和歌山市議会 > 2006-09-13 >
09月13日-02号

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  1. 和歌山市議会 2006-09-13
    09月13日-02号


    取得元: 和歌山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-07
    平成18年  9月 定例会                平成18年          和歌山市議会9月定例会会議録 第2号            平成18年9月13日(水曜日)     -----------------------------議事日程第2号平成18年9月13日(水)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(井上直樹君、姫田高宏君、片桐章浩君)     -----------------------------出席議員(40名)  2番  松井紀博君  3番  野嶋広子君  4番  奥山昭博君  5番  中尾友紀君  6番  片桐章浩君  8番  戸田正人君  9番  東  稔君 10番  芝本和己君 11番  井上直樹君 12番  古川祐典君 13番  尾崎方哉君 14番  山本宏一君 15番  後 みつる君 16番  姫田高宏君 17番  中村協二君 18番  岩井弘次君 19番  松本哲郎君 20番  中嶋佳代君 21番  寒川 篤君 22番  メ木佳明君 23番  北野 均君 24番  遠藤富士雄君 25番  宇治田清治君 26番  貴志啓一君 27番  寺井冨士君 28番  佐伯誠章君 29番  南畑幸代君 30番  大艸主馬君 31番  森下佐知子君 32番  中橋龍太郎君 33番  中 拓哉君 34番  多田純一君 35番  東内敏幸君 36番  山田好雄君 37番  森田昌伸君 38番  和田秀教君 39番  浅井武彦君 40番  浦 哲志君 41番  井口 弘君 42番  奥田善晴君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 助役         射場道雄君 収入役        岡本 弘君 理事         松見 弘君 理事総務部長     奥野久直君 理事市長公室長    的場俊夫君 財政部長       名越一郎君 企画部長       垣本省五君 市民部次長      森 博昭君 福祉保健部長     有本正博君 生活環境部長     藤原庸記君 産業部長       木村哲文君 都市計画部長     市川一光君 建設部長       瀧 廣行君 下水道部長      堀部美智夫君 総合防災室長     静川幸生君 まちづくり推進室長  千賀祥一君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        空 光昭君 教育総務部長     小門宏行君 教育文化部長     林 秀晃君 消防局長       丸山和美君 水道局長       楠本喬二君 水道局経営管理部長  植田龍彦君 水道局工務部長    武内 功君 選挙管理委員会委員長 筒井敏郎君 代表監査委員     伊藤松雄君 人事委員会委員    流川治雄君   ---------------出席事務局職員 事務局長       山ノ井義雄 事務局次長      山田 良 議事調査課長     尾崎順一 議事調査課副課長   川口隆弘 議事班長       幸前隆宏 調査班長       中村文治 企画員        佐伯正季 企画員        中西 太 企画員        池澤昌俊 事務副主査      藤井一成 事務主任       村井敏晃 事務副主任      小林健太   ---------------          午前10時11分開議 ○議長(貴志啓一君) ただいまから本日の会議を開きます。 この際報告します。9月11日付、議会運営委員長から、森田昌伸君が副委員長に互選された旨の報告がありました。また同日付、総務委員会委員長から、東内敏幸君が委員長に互選された旨の報告がありました。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(貴志啓一君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   宇治田清治君   松本哲郎君   森田昌伸君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(貴志啓一君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 井上直樹君。--11番。 〔11番井上直樹君登壇〕(拍手) ◆11番(井上直樹君) おはようございます。正和クラブの井上直樹でございます。 質問に入る前に、秋篠宮紀子様におかれましては、日本国民待望親王殿下悠仁様をお授かりになり、国民の一人といたしまして心よりお祝い申し上げますとともに、皇室が国民とともに幾久しく繁栄されますことを御祈念申し上げます。 さて、9月の声を聞いて幾分過ごしやすくなってまいりましたが、厳しい状況は和歌山市と同じだなと感じるきょうこのごろでございます。暑かったといえば、先月8月5日、6日の両日、田辺市にある百間渓谷キャンプ場で自閉症児者の自然体験キャンプに数人の仲間とともにボランティアとして参加してまいりました。昼間は日差しが厳しかったものの、夜になればクーラーの要らない別世界のようでした。その2日間のボランティアで体験したことや保護者の皆さんの切実な声を聞かせていただいたことは貴重な体験であったと思います。その声を市政の場で十分反映していきたいと思います。 それでは、大橋市政2期目に対しまして、トップバッターとして通告に従いまして順に質問してまいります。 近年、文部科学省の行った調査によると、普通学級に在籍する6.3%の気になる児童生徒が存在し、その多くは程度の差はあれ、発達障害を有していると言われております。また、いじめや虐待を受けている児童生徒の約半数は、この発達障害を持った子供たちだとも言われています。 御承知のとおり、発達障害とは自閉症を含むLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などであります。そして、知的おくれのある重度の自閉症児者から知的おくれがなく言葉のおくれがないアスペルガー症候群まで連綿帯として自閉症スペクトラム、いわゆる広汎性発達障害と言われております。 また、知的おくれのある人たちはAもしくはBの療育手帳を取得することができ、知的おくれのない軽度発達障害と呼ばれる人たちは療育手帳を取得することができません。例外的に神奈川県では、この軽度発達障害のある人たちのうちIQ90までの人たちがCの手帳を取得し、サービスを受けることができるようです。 しかし、この療育手帳を取得することができない軽度発達障害児者にも当然サービスや支援は必要であり、障害が重度であるか軽度であるかで判断するのではなく、社会性があるのかないのかという視点でサービスや支援が必要とされています。 一般的に、自閉症は1,000人に1人か2人の割合で発現すると言われてきましたが、近年100人に1人という報告もされ、少子化が進む中、増加傾向にあります。この自閉症の原因については脳機能障害であると言われ、親の育て方や環境要因によるものではないとされています。こうした中、国会では超党派の議員による発達障害者支援法が施行され、光の当たらなかった自閉症を含む発達障害児者に光が当てられようとしています。 しかし、この発達障害者支援法は、議員立法であることに加え理念法としての性格が強く、具体的な施策については地方自治体にゆだねられているのが現状です。 一方、本年4月からは障害者自立支援法が施行、利用者負担が実施され、10月からは障害者程度区分を初めとする制度そのものが実施され、サービスを利用する障害のある人たちからは負担の軽減、施設関係者からは施設の維持運営の困難さを訴える声が日増しに強くなっています。また、来年からは特別支援教育の完全実施と福祉、教育両面において大きく制度が動き出した今、本市においてもこうした発達障害児者を含む障害のある人たちや、その家族に対する必要な支援策を講じなければならないのではないかと強く感じております。 そこで、お伺いいたします。 1番目として、軽度発達障害の子供たちの相談件数が年々増していると聞いておりますが、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育支援を行う特別支援教育の導入を前に、和歌山市の現状と今後の取り組みについてどのようにお考えなのかを、教育の面からお尋ねします。 2番目に、市内ではどの程度支援を必要とする自閉症を含む発達障害児者をどれだけ把握しているのかを教えてください。 3番目として、早期発見、早期療育の開始という観点から、医療、保健、福祉、教育が連携を図り、一貫した生涯にわたるサポート体制のもとで発達障害児者とその家族への相談・助言・支援体制の充実をしなければならないと考えます。早期発見には、保護者の障害に対する受容と認識が大切であり、また幼稚園や保育所、学校現場においても気づきの力が欠かせないものであります。 特に、アスペルガー症候群を初めとする軽度発達障害のある子供は、時として学業が優秀であるため、他の子供とは少し違っているが変わっているだけであるとの認識で発見がおくれ、適切な療育を受けられずにいたため、自立のできないニート等の大人として育つことがあると言われています。厚生労働省は、ニートの2割強が発達障害児者との発表もしております。 一般的に、アスペルガー症候群は学齢期にその特徴があらわれるとされており、発見には5歳児健診が必要と言われています。また、軽度発達障害、特にアスペルガー症候群とADHD(注意欠陥多動性障害)については、1990年代に診断されたADHDのほとんどがアスペルガー症候群であったとの事例でもわかるように、医師などの専門家でも診断が難しいこともあり、一般の保護者が認識できることは困難であると思われます。 したがって、教育、福祉の分野では、いかに気づきの力を育てること、民生児童委員を初めとする関係者、行政各機関に理解啓発を周知徹底させることが重要と考えますが、どのようにお考えなのか、教育長、福祉保健部長にお伺いいたします。具体策があればお示しください。あわせて、和歌山市には発達障害者支援センター「ポラリス」が昨年10月より開設されているが、どのような連携や活用がなされているのか、また、今後どのように連携していくのかをお尋ねします。 次に、4番目として、特別支援教育の完全実施に向けて教職員にさまざまな形で研修が行われてきていると思いますが、どの程度の先生方が発達障害についての理解を深めるための研修に参加されているのか、また、特別支援教育コーディネーターの養成研修の受講状況をお尋ねいたします。 あわせて、東京都で平成18年3月、自閉症の児童生徒のための教育課程の編成についてという、現場の先生の指針となるパンフレットを作成しております。特別支援教育を進めていくためには、このような現場での先生の指針となるような具体的な資料が必要と考えますが、本市の特別支援教育の取り組みをお尋ねいたします。 続いて、昨年、障害者を持つ人たちが地域で安心して暮らせる社会を目指し、自立と共生の社会、社会参加の実現を目標に定めた障害者自立支援法に関連してお伺いいたします。 4月からの施行に伴い、目標値が示されております。それによりますと、精神科病院に入院している患者を、社会の環境が整えば退院できる約7万人の社会的入院を2万人程度に減らしたい。あるいは、施設入居者を15万人から1万人削減の14万人にしたい。また、福祉施設から民間企業への就職率を現在の1%から4%に引き上げる。これには成功報酬制度を導入して、就職率の高い施設には事業者に報酬を引き上げるなどとなっているようであります。 障害のある人の就労支援に対しては、和歌山市では障害者雇用環境は依然として厳しい現状にあると聞いております。そこで、一層企業に理解と協力を求め、雇用促進に向けた一段の取り組みが必要と考えます。 