田辺市議会 2013-03-13
平成25年 3月定例会(第5号 3月13日)
26番 吉 本 忠 義 君
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〇欠席議員 なし
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〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 福 田 安 雄 君
副市長 庄 堂 琢 磨 君
教育長 中 村 久仁生 君
企画部長 池 田 正 弘 君
企画広報課長 松 川 靖 弘 君
総務部長 岡 本 美 彦 君
総務部理事 田 上 豊 和 君
総務課参事 藤 井 利 計 君
市民環境部長 中 瀬 政 男 君
保険課長 大 門 義 昭 君
保健福祉部長 田 中 敦 君
産業部長 福 井 量 規 君
観光振興課長 敷 地 弘 規 君
建設部長 杉 浦 克 佳 君
建設部理事 林 誠 一 君
計画課長 前 田 眞 吾 君
龍神行政局長 手 谷 新 一 君
中辺路行政局住民福祉課長
庄 司 欣 久 君
消防長 小 山 裕 史 君
教育次長 濵 田 和 男 君
スポーツ振興課長 打 越 康 之 君
水道部長 松 原 淳 君
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〇
出席事務局職員
議会事務局長 山 本 幾 生
議会事務局次長 杉 若 美津子
議会事務局主任 前 溝 浩 志
議会事務局主査 宇 代 夏 樹
開 議
○議長(高垣幸司君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成25年第1回
田辺市議会定例会5日目の会議を開きます。
(午前10時03分)
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○議長(高垣幸司君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(高垣幸司君) 日程第1 一般質問を行います。
3番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) おはようございます。日本共産党、久保浩二です。通告に従いまして、3項目について質問させていただきます。
まず、1番目、子供の
医療費無料化についてですが、昨日、
安達克典議員から質問がありましたので、重複するところがありますので、できるだけ私の視点で質問したいと考えております。
市長は、安心して暮らせるまちの子育て支援のまちづくりで、みんなで
子育て応援プログラムにより妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を総合的に進めてまいりますと言われています。
1番は、昨日答弁がありましたので、省略しまして、2番の保護者の切実な願いをどのように認識しているかについてお聞きします。私はこの間、訪問させてもらっている中で、若いお母さん方から子供の医療費の問題をいろいろ聞かせていただきました。ぜんそくの持病がある小学生の子供を持つお母さんからは、毎月、病院代が1万円かかり、医療費が大変と言っていました。障害を持つ子供さんのお母さんから、体に障害があっても、重度と判定されなければ医療費はかかります。定期的に診察を受けなければなりませんが、病院に行くたびにかなりのお金が必要になるというふうに訴えられていました。
障害や持病を抱える子供の親は医療費の心配が尽きません。また、小学校低学年の子供を持つお母さんからは、子供の歯がぐらぐらするので歯医者に行って歯を抜いてもらえばいいのですが、3,000円もかかる。子供と相談して3,000円もあれば食事ができ、おいしいものが食べられるので自然に抜けるのを待つとか、また少し熱があってもお金が心配で見合わせるなど、子供の医療費の負担が家庭の暮らしに影響を及ぼしています。若いお母さん方の中で、他の市町村の医療費の施策を知っている方も多くあり、子育てのために周辺の町村に転居するということも考えているという声もあります。また、広報田辺3月号の未来ポスト、皆さんの声のところに、子供の医療費についてという声が紹介されています。
子供の医療費について、なぜ他の町村では中学生まで医療費が無料なのに、田辺市ではできないのですか。財源がないのはどこの自治体でも同じではないでしょうか。頭から決めつけるのではなく、財源確保や働く子育て世代を田辺市に移住してもらうような案だと思いますが、目先のことより長い目で考えてほしい。子供は小学生が一番よくけがや病気をします。子育て世代の負担軽減にも目を向けないと大変だと思います。検討をよろしくお願いしますと載っています。このような保護者の切実な願いをどのように認識しているのか、まずお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 3番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市民環境部長、中瀬政男君。
(
市民環境部長 中瀬政男君 登壇)
○
市民環境部長(中瀬政男君) 保護者の切実な願いをどのように認識されているのかと、
乳幼児医療無料化の関係でございます。急速な少子化の進行や子育て環境が変化する社会の中では、子育てに対する保護者の経済的、精神的な負担や不安が増していると思われます。
そうした中、
乳幼児医療費助成制度の助成対象外である児童・生徒の保護者の皆様の中には、周辺市町村の制度内容と比較し、対象年齢の引き上げを希望している方がいらっしゃるということは認識しております。
ただいま、議員御紹介されましたように、市政「未来ポスト」には、これまでも乳幼児医療についての御意見を幾つかいただいており、本年3月号の広報たなべにもお寄せいただいた御意見を掲載させていただいているところでございます。
こうしたことから、今後とも市民の皆様からのさまざまな御意見には真摯に耳を傾け、住民ニーズを的確に把握し、
行政サービスの向上に努めてまいりたいと思いますので、御理解いただきますようお願いいたします。
(
市民環境部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 子育て世代を応援するべきではということで、この間小学校や中学校の保護者会の役員さんとお会いすることもあり、子供の医療費の問題の話題になりますと、保護者会として署名活動に積極的に参加、協力していただいたところも幾つかありました。子育て世代の皆さんの願いであります。多くの子育て世代の方に安心して田辺に住んでもらうためにも、この子育て支援の応援が必要ではありませんか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 中瀬政男君 登壇)
○
市民環境部長(中瀬政男君) 子育て世代の応援をすべきではないかについてお答えいたします。
全国的に少子化が進む中、本市においても子育てに不安を抱える保護者が増加するなどの課題に対応するため、平成17年に、田辺市
次世代育成支援行動計画、さらに平成22年にその後期計画を策定し、子育て世帯をみんなで応援し、子育てと社会参加の両立したまちを目指し、
ファミリーサポートセンター事業などの
子育てサービスを初め、3子以上に係る
育児支援事業などの要支援家庭のサポートなど、各種施策の充実に向け、総合的に取り組んでいるところでございます。
そのうち、
乳幼児医療費助成制度についてでございますが、これは本市においては新市発足時から平成18年9月までは全ての3歳未満の通院及び就学前児童の入院を対象とし、さらに市単独事業として、
市民税所得税の非課税世帯に限り、3歳から小学校就学までの通院を対象として実施してまいりました。
平成18年10月からは所得制限を撤廃し、全ての小学校就学前児童の入院及び通院を対象とするなど、これまでの制度の充実を図り、現在に至っております。
仮に対象を中学校卒業までということで引き上げた場合は、受給者は約6,400人の増加が見込まれます。この受給者をもとに田辺市国民健康保険の
年齢別医療費の状況などから試算をしますと、予算額は約2億円の追加が必要となります。その内訳は、小学校卒業までの拡大分が約1億2,500万円で、さらに中学校卒業までの拡大分は約7,200万円となり、厳しい財政状況の中では大きな財政負担であります。
効率的、効果的な財政運営に取り組んでいる中で、全ての子育て家庭が安心して子育てできる環境づくりを推進するためには、多様なニーズに即し、総合的に支援することが重要だと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
(
市民環境部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今、答弁の中で、小学校卒業までの子供さんをする場合に1億2,500万円、中学生まで拡大したら、それにプラス7,200万円、計1億9,700万円という金額なんですが、今回の平成24年度の補正予算、この3月議会で出されました補正予算を含みますと、大体田辺市の一般会計が500億円の金額になると思うのですが、それの2億円というのは0.4%というふうに判断するのですが、この金額はどうしても出せないのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 中瀬政男君 登壇)
○
市民環境部長(中瀬政男君) 2億円というのは、市の年間予算の0.4%ということで、これは実現不可能なのかどうかということの質問でございますが、先ほども述べさせていただきましたように、対象年齢を拡大すれば、小学校卒業までの拡大分が1億2,500万円、中学校卒業までの拡大分が7,200万円、計1億9,700万円ということで、約2億円の経費が必要となるということでございます。
