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平成 9年 6月定例会(第4号 6月26日)

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  1. 田辺市議会 1997-06-26
    平成 9年 6月定例会(第4号 6月26日)


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    最終取得日: 2021-09-20
    平成 9年 6月定例会(第4号 6月26日)             田辺市議会6月定例会会議録             平成9年6月26日(木曜日)             ――――――――――――――――   平成9年6月26日(木)午前10時開議  第 1 一般質問  第 2 2定報告第 1号 専決処分事項について  第 3 2定議案第 1号 田辺市保育所条例の一部を改正する条例の一部改正につい               て  第 4 2定議案第 2号 田辺市住宅新築資金貸付条例等の廃止について  第 5 2定議案第 3号 田辺市手数料条例の一部改正について  第 6 2定議案第 4号 工事請負契約の締結について  第 7 2定議案第 5号 工事請負契約の締結について  第 8 2定議案第 6号 工事請負変更契約の締結について  第 9 2定議案第 7号 土地の取得について  第10 2定議案第 8号 損害賠償の額を定めることについて            ―――――――――――――――― 〇会議に付した事件 日程第1から日程第10まで            ――――――――――――――――
    〇議員定数 22名 〇欠  員  2名            ―――――――――――――――― 〇出席議員            議席番号   氏   名               1番 田 中 康 雄 君               2番 芝 峰   進 君               3番 生 駒 浄 光 君               4番 山 本 紳 次 君               5番 初 山 丈 夫 君               6番 山 口   進 君               7番 宮 田 政 敏 君               9番 松 本 定 市 君              10番 十 河 一 正 君              11番 大 倉 勝 行 君               12番 八 山 祐 三 君              13番 森   哲 男 君              14番 青 木 伸 夫 君              15番 稲 沢 勝 男 君              16番 黒 田 庫 司 君              17番 熊 野 芳 和 君              18番 行 森 素 治 君              19番 尾 前 陽 三 君              20番 広 沢 得 次 君              22番 佐 武 克 彦 君            ―――――――――――――――― 〇欠席議員  なし            ―――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市    長    脇 中   孝 君             助    役    田 中 二 郎 君             収入役       山 崎 英 一 君             教育長       角   莊 三 君             水道事業管理者   谷 中 義 夫 君             企画部長      柴 田   修 君             企画調整課長    衣 田 秀 雄 君             同和室長      高 地 勝 司 君             総務部長      楠 本   薫 君             財政課長      藤 畑 富三郎 君             市民部長      室 井 修 一 君             市民課長      小 川 和 己 君             保健福祉部長    田 中   憲 君             経済部長      八 百 耕 貮 君             経済課長      杉 坂 繁 一 君             農林水産部長    田 中 秀 章 君             水産課長      杉 原 莊 司 君             水産課参事     坂 上 克 己 君             建設部長      桝 本 靖 男 君             土木課参事     稲 崎 敏 夫 君             都市計画課長    古 谷 利 男 君             公共下水道準備室長 堀   義 雄 君             消防長       弘 末   勉 君             教育総務部長    清 水 節 雄 君             教育委員会総務課長 井 口 富 夫 君             学校教育課長    岡 山 雅 行 君             文化振興課長    佐 向 正 嗣 君             生涯学習部長    砂 野 啓 三 君             監査委員事務局長  栗 林 茂 夫 君             理    事    木 村 一 美 君             総務課参事     岡 本 修 治 君            ―――――――――――――――― 〇出席事務局職員             局    長    橘     勲             次    長    川 端 清 司             主    任    福 井 量 規             主    査    前 溝 浩 志 開 議 ○議長(行森素治君)  定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成9年第2回田辺市議会定例会第4日目の会議を開きます。               (午前10時05分)            ―――――――――――――――― ◎報告 ○議長(行森素治君)  15番 稲沢勝男君から遅刻の届出がありますので、報告いたします。 ○議長(行森素治君)  それでは日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(行森素治君)  日程第1 一般質問を行います。  17番、熊野芳和君の登壇を許可します。             (17番 熊野芳和君 登壇) ○17番(熊野芳和君)  おはようございます。それでは、通告いたしました田辺圏域における広域協調関係の構築についてということで、市長に質問をしたいと思います。随分以前から、それぞれの方がたが「二十一世紀まであと何年」ということを言われてきましたが、いよいよもうあと三年半という、そういったところまできておるわけであります。そうした中で、昨今の行政改革、あるいはまた地方分権、首都機能移転全国総合開発計画、さらには規制緩和等々の、日本社会の今日的な問題が大きく取り上げられ、検討されているということは、もう既にご承知のとおりであります。これから、二十一世紀にかけて、日本社会がどういう社会になるのか、あるいはまた、どういう社会になることが望ましいのか、関心が深いわけであります。いろいろな見方をされておりますが、地方の問題、都市の問題といった視点で考えますと、国の時代から都市の時代に変わりつつあるということは、確かであると、私は思います。東西の冷戦が終わり、ベルリンの壁が取り除かれてから、もう随分と時間が経ちました。それ以降、世界を見回しても、国の力というものは、総体的に低下しているようにも見えます。むしろ、一つひとつの都市、あるいは、それらが横に連携した一つの地域、都市・地域の時代がやって来ようとしているのではないかと考えるものであります。  かつて、二年ほど前だったと思うのですが、私が議長の時代に、全国議長会の広域行政圏市議会協議会において、講演を受けたことがございます。その中で、講師が話しておられた内容に、印象に残った部分があります。それは、今やヨーロッパにおいては、もう国を越えて、違った国の、もちろん違った都市同士が、いろいろな形で協力し合っているという話であります。例えば、フランスの北部とベルギーとルクセンブルクという小さな国がございますが、この三つの国が接しているところがあります。ヨーロッパ大陸でありますから、必ずそうした国境が接しているわけでありますが、その国境が接している地域を、今、申し上げましたこの三つの国の関係の都市が、国ではなく、都市であるのでありますが、共同で工業地帯として開発し、企業誘致をしているというのであります。たまたま旧産炭地でありまして、その炭鉱が三つの都市にまたがっていたということも、条件としてはあるわけでありますが、国が違う三つの都市が、共同でパンフレットをつくり、企業の誘致条件も、大体足並みを揃える。どこかの都市だけが優れていると、どうしても企業がそこに集まってしまいますから、いろいろ話し合いで調整をするという具合であります。また、ドイツの北部にリューべックという歴史のある都市がございます。町並み全体が、世界遺産に指定されているのであります。  ご承知のとおり、日本でも、飛騨白川郷の合掌集落などが、最近、指定されておりますが、この世界遺産のリューベックは、バルト海に面している都市で、バルト海に面している都市は、ほかにもスウェーデンのストックホルムなど、いろいろございます。そういうことで、今、環バルト海、バルト海沿岸の都市が、環境問題について、いろいろ意見交換をするというような会議を、定期的に開いているという、日本で言えば、環日本海とか、あるいは環黄海経済圏等がそれに当たるかもしれません。この環バルト海の環境問題への取り組みも、随分歴史があるようでございます。あるいは、少し南へ参りまして、ドイツのフライブルグ市、ドイツでも一番環境問題の先進的な都市として、かなり名が知られておりますが、このフライブルグと、例えばスイスの北のバーゼルという都市、それからフランスの幾つかの都市を結んだ当たりを「レギオ」と言うようでありますが、そのレギオ地域を中心として、環境問題や広域的な観光ルートづくりに、国を越えて、都市同士が連携しているようであります。これらは、日本の都道府県の枠を越えて、違った都市が連携しているのと似たようなものでありますが、ヨーロッパでは国境を越えているのであります。  このような話を聞いて参りますと、本当に都市の時代、地域の時代が、もう既に来ているのだということを痛感するわけで、国と国との関係というものは、どうしても国民全体の利益を、利害を代表して、例えば、外交交渉に臨みますので、建前がぶつかり合います。ところが、都市はそういう拘束がありません。自分たちが必要と思えば、いかなる連携もやってやれないことはない。それだけ自由で、本音の付き合いができるのでございます。もちろん日本でも、シスターシティー、姉妹都市があります。しかし、やはり海を隔てているという、こういったハンディキャップもあって、いろいろな交流は行ってはおりますものの、先ほど申し上げましたヨーロッパの例のように、緊密なところまでは、まだまだ全体としては、いってはいないのではなかろうかと思うのであります。  都市の時代と言っても、一つの都市だけでは、やはり成立しないわけでありますから、周辺の都市、あるいは国内外を含めて離れた都市、そういう都市とどういう協調関係を続けていくのか、つまり、交流ということが、大変大事になって参ります。もちろん田辺市においても、近年、大阪府の羽曳野市、また奈良県の橿原市と防災上の協定を結ぶという、良い例があるわけでありますが、今度は、この田辺地域の中で、市町村の垣根を越えて、協調関係を構築していく時代が来ていると、考える次第であります。  さて、今日、わが国は、明治維新や敗戦に次ぐ、あるいは一説には、それを凌ぐとも言われる、大きな変革のときを迎えております。行政改革に加え、地方分権や規制緩和が推進されていく中で、いろいろな分野で、大きな変革が進行して参り、地方としても変わらざるを得ず、加えて、そうした時代の要請に十分に対応できる、受け皿を用意していくことが求められております。  そのため、当地域においても、先般来、これらに対応すべく、これからの地方行政も広域的視野に立った行政を進めていく必要があるという、意見等の盛り上がりが見られ、田辺周辺議長会の講演会等でも、地方振興と広域行政についての重要性を主題に研鑚を深めて参り、当地方の今後の大きな政治課題として、お互いに認識しているところであります。こうした折、一昨年12月の田辺周辺広域市町村圏組合議会の全員協議会において、「広域行政への一段と踏み込んだ取組みをするときが来ているのではないか」という、強い意見が出されたことに伴いまして、当時の議長として、広域行政への取組みを模索するために、議員の議論の場を設けることにして、昨年の2月20日に、組合議会の全議員の参加を得て、議員懇談会を開催した次第であります。  この議員懇談会では、地域の発展を促すために、本圏域市町村が連携して行うべき、時代にマッチした広域行政のあり方を考え、推進していくことが必要であることから、一段と踏み込んだ取組みについて、自由な議論をするという趣旨に則って、意見を求めたところでありますが、冒頭、佐武克彦議員から改めて「広域行政を、もう一歩前進させる必要があるとして、組合議会で提案させていただいた。どう一歩進めるか、首長の間では議論をする場がない。組合議会でも、当面する具体的な事業に係る審議の域を出ない。今後の広域行政をどう進めるかについて、本音の意見交換をし、できれば特別委員会のようなものを設置してでも、地域協調の方策を探っていくべきだ」という意見の開陳があり、とりあえず議論のきっかけとして、市町村ごとに各正副議長等から、それぞれの立場で今後の広域行政について、「どのように考えておられるか」と発言を求めた次第であります。  それぞれ次のような趣旨の意見が出されたのであります。  田辺市を頼らずにはやっていけない。道路も良くなり、人口の交流や企業の誘致が広域的に必要である。知恵を出し合い、一体化した活性化を考えるべきでないか。梅立村を柱に村づくりを進めている。白浜だけの観光では限界がある。周辺町村に広がり、波及する広域的な観光振興が必要である。また、田辺市がもっと引っ張ってほしい。高速道路の開通した先端の部分が混雑しているので、どんどん南部へ延ばす努力を続けなければならない。また、新空港の利用促進と旧空港の跡地利用が大きな課題である。周年観光に取り組まなければならないが、広域的に協調連携が必要である。また、観光資源が少なく、作っていかなければならない。PRも大事であるが、地域の良さが発見できずにいる。お客に来てもらうには、どうすべきかが問題でないか。林業が不況であり、関係の補助事業の継続と森林交付税の創設を広域的に取り組んでいただきたい。龍南町村も紀南病院組合に加入してはどうか、これはもうこの7月から加入されることに決まっておると思うのでありますが。熊野古道中心の観光のみでは、経済基盤が弱い。極端な高齢化で、単に1町では、行政運営が困難になってきている。田辺市を中心に、市町村合併を取り組むべきである。自然は生かせば、活性化につながる。公共施設の設置分担化が必要でないか、人が動けば、金も動く。企業誘致も広域的に。大同合併で一つの自治圏を確立すべきである。高齢化が進み、十年後に後継者がいるか不安。消防、衛生は、隣町と共同してやっているが、将来は一つの団体にすべきである。高速道路の南伸、森林交付税の創設を願う。また、少ない投資で大きな効果を生むよう、課題を出し合って、研究していくべきである。小・中・高校連動の教育活動が重要、そのためにも行政界を取り除く必要がある。  以上のとおり、各市町村の個々の議員として、広域行政にかかわるそれぞれ考え方がありますが、広域行政の進展への姿勢とその方向は、是としながらも、構成する十市町村が、いざ協調して取り組んでいくことが可能となる方策となると、お互いに所属する団体の立場や考え方があって、一日の議論で、焦点を絞るということは、容易でないことは当然であります。拙速を避けることも大切であります。そのため、引き続き、間を置かず、懇談会を継続していくことを申し合わせまして、「地域振興に関する議員懇談会」として、存続させることの同意を得た次第であります。続いて、3月28日に、第二回の議員懇談会を開催しました。今後、回を重ねる中で整理しながら、何を広域行政として取り上げ、提言していくかについて、まとめていく方針の同意を得るとともに、第一回目と方向を変えた各議員の意見を求めました。出された意見の要旨は、次のとおりであります。