また、就労後の状況把握と心のケアなども含め、相談窓口として就労支援センター、そしてジョブコーチの増員とその役割、機能の充実が望まれるところでございますが、どのようにすれば一般就労に結びつけられるのか、拡充、支援についてのお考えも担当部長にお聞きしたいと思います。 さらに、養護学校の早い段階から、一般就労を目指した職業教育の充実や職業になじませる実践体験などのカリキュラムを多く取り入れ、個々人の特性の把握と就労意欲を育てることが必要ではないかと考えます。また、知的障害児者を持つ保護者は、親自身の高齢化が進む中、親亡き後、子供たちが最低限の社会生活が送れるようになってほしいと強く願っているのであります。 障害者自立支援法のキーポイントは自立と就労であると私は思いますが、今後、就労に向けた取り組みの充実が求められ、就労先の開拓や就労に向けたトレーニングの進め方など、受け入れ先と送る側の理解、経験不足を解消する対策が必要と思われます。 障害者雇用については、雇用率と採用率が連動されておらず、例えば、採用率がゼロであっても中途で障害をこうむった人を雇用して雇用率を充足するという奇妙な実態があります。また、この雇用率は民間1.8%、公務部門が2.1%、教育が2.0%となっていますが、この数値は知的障害のある人の雇用も含まれています。しかしながら、一般競争試験において、知的障害のある人が試験に合格して採用されるということはあり得ず、障害者枠による採用でなければ雇用は困難であるとしか言えません。特に行政においては、教育委員会の雇用率が著しく低く、その対策が待たれているところであります。 そこで、ハローワークや民間施設との情報交換及び人的、財政的な継続支援と細部にわたる連携構築が必要と考えますが、今後の取り組みについて市長のお考えをお尋ねいたします。 次に、障害者自立支援法についてお伺いいたします。 障害者自立支援法により、福祉サービス費の原則1割が利用者負担となったことを受け、田辺市では9月議会開催前の定例記者会見で、田辺市長がことしの10月から独自の負担軽減策を発表されました。通所授産施設の利用者を対象に賃金が手元に残るよう助成する内容で、本年度の費用は443万7,000円、対象者は134人を見込んでおり、補正予算案をこの9月議会に提案されました。 もちろん県内では初めての試みであり、政令指定都市、中核市を除いては全国でも早期の対策であると思われます。 施設利用料が賃金を上回る現状を踏まえた対策で、期間は2008年度までの2年半、在宅で通所授産施設を利用する市民が対象となります。 田辺市によると、身体、知的障害者の通所授産施設を利用する市民の賃金、月額は平均で約8,000円、支援法施行以来、負担する施設利用料は平均して約1万円で、約2,000円の持ち出しになっていると言います。 田辺市の軽減策では、各月の賃金が5,000円以内の障害者に対しては、授産施設への通所に係る利用料を全額補助し、施設利用料の自己負担をゼロにする。5,000円を上回る場合、利用者は超えた分の半額のみを負担、残りを市が助成する。例えば、賃金が月額7,500円の障害者の場合、自己負担額は1,250円になる。田辺市長は、障害者の就労意欲をなくさず、一定レベルの収入を確保できるよう補助措置を講じたと話しています。 障害者自立支援法は、それまで身体と知的、精神の3障害で異なっていたサービスを一元化した一方で、授産施設の利用者に所得に応じて施設利用料と食費を支払うよう義務づけた。このため、お金を払って働くという事態が発生し、利用者や家族の負担が大きくなって、作業所を退所したり利用を控えたりする障害者がふえています。 大橋市長が提案されている「安心して子育てのできるまち」の実現に向けた子育ての総合的な相談体制を構築し、不安や悩みの信号に確実にこたえることが急務と私は考えますが、市長は、和歌山県の自治体でこのような先駆的な対策が講じられることに対して、今後県都和歌山市としてどのような対策を講じられるのか、お考えをお伺いいたしたいと思います。 以上で第1問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) おはようございます。 11番井上議員の一般質問にお答えいたします。障害者自立支援法に関連して2問ございます。 まず、ハローワークや民間施設との情報交換及び人的、財政的な継続支援などについての今後の取り組みについてということでございます。 ハローワークや民間施設との情報交換、それから連携につきましては、障害のある人の一般就労を進めていくために重要であると考えております。 本市におきましては、10月以降、障害者相談支援事業を5カ所の法人に委託して実施する予定でございますが、この相談支援事業の中で、地域自立支援協議会を運営し、関係機関や関係者の連携を強め、障害のある人の就労支援を初め、地域生活での自立を支えるためのネットワークづくりを進めていきたいと考えております。 次に、利用者負担について、市としてどのような対策を講じるのかということであります。 障害者自立支援法には、利用者負担を初めとしてさまざまな課題があると認識してございます。利用者負担が導入された4月以降、本市の授産施設の利用状況については、利用者数はほぼ横ばいで推移しておりますが、利用日数の減少が見受けられます。 本市としましては、就労支援の視点から国等の動向を見守りながら制度全体の状況を把握した上で検討していきたいと考えております。施設等からの要望もたくさんいただいておりますので、早急に考えてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 有本福祉保健部長。 〔福祉保健部長有本正博君登壇〕 ◎福祉保健部長(有本正博君) 11番井上議員の御質問にお答えします。 発達障害者支援法について、早期発見、理解啓発についての具体的な対策はどうかという御質問です。 発達障害児の早期発見、早期療育のため、和歌山市保健所では乳幼児健康診査時に発達相談を実施しています。 具体的に申しますと、1歳6カ月児、3歳児の健康診査において、保健師が問診を行い、お子様の様子についてお聞かせいただき、発達相談が必要とした子供さんについて発達相談員が個別相談を行い、子供の状態を説明し、保護者や家族の方が受容できるよう助言し、子供にとって最もよい方策を相互に考慮し、医療、福祉、教育機関等との連携を図りながら支援を行っているところです。 平成17年度の健康診査での発達相談状況は、1歳6カ月児の受診者数3,010人で、要相談者数は667人24.5%、3歳児の受診者数2,901人で、要相談者数は525人、18%でございます。 次に、早期発見、早期療育の開始という観点から、保育所における気づきの力を育てる具体策はどうかという御質問です。 現状としましては、保育所入所申請の際、保育所管理課の窓口で申請内容を確認し、必要に応じて専任の発達相談員が保護者との相談活動を行っています。また、保育所現場におきましても、保育所長初め保育士全員が園児の行動等に注意を払い、必要に応じて保育所管理課と連携して発達相談等の指導を行っています。 なお、軽度発達障害に対する認識を高めていくため、公立所長会議民間保育所例会の席上で事例報告等を行ってまいります。 次に、障害者自立支援法について、障害のある人が一般就労できるためにはどのようにすればいいのかという御質問です。 障害のある人の一般就労を進めていくためには、企業の皆様の障害に対する理解を得て、障害のある人が働くことのできる職場をふやすことが基本であると考えますが、障害を持つ人が円滑に就職するためにジョブコーチ制度の充実や、就職した後にも職場定着のための県の行う障害者就業・生活支援センター事業等による継続的な支援が必要と考えています。 本市といたしましては、障害のある人の一般就労を進めるために、障害者相談支援事業において、関係機関の連携を強化し、障害のある人の一般就労を進めていきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 空教育長。 〔教育長空 光昭君登壇〕 ◎教育長(空光昭君) 11番井上議員の発達障害者支援法についての御質問にお答えいたします。 まず最初に、本市の現状と取り組みについては、教育上特別の支援を必要とする児童生徒に対して、障害による学習上または生活上の困難を克服するための適切な教育的支援を行う特別支援教育の平成19年4月からの実施に向けて、各校において研修の充実、支援体制の構築を行うための校内委員会を設置して取り組んでいるところであります。 また、各学校に対して教育的支援を行うための巡回相談員を派遣しております。 市教育委員会といたしましては、今後もより一層研修機会の拡大、相談体制の充実に努めたいと考えております。 次に、支援を必要とする対象数ですが、平成15年3月に発表されました文部科学省の調査の結果、通常学級に在籍している児童生徒の約6.3%が対象になると示されています。和歌山市の児童生徒数に当てはめると、約1,800人が対象になると考えられます。 3点目に、早期発見につきましては、議員御指摘のとおり、学校教職員を対象に研修機会の拡大、相談体制の充実に努め、気づきの力を育てていきたいと考えております。 4点目の発達障害者支援センター「ポラリス」との連携ですが、特別支援教育コーディネーター研修において、ポラリスから発達相談員の方を講師としてお招きし、広く自閉症について御指導いただきました。今後も、ポラリスを初め他の専門機関との連携を進めていきたいと考えております。 5点目の御質問、特別支援教育コーディネーター研修につきましては、8月中の3日間でコーディネーターの先生方を中心に延べ420人の参加がありました。 最後に、現場の指針となるリーフレットの作成についてですが、県教育委員会が作成しているリーフレットを現職教育等で活用し、理解を深めるよう指示しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 11番。 〔11番井上直樹君登壇〕(拍手) ◆11番(井上直樹君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 それでは、絞ってまた質問させていただきたいと思います。 まず、発達障害者支援について、教育の観点からお伺いいたします。 和歌山市児童生徒数は約2万9,000人、その中で支援を必要とする児童生徒約1,800人が対象となると。これは、かなりの子供たちが支援が必要であると考えてもよいのではないでしょうか。 特に私がお聞きしたいのは、特別支援教育コーディネーターの育成です。今、発達障害者支援センター「ポラリス」を初め他の専門機関からお越しいただいての研修をしていますが、逆にポラリス等の専門機関に教職員が2~3年出向する研修など、人事交流を通してのお考えはないのでしょうか、教育長、お答えください。 また、職業教育の強化としまして、就労支援の一つといたしまして、軽度の生徒に対しまして和歌山市立の高等養護学校の設立を、簡単にはいかないと思いますが検討していただきたいと思います。これは要望しておきます。 次に、自閉症・発達障害について、早期発見、理解啓発についてお伺いいたします。 1歳6カ月で667人の要相談があり、3歳なら525人もの要相談がある。親御さんは子育てに困っていると思います。現在、発達障害児者、特にアスペルガー症候群は学齢期、5歳、6歳、そのときにその特徴があらわれてくるとされています。その発見には5歳児健診が有効とされています。和歌山市として、今後、早期発見のため5歳児健診をするのかしないのかをお伺いいたします。 また、気づきの力なんですが、できる限り早期発見、早期療育ができるよう注意を払い、連携をとりながら対応してください。 次に、障害者自立支援法についてお伺いいたします。 田辺市独自の負担軽減策に当たり、和歌山市としてどのような対策をするのかとお聞きしましたが、就労支援の視点から、国等の動向を見守りながら制度全体の状況を把握した上で検討していきたいとお答えいただきました。 田辺市に続いて白浜町も、10月から在宅で障害者授産施設に通う町民を対象に自己負担額の半額を補助する。対象者は35人、7日開会の9月定例町議会に提案されたと聞いております。 施設利用者への支援策は紀南で広がっており、上富田町とすさみ町が9月町議会提案に向けて負担軽減策の計画、みなべ町も検討を始めていると聞いております。 補助金は、2年半後になる障害者自立支援法の負担額の見直しに合わせて増減させる方針であるともお聞かせいただいております。