田辺市議会 2016-09-15
平成28年 9月定例会(第2号 9月15日)
水道部長 田 中 久 雄 君
業務課参事 前 田 敦 司 君
工務課長 下 中 哲 也 君
選挙管理委員会事務局長
道 畑 佳 憲 君
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〇
出席事務局職員
議会事務局長 大 門 義 昭
議会事務局次長 前 溝 浩 志
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局主査 玉 置 大 祐
開 議
○議長(吉田克己君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成28年第3回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前 9時59分)
――
―――――――――――――――――
◎諸般の報告
○議長(吉田克己君) この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、大門義昭君。
(
議会事務局長 大門義昭君 登壇)
○
議会事務局長(大門義昭君) 報告申し上げます。
本日付、田総第128号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、3定議案第14号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)など、議案18件の送付がありました。いずれもお手元に配付いたしております。
以上でございます。
(
議会事務局長 大門義昭君 降壇)
○議長(吉田克己君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(吉田克己君) 日程第1 一般質問を行います。
なお、一般質問は去る9月7日午後2時に通告を締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順位に従って一般質問を許可いたします。
2番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) おはようございます。2番、日本共産党の川﨑五一です。通告に従いまして、一般質問を行います。
今回の質問は、大きく2項目であります。1項目め、
学童保育所の設置について、まず議論を始めていきたいと思います。
(1)
学童保育所増設に係る必要性の認識について、という点についてであります。
市では、子ども・
子育て支援事業計画を策定して、今後こうした子育て支援の事業を進めていくという計画を立てておりますが、その中で
放課後児童健全育成事業というものがあります。それにかかる
学童保育所に関して、今後どういった形で充実を図っていくのかということについて議論をしてまいります。当面、今年度平成28年度及び29年度に増加するサービスについて説明を求めます。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 2番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
学童保育所は保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して、適切な遊びの場及び生活の場を提供し、その健全な育成を図ることを目的として設置し、運営しているところであります。田辺市では、国の
放課後児童健全育成事業を活用して、現在、公設公営で10カ所、民設民営で1カ所の計11カ所の
学童保育所を開設、運営しており、定員は公営・民営合わせて520人となっています。今年度は
中芳養小学校と新庄第二小学校において、年度内の完成を目指し整備中であり、来年度には定員が600人に達する見込みであります。
なお、9月1日現在での利用者数は476名となっております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 今、部長から御答弁をいただきましたが、
中芳養小学校と新庄第二小学校に増設するということです。子ども・
子育て支援事業計画でも48ページ、
放課後児童健全育成事業で、確保の内容ということで、平成28年度550人、29年度は今御答弁にあったように600人の枠をつくるとなっています。この計画は、平成27年度から平成31年度までの5年間の計画ですが、計画では600人から数がふえません。確保の内容が平成29年度に600人に達した後、平成30年度も平成31年度も600人のままです。まして、この間、さまざまな議員からも求められましたように、旧町村部への増設計画というものが上げられておりません。
そこでお伺いしたいのですが、
待機児童数、ニーズについてはどのように認識されているのでしょうか。お聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。今年度の利用希望者は、募集時には定員超過する
学童保育所もありましたが、保育室の拡充や指導員の増員などの措置を講じることにより、募集期間内に申し込まれた方は全員入所されております。また、
募集締め切り後に申し込まれた方における
待機児童数は、現時点では3人となってございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君)
待機児童数が3名ということで、実態とかけ離れた数字だと思うのですが、これはそもそも
学童保育所が整備されていない、対象となっていない校区に学童保育を必要としている人の数というのは、
待機児童数には含まれておりません。ですから、市内で3名というのは既に学童保育が整備されて、なおかつそこに通えなかったという、明らかに数字で出てくるものですが、それ以外の
学童保育所もなくて、預けるところがなくて困っている方の数が出てきません。
この間、
児童福祉法が改定されまして、待機児童の有無も含む必要な情報の収集が義務化されました。ただ、残念ながら法律にはその方法が規定されていませんが、やはりニーズをつかむべきではないかと考えております。資料にも出したのですが、7年前、平成21年3月に御答弁いただいたときに、アンダーラインを引いていますように、定期的に保護者のニーズ把握に努めるとともにということで、やはりまずニーズをつかまなければ、どれぐらいの要望があるかわからない。ましてや市が出している
児童健全育成事業の見込みで見ても、平成2年度905人に対して確保の内容が550人、不足が405人、そして平成29年度は見込み895人に対して確保が600人です。不足分が295人、この不足分がずっと今後も続くという見込みでありながら、確保の内容をふやさない計画になっているのです。
実際、どれぐらいの子供たちが学童保育を必要としているのかということですが、これは8月1日現在で市内の保育所の5歳児のクラスの在籍数、
入所児童数の資料をいただいたのですが、これを見ると、中辺路町でいいますと、栗栖川近くの保育園の5歳児の合計は13人、4歳児で14人ですから、年長さんがランドセルを背負って小学校に行くようになったからといって、突然保育に欠ける状況が変わるわけではない。5歳の子は保育が必要だったが、もう1年生になったから保育なしで1人でお留守番ができるという状況にはならないですし、子供が小学校に上がったから、親はもう仕事をやめて、家で保育するという状況も変わりませんから、一定、こうした数の大部分が何らかの保育を必要とする子供になるのではないかと思われます。そうした状況をしっかりとつかむ必要があるのではないかと思います。
そして、保護者向けの
アンケートですが、これは実際に、
中辺路小学校の1~2年生の保護者の皆様に対してとられた
アンケートですが、ここには
アンケート項目として、両親が仕事をしている時間、帰宅時間が何時ごろという設問があります。当然、今、何時に帰ってきているかということは必要な情報だとも思うのですが、保育があれば何時まで預けたいのか。こうしたニーズを引き出すための
アンケート調査が本来的には必要ではないか。学童保育がないから4時に帰ってきている。その4時に帰ってきている時間を幾ら調査しても、4時に帰っている保護者がほとんどなので、学童保育は必要ないという結論に至らざるを得ないので、そういう意味では、ニーズを聞くということであれば、もう少し設問も考えるべきではないかと思います。
そうした中で、今回のとりわけ中心点ですが、2項目めの旧町村部に新設すべきではないかという点についてお伺いしたいと思います。
学童保育所が整備されていない旧町村部にニーズがあるということは明確だと思います。それはこの間、昨年から龍神村のほうでサークル的に行われている子供の預かり事業であったり、ことしの春からスタートした、中辺路町で行われている有志による学童保育、こういった対応が行われています。このことから見ても、非常に困っている。何とかしなければならないということで、保護者自身が立ち上がり、自分たちで何とかしようという動きを進めています。
そこで、子ども・
子育て支援事業の中には、地域の特性を踏まえた総合的主体的な支援というのが書かれていますが、町村部の特性については、どのように認識されているか、お聞かせいただきたいと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。本市の山村地域においても、女性の就業率の向上や就労形態の多様化、子育て世帯の核家族化などにより、保護者が昼間留守になる家庭は増加傾向にあると推測され、それに伴い
学童保育所の需要も高まっていると考えてございます。
昨年、開設基準の人数は引き下げておりますが、山村地域にある小規模校の
ニーズ調査では、基準を満たしておらず、現在は
学童保育所の設置には至っていない状況にあります。
しかしながら、保育の必要性においては、児童と保護者の状況は、大中規模校と何ら変わりないことは認識いたしており、未設置地域の方々から開設の要望があることも存じ上げております。
山村地域は過疎化や少子化により子供全体の数が少ないことや市街地に比べ学習塾や習い事など、子供が集う場所も少ないなどの地域的な課題もあることから、子供の
居場所づくりについては、この辺を勘案した取り組みが必要であると考えているところであります。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 部長から、旧町村部にかかわってということでさまざまな特性をお聞きしました。2人とも働く共働き家庭がふえている。これは町村部にかかわらずだと思いますが、しかし雇用の場所が少ない。またそういう就労機会が少ないという地域性、そして非常に所得水準も低くならざるを得ない。通勤に長く時間がとられてしまう。就労場所が近くにないために、通うための時間が長くなる。4時に帰ってこようと思うと、3時までしか働けないということも出てくるかと思います。そして、また子供たちは少しずつ年齢が上がっていけばいくほど、教育に対する負担も非常に大きいのが山間部の特徴です。高校の通学費が月々2万円、3万円かかる。県や市の補助があるので、何とかそれでしのいでいるが、負担は非常に大きいといった状況にあります。
また、今、言われたように、居場所の問題であっても、学習塾もそうですし、かつては中辺路でもそうですし、本宮もそうですが、それぞれに少年野球のチームがありました。しかし、今は本宮では熊野川と合同の川丈というチームになっていますし、中辺路のほうはしばらく合同で鮎川としていましたが、
中辺路そのものとしては完全に解散をして、中辺路にはチームがありません。市長の息子さんも少年野球をしていましたし、うちの子もしていました。少年野球は決して学童保育ではないのですが、1年生から入って、お兄ちゃんと一緒に球を追いかけるということで、親としてはお兄ちゃんと一緒に預けておけば安心という居場所があった事実は確かにそうだと思います。そう言われるような居場所は非常に減ってきているのが事実であります。
今、必要性については、部長から答弁いただきました。非常に必要性については認識しているというようなことです。過去の議事録をきょう、資料として出したのですが、見本となる答弁があって、ずっとそれをなぞるのかなと。なかなかどうしても前例踏襲という行政のところもあるので、前と違った答弁はなかなかしにくいと思うのですが、平成24年9月の松下議員への答弁以来、
市民サービスの公平性の観点からということで平成25年もそうですし、平成26年も同じような
市民サービスの公平性の観点からという御答弁をずっといただきました。そして、平成27年、松下議員へ今言われたような
居場所づくり、こうした答弁を2回ぐらいされていますけれども、学童保育ということは明確におっしゃらずに、
居場所づくりを何とかしなければならないと考えているという答弁があるのです。具体的に言うと、この間、平成21年度に鮎川で
学童保育所が開設されて以来、旧町村部ではこうした取り組みがほとんど進んでいないというのが現実問題です。
公平性の観点ということでいいますと、最初の答弁は平成24年9月ですから、4年間です。この公平性の部分が放置されている状況になっていないか。これは大きく市の
政治姿勢そのものが問われる問題だと考えています。ニーズの存在が明確であるにもかかわらず、旧本宮町、旧龍神村、旧中辺路町に対して放課後の児童対策が進まない状況は、ある意味政治の無策と言われかねない状況であります。これについては、政治的な決断が必要な問題であると考えますので、市長の政治判断、
学童保育所整備に係る姿勢について答弁を求めたいと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
学童保育所の整備につきましては、従来、設置基準を20人とし、それ以後、設置基準を10人に引き下げ、箇所づけをしながら整備を進めてまいりました。
山村地域にある小規模校の
ニーズ調査では、現状、基準を満たしていないため、
学童保育所の設置には至っていない状況でございます。繰り返しになりますが、しかしながら、保育の必要性においては児童と保護者の状況は大中規模校と何ら変わりがないことは認識しており、未設置校の地域の方々から要望があることも存じ上げております。
特に、夏休み等の長期休業中は子供が1人で1日自宅にいることになるため、安心・安全な子供の居場所の必要性を感じておられる保護者の方が多いと理解をいたしており、まず休業中における子供の
居場所づくりに係る取り組みの必要があるものと考えてございます。
龍神、中辺路地域では議員も御指摘のように、保護者の方が自主的に長期休業中の子供の
居場所づくりに取り組んでおられますが、運営に当たっては、いろいろ御苦労されていることもお聞きいたしております。子供の
居場所づくりについては、山村地域においては特に保育の必要性の有無にかかわらず、
学童保育所の枠にとらわれず、山村地域の特性やそれぞれの地域の実情に即した何らかの新しい取り組みが必要であるものと考えているところでございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 市長に御答弁をお願いしたいと思うのですが、今部長から御答弁をいただきました。議事録を見る限りでは、前向きな答弁はいつもいただいているのです。しかし進んでいないのです。いつ進めるのか。それについてきちんと聞きたいわけです。ことし僕自身も春と夏のへじっこクラブ、中辺路の学童保育に指導員としてボランティアで参加させていただいたのですが、これは1人メインで入ってくださる人がいて、2人目を何とかローテーションするということで、休業中に何とかしましたけれども、とても日常的にできるものではないです。長期休暇中と言われましたが、それだけにニーズがあるわけではないのです。日常的なニーズがあるのです。きのう実は、鮎川の学童保育を見せていただき、1時間ほど子供たちと遊んできたのですが、非常に設備的にも恵まれた中で、安全に楽しく、宿題する子やブロックや折り紙をする子がいて、まさに健やかに過ごす時間を送れているなと思いました。
しかし、一方で自分たちの夏の学童保育を振り返ったときに、子供たちにそうした環境を与えられていたかというと非常に疑問です。素人ばかりの寄せ集めで、とりあえずけがをさせないように、事故がないように、このことを一生懸命やってきました。ずっと口では子供は社会の宝と言うのです。でも実際、貧困の問題でも犠牲者になっているのは子供です。そして、子供が犠牲になるということはその保護者も犠牲になっているのです。少なくとも来年度は何らかの形で、今言われた龍神や中辺路、本宮にニーズがないということではないのですが、保護者がこうやって何らかの形を立ち上げているのですから、来年度具体的に何らかの対応がされるのかどうか。そのことについて答弁を求めたいと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。今後の取り組みにつきましては、全ての子供と家庭への支援という観点から、地域の社会資源を活用しながら、田辺市の特性を踏まえた適切なサービスの量と質を確保する、総合的で主体的な取り組みが重要であるという認識のもと、新たな
学童保育所の開設につきましては、引き続き
アンケート調査等によりニーズの把握に努めながら開設基準に基づき検討していくとともに、各行政局、教育事務所等、関係部署と協議を進め、新しい子供の
居場所づくりについても検討していく所存でございますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 御理解を賜りますようと、僕が理解するどうこうの問題ではないのです。何らかの形で必ず進んでいただくということをぜひとも期待します。
ニーズ調査と言われましたけれども、ニーズがあることははっきりしていると、みずからお答えになっていますし、その実施にかかる正確なニーズということであればやればいいのですが、この間、定期的な
