○議長(
井上直樹君) 質疑なしと認めます。 これより、ただいま議題となっている24件の討論に入ります。 討論の通告がありますので、発言を許します。
森下佐知子君。--15番。 〔15番
森下佐知子君登壇〕(拍手)
◆15番(
森下佐知子君)
日本共産党市会議員団を代表して、2019年度
決算認定に反対の立場から討論いたします。 2019年度は、決算額において、歳入は2,584億7,225万6,000円、歳出2,577億6,152万2,000円で、実質収支は4億4,128万7,000円の黒字、単
年度収支は10億3,140万4,000円の黒字となっています。 当初予算で計上された事業がどのように執行されたのか、決算はその結果として次年度の
予算編成にどのように生かすのかが問われます。 特に、翌年度繰越しが多分野にわたり、依然として多額に上っていることは
監査委員からの意見、指摘にもあり、それは
新型コロナ対策や国の
補助金関連によるものなど、やむを得ないものもありますが、全体として計画段階において詰めが甘かったもの、国との関係においても、消化できる見通しがないまま予算化したと思われるものなどが散見され、それは不用額が多額に上っていることにも表れています。 さらに、不足している部分に対する他費目への流用は、有効的な活用をとこれまでにも求めてきましたが、全く関連のない新しい事業へ使っていることが明らかとなったことから、市民へ説明ができないようなやり方は改め、
補正予算を組むなど改善するべきだと考えます。 以下、局ごとに主な問題点を指摘します。 まず、総務局について、
交通政策費中、
赤字バス路線維持費2,375万8,712円の成果として、
バス事業者単独では維持が困難な
バス路線に対して補助を行い、
路線存続に寄与したとの記述がありますが、補助した4路線中3路線が
当該年度末で廃止となっています。市が
公共交通の中心を担う
バス路線を維持するというのであれば、予算をもっと増額するべきではないでしょうか。 次に、財政局について、和歌山市
地方税回収機構は、設立目的であった大口債権の回収が終わり、
当該年度は50万円以下の債権が対象で、そのために2名の
職員派遣や多額の手数料を払っているという現状です。当初の目的は既に達成されたと思われ、機構は廃止するべきです。 次に、健康局について、
国民健康保険事業特別会計のうち、
医療費適正化特別事業費6,578万1,586円は、医療費の
適正支出を目的として、
レセプト点検の強化、年6回の
医療費通知、年2回の
ジェネリック医薬品の差額通知の3つの実施が適正化に寄与したとのことです。成果につながる明確な根拠が示されなかったことに加え、医療費を意識させることにより、市民の受診抑制につながる懸念は拭えません。さらに、単
年度黒字分を
保険料軽減に使わなかったことは残念です。必要な
医療保障や
保険料軽減など、国民皆
保険制度としての事業へ改めることを求めます。 次に、福祉局について、
児童福祉費中、
保育所費32億1,800万531円は、
市立保育所の
適正管理によって保育の受入れができたとのことですが、
待機児童数は依然として減ったとは言えない状況にあります。
公立こども園の建設で
待機児童が解消できるとした計画が、そもそも現状に合っているのか、中間的な総括が求められます。 児童館8館分の職員時間外手当は減っているとはいえ、企業局以外の時間外手当1人分の平均額を上回っています。時差出勤など、減らすための手だてが必要です。
高齢者地域支援施策としての元気70パスについて、
高齢者人口が増えているにもかかわらず、
公衆浴場利用交付金、
バス利用交付金ともに減っており、特にバスか駐車場の選択制のうち、
バス利用は路線の廃止により、使いたくても使えない状況になっています。市内全域の
公共交通政策として
関係部局と連携し、
タクシー補助など
外出支援施策を増やす時期に来ているのではないでしょうか。 次に、
市民環境局について、
戸籍住民基本台帳費中、負担金、補助及び交付金の不用額4,483万2,803円のうち4,447万7,400円と、そのほとんどが
通知カード・
個人番号カード関連事務負担金です。当初予算で8,065万円、12月にはさらに1,400万円が上乗せされましたが、
マイナンバーカードの交付率は僅か14%です。
個人情報漏えいへの不安、
情報管理への抵抗感等々が原因と思われ、
必要性そのものが問われる結果となっていることを直視するべきです。 次に、
産業交流局について、
海外販路開拓支援事業予算で50万円取っていましたが、実績がなく、不用額となっており、この状況は2年続いています。そもそも必要な予算だったのかが問われます。
林業振興費中、
有害鳥獣対策費は、予算をそれぞれ補正で増額するということが常態化しています。必要額は当初予算で計上するべきではないでしょうか。
