和歌山市議会 > 2018-03-05 >
03月05日-04号

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  1. 和歌山市議会 2018-03-05
    03月05日-04号


    取得元: 和歌山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-07
    平成30年  2月 定例会                平成30年          和歌山市議会2月定例会会議録 第4号            平成30年3月5日(月曜日)     -----------------------------議事日程第4号平成30年3月5日(月)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(遠藤富士雄君、中尾友紀君、南畑幸代君、山本忠相君、山野麻衣子君)     -----------------------------出席議員(38名)  1番  林 隆一君  2番  山野麻衣子君  3番  中村朝人君  4番  堀 良子君  5番  西風章世君  6番  園内浩樹君  7番  永野裕久君  8番  中村元彦君  9番  浜田真輔君 10番  中谷謙二君 11番  丹羽直子君 12番  浦平美博君 13番  上田康二君 14番  吉本昌純君 15番  松坂美知子君 16番  姫田高宏君 17番  中塚 隆君 18番  薮 浩昭君 19番  奥山昭博君 20番  山本忠相君 21番  井上直樹君 22番  芝本和己君 23番  古川祐典君 24番  戸田正人君 25番  松井紀博君 26番  尾崎方哉君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  中尾友紀君 30番  松本哲郎君 31番  北野 均君 32番  山田好雄君 33番  野嶋広子君 34番  宇治田清治君 35番  寒川 篤君 36番  山本宏一君 37番  遠藤富士雄君 38番  佐伯誠章君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        荒竹宏之君 副市長        森井 均君 市長公室長      瀬崎典男君 総務局長       森 泰之君 危機管理局長     嶋本智行君 財政局長       田又俊男君 市民環境局長     和田年晃君 健康局長       川口雅広君 福祉局長       川崎秀行君 産業まちづくり局長  有馬専至君 建設局長       巽 和祥君 会計管理者      平田謙司君 教育長        原 一起君 教育局長       津守和宏君 消防局長       大浦正男君 公営企業管理者    富松 淳君 水道局長       白井光典君 選挙管理委員会委員長 川端正展君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       中野光進 事務局副局長     幸前隆宏 議事調査課長     中西 太 議会総務課長     利根功一 議事調査課副課長   柳本真也 議事班長       藤井一成 調査班長       亀岡伸次 企画員        竹下裕威 企画員        佐川恭士 事務主査       國定正幹 事務主査       北野統紀 事務主任       平岡直樹 事務主任       大江健一   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(古川祐典君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(古川祐典君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   遠藤富士雄君   吉本昌純君   中尾友紀君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(古川祐典君) 次に、日程第2、一般質問に入り、各会派の代表による質問を許します。 遠藤富士雄君。--37番。 〔37番遠藤富士雄君登壇〕(拍手) ◆37番(遠藤富士雄君) おはようございます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、代表質問をさせていただきたいと思います。 まず、昨年2月の私の一般質問に引き続き、和歌山城天守閣の木造による復元について質問をいたします。 史跡和歌山城整備計画報告書平成28年度改訂版に沿って、少し和歌山城の歴史を語りたいと思います。 天正13年--西暦1585年、羽柴秀吉が弟の秀長に命じて創建させました。藤堂高虎、羽田正親、横浜良慶が普請奉行となり、天正13年中には現在の天守郭--この天守郭の郭なんですが、これは城郭の郭と書きます天守郭でありますが、本丸に相当する部分の普請が完了したということであります。 元和5年--西暦1619年、徳川家康の十男、頼宣が紀伊に入国し、紀州藩55万5,000石が成立し、元和7年に頼宣は江戸幕府より銀2,000貫を賜り、和歌山城の整備に着手する。砂の丸、南の丸の造成、二の丸の拡張がこのときなされた。現存する国重要文化財である岡口門も、このときに建設されたと考えられると、こういうことであります。 その後、建物の増改築や石垣の整備等はたびたび行われるが、ベースとなる縄張りは変化していません。和歌山城は、16世紀後半から17世紀前半にかけて、城主の移り変わりとともに順次拡張され、最終的には徳川一門にふさわしい居城として整備されたのであります。 その後、廃藩置県後の歩みですが、明治45年、城地は和歌山市に払い下げられ、和歌山城は市民の城として歩みを進めていくことになり、本来、人の出入りを制限する城に多くの人を迎え入れるため、遺構の破壊、改変を伴うアクセスの向上がたびたび検討されたということであります。 大正3年には、大正天皇即位記念事業の一環で、和歌山城を東西に横断する道路の整備が計画されましたが、反対意見が多く、実現しなかったということであります。 同じころ、堀を埋め立てる計画が浮上し、南方熊楠翁らにより反対運動が展開され、その結果、南堀は大正14年に埋め立てられ、現在はつつじ園となっております。吹上口前の堀--西堀の東部も、大正14年から昭和4年--1929年ごろまでに埋め立てられております。 昭和6年、当時文部省は、和歌山城の旧城地を国の史跡に指定し、同10年には天守閣が国宝に指定されています。こうして和歌山城の歴史的価値が公に認められることとなっております。 ただし、史跡指定地の改変は以後も進み、昭和11年には西の丸に市役所の新庁舎が竣工します。昭和12年、二の丸の県立図書館の改築がなされ、砂の丸南部に招魂社、昭和10年より護国神社と呼ぶようになっておりますが、建立されております。 昭和20年、天守閣が空襲で焼失し、同33年に鉄筋コンクリートづくり--一部木造で再建されます。外観は、江戸後期の図面や古写真等に基づき忠実に再現され、かつてのたたずまいを今に伝えております。そして、市民から多額の寄附を受けて整備され、和歌山市の戦後復興のシンボルとなっているのであります。 なお、敗戦後は、むなしく市内中央にそびえる天守閣が焼失した天守台を眺め、多くの市民がその再建を願っていたと思われますが、戦後の混乱した状態は再建を容易には実現させませんでした。要するに、天守閣が大事なのか、食料、パンが大事なのかというような意見が飛び交ったということでありますが、しかし、昭和26年の和歌山市会では、早くも天守閣再建資金の積み立てを決定しております。 ちなみに、明治22年、全国で初めての議会が開かれたとき、全ての市が市会という呼称で呼ばれておりました。その後、昭和22年に地方自治法が公布され、市議会というふうに呼ぶようになったわけでありますけれども、当時の横浜、名古屋、京都、大阪、神戸--この5市、政令市なんですけれども--は、今でもこの市会という言葉は使われておりますが、昭和22年に市議会と呼ぶようになってもなお、和歌山市も和歌山市会というふうに呼ばれていたということで、以後、この和歌山市会という言い方で説明させていただきます。 そして、同31年7月には和歌山城天守閣再建期成会が結成され、再建寄附金の募集を開始し、年内に5,700万円を集めた。 再建天守閣の設計は、東京工業大学、藤岡通夫教授が行い、同32年4月に国への再建手続を完了し、同5月に請負業者を入札で決定しております。そして、同年6月15日に起工式を挙行し、約1億2,000万円の工費を要して、同33年10月1日に竣工したわけであります。当時、和歌山城の再建は、名古屋城、広島城と並んで全国の焼失城郭の再建ブームの火つけ役となっております。 なお、当時の1億2,000万円は、現在の貨幣価値からすると約30億円ぐらいだと想定されております。当時の市会が再建資金の開始決定から事業の開始まで、6年を要しています。ですので、私が復元を求めて提案させていただいて、今すぐこの場で決定を決めていただいたとしても、時間を要するということであります。特に、木造復元は、木の乾燥だけでも5年はかかるというふうに言われております。耐震診断の結果もあるでしょうが、建てかえるのであれば、木造復元というふうに方向性だけでも示していただきたいと思いますので、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。 次に、空き家対策についてでありますが、空き家に関する相談が市民から寄せられるようになったのは平成13年にさかのぼるとのことであります。既に17年たち、そのころからの相談件数は1,100件を超えていると伺います。 平成29年度までの3年間で市内の空き家調査は終えたと聞いておりますが、今後も空き家は出てくると思われますので、まずは一区切り、ここでこれまで相談のあった空き家及び調査によってわかった空き家への対策をとらねばなりません。 先日、発表されました特定空き家の候補は約140件あり、そのうち今回は8件を特定空き家に認定するようでありますが、約140件あると指摘されている中、どうして8件しか認定できないのでしょうか。 市内の調査は終えていますので、より危険なものから順番にではなく、特定空き家等に該当するとわかっているものは全て認定して空き家解消に向けて取り組むことはできないでしょうか。 和歌山市空家等対策計画では、特定空き家等の基準は、1、倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、2、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、3、著しく景観を損なっている状態、4、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態と示されております。市民からすれば、市に通報してきた案件の多くを特定空き家に該当する物件との認識を持っていると思われます。 先日、発表されました平成30年度の事業計画では空き家等対策の推進とありますが、今回、認定は8件です。本市は、何年後に今ある特定空き家候補への対策に一区切りをつけるのでしょうか、お聞かせください。 次に、教育関連予算、特に就学援助についてお伺いします。 事細かく数字は述べませんが、この件に関しては他会派の先生方も何度か質問されてますので、皆さん御存じだと思いますけれども、特にゼロという数字が出てきましたので、小中学校の部活の活動費の援助はゼロでありますが、本市はこれらの支援に関して、ほぼ全ての項目、いろいろ項目ありますが、国基準からはほど遠く、他の中核市と県内の他市と比べても圧倒的に低い、これは本市だけだと思いますね、これだけ低いのは--という状況を見て愕然としているわけであります。 この件に関しては、先ほど申しましたように、ほかの議員さんからも指摘がなされているようですし、教育委員会の範疇ではありますが、市長は必要な予算を教育委員会に対して講じる必要があります。 将来を担う人に投資することは非常に大切です。また、これらの支援が不十分なことにより、クラブ活動の選択肢が狭まったりする子供たちが出てくる、ほかにも近隣市町村へ市民を逃してしまうということにもなりかねない。 要するに、就学援助をもう少し手厚くという話なんですけれども、それで先ほど申しましたクラブ活動費の件なんですが、小中学校どちらもゼロでありますが、このクラブ活動費特別スポーツに限定されるものではありませんけれども、私自身がスポーツにかかわっているということで、先日のオリンピック、もうほとんどの方、皆さんがごらんになってると思いますけれども、このオリンピックが与えてくれた多くの感動は、皆様方がどなたも、平素スポーツ音痴だと言われている方でも、やはり感動されたことだと思います。 私から言わせれば、スポーツは多くの子供たちの夢と可能性を育ませると信じているわけであります。非常に残念な気持ちになります。 切れ目のない子育て支援、教育環境の充実を掲げる市長として、人に対する投資、そして家庭、子供への支援の観点からも、この就学援助に関してのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 最後になりましたけれども、ここから、尾花市政に対する私の率直な気持ちも含めて、そしてまた、ある意味、私の独断と偏見の解釈であるかもしれませんが、少し思いを、私の気持ちを述べさせていただきたいと思います。市長、別に特別市長を持ち上げてという気持ちは毛頭ありませんけれども、素直に認めるところは認めて、そしてまた、考え方も改めていただかないところはいけないということで、議会と市長が率いる行政との関係をしっかりこれからも構築していきたいという思いも込めて、少し述べさせていただきます。 勤勉で、行動力、決断力もあり、この1期目の4年間、スピード感を持ってさまざまな施策に取り組んでおられる実績を私は高く評価しております。 人はそれぞれで、私たちは議会人でありますから、それぞれ評価の違いはあろうかと思います。私がよいと思った案件でも、それはおかしいだろうとおっしゃる方もおられると思いますし、ただいま私も質問したわけでありますけれども、いろいろ注文もつけさせていただくわけでありますが、市長が取り組んできた実績のうち、私が特に印象深いものを述べさせていただきます。 まず、産業振興では、和歌山市産業振興基本条例を制定し、これは産業振興に係る事業者、市民、行政等の基本指針となるもので、市の責務として地産地消の推進に取り組むことも明記されました。その地産地消を推進し、それをするために、平成28年度には市産品登録制度も創設されております。 企業誘致を進めるため、その情報収集を初めとした首都圏での活動拠点として東京事務所を設置するとともに、企業立地促進奨励金制度の拡充をし、結果として、3年間で30社、80億円以上の投資、240人以上の新規雇用を呼び込んでおります。そして、来年度完成予定の南インターを含む3インター周辺では、企業誘致ゾーンを都市計画に位置づけるなど、企業立地を進めることで働く場の確保に取り組んでおられます。 観光面でも、観光客の誘客のための施策を実施し、宿泊客は3年で10万人以上増加、外国人宿泊客にあっては、平成23年の宿泊者と比べても、これはもともと和歌山市は本当に少なかったんでありますので、素直に喜べないところもあるんですけれども、そうはいっても26倍にふえているということであります。 そして、日本遺産の認定に早くから取り組み、昨年、「絶景の宝庫 和歌の浦」が認定され、本市の観光地としての知名度向上につながっております。シーサイドロードを初めとしたサイクリングロードの整備も進めており、加太では、加太少年自然の家を外国人や青年にも利用できる青少年国際交流センターのリニューアルも進めておられます。 このサイクリングロードの件なんですが、先日、議会を代表して、井上副議長と私が議連を代表して台湾の総領事館に行かせていただきまして、義援金を贈呈させていただきました。その後、ちょっと懇親をする場がありまして、和歌山市が取り組んでいるサイクリングロードの話が出ました。洪副総領事は、和歌山市がそういうサイクリングロードについて本当に真剣に取り組んでおられるんであれば、何としても支援をさせていただきたいいうお話もいただきました。 そこで、少し自分なりに調べてみたんですけれども、いろいろ九州、その他でもサイクリングロード、今、何かはやりになってるんでしょうか、取り組んでおられます。