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平成28年12月定例会(第2号12月 9日)

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  1. 田辺市議会 2016-12-09
    平成28年12月定例会(第2号12月 9日)


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    平成28年12月定例会(第2号12月 9日)             田辺市議会12月定例会会議録             平成28年12月9日(金曜日)           ―――――――――――――――――――    平成28年12月9日(金)午前10時開会  第 1 一般質問           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1 一般質問           ―――――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  1名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  真 砂 みよ子 君               2番  川 ア 五 一 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  北 田 健 治 君               5番  橘   智 史 君
                  6番  湯 口 好 章 君               7番  尾 花   功 君               8番  二 葉 昌 彦 君               9番  市 橋 宗 行 君              10番  安 達 幸 治 君              11番  安 達 克 典 君              12番  小 川 浩 樹 君              13番  塚   寿 雄 君              14番  松 下 泰 子 君              15番  佐 井 昭 子 君              16番  中 本 賢 治 君              17番  出 水 豊 数 君              18番  宮 本 正 信 君              20番  陸 平 輝 昭 君              21番  山 口   進 君              22番  吉 田 克 己 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       福 田 安 雄 君             副市長       池 田 正 弘 君             教育長       中 村 久仁生 君             企画部長      松 川 靖 弘 君             企画広報課長    千 品 繁 俊 君             人権推進課参事   打 越 康 之 君             総務部長      田 上 豊 和 君             総務部理事     早 田   斉 君             総務課長      山 ア 和 典 君             防災まちづくり課参事                       宮 野 恭 輔 君             税務課長      糸 川 一 彦 君             納税推進室長    熊 本 喜代一 君             市民環境部長    小 川   鏡 君             保険課長      谷 村 憲 一 君             保健福祉部長    木 村 晃 和 君             福祉課長      虎 伏   務 君             福祉課参事     山 本   康 君             やすらぎ対策課長  梶 垣 吉 良 君             産業部長      那 須 久 男 君             商工振興課長    丸 山 勝 司 君             観光振興課長    小 川 雅 則 君             梅振興室長     廣 畑 賢 一 君             森林局長      鈴 木 徳 久 君             建設部長      林   誠 一 君             都市計画課長    縺@畑 昌 典 君             都市計画課参事   K 田 常 夫 君             管理課長      宮 脇 寛 和 君             会計管理者     福 田   文 君             中辺路行政局長   虎 地 一 文 君             中辺路行政局産業建設課長                       松 本 繁 和 君             消防長       濱 中 延 元 君             警防課長      梅 田 昌 宏 君             教育次長      弓 場 和 夫 君             給食管理室長    田 上 芳 文 君             スポーツ振興課長  谷   貞 見 君             文化振興課参事   中 川   貴 君             図書館次長     尾 田 信 俊 君             水道部長      田 中 久 雄 君             監査委員事務局長  廣 井 崇 史 君             選挙管理委員会事務局長                       道 畑 佳 憲 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    大 門 義 昭             議会事務局次長   前 溝 浩 志             議会事務局主任   松 本 誠 啓             議会事務局主査   稲 垣 清 司  開 議 ○議長(吉田克己君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成28年第4回田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。              (午前10時00分)          ――――――――――――――――――― ○議長(吉田克己君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(吉田克己君)    日程第1 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は去る11月30日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は御通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順位に従って一般質問を許可します。  3番、久保浩二君の登壇を許可します。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    おはようございます。3番、日本共産党、久保浩二です。通告に従いまして、質問を始めます。  まず1番目、生活保護費詐欺事件についてですが、長引く不況を反映して、2016年1月現在、生活保護利用者は210万人余りとなり、保護世帯は160万世帯を超えています。現在の被保護世帯増加の背景には高齢化、雇用状況の悪化、社会保障の脆弱化があり、これらによる国民の生活困難の増大が生活保護に過度の負担を集中させています。  一方で、福祉事務所の現場では、ケースワーカーが標準数配置されず、ケースワーカー1人当たり100世帯を超える利用世帯を担当し、支援に取り組む例も珍しくありません。また、配置されたケースワーカーも経験を積む前に、2年間から3年で他の職場に異動することも日常茶飯事となっており、職場に実践の蓄積がなされない状況となっています。ケースワーカーは毎日が忙しいです。訪問があり、毎日電話がかかってくる。場合によっては、大声で怒鳴られることもあり、疲れがたまります。そうすると、どうしても対応や仕事の仕方が荒くなり、ついその場しのぎのことをしてしまい、トラブルが生じたり、事態を悪化させたりすることもあります。それもこれも保護世帯増に追いつかない人員配置、福祉事務所や自治体内の組織的対応の不十分さなどが絡んでいるわけです。しかし、今回、田辺市の生活保護費詐欺事件は、対応の不十分さだけでは済まされない事件です。  そこで、まず生活保護の基本についてお伺いします。生活保護費はどのようなものがあるのでしょうか。田辺市は、3級−1という状態にありますが、都市の生活保護費住宅扶助費の中身についてもお聞かせください。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    3番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。  保健福祉部長、木村晃和君。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  生活保護制度は、資産や能力等、全てを活用してもなお生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を促すことを目的としており、保護は世帯単位で行い、世帯全員がその利用し得る資産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活維持のために活用することが前提であり、また扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。  生活保護における生活保護費の水準についてでありますが、低所得者層と生活保護世帯との均衡を図るため、全国消費実態調査における年収の最も低い層の所得水準を基準に、年代別の支出水準、世帯人員の消費実態、級地間格差及び一般世帯の消費実態などを踏まえ、国において生活保護基準を定め、実施機関である福祉事務所が運営をしているところであります。  生活保護費は、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の八つの扶助で構成され、このうち生活扶助費は生活に必要な食費や衣類、光熱水費、介護保険料などの費用であり、住まわれている市区町村や世帯の構成等により異なります。  現在は、全国を三つの級地に分け、それぞれの地域実態に対応し決定しております。田辺市は、御指摘のとおり「3級地−1」という区分に属しております。例を挙げて、具体的な生活扶助費等基準額につきまして御説明いたします。  東京都区部等に居住する33歳、29歳、4歳の3人世帯では生活扶助費基準額は15万8,380円、住宅扶助費の上限額は6万9,800円、計22万8,180円です。当市に在住の同じ世帯構成の世帯では、生活扶助費は13万5,180円、住宅扶助費は4万2,000円で、計17万7,180円となります。
     また、東京都区部等に居住する68歳の高齢者単身世帯では、生活扶助費は7万9,790円、住宅扶助費は5万3,700円、計13万3,490円であり、当市では生活扶助費6万7,310円、住宅扶助費は3万2,000円で、計9万9,310円となります。  なお、実際の支給額は、この基準で計算された金額から就労収入、年金及び児童扶養手当等の収入を控除した額となります。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    今、答弁していただいたように、東京都市部と田辺市などでは、3人世帯でも2万円余りの差があり、住宅の扶助費も大きな違いがあります。田辺市の68歳の事例を示していただいたのですが、1人世帯では、生活扶助費は6万7,000円となっています。必要最小限度の生活に必要な金額となっていますが、余分な金額は支給されていないという金額に思います。  そこでまず、生活保護を受ける場合に自動車の保有が認められないとなっていますが、その根拠についてお聞かせください。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。厚生労働省事務次官通知第3「資産の活用」においては、最低生活の内容として、その所有または利用を容認するに適しない資産は原則として処分の上、最低限度の生活の維持のために活用させることと述べられています。  そして、生活用品としての自動車は、単に日常生活の便利に用いられるのみであるならば、地域の普及率のいかんにかかわらず、生活保護受給者が自動車の保有を認める段階には至っていないとされているところでございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    以前から何度も生活困窮で生活保護を申請するということで、同行させていただいています。まず、車を持っている場合には、車を処分してくださいという話をいつも言われました。  そして、今言われたように、ただ乗るだけの車はだめということになっていますが、それ以外に保険を支払ったり、事故した際に対応ができないということも言われていました。やはり最低限のお金しかないというところが大きく影響していると思います。  次に、2番の生活保護受給前の滞納金(税)を支払う金銭的な余裕はあるのかについてお伺いします。  生活保護法では、公課禁止というところで、57条、被保険者は、保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。次の差押禁止、58条では、被保護者は既に給与を受けた保護金品、またはこれを受ける権利を差し押さえられることがないとあります。最低限の生活をするだけの生活保護費しか受給されておらず、受給前の滞納金(税)を支払う余裕はないし、基本的に扶助費から借金の返済を認めないはずではありませんか。お伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。まず、生活保護受給前の滞納金(税)を支払う金銭的な余裕はあるのかについてお答えいたします。  生活保護の基本的な考え方として、生活保護法に被保険者は常に能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持向上に努めなければならないと定められております。  このことを踏まえまして、平成17年度生活保護実施要領第3の18「資産の活用について」において、「生活保護開始後に支給された保護費のやりくりにより、生活保護の趣旨・目的に反しないと認められる目的のために蓄えた預貯金については保有を容認できる」と定められております。  また、生活保護法第78条徴収金については、平成26年7月より本人の申し出により生活の支障のない範囲の額で徴収金を差し引いた上で保護費を支給することとすると規定されております。  このような条文等から読み取れますように、生活保護においては支出を節約することにより、一定ではありますが、やりくりも可能であることを前提としております。したがいまして、支給されました生活保護費の中から生活保護支給前の滞納金(税)を支払うことについてもできないことではなく、生活保護法上も問題は生じないものと考えます。  次に、生活保護受給前の滞納金(税)を支払う必要性についてお答えいたします。  生活保護を開始した後であっても、受給者は生活保護開始前の滞納金、滞納税金については納付、納税する義務がございます。しかしながら、市税、国民健康保険税につきましては、保護開始時に担当課より滞納処分の執行停止をするため、担当課から督促状の送付を含め納付指導をすることはございません。ただ、受給者自身からの納付の申し出を妨げるものではなく、近い将来自立が見込まれる世帯については、保護中に税の滞納を減らしておくことにより、保護廃止後に自立した生活を送る際の経済的な負担が軽減できると考え、本人との話し合いの上、分割納付分を引き去り処理していたこともあります。  次に、水道料金、市営住宅使用料につきましては、滞納処分の執行停止のような手続が法的に認められていないこともあり、今後の自立も視野に入れる中で、保護開始以降も滞納額については、担当課職員が本人との協議により、生活に支障がない範囲において分割納付のお願いをしているところであります。  その際、ケースワーカーが協議に加わり、本人の同意を得た上で、生活保護費から分割額分を引き去り、担当課徴収員に代理支払いをしていたケースもありましたが、現在は引き去り自体を禁止しているため、この方法ではなく、直接、受給者が口座振替、または納付書により納付されているところであります。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    支出を切り詰めてお金をためることはできる。そういう中で借金を払うことができるというお話でしたが、先ほど言いましたように、公課禁止で、租税その他の公課を課せられることがないというところで、義務はあるが生活保護受給になったら停止するということ。そしてもう一つ、払う場合でも本人の申し出、本人との協議ということが前提にあります。今回のような形のものは許されるものではないと思います。  それでは、次に3番の生活保護費から引き去りの根拠についてお伺いします。生活保護費から引き去りは以前からどのようなものがあったのか、生活保護費からの引き去りの法的根拠についてお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  生活保護費からの引き去りにはどのようなものがあったのかという御質問についてでございますが、今後の自立も視野に入れる中で、保護開始以降も滞納額については担当課職員が本人との協議により生活に支障がない範囲において分割納付をお願いしていた当時、引き去りを行っていたものは、生活保護法第63条による返還金、法第78条による徴収金、住宅扶助費家賃滞納分介護保険料、水道料金並びに水道料金の滞納分、教材費・育友会費、修学旅行積立金等の学校への支払い、各種滞納金国民健康保険税滞納分、医療機関への医療費、電話料金、電気料金、ガス料金、応急小口資金貸付返済金でありました。  次に、引き去りの法的根拠についてでございますが、生活保護法第37条の2で、引き去り代理納付が認められておりますのは、住宅扶助費及び介護保険料並びに学校給食費、そして同法第78条による徴収金であります。  平成27年4月1日以降、それ以外については引き去りを禁止し、受給者より強い要望がありましても全てお断りをしております。