ニーズ調査すらしてこなかったのです。毎年のようにきちんとしていないのです。こういうように聞かれると、ニーズをつかんでと。でもニーズがあることはわかっている。いつもそうなのですが、こう言われたらあっちへ逃げるという話ばかりでは進まないと思いますから、ぜひともそのニーズをしっかりと受けとめていただいて、平成29年度は何らかの具体的な手だてを取っていただけるように強く求めて、次の質問に移ります。
2項目めは主権者の正しい判断のためにという項目です。この間、去る参議院選挙からですが、18歳選挙権というのが実施されました。参議院選挙からというのは若干正確ではなくて、その前に地方選挙がありましたので、地方選挙から始まったみたいですが、そのときは無投票だったようですから、実質的には、全国的に18歳選挙権は参議院選挙から始まりました。
そこでまず1点目は、新たに有権者になられる皆さん、18歳、19歳の方々にどういった取り組みをしたのか。大体高校生の年齢ですから、高校への出前講座やリーフの発行などを行ったのかどうか。新聞報道でもあったのですが、紀南地方で軒並み低い投票率、総体的な問題ですけれども、県内でも紀南地方で低い投票率となったという結果が報道されましたが、この結果をどのように捉えて、どう分析しているのか、このことについてお聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長、田上豊和君。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 議員の御質問にお答えいたします。
18歳選挙権が適用された初めての国政選挙である7月の参議院議員通常選挙に向けての新有権者に対する取り組みといたしまして、昨年7月から県選挙管理委員会が高校生を対象とした出前講座を新たに行い、市もこれに協力する形で参加し、市内の全高校及び小学校2校で開催しております。また、広報田辺は3月号及び公民館報4月号へ選挙権年齢引き下げについての記事を掲載したほか、年度当初には啓発ブックの発行を行っております。
参議院議員通常選挙の選挙時の啓発につきましても、地元
FMラジオ広告等により投票参加を呼びかけるとともに、選挙権年齢引き下げについての周知を市内情報誌の広告に加えるなど、新有権者に対しての取り組みを行ってまいりました。取り組みの結果といたしまして、市の18歳の投票率は37.41%、19歳では27.67%、合わせた投票率は32.75%となっております。総務省が発表した全国の18歳、19歳の投票率が46.78%と全国のほうが高いのに対し、市全体の投票率は55.91%、全国の投票率が54.70%と逆に市の投票率のほうが少し高くなっております。これらを比較しますと、今回の18歳、19歳の市の投票率は低いと判断しております。
県選挙管理委員会の資料によりますと、今回の参議院議員通常選挙における18歳、19歳の投票率は県内では41.81%となっております。また、紀南地方である西牟婁振興局管内では33.13%、東牟婁振興局管内では28.85%と県内と比較して当地方は低くなっております。全国的に見ても、都市部が高く、地方が低い傾向があらわれております。
先ほども申し上げましたが、田辺市の18歳投票率37.41%、19歳投票率27.67%、合わせた投票率32.75%という結果でございます。田辺市の18歳、19歳の投票率が低い理由といたしましては、分析等を行っていないことから、はっきりとは言えませんが、県外への進学等によることも一つの要因となっているものと推測しております。
以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 今、総務部長から御答弁いただきました。確かに、条件的に非常に不利な地域であるというのは何かというと、今言われたように、18歳というのは高校3年生の間になる年齢ですね。17歳で高3になって、高3の間に18歳になる。今回、6月の選挙だったわけですが、この4月、5月、6月の間に18歳になった人しか高校生ではこちらに在籍していなくて、この春に卒業した18歳というのは就職していたり、進学していたりということが多い。実際、うちの娘は二十歳だったのですけれども、国政選挙のこの春までこちらにいて、向こうへ引っ越したのですが、3月22日、3カ月前が基準ですから、こちらへ帰ってこないと投票できない。既に二十歳になっていても、3月の時点でどこにいたかということで、わざわざそのために帰ってくることが困難な人も多かったであろうと考えられることから、紀南地方が低いというのはそうした相応の条件があるということだと考えられます。
ただ、若い人たちが政治に対して関心度が低いのかというと、決してそうではないというデータも出ております。これは宮崎県選挙管理委員会が平成27年10月、去年の秋に県内の全高校生3万人を対象にアンケートをとられています。18歳選挙権に向かってということで、非常に積極的な取り組みをされたと思います。単純集計というだけでも25の項目で、高校生にこれだけ答えさせるのは大変だったろうと思いますが、その中で、17歳、18歳の当時の子供たちだと思いますが、選挙権年齢の引き下げについて賛成ですか、反対ですかと聞かれているのです。有権者になることに賛成ですか、反対ですか。圧倒的に賛成かというとそうではなくて、賛成が36%、反対が23%、わからない、どちらとも言えないというのが40%あります。そして反対の人になぜ反対なのですかという質問をすると、「政治や選挙に関する知識がないから」という理由で反対と答えた人は62.9%、2番目は「18歳はまだ十分な判断力がないから」ということで59.4%、関心がないから反対なのではなくて、きちんとした判断ができない。無責任な投票をしてはならないと思うから反対。非常に真面目な回答だと思います。
そして、あなたは政治や社会問題に対する関心がありますかと聞かれて、あると答えた人は16.8%、少しあると答えた人は41.4%ですから、足すと58%、6割近い人が何らかの関心は持っていると答えている。決して関心がないから投票に行かないということではない。選挙権を要らないと言っているわけでもないのが、こういう数字からでも見てとれると思います。
こうした若者に対して、以前取り上げましたが、主権者教育をきちんと行っていく。きちんとした判断ができるに足る知識、判断力を培っていくということが今後、教育の大きな課題にもなるかと思います。
今回は、主たるテーマがそこではありませんので、特にその議論は進めませんが、ぜひともそういった観点をこの情報、宮崎県の
アンケート結果はネットでとれますので、ぜひ見ていただいて、主権者教育に活用していただきたいと思います。
2点目ですが、田辺市議選の投票率の推移と傾向ということで、これは以前にも主権者教育、シチズンシップ教育にかかわってということで、市議選の投票率は合併してから下がっていっているけれども、どういうふうに見ますかとお聞きしましたが、なかなかきちんとした答弁はいただけなかった。国政選挙ではこうだと。いろいろと選挙によって投票率が上がったり、下がったりするという御答弁で、市議選にかかわってということでは御答弁をいただけなかったので、改めてお聞きするのですが、合併後、これまで3回の市議選では選挙のたびに6から7ポイントずつ投票率が低下しています。これは平均的な話ですけれども、具体的に、各行政局、合併前の市町村単位でいいますと、合併時に行った2005年と直近3年前になりますが、2013年でいうとどれぐらい投票率が下がったかというと、龍神村で6.8%、中辺路町で14.4%、大塔村で15.9%、本宮町で7.8%、田辺で12.9%と軒並み下がっていますし、大塔、中辺路では14%、15%、田辺全体でも12%と非常に下がっているということですが、最も身近である市議会議員を選ぶ投票で、これだけの投票率の低下というのは民主主義を支えるシステムとして問題であると考えます。
そこでお聞きしたいわけですが、投票率向上のためには、投票率低下の原因が何であるかという分析が必要であると思います。この投票率低下の原因についてどのように認識されているのでしょうか。お聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) お答えいたします。平成17年の市町村合併時から現在まで3回の市議会議員選挙が執行されております。市全体の投票率の推移につきましては、増減で申し上げますと、平成17年と平成21年の選挙ではマイナス7.49%、平成21年と平成25年の選挙ではマイナス5.25%、平成17年と平成25年ではマイナス12.74%減っている状況であります。投票率が低下している原因は、分析等を行っていないことから、明確には回答できませんが、平成17年の選挙では、市町村合併後初めてということで、関心が高く、投票率も高かったことが考えられます。平成21年の選挙では、その反動で投票率が減り、平成25年の選挙では、候補者数が平成21年までは30名、平成25年度は28名と2名減り、投票率が下がったと考えております。
以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 分析を行っていないということですから、やはり対策がとれないのですよね。分析をしないと、具体的な手だてがとれませんから、分析をしてほしい。限界は当然ありますが、課題があるとすれば、その課題の原因をきっちりと解明して、それに対して具体的な手だてをとるということでないと、やはり前へ進まないのかなと思います。
そして、今、初回は関心が高くて、その反動と言われましたが、これはないのではないですか。反動で減るというのは、何か物理的な法則ではあるかもしれませんが、市会議員を選ぶ選挙で、その反動で減るという話は聞いたことがないので、ちょっとその御答弁は政治的に言うと、いかがなものかと思いました。さまざまな原因というのは当然推測されます。今言われたように候補者数の関係ですね。定数が減りました。当初は30名で旧市町村ごとに選挙が行われました。
ちなみに、今合併してからの投票率をお聞きしたのですが、合併前はどれぐらいだったかということで、選挙管理委員会の方に御苦労いただいて、合併前2回の町村議選挙についての投票率も調べていただいたのですが、これを見たら数字がすごいのです。龍神村、合併前が92.7%、その前が94.3%、中辺路町でも、合併前が81.8%、その前が89.8%、大塔村も合併前は半年ぐらいしか任期がなかったので無投票でしたが、その前が92.8%、本宮町も同じく91%ということで、非常に関心が高い。そして、それぞれの町や村で12名や14名を選ぶということで、多くの候補者がそれぞれに支持を訴えにくるということで、必然的に投票率が上がったということは当然考えられるかと思います。
定数削減によって、枠が少なくなっていったわけですが、30名からスタートしました。自分の質問用に資料をつくったのですが、合併時には選挙区が分けられましたから、各町村それぞれ3名の議員、そして田辺市に18名、3×4=12名と18名で30名の定数で始まりました。当時、在住地で見ると、中辺路に住まわれていた議員さん、具体的に言うと出水議員さんですが、田辺選挙区から立候補され当選されましたから、30名のうちで、町村部に住まわれている議員というのが12名プラス1名の13名いました。13名あった中で選挙のたびに4名、4名と減らしてきまして、今、旧町村部に住んでいる議員というのは5名です。13名から5名ですから、実際8名減った。田辺市の定数削減によって、旧町村部の議員が8名減ったというのが厳然たる事実です。
その数字が選挙の投票率にどう影響しているかというのはわかりませんが、こういった形で旧町村部の意見集約が非常に難しくなってきているというのは自分自身感じております。そうした中で、市会議員本来であれば、代議制ですから、一番身近に行政に何かを伝えてもらう存在なはずなのですが、なかなか近い存在でなくなってきていると感じます。議員がどういう活動をしているのかということを知るすべというのが非常に限られていますし、議会としては議会だより、議会だよりも4年前に比べればかなり前進し、今は質問した人の名前と内容が載る。以前はこういう質問がありました。当局はこう答えましたということでしたが、議会改革の中で議員自身がみずから質問内容を書くという形で、誰がどういった質問をするのかという情報発信ができるようになってきました。
しかし、議会としての情報発信というのは具体的には、議会録画配信として、ネットワークでの配信もしておりますけれども、ネット環境がないところは見られません。それから、議会のことを知るすべとすると、テレビや新聞というのがありますが、なかなか市議会はテレビでずっと取り上げていただくということにはなりませんので、テレビという手段はなかなかない。
すると新聞ですけれども、これについても、ちょっと過去の新聞記事を見てみたのですが、4年前の平成24年6月議会は一般質問についての報道が3回ありました。それでその年度末の3月、平成25年3月でも一般質問の記事は四つ載っていました。誰々がこういう質問をしたということで載せていただいていたのですが、ずっとスクラップをたぐったのに、残念ながら平成27年6月は、1回、平成28年3月、ことしの3月は一般質問についての報道がなしということで、非常に新聞に取り上げられることも減っている。露出も減っているということで非常に議員を知るすべがなくなってきているなと感じました。これは議会改革の課題でもあると同時に、議員個人それぞれがどう情報発信していくかという問題でもありますけれども、共産党市議団は議会ごとに議会報告というのを原則新聞折込で、新聞をとっておられる方には届くという形で発行しています。中には個人で発行されている方も若干いるようですが、全有権者規模ということになると、まだまだとても不足している。
また、最近はやりのSNSと言われるような発信方法ですが、フェイスブックというのは非常に閉じられた空間、最も知り合った人としかなかなか情報交流しないし、また、フェイスブックのアカウントを持たないと、フェイスブックの人のものも見られないという状況ですから、なかなかこれで発信ができるかということはありますが、それでもフェイスブックアカウントのある人というのはやはり市議会でいうと、半分ぐらいある。また、ブログ等もありますが、継続的に書かれているという方は残念ながらネットで私が検索する中では、私以外にはなかったように感じました。
それでは、非常に情報発信に課題がある。これは現職に関してそういう話題をしたのですが、新たに立候補されようとする人は、全くそうしたツールが使えない。今、フェイスブックは使えます。ブログも書けますけれども、その人が候補者であるということは全く情報として発信されませんから、新たに議員になろうと、高い志を持たれた方が、選挙に通るというのは非常に難しい。実際にこの間、合併後2回の改選を行った中でいうと、落選されているのは新人の候補者の方がほとんどです。現職で出て落選されたという方はいないのです。そういう意味で、現職有利の状況になってしまっているのかと。活動の場があるからそうやって頑張っている、評価をされるから有利だということもあるかと思いますが、こうした中で、候補者に対して知るツールが必要ではないかと思いました。
宮崎県の選管の
アンケートを先ほど紹介しましたが、その中でも、やはり候補者の政策を知って判断したいということが書かれていました。投票率の低下、関心の低下ということも考えると、情報量の不足が投票率の低下要因となっていると考えられます。
そこで、有権者に候補者の政策や人柄を伝える選挙公報の発行が必要ではないかと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 質問にお答えいたします。
有権者の方々が投票時において選択材料となる情報としましては、市議会が発行する議会だよりや市のホームページがございます。また、政党等の広報紙配布などの政治活動やホームページ、ブログの掲載、後援会活動等独自の活動があろうかと存じます。市議会議員選挙時におきましては、掲示板へのポスター掲示、選挙運動用通常はがきの郵送、街頭演説、個人演説会、選挙運動車両による選挙運動、候補者自身の新聞広告、また、平成25年に公職選挙法が改正され、インターネット選挙運動が解禁されたことにより、市長、市議会議員選挙では平成29年の選挙が初めて適用されることとなります。特に若い方が活用されているインターネットによる選挙運動という新たな媒体により、投票に際しての判断材料もふえてくることになることから、投票時の選択材料とする上で、これらの情報を十分活用していただきたいと考えております。
一方、選挙公報につきましては、有権者にとって、候補者についての情報を知る上での有効な手段の一つと考えておりますが、現状を踏まえますと、発行に当たっては課題もあると考えております。
以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 公職選挙法でこの公報の発行というのは、都道府県の国政選挙というのは法的に定められて、市町村は任意発行という形です。任意で発行できるということで、公選法を読んでいてわかりにくいので、意を決して総務省に電話してみたのですが、以前も警報のときに気象庁に電話をかけて、いろいろと話を聞いて、今回、総務省で、すごく賢い人たちが役人さんをやっておられるのだなと。すらすらとこういう条文を言われて、どんな質問をしても的確に答えていただけるので、すごいなと感心したのです。
その話は置きまして、公選法の170条の2項で、これについての配布方法を定める。今、総務部長が言われた課題がありますと。決算委員会でも何度もこのことを話しましたし、以前の主権者教育のときにもこの話をしました。なかなか1週間という市議選の期間中に全家庭に届けることが困難であるということから、やはり見送らざるを得ないという御答弁だったのですが、この170条の2項では、新聞折込その他、これに準ずる方法による配布を行うことによって全戸配布に変えることができると書いているのですが、実際そうしたら、1週間の市議選でどんな自治体が公報を本当に発行しているのかとネットで調べると、ぞろぞろ出てくるのです。中には大きな市もあるし、小さい市もあります。そんな中で、県内でいうと和歌山市、人口は36万人、世帯で15万世帯ですから、ちょっと規模は違いますけれども、和歌山市はどうしているのですかと聞くと、中央紙の5大紙に折り込む。そうして市の広報を従来、郵送している方には別に選挙公報も郵送を行うと。そして、それぞれ投票所にあったりとか、行政機関に置くことによって、この170条2の下のほうにある選挙人が選挙公報を容易に入手することができるよう努めなければならない。これについてクリアする。
