○議長(吉田克己君) 日程第1 一般質問を行います。
9番、市橋宗行君の登壇を許可します。
(9番 市橋宗行君 登壇)
○9番(市橋宗行君) おはようございます。清新会の市橋です。今回は、ドローンについて1問ではありますが、詳しく聞いてまいりたいと思いますので、最後までどうぞお聞き届けいただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして質問を始めさせていただきます。
まず、ドローンの定義について申し上げますが、簡潔に言いますと、無人飛行機の総称ということになります。詳しく言いますと
自律飛行方式を含む遠隔操作可能な比較的小型の
無人航空機という定義になっており、
グライダータイプのものや
ヘリコプターもこの中に含まれております。昨今ニュースなどで出てきます4枚羽のドローンというのは、クアッドコプターと呼ばれる
ヘリコプターのプロペラが4カ所につけられたタイプのもので、その羽が6枚のものや8枚のものも総じて
マルチコプターと呼ばれるものになります。
従来の
ラジコン等の違いとしては、自動飛行が可能なことや、ただ飛ばすだけでなく、何らかの役割を果たすという目的を持って飛行させることなどが挙げられます。
今回の質問では、特に
マルチコプターに視点を当てて質問してまいりますので、お聞きの皆さんもイメージしていただきたいと思います。これまでもドローンについては、特に事故のニュースがたびたび報道されておりますので、私も先入観としてはよいイメージを持っておりませんでした。これまでの話題になった事故案件としては、例えば、2014年11月、
湘南国際マラソンの様子を撮影していた
マルチコプターが墜落、女性の
運営スタッフが負傷、これはドローンによる国内初の人身事故になります。
それから、2015年1月には、アメリカのホワイトハウスの敷地内でドローン発見、同年2015年4月には
首相官邸屋上に
マルチコプターが落下した事件、最近では、ことし11月姫路市の
世界遺産国宝姫路城で、大天守の屋根にドローンが衝突し落下など、各地の事故を通じてこの
マルチコプターが知られていった経緯があります。
そこでまずは、ドローンについての現状をお聞きいたします。
ただいま申し上げました事故案件もあり、2015年12月10日に
改正航空法が施行されました。それにより航空法に定めるルールに違反した場合には、50万円以下の罰金、また
違反事故等により書類送検されている事例も出てきました。また、2016年4月7日施行の
小型無人機等飛行禁止法、いわゆる
ドローン規制法により
内閣総理大臣官邸を初めとする国の重要施設、外国公館や
原子力事業所などの周辺地域の上空でドローンを飛行させることが禁止されました。
お手元に配付の資料には、
改正航空法による規制区域と飛行方法の図を配らせていただいておりますが、概要としては空港周辺、
人口集中地区の上空150メートル以上の空域が
飛行禁止区域になります。それから裏表ありますけれども、飛行区域の下の部分に
禁止飛行方法としては、夜間飛行、
目視外飛行。この
目視外飛行というのは、
マルチコプターに搭載されたカメラだけで飛行させるということです。
目視外飛行の禁止、それから30メートル未満の飛行、これは人や建物、ここには例として車が載っていますが、そういうものから30メートル離れて飛行させること。
それから、
イベント上空での飛行、あと危険物の輸送、物件の投下。この物件の投下には農薬の散布なども含まれております。それぞれが禁止行為となっております。
それから、裏面をごらんいただきまして、これは国土地理院の地図から出させていただいておりますが、この田辺市周辺での禁止区域、国交相の許可を得なければならない区域というのが白浜空港が近くにございます。それから、市街地、これは少し赤い色で塗っている場所でありますが、庁舎も含めた市街地区域がそのエリアになっております。
それから、対象となる機体については、いろいろな
マルチコプターが出ておりますが、重量200グラム未満のラジコン、
マルチコプターなどは模型航空機に分類されますので、
規制対象外になっておりますので、御留意ください。
ドローンを飛ばすに当たっては、特に
ライセンス等が必要なわけではありませんので、
飛行禁止区域外であれば、誰でも飛ばすことが可能となりますが、現在、民間の
認定訓練機関においては、
マルチコプターの
オペレーター育成と
認定ライセンスの発行がなされており、
操縦技能証明書、
安全運行管理者証明書の発行をもとに、商用としての
撮影許可申請を
国土交通省に出しているようです。皆さんの身近なところでは、
世界遺産追加登録イベント時の
プロモーションビデオに
マルチコプターが使われ、扇ヶ浜から鬪鶏神社への上空からの景色が記憶に新しいところだと思います。
一方、国の動向としては、
産業競争力会議での名目GDP600兆円に向けた成長戦略(次期「
日本再興戦略」の概要)案の中に、3年以内のド
ローン配送実現と明記されており、
国土交通省は公共事業の建設現場で、ドローンを使った測量などIT(情報技術)の活用を義務づけております。土地の形状や高さを精密な立体データで把握するほか、自動建機の導入で現場の作業負担を減らし、また建設業界での人手不足に対応するため、作業者の生産性を2025年までに2割向上させることを目指すとされています。
また、関係法令についてですが、これも規制の範囲での関係法令になると思いますが、電波法、道路法、刑法、
鉄道営業法、
新幹線特例法、
文化財保護法などがドローンの飛行に関係する法令だと聞いておりますが、具体的にどういう関連があるのかお聞きいたします。次に、ドローンの機体やその利用について、飛行に伴うメリットと
デメリットをお聞きします。
御存じのように、
マルチコプターは空中を飛び回るものですので、墜落の危険がつきまといます。いつか必ず落ちるということのリスクを知っておかなければなりません。人が操縦する
ヘリコプターは
オートローテーション、いわゆる
自動回転機能というのがついておりますので、墜落を回避することも可能となりますが、
マルチコプターにはその機能がありません。最近の
マルチコプターのある機種では、
バッテリー消耗時に急激に落ちるのを防ぐ
墜落防止機能や電波の届かない距離に
マルチコプターが飛んだときに、自動で最初の設定場所に戻る
自動帰還機能というのがついているものもあると聞いております。
実際に機体のセットを見させていただきましたら、操縦機に
スマートフォンなどの端末を取りつけて、飛行中の搭載カメラからの映像も確認しながらの飛行になるそうです。それゆえにカメラからの映像については、
プライバシーや肖像権の問題もありますので、どこでも気軽に飛ばすというわけにもいきません。そのほか、飛行に関してのメリット、
デメリットがあればお示しください。
以上のように、法律的な問題や実際、飛ばすに当たっての機能的な問題や飛行環境の問題などはありますが、国においてはドローンの可能性を評価し、活用に当たっての明確な目標が設定されているところであります。これを踏まえ、今後の方向性、特に民間での商用活用や各自治体での活用についてですが、アメリカでは既に
大手流通会社らがドローンを利用した
宅配サービスの研究を進めているという報道がなされております。日本でもドローン研究の第一人者と言われる千葉大学の教授が荷物の積載が可能な市販モデルの開発に取り組んでおられるようです。
現在、既に国内でも、先ほども言ったような
プロモーションビデオの空撮や農業での薬剤散布、上空からのメガソーラーパネルの点検、測量など実際に商用としての活用がなされているようです。
また、ドローン保険も
国内損保会社により販売が開始され、商用に限らず、個人での飛行についても損害保険の活用が可能となっており、保険業界でも需要を見越した動きが既にとられております。
そのほか、私の調べる限りでは、公的機関においての
マルチコプターの利用状況としては、警察の警備や監視、実際に長野県警では、事件・事故現場の
見取り図づくりに導入されており、消防や防災分野では、救助活動や災害時の現場確認、被災者・高齢者の安否確認などについて研究がなされているようです。
このように、今後ますます活用の事例がふえていく傾向ですが、市はその状況をどのように把握しているか、お示しください。
