田辺市議会 2017-03-13
平成29年 3月定例会(第4号 3月13日)
平成29年 3月定例会(第4号 3月13日) 田辺市議会3月定例会会議録
平成29年3月13日(月曜日)
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平成29年3月13日(月)午前10時開会
第 1 一般質問
第 2 1定議案第 9号 名誉市民の称号を贈ることについて
第 3 1定議案第10号 田辺市
個人情報保護条例の一部改正について
第 4 1定議案第11号 田辺市税条例等の一部改正について
第 5 1定議案第12号 田辺市保育所条例の一部改正について
第 6 1定議案第13号 田辺市
ひとり親家庭等医療費の支給に関する条例の一部改
正について
第 7 1定議案第14号 田辺市
短期滞在施設条例の一部改正について
第 8 1定議案第15号 田辺市アトリエ龍神の家住宅条例の一部改正について
第 9 1定議案第16号 田辺市
企業立地促進条例の一部改正について
第10 1定議案第17号
田辺市営住宅条例の一部改正について
第11 1定議案第18号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域における
住居表示の方法について
第12 1定議案第19号 字及び町の区域の変更について
第13 1定議案第20号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域における
学校教育課長 野 田 泰 輔 君
給食管理室長 田 上 芳 文 君
生涯学習課長 杉 若 信 男 君
中辺路教育事務所長 中 村 誠 君
本宮教育事務所長 山 下 義 朗 君
文化振興課長 敷 地 弘 規 君
文化振興課参事 中 川 貴 君
水道部長 田 中 久 雄 君
業務課長 岩 本 章 君
工務課参事 吉 本 哲 也 君
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出席事務局職員
議会事務局長 大 門 義 昭
議会事務局次長 前 溝 浩 志
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 岡 本 友 子
開 議
○議長(副議長 安達克典君) 地方自治法第106条第1項の規定により、議長の職務を行います。
定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成29年第1回
田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。
(午前 9時59分)
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◎報告
○議長(副議長 安達克典君) 22番、吉田克己君から欠席の届け出があります。
それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(副議長 安達克典君) 日程第1 一般質問を行います。
3番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) おはようございます。通告に従いまして、4項目について質問をします。
まず、1点目の中心市街地の公衆トイレについてお伺いします。田辺市は鬪鶏神社が世界遺産に追加登録され、町なかのにぎわいにつながればと期待しています。私も市民や多くの来訪者が町なかを探訪、散策してほしいと思っています。しかし、町なかの散策をしていただくためには、おもてなしの心としてきれいな公衆トイレが不可欠と考えます。
私が調べたところ、紀伊田辺駅の隣の
観光センターと扇ヶ浜駐車場にはありますが、中心市街地や商店街にはないと思います。中心市街地の公衆トイレの現状はどのようになっているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 3番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えいたします。
昨年10月24日にフランスのパリで開催された第40回
世界遺産委員会において、中心市街地の鬪鶏神社を初め、市内5カ所が新たに
世界文化遺産、紀伊山地の霊場と参詣道に追加登録されました。特に、市街地において新たな
世界文化遺産が誕生したことは、鬪鶏神社から熊野本宮大社までが道でつながることからも大変意義深く、
中心市街地活性化の契機になるものと考えて、観光誘客のためのさまざまな取り組みを進めております。
鬪鶏神社のみならず、すばらしい自然風土や歴史ある街並みが残る市街地には、神社仏閣を初め、植芝盛平翁や南方熊楠翁、武蔵坊弁慶といった偉人たちのゆかりの地があり、見どころもたくさんあります。
そうした中、街歩きを楽しんでいただくための環境整備といたしまして、JR紀伊田辺駅の隣にある田辺市
観光センター、
扇ヶ浜海水浴場、
扇ヶ浜海岸駐車場、とうけい公園など市街地の主要な周遊スポットについては和歌山県の
おもてなしトイレ大作戦等と連携し、トイレの整備を進めてきたところです。また、
南方熊楠顕彰館や田辺市
文化交流センターたなべるなどの公共施設についても開館時には利用できる状況にあります。
現在、
田辺観光協会が紹介している街歩きコースは、1時間から2時間で市街地の観光拠点をめぐることができること、また主に
田辺市街エリアを御案内いただいている
田辺観光ボランティアガイドの会に確認いたしましたところ、市街地を案内するに当たり、トイレの不便を感じていないとの声も聞かせていただいておりますので、現状の
公衆トイレ等で一定充足しているものと認識しているところです。以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今、市長から1時間、2時間のコースではトイレの不便を感じていないということでした。仁坂知事は
国体を前にいろいろと発信しているのですが、やはり和歌山県の
観光キャンペーンとしてきれいなトイレが必要だと。それも洗浄つきのトイレが必要だと言われています。
そして、私は紹介していただいた場所、市内の公衆トイレとして設置されているところを調査してきました。町なかにある公園の公衆トイレ8カ所を調査しましたが、最近できた鬪鶏神社を除くと、
障害者用トイレで洗浄機がついているところが2カ所しかありません。それ以外、男子用、女子用の全てが和式の便器になっていまして、これでは来訪者へのおもてなしの心になっていないのではないかと考えますが、どのようにお考えかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 先ほども申しましたとおり、昨年10月に鬪鶏神社等が
世界文化遺産に追加登録され、当地を訪れる観光客数は増加傾向にあります。そうした中、観光客の受け入れ体制の充実を図るとともに、町なかに来訪者を滞留させるための拠点となる施設が必要となると考えています。そうしたことからも、来訪者が快適に過ごすことができる場所として、鬪鶏神社の一の鳥居横に公衆トイレ、観光案内所、休憩所等を併設した
ポケットパークの整備を計画しているところであります。
こうした取り組みに加え、市街地の主要な観光拠点においては、トイレを含めた一定の環境整備を行うとともに、気軽に街歩きを楽しんでいただくため、
市街地散策用マップには、公衆トイレの案内表示も行っています。現在、市といたしましても、世界遺産等を生かした魅力ある
まちづくり基本計画の策定を進めているところであり、世界遺産や
町なか散策等を気軽に楽しむことができる施策のあり方について、今後、観光客の御意見も取り入れながら充実を図り、交流人口の増大と地域の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今も拠点できちんと整備できているということですが、やはり熊野古道だけではなくて、町なかにも県外や外国からの旅行者の方が以前に比べてふえているというのは私自身も感じています。鬪鶏神社に観光バスが来たり、それから
南方熊楠顕彰館への入館者もふえていると聞きました。
しかし、鬪鶏神社、
南方熊楠顕彰館など拠点だけではなくて、町なかをゆっくり散策して商店街で買い物をしていただいたり、食事をしていただくということになって初めて、経済効果につながるのではないかと思います。市外や県外、外国から来訪される方へのおもてなしの環境が、
中心市街地商店街に必要ではないかと考えるのですが、答弁があったように、拠点だけでいいと今でもそのように考えられるのか、もう一度お尋ねします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君)
市街地商店街エリアに公衆トイレが必要ではないかという御質問であったかと思います。市街地の
商店街エリアには、先ほど市長がお答えいたしましたとおり、現状の認識といたしましては、
町なか散策等に要する時間がおおむね1時間から2時間であるということ、また周辺スポットや公共施設等のトイレを利用できる状況であるということから一定充足しているものと考えております。
今後につきましては、来訪者の動向等も見ながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 以前、商工会議所の方と一緒に滋賀県長浜市、彦根市へ行ったときに、中心市街地が整備されているところを見させてもらったら、きれいな公衆トイレが設置されていました。せっかく中心市街地をきれいにするのであれば、そういうことが必要ではないかと感じています。また、1時間、2時間では必要性がないということですが、高齢の方になってきますと、近い方もふえてきますので、商店街をずっと駅前から湊本通り、北新町、銀座のあたりを見ましても、歩いてもらったときには本当にきれいなトイレがぜひ必要ではないかと思いますので、今後検討をよろしくお願いします。
次に、2番目の税の特別徴収の
マイナンバー表示についてお伺いします。
5月中旬に市役所から事業所へ送られる税の特別徴収の書類に従業員の
マイナンバーが記入されるという情報を聞いています。
小規模事業者の方から
マイナンバーを使いませんとか、また現在の市の状況では、
マイナンバーの管理ができないからしないという声もあります。
マイナンバーに関する各省庁の主な回答で、番号がなくても不利益はない。番号がなくても受けつけるとなっています。また、全国の自治体で、そういう事業者の混乱を防ぐために税の特別徴収の書類に従業員の
マイナンバーをつけずに発送するというところもあります。市役所から送る税の特別徴収の書類に
マイナンバーの表示がなぜ必要なのか見解を求めます。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長、田上豊和君。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
マイナンバー制度につきましては、社会保障制度及び税制における給付と負担の適切な関係を維持することにより、公平・公正な社会の実現を目指し、国民の利便性の向上、行政運営の効率化を図るため、官民一体で取り組みを進めております。この
マイナンバーを利用した各施策の実施のための一環として、地方税法第43条及び
地方税法施行規則第2条第1項の規定により、
特別徴収義務者に通知する給与所得等に係る
特別徴収税額の決定・変更通知書へ個人番号を記載するものです。
また、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、以後、番号法と呼ばせていただきますが、第19条第1号の規定に基づき、
個人番号利用事務実施者である市から
個人番号関係事務実施者である
特別徴収義務者、つまり事業者へ個人番号を提供することになります。これは
特別徴収義務者と市町村との間で正確な個人番号を共有することにより、個人住民税の税務手続を通じて番号法が目的とする公平・公正な課税や事務の効率化につながるものと示されておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 先ほども聞きましたが、全国の自治体で混乱を防ぐために番号をつけずに発送しているというところもあるのですが、そういうところと田辺市とでは法律的に何か違いがあるのかどうか、お答えください。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
それぞれの自治体は法律によって、一定の事務をすることとなってございます。ただ、一部の自治体において特別徴収税が個人番号を記載せずに事業者に送付予定であることは把握しているところでございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 一部送らないところもあるということを認められたのですが、違いはない、自治体の裁量でできるということだと思うのですが、
マイナンバーの管理ができない、しないという
小規模事業者にも、公平公正な課税を図るために官民一体で取り組まなければならないという答弁であったと思うのですが、そういう事業者へ配慮することは必要ではないのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 御質問にお答えいたします。
個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じることは、法律により事業者の方々に課せられた義務であります。事業者の皆様には、いろいろな面で負担増となることは市といたしましても承知しておりますが、御理解と御協力をお願いしたいと考えております。以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 御理解賜りたいということですが、私は理解するしないということではなくて、事業者がそれをする意思がないということで、こういう問題が出てきているのです。そして、国が法律を決めた時点でも、そこまでの管理をさせる必要がないということが言われているので、市から
マイナンバーをつけた書類を送って管理をしてくださいと言われても、
小規模事業者は先ほど言いましたように、仕事上、大変煩雑になるということ、そして管理の責任を求められても、なかなかそれに対応するのが難しいということが起きていますので、その辺については、もう少し市として事業者に配慮が必要ではないかと思います。
そして、個人情報の流出につながらないかということでお聞きしますが、
マイナンバーは住基番号と比べ物にならない個人情報がぎっしり詰まっている。将来的にももっと詰まってくるということで、国が将来的にクレジットカードや口座番号、運転免許証なども統合しようという動きが検討されています。紛失や盗難が起これば、今までの住基番号などと比べ物にならないぐらい個人情報が悪用されることが考えられます。市役所から一方的に
マイナンバーを送ることは個人情報の流出につながる可能性が大きくなるのではないかと心配されています。市はこの問題についてどのように考えているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
地方税法及び番号法と関係法令では
特別徴収義務者と市町村が共通の規律のもとに置かれて、特定個人情報を管理するという制度上の保護措置を規定されていることから、個人番号を記載の上、そうさせていただくものであります。事業者の皆さんにおかれましては、制度の趣旨目的について御理解をいただき、法令等の規定に基づいて、適切な管理を行っていただきますようお願いしたいと考えております。以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 適切な管理をしていただきたいと言われたのですが、そこまでのことは国が厳密に求めていないというのが現実だと思うのです。それをほかの自治体では混乱を防ぐために番号をつけて送らないということもされていて、配慮していくということも検討されているところがありますので、田辺市は小規模の事業者がたくさんあって、大規模事業者でそれをきちんと事務処理ができる、そういうところばかりではありません。そういう中で、一方的に送られて適切な管理をしてくださいといってもできない部分がありますので、やはりもう一度番号をつけて送るというのは考え直すべきではないかと、そのことを伝えて次の質問に移ります。
まちなかの住環境についてお伺いします。
旧屋敷町やお笠のある町の居住実態の現状認識についてお伺いします。上屋敷、中屋敷、下屋敷、新屋敷、江川、本町、片町、紺屋町、栄町、北新町、南新町、今福町、福路町が、私が言う旧屋敷町やお笠のあるところです。この地域は江戸時代から田辺祭りをつなげてきた町で、戦前戦後を通じて旧田辺市の中心市街地でありました。しかし、昭和40年ごろから住宅が郊外へ移るドーナツ化が始まり、現在の高齢化率が50%を超える地区もあり、ほとんどの地区で若者が減り、限界集落のような状態になっているところもあります。
このような現状について、どのように認識しているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の旧屋敷町やお笠のある町の居住実態の現状認識についてお答えします。
議員御指摘のように、これらの地域は高齢化に伴い世帯数及び人口減少が年々進んでいると認識しております。また、これらの地域における市民からの空き家などに関する情報提供や相談件数からも空き家などが相当数存在し、今後も増加するであろうと考えております。