なお、公共料金の支払い等を含め、金銭の管理が困難であると思われる受給者につきましては、本人との協議の上、社会福祉協議会が行っている地域福祉権利擁護事業の利用による公共料金等の支払いについても指導させていただいております。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    今、答弁にありましたように、法的根拠はあるということでした。しかし、そういう中でも本人との協議というのが、かなり税のところにおいては関係してくると思いますので、どうしても水道料金だとか、学校へ支払う分については引き去りをされてきたと思うのです。  そして、以前はケースワーカーが金銭管理がうまくできない受給者への対応ということで、お金を分割して10日に1回ずつ支払うとかいうこともやられていたと聞くのですが、今答弁にありましたように、社会福祉協議会が権利擁護という形でかわりに仕事をやってくれているということで、そういうものが発生しないという形が言われています。  次に、生活保護受給者からケースワーカーに生活費がなくなったので、現金を用立ててほしいという無心があったように何度も聞きますが、そんなとき、ケースワーカーの対応はどのようにされていたのかお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  担当ケースワーカーは世帯の困窮状態を最も知り得る立場にあり、受給者からお金の用立てを求められたとき、そのような事態に対応してきたことはあったと認識してございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    受給者から生活費の無心があったということを答弁いただきました。保護受給者に用立てていたという慣習が、今回の事件の一つの要因になっていると思います。ケースワーカーの負担にならない対策、引き去りの原因となることをなくする対策が必要ではないかと思うのですが、どういう対策を今後やられていくのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  生活保護受給者につきましては、保護費が支給されておりますので、毎月、その金額内でやりくりし対応していただくことが、制度上の原則であると考えており、日々のケースワークにおいて生活指導を行っているところですが、金銭の自己管理が困難であると思われる受給者につきましては、先ほども申し上げましたが、本人と協議の上、社会福祉協議会が行っている地域福祉権利擁護事業等の利用も指導させていただいております。  また、生活保護の相談を受けた世帯の窮迫状況に応じ、生活保護支給申請当日に保護を決定するなど、迅速な対応を行っているというところでございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    次に、今回逮捕された主査が、昨年1月に停職1カ月の処分を受けたときのことについてお伺いします。  参考資料に出させてもらっていますが、私たち共産党市議団は、去年1月30日に処分を出された1週間後に当局に対して保健福祉部福祉課職員による生活保護費の不適正処理に伴う懲戒処分についての申し入れをしました。そのことに沿って質問をしていきます。処分対象の理由に担当受給者から月3万円を22カ月引き去りをしているとなっています。  生活保護受給者にとって3万円少なくなるということは最低の生活を維持する上でも大変厳しい金額になります。このことは許されると考えているのか、お伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  自立が見込まれる世帯については、保護中に税の滞納を減らしておくことにより、保護廃止後に自立した生活を送る際の経済的な負担が軽減できると考え、ケースワーカーが本人との話し合いの上、分割納付分を引き去り処理していたこともありますが、この際、引き去り額の決定等につき組織的な対応がなされていなかったことが要因であると認識しております。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    次に、生活保護受給者Bさんから生活扶助費6万5,210円から2万円を12カ月、1万円を1カ月の25万円を引き去りとあります。最低の生活を保障すると決められている生活扶助費6万5,210円から2万円を引き去るということをしています。生活費は4万5,000円、光熱水費も含めてその金額になるということですが、このようなことを上司はなぜ把握できていなかったのか。職員にどのような指導、教育がされていたのかお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    当時におきましては、自立が見込まれる世帯について、ケースワーカーが本人と話し合いの上、分割納付分を引き去り処理していたこともあったということを前回の質問でも御説明をさせていただきました。生活保護受給者ケースワーカーの関係は、信頼関係を築き、受給者の生活指導及び自立を促すことが重要であることから、ケースワーカーが1人で対応する機会が多く、引き去り額の決定等についてもその延長線上にあり、指導・教育に至っていなかったものと認識いたしております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    教育ができていなかったということですけど、6万5,000円のうち2万円というのは大変大きな額で、20万円とか30万円ある人から2万円を引き去るという状態ではないということで、このケースワーカーだけの問題と捉えることはできないと思います。  次に、Aさんから引き去りした66万円、支払いを済ませた医療費6万1,740円を引いた残り59万8,260円、Bさんから引き去ったお金が25万円、8名から返還用に預かった49万3,737円、これが1月30日の処分の中に書かれています。合計134万1,997円、福祉課の金庫等に現金で保管し続けていたと説明がなされていますが、このお金が金庫に本当にきちんとあったと確認はされているのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  市等へ支払いすべきものを生活保護費から過分に引き去り処理するなどし、これを金庫に保管し続けて支払い事務を滞らせ、これらの引き去りによって金庫に保管していた現金を他の生活保護受給者に一時的に貸していたことを本人の供述により把握したことから、まず市や受給者への納付、返還を早急に行うよう指導対応したものであり、結果、十分な事実確認がなされなかったものと認識いたしております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    そうしたら、金庫等に現金で保管し続けていたということは確認できていなかったということだと思います。この処分のときには、私的に流用がなかったという説明でしたが、本当に私的流用はなかったと言えるのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
    保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  支払い処理の滞っていた現金については、上司から指示を受けた元職員によって、既に市や受給者等に納付返還するなどして処理を終了させたということから、私的な流用はなかったものと当時は判断をしていると認識しております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    本人に返済させる処理をし全部払ったということで、当時はそう判断したということですが、どう考えても、私的流用がなかったということは言えないと思います。私的流用があったと考えるのが普通だと思います。  次に、先ほども言いましたが、8名の方から返還用に預かった49万3,737円というのがあるのですが、これは福祉事務所でないしょで主査個人が返還させたのか、その辺についてはどのように考えているのかお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  個々のケースワークの中で返還金の発生はケースワーカーにより確認をされますが、返還金の決定は福祉事務所として行うものでございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    そうしたら、福祉事務所でされるということでしたら、福祉事務所がその返還金について確認をしているということだと思うのですが、このように49万3,000円余りも預かったままになっていたということは、本来返還させる義務のあるものについては、上司はそのことを確認しなければならないと思うのですが、それができていなかったのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  返還の決定及びその額の決定は福祉事務所として行うものであります。本来、その場合にはケースワーカーが作成した徴収台帳と収入済み通知書の突合がなされなければならなかったところ、当時においてはそれが十分に行われていなかったと認識しております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    そうしたら、そのときは調査も曖昧で、本来確認をしなければならないこともできていなかったということは主査個人だけの問題ではなくて、組織の問題であったと思います。そしてもう一度、先ほど答弁にもありましたが、主査が受給者から引き去りをしていたお金、これは公金です。これを生活保護受給者27人に貸していたということで、そのときにも私的には流用していないということを言われたのですが、この公金を27人の生活保護受給者に貸し付けていたということは完全な不正流用になると思うのですが、その判断はいかがでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長、田上豊和君。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  支払い処理の滞っていた現金については、上司から指示を受けた元職員によって、既に市や受給者等に、納付、返還するなどして処理が終了していた当時の状況や元職員の供述に基づき、刑法上の罪に問えるかについて弁護士へ相談を行いましたが、犯罪としての事実認定が極めて難しいとの見解もあり、これを踏まえて事務の不適正処理に対する処分を行ったものであります。  以上でございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    弁護士に相談したが、事実認定が難しいと言われたとのことですが、その公金を受給者に貸し付けるというのは事実認定、それだけで十分な事柄で処分できると思うのですが、その判断が間違っていたということで、上司が管理責任を果たしていなかったということだと思います。  今回、この時期になって主査の生活保護費、詐欺事件での逮捕は昨年1月に処分をしたときの7カ月余り時間をかけた調査がずさんで、主査の勤務態度がよく、保護利用者への対応がよかったなど、また私的流用がなかったとの判断が大変甘かったことが今のやりとりで確認できたと思います。市の対応が今回の事件を複雑にし、長期にわたる不正を見逃すことになったということを指摘して、この項の質問を終わります。  次に、税(市税、国保税)徴収の考え方についてお伺いします。  市税の収納率が少しずつ改善してきていますが、和歌山地方税回収機構へ移管される件数が以前の100件、90件から比べると、ことしは80件と若干少なくなっていますが、依然、大きな件数となっています。回収機構が、平成18年に設立されたとき、担当課の説明では、高額悪質で資産があり、回収機構に移管すればほとんど回収できるような説明だったと思います。しかし、現実にはそれほど移管数が少なくなっていません。  長引く不況、雇用状況の悪化など市民の暮らしが厳しい状況が改善されていないことにあるのではないか。税滞納者の実態を考えてみたいと思います。  そこで、1番目に、税徴収の取り組み状況についてお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  市税及び国保税の現年の未納に対する取り組みとしては、まず、地方税法の規定により納付期限後20日以内に督促状を発送しております。督促状発送後、2週間程度経過後に納税推進員による電話督励を行っており、電話をしても不在の場合や電話番号がわからない場合は、お知らせ文を送付して早期納付を促しております。その後、納税者から納税相談があれば、状況等を聞き取りした上で、納期限の延長や分割納付の手続を行っております。  滞納繰越になった方にも職員による文書催告や訪問指導などを行うとともに、なお、納付のない方については、現年、滞年あわせて一斉催告を実施しております。その中で滞納している方から納税相談があった場合は、現年の場合と同様に状況を聞いた上で、一定期間の納付の猶予や分割納付の手続を行っております。  分割納付の誓約後においても、納付がない場合には、文書や電話で履行の催告を行い、納付が困難など、再度相談があった場合には、状況等の聞き取りを行った上で、分割納付の計画見直しを行っています。  文書催告や訪問を行っても、納付や連絡がない場合には、財産調査を行い、差し押さえなどの滞納処分を検討することになります。財産調査により差し押さえ可能な財産が発見された場合には、差し押さえ予告を送付し、それでも連絡等がない場合は、財産調査の結果や生計状況などの担税能力を総合的に判断して、差し押さえを執行しています。  財産調査を行っても差し押さえ可能な財産がない場合や差し押さえすることによって、生活を逼迫させるおそれがある場合は、地方税法等の要件に該当するか判断して、差し押さえなどの滞納処分の執行を停止しております。  いずれにしましても、税負担の公平性を守るため、適法、適正に滞納整理を進めております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    次に、2番の市民の生存権の保障についてお伺いします。  今の説明では、督促状を送り、電話をかけて催促状を送る形でずっとやられています。徴収を行う上で納税者の資産調査をすると言われたのですが、税以外の滞納状況を調査把握することに努めているのか、お伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えします。  滞納している方から納税相談があれば、生活状況等の聞き取りを行い、生活実態を把握するようにしております。その際に、就業状況や収入の有無、額だけでなく、借り入れの有無や返済状況、その他の支払いや滞納状況についても聞き取りを行い、生活実態を把握するようにしております。  また、必要に応じて滞納している方の預貯金の有無や不動産などの所有状況などの財産調査を行い、滞納者の資産状況の把握を行うとともに、借り入れなどの負債の調査も行い、実態の把握に努めております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    相談があったときにはそういう調査ができるということです。国保の場合は、訪問で滞納者のところに直接行かれたりしていると聞くのですが、税の場合は最終は職員が訪問したりするということを言われるのですが、税の滞納者の生活実態は十分把握できているのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。先ほども答弁しましたとおり、滞納している方からの聞き取り、それから資産調査などにより、生活実態を把握するように努めてございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    滞納者と連絡がとれたら、そういうことをするということですが、最終、差し押さえを執行する際に、滞納者に直接または電話などの連絡や相談もなしに執行する、そのような徴収がされていることはあるのでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えします。  滞納している方と連絡がとれない場合の対応については、文書や電話による催告や訪問を重ねることにより、本人と交渉するように努めております。しかしながら、それでも連絡がとれない場合には、それまでの交渉経過や財産調査の結果などを総合的に判断して、税負担の公平を図るために、適法、適正な差し押さえなどの滞納処分を行っているところです。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    連絡がとれなくても、最終は財産の差し押さえなどをすることがあるということだと思うのですが、次に、差し押さえ禁止財産にはどのようなものがあるのか、お伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  国税徴収法第75条において、滞納者やその家族が生活する上で、不可欠な家財道具や事業を行う上で必要なものが差し押さえ禁止財産として規定されております。また、同法第76条において、給与の支給額のうち、差し押さえができない金額の計算方法が規定されております。同法第77条において、年金や休業手当などの社会保障制度による給付についても、差し押さえ禁止額が規定されております。  国税徴収法以外にも、児童手当法第15条では、児童手当の差し押さえ禁止が規定されており、生活保護法第58条では、給付を受けた保護金品の差し押さえ禁止が規定されているなど、個別の法律で規定されているものもございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    千葉県のある村で振り込まれた年金が差し押さえられたことによって、2010年1月、男性が自宅で餓死している事件が発生しました。この方は、2回、4カ月分の年金が銀行の通帳に振り込まれた途端、差し押さえられたということです。男性は差し押さえられたら生活に困ると訴えていましたが、返金されなかったということです。孤独死で発見されたとき、所持金は110円しかなかったと言われています。この事件は国会でも取り上げられ、当時の総務副大臣は生存権を脅かす徴収はあってはならない。非人道的な徴収はあってはならない。この認識を地方とも共有したいと答弁しています。  また、鳥取では、2008年滞納者に対して児童手当が振り込まれた9分後に13万円の差し押さえが行われました。これは裁判になり、2013年3月、鳥取地裁で県の差し押さえは違法だとなり、差し押さえ金額の返還と慰謝料25万円を支払えという判決が出ました。国税徴収法で差し押さえ禁止が明確化されているのに、なぜ通帳に振り込まれた途端、全国でこのような差し押さえが行われているのか、このような差し押さえができる根拠について説明をお願いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  一般に差し押さえ等禁止債権に係る金品が金融機関の口座に振り込まれることによって発生する預金債権につきましては、原則として差し押さえ等禁止債権としての属性を継承するものではないとの最高裁判決が出されているところでございます。  一方で、議員御指摘の鳥取地裁の滞納処分取り消し等請求事件の控訴審では、広島高等裁判所松江支部の判決におきましては、行政処分庁は預金口座に振り込まれた児童手当相当額を不当利得として返還することとされたところでございますが、この判決は児童手当が振り込まれた直後の預金債権を差し押さえたという特定の事情下においてなされた処分の違法性が争われたものと理解してございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇)
    ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    今、言われたように、振り込まれた金額がすぐであったら、その振り込まれた年金であったり、給与であったりということがわかるけれども、回収機構に行って、そのことについてお話を聞いてきたのです。15日とか、児童手当が支払われる、年金が支払われる、その日についてはすぐには行わないと言われていたのですが、今、総務部長が答えられたように、日にちがたてば預金債権がどんなものであっても、債権として差し押さえすることができるということを言われていました。  次に、預貯金の差し押さえの場合、預貯金の内容を把握しているのか、お伺いします。田辺市の市税、国保税の滞納で預貯金の差し押さえ件数が、平成27年度、市税で251件、国保で42件ありますが、このうち給料や年金、児童手当等などが振り込まれた途端、ほぼ全額を差し押さえた事例があるのかどうか、あれば何件あるのかお伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えします。  財産調査によって、預貯金が発見された場合は、その口座の取引状況についても調査できる範囲で把握するようにしております。差し押さえ財産を選定するに当たっては、財産調査の結果や生計の状況などの担税能力を総合的に判断し、適法、適正に滞納処分を執行しております。給料などが預金口座に振り込まれた途端に、全額を差し押さえたという事例はございません。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    口座に振り込まれた途端にその金額を差し押さえたことはないということで、それは当然だと思います。  次に、県内のある自治体では、滞納者に対して、収納職員だけでなく、福祉や他の部署の職員も同行し、納税者の生活状況や他に納税などがないのか聞き取り、滞納者から納税者になれるような住民に寄り添う対応がなされています。田辺市でも、滞納者から徴収するだけでなく、住民、市民に寄り添う対応が必要だと考えますが、当局の見解をお聞きします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えします。  滞納している方から納税の相談があった際には、生活状況等の聞き取りを行い、生活実態を把握するようにしています。その際に、他課への相談や連携が必要と思われる場合には、担当課へ連絡するなど、連携を図りながら必要な対応を行っております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    これからも十分そういう対応をしていただきたいと思います。  次に、地方税回収機構への移管に関する質問をします。回収機関へ移管する場合、高額、悪質な滞納者と言われます。悪質、高額の定義はどのようになっているのか、お伺いします。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  回収機構へ移管する基準としては、滞納が累積して高額になっている場合や、あるいは納税催告に応じない納付約束を履行しない、または広範な調査が必要であるなど、今までの交渉経過や滞納者の状況等を総合的に判断して、本市において対応が困難と考えられる事案について、回収機構へ移管しており、一律に金額等で決定しているわけではございません。  回収機構へ移管する前には、まず移管予告を送付し、納税や相談を促しており、滞納されている方から納税相談があった場合には、回収機構へ移管された場合の処理のあり方などについて説明を行っています。その後、移管するまでには、まず納税推進室及び保険課内において、それぞれ移管の可否について協議を行った後、庁内での協議を経て、最終的に移管すべき事項を決定しております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    地方税回収機構ができて、ことしで11年目を迎えました。田辺市は、平成27年度までに840件回収機構に移管しています。平成28年は80件移管していますが、今でも、毎年90件から100件の悪質、高額の滞納者がいるのか。回収機構の要請を受けて、件数をふやしているのではないかという疑念があるのですが、いかがでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えします。  回収機構への移管件数につきましては、まず前年度に回収機構から各市町村の滞納額等を基準とした、移管件数案が各市町村に示されます。その件数案をもとに、各市町村が回収機構と協議を行い、翌年度の移管予定件数を決定しています。  本年度、庁内協議において移管すべき事案対象とされたのは200件程度あり、その中で80件を移管しております。移管件数より移管すべきと決定した件数のほうが多い状況であり、移管の必要のない事案まで移管はしておりません。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    無理やり移管することはしていないということですが、先ほど言いましたように、田辺市から回収機構に10年間で840件移管されています。10年間で完納が251件、完納率が約30%、徴収率で34.6%です。この状況を見て、これだけの数を本当に移管する必要があるのか疑問が残るのですが、いかがでしょうか。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    まず、徴収については、適正適法に基づいて行わなければならない。その上で、徴収が困難なものについては、税の公平性の観点から、徴収にかかっているということでございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    久保浩二君。             (3番 久保浩二君 登壇) ○3番(久保浩二君)    先ほども言いましたが、回収機構に直接行って聞き取りをさせてもらったのです。事務局長と徴収課長に対応していただきました。回収機構も仕事がかなり忙しい中で、大変な移管件数があるのでできたら減らしていくような形ができないものかという話も一部言われていたのですが、今示したように、田辺市から送った分で、平成27年度を見ますと、市税のほうで送った分の9.1%しか回収できておりません。全体で16.1%という数字になっています。送っても、完納するのは少なくて、一部の徴収しかできない。または未収というのも去年も、一昨年も2桁あって、移管したけれども、徴収が全然できなかったという形で返ってきています。  こういうことを見ますと、田辺市で移管についていろいろ考え方を持ってやられているということですが、田辺市で十分その辺を対応して移管する件数を減らしていくことができるのではないかと思います。  以前、もと田辺の住民の方で、一度も連絡がとれずに回収機構に移管されたという件があり相談を受けました。納税推進室とも話をしたのですが、回収機構へ移管したので、回収機構と対応してほしいということでした。  先ほども言いましたように、田辺市から回収機構へ移管された件数は10年で840件、回収の状況も年々悪くなっているとのことです。本税の回収率が50%を超えたのが2回で、最高で54%です。それ以外は50%、半分にも届かず、平成17年度は16.1%と大きく下がっています。完納率も30%、1円も回収できなかった件数が先ほど言いましたように、平成27年、26年は2桁を超えています。長引く不況、雇用状況の悪化など市民の暮らしが厳しい状況が改善されていない中できちんと税金や国保税を納めたいが経済的に厳しく、滞納になってしまう。住宅ローンや家賃、水道、電気、ガス代など滞納があるなど、生活に困窮されている方が現実にいます。納税推進室の担当者が苦労されていることは認識しています。しかし、払いたくても払えない滞納者は、払える見込みがあれば、担当者に相談したりしますが、毎日の暮らしに追われて必死に生きている中で、連絡もせずにいる滞納者もいるのです。何も連絡してこないから悪質滞納者という判断をせずに、滞納者に寄り添い、滞納者から納税者になれるよう指導援助ができる仕組みをつくるべきだと思います。  回収機構のホームページ、納税者の皆様へというトップページに、回収機構はきちんと納税している納税者の視点に立って活動を行いますと書かれています。また、回収機構の事務局長は税の公平性といって、「払う」「払わない」との公平性を言いますが、私は税の公平性は払う能力のある高額所得者から応分の税を徴収し、収入の少ない者からは税を徴収するなら払える範囲の税にするのが税の公平性だと考えます。応能負担、能力に応じて負担するのが社会が長い間に培ってきた社会保障の考え方だと思います。回収機構に移管するだけでなく、田辺市として滞納者にしっかり向き合い、市民に寄り添い、滞納者から納税者になれるように指導援助できる仕組みをつくるべきだということを訴えて質問を終わります。ありがとうございました。             (3番 久保浩二君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、3番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、午前11時10分まで休憩いたします。              (午前11時00分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午前11時10分) ○議長(吉田克己君)    続いて、13番、塚 寿雄君の登壇を許可します。            (13番 塚 寿雄君 登壇) ○13番(塚 寿雄君)    皆さん、こんにちは。13番、塚 寿雄です。今回、通告させていただきました質問項目は、市長4期目出馬に向けた決意についてであります。  月日のたつのは早いもので、昨年、あすの田辺を担う子供たちを初め、多くの市民の皆さんに御参加をいただき、厳かなうちにも盛大に開催されました「合併10周年記念式典」は記憶に新しいところですが、現在、早くも合併後12年目の終盤に差しかかっております。10年一昔とよく言われます。この言葉は時代の動きがゆったりとしていたころのものでありますが、昔と違い、今は世の中の移り変わりが大変激しく、合併してから今日までも多くの歴史的な出来事が発生し、まさに激動の10年間でありました。  我が国は、人口が継続して減少する社会に入っております。また、国難ともいえる東日本大震災やこれまでの想定を大きく上回る規模の豪雨災害も当地域を含め全国で多発いたしております。経済分野においては、サブプライムローン問題による世界的な金融危機が起こる中、日本経済はデフレ状況が長引いた上、歴史的水準の急速な円高も経験しました。このような社会経済情勢の中、国政では政権交代がありましたし、国の地方政策も変遷を繰り返されてきました。  このような複雑に絡み合い、そして変化する諸情勢の中、市政運営は大変難しかったであろうと推察しますが、これまでの真砂市政はどうだったのか私なりに振り返ってみますと、市長は就任当初から、これまでまちづくりの考えはぶれることなく、そして段階的に発展させながら、市政運営をされてきたと思っています。  合併当初、市長は合併協議に携わった者の一人として、市町村合併という大きな変化を受け入れていただいた市民の皆さんに、合併してよかったと思っていただけるよう、お応えしていくのが責務であるとの強い決意のもとに、市町村建設計画の実現を軸として、合併効果の具現化を図るとともに、5市町村の個性を生かしながら、調和のとれたまちを目指す中で、一体感の醸成を図ることを訴えられておりました。  旧5市町村のそれぞれの懸案でありました各種事業を取りまとめた市町村建設計画は、現在、着手している事業も含めて、進捗率は80%を超えております。この計画の中には、策定当時からの環境変化等により必要性が低下したり、具体化が極めて難しい事業も含まれていることから、そのことを除けば計画はおおむね達成できているものと思います。  そして、2期目のころでしたか、産業力の強化、文化力の向上、地域力の充実を政策に掲げ、田辺市を誇りに思えるまちづくりを目指して、新たなスタートを切られました。  今日的課題はもとより、将来に向けて田辺市の魅力そのものを高めていく価値創造への取り組みを表明されました。これが3期目において打ち出された価値創造プロジェクトへとつながっているものと思います。  このプロジェクトは、次なる10年を展望する長期的な視点に立ち、田辺市そのものをブランド化していく取り組みであります。このプロジェクトを構成するのが戦略ビジョンプランであります。これは人口減少が経済規模の縮小に直結するという問題に対して、どのように戦略的に対応していくかというものであり、地域の実情を的確に捉えた、そして国の地方創生に先駆けた取り組みであると評価されるものだと考えます。  あわせて、市長は、就任当初から、行財政改革の推進を庁内外に示し、これまで計画的に各種の取り組みを重ねられてきました。そうした中、このたびの平成27年度決算における各種の財務比率などを見ると、合併当初と比較して格段に財政状況は改善しております。今後のまちづくりを進めていく上で、根幹の一つとなる財政基盤は整っているといえます。  以上、私なりに真砂市政への思いを述べました。やはり市民が田辺市に住んでよかったと思えるまちづくりが市長の施策の根幹であり、そのために、各種の課題を着実に解消するとともに、国内外に視野を広げ、田辺市の価値を発信していく。そして、価値が共有され、交流人口の拡大につなげることにより、田辺市の活性化が図られてきているものと改めて認識をしているところであります。  そこで、市長にお伺いします。市長はこれまでの市政運営について、御自身どう捉えておられるのか。残された課題も含めてお聞かせください。  次に、現在、全国の自治体は地方創生の動きの中で、創意工夫により地域資源を生かした特色あるまちづくりを展開しております。  一方、地方を取り巻く厳しい環境は、依然続くであろうと思います。こうした中で、田辺市の将来展望を描くために、これまでの取り組みを生かしつつ、さらに高めていかなければなりません。今後の田辺市の方向性について、先ほど申し上げた戦略ビジョンプラン、そしてこれらを包含した田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、一定示されておりますし、また、現在策定中の第2次田辺市総合計画においても将来に向けた方向づけをなされると思います。  そうしたことも踏まえる中、まず市長御自身の4期目出馬に向けた御意向をお伺いいたします。そして、その上で、4期目における市政運営の基本方針について、重点的な取り組みも含めお聞かせください。  最後に、子育て応援に関してでありますが、これまで議会において多くの議員が一般質問をされ、また請願等を通して、我々議員も総合的な観点で議論を重ねてきた子ども医療費の拡充についてでございます。国保財政への影響は確かにあるものの、新たなまちづくりに向け、一定の方向性を出すべき時期に来ているのではないかと思います。そのこともあわせて市長のお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。            (13番 塚 寿雄君 降壇) ○議長(吉田克己君)    13番、塚 寿雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    塚議員の御質問にお答えいたします。  初めに、議員から私の市政運営に対する過分な評価をいただきましたことに心からお礼を申し上げます。  さて、私が田辺市の市政をお預かりして、はや12年近くになろうとしています。この12年間は議員も触れられておりましたが、本格的な人口減少社会の到来や東日本大震災の発生などにより、社会の構造や国民の価値観を変える、国全体の大きな転換期に当たる時代であったと考えております。  そうした中で、議会や市民の皆さんとともに、まちの将来像である自然と歴史を生かした新地方都市田辺の実現に向けて、まちづくりを進めてまいりましたが、私なりにこれまでの歩みについて振り返ってみたいと思います。  まず私は、就任当初から合併協議に携わった者の一人として、合併という大きな変化を受け入れていただいた市民の皆さんに、合併してよかったと思っていただけるようお応えしていくことが責務であると常々肝に銘じてまいりました。  そのため合併効果の具現化の一つとして、これまで議会の御理解を得る中、合併特例債の活用等により田辺地域における学校給食の完全実施を初め、龍神、中辺路、大塔地域におけるケーブルテレビ網の整備や本宮地域における世界遺産熊野本宮館の建設などを実行し、課題の解消を進めてきました。  また、あわせて広大な市域であるからこそ、市民の皆さんの声をできる限り市政に反映させるため、まちづくり報告会や未来ポスト等を通して、情報共有をきめ細かく推進するとともに、職員の意識改革を基本とした行財政改革を遂行してまいりました。  また、合併5周年を目前に控えた段階において、今日的課題への対応にとどめず、将来に向け田辺市の価値そのものを高めていくことが必要であると考え、市町村建設計画の進捗を加速化させながら、10年間をまちづくりの大きな区切りと捉え、次なる5年を見据えて産業力の強化、文化力の向上、地域力の充実をまちづくりの新たな柱に置き、田辺市の価値創造を進めてまいりました。  このような歩みを進める中、現在、まちの基盤が整いつつあるとともに、その基盤や豊かな地域資源を生かした市民と行政による地域づくりが市全体に広がりを見せ、田辺らしい新地方都市ができてきたのではないかと考えているところであります。  また、まちづくりを支える財政基盤につきましては、行財政改革を着実に実行するとともに、合併特例債を初めとする合併特例制度を有効に活用する中で、財政状況は確実に改善してきております。  主な指標等で申し上げますと、財政の弾力性を示す経常収支比率は平成17年の98.1%から平成27年度には88.8%へと改善し、財政の健全化を判断する比率の一つである実質公債費比率につきましては、平成17年度の19.7%から平成27年度には9.2%と1桁台になっております。  また、基金につきましては、合併時の108億円から平成27年度には209億円まで上積みをしており、財政の安定化についてはこれで十分ということではありませんが、今後のまちづくりに対応できる一定のレベルには達していると考えております。  しかしながら、いつの時代も課題は尽きぬものであり、私は解決すべき課題こそ、テーマと位置づけている中で、二つ大きなテーマを申し上げますと、一つ目は、市民の皆さんの安全・安心、つまり防災です。南海トラフを震源とした巨大地震、これに伴う津波への対策は喫緊のテーマです。また、平成23年に当地域を襲った台風12号に代表される集中豪雨への備えも怠ることはできません。