このような状況に加えて、国内でもかなりの数の
各種大手企業が今後のドローンの商用活用について注目されています。そこで指摘されているのは、
オペレーター、操縦士不足の問題です。現在、産業界での
オペレーター需要に対応するための育成が必須となっており、業界内での育成の動きもあるようです。
検証や実験にも相当な飛行技術を持った人材が必要となってくることから、
オペレーター育成が早急な問題であると関係者の方からも聞いております。その
オペレーター需要について、市の考え方をお答えください。
いろいろな観点から申し上げてまいりましたが、最後に、市、いわゆる自治体の役割についてお聞きします。
今日まで事故や危険性を指摘されておりますが、ドローンの購入については、ネットで気軽に手に入れることができ、
購入規制自体は困難な状況にあります。しかし、全国での
地方創生特区の取り組みとして、国が進めるGDP成長に向けてのドローンの役割に注目が集まってきており、今や各自治体規模での取り組みが大がかりになってきております。
例を言いますと、仙台市は特区として
マルチコプター活用全般について、千葉市は配送・
セキュリティ関係について、徳島県那賀町は、日本一ドローンが飛ぶ町のスローガンを掲げて取り組みを進めております。東京都のあきる野市では、小学校の閉校舎を利用し、操縦者の育成について誘客の
きっかけづくりを行うなど、
取り組み事例がほかの自治体でも多数見受けられます。
そこで、重要なことは、適切な活用の方針と指導体制の構築であろうと思われます。田辺市も例外といえず、全国で不足している
マルチコプターの練習場の現状からすれば、都心部や市街地での飛行訓練ができなければ、必然的に郊外や地方での練習場所に注目が集まってきます。
田辺市では、管理施設内での飛行については禁止されておりますが、国内的にも注目されている
マルチコプターについて、ただ趣味のものとしてではなく、近い将来に向けて
オペレーターとしての需要を期待しているユーザーの方もおられます。これらのユーザーに対しても適切な
マルチコプターの活用を促し、運用していただくための体制づくりについて、どこでも自由に飛ばすことのできない現状よりも、行政側の目の行き届く場所での
マルチコプターの練習のためにも、
公共施設利用についてもお答えいただきたいと思います。
以上、1回目の質問を終わります。
(9番 市橋宗行君 降壇)
○議長(吉田克己君) 9番、市橋宗行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、田上豊和君。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員御質問のドローンについて、私からお答えさせていただきます。
まず、1点目のドローンの現況についてでありますが、ドローンとは、航空法第2条第22項にいう
無人航空機のことであり、近年の性能向上と価格低下により研究的な分野のみならず、多方面で急速に普及し、その活用方法などが検討されています。
民間では、テレビ・映画・CM等の撮影で活用されているほか、
荷物配送等に利用する研究も進んでいるところです。総務省の資料によりますと、その市場規模は産業ドローンに限定しても、2015年の16億円から2020年には186億円、2022年には406億円に急増すると見込まれています。
他方、行政においては、国レベル、
地方自治体レベルを問わず、黎明期であるド
ローン産業の育成という観点から、さまざまな取り組みや安全対策が進められています。
具体例を挙げますと、まず国レベルでは、
国土交通省と経済産業省が
ロボット開発・導入が必要な重点分野として、インフラの維持管理の分野における橋梁、トンネル、ダムの3項目を、また、災害対応の分野における
災害状況調査と
災害応急復旧の2項目を掲げ、ドローンの試験的運用を実施するなど、本格導入を目指した取り組みが進まれています。
次に、農林水産省では、ドローンを利用した
農薬散布等を推進するための新たな
ガイドラインを策定して、機体の認定性や年1回の点検制度を導入し、また
オペレーターについても資格制とするなど、機体の安全性や耐久性の確保、
散布性能等の確保、事故防止のための安全対策に関する取り組みが進められています。
また、
地方自治体レベルでも、内閣府の
国家戦略特区の近
未来技術実証特区として指定を受けています千葉市、仙台市、秋田県仙北市におきまして、長距離輸送や
宅配サービス、避難救助、橋梁点検等の活用への取り組みが進められています。
本市におきましても、平成26年12月に
紀伊田辺ライオンズクラブからドローン1機の寄贈を受け、全国の消防本部に先駆けて、実地検証を兼ねた現場運用を開始いたしました。現在では、ドローン2機、
オペレーター6人体制で、山林火災や
土砂災害現場における上空からの情報収集、行方不明者の捜索、物資搬送等に活用できるよう体制を整えております。幸いなことに、現在までのところ、災害現場での運用事案は発生していませんが、定期的な訓練を通じて飛行技術の向上を図るとともに、実地検証を継続していきます。
ドローンの関係法令についてですが、まず、飛行空域や飛行方法に関しては、航空法による規制を受けることになります。具体的には、航空機の航行の安全に影響を及ぼす空域や人口が密集している地域の上空を飛行させるには、
国土交通大臣の許可を必要とし、また、夜間飛行や目視以外の方法による飛行、機体から物件を投下する場合などは、同大臣の承認が必要となります。
これらの規制は、有人の航空機との衝突回避やドローンが落下した場合に、地上の人や物に危害を加えないためのものです。安全確保という点におきましては、道路交通法、
鉄道営業法、新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法などにおいても同様に
上空飛行等に関し制限が設けられています。このほかにも制限されるものとして、文化財については寺社仏閣など管理者が独自に禁止している場合もありますが、誤って棄損したときには、
文化財保護法の適用を受けます。
電波法においては、操縦、データ及び画像の伝送の三つの無線電波を利用する関係で規制を受けます。また、民法上、他人が所有する土地の上空を飛行するためには、土地所有者の承諾が必要となり、カメラによる盗撮は
軽犯罪法違反となるなど、さまざまな法令による規制がなされています。
御質問の2点目、メリットと
デメリットの把握についてでございますが、ドローンのメリットはその特徴を生かした幅広い産業での利活用であり、それによる新たなサービスの創出等により、国民生活の利便性や質の向上につながることだと考えられます。国では、
日本再興戦略2016において、早ければ3年以内にドローンによる
荷物配送サービスの開始を目指すとされるなど、さまざまな産業において活用できるように、技術開発、実用化支援など多方面にわたって関係省庁が取り組みを強化しております。
あわせて、民間企業による新たな
サービス事業の構想も実現化に向け進んでいます。他方、
デメリットとしては、ドローンの墜落や衝突事故による被害、画像撮影等に伴う
プライバシーの侵害、ドローンを用いたテロ等の安全保障問題などが挙げられます。これらの課題に関しては、それぞれ
衝突回避技術の開発、
プライバシー保護に関する
ガイドラインの策定、ド
ローン飛行監視体制の構築などの取り組みが進められているところであります。
御質問の3点目、今後の方向性についてでございますが、近年、安価で小型のドローンの登場により、個人でも気軽にドローンを購入し、操縦することができるようになってきております。したがいまして、今後、個人・法人を問わず、さまざまな分野でますますドローンの使用がふえるものと推察されます。
御質問のどのような活用方法があるのかということについて、活用例としましては、風景・施設の撮影などの空撮目的での活用、施設内立入者の監視など警備目的での活用、農薬散布や農作物の生育調査など農林水産業分野での活用、測量や大気汚染調査など、測量・環境調査目的での活用、工場設備の点検やソーラーパネルの点検など設備のメンテナンス目的での活用、物資の輸送や宅配など輸送目的での活用、火山観測や地形変化の計測など自然観測目的での活用、土砂崩れなどの被害調査や山岳救助などの捜索・救助目的での活用、ドローンバトルという名称で既に開催されているレースなどスポーツとしての活用などが挙げられます。
