画と違う答弁が返ってくるので、何のために計画をつくったのだろうと思ってしまうのです。
その点を踏まえて、建設的な提案ということで、若干資料も用意したので、御提案を行いたいと思います。
その前に、アについて、再度そういう議論をした中で3月議会で乗り合いタクシーの提案について御答弁をいただきました。3カ月たちまして、基本的には変わらないと思うのですが、この3カ月間、いろいろな検討、研究もされたかもしれませんので、若干平成29年3月議会、一般質問はどんな答弁だったかというのを皆さんもわかりにくいと思いますので、簡単になぞりますと、さまざまなよいところも言ってくださったのですが、デメリットの認識として、乗り合いで予約するので路線バスに乗り継ぎするときにおくれることがある。予定以外のところへ走ったりするのでおくれるときがある。運行主体のタクシー業者の選定にもいろいろと困る。新たな施設整備をするときの予約のための設備だとか、また誰を利用者として限定するのかという問題。費用的にも大変かかるということで、結論的には極めて困難な状況にあると考えておりますという答弁をいただいたのですが、この答弁は今も変わりませんか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 3月議会の答弁の認識は変わらないかということでございます。
乗り合いタクシーにつきましては、一般、乗合旅客の許可を受けた事業者が、主に自治体等の要請を受けて利用者の自宅等から目的地までの区間を予約状況に応じて巡回しながら乗り合わせて輸送する手段で、交通事業者と調整の上、区域内は自由乗降が可能とする場合や、おおむねの目安となる時刻を定め、拠点施設等に停留所を設置して運行する場合など、地域の状況に応じてさまざまな形態が採用されてございますが、乗り合いタクシーについては、予約の煩わしさや他人と乗り合わせることへの抵抗感、予約数の多寡による時間的な正確性の欠如、運行経費などに加えまして、道路運送法との関係、交通事業者との調整、地域公共交通会議での協議などの課題があるという状況には変わりはございません。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 状況は変わらないですね。僕は認識についてお伺いしたのですが、そういう困難であるからやるかやらないかという認識なのですが、若干、今乗り合いタクシーの御説明もいただいたので、参考資料を使って私のほうからも乗り合いタクシーについてお話ししたいと思うのですが、先日、選挙が終わってから、新たな市議団として前田佳世議員も含めて共産党市議団で視察に行ってまいりました。三重県の熊野市というところです。人口は1万7,545人ですから、人口で田辺の約5分の1程度、面積でいうと、373平方キロで面積的に言うと3分の1ぐらい。人口密度でいうと、若干、熊野市向こうのほうが少ない。そんなところで乗り合いタクシーを走らせています。
どんなものかといいますと、熊野市の場合は第一交通さんが受けられているみたいですが、業者に委託し運行されていて、自由乗降ではなくて自宅から目的地、目的地はいろいろ決められています。商業施設であったり、医療機関であったり、公共施設であったり、バス停であったり、こういう場所までの行き来ができる。また、目的地から目的地、病院から買い物のお店という呼び方もできます。予約は40分前にすればいけます。タクシーに乗る際に予約が煩わしいからタクシーは使いませんという人に、私は余り出会ったことはないのですが、予約の煩わしさといいながら住民バスをデマンド方式にしているのですね。ここは定時運航のバスを走らせていたらしいのです。福祉バスを走らせていたけれども、乗り合いタクシー導入に当たって、それを切りかえたらしいです。
だから、確かに予約制の煩わしさはあったそうです。予約してもらわないといけない。ただ、40分前なので、その日の朝起きて体調がよいからきょう行こうとできるのです。今の住民バスのように前日の夕方までにということではないのです。そういう意味では予約しやすい。1回の利用料金は300円。利用者の特定はありません。外出支援サービスの話も部長からありましたけれども、公共交通ですから誰でも利用できます。小学生が利用することも可能だということです。
委託ですから、新たな予約のための費用は要りません。当然向こうは、プロのオペレーターが受けてくれます。そこで予約して、この人とこの人をぱっと路線で組み合わせて走らせてくれるというようなことです。大体セダン型の普通のタクシーで走ったり、ワゴン車、ワンボックスで大きいので走ったりもしている。当然、今全国的には住民タクシーということで、白タクもやられていますけれども、これはプロです。二種免許を持ったプロのドライバーが走っているということで安心だと言われていました。