この拡大部分は、県の補助対象、就学前であれば2分の1補助ということでございますが、この2億円全額が一般財源ということになります。議員御指摘のとおり、予算で0.4%ということでございますが、この数字が大きいか否か、どう評価するのかというところは難しいところであります。
これまでも、
乳幼児医療費助成制度の財源確保につきましては、昨年11月に全国市長会が国に
地方単独事業を含め、
社会保障サービスの安定的な財源確保を要請するなど、これまで地方から国への要望がなされてきた経緯がございます。
一方、県に対しましても、和歌山県市長会を通じまして、
乳幼児医療費助成制度の
補助対象年齢の拡大と所得制限の撤廃を要望しております。このような中、昨日、
安達克典議員の御質問にもお答えしましたように、多様な角度からその方向性を検討しておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
市民環境部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今の答弁でも、やはり田辺市の一般財源から出さないといけないということ、財政が厳しい、きのう市長が
安達克典議員に対しても財政が厳しいが、拡充の可能性を検討したいと答弁をされていました。都市部などの不交付団体の自治体であれば、財源が十分出てくると思うのですが、県内の自治体は和歌山県の場合、どこでも財政的に財源的に厳しいというのは同じだと思うのです。しかし、県内の30自治体のうち、7割を超える23の自治体で、中学校卒業だったり、小学校卒業だったり、印南町の高校卒業までというふうにできているということは、やはり市政の重点、自治体の施策、それの重点をどこに置くかということで、決断できると思うのですが、そこでこの問題の最後に市長のそういうところでの思い、決意をお聞きしたいと思います。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 各自治体とも財政が厳しいというのは一緒だとおっしゃいますが、確かに均等に比べ合うというのはなかなか難しいとは思いますが、ただ、対象人数というのは違いますし、それともう一つは、全体の子育て支援の施策というものを比べ合わないと、子育て支援というのは乳幼児医療だけではございません。各自治体の総合的な施策を比べ合って初めて公平に判断できると思うわけでございまして、そういう意味では田辺市は、総合的な子育て支援というのはかなり充実をしていると考えているところでございます。
いずれにしましても、昨日も安達議員にお答えを申し上げましたように、この
乳幼児医療費の助成制度については、保護者の皆様の御意見は大変強いものがあると。子育て支援、少子化対策というそういう大局的な見地に立って、拡充の可能性について検討をしていきたいと思います。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 田辺市は総合的な施策、支援がかなり充実しているという市長の今の答弁だったんですが、私がお聞きしたところで、印南町から田辺市に通っているという親御さんがおられます。それはやはり印南町だったら、高校卒業まで医療費が要らないということで選んだんだというお話です。また、みなべ町から越してきた方がみなべ町だったら中学校卒業まで医療費無料なのに、もう一回考え直すんだという形で、先ほども言いましたように、安心して子育て世代の方が田辺市に住んでもらうということは子供の医療費の無料化というのはかなり大きな要素になると思います。また、1人、障害を持っている子供さんが和歌山市内の施設に2年間入院していたときに、和歌山市だったら入院の場合、小学校卒業まで無料だということで、その間、本来だったら田辺市に住所を置くのですが、医療費が大変かかるということで、2年間、和歌山市に子供の住所を移したということも言われています。
やはり田辺市にしっかり若い世代が住んでもらうということは、この問題はかなり大きなことだと思いますので、しっかり検討していただきたいと思います。
それでは、次に2番目、田辺市のまちづくりについてお伺いします。
市長は、高齢者が住みなれた地域で安心して生活を送れることができるようにすることや、産業力を高め、快適な環境のまちづくりなどについて述べておられます。そこで田辺市の現状について、まちづくりの現状についてお聞きします。
2010年、平成22年10月1日の国勢調査をもとに見ますと、65歳以上の方がいる世帯が1万5,110世帯、うち単身世帯は4,616世帯とあります。ちなみに、60歳以上の単身世帯は5,474世帯であります。この状況をどのように認識しているのか、まずお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
保健福祉部長、田中 敦君。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 高齢者世帯の現状についてお答えします。
まず、田辺市の高齢化率についてですが、平成24年3月末現在の田辺市の高齢化率は27.7%となっており、旧田辺地域については25.6%となっております。
次に、世帯の状況ですが、平成22年度に行われた国勢調査によりますと、高齢者の単身世帯は4,616世帯、高齢者だけの世帯は3,665世帯となっており、合わせて全世帯の25.4%となっております。
高齢者世帯の状況把握につきましては、今年度から3年間を計画期間とする市の高齢者計画であります、田辺市長寿プラン2012の策定に当たり、65歳以上の要介護認定を受けていない方、1万7,000人全員を対象に、アンケート方式による高齢者実態把握調査を実施したところです。
また、高齢者実態把握事業として、市内12カ所の在宅介護支援センターにおいて、継続的に65歳以上の在宅の高齢者宅を訪問し、実態把握を行い、保健福祉サービスが総合的に受けられるように、各関係機関との連絡調整を行っているところでございます。
以上でございます。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 次に、市内の空き家の状況についてお伺いします。
中心市街地の中の実態を把握しているようですが、それについてお答え願えますか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 建設部長、杉浦克佳君。
(建設部長 杉浦克佳君 登壇)
○建設部長(杉浦克佳君) 議員御質問の市内の空き家の現状についてお答えいたします。
総務省の住宅土地統計調査によりますと、平成20年度調査の全国の空き家は約757万戸、空き家率は13.1%、和歌山県の空き家は8万3,700戸、空き家率は17.9%に達しております。
ちなみに当市全体の空き家は8,170戸で空き家率は20.5%と大幅に全国及び県の率を上回っております。中心市街地エリアにおきましては、中心市街地活性化事業の一環として、平成22年度にエリア内の空き家調査を実施しております。その結果、中心市街地地区内で128戸の空き家を確認しておりますが、外観からの目視調査であったため、実態的には空き家はこれよりも多く存在することが予想され、中心市街地における空洞化の進行が懸念されると認識しております。
以上でございます。
(建設部長 杉浦克佳君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 市内の空き家が8,170戸、20.5%というお話。これもかなり大変深刻な問題だと思うのですが、市内の西部地区、江川や古尾や上の山について、その辺についてはどのように認識されているのか、お聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 建設部長。
(建設部長 杉浦克佳君 登壇)
○建設部長(杉浦克佳君) この調査につきましては、中心市街地活性化のエリアということで調査しておりますので、その辺の地区については把握しておりません。申しわけございません。
(建設部長 杉浦克佳君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 先ほど市内で8,170戸というふうに言われたので、その辺も十分把握されているのかなと思ったのですが。この地域をずっと訪問させてもらうのですが、空き家が大変多いのです。私がもともと生まれ育ったところが、そこの町内の約半数近くが空き家になっているのです。そういう状況があって、ほかの古尾とか上の山といったところも、大変20%以上が空き家になって、高齢化の方が多いのです。それで、昭和40年代から50年代の初めにかけて宅地造成された団地、明洋団地がかなり古いのですが、それ以外にも万呂にしても、新万のほうにしても、そういう形でこれからどんどん空き家がふえてくると思うのですが、それについて何か今の時点で対策を考えられているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 建設部長。
(建設部長 杉浦克佳君 登壇)
○建設部長(杉浦克佳君) 議員御質問の空き家の対策についてでございますけれども、この空き家の現状への対策につきましては、当市が抱える深刻かつ重要な課題であり、総合的な視点からあらゆる施策を取り入れた対策が求められると認識しております。
そうしたことから、今後、空き家対策としての有効な施策につきまして、県並びに関係機関とも連携を図りながら研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 杉浦克佳君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) また、後でそれに関連して少し質問させてもらいたいと思います。
次に、3番の買い物難民の問題についてお聞きします。
