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平成27年 6月定例会(第3号 6月30日)

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  1. 田辺市議会 2015-06-30
    平成27年 6月定例会(第3号 6月30日)


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    平成27年 6月定例会(第3号 6月30日)              田辺市議会6月定例会会議録             平成27年6月30日(火曜日)           ―――――――――――――――――――    平成27年6月30日(火)午前10時開議  第 1 一般質問           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1           ―――――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  1名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  川 﨑 五 一 君               2番  真 砂 みよ子 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  北 田 健 治 君               5番  橘   智 史 君
                  6番  湯 口 好 章 君               7番  尾 花   功 君               8番  二 葉 昌 彦 君               9番  市 橋 宗 行 君              10番  安 達 幸 治 君              11番  安 達 克 典 君              12番  小 川 浩 樹 君              13番  塚   寿 雄 君              14番  松 下 泰 子 君              15番  佐 井 昭 子 君              16番  中 本 賢 治 君              17番  出 水 豊 数 君              18番  宮 本 正 信 君              20番  陸 平 輝 昭 君              21番  山 口   進 君              22番  吉 田 克 己 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       福 田 安 雄 君             副市長       池 田 正 弘 君             教育長       中 村 久仁生 君             企画部長      松 川 靖 弘 君             企画部理事     渡 邉 匡 通 君             企画広報課長    千 品 繁 俊 君             たなべ営業室長   古久保 宏 幸 君             情報政策課参事   池 本   徹 君             男女共同参画推進室長                       楠 木 紀美子 君             総務部長      田 上 豊 和 君             総務部理事     早 田   斉 君             総務課参事     福 田 琢 也 君             税務課長      糸 川 一 彦 君             市民環境部長    室 井 利 之 君             保険課長      谷 村 憲 一 君             環境課長      三 栖 隆 成 君             廃棄物処理課長   鈴 村 益 男 君             保健福祉部長    木 村 晃 和 君             福祉課長      平 田 耕 一 君             子育て推進課長   松 場   聡 君             産業部長      那 須 久 男 君             観光振興課参事   木 村 博 充 君             農業振興課長    北 川 弘 泰 君             森林局長      鈴 木 徳 久 君             山村林業課長    清 水 健 次 君             建設部長      林   誠 一 君             都市計画課長    栗 山 卓 也 君             土木課長      桒 畑 昌 典 君             龍神行政局長    宮 田 耕 造 君             龍神行政局産業建設課長                       熊 本 喜代一 君             中辺路行政局総務課長                       高 田 幸 安 君             本宮行政局総務課長 安 井 健 太 君             大塔行政局総務課長 松 本 光 生 君             大塔行政局産業建設課長                       赤 木 守 生 君             水道部長      田 中 久 雄 君             業務課長      磯 田 和 男 君             消防長       小 山 裕 史 君             消防総務課長    安 田 浩 二 君             教育次長      小 川   鏡 君             学校教育課長    木 下 和 臣 君             学校教育課参事   小 山 良 男 君             生涯学習課長    鈴 木 隆 司 君             国体推進室長    川 井 良 平 君             監査委員事務局長  廣 井 崇 史 君             農業委員会事務局長 愛 須   誠 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    大 門 義 昭             議会事務局次長   前 溝 浩 志             議会事務局主任   榊 原 数 仁             議会事務局主査   稲 垣 清 司  開 議 ○議長(吉田克己君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成27年第2回田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。              (午前10時01分)          ――――――――――――――――――― ◎諸般の報告 ○議長(吉田克己君)    この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。  議会事務局長、大門義昭君。           (議会事務局長 大門義昭君 登壇) ○議会事務局長(大門義昭君)    報告申し上げます。  本日付、田総第82号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、お手元に配付いたしております2定議案第14号 監査委員の選任につき同意を求めることについての議案1件の送付がありました。  以上でございます。           (議会事務局長 大門義昭君 降壇) ○議長(吉田克己君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(吉田克己君)    日程第1 一般質問を行います。  5番、橘 智史君の登壇を許可いたします。             (5番 橘 智史君 登壇)
    ○5番(橘 智史君)    おはようございます。5番、紀新会の橘です。今回は3点質問させていただきます。  まず初めの質問は、林業の活性化についてです。小項目の(1)としまして、新庄小学校の校舎建てかえについて、新庄小学校は昭和42年に建築された校舎であることから、老朽化が激しく耐震改修されるはずでしたが、市の御協力と地域の方の強い要望や新庄愛郷会などの御支援などから新校舎への建てかえに至りました。新校舎への地元からの強い要望はオール木造の2階建て校舎でしたが、消防法の規制などから準木造になったと聞いております。  木造にこだわるのは、新庄は昔から製材業が盛んな地域であったからです。今では、数社と寂しくなっておりますが、新庄といえば製材、多くの方が木にかかわってきた歴史があり、その木のまちであったことを後世に残したいとの思いもあるからです。  ア)地元の木材でつくる準木造の2階建て校舎を林業活性化の契機にということで、地元新庄愛郷会から3億円の寄附の予定があり、そのうちの6,000万円分は構造材に当たる木材を現物支給していただけることになり、地元業者が苦労して良質の紀州材を集めたと聞いております。  私も新校舎の建築委員会にかかわらせていただいているのですが、設計会社の説明会で、地元の思いから地元有志による紀州材の寄附があり、地元の業者が木を切り出し、地元の製材業者が製材し、地元の建設業者が地元の大工さんで建てることに意義があると説明してくれました。  参考資料に多目的ホールのイメージ図があると思いますが、天井の部分では16メートルほどのスパンになるのですが、特殊な工法や鉄骨材は使わず、地元の業者が在来工法で施工できるように、大学の教授にも協力いただいて設計したと説明していただきました。  建築に当たり、三重県亀山市の中学校、岐阜県高山市の小学校へ、木造校舎でしたが視察に行きました。それぞれのまちの特色を生かした校舎が建てられていて、多くの視察もあると聞きました。新庄小学校も完成すれば準木造校舎であることから、多くの方が視察に来ると思われるが、当地域の林業の活性化のためにも、完成前の施工段階からインターネットや市のホームページに写真やライブカメラで動画などを掲載し、色艶がよく年輪が詰み、素直な木質で強度もあると言われている紀州材のアピールを市内外にしてはどうか。  小項目の(2)に移ります。新設する市の建物を木造化に。  田辺市には2,000町の市有林があると思いますが、それらを生かすため、林業の活性化のためにも市の建物の木造化や木質化を進めてはどうか。昨今、切り出し業者も高齢化や低価格の相場が続くため、廃業する業者がふえていると聞いております。切り出す木はあっても、単価が安いため切り出す経費も出ず、山主への配当ができない。山主も配当がなければ木を切らない。切れないと業者は生活できないため、廃業するという悪循環になっております。木造は一般的なRC構造の建物よりも建築コストは高くなると思いますが、林業者の後継者不足、業者不足を補うため、当地域の林業の衰退を抑えるためにも市の建物の木造化を進めていただきたいのですが、市の見解を聞かせてください。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(吉田克己君)    橘 智史君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員御質問の林業の活性化についてお答えします。  新庄小学校は、議員から御紹介がございましたとおり、昭和42年に建築され、老朽化が進んでいることから耐震診断を行った結果、耐震基準を満たしていないことが判明したため、市としては耐震改修を行うことを検討しておりました。  このような中、新庄地域の方々から校舎新築についての強い要望が寄せられるとともに、新庄地域が大正のころから木材加工業が盛んで、文里湾とともに地域の主力産業として発展してきた歴史もあり、木材業界からも紀州材利用についての要望が寄せられました。さらには、地域の愛郷会から耐震改修に要する費用と木造による校舎建築に要する費用の差額分を御寄附により御負担いただくなど、地域の方々の多大なる御支援と御協力により地元紀州材をふんだんに使った新校舎を建築できることとなりました。  新庄小学校の校舎が完成したおりには、多くの視察の申し入れがあろうかと思われます。市といたしましては、この機会を千載一遇のチャンスと捉え、視察の申し入れがあれば積極的に受け入れを行うとともに、建築の経緯を記録した写真を市のホームページに掲載するなど、今回の取り組みを広く市内外に紹介する中で、紀州材のよさを積極的にアピールし、本市の林業の振興・活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、新設する市の建築物の木造化についてお答えします。  国は、木材の利用促進に向け、幅広い木材需要の拡大を図るため、平成22年10月に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を施行し、取り組みを進めています。  本法では、国の責務として、木材の利用促進に関する施策を総合的に策定し、実施するとともに、みずから率先してその整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならないとしています。  また、地方自治体の責務として、国の施策に準じて木材の利用促進に関する施策を策定し、及び実施するよう求めるとともに、その整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならないとしています。  これを受け、県においては、平成24年に和歌山県木材利用方針、また、本市においても、同年、田辺市木材利用方針を策定し、地域材の積極的な活用に努めているところです。  田辺市木材利用方針では、市が整備する公共建築物等にあっては、可能な限り県内の森林から産出され、県内で加工された木材で、合法性が証明されたものを使用すること。また、公共建築物を整備するもの、林業従事者、木材製造業者、木材の利用促進に努める設計者等と相互に連携し、紀州材の利用促進及び供給確保を図るよう努めることとしています。  このような方針のもと、公共建築物の木造化の推進に当たっては、まず市が整備する公共建築物のうち建築基準法等において耐火建築物とすること、または主要構造部を耐火構造とすることが求められていない低層の公共建築物においては、原則として木造化を図るものとしています。  逆に、耐火建築物または耐火構造とすることが求められる公共建築物であっても、木材の耐火性等に関する技術開発の推進や木造化に係るコスト面の課題解決の状況等を踏まえ、可能と判断されるものについては木造化を図るよう努めるものとしています。  また、木造化が困難な施設については、木造と他工法の混構造を検討するなど、可能な限り紀州材の使用について配慮することとしています。  次に、木質化の推進に当たっては、その整備する公共建築物について、中高層・低層にかかわらず、直接、または間接的に市民の目に触れる機会が多いと考えられる部分を中心に、内装等の木質化を推進することとしております。さらには公共建築物への木質家具等の導入や木質バイオマスの利用についても推進しているところです。  市といたしましては、新庄小学校はもとより、これまで東陽中学校、世界遺産熊野本宮館等の建設に当たり、積極的に木造化、木質化を進めてまいりました。また、市の施設に木質チップボイラー木質ペレットストーブを導入するなど、公共施設における木質バイオマスの利用にも取り組んできたところであります。  このように市が整備する公共建築物について、建築基準法等現行制度の範囲内において、可能な限り木造化、木質化を進め、木材の需要をふやす中で市有林の有効活用につなげてまいりたいと考えております。  また、今後整備される市の施設につきましても、田辺市木材利用方針に基づき、引き続き関係部署や建築事業者、地域と十分連携を図りながら紀州材のさらなる利用を推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(吉田克己君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    答弁、ありがとうございました。紀州材の積極的なアピールをしていただけると、市が整備する公共建築物については可能な限り木造化、木質化を図り、地域材の需要拡大に努めたいと答弁いただきました。建物の視察は、受け入れるだけではなく、商談会のように積極的に紀州材のよさをアピールしていただきたいと思います。  答弁の中に木質バイオマスの利用の推進とありますが、地元の林業者さんと話をする中で、本来木質チップやペレットは本材の副産物としてできるものであるのに、それが主になって切り出しやすい木をチップやペレットのために伐採し、本材が後回しになっていると年間の出材料の約16万立方メートルが確保できず、14万立方メートルぐらいしか出材できなくなっているとお聞きしました。  2000町の市有林を生かすために、市の建物を建てるときは市有林の木材を使うとか、新庄小学校のように木材料は市からの現物支給にするとか、どうでしょうか。山主が市になると、山主への配当がなくなるため、切り出しに係る経費だけで済み、コストの削減になると思います。今度のJR紀伊田辺駅舎の建設にも紀州材の現物支給なども働きかけていただきたいと思います。  田辺市木材利用方針では、可能な限り木造化や木質化を進める方針となっていますが、木造化、木質化に限るとなることを願いたいと思います。林業の活性化のためにも、地域の産業を支えるためにもぜひ、御検討をよろしくお願いします。  次の質問に入りたいと思います。  二つ目の質問は、また地元のことになりますが、新庄中学校新庄地震学についてです。  新庄地域は、宝永、安政、南海地震などでこれまでに幾度となく津波の被害を受けてきました。昭和35年のチリ津波では中学校の旧校舎が浸水などの被害を受けました。過去の地震や津波の経験に学び、防災意識を高め、将来に受け継いでいくために、2001年に新庄地震学の取り組みが始まりました。  (1)新庄地震学の評価について。  新庄地震学とは、学校における中学生の学習だけに終わることなく、学習成果を広く地域の方々と共有するとともに、近隣の小学校や高校と連携を深めるなど、防災意識の高い地域づくりを目指して行われてきました。  9教科と防災学習を関連づけた内容を考え、毎年3年生が週1時間各教科に分かれて活動しているのも新庄地震学の特徴です。毎年度のテーマを決め、国語の授業では防災標語やかるたの製作、数学と技術では三平方の定理を使った防災用のたこの製作、音楽と保健体育では、歌とダンスの防災教育に取り組み、秋の文化祭の地震学の発表会では、地域の方々との合同避難訓練の実施や作成した防災カレンダーや安否札を地域の方々に届ける活動も行っています。  文化祭当日は、漁港の婦人部の方々が、地震学の時間に作成したかまどベンチで炊き出しをしてくれています。文化祭の締めには餅まきもあり、取材に訪れていた新聞記者は防災教育の発表会があたかもお祭りのように世代を超えた地域のイベントとして定着していることにとても驚いたと記事に書いてくれていました。  10年間にわたって続けてきた活動が学校や地域で取り組むすぐれた防災教育を検証する平成26年度1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」で131校の応募の中からグランプリを受賞し、3月の仙台で開催されました国連防災世界会議併催イベントジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)でもグランプリをいただきました。市といたしまして、この新庄地震学がどのような位置づけにあるのか教えていただきたい。  (2)地域を巻き込む防災学習について。防災学習は学校だけではなく、家族も含め地域一体で学ばなければならないと思いますが、地域を巻き込んだ防災学習をしている取り組みや事例があれば教えていただきたいです。答弁、よろしくお願いします。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    議員御質問の1点目、新庄地震学の評価についてお答えいたします。  新庄地震学は、この取り組みは平成13年より行われており、ことしで15年目を迎える取り組みでございます。議員もおっしゃったとおり、毎年3年生が9教科のグループに分かれてそれぞれの防災に関連したテーマを決めて学習を行い、11月に発表会を行っているところであります。  この発表会には、小学校、新庄小学校、新庄第二小学校、新庄幼稚園、わんぱく保育所、地域の人たち、皆がおいでをいただいての発表会であります。この間、防災マップの立体模型やかまどベンチの作成、または地域の方々の避難対策としての安否札の作成と地域の方々への配布等、こういうことを行ってまいりました。  東日本大震災当日に、大津波警報が発令された際、市の指定避難所になっております新庄中学校への避難者は最大300人ぐらいとなりました。  避難所となった体育館では、中学生が中心となり畳敷き、毛布の配布、ストーブの設置など積極的な展開をいたしました。教育委員会といたしましては、このような中学生の主体的な行動は、新庄地震学の継続的な取り組みの成果であると認識をし、高く評価をしているところであります。  また、昨年度は新庄地震学の取り組みに対して二つの全国的な賞をいただきました。