このように、ドローンの活用はさまざまな分野に広がり、ドローンの需要が伸びている反面、操縦できる
オペレーターが不足しているとも言われておりますので、今後は
オペレーターの需要もますます多くなるものと推測されています。
御質問の4点目、市の役割についてでございますが、本年1月、
国家戦略特区に指定されました千葉市では、ドローンを使って商業施設から公園へのワインボトルの搬送や高層マンションの屋上への薬の搬送飛行実験が行われました。また、同じく、
国家戦略特区である秋田県仙北市では、学校間での図書の運搬飛行実験が行われるなど、積極的にドローンの活用を推進している自治体もあります。
議員も御承知のとおり、ドローンの一般への普及が進んできたのが、ここ数年の間であり、その活用方法については、一部実用化されている部分もあるものの、大半はいまだ実験段階であり、検証の域を出ておりません。
本市としましては、先ほど申しました災害時におけるドローン活用の取り組みを継続しつつ、今後の社会情勢や国の動向を十分に見きわめながら、ドローンの活用方法やドローン関連事業者などへの対応を検討してまいりたいと考えております。
また、市内におけるドローンの使用が可能な場所の提供等についてですが、まず、現状、市が管理する施設については、田辺市都市公園条例や田辺市体育施設条例施行規則などで、既にドローン等も含め他人に迷惑をかける行為を禁止していますので、そのほかの公共施設についても規定を設けた上、田辺市
無人航空機の使用規制方針を定め、その飛行を原則禁止しております。
本市として、このような規制を設けることはドローンを否定するものではなく、国における関係法令とあわせ、市民の安全確保や
プライバシーの保護が一定担保されることで、逆に産業として健全な成長を促すことにつながるものと考えております。
御指摘のように、ドローンは今後、産業、災害救助、レクリエーション等さまざまな分野において、活用のニーズが高まり、市内外で利用者もふえていくことが予想されますので、ますますドローンを安全に飛ばすことのできる場所が求められると想定されます。
そこで、今後においては、市民の安全を第一に考えることはもちろんではありますが、ドローンという新たな可能性を十分に活用するためにも、市民と市内外のドローン利用者が共存でき、さらには交流人口の増大や地域の産業活性化へつながるよう、市管理施設におけるドローンの利用について、今後検討を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 市橋宗行君。
(9番 市橋宗行君 登壇)
○9番(市橋宗行君) ただいまお答えをいただきまして、田辺市は消防署としては全国で初の導入だという事例がありますので、非常にドローン
マルチコプターについては理解されているということを聞いております。ドローンという新しいものに関して、まだ法整備がなかなか整っていないという面もありますけれども、今お答えいただいたように、それを共存して、またそれを活用して、市の産業活性化に向けて活用するということも考えておられますので、そういう意味では、田辺市でも
マルチコプターを活用した産業の発展が見込まれていくだろうと思っています。
国は、重点施策ということで置いております。これを踏まえて今、一般の方が捉えている面は、これから絶対仕事になるぞ、産業の一翼を担うぞというところに注目が集まっております。ただ、規制前から、規制後もそうですけれども、いろいろな事件が起こっており、それがニュースになるたびに、大丈夫かなと不安を抱いているところもあろうかと思います。
今も動きがあると聞いておりますけれども、将来的には、車の免許と同じような免許制度になるのではないかという話もありますが、それは犯罪抑止というところも考えれば、当然ながらそういう方向性も考えられるだろうと思っております。それについても今はまだ民間団体での訓練証明しかなされておりませんが、国交省からは市街地などでの飛行許可要件として、10時間以上の練習が必要とされております。ただ、訓練の場所など直接的な関与はございません。
安全に飛行させたいというユーザーの気持ちとは裏腹に、それを飛ばす訓練の場所というのが私の調べた限りでは、この近畿圏内では京都しかないと聞いておりますけれども、ここでやっていますよと公にインターネットなどで公報して、人が寄ってくるという公認の場所がまだまだこれからつくられていくのだろうと思いますけれども、その現状が非常に少ないというところを御理解いただきたいと思います。
世界各国の航空法というのは基本的に航空機に人が乗り込んで操縦するものという前提でできております。自分のかわりに操縦者の視点を持った飛行機が飛ぶということが身近な環境では、今までなかったことでもありますので、それゆえに不信感を持つこともあろうかと思いますが、既に活用の面からは、管理、配送、農業、福祉、消防、防災、撮影等々、多岐にわたる分野でのメリットが確認されてきております。
農業についても私はいろいろ調べてもみたのですが、以前から無人
ヘリコプターを使った農薬散布などはなされておるのですが、タンクの容量の問題もありますので、現実的にはまだまだ研究が必要なのかなというところはありますが、ただこれがどんどん広がって活用の幅が出てくればと思っています。
このように、今までにない新しいものという意味では、受け入れられるまでに時間が必要でもあり、よいところ、悪いところ表裏一体でありますので、安全で利便性の高いドローンの導入について、行政としても適切な管理体制とそれに伴う住民の理解、また活用することで田辺市がますます発展できることを願いまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(9番 市橋宗行君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、9番、市橋宗行君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午前10時45分まで休憩いたします。
(午前10時32分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時45分)
○議長(吉田克己君) 続いて、8番、二葉昌彦君の登壇を許可いたします。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 8番、誠和会、二葉昌彦、一般質問をさせていただきます。
今回、大項目、防災について。小項目として、(1)自主防災組織の現状と活動状況について、(2)自主防災組織の課題について、(3)防災士について、(4)防災士の育成について、(5)観光客用の避難誘導看板の設置について、(6)自主防災組織活動について、以上、6項目について、一問一答方式で質問させていただきます。
昨日、秋津町内会の防災訓練がありました。各地区とも第一次避難所へ避難した後、会津小学校で防災の講演会があり、町民の方がたくさん参加されました。小学生も家族と一緒に訓練に参加しており、皆さんの防災に対する意識の高さを感じた次第です。
昭和21年12月21日に発生した昭和南海地震から、ことしで70年になります。
南海トラフを震源とする地震は90年から150年の周期で発生しており、学識経験者の話では30年以内に発生する確率は70%とされています。これまで以上に地震に対する防災力の向上が必要です。防災の話の中で、自助、共助、公助という言葉が紹介されますが、言うまでもなく自助とは、自分の命を自分で守ること、共助とは、地域や隣近所でお互いに協力すること、公助とは、国・県・市による防災対策のことです。
どれも大切なことだと思いますが、やはり地震など、いつどこで起こるかわからない災害対応には、自分の命は自分で守る自助の心得が基本です。その次が共助です。自宅で地震に遭遇したときに、すぐに助けてもらえるのは家族や隣近所の住民の皆さんです。