     こうした自然災害に対しては、何よりもまず被害を最小限に食いとめる。そして市民生活や経済活動を早期に復活させることが極めて重要であり、このための市民と行政による災害対応力をさらに強化していかなければなりません。特に、台風12号災害を振り返りますと、このとき、被害が少なかった田辺地域の住民を中心に、多くの市民が全国からのボランティアとともに、被災地で支援活動を行いました。災害時においてこそ、こうした市民間のきずな、共助が大切であり、日ごろの地域活動を通じて、地域コミュニティーの強化を進める中で、市民の連帯感をさらに高めていければと考えています。  二つ目は人口減少社会への対応、これも大きなテーマです。東京一極集中と地方の人口減少、これは長い歴史を経てあらわれてきた現象です。そのような背景もあり、即効性のある対策を見出すことは極めて困難でありますが、国の地方創生に先駆けた戦略ビジョンプラン、そしてこれを包含した田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略を推進する中で、人口減少のカーブを可能な限り緩やかにしてまいりたいと考えております。  そのためには、特に、冒頭申し上げました国民の価値観の変化も踏まえて、ふるさと回帰を初めとする新しい人の流れを創出するとともに、自然や歴史、文化、スポーツなどさまざまな分野において交流人口を拡大させていかなければなりません。また、一方で人口減少社会の中で、どのようにして地域の力を高めていくかということもさらに考える必要があると思っているところです。  以上、これまでの主な取り組みと課題について申し述べましたが、率直に申し上げまして、これまでの間、市政を運営する中、いわば熊野古道を歩いて、自分自身を見詰め直し、そして再び歩くがごとく、日々まちづくりが順調に進んでいるか、間違いはないかと自分自身に問いかけながら市政運営に努めてまいりました。  改めて振り返ってみますと、議員各位を初め、多くの市民の皆さんに支えられながら、今日まで歩み続けてくることができたと実感しているところであります。  さて、私の任期もあと5カ月余りとなってまいりました。残りの任期、まずは自然と歴史を生かした新地方都市田辺のさらなる確立に向けて最後まで気を抜かず、市政運営に誠心誠意取り組んでまいりたいと存じます。  その上で、これまでの私の仕事を市民の皆さんに評定していただき、また引き続き田辺市のかじ取り役として認めていただけるのであれば、これまでのまちづくりを基盤として、市民の皆さんが住むことに誇りの持てるまちの確立に向け、その責任を全うしたいと考えております。  現在、全国の自治体は本格的な人口減少社会を迎え、地方創生の動きも相まって、それぞれの地域の個性や資源を生かしたまちづくりを展開しております。本市におきましては、世界文化遺産と世界農業遺産という他の自治体にはないダブル世界遺産を初め、重厚な歴史・文化・豊かな自然、それらを生かした産業や営みといった地域資源があふれています。こうした特色ある地域資源を生かして、人が輝き、地域が輝き、田辺市が輝く活動を展開する中で、その魅力が国内外に広がり、そして選択される、そうした一連の流れをより大きくする中で、「未来へつながる道田辺市」を具現化し、確実に田辺市を未来につなげてまいりたいと存じます。  また、こうした取り組みを支え、まちづくりの前提となるのが、やはり市民の皆さんが安心して暮らせることです。市庁舎については、庁舎整備方針検討委員会の答申を踏まえ、市民の皆さんの安心・安全を支える拠点として、まずはできるだけ早く移転地を選定し、早期の移転整備につなげてまいりたいと考えております。  また、本年7月に策定しました津波避難困難地域解消計画に基づき、来年度より当該地区における避難タワー等の整備に着手するとともに、津波浸水区域において住民の皆さんと一緒に地域ごとの津波避難計画をつくり上げ、迅速な避難活動につなげてまいります。  なお、平常時の救急搬送や広域連携のみならず、津波からの避難や大規模災害時における物資の搬送に有効である文里湾横断道路については、市民の皆さんの御理解を得る中、県と十分連携を図りながら、早期の具体化に取り組むとともに、近畿自動車道紀勢線の御坊から南紀田辺間の4車線化についても経済効果や安全確保のみならず、災害時における命の道の強化という点で、関係自治体と力を合わせて、さらに推進してまいりたいと存じます。  一方、人口減少というテーマに対して、田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、新たな人の流れを創出してまいりますが、特に山村地域においては、今年度より開始した地域おこし協力隊の取り組みなどを推進しつつ、これまでの定住促進策について効果や課題を検証した上で、より有効な方策を検討するなど、若者を中心とした定住をさらに推進してまいりたいと思います。  また、新たな人の流れの創出とともに、地域の活力を高めていくためには、産業の振興は欠かせません。地域に根差した農林水産業や商工業を守り、そして強化していくとともに、国内外から多くの方々に本市を訪れていただけるよう、豊かな地域資源を生かした質の高い観光地づくりをさらに推進してまいります。  そして、あすへの希望、それは次代を担う子供たちです。みんなで子育て応援プログラムの充実を図りながら、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を総合的に進めてまいりたいと存じます。  その中で、特に、子ども医療費の充実につきましては、国において子育て世帯への支援として、子ども医療費に係る国庫負担金減額調整措置について、一定の部分が廃止される方向で議論されており、また、田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略の取り組みも本格化させていく中、重点的に取り組む施策の一つであると考えております。  さて、我が郷土、田辺市には、世界的な博物学者「南方熊楠翁」、合気道の開祖「植芝盛平翁」、歴史上の豪傑「武蔵坊弁慶」の3偉人があります。  去る10月24日には、武蔵坊弁慶ゆかりの地である鬪鶏神社が世界文化遺産に追加登録されました。また、南方熊楠顕彰館も既に整備し、南方熊楠邸も一般公開しております。そうした中で、かねてより懸案であった植芝盛平翁を顕彰する施設については、老朽化している武道館の建設とあわせて考えているところですが、年明け早々にも具体的な準備に取りかかりたいと思います。  以上、私の4期目にかける思いを申し述べさせていただきましたが、今後におきましても何よりも大切にしなければならないのは、まちづくりの基本理念である一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりである、このことは常に念頭に置いてまいりたいと存じます。  以上です。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(吉田克己君)    塚 寿雄君。            (13番 塚 寿雄君 登壇) ○13番(塚 寿雄君)    真砂市長らしいというか、謙虚さの中にもしっかりとした力強い決意のようなものを感じ取ることができました。最後に言われました、一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりは私も大切なことだと思います。答弁にありました、防災と人口減少は自治体の根幹にかかわる大変大きなテーマであります。防災では、台風12号のお話をされましたが、確かに当時は市民の皆さんのボランティア活動は大変心強いものがありました。また、本庁等の職員による被災後の応急復旧や被災家屋の調査、さらには被災地以外の多くの消防団員によります捜索活動や復旧活動などにより、比較的早い段階で住民の日常生活を取り戻すことができたことは、一被災者として感謝の気持ちでいっぱいであります。これもまさしく合併の効果によるものであったといえます。  また、定住促進でありますが、山村地域では、維持が難しい集落も出てきております。事業者の人手不足も懸念されておりますので、定住促進はぜひ進めていただきたいと強く思います。  子育て支援も大切です。子育て世代が将来への展望が持てるように充実していただきたいと考えます。今後も課題は尽きぬことだと思います。私ども議員も市民の審判を仰いだ上で、市民の幸せのために、そして「未来へつながる道田辺市」に向けてともに頑張っていきたいと申し上げ、今回の一般質問といたします。  どうもありがとうございました。            (13番 塚 寿雄君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、13番、塚 寿雄君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。              (午前11時37分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 0時59分) ○議長(副議長 安達克典君)    続いて、5番、橘 智史君の登壇を許可いたします。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    こんにちは。5番、紀新会の橘です。今回は三つの項目で質問させていただきます。  まず、一つ目の質問は、文里湾横断道路の建設についてです。先ほど午前中の市長表明で、早期の具体化に取り組むと表明されましたが、改めて質問させていただきます。  文里湾横断道路は、一般県道文里湊線より文里湾をまたぎ、新庄方面に接続する架橋を含めた道路のことで紀南地域の中心である田辺市街地と白浜町・上富田町を結ぶ地域間幹線道路として位置づけられている整備要望路線のことであり、広く一般的には文里湾架橋とも呼ばれています。  その横断道路建設に向けた取り組みは、昭和53年に民間から構想が持ち上がり、昭和57年には田辺商工会議所を中心として、市内各地域の有志を含めた文里湾架橋促進協議会が発足され、本構想実現のため、検討・協議を続けてこられました。平成8年には、商工会議所及び文里湾架橋促進協議会、そして田辺市観光協会の三者で費用を負担し、建設推進に向けた看板を文里港入り口付近に設置した経過もあります。  さらに、平成9年には、より実現に近づけようと商工会議所に加え、文里、磯間、神子浜等の沿岸部や市街地に位置する町内会及び商店街振興組合連合会、観光協会など各種団体も参画し、文里湾架橋建設推進協議会が以前の協議会に変わり新たに組織され県と市に対して、その要望活動を続けてこられました。  その後、経済情勢や環境の変化など、さまざまな要因から、一時的に活動の中断を余儀なくされた時期もありましたが、平成22年より商工会議所から知事へ架橋の建設要望が再開され、その活動は形を変えながらも現在まで続けられているところであります。  田辺市は、昭和63年3月策定の第2次総合計画に文里湾架橋を初めとする田辺湾岸域の交通整備と明記し、平成8年3月策定の第3次総合計画でも、南紀白浜空港や周辺自治体との連携を強化する地域間道路ネットワークづくりのため、この架橋の建設を推し進めていました。  この道路構想が実現しますと、主要地方道南紀白浜空港線と田辺市街地が結ばれ、新庄地域の渋滞緩和も含めて、交通の円滑化が図られるなど、近隣町との地域間を結ぶ道路として、交流人口の増大にも大きな役割を果たすことが期待されております。  さらに3次救急医療機関である南和歌山医療センターと市街地を結ぶ非常に効果的な緊急搬送ルートが確立されるとともに、災害時においても防災拠点ネットワーク港湾に位置づけられた新文里港からの輸送道路として、重要な路線になると考えられています。  平成26年に田辺市では、新たにその事業効果等を見きわめるため、道路状況等の環境変化を踏まえ、周辺地域における自然、環境、景観、地域現況、交通特性等について、最新のデータを収集・整理する調査が実施されました。いずれも以前と変わらず、整備効果が期待されるとの報告で、改めてその必要性の認識を深めたところであります。  平成23年3月11日に発生した東日本大震災以降、国民の地震・津波等の防災に対する意識はより高まり、近い将来高い確率で発生すると想定されている三連動地震、あるいは南海トラフの巨大地震に起因する大規模災害への対策や避難困難地域の解消を含めた、津波対策への取り組みも推し進められています。  田辺市では、平成26年10月に県が発表した南海トラフ巨大地震の津波想定による津波避難困難地域を解消するため、田辺市津波避難困難地域解消計画が策定され、この横断道路については津波から逃げ切るために、文里地区の避難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路・避難場所として必要であると答申が示されるとともに、津波避難困難地域解消計画にも位置づけされました。  本年10月には、熊野信仰の一翼を担った鬪鶏神社が世界遺産に追加登録され、それらを活用した中心市街地への導線も引けることから、観光振興の効果も期待できます。  本年9月の和歌山県議会定例会において地元選出の鈴木太雄県議が津波に備えた命を守るために必要であるとされたことを何よりも重く受けとめ、今後、命を守る道として取り組みを進めていく必要があると質問し、知事から田辺市で津波避難困難地域解消計画に策定され、津波避難対策と文里湾架橋に矛盾がなくなったことから、田辺市と連携し、関係機関との調整やルートの詳細を検討するなど、文里湾架橋の実現に向けて必要となる取り組みを進めていく所存でありますとの答弁がございました。  そこで、市として現在までの取り組みと今後の事業計画についてお聞かせください。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    5番、橘 智史君の質問に対する当局の答弁を求めます。  建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の文里湾横断道路の建設についての現在までの取り組みと今後の事業計画についてお答えします。  これまでの取り組みにつきましては、昭和50年代から文里湾横断道路構想に関し、田辺商工会議所を初めとする関係団体などによる要望活動が始まりました。  その後、市町村合併協議においてもさまざまな協議を経て、新市づくりの基本方針を定めた市町村建設計画にその実現に向けた取り組みについて位置づけがなされ、また、合併後の第1次田辺市総合計画においても地域間幹線道路として重要施策に位置づけし、これまでも県に対し、文里湾横断道路構想の整備実現を要望してまいりました。  この構想につきましては、一般県道文里湊線より文里湾をまたぎ、主要地方道南紀白浜空港線に接道する架橋を含めた道路整備をする構想となっており、この構想が実現しますと、新庄地区の渋滞緩和を含む、田辺市街地と白浜町・上富田町間における交通の円滑化が図られ、地域間幹線道路として大きな役割を果たすことができ、さらに第3次救急医療機関である南和歌山医療センターと市街地を結ぶ効果的な緊急輸送ルートが確立され、市街地における交流人口の増大にもつながり、また災害時には、防災拠点ネットワーク港湾に位置づけられ、新文里港からの緊急物資輸送のさまざまな効果があると考えております。  しかしながら、高速道路の南伸等道路状況の変化や津波被害への備えなど、本市の市街地を取り巻く社会情勢も大きく変化したことから、田辺市では、平成26年度において文里湾横断道路構想の事業効果についての基礎資料を取りまとめ、交通混雑の緩和や交通安全の向上を初め、中心市街地の活性化や緊急時において、その整備効果があると改めて認識したところでございます。  また、南海トラフ巨大地震の津波想定による津波避難困難地域を解消するため、田辺市では、田辺市南海トラフ地震津波対策検討協議会において検討を重ね、平成28年7月に田辺市津波避難困難地域解消計画を策定し、仮称文里湾横断道路については、文里地区の津波避難困難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所としても位置づけし、県知事に対してその実現に向けた取り組みを進めていただくよう要望したところです。  その後、本年9月の和歌山県議会定例会において、田辺市と連携を進めていくよう指示したとの知事の答弁がなされました。このことを受けて、現在の状況としましては、県とともに、検討を進める上で必要な前提条件の整備を行うため、海上保安庁などの関係機関へのヒアリングを始めたところであり、県においてはルートを検討する上で必要な地形図の作成なども行っていると聞いております。  今後は、検討状況の進捗も踏まえ、引き続き県と連携し関係機関や地元との調整を進め、本構想の早期実現に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    県と連携し、関係機関や地元との調整を進め、本構想の早期実現に向けて取り組むとの答弁をいただきました。  答弁の中には、海上保安庁などの関係機関とのヒアリングも既に始まり、県では地形図の作成も行っているとのことでした。  私が地元の方と歩いていますと、世間ではいろいろなうわさや憶測が流れていることから、定期的に今現在の現状報告を市民にもっと知らせていただきたいと思います。本当に早期実現できるように、よろしくお願いしたいと思います。  