一つは、議員もおっしゃったとおりでありますが、兵庫県と毎日新聞社が主催するぼうさい甲子園においてグランプリを受賞しました。小中学校、高校、大学から131校が参加いたしましたが、その中でのグランプリでありました。  もう一つは、ジャパン・レジリエンス・アワード2015でのグランプリの受賞であります。このときには、総理婦人から新庄中学校へ直接電話をいただきました。ぜひ生徒を連れてきていただきたいと、こういうことでありました。こちらの賞は、各学校のみならず、企業も含めて全国から約200件のエントリーの中のグランプリでありました。このような全国的な賞をいただいたことは新庄中学校だけではなく、保護者や地域の方々、ひいては田辺市にとっても大変光栄なことで、現在、田辺市小中学校41校において各校1名から構成される防災教育担当者会を中心に、田辺市小中学校における防災教育の取り組みを進めてございます。  津波被害が想定される沿岸ブロック、洪水被害が想定される中山間ブロック土砂災害被害が想定される山間部ブロックと三つのブロックを構成して、防災教育の手引きを作成しているところであります。新庄地震学のような高いレベルの防災教育を目指し、これからも市内全小中学校において防災教育の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  続きまして、議員御質問の2点目、地域を巻き込む防災学習についてお答えいたします。東日本大震災及び平成23年に当地方を襲った台風12号被害を受けて、あの本宮中学校の生徒たちが展開をした非常にすばらしい展開であったわけでありますが、各学校においても防災教育に対する意識というのは非常に高くなったと認識してございます。  例えば田辺第三小学校、明洋中学校と連携した西部地域共有コミュニティの取り組みでは、西部地域から一人の犠牲者も出さないというスローガンを掲げて、防災に関する話し合いや防災避難訓練を実施してきました。小学生は自分の住んでいる地域のタウンウオッチングを行いました。自宅から避難所までの避難経路を実際に歩いて確かめ、その経路にある危険箇所や安全な場所、災害時に役立つものなどについて調べました。  その際には、保護者の方はもちろん各地区の自主防災担当者の方を中心とした地域の方々にも参加を呼びかけ、一緒に地区を歩いていただきました。避難訓練では中学生はもとまち保育所の園児の手を引いたり、また地域の方々やお年寄りに声をかけながら避難場所である天神グラウンドに上がりました。  田辺第二小学校、東陽中学校におきましては、校区内の保育所、幼稚園、看護専門学校及び町内会と連携した避難訓練を毎年実施してございます。沿岸部以外の山間部地域においても保育園、小学校、中学校が連携をした避難訓練を中辺路地域においても実施してございます。  防災教育は学校教育だけで行うものではなく、地域の御理解のもと両者が連携をした取り組みが大変重要なものとなります。今後とも各学校において地域と連携をした取り組みを強く進めてまいりたいと考えてございます。よろしくお願いいたします。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    答弁ありがとうございました。東日本大震災時に私も消防団として中学校に見にいきましたところ、中学生が畳を敷いてくれていまして、避難者の方は畳に座って、ストーブに当たり、避難を楽しんでいるような感じにも思いました。それもその子供たち、生徒らが地震学を取り入れてくれているからだと思います。グランプリ受賞後、学校への問い合わせや視察もたくさんあり、子供たちにはいい刺激になっていると報告いただいております。3月にぼうさい甲子園グランプリ受賞報告会が新庄公民館で開催されました。学校で開催しないのかと校長先生に聞いたところ地域とともにいただいたグランプリなので、絶対公民館で開催したいと回答いただきました。内閣府が作成している地域における防災教育の実践に関する手引きには、和歌山県田辺市、田辺市立新庄中学校の取り組みとして多くの事例が取り上げられていますので、また機会があれば目を通していただきたいと思います。  2点目の回答では、沿岸部だけでなく山間部地域でも連携した避難訓練や防災学習をしていると回答いただきました。地域の連携は田辺市が取り組んでいる学社融合そのものであると思います。多くの方にかかわっていただきたい。そして、災害時の犠牲者がゼロであってほしいと思います。  三つ目の質問に入ります。三つ目の質問は、紀の国わかやま国体・わかやま大会についてです。市内の小学校・中学校の児童・生徒の観戦についてです。  平成25年9月議会に児童・生徒の観戦についてというところで質問させていただきました。その当時の回答は児童・生徒のスポーツへの興味関心を高める絶好の機会であると捉えております。  国内最大のスポーツの祭典において、間近で選手のすばらしいプレーに接し、感動と興奮に胸躍る経験は子供たちのスポーツ活動や人間形成に大きな影響を与えるものと思われます。さらに、ふるさとを愛する心を育んだり、障害者に対する人権意識を高めるなど、さまざまな面において教育的効果が期待できると考えております。  教育活動の一環として、田辺市で行われる競技を応援、観戦したり、また児童生徒が個々に興味、関心のある競技を観戦したりできるよう教育委員会として前向きに検討し、柔軟に対応してまいりたいと考えておりますとの回答でした。  2年たち、大会は3カ月後に迫り、小学校では学校単位で1時間ほど見学にいくと聞きましたが、本当に見たい競技が見えないということはないのでしょうか。女子サッカー、女子バスケットボール、ハンドボールなど、土日開催をしていない競技もあるため、公休も含め学校外学習の位置づけとしてレポートなどの提出を条件に本物の競技の観戦をさせてあげたいのですが、いかがでしょうか。市の見解をお聞かせください。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    紀の国わかやま国体・わかやま大会における市内児童生徒の観戦につきましては、議員の御指摘のとおり各学校単位での観戦を計画してございます。  こうした取り組みは、子供たちがすぐれた競技を観戦することによって運動、スポーツに対する興味関心を高めるといった目的はもちろんでありますが、それ以外にも自分の住んでいる地域に対する郷土愛の醸成やさらには田辺市に来ていただいた全国の皆様方をともに温かくお迎えすることにより、児童生徒のおもてなしの心を育むといった大きな目的もございます。  大会期間中に市内全ての児童生徒が田辺市の競技会場に足を運び、その雰囲気を体感するとともに、競技観戦を通して、全国の方々を温かくお迎えするために、学校観戦を実施するものであります。田辺市開催競技に限り、また観戦時間も1時間と限られたものではありますが、学校観戦にどうか御理解を賜りたいと思います。  さて、議員御質問の平日競技の観戦についてでありますが、保護者の責任において引率をしていただくということが前提ではありますが、平日のみに開催される競技に対する観戦希望が出された場合には、それぞれの状況に応じて教育上有意義であるかどうかを学校、教育委員会で十分検討し、柔軟に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。  以上です。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    答弁ありがとうございました。和歌山県教育委員会からも児童生徒が参加する場合、応援等でも学校における教育活動の一環として取り扱うこととするとなっていると思います。国体は50年に一度の国の祭典です。答弁に平日にのみ開催される競技の観戦には、それぞれの状況に応じて教育上有意義であるかどうかを学校及び教育委員会で十分検討し、柔軟に対応してくれるとのことですが、教育上有意義とはどのような意味になるのでしょうか。その部分だけ再質問したいと思います。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    教育上有意義であるということはどういうことかということでございます。国体での一流の競技を観戦することによって、児童生徒が将来への夢や希望を持つこと、スポーツに対する興味関心を高めることは、児童生徒の成長や教育を考える上で大変有意義なことである。このように有意義については押さえてございます。  以上でございます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    橘 智史君。             (5番 橘 智史君 登壇) ○5番(橘 智史君)    ありがとうございます。今回、回答いただけた平日開催の競技観戦に柔軟に対応するということは教育委員会でとどめるのではなく、すぐにでも学校におろしていただき、児童生徒、保護者に周知していただきたいと思います。保護者側からの発信にならないように強く要望します。それ以外の競技においても、保護者の責任のもとでよいので、柔軟に対応していただきたいと思います。スポーツは子供たちにとって大変夢のあるものであり、人間形成や集団行動においても大変意義のあるものだと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  これで私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。             (5番 橘 智史君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、5番、橘 智史君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、午前10時45分まで休憩いたします。              (午前10時36分)          ―――――――――――――――――――
     再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午前10時46分) ○議長(吉田克己君)    続いて、1番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    1番、日本共産党、川﨑五一です。大変中身が多いので、早速質問に入ります。  市町村合併10年の総括と今後のまちづくりについてということで、今回は質問させていただきます。10年間の国を初めとした過疎対策の実効性を検証し、またそれをもとにこれからの田辺市のまちづくりのあり方について議論ができればと考えております。  まず1点目、合併後の10年間で地域はどのように変わったのか。幾つかの指標があると思いますが、まず人口の推移、田辺市の人口はどう推移しているか。また、その中身についてはどうか。年齢の分布や地域の偏重などについて、当局の認識をお聞かせください。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    1番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。  企画部長、松川靖弘君。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  人口の推移についてでありますが、田辺市の人口につきましては、住民基本台帳をベースに申し上げますと、平成17年合併時には8万5,667人でありましたが、10年を経過した平成27年5月末現在では、7万8,049人と7,618人、8.9%の減少となっております。  内訳といたしましては、旧田辺市で4,720人、6.7%の減少、龍神村は936人、20.9%、中辺路町は771人、20.5%、大塔地域は468人、14.0%、本宮町は723人、19.1%の減少となっており、特に龍神村と中辺路町においては2割以上の人口が減少している状況にあります。  この人口減少につきましては、旧5市町村の総人口をベースとして分析をする中で、合併前の平成9年から転出者数が転入者数を上回る人口の社会減が本格的に進むとともに、平成12年からは死亡者数が出生数を上回る人口の自然減が始まり、以後人口減少が続いている状況にあります。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    資料でお出ししております人口、これは平成17年については3月末ですので、合併前の数字で若干今の部長との誤差があるかと思います。その点は御了承ください。  この間、人口の減少にかかわって、増田寛也さんの増田レポートというのが出されました。その中で、消滅自治体論というのが出てきましたが、この中身は何かといいますと、20代、30代の出産可能な女性が2,040年までに半減するという試算が田辺市においても当てはまるということですが、人口以外の経済、産業など他の指標で見ると田辺市のこの10年間というのはどういった変化があったでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    産業部長、那須久男君。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    10年間の経済や産業など他の指標での推移についてお答えいたします。  まず、農林水産業の経営体数の推移ですが、総農家数は平成17年度当初では3,581戸に対して直近では3,369戸、漁業経営体数は172経営体に対して164経営体といずれも若干減少しております。林業経営体数につきましては、646経営体から764経営体と増加しておりますが、農林水産業全般では減少傾向にあります。  当市の農林水産業につきましては、農家や経営体の減少とともに、販売出荷額も減少傾向にあり、特に、梅は単価的にも大変厳しい状況が続いております。梅の振興対策といたしましては、平成18年度に梅振興室を設置し、同年度紀州梅の会において、梅の日を制定、紀州梅を全国に発信するとともに、JA紀南と組織する紀州田辺梅振興協議会においては、機能性の研究や紀州梅のPR活動に積極的に取り組んでおります。  また、林業と山村の振興につきましては、市町村合併により森林局を設置し、森林林業振興対策に積極的に取り組むとともに、山村振興対策では移住交流推進事業として、地域の担い手となる移住者の受け入れを行い、昨年度までの移住者は82世帯、157名にのぼっており、製炭業の担い手や山村地域で起業するなど、地域の活力につながっております。  次に、市内の卸売、小売業の状況ですが、事業所数につきましては、経済センサス活動調査によりますと、平成18年度で1,697事業所でありましたが、直近の調査結果では、1,522事業所と若干減少しております。市では、平成21年度から中心市街地活性化基本計画に基づき、中心市街地活性化支援事業費補助制度や中心市街地開業支援事業費補助制度等の活性化事業を実施し、また平成22年度には商店街コミュニティ機能強化支援事業費補助制度を創設し、にぎわいづくりなどのコミュニティー機能の強化に取り組んでおり、事業所数の減少に歯どめがかかるように努めているところであります。  次に、観光による入込客数につきましては、平成16年度に紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産登録されたこともあり、364万人でしたが、平成26年度では369万人と依然高い水準を維持しております。なお、このうちで外国人観光客の宿泊者数につきましては、平成26年度で1万1,000人と10年前に比べて約8倍の増加となっております。  これは合併後の平成18年度に官民協働の観光プロモーション団体である田辺市熊野ツーリズムビューローを設立し、国内外への積極的な観光PRに加え、パンフレット類の多言語化や外国人観光客対応などの受入地としてのレベルアップを進めてきた成果であると考えております。  以上でございます。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    ちょっとせかしたような感じで早口でありがとうございます。産業面に関しては、さまざまな取り組みが行われてきたと。その中で一定の成果のある部分もあり、またなかなか下げどまらない状況もあるということだったと思います。ここで私もこの間、こうした10年の検証を行うためにさまざまなデータをいただこうとしました。きょうお渡しした分の人口というのはホームページにも出ています。そして転入転出であるとか、出生・死亡というのは市全体の数値としては出るのですが、地域ごとには分類は行われていない。中辺路のことし生まれた人の数は何人ですかというと、その数字がない。健康増進課の保健師さんなら知っているかといえば、そちらでもない。それで死亡者数についても火葬件数を調べてもらうということでしかなかなか概要がつかみにくい。正確な数字がつかみにくということで、こうした検証を行うためにも、きちっとした地域ごとの数字というのがデータとして必要ではないかと思います。  旧町村を超えて、もう一つ下の区単位、町内会単位の集計はあるのですが、それを今度は行政局単位にすると生の数字を積み上げないといけないということで、やはりこうした数字をきちっと持っていないという時点でそこに対する具体的な手だてがとり得ないのではないかと思いました。  この中で、若干今後危惧しているのは、大塔地区の年齢分布に非常に危惧を持っています。というのは、大塔はこの数字で見ると、人口は維持しているのですが、合併前に公営住宅をたくさん建てましたから、その年代層というのは一定偏っています。それが今、どんどん上に上がってきているということで、小学校の数が恐らく激減する時期がくるであろう。こうしたものもやはり地区別で見ていくという検証が必要ではないかと思います。  2点目の過疎対策の検証についてですが、この間の過疎対策事業、市における過疎対策事業の概要について御説明をお願いします。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    過疎対策事業につきましては、主に過疎債や辺地債等を活用しながら取り組んでまいったわけでございますが、この中でまず平成17年度から平成26年度までの過疎債を活用した事業実績として、主なものを申し上げますと、交通通信体系の基盤として、旧町村地域の市道整備や林道整備、そしてケーブルテレビ網の整備に係る事業費約49億1,000万円に対し、約30億1,000万円の過疎債を発行しております。また、生活環境面では、簡易水道施設や消防施設の整備に係る事業費、約44億1,000万円に対し、約16億8,000万円の過疎債を発行しているほか、教育の振興においては小中学校の校舎整備やスクールバスの購入に係る事業費約4億9,000万円に対し、約2億6,000万円の発行額となっております。  さらに、平成22年の過疎法の一部改正により、いわゆるソフト事業の実施に係る経費についても過疎債の対象となったことから、これまで元気かい!集落応援プログラムや小中学校のスクールバス運行事業等に係る事業費約14億3,000万円に対して、約11億6,000万円の過疎債を発行しており、ハード、ソフトも合わせた全体事業費約18億5,000万円に対して、過疎債発行総額は約64億3,000万円となっております。  また、辺地債につきましては、主に辺地地域における林道や市道整備、簡易水道施設の整備に充てており、全体事業費約28億5,000万円に対し、約11億3,000万円の発行額となっております。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    国全体でも昭和45年に制度がつくられて以降で、約100兆円のこうした財政支出がされています。田辺市でお聞きしたところでも146億円、総額でかかっているということですが、実際にこの過疎対策はどれぐらいの効果があったと認識されているのでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    本市におきましては、先ほども申し上げましたが、有効な財源である過疎債等を活用してさまざまな過疎対策事業に取り組んできましたが、そうした中で先ほども申し上げましたように、ケーブルテレビ網の整備を初め、集落と集落、あるいは集落と公共施設を結ぶ市道や林道の整備が進むとともに、飲料水供給施設や消防施設の整備が図られたほか、元気かい!集落応援プログラムを通じてきめ細かな集落支援に取り組んできたことなどによりまして、一定の安心な暮らしを提供できているものと考えております。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    今るるおっしゃったのですが、過疎対策とはそもそも何を目的とした事業なのか。そしてまたなぜそうした事業が必要なのかということについてお聞かせください。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    過疎債や辺地債等の財政措置を含む一連の過疎対策が国の施策として整備された背景には昭和30年代以降の日本経済の高度成長を発端として、全国的に農山漁村を中心とする地方の人口が急激に大都市に流出したことが大きな社会問題として顕在化したことがありますが、そうした人口の過度な減少を防ぐとともに、地域社会の崩壊や自治体の財政破綻を防止することを目的として整備されてまいりました。  