田辺市議会 > 2017-06-23 >
平成29年 6月定例会(第2号 6月23日)

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  1. 田辺市議会 2017-06-23
    平成29年 6月定例会(第2号 6月23日)


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    平成29年 6月定例会(第2号 6月23日)              田辺市議会6月定例会会議録             平成29年6月23日(金曜日)           ―――――――――――――――――――    平成29年6月23日(金)午前10時開会  第 1 一般質問           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1           ―――――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  0名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  松 上 京 子 君               2番  柳 瀬 理 孝 君               3番  浅 山 誠 一 君               4番  前 田 佳 世 君               5番  川 﨑 五 一 君
                  6番  久 保 浩 二 君               7番  宮 井   章 君               8番  福 榮 浩 義 君               9番  髙 田 盛 行 君              10番  北 田 健 治 君              11番  橘   智 史 君              12番  尾 花   功 君              13番  二 葉 昌 彦 君              14番  市 橋 宗 行 君              15番  安 達 幸 治 君              16番  安 達 克 典 君              18番  塚   寿 雄 君              19番  佐 井 昭 子 君              20番  中 本 賢 治 君              21番  出 水 豊 数 君              22番  陸 平 輝 昭 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員        17番  小 川 浩 樹 君           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       福 田 安 雄 君             副市長       池 田 正 弘 君             教育長       中 村 久仁生 君             企画部長      小 川   鏡 君             総務部長      松 川 靖 弘 君             総務課長      山 﨑 和 典 君             税務課参事     葉 糸 真 一 君             保険課長      谷 村 憲 一 君             環境課長      久 畑 弘 幸 君             保健福祉部長    木 村 晃 和 君             産業部長      那 須 久 男 君             商工振興課長    丸 山 勝 司 君             農業振興課長    北 川 弘 泰 君             梅振興室長     廣 畑 賢 一 君             森林局長      鈴 木 徳 久 君             山村林業課長    清 水 健 次 君             建設部長      林   誠 一 君             管理課長      宮 脇 寛 和 君             土木課長      合 川   弘 君             龍神行政局産業建設課長                       鈴 木 隆 司 君             中辺路行政局産業建設課長                       松 本 繁 和 君             大塔行政局長    松 本 光 生 君             大塔行政局産業建設課長                       小 川 恒 生 君             本宮行政局産業建設課長                       森   幹 夫 君             消防長       安 田 浩 二 君             消防総務課長    戎 嶋   健 君             予防課長      原   雅 樹 君             教育次長      弓 場 和 夫 君             生涯学習課長    杉 若 信 男 君             水道部長      岩 本   章 君             業務課長      前 田 敦 司 君             工務課長      下 中 哲 也 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    糸 川 一 彦             議会事務局次長   前 溝 浩 志             議会事務局主任   松 本 誠 啓             議会事務局主査   玉 置 大 祐  開 議 ○議長(副議長 市橋宗行君)    皆さん、おはようございます。  地方自治法第106条第1項の規定により、議長の職務を行います。  定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成29年第3回田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。              (午前10時00分)          ――――――――――――――――――― ◎報告 ○議長(副議長 市橋宗行君)    17番、小川浩樹君から欠席の届け出があります。  それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(副議長 市橋宗行君)    日程第1 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は6月15日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順位に従って一般質問を許可します。  6番、久保浩二君の登壇を許可します。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    おはようございます。6番、日本共産党久保浩二です。通告に従いまして、2点質問をいたします。  1点目、市庁舎移転候補地の決定についてからお伺いします。  2011年の東日本大震災、津波の被害があり、当地でも南海トラフの巨大地震が30年以内に高い確率で起こることが予想され、現庁舎の耐震機能が満たされていないこと、目の前が扇ヶ浜で、大津波の被害が予想され、庁舎機能が失われるとして耐震や現地での建てかえを諦め、移転移築にということになりました。市庁舎整備方針検討委員会が昨年1月に第1回検討委員会が開催され、8月までに7回開催され、整備方針についての答申が出されました。  その答申では、「津波・洪水の想定浸水域外で、かつ、中心市街地から近い場所に、両庁舎機能を統合した新庁舎を、早期に整備することを結論とします」とあります。  そして、その中で検討事項について4点書かれています。  一つ目として、市民の安全安心を支える拠点について。二つ目、市の発展・活性化・まちづくりを支援する拠点について。三つ目、市民が利用しやすい行政拠点について。四つ目、その他となっています。  田辺市は、東山の商業施設に候補地を選定しました。庁舎整備方針検討委員会での討議や市民アンケート、答申の検討事項の中身について議論したいと思います。  そこでまず、移転候補地が営業中の商業施設だったことに、私はびっくりしました。今回、市は営業中のオークワに庁舎移転候補地を決めましたが、候補地選定で事前にオークワから打診、お話があったのかどうか、まずお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。  総務部長松川靖弘君。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  オークワ様からの打診はございません。            (総務部長 松川靖弘君 降壇)
    ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    なかったということであります。  市庁舎の移転で商業エリア商業施設に移転することは全国的に見て幾つかあります。商業施設の廃業、空きビルや撤退を前提に市庁舎を移転することはありますが、営業中の商業施設への移転は特異なケースだと言えます。庁舎移転で営業中の商業施設への移転は、全国的に前例があるのかについてお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  全国の事例を全て把握できてはいませんが、本市のように、行政側から営業中の商業施設を庁舎の移転候補地としたという事例は把握しておりません。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    全国的に見て、把握していないということは多分ないということだと思います。私もいろいろ調査をしましたが、見つけることができませんでした。そして、ことしの3月に出ました調査報告書の中に、概算事業費候補地三つごとに書かれているのですが、その中に、用地費、補償費合わせて26億8,600万円と金額が出ています。全国的に幾つか庁舎移転商業施設、空きビルなどに行ったケースがあるのですが、その中で商業施設を取得するのに宮城県石巻市は、7階建てのビル、取得費5億8,300万円、茨城県筑西市は、地上7階、地下1階で約3億円、茨城県土浦市は、地上7階、地下1階で14億9,957万円、栃木県栃木市は、地上6階の建物で7億7,000万円、群馬県沼田市は地上7階で5億6,500万円となっています。今回、出されている概算事業費は、なかなか異例だと感じます。  そこで、庁舎移転のそもそもについて確認していきたいと思います。最初にも言いましたが、東日本の津波被害を受けて、南海トラフによる田辺市庁舎の耐震は基準を満たしていない。目の前が海で津波被害が予想される。浸水想定外の高台にすることで話が進んでいったと思いますが、庁舎移転検討委員会の第3回委員会では、高台が多数を占められています。第4回で、郊外で用地取得しやすい新築移転の場合、C1、C2、C3ということで、C1が市街地、C2が新興住宅地、C3が郊外という形で示されています。  C1の市街地は浸水地域が多いためダメとなったと思います。C2、新興住宅地は住宅環境に配慮が必要ということで、敬遠されていると思います。C3、郊外は他エリアより開発に必要な丘陵や山などが残っていることを評価するとあります。  庁舎移転検討委員会で郊外の高台という選択肢はなかったのかについてお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    庁舎整備方針検討委員会につきましては、諮問機関として、庁舎の整備方針である「現庁舎を耐震改修するか」「現在地に建てかえるか」「別の場所に新築して移転するか」について、検討をいただいたところです。  その検討のための基礎資料では、新築移転に関して、「市街地」「新興住宅地」「郊外」の三つのエリアを検討対象としておりましたが、委員の意見を取りまとめ、答申に至る検討を進める中、「津波・洪水の想定浸水域外で、かつ、中心市街地に近い場所」という形の答申が形成されたものでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    委員会の中で、そういう中心市街地に近いところと形成されたとあります。  答申の検討委員会の中身を見ますと、第5回で中心市街地の衰退を懸念して、中心市街地の近くとなっています。移転候補地がなぜ中心市街地に近いとなったのかお聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    中心市街地については、さまざまな都市機能が集積され、市民生活において利便性の高いエリアでございます。諮問機関である庁舎整備方針検討委員会において、先ほども申し上げましたが、庁舎の整備方針である「耐震改修」「現地建てかえ」「新築移転」について、検討をいただく中で、委員からも庁舎移転による中心市街地の衰退を懸念する意見も多く出されていました。  そのほか、委員各位のさまざまな意見を取りまとめた上で、真摯な御議論をいただく中、「中心市街地から近い場所」に整備することとする答申が形成されたものと考えております。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    答申の中にも、市の発展・活性化・まちづくりを支援する拠点と書かれていまして、今、部長から答弁があったようなことを検討されたとなっていますが、委員の発言の中に、市役所が完全に郊外に動いてしまうと、中心市街地の都市計画を見直す必要があるので、場所について検討する場合はそれに留意する必要があるという発言がありました。