現在、田辺市の空き家等に関する取り組みといたしましては、適切な管理が行われていない空き家などが相当数存在し、防災、衛生、環境など地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることから、地域住民の生命、身体、または財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図ることに重点を置き、市民からの情報提供や相談がある空き家などについて対策を行っている状況であり、全ての住宅を対象とした実態調査を実施していないのが現状であります。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 参考資料としてお出ししてあるものが、1950年、昭和25年と現在の戸数、人口の数字であります。これらの地区全体で、1950年、昭和25年には世帯数で3,400戸余り、それが現在2,100戸ほどに減少しています。人口で約1万5,000人だったものが4,000人弱まで減少しています。町なかの大変な空洞化が起こっています。この地区の空き家数、率はどのようになっているかと聞こうと思ったのですが、実態調査ができていないということなので、田辺市全体の空き家率についてどのようになっているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の空き家の現状についてお答えします。平成25年度に実施されました住宅・土地統計調査によりますと、田辺市の総住宅数3万8,250戸に対し、空き家数が7,225戸で空き家率は18.9%と約5件に1件が空き家となっているという推計が示されています。和歌山県全体では、空き家率は18.1%、全国平均で13.5%であることから非常に高い水準であると認識しております。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 田辺市が18.9%で、和歌山県18.1%ということであります。空家対策の推進に関する特別措置法というのが2015年5月から実施されています。実態把握と計画的な対策のガイドライン、空き家活用促進事業計画が出されています。まずこれをするために、実態把握を進めることが必要であると思うのですが、実態把握を進めるに当たっては、私は一番確実で費用もかからずできるのが、町内会や自治会に調査をしていただくということが一番時間もかからず、実態に合ったものが求められると思うのです。自治会や町内会に調査を委託されてはどうかと思うのですが、それについていかがですか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の実態調査の実施についてお答えします。
空き家などの実態調査の手法に関しましては、さまざまな方法があると考えておりますが、空き家等の種類、態様は多岐にわたっており、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく措置の対象となる空き家等であるか判断するためには、専門的な知識や技術などを要し、さらには統一的な結果が必要でありますので、調査の実施方法や必要性などについて、今後検討してまいりたいと考えております。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) いろいろな状況があるので専門的な知識が必要だと言われたのですが、コンサルタントに依頼したとしても、やはり聞き取り調査でその地域の住民の方に聞いて、いつから空き家になっているのかということを聞くということなので、やはりそこに住んでいる方々の知識、そういう方々の理解が必要だということは町内会でやっても同じ結果になると思うし、そこに住んでいる方のほうが何年から空き家になっているとか、年に1回か2年に1回、帰ってきて時々使っているよということもわかると思うので、実態調査を進めるには、住んでいる人たちの協力でスムーズにできると思うのです。そして、白浜町でもそのようなやり方で実態調査をしているということなので、そんなに難しくはないと思います。
そして次に、将来像の考え方についてお伺いします。
私が生まれ育った旧の江川地区についてですが、昔ながらの家並みで道が狭く、地区によっては半数以上が空き地、空き家の状態です。空き家は、1981年、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた家がほとんどで、住んでいる方の多くは高齢者です。老朽化した家が崩壊すると瓦れきが避難や救助、消火活動の妨げになることも懸念されます。予想される南海トラフの巨大地震、大津波が起こった場合にも津波避難や防災対策など多くの課題を抱えています。このままでは江川地区は完全に死んでしまう。若い人が住めるような町にしてほしいという住民の皆さんの悲痛な声が多くあります。
その中で、皆さんは御所谷地区のような区画整理事業をして、中心地に5階から6階建ての市営住宅を建てれば大きな地震や津波が来ても、避難の心配も少なくなってありがたいと言われます。そして、地震や津波に強い町に生まれ変われると期待する声が多くあります。国の制度を使った区画整理事業ができないものかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の江川地区の住環境整備についてお答えします。現在、国の制度で住環境整備事業の補助対象となるものとしましては、住宅地区改良事業という制度が候補として上げられますが、地区の対象要件に適合するかは具体的な検証を要します。議員御指摘のとおり、当地区の住環境につきましては、改善を要する課題が山積していると認識しておりますが、住環境整備を行うには、その地区の総意が不可欠であり、また津波の浸水地域であることなど、諸条件を考慮すると莫大な事業費が予想されることなど問題点が多く、今後の地区住民のニーズや経済情勢を注視し、検討してまいりたいと考えております。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 課題が山積しているのは理解しているが、地区の総意が必要で莫大な事業費が必要だということです。以前、津波避難の集まりというか、市の担当者に来ていただきお話を聞きました。私も参加させていただいたのですが、そのときに集まっていただいたのが、大体60代、70代の方が中心で、その60代の方が今だったら支援するほうに回れるが、5年たったら支援されるほうになってしまうという声が皆さんから出ました。
今現在、本当に江川地区は大変な状況で、もし大きな災害が起こったら、大変な被害が出てしまうという状況にあります。課題が大きいというのは十分理解されていますので、今後、そういう住民の皆さんの要望に応えていけるようなことを検討していただきたいと思います。
次に、4番目の空き家を市営住宅にという項目で質問させていただきます。
現在の市営住宅の現状についてまずお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の市営住宅の現状についてお答えします。田辺市の市営住宅については、住宅ストックの効率的、計画的な更新や予防保全的な観点からの修繕及び改善を図ることを目的とした田辺市営住宅長寿命化計画を策定しております。この計画に沿って維持修繕や建てかえ事業を実施しているところです。また、田辺市の市営住宅保有率は、全国類似自治体と比べ高い値となっており、本計画では将来的な目標管理戸数を定めて、平均的な管理戸数への減少を位置づけております。田辺市では、現在104団地、1,359戸の市営住宅を管理しており、その内訳としましては、公営住宅及び改良住宅は85団地1,241戸、定住促進住宅14団地60戸、単身住宅1団地6戸、その他の住宅4団地52戸を管理しております。
また、入居状況につきましては、平成29年3月1日現在の入居戸数は1,205戸でございます。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今現在、1,359戸あるうちの1,220戸が居住されているとお聞きしております。そこで、市営住宅に係る年間の修繕費用はどのようになっているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の市営住宅の1戸当たりの修繕に要する平均費用はどのようなものかについてお答えいたします。市営住宅における施設修繕料については、平成27年度決算でお答えしますと、田辺市全体の市営住宅1,359戸に対して修繕料は5,053万3,193円であり、1戸当りに要した修繕料は3万7,185円でございます。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 3番のまちなかの住環境についてに関連してくるのですが、国は空き家再生等推進事業の中で、目的として過疎地域等において持続可能な地域づくりを進めるため空き家、空き建築物を活用した地方公共団体の地域活性化の取り組みを支援する地域コミュニティの維持再生を図ると目的で書かれています。
そして市営住宅にという話も国交省から方針として出されているということは理解されていると思うのですが、高知県の取り組みを紹介したいと思います。空き家対策で三方よし、耐震改修やリフォームを施し定住希望者に貸し出す、邪魔者を地域資源にということで、高知県が国・県・市の補助金を使って、空き家対策を進めて、それを市が借りて、市営住宅として活用するということです。
その中で言われているのは、高知県は空き家率が17.8%で全国4位、和歌山県が18.1%で全国3位ということで、その一つ下の高知県が積極的な取り組みをされています。それは南海トラフ地震が起きると津波到達まで短い時間でやってくる。家屋が倒壊して避難もできない。瓦れきが道を塞げば時間がかかってしまうという緊迫した情勢があるということで、そういう空き家、使えるものは使う。危険なものは除去するという形で進められて、その中で四万十町というところの取り組みがありまして、所有者から空き家を借り上げて、耐震改修、断熱改修やトイレの水洗化などリフォームを施して、移住定住希望者に貸し出す制度ということで、国・県・町の予算で最高900万円までその制度を活用することができるということです。そして、住宅リフォームは地元業者にしてもらうことで、地域経済にも貢献していると書かれています。
そして、町が管理するということで、所有者から空き家の提供も進んでいる。そして、この四万十町は期限を10年に限って、必要があれば家主にもリフォームされた住宅を返還することも可能にしているということで、そういうことが進められ、邪魔ものを地域資源にと取り組んでいるのですが、和歌山県や内の自治体でそのような取り組みをされているところはあるのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員の御質問にお答えします。
今現在、和歌山県内ではそういう市町村はございません。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 聞き取りのときにも説明させていただいたのですが、所有者にどういう利点があるかということで、町は固定資産税の増額と借り上げ料を使用者に払い、修繕費を負担するということですが、家賃収入を得ることができるので、最終的に問題がないということで、借り主が2万円から3万円ぐらいの家賃で借りるということになっています。
次に、経済的困窮者への低廉な住宅提供をということで、「空き家を公営住宅化し、子育て世帯や高齢者向けに活用へ」ということで、国交省の方針が出されていて、全国の空き家のうち、耐震基準を満たす戸建て住宅を活用し、子育て世代や高齢者らが割安な賃料で入居できるための制度設計に乗り出す方針を固めたと書かれていて、低所得者向け居住インフラの確保と空き家の有効活用の一挙両得を狙うとあります。
そして、空き家の増加ペースを下げるということもこの中で言われていて、その一つとして茨城県ひたちなか市では、2009年から築50年前後の老朽化した市営住宅を廃止、財政面の制約から新規の市営住宅の建設は困難だが、住宅に困窮している人たちへのセーフティネットをつくる必要がある。そのことで空き家などを市営住宅として、入居資格のある市民に入居していただいた場合に、家賃の半額を補助するという事例があるのですが、田辺市でこのようなことを進めるということはいかがでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 田辺市ではございません。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 若い方や年金暮らしの方で、大変収入が少ないのに家賃が生活を圧迫しているということが結構あります。先日も年金暮らしの方で、年金の半分ぐらいの家賃を払ってアパートで暮らしていて、本当に生活に困窮しているんだという方もいました。その方は、年金10万円余りで生活保護の対象にならないということで申請はしていないということですが、そこに住んで20年余り、働いていたときには収入があったのでそんなに家賃負担は気にならなかったが、仕事をやめて年金暮らしになったら大変厳しい生活に困窮されているというお話でした。若い方も子育て世代で家族3人、4人となりましたら安いアパートで住むのは難しいということで最低でも5万円、6万円という家賃を払って生活しています。
そういう方たちに、やはり市として経済的に困窮されている方に低廉な住宅提供をする必要があると思います。国交省の方針で、空き家を公営住宅化し、子育て世代や高齢者向けに活用ということが発表されています。整備が進まない公営住宅にかわる低所得者向け居住インフラの確保と空き家の有効活用の一挙両得を狙うとうたわれています。先ほど言いましたように、空き家の対策を含めてこれから町をどうしていくのか。そういうことを考えるためにも、庁内に空き家対策事業に係る対策会議の立ち上げが必要ではないかと思うのです。今現在、そういう考えはないようですが、ぜひこれから町なかのそういう問題もたくさん出てきますので必要ではないかと思います。そして、そのことで空き家の活用、先ほども言いましたが、所有者、借り手、行政の三方よし、また、リフォームが進めば地域振興にもつながってきます。
そして若い人、お年寄りの方の居住環境のバランスを考え、町なかに安い家賃で住めるような形で進めていくことが必要ではないかと思います。そして、そのことを検討していただくことを要望して今回の質問を終わります。ありがとうございました。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、3番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合、午前10時55分まで休憩いたします。
(午前10時45分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時55分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、8番、二葉昌彦君の登壇を許可いたします。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 皆さん、こんにちは。8番、誠和会、二葉昌彦、一般質問させていただきます。今回は、新しい公共にかかわる学校、サポートセンターについて、2番、沿岸部の保育所にかかる津波対策について、以上2項目について質問させていただきます。
まず、新しい公共における学校、サポートセンターについて、小項目の家庭教育、地域力の低下についてお伺いします。
まちづくりは人づくり、人づくりの基本は家庭と学校における教育であるといわれます。私は仕事柄地域で子供たちと接していますが、ここ2~3年じっと座り集中できない、人の話を聞かない、約束事が守れない等、子供の様子の変化に危惧しております。家庭教育の大事な一つ、しつけの部分の教育は家庭でできず、当たり前のことができない子供がふえてきているように思います。家庭教育は全ての教育の出発点であります。時代が変わり、家庭のあり方も変わりました。しかし、大切なものは大切、これは変わらないように思います。
また、地域では隣近所のつき合いが希薄になり、地域コミュニティが低下し、町内会への加入率の低下など、今までいろいろな活動にサポートしてこられた方々の高齢化と家庭や地域での子供たちへのかかわりが低下してきていると考えます。当局は家庭教育や地域力の低下について、どのように考えておられるか、現状をどう把握しているのかお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 8番、二葉昌彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、中村久仁生君。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 家庭教育や地域力について、現状をどう捉えているかという議員の御質問にお答えします。
近年全国的な傾向ではございますが、都市化、核家族化、少子化、地域におけるつながりの希薄化など、社会情勢が大きく変化する中で、家庭の教育力や地域力の低下が指摘されております。田辺市においても人口の減少や少子高齢化が進んでおり、町内会行事などとともに公民館活動においても参加者の高齢化や固定化、役員のなり手がないなどの課題が生じてございます。
学校においても、育友会総会や懇談会への保護者の参加率が低下している傾向にあり、子育てについて家庭と学校がともに協議をする場の確保が大きな課題となっています。今後、家庭の教育力や地域力の向上をどう図っていくか。地域のコミュニティづくりをどのように進めるかが大きな課題であると考えてございます。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 町内会行事や公民館活動において参会者の固定化、役員のなり手がないと課題があるということをお聞きしました。そのような中で、学校、家庭、地域が一体となった学校経営体制づくりが行われているが、答弁をいただいたように、家庭、地域力の低下傾向がある中で、学校に負担がかかっているように感じます。その中で、特に先生方に負担がかかり、長時間労働の問題が起こってきているのではないでしょうか。当局のお考えをお聞きします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育長。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 家庭の教育力の低下でありますとか、地域の教育力の低下、それが学校教員の負担につながっているのではないか。長時間労働につながっているのではないかという御質問でございます。私は元来、教育というのは家庭で育て、学校で学び、地域で鍛えていく。これが本当に大切であると考えております。それぞれがそれぞれの役割を果たすことが健全な子供の育成につながっていくと信じているものであります。ですから、もしその三者のいずれかの力が低下してきたとすれば、ほかに負担がかかってくると言えるのではないかと思います。
