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平成23年 6月定例会(第4号 7月 1日)

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  1. 田辺市議会 2011-07-01
    平成23年 6月定例会(第4号 7月 1日)


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    平成23年 6月定例会(第4号 7月 1日)              田辺市議会6月定例会会議録              平成23年7月1日(金曜日)            ──────────────────    平成23年7月1日(金)午前10時開会  第 1 一般質問  第 2 2定報告第 1号 専決処分事項について  第 3 2定議案第 1号 田辺市総合計画審議会条例の一部改正について  第 4 2定議案第 2号 田辺市営住宅条例の一部改正について  第 5 2定議案第 3号 田辺市簡易水道条例の一部改正について  第 6 2定議案第 4号 工事請負契約の締結について  第 7 2定議案第 5号 物品購入契約の締結について  第 8 2定議案第 6号 訴えの提起について  第 9 2定議案第 7号 民事調停について  第10 2定議案第 8号 平成23年度田辺市一般会計補正予算(第1号)  第11 2定議案第 9号 平成23年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第1号)  第12 2定議案第16号 工事請負契約の締結について  第13 2定議案第17号 平成23年度田辺市一般会計補正予算(第2号)            ────────────────── 〇会議に付した事件
     日程第1から日程第13まで            ────────────────── 〇議員定数 26名 〇欠  員  2名            ────────────────── 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  川 﨑 五 一 君               2番  真 砂 みよ子 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  市 橋 宗 行 君               5番  安 達 幸 治 君               6番  安 達 克 典 君               9番  小 川 浩 樹 君              10番  塚   寿 雄 君              11番  山 本 紳 次 君              12番  松 下 泰 子 君              13番  佐 井 昭 子 君              14番  中 本 賢 治 君              15番  棒 引 昭 治 君              16番  出 水 豊 数 君              17番  宮 本 正 信 君              18番  高 垣 幸 司 君              19番  陸 平 輝 昭 君              20番  山 口   進 君              21番  宮 田 政 敏 君              22番  吉 田 克 己 君              23番  久 保 隆 一 君              24番  天 野 正 一 君              25番  森   哲 男 君              26番  吉 本 忠 義 君            ────────────────── 〇欠席議員  なし            ────────────────── 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       福 田 安 雄 君             副市長       庄 堂 琢 磨 君             教育長       中 村 久仁生 君             企画部長      山 崎 清 弘 君             情報政策課長    小 松   実 君             総務部長      岡 本 美 彦 君             総務部理事     田 上 豊 和 君             総務課参事     藤 井 利 計 君             防災対策室長    宮 脇 寛 和 君             納税推進室長    前 川 敏 弘 君             市民環境部長    池 田 正 弘 君             保険課長      大 門 義 昭 君             環境課長      小 郷 彰 豊 君             保健福祉部長    田 中   敦 君             健康増進課参事   露 詰 公 子 君             産業部長      福 井 量 規 君             産業部理事     室 井 利 之 君             建設部長      長 嶝 義 雄 君             計画課長      前 田 眞 吾 君             本宮行政局長    山 本 幾 生 君             龍神行政局総務課長                       宮 田 耕 造 君             大塔行政局産業建設課長                       松 本 光 生 君             本宮行政局産業建設課参事                       惠 木 秀 幸 君             消防長       岩 本 徳 三 君             消防総務課長    小 山 裕 史 君             警防室長      安 田 浩 二 君             教育次長      濵 田 和 男 君             教育委員会理事   松 原   淳 君             本宮教育事務所長  関   隆 生 君             水道部長      中 村 全 文 君            ────────────────── 〇出席事務局職員             議会事務局長    中 瀬 政 男             議会事務局次長   杉 若 美津子             議会事務局主任   前 溝 浩 志             議会事務局主査   松 本 誠 啓             議会事務局主査   宇 代 夏 樹  開 議 ○議長(高垣幸司君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成23年第2回田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。               (午前10時02分)           ────────────────── ○議長(高垣幸司君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(高垣幸司君)    日程第1 一般質問を行います。  9番、小川浩樹君の登壇を許可いたします。             (9番 小川浩樹君 登壇) ○9番(小川浩樹君)    皆さん、おはようございます。9番議員の公明党、小川浩樹です。通告に従いまして、大項目2点、防災についてと排水処理事業について2点を質問させていただきます。  5月30日から4日間被災地に行ってまいりました。その体験、また現場で感じたこと、それから3月11日の大地震の当日、田辺の避難所を見て感じたこと。それから5月12日、18日に行われました市当局主催によります町内会長の代表とともに行われた意見交換会、それに傍聴、出席をさせていただいて感じたこと等を含めて、私なりの意見を述べながら、今、最優先に取り組むべきは逃げるという意識啓発ではないかなと、この点とこの点に関係すること5点について質問をさせていただきます。  3月11日の東日本大震災の発生以降、マスコミを通じてのニュース映像等を見るにつけ、大変な災害が起こったと認識をすると同時に、被災地現場で何か役に立てることはないかや、また、田辺市沿岸部の議員として、今回の震災の被害状況を見ておくべきとの思いから、いずれかのタイミングで何とか現地に足を運びたいとずっと考えてまいりました。  結果、被災地の方の心情、また現場の自治体関係者などの手を煩わすべきではないとの思いから、あくまで自身の責任での視察と自己完結のボランティアでの5月末という日程を決め訪問をしてまいりました。まず、宮城県名取市、岩沼市に入りましたが、ここで初めて津波に襲われた沿岸部のまちを目にしました。瓦れきの山の中に原形をとどめない車が散乱し、電柱が折れ曲がり、1階部分が柱だけのむき出しにえぐられた新築の家等々大津波の威力をいきなり見せつけられた思いでした。  次の日、石巻市に到着。海岸から数キロの帯状にわたる市街地が壊滅状態でした。点在する残った大きな建物と瓦れきのほかには何もなく、ようやく車が通れるように道路上だけが片づけられているという状況でした。3月11日から2カ月以上たった後でさえ、余りにも被害が大きく、手のついていないこの状態を考えると、復旧、復興をなし遂げることの困難を痛感せざるを得ませんでした。  後に、石巻市の専修大学校内に設置されたボランティアセンターを訪問、ここは最もスムーズな運営がされていると言われているボランティアセンターで、その運営形態や施設をどうしても見ておきたいとの思いで寄りました。整然と落ちついた、その運営に驚き、勉強になることが本当にたくさんありました。ボランティアの申込者、順次8人が一つのチームとなり、その場で1人のリーダーを決め、被災者の方からの依頼票を受け取ります。資材庫からスコップ、土のう袋、一輪車などの必要な道具を自分たちでそろえ、現場に向かい被災者の方の要望を聞きながら、泥出し、瓦れき撤去などの作業を行い、終わればセンターに戻り報告書を書き、完結するというものでした。  実際に、一つの班のリーダーとして2件の一般家屋の泥出し作業ボランティアに従事しました。センター運営形態を学習できたことや、ボランティアそのものの体験は本当に貴重なものでしたが、それだけではなく、泥出し作業での依頼者である被災された初老の女性から、自身も津波に流されたが助かったという震災当日の模様や身内を亡くしたこと等のお話を伺ったこと、そして、自身が大変な中ながらもボランティアの私たちに非常に気を遣われ、感謝してくださるふるまい等々は忘れられないものとなりました。  その後は、あの大川小学校の悲劇があった北上川河口部付近、陸前高田市、一文字堤防のあった大船渡市、世界一と言われた湾口防波堤の釜石市、山田町、大槌町、それから10メートルの高さの堤防で地区全体を囲っていた宮古市田老地区の被災状況等々を順次北上しながら見てまいりましたが、それらは本当に想像を絶する無残な姿でした。現場に入るまでは私は最も被害の大きかったところは、最もボランティアを必要としているところだと思っていました。しかし、実際に泥出しや瓦れき処理などのボランティアを必要としているのは、住んでいた家屋が残り、そこでの生活の再建がまだ可能な地域であって、最も被害の大きいすべてが壊滅した地域にはもはや重機とトラックしか必要がないということを思い知りました。そして、これら壊滅状態のところで被災された方の心情、まち全体を一から再建しなければならないという今後の苦労は想像をはるかに超えるものだと感じました。  先日、久保議員も言われておりましたが、特に、陸前高田市の状況は唖然とするものでした。その被災した市街地、平野の真ん中に立ちましたが、海岸線よりも5キロ、6キロメートル奥の山すそまであるその平野が360度ぐるりにわたり、わずかに残るビル以外はすべてが破壊され、一面の瓦れきの中に流された船、焼けただれた車などが散乱している中、重機とトラックのみが動いていました。信じがたいその光景は田辺市で言えば、海岸部から稲成、秋津、下万呂といった山すそまでの市街地がすべてなくなっているというような状況で、平野の形状、規模が本市に似ていることもあり、いまだに忘れることができません。  総延長1,350メートル、10メートルの高さの万里の長城と言われた堤防で地区を囲い、津波はこれを越えないと信じられていた宮古市田老地区の堤防内側の被害の大きさや議員になって最初の視察で訪問し、当時、現地の職員から間違いなく津波が防げるとの説明を受けた大船渡湾の一文字突堤が海面から消えていたこと、また総延長1.7キロ、海上に見えている部分から海底までの高さは60メートルを超え、世界一とうたわれた釜石湾湾口防波堤が無残に破壊された姿なども大きな衝撃でした。過去の津波体験に基づく画期的な設備であったはずのこれら状況を目にし、津波の威力の軽減にある程度の役には立ったにせよ、人工建造物によって被害を押さえ込もうとする考え方の危うさを思い知りました。そして、最も大事なのは、とにかく自分の命を守るために、逃げるということだと大きく確信をしました。