今回、文里湾横断道路の建設について、一つの方向性が出たことに地元選出の議員としてうれしく思うとともに、諸課題の解決に向けて精いっぱいの努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、二つ目の質問に入ります。  二つ目の質問は、スポーツパークの現状についてです。田辺スポーツパークは、昨年の第70回国民体育大会紀の国わかやま国体及び第15回全国障害者スポーツ大会紀の国わかやま大会の開催に向けて整備された施設で、国体では少年男子のサッカー、成年男子の軟式野球、ボクシング、障害者スポーツ大会では、バスケットボールとバレーボール競技が開催され、レベルの高い熱い試合や温かい応援を目の当たりにして、改めてスポーツのおもしろさや楽しさを認識させられました。これも田辺スポーツパークというすばらしい施設が整備されたからだと思います。  小項目の1としまして、施設整備後の利用状況について、全体の利用人数や利用者からの要望などがあればお聞かせください。  小項目の2、ほかの施設との連携についてです。周辺には、弓道場、武道館、体育センターがございますが、宿泊も含めてどのように連携できているか。また、南紀エリア広域連携スポーツ合宿誘致プロジェクト等での連携や実績はあるのか。平成27年3月から田辺周辺広域市町村圏組合や県の支援で取り組んでいる南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会は、平成28年度末で終了するとのことですが、支援が終了すればプロジェクトも終了するのか。合宿誘致は観光客や交流人口の増加にも大きな影響があるため、支援の継続も含め、プロジェクトの延期ができないかお聞かせください。  小項目の3、野球場の施設についてです。グラウンドの広さが県内最大の野球場は、大学、社会人野球の合宿利用も順調で週末や春季の予約はいっぱいになるほど好評と聞いておりますが、オープンから1年以上たち、設備面での不備や要望などはないでしょうか。  高校野球の有料試合の開催状況を見ていますと、球場の外周にコーンを立てて、正面ゲートへ観客を誘導していました。せっかくの外周通路が利用できていないため、スマートな導線が引けないか、検討していただきたい。  また、バックネットから内野間の防球フェンスが低く、硬式野球でファールボールが場外へ飛び出すことは大変危険です。周辺には駐車場や市管理の道路もあり、事故等が起きたときの市としての補償も少なくないかと思われます。せっかくのすばらしい野球場で利用状況もよいため、万が一事故があり、硬式野球の受け入れが停止になれば、大きな損失になるため、既存のものよりさらに高い防球フェンスの増設等ができないか。また、夏場の熱中症対策にもなるバックネット裏の屋根の設置も含めお聞かせください。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員御質問の1点目、利用状況については私から、そのほかは担当部長からお答えいたします。  議員御承知のとおり、田辺スポーツパークは、昨年秋に開催された紀の国わかやま国体・わかやま大会に合わせて整備された施設であり、平成26年11月の陸上競技場と体育館を皮切りに、平成27年4月にはテニスコート、6月には多目的グラウンドとサブグラウンド、7月には野球場と室内練習場の供用を開始いたしました。  田辺スポーツパークの利用状況につきましては、平成27年度は約13万8,000人の方に御利用いただき、そのうちの主な施設の内訳を申し上げますと、陸上競技場が約3万3,000人、体育館が約3万7,000人、野球場が約8,000人、室内練習場が約1万3,000人、テニスコートが約1万3,000人、宿泊施設が約1万人となっております。  さらに、今年度4月から9月末までの半年間では、全施設で約8万8,000人の方に御利用いただいており、この推移で推計しますと、今年度末には約17万人の利用が見込まれることから、平成26年11月のオープン以来の利用者は約33万人に達する見込みです。  このように、多くの皆さんに御利用いただく中で、施設整備などに関する御要望もいただいており、具体的には、陸上や野球、サッカーなどの競技用備品の整備や冷水器の設置、また宿泊者への自転車の貸し出しなどがありますが、利用者の利便性の向上を図るため、順次施設設備の整備等に取り組んでいるところであります。  以上です。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長、弓場和夫君。            (教育次長 弓場和夫君 登壇) ○教育次長(弓場和夫君)    議員御質問の2点目、他の施設との連携についてお答えいたします。  田辺スポーツパークと他の施設との連携についてでありますが、例えば、少年サッカー大会においては、田辺スポーツパーク陸上競技場をメーン会場とし、田辺スポーツパーク多目的グラウンドと目良多目的グラウンドをサブ会場として開催することで、合計6面で同時に試合を行うことができるほか、施設間が近距離であることから、大会運営がスムーズに行えるといったメリットがあります。  また、田辺スポーツパーク体育館と田辺市体育センター等の体育館につきましても、連携した大会の実施が可能となっております。  また、田辺スポーツパークでは、最大152名の宿泊が可能であり、田辺スポーツパークはもちろん、弓道場や武道館などの市内の体育施設を利用する団体にも宿泊いただいているところです。  さらに、田辺スポーツパーク以外の宿泊施設を御利用される場合には、田辺市スポーツ合宿等誘致事業費補助金という宿泊助成制度を設けるなど、施設利用と宿泊の一体化した取り組みを行うことで、県内外から多くの御利用をいただいております。  次に、南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会についてでありますが、同協議会は、平成25年5月から田辺市、上富田町、白浜町、すさみ町及び和歌山県で組織し、平成27年4月には、みなべ町が加わり、旅行会社や大学等に対し、営業活動を展開することにより、大会や合宿の誘致に取り組んでいるところであります。  また、周辺自治体での連携体制の強化につきましても、田辺スポーツパークの予約問い合わせに対して空きがなかった場合、他の自治体の体育施設との調整を図っているところであります。  こうした取り組みにより、南紀エリアにおける県外からの合宿受け入れ人数は、平成25年度が約2万6,000人、平成26年度が約3万4,000人、平成27年度が約4万6,000人、そして平成28年度におきましては、6万人を超える見込みで推移しており、本年度一般社団法人和歌山社会経済研究所に委託しました経済効果調査によりますと、平成25年度は4億5,800万円、平成26年度は6億5,200万円、平成27年度は8億7,000万円の経済波及効果があったものと推計されております。  また、同協議会に対する支援につきましては、平成26年度より和歌山県わがまち元気プロジェクト支援事業補助金を、平成27年度からは田辺周辺広域市町村圏組合からの助成金によりホームページやパンフレットを作成するとともに、合宿団体の現地視察に係る交通費やオフシーズンにおける施設使用料等に対する助成、また地元の宿泊・飲食・交通事業者と一体となった研修会の開催など、各種事業を行っております。  平成28年度で、3年間の支援を受けておりました和歌山県からの補助事業の対象期間が終了となりますが、本協議会の活動につきましては、合宿等の誘致に伴う地域の活性化に大きく寄与していることから、参画自治体間では事業の継続を確認しており、さらに平成29年度からは串本町の参画が決定していることから、今後財源確保に向け、引き続き関係機関への協力要請を行うこととしております。
     次に、3点目の野球場の設備についてでございますが、オープンから1年以上たって、設備面での不備、また要望はどうかということでございますが、当野球場の整備のほか、冷水器、またバッティング用ネットの整備など、こうした取り組みを行ってきているところです。  また、田辺スポーツパーク野球場は、地元の学童野球や中学・高校野球のほか、大学、社会人野球チームにも大会や合宿等で御利用いただいております。そうした中、高校野球の大会等で主催者が入場料を徴収している場合がございますが、野球場の構造上、フェンス越しにグラウンド内を見ることができるため、大会主催者側で球場への立ち入りを制限されている場合がございます。その際には、主催者側に対し、来場者に混乱を招かないようにスムーズな導線を確保し、御案内をいただくようお願いしているところであります。  次に、防球フェンスについてでありますが、現在の防球フェンスは、公益財団法人日本体育施設協会の屋外体育施設の建設指針に基づき整備しておりますが、特に、硬式野球では、高校から大学、社会人へとレベルが高くなるにつれ、打球の飛距離が伸びるため、場外へファールボールが飛び出すケースがございます。これまで公園内道路を含め、野球場周辺に打球への注意喚起の張り紙を行うとともに、隣接する駐車場の駐車位置の制限、それから野球場の利用者側に笛やアナウンス等での注意喚起をしていただくなどの対策を講じているところであります。  防球フェンスを高くすることにつきましては、田辺スポーツパークを利用される方の安全面の観点から対策を検討しているところであり、既存施設の構造、設置箇所や高さ、工法、費用面等を含めて、今後さらなる調査研究をしてまいりたいと考えております。  また、バックネット付近の観覧席上部への屋根や日よけの設置につきましては、他の類似施設の設置状況や工法などを調査し、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。            (教育次長 弓場和夫君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    一つ目の質問の利用状況については、今年度で17万人、平成26年11月のオープン以来、約33万人に達する見込みとの答弁でした。大変多くの方に利用され、評判もすごくよいと聞いておりますので、利用者からの要望には商売っ気も存分に出していただいて、前向きに改善していただきたいと思います。  二つ目の連携の面では、南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会では、田辺市、上富田町、白浜町、すさみ町、みなべ町と和歌山県とで連携して、田辺市や南紀から、そして和歌山県から県外に逃がさないような取り組みであると、また県の補助はなくなるが事業は継続し、来年度は串本町も参画していただけるとの答弁でした。ここ紀南地方は、温暖な気候で食事もおいしくすばらしいスポーツ施設もたくさんあることから、合宿には最高の立地かと思いますので、何度も当地に来ていただけるような誘致活動をしていただきたいと思います。  三つ目の質問の防球フェンスの高さの増設のところでは、レベルが高くなるほど飛距離も伸びるとの答弁でした。レベルの高い合宿も安心して呼べるように、早急に改善していただきたいと思います。  余談になりますが、昨年6月に開催された名球会ベースボールフェスティバルで東尾修氏から、「フェンスが高ければプロ野球も呼べるすばらしい野球場ですね」と言われたのも聞いております。経済効果も大きいと思いますので、ぜひ実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。  それでは、3番目の質問に入りたいと思います。  3番目の質問は、有害鳥獣捕獲に係る事故防止についてです。皆様も御存じかと思われますが、10月に市内で猟犬による死亡事故が発生しました。事故は地元の猟師が事故現場近くの山間部で3匹の猟犬を連れて有害鳥獣の捕獲に従事している際に起きたと聞いております。詳しいところは田辺警察署が調査中とのことですが、本当に悲しい事故であり、亡くなられた方の御冥福をお祈りしたいと思います。  狩猟による事故には、獲物との錯覚による猟友や農業者への誤射、また転倒などによる暴発などがあり、これらは銃の取り扱いによる事故で、人間の意識次第で防げるとは思われますが、猟犬が人間を襲うという事故はどのようにお考えでしょうか。  銃による狩猟では、鳥獣の追い出し等に犬は不可欠であり、ハンターのパートナーです。ハンターから放たれた猟犬は、鳥獣の足跡などのにおいを頼りに、住み家まで行き、鳥獣を追い出してハンターが銃でしとめるというのが一連の作業になるかと思います。  イノシシやシカなど、大型動物の捕獲に用いられる猟犬には、ほえて動きをとめる犬、また追い出しや動きをとめるのにかみつく犬など、さまざまなタイプの猟犬がいますが、どれも相当な訓練をしています。  しかし、今回、大変悲しい事故が起こりました。大きな管轄では県や警察になるかと思いますが、市といたしまして、今回の事故をどのように受けとめているのか、今後の指導や管理をどのように考えているのか、質問したいと思います。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    産業部長、那須久男君。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問の有害鳥獣捕獲に係る事故防止についてお答えいたします。  議員のお話にもありましたが、既に新聞紙上等で報道されておりますとおり、去る10月19日に中辺路町近露で猟犬による死亡事故が発生しました。現在、田辺警察署で捜査中ですが、市の聞き取り調査では、事故当日、地元の猟友会員が、事故現場近くの山間部で猟犬3頭を連れて有害鳥獣捕獲に従事しており、その間での事故であったと伺っております。  市といたしましては、有害捕獲中の事故として大変痛ましい事故であり、残念なことであると認識しており、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表する次第であります。  さて、市では、拡大する鳥獣による被害の防止対策として、有害鳥獣の個体数を減らすため、猟友会の御協力をいただきながら、銃やわなによる捕獲を進めております。従来捕獲に関しては、危険を伴うため、有害鳥獣捕獲だけでなく、猟期中の狩猟も含めて、県、市、警察等の関係機関からこれまでも事故防止に関する注意喚起を行うとともに、研修や巡回指導を行ってまいりました。従事者の皆様もふだんから安全管理には十分注意しながら取り組んでいただいております。  こうした中、今回事故が発生しましたことにつきましては、大変重く受けとめており、市では事故直後の10月26日から再発防止のため、各猟友会総会において啓発を行うとともに、有害鳥獣捕獲従事者全員に対して、文書で注意喚起を行いました。さらに、県では、猟期を控え西牟婁管内の市町、猟友会に対し、安全狩猟の徹底と事故再発防止に関しての会議を開催し、対策の検討や意見交換を行ったところであります。  狩猟者の皆さんからは、事故の未然防止を図るための猟犬の位置把握に用いられるドッグマーカーやGPSの活用など、いろいろな御意見をいただいたところですが、今後の安全対策の確立については、関係者との連携や話し合いが大変重要であり、猟犬の管理など、さらなる安全対策の確立に向け、県や保健所との連携のもと、事故防止対策を講じていかなければなりません。  市といたしましては、野生鳥獣による作物被害が年々深刻化している中、今回の事故を踏まえて従事者の皆さんには事故防止の意識をさらに持ち続けていただくとともに、特に猟犬の管理については、平常時はもちろんのこと、猟期中、有害駆除中においても、十分注意していただくよう県や猟友会との連携のもと、指導・啓発を強化し、鳥獣害対策に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    市では、啓発や注意喚起を行い、県では、安全狩猟の徹底と再発防止に関する会議を開催しているとの御答弁でした。今回の事故は大変悲しいことでありますが、私が気にするのは、この事故を受けて、有害鳥獣捕獲の従事をやめる方がふえてこないか心配しております。野生鳥獣による農作物への被害は年々ふえており、農林業者に大変な損害を与えているとともに、農林業への意欲の低下も考えられます。農作物を守るためには、鳥獣の適正数がありますので、有害鳥獣捕獲者への安全指導の徹底はもちろんですが、従事しやすい環境整備をしっかりつくっていただき、ハンターや農林業者がやる気が起こるような環境整備ももっとしていただきたいと思います。その旨を伝えて、今回の一般質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    以上で、5番、橘 智史君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 安達克典君)    この場合、1時45分まで休憩いたします。              (午後 1時35分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時46分) ○議長(吉田克己君)    続いて、4番、北田健治君の登壇を許可いたします。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    皆さん、こんにちは。早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、3点にわたり一般質問を行います。  まずは、大項目1の市庁舎整備にかかわってであります。  市庁舎整備については、議会内においても特別委員会を設置しており、私もその委員でありますが、中心市街地の活性化に対する強い思いから、あえてこの場で質問をいたしたいと思います。  国土交通省は、1998年に改正都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法のまちづくり3法を制定し、その後も関連法を改正するなど、集約型都市構造の構築に向けて取り組みを進めています。  集約型都市構造とは、市街地の無秩序な拡大を抑制し、公共交通にアクセスしやすい場所に居住機能や行政機能、そして商業機能等を集積させる都市構造のことであり、いわゆるコンパクトシティと呼ばれているものです。その構築は、住民や来訪者の利便性や快適性など都市部ならではの魅力を高め、定住人口減少の抑止や交流人口の増大など、あらゆる面で地域の活性化に大きく貢献するとともに、都市におけるインフラの維持・更新の効率化・重点化や公共施設の有効活用によって、財政負担の軽減も図られ、今後本格的な人口減少が進む社会情勢において必要な取り組みであると考えます。  本市においても、平成21年に策定された中心市街地活性化基本計画で都市機能の向上と自然と歴史を生かしたまちづくりを基本方針にしていましたし、都市計画マスタープランでも基本理念の一つに地域活力が連携した快適で効率的なまちづくりを掲げ、その中に持続可能な集約型都市構造を構築し、地域活力が連携した快適で効率的なまちづくりを目指すと示しています。