買い物難民というのは大変都会のほうでも問題になってきていますし、この地方都市、そして地方の山間部のほうでは、もっと深刻な状況でいろんな施策、この辺だったらJAなどが物を配達するとかいう形の動きが、対応が始まっていると思うのですが、旧田辺市の買い物難民といわれるような買い物弱者という状況をどのように認識しているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 買い物難民の問題についてお答えいたします。
まず買い物難民とは、買い物弱者とも呼ばれ、これまで身近にあった店舗の撤退、または廃業、あるいは店舗のある場所までの交通手段がないなど、流通機能や交通の弱体化とともに、食料品等の日常の買い物をすることが困難な状況に置かれている人々のこととして使われており、このことは高齢者が多い過疎地だけに限らず、郊外の団地やニュータウンなどにおいても見られ、全国的な社会問題として認知され始めており、平成22年5月に経済産業省が公表いたしました地域インフラを支える流通のあり方研究会報告書において、その数は600万人程度と推定されております。
田辺市におきましては、要介護・要支援認定を受けていない65歳以上の方を対象に、平成23年4月1日を基準として高齢者実態把握調査を実施いたしましたが、その調査の中で、旧田辺地域に住む高齢者の方々の回答を見ますと、買い物で外出する頻度の問いに対しましては、ほぼ毎日と回答された方が34.2%おられますが、一方で週1日未満と回答された方が9.2%おられました。外出の際の移動手段につきましては、複数回答の中で自転車24.2%、バイク33.7%、みずからの運転による自動車が42%との回答がある一方、他の人が運転する自動車に乗せてもらうとの回答をされた方が22.8%おられました。
また、日常生活についての問いに、約9割の方がバス、電車、自家用車を利用して1人で外出できると回答されていますが、7.7%の方はこのような手段で1人で外出することができないと回答されています。これらの回答から、旧田辺地域においても、移動手段を持たず、日常の買い物に不便な状態に置かれている高齢者の方々が少なからずおられるということは認識しているところでございます。
以上でございます。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今、言われましたように、電車やバスとか、車とかいう形で、自分で移動できる方であったらいいのですが、やはり要介護認定を受けていなくても、高齢者の方が手押し車を押して、近くのほうに買い物に行ったりする方が多いのですが、その車があったら、ちょっとぐらい遠くても行けるという方もおられますし、100メートルか200メートルぐらいしか行けないという方もおられますし、今、現在、江川とか本町とか紺屋町とか、割りかし高齢者であっても、近くに小さな商店があって、買い物に行けるというところで、どうにか暮らせている地域もあるのですが、そこのところでも高齢者がどんどん亡くなってとなりますと、そこの商店やスーパーがなかなか営業を続けていくことが難しくなる。1つの例でいったら、新地の付近でもそういう問題が深刻になって、何度もお願いして続けてもらったけどもだめだったという形になってきています。
そういう形で、今現在、そういう高齢者に買い物に来ていただけるお店も将来的に本当に近い将来、それがお店自体が続けられなくなるということが懸念されるのですが、そういうことでの対策というのはどのように考えられているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 買い物難民の解決に向けた取り組みといたしましては、全国的にスーパーマーケットやコンビニエンスストアによる配達サービスが実施されているところでございます。一方、厚生労働省においては、高齢者のボランティアが地域で高齢者の生活支援を行う共助の仕組みも検討されたところであり、今後、これらの動きについても踏まえる中で、行政、民間及び地域住民の方々それぞれが当事者意識を持って取り組むべき課題であると考えてございます。
以上でございます。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) なかなか具体的にこうしていくというのがないので、次に行きます。
次に、4番の山間部の自然環境をどう守っていくのかについてお聞きします。
一昨年9月の12号台風で起きた深層崩壊などの問題で、一部の専門家の間では山林の管理が十分できていなかったための人災ではないかという声もあります。旧市内の長野地区や秋津川地区、上芳養地区などを訪問してお話を聞きますと、この地域は梅を主に生産されている農家の方が多いのですが、傾斜のきつい畑が放棄されているところがふえているとお話をされています。山や里山、畑が荒れてくれば、自然災害がふえることが心配されますし、一層鳥獣害の問題が深刻になると考えていますが、この自然環境を守っていくためにどのような対策を考えられているのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 産業部長、福井量規君。
(産業部長 福井量規君 登壇)
○産業部長(福井量規君) 山間部の自然環境をどう守っていくのかについてお答えをいたします。
旧田辺の山村地域は平地が少ない中、傾斜地を利用した梅やミカンの果樹栽培を中心とする農業が地域の産業になっております。これまでもこのような不利な生産条件を補うため、県営農地開発事業や農村活性化住環境整備事業等を活用し、優良農地の確保に努めてきたところでございます。
農林業センサスの耕作放棄地の推移を見てみますと、秋津川地域では、平成12年は9ヘクタール、平成17年は10ヘクタール、平成22年は9ヘクタールと横ばいであるのに対し、長野、伏菟野地区では、平成12年は7ヘクタール、平成17年には10ヘクタール、平成22年には15ヘクタールと増加傾向にございます。耕作放棄地の増加は単に個人農家が廃園し、廃業や規模縮小するといったことに留まらず、害虫の発生や野生鳥獣の住みかになるなど、周辺の農地に悪影響を及ぼすことになり、加えて農村の良好な景観や水源のかん養、自然環境の保全などの多面的機能が失われることにつながるものと考えております。
こうしたことから、市といたしましては、急傾斜地の不利な条件を補い、農村集落の維持を図ることを目的に制度化されました中山間地域等直接支払交付金事業を当初から積極的に推進し、耕作放棄地の発生防止、農業経営の維持、農村における集落機能の活性化に努めており、さらには、水土里の村づくり事業を初めとする国県のさまざまな事業を導入し、地域の活性化に務めているところでございます。
以上でございます。
(産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今言った地区というのは、2月から3月にかけて梅の花が満開の時期は山肌がかすんだような感じの白い感じに見えるんです。そこのところでずっとお話を聞いていきますと、私の一つ下の知り合いなんですが、そこの地区ではその方が一番若いほうで、道の草刈りであったりとか、整備であったりというのは私一人でしているんだという言い方をされるところもあるんです。そして、やはり先ほど言いましたように、急傾斜の梅畑を本来、今までだったら誰かに貸すというか、借りてもらって世話してもらってつくってということがあったんですが、ここ数年、梅の価格が低迷というか、梅がうまくいかないということで、借りてくれる人もないということで、こういうふうに広がってきていると思うのです。そして、去年もそうですし、ここ数年高いところの山のほうの畑というのが収穫がかなり悪くて、秋津川でも立派なパイロットができているところでも、耕作放棄地ができてきて、草がぼうぼうになって、世話する人がないと。そうしたら、虫がわいたり、いろんなことが出てきて大変なんだと。収穫にもなかなかつながらないということがあって、どんどんまだ広がるような、減っていくということは考えにくいと思うのです。
そして、高齢者も三栖だとか、かなり大規模にされているところは後継者もあるのですが、そうでない地区はなかなか後継者も育っていかない。そうしたらますますこのように耕作放棄される畑がふえてくる。そうなったら本当に人間より動物のほうが、シカだったり、イノシシだったり、アライグマだったりというところがどんどんふえてくる。鳥獣害対策でいろいろ駆除するにしても、なかなか対策が追いつかない。安達幸治議員が、ジビエというか、料理のことで言ったのですが、最近は撃つ人も少ないし、なかなか撃って、肉にしても余り喜んでもらえないということがあって、悪循環になってきていると思うのです。
やはり山が荒れてきたら、災害が物すごく心配になってくるということなので、この問題についてしっかり対策をしていかなければならないと思うのですが、根本に私はその次にある若者が住み続けられる、そういうことを考えていかないと、ただ単に今の現状を見るということだけでは無理だと思うのです。
そして、若者の雇用というか、結婚というか、子育てというか、そういうことも含めて、本当にこの10年後の田辺、どういうふうにしていくかという真剣な検討が必要だと思うのです。その中では、居住環境のこと、川より向こうのところではなかなかもともとの家というのが土地が狭くて、家が小さくてという形なので、道も狭い。そういう中では若い人がそのままではそこに住んでもらうということができないことがあります。
そういうことから、その次の6番にありますように、居住環境のことも踏まえて、若者にどういうふうに田辺に住んでもらうか。定着してもらうかということを今からしっかり考えていかなければならないと思うのですが、それについて答弁をお願い申し上げます。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 市長。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 近年全国の地方都市においては、地域経済の低迷等により、生産年齢世代の都市部への流出に歯どめがかからないとともに、市域内においてもモータリーゼーションの進展や核家族化の進行などにより、子育て世代を中心とした若年層の郊外居住が進む一方、高齢化が著しいコミュニティが発生するなど、年齢構成の偏在が顕著になってきております。本市におきましても、この傾向は同様で、市全体の人口減少を初め、市街地の空洞化と山村地域の過疎、高齢化は大きな課題となっており、特に若者の流出はコミュニティの存続にかかわり、災害時における共助においても大きな支障を来すものと考えております。