現在の市役所は中心市街地にあります。どれだけ経済的に貢献しているのか。中心市街地の衰退をどれだけ食いとめているのか、お聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長、那須久男君。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    市街地において、市庁舎と市民総合センター等の存在はこれまでも申し上げておりますとおり、他の公的機関や銀行、その他の民間事業所や各商店等と相まって、その利用者はもちろんそこで働く人も多く、地域における利便性や消費、にぎわいの創出など相当の影響を与えているものと考えております。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    本庁と総合センター中心市街地の中にあって利用者や働く人が多いということで、そういうところへ貢献していると言われました。  庁舎が遠くへ移転することで中心市街地の機能が低下するとありますが、どのように低下するのか、庁舎が近くにあることでどれだけ機能が上がるのか、経済効果が見込めるのか。もし具体的にお話しいただけるのであればお聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    先ほども申し上げましたが、中心市街地につきましては、さまざまな都市機能が集積され、市民生活において利便性の高いエリアでございます。市といたしましては、これまでも中心市街地活性化基本計画を初め、このエリアのまちづくりに積極的に取り組んでまいりました。  こうした中、庁舎が中心市街地に与える影響、郊外に行った場合の影響については、具体的には分析ができておりませんが、今後もこのエリアのまちづくりに取り組む中、中心市街地との連携性について、候補地の評価のポイントとしたところでございまして、中心市街地の区域と隣接しており、連携性の高い東山の候補地を最もふさわしい候補地として選定したものでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    田辺市も中心市街地活性化でかなりお金をかけて整備をしてきました。地図で示されている中心市街地、囲われているところを見ますと、田辺市が想定している中心市街地エリアの中には、高雄2丁目、3丁目、東陽、磯間、末広を含むなどして、人口で9,452人が中心市街地エリアと捉えられていると思うのですが、実際に中心市街地エリアを地図で囲ってあるところを厳密に見ますと、高雄2丁目、3丁目や東陽、磯間、末広などはほとんど入っていません。人口で田辺市が言っているところでは9,452人ですが、実際にエリアの中だけを見ますと、5,000人余りというところになると思うのです。  これまで、いろいろと対策をしてきて頑張ってきたと思うのですが、中心市街地の衰退を防ぎ、活性化、にぎわいをつくっていくのは、市役所の場所が町なかに近いとか遠いではなく、もっと根本的な対策が必要ではないかと思います。  次に、市民の皆さんは、市庁舎本庁市民総合センターに来るのにほとんどバイクか車であります。交通の便利なところをアンケートでも望んでいるのではありませんか。駅を起点にするとかなりの部分が浸水想定地域になり、駅を起点にすることで抽出要件をつくると、限られた場所になってしまいませんか。駅を起点にしているのはなぜでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    地方自治法第4条第2項に、市役所の位置について、 「住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない。」と規定されております。  中心市街地は、官公庁・金融機関、商業・観光、教育・文化、医療・福祉などのサービスを提供する機能や居住機能などの都市機能が集積されておりまして、市民生活において利便性の高いエリアでございます。これに、交通の事情を考慮するに当たりましては、自家用車だけではなく、鉄道、バスといった公共交通の集結点であるJR紀伊田辺駅からの徒歩によるアクセスという観点から、駅を中心とする円により候補地を抽出したところでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    駅を中心に考えて、公共交通などもということを言われたのですが、次に2番の民意のところでお伺いします。  市民の皆さんのアンケートを見ますと、市役所の整備の際に重視される項目というところで、三つ選べるようになっていまして、トータルで290%になるのですが、そのうち駅からの距離が6.9%、100%に換算しますと2.3%となります。そして、市街地の活性化に配慮することが、そのうちの20.7%、100%で換算しますと7.1%というふうに市民アンケートには出ています。  今、町なかでなかったら、市街地でなかったらといういろいろな意見があったのですが、市民の皆さんにアンケートで答えていただいた中身と少し違うように思うのですが、その辺についてはどうでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    御質問をいただきましたアンケートの今後の庁舎整備で重視される項目という点についてでありますが、この項目につきましては、移転候補地の場所についてのみ聞いた設問ではなく、庁舎整備全般に関する重要度について聞いておりまして、耐震性の確保や庁舎分散の解消、庁舎機能の向上といったこともあわせて御回答いただいたものでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    市役所から出したアンケートの中身について、今言われたように、いろいろな住民サービスの機能なども聞かれていて、その辺のところについて余り町なか、中心市街地というよりも、行きやすいところという声のほうが多かったように捉えました。  そして、アンケートの結果で、市役所へ来るのに何で来ますかというところで、本庁に来るのも、市民総合センターへ来るのもほとんど車、バイクが9割になっています。アンケートの中で、行きやすさ、アクセス性が求められていると思うのですが、候補地として選定した場所は、朝夕の時間帯はかなり渋滞が起こっています。それは道路が変則で、あけぼののほうから下ってきますと、旧国道へ行くほうとオークワのほうに真っすぐ行くところで、子供の通学、通勤の車も多くて朝タはかなり渋滞しています。もし、あそこに移転するとなれば今以上の渋滞が予想されると思うのですが、アクセス性に問題はないのか、お伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  候補地については、庁舎整備方針検討委員会の答申を踏まえ、「津波・洪水の想定浸水域外で、かつ、中心市街地から近い場所」という要件に基づきまして、候補地選定調査において3カ所を抽出いたしました。3カ所いずれも幹線道路から近く、調査で想定した駐車台数を確保できることから、車でのアクセス性の確保は、一定できているものと考えております。  その上で、東山の候補地については、9カ所の接道がございまして、道路アクセスの多様性による災害時の孤立の危険性が、他の候補地と比べて少ないという「安全性」、中心市街地都市計画道路元町新庄線により一直線につながっていることの「連係性」、加えて地方自治法第4条第2項の「交通の事情」等を考慮した「利便性」、この三つの観点から、東山の候補地がすぐれていると判断をしたものでございます。  議員御質問の渋滞といったことも含めまして、新庁舎の整備に関する課題につきましては、さまざまなものが出てくると思いますが、まずは用地の確保が最優先であると考えております。その上で、具体的にどのような形で対応できるのか、検討をしてまいりたいと考えております。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    今、私からアンケートの答えについて指摘させていただいたのですが、どうも市民の皆さんのアンケートの答えと検討委員会で進められた議論がかみ合っていないと思うのですが、検討委員会市民アンケートが十分議論、検討され、反映されたと考えているのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    当該アンケートにつきましては、庁舎整備方針検討委員会が市役所本庁舎及び市民総合センターについての市民の考えをお聞きし、庁舎の整備方針である「耐震改修」「現地建てかえ」「新築移転」につきまして、検討の参考とするため実施したものでございます。  第1回の会議におきましては、アンケートの実施について提案がなされ、第2回の会議におきまして、その実施内容についての審議を経て実施し、第3回の会議におきまして中間報告を行い、第4回の会議におきまして、最終的な結果報告を行っております。  一方、第3回の会議におきましては、委員長を除く全委員がそれぞれ意見を述べられていますが、その意見を漏れなく取りまとめ、多かった意見を大きく「安全」「まちの活気」「庁舎の建て方」「跡地利用」の4点に分類し、第4回の会議資料として提出いたしております。  そして、第5回の会議におきまして、答申の骨格となる庁舎整備案の検討結果については、「委員の意見による委員個人と各種団体の視点」、「アンケート結果による市民の視点」、「調査資料と学識経験者のコメントによる客観的な視点」、これらに基づき組み立てるものとされ、答申の中身についての検討が行われたところでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    今、お話があった第4回の検討委員会の最後のその他のところで、アンケートはこの委員会での議論の参考であり、結果について強い方向性を持っているので、今の時点で公表してしまうと、委員会の議論に影響を及ぼすものと思われるため、報告書は答申まで公表を控えることとしたと書いています。  どうも本当に市民の皆さんのアンケートで答えたものが反映されたのかというところに少し疑問があります。
     次に、この答申で出された四つ目に、その他で跡地利用について庁舎整備と並行して検討を進めることが適切と書かれています。跡地利用を含め現在の本庁周辺の住民にはいろいろと影響があると思いますが、現在の本庁近くの方々へのアンケートを実施したのか。実施していないのであれば、なぜ実施しなかったのかについてお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    アンケートにつきましては、昨年、平成28年2月から3月にかけて実施したものでございますが、まず年齢につきましては、満18歳以上の田辺市民を対象に3,000人を無作為に抽出させていただきました。また、地域につきましても、均等に分けるために、旧市域では字名単位で、旧町村区域におきましては、地域を三つないし四つに分けて抽出し行っております。  こうした中で申し上げますと、議員御質問の地域につきましてもお答えいただいているものと認識してございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    全般的に実施したということですが、今現在、この地域の近くに住む方が市役所が移転するとなったら一番大きく影響が出ます。跡地利用をどうするかというのは周辺の皆さんの考え方をしっかり聞いてすることが大事だと思います。今後、跡地整備も検討されていますので、そのことについてはしっかりアンケートをとって、皆さんの意見、要望を聞いてほしいと思います。  次に、3番の決定の経緯についてお伺いします。  移転候補地を3カ所にしたということですが、これはいつしたのか。そして、商業施設から要請はなかったということなので、正式に決まったという形で候補地として決めたときに打診をしたのか。それはいつなのか、お伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    まず、候補地を3カ所に決定したのはことしの1月でございます。そして、オークワ様へ候補地として打診をいたしましたのは、ことしの2月でございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    3カ所に決めたのが1月で、オークワのほうに打診したのは2月ということですが、候補地選定調査業務委託を昨年10月に行っていますが、このときに打診はしていないのか。確認ですが、していないのかお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。してございません。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    今回、候補地として決めたというのが2月にあって、候補地を決めて議会に報告したのが3月議会最終日の前々日の3月22日であったと思います。市長も議員も任期間際で残任期もほとんどなく、議論すらできないときに発表されました。移転候補地を決める場合、市民の代表である議会にも報告だけでなく議論があるべきだったのではないかと考えています。  庁舎移転の場所について、いつ議会に諮るのでしょうか、お伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。地方自治法第4条第1項で事務所の位置を定め、またはこれを変更しようとするときは条例でこれを定めなければならないと規定されており、また、同条第3項では、第1項の条例を制定し、または改廃しようとするときは、当該地方公共団体の議会において出席議員の3分の2以上の者の同意がなければならないと規定されております。  