また、こうした地域では、少子高齢化による地域社会の活力低下や担い手不足等による農林水産業の停滞などといった課題も同時に抱えておりますが、一方では過疎地域は食料や水の供給、森林による地球温暖化の防止はもとより、都市住民への安らぎや教育を提供する場として、広域的な機能を有していることから、過疎問題を過疎地だけの問題だけでなく、全体の課題として捉え、都市と相互補完関係にある生活空間を維持するとともに、過疎地域がそれぞれの個性を発揮して、自立できる地域社会を構築することが重要であると位置づけられております。  そうした考えに基づき、本市におきましても各種の過疎対策事業に取り組んできたところでございます。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    さまざまな過疎地の広域的機能ということで、参議院の文書でも、そういう過疎についての定義ですとか、なぜそうしたことが必要かと。過疎対策がなぜ必要かということで今、企画部長のおっしゃったような中身が書いておられました。ただ、人口減少については、やはりそうした対策がこれだけの大きな規模で、100兆円規模で行われているにもかかわらず、やはり一極集中がとまらない産業構造そのものの仕組みがあると思うのですが、私は現状としては、過疎地の対策、インフラ整備も必要ですが、過疎化の対策、こうしたことにももっと具体的な手だてをとっていかなくてはならないと考えています。そこで、対策を打つ前に、なぜ人口が減り、過疎が進むのか。この原因についてはどのように認識されているでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    人口減少要因につきましては、田辺市のみならず、全国的な傾向である少子化により出生数が死亡数を下回る自然減と転入者数が転出者数を下回る社会減が挙げられますが、社会減の要因といたしましては、大学等の高等教育機関が地域内にないことで、就学のために若年層が都市部へ出ていかざるを得ないということや、求職者と求人とのミスマッチによって、働く場を地域外に求めていくこと。さらには働く場があっての居住環境等による転入へのちゅうちょなど、さまざまな要素が複合的に関係していると推測しているところでございます。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    最初の答弁で、社会減と自然減、この資料で見ると下のほうの資料がそれになるわけですが、左側の三角がずっとつながっているのはこれは社会減の数字です。合併当時は200人足らずの減少だったのが、この間、多い年になると500人を超えて減る年もある。やはり自然減については出生が減っている中で、死亡がふえているということで、毎年400人から500人近い減少が続いているという状況です。仕事がない、仕事が合わない。または大学がないのでどうしても大学、専門学校へ行こうとすると出ていかざるを得ないという状況があるということでした。  しかし、きのうの質問でも佐井議員がUターンのことを取り上げておられましたし、また帰ってきたいという人がいて、その状況をつくればいけるのかなと思うのですが、私は一つは過疎の背景にあるのは誇りの創出があるのではないか。これは先ほど言いました参議院の資料でも、この過疎対策というのは昭和45年に過疎地域対策緊急措置法に始まり、昭和55年に過疎地域振興特別措置法、そして平成2年に過疎地域活性化特別措置法、平成12年には過疎地域自立促進特別措置法と名前を変えて、ずっと継続されてきたのですが、平成2年の過疎地域活性化特別措置法のときに言われたのが、過疎地域住民の誇りや意欲が減退する心の過疎が問題となったと。田舎に住んでいることに誇りを持てない。こういう地方に住んでいることに誇りを持てないということに、一つのこうした過疎に拍車をかけているのではないかと考えます。  そこで、人口減少も見ていただいたら、平成17年の合併前の10年間というのは、1割に満たない減少だったのが、合併後の10年間は先ほど言われたように中辺路、龍神では2割を超える減少になっている。これはただ単に合併が主原因だという単純な断定はできない問題だと思います。年齢構造がそういうふうに上がっていって、そこの死亡者数がふえた。さまざまな理由はあると思うのですが、社会減に関する部分で議論したいと思うのですが、市町村合併というのは、まちづくりが非常に過疎対策の中で大きなウエートを占めると思いますが、まちづくりについてどのような影響を与えたと認識されているでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  合併により行財政体制が強化されたことによって、組織的かつ財政的に一定の対応ができることとなり、旧市町村単位において懸念であった生活基盤を初めとするさまざまな課題については解消されつつあるとともに、災害等の突発的な事案に対しても迅速かつ適切な対応が図られていると考えてございます。  また、当地域には、世界遺産に代表される古い歴史や文化、数多くの温泉や豊かな森林など、多くの個性豊かな資源や特色が存在しており、合併によりまちが大きくなったこと、一つになったことで役割分担を含めた地域連携を図りながら、戦略的な観光施策に取り組むことができたものと考えております。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    今、お聞きした中で余り住民の姿が見えてこないという感じがしました。まちづくりというのはそこに住む人たちが主体となって行っていくものですから、その時点での取り組みが観光施策であるというのは行政が考えているまちづくりなのかもしれませんが、ちょっと食い違いがあるのかなと思いまして、歴史や文化、世界遺産のあるまち田辺市ということですから、このように非常に財産がふえた、観光資源もふえたということですが、市町村合併というのはこうした郷土への愛着やアイデンティティーを高めるという契機になったのかどうか、その辺はどうお考えでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    議員の御質問にお答えいたします。  本市では、合併後の一体感を醸成し、それぞれの地域の方々に新田辺市についての共通理解を深めてもらうため、過疎集落と市街地の交流を促進し、各地域の活性化を図ることを目的としたむらとまちのふれあい交流事業を実施しており、また合併当初には児童生徒間の融和を目的とした学校間の交流事業にも取り組んでまいりました。  また、関係団体間の連携を図る中で、世界に向けた熊野全域の観光情報等を発信するため、田辺市熊野ツーリズムビューローを設立し、一体感のある観光施策にも取り組み、成果も上がっていると考えております。  さらに、各地域において選出された町内会長等で組織する田辺市自治会連絡協議会におきましても、地域間の連携も図る中で、安全で安心な地域づくり等に向け、取り組まれているところでございます。こうした中で、平成23年の台風12号災害では市内各地において甚大な被害を受けましたが、消防団を初め、地域の皆様や行政との連携によりいち早く対応できましたことは、一体感の醸成に努めてきたことが形となってあらわれたものであり、このことによって、さらにお互いの信頼のきずなが深まったと認識しているところであります。  しかしながら、郷土への愛着やアイデンティティーといったものにつきましては、個々の感じ方によるものであるため、状況を把握するには困難な部分があり、またそうしたことは長い年月を重ねて生み出されるものであると考えており、今後もさらなる一体感の醸成を市民の皆様とともに図っていく中で築いていければと考えております。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    合併当初から言われて10年間がたって、なかなか一体感が本当に醸成されてきたかと。確かに合併の効果と言われるようなところ、先ほど言われたようにインフラ整備であったりとか、そういうものもあったでしょうし、災害時の対応ですとか、一定の部分はあった。今言われたツーリズムビューローと言われる一体感というのは外から来る人と田辺市との一体感のある取り組み、今、市長が首をかしげるのですが、観光協会が一体化するといった受ける側の一体感なのか、御答弁いただいたらいいと思うのですが、田辺市民の郷土への愛着やアイデンティティーについて長い年月を必要とすると言われましたが、年月があってもなかなか物理的に難しいというものがあると私は思います。  昭和の合併の前の中辺路町でいえば、近野村、そして二川村、栗栖川村は当然、その村の存在を知っている子供たちはいないような昔のことですけれども、やはりそこの独特のもの、それはいい意味でも独特のものですし、何かするとちょっと一体にならない部分、こういうものがある。田辺市でも「旧牟婁町の人は」とか、こういう思い、言葉でも今でも聞くことからしても、年月だけによっては一体化しないというものも感じています。
     そして、この社会減の問題に関して言うと、子供たちが帰ってこない部分、確かに帰りたくても帰れないという部分もあるかと思いますが、そこへ帰ってくるんだ。絶対に僕はここでまた家庭をつくって、ここで一生過ごすのだという思いが弱いとなかなか帰ってくることになりにくいのではないかと思うのですが、そこで若干観点を変えて、こうした子供たちの価値観の部分で郷土への愛着というのは、どのように形成されていくか。この点について教育委員会に御答弁をお願いしたいと思います。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    議員御指摘の郷土への愛着を高める。その取り組みということでありますが、非常にこれは大切なものであると考えております。そのために、田辺市をそして自分たちが住む地域の歴史と文化をもっと知るための教育活動、つまりふるさと学習を各学校で進めているところであります。地域を通る熊野古道の歴史を学び、受け継ぎ、そして発信していく熊野古道語り部ジュニアの活動、熊野古道が通っていない学校についても、地域の歴史や文化、産業などを学習し、発信する地域語り部の活動に取り組んでおります。  地域の歴史や文化を学び、受け継ぎ、発信していく。そのような活動を経験することによって、子供たちは郷土、ふるさとへの誇りと愛着が生まれるものと考えております。また、その学習したことを紹介し合う場を設定することによって、自分たちの地域だけでなく、田辺市全体へとその意識は高まっていくのではなかろうかと考えております。  また、当地方の重要な産業である梅やミカンなどの地域の農産物への理解を深めるため、収穫体験や加工体験を行っており、さらに給食においても梅などの加工品を利用したメニューを提供するなど、地域食材の価値を認識できる取り組みも推進しているところであります。  さて、そのようなふるさと学習を進めるときに、欠くことができないのが学社融合活動であります。地域の歴史、文化、産業の学習について地域の人々から学び、そして児童生徒が地域へ出て発信をする。そのような活動を公民館、地域とともに行うことにより、地域を大切にするという共通の価値観が子供たちの中に醸成されるのです。  成長して大人になったとき、ふるさと田辺に住みたい。働きたいと感じる。もしそれがかなわない場合であっても、なつかしく、そして誇らしくふるさとを語れる。そんな児童生徒の姿を目指してこれからもふるさと学習を推し進めてまいりたいと考えております。  以上です。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    こうした価値観の形成にとって教育というのは非常に重要な役割を果たすというのはおっしゃるとおりだと思いますし、この学社融合がその一つの中で大きな核にもなるものだということについても同意するものなのですが、私は子供たちの価値観、一番大きな影響を与えるものは何かというと、私は大人の価値観ではないか。とりわけ一緒に暮らしている親の価値観というのは非常に大きく、色濃く子供たちに影響を与える。ですから、当然、大人たちがまちに愛着を持たなければならない。大人が子供の前でこのまちの悪口を言っているようでは、当然、こんな不便なところでどうのこうのという話で、やはり都会はいいなというものがにじみ出していれば、子供たちはそれを肌身で感じていくと。子供にそういう愛着を持ってもらうために親がこのまちを好きになることだと思います。  そしてそのためには、まず大人がこのまちに愛着を持つ。一体感についてさまざま言われたのですが、田辺市になって非常に広いですから、まだまだ全域行ったことがあるという人は、行政の人か議員さん以外ではそうそういないのではないかと。私は田辺市内がこんなに大きくなったから、端から端まで回るのが楽しみで仕方がないという人には余り出会ったことがないのです。温泉全て行ったよという人も少ない。そういった意味では、私は今後のプレミアム商品券もいいのですが、市が一定の補助をして、例えば市内の温泉、市民は年に1回は200円引きで入れる。もしくは200円で入れるということがあればもっとうれしいです。ですから、龍神温泉にも行ける、川湯温泉や湯峰温泉にも入れると。こういったものを広報紙につけてもらって、それを持っていけば優待される。  また、先ほどから梅というのは田辺市の大きな産業であるという話ですけれども、いい梅というのはなかなか田辺の人たちが年間を通じて食べているかというと、自分のところで漬けたりもらったり、梅にしてもミカンにしても買うものじゃないです。もらうものであったり、つくるものであって、東京の第一線で商品として、こちらの一番の武器としているものが市内の人に体感してもらえていないところがあるのではないか。ですから、こうしたいい梅なども例えば500円でちょっとしたもの、一家に一つは買えるとか、こういったものに対して市内での購買力、購買をふやしていく。消費をふやして、そして市民そのものがやはり、たなべ営業室の取り組みですとか、さまざまな外向けの取り組み、そういうふうにとられているというのは見えてくるのですが、本市の人口は8万人ぐらいいるのですが、市民皆が営業マンになるというのが非常に弱いのではないかと感じております。ぜひともこれについては、検討していただきたい。市民がうちの田辺市はこうだなと。愛着はそれぞれにはあると思います。  田辺市がテレビに出るよといったら自分の住んでいる地域でなくても、田辺市といっても本宮も田辺市だったなと思う人もいるでしょうし、田辺市の湊が出ても当然奥のほうには海はないですけれども、田辺市が出ているなと思いますから、そういった取り組みもぜひとも御検討いただけたらと思います。  そういうことで御答弁いただけたらと思います。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    合併後の一体感の醸成が十分ではないという御指摘は甘んじて受けざるを得ないと思います。それだけ田辺市の合併というのは広域にわたる合併ですので。ただしかし、10周年記念式典でもそういうのを目指すために、田辺のイメージ曲をつくったり、そして子供たちを主体にああいう式典にしたり、それからキャッチフレーズを市民投票させていただいたのですが、この投票率がどうかというのはいろいろ議論がありますが、全国同じようにイメージ、キャッチフレーズ案を投票したまちと比べると、断トツに田辺市は高い数字が出ています。  そういうことで、一定のそういう醸成を図りつつあるという表現をしているわけで、これが10年で全て完結できるかというのは、それはなかなかそうはいかないという御指摘だと考えています。そういう意味で、長い年月がかかると。こういうことです。中学生と交流する機会も多いですが、中学生に合併の話をしても、ほとんどの中学生が理解をしています。そして、田辺らしいまちとはどういうまちかという質問には、全然違う答えが返ってくるわけではありません。その辺を何とか一つのまちとして、皆で共有できるというところを今、努力をしているということで御理解いただきたい。  それと、時間がないので申しわけないのですが、合併の効果とか、過疎の原因はそういうことはるる御質問の中で御意見が述べられていますが、少し数字も違った点から見ていただけたらというので申し上げたいのですが、議員の質問は、特に10年間に限っての減少率を数字に上げられていますが、過疎というのは実は昭和30年代から始まっています。30年からの推移というのを見て、そしてその中で今現在どうあるかというところを見ないと、この10年間だけの議論ではいかがかなと思います。  ここに中辺路町の数字があるのですが、昭和30年の中辺路町の人口は8,213人です。私はその当時に生まれましたので、8,000町民というのを記憶したことを今でも覚えています。その後昭和35年から45年の10年間で2,500人減少しているのです。確かにこの8,200人が今3,000人を切ろうということで、大きな減少だと言いますけれども、この減少の一番大きな原因は、昭和30年から現在までの60年間の前半30年、これに集中してしかも昭和35年から45年の10年間に大きく2,500人もの人口が減っている。これが過疎対策を何とかしようということを国が先導した原因になっているわけです。そういうことで、昭和35年からの人口推移を傍線で引いていくと、平成7年で中辺路町の人口はゼロになります。それの危機感が過疎対策になっていたんだと理解をするわけですが、その効果があったかどうかというのは、本当に難しい問題で、ここで昭和45年から現在までの約50年間の減少人口というのは、特に昭和50年を軸にしますと1,846人なんです。逆に言えばこの40年間で2,000人弱しか減っていない。これはそれだけしか減っていないからいいという問題で言っているのではなくて、その以前の10年間に2,500人、その中のさっきの増田さんの話を言われていましたが、20代、30代の女性がここにとどまって、そして表現はどうかとしてもう一度子供を産むということの計算上からすれば、平成7年で消滅自治体になっていたわけです。これは数字上です。それが昭和40年以降、50年以降、この数字にとどまっているのかは別として、人口の減少は緩やかになっており、その後の10年間は全て400人台を維持している。400人台でとどまっている。ただしかし、御指摘のとおり子供が少ないというのは本当に悩ましい問題で、これは人口減少の中に少子化対策という難しい課題がもう一方である。そうすると生産年齢人口が減っていく。いわゆる子供を産める女性の数が減っていく。ここに次の人口の減少というのが大きく懸念されているというのが現在のことで、これを過疎対策として成功だったのか、失敗だったのか。合併したから10年で人口がそれ以前の人口よりも減った。こういう短絡的な、特に短期的な数字だけで議論するのはなかなか過疎対策の場合はどうかと思っています。  そういうことで、できるだけ人口減少に歯どめをかけながら、何とか交流人口をふやす中で、地域の活性化を目指すために皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っています。  以上です。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    久しぶりに市長の御答弁をいただいた気がします。  長期的な数字で今おっしゃいました。そして、この10年間だけを取り上げてというのは、余り正確ではないと。確かにこれはあります。ただ、もう一方で私はこの過疎対策に関して言えば、それぞれの行政局、今の行政局には過疎対策の核がありました。それぞれのまちをどうするかという中心的にそのまちだけのことを考える役場があったわけですが、合併後、この核を失ったと。過疎対策の拠点4カ所を行政局というところは失ったというふうに考えるわけです。そして、合併後の自立自治のまちづくりということで考えても、地域審議会というのが10年間存続されて、地域審議会というのは基本的には市長の諮問機関であるわけですが、さまざま限定的ではありましたが、地域の問題を協議する。行政局管内、それぞれから集まって、さまざまな人が集まってもらって、受け皿となっていたと思うのですが、今後、こうした地域審議会もなくなるという中で、地域内の自治やその確立ですとか、こうした地域独特の問題を協議する、議論していくというのはどのように保障されていくとお考えでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    打ち合わせになくて本当に申しわけないのですが、先ほど来の御質問の中で、何か言うことがあれば後で言ってもらってもというような発言もございましたので、私としてはもう少し違った見方もあるのではないかという答弁をさせていただいたということで御理解いただきたいと思います。  今後の各旧町村の自治の拠点は行政局です。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    いつもいろんなアクシデントがあります。行政局だということで御答弁いただきました。先ほどの教育長の御答弁の中でもこうした学社融合等、地域のまちづくりについては公民館が中心になっていくという話だったのですが、この推進体制についてですが、行政局、公民館というのはこうした非常に大きな役割を担っているということですが、この目標にふさわしい体制になっているのか。人的配置も含めて、そういう位置づけだということで人事を行っておられるのかどうか、お聞かせいただきたい。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    総務部長、田上豊和君。            (総務部長 田上豊和君 登壇) ○総務部長(田上豊和君)    議員の御質問にお答えいたします。  