     空港の特別委員会が廃止されることになったが、代わって広域市町村が協調できるものは何か、を調査する特別委員会を設置して議論し、できるものから共同事業として取り上げていくべきであって、合理化のための市町村合併の時期は、必ず来る。また、理事者側の同席した懇談会の設定を要望する。この会の意見が、理事者側に伝わらなければ意味がない。また、市町村の課題を出し合って、協調、連携していく上で、窓口が必要である。広域で市町村合併をする場合のメリット、デメリットを検討する組織を設置すべきではないか。総合的な陸上競技場を広域的に設置できないか。梅の立枯れの問題をも強調して取り組むべきである。広報を発行してはどうか、住民の投稿も受ければ、参考になる。林業が衰退しつつある中で、森林交付税創設の全国的な動きに、広域的な取組みを望む。また、広域圏規模のイベントを考えてはどうか。地域間の交流が大切で、このような懇談会に期待が大きい。広域圏を対象にした観光案内のマップがない、アウトドア用のマップを作成すべきである。長い海岸線を資源に、観光行政に力点を置いている、若者の定着が大切で、企業誘致など、広域圏全体の協調関係ができれば、力強い。自然公園が広範囲にあり、開発のネックになっている、協調して、緩和への見直しを要望できないか。紀南地域を対象にした大規模イベントの計画があると聞いている、観光行政の推進は、大切なことである。田辺市には、文里湾架橋の計画がある、単に、市だけではなく、広域交通網として、重要な事業である。産業廃棄物処理場の問題も、広域的な取組みが必要である。高速道路の南部以南の延伸は、広域圏あげて推進してほしい。地域経済に及ぼす影響も調査しておくべきではないかと。  以上のとおり多くの意見、提言がありました。これらの意見等に含まれた課題は、細かい部分での相違はありますが、概ね田辺市、白浜町等の市街地、そしてその周辺の農業地域、さらに山間部の地域という、三つの地域に大別された課題であります。これらを集約して、絞り込む段階には、至らなかったのでありますが、二回にわたる意見交換の中から、ソフト事業に係るものが浮かび上がって参り、特に広域観光に関わる分野において、共同して取り組める部分があるのではないかという感触から、次回の方向がある程度定まって参ったわけであります。そのため、第三回の議員懇談会は、広域観光に関わることを議論の中心にすることにして、会場を田辺市民総合センターで開催をいたしました。昨年の5月20日の当日は、田辺市観光協会の大谷建児、今では前会長ということでありますが、広域観光に関わる講演をいただいたわけであります。大谷前会長の柔軟にして、ユニークな発想に基づく、歯に衣を着せない有益な話の内容は、要約して次のとおりであります。  まず、地域としては、高速道路を一日も早く、紀南延伸を実現させなければならない。観光客にとって時間が大切で、時間に余裕ができれば、地域全体の活性化につながっていくことになる。ただし、受入態勢の整備が求められる。広域的に観光資源と施設をもっとPRする必要がある。田辺市か白浜町に大きな案内看板を設置して、目的地までの距離、時間、料金などを明示すべきである。田辺駅構内の熊野古道の案内所は、広域事業で対応してはどうか。観光パンフレットは、手軽なものが好まれる。東京では、南紀白浜を知っている人は少ない。市町村がお金を出し合い、広域観光の振興に取り組むべきである。観光客の誘致は親切、安価、便利が決め手になる。週休二日制の時代で、観光も安上がりの方向に変化してきている。宗教観光、ゴルフ観光、体験観光などが盛んになっていることを認識する必要がある。受入れ側も、海外、特に東南アジアや中国を視察すべきである。  ごく簡単に要約したものでありますが、以上のような広域観光に関わる講演で、多くの示唆をいただいたのを受けまして、今後の取組みについて、意見交換を続けた中で、大方の意見として、周辺町村での観光拠点づくりの必要性、一体となった受入れ態勢や広域観光PRへの取組みの必要性が、浮き彫りになって参ったのであります。以上、三回にわたる議員懇談会におきまして、広域行政への踏み込んだ取組みについて、探って参りましたが、当面、広域的に取り組める可能性の高いものとしては、広域観光への協調態勢の確立への仕掛けが浮かび上がってきたと、把握した次第であります。本圏域の場合、各団体それぞれに、ハード面では、既に様ざまな公共施設が設置されており、また老人福祉施設、消防、し尿、ごみ等々の行政についても、一部事務組合により、設置運営がなされているものが多い実態があり、一定の整備がなされている今以上の広域的な施設の新設は、新たな行政需要がない限り、当面、必要性がないものと一面考えられます。  したがって、今後の広域行政は、むしろソフト事業を中心に推進しなければならないと思われますが、その取組みのひとつとして、この議員懇談会の中で、まとまりつつありました広域観光の振興については、もう少し掘り下げて議論していかなければならないと考えられ、特に広域観光については、各郡域単位で、御坊市・日高郡には、日高観光協会、また田辺市・西牟婁郡には、田辺西牟婁観光振興連絡協議会が組織されており、観光パンフレットの作成や大都市での観光物産展等への出展などに取り組まれているわけであります。そのために、これら二つの郡域にまたがる本広域圏を構成する市町村にとっては、この場合、中身の違いはあるとはいえ、二つの広域観光事業に取り組まなければならないことになり、当の組合においても、ふるさと市町村圏事業の一環として、広域観光振興事業に鋭意取り組んでおり、観光リーフレットの作成と、旅行雑誌での啓発を行うことにしていたことなど、一定の広域観光の振興への取組みが図られていたところであります。  このように新たな共同事業として、広域観光の振興事業を組み入れることについては、今後、まだ議論を重ね、調整を図らなかったのでありますが、この三回の懇談会で、一応の集約として、広域観光の振興を主眼に、今後、取り組んでいくべき、という意見が大勢を占めていると判断したわけであります。  組合議員が懇談会を開催し、このような形で、地域の振興の方途を探るというようなことは、かつてなかったことであります。それは、広域行政を避けて通れない、ボーダレスの時代を如実に示していると思います。しかし、これが広域市町村合併に、自然につながればよいのでありますが、現実の問題として、現状の中で、新たな共同事業を構築していくには、越えなければならないハードルが、まだまだ多々あるわけであります。  もちろん議員同士が意見の交換を重ねながら、連携を図ることは重要なことでありますから、市町村議員としての任期や組合議員としての任期もありまして、継続性を保つという難しさはあるものの、でき得る限り、この議員懇談会を継続して、地域住民の福祉の向上と圏域全体の発展のために、意見交換しつつ、努力して参りたいので、ご理解を賜りたい、と以上のようなことで、議員懇談会の中間報告をして、次の議長に引き継いだ次第であります。この懇談会の今後については、改めて議長において、進めていただけるものと思いますが、これら田辺圏域における協調関係の構築について、市長はどのように考えるのか、お伺いしたいと思います。  現下の情勢は、広域連合等広域行政に関わる法体系も、漸次整備されてきており、時代の流れとして、行政は広域行政に流れていると思います。一口に地方自治体と申しましても、都道府県もあれば、市町村もあるわけであります。どちらに重点を置くことが望ましいのかという議論もあろうかと思います。しかし、最終的には、やはり一番身近な地方自治体であり、基礎的自治体である市町村が力をつける、特に、住民に身近な行政に関しては、市町村が責任をもってやるという態勢をつくることが望ましいと思うわけであります。なかなかそうは言いましても、一気にそれをするということは難しい面もありましょう。現在は、県と市町村という、言わば二つの層があって、二層性の自治というようなことが言われておりますが、最終的には、基礎的な自治体が力をつけることが望ましいのではないかと思います。  そして、詰まるところは、ある程度、自治体を維持していくような規模の問題は避けて通れない、つまり、市町村合併という問題は、避けて通れないと考えますが、当面、むしろそれぞれの自治体が、主体的に隣接の自治体と歩調を合わせて、広域的に処理し、広域的に物事を考えていく、そういう広域行政は、関係の方がたの意思統一ができれば、どんどんやってできないことはないと思う次第でございます。大変長くなりましたが、今後の当地域における広域行政について、そのあり方、その考え方と進め方を市長にお伺いしておきたいと思います。  これで第一回目の質問を終わらせていただきます。             (17番 熊野芳和君 降壇) ○議長(行森素治君)  17番、熊野芳和君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)  熊野議員の広域行政のあり方、進め方についてのご質問にお答えを申し上げたいと思います。熊野議員が、田辺周辺広域市町村圏組合議会の議長の時代に、議員懇談会を設置され、広域行政をどう進めていくべきかについて、幅広い議論を重ねていただき、広域観光をはじめとする広域協調態勢の充実のために、多くの課題を掘り起こし、また、整理していただきましたこと、関係の皆さま方に敬意を表するとともに、感謝を申し上げる次第であります。  ご承知のように、広域行政は、市町村単位で行っている行財政運営を共同で、効率的に行うためのシステムでございまして、現在、田辺周辺広域市町村圏組合をはじめとする一部事務組合におきまして、休日急患センターやし尿処理施設の設置、運営、道路の整備、病院の運営など、多くの事業を共同で進めているところでございます。広域行政ということになりますと、離れては語れないのが、地方分権という大きな流れであります。議員ご指摘のように、これからの行政の方向として、身近な行政は、身近な存在である市町村が、住民の意向を敏感に反映しながら、地域の実情に即して、主体的、独自性のあるまちづくりを展開していく時代、いわゆる地方分権の時代になると認識をいたしております。  基本的に、地方分権とは、中央の管理統制から離れて、画一的でない、それぞれが自前の文化、歴史や精神性、風土あるいは知恵というものをバックグラウンドに、独自の個性的で魅力のあるまちづくりを総体として進めていく、また進めていこうという、それだけに言い換えれば、今までと違った意味での、より大きな責任を持たなければならないわけでございます。現在、厳しい財政事情や人員体制の中で、山積する行政課題の解決や住民サービスの向上に、日々取り組んでいるわけでございますが、地方分権を進めていくに当たりましては、現在の市町村の規模、能力では、補助金や交付税などの財政的な問題、あるいは人的な問題など、様ざまな不安定な要素が片やにあることも現実でございまして、さらに広域行政の強化と言いましても、各市町村の置かれた状況、地方分権の進展度合いなど、様ざまな要素が複雑に絡み合っておりますので、すぐに結果が出るという性質のものではございませんし、周辺の町村の皆さまとともに議論を深めて進めていくべきものであると考えております。  ただ、そうした議論や必要性の認識の高まりと申しますのは、具体的な必要性に迫られないと、何もないというところからは、なかなか発生していきにくいものではないかと思います。そうしたことからいたしまして、先ほどからご案内ございましたように、議員懇談会で具体的なテーマに上がりました、広域観光の振興につきましては、私といたしましては、時宜を得たと申しますか、当地域の状況にマッチした、広域的な重要課題の一つであると考えておりますし、第三次田辺市総合計画におきましても、広域観光ネットワークの構築に取り組むという位置付けをいたしているところであります。しかしながら、こうしたことを具体的に進めていこうとすると、ソフト、ハードにおける官民一体となった密接で継続した連携、枠組みづくりが求められるわけでございます。時あたかも二年後の平成11年に開催されます南紀熊野体験博では、紀南を一つの面としてとらえ、関係市町村が協力して、地域の資源を掘り起こし、さらにグレードアップして、それらの資源をネットワークして、全世界からお迎えするお客様に提供する、あるいは情報を発信していくという内容でございまして、現在、実行委員会を中心に準備を進めているところでございます。  市といたしましても、その趣旨、目的を踏まえ、職員を派遣するなど、積極的な取組みを進めているところでございます。こうした具体的かつ現実的な取組みが、広域観光の充実、ひいては広域連携への強化につながっていく環境醸成になると考えております。また、広域圏組合におきましては、広域連合や市町村合併特例法などの研修会をはじめとして、広域行政のあり方を、研究を続けておりますし、田辺市におきましても、市町村地方分権検討会における取組みも含めまして、地方分権等の研究を進めているところでございます。今後もより一層、研究や議論を深めますとともに、積極的な取組みを進めて参りたいと考えておりますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願いを申し上げます。  