実際に、阪神・淡路大震災では、倒壊家屋から救出された人のうち、約60%強が家族や近隣住民の協力によるものであったと聞いています。私たちの田辺地域も海岸沿いであり、地震での津波対策等、防災対策にはよく取り組んでいただいていますが、今回、平成19年に起きた能登半島地震を教訓に防災対策に取り組んでいる輪島市を会派で視察してまいりました。その取り組みが私たちの地域に役立つのではないかと思い、今回の質問に至ったわけです。
能登半島地震の規模は、マグニチュード6.9、余震、有感地震が500回以上、住居の被害は、全壊513棟、半壊1,086棟と家屋が大きく被害に遭いながら、人的被害が、庭で灯籠の下敷きになり亡くなられた方1人であった。このように、人的被害が最小限で済んだ理由の一つが、日ごろからの隣近所のつき合いがよく、家庭情報を把握し、共有することができていた。また、地域のきずなが深く、地震が起きた後、家族の安否確認が非常に早くできたことが大きな原因であったことをお聞きしました。
そうしたことから、家族のきずなや、ふだんから向こう三軒両隣と言われるように、町内会を中心とした地域コミュニティの醸成が重要です。その核の一つとなるのが自主防災組織であると思います。
そうしたことから、自主防災組織の活動活性化について質問していきたいと考えました。
小項目(1)自主防災組織の現状と活動状況について質問に入りたいと思います。近い将来の発生が懸念される南海トラフ地震や毎年のように発生している、その他の自然災害への被害の軽減を図るには、地域の防災力の向上が必要であります。そのためには、自主防災組織の存在は非常に重要な鍵を握っていると考えます。市町村の果たす役割、住民の果たす役割を明確にし、あくまでも住民の善意と自主性に基づき、強制されるのではなく、各地域で自主防災組織が結成されていますが、田辺市における自主防災組織の結成状況やそれぞれの地域の活動状況はどのようになっているのかお伺いします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 8番、二葉昌彦君の質問に対する答弁を求めます。
総務部理事、早田 斉君。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
自主防災組織とは、住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織として、災害対策基本法第5条第2項に規定されており、自分たちの地域は自分たちで守るという自覚、連帯感に基づき、災害による被害を予防し、または軽減するための活動を行う自主的な組織になります。
自主防災組織は、多くの犠牲者が出ました平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機にふだんからの近隣や地域社会とのつながり、結びつきが極めて重要であることが再認識されることとなり、自治会等の単位で結成されるようになりました。
田辺市におきましては、平成8年に最初の自主防災組織が結成され、昨年平成27年に結成された5組織を加えまして、現在の結成率は94.93%になります。
自主防災組織の活動としましては、平常時は、防災知識の普及を初め、避難行動要支援者の把握や防災用資機材の整備などを行い、災害時になりますと、災害情報の収集・伝達を初め、住民の避難誘導及び負傷者の救出、救護活動、避難施設での避難所運営などが挙げられます。
現在、田辺市内の自主防災組織においては、市の補助制度を活用した防災用資機材の整備を初め、防災訓練や防災学習会等を実施するなど、さまざまな取り組みが行われています。
津波の災害が懸念されております沿岸地域に位置する自主防災組織では、津波避難路の整備やその維持管理、海抜表示板及び高台にある避難場所を記した案内板を設置する取り組みも行っております。また、その他の地域でも、町内会組織の班体制を活用した災害時防災連絡網の作成や災害危険箇所を記した防災マップの作成など、地域の実情や災害時における課題に即した取り組みが行われているところもございます。
このように、自分たちで地域を守るという自覚、連帯感、使命感を持ち、さまざまな活動が展開されております。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 続いて、自主防災組織の課題についてお伺いします。自主防災組織の現状と活動状況から、田辺市においても結成されてから10数年がたち、その都度、いろいろな課題があり、解決され、今の自主防災組織があるように思いますが、現時点で、当局はどのような課題があるとお考えですか。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
総務部理事。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。先ほど申し上げましたように、積極的に自主防災活動を行っている自主防災組織がある一方で、昨今の少子高齢化や人口減少、さらには個々の価値観や生活様式の多様化などにより、地域コミュニティへの帰属意識が希薄化しており、自治会への加入率の低下とともに、自主防災組織の加入率も低下し、組織運営や活動に支障が出てきているケースもあるといった課題があると認識しています。
市といたしましては、新しい取り組みへの検討も含め、自主防災組織への支援に努め、地域力を生かした防災に強いまちづくりを今後も推進していきたいと思います。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 2番に続いて、追加質問を行いたいと思います。
輪島市においては、隣近所のつき合いが非常に大事で、家族情報を把握し、安否確認を短時間で確認することができたことが役立ち、人的被害を最小限に抑えられたことをお聞きしました。
私たちの地域は、以前は親密な人間関係を構成し、向こう三軒両隣の地域のきずなが保たれていましたが、先ほどの答弁にもありましたが、少子高齢化、核家族化、単身世帯の増加、生活様式の多様化等により、住民意識の変化が起こってきているように私は思います。
結びつきの希薄化が起こり、地域活動、コミュニティが崩れ、地域力の低下を感じています。そのような中で、これから先の地域社会のつながり、結びつきの必要性を再確認するときだと私は思います。当局としてどのように感じておられるか、今後、どのような取り組みが必要なのか、お聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 企画部長、松川靖弘君。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、町内会等自主組織は、日々の住民生活を支えるとともに、地域のさまざまな生活課題の解決に向け、大きな役割を果たしていただいております。そうした中で、大規模災害に見舞われた市町村においては、隣近所の助け合いや支え合いなどが重要な役割を果たしている事例が多く見られることから、人と人のつながりの大切さとともに、町内会等における住民の皆さんによる地域力の重要性を再認識しているところでございます。
こうしたことから、6月定例会におきましても、お答えいたしましたように、田辺市自治会連絡協議会では、活動目標の重点項目として、地域力の強化も見据える中で、住民自治の育成と推進を掲げ、各町内会と自治組織においては、その重点項目を推進するために、役員の皆さんが地域に引っ越してこられた方の情報をもとに、御自宅を訪問して直接勧誘を行ったり、地域の連帯意識を高めるために、幅広い年齢層の方を対象として、親睦を深める行事を開催するなど、創意工夫を凝らした活動を行い、まずは顔の見える御近所さんの関係づくりに地道な取り組みが行われているところでございます。
市といたしましては、今後とも田辺市自治会連絡協議会と連携しながら、加入促進や連帯感の高まりなどにつながるような方策等について検討してまいりたいと考えております。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 私は思うのですが、いろいろな組織、仕組みが人口の多いときにつくられて、それを変えることなく活動を続けているように思います。これからも人口減少がますます進んでいきます。このままでは、若い方々の負担が今以上に増してくるように思います。人口減少社会に向けての行政としての取り組みを考えていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(3)の防災士についての質問に入ります。