だから、投票に行けば、投票所にもあるし、そういう形で見られるということで、とりあえず全戸配布しているということでやられている。
あと大阪府の摂津市と京都市、シルバー人材センターにお願いしている。摂津市は8万5,000人の3万9,000世帯、長岡京市は8万人の3万5,000世帯ということで、公報を日曜日に締め切れば、火曜日の午前中に来るので、そこからシルバー人材センターのほうで、一気に配布をしてもらう。少なくとも3日ぐらいで配ってもらい、何とか届け切るという前提でやっている。あと公共施設にも置きます。
ただ、人口的には本市に似ているのですが、面積が摂津市は15平方キロメートル、長岡京市は19平方キロメートルなので、ちょっと配布するという環境でいうと違うかなと思いました。
富山県の南砺市というところは、人口5万2,000人、1万7,000世帯で、面積が668平方キロメートルですから、ちょっと広い。ここは地元紙である北日本新聞というのがほぼ7割購読されている。ほか4紙に折り込んで、公共施設に置く。こういう形で発行しているということですから、決して、解決困難な課題ではないのかなと思います。それ以外にも、調べてみるとたくさんありました。高知県南国市、愛知県犬山市、茨城県小美玉市、古河市、山梨県韮崎市、千葉県印西市とか、三重県四日市もそうですし、新潟県三条市、静岡県焼津市とたくさん出てきます。選挙公報そのものもPDFファイルでインターネットで見れますから、非常に判断材料の提供としてすぐれているのではないかと思いました。
課題があるという御答弁だったのですが、実際に課題はクリアできないのか。発行することは不可能という見解なのか、その点だけをお聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) お答えいたします。選挙公報の発行は、公職選挙法第167条にあります義務制選挙公報として国政選挙、知事選挙では法制化されております。同法第172条の2にあります任意性の選挙公報として、県議会議員選挙や市町村の選挙では、選挙公報の発行は任意性とされ、各自治体の条例に定めるところにより、発行できることとされております。配布につきましては、有権者の全世帯に対して、条例の定める期日までに配布されるものとされており、ただし、全世帯に配布することが困難であると認められる特別の事情があるときは、新聞折込、その他それに準ずる方法により、配布に変えることができるとされております。
以前にも選挙公報の発行につきましては、印刷業者の方や配布については新聞折込、宅配業者、郵便局等と協議検討いたしましたが、期間中に市内全域に配布することは不可能という結論に至った経過がございます。現在も選挙公報の配布期限は変わっておらず、今の状況でも全世帯に配布することは困難と考えております。
また、新聞折込につきましては、市内全世帯の新聞購読率から、全世帯に行き渡るとは考えにくく、公共施設に選挙公報を配置するなどの補完措置を行ったとしても、県選挙管理委員会にも確認をいたしましたが、選挙公報の配布は現在行っているシルバー人材センターや地元町内会により、配布してもらう方法を変えてもよいが、今と同じ全世帯に行き渡るのと同じ水準であるべきという判断をいただいております。
加えまして、新聞を購読しないと選挙公報が届かないという公平性に欠ける結果を招き、選挙公報が届かないといったことが原因で、選挙無効の訴状の提起にもなりかねないため、厳正に選挙を管理していく立場では、公平性という観点から難しいものと考えております。
以上でございます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) いみじくも、公平性という言葉を聞いて、都合のいい言葉だなと思わず思ってしまうのですが、選挙には公平性は大事で、皆さんにそういうものを知っていただく。それでその上で正確な判断をしていただく。シルバー人材センターのみでは困難という状況もあるかと思うのですが、やはり国勢調査などでも特別な体制をとって、期間は若干長いですが、これは国勢調査みたいに相手がいなくてもいいのです。ポストインでいいのですから。臨時にアルバイトを雇ってでも、配ろうと思えば配れるのです。ですから、これは不可能であるという結論に至るというのは若干早いかなと思います。公平性を何としても維持しなければなりませんから、本当に全世帯に届く。この点では新聞折込より全戸配布がふさわしいと思います。山間部では、もう新聞すらとれない。経済的に苦しくて新聞をとれない高齢世帯もふえてきています。若い世帯でとらない世帯もふえていますが、高齢世帯は経済的な理由によって、新聞購読をやめるという話もよく聞きますから、ぜひとも全戸配布で臨むべきだと思います。
当局は必要でないという認識ではないと思います。もし必要であるのならば、現行法に不備があるのであれば、現行法を変えるべきだと、改正の要求を出すべきだと思いますが、これについては御答弁を求めません。決して不要だという認識ではなく、選挙管理委員会の皆さんにも何度もお話をさせてもらった中で、一生懸命さまざまな方策を検討していただいて、試算までして、これぐらいならこういう形でということもしていただいているのはわかっていますから、非常に前向きに取り組んでいただいていると思いますが、もう一歩を踏み出せば可能ではないかと自分では考えておりますので、ぜひともこの問題については、とりわけ来年の春が選挙ですから、来年度の予算に載せて、これを取り組まないと、また今度の選挙では実際、広い選挙区になって、実際に本宮だとか、龍神の奥のほうに選挙カーはほとんど来ないよと言われる方もあります。二十何人が立候補する中で、選挙カーすら見ない。そういう人たちが多い。本当に選挙ポスターぐらいでしか候補者の名前と顔を知ることができないという状況にありますから、ここを改善するためには、広報の発行は必要だと思いますし、そのことによって、きちんと今後の4年間を託してもらう議員を選んでいただくということが必要だと思いますので、この問題については引き続き研究したり、提案も行っていきたいと思います。
以上で質問を終わりますが、公平性という言葉、都合のいいときに公平性を使う。都合が悪くなると公平性は後回しにするということがないように、ぜひとも全てで公平性を担保する公正な行政を行っていただきたいと求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、2番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前11時00分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時12分)
○議長(吉田克己君) 続いて、8番、二葉昌彦君の登壇を許可いたします。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 8番、誠和会、二葉昌彦。一般質問をさせていただきます。今回、大項目としまして、1番、鎮守の森について。2番、要支援者の災害時の避難場所について。以上2項目、分割質問にて質問させていただきます。
2項目めの質問は以前質問し、キクイムシの被害が中辺路地区で目につき、対策をお願いいたしましたが、ここ1年で被害が急速に広がり、南下してきました。世界遺産登録の件もあり、安達幸治議員と2人で、鬪鶏神社、須佐神社、稲荷神社、豊秋津神社等の被害状況を数回にわたり現地視察を重ねてきました。ここで、これは何とかしなくてはいけないという思いが一致し、質問に至りました。今回、会派を越えての取り組みとなりますので、よろしくお願いいたします。
第1項目に入ります。
鎮守の森について。小項目、南方曼陀羅の風景地、名勝指定の経過についてから質問いたします。南方熊楠は、田辺の3偉人の1人、生物学者、民俗学と多彩でエコロジーという言葉を日本で初めて使用いたしました。
明治時代国策として進められた1町村1社、神社合祀令が出され、鎮守の森の木の伐採が始まりましたが、森を守るための伐採反対運動を起こし、日本で最初に自然保護運動を始めたのが南方熊楠です。また、世界遺産熊野古道で名を知られるようになった高原王子の楠の大木、継桜王子の樹齢800年を超える杉の木、田辺湾の神島等、これらは南方熊楠の活動なしには、このすばらしい自然を残すことができなかったように思います。
また、熊野古道が世界遺産の地として登録されたことも、自然を守る熊楠の功績は多大であり、田辺の誇りでもあります。
熊楠の言葉の中に、愛国心は愛郷心に基づき、愛郷心は鬱蒼たる樹木により天然の景色を保ち、人々の暮らしに慰安を与える神社に大きくよっている。これをなくせば、愛郷心・愛国心が廃れると鎮守の森の大切さを訴えています。
今回、曼陀羅の風景地が名勝指定された経過や指定理由、文化財の概要についてお伺いいたします。
小項目2としまして、鎮守の森キクイムシ被害についてお伺いいたします。
中辺路地区でキクイムシの被害が目につき、以前、一般質問で対策をお願いいたしました。しかし、この1年で急速にキクイムシの被害が南下し広がりを見せました。鬪鶏神社、須佐神社、稲荷神社、豊秋津神社、南方熊楠が大切にした鎮守の森に広がりを見せています。当局に被害状況をお伺いしたいと思います。
小項目3、豊秋津神社の被害の状態についてお伺いいたします。
豊秋津神社には、安達幸治議員とも何回か裏山等見てきましたが、被害が一番進んでいます。8月には、各地区の総代さんが集まり、伐採しなくてはいけない木、薬の注入を必要とする木にひもを巻きつけ、わかりやすく分けていただきました。
三十数本が何らかの手だてが必要になってきています。当局として、被害状況の把握についてお伺いいたします。
小項目4、南方熊楠は、エコロジー活動の先駆者であり、市として学ぶ機会をふやし、文化財の学習、周知活動に力を入れてはどうかという質問であります。
エコロジー活動の先駆者であり、南方熊楠が守ろうとした鎮守の森は、地域のコミュニティーの場でもあります。この地域コミュニティーが崩れてきている中、小・中学校教育、社会教育がかかわりながら、地域の子供たちが鎮守の森を学習することや、地域の近くの文化財に興味を持たせることで、地域のよさや伝統文化を再発見することができる。このような機会をつくってはどうかと考えます。
また、地域住民の方には広く田辺市の文化財の周知活動をしていただき、地域のよさを再発見する機会をつくっていただきたいと思います。当局の御意見をお伺いしたいと思います。
小項目5、南方熊楠が歩いた鎮守の森の保全に力を入れ、みんなで森を守る機運を高めてはどうか。
来年は、南方熊楠生誕150周年の年です。当局におかれましても、いろいろな計画を考えられていると思います。田辺の偉人南方熊楠が歩いた鎮守の森を大きな視点で守ることができないか。また、世界遺産に登録されているところだけではなく、市として熊楠が愛した鎮守の森を全体に保全することはできないか。
南方熊楠生誕150周年という記念すべき年を迎えるに当たり、熊楠の自然保護運動の地、そして、天神崎のナショナルトラスト運動の地、市民全体で自然保護、すばらしい風景のよさを守り伝えていく取り組みをしてはと思います。
当局の御見解をお伺いしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 8番、二葉昌彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の南方曼陀羅の風景地の名勝指定経過並びに熊楠翁と鎮守の森の周知活動の2点については私から、ほかは担当部長からお答えいたします。
まず、南方曼陀羅の風景地の指定経過でございますが、植物学、民俗学、博物学の分野で世界的に著名な郷土の偉人南方熊楠翁は、熊野・南紀地方において急速に進んだ神社合祀政策への反対運動に際し、生物間の多種多様な相互関係をあらわすエコロギー、生態学を重視し、人間の精神的・物理的なかかわりをも視野に入れた自然の機構総体の保護の重要性を主張しました。
この反対運動の過程で、特に明治44年から45年の日記を初め、同時期に東京帝国大学教授の松村任三及び白井光太郎へ送った書簡等において、熊楠翁が将来に残すべき特有の天然風景として取り上げた神社境内の神林、島嶼、海浜、峡谷、山岳等の景勝地、そして熊楠翁が生前に重要性を指摘したとされ、市民の保護活動により熊楠翁の風景観が引き継がれた景勝地の総数は37カ所に及びます。そのうちの25カ所については、熊楠翁を中心とした人々の努力により守られ、優秀な風致景観を今に伝えています。
この25カ所のうち、学術上の価値が確定し、指定のための条件も整った1市3町にまたがる13カ所の神社林や景勝地について、平成27年1月に国に対し指定に係る意見具申を行い、同年6月の国の文化審議会での審議、答申を経て、10月に南方曼陀羅の風景地として国の名勝に指定されました。
これらは、地域社会が育んだ熊野・南紀地方に独特の地形・植生からなる特有の天然風景であり、熊楠翁の没後に市民の保護活動を通じて、熊楠翁の風景観が継承された名所であります。また、熊楠翁が真言密教の曼陀羅になぞらえた個々の風景地やその全体は、多様な生態系に基づく風景美の発見に新たな視点をもたらしたことから、一体の風致景観として、鑑賞上の価値と学術上の価値が高く、その保護を図ろうとするものでもあります。
次に、南方熊楠はエコロジー活動の先駆者であり、市として学ぶ機会をふやし、文化財の学習、周知活動に力を入れてはどうかとの御質問でございますが、まず、熊楠翁を学ぶ機会につきましては、平成2年から市内小学校へ副教材、「郷土の偉人 南方熊楠」を配布し、熊楠翁の人物像や業績を紹介する中で、文化財や自然保護の大切さを学んでいるところです。
また、地域を知る取り組みにつきましては、平成27年度から田辺市内の全ての小・中学校で、自校の地域について学習し、語り部活動ができるよう、地域語り部活動に取り組んでおります。これは児童生徒が自分の地域について学習することにより、ふるさとを愛し、地域に誇りを持った子供を育成することを目標の一つとしており、鎮守の森のような地域の名所旧跡を知り、調べ、伝え、守る活動にも取り組んでいるところです。
また、南方熊楠顕彰館では、熊楠翁の研究業績や実像を紹介する取り組みとして、企画展や月例展、講演会や南方を訪ねて等のイベントを開催しております。
くしくも来年は南方熊楠翁生誕150周年という大きな節目の年を迎えます。顕彰館での記念行事や取り組みを中心に、学ぶ機会をふやすとともに、本市はもとより全国に向けて、より一層熊楠翁の周知、顕彰を図ってまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 森林局長、鈴木徳久君。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 議員御質問の鎮守の森及び豊秋津神社におけるカシノナガキクイムシの被害についてお答えいたします。
一般的に、鎮守の森には古木が多く見られ、そのような古木ほどカシノナガキクイムシの被害を受けやすい傾向にあります。田辺市内において、現在までに報告を受けるなど、確認している限りでは、鬪鶏神社10本、須佐神社13本、伊佐田稲荷神社8本、高原熊野神社2本、豊秋津神社34本の被害を確認しております。
このうち、豊秋津神社では、昨年来のカシノナガキクイムシの浸入により、鎮守の森全体に被害が広がっている状況が見受けられます。森の東側を中心に、カシとシイの大径木への被害が多く、現時点で34本と被害本数が多くなっております。
以上です。
○議長(吉田克己君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の南方熊楠が歩いた鎮守の森の保全に力を入れ、みんなで守る機運を高めてはどうかとの御質問にお答えいたします。南方熊楠翁が採集や調査のため訪れた鎮守の森は、田辺市内や熊野古道沿いを中心に、広範囲にわたります。国の名勝「南方曼陀羅の風景地」に指定された地域は、熊楠翁が将来に残すべき特有の天然風景として言及した神社境内の新林や景勝地であり、またこれ以外で国・県・市の文化財に指定されている地域は長年の調査研究により、その文化財的価値が高いものと認められたものであります。
文化財として、鎮守の森を保護することについては、学術的な調査を経て、その価値が高いと認められるものについてのみ指定等の措置を講じ、その保全を図ることとなります。
また、熊楠翁にゆかりの深い場所につきましては、熊楠翁を顕彰する中で、その関係性を明らかにし、その大切さを住民の皆様に周知し、保全意識を醸成するよう努力してまいりたいと存じますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 再質問です。田辺市内の鎮守の森が広範囲で被害に遭っております。当局の対策についてお伺いしたいと思います。
もう一点ですが、今回、吉野熊野国立公園拡張指定、南方曼陀羅の風景地等、田辺市の文化財が増加により田辺市指定文化財の冊子の作成が必要ではないか。また、広く市民の方に周知活動も考え、わかりやすい冊子作成を考えてはどうかと思います。当局の御見解をお伺いしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) カシノナガキクイムシに対する対策としましては、和歌山県の紀の国森林環境保全整備事業の中の里山整備事業補助金を活用して実施しております。
対処方法は、伐倒駆除及び樹幹注入となります。伐倒駆除は、伐採して搬出処分をする方法です。樹幹注入は、幹にあけた孔に薬剤を注入し、被害を防ぐ方法です。