これは、地方自治体にすれば、他都市、また、海外からお客さんを呼び込むための非常にいい発想だなというふうに私も思うんですが、愛媛県がマルゴト自転車道ということで、今治市から尾道市、これを経由する各市町と連携して、県が方向性を決めてやっているわけでありますけれども、このサイクリングは、県の考え方は--愛媛県ですけれども、「“健康”と“生きがい”と“友情”を与えてくれるという『自転車新文化』」というものを提唱しているということであります。瀬戸内しまなみ海道は、県全体でサイクリングパラダイスを目指す。 そして、GIANTという自転車の会社があるわけでありますが、このGIANTも後押しをしてます。このGIANTというのは、ちなみに台湾に本拠地を置くワールドブランドで、世界最大の総合ブランドであります。自転車業界の巨人とも呼ばれておりましてGIANTなんだそうですが、町乗り自転車からツール・ド・フランス優勝者まであらゆるものを制覇するブランドだと、こういうふうにうたってる会社なんですが、この会社もぜひとも紹介しますので行ってくださいというようなお話もいただきました。 ということで、つけ加えさせていただいて、そして、まちづくりなんですが、本市のシンボルであります史跡和歌山城整備計画の見直しを行い、懸案であった扇の芝の整備、能舞台や大奥の復元に向けた取り組みを進め、歴史的、文化的価値の向上を進めておられます。私も長年言い続けてきました樹木の伐採も行い、和歌山城が石垣天守台を含め、よく見えるようになっております。 そして、南海和歌山市駅前再開発にあわせての駅ビルの市民図書館の工事に着手し、新しい図書館は、本来の図書館機能に加え、放課後の子供の居場所としての役割も担う、誰もが利用しやすい図書館になるとのことであります。また、駅前広場の整備もあわせて実施されることから、すばらしい玄関口になることを期待しております。 伏虎義務教育学校の開校により、あくこととなった校舎等を活用した3大学誘致が決まり、それぞれ開校に向けた準備が進んでおります。第1号の東京医療保健大学和歌山看護学部は、この4月開校、その1年後の平成31年4月には(仮称)和歌山信愛大学教育学部開校、さらに平成33年4月には--今、元号で私お話ししておりますけれども、その時期になりましたらこの元号が変わってるかもわかりませんが、とりあえずという予定になっております--この県立医科大学薬学部については、この議会でも賛否両論がありましたが、設置者である和歌山県には、しっかりと目標理念に沿って充実した教育施設となるよう期待をしつつ、これは知事さんも市長も同じ御意見なんですが、このまちなかに約1,300人の学生が学び、闊歩するということをおっしゃってますので、そこには大いに期待をしております。 北汀丁や友田町4丁目では、民間活力による再開発の工事が進んでおります。和歌山城西側の北汀丁の再開発は商業、福祉、住宅、専門学校の複合施設、JR和歌山駅近隣の友田町4丁目の再開発は商業、病院、住宅の複合施設となり、まちなかに新たな便利な居住スペースが完成します。 市民会館--(仮称市民文化交流センターの建設にあわせて、市道の無電柱化と市役所前から新市民会館までの間に和歌山城前広場をつくる計画もあるようですが、ぜひとも誰もが楽しめるおかげ横丁のような、和歌山城にマッチした和風のイメージで整備をしていただきたいと思います。 そして、地域の交通拠点の整備として、JR紀伊小倉駅に駐輪場を含めた駅前整備を行うとともに、県道までのアクセス道路もあわせて整備をしております。ここは、和歌山高校等がありまして、学生さんの通学路になってるんですが、私も以前この近辺に住んでおりましたのでよく存じてますけれども、本当に地元の方が喜んでおります。大変歩きやすくなったし、本当に環境整備が整ってきてるという実感をしているということであります。 老朽化が進み、議会でも再三取り上げられてきました市営岡崎団地の建てかえも、国庫補助金を確保して整備に着手しております。 子育てでは、市内4カ所の保健センター子育て世代包括支援センターを新設し、妊娠期から子育て期までの相談体制を充実させ、子育てに係る経済的負担の軽減として、多くの市民から強い要望のあったこども医療費の無償化を開始しております。 本町小学校跡地には、本町認定こども園こども総合支援センターの複合施設を建設し、まちなかの緑に囲まれた子育ての拠点として期待をされております。 地域と学校が協働した学校づくりを進めるためにコミュニティスクールを設置し、地域と学校が支え合うコミュニティーの拠点となることだと思います。 また、今までなかなか進まなかった小中学校への空調を、国の経済対策補正を活用して前倒しで一気に設置し、今月中に完成するとのことであります。子供たちが快適に学べる環境づくりが一気に進んでいると思います。 実は、これも私はずっと長年気になっていたんでありますが、子供は3歳までに汗腺の数が決まると言われております。我々スポーツ指導者も、私たちがやってたときのように、炎天下でのハードなトレーニングであるとか、そういう指導を、できるだけ時間を考えたり時間をずらしたり、例えば、夏場と冬場ではランニングの距離を変えたりもして対応していくわけですが、以前はこんなことがなかったのになと思われるようなことが本当にスポーツ現場では起きておりました。熱中症だとか脱水症状だとかという症状を起こすわけですね。今の子供は本当に弱いなというふうに考えてたんですが、そんな単純なものではなくて、もうおぎゃあと生まれたときからエアコンがついておりまして、冬も夏も空調設備がきっちりとできて、子供がそういう環境の中で育んで成長していくわけですから、当然汗をかかない子供が多くなっていくわけであります。それで、学校の教育現場で空調がないということは、いかに子供たちにとって苦痛を強いられてたのかなというふうに、これはずっと思っておりました。 そういうことで、この空調設備を前倒しをして一気に設置していただいたということは、私は今の子供にとってはいいことであるなと思いますし、よく言うキレやすいとか集中力に欠けるというような子供が多いというのは、多分にこういう冷暖房という環境の整備もあったのではないかなというふうに思います。ということで、私はこれは本当に子供たちにとっていいことだなと思っております。 かつて、こんな例もあるんです。 雪国の子供たちが夏の甲子園に来たわけです。そのときに、監督さんが誤った判断をしました。どうしたか。要するに、甲子園は夏の大会で暑いわけですから、宿舎の冷房を切ってしまったんですね。要するに、冬の寒い寒冷地の子供が来て、夏の甲子園には耐えられないと思って、そして体をならそうとしたわけなんですが、それが逆効果で、甲子園で思った成績を残せなかったという実態もあったわけであります。 ですから、本当に何度もしつこく言って申しわけないんですが、今の子供は私たちと違って汗腺の数が少ない、それで3歳を過ぎたら汗腺の数はもうふえないとも言われておりますので、一気に前倒しでやっていただいたということは、私はいい判断であったのではないかなというふうに思ってます。 次に、高齢者、障害者施設では、地域包括支援センターを8カ所から15カ所に増設し、地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、介護予防・生活支援サービス事業を開始しております。 ひとり暮らしの高齢者等のさりげない見守りや声かけ活動を行う地域見守り協力員制度を創設しております。 医療、福祉の専門医で構成する認知症初期集中支援チームを立ち上げ、自宅などを訪問し、初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活をサポートしております。 和歌山市障害者差別解消推進条例を制定し、障害者への生活支援や就労支援を推進し、障害者の住まいの場であるグループホームの設置を促進するとともに、手話言語条例を制定し、どこでも手話電話サービスなどの手話施策を推進しております。 防災対策では、昨年の台風21号の被害を受け、和田川流域の浸水対策--前代川、永山川、平尾川、七瀬川流域の浸水対策を国や県にいち早く要望、働きかけを行っております。 人命の保護を最大限図れるよう、いち早く市民、住民とともに津波避難計画を策定し、住民の防災意識の向上も図っております。 防災上必要な箇所への防犯カメラの設置や自治会設置に対する費用支援を行うことで、安心・安全な暮らしを確保したということであります。 全消防庁舎の耐震化を完了させるための中消防署南分署の建てかえを、国道42号線の歩道整備に支障とならないよう、現地建てかえから南保健センター跡地に変更し、昨年、完成をさせております。 聞こえにくいなど、市民からの要望の強かった防災行政無線、140局から222局に82局の増設をしております。あわせて、デジタル化の更新を行うことで聞こえやすくなるように、整備に着手をしております。 今、るる述べさせていただきましたけれども、もちろんこれだけではありませんし、先ほど申し上げましたように、議員の皆さん方から見て、いや、もっといいことしてるよとおっしゃる方もおられると思いますが、一応私はこういうところを抜粋させていただいて、市長の今までの実績を評価させていただいたと思ってます。 昨年、市長と、市民が約400人ぐらいいる場所で、唐突に私がマイクを持って市長に、市長、本物の車の両輪のごとく、議会、そして尾花市長率いる行政が本物の車の両輪となるようにやりませんかというふうにお話をしたわけですが、市長もそこで立ち上がっていただいて、やりましょうと力強く言っていただいたわけでありますが、私の申し上げる車の両輪というのは、何でもかんでも市長のおっしゃること--もちろん車の両輪、前を、同じ方向を向いてるわけですから、そういう例えをされるわけですけども、一番大事なことは、片一方の車が大き過ぎたり小さ過ぎたり、それと車軸が短くなったら、これは癒着構造になるわけですから、この緊張感だけはしっかり保ちながら、本物の両輪となりましょう、これが市民のためになるでしょうという意味合いが私の気持ちとしてこもってるわけでありますが、市長はそのときに、今、言いましたように、もう即、一緒にやりましょう、議会の皆さん方と力を合わせて、和歌山市の発展のためにということをおっしゃっていただいてますので、そこにまた私も期待をしますし、ことしの年頭の挨拶でもこう述べられてるんです。今までにまいた種が成長し、実り始める年となるだろうというふうに述べられてるということで、私は2期目に向けた市長の並々ならぬ思いということがそこに込められてるのかなというふうに思ったわけであります。 そこで、2期目に向けた市長の市長選出馬についてお考えを聞かせていただきたいんですけれども、この議場に芝本議員さん、そして浜田議員さんもおられます。私も、市長と市長選で前回戦ったわけでありますけれども、ここからはちょっと個人の私の思いで申しわけないんですが、私のキャッチフレーズは、和歌山市は変わるというキャッチフレーズだったんですが、それは私がこういう立場になって、こうすればこう変わるんだという思いがそこに入ってたんですけれども、今、私は市長に和歌山市は変わるというこのキャッチフレーズを、私の思いと夢を託して、2期目に向けて市長がどういうふうに思いを述べられるんかということをお聞きして、質問とかえさせていただきます。 至政クラブの代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。市長、よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(古川祐典君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) おはようございます。37番遠藤議員の代表質問にお答えします。 まず、和歌山城天守閣の木造による復元について、天守閣を木造復元する方向性だけでも示していただきたいがどうかとの御質問でございます。 現在の和歌山城天守閣は、昭和20年の和歌山大空襲により焼失した後、市民からの多額の寄附を得て、鉄筋コンクリートづくりで再建されたもので、まさに戦災復興のシンボルであると言えます。 外観は、江戸時代の図面や焼失前の古写真を参考にして忠実に復元されており、昭和30年代の当時の再建天守の中でも極めてすぐれたできばえと聞いています。 議員御指摘の天守閣の木造復元につきましては、現在の史跡整備の理念にかなったものといえ、年々増加している外国人観光客にとっても、木造で復元した天守閣は、日本の伝統建築に触れることができる魅力的な場として観光資源となり得ると考えております。 一方で、史跡内での建造物復元の要件となる復元の根拠資料は多数残されているものの、昭和33年の工事で地下の遺構が完全に破壊されていることや、柱やはりといった大量の木材の調達、伝統技術を持つ職人の確保などの課題もあります。 現在、耐震診断を実施しており、その結果を踏まえ、改修も含めた耐震補強とするのか、あわせて内部展示をどうするのか、また、建てかえとするのなら木造復元を目指すのかなどの検討を進め、市民の皆さんの御意見もお聞きしながら方向性を決定していきたいと考えております。 また、史跡和歌山城整備基金につきましても、ことしは天守閣再建60周年の年でもありますので、さまざまなイベントを実施して機運を高め、市民、企業、観光客の方など国内外に向けて協力いただけるよう、さらにPRの強化に努めてまいります。 次に、空き家対策について、特定空き家の候補は約140件あると指摘されている中、8件しか認定できていないのはなぜか。特定空き家に該当するとわかっているものを全て認定して、空き家解消に向けて取り組むことはできないか。本市は、何年後に今ある特定空き家候補への対策に一区切りつけるのかとの御質問でございます。 今回、特定空き家等に認定しました8件は、市民から通報のあった空き家のうち、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある状態の空き家で、平成25年度から和歌山市空家等の適正管理に関する条例に基づき適正管理の指導を行っている中から、空き家実態調査の結果を受けて、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、先行して認定し、指導書を送付したものです。 議員御指摘のように、空き家実態調査の結果、修理しても住むことができないと思われる特定空き家等に該当する可能性がある空き家は141件に上ります。残りの133件については、早急に全ての現地調査を行い、建物の不良度、周囲に及ぼす悪影響度や危険の切迫性を確認し、所有者調査の上、平成30年度中に特定空き家等の認定を行い、空き家解消に向け取り組んでまいります。 次に、切れ目のない子育て支援、教育環境の充実を掲げる市長として、人に対する投資、そして家庭、子供への支援の観点からも、この就学援助に関しての考えはどうかとの御質問でございます。 未来の和歌山市を担う子供たちは、本市の宝であり、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、教育の機会均等を保障するための必要な環境整備を図る対策は極めて重要です。 本市の就学援助の支給額は、議員御指摘のとおり、国基準からも、また、他の中核市と比較しても低いことは十分認識しており、順次引き上げているところであります。 また、今年度から、中学校の新入学学用品費を入学前に支給することにしました。 今後も、家庭、子供への支援の充実のため、改善に向け対応してまいります。 最後に、2期目に向けた決意をと、身に余るお褒めの言葉と次期市長選の出馬に向けたエールを頂戴し、感激しております。 思い起こせば4年前、県都和歌山市がこのままではいけないとの思いで、産業を元気に、まちを元気に、人を元気に、と、3つの元気と、それを実現するため、市民の皆様に44の約束をし、当選させていただきました。 市長就任後は、その約束を実現するため、そのほとんどを翌年のまち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込み、そして昨年3月には、市民の皆様や議会の皆様とともに和歌山市長期総合計画を策定させていただくことができました。 私は、この間、走りに走ってきました。国体開催を契機として高速道路網が整備され、関西国際空港が本格的に始動し始め、外国人観光客が飛躍的な伸びとなったこのチャンスを逃してなるものかとの強い思いがありました。 