自助、共助の取り組みには正しい知識を持ったリーダーが必要だと思います。防災士は防災資格習得のために全31項目のカリキュラムを履修し、さまざまな角度から防災に対する正しい知識を習得できます。自主防災組織の活動の活性化には、地域における防災活動のリーダーとなる人材が必要になります。
自主防災機構が認証する防災士は、災害発生時には自助、公助の活動を実践するため、また平時においては、防災意識の啓発に当たるための必要な意識、知識、技術を有する人材と考えられますが、防災士の方が地域で果たす役割をどのように考えられていますか、お聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
総務部理事。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。防災士につきましては、日本防災士機構が認証する資格であり、その資格取得には研修カリキュラムを履修し、資格取得試験に合格することが必要となります。現在、防災士は、全国で11万9,000人、県内では約1,600人、市内にも66人の方がいらっしゃいます。防災士が果たす役割につきましては、災害発生時には、公的な救援活動がすぐに期待できない場合などにおいて、地域の皆さんとともに行う救助・応急活動の中心として、また、平時においては、地域の防災訓練等に積極的に参加し、地域でお互いに顔の見える関係をつくり、災害に対する事前の備えのある地域社会づくりに努めるなど、さまざまな場面においてリーダーシップを発揮し、その活動の中核となることが期待されます。
本市におきましても、防災士の皆さんには自主防災組織と連携して、地域の防災リーダーとして活躍していただくよう努めてまいります。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 続いて、4番の防災士の育成について質問いたします。
輪島市においても、災害に強いまちづくりのために防災士の育成に取り組まれ、当初平成20年度には18名の防災士が、8年で539名、うち女性108名、約20%の防災士を育成し、各自主防災組織144組織のリーダーとなり活躍している。また、次世代を担う中学生にも資格取得の動きが広がり、本年度16名の合格者が出たと聞きます。防災士が各地域で防災活動のリーダーとして活躍すれば、自主防災組織の活動も活性化すると考えられます。
田辺市においても防災士の育成に取り組み、次世代を担う若年層の地域を思う人材育成にも通じ、防災士の取得に努めてはどうかと考えますが、当局のお考えをお聞きします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
総務部理事。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。防災士の育成につきましては、今年度より防災士の資格取得に取り組む自主防災組織に対して、防災士の資格取得にかかわる教本代、試験料及び登録料を対象に、1人当たり1万1,000円を上限として、全額を補助する制度を設けております。
また、現在、市内41校の小中学校では、生き抜く力を育む防災教育において、防災に対する知識だけでなく、どのように災害に向き合うかという姿勢に対する防災教育を行っており、中学生に対しては、災害時には助けられる人ではなく、助ける人になるという意識を高める取り組みも行っています。
こうした中学生にも将来的には、防災士の資格取得に挑んでいただけるよう、資格取得にかかわる補助制度の周知に努めるなど、防災士の育成に取り組んでいきたいと思います。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 現在、消防団員の加入人数も年々少なくなってきていると聞きます。このような取り組みをすることにより、中高校生から地域を自分たちで守るという気持ちも育ち、消防団にも興味を持つ若い方々もふえてくるように私は思います。
何より、一時避難が長引くときには、いろいろな課題も自分たちで解決して、避難場所で安心して過ごせることを考えなくてはなりません。そういうときには、地域のリーダーが必ず必要になってきます。
また、輪島市においては、約2割の女性防災士がおられます。女性の防災士、リーダーがいることで、避難をしたとき、男性にはわかってもらえない女性の悩み等が相談でき、女性ならではの視点によるサポートができるように思います。女性の方にとっては、不安解消の一つになり、安心できるように思います。
こういうことも想定して、今後のリーダーの育成に力を入れていただきたいと思います。
続いて、5番目、観光客用の避難誘導看板の設置についてお伺いします。輪島市は、日本初の世業遺産に認定され、輪島の朝市、千枚田等、能登の自然に魅せられ、多くの観光客、海外の方々が訪れています。
その中で、外国人観光客に向けて4カ国語で表示した避難誘導看板を設置し、観光客にわかりやすく、安心して滞在できる取り組みもされています。田辺市においても、世界遺産の紀伊山地の霊場と参詣道が追加登録により、外国人観光客の増加が見込まれることから、世界遺産の地、世界農業遺産の地に恥じない取り組みとして、外国人観光客にも対応した避難誘導看板の設置が必要ではないかと考えます。
当局のお考えをお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
総務部理事。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。観光客用の避難誘導看板の設置につきましては、本年10月の世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道追加登録により、鬪鶏神社等の史跡を訪ねて、町なかを散策する外国人観光客の姿が見受けられるなど、多くの観光客が本市を訪れるようになりました。
災害発生時には、こうした観光客など、他地域からの来訪者は土地カンがないため、的確な判断が難しいと思われ、また外国人観光客については、避難誘導板に外国語表記がないため、表記内容の理解ができないことが考えられます。
こうした場合においては、地域住民に続いて、高台などの一時避難場所へ避難することが最も有効な手段と考えられ、地域の方々においては、日ごろから学習会や訓練等を通じて、一人一人が率先避難者であるという意識を醸成し、来訪者を安全な場所へ導くことが理想と考えています。
しかしながら、こうしたソフト面の対策だけでなく、外国人観光客用の複数の言語に対応した避難誘導看板につきましても、避難行動への有効性等について、他の先進地の事例等も調査し、研究してまいりたいと考えております。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 続いて、6項目の自主防災組織の今後の活動についてお伺いします。
自主防災組織の活動の活性化には従来から防災訓練の実施、防災資機材の備蓄推進と管理、避難路の整備等といった取り組みを支援するほか、地域の防災リーダーの育成などの新たな取り組みが必要と考えます。また、地域によってそれぞれの課題もあり、地域独自の活動が必要と感じます。今後の自主防災組織の活動の活性化について、どのように考えておられるのか当局のお考えをお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
総務部理事。
(
総務部理事 早田 斉君 登壇)
○
総務部理事(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。自主防災組織の活性化を図るためには、地域コミュニティとしてのさまざまな地域活動と組み合わせたり、消防団や地域のさまざまな団体と連携したりすることにより、活発な活動を継続して展開できるものと考えております。こうしたことから、今年度は学校活動との連携により自主防災組織の活性化につなぐ取り組みとして、大塔地区と大塔中学校をモデルとして、授業の一環として中学生と自主防災組織、消防団、PTAが参加してワークショップを開催する予定となっています。この取り組みの成果は、他の自主防災組織にも伝え、学校と連携した取り組みの普及を今後図っていけたらと考えております。