行政局につきましては、合併時に行政の効率化と新市の一体性を損なわないために、業務の主幹部局を本庁に集約し、旧4町村には地域住民の利便性や地域の活性化等を考慮して、行政局を配置したもので、地域住民に密接した基本的な窓口サービス、それから地域住民の相談窓口や地域の特色あるまちづくりを行っているところでございます。  また、市の職員配置につきましては、定員の適正化等により、職員数は減少しながらも、基本的には事務量等について十分精査しながら、社会経済情勢等の変化に対応し、新たな行政課題や住民ニーズへの対応など、市全体の事務や施策のバランスを考慮しながら行っているところでございます。行政局におきましても、職員数は減少しているものの、住民サービスを維持しながら適正な人員配置に努め、本庁の関係部署と連携強化を図ることで、各行政局の課題にも対応しているところでございます。            (総務部長 田上豊和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    それこそ人事権というのは、当局の専権事項だと思うのですが、ここでも何度か取り上げました教育事務所長というのは地域にとっては公民館長を兼務することになっています。公民館長は、市内では町内会からの推薦を受けて選ぶということになっているのですが、行政局、教育事務所の公民館長というのは人事の中で決まってくる。まして地域を知らない人が配属されるということも多々ある。また、退職された方が嘱託となってそこにつく。常勤職員でない方がつくと、こういう点。それから、行政局長に関しても、地元の方が帰ってきて、最後の1年、2年、そのポストにつかれるというのは地元の方も喜ばれます。合併当初は行政局長というのは、町長と同じようなものだという意識もありましたから、そこへ最後、ふるさとに錦を飾ったなということを言われる方もありましたし、そういう意味では、そういう人事は構わないのですが、退職前の2年間、全く地域を知らない方がそこへ来るという形で、地域になじんだころにまた終わってしまう。行政局で、地域のことを知ってもらって、本庁へ戻っていただいて、そこでまたその後のパイプになるということでしたら、私はさまざまな効果もあるのかなと思うのですが、現状について見ると、なかなかそういう配置に見えない。本当にまちづくりというのは、コミュニケーションが成り立たないとまずできません。それぞれ地域の核となってもらう人たちの顔と名前が一致するのに1年ぐらいかかる。最後の1年でものにできるかというと非常に難しいのではないか。  こうしたものについては、もう少し見直しをしていただきたいと思います。これについては答弁は求めません。  時間がどんどん押してくるので、4番のU・Iターンの受け入れについて話を進めてまいります。  受け入れの必要性ということについて書かせていただいたのですが、人口がこれだけ減少してくると、Uターン、Iターンというのは集落を一定維持するためには、ここに頼らざるを得ないのではないかと考えております。簡潔に答弁を。その次も時間がないので、あわせて聞かせていただきたいのですが。こうした人たちが必要ではないかということと、今転入の人たちも一定数ありますよね。2,000人を超えた。こういう人たちが一定この田辺市域に何を求めて、求めるものがないということで出ていく人もあるけれども、来られる方々は何を求めてこちらへ転入されてきているとお考えでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    森林局長、鈴木徳久君。            (森林局長 鈴木徳久君 登壇) ○森林局長(鈴木徳久君)    U・Iターン者の受け入れの必要性についてお答えします。  本市では、過疎化・高齢化が進む山村地域において、地域の維持、活性化を図ろうと、平成19年度より元気かい!集落応援プログラムによる集落支援を展開してきており、その中で第一次産業を核とした定住や移住促進に取り組んでまいりました。また、今年度におきましては、地方創生先行型の地域支援交付金を活用し、移住者が居住する空き家改修に対する補助金を最大80万円まで拡充しております。また、移住者の企業支援として、最大50万円を交付する補助制度の創設を行うなど、受け入れの強化を図っているところです。  こうした中、平成19年度から現在までの移住実績は86世帯、163人に上っておりますが、移住者が活性化に寄与している事例も出てまいりました。その例として、まず中辺路町、近野地域では、U・Iターン者が地域づくりの中心となり、国の過疎集落等自立再生対策事業費補助金を獲得し、移住者を積極的に誘致していくことを主体とした事業を昨年度実施しております。  また、秋津川地域では主にIターン者が新たな製炭業の担い手となっています。さらに本宮町内では、ジビエの活用に携わったりしております。そういったことで地域の維持活性化に大いに貢献していただいている。加えて移住者の多くは住んでいる地域や携わっている仕事について価値や誇りを見出しており、地元住民には当たり前過ぎてわからなかった地域のよさなど、移住者により気づかされるということもあるようです。このような効果も出てきていることから、今後も移住者を積極的に受け入れていくよう努めてまいります。  次に、U・Iターン者が移住する際に、何を求めているかということですが、年齢や性別、また家族構成によりさまざまで一概に言えないところですが、基本的に都会にはない環境を求めているということがまず挙げられます。  特に、最近では30代から40代の子育て世代の移住希望者がふえてきており、そういった年代についてはやはり自然環境が豊かなところで子育てしたいというニーズが一番多くなってきています。  次に、住居や就労の場があることを求めていますが、田舎暮らしをするのだからということで、農業や家庭菜園ができる土地を求める方も多くいらっしゃいます。そういう中、温暖な気候で原風景が残る農山村地域が多くある一方で、商業施設や文化施設、総合病院など生活に便利な投資的機能を有している田辺市は、移住先候補に選んでいただきやすいところであるともいえます。  以上です。            (森林局長 鈴木徳久君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    私自身も20年前にこちらのほうに来たのですけれども、今言われたように農業をしたい、こんな地域で子供を育ててみたいという思いでした。最初からその地域の役に立とうと思ってもなかなかそうはいかないですよね。一般的には。生活した中でやはりますますその地域が好きになって、この地域の役に立ちたいということで、今言われたような近野の例であったりとか、こういう取り組みになっていくのかなと。もともとは愛着というものはない地域ですから、全くのIターンの人たちにとっては全く新天地ですけれども、そういった中で地域の人に触れ、地域を誰よりも好きになっていくということがあるのかなと思うのです。  そして、求められているのは農的な暮らしであり、経済ではなくて心の豊かさを求めて移住される方が多いということですが、そんな方たちを中心に私は産業、とりわけ農林業を核にしたまちづくり、こうした発信が有効ではないかと思うのですが、近年こうしたもののさまざまな制度面が充実してきていると思うのです。これを御紹介いただこうと思ったのですけれども、さまざまお聞きすると時間が足りなくなりますので、新規就農の件に関しても、僕が来た20年前というのは就農準備資金というのがありました。これは150万円の無償貸与ですが、据え置き8年ぐらいで毎年10万円ずつ返さなければならない。僕もまだあと30万円ぐらい残っており、返していっているのですが、今の人は新規就農になると、年間150万円もらえるということですから、そういうことで制度的にも充実してきて、そういった方たちを後押しする状況になってきています。  そこで、質問させていただきたいのですが、来ている人たちも無農薬の農業をしたい。安全な農産物をつくりたいということです。時代もこうした有機農産物や無農薬栽培での農産物に対する評価が非常に高くなってきているということで、有機の里というような形のエリアを設定して、そこに若い人たちに就農してもらうということで発信してはどうかと思うのですが、これについてはいかがでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    産業部長。            (産業部長 那須久男君 登壇) ○産業部長(那須久男君)    有機の里に関してですが、エリアを指定しまして、発信すべきではという点についてですが、エリア指定が可能であれば大変有効な方法であると考えております。集落内の貸し借りの状況ですとか、遊休農地の発生状況、農業者の農法の状況等、情報収集しながら研究をしてまいりたいと考えております。  以上です。            (産業部長 那須久男君 降壇) ○議長(吉田克己君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    Iターンを呼ぶときには非常に有効かなと。そして、田辺市はこれまでの取り組みの中でマスコミ等からも非常に注目を浴びていると。これは一つの成果だというふうに思います。ですからこういった中でこうしたアドバルーンを一つ上げれば、非常にマスコミも取り上げてくれるのではないかと思いますから、ぜひともこういったことも検討していただきたいと思います。  そして、先ほどの過疎債の話のところでも出てきました。元気かい!集落応援プログラム、これは集落再生という本にも取り上げられていて、田辺市の取り組みということで、田辺市の取り組みを紹介しようと小田切徳美さんが取材して書かれています。中でもこの元気かい!集落の中で注目されるのは声かけ活動だということです。  ただこの当時は、大塔行政局の職員が二人組で出ていった。これが今集落支援員に移っているかと思うのですが、やはり私はできれば常勤職員がしっかりと地域へ出ていっていただきたい。さきの公共交通の議論のときにも、やはり公共交通を起ち上げるに当たっても、コンサルではなくて職員が地域の声を拾ってきてほしい。来てくれるだけで本当に喜びます。自分たちは気にかけてもらっているということで安心しますから、そういった取り組みをぜひともまちづくりの中でしていただきたいと思います。  今回の質問は、10年間の検証ということでしたが、これは全国的な例ですけれども、大規模合併をした自治体の周辺部では、やはり極端な人口減少と過疎化が進行しています。これはやはりそこに核がなくなるという話をしましたが、その一方で合併を選択しなかった小規模自治体というのは人口を維持する取り組みが進んでいます。  自分たちの地域を何とか維持しようという思い、それと対応する行政区域の存在、自治権がそこに存在するからだと思います。過疎に拍車をかけてきたそもそもの過疎対策というのは、均衡ある国土の発展という格差是正ということでしたが、これは小泉構造改革によって格差が拡大していく中で、これにもまたどんどん過疎が進むという状況が生まれました。  そして、非正規雇用の拡大で不安定かつ低賃金の労働者をふやしてきたこと。これが結婚できない状況をふやしてきた。賃金がもろに既婚率を反映しているということはそうです。そういった状況によって、大きなところでは、単一の自治体ではどうしようもない少子化が進んでいる。これは国のこうしたベースがあるからだと考えます。  大企業の国際競争力をつけるという大義名分のもとで、こうした労働者の環境が切り捨てられてきました。この20年間で雇用者所得が減っているというのは先進国では日本だけです。諸外国では1.5倍から2倍にふえているけれども、日本は所得、賃金が減っています。そして教育負担の増大や子育ての民営化が進んで出産を思いとどまらざるを得ない状況がある。税制面でも大企業を優遇して、中小零細企業・業者の経営が圧迫されてきた。そしてまた、消費税というのは、地方の経済を破壊する最悪の税金だと考えています。  地方の経済と雇用を破壊してきた張本人はそもそも自民党政権であり、さらにTPPによって日本の産業と農山村に壊滅的な打撃を与えようとしています。真に地方からの回復というのであれば、消費税を廃止し、国内の産業を守るべきです。先ほどの陸平議員の質問でもありましたが、やはり農業、林業が業として成り立てば、過疎対策というのは特段必要ではなくなるのではないかと考えます。地方創生も地方こそ回復の主役と言いながら地方拠点都市などと地方の中でさらなる格差拡大を図る政策も提案されております。これは今後の道州制への意向を展望したものにほかならないものであり、全面的に評価できるものではありませんが、利用できるところは利用して、やはりこの地域を何とか活性化していきたいという思いで頑張る決意を申し上げ質問を終わります。ありがとうございました。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、1番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。              (午前11時47分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 安達克典君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時00分) ○議長(副議長 安達克典君)    続いて、4番、北田健治君の登壇を許可いたします。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    皆さん、こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、今回は大項目2点にわたり、一問一答方式で一般質問を行います。  まず、大項目1として、空家等対策の推進に関する特別措置法についてお伺いいたします。皆さんも御承知のとおり、この特措法は昨年11月に成立し、2月26日一部施行、5月26日に全面施行されました。
     特措法が制定された背景には、高齢化や過疎化など地域における人口減少が進み、既存住宅の老朽化、社会的ニーズ及び産業構造の変化により居住その他の使用がなされていない住宅、敷地が急激に増加し、それらが地域における安全性の低下や衛生の悪化並びに景観の支障等、周辺住民の生活に悪影響を及ぼしているという現状があります。  平成25年に総務省が実施した住宅土地統計調査によりますと、総住宅数は全国の総世帯数5,246万世帯に対して、6,063万戸あり、その13.5%に当たる820万戸が空き家と推測されております。実に20年前の1.8倍の数字となっており、今後も住宅の除去、減築が進まない場合、2023年には空き家数1,397万戸、率にして21%にまで増加するとの予測がされているところであります。  和歌山県に至っては、空き家率が山梨・長野両県に次いで3番目に高い18.1%であり、非常に深刻な状況となっています。  このような現状を踏まえ、本県は2012年に都道府県では初めての景観支障防止条例、いわゆる空き家条例を施行いたしました。この景観支障防止条例では、景観の保全を理由に住民の要請を受けて知事が廃墟化した空き家の所有者に改修や撤去を命令し、従わない場合、行政代執行も可能とされております。  このような条例を制定した400余りの自治体においては、一定の成果が得られたとされる一方、空き家がもたらす問題が多岐にわたることや所有者の特定が困難であると網羅できない課題も多く、抜本的な解決に至っていない状況にありました。  そのような中、自治体が対応を行いやすくするために、国が法的根拠を提示し、支援姿勢を明確にしたものが空き家対策特措法であります。  その基本指針には、所有者等に第一義的な管理責任があることを前提としながらも、市町村による空き家対策実施の重要性がうたわれております。  その市町村の役割としては、空き家対策の組織整備や国の基本指針に即した空き家等対策計画の作成及び必要な措置の実施等が示されています。また、市町村長の権限として、空き家等への立入調査や所有者等を把握するための固定資産税情報の内部利用を可能としました。  そして、それらをもとに、特定空き家を指定するとともに、その所有者に対して除却、修繕、立木竹の伐採等の指導・勧告並びに命令をし、従わない場合は50万円以下の過料に処すことや行政代執行を行うこともできます。  加えて、平成27年度税制改正大綱においても特定空き家の状態が改善されなければ、その敷地については固定資産税の住宅用地特例措置対象から除外でき、仮に小規模住宅用地であれば税額がこれまでの6倍となるわけであります。  これまで自治体は、適切な管理がされず周辺住民の生命・財産、もっと言えば地域の価値を下げかねない空き家に対し、法的根拠のないことや固定資産税の優遇措置等を鑑み、その対策に踏み出しにくかったわけであります。  しかし、この空き家対策特措法の施行及び税制改正により、自治体は法的根拠と大きな権限を得る一方、空き家の所有者自身はその管理について意識を変えざるを得ない状況になりました。  つまり、当局は喫緊の課題である空き家対策に、より積極的な関与が可能となったわけでありますので、私は本市においてもようやく本腰を入れて取り組める環境に大きく前進したと認識をいたしております。また、これからの対応に期待もしているところであります。  そこで、小項目1として、この空き家問題並びに空き家対策特措法の認識について、また本法は、基本的な方針や跡地利用の促進等を定めた空家等対策計画の作成など2月26日に一部施行されておりますが、現在の取り組み状況についてあわせてお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    4番、北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。  建設部長、林 誠一君。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の空家等対策の推進に係る特別措置法に係る認識と取り組み状況についてお答えします。  議員御指摘のとおり、空き家等の問題は全国的に大きな問題となっているところであります。田辺市におきましても、特措法が全面施行されてからは、市への空き家等に関する問い合わせが増加しているのが現状で、これらの中でも特に適正な管理が行われていない空き家等については、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に悪影響を及ぼし、今回の特措法において、空き家等に対する権限が与えられ、必要な措置がとれるようになったことを認識しているところでございます。  現在の対応といたしましては、平成27年2月26日の特措法の一部施行に伴い、法第10条に規定される空き家等の所有者の納税義務者の固定資産税情報を得て、お願い文書を郵送したり直接連絡をとるなどの対応をしております。  また、平成27年5月26日に所有者等に対する基本的な手続の内容等を盛り込んだ市町村向けの特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針が示され、特措法が完全施行となりました。  今後、市といたしましても空き家等の実態把握や対策計画策定に向け、庁内関係部局による空家等対策連絡委員会を7月に開催し、早急に特措法に基づく空家等対策に積極的に取り組んでまいりますので御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。現段階においては、固定資産税情報を利用し、空き家所有者に対し適正な管理のお願いをし、また7月において空家等対策連絡委員会を開き、計画の策定に向け取り組まれるという答弁でありました。  県の景観支障防止条例は住民による要請があった上での措置であり、強いて言えば受動的な対策であったのが、今回の空家対策特措法については、空家等対策計画の作成やこれに基づく空家等に関する対策の実施等、自治体によって能動的に取り組んでいくものである。  自治体によって、能動的に取り組んでいくものであるというふうに解釈しております。今回、自治体に強力な権限が与えられたということは同時に大きな責任が発生するものであると考えておりますので、より積極的かつ迅速な対応をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  特定空き家の指定についてであります。  その基準については、空家対策特別措置法第2条2項で、次の4点が挙げられています。倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれがある状態、適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態。  また、それに加えて地域の実情に応じ、年間を通して使用実績がないことや周辺へ悪影響を及ぼす程度等を加味し、市町村が総合的に判断し、指定するものとされております。  先ほども申し上げたとおり、全国的にもそうですが、現在の本市においても人口減による住宅供給過多の状況となっており、その上、空き家の所有者が管理の煩わしさや固定資産税の優遇措置等を理由に、それを放置し、地域や周辺住民に迷惑をかけている。いわゆる特定空家に該当する物件が多くあり、実際、私自身もそれらの対応について幾つかの相談を受けております。  特定空家の指定は、今回自治体に与えられた大きな権限の一つであり、周辺住民の安全、安心を確保するための第一歩であります。またそれは空き家を取り壊すという観点だけでなく、その物件の維持管理やリノベーションなどの活用に所有者みずからが関心を持つ契機ともなり、ひいてはそのこと自体が空き店舗対策やまちづくりにも大きくつながるのではないかと思っております。  