一方で、自主財源が少ない中で、財源を生み出すため、職員と知恵を絞りながら、国や県の有利な制度を活用すること、また、民間の活力を最大限利用することに力を注ぐとともに、できるだけ多くの方からアイデアをいただき、よい計画をつくろうとしました。 こうした中で、議会の皆様からさまざまな御提案、意見、中には厳しい御意見もありました。しかし、皆様と議論させていただくことで、考えもつかなかったよりよい計画にすることができ、その計画が、今、芽を出し始めています。その芽を成長させるためには、スピードを緩めるわけにはいきません。これから加速させていくことが大事です。 今後、議員の強い思いのとおり、将来を担う人に投資することは極めて大事です。子供たちの夢と可能性を育めるよう、政策を強化する必要があると考えています。子育て環境日本一や教育環境のさらなる充実で、子育て世代や若者の定住にもつなげてまいります。 人生100年時代に向け、高齢者も障害のある方も全ての人が健康で楽しく暮らせ、いつでも必要な介護や支援が受けられる、将来に不安のない社会をつくっていかなければなりません。やるべきことは山のようにありますが、後戻りせず、着実に前へ進めたいと思います。 2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2021年には本市でも国民文化祭やワールドマスターズが開催されます。この3年内には、今、取り組んでいるまちづくりも大部分が完成してきます。 私は、市民の皆様からお許しがいただけるなら、引き続き市政を担わせていただき、和歌山市は変わったと言ってもらえるよう結果を出したいと思います。 和歌山城を中心に、文化、歴史が輝く町、近畿の中でもきらりと輝く県都としての和歌山市、そして何より、誰もに笑顔があふれる元気な和歌山市を実現することを決意し、遠藤議員への答弁とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(古川祐典君) 次に、中尾友紀君。--29番。 〔29番中尾友紀君登壇〕(拍手) ◆29番(中尾友紀君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、公明党議員団を代表して代表質問を行います。 まず最初に、和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお尋ねします。 2013年3月に発表された国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では、本市の2040年の人口は約28万人まで減少すると予測されております。 本市では、人口減少に歯どめをかけ、将来に向かって活力ある和歌山市を維持するために、平成27年10月に和歌山市人口ビジョンと和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。 その総合戦略で、4つの基本目標として、①安定した雇用を創出する、②本市への新しいひとの流れをつくる、③若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる、④時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る、4項目を掲げ、具体的な施策を5カ年計画で定めました。 和歌山県は、他県への進学率全国ナンバーワンでありますが、既に3つの大学の誘致が予定されていますので、他県への進学をある程度抑制できるようにも思いますが、大学に通う学生たちが、今度は就職し、家庭を持ち、和歌山市に定住してもらう必要があります。また、そのための総合戦略であると思います。 今は折り返し地点でありますが、市長は各基本目標に対する数値目標の現在の状況をどう考え、今後、どう取り組んでいくのか、その方針と熱い決意をお答えください。 次に、子育て支援について。 子供たちの健全な成長のためには、教育は重要な役割を果たしますが、とりわけ幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎を養う大事な時期であります。 OECDインディケータ2016年版によりますと、就学前教育段階における教育支出に占める公費の割合が、日本は44%とOECD加盟国で最も低く、多くの国は7割以上となっております。 国立社会保障・人口問題研究所が2015年に実施した第15回出生動向基本調査では、夫婦の予定子供数が理想子供数を下回る理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が最も多く、全体で56.3%。特に、妻が35歳未満の若い層では8割前後にも上昇しています。子供たちのためにも、子供を安心して産み育てられる社会を構築するためにも、幼児教育の無償化は必須の取り組みであります。 報道によりますと、国は平成29年12月に新しい経済政策パッケージを定め、その中で幼児教育の無償化についての内容を示しています。 具体的な内容として、「3歳から5歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化する。」、また、「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等については、専門家の声も反映する検討の場を設け」「保育の必要性及び公平性の観点から、来年夏までに結論を出す。」「0歳~2歳児についても、当面、住民税非課税世帯を対象として無償化を進める」とあります。 実施時期として、「幼児教育の無償化については、消費税率引上げの時期との関係で増収額に合わせて」、3歳から5歳児では「2019年4月から一部をスタートし、2020年4月から全面的に実施する。」予定となっている。「引き続き、少子化対策及び乳幼児期の成育の観点から、0歳~2歳児保育の更なる支援について、また、諸外国における義務教育年齢の引下げや幼児教育無償化の例等を幅広く研究しつつ、幼児教育の在り方について、安定財源の確保と併せて、検討する。」としております。 公明党は、平成18年9月の党全国大会で幼児教育の無償化を提言、一貫して幼児教育の無償化を訴えてまいりました。平成24年12月、公明党が与党に復帰。その際、友党である自民党と交わした連立政権合意の中に幼児教育の無償化への取り組みの財源を確保しながら進めると明記、翌25年3月、幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議が開かれ、政府、与党一体となって無償化を進めることになりました。 そこで、お尋ねします。 和歌山市では、幼児教育の無償化についてどのように考えているのか、お答えください。 次に、待機児童の解消についてお尋ねします。 幼児教育の無償化と並行して取り組まなければならない問題として、待機児童を解消する必要があります。 新しい経済政策パッケージの中で、待機児童の解消について内容を示しております。「2018年度から2022年度末までの5年間で、女性就業率80%に対応できる32万人分の保育の受け皿を整備する『子育て安心プラン』を策定」し、「同プランを前倒しし、2020年度末までに32万人の受け皿整備を行う。」予定であります。 幼児教育の無償化と待機児童の解消をセットで同時に行うべきと考えます。和歌山市の待機児童の状況と解消に向けた取り組みをどのように考えているのか、お答えください。 次に、子供の貧困について。 地方議員研究会が地方自治体の政策として関心がある項目のアンケートを300人の議員に行ったところ、子供の貧困が6割、次いで教育が2割、地方創生は1割にすぎなかったとの発表があり、子供の貧困に対する関心の高いことがよくわかりました。 厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、子供の相対的貧困率は上昇傾向。平成24年16.3%。ひとり親で子供を養育している家庭の相対的貧困率が高い。就学援助を受けている小学生、中学生の割合も上昇が続いている。子供がいる現役世帯の相対的貧困率は、大人が2人以上いる世帯では12.4%、これに対してひとり親世帯は54.6%と約4.5倍の高い数字となっております。 また、文部科学省の要保護及び準要保護児童生徒数についての中で、子供の貧困の現状、中学生に対する就学援助の状況の調査結果では、経済的理由により就学困難と認められた就学援助を受けている小学生、中学生は平成24年には約155万人で、平成7年の調査開始以来初めて減少しましたが、その主な原因は子供の数全体の減少によるもので、就学援助率はこの10年間で上昇を続けております。平成24年度には過去最高の15.64%となっております。 このような子供の貧困の現状を踏まえ、国は、子どもの貧困対策の推進に関する法律を平成26年1月17日に施行、平成26年8月29日、子供の貧困対策に関する大綱を閣議決定しました。 大綱の目的・理念では、「子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」「全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、子供の貧困対策を総合的に推進する」とあります。 基本的な方針の主なものを紹介しますと、「貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成を目指す。」「子供の貧困の実態を踏まえて対策を推進する。」「官公民の連携によって子供の貧困対策を国民運動として展開する。」「当面今後5年間の重点施策を掲げ、中長期的な課題も視野に入れ継続的に取り組む。」とし、当面の重点施策として、「1 教育の支援」「2 生活の支援」「3 保護者に対する就労の支援」「4 経済的支援」が明確に述べられております。 国の平成30年度予算案では、学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の推進--就学援助の制度改正を含む--を打ち出しております。全ての子供が集う場である学校を、子供の貧困問題への早期対応、教育と福祉、就労との組織的な連携、地域による学習支援や家庭教育支援を行うことにより、貧困の連鎖を断ち切ることを目指すとあります。 平成29年6月議会で、我が公明党議員団の堀議員が、子供の貧困対策について、実態調査と学習支援事業を実施すべきであるとの一般質問を行っております。 実態調査について、尾花市長は、「貧困の状況にある子供や家庭の支援ニーズの所在を把握する有効な手段であり、得られた調査結果を分析することで課題が明らかになり、今後取り組むべき施策の参考になると考えます。今後、関係機関との連携をとりながら、子供の生活実態調査の実施に向け取り組んでまいります。」と答弁され、学習支援事業に関して、川崎福祉局長は、「本市の状況を踏まえるとともに、教育機関との連携や、他の部局で実施している類似事業を勘案しながら、本市としての事業の必要性や方法なども含め、慎重に検討する必要があると考えております。」との答弁でありました。 子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されて丸4年が経過し、重点施策が明確に書かれている中で、慎重に検討するとの答弁には、プライバシーや公平性の問題など、子供の貧困対策には多くの課題があることは一定理解できますが、違和感を持つのは私一人ではないと思います。 子供の貧困解決に向け、全国で179市区町村長が加盟している子どもの未来を応援する首長連合(子どもの貧困対策連合)が、自治体の事例の共有や政府への提言を行っております。和歌山市も、この首長連合に発足当時から加盟しているようですが、先進事例を参考に、学習支援事業など具体的な貧困対策を一歩でも進めるべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、防災対策について。 受援計画の策定についてお尋ねします。 熊本市では、「平成28年熊本地震における市町村への応援と受援について 受援側による振り返り」と題して、熊本地震の概要と人的支援、物資支援の受け入れについて、課題をホームページで公開しております。 熊本地震の特徴として、震度7以上の地震が立て続けに2回発生、これは観測史上初、一連の地震で震度6以上の地震が7回発生、これも観測史上初、余震の発生回数の累計は4,000回を超えたというのが大きな特徴であります。 避難者数及び避難所数の推移は、最大避難所数は267カ所--4月21日--最大避難者数は4月17日で11万750人。全避難所が閉鎖されたのは、4月15日発災の5カ月後の9月15日でありました。 災害派遣受け入れ状況は、平成28年9月30日現在、公的機関416団体5万3,821人、民間49団体5,003人、計465団体5万8,824人が全国から熊本市に応援に入りました。 最大避難者数11万人余り、派遣受け入れ数5万8,000人余りと、この数字を見ただけでも当時の現場の混乱ぶりが容易に予想されます。 災害時の課題として、3点述べられています。 支援要請時、被災規模が広範囲にわたり、被害の全容を正確に把握できず、支援が必要な業務、期間、人員を明確に示すことができなかった。 業務遂行時の課題として、避難所運営など被災時の支援業務マニュアルを整備していたが、職員が熟知しておらず、結果、応援職員に頼らざるを得なかった。また、応援職員の業務について、事前説明を十分に行うことができず、現場が混乱したこともあった。 受入体制上の課題として、バックヤード--事前準備、業務割り当て業務の人員不足。応援職員の宿泊所の確保ができていなかった。 このほかにも、支援物資の課題について、避難所の需要と供給が一致しない、人手、搬送車両が不足、物資を置く場所が不足、支援物資が倉庫に山積みとなり、どこに何があるのかわからない状態で、支援物資の山が崩れ、けが人が発生した。発災後5日目から3日間にかけて、拠点集積場所にトラックが集中し、最大95台となり大混乱し、一旦支援物資の受け入れを中止せざるを得なかった等々であります。 このような課題に対して、あらかじめどのような準備や計画を立てるのかが重要なポイントであります。 2017年1月17日付読売新聞によりますと、  阪神大震災以降、相互応援協定を締結する都道府県や市町村が増えた。広域災害連携は着実に進んでいる。被災地の要請を待たずに物資を届ける「プッシュ型支援」も実践されるようになった。災害ボランティアも定着している。  災害時の重層的な支援網が形作られたのは、大きな前進だ。  課題は、多方面から寄せられる支援を、災害現場で生かし切ることだ。被災自治体の受け入れ態勢が整わないために、応援要員に的確な指示を出せず、混乱を招く事態が繰り返されている。  救援物資が途中で滞留して、避難所に行き届かなかったり、ボランティアがせっかくの支援を断られたりする。こうした事例が、2011年の東日本大震災や昨年の熊本地震などで見られた。  支援と表裏一体である「受援」の観点で、災害対応を再点検すべきではないだろうか。 と、自治体の受援計画の推進を訴える報道がありました。 神戸市では、2013年に全国に先駆けて受援計画を策定しております。この中で、  阪神・淡路大震災と東日本大震災で双方の立場を経験した本市では、「支援」を効果的に生かすために、支援を受け入れることを「受援」と定義し、「支援」の在り方だけでなく、あわせて「受援」の在り方も表裏一体のものとして考えることが重要であると認識するに至った。  これを受けて、本市では、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模災害に備え、業務単位で支援を効果的に受入れるために「災害受援計画」を策定した。  今後、「支援」と「受援」が一体のものとする考え方を普及させながら、全ての自治体で受援計画が策定されるよう情報発信をしていきたい。 と述べられております。 災害時の混乱を少しでも回避するためには、地道な作業ではありますが、課題を一つ一つ潰していくしかありません。 本市においても、南海トラフ地震の発生確率が30年以内に70から80%の確率で発生すると予測されています。東日本大震災や熊本地震の経験を生かし、事前に考えられることはしっかりとシミュレーションし、先進事例を参考にしながら受援計画を立てるべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、健康長寿の推進と介護保険料の抑制についてお尋ねします。 