乗車人数と経費ということで、下のほうに表を書いたのですが、平成25年は秋から始めて1,000人です。翌年は5,000人と5倍に超えてふえています。次の年も8,000人、昨年度28年度で1万3,000人が利用しています。予算としては、今年度29年度は759万円ぐらい。市内で住民タクシー的なものが走っている地域もあるので、五つの地域で公共輸送について取り組まれています。乗り合いタクシーとして市が実施しているのがこの四つのエリアなのですが、それぞれ始めた年から翌年に倍化するのです。非常にそれだけニーズに合っているということです。負担としても、そんなにべらぼうな金額ではありません。1回300円の運賃収入は市のほうに入りますし、国からの国庫補助の路線に該当するところについては国庫補助もあります。それから、特別交付税で8割の補填もありますから、ほとんど持ち出しはないに等しいので、これだけのことができる。
利用者の方々にもわざわざ来ていただいてお話をお聞きしたのですが、何せ驚いたのは行政に対する信頼感と感謝の思いです。熊野市は非常に私たちのことを考えてくれている。こんな私たちでも自由に生き生きと暮らせるということを本当に語っておられました。行政サービスを通じて行政との信頼関係が築けるのだなと。職員もやっていて楽しいだろうな。こういうことをして感謝をされてと思いました。
中には、参考資料に書いているように、300円でできるというのはうそだと思った。300円でタクシーが乗れるはずがないという話、運転手さんもとても皆親切、1日7便走っているので都合に合わせて予約しやすい。最初は確かに電話をするときに勇気が必要だったが、今は何ともない。確かに、乗り合わせなので、乗り合わせたくない人と一緒になるときもある。でも300円だからそんなことまで言わない。
なぜ熊野市がこういうことに取り組むようになったのかというのは、最初は当然、住民タクシー、白タクで住民が取り組み始めて、デマンド方式が非常に効率がよいということがわかった。その中で、平成24年にとにかく検討を始めろと市長の号令がかかりました。さまざまさっき言われた困難はあります。公共交通会議でさまざま業者との調整も必要になります。
しかし、平成24年9月に検討を開始して、一番最初のタクシーが走り出したのは平成25年10月です。1年間で走ることができているのです。さまざまな条件があったかもしれません。それで、次々とこれはよいということで、うちの地域でもうちの地域でもとどんどん広がり今4地区で走らせている。担当職員からもお話を聞きました。やはり一番苦労したのは業者間の調整だと。民業圧迫にならないような形の調整も必要だということで、そこの調整も非常に苦労したということです。他市町村へ乗り入れるというところをどうするのか。幹線はバスを残すのだと。地域内での消費を促進するために、エリア内での利用とする。そのためにこの4エリアに分かれているのです。そのときに、福祉バスについては、これで十分カバーできるので、これにかえてしまうということで廃止する理解を求めたということを言われていました。
やって悪いというものは何も出てきていない。非常に困難だと言われましたが、要はやると決める政治判断と行政がそのために汗をかくかどうかだと考えます。私は、こうした状況を見る中でいうと、やはりここはトップの政治判断をしていただくべきだと。そして、そのために職員の皆さんにも汗をかいていただいて、ぜひとも走らせていただきたいと思うわけですが、当局の認識はいかがでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 企画部長。
(企画部長 小川 鏡君 登壇)
○企画部長(小川 鏡君) 議員の御質問にお答えいたします。
乗り合いタクシーにつきましては、各地域の地理的条件や集落の分布状況、さらに路線バスやタクシー等の公共交通機関の運行状況や営業範囲等によって、さまざまな運行形態がございます。また、既に乗り合いタクシーを導入している自治体とはそれぞれの地域事情や背景が異なるため、田辺市にそのまま適用することは難しいとは考えてございますが、導入している自治体の事例を調査し、本市の公共交通体系のあり方について研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(企画部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 最後で若干前向きな御答弁をいただきました。