今後、建設用地の取得のめどが立った段階で、田辺市役所の位置に関する条例の一部改正について御審議をいただき、議決をお願いすることとなります。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    次に、4番の決定以前からの動きというところで質問をいたします。  参考資料を出させていただいていますが、オーシティ周辺の施設整備の年表、私が皆さんから聞き取って作成したものでありますが、地図にありますように、つぶり坂大橋が1990年、平成2年にできまして、二つ池のほうに橋ができたのが98年10月、その時点で田辺市として橋と橋の間をオークワの中を通って市道をつくるという計画はあったらしいのですが、一部用地取得ができず、そのままになってきたということであります。  そして、つぶり坂大橋から二つ池大橋にかけて市道を整備するという形が私の聞き取りでは2014年となるのですが、これに間違いはありませんか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員の御質問にお答えいたします。  平成2年にオークワオーシティ田辺店からあけぼのに至る市道あけぼの東山2号線のつぶり坂大橋が完成し、その後、平成10年にはオークワオーシティ田辺店から紀伊田辺駅方面の市道東山湊2号線の二つ池大橋が完成しました。  この二つの橋を結ぶ道路については、市内と東部地区の道路交通網を形成する上で重要であり、また付近には住宅、大型店舗、学校などが集積している中、交通量も非常に多く、大きな課題となっておりました。  こうしたことから、長年にわたって土地所有者と協議を重ね、一定の御理解をいただくことができましたので、市道あけぼの東山2号線の道路改良事業として、平成26年度に第1次総合計画の第9期実施計画に位置づけ、国と協議を進め、平成27年度に道路概略設計を、平成28年度に地図訂正や道路詳細設計を行い、平成29年度において計画区間の道路改良工事を行う予定となっています。  以上です。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    ここに示させていただいた参考資料のところと、今答弁いただいたところは合致しているということであると思います。ことし中に工事が始まって、市道として整備するということだと思います。  そして、次に、この周辺のところ、オークワ敷地内に私道が幾つかありましたが、ことしの3月議会の議案に、市道認定という形で4路線出されています。このオークワ所有の私道について寄附行為があったのはいつですか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員の御質問にお答えいたします。  市道あけぼの東山2号線の道路改良事業に関する流れについては、先ほども申し上げましたことの繰り返しになりますが、二つの橋の完成後、長年にわたって土地所有者と協議を重ね、一定の御理解をいただき、平成26年度に第1次総合計画の第9期実施計画に位置づけ、平成27年度に道路概略設計をもとに土地所有者に対し事業説明を行い、契約に向けた具体的な協議を行いました。平成28年度には地図訂正や道路詳細設計を行っています。その事業用地に関し、道路として使用していた部分につきましては、土地所有者3名から、平成28年8月に21筆の寄附を受けております。  また、道路拡幅部分につきましては、土地所有者2名から平成28年6月と8月に合わせて10筆を買収しております。  以上です。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    この参考資料のところで、少し違うところがあったのですが、6月に私道5路線を市に寄附していただいたということは間違いないと思います。  このように、庁舎移転候補地に決定する前に、この周辺で市道整備の流れがありました。そして、この駐車場の一部に、オークワさんと違う他人の名義があって、長年にわたり交渉が難航していたというお話を聞いています。そこが昨年夏ごろに解消したという形で、周辺の方からお話を聞きますと、本当によかったというお話をされていました。  どうも先ほどの答弁にあった、ことしの1月に3カ所決定し、2月にオークワにお話をしに行ったという時期を考えると、どうも周辺整備が先に先に進んでいたという形になるのですが、それは偶然のことなのでしょうか。お伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員の御質問にお答えいたします。  先ほども申し上げましたが、市道につきましては、平成26年からずっと第1次総合計画の第9期実施計画に位置づけて、国との協議をした中で、地元の今まで協力を得られなかった地権者の協力が得られ、協議が整いましたので実施いたしております。  以上です。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    総括的に質問をしたいと思うのですが、答申の中で、市庁舎を市民総合センターや水道事業所も含めて、利便性の問題で総合庁舎にすると書かれているのですが、その利便性ということで統合することが本当に利便性を増すことになるのでしょうか。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    総務部長。            (総務部長 松川靖弘君 登壇) ○総務部長松川靖弘君)    現在、本市の主要な庁舎機能につきましては、本庁舎及び市民総合センターに大きく二分され、車で5分程度、徒歩で15分程度の距離がございます。両庁舎を訪れる必要がある市民にとりましては、大変利便性の低いものでございます。課題となっているところでございます。            (総務部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    市民の皆さんが市役所本庁へ来たり、市民総合センターへ来たりというのは、行政窓口というか、市民窓口、例えば証明書の取得が一番多くて、それ以外だったら、市民総合センターの1階にあるような高齢者、障害者関係の窓口、年金や保険、そういうところが一番多く来られるところで、アンケートの中でも年に1回から三、四回という方が圧倒的で、そういう窓口に来られると思うのです。今全国的な流れの中でも駅の建物の中にするとか、駅近くの総合ビルの中につくるとかいう形で、便利なところに行政窓口をつくって、市民の皆さんが行きやすいところに窓口機能を集積して、本庁は別のところでも構わないということがあります。  今回の市庁舎移転の候補地の決定経過は住民アンケートの答えや田辺市の現状認識と答申の内容、候補地の選び方、決定の経過など不透明な部分が多く私は感じられました。  移転候補地決定に際しても、議会の承認を得ることなく進められ、候補地周辺の市道整備や私道の寄附も事前に行われていました。現在の候補地は議会の議決もなされていません。そして、平成28年3月の調査報告書に庁舎整備に係る財政負担軽減の視点からも検討すると書かれています。候補地を含むこの問題を議会にも市民にもオープンにして、理解を得られるように庁舎建設が進むことを求めて、この項の質問を終わります。  次に、二つ目の中万呂、田中代の浸水対策についてお伺いします。  この地域は、以前の七タ水害や6年前の12号台風での水害、昨年7月の大雨でも、浸水被害が出ています。原因は、国の事業で田中代地区の農地整備で左会津川左岸の中万呂地区からの農業用水路が大きく整備され、農業用水だけでなく地域の排水もこの用水路に流れ込み、大雨には周辺に降った雨水が流れ込みます。  そこで、生活排水や雨水の排水を用水路に流すやり方ではなく、用水路と別に排水路、都市下水の整備が必要だと考えますが、市の考え方についてお伺いします。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    農業用水路と生活排水路についてでありますが、かつては水田地帯であった地域も宅地化が進んでいる中、中万呂の田中代地区でも同様な状況にあります。このような地域においては、もともとが水田地帯であったため、基幹水路となるのは農業用排水路であり、地域の雨水排水や生活排水についても、農業用排水路を利用しているのが現状であります。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    答弁にありましたように、田辺市では、農業用水路に排水をするというのがもともとの水田地域では当たり前になっているということですが、昭和30年代の合併前の旧田辺市は全て都市計画区域になっていると思います。中心市街地のあたりは都市下水という形で整備が進んでいると思うのですが、それ以外のもともとの万呂や秋津や三栖や稲成だとかあの周辺については、ほとんどが農業用水路に頼っていると思います。  ここの田中地区には、ちょうど左会津川に接する大谷橋の少し上流の堤防近くに排水水門があります。大雨で左会津川の水位が上がって、排水面より高くなりますと、川からの逆流を防ぐため、水門が閉められます。そうなりますと水の逃げ場がなくなり、この地域の住宅は冠水、浸水するしかないのが現状です。対策はどのようにするお考えなのか、お聞きします。             (6番 久保浩二君 降壇)
    ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    中万呂田中代地区は、もともと水田地帯であり農業用水路網が整備されている地区でありますが、議員のお話にもありましたように、低地でもあるため、以前から豪雨時には水路の溢水や道路冠水にたびたび見舞われています。  通常、田中代水路は堤防をくぐって左会津川に放流されるものでありますが、大雨時には、河川水位の上昇に伴い、逆流防止のため水路の樋門が閉鎖されています。こうしたことにより水の逃げ場がなくなり内水氾濫が生じることから、当地区にお住まいの方々が住宅浸水に対する不安を抱かれているということにつきましては認識しているところであります。  田中代地区から天王代地区にかけての地域排水対策につきましては、昨年の9月議会において、議員からの御質問に対し、対策の実施は種々の高いハードルをクリアする必要があることから、庁内において総合的に検討を進める旨を答弁いたしました。  市としましては、中万呂地区を含め市街地周辺において低地の浸水問題を抱える地区を数カ所ピックアップし、対象となる地区で基本調査を実施すべく、現在、第2次総合計画の第1期実施計画に位置づけており、箇所別の調査年度等については引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    久保浩二君。             (6番 久保浩二君 登壇) ○6番(久保浩二君)    住民の皆さんの不安は十分認識しているということであります。  先日も警報が出て大雨が降ったのですが、雨の降る中6時過ぎに川の様子を見に出ると、今回は左会津川の水位がそんなに上がっていなくて、浸水、冠水のおそれがないということで、その後も強い雨があったのですが、今回はそういう事態にはならなくてよかったのですが、9月議会でも質問しましたように、中万呂、下万呂地区のもともとの水田地帯のところに住宅地が造成されて、農業用水路、排水がきちっとできていないために、大雨が降ったら左会津川の中万呂、下万呂地域は必ず冠水、浸水するというのは変わっていません。やはり住民の皆さんの不安を認識しているのであれば、きちっと対策・対応をできるだけ早くするべきだと思います。  以前も9月議会で質問をしたときに前消防長が浸水時にポンプ車で対応してくれると約束をしていただきました。しかし、台風など大きな災害時にはポンプ車が出動して堤防のところで作業をするというのはなかなか危険でありますので、それをいつもしてもらうということは難しいと思います。  住民の方は台風や大雨が降るたびに心配されています。根本的な対応が必要です。できるだけ早い対策を求めて質問を終わります。ありがとうございました。             (6番 久保浩二君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 市橋宗行君)    この場合、11時5分まで休憩いたします。              (午前10時54分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 市橋宗行君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午前11時06分) ○議長(副議長 市橋宗行君)    続いて、13番、二葉昌彦君の登壇を許可いたします。            (13番 二葉昌彦君 登壇) ○13番(二葉昌彦君)    13番、誠和会、二葉昌彦、一般質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  今回は、大項目1、通学路の安全対策について。大項目2、世界遺産の地として持続可能な取り組みについて。以上、2項目を分割質問にて質問させていただきます。  大項目1、通学路の安全対策について。小項目1としまして、歩道のない通学路において安全を確保するため、路側帯にグリーンベルトを整備してはどうか。小項目2、グリーンベルトの認識と対策についてお伺いしたいと思います。  学校、家庭、地域が連携し、社会全体で、子供を守る取り組みを各地域で実施しています。会津校区にいたしましても、月初めの1日は挨拶運動の日、10日、20日は、地域の子供を守る「こども見守り運動」として、朝7時から、通学時の安全対策の一環として、会津校区で取り組んでいます。  