このことは何も家庭だけではなくて、地域だけではなくて、学校についても同様のことが言えると思います。ですから、学校に与えられた課題に対して、学校だけではその達成が十分でないということも多々あるわけであります。やはり大切なのは、家庭と学校と地域の三者が一体となって強力に子供の成長を支援していくということが非常に大事であると考えております。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 続いて、学校を核にした新しい地域体制づくりについてお聞きしたいと思います。少子高齢化、人口減少問題で、地域社会に変化を与え、地域コミュニティの低下や今まで何げなく続いてきた地域の組織や地域での取り組みが崩れてきているのは明らかであります。地域で何か目的を持ち、集うことができること、地域住民が共通な問題意識を持てるのは何か。それは自分の通った学校、子供たちがお世話になった学校、自分を育ててくれた場所、仲間や思い出、私は学校であるように思います。子供たちのために地域で何かできないか。地域の学校は自分たちの学校、地域の子供は自分たちの子供という意識を持ち、自分たちの学校をよくするという意識が自分たちの地域をよくするという意識につながります。
地域活性化につながるように思いますから、いろいろな団体が集まり、これからますます進む人口減少、地域コミュニティの立て直しを考え、学校を核にした新しい地域体制づくりを考えてみてはどうかと私は思います。当局のお考えをお聞きします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育長。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 学校を核にした新しい地域体制ということでございます。田辺市教育委員会といたしましては、これまで確かな学力、豊かな心、健やかな体とたくましい体力を育てるために、基礎基本の徹底、それとともに学校・家庭・地域が一体となって子育てや地域づくりに取り組むために学社融合の推進、この2本を田辺市教育行政の重要な柱に位置づけて取り組みを進めてまいりました。
学社融合事業では、学校、家庭、地域のつながりを大切にし、それぞれの地域や学校によって違いがございますけれども、それぞれの地域が有する人材や地域の特色を生かしながら、子供たちが地域の歴史や文化、生活の知恵の工夫などを学び、子供たちのふるさとへの誇りや愛着心を育むとともに、家庭や地域における教育力の充実と地域全体で子供を育てる体制づくりに取り組んできました。
また、地域の方々にとっても、自分自身の経験を子供たちに伝えることに一人一人が生きがいを感じ、日々の学びの成果を地域で生かすことができる機会となるとともに、地域の伝統文化の継承や地域の活性化にもつながってきたものと考えてございます。
一方で、国でも学校と地域住民、保護者が力を合わせて子供たちを育む地域とともにある学校を目指して、将来の地域を担う人材の育成や学校を核とした地域づくりを推進するために、公立学校に学校運営委員会、いわゆるコミュニティスクールを導入する取り組みがこれまでも進められてきました。
また、和歌山県教育委員会では、平成29年度から学校や地域が抱える課題を解決するとともに、地域を担う人材を育成するために、これまでのきのくに共育コミュニティ事業を充実させながら、学校と地域が連携、協働し、当事者意識を持って子供の成長を支えていく学校づくりを進めるきのくにコミュニティスクールを県下の公立学校の全てに導入するための準備が進められております。
そうした国や県のコミュニティスクールの導入に向けた流れを踏まえ、田辺市教育委員会はこれまで取り組んできた学社融合事業による組織体制をさらに充実、発展させ、学校、家庭、地域が連携、協働する仕組みづくりに引き続き取り組んでいきたいと考えてございます。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 引き続いて、新しいサポートセンターの必要についてお伺いしたいと思います。
今まで公民館などを通じて、地域のつながりを考えてきましたが、地域の行事への参加者が少なくなってきている。地域のつながりを育むような新しい地域づくりの仕組みを考えていくべきだと考えます。当局のお考えをお聞きします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育長。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 議員御質問の新しい地域づくりの仕組みを考えていくべきではないかについてお答えいたします。
地域の課題解決や新たな地域づくりを進める上では、何よりも住民同士のつながりを築いていくことが大切であると考えております。
そのために、これまでも地域の各種団体と連携を図り、気軽に集える機会や場を提供し、住民の交流促進に努めてまいりました。今後も将来の地域づくりに向け、公民館の果たす役割はより一層大切になってくると考えております。しかしながら、公民館役員、参加者の固定化や高齢化、参加人数が少ないといった多くの課題が生じており、一方では近年の公民館活動は多種多様で活動の幅も広がっていることから、これまでの事業を精査しながら、地域の実情を踏まえた事業展開を図っていく必要があると考えております。
これからの地域づくりをどのように進めるのか、また、将来を担う子供たちの生きる力を育むためにはどのように取り組んでいくべきか。そうした地域や学校での課題に対して学校、家庭、地域が一体となって学校を核とした地域体制を構築し、地域ぐるみで子育てや地域づくりに取り組んでいく体制づくりが重要であると考えております。今後、他の市町村の先進事例や学校や町内会などの関係機関との情報交換等を通して、地域のつながりをより強め、地域力向上のためにどのような仕組みが最も適しているか、地域づくりの仕組みをそれぞれの地域の実情に応じて協議検討してまいりたいと考えております。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 御答弁ありがとうございます。会津小学校の学童保育所に通う児童数は1年生から3年生を合わせて100名近くの児童が利用しています。少子化が続く中で、児童数の減少はあるが、これからの時代の流れの中で学童保育所だけでは補うことができないことも想定していかなくてはいけないと思います。午後6時以降でも子供たちが安心できる居場所が必要であるように感じます。
そのような中で、会津校区は田辺市の約2割近い人が生活する中で、以前から公共施設が少ない地域であります。図書館初め既存の公共施設は無理だと考えますが、これからの新しい時代に合った子供たちからお年寄りまで全ての人が支え合いながら活動できる学校と連携したサポートセンターが必要であるように感じます。
当局のお考えをお聞きいたします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育長。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 議員御質問の新しい地域住民が交流を深める場としてのサポートセンターを地域に設けることが必要ではないかということについてお答えいたします。
これまで地域づくりを進めるために公民館では、地域住民の身近な学習の場や交流の場として、地域の人々が出会い、ふれあい、交流を深め、それぞれの地域の現状や課題について意見を共有しながら地域課題の解決や新たな価値の創造のため学びや取り組みを進めてまいりました。
そうした取り組みは、地域づくりを実践する人を育むとともに地域力の向上にもつながり、公民館は地域づくりの拠点施設として大きな役割を果たしてきたと考えています。議員御指摘の地域住民が交流を深める場としてのサポートセンターについては、地域の既存施設を有効活用し、関係機関とも連携を図りつつ、そうした公民館活動に合わせて、これまでも学校、家庭、地域が一体となって取り組みを進めている学社融合事業をさらに充実発展させ、学校と公民館を核とした組織体制の再構築を図ることで、地域コミュニティの維持活性化のために努めてまいりたいと考えてございますので、御理解をいただきたい。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 今回、家庭教育、地域力の低下について質問させていただきました。地域社会の変化の中で、親子で学び育ち、人と人が支え合う環境が崩れてきている。仕事が優先になり、基本的な生活習慣、ライフスタイルが崩れてきているように思います。このライフスタイルの崩れは、子供にとり学習意欲や体力の低下となり、非行の原因にもなると書かれていました。このライフスタイルの崩れが、家庭教育の低下を引き起こしているように感じます。家庭のライフスタイルがきちんとできている家庭、できていない家庭の子供たちの格差がつながっているように感じます。田辺地域は、それほど悪い面は出てきていないのですが、少しずつ崩れているということを認識し、これからの時代に合った取り組みを考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
続いて、2項目めの沿岸部の保育所における津波対策についてお聞きしたいと思います。3月11日、東日本大震災から6年がたちました。その当時の映像がテレビで流されていました。想定外の被害で多くのとうとい命が奪われました。自然災害としては最も大きな人的被害を与え、その中に保育所、幼稚園の園児が多く含まれているとお聞きします。この田辺地域も南海トラフ沿いの巨大地震を想定しなくてはいけません。巨大地震や津波が起こり得るという可能性を受けとめ、意識の向上が必要だと感じます。
そのような中で、田辺沿岸地域を見ますと、沿岸部に立地している保育所が6園あり、保育園は災害弱者、避難弱者であるゼロ歳児からの子供たちを預かりお世話されています。
沿岸部の立地を見ますと、災害時に先生方が、子供たちを連れ、短時間で高台へ避難させることができるのか、これで大丈夫なのかという不安を感じます。園長先生のお話を聞く中で、職員はどのような場合でも子供の命を守り、安全に保育することを常に考え、元気に登園した姿で帰宅してもらうことを日々考えている。しかし、災害のことを考えると不安だとお聞きしました。
当局におかれましても、巨大地震を想定した対策はされていますが、保育園での災害時の危機管理の取り組みについてお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。田辺市内では、公立保育所が16園、民間保育所が7園、認定こども園が2園の計25園が運営されており、そのうち、沿岸部に位置している保育所は、公立が牟婁、みどり、もとまちの3園、民間が芳養、扇ヶ浜、わんぱくの3園で、この6園に通所している児童数は404人となっています。浸水域に位置している保育所まで拡大いたしますと、公立が3園、民間が4園、認定こども園が1園で8園となり、通所している児童数は638人となっています。市内の各保育所では、従前より防災計画を刷新して、南海トラフの巨大地震及び東海・東南海・南海3連動地震による津波浸水地域を想定した新たな防災計画に基づき、防災対策の総合的な推進を図っているところであります。
いずれの保育所も職員、児童ともに津波に対する意識は高く、定期的に避難訓練を実施するなど、避難施設へ迅速に移動する意識が年々高まってきていると感じているところであります。
また、本市では、平成25年度に全ての保育所、幼稚園、小中学校に緊急地震速報装置を整備し、いち早く避難所へ移動するシステムを構築するとともに、平成24年度から3カ年計画で低年齢児に対応するための避難車、おんぶひも、防災頭巾、さらには津波を題材にした啓発用の紙芝居の購入など、津波に対応するための備品等の整備も進めてまいりました。加えて、平成28年3月には、ライオンズクラブからライフジャケットの寄贈を受けており、各保育所においては、保育士が迅速に活用できるよう研修を受けるなど、沿岸部に位置する保育所への津波対策が図られているところであります。
津波対策については、行政のみで完結できるものではなく、地域社会と一体となって行わなければならないものであることから、今後も引き続き県や市主催の避難訓練に積極的に参加していただくなど、市民の皆様の防災意識の向上に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 田辺市では、災害時を考えて、庁舎の移転について検討されています。避難弱者であるゼロ歳児から6歳児までの子供が通所している保育所についても高台へ移転するべきだと私は考えます。これにより、児童の安全が確保されるとともに、何よりも保護者が子供を保育所に預けて安心して働けるものであると考えます。当局はこのことについてどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。議員御指摘の沿岸部における保育所の高台への移転整備につきましては、現状平成19年3月に策定しております第1次田辺市総合計画には位置づけておりませんが、平成28年7月に策定しています田辺市津波避難困難地域解消計画に基づきますと、沿岸部に最も近い牟婁保育所は、現状田辺第3小学校に避難することとなりますが、本計画に基づき江川地区に新たに津波避難施設を整備した場合、14分から15分かかる避難所要時間が9分から10分に短縮されることになります。このように沿岸部の保育所の津波対策については、定期的な避難訓練を継続する一方で、田辺市津波避難困難地域解消計画との整合性を図りながら、総合的に検討してまいりたいと考えておりますが、まずは大きな地震が発生した際には津波の発生を想定し、いち早く避難施設まで移動することを日常の訓練から取り組んでまいりたいと考えております。
また、田辺市では、平成27年3月に田辺市子ども子育て支援事業計画を策定し、平成27年度から31年度までの5年間の教育・保育の量の見込み及び確保方策を定めております。次の計画期間は平成32年度から36年度までの5カ年となりますので、平成30年度に教育・保育の量の見込みを算定するためのニーズ調査を実施し、平成31年度に新たな田辺市子ども子育て支援事業計画を策定することになります。
移転整備については、今後の5年間の保育の量の見込みとの整合性を図ることも重要であることから、まずは国が定める予定のニーズ調査に基づき、教育・保育の必要量の把握に努め、あわせて確保方策について、田辺市子ども子育て会議においても十分に議論してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 現状では、平成19年3月に策定された第1次田辺市総合計画に位置づけられていないので、高台移転は難しいとの答弁をいただきました。そこで、今、第2次田辺市総合計画が策定の準備に入っています。市議会でも特別委員会が設置され、検討されているところであります。その内容はまだわかりませんが、総合計画の中に沿岸部にある避難弱者であるゼロ歳児から預かる保育所の高台移転の計画を入れるべきだと私は思います。そのことにより、安心して子供を預け、仕事ができる環境ができると思います。
当局のお考えをお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
第2次田辺市総合計画につきましては、現在、その内容について最終的な調整に入っているところであり、次の定例会において担当する部署より説明がなされる予定でございます。議員御指摘の高台への移転につきましては、地域の皆様の声を聞かせていただくとともに、策定済みであります田辺市津波避難困難地域解消計画と平成31年度に新たに策定予定となる田辺市子ども子育て支援事業計画との整合性を図ってまいりたいと考えております。
先ほども申し上げましたが、子ども子育て支援事業計画を策定するには、国で示される予定の教育、保育の必要量を把握するためのニーズ調査が重要となってまいります。その数値をもとに、低年齢児のニーズとその確保方策について田辺市子ども子育て会議において協議してまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 想定外の津波が来る可能性があるかもわかりません。保育士の方々は園児の命を必ず守るという思いで日々子供に接してくれていると思います。もう一度現場を見ていただいて、切にお願いして私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、8番、二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時26分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 0時59分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、14番、松下泰子君の登壇を許可いたします。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 14番議員、松下泰子です。今回で私が議員としての最後の一般質問になります。この4期15年間ほとんど毎議会質問してまいりましたが、これが最後となると、このこともあのこともと心残りになってきましたので、今回4項目と盛りだくさんになってしまいましたが、最後までよろしくお願い申し上げます。