2018年度は、2年ごとの診療報酬改定と3年ごとの介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定が重なる6年に一度のトリプル改定で、医療、介護、福祉の制度改革が一斉に行われる年であります。 団塊の世代の方々が全員75歳以上となる2025年まであと7年。中核市で一番高い本市の介護保険料をどう抑制するのかも大きな課題であります。 ことしが改革のラストチャンスと報じている新聞もあります。本市においても、健康長寿を推進し、誰もが安心して暮らせるよう、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援などのサービスを一体的に切れ目なく受けられる地域包括ケアシステムを1年1年しっかりと構築していく必要があります。 日本は長寿大国と言われて久しく、現在、100歳を超える高齢者は6万7,000人を突破しました。しかしながら、介護などの人の助けを必要としないで暮らすことのできる健康寿命と平均寿命との間には、男性で約9年、女性で約13年の開きがあります。 皆さんは、ブルーゾーンという言葉を聞いたことがありますか。ブルーゾーンとは、健康で長生きの人々が数多く居住する特別な地域を指し、90代はもちろん、100歳を超える人々が多数暮らしており、さらにスーパーセンテナリアン--110歳を超える人が住んでいることもあり、日本の沖縄、イタリアのサルデーニャ島、ギリシャのイカリア島などがブルーゾーンと呼ばれている地域と言われております。 先日、NHKのプレゼンの番組で、「長生きの秘けつは人との関わり!?」とのタイトルで放送がありました。 要約しますと、ブルーゾーンの一つであるイタリアのサルデーニャ島を訪れ、長寿の理由を調査。この地域の特徴は、家が密集しており、常に誰かと顔を合わせる生活を送っている。 また、長寿の要因について、数万人の中高年の人たちの食事や運動、既婚者かどうか、どのくらい医者にかかるか、喫煙や飲酒するかどうかなどライフスタイルの調査を行い、7年後、生存している人を調べた結果、長寿の要因を10項目挙げていました。きれいな空気、高血圧の治療の有無、体重の増減、どれだけ運動しているか、心臓に問題があったためリハビリと運動をしている、インフルエンザワクチンの接種の有無、飲酒の習慣を断ったかどうか、タバコを吸わないか、前は吸っていても禁煙をしたかどうかなどが長寿の要因であり、長寿の可能性が最も高くなる2つの要因は、どちらも社会性にかかわるもので、まず、親しい人がいるかどうか、急にお金が必要となったとき借りに行ける相手や、体調が悪くなったとき医者を呼んでくれたり病院に連れて行ってくれたりする人がいるかどうか、絶望して生きる意欲を失いかけたとき寄り添ってくれる人がいるかどうか、そういう人が何人かいてくれたら長生きする可能性がぐんと高まるとのことでありました。 このような人とのかかわりという社会性の視点も健康長寿対策に入れるべき重要な要素であると思います。 本市の平成30年度予算と主要事業の概要の健康長寿の促進の中でも、WAKAYAMAつれもて健康体操など、介護予防や糖尿病性腎症の重症化予防など、生活習慣病の予防対策の事業が挙げられています。 2018年1月7日付の毎日新聞の報道によりますと、  40歳以上向けの「メタボ健診」を受診し、糖尿病など生活習慣病のリスクが高いと判定された人のうち、3カ月以上の追跡指導を受けた人は、受けなかった人に比べ、医療費が2割安いことが、全国健康保険協会の約26万人の調査で判明した--2012年度のメタボ健診で、血糖値や血圧などの値が悪く、指導(特定保健指導)の対象とされた40~71歳の男性約26万人のうち、電話やメールで3カ月以上の追跡指導(積極的支援)を受けた人と、全く受けなかった人を比べた。がんを除く糖尿病、脂質異常症、高血圧関連の入院以外の1人当たりの医療費や、体重の減り方を比較した。  追跡指導を受けた群の体重の減り方は受けていない群に比べて3倍程大きかった。次に1人当たり医療費の年齢調整後の平均値は、13年度で指導群が未指導群より26%(3501円)少なかった。14年度も20.1%(4207円)、15年度も15.3%(3975円)少なかった--「指導を契機に自助努力し体重を減らした結果、医療費が抑えられた」と分析する。 との記事がありました。 追跡指導--積極的支援を受けた人の体重が減り、医療費もより安くなることの証明であります。 問題は、メタボ健診をどれだけの人が受診しているかということであります。 和歌山市の受診比率を見てみますと、平成28年度が33.8%、中核市平均では34.5%、受診率が一番高いのが船橋市の48.5%であります。船橋市の特徴は、受診券と問診票がセットでA3サイズとなっており、前回受診したときの検査結果が記入されていて、簡単に現在の状態と比較することができる点であります。 他の受診率の高い市を見てみますと、政令市の仙台市が45.9%、政令市で断トツの1位であります。仙台市の特定健康受診券も同じA3の用紙を使い、特に電話番号の記入欄があり、必ず記入してくださいと書かれています。後に電話勧奨で使えるようにしています。また、特定健診のお知らせには、かわいいイラストを使い、特定健診を受診するメリットが書かれていて、手にとって読みたくなるような工夫がされております。ちょっとしたことですが、小事が大事であります。 特定健診は、健康長寿を伸ばす、いわば入り口のところであります。受診率の高いところを見習い、改善できるところは改善し、受診率を少しでも上げる努力をすべきであります。 介護予防を行うことにより、元気で健康を維持し、特定健診の受診率をより高め、病気の早期発見、早期治療を行い、重症化にならないように受診勧奨や保健指導を行うことで、結果として健康長寿を伸ばし、ひいては介護保険料を抑制すべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(古川祐典君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 29番中尾議員の代表質問にお答えします。 和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略について、市長は、各基本目標に対する数値目標の現在の状況をどう考え、今後どう取り組んでいくのか、その方針と熱い決意をとの御質問でございます。 和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略は、平成29年度に中間年度を迎え、4つの基本目標達成に向け、施策を積極的に展開しているところです。 まず、基本目標Ⅰ「安定した雇用を創出する」では、企業立地促進奨励金制度を活用した企業立地件数が過去3年で30件に達し、それに伴う新規雇用などにより、雇用創出数は目標値である平成31年度末までの5年間で1,800人に対し、平成28年度末時点で1,398人となっており、順調に推移していると認識していますが、今後も観光地としての魅力向上により、観光関連産業の活性化を図るほか、市内企業の成長支援に取り組むことなどにより、地域産業全体の活性化を図り、確実に目標達成したいと考えております。 基本目標Ⅱの「和歌山市への新しいひとの流れをつくる」については、5カ年累計の社会増減数を転入超過に転じさせることを目標としていますが、平成29年度末時点で1,527人の転出超過という厳しい状況にあります。しかし、今後、相次いで大学が開校することで転入者の増加が見込まれます。 そこで、その若者の本市定着にもつながる、まちなかの再整備による魅力づくりに取り組むことに加え、幅広い世代に対してさまざまな就職支援を行うなど、本市への移住、定住を促進する取り組みを進め、目標である転入超過に向けて、より一層努力してまいります。 基本目標Ⅲの「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」については、5年後の目標である合計特殊出生率1.7に対し、平成28年の数字は1.51となっており、総合戦略策定時に基準とした平成25年の1.43から改善し、和歌山県の数値を上回る状況となっています。 今後も、子育て世代包括支援センター、認定こども園、こども総合支援センターなど、子育てや子供教育の拠点づくりを初め、出産、子育て、教育、それぞれの専門サポートや子育てに係る経済的負担軽減を図るなど、環境のさらなる充実を図り、目標の達成を目指してまいります。 基本目標Ⅳの「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る」については、平成29年度の市政世論調査では、和歌山市が住みよい町だと感じる市民の割合が目標である80%を超える81.4%を達成していますが、今後もさらに割合を高めることを目指し、まちなかエリアの価値を向上させ、まちなかへの居住を促進するとともに、道路網の整備や公共交通機関の利便性を高めるなど、市域全体のコンパクト・プラス・ネットワークを推進し、便利なまちづくりを進めていきたいと考えています。 我が国では、高齢化が世界に類を見ない速度で進行しており、本市でも人口減少、少子高齢社会への対応が待ったなしの状況となっています。 そこで、急激な人口減少に歯どめをかけるため、企業誘致を初めとする産業活性化策による雇用環境の充実や子育て環境日本一の町を目指すことなどにより、議員御指摘のように、誘致した大学等への入学を契機に本市に住むこととなった若者が本市に住み続けたいと思ってもらえるような魅力的なまちづくりに取り組み、社会動態、自然動態の両面について好転させたいと考えています。 また、並行して、変化する経済、社会情勢に応じた都市構築を進め、人口減少時代における地方都市のモデルとなるような持続可能なまちづくりも目指します。そして、それを実現するためにも、都市再生推進法人など、前向きに取り組むさまざまな主体と連携し、和歌山市の未来のためにさらなる気概と情熱を持って、これまで取り組んできた地方創生の取り組みをさらに深化させてまいります。 次に、子育て支援について2問いただいております。 まず、和歌山市では幼児教育の無償化についてどのように考えているのかとの御質問でございます。 昨年12月に閣議決定された新しい経済政策パッケージの中で、幼児教育の無償化について、2019年4月から5歳児、2020年4月から3歳から5歳児に対する保育料の無償化が示されています。また、ゼロ歳から2歳児についても、さらなる支援を検討しており、国の幼児教育無償化が大きく進展し始めています。 現在、本市では、子供の年齢にかかわらず、3人以上子供がいる世帯で第3子以降の子供が保育所等に在籍している場合は、所得に関係なく保育料を無償としています。 第2子については、非課税世帯に対して無償としていたところですが、平成30年度新規施策として、年収約360万円未満の世帯に拡大することとしました。 若い世帯が理想の子供数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が最大の理由であり、子育てと仕事の両立、子育てや教育に係る費用の負担が重いことが少子化問題の一因ともなっています。 幼児教育の無償化は、その有効な解決策の一つであると思いますので、国等の動向を踏まえ、積極的に取り組んでいきたいと考えています。 次に、和歌山市の待機児童の状況と解消に向けた取り組みはどのように考えているのかとの御質問でございます。 本市の待機児童の推移は、平成28年4月1日6名、同年10月1日261名、平成29年4月1日23名、同年10月1日123名でした。 そうした中、待機児童の解消に向け、民間保育所の施設整備時に定員の増員、さらに民間幼稚園には認定こども園への移行を推進したことで、平成29年度に定員を226人増員することができました。 一方、公立保育所についても、平成29年度中に乳幼児保育等の実施園をふやすなどした結果、待機児童数が前年と比較し減少傾向となりました。 今後につきましては、平成30年度は民間施設6園の施設整備等で98人、平成31年度には民間施設3園の施設整備により108人の定員増を見込んでいます。さらに、平成32年度には、公立認定こども園2園の整備により163人の定員増を見込んでおり、受け皿整備等による待機児童の解消を進めているところでございます。 次に、子供の貧困について、子供の貧困解決に向け、先進事例を参考に学習支援事業などを具体的な貧困対策を一歩でも進めるべきと考えるが、市長の考えをとの御質問でございます。 平成26年1月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、同年8月に子供の貧困対策に関する大綱が策定されました。 本市では、法の施行にあわせ、平成26年1月に子どもの貧困対策庁内連絡会議を立ち上げるとともに、平成28年5月に設立された子どもの未来を応援する首長連合に参画し、他の自治体と協同する中で情報共有を図っています。 また、本市においても、子供が生まれ育った環境による教育の格差、経済の格差等が子供の将来の生活に影響することのないよう、平成30年度に和歌山県と共同で、小学5年生と中学2年生、その保護者等に対し、子供の生活実態や学習環境、支援制度の利用状況等を把握するアンケート調査を実施することとし、その結果を分析した上で、必要な施策を検討していきたいと考えております。 最後に、健康長寿の推進と介護保険料の抑制について、介護予防を行うことにより、元気で健康を維持し、特定健診の受診率をより高め、病気の早期発見、早期治療を行い、重症化にならないように受診勧奨や保健指導を行うことで、結果として健康寿命を伸ばし、ひいては介護保険料を抑制すべきと考えるが、市長の考えはどうかとの御質問でございます。 健康長寿の推進については、日常的、継続的な介護、医療に依存しないで、自分自身で健康を維持し、自立した生活ができる期間をいかに長くすることができるかが大切です。そのための施策として、健康づくりの推進と生活習慣病の予防対策を推し進めているところです。 2025年の超高齢社会の到来に備え、健康づくりの推進として、WAKAYAMAつれもて健康体操、市民ボランティア養成講座、自主活動移行教室、国保運動教室、健康応援フェア、健康ウォーキングなどの各種講座、教室において知識や技術を学び、運動習慣を身につけ、自主的な活動に結びつけるとともに、人とのかかわりも深めていきます。 また、生活習慣病の予防対策として、がん検診の実施、まちぐるみの糖尿病予防対策事業、国民健康保険被保険者へ特定健康診査や特定保健指導の実施により、疾病を早期に発見し、発症及び重症化を防ぎます。 特定健康診査については、受診率の高い都市の状況を参考に、受診率の向上に努めます。 さらに、平成30年度からは、糖尿病性腎症に着目し、糖尿病の重症化リスクの高い被保険者に対して受診勧奨及び保健指導を行うことにより、人工透析等への移行を防止し、生活の質の向上を図ります。 次に、平成30年度から平成32年度までの第7期介護保険料については、市民の負担を考慮し、第6期と同額に据え置くことにしています。 今後も、予防介護のための健康づくりや生活習慣病などの予防対策により、健康長寿を積極的に推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(古川祐典君) 嶋本危機管理局長。 〔危機管理局長嶋本智行君登壇〕 ◎危機管理局長(嶋本智行君) 29番中尾議員の代表質問にお答えします。 防災対策について、南海トラフ地震が30年以内に70から80%の確率で発生すると予測されているが、事前にシミュレーションをし、先進事例を参考に受援計画を立てるべきと考えるがどうかとの御質問です。 大規模な災害が発生した場合、職員や庁舎の被災により行政機能が低下する中であっても、災害応急対策や被災者支援等の業務を行う必要があり、他の地方公共団体や民間企業、ボランティア等の応援を最大限活用することが求められています。 しかしながら、熊本地震等の過去の災害では、応援等の受け入れ窓口の不明確さや宿泊場所の環境整備の課題等により、外部からの応援を十分に活用できず、職員等の派遣を断らざるを得ない事態も発生しました。 大規模災害が発生した際に、外部からの応援を円滑に受け入れるため、受援計画の策定について取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(古川祐典君) しばらく休憩します。          