このため、市では産業を中心としたさまざまな分野において、若年層の流出対策や他地域からの流入促進策を講じているところでありますが、全国的な人口減少を初め、雇用環境の厳しさや若者の都市志向など、高いハードルがあり、抜本的な課題の解消には至っていないのが現状であります。
また、社会経済構造の変化により、若年層の市外への人口流出、さらには核家族化の進行により、若年層の郊外居住化が進んだものと思われますが、このことについては、それぞれの家庭の状況や価値観の関係もあり、大変難しい課題ととらえています。
市といたしましては、こうした状況をかんがみ、若年層を中心とした人口減少対策を総合的に継続して進めながらも、近年都市部の若者を中心に、価値観が多様化している傾向がある中、漁村、市街地、農村、山村におけるそれぞれが持つまちのよさを生かし、交流や定住を促進するとともに、農林水産業を初めとする産業と暮らしを結びつける取り組みも進めながら、若者の定住によるコミュニティの維持、活性化を図っていかなければならないと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 中心市街地活性化法で、町中に若い人に住んでもらうために補助制度をつくったりということをされたと思うのです。しかし、なかなか進まなかったということで、田辺市の場合、企業誘致ということにも積極的に取り組んでいるのですが、なかなか厳しい状況だと思います。私自身はやはり田辺を支えていく若い人に残ってもらうとしたら、第一次産業を絶対に中心にすえることが一番だと思うのです。農業、林業、吉本議員も言われていたように林業で働く場をこしらえていく。そして、漁業でも生活ができる形の漁獲高を確保していくという中で、若者を定着させていかないと、なかなか企業を誘致してそこに雇用を求めるというのは厳しいということなので。農業の場合、国の制度で年間150万円、5年間新規就農というか、若い方が農業につく場合に、そういう補助ができたということなのですが、私の知り合いの漁業をされている方もそのことを言われていて、漁業にはなぜないのだというふうに言われるのです。今、若い漁業をされている方は本当に少なくなって、前から言っていますように、本当に5年したら若い人がやりたいと言っても、教える人間がいなくなる。農業も林業も同じだと思うのです。今からやるからすぐにできるというものではないので、そういうことを系統的にやっていかなければ、なかなか問題の解決にならないと思います。
そして、働く人の賃金といいますか年収を、結婚しても生活できる、そういう形に働く人の賃上げをまずやることが一番だと思うのです。田辺市も若い人が働いて、生活できるそういうことに取り組んでいただきますようお願いしたいと思います。
そして、居住環境についても、先ほども言いましたように、本当に若い人がそこの場で住みたくてもそのままで住めないというところもたくさんあります。私はよく言うのですが、田辺祭りのおかさを持っている地区というのは江戸時代からずっと続いたところなので、家が密集していたりということで、なかなか今のままでは若い方が住むというのは大変なので、総合的にこれからどういうふうにするかということも真剣に考えていかなければならないと思います。
それでは、次に3番のところにいきます。市内の公共トイレの実態についてお聞きします。今まで何度かトイレの問題について取り上げた議員がおられます。2011年3月議会で川﨑議員がトイレのバリアフリー化について質問して、既存施設のトイレの改修については限られた予算の中で施設の増設、あるいは改築等の機会にあわせて、洋式の便座を備えた障害者用トイレや多目的トイレの設置などに努めてまいりたいと岡本部長は答えられていますが、その計画とか進捗はどのようになっているのか、まずお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 総務部長、岡本美彦君。
(総務部長 岡本美彦君 登壇)
○総務部長(岡本美彦君) トイレの改善といいますか、生活環境につきましては、洋式トイレの普及、多目的トイレと、生活様式が変わる中で順次、市においても公共施設の改築を行っているところでございます。
今まで公共施設の改築、あるいは増築にあわせまして整備を進めてきておるところでございます。特に、最近では指定避難施設であります中芳養小学校でありますとか、新庄小学校、そのような体育館建てかえにあわせて、多目的トイレを設置するとか、現在建てかえ中の田辺第二小学校の校舎、そして今後、建てかえを予定しております会津小学校校舎におきましても、多目的トイレを設置するなど、順次進めているところでございます。
今後もそういう施設の増改築等にあわせて、随時進めてまいりたいと考えております。
(総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 次に、施策と予算の大綱の中で、市長が来訪者のおもてなしに努めてまいりますというところがあるのですが、トイレのところでそのことについてお聞きします。
仁坂知事も国体に向けて、全ての公衆トイレというか、おもてなしのトイレにしたいという発言をされているのですが、田辺市内の中心市街地の公衆トイレ、公共トイレというか、市が管理している、していないにかかわりなく、公衆トイレがそういう状況になっているのか。それについてお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 産業部長。
(産業部長 福井量規君 登壇)
○産業部長(福井量規君) 市内公共トイレの実態についてお答えいたします。初めに、市街地の町歩きエリアに所在する市が所管する公衆トイレにつきましては、整備中のビジターセンターを含めまして、10カ所となっております。町歩きの周遊距離や移動時間等を見合わせたところ、おおむね適当な配置になっていると考えております。バリアフリー化や洋式便器数という観点から見て、今後改修が必要なところもあると認識しており、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー化を進め、よりきれいで使いやすいトイレの整備を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 整備に努めていきたいということなので、できるだけよその町、市を訪問させてもらったときに、きれいな公衆トイレがあったりしたら、物すごく気持ちがよかったり、最近では全国の高速道路のサービスエリアでも物すごくトイレがきれいになってということで、やはりおもてなしの心というのは、きれいなトイレというのは大事だと思うので、できるだけそういう形で進めていただきたいと思います。
次に、田辺市の観光の中心である熊野古道のトイレのことについてお伺いします。
熊野古道は全国から多くの観光客が来ていただいております。熊野古道の道中にある紀州路田辺熊野古道めぐり地図帳というのをいただいたのですが、その中に滝尻王子から継桜王子というところに十丈王子という王子があって、そこに休憩するトイレがあるというふうになっているのですが、私の知り合いの方でよく山歩きをされる方から言われたのですが、私自身、熊野古道をそんなに歩いていないので知らないのですが、その方が言うには、十丈王子というのは、きれいなトイレがつくられているのですが、個人で来られる方は問題ないのですが、大人数で、数十人とかのグループで来られた場合に、ここのトイレは和式で男女兼用の二つのトイレしかない。それでなかなかトイレの休憩時間が長くなってというお話で、もう少し数をふやすとかいうことをしたら、よそから来られた方に大変いいのではないかと言われています。
そうしてまたもう一つ、熊野古道に、継桜王子から熊野本宮大社というところの一番本宮町のほうに近いところに岩神王子と湯川王子の間に蛇形地蔵というところがあって、ここは台風12号で通れなくなって、今迂回路が設置されてというところなんですが、そこはお聞きしたら公共の市で管理しているトイレではないということなんですが、ここのトイレをきれいにしてほしいという要望があるとお聞きしています。
この二つのトイレ、地蔵と王子のところのトイレについてどのようにこれからされるのか、ちょっとお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 産業部長。
(産業部長 福井量規君 登壇)
○産業部長(福井量規君) 熊野古道の十丈王子公衆便所につきましては、議員お話のとおり、男女兼用の和式便器2基となっておりまして、団体で使用される際には、不便をおかけしているといった御指摘があることは承知しております。平成21年度に設置した比較的新しいトイレでございまして、付近の道路事情や水道等の物理的な問題もあり、便器数をふやすといったことは難しい状況でございます。こうした中、熊野古道を気持ちよく歩いていただくための方策として、古道歩きの際、トイレは余裕をもって済ませていただくような啓発に努めてまいりたいと考えております。
また、蛇形地蔵のトイレにつきましては、蛇形地蔵をお世話されている地元の方が設置されたトイレでございまして、その老朽化についても把握をいたしておりますが、現在、トイレ周辺は岩神王子付近の崩落に伴い、迂回路による通行が行われている状況であり、当面は周辺の復旧状況等を見守りながら、今後について検討してまいりたいと考えております。
なお、平成25年度から県が推進していく予定であります和歌山おもてなしトイレ大作戦の観光施設整備事業を活用しながら、市内観光地のトイレの充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) それでは、2番の指定避難施設のトイレの実態についてお伺いします。