以上でございます。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(行森素治君)  17番、熊野芳和君。             (17番 熊野芳和君 登壇) ○17番(熊野芳和君)  ただいま市長から、市長の見解を聞かせていただいたわけでありますが、その件につきましては、一応理解するところであります。飛躍して、一足飛びに、この本地域の大同合併ということについては、私自身、まだ時期尚早とは思っています。しかしながら、地方の自治体にかかわる現下の中央の流れは、地方分権推進委員会においても、地方自治体の行政体制の抜本的な見直しは、最重要課題の一つと指摘されており、市町村の行財政基盤の強化のための、自主的合併の推進等を「分権委員会第二次答申案」の中にも盛り込む方針と言われ、また市町村合併の推進を検討している第二十五次地方制度調査会は、すべての都道府県、市町村の長及び議長を対象にアンケートを実施し、今後の参考にするなど、拡大されつつある高齢化、少子化に対応するために、改めて市町村合併の促進等の検討に着手されている実情にあるわけであります。  こうした中で、私たちは、時の流れには、遅れてはならないということを考える次第であります。市長は、大変忙しい。聞くところによりますと、市長は、市長であるがために、各種団体の役職は、約百幾つ等持っておられると思います。そして、それぞれわれわれの、わが市内の組織、団体、そういった中の役員、あるいはまた総会だの参加ということになりますと、そのために、費やされる時間と労力というものは、本当に大変なものでありまして、市長職というものは、多忙を極める結果にならざるを得ないのであります。私は、したがってその時間を、何らかの形で浮かした上で、合併論議は別にいたしまして、周辺の町村長、またときには議長らと本音を語り合う機会を持つことができないだろうかと思う次第であります。  もちろん周辺広域市町村圏組合議会はありますが、けれども、その議会は、一応のレールに乗った議案について、粛々と済ませるというたぐいのものではなかろうかと思う次第で、今後、変わりつつある社会の中で、どのようにして、この圏域を活性化し、改革していくべきかということについて、周辺の町村長や議長さん方とともに、赤裸々に討議をすることが大切であると考える次第であります。このことを市長に提言しておきまして、私の一般質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。             (17番 熊野芳和君 降壇) ○議長(行森素治君)  以上で、17番、熊野芳和君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(行森素治君)  この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時00分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(行森素治君)  休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時05分) ○議長(行森素治君)  続いて、3番、生駒浄光君の登壇を許可します。              (3番 生駒浄光君 登壇) ○3番(生駒浄光君)  3番議員の生駒浄光です。お時間までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。今回の質問項目は、第一番目に、市の防犯対策についてということで、小さな一番として、全国的に多発している、子どもたちが犠牲となる凶悪犯罪に対して、どのような防犯対策を講じているか。小さな二番目として、青少年の非行の原因となる「たまり場」に対して、どのように対処しているかということ。それから、第二番目に、まちづくりに望むこと、これは提言であります。ビオトープを盛り込んだまちづくりを。それから、稀少種野生生物の保護をということで、私の私見を交えて提言させていただきます。  それでは、通告の順序に従って、一番目の市の防犯対策についてから始めさせていただきます。さて、今、テレビや新聞紙上で、毎日のように報じられております「神戸市須磨区の男児、土師淳君殺害」というショッキングな残虐事件や、少し前にありました「奈良県月ヶ瀬村の女子中学生誘拐事件」など、今、全国的に子どもたちが犠牲となる凶悪犯罪が多発しております。淳君が殺害された神戸市須磨区付近の住民は、いまだ見つかっていない犯人に脅え、パニック状態がまだ続いていると言います。子どもたちの登下校は集団で、又は父兄が付添い、児童本人には、自分の身を守るために、危険防止の携帯用ブザーを肌身離さず持たせているし、極力外出させないようにしている親御さんも多くいるそうです。そのせいか、いつもはにぎやかな公園も、この淳君殺害事件以後は、子どもたちの姿も消え、ひっそりとしていて、スーパーやデパート、遊園地などでも、子どもたちがめっきりと少なくなってしまいました。  まだこれからどうなるのか、見当もつかない状況の中、大人も子どもも毎日ピリピリしながら、防御、防御で神経をすり減らし、身も心も疲れ果てているという状態だそうです。本当に恐ろしい事件が起こったものです。どうして、このような残虐極まりない殺害事件が起こったのでしょうか。犯人が変質者だから、それだけの問題でしょうか。いいえ、この事件の背景には、様ざまな原因があろうかと推察されます。犯人に関わる問題としては、今の社会風潮や倫理、心の歪みとでも申しましょうか、またこのような残虐事件が起きやすい、すなわち犯罪を誘発させやすい地域の住環境の問題、さらには、地域住民と警察並びに各種防犯機関との信頼関係など、この神戸市須磨区の男児殺害事件は、常日頃の防犯体制のあり方を、いろいろな角度から改めて考えさせられると言えるのではないでしょうか。一日も早く犯人が見つかって、住民の不安が解消することを願わずにはおられません。  さて、前置きが少々長くなりましたが、私たちの住んでいる当地方では、どうでしょうか。新聞によりますと、今年5月に、公然わいせつの疑いで、男性二人が検挙され、また、今月に入って、自転車で帰宅途中の女子高生が、軽自動車から出てきた若い男にハンドルをつかまれて、倒されたなどという事件が起こっています。まあ幸いにして、今のところ当地方では、殺害に至るような、子どもたちが犠牲となるような凶悪事件は、発生していませんが、十分気をつけなければならない事態だと思います。このような全国的に多発する子どもたちをねらった凶悪犯罪を防ぐために、田辺警察署は、県下14署の中で、いち早く子どもの保護対策活動に乗り出し、子どもたちが危険な目に遭いそうになったとき、逃げ込んで保護してもらう場所として、地域住民の協力を得て、「きしゅう君の家」という避難場所を設けています。  このきしゅう君の家の設置は、犯行を未然に防ぐという意味で、画期的な方法であると思います。管内のすべての校区に実施してほしいし、一時的なものではなく、ずっと続けてほしいものであります。防犯対策は、警察だけの仕事ではなく、市民の協力も不可欠であり、さらに市においても、何らかの手立てを講じながら、市民、警察、行政が三位一体となって、取り組んでいくべき問題ではないでしょうか。そういう意味で、当局にお聞きしたいのは、今、全国で多発している子どもたちをねらった犯罪に対して、どのように考え、また市としては、どのような対策を講じているのか、ご答弁のほどよろしくお願いいたします。  続きまして、二番目の青少年の非行の原因となる、たまり場に対して、どのように対処しているかということについてでありますが、神戸市須磨区の淳君殺害事件のあった地域には、水道局の配水タンクが設置されている山、通称「タンク山」というところがあります。ここでは、数年前から、シンナーを吸いに来る地元の不良少年らのたまり場になっており、このあたりは、痴漢の出没も多く、昼間でも一人歩きのできないような場所であります。このタンク山は、今回の殺害事件に深く関わっており、淳君の胴体が発見されたところでもあり、「ここで殺害されたかもしれない」とも言われております。水道局の配水タンクという、市の管理物の設置されているところが、不良少年らのたまり場となっていたとは、とんでもないことです。これは、市の管理体制の甘さというか、防犯面に関しては、警察や各種防犯機関に任せっきりで、何も対処していなかったのではないかと、こういうふうに疑われてもしょうがありません。  また、付近住民も、ここがたまり場になっていたと、そういうことをよく知っていたというんです。もっと早くから、このタンク山に目を光らせていたら、徹底した防犯活動を行っていたらと。こんな大きな事件が起こってから、後になって後悔しても遅いわけでありますが。さて、田辺青少年補導センター並びに補導協会発行の平成8年度あゆみの中に、たまり場に関しての情報が10件寄せられておりますが、たまり場は、どの地域でも幾つかあるみたいで、最近では、カラオケボックスなども、たまり場のようになっていると聞きます。心配なのは、淳君殺害事件のタンク山のように、市が管理している建物や土地が、たまり場にはなっていないかということです。田辺市の方では大丈夫だとは思いますが、過去においては、このような場所があったと聞きますし、今後、たまり場として利用されそうな場所に対して、市はどのように対処すべきであるのか、お考えをお聞きします。  続きまして、第二番目のまちづくりに望むことについてですが、田辺市が計画しているビオトープに関しての提言と野生生物の稀少種の保護に対する私見を述べたいと思います。まず、ビオトープとは何ぞやということですが、「ビオトープ」という言葉は、ドイツ語で、「ビオ」というのは生物、「トープ」は空間とか、場所という意味で、つまり野生生物の生息する空間、言い換えますと、生き物が住んでいる場所ということになります。もともとは、環境保全、自然保護の立場から、地球上では様ざまな生物が生息し、相互に関係し合って、生態系を形づくり、それを基盤として、人間も生存しているわけで、ビオトープをつくることによって、本来のあるべき自然の姿が構築されると言えます。  1970年代の後半から、ドイツでは庭園、公園、河川敷などに湿地、草原、林などをつくり、野生生物を呼び戻そうという活動が盛んになり、この運動がビオトープへの関心を高めたもので、特にベルリンのビオトープを盛り込んだまちづくりは、世界的に知られております。日本でも、環境庁や建設省をはじめ、今では多くの地方自治体が、ビオトープの事業に取り組んでいるところであります。田辺市が計画実施しようとしているビオトープ建設の目的は、中山間地域における農地の活用を軸に、野生生物、特に危急種や稀少種の保護を通して、自然体験型の観光資源として活用することにより、地域の活性化を図るという旨であります。私は、この構想には大いに賛同するものでありますが、希少種などの保護として、また観光資源として、さらに地域の活性化という一石二鳥ならず一石三鳥の施策であるだけに、確保できるかどうかは、ちょっと問題ですが、山あり谷あり林ありの広範囲にわたる地域を、観察園に設定してもらいたいと思うのです。今現在、つくられている秋津川の谷川地区が、決して悪いというのではなく、1ヘクタール、1反の土地、1反の水田というよりも、もっと大きなそういうところが望ましいのじゃないかと、私は思います。  確かに、ビオトープの本質から言うと、小面積でも、野生生物が豊かな自然環境をつくり上げれば、それでよいわけでありますが、観察や観光資源として利用するなら、人為的な介入を考慮に入れ、探索道や観察館のようなものによって、自然が多少破壊されても、持ちこたえられるだけの広がりというか、面積が必要だと思います。また、面積が小さいと、その場所で観察したり、見て楽しんだりする、時間的なものも少なくなってきて、幾ら質の高いものであっても、何やこれだけかということになりかねません。スケールの大きな田辺ならではの、ほかに類を見ないビオトープをつくってほしいものであります。将来的には、ナショナルトラスト運動発祥地の天神崎やひき岩の自然公園センター、奇絶峡、紀州備長炭公園、そしてビオトープの観察園と、自然の中で楽しみ、学習できる自然体験型のツアー、エコツアーを実施することにより、地域の活性化のみならず、田辺市の発展にもつながるのではないでしょうか。私は、田辺市から全国へ発信できるビオトープ建設に期待しております。  さて、市のビオトープ建設に対する提言を述べさせていただいたわけですが、加えて野生生物の稀少種の保護に対し、その取組みについて、私見を述べさせていただきたく思います。当地方には、全国的に見て、数多くの貴重な生物が存在しており、このような稀少種を保護して、子孫代々に残すことは、今、生きている人間の努めだと思います。そのためには、当地方に生息する生物層について、いろんな種類について、もっと市民に認識してもらう必要があり、個体数の激減している生物が、生息している場所など、市民からの情報を得ることも、良い方法ではないでしょうか。  一つ認識不足がもたらした取り返しのつかない状態を挙げてみますと、オオムラサキという蝶を、みなさん方はご存じでしょうか。田辺市内では、以前から個体数の少ない蝶でしたが、それでもある地域には、生息していました。万呂、三栖、長野とか、あのあたりはあったように思います。ところが最近では、ほとんどといってよいほど、見つけることはできません。この蝶は、日本を代表する国蝶であり、立羽蝶の仲間で、大きさは十二、三センチメートルぐらいで、特に雄は色鮮やかな紫色の羽に、白い斑点を散りばめたような、大変きれいな蝶です。幼虫は榎を好んで食べ、成虫になると、櫟などの木の樹液をかぶと虫やカナブンなど、甲虫類に交じって吸いに来ます。食草の榎は、当地方ではどこにでもある木です。  これは、聞いた話ですが、Aさんという方がおられまして、Aさんの家の庭に、この榎が植えられており、お隣のBさんの家にも立派な榎がありました。Aさんところの榎には、毎年、オオムラサキが卵を産みつけ、いつも数匹が孵化し、その木の周りを飛んでいました。ところが、Aさんは、この美しい蝶がオオムラサキであるということを知りませんでした。まあきれいな蝶が、榎の周りを飛んでるなと、そういうぐらいしか思っていませんでした。ある年に、市の都市計画事業があって、この地域に公園ができることになりました。Aさんの家は引っ掛かり、隣のBさんの家は、そのままになったそうです。Aさんのところに植えられていた榎も切られました。しかし、この地域が公園になったお陰で、緑が増え、環境も以前に比べて、見た目はずっとよくなりました。  ところが、オオムラサキは、このときから姿を消してしまったのです。隣のBさんの家に植えられていた榎には移らず、どこかへ行ってしまったのです。もし、Aさんが、このきれいな蝶が、国蝶のオオムラサキで、田辺では少なく、貴重な蝶であると知っていたら、また市の方で、事業を行う以前の基礎調査の段階で認識していたら、もっと何らかの処置を講ずることができたのです。