午前11時25分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○副議長(井上直樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 南畑幸代君。--27番。 〔27番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆27番(南畑幸代君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、代表質問をさせていただきます。 まず、市長の政治姿勢についてです。 初めは、平和問題についてです。 核兵器禁止条約が2017年7月7日、ニューヨークの国連会議で採択され、核兵器が歴史上初めて明文上で違法なものとなりました。また、国際NGO核兵器廃絶国際キャンペーン--ICANがノーベル平和賞を受賞したことで、核兵器廃絶の流れが大きく広がっており、核兵器禁止条約の発効を目指して、多くの国の政府が努力を強めています。この条約は、50カ国の批准を得て発効するもので、2018年1月30日現在で5カ国が批准しています。 3月1日、静岡で3・1ビキニデーが開かれました。これは、1954年3月1日、アメリカによる太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験により、1,400隻以上の漁船と周辺に大きな被害をもたらしたことに起因しています。被災したマグロ漁船第5福竜丸の無線長だった久保山愛吉さんは、原水爆による犠牲者は私で最後にしてほしいと言い残して、被爆から半年後に亡くなりました。このビキニ事件は、日本の国民に大きな衝撃を与え、広島長崎を繰り返すなと全国に原水爆禁止の声が巻き起こり、原水爆禁止世界大会の開催に結びつきました。以来64年、3月1日に取り組まれてきております。 広島長崎の被爆者も、後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したいと切望をしています。ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名が取り組まれており、2020年までに世界で数億人を目指しています。全国の首長の署名は、昨年の9月議会で松坂議員が紹介した時点より増加し、ことし2018年1月8日現在で187の増、20の県知事を含む1,015の首長が署名しています。和歌山県内でも、30市町村のうち23の首長が署名をしています。 残念なことですが、日本の政府は条約に背を向けています。今こそ、核兵器廃絶の世論と運動が重要な時期に来ていると思います。 昨年9月議会での松坂議員の、市長にヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名に署名をしていただきたいがどうかの質問で、市長は、「現在の国際状況も考慮しながら、この国際署名の取り扱いも含め、核兵器廃絶の願いを伝えることができる方法を考えてまいります。」と答弁されました。 私も、核兵器のない世界の実現を一歩でも早く進めるよう、ぜひとも市長として署名も含め積極的に取り組んでいただきたいと思い、お聞きしたいと思います。 1、核兵器廃絶について、市長としてどのような立場に立つのか、署名も含めて積極的な行動をとるべきだと思うがどうでしょうか。 次に、社会保障の問題です。 まず初め、医療介護についてです。 2014年に制定された医療介護総合法によって導入された地域医療構想が、この新年度から本格的に始まります。これは、医療法や介護保険法など19の法案を取りまとめたもので、この内容に従って各法が改定されています。 2018年度は、医療行為などに支払われる診療報酬と介護保険を利用した場合に支払われる介護報酬の同時改定の年で、受診も介護利用も控えさせるような改悪が検討されています。市民に大きな影響が考えられると思われますので、質問をしていきます。 1、地域医療構想について。 医療保険改悪法によって内容を大幅に改変した新しい医療費適正化計画が始まります。高齢者のピークとされる2025年に向け、病床機能の再編を進めるため、都道府県が計画を作成し、市町村も同じく実施に関する計画を作成することを定めています。 これは、財政削減を目的に、国が示した人口推計や医療データを機械的に当てはめたもので、地域性は考慮されていません。 政府は、ここ2年間を集中的な取り組み期間として位置づけ、補助金をつけて入院ベッド機能の転換や廃止を進める計画です。構想では、削減した入院ベッド分は、在宅医療と介護でカバーするとしています。 和歌山県のホームページによりますと、2016年5月、県は2025年までに病院のベッド数を約9,500に削減する和歌山県地域医療構想を策定しています。 県地域医療構想は、和歌山県内を7つの地域に分け、それぞれの地域で入院ベッドを4つの機能に分けて、目標とする計画の数字を掲げています。7つの地域は圏域と呼ばれ、7つの市を中心とし、入院ベッドの機能の区分は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期となります。 2014年7月時点の県下の病床数は、一般病床、療養病床合わせて1万2,540床です。構想では、これを7つの医療機関ごとに2025年時点の必要ベッド数を推計し、今後10年かけて約9,500に削減していくとなっています。 和歌山市には、大きな病院が4つありますが、ベッド数の削減の役割を担わされることが予測され、削減による救急医療などへの影響はないのか、安心して医療にかかれる環境が悪化するのではないのか懸念されます。 そこで、お聞きいたします。 1、県策定の地域医療構想の内容と、市に関する内容はどのようなものか、必要な医療が保障されるのでしょうか。 2、地域医療構想に対する市長の認識はどのようなものでしょうか、市長として、国に意見を言うべきではないのでしょうか。 次に、介護保険制度についてです。 地域包括ケアシステム強化法により、年収が一定額を超える方--年金収入が280万円以上--の介護サービスの利用料を、2015年8月から2割に引き上げられています。さらに、そのうちの一定以上の所得者は3割負担に引き上げられる計画です。また、特養入所者は要介護3からとしていることや、廃止を決めた介護療養病床の転換先として、介護医療院という新しい介護保険施設を導入すること、また、介護認定率の低下などで給付適正化の努力をした自治体に予算を優先的に配分するなどとされています。 和歌山市の第6期高齢者福祉計画・介護保険事業計画によると、2017年の総人口は37万1,816人、高齢化率29.28%、介護認定率は23.2%となっています。2025年では、総人口は35万368人で、高齢化率は30.17%で上昇しており、介護認定率も27.5%と上昇しています。高齢化が進めば認定率も上昇するとの推計です。 介護サービスについては、これまでも改悪が行われ、要支援1、2の介護サービスを保険給付から外し、無資格者が行う基準緩和サービスへの置きかえなどを進めてきました。 和歌山市として、介護認定率の低下や特養入所制限など進めれば、安心して介護が受けられない状況が広がるのではないかと懸念されます。 それでなくても、介護保険制度については、保険あって介護なしの思いが広がっており、使うときには、なかなか使えない、そういう不満が広がっていく、そういう不満が一層これからも広がっていくやり方ではないかと思います。 そこで、お聞きいたします。 介護認定について、市として、どのように取り組んでいくのか。特養への入所の制限や在宅への流れが進められていくと思うが、必要な介護が保障されるのか。 2、このような国や県の計画に対し、意見を言うべきだと思うがどうか。 次に、国民健康保険についてです。 国民健康保険料が高過ぎて払えない、引き下げてほしいとの声が多くの方から寄せられています。 国民健康保険の加入者は、年金生活者などの無職、非正規労働者などの被用者が合わせて8割近くを占めるようになっています。 国保が始まったときの政府は、無職者が加入し、保険料に事業主負担がない国保を保険制度として維持していくには相当額の国庫負担が必要であると宣言していました。これは、1962年の勧告によります。しかし、1984年の国民健康保険法改悪で、国保の総会計に占める国庫支出の割合が下がっています。 加入世帯の貧困化と国の予算抑制が同時並行に進む中で、国保の1人当たりの保険料は急激に上がり続けてきました。にもかかわらず、国の支出金が現状に見合ったものになっていないため、加入者負担が増大する原因となっています。 ことし4月から、国民健康保険の広域化が進められます。県は、市町村の医療費格差があることから、2018年度の保険料は統一しない、しかし将来的には2027年度の期間で保険料の統一を目指すとの見解を示しています。 国は、2018年度に関しては、一般会計からの繰り入れ等を制限するものではない、また、2018年度に関しては、被保険者一人一人が受け入れられる保険料負担という観点から、法定外繰り入れのほか、財政調整基金の取り崩しや保険料の算定方式、個別の保険料減免などについて、激変を生じさせない配慮を求める--国保実務10月2日付--としています。 国民健康保険制度は、法に明記された社会保障制度であり、その名にふさわしい制度として運営されるべきです。年金の引き下げや消費税の引き上げなど、市民の暮らしは今後ますます厳しい状況となっていくことが予想されます。和歌山市の国保料は、引き上げるべきでなく、払える保険料とすることが求められます。 そこで、お聞きいたします。 1、厚労省は、国保の広域化により保険料が引き上げられることのないよう、激変を生じさせない配慮を求めるとしています。市としてどんな対策をするのか。市長の認識はどうでしょうか。 2、高過ぎる国保料を1人1万円引き下げるべきだと思うがどうでしょうか。 次に、生活保護制度についてです。 国は、来年度予算案で、生活保護の生活扶助基準を一般低所得世帯、所得が最も少ない10%の層に合わせるとして、生活保護の生活扶助基準を最大5%引き下げる予算が審議されています。都市部の単身世帯を中心に約7割の世帯が引き下げとなり、児童扶養加算や母子加算が減額されるなどの内容となっています。厚労省の試算によると、都市部では、親子4人、40代の夫婦と小中学生の子供の場合、年間10万8,000円の削減になります。 大阪のあるシングルマザーの方は、一般低所得世帯であったころの私は、今より8キロ以上痩せていました。子供たちを食べさせるために、自分は余り食べず、一番つらかったのは、3年間、無保険で幼い子供を一度も病院に連れて行けなかったことです。生活保護を利用して子供に食べさせてあげられる安心感は母親として幸せだった。国には、そんな生活が人として健全な暮らしかどうか、目を向けていただきたい。本当に必要な対策は、生活保護費を下げることではなく、保護受給世帯や低所得世帯の生活実態を把握して、考えていくことではないでしょうかと集会で話されています。私もそのとおりだと思います。 また、生活保護を利用できる資格のある人のうち、実際に利用している割合、捕捉率について、厚労省が2010年に発表した報告書では、所得のみで推計すると生活保護の利用は15.3%としています。 生活保護の基準額は、医療や介護、保育、就学援助や最低賃金、住民税など多くの制度の基準となっています。保護基準が下がれば、国民生活への影響は甚大です。利用者だけの問題ではありません。生活保護は、憲法第25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットです。 憲法第25条が定める健康で文化的な生活ができる生活保護制度を実現するため、生活保護基準の引き下げはやめるべきだと思います。 そこで、お聞きします。 1、市長は、生活保護を受けることは当然の権利だとの認識はありますか。 2、現在の生活保護基準は健康で文化的な生活を保障していると思うのか。また、国の一般低所得世帯に合わせて生活保護費を引き下げるというやり方はおかしいと思わないか。 3、現在、市の生活保護の捕捉率の改善はどうなっているのか。市として努力している点はあるのか。 次は、環境問題についてです。 まず、産廃建設計画についてです。 計画が明らかになってから丸7年になります。この間、住民の皆さんは、計画の危険性を明らかにする科学的な根拠を、専門家の力をかりながら調査、学習を積み上げ、議会にも働きかけ、多くの方からの署名を集める等の反対運動を展開してこられました。今も、署名はもちろんのこと、毎月、駅での街頭宣伝や宣伝カーで市内を巡回するなど活動を続けておられます。 事業者は、昨年4月、林地開発の事前協議書を提出しており、現在、関係各課や地元住民などと協議中となっています。 市は、事業者に対し、紛争予防条例に基づく指導、助言を2回通知しましたが、事業者は計画を諦めてはいません。和歌山市議会としても、2015年12月議会で、山口地区に計画されている産廃処分場建設について、建設反対決議を上げています。建設されれば半永久的に存在し続け、環境破壊や計画地の崩壊など多くの危険性がある産廃計画は、何としても建設させてはならないと思います。 そこで、お聞きいたします。 林地開発の事前協議手続、紛争予防条例に基づく指導、助言が行われているが、事業者に対し、計画を断念するよう伝えるべきだと思うがどうでしょうか。 次に、メガソーラー建設計画についてです。 2018年度の当初議会に和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例の制定についてが提案されており、対象面積が25ヘクタール以上となっています。 有功地域の計画は72.5ヘクタールです。事業者は、昨年10月に県に林地開発の許可申請を提出しましたが、県は補正文をつけて返却しており、現在も補正期限が延長されていると聞いています。とすれば、有功地域の事業計画が、この条例の対象となる可能性があるのではないかと考えています。 県の補正文についてですが、開発行為の区域内の権利者等の同意書の添付として、和歌山市管理の里道、水路の施工同意書としています。 森林法の施行規則、開発行為の許可の申請の二に「開発行為に係る森林について当該開発行為の施行の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていることを証する書類」との記載があります。計画地内には、和歌山市が所有している里道、水路が存在しており、権利者の同意が必要となっているということです。 12月議会の私の質問で、建設局長は「指導に対して対処できていない場合は、申請を受理できないものと考えます。」と答弁されています。森林法の施行規則にあるように、市自身も権利者として同意できないことを明言できるのではないのか、なおかつ計画隣接自治会や水利組合も土砂災害の危険等から反対をしています。県が求めている書類が整わないのであれば、これ以上、林地開発の許可申請を進められないということが明らかなのではないでしょうか。 そこで、お聞きいたします。 市長として、事業者に対し、住民の暮らしと安全を守る立場で、同意しないということを明言すべきではないのでしょうか。 最後に、同和行政についてです。 日本共産党市議団は、同和対策事業の根拠となっていた国の法律が1997年3月末をもって終了という前後を通じ、特別措置法に基づく同和対策事業を和歌山市でも終結するよう求めてまいりました。 事業を継続することが地域住民の自立を阻害する、あるいは新たな障害になり、解決をおくらせかねないという意見具申の趣旨を受けとめ、同和行政は、地区住民が特別法に頼らず、自立して生活できる状態をつくり出すという目的からすれば、事業を終結し、市民全般の事業の中で、誰もが納得できる基準に基づく施策の充実を図るべきだと思います。 にもかかわらず、20年を超えた今も、市が地域を指定して、地域子ども会への補助金や住宅家賃の減免制度などが継続されています。そのことが、市民の間に新たな垣根をつくり、同和問題の解決をおくらせており、是正が求められていると思います。 市が外部に委託をして市政運営を監査する包括外部監査は、2006年に「市営住宅の建設及び管理に関する事務について」の結果報告書を策定しています。 監査の結果及び意見として、住宅管理第2課の管理する住宅の家賃減免は、「著しく安い家賃設定となっている。従来は一定の必要性があり、上記の扱いをしてきたのは理解できるが、現在は入居者の中に収入超過者や高額所得者も住んでいる状況であり、住宅困窮の状況は一般市営住宅と比較しても差は少ないと思われる。