例えば、胸高直径60センチの対象木の場合、薬剤注入用の孔を幹に26カ所あけ、そこに薬剤を注入いたします。県の補助単価は、伐倒駆除で1立方メートル当たり定額6万円以内、薬剤注入では、1孔当たり定額600円以内となります。本事業を活用して駆除作業等を行い、被害の拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(吉田克己君) 教育次長。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の田辺市の指定文化財冊子の作成についてお答えいたします。
田辺市の指定文化財冊子については、合併後の平成19年に旧5市町村の指定文化財を全て網羅した冊子を刊行しておりますが、刊行から約10年を経過し、この間、国の名勝「南方曼陀羅の風景地」や国有形文化財「旧南方家住宅」、県有形文化財「那智参詣曼荼羅」、市有形文化財「近露王子神社宮殿」など、貴重な文化財が新たに指定登録されております。
こうしたことから、議員御提言のとおり、文化財をわかりやすく広く市民の皆さんに周知するための新しい冊子の作成を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 来年は南方熊楠生誕150周年の年であります。熊楠の言葉に、「この地には際立ったものはないが、この風景ばかりは田辺が第一番だ。田辺の人にはこの風景を利用して土地の繁栄を図る工夫をするがよい。必ずこの風景と空気が第一等の金もうけの種になる」という言葉を残しております。
南方熊楠が愛した風景、鎮守の森を守り、次世代に受け継いでいく、そして熊楠生誕150周年、市を挙げてのお祝いに市民意識の機運を高めていっていただきたいと思います。
次の質問に入らせていただきます。
続いて、第2項目の要支援者の災害時の避難場所についてお聞きしたいと思います。4月14日熊本地震が発生しました。4月20日時点のダイバーシティ研究所の推計によると、避難所数は623カ所、同時点での避難者数は9万2,000人、そのうち障害のある方は約6,000人にのぼると報告されています。東日本大震災、熊本地震と災害が起こり、福祉避難所の役割の重要性が問われています。
平成25年に改定された災害対策基本法では、高齢者、障害者、乳幼児、その他特に配慮を要するものを要配慮者と定義し、国や地方公共団体は、災害の発生や拡大を予防し、要配慮者に対する防災上必要な措置を実施しなければならないと定められています。
災害時において、住居が被害を受け、あるいは被害を受けるおそれがある場合、体育館などの指定避難場所施設へ避難することが想定されるが、避難生活を送る上で、介護の必要な高齢者や障害者を持った方などについて、特に配慮する必要があると考えます。
こうした方々を対象として、福祉避難所とはどういう施設なのか。熊本地震において、避難所が混雑したことから高齢者や障害者を対象とした拠点となる避難所が必要なのではないか。当局の取り組みについてお伺いしたいと思います。
小項目としまして、要支援の避難所指定状況と周知拡大についてお聞きします。
周囲の状況が把握しづらい視覚障害者、サイレンや音声の情報が伝わらない聴覚障害者、パニックを起こしやすい知的障害者、感覚過敏な発達障害者、速やかな移動が難しい高齢者、妊産婦や乳幼児、さまざまなケースが考えられるが、田辺市の福祉避難所指定状況と要配慮者、要支援者への周知方法の取り組みについてお伺いします。
小項目の3番目です。多様な情報伝達手段についてお聞きします。
災害時に、被害を最小限に抑えるには早期避難が重要であります。要配慮者や要支援者の方々にはさまざまなケースが考えられ、一つの手段で行うより複数の手段で行うほうがより確実にきめ細かく、より多くの住民に伝達できる。当局として、障害を持った方の特性に配慮した多様な発信方法、伝達方法をお考えなのかお聞きしたいと思います。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目、福祉避難所についてでありますが、福祉避難所は高齢者や障害者などの要配慮者の方々の滞在を想定し、内閣府令において三つの基準が定められております。一つ目は、要配慮者の方が円滑に利用できるための措置であり、いわゆるバリアフリー施設であること。二つ目は、避難してきた方の相談や支援に応じることができること。三つ目は、滞在に必要な居室が確保されていることであります。
また、福祉避難所の対象となる方は、身体の状況が高齢者や障害者施設へ入所するには至らないものの、一般の避難所での生活において、一定の配慮を要する方とされております。
議員御質問の高齢者や障害者の方だけを対象とした拠点となる避難施設の確保についてでございますが、災害時においては、まず身の安全の確保、そして近くの安全な場所への避難、その後に最寄りの指定避難所へ避難するといった行動が重要となってまいります。仮に、そうした施設を確保した場合、その場所に避難しなければならないという状況や、身体や介護の状況、障害の種別や程度に応じた個別の対応が必要となってくることから、かえって混乱が生じるおそれがございます。
そうしたことから、指定避難施設への避難後において、要配慮者の方の状況や状態に応じて、あらかじめ指定した福祉避難所と連携をとりながら、要配慮者の受け入れを進めるとともに、社会福祉施設への緊急入所及び病院への入院についてもお願いをしていくことにより、要配慮者の不安を取り除き、避難していただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。
次に、2点目の要支援者の避難場所指定状況と周知活動の拡大についてでございますが、当市においては、こうした基準を満たすものとして、市内の四つの社会福祉法人が運営する六つの施設について福祉避難所の確保に関する協定書を締結し、福祉避難所と位置づけているところでございます。
福祉避難所の開設に当たっては、災害時に避難していただくことができる場所として、市が指定している指定避難施設に避難してきた方について、健康や介護の状況などから福祉避難所の開設が必要とされる場合において、施設に受け入れ要請を行い、準備が整った時点で開設されることになります。
このように、二次的に開設される避難所として、専門的な支援や援護の必要性が高い避難者のために確保される必要性があることや、もともとその施設に入所されている方の生活に支障を来さないことが前提となることから、当市においては、福祉避難所についての一般的な周知は現在のところ行ってございません。
しかしながら、本年4月の熊本地震においては、周知不足のため、福祉避難所の存在が知られていなかったり、福祉避難所として指定した施設に一般の避難者が殺到した事例など、福祉避難所をめぐるさまざまな事例が明らかになってきており、こうしたことから、議員御指摘の周知活動については、福祉避難所が有効に機能する上で、非常に重要であるものと考えてございます。
また、広くお知らせすることにより、要配慮者とその家族の方については、避難に対する不安の解消、その他の方については、福祉避難所の認知とともに、要配慮者に対する理解を深めていただくことにつながるものと考えますことから、今後、一般的な広報はもとより、医療、保健、福祉サービス機関や事業者、支援団体などを通じた効果的な周知方法について検討してまいりたいと考えますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
次に、3点目の多用な情報伝達手段についてでありますが、防災行政無線や広報車、防災・行政メールのほか、通話料無料の防災・行政テレフォンガイドがありますが、この防災・行政テレフォンガイドは、防災・行政無線が気象状況等により聞きにくい、また、再度確認したいなどには有効に活用できるものですが、高齢者の方など一度の無線放送では内容を把握し切れない場合に、改めて確認をする方法として活用できるものです。
また、聴覚障害、音声機能・言語機能喪失による身体障害者手帳を所持している方を対象に、ファクシミリで火災、救急、地震及び津波等の情報伝達を実施する緊急ファクシミリや携帯電話のメールにより火災及び緊急等の救急通報を行うことができる、メール119という登録型のサービスにより、情報伝達の分野でのバリアフリーに努めておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 続いて、質問させていただきます。田辺市として、避難行動要支援者、要配慮者の方々の人数、福祉避難所を利用される方々のおおよその人数を把握されていることだと思います。お聞きしたいと思います。
2点目、指定避難所に、要支援者、要配慮者の確認等、対応職員が配置され、福祉避難所へつなぐシステムはできているのかお伺いしたいと思います。
3点目、混乱を防ぐためにも福祉避難所の周知活動がぜひ必要であると思いますので、当局にお伺いしたいと思います。
以上、3点お願いします。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の1点目と3点目について、私からお答えをさせていただきます。
田辺市として、避難行動要支援者、要配慮者の方々の人数、福祉避難所を利用される方々のおおよその人数は把握されているのかについてでございますが、議員御質問の避難行動要支援者及び要配慮者の方々の人数につきましては、自治会等の御協力をいただき、御本人の同意確認を行い、作成しているのでありますが、現在、名簿への登載者は2,688名で、うち、家族や知人の支援を得られる状況であると回答をいただいている方は272名でございます。
また、福祉避難所を利用される方々のおおよその人数につきましては、障害の程度などにより、利用者数を想定することは困難であると考えてございます。しかしながら、先ほどもお答えいたしましたが、要配慮者の方々の状況や状態に応じて、あらかじめ指定した福祉避難所と連携をとりながら、要配慮者の受け入れを進めるとともに、社会福祉施設への緊急入所及び病院への入院についてもお願いしていることにより要配慮者の不安を取り除き、避難していただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。
3点目の福祉避難所の周知活動が必要との御質問でございますが、福祉避難所が有効に機能する上で、非常に重要なことであるものと考えてございます。また、広くお知らせすることにより、要配慮者とその家族の方については、避難に対する不安の解消、その他の方については福祉避難所の認知とともに、要配慮者に対する理解を深めていただくことにつながるものと考えますことから、今後は一般的な広報はもとより、医療、保健、福祉サービス機関や事業者、支援団体などを通じた効果的な周知方法について検討してまいりたいと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部理事、早田 斉君。
(総務部理事 早田 斉君 登壇)
○総務部理事(早田 斉君) 議員御質問の2点目、指定避難所には要支援者、要配慮者等の確認、対応職員が配置され、福祉避難所へつなぐシステムができているのかという御質問にお答えいたします。
指定避難施設における要配慮者等への対応を行うため、災害対策本部の体制下に救護部を置き、その中に要配慮者支援班を設置しております。要配慮者支援班は、要配慮者を初め、避難生活において一定の配慮を要する方に必要な支援を行うとともに、福祉避難所への入所手続等も行うようになっております。
以上です。
(総務部理事 早田 斉君 降壇)
○議長(吉田克己君) 二葉昌彦君。
(8番 二葉昌彦君 登壇)
○8番(二葉昌彦君) 要支援者の大体の人数は、お知らせいただいたのですが、福祉避難所の数は足りないと思います。今後、早急に対策をとっていただき、被害者の方が安心できるようにしていただきたいと思います。
今回は、この形で質問を終わらせていただきますが、何分、要配慮者の方の身になって早急に対策を講じていただくようもう一度お願いしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(8番 二葉昌彦君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、8番、二葉昌彦君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時45分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 0時59分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、1番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 1番、真砂みよ子です。議長のお許しを得まして、最初の質問から質問席で座ってやらせていただきます。よろしくお願いいたします。
今回、空き家の活用ということで質問させていただきます。人口減少によって、空き家がどんどんふえています。それは山間部だけではなくて、市内の中心部においても同様の状態で、まちを通っていましたら、売り家という看板がかかっている空き家をよく見かけます。その売り家という看板がすぐに外れるといいのですけれども、なかなか売れなくて、何年もその看板がかかったままになっているという家もよく見かけます。
空き家になっても管理されているといいのですけれども、放置されたままになると、いろいろなトラブルが起こってきます。古い家や塀は倒壊の危険性がありますし、また、シロアリが発生したり、害虫の巣になって不衛生になり御近所に迷惑をかけています。このようなトラブルを抱えた空き家が今後減少するのなら、大きな問題ではありませんが、ますます人口減少の上に、今老後は介護施設でお世話になる方がふえるでしょう。その結果、さらに空き家はふえるだろうと予測されています。
全国的に見ましても、家屋の1割超え、820万戸が空き家だと言われています。このような状況の中で、空き家対策が必要だと空家等対策の推進に関する特別措置法が昨年4月に施行されました。そこで、1番目に、田辺市の実態についてお聞きします。空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、田辺市でも本年4月に空家等対策計画を立てました。この計画について御説明ください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 1番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の田辺市空家等対策計画の内容についてお答えいたします。
田辺市空家等対策計画は、昨年5月に施行され、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、ことし4月に作成いたしました。この計画は、適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体、または財産を保護し、その生活環境の保全を図ることを目的としております。
また、特定空き家等の種類・態様は多岐にわたっており、それぞれの状況や事情を慎重に判断し、適切な対処を行うことに重点を置いた計画としております。
以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 続いて、田辺市の空き家の件数はおわかりでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の田辺市の空き家件数についてお答えいたします。
平成25年度に実施されました住宅・都市統計調査によりますと、総住宅数が3万8,250戸に対して、空き家数が7,222戸と空き家率は18.9%と約5件に1件が空き家となっているのが現状であります。
以上でございます。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 空き家の件数は5分の1が空き家というお答えをいただきました。昨年の4月に法律ができてから、具体的に法律に基づいて対処したような件数は何件でしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の法施行後の取り組みの件数についてお答えいたします。
合併から現在に至るまでの相談件数は、158件、そのうち法施行以前の約10年間の相談件数が81件だったのに対し、平成27年5月26日の法施行以降、1年3カ月の相談件数が77件と急増しております。このうち、除却等により解決に至ったものが71件、一定の対応により現状としては緊急性、危険性がなくなった要観察の事案が25件、解決に向け取り組んでいる事案が57件、空き家等に該当しないため、他の法律等により取り組んでいる事案が5件となっております。
法に基づく措置を行ったものといたしましては、措置の第1段階であります指導・助言を行ったものが12件で、5件が除去等により解決に至っております。残り7件については、現在、解決に向けて取り組んでおり、うち2件につきましては、第2段階の勧告を行っております。
以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 昨年法律ができて、その法律に基づいて田辺市にもその計画ができて、そのことによって一定の権限も生まれてきて、空き家、特に管理されていない特定空き家については、これからいろいろな対応をしていかれるかと思います。それは大変喜ばしいことだと思います。全国的な平均よりも空き家率が高いということで、そういう問題がこれからもますますふえてくるのだろうと思われます。
1点目は、適正な管理がされていない特定空き家に対して、段階を踏んで市が指導できるようになった。これで本当に改善されていくということで喜ばしいことですが、1点目は空き家の弊害をどう改善するかという問いかけでした。