災害が起きた場合、指定避難場所、小学校、中学校などは体育館、かつての阪神・淡路大震災のときでも東日本大震災のときでも、体育館で避難されるという方がほとんどだというふうに思うのですが、今現在、田辺市の避難施設になっている体育館のトイレの状況、数百人がもし避難した場合、そういうことに対応できるようになっているのかどうか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 総務部長。
(総務部長 岡本美彦君 登壇)
○総務部長(岡本美彦君) 議員御質問の指定避難施設のトイレの状況ということでございますけれども、本市では現在、学校、公民館、集会所と184カ所の指定避難施設を指定しておりまして、そのうち85の施設では、高齢者、障害者に対応した多目的トイレを設置しております。ほかにも洋式トイレを備えた避難施設もございますが、比較的小規模で古い施設に関しては和式トイレのみというところもございます。
そういうことで、特に御指摘のありました小学校の体育館等、災害が起きた場合に大勢の方が避難されるということでございますけれども、それを避難者100人、200人レベルの対応といいますと、現在の設置数からすれば当然足らないというのが現状でございますけれども、そういうことで市としてはやはり災害にあわせてトイレをそこに設置するというのは非常に難しい面がございますけれども、そういう他の手段という形の中で、もちろん簡易トイレの準備ですとか、浄化槽のふたに設置するマンホールトイレ、そういうのも今購入して備蓄をしております。そういうことで、特に学校等の大勢の方が避難される拠点の避難施設につきましては、今後もそういう事態に対応できるように、備蓄等を含めて検討してまいりたいと思っております。
(総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 体育館だけでするというのは難しいのですが、今、現在の体育館も20年近くたっている体育館は、ほとんど和式のトイレで、男子のほうが一つ、女子のほうが二つというところが多いと思うのです。やはりそういうところは最低限改修して、障害のある方でも入れるようなところをつくっていくということが必要だと思います。
簡易トイレでは、多目的のものもあると思うのですが、やはりいろんな意味で、学校の中にそういうものができたら、それだけでも随分、仮設トイレが必要なくなると思うのです。そして、体育館のトイレだけで処理するというのは本当に無理だと思うので、やはり学校の中で教室であったりとか、そういう形での整備というのを進めていくことが必要だと思うのです。
資料をいただいたのですが、まだ多目的というのが66、かなり新しい学校では洋式がふえてきているのですが、改築されていないところでは、そのままの和式のトイレというのがほとんどで、子供対応なので小さかったりということがあると思うのです。学校の中でのトイレ整備に意識的に取り組む必要があると思うのですが、その計画はどんなものでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 質問時間が残り少なくなっていますので、答弁は簡潔にお願いします。総務部長。
(総務部長 岡本美彦君 登壇)
○総務部長(岡本美彦君) 学校のみならず、公共施設全般を含めて、今後増改築等を含めて課題解決に努めてまいりたいと思います。
(総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今回三つの項目で質問したのは、人に優しいまち、田辺。安心安全のまちということが、やはりこれから一番大事だと思うのです。その中で若い人が住んで、高齢者も安心して住める、子育て世代の方も田辺に住みたいというまちになってほしい。まちにしていかないといけないという思いから質問をさせてもらいました。
これで、私の質問を終わらせてもらいます。ありがとうございました。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 以上で、3番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(高垣幸司君) この場合、午前11時15分まで休憩いたします。
再開時には、議案書を御持参ください。
(午前11時03分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(高垣幸司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時15分)
○議長(高垣幸司君) 続いて、9番、小川浩樹君の登壇を許可いたします。
(9番 小川浩樹君 登壇)
○9番(小川浩樹君) 9番議員、公明党の小川浩樹です。今任期4年間最後の一般質問となりました。忙しくて原稿が全部書けていない部分もあり、聞きづらい点もあるかと思いますが、最後まで御清聴よろしくお願いいたします。
1点目、市街地のまちづくりに関連して、4点の質問をさせていただきます。
平成21年、本市の中心市街地活性化計画がスタートして以降、多くの施策が展開されてきました。私自身も人口減少の時代に入る中、これ以上は緑、田畑などを宅地として広げる必要はなく、一たん人間がつくり上げた宅地のあるところに、その居住を求めていくべきところだというのが私の持論です。人と動物の住む境界を今までは山側へ山側へと押し上げてまいりましたが、そのことにより自然界とのバランスが崩れたことは鳥獣害被害の状況を見ても明らかです。人口が減少していくのですから、新たに緑をなくす必要はありません。さまざまな知恵を絞って、人の住む地域のコミュニティを維持する方策を考えていかなければならない時期です。
しかし、おととしの東日本大震災以降、市街地、特に沿岸部のまちづくりを取り巻く環境概念は大きく変化をいたしました。津波被害の心配から、地価はさらに下がり、高齢者世帯や要援護者世帯の方たちの中には、高台に移る人が出始め、若い夫婦たちが新築で家を建てるということも減り始めています。
私自身も沿岸部市街地の定住人口をふやすべきとの考えを大震災以降口に出すことをちゅうちょしてきた状況でした。しかし、大震災より2年、大地震、津波災害については、正しく恐れて、正しくその地域に暮らすとの考えが定着してきた今だからこそ、防災という視点を含めてのまちづくりを再度、始めていくタイミングであり、将来市街地を田辺市心臓部として、そのコミュニティを成り立たせていかなければなりません。市街地まちづくりを進める上で、防災や定住促進などに関連すること4点について質問をさせていただきます。
まず、1点目、木造住宅の耐震改修についてであります。私は、昨年中部公民館区内の町内会の代表により開催された、津波防災のワークショップ、避難訓練のための学習会に参加をいたしましたが、道路の狭いまちなみを抱える町内会の方のほとんどが地震による家屋の倒壊で、人命が失われることや避難路を失うことを大変憂慮しておられました。本市においては平成16年より耐震診断と改修に補助制度を設けておりますが、なかなか市街地の住宅耐震化が進まないと認識をしているところです。当局にその実績と傾向をお伺いいたします。現在まで耐震診断を受けられた件数は何件でしょうか。そのうち、改修が必要とされたのは何件でしょうか。そして、そのうち改修に至ったのは何件でしょうか。また、その地域別分布から改修が進みやすいところと、そうでないところなどの傾向についてはいかがでしょうか。
町並みのでき上がった年代がそれぞれ違うのですから、改修に対するニーズも違うでしょうし、また、建築年数が古過ぎて、改修ではとても追いつかないが、建てかえる経済力はないといったところも旧市街地内には多いかと思います。この実績と傾向について、当局の認識とお考えをお答えください。
それから、ある程度以上進まない木造住宅の耐震化について、今後どのように取り組んでいくかについてもお伺いいたします。
次に、空き家への定住促進についてお伺いいたします。
近年の人口減少とともに、あっという間に増加したという印象の空き家ですが、その現状について、そして、まちづくりの政策としての制度をつくり上げてほしいという観点より質問をいたします。旧市街地の活性化を図る上で、定住人口をいかにふやせるかというのが大きなテーマだと思っておりますが、中でも空き家については耐震、リフォームなどを経て、再度人に住んでいただく状況をつくらなければなりません。家族の住んでいた家が高齢者独居世帯となり、さらにその方もなくなり、空き家となり手がつかない状態で廃屋となり、後には取り壊されて更地となる。もう更地になると、そこに再び人が住んでもらえる可能性はほぼなくなるということを旧市街地に住んでいて、私は痛感しているところです。
旧市街地にある空き家の相続人である子や孫たちが、もちろんそのほかの方たちでも結構ですが、郊外に土地を購入しながら、2,000万円から3,000万円の住宅を建てるよりも安くその空き家を耐震化、リフォームし、再びそこに居を求めるといったことを促していく政策としての制度が必要ではないかと考えております。
木造住宅を耐震化、リフォームを施し、新築と変わらないほどきれいに仕上げたとしても、もちろんものにもよりますが、1,000万円から1,500万円ぐらいが相場と言われているようです。耐震とリフォームを一体と考えて、行政として戦略的に補助を打っていく制度が必要ではないでしょうか。
また、その耐震、リフォームを行うに当たり、地元で営業を営む金融機関で借り入れローンを組むことになりますが、この信販、ファイナンスについても、行政当局が政策として金融機関に働きかけ、まちづくりの一たんを担っていただくという観点から、その審査や補償についての基準を緩和していただくことも必要だと思っております。