生物の個体数が減少し、稀少種となっているものの中には、単に大規模な自然開発だけではなく、小規模地域に生息している生物も、例えば今のオオムラサキのように、食草はたくさんあるのに、榎の木はたくさんあるのに、Aさんのところの榎にしか来ず、この榎を切っただけで、その地域から姿を消すという、そういう種類のものもあります。開発が悪いと言ってるんではありません。これから、都市計画事業等を進めていく上で、十分にその配慮をしていかないと、危急種や稀少種だけではなく、普通種までも、どんどん個体数が減少していくだろうと思います。稀少種を保護するという立場から、このようなことも、当局におかれてはご一考いただきたく、私見を述べさせていただきました。  これで、第一回目の質問を終わります。              (3番 生駒浄光君 降壇) ○議長(行森素治君)  3番、生駒浄光君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)  生駒議員から、市の防犯対策についてということでご質問をいただきました。私とあと具体的な問題につきましては、教育長の方からお答えを申し上げたいと思います。  神戸市の小学六年生の土師淳君が、あのような姿で発見されましてから、既に一か月を経とうとしています。しかも、次を予告するかのような、不気味な声明文など、今回の事件は全国的に見ましても、極度に市民を不安に陥れた重大な問題でございまして、私自身としても非常に大きなショックを受けました。被害者の痛ましさはもとよりでございますけれども、どの子どもたちにとりましても、恐怖心とともに、集団登下校を余儀なくされる窮屈さとか、公園での楽しい遊びも封じられてしまった不自由さ、こういうことは、きっと子どもたちの心に大きな傷を負わせているものだろうと、こういうふうに想像するところであります。一刻も早い犯人の逮捕が待たれますし、このような犯罪の由って来る社会の歪は、様ざまな角度から十分究明されなければなりません。たとえそれが、特別な変質者によるものとしても、ほかに影響が及ばない健全な社会を築いていかなければならないのは、これは申すまでもないことでございます。  田辺市におきましても、誰にとっても、安全こそ住みよいわが町の必須条件として、そのことを高く掲げ、今後もその対策と啓発に努力していきたいと考えております。また、議員ご指摘のたまり場について、市の施設の内では幾つかの公園が、ときには青少年のたまり場になるとも聞いております。これらに関しましては、所管課は情報を十分収集しながら、補導センターあるいは警察等とも十分連携をとって、対応に当たって参りたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(行森素治君)  続いて、教育長、角莊三君。             (教育長 角 莊三君 登壇) ○教育長(角 莊三君)  ただいま市長からの答弁もございましたが、私の方から補足の意味もかねて、児童、生徒への最近の安全対策、それから、たまり場の対策と、二点について、お答えいたします。  子どもたちが被害を受ける事件を未然に防ぐにはという点に関してでありますが、昨今、議員も言われましたとおり、当市では不審者による、児童、生徒を追いかけたり、声をかけたりと、こういういろいろなケースが続いております。幸いにして、大事には至っていませんが、子どもたちは非常に不安を感じておりますし、また恐怖心も持っておるわけでありますので、その対応・防止には苦慮しながらも、全力を挙げながら取り組んでいるところであります。  その都度、補導センターを通して、警察と連携をとり、パトロールの強化を要請し、各学校へは機会を通して、登下校に際しての指導とともに、注意を呼びかけております。今年度に入り、警察と学校・地域の連携による子どもの避難場所の指定は、「きしゅう君の家」としてマスコミにも取り上げられ、各地より問い合わせも多く、大きな反響を呼んでいます。これに合わせて各学校でも、PTA、地域の協力を得て、同様の取組みを既に始めたところもあり、中学校では防犯ブザーを購入して、クラブ活動で帰宅が遅くなる生徒に持たせるなどの工夫もしながら、取組みを展開しているところであります。教育委員会といたしましても、町内会連絡協議会を通して、学校の要請があれば、緊急避難の家に協力していただくよう依頼をしていますし、警察の了解を得て、そのマークを作成する用意ができましたし、保護者全員へ啓発パンフレットを配付いたします。要は、一つは犯人逮捕、一つは被害を防止する施策、一つは社会背景の啓発と、この三つを併せて考えていかなければならないなと思っています。  次に、青少年の非行のたまり場に対しての防犯活動については、青少年補導センターを核にして、常時巡回活動をはじめ、いろいろな活動を展開しておるところですが、たまり場は、一年のうちでも、あるいは数年の間には変わって参ります。駅前、公園、空き家、大型店の駐車場、さらには階段もそうですし、遊技場、橋の下、特に困難なのは友人の家ということもあろうかと思いますので、情報を得て、あるいは計画的に対策を講じて参りたいと思っているところであります。本来、人工物のない大きな広場、こういったところや、あるいは道草というものも含めて、少し立ち寄るところというのは、子どもたちにとっては楽しいはずのものでありますけれども、そのたまり場となって、非行の温床となるということについては、憂慮することとして受け止めておるところであります。  昭和53年には、田辺市青少年育成市民会議が結成され、次の時代を担う青少年の健全な育成を図ることを目標とした諸活動を行っています。重点目標として、青少年のための健全で明るい環境づくり、地域の課題に即した校区協議会の活動、家庭教育の充実、非行対策活動の四点を掲げています。中でも環境浄化活動につきましては、各地域において、小・中学校、PTA、公民館、町内会、補導委員会あるいは民生児童委員等で組織した15の校区協議会があって、それぞれ地域内の巡回パトロール、街頭補導、防犯教室等、年間を通して地域の課題に即した健全育成活動や危険防止活動を推進しています。このように、田辺市青少年育成市民会議を中心とした活動というのは、先に総会がございましたけれども、特にその中でも、緊急課題として、各団体が互いに連携をし合い、協力し合って、今回の不審者による、様ざまな行為を防止する共通理解が得られています。  また、青少年の社会環境を改善、不良化防止の趣旨に賛同をされる会員によって組織された補導協会による防犯灯の設置は、昭和37年以来続いておって、既に二千灯を超す防犯灯がつけられております。これは環境改善に大きな成果を上げていると思います。もとより維持経費等かかるわけでありますが、町内会の協力を得ているところであります。このように地域住民が総力を挙げた市民運動へと発展させていくことが、子どもたちの安全を確保することになると考えております。  以上であります。             (教育長 角 莊三君 降壇) ○議長(行森素治君)  企画部長、柴田修君。             (企画部長 柴田 修君 登壇) ○企画部長(柴田 修君)  生駒議員からビオトープを含め、自然と調和したまちづくりの大切さについて、ご提言をいただきました。私どもといたしましても、これからのまちづくりは、人びとの価値観や生活意識の変化や多様化に的確に対応したまちづくりを行うことが重要であり、物の豊かさに加え、ゆとりや潤い、人や自然とのふれあいなど、生活の質的充実を求める傾向がさらに強まってくるものと考えてございます。こうしたことからいたしましても、今後は、本市の豊かな自然環境を保全することはもちろんのこと、そのことと併せまして、中山間地域の活性化を図るため、都市との交流を想定した自然利用型レクリエーション空間の整備を行うことは、より重要であると考えてございます。  しかし、このような施策につきましては、自然環境や生物が相手であることから、一朝一夕に実施できるものではありませんから、早い時期から段階的に事業展開をしていかなければならないと考えまして、平成8年度から秋津川地区におきまして、基礎的な情報及び資料を収集するための調査を行ってきていることろでございます。いずれにいたしましても、田辺市は偉大なエコロジストでもある南方熊楠翁が研究をし、生活をされた場所であります。私どもは、エコロジストとしての先駆者である翁の顕彰をすることはもちろんのことでございますが、翁が私どもに残された思想を私どもが引き継ぎ、後世に伝えていくということも大切であると考え、今後ともこのような自然環境保全を配慮した、まちづくりに取り組んで参る所存でございます。なお、議員からいただきました数多くの提言につきましては、今後の参考にさせていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。             (企画部長 柴田 修君 降壇) ○議長(行森素治君)  3番、生駒浄光君。              (3番 生駒浄光君 登壇) ○3番(生駒浄光君)  ご答弁ありがとうございました。市長さんの言われるとおり、神戸の淳君殺害事件は、子どもたちに恐怖心を与え、大きな傷を心の中に残す結果となってしまいました。本当に早く犯人が、捕まってもらいたいものです。もし、田辺の方でこのような事件が起こったらと考えると、ぞっとしてきます。教育長のご答弁の中に、学校へは、登下校時に際しての指導、注意を呼びかけているとのことですが、各学校に徹底して、よろしくお願いいたします。今、市内のあちらこちらで不審者が続出しております。つい最近では、元町の古尾の方でも、三件嫌がらせの被害があったと聞いております。このような警戒事態ですので、学区内での防犯放送を流して、是非とも注意を呼びかけてほしいものです。  たまり場に対しては、青少年健全育成の面から、各種団体の巡回、啓発、防犯キャンペーンなど、具体的な活動を述べていただきましたが、市の管理物の中で、たまり場として使用されている箇所について、市長さん、答弁の中で情報を収集してということをおっしゃられました。やはり、常日頃からチェックをするという必要があろうかと思います。それらの場所、管理物を一番よく知っているのは、それぞれの管理運営している担当課の職員のみなさん方でありますし、職員が、夜中にわざわざ巡回するということは無理であっても、常日頃、作業等をしているときにでも、不審な点があったら、すぐに報告するような、そんな防犯意識の向上を願っております。  企画部長から、わざわざ答弁いただいたんですけれども、ビオトープの事業は、是非とも成功してほしいと心から願っております。ビオトープ建設は、平成11年の南紀熊野体験博には、間に合わないかもしれませんが、この博覧会を通して、ビオトープ建設に拍車がかかるということは、間違いのないことだと思っております。是非とも、田辺ならではのビオトープ建設をよろしくお願いします。  神戸市須磨区の、男児殺害事件のような凶悪犯罪が、この田辺市に起こらないことを願いまして、これで私の一般質問を終わりたいと思います。
     どうもありがとうございました。              (3番 生駒浄光君 降壇) ○議長(行森素治君)  以上で、3番、生駒浄光君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(行森素治君)  この場合、暫時休憩いたします。               (午後 1時42分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(行森素治君)  休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時02分) ○議長(行森素治君)  続いて、7番、宮田政敏君の登壇を許可します。              (7番 宮田政敏君 登壇) ○7番(宮田政敏君)  今回の一般質問の一番最後として、一言述べさせていただきます。十人の先発諸氏がそれぞれ一般質問をなされまして、非常に聞かせていただいて、勉強になりました。また、市長さんはじめ、当局の方がたのご答弁も立派やなというふうに感じました。私も、行き届かないところがたくさんあると思いますけれども、通告に従いまして、一生懸命やらせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。  まず、一番の天神崎丸山灯台問題についてということで、この問題は、一部の新聞の紙上で取り上げられまして、われわれ市議会の議員も、一人ひとり電話でインタビューされるというようなことで、いろいろな情報が流れております。この際、ここで今までの経過などお聞きし、いろいろのことを明らかにしていただいて、そしてそういうきちんとした情報を持って、この件について判断をしたいというふうに思います。そういう上から、一番の問題の当初からの経過を明らかにしていただきたいと。一つには、国の航路標識事務所がどのように、この件を処理してこられたのか。そして、第二番目に、漁業、海運関係者の方がたがどうであったのか。三番目に、それ以外の市民と言いますか、当事者以外のですね、田辺市観光協会が、どういう論議をなされて、どういう判断をなされておったのか。そしてまた、現状がどうなのか。それから、天神崎の自然を大切にする会、こういう方がたが、どういうふうな判断をなされて、どういうふうにしてこられたのか、こういうこの四つの関係市民と申しますか、そういう方がたが、問題の当初から取り組まれておったわけでございますので、そういう方がたが、どう判断されて、どうしたのかいうあたりをお聞かせ願いたいと思います。  二番目に、この経過の中で、その結果ですね、漁業関係者の方からの要望で、二つの現在ですね、二つの浮き灯台、天神崎側と、そして灘の島の北側というふうな浮き灯台が設置されております、赤と青のですね。それでさらにですね、今年度、沖の島の灯台の光量がアップされるということでございますけれども、その概要、いろんな経過内容をですね、お聞かせいただいて、これで海の航海、漁業、その他安全確保は十分になされておるのか。そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。  三番目の解決済みの丸山灯台を、平成9年3月6日、田辺市が払い下げ申請を出したと聞くが、その関係する全容ですね。これは、こういう日付というのも、一部のマスコミの報道で知ったわけでございまして、私たちあんまり知らなかったわけで、こんなことあったんかいうぐらいなもんですので、この全容を明らかにしていただきたい。  四番目の光の出ないモニュメント灯台ですね、についての心配と。海路の安全上、紛らわしい物として存在することになる。万が一の事故の時に、責任が発生しないか。無人島の上に、光の出ない灯台がポツンと一つあると。特に、あの辺はシータイガーのたまに来るヨットとか、モーターボート、プレジャーボートがたくさん遊びに来るわけですけど、昼、あの辺で遊んでですね、夜、何か港を出る用事があって出たと。