また国の同和施策も終了し、現在全国的にその扱いが見直されてきていることや市の調査ではこのような特別の減免制度を設けていない市も多数あることを勘案すると和歌山市においても、このような特別の扱いについて見直すことが必要である。」。非常に安い公営住宅をさらに減免している状況であり、公平性から問題があるとして、今後も引き続き検討すべきであるとしています。 また、市営住宅附属の駐車場については、住宅管理第2課において、「既存住宅においても自動車駐車の実態調査と駐車スペース確保の可能性について検討を行い、使用料が徴収できるように取り組む必要がある。」との意見です。 一定の改善はあるものの、指摘にはほど遠い状況となっています。 2013年9月議会の森下議員の質問で、駐車場料金徴収については早急に実施できるよう指示していると大橋前市長も答弁しています。住宅家賃の減免制度や駐車場料金の徴収など速やかに廃止し、一般施策に移行すべきだと思います。 そこで、お聞きいたします。 1、市長は、この包括外部監査の指摘をどう受けとめていますか。 2、指摘を受け、速やかに是正し、一般施策に移行すべきだと思いますが、どうでしょうか。 以上をお聞きして、代表質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 27番南畑議員の代表質問にお答えします。 まず、平和問題について、核兵器廃絶について、市長としてどのような立場に立つのか、署名も含めて積極的な行動をとるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 核兵器廃絶については、広島長崎の核の惨禍が二度と繰り返されないよう、核兵器なき社会の実現を強く望んでいます。 本市としましては、恒久平和の実現が重要であるとの認識から、平成4年5月1日に日本非核宣言自治体協議会に、平成22年5月1日に平和首長会議に加盟しており、今後も引き続き参加してまいります。 ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名につきましては、国際状況を配慮しながら考えてまいります。 本市の平和事業としましては、毎年、市役所1階ロビー及び市民ギャラリーにおいて、広島平和記念資料館から資料提供を受け、原爆写真展を開催し、広く市民に知っていただくよう努めています。 また、より市民に非核平和への認識を高めてもらえるよう、広島だけでなく、長崎についても、長崎原爆資料館から資料の提供を受け、原爆写真展を開催できるよう協議を行い、非核平和事業の拡充を図るとともに、より多くの市民の方々に見学してもらえるよう周知、啓発に努めてまいります。 次に、社会保障について5問いただいております。 まず、地域医療構想に対する市長の認識はどのようなものですか。市長として、国に意見を言うべきではないのかとの御質問でございます。 団塊の世代が75歳以上となる2025年には、全国的に医療介護需要がピークを迎えることが見込まれています。そこで、2014年に成立した医療介護総合確保推進法に基づき、限られた医療介護資源を効率的に活用し、将来の目指すべき医療機能提供体制として、各都道府県において地域医療構想を策定することになりました。 和歌山県は、圏域別検討会において聴取した各圏域における医療の実情を踏まえ、2016年5月に和歌山県地域医療構想を策定しました。この地域医療構想は、二次保健医療圏ごとに各医療機関が機能分化と連携を図り、高度急性期、急性期、回復期、慢性期から在宅医療に至るまで、将来の医療需要を踏まえた、患者の病状に合った質の高い医療提供体制を構築しようとするものであります。 しかし、本市といたしましては、病床の機能分化、再編については、地域の実情に即したものとするよう、全国市長会を通じ、国に申し入れているところでございます。 市民にとって必要な医療が適正に確保されることは、市民の健康と安全、生命を守る上で極めて重要なことですので、今後も必要に応じ、国に対して要望してまいります。 次に、国民健康保険について、厚労省は、国保の広域化により保険料が引き上げられることのないよう、激変を生じさせない配慮を求めるとしている。市としてどんな対策をするのか。市長の認識はどうかとの御質問でございます。 国民健康保険の広域化に伴い、前期高齢者交付金が、従前の市町村単位の交付から都道府県への一括交付となるなど、本市の保険料負担が増加する要因が存在することから、私の指示のもと、被保険者の保険料負担が激変することを回避するため、県への意見書を提出し、何度も協議を重ねながら強く働きかけてきました。 その結果、今般の新制度施行に伴い、県へ納める国民健康保険事業費納付金の算定において、激変緩和措置の実施期間を6年から9年間へ延長し、財政調整として、保険料が引き下げとなる市町村に下限を設定することにより生じる余剰財源を、保険料が引き上がる市町村に手厚く配分するなどの措置方法の見直しが講じられたと考えております。 次に、高過ぎる国保料を1人1万円引き下げるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 国民健康保険料の1人1万円の引き下げは、1人当たりの医療費の増加などが見込まれる厳しい現状においては困難と考えます。 今後とも、引き続き被保険者の保険料負担の増加を極力抑制していくよう取り組んでまいります。 次に、市長は、生活保護を受けることは当然の権利だとの認識はあるのかとの御質問でございます。 生活保護制度は、社会保障制度の一環として、最低限度の生活を営む権利を保障するセーフティーネットとして制度化されたものであり、必要とする方にとって認められるべき当然の権利であると認識しております。 次に、現在の生活保護基準は健康で文化的な生活を保障していると思うのか。また、国の一般低所得世帯に合わせて生活保護費を引き下げるというやり方はおかしいと思わないのかとの御質問でございます。 生活保護基準は、国において定められた基準であり、地域による基準額を初め、さまざまな要件を踏まえて加算が設定されていることから、個々の生活に細かく対応していると考えています。 また、厚生労働省の社会保障審議会において審議を尽くされたもので、外部の識者等の意見も反映し、適切に定められていると考えています。 次に、環境問題について2問いただいております。 まず、産廃建設計画について、林地開発の事前協議手続、紛争予防条例に基づく指導、助言が行われているが、事業者に対し、計画を断念するよう伝えるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 計画地の林地開発については、平成29年4月に和歌山県から事前協議に関する意見照会があり、開発行為による影響や対策について、地域の方々の意見や要望を十分考慮し、平成29年5月に県に意見を提出しているところです。 また、和歌山市産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防に関する条例第11条の規定に基づき、平成29年7月及び9月に、事業者に対し、指導、助言を行っております。 産業廃棄物最終処分場の設置許可については、国からの法定受託事務であり、現行法令の許可基準に基づき厳正な判断が求められると考えており、今後も地域の方々の御意見を十分尊重し、市として慎重に判断してまいります。 次に、メガソーラー建設について、市長として、事業者に対し、住民の暮らしと安全を守る立場で、同意しないということを明言すべきではないかとの御質問でございます。 有功、直川地区の太陽光発電計画に係る林地開発許可申請書は、事業者から県に提出さされ、県は申請に必要な書類が添付されていないなど、事業者に対し補正を求めており、現在、事業者は書類を整えるために、市に関係する書類の審査を求めている状況です。 このうち、市の行政財産である里道の公用廃止申請については、関係自治会の同意書等が整っておらず、対処されない場合は同意できないと考えています。 最後に、同和行政について、市長はこの包括外部監査の指摘をどう受けとめているか。指摘を受け、速やかに是正し、一般施策に移行すべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 包括外部監査の結果と御意見は重く受けとめ、地域住民の実情を把握しながら、段階的に取り組みを進めてまいりました。 今後も、入居者の高齢化や若年層の転出などによるコミュニティーバランスの低下に配慮しつつ、住宅施策を進める必要があると考えております。 以上でございます。
    ○副議長(井上直樹君) 川口健康局長。 〔健康局長川口雅広君登壇〕 ◎健康局長(川口雅広君) 27番南畑議員の代表質問にお答えします。 社会保障について、医療介護について2点いただいております。 まず1点目、地域医療構想について、県策定の地域医療構想の内容と、市に関する内容はどのようなものか、必要な医療が保障されるのかとの御質問です。 和歌山県が2016年5月に策定した和歌山県地域医療構想は、和歌山県における2025年の医療需要を踏まえた医療機能別必要病床数を推計し、将来のあるべき医療供給体制を実現するための施策を示しています。 策定に当たっては、2015年に設置した圏域別検討会において、各圏域における医療の実情を聴取しています。 毎年、実施している病床機能報告によると、和歌山市、海南市及び紀美野町から成る和歌山保健医療圏では、2016年7月1日現在の許可病床数は6,074床で、このうち稼働している病床数は5,733床であり、地域医療構想では、2025年の必要病床数は4,961床と見込んでいます。 現在、今後増加が見込まれる回復期や在宅医療等の新たに必要なサービスを確保し、市民が将来にわたり安心して医療、介護サービスを受けることができるよう、圏域における地域医療構想調整会議において、全関係機関参加のもと、病床機能の転換と連携の強化や在宅医療の充実の推進を図っています。 今後は、さらに市民が住みなれた地域で切れ目なく必要な医療と介護を一体的に受けることができるよう取り組んでまいります。 次に、2点目の介護保険制度について、国や県の計画に対し、意見を言うべきだと思うがどうかとの御質問です。 介護保険制度について、必要な方に必要なサービスを受けていただけるような制度を維持するため、今後とも本市から和歌山県市長会や和歌山県都市福祉事務所長連絡協議会を通じ、国に要望を行ってまいります。 以上でございます。 ○副議長(井上直樹君) 川崎福祉局長。 〔福祉局長川崎秀行君登壇〕 ◎福祉局長(川崎秀行君) 27番南畑議員の代表質問にお答えします。 社会保障について、現在、市の生活保護の捕捉率の改善はどうなっているか。また、市として努力している点はあるかとの御質問です。 厚生労働省において、一定の資産の保有要件も考慮した場合、生活保護基準未満の低所得世帯に対する被保護世帯数の割合が得られたという結果が過去に示されています。 また、推計した保護世帯比は、申請の意思がありながら生活保護の受給から漏れている要保護世帯をあらわすものではないが、こうした現状把握の指標として捉えるべき一つの数値が明らかになったことを踏まえた対応が必要であるとの見解も同時に示されており、ある程度本市の実態を捉えたものであると考えています。 本市としては、生活保護が支援を必要とする人が当たり前に生活するための最後のセーフティーネットであることから、各課からの情報提供を受けるなど、対象者の把握に努めております。 なお、制度の周知に向けた取り組みとして、相談時に保護のしおりを配布し、生活保護課受付にも常置します。 以上でございます。 ○副議長(井上直樹君) 次に、山本忠相君。--20番。 〔20番山本忠相君登壇〕(拍手) ◆20番(山本忠相君) 改めまして、こんにちは。誠和クラブの山本忠相でございます。 地蔵の辻の早咲き桜も見ごろを迎えておりましたが、恐らく残念ながら、きょうの雨風で散ってしまったのかもしれません。早いもので、季節がもう1周しようとしております。 「会者定離 ありとはかねて聞きしかど 昨日今日とは思わざりけり」、これは浄土真宗の開祖、親鸞聖人が残されたお歌です。出会った人とは必ず別れなければならないという意味であります。 ことしも、この議場にいらっしゃる方から、平田会計管理者、田又財政局長、川口健康局長、巽建設局長、大浦消防長、以上5名が退職されると聞き及んでおります。また、ここにはいらっしゃいませんが、部長を初め職員の皆様に対しましても、これまで長きにわたり奉職されましたことに衷心から感謝と敬意を表します。今月末をもって任を離れられる皆様には、御健康に留意をされ、これからの日々、幸多からんことを願い、再び奉職される皆様には、ますますの御健勝を御期待申し上げるところであります。 さて、尾花市政が始まって4回目の予算編成、1期目の集大成、締めくくりとなる予算で、さぞかし気合いを込めて編成されているものと存じております。 恐らく市長もそうであるように、私としても、これまでの4年間を振り返り、これから先を見据えるために、本市を取り巻く外部環境を見ておきたいと思います。 まず、現時点での国内の経済動向ですが、市長就任の約2年前、2012年12月、年末に第2次安倍内閣が発足しました。翌年4月から、2年で2%のインフレを目指して黒田日銀総裁が量的質的緩和策を実施、円安に誘導することでインフレ予想の上昇を狙いました。円安誘導で輸入物価が上昇し、インフレが高まり、輸出量も増加する、需給ギャップの改善に寄与する、そんなもくろみで始まった緩和策により、1年で予想どおりに消費者物価指数が前年比1.5%まで上昇しました。 実質で30%もの大幅円安となって輸出量が増加し、その結果、生産が拡大、雇用者の所得が増加することを想定し、円安で輸入物価が上昇しても、雇用者所得の改善で打ち消されれば消費も回復するはずでしたが、実際には円安による輸出企業の利益が膨らむだけで、輸出量そのものは全くふえず、雇用者所得の増加は限られ、購買力が悪化した家計は消費を抑えざるを得なくなったというのが現在の一般的な市民生活の日常です。そんな状況が重なり、日銀は物価上昇率2%の目標達成を今日までに6度も見送りました。 かつて5%前後だった失業率は、昨年12月には2.8%にまで下がっています。にもかかわらず、賃金は上がらない。それはなぜか。非自発的な離職者、つまり会社をやめたくもないのにやめざるを得なくなった失業者が依然として55万人以上もおり、企業側からすると、賃金を上げなくても働きたい人がたくさんいるということで賃金が上がりにくくなっていること。また、正規雇用の仕事がなく、仕方なく非正規雇用となっている人が、2017年4から6月期で完全失業者を大きく上回る285万人もいる。非正規で働いてる人や、出産、育児、介護、看護のために働きたくても求職活動をしていない人も含めた広い意味での失業率は、もっと高くなります。結果、労働力の需要と供給のバランスが悪く、人手不足が明らかな状況で雇用をふやそうとすれば賃金を上げる必要が出てきますが、働きたくても求職活動をしていない人や本人の望む雇用形態で働けてない人が多くいる状況では、賃金が上がりにくい状況になっていると言えるのではないでしょうか。 国の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの黒字化2020年度達成としてきた目標を5年おくらし、さらに2年おくらし、2027年度としました。内閣府がこれまで発表してきた財政試算と実測値を比較しても、試算の下限を実測が下回る年度の多いことがわかっています。国の財布が厳しければ、基礎自治体の財源となる地方交付税なども見直される可能性を考慮しなければならないと思います。 国連の新基準による数値を採用した名目GDPは一気に30兆円も増加しましたから、その算定方法の変更で激変するような指標を目標にするのはいかがなものかという意見もありますが、そうして出された2020年名目GDP600兆円の目標実現も怪しくなってまいりました。 待機児童ゼロの目標は今年度末でしたが、達成が困難ということで3年先送りし、2020年度末になりました。 2013年に、10年後の農業所得倍増を掲げましたが、思うような成績が出ていません。それどころか、政府が行った農村所得の計算方法に疑問が呈されたり、輸入自由化促進との矛盾を指摘されたりする始末です。 施政方針でも述べられましたが、政府は東京圏への転入超過をプラス・マイナス・ゼロにするという方針を示していましたが、2016年では東京圏への転入超過が約12万人にも上り、22年連続の転入超過となりました。 総務省によると、転入者の多くは15歳から29歳の若年層が占めているとのこと。