空き家への再度の定住人口を促すには、空き家になった瞬間から取り壊されてしまうまでの間の限られた時間内が勝負です。若い方たちが新築の家を建て、2,000万円から3,000万円の債務を35年ローンを抱え生活していくよりも、ずっと安価で魅力を感じてもらえるような耐震、リフォーム、銀行ファイナンス対策、この3点をセットとした空き家への定住促進制度があればと期待するものです。まちづくり政策としてのこのような制度について当局のお考えをお聞かせください。
続いて、市庁舎についてであります。現在、市役所本庁舎と市民総合センターの耐震化、それからその場での建てかえか、移築かという問題について庁内議論をされているところですが、私たち沿岸部住民の現状を述べさせていただきます。沿岸部に住む住民の方、多くの方は決して市役所が移転をすることで役所の職員の方や行政機能が自分たちをほっておいて、高台に移ったというようなことを思うことはありません。また、今まで近くにあった
行政サービスの窓口が遠くなってしまうことに対する憂慮というようなことも持っているわけではありません。しかし、1点、津波被害が襲ったときの高台のビルがなくなってしまうということに対する憂慮を持っているところです。特に、この市役所周辺の町内会においては、今設定をされております地震が来た後、15分以内に高台に逃げる。健常者として高台に逃げるという、この15分以内の高台がない状況です。役所の方には苦労していただいて、津波指定避難ビルを指定していただいておりますが、もし夜間に津波被害が襲った場合、これだけの人口パイを受け入れるだけの避難ビルはありません。みすみすこれだけ高い建築物がほかに移ってしまうということに対する憂慮は持っているところです。
とはいえ、市街地まちづくりのために市役所本庁舎、市民総合センターが将来もこの場に残るのか。残るなら残るなりのまちづくりを、ないならないなりのまちづくりを考えなければならない状況です。市庁舎移転、耐震化についての現在の庁内での議論の状況をお聞かせください。
次に、4点目、市街地のまちづくりの将来についてであります。先ほども申しましたが、3.11以降、特に沿岸部のまちづくりについては、その環境概念が大きく変化をいたしました。独居老人の方や要援護者の方たちは、残念ですが、希望される方については高台の公営住宅が必要ではないかや、先ほど久保議員から質問もありました道路が狭小な地区については、道路整備が必要であるなどのさまざまな防災に関連してのまちづくりの状況が必要になってきたというように痛感いたしております。都市計画マスタープラン、中心市街地活性化計画、防災計画、この3点セットで旧市街地のまちづくりを行ってきておりますが、3点とも3.11以前にでき上がった計画であり、これから市街地のまちづくりを行う上では、防災の観点を通しての新しいまちづくりの政策ビジョンが必要ではないかと思っているところです。
市街地まちづくりの将来ビジョンについて、当局のお考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わります。
(9番 小川浩樹君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 9番、小川浩樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 小川議員御質問の市街地まちづくりに関連してのうち、4番目の市街地のまちづくりの将来については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
まず、地方都市における市街地の状況につきましては、既に御承知のとおり、人口減少といった全国的な大きな問題に加えて、モータリーゼーションの進展や核家族化の進行を初め、郊外における幹線道路の整備や住宅地の開発、さらには消費構造の変化といった状況により、居住人口の減少、いわゆる空洞化は重要な課題となっております。
本市におきましても、この市街地の空洞化は年々進行している状況にありまして、市街地における空洞化対策は、市域全体の活力といった観点からも、山村地域における過疎・高齢化対策とあわせて、重要な課題であると位置づけております。
こうしたことから、市町村合併以前以後を問わず、市街地における住環境機能を初め、商業機能、交流機能、保健福祉機能、交通機能など、都市機能全般にわたる充実を図るため、各種の取り組みを進めているところであります。
中でも、平成21年度からは、交流人口と居住人口の確保を基本方針とした田辺市中心市街地活性化基本計画に基づき、ハード、ソフト両面にわたる事業を推進することにより、市街地のにぎわいと活力の創出に努めております。
また、平成22年3月には、市街地を含む都市計画区域内のまちづくり指針として、防災・減災対策の推進、人口減少に対応した保健福祉施設等の充実、さらには秩序ある市街地と機能的な交通ネットワークの形成による集約型都市構造の構築などを基本理念とする田辺市都市計画マスタープランを策定したところであります。
こうした中にあって、中心市街地活性化基本計画につきましては、平成25年度をもって終了となりますが、市域全体の活力といった観点からも、引き続き、居住人口の確保を含む市街地の活性化は緊要な取り組みであると考えますとともに、都市計画区域内のまちづくり指針である都市計画マスタープランの基本理念の実現につきましても、重要な課題であるものと考えております。
しかしながら、一方で、東日本大震災の発生に伴い、本市の市街地においては津波被害への懸念が深まるなど、市街地を取り巻く環境はなお一層厳しさを増しており、こうした状況を踏まえましたとき、議員御質問の市街地のまちづくりにつきましては、極めて重大なテーマであるものと認識しており、また、この問題は私も従来の計画やプランの延長線上のものではなく、新たな視点や価値観といったものが求められる議論になってくるものと考えております。そうしたことから、今後、市街地も含めたまちづくりにつきまして、将来の計画やプランの内容を踏まえつつ、津波被害に対する国の施策動向や本市の地域防災計画の見直し内容等も見きわめるとともに、議会を初め、市民的議論もいただくなど、相当難しいかじ取りが求められるものと考えております。
こうした中で、去る12月議会において、3期目に向けた所信を申し述べさせていただきましたが、この極めて重大かつ難しい問題について、今後における本市の最も大きな政策課題の一つとして、一定の方向を見出すべく鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 建設部長、杉浦克佳君。
(建設部長 杉浦克佳君 登壇)
○建設部長(杉浦克佳君) 小川議員御質問の市街地まちづくりに関連しての1番目、木造住宅耐震改修についてと2番目の空き家への定住促進についてお答えいたします。
平成16年度より木造住宅耐震事業を行ってまいりましたが、現在までの実績といたしましては、平成24年度までの木造耐震診断の総件数は1,645件であります。その内訳は、旧田辺市のJR線路より海側は520件、旧田辺市のJR線路より山側で608件、旧大塔村で126件、旧中辺路町で140件、旧龍神村で135件、旧本宮町では116件となってございます。
また、年代別の建物の診断件数につきましては、昭和20年以前の建築は265件、昭和21年から昭和40年までは385件、昭和41年から昭和56年5月31日までは995件となってございます。
次に、平成24年度までの木造耐震改修の総件数は72件であり、その内訳は旧田辺市のJR線路より海側は25件、旧田辺市のJR線路より山側で35件、旧大塔村で2件、旧中辺路町で5件、旧龍神村で4件、旧本宮町では1件となってございます。
また、年代別の改修件数につきましては、昭和20年以前の建築は8件、昭和21年から昭和40年までは17件、昭和41年から昭和56年5月31日までは47件の実績となってございます。
現在までの耐震診断の結果によりますと、構造評点の一応安全と見られる基準値であります1.0以上に該当する件数は、総件数1,645件に対し、52件であり、全体の3.2%という低い結果が出ております。また、昭和41年から昭和56年5月31日までに建築された建物の耐震診断改修の件数につきましても60%以上と大半を占めてございます。
次に、耐震改修の促進でありますが、現在、木造住宅耐震補強補助金は工事費の3分の2で、上限60万円と工事費の11.5%の上限40万円を合わせて最大100万円、また設計費につきましても、設計費の3分の2の上限13万2,000円が支給され、自己負担額の軽減が図られております。さらに、昭和21年度から、耐震診断を受け、耐震改修に取り組もうとされる高齢者や障害者が居住する住宅を対象として、県の事業である木造住宅耐震改修サポート制度が創設され、耐震改修に関する豊富な知識を持った専門家を無料で派遣し、改修のお手伝いを行っているところでございます。
今後、一層の耐震改修を進めるためには、今までの実績を踏まえ、経済的負担の軽減と意識向上が必要であると考えておりますが、地域によっては、高齢化も進み、空き家も多く見受けられます。このような地域においては、町内会や自治会との密着した取り組みが大変重要であると考えており、耐震改修サポート制度についても幅を広げ、安心して改修を行えるよう、国県とともに研究、調整を行ってまいりたいと考えております。
また、意識の向上を促進するため、耐震診断及び改修への住民啓発が必要であり、広報紙への定期的な掲載や町内会において耐震学習会の開催、各種イベントでの耐震啓発ブースの設置、また戸別訪問を行うことで、より多くの人々に理解していただき、耐震改修工事の促進につなげてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、大地震や津波から市民の生命を守ることを目的とし、より一層の取り組みを行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
次に、市街地まちづくりに関連しての2番目、空き家への定住促進についてお答えいたします。