紀南地方で負担軽減に働いている自治体は、経済的負担を軽減し、障害者の自立と社会参加を促進したいとの理由を話しています。このような中、県都和歌山市として何をどう具体的に検討するのかをお答えください。 次に、ハローワーク等の連携構築についてお伺いいたします。 関係機関や関係者の連携を強め、障害のある人の就労支援を初め、地域生活での自立を支えるためのネットワークづくりを進めたいとお答えいただきましたが、具体的に市民、企業に対して、10月以降、ネットワークをどのようにつくっていくのかをお答えください。 最後に、障害者の雇用率をお聞かせください。公務部門が2.1%、教育が2.0%となっていますが、和歌山市役所の現在の障害者の雇用状況を教えてください。 以上で2問目を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 11番井上議員の再質問にお答えします。 利用者負担について、何をどう具体的に検討するのかという御質問でございます。 本市としましては、まず低所得のグループホーム入所者の利用者負担額の軽減を図る制度を9月議会に提出しております。今後、国からさらなる緩和策が示されるのか情報を収集しながら、他の中核市等が実施する軽減策を参考とした上で、財政状況の厳しい中、どのような施策が利用者にとってよりよいのか、前向きに検討していきたいと考えてございます。 経済的負担を軽減し、障害者の自立と社会参加を促進したいという思いは私も一緒でございますので、前向きに検討させていただきます。 次に、10月以降どうやって、どんなような形でネットワークをつくっていくのかという御質問でございます。 地域自立支援協議会につきましては、相談支援事業所を中心にして、福祉サービス事業所、保健医療機関、養護学校、ハローワーク、行政機関等でネットワークづくりを進め、就労支援を初め具体的な事例への対応について協議、調整を行っていきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 有本福祉保健部長。 〔福祉保健部長有本正博君登壇〕 ◎福祉保健部長(有本正博君) 11番井上議員の再質問にお答えします。 発達障害者支援法について、和歌山市として、今後、早期発見のため5歳児健診をするのかしないのかという御質問です。 3歳児健診時に要相談となった子供さんや健診を受けることのできなかった子供さんにつきましては、保健所として家庭訪問や個別の発達相談、親子教室等でフォローアップするとともに、保育所等とも連携し、就学前の子供さんの状況把握に努めているところでございます。本市といたしましては、関係課と連絡を密にし、就学前までの状況把握や相談支援体制をより充実させてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 奥野総務部長。 〔理事総務部長奥野久直君登壇〕
    理事総務部長(奥野久直君) 11番井上議員の再質問にお答えいたします。和歌山市役所の現在の障害者雇用状況についての御質問でございます。 本市の障害者の雇用率は、水道局、教育委員会及びそれ以外の部局がそれぞれ事業所として位置づけられております。本年6月1日現在において、水道局では2.55%、教育委員会では2.91%、市長部局を含むそれ以外の部局では2.13%となっており、いずれも法定雇用率を上回っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 空教育長。 〔教育長空 光昭君登壇〕 ◎教育長(空光昭君) 11番井上議員の再質問にお答えいたします。 特別支援コーディネーターの育成について、議員御指摘のとおり、市教育委員会といたしましても重要な課題と考えております。 教員のポラリス等の専門機関における長期研修につきましては、現在、期間限定の養護学校との人事交流や長期社会体験研修事業が実施されていますが、今後、議員御指摘の研修につきましては県教育委員会と連携を図りながら研究してまいります。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 11番。 〔11番井上直樹君登壇〕(拍手) ◆11番(井上直樹君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 コーディネーター育成、研修には早急に対応してください。県教育委員会と連携を図りながら検討して早期に実施して、数多くすばらしいコーディネーターを育成していただきますよう、強く要望しておきます。 次に、障害者自立支援法により、福祉サービスの利用者負担の件について、私は答弁に納得しづらいのですが、なぜ他の中核市が実施する軽減策を参考にした上なのか。まず和歌山市がその中核市の1番を目指してもいいのではないのかと疑問に思います。それこそ財政が厳しければ厳しいなりの和歌山市独自の施策をなぜ考えられないのかと思います。右に倣えの施策ではなく、和歌山市独自の施策を考えてください。 利用者は本当に困っています。必ず次年度に向けて、よい施策を検討していただけると期待していますので、この問題は次回に持ち越しといたしまして、強く要望しておきます。 地域自立支援協議会に対しては、現在特筆したものは何もできていないので、しっかりと就労支援に対する施策を具体的に講じるよう協議、調整を行っていただくことを要望しておきます。 有本部長、5歳児健診に至りましては答えなのかどうなのかわからないお答えでしたが、いろんなところで対応しているから5歳児健診は要らないとでも言わんばかりの回答と私は感じました。 本当に自分の子供が自閉症なのか発達障害なのかを悩んでいる親御さんたちには、相談ができる窓口というのはすごく安心でき、前向きに子供の障害と立ち向かうことができると思います。ですから、相談支援体制をより充実とお答えいただきましたので、今後この問題をどう充実していくのかを検証していきたいと思います。次回の質問のときに再度詳しくお伺いいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 これで私の一般質問を終わりたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 次に、姫田高宏君。--16番。 〔16番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆16番(姫田高宏君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市長の政治姿勢について一般質問を行います。 まず、所信についてお尋ねをします。 所信の「現状認識」という項3ページのところに、「地域経営のかじ取りが非常に難しい時代に、依然厳しい財政状況にある和歌山市政を運営していくには、まちづくりの方向性とそれを実現するための方策、またそれらに取り組む優先順位を明確に打ち出し、市民の皆様に十分理解していただけるよう努め、その上で投資すべきところには積極的に投資を行い、また我慢しなければならないところは我慢することが必要と考えております」と書かれています。これは、施策の優先順位を明確にし、市民合意を図り、投資するか我慢するか決める、このことは当然のことだと思います。 しかし、大橋市長が市政を担ってからも、高齢者向けジョイフル愛のサービスの廃止、幼稚園の廃園問題、障害者作業所への補助金削減など、市民合意が十分に行われなかったため市政への不信感が増大したものもありました。 大橋市長の前期には、財政再建を方針として財政健全化計画を策定しました。財政健全化計画がつくられる以前、大橋市長以前の市長の時代に、私たち日本共産党市会議員団は大型公共工事が提案されるたびに、事業による将来にわたっての財政への影響を質問してきましたが、当時は、将来の税収入が不確定なため、将来にわたる財政への影響は答えられないとの答弁を押し通してきました。そういう将来の財政的な見通しを持たない財政運営が現在の本市の厳しい財政状況をつくったことは間違いありません。 そういうことから見ても、将来にわたる歳入歳出の予測を盛り込んだ財政健全化計画をつくったことを私たちは評価しました。また、基金を使って小中学校の耐震化を実施したほか、新規大型工事は極力抑えられました。 今回の所信には、北インターチェンジ、直川の保健センター、コミュニティセンター、JR和歌山駅と南海和歌山市駅間の高架事業、和歌山大学新駅、直川に企業誘致するための基盤整備などが新たな施策として挙げられています。こうした事業を進めるに当たって、先ほど読み上げた所信に書かれた市民合意をどのように進めるのか質問をします。 1、施策の優先順位と市民の理解をどのように進めるつもりなのでしょうか。 2、北インターチェンジ、直川の保健センター、コミュニティセンター、JR和歌山駅と南海和歌山市駅間の高架事業、和歌山大学新駅、直川に企業誘致するための基盤整備など新たな施策の事業総額と市の負担額と、その財源の見通しはどのようなものでしょうか。 3、北インターチェンジなど新たな施策と財政健全化計画の関係はどのようなものでしょうか、それぞれお答えください。 次に、所信の「まちづくりの方向性と実現に向けた方策」のところに、「『安心・安全なまち』『優しいまち』『元気なまち』『快適なまち』『教育のまち』--5つの誇れるまちの実現に向けて--それぞれの取り組みの中から、全国のモデルケースとなり、全国から注目を集めるような魅力的な施策が生まれるように挑戦してまいります」と書かれています。 5つのまちづくりの方向について異論はありません。しかし、その方策としてそれぞれのまちづくりについて、特定の項目が全国のモデルケースとなるよう挑戦するという意味がよくわかりませんので、この点についてお尋ねします。全国のモデルケースになるという意味は何でしょうか、お答えください。 次に、市長選挙における市役所ぐるみ選挙についてお尋ねします。 今回の市長選挙が市役所ぐるみ選挙だと一部地方紙が報道していることについて、市長はどのように考えているのでしょうか、お答えください。 以上で第1問とします。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 16番姫田議員の御質問にお答えいたします。 まず、施策の優先順位と市民の理解をどのように進めるつもりなのかということでございます。 先日、所信でまちづくりの方向性と実現へ向けての方策を表明させていただきましたが、だれもが住みよいまちづくりをするためには取り組まなければならない施策が数多くございます。これらの施策につきましては、いずれも本市発展のためには重要な施策であると考えておりますので、今後、本市の財政事情や施策の成熟度などを十分見きわめながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 当然のことですけれども、その優先順位を考えた場合、福祉や教育など、どの分野を充実させるためにも財政的な体力の回復がまず必要だと考えております。これまでも力を入れております観光とあわせて、中心市街地の活性化と北インターチェンジの実現は、その起爆剤になるとの思いから最優先の施策であると位置づけているわけでございます。 また、市民の理解促進に向けましては、地区話会にかわる新たな対話の場を設けることを初めとして、あらゆる機会を通じて対話を図り、十分な理解を得られますよう努力していく所存でございます。 次に、全国のモデルケースになるというのはどういう意味かと、こういう御質問です。 今、議員御指摘のとおり、「安心・安全なまち」「優しいまち」「元気なまち」「快適なまち」「教育のまち」、この5つの点で誇れる町を実現するということを目指しているわけでございまして、その実現に向けての先進的な取り組み、また実施に当たっての住民と行政との連携の仕組みなどが、他の自治体の手本となって行政視察に来てもらえるようなレベルの高い施策展開を図ることが、全国のモデルケースになることというふうに考えてございます。 次に、市長選挙における、一部地方紙で市役所ぐるみの選挙だというような批判を受けていることについてどう考えているかということでございます。 今回の市長選挙に関連して、多くの幹部職員が捜査当局から事情聴取されたことは承知してございます。 