それでは、1番目のジオパークについてから質問いたします。平成26年8月に南紀熊野ジオパークが日本ジオパークに認定されました。しかし、田辺市がその協議会に参画していなかったことから、その9月議会で私はなぜ田辺市が南紀熊野ジオパーク推進協議会に参加しなかったのか、その経緯などを質問いたしました。
当時は、ジオパークという言葉自体なじみが薄く、庁内関係部署や関係団体と協議をしてもなかなかぴんとこなかったのが、正直なところではなかったでしょうか。その後、私は田辺市も推進協議会に入ったほうがよい、入るべきだという意見をお持ちの方々に声をかけ、田辺ジオパーク研究会を立ち上げました。そして、発足記念講演会を開催しましたところ、100名近い方々に参加いただきました。私は内心、ジオパークについてこれほど多くの人たちが関心を持っているのかと驚きました。そして、平成27年度の活動として、田辺市内のジオサイトを巡る見学会を、南紀熊野ジオパーク推進協議会の学術専門委員である中屋志津男先生の御指導のもと10回開催したところ、毎回20名ほどの参加がありました。
2月には、南紀熊野ジオパーク推進協議会の学術専門委員会委員長であった鈴木博之先生に御講演いただきました。また、平成28年度は4回のジオサイト見学会を行ったほか、今まで行った市内のジオサイトについて、その地質や生物、文化や産業などについてまとめて冊子にする活動を行っているところです。そしてその冊子は、平成29年度には完成する予定になっております。
このほかにも、ジオパークフェスタや環境省、田辺自然保護管事務所のイベント等で田辺市内のジオサイトのパネルや岩石の展示などを積極的に行ってきました。これらのことから田辺の人たちが今一番元気やなとよくジオパーク関係者から言われました。この田辺ジオパーク研究会には、天神崎を大切にする会や
田辺観光ボランティアガイドの会、熊野百間渓谷自然学校が団体加盟しており、個人会員が約60名となっております。
一方、南紀熊野ジオパーク推進協議会では、ここ5年間毎年ジオパークガイド養成講座を行っており、今年度で120名のジオガイドが修了資格を得ておりますが、そのうち田辺市内の人が15名ほどおられるということです。
このように、平成26年度当初と比べますと、格段にジオパークの知名度は高くなっているとともに、田辺市内での機運も盛り上がっていると私は強く感じます。市行政におきましては、当時市政10周年記念事業や和歌山
国体などを控え、大変多忙な時期であったと思いますが、現在はそれも終えて、新たな10年に向けて未来につながる事業に取り組む時期となっております。
田辺市が世界遺産のまちとして、息の長い観光を目指しているとしたら、熊野古道や梅システムがこの田辺市域のジオ(大地)をベースにしていることは明らかであり、ともに保全、活用することが当然であると考えます。
また、ジオパークに取り組むことにより、熊野古道から外れている龍神村や大塔村でのキャンプやトレッキング、エコツアーなど、観光面だけでなく、教育や防災の学習として地元の人たちや子供たちの誇りにつながるものでもあります。それからもう一つ、南紀熊野ジオパーク推進協議会の現在は、顧問をしておられる鈴木博之先生から、今回の質問のために田辺市域が南紀熊野ジオパークに参加することの意義という所見をいただいておりますので、参考資料をごらんください。
この前段として、南紀熊野の第一の特徴という8ページものの資料もいただいておりますが、残念ながら私の技量では簡単に説明する時間もありませんので、こちらのほうの1枚ものだけ参考資料にさせていただきました。
現在の南紀熊野ジオパークの意義としては、7項目挙げられておりますが、その部分は見ておいていただきたいと思います。そして、田辺市域への地域拡大の意義は現在のジオパーク領域では、一部の付加体しか見られないが、田辺市域を含めて初めて付加体の発展史が完全に観察可能となり、プレートの沈み込みによる大地形成過程を示す三位一体の地質体、付加体・前弧海盆体積体・火成岩体が完全なものとなり、日本を代表するジオパークとなり得るということで、鈴木先生は田辺市域が南紀熊野ジオパークに入れば、鬼に金棒であるとおっしゃっています。
このように、田辺市域は専門家が太鼓判を押すジオサイトを有し、田辺市民も大いに盛り上がっている状況であると私は考えます。
一方、県では1回目の日本認定の更新時期を迎えることや世界ジオパークを目指す準備として、串本町に平成29年度ジオパークセンターが建設されます。南紀熊野ジオパークの取り組みがどんどん進んでいくのに対し、田辺市がジオパークへの取り組みが遅くなればなるほど不利になってくるのではないかと考えます。このようなことから、市はジオパーク推進に取り組む考えはあるのかどうかお伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 14番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、松川靖弘君。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えします。
まず、ジオパークに関するこれまでの動向についてでございますが、平成26年8月28日に紀南9市町村エリアの南紀熊野地域が日本ジオパークに認定され、それ以降、全国的に見まして、新潟県の苗場山麓など国内の8地域が日本ジオパークの認定を受け、さらに阿蘇や北海道のアポイ岳が世界ジオパークに認定されている状況でございます。
そうした中で、南紀熊野ジオパーク推進協議会におきましては、ユネスコ世界ジオパークの認定を目指し、申請に向けた作業を進めるとともに、地震火山こどもサマースクールなどの教育学習への取り組みを初め、ジオツアーやジオガイド養成講座等の観光振興を視野に入れた事業に取り組まれているところです。
また、ユネスコ世界ジオパークの認定においては、一筆書きで示される単一の領域と定められていることから、本年1月、奈良県十津川村や県内5地域の一部をエリアに編入して飛び地を解消するとともに、ジオパークの調査研究や地域の魅力を広く発信する拠点施設、南紀熊野ジオパークセンターを串本町に整備する予定であり、県からはユネスコ世界ジオパーク認定に向けた取り組みをさらに推進していくとのことと聞いてございます。
一方、田辺市内におきましては、平成27年1月に地域の魅力的資源を守り、育て、次世代へと継承していくことを目的とした市民の融資による田辺ジオパーク研究会が発足され、先ほども議員から御紹介がございましたように、これまでの2年間、講演会の開催やホームページ等による情報発信に加え、田辺周辺の地質や地層などジオサイトの巡検活動を実施されており、市といたしましても、平成27年度において当研究会の活動に対し、みんなでまちづくり補助金による支援をさせていただいたところであります。
こうした中で、議員御質問のジオパークを推進していくことについてでございますが、田辺市が南紀熊野ジオパーク推進協議会へ新たに参画する場合には、軽微な変更だけではなく、再度一から日本ジオパーク認定を受け直す必要があるという課題もございます。
一方では、先ほども申し上げましたが、現在、当協議会におきましては、ユネスコ世界ジオパーク認定を目指し、申請に向けた作業を進められている中で、市といたしましては、そうした状況に十分配慮する必要があることから、南紀熊野ジオパーク推進協議会への参画につきましては、今後とも当協議会の動向を注視するとともに、しかるべきタイミング等を見きわめた上で、所要の取り組みについて検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 引き続き検討していくということでございました。ジオパークは観光と教育を通して地域を元気にする活動であり、上秋津では既にジオパーク教育が始まっております。昨年5月には、上秋津中学校1年生の理科の授業で、奇絶峡はどうやってできたのかというテーマで、現地で1時間、当会員が説明したそうです。ジオパークの活動は市内全域どこでも展開が可能で、子供たちのふるさと教育や学社融合にも大変よい教材です。市におかれましても、前向きな御決断を早く出していただけますことを期待いたしまして、この質問は終わります。
2番目に、味光路かいわいの汚水処理についてお伺いします。
この質問も平成27年3月議会で駅前周辺の公共下水道についてということでいたしました。その後も、平成20年から9年近く活動している南紀田辺まちづくり研究会において、田辺市の活性化のためには、駅前周辺、特に味光路の汚水処理の整備は不可欠だということで、いろいろ研究議論をしてまいりました。それは、味光路かいわいが市民にとっても観光客にとっても、田辺市の大変重要な資源であると思うからです。
私は、視察などで随分多くの地方都市を訪問する機会をいただきましたが、田辺市以上の中規模都市でも、味光路ほど飲食店、酒場等が集積したところはないように思います。そして、安くて新鮮な魚を当たり外れなくどの店に入ってもおいしく食べることができるのは、県下でも唯一味光路だと言えます。この夜の町の魅力は、だんだん知られるようになってきて、白浜に泊まっていても、わざわざタクシーでやってくるお客さんもふえていると聞きます。
このほど鬪鶏神社の世界遺産追加登録により、まちなか観光の重要性が言われているところですが、熊野古道へ行く前に、おいしいランチを食べてもらい、町なかを周遊し、夜は味光路で一杯やって宿泊する。これが田辺の楽しみ方の定番にならないものでしょうか。食は観光の大きな要素ですが、味光路の観光的価値をどのように捉えておられるのか、まずお伺いします。
次に、味光路かいわいは、夜の飲食街としての価値は高いと思いますが、昼間はどうでしょうか。観光案内センターでも昼食を食べるところをよく聞かれるということですが、味光路でランチができるところはごくわずかです。私は、味光路が昼間も飲食街として誇れるようになってほしいものだと思いますが、明るい間はあまりよい雰囲気だとは言えません。特に、夏場、雨の日などに行くと、何か嫌なにおいもしてきます。御存じのように、味光路の汚水処理は田辺市内でも最悪の状況になっています。平成20年に市が策定した公共下水道基本計画において、味光路周辺の160棟の建物の調査結果を見てみますと、合併処理浄化槽は9棟、単独処理浄化槽が110棟、くみ取りが34棟、倉庫などの排水を出さない建物が7棟でした。この数字は驚異的だと思いませんか。あれほどの飲食街で単独処理浄化槽とくみ取りで90%を占め、し尿以外の雑排水は垂れ流しの状態ですから、背戸川がきれいになるはずがありません。
根本的な汚水処理を考えなければ、観光振興を幾ら打ち上げても魅力あるまちづくりとは言えません。まちづくり研究会では、観光都市工学の専門である和歌山工業高等専門学校の先生や、浄化槽メーカーの方に何度かお話を伺ったところ、味光路のような地区限定とした浄化槽の設置は、現在ある駐車場のような空間を利用すれば可能であり、広域下水道に比べれば、建築費の低廉化と早期供用開始ができる利点があるということでした。
味光路エリアの6,000人から8,000人という規模の大きさから環境省のコミュニティプラントとするのか、国土交通省の公共下水道とするのか、その手法や技術を研究する必要があると思いますが、それらの技術は日進月歩で町なかでもコンパクトで悪臭を出さない処理ができるようになってきているそうです。
しかし、一番の問題は、事業費がどれぐらいかかるのか。地元負担として、つなぎ込み費用等や維持費にどれぐらいかかるのかがネックになってきます。どこの自治体でも、公共下水道といえば、一般財源にまで赤字が食い込んできていることが問題視されていることから、市もなかなか事業を着手できないことは理解するところですが、冒頭申し上げましたように、この地域の重要性から具体的なエリア指定と手法を決めて試算を出していただきたいと思います。
そのことにより、地元の方々も理解が深まりつなぎ込みが促進することと考えます。前回質問してからこの地域に合った手法等の研究はどの程度進んでいるのか、お伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の1点目については私から、2点目については担当部長からお答えいたします。
本市では、
世界文化遺産に登録された熊野古道を初め、豊かな観光資源が数多く存在しており、また、食につきましても、本市の観光資源として捉えており、田辺市熊野ツーリズムビューローや各観光協会との連携のもと、広く情報を発信しているところです。
本市で食事を楽しむ場所となると紀伊田辺駅近くにある数多くの飲食店が集積している味光路があり、豊かな山、海の幸を味わうことができることから、週末ともなると多くの人でにぎわっています。また、味光路エリア内の飲食店やテナントのオーナー等が会員となっています味光路振興会におかれましても、ホームページの開設や味光路マップの作成、味光路区域の案内看板の整備等、誘客促進のための情報発信や受け入れ態勢の充実に取り組まれています。
さらに、昨年10月に市街地にある鬪鶏神社等が
世界文化遺産に追加登録されたことを記念し開催したイベントでは、南紀田辺うめぇバルと連携し、味光路を中心としたにぎわいの中で市民の皆様と登録をお祝いしました。
市としましても、味光路につきましては、本市の豊かな食の魅力を楽しめる観光的価値の高いエリアであると認識しておりまして、多くの来訪者に町なかを散策していただいた後に、夕食を楽しんでもらうことで滞留時間の増大を図り、地域の活性化につなげてまいりたいと考えていますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長、小川 鏡君。
(
市民環境部長 小川 鏡君 登壇)
○
市民環境部長(小川 鏡君) それでは、2点目の御質問、公共下水道、集合排水処理等、味光路に合った手法の研究はどの程度進んでいるのかについてお答えいたします。
田辺市における生活排水対策につきましては、平成27年3月議会で御答弁させていただきましたとおり、現在、田辺市生活排水等浄化対策連絡調整会議において研究を行っているところであります。
具体的には、関係課で構成する幹事会を定期的に開催し、田辺市全体の生活排水対策の現状及び課題について共通認識を図るとともに、公共下水道事業を実施しております自治体の事例について調査研究も行ってまいりました。
そうした中、味光路かいわいの汚水処理につきましては、公共下水道計画処理区域であるため、公共下水道事業による整備のほか、味光路の区域に限定した地域し尿処理施設、コミュニティプラントや個別の合併処理浄化槽による可能性についても検討してまいりました。
まず、コミュニティプラント事業につきましては、採択要件は計画処理人口が101人以上3万人未満で、基本的には、公共下水道計画処理区域外において新規に開発されます団地や住宅地、農産漁村の既存の小集落の面整備を対象としておりますが、味光路区域を対象として検討いたしましたところ、計画処理人口が約6,400人規模になることから、味光路区域内での終末処理場の建設については、用地の確保に課題がございます。また、味光路外の場所に終末処理場を建設する場合は、管路の延長に係る建設費の問題や近隣住民の理解をどのように得るのかといった課題がございます。
なお、合併処理浄化槽につきましては、公共下水道計画処理区域内においても補助金を支出し、普及促進を図っているところであり、公共下水道事業やコミュニティプラント事業に比べて建設費が安価であることや、整備が短期間であることなどのメリットがあるものの、味光路かいわいの飲食店は敷地が狭隘なため、設置場所の確保が困難であるという課題があります。
以上のような検討をする中、味光路を含む商店街の方々ともさまざまな課題について意見交換も行ってまいりました。今後におきましても、味光路かいわいの汚水処理につきましては、市全体の生活排水対策との整合性を図りつつ、汚水処理方法それぞれの特徴や課題を踏まえ、研究を重ねてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。以上でございます。
(
市民環境部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 市長から、味光路の観光的価値は高い地域であるという認識はしており、その環境整備の研究はしていただいているということでした。それと地元商店街との意見交換を行っていただいたということは、一歩前進したことと思ってはおりますが、やはりその意見交換会の中でも費用面のことが具体的にならないことには話には乗れないといったところだったと伺っております。今後は、より具体的な取り組みを進めていただきたいと思います。私は技術的なことは余りわかりませんが、浄化槽プラントを建設する際、処理汚水をバイオマス発電に活用することにより、維持経費の削減になることや売電により建設費の改修の一助にもなるという技術もあるように聞いております。
また、それぞれの飲食店の配水管の口にディスポーザ、生ごみ粉砕機を設置することにより、生ごみがなくなり、ごみ減量ができます。また、ネズミやゴキブリ等の発生を抑制できることなどの利点もありますので、あわせて研究していただきたいと思います。
このような先進的な取り組みは、和歌山高専や大学、企業の方の参画を得て、産官学の連携によりモデル事業的に展開することも一案ではないかと考えます。田辺市にとって大きな事業になりますが、未来につながる道として、大いに大事な事業であると考えますので、積極的な取り組みをお願いいたします。
次に、三つ目に近露王子宮殿について質問いたします。
この宮殿については、平成25年と26年に質問させていただきました。簡単に経過を申し上げますと、平成22年に中辺路町近露の旧野長瀬晩花の生家を改修する際、近露王子本殿内に祭られていた宮殿が偶然発見されました。これは江戸時代中期につくられたものですが、明治時代末期、神社合祀の変革が吹き荒れたとき、南方熊楠と野長瀬晩花兄弟が反対運動に奔走し、宮殿の保存を図ろうと晩花の家の天井裏に隠したものであると思われています。
その後、この宮殿は田辺市指定文化財として指定されました。そして、その保管場所について、中辺路から出さないでほしいという地元の方々からの要望があり、中辺路行政局に一時保管されていましたが、私も何度か美術館と交渉しました結果、現在は、なかへち美術館の倉庫に保管されております。