そういった観点から、官民連携のもと、その実現に向け取り組まれてきました。  しかしながら、平成23年に社会情勢を一変させた東日本大震災が発生し、国民の地震・津波等防災に対する意識がより高まるとともに、防災対策の観点も踏まえた新たなまちづくりが求められるようになりました。  そこで小項目1として、そのような状況下において、本市では集約型都市構造の必要性について、どのような見解を持たれているのか改めてお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    4番、北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えします。  本市におきましては、平成22年3月に策定した都市計画マスタープランにおいて、行政、教育、文化、医療・福祉、商工業などのサービスを提供する機能や居住機能といった都市機能を集約することにより、中心市街地の活性化と効率的な市街地の形成を図り、持続可能なまちづくりを行うため、集約型都市構造を構築する方針を掲げております。  そうした中、市街地の空洞化は依然として懸念される状況であり、市といたしましては、これまで中心市街地活性化基本計画に基づき、各種の対策を講じてきたところですが、このたびの鬪鶏神社の世界文化遺産追加登録を契機として、町なかにおける交流人口の増大を図るとともに、地域コミュニティーの維持や確保といった観点からも、個性的で魅力ある中心市街地の形成に引き続き取り組んでいくことが重要であると考えております。  一方、平成23年の東日本大震災や平成26年の広島市の土砂災害など大規模な災害が近年頻発していることから、国が定める都市計画運用指針にも災害リスクに対する考え方が新たに追加されており、また昨年の常総市の鬼怒川の水害や本年4月の熊本地震などでは、各地の自治体の庁舎が被害を受け、その後の復旧・復興の大きな障害となる事態が発生するなど、まちづくりにとり防災の視点は欠かせないものとなっております。  こうしたことから、市といたしましては、市街地の活性化と効率的な市街地の形成という観点から、都市機能の集約化の必要性を踏まえる中で、まちが形成されてきた歴史的な経過を尊重しつつ、防災面についても十分考慮しながら本市の現状に合った集約型都市構造の方向性を見出してまいりたいと存じますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    都市機能の集約化に防災の視点も考慮し、現状に合った集約型都市構造の方向性を見出していくとの答弁でした。言いかえれば、現行の都市計画マスタープランは、東日本大震災前に策定されたものであり、その方向性を明確に定められていないということでございます。新しい都市計画マスタープランにおいても、集約型都市構造の重要性を踏まえるとともに、早期の策定をお願いします。  次の質問に移ります。本市における都市機能が集約された地域は、答弁にもありましたように、今なお、中心市街地エリアであることは疑う余地もありません。中心市街地は江戸時代、本町や栄町などの西側地区から形づくられ、その後の道路整備や鉄道開通等、時代の移り変わりを背景に、紀伊田辺駅を中心として形成されており、長らく本市のみならず、紀南地域の中核として、その圏域の発展を牽引してまいりましたが、平成に入り、大型店の郊外出展や居住地の郊外化及び国立病院や紀南病院の相次ぐ移転等によって、町なかの空洞化が加速し、さらに東日本大震災の発生以降においては、まちづくりの観点に防災対策が色濃く反映されるようになり、本年消防本庁舎も新庄地区にある高台に移転したところであります。  こうした中、市庁舎においても、十分な耐震強度がなく、津波想定浸水域に位置することから、移転を含めた整備について、本格的に検討される運びとなり、先般、津波・洪水の想定浸水域外で、中心市街地から近い場所に、市役所本庁舎と市民総合センターを統合した新庁舎を早期に整備することとする庁舎整備方針検討委員会の答申に基づいて、市長みずからが整備方針を表明されました。  今後は、その方針に沿って、移転候補地を選定するものと認識しておりますが、いずれにしても市役所本庁舎及び市民総合センターまでもが想定浸水域内にある中心市街地から去る公算が極めて高いこととなっています。  このことは、災害に強いまちづくりの観点から、半ばやむを得ないと自分に言い聞かせながらも、中心市街地の活性化に取り組んできた立場としては、やはり残念です。  現在の市庁舎の立地については、先人がまちづくりの将来性や利用者の利便性を鑑み、検討を重ねられたものであり、今日の中心市街地における集約型都市構造の構築に少なからず寄与してきました。したがって、市庁舎の移転は、その構造に多大なる影響を与え、中心市街地にとって利便性のみならず、人の往来をも奪われることとなります。  また、事業者が住民が大きな喪失感を抱くこととなり、事業の継続や居住意欲の低下を招き、市街地の空洞化を一段と加速させるおそれもあります。  これまで以上に、空洞化が進めば、中心市街地の都市機能を維持することが困難となり、紀南地域の発展を牽引するという中核都市としての責任を果たすことができなくなるものと考えます。  そこで、小項目2として、市庁舎の立地は先ほどの答弁であったように、現状に合った集約型都市構造の方向性とともに、検討されることになるかと思いますが、私は元来経済波及しやすい場所に人の集まる施設を設置するべきと考えており、そういった意味でも移転先については浸水想定域外としているとはいえ、やはり中心市街地と密接する形が望ましいと思いますし、9月議会における市長の整備方針にも中心市街地に配慮しながらという文言を盛り込まれておりましたが、改めてそのあり方について当局の御見解をお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長、田上豊和君。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員御質問の移転先のあり方についてお答えいたします。  本庁舎及び市民総合センターを含む中心市街地におきましては、さまざまな都市機能が集積され、市民生活において利便性の高いエリアとなっております。  市といたしましては、これまでも中心市街地活性化基本計画を初め、このエリアのまちづくりに積極的に取り組んでまいりました。庁舎の移転につきましては、津波洪水の想定浸水域外で、中心市街地から近い場所に整備するという方針に基づき、現在実施しております移転候補地の選定調査におきまして、中心市街地との関係性も候補地を評価する重要なポイントとなると考えております。  庁舎が大規模災害時においても、復旧・復興の拠点として機能するよう安全・安心の確保と、そしてこれまでも大切にしてまいりました、中心市街地のまちづくりの両方の観点を踏まえまして、候補地の選定に取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。先日、市長が発表した市庁舎の移転は、先ほど申し上げたとおり、防災の観点から半ばやむを得ないと認識するものの、これ以上の空洞化を避けたい中心市街地にとっては大きな痛手になります。その移転先については、都市機能を維持するためにも、単に距離が近いということだけでなく、中心市街地との関係性に十分配慮した上で御判断いただきますよう強く要望いたします。  次に、跡地利用についてお伺いいたします。  市庁舎の移転事業については、その移転先のみならず、跡地をどう活用するのか、また中心市街地においてどのようなまちづくりを進めるのかが重要であります。  現在の本庁舎は、扇ヶ浜海岸が眼前に広がる風光明媚な場所にあり、JR紀伊田辺駅を初め、鬪鶏神社や南方熊楠顕彰館、そして商店街からもほど近くにあるため、観光客にとっても重要な起点になります。  一方で、周辺には多くの住民が居住し、高齢化も進行しているため防災面での課題もあります。そのため、跡地利用については、新たなにぎわいの創出とともに、周辺住民の課題も踏まえて、あらゆる角度から考える必要があります。  こうしたことから、私は、本庁舎跡地と扇ヶ浜エリアを一体として捉え、避難場所を兼ね備えた観光施設の誘致や市役所にかわる施設整備、また世界遺産である鬪鶏神社を生かした町なか誘導の仕組み等、文里湾横断道路建設をも考慮に入れ、全ての市民に夢のあるビジョンを示すことが何より重要であり、そのことは市庁舎移転事業と並行して進めなければなりません。  無論、市民総合センターの跡地についてもしかりです。  そこで小項目3として、田辺市庁舎整備方針検討委員会の答申にも付記された跡地利用について、現時点でどのような考えを持ち、今後どういった体制で進めていくのか、お伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員御質問の跡地利用についてお答えいたします。  本年8月の庁舎整備方針検討委員会の答申の中で、跡地利用につきましては、新庁舎の整備と並行して検討する必要があるとの附帯意見をいただいており、同委員会の委員の皆様から津波避難ビルとして、また、まちの活性化として考えていくべきであるといった御意見があったことについて承知いたしております。  市といたしましても、跡地利用には、防災とにぎわい創出の観点を取り入れていくことが重要であると認識しているところでありますが、本庁舎、市民総合センターのほか、庁舎別館などの本庁舎周辺施設につきましても、移転を機に撤去するのか、何らかの形で利用していくのか。そのあり方を整理し、跡地利用を検討できる環境を整えながら、庁舎移転後、速やかに跡地が利用できるような計画と体制づくりについて、検討してまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇)
    ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。  今回の市庁舎にかかわっての質問は、現時点で明確な答弁を求めるというものではなくて、これまで中心市街地のにぎわいの創出に取り組んできた皆さんやそこで事業や生活を営んでいる方々の思いを少しでも伝えたいということで行いました。  これら市庁舎移転事業における一連の判断には市民から大きな期待や関心が寄せられております。市庁舎の移転事業が市域全体はもとより、中心市街地にとりましても、少しでも実りあるものになるよう取り組んでいただきたいと思います。  次に、世界遺産追加登録にかかわって質問を行います。  全国の大部分の地方自治体では、少子高齢化や人口減少に拍車がかかり、それに伴い地域内消費も大幅に縮小しつつあります。本市においては、特に内需依存型の経済構造のため、人口減少が地域経済に与えるダメージは大きいと言われております。  そういったことから、さらに交流人口の増大を目指すとともに、地域経済に反映させる取り組みがこれまで以上に必要となります。  皆さんも御存じのとおり、本年10月24日、紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産追加登録がパリで開かれた世界遺産委員会において承認されました。この場をお借りして登録に向けて御尽力いただいた関係各位に心より感謝申し上げます。  本市は、合併以来、この世界遺産を初めとする地域資源を生かした観光振興に力を注いで取り組んできました。そのことを後押しするかのように、世界遺産追加登録以外にも、昨年には、田辺南部白浜海岸県立自然公園が吉野熊野国立公園に編入され、さらにはみなべ・田辺の梅システムが世界農業遺産に認定されるなど、いずれも観光振興を図る上で大きな期待が寄せられるものであります。  観光にかかわる産業は幅広く、宿泊施設や飲食店等のサービス業はもちろんのこと、土産物品や飲食などの原材料まで含めると農林水産業も間接的に観光客からの収入を得ることとなり、地域経済への波及効果は大きいといわれております。  そういった意味において、とりわけ小売り・サービス業の集積した市街地にある鬪鶏神社が世界遺産となった意義は大きく、本市の地域経済はもとより、特に中心市街地にとっては大きなチャンスであると感じております。  しかし、商店街を取り巻く現況は非常に厳しく、かつては200億円以上あった商品販売額が現在においては約7割も減少し、店舗の相次ぐ廃業や撤退によって100店舗以上が空き店舗となり、シャッター通り化が一段と進行しています。  言いかえれば、増加傾向にある来訪者が、土産物品など購入しようとしていても、商品の買える店舗が減少しているということであります。  昨年12月の一般質問で、町なか回遊策についてお伺いしたところ、産業部長からの答弁は、空き店舗対策などで商店街の活性化を図り、町なかを楽しんで歩いてもらえるようなまちづくりに努めていくとのことでありました。  事実、本年度の予算では田辺市商店街開業支援事業費補助金が拡充され、賃貸店舗の家賃の2分の1、限度額月5万円の6カ月、開業に当たり必要となる改修費用の2分の1、限度額50万円、加えて周辺経過に調和した店舗外装とする場合に必要となる改修費の2分の1、限度額20万円となり、合計最大で100万円の補助をすることになっていますが、我々が本意とする状況には至っていないと感じております。  シャッター通り化が進んでいる現況は増加傾向にある交流人口を地域経済に生かせないばかりか、むしろ来訪者を落胆させ、本市そのものの評価さえも下げてしまうのではないかと危惧しており、喫緊により思い切った対策が必要であると考えますが、小項目1として、商店街のシャッター通り対策について、これまでの取り組み状況と今後の対策について、当局の御見解をお伺いします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    産業部長、那須久男君。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問の商店街のシャッター通り対策に関する、これまでの取り組みの状況と今後についてお答えいたします。  商店街の空き店舗対策といたしましては、中心市街地活性化基本計画に基づく取り組みとして、平成21年度から25年度まで商店街の空き家・空き店舗を賃貸して出展する方に店舗賃借料、または店舗改修費について最大36万円の補助を行う田辺市中心市街地開業支援事業を実施し、5年間で計23店舗の開業がありました。  また、平成27年度には、地方創生先行型交付金を活用し、田辺市中心市街地開業支援事業の改良制度として、店舗賃借料及び店舗改修費、最大50万円の補助を行う田辺市商店街開業支援事業を創設し、1年間で5店舗の開業がありました。  しかしながら、議員のお話にもございましたとおり、商店街の空き店舗については、年々増加している状況であり、そうしたことから、今年度は鬪鶏神社の世界遺産追加登録を踏まえて、商店街地域の空き店舗への出店を強力に誘導するべく、店舗賃借料及び店舗改修費として最大100万円の補助とするよう、さらに制度の拡充を図ったところでございまして、現在のところ4店舗に対し、交付決定を行っております。今後につきましても、制度を継続してまいりたいと考えております。  市といたしましては、この田辺市商店街開業支援事業により、空き店舗の解消を促進する一方で、商店街の各個店に対しては、増加が予想される外国人を含む観光客の誘導による活性化を図るため、来訪される方によりよいおもてなしができるよう、研修会を実施するとともに、店舗における商品メニュー等の外国語表記や外国人に対する接客をスムーズに行える対応ツールの作成などの支援を行っており、さらに外国人観光客への利便性向上と誘客を図るための消費税免税一括カウンターの整備など、鬪鶏神社の世界遺産追加登録という好機を個店の活性化につなげられるよう取り組みを行っているところであります。  さらに、中心市街地の空き家・空き店舗の活用を促進するために、関係者との連携のもと、リノベーション推進協議会を設置して、取り組みを進めてきておりますが、その一つの成果として、去る10月に遊休不動産を再生、活用し、地域の活性化に取り組む、田辺市初の家守会社が発足しており、こうした取り組みも今後の商店街の活性化につながっていくものと考えております。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    答弁のとおり、さまざまな策を講じられてきていることは十分に承知しておりますが、現時点においても、空き店舗数は増加の一途をたどっています。  特に、本市の玄関口である駅前商店街は、ここ数年空き店舗の増加が顕著にあらわれており、景観的にも大変寂しい状況であります。来訪者にとって、史跡等を見ることはもちろん、買い物や飲食などの経済行動は大きな楽しみであり、こうした受け入れ体制が不十分であれば、先ほども申し上げたとおり、必ずや世界遺産のあるまちとしての魅力を低下させ、交流人口の増大を目指す本市にとってはゆゆしい事態となります。  そのため、まずは、本市の玄関口であり鬪鶏神社までの動線に当たる駅前商店街だけでも来訪者のニーズに即した店舗の開業を促進するとともに、景観整備とシャッター通り対策を図らなければなりません。  とりわけ、新しく生まれ変わった駅前広場に隣接する部分については、早急な対応が求められております。今回の鬪鶏神社世界遺産登録を契機に、駅前商店街が本市の玄関口としての役割を取り戻せるよう、観光客の需要が高い土産物品や特産品販売業及び飲食業等の業種に特化して、商店街開業支援事業費補助金の効果的な運用や拡充、さらに、商連や南紀みらい、そして、答弁にありましたリノベーションによって、エリアの活性化を目指す家守会社等と連携し、来訪者の期待に沿える駅前商店街の再整備を行うなど、より踏み込んだ施策に取り組むことが必要であると考えますが、再質問として当局の御見解をお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員から、鬪鶏神社が世界遺産に追加登録された今、田辺市の玄関口として特に重要である駅前商店街について観光客の需要の高い業種である土産物販売業や飲食業等の業種に特化して、開業支援補助金の効果的な運用や拡充を図ること、また来訪者の期待に沿える再整備など、踏み込んだ施策を実施することが必要ではないかとの御提言をいただきました。  田辺市の玄関口である駅前商店街に特化して、そこでの土産物店や飲食店の出店を誘導するために、田辺市商店街開業支援事業の効果的な運用や拡充ということは確かに一つの方策であろうと存じます。