このほかにも先ほどありました防災士の育成など、今年度から自主防災組織育成事業等補助金の交付対象となる事業を拡充するなど、自主防災組織への支援に努めているところです。
いずれにいたしましても、自主防災組織は地域で協力し合う体制や活動となる共助の中核となりますので、今後もより一層活動に対する連携を図り、地域力を生かした災害に強いまちづくりを推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) この質問はすぐに結果が出ない、時間をかけた大事な人づくりになると私は思います。これからだんだん人が少なくなり、その少なくなっていく人たちで、この広大な田辺市を守らなくてはいけません。これからの田辺市の課題を見つけ、早急に課題解決に取り組み、若い世代が安心して暮らせる地域づくりに邁進していただきたいと思います。これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、8番、二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時14分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、15番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 皆様、こんにちは。15番、公明党の佐井昭子でございます。通告に従いまして質問をいたします。
今回は、「まちなか」がテーマです。
観光、魅力的なまち、移住についてお伺いしたいと思います。それでは1点目、まちなか観光について2点お伺いいたします。この項目は、稼ぐをキーワードにしたいと思います。まず1点目、観光、商工、飲食業、宿泊業等さまざまな業種団体等と行政の連携及び受け入れ態勢についてお伺いいたします。
田辺市の観光振興は、訪れたくなるような魅力ある地域づくりを目指して、交流型観光を推進し、質の高い観光を目指してきました。世界遺産、温泉、海、山、川、おいしい食べ物、文化という豊かな観光資源を生かし、観光プロモーション、ガイド・語り部団体の連携、レベルアップ、インバウンドに向けた事業に取り組んでいただいております。
情報発信、プロモーション、特に海外に向けての発信は、外国の方が魅力を感じる、行ってみたいと思わせる質の高い発信で、大勢のお客様をお迎えしています。
○10番(安達幸治君) 皆さん、こんにちは。くまのクラブの安達幸治です。通告に従いまして質問させていただきます。
本日は3件について質問いたします。
まず、大項目として1番に熊野地区の活性化について、そしてまた大項目2として、鬪鶏神社を中心とした観光について、大項目3として、魚道の整備について、以上3点、分割質問方式にて質問させていただきます。大変お疲れだと思いますが、最後までよろしくお願いいたします。
まず、熊野地区の活性化について。2011年9月4日の12号台風により紀伊半島は大きな痛手を受けました。田辺市でも伏菟野地区や熊野地区で大きな地すべりが起こり、多くの犠牲者が出ましたが、いまだにその傷は完全には癒されておりません。現在、熊野地区では懸命なる復旧工事が行われておりますが、まだまだ完了にはほど遠いものがあります。
災害後は悲しみに暮れていた住民たちの心も、ここにきて少しずつ前を見始め、伏菟野地区では谷口順一区長を中心として、被災地に桜やもみじを植えて、地域へ多くの方々に来ていただく取り組みを始めました。
地域住民のほか、多くの方々の協力のもとに、既に100本以上の桜が植えられており、今後、桜の植樹とともに、もみじの植樹も予定されています。恐らく10年もたてば多くの皆さんの目を楽しませてくれることでしょう。
また、熊野地区も例外ではありません。このたび熊野地区の住民や出身者を中心にして、地域を何とか活性化しようと、熊野ふるさと会を立ち上げました。待ちに待った村おこしの始まりです。会員は既に動き始めており、キャンプ場の掃除や樹木の剪定などを行っており、大塔行政局の職員の協力も得て、現在奮闘中でございます。
恐らくは、これから行政に対して何らかのアクションがあると思いますが、その前に気になるのがキャンプ場、特にコテージ、それに百間渓谷の遊歩道の管理であります。
そこでまず、小項目1として、キャンプ場、コテージの管理状況と今後の展望について、小項目2として、百間渓谷遊歩道の管理状況と展望について。また、小項目3として、三川地区の活性化に向けて構想があればお聞かせください。
まず1問目です。よろしくお願いいたします。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 10番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
大塔行政局長、松本光生君。
(
大塔行政局長 松本光生君 登壇)
○
大塔行政局長(松本光生君) 議員御質問の熊野地区の活性化についての1点目、キャンプ場、コテージについてですが、大塔熊野地区につきましては、平成23年の災害以降5年が経過し、百間山渓谷へは平成27年10月1日から立ち入ることができるようになりましたが、現在も国の直轄事業として復旧工事が進行中であり、工事の完了にはあと数年はかかる見通しとなっています。
市としましても、熊野地区の早期復旧を推進するため、大塔百間山渓谷キャンプ村を事務所や車両置き場として
国土交通省を初め、工事関係者に貸与しているところであり、工事の進捗状況を鑑みながら、今後のキャンプ村のあり方について、地域の皆さんの意向も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
また、現在の維持管理につきましては、年2回キャンプ場内の草刈りをするとともに、宿泊棟におきましても、週1回程度の開け閉めによる施設の換気を行っています。今後の管理につきましては、地域の方々と協力しながら行っていくことも考えているところです。
次に、2点目の百間山渓谷の遊歩道についてですが、百間山渓谷は全長約3キロメートルにわたって奇岩や甌穴、大小の滝が連なる渓谷であり、渓谷内の遊歩道につきましては、これまでも随時補修を行っておりますが、時間の経過とともに老朽化も進んでおり、修繕が必要な箇所も見受けられます。現在、渓谷内遊歩道全体の状況を調査中であり、状況の悪い箇所から順次修繕を行っていきたいと考えております。
また、渓谷を訪れた方々に渓谷周辺で休憩していただけるよう地元の住民、出身者による団体において渓谷入り口周辺に自動販売機の設置を検討しているところです。
次に、3点目のその他の構想についてですが、本年度も地域の方々から熊野地区の植樹についての要望があり、市としましても、今後も地元の方々とも相談しながら植樹への有効な制度の活用も含め、植樹に向け検討してまいりたいと考えています。
また、大塔地域には、渓谷のみならず、登山に適した山も多数ございまして、法師山などでは毎年登山イベントを開催しており、多くの方々が参加されております。加えて、川筋は異なりますが、前の川筋には、山合いにある大自然の中の宿泊施設「おおとう山遊館」がございます。
市としましても、そうした自然美に囲まれた大塔地域の魅力を多くの方々に知ってもらえるよう、継続して情報発信をしてまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
(