私も参加をする中、感じた事ですが、時代の流れ、生活環境の変化の中で、子供たちが地域で遊ぶ機会が少なくなってきているように感じています。  そのような中で、4月、5月と、通学の様子を見てきたわけですが、やはり新入生が地域を歩きなれていないせいか、危険なところ、気をつけなければいけないところが、まだまだ子供たちにはわかっていないようで気になりました。歩行者の歩道と車道の分離が理想ですが、現状を見ますと相当な予算が必要になり、そういうわけにはいかないと思います。  そこで、歩行者の道路交通環境の整備を考える中で、通学路は、生活道路の一部であります。子供にとっての安全な道路環境の対策は、高齢者の方々の安全対策、また、障害者の方々にとっても安全対策につながると思います。  田辺市内の学校周辺の道路には歩道がない箇所が多く、以前に比べ車の交通量が多くなってきている箇所もあり、危険な状態であるように思います。  会津小学校前の通りですが、新しい道路もでき、以前に比べ、車の通行量は確かに少なくなりましたが、しかし、つい最近のことですが、子供の自転車と単車の接触事故がありました。幸いにも軽い事故で済んでよかったのですが、いつ悲惨な事故につながるかもわかりません。  そのような中で、歩道のない通学路において通学児童の安全を確保するため、道路の路側帯を緑色に塗るグリーンベルトの整備を提案したいと考えます。グリーンベルトを目にするところですが、高雄中学校区にある下万呂地区から、朝日ヶ丘、新万地区へ上がる坂道に設置されています。以前は登下校時のマナーが悪いとよく苦情があったところですが、グリーンベルト設置後の様子を学校の先生にお聞きしましたところ、その後、苦惰もなく、事故もなく、学校側にとっては通学面の指導もしやすくなり、プラス面はあるが、マイナス面は今のところないとの話をお聞きしました。  私もよく通る道ですが、グリーンが目につき、速度を落とし、安全確認をしながら走行するので、十分安全対策には役立つように感じております。学校側にとりましても指導面もしやすく、見守り隊の方々の負担も減り、子供たちも安心して登下校できるように感じます。  以上、安全対策の取り組みについての質問とし、当局のお考えをお聞きしたいと思います。            (13番 二葉昌彦君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    13番、二葉昌彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。  建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の1点目、歩道のない通学路において安全を確保するため、路側帯にグリーンベルトを整備してはどうかについてお答えします。  グリーンベルトにつきましては、歩道が整備されていない道路の路側帯を緑色に着色して、車のドライバーに通学路であることを視覚的に認識させ、車両の速度を抑制させるとともに車道と路側帯を明確にすることで、歩行者との接触事故を防ぐことを目的として設置しております。  通学路の安全対策につきましては、平成24年に全国で相次いだ通学児童の交通事故を受け、文部科学省、国土交通省、警察庁の3省庁が連携し、通学路の合同点検による対策必要箇所の抽出、安全対策の検討及び実施の方針が示されました。田辺市におきましても、毎年、保護者等の協力を得て通学路の点検を実施し、交通安全の観点から危険であると認められる箇所を抽出し、各学校から教育委員会へ報告しております。  その後、教育委員会、国、県、市それぞれの道路管理者及び公安委員会など関係機関との合同点検の実施により、通学路の安全対策についての検討を行う中、グリーンベルトにつきましては、平成27年度から平成28年度において、田辺市内で5カ所、約1,200メートルを整備しております。  次に2点目、グリーンベルトの認識と対策についてお答えします。  市としましては、通学路の安全対策の一環として、歩道整備を行うことが、交通安全上望ましいと考えておりますが、先ほども御説明申し上げましたとおり、歩行者が多く、歩車道が区分されていない道路につきましては、歩行者との接触事故を防ぐために、グリーンベルトを整備することで、ドライバーに対し道路幅を狭く見せる効果による速度抑制や、歩行者に配慮し通行するように意識づける効果があると認識しています。  このようなことから、限られた予算ではありますが、今後も学校や保護者など関係機関を初め、町内会とともに連携を図り、グリーンベルトを含む交通安全対策に引き続き取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    二葉昌彦君。            (13番 二葉昌彦君 登壇) ○13番(二葉昌彦君)    教習所でも習いましたが、私たちが知っている道路の線は、白線の実線や破線、黄色の実線などで、これはそれぞれに法的な意味を持っていますが、今回のグリーンベルトの緑色の線や塗装は「交通安全と事故防止」のためにある線や塗装であることを認識し、子供たち、高齢者の方々、歩行者が安心できる安全対策の一つであるということを確認し、それぞれの地域の安全対策の取り組みにしていただきたいと思います。  田辺市内の学校を見てきた中で、児童数の多いところ、車の通行量の多いところ、危険な場所があるように思います。予算の関係もあり、すぐには難しいと思いますが、田辺市全体で取り組み、歩行者のために安全対策に取り組んでいる、そういう町にしていただきたいと思います。  子供たち、歩行者の「命を守る」取り組みとして、力を入れていただくことを最優先に願い、次の質問に入りたいと思います。  続いて、大項目2、世界遺産の地として、持続可能な取り組みについて。  小項目(1)ESD(持続可能な開発のための教育)について、教育委員会としてESD教育の位置づけについて。小項目(2)ユネスコスクールについてお伺いしたいと思います。  平成27年12月議会のことですが、吉野熊野国立公園が拡張追加により、田辺湾岸が国立公園に指定されたとき、「国立公園及び、世界遺産エリアに位置する市民意識について」ということで、一般質問いたしました。  そのときの内容ですが、人口減少問題が起こる中、各地では、さまざまな地域活動の「担い手不足」や「持続可能性」の問題が、クローズアップされていました。  今回、「国立公園の大規模拡張」をどのようにして地域の将来に、「前向きに」つなげていくのか。また、この吉野熊野国立公園や世界遺産の参詣道を有するエリアに住む市民として、未来に向かって「どのように接していくべきなのか」「大自然からの恩恵をどのように享受していくのか」「そこに住む人として、どのような役割を果たすべきなのか」等々、地域づくりを主体的に考えて、「人づくり」のための取り組みが必要ではないかという質問をいたしました。  当局からは、「市内小学校の児童による環境保全活動の報告、講演会等による啓発活動、世界遺産や歴史文化を学習し、熊野古道語り部ジュニアとして発表、当地域の魅力について、さまざまな方法で十分知る機会をつくる。」という答弁をいただきました。  今回、第2次田辺市総合計画において、人材育成プロジェクトを基本として、これまで築き上げてきた地域の質を高め、これを基本として市民の暮らしの充実、価値向上を高める取り組みを進めていく方針を明記されておりました。  この人材プロジェクトの役割は、「未来へつながる持続可能なまちづくり」を担う人材の育成を図ることと明記されています。日本ユネスコ国内委員会では、ESD「持続可能な社会の担い手を育む教育」として、人間性を育むこと、他人との関係性、社会との関係性、自然との関係性を認識し、「かかわり」「つながり」を尊重できる個人を育むことを重点に進められています。そのような中で、教育委員会として、ESD教育をどのような位置づけで考えられているのかお伺いします。  また、今月11日(日)天神崎において自然観察会が開催されました。多くの方が親子で参加され、日ごろ触れることのない生物に触れ、先生方から説明もあり、参加型学習の大切さを感じた次第です。  生き物の説明をしていただいた先生は、大阪に在住されており、こうして生物を観察することにより、大阪で生活をする中で「生活排水に気をつけています。」と話され、大阪で流された水も天神崎の海水もつながっている。生き物のことを考えると環境を大事にする気持ちを養うことができるという話を聞きました。  自然観察会に参加することで「観察」を通じて、いろいろな「気づき」があり自然を再発見し、そこで得た気づきが課題を見出し、それを解決するために必要な能力や態度を身につけることを通して、持続可能な社会の形成者としてふさわしい資質や価値、感心を養うことにつながるように思いました。すばらしい自然の中に、学ぶ教材はたくさんあります。この地域のよさを取り入れ、持続可能な教育を通じて地域の担い手の育成に力を入れていただきたいと思います。  ここ二、三年でグローバル化の流れが私たちが生活する中で、身近に感じるようになりました。スピード感を増し、進んできているように思います。  今回、田辺高校が国際理解の教育、環境学習に力を入れている学校でつくるユネスコスクールに加盟しました。田辺地方では、残念ながら田辺高校1校であります。世界遺産の地として、語り部ジュニアが英語での発表、国際感覚を身につける取り組みをしているのにユネスコスクールへの加盟が少ないように感じます。  生涯学習が進んでいる田辺市として、世界遺産の地として、持続可能な教育を生かし、ユネスコスクールへの参加を進めていただきたいと思います  当局のお考えをお聞きしたいと思います。            (13番 二葉昌彦君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    議員御質問の「人材育成における持続可能な社会の担い手を育む教育の取り組みに関し、教育委員会としてESD教育をどのような位置づけで考えているか」についてお答えいたします。  ESD教育は、私たちとその子孫たちが、この地球で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するための学びであり、環境教育、国際理解教育等の持続可能な発展にかかわる諸問題に対応する個別の分野にとどまらず、総合的に取り組むことが求められています。その実践に当たっては、人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むこと、他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識して、「かかわり」「つながり」を尊重できる個人を育むことの観点に立つことが重要とされています。  田辺市教育委員会では、人口減少、少子高齢化が進展する中で、学校・家庭・地域のつながりを大切にし、各地域の教育資源の活用とそれぞれの地域の特色を生かしながら、世代の違う人たちから地域の歴史や文化、生活の知恵や工夫を学ぶことで、郷土への誇りや愛着心、ふるさと回帰の思考を持つ次代を担う子供たちを育てる「ふるさと学習」を行っているところであります。  その「ふるさと学習」の取り組みがESD「教育・持続可能な社会の担い手を育む教育」であると考えております。当地域の魅力について、さまざまな方法で世界遺産や歴史文化を学習し、発表する機会として、平成28年1月に「熊野古道語り部ジュニア発表会」、そして本年1月には、「田辺市地域語り部ジュニア発表会」を開催して、2年間で田辺市内全ての小中学校が語り部ジュニア発表を行いました。  また、今月の12日から13日にかけて、世界遺産を語る「熊野古道語り部ジュニア活動」に興味を持っていただいた、インドのマハラシュトラ州の中学校6校の生徒と教師が訪れていただいて、本宮中学校、東陽中学校の生徒・教師との交流活動が行われたところであります。  こうした学社融合の活動は、まさに地域を愛し誇りを持つ児童生徒の育成という、「ESD教育・持続可能な社会の担い手を育む教育」であり、グローバルな形への発展は、子供たちにとって視野の広がりと豊かな体験の場になるとともに、児童生徒の言語能力やコミュニケーション能力の向上及び地域コミュニティの場として、生涯学習へもつながる活動であると考えています。  次に、「世界遺産の地として、田辺市におけるユネスコスクールへの参加校が少ない状況の中、田辺市としてユネスコスクールへの参加を考えてはどうか」についてお答えいたします。  ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整を図る共同体として発足しました。ユネスコスクールの活動目的は、そのグローバルなネットワークを活用して世界中の学校と生徒間・教師間で交流し、情報や体験を分かち合うとともに、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発・発展を目指すことであり、文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESD教育の推進拠点として位置づけているところです。  このユネスコスクールへの各学校の加盟状況については、本年4月現在で、世界182の国と地域で約1万校、日本では1,043校が加盟していますが、和歌山県内では9校、田辺市内では、県立田辺高校1校のみという現状であります。  教育委員会といたしましては、まずは各学校へのユネスコスクールに関する情報の提供及び周知を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    二葉昌彦君。            (13番 二葉昌彦君 登壇) ○13番(二葉昌彦君)    世界遺産は人類共通の宝物で、将来の世代に伝えていかなければなりません。世界遺産はその遺産を持つ国によって保護、保全されることが原則となっています。熊野参詣道初め広大な遺産を将来にわたって守り、次の世代へと引き継いでいかねばなりません。これから進行していく人口減少、少子高齢化等の問題も起こってくる中で、どのようにしてこの広大な遺産を守り続けていくのか、大きな課題であると思います。市民全体で、守り続けていくことが必要であり、そのためにも持続可能な教育の充実をお願いし、今回の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。            (13番 二葉昌彦君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    以上で、13番、二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 市橋宗行君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。              (午前11時28分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 市橋宗行君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時00分) ○議長(副議長 市橋宗行君)    続いて、12番、尾花 功君の登壇を許可いたします。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    皆さん、こんにちは。12番紀新会の尾花です。議長より登壇のお許しをいただきましたので、通告に従い、ただいまより一般質問をさせていただきます。  今回は、世界農業遺産認定地域の保全について、農業後継者対策について、梅・柑橘の海外展開について、備長炭のお土産としての活用について、わかやまサイクリングマップの活用については2点、以上大項目5点を一問一答方式でお聞きしたいと思います。
     それでは、まず最初に世界農業遺産認定地域の保全について、その中でも特に、耕作放棄地対策についてお伺いしたいと思います。  養分の乏しい礫質斜面を利用して、高品質な梅を持続的に生産してきた当地域独特の農業システムで人々の暮らしを支えてきましたが、そこで働く人々の高齢化、急傾斜地での作業の大変さ、最近の青梅及び梅干しの価格不安定等、地域を取り巻く環境は著しく変化し、今後畑を維持していくのにも不安が募ります。今後の対応について、市はどのような対策をお考えですか。お聞かせください。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    12番、尾花 功君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員御質問の世界農業遺産認定地域の保全について、お答えいたします。  水田適地が少ない本地域では、生活の手段として約400年前から里山を活用した梅生産が営まれ、次の世代に継承しながら伝統的で特徴的な梅を中心とした農業が、生物多様性や文化、すぐれた景観等を育んできました。これらは、現在でも本地域の暮らしを支え、人々の営みによって受け継がれ、また、一体となって保全・活用されていることが、国連食糧農業機関FAOに評価され、世界農業遺産として認定されました。  しかしながら、近年、梅干しの消費の低迷や梅の価格が安定しないことなどから、生産農家を取り巻く環境は厳しさを増しているとともに、地域の人口減少、農業従事者の高齢化や後継者不足などにより、耕作されないで放棄される農地が増加傾向にあります。  本市の耕作放棄地につきましては、平成27年の世界農林業センサスによりますと約290ヘクタールで、農地面積に占める割合は9.3%、平成22年と比べて約49ヘクタール増加しております。  市としては、耕作放棄地の発生防止を図ることを目的に関係JAと連携しながら農地集積推進事業を活用し、農地を貸したい方と借りたい方をマッチングさせる農地中間管理事業を実施しており、農地の賃貸も年々増加しているところです。また、この事業により、貸し手や借り手にメリットが生じるよう、補助金なども創設されており有効に活用しているところであります。  さらに、農地の保全を初め農業施設の新設や維持管理のため、中山間地域等直接支払交付金事業や多面的機能支払交付金事業を積極的に導入し、関係集落では有効に活用いただいており、耕作放棄地発生防止に大きく貢献しているものと考えております。  また、梅につきましては、原料が逼迫している現在、さらに遊休農地の活用等が重要となってくることから、市といたしましては、国のさまざまな有用な制度を活用しながら、耕作放棄地の有効活用等を進め、世界農業遺産の考え方にありますように、持続可能な農業の継承を目指して積極的に取り組んでまいりたいと考えますので御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    世界農業遺産の考え方にある、持続可能な農業の継承を目指して積極的に取り組んでまいりますとの答弁をいただきました。認定を受けてから1年半、約2年ぐらいになると思うのですが、今の地域の現状を見ていると、せっかく農業遺産に認定されて、これから頑張っていこうというところなのですが、本当に待ったなしのような感じだと思うのですが、今後とも十分それに留意していただいて、対策をとっていただきたいと思います。  それでは、2項目めの質問の農業後継者対策に入らせていただきます。  地域の問題は、地域で解決しようとチームを結成し、取り組んでいこうという動きが、上芳養日向地区の若手後継者の中で進んでいます。そもそもは、深刻な鳥獣害被害を目の当たりにし、何とかしようと立ち上がったのがきっかけのようですが、地域の現状を見て、ふえている耕作放棄地を借り上げ、保全していく取り組みを進めたり、捕獲した有害鳥獣のジビエ料理への活用など、今後に向けたいろいろな取り組みを計画しているようですが、このような若手後継者の動きに対して当局の対応や支援策はありませんか。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長、那須久男君。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問の後継者対策について、お答えいたします。  まず、田辺市の農業就業人口の推移につきましては、農林業センサスによりますと販売農家での就業者は平成27年では4,006人で10年前と比較して1,361人減少しており、加えて65歳以上の割合が53%を占めるなど高齢化も進んでおります。  また、田辺市の新規就農者につきましては、平成28年度では7名となっており、このうち後継者としての親元就農が6名、Iターンによる就農が1名となっております。  一昨年までは毎年10名から20名程度で推移しておりましたが、農業を取り巻く環境が厳しさを増していることから最近は減少傾向にあり今後が心配されます。  こうした課題がある中、議員のお話にもありましたように、上芳養日向地区において若手後継者らが地域で農業を続けられるよう、次の世代にこの農村環境を残していきたいとの熱い思いでチームを結成し、取り組まれていることについては大変頼もしく、今後の活動に期待をしているところであります。  市といたしましてもいろいろな形で連携をしながら情報共有を図るとともに、できる限り支援してまいりたいと考えております。  農業後継者対策としましては、市では平成24年度から国の制度である青年就農給付金、現在は農業次世代人材投資事業という事業名になっておりますが、この制度を積極的に導入しており、61名の方がこの事業を活用し頑張っていただいているところであります。  さらに、新規就農や後継者の就農支援としては、初期投資や営農資金に係る融資制度、農地の使用貸借の推進など、少しでも就農の後押しができるよう進めているところであります。  また、新たな就農者が安心して経営でき、困ったときに相談できる営農サポート体制を整備するため、今年度から農業振興課内に営農技術員を相談員として配置しており、農業後継者及び新規就農者への支援を進めているところであります。  今後におきましても、県及び県就農支援センター、JAなどの関係機関と連携しながら、新規就農者のサポート体制の充実を図るとともに、Uターンなどによる担い手の確保といった課題に関するニーズ調査も行い、後継者の育成に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    今回、上芳養地域の若手の実例を挙げさせていただいたのですが、その他の地域でも若い人がたくさんいらっしゃると思います。今後とも若手育成のため関係各位との連携を図るとともに、多くの情報を発信していただきたいと思います。本当に、持続可能な、持続していくためには多くの若い皆さんがやってもらわないと、今後続いていかない。農業遺産もどんどん後世に伝えていくというのは難しいことなので、何とか若手が育っていくような方策なり、いろいろな情報を数多く発信していっていただきたいと思います。  それでは、三つ目の項目の梅と柑橘の海外展開についてお伺いしたいと思います。当然人口減少が続いていく中で販路を国内だけに限らず海外に目を向けていくというのは、自然の流れだと思うのですが、今後の見通しや、対応をどのように考えられているのでしょうか。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問の梅・柑橘の海外展開について、お答えいたします。  議員御指摘のとおり、人口減少による将来的な市場規模の縮小また、長引く景気の低迷などから個人消費は弱くなってきており、今後さらに国内での消費動向は厳しくなってくるものと思われます。  そのような中、農家経営の安定や所得の向上を図るためにも国内市場の販売促進活動だけでなく、海外に目を向けた販路の拡大は、大変重要であると考えておりまして、当地域の農作物の代表である梅や柑橘の海外への販路開拓に取り組んでいるところであります。  まず、青梅につきましては、平成26年度から県の支援を得ながら、JA和歌山県農及びJA紀南と連携して、香港での販売促進事業を行っております。初年度の平成26年度は800キログラムからスタートし、平成27年度は5トン、平成28年度は16トンを輸出しており、本年度は約20トンの輸出を予定しております。  当初、梅は海外では厳しいのではないかという意見もありましたが香港では大変人気があり、急激に伸びております。  なお、平成28年度からは、生産農家の方も販売促進活動に加わっていただいており、本年度も明日から若手生産者2名と女性生産者1名の3名が、香港の量販店で催事を行う予定であります。さらに、今年度は、新たにシンガポール、マレーシアにも展開しており、アジアを中心とした販路の拡大を図ってまいりたいと考えております。  また、青梅だけでなく梅加工品の海外展開につきましては、今年度から日本貿易振興機構「JETRO」が、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会の構成団体等と連携しながら輸出プロジェクトに取り組んでおり、アメリカ、フランス、シンガポールなどをターゲットとして、青梅や加工品素材の新規利用の開拓、新たな取引先との商談の支援を行うこととしております。  当市としましても主体的に参画していくとともに、梅の持つ健康機能性をアピールしながら、ハードルが高いと言われている梅加工品の欧米諸国への販路開拓につながればと期待をしております。  次に柑橘につきましては、平成27年度から地方創生交付金を活用し、田辺市柑橘振興協議会を中心にJA紀南や生産者とともに柑橘海外販路拡大事業を行っております。  平成27年度には、香港でのフェアを実施し、15トンの木熟ミカンを輸出しており、同時にマレーシーア・シンガポールでも販路開拓に向けた商談を行っております。平成28年度には、香港でのフェアを継続するとともに商談を進めていたシンガポールにおいて新たに販売促進活動を実施いたしました。さらに、平成28年度には、台湾でも晩かん類によるフェアを実施しており、現地では評判もよく、今後の販売へとつながっていくものと期待しております。今年度におきましても、引き続き香港や東南アジアを中心に販売促進活動を行い、梅との両輪でさらに拡大してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、国内における市場規模の縮小が予測される中、販売チャンネルの拡大は大変重要なことであり、当地域の主力農作物である梅や柑橘について、さらなる拡大を目指し積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    青梅については、平成26年度から、柑橘においては平成27年度より海外進出を図り、順次販売を拡大しているようですが、答弁にあった「JETRO」の事務所が和歌山市内に開設されることが、20日のテレビ和歌山で放映され、きのうの紀伊民報にも載っていました。さらに身近なものになり海外展開への後押しとなるのではと思います。  また、20日のある番組では、和歌山にタイからの観光客が多数来県しており、その中で田辺市内の梅販売店で梅酒の爆買いが起こっていると紹介されていました。このきっかけは、タイのテレビ番組「すごいジャパン」で日本人の俳優さんがMCを務め各地を紹介しており、近畿では和歌山県が13回紹介されるなど他府県を物すごくリードしているとのことでした。  番組内では、和歌山県庁や和歌山市の働きかけが盛んであることによるとの注釈もつけられていました。