2点目は、空き家の活用ということでお聞きいたします。空き家を利活用する上で大きな弊害、役割を果たすのが空き家バンクです。そこで、空き家バンクの現状や課題についてお聞きします。現在の田辺市の空き家バンクに登録されている登録件数の推移はどのようになっていますか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長、鈴木徳久君。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 空き家の登録につきましては、山村地域の空き家の利用率の向上及び定住推進を図ることを目的として、平成19年度から振興山村地域、旧4町村及び旧田辺市のうち、秋津川、長野、伏菟野、上野地域において空き家の登録を行い、移住希望者に対し紹介を行っております。
登録件数の推移につきましては、平成21年度までは1件で、平成22年度8件、平成23年度3件、平成24年度6件、平成25年度11件、平成26年度21件、平成27年度17件、平成28年度はこれまでに7件の登録があり、合計74件の空き家登録となっております。
このうち、市を通じて賃貸や売買の契約がされた件数につきましては、地域別に申し上げますと、田辺4件、龍神4件、中辺路8件、大塔1件、本宮10件で、合計27件であります。
また、登録いただいた空き家の中には、市を介さず、所有者が直接、売買や賃貸により空き家を活用されたケースが17件ございました。
現在、市において紹介可能な空き家件数については、田辺5件、龍神4件、中辺路5件、大塔5件、本宮11件の合計30件であります。しかしながら、今残っている物件の多くが、売買物件ということで少し契約の成立が至りにくい状況であります。
以上です。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 今、田辺市に登録が74件あるけれども、多くは売買ということで、賃貸ではないということですね。そこが借り主と持ち主の思いの違いだと思うのですが、空き家を探している皆さんの多くは賃貸を探しているというわけです。しかし、持ち主の方は今、田辺市で登録しているのは、売買ということで、ニーズの違いが問題だと思うのですが、空き家バンクの情報が市のホームページに掲載されていないのはどうしてなのでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) まず、賃貸や売買について、所有者と入居希望者のニーズはどうかということについてでありますけれども、どちらとも売買よりも賃貸のニーズのほうが多い状況になっています。
特に、移住者の方は、すぐ物件を購入するには金銭的にもいろいろリスクがあるため、まず賃貸物件に住みながら、地域の様子を伺いたいといった理由によって、賃貸物件を希望する方が多数を占めています。
所有者のほうも賃貸の希望が多いのですが、賃貸の契約がどんどん進みますので、たまたま残った件数でいきますと、売り物件がよく残っているという状況です。
それから空き家の物件情報の周知につきましては、議員御質問のとおり、市のホームページには掲載しておりません。その理由としましては、ホームページに物件情報を掲載しますと、不特定多数の方々が物件を見て、空き家のみの情報をもとに移住することとなります。
しかし、ホームページに物件情報を掲載しない場合は、移住希望者が市へ問い合わせいただくことになり、その際直接市の担当者に希望する空き家や移住の動機などを伝えていただくことになります。
また、移住希望者に対して、地域の事情や田舎で生活する上での心得を伝えるなど、会話をもとにした相互理解を深めることで、移住者は空き家を含めた地域の状況を十分理解された上で移住することができ、市や地域といたしましても、よりよい移住者の受け入れにつながるものと考えるためであります。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 今いただいた答弁は、簡単にホームページを見て、ああ田辺はいいところだなと来てもらったら困るというふうに聞こえたのですが、どうしてそういうハードルをつけるのかという気がいたします。
確かに、移住してこられた方といろいろなトラブルもあるでしょうけれども、ぜひ来てくださいというそういう姿勢が私は大事だと思うのです。こういう地域へのIターンやUターンの方を迎える先進地として、高知県の梼原町が、よくいろいろなところに出てきます。ホームページを見ましたら、その空き家情報の家の写真が載っていて、間取りだとか、家賃とか、全てが載っています。電話でですけれども、聞かせていただいたら、今までそういうトラブルは全くなかたそうです。梼原町でなかったから、田辺でもないということは言えないと思いますけれども、私はそういうIターンやUターンの方を迎えようとする姿勢、田辺に来てくださいという姿勢が梼原町にはあるけれども、田辺市は弱いのではないかという気がしました。ぜひ何らかの形で田辺市へどうぞいらしてくださいという強い姿勢を見せてほしいと思います。
次の3番ですが、借りたいという人がいても貸さないというのがあると、なかなか成立しないわけで、空き家の活用についてはその必要性、認識は同じですけれども、空き家がたくさんあってもなかなか貸してくれないという現実があるかと思います。
空き家をどんなふうに活用できるということを言っても、貸してくれなければ無駄話になってしまいますので、そこでどうしたら貸してくれるかということを3番目で考えていきたいと思います。
貸さない理由というのは大きく三つぐらいあるのではないかと思うのですが、一つは、親だとか家族の荷物があるから貸せないというのが一つの大きな理由だと思います。仏壇だとか、家具だとかがあって、親の思い出を大事にしたい。捨てられない。でも今の生活のところには持っていけないということで、家は貸せない。あいているのだけれども貸せないというのが多くあると思います。
そんな場合は、市がコンテナ等を用意して、市の敷地へ保管する。そうして空き家を活用していくという方法が一つあるかと思うのですが、そういったことを研究して対策として取り組んでもらえたらと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 議員がおっしゃった空き家を貸さない3点の理由につきましては、市としましても把握をしているところであります。
まず、荷物の整理が困難な物件への対処として、市で保管場所を確保してはどうかということですが、保管場所の確保や保管中の盗難、劣化や腐食等があった場合の責任問題を考えますと、保管することへの対応については困難であると考えます。
こうした中、昨年度から県において県外からの移住者が住む空き家の家財を撤去する場合、その処理費用について10万円を限度に助成する制度を行っております。該当物件については、今活用していただいているところです。
次に、空き家を安心して賃貸できるよう市が仲介のもと契約を行ってはどうかということですが、これにつきましても、平成22年度から県の協力のもと、スムーズな賃貸契約を結べるよう、宅建取扱資格を持った住宅協力員を設置し、契約時にはその協力員と市が間に入り、家主が安心して貸せるよう、県が作成した定期賃貸借田舎暮らし住宅標準契約書を用いながら契約を行っているところです。
以上です。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 聞いていないことまで答えていただいたわけですけれども、一旦貸すと居住権というのが生まれて、今の日本の民法では、借りたほうが強いのです。だからそういうこともあって、空き家はあるけれども、いつ何時、またこの空き家を使いたいことが起こるかわからない。そのためには貸せないというのが理由の一つにあると思うのです。市も期限を切って契約を結んでいるという答弁をいただいたわけですけれども、そういうことがまだまだ広く知られていないので、ぜひそういうことを広くアピールしてほしい。ホームページなどにも空き家バンクの呼びかけのところにも、こういうことで心配要りません。だから空き家があれば貸してくださいというアピールをもっとしてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 済みません。少し先走っておりました。例えば、貸し出しやすいように荷物の処分をするとか、そういった制度について、毎年5月ぐらいにそういったチラシを全戸に配布して、それは空き家に登録してもらう意味もあるのですが、そういった形で情報提供については、各戸配布といった形で対応しております。
以上です。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) チラシなどで配布して知らせているということですが、貸さない皆さんの不安を払拭できるような、そういうチラシでぜひ啓発してほしいと思います。貸さない理由のもう一つに、お盆やお正月には帰ってくるから貸せないのだという理由があります。これは私もどう考えても対策は見つかりませんでした。ですけれども、梼原町のお話を聞きましたら、例えば、10年後に定年退職すると。それまでは帰ってこられないけど10年後には帰ってくるんだよという方には、改築費を公費で一定負担して改築するので、帰ってきたときに既に一定改築されて、保全された状態で帰ってこられるから、それが結構喜ばれているのだと梼原町の担当の方はおっしゃっていました。
ですから、貸す方にも何かメリットがある。そういう方法を見つけ出していかないと、なかなか空き家を貸してくれないというのは対策がとれないかと思っていますので、ぜひ知恵を絞ってほしいと思います。
次に、3点目は、空き家の問題をまちづくりの観点から考えることが大事だということを提案したいと思います。空き家の問題、空き家がふえてくるという現実は、その裏に隠れている本質というか、本当の問題点は人口減少だと思います。高齢化する中で、どんどん人口が減って、空き家になっていきます。それを放置しておくと、その集落は自然消滅してしまいます。このまちをどんなまちにするのか。そのためにこの空き家に若い人に住んでもらおうなどと住民がみずからのまちづくりに参画する、そんな住民参画が必要ではないでしょうか。
管理されていない特定家屋の担当は、建築課の建築係です。空き家バンクは森林局です。この二つの担当だけに任せるのではなくて、住民参画の視点が欲しいと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 森林局長。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君) 空き家の活用は、地域活性化のため、活用していく意味があるのではということでありますが、現在、市においては過疎・高齢化が著しい山村地域において、まさに地域活力の維持、活性化のため、UIJターン者の受け皿として、空き家を活用しているところです。
平成19年度より県の移住・交流推進事業に参画し、昨年度まで100世帯、194人の移住者の受け入れを行ってきました。こうした中、中辺路町の高原や近野地区のように、移住者がふえたことで地域が活気づき、さらに移住者をふやしていこうという機運が盛り上がり、地域住民による空き家の掘り起こしが進んでいる地域が出てきています。
また、移住者の中には長野地区でパン工房を営んでいる方や、中辺路町二川地区で中華料理店を経営している方、同じく中辺路町野中の大畑地区で農家民泊を経営している方、本宮町渡瀬地区で焼き鳥屋を始めた方など、山村地域の空き家を店舗として有効活用し、地域活性化の担い手となる方も出てきているところです。
そういった意味での地域参加型の受け入れ体制というのができつつあるようには感じております。
以上です。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 私がここで言いたかったのは、空き家がここにある。でも現実はなかなか貸してくれない。どうしたら貸してくれるかといったときに、この空き家をこのまま置いておいたらだめなのではないか。町がさびれていく。やはりここへ若い人を迎えようという住民からの論議、そういうことがわかってこないと、空き家を貸すということにつながっていかないし、まちづくりにもつながっていかないという思いで、聞かせていただきました。答弁は結構です。
次に、最後の5番目のところですが、メリットが多いということですが、今、空き家というのは住居としての形のIターンやUターンの方に向けての住宅としての考え方ですけれども、空き家をいろいろな形で利用することができると思います。
例えば、高齢者のたまり場として活用すれば、介護予防になります。子供のための居場所として開設すれば、雨の日の低年齢児の遊び場にもなりますし、放課後の居場所にもなります。また、公民館的な役割で、趣味を楽しむという住民に開放するというやり方もあるかと思います。私はここで特に言いたいのは、高齢者や障害者の方などは交通手段を持たない方が多くいらっしゃいます。ですから、遠くの立派な施設よりも身近なところで歩いていけるところで集まれる場所が欲しいというのが高齢者や障害者の願いだと思っています。空き家の活用ということで、住宅のみではなくて、そういう社会活動の場としての視点で空き家問題を考えてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の空き家を生涯学習活動、社会活動の拠点的な施設として利活用できないかという御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、空き家を地域住民が集まり、趣味を楽しむ場であったり、高齢者や子供のための居場所といった生涯学習の拠点として利活用することは同世代、異世代間の交流が深まるとともに、地域コミュニティーの活性化につながるものと認識をしているところであります。
空き家の利活用につきましては、地域住民のニーズや空き家の実態把握、それから所有者の意向確認など、さまざまな要件があることから、機会を捉えて研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 皆さんは御存じでしょうか。最近、田辺市内、この市役所の近く、上屋敷町ですけれども、古民家が曜日によってお店の経営者が変わるというシェアショップというお店が開店しました。恐らく空き家だったのでしょうが、私はおもしろい取り組みだと思っています。このように、今はバブルのような時代ではないので、財政が厳しい中で、今あるものをどのように活用していくかという目線が私は求められる時代だと思っています。今回の空き家対策は、そんな思いから出発した質問でした。
いろいろ考えていく中で、ただ単に空き家問題ということで取り上げましたけれども、その裏には人口減少の問題もありますし、自分たちでこれを解決するためには、住民参画のまちづくりができなければなかなか解決できないという問題もありますし、いろいろな表に見えるものは一つであっても、いろいろなことが絡み合って、そのことをうまく解決していかないとだめだと思いました。市民に対しても、ぜひそういうことを皆で考えていくという住民参画、啓発にぜひもっと力を入れて取り組んでいってほしいですし、私は私のやり方で、できることを取り組んでいきたいと思っています。
それを申し上げて、大分時間を残しましたが、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、1番、真砂みよ子君の一般質問は終了しました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合、1時40分まで休憩いたします。
(午後 1時30分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時40分)
○議長(吉田克己君) 続いて、18番、宮本正信君の登壇を許可いたします。
(18番 宮本正信君 登壇)
○18番(宮本正信君) 18番、誠和会の宮本です。今回は農地の災害ということで、1点だけさらっといきたいと思います。
まず、本議会の冒頭、市長の挨拶にもありましたように、東日本大震災の年、平成23年9月、台風12号による紀伊半島豪雨大災害から5年がたちました。田辺市全域でも9名という方の大きな犠牲を出しました。そして、議員の皆さんもそれぞれ各地域へお見舞いやら、また調査に出かけたと思います。本宮では、私たちの会派も被災した家屋への片づけのボランティアに行きましたけれども、あの大きな熊野川が氾濫して、そして軒下いっぱいまで水が来たということが、本当に信じられませんでしたし、また、伏菟野地区では一番安心だと思われていた場所が深層崩壊によって、一瞬にして家屋が埋もれてしまいました。そしてさらには、まだまだ熊野地区や、滝尻では完全復旧とはいかず、まだ大きなつめ跡が残っていると思います。
私たちは、このことを忘れることなく胸に刻んで、そしてまた教訓として今後の対策に生かしていかなければなりません。
そして、5年たって、その後も毎年日本津々浦々、至るところで局所的な大きな災害が起こっております。ことしも熊本の大地震を初めとして、9月以降次々と台風が発生して、そして台風12号では、統計して以来、初めて太平洋岸の東北地方へ上陸したということで、東北や北海道へ追い打ちをかけるように甚大な被害が起こっています。農地も大変な災害で、特産のジャガイモやタマネギ、ニンジンが壊滅状態ということで、今、野菜類の値段が大変高騰していると聞いております。
そして、幸いと言っていいのかどうかわかりませんが、田辺市にとっては、今のところどうにか台風のコースから外れて、大事には至っておりませんけれども、いつ何時、想定外の豪雨に襲われるかもしれません。
そうした中で、今まで示した災害と比べると小さな被害かもしれませんが、本年、7月9日の梅雨前線による集中豪雨によって、被害が発生いたしました。このときと、平成23年ではかなり件数の差が出ると思いますけれども、農地災害、被害状況、件数の両方合わせてお伺いしたいと思います。
(18番 宮本正信君 降壇)
○議長(吉田克己君) 宮本正信君の質問に対する当局の答弁を求めます。
産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 最近の災害状況についてでありますが、近年、地球規模で大地震や異常気象などによる自然災害が頻発し、大規模な被害をもたらしています。我が国においても、ことしに入ってから、4月の熊本地震や8月後半からの東北地方や北海道地方における台風災害では、農業に限って申し上げますと、農地の被害はすさまじく、我々の想像を絶するような状況であります。