昼、灯台あったから、こっちの方向大丈夫やろと、灯台ないさかいということで突っ込んでいって、ガーンとなったと。そしたら、まあ普通、四級でもですね、海路図があって、それに従って、道路標識でいうと信号無視というような格好になるんでしょうけれども、あんまり海図をずっと見てない人がですね、そういう事故を起こされたときに、田辺市も所有者ですね、所有者が田辺市になった場合ですけれども、あんなとこに建てられて、私だったら、ごねてですね、百悪いところを五か六ぐらい田辺市も悪いから、「そのぐらい払うてくれよ」ということを言いたいなというふうに思った場合、どうなるんでしょうかという、そんなことはないと思うんですけど、そういうこともあり得るんじゃないかなと。その辺、ご心配はどうでしょうか。  それから、県立自然公園条例ですね、この精神に反するのではないかなというふうに思うわけです。県立自然公園、丸山はですね、県立自然公園の第二種特別地域というふうになっております。第一種は、丸山のこの島のちょうど水際ですか、から島だけが第二種で、その島から離れるとですね、こんだけ離れたら、そこはもう第一種ですね、そういう一種の中に二種がポツンとあるというようなことです。「知事は、自然公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域内に特別地域を指定することができる」、これは第13条です。その「特別地域内においては、次の各号に掲げる行為は、知事の許可を受けなければならない。工作物を新築し、改築し、または増築すること。二、木、竹を伐採すること」。いろいろあるんですけれども、そういうことで、自然をあるがままに残そうというのが、この法の精神であると思うわけです。  そういう特別地域に物を建てる場合ですね、そういう審査基準というものがあるらしいんですけれども、その審査基準、これは第一種のところなんですけれども、公益上、学術研究上、必要と認められる以外は許可しないというふうになってます。光の出る灯台ならばですね、公益上必要である。だからそこに建てたと。そういうことで、自然を一部壊したから、そこは第二種になってくる。自然を全く壊してない場所であれば、第一種になるわけですけれども、そういうことで、学術研究上、公益上、必要であると認められると、そういう灯台の形をした白い構造物が、学術研究上、公益上、ほんまに必要なのかというあたりが、少し疑問であります。  そういうことで、二種よりも規制の緩い三種、天神崎の周遊道路がありますけれども、その内側は、陸地側は全部三種です。三種の方を一生懸命保存運動をやっておられるわけですけれども、そこの所有者、そういうことを知らんとですね、買うた人たちですね、何十人もおられると思いますけれども、そういう方がたが、「あの土地何ともできん」と、「建物も建てられなければ、もう家も建てれん」と。「あとどうしようもないから、買い取ってくれ」と、「こんだけ放ったらかされて、何とうしてくれるんな」と。今でもそういう声が聞こえます。そういう中で、田辺市がですね、三種よりも規制のきつい二種に、公益上あるいは学術研究上、必要であると認め、市は認めるんかわかりませんけど、僕はあんまり認められんのじゃないかなと、そういうところに白い建造物を建てると、建てるんじゃないですな、改築、そういうことはどうかなというふうに思うわけであります。  それから、第五番目、土地の所有者との話し合いは、十分になされているのかということです。私たちが、普通一般的にですね、民間で家を買うという場合、その土地と上に建ってる建物と同じ所有者であれば、一人で済むから、その家を買うことについて、何ら問題はないと思うんですけれども、その上の所有者と下の土地の地権者が違う場合ですね、上の人だけ話しても、下の人と「今度買わしてもらいますからよろしく」と、「地代はこれこれ」とかいうふうにしてですね、話し合いをしてるのが、普通の一般常識やと思うわけです。そういう中で、土地の所有者が共同所有であると、一人ではないというようなことから、非常に大丈夫かなという心配が起こってくるわけです。そういう全所有者とやっぱりきちんと話し合いが持たれておれば、私の心配というのはないわけですけれども、その辺をきちんと交渉してはるんかなというあたりをですね、お聞きしたい。払い下げの地代とかいうのはですね、その話し合いの中でのことですから、話し合いがされておればええし、その辺は地代が幾らというふうなことではないんですけど、そういう話し合いがされておるのかと。今度、灯台の所有者、第五管区、国とですね、その所有の方がたが、裁判になってるというふうに聞きますが、その辺はどうなってるんでしょうかというふうに思うわけです。  六番目の土地の買い取りは、県、田辺市、天神崎の自然を大切にする会などが考えられるが、話し合いは行われているのか。今度、その土地を買い取るというふうになったときにですね、今まででしたら、県が買うたとこもあるし、田辺市が買うたとこもあるし、天神崎の自然を大切にする会が、買い上げたというところがあると思うんですけれども、そのあたりは、どういうふうになっているんでしょうかということです。  第七番目にですね、行政手法についてと、長年にわたる関係機関と多くの市民の積み上げを解決寸前に、田辺市が、平成9年3月6日の国に対する払い下げ申請を出すことで、問題化したというふうに考えますけれども、このようなことで、行政が信頼されると考えているのか。私、経過については、全部はつまびらかに知らないんですけれども、平成7年11月16日付で要望書が、田辺市長宛にですね、要望書が出されています。出し主はですね、田辺湾の六漁協の組合長ですね。漁連の会長の南部の矢倉さんから、白浜の堅田さんまでですね、田辺漁業、湊浦漁協全部含めてですよ。その内容をお聞きしてる限りにおいてはですね、一つは、漁業のですね、安全と。天神崎の灯台は、沖からみたら、バックが緑でですね、よく見えるわけです。沖の島の灯台は、バックに何と言いますか、町の光がいっぱいあって見にくいんです、低いしね。天神崎は16メートルほどありますから、高いんです。そういうことで、田辺湾に入るんは、非常に見やすい灯台だったわけです。  エビコギとか、湾内で夜、エビやカニを底引きやってる人らは、湾内の作業、太刀魚もたまにあると思うんですけれども、磯間だったら火焚いてやるわけですけど、そういう湾内のいろんな作業の中では、目印として非常にええと、そういうことです。だから漁業にとって非常に大切やから、残してほしいと。是非とも残してくれという要望書ですね。その要望書の中に、またつけ加えてですね、天神崎のシンボル的な存在であるから、田辺のシンボルとしても残してほしいと。だから何とか残してくれんかというふうに、平成7年11月16日にですね、みなさん寄って要望書を出す前の段階でもね、相談もいっぱいし、口頭での要望もし、いろんな交渉の経過がいっぱいあってですね、何とかならんかということで、要望書というのは、そういうふうにして出てくるものやと思うんですけれども、それが出てると。その要望書が出る、それは当然、その経過の中で、田辺市観光協会とか、天神崎の自然を大切にする会という部分もですね、それぞれの内部で会議をして、このあたりは僕は詳しく知らないんですけれども、一部関係の理事さんから聞くところによれば、それぞれの会でですね、この問題について会議をしたという経過を聞いております。それは、あと聞いておりますので、詳しく出てくると思いますけれども。  そういうふうな関係市民ですね、この場合の天神崎における市民というのは、そういう漁業関係者とか、いろんなそういう団体が市民であってですね、まあ天神崎と直接関係ない人はですね、関係する市民とは言いにくいんじゃないかというふうにも思うわけですけれども、そういう関係市民がですね、一つの結論を出して、「撤去やむなし」という結論を出してですね、海路の安全上、先ほど申しました浮き灯台とか、それから沖の島の光が見えにくいから、この光の量を上げてくれとか、そういうことを申し上げてですね、撤去やむなしの結論を出すときでもですね、そら何十人も寄ってですね、会議をして、もうしゃあないと、あきらめてくれということをですね、みな寄って決めた後でですね、田辺市が出てきて、今のところこういう状態であるというのが、現状だと私は聞いておりますが、そういう関係者の今までの努力は何だったんだと。要望書が出た時点で、本当に真剣に光の出る灯台を残す努力がですね、本当に見えておれば、僕らも「市がこれだけ努力しました」と、「大阪にもどこどこも飛んで回りましたけど」ということもありますし、それがあんまり聞こえてこん中で、その要望した中身がですよ、光が消えて、もう半分頭がなくなった。そのときに、急に田辺市さんが頑張り出したと。  私もですね、その当時ですね、天神崎のあれ、「灯台残そうや」いうてですね、あちこち運動して、「市民運動盛り上げようか」と僕も発言したんですよ。そやけど、「それ宮田さんやめとこら」と、「それやったら、おまえどういうことになるか、おまはんわかるやろ」ということでね、「無理難題が通ってですね、良識がなくなるやないか」、「あんまり無理難題が通ってやで、まあそういうことになると、好ましくない」って、「それがわしらの良識や」ということで、そういう、「そらもうしゃあないな」ということで、断念をしたんです。そういう経緯があって、そういう行政の手法ですね、こういう手法はどうなのか。現在の田辺市のやってる方向は、「放っといてくれ」と言われるかわからんけど、非常に危ういというふうに感じるわけです。泥沼に足を突っ込んでですね、抜けようと思っても抜けれんし、これどうもならんというふうになったらどうしようもないし、突っ込まんうちにというか、「もう突っ込んでしもたらしゃあないよ」と言われるかわからんけど、まあ関係市民団体がですね、良識を持って、その存続をあきらめたということを考えてですね、それに倣って、払い下げ申請出したんか知らんけれども、いろんな事情で取り下げますと、裁判中やし、その頃は裁判中でもなかったし、裁判のやつによう突っ込みませんというふうな、どういう言い訳でも構いませんし、できたらそうした方が、後顧の憂いが残らないんじゃないかなというふうに考えて、こういう質問をしております。市長さんの考えは、どのようなものか、お答えいただければ幸いでございます。  続きまして、大きな二番目の田辺大通りの電線地中化を望むと。私たちが視察と言いますか、あっちこっちの町へ行きましてもですね、駅前パッと降りますと、電線がまるっきりなく、パッと視界が広がってるという町は、もう町と言いますか、郡、市ですね、郡、市でもたくさんあります。そういう中で、田辺大通りというのが、いまだにああいう状態であります。大通りは、駅前アーケード部分とか、それがアーケード切れて、アオイ通りの部分とか、いろいろ街路樹がある市道の部分とか、いろいろあるわけですけれども、あそこの部分、電線の地中化ができないものかなというふうに思います。街路樹も非常に立派になりまして、南京黄櫨と言いますか、大きな木になって、土地の条件も良かったのだろうと思うわけですけれども、本当に成長が早い、立派な木になっております。そういう立派な木を残すといいますか、育てると言いますか、そういう都市景観のためにはですね、大通りの電線の地中化ということをお願いしておきます。  三番目の公共下水道の問題です。公共下水道の計画の決定が遅れていくと、いろいろ問題が出てくるわけであります。一日も早くゴーサインを出していただいて、いろいろな諸問題を解決していただきたいと。この議会でも、市長さんは本当に大変だなと、こうつくづく思うわけです。「あれもせえ、これもせえ、あれもせえ、これもせえ」っていう、各家庭の奥さんにですね、旦那さんや子どもさんが、「あれも買え、これも買え、あれも買え、これも買え」ということと一緒やと思うんで、「もっと稼いでこいよ」と言いたなるんじゃないかなというふうに思うわけですけれども、それにしても、公共下水についてですね、一言申し上げたいというふうに思うわけです。  水処理については、議員にならせていただいて以来、一貫していろいろ勉強させていただいて、今年も四、五か所かな、もっとかな、六か所ぐらいいろんな排水処理施設を見させていただいて、五十か所ぐらい見たんちがうかなというふうに思うんですけれども、そういう中で、水処理というのは、本当に難しいもんやなと。さっぱりわからんなということになってるわけですけれども、この扇ケ浜の養浜計画が、どんどん県営事業で進んでおります。その扇ケ浜には、三本の下水道が流れております。三本の下水道の処理計画ですね、それができなかったら、海水場つくってもですね、いろんな問題が出るというようなことですから、この三本のやつは急ぐということでありますけど。  海水浴場やから、きれいな水を流さないかんと。ところが、下水処理場がないので、どうしようもないから、三本まとめてですね、沖の方へ持っていって、沖の方で流すということであります。ところが、その沖の方へ出すについても、一定の処理をせないかん。それには、やっぱり何十万、何百万でできるはずがなくって、これあの地区で、日量五千立米ということです。五千立米やけど、あの三本は数字は出てないんやけど、三千立米ぐらいかそこらだと思うんです。三千立米を処理するためには、どのぐらい要るかと、いろいろ試算はいっぱいあるんでようわかりませんけれども、そういう金と三本の沖出しの金と、そういうものをつくる費用があれば、いっそもう処理場をちゃんと駐車場の下にでもですね、つくってしたら、同じ金使うんだったら、それの方がええやないかというふうに思うわけです。  水処理というのはですね、常識的にこう川を汚水が流れていくと、その中にある微生物なり、原生虫なりがその汚れを食べていって、増殖すると。増殖する過程で、そういう汚れが食べられて、きれいになっていくというわけであります。三本の下水のとこ、こう見てみますとですね、割ときれいなんですね。川からずっと流れてきて、砂浜のとこ行ってですね、砂チョロチョロチョロチョロ流れましてですね、波打ち際へ行って、その砂を通る中あるいは波打ち際で、酸素の補給を受けて、海のそういうまた違う微生物があるんだと思うんですけれども、それできれいになっていくということなんですけれども、パイプで三本の中集めてですね、沖出ししていくと。沖の深いとこへ放流すると思うんですけれどもね、そうすると、そういう波打ち際とか砂浜、その小川のですね、そういう浄化作用がまるっきりなくなってですね、そのまま行ってまうと。  聞くところによればですね、今の技術で言うたら、大腸菌殺すために、オゾン殺菌とか、それから塩素殺菌とかいろいろあると思うんですけど、そういう処理をして出すと、海水浴場の大腸菌が、あれ三千ですか、のクリアできると。だから泳いでもいいですよということになると、そういうことが、なされるだろうというふうに思うわけですけれども、そういうふうにしますと、善玉菌、悪玉菌言うたら、悪いか知らんけど、その流れの中には、ほとんど食べる菌ばっかりなんですね。そういう菌までみな殺してしもて、海の中に放り込まれると。海はたまったもんじゃないわけですよ。