     4日間で東北沿岸部を駆け抜けたという強行日程でしたが、価値観や考え方が一変するような光景の連続で、今、田辺にいながら思い返すと現実感がなく、夢でも見ていたかのような錯覚さえあります。  3月11日の地震当日、私たちはこの議場での本会議中でした。会議を延期とした後、すぐに当地にも大津波警報が出され、沿岸部には避難指示が出ました。私は家族を避難施設に入れた後、その足で山本議員とともに、避難施設である第一小学校、紀南文化会館、田辺高校、文里の津波タワーと文里の創価学会の会館等を訪問しましたが、避難されている方の少なさ、また少し時間がたつと自宅に帰る方がふえていくことに大きな危機感を抱きました。以来、いざこの地における南海地震の折には、逃げることに対する意識の希薄さで被害が大きくなることを何とか避けなければと思ってまいりました。  また、5月12日、18日には津波被害が予想される町内会の会長や自主防災会の方を対象とし、2回に分けられ開催された市当局との意見交換会を傍聴させていただきました。おおむね、今、市民の方が地震・津波防災に何を望まれているかは、予想の範囲内でしたが、驚いたのは3月11日も実際、この地方は津波被害がなかったのに、どうして逃げろと言うのかという意見や本当に危険な津波が襲来するときだけ、防災無線で呼びかけてほしいなどの意見があったことでした。結果がどんなに小さな津波であったにせよ、被災の危険が少しでもあれば、そのたびに逃げるという意識づけが必要だと私は考えております。被害がなければよかったと安堵し、しかしまた次も率先して避難するという意識づけです。この方たちは、あの東北での津波の映像をテレビで見ていながらも、いざこの地域での大地震の際、逃げるのがいいのか、判断がつかないのではないかとの懸念を抱くとともに、意識の徹底の必要性、意識の変革の難しさを痛感いたしました。  私は1人の沿岸部の議員として、今までさまざまな防災施策を要望し、また、地域でも活動してまいりました。しかし、3月11日の田辺市各所での一時避難施設へ避難された方の少なさ、また各町内会長と市当局との意見交換会に参加し、まだまだ低い危機感を感じたこと、そしてさらにあの被災地の光景を目にした今、最も重要なことは地震が来たら、身の安全を確保し、揺れがおさまればすぐに逃げる。この意識を徹底して啓発する。そして、逃げたくても逃げるところのない方たちに逃げるところを確保する。また、逃げたくても逃げられない方たちを避難させる環境をつくる。このことが被害を最小限に食いとめる何よりも優先すべき事柄だと深く確信を持つに至りました。  今後、新しい防災計画がつくられ、順次財源を投じて、ハード設備を整える計画も生まれてくることかと思います。しかし、防潮堤が津波を軽減しても、防災無線が避難を指示しても、津波が来るまでに逃げていなければ何の意味もありません。そして、この逃げ切るという意識を当地ではいつ起こるかわからない南海地震発生まで、徹底し続けなければならないのです。  5点質問をします。当局の答弁をお願いいたします。  まず、1点目は最も大事であると考える、逃げるという意識啓発の徹底についてお答えください。南海地震が約100年に一度、その3回に一度が東海・東南海との連動しての同時発生だそうです。そして何百年に一度は今回の東北のような想定外の超巨大地震が発生し、次がその番であってもおかしくないなどと言われております。しかし、実際、次の南海地震での津波規模の大小はもはや人知を超えたところにあるようです。いざ地震が揺れば結果起こる津波の規模にかかわらず、沿岸部住民は避難を完了していたという状況にしなければなりません。そして、その高い意識をこれから将来にわたって、たとえ今回の東北の地震津波のショックが風化しようとも、持ち続けていかなければなりません。各家庭においては、朝昼晩とそれぞれ個々の生活の状況下において、どう行動するのかを徹底的に話し合い、実行することが必要でしょう。市当局はこの意識徹底のために、沿岸部市民に対して、今後さまざまな働きかけ、取り組みを行うことが急務であり、またそれらを長い将来にわたって維持する策を考えていかなければなりません。現時点でのその考え方、その方策、内容についてお答えください。  次に、2点目です。逃げるという意識が徹底できていれば、逃げるところのある方は身の安全を確保できるはずですが、問題となるのは逃げるところのない方たちです。マグニチュード8.6の南海地震を想定して指定されている現在の一時避難施設の中には、2階建てや3階建てのものが多くあり、これらは地震津波の規模が想定を超えたときには、大変心もとないものです。自然物である高台は沿岸部をざっと西部から見渡して、芳養団地、明洋団地、立戸裏、天神山、上野山、愛宕山、学園、東山、日和山、新庄沿岸部高台等々ということになりますが、どうやら時間内に沿岸部のすべての方がこれらの高台に到着するのは不可能なようです。沿岸部市街地の各地域すべてに一たん身を寄せるべき高台や建造物を確保するためには、今は住民の避難を認めていただけていない民間ビルにその許可を得ることや、行政が避難用の建造物を新たに建設すること、また自然物である高台に最短距離で上がるための避難路を整えること等々の早急な計画が必要です。この逃げるところを確保するということについての当局の方策、考え方についてお答えください。  次に3点目は、逃げたくても逃げられない方たちに対する方策についてお聞きします。田辺市においては、3年前に災害時の要援護者名簿を作成することを決め、一昨年より各町内会がその作成に取りかかり始めたと記憶をしております。独居老人の方や体の不自由な災害弱者の方たちが各家庭の中で、昼夜時間帯によってどの部屋におられるか等を近隣が把握し、いざというときの迅速な避難、救助に役立てるものだと認識をしております。しかし、各町内会には、各対象世帯から聞き取るべき内容がプライベートに深く及ぶこともあり、実態がつかみづらく、この名簿作成に相当苦労をしているという印象を私は持っております。  また、援護を必要とする方の完全な名簿ができ上がったとしても、津波が来るまでの時間内に全員を避難させられる体制が各地域にあるかどうかも疑問です。今回の東北の津波災害でも助けを必要とする方がいるのに、だれも助けにいくことができなかった。また、助けにいったが間に合わず、助ける方も助けられる方も流されてしまうなど、大変多くの方が亡くなったようです。現場では、緊迫した状況の中、1人でも多くの方を救おうとの葛藤、また救えなかった悔しさ等、大変な状況にあったことは容易に想像がつきます。高台に老人ホームを建て、沿岸部の独居高齢者や体の不自由な方々皆さんに入居していただくことを国策とすべきなどの意見もあるようです。一理あると思いながらも、しかしこの実現にはそれなりの時間と財源を要すると思われます。であるなら、この逃げられない方たちを被災させないためには、さらに正確な災害時要援護者名簿の作成、またその作成に苦労している各町内会の後押し、そして各地域で助ける側の体制を強化すること。また車つきのベッドや担架等の配備など、整える項目は多岐にわたります。これら逃げられない方たちへの啓発、方策について当局のお考えをお聞かせください。  次に、4点目は、児童生徒、子供たちへの啓発教育、訓練等についてでありますが、この件につきましては、久保浩二議員、中本議員の質問に対する教育委員会の答弁を聞き納得をしております。児童生徒の啓発、訓練についての答弁は結構ですので、聞き取りのときにお話をしました教職員への指導についてと、私立を含む幼稚園、保育所への指導、助言など、この点についてのみ当局の対応をお答えください。  次に、5点目は市当局の防災所管の体制についてお聞きします。  3月11日の震災以降、当田辺市の防災対策室の業務は一変しました。各地域と対話し、要望を理解し、整理し、形としていく。新たな防災計画を策定し、いざというときの被害軽減の施策を実現していく。業務量の大幅な増加はさることながら、今後は市民にとっても今以上に大変重要な部署となることが予想されます。  現在の室としての4人体制では限界があるのではないかと感じているところですが、この際、広く他の危機管理業務を統制する、独立した課としての職員数を確保し、また決裁権のある部長級を置くなどの体制を整えていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。  以上で、1点目の質問は終わります。  次に、大きな2点目、本市の排水処理事業についてお尋ねいたします。  担当所管の異なる公共下水道事業浄化槽設置推進、この二つの事業の見通しについて、将来的な水環境の整備という観点からそろそろ方向性を示すべき時期に至っているのではないかと考えているところです。この件については、山口議員が熱心に取り組みをし、何度か質問をしてこられましたが、私なりの意見も述べながら当局の答弁を求めたいと思います。  公共下水道にせよ、合併浄化槽にせよ、それらの施設の大きな目的は、トイレからのし尿下水だけではなく、ふろ、炊事場、流し場からの生活排水も同時に処理を行い、川や海といった水環境の汚染を防ぐことにあります。当田辺市においては、最新データ、平成21年度において全体人口約8万2,000人のうち、し尿のみを処理する単独浄化槽世帯の人口が約2万3,500人、くみ取りなどの非水洗化人口が同じく1万8,700人、つまり全体の半数強、計約4万2,200人の生活排水はそのまま自然界に流しているという状況です。  日本では、高度成長期に工場排水などに規制がなく、極端な川、海の汚染による痛手を経験いたしました。以後、排水規制が法整備をされ、その後、ほとんどの自治体が生活排水をも処理可能な大きな最終処分場の建設を前提とする公共下水道事業に着手、その広がりは全国の自治体の約94%に至りました。当田辺市においても、公共下水道事業基本計画が策定されて、はや20年以上がたちました。当初事業計画は非常に規模が大きく、処理面積1,990ヘクタール、事業費483億円というものでしたが、財政上、実現不能と事業着手には至らず、何度かの計画変更により、その規模を縮小した結果、現在ある最終の計画範囲は江川、古尾から高山寺までの西部地区と小泉町、八幡町、宝来町、東山から磯間までのラインより海側の旧市街地の中央地区、あわせて275ヘクタール、事業費163億円と伺っております。  しかし、この案でさえ、事業着手実施が可能かどうかは当局の大きな悩みであると認識をしているところです。片や浄化槽分野では、それまでのし尿のみを処理する単独浄化槽から生活排水も処理することのできる、合併浄化槽へと開発が進みました。平成13年には浄化槽法の改正により、以後の単独浄化槽の設置を禁止、合併浄化槽を国として推進するということになりました。本市においても各家庭における浄化槽設置に対する補助や秋津川地区での実施に代表される自治体による浄化槽整備事業など、その推進に取り組まれていると認識をしているところです。  結果的に、本市は公共下水道の計画がありながら、事業実施に至っていないことで、人口の半分の生活排水を手つかずにしてしまっているという問題を抱えることになっております。今の状況のままでは、この改善は現くみ取り世帯と単独浄化槽世帯の家の取り壊しや建てかえによる生活排水未処理世帯の自然減を待つのみとなり、これでは排水処理率を上げ、水環境を整えるにはスピードが遅過ぎます。田辺市の海や川、これらの水環境を昔のような美しさで将来に残していくという大きな目的のためには、いよいよ公共下水道エリアと合併浄化槽推進地域を線引きし、速やかに双方事業の推進、着手を図る時期が来ているのではないでしょうか。  私は事業実施が可能な公共下水道エリアをまださらに小さく絞り込み、その具体的な計画を立てた上で、残りのエリアに合併浄化槽推進施策を打つことが現実的ではないかと思っています。それは例えば、秋津川地区で行った戸別排水処理事業のようなものを他地域でも積極的に考えていくことや、また現在、国、県、市による各家庭での合併浄化槽の設置に対する約4割の補助金をさらに市が残りの個人負担6割分についても補助し、その設置に関しては個人負担をなくしてしまうというくらいの思い切った施策により、くみ取りや単独浄化槽世帯から合併浄化槽世帯に変わっていくスピードを上げることです。  また、これまでは狭隘な住宅地では、各家庭の敷地内に合併浄化槽の埋設場所がないことから、公共下水道事業でしか排水処理を行えないとされてきましたが、いまや高齢化、人口減少に伴い、それら地域にも多くの空き地、更地ができてまいりました。これらの民間所有土地を利用させていただき、大人数分処理可能な槽を埋め、近隣が接続するといった施策も工夫をすれば自治体独自の施策として、でき得る状況になってきたのではないかとも考えているところです。  4点通告をいたしました。1点目の今後の考え方についてを大きく踏まえた上で、続く3項目、2点目の公共下水道事業の今後について、3点目、戸別排水処理事業について、4点目、浄化槽補助金の今後について、総合的に当局のお考えをお尋ねいたします。御答弁をいただきたいと思います。  以上、1回目の質問を終わります。             (9番 小川浩樹君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    9番、小川浩樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    小川議員から2点の御質問をいただきました。1点目の防災についての1番から3番と5番については私から、あとは教育長と担当部長からお答えいたします。  まず、議員御質問の1番目、避難する啓発、方策についてお答えします。市民の防災意識を持続させるため、どのような手だてをしていくのかということについてですが、東日本大震災を受け、政府の中央防災会議では、新たな地震、津波対策について本年度中に方向性を出すこととしており、その後、県は国の新たな指針に基づいて、地域防災計画やあらゆる被害想定の見直しにかかるため、本市における見直しとなると、一定の期間を要することから、現在独自でできることから着手すべく町内会や学校等と連携し、避難訓練や防災学習会に積極的に取り組んでいるところであります。  中でも、特にまちづくり学びあい講座につきましては、市民の地震、津波に対する関心が非常に高く、多くの団体などに御活用いただいております。こうした市民の防災に対する高い意識を持続可能なものにしていくためには、やはり日ごろからの啓発を強化していくことと学校等においては、防災教育を積極的に取り入れるなどの工夫が必要であると認識しているところであり、今後におきましては、関係機関と協議しながら、市民の防災意識の強化に努めてまいりたいと考えているところであります。  しかしながら、行政の取り組みだけではおのずと限界がありますことから、市民の皆様にも自分の命は自分で守るとの認識に立っていただき、避難訓練や防災学習会などに積極的に参加され、防災意識の高揚に努めていただきたいと考えております。  次に、2番目の避難するところの確保、整備についてですが、市におきましては、これまで避難路の整備や避難タワー、避難広場の整備など沿岸町内会や自主防災会においても、避難路の整備や一時避難場所の選定等について従来から積極的に実施してまいりましたが、東日本大震災を受け、再点検の意味も含め現在沿岸地域と川沿い、それに隣接する64町内会自主防災会におきまして、それぞれの津波対策の課題と一時避難場所の抽出を行っているところであり、一時避難場所の確保、それぞれの地域課題の解消に向けて、各町内会等と連携を図りつつ取り組んでまいりたいと考えております。  また、耐震基準や建物構造など国の指針に合致した津波避難ビルの選定にも取り組んでいるところであり、今後におきましては、ビル所有者の御理解、御協力をいただきながら津波避難ビルの指定を行ってまいります。  次に、3点目の高齢や障害などにより避難が困難な方への方策についてですが、平成22年5月に田辺市災害時要援護者避難支援プランを策定し、要援護者の避難支援について具体化しているところでありますが、平成23年4月20日現在で、要援護者のいる201自治会のうち、171自治会、率にしますと85.1%に名簿を提供しているところでございます。平成22年9月に策定した要援護者支援の手引きでは、要援護者の避難を手助けする避難支援者の役割等を示して、地域であらかじめ決めておくことを勧めているところですが、今後も名簿の提供と名簿を活用した日ごろの声かけや見守り活動、連絡網や要援護マップの作成について助言、支援を行っていきたいと考えております。  また、要援護者名簿が形骸化することなく、実のあるものとして活用できるように、地域コミュニティの重要性を再度認識し、災害時に共助が機能するためには、日ごろから地域でのつき合いやコミュニケーションが重要であるという認識のもと、今後におきましても、自治会等を中心とした地域コミュニティの強化に支援をしてまいりたいと考えております。  次に5番目の防災所管の体制についてでありますが、防災関係の組織と人員体制につきましては、平成17年5月の合併時は総務課防災係として課長級の担当参事に加えて、係員2名と嘱託員1名の4名体制でありましたが、平成17年8月1日に災害に迅速に対応するとともに、防災対策を積極的に推進するため、防災係を総務課の課内室として防災対策室に格上げし、現在は専任職員4名体制とし、組織の強化、充実に努めてきたところであります。  また、総務課内の課内室であることから、災害時の対応等につきましては、総務課の職員がすぐに応援できるという体制としているところであります。組織機構につきましては、常々現状をさまざまな観点から検証しながら、迅速かつ柔軟に組織の見直しを図り、人員配置につきましても、事務量等を十分精査し、新しい行政需要や重点施策への対応など、市全体の事務のバランスを考慮しながら、適正な配置に努めてきたところであります。  