熊本地震では、活断層付近の田畑は段差や地割れが発生し、また、東北や北海道では河川の氾濫による農地の流失、土砂の流入などが発生しており、農業を再開するには非常に困難な状況となっています。
田辺市の状況としましても、合併以後では、平成21年の七夕豪雨や平成23年の紀伊半島大水害などにより、たびたび大きな災害に見舞われています。
その未曽有の大災害であった紀伊半島大水害からはや5年が経過いたしました。当時の農業被害の状況は、農道の崩落や用水路の損壊を初め、畦畔の崩壊や土砂の流入、農地の冠水など、枚挙に暇がないほど、大打撃をこうむりました。農地と農業用施設合わせて133件が国の災害復旧事業の適用を受け、このうち農地災害につきましては、51件でございました。
さらに国の採択基準に満たない被害額が40万円未満の農地等、約1,100件を特例措置として市単独事業で補助し、早期に営農が再開できるよう、その復旧に努めたところであります。
次に、本年7月9日の豪雨による状況ですが、このときは全市域で24時間雨量が軒並み100ミリを超え、多いところでは200ミリを超えるところが数カ所ありました。とりわけ、今回の降雨の特徴としましては、いずれの場所においても9日の朝6時から9時までの3時間の集中豪雨による雨量が極めて多いという点であります。農地被害は新庄や三栖などに集中しており、近接の白浜雨量観測所では6時台に時間雨量94ミリを観測し、記録的短時間大雨情報が発表されたほか、朝来では75ミリ、岡では68ミリもの降雨があったことが影響しているものと思われます。今回の豪雨により、発生した農地災害につきましては、国の災害復旧事業の対象となる農地は4件となっております。
一方、国の採択基準に満たない被害農地は35件を確認しておりまして、このほかにも確認できていない被害箇所は多数あるものと思われます。
以上でございます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 宮本正信君。
(18番 宮本正信君 登壇)
○18番(宮本正信君) 今、数字を聞けば改めて平成23年のときのすごさというものを思い知るわけですが、この災害、被害に対して、どのような復旧事情、状況であったのか、お伺いしたいと思います。
(18番 宮本正信君 降壇)
○議長(吉田克己君) 産業部長。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 災害復旧事業の状況についてでありますが、平成23年台風第12号による農地災害では、国の災害復旧事業の適用を受けた51件のうち、田が44件、畑が7件となっております。国の災害復旧事業に適用されなかった災害箇所約1,100件のうち、農地災害が約500件、通常は復旧の対象となっていない農業用設備が約600件ございました。これらにつきましては、特例措置として市単独の補助制度を創設し、田、畑の災害復旧を初め、スプリンクラーやモノラック等といった農業用設備の復旧についても補助の対象とし、被災農家を支援しました。
事業が完了するまでは、約2年半を要し、特に災害直後の3カ月間は関西広域連合や国県からも人的な応援をいただき、現場測量や設計など災害査定に向けた準備を進めました。
一方、本年7月9日の豪雨災害では、国の災害復旧事業の適用となる4件の農地災害がいずれも田の畦畔の崩落によるもので、秋津川に2件と中辺路町大川に1件、下川上に1件という内訳であり、国の査定を受検することとしております。また、国の採択基準に満たない被害農地35件と未確認の箇所も含め、これらについては現時点では救済措置がないため、農家の方々は自力で復旧をせざるを得ない状況となっています。
以上でございます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 宮本正信君。
(18番 宮本正信君 登壇)
○18番(宮本正信君) 今、お聞きしたことをもう少しわかりやすく議論してみたいと思います。まず、平成23年の農地災害が約500件、うち国庫対象になったのが約1割の50件、そのうちで田は44件、畑に至ってはわずか7件ということであったと思います。そして、本年7月9日の災害については、災害として把握しているのは合計39件、うち国庫補助申請をしたのが4件、これも1割です。そして、これは全て田だけであったと思います。
そして、平成23年の豪雨のときには、このときは余りにも甚大な被害で、このままでは山地の衰退、崩壊につながるとのことから、市単独補助事業として国庫補助基準に満たない40万円以下の箇所について、農地500件、そして施設を合わせると1,100件の復旧支援の大英断を下していただいたと記憶しております。
そして、今言いました国庫補助事業については、災害発生件数に対して、どちらも約1割程度しか申請採択されておりません。それで、国庫補助の基準が40万円以上の事業で工法も強固なコンクリートブロック等で防止しなければならないと定められているようですが、参考資料を見ながらもう少し進めてみたいと思います。
まず、上に二つ写真が載っておりまして、その右下の図です。これを右下が田の場合ということで、これが20アールの田です。そして、下の被災箇所というのが例えば、畦畔が4メートル、5メートルでも崩れて、そして田植えのとき水が入らない。そうすれば、このときの田の被害は20アールということで、面積全てを計算してくれます。それで、計算方法にはいろいろ一口で言いあらわせない複雑なところがあるようなのですが、比較的20アール全体を見てくれるので、個人の負担割合が少なく、コンクリートブロックをしても自己負担が少ないので、申請を出しやすいようです。
そして、今度は畑の場合ですが、上の写真です。右側の写真が同じ20アールの畑で、ブルーシートがかかっているところの下の地肌が見えているところ、ここが滑りました。これが全体の面積は20アールなのですが、この崩れたところだけを見たら、3アールか4アール程度ということで、左側の写真は、これを下から写した写真で、ちょうど左上のほうに地肌が見えている。これがこのときはブルーシートをかけていなかったので、ここの上の土砂が滑って、モノラックのレールも土砂で埋まってしまい、下のミカンの木へもかなり土砂が流入しました。そして下に民家があったので、民家の庭に相当土砂が流入したということで、すぐさま現場へ行ったときに、これは大変だなという感想だったのです。それでも、この場合の国の基準に当てはめるとどうなるかといいますと、20アールの面積があっても、崩れたのは3アール、4アールの面積だけであり、しかもこれはブロックなり擁壁の強固なもので再発防止を図らなければならないので、かなり高額な自己負担になってくる。なかなか現実としては、農家も国際基準に合った修理、復興をしてくれという手を挙げにくい。だから使い勝手の悪い、そういう状況になっているというのが現状です。
そして、私も専門の土木業者の方と話をしましたけれども、土砂が崩れた場合には、少しユンボで土砂をとって、そしてシガラ工法なり、ふとん籠を置くということだけで、これは比較的安価で十分再発防止になる。そういう話をしてくれました。
今、田辺市はどちらかというと果樹がメインであります。その果樹産地である田辺の農家の経営や農地を守るために、平成23年の災害のときのような田辺市独自の農地の復旧支援制度を確立できないか、お伺いします。
(18番 宮本正信君 降壇)
○議長(吉田克己君) 産業部長。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 復興支援基準の見直しについてでありますが、議員のお話にありましたように、国の災害復旧事業に適用される農地災害のうち、他に比べて畑の件数が極端に少ない理由を申し上げますと、本市の基幹作物である梅の畑は、山成畑の割合が高く傾斜が急であるため、崩壊が多いわけでありますが、こうした急傾斜の畑を農地として復旧するには、標準的な広報では工事費が非常に高額になるか、または復旧困難な場合があること。また、田と畑で同じ規模の災害であっても、国の補助限度額を決定するための影響面積の算定方法が異なるため、畑の場合、農家負担が大きくなるということがあり、申請を諦めざるを得ないという実情があります。
結果、被災した現場の復旧が難しいとなると、農家も自力での復旧は諦め、最終的に耕作放棄地となってしまうことが懸念されます。
こうしたことから、農地の保全と耕作放棄地の増加を防ぐといった観点からも、何らかの対策が必要であると認識しているところでありまして、国県の動向を踏まえながら、市としましても、よりよい対策を検討してまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 宮本正信君。
(18番 宮本正信君 登壇)
○18番(宮本正信君) 今回の7月9日の集中豪雨の際には、比較的軽微な土砂崩れが多く、また地域も限定されていたのでありますけれども、被害農家にとっては、ひょう被害のときのように、災害は災害であります。先ほどの写真の例ですが、Aさんの例をとりますと、今までの対策の費用として、下に民家がありまして、その民家へ土砂が流入して、家にはかからなかったので、防災まちづくり課への申請ということにならなかったのですが、玉砂利や芝生が流入したので、その原状回復をするのに30万円ほどかかるといわれている。そして、今回で2回目になるのだけれども、例えば、先ほどの国庫補助事業へ無理に申請をすれば100万円ほどはかかるという話なので、2回も被災して、この畑ではミカンはもうつくれないという話でした。そうすれば、ここのモノラックのレール設置代40万円、スプリンクラーの設置代80万円の投資も台なしになるわけです。下に民家がある農地を持っている園主にとっては、本当に大雨のたびに戦々恐々として時を過ごしているという状況かと思います。
繰り返しますが、平成23年の豪雨災害のときの上限20万円、そして補助2分の1の支援策は、農地の復興にとって本当にありがたい英断でありました。耕作放棄地の防止のために、もっと田辺市の実情に合った有効な災害復旧のための制度確立を重ねてお願いいたしまして、今回の一般質問といたします。
ありがとうございました。
(18番 宮本正信君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、18番、宮本正信君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、2時10分まで休憩いたします。
(午後 2時01分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時10分)
○議長(吉田克己君) 続いて、12番、小川浩樹君の登壇を許可いたします。
(12番 小川浩樹君 登壇)
○12番(小川浩樹君) 皆さん、こんにちは。12番議員、公明党の小川浩樹です。議長の許可をいただきましたので、大項目2点について質問させていただきます。
まず1点目、土地家屋に係る税について5点質問をさせていただきます。
土地家屋に係る税については、平成17年、19年、20年と11年前からになりますが、3回にわたり今回の項に関連すること、しないことを含めて質問をさせていただきました。議員という仕事をさせていただいて、土地家屋という固定資産の価値がバブル経済以降、下がり続けるということを日本が初めて経験をするわけですが、これら固定資産に対する生活の現場でのさまざまな思いがあることから、何かこの十数年、土地家屋に係る税について釈然としないものを持ちながら過ごしてきました。過去と同趣旨の質問もありますが、固定資産税、土地家屋に係る税の歴史や自分の考えを述べさせていただいた上で、5点質問をさせていただきます。
話はさかのぼりますが、明治維新によって江戸幕府が倒れ、日本が近代国家への道を急ぐ中、明治6年、1873年に行われた税改革である地租改正によって、初めて所有土地を対象とした国税を国民に課すことになりました。江戸時代は、年貢等の物納が主流でしたが、その基準は各藩によってまちまちで、とにかく国として税制を統一することを急がなければならなかったようです。この地租は近代日本を支える重要な税として、その役割を果たしながら、第2次大戦後の昭和22年に地方税となります。
その後、GHQの要請により、カールシャウプを団長とする日本の税制を考える使節団が昭和24年に結成されますが、シャウプ勧告と言われる、この使節団からの日本政府への今後の税制への要望を受け、昭和25年、地租改正により明治から続いた地租は廃止、地方税法を根拠とし、地方自治体の財源として、土地、家屋に課税する固定資産税へと継承されることになりました。
固定資産税のスタート当初は、税率は固定資産評価に対して1.6%でした。本市においても1.6%からスタートし、昭和30年に1.4%となり、現在までその税率は変わっておりません。このような過程が、現在までの変遷のようであります。この固定資産税は平成28年度予算によると、約37億7,000万円の収入を見込み、市民税約33億3,000万円と並び、言うまでもなく本市を支える大きな財源であります。
資料をお配りさせていただきました。ごらんいただきたいと思いますが、固定資産税は全市域徴収、固定資産評価をもとに算出された課税標準額に対し、1.4%の課税であります。
そして、他の多くの自治体もこの1.4%課税を行っています。都市計画税については、同じく昭和25年に施行された地方税法の中に、都市計画区域内の土地、建物に市町村が課すことのできる税として認められました。固定資産税と違い、都市計画税は、都市計画事業を行うための財源とする目的税であり、その徴収根拠は事業を行うことにより、資産価値が上がることを前提に、その上昇分をあらかじめ所有者からいただくという、受益者負担の考えに基づくものです。全国の多くの自治体は昭和31年から条例に基づいて課税が始まりました。本市においても同年、条例案を議会が可決、徴収対象を都市計画区域内とし、固定資産評価額の0.2%を税率としてスタートし、そのまま現在に至っております。
また、徴収区域は昭和33年に最終決定となっている都市計画区域、つまり牟婁町との合併前の田辺市をその範囲として現在に至っております。都市計画税の平成28年度予算における収入見込み額は3億4,000万円、これも都市計画事業を支える大きな財源であると認識いたしております。
国民健康保険税は、昭和34年、国民健康保険制度が始まったことにより、その徴収が始まりました。本市においては、発足当時より1世帯当たりの税額を所得に応じていただく所得割、所有する資産に対していただく資産割、それぞれの個人に対し、1人当たり幾らという均等割、それから、1世帯当たりに幾らという平等割、この四つを合算して保険税とする方式を選択いたしました。税率等変化をしながらも、現在に至っているという状況のようであります。
平成12年度に介護保険分の保険税が導入され、また、平成20年よりは後期高齢者支援金の保険税が導入されたことで、現在の国保税体系は資料のようになっております。医療保険分、後期高齢者支援金等分、介護保険分とこの三つの部分を合算したものが国保税の1世帯当たりの額となります。その中で、資産割、この部分については、固定資産税に対して医療保険分40%、後期高齢者等支援金10%、介護保険分、これは40歳から65歳の第2号被保険者が対象となりますが、つまり40歳から65歳の方がおられる世帯では、合計全部を足して59.7%、固定資産税額の約6割の額を国民健康保険税の中に含め、支払うということになります。
国保税の所得割、資産割は、応能部分といわれ、個人や世帯に定額を課す均等割、平等割の二つを応益部分といいますが、この応能、応益のバランスをとることが税体系設定の上で非常に大事になるようです。田辺市などを含め、都市部から離れた地方の自治体は、応能部分に所得割と資産割を設定していますが、逆に大阪や東京など都市部では、所得割のみで資産割はありません。賃貸住宅が多く、土地家屋の資産を持たない方が多いことや、地方に比べて地価が高く、資産割を課すことが不平等に当たるなどの考え方があるようです。
本県においても、和歌山市では国保税に資産割がありません。ともあれ、本市においては資産割により、1世帯当たり固定資産納税額の5割から6割に当たる額をさらに国保税の一部として納めることとなっているのが現状であります。
以上、本市における土地家屋、建物にかかる三つの税の課税状況について述べましたが、私は世の中の大きな変化により、これらの課税根拠が薄らぎ、また理解を得られにくい時代になってきたのではないかと感じております。
明治維新以降、日本の近代化が進む中、開発や道路整備により不動産価値が上がり、土地を持っているという魅力は増すばかりでした。
戦争を経て、一旦不動産に対する価値観は落ちついたように見えましたが、戦後復興から高度成長期に入り、その価値は核家族化により第2世代がマイホームを求めることなども拍車をかけ、前にも増して上がり続けました。当時は、土地建物の値段が下がり続ける時代が来るとは誰も予想をしていなかったのではないでしょうか。昭和の時代に経験した何度かの不況の折でさえ、地価が下がり続けるということはありませんでした。
しかし、高度成長が落ちつき、人口がとうとう減少に転じ、ここ20年前後の間に明治以来の不動産に対する価値観が一変いたしました。長い将来にわたって人口が減少するのですから、単純に新しく土地を開く必要もなく、また不動産売買によって価値が上がることも望めません。つまり、現代の土地家屋を持つ方の多くは、放っておいてもその価値が下がり続けるということを知っていながら所有を続けていくことになるのです。
不動産、土地家屋に課税する根拠は、それらが有用な価値のある財産として、所有し続けるのに意味のあるものという前提があるからだと私は理解しています。
しかし、現在では、不動産を持つこと自体に負担感があり、また手放したくても売る相手もいないというような状況を多々見受けることとなりました。その上で、不動産に二重三重に税がかかるということに理解が得られにくい状況が近い将来、市民感情として起こるのではないでしょうか。