この特定空家の指定については、一律の基準ではかれないものだけに、作業の難航が容易に推測されるものの、やはり市の責務としてより積極的な姿勢をとるべきであると考えます。  そこで、小項目2として、特定空家指定に対し当局の考えをお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    建設部長。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の特定空家等の指定についてお答えいたします。  平成27年5月26日に国より示されたガイドラインにより特定空家等の参考となる基準が明らかとなりました。市としましては、このガイドラインを特定空家等の状況を判断する目安として活用していく方針です。  しかしながら、状況については、現地調査等を通じて、ガイドラインに即して判断ができますが、特定空家等と認める意思決定においては、国は市町村にその権限を託しております。  議員御存じのとおり、特定空家等と認められた場合、特措法第14条に規定する命令等の不利益処分を相手方に課すことができます。そのため、同条による行政処分に対しては、行政不服審査法や行政事件訴訟法等の対象となることも考えられます。  空き家問題については、一刻も早い対応が迫られている事案であることを承知しております。しかし、以上のような問題点が存する現時点としては、特定空家等と認めるに至る決定過程の検討がまず必要と考えております。  先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、現在、庁内において空き家問題の連絡委員会を起ち上げ、その委員会の中でもこの問題について討議し、市として特定空家等の決定に係るフローを決めてまいります。  なお、この決定に際する手続方法を市として機関決定した場合には、種々の事案につき法に基づいて積極的に特定空家等の指定、並びにその後の措置につき対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    この特定空家の指定は、本特措法における核心部分であると認識しております。法第7条に規定されています協議会の設置も視野に入れながら早急にその認定に係る体制の整備及び業務フローを策定し、特定空家の指定に積極的な姿勢で取り組んでいただきたいと思います。  次の質問に移ります。行政代執行についてであります。  行政代執行とは、国や地方公共団体などの行政機関が、行政的な義務を果たさない人たちのかわりに、行政機関が撤去、排除などを行う強制的な行動のことですが、これまでの各自治体が制定していた空き家条例においては、不履行を放置することが著しく公益に反すると認められなかったことや、所有者不明の場合に対応ができないという理由で、行政代執行の事例は少なかったようであります。  そういった中、今回の空家対策特別措置法においては、特定空家等を放置することは著しく公益に反すると解され、その上で除去の命令に従わず、その措置を履行しないとき、あるいは履行しても十分でないときは、行政代執行法の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、または第三者をしてこれをさせることができると要件が明確化され、所有者が不明の場合であってもあらかじめ報告することで行政代執行を行うことが可能となりました。  そこで小項目3として、行政代執行に対する当局の考えについてお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(吉田克己君)    建設部長。            (建設部長 林 誠一君 登壇) ○建設部長(林 誠一君)    議員御質問の行政代執行についてお答えいたします。  議員も御存じのとおり、特定空家等と認められた場合、その所有者等に対して特措法第14条第1項に基づく助言、指導、同条第2項に基づく勧告、同条第3項に基づく命令、同条第9項に基づく行政代執行を段階を経て行うことができるとされております。  ここで特措法が意図しているのは、同法第3条にうたわれているとおり、空家等の管理の責任、義務は一義的には所有者等にあるという観点から、所有者等の自発的取り組みを促すため、法第14条の措置に段階を設けている点でございます。国はこの段階を経ずに、行った同法に基づく処分は無効という見解を示しているため、所有者等が特定されている場合は、市としましては、そのものに対して粘り強く対応してもらうよう働きかけ、行政代執行はその取り組みの最終的手段であると考えております。  一方で、所有者等が特定されない確知できない場合にも、法第14条第10項において、代執行ができる、いわゆる略式代執行が規定されております。  このような所有者不明の放置空き家に対して特措法において代執行をする権限が市に付与されたところでありますが、国の質疑、回答において示されているのは、その代執行に係る費用の原資は国が財政負担することなく、市町村にて負担するとの回答であります。  特措法第15条において、国県は財政上の措置を講ずることとうたわれているところでありますが、現時点での財政支援の措置は示されておりません。議員御指摘のとおり、著しく公益に反すると解される所有者等不明の特定空家等については、代執行も視野に入れるべきことと考えておりますが、財政上の問題点等、クリアしなければならないことが多々あり、今後、検討してまいります。  いずれにいたしましても、今後、国県並びに各自治体の動向を見ながら、今後の施策に反映させていきたいと考えておりますので御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (建設部長 林 誠一君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。私は周辺住民に迷惑をかけ、かつ安全・安心な暮らしを脅かす空き家において適切な措置を行った上、義務の履行の確保が困難な場合には、行政代執行を行うこと、またそれに伴う財源の確保はやむを得ない状況であると考えております。  万が一特定空家等の倒壊などにより、第三者が損害を受けた場合、行政が著しく公益に反する危険な状態であるということを把握していたにもかかわらず、法に基づく権限を行使しなかったとして国家賠償法による賠償責任を問われる場合があるとも言われております。  本市において、空き家は今後も増加することが予測されますので、ぜひ空家等対策特措法及び県の景観支障防止条例を有効的に活用し、対応をお願いいたします。  それでは、次の項に移ります。  本年3月、平成19年度に策定した田辺市公民館将来構想が約7年ぶりに改定されました。公民館とは、社会教育法第20条にある市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的として設置され、その役割は「つどう」「まなぶ」「むすぶ」という言葉であらわされるように、地域住民が出会い、学びや事業を通じて地域の現状を共有し、その課題の解決や新たな価値の創造及び人材育成によって地域力向上につなげるための拠点であります。  しかし、近年、地域意識は急速に進む社会構造及びライフスタイルの変化による価値観の多様化などから、大きく変容し、さらに少子高齢化が進展する中、地域社会での人間関係や連帯感が希薄化するとともに、地域コミュニティーが衰退している状況であります。  現に、「つどう」「まなぶ」「むすぶ」ことが基本的な役割である公民館の数は平成11年の1万8,200館から平成23年の12年間で約3,500館減少し、1万4,700館となり、まさに斜陽の時代を迎えているのではないかと感じています。ちなみに、本市においては、中央公民館1館、地区公民館20館、分館18館の計39館を設置しております。  そのような状況下、本年改定された公民館将来構想では、公民館活動を通じて本市のまちづくりの基本理念である一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりの実現を目指し、これからの公民館が果たすべき役割として、交流を促進する活動拠点となる公民館、学びから始まる地域づくりを進める公民館、人が大切にされるまちづくりを進める公民館の3点を大きな柱に、地域力の向上を図っていくことが基本的な考えとして記されております。  また、それに基づいて、平成26年度までの実施状況や現状、課題を洗い出し公民館長及び主事会からの意見、それらを踏まえた上でこれからの取り組みの方向性が体制・事業・施設の項目ごとに示されております。  ただ、現在の公民館を取り巻く環境は、職員体制、運営組織及び施設整備が十分でない、あるいは利用者の固定化と多くの課題が山積し、地域住民に幅広く使用されているとは言いがたい状況であると認識するとともに、本市においても改めて公民館の存在意義を見詰め直す時期に来ているのではないかと考えるところであります。  近年、先ほども申し上げましたとおり、人間関係や連帯感が希薄化している中、本来の公民館事業に加え、公民館を子供から高齢者まで地域の住民が気軽に集える場にし、地域におけるより開かれたコミュニティーの場としての役割を担っていくべきであると考えております。  そこで小項目1として、今後の公民館のあり方について当局のお考えをお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長、小川 鏡君。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    今後の公民館のあり方についてお答えいたします。  議員からお話がございましたが、公民館将来構想につきましては、田辺市の公民館の今日までの活動経過や急激な変動を見せる社会情勢等を踏まえながら今後の目指すべき方向性や果たすべき役割など、公民館の将来像を見据えた中、その考え方を示した教育委員会内の指針として策定したものであり、公民館全体としての基本的な考え方や政策の各論として、「ひと」「もの」「はこ」の項目ごとに区分し、それぞれ精査したものでございます。  そうした中、昨年度の市内21公民館の主催事業における延べ参加者数は16万945人となっており、ここ数年人口が減少する中においても、この参加者数はほぼ横ばいで推移しており、利用状況は高いものの固定化の傾向にあるという認識も持ってございます。  今後ますます少子高齢化が進んでいく中、将来の地域づくりのためには、公民館の果たす役割は非常に大きいものがあり、子供から高齢者まで各世代が気軽に集える公民館運営を目指し、地域の身近な学習や交流の場として新たなコミュニティーの創出に取り組んでまいりたいと考えるところでございます。  近年の公民館活動は多種多様でございまして、幅広い活動範囲となってきております。地域住民のさまざまなニーズにお応えしながら運営してまいりたいと考えております。  以上でございます。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。  公民館は従来から地域力の向上のために必要な生涯学習の拠点であり、また午前中、教育長も少し申しておられましたが、本市教育委員会が推し進めている学社融合にとっても学校と地域をつなぐコーディネーター役として必要不可欠であります。それに加えて、平成26年度教育委員会点検評価報告書においては、放課後子ども教室推進事業として、子供の居場所づくりに関係各課連携により支援体制を充実させることが重要であると記されており、幅広い世代が集う公民館であれば、地域文化の継承や道徳性の育成もでき、学童保育とともに放課後、あるいは長期休暇における子供の居場所としてふさわしい場になるのではないかとも考えております。  また、高齢者の憩いの場としてもしかりであります。常に公民館の門戸を広げ、住民の利用を活発化し、多くの人が地域や公民館とのかかわりを持ち、その運営に携わる。これこそ地域力の向上に資するものと考えますが、再度当局の御見解をお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    地域力向上のために常に公民館の門戸を広げてはどうかという御質問でございます。  田辺市の公民館といたしましては、これまでも地域住民の主体的な学習活動を支援するとともに、学びを通じて人を育み、地域をつくる活動の推進に努めてきたところでございます。
     自主的、自発的に、いつでもどこでも、誰でも学べるという生涯学習の理念のもと、人々が集い、交流し、同じ仲間意識のもと、人々の輪が広がり、そこでの学習成果が地域力の向上につながるものと考えております。  また、子供の居場所や高齢者の憩いの場としても御活用いただいている公民館もあることから、今後とも住民の皆様がより利用しやすい公民館を目指して取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    学習活動を支援するとともに、子供の居場所や高齢者の憩いの場としてもより利用しやすい公民館を目指して取り組まれるという、ただいまの答弁を踏まえ、次の質問に移ります。  改定された公民館将来構想では、職員体制の現状と課題について1地区公民館1主事の体制や各教育事務所の職員充実を目指してきたが、社会情勢や財政状況、また市長部局が定める定員適正化計画によりその達成は厳しい状況であると記されております。  現に、本市においては、教育事務所を兼務している龍神・中辺路・大塔・本宮を除いた地区公民館16館を11人の主事で対応している状況であります。西部センターや南部センター、あるいは連絡所と併用しているところもありますが、常に鍵がかかっている公民館もあります。  事実、私の地元である秋津公民館においては、主事が真摯な姿勢で事業に取り組まれているものの、現在、稲成公民館と兼務されており、双方とも事務所機能すら設置されていなく、市民総合センターに常駐しているという状況にあります。  そういった中で策定された「田辺市公民館職員のこころえ」には、地域の歴史・文化を学び地域の現状と課題の把握に努める。住民とのつながりを深め、豊かな人間関係の構築に努める。住民の視点に立ち、学習活動を推進し、地域を支える人づくりに努める。学びの成果を生かした地域づくりを支援し、地域づくりの向上に努める。人権感覚を研ぎ澄まし、人が大切にされるまちづくりの推進に努めるとあります。  このような田辺市公民館職員のこころえを策定されたものの、地区担当を持った主事が市民総合センターに常駐しているという現状があります。公民館主事はその心得を念頭に置き、地域住民の公民館利用をより促進するため、担当する公民館に常駐すべきではないかと考えております。  また、将来構想に、最良の職員配置を目指していくと記されております。午前中、川﨑議員も少し教育事務所を兼ねた公民館の体制について触れられておりましたが、私のほうは旧市内における地区公民館主事の体制について、当局の御見解をお伺いします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    御質問の公民館主事の体制についてでございます。地域が活性化していくためには、公民館長や運営委員会の皆様と公民館主事が連携して取り組むことが非常に重要となってきております。  そうした中、公民館主事におきましては、公民館将来構想にもありますように、1館1主事が望ましいとは考えておりますが、これまでの経過や財政状況、定員適正化計画等も勘案し、限られた現在の人員の中では、効率的な体制を敷いているものと考えております。  また、秋津地域の方々からもこのことにつきまして、御意見や御要望をいただいているということにつきましては、認識をしているところでございます。  以上でございます。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。私も公民館は地域住民が主体となって運営することが大前提であり、今日の財政状況から1地区公民館1主事体制は理想としながらも、兼務はいたし方ないという思いはありますが、その配置や兼務のあり方については各公民館長と調整の上、可能な限り駐在できる体制を構築することが必要であると考えます。  再度、当局の御見解をお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    ただいまの主事の配置、それから兼務のあり方についてでございますが、教育委員会といたしましては、公民館主事につきまして、地域に密着した配置が望ましいと考えてございますが、各公民館の建物の形態であるとか構造上の問題等により、現在の主事の配置になっているところでございます。  しかしながら、今後とも住民の皆様がより気軽に利用していただき、身近な施設と感じていただけますよう主事が常駐していない公民館につきましては、その方策などにつきまして、公民館長初め関係者の方々とさらに協議してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。  以上です。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    公民館主事の役割を念頭に置いて、またぜひ効果的かつ有意的な主事の配置を検討し、前向きに対応していただきたいと思います。  次の質問に移ります。  市有建築物の耐震化については、田辺市耐震改修促進計画に基づき、児童生徒が多くの時間を過ごし、地域の避難場所となる学校の耐震化を優先的に進められてきました。その計画によりますと、耐震化を図る必要のある学校以外の40棟もの市有建築物については、平成27年度末までに田辺市水道事業所など一部施設の耐震改修を完了し、残りの施設は総合的に耐震化を検討しつつ、平成28年度以降に耐震化を図るとされております。  そして、3月議会において、平成28年度から5年間の新たな田辺市耐震改修促進計画の策定費が予算計上、議決されました。公民館においては、先ほどから申し上げているとおり、幅広い年代の地域住民が集う拠点であり、なおかつ避難施設に指定されている場合が多く地域にとって重要な施設であります。  まずは、公民館施設の耐震化についてお伺いいたします。  また、その一方で、昭和56年6月以降に建築された市有建築物に関しては、たとえつり天井であっても、あるいは老朽化が著しく進んでいる施設であっても、耐震性を満たす建築物とみなされ、その施設整備についてはおくれている状況があります。事実、現在行われている施設整備は耐震化に伴った機能性の確保や老朽化対策が主でありますが、公民館の施設整備は耐震化のみにとらわれることなく、利用頻度や地域、施設、状況に応じてつり天井の落下防止対策やバリアフリー化並びに現況に合った機能の充実等を確保するよう積極的に進めていくべきであると考えておりますが、小項目3として、先ほどの公民館施設の耐震化及び施設整備について、あわせて当局の考えをお伺いします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    公民館施設の耐震化及び整備についてお答えを申し上げます。現在、市の公民館施設におきましては、新しい耐震基準になった昭和56年以前に建設された建物が、地区公民館と分館を合わせまして13件ございます。そのうち木造は昭和20年代から30年代に非木造は40年代から50年代に建設されたもので、いずれも老朽化が進んでいる状況となってございます。  そうした中、市といたしましては、耐震化が必要な市有施設につきましては、これまで優先的に学校施設への対応を実施してきておりましたが、一定のめどがついてきたところでございます。しかしながら、その他の市有施設の耐震化につきましては、今後、検討を進めていくこととなってございます。  議員からも御指摘がございましたが、公民館施設につきましては、地域住民が集う最も身近な生涯学習施設であり、住民同士が公民館活動を通じ交流する地域づくりの拠点施設、またその多くは避難施設となっていることは十分認識しているところでございます。  また、昭和56年以降に建設された市有施設につきましても、その建物の状態等を見きわめ、必要に応じ修繕対応や利用しやすい機能確保への対応を行ってきているところでございます。  今後につきましても、各公民館の状況を踏まえながら、対応を検討してまいりたいと考えておりますので御理解賜りたいと存じます。  以上でございます。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。当局は、必要に応じ修繕や安心して利用しやすい機能確保への対応を行ってきており、今後においても状況を踏まえながら、その対応を検討していくということでありました。  ちなみに、秋津公民館においては、昭和57年に建築されており、耐震化は満たされているとみなされておりますが、著しく老朽化が進んでいるとともに、2階はつり天井であります。  また、そもそもは当時の農林課が管理運営していた施設であったことから、電話と事務所機能も設置されておらず、門戸を閉じる時間が多いという現在の状況は答弁にあった子供から高齢者まで各世代が安心して気軽に集えるという公民館のあるべき姿として十分とは言いがたいのではと私は感じております。  そこで、先ほどからの答弁を踏まえ、当局は秋津公民館の施設機能について、どのように認識されているのか、再度御見解をお伺いいたします。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    教育次長。            (教育次長 小川 鏡君 登壇) ○教育次長(小川 鏡君)    議員から秋津公民館の状況について、どのような認識をしているのかということでございます。  