ただ現在実施しております田辺市商店街開業支援事業については、関係者との協議のもと、対象店舗の要件として、小売業、飲食業と不特定多数の集客を見込めるサービス業であることとしており、さらに、おおむね午前10時から午後6時までの間は営業を行うものを対象としており、商店街地域に昼間のにぎわいを創出していただけるお店の出店を促すという考え方で対象を一定の業種に絞るなどの要件を設定しているところでございます。  議員から、御提言のありました、例えば土産物店を特化するとなると、単なる小売業との区別、つまり土産物店としての要件をどうするか、あるいは飲食店の出店を誘導するとなると、現在、飲食店ではない店舗が多い状況であり、出店に当たって、用途変更に伴うコストが高くなることが予想されることから、効果的、かつ適正な補助金のあり方をどう考えるかなど、関係者の御意見等もいただきながら考えていく必要があろうかと思います。  いずれにいたしましても、議員のおっしゃるとおり、確かに駅前商店街は田辺市の玄関であり、世界遺産鬪鶏神社への動線として重要なものであることは間違いないことでありますし、ここ最近、一層空き店舗が目立ってきていることは、田辺市にとって非常に寂しい現実でございます。  そうした中で、鬪鶏神社の世界遺産追加登録という大きな出来事を田辺の商店街の新しい時代の始まりとしていけるよう、議員から御提言いただいた開業支援補助金の効果的な運用や拡充と来訪者の期待に沿える駅前商店街の再整備について、まちづくり会社である南紀みらい株式会社や商工会議所を初め、関係団体と知恵を出し合いながら、具体的な方策について協議してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    次の質問に移ります。  今回の世界遺産追加登録に係る情報発信についてであります。紀伊山地の霊場と参詣道は2004年に世界遺産登録されました。当時は、世界遺産に関する注目度が非常に高く、熊野古道や本宮大社等が連日各メディアによって紹介されることとなり、一躍脚光を浴びました。  観光動態調査によりますと、本市を訪れた観光客総数は、平成15年が262万人であったのに対し、世界遺産登録された16年には364万人、翌17年には、15年比の1.5倍以上となる416万人に増加しました。特に、中辺路と本宮においては、2倍以上の急増であったことからも、世界遺産登録とそれにかかわる報道の影響の大きさをうかがい知ることができます。  一方、世界遺産登録については、2010年に承認された石見銀山遺跡とその文化的景観が、我が国初、しかもこれまで唯一の事例でありましたが、私はこのことを一昨年前の世界遺産追加登録についての一般質問を行うまで、全く知り得ませんでした。当然のことながら、新規の世界遺産登録と比較して、報道による露出は圧倒的に少なく、注目度も決して高いとはいえません。しかし、今回の世界遺産追加登録は、世界遺産のあるまち、田辺の魅力をさらに高め、大々的にPRできる機会を得たことは間違いなく、これまで本市を訪れたことのない方はもちろんのこと、既に訪れていただいたことがある方にも、再来訪していただけるような魅力を伝える必要があります。  そこで小項目2として、世界遺産追加登録に係る情報発信について、これまでの取り組みと今後どのような戦略で行っていくのか、お伺いします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    議員御質問の世界遺産追加登録の情報発信についてお答えします。  本年10月24日にフランスのパリで開催された第40回世界遺産委員会において、本市の鬪鶏神社、長尾坂、潮見峠越、北郡越、赤木越の5カ所が新たに紀伊山地の霊場と参詣道に追加登録されました。  本市としては、世界遺産追加登録地の文化的価値や魅力を知っていただくとともに、多くの方に訪れていただくために、さまざまな情報発信の取り組みを進めているところであります。  まずは、市民の皆さんの機運の醸成と追加登録地の文化的価値を再認識していただくために、本年2月に田辺商工会議所、観光協会等の各種団体で構成する田辺市世界遺産登録推進協議会を立ち上げ、講演会の開催、啓発グッズの製作、登録記念式典・イベント等に官民一体となって取り組んでいます。  また、鬪鶏神社等の世界遺産登録地及び昨年12月に認定されました世界農業遺産の二つの世界遺産を紹介したパンフレット「ダブル世界遺産のまち田辺」を作成し、各種イベントやプロモーションで紹介するとともに、東京のわかやま紀州館や名古屋観光センターを初め、市内の観光施設等でも配布し、市のホームページでも紹介をしております。こうしたイベントの開催やパンフレットの作成にあわせ、新聞社、雑誌社、インターネット情報発信会社等のメディアに対しましては、広く国内外に情報を発信してもらうために、プレスツアーを11月に実施しました。  早速、新聞記事に掲載されており、今後も順次情報発信をしていただけるものと思いますが、来年2月には2回目のプレスツアーの開催も計画いたしております。  また、これまで、市がかかわってきたメディア等に対しまして、世界遺産追加登録が決定した後に周知のためのプレスリリースを行い、取材等を促すとともに、首都圏、東海、関西、中国地方の旅行会社を直接訪問し、情報提供はもちろんのこと、旅行商品のコースの中に、追加登録地を組み入れていただけるよう営業に努めているところであります。  さらに、世界遺産に追加登録された5カ所の魅力を実際に体験していただくためのモニターツアーを実施しており、全4回コースのうち、11月中に3コースが終了しました。参加者にはアンケート調査にお答えいただくとともに、SNSやブログ等でも発信をいただいています。  市といたしましては、今後においても首都圏等でのプロモーションの機会やメディア等への働きかけを通じ、世界遺産追加登録地の情報発信に継続的に取り組むことで、交流人口の増大を図り、地域の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(吉田克己君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    昨年認定された世界農業遺産みなべ田辺の梅システムに加え、今回、鬪鶏神社などが新たに世界文化遺産となり、本市の魅力がますます高まっていることから、この機に際し、改めてプロモーションのあり方を検討してはいかがでしょうか。  答弁にもありました首都圏でのプロモーション事業を初め、より一層庁内が連携して戦略的な情報発信に取り組んでいただくことを要望して、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、4番、北田健治君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、午後2時35分まで休憩いたします。              (午後 2時23分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 2時35分) ○議長(吉田克己君)    続いて、1番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    1番、日本共産党の真砂みよ子です。今回、2項目質問させていただきます。  まず1項目め、防災計画と文里湾横断道路についてお聞かせいただきます。  東日本大震災から学んだもの、教訓は何だったのか。このことをまずお聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    1番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  総務部理事、早田 斉君。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    真砂議員の御質問にお答えいたします。  当地方に大きな被害をもたらす南海トラフにおける地震とそれに伴う津波による災害につきましては、平成23年3月の東日本大震災の発生までは過去に90年から150年の周期で発生してきた地震の記録から、その中で最大規模の宝永地震を基準として、東海・東南海・南海3連動地震の発生を想定した津波の規模をもとにさまざまな対策を講じてきました。  しかしながら、東日本大震災では、東北地方などにおけるそれまでの想定をはるかに超える大きな津波が発生し、津波避難場所となっていた場所に避難した方々も津波の犠牲になるなど、これまでの地震、津波対策の考え方を覆すものとなりました。  その後、東日本大震災の教訓をもとに、南海トラフにおける地震・津波の想定が見直され、いわゆる南海トラフ巨大地震の津波想定が発表されました。  また、それまで堤防整備などのハード対策と避難の円滑化に資するソフト対策を組み合わせた取り組みを推進するとしていた考え方から、巨大地震に対しては津波から逃げ切るためのソフト面を中心に対策を講じていくことという考え方になっています。さらに、津波からの避難は想定にとらわれず、可能な限り高い場所に避難するという考え方も唱えられるようになりました。  以上です。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    東日本大震災は、千年に一度という今まで記録に残っていない、経験したことがない本当に大きな災害でした。今、答弁いただきましたように、そこから学ばなければならないことがたくさんあると思います。  岩手県の宮古市田老地区、旧田老町ですが、ここは過去から何度も津波被害のあった地域で、スーパー堤防といわれる堤防をつくっていました。45年間かけてつくったそうです。高さ10メートル、25キロにわたって整備した、日本の万里の長城と言われるような世界一の堤防だともてはやされてきました。  しかし、東日本大震災は、想定を超える防潮堤を超えるものでした。防災対策が役に立たなかった。また、過信したことによって被害を多く出したという反省があります。一方、防災対策によって、大きな違いが生まれました。  今、宮城県石巻市の大川小学校では、裁判闘争が行われています。全校児童108人中74人が死亡、先生13人中10人が死亡という痛ましい惨事が起こりました。子供の親が市に責任を問う裁判が行われています。大川小学校は避難所に指定されていましたので、この津波を予見できたかどうかが争点になっています。  一方、岩手県釜石市、こちらは全小中学校児童生徒2,931人のうち5人が死亡、99.8%が生存したという報告があります。亡くなった5人は、学校を休んでいたり、親が学校へ迎えにきて学校にいなかった子供たちだそうです。  ここでは、群馬大学の片田教授がアドバイザーとして8年前から指導し、「津波てんでんこ」という津波が来たら各自が逃げるんだという考えのもとに、想定を超えることがある、想定にこだわらない。より高くより遠くへ、そういう日常的な避難訓練をしてきたそうです。そして、「率先避難者であれ」という教えから、中学生が小学生の手を取って避難したということです。余りにもこの大きな違いがあることに驚いています。  それでは、2点目に、津波避難のあり方、市の方針についてお聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇)
    ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  津波からの避難の原則は、まず大きな揺れや弱くても長い横揺れを感じたら津波発生の可能性を考え、警報などの情報を待たず、可能な限り速やかに避難行動を開始していただくことです。また、できるだけ高い場所に避難し、浸水想定地域から逃れること、それが困難な場合は、津波避難ビルや津波避難タワーなどの避難場所へ避難することが必要となります。  なお、何らかのトラブルがあり、南海トラフ巨大地震の浸水想定以上の場所に避難できなくなった場合であっても、必ず最大想定の津波が来ると限ったわけではありませんので、そこで諦めるのではなく、少しでも高い場所に移動していただくことが重要であると考えます。  市といたしましては、こういった津波避難の原則について防災訓練や学習会において周知していくとともに、避難場所のさらなる充実を図るため、津波避難困難地域解消計画に基づく事業の推進と新たな津波避難ビルの指定などに取り組んでまいりたいと考えております。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    答弁いただいたことに何の異論もありません。田辺市は、先ほど釜石の奇跡で御紹介しました群馬大学の片田教授からアドバイザーとして指導を受けています。田辺第一小学校、高雄中学校が片田教授が主催しているシンサイミライ学校、命を守る特別授業を受けました。また、その報告を私たちも聞いています。  田辺市津波避難困難地域解消計画がつくられ、この中に津波から逃げ切るポイントを5点挙げられています。  率先して避難する。避難することを習慣に。想定にとらわれない。避難を諦めない。命を守るため最善を尽くす。この片田教授の方針に基づいて、市の方針もつくられていると思っています。このことについて、ぜひ守っていきたいと思っています。  さて、3点目、津波避難困難地域での避難のあり方、特に文里の場合ですが、現在、津波避難タワー、外階段をつけた県営住宅、こういった避難場所があります。これだけでは不十分なのでしょうか。お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  文里地区の津波避難困難地域につきましては、解消対策の検討中に県営文里団地の避難ビル化が実施されましたが、県営住宅は当該地域から距離があり、これにより避難困難地域の解消ができるものではなかったことから、新たな避難施設を整備することとなりました。  津波避難困難地域の解消という面だけで考えますと、新たな施設整備で完了となりますが、文里地区やその周辺地域全体の津波避難対策としてはこれで十分というわけではなく、より多くの選択肢があるほうがよいと考えております。どの避難場所がより有効かということではなく、状況に応じて避難場所を選択していただければと考えております。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    答弁いただいたとおり、本当に防災対策にパーフェクトはありません。ですから、避難タワーがある、県営住宅の屋上に避難できる。これでいいということではないと思います。  次に4番に入ります。  津波避難困難地域解消計画の中に文里湾横断道路が位置づけられました。新たな文書がつけられて、第6節(仮称)文里湾横断道路整備計画の推進、県が市に対して整備要望を行っている(仮称)文里湾横断道路については、文里地区の津波避難困難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所として必要なことから、今後とも計画実現に向け積極的に取り組んでいくという文書が追加されました。  ここで言われている避難路というのは、文里からどこへ行く、どこへ避難するための道だという位置づけでしょうか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  仮称文里湾横断道路につきましては、ルートや具体的な仕様などは今後検討されていくものでございますので、現時点では御理解いただきたいと思います。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    検討中なのでわからないということですよね。そうしたら、避難場所として必要であるという、この避難場所とはどういう意味でしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  文里湾横断道路の架橋についても避難場所として位置づけられると思っております。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    この文書で避難場所として必要であると書いていますが、避難場所ということは、文里湾横断道路の橋の上に避難するという意味ですよね。津波が来ている、その海の上に避難して恐怖を感じないのでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  確かに、橋の上にとどまり、そこへ津波が到達すれば、橋の下を津波が通ることになりますので不安に感じることもあると思います。しかしながら、これは津波避難ビルやタワーにおいても同様で、このような状況を回避するためには、浸水エリアから脱出する以外にはないと考えます。  したがいまして、時間的に余裕があり、可能であれば浸水しない場所に避難していただく。それが困難な場合には、この橋を含め浸水エリア内の避難場所に避難していただくといった行動をとっていただくことになります。  以上です。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    津波避難タワーも県営住宅の屋上も恐怖は同じだということですが、海の上にいるというのとは違うと思いますが、それは後でまたお話させてもらいます。  この文書の中に、要配慮者施設利用者のためという文言がありますが、この要配慮者施設は具体的にどこを指すのでしょうか。また、その要配慮者の皆さんが、歩いて文里湾道路の避難場所に避難するのに、何分ぐらいかかると想定されているか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  県道文里湊線の周辺には、ふたば第二作業所、あゆみ福祉販売所、ハモニティといった障害者利用施設が存在しています。また、施設利用者以外にも、避難行動要支援者の方はおられます。このような方々も基本的には徒歩で避難していただくことになりますが、どうしても徒歩での避難が困難な場合は、施設職員が車などで避難させるケースが想定されます。  また、文里湾横断道路までの避難時間を何分と想定しているかという御質問ですけれども、新しい道路が現在の県道とどの場所で接続するのかなどによって変わってまいりますので、現時点では所要時間については想定できておりませんので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    避難困難施設の利用者というのは、ふたば第二作業所、あゆみ、ハモニティということでしたが、ふたば第二作業所はもともと施設が老朽化していまして、今、移転を希望しています。ですから、ふたば第二作業所の人にとれば、そこに橋があって、その橋に逃げるよりも、移転するほうが確実だと思います。また、あゆみ販売所やハモニティの皆さんは磯間ですので、本当に文里湾横断道路がベストなのか私は疑問があると思っています。  