もとより公務員は全体の奉仕者としての性格を有するため、政治的に中立で特定の政治的立場に偏ることのないよう、また行政の安定性、継続性、中立性を維持し、かつ職員を政治的影響から保護する観点から、地方公務員法により政治的行為に一定の制限が課せられ、また公職選挙法においても、地位利用による選挙運動の禁止などの規制が設けられているところでございます。 現在なお捜査継続中のことでありますが、市職員がこうした制限や規制が適用されているにもかかわらず、今回の疑いを招き、市議会、市民の皆様に御心配をおかけしていることは、まことに遺憾でございます。今後、捜査の結論を待って適切に対応を考えていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 射場助役。 〔助役射場道雄君登壇〕 ◎助役(射場道雄君) 16番姫田議員の御質問にお答えをいたします。 北インターチェンジ等に関する御質問でございますが、まず北インターチェンジの設置につきましては、県と連携し、国土交通大臣の連結許可を受けるため、国及び関係機関と協議を重ねているところであり、できる限り早い時期に事業のめどをつけたいと考えてございます。 事業総額につきましては、概算で20億円から25億円で、市の負担額や施工箇所につきましては県と協議をしているところでございます。 財源につきましては、道路事業として2分の1程度の国庫補助を見込んでございます。 次に、直川用地公共的施設区画には、保健センター機能及びコミュニティセンター機能を有する複合施設、公園、保育所用地、道路があります。整備時期といたしましては、今年度、道路から着手し、平成23年度の完了を目指してございます。 直川用地公共的施設区画全体の整備費は約24億7,000万円で、うち複合施設の整備費は約14億6,000万円と想定してございます。財源として起債を適用するとともに、整備費を平準化し、一般財源は毎年約1億5,000万円を想定しております。 また、紀勢線紀和駅付近高架化工事につきましては、平成14年8月30日付で国土交通省、和歌山市、JR西日本の三者で基本協定を締結し、協定に基づくそれぞれの概算金額は、国土交通省30億7,216万2,000円、和歌山市19億9,072万9,000円、JR西日本9,000万円、事業総額51億5,289万1,000円でございます。 和歌山市が負担する19億9,072万9,000円の財源は、おおむね55%が国庫補助金、42.75%が起債、2.25%が一般財源でございます。昨年12月に仮線への切りかえを完了し、現在は平成20年秋高架切りかえを目指し、鋭意施工しております。 続きまして、(仮称)和歌山大学新駅につきましては、平成17年度に詳細設計を、平成18年度から20年度の3年間で駅設置工事を行う予定でございます。事業費総額は32億4,943万5,000円で、財源と各負担額は、国8億4,115万6,000円、県5億970万円、和歌山市の負担額は5億970万1,000円、土地区画整理組合が13億8,887万8,000円を予定してございます。 さらに、直川用地企業誘致区画につきましては、誘致状況、財政状況及び紀の川大堰建設事業の進捗及び治水効果を踏まえ、また見きわめながら、平成22年度末までを目標として、まず東側企業誘致区画を土地開発公社から用地を順次取得してまいります。また、その後、東側企業誘致区画の状況を見ながら西側の企業誘致区画を買い戻してまいります。 なお、各事業の事業費につきましては現時点のものでございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 名越財政部長。 〔財政部長名越一郎君登壇〕 ◎財政部長(名越一郎君) 16番姫田議員の御質問にお答えいたします。 北インターチェンジなどの新たな施策と財政健全化計画の関係はどのようなものかという御質問でございます。 昨年策定いたしました財政健全化計画においては、平成17年度を事業ベースにしまして、その時点で事業計画が具体化しておりました直川用地の公共施設の整備などについては今後の所要額を見込んで試算をしております。 しかしながら、財政健全化計画策定後、事業計画が具体化しました北インターチェンジなどの事業においては、その事業費を盛り込んでおりません。 そこで、新たな事業につきましては、今後の市税等の一般財源の動向を見きわめつつ、現在進めております行財政改革実施計画でさらなる事業の見直しや前倒しを行い、事業に必要な財源の確保を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 16番。 〔16番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆16番(姫田高宏君) それぞれ御答弁をいただきましたので、市長の政治姿勢について第2問を行います。 まず、所信についてです。 施策の優先順位と市民の理解をどのように進めるかについて、福祉や教育など、どの分野を充実させるにも財政的な体力の回復がまず必要だという市長の思いには同感をいたします。市民の理解促進に向けては、地区話会にかわる新たな対話の場を設けることを初め、あらゆる機会を通じて対話を図るという点についても、前期の大橋市長は市民を相手に話し上手を目指していたように思いますが、今期はそれに加え、ぜひ市民を相手に聞き上手を目指すようお願いしたいと思います。 優先順位をつけた事業と市民の理解という点で再度お尋ねをします。 所信には、事業の優先順位を明確に打ち出し、市民に十分理解してもらう努力をした後、投資あるいは我慢をするとありますが、新たな事業を実施するに当たって市長はこのことを徹底するつもりはあるのでしょうか、お答えください。 また、市民の理解促進に向けて対話の中身として、事業実施に当たっての財政計画や行財政改革による市民生活への影響などを説明することが必要だと思いますが、市長の考えはどのようなものでしょうか、お答えください。 北インターチェンジなど所信に掲げられた事業の整備時期、事業総額と市の負担額とその財源見通しについて、お答えをいただきました。 直川に企業誘致をするための基盤整備以外の事業は、市長の2期目の任期中にほぼ完成する見込みのようです。気になるのは、最優先の事業だとしている北インターチェンジの市の負担額や施工箇所については県と協議中であり、この事業計画が財政健全化計画策定後に具体化したため、財政健全化計画に盛り込まれていないということです。これについて財政部長の御答弁は、行財政改革実施計画でさらなる事業見直しや前倒しで事業に必要な財源の確保を図っていくということでした。最優先に取り組む事業なら、まず財政健全化計画に盛り込み、一定の財源の見通しを持つことが必要だと思います。財源不足が生じたら市民生活への影響は避けられないのではないでしょうか。 そこで、お尋ねをします。 所信に掲げられた北インターチェンジなど新たな事業を実施することで財政状況が悪化し、市民負担の増加や、また現在実施している市民向けの施策が削られることが予想されないのでしょうか、お答えください。 また、新たな施策と財政健全化計画の関係を市民に提示する必要があると思いますが、どうでしょうか、お答えください。 次に、全国のモデルケースになるという意味について答えをいただきましたが、よくわかりませんでした。現に全国のモデルケースになっている先進事例は、それぞれ住民の要望を反映しています。かつて共産党員町長のもと、兵庫県南光町は、歯科保健センターを中心に80歳まで自分の歯を20本残すという8020運動を提唱し、この小さな町で生まれた活動は厚生省の政策となり全国に広がっています。 特定の項目を全国のモデルケースとなるようにすること自体にけちをつけるつもりはありませんが、それが目指すべきまちづくりということには違和感があります。5つのまちづくりについて目指すべき方向についてこそ、市民の幅広い意見や要望を反映すべきだと思いますが、市長の考えはどのようなものでしょうか、お答えください。 次に、今回の市長選挙が市役所ぐるみ選挙だと一部地方紙が報道していることについて、市長の考えを聞きました。地位利用による選挙運動の禁止に違反した行為について、捜査当局から事情聴取され、市役所ぐるみとの疑いを招いたことについて遺憾ということですが、私も大橋市長の選挙でこうした疑惑が起こったことがとても残念です。今後、捜査の結論を待って適切に対応を考えるということも妥当だと思います。 公務員といえども、勤務時間外に地位を利用せずに行う政治活動の自由を保障することは当然だと思いますが、地位を利用した選挙運動は許されません。私は今回の事件を十分検証して、これから先、市役所ぐるみ選挙と言われるようなこうした疑惑を二度と生み出さないという断固とした決意を市長が示すことがまず必要だと思います。その上で幹部の皆さんも含め対策を検討すべきだということを指摘して、第2問とします。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 16番姫田議員の再質問にお答えいたします。 新たな事業を実施するに当たって市長は優先順位を明確に打ち出すこと、それから市民の理解を得ることを徹底するつもりはあるのかという趣旨の御質問でございます。 新たな事業を実施するに当たりましては、事業の優先順位を明確にするとともに、市民の理解を得るため、これまでも予算編成方針の発表や施政方針、また市報わかやまを初めあらゆる機会を通じて理解を得られるよう努力してまいったつもりでございます。 今後は、各年度ごとの優先順位について、これまで以上に明確に打ち出し、住民の代表である議員の皆様はもちろん、幅広い市民の皆さんから理解を得られるよう努力してまいりたいと思っております。 また、事業実施に当たって、財政健全化計画や行財政改革実施計画との整合性を保つとともに、事業そのものの意義の説明はもちろん、財政健全化との関連についても市民の皆様方に向けた情報の提供に努めてまいりたいと思っております。 次に、まちづくりの目指すべき方向、全国モデルというのは違和感があると。むしろ目指すべき方向についてこそ市民の幅広い意見や要望を反映すべきだと思うがどうかということでございます。 御指摘のとおり、まちづくりの方向性につきましては、市民の幅広い意見を反映させることは最も重要なことだと考えてございます。そして、反映させる1つの手段が選挙制度であると考えておりますので、私が当選させていただいたのは、選挙戦の中で公約として示した私が考えるまちづくりの方向性が一定の評価を得られた結果であると認識してございます。 また、先ほども御答弁申し上げましたが、全国のモデルケースを目指すという私の思いとしては、職員に対しては住民ニーズをしっかり把握した上で、他の自治体の手本となる質の高い先進的な取り組みを目指してほしいという思いを言葉にしたということがございます。 それからもう一つは、市民と行政が力を合わせ、地域力を結集してだれもが住みよいまちづくりを目指すことが本来のまちづくりのあり方だと考えてございますので、その連携についても全国のモデルケースが生まれるよう努力をしていきたいと思っているところでございます。 5つ掲げたまちづくりの方向性を形にしていくに当たって、施策の内容や実施の仕組みが全国のモデルケースとなり得る質の高さで実現できれば、必然的に市民に対して質の高い公共サービスの提供が可能になると考えております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 名越財政部長。 〔財政部長名越一郎君登壇〕 ◎財政部長(名越一郎君) 16番姫田議員の再質問にお答えいたします。 所信に掲げられた北インターチェンジなどの新たな施策を実施する財政状況により、市民負担の増加や現在実施しております市民向けの施策が削られることが予想されないか、また、新たな施策と財政健全化計画の関係を市民に提示する必要があると思うがどうかという御質問でございます。 現在、新たな行財政改革大綱のもと、人件費の削減を初めとする厳しい内部努力に取り組んでいるところでございます。今後も事業の徹底的な見直しによりまして、市民サービスを低下させることなく、行財政改革実施計画を上回る剰余財源を生み出し、もって北インターチェンジなど新たな施策や事業の拡充に振り向けてまいります。 