いろいろな機会をチャンスと捉えて今後とも販路拡大にさらなる取り組みをしていっていただきたいと思います。  今回、1、2、3番、三つの項目にあるように、この答えというのは、やはり梅や柑橘の価格の安定というのが究極の答えだと思うのです。なかなかその答えに持っていくというのはいろいろと関係者がいるので難しいことではあるのですが、梅やミカンなど、農産物の価格安定化が図られることによって、耕作放棄地の問題や後継者問題が多分一気に解決するのではないかと思います。しかし、ここまで持っていくには、いろいろな方がかかわっているので、なかなかこの答えを見出すのは難しいと思うのですが、今後ともその答えに向かって取り組んでいきたいと思いますので、関係各位といろいろな対策を講じて、この答えに向かって頑張っていってほしいと思います。  それでは、大項目4番目の備長炭のお土産品としての活用についてお聞きします。最近、当地方でも海外からの多くの観光客が訪れています。このような観光客へのお土産品として備長炭を販売したいが、多くの観光客は、航空機を利用しているため、機内への持ち込みが禁止されているので販売ができません。国内便では、特定のシールを貼ることにより持ち込みが可能となっています。燃料以外にも用途が多くある備長炭を、お土産品として販路拡大するための対策は取れないでしょうか。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    森林局長、鈴木徳久君。            (森林局長 鈴木徳久君 登壇) ○森林局長(鈴木徳久君)    紀州備長炭のお土産品としての活用について、お答えいたします。  紀州以外の備長炭や木炭は、国際連合の危険物輸送勧告において、危険物として分類されており、航空機内への持ち込みが認められておりません。  一方、紀州備長炭につきましては、燃焼速度試験及び自然発火性試験を行った結果、危険物に該当しないことが証明されたため、和歌山県木炭協同組合が発行する紀州備長炭証明シールを商品に貼ることで、国内便への持ち込みについては認められております。しかし、国際便への持ち込みにつきましては、その都度、日本海事検定協会等が発行する危険物ではないという試験結果等の証明書が必要となりますが、この証明書を発行するには、高額の費用が必要となります。  また、この証明書を準備しても、現状では持ち込みのたびに、各航空会社と事前の協議が必要なことから、お客様にとっては、大変手間暇のかかることとなります。  さらに、昨今、テロ事件が世界中で頻発しております。このような情勢下において、紀州備長炭を国際便の航空機内へ持ち込むための条件を緩和することは、現実的には非常に厳しいと考えております。  一方、紀州備長炭の国内需要は、和食の世界無形文化遺産登録等を背景に、都市部で需要も多く、生産量が需要に追いついていない状況であります。このことから、紀州備長炭の原木であるウバメガシを確保するため、択伐施業を推奨し、萌芽更新や、新たな植栽の取り組みを検討し、また、紀州備長炭後継者育成事業により、製炭後継者を育成し、紀州備長炭の生産量をふやすことで、国内需要に対応してまいりたいと考えております。  さらに、世界農業遺産に認定された、みなべ・田辺の梅システムにおける薪炭林のPRのため、燃料用だけではなく、浄水用や消臭用等の商品のほか、風鈴や箸置き等の工芸品につきましても、関係者に協力を求めながら、さらなる商品開発に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (森林局長 鈴木徳久君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    今回、世界農業遺産に認定されたということで、備長炭も非常に海外では有名になって知名度も上がっていくように思われます。御答弁いただきました中身ですけれども、海外へ持ち出すというのは非常に難しいと捉えました。しかしながら、難しいですけれどもゼロではないということがわかりましたので、どういう方策で、お土産として持っていきやすくなるかというのを考えないといけない問題ではあると思うのです。ゼロというわけではないというお答えをいただきましたので、そこを何とかうまく販売される方と相談しながら、限りなくゼロに近いとは思うのですが、多分、今でしたらアジア圏の方が多いかもわからないのですが、そういう備長炭のよさ、燃料以外のよさというのを何とか知っていただきたいというところもあります。  それと、販路というのは今の話では、和食が無形文化財になったことで需要が上がっているということですけれども、ほかにもいろいろと活用が多々あるので、そういうところも含めて、今後とも何とか持ち出しできるような方策を考えていっていただきたい。海外へお土産品として持っていかせてあげたいという人ともお話をしていただいて、何とか持って帰っていただけることを実現していきたいと思っています。  本当に、限りなくゼロには近いかもわかりませんが、何とかうまく取り組めたらなと思いました。  それでは、最後、5項目めの和歌山サイクリングマップの活用について2点お聞きしたいと思います。  まず、1点目です。最近道路を走行していると、外側線に沿ってブルーのラインが引かれているところや、矢印が書かれている場所があることに気づかれていると思います。よく目につくラインなので気になり調べてみました。  これは、和歌山県が推進しているサイクルロード事業で、平成29年3月にはサイクリングマップを作成し発行されています。全国から、多くの人々を呼び込む施策を展開し、地域振興に役立てればと取り組んだものでした。そこで、田辺市のこれまでの取り組み及び今後の周遊マップ等の活用方針についてお聞かせください。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問のわかやまサイクリング周遊マップの活用に関する市の対応についてお答えいたします。  和歌山県においては、平成27年度から地域の魅力を満喫できるサイクリングの周遊ルートの整備を推進し、全国へ発信するとともに、サイクリングイベントの開催を通して、誘客を促進し、地域を活性化することを目的として、サイクリングロードの活用を促進しています。  事業の内容としましては、ブルーラインや案内看板の設置等、サイクリングロードの整備、「紀北」、「紀中」、「紀南」、「海岸」ルートの四つのルートから成るわかやまサイクリング周遊マップの作成による周遊ルートのPR、周遊ルートの利便性を向上させるためのサイクルステーションの配置等に取り組まれております。  一方、本市においても、昨年度、市内に7カ所ある道の駅や田辺市観光センター、世界遺産熊野本宮館等の合計12カ所をサイクルステーションと位置づけ、それぞれの施設に和歌山県の支援により自転車の修理工具や空気入れ等の備品を配置し、自転車で周遊される方の受け入れ体制の充実を図ってまいりました。  また、ことし3月に和歌山県から発行されております、わかやまサイクリング周遊マップにつきましては、市内の各道の駅を初めとするサイクルステーションに設置し、周知に取り組んでいるところであります。  さらにサイクリングロードの整備としましては、今年度中に天神崎を周遊していただくための「方向表示」及び「案内看板」の設置を予定しております。  今後とも本市としましても、和歌山県を初め、関係団体や関係機関と連携しながら、誘客促進に向けたサイクリング周遊ルートの情報発信やその活用に努めてまいりたいと考えております。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    活用していくという御答弁をいただきました。  それでは、次に2点目の市が管理する道路の保全についてお聞きしたいと思います。  これはサイクリングマップと関連したことになってくるのですが、臨時議会の専決処分事項報告の中で、林道小広和田川線を自転車で走行していた県外からの方が道路横断側溝のグレーチングのすき間に後輪を落として破損したということが報告されていました。  今後、サイクリングを楽しむ県外や県内の方々が訪れると思われますが、多くの思い出、楽しみを持って帰ってもらい、再び訪れていただくためにも、このような事故が起こることはなりません。また、サイクリングマップに示された道路以外にも、市が管理する道路を走行する可能性があり、今回のような事故に遭遇することも考えられますが、点検・維持管理についてどのように対応されますか。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の市が管理する道路の保全について、お答えいたします。
     市が管理する道路としましては、主なものとして、建設部が所管する市道、そして産業部が所管する農業用道路及び林業用道路がございます。市道につきましては、市民や利用者が安全に安心して利用できるよう土木課・管理課担当職員が定期的に道路パトロールを実施しております。また全職員に対しても、通勤時間はもちろんのこと、それ以外での移動の際に、道路に異常を発見したときには、市道かどうかを問わず、管理課または土木課まで連絡することとなっております。  また、町内会や道路利用者からも連絡をいただいており、さらには平成18年には、日本郵便株式会社と「住民生活に係る情報提供に関する覚書」を締結し、配達員等から情報をいただいております。道路維持修繕につきましては、それらの情報に基づき随時対応を行っております。  次に、農業振興課が所管する農業用道路については、日常的な維持管理は基本的に受益者が行うことになっておりますが、安全安心の農業経営に寄与すべく担当職員も随時パトロールを行っております。  また、山村林業課が所管する林業用道路の維持管理につきましては、担当職員が適宜パトロールを行うとともに、さらに各森林組合へ委託して年4回の定期パトロールと、台風などの豪雨の後に被害状況を確認するための緊急パ卜ロールを行い、発見した落石や崩壊土砂の取り除き、規模が大きいものについては災害復旧事業を行い、通行者が安全に走行できるよう努めているところであります。  このような管理状況の中、サイクリング周遊マップが平成29年3月に和歌山県において作成されたことにより、サイクリングで県内外から訪れる方が増加することが予想される中で、各担当課において道路パトロールのさらなる強化を図るとともに地元町内会とも連携し、安全に通行していただけるように努めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    今、御答弁いただいた中で、今回の林道のような道路については各森林組合に委託されて、年4回の定期パトロールを実施しているとのことでしたが、その実績と修理箇所が見つかった場合の対応とその事例を教えてください。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    森林局長。            (森林局長 鈴木徳久君 登壇) ○森林局長(鈴木徳久君)    議員御質問の森林組合への林道パトロール委託業務につきましては、4月、7月、10月、1月の年4回の定期パトロールと、台風などの豪雨後の災害パトロールを西牟婁森林組合、龍神村森林組合、中辺路町森林組合、本宮町森林組合へそれぞれ委託しております。  パトロールの実施後、状況写真を添付した報告書を提出してもらい、その報告に異常があれば、職員が現地を確認し、土砂の崩落であれば建設業者へ依頼する等、その状況に応じた対応を行っております。  平成28年度につきましては、市管理の林道144路線、総延長約480キロメートルに対し、延べ20回のパトロールを実施しまして、全てがパトロールによるものではございませんが、崩壊土砂の取り除きや路面の整地等の維持修繕作業を127件、災害応急復旧作業を51件行っております。            (森林局長 鈴木徳久君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    尾花 功君。            (12番 尾花 功君 登壇) ○12番(尾花 功君)    年4回、定期パトロールを実施されているということで逐次いろいろなことがあったら対応していっていただいているという状況です。今回、たまたま12月という定期点検の間にはなるのですが、今後、特に林道になると、非常に山の景色もよく、これから紅葉シーズンになってくると走っていても気持ちいい道路にもなりますので、今後ともそういう点検をしっかりしていただいて、事故のないように進めていただきたいと思います。  今回、5項目について一般質問させていただいたのですが、特にことしは青梅の数量も非常に少なく、梅の価格も大変高騰しているということで、この前からどんどん新聞報道されているのですが、何年か前に、一般質問をさせてもらったときには、前年度比300%という大豊作で、価格が非常に低迷しているということがありました。今回、久しぶりに大変高い金額での取引ということで、梅農家にとってはほっと一息つけるところじゃないかと思うのです。やはりそういう乱高下ではなく、安定的な価格帯が形成できれば本当に一番ありがたいことなのですが、これは自分たちが思っていても、業者さんもいれば、生産者もいるので、いろいろ各方面が一致団結して取り組まないとだめでしょうけれども、市場原理、市場の対応もありますので、今後ともこの問題については十分私も注視しながら、ときには一般質問等もさせていただいて、何とか安定化に向けて取り組んでいきたいと思います。市当局の皆さんも、そのあたりは十分注意していただいて、安定化に向けて取り組んでいただきたいと思います。  走り走りで時間が余ってしまったのですが、これで私の一般質問は終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。            (12番 尾花 功君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    以上で、12番、尾花 功君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 市橋宗行君)    この場合、午後1時50分まで休憩いたします。              (午後 1時40分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 市橋宗行君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時50分) ○議長(副議長 市橋宗行君)    続いて、16番、安達克典君の登壇を許可いたします。            (16番 安達克典君 登壇) ○16番(安達克典君)    こんにちは。紀新会、16番議員の安達克典です。議長のお許しを得ましたので、平成29年6月議会一般質問を行います。  早いもので、4月23日に行われた田辺市議会議員一般選挙から本日で2カ月となります。選挙の結果、それぞれに高い専門知識を有する新人議員の方が当選され、より積極的な議会となっていくものと確信しております。私自身、5期目のスタートに当たり、もう一度原点に戻り、この最初の定例会におきましては、森林・林業について一般質問をさせていただきます。  森林は美しく豊かな国づくりの基礎であり、国土の保全、水源涵養、自然環境の保全、地球温暖化の防止、林産物の供給等々、多面的な機能を有しています。田辺市の面積の実に89.2%が森林であります。  この地域の基幹産業として龍神村森林組合、中辺路町森林組合、西牟婁森林組合、本宮町森林組合ほか各林業事業体において、植栽、下刈り、間伐、枝打ち等々の森林施業が行われています。  昭和45年、龍神村において、村、森林組合、林業研究グループ等6団体による「龍神林業開発会議」が創設されました。地域住民の各機関団体が同じテーブルに着き意思統一を図り、「苗木づくりから住宅産業まで林業の輪を広げよう」という目標が掲げられました。以後、優良材生産を目指した山づくり、素材市場の開設、林業後継者対策、地元材による公共施設の木造・木質化、加工流通部門の拡充などを目標にさまざまな取り組みが行われてきました。  しかしながら、ここ最近の木材価格の低迷は、関係者に大きな打撃を与えています。伐期を向かえた木材は計画的に皆伐され、急峻な地形がほとんどではありますが、架線集材、高性能機械など関係者の高い技術により日々原木市場へと搬出されています。その貯木されている量は、一時期よりもはるかに増加しているように思われます。  1項目では、原木市場での木材価格の現状と、その流通経路、市場に集積する材の状況について質問をします。  次に、木材搬出におけるコスト削減についてであります。この質問をするに当たり、6月11日、日曜日の午後、近所に住むJA紀州龍神支店長に同行してもらい、林道東折川線経由で、虎ヶ峰坂泰線を見にいってきました。ことし開通したこともありきれいに整備された林道が続きます。この林道は、丹生ノ川坂泰から殿原笠塔山、持平山を経由し東折川線と合流しています。この付近に折川市有林があります。さらに東からは、安井古久保谷を大きく回り、虎ヶ峰公衆トイレ付近におりていくルートです。  笠塔山には国有林が広がり、ちょうどこの付近を開設した平成10年から13年にかけて、私自身、森林組合から当時の役場林業課へ出向していたので、現場にもよく通いました。それだけに、この林道の完成は大変うれしく関係者とともに喜びたいと思います。  早速、作業道が開設され搬出が始まっています。林道が動脈なら、作業道は毛細血管といったところでしょうか。美しく育ったヒノキと杉がグラップルによってきれいに積み上げられていました。今議会では、その両林道にモルタル吹付、舗装工事の予算が計上されています。引き続き安全な作業、効率的な作業ができるよう工事の進捗状況を見守りたいと思います。  その林業課に勤務していた時期に、林道開設は、この虎坂線、東折川線に加え、小又川丹生ノ川線の小又川工区・丹生ノ川工区、福井の高橋谷線、プラス橘川の改良等々それぞれに技術担当職員が配属され、請負業者も忙しく工事をしていた記憶がよみがえります。  しかし、平成29年、今年度の林道開設はゼロであります。林道は、造林や保育、素材生産等の森林施業を効率的に行うための最も重要な生産基盤です。また、山村地域の集落間を結ぶネットワークとしても機能しており、近年は災害時の迂回路としても重要な役割を果たしています。田辺市市有林経営委員会の中でも、これまで伐期を迎える市有林の施業を進める上で、計画的な林道開設の議論がなされてきました。龍神村広井原向瀬谷には、旧田辺市から所有する市有林があります。福田副市長も現地に足を運ばれ実際に作業をしたとお聞きしています。  また、合併前の田辺市脇中市長が財政担当職員だった時期に、将来この市有林に林道を開設し伐期に備えたいと書き残した文章も目にしたこともあります。この林道の開設ルートは、龍神村湯ノ又の林道川合湯ノ又線から、樅の木付近を通り、龍神村宮代の林道橘川線までの林道として、龍神村から旧美山村の寒川との境界付近を通る道であり、合併前の龍神村では「樅の木線」と呼ばれてきました。新規林道開設に向け当局の現段階での取り組みについて質問いたします。  次に、林内路網の整備についてであります。  間伐を推進する上で、重要となるのが作業道であります。コスト削減を図る上でよりきめ細かい作業道を開設することが搬出コストの削減につながります。林道は、市の管理において、災害時には復旧修繕が行われています。作業道開設については、開設時に市の補助で山主が主体となり森林組合、土木業者により開設されています。しかしながら、修繕、災害時の復旧については山主の大きな負担となっています。平成23年の紀伊半島大水害により多くの作業道は崩壊し、その都度、修繕もされてきていますが、現在も手つかずの箇所が残っているのも現実です。ルートの見直し等も含め維持管理、修繕のよい案があれはお示しいただきたいと思います。  次に、搬出間伐の状況についてであります。  切り捨て間伐事業の大きな見直しがあって以後、間伐する材は搬出しなければ補助の対象としないとされ、急峻なこの地域の森林整備の内容は大きく変化しました。良質材を育てて市場に送ってきた先人から見れば、どのように映っているのか。きっと悔しい思いをしているに違いないと思うのであります。現在の搬出間伐量はどのくらいあるのか。また、たび重なる制度の見直しにより職員の事務量も増加していると聞きます。コスト削減でぎりぎりのラインで作業し、補助申請のために事務量が増加し人件費に影響を及ばしては本末転倒であります。見直すところは見直し事務の簡素化に努めていただきたいと思いますが、当局のお考えをお聞きします。  次に、3点目、木材製品の利用促進についての田辺市中辺路木材加工場の現状と課題についてであります。  昨年秋、和歌山県市議会議長会の総会が田辺市で開催され、スポーツパークで大会合宿誘致についての研修後、施設内を視察していただきました。中でも、宿泊棟のヒノキのベッドに注目が集まりました。この製品は中辺路木材加工場で生産されたヒノキの集成材でつくられたベッドでした。当時の和歌山市の戸田副議長は、こんなすばらしい製品があるのならもっと県下に広げましょう。和歌山市でも公共施設に利用しオール和歌山でいきましょうと太鼓判を押してくれました。その後、森林局担当職員とともに和歌山市の担当職員に説明にも行かせていただきました。認知度も上がり売り上げも好調と聞いています。その大きな要因はどこにあるのかお聞きします。  また、今後の課題としては、やはり価格設定かと思われます。公共はもとより、民間にも幅広くシェアを広げていただくためにもより購入しやすい価格に近づけていく努力が必要です。この工場は、旧中辺路町時代に整備された工場であり、加工に使用される機械の老朽化が心配されています。機械の更新とラインの見直しも含めて必要ではないかと思われます。この問題について現状と課題をお聞きします。  次に、公共施設における木質化についてであります。これまで文教厚生委員会においても、学校施設の木造木質化について議論してまいりました。新庄小学校は、地元団体からの寄附もあり、木のぬくもりあふれるすばらしい学校が完成しました。私は、さらなる木造木質化を推進するために、6月19日に隣村の十津川第二小学校を訪ねました。  十津川第二小学校は、村の南部の平谷小、西川第一小、西川第二小の統合で、4月に開校した新しい学校です。児童数は54人で、保育所も併設した施設です。十津川村産のスギ、ヒノキを集成材や無垢材を使った木造、一部鉄筋コンクリートの2階建てで、先ほどの中辺路木材加工場で生産されたヒノキの集成材が、玄関の靴箱、普通教室、図書室の本棚、机、パソコン教室の机、体育館の収納スペース、多目的ホールの給食テーブル、音楽室、校長室の机、ソファー等々随所に使われており感動しました。話に聞いていた以上で、まさに百聞は一見にしかずでした。  田辺市においても、大坊小学校建築に当たり、先日、児童も搬出の現場である龍神の橘川エンギョウ市有林に行って、説明を受けたとお聞きしました。すばらしい取り組みであると思います。解体工事が終わり、これから建築に入る三里小学校、さらには委員会視察を行った近野中学校の建築についても現段階での状況をお聞きします。また、今後建築される電車での玄関口となる田辺駅においても、木の香り漂うぬくもりのある施設でなければならないと思います。やはり第一印象が大事であり、「うわぁすばらしい、来てよかった。また来たい」と思ってもらえる空間にするための努力が必要だと考えます。当局の積極的な答弁を求めます。  次に、紀州材認証システムについてであります。  この制度は、和歌山県の公共事業や補助事業、地域住宅支援等を実施するに当たり「紀州材証明書」というものが必要になってきます。ブランド力を高めるため県内各地で取り組まれており、隣のみなべ町では製材業者等が積極的に取り組んでいるとお聞きします。当市においても今後の展開について期待のできる制度だけに無垢材の販売を拡大するためにも、県内のプレカット工場に、トップセールスや営業をしてはどうか当局の考え方について、答弁を求めます。  次に、4点目、森林・林業施設の現状についての森林公園の有効利用についてであります。  護摩壇山森林公園ワイルドライフ付近は標高1,000メートルを超える高地であり、夏場でも大変涼しい気候であります。近年、健康ブームで山歩きをする人たちが増加し、このコースも注目されています。神島高校陸上部の駅伝のトレーニングにも何度も利用されていますし、ことしは、男子の駅伝で注目されている田辺工業高校監督からも龍神で合宿したいと申し入れがあります。  関係者からは、あのワイルドライフの管理棟を夏場合宿用施設として利用できないかと問い合わせもあります。海外で行う本格的な高地トレーニングとまではいきませんが、涼しい場所でゆっくりと時間をかけて走り込む、そんなトレーニングの場所に最適だと考えます。県との協議も行い長期的な利活用を考える時期に来ていると考えます。当局の答弁を求めます。  最後に、企業の森についてであります。  林業経営の不振により、十分な手入れが行われない放置森林や荒廃森林の増加が危惧される中、県では、CSR活動の一環として、また研修や福利厚生の場として、ともに「木の国」の森を守り育ててくれる企業や団体を募集し、田辺管内の山林において、世界的なシェアを持つ大手企業から地元企業まで、さまざまな団体がこの事業に参画してくれています。  パナソニック株式会社エコソリューションズ社「ながきの森」は、平成19年に協定を結び、龍神村甲斐ノ川で毎年新入社員の研修の場として作業を行ってくれております。秋の翔龍祭にも参加してくれています。さらには、12月に本社のある門真市で開催されるイベントには地元産品の展示販売も行い交流が深められています。  今後も、伐採跡地は増加の傾向にあると考えられます。さらには、協定を結んで10年が経過する企業の森もあり、感謝の意味も込めて、更新する場合に何か企業に対してメリットがあるようなことができないか、今後の取り組みについて、当局の答弁を求めます。            (16番 安達克典君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    16番、安達克典君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    安達議員から森林林業行政について大きく5点にわたる御質問をいただきました。5点目の企業の森については私から、あとは、森林局長からお答えいたします。  企業の森は、森林環境の保全を目的として、平成15年度から取り組んでおり、県内で活動する76社のうち、田辺市は42社の企業と協定を締結し、これまで延べ1万8,100人が当地域を訪れ、龍神や中辺路地域を中心として44カ所で、面積では県内施業地の約7割に当たる183ヘクタールで、植栽や下刈り等の環境保全活動が行われております。  一方、近年木材価格の低迷により、伐採を行った後の植栽は、土地所有者にとって大きな負担となっていることから、当市においても未植栽地は増加しております。  そのような中、企業の森では、土地所有者が無償で土地を貸与するかわりに、企業が所有者にかわって森林を育むことで、森林環境の保全に努めていただいております。当活動におきましては、企業から大勢の従業員や、その家族の皆様にお越しいただく中で、地元と交流し、地域産品等を購入していただいていることから、地域にとっては、交流によるにぎわいの創出や経済活動においても、大きな効果があると考えております。  