ほんまの汚いやつだけが、ドドドドドッと、こう一日、三千立米、五千立米ですか、流れてくると。そういう場所は、みなさんご存じのように、アユの場所であるし、シラスの場所であるし、エビコギがとってる場所です。その真ん中にこれが流れてくるわけですから、これはどうもならんなということでございます。  そういう現状になるだろうというのが、まあとめられんのかなと、私は思うとんのですけれども、私は辛いなということを、今、申し上げてるわけです。大きな、たくさんな、膨大な金をかけてですね、悪い水にしてですね、そして流すというのは、全くばかげて辛いなと。公共下水道はですね、平成元年に基本計画ができたということであります。この九年間ですね、財政上の理由で、着手を遅らせてきた。さらにですね、悪いことに、虫食いではしないと。一本化して公共下水道区域として、一か所の処理場でやるというふうな枠をはめてしまってるわけですね。だから例えば、江川ですと、港がもう「汚のうてしゃあない」と。そういう中で、あそこだけ何とかしようと考えてもね、そんなんできんわけですよ。これも一緒です。そんだけの金あったら、ほとんど三千立米の処理ができるとしてもですね、大きな枠をパンと決めてますから、「それはできません」と、一言で終わりです。そういうことですね、公共下水道、今まで九年間、基本計画立てて、今からもう何か財政上の理由であれば、永遠にできないんじゃないかなというふうに思うわけで、どこかで決断をしなければいけないと。決断が遅れれば遅れるほど、結局、無駄なお金を出さないかんし、そういうことが際限もなく、繰り返されるというふうに思います。そういうことで、当局のご決断をお願いしたいというふうで、第一回目の質問を終わらせていただきます。              (7番 宮田政敏君 降壇) ○議長(行森素治君)  7番、宮田政敏君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)  宮田議員から、三点にわたるご質問をいただきました。この中で、天神崎、丸山灯台の問題につきましては、、特に田辺市の行政手法についてということで、議員からも特別お話しもございました。基本的な考え方について、私からお答えをいたしまして、あと担当の部長から、詳細についてお答えをさせていただきたいと思います。それから、三番目の扇ケ浜計画にかかる三本の下水処理についてということで、公共下水道の問題についてご質問をいただきました。この問題についても、私からお答えをさせていただきたいと思います。  まず、最初のこの天神崎の問題でございますけれども、おっしゃるとおり7年の11月に漁業組合の役員のみなさん方が、私のところへお越しになりまして、私がこの問題を直接キャッチしたのは、そのとき初めてでございますけれども、これは大変なことだなと、こういうふうに感じて、そしてすぐ担当課からも五管とも連携をとりながら、随分この問題について取り組みをして参ったところであります。しかし、基本的には、何といたしましても、当事者が五管と、それから土地の所有者との紛争関係でございましたから、その問題を何とか円満に解決してほしいということを、第一義的に、基本的には、そういうことを願って参りました。しかし、その話し合いが不調に終わりました。ただ、そのときに五管としては、漁業関係の灯台に代わるものとして、二基の浮き灯台、そういうものをつくるということで、漁業関係のみなさんも、それによって一応ご理解を賜ったと。それで万やむなしと、こういうことになったということを聞いて、直接の問題は、ひとつ何と言いますか、解決ができたら、全面的な解決と思っておりませんけれど、解決ができたらと、こういうふうに思っておりまして、しかし、あとできればモニュメントとして、多分もうモニュメントとして、残すよりいたしかたないんでありますけれども、その灯台と、できれば丸山の土地も、もう将来、紛争を残さないためにも、また田辺湾、この天神崎のいわゆるシンボルとしての土地でもありますから、何とか買うておきたいなと、こういうことでもって、庁内でもいろいろと検討したところでありますけれども、大変複雑なといいますか、議員がおっしゃられましたような、様相を呈した一つの、係争中の土地でもございますので、非常に残念には思いながらも、一定の方向付けをしていた矢先に、灯台保存と土地の取得について、一定の理解を示された地元の県会議員さんから、仲介のお話をいただいたところであります。  市といたしましては、念願であります、ありがたい話でもありましたので、そしてナショナルトラスト運動で、全国的にも有名になっている天神崎でありますし、多年、天神崎のシンボルとして市民に親しまれ、愛着のある丸山を取得するとともに、併せて灯台を残したいということから、お世話をお願いいたした次第でありまして、現在、土地の取得について、鋭意取組みをいただいているところであります。存続につきましては、いろいろのご意見もいただいておりますけれども、数少ない観光財産であると同時に、われわれ市民一人ひとりの心の中に、印象として思い出の灯台でもあります。丸山の土地を市の残産として、後世に引き継ぐと同時に、灯台もモニュメントとして残していきたいということを考えておりまして、経過と詳細な面につきましては、担当の部長からお答えを申し上げますけれども、どうかご理解を賜りたいと思います。  それから、扇ケ浜の計画に係る公共下水道の問題でありますけれども、現在、議員が申されましたように、扇ケ浜に流れ出しております三本の排水路の区域面積は、約72ヘクタール、人口約6,500人程度で、これを汚水量で日当たりに換算いたしますと、約5,000立方メートル程度と試算をいたしております。ご指摘のように、扇ケ浜養浜事業に歩調を合わせて、公共下水道事業を進めることが、最善の方策であると認識をいたしておりますが、公共下水道事業の推進には、長年にわたって多額の建設財源が必要不可欠であります。この点につきましては、3月の議会で広沢議員さんにもお答えを申し上げたところでありますけれども、現在の厳しい財源状況下におきましては、公共下水道の着手には、慎重にならざるを得ず、市の財源が耐えうるものとすべく、さらに詳細な経年計画を策定し、検討いたして参っているところであります。  また、公共下水道事業を進めるには、欠かせない処理場用地の確保につきましても、他のプロジェクトとの調整及び関係機関との協議が必要でございます。いずれにいたしましても、下水道は、私たち日常生活に不可欠な施設でありまして、都市基盤の根幹をなすものだということを、私は認識をいたしております。特に、浸水の防除、汚水の排除、トイレの水洗化といった生活環境の改善だけでなくて、河川等の公共用水域の水質を保全するために、重要な施設でございまして、健康で快適な生活を営んでいくための不可欠な社会資本でございます。今日まで、議員のみなさん方から頂戴いたしました貴重なご意見を踏まえ、市の方針を定めて、公共下水道の整備を図って参りたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(行森素治君)  経済部長、八百耕貮君。             (経済部長 八百耕貮君 登壇) ○経済部長(八百耕貮君)  宮田議員ご質問の天神崎、丸山灯台問題につきまして、お答えを申し上げます。まず、天神崎、丸山灯台に係る経過でございますが、ご説明を申し上げます。本件につきましては、昭和55年の2月に現地権者が、競落にて丸山灯台の土地を取得後、第五管区海上保安本部と地権者との間で、土地使用について問題が生じておりましたが、平成7年の4月13日付で、地権者から無断使用の灯台を撤去して、土地を明け渡してもらいたいこと、また昭和55年から、明渡し完了に至るまでの使用補償料を支払っていただきたいということ。そういう催告書が、第五管区海上保安本部に送付されまして、海上保安本部におきましては、円満解決すべく、地権者と話し合いを進めておりました。市といたしましては、海上保安本部と地権者とが円満に解決することを期待いたしておりましたが、海上保安本部と地権者との話し合いがつかず、海上保安本部は、地権者申し出の損害賠償額には応じられないと、土地の買取りはしない、灯台を撤去するということを地権者に連絡をしまして、また市に対しまして、丸山灯台に代わる浮き灯台を二基設置する旨の連絡がありました。  こういう推移の中で、市といたしましては、先ほど市長も答弁いたしましたように、関係部課で協議をしまして、それまで海上保安本部と地権者との間で、解決された後に、適正な価格で買えれば買取り、灯台をモニュメントとして復元すべく考えておったわけでございますが、そういう事情の中で、天神崎の自然を大切にする会、また田辺市観光協会等に、灯台撤去とそれに代わる二つの浮き灯台が設置されるということを説明申し上げまして、「やむを得ない」というご意見をいただいたわけであります。そして、本年の1月8日に、海上保安本部より灯台技術官が来市、近く撤去工事を開始する旨の説明がありました。その後、撤去工事が着手されました。  市といたしましては、海上保安本部と地権者との円満解決を期待しておりましたのに、残念に思っておりましたけれども、1月の末に、地元の県議会議員から市に対し、「丸山灯台用地取得の仲介役として働きかけたい」という話があり、市としましても、ナショナルトラスト運動で、全国的に有名になっている天神崎であり、多年、天神崎のシンボルとして市民に親しまれ、愛着のある灯台をモニュメントとして、是非残したい。またこの際、丸山の土地を買い取り、保全ができればという思いから、海上保安本部へ理解を求め、既に進められていた灯台撤去工事が中止されました。また、この間、先の天神崎の自然を大切にする会、田辺市観光協会等に、丸山灯台の用地を取得できれば取得し、灯台を天神崎のシンボルとして保存していきたい旨の説明をいたした次第であります。  そして、2月21日に、地元の県議会議員と地権者が来庁され、市との話し合いが行われ、地権者から天神崎保全のご理解をいただき、協力をしたいとのお話をいただきました。一方、五管本部の方では、灯台撤去工事の中止に伴い、市への払い下げを検討されておりましたが、去る4月8日付で、地権者が国に対し、五管でありますが、地権者が同地の所有権を取得した昭和55年2月6日から、平成9年2月6日までの賃料相当損害金340万円の支払いを求める訴訟が、大阪地裁に提出をされました。大阪地裁から国に対し、4月17日付で、口頭弁論期日呼出・答弁書催告状が送付されました。こうした経緯の中で、五管本部から市に対し、予算の執行面や会計検査等々、諸々の問題があるので、用地交渉に先行して、灯台の払い下げを受けてもらいたいという強い要請が続きまして、5月20日に助役が五管本部を訪問し、灯台部長に用地取得について、「現在、交渉中でありますので、しばらく猶予をお願いしたい」と申し上げましたが、五管本部としては、「東京の海上保安庁から、早急に事務手続をするようにという強い要請があり、払い下げ手続を速やかに進めてもらいたい」という、強く要請された次第であります。市といたしましては、これまでの経過を踏まえ、土地所有者の理解を得て、この際、払い下げの手続を進めていきたいと考えております。  次に、解決済みの丸山灯台を平成9年3月6日、田辺市が払い下げ申請を出したと聞くが、その関係する全容を明らかにしてほしいというご質問でございますが、地元の県会議員から、仲介者として働きかけたいというお話のもとに、第五管区海上保安本部に対し、灯台の撤去工事の中止をお願いし、中止をしていただきましたが、先に経過説明をいたしましたように、五管本部におきましては、市への払い下げを検討されまして、五管本部として、一定の文書を提出してほしいということで、田辺市より3月6日付で、「当市は旧田辺港丸山灯台工作物を、天神崎のシンボルとして保存いたしたく存じますので、払い下げについて、ご配慮願います」という文書を五管本部に送付した次第であります。  また、3月26日付で、五管本部から旧田辺港丸山灯台工作物の払い下げについてという文書が来まして、「平成9年3月6日付、田経観第260号の払い下げ申請書により、貴職より要望がありました、表記の件につきましては、貴市の要望に応じますので、敷地の取得に関係なく、早急に事務手続きを進めてください。なお、譲渡価格は、国有財産評価基準により算出した価格とします。また、貴市の事情により、払い下げ時期が、今年度末を超える場合には、平成9年度以降の当該土地の使用料等については、貴市の負担としていただくとともに、工作物の譲渡に伴う土地使用等の地権者との調整についても、貴市の責任において行ってください」という文書が送付された次第であります。  次に、光の出ないモニュメント灯台についての心配についての中で、二点目の県立自然公園条例の精神に反する行為ではないかというご質問でございますけれども、議員も十分ご承知であるわけでありますが、ご承知のように、県立自然公園の天神崎は、陸上部分が県立自然公園の第三種特別地域、また丸山灯台の部分は、第二種特別地域、また岩礁部分は、第一種特別地域に指定をされております。また、この特別地域の指定は、風致景観の維持を図るため、その特性に応じ、知事が和歌山県自然環境保全審議会の意見を聞いて、公園の区域を決定いたしておりますが、第一種特別地域におきましては、既存の建築物の改築、建て替え、災害復旧のための新築又は学術研究、公益上必要と認められる建築以外は許可されませんが、第二種、第三種特別地域におきましては、例えば今、具体的に建築物の新築の場合の主な規制と言いますか、これを申し上げましたら、建築物に係る土地の地形勾配が30パーセント以下であるということ。それから、高さの制限は13メートル以下、建ぺい率、容積率は、第二種特別地域の場合、敷地面積により、若干の違いがございまして、建ぺい率は10から20パーセント以内、容積率は20から40パーセント以内、そして第三種特別地域の場合は、建ぺい率20パーセント以内、容積率60パーセント以内でございます。  また、屋根及び壁面の色彩及び形態が、自然との調和を乱さないこと。また、山稜線を分断する等、眺望の対象に影響を与えないということ等々、風致景観に著しい支障を与える事由が認められる場合には、厳しい規制となっております。ご承知のように、丸山灯台は、昭和51年に設置をされておりまして、同地を訪れる方がたに、写真等によく撮影されますように、天神崎の風景に馴染み、多年、天神崎のシンボルとして市民に親しまれ、愛着を持たれております。市といたしましては、復元につきまして、県に打診をいたしておりまして、県においても、復元に許可いただけるものと考えております。  次に、土地所有者との話し合いは、十分になされているかというご質問でございますが、当該土地の所有権者は、二人ございまして、和歌山市在住の方とそれから大阪市に事務所を有する法人でございます。それぞれ二分の一の所有権を持っておられます。現在のところ、個々に交渉はいたしておりませんが、第五管区との交渉では、お二人が連絡を取り合っていると、そのように聞いておりまして、そして去る2月21日に、お一人が、来市された次第であります。