農林水産部における事業、四季の
郷整備事業、
整備工事請負費を委託料に持ち替え、かつ多額の繰越しが発生していること、
水産振興対策補助金は、予算化した503万円が決算で1,050万円増額された原因は、当てにしていた県の補助金が目的にそぐわないという理由でつかなかったため、社総金に持ち替えたことから
持ち出し分が増えたなど、そもそも事業を執行するために必要な体制が整備されているのか疑問です。 専門知識や技術を必要とする人材や人数、部としての体制など、
農林水産部として立てた政策を実行するために必要な機構になっているのかということも含め、
農林水産という部門にふさわしい独立した局としての位置づけが求められます。 次に、
教育委員会について、
人権教育費中、平井、鳴神の子ども会、人権教室の講師謝金に不正な使用や実態がなかったことなどから返還を求めたこと、子ども会に関わる補助金や委託料がほかにも散見されます。不正使用につながる原因は、漫然と事業を繰り返し、チェック体制が不十分だったということからも、
人権教育全体についての見直しを改めて求めます。 放課後健全育成事業は、土曜日の利用が少ないことから、国県返還金が生じています。土曜の利用が少ないのは、第2、第4の限定開級になっていることが原因であり、保護者の労働実態に合わせた事業の充実が必要です。 図書館費、運搬委託料431万1,450円は、旧図書館が専門学校の認可のため、事務局の引っ越しが急遽必要となり、6月補正で増額しましたが、結局認可されず、同時に取った図書の仮置き費用などは不必要となりました。旧図書館を予定より早く休館せざるを得なくなるなど、
市民サービスが低下したことは否めません。教育行政と市長部局との調整が原因とのことですが、優先するべきは
市民サービスではないでしょうか。 次に、
都市建設局について、
土地造成事業特別会計は、分譲地の販売が一部進んだことと、もともとの商業用地を用途変更し、運動公園の駐車場のために市が買い戻したという内容であり、本来の事業は既に成り立っていません。同様に、駐車場管理特別会計も、一部収益の改善はあるものの、累積赤字の解消には至っていません。どちらの事業も、必要性、緊急性、計画性がなく、強引に進めたことが市の財政を圧迫する結果となっていることが問題です。 次に、公営企業決算について、
有収率向上対策は、前年度と比較すると、有収率が1.95%も低下しています。今年1月に発生した花山交差点の漏水工事の影響を差し引いても、下回っているのは問題です。有収率の低い本市において、向上対策に特別な取組が必要であり、自ら立てた数値目標の達成にふさわしい
予算確保と体制が求められます。 職員の残業状況について、昨年の
決算特別委員会で100時間を超えるような働き方の実態は直ちに改善するよう指摘しましたが、
当該年度は一定改善された部分はあるものの、100時間以上になっている職員が増えているとのことでした。解消の方法は業務分担でとのことですが、職員を増員し必要人員を確保することなしに抜本的な改善を進めることはできないと考えます。 大滝ダムの負担金は、例年、国、
関係機関に対し負担の改善を求めているものの、一向に進んでいません。国の責任を棚上げにし、地方自治体に負担を押しつけるようなやり方は到底納得できるものではなく、引き続き改善を強く求めるものです。 下水道会計は、公営企業に移管され、迎えた決算ですが、一定採算性が求められる企業会計に踏み出したことは、赤字を抱えたままの下水道の経営状況が
市民生活への不利益につながりかねないとの危惧があります。今回、一時借入れによって不足分を補填するなどの措置も厳しい状況を表していると言えます。下水道については、独立採算を求めるのではなく、普及率や接続率などの基本的な問題を解決することに重点を置くべきだと考えます。 以上、問題点を指摘し、反対討論といたします。(拍手)
○議長(
井上直樹君) 以上で通告による討論は終わりました。 ほかに討論はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 討論を終結します。 しばらくこの場で休憩します。 午前11時17分
休憩 --------------- 午前11時19分再開
○議長(
井上直樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第3から日程第24の議事を継続し、上程議案24件の採決を行います。 まず、議案第1号、同第3号、同第4号の3件を一括して採決します。 この3件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
井上直樹君) 起立全員。 よって、議案第1号、同第3号、同第4号の3件は、原案のとおり可決と決しました。 次に、令和2年9