大塔行政局長 松本光生君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 熊野地区の活性化についてお答えいただきました。キャンプ場のあり方については、地域の皆さんの意向を踏まえて、検討されるということですが、中村区長さんのお話によりますと、コテージで使用できるものが大体十二、三棟とお聞きしております。今後、使用不可能なものは取り壊しもあろうかと思いますが、使用できるものに関しましては、十分な管理をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、行政の管理が不十分な場合、地域で管理をするとのことですので、お互い話し合いの中で進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、百間谷渓谷の遊歩道についても、状況の悪い箇所から修繕を行っていくということですので、これもよろしくお願いしておきます。ただ、数年前にここで私の知人が、行方不明になり亡くなるという悲しい事故が発生しました。山中での日暮れは早く、その上での事故でした。今後、こういう事故が発生しないような道しるべや入山時間の規制等の看板なども必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、三川地区の今後につきましては、全く高齢化が著しく、私も大変心配しております。住民たちが前を向き始めた今、行政の後押しは大変重要でございます。今まで以上に足を運び、住民たちを励ましていただきますよう心からお願いしておきます。この項の質問は終わらせていただきます。
次の質問にいかせていただきます。
続いて、鬪鶏神社を中心とした観光についてお聞きいたします。
この内容は、先ほど佐井議員から出されました質問とほぼ同じ内容でありますが、これもまたこれからの町なかを中心とした観光について、いかに心配をしているかの証でもあります。その点を御理解の上、どうぞよろしくお願いいたします。
鬪鶏神社を中心とした観光について。語り部の重要性についてお聞きいたします。
本年10月24日、待ちに待った鬪鶏神社、長尾坂、潮見峠越、北郡越、赤木越の5カ所が世界遺産に追加登録されました。我が田辺市にとりましても、これからの観光に大きな追い風となることが期待されます。
また、これまでには大辺路や中辺路、小辺路を中心に、滝尻王子や本宮大社、那智大社、速玉大社などへのルートが中心でありましたが、これからは鬪鶏神社を中心とした旧市内観光にも大きく力を注がなくてはなりません。現在、田辺市では観光協会が発行する世界遺産追加登録特集号として、すばらしい「たなべぇマップ」ができ上がり、追加登録地の紹介や市街地の案内、また食事どころなどが細かく記載されています。
しかし、これらのポイントをただ歩き回るだけでは、町なかやその周辺の本当のよさが観光客には伝わりません。県世界遺産センター長の辻林浩さんは、紙面で、「従来の観光では資産の本質はなかなか伝わりません。観光のあり方を考える時期が来ています。熊野古道は知識がないと、ただの山道に見えます。歩くだけではその本質はわかりません。道そのものだけでなく、周囲の山林や集落、生息する生物など、取り囲む空間を理解してもらうため、語り部の役割は重要です。」と言われています。そういう面で見ていくと、町なかを中心とした旧田辺市内には、たとえ直接熊野古道と関係がなくても、歴史、文化、そして自然に恵まれたところがあり、営みがたくさんあります。それらは皆、地域の財産なのです。これらを線、あるいは面に変えていくには、語り部の役割が重要です。
そこで、現在、市として、どのように認識をされているのか。また、連携ができているのかどうか、お聞かせください。
二つ目の市街地への観光客の誘導についてお聞きします。鬪鶏神社が世界遺産に追加登録されて以来、神社には多くの観光客が訪れており、福井ナンバーなど、たくさんの他府県ナンバーのバスが乗り込まれています。世界遺産登録、その影響力に改めて驚かされます。神職さんもその都度対応され、ユーモアたっぷりの御案内をされており、その対応に感心をさせられながらお話を聞かせていただきました。
しかし、その中で気づいたことがあります。それは神職さんのお話を聞かれた後、神社にお参りをされるほとんどの方がすぐにバスに乗り込んで、宿に帰られるということです。その時間は約30分ぐらい。また、夕方の観光が多く、時間的に町なかへの観光などできる余裕もありません。田辺市では、神社前にポケットパークを予定されておりますが、今後、この状態ではポケットパークをつくっても利用されることは不可能です。市として鬪鶏神社を中心とした観光客の町なか及びその周辺への誘導について、どのような方法を考えられておられるのか、お聞かせください。
以上、2点、よろしくお願いいたします。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。現在、田辺市におきましては、熊野古道を中心に地域の観光資源や地域資源の魅力をお伝えする語り部やガイドの団体が11団体あり、約200名の会員が活動されております。
そうした中、主に田辺市街地エリアを御案内いただいている団体が、田辺観光ボランティアガイドの会であり、観光センターを拠点に活動されております。すばらしい自然風土や歴史ある町並みが残る市街地には、神社仏閣を初め、植芝盛平翁や南方熊楠翁、武蔵坊弁慶といった偉人たちゆかりの地があり、見どころもたくさんあります。その一つ一つには、それぞれの歴史、文化や伝説が存在し、そうした内容を観光客に心を込めて説明し、町なかを案内してくれるガイドの会は、田辺市の価値をさらに高めていただいている大変重要な存在であると認識しております。
市といたしましても、現在、市内それぞれの地域で活動する語り部やガイドの11団体に参画していただいた田辺市語り部・ガイド団体等連絡協議会において、意見交換会やレベルアップのための研修会の開催等に取り組んでおりますが、今後、世界文化遺産の追加登録を契機に、観光客の増加がより一層見込まれる中、ますますガイドの会の皆さんが果たされる役割は大きくなると考えております。
数多くある観光地の中で、田辺市を選択し、お越しいただく観光客の皆さんに、心から来てよかった。また来たいと思っていただけるよう、ガイドの会の皆さんとの連携を深めながら、さらなるおもてなしの充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の市街地への観光客の誘導についてお答えいたします。
本年10月に鬪鶏神社等が世界文化遺産に追加登録され、当地を訪れる観光客数が増加傾向にある現在、市街地に位置する闘鶏神社を訪れる観光バスの台数につきましても、追加登録後、大幅に増加しております。これはいわゆる世界遺産登録の効果であるとともに、登録前からターゲットを絞りながら行ってきたプロモーション活動の成果でもあると考えております。
しかしながら、現状では観光バスツアーの皆さんは、鬪鶏神社へ来場し、神職の説明を受けながら、境内地を見学した後、その多くは宿泊施設へ直行するか、帰路につくため、市街地への滞在や周辺観光スポットへの立ち寄りは多いとはいえません。その要因といたしましては、現状のツアー行程に市街地散策が組み込まれておらず、鬪鶏神社のみを目的にお越しになられているという現状が背景にあると思われます。
こうした中、市といたしましては、観光客の受け入れ体制の強化を図るとともに、町なかに来訪者が滞留するための観光案内の拠点施設となるポケットパークを鬪鶏神社周辺に整備し、その拠点で行うさまざまな情報発信により、交流人口の増大、さらには地域の活性化につなげていく取り組みを進めています。
ポケットパークには、田辺観光ボランティアガイドの会の方々にも常駐していただき、まずはここを拠点として町なかへの誘導を積極的に進めていくとともに、観光客に少しでも市街地に滞在していただけるような仕掛けづくりについても検討しているところです。具体的には、ガイドの会の皆さんと連携し、町歩きのモデルコースをバス会社や旅行会社等へ提案することも進めてまいりたいと考えております。
さらに、田辺市熊野ツーリズムビューローや関係団体の皆さんと連携を図りながら、市街地の魅力を発信し、より多くの観光客に田辺市へお越しいただけるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 鬪鶏神社を中心とした観光についてお答えいただきました。
観光ボランティアガイド、つまり語り部さんについては、大変重要であるとの御認識を持っていただいているようでございます。ただ、語り部さんの数人の方々にお話を伺っておりますと、まだまだ連携がとれていないように思われます。特に、ポケットパークのことに関しても、まだまだ話がまとまっていないようですし、仮にポケットパークに語り部さんが配置されても、今のバスの運行状況では、その場所へさえ観光客がたどり着かないのが現状でございます。このままだと、1年もつかどうか心配でございます。ポケットパークができたときには、観光客がいなくなったということがないように、十分な御努力をお願いいたします。