用地の交渉につきましては、ご承知のように、地元県会議員に仲介の労をとっていただいております。市といたしましては、早期に交渉を進めていただけるよう、お願いを申し上げているところでございます。なお、裁判の内容でありますが、先ほどの答弁と重複いたしますが、4月8日付で、地権者の方が、国に対し告訴された内容は、地権者の方が、同地の所有権を取得された昭和55年2月6日から、平成9年2月6日までの十七年間の賃料相当損害金340万円の支払いを求める訴訟であると、五管本部から聞いております。  次に、土地の買取りは県、田辺市、天神崎の自然を大切にする会など考えられるが、話し合いは行われているかということにつきましてでございますが、現在のところ、地権者の方から、金額面や条件等をお話をいただいておりませんので、ただ、市といたしまして、県費補助金につきまして、県に打診をいたしておりますが、その時点が来ましたら、正式に協議をしていきたいと、そのように考えております。以上、ご理解を賜りますようにお願いを申し上げます。             (経済部長 八百耕貮君 降壇) ○議長(行森素治君)  農林水産部長、田中秀章君。            (農林水産部長 田中秀章君 登壇) ○農林水産部長(田中秀章君)  宮田議員ご質問の丸山灯台問題に係る経過のうち、漁協並びに海運関係者への対応、浮き灯台の設置などと光量アップの概要、それとモニュメント灯台についての心配について、重複するところがあると思いますが、お答えいたします。  丸山は、私有地でありまして、現灯台は、設置された当時、所有者の承認を受けておりましたが、昭和54年に競売され、翌55年に所有権が、現所有者に移転され、平成7年、地主さんから保安部に対し、地代の要求があり、話し合いをしたようですが、合意に至らず、第五管区海上保安部では、灯台撤去やむなしと判断し、その旨を漁協関係者などに打診を行っております。それを踏まえて、平成7年11月に田辺湾内六漁協連名で、灯台存続の要望書が市へ提出されました。再度、平成8年2月に、漁協関係者などと第五管区海上保安部の協議で、灘の島へ灯浮標の設置と、それから中島灯浮標を斎田崎南方へ移設し、9年度で沖の島灯台を明るくするということで、撤去やむなしということになりました。その後、第五管区海上保安部と田辺航路標識事務所で、海運関係者などに周知を行い、平成8年11月に灯浮標の設置と移設を行い、12月には丸山灯台の廃止をしました。なお、沖の島灯台の光度は、9年度で270カンデラから770カンデラにアップされる予定で、国で予算措置が済んでいるとのことでございます。この灯標は、漁業関係者には好評であるということでございます。  次に、光の出ないモニュメント灯台は、紛らわしいのではないかということでございますが、航路標識事務所の話では、各地でこのような例はありまして、船舶運航者に周知されているので、問題とはならないということでございます。また、座礁した事故者が、モニュメント灯台の所有者に、責任が追求されるんではないかということでありますが、昼間は昼標として、夜間は先ほど申しましたように、灯浮標を利用しますので、問題はないと思いますが、万一事故が発生した場合は、海難審判法により、審判の申し出がなされれば、審判により決定がされると思います。  以上であります。            (農林水産部長 田中秀章君 降壇) ○議長(行森素治君)  建設部長、桝本靖男君。             (建設部長 桝本靖男君 登壇) ○建設部長(桝本靖男君)  田辺大通りの電線類の地中化について、その現状と将来計画について、お答えいたします。電線類の地中化につきましては、国の方針といたしまして、促進する方向であります。過去二回の五か年計画では、全国で約二千キロメートルの地中化がされております。それからまた、平成7年度から平成11年度までの第三期電線類地中化五か年計画、これも全国でございますが、二千キロメートルを地中化しようと、事業推進されております。わが和歌山県におきましては、建設省、それから和歌山県、市町村、これらの道路管理者及び事業者、NTTとか、関西電力とかいう事業者が集まりまして、和歌山県電線類地中化部会を組織いたしまして、情報の交換を行ってきております。この五か年計画によりますと、道路の延長で約6キロメートル、それから管路の延長で約10.7キロメートルを地中化しようと計画しているところでございます。田辺市内におきましては、都市計画街路の元町新庄線、それから先生がおっしゃいました駅前扇ケ浜線、大通りなんですが、計画の対象となっております。  この対象路線の選定につきましては、その沿線の単位面積当たりの電力の消費量、それから、電話回線の数が一定の量を超えるということや、その沿線のまちづくりが完成してるというところで、今後の町並みが変革しないというふうな見通しであることが、その地中化をする条件となっております。そういうことからしまして、田辺市におきましては、今現在、県の方で平成8年度から、県道の田辺港線の会津橋から第一小学校までの約250メートルの間につきましては、今現在、施工がなされております。それから、今後さらに私どもがやっております銀座地区、それからアオイ地区の沿道区画整理事業、これらにつきましても、その事業に併せまして、地中化を実施するという方針でございます。  議員ご質問のこの大通りの部分であるわけなんですが、大通りにつきましては、沿線が今後、変化していくと。今現在は、あんまり満杯になってないというふうなことなので、将来需要が確定することが困難ということでありますから、現時点では、将来の計画区間としております。なお、議員ご指摘のとおり、電線の地中化によりまして、この緑、南京黄櫨なんかの、緑豊かな町並み形成にも、大いに役立つと考えておりますので、こうした観点からも、今後とも条件整備の整った道路から、逐次、電線の地中化に努めて参りたいと、このように考えております。よろしくお願いいたします。             (建設部長 桝本靖男君 登壇) ○建設部長(桝本靖男君)  7番、宮田政敏君。              (7番 宮田政敏君 登壇) ○7番(宮田政敏君)  ご答弁ありがとうございました。天神崎の丸山灯台なんですけれども、一の当初からの経過を明らかにしてほしい、こう書いたんはですね、漁業組合、海運関係者がどのような判断をして、どうしたんなと。田辺市観光協会は、どんな会議をして、どうしたんですか。天神崎の自然を大切にする会は、どういうことでありましたかというようなことも聞かせていただきたかったんですが、私が、観光協会へ行って聞いてくりゃええことかもわかりませんけれども、少しちょっとピントが外れたかなということでありますけれども、市はそのような関係のところに、連絡をしたということでありますので、私が今、概略を初め申し上げたようなことを否定されたわけではないということで、判断をしておきます。  二番目の浮き灯台、浮き灯台の方も安全確保ということで、770カンデラということは、二倍余りになるということで、先ほど申しました海から入ってくるときに、沖の島の灯台が見やすいということだと思います。三番目、解決済みの丸山灯台、この回答の全文を読み上げていただきまして、よくわかりました。少し疑問なのはですね、この文書があるということを知ったのは、僕は新聞というんか、マスコミで知ったわけです。僕ら議員、ここの人、ほとんどやと思うんですけれども、何も知らんのに、マスコミがちゃんと一字一句違わんようにですね、持ってはると。この辺はどういうことかなというふうに、疑問が起こります。こういう田辺市か、国かしか持ってないわけですから、その辺のこの件が、このようになってきたというのは、マスコミの活動ということがあるわけですけれども、そういうマスコミとの関係、田辺が出したのか、それとも五管が出したのか、別に隠すことないということなのか、その辺が非常に問題になる部分でありまして、この辺、経済部長さん、ちゃんと調べといてもらいたいなと。その見解もですね、「別にええ文書ですよ」というんであれば、私たちも配ってもらいたいというふうに思います。  それから、四番目の光の出ないモニュメント灯台が心配、国とか法律関係は、そういうものだと思います。それから、自然公園の条例、私は聞いたのはですね、そういう自然公園法をつくるという精神に反しないかということでありまして、「これはこうなってますから大丈夫です」と、「これはクリアしてます」ということでなくて、その自然を残したいというから、自然公園法をつくるわけですし、そのために規制をすると、そういう中で、民間が建てたいものを建てられずやってるという中で、市が建てると、そういう基本的な精神に問題ありませんかと、そういうことを申し上げたわけで、それに対して、お答えは、「事務上手続でこうですよ」と、「クリアしてます」と、「二種ですから結構です」ということだと思うんですけれども、この辺も行政の精神という部分が触れてくると思います。辛抱してる人が、どういう思いでおるんか、そのあたりも察していただけたらと思います。  第五番目の土地の所有者との話し合いは十分になされているんかということで、今年の2月11日に来られたと、地権者が来庁されたということですが、その地権者が、もう一人の地権者と連絡をとりあっているということなんですが、その辺がちょっと心配だなということを申し上げたわけです。連絡を取り合っている、その連絡を取り合ってる中身が問題でありまして、できることならば、その辺を確認して、もう一人の方も大丈夫やということの自信のある答弁がいただきたかったなということなんですが、それはできないということでありますので、この辺にとどめます。  六番目の買い取りがどこでなされるべきかと、それも今後の問題でありまして、今後どのように展開するかわからないんですけれども、一応県のそういうところに相談すべきでないかなと、市独自で走らんでも構わんのちがうかなというふうにも思うわけです。  第七番目の、市長がお答えいただいた行政手法、こういう行政手法で、果たして市民の信頼を得ることができるんですかということを聞いたわけですけれども、その経過いろいろ、お気持ちは残したいという気持ちは承ったんですが、この行政手法、こういう形での行政手法が本当にええんかどうか、その辺の判断はいただけなかったというふうに感じております。この問題は、当初、要望書が上がった時点で、五管と国の問題であったということでありますから、五管と国の問題であったので、田辺市は、まあ傍観をするかいう、深く入っていけなかったということであると思うんです。現実は、そうであったように思います。しかし、要望書を上げた宛て名はですね、脇中市長さんなんです。要望書を上げた側は、やっぱりいろいろ考えたと思います。内閣総理大臣にするのか、和歌山県知事にするのか、田辺市長にするのかと。その要望書を上げて、市長だったらいっぱい要望書が来て、いちいちとりよってられるかということかなと思うわけですけれども、要望書を上げた側は、いろいろなことを考えて上げたわけでありまして、この件は、五管と当事者の問題であると、国と当事者の問題であるからということでは、辛いなというふうに思います。  そういうことで、灯台を残したいという思いというのは、七万市民みな同じだと思います。みなさん田辺の人は、残せれば残したいというのが当たり前のことでありまして、私なんかは、小学校から中学校、ずっと会津川の河口のところで大きなりましたから、起きて窓を開ければ、もう天神崎の灯台が目の前です。そういう田辺湾の灯台を身近に見て育ちました。朝から晩まで灯台を見て、通ったわけでありまして、そういう中で、本当に先ほど申しましたように、保存運動をしたいというぐらいな気持ちがあります。海辺に住む人は、みな等しく強いです。そして、さらに強いのが、漁業の人らが一番強いわけです。そういう思いを断ち切って、一つの良識を打ち立てようという、そういう形での良識を優先する、無理難題を通さないでおこうという気持ちがありまして、そういうこれから、これを進めていかれる場合にですね、そういう良識の重さというものをですね、辛抱した重さというものを、きちっと受け止めていただきたいなというふうに思うわけです。そして、この件がすべてうまいこといくように、お祈りするというか、グッドラックというか、幸せを祈りますというふうに申し上げて、この件は終わりたいと思います。  次に、電線地中化の問題なんですけれども、お話がよくわかりまして、田辺もできてくるということで、非常にうれしく思います。先ほどの街路樹の部分、田辺大通りの街路樹の部分が、使用量と言いますか、使用量の定量に達していないということで、計画という中でということですけれども、木を保存するという意味でも、NTTの電話線ぐらい、何とかもうちょっと上へ上げれんかなというふうにも思いますので、検討していただきたいと思います。  それから、下水道のことです。下水道、前に広沢議員が、ほん三か月前に質問をされまして、同じ答えだろうなと思っておったんですが、まことに同じ答えでありました。「厳しい財政事情の中で」、書いてきたんです、広沢議員の答弁をですね。先ほど見てましたら、全く一緒の部分もありまして、非常にそら変わらんのだと。「厳しい財政状況下において、新規の事業着手は、慎重にならざるを得ず、公共下水道事業につきましても、それは同様のことでありまして、市の財政が耐えうるものとすべく、さらに詳細な経年計画を策定、検討中であります」ということであります。全く一緒やと思うんですが。  それで、二回目の質問ですんで、ちょっとだけ踏み込んでですね、再質問ということでお願いしたいんですが、担当課長さんに聞けばですね、下水道を着手してないというのが、5万人から10万人規模、何市あるんですか全国に。類似都市、要はその類似都市の中でですね、三つしか残ってないわけです。全国で3市、ワースト3なのか、ベスト3なのか知りませんけれども、そういう中でですね、このままでいけば、いつまでたっても財政状態がよくなるわけでもないように、僕は思うんで、全国唯一の公共下水道が着手していない町になろうと、そういう現状になるわけですが、こういう現状の中でですね、僕は素直な疑問として、国はですね、税金をとってですね、いろいろ財政力の豊かなとこ、貧しいとこに地方交付税として、こう分配して、国土の均一化を図るということでありますけれども、どの町も同じ財政、よう似た財政状態じゃないかなと。そういう中で、何で田辺市だけができないんか、その辺が、私としては、財政状態によりできませんということで、ようにわからない。  それで、そういう中でですね、給食のときに話も出ましたけれども、「給食せんかったら、国から米代下りてあんのに、その米代が損しとるやないか」という話と一緒でですね、公共下水道はわからんけど、特別会計、農集みたいな特別会計、その特別会計に、国、県から45パーセントとか、55パーセントか知りませんけれども、下りてくるという中で、「公共下水道せんかったら、国から下りてくる金が、下りてこんのやから、要りません、要りません」と言うてるんと一緒じゃないかなというふうに、素人の考えですけれども、そういうふうに思うわけです。総務部長さんか、財政に詳しい方ですね、その辺のところを、下水道なぜできんのなと。財政計画は、財政が難しいと。その財政の中身、もうちょっと詳しく教えてよということで、ちょっとお願いしたいというふうに思います。              (7番 宮田政敏君 降壇) ○議長(行森素治君)  宮田議員の第二回目の質問に、答弁をお願いします。