さきの久保浩二議員の御質問でもお答えいたしましたが、総務省の住宅・土地統計調査によりますと、平成20年度調査の全国空き家率は13.1%、和歌山県の空き家率は17.9%となっており、当市全体の空き家は8,170戸で空き家率は20.5%と大幅に全国及び県を上回っております。
中心市街地エリアにおきましては、中心市街地活性化事業の一環といたしまして、平成22年度、エリア内の空き家調査を実施しております。その結果、中心市街地地区内で128戸の空き家を確認しておりますが、外観からの目視調査が主体であったため、実態的には空き家はこれよりも多く存在するであろうと考えられます。
この128戸のうち、若い世代の世帯が住むために、それほど手を加えないでも賃貸物件として利用できる物件は外観調査からでありますが、約20件で、多くの物件はある程度のリフォームが必要な築年数を経過したものであります。
また、ライフスタイルの変化から若い世代の世帯が求める住宅の条件として、駐車スペースがあるかどうかが大きな要因となっており、先ほど申しましたリフォームをしなくても利用できる物件が、約20件のうち駐車スペースがあるのはわずか3件でありました。
現在、市といたしましては、中心市街地活性化事業として取り組んできました、まちなか住み替え支援で、空き物件の情報提供を行っておりますが、情報提供できているのは空き家ではなく、共同住宅の空き部屋ばかりとなってございます。また、地区外から中心市街地エリア内の賃貸物件に移住する新婚世帯や子育て世帯に家賃補助をするまちなか住まいる補助金は、これまでに33世帯に利用いただき、現在もエリア内に住まれているのは27世帯となってございます。このうち、22世帯はいわゆる空き部屋への入居であり、空き家への入居はわずか5世帯となっている状況でございます。
これらのことから、現在の新婚世帯や子育て世帯のライフスタイルに沿って求められる住宅の条件といたしましては、2台分の駐車スペースがあり、トイレは水洗化されており、学校や日々の買い物施設まで近いといったものであり、これらの条件を満たす空き家物件が少ないというのも市街地から若い世代が離れる大きな要因となっております。
現実として、長期的に空き家の状態が続けば、防犯面、景観面、衛生面等の諸問題が発生することから、議員御指摘のとおり空き家の状態になってからすぐのタイミングで新たな居住者、できれば若い世代の世帯が入居していただけるのが市街地における望むべき方向であると考えてございます。
そうしたことから、まちなか住み替え支援やまちなか住まいる補助金の制度を実施しており、その結果から見ますと、これらの施策は一定のまちなか居住への促進にはつながっているものと考えており、その受け皿となる居住環境につきましても、少しずつ改善しつつありますが、なお途上であるのが現状でございます。こういったことも踏まえて、市街地への定住促進を図るためには、空き家というストックを生かしたリフォームやリノベーションといった手法が有効であると認識しております。
全国の自治体の支援事例から見ますと、空き家バンクの創設、リフォーム補助金や助成金、リフォームローンの利子補給制度、リフォームローンのあっせん制度等、さまざまな取り組みがなされておりますが、非常に難しい問題であり、どのような支援策が当市にとって有効であるのか、県並びに関係する機関とも連携を図りながら、今後研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
(建設部長 杉浦克佳君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 総務部長、岡本美彦君。
(総務部長 岡本美彦君 登壇)
○総務部長(岡本美彦君) 私からは議員御質問の3点目、市庁舎についてお答えいたします。
市では、東日本大震災で大津波等による甚大な被害が発生し、災害時の指令塔となるべき庁舎等が被災し、復旧・復興に支障を来している自治体もあるため、災害時における行政機能の確保について検討を行う行政機能課題検討部会を平成23年6月に設置し、議論を進めてまいりました。
その中で、庁舎につきましては、行政事務を執行する場所であり、市民生活に直結した機能を有し、さらに大規模災害時において復旧・復興の拠点となる施設として位置づけ、市役所本庁舎、市民総合センター、各行政局、消防庁舎、ごみ処理場及び水道事業所を対象として、大規模災害時における安全性を調査し、検証を行い、このうち、市役所本庁舎及び市民総合センターについては、新耐震基準の適用前である昭和56年以前の建築物であり、構造耐震指標が耐震基準を満たしておらず、震度6強程度の地震で建物に重大な損壊が発生するおそれがあるとされております。
また、東海・東南海・南海3連動型とされる1707年の宝永地震級のマグニチュード8.6規模の地震を想定した従来の津波被害予測結果では、市民総合センターが50センチ未満の浸水予測地域に含まれているものの、本庁舎は含まれておりませんでした。しかしながら、東日本大震災を受けて、国が発表いたしましたマグニチュード9.0規模の巨大地震を想定した津波の浸水被害予測によりますと、本庁舎も浸水予測区域に含まれる見込みとなっております。
この新たな浸水予測を受け、和歌山県及び市による詳細な津波の浸水予測を作成することとなっていることから、検討部会では昨年11月27日、第2次中間報告といたしまして、この浸水想定等を考慮し、本庁舎等の耐震補強を行うか、または新築移転するかにつきましては、引き続き検討を続けるものとしております。
いずれにいたしましても、市庁舎につきましては、議員からもお話がございましたように、防災対策、あるいは市民サービスといった面はもちろん、まちづくりの視点が欠かせないため、市民の視点を含めた全市的な幅広い議論が必須となってくることから、本庁舎等の行政機能の安全を確保するため、検討を続けてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
(総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 小川浩樹君。
(9番 小川浩樹君 登壇)
○9番(小川浩樹君) 御答弁ありがとうございました。
木造住宅耐震改修と空き家への定住政策についてでありますが、木造住宅耐震改修、耐震診断の担当の方が、本当に田辺市でいろいろなイベントがあるたびに、テントを構えて啓発をされて、いろんな町内会に足を運んで耐震診断の申し込みを促しという大変な努力をされていることを認識はしております。ただ、ある程度、木造住宅耐震改修がそのニーズ、必要とされている方の改修はある程度終わってきたのかなという印象を持っております。
本当の旧市街地の道路の狭小な地域に密集して建てられている木造地域に住まわれている高齢化された方たちが、耐震改修の意思はないというような状況がある程度固まってきているのではないかと思っております。何か行政の政策としての抜本的な手を打つようなことがあればと思うのは思うのですが、そうしたら具体的にどうしたらいいかということについては、私も確信はありません。
空き家になった後に取り壊して更地になるまでの間に、とにかく人に入っていただくという大きな政策制度に期待をするところです。木造住宅の耐震改修、南紀みらいが行ったような、空き家を今住める状態の家に対する賃貸の考え方ではなく、空き家になった瞬間から更地になるまでの間への定住促進、このことをセットで行政として考えていただきたいと思います。
市庁舎の移転、耐震化については、私は沿岸部の住民として、皆さんの意見を申し述べましたが、とはいえ、高台移転をすること、現場に残ること、一長一短がある話だということは認識しております。どうぞ、さまざまな観点からの意見を聞いていただいて、庁内議論を深めてください。
最後に、市街地まちづくりの将来についてであります。
田辺市域がこれだけ広くなりましたので、市街地に住む私のような議員が市街地のことのみをとりたてて声高に意見を述べることには少し抵抗感が自身もあるところですが、とはいえ、田辺市の心臓部としてまちづくりを機能させることは市域全体に影響があることだと確信をしております。商店街や中小企業がまだようやく成り立っておりますが、市域に住む方が減り、この商売が成り立たなくなれば、飲食品、日用品などは郊外の大型量販店に市民全員が求めることとなれば、もちろん税収も落ち込みますし、雇用も少なくなり、また経済も回らなくなります。また、先ほど久保議員も言われましたが、大きなコミュニティとして成り立ってきた歴史文化の田辺祭のようなものも私も裃を着て、上屋敷の人間として歩きますが、本当にこの何年間の間に成り立たなくなってしまうのではないかという危機感さえ持っております。私たちより若い世代がまたわざわざ緑を壊して宅地をつくったところに新築を建て、この地域はコミュニティがなく、歴史も文化も浅いというところに移っていただくよりは、歴史文化を保存する上でも、市域全体を成り立たせる上でも、旧市街地のまちづくりが大きな岐路に来ているということを痛感しております。心臓部として成り立たせて、将来市域全体に影響を及ぼす、このまちづくりが大変な岐路に来ているという危機感を持った上で、旧市街地のまちづくりを考えていただきたいと要望をさせていただきます。
1点目は以上です。
次に、スポーツ観光について質問をいたします。
今、三四六総合運動公園整備事業は和歌山国体の開催に向けて急ピッチでその完成に向かっているところです。この和歌山国体終了後、この施設、また上富田スポーツセンターとこの地域にはスポーツ施設が充実し、これは合宿イベント等誘致の観点から、非常に有利な環境が整うこととなります。大学、アマチュア、プロなどのスポーツ合宿をこの地域で行っていただくことを定着させ、こちらに来れば、練習試合が組めることや宿泊環境を整えていくなどのマネジメントを行っていける状況にしていくことは、観光や地域振興という観点からも大変大きなテーマであります。