今後におきましても、防災体制の強化や取り組まなければならない課題を十分に把握し、防災対策業務がより迅速かつ的確に進めることができるような組織体制について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    議員御質問の防災についての4番目、児童、生徒への啓発教育、訓練について、御了解をいただいた部分を省かせていただいてお答えをさせていただきたいと思います。  南海地震等の災害時の対応につきましては、例年、年度当初に開催する校長・教頭・園長会で防災マニュアルを作成するとともに、各学校の実情に応じて避難訓練を実施するよう指示をしているところであります。しかし、さきの東日本大震災の甚大な被害をかんがみますと、今までの防災マニュアル、避難訓練を見直すとともに、防災教育のさらなる充実が必要であると認識をしてございます。したがいまして、本年度は管理職研修や定例学校訪問等を通じて、今回のような災害が発生するおそれを考え、防災マニュアル、避難場所、避難経路を再検討するよう指示しているところでございます。  また、特に議員の御指摘のように、大きな揺れを感じたときには、自分の身を守るためにまず避難する。このことを児童、生徒にしっかりと意識づけ、今後とも防災教育を継続的に取り組むよう指導していきたいと考えております。  また、児童、生徒が学校にいる間に地震が発生した場合、子供たちの安全を守るためには、教職員の適切な判断及び指示は不可欠であり、教職員の防災に対する意識向上は大変重要であると認識しております。したがいまして、これからも市主催の管理職研修会、それから各種研修会で防災教育の充実を図るとともに、県教育委員会が実施する研修会にも積極的に参加するよう奨励し、教職員の防災意識の向上に努めていきたいと考えております。  次に、未就学時の避難訓練、防災教育についてでありますが、保育所及び幼稚園については、それぞれの立地条件に応じて防災対策室や消防本部と連携をしながら、避難方法や避難経路を設定するとともに、避難計画を策定し、これに基づき毎月定期的に訓練を実施しております。園児の避難では、実際には保育士及び幼稚園教諭による園児の誘導や介助等の関与が不可欠であり、職員に対しては常日ごろより防災意識を持って業務に当たれるよう、防災に関する研修を行うとともに、実際の避難訓練では園児の体験訓練等の防災意識の啓発とともに、これに伴う反省点の整理等により、スムーズで安全な避難を進めていくということを心がけているところであります。  なお、特に保育所では、ゼロ歳児からの園児をお預かりしており、実際には職員が園児を背負ったり、避難車に乗せたりといった形で避難することになりますが、現実に災害が起こった場合には、避難に困難が予想されることから、地域や学校との連携も重要になると考えております。したがいまして、今後、地域の公民館及び小・中学校、保育所、幼稚園など地域全体で避難訓練を実施する必要があると考えております。  各学校において避難訓練のあり方について研究してまいりたいと考えてございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。  以上であります。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    市民環境部長、池田正弘君。           (市民環境部長 池田正弘君 登壇) ○市民環境部長(池田正弘君)    続きまして、議員御質問の排水処理事業についてお答えいたします。  本市におきましては、生活排水処理の総合的な推進体制として、市民環境部に田辺市生活排水等浄化対策連絡調整会議を設置し、生活排水処理率の向上、生活排水処理全般の推進に取り組んでいるところでございます。  そうした中で、まず公共下水道についてでございますが、当初、平成元年3月に処理区域面積1,990.6ヘクタール、計画処理人口6万1,300人、概算事業費483億円という基本計画を策定しました。しかしながら、公共下水道事業の事業規模等の課題から、事業着手に至らず、県策定の田辺湾流域別下水道整備総合計画の中に、田辺処理区として、平成16年3月に処理区域面積407ヘクタール、計画処理人口2万3,500人、概算事業費282億円という修正基本計画を策定いたしました。  その後、さらに事業規模の検討を行い、平成20年3月におきまして、平成16年3月の修正基本計画よりもさらに事業規模を縮小した処理区域面積275ヘクタール、計画処理人口1万3,320人、概算事業費163億円という基本計画を策定し、現在に至っております。この処理区域につきましては、基本的に浄化槽の設置エリアが困難である狭隘な住宅が多い区域を中心として、エリア設定を行っているところでございます。  このように、公共下水道の計画はエリアをたびたび縮小してきたわけですけれども、しかしながら、275ヘクタールの広大な地域を概算事業費163億円で施工するという大規模事業でありますので、建設コストのみならず、将来にわたる維持管理コストも視野に入れ、国の地方分権改革の動向や東日本大震災後の技術基準の見直しなど、今後の諸情勢を踏まえ、慎重に取り組まざるを得ないと考えております。  次に、戸別排水処理事業、いわゆる浄化槽市町村整備推進事業でございますが、本事業は公共下水道や集落排水処理のような集合処理の事業化が困難な散在集落等の地域における適正生活排水処理を行うための有効な方策として、市町村が主体となり事業に加入された個人の方から分担金、使用料をいただき、戸別浄化槽の設置及び維持管理を実施する事業でございます。  この事業は、基本的に加入された個々に浄化槽を設置するものでありますことから、投資効率が極めて高い、そうしたことはもとより、公共下水道処理施設などの集合処理施設と比べて、整備コストが相当安価である。また、対象地域の整備が短時間で行える。こうした大きなメリットがございます。  一方、本事業により、面的な整備をするとすれば、その世帯数の多さから、後年、建物の用途変更や増改築の発生により浄化槽の設置変更など、維持管理の問題が多数発生したり、特に狭隘な住宅地における浄化槽設置場所の問題、これは後の浄化槽の御質問の中にもありますように、浄化槽の持つ構造的な問題でありますけれども、あと仮に空き地があったとしても、複数戸で設置する場合においては加入者間での費用負担等の利害調整の問題など、課題も確かにございます。  このようなことから、浄化槽市町村整備推進事業は、一定の条件下におきましては、生活排水処理対策の推進上、極めて有効な手段の一つではございますが、今後の市における生活排水処理対策の選択肢の一つとして、検討してまいりたいと考えております。  続きまして、浄化槽補助金について、いわゆる田辺市浄化槽設置整備事業費補助金でございますが、これは住宅及び飲食店等における50人槽以下の浄化槽を設置した個人を対象に、平成元年度より平成22年度まで累計7,450基に補助金を交付しております。現行の補助制度においては、5人槽と仮定すれば、一戸当たり83万7,000円の設置費用に対し、国・県・市が3分の1ずつの負担でその約4割に当たる33万2,000円を補助し、残り約6割は個人負担となっております。  そうした中で、公費で全額補助ということにつきましては、新築時の合併浄化槽の法的な義務づけの問題、さらには過去において従来の補助制度を活用し、浄化槽設置または集落排水事業等により、加入された方々との問題など、クリアしなければならない課題もございます。いずれにいたしましても、田辺市内における状況につきましては、狭隘な住宅地の多い中心市街地と比較的スペースに余裕のある外縁市街地、あるいは中山間地域といった異なった性格を持った地域で構成されていますので、公共下水道と、いわゆる浄化槽の持つ機能的、あるいは事業面における特性、言いかえますとメリットと課題の調整、さらには厳しく不透明な政治経済的情勢など、さまざまな事情や大きな問題がございます。しかしながら、議員御指摘の本市の生活排水処理についてのあり方につきましては、それらを踏まえた上での総合的な施策の展開が求められている現状でございますので、今後、市としましては、冒頭に申し上げました田辺市生活排水等浄化対策連絡調整会議におきまして、十分議論を重ねるとともに、また皆様方の御意見、御協力を賜りながら、市としての合理的かつ効率的な判断の中で、より妥当な方針を見出してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。           (市民環境部長 池田正弘君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    9番、小川浩樹君。             (9番 小川浩樹君 登壇) ○9番(小川浩樹君)    御答弁いただきましてありがとうございます。  1点目の防災についての5点目、庁内体制についてのみ、2回目の質問をします。聞き取りのときに、小川総務課長が来ておりましたので、人をふやすという前向きな返事がもらいにくいのかなと思いながら聞き取りをしましたが、この点に関してのみ、再質問をいたします。今の答弁では、少し具体的にどうするかがわかりにくく思いました。今後、防災対策室は市全体の防災業務を掌握していくべき立場になると思いますが、当然、消防との連携や教育委員会が把握する各小・中学校の訓練や、また建築課が把握していくことになるであろう、各建物の耐震等々、いろいろな情報を持っていなければならない部署になっていくのではないかと予想しております。当然、人員配置も必要でしょうし、課に昇格することも将来あろうかと思いますが、今の御答弁ではそれが事足りているのか、将来的には規模を広げるべきなのか、少しわかりにくかったかと思います。再度、この点についてのお考えを再質問いたします。答弁よろしくお願いいたします。             (9番 小川浩樹君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    9番、小川浩樹君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  総務部長、岡本美彦君。            (総務部長 岡本美彦君 登壇) ○総務部長(岡本美彦君)    小川議員の再質問にお答えいたします。  現在の防災対策室の全庁的な消防本部との連携、あるいは耐震関係でありますと、建設部との連携、今それもやりながら業務を進めているところでございます。今回の大震災を受けて、総務課のほうでも県下類似都市の防災対策室の状況がどういうふうになっているのかも聞き取りをさせていただいております。  そういう中で、今進めております、まず身近なことからできることという中で、これから町内会からの要望等、調整の中の項目が上がってくると思いますけれども、そういう状況も踏まえた上で、どのような体制が必要か、十分検討させていただきまして、人員配置について検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。            (総務部長 岡本美彦君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    9番、小川浩樹君。             (9番 小川浩樹君 登壇) ○9番(小川浩樹君)    ありがとうございました。それでは、順番は逆になりますが、排水処理事業についてから私の考えを述べたいと思います。私は決して公共下水道事業そのものを否定しているわけではありません。しかし、どう考えても、今当局がおっしゃる、これが最小エリアだといわれる古尾、江川、高山寺、それから上屋敷、中屋敷、下屋敷、新屋敷、末広、神子浜、磯間、小泉、八幡、宝来、東山というこのすべてのエリアを対象として、それらを賄うべき最終処分場を建設して、管路をすべて敷き、20年、30年をかけて163億円の事業を完了させるということに至らないのではないのかなというふうに考えるのが自然なのではないかと思っております。  公共下水道エリアは、私は実施するのであればまだ規模が小さく、飲食店が建ち並びその排水処理にそれなりに高機能が必要とされる味光路、商店街周辺、それから魚加工事業を生業としている磯間、江川、このあたりに限られてしかるべきなのではないかという印象です。また、それらの地域でさえ、味光路周辺は背戸川をきれいにするという1点で、どこか広い土地に大きな槽を埋設してコミュニティプラントを設置することや、また磯間や江川も漁業集落排水事業の法的なたてりを何とか乗り越えて、魚加工の排水も処理できる状態にした漁業集落排水など、それぞれの地域での可能な処理方法があるのではないかという印象さえ持っているところです。  また、先ほど浄化槽補助についてお話をしましたが、一般家庭の合併浄化槽設置に対して、大体30数万円、国・県・市から補助が出て、残りの自己負担が約60万円ぐらい。設置に対しての自己負担が60万円ぐらいと認識しておりますが、極端に言えば、その60万円の残りも行政が出してあげて、1年に100件あっても6,000万円、1,000件になっても6億円という数字を考えると、163億円の公共事業を行って将来にもそれを債務としてつけを残すよりは、合併浄化槽推進にかじを切るということが将来の水処理の上でスピードを上げることに財源も安いし、大きく近づくのではないかという印象を持っております。  埼玉県のときがわ町というところですが、合併浄化槽個人宅設置に自己負担をさせないという理念で同じような施策を、今言うような施策をスタートさせたところもあります。田辺市と同じように公共下水道事業に着手できなかったという同じ悩みを抱える自治体ですが、川に蛍を戻そうということで、大きな住民合意があって、合併浄化槽補助に踏み切ったというまちです。同じようなことが田辺市でも今後考えられていってしかるべきではないかというふうに思います。  また、公共下水道の計画地域として指定されている区域の中の方たちも、建てかえによって合併浄化槽設置をそれぞれ個人の負担を60万円、70万円の出費をしながら、建てかえのときには公共下水道地域だと言われておりながら、合併浄化槽設置に負担をかけていくという、このことにもそろそろ矛盾の限界点が来ているのではないかと感じているところです。  先ほど池田市民環境部長から答弁をいただきました。庁内議論を始めていただきたいというところですが、公共下水道事業は国土交通省所管で建設部所管、合併浄化槽設置については環境省所管で市民環境部ということで、大きな二つの事業のたてりを越えた議論が職員の中だけで決断をできるものではないと実は思っております。大きな政治決断、市長トップの英断が要るべき一つの政策だと思っておりますので、市長への要望ですが、この市長任期2年間の間にどうぞこのことに一定の政治決断を加えていただきたいと、このことを要望してこの質問は終わらせていただきます。  防災についてであります。一通り御答弁をいただきました。先ほども申しましたように、被災地へ足を運んだことが一番大きな私の心情の変化でしたが、とにかく避難するという啓発について、今からでもできることがあると思いますので、そのことの徹底を当局なりに工夫をして考えていただきたいと、そのように思います。  先日、教育長の御答弁でも紹介がありましたが、また議員の質問にも出てきました、釜石の奇跡という小・中学校の99%の児童・生徒が無事だった。それには防災学習を徹底して行ってきたということがあるそうですが、釜石市には「津波てんでんこ」という言葉が言い伝えとしてあるそうです。「てんでんこ」というのは、てんでばらばらという意味だそうですが、津波が起こったら、それぞれ一人一人が身内を放ってでも、まず自分の命を守るために逃げるという言い伝えだそうです。  これは家族コミュニティを否定するということではなくて、家族で徹底的にふだんからそれぞれがどうするかを話し合った上で、いざ起こったときにはそれを必ず実践するという言い伝えだそうです。