また、新たな施策と財政健全化計画の関係を市民に提示する必要につきましては、今後の市税等の一般財源の動向や財政健全化計画とリンクした行財政改革実施計画の進捗状況を見計らった上で、機会をとらえまして市民の皆様方に対し財政状況をわかりやすい形で情報提供するなど、努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 16番。 〔16番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆16番(姫田高宏君) それぞれ御答弁をいただきましたので、第3問を行います。 事業の優先順位と市民の理解を得る努力、財政再建計画や行財政改革の市民への影響など、情報の提供を徹底されるということですので、ぜひ実行していただくようお願いいたします。 5つのまちづくりと全国のモデルケースを目指すという点について、市民と行政が力を合わせた地域力を結集するためにも、潜在的なものも含め市民の切実な要望から始めなければなりません。 先日、お城の端、西汀丁の交差点付近で、自転車からおりてごみを拾っている女性の方を見かけました。そのとき、ふと本市のポイ捨て条例のことを思い出しました。和歌山市美化推進及び美観の保護に関する条例、大層な名前のついているこの条例は、1992年(平成4年)に罰金つきの条例として制定されました。その前年には工場からの排出水を規制する色抜き条例--和歌山市排出水の色等規制条例が制定されました。当時、「日本一美しいまちづくり」とのかけ声で、市民に理解を求めることなどは一切されず、当時の市長の強力なトップダウンで条例は制定をされました。 色抜き条例で設備投資ができず、やむなく廃業に追い込まれた業者の方で、時の市長に恨みを残して和歌山から出ていった方もいます。シンガポールをモデルにしたというこの市民合意のないポイ捨て条例は、制定当時は全国から注目を集めたものの、さほどの効果もなく、依然ポイ捨ては後を絶ちません。 しかし、一方では、私の見かけた女性のように、わざわざ自転車からおりて道端のごみを拾っている方もいるわけです。だれもが住みよいまちづくりを進めることに異論はありませんが、住みよい町ということで持つイメージはさまざまですので、この点でも市民との対話を重ねていただきますようお願いして私の質問を終わります。(拍手) ○議長(貴志啓一君) しばらく休憩します。          午前11時21分休憩   ---------------          午後1時12分再開 ○議長(貴志啓一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 片桐章浩君。--6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) こんにちは。 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。 今回は、中心市街地の活性化対策について、企業誘致による雇用対策について、人口減少への対策についてです。どうかよろしくお願いしたいと思います。 まず最初に、中心市街地の活性化対策についてでございます。 大橋市長の重点施策の中に、旧丸正の再生、雇用や中心市街地活性化の実現を目指します、あるいは、中心市街地の核施設としての旧丸正の利用、まちなか再生で全国モデルを目指します、そして、旧丸正の再生の動きを機に、中心市街地の活性化を商工会議所、県と連携して全力で取り組みます、このようにあります。大橋市長が丸正ビルを再生できたということもあったように、中心市街地再生を願う一人として非常に心強く感じる施策を掲げてくれていると思います。 さて、皆様方御存じのように、旧丸正ビルはことしになりまして和歌山市内にあります和島興産が買収しております。この動きには、和歌山市の中心市街地にもう一度にぎわいを取り戻したい、そう思う地元経営者の熱い思いが感じられる行動でございます。地元企業が和歌山市のために力をかしてくれた、この意気にこたえるためにも、中心市街地基本計画を策定し、支援体制をしくことが地方自治体を初めとする関係者の役割だと認識しております。 ところで、和歌山市が中心市街地基本計画、これにつきましては現在策定中で、平成18年の10月ごろには計画案を中心市街地活性化協議会なるものに諮り、ことし11月、経済産業省に提出する計画で作業は進んでおります。この基本計画が国の事業として採択、認定されることが中心市街地再生の絶対条件となります。逆に言えば、この計画が国からの認定を受けられないとなると中心市街地の再生は図れません。それだけ重要な基本計画の策定作業を和歌山市では現在行っているところです。 そして、今議会の補正予算にも提案されていますように、中心市街地基本計画の認定を受けることを前提として、中心市街地で計画されている空きビル再生やにぎわい空間施設整備計画などに対して暮らし・にぎわい再生事業、これを活用することにより、空きビルの再生支援、すなわち旧丸正ビルへの支援を受けることができるという流れになっているわけであります。 つまり、中心地の空きビル再生を中心としたまちづくり計画に基づき、町中のにぎわいをつくり出そうと、これを目的とした国の支援施策が暮らし・にぎわい再生事業、こういうことになります。 具体的な対象は、幾つか見てみますと、空きビルから集客施設への改修に要する費用の助成、病院や社会福祉施設を町中へ立地するための支援の助成、しかも補助対象となるのは調査費用、設計計画費用、改修工事費、共同部分の施設の整備費用、こういったものが対象となります。 本来、中心市街地基本計画の認定を受けてからでないとこの支援方策は活用できませんが、認定を受けるものと考えて前倒しして、和歌山市では今回補正予算を組んで対応しようとしております。市長の中心市街地を再生させたいという強い意気込みが感じられるものであります。 この基本計画で絶対必要な項目が幾つかあります。一つは空きビルの活用、もう一つはマンション等施設計画に関してでございます。この2つにつきましては、既に旧丸正ビルの活用、旧さくら銀行跡地へのマンション建設、既に具体的な計画があることから基本計画自体は比較的立てやすい、こういう状況であります。ただこの機会を逃せば、大げさではなく、将来ともにわたって中心市街地の再生はあり得ないと。民間事業者の動きとちょうど国の方針が相まって、再生のためには今が絶好の時期になっております。 具体的に申し上げますと、旧丸正ビルの共用部分の整備費用、これに査定を加えまして9億円と見積もりまして、この9億円のうち3分の2に当たる6億円が補助対象ということになります。そのうち、和歌山市が2億円、3億円が国、1億円が県、こちらから補助金を受けるという形になっているわけです。ただし、この基本計画が受けられなかった場合は暮らし・にぎわい再生事業の支援は受けられないことになりますから、必ずこの基本計画を精度の高いものに仕上げ、認定を受ける必要があります。 そこで、この大切な基本計画につきまして、現時点での計画概要、これをまずお示しいただけたらと思います。 それと、この補助金の支出につきましては、市長がさきの市議会冒頭の所信で述べられましたように、町に強い思いのある地元企業の英断の心意気にこたえるためのものだと思いますが、なぜ、基本計画の申請前にもかかわらず、先に補助金の支出をするための補正予算を今回組んでいるのか、これに関してお答えをいただきたいと思います。 この問題と関連した計画といたしまして、和歌山大学観光学科設置計画があります。学生の募集要領が既に仕上がりまして--こういったものなんですが(見せる)、観光学にかける意気込みが伝わってきているわけなんですが、和歌山大学が観光学科を設置する意味として次のような理念を掲げております。これは和歌山市の方向性と私はマッチしていると思うんですが、「21世紀は観光の時代と言われ、世界の多くの国において観光が基幹産業の一つになりつつあります。日本においても国家施策として観光が今世紀の重要戦略に位置づけられています。このような時代と社会の期待に応えて、経済学部内に新しく観光学科を開設します。」と、こういうホスピタリティ豊かで世界に通用する人材を和歌山から輩出する、活躍してもらう、こういうことを期待しているわけです。 さて、この観光学科ですが、開設は平成19年4月。平成20年4月からは独立した観光学部を目指しております。観光学科だと定員は80名なのですが、学部となりますと定員は120名から130名と枠が広がります。こういう計画だと報じられておりまして、4学年まで、4年先になりますと学生が500人規模、これだけの大きな学部となる計画が報道されているところであります。 ところで、和歌山大学では観光学部を、現在大学のあります栄谷キャンパスではなく、中心市街地で再生を図ろうとしている旧丸正ビル、こちらへ入居すること、これを検討しております。同大学内に設置すれば別に何の問題もないのですが、独立行政法人としての大学は地域の発展にも寄与することが務めであるという高い認識のもと、旧丸正ビルに入居することが望ましいと大学側は考えてくれているようです。 具体的に言いますと、このビルのワンフロア部分に観光学科として、ビル所有者である和島興産から借り受け、観光学科に教員室、資料室、シアター、共用スペース、学生利用のほか、中心地の地域の方々にも利用していただこうと、地域に開かれた学科を目指しております。ただ、限られたスペースのため、ここで授業をするのは非常に難しい。それでも中心市街地の活性化になればと、起爆剤になればと、そういう思いを持って進出を検討してくれているわけでございます。 なぜ中心市街地に大学がという話なんですが、これは昭和62年、和歌山大学が元位置から現在の栄谷にキャンパスを移転してから、その周辺の人口が増加している。それに対して元位置のあった地域におきましては人口が減少しているのではないかと、こういうことに基づいてのものです。 現在和歌山大学のある貴志地区には、学生全体約4,000人のうち1,000名以上の学生が寮生活を過ごしている。その周辺は商業施設、飲食店でにぎわっている。こういうふうに活気を呈しているわけであります。 観光学科、学部を中心市街地に仮に開設するとなりますと、約500人以上の学生と教員が中心市街地で学生生活を過ごすことになります。学部内に当然とどまるわけではありませんから、本町、ぶらくり丁、こういったところにも繰り出すはずです。夏休みなどは別といたしまして、授業がある時期は常時200人以上がまちなかを歩く、こういう環境が創出できるわけです。 学生がふえても購買単価が低いからにぎわいにならない、商売にならない、こういう声もありますが、まず何もしないよりもにぎわいを創出しないことには購買力も何もあったものではないと。人が来る地域になればそれを当てにした投資が起こると、こういうことを考えていただきたいと思います。 特に和歌山大学、それから今回投資をしていただきます和島興産については、単に和歌山市の中心市街地だけの活性化を念頭に置いているわけではありません。他府県、市外から人を呼び込む仕掛けを現在考えてくれているのですが、これはこの地域に大いなる可能性があると、それを信じているわけで、決してゼロサムをするのではなく、プラスサムを目指した施策を目指してくれているわけです。市にはこの構想をぜひ理解しておいていただきたいと思います。 ところで、和歌山大学から市に対して、伏虎中学校の北側校舎を観光学部として活用できないものだろうかと、こういう問い合わせが来ていると聞いております。ことし2月、中心市街地に位置するこれらの中学校や小学校にも関係者が訪れているはずです。観光学部として授業を行うためには旧丸正ビルだけでは手狭ですから、これとは別のキャンパスが必要になると考えてのものです。 伏虎中学校の北側校舎の活用が図れるようならば、観光学部として再生させることがそのまま中心市街地の再生につながっていく、この伏虎中学校の北側校舎で新学部のカリキュラムを満たすだけの教室が確保できるのであれば、活用策を検討してほしいところです。 学部として活用できる状態にして和歌山大学に期限つきで無償提供する、こういったことは考えられないものでしょうか。数年後には4年生までの学生がここで授業を受けることになりますから、今よりは確実に地域活性化に資するものと考えます。 そこで、質問です。 和歌山大学から伏虎中学校校舎の活用に関する問い合わせにつきまして、市はどのように考えているのでしょうか。また、中心市街地にある学校施設の活用について、市の考え方をあわせてお示しください。 