また、前回の質問では、野長瀬晩花の企画展などに合わせて展示をすれば、観光資源としても活用できるのではないかということを申し上げましたが、その後も美術館に保管されたままで、一般の者は見えなくなっています。そこで、平成29年は南方熊楠翁生誕150周年に当たり、記念事業が企画されております。南方熊楠の神社合祀の反対運動は翁の偉業の一端をあらわすものであり、ストーリー性があり、興味深いものであります。これを機会に、この歴史的、文化的価値を有した宮殿を一般公開できないものかと考えますが、市はどのようにお考えでしょうか。
また、今後はこの宮殿の常設展示など、よりよい保存や活用方法などをどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の旧近露王子神社宮殿についてお答えいたします。
この宮殿は、旧近露王子神社本殿内に祭られていた御神体を納めるための厨子と考えられているものです。近露王子神社は、明治政府が進めた神社合祀政策により明治41年に合祀され、本殿を含む社殿は取り壊されたことから宮殿の行方も不明となっておりましたが、平成22年に野長瀬忠雄、晩花兄弟の生家、現在の田辺市近露観光交流館かめやに保存されているのが見つかり、現在は所有者及び地元の要望により熊野古道なかへち美術館に保管しています。この野長瀬兄弟は、南方熊楠と協力して旧近野村の神社合祀に反対したことが知られており、継桜王子の一方杉が現在に残された経緯も熊楠と野長瀬兄弟を初め、地元住民の反対運動によるものであることから、その意味でこの宮殿は熊楠翁にゆかりの深いものと言えることができます。
議員の南方熊楠翁生誕150周年記念に、熊楠翁の偉業の一端として宮殿の展示を行ったらどうかとの御質問でございますが、南方熊楠顕彰事業は田辺市と南方熊楠顕彰会との官民協働により、その折々に合ったテーマに沿って顕彰事業を展開しているところでございまして、平成26年の世界遺産登録10周年の際には、月例展「野長瀬忠雄・弘男(晩花)兄弟」や特別企画展「南方熊楠と熊野古道」の開催、またウオークイベントとして、「南方を訪ねてin近露」を実施してきているところであります。
熊楠翁生誕150周年を迎える平成29年度につきましては、変形菌の国際学会と連携した特別企画展など熊楠翁の研究業績を中心とした顕彰事業を展開する予定としていることから、記念事業として宮殿の展示については難しいものと考えております。
次に、今後、地元近露で常設展示ができないかとの御質問でございますが、この宮殿は個人所有であり、展示についてはまず所有者や地元の意向が尊重されなければなりません。また、展示施設をどこにするかも大きな問題です。例えば、野長瀬兄弟の生家、現在の田辺市近露観光交流館かめやでの展示も考えられますが、指定管理者制度を採用している交流館においては、観光面や施設運営面だけでなく、管理・保安面でも難しい点がございます。こうしたことから、地元近露での常設展示につきましては、所有者や関係者、地元の方々との間で十分検討されるべき課題であると考えております。
なお、この宮殿や熊楠翁研究で新たな知見が得られた場合、またこの宮殿が必要とされる特別展・企画展など常設展示によらない一時的な展示につきましては、所有者等の理解を得る中で取り組めればと考えておりますので、御理解賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 南方熊楠顕彰事業は、既に年間を通して決まっているということで、今回も宮殿は日の目を見ないことになるということです。せっかくの市の指定文化財ですので、宝の持ちぐされにならないように活用を考えていただきたいと思います。
所有者、地元の方々は中辺路から出さないでほしいということですので、歴史民俗資料館に移すというわけにもいきません。だとすると、旧野長瀬晩花の生家が今は観光交流館かめやになっておりますので、本来的にはそこに展示するのが最善であると思います。セキュリティが整った展示ケースなどが設置できますようでしたら、南方熊楠を含めた観光スポットにもなることと思います。このようないろいろな方法も考えていただいて、今後の活用法をしっかり活用できるという方向で考えていただけますように要望したいと思います。
それでは、4点目の不登校問題についてお伺いいたします。
この問題は、私の議員生活の中心的課題であり、15年前の初登壇のときから何回も質問してきました。当初質問しましたのは、適応指導教室がせっかく設置されているにもかかわらず、閑古鳥が鳴いている状況であったことを問題にしました。15年前が不登校生が少なかったわけではなく、適応指導教室の機能が果たされていなかったということでしたが、その後、先生方は熱心にさまざまな取り組みをしてくださるようになり、触れ合い教室は大変充実されてきました。
そして最近では、学校に行けなくても多くの人たちの前で演劇ができるようになり、私たちに大きな感動を与えてくれるようになりました。しかし、不登校の児童生徒は依然として多く、特に和歌山県は全国平均より高い状況が続いています。田辺市におきましても、平成26年度93人、27年度が83人と一時は減少した時期もありましたが、再び増加傾向にあります。そして、深刻化して長期の引きこもり状態に陥っているケースも少なからずあります。何とか在学中に学校復帰ができたらよいのですが、その対応が学校によって違いがあるように感じます。
特に、各学校に配置されるようになったスクールカウンセラーの活用が十分なのか、気がかりなところです。
そこで、市内12の中学校に配置されたスクールカウンセラーの相談件数の実績を教育委員会にお伺いいたしましたところ、1回平均の相談件数が1.1件から7.3件と学校によってかなり開きがあります。また、学校内で相談した関係機関ではスクールカウンセラーより養護教諭のほうが多くなっているということをお聞きしました。小規模校と大規模校との差はあると思いますが、問題が余りなくて相談件数が少ないのか。問題はあるがスクールカウンセラーにつながっていないのか、もし養護教諭だけでとまっているとしたら、やはり専門知識を有するスクールカウンセラーをさらに活用する必要があると思います。
私が知っているケースでは、いじめが絡んだかなり難しいケースであったにもかかわらず、スクールカウンセラーに相談するまでに随分時間がかかっていて、もっと早く相談していたらこれほどこじれることはなかったのではないかと思うことがありました。せっかくの専門家が学校内にいるにもかかわらず、どうして相談できていなかったのだろうと不審に感じました。もちろんスクールカウンセラーの経験量や生徒との相性もあると思いますが、もっと先生方との連携を深めたり、家庭への広報などを含め、積極的な活用を進めていただきたいと思いますが、どのようにお考えなのかお聞かせください。
二つ目に不登校の要因はさまざまで複雑になっています。また、いじめや発達障害、虐待、非行などのほかにも生活困窮の問題が新たな課題となっております。そのような家庭の子供の中には、不登校である場合や学習のおくれにつながっている場合があります。
子供が安心して勉学に励めるように、家庭との連携は欠かせませんが、多忙な先生が問題ある家庭に対応するのは大変難しいものがあると思います。私が所属しているNPO法人では、生活困窮者自立促進支援事業として、小中高校生の無料塾を今年度から始めておりますが、なかなか必要な家庭に支援が届いていないように感じます。
学校では、ある程度そのような家庭を把握していると思いますが、無料塾があるので行ったらどうですかとはなかなか言いにくいことは理解できます。
このような場合なども含めて、専門的な見立てや家庭との橋渡しをするスクールソーシャルワーカーの役割が必要になっています。現在、適応指導教室に1名配置されておりますが、わずか週1.5日の勤務ということで、多くのケースを扱うことができる状態ではありません。前回の質問でも申し上げましたが、さまざまな課題を抱える子供たちがふえている中で、スクールソーシャルワーカーの増員が必要であると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
三つ目に、不登校の予防についてですが、もちろん各学校では不登校生徒を出さないような学級づくりに取り組んでおられることと思いますが、今回は一つの提案をしたいと思います。それは、認知行動療法に基づく心の健康を含む心理教育として、困難をはね返す力を伸ばすプログラム、「フレンズプログラム」を紹介したいと思います。
このプログラムはオーストラリアで開発され、世界20カ国で実施されております。日本では千葉大学大学院医学研究院が千葉県柏市内の保育園、小学校、中学校や適応指導教室において平成24年から行っています。5年目の結果として、社会的な場面や人前で何か行う場合、恥ずかしい思いをするのではないかという恐怖心や不安が確実に減少したということです。
また、プログラムの後の児童の感想はいろいろ人と普通にしゃべれるようになった。この事業をやって、友達とのかかわり方も少し変わってきて、友達とつき合いやすくなった。今までより人の気持ちを考えられるようになったなどの声がありました。詳しくこの場で説明する時間はありませんので、事前に教育委員会にはお渡ししていますが、既に和歌山市や白浜町、田辺では東部小学校で行われた実績があります。
このようなプログラムを活用して、不登校の未然防止に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがお考えなのかお伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育長、中村久仁生君。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 議員御質問の不登校問題について、まずスクールカウンセラーと学校の連携についてから御答弁をさせていただきます。
議員御指摘のように、スクールカウンセラーへの相談件数は、学校によって違いがあります。学校規模や相談内容、訪問回数などに違いがあることが要因の一つと考えられております。しかし、いずれにいたしましても、積極的な活用が望まれることは言うまでもありません。
教育委員会といたしましては、議員のおっしゃるような児童生徒・保護者への積極的な広報活動を大切にしながら、職員室でスクールカウンセラーと学校職員が話しやすい環境を確保したり、給食や掃除など学校内でスクールカウンセラーと児童生徒がかかわることができる場面を積極的に活用したりするなど、学校内で気楽にカウンセラーに相談できるような雰囲気づくりを行うことを通して、今後、より積極的なスクールカウンセラーの活用を進めていきたいと考えております。
2点目の新たな課題などへの対応として、スクールソーシャルワーカーの動員をということでございますが、議員御指摘のように不登校の要因というのは非常に多用で複雑になってきてございます。平成27年度の田辺市における調査でも、家庭状況が要因になっているもの、さまざまな要因が複合的に重なっているなど、多くの割合を占めてございます。
そのようなことから、現在は、学校だけで不登校の問題を解決するということは容易ではない状況にある。そのため、医療や福祉の視点から問題の要点を分析し、必要に応じて家庭や各機関と学校、そして本人との橋渡しをするスクールソーシャルワーカーの役割が非常に高まってきてございます。
現在田辺市にスクールソーシャルワーカーが派遣されておりますが、議員のおっしゃるとおり、勤務日数が限られております。それで十分なかかわりができないケースもございます。そのため教育委員会といたしましても、スクールソーシャルワーカーの充実に向けて、一生懸命検討を進めているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、不登校を未然に防ぐためのプログラムということでございますが、不登校の未然防止について議員の御指摘のように各学校では不登校に対するさまざまな取り組みを行ってございます。その結果として、現在、田辺市では不登校からの復帰率が非常に高く、各学校の取り組みの成果が出ている、このように言えるのではないかと思います。
しかしながら、新たに不登校になる児童生徒が非常に多いという現状もあり、結果としましては、毎年不登校児童生徒数が増加傾向にあると言えると思います。そのため、教育委員会といたしましては、新たな不登校を生まない取り組みが特に必要であると考えており、議員のおっしゃるようなプログラムを参考にさせていただいて、自分の気持ちを相手に伝えることができ、また相手の気持ちを受け入れられるような学級づくりをさらに進めていきたいと思ってございます。
新たな不登校生を生まない、そして現在、不登校の状態にある児童生徒が一日も早く学校に復帰できるよう、学校と教育委員会が一丸となって取り組みを進めてまいりたいと考えております。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 今回はよいお答えをいただいたと思っております。新年度からスクールソーシャルワーカーの充実に十分努めていくとおっしゃっていただきました。増員とまでいかなくとも、現在の週に1.5日から大幅に時間がふえるということを期待してもいいということでございましょうか。ということで、スクールソーシャルワーカーさんには家庭のみならず、民間団体や地域の方々との連携も深めていただけますように、今後の活躍を期待するところでございます。
子供たちの成長の過程では、さまざまな問題が発生しますし、家庭の状況も多様化して学校に求められることは大変多くなっています。それらは先生方の多忙化につながり、本来の教鞭や子供たちへの対応にだけ向き合っていられなくなっています。その解決策の一つとして、中学校のクラブ活動を民間スポーツクラブに委託してみてはどうかということも以前提案させていただきましたが、このような抜本的な改革も進めていってほしいものだと考えます。
私がこの不登校問題に取り組んできたのは、息子が小学校3年生からほぼ中学校卒業まで不登校であったことから、その子供本人や家族のつらさ、そしてそれを乗り越えるための難しさを十分わかるからです。この間、不登校の親の会の活動を長年行ってきた後、現在は引きこもり者の支援や生きづらさを抱える若者の自立支援の活動を行っています。この活動が私の市民活動の原点であり、今後も続けていかなければならないと思っております。問題を抱える市民みずからが動かなければ社会を変えることも、よくすることもできません。
私を議会に送り出してくれたのは、男女共同参画社会の実現のためには女性みずからが政策決定の場に行かなければならないと行動した女性たちです。しかしながら、なかなか声を上げることのできない人、日々の生活で精いっぱいの人たちも多くおります。その人たちの声を届けていくことが私の役割であると懸命に頑張ってまいりました。この15年間、多くの方々の御支援、御協力をいただき、ここまでやってくることができました。そして多くの市の職員さん方にお世話になり、育てていただいたことを心から感謝申し上げまして、私の最後の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、14番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合午後2時05分まで休憩いたします。
(午後 1時52分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時05分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、1番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 1番、日本共産党の真砂みよ子です。議長のお許しをいただきまして、登壇せずこの質問席で座って質問させていただきます。
今回、3項目について質問させていただきます。1点目は、生活道路と文里湾横断道路についてであります。
1点目の1番、市道の維持管理ということで聞かせていただきます。市民の皆さんから多くの御意見や要望をお聞きしています。その中でも多いのが道路に関する市民の皆さんの要望です。例えば、でこぼこがあるので舗装してほしい。車がタイヤを落としたのでガードレールをつけてほしい。また、小学生の通学路などで溝ぶたが欲しいとか、T字路で見にくいのでカーブミラーが欲しい。側溝の水はけが悪くて、蚊が発生する。何とかならないかなどなど数え上げればきりがありません。このような市道に関するものは、町内会を通じて市に要望することになっています。
そこで、町内会から上がってくる要望は、平成27年度では何件ありましたか。またそのうちの何件が27年度中に改修実現しましたか。またそれは何%でしょうか。お聞きします。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の町内会から上がってくる要望は、平成27年度は何件で、そのうち何%が実現したかについてお答えします。
平成27年度の町内会の要望件数は274件で、そのうち対応件数が66件で、実施率としましては約24%となっております。市としましては、限られた予算内での対応となりますが、町内会役員とともに、担当職員が現場の状況を確認し、緊急性などを考慮しまして、できるだけ地元要望に応えてまいりたいと考えております。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 平成27年度は実現が24%というお答えをいただきました。高いか低いかということを問う前に、274件が市民の要望だったということですが、それが市民の要望の全てなのかどうかということです。潜在している要望はないのでしょうか。市はどのように認識されていますか、お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員の御質問にお答えいたします。