こういう土壌があるからこそ、防災教育に力を注ぎましたが、釜石というところが今大きく取りざたされているのではと感じているところです。  この釜石市の防災教育に釜石市教育委員会とともに、当初から携わってきた群馬大学大学院の片田敏孝教授という方のインタビューを新聞で読みました。少し読ませていただきます。「子供たちに教えてきたのは知識ではなく姿勢を与える変える教育だ。自然災害に向き合うとき、主体的に自分の命を守り抜くという意志が重要なポイントになる。姿勢を与える防災教育のベースは自分の命を守ることに自分が主体的であれということだ。今回亡くなった方の分布を見ると、ハザードマップの危険区域の外側ばかりだ。想定に縛られ過ぎたことが大きな反省だと思う。想定が甘過ぎたから、想定を見直そうという意見があるが、想定を高めることは行政への依存レベルを高め、住民が主体性を欠く方向に作用する。今ぐらいの防災対策をしっかりやり、それを超える災害には逃げることを原則として、社会の安全を考えることが重要ではないか。今の行政は、これに従っていれば大丈夫ですというような防災をしているが、自分の命を守るのは、あなた自身だ。あなたがベストを尽くすことを行政はサポートしますという形に発想を転換しなければならない。」とありました。  被災地現場に入っても、本当に感じたことですが、質問をして当局に答弁を求めながら矛盾するかもしれませんが、何メートルの津波が来るのかとか、どこまで浸水が来るのかというようなことをこの際、行政に答えを求めることには無理があるのではないかという思いを持っております。  被災地現場では、地盤沈下によって今は海になってしまった地域や、また山そのものが低くなってしまったというような地域を見ました。大きな目でとらえれば、火山が噴火したり、大津波が来たり、生物の命を奪いながら、地球という生命体のリズムがこのようなことを繰り返しながら地形を変えてきたんだなということを大きく認識をしました。その一つ一つをどれぐらいのものになるかという議論をするよりは、これだけ大きなことが起こるという前提で、そのときに何ができるかという意識徹底が一番大事だということを認識する結果に至ったわけであります。  これから中央防災会議への指針が示されて、各種さまざまなハード施設については財源が整えられ、それが準備されることになるかと思いますが、意識徹底の部分について何とか行政の方に市民、住民の方に向けての徹底をしていただきたい。このことを再度お願いをしまして、一般質問を終わります。  以上です。ありがとうございました。             (9番 小川浩樹君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、9番、小川浩樹君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(高垣幸司君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前10時59分)          ―――――――――――――――――――
     再 開 ○議長(副議長 吉田克己君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時00分) ○議長(副議長 吉田克己君)    続いて、26番、吉本忠義君の登壇を許可いたします。             (26番 吉本忠義君 登壇) ○26番(吉本忠義君)    26番、誠和会の吉本忠義です。東日本大震災被害者数は、6月29日現在、警察庁のまとめで死亡者が1万5,508人、行方不明者が7,207人と発表されました。こうした未曾有の大震災で家族や地域のきずながずたずたになり、生活基盤も大きく揺らぎ、これからの復旧、復興の道のりはよほど遠いものがあります。本論に入る前に、日本農業新聞に悲しみ深く震災100日を迎えた、岩手県陸前高田市の水稲農家の記事を少しだけ紹介させていただきます。  「死者、行方不明2万3,000人超となった東日本大震災が発生し、18日で100日目を迎えた。月日が流れても家族を失った農家の心の傷はいえない。岩手県陸前高田市の農家、石川秀一さん(62歳)は津波にのまれて亡くなった息子、後継者の政英さん(37歳)の墓前に立ち、喪失感と悔しさをかみしめた。「一人前の農家に育てたかった。」夢を砕かれ、営農を再開する心境にはなれない。ただ冥福を祈ることしかできなかった。18日の朝、政英さんが眠る墓前に秀一さんら親族が集まった。甘いものが好きだった政英さんのために、メロンやバナナ、菓子を供え故人をしのんだ。政英さんと親子2人、二人三脚で水稲10ヘクタールを切り盛りしてきた秀一さんは、「いつかは気持ちに区切りをつけざるを得ない。でも簡単にはできないよ。」と吐露する。寂しそうに墓を見詰め、そっと手を合わせた。「後は頼むぞ。」、震災当日、消防団員だった政英さんは家族にそう言い残し、住民を津波から避難させるために沿岸部へ向かった。10日後、遺体で見つかった。両親や妻の弘美さん(42歳)、娘の愛美ちゃん(10歳)を残して。弘美さんは「まだ信じられない。帰ってくると思ってしまう。」と、亡き夫を思い、墓前で涙がとまらない。「あのとき避難の誘導に行くのをとめればよかった。」と、政英さんの母、春枝さん(62歳)は今も後悔をしている。政英さんは消防車両に乗り込み、避難する住民の誘導を続けたという。遺体は津波に流された消防車両の中だった。秀一さんは、「何事も手を抜かない人間だった。避難誘導も最後までやり遂げるつもりだったのだろう。」と推察する。4年前に就農して以来、政英さんは農作業も一切手を抜かなかった。水田の代かきなどはでき上がりを追及する余り、時間を忘れて作業に没頭することが多かった。そんな懸命な姿勢は秀一さんの誇りでもあった。」ということで、ちょうど先月の18日、百か日を済ませたほんの死亡者の1人でありますけれども、これ以上の家族を失った方々、あるいはまた本当にひとりぼっちになった方々、たくさんの被災を受けたのが、大震災であります。  そうした中で、これ以上被災にあった方々はどれほどいるかわかりませんけれども、震災後、都道府県、各市町村も防災対策の見直しにかかりつつあり、田辺市にも行政機能課題検討部会が設置され、東海・東南海・南海地震を想定した自助・共助・公助が共同して防災対策を推進していく方向であります。  今回の6月議会での一般質問をされた全議員が、それぞれの視点に立った異なった意見もございますけれども、そうしたものをぜひこの行政機能課題検討部会において、十分生かしていただきたいという思いであります。  それでは、総合防災対策について質問いたします。  まず初めに、防災対策の見直しをするのかしないのか。あるいは2番目の見直しの具体的な事項でありますけれども、一昨日からの質問に市当局から、このことにつきましては、基本的には国の中央防災計画、県の防災計画を受けて、田辺市が計画をするものであり、時期的な問題があるので、今のところ整合性を踏まえてやっていきたいという御答弁でありましたので、そこから向こうは言いませんけれども、私は今、この防災計画とそして県の防災計画はそれはわかるのですけれども、やはりそれまでにできることがないかどうか。私はそこに注目をしたいと思うのです。  と言いますと、けさからの小川議員の質問にもありましたけれども、やはり避難場所、そしてまた避難路、そのものに対して具体的な取り組みをできるものからやっていくこと。このことが大変大事かと思います。  ちょうど、紀伊民報の「水鉄砲」の中に、「ここ20年ほどの間、津波警報や注意報が出されても、潮位のわずかな変化しか見られないことが多い、警報が空振りに終わっているから、またかという意識が働き、多くの人が避難はしなかったのだろう。命を守る情報がオオカミ少年の警報のようになっているのである。自分の命は自分で守るということを徹底するためにも、警報は必要である。だからこそ正確さとスピードが求められる。逆に警報が発令されると住民も弱者を助けながら、迅速に避難しなければならない。避難ルート、避難場所も事前に周知徹底しておく必要がある。和歌山は、地震被害の多い県であり、先人の体験も多く語り継がれている。それらを教訓にして、1人の犠牲者も出さないように、防災マップを見直したい。」ということが載っておりました。  和歌山県におきましては、避難指示が出されましたけれども、それに応じたのはわずか2%、避難所に駆け込んだ人の割合が最も多かった太地町でも10%程度と言われております。こうしたことに対して、私はこの防災計画ができるまでの間、田辺市は今、懇談会等をやっておりますけれども、できることから積極的に取り組んでいただきたいと思います。  次に、消防庁舎については、後からしますけれども、庁舎の移転計画を田辺市として今この際考えているのかということでございます。この市庁舎の耐震をするのに、約8億円程度かかるそうでありますけれども、私はやはりこの司令塔の市庁舎が築後かなりの年月がたっているわけなので、今、ここにいる真砂市長が中心になって、この将来の計画として庁舎を建てかえていくという方向性を持つ必要があるかなと思っております。  そういう意味で、庁舎の建設基金の創設をぜひ検討してはどうかと思います。龍神村の庁舎につきましても、長年の懸案でありましたが、毎年、数千万円ずつの建設基金を持って庁舎をつくったわけでありますけれども、この庁舎を建てかえれば、約70億円、80億円ぐらいは要るのではないかと思いますが、ぜひ庁舎の移転計画の中に、この移転計画を少しでも早めるためにも建設基金の創設をできないかどうか。この辺について御意見を賜りたいと思います。  次に、住民基本台帳等のサブネットを行政局へ設置してはどうかということでございますけれども、東日本大震災を受けて、被災地にかかる住民基本台帳等のデータ復旧に支障をきたした自治体もありました。市の住民基本台帳等の災害対策については、市民の心配のひとつとなっていることから、現在、本庁舎に設置されている住民基本台帳等のデータ及び電算機器について、同等のものを行政局に設置してはどうかということでございます。  特に、龍神行政局、あるいは大塔行政局、本宮行政局等々については、既にケーブルテレビが入り、光ファイバーが敷設をされておりますので、そうそう難しくないと思いますので、市民のいろんな方からしても、この住民基本台帳と同じものがいつでも保管をされているという安心感がどうしても必要だと思いますので、この辺についてもお答えを願いたいと思います。  そして、7点目の廃校舎を生活避難場所として日ごろから整備できないかということであります。龍神村の場合、下山路中学校につきましては、いろいろありましたけれども、解決を見まして、今、甲斐ノ川の小学校が残っています。そしてまた今度、本宮中学校も統合の運びになってきておりまして、廃校舎がこの山間部で出てくるわけでございまして、将来、東南海・南海地震が発生したときに、この被災された方々の一時的な生活避難場所として、私は日ごろから廃校舎をきちっと整備をしておく必要があると考えますけれども、こういう考え方について御意見がありましたらお願いいたします。  次に、8点目、人工透析患者の病院の移設について、これは個人の病院でございますけれども、新庄にもクリニックはございますし、田辺市全体で人工透析患者の方々が何人いるかどうか、そしてまた比較的海抜の低い病院等には何人ぐらいおられるかどうか。お聞かせ願いたいと思います。  といいますのは、人工透析を受けられている方々から、この震災がある前からも透析中に、地震が来たときに私たちは逃げることができるのだろうかということを何人からも聞きました。私はそういう意味で、この行政指導の中で、そうした低位にある病院、診療所等から長期にわたってぜひひとつ人工透析をされている患者さんの立場に立って、逃げられない方々をどうするのかということについても、一度協議していただきたいと考えております。  続いて、9番の新法の津波対策推進法が衆議院を通りまして、参議院も恐らく通過すると思いますけれども、本市としてこの津波対策推進法が本当に田辺市のために、どんな施策が適応されるのか。早く早く法律のすき間をぬって、田辺市として現実的な対応ができるようなことに取り組んでもらいたいと考えております。  それから、消防庁舎につきましては、2015年をめどに取り組まれておりますけれども、1年でも早めることができないかどうか。この辺につきまして、御答弁をお願いしたいと思います。いずれにいたしましても、今回の防災対策につきましては、全国の都道府県、全国の市町村、こぞって見直しをされるようでありますが、今、いつ地震が起こるか、起こらないかわかりません。20年向こうか、あるいは30年向こうか、40年向こうかはわかりませんけれども、今の市政を担っている真砂市長を中心に、田辺市議会も含めて、今走っているランナーが真剣に、この震災について議論をし、できるものから順番につくり上げていくということが一番大事だと思いますので、ぜひひとつ避難場所、避難路というものについて、どこまで進んでいるのか、お聞かせ願いたいと思います。  以上で、1回目の質問を終わります。             (26番 吉本忠義君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    26番、吉本忠義君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    吉本議員からいただいた総合防災対策についての御質問のうち、1番、2番、4番、5番、7番、9番については私から、あとは担当部長からお答えいたします。  まず、1番目の防災対策の見直しと2番目の見直しの具体的事項について、関連づけてお答えをいたします。東日本大震災を受けまして、現在、政府の中央防災会議では、新たな地震・津波対策について本年度中に方向性を出すこととしており、その後、県は国の新たな指針に基づいて、地域防災計画やあらゆる被害想定の見直しにかかるため、本市における見直しとなると一定期間を要することから、現在短期的に可能なことから着手すべく町内会や学校等と連携し、避難訓練や防災学習会に積極的に取り組んでいるところであります。  また、現在、沿岸地域と川沿い、それに隣接する64の町内会、自主防災会におきまして、それぞれの津波対策の課題と一時避難場所の抽出を行っているところであり、一時避難場所の確保、それぞれの地域課題の解消に向けて、各町内会等と連携を図りつつ取り組んでまいりたいと考えております。  また、災害用備蓄品の強化を図るとともに、耐震基準や建物構造など、国の指針に合致した津波避難ビルの選定も取り組んでいるところであり、今後におきましては、ビル所有者の御理解、御協力をいただきながら、津波避難ビルの指定を行ってまいります。  中期的展望につきましては、おおむね国や県から新しい指針が示されるまでの間として認識しておりますが、現在取り組んでいるソフト事業に加え、海抜表示板の設置や避難誘導灯の増設、さらには災害用備蓄倉庫の整備及び品目の強化など、事業の緊急性や重要性を見きわめながら実施していきたいと考えております。  長期的展望としましては、冒頭でも御説明申し上げましたように、国及び県から新しい指針が示されてから進めることとなりますが、地域防災計画の見直しやハード事業などにおける国、県への要望事項など、新しい指針に応じた防災対策に取り組んでいく所存でございます。  次に、4番目の庁舎の移転計画を考えているのかについてでありますが、市本庁舎は昭和45年12月に完成、鉄筋コンクリートづくり、地上5階建てで築後40年を経過しており、平成18年度に行った耐震診断によりますと、昭和56年に耐震規定を大幅改正した新建築基準法以前の建物であることから、各階とも耐震壁が少なく、絶対的な強度が不足しており、耐震診断基準を示すIS値が最も低いところでは、0.32と診断され、震度6から7程度の規模の地震では、倒壊し、または倒壊する危険性があるとされております。