100点のものというのは何をやってもないと考えています。ただ、今の状況は何か手だてを取らずに放置できる状況にはないというのも現実です。そうした中で、試験運行でも構いません。中辺路町で住民バスを走らせたときにも、最初、試験運行で半年間やるという形でスタートしたと思うのです。まかり間違っても1カ月の試験というのはやめていただきたいのですが、1カ月ぐらいでは定着する前に終わってしまう。実績をもって、やはり利用が少なかったといってやめてしまうというのは余りに余りなので、半年間ぐらい一度試行錯誤する。半年して一遍やめるかもしれませんよという前提でも構いません。とにかく一度やっていただきたい。前向きに進めていっていただきたいと思います。きょうは感情が高ぶりましたけれども、この件については、今後とも引き続き議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
2点目の生活保護費詐欺事件についてお聞かせいただきます。
この件については、前の任期以来ずっと継続して取り上げてきました。市長の任期の間に、合併3期目の間に公表して、そして市民の審判を受けるべきではないかと、途中経過であっても公表すべきではないかということを求めてきましたが、残念ながら今日に至っております。そういった中で、なるべく早い時期にという御答弁をいただいてきたわけですが、現在の調査の進捗状況について、どのような状況にあるのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員御質問の調査の進捗状況はどうかについて、お答えいたします。
調査につきましては、鋭意全容解明に向け、適正、不適正の判断材料となる証拠資料の収集及び関係者、関係機関への事実確認を行いながら、元職員に対しまして、昨年7月から20回約116時間にわたる聞き取り調査を実施しており、現在におきましても、慎重かつ徹底的に調査を行っているところであります。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 調査が終わり次第、発表されるということでしたから、まだ調査を行っているというのは当然だと思うのですが、進捗状況を聞いているのですから、どこまで進んでいるのかという質問です。イのところで再度お聞きします。
では、今の進みぐあいからして、いつごろ公表されるのかをお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
先ほど申し上げました現在実施している調査が終わり次第、弁護士等にも調査結果を確認いただき、損害額を確定した上で公表いたしたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 川﨑五一君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 研究していただけるということですが、こういう市の答弁がどういう受けとめ方をしたらよいのか、私は初めてなので少しわからないところでもあるのですが、簡単にはできないということなんだと思います。
そうであるならば、必然的に複数合併により基準を満たすという方向にならざるを得ないのではないでしょうか。龍神では、「せめて1カ所だけでも開設してほしい」という要望があります。中辺路においては、2013年6月議会で川﨑議員がスクールバスを活用して、鮎川の学童への集約も提案されています。
ここ数年、市の答弁では「合併などの設置方法や、設置基準の見直しも含めて、田辺市の学童保育のあり方等について検討していきたい」と3度同じ答弁をされていますが、ぜひとも保護者の願いを酌んでいただけるよう積極的かつ具体的な取り組みをお願いいたします。
「第1次田辺市総合計画」の基本理念であった「一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくり」は、第2次でも継承されるとあります。一人一人が大切にされるということは、一人一人の違いを超えて大切にされるという意味であると考えます。私がこれまで傍聴席で伺ってきた「公平性」という言葉は、それぞれの違いを鑑みず同じ待遇を施す意味合いのものが多かったように感じますが、子育て支援の分野では、それぞれの違いに応じて待遇を変え、住民が等しく受益できるという意味合いで使われるようになりました。担当課においては地域間の格差を埋める努力をされ、これぞ地方自治のあるべき姿と言えると思います。この姿をさらに強めていただけることを期待申し上げます。