企業におかれましても、近畿で最も広大な森林と世界遺産を有する田辺市で、社会貢献活動を行うことは、イメージアップにつながり、PR効果も期待できることから、また、自然体験による社員の福利厚生はもとより、地域との交流を深めていただける機会としても活用いただいているところであります。  このように、企業の森は、土地所有者、企業、田辺市にとって、大変意義深い取り組みであることから、県とも協力し、さらなる協力企業の誘致に努めてまいりたいと存じます。  また、企業の森の実施当初から参画していただいている企業との協定は、10年間で期限を迎えることから、協定の更新を積極的にお願いするとともに、引き続き、企業との協働により、森林環境の保全に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    森林局長、鈴木徳久君。            (森林局長 鈴木徳久君 登壇) ○森林局長(鈴木徳久君)    議員御質問の1点目、木材価格の現状と流通経路についての市場に集積する木材の状況について、お答えいたします。  田辺・西牟婁地域には、龍神村森林組合の龍神木材共販所と西牟婁森林組合の田辺木材共販所があり、月2回、せり市を開催しております。  龍神木材共販所には、田辺市、日高川町、有田川町等から木材が出荷されており、平成28年度の取扱量は、3万2,245立方メートルであります。また、田辺木材共販所には、田辺・西牟婁地域、有田川町、古座川町等から木材が出荷され、取扱量は3万4,780立方メートルであります。  これら二つの木材共販所は、和歌山県内の共販所で取り扱う原木量の8割を占めており、木材供給の中心的な役割を担っております。  そのような中、近年、木材価格や木材需要の低迷が続いており厳しい状況にあります。また、木材需要の低迷に伴い消費が進まず、共販所の土場に落札した原木を一時的に貯木する等の問題が顕在化しております。さらに、県の長期総合計画の中で素材生産量の増産を目標としており、今後、木材を受け入れる共販所の規模が問題となってきます。  このような問題を解決するには、木材の需要と供給を把握し、素材を山土場から直送することや生産調整等、安定した木材の供給体制を構築する必要性を認識しており、検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目、木材搬出におけるコスト削減についての新規林道開設について、お答えいたします。  林道開設事業につきましては、市町村合併前から取り組んでまいりましたが、そのうち林道虎ヶ峰坂泰線が、平成29年3月に完成し、計画路線の開設事業は完了いたしました。虎ヶ峰坂泰線の開設事業につきましては、龍神村南部の2,053ヘクタールに及ぶ広大な森林資源を活用するため、龍神村柳瀬の県道田辺龍神線から龍神村丹生ノ川に至る21キロメートルを開設したものであります。  事業費につきましては、約30億円を要し、工期は、昭和63年度から平成28年度までの30年間でありました。この虎ヶ峰坂泰線周辺地域は、林道が開設されるまで多くの人工林が本格的な利用期を迎えているにもかかわらず、道路網が未整備であったことから、切り出し、搬出等の森林施業を行うことが、非常に困難な地域でありました。  このような中、市の林道開設工事に合わせて、森林組合や林業家の方々による森林施業用の作業道の整備が進んだことから、現在では、皆伐や間伐等の森林施業が活発に行われ、適切な森林管理が行われつつあります。  議員御質問の「樅の木線」につきましては、龍神村湯ノ又の林道川合湯ノ又線から、樅の木峠付近を通り、龍神村宮代の林道橘川線までの連絡林道として、龍神村北部から日高川町との境界地域で整備を想定したものであります。  また、これらの周辺には、伐採期を迎えている利用区域面積が約800ヘクタールあり、その中には市有林100ヘクタールも含まれております。道路網を整備することは、森林資源の有効活用のためにも、非常に重要であると認識しております。  さらに、林道が整備されることで、木材の搬出コストが削減され、生産性が向上し、木材販売の競争力を強化する上で必須となる低コスト林業の実現につながります。  しかし、林道開設には多額の費用を要することから、国の補助を活用した事業実施が必要不可欠でありますが、近年、その採択要件は厳しくなっております。  そこで、虎ヶ峰坂泰線のように、新規の林道開設を行ってきた事業の効果等を検証し、今後、必要な路線につきましては、補助採択に向けた検討とともに、県等へ積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えております。  次に、林内路網の整備について、お答えいたします。  林道は、効率的な森林整備や災害時の緊急用道路としての役割を有するため、市が維持管理を行っております。一方、森林施業のために、森林組合及び個人が開設した作業道の維持、管理、補修につきましては、所有者自身で行う必要があります。そこで、県と市は、山の基盤機能回復事業により、森林所有者の負担軽減を図るため、補助施策を行っております。  次に、搬出間伐の状況について、お答えいたします。  当市内の平成28年度の搬出間伐量は、1万4,000立方メートルであります。また、搬出された間伐材は、主に製材・合板用材となり、1割未満がチップ等のパルプ原料となっております。  次に、各種補助事業に関する事務取扱等について、お答えいたします。  補助事業等の申請につきましては、国や県の制度改正に伴い、事務手続や、その内容が複雑化しており、申請者から手続等の簡素化を求める声も上がってきております。  今後は、このような関係者の意見も踏まえ、事務手続の簡素化に向け、県との協議に努めてまいりたいと考えております。
     次に、3点目、木材製品の利用促進についての田辺市中辺路木材加工場の現状と課題について、お答えいたします。  当工場につきましては、昭和61年、旧中辺路町において、地域産材を中心とした国産材の流通促進及び地域の雇用促進を目的として開設し、間伐等で発生する小径木を台形集成材に加工して、その販売を行っております。  当工場は、操業開始からことしで32年目となり、昨年度の売上高は、2億2,148万円と過去最高となりました。この要因は、公共施設での使用量増加のほか、工場の営業担当職員による地道で精力的な営業活動、そして、市と議会が一体となった活動を行ったことが大きな成果につながったものと考えております。  こうした中、工場の主要な機械設備は、操業当時から使用しており、耐用年数を大幅に超過しております。今後は、工場運営の効率化や長期的な観点に基づき、機械設備の更新について、順次、検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、公共施設における木質化について、お答えいたします。  戦後、全国的に造成された多くの人工林が、本格的な利用期を迎える中、国産材の利用促進を目的に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が、平成22年に施行されました。  この法律では、地方公共団体の責務として、自治体が整備する公共建築物においては、積極的な木材利用に努めるよう規定されております。また、この法律に基づき策定した「田辺木材利用方針」においても、市が整備する公共建築物のうち、建築基準法等の法令において、耐火性能を求められていない低層の公共建築物については、原則、木造化を図ることと定めており、その他の公共建築物においても内装等の木質化の促進を定めているところであります。  現在、大坊小学校及び三里小学校、近野中学校の建築が進められておりますが、これらの建築に当たっては、木造建築や木質化を積極的に推進しているところです。  また、JR紀伊田辺駅の駅舎の建てかえにつきましても、内装等について地元材の利用をお願いしてまいります。  次に、紀州材認証システムについて、お答えいたします。  紀州材認証システムは、紀州材の安定した需要を図り、和歌山県内の森林整備及び環境保全に寄与するため、県内の森林で生産され、製材・加工された木材及び加工品のうち、県が発注する公共事業等で使用する木材の認証システムであります。  紀州材は、一般的に色合いがよく、つやが出ることや、真っすぐで狂いが少ないといわれ、圧縮、引っ張り、曲げ、剪断といった強度をはかる性能試験においても、全国の基準値を上回る結果であります。このように、全国的にも高い評価を得ている紀州材の利用促進につきましては、トップセールスも含め、積極的なPRに努めてまいりたいと考えております。  次に、4点目、森林・林業施設の現状についての森林公園の有効利用について、お答えいたします。  護摩壇山森林公園ワイルドライフにつきましては、昭和42年に指定された高野龍神国定公園内に位置しており、平成5年、県において施設が設置され、現在は、龍神村開発公社で管理運営されております。  周辺には、ブナやミズナラを中心とした原生林も多く、整備された遊歩道や日本一の本数を誇るシャクナゲ園等があり、自然豊かな公園であります。当公園は、開園以来、多くの家族連れやレジャー客等でにぎわいを見せておりましたが、近年、施設の老朽化やシャクナゲの不生育等といった要因もあり、平成18年度に9,300人あった来園者が、平成28年度には5,600人にまで減少しております。  こうした状況を改善していこうと、昨年、県、市、地元の関係者で「護摩壇山森林公園活用検討会」を立ち上げており、今後その状況を注視して行きたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (森林局長 鈴木徳久君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    安達克典君。            (16番 安達克典君 登壇) ○16番(安達克典君)    市長、森林局長からそれぞれの項目におきまして御答弁いただきました。  梅の生産もそうですが、木材産業においても集積する原木量を見てもわかるように、当地域が重要な役割を果たしているのは明確です。今後、バイオマス発電の計画も含め流通体制を見直す時期に来ています。県庁林務課、各森林組合とも協議しながら木材価格の安定に向け取り組んでいただきたいと思います。  林道開設についても計画的な山づくりに必要不可欠な部分です。新年度には必ず採択されるよう県当局と調整を進めていただきたいと思います。  木材加工場の台形集成材は、今後販売ルートをさらにさらに広げていくためにも、機械の更新も含め、今できることをしっかりと考え事業展開に取り組んでいただきたいと思います。  公共施設、特に学校施設への木造木質化は、木の文化を後世に伝える大きな役割があります。住宅環境が大きく変化する中、柱を表に出さない大壁工法がふえパネル構造や軽量鉄骨組構造、2×4工法が主流になってきています。だからこそ、学校生活の中で木の本質をしっかり学んで成長していってほしいと願います。  森林公園の利活用についても、さらに議論を深めより多くの利用者に喜んでいただける施設としてリニューアルしていただきたいと思います。  企業の森は、経済波及効果も大きく地域とも交流も深まり地元にも大きなメリットが期待されます。県と一体となって新規参画企業をふやし森林の保全に努めていただきたいと思います。  今回の一般質問は、森林林業に絞って行いました。あす土曜日は、各森林組合の総会も予定されています。厳しい現状は続きますが、少しでも明るい光が見えればという強い思いで現場に足を運び、原稿をつくりました。  そして、来月高知県で、全国森林環境税創設促進議員連盟平成29年度定期総会が開催されます。森林環境税の創設に向けて当時の本宮町中山町長が呼びかけ活動が始まって24年、ついにことしの年末、税制創設に向けていよいよ最終段階に入りました。  政府与党は、平成29年度税制改正大綱の中で、森林吸収源対策及び地方の地球温暖化対策に関する財源確保について、「市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等について総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得る」と、ここまで来ています。今までの制度に加え、よりきめ細かな制度の充実を図り木材産業が元気になりこの地域の発展につながりますよう祈念しまして一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。            (16番 安達克典君 降壇) ○議長(副議長 市橋宗行君)    以上で、16番、安達克典君の一般質問は終了いたしました。  この場合、お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明6月24日から25日までの2日間は休会とし、6月26日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(副議長 市橋宗行君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(副議長 市橋宗行君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。              (午後 2時29分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成29年6月23日                    議  長  小 川 浩 樹                    副議長   市 橋 宗 行                    議  員  前 田 佳 世                    議  員  川 﨑 五 一                    議  員  宮 井   章...