お話もございましたが、昭和57年の秋津公民館建設当初は、多目的研修センターとして建築されたものでございます。そういう点で、公民館機能という点におきましては、不都合な点があるということは認識しておりますが、これまでも施設の状況に応じまして、手すりの設置であるとか、駐輪場の増設、そういう対応もしてきております。  そういう中におきましても、できるだけ公民館活動に支障を来すことがないように、取り組んでまいりたいと考えてございますのでよろしくお願い申し上げます。            (教育次長 小川 鏡君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    北田健治君。             (4番 北田健治君 登壇) ○4番(北田健治君)    御答弁いただきました。今後、秋津のみならず、地域における学習及びコミュニティーの場としての役割を担う公民館施設がより多くの地域住民に活用され、地域力の向上に貢献できる拠点となるよう、体制の構築及び施設の整備等に積極的な対応をしていただくことを強く要望いたしまして、私の一般質問をこれで終了いたします。  御清聴ありがとうございました。             (4番 北田健治君 降壇) ○議長(副議長 安達克典君)    以上で、4番、北田健治君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 安達克典君)    この場合、1時55分まで休憩いたします。              (午後 1時44分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時56分) ○議長(吉田克己君)    続いて、14番、松下泰子君の登壇を許可いたします。            (14番 松下泰子君 登壇) ○14番(松下泰子君)    14番議員、松下泰子です。どうぞよろしくお願いいたします。  今回は、三つの大きな項目について質問をさせていただきます。  1番目のLGBT(性的少数者)についてから質問いたします。LGBTという言葉を最近よく目にするようになったと思いますが、LGBTとは、性的少数者、セクシャルマイノリティーの総称として使われます。これは、Lはレズビアン、女性を好きになる女性、Gはゲイ、男性を好きになる男性、Bはバイセクシャル、男性も女性も好きになる人、Tはトランスジェンダー、性同一性障害など、体と心の性が一致しない人の頭文字を並べた造語です。この四つ以外にも自分を男女どちらとも思わないⅩジェンダーや、同性も異性も好きにならないアセクシャルなど多様な性があります。  これらの人々は13人に1人とも、20人に1人とも言われていますが、差別や偏見が根強いため打ち明けられない人が多く、その存在を知らない場合が多いようです。  海外では、イギリスやフランスなど19の国と地域で同性婚を認めております。今月26日には、アメリカ合衆国の連邦最高裁において、同性カップルも結婚の権利があるという判決が出ました。我が国におきましても、2004年に性同一性障害特例法が施行され、戸籍の性別変更が可能になりました。  また、ことし4月には東京都渋谷区で同性カップルを結婚に準ずる関係と認める条例が施行されました。このようなことから、文部科学省では、昨年学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を全国の小中高、特別支援学校の約3万7,000校を対象に行いました。その調査結果では、全国で606人が学校側に悩みや対応を相談しています。  中学校では110人、高校では403人と年齢が上がるごとに増加し、性同一性障害であることを把握しているのは、学校側やごく一部の友人に限られるのが大半で、性同一性障害を明らかにして生活しているのは、そのうちの約2割の136人でした。一方、理解されるか不安だった。話すといじめや差別を受けそうだったということで、誰にも言わなかったという生徒も多かったそうです。  LGBTは小学校から思春期のころに自分自身が多数派と異なることを大半は自覚するようですが、男子の5割、女子の3割は誰にも相談できていません。性別に違和感を持つ男子はいじめのハイリスク層で、深刻ないじめを5学年以上にわたって受けている例が多いということです。LGBTの7割がいじめを経験し、その影響によって3割が自殺を考えたという調査結果が出ています。そして、その結果を受けて、ことし6月文部科学省は性的少数者の児童生徒への配慮を求める初めての通知が出されました。その通知が示した学校における支援の実例としては、自分が認識する性別の制服や体操着の着用を認めるや職員トイレ、多目的トイレの利用を認める。宿泊行事で一人部屋の使用を認めたり、入浴時間をずらしたりするというようなことが挙げられていました。  そこでお尋ねいたしますが、昨年の調査において、田辺市ではどのような結果となったのでしょうか。つまり既にそのような把握は行われているのでしょうか。また、教育委員会としては、学校における性同一性障害の児童生徒をどのように認識し、どのように対応しているのでしょうか。また、現状としてどのような配慮がなされているのでしょうか。お伺いいたします。  次に、LGBTは人権問題であり、国における第3次男女共同参画基本計画にも取り上げられています。その基本計画では、第8分野、高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境整備の中で、性的指向を理由として困難な状況に置かれている場合や性同一性障害などを有する人々については、人権尊重の観点から配慮が必要である。このため、男女共同参画の視点に立ち、さまざまな困難な状況に置かれている人々が安心して暮らせる環境整備を進めるとあります。  そして、具体的な施策としては、性的指向や性同一性障害を理由とする差別や偏見の解消を目指して、啓発活動や相談、調査救済活動に取り組むとしています。一方、平成26年3月に作成された第2次田辺市男女共同参画プランでは、全くこのことについて触れられていませんが、このLGBTについての認識をどのように持っているのでしょうか。  男女共同参画推進室の行う女性相談にLGBTの人たちからの相談は今までにあったのでしょうか。そのようなとき、どのように対応されているのでしょうか。つまり、田辺市の男女共同参画におけるLGBTの認識と取り組み状況をお聞かせください。            (14番 松下泰子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    14番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    松下議員御質問の学校における性同一性障害に係る対応についてお答えいたします。  議員御指摘のように、平成26年2月、文部科学省によって学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査が行われ、また、平成27年4月には、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてが、同じく文部科学省から出されました。  まず、状況調査についてでありますが、全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校に在籍する児童生徒のうち、議員もおっしゃるとおり606名が性同一性障害であると認識されたとの報告がなされました。田辺市においては、このような事例報告はありませんでした。しかしながら、この調査はその時点で学校が把握している教育相談等の事例のみが調査対象であったため、自分の性に違和感を持ちつつも、誰にも相談できていない子供が存在する可能性は否めないところであると考えております。  次に、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてでありますが、これは性同一性障害に係る児童生徒については、学校生活を送る上で特有の支援が必要な場合がある。個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に応じた適切な対応がとれるようまとめたものであり、既に各小中学校に示されてございます。  具体的に申し上げますと、服装については、自認する性別の服装、体操服の着用を認めること。修学旅行などのときには一人部屋の使用を認めること等々、ほかにもございますが、幾つかの事例が示されてございます。  先ほど申しましたように、田辺市内の小中学校において現時点では、対象となる児童生徒は把握されておりません。できておりませんが、今後そのような相談があった場合には、きめ細かな対応が必要であると考えております。また、そのことを教師が認めるだけでなく、周りを取り巻く全ての人々が温かく見守る環境をつくっていくために、一人一人が大切にされるべき存在であることや偏見のない住みやすい社会をつくっていかなければならないことなど、道徳やさまざまな活動、教育活動の中で啓発していくことが欠かせない重要な点であると考えております。
     さらに、この性同一性障害について、文部科学省からきめ細かな対応が出されたのは、この春のことであります。今後、校内での研修等も行いながら、性的少数者を含め、全ての児童生徒が安心して生活が送ることができるよう、そういう学校を目指して知識と意識の高まりを図っていくこと。これがとっても大切であると考えておるところであります。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    企画部長、松川靖弘君。            (企画部長 松川靖弘君 登壇) ○企画部長(松川靖弘君)    議員御質問の(2)男女共同参画における認識と取り組み状況についてお答えいたします。  田辺市では、女性が抱えるさまざまな悩みに対応するため、男女共同参画推進室におきまして、女性電話相談を行っております。ここでは、女性からの相談だけでなく、議員御質問のLGBTの方からの相談もございます。  相談員は、性同一性障害等のLGBTについて理解を深めて、相談者の心に寄り添った対応ができるよう研修を受けるなど研さんを積んできており、安心して御相談をいただけるよう心がけているところでございます。  LGBTにつきましては、その言葉自体の周知度もまだまだ低い状況と思われ、当事者が学校や職場、地域など日常生活の場で生きづらい思いをしていたり、周囲の人が知らず知らずのうちに当事者を傷つけていたりする場合もあろうかと考えられます。こうした中、先ほども議員から御紹介をいただきましたが、国の第3次男女共同参画基本計画では、15ある重点分野の一つに高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備が掲げられており、施策の基本的方向の中に男女を問わず、性的指向を理由として困難な状況に置かれている場合は、性同一性障害などを有する人々に対し、人権尊重の観点からの配慮が必要であるとあります。  また、平成24年に改正された、自殺総合対策大綱の中でも、自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティーにつきまして、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて理解促進の取り組みを推進するともうたわれております。  こうした中で、田辺市におきましても、平成19年に田辺市人権施策基本方針を策定し、さまざまな人権問題に対して総合的な施策を推進しているところでありますが、この方針の中で性同一性障害者の人権につきましても、人権課題の一つであると位置づけてございまして、性同一性障害の方が社会の無理解や偏見等によって強い精神的負担を強いられることのないように、啓発活動を進めていくことがまずは必要であると考えてございます。  全ての人が生まれながらに持つ人権は人間らしく生きていくために欠かすことのできないものでございます。  田辺市では、今後もさらにお互いの人格や個性を認め合い、尊重し合いながら平和で明るい社会を築くことを目指しまして、関係機関等と連携を図りながら教育や啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。            (企画部長 松川靖弘君 降壇) ○議長(吉田克己君)    松下泰子君。            (14番 松下泰子君 登壇) ○14番(松下泰子君)    御答弁ありがとうございました。  一つ目の学校におきましても、二つ目の一般社会におきましても、田辺市内での現状として、LGBTの人たちの把握自体はほとんどされていないようです。しかし、現実として13人に一人という血液型で言えばAB型の人や左ききの人と同じだけ存在するということです。  先日、私は性的少数者の自助グループである「チーム紀伊水道」の方と話をする機会がありました。彼、彼女らは、和歌山県に在住、または通勤しているLGBTの人たちの相談をメールで受けたり、定期的に交流会を開いて当事者でなければ話し合えないような悩みを持ち寄って、よりよい解決方法を探したりしているそうです。  また、LGBTの理解を深め、差別や偏見のない社会を築くためにいろいろなところに出かけていって、パネル展示や勉強会、ワークショップなどを行っています。  今回、私はLGBTについて、田辺市の現状をお聞きしましたが、カミングアウトできる環境、地域になっていないということを認識いたしました。このような人たちが自分自身の性を認め、公表できるかどうかは彼らが住む地域にLGBTとして生きる権利が認められているかどうかによるということです。そう考えると、私たちは生きにくさを抱える人たちの存在を知り、自分の性を自認した上で多様な生き方が尊重される社会をつくらなければならないということです。  特に、学校では、いじめの対象になったり、自殺を考える子供をなくすためにも、先生方の研修も必要になってくると思います。学校が特別な配慮をしなくても、当事者の児童生徒が自然に過ごせる環境づくりをしていくことこそが求められているのだと思います。同様に、男女共同参画における取り組みとしても、相談業務に当たる相談員の継続的な研修やLGBTへの理解や啓発なども今後はさらに行う必要があると思います。  男女共同参画とは、性別にとらわれることなく、一人一人の能力や個性が発揮できる人権が尊重され、多様な生き方ができる社会であるということを再認識いたしました。田辺市における男女共同参画の取り組みがますます推進されることを期待して、一つ目の質問は終わります。  二つ目の質問に入ります。  学童保育については、昨日、佐井議員からの質問もありましたが、重ねて質問したいと思います。今まで私は何度も質問してきた学童保育についてですが、急速な少子化の進行により、さまざまな子育て支援策がありますが、本当に必要なところに手が届いているのか質問したいと思います。  平成17年に策定された次世代育成支援行動計画から10年が経過する中で、子ども子育て支援法が施行され、ことし3月に田辺市子ども子育て支援事業計画が策定されました。その中で、学童保育つまり放課後児童健全育成事業において、ニーズ調査結果の見込み量は、おおむね小学校1年から3年で600人、4年から6年で300人が必要とされているという結果となっています。  今後の方針としては、1年から3年までの充実を優先し、4年から6年については、国が検討を進めている放課後子どもプランの動向を見ながらということになっています。そこで、平成27年で600人が必要としている利用者数のうち、500人が確保され、平成28年で550人、29年で600人、その後は600人のまま31年度まで同数で増加しないという計画になっています。  そして、市の基準としては、20人以上の規模で保育施設が確保できて初めて開設する以前からの方針は何ら変わらないものとなっているようです。となると50人ずつ28年と29年で確保を目指している利用者は具体的にどのような確保策を考えているのでしょうか。市としてどのような地域で要望が強いかは把握していると思いますが、昨年のニーズ調査と別に学童保育希望者のアンケート調査は行われたのでしょうか。  その調査が行われていたとしたら、その結果を踏まえて、小規模校でも学童保育の新設についてどのように考えておられるのでしょうか。小規模校において、20人を超えることは到底難しいことが明らかであるにもかかわらず、今後もその設置基準の見直しをするつもりはないのかお伺いいたします。  次に、同じ小規模校でも旧市内と旧町村では事情は異なると思います。つまり、具体的に申し上げますと、旧市内で希望が多い小規模校である上芳養小学校と中芳養小学校の児童に対して1カ所を開設するという方法を以前から考えてこられたと思いますが、その場所までの移動手段を確保すれば不可能ではないと思います。  しかし、旧町村においては、二つの小学校間を平日の放課後に移動するということは現実的ではありません。  このようなことから、夏休み等の長期休暇時だけでも開設してほしいという要望があります。つまり、旧町村で1カ所開設して、そこまで親が送り迎えをすることは夏休み中であれば可能になります。特に、長期休暇時の保育の必要性は龍神地区を初め、どの地域でも高いもののようです。  このことについては、昨日の佐井議員への答弁として、保育の必要があるなしにかかわらず、年齢に関係なく地域の全ての児童が安全で安心して過ごせることができる居場所づくりに積極的に支援を行っていきたいという御答弁がありました。  これは大変うれしいお返事でしたので、このような形でうまく前進し、広がることを期待するところです。  全国の事例を探してみますと、岐阜県恵那市では、季節児童クラブとして夏休みなど長期休暇のみ開設している学童保育があります。ここでは、国の250日以上という開所日数をクリアしていないので、県単として県が3分の1、市が3分の2の運営負担をしているそうです。  このような事例も参考にして来年度からでも実施できることを願って、この項での答弁は昨日のとおりだということなので結構かと思います。  三つ目に、芳養小学校の学童保育施設についてお伺いいたします。  このことも以前から改善してほしいという強い要望がありましたので、先日、芳養小学校の学童保育所をお伺いいたしました。行ってみて驚いたことに、老朽化したプレハブは壁がぼこぼこで至るところ穴をポスターなどでふさいだ跡がありました。また、鉄骨の柱のさびがぽろぽろと落ちていました。  何よりも冬は寒くて、夏は暑い。西日の差し込みが強いので、エアコンがあっても厳しい環境といえます。トイレは少し離れた体育館の横まで行かなければならないので、特に雨の日は大変不便です。また、暴風警報などが出ると児童は皆帰宅するのですが、学童の子供たちは親が迎えに来るまでプレハブで待たなければなりません。プレハブごと飛ばされないか不安の中で過ごしているという状況です。  このような十分くつろぐことのできない施設が安全に安心して過ごせる環境といえるのでしょうか。この芳養学童保育は、平成4年に開設したそうですので、もう既に20年余りがたっていることになります。一般的な感覚では、プレハブは一時しのぎの仮住まいという施設だと思いますが、開設時にプレハブにした経緯や今後もこのまま使用していくのかどうか、当局のお考えをお聞かせください。            (14番 松下泰子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    保健福祉部長、木村晃和君。           (保健福祉部長 木村晃和君 登壇) ○保健福祉部長(木村晃和君)    議員から学童保育について御質問をいただきました。  まず、1点目の小規模校における学童保育の新設についてお答えいたします。  現在、田辺市では国の放課後児童健全育成事業を活用して、公設公営で10カ所、民設民営で1カ所の計11カ所、定員520人に466人の児童が通所しております。  平成26年度に策定をいたしました子ども・子育て支援事業計画における子育て支援量の見込みは、平成25年度に実施いたしました田辺市子ども子育て支援事業計画策定に係るにニーズ調査の結果に基づいて、平成29年度に600人の確保を目指しておりまして、昨年度においてもアンケート調査を行っております。  その結果、20人以上の学童保育所への通所希望のあった新庄第二小学校については、新たに学童保育所の開設を計画しており、この分も含め平成29年度には560人の確保予定となっている状況で、これまで順次開設してきた結果、この基準に該当する校区につきましては、開設できる見込みとなっております。  また、昨年度のアンケート調査の結果、中芳養小学校でも通所希望数が15人であるなど、平成25年度のニーズ調査及び今回のアンケート調査からも児童数の少ない小学校区につきましても、学童保育所の開設要望があることは認識をいたしております。しかしながら、小規模校については、全体児童数が少ない状況にあることから、児童の健全育成を図る上では、保育の必要があるなしにかかわらない新たな取り組みが必要であると考えてございます。  そうしたことから、現在、保護者が労働等により昼間、家庭にいない保育の必要のある児童だけを対象とした放課後児童健全育成事業の枠にとらわれず、小規模であるというその地域の特性を生かし、保育の必要があるなしにかかわらず、年齢に関係なく全ての子供たちが伸び伸びと過ごせる環境ができないか。その地域の児童が安心、安全に過ごすことのできる居場所づくりを展開できないかと考えております。  