次に、学童保育の拡充についてお話しさせていただきます。
私は、選挙中に学童保育を6年生まで受け入れてもらえるようにしてほしいという声を伺ってきました。平成27年度からスタートした「子ども・子育て新支援新制度」により、6年生までが対象となったので、お母さんたちの願いがかなえられたらという思いで、このことに取り組むことにしました。
そして、まずは学童保育の現場にお邪魔させていただきました。そこで浮かんできたのが、保護者や子供たちが抱えるさまざまな問題を、今のままの学童保育というパッケージに詰め込んでしまってよいのだろうかという疑問でした。
核家族化や長引く経済不振により、共働き家庭が一般的となり、ひとり親家庭も多くなっています。また、家庭と地域とのつながりが希薄化してきたこともあり、子育ての環境が大きく変化してきています。それゆえに、学童保育での支援が単に安全に留意して預かるというだけでなく、子供たちが個々に持つさまざまな課題に対し、専門的な知識をもって支援することが望まれるようになり、学童保育のあり方が変化してきています。今後の子育て支援を考える上で、これまでの「学童保育」という枠だけでなく、所管の再編も視野に入れた、幅広い観点からのアプローチや連携が必要になってきているのではないでしょうか。
そこでお伺いします。田辺市において子育て環境を勘案して、どのような学童保育にしたいとお考えか、その理念をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 保健福祉部長。
(保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の学童保育の理念についてお答えいたします。
学童保育所は、児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館などを利用して適切な遊びや生活の場を与え、その健全な育成を図るものとなっております。
田辺市の学童保育所では、国の基準に基づき、児童の健康管理や安全確保等に努めるとともに、遊びを通して自主性、創造性を培い、さらには学年の違う児童とのコミュニケーションを図ることにより社会性を身につけること等を実践しており、引き続き、児童の健全育成に寄与できるよう、保護者や学校、関係機関等と連携を図りながら、現在の保育を継続してまいりたいと考えております。
(保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 家庭のかわりとなる学童保育所、そして、子供たちが安心して過ごせる生活の場であるという理念、そして、子供の安全面や自主性、創造性、社会性、そういった多岐にわたる面において高い理念を持っておられることは大変親としてもありがたいことであります。
しかし、近年、子供を取り巻く環境として、貧困、ネグレクト、アレルギー、発達障害、愛着障害など、さまざまな困難を抱える子供たちが多くなっていると言われています。また発達障害においては、医学的な診断基準を全て満たさないものの、その特徴的なあらわれがある、いわゆるグレーゾーンにある子供も多くなってきていると言われます。
こういったさまざまな課題を個々に持つ子供たちに向き合うために、指導員に求められることは何であるか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 保健福祉部長。
(保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
田辺市立の学童保育所では、直近で12学童13クラスに552人が通所しており、児童を預かる立場の指導員は47名で、そのうち配慮の必要な児童への対応として10名を配置しております。
指導員は、心身ともに発達段階にある児童の安全を確保することを第一義とし、その上で適切な生活指導、必要な学習指導等を実施することにより、児童とその保護者との良好な関係を築くことが大切であることから、指導員の質の向上に向けた取り組みを継続して実施しております。
平成28年度では、和歌山県主催の4回の研修会に延べ74名、保育所と学童保育所の合同研修会には、延べ42名が参加しており、また研修会参加後には必ずレポート提出を求めるなど、指導員の意識の向上につなげることができるよう取り組んでいるところであります。
研修内容については、子供の人権にかかわるものやアレルギーのある子供への対応、配慮の必要な子供への支援や接し方など、多岐にわたっております。
今後とも、指導員の資質向上を図るため、研修等を実施してまいりたいと考えてございます。