このため、平成20年3月に策定した田辺市耐震改修促進計画において、本庁舎につきましては、総合的に耐震化の検討を要する施設として位置づけをしております。  一方、平成17年の和歌山県津波被害予測計算結果に基づき作成された津波シミュレーションによりますと、本庁舎は浸水地域に含まれていませんが、このたびの東日本大震災では、想定外の大津波により、災害時の司令塔となるべき庁舎等が被災し、復旧、復興に支障を来している自治体もあることから、災害時の行政機能の確保について検討するため、庁内に行政機能課題検討部会を設置しており、この検討部会において、庁舎の耐震化や移転の必要性など総合的に検討してまいりたいと考えております。  次に、5番目の庁舎建設基金の創設についてでありますが、議員御指摘のとおり、庁舎を建設するとなれば、その費用が基本的にすべて市の負担となり、一部は市債が活用できたとしても、多額の一般財源が必要となりますので、さきに申しました行政機能課題検討部会において、庁舎建設基金についても検討することとしています。  次に、7番目の廃校舎を生活避難場所として、日ごろから整備しておけないのかについてでありますが、現在、廃校施設は市内に8施設あり、そのうち、龍神地域の旧龍神中学校、旧宮代小学校、旧殿原小学校、旧甲斐ノ川小学校の4施設と本宮地域の旧静川小学校、旧四村川小学校の2施設、あわせて6施設を避難施設として指定しております。  そうしたことから、日ごろから施設周りの草刈りや雨漏れなどに対する施設修繕を初め、貯水槽の水質検査や浄化槽、消防設備などの施設設備について随時点検等を行っているところでありますが、今後とも避難場所としての役割を果たすため、施設の維持管理に努めてまいりたいと考えております。  最後に、9番目の新法(津波対策進法)成立に関して、本市として一番に適用可能な施策はについてでありますが、先日、6月24日に津波対策の推進に関する法律が公布・施行されました。吉本議員から本市にとって、かかわりの深い新法であり、防災対策事業などにかかる財政支援なども想定されることから、常に情報収集に努めていただきたいとの提言がございましたが、今後におきましても、この法律が本市にとって、有効に作用するよう研究や情報の収集に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    消防長、岩本徳三君。             (消防長 岩本徳三君 登壇) ○消防長(岩本徳三君)    私からは、議員御質問の総合防災対策についての3番目、消防本部庁舎の移転時期を早められないかについてお答えさせていただきます。  新消防庁舎は、平成28年5月が期限となっている消防救急デジタル無線の整備にあわせて建築しようとする計画で、紀南病院前の土地に平成27年度完成を目指し、事務を進めているところです。建築予定場所は保安林のため、用地購入した後、敷地造成するには、まず解除手続が必要であり、今までの田辺市の類似事業を参考にすると、基本構想に基づく保安林解除の事前協議、正式申請、さらに敷地造成工事、庁舎建築工事など、事業の完成までには今年度から5年間要すると思われます。  消防本部といたしましても、可能な限り早期完成に取り組んでまいりますが、現在のところ大幅な期間短縮は見込めない状況でありますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。             (消防長 岩本徳三君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    企画部長、山崎清弘君。            (企画部長 山崎清弘君 登壇) ○企画部長(山崎清弘君)    吉本議員から、総合防災対策についての6点目として、住民基本台帳等のサブネットを行政局へ設置してはどうかという御質問をいただきましたので、私からお答えいたします。  今回、災害時におけるデータの保護につきましては、宮本議員、川﨑議員、中本議員にも御答弁させていただいておりますので、少し重複する部分もあろうかと思いますが、御容赦を賜りたいと存じます。  さて、近年、時代の変化に伴う行政事務の増大化に対応するとともに、迅速かつ的確な行政サービスの提供を図るために、コンピューターによる情報処理が拡大されてきました。この処理につきましては、パソコンやホストコンピューターなどの機器と、そのコンピューターを動かすソフトと呼ばれるプログラム、そしてそのソフトを使用して作成する個人情報などの各種データの大きく三つに分けることができます。  このうち、復元に莫大な時間と経費がかかったり、最悪の場合には、復元できなくなることも想定されるのは、日常業務の中で長い間積み上げてきた各種のデータであり、このため当市におきましては、従来から特に重要なデータについては、機器の故障など通常考えられる範囲内での障害を想定してバックアップをとって、そのデータを同じ庁舎内に保管をしておりました。  しかし、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災を機に、大阪府羽曳野市との間で、同年5月に電子計算組織にかかるバックアップテープの相互保管に関する協定を締結し、住民基本台帳等の重要なプログラム及びデータを毎月末、外部媒体に保存格納の上、羽曳野市に送付し、保管してもらっているところであります。これは、大規模災害が発生した場合を想定して、できる限り危険を回避、分散するとの考えから実施しているものであり、現在も引き続き取り組んでいるところでございます。  しかしながら、このたびの東日本大震災のような地震とその後の大津波によって、ほとんどすべてのものが一瞬にして破壊され、流出した現状を目の当たりにしたときに、これまで一定の防災対策を念頭に置いて取り組んできた行政事務についても、改めて想定外もあり得るという認識を持って取り組まなければならないと、強く肝に銘じたところでございます。  こうしたことから、東日本大震災後、直ちに市のすべての情報処理システムにおけるデータの保存、周期、それから保管方法について、改めて現状を調査したところ、先ほど申し上げました羽曳野市に保管をお願いしている住民基本台帳など32業務の重要なデータ以外に、今後何らかの対策が必要な業務も数多く出てまいりましたので、現在、庁内に設置した行政機能課題検討部会において、緊急に実施しなければならないもの、対応に一定の期間が必要となるものなどに分類し、検討しているところでございます。  さらに、こうしたデータやプログラムの保護、保管に加えて、コンピューター本体などのいわゆるハード機器の保護につきましても、その方策を検討しているところでございます。ただ、現段階では、どの場所にどの機器やデータをどのように保管するという個々の詳細な部分については、決定しておりませんが、できるものから順次早急に対策を講じてまいりたいというふうに考えております。  議員から御提言をいただきましたホストコンピューターなどの機器類やデータをサブシステムとして新たに整備し、それらを行政局へ設置してはどうかということにつきましても、その中で考えてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、被災後の復旧や復興、生活支援を円滑に進めるためには、情報処理システムの稼働が必要不可欠でございますので、さまざまな障害を想定しながら、保全対策を進めてまいりたいと考えていますので、御理解賜りますようお願いいたします。  以上でございます。            (企画部長 山崎清弘君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    保健福祉部長、田中 敦君。           (保健福祉部長 田中 敦君 登壇) ○保健福祉部長(田中 敦君)    議員御質問の8点目、海抜の低地にある人工透析患者の病院の移設について、行政支援という観点から、安全な場所への移転協議、検討はできないかにお答えいたします。  平成22年度に人工透析を受けたと推計される223名の市民のうち、受診医療機関のわかる更生医療受給者152名は、10カ所の医療機関を利用していました。そのうち、市内の透析医療機関4施設で134名の市民の方が人工透析を受け、海岸部にある3施設を94名の方々が利用されました。  東南海・南海地震に備え、県では患者会や透析医会、県立医大、医師会、病院協会等で構成する検討会において、災害時の人工透析提供体制の確保について検討を重ねてきた中で、その一つとして、県内で災害が発生した場合、既存の広域災害、救急医療情報システムを活用し、かかりつけの人工透析実施医療機関が被災して、診療できなくなったなどの情報を透析患者や御家族の携帯電話へメールで配信するわかやま透析安心メールを、平成20年6月1日から開始し、多くの方が登録されていると聞いております。また、県では、透析患者の移送について、日本透析医会、神戸大学海事科学部と協力体制を構築しており、移送の際の情報提供などについても、このシステムを活用することになっております。  議員御質問の移設協議・検討についてでございますが、人工透析施設は特殊な設備が必要なこと、また腎臓の機能に重い障害がある方は、現在では移植以外人工透析に頼らざるを得ないこと、透析中に災害が発生してから、津波到達までに透析回路切断による緊急離脱での避難を余儀なくされること、避難先集合場所等で、安全に処置を行う必要があるなどの課題があります。そうした課題解決のために、紀南地区の透析施設が集まって、紀南地区災害時透析支援小委員会が開催され、それをもとに個々の医療機関での対策と、さらには施設間協力体制を整えていると聞いています。  また、議員御指摘の支援策につきましては、今後国の動向を十分注視しながら、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。  以上です。           (保健福祉部長 田中 敦君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    26番、吉本忠義君。             (26番 吉本忠義君 登壇) ○26番(吉本忠義君)    まず、人工透析の関係ですけれども、龍神からも17人ぐらい、本宮町あるいは中辺路町等々からも前から話がありますように、中辺路町付近に施設をつくって、そこで田辺市全体の安心して受けられる施設ということで、希望しているんですけれども、こういう時代になってきたときに、個人の病院であれ何であれ、そういう透析中に震災が起きた場合は、一番の心配でございますので、保健福祉部長が今言われましたように、ひとつそういう会議等々で、ぜひ田辺市の方向性について、きちっと進言をしていただきたいと思います。  その次に、庁舎の新築等については、これは市長が申し上げましたように、簡単にはいきませんが、今の検討部会のほうでも課題になっているそうでありますが、私はやはり田辺市の大きな県下の第二都市としての司令塔として、やはり市民の大きな司令塔でございますので、45年もたっている庁舎でこのままいいのかどうか。多角的な判断をして、日ごろから基金を積み立てて、10年か、あるいは5年かわかりませんけれども、積極的にやっていくんだという姿勢を真砂市長の今回の残された任期でぜひひとつそういう方向性だけでもとっていただきたいと思います。  それから、田辺市の消防防災のアクションプログラムの中にもありますけれども、防災意識の高揚ということで、進捗率が100%になっておりますけれども、これは理解に苦しむのですが、市民の防災意識の啓発は100%進捗しております。これは解釈が難しいのですが、この辺がわかりましたら、お願いいたします。  それから、学校の避難場所の機能の強化でありますけれども、市長がここは避難場所になっているよということでございますが、今、文部科学省の方針のほうで、報告書案には学校には震災発生時の被災者の緊急避難や、数日間の生命・安全の確保、数週間の生活のための機能が求められると明記されています。数日分の食料や飲料水、燃料、毛布、ストーブなどの備蓄とそのための倉庫の整備を求めておられるわけでありますので、ひとつ廃校になっているからということではなしに、具体的に防災の避難場所、生活の避難場所として安定的に管理をしていただくように、これもぜひお願いしたいと考えております。  消防長は、計画通りという御回答でありましたけれども、この保安林の解除、これが約2年間ぐらいかかるんですね。この保安林の解除というのは、それは普通の考え方ですけれども、こういうような状態の中で、1年でも早く計画をしていくという中では、保安林の解除申請については、それは普通の流れだったらそうなりますけれども、こういう避難的なこともございますので、あと1年でも早くできるような運動を田辺市として、ぜひお願いしたいのですけれども、その辺についてもう一遍御回答願いたいと思います。  以上で、再質問を終わります。             (26番 吉本忠義君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    26番、吉本忠義君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  総務部長、岡本美彦君。            (総務部長 岡本美彦君 登壇) ○総務部長(岡本美彦君)    議員の御質問の中で、ちょっと意味が私もわかりにくかったんですけれども、啓発が100%というお話だったと思いますけれども、多分これは市が防災対策で行っている146項目のアクションプログラム、これにつきまして、毎年その146項目の推進状況を項目別に市民の方にお知らせしております。昨年の分も今、公表していると思いますが、その中で、啓発については、毎年行っているわけなんですけれども、そういう意味での平成22年度も市民への啓発については学習会を通じ、そういうところで実施しておりますので、できておりますよという意味で100%目的を達しましたという意味だと思います。  以上でございます。            (総務部長 岡本美彦君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    消防長、岩本徳三君。             (消防長 岩本徳三君 登壇) ○消防長(岩本徳三君)    吉本議員から庁舎建築にかかる事務手続の中で、保安林解除の手続について早められないかという再質問でありました。これにつきましては、事前協議を含めまして、現在のところ2年ぐらいかかるであろうということで、これは先ほどもお答えいたしましたように、今までの田辺市の類似事業を参考にいたしますと、そういった期間になるということでございますけれども、今回の東日本大震災を受けて、早急に協議に取りかかっているところでございます。現在のところ、3月と4月には既に事前の協議をやっているわけでございますが、先ほどお答えいたしましたように、年度を越えて早めるということは難しいかと思うのですが、何カ月か単位で事業を早くするということは可能であると思いますので、その辺は努力していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。             (消防長 岩本徳三君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    26番、吉本忠義君。             (26番 吉本忠義君 登壇) ○26番(吉本忠義君)    今回の議会で議員各位からいろんな御提言がございまして、田辺市の検討部会でもこれまでの議員のいろいろな御意見について、恐らく検討部会で集約されていくと思いますけれども、必ずそれが通るとはわかりませんが、私たち議会、議員としても、市民の声を代表するという中では、そういう市民の声があるということについて、十分御賢察していただいて、検討部会で前向きな立派な検討部会の結果が出るように、ぜひお願いいたしまして私の一般質問を終わります。ありがとうございました。             (26番 吉本忠義君 降壇) ○議長(副議長 吉田克己君)    以上で、26番、吉本忠義君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 吉田克己君)    この場合、1時55分まで休憩いたします。               (午後 1時43分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(高垣幸司君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時57分)