各町内会から次年度の工事要望につきましては、毎年10月ごろに市に提出していただいております。市としましては、地域住民の方からの要望につきまして、全て各町内会から報告をいただいているものと認識しております。今後も一層連携を図りながら取り組むとともに、町内会以外の要望につきましても、要望箇所を確認の上、緊急性及び必要性の判断を行ってまいりたいと考えております。以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 例えば、一つの町内会に10件の要望があったとしても、それがその年度に1件か2件実現、改修できるのが実態だということで、10件あってもそれを全部市には届けないということもあると聞いています。ですから、要望が274件だったとしても、もっと市民の要望というのは潜在化しているのだと考えています。そういう意味で、実現率が24%というのが余りにも低いという思いでいます。
町内会から要望を上げるということになると公平性の担保というのは難しいかと思うのですが、例えば、公平性を保とうと思えば、同じようなスピードで要望を実現させていくということが大事だと思うのですが、例えば、A町内会の要望が上がってきてそれを実現した。次はB町内会の順番だけど、A町内会のほうから緊急性のあるような要望が上がってきた。こんなときはどういう対応をしておられるのでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員の御質問にお答えいたします。
緊急時の対応につきましても、先ほど申し上げました各町内会からの要望とは別に早急な対応が必要であるため、道路の維持補修工事として対応しております。市としましては、緊急時に各町内会から順位づけと関係なく現場の状況、緊急性などを考慮し、早期対応を心がけておりますので御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 公平性も大事ですが、緊急時の対応も本当に大事だと思うのですが、そうしたら緊急性のあるところの工事をすると、本当だったら順番が来ていたのにそこがされなかったということに結果的になるということで、それは本当に市民の願いがなかなか実現しないということで憂慮されることだと思います。
市民の皆さんの要望は本当にたくさんあって、24%ということはなかなか実現していないということだと思っています。何年も要望して待ったということも多々ありますし、市民の皆さんからは本当に要望が実現しないという不満の声を多く聞きます。
例えば、文里で神島高校から町内会館へ向かう、車1台が通れるぐらいの道幅の狭い道路があります。距離にしたら100メートルちょっとぐらいかと思う距離ですが、この道路は道幅が狭い道路ですので、車は余り通らないのですが、第二小学校、東陽中学校、神島高校への通学路になっています。そのためにたまに車が通ると、その子供たちを避けようとして、車のタイヤを溝に落とすということがよくあります。そのために溝ぶたをつけてほしいという要望が以前からも上がっていました。
本年1月にようやく側溝の工事が行われたのですが、わずかな距離にもかかわらず、半分しか工事が行われませんでした。予算がないという理由でした。せっかく予算をつけて工事を行ったのに、付近の住民の皆さんはがっかりしていました。本年度、全ての工事に予算がつかないなら、来年度に一緒にやってほしかったという方もいました。それがいいかどうかは別として、そういう意見の方もいらっしゃいました。せっかく予算をつけて工事を行っているのに、市民の皆さんから喜んでもらえない。これは残念だと感じました。
一方で、文里湾横断道路の建設の話が進んでいます。文里湾横断道路が必要な理由はたくさんありましたが、今までの議会でそれらについては論議していましたので、強いて同じことの論議はしませんが、この生活道路の維持管理と文里湾横断道路とどちらを優先させるべきなのでしょうか。どのようにお考えですか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
この文里湾横断道路構想に関しては、昭和50年代から田辺商工会議所を初めとする関係団体などによる要望活動が始まり、第1次田辺市総合計画においても地域間幹線道路として重要施策に位置づけし、県に対し文里湾横断道路構想の整備実現を要望してまいりました。
田辺市においては、平成26年度に文里湾横断道路構想の事業効果についての基礎資料を取りまとめ、交通混雑の緩和や交通安全の向上を初め、中心市街地の活性化や緊急時においてその整備効果があると改めて認識したところでございます。
また、南海トラフ巨大地震の津波想定による津波避難困難地域を解消するため、平成28年7月に田辺市津波避難困難地域解消計画を策定し、文里湾横断道路については、文里地区の津波避難困難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所としても位置づけし、県知事に対してその実現に向けた取り組みを要望しております。
昨年9月の和歌山県議会定例会において、田辺市と連携して進めていくよう指示をしたとの知事からの答弁があり、現在の状況としましては、県とともに検討を進める上で、必要な前提条件の整理を行うため、海上保安庁などの関係機関へのヒアリングを始めたところであり、県においてはルートを検討する上で必要な地図の作成などを行っていると伺っております。
このように、文里湾横断道路につきましては、広域にわたる観光、産業や交通渋滞の緩和、さらに防災面など多方面にわたり整備効果がある重要な幹線道路であり、その整備は必要であると認識しております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 文里湾横断道路の防災上の活用という点については、前議会で論議をしました。それを蒸し返すつもりはないのです。ここで私がお聞きしたのは、生活道路がなかなか維持補修、管理ができていない中でどちらを優先するのかということを聞きましたので、そのことについて再度お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 文里湾横断道路と生活道路のどちらが優先かという議論ではなくて、どちらも必要だと考えています。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私は文里湾横断道路を無駄だとは思っていません。あれば便利になると思います。しかし費用対効果、優先度の問題だとは私は考えています。市長は生活道路と文里湾横断道路と比較するような問題ではないとおっしゃいましたが、私は田辺市の財政の中でどこに何をどう使うかということの議論の中で、生活道路を優先してほしいという思いでこの問題を取り上げています。
私は個人の家庭の家計も市の財政も全く規模は違いますが、基本は同じだと思って今まで発言をしてきました。そのときそのときの何を優先していくかという問題だと考えています。市民が日々生活の中で使用する道路、この維持管理が不十分な中で、あれば便利な文里湾横断道路のどちらを優先すべきかということだと私は考えています。市道管理が十分でない今のような状態で文里湾横断道路を建設したならば、高級な外車を乗り回しながら日々の生活はインスタントラーメンを毎日食べているようなものだと私は思います。健康のためにバランスのよい食生活が大事なように、市民が暮らしの中で使用する生活道路こそが最優先であってほしいと私は願っています。また特に、この橋を防災の上での避難路、避難場所ということについては海へ逃げるという意味でも問題があると思っていますので、それも申し添えておきたいと思います。
この点については、最後まで主張がかみ合わないままになってしまいましたが、私の思いを述べさせていただきました。
次に、子育て支援について3点の質問をさせていただきます。
1点目は、子ども医療費の無料化です。子ども医療費は、入院については中学校卒業まで無料になりました。大変喜ばしいことで、子育て中のパパやママが喜んでいます。しかし、一番の願いは通院の無料化です。これまでに何度もこの問題を取り上げてきましたので、同じことは避けたいと思います。現在、入院も通院も中学校卒業以上が無料になっていない市町村は、県下30市町村の中で田辺市と新宮市と上富田町の三つのみになってしまいました。
そんな中で、新宮市は新年度予算に予算計上されているそうで、今開催中の3月議会でこの予算が可決されれば、本年8月から新宮市でも通院も入院も中学校卒業まで無料になるそうです。いよいよ田辺市と上富田町だけになってしまいました。このように、子ども医療費の無料化はなぜ県下で広がったとお考えでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長、小川 鏡君。
(
市民環境部長 小川 鏡君 登壇)
○
市民環境部長(小川 鏡君) 真砂議員の御質問にお答えします。
和歌山県におきましては、乳幼児医療費県費補助金制度があることから、就学前児童の通院・入院医療費に係る医療費の自己負担の無料化につきましては、所得制限の有無の差はありますが、県内の全市町村において実施されてまいりました。このような状況の中、各市町村の状況は、入院、通院の差はあるものの県の補助対象を超えて助成している市町村は平成19年8月では1市2町でしたが、その後、平成22年4月では3市8町1村、平成28年4月においては県内の全市町村が、県の助成対象を超えて助成しているところです。
本市におきましても、平成18年10月から全ての就学前児童の医療費を助成するため、所得制限によって県補助を受けられない児童分は市の単独負担として所得制限を廃止し、平成25年9月からは新たに子ども医療費制度として市単独事業で小学生の入院、平成27年4月からは中学生の入院をそれぞれ対象に加え、子供が入院したときの大きな経済的負担の軽減を図ってきたところでございます。
子ども医療費の助成対象の拡大につきましては、それぞれの市町村がそれぞれの地域の実情に応じまして実施してきているものと考えておりますが、子育て世帯の経済的負担の軽減や子供の疾病の早期発見、早期治療を可能とすることで、子育てにおける不安の解消を図るなど、子育て支援の一環として実施する中、子ども医療費の助成対象を拡大する市町村が増加したものと認識しているところでございます。以上でございます。
(
市民環境部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) なぜ県下で広がったと思うかという答えは、地域の実情に応じてだけれども、子供の病気の早期発見、早期治療のためだというお答えをいただきました。そうしたら、田辺市の子供たちは早期発見早期治療をしなくてもいいのでしょうか。県下でおくれた自治体であることをどう思っていますか、お答えください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 小川 鏡君 登壇)
○
市民環境部長(小川 鏡君) 真砂議員の御質問にお答えいたします。
子育て支援につきましては、少子高齢化が進む中、次世代を担う子供の健全な育成のために各市町村ともそれぞれ施策を展開しているところであり、本市においては、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援をみんなで子育て応援プログラムとして、総合的かつ積極的に進めているところであります。
その中で、先ほども答弁いたしましたとおり、子ども医療費の助成対象の拡大については、それぞれの市町村がそれぞれの地域の実情に応じて実施してきていることから、おくれているとか、進んでいるということとは少し異なるものと考えますが、市といたしましては、さきの12月議会でも御答弁いたしましたとおり、子ども医療費の助成対象の拡大につきましては、子育て世帯への総合的な支援策を進める上において、重点的に取り組むべき施策の一つであると考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
市民環境部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 今まで何度も子ども医療費の問題を取り上げる中で、いただいた答弁は、子育て支援は子ども医療費だけではないのだと。総合的な子育て支援という目で見てほしいということを言われてきましたが、やはり子供の医療費の無料化というのは本当に子育て支援の柱なんです。なぜなら、子供の病気の早期発見早期治療だけでなくて、親の負担、子供の病気は突然で予定ができずに、医療費の負担感というのは非常に重く感じています。また、小児ぜんそくのように慢性疾患のような子供を持つと、本当に医療費の負担が重くのしかかっています。そのために全国的に子供の医療費の無料化が広がってきたのだと考えます。
和歌山県でも同様で、中学校卒業までを私は求めていますが、高校卒業まで無料の自治体が和歌山県下ではふえています。子ども医療費だけが子育て支援ではありません。されど子ども医療費です。子供の医療費の無料化はそれだけ意義があります。何度もこの制度を議会で取り上げてきた議員として、早期実現を求めるものです。
次に、学校給食の安全についてお聞きします。御坊市で、1月26日に800人が下痢や嘔吐の食中毒症状を起こす食中毒が発生し、学校給食センターがつくった給食でノロウイルスが原因だったとわかりました。御坊市の全小中学校の生徒に症状が見られ、大きな問題になりました。
その後、東京都小平市でも同様の食中毒があり、40人が食中毒の症状を起こしましたが、東京都立川市では1,000人近い人がそういう症状を起こし、大きな全国ニュースになりました。ひとたび食中毒を起こすと、子供たちの健康面のみならず、精神面への影響も大きくぜひとも避けたいものです。御坊市での食中毒後に田辺市は何か対策をとったのでしょうか。お聞きします。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員からもございましたとおり、御坊市の給食センターにおきまして、去る1月25日に提供した学校給食を原因食品とするノロウイルスによる食中毒事件が発生いたしました。この事件を受けて、市といたしましても、決して他人事では済まされない事件であると受けとめ、1月30日付の県健康体育課長からの通知、学校給食における衛生管理の徹底及び食中毒の発生防止及びノロウイルスによる感染性胃腸炎に対する感染拡大防止の徹底等を踏まえ、市内の共同調理場及び自校式調理場合わせて12の学校給食調理場の学校長に対して、学校給食衛生管理基準に基づき、手洗いや健康チェック等、なお一層衛生管理に配慮した学校給食の実施に努めるよう指示するとともに、食材納入業者に対してもさらなる衛生管理の徹底について申し入れを行ったところでございます。
また、城山台学校給食センターでは、調理、配送業者及び各食材納入業者に対して、衛生管理の徹底について申し入れを行うとともに、給食センター内の衛生管理についてより一層の強化対策を講じたところであります。主なものとしまして、これまで和え物用釜の洗浄について、流水での洗浄の後、消毒用アルコールでの消毒を行っておりましたが、より一層ノロウイルスの不活化に効果のある処理水「電解次亜水」を使用した消毒方法に変更したところであります。
また、学校給食衛生管理基準においては、常温で保存できる乾物、缶詰等は保存食の対象となっていませんが、感染経路の特定をより容易にするため、刻みのりや切干し大根などの乾物につきましても保存食として採取することとしたところでございます。
市といたしましても、今回の事件を教訓に、日々の危機管理意識を高め、より一層安心・安全な学校給食を提供できるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私は、1期目のときに給食が実施されるまで毎回給食の質問をしてきました。本来は自校方式が理想だと思っています。しかし、この給食早期実現のためにやむなくセンター方式を認めました。今回、御坊市で食中毒が起こり、御坊と同じ業者に委託しているので、大変心配しました。センター方式を認めた自分にも責任があるのではないかと思いました。
しかし、ノロウイルスの原因が調理の過程ではなく、磯合えに使ったのりが原因だったとわかりました。調理業者に責任がないとわかり、よかったと思う反面、乾物が汚染されていたことには違う意味で難しさを感じています。
今回の教訓は、どんな食品でも大丈夫というものはないということではないでしょうか。今回の御坊市の食中毒を教訓にして、今後、食中毒のない安全な給食に努めてほしいと思い、この項での質問は終わります。
次に(3)の図書館で託児についてお聞きします。子育て中は自分の自由な時間がとれなくてストレスがたまるものです。子育てに喜びを感じるには余裕が必要です。ほんの少しでも自由時間があれば、子育てはしんどいだけではなく、子育ては楽しいと言えるものです。現在、子育て中のママから、やりたいことに制限があるのはやむを得ないと思っているが、大好きな読書の時間がとれないのが残念だという声を聞きました。
そんなとき、和歌山県の男女共同参画センター“りぃぶる”が、りぃぶるのフロア内の蔵書を子育てママが読めるようにと託児をしていることを知りました。田辺市でも、図書館でこのようなことができないものでしょうか。そうすれば、他市町村がやっていないからこそ子育て支援の充実した田辺市とPRできるのではないでしょうか。いかがですか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育次長。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 図書館での託児についてお答えいたします。
市立図書館の子育て支援の現状といたしましては、館内に「えほんのへや」、「子育てひろば」、「授乳室」や「おはなしのへや」などの設備を整えて、絵本の読み聞かせや昔話の語り、子供映画の上映など親子で楽しんで過ごせる環境づくりや読書に親しむ催し物を毎週土日を中心に行っております。毎回、御両親や母親に連れられたお子様連れの御家族の御利用が大変多くなっており、また最近では、父親とお子様が一緒に御利用いただくケースもふえております。