そのためには、まず町歩きのコースを確立することでございます。みなべ町では、既に語り部さんを中心として13の観光コースが設定されており、広く県外への発信もされているようでございます。田辺市としても語り部さんを中心として、商品となる観光コースを一日も早くつくっていただき、観光協会や田辺市熊野ツーリズムビューローなどを通じて、バス会社や旅行会社に提携を呼びかけていただきたいと思います。今、本当に非常事態でございます。よろしくお願いいたします。
また、田辺市には、すばらしい文化振興課の職員さんがおられます。この方々の知識を十分に生かして、楽しい田辺市の観光を目指していただきますよう、心からお願い申し上げます。この点、どうぞよろしくお願いしておきます。
続きまして、大項目3、魚道の整備について質問させていただきます。
以前、一の井頭首工の魚道について質問をさせていただきました。おかげさまで、魚道を新設していただき、現在、たくさんの鮎が上流に遡上するに至りました。夏場、夕方になると、橋の上で鮎を眺めるのを楽しみにしておられる上秋津の方々も大変喜んでおられます。しかしながら喜んでばかりはいられません。たび重なる水害により、中万呂、大谷橋下流の頭首工の下部がいまだ破壊されたままで、本来は上三栖まで上るはずの鮎や魚類がここでとまったままになっており、上流まで遡上しません。
現在、至る河川で魚類が激減しており、川や谷をのぞいても、全く寂しい状況でございます。特に、鮎は秋の終わりに河口で産卵し、海で育ち、その稚魚は漁業者によって採捕され、他の河川に友釣りなどの目的で放たれます。
水産課にいただいた資料ですが、数年前は4トンぐらいの鮎がとれて、最低でもいいところだったら6,000円ぐらいの値段がするとしたら、大体2,400万円の水揚げが上がるわけです。ことしは新庄漁協さんに頑張っていただいているおかげで、500キログラムの採捕ができているようでございます。
また、残った稚魚は元気よく芳養川、左会津川、また右会津川へ上ってきてという、同じ歴史を繰り返します。鮎は上流へ上流へと上っていき、たくさんのあかを食べて大きくなり、秋には多くの卵を抱えて下流へと下ります。また、その間、川を楽しむたくさんの人々の目があります。漁業者の皆さんにとって、決して大きな金額ではないのかもわかりませんが、今の漁業を取り巻く状況の中では、少しは手助けになると思います。
芳養川や会津川は、たとえ小さくても天然鮎が育つ川として大変重要な川です。大切にしませんか。ぜひいま一度、他の頭首工も含めて、魚道の整備をお願いしたいと思いますが、御見解はいかがでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の魚道の整備についてお答えいたします。
河川内の堰堤における魚道の役割につきましては、議員御指摘のとおり、魚類を初め、水棲生物の遡上を助長する上、生態系の維持、水産資源保護の観点からも、非常に重要な施設であると認識しております。
また、近年においては、頭首工や堰堤などの建設の際には、自然環境に配慮した工法が採用されております。御質問の中万呂にある乙井頭首工でございますが、これは40年以上前に築造したものであり、堰とエプロン、護床コンクリートによる構成となっております。現在、堰とエプロンの間に、魚道があり、エプロンと護床コンクリートの間には、もともと小さな落差があったと思われますが、護床コンクリートの一部が破損したことにより落差が大きくなっております。
これは長年の流水により下流域の河床が下がるにつれ、少しずつ護床コンクリートが下がったことに起因するものと思われます。
議員御指摘の乙井頭首工に係る施設の整備につきましては、魚類の遡上特性などの研究等も踏まえ、渇水期の状況を確認しながら、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 魚道についてお答えいただきました。御理解はいただいていると思います。
今から何年か前、芳養川の河口近くで堰の下手に水が流れない状態になって、何万匹もの鮎が上芳養などに上らないということが起こりました。私も元市議会議員の文里の山本紳次さんに同行していただいて、その当時、現副市長の池田副市長にも随分とお世話いただいて、上流へと鮎を上らせたことがありましたが、池田副市長、覚えておられますか。その節はありがとうございました。
その鮎も上芳養、秋津川、伏菟野、長野へ稚魚を放流しましたが、おかげさまで放流した鮎は地域の川で大きくなり、釣ったりたもですくったりと、皆さんに大変喜ばれました。地元を活性化させるのは何も鮎だけではありません。例えば、蛍、長野や伏菟野では地元の人々が中心になって蛍を養殖し、毎年蛍祭りを開催されています。夕方から夜にかけて、数時間ですが、こんなにも人が集まるのかというぐらいにぎわいます。特に、子供たちには大人気です。これだけでも大きな効果がありますが、一番大切なのはその一晩のために一生懸命地域の人々が協力し合う、その姿です。
ここに地域おこしの原点があります。小さな自然にも目を向けること、それがこれからの行政にとって大変重要なことです。きょうの質問に当たっては、このたび水産課長さんたちとともに、左会津川、右会津川の様子や頭首工も見ていただきまして、改めて魚道の意義を感じていただいたと思います。
今後とも、担当課の垣根を越えて事に当たっていただきますようよろしくお願いいたします。
以上で、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、10番、安達幸治君の一般質問は終了いたしました。
◎日程第2 4定議案第22号
田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから
日程第4 4定議案第24号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)まで一括上程
○議長(吉田克己君) 続いて、日程第2 4定議案第22号
田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから、日程第4 4定議案第24号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)まで、以上3件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案3件は、本日、市長から提出のあったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただいま、上程されました議案第22号
田辺市長等の給与に関する条例の一部改正については、生活保護費に係る詐欺等の容疑で逮捕され、懲戒免職処分を行いました本市元職員の不正事案に関して、市政への混乱を招いたことから、私及び副市長の給料を減額するため改正するもので、議案第23号 地方公務員の
育児休業等に関する法律及び育児休業、介護
休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定については、地方公務員の
育児休業等に関する法律及び育児休業、介護
休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴い、
育児休業等の対象となる子の範囲の見直し及び介護休暇の分割取得、介護時間の新設等を図るほか、所要の改正を行うものです。
議案第24号 田辺市
一般会計補正予算(第6号)につきましては、議案第22号に係る市長及び副市長の給料を減額補正するものです。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、詳細につきましては、関係部課長から説明いたさせますので、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 続いて、補足説明を求めます。
総務部長、田上豊和君。