次に、文里の津波避難困難地域68人となっていますが、この皆さんはどこに避難するのがベストだとお考えでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  先ほども申し上げましたが、津波避難の原則は、浸水しない場所への避難でありますので、文里地区からの安全な避難場所としては、文里一丁目公園裏高台や文里二丁目高台、田辺高等学校などになります。その中でも、田辺高等学校は、指定避難施設でもありますので、時間に余裕があれば、よりよい避難場所であるといえます。県営住宅や津波避難タワーなどは時間に余裕がない場合の避難場所として活用していただければと思います。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    避難の基本的な考え方は、より高く、より遠くへということですので、避難できなかった方が最低限のところで避難するということだと思うのですが、そのための補助的な施設として、文里湾横断道路が欲しいのかどうかということは疑問ですが、また議論したいと思います。  次に、群馬大学の片田教授にアドバイスをいただいているかと思うのですが、片田教授は文里湾横断道路を避難場所と指定したことについては、どのようにお考えでしょうか。御意見を聞かれているのでしょうか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  文里湾横断道路の関係につきましては、県との連携により議論、検討しているものでございますので、片田教授の御意見は伺っておりません。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    最初に、東日本大震災から何を学ぶのかということを聞かせていただきました。その次に、津波避難のあり方も聞かせていただきました。それらについては、全く私の考えと異論がありません。片田教授のいろいろな経験からのアドバイスを生かした本当にすばらしい方針だと思います。  しかし、今回の文里湾横断道路を避難路や避難場所にするという考え方は、片田教授の考え方と全く違っていると思っています。より高く、より遠くへ、想定にこだわらない、この津波避難の基本的な考え方と反するような、今回のこの規定については、ぜひ片田教授にその御意見を聞いてほしいと要望したいと思います。  次に、第二次田辺市総合計画と文里湾横断道路ということで、この田辺市総合計画にも文里湾横断道路が大規模災害時の物資の輸送に大事だと規定されています。液状化が心配される中で、本当に物資の輸送に役立てるのかどうかということを疑問に思うわけですが、そういう液状化ということは想定されていないのでしょうか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員の御質問にお答えいたします。  災害時に新文里港付近の液状化などにより、文里湾横断道路周辺の道路がアクセス道路として利用できないのではという懸念でありますが、アクセス道路となる県道文里湊線は災害発生時における救助・救援に必要な人員及び物資の緊急輸送を確実に実施する緊急輸送道路に指定されていることから、現在、本市では、本年7月11日に国・県・市等で構成する和歌山県道路啓開協議会の設立開催を受け、南海トラフ地震に伴う津波浸水や風水害による大規模な道路災害に備え、道路啓開計画を策定中であり、災害発生時において最低限緊急車両の通行だけでも確保する道路啓開を迅速かつ着実に行えるように取り組んでおります。  以上です。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    緊急輸送道路として確保していくということですが、液状化が起こらないことを本当に私は願うばかりです。  もともと文里湾は埋め立てたところです。過去の阪神大震災でも、そういった埋め立てたところが液状化を起こすということが実際に起こっています。そうならないことを本当に願うばかりです。この総合計画には、文里湾横断道路は津波からの避難に有効だと書かれていますが、現在ある施設よりもベストだということでしょうか。お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇)
    ○議長(吉田克己君)    総務部理事。           (総務部理事 早田 斉君 登壇) ○総務部理事(早田 斉君)    議員の御質問にお答えいたします。  どの避難場所が有効かというものではなく、幾つかの避難場所、避難ビルがあると思うのですが、状況によって避難場所を選択して、その時々でベストを尽くしていただくということがよりよい方法だと考えております。           (総務部理事 早田 斉君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    この橋が、今既にあり選択肢の一つとして避難場所にもなるというのだったら、まだ話はわかります。ですが、これからつくるものが最善の避難のためにベストでなければ、おかしな話だと考えます。この文里湾横断道路、文里湾架橋と言われたものは30数年前の構想で新庄の交通停滞解消が目的でした。しかし、なぜ当時、建設できなかったのでしょうか。  以前の私の質問に対して、市の答弁は国も地方も財政が厳しく、多額の費用が必要になる事業は厳しく実現しなかったという答弁でした。今、高速道路がすさみまで開通し、交通停滞が一定解消されています。そんな中でも、平成26年度には予算をかけて調査を行いました。そして、出された報告は、七つの効能があるというものでした。  昨年の12月議会でこの七つの効能一つ一つに、私は疑問を投げかけ、問題点を指摘しました。ですので、ここで同じことをぶり返すつもりはありません。また、不況の中で税収が減り、市民福祉が不十分な中で、文里湾横断道路の建設が優先課題かどうかです。午前8時前後の通勤時間帯の新庄での交通停滞は、今も全ては解消されていません。こんなとき、私もそういう交通停滞に巻き込まれるときがあるわけですが、文里湾横断道路があれば便利だと私も思います。決して不用だと思っていません。あれば便利です。多くの市民の思いだと私は認識しています。しかし、優先度の問題です。市民要望が高い生活道路の維持補修が不十分です。多くの市民要望は町内会で順位をつけさせています。ですから、市に要望として上がってくるものは、もともとある要望の一部で、その一部の要望のうち、町内会単位で年間1カ所から2カ所が改善されるという程度のものです。  平成27年度の生活道路の改修率は24%でした。全ての市民要望で見ると、この率はもっと低くなってしまいます。ここで問われているのは、市民が毎日の生活で利用する生活道路よりも文里湾横断道路のほうが必要だと思っているのかどうか。市民の声です。  文里湾横断道路はこのような経過をたどり、今、議論されているのは防災のためだと設置理由が変化してきました。しかし私たちは、東日本大震災という未曽有の災害を経験しました。そこで学んだことは想定にとらわれず、より高く、より遠くへ避難することです。わざわざ津波の来る海の上に避難するのは、東日本大震災の教訓に反しているのではないでしょうか。  11月にも福島で地震があり、津波の被害はありませんでしたが、潮位は高くなりました。そのとき同時に言われたのは、「津波を見にいくなど、海に近づかないでください」という注意でした。もし文里湾横断道路が避難場所になったら、海に近づき、海に逃げてくださいと言っているようなものです。私は、常々言っていることですが、人間の知恵と自然の猛威の闘いは勝ったり負けたりです。でもたとえ負けても、人間はそこから学ぶことができる。その学んだことを次に生かして対策をとる。そのことが災害で犠牲になった皆さんへの鎮魂であると私は考えています。  市長は、午前中の答弁の中で、次期にかける方針として、安心安全を言われました。津波対策に重点を置くというのなら、より効果的な方法でぜひやってほしいと思います。過去の教訓に欺くやり方はやめるべきだと申し上げて、この項での質問は終わります。  次に、生活保護費詐欺事件についてお聞きします。  まず最初に、なぜ日本共産党市議団3人全員が、この問題を取り上げるのか。それだけ重大な問題を抱えているとの思いからです。ですが、事件を起こした職員個人の罪を問うものではありません。職員の罪は刑法で裁かれるべき事案で、私たち議員が口を出すべきものではありません。私たちが問題視しているのは、なぜ職員がこのようなことをしてしまったのか。市のシステムに問題がなかったのかです。原因を明らかにし、二度と同じ過ちを繰り返さないために、どのように改善すべきなのか、この点を問うものです。  1点目として、今回の事件から何を教訓として導き出すか。誰も最初から悪意を持って業務を遂行していません。魔が差したのしょうか。ではどうすべきなのでしょうか。今回の教訓をどのように認識されているのか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長、木村晃和君。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  今回の事件が起きた要因として、ケースワーカーが1人で現金を取り扱うことが可能だったことが原因であったと考えております。これを見直し、現在では定例支給、随時支給ともやむを得ない場合を除き、口座振込の方法で支給を徹底しております。また、業者への支払いについては、会計システムから直接業者の口座へ振り込むことに限定をしております。  しかしながら、新規開始ケースで財務会計システムに口座登録ができておらず、緊急を要する場合などやむを得ず、窓口で現金を取り扱う場合には、査察指導員、または厚生係内の医療事務担当者等とケースワーカーの複数で受給者に手渡すこととしており、この際、受給者には受領書への署名、押印をしてもらい、処理後において複数人でのチェックをしております。また、当日支給できなかった場合は、金庫へ保管し、担当ケースワーカーごとに預かり金処理簿を作成し、査察指導員と福祉課長が金庫へ保管していることを確認するとともに、金庫の鍵は課長が保管しています。  以上のように、ケースワーカーが現金を取り扱わないことはもとより、複数人での確認を行うこと、連携することにより互いに牽制ができる体制をとり、再発防止を図っているところでございます。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    魔が差すというような条件をつくらないことが重要だと思います。特に、現金を扱うことは不正につながりやすいという認識も必要だと考えます。そこで2点目、現金を扱う全ての部署の業務手順の見直しということも必要だと思うのですが、庁内に金額の多少にかかわらず、現金を扱う部署はどれだけあるのでしょうか、お聞かせください。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  現金を扱う部署につきましては、地方自治法第171条に現金の出納、もしくは保管の事務をつかさどるものとして、出納員を置くように規定されており、田辺市では、会計規則により法令等に準拠し、厳正かつ的確に出納事務を処理する責任を持つものとして、出納員を73の部署に置き、現金の取り扱いを行っております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    73の部署があるということですが、その全ての課で不正が起こらないような対策はとられているのでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  不正を起こさせない対策といたしましては、歳入につきましては口座振替を、また支払いにつきましても、直接債権者の口座に振り込むことを基本としており、できるだけ職員が現金を扱うことのないようにしております。やむを得ず現金を取り扱う場合においても、速やかに金融機関に入金することを基本としており、施設等で金融機関が近くになく、現金を保管する場合は、金庫等に保管し、その鍵は課長である出納員が保管することとしております。  また、出納員は常に実際に現金を取り扱う現金取扱員の現金等、出納事務の状況を把握し、その出納手続についてチェックするなどの対応を図るようにしております。さらに、年度当初、予算説明会議など機会あるごとに予算執行担当者等へ適正な出納事務を執行するよう注意喚起をしております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    一つの課で問題が起こったときに、その教訓を全庁内で生かしていくということが大事だと思うのです。今回の事件で、再発防止策というのは厚生係だけの再発防止策だと思うのですが、これを全職員、全課の教訓にすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  現金の取り扱いについては、常日ごろから適正に処理を行うよう指導していたところですが、昨年1月の処分の際に、副市長から全職員一人一人に対し、公金等の取り扱いについて適正な事務手続により、厳正かつ確実に行い、公正を確保するための措置を講ずるよう要請するとともに、所属長に対しても、所属職員に再度指導徹底するよう強く要請したところであります。  同時に、会計管理者においては、現金取扱実態調査を行い、各課の出納員である課長に歳入についての現金の取り扱いや資金前渡した現金の取り扱い等について、課内で適正な会計処理が行われているかどうかを調査し、適正でない場合はどのように改善したか、その内容を報告させております。  その報告の中において、6課において収納後速やかに入金処理がされていなかったことや担当者が1人で処理をしていたことなどが確認されましたが、既に改善策が講じられたことが報告されており、適正な事務執行への対応が図られております。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    昨年の1月の処分の後、また再度発覚したわけですが、そのときの職員を信用した。だから本人の申し出以外は調査しなかったということですが、職員を信じるということと、放任するということは違うと思います。職員を信じているからチェックしないというのは、通らないと思うのですが、いかがでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員の御質問にお答えいたします。  まず、ケースワーカーの日常の業務においては、生活保護受給者ケースワーカーの関係は信頼関係を築き、受給者の生活指導及び自立を促すことが重要であることから、ケースワーカーが1人で対応する機会が多い状況にございます。こうしたことから、現金の取り扱いについても、その延長線上にあり、複数人でのチェックができていなかったと認識しているところであります。  また、不正事案に関する調査につきましては、昨年1月30日の処分に至る際に調査しました事案は、市等へ支払いすべきものを生活保護費から引き去り、これを金庫に保管し続けて、支払い事務を滞らせたもの、またこれらの現金を他の生活保護受給者に対して貸していたものでありました。総務課による調査時点では、金庫内に保管されていた現金については、既に市や受給者等に納付、返還するなど、処理が終了しており、これら本人が供述した事案に限って調査を行ったものでした。  結果、深く踏み込んだ調査に至らなかったことが問題であると認識しております。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    市役所で扱うお金は全て公金です。1円たりとも無駄にしない、不明にしない、そういう思いで取り組んでいってほしいと思います  今後の対応として、ほかの職種、公金を扱っている73の部署、その職場においても、不正や過誤がないか、再調査する御予定はないのでしょうか。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  昨年の事案を受けて、現金取扱実態調査を行い、問題となる箇所の改善を図ったところでありますが、今回の不祥事を受けて、市長より現金を取り扱う部署については、公金管理体制の強化を図るための対策を講じるよう、訓示されたところであります。  今後、この一連の事件を厳粛に受けとめ、適正な職務の執行に徹底的に取り組んでいく所存でございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (1番 真砂みよ子君 登壇) ○1番(真砂みよ子君)    防災のところでもそうですけれども、一つのところで得た教訓というのは全員が共有していってほしいと思います。私たち人間に完璧はありません。神様ではないのですから、ミスもするものです。そのことを前提にミスをどのように防ぐかを考えることが大事です。  その方法は、複数でのチェック体制、これしかありません。また、魔が差す、ちょっとした気の緩み、出来心というような、人間は弱さを持っています。その弱さが出ないような体制、許さない体制が必要です。繰り返しますが、それは本当に複数でのチェック体制、長期に同じ職員を同じ部署に配属しない人事です。  そのような改善をしないと、再び同じような間違いを犯す危険性があります。今回の不正は厚生係だけの問題ではなく、金銭を扱う全ての係の問題として、教訓にしていかなければなりません。  そのことを申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。            (1番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、1番、真砂みよ子君の一般質問は終了しました。  お諮りいたします。  本日の会議は、この辺にとどめ延会し、あす12月10日から11日までの2日間は休会とし、12月12日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(吉田克己君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(吉田克己君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。              (午後 3時23分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成28年12月9日                    議  長  吉 田 克 己                    副議長   安 達 克 典
                       議  員  佐 井 昭 子                    議  員  中 本 賢 治                    議  員  出 水 豊 数...