また、親御さんが書籍の貸し出しや予約に関しての手続や調べ物の相談をしている間、お子様のお世話等にも配慮して運営しているところであります。図書館での託児サービスの実施につきましては、全国的には事例があるものの県内の公立図書館では館が主体となって託児サービスを行っているところは現在ございません。託児サービスを実施するに当たっては、安心して子供を預けられる環境として専用の設備や職員体制等が求められるところでありますので、今後利用者のニーズ等も十分把握しながら、研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 他に事例はあり、研究するということですが、私は具体的にここにこういうニーズがあるのだから、ぜひ取り組んでいってほしいという思いで質問をしています。こういう取り組みをするときに、例えば、ボランティアを活用したらどうかと考えています。子育て中のしんどさは子育てを経験した方には理解ができます。ですから、子育てが済んだ時間の余裕のある方にお願いするために、ボランティアを募集してはどうでしょうか。そうすれば、財政的にも負担がなく、安価で行えると思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育次長。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 託児サービスにボランティアを活用してはどうかについてお答えいたします。
現在、図書館本館及び分室での活動にボランティアグループ5団体31名や個人7名が御参加いただいており、おはなし会やブックスタートなど図書館運営に御協力をいただいております。これらのグループや個人は、学校や児童館などでも独自の活動をされており、最近では児童を対象とすることだけでなく、大人のための朗読会や福祉施設での紙芝居の上演など活動の場を広げられております。
託児サービスについては、県内の公立図書館で行っているところはなく、議員御紹介の“りぃぶる”図書室では、NPOグループと有償契約による託児サービスが今年度2回実施されたようでありますが、先ほどもお答えいたしましたように、託児サービスの実施につきましては、安心して子供を預けられる環境づくりがまず求められますので、利用者のニーズ等を踏まえた上で、ボランティア等の活用などもあわせて研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 何か新規のことをやろうと思えば、いろいろなハンディがあると思います。それをどう乗り越えていくかということがポイントになってくると思うのですが、私はよくいろいろな質問の中で、やらないための理由を幾つか並べられるということがあると思うのですが、やらない理由、やれない理由ではなくて、その施策が必要かどうか。そこで考えていってほしいと思うのです。本当に子育て支援を田辺市が独自にこんな子育て支援もやっているよ。田辺市に来たら子育てしやすいよ、そんな町だよと自信を持って言える町にするためには、読書の時間が欲しいというママがいるのだから、それをどうやったらできるかというのを考えるのが、行政の責務だと私は考えています。できないことの理由を並べるのではなくて、その施策が必要かどうか、今私が聞いているのは多くの人から聞いているわけではないから、まだまだニーズが少ないから必要ないのだという理由でやらないのなら私は納得できるのですが、託児のことにしても部屋だとか安全性だとか、それは努力すればクリアできることだと思いますので、ぜひ今後は、こういうできない理由があるからではなくて、その市民が求めているニーズに正当性があるのかどうか、それが本当にやるべきことなのかどうかという点で判断していってほしいと思います。
次に、大きな3番目、男女共同参画の推進についてお聞きします。
1点目は、田辺市の現状についてです。私は、NTTで30年間働いてきました。当時の田辺市のNTT社員は400人で、そのうち半分の200人は女性の労働者でした。女性の管理職もいましたので、女性が仕事を持つのは当然だと思ってきましたし、家庭と仕事の両立も当然だと思って、私は今まで生きてきました。しかし、議員になって議会はそうではありませんでした。議場に女性が今何人いるか。委員会で答弁に来た女性職員は何人いるか。そんなことばかりを考えながらの議会でした。男女共同参画の社会に近づいてほしいと願うわけですが、田辺市の現状をどのように認識されているのでしょうか。その判断は何をもとに判断するのでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 企画部理事、渡邉匡通君。
(企画部理事 渡邉匡通君 登壇)
○企画部理事(渡邉匡通君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、市におきましては、第2次田辺市男女共同参画プランを策定するに当たり、平成24年11月に田辺市男女共同参画に関する意識調査を実施しております。この意識調査を基本として、庁内はもとより関係団体や関係機関とも連携を図りながら、現状と課題を考察する上で、さらなる取り組みを推進しております。
そうした中で、平成24年度の田辺市男女共同参画に関する意識調査の結果を見ますと、男は仕事、女は家庭という固定的な性別役割分担意識に関して否定的な回答が全体の約3分の2で、64.3%に達しています。男女ともにその割合は、平成9年度、平成17年度と比較して、意識調査を経るごとに高くなってきています。
市ではこれまで、男女共同参画に対する意識の向上を図るため、さまざまな取り組みを行ってきている中で、男女の固定的な役割分担意識は少しずつ改善してきているものと考えております。
ただ、依然として社会通念・習慣・しきたりなどに関しての不公平感は高く、平等感に男女の意識の差も見られます。また、家庭内の役割分担に関しては、夫婦共同という理想に対し、現状では家事は主に妻となっており、理想と現実の乖離が見られます。また、役職や公職につくことに関しても、女性参画が進んでいない現状があり、男女それぞれの生き方を制限し、負担感を与えている要因を取り除き、仕事と家庭の両立支援を図っていくことが求められております。
市といたしましては、このような現状を十分把握した上で、今後とも第2次田辺市男女共同参画プランの推進に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
(企画部理事 渡邉匡通君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私は、田辺市女性会連絡協議会の役員をしている関係上、充て職で第2次田辺市総合計画審議会の委員になっています。この会議の中で、女性の審議会等への参画率が29.9%なので、目標値を引き上げようという議論がありました。29.9%はほぼ3割です。いい数値だと私は感じた半面、そのような実感がないために、内訳の一覧表をもらいました。審議会等の団体が62団体、委員の総数は1,140名でした。そのうち女性が341人ですので、29.9%になったわけです。ですが、その中に女性の問題を扱う団体、女性しか審議会に入れないと思えるような、そういう団体があって、そこの委員82人全員が女性、100%女性で、全体のこの団体の人数が1,140人に対して、そこの団体は82人と多いために、このパーセンテージが高くなっているわけです。こういう特異な数字を入れて田辺市の女性の審議会への参画率が3割あると判断するのは問題ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 企画部理事。
(企画部理事 渡邉匡通君 登壇)
○企画部理事(渡邉匡通君) 議員の御質問にお答えいたします。
御承知のとおり、第2次田辺市総合計画における指標として上げている各種審議会等における女性委員の割合につきましては、田辺市男女共同参画プランから引き続いた第2次田辺市男女共同参画プランの取り組み内容の一つでもあります。
この審議会等への女性の参画につきましては、私たちの生活の基本となる市の政策や方針の決定に際して、あらゆる分野の女性の意見や考え方を反映させていくことで、多様な価値観が反映され、バランスのとれた行政運営ができるよう政策立案や方針決定過程への男女共同参画の推進を図るものでございます。
その具体的な取り組みといたしましては、地方自治法及びこれに準ずる規則、要綱等により設置された審議会等への女性比率目標として、数値目標を30%とするとともに、女性委員のいない審議会等の解消を図ってまいりました。
こうした経緯もある中で、審議会等の女性の割合につきましては、特定の分野にやや偏在傾向はあるものの、全体として現時点でほぼ目標値に達成しているところでありますが、先ほども申し上げましたとおり、市の各行政分野における政策立案や方針決定過程への女性の参画という観点から、目標値の見直しも含めまして、この取り組みを推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部理事 渡邉匡通君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私がなぜこんなことにこだわるかといいましたら、現状把握をどう捉えるかによって、打つ対策が変わってくるからです。このことは審議会の中で発言すればいいようなものかもしれませんが、基本的な考え方なので取り上げさせてもらいました。ちなみに第2次田辺市総合計画審議会委員の女性の比率はこの29.9%の中には入っていないのですが、この審議会委員は30人で、うち5人が女性ですので16.7%です。また、議員は3人ですので13.6%、町内会長は1.8%、PTAの会長は2%、この数値が出てきます。わざと少ない数字ばかり選んだように聞こえるかもわかりませんが、こういった議員の政策決定の場に女性がどれだけ入れるかということを問うのなら、特に議員の数なども参考にすべきではないのでしょうか。いかがですか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 企画部理事。
(企画部理事 渡邉匡通君 登壇)
○企画部理事(渡邉匡通君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、議会や町内会につきましては、何分行政の所管ではなく、独立した組織体でありますので、行政における各種審議会等における女性委員の割合と同様に取り扱うことは適切ではないと考えております。
しかしながら、本市における男女共同参画社会を目指す上で、地域活動への男女共同参画推進の取り組みは重点的に取り組む施策でもあり、第2次田辺市男女共同参画プランも取り組み内容の1つとして上げております。
そうした中で、地域の特定の活動が片方の性に偏ることや、性別や年齢により役割を固定化することのないよう、男女ともに多様な年齢層の参画を促進し、地域活動における男女共同参画を推進するために、まだまだ取り組みが必要であると考えております。
このため、これまでも各種の研修会を通して地域活動への女性参画について、その促進に努めているところでありますが、今後におきましても地域活動に男女共同参画の視点が反映されるよう各団体や市民の皆さんへの広報活動や啓発活動を進める中で、地域におけるさまざまな方針決定過程への女性の参画拡大を図っていければと考えておりますので、何とぞ御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(企画部理事 渡邉匡通君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 次に、(2)女性市職員の管理職への登用についてお聞きします。
男女共同参画社会を推進する上で、私は二つの課題があると考えています。一つは女性を取り巻く環境の充実、もう一つは女性自身の意識だと私は考えています。そこで、女性職員が管理職になりたがらないと聞きますが、なぜだとお考えでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長、田上豊和君。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
管理職への登用については、男女を問わず職員の能力を見きわめ、適材適所の人員配置を行っており、平成11年5月の合併時で管理職に占める女性職員の割合が9.6%であったものが平成28年4月では16.1%と上昇しております。
そうした中で、女性職員が管理職になりたくないという声も聞かれるところでありますが、これは業務が複雑、多様化する傾向において、管理職になることで責任が重くなる等の理由から、女性に限らず男性職員においても管理職への昇格を敬遠しているのではないかと考えています。
一方で、全ての女性職員が管理職になりたくないと考えているわけではなく、意欲のある女性職員がいることも事実でございます。
そうした中、本年度では女性が職業生活においてその希望に応じて十分に能力を発揮できる環境を整備するために、女性活躍推進法が施行されたのを契機に、田辺市では従来の研修に加え、女性としての家庭や職場での内部の相談や意欲の高い人からの刺激を受けることで、意識改革につなげていこうと女性市長や企業のトップで活躍している女性の講演を聞いたり、全国の自治体の女性職員が集い、意見交換を行う研修の場に中堅女性職員を参加させたところでございます。
参加した職員からは、よい刺激になった、意欲が高まったとの感想を聞いており、また来年度からは、和歌山県市町村職員研修協議会において女性のキャリアアップ研修が実施され、本研修に参加させるなど、女性職員の意識改革を推進するとともに、男女を問わず意欲と能力のある職員を管理職として育成、登用していきたいと考えています。以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 管理職になりたがらない女性の理由は個々人によってそれぞれあるかと思いますが、一つは働き方の問題、特に残業ということがネックになっているのではないかと考えています。家庭の役割が少しずつ改善をしていますが、それでも炊事や洗濯、育児、家事の多くは女性が担っています。そんな実態で夜の9時、10時まで残業が続けば、女性自身が精神的にも肉体的にも過大な負担になります。また家族にも負担がかかり、特に子供に影響を及ぼします。こんなことなら管理職にならないとの立場になるのではないでしょうか。
また、男性の残業も家庭での家事の分担ができず、妻に家事を任せることになってしまいます。残業は、男性にも女性にも男女共同参画社会の推進を疎外します。残業時間を減らす努力が必要だと思いますが、いかがですか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
職員の時間外勤務につきましては、合併以降増加傾向にありますが、これは実務を行う係長級以下の職員が増加しているもので、管理職においては夜に実施される会議や休日のイベント等が主な時間外での業務ではありますが、係長級以下の職員と比べると時間外の業務は少ない状況であります。
時間外勤務の縮減は、職員の心と体の健康を確保していく上で、職員管理における大きな課題であり、時間外勤務を削減し、ワーク・ライフ・バランスを図るために必要な環境の整備により、仕事と家庭の円滑かつ継続的な両立を可能にすることは大変重要であると認識しております。
田辺市では、これまでも毎週水曜日や給料日等をノー残業デイに設定し、定時退庁を促したり、各課ごとの時間外勤務の状況及び時間外勤務の特に多い職員の状況を把握して、所属長から指導や所属職員間の業務量を調整したり、休暇取得を促すなど時間外勤務の縮減に取り組んできたところでございます。
今後も男女を問わず、職員の心と体の健康や仕事と家庭の両立を図るため、時間外勤務の縮減に取り組んでまいりたいと考えていますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私は、松下議員とともに男女共同参画条例をつくる取り組みをしています。なぜ条例が必要なのか。条例は男女共同参画を進める上での補償のようなものです。条例をつくることが目的ではありません。条例をつくることは県も推奨していますし、男女共同参画懇話会でアドバイスを受けている話題の金川先生も必要だと講演されていました。しかし、市は松下議員の質問に対して、プランだけで十分だと言っています。では、条例があれば何かマイナス面があるのでしょうか。
今まで私は男女共同参画の質問をほとんどやってきませんでした。なぜなら、目指しているものが同じ男性と女性が支え合い、ともに個性が生かされる尊重される社会、男女共同参画の社会を求めている、目指しているものが同じだと思っていたから私は質問をしませんでした。
しかし、条例を否定する市に対して、同じ社会を求めているのか疑問に思えてきました。男女共同参画条例は目的ではありません。男女共同参画社会をつくるためのツール、道具です。ぜひ、田辺市に男女共同参画条例をつくる会の皆さんの声を真摯に受けとめてほしいと願うものです。
また、私は、無駄をなくして暮らし・福祉・教育にということをスローガンにして、4期の間一貫して取り組んできました。文里湾横断道路は無駄だとは思いません。しかし、それよりも生活道路の維持管理を優先すべきだと思います。主婦的発想かもしれませんが、私はそれが大事だと考えています。
また、何よりも優先して子ども医療費を通院も含めて、中学校卒業まで早期に無料にすべきです。この制度がおくれた分、子育て支援の充実をぜひ図ってほしいものです。
以上、今回でこの議場での私の質問、発言は最後です。しかし、私は終わったとは思っていません。違う場所で私は発言を続けるでしょうし、私のかわりの人が議員になって発言してくれることを信じています。ありがとうございました。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、1番、真砂みよ子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合、午後3時10分まで休憩いたします。