    ○議長(高垣幸司君)    続いて、2番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。             (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    2番、日本共産党の真砂みよ子です。6月議会の質問も私がいよいよ大トリになりました。今議会は9人が一般質問に立ったわけですけれども、全員が防災のことを取り上げて質問するということになりまして、これは田辺市議会が始まって以来のことではないかと思っています。驚きでもありますけれども、またある意味では当然だということも私は感じています。なぜなら、東日本大震災の被害というのは本当に甚大で、田辺市民にとっても本当にテレビを見ていて、衝撃的なことが映像として映し出されました。そのために、田辺市の防災対策はこのままでいいのか。また自分はどのように行動すべきかというふうに、市民の今の一番の関心事であり、田辺市にとっても求められているものだからです。そんな思いで、防災の質問を行います。  今回は3項目の質問を行いますが、1番目の防災については、通告のとおり、東日本大震災を教訓に防災対策を見直してほしいというのが基本的な考えです。今後、防災計画については、専門家の意見をもとに、国や県の方針が出され、見直しがされていくでしょう。そのときの基本にすべきことは、1点目に挙げている対策に完璧はないということを基本にすべきだということです。  今回の質問の中でも、皆さん、表現はいろいろありましたけれども、想定外だとか、とにかく逃げるだとか、本当に言葉は違いましたけれども、同じ趣旨のことを何人もの議員が取り上げていました。私たち人間は、自然の猛威に勝ることはできません。しかしそこから学ぶことができます。今回の東北での震災の教訓は、人間の行うものに完璧はなく、想定外が起こり得るということです。私たち人間は過去のデータをもとに、想定をするのですが、ときにはその想定をはるかに超えることがあるということを学びました。  今回の震災は1,000年に一度だと言われていますが、地球ができた46億年の中で、人類の歴史はわずか500万年だと言われています。地球の歴史を1週間に置きかえると、人類の歴史は1秒だそうです。ですから、そんな周期の地殻変動があったとしても、それは現在の私たちにとっては初めて起こり得るということです。現在の科学では解明できていないことも多々あり、人間の行うことに完全、完璧というものはないのです。今回の東北での大震災は、堤防など防災対策をとっているから大丈夫だと避難しなかった方が被災し、日常的に危険だからと避難を心がけた方が助かったという実態がありました。私は、津波対策の堤防を否定はしておりません。大変重要なものだと考えています。しかし、過去の津波の高さは10メートルだから、それを防ぐ堤防があれば大丈夫だと安心してはいけないということです。原発の安全神話が崩れ去ったように、地震、津波対策についても完璧はないということを防災計画に位置づけ、また市民に対してもそのことを啓発すべきだと思います。  2点目は、災害に強いまちづくりについてで、そのために必要なものを三つ具体的に挙げました。一つは、防災の立場で田辺市のグランドデザインを描くことです。グランドデザインとは、全体構想という意味で、市が行う事業はすべて防災の立場で総合的な判断が必要だと思うのです。例えば、山を切って開発するとか、道路をつけるとか、その事業は産業部や建設部で行う事業も防災の立場に立つと、それはどうかということを検討してみる必要があると思います。そうすれば、山を切って宅地になれば、道路もできて便利だけれど、海辺や海岸沿いであれば、津波の影響が出るか、台風のときの風が直接来るとか、それらのことを総合して判断する必要があります。  二つ目に挙げたのは、共助です。防災は自助、共助、公助の順だと言われています。まず自分で自分を守ることが基本です。しかし、自分で自分を守れない方がいます。要援護者の問題は大きな課題で、この議会でも多くの方から出されました。実は、3月11日、地震のあった日、ここで議場で皆さんは地震を体感したのですが、私は休ませてもらっていました。39度5分の熱を出してあの日は私は自宅で寝ていました。そのために避難をしませんでした。たとえどんな熱があったとしても、本当に危険だというふうに判断したら、熱があろうとなかろうと、避難できたんでしょうけど、そのとき私は自分で避難できない方、要援護者の気持ちが少しわかったような気がしました。そのために、今後、特に共助の部分が大事だというふうに私は感じています。  その共助を進める基礎は、地域のネットワークです。しかし現在は、地域のネットワークが壊れつつあり、町内会や子供会、女性会などに入らないという人が多く、組織率が低下しています。私は田辺市の女性会にかかわっているのですが、東北での震災以来、女性会の出番だというふうに話し合っています。  災害に強いまちづくりは、以上の3点が特に大事だと思うのですが、いかがでしょうか。防災の3点目は、避難のあり方です。それぞれの地域で避難場所が指定されています。しかしどこが避難場所なのか知らないという無関心の方が今まではいらっしゃいました。そんな方もようやく自分のこととして考えるようになっています。再度の周知徹底が必要だと思います。また、その避難場所が津波からの避難に適しているかどうか、見直しが必要です。今後の津波想定が変われば、当然避難場所も変わります。より厳しい基準での避難所のチェックを求めるものです。  私が住んでいる文里は海抜が低く、津波の被害が想定される地で、自主防災会がそれぞれの地域で、高台を一時避難場所と決めています。ちなみに私の自宅は海抜2.6メートルなんですが、家の裏山、海抜10メートルほどの裏山へ一時避難して、二波三波と繰り返してくる津波が完全におさまってから、つまり警報が解除されてから市が指定している避難所である田辺高校へ避難することになっています。  3月11日の東日本大震災のときは、夕方に大津波警報が発令されて、解除されたのは翌日のお昼でした。一昼夜半にわたって大津波警報が発令されていたわけです。これをもし忠実に守っていたら、屋外の何もない空き地で過ごすことになったのです。避難は大事だという一方、一時避難所とする土地は、大半が屋上でトイレもなく、何時間も過ごすことはできません。この点をどのように改善すればよいのかと、あの日以来、私はずっとこのことに悩んでおります。明確なお答えはなくても、市はどのようにお考えなのか、お聞かせください。  次に、4点目、避難率が低かったことについてです。今回の震災は、当地方では揺れを感じなかったため、津波が来るといっても実感がありませんでした。そのせいもありますが、避難率が低く、本当に津波が来たときに逃げることができるか心配です。昭和21年以降に生まれた私たちは津波の怖さを体験していません。むしろ私を含めて、沿岸沿いに住んでいた者は、地震といえば津波というように津波を見にいったものです。本当の津波の怖さを知らないからです。東北での津波が本当に来ていたら、津波を見にいった人たちは津波に飲み込まれたことでしょう。また心配しているのは、津波が来るのにどうせ大したことはないだろうと避難しないで、その結果、被害に遭うことです。大津波警報の指示に従わなかったのはなぜか。その理由によって、対策が違ってきます。よりよい対策につくり変えるために、市民の意識や実態をアンケートなどで把握する必要があるのではないでしょうか。その予定はないのかをお聞きします。  以上が防災の質問です。  次に、2番目、子供の医療費を中学卒業まで無料にということでお聞きします。子供の医療費の無料化については、今までも一般質問で取り上げてきました。子育て支援はたくさんありますが、一番求められているものだと私は考えています。私自身の子育ての中でも、子供の病気は突然で、計画を立てられるものではなく、そのため一番負担感が重く、生活を圧迫しました。特に子供の病気は個人差があり、病気知らずの健康な子供と、小児ぜんそくなど、慢性病の子供とでは大きな差があり、子供の医療費は平均で幾らというふうには言えず、特定疾患の子供の家庭は大きな負担がかかっています。そのため、子育て支援のニーズはいろいろありますが、子供の医療費の無料化が一番の支援だといえます。  近年、和歌山県下でも、子供の医療費助成が広がってきました。お手元の参考資料をごらんください。印南町が高校卒業までということで、ずっとやっていますが、特に日高郡が子供の医療費の無料化に取り組んで進んでいっています。今回、この質問を取り上げることになったきっかけは、印南町が高校卒業まで、また白浜町が小学校卒業まで無料にというふうに拡大されたことがきっかけです。和歌山県下で高校卒業まで無料になるのは印南町が初めてで、大きな話題になっています。  印南町では、昨年の4月から中学校卒業まで無料に拡大して予算化しました。そして1年間の実績を見ると、町民の良識ある受診で予算額が残ったため、この表現は新聞の記事からなんですが、対象を高校生まで拡大したというふうに書いてありました。白浜町は、小学校入学まででしたが、昨年10月に小学校3年生まで引き上げ、ことし4月には4年生までさらに引き上げた後、本年7月1日、6月議会で可決されて、きょうから小学校卒業までに拡大されることになりました。  また、この参考資料には漏れてあるんですが、みなべ町はこの資料のとおり、今は田辺市と同じ小学校入学までなんですが、来年の1月1日から中学校卒業まで無料になることが既に決まっています。印南町も白浜町も町長の公約によるものです。では、なぜ町長が子供の医療費無料化を公約に掲げるのでしょうか。  1点目は、県下での広がりをどのように認識しているのかをお聞きします。  2点目は、子供の医療費助成制度は、子育て支援、子育てしやすいまちとして、田辺をアピールできるという点です。住居を探すときに、通勤などの条件が整えば、子育てしやすいところを選びます。例えば、田辺市と白浜町の中間地に職場があり、どちらに住もうかと迷ったとき、子育て世帯なら子育てしやすい土地に住むでしょう。もちろん子育て支援は医療費助成だけではありませんが、選択する条件の一つです。田辺市も子供の医療費助成が中学校卒業まで拡大すれば、子育て世代にとって魅力のあるまちになるでしょう。子育てを応援するまち田辺とアピールすることができます。  このように、子供の医療費助成は、まちのイメージになり、子育て世代の若者の定住促進につながります。このような観点からも、子供の医療費の無料化は大事な施策だと思いますが、実施する予定はないのか、お聞かせください。  次に、3番目、厳しい市民の暮らしに寄り添う姿勢にというタイトルで、一体何を言いたいのだろうなというふうに思われる方も多いと思うのですが、私たち日本共産党の田辺市議団は6年前から生活相談所というのを開設しています。最近は知名度も高まって、相談も年々ふえています。最近の相談の傾向は特に、経営難や生活苦が原因の相談がふえています。商売がうまくいかない。生活がやっていけない。国保税が払えない。固定資産税や住民税を滞納している。また、督促状が来た。差し押さえられた。そしてその結果がサラ金です。サラ金相談もたくさん受けています。私たちのところへ来る相談は、まじめに一生懸命働いているが、それでもうまく回っていかないという方たちです。  また、商売も厳しく、操業を停止すれば、倒産しかねないので赤字覚悟で操業を続ける自転車操業の状態の相談もあります。この皆さんは納税の義務は十分理解しています。しかし現実問題として、納期がおくれてしまうのです。このような方たちをどのように見るかです。  1点目は、現在の田辺市の市民の暮らしや経営の実態をどのように認識しているかをお聞きします。  2点目は、もっと相談しやすい体制に改善できないかということです。職員の皆さんはどんな場合でも、とにかく相談に来てほしいと言われます。確かにそのとおりで、私自身も何人か連れて相談に伺い、十分な対応をしてくれています。しかし、結婚の届けだとか、出産の届けなどというようにおめでたいことで役所に来るのは、簡単に喜んで来るのでしょうが、この税金や国保の滞納というのは本当に敷居が高くて、来ればいいのはわかっていても、ついなかなか来れないというのが皆さんの実態です。そこで、もっと相談しやすいような体制はとれないものでしょうか。何か改善策はないか、お聞かせください。  また、この質問を通告した後、以前から相談を受けていた、仮にAさんとします。Aさんからこんな相談を受けました。Aさんは今生活保護を申請中です。生活保護の審査には通常1カ月ぐらいかかります。申請を出すと国保の保険証は厚生係に預けます。このAさんは病気になり、病院へ行きたいので、厚生係のほうに保険証をもらいにいきました。すると、印鑑が要ると言われて、また受診が終わると持ってきてほしいというふうに言われました。お金がないので、医療費は食費として残しておいたお金をかき集め、また役所へ保険証をもらいにいったり返しにいったり、大変疲れたと言うのです。  通常、保護申請中は、審査が済むまで医療機関で支払いを待ってもらいます。Aさんは、そのことを知らなかったのです。また大半の市民は、市のこのような多くの制度の中身を十分知りません。市民は知らないということを基本としてほしいと思うのですが、担当職員はどうして説明してくれなかったのでしょうか。このような市民の暮らしを本当に応援する姿勢になっているのかどうか、疑問に感じているわけですが、そのことについてお聞かせください。  以上、1回目の質問とします。             (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    2番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    真砂議員から3点にわたる御質問をいただきました。1点目の東日本大震災を教訓にした防災対策については私から、あとは担当部長からお答えいたします。  まず、1番目の対策に完璧はないことを基本にについてでありますが、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した東日本大震災では、大津波により防災先進地と言われていた三陸地方を中心に、壊滅的な被害を受け、多くの方が犠牲となられました。この地域は、明治、昭和と数度にわたり津波被害を受けてきたため、ソフト面ではその記録をもとに、浸水ハザードマップを作成し、避難訓練を繰り返し、ハード面では世界有数の規模を誇る防波堤、防潮堤等により、津波対策は完璧のはずでした。