和歌山大学観光学部、これを支援するために県と市などで和歌山大学観光学部設立協議会を設立していますが、現在までの和歌山市としての支援状況と今後の支援方策についてお示しください。特に、本格的に学部開設のための行動を開始する次年度の市の支援について、考え方をお示しいただけたらと思います。 続きまして、企業誘致に関する雇用対策、それから人口減少への対応についてでございます。 市長の所信では、和歌山市の経済状況には回復の兆しが見られると、このように述べられております。ただ、和歌山市の事業者に関しましては依然としてそのような実感は感じられない、このような意見も聞いております。 夏休みから現在に至るまで、和歌山市内で会社を経営している方や働いている方々と幾つか懇談を行いました。そこで感じたことは、和歌山県、市に関する各種経済指標、これの経済状況は改善されていると報告されているところですが、実態は決してそうではないということです。特に和歌山市内の中小企業、小売店、経営的には非常に厳しい環境に置かれたままになっております。最近も県内で名の知られていた建設会社が幾つか倒産したように、建設需要が少なく本業だけでは生き残れない、こういった状況もあります。 また、ある住宅会社では、平成18年度の上期、現在までの実績は創業以来最も悪い状況になっていると伺いました。ある果物店の場合、商売だけでは生活ができないということで、御主人さんが仕事に出かけるようになりました。また、和歌山市の中心地に近い飲食店が立ち並ぶ地域でも人通りは少なく、来店者数は依然として減少傾向にあるようです。 町に人がいないことにはこういった業種が活気を取り戻すことはありませんから、ぜひ人を呼び戻すにぎわいを講じるような施策を講じていただきたいというふうに思います。 全国規模の会社では景気回復の兆しがあるようですが、和歌山市はまだその環境にはありません。会社経営が厳しい、すなわちそこで働く人にとっても厳しい環境にあると、それが和歌山市の状況ではないかと思います。 こういった皆様方が市に対して期待していることは、町ににぎわいを取り戻してほしい、若い人の働く場所が欲しい、企業誘致をより積極的に図ってほしい、こういったものであります。やはり人が町に出ている、働く場所がある、企業誘致が和歌山にとって非常に重要な施策だと思います。 また、高校生を持つ親の世代、和歌山市で一番の課題だと実感しているのは、働き場所の確保についてであります。 ある方のお嬢さんは商業高校に通学しているのですが、商業高校を卒業しても今は就職先がない、これが現実だそうです。高校生はこのような状況の中、どうしているのかというと、大学進学、専門学校への進学、こういったことを考えております。 かつて、商業高校を卒業したら幾つかの就職先が待っていたのですが、現在、市内に働くところがないということで、商業高校を選択する、そのルートは崩れつつあります。 商業高校を卒業しても市内で就職できないとなると、県外での就職か県外への大学、学校、こういったところに行くと、こういう人口減少の循環になっているのではないでしょうか。 とにかく、和歌山市の課題でも大きなウエートを占めているのが企業誘致であり、若い人の働き場所の確保です。特に自分の子供が学校を卒業する時期になると、働き場所の重要性を実感するようになり、企業誘致と雇用の確保、この問題に関して強い期待感を感じられるところであります。 和歌山市でも、市外からの企業進出に対しましては各種の補助金を支出する施策があることはもう周知の事実なのですが、この制度があるからといって和歌山市に進出、移転しようという企業はそれほど多くないと思います。 何とか企業誘致を図るための施策や、雇用を生み出すための方策はないものかと考えておりますが、新しい産業の創出を図るまでにはそれなりの時間を要するものです。 そんな中、市長の重点施策、政策宣言というものがあるのですが、その中に希望を見出せる施策が示されています。 それは、こういうものです。企業誘致による雇用の確保。誘致奨励制度の活用により、5,000人の新規雇用を確保、これに関する取り組みを行うと、こういう項目がございます。期限は設けられていませんが、市長の2期目に実施する政策ということで市民の皆様方に公約しているものですから、4年間で実現することを約束していると推定できます。 企業誘致による雇用創出は、労働生産性の観点からは若い世代が対象になります。地元はもちろんのこと、市外からでも人を呼び込める5,000人もの雇用が発生すれば、和歌山市の人口は増加し、高齢化率も低下します。まさに働き場所の創出、若い人の増加による町の活性化、人口減少への歯どめ、こういった効果につながることが期待できる重要な施策であります。 人口問題につきましては、これはもう予測ではなく、統計的に確実な未来をはじき出すものです。和歌山市の人口は減少することは既に確実な未来ですから、現在の延長線で食いとめる手段はありません。働く場所以外に人口減少を食いとめられないと考えるべきです。既に2003年の推計人口調査、これによりますと生産年齢人口--働ける世代なのですが、これが減少するのが全国で和歌山市が上位から4番目、4番目に一番減りますよということです。このことはほかの地域より経済が縮小することを意味しておりまして、和歌山の地域経済の縮小率は全国でワースト3、縮小率が20%、大幅に超える地域と位置づけられているわけであります。 そこで、質問です。 具体的な企業誘致の見通しについて、まずもってお示しいただきたいと思います。また、5,000人もの雇用を発生すること自体、この政策はすばらしいことで、4年といわずに早期に実現させてほしいところですが、その根拠についてお示しいただけたらと思います。 企業誘致と雇用創出が図れるこの施策は、まさに市長が言うところの全国モデルとなり得る政策であります。若い人たちに希望を持たせてくれる施策でありますから、既に学生の子供さんがいる親の世代は大いに期待しているところであります。 あわせて、昨年度の国税調査からもうかがい知ることができますように、和歌山市の人口は減少の一途をたどっております。理由としては、事業所の閉鎖や学生の卒業後の進路の問題など何か構造的な問題があろうかと思います。ここでもストップ・ザ・人口減少を掲げる大橋市長です。人口減少の要因はどこにあるのか、また新規雇用と絡めてどのように人口減少をストップさせようとしているのか、市長の考えをお聞かせいただきまして、第1問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 6番片桐議員の一般質問にお答えいたします。 中心市街地の活性化についての現時点での中心市街地基本計画の概要についてということが最初でございます。 現時点での中心市街地活性化基本計画の概要につきましては、本市では平成16年度に和歌山市中心市街地活性化基本計画(改訂版)を商業中心の活性化策から総合的な活性化策へ考え方を変更して策定したばかりでありまして、今回の中心市街地活性化法の改正による中心市街地の考え方とは既に方向性を一にしていると考えておりますので、この平成16年策定の計画を基本にして、法改正によるさまざまな条件を満たすよう事業の精査をするとともに、事業についての論議の場であります法定の中心市街地活性化協議会が9月末にも立ち上がると聞いておりますので、そちらに諮って、さらに加えるべき民間事業等の御意見もいただく中で、詳細については協議会と連携して組み立てていきたいと考えてございます。 現在は、基本計画の要件となっております主要4事業について、協議会の中心的役割を担う商工会議所と連携を密にして検討を進めているところでございます。 本市の考え方といたしましては、市の全体を見た場合、幾つかあります地域の近隣核の中で、中心市街地は都市機能を集約し、居住人口と交流人口の両方の増加を促進していく都市の中心核としてとらえております。 JR和歌山駅、南海和歌山市駅の両駅周辺を中心部へ向けての交流誘導ゾーンととらえ、JR和歌山駅から公園前を通り旧丸正ビルを経て南海和歌山市駅に至る経路を交流促進ゾーンとして誘導を行い、オープンする旧丸正ビルを一つの核として展開する商業集積ゾーンや、また和歌山城を中心として、その商業集積ゾーンにかけて展開される文化、歴史、観光交流ゾーンのような設定を行い、中心市街地全体の骨格を形成し、将来に向けた第1ステップとなることを想定して作業を進めているところでございます。 次に、和歌山大学観光学部設置促進のための現在までの市の支援状況、今後の支援の方策についての御質問でございます。 和歌山大学観光学部の設置に関しましては、地元の経済団体や市民の有志の方々が実現に向けて積極的に取り組まれ、本市も県と連携して支援を行ってまいりました。この19年度には経済学部に観光学科が設置される運びとなり、翌20年度の観光学部開設に向けて大きく前進していると認識しております。 現在までの支援状況につきましては、県や商工会議所等関係機関とともに和歌山大学観光系学部設置促進協議会を設立し、国への要望活動の実施のほか、リーフレットの配布やホームページ開設等の広報活動を行っております。また、観光学先取り講座を市内で3回開催し、計800人の御参加をいただき、地元の方々の意識の高揚を図ることができました。 今後の本協議会における支援方策につきましては、今年度に県内7カ所での観光学部先取り講座開催の準備を進めるとともに、シンポジウムの開催や国への要望等についても予定しています。 また、次年度につきましては、本協議会への参加団体の拡大を図り、広報活動や機運の盛り上がりをさらに高める取り組みを進めていくこととしてございます。 本市といたしましても、観光都市和歌山としての創造的発展を目指しているところから、観光学部設置につきましては、県や商工会議所等と連携を密にし、さらに積極的に支援をしてまいりたいと思っております。 次に、企業誘致の見通しと5,000人の雇用増ということの根拠についてということでございます。 本市への企業誘致につきましては、私が就任以来9社を誘致し、既にそのうち4社が操業を開始しております。 議員御指摘の5,000人の雇用根拠につきましては、奨励金制度による雇用見込みがおよそ600人、また住友金属の高炉建設に伴い、関係・協力会社で2,500人規模の増員が予定されていることから、現状で3,000人以上の雇用が見込まれております。 現在も数社から企業進出の申し出があり、協議を進めているところであります。今後も企業誘致活動をより推進するとともに、国や県、経営団体など関係機関に働きかけ、連携を強化して、5,000人の雇用確保を目指して取り組みたいと考えております。 次に、人口減少の要因と新規雇用を絡めた対策についてということであります。 過去に実施されました統計調査で明らかなように、和歌山市の人口は社会動態減少と自然動態減少の2つの要因が重なって非常に厳しい状況を呈し、平成3年から連続して人口減少傾向を示しております。社会動態の減少は、市外の大学や専門学校に進学した学生がそのまま市外企業に就職することなどが主な原因であると考えております。 人口流出に歯どめをかけるためには、高卒者はもちろん、進学した若者たちを受け入れる地元企業が不可欠であります。そのためには、地元企業に新しい風を取り入れるために、企業誘致の推進は言うまでもなく、地元企業の規模拡大や市外への流出防止の攻めと守り両面からの施策が必要であると考えております。 本年、元気なモノ作り中小企業300社に本市から6つの会社が選ばれましたように、和歌山市には技術力のあるすばらしい企業がたくさんあり、地元企業へのさらなる支援強化を図ることによって、雇用機会を拡大し、人口減少の防止を図っていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 千賀まちづくり推進室長。 〔まちづくり推進室長千賀祥一君登壇〕 ◎まちづくり推進室長(千賀祥一君) 6番片桐議員の御質問にお答えします。 中心市街地の活性化対策について、基本計画の申請前にもかかわらず、なぜ補正予算を組んでいるのかという御質問でございます。 まちづくり三法の改正に伴い、平成18年度から創設されました国土交通省の補助事業であります暮らし・にぎわい再生事業を旧丸正ビルの再生に活用するためには、オープンの時期から考えると平成18年度の補助を受ける必要があり、そのためには10月初旬から下旬にかけて計画申請を行い、11月中旬に補助金の交付申請を行うよう国から指導を受けております。