月定例市議会議案第11号から同第13号までの3件を一括して採決します。 この3件に対する委員長の報告は、いずれも可決であります。 この3件は、いずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
井上直樹君) 起立多数。 よって、令和2年9
月定例市議会議案第11号から同第13号までの3件は、いずれも委員長の報告のとおり可決と決しました。 次に、認第1号から同第18号までの18件を一括して採決します。 この18件に対する委員長の報告は、いずれも認定であります。 この18件は、いずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
井上直樹君) 起立多数。 よって、認第1号から同第18号までの18件は、いずれも委員長の報告のとおり認定と決しました。
---------------
△日程第25 発議第1号
IR誘致に関する
特別委員会の設置について
○議長(
井上直樹君) 次に、日程第25、発議第1号、
IR誘致に関する
特別委員会の設置についてを議題とします。 提出者から提案理由の説明を求めます。
中谷謙二君。--13番。 〔13番
中谷謙二君登壇〕(拍手)
◆13番(
中谷謙二君) ただいま上程されました発議第1号につきまして、提出者を代表して提案理由の説明を申し上げます。 現在、本市は、県により進められている
IR誘致に関し、立地市として県と連携の下、これを推進しているところです。 当該事業は、大きな経済効果及び雇用効果が見込まれ、少子高齢化や所得の低迷、税収の改善といった諸課題の解決に向け、その一助となるものとされる一方、治安の悪化やギャンブル依存症の増加などを懸念する声も聞かれるなど、
市民生活に多大な影響を及ぼす極めて重要な案件となります。 よって、本市議会は、当該事業の進捗状況を注視し、独自の視点から調査、検討を行うため、
IR誘致に関する
特別委員会を設置しようとするものであります。 委員の定数及び特定の事件等につきましては、お手元に配付のとおりであります。 何とぞ同僚各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(
井上直樹君) 質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 質疑なしと認めます。 お諮りします。 本件は、
会議規則第36条第3項の規定により、委員会の付託を省略することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 討論に入ります。 討論はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 討論なしと認めます。 発議第1号を採決します。 本件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、本件は原案のとおり可決と決しました。
---------------
△
IR誘致に関する
特別委員会委員の選任
○議長(
井上直樹君) ただいま設置されました
IR誘致に関する
特別委員会の委員の選任については、委員会条例第6条の規定により、 堀 良子君 川端康史君
中庄谷孝次郎君
森下佐知子君 吉本昌純君 園内浩樹君
山本忠相君 芝本和己君 戸田正人君
姫田高宏君
宇治田清治君
遠藤富士雄君 以上12人の諸君を指名します。 ただいま選任されました委員諸君に通知します。 本日、閉会後、
IR誘致に関する
特別委員会を招集しますから、委員長の互選をお願いします。 この際、お諮りします。 現在、議会運営委員会に付託し、継続審査となっている令和2年6
月定例市議会議案第2号、
和歌山市議会の議決をすべき事件を定める条例の一部を改正する条例の制定については、ただいま設置した
IR誘致に関する
特別委員会へ付託替えすることにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 お諮りします。 ただいま議案等が議決されましたが、その条項、字句、数字、その他整理を要するものについては、その整理を議長に委任されたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明12月1日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。 午前11時26分延会
--------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長
井上直樹 議員
中谷謙二 議員
中尾友紀 議員
松井紀博...