就学、就職のために、本市からも多くの若者が東京へ吸い上げられてしまっているのでありましょう。私も、18歳で東京へ出て、27歳で戻ってまいりましたが、この仕事を目指していなければ、そのまま東京に居ついてしまったかもしれません。 大学を卒業した後の就職口の多くが東京など大都市にしか見出せない間は、政府が目指す転入超過の解消は無理だと思います。小さな東京本社にするように、例えば、地方に実質的な本社機能を移し、社員の多数がそこで勤務しているという状態を実現できるよう誘導するために、法人税率に東京と地方で傾斜をかけるといった動機づけをしなければ、人も企業も動かないのだろうというふうに思います。 さて、本市の現状について、述べたいと思います。 尾花市長就任直後の市報わかやま平成26年9月号には、人口36万4,574人、世帯数15万6,075世帯と書かれていました。直近の平成30年3月号では、人口35万9,234人、世帯数15万4,014世帯と書かれています。つまり、人口は5,340人減、世帯数では2,061世帯の減となっています。 第5次長期総合計画では、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口とともに、本市独自の目標人口も掲げられています。グラフに照らし合わせてみる限りは、35万9,000人はそのライン上にあると思われますが、細かい数字がわかりませんので、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口をもとに考えてみます。 2015年を軸に、前後10年、20年を比較したいと思います。1995年と比べて、2015年は人口マイナス8%であり、2035年はマイナス18%になると推計されています。15歳から64歳の生産年齢人口、消費年齢人口は、1995年を100とすると2035年には61にまで低下し、85歳以上の人口は、1995年を100とすると2035年には580になります。 明治22年4月の市制施行以降、今のように大きく人口減少したのは、第2次世界大戦の期間を除いてありません。人口全体が減少しつつ、その中で65歳以上の割合が3割を占めているような状況は、過去にはなかったと思いますが、このことについて市長の見解を伺います。 今さらかもしれませんが、我々は今まで人口がふえるということしか経験してきませんでした。初めての大幅な人口減少、高齢者が大きな割合を占めている状況に、今までと同じ感覚、同じやり方で市政を運営していては乗り切れないのではないかと考えます。 人口がふえてくれることはありがたいことです。我々人間が政策を打ってふえるなら、それにこしたことはありません。和歌山市だけで見るのではなく、日本全体を俯瞰するとき、政策だけで人口がふえるのでしょうか。私は、人口減少問題を考えるとき、俗な言い方になりますが、神の領域の話だと思っています。 全国の自治体を見ると、子供の数が町の将来を左右するということで、子育て世代を優遇する政策を次々と打ち出しています。子供3人目に100万円贈呈から始まり、こども医療費の無償化、保育料2人目半額、3人目は免除など、オセロのように我も我もと政策が実施されています。 20歳代、30歳代前半の子育て世帯の多くは所得も高くないため、持ち家率は低く、賃貸に住んでいます。その場所にしがみつく必要はないので、環境のいいところや家計に優しいところ、保育所に入りやすいところなど、その家庭のニーズに見合った町を選ぶことができます。その状況を見ていた後発組は、それと同等の施策を、財政に余裕のある町はそれ以上の施策を打ち出して、子育て世帯優遇の都市間競争となりました。やがて、それが全体に広がって、都市間の差がほぼなくなってしまいました。そんな状況を見て、国は保育料無償化など子育て世帯支援策を制度化しました。これによって、都市間競争における子育て世帯の優遇というカードが失われ、違うもので勝負をしなければならなくなったのです。 我が国は、戦後の復興から高度経済成長を経て、高成長な時代を過ごしてきました。バブル崩壊、リーマンショックを経験し、失われた20年ないしは失われた30年と言われる時代の中に生きています。とはいいながら、高い成長は失われたものの、それでも非常に恵まれた状況にあるということは間違いありません。量的に成長する社会から質的に成長する社会、すなわち成熟社会へと移り変わる中に、いや既にその成熟社会の中に我々は身を置いているというふうに思います。 弥生時代から、人間は、家族や「ムラ」や「クニ」といった集落において集団で生活をし、共同体をなして、支え合いながら生きてきました。集団の中で、その集団が少しでも豊かになるように田畑を耕し、収穫量をふやす努力をしてきました。その遺伝子が、今日までの経済成長を後ろ支えしてきたことは言うまでもありません。 経済成長により、食に困らない生活を送れるようになった人は、集団の中で支え合いながら生きる状況から、集団との関係が薄くなり、個人の責任で生きていくように変質したのです。例えば、隣近所助け合って生活してきた地方は、高齢、過疎化で成り立たなくなり、崩壊したところもあります。家族は、3世代同居の大家族から核家族、さらに進んで家庭を持たないひとり暮らしの個族へと変化してきました。豊かになったはずの社会や国は、少子化、高齢、過疎化など、さまざまな問題が表面化しました。成熟すれば得られると考えていた幸せな人生や豊かな社会とは、縁遠い現実が出現してきています。 さて、私が何を言いたいのかというと、これまでの延長線上で和歌山市の未来像を考えることから変わりませんかと申し上げたいのです。IT革命だ、ICTだ、IoTだ、AIだという言葉が飛び交っていますが、これらを活用しても過去のように大きな経済成長は再びやってこないと思います。 平成28年の簡易生命表によると、38歳男性の私は、統計上あと41.88年生きられるそうですが、恐らくその間にはないと思わざるを得ない明るい未来を期待し得ない感にとらわれます。 先ほども申し上げましたが、既に成長社会から成熟社会へと変わっています。我々は、成熟社会への対応にかじを切らなければならないと思います。人口減少を受け入れる、低成長社会を容認する。経済成長のない社会はだめなように言われますが、本当にだめなのでしょうか。低成長社会を我々は怖がらなければならないのでしょうか。今でも十分恵まれているのに、これ以上何を求めていくのでしょうか。人口減少は、イコール国家の衰退でしょうか。戦後72年、人間に例えるなら72歳。72歳の高齢者はみすぼらしいでしょうか。そんなことはありません。さまざまな経験から人生の酸いも甘いも知り、知恵と心理を見きわめる目を持つ、これを衰退と言うのでしょうか。市長の見解を伺います。 成熟社会であるという認識のもと、本市の現状を見ていきます。 尾花市長が就任されてから、大型施設、いわゆる箱物が多数整備をされ、また、されようとしています。建物の更新時期と市長の得意分野であることが重なっているのかもしれませんが、これには必然的に起債がセットになります。幾つか例を挙げますと、市民図書館の移転で21億2,210万円、市民文化交流センター建設事業で73億7,810万円、青少年国際交流センター建設事業で14億3,620万円、中央卸売市場建てかえ事業で71億410万円、河西ほほえみセンター建設事業で総額4億7,910万円、汐見更新住宅建設事業で15億6,570万円、岡崎団地第1期建てかえ事業で10億7,390万円。今、挙げた事業には、上下水道や道路、橋梁は省いています。 私が危惧するのは、これら事業に伴う起債がある一方、予算内示資料でもうたわれているように、実質的な地方交付税の減と国からの資金援助はますます厳しくなる見込みがある中で、どのように財政規律を保たれようとしているのか、お考えをお伺いします。 次に、予算査定についてです。 新年度も、さまざまな事業を計画されていますが、その中で、本当にちゃんと適正に予算査定をされたのだろうかと疑問を持たざるを得ないものがあります。一つだけ、やり玉に上げて申しわけありませんが、路線バスのロケーションシステムの導入です。ありていに言いますと、和歌山市に必要ですかという話です。 京都では、国内外の観光客が多く、生活の足である路線バスも観光客に占領されてしまう事態となっています。その上、自家用車の交通量も多く、遅延も多発している。例えば、四条河原町バス停は上下8カ所あります。京都駅から平安神宮に向かう中心部方面のバス停で、昼間1時間に7系統31本のバスが発着します。そのような状況では、ロケーションシステムの威力を発揮できると思います。 同じく、和歌山駅から動脈路線の和歌浦口方面、市役所前バス停には、昼間1時間に6系統8本走っています。果たして、本市のように、観光客がバスを占領するところまでいかない、道路も比較的順調という状況でどれだけ能力を発揮できるのでしょう。平日のラッシュ時とそれ以外、土休日のバス遅延はどの程度のものなのでしょう。国、県の補助金と事業者負担を含めて総額8,000万円もの予算を費やすロケーションシステムの導入は、本当に市民の要請に基づくものでしょうか。 一方で、廃止路線の代替交通機関として地域バスやデマンドタクシーで補っている現実がありながら、さして必要性がないと思えるバスロケーションシステムに8,000万円も費やすなら、そのお金で既存のバス路線の存続を補強するほうが有用であるというふうに考えますが、市長の見解を伺います。 市長は、新年度予算を未来に向けた成長を加速させる予算と位置づけると述べられました。動き出した町の成長をさらに加速させたいとの思いをお持ちのようですが、どこにどのような動き出した町の成長を見ておられるのか伺います。 まちなかの活性化という点で、3大学誘致や新市民会館の建設、リノベーションなどを挙げていらっしゃいますが、飲食という切り口で見ると、JR和歌山駅周辺の密度が高くなっています。ここに新内、鈴丸といった繁華街も隣接していますが、残念ながら元気がありません。平日には、客引きはいてもお客さんが歩いていないこともあります。酒屋さんからの情報では、書き入れどきのこの年末年始に30~40件ものお店が畳んでしまったそうです。飲食店は2年以内に約半数が廃業するという数字がありますが、経営上、年末年始を迎えられなかったのでしょう。本市一番の繁華街がにぎわいのない状態でいいのかと思うところですが、市長の見解を伺います。 最後に、「子供たちがいきいきと育つまち」について伺います。 子育てに関するさまざまな事業を行っていくという方針をお示しいただきました。ただ、1点気になったのは、過去2回使われてきた子育て環境日本一という大目標の言葉が一度も出てきませんでした。使われなかったことに何か理由があるのか、お聞かせください。 今回は、本市の未来像についてと題して質問をさせていただきました。市長は、任期が終わればお役御免となりますが、市民は他市へ転出しない限り市民をやめることができません。 人口減少や成熟社会への転換など、パンドラの箱を開けてしまいました。悲しみ、不安、争い、後悔など、あらゆる災いが出てしまいました。一度閉めてしまったそのふたをあけて、全てを出してしまいましょう。最後に残っているのは希望なのです。次代に希望を残す、そんな市政にしていただきたいと申し述べて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 20番山本忠相議員の代表質問にお答えします。 本市の未来像について7問いただいております。 まず、人口全体が減少しつつ、その中で65歳以上の割合が3割を占めているような状況は過去になかったと思うが、このことについての市長の見解はとの御質問でございます。 全国的に人口減少が進む中、本市においても、昭和60年に40万人を超えていた人口が、平成27年の国勢調査によると36万4,154人まで減少しております。同時に、本市の総人口に占める65歳以上の割合は年々増加し、同じく平成27年の国勢調査によると、全国を上回る29.3%となっていることから、本市では人口減少と高齢化が同時に進行しているという、これまで経験したことのないような危機的な状況を迎えていると認識しております。 このような状況が進めば、今後、後期高齢者医療など社会保障関連経費がさらに増加し、2040年には、高齢者1人を1.4人で支えなければならなくなるなど、人口構造の変化による難局の到来が予想されます。 この局面に対応するため、就職支援策の充実などに取り組むことで女性の社会進出を積極的に進めるとともに、高齢者が培ってきた経験や技能を生かし、経済や地域を支える担い手となりながら、健康で生き生きと自立した生活を送ることができるよう健康づくりの推進等にも取り組み、より多くの人々に活躍していただけるような社会の実現を目指してまいります。 次に、我々は成熟社会への対応にかじを切らなければならないと思う。人口減少を受け入れる、低成長社会を容認する。低成長社会を我々は怖がらなければならないのか。人口減少は、イコール国家の衰退ですか。市長の見解はとの御質問でございます。 本市の未来に向けたまちづくりの考え方として、人口減少に歯どめをかけ、将来に向かって活力ある和歌山市を維持するため、平成27年に和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。 また、昨年、市民の皆様や議員の皆様と策定した第5次長期総合計画においても、人口減少対策を最大のテーマとし、産業振興や子育て支援、魅力的なまちづくりに取り組むことで急激な人口減少に歯どめをかけるとともに、コンパクトシティの形成や高齢化対策など人口減少等にも対応し、安心して住み続けられる社会づくりを進めることとしています。 今後も、社会経済情勢などの変化に柔軟に対応しつつ、県都としてふさわしい都市機能の充実に取り組むとともに、本市の特性を生かして、利便性の向上やにぎわいの創出など魅力あるまちづくりを進め、人口減少時代においても、将来都市像であるきらり輝く元気和歌山市の実現に向けて努力してまいります。 次に、多くの起債がある一方、実質的な地方交付税の減など、国からの資金援助はますます厳しくなる見込みの中で、どのような財政規律を保とうと考えるのかとの御質問でございます。 本市においては、急激な人口減少に歯どめをかけ、将来に向かって活力ある和歌山市を維持するため、平成27年10月に和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略を、さらに昨年3月、第5次和歌山市長期総合計画を策定しました。その中で、目指すべき将来都市像として、きらり輝く元気和歌山市を掲げ、さまざまな施策を行っています。 特に、地方創生の流れをしっかりと捉え、設備投資への支援、国内外への販売力強化、人材の確保、さらには民間活力の活用などの取り組みにより地域産業の活性化を図ることで税収の確保に努めるとともに、事務事業の見直しや事務の効率化に取り組み、将来世代に負担をかけない、健全で規律ある財政運営を行ってまいります。 次に、国、県の補助金と事業者負担も含め、総額8,000万円もの予算を費やすロケーションシステムの導入は、本当に市民の要請に基づくものなのか。一方では、廃止路線の代替交通手段として地域バスやデマンドタクシーで補っている現実がありながら、さして必要性がないと思えるバスロケーションシステムに8,000万円も費やすなら、そのお金で既存のバス路線の存続を補強するほうが有用であると考えるがいかがかとの御質問でございます。 本市の路線バスは、市民の方々の日常生活における移動手段として、また、市外からの来訪者の二次交通として重要な役割を担っていますが、近年におけるモータリゼーションの進展や人口減少の影響を受け、バスの年間利用者数は、昭和55年度と比較すると約3割にまで減少し、採算性の問題から、バス事業者単体では、路線の維持、存続が困難な状況になっており、現在、2路線に対して補助金を交付しております。 また、路線バスが廃止された交通不便地域については、地域が主体となった地域バスの導入やデマンド型乗り合いタクシーの導入について検討しているところでございます。 平成27年度の公共交通機関に関する市民意識調査では、路線バスを利用しない理由として、運行時刻やルートを知らないという声や時刻どおりに走らないという声があり、バス利用者の減少は利用環境が不便であることも要因の一つと考えられます。 そこで、利便性向上策の一つとして、バスのリアルタイムの運行情報をスマートフォン等で取得できることにより、バス待ちに対する利用者のストレスや不安感を軽減するだけでなく、事業者がバスの運行データを分析することで、ダイヤの見直し等、定時性の向上にも有効であるバスロケーションシステムの導入に対する支援は必要であると考えます。 