まず、1点目から3点目のついて質問いたします。固定資産税、都市計画税、国民健康保険税資産割について、それぞれの徴収根拠、税率設定の数字の根拠、また市の財源として果たしてきた役割等について、当局がどのように捉えているかをお聞かせください。
それから4点目、本市において、これからの土地家屋に対する税については、将来どのようにあるべきかということについてお考えをお聞きしたいと思います。御答弁よろしくお願いいたします。
次に、5点目、都市計画区域の設定と都市計画税徴収との整合性についてお伺いいたします。
まず、都市計画というものについてですが、大ざっぱに言うと、区画整理事業や道路整備事業など、経済活動環境や居住環境等を整えていくこと、また、民間による乱開発防止など、整合性のある開発のために、土地利用目的の制限などを行っていくことなどであります。そして、都市計画区域とは、将来、それら都市整備事業を行う予定のある地域を設定するものであると認識しております。
一方、都市計画税とは、都市計画区域内の整備事業に投入するための目的税であります。区域内の土地、建物の所有者に事業費を少し負担していただくという受益者負担の考え方ですが、事業により結果的に資産価値が上がるため、その還元としてあらかじめ納めてもらうというのが税徴収根拠です。
しかし当然、地方目的税でありますので、その徴収については、各自治体に委ねられております。都市計画区域内全部が課税対象の自治体もあれば、都市計画区域があっても課税なしのところ、また、区域内をさらに分けて、近い将来、開発の予定がある市街化区域のみを課税しているところもあります。調べてみて大体人口も少なく、都市計画区域の小さな自治体では課税なし、逆に人口10万人以上の都市部では、都市計画区域内でも課税区域と非課税区域があり、その中間になるこの田辺市ぐらいの規模のところが、都市計画区域内全部が課税対象というところが多いようであります。
また、課税なしでも、その分を目的税ではない、使い勝手のよい固定資産税を上乗せする形で徴収しているところもあるようです。
さて、本市においてでありますが、昭和31年、昭和の大合併による牟婁町との合併直前に、都市計画税の徴収が始まりました。当時の税条例改正議案に対する議会の議事録を議会の書庫を探して読んでみました。国からの交付税が減額される前提のもと、地方財源としての都市計画税徴収について論議がなされておりました。
不思議にも、新しい税制が導入されることに対する不満は余りなく、目的税なので都市計画区域内の事業にしか使えないのは、扱いにくいなどの意見はあるものの、どうやら都市整備のために新しい課税が必要という認識が大勢を占めていたようです。当時は、高度成長の直前であり、市民の方も含め整備による利便性、また資産価値が上がることへの期待が世論としてあったと理解いたしました。
当時の旧田辺市全域が、都市計画区域であったため、結果的に牟婁町との合併後も大坊や団栗、稲成町を含めた旧田辺市が税徴収区域となりました。合併を前提とした上では、都市計画区域の見直しが難しかったのか、それとも議論自体がなかったのか、当時のそれ以上のことは私にはわかりませんが、この都市計画区域はそのまま現在に至っている状況です。現在、都市計画区域内においては、都市計画事業が行われ、整備が進んだところとそうは言えないところの両方があると言えますが、その状況ながら、都市計画税は都市計画区域内に一律に課税されているということに不公平感を持っている方がおられるという現状があります。また、都市計画区域外でも、町並みが整備され資産価値が上がったところも当然あります。
田辺市においては、都市計画区域イコール都市計画税徴収区域となっているため、あたかも都市計画区域の設定が税徴収の区域を定めたものという印象さえあります。しかし、本来はこれらは分けて考えられるべきもので、都市計画事業を行う市建設当局が秩序あるまちづくりのために、広範囲の都市計画区域を指定することと、税を徴収する市税務当局が近い将来、事業の予定があり、結果として、資産価値が上がるであろう地域に課税をするということは別のものではないかと考えます。
昭和31年以来、田辺市税条例にうたわれるとおり、都市計画区域内の土地、建物を対象に粛々と都市計画税を徴収してきたわけでありますが、私は当局税務サイドとして、税徴収対象区域の見直しがあってもよかったのではないかと考えております。
5点目の質問をさせていただきます。
まず1点、建設当局にお伺いいたします。今後、都市計画区域はどのように設定されるべきなのでしょうか。区域設定の見直しなどは考えておられるのでしょうか。また、その具体的な計画はお持ちでしょうか。お答えいただきたいと思います。
それから、課税を行う側の税務当局として、今後も都市計画区域の土地、建物を対象とし、現行と同じ税率で徴収を行っていくのかについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
大きな1項目の1回目の質問を終わります。
(12番 小川浩樹君 降壇)
○議長(吉田克己君) 12番、小川浩樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、田上豊和君。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 私からは固定資産税、都市計画税について、及び土地・家屋に係る税の将来についてお答えいたします。
まず、現在の地方税につきましては、昭和24年のシャウプ勧告を受けて制定された地方税法に定められたものであり、その中で市町村税のうち普通税として、地方税法第5条第2項におきまして、市町村民税、固定資産税、軽自動車税、市町村たばこ税などを課すものと定められています。
これら地方税につきましては、地方自治体が必要とする運営経費を賄うための重要な財源であり、所得、消費、資産などを課税対象として地域の住民の方などから広く御負担いただくものであることは議員にも十分御認識いただいているところと思います。
さて、固定資産税につきましては、土地・家屋及び償却資産を有することと、その資産が所在する地方自治体が行う行政サービスとの受益関係に基づき、その資産価値に応じて課税される税であり、受益と負担の関係において応益負担の考え方を最も具現化した税として位置づけされています。
地方自治体の財政における税収のうち、固定資産税は所得に対して課税する住民税とともに大きな割合を占める基幹税目であり、本市においては、平成26年度決算では、市税収入の約83億円のうち固定資産税は約35億円で、市税全体の42%を占めています。なお、本市における固定資産税の税率は、地方税法第350条に規定されている標準税率1.4%にて課税を行っているところであります。
固定資産税は地方自治体を支える税収として、必要不可欠であり、将来の本市における固定資産税の位置づけとしましても、少子高齢化やそれに伴う就労年齢人口の減少により、所得に対して課税する住民税の増加が見込めない状況においては、固定資産税は税源の普遍性や税収の安定性という性格から今後はますます重要な財源となっていくものと思われます。
また、福祉や教育、社会資本の整備を初めとする歳出の増加に対応するためにも、納税者の皆様の御理解をいただきながら、今後とも地方税法に基づく課税を行ってまいりたいと存じます。
次に、都市計画税についてでありますが、これまで小川議員を初め、幾度となく御質問をいただいています。以前にもお答えしていますとおり、都市計画税につきましては、地方税法第5条第6項及び、第702条第1項におきまして、市町村は都市計画事業や土地区画整理事業を行うため必要とする費用の財源とするため、目的税として都市計画税を課税することができるものと定められており、本市では都市計画区域内に所在する土地・家屋を所有されている方に対して、課税させていただいているところであります。
平成26年度決算では、都市計画税としての収入が約3億6,000万円あり、それを三四六総合運動公園整備事業や都市下水路整備事業、その他都市計画事業を実施するために借り入れを行った市債の償還費などの一部に充当しています。
なお、都市計画税の税率は、地方税法第702条の4において、0.3%を限度とすることが規定されており、本市では昭和31年の都市計画税創設時から0.2%の税率を継続して、課税を行っているところでございます。
都市計画税の課税区域につきましても、地方税法第702条第1項の規定の範囲において、都市計画区域内で課税させていただいています。この課税区域につきましては、これまでも再三御質問いただいているところではございますが、田辺市都市計画マスタープランに基づく都市計画区域の見直し作業と並行して、継続的に検討しているところでございます。
また、本市における将来的な都市計画税につきましては、新たに見直しされる都市計画区域や今後予定される都市計画事業などの内容、事業費等に応じて、受益と負担の整合性を含めた都市計画税のあり方について常に検討を行いながら、納税者の皆様に御理解、御協力をいただけるよう努めてまいりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君)
市民環境部長、小川 鏡君。
(
市民環境部長 小川 鏡君 登壇)
○
市民環境部長(小川 鏡君) 国民健康保険税の資産割についてお答えいたします。
国民健康保険税の賦課方式につきましては、昭和26年の国民健康保険税設立当初から所得割、資産割、被保険者均等割、世帯別平等割で算定する4方式と呼ばれる方法が地方税法に定められ、その後、昭和33年の税制改正により産業構造や所得階層等の市町村の実情に応じた方式も選択できるよう、中都市を想定して資産税を除いた3方式や大都市を想定して3割と世帯別平等割を除いた2方式と呼ばれる方法が追加されております。現在、県内30市町村のうち、和歌山市を除く29市町村が資産割を含んだ4方式を採用しております。
また、国民健康保険税の税率は、それぞれの市町村の条例で定めることとなっておりますが、その算定につきましては、地方税法で標準的な算定基準等が定められており、課税総額における標準的な構成割合は、地方税法第703条の4の規定により、所得割総額40%、資産割総額10%、被保険者均等割総額35%、世帯別平等割総額15%となっております。
本市におきましても、これをもとに税率を決定しており、小川議員からもお話がございましたが、資産税に係る税率につきましては、いわゆる医療給付に対する基礎課税分で40%、後期高齢者支援金等課税分で10%、介護納付金課税分で9.7%と定め、固定資産税額のうち、土地及び家屋に係る部分の税額にそれぞれの税率を乗じた額を被保険者の皆様方に御負担をいただいております。
国民健康保険税の資産割は、応能原則における所得割を補完する役割を持たせるために設けられたもので、資産割をなくしますと、所得割の配分を上げざるを得ないことから、資産割には、中間的な所得層の税負担軽減という一面もあり、現行の4方式による賦課を採用してきたところであります。
また、議員御質問の将来的な国民健康保険税の資産割に対する考え方につきましては、少子高齢化が進展し、国民健康保険の運営は、今後、さらに厳しさが増す中、国民皆保険のかなめである国民健康保険を持続可能なものとするため、平成30年度から県が市町村とともに、国民健康保険の運営を行うこととなっております。
国民健康保険税につきましては、こうした情勢の変化、本市の実情等を踏まえながら、今後ともできる限り被保険者の皆様方の負担感が偏ることのないよう検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。
(
市民環境部長 小川 鏡君 降壇)
○議長(吉田克己君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の都市計画区域の見直しについてお答えいたします。
本市における都市計画区域は都市の健全な発展と秩序ある整備を目的に一体的、かつ総合的に整備開発し、保全する必要がある区域として昭和8年に初めて指定され、その後、合併を経て、その区域を変更しながら、昭和33年に当時の田辺市全地域を都市計画区域として現在に至っております。
都市計画区域の見直しについては、平成22年3月に策定いたしました田辺市都市計画マスタープランに即し、検討を進めておりますが、東日本大震災以降、国の都市計画運用指針において、津波災害や土砂災害などによるリスクに対する新たな考え方が示されたことや、平成28年4月に県が本市を含む地域に津波災害警戒区域の指定をされたことなどがあり、これらを加味しながら、地域の特性や土地利用を鑑み、現在も引き続き検討中でありますが、平成29年度末を目標に見直しを行っておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 小川浩樹君。
(12番 小川浩樹君 登壇)
○12番(小川浩樹君) 御答弁をいただきましてありがとうございます。固定資産税、都市計画税、国保税、資産割について、それぞれ税徴収の根拠、果たしてきた役割について御答弁をいただきました。三つとも本当に大事な財源です。今の時点で、これらそれぞれの税の方式を土地家屋への課税をやめて、何かほかの方式があるのかといえば、今の国税の体系上、国税としての所得税、地方税として所得からいただく住民税、土地家屋を所有するところからいただく固定資産税とよほど新しい税制が生み出されない限り、この体系を変えていくというのはなかなか並大抵のことではないと思いますが、議員になって初めてこの税に係る質問をさせていただいてから、あっという間に11年がたちましたが、その後も土地家屋に対する税の環境は変わってきたと肌で感じております。
例えば、子供3人を養育されて子供が皆成人して外へ出ていって、いよいよ夫婦2人になって、片方が亡くなって、大きな家に1人で住んでいる高齢者の方が、昔は大変有用な土地という財産でしたけれども、自分がそれを名義人として抱えることになって、固定資産税を徴収されることは理解できるけれども、抱えておくのに大変な財産が固定資産だけではなく、国保資産割としても徴収されることに納得がいきにくいというお話や、また、その方の動機が合っている、合っていないは別として、ほかの議員さん方も多分そうだと思いますが、いよいよ売りたくても売れない土地が不動産屋に依頼しても売れず、田辺市に引き取ってほしいというような資産に係る固定資産税を払い続けることが困難になってきたという状況の御相談もたくさん伺うようになりました。
先ほど申しましたように、日本の税制がこういう状況にある限りは、これら土地家屋に対する税を全てやめてしまおうということにはなりませんけれども、私は個人的には、将来は土地家屋、固定資産に係る税は固定資産税一本にシンプルになっていくべきではないかという気持ちを持っているところです。
国保も今、御答弁をいただきました国保会計が県一本になる将来、国保の料金設定の中で、資産割、所得割の応能部分が県一本となったときに、どのような体系になるかというのは非常に興味のあるところですけれども、長い目で見ると、土地家屋に係る税というのは固定資産税一本であるべきではないかという気持ちを持っております。
税徴収する側の総務当局に再質問です。すぐにどうこうということではありませんけれども、この土地家屋に対する税が将来一本化されるべきという気持ちを私は持っておりますが、本市においての土地家屋に係る税の将来について、固定資産税以外の税を将来どのように持っていくべきかということについて、再質問をさせていただきます。
(12番 小川浩樹君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 土地や家屋を課税対象とする税については、固定資産税のみであるべきではという御質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたとおり、地方税法におきましては、固定資産税は地方自治体が行う行政サービスの費用を賄う財源となる普通税です。また、都市計画税や国民健康保険税につきましては、特定の経費に充てるためにそれぞれの自治体に応じて、課税できる目的税です。そうした税につきましては、それぞれが地方税法、課税の根拠として事業の経費を御負担いただくものでございますし、現行の国の制度そのものがそうした税体系をもとにして、地方財政計画等を立てて、事業を行うということになっていますので、そうした背景を御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 小川浩樹君。
(12番 小川浩樹君 登壇)
○12番(小川浩樹君) 将来、固定資産税一本であるべきというのは余りに乱暴で、とっぴな意見ですが、それを総務部長にぶつけてみました。もう一点ぶつけてみたいと思います。
4点目までは以上で結構です。5点目、都市計画区域と都市計画税の徴収についてでありますが、この件について勉強し質問をさせていただいた一番初めのきっかけというのは、大坊団栗、また稲成町の奥にあります谷上地域の方から、すぐ隣の中芳養地域、上芳養地域、何も農村地帯で変わっていないのに、自分たちのところには固定資産税にプラス、標準額掛ける0.2の都市計画税が載っていて、隣には載っていない。一体この都市計画税が自分の住んでいる地域にかかっているのは、何なのだという質問から始まったことです。当局とこの件については、本当に長い議論をしてきましたし、都市計画マスタープランを越えて、いよいよ進むかなと思った時点にあったところに、東日本大震災が起こったり、また税徴収サイドと区域設定を行う建設当局との間で、農地の問題やさまざまな問題があって、本当に紆余曲折しながらここまで来たという印象ですけれども、そろそろこの件については決着をつけるべき時期に来ているのかなという認識です。
今、建設部長から平成29年度をめどに都市計画区域の見直しの計画が出されるという話を伺いました。都市計画区域自体はその設定を都市計画整備事業を行うべく決められた設定と変更があるものと、そのように認識をしておりますが、税徴収区域を担当する総務当局に質問です。