そうした考え方のもと、子供の居場所づくりを目指した取り組みを地域全体で子育てをする環境をつくるべく、教育委員会、各行政局、教育事務所との協議連携を図りながら、児童の健全育成と安全な居場所を確保できるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。  次に、3点目の芳養小学校学童保育施設の改善につきましてお答えをいたします。  平成4年に開所いたしました芳養学童保育所は、当時のプレハブ建築のまま、現在も活用しており、トイレは少し離れた体育館横にあるものを使用している状況にあります。当初は保育に欠ける子供たちのために、公民館において保護者会が取り組んでおられた学童保育所を地域の方々と一緒に小学校敷地内へ早急に設置開設をするための施設整備の方策であったものと認識をいたしております。  現在の本施設については、もろもろの修繕や改修を重ねてきており、本年度はエアコンを買いかえるなど、その維持に努めているところでございます。  しかしながら、建築後、20数年が経過してきていること等も踏まえ、現在まで校内の余裕教室の活用や敷地内の移設等を検討してまいってきましたが、現在、具体的な計画までには至っていない状況でございます。  今後も引き続き、子供たちのためによりよい環境を提供できるよう教育委員会、保護者、地域の方々と十分な協議を重ねてまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。           (保健福祉部長 木村晃和君 降壇) ○議長(吉田克己君)    松下泰子君。            (14番 松下泰子君 登壇) ○14番(松下泰子君)    ありがとうございました。小規模校における学童保育の新設は、新庄第二小学校を予定しているということのようです。御答弁を省いていただいた長期休暇時のみの開設は、旧町村では有効かと思いますが、平日の開設を望んでいる中芳養小学校などでは、長期休暇の場合と同じような形で年齢とか、保育の必要があるなしにかかわらず、地域で育てるという考え方でそれもやっていこうというようなことも今現在、考えていっていただいているようです。  しかしながら、現在の20人の基準に合致しないと開設できないという状況から、今の状態、中芳養では15人の希望者がいるという中で、この15人の声というものは切実なものであると思います。  また、このような状態で、過疎地において子供を産み育てるために、よい環境とは言いがたいものがあるのではないでしょうか。子育て家庭において、これほど必要とされている学童保育事業ですので、何とかかなうようにさらなる努力をお願いしたいと思います。  三つ目の芳養小学校のプレハブについては、まだ改修を重ねるというような、小さいところの改修をしているような状況で、具体的な方策は考えていないということですので、今となっては新しい建てかえは現実的ではないように思います。普通では、児童数が少なくなっているのですから、余裕教室を利用するというようなことが考えられます。実際、利用可能な余裕教室があるのか、またあらゆる可能性を検討していただきたいと思います。今の環境を続けるということを何とかよりよい環境に改善していただきたいと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後の三つ目、学校司書について質問いたします。  この問題は、前回平成25年6月議会で、学校図書の充実について質問させていただきました。そのときの答弁として、児童生徒と本をつなぐ役割を果たす学校図書館担当職員の効果的な配置のあり方について、今後研究してまいりたいということでした。当時の質問としては、学校司書の配置が和歌山県ただ1県だけが小中学校とも0%で、全国最下位であることを問題視したものでした。その後、県教育委員会では、県下市町村の教育委員会に対し、学校司書の配置を要請したようですが、その結果として、平成26年度に5市町村で合計15人が配置されました。  そして、平成27年度5月現在で、9市町22人が配置されました。内訳を申し上げますと、橋本市2名、かつらぎ町2人、岩出市6人、有田市3人、有田川町4人、那智勝浦町2人、そして湯浅町、広川町、みなべ町で各1人となっています。  配置校としては、小学校48校19.3%、中学校20校で15.9%となりました。このような前進に加えて、昨年6月の通常国会で超党派の議員連盟が学校司書を明記した改正案が提出され、可決されました。そして、ことし4月から学校図書館法の一部を改正する法律が施行され、学校司書の項が追加されました。  その中で学校には司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童または生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員を置くように努めなければならないと明記されました。  このようなことを受けて、当教育委員会では前回研究していくと答弁されましたが、その後、前向きな進展はあったのでしょうか、お聞かせください。また、今後配置を考える際の体制ですが、全小中学校に配置することは一遍には不可能なことですから、限られた人数の学校司書をどのように配置するお考えでしょうか。  先ほど申し上げました9市町の配置状況ですが、橋本市や那智勝浦町では、2人の司書が全校を毎日巡回しています。岩出市では6人が配置されていますが、毎日常駐するのでなく、市立図書館から中学校2校に決まった2人が毎週1回5時間派遣されているそうです。また、小学校6校のうち4校には決まった司書が行き、残り2校はローテーションでやはり週1回5時間ずつ行っているそうです。有田川町では11校のうち4校に4人が固定で、また湯浅町でも湯浅小学校に固定して1人の司書が毎日勤務しているそうです。このようにそれぞれの自治体で配置体制は異なっているようです。  そこで私が提案したいのは、有田川町や湯浅町のように、最初はモデル校を指定して決まった学校に固定的に常勤する。そして一定の効果がある体制を構築してから、他校へ広げていく方法がよいのではないかと考えます。  図書館ではもっと知りたい、深めたいという子供たちのニーズに応えたり、好奇心を刺激したりする本と結びつける役割は大変重要です。ですから、その司書の力量や質とともに、その学校図書館の蔵書の把握や整理、また教員との連携等々、多大な仕事量があります。図書館ボランティアの方々の協力も期待するところですが、ある図書館ボランティアの方にお話を伺いましたところ、この作業量はボランティアでできるものではないとおっしゃっていました。つまり、子供たちが活用しやすいようにレイアウトする前段階で、蔵書の整理として古い本を破棄し、分類別に分けてラベルを張ったり、コーティングフィルムをかけたり、データベース化するために膨大な時間がかかるようです。蔵書数は田辺市の場合、全国平均を上回っていると前回の答弁でおっしゃっていましたが、その新しい本が段ボールに入ったまま倉庫に積まれているということもあるようで、これでは意味がありません。  また、図書館ボランティアが入っている学校は限られていますので、田辺市内で学校図書館の整理状況から調査しなければならないのではないでしょうか。整理ができていないので、同じ本が何冊もある場合もあり、有効に予算が使われていない実態もあるようです。それで週に1回だけ巡回するような体制では、表面的な薄っぺらな取り組みにならざるを得ないような気がします。来年度には、何とか学校司書の配置ができ、この田辺市に合った配置体制ができますことを望んでおりますが、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。            (14番 松下泰子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    松下議員御質問の学校司書の配置についてお答えいたします。  現在、田辺市では、学校司書の配置には至ってございません。ボランティアの皆さん方にお願いをするということと、それから教師の中に司書の免許を持った教師を入れて、そして長期の休みに教師の作業日、それからボランティアの人を迎えて、そして図書の整理活動をするという現状が続いているわけであります。  どのような形で学校司書を入れていけばよいのかということについては、議員がるるお調べをいただいて、県下の状況をお話をいただいたわけでありますが、私も同じように調査をさせていただきながら、現在、9市町、30市町村の中の9市町が入れておるという状況をどのような形で入れておるのかということを調査、研究をしておるわけでございます。議員もおっしゃいましたが、1人の学校司書が複数を抱えておる。そういう中でローテーションしながら展開をしている。これがほとんどの今の配置状況であります。  田辺市といたしまして、どのような形で司書を配置していくか。なかなか限りがございますから、41校全校へ入れるというわけにはまいりませんので、どういう形がよいのか。そしてその学校司書の職務内容というのは一体どこまでの内容を検討すればいいのか。そういうところを今、検討中でありますので、一生懸命検討してまいりますから、どうぞ御理解を賜りたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    松下泰子君。            (14番 松下泰子君 登壇) ○14番(松下泰子君)    御答弁ありがとうございました。教育長が一生懸命取り組んでいくという力強いお言葉をいただきましたので、来年度には実現できることを期待しておきたいと思います。  それからまた、学校図書館がどんどんボランティアの方々の力も得ながら充実していくことを期待しておきたいと思います。  最後になりますが、元総務大臣の片山善博氏が鳥取県知事時代の取り組みについて、講演会で話された事例を御紹介しておきたいと思います。  「鳥取県は面積が小さく、人口も少なく産業基盤も脆弱である。この県をどうするか、真剣に考え、たどり着いたのが「知の地域づくり」だ。それまでは公共事業一辺倒だったが、自分たちで考え、知恵を出して、知的財産を生み出すような力を身につけていこうというのが知の地域づくりだ。例えば、鳥取県はアパレル産業が盛んで、女性の高級下着では、全国有数のシェアを誇っている。しかし、1着1万円の製品を鳥取の小さな縫製工場で全工程をつくっていっても、支払われるのは800円。ならばデザインや企画力、商品開発やマーケティング、ブランド力を地域で育てればせめて3,000円から4,000円の商品は出せるのではないか。そこで、県が支援して工業試験場に今までなかったデザイナーを養成する部門をつくり、鳥取大学にソフト部門の人材を養成するカリキュラムを編成してもらう。さらに、小中学校や高等学校などの教育を重視するのはもちろん、一人一人の県民が調べたり知識を得たりして考える力を身につけるため、公共図書館を充実させる。公共図書館を利用する習慣をつけるには、学校図書館が重要で、子供たちと読書習慣を結びつけるために、大事な司書を全ての学校図書館に配置しよう。こういう活動の全てを総称して、『知の地域づくり』と言っている。自治体の中では、まだまだ司書に光が当たっていないところが多い。司書の仕事が理解されていなくて、ただ本の貸し出し、返却の管理だけやっていると思われている。本来はあらゆる調べ物のサポートをするレファレンスが大事で、利用者のあらゆる知の要求や問題意識に応えるのが司書の仕事だ。図書館は建物があって、本があればいいというものではなく、司書がいて初めて血が通う。それは学校図書館も同じで、鳥取県ではまず全ての県立高校に資格を持った常勤の司書を配置すると、学校図書館は見違えるようになった。そして、小中学校も95%の学校司書を置くことができた。今は島根県が全国一で、100%の小中学校で達成できている。鳥取県や島根県は決して裕福な県ではない。それでもできる。」という講演録を読みました。  まさに地方創生の切り札として、全ての産業力、地域力を支えるのは、そこに住む人の知的能力にかかわっているといえます。人づくりの基礎を育てる学校図書館の充実に大きな期待を寄せて、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。            (14番 松下泰子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、14番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(吉田克己君)    この場合、2時55分まで休憩いたします。              (午後 2時45分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 2時56分) ○議長(吉田克己君)    続いて、2番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    2番、日本共産党の真砂みよ子です。今回、2項目の質問をさせていただきます。2項目とも教育委員会の関係ということで、部分的ないろんな市の業務がある中で偏った形かもわかりませんけれども、その点について集中的に質問したいと思います。
     最初に、教員の多忙について聞かせていただきます。教員の多忙については、過去にも何人かからの質問があって、その答弁で教育委員会も教員が多忙であるということは認めておられます。ですので、今回の質問は、教員が多忙であるということを前提にして進めていきたいと思います。  お手元に参考資料ありますでしょうか。生活状況アンケートというのは、田辺市の教育委員会がとったアンケートで、項目は11項目あるのですが、多忙に絡んだところだけを抽出してまとめてあります。この参考資料をもとに質問していきたいと思っています。  まず最初に、単純な質問ですが、このアンケートの目的は何でしょうか。お聞かせください。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    2番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    アンケートの目的は何かということであります。教職員の労働安全衛生に係る勤務時間を適正に把握し、教職員の過重労働による健康障害を防ぐとともに、効率的な業務運営を実行していくということを目的としてございます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    議長の許可をいただきまして、この席で座って質問させていただきます。  今のアンケートの目的は何か、その単純な質問をなぜしているのかと皆さん、お思いだと思うのですが、このアンケートは記名方式でされています。ただし書きのところに、集計は無記名でしますが、個人の健康、安全の増進を図るために記名でお願いしますと書かれています。  決して勤務評価には関係しませんというただし書きがついているのですが、本当に正確に実態をつかもうと思うのなら無記名にすべきではなかったでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    実態把握のためには、アンケートは無記名が適当ではないかということでありますけれども、教職員個々の状況を管理職が把握するということで、記名でお願いしておりますが、幾つかの学校では無記名も認めている現状がございます。それで、今度、アンケートという趣旨を踏まえ、無記名で行うということを検討してまいりたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    ぜひ個人情報の保護だとか、本当に実態が正しくつかめるような、書けるような方式を検討いただきたいと思います。  平成23年の12月議会で、久保浩二議員が、教員の多忙の問題について質問をしています。このとき教育長は、このように答弁されました。  業務の優先順位や重要度を決め、できるだけ効率的に業務に当たり、勤務時間内に業務要求水準書を終了するというのは教職員にかかわらず全ての職業に共通する大前提であります。そのことを踏まえながらも、教職員という職務上、例えば生徒指導のように緊急を要するものや授業準備をする上で、時間を延長して行わなければならない業務も当然出てまいります。しかしながら、それらの業務を着実に遂行することが教育公務員にとってのある意味での責務ではないかと考えています。残業もやむを得ないととれる答弁をされているのですが、本当に残業はやむを得ないと思われているのでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    教員の業務の性格上、残業はやむを得ないと考えているかということでございますけれども、決して残業ありきであるという考えは持ってございません。しかしながら、教育公務員として行わなければならないさまざまな業務の中で残業をしなければならない場合もあると認識してございます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    先ほど言いました平成23年12月議会での教育長の答弁の中に、今も答弁でおっしゃいましたが、残業をせざるを得ない緊急を要する、生徒指導だとか、そういうことがあるという答弁もされています。それは確かに私もそうだと思うのですが、そこで参考資料を見ていただきたいのですが、設問が三つあって、3番目の真ん中あたりのところで、時間外労働の主なものを二つ挙げてくださいと聞いているわけですが、残業した理由で今、教育長が言われた生徒指導などで残業せざるを得ないのだと言われたので、その生徒指導についてですが、平成26年度は小学校で1.1%、中学校で3.5%、一番多い年でも平成22年度の中学校の6%、緊急で残業もやむを得ないという理由は、ほんの少数であって、ここで見ていただいたらわかるように、授業の準備というのに一番かかっているわけですね。だから、私もそういうふうに緊急を要する生徒指導があるときには時間外が当然あるのはそれはもちろんそのとおりですけれども、%では生徒指導は少ないのだから、この理由によってここまで残業があるのは不自然じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    教育委員会が分析をしておりますデータをもとに、この御判断をいただいて、生徒指導ということは非常にわずかであると、だからそれを残業の理由に持ってくるのはいかがなものかということでありますが、大きな割合を占めているということではございません。それで逆に、そのことで田辺市の子供たちの安定度というのが、非常に安定しているということも判断できるのではなかろうかと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    今の安定しているというのは、生徒指導をしなければならないほどのことがなくて、子供たちが安定しているという意味ですか。それは確かにそう言えると思うのですが、今は教員の多忙のことを取り上げていますので。そうしたら、先生方が一番残業している理由は何かといいましたら、今のところでいいましたら、平成26年度の残業理由は小学校28.4%、中学校21%が授業の準備ですね。この授業の準備というのは、本来は勤務時間内にすべきことではないのでしょうか。時間外ですべきことなのでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    授業の準備でございますけれども、授業の準備というのは本来、勤務時間内で行うものと考えております。しかしながら、多くの教師たちは、自分が担当している子供たちにより力をつけてほしいという願いをどの教師も持っております。ですから、よりわかりやすい授業をということで、授業の研究に没頭していくわけです。その中で、時間が過ぎてしまうという状況もあるというのを御理解賜りたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    確かに、緊急な生徒指導だとか、時間外が求められることは重々、それは私もあると思うのです。ただ、今やっている時間外勤務は余りにも度が過ぎている、そういう思いから今回この質問をやっているわけなんですが、それは後で触れていきたいと思います。  そうしたら、前回の答弁の中で、有効な手段を持って改善をしていくというふうな答弁をされています。決して前回の久保議員の質問のときにも、このままでいいという答弁ではなくて、改善が要るという答弁をされていましたので、具体的にこの間、平成23年12月といいましたら、あれから3年半、この間にどのような改善の取り組みをしてこられたのでしょうか。お聞かせください。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    平成23年12月議会で、久保議員からの御質問がございました。その後、教育委員会としてどういうことをしてきたかということでございます。県教委からもたくさんの提出物が来るわけでありますけれども、それをそれぞれの学校におろして集約をしなければならないわけであります。教育委員会で集約できるものについては、学校と連絡をとりながら、全てではございませんが、教育委員会で集約をする。こういうことでそれぞれの学校の業務内容の一つは削減できたのではないかと思います。  それから、年度当初、大体学校というのはそれぞれ年度年度で教育計画というのを作成するわけであります。