     市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)  財政状況の観点から、公共下水道の問題について、ご質問をいただきました。おっしゃるとおり、公共下水道の会計処理、これは法の規定によりまして、特別会計を設置していかなければなりませんし、当該事業の経営に伴う収入をもって充てるということでございまして、そのためには、公営企業法の適用を受けると、こういう形であります。ただし、負担区分に基づいて、一般会計の負担として雨水の処理とか、高度処理とか、高資本化対策等の経費について、一般会計で負担しなければならない分野というものも、定められているわけでございます。それで公共下水道を実施する場合の財源の手立てでありますけれども、これは補助事業と市町村単独事業と二つに分かれます。ご存じのとおり、補助事業は、国庫補助金として、処理場で55パーセント、それから涵渠あるいはポンプ場等は、50パーセントの国庫補助であります。それから、残りの地方負担、その残りですから45パーセントあるいは50パーセントの負担に対して、補助分は85パーセントが地方債、起債の借入れができることとなってます。それから、単独分の方は、95パーセントの地方債が借入れられると、いわゆる借金ができるということであります。  そして、それ以外に、受益者負担金とか、一般会計からの負担金によって、財源が賄われることになろうかと思うんであります。こうした場合、あくまでもこれは概算でありますけれども、田辺市の場合、雨水処理を含んでの、大体総事業費、これは一か所に下水処理場を集約して考えた場合に、総事業費が487億円程度と考えておりまして、その中で国庫補助金が、183億500万円、それから地方債が211億8,500万円、受益者負担が21億400万円と踏んでおりまして、残り71億4,600万円が一般会計で負担をしなければならないということであります。地方債の211億8,500万円につきましては、50パーセント償還に沿って、交付税措置がされると、こういうことであります。交付税が来るのに、なぜ下水道の整備ができないかというご質問でありますけれども、ごもっともでありますけれども、交付税というのは、あくまでも地方自治体が、最低限度の行政を運営していける経費は、幾らだという見積りの中で、その中からその地方自治体の税収入の75パーセントがカットされた残りが、交付税として来るシステムでございますから、そういういわゆる公共下水道のやる経費というものについて、既にその最低の行政水準を維持するための経費というものの中に、公共下水道というものは含まれておらないんであります。  いわゆる、学校の運営、先ほどお話のありました学校の運営の中には、いわゆる学校給食も措置はされておりますし、例えば、常備消防であれば消防で、何人の職員を置いてどうすべきだという、一定の物差しでもって経費ははじき出されておりますけれども、あくまでも学校運営であり、それから保育所の運営であり、消防の運営のそういう経費であります。もちろん消防につきましても、消防自動車を何十年、例えば消防車の買換えについても、耐用年数何十年だから、何台買い換えていくという、そういう経費は単位費用の詳細の中に入っておりますけれども、公共下水道の場合というのは、あくまでもこれは、そういう交付税の算定の枠外の仕事でありますので、ご理解を賜っておきたいと思います。  それから、類似都市の問題ですけれども、全国の類似都市でも、いわゆる財政規模の類似都市ということになりますと、ごく一桁の類似都市であります。今の田辺市と同じ何と言いますか、産業構造とかそういうことで割ったときにですね、ただまあ全国的に見て、五万から十万の都市ということで、人口で判断をいたしますと、これは全国で225市ありますから、この中には、公共下水道のできていない都市も、たくさん私はあろうかと思います。県内のことを申し上げて失礼でありますけれども、和歌山市が今、一部進めておりますし、橋本市も流域下水道をということで進めております。まだ手つかずの市もあるわけでございます。決して、そういう、だから田辺市がやらなくていいという考え方は、もちろんございませんので、ひとつご理解を賜っておきたいと思うんでありますけれども、そういう事情でありまして、次に、そういうことはさておくといたしまして、田辺市の財政事情でありますけれども、平成7年度の決算で、いわゆる経常収支の比率85.5パーセントということで、いわゆるご存じのように経常収支と言いますのは、人件費とか扶助費、公債費というものを、絶対的に要るべき費用に充当されている、田辺市の経常的な収入というものの率でありますけれども、大体70パーセントから80パーセントを超えますと、普通は85.5パーセント、田辺市はですけれども、好ましい状態、これはまあいろいろありますけれども、70パーセントから80パーセントまでということでありますと、これはもう田辺市も超えております。  私の判断、細かくは調べておりませんけれども、全国の自治体の中で、しかしこの経常収支の率が70パーセント台という自治体は、昨今の状態では、そうたくさんはないだろうと、こういうふうに判断はいたしておりますけれども、それほどに、地方自治体全体が、いわゆる財政状況というのは、非常に厳しい状況にあるということであります。そして、この85.5パーセントという数値も、平成8年度の決算の数値では、もう少し上がってくるだろうと思っております。それから20パーセントを超えると、地方債の発行が制限されるという、地方債の許可制限比率というのは、平成7年で12.9パーセントということですから、この方は、まだ20パーセントまでの数値というのは、相当にすき間があると言いますか、ゆとりがあるという形であります。  ただ、こういう状況でありますけれども、市民総合センターとか、ごみの処理場、し尿処理場、それから、老人福祉の複合センターとか、市民総合センター、いわゆるいろいろ田辺市の大きな施設が完成をして、現在、有効に使用って言いますか、役にたっているわけでありますけれども、そういうことの、やはり維持管理費、それからこれらの施設をつくるのに、大きな借金をいたしておりますけれども、そういう借金の負担というものは、相当な額に上ってきているのも、これも事実であります。そして、反面、ご存じのように、新聞等でも報じられておりますけれども、国庫補助とか、地方交付税は、現在の経済情勢、国の行政改革の中で大きな伸びが認められないという状況であります。  ご存じのように、まだはっきりと地方分権ということが、はっきりしないんでありますけれども、地方分権という権限を移譲するという法は、一定の方向に進むようでありますけれども、財源の移譲という問題については、大蔵省はがんとしてこれを放さないという状況でありますから、地方分権も、事によると、絵に描いた餅に終わるんじゃないかというような、危惧もされているような状況でありまして、いずれにいたしましても、これからの地方財政というもの、来年からは非常に厳しくなると思っております。「起債の許可制度が廃止される」というような見出しもありますけれども、また一面では、地方財政の借金、いわゆる起債が、これ以上たまっていくことは、国の国債の発行額と同じでありまして、これ以上増えるということは、大変なことだということでありまして、自治省の方でも、来年からは、地方自治体に対する起債の発行については抑制をする。充当率も引き下げる。交付税の何と言いますか、起債の総額についても制約を加える。交付税の中に見る補てんというものについても、事によると変更するという、非常に厳しい状況が打ち出されております。平成9年までは、何て言いますか、かつては景気刺激のために、どんどん金を貸しましょう。安い金でどんどん使ってください。地方自治体で仕事、地方の経済浮揚のために仕事をしてくださいという、こういう国の姿勢が一転するわけでございまして、まことに地方自治体といたしましては、そんなに簡単に、車のハンドルを切るようなわけにはいかないと思いますけれども、いずれにいたしましても、これから高齢化社会等が進んで参ります中で、地方自治体の一般的な財政負担というものは、だんだんだんだんと右肩上がりに増えて参ります。  そして、これは、今、市の方でも長期計画を組んでおりまして、また三年ごとのローリングで実施計画の策定もいたしておりますけれども、継続事業をできるだけ見直しをする中で、しかし、それでもなおかつ財源が不足いたしますから、減債基金の取崩し、財調資金の取崩し、こういうことでもって、事業を継続する態勢を進めているところであります。ご存じのように、ご理解をいただいて進めておるところでありますけれども、長年にわたる大きなプロジェクトといたしまして、芳養の漁港整備とか、集落再編成、それから御所谷の住宅地区の改良事業、銀座・アオイの沿道区画の整備、それから公園の整備とか、農業集落排水事業、それからこの扇ケ浜の総合整備、これは県営で、市は負担金だけでありますけれども、それから、一年、二年の単年事業ではありますけれども、全体として眺めてみますと、学校とか幼稚園、そういう教育施設の整備、諸々の事業を長いスパンでの仕事が、田辺市の場合は重ねておりますから、これの上になおかつ公共事業、約500億円に近い事業費を乗っけるということにつきましては、慎重にならざるを得ないという、この事情をひとつご理解を賜りたいと思うのでございます。  また、詳しいことにつきましては、財政の担当あたりからも、ご説明をさせる機会もあろうかと思いますけれども、そういう公共下水の事業も、担当の係を置いて十分勉強させて参っております。こういうケースであればどう、こういうケースであればどうという、いろいろのケースも勉強いたしまして、万全の方向を、態勢をとりつつありますけれども、今の田辺市の状況と、これから今、特に地方分権、地方の行財政の改革という、非常に大きな峠に差しかかってる今の段階の中で、ちょっと決断することについては、もう少し猶予していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  以上です。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(行森素治君)  7番、宮田政敏君。              (7番 宮田政敏君 登壇) ○7番(宮田政敏君)  財政に明るい市長さんから、詳しい説明を聞かせていただきました。お先真っ暗、江川の港の海の色も、下水流れ込んで真っ黒けですけれども、底の見えない真っ黒けやなと思って、できれば、いつ頃からしますとかいう、聞きたいなと思いながら聞いとったんですけれども、これではなかなか真っ黒けやなと。それであれば、それはそれなりに考えなあかん分も、出てくるんちがうかなというふうに思います。今議会で、いろいろご意見、ご答弁を拝聴させていただきまして、いろいろ勉強になりました。今後とも、われわれ市会議員頑張っていきたいと、私も頑張っていきたいと思います。これをもって、私の一般質問を終わりたいと思います。  ご清聴ありがとうございました。              (7番 宮田政敏君 降壇) ○議長(行森素治君)  以上で、7番、宮田政敏君の一般質問は終了いたしました。  以上で、一般質問は終結いたします。 休 憩 ○議長(行森素治君)  暫時休憩いたします。  再開の際は、この議案書をお持ちください。               (午後 3時42分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(行森素治君)  休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 3時52分) ◎日程第2 2定報告第1号 専決処分事項について上程 ○議長(行森素治君)  続いて、日程第2 2定報告第1号 専決処分事項についてを上程します。  この場合、お諮りいたします。  本件については、会議規則第37条第2項の規定により、委員会の付託を省略し、後日、審議願うことにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(行森素治君)  異議なしと認めます。  よって、報告第1号については、委員会の付託を省略し、後日、審議願うことに決しました。 ◎日程第3 2定議案第1号 田辺市保育所条例の一部を改正する条例の一部改正についてから  日程第10 2定議案第8号 損害賠償の額を定めることについてまで一括上程 ○議長(行森素治君)  続いて、日程第3 2定議案第1号 田辺市保育所条例の一部を改正する条例の一部改正についてから、日程第10 2定議案第8号 損害賠償の額を定めることについてまで、以上8件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました8件については、過日、既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。  質疑はありませんか。               (「なし」の声あり) ○議長(行森素治君)  質疑なしと認めます。  それでは、ただいまから議題となっております2定議案第1号から2定議案第8号までの8件については、会議規則第37条の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  議案付託表を配付いたしますので、少々お待ちください。  各常任委員会の付託事件は、ただいまお手元に配付いたしました議案付託表のとおりであります。  この場合、お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明6月27日から29日までの3日間は休会とし、6月30日午後1時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(行森素治君)  異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。 延 会 ○議長(行森素治君)  それでは、本日はこれをもって延会いたします。  ご苦労さまでした。               (午後 3時55分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成9年6月26日                    議  長 行 森 素 治                    議  員 佐 武 克 彦                    議  員 田 中 康 雄                    議  員 芝 峰   進...