(保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 指導員に専門性を高めてもらえるよう県主催の研修会に参加してもらったり、支援員同士での情報交換会議を持つなど、課題への対応が一定なされていることは確実に子供たちにとってよりよい生活の場につながっていることと思います。
でも、それでもまだ子供たちの命と生活を守るために力を注ぎたいという指導員の熱意によって支えられている部分が大きいのも事実です。中には、自費で研究会に足を向けるなどして、知識を深める方がおられたりします。
子供たちが安心して過ごせる居場所づくり、それを実現させる指導員の活動を補償するために、行政としてどのようなフォローが必要とお考えであるか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 保健福祉部長。
(保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
指導員の専門性を高めるためには、必要な知識を得ることができる研修会への参加を促すとともに、支援の必要な家庭には、学校や保健所、児童相談所等の専門機関との連携強化が必要となってきます。
指導員については、学校の長期休業日以外の勤務時間は午後1時30分から6時30分までの間で、5時間勤務の者と4時間勤務の者を配置していますが、各クラスで1名を主任指導員として位置づけ、主任手当を設けて、責任の所在を明確にするなど勤務条件の改善に努めているところであります。
今後とも、労働環境の改善や必要な研修への参加促進などに取り組んでまいりたいと考えています。
(保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 研修の充実は一定なされていると思うのですが、田辺市の学童保育での状況をもっと現場からたくさん声を聞いて、田辺市独自の研修会がもっとたくさん開かれることによって、指導員たちも支援員の先生たちももっと課題を共有できて、しかも質の高い学童保育ができるのではないかと感じております。
また、労働条件に関しては、現在、田辺市内に13カ所ある学童保育の指導主事として、指導統括と休暇の補助を保育士資格を持つ1名の嘱託職員の方が行っています。子供たちの抱える問題の多様化、深刻化に対して指導員たちからいろいろな相談を受けたり、または指導を行うために、数多い学童保育の中で、指導主事たった1人というのはその方への負担が大き過ぎますし、また高度な専門性と責任を負うのですから、正職員であるべきと考えます。
そして、学校や他の機関との連携ですが、必要であるということは認識しておられ、一定されていると思うのですが、それでもやはり現場からは学校や臨床心理士などの専門家との綿密な連携が必要だという声が上っています。そして、そのことによって、他機関との問題の共有ができ、また親とも連携を図ることによって、子供の課題を共有でき、子供の発達にも寄与できるのではないかと考えております。
それから、労働条件に関することですが、十分な打ち合わせの時間を確保してほしいという声もありました。また、5時間勤務者をふやしてほしいという声もありました。どれも限られた時間の中で、数多い仕事をこなすのに指導員の方たちの負担が相当大きいことのあらわれであると思います。もう一歩踏み込んで、こういった労働条件の向上、連携を図る取り組みを行っていただきたいと思います。
次に4年生以降のニーズに関してお伺いします。
「4年生以降も継続利用させてほしい」というニーズは把握しておられるでしょうか。把握されているとすれば、必要とされる理由は何であるか詳細はつかんでおられるでしょうか、お伺いします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 保健福祉部長。
(保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の4年生以降の利用ニーズの把握についてお答えいたします。
現在の本市の学童保育所は、小学校1年生から3年生に加え、障害児に限定し4年生以上を受け入れています、
しかしながら、平成27年4月の児童福祉法の改正により、学童保育所の対象児童が「おおむね10歳未満」から「小学校就学児童」となったことから、4年生以上の受け入れが課題となっています。