ところが、想定外といわれる大津波により、防災インフラは粉砕され、安全と思われていたハザードマップの浸水区域外にいた人の逃げおくれが目立ち、被害が拡大したのも大きな特徴でありました。  このことから、推測できますように、想定は自然災害からの防御目標を示すために必要なものではありますが、科学的な研究結果や過去の経験により人間が定めたものであり、今回のような想定外の事象が発生すれば、それが逆に避難行動の足かせになったのも事実でございます。  今後、この震災を検証することにより、ソフト、ハード両面で新たな想定に基づく対策が示され、本市におきましても対策を進めてまいりますが、行政が示す想定はあくまでも一定の目安であり、市民の皆様方には想定以上の災害が発生するかもしれないという意識を常に持って行動していただきますよう、周知啓発を行ってまいりたいと考えております。  次に、2番目の災害に強いまちづくりのグランドデザインについてでありますが、市が実施する各種公共事業においては、常に防災対策を考慮して行うべきではないかということでございますが、今回の震災では、海岸沿いの公営住宅に津波避難ビルの機能を持たせ、それが一部被災しながらも有効に機能したことが報告されています。田辺市におきましても、防災対策アクションプログラムで建築物等の耐震化と災害に強いまちづくりの推進という施策の柱を掲げて、鋭意取り組んでいるところであります。  例えば、市道の整備に当たっては、避難道路としての活用も考慮に入れて実施する。また、公園の整備時には、災害時の避難場所、あるいは延焼遮断帯の機能を持たせる。さらには東陽中学校のように体育館の改築の際に、災害時の飲料水不足に対応するため、耐震貯水槽を追加埋設するなど、本来の機能・用途に防災機能を付加してまいりました。今後も、建てかえ予定の田辺第二小学校の避難ビル化を初め、引き続き公共事業施工時には、防災面を考慮し、事業を展開してまいります。  また、共助、及び地域のネットワークについてでありますが、議員御指摘のように、地域のネットワークは防災面においても非常に重要なものでありますが、その基礎となる町内会、自治会活動については、近年、特にアパートやマンション等の多い地域を中心に未加入世帯が増加したり、中山間地域では会員の高齢化が進んで、一部では組織の運営や維持が難しくなりつつあるという傾向があります。町内会等への加入は、あくまでも個人の判断であり、強制できるものではございませんが、今回の震災における被災地の状況等を見ましても、さまざまな場面で地域コミュニティの重要性がクローズアップされ、ある意味、災害に強いまちづくりの原点がそこにあるといっても過言ではないと思います。  それぞれの町内会等では、組織の維持及び活性化のためにさまざまな努力をされているところでありますが、市といたしましても側面から、こうした活動を積極的に支援することを通して、地域のコミュニティやネットワークの充実につなげてまいりたいと考えております。  防災対策は、市民が自分の命は自分で守るという自助を原則とし、これを前提に地域の安全を住民がお互いに助け合って守る共助に発展させ、これらを行政が公助で補うことを基本として、市民と行政がそれぞれの役割を果たし、協働することによって地域防災力を高め、災害に強いまちが生まれるものであると考えております。  次に、3番目の避難のあり方についての避難場所の周知と安全性とそして自主防災で決めた一時避難場所と市の指定避難場所の使い分けについてでありますが、現在、田辺市では183カ所の指定避難施設を設置し、その場所については、津波、震災等の各種ハザードマップ、または市のホームページで公表しております。指定避難施設とは、地震や台風、大雨などの災害により、自宅への被害が心配であるといった場合などに生活する拠点となる施設のことです。  一方、一時避難場所とは津波の危険から一時的に避難するための高台などの場所のことであります。したがいまして、東日本大震災のような津波が襲来した場合は、まず身近な高台など一時避難場所に避難していただき、警報が解除されるなど、周辺が落ちついたことを確認後、指定避難施設に避難していただくことになります。また、避難施設の安全性でございますが、現在の浸水予測では、指定避難施設はすべて安全となっていますが、今後国、県の検討結果次第では、見直しの対象となる施設が出てくるかもしれません。時間がある場合は、海や川からより高く、遠いところへ避難をお願いするとともに、一時避難場所につきましてもより高いところへの再指定をそれぞれの自主防災会とともに、検討してまいります。  次に、4番目の避難率が低かったことの改善についての警報に従わないのはなぜか。また市民の意識調査をもとに取り組みをについてでありますが、今回の震災時には沿岸の約8,500世帯、約2万人に対して避難指示を出しましたが、確認できた最大避難者数はわずか683人で、3.4%にとどまりました。昼間でもあり、時間もあったことから避難施設以外の場所へ行かれた方もいると想定しても、やはり低い数字であると認識しております。  この原因については、大きな揺れを伴わない遠地津波であったため、田辺まで来るとは思わなかったケース、また津波は来るかもしれないが、自分の住んでいる地域へは経験上来たことがないため、避難しなかったケースなど、さまざまな理由がありますが、議員御提案の沿岸地域での意識調査につきましては、今後の検討課題としてまいりたく思いますので、御理解賜りますようお願いします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    市民環境部長、池田正弘君。           (市民環境部長 池田正弘君 登壇) ○市民環境部長(池田正弘君)    真砂議員御質問の2点目、子供の医療費を中学校卒業まで無料にについてお答えいたします。御質問をいただきました乳幼児医療費助成制度についてでございますが、この制度は県から2分の1補助を受けて、市が実施しており、受診頻度の高い乳幼児にかかる医療費の自己負担分を支給することにより、乳幼児の疾病の早期発見、早期治療、健康の保持・増進に寄与し、児童福祉の向上を図ることを目的とした子育て支援の一環となるものであります。本制度につきましては、新市発足時から平成18年9月まではすべての3歳未満の通院及び就学前児童の入院を対象とし、さらに市単独事業として市民税所得割の非課税世帯に限り、3歳から小学校就学までの通院を対象として実施してまいりました。  平成18年10月からは、それまでの所得制限を撤廃し、すべての小学校就学前児童の入院及び通院を対象としております。なお、県は補助対象として、児童手当特例給付に準じた所得制限を設けておりまして、本年3月末現在、就学前児童の約97%が県費補助対象となりますが、約3%が市単独分となってございます。  さて、4月1日現在の県内の状況でございますが、まず県内9市のうち、紀ノ川市が平成22年4月から、橋本市は平成23年1月からそれぞれ小学校卒業までの児童を対象に、医療費の助成を実施しております。和歌山市と岩出市は入院の医療費に限り小学校卒業までを対象として実施しています。就学前児童を対象に実施しているのは、田辺市を含む5市でございます。  一方、県内21町村では、印南町が平成23年4月から18歳までを対象にしており、ほかに中学校卒業までを対象に実施している町村が8町村、小学校卒業までを対象に実施している町村は平成23年7月から実施の白浜町を含めますと、4町となっております。県内の町村で就学前児童を対象に実施しているのは8町であります。  以上が、県内市町村の状況でございます。次に、田辺市において、制度の対象年齢を中学校卒業までに拡大した場合についてでございますが、受給者数は現在より約6,700人増加し、約1万800人になると見込まれます。この受給者数をもとに、田辺市国民健康保険の年齢別医療費の状況等から試算をしますと、予算額は現在の約1億3,200万円から約3億3,500万円になり、約2億円の追加が必要になります。その内訳は、小学校卒業までの拡大分が約1億2,500万円、さらに中学校卒業までの拡大分が約7,700万円となります。なお、対象年齢の拡大分は県補助金の対象となりませんので、約2億円の予算増加分は全額一般財源となり、厳しい財政状況の中では、大変大きな負担となってまいります。  乳幼児医療費助成制度につきましては、議員御承知のように、本市においては合併後いち早く積極的にその充実に努め、田辺市次世代育成支援行動計画に基づいて運用を行ってきたところであります。  また、本制度の財源確保につきましては、これまで地方から国への要望がなされてきた経緯がございますが、6月13日に行われました国と地方の協議の場においては、全国知事会会長が乳幼児医療費助成事業の財源確保等について、意見を述べるなどの新たな動きもございますので、対象年齢の拡大につきましては、国、県の動向等を考慮しながら、検討していく必要があるものと考えております。  本市におきましては、第一次田辺市総合計画の子育てを支えるまちづくりの中で、さまざまな施策を位置づけ、総合的に子育てを支える環境づくりに取り組んでいるところでございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。  以上でございます。           (市民環境部長 池田正弘君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    総務部長、岡本美彦君。            (総務部長 岡本美彦君 登壇) ○総務部長(岡本美彦君)    議員御質問の3点目、厳しい市民の暮らしに寄り添う市政について、市税、健康保険税等につきまして、私のほうからお答えいたします。まず、市民の皆様には日ごろから納税に御努力いただいていることに感謝申し上げますとともに、市といたしましても、税を納付しやすい環境を整えるために、今年度からコンビニ収納の導入といった納税環境の整備を積極的に進めているところでございます。  まず、1点目の現在の状況を認識しているかということでございますが、経済情勢におきましては、現在、大変厳しい状況にあり、東日本大震災の影響などにより、個人消費の低下や設備投資の縮小などが事業者の経営を圧迫しまして、また給与所得者の賃金低下にも波及しているものと考えております。  このような状況を踏まえ、市としましても、滞納整理を行うに当たりましては、まず督促状や催告書、電話、訪問通知などで連絡を行いまして、納税や相談などを促しているところでございます。その中で、納付が難しいとの申し出がある場合には、財産調査を行うとともに、生活の状況を聞き取り、総合的な判断の上、分割で納付いただくなど、それぞれの生活実態を把握し、納税の相談を行いながら、滞納整理を行っているところであります。  次に、相談しやすい体制についてでございますけれども、納税者の皆様が納期内での納税が難しい事情がある場合など、納税に関する相談をいただくために、市では毎週木曜日に窓口時間を延長したり、納期の翌々月には電話による啓発を行っています。また、昼間に電話に出られない方、または在宅でない方に対しましては、夜間に電話するなど納税のお願いや納税が難しければ、市に相談をいただけるよう定期的に啓発しているところでございます。  催告書を送付する際には、指定期限までに納付いただくために、休日納税相談窓口を設置し、相談日などを記載したお知らせを同封して、開庁時間外の相談日などの周知に努め、納税者の皆様から納付や相談がいただけやすい状況に努めているところでございます。  また、国民健康保険の収納対策としても、同様の対応を行うとともに、啓発指導員による臨戸訪問を行っております。今後とも納税意識の高揚を図り、納期内納付を推進するとともに、休日、時間外の納税相談等より一層の納税環境の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。            (総務部長 岡本美彦君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    保健福祉部長、田中 敦君。           (保健福祉部長 田中 敦君 登壇) ○保健福祉部長(田中 敦君)    真砂議員御質問の3番目、厳しい市民の暮らしに寄り添う市政にの中で、生活保護申請中の方に対する対応についてお答えいたします。  御存じのとおり、生活保護受給中の方については、国保等の健康保険資格は喪失となり、医療機関窓口での負担金支払いはなく、生活保護の医療扶助で全額医療機関へ支払われることとなります。生活保護申請中につきましては、通常、生活保護を申請してから決定をするまでは、約1カ月程度の期間を要し、この期間が生活保護適用となるか否かは、判断できないため、生活保護を申請中に医療機関にかかる場合には、各医療機関に対して、医療費支払を保留してもらうよう事前に担当ケースワーカーから連絡しています。  また、定期的な医療機関受診の有無を確認し、受診している場合には、即座に医療機関に保護申請の連絡をした上で、医療費を保留扱いしてもらうようお願いしているところです。  その際の健康保険証の取り扱いについてですが、保護申請中に健康保険証を使い、医療機関を受診された場合、生活保護は申請日までさかのぼり決定することから、実際には国保等の資格が喪失していたということになり、医療機関は診療費の請求ができなくなったり、一度国保等でレセプト請求した医療費を生活保護扱いで請求し直したりといった手間がかかることになるため、混乱を避ける意味で保険証を担当課で一時的に預かり、保護の可否決定を待って保険課等へ返却するか、申請者にお返しするかという措置をとっているところでございます。  今回の議員御指摘の件につきましては、初歩的なふなれな対応であり、そのことで生活保護を申請された方に御迷惑をおかけしたことは深く反省すべきところであります。  今後は、生活保護申請を受け付けた場合に、必要な作業項目についてチェックリストを作成し、担当だけで判断するのではなく、不確定な要素がある場合には係内で協議するなど、今回のようなことを繰り返さないよう指導を徹底します。  加えて、相談に来られた方に対しては、常にその方の立場に立ってお話を聞かせてもらい、申請された方に対してはその置かれている状況を詳細に把握し、必要としている援助は何かを的確に判断できるよう、また十分な説明により制度に対する理解を得られるよう、職員個々の研さんを進める所存であります。  以上でございます。           (保健福祉部長 田中 敦君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    2番、真砂みよ子君。             (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    では、答弁いただきましたので、2回目の質問をさせていただきます。  防災のことにつきましては、本当に9人の議員からいろんな角度から提言や意見が出されました。私は最後のトリとして、みんなの議員の思いをまとめられたらというふうに思っています。この東日本大震災から教訓を学ぶということは、犠牲になった皆さんに対する鎮魂でもあるというふうに私は考えています。防災計画、今後、見直されていくわけですけれども、もちろん専門家の意見というのも大事だと思いますし、中央防災会議の方針を受けていくわけですけれども、ただ、見直されるまでの間、何もしていないというわけにもいきませんし、よりよい防災計画になってほしい。そのためにも田辺市自身が自助で考える、そういうことが大事だと思います。