議員御指摘のとおり、バス路線を維持するためには、行政が財政支援することも重要ではありますが、それだけでは利用者の増加は見込めず、行政負担のみが増大し、持続可能なものにならないことから、赤字バス路線への支援を維持しつつ、利用者の利便性を高め、バスへの利用転換を促進することが重要であると考えます。 今後も、人口減少、少子高齢化は進行していくと予想され、車を運転できない方々が増加していくことから、公共交通の維持、充実に向けて取り組んでまいります。 次に、どこにどのような動き出した町の成長を見ているのかとの御質問でございます。 私が思う動き出した町の成長とは、例えば企業立地に係る投資の伸び、日本遺産認定による知名度の向上、まちなか3大学誘致の第1号の開校、新市民図書館の建設着手、待機児童ゼロに向けた取り組み効果があらわれ出したこと、健康体操への参加など健康づくりに取り組む高齢者の増加等です。 また、本市の商業地の公示地価が、平成28年に25年ぶりに上昇に転じ、2年連続上昇していることからも、私は、これまでの取り組みにより、さまざまな分野で町の成長が見え始めてきていると考えております。 次に、本市一番の繁華街がにぎわいのない状態でいいのかと思うところだが、市長の見解はどうかとの御質問でございます。 議員御指摘の新内、鈴丸といった繁華街は、ライフスタイルの変化や経済情勢などの影響もあり、以前に比べ、実感としても少し寂しくなったと感じています。 しかしながら、繁華街を含む夜の町のにぎわいは、国内外からの観光客の滞在時間の延長や消費の拡大にもつながるなど、町の魅力の一つとして重要であると考えています。 中心市街地を便利で魅力ある町とし、まちなか居住を進め、にぎわいの創出が図れるよう、現在、まちなかへの大学誘致、民間による再開発、市民会館などの公共施設の再編を進めているところです。 これらに加え、和歌山城の魅力のさらなる磨き上げや天守閣再建60周年事業などにより観光客を呼び込むとともに、空き店舗のリノベーションなどによるまちなかの回遊性を高めるまちづくりを通じて、夜の町のにぎわいにつなげていきたいと考えています。 最後に、子育て環境日本一という大目標の言葉が出てこなかったが、使わなかったことに何か理由があるのかとの御質問でございます。 未来の和歌山市を担っていく子供たちを育てることは、最優先で取り組まなければならないことの一つです。 平成30年度においても、妊娠期から子育て期までの切れ目のない子育て支援の充実、子育て支援と子供教育の拠点づくり、待機児童解消に向けた環境整備、子育て世帯への経済的支援など、子育て環境日本一に向け、取り組みを加速させようとしているところです。 子育て環境日本一という言葉は、議会の御審議をいただき、昨年3月に策定した第5次和歌山市長期総合計画に明記したこともあり、この言葉を使わなかったものの、子育て環境日本一に向けた取り組みは着実に一歩ずつ進んでいると思っており、今後も変わらず継続してまいります。 以上でございます。 ○副議長(井上直樹君) 次に、山野麻衣子君。--2番。 〔2番山野麻衣子君登壇〕(拍手) ◆2番(山野麻衣子君) 議長のお許しをいただきましたので、日本維新の会を代表いたしまして、通告に従い、質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 住みよい本市のまちづくりについてです。 皆さんにとって、住みやすい町とは、どんな町でしょうか。 自然、気候、食、子育てや高齢者に優しい町、魅力があふれる町、地域コミュニティーが盛んな町が一般的にイメージされるのではないでしょうか。 本市では、海、山、川と豊かな自然に囲まれ、温暖な気候に恵まれています。そして、新鮮な食材がたくさんあります。また、県庁所在地として県の中核を担っていて、公共施設、医療施設、教育施設などが充実した便利な住みよい町でもあります。 平成29年度和歌山市政世論調査によると、「和歌山市が住みよいまちだと感じていますか」の質問に、81.4%の人がはいと答えています。はいと答えた人は、「今後も和歌山市に住み続けたいと思いますか」の質問に、86.5%の人がはいと回答し、その理由として、「家族、友人がいるから」が52.5%、「地元の生活になれているから」が52%、そして「地元に愛着があるから」が42.7%を挙げています。 多くの人が町に求める条件は、2種類あると考えます。一つが、利便性。通勤、通学など足回りの利便性と買い物など日常生活の利便性です。もう一つが、環境。子供、子育てによいこと、教育に向いている、自然が豊かであることなどです。 しかし、便利だけで満足、住み続けようと思うのかといえば、もっと便利な町があれば、そこに引っ越す人が出てきます。その結果、設備や建物は新しいほど快適で使いやすく、求めるものが快適さ、便利さだけなら、新しいところに移り住むということになります。 住みやすい町の条件について、年齢、性別、家族構成など個人差が大きくなると私は考えます。独身であれば、勤務先や外食に便利なことかもしれません。子供のいる家庭であれば、学校や公園に近いことが重要かもしれません。そして、子供が独立すると、老後も住み続けるとなれば、その町は住みやすい場所なのか。個人が求めるものが何かで、住みやすい町と言えるかどうか、変わってくるのではないでしょうか。 昔から住めば都などとよく言われますが、住んでいる場所を住みやすい町にするためには、その町を知り、好きになることが自分にとって住みやすい場所に変えることにつながるのではないでしょうか。 土地に愛着を持ち、ふるさとと思える場所をつくることが、暮らしやすさ、生きやすさにつながると考えるとするのであれば、自分の足で町を歩き、地域の魅力を発見していき、歩き、人と触れ合い、顔を合わせ、声をかける、そんなまちづくりが大切ではないかと思います。 また、自分が住んでいる町が好き、知ってほしいと思っている人が多く、その情報が多く発信されている町は住みやすいとも言われています。行ってみたくなる、気持ちよく感じる空間があることは、町の住みやすさをあらわしています。 例えば、人が来るとき、おもてなしの気持ちがあれば、掃除をして、お花を飾るなどの気持ちで表現しようと思うことでしょう。この町が好き、訪れる人にも好きになってもらいたいと思えば、それは町にもあらわれるはずです。町の見た目が、その町の人が愛着を持っているかどうかの指標の一つになると思われます。 この世論調査にもあるように、家族や友人がいるから住み続けたいという理由には、現代の人口減少、地域の人間関係の希薄化において、人というキーワードが隠れていると考えられはしないでしょうか。 尾花市長は、住みよい和歌山市をPRし、移住、定住につなげようとするとともに、まずは訪れてもらえるような町の魅力向上に努められています。 また、住みよい和歌山市に元気で長生き、楽しく暮らしてもらえるまちづくりを進めるべく、施政方針でも健康づくりや生活習慣病などの予防対策により健康長寿の促進につなげていくと述べられていました。健康体操、ボランティア養成講座、健康応援フェア、健康ウォーキングイベントは、どれもグループや団体であり、個人ではありません。 施政方針でも述べられた、誰もが安心して住み続けられる持続可能な町の2025年に到来する超高齢社会に立ち向かうため、さらなる挑戦への原動力として、市民一人一人が自分らしく、健康で住みなれた地域で生涯安心して生活できる環境づくりをするために、個人でも手軽にできるものがあってもよいのではないかと考えたとき、平成23年に健康づくりを目的に国庫補助金を活用し製作された「和歌山市健康ウォーク」のガイドマップにたどり着きました。こちらです(資料を示す)。 こちらは、和歌山市内の歴史と自然が満喫できるガイドブックで、市民に運動習慣をつけてもらおうと、職員さんが実際に歩いた33コースを紹介しています。 「健康ウォークで知らなかった和歌山を再発見してください!」という内容だけあって、中身は、歴史、文化、観光施設も写真入りで紹介され、市内各地のコースが設定されています。 歴史、神話、観光名所、景観満喫、ハイキング、山岳など、選べるウォーキングコースとして、平たんな道が多い標準コース、距離を伸ばした健脚コース、山登りを楽しむ山岳コースと、らくらくコースの4種類に分類されています。 それ以外には、歩くフォーム、ストレッチ法、靴選び、初心者向けの解説、健康ウォーク記録表、交通アクセス、年間主要イベントや観光地一覧まで掲載されているすぐれものです。 また、平成24年度から、本ガイドブックを活用して、本市では、健康寿命の促進を目指し、市民の皆様の健康維持、増進を目的にウォーキングイベントが開催されています。 ここで、冊子の一部を紹介したいと思います。 まず、表紙をめくると、このように和歌山市健康全域マップがあり、コースが掲載されています。 例えば、こちらには、八代将軍吉宗の足跡をたどる和歌山城寺町周辺の徳川家散策コースがあります。和歌山城の南、堀止、吹上は、かつての武家屋敷を中心とした城下町の雰囲気を残し、徳川家の菩提寺でもある報恩寺を初め数多くの歴史的資源をめぐるコースになっています。標準コースであれば、所要時間50分弱で、県庁前から岡山の時鐘堂、報恩寺、無量光寺、刺田比古神社、岡公園、県庁前コースです。スタートからゴールまでの道順、その道中にあるトイレや駐車場、そして、由来や豆知識や「歩道が無いので車に注意」など、注意点までカラーで、写真入りの掲載になっています。 また、こちらを見ると、紀の川歴史街道熊野古道コースという、紀の川を通過する付近の熊野古道を歩き、現在は、民家と畑に囲まれた吐前王子跡を歩く2時間30分のコースもあります。 最後には、こちら、和歌山の歳時記があり、四季折々のイベントを改めて見ることができ、このように掲載されている冊子は珍しいのではないでしょうか。 現在、ホームページにも掲載されていて、ダウンロードできるようになっていますが、内容がすばらしいだけに、地図が更新されていない状況はとても残念に思います。 既存で、こんな素敵な健康ウォークという冊子があり、積極的な活用がされていないのは、とてももったいないことだと思います。つくるだけでなく、生かされること、活用されることが大切なのではないでしょうか。 もったいないと思うことは、それだけではありません。せっかくお金を出してすばらしい冊子を製作しているにもかかわらず、他の部署に知られていないことです。例えば、知らなければ観光課が似たような観光ブックをつくるかもしれません。そして、つくったら、それでほったらかしになっていることです。 つくる際に、さまざまな部署が横断的に共有していれば、もっと素敵なものができたかもしれないし、つくっただけで更新もされずにほったらかしにされることもなく、今よりもっと活用されていたかもしれません。 この「和歌山市健康ウォーク」は、健康のためのウオーキングに利用されていますが、歴史や観光なども知ることができます。この冊子では、私の知らないコース、知らない歴史や観光を知ることができ、まさに健康ウォークで知らなかった和歌山を再発見ということだけあって、再発見しました。灯台もと暗しとは、このことです。こんなにすばらしいものを横断的に活用しないのは、もったいないと思いませんか。 そこで、観光や教育などにつなげて活用すべきではないかと思い、「和歌山市健康ウォーク」のガイドマップを生かしたアプリ開発を提案したいと思います。 市民へのメリットは、健康増進や町への愛着、観光客のメリットは、利便性の向上や親近感醸成、災害時のリスク軽減などが考えられ、健康で住みやすい町につながるのではないかと考えます。 健康としては、健康寿命の延伸による将来的な医療、介護費の縮減のためのウオーキングマップや既存のウオーキングイベントなどとの連携やパーソナル・メディカル・チェック支援や健康アドバイスの提供などです。 観光としては、利便性の高い観光情報の提供や町歩きの活性、町歩きの健康価値の見える化による消費カロリー表示で、外国人からのニーズもあると推察されます。 教育としては、遠足コースや子供の学習の一環として、ゲーム感覚、楽しみながら歴史文化の学習などです。 また、防災では、健康、観光町歩きとあわせて防災マップの情報提供、避難支援と安否所在確認システムなどを取り入れることができるのではないかと思います。 そして、このアプリにポイントを取り入れたらどうかと思います。例えば、ポイントをためることで何かインセンティブを与えるポイント促進事業のことです。 県では、健康づくり運動ポイント事業をしていて、自治会活動ポイント、個人運動ポイント、個人ウォーキングポイントなどがあります。自治会ごとのポイントランキングを公表し、年間自治会を表彰、個人参加型では健康づくりウォークで個人ウォーキングポイントを毎月公表し、年間上位者は表彰されるとのことです。 私が考えるアプリのポイント促進事業は、健康づくり運動によるポイント付与だけではなく、それ以外の観光や教育での、例えば、クイズや何か発見するとポイントが付与されるような仕組みでポイントをためることもできるということです。 私の友人にポイント事業部で働いている人がいます。私は、どちらかというと、忘れたり、ポイントをためつつもポイントを失効させてしまい、うまく活用できていませんが、聞くところによると、私のようにポイントを失効させてしまう人よりも、ポイントをためて活用する人のほうが多いそうです。インセンティブを設けることで、無理せず楽しんで取り組んでもらう仕組みが必要だと思います。 総務省、厚生労働省、文部科学省の支援のもと、2014年から健康ポイント制度の大規模実証実験がスタートし、大規模実証の結果に加えて、2015年施行の医療保険制度改革では、保険者が加入者に対してインセンティブを提供する取り組みが努力義務として位置づけられました。 この結果、保険者である市町村が健康ポイント事業を展開する事例が全国でふえていて、観光振興や地産地消につなげようという試みもあります。 行政が投げた一石から人間関係が生まれ、町全体を変えることができるのなら、最初の一石がなければ全ては始まりません。 そこで、質問です。 「和歌山市健康ウォーク」を観光客がスマートフォンなどで気軽に見るガイドとし、観光案内看板と連動したアプリの開発などをしてはどうでしょうか。さらに、健康を促進するポイント事業にも活用できるようなアプリとしてはどうでしょうか。 以上をお聞きし、代表質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(古川祐典君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 2番山野議員の代表質問にお答えします。 住みよい本市のまちづくりについて、「和歌山市健康ウォーク」を観光客がスマートフォンなどで気軽に見るガイドとして、観光案内看板と連動したアプリの開発などをしてはどうか。さらに、健康を促進するポイント事業にも活用できるようなアプリとしてはどうかとの御質問でございます。 「和歌山市健康ウォーク」は、市民の健康づくりのために作成したものでありますが、議員御提案のとおり、郷土和歌山市の魅力を再発見することができ、観光振興、歴史、文化の学習にも活用できるものと考えています。 つきましては、まず、このガイドブックの活用を庁内で検討するとともに、現在、一部の観光案内看板にQRコードを設け、スマートフォンを通じて観光客の方々に市内周遊を楽しんでいただけるよう情報提供しておりますので、今後、ウオーキングコース上についても考えてまいります。 また、健康を促進するポイント事業につきましては、私も健康へのインセンティブにつながると思いますので、アプリの開発も含めて、さまざまな観点から庁内で研究させてまいります。 以上でございます。 ○議長(古川祐典君) これにて各会派の代表による一般質問を終結します。 お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明3月6日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(古川祐典君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後2時41分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    古川祐典 副議長   井上直樹 議員    遠藤富士雄 議員    吉本昌純 議員    中尾友紀...