平成26年度に策定しました「田辺市子ども・子育て支援事業計画」における子ども・子育て支援の量の見込みは、平成25年度に実施しました「田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査」の結果に基づいて、平成29年度に600人の確保を目指すと定めました。この目標値は、平成28年度をもって既に達成したところでありますが、4年生以上を含めた数値ではなく、平成25年度以後は全市的なニーズ調査は行っておりません。
既に開設している校区の小学校には、空き教室がないところも多く、現状では、全市的に4年生以上の受け入れは厳しい状況であると考えております。
現在の子ども・子育て支援事業計画の期間が平成31年度までであるため、次期計画の策定に向けて、平成30年度にニーズ調査を実施予定でありますので、その際に4年生以上のニーズ把握への対応を検討してまいりたいと考えております。
(保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) これまでニーズ調査も行われて、平成30年にもニーズ調査を行う予定であるということです。
4年生以降になると、子供たちに個人差はあるものの、それまでの学童保育での指導により、多くは子供自身が自立した放課後を過ごせるよう成長していたり、塾や習いごとに通ったり、一部の地域では芳養小学校のふれあい教室のような地域の方々の御尽力のおかげで放課後を過ごすことができていて、莫大なニーズではないようにも思われます。それでもなお4年生以降の継続保育が必要とされる理由に、保護者の中には「やっぱり心配だ」という声が上っています。この言葉の背景には、子守りを担ってくれている祖父母の高齢化、子供自身の発達面の不安、発達面あるいは経済面から来る学習のおくれに対する不安、不審者による治安面での不安など、さまざまな理由があげられます。ぜひとも、こういう詳細なニーズ調査をしていただき、分析を行っていただきたいと思います。
そして、学童保育の4年生以降の門戸を広げる模索をしつつ、こういったさまざまな課題をほかの子育て支援事業へ橋渡しをしたり、問題解決のために学校や地域、あるいは専門家に具体的、かつ強力な協力を得たり、子供の発達にかかわる課題を社会全体で共有できるよう広く市民に啓発したりと、所管の連携または再編による学童保育の質的向上を図っていただきたいことをお願いいたしまして、この項目での質問は終わります。
大項目2項目めについて。非核平和都市宣言についてお話しさせていただきます。
非核都市宣言が世界に広がっていく契機となったのは、1980年のイギリスのマンチェスター市での非核宣言で、アメリカ・ソ連の冷戦の最中、核兵器の脅威をなくすため、みずからのまちを非核兵器地帯であると宣言し、他の自治体にも同じような宣言をするように求め、すぐにイギリス国内の多くの自治体が賛同しました。その後、この宣言運動は世界に広がり、日本でも1980年代からこの非核宣言を行う自治体がふえ続け、現在では日本の自治体の90.5%の1,619自治体が宣言を行っています。
旧田辺市で非核都市宣言がされたのは、そうした機運の中、1987年、昭和62年7月1日、市民団体からの請願を受け、議員発議により市議会で宣言制定することが可決されました。当時、私は中学生でした。子供ながらに、「広島、長崎のような悲惨な出来事が二度と起こらないように、自分たちがずっと安心して暮らせる平和な世の中を、自分が住んでいるこの田辺市が守ってくれようとしている」ということに感動したのを今でも覚えています。
しかし2005年、5市町村が合併したことで、旧田辺市の非核平和都市宣言、龍神村の非核・平和村宣言、本宮の非核・平和自治体宣言は事実上なくなってしまいました。そこでお伺いします。
合併時にこの件に関しどのような議論がなされたのか。そして、合併から今日に至ってどうして進展が図られなかったのかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、合併時において都市宣言について議論されたのかということについてでございます。
合併前の5市町村におきましては、あわせて13の都市宣言を制定し、先ほども議員から御紹介がございましたが、このうち3市町村において非核平和都市宣言が制定されていました。都市宣言につきましては、合併協議の中でも検討されておりまして、各市町村において、宣言時の社会情勢等を反映する中で、各自治体の姿勢として表明したものであることから、単に新市において、引き継ぐといった性格のものではないという判断により、合併後の新市において調整することとしたものでございます。
続きまして、今日に至るまでという御質問でございますが、これも先ほども議員から御紹介がございましたように、旧田辺市では、昭和62年に各種団体からの請願が出されたことを受け、同年7月1日の市議会におきまして、議員発議により可決されており、同じく、本宮町におきましても、昭和63年に議会への陳情を受け、同年3月23日の町議会におきまして議員発議により可決されております。