再開時には議案書を御持参ください。
(午後 3時01分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 3時10分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、7番、尾花 功君の登壇を許可いたします。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 7番、紀新会の尾花です。議長より登壇のお許しをいただきましたので通告に従い、ただいまより一般質問をさせていただきます。
一般質問に入る前に、今期をもって勇退されます5人の議員の皆様方に一言お礼を申し上げたいと思います。初当選以降、いろいろな場面において1年生議員の私に対して御指導、御助言をいただきまして感謝にたえません。本当にありがとうございました。
皆様方には、今後とも多方面で御活躍されることと思いますが、健康には十分御留意されますよう御祈念申し上げます。本当にありがとうございました。
それでは、一般質問に入らせていただきます。
早いもので、今任期4年が過ぎようとしています。初当選以降、何回か一般質問を行ってきましたが、何回か経験すればなれてくるものと思っていましたが、この場所の緊張感を克服することはできませんでした。お聞き苦しいところがあるかもわかりませんが、最後まで御清聴よろしくお願いします。
今回は、水道事業について3点、世界遺産に追加登録されました塩見峠越えのおもてなしについて2点お聞きしたいと思います。
それでは、まず最初に水道事業についてです。
水道関連の一般質問は、平成27年3月議会において、大規模災害におけるライフライン、飲料水の確保についてをテーマにして一般質問をさせていただきました。今回の一般質問では、平時、日常における水道事業について3点、一問一答方式で質問させていただきます。
さきの川﨑議員の一般質問の中でも、飲料水の確保についての質問があり、若干かぶってしまうところがありますが、御了承ください。
それでは1問目の質問を行います。1問目は給水施設の現状についてです。現在、田辺市には上下水道・簡易水道がありますが、これらの施設に対応していない飲料水供給施設について把握している施設は田辺市内には何カ所ありますか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長、鈴木徳久君。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 給水施設の現状についてお答えします。
平成28年3月31日現在、市の給水人口50人から100人未満の飲料水供給施設数及び給水人口50人未満の簡易給水施設数は、旧田辺市地域には26施設、龍神地域には10施設、大塔地域には31施設、中辺路地域には10施設、本宮地域には25施設あり、合計で102施設となっております。給水人口につきましては、約2,500人ですが、これは地域で水道組合をつくり運営している施設及び人数でありまして、個人等で谷水や井戸水を利用している分につきましては含まれておりません。以上でございます。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 102施設、2,500人ということで、この中には個人で引かれている方は含まれていないという御答弁でした。これらの施設の方々がいろんな苦労をされていると思うのですが、2点目として、今後田辺市では給水区域の拡大を考えているのでしょうか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 水道部長、田中久雄君。
(水道部長 田中久雄君 登壇)
○水道部長(田中久雄君) 議員御質問の2点目、水道事業における給水区域の拡大についてお答えします。
現在、本市の水道事業につきましては、1上水道、19の簡易水道、計20の水道事業を運営してございます。まず、上水道事業についてですが、昭和14年に給水を開始し、その後の人口増加や水需要の増大に対応するため、4度の拡張事業を実施してまいりました。
その後、平成17年5月の市町村合併を機に、秋津川、日向、稲成簡易水道を上水道事業に統合し、さらに平成22年4月には、長野、古屋谷、大坊団栗簡易水道を上水道事業へ統合し、現在に至っております。
次に、簡易水道についてですが、龍神地域で7事業、中辺路地域で5事業、大塔地域で2事業、本宮地域で5事業の計19の簡易水道事業を運営してございます。これらの簡易水道事業につきましては、新市建設計画または総合計画に基づき、施設整備事業を初め、老朽化した管路や設備の更新、主要配水池への緊急遮断弁設置などの耐震改良事業等を実施してまいりました。
この19の簡易水道事業につきましては、平成30年4月1日に上水道事業に統合することとしており、必要不可欠な施設整備や会計移行に伴う準備事業に取り組んでいるところでございます。
また、創設期から拡張期にかけて整備された施設の老朽化が進む中で、今後施設の大規模な更新が必要となり、安全、安心な水の供給や災害時にも安定的な給水を行うための施設水準の向上など、水道が直面する課題に適切に対処していくためには、みずからの事業を取り巻く環境を総合的に分析した上で、適切かつ効率的に経営を行うことが重要であると考えられます。
このような状況の中、御質問いただきました給水区域の拡大につきましては、水道事業における個別具体的な拡張計画を有していないのが現状でございます。以上でございます。
(水道部長 田中久雄君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) お答えをいただいたのですが、現状では拡張していく計画は有していないということでございますが、先ほども少し触れさせていただきましたが、施設を運営されている方々は苦労されております。近隣には人家が多くあっても水源や水量が限られていることから、施設を拡大することがままなりません。
引き続き3点目は、これらの飲料水供給施設に対する今後の対応についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 飲料水供給施設に対する今後の対応についてお答えします。
現在市では、飲料水供給施設の新設及び改良事業に対して、50人から100人未満の飲料水供給施設の場合、事業費30万円以上1,000万円を上限に事業費の2分の1の補助金の交付、また50人未満の簡易給水施設には事業費10万円以上750万円を上限に事業の3分の2の市単独による補助金交付制度を設けて対応しているところであります。
議員御指摘の近隣に人家が多数隣接しているにもかかわらず、水源の水量の確保が困難であることから、小規模な簡易給水施設が多数存在している地域において、地域がまとまり給水エリアを拡大し、新たな給水施設整備事業を実施する場合においては、多額の事業実施費用が想定され、市負担及び個人負担金も高額になることが予想されることから、現在のところ国や県の補助制度がないと事業実施は困難であると考えています。
市といたしましては、今後さまざまなケースを想定し、有利な事業実施が可能となる制度の研究、検討を行うとともに、事業実施が可能となった場合に備え、給水施設統合の可能性のあるエリアの状況、地区給水組合の移行把握に努めたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 今のところ、規模を大きくすると補助対象となる施策がないということですが、飲料水を供給する施設を運営されている方が本当に苦労されております。施設を維持していくための保守点検や水源の維持管理には大変な労力がかかっており、以前であれば十分な水量であったものが生活習慣や生活環境の変化に伴い、使用する水量が各家庭において増大し、発足時には十分な水量を確保できていた資源も枯渇し、また最近の気象変動による洪水や土砂崩れによる地形変化や河川整備等に伴う河床の低下等により、水源としての条件が非常に厳しくなってきております。
限られた条件のもと、今後とも施設を維持していくためには大変な苦労です。数字には出ていませんが、飲料水供給施設には入らず単独で引かれている方もいるようにお見かけします。
安定した水源を確保するには、やはり上水道や簡易水道に取り組むことが一番の解決策だと思います。今すぐにとは、答弁の状況を考えると言えませんが、国や県から有用な補助政策が実施されるようになれば、すぐにでも検討を開始していただきたいと思います。
今回、この質問をさせていただくというきっかけになったのは、自分の地元であります上芳養の中にも上水道から約200メートルぐらい離れたところに簡易水道があるのですが、本管がつなげられないという状況や、もう1系統では500メートルぐらい引っ張ればつなげられるという地区があるのにつなげられないという地域があって、物すごく水源に対しては悩んでいるということをお聞きしましたので、今回水源というより、給水エリアを拡大してでも何とか水源を確保できないかという思いがありまして、一般質問をさせていただきました。
なかなか有用な政策がないということなので、今後、何とかそういう施設をつくっていけるように研究していただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
それでは、2項目めの世界遺産に追加登録された潮見峠越えのおもてなしについて質問させていただきます。
今回、この質問をさせていただくきっかけとなったのは地元の方のお話でした。世界遺産追加登録後、長尾坂を含めて潮見峠越えを訪れる方がふえてきたが、その一方で心ない来訪者が山や畑でトイレをしていて困っているということでした。その原因となっているのが、道中にトイレが設置されていないというお話でした。また、古道には道標は設置されているがわかりにくいという意見もお伺いしました。そこで百聞は一見にしかずということで、早速、観光振興課で和歌山県街道マップ、熊野古道の冊子をいただき確認し、現地にも行ってきました。まず、皆様方にお配りしています参考資料ですが、潮見峠越え下三栖から覗橋のページです。この冊子によりますと、長尾坂登り口から覗橋から10.8キロメートル、時間にして約3時間の間にはトイレの表示がありません。
しかしその後、確認したところ潮見峠にトイレが新しくできたということでした。それでも潮見峠から長尾坂登り口までの6.5キロ、約2時間10分の間にはトイレのマークはありません。まず一つ目の質問は、トイレの状況についてお聞きします。冊子にはコンビニと神社にはトイレのマークがありますが、これはトイレを利用するのに関する協定のようなものを結んで記載されているのでしょうか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 産業部長、那須久男君
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の潮見峠越えルートのトイレの状況についてお答えいたします。
昨年10月に長尾坂や潮見峠越えが、世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道に追加登録されて以降、このルートを歩かれる来訪者の数が増加しています。こうした来訪者の皆様方へのおもてなしにつきましては、地元の長野地区の皆様方が温かくお迎えいただいておりますことに心から感謝を申し上げる次第であります。
議員御質問の当該ルートのトイレ整備につきましては、世界遺産追加登録以前から整備に努めているところであり、平成17年には長尾地区の消防屯所に公衆用トイレを、また平成27年には潮見峠にトイレ兼休憩所を整備し、来訪者の受け入れ体制の充実に取り組んでまいりました。しかしながら、こうした新たに整備したトイレの状況につきましては、来訪者が古道歩きの際に活用する議員のお話にもありましたが、県観光振興課作成の和歌山県街道マップ、熊野古道へは数年ごとの更新のため反映されておらず、そのマップを利用される来訪者が戸惑うことも懸念されています。
このため、今後はより正確な情報提供や環境整備に努めるとともに、マップの改正時には漏れなく新たな情報を加えてまいりたいと考えております。
また、御指摘いただきましたように、当該マップに掲載しております神社等の民間施設のトイレにつきましては、利用に関する協定は結んでおりませんが、一般開放されているトイレとして御案内させていただいております。
当該ルートのトイレ環境をより充実させていくためには、他の民間施設との協定等も一つの手法であると考えますが、今後来訪者の動向を見きわめながら、利便性向上のためよりよい方法について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○議長(副議長 安達克典君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 神社等の民間施設のトイレは、一般開放されているトイレとして案内して協定は結んでいないという答弁でした。利用協定を結んでいれば、古道沿いの民間施設にも拡大していければ問題も解決できると思ったのですが、そういうことで掲載されているということであれば、自分が思っていたのとは違っていたと思っています。
しかしながら、利用を促進していくというお答えをいただきましたので、今後とも利用拡大に向けて御検討いただきたいと思います。
それでは、二つ目の道標についての質問に移らせていただきます。
マップには、道標のマークが記載されていますが、実際に現地で確認すると、環境に配慮した色合いであるためわかりにくかったり、道路に対して平行に設置してあったためにさらにわかりにくくなっていました。世界遺産内であることから、いろいろな制約を受けていると思いますが、道標の設置基準についてお聞きします。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 御質問にお答えいたします。
熊野古道の道標につきましては、来訪者の皆様方をお迎えし、安全かつ安心に古道歩きを楽しんでいただくために設置しているものであり、平成20年に和歌山県が主体となって熊野古道の道標を整備し始めた際、全体的に統一感を持たせ、一定の基準を設けた規格品として普及させてきたものであります。
その色や素材につきましては、世界遺産熊野古道の美しい景観に調和させるため、紀州材を使用した茶系の色彩に白地の文字を基本に、日本語、英語を併記しています。また大きさにつきましては、道標や看板等の種類により異なりますが、おおむねそのサイズは決められています。現在、熊野古道中辺路ルートにつきましては、滝尻から那智勝町までの間は、この統一された規格での整備が完了されており、今後、大辺路ルートや紀伊路ルート等につきましても、当該規格において整備を進めていく予定となっております。
そうした中、この道標が景色になじみ過ぎて、角度によってはわかりにくい箇所があるとの御指摘につきましては、当該道標を設置した際には、地元の方も立ち会いのもと、来訪者が見やすいような場所や角度で設置しておりますが、再度現場確認を行った上で、より見やすいように、より来訪者の目線での対応をさらに心がけてまいりたいと考えています。
今後につきましても、こうした県下統一の設置基準は継続されていくことと存じますが、年々増加しております外国人来訪者に対する英語表記も含め、来訪者が迷うことなく古道を安全に楽しく歩いていただくため、最大限の配慮に努めながら、「楽しかった。また来たい」と思ってもらえるような整備に努めてまいりたいと思いますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 今回の質問については、小さなことかもわかりませんけれども、おもてなしについては大小はないと思いますので、今後とも来訪者のための環境整備を進めていっていただきたいと思います。
任期最後の一般質問ということで、それも抽せんでトリを引き当てましたけれども、無事に終えることができました。御清聴ありがとうございました。これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、7番、尾花 功君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 1定議案第 9号 名誉市民の称号を贈ることについてから
日程第35 1定議案第42号 平成29年度田辺市
水道事業会計予算まで一括上程
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、日程第2 1定議案第9号 名誉市民の称号を贈ることについてから、日程第35 1定議案第42号 平成29年度田辺市
水道事業会計予算まで、以上34件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました34件については、過日、既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(副議長 安達克典君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております34件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ散会し、あす3月14日から23日までの10日間は休会とし、3月24日午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(副議長 安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(副議長 安達克典君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 3時35分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成29年3月13日
議長 吉 田 克 己
副議長 安 達 克 典
議 員 宮 本 正 信
議 員 陸 平 輝 昭
議 員 山 口 進...