皆さんの防災に対する質問も私の質問の柱も東日本大震災から学ぶということだったというふうに思うのです。  先ほども言いましたけれども、言葉は違いましたけれども、想定外とか、どう逃げるかということはつまり人間の取り組みには完璧がないということですので、市長からもそういう答弁をいただきましたので、計画もそうですし、市民に対してもぜひそういうことを啓発していってほしいと思います。ちなみに阪神・淡路大震災で亡くなった方の8割は建物だとか、家具などの下敷きになった圧死でした。ここから私たちは耐震化の大切なことだとか、家具の転倒防止が大事だということを学んで、補助金制度をつくってきました。ですから、ぜひとも私たちのやることに完璧はない。完全はない。絶対はないということで、想定外が起こり得るということを肝に銘じて取り組んでいってほしいと思います。  そういう考えを最近では、防災ではなくて、減災だというふうに言われています。私もそのとおりだというふうに思っています。また、今回のことでほかの議員さんからもありましたけれども、オオカミ少年になることを私も心配しています。先ほどの質問の中で、特に明快な答えが出せないから答弁がなかったと思うのですが、文里は一時避難場所というのを決めてあります。津波の被害のあるところですので、本当に3月11日の大津波警報を本当に忠実に守って、一時避難していたら、一昼夜半、何もない空き地のところにいなければならないというふうになるんです。片一方にそういうことがあって、でも避難しなかったら、避難しなかったというのは、少し問題があるんじゃないかと私自身感じています。だから、避難場所に問題があるのか、それとも警報に問題があったのか、それはいろいろと専門家の意見もあるかと思いますが、そういうことも考えていかないと、ただ、避難しなさいというだけでは皆さんには納得していただけないのじゃないかということを私自身がずっとこの間、疑問に思っていることです。  ただそんなことも言いながらも、朝の小川議員の質問の中にもありましたけれども、避難して、でも何もなく、よかったねというふうに私たちがもっと思えないといけないのと違うかなというのも思っています。例えば、台風が来るといったときに、昔はよく窓なんかに板を張ったりしましたよね。台風の進路がそれたら、何か台風それたな、板張りつけて損したなと、みんな言いませんよね。来なくてよかった、被害がなくてよかったというふうに言うと思うのです。そんなふうに私たちもこれからの避難というのは、先ほど言われたみたいに、本当に津波が来るときだけ警報を出してくれよじゃなくて、少しでも危ない、危険だと思ったら、とにかく高いところへ逃げる。逃げて、何も被害がなければ、ああよかったと思えるような取り組みというのが私は大事ではないのかと感じています。  特に沿岸部の市民の意識調査を検討していただくということでしたが、私なんかも本当にそうですが、海岸近くに住んでいたので、地震が揺れたら、さあ津波を見にいこうというのが子供のときからの習慣で、本当にそれは危険な習慣だと思うんですが、そういう人は結構いると思うんです。ですから、そういう沿岸部独特の間違った習慣を改めるためにも、ぜひ意識調査というのをしていただきたいと思います。  先日の新聞に、県も4,000人に対して意識調査を行うということが書いてありました。県で4,000人ですので、田辺でしたら人口割りでいったら300人ちょっとぐらいでしょうか。それも本当に参考にぜひしていただきたいと思うのですが、田辺独自での沿岸部の皆さんの意識というのを調査していただいて、それをもとにして、対策というのを考えていっていただきたいと思います。  次に、子供の医療費の無料化の件ですが、御答弁いただきまして、財政上難しいということでした。私もこの子供の医療費の無料化というのは、本来は国の制度として行うべきものだというふうに考えています。しかし国が現実そうなっていないのですから、国の制度を待つのではなくて、子育て世代への支援として、ぜひ取り組むことを検討していただきたいと思うのです。子育て支援が本当にたくさんメニューとしてはあります。ですけども、印南町や白浜町が取り組んだのは、そのことがより求められているからだというふうに思うのです。人口規模が違いますけれども、もちろん人口規模が違えば財政規模も違いますので、印南町や白浜町にできて、田辺市にできないということはないと思います。要はどこに予算をかけるかということだと思いますので、ぜひ子育て世代が田辺に住みたいというふうに思えるようなまちになるよう、ぜひ御検討いただきたいと思います。  特に、子供の医療費の問題については、いろいろな思いがありまして、10年ぐらい前なんですが、まだ私が議員になる前で、新婦人というような団体で、その当時は子供の医療費は3歳まで無料だったんですが、本来、小学校就学まで、入学するまで無料にしてほしいなというのが、その当時の願いだったんですが、財政のことも考えて、せめて1歳引き上げて、3歳のところを4歳まで無料にしてほしいという請願を、そのときに署名を2,000筆ぐらい集めて請願したことがありました。この請願は、議員の任期が切れて、廃案になってしまったのですけれども、その請願のときの審査の様子を議事録で読んだことがあるのです。そこの中で、委員の皆さんがどんなふうに議論をしているかと読むと、子供の医療費は受益者負担が原則だから、無料化をする必要がないと委員会で議論されているのを議事録で読んで、本当に愕然としたことを今本当についこの間のように思い出すのです。  子供の医療費が無料だから病気になってもいいというふうに思う親はどこにもいません。また、この病気であることの治療を受けることが受益の益と言えるかどうか。すごく疑問に思っています。そうでないという証拠が、私は印南町だと思うのです。印南町では、平成22年度に2,200万円の予算を組んだのですけれども、1,500万円で済んだので、高校まで拡大することになったと新聞記事に載っていました。このことからも無料だからということで受診が拡大するわけではありません。病気知らずの医者へ行ったことがないという、そんな健康な子供であってほしいと親はだれでも思っています。今後の子供の医療費の無料化の拡大を期待するものです。  次に、3番目の厳しい市民の暮らしに寄り添う市政にということで、生活保護の件については、このことについては本当に初歩的なことだと思うのです。ただ、4月から変わってきた新しい担当の知識のまだ未熟な職員がそういうことを間違ってしまったということが理由のようなんですが、だれでも最初に行った部署で業務のことを知らないのは当然だと思うのです。そういう職務の浅い職員をその課がどんなふうにサポートしていくか。皆でその人たちをどうフォローするか。そのことが大事だと思うのです。そうしたら、なぜそうできなかったのかという疑問を持つわけですが、この広い田辺の地域をケースワーカーが出ていけば、なかなか帰ってこれませんし、ケースワーカー1人が抱える担当の人数というのは基準より超えた数で担当しているということも聞いています。そこに職員配置が足りないのではないか。そのことが原因でないかと私は思っています。市民の苦しい暮らし、それを十分理解して、取り組んでいくためにも職員の配置についてもぜひ御検討いただきたいと思います。  今回は、再質問は行いません。若干、今回の質問についての思いをお話しさせてもらいたいというように思います。今回の2番目の子供の医療費の問題や、市民に寄り添う市政にということを質問した根底にあるのは、本当に今、市民の皆さんの経営だとか、暮らしが厳しくなっているという、そういうことの思いです。これは、私の相談ノートでして、市民の皆さんから相談を受けたら、こういうノートにいつもつけています。この中には本当に苦しい暮らしの中から、でもまじめに一生懸命生きていこうとしている皆さんの実態がずっとつづられています。  ぜひこういう苦しい市民の今の暮らしに心を寄せたような、そういう市政であってほしいと思うのです。納税の義務を否定しているわけではありません。滞納している皆さんももちろん納税の義務はわかっていますし、私自身も職員の皆さんが一生懸命仕事をしていただいているということは理解をしています。ですけども、苦しい市民の暮らしを守るという一方で、納税も図っていかなければならない。そこのバランスだと思うのです。今回、私が差し押さえられたという方からの相談も、督促状に小さな文字でいついつの期限が過ぎると差し押さえることもありますという文言が書いてあって、その督促状の本当に小さな文字で十分なのかどうかということについて、私はすごく疑問に感じています。もちろん電話だとかもかけていただいているのですけれども、その初めての差し押さえは本当に電話で相手が出るまで、とにかく一度はそういう指導をしていただきたい。機械的な対応ではなくて、心のある対応をしていただきたいと思います。  それと、今回の3番目の質問のところで、最近、若い女の子から聞いた話なんですが、相談というよりも嘆きのような話なんです。その女の子は、私の長女と同じ33歳で同級生の子供でした。高校生のときから交際していた男性と25歳のときに結婚しました。その彼女も彼も本当に一生懸命働いているのですけれども、どちらも非正規雇用で、子供を産んで育てるお金がないというのです。結婚したら子供を産むということが当然のように思っていた私にとって、その話は本当にとても衝撃的な話でした。彼女は育児休職のある仕事につきたいというふうに探していましたけれども、今のこの御時世、そんな仕事はなかなか見つかりません。33歳という年齢は、生涯において子供を産むか産まないか、決断しなければならない年齢になってきている、そんな話でした。  特に、私にどうしてほしいという相談ではありませんでしたが、子供が産める社会にしてほしいということだったように思います。自分の娘が言っているようで、とても心が痛みました。本来だったら、「そんなこと言わなくていいよ、産んだらいいよ。」と言いたいんですけれども、そんなことは言えませんでした。出産だとか、育児だとか、子育てにはお金がかかります。簡単に産んだら何とかなるとは言えませんでした。結婚して家庭を築いたら子供を産み育てる、それが自然の摂理です。しかしそうはいかないという現実もあります。  私たち共産党市議団の生活相談所に寄せられる声は本当に厳しいものです。そんな市民の暮らしを少しでも応援する市政であってほしいと思っています。  また、今回の質問の中で、防災については皆さん取り上げましたけれども、復興支援ということには、触れた方はだれもいませんでした。私もそのことについては、触れていないわけですけれども、義援金も最初のころは紀伊民報のところに、どこどこの団体が100万円だとか50万円という形で、すごい義援金も集まっていましたが、最近は本当に数人という形でだんだん減っています。  そういう支援というのはだんだん減っているわけなんですけれども、でも一方では東北の復興というのは、本当に3年だとか5年だとかいうふうに長くかかるだろうと言われています。でも、私たちも生活があるので、いつまでもいつまでもなかなか支援できないと思うのです。そこで私がずっとどんな形で支援ができるのかと考えるのですが、自分の得手のいいことで支援ができたら、そうしたらずっと長く支援できるのではないかと思っています。御紹介したい方が3人いまして、1人は趣味でハープを弾いています。チャリティハープのコンサートを開いて、ハープを聞きにきた方に、義援金をいただくというようなことを取り組んでいる方がいらっしゃいます。私もその方のこんなことがあるよということで、応援させてもらって、ハープを弾くのも支援、ハープを弾く人がこんなことをやっているよということを皆さんに知らせるのも支援だと思っています。それを聞きに来てくれるのも支援ではないかと思うのです。  もう一方は、パッチワークが好きなので、パッチワークでメガネのケースを1日1個つくって、それを売ったお金を東北への支援にしたいというふうに取り組んでいる方もいます。金額は少ないけれども、その心というのは、大事だなと感じています。  もう一人は、お菓子屋さんで、洋菓子協会がハトの形のお菓子をつくって、その売れたお金を全額支援に回すということをやっているお菓子屋さんがあります。材料費も手間代も全額お店負担でということで、すごい志だなと思っています。そういうふうに、これから長くかかるだろう、そういう東北の復興に何らかの形で私たちも支援できたらと思っています。
     以上、いろんなことを言いました。  表現で、ちょっと私の適切でない表現がありましたので、取り消させていただきます。削除をお願いいたします。失礼いたしました。ということで、いろんな思いを述べさせていただきましたが、これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。             (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、2番、真砂みよ子君の一般質問は終了いたしました。  以上をもちまして、一般質問は終結いたします。 ◎日程第2 2定報告第1号 専決処分事項について上程 ○議長(高垣幸司君)    続いて、日程第2 2定報告第1号 専決処分事項についてを上程いたします。  この場合、お諮りいたします。  本件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略し、後日審議願うことにいたします。  これに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、2定報告第1号については、委員会の付託を省略し、後日審議願うことに決しました。 ◎日程第 3 2定議案第 1号 田辺市総合計画審議会条例の一部改正についてから  日程第13 2定議案第17号 平成23年度田辺市一般会計補正予算(第2号)まで                 一括上程 ○議長(高垣幸司君)    続いて、日程第3 2定議案第1号 田辺市総合計画審議会条例の一部改正についてから、日程第13 2定議案第17号 平成23年度田辺市一般会計補正予算(第2号)まで、以上11件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました議案については、過日当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。  質疑はありませんか。               (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    質疑なしと認めます。  それでは、ただいま議題となっております11件については、会議規則第37条の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ散会し、明7月2日から7月11日までの10日間は休会とし、7月12日午後1時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  散 会 ○議長(高垣幸司君)    それでは、本日はこれをもって散会いたします。               (午後 3時04分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成23年7月1日                    議  長  高 垣 幸 司                    副議長   吉 田 克 己                    議  員  久 保 浩 二                    議  員  安 達 幸 治                    議  員  安 達 克 典...