また、今年度の補助金は基本計画に位置づけられることが確実と見込まれることで交付申請ができますので、本議会に補正予算をお願いしているところでございます。 旧丸正ビルの再生に対する支援は、これが単なる民間ビルの再生ではなく、中心市街地活性化における最も象徴的な問題であったこと、早期の再開を地元商店街も望んでいたこと、また、これによる雇用の創出や交流人口の増加、象徴的ビルの再開による市民の気持ちの高まり、新たな投資の誘発などの波及効果も大きく、これらの結果としてあらわれる地価の上昇による周辺部を含んだ固定資産税の増収など、今後の中心市街地活性化や市財政基盤への貢献を大いに期待できる支援であると考えています。 基本計画の認定申請については、中心市街地活性化協議会で討議が終了し、その後申請することとなりますので、最短を考えますと11月中旬から下旬くらいを予定しておりまして、補助金の交付申請と基本計画の申請は現実的にはかなり近い時期になる可能性もあります。本市といたしましては、このチャンスを生かして中心市街地の活性化を進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 空教育長。 〔教育長空 光昭君登壇〕 ◎教育長(空光昭君) 6番片桐議員の御質問にお答えいたします。 和歌山大学からの伏虎中学校校舎の活用に関する問い合わせに対し、市はどのように考えているのか、また、中心市街地にある学校施設の活用について市の考え、2点の御質問でございます。 まず、和歌山大学観光学部の設置に当たり、中心市街地にある小中学校を校舎として活用できないかとの問い合わせを受け、本年2月に大学関係者に対し伏虎中学校、本町小学校、城北小学校を現地視察していただいたところですが、その後、和歌山大学からは、教育委員会に対して校舎の貸与についての申し出は来ておりません。 教育委員会といたしましては、伏虎中学校北側校舎は昭和31年及び36年に建築したもので、老朽化しているため、大学の校舎として活用することは難しいと考えています。 次に、中心市街地にある学校施設の活用につきましては、和歌山大学から申し出があれば学校教育の充実に支障がないことを前提に、校舎の状態や今後の学校再編などを勘案し検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) それぞれお答えいただきましたので、再質問とさせていただきます。 中心市街地活性化のためには、交流と定住、これが必要な要素であると、この認識のもと、基本計画の策定と将来的な運用を図る、これが市だけではなく、法定の中心市街地活性化協議会が機能することが条件だということが市長の方から示されました。 和歌山商工会議所が中心となりまして平成18年9月末に協議会を立ち上げる予定ですが、立ち上げは少し遅いように感じます。本来、基本計画の策定箇所が協議会なのですから、いまだに結成されていない点で基本計画案の完成度、これは民間事業者の呼び込みや地元からの意見、こういったものを含めてですが、認定を受けられた場合の取り組み方について少し気がかりなところでございます。 現時点のこの協議会のメンバー構成は、座長に和歌山大学の山田良治教授、構成員に県や和歌山市、株式会社ぶらくり、こういった方々がメンバーになっていると聞いておりますが、実践的なメンバー構成を図り、動ける組織にしていただきたいというふうに思っております。ぜひ、協議会のメンバー構成は重要ですから、市が指導性を発揮していただきまして、金融関係者や民間の事業家、こういった方なども加えていただきたいと要望したいと思います。 まだ幾つか課題があります。中心市街地基本計画には実現可能のある幾つもの事業計画が欲しいところですが、現在のところ基本計画で具体化できているのは、旧丸正ビルの商業ビルとしての活用と旧さくら銀行跡地のマンション計画、この2つになっております。中心市街地をJR和歌山駅から南海和歌山市駅までの間と定めている割には少し寂しい基本計画になりそうです。 中心市街地基本計画に記載した事業、計上した事業につきましては5年以内に完成させることが必須条件ですから、具体性に欠けるものは載せられないということはあると思います。従来の基本計画と大きく異なるのはこの点で、実現可能性を二の次として理想を掲げていたのが従来型の計画に対しまして、今回の基本計画に関しましては、より実現性の高いものだけを掲載しなければならないと、このような違いがあるからです。 つまり、理想はあるけれども事業主体が決定していなかったり、地権者の反対などにより実現めどが立っていないものの基本計画への組み込みはできないと。あくまでも基本計画策定の時点で実現性のあるものだけがこの計画に組み込むことができるわけですから、最初の基本計画を立てることの重要性を強く意識してたくさん組み込んでほしいところであります。 このように活性化を図るためには、1つの再生モデル計画がスタートした後、続けて次の事業をスタートさせる、これが必要であります。単発的なものになりますと、にぎわい創出に丸正ビルが孤軍奮闘するということになります。これではいつまでも持ちこたえることはできなくなります。それは、集客するためには常に丸正ビル内で投資をし続ける必要がありますから、1社にそのような役割を担ってもらうことはできません。市としての強い支援体制が必要かと思います。 ところが、大橋市長も中心市街地のマーケティング調査を行っておりますが、その結果は、旧丸正跡地では採算が合わない、リスクが大きい、こういったことで出店を見送っている。また、地方への商業施設出店の場合は、駅前立地という企業戦略を立てていたり、先端の消費者をターゲットにしているため、出店の条件としてある一定以上の背景人口、人口規模を条件にする、こういったところがあり、本市に対しましては非常に厳しい答えが返ってきていると明確に述べております。 中心市街地の商業施設の進出にはかなりのリスクがあることは周知の事実です。そこに飛び込んでくれた和島興産ですから、支援は当然のこと、それに続く進出を呼び込むことが活性化に不可欠な取り組みと言えると思います。 そこで、質問です。 和島興産だけが地域再生を担う状況にはしてほしくありません。そのためには、和島興産に続く企業進出について、その基本計画認定の見通しではどのようになっておりますか。ぜひ大橋市長には引き続きまして民間事業者に基本計画の参入を呼びかけていただきたいと思うのですが、その意気込みと見通しについてお示しをいただきたいと思います。 もしそれが無理で、この2つの計画以外に基本計画を織り込むことができない場合、この2つの事業計画を圧倒的に成功させ、全国に誇れる中心市街地の成功事例として知れ渡るぐらいに仕上げていただきたい。その必要性すら感じているところであります。 少しの成功事例では、和歌山市に来ようという、続く事業者はあらわれません。和歌山市が国の施策を活用するための計画を立て、これを成功させることによって、市外の民間事業者を含めてこの地域に投資したいと思わせる必要があります。 空きビルを再生したもののにぎわいを創出できなかったり後の投資が続かないようなら、中心市街地を真に活性化させたとは言えないわけであります。まずはしっかりと旧丸正ビルを商業施設としての再生を成功させ、続いて住機能施設にも人が集まる仕組み、この点についても取り組んでいただきたいと思います。そのためにも、今回国に提出する予定の基本計画には書き込めない部分、つまり市が中心市街地を重要視するのであれば、この地域をどのような地域にしたいのか明確にうたっていただきたいと思います。 病院や行政機関が集積している地域ですから、例えば、高齢者に定住してもらえる地域を目指すのか、あるいは学生や高校生が魅力を感じ、集まれるような流行発信地域を目指すのか、まず基本的なものを確定させてほしいと思います。 中心市街地基本計画があるということは、計画と方針がしっかりしていることをあらわすものですから、和歌山市の本気度を示すものになります。民間事業者の投資を呼び込む魅力づくりを創出するためにも、真の中心市街地基本計画を策定してほしいものです。 そこで、質問とさせていただきます。 気になるのは、中心市街地再生の契機とするためとしながらも、市長がお話しされているのは「城フェスタなどを開催し--中心市街地を初めとする町中にも観光客が流れる仕掛けを強化してまいります」と、このように発言していることです。多くの識者は、イベントでは町は再生できない、イベントはあくまでもきっかけ。活性化の意気込みを示すものであり、それに続くまちづくりの方向性が必要だと答えてくれております。現時点においてこの方向性をうかがい知ることはできませんので、中心市街地をどのように持っていきたいのか、方向性についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 続きまして、和歌山大学観光学部についてであります。 第1問で、和歌山市が観光都市和歌山として創造的発展を目指していることを示していただいたことで積極的な支援を打ち出していただいたこと、これはうれしく思っております。といいますのも、和歌山大学では和歌山市が中心地への進出を期待していないのに、何も大学が進んで中心市街地再生のために観光学部をこの地域に置こうとは考えていないからです。市がこの地域の活性化のために大学に期待しているのであれば進出もあり得るよと、こういう考え方がありますから、この点を確認したかったのですが、市長としては観光都市和歌山を志向していること、しかし伏虎中学校に関しては、耐震性の問題などから活用は難しい、こういうことが示されました。ただ、ほかの市保有資源の活用に関しては活用もやぶさかではないと、こういうことも片一方ではお示しをいただきました。 市長は和歌山市のホームページにおきまして、中心地への国立大学のサテライトキャンパスを頭から否定しているものではありませんと答えていることから、当然この中心市街地での開設を期待しているのではないかと思いたいところです。 そして、国からは観光をテーマにして地域再生を図ろうとする先進モデルを和歌山大学が担ってくれることを期待していると聞いております。大学の学部を中心市街地に開設することで、再生が図れることの効果を国も認めてくれているのです。 その証拠として、独立行政法人としてスタートした旧国立大学で新学部開設の動きがあるのは和歌山大学だけです。国は基本的に独立行政法人大学が新学部を開設することを認めていません。これは、経費削減、人件費削減のガイドラインが示されている中で、人件費などを増加させる動きのある新学部設置は国の要求とは逆行するもので、よほどの理由がない限り今後とも認められないと、このように考えているからです。 このように、国を挙げての初めての取り組みですから、和歌山大学観光学部の動向は全国的に関心を集めております。市としてもしっかりとした支援体制を確立してほしいところであります。 先ほどの答弁では、伏虎中学校の活用に関しては耐震性の観点から難しいとの見解を示されましたが、中心市街地にある校舎などの活用に関して、条件が整えば観光学部設置に関して和歌山大学と協議する腹づもりがあることが示されました。 消極的支援であれば、望まれもしない学部を中心地に設置してくれることはありません。観光学部は平成20年度の開学を目指しておりますから、和歌山市から大学に対して観光学部設置の要望書というのを出しておりますが、これは町の再生の一端を大学に担ってほしいと考えたからではないでしょうか。中心市街地における観光学部開設について、教育委員会の見解を踏まえて、大学から正式に申し入れがあれば市としての積極的支援をお願いしたいと思います。 もう一つの課題は、現在作成中の中心市街地基本計画とのかかわりについてです。 この基本計画は具体化できているものを記載することになっておりますが、この計画の中に和歌山大学観光学科--現時点では学科ですが--この設置というのは果たして掲載されているのでしょうか。いるかいないかで中心市街地の方向性は全く変わってきます。大学のある地域、これでにぎわいをつくろうとしているのか、あるいは全く期待していないのか、それは和歌山市が観光に力を入れようとしているのか否か見きわめるかぎにもなります。 そこで、質問とさせていただきます。 研究機関である和歌山大学観光学科を中心地に開設させることは、地域活性化に大いに寄与するものです。