また、龍神村では、昭和61年に請願が採択されたことを受け、平成5年3月23日に村長から議案提出され、同月26日に可決されております。
市といたしましては、こうした宣言制定時の経過も踏まえまして、宣言制定に向けた機運の状況につきまして、今後とも見守ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 新市になったことで、法的合理性があるとはいえ、制定されるまでに、それまでの努力の積み重ねをあっさり消されてしまったというのが市民感情であるように感じます。
合併前に制定された非核平和都市宣言は、世界的な機運の中で生まれ、日本国内でも多くの市民の願いと携わった人たちの尽力で制定されたものであることに、心を寄せていただきたいと思います。しかも合併前の五つのうちの三つの市町村が非核平和自治体であったのですから、合併時に宣言継続をもっと前向きに議論してほしかったという思いがいたします。ちなみに和歌山県内では、有田川町では合併時にそのまま宣言は継続され、橋本市、白浜町では、合併から約半年後には宣言が復活しています。
以前この件に関しては、私もこれまでの議事録を読む中で、合併後から今日に至るまで市民の機運の高まりがなかったという記述がありましたが、幾人かの議員や団体が取り組んでこられたことがあります。これを少し御紹介させていただきます。
2008年、平成20年には市民団体が宣言制定の要望書を議長に提出されました。2009年、平成21年、在任中の吉本議員が、合併10周年を機に宣言制定を一般質問で提案されておられます。そして、翌年2010年、平成22年、署名活動を行った団体が約1,000筆の署名とともに議長に陳情し、その後市長に陳情をされています。
2013年、平成25年、同じく在任中の吉本議員が、再度合併10周年を機に宣言制定を提案されています。そして、2015年、平成27年、在任中の松下議員が一般質で取り上げておられます。
また2015年秋は安保法制で大きく世論が動きました。田辺市でも多くの市民が平和を守るために声を上げ、議会では安保法制の慎重審議を求める意見書提出を全会一致で可決するに至っています。こうした流れを見ると市民の中に恒久平和を願う機運の高まりは十分にあったと思われます。
また世界に目を向けると、ことし3月に核兵器禁止条約の交渉会議が始まりました。5月には条約の草案が出され、草案の前文で明記された「核兵器の犠牲者や核実験被害者の苦しみを心にとめる」との文言には、犠牲者を英訳するとSurvivor(サバイバー)という言葉を「ヒバクシャ」と記述されています。核兵器の非人道性と再び使われてはいけないと訴えてきた広島・長崎の被爆者の運動が結実した意義深いものであると思います。
そして第2回目の交渉会議が先週6月15日よりニューヨークの国連本部で開かれております。地球上から核兵器を廃絶すべく、核兵器を法的に禁止する史上初めての条約実現に向けて、条約の草案が各国と市民社会の代表によって討議され、来月7月7日の採決を目指して討議されています。世界的な機運が今まさに高まっていると言えるのではないでしょうか。
ここで、市長も加盟しておられる平和首長会議についてお話しいたします。
まず、平和首長会議について御紹介いたします。原爆が一瞬にして町を廃墟とし、多くの命を奪い、戦後70年以上たっても放射線による後遺症や精神的苦しみを多くの市民に残した広島・長崎の悲劇を地球上で二度と繰り返されることのないようにとの願いのもと設立されたのが平和首長会議です。1982年、昭和57年6月24日、ニューヨークの国連本部で開催された第2回国連軍縮特別総会において、当時の広島市長が、世界の都市が国境を越えて連帯し、ともに核兵器廃絶への道を切り開こうと「核兵器廃絶に向けての都市連帯推進計画」を提唱し、広島・長崎両市長から世界各国の市長宛てにこの計画への賛同を求められました。
その目的は、世界の都市が連携し、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起し、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に貢献することとあります。ここでお伺いします。
平和首長会議への加盟の経緯と加盟された際の市長の思いをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。