将来、都市計画区域の変更がなされた上でも、その後は都市計画区域内全域から0.2%の徴収を続けることになるのかという展望について、再質問をします。御答弁よろしくお願いいたします。
(12番 小川浩樹君 降壇)
○議長(吉田克己君) 総務部長。
(総務部長 田上豊和君 登壇)
○総務部長(田上豊和君) 先ほど、建設部長から都市計画区域について平成29年度に見直すという答弁をさせていただきました。そのことについて、都市計画税を今後どうしていくのかということになるかと思いますけれども、都市計画税につきましては、そうした見直しを受けて、当然、今後の計画等を勘案して、それからそうしたことを前提として、課税区域についても決定をしていくということになろうかと思います。
今、すぐにどうこうということはお答えはできませんけれども、その見直しに合わせて、今後、十分説明できるような形で対応していきたいと思っております。
(総務部長 田上豊和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 小川浩樹君。
(12番 小川浩樹君 登壇)
○12番(小川浩樹君) ありがとうございました。特に5点目の再質問に対して答弁をいただきました区域設定と、課税徴収区域についての整合性については、庁内で議論していただいて、その答えを出していっていただきたいと思います。
以上で、1点目の土地家屋に係る税についての質問は終わります。
2点目、被災者支援システムについて質問させていただきます。
大災害が起こったときに、住んでいる家屋の全壊や半壊、一部損壊などの被害を受けた方たちは、そこからの生活を再建すべく、保険金の請求や支援金、義援金の支給の申請、固定資産税の減免措置の申請などを行うことになるわけですが、それには、いずれの場合も罹災証明というものが必要です。
5年前の東日本大震災で、甚大な被害を受けた多くの自治体では、罹災証明書の申請、発行に長蛇の列ができ、大変な混乱が起こりました。その原因として、この証明書の発行に必要な確認をするために、非常に時間と手間がかかるという点が挙げられます。
まず、住民基本台帳から申請世帯が被災時に住民であったことの確認、それから家屋台帳のデータにより、この世帯が住んでいた家屋が存在したことの確認、そして職員が現場に赴き、この家屋が実際に被災していることを見るというこの3点が必要です。しかし、この確認に使われる住民基本台帳と家屋台帳はそれぞれ扱う所管が異なる上、照合するために必要な共通項目もなく、迅速な対応には問題点があります。具体的には、例えば、住民基本台帳に載る住所と家屋台帳のデータに載る地番というものが同一地ながら違う数字で表示されていることや、被災された申請者が借家に住んでいる場合、住民基本台帳には、住む人の名前は載っているが、家屋台帳データには、所有者の名前が載っているなど、照合作業をするには非常に不便であるということです。
この申請件数が数千単位となれば、災害時の自治体職員の業務可能な限界量を超えてしまうということになりますが、そこでこれらを教訓とし、現在、多くの自治体ではあらかじめ住民基本台帳のデータと家屋台帳のデータを統合しておき、発災時、被災者台帳をスムーズに作成できるように取り組んでいる状況です。
阪神・淡路大震災で、甚大な被害を受けた兵庫県西宮市でも被災直後、罹災証明書の発行窓口には長蛇の列ができ、大きな混乱となりました。復興に向け、膨大な行政事務の効率化を図るため、抜本的な被災者台帳の管理システムをつくり上げることを決め、2つのデータベースを統合、被災状況を入力すれば、支援金、義援金の配布や仮設住宅への入居などを一元的に管理できる状況を確立しました。
西宮市は、これを他の自治体でも利用してもらおうと、一般のパソコンでも使えるように汎用化、その後、地方自治センターがそれを受け継ぐ形で全国の自治体に無料配布してきました。5年前の東日本大震災時点では、まだこれを利用する自治体は少なく、東北の災害現場でも罹災証明書の発行に大変な混乱を来しましたが、現在では、多くの自治体がこのシステムを導入している状況です。
しかし、多くの自治体が地方自治センターから無料のCDロムを受け取り、防災担当のもとにそのソフトがあるという状況ができたものの、住基データと家屋データなどを統一させることはなかなか進まず、発災時に瞬時には稼働できる状況にはないというのが実情のようです。実際、おととしの広島での土砂災害でも、本年4月に起きた熊本地震災害でも速やかにこのシステムが稼働していれば、被災者支援にもっと役に立ったという事実もあったようであります。
そこで1点目、本市もこの西宮発信からの地方自治センターに受け継がれたソフトを導入していると認識していますが、住基データと家屋データとの統合等々、現在はどのような状況にあるのか、お答えいただきたいと思います。
2点目、この被災者支援システムは、阪神・淡路大震災を機に、西宮市から発信され、その後、災害が起こった多くの自治体の経験を踏まえて、さらに進歩しているものです。当初は、罹災証明書発行のために、住基データと家屋データを統合しておき、災害時、被災者台帳をスムーズにつくることが最大の目的でありましたが、今ではそれにとどまらず、このシステム構築により作成した被災者台帳をもとに、支援金や義援金の交付、救援物資の管理、仮設住宅の入退去など、被災者支援に必要な情報を一元的に管理し、これにより被災者支援業務を効率化することはもとより、被災者支援業務の正確性及び公平性を図ることを目的とすべきとの考え方に変わってまいりました。
つまり、家屋被害を把握するという一面的なものではなく、被災者の災害後の生活全体を支援できるシステムだという考え方です。
また、多くの自治体の現状として、被災者支援システムは、防災担当者が発災時に使うものと解釈されていますが、大災害が起これば、ほとんどの部署の職員が被災された方たちに何らかの形で接することになるのは明らかです。
被災者支援システムは、地域防災計画に定める職務にかかわる全ての職員の業務を助けるものであり、実際には、ほぼ全ての部署で使用するということを前提に、その構築を検討すべきものであると考えます。
本市においても、大災害発生時には、全職員が災害対策本部の構成員となり、田辺市地域防災計画の定める職務を担当しますが、その職務の内容を熟知する職員はほぼ皆無であり、作成すべき台帳類についても様式、ひな形も多くは整備されず、災害対策本部の職務を即時に開始することは困難な状況であると予想されます。
また、行政事務の大半が情報システム化のもとに行われている現状において、情報共有なしに業務を行うことは現実的には不可能であり、災害時のみの業務にあっても、可能な限り情報システム化しておくことが必要であると考えられます。
大災害発生時に自治体職員に求められる身体的、精神的負担は相当なものがあり、情報システムの導入で少しでもその負担を軽減できれば、結果的に人の手によってしかできない被災者を直接サポートする業務などにより多くの職員を割り当てられると考えられます。
大災害時にこのシステムを被災者の生活全体を支えるものとして機能させ、また、職員の負担を軽減させるためには、住基データの所管や税務部分、福祉部門、複数部署にまたがるデータを統合し、協力体制を構築することが必要であると考えます。また、これには情報システム担当の協力が不可欠でしょうし、所管を超えて職員の皆さんに操作研修をしてもらうことも必要かと思います。
2点目、発災時にこのシステムをより機能させるために、これからどのように取り組んでいくのかについて、当局のお考えをお聞かせください。
(12番 小川浩樹君 降壇)
○議長(吉田克己君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の被災者支援システムについてお答えいたします。
本市では、財団法人地方自治情報センターが無償で提供している被災者支援システムを平成24年度から導入し、活用を開始しています。しかしながら、現状は活用の初期段階で、基礎データである住民基本台帳データはシステムに取り込んでおりますが、家屋データにつきましては取り込んでいない状況です。このシステムは、有効に活用できれば被災者台帳の作成から罹災証明書の発行、義援金支給事務や支援物資の管理など種々の災害対応業務を行うことができ、被災者の情報等を一元管理できることから、災害時の災害対策本部体制下における関係部、班での情報共有が可能となります。
現在は、防災担当でシステムの習熟に取り組むとともに、実際の大規模災害発生時に、システムへ被災者情報や避難者情報を入力することとなる総合調整部総合班の職員を対象に、基本的な操作方法の研修を行い、災害対策本部設置運営訓練の際に、入力訓練を実施しています。
発災時に被災者支援システムを有効に活用するためには、実際にシステムを使用する部、班が入力方法などを熟知しておく必要があり、平常時から各部署においてシステムを使用して、訓練を実施しておかなければなりません。これは、災害に備えるためにとても重要なことですので、関係部局と連携を図りながら、今後、計画的に取り組んでいく必要があると考えております。
また、訓練効果を上げるためには、実際の災害を想定した訓練を実施することが必要でもあることから、災害対策本部設置訓練に合わせ、被災者支援システムを活用した訓練も実施し、習熟を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 小川浩樹君。
(12番 小川浩樹君 登壇)
○12番(小川浩樹君) 御答弁をいただきました。奈良県生駒郡平群町というところが今、日本で一番被災者支援システムが進んでいると言われているところですけれども、御紹介します。平群町は2009年10月にこのシステムを導入し、以降順次家屋データとの連携、要援護者とのデータの連携、地理情報システムの導入などを行ってまいりました。
その間、年1回の全職員対象の研修を防災計画に基づき行うなど、発災時瞬時にこのシステムを稼働できることに取り組んでまいりましたが、何よりも一番の特徴とされるのは、住民基本データを日々、午後9時に被災者支援システムに更新ができるという全国で初めての状況をつくり上げました。この被災者支援システムの全国サポートセンター長といわれる方が平群町は、いつ災害が起こっても即時運用できる体制になっていて、全国の自治体がこれを模範にするべきだというような、本当に進んだ先進地であります。経費につきましても、それぞれソフトやデータ変換プログラム等々、かかった費用は私が調べましたところでも200万円から250万円、運用するための経費はあえて電気代ぐらいのもので、バージョンアップについては、職員等で所要時間約5分程度で行えるというような中身のものだそうです。ぜひとも一度、この先進地事例をどのような内容か検討していただきたいと思います。
このシステム構築の最大の特徴は、先ほども申し上げましたように、家屋被害を掌握することのみを目的とするのではなく、もっと大きく被災された住民の生活自体を救済することを目的としている点です。しかしシステムを導入し、構築していくに当たっては、システム経費が増大するのではないかといった懸念や、いつ起こるかわからないことに、お金と労力をかけるべきかという考え方や、コンピューターに精通した職員がいない等々、消極的な意見が多いようです。
しかし、このシステムは新しい経費がかかることはほぼなく、所管を超えてデータを統合し、あとは職員研修で被災者支援システムの必要性を周知し、訓練することで大災害発災時、すぐさま支援に取りかかることができる状況をつくることができるものです。必ずしも高いIT能力のある職員さんがいなければならないということではありません。
当地域においては、大地震による津波災害に備えなければならないのはもちろんでありますし、5年前に経験したような甚大な豪雨災害がいつ再び発生してもおかしくない状況であります。
平群町などの先進地事例を参考とし、システム構築を目指していただき、何よりも発災時、市民の安心・安全を確保するだけではなく、行政にとっても大きな助けになるものだと確信をもってこのシステムの構築をお願いいたしまして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(12番 小川浩樹君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、12番、小川浩樹君の一般質問は終了いたしました。
◎日程第 2 3定議案第14号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)から
日程第19 3定議案第31号 平成27年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算
についてまで一括上程
○議長(吉田克己君) 続いて、日程第2 3定議案第14号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)から、日程第19 3定議案第31号 平成27年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上18件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案18件は、本日、市長から提出のあったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議案の説明に先立ちまして、まず、市庁舎の整備方針について、御報告申し上げます。
市庁舎である市役所本庁舎及び市民総合センターの整備方針については、平成23年の東日本大震災により、災害時の司令塔となるべき庁舎が被災し、復旧・復興に支障を来している自治体もあるため、行政機能としての庁舎の安全性確保という観点で、庁内において検討を続けてまいりましたが、一つの結論に至りませんでした。また、南海トラフ巨大地震の津波による新たな被害想定により、市役所本庁舎を含む市街地の広範囲が想定浸水域となったことを受け、より幅広い観点による検討が不可欠となりました。
そうした中、本年1月に設置した庁舎整備方針検討委員会において、委員それぞれのお立場、そしてそれぞれの個人としての御意見、また、市民
アンケートの結果、調査資料、学識経験者の見解など、幅広い観点から、両庁舎の整備方針を検討していただきました。そして、7回の会議を経て、8月10日、「津波・洪水の想定浸水域外で、かつ、中心市街地から近い場所に、両庁舎機能を統合した新庁舎を、早期に整備することを結論とします」との答申が提出されました。
市といたしましては、この答申を踏まえ、防災の観点、まちづくりの観点、利便性の観点など、庁内において検討を重ねてまいりました。
昨年の茨城県常総市における水害や、4月に発生した熊本地震など、自治体庁舎の被災が全国各地で起こる中、庁舎が災害時において復旧・復興の拠点として機能することを市民の皆様が求めていることは、市民
アンケートの結果などから明らかです。
また、現在も取り組んでおります、中心市街地におけるまちづくりに与える影響も心配される声や、来庁のしやすさなど、庁舎の利便性の向上を望む声があることも承知しております。
こうしたことから、市民の皆様の安全・安心を確保し、中心市街地に配慮しながら、そして利便性の向上も図ることができる形での庁舎の移転整備こそが、本市の「未来へつながる道」であると確信しており、その実現に向け、議員各位、そして市民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、スピード感を持って取り組んでまいる所存でありますので、どうかよろしくお願いいたします。
さて、ただいま上程されました議案ですが、議案第14号 平成28年度田辺市
一般会計補正予算(第4号)につきましては、庁舎整備に向け、候補地の選定調査に係る経費を補正するもので、今回の補正に要する財源としましては、地方交付税をもって充てることにしております。
このほか上程されました議案は、決算に関するもの17件でございまして、その概要について御説明申し上げます。
議案第15号 平成27年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、議案第30号 平成27年度田辺市四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの16議案は、いずれも平成27年度各種会計の決算につきまして、地方自治法の規定により議会の認定をお願いするもので、議案第31号 平成27年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成27年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて地方公営企業法の規定により議会の議決をお願いするとともに、当該会計の決算につきまして、議会の認定をお願いするものであります。
なお、お手元に、決算書及び監査委員の意見書とともに、主な施策の成果に関する報告書等を提出いたしております。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております18件については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(吉田克己君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす9月16日金曜日、午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(吉田克己君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(吉田克己君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 3時09分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成28年9月15日
議 長 吉 田 克 己
副議長 安 達 克 典
議 員 小 川 浩 樹
議 員 塚 寿 雄
議 員 松 下 泰 子...