それで、教育計画の作成はといいますと、早い学校では前の年度の2月から、そのほかは3月から教育計画の作成にかかります。その教育計画というのは、本当にたくさんの資料を分析しながら、それぞれの学校の1年間の計画を組むわけでありますけれども、これもこれもとそれが非常に膨れ上がってきたのですね。分厚くなってきた。それをできるだけ思い切って精選しようということで、教育計画を思い切って精選をしたということがございます。  それから、学校訪問を通してノー残業デーというのをそれぞれの学校でぜひつくっていただきたいという訴えをしてきてございます。ノー残業デーを実施してくださっておる学校もあります。しかし、まだまだそこまでいかないという学校もございます。  それから、土曜日、日曜日、祭日の休業日にそれぞれの先生方が自分で出てきて、出勤をされて学校で仕事をするというのも非常に多いわけであります。これをできるだけ休日は休日で自分の御自宅で休養していただきたいという訴えもしているところであります。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    残業したくてしている人、土日出勤したくてしている人はいませんよね。それだけの仕事があって、子供たちにいい教育をしたい。授業をしたいと思うからこそ、先ほども教育長も言われたように、頑張っているわけですが、仕事の量を減らさない限り、ノー残業デーをつくろうとか、土日出勤はやめておこうと言ったって、それは無理ですよね。  また再度資料を見ていただきたいのですが、今、るる教育長からこういう取り組みを、多忙を減らすためにこんな取り組みをしましたと答弁いただきましたが、この資料を見ていただいて、一番最初の時間外の頻度というところを見ていただきましたら、久保議員が質問したのが平成23年の12月ですから、平成22年度のときの数値を答弁いただいているわけです。時間外の頻度で時間外をほぼ毎日行っているというのが、平成22年度小学校が61.9%、中学校は58%でしたが、ずっと年度を追ってみていただいて、平成26年度はほぼ毎日が、小学校65%、中学校69.1%、教育長はこんなこともこんなこともして、時間外勤務を減らすように努力いただいたかと思うのですが、実態はふえているのではないでしょうか。この点についてはどうお思いですか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    業務内容の精選をしておると言いながら、実態は逆行しているのではないかと、こういう御質問でございますけれども、平成23年の答弁の後、平成24年のアンケート、平成26年のアンケートを比べますと、残業回数についてはほぼ毎日という値は若干増加しております。それから、週3日程度、週1日程度というのは多少減少しておる。それらを合計すると、横ばいの状態か、少しは残業も減ったのではないかと思います。また、残業時間について週25時間以上は1%減少と。週20時間以上、25時間未満というのは若干増加しておりますが、これを足して割るというような方法はないと思いますけれども、少しでも教職員の残業を減らすために努力はしておるわけでありますけれども、現状はこういう状況であると。  こういう中で、教職員の残業が多いのではないかということについては、十分私も認識をしてございますし、教師の残業を減らしてやることができない。私自身、非常に力不足を感じておるというところもございます。  しかし、学校には引き続いて学校訪問などを通して、学校の様子、各教職員の様子を的確に把握するとともに、教員が健康で働きやすい環境づくりに努めるように今後とも努力してまいりたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    このアンケートの数値をどう見るかですよね。私の見方と教育長の見方が全然違っていました。  例えば、時間外の頻度のところで、4番のほとんどないというのが平成22年度は小学校で17.8%、中学校が15.2%、平成26年度を見ましたら、小学校はふえていますよね。だから残業をほとんどしない人が小学校ではふえた。これは業務の効率が図れたという意味では、進んだ、いろいろな取り組みが功を奏したととれるし、教育長はそういうことをおっしゃったかと思うのです。そういうことも含めておっしゃったと思うのですが、私はそうじゃなくて、ほぼ毎日やっている人がこれだけふえた。私はここに教員の多忙の問題点があるというふうに思っています。それはお互いの認識の違いかもわかりませんので答弁は結構です。  過労死というのがあると思うのですが、過労死は英語で訳さなくても「過労死」で通じるという本当に悲しい単語なのですが、残業時間が月80時間以上続くと一般的に過労死ラインと言われているのですが、そういう認識はお持ちでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    過労死ラインでございますけれども、法律等で示されたものではないと思います。過労死ラインと言われる厚生労働省の労働基準局長からの通達をもとにした基準があるということは認識をしてございます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    法律でなくても労災認定の基本的な考え方になるわけです。それで、参考資料を見ていただいたら、時間外労働の時間という問いのところに、網掛けがしてあります。あえて網掛けしました。週25時間以上と週20時間以上、25時間未満、これは週ですので、月に直すと1と2は月80時間以上ということになります。平成26年度で見ましたら、過労死ラインと言われている月80時間以上の残業が26年度は小学校で1と2を合わせると23%、中学校は27.9%、これだけの小学校、中学校の先生たちが過労死ラインと言われるところの残業をしているわけです。この実態をどんなふうに思いますでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    教員のおおよそ4人に1人が1カ月に80時間を超える残業を行っているということについては、すごい超過勤務をさせているということで、非常に心が痛みます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    このアンケートは、皆さんのお手元にあるアンケート結果はアンケートの一部でして、お昼休みの休憩がとれているかとか、体の不調ということも聞いているわけです。約半数の方からは昼休みはほとんどとれていないという回答が出ています。ですので、ここに出ている時間以上にもっと肉体的な負担といいますか、時間的な負担がかかっているのではないかと心配をするわけですが、もし仮に不幸にも過労死を生んでしまったら、こんなことは聞きたくないのですが、誰にその責任があるのでしょうか。雇用者責任というのはどこにあるのでしょうか。お聞かせください。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    そういうことにならない体制を敷いて改善をしていくというのが大前提でありますけれども、もし仮にそういう不幸な出来事が起きた場合というのは、労働災害ということで審査の対象ということになる。もちろん私もそういう重責を負わせたということで、私自身も非常に苦しい思いを持ってございます。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    小中学校の教員というのは、県で採用されますね。給料も県から出ます。ですが、雇用先というのは田辺市内の先生は田辺市の教育委員会が雇用主という形になりますので、もし本当に悲しいことだけれども、仮に過労死で労災認定されたとしたら、その責任は田辺市にあると思うのですが、そういう認識でよろしいですか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇)
    ○教育長(中村久仁生君)    教職員というのは県の教育委員会が雇用主であります。実際、勤務地が田辺市であるということでありますから、その辺については、そういうところに至らないということに全力を尽くしますけれども、もしそういうことになれば、いろいろと法的にも勉強させていただいて、十分な対応をしなければならないと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    そうしたら、雇用したのは県だから県に責任があるという認識なわけですか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    どちらに責任があるかということも最終的には大事なことになると思いますけれども、まずそういうことにならない体制をつくっていくということに全力を尽くす。もし最悪の状況が起きた場合には、関係機関と十分相談しながら対処していく。現在、どこに責任があるかと問われたときに、私は責任のある回答を持ち得ておりませんので、お許しをいただきたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    私は県が採用した教員も田辺市教育委員会の管轄になれば、田辺市に雇用責任があると認識しています。ですから、余計そういうことにならないようにという思いで、こういう問題を取り上げているわけです。そうしたら次に行きます。何が一番改善策として有効かということを考えたときに、やはり少人数学級であったりとか、音楽だとか体育だとか、理科などの専科の先生の支援、特に夏だと女性の先生がプールに入るのが大変身体的にも負担が大きいとよく聞くのです。ぜひこういうところの支援を強めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    現在定数法というのがあるわけでありますけれども、人数をできるだけ少なくして、職員配置を敷いていくということで、できるだけ教師の負担、それから子供たちの学ぶ喜びというのですか、理解度を深めていこうという取り組みを田辺市でやっているわけであります。そういう中で、少人数学級編制とか、それから専科教員の導入というのは教員の多忙化には随分解消につながっていくと考えております。平成27年度は県の事業と少人数学級編制として、小学校では6名、中学校では9名、15名の加配教員をいただいております。この加配教員というのはなかなかいただきにくいわけでありますけれども、田辺市は15名いただいておる。それから小学校の専科教員ということで1名の加配教員、これもいただいております。ほかにも少人数指導による加配、免許外解消のための加配、学力アップ事業の加配、複式充実のための加配、学校統廃合による加配、いろいろな加配があります。それぞれの加配を全ていただいて、小学校では20名の加配、中学校では17名の加配、この加配をいただいております。  少しでも一人一人に係る負担を減らしていきたいということで展開をしておるわけであります。今後は県とさらに連携を密にしながら、加配教員の設置について検討してまいりたい。それから、田辺市からは支援教員ということでたくさんの支援教員の配置をしていただいております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    ぜひそういうところに重点を置いて取り組んでいっていただきたいと思います。このアンケートを見る中で、一つ問題だなと思ったのが、先生方は労働安全衛生法という法律で健康チェックをされているのですが、平成27年12月にメンタルヘルスチェックというのをすることが義務づけられるのですよね。ホームページで見たのですが、私が問題だと思ったのは、アンケートの中にメンタルヘルスチェックをしたことがありますかとか、その結果、ドクターに相談をしたことがありますかという問いが、この皆さんの手元のアンケートに書いていないのですけれども、教育委員会がとったアンケートの中にはそういう項目もあるのです。その中に、チェックシートでチェックをしたいけれども、する時間がない。それから、ドクターに相談したいけれども、行く間がないというのがかなりの数です。メンタルヘルス相談を利用したことがありますかという問いに、「利用したいが時間がない」「自己ヘルスチェックは行いたいが時間がない」が3割ぐらいあります。自分が体の異変を感じていて、そういうチェックをしたいと思っているけれども、なかなかそのチェックすら時間がなくてできないというアンケートが出ていますので、ぜひそこのところは改善いただきたいと思います。それは答弁は結構です。  いろんな問題を指摘しましたけれども、決して教育委員会も今のままでいいとは思っていないということは十分わかりますし、改善のための努力はいただけるというふうに思っています。今、ブラック企業という言葉が出てくるのですけれども、若者を大量に採用して過重労働をやらせて、使い捨てていくという企業のことをブラック企業と呼ぶのですけれども、田辺市の教育委員会がブラック自治体にならないように、ぜひ教員の多忙の問題については今まで以上に力を入れて、取り組んでいっていただきたいと思います。  本当に、仮定の話ですが、過労死ということが生まれたら、本当に悲しい結果になってしまいますので、ぜひそういうことのないように、全力で取り組んでいっていただきたいと思います。  では次に、学社融合についてお聞きいたします。前回の議会でも学社融合について取り上げさせていただきました。前回は地域にそういう地域力がなければ学社融合が進まないということで、地域力を高めようという観点での質問をさせていただいたのですが、あれ以来、学社融合ということを考えていく中で、学社連携と学社融合とは違うのだということを言われていたりして、連携はあくまでもお互いが助け合うものだけれども、学社融合はお互いにメリットがあるようなものを学社融合というのだということを、大まかな言い方をしましたらそういうことが書かれているのですけれども。なぜそこまで学社融合に力を入れるのかと、私は素朴な疑問なのですが。学社融合がそんなにメリットがあるものなのかという疑問があるのですが、その点についてはいかがでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    学社融合になぜそんなに力点を置くのかということであります。この学社融合の考え方というのは、私が現場で教師をしているときからの持論であります。もう議員さんも御承知のとおり、今の世の中は非常に厳しい。子供の学ぶ環境、育つ環境としては非常に厳しいと思ってございます。そういう中で、学校で学んで、家庭で育てて、地域で鍛えていくというのがこれは本当に痛切に私自身考えております。そして、そういう中でずっと長年やってきて、文科省の方針の中にも学社融合という言葉が出てきたわけです。いち早く田辺市は取り組まれたと思います。  田辺市が学社連携で取り組んだのは、平成14年です。そしてさらに自分の助けていただきたいことばかりを展開するのではなくて、双方にメリットがある、自分が地域で生きてきたその生きざまを自分の地域の子供たちにしっかりと教えていく。歴史や文化を教えていく、それで自分が元気になる、そういうことで地域全体が元気になる、子供も地域を知って学んでいく。こういうメリットのある学社融合路線というのは、これは田辺市が今やっているだけではなくて、日本全国で展開をする。日本全国で教育委員会とそれから生涯学習、それから地域の皆さん、保護者の皆さんが一緒になって、本当に少子化となってきた子供たちを地域の宝として育てていこうというのがこの力を入れる原点であると認識しております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    以前の教育長の答弁の中にも学社融合をやることによって、教員の負担を軽くしていくという答弁もあったかと思うのですが、それが本当にうまくいけば確かにそのとおりだと思うのですけれども、今、実際行われている、ある例を言いますと、かえってそれをやったことによって教員に負担がかかっているという例があります。  例えば、ある学校で地域のお母さんたちと一緒に郷土料理をつくろうというテーマがあって、そうしたらその地域に郷土料理をつくっている組織があって、先生がそこの代表と相談だけしたらあとは全部お任せでやってくれるだけの地域力があればいいですけれどもそうじゃなくて、先生から地域のお母さんが料理を一旦習って、1回つくって、今度子供たちと一緒につくる。だから先生にしてみたら2回つくるわけですね。かえって忙しくなっているのではないかという心配をしています。  お母さんたち、そうしたら喜んで行っているかといったら、仕方ないなと。言われるから仕方ないなと言いながら行っているわけです。そこに自分が誇れる郷土料理があれば喜んでいくと思うのです。ですが、今、ある学校がつくっているものが私にしてみれば、これが郷土料理かなと思うようなものだったというのがあります。決して私は学社融合を否定するつもりはないのですが、学社融合ということによってかえって先生方も忙しくなっているのではないかという心配をしているのですが、その点についてはいかがでしょうか。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    確かに、新しく取り組む行事、新しく取り組む学校にとっては最初はやはり仕事がふえるということになると思います。しかし、そのことが最後まで大変な重荷になって展開しているのかというとそうではないわけです。本当にそうではない。地域の皆さんがどんどん学校へ入ってきていただいて、そして子供たちにいろいろなことを教えていただく。そのことを子供が帰って、家庭でお話をします。そんなこと私知らないよと。お父さん、お母さんが私、知らないよと、あなたらがそんなに楽しいのだったら私も一緒に行って学びたいよと。こういう形もあちこちから出てきている。だから、一番最初は負担になると思いますけれども、その部分を乗り切りますと、本当に展望が開ける。私はそう確信をしております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(吉田克己君)    真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    学社融合というのは、学校を地域で支えていくということに対しては何の否定もしません。そうあるべきだと考えています。ただ、今は余りにも公民館の方針にも学社融合というのがあって、こういう方針を掲げているからそういうことをやろう、やろうとすることによって、無理が今出ているのではないかという思いを持っているわけです。決して、押しつけるものではなくて、その地域にどういう地域力としてエネルギーがあるか。子供たちにどんなふうにこのことを伝えてやれるだけのものがあるかという、地域のほうにあるかどうか。学校がそれを求めているかどうか。たまたま地域にそういうものがあるからといって、学校へ出向いていって、子供たちはそういうものを求めていないということもあるのではないかと感じることもあるわけです。  ですから、お互いの学校と地域の連携だったり融合でもいいのですが、その地域に本当に自分たちが誇れるものが、そういうエネルギーがあるのかどうか。学校側がそれを欲しいと思っているのかどうか。そのようにお互いがうまくかかわり合っていくということが大事であって、市町村合併であったりとか学校の統廃合をしていく中で、それまであったそういう地域との連携を壊していきながら、でも一方で学社融合と旗を上げている。私は不自然なものを感じています。地域にそういうものがなければ、幾ら欲しい、学社融合でやってほしいと思ってもそれはなかなか難しいと思っています。  本当に、今の私の発言だけ聞かれたら、学社融合を否定しているかのようにとられたかもわかりませんけれども、私は決して学社融合、学社連携といいますか、地域が学校を支えていくということを否定はしていません。大いにやるべきだと考えています。ただ、今やっている中身に少し無理があるのではないかという思いで、今回この質問をさせていただきました。  前回も取り上げましたように、そういうふうに地域の力、地域力を高めないとなかなかこういうものはうまくいかないと考えていますし、そのための努力は私自身もやっていきたいと考えています。いろいろな考え方の違いだとかありましたけれども、私の思いを伝えさせていただいて、今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(吉田克己君)    以上で、2番、真砂みよ子君の一般質問は終了いたしました。  この場合、お諮りいたします。  本日の会議は、この辺にとどめ延会し、あす7月1日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(吉田克己君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(吉田克己君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。              (午後 3時47分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成27年6月30日                    議  長  吉 田 克 己                    副議長   安 達 克 典                    議  員  松 下 泰 子                    議  員  中 本 賢 治                    議  員  出 水 豊 数...