国体後、タイミングを逸することなく、これを定着させなければなりませんが、幾つかの分野で民間の方たちを含めて、この田辺広域におけるスポーツ観光を成功させようとの動きが始まり、私も何人もの方たちとこの件について議論を重ねてまいりました。
維持管理を含めた運営母体はどうするか。宿泊を含めたマネジメントはどうするか。少しでも多くの方に使っていただくために、施設使用についてのルール、条例はどうするかや、また全国の先進地例では、宿泊費に行政が補助を出しているところもあるなど、教育委員会、スポーツ担当、観光、企画などの所管を超え、また自治体を超え、広域でまた官民の枠を超えて連携を図り、この準備に入っていかなければならない時期にきているようです。スポーツ観光という言葉を定着させていくことを含めて、この広域での今後の取り組みについての当局のお考えをお聞かせください。
(9番 小川浩樹君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 産業部長、福井量規君。
(産業部長 福井量規君 登壇)
○産業部長(福井量規君) 議員御質問のスポーツ観光についてお答えをいたします。
スポーツは感動を生み、人々の交流を呼び起こし、地域間の相互理解を促進することからスポーツ観光につきましては、観光庁の施策の一つに位置づけられており、スポーツ資源を最大限に活用し、観光振興の起爆剤にすることが求められていると意義づけられています。こうした中、日本各地でスポーツ合宿誘致の取り組みが行われており、各旅行会社においても専門部署が設置されるなど、ニーズの高まりを見せています。
議員の御質問にありましたように、紀の国わかやま国体後のスポーツ合宿の分野で、現在整備中の三四六総合運動公園を最大限に活用していくことは、当然必要と考えております。
三四六総合運動公園の特徴といたしましては、野球場、陸上競技場ともに年間を通じて利用できる人工芝を採用しているところにあります。最近の人工芝は品質が向上しプロの試合も可能なレベルにありますが、夏場は高温になってしまうという弱点があります。それを改善し、体感温度を下げるために、グラウンド内にミスト噴霧装置を備えつけることとしております。
また、陸上競技において、トラック種目と投てき種目の同時練習は危険回避の面から別々に行われることが一般的ですが、全国的に見て、これに対応した陸上競技場が圧倒的に少ないことから、多目的広場等を活用してトラック種目と投てき種目の同時練習ができることも大きな魅力でございます。
公立のスポーツ施設でこれらを兼ね備えた施設は全国的にもまれであり、スポーツ合宿においては大きな武器になると考えております。
さらに、田辺西バイパスの完成により、三四六総合運動公園と田辺市体育センターとは数分、上富田スポーツセンターとは約20分で結ばれますので、広域連携をすることにより、大きな大会の開催や複数チームによるキャンプの誘致の可能性も広がるものと考えております。
このように、田辺市におきましては、スポーツ合宿に適した施設が充実するとともに、京阪神からの交通アクセス、温暖な気候、温泉、観光スポット、宿泊施設等スポーツ合宿受入地としての可能性は高いものと考えます。
現在、国体後を見据えたスポーツ合宿誘致の積極的な推進を図るため、田辺市を含む西牟婁地域の広域観光を推進するための組織として、南紀エリア観光推進実行委員会において、調査研究の取り組みを開始しており、先日も大手旅行代理店の担当者に地域のスポーツ施設を紹介する現地ツアーを行ったばかりであります。
また、市の内部には、観光とスポーツの所管課を中心とした庁内ワーキングチームを既に設置し、スポーツ観光の調査研究を進めているところであります。地元利用者との調整、広域での受入体制の整備など、超えなければならない課題はありますが、国体後を見据えたスポーツ観光の取り組みについては、市といたしましても次につながる新たな観光資源の柱の一つとして考えており、県、近隣自治体、民間とも連携し、交流人口の増加につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
(産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 小川浩樹君。
(9番 小川浩樹君 登壇)
○9番(小川浩樹君) 御答弁ありがとうございました。
当局とされましても、十分このことが一つの大きなテーマであるということは認識されているということを感じております。スポーツ合宿の誘致では、1合宿当たりの参加人数が多いことやリピーターが多いこと、滞在期間が長いこと、また、なでしこジャパンが上富田町にも来られましたが、有名チーム等の誘致による地域の知名度、発信力が強くなること等々が見込まれます。
全国の都道府県の国体終了後の施設の中では、極端な差がありまして、今でもスポーツ施設が合宿でにぎわっているところと閑散としてしまっているところ、この差が大変激しいようです。今御答弁いただいたように、気候もすばらしいですし、また過去には合気道の世界大会等々、スポーツ大会を誘致すれば、これだけ地域がにぎわうということも経験をしております。
とはいえ、準備の段階を逸してしまうと、タイミングを逸してしまうと、ほかの地域のスポーツ観光施設にやられてしまうという状況ですので、所管を超えてこのテーマをつくり上げていっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。
(9番 小川浩樹君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 以上で、9番、小川浩樹君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 1定議案第10号 田辺市職員の給与に関する条例の一部改正についてから
日程第64 1定議案第72号 平成24年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第2号)まで一括上程
○議長(高垣幸司君) 続いて、日程第2 1定議案第10号 田辺市職員の給与に関する条例の一部改正についてから、日程第64 1定議案第72号 平成24年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第2号)まで、以上63件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました63件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 質疑なしと認めます。
ただいま議題となっております63件については、会議規則第37条第1項の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。各常任委員会の付託事件は、お手元に配付いたしております議案付託表のとおりであります。
◎日程第65 1定請願第1号 中学校卒業まで「
子ども医療費無料化」を求める請願を上程
○議長(高垣幸司君) 続いて、日程第65 1定請願第1号 中学校卒業まで「
子ども医療費無料化」を求める請願を上程いたします。
紹介議員の説明を求めます。
1番、川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 請願について御説明申し上げます。
平成25年1定請願第1号 中学校卒業まで「
子ども医療費無料化」を求める請願。
請願者は、国民要求実現田辺大運動実行委員会。請願代表、山本智久ほか、3,708名、紹介議員は真砂みよ子議員、そして私、川﨑五一です。
請願要旨。子ども医療費を中学校卒業まで無料にしてください。
請願理由。全国的に少子化が進む中で、和歌山県の人口が100万人を切りました。こうしたとき、活力ある田辺市の発展にとって少子化対策は大切な課題です。今、県下で子育て支援策として県の制度に独自に上乗せをして、高校、中学校卒業まで子ども医療費を無料にする自治体が8割近くに広がっています。こうした子育てを応援する各自治体の流れに沿って、田辺市においても中学校卒業まで
子ども医療費無料化をしていただきたく請願いたします。
乳幼児医療費の補助、子供の医療費の補助は合併前の大塔村で小学校入学前までの補助を開始されたのを皮切りに、中辺路町など他の町村でも実施されるようになりました。2005年の合併以降、所得制限をつけて田辺市全域で実施され、その後、所得制限が撤廃され、今日に至っています。
県下7割超の自治体で、自治体の大小にかかわりなく独自施策による子供の医療費補助が行われています。このことは、この制度が子育て世代支援の重要な施策となっていることを裏づけるものだと考えられます。当市におきましても、この制度の拡充、現在、「小学校入学までを中学校卒業までに」を求める市民からの署名が3,708筆、人口の約4.7%を超えて寄せられています。議会はこの声に応え、請願の趣旨に御賛同いただき、採択いただけますようお願い申し上げまして、紹介議員からの提案説明とさせていただきます。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 紹介議員の説明が終了いたしました。
それでは、本請願は会議規則第142条第1項の規定により、その審査を所管の文教厚生委員会に付託いたします。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ散会し、明3月14日から21日までの8日間は休会とし、3月22日午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(高垣幸司君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 0時01分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成25年3月13日
議 長 高 垣 幸 司
議 員 安 達 克 典
議 員 小 川 浩 樹
議 員 塚 寿 雄...