この点を考慮した基本計画に仕上げているのでしょうか。もし入っていないとすれば、その理由をお聞かせください。 この中心市街地基本計画には再チャレンジはありません。関係者としっかりと議論を重ねた上での計画策定を期待しております。 続きまして、企業誘致と人口問題に関してです。 経済産業省は先ほど発刊した新経済成長戦略、こういった冊子なんですが(見せる)、これによりますと、サービス産業ウエートが経済面と雇用面で着実に拡大を続けていると評価しております。 国全体の統計ですが、2003年時点での雇用の66.8%、実に3分の2をサービス産業が担っております。1993年から2003年の10年間の雇用を見ると、製造業では約390万人が減少しているのに対しましてサービス産業では約357万人が増加し、製造業の減少の分をサービス産業がカバーしていると、これが我が国の状況であります。 製造業とサービス業は、地域においても経済と雇用を図る両輪であるばかりか、製造業誘致の見通しが決して明るくない和歌山市においては雇用機会創出の観点からもサービス産業の創出が重要になってきています。具体的に申し上げますと、和歌山市の都市環境を見渡す限り、観光・集客サービス、健康・福祉サービスの創造が有望だと考えております。観光・集客サービスとは、旅行、宿泊、飲食、娯楽サービス、こういったものを指し、健康・福祉サービスとは医療サービス、スポーツ、健康増進サービス、エステサービス、こういったものを指しております。 経産省によれば、新しいサービスの創出と拡大をもって経済の持続的な成長と地域経済の活性化を実現する取り組みを目標に掲げております。これは国の本にもかかわりませず、地域振興、地域再生については後半にかなりの部分を割いて述べられているわけですが、このように地域活性化戦略として有望なサービス産業を見つけ、ビジネスモデル化することが、新しい需要、雇用を生み出すことになります。 時代の流れとして、地域としての価値を生み出すのはサービス産業ですから、この分野の支援体制をお願いしたいところであります。 既に長野県では、福祉、環境、教育の新産業、農業、精密工業、観光の伝統産業を、滋賀県におきましては環境、経済、文化、これを組み合わせた産業施策が雇用創出の面でも成果を上げております。 厚労省では、これらをコミュニティビジネスとして雇用創出の担い手として非常に有望視しているところです。 また、和歌山県におきましても、観光・集客サービスや健康・福祉サービスの創業において全国でもトップを走る取り組みが実はなされているのです。熊野健康村構想がそれで、いやしと健康を活かした交流機会を創出することで都市も地方も元気にする、そういった取り組みです。他地域に先駆けて既に2年間の活動で集客と交流、医学的な検証も含めて成果を上げている点に注目してほしいと思います。 そこで、質問とさせていただきます。 経済産業省や厚生労働省では、観光・集客サービスや健康・福祉サービスの創造が新しい産業として注目しているところです。和歌山市の都市環境からすれば、これらのサービス産業の創出は極めて有望で、雇用創出と人口対策に資するはずです。企業誘致とともにサービス産業を創出することで雇用も生み出す方策を考えてほしいものです。 先ほど市長が言われました5,000人の雇用創出の部分で不足する部分が幾つかあろうかと思いますが、これをカバーするためには製造業に加えてサービス産業の両方の誘致と支援、創出をすべきだと考えております。この観光・集客サービス、あるいは健康・福祉サービスの創出について、和歌山市での取り組み方について考え方をお示しをお願いいたしまして、第2問とさせていただきます。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 6番片桐議員の再質問にお答えいたします。 中心市街地活性化の計画認定の見通しと和島興産以外の民間事業者の再生計画参入についての御質問でございますが、法定の中心市街地活性化協議会が商工会議所を中心に立ち上がりますと、民間事業の検討については基本的には協議会の場で行われることになります。 基本計画認定の要件となる事業で民間事業者の参入が考えられる事業等は、現在商工会議所と連携し、計画への盛り込み準備を進めており、認定されることを目指し鋭意取り組んでいるところでございます。 今後、基本計画に沿って構築されていく中心市街地に民間事業者が魅力を感じ、多くの投資がなされていくことが、私の意図するところであります。そのためにも多くの民間事業者が中心市街地において事業計画を実現可能なものへと発展させ、中心市街地活性化協議会に参加されて活躍できるような施策を研究し、講じていきたいと思っております。 次に、中心市街地の位置づけと方向性についての御質問でございます。 本市の中心市街地は、これまで他都市と同様にさまざまな基盤整備が行われ、本市の中心となってきた場所であり、都市の投資効率の観点からも、また経営効率の観点からも、この中心市街地をしっかり再生させることが最も効率のよいまちづくりであると思っております。 中心市街地は、日常生活における利便性が高く暮らしやすい場所であると同時に、人がおしゃれをして出かける晴れの舞台であり、そこにビジネスチャンスが見出せ、目的を持たない人もぶらりと訪れることができる市民の居場所であり、さらには史跡和歌山城、博物館、美術館がある文化と歴史の集積した地域として観光客も訪れる場所であります。 このようにさまざまな要求を満たし、新たな投資を呼び込めるなどの多様性を構築できる場所は、この地を置いて他にないわけでありまして、今後一層都市機能を集約し、居住人口と交流人口の両方の増加を促進していく都市の中心核として中心市街地を位置づけております。 こうした多様性を内包した核が存在することによって、市民や交流者にとって行動の選択肢が広がることから、市全体としての魅力や価値も向上していくものと考えています。 次に、方向性についてでありますが、城フェスタを中心市街地で行うのは、議員御指摘のようなきっかけづくりのほかに、地域資源を再発見し、それらに対する愛着を醸成し、みずからが情報を外に発信するという構造を観光交流の基礎にしたいと考えているからでもございます。 今後特に交流と居住の重要性が高まっていくと考えておりますが、今ある資源を大切にし、それを生かしながら都市機能を享受し交流客を受け入れる、そういった都市型の生活スタイルをさまざまな世代の方々が選択でき、幾つになっても生き生きと暮らせるような町にしていくことが、新しい都市核の方向性であると考えております。 観光・集客サービスや健康・福祉サービス産業の創出についてという御質問でございます。 本市におきましても、民間主体で観光・集客サービスと健康・福祉サービスを連動させた新産業創出についての動きがございます。 この取り組みは、経済産業省のサービス産業創出支援事業にも採択され、金融機関や医療機関を初めとした民間事業者による実施体制を構築し、現在、和歌浦地域を中心に事業化モデルづくりに取り組んでいると聞いております。 こうした幅広い市民の利益につながる民間の活動が活発化することは非常に喜ばしいことであると考えておりまして、本市では、起業家支援融資制度や新製品・新技術開発支援事業など各種融資制度や助成制度の充実を図り、起業の際の支援や企業の経営基盤の強化に努め、またサービス産業の一部につきましても奨励金制度による支援の適用がございますが、今後、議員御提案のサービス業も視野に入れて検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 千賀まちづくり推進室長。 〔まちづくり推進室長千賀祥一君登壇〕 ◎まちづくり推進室長(千賀祥一君) 6番片桐議員の再質問にお答えいたします。 中心市街地の活性化対策について、中心市街地での観光学科の開設を考慮した基本計画になっているのかという御質問でございます。 中心市街地での和歌山大学観光学科の開設の考慮についてですが、現在のところ、基本計画に組み入れられるかどうかの情報を収集しているところでございます。 認定における条件からいえば、今回策定する基本計画においては実効性が強く求められていますので、新たな事業として観光学科を計画に組み入れていくためには、今後立ち上がります協議会においてもう少し具体的な協議が行われるものと考えております。 したがいまして、この事業がより具体化し、明確な役割とその実施が示されましたら、計画に組み入れていきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) 6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) それでは、答弁いただきましたので、第3問をさせていただきます。 中心市街地の基本計画、それから法定協議会、そしてそれらを包括する市の方向性を定める中期計画、そして景観を重視したまちづくりなどが現在取り組むべき課題でありますが、それぞれ実施主体を決めた上で進捗を見守りたいというふうに思います。 既に青森市や富山市など中心市街地の活性化が進んでいる地域では、中心市街地基本計画、これを国に提出する準備がかなり進んでいるとも聞いております。 しかし、国では和歌山市が策定する基本計画を注目してくれておりまして、できれば一番最初に認定を受けられるだけのものに仕上げてほしいと言われているということも聞いております。 このように、和歌山市再生は全国的に注目されているため、全国で最初にこの計画を提出し、計画認定の第1号として認められるほど、まさに全国モデルになるほどの再生にかける意気込みが欲しいところであります。 いずれにしましても、近年なかった具体的な再生の動きがこの地域で見られております。この機会を逃さないように、民間の事業家と行政機関連携を深め事業化を進めてほしい、このように考えております。 この先何十年経過したとしても、このような機会に遭遇するということは余り考えられないということを関係者は強く認識してほしいものです。 「そのうち」や「ああいつでもできる」、これでは再生の機会は素通りしてしまいますので、和歌山市の中心地再生の機会は今だけだという認識のもと、計画を進めていただきたいと思います。 そこで、最後の質問であります。 中心市街地基本計画の認定を受けた場合、支援措置は大幅に拡充されます。これらの施策を有効活用してほしいと望みますが、そのためには中心市街地には集客と定住の要素を組み込むことが不可欠です。今回補正予算を組んだ暮らし・にぎわい再生事業以外に活用を図ろうとしている施策はありますか。 例えば、中心市街地共同住宅供給事業による特例措置の創設や商業基盤施設を設置する事業者に対する各種優遇措置、これに関してはいかがお考えでしょうか。 以上につきまして御答弁をお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(貴志啓一君) 千賀まちづくり推進室長。 〔まちづくり推進室長千賀祥一君登壇〕 ◎まちづくり推進室長(千賀祥一君) 6番片桐議員の再々質問にお答えします。 中心市街地の活性化対策について、暮らし・にぎわい再生事業以外に活用を図ろうとしている施策はあるかという御質問でございます。 国の諸制度の活用につきましては、暮らし・にぎわい再生事業のほかに、さまざまな支援制度が今回の法改正をきっかけに創設されているところです。 現在、これらの制度については研究・検討を重ねておりますが、本市にとってメリットのある制度であれば、本市の状況にあった適用の方法など、民間事業者においても利用がしやすく、また行政的にもメリットがある形で活用できるよう検討していきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(貴志啓一君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明9月14日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(貴志啓一君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後2時15分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。  議長  貴志啓一  議員  宇治田清治  議員  松本哲郎  議員  森田昌伸...